秋元松代の脚本と蜷川幸雄の演出により、36年前の初演から多くの観客に愛され、上演が重ねられてきた名作舞台『元禄港歌―千年の恋の森―』が、市川猿之助、宮沢りえ、高橋一生、鈴木杏、段田安則ら新たな出演者をえて、1月7日より東京・シアターコクーンにて開幕。前日の6日には報道陣に向けて公開舞台稽古が行われた。【チケット情報はこちら】物語は、活気あふれる元禄時代、播州の大店・筑前屋を舞台に、結ばれない男女や、哀しい秘密を背負った親子の姿が描かれる。筑前屋の次男・万次郎(高橋)の起こした揉みあいを、5年ぶりに江戸の出店から戻った長男・信助(段田)が居合わせ、それをいさめる。母親である筑前屋の女将・お浜(新橋耐子)は信助を出迎えるが、その態度はどこかよそよそしい。そこに現れたのが、手引きの歌春(鈴木)を先頭に、座元の糸栄(猿之助)、そして初音(宮沢)ら、年に一度この港町を訪れる瞽女の一行だ。公開舞台稽古で披露されたのは、その晩、筑前屋にて瞽女たちが三味線で「葛の葉子別れ」を弾き語る場面。千年の昔から森の奥に棲む女が白狐となって恋人に逢いに来るが、人里の男に恋をした罰として、生まれたばかりの我が子を残して森に帰らなければならないという悲しい歌だ。涙ながらに弾き語る糸栄の姿に胸に迫るものを感じ、自身の出生に疑いを持っていた信助は初音に、糸栄は子を産んだことがあるのではないかと問いただす…。今回の上演にあたり、蜷川は「秋元松代さんの作品に登場する女たちは、いつも激しく、ストイック。それはどこかで破滅や不幸とつながってゆき、近代が何を犠牲にし、何を捨ててきたのかを証明している。(今回)猿之助さんが、美空ひばりさんの歌で『元禄港歌』をやりたいと言ってくれた。猿之助さんの糸栄なら見てみたい。久々にあらたな気持ちでこの作品をやってみたいと思った」とコメント。また、猿之助は開幕にあたり「蜷川さんは客席との一体感を大切にされる演出ですから、初日が開いてみないとわからない。稽古場で7割、あとの3割はお客様と共に創る感覚。でもその7割はキッチリ100%と自信があります!糸栄という役は、白い狐が化けたような、どこか非現実的な、幻想的な存在。だから女形なのだと、女形という特異性が役の特異性に呼応しているように感じています。初春、お芝居を楽しんで頂ければ」と意気込む。宮沢も自身の役について「ひとりの女の運命だったり、思いだったり、未来だったりが、とても刺激的です。生まれながらの罪をしっかり受けとめて、それでも愛することを止まない女。自分の存在を蔑み、原罪を受け止め、でも溢れ出る想いに揺れる。その姿にものすごく色気を感じますね。今回は“惜しまない表現”を目指します!」と語った。公演は1月7日より東京・シアターコクーンにて。2日6日(土)から14日(日)まで大阪・シアターBRAVA!でも上演。ほぼ完売状態の東京公演は、チケットぴあにて立見券を発売中。
2016年01月07日初演から36年が経った伝説の名作『元禄港歌―千年の恋の森―』に、宮沢りえが挑む。『近松心中物語』で知られる秋元松代の戯曲を初演と同じく蜷川幸雄が演出するこの舞台。許されない恋を抱えた瞽女を演じる宮沢は、情感あふれるこの物語にどう命を吹き込むのか。舞台『元禄港歌 -千年の恋の森-』チケット情報物語の舞台となるのは、江戸は元禄の時代の播州の港町。秘密を背負った母子、結ばれない男女など、瞽女の一行と大店の人々をめぐる幾重にも重なった宿命が、哀しく切なく描かれる。「野田秀樹さんや唐十郎さんといった、自分がこれまでやってきた舞台とはまったく異なる世界観の作品。女の情念みたいなものをそのままさらけ出すような、演じたことのない役でもあるので。蜷川さんがまた私にハードルを与えてくださったなと受け止めています」。演じる瞽女の初音は、これまでに太地喜和子や富司純子が演じてきた役。盲目の女芸人として生きる純粋な覚悟や女性としての激しさ、さまざまな情感を体現することを求められる。「目が見えない人間には何が見えるのか。目に映らないものが心にどう映るのか。そういう探求がこれから待っているかと思うとすごく楽しみなんです。深く考えれば考えるほど見えてくるものがあると思うから、その思索を大事にしたいですね」。瞽女一行をまとめる母のような存在を市川猿之助が演じるが、女方の共演はかつて坂東玉三郎と経験している。「女方の表現とどう交われるのかっていうのは、今度も緊張しますけど、だからこそ楽しみです。学ばせていただくこともきっといっぱいあるだろうなと思いますし、私も私なりにお返しできるような表現ができたらいいなと思いますし。ただ、お芝居というのは肉体ではなく魂の問題だと思うから。男性の猿之助さんも女性の私も同じところにいるんじゃないかなと思っています」。まさしくその魂が自由な人なのだろう。「お芝居のなかでは、誰を愛しても殺してもいい(笑)。不思議な仕事だなと思うけど、そういう意味では、お芝居をしているときがいちばん、身も心も自由になれて、深く呼吸ができる気がします」。今の時代にはない人間の関係や感情が描かれるこの舞台でもきっと、自在にあふれるものを見せてくれるはずだ。「今この作品をやる意味、私が参加させてもらう意味というのがあると思うので、それをちゃんと自覚しながら、この時代の人たちの思いを伝えることに試行錯誤したいです」。伝説の舞台は、心震わせるものをもたらしそうだ。公演は2016年1月7日(木)より東京・シアターコクーン、2月6日(土)より大阪・シアターBRAVA!にて上演。現在、ほぼ完売状態の東京公演は、チケットぴあにて立見券を発売中。取材・文:大内弓子
2015年12月11日今年放送16年目を迎えた国民的アニメ「ワンピース」史上初の冬スペシャルとして注目される「ワンピース~アドベンチャー オブ ネブランディア~」のゲスト声優が決定!「スーパー歌舞伎II『ワンピース』」が大好評の歌舞伎役者・市川猿之助と、俳優・木下ほうか、そして「TEAM NACS」メンバー・音尾琢真という実力派の3名が声優に初挑戦することが分かった。海賊を舞台にした壮大な世界観と個性的かつ魅力的なキャラクター、そして白熱のバトルと仲間との絆を描いたストーリーとして国民的人気を博すアニメ「ワンピース」。今回の冬スペシャルは、新世界にある“悪魔の実”の能力を封じる“能力者封じの島”と言われる霧の島を舞台に、原作でも描かれていない、アニメでしか見ることの出来ない完全オリジナルのエピソードが展開される。3人が演じるのは、かつて主人公モンキー・D・ルフィ(以下ルフィ)と戦って大敗し、リベンジに燃えて再登場する海賊・フォクシーの手下として新たに加わったコーメイ、カンショウ、ドウジャクだ。今年大きな話題となった「スーパー歌舞伎II『ワンピース』」東京公演を成功させ、2016年3月には大阪公演を控えている市川さんが演じるのは、ルフィとフォクシーのデービーバックファイト(仲間を奪い合うゲーム)を裏で操る“天才策略家”・コーメイ。武芸の実力も相当なもので、「○○○○の計」と自ら名付けた作戦で知略を巡らせることを好む。そんな役どころについて市川さんは「コーメイは諸葛亮をイメージして歌舞伎の悪役っぽく演じてみました。善対悪ではなく、コーメイにも正義の理由があります。それに立ち向かうルフィの運命やいかに!?」と期待を煽るコメントを寄せた。木下さんは、新たにフォクシー海賊団に仲間入りした情に厚い陽気なキャラクター、銃の使い手で、同じ狙撃の名手であるウソップへの尊敬する気持ちを執拗にアピールするカンショウを演じる。人気番組「痛快TVスカッとジャパン」の“イヤミ課長”として今年大ブレイクした木下さんも、声優初挑戦ということで「全てにおいて自身の間ではなかったので難しかったです。監督からは“もっとデフォルメするように”と言われました。どれだけ貢献できたかは分かりませんが、温かい目でお楽しみください」と収録の感想を謙虚に述べた。「TEAM NACS」の一員としてドラマ・映画・舞台とマルチに活躍している売れっ子俳優・音尾さんは、超ヤリ手の技師・ドウジャクを演じる。大きな体で、結構な自信家でもあり、口癖は「ホラ、俺天才だから」という役柄だが、「なるべく太い声が出るように頑張りました。地声はヘナチョコなので、ちょっと無理したら喉が痛かったです。特徴的な高らかな笑い声に不安がありましたが、監督がOKをくれたので内心ヒヤヒヤしていました。ヒヤヒヤの実です」と話し、「信じられないことに私が、あの、ワンピースの一部分となる事ができました。海賊たちは今回も最高にかっこいいので、楽しみにしていて下さい」と喜びを語った。また、コーメイが自分の作戦を立て「名付けて、○○○○の計」と画面全体に大きく出る筆文字“作戦名題字”を手掛けているのは、沖縄出身の人気バンド「MONGOL800」のドラムス&コーラス担当の高里悟。そして、今回の冬スペシャルでは、麦わらの一味のオリジナル衣装を原作者の尾田栄一郎が描き下ろしているのも大きな見所のひとつだ。アニメのデザインを元に尾田氏が自らブラッシュアップさせた新キャラクターたちが、豪華俳優陣に命を吹き込まれ、麦わらの一味の前にどう立ちふさがるのか。放送を楽しみに待ちたい。土曜プレミアム「ワンピース~アドベンチャー オブ ネブランディア~」は12月19日(土)21時~フジテレビ系にて放送。(text:cinemacafe.net)
2015年12月07日コミックの累計発行部数は3億2000万部を記録し、国内のみならず、海外においても人気のメガヒット漫画『ONE PIECE』が歌舞伎化!演劇界に留まらない注目を集めている、スーパー歌舞伎Ⅱ(セカンド)『ワンピース』が7日夜、東京・新橋演舞場でついに幕を開けた。前日夕方には、主役ルフィ役(ほかにハンコック、シャンクスの3役)を務める座頭で、演出(横内謙介との共同演出)も手掛ける市川猿之助の囲み取材、続けてゲネプロが行われた。スーパー歌舞伎II『ワンピース』チケット情報囲み取材で本作におけるこだわりを問われた猿之助は、「アニメや漫画をそのままやらないということ」とキッパリ。「なぜ歌舞伎でやるかということで、換骨奪胎をしてやらせていただきました。アニメ版の声優の方々にも『自分たちと同じようにはむしろやってほしくない。違うものが観たい』と言っていただき、それに勇気を得て新しいものを作りました。賛否両論あると思いますが、賛否両論あってこそ本物」と、新たな世界を切り拓く者としての覚悟のコメントを寄せた。苦労した点を問われると、「全てが苦労ですよ」と苦笑い。「スーパー歌舞伎のあらゆる手法を取り入れて、今やれるだけのことを全部やってしまった」という猿之助の言葉は、続いて行われたゲネプロで、真実であることが証明された。“スーパー歌舞伎”の代名詞・宙乗りはもちろんのこと、滝(本水)の中での大立廻り、巨大クジラ(!)の登場、フライング、プロジェクションマッピングなどの最新技術を用いた映像……。各キャラクターの必殺技も、歌舞伎的なアナログさと斬新なアイデアの融合で、様々に表現される。従来の歌舞伎の概念を覆すようなセット、衣裳、演出も多数。例えばサーフボードに乗った猿之助ルフィが3階席にも届くダイナミックな宙乗りをする二幕ラストでは、ゆずの北川悠仁が書き下ろした主題歌「TETOTE」が流れ、客席を巻き込んでの大合唱という、音楽ライブさながらの光景が繰り広げられた。そうした革新の一方、4時間50分の大作を見終えて最も感じたことは、歌舞伎ならではのカッコよさ!“麦わらの一味”が行う七五調の名乗り、アッと驚く早変わり、花道を颯爽と駆け抜ける様、ビシッとキメる見得。「これぞ歌舞伎!」な表現のワクワク感が、全編通して響き渡る柝の音とともに記憶に焼きついている。衝撃的に斬新だが、歌舞伎から逸脱していない。『ONE PIECE』という誰をも魅了する冒険心にあふれた原作が、歌舞伎に新たな可能性を示した。公演は11月25日(水)まで東京・新橋演舞場にて。取材・文/武田吏都
2015年10月09日昨年スマッシュヒットを記録した映画『超高速!参勤交代』の続編タイトルが『超高速! 参勤交代 リターンズ』(2016年公開)に決定し、佐々木蔵之介、深田恭子をはじめ、前作の主要キャストが再集結することが、このほど発表された。本シリーズは、第37回城戸賞を受けた土橋章宏氏の同名脚本を映画化した、歴史エンターテインメント作品。時代劇ながら中高年をはじめ、親子連れ、カップルなど幅広い年齢層の心をつかみ、公開3週で累計興行収入10億円を突破。第57回ブルーリボン賞の作品賞に輝いた。前作では、金山略奪を狙う老中・松平信祝(陣内孝則)によって無理難題を命じられた弱小貧乏藩の湯長谷藩(現:福島県いわき市)が、金も時間も人手もない中、藩主の内藤政醇(佐々木蔵之介)を筆頭に6人で知恵を絞って"参勤"を実現。続編は、行きの"参勤"で金も体力も使い果たした政醇らが帰りの"交代"を始めるも、信祝のある企みを聞きつけ、どうにかピンチを乗り越えていく様を描く。佐々木、深田をはじめ、伊原剛志、市川猿之助、陣内孝則、西村雅彦らが再演する。本作では、前作でかなわなかった、いわき市でのご当地ロケが実現した。本木克英監督の念願であったいわきロケは、清水敏男市長や地元の青年団らも参加。拍手とともに地元市民に熱烈な歓迎を受け、佐々木や深田も感慨深げだった。また本作の代名詞と言える"走り"のシーンは、同市の小浜海水浴場で撮影。クライマックスシーンでは、村人に扮した衣装に身を包んだ総勢150人の地元エキストラも参加し、当地の伝統芸能"じゃんがら念仏踊り"も披露する。この踊りの場面では、政醇や深田演じる姫のお咲が、その様子を眺めながら踊りに加わっていくシーンもあるほか、清水市長も、いわき弁のセリフがある湯長谷の村長役を演じる。佐々木は続編決定時の心境を、「行って帰るのが参勤交代で、帰り(交代)があるのを知らなかった」と告白。「やるの? またやるの? どうせまた走るんでしょ」と笑いながら話し合っていたという。結果的に前作の倍以上、走ることになったことから「前より過酷です」と苦笑しながらも、「前作の仲間たちと出会うことができて、今はとても幸せです」と喜びを見せた。深田も「また皆さまにお会いできることを楽しみにしておりました」と口をそろえる。念願のいわきロケについて、佐々木は「青年団やボランティアの皆さまの踊りを実際に間近で見て、輪に入って、その世界、その時代、その時に連れて行ってもらったような気持ちになりまして、とても力をもらいました」と高揚した様子。さらに、今回の台本で面白いと感じた点については、「前作のイメージもあり、すごく情景が浮かび、それぞれの個性がとてもよく出てくる」と評し「現場の熱は前回よりも断然熱く、作り上がるペースも非常に速い」と現在進行中の製作の裏側も明かす。「特急ひたちで来ましたが、車内販売のおばちゃんがすでになまってまして(笑)、あー来たなあ、交代しにきたなあという実感がありました」という佐々木。「どんなピンチであっても良い感じに温かみがあるのがいわき弁ですね」と早速、当地の空気を味わったようだ。深田も「福島でのロケが実現できたことや、いわき市長さんや皆さんが参加してくださってとてもうれしく思います」と感謝しながら「福島の魅力を全国の皆さんに伝えていけたら」との思いを口にした。本木監督も、「なんといっても福島県でロケができたことがうれしいです」と感激。「前作も福島の多くの皆さまにご覧いただけたので、その期待を超えるような作品にしたいと思っております」と意気込み、「方言もよりパワフルに、リアリティを増していきたい」と語っている。(C)2016「超高速!参勤交代 リターンズ」製作委員会
2015年09月30日10月7日(水)より東京・新橋演舞場にて上演される「スーパー歌舞伎II(セカンド)『ワンピース』」。同作にゆずの北川悠仁が書き下ろし主題歌を提供する事が決定した。【チケット情報はこちら】北川は同公演の主演を務める市川猿之助とかねてから親交があり、今年の夏、猿之助から同作の主題歌オファーを北川に直談判。北川がこれを快諾し、今回のコラボが実現した。猿之助は「尊敬する親友である北川悠仁さんと、何か一緒にできないかと、常々、話しておりました。そこで、今回のスーパー歌舞伎Ⅱ「ワンピース」の主題歌を、是非にとお願いしたところ、快くお受け頂きました。悠仁さんの創り出す世界は、必ずやスーパー歌舞伎Ⅱ「ワンピース」の壮大な世界をさらに広げて頂けるものと確信しております。僕たちの友情が一体となったスーパー歌舞伎Ⅱ『ワンピース』をご堪能して頂ければ幸いです」とコメント。また北川は「以前から猿之助さんの歌舞伎を観させてもらっていて、古くから脈々と受け継がれている伝統芸能の素晴らしさ、そして猿之助さんの表現力に魅了されてきました。また、より多くの人たちに歌舞伎を伝えようとしている「スーパー歌舞伎」のスタイルに、とても共感しています。今回お声をかけていただき、共演が実現したことがすごく嬉しく、光栄に思います。僕が日々制作している現代の音楽と歌舞伎の新しいコラボレーションを、ぜひ楽しみにしていてください」と意気込みを寄せている。「スーパー歌舞伎II(セカンド)『ワンピース』」は10月7日(水)から11月25日(水)まで、東京・新橋演舞場で上演。10月公演のチケットは発売中。
2015年08月28日天海祐希がフジテレビのスペシャルドラマで、連城三紀彦の同名小説を原作とした「私という名の変奏曲」に主演し、殺人事件の被害者にして多くの人々に人生を誤らせる特異なヒロインを演じることが明らかに!7月下旬に撮影の合間を縫って会見が行われた。幅広いジャンルの作品を発表し続ける連城三紀彦の作品の中でもひときわ人気の高い傑作ミステリーを実写化。天海さんは「東洋の小さな真珠」と称えられる世界的なトップモデルの美織レイ子を演じている。彼女はパリに旅立つ前夜、自室で何者かに毒殺され、死体で発見されるのだが、なぜか6人の容疑者がそれぞれ「自分こそが犯人だ」と自供するという異常な事態に!彼らは一様にレイ子に弱みを握られ、脅迫されていたという事実も明らかになっていくのだが…。6人の“容疑者”として、医師でレイ子に一方的に婚約を破棄された笹原を段田安則、レイ子を見出したカメラマンを生瀬勝久、ライバルのモデルを緒川たまき、レイ子をパリコレに進出させたデザイナーを夏木マリ、彼女を歌手デビューさせる大物音楽プロデューサーを若村麻由美、1億円でレイ子と契約した繊維メーカーの社長を遠藤憲一が演じている。このほか、笹原の部下で、レイ子の過去を調べる内科医・浜野を市川猿之助、さらに死体の第一発見者の家政婦にキムラ緑子、事件の真相を追う刑事に玉山鉄二が扮しており、まさに誰が犯人で、どのような秘密を抱えていてもおかしくない超豪華共演陣が顔を揃えている。脚本を読んで当初「役柄的に私に合わないんじゃないか?」と思ったという天海さんだが「年齢的にもサバ読んでますが(笑)、役柄だからこそ楽しんでやればいいかと。(自身と)かけ離れているからこそ、面白いなと思いました」と語る。レイ子というヒロインを「“悪女”とは考えていない」とも。「闇なのか?それとも生きる望みなのか?抱えているものは大きく、複雑ですが、面白く気持ちのいい試練を毎日経験しております」と撮影を楽しんでいるよう。ちなみに、この取材の直前まで天海さんは“死体”として撮影に臨んでいたそう。代役を立てずに死体のシーンも自ら志願したのはある理由が…。レイ子の死後、事件の捜査をする刑事役の玉山さんとは当然だが直接会話を交わすシーンはない。それゆえ「死体だけでもやらせてもらいました。だから朝から具合の悪そうな顔色をしてるんです(笑)」と玉山さんと同じシーンに出演するためだと説明した。ちなみに、過去の回想シーンでレイ子は容疑者となる人々とじっくりと対峙しており、事件発覚後は玉山さんが刑事としてそれぞれの容疑者と向き合っている。一方で容疑者同士は共演シーンはなく、先述のように天海さんと玉山さんの直接の共演(会話)シーンもなく、この豪華俳優陣が基本的に1対1で芝居合戦を繰り広げるという、珍しい構成となっている。天海さんは改めて本作への参加について「魅力的な脚本があり、ダークで魅力的な女性の役をいただき、自分が試される日々を送っています。しかも、ひとりひとりが魅力的な共演陣と、こうやって人間の怒りや欲望がぶつかり合う芝居をできる機会はめったにないこと。やりがいを感じています」と嬉しそうな笑みを浮かべていた。金曜プレミアムスペシャルドラマ「私という名の変奏曲」は10月2日(金)21時~フジテレビにて放送。(text:cinemacafe.net)
2015年08月13日「子供歌舞伎フェイスパック」発売記念イベントが、5日(水)、渋谷区文化総合センター大和田伝承ホールで開催され、歌舞伎役者の市川染五郎が特別ゲストで登場した。市川さんは、デザインフェイスパックシリーズの第一弾商品として、「歌舞伎フェイスパック」を考案。国内外問わず根強い人気を集め、これまでシリーズ累計約110万個を売り上げている。「歌舞伎フェイスパックをしていると、子どもも必ずやりたがる。子どもも使えるフェイスパックがあれば欲しい!」というユーザーからの声を受け、第13弾・第14弾の商品として、子供用サイズに改良した世界初の子供用フェイスパック「歌舞伎フェイスパック」と「動物フェイスパック」の2種が7日(金)より同時発売されることとなった。「小さな頃から歌舞伎ごっこが好きだった」という市川さん。子ども用サイズを見て「隈取りは本来格好よかったり、迫力があったりするものですが、子ども用サイズになるだけで可愛らしくなって嬉しいです。これをつけて歌舞伎ごっこをして欲しい」と満足げな顔を見せていた。また、同ホールで7日から9日(日)まで開催される「カブキ踊り『渋谷金王丸伝説』」に市川さんと共に出演をしている、寺子屋の子どもたちがフェイスパックをつけて登場。「可愛らしい!今からパックをしていたら、どれだけ美男美女になるんだろうね!」と市川さんも興味深々な様子だった。司会者から、子どもたち全員と見得のポーズをリクエストされると、「ちょっとリハーサルしてもいいですか」と市川さんが子どもたちに稽古をつける姿も。手の高さまで細かく指導し、見事に見得を決めた。「今日帰ったら、子どもにこのフェイスパックをつけようと思います」と笑顔で話した。「子供 歌舞伎フェイスパック」「子供 動物フェイスパック」は8月7日(金)より同時発売。(text:cinemacafe.net)
2015年08月05日世界で一番売れているマンガ『ONE PIECE』が歌舞伎になる。7月28日、スーパー歌舞伎II『ワンピース』の製作発表記者会見が行われ、主役ルフィを演じるとともに演出も手がける市川猿之助らが登壇した。スーパー歌舞伎II『ワンピース』チケット情報海賊になった少年モンキー・D・ルフィを主人公に、幾多の海賊たちが「ひとつなぎの大秘宝(ワンピース)」をめぐり覇権をかけて争う大冒険ロマン『ONE PIECE』。累計発行部数が世界最高となる3億2000万部を突破している、日本が誇る大ヒットマンガだ。一方、“スーパー歌舞伎”は三代目猿之助(現猿翁)がはじめたスペクタクルな演出が特徴の歌舞伎。当代猿之助はその精神を継承し、現代演劇界を代表する才能たちとのコラボで“スーパー歌舞伎II”を新たに創造している。そんな日本を代表するふたつの文化がこのたび融合する。その猿之助は「実は原作は1巻目の10ページまでしか読んでいない」と衝撃の告白。その理由は「本当に好きな者が作ると、こだわってオタク的になってしまう。素人的な疑問を大事にしようとあえて触れないようにしています」とのこと。ただ「この話をいただいた時に、色々な人が「俺、この役をやりたい」と言ってきた。それだけ愛されている作品なんだとわかりました」と、人気のほどは感じているようだ。演じるルフィに関しては、ゴム人間ということで「手は伸ばさなきゃいけないの? 困ったねぇ。ゴムの表現なんて歌舞伎にないからね(笑)。ルフィは水が苦手なんでしょ。僕も水が苦手。泳げないから、そこは非常に親近感あります(笑)」とのこと。また一人三役でほかにハンコック、シャンクスも演じるが「早替わりができて、しかも僕は女形が主ですから、そういう特性が活かせないかということでこうなりました。(人気キャラクターばかりで)知らないゆえの度胸ですよね」と話していた。脚本・演出を手がける横内謙介は「これだけ世界的に愛されている巨大な物語。たとえこの船が難破しようとも(笑)、逃げずに王道をいきたい。ストーリーはほぼ原作どおりやろうと相談しています。(歌舞伎ファンで)『ワンピース』に初めて触れる方も多いと思いますが、その方たちにも理解していただけるようにしたい」と意気込み。長大な物語の中<頂上戦争編>が上演されるが、その理由については「『麦わらの一味の勢揃い』はあった方がいいと思った。“勢揃い”という言葉自体、歌舞伎っぽい」(横内)、「歌舞伎は長い物語のなかのひと場面だけをクローズアップして上演するというのを昔からやってきている。歌舞伎というのは『ワンピース』を上演するのに一番相応しい演劇形態なんじゃないか。うまくいけば今後、『スターウォーズ』のように物語をどんどん遡っていくようなことも出きるかも」(猿之助)とそれぞれ語っていた。ほか、白ひげに市川右近、エースに福士誠治などがキャスティング。公演は10月7日(水)から11月25日(水)まで、東京・新橋演舞場にて。チケットは10月公演分が8月20日(木)に、11月公演分が9月20日(日)に一般発売を開始する。
2015年07月29日昨年のスーパー歌舞伎への出演に続き、今は舞台で一人20役に挑戦している佐々木蔵之介さん。時に飄々と、また時には力強く相手を牽引するかのような、しなやかなその魅力から目が離せない。タレントでエッセイストの小島慶子さんも「中年男性の平凡な、でも時々ハッとするほどセクシーな存在感がある」と語る、佐々木さんの魅力に急接近すべく、現在公演中の舞台『マクベス』の公演直前、稽古場にお邪魔。すると、心地よい疲労感と達成感に包まれた佐々木さんがそこに居た。「20役は、しんどいですよ。稽古中はわりと孤独だったし、一人で台詞を言っても相手がいないと返ってこない、何もない状態というか。でも、本格的な稽古に入ると音響が入ったり、スコットランドから1か月半かけて舞台セットが船便で運ばれてきたり、演出家の笑顔があったり。そういうものすべてが大きな力になっています」実は今回、稽古に入る前に佐々木さんは自らスタジオを借り、いわゆる“自主練”をしていたそう。「普段、他の舞台ではまったくしないんですが、今回に限っては稽古前に少しでも台詞を入れておきたかったんです。公民館の施設を1時間1500円か2000円くらいで借りて、転々としていましたね。いっぺん、キッチンスタジオみたいな場所しか空いていない時があって、そこで稽古したこともありました。さすがに『何やっとんねん!』と自分でも思いましたけど(笑)。でも、学生の時はそうやって小さな稽古場を借りて練習したりもしていたので、久しぶりに初心に帰るような新鮮な体験ができました」佐々木さんといえば、実家は京都の造り酒屋。学生時代「家業を継ぐのに人前に出ることに慣れるため」劇団に入ったのが、俳優をはじめたきっかけという。自らの芝居のルーツが演劇にあるからこそ、舞台には人一倍の想いがある。「ドラマや映画と違って、舞台は稽古からはじめて約3か月半、毎日ずっと同じ芝居と向き合わないといけないから、持久力が必要になってきます。特に歌舞伎なんかはそうですよ。去年スーパー歌舞伎に出演させてもらった時に亀ちゃん(市川猿之助)が、『兄さん、山に登るんじゃなくて、下山するまでが公演ですよ』って。だから、今日どんなに頑張ったからといって、明日できない演技では仕方がない。そうやって最後まで一つの作品と向き合うことが、今の僕の使命だと思っています」◇ささき・くらのすけ1968年2 月4 日生まれ。京都府出身。舞台『マクベス』はパルコ劇場にて上演中。オフィシャルフォトブック『動く森―スコットランド『マクベス』紀行―』発売中。ベスト¥48,000シャツ¥39,000パンツ¥43,000(以上フランク リーダー/マッハ55リミテッドTEL:03・5413・5530)※『anan』2015年7月29日号より。写真・野呂知功(TRIVAL)スタイリスト・勝見宜人(Koa Hole inc.)ヘア&メイク・西岡達也(vitamins)文・瀬尾麻美
2015年07月22日シリーズ6まで長きに渡って主演を務めた『ハンチョウ』など、数々の映画やドラマに代表作を持つ佐々木蔵之介さん。次回作は、シェイクスピアの4大悲劇のひとつ『マクベス』。なんとこの舞台では、登場人物を全部ひとりで演じることになるんだとか。上演を前に、挑戦を続ける佐々木さんに今の心境を伺いました。――これまでにも、市川猿之助さんからオファーされてスーパー歌舞伎に出演されるなど、大きな挑戦はあったと思いますが、今回は何が違いますか?やっぱりひとりってことかな。でも、稽古もほぼひとりやから、ありがたいことに稽古のスタート時間を、スタッフの方が僕に聞いてくれるんですよ。「明るい時間に終わりたいから12時からでどうかなぁ。でも、そうなると皆、11 時から動かなアカンから大変やし…13時からだと遅いから、じゃあ12時半で!」って。――結局、周りのスタッフに気を使ってしまうわけですね。ははは(笑)。開始時間だけじゃなく、ここはもう一回やっておきたいとか、とりあえず次のシーンに進んどこうとか、進行具合も聞いてもらえるので、それはいい環境かなとは思います。――以前にも『マクベス』をやられていますが、この作品自体の面白さはどこに感じています?マクベスって後ろ向きな奴なんですよ。暴君とか言われてるけど、ただの悪もんじゃない。だいたい、魔女に出会って「あんた、ちょこっといいことありますよ」って言われると、すぐ「そうなん?」ってその気になる。で、その話を聞いた嫁に「あんたならできる」って背中を押されるんやけど、一回は「でも、怖いんやけど」って返すわけ。でも、「男でしょ」って言われて王を殺した途端に、「やっちゃったよー。もう寝られへーん」って…。完全にダメな奴でしょ。でも、そういう奴が殺人を犯してしまうところが面白い。――佐々木さんの関西弁の『マクベス』はコメディのようです。そうやなぁ。笑ってもらえたらええんやけどなぁ。俺も「コイツ、アホやなぁ」って思いながらセリフを言ってますから。――では、20役をひとりで演じる面白さはどこに感じていますか?20役とは言ってますけど、病院に入れられた患者が『マクベス』を語りだすという流れになっているので、実際にはひとりの人なんです。だから大きく演じ分ける必要はないのかもしれないとも思っています。あと、男の僕がマクベス夫人も演じるところじゃないですか。「私だってお乳を飲ませた」なんて普通言わないからね。それからいま考えてるのは、主演男優賞がマクベスで、主演女優賞がマクベス夫人やとしたら、冒頭のほうで出てくるダンカン王やロスには、助演男優賞をあげたいなってこと。出番は少ないけれどオイシイ役やったなーっていうポジションを2人には与えてあげたいなと。――他の作品の時にも、そうやって周りとのバランスを見ながら自分のポジションを決めて演じられるんでしょうか。ありますあります。どの位置に自分が入るのが一番いいのかは、考えますね。女優さんがいたら、この辺のポジションだと彼女が引き立つんかな、とか思ったり。――逆に、ご自身が主演の作品の場合はどうですか?そういう時も、いったん役を作ってから周りを見て調整します。――主演を務められる方のなかには、強烈な個性を押し出す方もいらっしゃいますが、そういう方向は考えたりしないんですか。僕が濃いキャラクターだったら、そういうやり方もあったのかもしれません。でも言ってみたら、自分にそんなに特徴があるわけではないんでね。じゃあ、なぜ役者をやっているのかといったら、自分に自信がないからなんですよ。役があるから、そこに立っていられるというか、演じているほうが楽というか…。――『マクベス』についてもすごく研究されていらっしゃいますし、役者としても数々の主演作があります。自信がないなんて…と思ってしまうのですが、謙遜されているわけじゃないんですよね。いやいや正直ですよ(笑)。――ここまでのキャリアや、主演のオファーが途切れない現状が自信には繋がらないのでしょうか。確かに経験や技術がある程度補ってくれても、逆に若い時のパワーはなくなっているわけです。たぶんこの自信のなさは、永遠に消えることはないと思います。例えばこういう取材でも、ちゃんと答えられなくて申し訳ないと思うし。――そんな!ちゃんと答えていただいています。こういうところでかっこよく答えられる人を知ってるんで、そう思っちゃうのかもしれないです。誰かと比べるという意味ではなく、自分ができていないということは、わかっちゃうんですよね。◇ささき・くらのすけ1968年、京都府生まれ。劇団・惑星ピスタチオを経て、映像にも活動の範囲を広げる。’00年の朝ドラ『オードリー』で注目され、以降、話題作に次々と出演。’09年スタートのドラマ『ハンチョウ』はシリーズ6まで続く人気作に。主演映画『夫婦フーフー日記』公開中。◇佐々木さんが20役を演じる舞台『マクベス』は7月12日~8月2日で、渋谷・パルコ劇場にて上演。’12年にスコットランドで初演された舞台と同じ演出での上演に。以降、豊橋、大阪、横浜、北九州でも公演あり。パルコ劇場 TEL:03・3477・58587月11日にはフォトブック『動く森-スコットランド「マクベス」紀行-』が発売に。※『anan』2015年7月15日号より。写真・中島慶子スタイリスト・勝見宜人(Koa Hole)ヘア&メイク・西岡達也(vitamins)インタビュー、文・望月リサ
2015年07月09日永作博美とW主演した『夫婦フーフー日記』が現在公開中、夏には舞台「マクベス」を控える佐々木蔵之介が、47歳にして初となるフォトブック『動く森-スコットランド「マクベス」紀行-』を発売することが分かった。今回発売されるフォトブックは、今夏に行われるシェイクスピア4大悲劇の1つ「マクベス」をほぼ1人で演じきる佐々木さんが、作品に全存在を賭けるべく、物語の舞台となるスコットランドを訪れたもの。この「マクベス」(National Theatre of Scotland版「MACBETH」)は、実力派俳優アラン・カミングが演じた本家の演出家アンドリュー・ゴールドバーグを迎えて贈る、佐々木さん自身にとっても大きな挑戦となる革新作。美しい写真と散文とで構成されたフォトブックは、作品中に登場する古城や森をめぐり、その景色の中で想いを募らせた佐々木さんの姿が余すことなく撮り下ろされている。現地を訪れる中で、佐々木さんの心中に去来したものとは…。巻末には市川猿之助との「演劇談義」も収録。ケイファクトリーオンラインショップでは先行予約を受付中で、7月10日(土)までに同ショップで予約すると、もれなく「動く森オリジナル映像(DVD)」の特典が付く。『動く森―スコットランド「マクベス」紀行―』は7月11日(日)に発売。(text:cinemacafe.net)
2015年06月03日7月5日(日)より東京・新橋演舞場で上演される『新橋演舞場七月歌舞伎「阿弖流為」』。同作の制作発表が5月8日に行なわれ、市川染五郎、中村勘九郎、中村七之助が出席した。【チケット情報はこちら】同作は、2002年に市川染五郎が劇団☆新感線とタッグを組み上演した舞台『アテルイ』を歌舞伎化するもの。8世紀の日本、現在の東北地方にあたる蝦夷(えみし)の指導者、阿弖流為(あてるい)と、その蝦夷討伐に向かう征夷大将軍・坂上田村麻呂を中心に描いた物語。作を中島かずき、演出をいのうえひでのりが務める。初演と同じく阿弖流為役を演じる市川染五郎は「“歌舞伎NEXT”と銘打った今作、新しい演劇が誕生すると思っています。新しい演劇と言いましたが、決してやったことがないことをやるのではなく、歌舞伎400年以上の歴史を全て紐解いて、立ち回りや、テクニックなども掘り起こして料理したい。キーワードは“交ぜる”。新しいものと歌舞伎の手法、あらゆるものを交ぜ合わせた時の化学反応が起こることを目指していこうと思っております」とコメント。坂上田村麻呂役を務める中村勘九郎は「ずっと劇団☆新感線の舞台に出たかったので、こうして歌舞伎バージョンで参加できて本当に嬉しいです。初演も拝見したのですが、その時の染五郎お兄さんが本当に震えるほどにカッコよかった。阿弖流為と最終的には敵対する役なので、染五郎お兄さんと日々戦えることを誇りに、一生懸命務め上げたい」と意気込んだ。謎に満ちた蝦夷の女・立烏帽子役務める中村七之助は「兄は嬉しいと言っていましたが、僕は怖さでいっぱいです。というのも、僕もずっと新感線の舞台は見ていまして、もちろん初演も拝見しているのですが『こんなすごい人たちの中でよく芝居ができるな』って、染五郎お兄さんを尊敬していました。その舞台がこうして歌舞伎になって、自分が演じる・・・どうしようかなって思ってます(笑)。とにかくお客様に“歌舞伎化しないほうが良かった”と言われないように頑張りたい」と語った。演出のいのうえは歌舞伎化にあたっての見所のひとつに「阿弖流為と坂上田村麻呂が劇場の両花道で見得を切るシーン」と明かし「初演をご覧になった先代の市川猿之助さんに“ギャグを抜けばそのまま歌舞伎になるよ”とおっしゃっていただいたのが今でも心強い言葉として残っています」と話した。市川染五郎は「根拠はないですが、凄いものになると確信しています。13年前の自分より若く、もっと格好いいと今から想像しています。動員記録を作るつもりで、ハードルは高く置いてやります」と自信をのぞかせた。『新橋演舞場七月歌舞伎「阿弖流為」』は7月5日(日)から27日(月)まで、東京・新橋演舞場で上演。チケットぴあでは、一般発売に先がけていち早プレリザーブを5月14日(木)午前11時まで、プレリザーブを5月18日(月)午前11時まで受付中。
2015年05月12日ユニクロは松竹と協業し、日本を代表する伝統芸能である「歌舞伎」を、服を通じて現代のポップカルチャーとして世界に発信する「松竹歌舞伎×ユニクロ プロジェクト」を始動。20日より順次世界に向けて展開する。○市川猿之助が監修同コレクションは、日本の伝統文化を、本物のジャパンポップカルチャーとして体現するため、ユニクロのUTクリエイティブディレクターであるNIGO氏が最適なデザイン、ボディ、素材を考え、歌舞伎の殿堂・歌舞伎座を運営する松竹と市川猿之助氏監修のもと商品を完成させた。多彩な演目から生まれたユニークな衣裳デザイン、歌舞伎独特の化粧法である隈取に加えて、プロジェクトアンバサダーである猿之助氏の屋号「澤瀉屋(おもだかや)」(※瀉のつくりは「わかんむり」)にまつわる紋や文様など、歌舞伎のアイコニックなモチーフをベースに、UTやSTETECO&RELACO、バンダナ、ストール、トートバックまで、全9種64型を展開する。中心となるTシャツコレクションでは、本物の衣裳を着る時のような感覚で身に付けてほしいという思いから、歌舞伎の代表的な演目で用いられている衣裳、独特の化粧法である隈取(くまどり)など一つ一つのモチーフや柄を、それぞれに込められた意味や特徴を忠実に再現し、色、素材、ディテールまで表現した。たとえば、歌舞伎の演目「お祭り(おまつり)」で使われる衣裳を元にしたTシャツでは、猿之助氏を表す紋である「三つ猿」をモチーフに使用。実際の衣裳と同じ「首抜き」と言われるデザインで、「三つ猿」の紋の中心をあえて少しずらして施すことで、粋なデザインに仕上げている。「黒塚(くろづか)」のTシャツでは、猿之助氏がみずからの汗と共に布に写しとった隈取をそのまま再現。写し取られた化粧を原寸で使用し、隈取の躍動感やかすれを忠実に表現する為、4色の異なる色を少しずつ重ねる事で、絶妙なかすれ具合を実現させたという。その他、「車引(くるまびき)」「身替座禅(みがわりざぜん)」「茨木(いばらき)」「天竺徳兵衛新噺(てんじくとくべえいまようばなし)」など歌舞伎の演目に登場する衣裳、文様などを元にした商品も展開する。同コレクションの発売を記念し、26日、ユニクロ銀座店オープン時(開店時間11時)に猿之助氏が登場。当日並んだ人先着100名に、猿之助氏の隈取を施したオリジナルの手ぬぐいをプレゼントする。さらに、全国のユニクロ店舗、およびオンラインストアにて、同商品を含め5,000円以上(税別)購入者に、先着でオリジナル扇子をプレゼントする。商品ラインナップは、「メンズTシャツ(16色15柄)」「ウィメンズTシャツ(10色9柄)」「ウィメンズチュニック(4色4柄)」が各1,500円、「ステテコ(6色6柄)」「リラコ(6色6柄)」が各1,290円、「ミニバック(4色4柄)」が990円、「トートバック(4色4柄)」が1,500円、「ストール(5色5柄)」が1,500円、「バンダナ(8色8柄)」が500円。※価格はすべて税別価格
2015年03月14日3月6日、藤山直美主演の舞台『スーパー喜劇「かぐや姫」』が東京・新橋演舞場で幕を開けた。【チケット情報はこちら】「スーパー喜劇」とは三代目市川猿之助(現猿翁)による「スーパー歌舞伎」と、藤山直美が演じる喜劇が合体したもので、2005年に第1弾として『狸御殿』を上演。今回、10年ぶりに第2弾が上演される。太陽の王と月の女王との間に生まれたかぐや姫(藤山直美)は、ある月の掟を破ってしまい、罰として蒼い星<地球>に流刑されることに。いにしえの地球に落ちたかぐや姫は、竹林で月庵(上條恒彦)と照乃夫妻に拾われ、人智を超える早さですくすく育つ。月での記憶を失いながらも、不思議な力を宿していたかぐや姫、人々を明るくさせる福女ぶりの噂に尾ひれがついて広がり、次々とムコ候補が名乗り出る。一方月の世界では、かぐや姫の母、月の女神・月光(水谷八重子)が、地上から“かぐや姫のムコ候補が次々と名乗り出ている”という報告を聞き、不安を募らせていた・・・。同作は、日本昔話で広く知られている「かぐや姫」という切なさや儚さといった印象のある物語が、楽しく、笑いに包まれて展開されていく。藤山が楽しい音楽にあわせて歌い踊るシーンや、かぐや姫を心配する親心を歌う水谷の美声も見所のひとつ。また、拍子木や太鼓といった歌舞伎の技法も盛り込まれている。“スーパー喜劇”お約束の宙乗りもあり、楽しみな要素が詰まった公演だ。『スーパー喜劇「かぐや姫」』は3月31日(火)まで東京・新橋演舞場、4月5日(日)から27日(月)まで、大阪・松竹座で上演。チケットは発売中。
2015年03月09日叶 匠壽庵(かのうしょうじゅあん)はこのほど、市川海老蔵特別公演「源氏物語」が行われる一部会場において、市川海老蔵<干菓子<の販売を開始した。同社は歌舞伎役者・市川海老蔵氏の古典へ挑戦する姿に共感し、干菓子を創作した。古典芸能である歌舞伎をテーマにしつつ、新たな表現への幕開けという意味で、歌舞伎幕の4色の彩りを伝統の技で表現している。商品は全4種類。抹茶の持つ苦味と甘さが調和している「抹茶(緑)」、昔からある日本の食材「黒ゴマ(黒)」、甘さと辛味がバランスよく楽しめる「シナモン(茶)」、フルーティな酸味がきいた「柚子(白)」。各2~3個ずつ詰め合わせた10個入りとなっている。価格は2,000円(税別)。販売会場は、「上野学園ホール」(3月4日)、「サントミューゼ(上田市交流文化芸術センター)」(3月18日)、「福井市文化会館」(3月20日)、「NHK大阪ホール」(3月21~22日)、「岩手県民会館」(3月27日)など。
2015年03月04日1月2日、東京・浅草公会堂で初日を迎えた『新春浅草歌舞伎』。同公演の初日上演を前に鏡開きが行なわれ、尾上松也、中村歌昇、坂東巳之助らが出席した。新春浅草歌舞伎は毎年、次代を担う若手が大役に挑戦するという、若手歌舞伎俳優の登竜門として知られる人気興行だが、今年は全員が20代という異例の若さで行なわれる。尾上松也は「僕以外のメンバーが全員平成生まれで、若いメンバーで公演をさせて頂くことは光栄ですし、また責任もあると感じています。1か月興行を、これだけの責任を持ったポジションでさせて頂くことはなかなか無いことです。これまで浅草歌舞伎を支えてくださった地元の皆様、先輩方、お客さまのためにも精一杯力を出し合って、ご満足頂ける舞台を勤めていきたいと思っています」とコメント。また、同日より東京・歌舞伎座で開幕した初春大歌舞伎に市川猿之助が出演することについて触れ、「去年まで浅草を引っ張ってくださっていた猿之助さんが、新開場して初めての歌舞伎座出演ということで、僕たちにとって大きな壁になるのではないかと心配しているところですが、それを乗り越えろと気合いを入れてくれていると思い、負けないように頑張ります」と意気込んだ。中村歌昇は出演者が一新されたことについて「それぞれが一生懸命勤めていくつもりでおります。しかし一生懸命さだけではなく、この公演ならではのものを出して行かなければならないと思っています」と話した。また、坂東巳之助は「緊張しております。しかし今、自分の中から沸々と湧き上がってくるのはワクワク感。そして7人で並び立てることの嬉しさを武器に、盾に、千秋楽まで立ち止まることなく走り抜けたいと思います」と語った。『新春浅草歌舞伎』は1月26日(月)まで、東京・浅草公会堂で開催。
2015年01月06日2015年2月14日(土)に東京・シダックスカルチャーホールで俳優の入江甚儀と市川知宏によるファンイベント「じんとも」の開催が決定した。入江甚儀と市川知宏は、同時期にデビューを果たし、現在TVドラマや映画などで活躍する若手人気俳優。同イベントは今年の6月に初めて開催され、今回で3回目。初の1日2回公演で行なわれるこの日の公演は、バレンタインデーにちなんで第1部を『Sweet Party』、第2部を『Bitter Party』と銘打ち、『Sweet Party』では「甘い」、『Bitter Party』では「少し大人」のふたりが見られるイベントになる予定だ。同イベントのチケット一般発売は2015年1月10日(土)午前10時より。なお、一般発売に先がけてじんとも特設サイトでは先行を実施。受付は12月6日(土)昼12時から14日(日)午後11時59分まで。■じんとも~Sweet Party~(第一部)2015年2月14日(土)開場11:00 / 開演12:00会場:シダックスカルチャーホール(東京都)出演:入江甚儀 / 市川知宏料金:指定 3500円 ※来場者特典付■じんとも~Bitter Party~(第二部)2015年2月14日(土)開場15:00 / 開演16:00会場:シダックスカルチャーホール(東京都)出演:入江甚儀 / 市川知宏料金:指定 3500円 ※来場者特典付
2014年12月05日歌舞伎俳優の市川猿之助と市川中車(=香川照之)が3月20日に会見を開き、「松竹大歌舞伎」巡業公演の製作発表を行った。「松竹大歌舞伎」チケット情報2012年に四代目を襲名した猿之助と、同じく九代目を襲名した中車の襲名披露として行われる今回の巡業公演。5月末から6月にかけて行われる中央コースでは『一本刀土俵入』のふたりの共演が話題に。猿之助は「お蔦は(中村)芝翫さんから最後に教わった人生の中で一番大切にしている役。猿之助になっても女方を大切にしますと報告したい」と胸中を明かした。中車も「亡くなった勘三郎さんからも(茂兵衛役は)ぜひやるべきだよと聞いておりました。父(市川猿翁)が芝翫さんと共演した時のDVDを参考に、父に教えてもらいながらやっていこうと思っております」と意気込みを語った。8月末から9月にかけて行われる西コースで、新橋演舞場での襲名披露の際演じた『小栗栖の長兵衛』に再び挑戦する中車。「2年前にやらせていただきましたが、少しでも前進していると自分でも実感できるような作品にしたい」と話す。同じく西コースで「義経千本桜」『四の切』の狐忠信を演じる猿之助は「『義経~』については語る言葉はないです。猿之助イコールこれだと思ってもらっても過言ではない」と自信たっぷりに語った。襲名してから2年が経つが、感想を聞かれた猿之助は「ずいぶんまえから猿之助だったかのよう」と話し、気持ちは次のステップに向かっているようだ。「先輩からあずかった荷物を次へ渡す古典の継承とスーパー歌舞伎の次回作を考えなければ。ますます忙しくなりますが充実していて役者としてありがたい」。歌舞伎の世界に飛び込んだ中車にとっては全てが初めての経験だ。「この2年間で歌舞伎に対する思いが変わってきました。やっぱりもっと早くやりたかった。歌舞伎にひと月出させていただいてから映像の世界に戻ると実感するのですが、ひとつの動き、ひとつの音、ひとつの間、すべてが繋がっていたんだと。長い時間をかけて完璧に構築されてきた“完全体”をみせられると、理屈だけは理解してもそれが出来ない自分のもどかしさの中で、ある日1ミリだけ前進したような錯覚をうける。その錯覚を楽しみに今は前に進んでいます。(歌舞伎は)生きる実感をいただいているありがたい仕事です」。「松竹大歌舞伎」中央コースは5月31日(土)から6月27日(金)まで、西コースは8月31日(日)から9月26日(金)まで各地を巡演。チケットは一部を除き発売中。
2014年03月25日スーパー歌舞伎II(セカンド)『空ヲ刻ム者 ―若き仏師の物語―』が3月5日、東京・新橋演舞場で開幕。初日前日の4日には公開稽古と会見が行われ、市川猿之助、佐々木蔵之介が取材に応じた。スーパー歌舞伎II(セカンド)『空ヲ刻ム者 ―若き仏師の物語―』チケット情報三代目猿之助(現猿翁)の精神を受け継ぎ、四代目猿之助が挑むスーパー歌舞伎II。その第1作として上演するのが『空ヲ刻ム者 ―若き仏師の物語―』だ。若く才能に恵まれた仏師・十和(猿之助)と、その幼なじみで村の暮らしをよくするために官吏の道へ進む一馬(佐々木)の物語を、スーパー歌舞伎らしくスペクタクルに描く舞台。作、演出は気鋭の劇作家・前川知大が務める。猿之助は「全てを尽くしました。僕と前川さんとみんなが、好き放題作った舞台ですから、どうなるか楽しみ」と自信をのぞかせる。一方歌舞伎初挑戦となる佐々木は、猿之助とともに最大の見せ場の宙乗りにも挑む。「思ったほど恐怖感はなかった。隣に猿之助さんがいてくれるので、それは安心感がありました。ひとりだと怖かったかもしれませんね」。歌舞伎独特の立ち回りも体験。「見えを切るのは、ハマると快感ですね」と手応えを語る。そんな佐々木に対し猿之助は「なかなかいいです。見に来ないと損をしますよ」と太鼓判。ぜひ彼の勇姿を見に来てください」とアピールした。東京公演は3月29日(土)まで。その後、4月5日(土)から20日(日)まで大阪松竹座で公演。
2014年03月06日市川猿之助と片岡愛之助が初日を迎えた1月2日、東京・浅草公会堂で『新春浅草歌舞伎』鏡開きを行った。「新春浅草歌舞伎」チケット情報毎年若手花形が出演することで人気の興行。猿之助は亀治郎時代に12回出演、猿之助襲名後初めて浅草に登場する。猿之助は「浅草歌舞伎へご恩がえしの意味も込めて、今回出演させていただきます」と挨拶。ずらり居並ぶ若手俳優を指して、「彼らがこれからの浅草歌舞伎を背負って立っていきます。どうか、今まで以上に熱い声援を彼らに贈っていただけますよう」と呼びかけたあと、後ろ手にしていたものを眼前に広げると、観衆は大爆笑。広げて見せたのは若手人気俳優・中村隼人のカレンダーだ。「劇場で売っております。2600円です。これを僕は売りにやってまいりました」と会心の笑顔だった。一方の愛之助は「毎年卒業と言いながら、去年も今年も出演させていただいてます」と挨拶。ドラマ『半沢直樹』でオネエ言葉の国税局検査官役で大ブレイクした昨年を「紅白歌合戦の審査員にも出させていただくなど、すごくうれしい年になりました」と振り返りながら、「今年はオネエも卒業して片岡愛之助へ立ち返って頑張りたいと思います」と笑顔で新年の抱負を話した。今年の新春浅草歌舞伎は猿之助が『上州土産百両首』『博奕十王』、愛之助が『義賢最期』『新口村』に出演する。公演は1月26日(日)まで東京・浅草公会堂にて。
2014年01月07日東京、大阪、名古屋と各地で好評を博した、二代目市川猿翁 四代目市川猿之助 九代目市川中車 襲名披露興行が6月、いよいよ博多座に登場。襲名ならではの豪華な演目も話題だが、一日でスーパー歌舞伎と古典歌舞伎を上演するのは博多座でも初となる。その公演を前に、歌舞伎の世界に入って1年を迎える市川中車が思いを語った。六月博多座大歌舞伎 チケット情報「映像の世界で27年以上やってきて、厳しい現場を通過してきているという自負はあったけど、それでも歌舞伎には驚くべき難しさがあった」と、厳しい表情で語り始めた市川中車。その難しさを「数式を使って正解を求めなければいけない。物理を解くような感覚」と例えた。歌舞伎から映像の世界へ活動の幅を広げる役者は多いが、その逆はほとんどいない。しかも46歳という年齢であれば尚更だ。「映像と歌舞伎は基本的には違うものだと思う。間だったり、型だったり、といった正解があり、それは日本人にとって、とても気持が良い『間』であることがわかった。その『間』を映像の世界に持ち帰っても、スパーンとハマったりする。きっと日本人が遺伝子レベルでもっている心地良い間なんでしょう。歌舞伎が長く愛されてきたのもわかります。碁盤の目のような整然とした印象で、その様式美を表現するのは非常にハードルが高いものです」(中車)。厳しい稽古の中、父である市川猿翁からもいくつかアドバイスがあったそう。一番、心に残っている言葉は「もっと突っ込め」という言葉。「突っ込むというのは、12割、15割の気持をそこにいれるということ。映像の現場でも80%の演技ではOKが出ない、100%だとOKが出るかもしれないけど、監督やカメラメンが嬉々として喜ぶカットというのは150%の演技を出した時だ、ということを元々僕も思っていた。『芝居を突っ込む』という父の言葉を聞いた時、同じ考えなんだ、と。たった何秒だったけど、僕達父子にとって確かな交流になった瞬間でしたね」(中車)。今回は、注目の襲名披露興行ということもあり、これまで歌舞伎を観たことがない方が劇場に足を運ぶことも多そうだ。「実はまだ歌舞伎を観たことがないという方は芸能界にも意外に多くて、ナイナイの岡村さんもそうだった。でも観て頂いた後、すごくハマってもらえて。客席の反応のひとつとしてすごく自信になりましたね。とは言え、完成された様式美でありながら演じる役者によって違いがあるのが本当の歌舞伎の面白さ。これまで歌舞伎をやってきて、どれだけ自分が完成されてないかということを日々痛感してますが、(歌舞伎の)長い歴史の中のエポックメイキング的な出来事として、この不完全な感じも見届けて頂ければ嬉しいですね」(中車)。公演は6月2日(日)から26日(水)まで、福岡・博多座にて。チケットは発売中。
2013年05月30日12月15日(土)から東京・ル テアトル銀座 byPARCOで開幕する舞台『助太刀屋 助六 外伝』。映画監督の岡本喜八生前最後の作品『助太刀屋 助六』をもとにG2が書き下ろしたもので、底抜けに明るく憎めない助太刀を生業とする男、助六の活躍を描く痛快活劇だ。主演に猿之助襲名後、歌舞伎以外では初の舞台となる市川猿之助、共演には元宝塚歌劇トップスター朝海ひかる、映画・ドラマで活躍する吉沢悠、忍成修吾らが名を連ねる。開幕を前に稽古中の吉沢、忍成のふたりに話を聞いた。助太刀屋 助六 外伝』公演情報まずは、役どころについて吉沢が「路之丞という剣の達人の役です。剣豪という大まかな設定だけでなく、細かいところを演出のG2さんと相談しなから、役作りをしてます。ただ剣が強くて、ワッといくようなタイプではなく人間としての余裕もある。そんな役作りをしつつ、2幕は殺陣が中心になってくる役なので、殺陣の稽古にも力を入れてます」、忍成は「虎松という番太の役。番太というのは町の夜警というか門番ですね。身分は低いけど、この町はオレひとりで守っていると思い込んでるような明るい人物です」と紹介。続けて吉沢は「恋仲とまではいかないが、朝海さんとは心を通じあわせている間柄。そのことを一瞬で表現してくれとG2さんに言われて…。今の時代ならコンタクトすればいいのでしょうけど。朝海さんとふたりで相談しながらやってます」と時代劇ならではの苦労話も明かした。主演の猿之助について話が及ぶと、忍成は「振り幅の広い演技をしながら、助六というキャラクターの芯がぶれないところがすごい。だから自分がちょっと路線からぶれたかなと思ったときも、他人まかせじゃないですけど、安心して芝居ができます」、吉沢は「本番では裏を向いているとき、笑わすからなと言われました。すごくユーモアのある方で、セリフにないこともボンボン出てきて、ライブ感がすごい」とそれぞれ絶賛。「人情もあり、ドラマもある。稽古をして本から読み取れなかったものもたくさん出てきた。お客さんが観てお客さんの熱でこの舞台がどう変わっていくか楽しみ。お客さんと一緒にいい舞台にしたい」(忍成)、「人情もので、難しい話じゃない。いいやつと悪いやつがいて、ドンチャンして、最後はスカッとできる舞台。気楽に楽しんでもらえたら」と最後にそれぞれ舞台をPRした。公演は、東京・ルテアトル銀座 by PARCOにて12月15日(土)から12月24日(月・祝)まで。チケットは発売中。
2012年12月14日舞台「助太刀屋助六 外伝」の初日を前に12月14日(金)、主演の市川猿之助を始め、共演の朝海光、吉沢悠、忍成修吾、石橋直也、鶴見辰吾が報道陣の取材に応じ、舞台稽古の模様を公開した。岡本喜八監督が原案となる漫画讀本「助太刀屋助六」を発表し、その後「仇討ち・助太刀屋助六」としてテレビドラマ化。2002年には真田広之、鈴木京香らが出演して映画化もされ、岡本監督の遺作となった。この原案を演劇界の奇才・G2の手で舞台化したのが本作。底抜けに明るく憎めない助太刀屋の助六が、ある武士の敵討ちを手伝いながら裏にある藩の陰謀を暴いていく。今年6月に四代目・猿之助を襲名して以来、初めての歌舞伎や舞踊以外の外部の舞台への出演となるが「こういう機会でないと鶴見さんや朝海さんとご一緒できないので」と歌舞伎以外の世界から受ける刺激を明かす。元々、石橋さんが立案し公演が決まったという本作。猿之助さんが石橋さんに言ったという「いつか一緒にやろう」という言葉が10年越しで実現したそうだが、猿之助さんは「『瓢箪から駒』ですね。社交辞令でそう言ったんだけど、得てしてそういうところから名作が生まれるもの」とうなづく。先日、亡くなった中村勘三郎さんもこの舞台を見に来るのを楽しみにしていたという。石橋さんは「帰ってきた浅草パラダイス」で勘三郎さんと共演し、その後、勘三郎さんの誘いを受けて、歌舞伎役者でないにもかかわらず20代にして「コクーン歌舞伎」や歌舞伎座さよなら公演で上演された宮藤官九郎作の「大江戸りびんぐでっど」にも出演した。石橋さんは「『浅草パラダイス』で目をかけていただき、コクーン歌舞伎でもかわいがっていただきまして…。1月にご挨拶に伺い『助太刀屋助六』が実現しますとご報告したら、『おめでとう。必ず見に行くからね』と仰って下さいました」と俳優としての“恩人”に晴れの舞台を見せることができずに残念そう。猿之助さんは改めて勘三郎さんの急逝について「悲しいけど事実だからね」と受け止めつつ、「輪廻転生があると思うから、孫の七緒八(なおや)くんの子供くらいで生まれ変わってくるときに歌舞伎がなくなっていたら大変。我々が受け継いでいかないと」と伝統を継承していく覚悟を口にした。吉沢さんは「個性的な人たちが持ち寄った演技がぶつかることなく、『高めよう』という空気感を持った仲間が集まった」と歌舞伎に宝塚、現代劇と様々なジャンルの俳優が集まっての化学反応を楽しんでいるようだ。鶴見さんは映画『助太刀屋助六』にも出演しているが、今回の舞台版について「かなり洗練されていて音楽とのマッチングもいい。ニューヨークに持っていきたい」と語る。奇しくも勘三郎さんが歌舞伎のニューヨーク公演で大成功を収めており、猿之助さんは「じゃあ、こっちはフランスあたりにしとこうか?」と海外進出に向けても意欲満々。「毎日違うことをやります。結末も変わるかも(笑)」と舞台の幕開けを待ちわびていた。「助太刀屋助六 外伝」はル テアトル銀座にて12月15日(土)より上演。公式サイト:
2012年12月14日歌舞伎俳優の市川猿之助と市川中車が12月4日、都内で会見を開き、来年1月の大阪・松竹座「壽初春大歌舞伎」への意気込みを語った。大阪・松竹座「壽初春大歌舞伎」チケット情報今年6月、7月に東京・新橋演舞場で襲名披露興行が行われたが、来年からいよいよ大阪を皮切りに全国を回るツアーがスタートする。大阪・道頓堀で元旦から歌舞伎の幕が開くのは実に50年ぶり。四代目を襲名した猿之助は「襲名と正月のおめでたさを味わっていただきたい」とコメント。俳優・香川照之として活動しながら九代目を襲名した中車は「無事に初舞台を勤めることができましたのも四代目(猿之助)のおかげ。引き続き、精進していくことに変わりはございません」と歌舞伎俳優としての決意を語った。昼の部の『吉野山』、夜の部の『義経千本桜』(「四の切」)で狐忠信を演じる猿之助は「三代目(猿之助)の『四の切』は神業に近いと思っているので、それをやらせていただくことは非常にありがたいです。ただ、考えてみたら襲名で人間の役をひとつもやっていない。鬼か狐か鳥か」と笑わせ、「どこまでこの役を深めていけるか挑戦したいです」と意欲を見せた。中車は昼の部『楼門五三桐』で石川五右衛門役に挑戦する。同演目は7月の新橋演舞場で市川猿翁の真柴久吉、市川海老蔵の五右衛門で上演されたばかり。そのときは、父・猿翁の後ろで黒子として付いていた中車だが「海老蔵さんのハリのある声を後ろで聞いていたわけですが、まさか自分があそこに立つとは。いま、稽古をしながら古典の壁の高さを感じています。本当に未熟ではございますが、なんとか頑張っていま勉強している最中です」と心境を明かした。また猿翁との初共演については「いざそうなってみるとそういうことかという感覚ですね。大本にある役者としての感情は、6・7月の舞台や稽古を通して父と確認しあいました」と話していた。襲名興行だけにチケットの売れ行きを気にする猿之助は、中車が演じる五右衛門のセリフ“絶景かな”にひっかけ、「空席があると“絶景かな”とはなかなか言いにくいのですから、宣伝をよろしくお願いします」とマスコミに依頼する場面も。一方で、多くの観客に歌舞伎を見て欲しいという気持ちから「若者向けの芝居も必要。いろんな公演の形態があってもいい」と話す猿之助。映像の仕事が多かった中車は「(歌舞伎の舞台に立って)初めて舞台が面白いと思いました。猿之助の美しさとこの細いからだで背負っているものの大きさ。そういったものを見ると理屈でなく感動します」と歌舞伎の面白さをアピールしていた。公演は1月1日(火・祝) から1月26日(土)まで。チケットは発売中。
2012年12月07日おしゃれで個性的、今年輝いた有名人は?28日、東京・渋谷のセルリアンタワー東急ホテルにて、恒例の「第41回ベストドレッサー賞」授賞式が開催された。毎年、その年を彩った、おしゃれで個性的な有名人らに贈られる注目の賞だが、今年は各部門8人が選出されている。最大の注目を集める「芸能部門・女優」は剛力彩芽に決定。また、「インターナショナル部門」を、モデルでアーティストのきゃりーぱみゅぱみゅが受賞した。このほか「MFU推薦枠」で女子プロ野球選手の川端友紀も受賞している。授賞式も華やかにベストドレッサー賞は、一般社団法人日本メンズファッション協会・MFUが、ファッション意識の向上を目指して1972年から発表している歴史のある賞だ。この日も授賞式の会場には、数多くの来賓を含め、華やかな衣装に身を包んだ出席者らが顔をそろえ、ベストドレッサーの授賞イベントにふさわしい輝きの感じられる雰囲気となった。今年大活躍で、芸能部門を受賞した剛力は、紫のカラーが印象的なドレスで登場。落ち着いたシックな雰囲気が漂うスタイルで、これからさらにおしゃれ研究も重ねたいとコメントした。同賞の選考は、メディアジャーナリスト、これまでのベストドレッサー受賞者、メンズファッション協会会員によるアンケート結果などをもとに、選考委員会が最終的に推薦。外見だけでなく、魅力のある人間性を備えた人であることを基本に据え、時代に左右されない主張あるお洒落をみせている人、ファッション性のある着こなしをしている人、時代性のある人などを基準に選んでいるとされている。先述の授賞者のほかには、「政治経済部門」をネスレ日本株式会社代表取締役兼CEOの高岡浩三、「学術・芸術部門」を歌舞伎俳優の市川猿之助、「芸能部門・俳優」を藤木直人、「スポーツ部門」をなでしこジャパン監督の佐々木則夫、「特別賞」を知的障害児通園施設「しいのみ学園」の園長であった106歳の昇地三郎が受賞となった。(文中・敬称略)元の記事を読む
2012年11月30日鼻の下に裂傷を負ったモデルで歌手のきゃりーぱみゅぱみゅが28日、都内で行われた『第41回ベストドレッサー賞』授賞式の場でキュートなつけひげを披露した。ファッション性や話題性に富んだ人に贈られる同賞のインターナショナル部門を受賞したきゃりーは、持ち前のファッションセンスでピンチをチャンスに昇華。「TPOに合わせておひげをつけさせてもらった。今、かわいいばんそうこうを集めてるけど、ひげ付けてドレッシー感が上がったかな? 性別不明な感じですけど」と元気な姿をみせた。【写真】剛力彩芽、藤木直人ら受賞者26日に行われたイベント降板時に転倒し、持っていたトロフィーで鼻の下を3針縫うけがを負っていたきゃりーは「階段からこけた時に激痛が走って、前歯が終わった(折れた)と思った」と負傷当時の心境を報告。翌日に抜糸する予定で「紅白の時までは治ってると思う」と期待した。この日もトロフィーを贈与され、会場に敷かれたレッドカーペットを歩いたきゃりーは「最近ドジと言われてたので、足をくじかないように歩いた。トロフィーの角に気を付けて抱っこしてました」とニッコリ。現在は「ブラックジャックのよう」な傷跡があると言い「残らないように祈ってる」と願っていた。独創的なメイクとファッション、そしてユニークな名前も注目のきゃりーだけに、賞状贈与者が名前を言えないというハプニングに見舞われ、場内からは笑いが起こっていた。今年の『紅白歌合戦』初出場も決め「2013年のテーマは世界征服。ワールドツアーが2013年から始まるので、攻めて行こうかな。日本元気ですっていうパフォーマンスができたら」と展望を語っていた。きゃりーのほか、政治・経済部門にネスレ日本の高岡浩三社長、学術・文化部門に市川猿之助、芸能部門に剛力彩芽と藤木直人、スポーツ部門になでしこジャパンの佐々木則夫監督、MFU(日本メンズファッション協会)推薦枠に川端友紀(女子プロ野球選手)、特別賞に昇地三郎氏がそれぞれ選ばれた。
2012年11月28日歌舞伎俳優・市川猿之助が四代目を襲名後、東京・明治座に初登場する舞台『十一月花形歌舞伎』が11月3日に開幕した。明治座『十一月花形歌舞伎』チケット情報明治座は、1993年に再開場した際、当時の三代目猿之助(現市川猿翁)の宙乗り用に天井にレールが取り付けられた、猿之助縁の劇場。その劇場に襲名後、初めて立つ猿之助は「三代目の伯父(猿翁)は、明治座でたくさんの復活通し狂言を初演してきました。その様子をずっと見て来ましたから、明治座は私にとっても非常に思い出深い劇場です。今回は明治座の特別な宙乗り機構も駆使して、大仕掛けあり、早替りありの澤瀉屋(おもだかや=猿之助の屋号)らしいスケール感あふれる演目で臨みます。伯父が創り上げた“四十八撰”があるからこそ、それを受け継ぎ練り直すことができる。これは非常に有り難いことだと思っています。新たな“猿之助歌舞伎”の始まりとして、まずはこの1か月、お客様に喜んでいただける舞台になるよう精一杯つとめさせていただきます」とコメントを寄せた。猿之助は、昼の部の変化舞踊『蜘蛛絲梓弦(くものいとあずさのゆみはり)』で、童や薬売りなどさまざまな役に六変化する。めまぐるしく変わる役を早替わりでみせるのが最初のみどころ。その後、女郎蜘蛛の精が本性を現す場面では、対峙する源頼光たちとの立廻り、そして蜘蛛の糸が舞台いっぱいに放たれる圧巻のクライマックスと観客を楽しませる工夫が随所にある。また夜の部では、通し狂言『天竺徳兵衛新噺(てんじくとくべえいまようばなし)』で日本転覆を目論む異国帰りの天竺徳兵衛を演じる。奇抜な発想と斬新な仕掛けでみせる本作は、蝦蟇(がま)の妖術を駆使して徳兵衛が活躍する物語に、歌舞伎の怪談話でおなじみの小幡小平次の幽霊譚を織り交ぜた大胆な展開で、早替りや葛籠抜けの宙乗りがみどころ。澤瀉屋が得意とするケレン味あふれる演出が堪能できる。公演は11月27日(火)まで、明治座にて上演。チケットは一部を除き発売中。
2012年11月06日歌舞伎俳優の市川猿之助が9月22日、都内で会見を行い、出演する『明治座十一月花形歌舞伎』への意気込みを語った。『明治座十一月花形歌舞伎』チケット情報今年6月と7月に東京・新橋演舞場で襲名披露興行を行なった猿之助は襲名後、初めて東京・明治座に登場する。昼公演では6役を早替わりで演じる『蜘蛛絲梓弦(くものいとあずさのゆみはり)』に、夜公演では宙乗りを勤める『天竺徳兵衛新噺(てんじくとくべいまようばなし)』に出演する。会見で猿之助は「明治座は子どものころ、一番楽屋で遊んでいた劇場なので個人的な思い入れはすごくあります」と語り「(3代目の)猿之助さんから(歌舞伎で使う)蜘蛛の糸をもらった覚えがあります」と想い出話を披露。また襲名後、初の東京公演で『天竺徳兵衛新噺』を選んだ理由として「明治座は、今はあまり歌舞伎が浸透していないので、定着させるためにもコンパクトな演目が良いと思い選びました」と説明しつつ、「劇場の中では一番お弁当が美味しいので、お芝居を観てご飯を食べて楽しんで欲しい」と気軽さをアピールしていた。『蜘蛛絲梓弦』については、「セリ(舞台の一部が上下に動く機構)に飛び込むなど色々工夫をしてやりつくした結果、工夫しすぎない方がいいと思ったので、今回はシンプルにやります」と構想を明かす。明治座の設備の中にあるワイヤーについては「宙乗りのワイヤーが見えないようになっているんです。(3代目)猿之助の宙乗りのために造ってくれたようなものだったんですけど、(1993年に建て替えて)新装になってから猿之助は出演していないんです」と語った。さらに、明治座の歌舞伎公演にはこんな工夫も。「ほかの歌舞伎公演に比べると値段を安くしていただきました。2幕構成になっているので、若い方でも見やすくなっていると思います」。舞台のみならず映像でも幅広く活躍する猿之助だが「テレビなどで僕を知っていただいた人が、『歌舞伎をやっている人なんだ』と思って見に来ていただけたら嬉しいです」と話していた。公演は11月3日(土・祝)から11月27日(火)まで明治座にて上演。チケットは9月28日(金)より一般発売開始。
2012年09月25日2009年度のアカデミー賞外国語映画賞を受賞した『おくりびと』の滝田洋二郎監督最新作『天地明察』が、日本全国の夜空の写真を一般公募するプロジェクトを映画公式サイトで実施。 6日に、全国から寄せられた写真約2000点を東京スカイツリー内のコニカミノルタプラネタリウム“天空”で投影するイベントが開催され、滝田監督と主演の岡田准一が出席した。思い思いに撮影された夜空が高さ18メートルの半球体のスクリーンに映し出されると、岡田は「みなさんの思いがこもった写真がこうして集まると、思わずウルっときますね」と感激していた。その他の写真本作は、第31回吉川英治文学新人賞、2010年本屋大賞に輝いた同名小説の映画化。江戸時代前期を舞台に、それまで800年にわたり使用されてきた暦の誤りを見抜き、日本独自の暦“大和暦”を作り上げた安井算哲(後の渋川春海)の青春物語を、滝田監督の視点で再構築していく。岡田演じる算哲は江戸時代に日食の日付を言い当てたとされる実在の人物だ。滝田監督は「この作品をきっかけに、僕自身も夜空を見上げることが増えた」そうで、天井いっぱいに広がる夜空に「やはり宇宙は未知なる世界なんだあ」とやはり感激しきり。「映画作りは星をつかむようなもの。算哲もまた天に手を伸ばし続けた、謎に満ちた人物で、それを岡田さんが恰好よく演じてくれた」とアピールしていた。イベントでは岡田と滝田監督をはじめ、共演する宮崎あおい、佐藤隆太、市川猿之助、笹野高史、岸部一徳、渡辺大、横山裕、中井貴一らが撮影した夜空の写真もお披露目された。金環日食、金星の太陽面通過、金星食など、天文現象で沸いた2012年。人々が空を見上げるきっかけ作りを目指し、日本全国から夜空の写真を集める“夜空を作ろう!プロジェクト”では、映画の公式サイト内の特設ページで投稿された写真とコメントを見ることができる。『天地明察』9月15日(土)全国ロードショー
2012年09月06日