奄美大島出身のシンガーソングライター、平田輝が7月21日(金)に東京・草月ホールでワンマンライブを開催。同公演について意気込みを語った。【チケット情報はこちら】平田は1993年12月8日東芝EMI(現EMIミュージックジャパン)より『今夜、ビートルズが街をうめつくして』でメジャーデビュー。高く評価されたにもかかわらず、4枚のシングルと1枚のアルバムを出してメジャーから去った。いまだに歌い続けている理由を「何度もやめようと思った。そのたびに背中を押されるようにステージに引き戻されてしまう」と笑う。メジャーを去って以降、生まれた奄美大島の島唄をギターでアレンジし、自分のルーツを模索。そこから導かれるように出来た歌が『絹の道標』だった。「大島紬を作っていた父の後を継がなかった。その懺悔を込めて父のために作った」つもりが、ライブでお客さんが「自分の父のことを思い出しました」と目を真っ赤にして握手を求めてきてビックリしたという。以来、歌詞の作り方が一変した平田は2011年、東日本大震災を都内で経験する。「津波に呑まれていく映像を観て、自分が歌えることが奇跡に思えた。誰かに生きる勇気を与えられるなら、死に物狂いで歌おうと思った」その想いはライヴでクライマックスに歌われる『プロペラ』の歌詞にも表れている。平田は震災以降を“第二章”と位置付け、大山登山マラソン公式ソング『走るために生まれてきた』や『風が生まれた場所へ』、そして今年になって発表した新曲『ガレージソング』など、自身が影響を受けたブルーススプリングスティーンを彷彿させる疾走感ある楽曲を次々と発表。コンサートの客層は、ほぼ平田と同世代で80年代の音楽ファンが多いが、若い層も見受けられる。「明日からまた頑張れそう」「パワフルな歌に勇気をもらった」などの声が観客から寄せられているという。「流れのまま、僕の歌が必要な人に届けばいい」と平田は言うが、今の閉塞感のある日本に平田の歌が必要な人間はごまんといる。まだまだ知名度は知る人ぞ知るだが、今はインターネットの時代。彼の音楽に火がついたら、一気に広がる予感もする。2015年の赤坂BLITZに続き、今年は草月ホールでライブを開催。2019年にはデビュー25周年で55歳。さらに大きなホールに挑戦したいと語る平田。「みんな夢を失っている。だから僕が身をもってもう一度、夢に挑戦していくのを、ドキドキワクワクしながら一緒に体感して欲しい。そしてアキラが頑張るなら、俺もあたしも頑張ろうと思ってもらえれば本望」と今後の活動に向けて意気込んだ。チケットは発売中。
2017年05月16日カンヌ国際映画祭「ある視点」部門で審査員特別賞を受賞した深田晃司監督、浅野忠信主演の『淵に立つ』が10月8日(土)に公開を迎え、深田監督、浅野さんをはじめ、共演の筒井真理子、古舘寛治、太賀、篠川桃音、真広佳奈が上映前の舞台挨拶に臨んだ。近年、二階堂ふみ主演『ほとりの朔子』平田オリザの戯曲を映画化した『さようなら』など話題作を世に送り出している深田監督の新作で既に世界20か国での配給が決定した本作。ごく普通の郊外の一家が、ある男の出現によって翻弄され、崩れ落ちていくさまを通して“家族”を問い直す。主演の浅野さんは本作の出演について「一番大きかったのは、深田監督との出会い」と語る。カンヌ国際映画祭での受賞時には「我々は妥協することなく、この映画に挑みました」と語ったが、改めて「どの作品も妥協なくやってはいますが、これだけスタッフ一丸となってやれたという感覚を持てることはなかなかないと思います。その意気込みを受けて、イメージを膨らませたり、アイディアが出てきたりして、それがどんどん大きくなっていきました」と充実した表情で手応えを口にした。また一家の妻を演じ、海外でもその演技が絶賛され、今年の国内映画賞レースのダークホースとも言われる筒井さんは「こそばゆいです。みなさん、映画を見る前なのにハードルが上がっちゃう!どうか優しい目で見てください」と照れくさそう。周囲の高評価について「『ノーマークでした!』と言われて喜んでましたが、私の30年のキャリアは何だったんだ…? と思いつつ(苦笑)、ありがたく受け止めています」と語る。太賀さんは本作のキーパーソンと言える存在を演じているが「プレッシャーはありました。でも、悩んだとき、監督に相談したら『脚本を信じてください』とおっしゃられ、それがシンプルですが明確なベクトルになりました」と深田監督への絶大な信頼を口にする。本作でデビューを飾った真広さんも“ある重要な役”を演じているが「演じるにあたって誠意をもって挑もうと思いました。これがデビュー作になってうれしく思います」と初々しい挨拶。これが初めての舞台挨拶となるが、登壇前には浅野さんと談笑しており、内容を問われると「すごく緊張してたんですけど、浅野さんと話してて『緊張がうつった』と言われて、もっと緊張してきました…」とはにかみつつ語り、会場は笑いに包まれた。深田監督は改めて、これから映画を観る観客に「2時間、損はさせない自信はあります!素晴らしいキャストが総力を注がれています」と胸を張って作品を送り出した。『淵に立つ』は全国にて公開中。(text:cinemacafe.net)
2016年10月08日2016年10月18日(火)から10月23日(日)の期間中、「藝大アーツ イン 丸の内2016」が開催されます。舞台は東京・千代田区の丸ビルです。さまざまなジャンルのアートに触れ、芸術の秋を満喫しませんか。「藝大アーツ イン 丸の内2016」の見どころ今回で10回目を迎える「藝大アーツ イン 丸の内」のテーマは「INNOVATION(革新)」です。開催の目的は、次世代を担う新進気鋭のアーティストたちを支援し、丸の内で芸術を気軽に楽しむ機会を提供すること。初日10月18日(火)は12時からバグパイプと金管アンサンブルの演奏と、東京藝術大学学長・澤和樹氏による開催宣言、オープニングトーク、バイオリンコンサートで幕が開きます。「見て 聴いて 食べて」楽しめる体験型アートイベントです。ここで、主なコンテンツをチェックしましょう。●美術展示・リサイタル「三菱地所賞」受賞者による作品展示とリサイタルが行われます。三菱地所賞は東京藝術大学を卒業した、若く優秀なアーティストを支援するために設けられた賞です。今年は美術部門5名、音楽部門5名の計10名が三菱地所賞に選ばれました。開催場所:丸ビル1階マルキューブ、丸ビル7階丸ビルホール内容:美術部門は彫刻・工芸・デザイン作品 、音楽部門はピアノ、管打楽、弦楽、声楽※詳細は10月上旬に公式サイトにて発表予定です。●イノベーショントーク東京藝術大学で教鞭をとるアーティスト、OBと現役の藝大生とのトークショーが行われます。開催場所:丸ビル1階マルキューブ 特設ステージ開催日時:10月18日(火)17:30~18:30 ファッションデザイナー舘鼻則孝氏、三田村有純教授10月19日(水)15:30~16:30 箭内道彦准教授10月20日(木)16:00~17:00 隈研吾客員教授10月20日(木)19:30~20:30 平田オリザ特任教授10月23日(日)16:00~17:00 秋元康客員教授●巨大プロジェクション丸ビルにバベルの塔が出現します!巨大プロジェクションでは丸ビル3階回廊のガラス面をスクリーンに見立てて、バベルの塔をモチーフにした映像を投影。芸術と科学技術を融合させた、革新的な芸術表現を楽しみましょう。10月18日(火)は丸ビル1階マルキューブで、学生の生演奏とともに鑑賞できます。生演奏で指揮を務めるのは千住明特任教授です。開催場所:丸ビル3階回廊開催日時:10月18日(火) 19:30~20:00、10月19日(水) 20:00~20:30、10月20日(木) 18:30~19:00※混雑時には入場制限が実施されます。丸ビルに「GEIDAIカフェ」が登場「藝大アーツ イン 丸の内2016」の期間中は、丸ビル1階のカフェ「Marunouchi Cafe × WIRED CAFE」が「GEIDAIカフェ」に変わります。イベントのテーマカラー、群青色を取り入れたメニューを提供。腕を振るうのは「SUGALABO Inc.」の須賀洋介シェフです。フレンチの巨匠、ジョエル・ロブション氏の右腕として活躍していた須賀氏が、宮廻正明教授や千住明特任教授の芸術作品から受けたインスピレーションをもとにオリジナルメニューを生み出します。美味しいアートを体験してください。丸ビルがアートに染まる6日間、「藝大アーツ イン 丸の内2016」をお楽しみに!東京駅直結の丸ビルが会場だから、アクセスは抜群。ふらっと立ち寄れる気軽さもおすすめのポイントです。■イベント概要名称:藝大アーツ イン 丸の内2016開催期間:2016年10月18日(火)~10月23日(日)会場:丸ビル所在地:東京都千代田区丸の内2-4-1開催時間:11:00~21:00 ※最終日は20:00まで主催:三菱地所株式会社、東京藝術大学問い合わせ先:03-5218-5100 ※受付時間11:00~21:00公式サイト:
2016年10月06日●ジャニーズという、演劇界の成功例劇作家・演出家であり、劇団青年団の主宰、こまばアゴラ劇場芸術監督、東京藝術大学などの様々大学の特任教授を務め、現代口語演劇の提唱者である平田オリザ。近年は、小説『幕が上がる』がももいろクローバーZ主演で映画化&舞台化され注目を浴びるなど、日本のアート・エンタテインメントを語るときに欠かせない人物のひとりだ。このたび、『下り坂をそろそろと下る』(講談社現代新書/760円)を上梓し、成長社会ではなくなった日本はどうしたらいいのか、舞台人としての視線を交えて話を展開している。日本に必要な"演劇"教育とは一体どのような内容か、話を伺った。○演劇によって、問題を直視する力がつく――平田さんは、演劇により"寂しさ"に耐えられるといわれていますが、それはどういうことなんでしょうか。演劇をやると、問題を直視する力がつくんですね。問題の本質がどこにあるのかを考えることで、寂しさに耐えられるようになる。いま学校では、問題解決能力が求められていますが、本当に大事なのは問題発見能力です。――問題を直視するというと、例えばどのようになりますか。糖尿病が専門の先生たちがお芝居を作るワークショップをしたことがあります。最初は患者さんがお菓子をばくばく食べて困るといった単純な芝居を創るのですが、ワークショップを進めるうちに、「おじいちゃんが糖尿病で、その娘がシングルマザーで、孫と3人で住んでいる。ある日、孫がおじいちゃんの誕生日にケーキを焼いてくれて、さあどうするか……」という芝居ができあがったんです。どちらにも善意があるから、問題解決が難しい。すごく、リアルな設定ですよね。私たちを悩ませるのは、いつも、このような複雑な問題です。こんな風に、演劇を通すことによって、直面している問題の構造を考えることができるのではないかと思うんです。○演劇による教育がなさすぎた日本――とはいえ、様々な演劇を見ると、そういう問題設定ではないものもあるように思うのですが。もちろんいろいろな演劇があって、単に楽しいものもあれば、考えさせるものもあっていいと思います。ただ日本は、諸外国に比べると演劇による教育がなさすぎたので、今後はこういった考え方もありだと、思えるようになればいいのではないでしょうか。――確かに問題設定が一見ない、楽しいお芝居でも、役者の方は稽古の中で解釈を繰り返すので、考えることにつながっている気はします。そのことで最初に成功したのは、ジャニーズ事務所ではないでしょうか。SMAPも若い時から生の舞台を経験していますし、小劇場出身の横内謙介さんなどが演出についたりして俳優として鍛えていった。草なぎ(剛)くんも、あんなに演技に向いているなんて、やってみないとわからなかっただろうし、演劇界とジャニーズ、双方にとってもよかったですね。こういうことがもっと増えればいいなと思います。●『幕が上がる』『ちはやふる』で行ったワークショップ――演劇界と、若手スターが手を組むような試みがあると良いですよね。去年は『幕が上がる』がももいろクローバーZ主演で映画化されましたけど、そのとき、映画の撮影前にワークショップもやって、好評でした。今度は同じプロダクションが『ちはやふる』を作るというので、また若手俳優のワークショップをやったんです。そしたら、その辺の小劇場の役者よりもみんな吸収も早いし、勘もいい(笑)。そもそも、イギリスなんかでは、映画やテレビに出ているプロの俳優が通うような、演劇の学校があるんです。日本にはそういうものがありません。僕の仕事がきっかけになって、増えてくればいいなと思うんですよね。――そういうワークショップは、一般の人でも受けてみたい人はいそうです。一般の人がワークショップに行くと、演技の楽しさを知ることになるし、コアなファン、良い観客を育てることにもなりますからね。○わかりやすいものが氾濫する世の中――ワークショップにいかなくても、演劇や映画って、観れば観るほど解釈ができるようにもなりますよね。わかりやすいもの、答えが一つのものが氾濫している中で、芸術にふれるということは、自分の頭を使って想像力を養うことになりますからね。特に映画や演劇は2時間座って見るものですから、お客さんを拘束するだけの価値のあるものを、我々も全力で作らないといけない。――ただ、今でもやはり芸術に触れることに価値がある、それが何かにつながっているという実感のない人もたくさんいるかと思います。それはちょっとずつ変えていくしかないですね。わかりやすいものだけでなく、コンテンポラリーアートのような変なものも見られるような環境に。フランスのピカソ美術館にはいつも幼稚園児が来ていて、ゲラゲラ笑ってるんです。対して日本は、評価の定まったものについて「これはこういう絵ですよ」と教える教育しかまだやっていないんです。でも、わけのわからないもの、変なものに出会って、世の中にはこんなことを考える人がいるのか、世界はこういう風に見ることもできるのかと発見することが面白いので、そういう機会を子供にたくさんさせてあげることが大切だと思いますね。文化資本は、基本的に親から受け継がれるものですから。――そう考えると、若いアイドルファンが、自分が好きな人が出ているからと自発的に演劇を観に行くのは良いことですね。例えば、ジャニーズの舞台であれ、ももクロの『幕が上がる』であれ、いろんな人の目に触れて興味を持ってもらうことは大切だと思います。もちろんこちらも質の高いものを作らないと。それをきっかけに他の舞台も見たいと思えるようにしないといけないとは思います。『下り坂をそろそろと下る』(講談社現代新書/760円)人口減少、待機児童、地方創生、大学入試改革…。日本が直面する重大問題の「本質」に迫り、あらためて日本人のあり方について論考した快著。他者の権利に嫉妬するのではなく、「生活がたいへんなのに映画を観に来てくれてありがとう」と言える社会へ―。若者たちが「戻りたい」と思える「まちづくり」とは? 日本が少子化問題を解決するための方策とは? あたらしい「この国のかたち」を模索する。
2016年07月22日●ヨーロッパでは、映画の「失業者割引」がある劇作家・演出家であり、劇団青年団の主宰、こまばアゴラ劇場芸術監督、また東京藝術大学などの様々な大学の特任教授を務め、現代口語演劇の提唱者である平田オリザ。近年は、小説『幕が上がる』がももいろクローバーZ主演で映画化&舞台化され注目を浴びるなど、日本のアート・エンタテインメントを語るときに欠かせない人物のひとりだ。このたび、『下り坂をそろそろと下る』(講談社現代新書/760円)を上梓し、成長社会ではなくなった日本はどうしたらいいのか、舞台人としての視線を交えて話を展開している。成熟した日本の中で、エンタメをとりまく状況はどうなるべきか、話を伺った。○失業者でも子育て中の女性でも、文化にアクセスする権利がある――この本を書かれるきっかけというのは何ですか?前々から、日本はもう成長しないとか、工業立国ではないと言ってはいました。そのまま言ったのでは聞いてもらえないので、「成長社会ではないことはつらいですよね、だけど、過去にすがるのではなく、もう一度、今後のことを冷静に見つめて頑張ってみましょう」という内容で改めて本にしたんです。――失業者や子育て中の女性などが、文化にアクセスできるようになることが必要だ、とも書かれていますね。文化的なものを享受する権利は、日本の憲法で保障されているわけです。ヨーロッパでは、失業者の文化へのアクセス権は社会保障の中に組み込まれています。失業者は、映画が割引や無料になったりするし、フランスでは子供が3人いることで親の美術館入場料が無料になったりする。「大変だからこそ、人生を楽しんで」というコンセンサスがあるんですね。そういう制度を変えることにはさほど予算がかからないし、企業が協賛して入場料を無料にするところもあるから、日本ももっと進めたらいいのにと。○誰でも転落する可能性のある時代で、文化に触れるには――そういった問題を、周知されたりもしているんですか?今、私は大阪大学の大学院と、東京芸大の教員をしています。授業でも、文化による社会包摂、つまり「失業者でも文化にアクセスするにはどうしたらいいか」ということを教えています。今の時代、誰でも転落する可能性がある。例えば介護であったり自分の鬱であったり、何かの問題が、ひとつならまだ踏みとどまれるけれど、ふたつ重なるとあっという間に職をなくして貧困になる可能性があります。そうなったときも、文化に接するにはどうしたらいいのか。ただ、学生は主に富裕層なんですよ。地方から来る子も少ないし、大学院に行くのは中高一貫校の出身者だったりします。みんな、頭が良いから理解はできるけれど、実感は持ちにくいようです。――自分が失業するとはなかなか想像できないですよね。学生たちにどうしたら共感してもらえるか考えた時に、「子育てしているお母さんが、子供を保育所に預けてコンサートに行っても、後ろ指を指されない社会」を考えてもらった方が身近になるのではないかと思いました。そう言うと、女子学生はぐっと身を乗り出して聞き出しますね。女性の場合は、独身時代には謳歌できていた権利が、結婚・出産を経るとなくなってしまう。そうなると少子化問題も解決しないですよね。でもいまは、女性っていうのはそんなもんだと思っている人も多い。それも「自分もそうなる可能性がある」という実感がないということではないでしょうか。●「不条理に向き合う」ためにアートが必要○「誰かがズルしている」という疑心暗鬼――母親の話に興味を持ってもらうことから、失業者などの全体のことも考えられるようになると。生活保護受給対象者が昼間に映画にいって後ろ指を指されることと、お母さんが子供を預けてコンサートに行って非難されることはつながっているし、もっといえばヘイトスピーチ問題にもつながっているんですね。「誰かがズルをしているんじゃないか」と疑心暗鬼になっている社会から、もっと寛容な社会にならないと日本はもたないのでは、と考えたんです。――確かに、楽しむことに罪悪感を持ってしまうということはあると思います。教育の講演会に呼ばれると、参加者に「子供にどんな教育をしたらいいですか?」と質問されることも多くあります。そういうときに必ず答えるのが、「まず、お父さんお母さんが人生を楽しんでください」ということです。親がコンサートやミュージカルにいって楽しむ習慣をつけないと、子供も楽しむことはありませんから。○下りる時にこそユーモアを――平田さんは、社会が成長できないと"寂しさ"が到来すると言われていますが、そういうとき、何をしていけばいいと思われますか?おおらかさを持つことじゃないでしょうか。下り坂だからダメってことではない、下りるときにはユーモアが大切ですね。でも、それは難しいことで、成長社会は努力したら報われる真面目な社会だったんです。そうじゃなくなるということは、不条理に向き合わないといけないということで、そのためには芸術に触れてないといけないんです。――芸術に触れて、いろんな考え方があると知るということですね。ただ、現在ではいろんな考え方があるのを認める前に、解釈の違いで争うこともありますよね。それは教育のせいですね。教員は一つの解釈をみんなに教えるような授業をする方が楽だったんです。多様なことを認めるためには準備しないといけないから。でも、一回慣れればそういう授業の方が楽ですよ、勝手に生徒が考えてくれるんですから(笑)。――とはいえ、平田さんも舞台を作るときには、ひとつの解釈があるはず。それが違う解釈をされてしまうことについてはどう思われますか?そこは覚悟を決めないと。若手の演出家に「自分の戯曲がこんな解釈をされてしまったけどどうしたらいいでしょう?」と相談されることもあるんです。そういうとき僕は、「シェイクスピアやチェーホフが、今の世の中でどんなに前衛的な演出をされても文句言えないだろ、その代わり100年後も演出される可能性だってあるんだから。違う解釈を許さないと、100年後の可能性を絶ってしまうことになるんだから」って言ってるんです(笑)。『下り坂をそろそろと下る』(講談社現代新書/760円)人口減少、待機児童、地方創生、大学入試改革…。日本が直面する重大問題の「本質」に迫り、あらためて日本人のあり方について論考した快著。他者の権利に嫉妬するのではなく、「生活がたいへんなのに映画を観に来てくれてありがとう」と言える社会へ―。若者たちが「戻りたい」と思える「まちづくり」とは? 日本が少子化問題を解決するための方策とは? あたらしい「この国のかたち」を模索する。
2016年07月14日白石隼也&鈴木亮平のW主演で人気漫画を実写化する『彼岸島 デラックス』。ドラマ版に続いての実写化で、さらに進化を遂げる本作のヒロイン・ユキ役を、『合葬』『リップヴァンウィンクルの花嫁』の桜井美南が務めることがわかり、コメントが到着した。原作「彼岸島」は「ヤングマガジン」での連載14年目を迎え、現在でも読者投票上位に常にランクインする人気漫画。吸血鬼に支配された孤島を救うサバイバル・ホラー作品で、他作品にない吸血鬼や巨大モンスターの登場、次々と襲い来る絶体絶命の展開に幅広い年齢層から人気を呼んでいる。今回は、過去の映像化作品では十分に表現することが難しかった邪鬼(おに)と呼ばれる巨大モンスターを、映画化ならではの最新CG技術を駆使して完全再現するという点でも注目が集まっている。本作で桜井さんが演じるのは、主人公・明(白石隼也)の幼なじみであるユキ役。一度決めたことは貫き通す強い意志を持った友達思いの女の子であるユキは、吸血鬼に支配された彼岸島に取り残された明の兄・篤(鈴木亮平)を救うべく、仲間とともに再上陸することを決意。彼岸島上陸後、護られてばかりの自分に嫌気がさし、部活で学んだ弓道に磨きをかけ、次々と襲い来る吸血鬼や吸血鬼が変化した巨大モンスター・邪鬼に弓矢で立ち向かい、仲間の力になろうと奮闘する役どころだ。2014年、人気女優の登竜門といわれる「ネスレ キットカット」の5代目受験生応援イメージキャラクターに、応募者総数8,172名の中から選出されてデビュー。ドラマ「なぞの転校生」でのヒロイン役や、平田オリザ氏脚本・本広克行氏演出の舞台「転校生」、小林達夫監督『合葬』、岩井俊二監督『リップヴァンウィンクルの花嫁』に出演。今年4月には慶應義塾大学へ入学したことでも話題となったほか、8月より放送のBSスカパー!オリジナル連続ドラマ「弱虫ペダル」に出演が決定するなど、いま目覚ましい活躍を見せる桜井さんから、コメントが到着している。◆桜井美南コメント今回、映画初ヒロインとしてユキ役に抜擢をしていただき本当にビックリしたのと同時に、アクション初挑戦ということもありダブルプレッシャーを感じていました。弓矢を武器にし、仲間のために果敢に闘うユキ。正義感が強く、人情深い役だったので、アクションを大切にしながらも、心の動きなどを丁寧に演じることを心掛けました。弓矢の練習は思っていた以上に大変でしたが、キャストさんやスタッフさんたちから「意外にもセンスあるじゃん!」と言っていただいたことが自信にも繋がり、堂々とした凛々しいユキが表現できたと思います。関係者試写を拝見しましたが、作品全体を通して、想像をはるかに超える、ドキドキが止まらないド迫力映像になっていました!手に汗握るアクションの合間にあるヒューマンドラマにも注目していただきたいです!そんな桜井さん演じるユキには、闘うヒロインとしてだけでなく、複雑な女心を表現するシーンもあるとのこと。彼岸島最初の上陸後、戦いの末、吸血鬼となって死んでしまったと思われていた、幼なじみであり交際相手のケンとの奇跡的な再会、ユキに想いを寄せ、またユキも友達以上の特別な感情を抱く明の存在との間で揺れ動くヒロインを演じる桜井さんの姿は必見だ。『彼岸島 デラックス』は10月15日(土)より新宿ピカデリーほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2016年06月13日黒沢清、河瀬直美、是枝裕和、三池崇史監督に次ぐ、新しい世代の監督として世界中から注目を集めている深田晃司監督の最新作にして、カンヌ参加となった浅野忠信主演の『淵に立つ』が、第69回カンヌ国際映画祭「ある視点」部門にて“審査員賞”を受賞。浅野さんをはじめ監督らから喜びのコメントが届いた。物語は、下町で金属加工業を営む夫婦のもとに突然ひとりの男が現れ、奇妙な共同生活が始まり、一見平和だった家族に“異物”が混入することで夫婦それぞれが抱える秘密があぶり出されていく人間ドラマ。夫婦とは、家族とは、愛とは、人間とは何か、普遍的なテーマを問いかけながら、人間の心の奥底を揺さぶる衝撃作だ。主演をつとめるのは、昨年カンヌ国際映画祭「ある視点」部門に選出された、黒沢監督『岸辺の旅』に出演した浅野さん。そのほか『歓待』『ほとりの朔子』に続き深田組常連の古舘寛治、映画・テレビ、舞台と幅広く活躍する筒井真理子が出演する。この度、世界の映画祭で数々の受賞歴を誇る『歓待』、二階堂ふみ主演『ほとりの朔子』(ナント三大大陸映画祭クランプリ)、平田オリザの戯曲映画化『さようなら』(東京国際映画祭コンペ出品)など、36歳にして次々と話題作を世に出し続ける深田監督の『淵に立つ』が、合計18本の選出作品の中から「ある視点」部門“審査員賞”を受賞。監督は受賞のコメントとして「すみません。フランス語の勉強が間に合わなかったので日本語で話します(笑)。本当にとてもうれしいです。いろんな人に感謝を言わなくてはいけません。私の映画は本当に多くの人に支えられてきました。まずは、この映画のキャスト、スタッフにお礼を言いたいと思います」と喜びを伝えた。さらに現地での囲み取材では、「日本は優秀な監督は私だけでなくたくさんいます。ただ彼らが海外を目指すための制度は、まだ不十分で未熟だと思います。日本はこれだけフランス映画が好きで、フランス人もこれだけ日本映画を愛してくれているのに、残念ながら両者の間には一緒に映画を作るための制度がありません。例えば韓国とフランスの間には結ばれているのに、なぜ日本は結べないのだろう…。新しい才能がより外へ出て行くための制度、自由に映画を作るための制度が日本には不足しています」と壇上でのスピーチでは伝えきれなかった思いを明かした。また、現地に残っていた古舘さんは、「ここに座っていることだけでもとても誇らしい機会をいただいているのに、それでもここまできて、何も貰わなかったら寂しいだろうな、とか思ってしまう、人間はどれだけ欲深いのだろうかと。でもこの際なので、もっと欲深くいきたくなと思います」とコメント。筒井さんも「さっきお話しを聞いたら、本当に作品が最後まで競った末の銀メダル(※審査員賞はある視点部門の最高賞に次ぐ賞)だったそうです。銀メダルという気持ちで、充分嬉しいです」と喜んだ様子。一足先に帰国した浅野さんは、受賞の知らせを受けて「我々は妥協なくこの映画に挑みました、そしてこんなに素晴らしいとこにたどり着けました!皆様のおかげです!!ありがとうございます!最高です!」とコメントを出した。『淵に立つ』は2016年秋、有楽町スバル座ほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2016年05月22日ももいろクローバーZが、「第39回日本アカデミー賞」で話題賞の俳優部門に選ばれた。話題賞は日本アカデミー賞で唯一、一般投票によって選ばれる賞で、総投票数4万7,014通。結果はニッポン放送のラジオ番組『ナインティナイン岡村隆史のオールナイトニッポン』(毎週木曜25:00~)内で発表された。映画『幕が上がる』で5人そろって主演を務めたももクロ。劇作家・平田オリザ氏の小説デビュー作となる同名作を原作に、本広克行監督がメガホンをとった。地方高校の演劇部の生徒たちをメンバーが演じ、彼女たちが全国大会を目指す青春模様を描いている。また、作品部門には『週刊少年ジャンプ』(集英社)での連載を目指す漫画家を佐藤健、神木隆之介が演じた『バクマン。』が選出された。監督・脚本を『モテキ』の大根仁氏が務め、『オールナイトニッポン』のヤングリスナーから高い支持を得たという。3月4日に行われる日本アカデミー賞授賞式では、『永遠の0』で前回の話題賞・俳優部門を受賞した岡田准一がプレゼンターとなり、受賞者への贈賞を予定。岡田は2002年に大根監督演出のドラマ『TEXAS』(フジテレビ『演技者。』内で放送)にも出演しており、注目を集めている。また、ニッポン放送では同日、授賞式の模様を『オールナイトニッポンGOLD 第39回日本アカデミー賞スペシャル』(22:00~24:00)として放送する。(C)2015平田オリザ・講談社/フジテレビジョン 東映 ROBOT 電通 講談社 パルコ(C)2015映画「バクマン。」製作委員会
2016年02月12日昨年10月に行われた東京国際映画祭で話題を集めた本物のアンドロイドと人間が共演する世界初の映画『さようなら』が、1月27日(現地時間)より開催される「ロッテルダム国際映画祭」に出品されることが明らかとなった。さらに、「ジュネーブ・ブラック・ムービー・フェスティバル」「ヨーテボリ映画祭」などへの出品も決定した。日本で稼働する原子力発電施設の爆発によって放射能に侵された近未来の日本。日本の国土のおよそ8割が深刻な放射能汚染に晒され、政府は「棄国」を宣言。各国と提携して敷かれた計画的避難体制のもと国民は、国外へと次々と避難していく。その光景をよそに、避難優先順位下位の為に取り残された南アフリカの難民、ターニャ(ブライアリー・ロング)。そして幼いころから病弱な彼女をサポートするアンドロイド、レオナ(ジェミノイドF)。彼女たちのもとを過ぎていく多くの人々。そしてそれぞれの生と死。やがて、ほとんどの人々が消えていく中、遂にターニャとレオナは最期の時を迎えることになる――。日本を代表する劇作家・平田オリザとロボット研究の世界的な第一人者・石黒浩が共同ですすめる演劇プロジェクトを映画化した本作。世界で初めて本物のアンドロイドと人間が共演した映画として、昨年の東京国際映画祭での上映で話題となり、海外の映画祭のプログラマーから出品要請が殺到し、今回の海外映画祭への出品が決定した。監督の深田晃司は、社会問題を取り入れた作家性のある作品を数々生み出し、海外からも高い評価を得る気鋭の映画監督。『歓待』で東京国際映画祭日本映画「ある視点」部門作品賞、プチョン国際映画祭最優秀アジア映画賞を受賞したほか、二階堂ふみ主演の『ほとりの朔子』でナント三大陸映画祭グランプリと若い審査員賞のダブル受賞、タリン・ブラックナイト映画祭最優秀監督賞を受賞しており、最新作である本作の受賞にも期待が高まっている。キャストには、深田監督作『歓待』にも出演し、ロボット演劇「さようなら」でも同じ役を務めたブライアリー・ロングがターニャ役を演じ、『永遠の0』『バクマン。』や『女が眠る時』の公開も控える新井浩文、『ディストラクション・ベイビーズ』の公開を控える村上虹郎などが出演している。また、本作に出演しているアンドロイド“ジェミノイドF”が映画を語る動画が配信されると世界各国で再生され、日本のロボット工学のレベルの高さが世界中からの注目を集めた。今回出品が決定した「ロッテルダム国際映画祭」は、カンヌ、ベネチア、ベルリンと並ぶ大規模な国際映画祭で、45回を迎える今年も1月27日から2月7日(現地時間)で行われる。また、現在1月22日から31日(現地時間)まで開催中の「ブラック・ムービー・フェスティバル」は、2001年よりスイス・ジュネーブで開催されており、ヨーロッパではなかなか観る機会のないアフリカ・アジア・ラテンアメリカの気鋭監督の作品を集めている。さらに「ヨーテボリ映画祭」は1979年よりスウェーデン・ヨーテボリで開催されている北欧最大級の映画祭であり、今年も1月29日から2月8日(現地時間)まで開催され、毎年20万人以上の来場者が訪れている。また、「ロッテルダム国際映画祭」および「ジュネーブ・ブラック・ムービー・フェスティバル」への深田監督の現地参加が決定。今回の出品決定に関して深田監督は、「スタッフ、俳優の技術の結晶たる映画『さようなら』が海を越えていくことを誇らしく思います。いつも思うことですが、映画は完成してしまった瞬間、監督の手を離れていきます。親離れした子供が社会に揉まれて育っていくように、映画もまた観客に育てられます。ヨーロッパの国々での出会いがこのちょっとひねくれた子供をどんなオトナに仕立てるか、楽しみにしています」と語っている。『さようなら』は全国にて公開中。(cinemacafe.net)
2016年01月29日深田晃司監督が平田オリザが作・演出を手がけた舞台を映画化した『さようなら』がロッテルダム映画祭をはじめ、世界各地の映画祭で上映されることが決定した。本作は現在も日本でロングラン上映中で、今月末からは東京での再上映も決定している。その他の画像本作は、放射能に侵され、日本国民が“棄国”を選択した近未来を舞台に、難民として日本に来た女性ターニャ(ブライアリー・ロング)と、病弱な彼女をサポートするアンドロイドのレオナ(ジェミノイドF)の日々が、虫や植物、空などの自然の時間と平行して描かれる作品。深田監督は『歓待』でプチョン映画祭の最優秀アジア映画賞を、『ほとりの朔子』でナント三大陸映画祭のグランプリと若い審査員賞を受賞するなど、海外の映画ファン、批評家も注目する存在で、人間とアンドロイドが“共演”する本作も海外の映画祭の作品選定者から出品依頼が殺到している。まずはロッテルダム映画祭、ジュネーブ・ブラック・ムービー・フェスティバル、ヨーテボリ映画祭への出品が決まり、これを機に各地での公開や、他の映画祭への出品が期待されている。深田監督は「スタッフ、俳優の技術の結晶たる映画『さようなら』が海を越えていくことを誇らしく思います。いつも思うことですが、映画は完成してしまった瞬間、監督の手を離れていきます。親離れした子供が社会に揉まれて育っていくように、映画もまた観客に育てられます。ヨーロッパの国々での出会いがこのちょっとひねくれた子供をどんなオトナに仕立てるか、楽しみにしています」とコメント。監督は、ロッテルダム映画祭、ブラック・ムービー・フェスティバルに出席する予定だ。なお、本作は現在も日本各地で上映を続けており、30日(土)からは東京・渋谷のアップリンクで上映される。『さようなら』公開中
2016年01月28日『ふたりのベロニカ』『エレニの帰郷』などで知られるフランスの名女優イレーヌ・ジャコブと、彼女の夫で、仏演劇界を代表する名優ジェローム・キルシャーが、深田晃司監督の最新作『さようなら』に特別出演している。ふたりは、本作の原作者・平田オリザの舞台に出演したことが縁で、出演料ゼロで主人公ターニャの両親役を演じている。その他の画像本作は、人間の俳優とアンドロイド“ジェミノイドF”が共演する注目作で、放射能に侵され、日本国民が“棄国”を選択した近未来を舞台に、難民として日本に来た女性ターニャと、病弱な彼女をサポートするアンドロイドのレオナの日々を描いている。ジャコブとキルシャーは、平田オリザが作・演出を務めたアンドロイド版『変身』に出演したが、舞台の撮影を深田監督が担当していたことから、監督が前作『ほとりの朔子』のDVDを手渡して本作への出演をオファーしたところ、作品を観賞したふたりは依頼を快諾。ターニャの両親役を演じることになった。本作は日本人キャストだけでなく、アンドロイド、フランス人俳優など多彩なキャストが出演しているが、主演を務めているブライアリー・ロングも米国出身の女優だ。発展途上国の支援をしている両親の仕事の関係で幼少の頃から各国を転々としていた彼女は英語だけでなく、フランス語、ドイツ語、日本語など7か国語を習得。ダンサーとしてキャリアを積み、2010年に幼少期から興味を持ち、独自に研究・学習を続けてきた日本に移住。平田オリザが主宰を務める青年団に所属し、舞台だけでなく、映画やCMにも出演している。『さようなら』11月21日(土) 全国ロードショー
2015年11月12日ADDIXは10月22日、ターゲットマッチを軸とした、映画向けのデジタルプロモーション「Marcine (マルシネ)」の提供を開始した。その第一弾として、東京国際映画祭にノミネートし、11月2日(土)より公開予定の深田晃司監督作品、映画「さようなら」のデジタルプロモーションを担当する。同社によると、近年、生活者の行動がスマ―トフォン内で完結し、TVCMなどを中心とする莫大な広告費をかけたマスマーケティングが必ずしも成功するとは限らなくなってきている。特に、マス層をターゲットとしないミニシアター系映画においては、想定ターゲットに向けた確実なアプローチができるかどうかが成否を分けると言われているという。このたび提供を開始する「Marcine」は、デジタルマーケティングならではの分析手法により、ターゲットマッチを軸としたプロモーションを行っていく。具体的には、それぞれの映画に合った想定ターゲット層を抽出したのち、ソーシャルメディアを活用しバイラル効果の最大化を考慮した訴求ポイントを明確化する。コアなターゲットにピンポイントにアプローチし、映画公開の前から、話題を創出させる効果的なデジタルプロモーションを仕掛けるほか、プロモーション開始後も、継続的にこまやかなモニタリング・チューニングを実施し、映画公開後もバズが広がる演出を行っていくという。また、同社が独自にネットワークする、試写会やイベントに波及力のある専門家・ブロガーなどを活用するPRプランの実施や、Webサイト・WEB動画の受け皿を用意しクチコミをキャッチする。さらに、情報を拡散するためのソーシャルリスニングツール「Tweet Collector」を使用した調査から、映画館へ誘導するプロセスを設計する。なお、同プロモーションの第一弾となる映画「さようなら」は、劇作家の平田オリザ氏と、「マツコロイド」を監修したロボット工学の石黒浩教授がコラボレーションし、人間とアンドロイドが共演して話題となった舞台「さようなら」を映画化したものとなる。
2015年10月23日人間と本物のアンドロイドが共演する映画『さようなら』が日本公開前から高い評価を集めている。作品の評価はもちろん、劇中に出演するアンドロイド・ジェミノイドFの“演技力”も高く評価されており、映画祭などでアンドロイドが女優賞に輝く可能性もありそうだ。その他の写真本作の舞台は、放射能に侵され、日本国民が“棄国”を選択した近未来。主人公の女性ターニャは外国からの難民で、病弱な彼女をサポートするアンドロイドのレオナと暮しているが、彼女の避難順は来ないまま、周囲の人々が去っていき、死が迫るターニャと、死を知らないレオナは“最期”の時を迎える。本作は、青年団を主宰する平田オリザと石黒浩教授が大阪大学で2007年から共同で研究・開発してきたプロジェクトの一環として上演された舞台『さようなら』が基になっており、舞台にも人間の言語、仕草、視線を徹底的に見つめ、研究してきた平田が演出したアンドロイドが登場し、人間と舞台上で共演した。本作を手がけた深田晃司監督は、『歓待』『ほとりの朔子』などの作品で海外からも評価されており、本作も海外の映画祭への出品が期待されており、その皮切りとして22日(木)に開幕する第28回東京国際映画祭のコンペティション部門で上映が予定されている。本映画祭のプログラミング・ディレクターである矢田部吉彦氏は「最後まで、女優がアンドロイドに扮しているのではないかという思いに囚われ、『アンドロイド役はどなたが?』と関係者に聞いてしまった。本当にアンドロイドらしいのだが、実はまだ密かに疑っている。それほど見事な存在感と演技なのだ。もはや垣根はない。実際にアンドロイドであったとしても、堂々たる女優賞候補である」とコメント。ブライアン・シンガー、トラン・アン・ユンら審査員たちがジェミノイドFの演技をどう評価するのか気になるところだ。『さようなら』11月21日(土) 全国ロードショー
2015年10月21日第28回東京国際映画祭のラインナップ発表会見が9月29日(火)に開催され、『残穢【ざんえ】-住んではいけない部屋-』の竹内結子に中村義洋監督をはじめ、コンペティション部門に選出されている日本映画3作品の監督やキャストらが出席した。コンペティション部門には86の国と地域から計1,904本の応募があり、その中から選りすぐりの16本がラインナップされた。そのうち、邦画では『残穢【ざんえ】-住んではいけない部屋-』、『FOUJITA』、『さようなら』という3本が選出されているが、同映画祭のコンペティション部門に萌芽が3本入るには実に11年ぶりとなる。この日は『残穢』から中村監督と竹内さん、『FOUJITA』の小栗康平監督、『さようなら』の深田晃司監督と主演のブライアリー・ロングが出席。映画祭プログラミングディレクターの矢田部吉彦氏からは小栗監督、中村監督、深田監督という3氏のノミネートに「日本映画の巨匠、ヒットメーカー、若手のホープの3作品が揃った」との評も飛び出した。『残穢』は小野不由美の小説の初実写化作品であり、その内容の“怖さ”が大いに話題となっているが、中村監督は「読んでいても本当に怖い小説で読むのをやめたくなるくらいだった」と語る。とはいえ自身が撮影するとなると怖さは「克服できる」と語るが、隣の竹内さんは首を振ってこれを即座に否定!中村監督曰く「全然、(克服)しなくて、脚本を読んでくれなかった(苦笑)」とのこと。竹内さんは原作の帯にあった「手元に置いておきたくない」という言葉に触れ「ヤバいとアラームが鳴った。明るい時間を待って、監督に弱音を吐きつつ、撮影がいよいよ始まる時に事務所で読みました」と苦笑交じりにふり返った。この日、竹内さんは劇中と同じメガネルックで出席となったが、撮影時もやはり、恐怖をぬぐうことはできなかったようで「一刻も早くうちに帰りたかった」と述懐。まだ竹内さん自身も完成した映画をけな賞で来ていないそうで「心して掛からないと…」と語っていた。小栗監督は10年ぶりの新作の題材に数奇な運命を歩んだ画家・藤田嗣治を選びオダギリジョーに主演を託したが、オダギリさんのフジタについて「とてもよかったです。猫か犬かで例えると猫で、ナヨッとした新体制はオダギリさんにも藤田にもあり、独特の身体感覚見られます」と語る。さらに「俳優は『おれがおれが』となりがちだけど、オダギリさんは『監督が良ければ結構です』と任せてくれる人。それはすごく大事なことで、天候、自然にも任せていく人」と独特の表現でオダギリさんのスタンスを称えた。矢田部ディレクターから「日本映画にはなかなかない作品」と評された『さようなら』は平田オリザの20分ほどの戯曲を元にした作品。深田監督は「余白を埋めていくのが楽しかった」と手応えを口にする。ブライアリーは「撮影前に監督と福島の南相馬や浪江町を訪れて、原発事故で避難を余儀なくされた人々に会ったのが印象的で心を動かされました」と語る。原発という社会性の高いテーマを題材にした映画とあって「大きな責任を感じています」とも。一方で、アンドロイドを相手とする珍しいシチュエーションについては「2010年に芝居を初演していて、ロボットと共演する機会が多くて慣れてます」と語り笑いを誘っていた。日本映画のコンペ部門でのグランプリ受賞は過去に『台風クラブ』(相米慎二監督/第1回)と『雪に願うこと』(根岸吉太郎監督/第18回)の2回のみ。邦画3作がノミネートとあって期待が高まる。コンペ以外では、昨年新設された、新時代を切り開いた映画人に贈られる「サムライ賞」が山田洋二監督とジョン・ウー監督に送られることが発表された。授賞式は10月26日、映画祭にプログラムである「歌舞伎座スペシャルナイト」内で歌舞伎座にて開催される。また映画祭のdフェスティバルナビゲーターを「午後の紅茶」のCMなどで話題の季葉(きわ)と野村雅夫が務めることも明らかになった。第28回東京国際映画祭は10月22日(木)より31日(土)まで六本木ヒルズ、新宿の劇場ほかで開催。(text:cinemacafe.net)■関連作品:FOUJITA 2015年11月14日より角川シネマ有楽町、新宿武蔵野館ほか全国にて公開(C) 2015「FOUJITA」製作委員会/ユーロワイド残穢【ざんえ】―住んではいけない部屋― 2016年1月30日より全国にて公開(C) 2016「残穢-住んではいけない部屋-」製作委員会
2015年09月29日10月22日(木)~10月31日(土)に開催される第28回東京国際映画祭「コンペティション部門」にて、『FOUJITA』『さようなら』『残穢【ざんえ】-住んではいけない部屋-』の3作品が選出されたことがこのほど決定した。今年は新たに「パノラマ」「Japan Now」「日本映画クラシックス」の3部門が新設される第28回東京国際映画祭。映画祭の顔とも言える「コンペティション部門」に日本映画が3作品も選出されたのは、2004年の第17回開催以来11年ぶりとなる。プログラミング・ディレクターの矢田部吉彦氏は、選定理由について「巨匠、ヒットメーカー、若手のホープ。3名の異なるタイプの監督をお迎えすることで、日本映画の実力と多様性を世界に発信したいと思いました。充実していると感じており、世界にひけを取りません。この勢いが今年の映画祭で反映される形となりました」とコメントし、それぞれの作品への賛辞を送っている。このほど選出が決定した作品のうち1作品目は、日本人画家・藤田嗣治の半生を『泥の河』『死の棘』『眠る男』の小栗康平監督が日仏合作で描く『FOUJITA』。主演の藤田嗣治役をオダギリジョーが務め、妻の君代役には中谷美紀が配役。今回の選出は、昨年フェスティバル・ミューズを務めた中谷さんが語った「いつか女優としてコンペティション部門で映画祭に戻って来たい」という願いが一年で叶ったかたちとなる。2作品目には、「ももいろクローバーZ」が主演し話題を呼んだ『幕が上がる』の原作者として知られる平田オリザのアンドロイド演劇を映画化した『さようなら』が選出。二階堂ふみ主演の『ほとりの朔子』で2013年にも東京国際映画祭コンペティション部門出品された深田晃司監督の最新作である本作に、矢田部氏は「いままで見たことのない日本映画を完成させ、次代のトップランナーに躍り出ると確信しています」と絶賛を寄せている。さらに3品目として、竹内結子と橋本愛が共演を果たす『残穢【ざんえ】-住んではいけない部屋-』が選出。本作と阿部サダヲ、瑛太妻夫木聡が共演を果たす『殿、利息でござる!』の公開が来年既に決定している中村義洋が監督を務め、小野不由美の映画化挑む。矢田部氏は本作を「恐怖演出の歴史に新たな金字塔を打ち立て、日本の伝統的な怪談映画を深化させました」と評している。なお、ほかのコンペティション部門選出作品は、9月29日(火)に開催される「ラインナップ発表会」にて公表される予定。日本代表する3作品が、アジア最大級の映画祭である東京国際映画祭でどのように評価されるのか、大きな注目が集まりそうだ。第28回東京国際映画祭は10月22日(木)~10月31日(土)開催。(text:cinemacafe.net)
2015年09月16日人間と本物のアンドロイドが共演する映画『さようなら』の予告編映像が公開になった。劇作家・演出家の平田オリザと、ロボット研究を続ける石黒浩教授が共同で研究・創作を続けてきた同名演劇を映画化した作品だ。『さようなら』予告編本作の舞台は、放射能に侵され、日本国民が“棄国”を選択した近未来。主人公の女性ターニャは外国からの難民で、病弱な彼女をサポートするアンドロイドのレオナと暮しているが、彼女の避難順は来ないまま、周囲の人々が去っていき、死が迫るターニャと、死を知らないレオナは“最期”の時を迎える。本作の原作になった舞台『さようなら』は、青年団を主宰する平田オリザと石黒浩教授が大阪大学で2007年から共同で研究・開発してきたプロジェクトの一環として上演されたものだ。舞台は、ひとりの女性とアンドロイドが生と死を見つめる静かな作品で、その後に第2幕が書き加えられた作品も上演された。実際に舞台に登場するのは、生身の俳優と、プログラミングされたアンドロイドだが、人間の言語、仕草、線の動きを徹底的に見つめ、研究してきた平田の演出によってアンドロイドの“演技”は高い評価を集めている。このほど公開された予告編でも、人間の俳優と、CGでも合成でもない実物のアンドロイドが同じ空間の中で自然に会話をしており、これまでの映画にはない描写や表現が描かれることになりそうだ。映画の脚本と監督を務めたのは、『歓待』『ほとりの朔子』などの作品で海外からも高い評価を集める深田晃司監督で、ブライアリー・ロング、新井浩文、村上虹郎らが出演する。『さようなら』11月21日(土) 全国ロードショー
2015年09月03日劇作家・平田オリザの戯曲を映画監督・本広克行が演出する舞台『転校生』が開幕。初日の8月22日、東京・Zeppブルーシアター六本木にて通し稽古が報道陣に公開された。舞台『転校生』チケット情報同公演は、ある高校の教室を舞台に女子高生21名の1日を描いた群像劇。1994年にオール高校生キャストで初演されて以来、高校演劇のバイブルとも言われ、様々な高校で上演されている。平田と本広のタッグは、ももいろクローバーZ主演の映画_及び舞台『幕が上がる』に続き、今年2タイトル目。今作は若手女優発掘プロジェクトとして、岩井俊二プロデュースのドラマ『なぞの転校生』で主演を務めた桜井美南ら、1474人の中から選ばれた21名のキャストが演じる。物語は、「朝起きたら、この学校の生徒になっていた」と言う転校生が教室にやってくるところから始まる。平田オリザ戯曲特有の「同時多発」会話は、同公演でも見どころのひとつ。女子高生の他愛のない会話から、彼女たちの日常や社会への好奇心、大人たちへの不信感、将来への不安を垣間見ることができる。さらに、「舞台演出と映像演出の今の自分が持てる全ての演出方法」「映画と演劇の中間を狙っている」と本広が語る舞台は異色の仕上がり。21人の姿をより際立たせる。通し稽古後、出演者全員と本広で行われた囲み取材で本広は「70倍の中から選ばれてる子たちですから、千載一遇の出会いがこの舞台に集まっています。さらに映像も若手の監督にやってもらっているので、ここからいろんな出会いが起きて、たくさんの作品が生まれて、みんながスターになって、僕らがやったことが10年後に評価されたらいいなと思っています」と語った。物語の鍵を握る転校生_・大西由美役を演じた桜井は「稽古が始まった時には役が決まっていなくて、役を回して何度も違う役を演じていく中で、大西由美という役を演じてみたいと監督にも伝えていたので、役発表はすごく嬉しくて。同時に、初舞台の私に務まるのかな、という不安もあったのですが、この21人全員でやっていくうちにこの役がやれてよかったなって思いました」と心境を語った。9月6日(日)まで東京・Zeppブルーシアター六本木にて上演中。『転校生』と『幕が上がる』両作の舞台が富士ケ丘高校である、ということから、ももクロメンバーがアフタートークに参加。9月2日(水)に「転校生」出演者たちと舞台裏トークを開催する。取材・文:中川實穗
2015年08月28日劇作家・平田オリザの戯曲『転校生』が、映画監督・本広克行の演出で上演される。とある学校の教室を舞台に、女子高生たちの1日を描く作品で、1994年にオール高校生キャストで初演されて話題に。本広は今回、オーディションを行い、1474人の中から平均22歳のキャスト21名を選んだ。舞台『転校生』チケット情報稽古も中盤に入った8月某日、通し稽古が行われた。キャストたちが髪をいじったりメイクを直したりしながら、平田作品に特徴的な “同時多発会話”で台詞を言うさまは、等身大の女子高生の日常を見るように自然だ。舞台の両サイドには通路が設えられ、さらに奥には、観客にも見える場所に出演者たちのドレッサーが置かれている。「舞台上では役を演じ、通路では役を離れてニュートラルに行き来し、ドレッサーでは自分自身に戻るという、三つの人格を設定しています」と本広は説明。劇のラスト、ふたりを残して他の出演者がドレッサーの前で舞台を見守るのだが、彼女達の多くは、見ながら涙を流していた。本広は終始、笑顔で、様々な角度から舞台を確認してメモを取っていく。通し稽古終了後には、リアクションのしかた、感情を出すタイミング、他の場面に出てきたことをどう匂わせるかなど、細かくダメ出し。スカートの広げ方や下敷きの見え方といった細部にまで視覚的にこだわった演出は、映画監督の真骨頂と言えるかもしれない。本広は、平田作品に10年ほど前から「ハマって」いたという。最近では、ももいろクローバーZが主演した今年の映画&舞台『幕が上がる』も手がけた。「映画では台詞って基本的に重ならないんです。でもオリザさんの舞台では、芝居が多重に進行していても聞き取れる。人間の耳って面白いなあと感じましたね。いつかオリザさんの芝居を演出したいと考えていて、『転校生』をAKBのようなアイドルたちでやったらどうかと提案したら、オリザさんが『実は小説を書いていて……』と。それで結果的に『幕が上がる』を先にやることになったんです」。そんな本広の、映画と演劇への思いは、随所に見ることができる。たとえば、舞台に掲げられた3枚のスクリーン。演じているキャストたちを、客席からは見えないアングルからとらえてスクリーンに投影したり、平田のテキストがキャストの台詞に合わせて投射されたりするのだ。リアルタイムで操作するのは、若い映像監督たち。色々な意味で、映画と演劇が交差・交流する場となりそう。多感な若い女性21名を束ねる労力は大変なものだろうが、本広は「キャリアが少ない分、色に染まってくれるところは子供達と一緒。本人たちには言いませんけれども、やはり選ばれし子達なので成長がすごいです」と手応え十分の様子。「舞台は言ってしまえば嘘の世界。でも、彼女達の姿はリアルなので、そこをぜひ目撃していただきたいと思います」。公演は8月22日(土)から9月6日(日)まで東京・Zeppブルーシアター六本木にて。取材・文:高橋彩子
2015年08月21日-------------------------------------------大学1年生のみなさん! 「大学デビューのホントのところ」、知りたくないですか? 本連載は、かつて大学デビューに半分成功・半分失敗したトミヤマユキコ(ライター・大学講師)と清田隆之(恋バナ収集ユニット「桃山商事」代表)が、過去の失敗を踏まえ、時に己の黒歴史を披露しながら、辛く苦しい学生生活を送らないためのちょっとした知恵をお授けする。そんな連載です。-------------------------------------------○他者との距離感をキチンと測れる人間になろうぜ!7月といえば、夏が本格化する季節。ところが今年は、どうにもひと月遅れで梅雨が来ているような空模様で、浮かない気分のまま試験期間に突入してしまった1年生も多いと思います。でも大丈夫。テストが終わる頃には晴れてっから! みなさんには無事に試験を乗り切って、海に祭りに花火が待ってる夏休みへと思い切りダイブして欲しいと思います。さて、そんな7月。トミヤマさんは大学教員らしく、問い合わせメールに関するマナー講座を臨時開講してくれました。毎年学生たちから何百通ものメールを受け取る“現場の先生”ならではの、極めて実践的な指摘だったと思います(お、俺もメールの書き方を見直さねば……)。何が実践的だったのかというと、これが単なる「ハウツー」の話に終始していない、という点です。「こういうシーンではこういうメールを打ちましょう」と、ある種の“正解”を示してあげることはもちろん大事です。しかし、もっと重要なのは、「なぜそうする必要があるのか?」という部分を自分なりに納得することだと思います。トミヤマさんがここで強く訴えたかったのは、おそらく「他者との距離感をキチンと測れる人間になろうぜ!」ということです。適切な距離感を見極め、その上でやりとりを進めていく──。これは「コミュニケーション能力」と呼ばれるものの本質であり、その勘やセンスを自分なりに養っておくと、生きていく上で何かと役立つはず。だから実践的なのです。○"コミュ障"と“新型コミュ障”ところで、世の中には“コミュ障”という言葉があります。これは「コミュニケーション障害」(すごい言葉ですが……)の略であり、意味的には「人と関わることが苦手」という感じになるかと思います。男女に限らず、それを自認している人は少なくありません。何を話せばいいかわからない、目を合わせるのが苦手、ヘンな人間だと思われたらどうしよう……。そんな風にいろいろと気にしてしまって、人との距離を詰められないというのが悩みどころだと思います(私もです/(ToT)\)。しかし、コミュ障というのはそれだけではありません。私は「桃山商事」という、人々から恋バナを聞き集める怪しげな団体の代表を務めていますが、主に女性たちからよく聞くのが、「初対面の男子からいきなり『お前』って呼ばれてムカついた!」「合コンで会った男子に肩を抱かれてキモかった!」といった類の話です。男性向けの恋愛ハウツーには、こういった行為を“モテテク”として紹介しているものも多々あります(大抵「女は基本的にドMだから」というしょーもない理屈を根拠に……)。しかし、現に女性たちにウザがられている以上、それは完全なる虚妄です。騙されないで!いきなり「お前」と呼んでみたり、初めて会った人の肩を抱いてみたり……。端的に言って、これは距離を「詰めすぎ」です。だから相手が驚いたりキモがったりするわけです。大胆で勇気あるアクションと誤解されがちですが、適切な距離感を見極められないという点において、これもひとつのコミュ障と言えます。一般的な定義と区別するため、我々は便宜的に“新型コミュ障”と呼んでいますが、先生に馴れ馴れしいメールを送ってしまうのも、もしかしたらその一種なのかもしれません。○“他者不在”のコミュニケーションとは?コミュニケーション論の名著として名高い『わかりあえないことから─コミュニケーション能力とは何か』(平田オリザ/講談社現代新書)には、このようなことが書いてあります。いわく、かつては「一億総中流」という言葉が示していたように、日本人は均質的な価値観やバックボーンを共有していた。しかし、ライフスタイルが多様化した今、状況は大きく変わっている。だとしたら、互いに「わかりあえないこと」を前提に、バラバラな価値観の人間たちがいかにコミュニケーションしていくかを考えるべきである──。これは非常にシビアかつ重要な指摘だと思います。なぜなら、「どんなに近しい人であっても、結局は自分と異なる“他者”なのだ」と言っているからです。コミュ障というのは、おそらく「他者不在のままコミュニケーションしようとすること」が原因です。自分を守ることばかり考えてしまうから相手との距離が詰められないのだし、相手の反応をちゃんと見ないから距離を詰めすぎてしまうのでしょう。もちろん、世の中には「傷つくことを恐れずガンガン行こうぜ!」と語る自己啓発書は多いし、逆に「失敗しないためのマニュアルをしっかり身につけよう」と謳う教則本の類も少なくありません。そういうものに飛びつきたくなる気持ちは痛いほどわかりますが、個人的には反対です! なぜなら、それも結局は「傷つかないこと」「失敗しないこと」が目的になっていて、相変わらず“他者不在”だからです。○どんなに仲良くても、相手は他者(さみしいけど……)自他の区別をしっかりつけるというのは、イコール「甘えられない」ということであり、「常に緊張感を失わない」ということだと思います。これはなかなかシビアなことです。でも、どんなに仲良くても、相手は他者。考え方も感じ方も、自分とはまったく異なっている。何だかさみしいけど、これは厳然たる事実です。だから、コミュニケーションは「怖くて当たり前」です。ビビってナンボの世界です。ビビりながら、ちょっとカタめの態度から始めてみて、恐る恐る距離感を測り、徐々に距離を詰めていく。逆に、近しい人であっても、独立した他者であることを尊重し、一線を引くべきポイントを見定める。そうやって適切な距離感を見極めることができれば、結果的にそのコミュニケーションは気持ちの良いものになっているはずです。ビビらないメンタルを身につける必要も、無数のマニュアルを叩き込む必要も、一切ナシ! そう考えると、ちょっと気持ちが楽になりませんか?……って、何だか7月とは全然関係ない上、妙に説教臭い話になってしまいました。でも、これマジめっちゃ大事なことだと思うので、“トライアンドエラーし放題”という大学1年生の特権をフル活用し、ぜひコミュニケーションの勘とセンスを養ってみてください!清田隆之/桃山商事1980年、東京生まれ。失恋ホスト、恋のお悩み相談、恋愛コラムの執筆など、何でも手がける"恋バナ収集ユニット"「桃山商事」代表。男女のすれ違いを考えるPodcast番組『二軍ラジオ』を更新中。雑誌『精神看護』やウェブメディア「日経ウーマンオンライン」「messy」などでコラムを連載。著書に『二軍男子が恋バナはじめました。』(原書房)がある。Twitter @momoyama_radioトミヤマユキコライター・大学講師。「週刊朝日」「文學界」でブックレビュー、「ESSE」「タバブックス」でコミックレビューの連載を持つライター。早稲田大学などでサブカルチャー関連講義を担当する研究者としての顔も持っている。「パンケーキは肉だ」を合い言葉に、年間200食を食べ歩き『パンケーキ・ノート』(リトルモア)にまとめた。Twitter @tomicatomica
2015年07月22日「ももいろクローバーZ」(百田夏菜子、玉井詩織、高城れに、有安杏果、佐々木彩夏)が初主演を務める舞台「幕が上がる」の開幕を前に4月30日(木)、リハーサルの模様が公開され、原作小説、劇場版とはまた違った物語が明らかになった。平田オリザが発表した青春小説を「踊る大捜査線」の本広克行監督が2月公開の映画に続いて「ももクロ」主演で舞台化。弱小の高校演劇部が、かつて“学生演劇の女王”の異名をとった新米教諭を顧問に迎え、全国大会出場を目標に奮闘するさまを描き出す。※以下、物語の内容や演出に踏み込んだ記述が出てきます。ご注意ください。舞台版の物語は演劇部の練習場となっている美術室のシーンで始まるのだが、上演開始の15分ほど前からすでに部員のひとりが“早練”で壇上に姿を見せ、台本を読みこんでおり、さらに高城さん演じるガルルが廊下をアラレちゃんのように「キーン!」などと意味不明の言葉を発しながら高速で走り抜けるなど、一風変わった演出で観客を楽しませる。また、開演前の注意のアナウンスを行なったのは百田さん!携帯電話についての注意や非常口の案内を行なった後に「百田でした!」と語ったが、全公演を通じて百田さんが務めるのか?それとも日替わりでメンバーが行うのかは不明…。この舞台版は原作者の平田さんが自ら脚本を執筆しているが、原作小説、映画と大きく異なるのは、舞台に出てくるのが「ももクロ」が演じる演劇部の主要メンバー5人(3年生4人と2年生1人)と彼女たち以外の7人の女優が演じる2年生、1年生部員――つまり合計12名の演劇部員のみで、親や教師といった大人が一人も登場しないという点。映画では黒木華が演じた吉岡先生が鮮烈に登場し、演劇部を導くさまが描かれるが、この舞台では吉岡先生が学校を去ったのち、百田さん演じる部長・さおりを中心に、生徒たちが苦悩し、もがきながらも自分たちの力で前進していく過程が描かれている。そして、舞台版の大きな見どころと言えるのは劇中劇の「銀河鉄道の夜」。映画では、演劇部の大会での上演演目である「銀河鉄道の夜」の描写はごく一部のシーンでしか見られなかったが、舞台版ではその稽古の模様がかなり詳細にわたって描かれている。劇中劇の描写によって登場人物たちの心情が映し出されるような場面もあり、この舞台の重要な要素となっている。また「銀河鉄道の夜」の作者・宮沢賢治は岩手県の出身だが、それも踏まえてこの舞台版では2011年の東日本大震災に関係する描写や設定も加えられている。この部分に関しては、リハーサル前の記者会見でも、メンバーが「ビックリしました。まさかこんなエピソードが…」と驚きを漏らしていたが、そこで語られるセリフは「きっと日本中のみんなが持っていてくれるんだろうという言葉であったりしたので、だからこそしっかりと届けて、胸にグサッと刺さればと思います」とも!また、ファンにとって嬉しいのは、随所に見られる、メンバーが歌うシーン。部室で、屋上で、そしてカラオケボックスで!決してミュージカル調ではなく、あくまで物語の中で自然に歌声が挿入されているのだが、誰が何を歌うのかは見てのお楽しみ!基本的にストーリーはほぼ原作に沿った形で進むのだが、シチュエーションやそれぞれのセリフなどは、ほとんど舞台オリジナルとなっている。同時多発的にあちこちで会話が始まり、重なり合う平田さん独特のセリフ回しも健在!原作小説を読んでいる人も、すでに劇場で映画を見た人も新鮮な気持ちで高校生たちが時に悩み、ぶつかり合いながらも成長を遂げていくさまを楽しめる作品となっている。舞台「幕が上がる」は5月1日(金)よりZeppブルーシアター六本木にて開幕。(text:cinemacafe.net)
2015年05月01日「ももいろクローバーZ」の百田夏菜子、玉井詩織、高城れに、有安杏果、佐々木彩夏が映画に続いて初主演を務める舞台「幕が上がる」の初日を前日に控え4月30日(木)、演出の本広克行と共に記者会見に臨み、開幕を前にしての心境を語った。平田オリザが2012年に発表した小説を原作に「踊る大捜査線」の本広監督が「ももクロ」の5人を主演に映画化したのに続き、平田さんが脚本化した戯曲で映画に続き本広監督の演出で舞台化。弱小演劇部が全国大会を目指し、苦悩しつつも成長していくさまを描き出す。百田さんは、映画の撮影に続いての本広監督による舞台の稽古について「厳しかったです!」と述懐。全てが初めてという環境の中「手探りだったんですが、稽古の期間も短くて『じゃあ明日、第1幕通すからセリフ全部入れてきて』という感じで、それが50ページくらいあったりして、鬼だなって…(苦笑)。メンバーで協力体制を敷いて、いつもセリフ合わせをしてました」と移動中の車の中などでもセリフを覚えたり、合わせる練習をしていたと明かした。玉井さんは「ライヴでお客さんと同じ空間で過ごすのは本業ですが、舞台では雰囲気が全然違うと思う。ただただ緊張しかないです…」と少し不安そう。高城さんは「何があるのか分からないのが舞台。『答えは全て稽古場にある』という吉岡先生(※演劇部の顧問)の言葉を思い出しながら頑張りたいです」と意気込みを口にする。有安さんが「『ももクロ』の中でも“噛み噛み番長”と言われるくらい滑舌の悪い私がちゃんとセリフを伝えられるのか?不安でしたがオリザさんに素敵なセリフをいただけたので、(ホールの)後ろの席の人にまで届けられたら」と語る一方で、メンバー最年少の佐々木さんは「普段から『声がでかい』と怒られてるので、やっと声がでかくても怒られない現場で嬉しいです」と堂々のコメントで強心臓ぶりを見せつける。本広監督は5人の仕上がり、稽古場での様子について「稽古場では集中しましたよね?おふざけ一切なしで、舞台女優としてもすごいところが見たかった。オリザさんの中でも難しいセリフが多い芝居ですが、全部を再現できるところまで来ています」と自信をのぞかせた。既に何度か通し稽古は行っているが、まだ、観客の前では1度も演じていないとあり5人とも「正直、楽しむ余裕はないです」「初めてだらけでいっぱいいっぱいです」と不安が口をついて出るが、それでも“挑戦”こそが「ももクロ」の生き方、進む道だと全員、自覚しているよう。玉井さんは「演劇が楽しいと思う瞬間が来ると信じてます」と言えば、リーダー百田さんは「私たちは常にいろんな新しいことをやらせていただいてきましたが、初めから楽しかったためしはないです(笑)。それでもいつも、終わったときに感じたことのない達成感を感じ、『やってよかった』と思えた。今回も『また(舞台を)やりたい』と思えるように頑張りたい」と力強く語った。なお、既にチケットは完売しているが、5月24日(日)18時開演の千秋楽公演が全国39の映画館にてライブ・ビューイングで上映されることも決定。また8月5日(水)に映画版『幕が上がる』のブルーレイ&DVDがリリースされるのと同時に、そのメイキングドキュメンタリー「幕が上がる、その前に。彼女たちのひと夏の挑戦」が発売されることも発表された。舞台『幕が上がる』は5月1日(金)よりZeppブルーシアター六本木にて開幕。(text:cinemacafe.net)
2015年04月30日市村正親、平田満、益岡徹の初顔合わせで大評判をとった舞台『ART』が、今月末、東京・サンシャイン劇場で16年ぶりに初演と同じキャストで上演される。鋭い筆致で人間の本性をあぶり出すヤスミナ・レザが執筆した本作は1994年にパリで初演、その後35か国で翻訳上演され、世界の名だたる賞を獲得した傑作コメディ。音響効果を一切使わない90分ノンストップの会話劇だけに、俳優同士息のあった芝居がみどころとなりそうだ。4月某日、稽古場を訪ね、あらためて本作に向き合う3人と演出のパトリス・ケルブラに話を訊いた。舞台『ART』チケット情報市村は開口一番、「初演のあと、何年かしてからまたこのメンバーでやりたいと密かに思ってたんです」と話す。そんな市村の思いを聞いたパトリスは、初演でも演出を務めた経験からこう語る。「前回の時よりも3人が役者として円熟しましたね。今のほうが登場人物の年齢により近づいていると思いますし、以前にも増して役者が役そのものになっている気がします」。マーク、セルジュ、イワンの3人は15年来の親友だが、セルジュが買った一枚の高価な現代絵画の価値を巡って大げんかがはじまる。マークにとっては価値のない絵に“友達”のセルジュが大金をはたいた。だからこそ本当のことを教えてあげよう。最初は友情の証だったのかもしれないマークの言動に「傷ついていないように見えていながら(マークの)笑われ方に深く傷ついているんです」と話すのはセルジュ役の益岡。友達だからこそ踏み込んでも許されるのか、それとも一線を引くべきなのか。言い合える関係性がベースになければ成立しない。「だから、16年前よりも今回のほうがそういうニュアンスは強いですよね」とマーク役の市村は言う。ふたりの間で事態を丸く収めようとするのはイワン。だが彼には別の大きな悩みがあり、そのことから状況はさらに混迷を深めていく。イワン役の平田は「最初から波乱含みではじまり、関係がどんどん変わっていく様がつくづく面白いなとあらためて思いましたね。友達のいる人なら誰でも笑えるお芝居」と作品の魅力を語る。“友情”という絆で固く結ばれていたはずの関係が次第に怪しくなり、やがて大きな亀裂を生んでしまうスリリングな展開。舞台の向こう、演じている側にとっては“悲劇だが、舞台のこちら、観客側から観ると笑えてしまう構図が面白い。友人関係に微妙な距離を取りたがる現代の私たちにとって、この作品が描く“友情”のあり方をみてどう感じるか、ぜひ劇場で確かめて欲しい。公演は4月28日(火)から5月10日(日)まで東京・サンシャイン劇場にて上演。その後、愛知、京都、福岡を巡演する。チケットは発売中。
2015年04月24日「ももいろクローバーZ」の百田夏菜子、玉井詩織、高城れに、佐々木彩夏、有安杏果が3月15日(日)、約1か月にわたって行なってきた主演映画『幕が上がる』の全国行脚舞台挨拶の最終日を迎え、最後の127館目となる新宿バルト9にて5人揃って舞台挨拶に臨んだ。劇作家・平田オリザの小説を原作に高校演劇に青春を燃やす高校生たちの姿を描いた本作。「ももクロ」の5人は時に単独で、時に複数のメンバーに分かれて、本作が上映されている全国127の映画館を回っており、総移動距離は5万キロにおよんだ。この日の最後の舞台挨拶は全国70を超える劇場で生中継。リーダーの百田さんは「最初に(全国行脚を)聞いたときはビックリしたけど127館目!おめでたい!」と満面の笑みを浮かべた。いつも5人一緒のメンバーがバラバラになって全国を巡るというのは初めての試みで、それぞれが一人きりではどんな顔で、何を喋っているのか?互いに気になっていたよう。各人、個別にテーマや課題を持って回っていたそうで、佐々木さんは全国行脚の最中「『お~い!竜馬』を読んでいた」とのこと。全12巻中、6巻までしか読むことはできなかったが「京都で寺田屋に行ったり、高知で桂浜に行ったりして、竜馬さんのおかげでみんなここにいられるんだと感じた。人ひとりで時代がこんなに変わるんだと思った!」と坂本竜馬から多くを教わったよう…?玉井さんは「司会力向上プログラム」と称し、武者修行でMCとしての技術を磨いたそう。有安さんは「全国のモノノフさんの写真を撮る」をテーマにしており、この日も肩から一眼レフのカメラをぶら下げ、客席をパチリ。百田さんは“宣伝部長”として、本広克行監督にダメ出しされつつも宣伝活動に勤しんだ。4人(百田さん、玉井さん、佐々木さん、有安さん)は肩を寄せ合い「成長できたと思う」「ソロで持って帰ってきたもので『ももクロ』を成長させようと」と互いを称え合うが、この輪からひとりだけ外れているのが…高城さん。「あれ?あれ?高城さんは何持って帰ってきたの?」という言葉に、「もう帰っていいすか(苦笑)?」とスネた表情を浮かべ笑いを誘う。高城さんは「全国の愛情がここに刻まれてる!」と胸を指すも、4人からはあっさりと「それはうちらもだよ。というか、高城さんだけ(舞台挨拶の数が)一番少なかった」と指摘されて苦笑い。高城さんは「確かにみんなと違ってテーマは持ってなかったし、舞台挨拶も少なかった(笑)」と大筋をあっさりと認めつつ「ソロコンサートを頑張った!」とアピール。そして、昨日まで一緒に北海道を回っていた玉井さんの司会について「メンバー同士だと照れくさいけど、スムーズに進行してくれるのはすごいなと改めて思った。身を委ねてステージに立てました!」と絶賛した。この日は、福岡で出演中の舞台が千秋楽を迎えている共演のムロツヨシから生電話が入ったほか、原作者で、これから稽古に入る舞台版「幕が上がる」の脚本も担当している平田オリザからの手紙も到着。劇中に出てくる「銀河鉄道の夜」になぞらえ「みなさんは、宇宙の果てまででも行ける切符を持っています」など温かい激励とねぎらい、さらなる飛躍を期待する言葉が贈られた。百田さんは最後に「用意された最高の環境に感謝したいです。全てが初めてで、新しい世界への一歩であり、何をしている時も楽しかったです」と充実の表情。これから舞台版の稽古も始まるが「舞台でまた新しいところに足を踏み出せるので、また新しい風を吹かせられたら。まだまだですよ、みなさん!一緒に頑張っていきましょう!」と意気込みを語ると共にモノノフに“共闘”を呼びかけ、会場は拍手と歓声に包まれた。なおこれで全国行脚は終わるが、さらなる追加として、本作を上映している全国のどこかの映画館で、4月11日にいま一度、5人揃っての舞台挨拶が行われることも発表された。『幕が上がる』は全国にて公開中。(text:cinemacafe.net)■関連作品:幕が上がる 2015年2月28日より全国にて公開(C) 2015「幕が上がる」製作委員会
2015年03月15日●百田夏菜子が"オリザJr."に演出家・平田オリザによる同名小説を、『踊る大捜査線』シリーズの本広克行監督が映画化した青春映画『幕が上がる』が2月28日から公開。主演は他のアイドルとは一線を画す存在として熱い支持を集める、ももいろクローバーZ。高校演劇を舞台に、全国を目指す少女たちの姿を描いた本作は、モノノフ(ももクロのファン)以外の観客の胸にも確実に響く作品に仕上がった。部長のさおりに扮したももクロリーダーの百田夏菜子、演劇部の看板女優・ユッコ役の玉井詩織、さおりを慕う後輩部員・明美役の佐々木彩夏、強豪校からの転校生・中西役の有安杏果、ムードメーカー・がるるに扮した高城れにの5人が、映画初主演で感じたことは?――役柄を掴んだ、手ごたえを感じたといった瞬間はいつでしたか?高城れに(以下高城):やっていくうちに、だんだん"がるる"という役を自分自身が好きになっているのが分かりました。あと最初はどこまで自由にやっていいのか分からなかったけど、顧問役のムロ(ツヨシ)さんがクランクインして、アドリブも入れながらすごく自由に演技されていて、監督もいいね!という反応だったので、あ、もっと自由にやっていいんだと思えました。玉井詩織(以下玉井):クランクイン前に監督と役柄について話す時間がなかったので、撮影をしていく中で作っていきました。役柄を掴めたとか、そういう感覚は分からないのですが、完成した作品を観たときに、きちんと"ユッコ"として映画の中で生きられていたので嬉しかったです。百田夏菜子(以下百田):"さおり"は部長で演出家という、みんなをまとめて劇中劇を作り上げていく役でした。なので、撮影前に参加した(平田)オリザさんのワークショップのときから、どんな時にみんなのお芝居を止めたり、アドバイスを入れるのか、オリザさんの姿を見ていました。撮影に入ってから、自分でもだんだんみんなのお芝居で気になるところが出てきて、止めて指示できるようになっていきました。本当に演劇部のお芝居を作り上げている感じがして、嬉しかったです。佐々木彩夏(以下佐々木):現場ではモニターを見なかったので、どんな風に映っているのか全くわからなくて不安もありましたが、自分の中でだんだん"明美"ちゃんがはっきりしていくのが分わかって嬉しかったです。台本に書いていない部分も感じられるようになって楽しかったし自信になりました。有安杏果(以下有安):自分たちの演技を観て手ごたえを感じたとか、そういう瞬間はなかったのですが、でも最初はこうかなぁと思いながら監督に相談していたのが、いつの間にかこう思うと変化していったのが嬉しかったですね。あと、衣装に"中西"って名前が入ってたり、スタッフの方もみなさん役名で呼んでくれていたので、呼ばれたり、制服を着ると、役に入れた気がします。――百田さんの部長っぷりはいかがでしたか?玉井:普段、普通に生活しているときにはリーダーっぽいところってないんですよ。でもライブでの最後の言葉とか、ちゃんと締めるところはリーダーらしいんですよね。今回の部長役でも、最初はオリザさんを見て、「あんな風に止められないよ、できない!」とか言ってたんですけど、いざ撮影に入ったらバンバン止めてきて。どんどん部長らしくなってきて、ちょっと悔しかったですね(笑)。佐々木:私はオリザさんに肩が揺れるって指摘されてたんですけど、明美ちゃんがスランプになるところで、部長に同じことを言われて、オリザさんに見えました。玉井:オリザJr.だね。高城:さおりはなんだかんだ言って、部員のみんなのことをちゃんと見ていて部長らしいし、そこがももクロのリーダーにもかぶると思いました。有安:部員が実際の大会の舞台上でお芝居をしているときに、さおりは演出家として袖から見守ってるんですが、撮影は別だったので、完成した作品で初めてそのときのさおりの表情を見て、部長だなって感じました。あと、メンバー以外の子たちも部長として見ているのが伝わってきたので、ちゃんと部長やってんじゃんって思いましたね。百田:みんな、いいこと思ってるんじゃん。普段は恥ずかしくて言えないんだね~。みんな、わたしのことが好きなんだね♪4人:(一斉に)インタビューだからだよ!●メンバーが大切にしていることとは?――特によく覚えているシーンはどこですか?高城:がるるは私と一緒で落ち着きがないんですけど。百田&玉井:あ、気づいてたんだ。高城:なんでも大げさにしちゃうっていうか。本編でも中西さんが転校してきたのを知って、「やばい、やばい!」って大声を張り上げて走り回って、その後、無駄にちょっかいを出すんですよ。結局、本編では使われてないんですけど、監督がカットをかけないから、中西さんへの質問攻めを続けたんです。百田:あれ、すごかったよね。高城:中西さんはキャラクター的に、返すわけでもないから、ひとりでベラベラベラベラ。有安:あまりに来るから、最後は私も中西という役を守り切れなくて、笑っちゃいました。百田:今日は朝、何食べてきたの?玉井:シャンプーは何使ってるの?とか。有安:中西が何のシャンプーを使っているかまでは役作りしてませんでした(笑)。――難しかったシーンは?玉井:劇中劇の「銀河鉄道の夜」のシーンです。私はジョバンニという主役をやらせてもらったんですけど、静かな環境の中でひとりで長いセリフをしゃべることってなかなかなかったから、すごく緊張しました。でもその静けさが楽しくもありました。有安:私は2つありました。ひとつは転校したてのときに、さおりと自転車を押しながら歩いているシーン。その時点でのさおりと中西との距離感がはっきりつかめなくて。完成した作品を観ても、いまだにあれでよかったのかなと思ってしまう場面ですね。あともうひとつは転校前の回想シーン。本当の演劇部の子たちの中に入って劇中劇をやるシーンがあって、強豪校という設定だし、すごいプレッシャーでした。――副顧問役の黒木華さんと共演して感じたこと、得たものは?玉井:気さくでおもしろい方なんですけど、話し方はイメージ通りで、大きな声を出したりはしないんです。それが、予告編でも出てくる先生が灰皿を投げつけるシーンでビックリしました。「そうじゃないでしょー!」ってすごく大きな声で。黒木さんからあんな怒鳴り声が出てくるのは想像できなくて衝撃でしたし、やっぱり女優さんはすごい!と。あと、そのあとにカットがかかると、「あ、はい、じゃ、もう1回やります」って淡々と次に行っていて(笑)、本当にすごいと思いました。百田:私は黒木さんとお芝居をしているときに、自分でも感じたことのない感情を引き出される感覚があったんです。女優さんってこんな感じなのかなと感じる瞬間を与えてもらえて感動しました。佐々木:志賀(廣太郎)さんと黒木さんが「ロミジュリ」をやる場面があるんですけど、そこがおもしろくって。黒木さんは本当にいろんな顔を見せてくれるので、どれが本当の黒木さんなんだろうって思いました。――ひとつの目標に向かって一生懸命頑張っている少女たちの物語ですが、夢を叶えるために大切だと思うことを教えてください。高城:ずっと思いを持ち続けるって難しいことで、ブレることもあると思うんです。辞めようかなって思ったり。でもそれでも最終的にやりたいという気持ちに戻れればいいし、意志を持ち続けることは本当に大切。自分を信じることも大事だと思います。玉井:そのことを続けること。夢を追って、すぐに叶えられる人もいるけれど、いずれにしても自分が叶えたい分野を続けていなきゃたどり着けない。だから続けることですね。百田:言葉にすることってすごく大事だと思ってて、私たちも昔から叶えたい目標や夢は言葉にするようにしてきました。言葉にすると、周りのスタッフさんとか全員の団結にも繋がるし、みんなが同じ方向に向かっていけると思う。それに口にしているほうが、必要なときに寄って来てくれる人がいたりして、実際に私たちもそうして夢を叶えてきたので、言葉にするというのは、とても大事だと思います。佐々木:ももクロも演劇もひとりじゃなくてみんなで叶える目標だと思う。だからみんなで叶えようっていう気持ちが大切だと思っています。個人の夢だとしても、それを指導してくれる先生がいたり、応援してくれる両親がいたりするので、自分のための夢だとしても、周りの人たちのために頑張るという気持ちも大事かなって思います。有安:夢に向かっているときって、一度はダメかもって感じてしまうものだと思うんです。でもあえて、大丈夫、いけるんだ!って思うことはすごく大事。自分を信じることはやっぱり大切だと思う。でもそのためには、練習だったり、周りを信じることが大事だと思います。――本作の公開の後には舞台版でも主演が決まっています。映画を楽しみにしている方と、舞台版に向けてメッセージをお願いします。百田:映画はどの世代の方が観ても、キラキラした青春が感じられる作品だと思います。大人の方には高校時代を思い出してもらって、これから高校生になる人には、こんな楽しいことが待ってるんだと思ってもらえたら嬉しいですね。舞台版については、オリザさんがハードルを上げているという噂を耳にしています(笑)。オリザさんと本広監督って、最強タッグだと思うので、しっかりとしがみついていきたいと思います。有安:あ、高城さんが最後にひと言あるそうです。高城:あ、あの…。佐々木:大丈夫だよ。高城:ももいろクローバーZが主演の作品ですけど、みんなが知ってるももクロじゃないよっていうのも見てもらいたいし、同時にもっともっとももクロに興味も持ってもらいたいので、ひとり最低2回は観てください。有安:ちゃんと言えてよかったね。玉井:まだ慣れないの?高城:慣れないぃ…。■プロフィールももいろクローバーZ百田夏菜子、玉井詩織、佐々木彩夏、有安杏果、高城れにの5人によるガールズユニット。08年に「ももいろクローバー」を結成し、ストリートライブから活動を開始。10年5月にメジャーデビューを果たす。次第にメンバーの身体能力を活かしたアクロバティックなダンスやライブ中のトークの面白さなどから、個性的なグループとして認知され、人気を集めるようになる。11月4月の公演でグループ名を「ももいろクローバーZ」と改め、入れ替わりのあったメンバーが、以降、現在の5人に定着。12年にはNHK紅白歌合戦に初出場を果たした。業界内にもファンが多いことで有名。『幕が上がる』は「ももいろクローバーZ」として初の主演映画となる。(C)2015平田オリザ・講談社/フジテレビジョン東映ROBOT電通講談社パルコ
2015年03月03日『幕が上がる』おそるべし!青春映画、侮るべからず!もしかしたら青春真っ只中に生きる彼女たちよりもむしろ、すでに青春を通り過ぎたはずの大人たちに、「ももクロ」に熱狂するモノノフたちよりも、熱くなることを忘れた人々にこそ、この映画はガツンと響くのかもしれない。映画『幕が上がる』がついに公開を迎えた。5人揃って主演を果たした「ももいろクローバーZ」の百田夏菜子、玉井詩織、高城れに、有安杏果、佐々木彩夏。撮影を通じて彼女たちは何を思い、何を手に入れ、何を伝えようとしたのか?【役柄紹介】百田夏菜子…高橋さおり(3年):演劇部部長。周りから半ば強引に部長に任命される。最後の大会に向けて脚本を執筆し、演出を担当する。玉井詩織…橋爪裕子(3年):通称“ユッコ”。部の看板女優でお姫様キャラ。高城れに…西条美紀(3年):通称“がるる”。黙っていれば美人のお調子者。佐々木彩夏…加藤明美(2年):さおりを慕うしっかり者の後輩。有安杏果…中西悦子(3年):強豪校からの転入生。当初は乗り気ではなかったが、さおりに誘われ演劇部に入部する。原作は劇作家の平田オリザが2012年に発表した処女小説。『桐島、部活やめるってよ』の脚本家・喜安浩平が脚本を担当し、『踊る大捜査線』シリーズの本広克行監督がメガホンを握ったが、撮影を前に「ももクロ」の5人は平田さんのワークショップに通い、演技のレッスンを受けた。ーーワークショップやその後の撮影を通じて、自分の役を掴んだ瞬間、手応えを感じた瞬間はありましたか?高城:やっていく内に、“がるる”という役をどんどん好きになっていくのを自分でも感じていました。最初は、役に対してどこまでやっていいのか分かんなかったんです。でもムロ(ツヨシ/顧問の溝口役)さんがクランクインした時、アドリブをガッチリ入れて自由に演じてて、監督もそれを『いいね』と言ってて、その時に『あぁ、自由にやっていいんだ』と思いました。玉井:クランクインする前は監督と役について話をするような時間はなくて、撮影する中で『ここはこうやってみよう』という感じで役を作っていったんです。だから役を掴んだ『ここ!』という瞬間は自分でも分かんないですけど、完成した映画を見たら、ちゃんとユッコとしてこの世界の中で生きられたんだ!と思えて嬉しかったです。百田:さおりは、みんなをまとめたり、劇中劇(=「銀河鉄道の夜」をモチーフにした作品)を作り上げていく役。オリザさんのワークショップの頃から、みんなは「銀河鉄道の夜」をやってて、そこで(指導する)オリザさんの姿を見て、どんなところで注意してるのかな?と観察してたんです。(撮影に入って)本番でもだんだん、自分で(みんなの演技で)気になるところが出てきて、それを指摘すると、みんなが次にそれを直してやってくれて、『作ってる』感が嬉しかった。最初は手を叩いて演技を止めることもできなかったんですけど、徐々にできるようになってきて、メンバー以外の部員役の子たちにも気づいたことを言えるようになったのは嬉しかったです。佐々木:やっている最中はモニターを全く見てないので、自分たちの演技がどうなっているのか全然分からなくて不安でした。でもやっぱり、やっていく内に、自分の中で明美ちゃんの性格とか、台本にないことまで定まってはっきりしてきたのが、すごく自信になりました。有安:(佐々木の言葉にうなずき)モニターを見てないから自分たちの演技を見て手応えを感じるってことがなかったんです。でも、最初は「こうかなぁ…?」と監督とかに相談してたんですが、「こうだと思う」と自分のやりたいことが出てきて、自分だけでなくみんなとも「ここってこうだよね」と作っていく感じになったのが「行けるんじゃないかな?」と思った瞬間ですね。ーーさおりをはじめ、部員たちは全国大会出場という目標に向かって一生懸命頑張ります。『ももクロ』もグループとして夢を掲げ、走り続けてきましたが、夢をかなえるために必要なことは?高城:夢をずっと持ち続けるって難しいことで、ぶれることもあるし、やめようって思っちゃうこともある。それでも、最後はそこに戻ればいい。意思を持ち続け、信じることが大事だなって思います。玉井:すぐに夢をかなえられる人もいるかもしれないけど、やっぱり続けなくちゃ、そこにたどり着けない。続けることです!百田:私は言葉にすることがすごく大事だと思ってて、私たちも昔から叶えたい夢や目標は口に出すようにしてきました。言葉にすると、自分たちだけでなく周りの人もそう思ってくれて、みんながそっちに向いて団結したり、必要なときに助けてもらえたりもする。そうやって夢をかなえてきたので言葉にするのを大事にしてます。佐々木:「ももクロ」も演劇部も一人じゃなくて、ひとりで目標をかなえるのではなく、みんなでかなえる目標なんですよね。(大事なのは)「みんなでかなえよう」という気持ちかな?もちろん、自分のための夢なんですけど、応援してくれる人や周りのためにも頑張る気持ちってすごく大事だと思います。有安:夢があっても多分、一度は「ダメかも」って思っちゃうことがあると思う。でも「行ける」って思うことがすごく大事。自分を信じることが大切!でも自分を信じるためには練習することや周りを信じることがすごく重要だなって思います。ーー百田さんは「ももクロ」のリーダーで、さおりは部長ですが、4人から見て百田さんの部長っぷりはどうでしたか?百田:良いこと言ってよね(笑)!高城:(わざとらしい口調で)すごく部長らしくて、カッコよくて頼れて…。玉井:普段、生活してる中ではリーダーっぽいところってないんですよ。でもライヴの最後の言葉とか、締めるところはリーダーらしさが出てくる。部長としても、最初に私たちがオリザさんに指導をしていただいてる時は、オリザさんを見ながら「できねーよ…。(みんなの芝居を)止められねーよ(苦笑)」って言ってたんだけど、いざ本番が始まるとバンバン止めてくる(笑)。「また止められた!次は何だ?」って感じで思いながらだんだん、部長らしくなってきたなってちょっと悔しかった。また最初からかよ!って(笑)。佐々木:私は最初、オリザさんから「肩が揺れる」と言われてたんですが、(百田さんが)それを明美ちゃんがスランプの時に言ってきて、オリザさんに見えました!高城:部員全員を集めて「このノートにみんなのこと書いてる」って言うシーンとか、玉ちゃんと百田の2人のシーンで「ひとりひとりのこと見て書いたんだ」って言うところとか、普段はプールに落っこっちゃうくらい病んで、ボケボケしてるのに(笑)、なんだかんだで結構、部員を見て最後はまとめてくれるのは部長らしいし『ももクロ』とも被るなって思いました。有安:舞台袖から私たちの演劇を見守ってるシーンで、その時の撮影に(百田さんは)いなかったんだけど、完成した映像でそのときの表情を見て『部長だな…』と思ったし、その後で私たち以外の部員の子たちもいて、その子たちも夏菜子を部長として見てる感じがして「ちゃんと部長やってんじゃん!」って思いました(笑)。ーーみんなの発言を聞いて百田さんはいかがですか?一同:これだいぶ、褒めたよ(笑)!これで反論あったら贅沢でしょ。百田:普段はみんな、恥ずかしくてこういうこと言えないんですよね、良いこと思ってるんですけど。みんな、私のこと好きなんだなって…(笑)。高城:インタビューだからしょうがなくね。玉井:世に出るものだからさぁ。佐々木:好感度考えて言ってるからね。高城:自分たちの見え方を気にしてるから。百田:サイテーだよ(笑)!部長に、さおりに誇りを持ってます!ーー最後にリーダーからひと言お願いします!映画の公開後は、同じく本広監督の演出で舞台版「幕が上がる」も控えてます。百田:舞台に関して平田さんがハードル上げてるとウワサを聞きまして…難しいから本広さんと「ももクロ」頑張れ!という投げやりなコメント耳にしたんですけど(笑)。まだ詳しい情報は聞いてないけど、平田さんと本広さんは“最強タッグ”だと思うので、しっかりしがみついていけるように頑張りたいと思います!映画に関してはどの世代の方が見ても、キラキラした青春を感じられる作品になってると思います。(取材陣を見渡し)みなさんは、昔を思い出し(笑)、まだ高校生になってない人はこんなに楽しいことがこれから待ってるんだと思っていただけたらいいなと思います。有安:すいません、ちょっと最後、高城さんがひと言(笑)!高城:みんなが知っている「ももいろクローバーZ」じゃないよっていうのを見せたいし、もっともっと「ももいろクローバーZ」にも興味持ってもらいたいし、ダブルで応援してもらいたいので、ひとり最低2回は見てください!(text:Naoki Kurozu)■関連作品:幕が上がる 2015年2月28日より全国にて公開(C) 2015「幕が上がる」製作委員会
2015年03月02日「ぴあ」調査による2015年2月27日、28日のぴあ映画初日満足度ランキングは、新垣結衣が主演を務める『くちびるに歌を』がトップに輝いた。2位に演劇に打ち込む高校生たちの青春を描いた『幕が上がる』が、3位に鉄拳のパラパラ漫画を、中村獅童と小西真奈美の共演で実写化した『振り子』が入った。その他の写真1位の『くちびるに歌を』はアンジェラ・アキのヒット曲『手紙 ~拝啓 十五の君へ~』をモチーフにした青春小説を映画化した作品。出口調査では「実際に合唱を聴き、原作を読んだとき以上に大きな感動に包まれた。困難に立ち向かう姿など、子どもたちの熱演に涙が出た」(60歳・女)、「自分も合唱部にいたので共感する部分が多くて、胸が熱くなった。新垣結衣も生徒たちも演技がとても自然体でよかった」(20歳・女)、「島特有のゆっくり流れる時間の様子が感じられ、じっくりと映画に入り込めた。新垣さんの今までにない役どころや、ドキュメンタリータッチの演出もよかった」(54歳・男)、「生徒それぞれが抱えている思春期の葛藤が、課題曲『手紙』とリンクし合って作品になっていて共感した」(26歳・女)、「原作との違いはあるが、実際に音として聴くと感動的で、島と海の色など景色も美しくて雰囲気のある良い映画だった」(48歳・男)などの感想が寄せられ、劇場には10代から70代までの幅広い世代が来場していた。2位の『幕が上がる』は、劇団“青年団”主宰の平田オリザによる同名小説を映画化した作品。観客からは「がむしゃらで、悩み、精一杯だった自分の青春時代を懐かしく思い出した」「高校生が稽古を通してどんどん演じることがうまくなっていく姿にホロッとしたり、時に笑ったりできる楽しい映画だった」「顧問役の黒木華も良い味を出していてよかった」などの声が上がった。(本ランキングは、2月27日(金)、28日(土)に公開された新作映画13本を対象に、ぴあ編集部による映画館前での出口調査によるもの)
2015年03月02日人気アイドルグループ「ももいろクローバーZ」が映画初主演を果たした青春映画『幕が上がる』の初日舞台挨拶が2月28日(土)、都内で行われ、メンバーの百田夏菜子、玉井詩織、高城れに、有安杏果、佐々木彩夏を始め、共演する志賀廣太郎、黒木華らが登壇した。劇作家・平田オリザが2012年に発表した処女小説を、「踊る大捜査線」シリーズの本広克行監督が映画化し、演劇に青春をかける少女たちの汗と涙の日々を描いた。映画館には“モノノフ”と呼ばれる熱心なももクロファンが多数駆けつけ、コンサートばりの盛り上がりを見せた。その熱気に、演技部顧問を演じた黒木さんは「おぉ…」とタジタジ。「(本作の)舞台挨拶に初めて参加しましたが、こういうことになっているんですね。ももクロのみんなは愛されているのが分かりますね」と圧倒された様子だった。黒木さんといえば、前日の2月27日(金)に行われた第38回日本アカデミー賞で見事、最優秀助演女優賞(『小さいおうち』)を受賞したばかり。百田さんが「黒木さんと共演させていただき、本当に光栄。ぜひあやかりたい!」と祝福すると、それに乗じて高城さんは「この映画でぜひ日本アカデミー賞の新人賞を取りたい。会場のレッドカーペットを5色にする」と宣言した。これに対して、本広監督は「本当にお芝居を頑張ったし、イケると思うよ。本当に受賞したら笑えるけど」と辛口エール。黒木さんは「現場は結構な緊張感だよ…」と“5色カーペット”に難色を示していた。この日は本作のメイキングドキュメンタリー『幕が上がる、その前に。彼女たちのひと夏の挑戦』が3月11日(水)から全国65スクリーンで緊急公開されることが発表され、「私たちにもプライバシーがあるんですけど…」(百田さん)、「ちっとも聞いてません!」(佐々木さん)と大慌て。一方、会場のモノノフたちは大歓声でドキュメンタリー公開を歓迎していた。『幕が上がる』は全国にて公開中。(text:cinemacafe.net)■関連作品:幕が上がる 2015年2月28日より全国にて公開(C) 2015「幕が上がる」製作委員会
2015年03月02日ももいろクローバーZ主演の映画『幕が上がる』の初日舞台あいさつが28日、東京・新宿バルト9で開催され、アイドルグループ・ももいろクローバーZ、黒木華、志賀廣太郎、本広克行監督と原作者の平田オリザが登壇した。『幕が上がる』は、ももクロのメンバーが高校の演劇部員に扮し、新任の女性教師(黒木華)の赴任を機に、全国大会を目指して奮闘する姿を描く青春ドラマ。劇作家で演出家の平田オリザによる同名小説を、『踊る大捜査線』シリーズの本広克行監督が映画化した。第38回日本アカデミー賞で、最優秀助演女優賞に輝いた黒木華。百田は黒木との共演を振り返り、「私たちが一緒の作品を作れたこと自体が光栄なので、このままあやかりたいと思います」と笑顔を見せた。黒木の演技について高城は「迫力がすごい」、佐々木は「これが女優さんなんだなと思いました」、玉井は「とても感動しました」と、それぞれにリスペクト。黒木は「みんな本当に真面目なんです。みんなが揃ってるとにぎやかなんですが、個々人はすごくいろいろと考えている。夏菜子さんは、みんなを引っ張っていく役だったので、そういう表情を見ていて面白かったです。ご一緒できてうれしかった。私も学ぶことがたくさんあったので」と5人を称えた。百田は「もう、満足です」と喜んだ。高城は「本物を目の前にしてなんですが……。アカデミー賞新人賞を受賞したいです。希望です」といきなり堂々と宣言。玉井が「個人として?」と聞くと、高城は「いやいや、5人でとりたくて。夢があって。レッドカーペットを歩くんですが、途中でカーペットが赤から5色になる」と説明すると、有安が「ええ!?」と驚き、佐々木が「回収、どうするの?」とツッコミを入れた。高城が「そんなことできる雰囲気ですか?」と、黒木に尋ねると、彼女は「結構な緊張感だよ。私だったらできない」とたじろぎ、会場は大爆笑。高城は「まずは賞をとるために、もっともっと頑張りたいと思います。先輩!」と力を込めると、黒木は「テレビの前で応援してます」と激励した。その後、予定にはなかったが、ももクロが『幕が上がる』の挿入歌「走れ!-Z ver.-」をアカペラで歌い、会場は大盛況。さらに、本作のメイキング映像を編集したドキュメンタリー『幕が上がる、その前に。彼女たちのひと夏の挑戦』が3月11日(水)より公開されることが告知され、会場のファンたちは熱狂していた。
2015年03月01日俳優の平田広明が、ジョニー・デップが主演を務めるアドベンチャー大作『チャーリー・モルデカイ 華麗なる名画の秘密』の日本語版で主人公チャーリーの声を演じている。約20年に渡ってデップの声を演じ続けてきた平田が語る本作の注目ポイントとは?その他の写真本作は、美術商のチャーリーが、英国諜報機関MI5の依頼を受け、盗まれたゴヤの幻の名画を捜索するも、その絵画に世界を揺るがす財宝の秘密が隠されていたことから、富豪、マフィア、国際テロリストなどが絡む争奪戦に巻き込まれていく様を描く。平田はアニメーションはもちろん、外国の映画の吹き替えも多く務め、マット・デイモンやジュード・ロウの声も演じているが、『エド・ウッド』以来、約20年間、デップの声を演じてきた。しかし、平田は「ハリウッド作品を吹き替えるのは難しいですけど、ジョニー・デップを演じるのは特に難しい」と言う。「収録の時に思ったのは、シーンが変わるたびにそのシーンの持っているテンポが変わるんです。テンポが変われば雰囲気も変わりますし、声を入れながら『こんなにも難しかったんだ』と改めて思いました。最初に声を演じた『エド・ウッド』で少し風変わりなお芝居をしていたんですけど、基本的には『ドンファン』のように影のあるセクシーな役が多かったんです。ただ『パイレーツ・オブ・カリビアン』あたりから、この人はどれだけ引き出しを持っているんだろう?と毎回驚かされます」。平田が語る通り、デップは大スターになったあとも様々な役どころに挑んでいる。「最近は特に変わった役が多いですが、新たなキャラクターに次々と挑めるのは素敵なことですよね。モルデカイは彼の努力とは関係ないところでいろんなトラブルが解決していくというジョニー・デップが演じてきたこれまでのパターンと共通する部分があり面白くてハラハラドキドキできます。更に『まだ開けていない引き出しがあったの!?』と思わせる新しい側面もあります。あくまでも僕の憶測ですが、モルデカイの役はチャップリンを意識した部分があるんじゃないのかな。ジョニー・デップは演技をしっかりと作り込む人ですから、映画を観ながら彼の色々な魅力を見つけ出せると思います」。「長く続けられる役に出会えることは、俳優として糧になりますし、価値のあること」という平田にとって、デップは特別な存在なようだ。「演じている時は大変ですが、日本語版としてちゃんと成立するものができた時にはすごく達成感があります。ジョニー・デップの吹き替えを20年もやらせて頂いているので、これからも見届けていきたいです」。『チャーリー・モルデカイ 華麗なる名画の秘密』公開中
2015年02月12日東映の2015年のラインナップ発表会が2月2日(月)に都内劇場で開催。この日、初めて製作が明かされた『さらば あぶない刑事 -long good-bye-』など2016年にかけて公開となる計20本が発表された。昨年2014年の東映作品は『相棒 -劇場版- 巨大密室! 特命係 絶海の孤島へ』が興行収入21.2億円を記録したが、同シリーズは第1作目が約44億、2作目が約31.8億円を記録してきただけにやや物足りない数字となった。『相棒』シリーズと並んで『仮面ライダー』シリーズ、戦隊ヒーロー、『プリキュア』シリーズも数字的には伸び悩みを見せており、今年2015年は巻き返しの年となる。「娯楽度1000%」をキャッチフレーズに掲げる今年は、現時点で20本がラインナップされている。春の公開作品としてまず注目を集めるのが、4月18日(土)公開の『ドラゴンボールZ 復活の「F」』。2013年に17年ぶりの新作として公開された『ドラゴンボールZ 神と神』は約30億円を稼ぐ大ヒットとなったが、そこから2年を経ての待望の新作では、原作者・鳥山明が劇場版19作目にして初めて脚本を手がけた新ストーリーが展開する。ファンの間で絶大な人気を誇る最強の悪役・フリーザが復活!悪の帝王が率いる1,000人の兵士と悟空やベジータら地球の戦士たちの戦いが繰り広げられる。同じくアニメでは『映画プリキュアオールスターズ 春のカーニバル♪』が3月14日(土)に公開。同じく『プリキュア』の新シリーズが『映画Go!プリンセスプリキュア(仮)』でこちらは秋公開となる。また『プリキュアオールスターズ』より一週間遅れて3月21日(土)公開となるのが『スーパーヒーロー大戦GP 仮面ライダー3号』。先日、“幻”の仮面ライダーとも言われる3号を及川光博が演じることが発表されたばかりだが、新ライダーでありつつも懐かしさを感じさせる3号の存在が、子どもたちのみならずオールドファンをも劇場に呼び込む起爆剤となるか?注目が集まる。春先公開の実写作品として期待を集めるのが、浅田次郎原作の同名小説を『相棒』シリーズでも知られる水谷豊を主演に迎えて映画化した『王妃の館』。水谷さんが『相棒』とは別の“右京”--天才小説家・北白川右京を演じ、パリのホテル“王妃の館(シャトー・ドゥ・ラ・レーヌ)”に集まったワケありの男女10人のツアー客たちの人間模様が交錯する。昨年6月に3週間にわたってパリでの豪華なロケを敢行したが、邦画の撮影でヴェルサイユ宮殿でのロケが行われるのはこれが初めてだという。配給協力作品にも注目作が並ぶ。岩井俊二監督で製作された『花とアリス』から10年、同じく岩井監督の原作・脚本であり、初の長編アニメーションとなる『花とアリス殺人事件』がまもなく2月20日(金)より公開となり、10年前の主演を務めた蒼井優と鈴木杏が声優として本作でも主演を務めている。また人気絶頂の「ももいろクローバーZ」主演による青春アイドル映画で、平田オリザの小説を『踊る大捜査線』シリーズの本広克行監督が映画化した『幕が上がる』も2月28日(土)より公開。同じくアイドル主演の映画としては、6月13日(土)に人気上昇中の「でんぱ組.inc」主演の『白魔女学園 オワリトハジマリ』も公開となる。夏、秋以降の公開作品では「EXILE」の妹分とされる「E-girls」の石井杏奈主演のガールズムービー『ガールズ・ステップ』が秋公開。直木賞作家・桜木柴乃原作の初の映画化であり、佐藤浩市と本田翼という異色の組み合わせによる『起終点駅 ターミナル』も秋に公開される。東映は過去、戦後50年目の1995年に『きけ、わだつみの声 Last Friends』、60年目の2005年に『男たちの大和/YAMATO』と戦争を扱った映画が公開されてきたが、戦後70年目となる今年は、児童文学者・大川悦生の同名著作(ポプラ社刊)を原作にした『おかあさんの木』を製作、6月6日(土)公開となる。原作発表から40年を経て、何度もこれまでにも教科書にも採用されているが、母親と子どもたちの物語を中心に戦時下に生きた人々を描いており、戦闘シーンのない戦争映画となる。主演を鈴木京香が務め、志田未来、三浦貴大といった若手俳優も共演陣に名を連ねている。また年末の12月公開予定作品で、1890年に和歌山県沖で起きたオスマン帝国の軍艦の遭難事件、および1985年のイラン・イラク戦争時のトルコ航空によるテヘラン在留邦人救出劇という日本とトルコの2国間で起きた実際の2つの事件を軸に描かれるのが『海難1890』。日本とトルコの友好関係の源と言える事件を題材に、両国の深い絆を描く超大作として期待を集める。そして、この日のラインナップ発表会で初めてその製作が明らかにされたのが人気刑事ドラマシリーズ「あぶない刑事」の10年ぶりとなる最新劇場版にして最後の作品となる『さらば あぶない刑事 -long good-bye-』。舘ひろし、柴田恭兵のW主演に、仲村トオル、浅野温子というおなじみの顔ぶれが参戦し、シリーズのラストを華々しく飾る。こちらは2016年のお正月公開が予定されている。【東映2015年ラインナップ一覧】『悼む人』2月14日(土)公開『さいはてにて~やさしい香りと待ちながら~』2月28日(土)公開『映画プリキュアオールスターズ 春のカーニバル♪』3月14日(土)公開『スーパーヒーロー大戦GP 仮面ライダー3号』3月21日(土)公開『ドラゴンボールZ 復活の「F」』4月18日(土)公開『王妃の館』4月25日(土)公開『ズタボロ』5月9日(土)公開『天才バカヴォン ~甦るフランダースの犬~』5月23日(土)『おかあさんの木』6月6日(土)公開『アリのままでいたい』夏公開予定『劇場版 仮面ライダードライブ(仮) 手裏剣戦隊ニンニンジャー THE MOVIE(仮)』夏公開予定『ガールズ・ステップ』秋公開予定『映画Go!プリンセスプリキュア(仮)』秋公開予定『起終点駅 ターミナル』秋公開予定『海難1890』12月公開予定『仮面ライダー×仮面ライダー MOVIE大戦2016(仮)』冬公開予定『さらば あぶない刑事 -long good-bye-』2016年正月公開予定【配給協力作品およびODS作品】『花とアリス殺人事件』2月20日(金)公開『幕が上がる』2月28日(土)公開『白魔女学園 オワリトハジマリ』6月13日(土)公開(text:cinemacafe.net)
2015年02月03日