東出昌大主演、石井隆監督最新作『GONIN サーガ』が3月25日(金)にBlu-ray&DVD発売を迎えるが、このほど「第45回ロッテルダム国際映画祭」の正式招待・上映が決定した。1972年から始まったロッテルダム国際映画祭は、毎年1月下旬~2月上旬にオランダのロッテルダムにて開催。世界中から集まったインディペンデント映画、実験映画、視覚芸術分野に優れた映画を輩出している。毎年約30万の来場者を誇り、近年ではカンヌ国際映画祭、ベルリン国際映画祭などと比肩する重要な国際映画祭のひとつとして知られている。石井隆監督作品では前作の『GONIN』が1995年に、『黒の天使 vol.2』が1999年、『フリーズ・ミー』が2000年に、それぞれ本映画祭にて上映されていて、ゆかりのある映画祭。正式出品される“Genre:DNA”という部門は、昔のジャンル映画を彷彿とさせつつも、現代の新しいスタイルを確立しているジャンルシネマを特集するもので、受賞の行方に注目だ。日本映画では過去に、『冬の河童』(’95/風間志織監督)、『まぶだち』(’01/古厩知之監督)、『山守クリップ工場の辺り』(’13/池田暁監督)が最優秀作品賞の“タイガーアワード”を受賞。また、2016年は本作のほか、『恋人たち』(’15/橋口亮輔監督)、『シェル・コレクター』(’16/坪田義史監督)などが部門違いで出品が決定。現地時間1月27日~2月7日に開催予定。<『GONIN サーガ』リリース情報>GONINサーガ ディレクターズ・ロングバージョン Blu-ray BOX価格:10,800円(税抜)GONINサーガ ディレクターズ・ロングバージョン DVD BOX価格:10,800円(税抜)GONINサーガ 通常版 ブルーレイ価格:4,700円(税抜)GONINサーガ 通常版 DVD価格:3,800円(税抜)発売日:3月25日(金)※レンタル開始:4月2日(土)セル発売・販売:KADOKAWAレンタル発売・販売:ポニーキャニオン(C) 2015『GONIN サーガ』製作委員会(text:cinemacafe.net)■関連作品:GONIN サーガ 2015年9月26日よりTOHOシネマズ新宿ほか全国にて公開(C) 2015『GONIN サーガ』製作委員会
2016年01月14日●女子中高生に仕掛けた"包囲網"2015年も残すところあとわずか。今年、みなさんは思い出の1本となる映画に出会うことができただろうか。邦画作品の試写に行っては、当事者の話を聞きに行く日々を過ごしていた中、今年最も印象に残ったのが桐谷美玲主演の映画『ヒロイン失格』だった。9月に公開されてから51日目で観客動員数200万人、興行収入23億円を突破。少女マンガ実写化作品でトップの収益となり、間違いなく今年大ヒットした作品といえる(2015年12月29日時点で興収24.3億円/動員206万)。印象に残ったのは、"大ヒットしたから"ではない。配給・製作のワーナーやPR会社だけでなく、出演者も含めた宣伝が積極的かつ巧妙だと肌で感じていたからだ。実際にどのような仕掛けが施されていたのか?宣伝担当は、ワーナー・ブラザース映画マーケティング本部の森本麗花さん。詳しい話を聞いたところ、女優・桐谷美玲の存在をはじめ、ヒットはさまざまな要素が複雑に絡み合ってこそ成立するものだと知ることができた。――まずは、大ヒットおめでとうございます。ありがとうございます。――各作品の興行収入はどのような形でアナウンスされるのですか?作品に関わった者には毎日データが届いています。それを見ながら一喜一憂する日々です(笑)。――『ヒロイン失格』の初動はかなりよかったそうですね。毎日楽しかったです。公開が9月19日の土曜日で、シルバーウィーク(23日まで)の初日。ディズニーの『アントマン』や『進撃の巨人』の後編、劇場アニメ『心が叫びたがってるんだ。』などの大作と同日公開だったので「3位以内」を目標と考えていました。もちろん、心の底では1位を願っていましたが(笑)。ところが、公開前の木曜日ごろに予約席の動きが好調との情報が入ってきたんです。この作品は女子中高生がメインターゲット。クレジットカードを持っていない方がほとんどなので予約席は期待していませんでしたが、まずはその"誤算"で社内が少し沸き立ちました(笑)。ただ、公開前に行われた製作委員会はすでに明るいムードだったと記憶しています。もう、やれることはやった。そんな空気の中で、みなさんヒットを予感しているような感じでした。――製作委員会では主にどのような話をされるのですか?作品に出資している会社が集まって、だいたい1カ月に1回ペースで行われています。各社がその作品のために何をやっているのかを報告して共有する場になり、よく「(C)」クレジットで「~製作委員会」とあるのがそれにあたります。――予約席が予想を上回った要因は?興味を持ってくださった方々が中高生以上の大学生まで広がったことや、親御さんに購入を頼まれた方も多かったんだと思います。ただ、欲張ってターゲット層を広げすぎると軸がぶれてしまうので、そこには気をつけていました。『ストロボ・エッジ』(福士蒼汰&有村架純のW主演/15年3月公開)や『アオハライド』(東出昌大&本田翼W主演/14年12月公開)など同系統作品でヒットしたものも、ターゲット層が絞られている点では共通していたと思います。ワーナーはこれまで、少女マンガ原作の実写映画は『パラダイス・キス』(北川景子&向井理のW主演/11年公開)のみだったので、『ヒロイン失格』はまさに挑戦。最近の邦画ではヒット作が数多く出ているジャンルではありますが、だからこそ失敗できないというプレッシャーもありました。――WEB宣伝を請け負ったPR会社・ガイエによると、映画化決定と主要キャストが発表されたのが今年1月26日。以来、これまで計47本のプレスリリースが配信されたそうです。"絶対に外せない作品"だからこそ、宣伝テーマも明確に決められていたのではないでしょうか。女子中高生の生活圏内にきちんとリーチすることをテーマとしていました。そこで肝となるのが「ツイッター」。女子中高生の日常生活で感じたことや出来事などが集約される「ツイッター」に絡んでいくと、絶対に映画の盛り上がりに繋がると確信していました。さらに日本テレビさんの「テレビ」、原作を連載していた『別册マーガレット』(集英社)の「雑誌」、こうしたオンラインでの「ネットニュース」、それ以外の媒体での「タイアップ」。こうした包囲網で、"どこに行っても『ヒロイン失格』がある"状況を作っていったのです。――公式ツイッターのフォロワー数は約10万500人(ピーク時は約11万人)。962ツイートのうち、232点の画像が投稿されています(各12月27日時点の数字)。他作品の公式ツイッターと比較しても、ツイートやフォロワー数、画像数が多いことが分かります。この作品に興味がある方は、出演者のファンである可能性が高い。そこで、ツイッターでしか見ることのできない写真を中心に投稿することを心掛けました。何よりもありがたかったのは、桐谷美玲さん、山崎賢人さん、坂口健太郎さんがとても協力的だったこと。宣伝方針としてツイッターが重要であることは各事務所さんにお伝えしまして、皆さん快く受け入れてくださいました。――桐谷さんは女優だけでなく、モデル、キャスターなど幅広い分野で活躍されている方です。宣伝に適している方なのではと感じていましたが、その点いかがですか。そうですね、何よりもすごく頭の良い方です。こうした宣伝の方針も、取材日の合間に少し伝えただけでも「わかりました!」とすぐに理解してくださいます。本当に完璧なんですよ! 舞台あいさつでもこちらが言いたいことを全て言ってくださって、多くのスタッフが感動していました。桐谷さんが心の底からやりたかった作品だからこそ、本当に情熱を持って取り組んでくださったんだと思います。●撮影現場で光る桐谷の神対応――最近では公開の1カ月ほど前から主要キャストがバラエティ番組に出ることが主流となり、今では"番宣"という業界用語も番組内で当たり前のように使われるようになりましたね。お三方とも、テレビでよくお見かけしました。スケジュールを調整して多くの番組に出演していただきました。『ヒロイン失格』は1組の男女を主役にした通常のラブストーリーではなく、1人の女子と2人の男子が三角関係となる物語。作品的にはそろって出演していただくことがベストでしたが、みなさんお忙しい方々なので、一人で、もしくは2人ペアで出ていただいたりもしました。特に桐谷さんは出演数も多く、そこでも"座長"の務めを果たされていました。――桐谷さんは、以前からラジオやブログなどで原作ファンであることを公言していました。一方、原作者の幸田もも子さんは桐谷さんをイメージして"はとり"を描いていた上に、最終巻では桐谷さん主演での実写映画化を暗示するような描写入れていました。桐谷さんにとっては念願かなっての作品。インタビューでも並々ならぬ気合を感じました。最初の試写で涙を流されていたので、すごくプレッシャーを感じていらっしゃったんだと感じました。その姿に胸を打たれたのですが、『ヒロイン失格』を桐谷さんの代表作となるように宣伝をがんばらなければならないとあらためて思いました。――桐谷さんが宣伝に積極的だったと証明しているのがブログです。公開決定の日にはじまり、作品にまつわる投稿は30を超えています。そこについてはこちらからお願いはしていないので、桐谷さんご本人の意志でやっていただいたことでした。公開決定の日には意気込みのコメント、そのほかにもオフショットなど工夫をこらした内容で。9月21日にはプライベートで劇場に足を運んだことも書いてあります。隣の席の方に感想を聞かれたそうで、読んでビックリしました(笑)。――先ほども触れましたが、PR会社・ガイエを通じてマスコミ各社に配信されたプレスリリースが全部で47本(WEBパブリシティ担当者「これまで担当した作品で、自己最高本数でした」)。制服、坊主、壁ドン、ハグなどここでもツイッターと同様に写真を重視した内容が目立ちました。映画の世界観をもとにリリースする内容や素材を話し合って、公開に向けて週に1本から2本と徐々にペースを上げていきました。PR会社さんにはまさにニュースノック状態(笑)。どんな些細なことでも拾っていって、世の中に何かしらのニュースが出るよう仕掛けていきました。――漫画が実写化されると時には反発の声も聞こえてきますが、本作においては少なかったような気がします。そうですね。桐谷さんが原作ファンで、幸田先生も"桐谷美鈴"を登場させていたこともあり、ファンの方々の中ではすでに実写化される心の準備ができていたんだと思います。――反発の声を払拭するために、いつもどのようなご苦労があるのでしょうか。実写化にマイナスイメージを抱いていらっしゃる方でも、ビジュアルやキャストのラインナップを見てプラスイメージに転じて下さる方が多いので、決して苦労ばかりでもありません。『るろうに剣心』などもまさにそうで、われわれの工夫や努力をファンの方々は汲み取ってくださいます。『デスノート』の頃は今ほどツイッターは流行っていませんでしたが、反発の声は少なかったような気がします。だからこそ見せ方には注意が必要で、中でも最初に出す写真は特に重要です。その写真のイメージがかけ離れすぎていた場合、一気に批判の声が高まってしまいます。今回でいえば、制服姿の公開はキャストを発表してから約1カ月半後。3人そろって発表用に撮影した写真でした。女子中高生がターゲット層だからこそ、制服姿をいかに「かわいい」と思ってもらえるか。そこは重要でした。――では、紙媒体ではどのような動きがあったのでしょうか。桐谷さんは20誌以上の表紙を飾っています。朝5時半入りで、終日取材をこなしてからその日の夜に『NEWS ZERO』の収録がある日もありました。どんなに負担がかかる日でも、「宣伝のためなら何でもやる」という雰囲気で、愚痴一つ聞くことはありませんでした。撮影現場で、私が合間のインタビューを仕切っていた時、スタッフから打ち切るように言われて途中で泣く泣く切り上げたことがありました。桐谷さんはそんな時でも、「取材、足りてますか?」と心配してくださって。広島のキャンペーンは今でも良い思い出です。移動の飛行機内で学生の団体がいて、それに気づいた桐谷さんが映画の告知をしようとした時があって(笑)。大騒ぎになるので、スタッフは必死で止めました。そんな姿を目の当たりにすると、周囲のスタッフも自然と刺激を受けるようになります。本当にすばらしい宣伝マンでした。――「共に同じ方向を向いていること」は、ヒット要因の1つと言えそうですね。そうですね。背負っているものが違うと、番宣でもそれがなんとなく伝わるような気がします。ただ出るだけではなくて、そこで何を伝えるかも重要で。数秒しか告知できない時もありますので、何を言うかは番組ごとに話し合って決めていましたが、そこでもみなさん協力的でした。――ちなみに祝勝会などは?大規模ではなく、宣伝部だけなどの少数では行いました(笑)。われわれとしては、公開もして、ヒットもしてくれたのでこれ以上何も心配する必要がない状態なので、この仕事をしていていちばんうれしいときです。――今まで担当された作品で、ヒットしていちばんうれしかったのは?やっぱり、私の中では『ヒロイン失格』です。会社の目標、対外的目標、自分の目標。そのすべてを超えることができたからだと思います。でも、そういう金額的な部分だけでなく……何よりもこの作品にかかわっていて楽しかったんです。作品自体がすばらしいのはもちろんのこと、出演者の方々が協力的だったおかげで、「私たち宣伝部だけで宣伝しているんじゃない」という気持ちにしていただけました。1つの作品に向けて一体になることができた、宣伝スタートから公開までのそんな約9カ月でした。(C)2015 映画「ヒロイン失格」製作委員会 (C)幸田もも子/集英社
2015年12月29日1990年代を象徴するバイオレンス映画『GONIN』(’95)の続編、『GONIN サーガ』のBD&DVD発売決定を記念して、前作でヤクザの父親を失った勇人役・東出昌大のコメントが届いた。19年前の事件で父の大越組若頭・久松(鶴見辰吾)を亡くした勇人役の東出さんは、「ひとりひとりの抱える想いや、それぞれの視線、行動など素早く画が切り替わる中に色々な意味が込められています。観返すたびに細かな発見があると思うので、DVDはそういった点でも最適だと思います。ぜひ、繰り返し楽しんで観ていただければうれしいです」とコメント。監督・脚本を務めた鬼才・石井隆監督の下、主演の東出さんをはじめ、桐谷健太、土屋アンナ、柄本佑、安藤政信、福島リラなどの実力派キャストが集結した『GONIN サーガ』。また、前作『GONIN』のメインキャストである佐藤浩市、鶴見辰吾、竹中直人が参戦したほか、俳優引退を宣言していた根津甚八が本作のためだけに一度だけ復活を遂げたことも話題に。BOX版は豪華特典が満載で、劇場版に約30分を追加したディレクターズ・ロングバージョン本編が付くほか、オーディオコメンタリーはキャストVer.(本編解説:東出昌大ほか)とスタッフVer.(メイキング解説:石井隆監督ほか)の2パターンを収録予定。石井監督インタビューや画コンテ、未使用写真などを掲載する豪華特製ブックレットも同梱予定だ。『GONINサーガ』Blu-ray&DVDは2016年3月25日(金)発売。(text:cinemacafe.net)
2015年12月18日俳優の東出昌大が、漫画家・福満しげゆき氏の漫画『生活【完全版】』を実写化した映画『ヒーローマニア-生活-』(2016年5月7日公開)で、自身初のコメディーに主演で挑む。そのほか窪田正孝、小松菜奈、片岡鶴太郎らも出演することも5日、発表され、同日に特報映像も公開された。本作の主人公は、サラリーマンをリストラされ、うだつが上がらぬままにコンビニでのバイト生活を送るフリーターの中津秀利(東出)。ある時、謎の身体能力を持つニート・土志田誠(窪田)、情報収集能力に長けた女子高生・寺沢カオリ(小松)、昼は定年間近のサラリーマンで夜は"若者殴り魔"という2つの顔を持つ日下孝蔵(片岡)と町を守る自警団を結成する。やがて市民の賛同から、自警団は巨大組織に成長。しかし、規模拡大のための新たなメンバーによって、それまでの秩序は崩壊の兆しを見せ始め、この問題に直面した中津たちの奮闘を描く。これまでのキャリアにない"ヘタレでダメダメな主人公"を演じる東出は、「こういうヘタレの役が初めてなので、『あ、こういう役に挑戦できるんだ』って思えて純粋にうれしかった」と初挑戦の役柄に意欲的。「人は社会の悪とかそういうものに憤りを感じたり、不平不満を感じたり、また、それを退治する妄想をすると思います。その妄想が映画になって、大事なところももちろんあり、ただバカバカしくぶっ飛んでいるところもある、そういう純粋性がこの映画の魅力」とアピールした。下着泥棒の常習犯ながらも寡黙に身に付けた武術を駆使して悪を裁く土志田役の窪田は、自身の役について「引っ込み思案だし人と付き合うことがあまり得意ではない。でも武術に関してすごく努力家だったり、ある意味ストイックなんです」と分析。「だからこそ、人と会話をしている時と、いざ戦うとなった時の差を出せれば」と思い演じたという。一方、チームの紅一点・カオリ役の小松は「カオリを通してどんな風に皆を笑わせようかなと考えるのが毎日とても楽しみでした」と振り返り、「チーム自体も皆仲良く生き生きと撮影していましたね。そういう温かいチーム感が映画に出てれば」と期待を寄せている。原作者の福満氏は「僕はですねー、主演の方々に2秒ずつ会いましたよ」と告白。東出も窪田も「でかかった」としつつ、それぞれ「本能的に『抱かれたい』って思いましたねー」「本能的に『戦ったら…勝てない…』って思いましたねー」とコメント。小松については、「『人生ゲーム』の車に刺すピンのように小柄で可憐な女性」と形容。「近くを通った時、編集者さんに『来ましたよ! 見て!見て!』と行った自分に嫌悪感を抱きましたねー」と福満節で話した。公開された特報映像は、15秒バージョンと30秒のものと、2種類。東出、窪田、小松、片岡が独特な衣装に身を包み、街中をさっそうと歩くシーンから始まる。「一緒に戦わないか?」とのキャッチコピーに続き、町の平和を守るために奔走する、真剣ながらもコミカルな自警団の姿が映されている。(C)福満しげゆき・講談社/映画「ヒーローマニア-生活-」製作委員会
2015年11月05日1995年に公開され、バイオレンス・アクションの金字塔と言われた石井隆監督の傑作の続編『GONIN サーガ』。これまで、エロスやバイオレンスを追求し、映画界に革命を起こしてきた石井作品の代名詞とも呼べるのが、ただの雨降りではない、滝のような“土砂降り”の中でのアクションシーン。このほど、本作での容赦のない雨降りの撮影風景をまとめたメイキング映像がシネマカフェに到着した。本作は、五人組による五誠会系大越組襲撃事件の19年後が舞台となり、彼らの遺児や因縁関係で結ばれた者たちの新たな戦い、そして物語が描かれていく。到着した映像は、まず、19年前の襲撃事件で共に父親を亡くした大越組若頭・久松茂(鶴見辰吾)の息子・勇人(東出昌大)と大越組組長・大越康正(永島敏行)の息子・大介(桐谷健太)が数年ぶりの再会シーン。もちろん雨降りの演出だ。物語が動き出すきっかけとなるこのシーンを皮切りに、勇人が初めて拳銃を手にした時、竹中直人演じるヒットマン明神があるGONINメンバーを襲うシーンなど、それら全てのシーンで雨が降っている。さらに、『GONIN』で五誠会が襲撃されたときもそうだったように、本作でGOINNのメンバーが五誠会の裏金が集まるヤミ金業者襲撃の時も雨降りで、前作の雰囲気を彷彿とさせる。しかも、石井監督が降らせる雨は、“シトシト”ではなく土砂降り。そんな過酷な状況のもと、本作のスタッフ、キャストはびしょ濡れになりながら撮影に挑んでいた様子が伺える。元アイドルでありながら五誠会三代目の式根誠司(安藤政信)に弱みを握られ囲われている菊地麻美を演じた土屋アンナは、撮影をふり返り「(髪の毛、衣装を)何度も乾かしたり、メイクを直さなくてはいけなくて、メイクさんやスタイリストさんが大変そうだった!」と明かしているほど。そして極めつけなのが、誠司と婚約者の結婚披露宴のシーン。19年前の事件に深い因縁をもった者たちが全て結集したとき、壮絶な戦いの幕が切って落とされる。本シーンでは、雨ではないものの室内のスプリンクラーが作動し、大量の水が降り注ぐ。映像中には、撮影後の様子が映し出されており、水浸しの床に横たわっていた女性キャストが起き上がるも、寒さで体がガクガク震えているところ石井監督が近づいていき、「大丈夫?」と声をかける姿や、男性キャストが鼻に入ってしまった水でむせてしまっている様子などが映し出されており、その過酷さは相当なものだった様子。イイ男、イイ女たちをいっそう艶っぽく、危うく見せる石井監督の雨降り演出は本作でも健在。ぜひ、スクリーンでも確かめてみて。『GONIN サーガ』は全国にて公開中。(text:cinemacafe.net)■関連作品:GONIN サーガ 2015年9月26日よりTOHOシネマズ新宿ほか全国にて公開(C) 2015『GONIN サーガ』製作委員会
2015年10月13日公開中の『GONIN サーガ』の主演を務める東出昌大がサントリーウイスキー「トリス <クラシック>」のイメージキャラクターに抜擢。10月8日(木)より、東出さん出演の新CM「ピンときた」篇が放送される。先日、来年公開の黒沢清監督最新作『クリーピー』のクランクアップが報じられた東出さん。本CMでは、ある夕方の仕事帰り、商店街をスーツ姿で歩く東出さんが、とあるBARに立ち寄るといった内容のもの。バーテンダー役には、『岸辺の旅』『人生の約束』『モヒカン故郷に変帰る』など公開作が絶えない名優・柄本明が扮している。映像冒頭、仕事帰りのスーツ姿で商店街を歩く東出さん姿が映し出される。ふと「TORYS BAR」の文字に目がいき店内に入ると、そこには黙々とグラスを拭くバーテンダーの柄本さんが。たどたどしい様子の東出さんが柄本さんにおすすめを尋ねると、「ピンときたのでいいんですよ」とアドバイス。すると、トリスウィスキーのキャラクター“アンクルトリス”が「恋といっしょ…」とつぶやく。お酒のCMへの出演は今回が初となる東出さんは、出演決定の心境について「とてもうれしかったです。僕自身、すごくお酒好きなので、この仕事を続けている限りはやりたいなとずっと思っていたものでした」とコメント。 普段も特別な日にはBARに足を運ぶという東出さんは、「あんなにかっこいいバーテンダーさんがいるBARが近所にあったらいいなと思いました」と、柄本のさんのバーテンダー姿を絶賛。撮影の合間には、本物のバーテンダーとサラリーマンのように会話を楽しんだそう。撮影を終えた東出さんは、「BARではないですけど、僕の父も毎晩ウイスキーを1、2杯飲んで、気持ち良さそうに寝ていたんです。すごく昭和な父って感じで。だから、晩酌っていいなって。ホッとする瞬間だったり、仕事から帰ってきて家庭に落ち着くという、その切り替えの瞬間だったりするので、 そういう年の重ね方をしていきたいなって思いますね」と、結婚を経た落ち着きを感じさせるコメントを寄せた。「トリス <クラシック>」新CM「ピンときた」篇は、10月8日(木)より放送。(text:cinemacafe.net)
2015年10月08日俳優の東出昌大が海外映画祭デビューを果たした。主演を務めた映画『GONIN サーガ』 (公開中)が現地時間9月30日にカナダのバンクーバー国際映画祭で上映され、石井隆監督と共に舞台あいさつを行った。海外映画祭初参加にあたって東出は、「撮影現場で苦楽を共にした、キャスト、スタッフ皆さまの思いと日本人であることの誇りを背負って、胸を張って登壇できれば」と意欲的。石井監督も「96年にモントリオールFANTASIA映画祭で石井隆特集があり、『GONIN』『GONIN2』が招待上映された」と振り返り、「あれから20年近く、再び『GONIN サーガ』がバンクーバー映画祭で招待上映されると聞き、僕は目まいとため息が漏れた」と同シリーズで再びカナダの地へ立つ思いを語っていた。会場となったインターナショナル・ビレッジ・シアターは、海外ジャーナリストやカナダ人、カナダ在住の日本人ら400人の観客で満員。上映終了後の劇場に東出が登場すると大歓声が上がり、東出は司会者の「英語話せるんですよね?」という無茶な振りに苦笑しながらも英語でのスピーチを行った。現地在住の日本人も多く詰めかけた様子を見て、「不慣れな英語を話さなくてもいいんじゃないか、と思った」と笑いながらも「たくさんの国の方がいらっしゃる会場で、日本語だけでは不公平だから」と気遣いをみせた東出。この日のために練習したという英語で、「I’m Masahiro Higashide, the main actor of GONIN Saga (『GONIN サーガ』で主演を務めました東出昌大です)」とあいさつし、「This is my first time to attend an international film festival. I am very excited to be here today and it is an honor to have been invited (初めての海外映画祭参加で非常に興奮しています。ご招待いただき光栄に思っています)」と万感の思いを伝えると、ファンから温かな拍手がおくられた。さらに、劇場外のレッドカーペットには劇場に入れなかったファンが約100人集まり、東出が姿を現すと一気にヒートアップ。現地媒体のインタビューに応じた後は、多くのサインや握手でファンと交流した。1泊3日の強行スケジュールだったせいか、東出が「もう少しいたかった!」と本音を漏らす一幕も。観客の反応にも大きな刺激を受けたようで「見ているものは同じなのに、ここで笑うのか、とか、こんな見方もあったのか! と思うほど新鮮だった」と初の海外映画祭ならではの発見もあったようだ。そして、「映画に携わる人間として、これからも海外の人にも自信をもって送り出せる作品を作っていかなければならない」と気持ちを新たに語った。本作は、1995年公開の映画『GONIN』の続編となるバイオレンスアクション。19年前の暴力団五誠会大越組襲撃事件で父親を殺された久松勇人(東出)と大越大輔(桐谷健太)が、ある事件をきっかけに新たな闘いへ身を投じていく様を描く。メガホンを取った石井監督は、プログラマーのトニー・レインズ氏から「この凶暴な新作『GONIN サーガ』に驚きながら石井隆について2つのことが明らかだ」との前置きとともに、「1つ目は、この20年間の社会経済的な変化の中で彼が最先端であり続け、数少ない監督にのみ可能なことだが、今について正確につかんでいることだ」「2つ目は、日本ネオ・ノワールの比類なきマスターであるということだ」と絶賛されている。(C)2015『GONIN サーガ』製作委員会
2015年10月02日俳優の東出昌大が9月30日(水)、都内で行われたアナログプリントカメラ“チェキ”の新製品発表会に出席。忘れられない恩人との2ショット写真を公開した。NHK連続テレビ小説「ごちそうさん」の撮影前に、大阪弁を覚えるために大阪の喫茶店でアルバイトをした経験のある東出さん。公開した写真で東出さんの隣に写る人こそ、その喫茶店のマスターだ。「NHKの『ごちそうさん』の撮影に入る前に、大阪の寄席の近所の喫茶店で大阪弁の修行をしました」と振り返りながら「先日大阪に行った際に、マスターと一緒にスナックに行って撮ったものです」と恩人との久しぶりの再会を報告した。お酒も入っていたそうで「髪型も何もあったものじゃない」と苦笑いを浮かべながらも「2枚撮ったので、もう1枚はマスターに。“いい思い出になった”と言ってくれました」と嬉しそう。アルバイト当時、マスターから大阪弁を学んだそうだが「忘れられないのは“せや”ですね。ドラマでは使っていないですが、“せや”は相槌にも使えるし、それさえ覚えておけば会話になると教えてもらいました」と明かした。“チェキ”を使って100枚ほどプライベートショットを撮ったという東出さんは「そのうちの30枚は犬。アルバムにしたいくらい」と、愛犬との散歩ショットを紹介。犬がリードを引っ張って嫌がる様子に「雨の時はお散歩もイヤイヤモードになるので、可愛いなと思って撮りました。雨を嫌がるなんて、なんかシティ・ボーイっぽいですよね」とデレデレだった。(text:cinemacafe.net)
2015年09月30日映画『GONIN サーガ』の初日舞台あいさつが26日、東京・TOHOシネマズ新宿で行われ、キャストの東出昌大、桐谷健太、土屋アンナ、柄本佑、安藤政信、福島リラ、竹中直人と石井隆監督が出席した。全国公開中の本作は、1995年公開の映画『GONIN』の続編となるバイオレンスアクション作品。19年前の襲撃事件で父親を殺された久松勇人(東出)と大越大輔(桐谷)は、3代目・誠司(安藤)が率いる五誠会との闘いに身を投じていく――というストーリーで、前作に出演した竹中ほか、佐藤浩市、鶴見辰吾も出演している。主演の東出は、「こんな邦画は近年ない。『GONIN』の世界に踏み入ってほしい」と胸を張り、第34回バンクーバー国際映画祭への出品を受け、「海外にもファンがたくさんいる。老若男女、国内外問わず、公の場に公開できて万感の想いです」と満面の笑み。また、石井監督が、「撮影中の恨みつらみもなく、みなさんへ感謝の気持ちしかない」とあいさつすると、25年来の付き合いだという竹中は、「初めて会った時からイジけてて、抱きしめたくなる大好きなおじさん。石井監督、本当におめでとう」と祝福した。本作には、5年前に俳優を引退した根津甚八が、1度限りの復活で出演。会場に届いた根津からの手紙を代読した東出は、胸いっぱいの様子でしばらく言葉が出ず。「僕は根津甚八という役者さんが大好きだし、映画の中の根津さんは考えられないくらい魅力的だった。本当にありがとうございました」と涙を溜めながら声を絞り出し、「石井監督も根津さんも、映画を1本撮るのに人生を賭して撮ってるんです。僕らも心血を注いで映画を撮り続けていくので、みなさんも邦画を見続けてほしい」と呼び掛けると、会場からは温かい拍手が送られた。
2015年09月27日映画『GONIN サーガ』が9月26日(土)公開初日を迎え、主演の東出昌大、共演の桐谷健太、土屋アンナ、柄本佑、安藤政信、福島リラ、竹中直人、石井隆監督が都内劇場で舞台挨拶を行った。佐藤浩市、本木雅弘ら豪華キャスト出演の傑作ハードボイルド映画『GONIN』(1995)、約19年ぶりの続編。前作で死に絶えた男たちの遺児が、宿命的再会によって血で血を洗う抗争に身を捧げていく様を“石井ワールド”全開で描き出す。前作で元刑事・氷頭役を務めた根津甚八が、病を押して同役で約11年ぶりにスクリーン復帰した事も話題になった。壇上では、この日の舞台挨拶への出席は叶わなかった根津さんから、キャストへのサプライズの手紙が届いた。「タスキを受け取ったと言ってくれた東出くん、その言葉で、演じたいのに演じる事のできない無念を断ち切ることができました」「若い俳優たちの姿を見て、自分の思いを次の世代が背負ってくれる、自分はできる精一杯をしたんだという気持ちで俳優人生を締めくくることができました」などの根津さんの思いを代読した東出さんは「僕は根津甚八さんという役者さんが好きだし、映画の中の根津さんは考えられないくらい魅力的。今後も心血を注いで僕らも映画を撮り続けて、役者を頑張っていきたい」と目を真っ赤に腫らしながら決意を新たにしていた。桐谷さんも「お体を悪くされた根津さんが、石井作品だったらという事でその姿を見せて芝居をする役者魂に震えた。僕がいる世界は、現実を超える瞬間がある。本当に素晴らし世界にいることを嬉しく思うし、先輩方のタスキを受け取って、全身全霊でいい作品を作っていきたい」とシミジミ。何作もの石井監督作で根津さんと共演した竹中さんは「根津さんには全然敵わない色気があって、たまらなく素敵な人。尊敬すべき俳優だと思った」と気持ちを込めた。一方、前作の大ファンで劇場に3度足を運んだという安藤さんは念願の封切りに「やっとクランクアップしたような気分」と語り出すも、声が小さすぎて柄本さんから「マイク!マイク!」とのツッコミが。安藤さんは「シラフじゃ来られないと思って、朝3時くらいまで飲んでいました。でも酒飲んでいると上手く喋れないなぁ」と苦笑い。さらに「石井監督、この映画に誘ってくれてありがとうございます。僕が言うのは、これだけでいいです」と緊張を隠さず「今日は4回も舞台挨拶があって……。大好きな作品なんだけど、4回は多い。1回で帰りたい」と自由奔放にぶっちゃけていた。『GONIN サーガ』は公開中。(text:cinemacafe.net)■関連作品:GONIN サーガ 2015年9月26日よりTOHOシネマズ新宿ほか全国にて公開(C) 2015『GONIN サーガ』製作委員会
2015年09月26日劇画作家であり孤高の映画監督・石井隆。自身の90年代の代表作として国内外に熱狂的なファンを持つ映画『GONIN』の直系的続編として、約19年ぶりに描き出したのが、映画『GONIN サーガ』だ。主演を務めたのは、まさに今が旬の俳優・東出昌大。石井組初参加で初のハードボイルド作に挑み、見事なまでに石井ワールドに染まった。5人組による広域指定暴力団五誠会系大越組襲撃事件から、19年。襲撃で命を落とした組員の息子である勇人(東出)、大輔(桐谷健太)、五誠会の若き三代目に弱みを握られている元アイドル・麻美(土屋アンナ)、そして襲撃事件の謎を追うルポライター・冨田(柄本佑)の人生が交差した時、再び血の抗争が勃発する。襲撃事件で命を落とした大越組若頭・久松の遺児である勇人は、母をけなげに支えながら、懸命に生きてきた。しかし抗えぬ宿命によって命を落とした母のため、父親と同じように銃を握りしめる。「普段は凶暴ではないのに、頭のネジが飛んだ瞬間に平然と狂気へと走る。その姿は現代の若者に通ずるものがある」と役どころに理解を示す東出は「撮影中はアドレナリンが出ていて、たとえ怪我をしたとしてもまったく痛みを感じなかった。家に帰って初めて“なんだ、このアザは!?”と思ったくらい。頭に血が上った演技をすると、すべてが一瞬に感じる」と勇人がまとった狂気を追体験。これと似た経験は過去にもあった。「剣道の試合中の状況と似ています。試合中は相手の息遣いはわかっても、仲間たちの声援が聞こえない。それとまったく同じだった」と例える。俳優個人が持ち合わせる潜在能力を引き出す石井監督ならではの演出も、それに拍車をかけた。「撮影が終わって、取材中に監督から “東出くんは猛獣の檻の中に放り込まれたキリン。その獰猛な野生動物たちの中で、最後まで立っていてくれれば”と言われました」と独特な言い回しを振り返る。猛獣の中でも特に“珍獣”だったのは、謎の殺し屋役の竹中直人。「何を考えているのかわからない方で、口笛を吹きながら話しかけてきたかと思えば、次の瞬間は別の口調で喋ってくる。それが竹中さん流の鍛錬なのか、ウォーミングアップなのか……」と異能を目の当たりにした。現場では死闘も目撃。それは石井監督と、本作で限定的スクリーン復帰を果たした名優・根津甚八との、執念ともいえるぶつかり合いだった。根津といえば、『月下の蘭』『GONIN』『GONIN2』『ヌードの夜』『天使のはらわた 赤い閃光』『夜がまた来る』『黒の天使 Vol.1』と石井作品には欠かせぬ名優。体調を崩して以降は表立った活動は控えてきたが、盟友のオファーに応えて出演を果たした。「石井監督の作品だから出演するという、根津さんの思い。そしてその気持ちを受け取った石井監督の心境。撮影中ほとんど声を荒げなかった石井監督が、根津さんのシーンになった途端に『根津さん、もっと顔を上げて!』と容赦ない声を浴びせていました。俳優に演出するという普通のことであるにもかかわらず、その姿に凄く感動しました。この人たちは凄い!と心底感じた」と背筋を正す。これまでも「この人たちは凄い!」という感激は、俳優・東出昌大にとって大きな契機になっている。自身のターニングポイントに挙げる映画『桐島、部活やめるってよ』がそれだ。「年下の共演者に恵まれたことが大きいですね。毎晩皆でゴハンを食べて、話をする中で、役者の世界は色々なところから怪物が寄せ集められて出来ている、という事を知った」という。その怪物の中に身をゆだねるのは、ともすれば恐怖にもなるだろう。「自分の中で天秤にかけた時に、俳優業は面白いという方に傾いた。それに僕は次男。ある程度好き勝手に生きられるポジションなので」と冗談めかすが「仕事でしくじることも、辛く苦しいと思うこともある。でも振り返った時に、充実を感じる。新しい役を演じれば演じるほど、自分の中に新しい選択肢が増えて、目標も高くなっていく。“行くしかないぞ”と自分を鼓舞し、引っ張っていく毎日ですね」と好奇心に目を輝かせる。キリンが猛獣に変化する日も、そう遠くなさそうだ。ヘアメイク:宮田靖士(VaSO)スタイリスト:檜垣健太郎(little friends)(photo/text:Hayato Ishii)■関連作品:GONIN サーガ 2015年9月26日よりTOHOシネマズ新宿ほか全国にて公開(C) 2015『GONIN サーガ』製作委員会
2015年09月24日映画『GONIN サーガ』の完成報告会見が7日、都内で行われ、キャストの東出昌大、桐谷健太、土屋アンナ、安藤政信、竹中直人と石井隆監督が出席した。9月26日に全国公開する本作は、1995年公開の映画『GONIN』の続編となるバイオレンスアクション。19年前の暴力団五誠会大越組襲撃事件で父親を殺された久松勇人(東出)と大越大輔(桐谷)は、ある事件をきっかけに新たな闘いへ身を投じていく――というストーリーで、前作に出演した佐藤浩市、鶴見辰吾らも引き続き出演している。主演を務めた東出は、「『GONIN』は大好きな映画。前作ファンの方はもちろん、知らない人も楽しめる作品になった」と胸を張ってアピール。また、東出の所属事務所先輩で、5年前に俳優業を引退した根津甚八が本作限りの復活を果たしており、「プレッシャーというよりも、タスキのように引き継げればと思った」と心境を明かし、「気迫がすごかった。色んな想いが詰まっていて、胸にこみ上げるものがありました」と感慨深げに撮影を振り返った。一方の桐谷も、「車イスで芝居をして、カメラの前で思いっ切りセリフを決めて。『なんて良い世界にいるんだ、役者の世界に入れて良かった』と感動しました」と体調不良の中で芝居に挑んだ根津の"役者魂"に感銘を受けた様子。そんな桐谷は、五誠会3代目を演じた安藤に、劇中で激しく殴られるシーンがあり、「とことん役に入り込む安藤さんが怖かった。アクションなのか、本物なのか……。色んな意味で狂気をはらんでいましたね」と暴露して笑いを誘った。また、役と自身の共通点について、「僕は普段、怒ることがない。優しくありたいというところは似ている。家族を傷つけられたら、怒りますけど」と語った東出。今月5日、妻で女優の杏が、腸炎で緊急入院し、報道陣が体調を心配する声をかけると、笑顔で会釈して会場を去った。
2015年08月07日映画『GONIN サーガ』の完成報告会見が8月7日(金)東京都内で行われ、主演の東出昌大、共演の桐谷健太、土屋アンナ、安藤政信、竹中直人、そして石井隆監督が出席した。佐藤浩市、本木雅弘らオールスターキャスト出演のハードボイルド映画『GONIN』、19年ぶりの続編。指定暴力団五誠会系大越組襲撃から19年後を舞台に、襲撃事件で殺された大越組の若頭・久松の遺児・勇人(東出さん)、その幼馴染で大越組長の遺児・大輔(桐谷さん)、襲撃事件を追う富田と名乗るルポライター(柄本佑)、そして五誠会に囲われる元アイドルの麻美(土屋さん)らが、尊厳と復讐のために血の雨を降らせる。人気作の待望の続編で主演を務めた東出さんは「前作が超大作で大好きな映画でした。プレッシャーよりも、根津(甚八)さんが事務所の先輩だった事もあって、当時から携わった関係者の話を聞いて、これは“タスキ”なんだと思った。次に伝えるために引き継ぐことが出来ればと思った」と新生『GONIN』に意気込み十分。『GONIN』ファンという桐谷さんも「何回も観ている作品。5人の中に…まあ、前作も入れると10人なんですが、そこに入れた喜びが未だにある」と喜色満面だった。2010年に俳優引退宣言をした、石井組常連俳優の名優・根津甚八も石井監督のラブコールによって、限定復帰した。東出さんは「気迫が凄いし、最後の場面では込み上げるものをグッと抑えるのに苦労したくらいで、根津さんが帰る車を送った後は一言も喋れなかった」と共演を回想し、桐谷さんも「役者という道を選んでこの世界に入れたことが素晴らしいと思えた。セリフを投げかけられた時に、役者の世界に入れて良かったと思えた」と感動の瞬間をふり返った。一方の石井監督は「病魔が襲ってくる原因を作ったのは自分のように思う。根津さんは真面目なので、これまで苦しくても必死にやってくれた。その溜まったものが、今の病気になっているのかと思うと辛い」としながらも「現場で培った言葉で誘って、『やる!』と言われた時は感慨深いものがあった。現場に入ったら病気の根津さんじゃなくて、俳優としての根津甚八として組み合った。業が深いですね…」とつぶやくように語った。メンバーの中で紅一点の土屋さんは「男性だらけの方が嬉しく思います」とイケメン俳優に囲まれて嬉しそうで「凄く優しい人たちだったし、男臭い方が性格上好き。だって女の人って色々あるじゃないですか。だから逆にやりやすかった。それが本心」と笑わせた。また対峙する敵役的ポジションを務めた安藤さんは「父親の存在が大きくて、そこからはみ出せずにもがいている様な役どころ」とキャラクターを分析しながら「プライベートでいうと、自分の親父は近所でベロベロになるような陽気なおっさんです。だから自分としてはもう超えています」とぶっちゃけていた。『GONIN サーガ』は、9月26日(土)より全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2015年08月07日1995年に公開された石井隆監督作品の中でも絶大な人気を誇り、国内のみならず海外からの評価もいまだに高く、日本のフィルム・ノワール最高峰として多くのファンに続編を望まれてきた映画『GONIN』。19年の時を経て、新たな物語として再び幕を開ける『GONIN サーガ』の本予告編・本ポスタービジュアルがこのたび解禁となった。2014年。五誠会で3代目の誠司(安藤政信)が力をつける中、かつて五誠会が雇ったヒットマン(ビートたけし)のせいで父を失った久松勇人(東出昌大)、そして大越大輔(桐谷健太)、五誠会に囲われる麻美(土屋アンナ)、19年前の事件を追うルポライター・森澤(柄本佑)。それぞれ五誠会に恨みをもつ4人が出会ったことから、再び彼らの物語は動き始める…。主演の東出昌大を始め、桐谷健太、土屋アンナ、柄本佑、安藤政信というメインキャストに、竹中直人、福島リラ、テリー伊藤、佐藤浩一ら個性的な実力派俳優陣が名を連ねる本作。5年前に俳優引退を宣言した根津甚八が本作のために一度限りの復活を遂げることでも話題を集めている。このたび公開となった予告編映像では前作で命を落とした大越組若頭・久松の息子・勇人、同じく前作で命を落とした組長・大越の息子の大輔、大越組を束ねる五誠会二代目に秘密を握られる元アイドル・麻美、19年前の事件の真相を追うルポライターとして現れ、自らも深い因縁を持つ森澤、そして今回のGONINの敵役となる、前作の五誠会会長・式根の孫であり、五誠会三代目・誠司が登場。さらに、前作で銃弾を受けながらも生死の境をさまよい、植物状態で生きていた氷頭(根津さん)までもが加わらんとする、血と宿命に引き寄せられた“GONIN”の遺された者たちの、それぞれの苦悩と、新たな戦いを予感させる本予告編となっている。同時解禁となったポスタービジュアルには「運命を、突き動かせ。」の文字が踊っており、命を背負った“5人”が出会ったとき、彼らの運命が大きく変わることを予想させる。70年代『仁義なき戦い』、80年代『その男、凶暴につき』、00年代『アウトレイジ』、そして…90年代に燦然と輝く『GONIN』。悲しみに打ちひしがれる悲哀の表情から、狂気を身にまとい死闘を繰り広げる、まるで夜叉のような表情まで、いままでにない東出さんの魅力が詰め込まれた同予告編。まずはこちらの映像から、伝説として語り継がれるバイオレンスアクションの復活を目撃してみて。『GONINサーガ』は9月26日(土)よりTOHOシネマズ新宿ほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2015年07月17日『日の名残り』『わたしを離さないで』などで知られる英国の作家カズオ・イシグロが、2009年に発表した初の短編集『夜想曲集』。この中から「老歌手」「夜想曲」「チェリスト」の3編を選んで1本の戯曲に再構築した同名の舞台が東京・天王洲 銀河劇場で上演中だ。主人公の旧共産圏出身の青年ヤンを演じるのは、連続テレビ小説「ごちそうさん」でブレイクし、現在はNHK大河ドラマ「花燃ゆ」にも出演中の東出昌大。安田成美や近藤芳正、中嶋しゅうといった共演のベテラン勢に支えられ、初舞台ならではの瑞々しい姿を見せている。舞台『夜想曲集』チケット情報旧共産圏からやってきた無名のチェリスト・ヤン(東出)は、ベネツィアの広場でアメリカの往年の歌手トニー・ガードナー(中嶋)と出会う。今夜ゴンドラから妻のリンディ(安田)にセレナーデを歌う予定だと言うガードナーに、ギター伴奏の役目を買ってでるヤン。幸運な出会いから、一度は手放したはずの“自分の音楽”に再び向き合おうとするヤンの脳内に、以前レッスンを受けた女性エロイーズ(渚あき)との記憶がよみがえる。その光景に、リンディとサックス奏者のスティーブン(近藤)が過ごした不思議な夜など、才能を持つ者と持たざる者との物語が交差していき…。短い髪に簡素な白シャツでたたずむ東出は、いかにも純朴な青年といった風情。だが、ふと立ち止まって風に耳を澄ますシーンでは、“才能を持つ者”を表す、まっすぐで強い目力が印象的だ。さらにエロイーズから個人レッスンを受けるシーンは、昨年から実際にチェロの練習を重ねてきたというだけあって、楽器を抱えるポーズがピタリと決まっていた。またエロイーズとの哲学めいた会話のやりとりはまだ硬さが見られたものの、身のこなしの美しさは抜群。グレーの壁に白い家具、弱くゆらめくシャンデリアといった抑制されたセットと違和感なくなじみ、原作の静謐な空気を上手く伝えていた。一方の、“才能もないのに有名であり続ける女”リンディと、“才能はあるのに売れない”スティーブンとの会話は赤裸々だ。ビバリーヒルズのホテルでたまたま隣り合ったふたりは、どちらも整形手術後の療養中で、顔にグルグルと包帯を巻いている。妻に逃げられ自棄になって手術を受けたスティーブンを演じる近藤の声音には自嘲がにじむが、進んで手術を受けたらしいリンディ役の安田の声は、屈託なく可憐だ。最初はそんなリンディを毛嫌いしていたスティーブンだが、口論の末に彼女の本当の姿を知る過程が興味深い。ベネツィア、ビバリーヒルズ、アドリア海沿いの小さな町と、物語は舞台を変え、それぞれの人生に通奏低音のようにチェロの音色を響かせながら展開してゆく。本と音楽を愛する人にこそ、観てほしい1本だ。東京公演は5月24日(日)まで。その後、5月30日(土)・31日(日)大阪・梅田芸術劇場 シアター・ドラマシティで上演。チケットは発売中。取材・文佐藤さくら
2015年05月19日『ビリギャル』が現在大ヒット公開中の有村架純とNIHK朝ドラ「まれ」の山崎賢人に、成海璃子、東出昌大、窪田正孝ら“最旬”の若手俳優たちが競演を果たすスペシャルドラマ「永遠のぼくらsea side blue」が、6月24日(水)に放送されることが決定。友情や恋愛、家族、就職や人生について悩みや葛藤を抱えながらも、きらめきあふれる、これぞ“青春群像ドラマ”となっていることが分かった。「ふぞろいの林檎たち」(‘83)、「愛という名のもとに」(‘92)、「あすなろ白書」(‘93)、「天体観測」(‘02)、「オレンジデイズ」‘04)、「ラストフレンズ」(’08)など、時代を彩るキャストたちを迎え、その時代を鮮明に映し出す鏡のように一世を風靡し、支持されてきた数々の青春ドラマ。その年ごろだからこその“あるある”をふんだんに盛り込み、共感や憧れ、そして時々、ツッコミを受けながら時代の空気感を刻みつけてきた名作に、今回加わることになるTVドラマが本作。大学3年生の初夏、人生の選択を迫られる季節。周囲に波風をたてるのが苦手な松岡あおい(有村架純)は、中学から大学までエスカレーター式に進学。海や海洋生物が好きで外部大学の受験も考えたが、親に反対され断念。自分は“さとり世代”の典型的なタイプと認識していた。そんな彼女が、ふとしたきっかけで海洋大学の学生たちと出会い、海の近くの水族館で期限つきの共同作業を行うことに。あおいを一途に思い続ける幼馴染・永田拓(山崎賢人)、あおいの憧れの先輩・山内航汰(窪田正孝)、航汰の元カノで海洋大に通う佐伯夢花(成海璃子)。夢花へのほのかな恋心を抱えた芹沢亮(浅香航大)と、ゼミOBとの不倫関係を断ち切れない丹羽麗子(清野菜名)、親の借金のために夢を諦めた飯野奏介(矢本悠馬)。そして、あおいがすれ違った写真家・近藤瞬二(東出昌大)。夏の海で、新しく出会った男女が一緒に過ごすうち、複雑に絡まり出す恋愛と友情。自分たちの夢を追う彼らの姿は、あおいの人生を少しずつ動かし始め、彼らもまた変化していく…。映画、ドラマ、CMと好感度抜群の透明感を持つ有村さんは、本作で地上波のドラマ初主演。さらに、「まれ」で人気急上昇中の山崎さん、『ストレイヤーズ・クロニクル』の公開も控える若手実力派女優の代表格・成海さん、さらに大河ドラマ「花燃ゆ」など老若男女から愛される東出さん、話題作出演が続き注目を集める若手演技派・窪田さんに、「マッサン」の浅香航大、『TOKYO TRIBE』の清野菜名、「花子とアン」の矢本悠馬といった超豪華な顔ぶれが集結する。「同世代の素敵な役者さんたちに私自身も刺激を受けながら撮影しました」という有村さんは、「ドラマに出てくる若者はみんな、自分の気持ちを素直にぶつけることが苦手で、だからすれちがったり、衝突してしまうこともあるけれど、一緒に過ごす時間を重ねてかけがえのない仲間になっていきます」と本作を紹介。「主人公のあおい同様、私も気持ちを言葉にすることが苦手だったときがあるので、すごく親近感を持って演じることができました。そして、仲間がいるからそれぞれの困難を乗り越えることができて、自分に自信を持てるようになる……恋や友情、将来のことなど、青春が沢山つまった物語です」とコメント。本作のプロデューサーも「彼らの真剣な表情はいきいきとして清々しく、見ているだけでパワーがでます。期限付きだとわかっていても、少しでも長くそこにいたいと願ってしまう……そんなときを一緒に過ごした誰かのことや、感じていた音や匂いを蘇らせながら、主人公たちと一緒に泣いて笑って、青春を駆け抜けていただけたら」と期待を寄せている。スペシャルドラマ「永遠のぼくらsea side blue」は6月24日(水)21時より日本テレビ系にて放送。(text:cinemacafe.net)
2015年05月07日ドラマや映画での活躍目覚ましい東出昌大が初めて舞台に挑戦する。原作はイギリスの文学界における最高の栄誉といわれるブッカー賞、さらに大英帝国勲章を獲得し、日本での人気も高い作家、カズオ・イシグロが初めて手掛けた短篇集。独立しながらもテーマと状況がつながる5篇のうちから、「老歌手」「夜想曲」「チェリスト」の3篇をひとつに組み立て直して舞台の上に描き出す。脚本はてがみ座の長田育恵。演出を手掛けるのは、ここ数年立て続けに良作を手掛け、3度の読売演劇大賞優秀演出家賞を獲得する小川絵梨子だ。本番を2週間後に控えたなかで行われた公開稽古を覗いた。舞台『夜想曲集』チケット情報稽古場には二階建てのセットが組み上げられ、ところどころに椅子が置かれている。稽古場に入ってきた東出は、報道陣が稽古場を埋め尽くさんばかりの様子を見て「すっごい空気!」と笑う。キャスト同士、いい空気ができあがっているようで、通常とは明らかに違うこの状況に対しても過剰に意識することなく、笑い合いながら稽古開始を待っている。やがて稽古がスタート。東出演じる旧共産圏出身のヤンが、彼の亡き母がかつて大ファンだった往年の歌手、トニー・ガードナー(中嶋しゅう)とカフェで遭遇するシーン。静謐な空気の中で言葉がやり取りされる。その静けさを破るように登場したのが安田成美演じるトニーの妻リンディ。ロングコートに幅広のハットをかぶり、意識的か無意識か、やや無礼なところもあるマダムをそのしゃべり方と空気感で見事に体現。素朴な青年の雰囲気をまとった東出との対比が鮮明に見える。稽古の切れ目で緊張がほどけたような笑い声がセットの裏から聞こえてくる。長身の東出はチェロを構える姿、青いギターを構える姿が実にしっくりくる。稽古の中ではギターを持った東出がベネツィアのゴンドラに揺られるシーンや、近藤芳正によるサックスプレイが披露されるシーンもあり、物語の断片を観ただけでも幻想と現実の合間をたゆたうような、不思議な世界がそこに広がる。初舞台ながらこの物語の空気の中にすっと溶け込んでいる東出。彼が本番でどんな姿を披露するのか、期待が募る。公演は5月11日(月)から24日(日)まで東京・天王洲 銀河劇場、5月30日(土)・31日(日)大阪・梅田芸術劇場 シアター・ドラマシティにて。その後広島・富山でも上演。チケットは発売中。取材・文/釣木文恵
2015年04月28日俳優の東出昌大が主演する石井隆監督映画『GONIN サーガ』(9月26日公開)のポスタービジュアルが24日、公開された。本作は、前作『GONIN』から19年後の2014年を舞台に、男たちが遺した家族による血と宿命の争いが描かれる。五誠会で3代目・誠司(安藤政信)が力をつける中、前作で命を落とした組員、久松の息子・勇人(東出昌大)、同じく大越の息子・大輔(桐谷健太)、五誠会に囲われる麻美(土屋アンナ)、19年前の事件を追うルポライター・森澤(柄本佑)ら五誠会に恨みを持つ4人が出会い、新たな物語が動き出す。公開されたポスタービジュアルは、石井監督作品の魅力の1つでもあるキャストの目力に焦点を置き、勇人(東出)、大輔(桐谷)、麻美(土屋)、森澤(柄本)、誠司(安藤)の5人の鋭い眼光がモノトーンの中に配され、スタイリッシュかつ迫力のあるビジュアルとなってる。さらに、「もう、理性はいらない。」という意味深なコピーが、これから始まる新たな事件を予感させる。今回の目線のみのビジュアルは、実は前作『GONIN』(1995年)でも構想としてあったもの。「続編として、前作では見せていない新たなイメージと新たな物語の始まりを示すべく、キャストの射るような強い目のビジュアルといたしました」と制作サイドは企画意図を語った。(C)2015『GONIN サーガ』製作委員会
2015年04月25日1995年に公開され、石井隆監督作品の中でも絶大な人気を誇り、バイオレンスアクションの傑作として国内のみならず海外での評価も未だに高く、長きにわたり続編の制作を希望する声が絶えない映画『GONIN』。19年の時を経て、新たな物語として再び幕を開ける『GONINサーガ』のティザーポスターが到着した。2014年。五誠会で3代目の誠司(安藤政信)が力をつける中、かつて五誠会が雇ったヒットマン(ビートたけし)のせいで父を失った久松勇人(東出昌大)、そして大越大輔(桐谷健太)、五誠会に囲われる麻美(土屋アンナ)、19年前の事件を追うルポライター・森澤(柄本佑)。それぞれ五誠会に恨みをもつ4人が出会ったことから、再び彼らの物語は動き始める…。監督・脚本は前作に引き続き、石井隆。主演の東出昌大を始め、桐谷健太、土屋アンナ、柄本佑、安藤政信というメインキャストに、竹中直人、福島リラ、テリー伊藤、佐藤浩一ら個性的な実力派俳優陣が名を連ねる本作。また、5年前に俳優引退を宣言した根津甚八が本作のために一度限りの復活を遂げることが先日発表され、大きな話題を呼んだのも記憶に新しい。今回到着したティザーポスターのビジュアルは、石井監督の作品の魅力のひとつでもあるキャストの目力に焦点を置き、東出さん演じる久松勇人、桐谷さん演じる大越大輔、土屋さん演じる菊地麻美、柄本さん演じる森澤慶一、安藤さん演じる式根誠司5人の鋭い眼光がモノトーンの中に配され、スタイリッシュかつ迫力のあるビジュアルに仕上がっている。さらに「もう、理性はいらない。」という意味深なコピーが壮絶な物語を予感させる。今回の目線のみのビジュアルは、実は前作『GONIN』(’95)でも構想としてあったビジュアルだったそう。続編として前作では見せていない新たなイメージと新たな物語の始まりを示すべく、キャストの射るような強い目のビジュアルに決めたという。本作では一体どんな闘いが繰り広げられるのか?新章への期待は高まるばかりだ。『GONINサーガ』は9月26日(土)よりTOHOシネマズ新宿ほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2015年04月24日東出昌大が、『夜想曲集』で舞台に初挑戦する。原作は、英国の作家、カズオ・イシグロの短篇集。演出を、気鋭の小川恵理子が担う。俳優の仕事を始めてから、いつかは立ちたいと思っていたというその場所で、東出はどんな姿を見せるのだろうか。「夜想曲集」チケット情報舞台には興味があった。出演作が相次ぐなか、「数えてみたらこの3年で30本位観ていた」のだという。やってみたかったのは、「映像と違う何かが求められる場所」だと思ったからだ。「舞台を経験したことのある方からよく聞いていたんです。舞台をやると自由に動けるようになるよと。それはたぶん、何回も同じ芝居を繰り返すことで、想像力とか演技の説得力というようなものがつくからだろうと思ったので。自分がどれくらい柔軟に自由に動けるようになるのか、怖くもあり、楽しみでもあるというところなんです」。実際、初舞台として挑むのは、想像力も説得力も大いに求められる作品となった。原作は、人生の晩年を迎えて心を揺らす人々の音楽をめぐる5篇の物語。そこから、「老歌手」「夜想曲」「チェリスト」の3篇がひとつの戯曲に再構築され、そのうち2篇に登場する若者を、東出はひとりの人物として演じることになる。すでにチェロの練習も開始。「弦に対して垂直に弓を引くだけで5年かかると言われたんですけど(笑)、だからといってあきらめるのではなく、ちゃんとお見せできるものにしたい」と意気込む。また、演じる人物には“旧共産圏の生まれのヤン”といった限られた情報しかないが、「ちゃんと生きている人間として演じられるようにその人物の背景を勉強したい」と下調べも始めている。「さらに難題だなと思うのが、どの人物もみんなストレートな感情表現をしないこと。言葉の裏にあるものをしっかり読み取って表現しないと伝わらないと思うので、課題は多いです」。舞台に立つまでに越えなければならない壁はいくつもある。それでも怯まないのは、「いい役者になりたい」という思いがあるからだ。「ありがたいことに、役者を始めてからいろんな新人賞もいただきました。でも、それで喜んでいられないというか。やり続けること、観てよかったと思っていただける役者になっていくことが大事だと思うんです。とくに舞台は、チケット代を払っていただいて足を運んでいただくんですから、緊張感を持って臨みたいと思います」。覚悟した役者は強い。東出昌大の初舞台、期待していい。公演は5月11日(月)から24日(日)まで東京・天王洲 銀河劇場、5月30日(土)・31日(日)大阪・梅田芸術劇場 シアター・ドラマシティにて。その後広島・富山でも上演。チケットは発売中。取材・文:大内弓子
2015年04月17日今年1月5日、年明け早々に放送された「SMAP×SMAP新春スペシャル」で行われた企画「親友フィーリングカップル」で、SMAPの5人 VS 男性俳優陣5人による“フィーリングカップル”が行われたのをご存知の方も多いだろう。その中で見事、カップルとなった草なぎ剛と東出昌大が2人だけで夜の東京に飛び出した一部始終に密着した映像が、3月2日(月)の「SMAP×SMAP」内で放送されることが決定した。この2人のデート、東出さんとの時間を過ごすために草なぎさんが準備したものは、なんと自身が所有するオープンカー。目的地も草なぎさんが決定し、寒空の下、2人はドライブに出発。「寒いけれどこれが気持ちよくなる!」と断言する草なぎさんの言葉を信じ、東出さんは全てを草なぎさんにゆだねる。レインボーブリッジを渡り都心へーー車の中では、お互いになかなか普段は聞くことのできないテーマについて次々と疑問をぶつけあい、普段は見せない2人の素顔が徐々に明らかになっていく。草なぎさんオススメという店に到着後、さらにトークに花が咲く。俳優同士だからこそ語り合える、俳優だからこそ打ち明けられる仕事の悩み、人生の悩みまでを深く語り合う。さらに草なぎさんが、女優の杏と結婚したばかりの東出さんのためにサプライズで用意したものもあったようだが、その真相は番組内で明らかにされるとのこと。遊び? デート?…この2人の密会をなんと表現したものか。しかし、「草なぎ剛 meets 東出昌大」という一見不思議な組み合わせの夜会、ファンならずとも思わず覗いてみたくなる。この密着映像が放送される3月2日(月)の「SMAP×SMAP」は22時~15分拡大放送。(text:cinemacafe.net)
2015年02月25日俳優の竹中直人と女優の福島リラが、石井隆監督のバイオレンスアクション映画『GONIN サーガ』(2015年秋公開予定)に出演することが20日、明らかになった。本作は、前作『GONIN』から19年後の2014年を舞台に、男たちが遺した家族による血と宿命の争いが描かれる。五誠会で3代目・誠司(安藤政信)が力をつける中、前作で命を落とした組員、久松の息子・勇人(東出昌大)、同じく大越の息子・大輔(桐谷健太)、五誠会に囲われる麻美(土屋アンナ)、19年前の事件を追うルポライター・森澤(柄本佑)ら五誠会に恨みを持つ4人が出会い、新たな物語が幕を開ける。竹中が演じるのは、五誠会に雇われ、勇人や大輔らの命を執念深く狙うヒットマン・明神。医療用のチューブであるカニューラをつけた異様なルックスだが、ターゲットを確実に仕留める腕をもつ。竹中は、石井監督のデビュー作『天使のはらわた 赤い眩暈』(1988年)以来、ほとんどの作品に参加し、前作『GONIN』(1995年)でも、リストラされたサラリーマン役で出演した。「石井隆監督のパワーがエネルギーがこれでもか! これでもか! とみなぎった作品になっているに違いない! そんじょそこらに転がっているような作品では決してない! この映画にふたたび参加できたこと、それは僕にとっての夢であり僕にとっての『映画』であった」と語る竹中。「新たなキャストで再びよみがえる『GONIN サーガ』ぜひ劇場で観ていただきたい! そして石井隆の世界を是非スクリーンで体感してほしい」と呼びかけている。一方、竹中扮するすご腕のヒットマン・明神と行動を共にする女殺し屋の余市を演じるのが、モデルとして国際的に活躍し、ハリウッド映画『ウルヴァリン:SAMURAI』(2013年)でヒュージャックマンの相棒・ユキオ役で本格的な女優デビューを果たした福島リラ。今回の出演を「マスターピースの続編に参加させて頂けたこと自体、とても光栄に 感じています」と喜び、「今から完成作品を観ることが楽しみです」と期待を寄せている。2人はNHK大河ドラマ『軍師官兵衛』(2014年)で共演。竹中から製作サイドに「余市を演じるには彼女しかいない」と推薦があったことが、福島の起用の決め手となった。その独特な佇まいに強いインパクトを感じていたという二宮直彦プロデューサーは、「石井監督作品史上、最凶の殺し屋コンビをご堪能いただきたいです」と自信をのぞかせ、竹中の怪演を「こんなに怖い竹中さん…夢に出そうです」と評している。その他、勇人の母・安恵役に井上晴美、大輔の母・加津子役にりりィ、誠司のフィアンセ・百合香役に松本若菜、誠司のボディーガードでもある松浦組の組長・松浦役に菅田俊、その松浦のボディーガード・黒木役に井坂俊哉といった、演技派俳優陣が脇を固める。
2015年02月20日SF、ホラー、ファンタジー、アクションなど、イマジネーションとエンタテインメント性豊かなファンタスティック映画を対象に優れた作品を選定し、新しい才能の発見と育成、映画を通じての文化交流やコミュニケーションの活性化を目指してきた「ゆうばり国際ファンタスティック映画祭」。今年で25周年のアニバーサリーイヤーを迎える本映画祭を盛り上げるに相応しいフレッシュな若手俳優たちが、今年もゲストとして登壇することが明らかとなった。本映画祭の魅力の一つとして挙げられるのが、登壇するゲストたちの多くが、ブレイク前の監督や俳優たちということ。これまでも、綾野剛や鈴木亮平、昨年は東出昌大や斎藤工などいった、いまでは日本映画界を牽引していく存在となったイケメン俳優たちが多数登場してきた。今年は、「ニューウェーブアワード」を受賞した中村蒼を筆頭にネクストブレイクが期待される若手俳優たちが続々と登場予定、ここで一挙にご紹介!『クローズEXPLODE』『アオハライド』『寄生獣』に大河ドラマ「花燃ゆ」と、話題作に次々と出演しまさに飛ぶ鳥を落とす勢いの東出さんが昨年受賞した「ニューウェーブアワード」。目覚ましい活躍を見せる映画人に新たな波を期待して贈るこの賞を今年受賞したのが、『トワイライト ささらさや』での好演が記憶に新しい中村さん。ジュノンスーパーボーイグランプリの受賞をきっかけに芸能界デビューを果たした中村さんは、昨年グランプリを獲得した竹葉リサ監督の最新作として本映画祭で上映予定の『春子超常現象研究所』で“感情をもったTV役”という難しい役どころに挑戦し話題に。さらに昨年は『東京難民』や岩井俊二監督のTVドラマ「謎の転校生」で主演を務め、近年、その閑静なルックスでシリアスな役柄からコミカルな役柄まで幅広く演じることができる表現力が多方面から賞賛を受けている。2015年、もっとも目が離せない大注目株俳優といえる。続いて紹介するのは、映画初主演『もうしません!』で売れないラジオMCを演じている中野裕太。2008年に平成仮面ライダーシリーズ「仮面ライダーキバ」で俳優デビューすると、その日本人離れのソース顔イケメン・フェイスと、留学経験もある高学歴でバラエティー番組に進出し、瞬く間に人気を集めた。TVドラマ「謎の転校生」で演じた異世人役ではシリアスな役柄に挑戦し好評価を得た中野さんは、近年では舞台への活躍の場を広げている。今年の5月には園子温監督最新作として話題の『新宿スワン』に出演が控えており、今後もマルチ俳優として幅広い活躍が期待される。ドラマ「GTO」や、いまや若手俳優の登竜門となった戦隊シリーズ「獣電戦隊キョウリュウジャー」に出演に人気急上昇中の草食系イケメン俳優、塩野瑛久。本映画祭で上映される『鼻目玉幸太郎の恋』では初の主演に抜擢され、自分に自信がなく、女性と話すことすらままならないという本来の塩野とは真逆の男役に挑み、俳優としての新境地を開拓している。昨年は「タンブリング FINAL」で初舞台出演を果たし、着実に俳優としてステップアップしている、将来が楽しみな俳優である。自身も女優として活躍する広田レオナ監督の最新作『お江戸のキャンディー』で、美しき男たちの絢爛豪華な恋愛模様を体当たりで演じた真山明大と高橋ひろ無も、忘れてはならないネクストブレイク俳優たちである。男花魁・白鳥太夫役を演じるのは、ジュノンスーパーボーイコンテストを機に俳優としてデビューした真山さん。TVドラマ「メイちゃんの執事」「ショムニ2013」「リーガルハイ」と立て続けに人気作に出演し、映画『私の奴隷になりなさい』では檀蜜の相手役として話題となった。そして大衆人気No.1のキャンディボーイ・フリ松役を、広田監督の前作 『美貌先生~その壱~』に引き続き、2度目の出演を果たしす高橋ひろ無が熱演。本田翼や石原さとみらとのCM共演から徐々に人気に火がついてきた高橋さんだが、これまでNHKでの時代劇や岩松了の舞台などで演技を磨いてきた。ほかのフレッシュ俳優とは一戦を画す本格派として、今後注目されること必至だ。2015年も早1か月半経ち、数々の新作が上映、放送されている。今月には2014年度を彩った作品をふり返る日本アカデミー章の受賞式も開催されるが、来年のアカデミー賞で賞賛を浴びる俳優は出てくるのか?まずはゆうばり国際映画祭を彩る若手俳優たちを要チェックしてみて。(text:cinemacafe.net)
2015年02月14日あけましておめでとうございます!ついに2015年の幕開け。今年はどんな1年にしたいですか?今日は元旦。年末には話題のカップル・杏さんと東出昌大さんの元日婚が報道されましたね。そんな二人を祝して、結婚相性を占ってみました!■杏さん×東出さんの結婚後は?共通の目標を見つけて、それに向かって頑張っていける夫婦になれますよ。杏さんも東出さんもお互いの存在を支えにして前に進んでいけます。夫婦というより、同志といった感じかも知れません。家庭内はほどよい緊張感があるでしょう。金銭的にも無駄遣いはせず、目標に向かってしっかりと貯金ができます。でも、頑張り過ぎてしまったりどちらかが相手に頼り過ぎたりすると疲れてしまいます。不満はためこまないことですよ。※【無料占い】あの人と結婚したら?確かに、お二人の凛とした雰囲気は、同志という感じがしますね。うらやましい…。皆さんもぜひこの幸せにあやかって、恋人がいる人もそうでない人も、2015年こそ幸せになりましょう。■2015年、あなたの恋愛運&結婚運は?今年こそ幸せになりたい!というみなさんの2015年の恋愛運、結婚運を有名占い師3名が無料で鑑定します。入力が必要なのは生年月日だけ!恋愛占いの豪華競演をお楽しみください!★西洋占星術で占う2015年の恋愛運鑑定歴35年以上、日本を代表する西洋占星術者マドモアゼル・愛が、あなたの2015年の総合的な恋愛運を占います。★2015年上半期にある出逢いのすべて「当たる」と大評判!テレビで話題の沖縄の“奇跡の鑑定士”上地一美が、2015年上半期の出逢いを鑑定します。★2015年上半期、電撃婚の可能性は?結婚鑑定に定評のある“自由が丘の母”こと安芸実が、あなたの今後を読み解いてアドバイス。電撃結婚のチャンスはある!?今年はどんな人と出逢い、そして恋愛をするのでしょうか?気になる人がいるのなら、ぜひお相手の恋愛運もチェックしてはいかがですか?2015年の恋愛模様の全貌がわかる恋愛占い、みなさんも試してみてくださいね♪(文=編集ふたえ)
2015年01月01日残りわずかとなった2014年。映画、ドラマ、あるいはCMにおいても、今年もイケメン俳優たちが大活躍。何本もの主演作をこなした大ブレイクイケメン・福士蒼汰や東出昌大、話題作でキラリと光る存在感を発揮する若手実力派・菅田将暉や池松壮亮、さらにドラマをきっかけに一躍ブレイクを果たした斎藤工や鈴木亮平といった30代の演技派イケメンに注目しながら、2014年をふり返ってみた。■あなたは“東出”派?“福士”派? 少女マンガの世界を体現する2トップまずは26日、NHK朝の連続テレビ小説「ごちそうさん」で共演した女優・杏と元旦入籍を発表し、西島秀俊、向井理に次ぐ電撃結婚を決めた東出さん。現在、咲坂伊緒・原作の大人気少女コミックを映画化した主演作『アオハライド』が大ヒット中。原作の空気感そのままに、W主演の本田翼との息もぴったり。アンニュイでどこか寂しげな眼差しが原作ファンのみならず、多くの女性たちをキュンキュンさせている。『桐島、部活やめるってよ』で日本アカデミー賞「新人俳優賞」を受賞したのが、2012年。昨年は「あまちゃん」「ごちそうさん」と異例の朝ドラ2作連続出演を果たし、純朴な青年役ぶりを見せていたが、2014年は『クローズEXPLODE』で一転、不良高校生に。また、『アオハライド』とは対極の世界観を持つ『寄生獣』では、そのイケメン顔が割れるなど、演技の幅を広げたといわれる怪演ぶり。来年は、早くも大河ドラマ版“花男”といわれている「花燃ゆ」で、井上真央演じるヒロインを取り囲む“幕末男子”のひとり、久坂玄瑞を演じるほか、真木よう子主演ドラマ「問題のあるレストラン」、伝説的バイオレンス・アクションの続編『GONIN サーガ』への主演、そして初舞台となる「夜想曲集」など各方面での活躍が期待されている。一方、福士さんは若手俳優の登竜門「仮面ライダーフォーゼ」から、朝ドラ「あまちゃん」を経て、今年に入ってその勢いはさらにパワーアップ。4月クールドラマ「弱くても勝てます~青志先生とへっぽこ高校球児の野望~」、7月は川口春奈と“本気チュー”した『好きっていいなよ。』、9月は元・仮面ライダー俳優として“本気アクション”に挑んだ『イン・ザ・ヒーロー』、秋にはローマ国際映画祭で流暢なイタリア語と英語を披露したことも記憶に新しい『神さまの言うとおり』と立て続けに出演。特に、“こじらせ女子”綾瀬はるかを相手に頼りになる“年下男子”を好演した「きょうは会社休みます。」は、演じた“田之倉くん”がすっかりハマり役に。ドラマが終了したいま、“田之倉ロス”になる人が続出しているという。こちらも「Cocohana」(マーガレットコミックス)にて現在連載中の藤村真理の同名人気マンガが原作だ。さらに、KDDI「au 4G LTE」などCMでもコミカルな一面を披露し、爽やかな笑顔を振りまいていた福士さん。2015年は『アオハライド』と同じ咲坂伊緒・原作の『ストロボ・エッジ』で、多くの女子たちの心をわしづかみにするに違いない。■話題作に必ずいる! 躍進する若き演技派、菅田将暉&池松壮亮少女マンガの世界を体現といえば、12月27日に封切られたばかりの映画『海月姫』で、女子顔負けのキラキラ“女装美男子”に扮している菅田さんもそうだろう。見た目は超絶キュートなのに、中身は熱い男らしさを持つ菅田さん演じる鰐淵蔵之介は、能年玲奈ら“オタク女子”たちを日の当たるところへと導くキーパーソン。10kgに及ぶ減量やエステ、骨盤矯正などで体得した女性らしさで(?)話題を独占している。「仮面ライダーW」でのデビューからわずか5年あまり、『共喰い』(’13)で映画賞を席巻し、『闇金ウシジマくんPart2』ではチャラいヤンキーに。“坊主頭”が初々しかった朝ドラ「ごちそうさん」の後も、大野智主演、中田秀夫監督による深夜ドラマ「死神くん」で好演。監督の呉美保がモントリオール世界映画祭「最優秀監督賞」を受賞した綾野剛主演の『そこのみにて光輝く』でも強い印象を残していた。来年は、『海月姫』の熱狂と興奮も冷めやらぬうちに、阪神・淡路大震災から20年を記念したNHKドラマ「二十歳と一匹」に主演するほか、「問題のあるレストラン」、映画『暗殺教室』『ピース オブ ケイク』などでさらなるブレイクを予感させている。そして、『ラストサムライ』(’03)でトム・クルーズと対峙したあの少年役から10年あまり、ついに、シネマカフェの予想どおり大ブレイクを果たした池松さん。昨年、日大芸術学部映画学科を卒業後、俳優活動を本格化させ、2014年は実に8本の映画に出演。確かな演技力とさりげなさの中に光る存在感で、どこにでもいそうな等身大の若者を演じさせたら右に出る者はいないほど、日本映画界で引く手あまたとなった。衝撃作『愛の渦』で門脇麦と絡んだかと思えば、『大人ドロップ』では橋本愛と高校生役に。また『春を背負って』『わたしのハワイの歩きかた』と脇役でも魅せ、西島さん主演の「MOZU」では一人二役で壮絶な殺人者にもなった。『海を感じる時』では市川由衣、『紙の月』では宮沢りえを翻弄する若者を演じ切り、大胆なラブシーンでは“背中も美しい”と注目を集めていた。『ぼくたちの家族』の石井裕也監督と妻夫木聡と再タッグとなった現在公開中の『バンクーバーの朝日』では、野球経験を生かしてチーム「朝日」の一員となり、改めてその魅力を振りまいている。菅田さん、池松さんとも、少年ぽさを残すルックスでありながら、実際は骨太の演技派。間違いなく、これからも楽しみな若手実力派といえるだろう。■ドラマからブレイク! 多才な30代俳優は、そのキャラも魅力ドラマ「僕らのいた時間」で難病ALSの主人公を演じた三浦春馬の恋のライバル、後によき理解者となる先輩役で注目を集め、物議を醸した「昼顔~平日午後3時の恋人たち~」で全国の人妻のみならず、相手役・上戸彩の同世代から母親世代に至るまで、幅広い層の女性たちの心を捉えた斎藤さん。その端正な顔立ちとは裏腹に(?)、独特の教育哲学で知られるシュタイナーの学校に通っていた幼少期、海外放浪、パリコレモデルというエキセントリックな経歴や、役柄や監督業に対するストイックな一面、あらゆるジャンルに精通する映画通ぶりも多くの女性を魅了した。今年はその色気溢れる声で『西遊記~はじまりのはじまり~』で吹き替えにも初挑戦。先日、「週刊文春」で披露したヌードも話題となったが、竹内結子主演の新春ドラマ「上流階級~富久丸百貨店外商部~」でもその肉体美と色気を披露することになる。また、31日の紅白歌合戦で特別コーナーが企画されている朝ドラ「花子とアン」で、吉高由里子が演じた主人公・花子を、その体格さながらの包容力と温かさで支え続けた“村岡印刷さん”こと鈴木さんも、瞬く間にお茶の間の人気者に。ムキムキ・ボディの『HK 変態仮面』で注目を集めた鈴木さんは、東京外国語大卒、英検1級、世界遺産検定1級も有する博学のインテリ俳優。知的で柔らかな物腰と、花子を思わずナマケモノに例えてしまう村岡印刷さんのキャラは、鈴木さん自身が珍獣好きであることが生かされたという。その一方、園子温監督『TOKYO TRIBE』では180度違う振り切れた悪役を熱演。今後も、生田斗真主演の『予告犯』、綾瀬はるか&長澤まさみらが四姉妹となる『海街diary』など話題作への出演が続いている。2015年も気になる、魅力たっぷりの彼ら。さらなる飛躍を楽しみしておこう。(text:cinemacafe.net)
2014年12月31日先日より公開中の『アオハライド』主演の本田翼と東出昌大、同じく咲坂伊緒・原作の映画化で来春公開の『ストロボ・エッジ』主演の有村架純によるスペシャルコラボ舞台挨拶が12月22日(月)、実現した。最初に登場したのは『アオハライド』の本田さん&東出さん。公開第1週の週末興行ランキングで見事、1位を獲得したが本田さんは「すごく嬉しいです。たくさんの人に観ていただけまして」と満面の笑みを浮かべた。続いて、サプライズで『ストロボ・エッジ』に出演する福士蒼汰からサプライズでビデオメッセージが到着!『アオハライド』を主演として引っ張ってきた本田さんと東出さんを労うと共に『ストロボ・エッジ』について「リアルなラブストーリーが描かれていると思います!」と自信を口にし、「冬は『アオハライド』、春は『ストロボエッジ』で切ない愛にキュンキュンしてください」と語った。福士さんの爽やかな笑顔に壇上の本田さんと東出さんは「カッコいいですねぇ」と声を揃える。東出さんは「本田さんは東出じゃなく、福士派なんですよ(笑)」とちょっぴりスネた口調で語り、会場は笑いに包まれた。さらに『ストロボ・エッジ』のヒロインの仁菜子を演じる有村さんが登場。有村さんは「お邪魔します(笑)」と挨拶し、すでに鑑賞したという『アオハライド』について「泣きました!“キラキュン”ってこういうことなんだって思いました」と感想を口にする。と、ここで本田さんが東出さんをドンッと殴り「ニヤニヤしてんじゃないよ!」と一喝!「東出さんは有村さん派なんですよ」と口をとがらせるが、東出さんはお構いなしに「そうですね(笑)」とうなずき、不穏な空気が…?この日は、東出さんが“判定者”となって「仕事で落ち込んでる東出さんに声を掛けるなら?」「東出さんをデートに誘うなら?」というお題に沿って、本田さんと有村さんが咲坂作品のヒロイン対決を繰り広げた。落ち込んでいる芝居をする東出さんに、本田さんは「おい、どうした?まあ元気出せよ!」と明るく声を掛け、有村さんの方は「みんなでおいしいもの食べに行こう!」と元気づける。また本田さんが「焼鳥に行こう!ビール飲もう!」と誘うのに対し、有村さんは「キャッチボールしよう」と公園デートを提案する。甲乙つけがたいお誘いに、東出さんは悩みつつも「公園が好き」と有村さんをチョイス!“戦友”の本田さんを裏切る結果となり、本田さんは「ヒロインとして洸に選んでもらえなくて悔しい!ヒドイ、東出くん」とすっかりおなじみになった(?)ウソ泣き芸を展開し、それに東出さんも「泣くなよ…」と応える“茶番”で会場は笑いに包まれた。最後に、本田さんと東出さんから『ストロボ・エッジ』にエールを…と求められるも、本田さんも東出さんも「千葉(雄大)くんと見に行きます」と宣言し、最後の最後まで2人の“夫婦漫才(?)”に会場は沸いていた。『アオハライド』は公開中。『ストロボ・エッジ』は2015年3月14日(土)より全国にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:アオハライド 2014年12月13日より全国東宝系にて公開(C) 2014映画「アオハライド」製作委員会(C) 坂伊緒/集英社
2014年12月22日人気漫画家・咲坂伊緒氏のコミックを映画化した『アオハライド』(公開中)、『ストロボ・エッジ』(来年3月14日公開)のコラボ舞台あいさつが12月22日に東京・新宿バルト9で行われ、『アオハライド』に出演する本田翼と東出昌大、『ストロボ・エッジ』の主演・有村架純が登壇した。その他の写真『アオハライド』は別冊マーガレット(集英社刊)に連載中で、数年ぶりに再会した双葉(本田)と洸(東出)の淡い恋模様を描いた作品。一方、『ストロボ・エッジ』は同誌に2007~10年に連載された人気作で、恋に奥手な高校生・仁菜子(有村)と、女子の憧れである同級生・蓮を中心に、登場人物全員が切ない片思いに心を揺らす。この日は女優陣が「屋台の焼き鳥、食べに行こう」(本田)、「公園でキャッチボールしよう」(有村)と東出にデートプランを提案。悩んだ挙句、東出が「僕、公園好きなんですよ」と有村の提案をチョイスすると、共演者である本田は「ニヤニヤしてんじゃないよ! 東出くんは、有村ちゃん派だから」とふくれて見せた。また、来年春に公開を控える有村に対し、「僕も『ストロボ・エッジ』観に行きます!(『アオハライド』で共演した)千葉雄大くんと一緒に観ます」(東出)、「私も千葉くんと観に行きます。番宣、頑張ってください」(本田)とエール。有村は「しっかり番宣、頑張ります」とプロモーションに励む決意を示した。舞台あいさつには、有村とともに『ストロボ・エッジ』に主演する福士蒼汰が「冬休みは『アオハライド』、春休みは『ストロボ・エッジ』を楽しんで」とVTRコメントを寄せた。『アオハライド』公開中『ストロボ・エッジ』2015年3月14日(土)公開取材・文・写真:内田 涼
2014年12月22日『グラディエーター』を始め、『エイリアン』『ブレードランナー』『ハンニバル』など数々の傑作を生み出してきた巨匠リドリー・スコットが「(自身の作品としては)過去最大の予算を投じた」という『エクソダス:神と王』。人類史上、最初にして最大の“モーゼの奇跡”を描く本作で、クリスチャン・ベイルが演じる主人公モーゼの妻の日本語版吹き替えに、女優やモデルとして大活躍の杏が初挑戦することが分かった。ナイル川が血に染まり、おびただしい数のカエルが地を覆い、紅海が割れ――。3,300年に渡って語り継がれてきた数々の巨大な災いと奇跡を、科学的な史実であるという視点に立ち、最新の視覚効果と3D技術を駆使して完全映像化を実現させた本作。杏さんが吹き替え声優にチャレンジするのは、今回が初。「声のお仕事にはもともと非常に興味がありましたので、自分としては初めての試みですが、是非チャレンジしてみたいと思い、オファーをお引き受けしました」と言う。その初めてとなる役柄は、夫であるモーゼを献身的に支え、40万人の民を救うために旅立ったモーゼを信じて待ち続ける、芯の強い女性ツィポラ(マリア・バルベルデ)。国民的女優としての清廉で風格を感じさせるイメージが、伝説的英雄モーゼの妻役にまさにぴったりであることから、今回の起用が実現した。全話・平均視聴率22.4%を記録したNHK朝の連続テレビ小説「ごちそうさん」でも、東出昌大演じる夫を支える妻を熱演した杏さん。「これまでのモーゼに対するイメージを覆す、新たなモーゼ像を描いた作品。モーゼはとても強く聡明で素晴らしい男性だと思います」と、伝説的な夫を絶賛。「ひとりの男性として、頼もしさを感じました。ただ、(妻である)私を置いていってしまうのは困りますね(笑)」と苦笑しながらも、本作については、「ひと言で言うと、“スペクタクル・アドベンチャー作品”。音も映像も本当に素晴らしかったので、ぜひこの重量感を楽しんで欲しいです。私が演じた妻ツィポラとモーゼの夫婦の絆も見どころの一つです」と話し、スコット監督が描き出した世界観をアピールしていた。『エクソダス:神と王』は2015年1月30日(金)よりTOHOシネマズ 日劇ほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2014年12月17日映画『アオハライド』が12月13日(土)に公開され、主演の本田翼、東出昌大をはじめ、新川優愛、吉沢亮、藤本泉、千葉雄大、高畑充希という主要キャスト陣が揃って舞台挨拶に登壇。暴露トークで仲の良い様子をうかがわせた。咲坂伊緒の人気漫画の映画化。タイトルは“青春(アオハル)にRide(ライド=乗る)”を掛け合わせた造語で、中学時代に思いを通じ合わせつつも気持ちを伝える前に離れ離れになった男女の高校での再会を中心に、高校生たちの青春模様を描き出す。この日は、キャスト陣が一堂に会しての「アオハル卒業式」ということで、それぞれが「いまだから、この人にこれだけは言っておきたい」というお題でトークを展開。トップバッターの千葉さんは、劇中で演じた優しく甘い冬馬とは一転、なぜか毒舌モードで「まあ金輪際、みんなと会うこともないし…」と前置きして、「(劇場の)入口で本田さんがすごく賑やかで…いや、いまオブラートに包んだけど、めっちゃうるさかった」といきなり苦情の申し立て!これに本田さんは「珍しく千葉くんが黙ってたので寂しいのかと…(笑)」と返すと、千葉さんは「本田さんと別れるの、すっごく寂しい!」と応戦し、さらに、本田さんと東出さんを指し「2人がいつもイチャイチャしてて」と劇中さながらの三角関係の恋の恨みまで暴露…!?本田さんが負けじと「イチャイチャと言うなら、東出さんと千葉くんの方が…」と言い返し、一連のやりとりに高畑さんが呆れ気味に「茶番だ…(苦笑)」とポツリと漏らし、会場は爆笑に包まれる。その高畑さんは「吉沢くんがいつも『オレ、モテないんだけど、どうしたらいいのかな?』と聞いてきて…。私に聞かれても…」と困惑気味に暴露し、「顔はカッコいいんだから、黙って端っこに座ってりゃ『カッコいい』ってなるよ」と投げやりに語る。そんな吉沢さんは現場でイジラれキャラだったそうだが「泉ちゃんはかなりエグかった…」と藤本さんを糾弾?「東出くんはムチャぶりしても、こっちが何かやれば全力でリアクションしてくれるのに、泉ちゃんはやらせといて見てない!興味ないでしょ?心が痛みました…」と苦悩を吐露する。当の藤本さんは「そんなことあった?面白くなかったので…」と期待通りの(?)冷酷なリアクションで会場を沸かせる。さらにこの後、東出さんが本田さんに公開初日を迎えて「込み上げる思いとかある?」と尋ねると、本田さんが急にウソ泣き芸で応えるなど、劇中のキャラや関係性そっちのけで一同やりたい放題。最後まで笑いに満ちた舞台挨拶となった。『アオハライド』は全国にて公開中。(text:cinemacafe.net)■関連作品:アオハライド 2014年12月13日より全国東宝系にて公開(C) 2014映画「アオハライド」製作委員会(C) 坂伊緒/集英社
2014年12月13日本田翼と東出昌大は、青春映画の似合う俳優、原作漫画をリアルにする力のある俳優だ。人気少女コミック「アオハライド」を映像化するにあたって、俳優たちがぶつかるであろう難関は、累計930万部(2014年12月現在)を越える漫画の世界感を、紙面上ですでに出来上がっているキャラクターを、どう現実世界に落とし込むか──。恋にも友情にも真っ直ぐな“双葉”に息を吹き込んだ本田さん、真面目に無器用に悩みながら“洸”に寄り添った東出さん。2人が映画『アオハライド』で感じて表現した“リアル”な感情とはどんなものだったのか?本田さんの演じるヒロイン・吉岡双葉、東出さんの演じる双葉の初恋の相手・馬渕洸。『アオハライド』は、彼らを中心に恋や友情が描かれる、いわゆる学園ものだ。少女コミックということで「そういうシチュエーションありえないでしょ…っていうのもあるかもしれないけれど、登場人物の性格が細やかで、本当に“いる”って共感する。私自身、思考回路が勝手に双葉ちゃんと同じように行き着いたというか、双葉ちゃんと自分自身の呼吸がすごく重なり合っているのを感じました」と語るのは本田さん。主演という大きなプレッシャーを感じつつも「考えていても仕方ないので、切り替えて、本田翼の演じる吉岡双葉を頑張っていこうと思ったんです」。その前向きさ、真っ直ぐさは、やはり双葉に通じるものがある。「双葉も本田翼も裏表がないんですよね。全世界が“本田翼”だったら戦争は起きないと思う」と、ヒロインに最大の賛辞を贈るのは東出さん。闇を抱えながらも、そのなかにそこはかとない優しさのある洸は「難しいと思った」という本人の言葉とおり、チャレンジングな役となった。「洸は自分が幸せになってはいけない…と、がんじ絡めになって、本当の自分を隠して、芝居をして生きている子なんです。そんな芝居をしている人間を演じるというのは難しいし、洸の心境を考えるとつらかった。気をつけたのは、その場その場を一生懸命生きるということ。僕自身は台本を読んでストーリーは知っているけれど、洸として毎回ショックを受けたり、驚いたりすることで、リアルな感情が伝わるんじゃないかなって思ったんです」。現在、22歳の本田さん、26歳の東出さん。20代の彼らが違和感なく学生服を着こなす、というのも演じる上での必須項目だった。東出さんは今年公開の映画『クローズEXPLODE』で高校生を演じているけれど、学ランとブレザーはまた別もの。「スタイリッシュさを損なってはいけないと思ったので、着こなし方も気を遣いました」と、撮影時のある工夫を明かす。「出演者はみんな20歳を超えていたんですけど、俳優に合わせるために学生のエキストラの年齢が高めに設定してあったりするんです」。また、スタッフ・キャストは約1か月間、富山に滞在し合宿状態で撮影をこなしていった。“同じ釜の飯”を食べて撮影したことで、三木監督を筆頭にチームは一致団結。キャスト同士もまるで本当の同級生のように「仲がよかった」と、撮影当時をふり返る本田さん。「実は私、すごく人見知りなんです。最初の頃は相手の目を見て話せなかったほど。なかなかみんなと仲良くなるきっかけを作れずにいたら、東出くんが連絡先を聞いてまとめてくれたんですよね。…それにしても、双葉と洸を含めたあの5人の関係、友情って羨ましいです。本音でぶつかってこそ本当の友情が築けるんですよね」。上辺だけではない関係を役としても役者としても築けたからこそ「撮影中は洸を演じるのが苦しくて、東京に帰りたいと思ったこともあるけれど、ふり返ってみると、濃くて楽しい1か月ちょっとでした。青春、でしたね」と、東出さんの瞳の奥はキラリと輝いていた。その5人が繰り広げる、“青春だなぁ”というシーンが映画にはいくつも登場する。なかでも本田さんと東出さんの記憶に鮮明に残っているのは、朝日を一緒に見るシーン。限られたわずかな時間のなかで最高のシーンをカメラに収めなくてはならない、チームワークの見せどころでもあるが、その“青春”な太陽を見て本田さんが発したひと言は──「鮮やかなオレンジ色だったので、つい、『イクラみたい』って言っちゃったんですよね(笑)」。この“らしさ”がチームをまとめていたんだろうと想像がつく。5人の友情にジーンと心打たれ、そして双葉と洸の恋のゆくえにキュンと心奪われる。キュンとくるセリフ、キュンとくるしぐさ、もしも自分がその立場だったらどうするんだろう…そんなふうにキャラクターの心情が自然と自分自身と重なっていくのもこの映画の魅力だ。本田さんのお気に入りのキュンとするシーンは、あまりにも好きすぎて“ハンド to ハンド”と命名したのだそう。「窓越しに双葉と洸が手を重ねているセリフのないシーンです。あのシーン、双葉は洸の気持ちをぜんぜん分からない設定なので、私自身もそういう気持ちで演じています。だから演じているときは、なんで洸はあんなに切なそうな顔をしているんだろうって思っていたんです。でも、完成した映画を観客として観ると、うわぁ、切ないよぉ…って、ものすごく切ないシーンでした」。そんな切なさを2人から引き出したのは、三木監督。『僕等がいた』『陽だまりの彼女』『ホットロード』など、青春映画、恋愛映画を数多く手がけてきた監督の手腕が今回も存分に発揮されている。「監督は絶妙なキュンキュンポイントを誰よりも知っている」「2人の恋にやきもきする!」「じれったい!」と、本田さんと東出さんが語るように、恋愛特有の感情──タイミングがほんの少しズレてしまうがゆえのやきもき感、じれったさ、ドキドキ感、胸キュンのすべてが『アオハライド』には詰まっている。(text:Rie Shintani/photo:Nahoko Suzuki)■関連作品:アオハライド 2014年12月13日より全国東宝系にて公開(C) 2014映画「アオハライド」製作委員会(C) 坂伊緒/集英社
2014年12月12日