オスカー、英国アカデミー賞、日本アカデミー賞など、国内外で数えきれないほどの賞を受賞し高い評価を受けている濱口竜介監督の『ドライブ・マイ・カー』が、2022年の国際映画批評家連盟賞グランプリを受賞した。『ドライブ・マイ・カー』は、国際映画批評家連盟(FIPRESCI)の会員による2022年の最優秀作品としてグランプリに輝いた。最終候補には同作のほか、『リコリス・ピザ』(ポール・トーマス・アンダーソン監督)、『パワー・オブ・ザ・ドッグ』(ジェーン・カンピオン監督)、『Triangle of Sadness』(リューベン・オストルンド監督)、『わたしは最悪。』(ヨアキム・トリアー監督)が挙がっていた。同賞は1999年に設立。これまでペドロ・アルモドバル監督(『オール・アバウト・マイ・マザー』)、ジャン=リュック・ゴダール監督(『アワーミュージック』)、ロマン・ポランスキー監督(『ゴーストライター』)、アルフォンソ・キュアロン監督(『ROMA/ローマ』)といった偉大な監督たちが受賞。今年の最終候補に挙がっていたポール・トーマス・アンダーソン監督は、『マグノリア』『ゼア・ウィル・ビー・ブラッド』『ファントム・スレッド』で3回受賞を果たしている常連である。昨年は、『ノマドランド』のクロエ・ジャオ監督が選ばれた。(賀来比呂美)■関連作品:ドライブ・マイ・カー 2021年8月20日よりTOHOシネマズ日比谷ほか全国にて公開(C)2021『ドライブ・マイ・カー』製作委員会
2022年08月23日『ドライブ・マイ・カー』濱口竜介監督の初の“短編集”として、ミニシアターを中心にヒットを記録した『偶然と想像』のBlu-rayリリースが決定した。『ドライブ・マイ・カー』が第74回カンヌ映画祭で脚本賞など4冠、米アカデミー賞で国際長編映画賞に輝き、本作で第71回ベルリン国際映画祭・銀熊賞(審査員グランプリ)を受賞し、いまや世界が最も注目する監督のひとりとなった濱口監督。濱口竜介監督 Photo by Mike Coppola/Getty Images短編集となる本作は、人生を静かに、大きく揺り動かす「偶然」をテーマに、親友同士の他愛ない恋バナ、大学教授に教えを乞う生徒、二十年ぶりに再会した女友達を描く3編からなる。軽快な物語の始まり、日常の対話から一転、鳥肌が立つような緊張感とともに引き出される人間の本性、鮮やかに切り取られる人生の一瞬に、観る者は日本映画の新時代を感じることになるだろう。さらに、古川琴音、中島歩、森郁月、甲斐翔真らフレッシュな顔ぶれと、濱口組出演経験のある玄理、渋川清彦、占部房子、河井青葉ら個性豊かな俳優陣が好演。映像特典として、その出演俳優による撮影現場をふり返るインタビュー「濱口竜介と俳優たち"創作"の場をつくるために」(47分)も収録される。『偶然と想像』Blu-rayは9月30日(金)より発売。価格:5,170円(税込)発売元:NEOPA(text:cinemacafe.net)■関連作品:偶然と想像 2021年12月17日よりBunkamuraル・シネマほか全国にて公開©︎ 2021 NEOPA / fictive
2022年08月22日お笑いコンビ・よゐこの濱口優(50)とタレント・南明奈(33)夫妻が18日、YouTube公式チャンネル『濱口夫婦チャンネル』を通じ、第1子男児の誕生を発表した。濱口の「われわれ夫婦からみなさまにご報告がございます」に続いて、南が「先日、元気な男の子を出産し、我が家に新しい家族が増えました」と報告。濱口は「生まれてくるまでみなさんにご心配をおかけするのもなと思いまして、発表はこのような形になりました」と経緯に触れ、南はうれしそうに「優さん似の男の子が生まれました」と笑顔を見せた。また、濱口は生放送中だったことから「立ち会えないのかな」と諦めていたが、「待ってくれるかのように、生放送が終了して僕が駆けつけるときになってから生まれてきてくれました」とタイミングにも恵まれた様子。「生まれてきてすぐに顔も見れたんですけども、本当にそっくり」「眉毛がめちゃくちゃ濃かったです(笑)」と誇らしげで、南も「助産師さんの何人もの方が『旦那さん似ですね』」と明かした。また、2人はSNSでも報告し、濱口は「この度私達夫婦に、新しい家族が増えました」「元気な男の子です」「母子共に健康です」「皆様に支えられ無事出産を迎える事ができました」「これからも温かい家庭を築いていきます」「今後とも我々家族をよろしくお願いします」、南は「先日男の子を出産しました。少し大きめの優さんに似た男の子です。元気な産声が聞こえ初めて姿を見たときは嬉しさとホッとしたのとで涙が溢れました。産院の皆様、妊娠期間中支えてくださった皆様ありがとうございました。そして優さん本当にありがとう!わからない事も多く慌ただしい毎日ですが1日1日を大切にし、家族みんなで力を合わせ楽しく過ごしていきたいと思います。これからもみなさんよろしくお願いします」と喜びをつづっている。2人は昨年4月に第1子妊娠を発表。6月には、南が「私達夫婦に授かった命は、空へと戻りました」と死産を伝え、「約7ヶ月という時間でしたが、私達家族は幸せでした。皆様から頂いた祝福の言葉が子どもの生きた証です。現在は無事退院し、回復に向け自宅で安静にしております。夫婦で支え合って、前に進んでいこうと思います。これからも私達をあたたかく見守ってください」と呼びかけていた。
2022年07月18日映画科学アカデミーが、今年新会員に招待する人々の名前を発表した。日本からは『ドライブ・マイ・カー』の濱口竜介監督、西島秀俊、プロデューサーの山本晃久、編集の山﨑梓が招待された。濱口氏は監督と脚本、ふたつのブランチから招待を受けている。またプロダクションデザインに『フォードVSフェラーリ』のマヤ・シモグチ、メイクアップアーティスト&ヘアスタイリストに『ベルファスト』のワカナ・ヨシハラの名前がある。今年招待されたのは397人。俳優では、『コーダあいのうた』のトロイ・コッツァー、『ベルファスト』のジェイミー・ドーナンとカトリーナ・バルフ、『ロスト・ドーター』のジェシー・バックリー、『ウエスト・サイド・ストーリー』のアリアナ・デボーズ、『パワー・オブ・ザ・ドッグ』のジェシー・プレモンスとコディ・スミット=マクフィー、『ラストナイト・イン・ソーホー』のアニャ・テイラー=ジョイなどの名前がある。文=猿渡由紀
2022年06月29日お笑いコンビ・よゐこの有野晋哉、濱口優が16日、都内で行われた「明治メイバランスMiniカップミルクテイストシリーズ7品『総合栄養食品』表示許可取得記念イベント」に、元プロレスラーの佐々木健介とともに出席。「栄養健康食品のように頼れる存在は?」という質問に有野は「相方」と間髪入れず回答も、濱口は妻であるタレントの南明奈と答えた。「総合栄養食品」の許可表示は、医学的、栄養学的な根拠をもとに基準が定められ、消費庁が表示の許可を出すもの。この度「明治メイバランスMiniカップ」シリーズの「コーヒー味」「ストロベリー味」「ヨーグルト味」「バナナ味」「コーンスープ味」「抹茶味」「フルーツ・オレ味」の7品が表示許可を得た。通常の食事で十分栄養を取ることができない人や、低栄養の人の頼れる存在という明治メイバランスMini。バラエティ番組等でサバイバル生活を送る濱口は「常温で保存できるので、無人島に持って行ってもいいかもしれませんね」と気に入った様子を見せる。“健康維持の頼れる存在”という商品にちなんで、それぞれの「頼れる存在」について司会者が質問すると、有野は「やっぱり相方ですね」と即答する。同じ質問をされた濱口は「モリ」と無人島生活に欠かせない道具を挙げるも「でも、奥さんかな」と妻・南明奈の名前を言い直す。続けて濱口は「僕の身体のことを気にかけてくれるし、奥さんがいないと忘れ物だらけになっちゃう」と頼れる存在であることを明かす。そんな濱口の回答に有野は「なかなか相方って言ってもらえませんね」と苦笑い。さらに「モリや奥さんの方が頼れるんですね」とさみしそうな表情を浮かべていた。また、家族をまとめる秘訣を聞かれた登壇者たち。佐々木は「黙って妻(北斗晶)の言うことを聞く」と答えると、濱口も有野も「それは間違いない」と追随。濱口は「不満を口にするより“ありがとう”の言葉を大切に心掛けています。その方が、家庭は明るくなる。妻の言うことは絶対です」と付け加えると、有野は「僕は妻に不満なんてないですからね」と濱口に突っ込みを入れていた。
2022年06月16日『ドライブ・マイ・カー』がアカデミー賞国際長編映画賞を受賞した濱口竜介監督の『偶然と想像』が、4月6日にフランス全土で公開され、わずか3週間足らずで動員が10万人を突破する大ヒット。フランス版ポスタービジュアルが到着した。昨年開催された第71回ベルリン国際映画祭で銀熊賞(審査員グランプリ)に輝き、フランス国内プレミア上映のナント三大陸映画祭では最高賞〈金の気球賞〉・観客賞のW受賞、第17回CineFestミシュコルツ国際映画祭では最高賞にあたる〈エメリック・プレスバーガー賞〉を受賞するなど、昨年日本で公開されるやBunkamuraル・シネマで連日満席が続出、傑作と称賛する反響を呼んだ本作。『ドライブ・マイ・カー』がアカデミー賞に輝いたことで本作の注目度もより一層高まり、現在は20か国以上の国と地域で上映決定、40以上の映画祭に出品となった。日本国内では2021年12月17日(金)の公開から動員数は7万人を超え、現在も4か月以上の大ヒットロングラン中。本作の公開館Bunkamuraル・シネマでの上映が5月5日(木)で終了する。フランスでは観客動員10万人を突破した(2018年公開、濱口竜介監督『寝ても覚めても』はフランスの最終動員が約10万人)。今回解禁となったフランス版ポスタービジュアルは、白を基調とした日本版とは全く異なり、第2話「扉は開けたままで」の奈緒(森郁月)が中心に大きく描かれ、パープル一色で構成された鮮明で印象的なポスターとなった。さらに韓国でも5月4日(水)より公開が決定。本作の第1話に出演している玄理が韓国での本格的活動を目指し、韓国公開に合せて訪韓も予定されている。『偶然と想像』は全国にて公開中。(text:cinemacafe.net)■関連作品:偶然と想像 2021年12月17日よりBunkamuraル・シネマほか全国にて公開©︎ 2021 NEOPA / fictive
2022年05月02日村上春樹の短編を映画化した島秀俊主演、濱口竜介監督最新作『ドライブ・マイ・カー』が第94回「アカデミー賞」国際長編映画賞を受賞した。この映画史に残る快挙を記念し、4月5日(火)に、東京・千代田区の日本記者クラブで凱旋記者会見が行われ、濱口竜介監督と主演の西島秀俊、本作のプロデューサー・山本晃久が出席した。日本映画がアカデミー賞の国際長編映画賞(旧称:外国語映画賞)を受賞するのは、映画『おくりびと』(滝田洋二郎監督)以来13年ぶりの快挙。栄誉の象徴であるオスカー像を手にして登場した濱口監督は「これだけ多くの国に作品が受け入れられたということを、驚きを持って受け止めている」と戸惑いつつも、広く支持された理由については「(原作の)村上春樹さんの物語が持つ普遍性にあると思う」と村上文学の高いドラマツルギーにあると分析する。さらに受賞の瞬間についての感想を問われると「どう言ったらいいのかわからないというのが根本にある。直前に至るまでにオスカーというものが自分の人生に関係するとは思ってもいなかったので、どう振る舞っていいのかわからなかった」と率直な感想を吐露した。また今回の快挙は自身のキャリアにおいてあくまでも「通過点であったらいい」と言うが、受賞の際のスピーチには若干の反省があるようで「僕がサンキューと言ってしまったがために会場の音楽が流れてしまって、その先の言葉が言えなかった。もし次にチャンスがあるならば、今回の教訓を活かしたい」とはにかむ。亡き妻への喪失感を抱える舞台俳優で演出家の家福悠介を演じた西島。「応援していただいたみなさんの力のお陰で素晴らしい体験をさせていただきました。現地でも『美しい映画だった』と言っていただきました。この魂の救済の映画が国や言語の壁を越えて人々の心に大きく響いたことを実感しました」と喜びを噛みしめ、山本プロデューサーも「小さくささやかな現場から始まったこの作品が数々の賞とアカデミー賞を経てみなさんのもとに戻ってきました!」と凱旋を報告した。本作は国際長編映画賞だけでなく作品賞、監督賞、脚色賞にもノミネートされている。濱口監督は「前日にノミネート者たちとのディナーがあり、スティーヴン・スピルバーグ監督やポール・トーマス・アンダーソン監督と同じテーブルになりました。なんでこんなところにいるのだろうか?という気持ちになった」と夢心地だったことを回想。映画で世界を目指す後進に向けては「このような機会(アカデミー賞ノミネートや受賞)が今後も続いてくれれば日本映画にとってはありがたいこと。世界の目が今アジア映画や日本映画に向いていることは今回の経験でわかったので、世界を目指すのならば野心を持ってやってもらいたい」とエールを送った。現地で授賞式に参加した西島は「アカデミー賞の場に行くまでは緊張するだろうと思っていたけれど、意外に緊張しなくて今日の方が緊張しています」とジョークを交える。授賞式前日には敬愛する映画監督であり俳優のジョン・カサヴェテス監督のお墓参りに行ったそうで「その時に自分の中でも驚くくらいに心が動いた。かつて濱口監督も観ていたジョン・カサヴェテス監督の特集上映から約20 年の時を経てロスに降り立ち、カサヴェテス監督のお墓に行き『明日アカデミー賞に出るんだ』と感じ入るものがありました」としみじみ。アカデミー賞という貴重な場に同席した栄誉については「素晴らしい作品という偉大な魂が僕をここに運んでくれたんだと思いました」と喜びを噛みしめた。濱口監督の演出術を「丁寧に時間をかける現場だった」と語る西島は「今回の演技は説明を排除した演技で、観客の皆さんとの共同作業で作り上げるような演技でした。自分の信じる演技を見つめ直し、勇気を出してやろうと演じた記憶があります。その演技を各国の皆さんに見てもらえたことは希望であり、素晴らしいこと」と回想。その結果「自分の信じる演技をやるしかない」という結論に達したという。そして後輩たちに向けて西島は「僕よりもはるかに才能のある日本の若い俳優さんも多いので、みなさんが自分の信じる演技を突き詰めていったその先には、信じられないようなことが起こるのではないか。今回僕が体験したことは若い俳優さんたちに会ったら伝えていきたいと思うけれど、僕程度の俳優が行けたので、みなさんにも可能性があるはずです」と謙遜交じりに後進の活躍に期待を込めた。本作は、これまでに第74回「カンヌ国際映画祭」にて日本映画初の脚本賞を含む4冠を受賞。その後「ゴールデングローブ賞」非英語映画賞、「インディペンデント・スピリット賞」国際映画賞、「クリティクス・チョイス・アワード(放送映画批評家協会賞)」外国語映画賞、「ニューヨーク映画批評家協会賞」作品賞、「ロサンゼルス映画批評家協会賞」作品賞・脚本賞・監督賞次点、「ボストン映画批評家協会賞」にて西島秀俊の最優秀男優賞を含む4冠、「米批評家協会賞」では作品賞とアジア初・主演男優賞を含む主要4部門での受賞など、世界中で90以上の賞を受賞している。『ドライブ・マイ・カー』ロングラン公開中
2022年04月05日村上春樹の小説を基にした西島秀俊主演映画『ドライブ・マイ・カー』が、第94回アカデミー賞 国際長編映画賞を受賞。この快挙を記念し、本日4月5日、東京・千代田区の日本記者クラブで凱旋記者会見が行われ、濱口竜介監督、西島さん、本作のプロデューサー・山本晃久が出席した。日本映画がアカデミー賞の国際長編映画賞を受賞するのは、滝田洋二郎監督の『おくりびと』以来、13年ぶりの快挙。ほか、各国の主要映画祭でも高く評価されている本作。オスカー像を手にして登場した濱口監督は「これだけ多くの国に作品が受け入れられたということを、驚きを持って受け止めている」と話し、広く支持された理由について「(原作の)村上春樹さんの物語が持つ普遍性にあると思う」と分析。また、受賞の瞬間をふり返り、「直前に至るまでにオスカーというものが自分の人生に関係するとは思ってもいなかったので、どう振る舞っていいのかわからなかった」と感想を述べつつ、この快挙は自身のキャリアにおいてあくまでも「通過点であったらいい」という。一方、主演の西島さんは「応援していただいたみなさんの力のお陰で素晴らしい体験をさせていただきました。現地でも『美しい映画だった』と言っていただきました。この魂の救済の映画が国や言語の壁を越えて人々の心に大きく響いたことを実感しました」と喜びを噛みしめ、「アカデミー賞の場に行くまでは緊張するだろうと思っていたけれど、意外に緊張しなくて今日の方が緊張しています」とジョークを飛ばす場面も。そして、授賞式前日には、敬愛する映画監督であり俳優のジョン・カサヴェテスのお墓参りに行ったそうで「その時に自分の中でも驚くくらいに心が動いた。かつて濱口監督も観ていたジョン・カサヴェテス監督の特集上映から約20年の時を経てロスに降り立ち、カサヴェテス監督のお墓に行き…。“明日アカデミー賞に出るんだ”と感じ入るものがありました」としみじみ。濱口組の撮影をふり返り、「丁寧に時間をかける現場だった」と表現した西島さんは「今回の演技は説明を排除した演技で、観客の皆さんとの共同作業で作り上げるような演技でした。自分の信じる演技を見つめ直し、勇気を出してやろうと演じた記憶があります。その演技を各国の皆さんに見てもらえたことは希望であり、素晴らしいこと」と回想。その結果「自分の信じる演技をやるしかない」という結論に達したという。今回のアカデミー賞では、作品賞・監督賞・脚色賞にもノミネートした本作。濱口監督は「前日にノミネート者たちとのディナーがあり、スティーヴン・スピルバーグ監督やポール・トーマス・アンダーソン監督と同じテーブルになりました。…なんでこんなところにいるのだろうか?という気持ちになった」と夢心地だったと明かし、「このような機会(アカデミー賞ノミネートや受賞)が今後も続いてくれれば日本映画にとってはありがたいこと。世界の目が今アジア映画や日本映画に向いていることは今回の経験でわかったので、世界を目指すのならば野心を持ってやってもらいたい」と映画で世界を目指す後進に向けてエールを送っていた。なお、8月20日の公開から7か月が過ぎた現在も、各地でロングラン上映が続いている本作。公開館数は115館からスタートし、今後公開が決定しているところも含め、現時点で累計上映館数420館の劇場で上映されており、興行収入は1,080,601,530円を記録。また、芸術分野の優れた活動を顕彰する第72回芸術選奨文部科学大臣賞に濱口監督が選出。文化庁長官表彰(国際芸術部門)に、芸術各分野において国際的に活躍し、特に顕著な成果をあげた個人として、西島さんと濱口監督の両名が決定している。『ドライブ・マイ・カー』は全国にて公開中。(cinemacafe.net)■関連作品:ドライブ・マイ・カー 2021年8月20日よりTOHOシネマズ日比谷ほか全国にて公開(C)2021『ドライブ・マイ・カー』製作委員会
2022年04月05日映画『ドライブ・マイ・カー』の凱旋舞台挨拶イベントが5日に都内で行われ、西島秀俊、三浦透子、岡田将生、霧島れいか、濱口竜介監督が登場した。同作は村上春樹の同名短編小説に惚れ込んだ濱口竜介監督の最新作。妻を失い、喪失感のなかで生きる舞台俳優・家福と、寡黙な専属ドライバー・みさきという孤独な2人が、愛車サーブを通して出会い、一筋の希望にたどり着くまでを描く。第74回カンヌ国際映画祭で日本映画として初となる脚本賞を受賞した同作は国内外の様々な賞を席巻し、第64回アカデミー賞 国際長編映画賞に輝いた。授賞式の場に立った濱口監督は「気持ちを落ち着けてなんとかスピーチをしなきゃと出て行って、自分もできるだけ短くしたいと思っていたので冒頭部分は英語でと思っていたら、大体冒頭部分で終わってしまったんですけど……『Thank you』というのが早すぎたんです。その場にいた俳優さん、いなかった俳優さんにも感謝をつ会えられたので良かったと思います」と振り返った。スティーブン・スピルバーグ監督とも写真を撮っていた濱口監督は「エレベーターを待っていたらスピルバーグさんがすっと通って行かれたので、自分は怖気付いていたんですけど周りから『行きなさい』みたいな。それで『ご一緒できて光栄でした』と話しかけたら、『ドライブ・マイ・カー』について「改めて素晴らしい映画だった、賞にふさわしい映画だった』とおっしゃていただいて、夢のような体験でした。子供の頃からスピルバーグ監督の映画を見てきたので、そんなことがあるんだと思いました」と状況を語る。同じくその場にいた西島も「ポール・トーマス・アンダーソン監督が『素晴らしかった』とおっしゃったり。ジェーン・カンピオン監督が岡田くんに『Bad boy』と言って、悪い男をすばらしく演じたと伝えてらっしゃったり」と明かすと、岡田は苦笑。「『そうです』と思いましたけど、この作品をちゃんと見てくれた上でおっしゃってくれてたので、本当に嬉しかったです」と喜んでいた岡田は、「僕は授賞式前にインタビューで『コーダ あいのうた』が好きだと言っていたら、トロイ・コッツァーさんとお話しする時間があって、通訳さんと手話の通訳さんと4人だったんですが『日本の手話と違うから、こうやってやるんだ!』と興奮しておしゃべりされてるので、何も聞けなかった。それで呼ばれてしまったので去ったんですけど、すごく貴重な時間でした」と明かした。トロイ・コッツァーと写真を撮っていた霧島も「そんなにたくさんお話しできなかったんですけど、目の前にいらっしゃったので。『コーダ あいのうた』は劇場で見て本当に恥ずかしいくらい大泣きしたくらい好きな作品でしたので、ガッと捕まえて、自己紹介して『ドライブ・マイ・カー』に出ていますということを説明して『好きな映画です。美しい映画だと思いました』とお伝えしたら、本当に嬉しそうに笑ってらっしゃって、お写真お願いしました」と楽しんでいたようだった。濱口監督が「どこを見ても伝説みたいな人がいて、ウィル・スミスさんがそこを通って行ったりとか……」と言うと、会場はざわつく。「ビル・マーレイさんがいたり、楽屋裏に入って行ったらコッポラ監督とロバート・デ・ニーロとアルパチーノが準備をしていて『何なんだこの世界は』と思いました」と豪華な思い出を振り返った。この日は実際にオスカー像も登場し、「意外と重いものでしで、2年前にポン・ジュノ監督が片手で軽々上げてたので、監督の筋力がすごいなと思いました」と語る。授賞式にいなかった三浦がその場で持つこととなったが「『重い重い』と言われてたから、そんなに重くなかったです」とその場の笑いを誘うと、濱口監督は「筋力がめちゃめちゃあるのかな」とコメントしていた。
2022年04月05日濱口竜介監督作品の特別上映会が、2022年4月2日(土)より、東京のユーロスペース、ポレポレ東中野、シアター・イメージフォーラムで開催される。上映作品は『PASSION』『親密さ』『ハッピーアワー』。『ドライブ・マイ・カー』濱口竜介監督の特別上映会『ドライブ・マイ・カー』で日本映画史上初のアカデミー賞作品賞ノミネートを果たし、国際長編映画賞を受賞した濱口竜介監督。そんな彼の自主制作作品からメジャーデビューに至るまでの作品を上映してきた東京のミニシアター3館が、アカデミー賞での功績を祝し、濱口竜介作品の特別上映会を実施する。濱口竜介監督の初期の代表作『PASSION』(2008)はユーロスペース、コアな濱口ファンを生み出した『親密さ』(2012)はポレポレ東中野、5時間半という長尺にも関わらずヒットを記録した『ハッピーアワー』(2015)はシアター・イメージフォーラムで、それぞれ公開された作品。この3作品が、各シアターに凱旋することになる。映画『PASSION』あらすじ結婚間近の果歩と智也を祝う席上、智也の過去の浮気が発覚し…。男女5人が揺れ動く一夜を描いた群像劇。第56回サン・セバスチャン国際映画祭、第9回東京フィルメックスに出品された濱口竜介の初期代表作。映画『親密さ』あらすじ「親密さ」という演劇を作り上げていく過程をフィクションとして演じる前半と、実際の上演を記録し映画として構成した後半の二部構成で描かれる青春群像劇。映画と演劇の学校「ENBUゼミナール」の映像俳優コースの修了作品としてスタートした企画。映画『ハッピーアワー』あらすじ30代も後半を迎えた、あかり、桜子、芙美、純の4人は、なんでも話せる親友同士だと思っていた。純の秘密を知るまでは……。市民参加のワークショップから誕生した作品で、ほとんどのキャストが演技未経験者という挑戦作。【詳細】濱口竜介監督作品特別上映 ミニシアター合同特別ウィーク・映画『PASSION』公開時期:2022年4月2日(土)〜4月15日(金)連日19:00会場:ユーロスペース(東京都渋谷区円山町1−5)料金一律:1,500円・映画『親密さ』公開時期:4月2日(土)、4月9日(土)各日24:10よりオールナイト上映会場:ポレポレ東中野(東京都中野区東中野4丁目4−1)料金一律:2,000円・映画『ハッピーアワー』公開時期:4月2日(土)〜4月8日(金)連日13:00より会場:シアター・イメージフォーラム(東京都渋谷区渋谷2丁目10−2)料金一律:3,000円
2022年04月02日先日行われた第94回アカデミー賞にて国際長編映画賞を受賞した『ドライブ・マイ・カー』の監督、濱口竜介の作品を特別上映する企画「濱口竜介監督作品ミニシアター合同特別上映ウィーク」の開催が決定した。今回の上映企画では、初期の代表作『PASSION』(’08)をユーロスペース、コアな濱口監督作品ファンを生み出した『親密さ』(’12)はポレポレ東中野、5時間半という長尺にも関わらず、大ヒットした『ハッピーアワー』(’15)はシアター・イメージフォーラムにて上映。3作品が再び聖地に凱旋することになる。なお、話題作『ドライブ・マイ・カー』は、人気作家・村上春樹の短編小説「女のいない男たち」(文春文庫刊)に所収されている1篇の映画化。西島秀俊、三浦透子、霧島れいか、岡田将生らが出演。同作は現在、各劇場にて再上映が順次行われている。「濱口竜介監督作品ミニシアター合同特別上映ウィーク」は4月2日(土)よりユーロスペース、ポレポレ東中野、シアター・イメージフォーラムにて開催。(cinemacafe.net)
2022年03月30日西島秀俊主演、村上春樹の短編を映画化した濱口竜介監督最新作『ドライブ・マイ・カー』が、第94回アカデミー賞で国際長編映画賞を受賞。授賞式を終えたばかりの濱口監督や西島さん、岡田将生、霧島れいかが日本メディア向けの共同記者会見に出席し、喜びをコメント。合わせて、授賞式にはスケジュールの都合により参加できなかった三浦透子からもコメントが到着した。まず、率直な感想を聞かれた濱口監督は、「ありがとうございます!嬉しいです!ノミネートされることだけでも本当にすごいことだと思っていたので、こうして受賞ができるとは本当に思っていなかった。ありがたいことだと思っています」と感謝。オスカー像を手にした濱口監督は「重いです(笑)。ポン・ジュノ監督が2年前に取ったとき、片手で軽々と持ち上げられていたので、意外と軽いのかなと思っていた。重かったのでびっくりしました」と改めて語った。西島さんは「会場でたくさんの方に『この作品を観た、素晴らしかったよ』と言って頂いて。改めてこの作品が、国や言葉を越えていろんな人の心に深く響いたんだなと会場ですごく感じました。とても幸せです」と明かすと、霧島さんも「素直に心から嬉しい気持ちでいっぱいです。たくさんの方におめでとうと言って頂いて、どれだけたくさんの方の心に届いたのかということが実感できて、本当に、本当に嬉しいです」とコメント。濱口監督も「スティーヴン・スピルバーグ監督から『おめでとう。この映画にふさわしいものだ』と言って頂きました。スピルバーグさん自身もこの映画がとても好きだと言って頂けて、本当にすごい日だなと思いました」と感慨いっぱいの様子。岡田将生「あの場にいれたことがよかった」そして岡田さんは「あの場にいれたことがよかったなと思いますし、『ドライブ・マイ・カー』とタイトルが言われた時にみんなで立ち上がって、みんなで抱きしめあってるその瞬間は一生忘れない出来事なんだろうなと思ってます」とコメント。作品の名前が呼ばれたときのことについては「監督のこの凄い才能がもっともっと世界に広まってほしいなと、いち映画ファンとして思っているので本当に嬉しくて、濱口監督おめでとうございますという気持ちでいっぱい」と西島さん。岡田さんは「本当に、こんなことがあるんだなあ、と。素直に体が反応して、心が動いて。皆さんと喜びを分かち合えたのは本当に良かったなと、その瞬間に思いました」と語り、霧島さんも「すごく緊張していたのですが、耳に入ってきた瞬間に感情が素直にわーっと溢れてきて、体も反応してしまいました」と喜びを明かした。「『時間をかける』ということは大事なこと」と監督日本映画が国際長編映画賞(旧称:外国語映画賞)を受賞したのは、2009年開催の第81回、滝田洋二郎監督作『おくりびと』が受賞した以来13年ぶりの快挙となる。日本の映画界にとって本作が今後どんなものになるか、という質問に「それは、今後の皆さんが決めてくださればいいなと思っています。ただ、プロデューサーの方たちの尽力のおかげあって準備にとても時間をかけることができたのはとても貴重なことだったと思っています」と濱口監督。「いわゆる商業映画というものを作って2本目ですが、みなさんが準備の大切さというものを理解して作ってくださったということは感じていて、準備に時間をかけたことによってこういう結果が得られているということは言いたいですし、参考にしてやってみたいという方がいてくれたらそれはすごくありがたいと思います」と言う。「この『時間をかける』ということは大事なことで、その意志さえあれば、急き立てられるように仕事をすることもないし、お互いをリスペクトするような環境も生まれやすいと思う。これは映画界だけに限らないことで、『このことに価値があるんじゃないか』と思うことを時間をかけてやる、ということができたら、それは今より少し幸せなことなんじゃないか。そういう実例だと思っている」と監督は思いを明かした。三浦透子「スピーチ届きました。胸がいっぱいです」国際長編映画賞の受賞、本当におめでとうございます! 皆さんの姿、とてもかっこよかったです。『ドライブ・マイ・カー』という作品に関われたこと、誇りに思います。改めて、この作品から頂いた全ての出会いと経験に、心から感謝申し上げます。濱口さん、スピーチ届きました。胸がいっぱいです。なお、本作は国内外の賞レースの盛り上がりに合わせ、日本国内でも8月20日の公開から7か月が過ぎた今も、各地でロングラン上映が続いている。公開館数は115館からスタートし、今後公開が決定している上映館も含め、3月28日現在で総計405館の劇場で上映されており、興行収入は3月27日時点で8億8893万50円となった。そして芸術分野の優れた活動を顕彰する、第72回芸術選奨文部科学大臣賞に濱口監督が選出。文化庁長官表彰(国際芸術部門)に、芸術各分野において国際的に活躍し、特に顕著な成果をあげた個人として西島さんと濱口監督の両名が決定している。『ドライブ・マイ・カー』は全国にて公開中。(text:cinemacafe.net)■関連作品:ドライブ・マイ・カー 2021年8月20日よりTOHOシネマズ日比谷ほか全国にて公開(C)2021『ドライブ・マイ・カー』製作委員会
2022年03月28日第94回アカデミー賞で国際長編映画賞を受賞した、濱口竜介監督の『ドライブ・マイ・カー』。作品の大部分でロケ地となった広島は 、2つの世界遺産を有し、旅行先としてもオススメ。広島出身のライターがロケ地を中心に広島の魅力をお伝えします。ドライブ・マイ・カーのロケ地巡り映画『ドライブ・マイ・カー』は、西島秀俊さん演じる舞台俳優兼演出家の家福悠介が、広島で三浦透子さん演じる寡黙な専属ドライバー渡利みさきと出会い、彼女との静かな会話の中で、これまで目を向けることのなかったことに気づかされていく、というストーリー。要となるシーンで、広島の美しい光景が多く登場します。その中から、特にオススメのスポットを3か所を厳選。また、広島の定番の観光スポットを3か所、ニュースポットを1か所紹介します。絶対に行くべき『ドライブ・マイ・カー』ロケスポット3選ロケ地巡りにオススメのスポットを紹介します。中工場(広島市環境局中工場)スタイリッシュで近未来的なこちら、一体何の工場だと思いますか?答えは、ごみ処理場。建築家の谷口吉生さんによる設計で、2004年に竣工されました。2階部分は吹き抜けがある設計になっています。筆者は、映画内でその理由を初めて知り、胸がアツくなりました。広島平和記念公園広島にある2つの世界遺産のうちのひとつ、原爆ドームがある公園。建築家の丹下健三さん設計です。敷地内には、広島平和記念資料館や、映画内で演劇祭の練習場となった広島国際会議場があります。映画の出演者全員が登場するこちらも、広島平和記念公園内にあります。新天地公園物語が大きく動く出来事の発端となる場所。公園周辺エリアは、古くから飲み屋街として知られています。何度でも行きたい広島の定番観光スポットロケ地以外の、広島の定番観光スポットを紹介します。宮島広島の観光スポット第1位といえば、やはり宮島ではないでしょうか。修学旅行で行ったことがある、というかたも多いかもしれません。世界遺産である厳島神社をはじめ、千畳閣、水族館、もみじ饅頭屋、眺めの良いカフェ、工芸品の店など、魅力的な観光スポットが多数あります。オーソドックスなアクセス方法は、JR山陽本線宮島口駅または、広島電鉄広電宮島口駅から宮島行きのフェリーに乗車し、島に上陸というもの。フェリーから宮島のシンボルである大鳥居(2022年12月末まで工事の予定)が見えると、いよいよ宮島だ!と広島に住んでいても胸が高鳴ります。この経路ももちろん良いのですが、一度宮島へ行ったことがある人は「世界遺産航路」がオススメ。その名の通り、広島にある2つの世界遺産を結ぶ航路。広島のもうひとつの世界遺産である原爆ドームすぐ横を流れる元安川から出航しています。乗船時間は約45分。原爆ドームから公共交通機関を乗り継いで宮島へ行くには、何度か乗り換えが必要なので、とてもアクセスが楽なルートです。ちなみに、この世界遺産航路では、先に紹介した中工場を船から眺めることができます。尾道市大林宣彦監督による尾道三部作の舞台で、近年はサイクリストの聖地として有名です。尾道市と愛媛県今治市を結ぶ全長約60kmの道「瀬戸内しまなみ海道」は、日本で初めて海峡を横断できるようになった自転車道。瀬戸内海の島々を眺めながらサイクリングが楽しめます。海沿いにある、ホテル、飲食店、自転車店、雑貨店の複合施設が人気です。坂道が多い町で、山あいにある千光寺からは、尾道の町が一望できます。優しく輝き、穏やかな瀬戸内海は、非常に心が癒されます。また、町猫が多く、尾道市立美術館の警備員さんと猫さまとのやり取りはSNS上でしばしば話題になっています。呉市かつて軍港として栄えた町。大人気アニメ映画『この世界の片隅に』の舞台としても有名です。大和ミュージアム(呉市海事歴史科学館)が人気観光スポットになっています。ちなみに、呉市で一番高い山、灰が峰の標高と呉市の郵便番号は、どちらも「737」です。広島市内の新たな観光スポットここ数年で、広島市内には新しい観光スポットがいくつか誕生しています。おりづるタワー2016年にオープンした、広島の新たな観光スポット。原爆ドームからほど近く、展望台、物産館等ある複合施設。屋上の展望台からは、川の多い広島の街を一望できます。展望台から1階までは、エレベーターだけでなく、ゆっくりとスロープで行き来することも可能。なんと、スロープの中央にはすべり台が設置され、すべりながら降りられるようになっています。また、広島駅西側の飲み屋さん街(通称エキニシ)、広島東洋カープの本拠地であるMAZDA Zoom-Zoom スタジアム広島もオススメ。食に関しては、ソウルフードの「お好み焼き」はもちろんのこと(広島において「広島風お好み焼き」はNGワード)、夏限定で毎年6月10日に漁が解禁される小イワシの刺身は、ぜひ一度食べていただきたい名物です!見どころ満載の広島ここ数年で、広島の観光スポットはかなりパワーアップしています。『ドライブ・マイ・カー』のロケ地や、定番のスポットを巡りにぜひ広島へ行ってみんちゃい!文・小田原みみ文・小田原みみ
2022年03月28日27日(日本時間28日)に米ロサンゼルスのドルビー・シアターで行われた第94回アカデミー賞授賞式。日本の作品では濱口竜介監督の映画『ドライブ・マイ・カー』が国際長編映画賞を受賞し、’08年公開の映画『おくりびと』以来、13年ぶりの快挙を成し遂げた。そんななか、ある“ハプニング”が注目を集めている。映画『ドリームプラン』で主演男優賞を受賞したウィル・スミス(53)が、「長編ドキュメンタリー賞」の発表を任されたコメディアンのクリス・ロック(57)を激しく平手打ちする場面があったのだ。「ロックは、同席していたスミスの妻・ジェイダ・ピンケット・スミスの短く刈られたヘアスタイルを坊主頭の女性が主人公の映画『G.Iジェーン』と揶揄したのです。ジェイダは’18年に脱毛症を患っていることを公表しており、昨年7月にスキンヘッドにしたことをSNSで報告していました。大切な家族を侮辱されたスミスは激昂したのでしょう、壇上に行きロックの左頬をビンタ。席に戻ってからも『妻の名をその口から出すな!』と、放送禁止用語をまじえながら連呼していました」(映画関係者)プレゼンターという立場でありながら、自身の発言で出席者を激怒させたロック。実はこのような出来事は今回が初めてではないという。前出の映画関係者が言う。「’16年のアカデミー賞授賞式で司会者を務めた際、ロックはアジア系アメリカ人をネタにしたことで批判を浴びました。“投票を集計する会計係”としてスーツ姿のアジア系の子供3人をステージに登場させ、『アジア系は数学が得意』とステレオタイプを助長するようなジョークを飛ばしたのです。さらにロックはこのジョークが批判されることを想定していたようで、『あのジョークに腹を立てる人がいるなら、スマホでツイートすればいい』とも発言。このことを受けてアン・リー監督や俳優のジョージ・タケイら25名のアジア系アカデミー会員たちが、連名でアカデミーに抗議する事態となったのです」再び繰り返された舌禍騒動。スミスが激怒した一連の様子はTwitter上でも拡散され、様々な反響が寄せられている。《そりゃ怒るよ。暴力は良くないが言葉の暴力も同時に許されない》《ウィル・スミスは病気に苦しむ奥様を一番近くで支えてきただろうからジョークにされたらそらぶちギレるよ暴力は良くないけど…平手でそんなダメージ無さそうだしこれは不問にしてあげてほしいな》《なんか前も表彰式でやらかしてなかった?言ったらダメな事をわかんないかなぁ…》《言っていい事とダメな事が分からん人をプレゼンターにしてはアカン》
2022年03月28日第94回アカデミー賞授賞式が3月28日(日本時間)、米ロサンゼルスのドルビー・シアターで開催され、濱口竜介監督の『ドライブ・マイ・カー』が国際長編映画賞に輝いた。日本映画の同賞受賞は『おくりびと』以来13年ぶり、2作目となる(当時は外国語映画賞)。昨年のカンヌ国際映画祭で日本映画として史上初となる脚本賞を受賞。加えて、国際映画批評家連盟賞、AFCAE賞、エキュメニカル審査員賞の独立賞も受賞し、4冠獲得の偉業を果たした本作だが、それは快進撃の序章に過ぎなかった。その後もニューヨーク映画批評家協会賞の作品賞、ワシントンD.C.映画批評家協会の外国語映画賞、ボストン映画批評家協会賞の作品賞、ロサンゼルス映画批評家協会賞の作品賞、ゴールデングローブ賞の非英語映画賞、全米映画批評家協会賞の作品賞、トロント映画批評家協会賞の作品賞、インディペンデント・スピリット賞の外国映画賞、放送映画批評家協会賞の外国語映画賞、英国アカデミー賞(BAFTA映画賞)の非英語作品賞など、名だたる映画賞で賞を獲得。先日発表された第45回日本アカデミー賞では、作品賞をはじめ、8部門で最優秀賞を手にした。第94回アカデミー賞では国際長編映画賞に加えて、日本映画として初めて、作品賞、監督賞、脚色賞(濱口竜介、大江崇允)にノミネート。鮮やかに“走り”続けた本作が、ついに大本命と目されていた国際長編映画賞の受賞に至った。村上春樹による短編小説を映画化した本作。主人公である演出家の家福(西島秀俊)は、愛する妻と満ち足りた日々を送っていたが、その妻は秘密を残して突然この世を去ってしまう。2年後、演劇祭に愛車で向かった家福は、ある過去をもつ寡黙な専属ドライバーのみさき(三浦透子)と出会う。行き場のない喪失を抱えて生きる家福は、みさきと過ごす時間を通して、あることに気付かされていく。(英語で)ありがとうございます。(手に抱えたオスカー像を見ながら)あなたがオスカーですね(笑)。アカデミーのみなさまに感謝申し上げます。(映画会社の名を挙げ)『ドライブ・マイ・カー』をアメリカへと持ってくることができました。ありがとうございます。(終了のBGMに)ちょっと待ってください!ここにいる俳優のみなさんにも感謝申し上げます。(日本語で)西島秀俊さん、岡田将生さん、霧島れいかさん、ジン・デヨンさん、パク・ユリムさん、ソニア・ユアンさん、アン・フィテさんおめでとうございます。そして、そして!ここに来られなかった全ての俳優のみなさんにも感謝いたします。特に赤いサーブ900を運転してくれた三浦透子さんに感謝します。(日本語で)みなさん獲りました!ありがとうございます!(text:cinemacafe.net)■関連作品:ドライブ・マイ・カー 2021年8月20日よりTOHOシネマズ日比谷ほか全国にて公開(C)2021『ドライブ・マイ・カー』製作委員会
2022年03月28日濱口竜介監督が村上春樹の短編を映画化した『ドライブ・マイ・カー』の主演・西島秀俊と、共演の岡田将生、霧島れいからが第94回アカデミー賞授賞式に出席するためにレッドカーペットに登場。日本メディアや現地メディアの取材に応じた。2年ぶりにドルビー・シアターで開催されることになった今回の授賞式。レッドカーペットには多くのハリウッドセレブやファンたちで盛り上がる中、ドレスアップした濱口監督、西島さん、岡田さん、霧島さん、脚本の大江崇允、プロデューサーの山本晃久が登場した。WOWOWの取材に、濱口監督が開口一番「圧倒されています」とコメント。「レッドカーペットってこんなに広いものなんだ」と話す。また、西島さんは「思ったよりも盛り上がっていてびっくりしました。楽しんでいます」と語り、その演技に賞賛が集まった岡田さんは「すごい世界に来させてもらいました、圧倒されています」と感無量の面持ち。スティーヴン・スピルバーグ監督が家族全員で観たと明かすなど、多くのスター俳優や現地スタッフからも絶賛されている本作。濱口監督は、ハリウッドのキャスティング・ディレクターから「『俳優たちが素晴らしかった』と言われました」と明かし、「ちゃんとこの国で受け入れられたんだな」と実感を込めながらも淡々と語る。岡田さんは『ドリームプラン』で主演男優賞にノミネートされているウィル・スミスと話したそうで「褒めていただきました」と恐縮しながらもニッコリ。また、霧島さんらもビル・マーレイと会話したと話し、濱口監督が自らチームの記念撮影を行うなど、楽しんでいる様子がうかがえた。Twitterでは映画ファンから「レッドカーペットに『ドライブ・マイ・カー』チームがきたときの高揚感すごい」「テンションが上がった!」「いい結果になるといいな」といった声が続々。作品賞、脚色賞、監督賞、国際長編映画賞と計4部門にノミネートされている本作。韓国のポン・ジュノ監督による映画『パラサイト 半地下の家族』が計4部門を受賞した2年前に続き、アジア映画が映画賞を席巻した今年、日本映画初の作品賞、脚色賞受賞にも期待が大きな寄せられている。『ドライブ・マイ・カー』は全国にて公開中。(text:Reiko Uehara)■関連作品:ドライブ・マイ・カー 2021年8月20日よりTOHOシネマズ日比谷ほか全国にて公開(C)2021『ドライブ・マイ・カー』製作委員会
2022年03月28日13日(現地時間)、英国アカデミー賞(BAFTA)授賞式が開催された。作品賞はジェーン・カンピオン監督の『パワー・オブ・ザ・ドッグ』。カンピオン監督は、全米監督協会賞で監督賞を受賞してから、24時間経たずして、英国アカデミー賞でも監督賞を受賞する快挙。Netflix映画『パワー・オブ・ザ・ドッグ』日本からは濱口竜介監督の『ドライブ・マイ・カー』が非英語映画賞を受賞。受賞スピーチで「非英語映画賞のカテゴリーには、とても素晴らしい映画がたくさんあります。この映画に限らず、映画には言語や国境を超える力があります」と力強く語った。同作は、3月27日に行われるアカデミー賞で、脚色賞、国際長編映画賞、監督賞、作品賞の4部門の候補となっている。これまでにゴールデングローブ賞(非英語映画賞)、ボストン映画批評家協会賞(作品賞、監督賞、主演男優賞、脚本賞)などすでに数々の賞を受賞している作品。主な受賞結果は以下の通り。作品賞『パワー・オブ・ザ・ドッグ』監督賞ジェーン・カンピオン(『パワー・オブ・ザ・ドッグ』)非英語映画賞『ドライブ・マイ・カー』(日本)主演女優賞ジョアンナ・スキャンラン『アフター・ラヴ』主演男優賞ウィル・スミス 『ドリームプラン』助演女優賞アリアナ・デボーズ 『ウエスト・サイド・ストーリー』助演男優賞トロイ・コッツァー『Coda コーダ あいのうた』英国作品賞『ベルファスト』(ケネス・ブラナー監督)オリジナル脚本賞『リコリス・ピザ』脚色賞『コーダ あいのうた』(Hiromi Kaku)■関連作品:ドライブ・マイ・カー 2021年8月20日よりTOHOシネマズ日比谷ほか全国にて公開(C)2021『ドライブ・マイ・カー』製作委員会
2022年03月14日西島秀俊が主演を務めた、濱口竜介監督の最新作『ドライブ・マイ・カー』が全国ロングラン公開中だ。この度、本作が「第94回アカデミー賞」ノミネーション発表にて作品賞、監督賞、脚色賞、国際長編映画賞の全4部門にノミネートされたことを受け、濱口監督がオンライン会見を開いた。物語は主人公の俳優であり演出家の家福が主人公。彼は愛する妻と満ち足りた日々を送っていたが、妻は秘密を残して突然この世からいなくなってしまう。2年後、演劇祭に愛車で向かった家福は、ある過去をもつ寡黙な専属ドライバーのみさきと出会った。そして行き場のない喪失を抱えて生きる家福は、みさきと過ごすなかであることに気付かされていく。本作は既に「第74回カンヌ国際映画祭」にて日本映画初の脚本賞を含む4冠を受賞したのち、「ゴールデングローブ賞」非英語映画賞、「ニューヨーク映画批評家協会賞」作品賞、「ロサンゼルス映画批評家協会賞」作品賞・脚本賞・監督賞次点、「ボストン映画批評家協会賞」にて西島秀俊の最優秀男優賞を含む4冠、「米批評家協会賞」では作品賞とアジア初・主演男優賞を含む主要4部門での受賞など、世界中で既に50以上の賞を受賞。また国内外のメディアが選ぶ、2021年ベスト作品でも次々上位にランクインしている。主演の西島秀俊は「New York Times」や「Vanity Fair」、「Slant Magazine」にてベストパフォーマーのひとりに選出されており「The Film Stage」では1位を獲得。共演の三浦透子もベストパフォーマー12位に選ばれているほか、先日発表されたイギリス版「VOGUE」では注目の25人のひとりに選出されるなど、本作キャストにも世界中から注目が集まっている。さらに『ドライブ・マイ・カー』旋風はアメリカに留まらず、イギリスでは「第42回ロンドン映画批評家協会賞」でも、日本映画として初めての脚本賞受賞、さらに外国語映画賞は周防正行監督の『Shall we ダンス?』(1996年)以来のダブル受賞を果たした。現地3日ノミネーションが発表された「英国アカデミー賞(BAFTA賞)」では、監督賞、脚色賞、非英語映画賞と3部門にノミネートされている(授賞式は現地時間3月13日予定)。また、韓国では去年12月23日の上映以来、観客動員数5万人を突破(1月31日時点)するなど世界各国から高い注目を集めている。国内でも、第34回日刊スポーツ映画大賞で作品賞と主演男優賞、第76回毎日映画コンクールで日本映画大賞(作品賞)と監督賞、第95回キネマ旬報ベスト・テンではキネマ旬報ベスト・テン第1位(日本映画作品賞)、読者選出日本映画監督賞、助演女優賞、日本映画脚本賞、日本映画監督賞と全5冠。8月の公開から6カ月近く各地でロングラン上映が続く盛況ぶりだ。<濱口竜介・コメント>ベルリン国際映画祭参加のために乗っていた飛行機を降りたら、米アカデミー賞に4部門ノミネートされていて、心の底から驚きました。作品賞、監督賞、脚色賞、国際長編映画賞へのノミネート、信じられないような気持ちで未だにいます。ただ、確実に言えるのは原作者・村上春樹さんの物語が持つ普遍性がこの評価の根底にはある、ということです。心から愛する誰かを失ったとしても人生は続いていく。その人生は苛酷だけれど、ほんのひとつまみの希望もないわけではありません。ただ、この物語世界を身体化し、具現化する俳優たちの負担は計り知れないものがあったと思います。西島秀俊さんをはじめとする役者の皆さんの誠実な役への取り組みにも、この場を借りて敬意と感謝を表したいと思います。このノミネートがきっかけで俳優陣の素晴らしい演技、そしてそれを支えたスタッフたちの仕事がより多くの観客の目に触れることを願っています。<大江崇允・コメント>一番に思い出したのは、濱口竜介監督、山本晃久プロデューサーと初めて三人で飲んだ夜でした。その時、おそらく今日を想像した人はいませんでした。まさかこんなに遠くまで縁が繋がるものかと、映画の持つ力に本当に驚きました。この賞も、これまで同様スタッフ全員のものだと思います。そのスタッフ一人一人と繋がれたことが僕の一番の幸運です。<山本晃久・コメント>我々映画人の多くが、子供の頃に初めて観たのはアメリカの映画だと答えるでしょう。わたしもその一人でした。物語はドラマチックで、映像や音は迫力と躍動感に満ち、俳優たちはみな魅力的でした。世界中に影響を及ぼした映画史を持つアメリカは、まさに映画の王国です。そんな国の最高峰である米国アカデミー賞でノミネーションを果たせたことは、まさに夢のような出来事としか言いようがありません。濱口竜介監督、そして一緒に映画をつくりあげた素晴らしい仲間たちと共に、『ドライブ・マイ・カー』を選んでくださったアカデミー会員の皆さんへ、心から感謝の気持ちをお伝えしたいと思います。本作を選んでくださり、本当にありがとうございました。『ドライブ・マイ・カー』公開中
2022年02月09日先日行われた「第94回アカデミー賞」ノミネーション発表を受けて、4部門にノミネートした『ドライブ・マイ・カー』の監督・濱口竜介が、本日2月9日、オンライン会見にて現在の心境を明かした。西島秀俊主演、村上春樹の短編を映画化した本作。8月より公開され、6か月近く各地でロングラン上映が現在も続く、盛況ぶりを見せている。日本のみならず、世界中で話題になっている本作。カンヌ国際映画祭にて日本映画初の脚本賞を含む4冠を受賞したのち、ゴールデングローブ賞非英語映画賞、ニューヨーク映画批評家協会賞作品賞、ロサンゼルス映画批評家協会賞作品賞・脚本賞・監督賞次点、ボストン映画批評家協会賞にて西島秀俊の最優秀男優賞を含む4冠、米批評家協会賞では作品賞とアジア初・主演男優賞を含む主要4部門での受賞など、世界中で50以上の賞を受賞。そして、この度の「第94回アカデミー賞」では、作品賞をはじめ、監督賞、脚色賞、国際長編映画賞と、全4部門にノミネートされている。ベルリン国際映画祭参加のため、渡独中の濱口監督は「飛行機を降りたら、米アカデミー賞に4部門ノミネートされていて、心の底から驚きました」と心境を明かし、「確実に言えるのは原作者・村上春樹さんの物語が持つ普遍性がこの評価の根底にはある、ということです。心から愛する誰かを失ったとしても人生は続いていく。その人生は苛酷だけれど、ほんのひとつまみの希望もないわけではありません。ただ、この物語世界を身体化し、具現化する俳優たちの負担は計り知れないものがあったと思います。西島秀俊さんをはじめとする役者の皆さんの誠実な役への取り組みにも、この場を借りて敬意と感謝を表したいと思います。このノミネートがきっかけで俳優陣の素晴らしい演技、そしてそれを支えたスタッフたちの仕事がより多くの観客の目に触れることを願っています」とコメントしている。また、濱口監督と共同脚本を手掛けた大江崇允も「まさかこんなに遠くまで縁が繋がるものかと、映画の持つ力に本当に驚きました」とノミネートにびっくりしたという。プロデューサーの山本晃久は「まさに夢のような出来事」と話し、「濱口竜介監督、そして一緒に映画をつくりあげた素晴らしい仲間たちと共に、『ドライブ・マイ・カー』を選んでくださったアカデミー会員の皆さんへ、心から感謝の気持ちをお伝えしたいと思います。本作を選んでくださり、本当にありがとうございました」と感謝を述べた。『ドライブ・マイ・カー』は全国にて公開中。(cinemacafe.net)■関連作品:ドライブ・マイ・カー 2021年8月20日よりTOHOシネマズ日比谷ほか全国にて公開(C)2021『ドライブ・マイ・カー』製作委員会
2022年02月09日第94回アカデミー賞ノミネートが発表され、濱口竜介監督作『ドライブ・マイ・カー』が作品賞など4部門にノミネートされた。来月27日に開催される式典に向け、村上春樹の同名短編小説を原作とした同作は、監督賞、脚色賞、国際長編映画賞の候補にも挙がっている。一方、『パワー・オブ・ザ・ドッグ』が作品賞をはじめ、ジェーン・カンピオンの監督賞、ベネディクト・カンバーバッチの主演男優賞、キルステン・ダンストの助演女優賞など12ノミネートで最多となっているほか、『DUNE/デューン 砂の惑星』が10部門、『ベルファスト』と『ウエスト・サイド・ストーリー』がそれぞれ7部門で続く形となった。最高賞となる作品賞をめぐって『ドライブ・マイ・カー』は、『パワー・オブ・ザ・ドッグ』『DUNE/デューン 砂の惑星』『ベルファスト』『ウエスト・サイド・ストーリー』『コーダ あいのうた』『ドント・ルック・アップ』『ドリームプラン』『リコリス・ピザ』『ナイトメア・アリー』と熾烈な戦いを繰り広げることになる。○第94回アカデミー賞ノミネート一覧■作品賞『ベルファスト』『コーダ あいのうた』『ドント・ルック・アップ』『ドライブ・マイ・カー』『DUNE/デューン 砂の惑星』『ドリームプラン』『リコリス・ピザ』『ナイトメア・アリー』『パワー・オブ・ザ・ドッグ』『ウエスト・サイド・ストーリー』■監督賞ケネス・ブラナー『ベルファスト』濱口竜介『ドライブ・マイ・カー』ポール・トーマス・アンダーソン『リコリス・ピザ』ジェーン・カンピオン『パワー・オブ・ザ・ドッグ』スティーブン・スピルバーグ『ウエスト・サイド・ストーリー』■主演女優賞ジェシカ・チャステイン『タミー・フェイの瞳』オリヴィア・コールマン『ロスト・ドーター』ペネロペ・クルス『パラレル・マザーズ』ニコール・キッドマン『愛すべき夫妻の秘密』クリステン・スチュワート『スペンサー ダイアナの決意』■主演男優賞ハビエル・バルデム『愛すべき夫妻の秘密』ベネディクト・カンバーバッチ『パワー・オブ・ザ・ドッグ』アンドリュー・ガーフィールド『tick, tick...BOOM!チック、チック…ブーン!』ウィル・スミス『ドリームプラン』デンゼル・ワシントン『マクベス』■助演女優賞ジェシー・バックリー『ロスト・ドーター』アリアナ・デボーズ『ウエスト・サイド・ストーリー』ジュディ・デンチ『ベルファスト』キルステン・ダンスト『パワー・オブ・ザ・ドッグ』アーンジャニュー・エリス『ドリームプラン』■助演男優賞キアラン・ハインズ『ベルファスト』トロイ・コッツァー『コーダ あいのうた』ジェシー・プレモンス『パワー・オブ・ザ・ドッグ』J・K・シモンズ『愛すべき夫妻の秘密』コディ・スミット=マクフィー『パワー・オブ・ザ・ドッグ』■脚色賞『コーダ あいのうた』『ドライブ・マイ・カー』『DUNE/デューン 砂の惑星』『ロスト・ドーター』『パワー・オブ・ザ・ドッグ』■脚本賞『ベルファスト』『ドント・ルック・アップ』『ドリームプラン』『リコリス・ピザ』『ザ・ワースト・パーソン・イン・ザ・ワールド』■撮影賞『DUNE/デューン 砂の惑星』『ナイトメア・アリー』『パワー・オブ・ザ・ドッグ』『マクベス』『ウエスト・サイド・ストーリー』■美術賞『DUNE/デューン 砂の惑星』『ナイトメア・アリー』『パワー・オブ・ザ・ドッグ』『マクベス』『ウエスト・サイド・ストーリー』■衣装デザイン賞『クルエラ』『シラノ』『DUNE/デューン 砂の惑星』『ナイトメア・アリー』『ウエスト・サイド・ストーリー』■編集賞『ドント・ルック・アップ』『DUNE/デューン 砂の惑星』『ドリームプラン』『パワー・オブ・ザ・ドッグ』『tick, tick...BOOM!チック、チック…ブーン!』■国際長編映画賞『ドライブ・マイ・カー』『フリー』『The Hand of God』『ブータン 山の教室』『ザ・ワースト・パーソン・イン・ザ・ワールド』■長編ドキュメンタリー賞『アセンション』『アッティカ』『フリー』『サマー・オブ・ソウル(あるいは、革命がテレビ放映されなかった時)』『ライティング・ウィズ・ファイア』■短編ドキュメンタリー賞『オーディブル』『リード・ミー・ホーム』『ザ・クイーン・オブ・バスケットボール』『スリー・ソングス・フォー・ベナジール』『ホエン・ウィ・ワー・ブリーズ』■長編アニメーション賞『ミラベルと魔法だらけの家』『フリー』『あの夏のルカ』『ミッチェル家とマシンの反乱』『ラーヤと龍の王国』■短編アニメーション賞『アフェアーズ・オブ・ジ・アート』『ベスティア』『ボックスバレエ』『ロビン・ロビン』『ジ・ウィンドシールド・ワイパー』■短編実写映画賞『アラ・カチュー-テイク・アンド・ラン』『ドレス』『ザ・ロング・グッドバイ』『オン・マイ・マインド』『プリーズ・ホールド』■作曲賞『ドント・ルック・アップ』『DUNE/デューン 砂の惑星』『ミラベルと魔法だらけの家』『パラレル・マザーズ』『パワー・オブ・ザ・ドッグ』■歌曲賞『ビー・アライヴ』(『ドリームプラン』)『2匹のオルギータス』(『ミラベルと魔法だらけの家』)『ダウン・トゥ・ジョイ』(『ベルファスト』)『ノー・タイム・トゥ・ダイ』(『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』)『サムハウ・ユー・ドゥ』(『フォー・グッド・デイズ』)■視覚効果賞『DUNE/デューン 砂の惑星』『フリー・ガイ』『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』『シャン・チー/テン・リングスの伝説 』『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』■メイク・ヘアスタイリング賞『星の王子 ニューヨークへ行く2』『クルエラ』『DUNE/デューン 砂の惑星』『タミー・フェイの瞳』『ハウス・オブ・グッチ』■音響賞『ベルファスト』『DUNE/デューン 砂の惑星』『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』『パワー・オブ・ザ・ドッグ』『ウエスト・サイド・ストーリー』(C)BANG Media International
2022年02月09日2月8日(現地時間)に第94回アカデミー賞ノミネーションが発表され、濱口竜介監督が村上春樹の短編を映画化した『ドライブ・マイ・カー』が、「国際長編映画賞」と「脚色賞」、「監督賞」「作品賞」の4部門にノミネート。日本映画が「国際長編映画賞」にノミネートされたのは『万引き家族』(第91回アカデミー賞)以来3年ぶり、「作品賞」のノミネートは初となる。第74回カンヌ国際映画祭にて日本映画初の脚本賞を含む4冠を受賞したのち、第56回全米批評家協会賞では作品賞、監督賞(『ドライブ・マイ・カー』『偶然と想像』の2作品に対して)、脚本賞、主演男優賞(西島秀俊)の主要4部門を受賞。先日発表された第79回ゴールデン・グローブ賞では非英語映画賞を受賞、第42回ロンドン映画批評家協会賞では非英語映画賞、脚本賞の2部門での受賞。これまで数々の賞を受賞し、世界中で高い評価を得ている。授賞式は2022年3月27日(現地時間)に開催される。(text:cinemacafe.net)■関連作品:ドライブ・マイ・カー 2021年8月20日よりTOHOシネマズ日比谷ほか全国にて公開(C)2021『ドライブ・マイ・カー』製作委員会
2022年02月08日英国アカデミー賞のノミネーションが発表になった。濱口竜介監督の『ドライブ・マイ・カー』は、監督、脚色、非英語映画部門にノミネートされた。作品部門の候補は『ベルファスト』、『ドント・ルック・アップ』、『DUNE/デューン砂の惑星』、『Licorice Pizza』、『パワー・オブ・ザ・ドッグ』。監督候補は、濱口監督のほかアリーム・カーン(『After Love』)、オードリー・ディワン(『Happening』)、ポール・トーマス・アンダーソン(『Licorice Pizza』)、ジェーン・カンピオン(『パワー・オブ・ザ・ドッグ』)、ジュリア・デュクルノー(『Titane』)。主演男優部門の候補はアディール・アクタル(『Ali & Ava』)、マハーシャラ・アリ(『スワン・ソング』)、ベネディクト・カンバーバッチ(『パワー・オブ・ザ・ドッグ』)、レオナルド・ディカプリオ(『ドント・ルック・アップ』)、スティーブン・グレアム(『Boiling Point』)、ウィル・スミス(『ドリームプラン』)。主演女優部門の候補はレディ・ガガ(『ハウス・オブ・グッチ』)、アラナ・ハイム(『Licorice Pizza』)、エミリア・ジョーンズ(『コーダあいのうた』)、レネーテ・レインスヴェ(『The Worst Person in the World』)、ジョアンナ・スキャンラン(『After Love』)、テッサ・トンプソン(『PASSING -白い黒人-』)。授賞式は3月13日。文=猿渡由紀
2022年02月04日西島秀俊主演、濱口竜介監督の『ドライブ・マイ・カーインターナショナル版』Blu-ray&DVDが2月18日(金)よりリリース。その特典映像の詳細が決定した。Blu-rayコレクターズ・エディションには、メイキング、初日舞台挨拶、監督・濱口竜介×主演・西島秀俊の対談など171分の大ボリュームで収録。また、発売に先駆け、特典映像の一部を含むPVも公開された。本作は第74回カンヌ国際映画祭で脚本賞受賞ほか4冠を果たし、第94回アカデミー賞国際長編映画賞の候補入りも期待されるなど、国内外の賞を席巻している。『ドライブ・マイ・カーインターナショナル版』Blu-ray&DVDは2月18日(金)より発売。(text:cinemacafe.net)■関連作品:ドライブ・マイ・カー 2021年8月20日よりTOHOシネマズ日比谷ほか全国にて公開(C)2021『ドライブ・マイ・カー』製作委員会
2022年02月04日英国アカデミー賞(BAFTA賞)のノミネーションが発表された。『DUNE/デューン 砂の惑星』が作品賞を含む11ノミネーションでトップ。『パワー・オブ・ザ・ドッグ』が8ノミネート、『ベルファスト』が6ノミネートと続く。今年度の映画祭や賞レースで注目を集めている日本の『ドライブ・マイ・カー』は、非英語映画賞のみならず、監督賞の候補にも選ばれた。英国アカデミー賞授賞式は3月13日(現地時間)に行われる。主な候補作品・候補者は以下の通り。作品賞『ベルファスト』『ドント・ルック・アップ』『DUNE/デューン 砂の惑星』『リコリス・ピザ』『パワー・オブ・ザ・ドッグ』監督賞ポール・トーマス・アンダーソン『リコリス・ピザ』ジェーン・カンピオン『パワー・オブ・ザ・ドッグ』アリーム・カーン『アフター・ラヴ』濱口竜介『ドライブ・マイ・カー』オドレイ・ディワン『Happening』(英題)ジュリア・デュクルノー『Titane』非英語映画賞『ドライブ・マイ・カー』(日本)『Hand of God -神の手が触れた日-』(イタリア)『Parallel Mothers』(スペイン)『Petite Maman』(フランス)『The Worst Person In The World』(ノルウェイ、フランス、デンマーク、スウェーデン)脚本賞『愛すべき夫妻の秘密』アーロン・ソーキン『ベルファスト』ケネス・ブラナー『ドント・ルック・アップ』アダム・マッケイ『ドリームプラン』ザック・ベイリン『リコリス・ピザ』ポール・トーマス・アンダーソン主演女優賞レディー・ガガ 『ハウス・オブ・グッチ』アラナ・ハイム『リコリス・ピザ』エミリア・ジョーンズ『コーダ あいのうた』レナーテ・レインスヴェ『The Worst Person In The World』(英題)ジョアンナ・スキャンラン『アフター・ラヴ』テッサ・トンプソン『PASSING -白い黒人-』主演男優賞マハーシャラ・アリ 『スワン・ソング』ベネディクト・カンバーバッチ 『パワー・オブ・ザ・ドッグ』ウィル・スミス 『ドリームプラン』レオナルド・ディカプリオ『ドント・ルック・アップ』アディール・アクタル『Ali & Ava』スティーヴン・グレアム『Boiling Point』助演女優賞カトリーナ・バルフ 『ベルファスト』アリアナ・デボーズ 『ウエスト・サイド・ストーリー』アーンジャニュー・エリス 『ドリームプラン』ルース・ネッガ 『PASSING -白い黒人-』ジェシー・バックリー『ロスト・ドーター』アン・ダウド『Mass』助演男優賞ウディ・ノーマン『カモン カモン』マイク・ファイスト『ウエスト・サイド・ストーリー』キアラン・ハインズ『ベルファスト』トロイ・コッツァー『Coda コーダ あいのうた』ジェシー・プレモンス『パワー・オブ・ザ・ドッグ』コディ・スミット=マクフィー『パワー・オブ・ザ・ドッグ』(Hiromi Kaku)■関連作品:ドライブ・マイ・カー 2021年8月20日よりTOHOシネマズ日比谷ほか全国にて公開(C)2021『ドライブ・マイ・カー』製作委員会
2022年02月04日第95回キネマ旬報ベスト・テン表彰式が10日に都内で行われ、三浦透子、鈴木亮平、濱口竜介監督、原一男監督、 立川志らく(コメント映像)、佐藤忠男(コメント映像)、河合優実、和田庵、尾野真千子、役所広司、大江崇允が登場した。『茜色に焼かれる』で主演女優賞を受賞した尾野は、同作で新人男優賞に輝いた和田から「感情爆発させるシーンでは、尾野さんが怒鳴った後に神社にいたカラスが一斉に飛び立った」という逸話を披露されるほどの演技。自身も「何年ぶりだろうというくらいに、憑依した。憑依しないでおこうという気持ちが強かったけど、久しぶりにそんな感情を味わって気持ち良かったです」と振り返る。コロナ禍の状況での受賞について聞かれると、尾野は「映画がまともに観れない、外に行けないという中で、こうやってこんなに地味な映画を観てくれる。それだけでも私たちがやったことが間違いではなかったなと思いますし、こうやって賞をいただけたということは、少なからず気持ちがちゃんと伝わっているんだなということを感じます」と涙ぐむ。「私達が頑張っていることはやっぱり間違いじゃなかったんだなと思わせてくれた。大変なことがあったし、私たちみたいな仕事は特にいろいろ大変なことがたくさんあるなと思うんですけど、でも、こうやって伝えられる、伝わる。必要なことだなと胸を張ってこの仕事をいろんな人に伝えて、いつかこういう仕事が夢ですと言ってくれる人が増えたらと思います」と語った。また主演男優賞の役所は、これまでにも様々な賞を受賞していたが、キネマ旬報ベスト・テン で主演男優賞に輝くのは、1996年の『Shall we ダンス?』、1997年の『うなぎ』『失楽園』で2年連続受賞して以来23年ぶりだったという。役所は「23年間、別にサボってたわけじゃなくて、一生懸命いい芝居をしたいと思って頑張ってきたんですけど。やっぱり2年連続でいただいたので、あれでも僕の運も尽きたのかもしれないなと思いつつ、それでも頑張ってきました。おかげで帰って来れたこと、幸せに思ってます」と笑顔に。『すばらしき世界』の西川美和監督も登場し、花束で役所を祝った。○第95回 キネマ旬報ベスト・テン 受賞一覧日本映画作品賞 『ドライブ・マイ・カー』外国映画作品賞 『ノマドランド』文化映画作品賞 『水俣曼荼羅』主演女優賞 尾野真千子(『茜色に焼かれる』『ヤクザと家族 The Family』により)主演男優賞 役所広司(『すばらしき世界』により)助演女優賞 三浦透子(『ドライブ・マイ・カー』『スパゲティコード・ラブ』により)助演男優賞 鈴木亮平(『孤狼の血 LEVEL2』『燃えよ剣』『土竜の唄 FINAL』により)新人女優賞 河合優実(『由宇子の天秤』『サマーフィルムにのって』『偽りのないhappyend』により)新人男優賞 和田庵(『茜色に焼かれる』により)日本映画監督賞 濱口竜介(『ドライブ・マイ・カー』『偶然と想像』により)外国映画監督賞 クロエ・ジャオ(『ノマドランド』『エターナルズ』により)日本映画脚本賞 濱口竜介、大江崇允(『ドライブ・マイ・カー』により)特別賞 佐藤 忠男(70年以上の評論活動を通して日本の映画文化の発展に貢献をされた功績に対して)読者選出日本映画監督賞 濱口竜介(『ドライブ・マイ・カー』により)読者選出外国映画監督賞 クロエ・ジャオ(『ノマドランド』により)読者賞 立川志らく(連載『立川志らくのシネマ徒然草』により)
2022年02月03日第95回キネマ旬報ベスト・テン表彰式が2日に都内で行われ、三浦透子、鈴木亮平、濱口竜介監督、原一男監督、 立川志らく(コメント映像)、佐藤忠男(コメント映像)、河合実、和田庵、尾野真千子、役所広司、大江崇允が登場した。74回カンヌ国際映画祭で日本映画として初となる脚本賞を受賞し、第79回 ゴールデン・グローブ賞 非英語映画賞(旧外国語映画賞)、第56回 全米批評家協会賞 作品賞・監督賞・主演男優賞・脚本賞、第87回 ニューヨーク映画批評家協会賞など北米を中心に様々な賞を受賞している『ドライブ・マイ・カー』が同賞でも5冠を達成。日本映画作品賞、助演女優賞(三浦)、日本映画監督賞(濱口監督)、日本映画脚本賞(濱口監督、大江)、読者選出日本映画監督賞に輝いた。評価について、濱口監督は「これほど広がっていくことには、とても驚いています。特にアメリカで受け入れられるなんて想像しなかったのことなので驚きですし、心から嬉しく思っています」と心境を吐露。受け入れられた理由については「物語そのものの普遍性ということなんじゃないでしょうか。村上春樹さんが長編においてよくテーマにされている喪失と、そこからどうやってもう一度希望を手に入れるのかということを指針として、村上春樹さんの物語世界をどう展開していくかを考えていたので、物語の普遍性が受け入れられているのではないかと思います」と分析する。制作のC&Iエンタテインメント 代表 久保田修氏は「日本だけでなくヨーロッパでもアメリカでも受け入れられているのは、それだけコロナだったり、分断とか格差とかいろいろなことがあって、再生というか治療というか癒やしというか、そういったものを求めていたんだな」と予想する。「もちろんいい映画なんですけれども、世界的に受け入れられるというのは当然、我々は作ってる段階では想像してなかった」と振り返った。8日には米国 アカデミー賞のノミネーションも発表されるが、期待について聞かれると、濱口監督は「そういうことがあったらありがたい」と言いつつ、「賞の場で言うのはなんですけど、賞によって作品が変わるわけではないので。自分達が何ができたのかできていなかったのかを、心に留めておくのが1番大事なことかなと思います。それでもし素晴らしいことがあれば、それはご褒美みたいなものだと思います」と語った。○第95回 キネマ旬報ベスト・テン 受賞一覧日本映画作品賞 『ドライブ・マイ・カー』外国映画作品賞 『ノマドランド』文化映画作品賞 『水俣曼荼羅』主演女優賞 尾野真千子(『茜色に焼かれる』『ヤクザと家族 The Family』により)主演男優賞 役所広司(『すばらしき世界』により)助演女優賞 三浦透子(『ドライブ・マイ・カー』『スパゲティコード・ラブ』により)助演男優賞 鈴木亮平(『孤狼の血 LEVEL2』『燃えよ剣』『土竜の唄 FINAL』により)新人女優賞 河合優実(『由宇子の天秤』『サマーフィルムにのって』『偽りのないhappy end』により)新人男優賞 和田庵(『茜色に焼かれる』により)日本映画監督賞 濱口竜介(『ドライブ・マイ・カー』『偶然と想像』により)外国映画監督賞 クロエ・ジャオ(『ノマドランド』『エターナルズ』により)日本映画脚本賞 濱口竜介、大江崇允(『ドライブ・マイ・カー』により)特別賞 佐藤 忠男(70年以上の評論活動を通して日本の映画文化の発展に貢献をされた功績に対して)読者選出日本映画監督賞 濱口竜介(『ドライブ・マイ・カー』により)読者選出外国映画監督賞 クロエ・ジャオ(『ノマドランド』により)読者賞 立川志らく(連載『立川志らくのシネマ徒然草』により)
2022年02月02日濱口竜介監督『ドライブ・マイ・カー』が脚本賞を受賞し、日本でも大きな話題を呼んだ昨年のカンヌ国際映画祭で批評家たちを驚かせ、喝采を浴びた『LETO-レト-』キリル・セレブレンニコフ監督によるロシア映画『Petrov's Flu』(英題)が、邦題『インフル病みのペトロフ家』として4月23日(土)より日本公開されることが決定した。カンヌ国際映画祭ではレオス・カラックス監督『アネット』やアピチャッポン・ウィーラセタクン監督『MEMORIAメモリア』など話題作が目白押しの中で喝采を浴び、その斬新さに最高賞パルム・ドールに強く推す批評家もいたという本作。監督は、ロシア演劇界の鬼才であり、『The Student』(2016/日本未公開)や『LETO -レト-』(2018)でカンヌをはじめとする数々の映画祭で多数の賞を受賞するなど、すでに映画監督としても世界から注目を浴びているキリル・セレブレンニコフ。若くして2012年からモスクワのゴーゴリ・センターの芸術監督に任命された演出家でありながら、2017年に国からの予算を横領した疑いで逮捕されて自宅軟禁状態に。日本でも公開された『LETO -レト-』がカンヌで絶賛され、サウンドトラック賞最優秀作曲家賞を受賞した際には、多くの映画人がセレブレンニコフの無罪を訴え、解放を求めたがカンヌには参加できなかった。本作の脚本は、その軟禁という不条理な環境の中で書いたという。原作は、2016年に発売され、ロシア文学界でセンセーションを巻き起こしたアレクセイ・サリニコフによるベストセラー小説(邦訳未出)。ソヴィエト崩壊後、2004年のロシア、エカテリンブルグでインフルエンザが流行する中、主人公のペトロフは高熱にうなされる。妄想と現実の間を行ったり来たりするうちに、次第にペトロフの妄想は、まだ国がソヴィエトだった子ども時代の記憶へと回帰していく…という物語。映画は、ロシア社会への強烈な風刺を孕みながら、妄想と現実の境目が曖昧な原作の世界観そのままに、セレブレンニコフ監督らしい型破りな芸術的感性と刺激的なアクションに彩られ、強烈なインパクトに溢れた1編として完成。いくつものプロットが絡み合い、頻繁に幻覚のトリックにすり替わっては次々に展開され、熱に浮かされたような刺激的な映像体験をもたらす本作。どのように撮影されたのか気になってしまう複雑な長回しショットや、めくるめく場面転換が必見となっている。なお本作は、カンヌ国際映画祭で芸術的貢献を認められる「CST Artist-Technician Prize」を受賞。上映後、アメリカのザ・プレイリスト紙は「映画の熱病的譫妄。(中略)純粋で、粗野で、心かき乱す映画」、イギリスのリトル・ホワイト・ライズ誌は「驚くほどに奇妙な、ポスト・ソヴィエト時代のロシア像。幻想的で、刺激的。息を呑む映画作りだ」と大絶賛を贈っている。『インフル病みのペトロフ家』は4月23日(土)より、シアター・イメージフォーラムほか全国にて順次公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:インフル病みのペトロフ家 2022年4月23日よりシアター・イメージフォーラムほか全国にて公開© 2020 – HYPE FILM – KINOPRIME - LOGICAL PICTURES – CHARADES PRODUCTIONS – RAZOR FILM – BORD CADRE FILMS – ARTE FRANCE CINEMA -ZDF
2022年01月20日国内で最も歴史のある「第76回毎日映画コンクール」の受賞結果と受賞者が決定し、ハリウッドの映画賞でも注目を集めている濱口竜介監督の『ドライブ・マイ・カー』が日本映画大賞を受賞。また、『すばらしき世界』(西川美和監督)が日本映画優秀賞ほか最多となる4冠を獲得した。『すばらしき世界』男優主演賞は、佐藤健(『護られなかった者たちへ』)、女優主演賞は、尾野真千子(『茜色に焼かれる』)が受賞。男優助演賞には『すばらしき世界』の仲野太賀が受賞、女優助演賞には『護られなかった者たちへ』の清原果耶が受賞。『護られなかった者たちへ』また、スポニチグランプリ新人賞は『茜色に焼かれる』の和田庵と片山友希に贈られ、『茜色に焼かれる』が3冠となった。『茜色に焼かれる』映画ファンが選ぶTSUTAYA映画ファン賞・日本映画部門は『るろうに剣心 最終章 The Final』(大友啓史監督)に、外国映画部門は『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』(キャリー・フクナガ監督)が受賞。さらに特別賞は、今年7月に54年の歴史に幕を閉じることになったミニシアターの先駆け、岩波ホールに決まった。なお、表彰式はめぐろパーシモンホールで2月15日(火)に開催が予定されている。第76回毎日映画コンクール受賞結果日本映画大賞:『ドライブ・マイ・カー』(濱口竜介監督)日本映画優秀賞:『すばらしき世界』(西川美和監督)外国映画ベストワン賞:『ノマドランド』(クロエ・ジャオ監督)男優主演賞:佐藤健『護られなかった者たちへ』女優主演賞:尾野真千子『茜色に焼かれる』男優助演賞:仲野太賀『すばらしき世界』女優助演賞:清原果耶『護られなかった者たちへ』スポニチグランプリ新人賞(男性):和田庵『茜色に焼かれる』スポニチグランプリ新人賞(女性):片山友希『茜色に焼かれる』監督賞:濱口竜介『ドライブ・マイ・カー』脚本賞:吉田恵輔『空白』撮影賞:笠松則通『すばらしき世界』美術賞:原田哲男『燃えよ剣』音楽賞:林正樹『すばらしき世界』録音賞:浦田和治『孤狼の血 LEVEL2』アニメーション映画賞:『岬のマヨイガ』(川面真也監督)大藤信郎賞:『プックラポッタと森の時間』(八代健志監督)ドキュメンタリー映画賞:『水俣曼荼羅』(原一男監督)TSUTAYA映画ファン賞・日本映画部門:『るろうに剣心 最終章 The Final』TSUTAYA映画ファン賞・外国映画部門:『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』田中絹代賞:宮本信子特別賞:岩波ホール(エキプ・ド・シネマの活動)(敬称略)(text:cinemacafe.net)■関連作品:Bond 25(仮題) 2020年2月14日世界公開007/ノー・タイム・トゥ・ダイ 2021年10年1月より全国にて公開© Danjaq, LLC and Metro-Goldwyn-Mayer Studios Inc.All Rights Reserved.るろうに剣心最終章 The Final 2021年4月23日より全国にて公開© 和月伸宏/ 集英社 ©2020 映画「るろうに剣心 最終章 The Final」製作委員会るろうに剣心最終章 The Beginning 2021年6月4日より全国にて公開© 和月伸宏/ 集英社 ©2020 映画「るろうに剣心 最終章 The Beginning」製作委員会すばらしき世界 2021年2月11日より全国にて公開©佐木隆三/2021「すばらしき世界」製作委員会護られなかった者たちへ 2021年10月1日より全国にて公開©2021映画「護られなかった者たちへ」製作委員会ノマドランド 2021年3月26日より全国にて公開© 2021 20th Century Studios. All rights reserved.ドライブ・マイ・カー 2021年8月20日よりTOHOシネマズ日比谷ほか全国にて公開(C)2021『ドライブ・マイ・カー』製作委員会岬のマヨイガ 2021年8月27日より公開Ⓒ柏葉幸子・講談社/2021「岬のマヨイガ」製作委員会茜色に焼かれる 2021年5月21日よりTOHOシネマズ日比谷ほか全国にて公開©2021『茜色に焼かれる』フィルムパートナーズ
2022年01月20日2021年1月13日、お笑いコンビ『よゐこ』の濱口優さんと、妻でタレントの南明奈さんが新型コロナウイルス感染症(以下、コロナウイルス)に感染したことを、所属事務所が発表しました。弊社所属のよゐこ 濱口優が、新型コロナウイルスに感染していることが確認されましたので、ご報告申し上げます。1月12(水)に発熱の症状が出たため、PCR検査を受けたところ、本日陽性の検査結果が出ました。現在は保健所の指示に従って療養しております。妻の南明奈さんも合わせてPCR検査を受けたところ、陽性の検査結果が出ましたので同じく保健所の指示に従って療養しております。松竹芸能株式会社ーより引用所属事務所によると、濱口さんとコンビを組む有野晋哉さんは濃厚接触者に該当せず、PCR検査の結果も陰性だったとのこと。発表後、SNSには濱口さん夫婦を心配する声があふれました。ファンの声を受けて、同月14日に、有野さんは濱口さんと2人で出演しているYouTubeチャンネル『よゐこチャンネル』を更新。濱口さんからファンに寄せられたメッセージを代読しました。完全復帰にはまだ数週間かかるかもしれませんが、『一福神』が一周短くしてくれるので、2人そろっての『よゐこチャンネル』はしばらくお待ちください。ご心配をおかけします。かならず戻るので、待っててください。みなさま、感染にはくれぐれもご注意ください。よゐこチャンネルーより引用有野さんによると、『一福神』とは濱口さんが創作した、すべてのものを1に戻してくれる神様。スタンプを自作するほどお気に入りで、ご利益で早く治ると思っているようです。動画のラストで、有野さんは次のように視聴者に呼びかけました。みなさんは手洗い、換気、消毒をしっかりして、医療従事者の方にご迷惑をおかけしないように日々の生活を送ってください。よゐこチャンネルーより引用『よゐこ』の2人からのメッセージは、多くの視聴者に届いたようです。投稿には、温かなコメントが殺到しました。・ご夫婦が元気になるよう、祈っています。・容体がひどかったらどうしようと思っていました。安心しました。・どうか、経過に関わらずお大事になさってください。・お二人での配信が再びできる日を心待ちにしています。病からの回復には、体力を使うもの。あせらずゆっくりと治し、全快の知らせを届けてほしいですね。[文・構成/grape編集部]
2022年01月14日西島秀俊主演、濱口竜介監督が村上春樹の短編を映画化した『ドライブ・マイ・カー』が、1月9日(現地時間)に発表された第79回ゴールデン・グローブ賞にて非英語映画賞(旧外国語映画賞)を受賞したことが分かった。第74回カンヌ国際映画祭にて日本映画初の脚本賞を含む4冠を受賞したのち、第94回米国アカデミー賞国際長編映画賞部門ショートリストに選ばれている本作。先日発表された、第56回全米批評家協会賞では作品賞、監督賞(『ドライブ・マイ・カー』『偶然と想像』の2作品に対して)、脚本賞、主演男優賞(西島秀俊)の主要4部門を受賞。数々の賞を受賞し、世界で高い評価を得ている。濱口竜介監督今回のゴールデン・グローブ賞では、『Compartment No. 6』(フィンランド、ドイツ、ロシア)、『Hand of God -神の手が触れた日-』(イタリア)、『A Hero』(フランス、イラン)、『Parallel Mothers』(スペイン)、そして日本から『ドライブ・マイ・カー』がノミネートされていた。米アカデミー賞の前哨戦としての注目されるゴールデン・グローブ賞だが…アカデミー賞の前哨戦の1つである、ゴールデン・グローブ賞。賞の権限を司る「ハリウッド外国プレス協会」ことHFPA(=Hollywood Foreign Press Association)の会員の中に黒人が一人もいなかったことが公になり、また、元会長の人種差別的な発言も明るみとなった。これを受け、俳優のマーク・ラファロやスカーレット・ヨハンソンはHFPAを批判するほか、トム・クルーズは受賞したゴールデン・グローブ像を全て返還し、HFPAに対する抗議の意を示した。そのほかHFPAの会員が、授賞式チケットを外部の人間に違法売買しているというスキャンダルも出ている。1996年からゴールデングローブ賞授賞式を放送しているNBC局は事態を重く見て、2022年の授賞式の放送を取りやめることを発表。Amazon、Netflix、ワーナーメディアはHFPAとは「仕事をしない」と表明している。(text:cinemacafe.net)■関連作品:ドライブ・マイ・カー 2021年8月20日よりTOHOシネマズ日比谷ほか全国にて公開(C)2021『ドライブ・マイ・カー』製作委員会
2022年01月10日