猫の合同写真展&物販展「ねこ休み展」のスピンオフ企画「まるごとホイちゃん展 in 夏祭り」が、東京・浅草のギャラリー「TODAYS GALLERY STUDIO」にて開催される。期間は2019年7月26日(金)から9月1日(日)まで。「まるごとホイちゃん展」は、人気の甘えん坊猫“ホイップ”こと、通称“ホイちゃん”にフォーカスするもの。今回は、「夏祭り」をテーマに新作展示やグッズを展開する他、国内外で活躍するペインティングアーティスト・チョーヒカルが描くホイちゃんのトリックアートも登場する。また、来場者には先着特典としてヨーヨー釣りチケットがプレゼントされる。会場では、「ねこ休み展」ゆかりの作家陣とのコラボレーショングッズも販売。アップルココが制作した「ホイちゃんキーホルダー お座りver」や、marucoro chanの浴衣をまとった「ホイちゃんこけ)」など、夏祭り限定バージョンでラインナップする。【詳細】ねこ休み展スピンオフ企画「まるごとホイちゃん展 in 夏祭り」開催日時:2019年7月26日(金)〜9月1日(日)11:00〜19:00休館日:毎週月曜日※ただし8月12日(月)は開館、振替休日なし会場:TODAYS GALLERY STUDIO(東京都港区東新橋1丁目8台東区浅草橋5-27-6 5F)入場料:500円/3歳以下は入場無料※東京ドームシティで開催中の「ねこ休み展 夏 2019」のチケット半券持参で、オリジナルポストカードプレゼント。※本展覧会のチケット半券を「ねこ休み展 夏 2019」で提示すると、入場料200円引き。※上記は予定のため、内容は変更になる可能性がある。グッズ例:・<アップルココ>ホイちゃんキーホルダー お座りver 1,900円・<marucoro chan>ホイちゃんこけし(浴衣) 2,500円・<空木>ホイぺろ新作ポーチ 2,350円※限定グッズは数量限定で無くなり次第終了。【問い合わせ先】株式会社BACONTEL:03-5809-3917
2019年06月29日「綴プロジェクト ─高精細複製画で綴る─スミソニアン協会フリーア美術館の北斎展」が、2019年6月25日(火)から8月25日(日)までの期間、すみだ北斎美術館で開催される。日本美術の宝庫「フリーア美術館」とは?日本美術の宝庫として知られるアメリカの国立スミソニアン協会フリーア美術館。スミソニアン博物館群の一つで、実業家チャールズ・ラング・フリーアが収集した美術品が収蔵されている。館内には、隣接する施設の作品も含め約1万2,700点もの日本美術を収蔵。中でも葛飾北斎の肉筆画は世界屈指のコレクションを誇る。また、フリーアの遺言により所蔵品はすべて門外不出となっており、現在でもその方針が守られている。“門外不出”作品の高精細複製画が日本初公開「綴プロジェクト ─高精細複製画で綴る─スミソニアン協会フリーア美術館の北斎展」は、国立スミソニアン協会フリーア美術館の協力のもと開催される展覧会。同館が誇る世界最大級の北斎肉筆画コレクションの中から13点の高精細複製画を製作し、すみだ北斎美術館が所蔵する約130点の関連作品と共に日本で初公開される。版画「冨嶽三十六景 神奈川沖浪裏」と肉筆画「波濤図」の“波”を比較展示見どころは、北斎が繰り返し描いた自然のモチーフに焦点を当てた比較展示だ。中でも、すみだ北斎美術館が所蔵する北斎の冨嶽三十六景において代表的な版画「冨嶽三十六景 神奈川沖浪裏」と、フリーア美術館所蔵の肉筆画「波濤図」(展示は高精細複製画)に注目。版画「冨嶽三十六景 神奈川沖浪裏」の“鉤爪”のような波頭の描き方が、肉筆画「波濤図」からも見てとれる。六曲一双の大作「玉川六景図」の新たな発見また、六曲一双の屏風「玉川六景図」に関する詳細な研究結果にも注目。フリーア美術館収蔵の六曲一双の屏風「玉川六景図」は、右隻に人物、左隻に風景となっている。しかし、新たな研究により、後年にその配列が再構成されていた可能性が高いことが明らかになった。そんな「玉川六景図」だからこそ、元の配列での展示を実施。研究による新たな発見を間近で見ることができる。また、すみだ北斎美術館所蔵の「千鳥の玉川図」との比較も見どころだ。動植物作品や美人画もまた、類まれな観察眼と描写力によって描かれた「十二ヶ月花鳥図」(展示は高精細複製画)など、北斎の画業を語るうえで欠かすことのできない動植物作品や、「年始まわりの遊女図」(展示は高精細複製画)といった美人画も展示。フリーア美術館作品の数々を体感できる貴重な機会となっている。「綴プロジェクト」─高精細複製画で綴る─スミソニアン協会フリーア美術館の北斎展会期:2019年6月25日(火)~8月25日(日)・前期6月25日(火)~7月28日(日)・後期7月30日(火)~8月25日(日)※前後期で一部展示替えを実施場所:すみだ北斎美術館住所:東京都墨田区亀沢2-7-2開館時間:9:30~17:30(入館は17:00まで)休館日:毎週月曜日(祝日または振替休日の場合は、翌平日)観覧料:一般1,000円(800円)、高校生・大学生700円(560円)、中学生300円(240円)、65歳以上700円(560円)、障がい者300円(240円)※()は団体料金。※団体は有料の人20人以上。※小学生以下は無料。※中学生・高校生・大学生(高専、専門学校、専修学校生含む)は生徒手帳または学生証を提示。※65歳以上の人は年齢を証明できるものを提示。※身体障がい者手帳、愛の手帳、療育手帳、精神障がい者保健福祉手帳、被爆者健康手帳などの持参者及びその付添の1名まで障がい者料金で観覧可能。(入館の際は、身体障がい者手帳などを提示)◎本展のチケットは、会期中観覧日当日に限り、AURORA(常設展示室)も観覧可能。【問い合わせ先】すみだ北斎美術館TEL:03-6658-8936
2019年06月16日こんにちは!アートディレクターの諸戸佑美です。気持ちのいい、新緑の季節ですね。上野の東京都美術館では、4月より『クリムト展 ウィーンと日本1900』が絶賛開催中ですが、もう観に行かれましたか。19世紀末ウィーンを代表する画家グスタフ・クリムトとエゴンシーレの芸術作品は、100年の時を経てもなお、日本でも圧倒的な人気を誇ります。【シネマの時間】第67回は、クリムト、シーレ没後100年記念して特別タイアップ企画、映画『クリムト エゴンシーレとウィーン黄金時代』をお送りします!金箔を多用した華やかな装飾性と官能性をあわせ持った作品を多く手がけたクリムトは、1897年保守的な画壇を離れ「時代には芸術を、芸術には自由を」をモットーに仲間と共にウィーン分離派を結成。絵画や彫刻に加え、デザインや工芸、建築といった芸術の諸分野を一体化する総合芸術の構築を目指しました。また、クリムトの弟子で荒々しくも繊細に人間の感情を官能的に描いたエゴン・シーレ。エゴンシーレについては、【シネマの時間】第2回映画『エゴン・シーレ 死と乙女』でもご紹介しています。よろしければご覧ください。本作では、豊富な映像資料のもとクリムトとエゴン・シーレが生きた 19世紀末ウィーンに花開いたサロン文化と、 彼らの傑作を所蔵するウィーンを代表するアルベルティーナ美術館、ベルヴェデーレ宮オーストリア絵画館などを巡り、クリムトの代表作「接吻」「ユディトI」「ベートーヴェン・フリーズ」やシーレの「死と乙女」などの傑作をふんだんに紹介。各界で活躍する一流の芸術家や歴史家たちのコメントにより、ふたりの作品の魅力をひも解いています。また、同時に時代を牽引した音楽家マーラーやシュトラウスたちの軌跡とともに、ウィーンの黄金時代を体感できるのもうれしい。Netflixドラマ『マルコ・ポーロ』シリーズ(14~16)の主演で知られるイタリアの新進気鋭の俳優ロレンツォ・リケルミーがナビゲイターを務め、19世紀末ウィーンへかろやかに誘ってくれます。日本語ナレーションは『きみの鳥はうたえる』(18)などでキネマ旬報ベスト・テン主演男優賞、毎日映画コンクール男優主演賞に輝いた若手実力派俳優の柄本佑さん。ぜひ、展覧会と共にお楽しみくださいませ。■映画『クリムトエゴンシーレとウィーン黄金時代』あらすじー19世紀末ウィーン、クリムトとシーレが与えた影響とは?「接吻」の絵© Belvedere, Wien19世紀末のウィーン。そこには、芸術の歴史を変えた天才画家たちがいました。彼らは野心と努力によって当代一の芸術家にまで登りつめます。クリムトは、ウィーンの美術工芸学校に学び、初期にはアカデミックな作風で才能を認められ、劇場の壁画装飾などで名を馳せました。またあるサロンに出入りしてウィーンのさまざまな知識人と出会います。どこか素朴ともいわれる雰囲気が、社交界の中でもかえって魅力が際立ったのです。1897年に保守的なウィーンの画壇から離脱し、仲間と共に「ウィーン分離派」を結成しました。「ヴェートーヴェン・フリーズ」展示風景© Belvedere, Wienエゴン・シーレは、クリムトと同じ美術工芸学校を卒業後に、16歳でウィーン美術アカデミーに進学しますが、クリムトに弟子入りを志願し退学します。その後、身体の歪みや人間の感情、欲望と悲劇の表情に魅せられ、エロスに満ちた多くの自画像や肖像画を制作するようになります。保守的な時代に生まれたクリムトとシーレの革新的な芸術。19世紀末のウィーンでグスタフ・クリムトを中心に結成された芸術家グループ「分離派」は、1898年に自ら立てた展示施設の分離派会館に「時代には芸術を、芸術には自由を」と金文字で掲げました。クリムトとエゴン・シーレは、人間の不安や恐れ、生と死を愛と官能性を持って新しい絵画の手法により描き、それまでの絵画とは異なる革新的な芸術作品を次々と生み出していきました。異端なテーマは精神医学者ジークムント・フロイトが辿り着いた精神分析の誕生と時を同じくして起こりました。それと同時に、音楽、建築、文学にも新しい概念が見出され、女性たちは自立を主張し始めます。封建的なウィーンで抑えられていた人々の衝動は、一気に爆発したかのように社会秩序を揺り動かし、自我の深い本質への対峙の始まりとなったのです。100年の時を経てもなお、世界中の人々の心を魅了する19世紀末ウイーンで華麗に花開いた黄金時代、クリムトとエゴン・シーレの魅力とは?グスタフ・クリムト©Archiv des Belvedere, Wien, Nachlass Ankwicz-Kleehoven本作ではクリムトやシーレの傑作を所蔵するウィーンを代表するアルベルティーナ美術館、ベルヴェデーレ宮オーストリア絵画館、美術史美術館、分離派会館、レオポルド美術館、ウィーン博物館、ジークムント・フロイト博物館を巡りながら、ウィーンの黄金時代の始まりと終わりを解説しています。コメンテーターは、ノーベル生理学・医学賞受賞者のエリック・カンデルやケンブリッジ大学で美術史を修めた女優兼モデルのリリー・コール、世界的ピアニストのルドルフ・ブッフビンダー 、美術史家のジェーン・カリアなど各界で活躍する一流の芸術家や歴史家たちが出演。いろいろな視点から、19世紀末ウィーンの黄金時代をエレガントに描き出しています。■東京都美術館『クリムト展』開催中です!上野の東京都美術館にて4月23日(火)〜7月10日(水)特別タイアップ企画『クリムト展 ウィーンと日本 1900』も開催中です!19世紀末ウィーンを代表する画家グスタフ・クリムト(1862ー1918)。華やかな装飾性と世紀末的な官能性をあわせもつその作品は、いまなお圧倒的な人気を誇ります。没後100年を記念する本展覧会では、初期の自然主義的な作品から、分離派結成後の黄金様式の時代の代表作、甘美な女性像や数多く手がけた風景画まで、日本では過去最多となる油彩画25点以上を紹介します。クリムト展スペシャルサポーターに俳優や映画批評など多方面で活躍される稲垣吾朗さんを迎え、作品の見どころや描かれた時代背景、作家の生涯などをわかりやすく解説。ウィーンの分離派会館を飾る壁画の精巧な複製による再現展示のほか、同時代のウィーンで活動した画家たちの作品や、クリムトが影響を受けた日本の美術品などもあわせ、ウィーン世紀末美術の精華をご覧ください!出典:■映画『クリムト エゴンシーレとウィーン黄金時代』作品紹介映画『クリムト エゴンシーレとウィーン黄金時代』2019年6月8日(土)よりシネスイッチ銀座ほか全国順次ロードショー!公式サイト:特別タイアップ企画 4月23日(火)〜7月10日(水)東京都美術館にて『クリムト展 ウィーンと日本 1900』開催中!公式サイト:東京都美術館サイト:原題:Klimt & Schiele - Eros and Psyche監督:ミシェル・マリー製作総指揮:ベロニカ・ボッタネッリ 脚本:アリアンナ・マレリ撮影:マテウス・シュトレツキ日本語ナレーション:柄本佑製作年:2018年製作国:イタリア上映時間:90分映倫区分:G配給:彩プロ■映画『クリムト エゴンシーレとウィーン黄金時代』キャストグスタフ・クリムトエゴン・シーレロレンツォ・リケルミーリリー・コールコメンテーター:エリック・カンデル、ルドルフ・ブッフビンダー、ジェーン・カリア、アルフレート・ヴァイディンガー、エリザベート・レオポルト、ブライアン・ギリアム、モニカ・ファーバー、フランツ・スモーラー、クラウス・アルブレヒト・シュレーダー【シネマの時間】アートディレクション・編集・絵・文=諸戸佑美©︎YUMIMOROTO
2019年05月31日「ハプスブルク展 600年にわたる帝国コレクションの歴史」が、2019年10月19日(土)から2020年1月26日(日)まで、国立西洋美術館にて開催される。欧州随一の名門・ハプスブルク家の美術コレクションを紹介「ハプスブルク展」は、欧州の歴史上で随一の名門・ハプスブルク家に焦点を当てた美術展。ハプスブルク家は、広大な領地を支配下に収め、神聖ローマ皇帝を代々世襲するなど、13世紀末にオーストリアに進出して以降、オーストリア帝国が崩壊するまで、数世紀にわたってヨーロッパの表舞台で常に脚光を浴びてきた名家だ。ハプスブルク家の人々はまた、絵画や工芸品、武具などからなる豊かなコレクションを築いたことでも知られており、その主要部分はウィーン美術史美術館に収蔵されている。「ハプスブルク展」では、ウィーン美術史美術館の協力のもと、世界屈指と言われるハプスブルク家のコレクションを展示。コレクションの歴史を軸に、コレクターごと、もしくは時代ごとに、その個性や傾向を明らかにしていく。マリー・アントワネットや王女マルガリータまた、歴史を彩ったハプスブルク家の人物たちも、作品を通して紹介。政略結婚によりフランス王家に嫁ぎ、フランス革命のさなかに処刑された悲劇の王妃・マリー・アントワネットをはじめ、その母である女帝・マリア・テレジア、ハプスブルク家のスペイン系当主であったスペイン国王のフェリペ、フェリペの娘である王女マルガリータ・テレサ、稀代のコレクターとして知られる神聖ローマ皇帝・ルドルフ2世などが登場する。詳細ハプスブルク展 600年にわたる帝国コレクションの歴史会期:2019年10月19日(土)~2020年1月26日(日)会場:国立西洋美術館住所:東京都台東区上野公園7-7【問い合わせ先】03-5777-8600(ハローダイヤル)
2019年04月27日アザラシの合同写真展&イラスト展&物販展「あざらしラッシュ!!展」が、名古屋のTODAYS GALLERY STUDIO NAGOYAで2019年6月29日(土)から7月21日(日)まで、静岡パルコで2019年7⽉21⽇(⼟)から8⽉12⽇(⽉・祝)まで開催される。アザラシと言えば、アニメにもなって人気を博した"ゴマフアザラシ"や水族館でも見ることができる"アゴヒゲアザラシ"を思い浮かべる人も多いだろう。諸説あるが、実は全世界には18種のアザラシが存在するとも言われている。「あざらしラッシュ!!展」は、そんなアザラシにフォーカスした合同写真展&イラスト展&物販展。写真とイラストの融合展示や立体物販物、アニメーション作品などを楽しむことができる。出展する写真作家は、カナダなどでアザラシの赤ちゃんを撮り続ける動物写真家・小原玲など。会場では小原玲が過去30年間撮り溜めた作品を厳選して展示する予定だ。見るものを圧倒するほど美しく、愛らしいアザラシの姿を目にすることができる。イラストレーションは、インスタグラムでフォロワー数3万人を誇るぽんたによる“流氷からアザラシたちが昇り立つような大型作品”をはじめ、癒し系イラストが人気を博す植月えみりによる新作展示、初のアニメーション作品も公開予定。また、静岡会場では特設ブースを設置し、植⽉えみりの会場限定アニメーションやほわころくらぶのほっこり映像を公開する。約1,000種以上のグッズ販売にも注目。日本キャンドル協会認定キャンドルアーティスト作家による「流氷ごまキャンドル」、羊毛フェルトハンドメイドの「アザラシさんのパンケーキタワー」、食べ物とアザラシがコラボレーションした「あざらし寿司マスキングテープ」などが展開される。会場限定の新作グッズも並ぶのでファンは要チェックだ。【詳細】あざらしの合同写真展&イラスト展&物販展「あざらしラッシュ!!展」■名古屋開催日時:6月29日(土)~7月21日(日) 11:00~18:00休館日:月・火曜日(但し、7月15日(月)海の日は開館、17日が振替休日)会場:TODAYS GALLERY STUDIO NAGOYA(愛知県名古屋市中区新栄1-17-12-1F)入場料:600円/3歳以下は入場無料出展者:25組※来場者には先着2,000名限定で、イラストレーター・ぽんたが無数のアザラシを描いた特製オリジナルポストカード「ぎゅうぎゅうあざらし」をプレゼント。■静岡開催日時:2019年7⽉27⽇(⼟)〜8⽉12⽇(⽉・祝) 10:00〜20:00休館⽇:なし会場:静岡パルコ 3階特設会場(静岡県静岡市葵区紺屋町6-7 静岡パルコ3F)⼊場料:400円/⾼校⽣以下300円/ペア⼊場700円/3歳以下⼊場無料出展者:23組※来場者には先着1,000名限定で、⾬宮菜々⼦特製のオリジナルポストカード「ぽよざらしのポストカード」をプレゼント。グッズ例:・流氷ごまキャンドル 1,600円+税・アザラシさんのパンケーキタワー 2,500円+税・あざらし寿司マスキングテープ 580円+税・コッペパン列車マスキングテープ 580円+税<新作・会場限定>・あざらしクリームソーダトートバッグ 1,600円+税<新作・会場限定>
2019年04月27日イベントでは、コレクターの宮津さんと笠間日動美術館の副館長・長谷川智恵子さんの案内で一部の作品についてツアーしながら解説、さらには館長の長谷川徳七さんも登場して、今回展示作品の魅力を語ってくださいました。コレクター・宮津大輔さんが「難しく考えずに美術に対する先入観や既成概念を捨てて素直に見てほしい」と挨拶。本展は、宮津さんが25年間かけて、蒐集した現代アート作品から選りすぐった35点を、笠間日動美術館所蔵の近代名画とペアにして展示するという新たな試みとなっています。イベントでは、コレクターの宮津さんと笠間日動美術館の副館長・長谷川智恵子さんの案内で一部の作品についてツアーしながら解説、さらには館長の長谷川徳七さんも登場して、今回展示作品の魅力を語ってくれました。長谷川館長が自ら愛するスーラのデッサンの魅力を熱く解説。宮津さんの案内と解説で、アルベルト・ジャコメッティ『ディエゴの胸像』とジョンペット・クスウィダナント『ロングマーチ・ジャワ』、マルク・シャガール『村の通り』とカンボジアの作家リム・ソクチャンリナ『国道5号線』、アンリ・マティス『窓辺に座る女』とオラファー・エリアソンのインスタレーション『大輔のためのウインドウ・プロジェクション』、エドガー・ドゥガ『美しき女』とタワン・ワトゥヤ『Beautifulcreatures』、ウォーホルの2作品、セレブリティポートレート(副館長の肖像画)とブリロのデッサン、マックス・エルンスト『夢創りの達人』とMiND X『コンフォートゾーン』、ジョルジュ・スーラ『踊る道化』とエリザベス・ペイトン『ジョン・ライドン、ラファイエット』、岸田劉生『村娘之図』と奈良美智『無題』、アーティストの分身の青りんごを描いたルネ・マグリット『ビュー・ニューヨーク』と草間彌生の『南瓜』と10組のペアリングをご紹介頂きました。宮津さんの解説にとどまらず、副館長がシャガールに会った話、ウォーホルのモデルになった話や館長が最愛のスーラのデッサンを断れずにワシントン・ナショナルギャラリーに貸し出したところ買いたいと言われて慌てた話、さらには、現場にいた作家のタワン・ワトゥヤさんやMiNDXのプロデューサーにコメントを求めたりと、アクティブなオープニング・イベントとなりました。長谷川副館長がアンディ・ウォーホルのモデルになった裏話を披露。今回のペアリングは、ルネ・マグリッドの青りんごと草間彌生の南瓜のように視覚的な共通点に着目した組み合わせであったり、アンリ・マティスとオラファー/エリアソンの作品のように、異世界への扉を象徴する「窓」に着目した組み合わせがあったりと、ペアリングのあやを楽しみながら鑑賞すると新たな発見があるにちがいありません。根っからのコレクターである宮津さんが選んだ珠玉のペアリングを「美術に関する先入観や既成概念を捨てて」笠間日動美術館へ行って堪能してみませんか。DRESS会員にはチケットプレゼントもございます。■展覧会概要■展覧会名シンクロニシティ‐宮津大輔コレクション×笠間日動美術館 響き合う近・現代美術‐■会期2019年3月23 日(土)- 5月19日(日)■会場笠間日動美術館 企画展示館 茨城県笠間市笠間978-4■開館時間午前9時30 分より午後5時(入館受付は午後4時30分まで) 休館日毎週月曜日 (但し4月29 日、5月6日は開館、5月7日は休館)■入 館 料大人 1000 円、65歳以上 800円、大学・高校生 700円、中・小生 500円■主催公益財団法人日動美術財団笠間日動美術館■特別協賛野村ホールディングス株式会社株式会社DRESS■お問合せ先:TEL:0296-72-2160※会期中に作品保存などの理由より、展示替えする場合があります。また、メディア・アートにつきましては、機材や記録媒体などの都合より鑑賞いただけない場合があります。日本初公開となるMiNDXのインスタレーション『コンフォートゾーン』■交通案内【J R 利 用】・常磐線友部駅北口(9:55/10:50/11:50発)より「かさま観光周遊バス」(100円)、または市内循環バスで約15分。「日動美術館入口」下車徒歩1分・水戸線笠間駅より徒歩約25分(日動美術館・春風萬里荘共、但し方向は逆)、「かさま観光周遊バス」またはレンタサイクルの利用が便利です。【自動車利用]】・常磐道友部JCT経由、北関東道友部ICより国道355号線経由約6キロ・東北道栃木都賀JCT経由、北関東道笠間西ICより国道50号線経由約8キロ■宮津大輔さんプロフィール1963年東京都出身。アートコレクター、横浜美術大学教授、京都造形芸術大学客員教授。1994年以来、企業に勤めながら収集したコレクションや、アーティストと共同で建設した自宅が国内外で広く紹介される。文化庁「現代美術の海外発信に関する検討会」委員、「Asian Art Award 2017」審査員等を歴任。著書に『現代アート経済学』(光文社新書)、『現代アートを買おう!』(集英社新書/中国・金城出版/台湾・Uni Books/韓国・Art Books)、『アート×テクノロジーの時代』(光文社新書)などがある。
2019年04月01日1月下旬に九段ハウスで開催された『森山大道展』のキュレーターを務めた宮津大輔さん。400点にのぼる現代アートのコレクターとしても知られる彼のコレクションと笠間日動美術館所蔵の作品を厳選し、ペアリングして展示するという、新たな視点の試みが、2019年3月23日より『シンクロ ニシティ‐宮津大輔コレクション×笠間日動美術館 響き合う近・現代美術 ‐』と題し、開催されます。アンリ・マティス《窓辺に座る女》1919-20 年Henri Matisse “Woman by the Window”向かい合う岸田劉生の《村娘図》(1919年)と奈良美智の《無題》(1998年)は、一見無邪気であるがゆえに、時に現れる少女の残酷性を見事に表しています。このほか草間弥生の《南瓜》(1981 年)とルネ・マグリットの《ビュー・ニューヨーク》(1946年)、アンリ・マティスの《窓辺にすわる女》(1919-20年頃)とオラファー・エリアソンの光を使ったインスタレーション《大輔のためのウィンドウ・プロジェクション》(2011年) など、35組の様々なペアリングを紹介。これら19世紀から21世紀に創作された多種多様な作品を見比べ、美術の持つ大いなる可能性とコレクションに込められた豊かな思いを堪能できます。さらに、宮津さんが昨年9月、オーストリアのリンツで行われたアートの祭典「アルス・エレクトロニカ2018」で注目した体験型インスタレーション『ComfortZONE』(MiND X)も今回日本で初めて、マックス・エルンストとのペアリングで展示されます。『Comfort ZONE』MiND X2018■ペアリングルネ・マグリット/草間弥生岸田劉生/奈良美智アンリ・マティス/オラファー・エリアソンヴィンセント・ファン・ゴッホ/ライアン・ガンダー ジョルジュ・ブラック/蔡国強北大路魯山人/フィリックス・ゴンザレス=トレズ/ ヤン・ヴォーアントワーヌ・ブールデル/アグス・スワゲ高橋由一/ジョージェ・オズボルトマックス・エルンスト/ MiND Xジョルジュ=ピエール・スーラ/エリザベス・ペイトン ラグーザ玉/森山大道シャイム・スーチン/オラファー・エリアソンオーギュスト・ルノワール/アピチャッポン・ウィーラセタクンパブロ・ピカソ/アリエル・シェルシンガーパブロ・ピカソ/ステファン・バルケンホール マルク・シャガール/リム・ソクチャンリナ ジョアン・ミロ/マリナ・ラインガンツ上記を含む35組70点を予定ポール・セザンヌ《聖アントニウスの誘惑》1874年Paul Cézannzannzannzanne "Temptation of St. Antony"■宮津大輔さんプロフィール1963年東京都出身。アートコレクター、横浜美術大学教授、京都造形芸術大学客員教授。1994年以来、企業に勤めながら収集したコレクションや、アーティストと共同で建設した自宅が国内外で広く紹介される。文化庁「現代美術の海外発信に関する検討会」委員、「Asian Art Award 2017」審査員等を歴任。著書に『現代アート経済学』(光文社新書)、『現代アートを買おう!』(集英社新書/中国・金城出版/台湾・Uni Books/韓国・Art Books)、『アート×テクノロジーの時代』(光文社新書)などがある。■展覧会概要展覧会名シンクロニシティ‐宮津大輔コレクション×笠間日動美術館 響き合う近・現代美術‐会期2019年3月23 日(土)- 5月19日(日)会場笠間日動美術館 企画展示館 茨城県笠間市笠間978-4開館時間午前9時30 分より午後5時(入館受付は午後4時30分まで) 休館日毎週月曜日 (但し4月29 日、5月6日は開館、5月7日は休館)入 館 料大人 1000 円、65歳以上 800円、大学・高校生 700円、中・小生 500円主催公益財団法人日動美術財団笠間日動美術館特別協賛野村ホールディングス株式会社株式会社DRESSお問合せ先:TEL:0296-72-2160*会期中に作品保存などの理由より、展示替えする場合があります。また、メディア・アートにつきましては、機材や記録媒体などの都合より鑑賞いただけない場合があります。■交通案内[J R 利 用]・常磐線友部駅北口(9:55/10:50/11:50発)より「かさま観光周遊バス」(100円)、または市内循環バスで約15分。「日動美術館入口」下車徒歩1分・水戸線笠間駅より徒歩約25分(日動美術館・春風萬里荘共、但し方向は逆)、「かさま観光周遊バス」またはレンタサイクルの利用が便利です。[自動車利用] ・常磐道友部JCT経由、北関東道友部ICより国道355号線経由約6キロ・東北道栃木都賀JCT経由、北関東道笠間西ICより国道50号線経由約8キロ
2019年02月13日「シド・ミード展 PROGRESSIONS TYO 2019」が、東京・千代田区にあるアーツ千代田3331にて2019年6月2日(日)まで延長開催が決定。“100年に1人の逸材”シド・ミードとは?シド・ミードは、“ビジュアル・フューチャリスト”として活動する世界的インダストリアルデザイナー。フォードのカーデザイナーとしてキャリアをスタートさせ、数々のプロダクトデザインを手掛けてきた。また、映画『スタートレック』や『ミッション インポッシブル3』『エイリアン2』など、誰もが知る名作映画のコンセプトアートを手掛けたことでも知られている。本展では、シド・ミードが所有する膨大なアーカイブ作品から厳選した150点もの作品を、4つのパートに分けて紹介する。PROGRESSIONS「PROGRESSIONS」は、初期の水彩画から最新作まで、シド・ミードが自ら選んだオリジナル作品50点を展示。初期作品集「センチネル」「オブラゴン」などのカバーアートをはじめ、宇宙や建物、自動車などの作品が一堂に会する。また、これらはアジア初公開となる。The Movie Art大作ハリウッド映画作品からデザイン・スケッチやイラストレーションをピックアップした「The Movie Art」。シド・ミードが初めて手掛けた映画『スタートレック』やSF映画の金字塔『ブレードランナー』『エイリアン2』など、多数のハリウッド映画からデザイン・スケッチを展示する。世界初公開となる未制作映画や未発表の初期デザイン、プロモーション用アートも必見だ。TYO Special「TYO Special」は、日本でのシド・ミードによるプロジェクトにフォーカス。『YAMATO 2520』のCADによる設計図やイラストレーション、『∀ガンダム』のモビルスーツのデザインやポスターアートなど、シド・ミードが手掛けた貴重な日本のアニメーション作品を展示。また、HONDA、国際スポーツフェアなど、世界初公開となるものも展示される。Memories Of The Future ―Matsui Collection「Memories Of The Future ―Matsui Collection」では、シド・ミード研究家・コレクターの松井博司の秘蔵コレクションから、『Hot Wheels』のポスターデザインなど厳選された作品が並ぶ。さらに、世界初公開となる鉛筆による下絵、マーカーによるスケッチ、トレース画なども展示。完成画に至る制作過程を原画で追っていくことができる。【詳細】シド・ミード展 PROGRESSIONS TYO 2019会期:2019年4月27日(土)~6月2日(日)※展覧会グッズ売り場のみ、 5月28日(火)までの営業。会場:アーツ千代田 3331 / 1Fメインギャラリー住所:東京都千代田区外神田6丁目11-14時間:11:00~20:00(最終入場は閉館の30分前まで)定休:会期中無休(館内施設は火曜定休)料金:当日2,000円/学生(大学生・専門学校生以下)1,000円/小学生以下無料/障害者手帳持参者および付添者1人無料
2019年02月10日猫クリエイターによる合同写真展&物販展「ねこ休み展」冬の本祭が、2019年1月25日(金)から2月24日(日)まで、東京・浅草橋のTODAYS GALLERY STUDIOにて開催される。これまで55万人以上を動員してきた、人気の猫クリエイターによる、ねこの合同写真展&物販展「ねこ休み展」。SNSで人気のスター猫の写真をはじめ、キャットモチーフのグッズ販売などを行っている。「ねこ休み展」冬の本祭では、過去にふーちゃん、うらちゃん、ホイちゃんなどのスター猫を描き下ろした福嶋吾然有が、無防備な寝姿で人気の猫“どんぐり”とコラボレートした作品を展示。サイン・シリアル⼊りの複製ポスター、ミラー、マウスパッドなどのグッズも限定販売される予定だ。また、北海道で過ごすスター猫「ももとみらい」も初参戦。北国の四季の移り変わりとともにのびのびと過ごす猫たちの自由な姿を映した写真を展示予定だ。開催期間中の2月22日(金)の“猫の日”には、営業時間を22時まで延長。19時よりから「ミッドニャイトパーティー&ワークショップ」として、Mai Yamamotoによるオリジナルザビエルの作り方を初公開。通常つけていない鈴やリボンなどのデコレーションも、最大2個まで施すことができる。【詳細】「ねこ休み展」冬の本祭開催期間:2019年1月25日(金)~2月24日(日)11:00〜19:00※2月22日(金)猫の日のみ、22:00まで開館。会場:TODAYS GALLERY STUDIO住所:東京都台東区浅草橋 5-27-6 5F休館日:月曜日入場料:500円※3歳以下は入場無料出展者 : 34組■ミッドニャイトパーティー&ワークショップMai Yamamoto<オリジナルザビエルの作り方>参加費:1,800円+税日時:2月22日(金) 19:00〜 先着30名
2019年01月21日国内外で活躍する現代美術アーティスト・加賀美健によるコレクション展「加賀美健の リ展 KEN KAGAMI’s COLLECTION “RI”」が、1月18日から27日まで東京・中目黒にあるギャラリー ボイルド(VOILLD)にて開催される。2018 © Kenkagami / Courtesy of VOILLDドローイング、スカルプチャー、パフォーマンスなど幅広い表現で人々に刺激を与え続けている加賀美健。国内外で活躍する傍ら、自身がオーナー、バイヤーを務める「ストレンジストア(STRANGE STORE)」でもオリジナルのアイテムや古着、雑貨、若手作家による作品集やグッズ、企画展を展開しており、「面白いもの」を収集するという事に日々余念がない。彼の類を見ないユーモアや審美眼は、常に多くの人々を惹きつけている。本展は2018年に開催された「そ展」に続く、加賀美の4度目のコレクション展となる。加賀美が様々なコレクションを増やしていく中で、ある時、ある事がきっかけになって取り憑かれたように収集しはじめた、ある物。気づけばその「ある物」は膨大な量となって、スタジオの一角で息をひそめていた。滅多にお目にかかることのできない、普段は気にも止めないかもしれない、しかしながら多くの人々の記憶の片隅には残っている「ある物」達を、こっそりとお披露目する本展。加賀美を夢中にさせた「ある物」とは一体なんなのか? 「リ」とは何を意味しているのか? 会場にてすべての謎が解かれる。初日となる1月18日の20時からは、加賀美健・平山昌尚・とんだ林蘭の3名によるトークショー「加賀美健、平山昌尚、とんだ林蘭 男2名、女1名 昔のドリカムか!しょっぱなこれかよ待ったなし割り勘御免トークショー2019」を、先着順・参加費無料にて開催。また、会場ではボイルドと加賀美のコラボレーションによる新作アイテムも販売する。【展覧会情報】加賀美健の リ展 KEN KAGAMI’s COLLECTION “RI”会期:1月18日~27日会場:VOILLD(ボイルド)住所:東京都目黒区青葉台3-18-10 カーサ青葉台B1F時間:14:00〜19:00(土日は12:00〜18:00)休館日:月曜、火曜
2019年01月15日中学生との日々を切り取り、多くの共感を呼んでいる現役美術教師、イトウハジメさんの3作目『放課後のオレンジイトウ先生の美術ノート』は、本人いわく「瞬間」を意識している。「笑いやかわいさもそうですが、本作はネガティブな面も好んで含めていきました。背伸びしたり、幼さを見せたり、忙しいところがこの世代ならではの魅力だと思います。男子のギャグセンスの高さとか、女子の圧倒的に大人びた言動とか、振れ幅の大きさに日々笑っています」切り取られている「瞬間」は、何かとややこしい中学生の頃、誰もが通り過ぎてきたような風景なのだが、その“取るに足らなさ”の積み重ねが、かけがえのない時間であったことに気づかされる。イトウさんは「はじめに」で、マンガともエッセイともいいがたい「なんとも分類しにくい本」と断っているのだが、それにはこんな意図があった。「自分の考えるマンガと本作の違いは、登場人物です。マンガは読むほどに登場人物の個性が光って、何かを得たり、謎が解けたりします。一方、この本では、いつまでも人物の曖昧さが解けないし、話のゆくえも不透明なままなので、ちょっと不思議な感覚が残るような気がします」多くのエピソードがたった2ページで展開するのも、不思議な印象を後押ししているだろう。「余分な情報を省いて、ポイントだけ描く2ページは、楽しいのと難しいのと半分ずつです。できあがった話を色に分類して章立てしてみたら、ブルーやグレーが圧倒的に多くて慌てました。個人的には一番苦手な色ですが、恋心とかユーモアを入れたピンクを足して、やっとちょうどいい塩梅になったと思います」ちょっとしたことで、泣いたり笑ったり、落ち込んだり。あるいは「どうしてまた?」と言いたくなるようなところで、やけに自信たっぷりだったり。多感な時期の心は、本当にカラフルに七変化していく。こんな優しい眼差しを持った先生とその頃に会えていたらよかったな、と思ったりもするのだが、たぶんきっと、会えてもいたのだろう。「学校は再発見の場所。中学時代の自分とか、当時のこだわりとか、苦手な人とか……。それを見つけて、意味を見直すことの繰り返しです。でも、先生になってみないと得られなかった視点はとても多いですね」『放課後のオレンジイトウ先生の美術ノート』インスタ発、現役美術教師のゆるゆる日常マンガ。マンガ専用のペンやシートではなく、手になじんだ道具を使っているという絵の心地よさもさすが。KADOKAWA1100円イトウハジメ大学院で美術教育を研究するかたわら、中学校、短期大学で教壇に立つ。著書に『イトウ先生、授業の時間です。』『美術学生イトウの青春』。最近は姪っ子の話を教室でしすぎる日々。※『anan』2019年1月2・9日号より。写真・中島慶子インタビュー、文・兵藤育子©イトウハジメ/KADOKAWA(by anan編集部)
2019年01月08日ねこの合同写真展&物販展「ねこ休み展」のスピンオフ企画「まるごとホイちゃん展 in ⼤阪」が、ルクア大阪にて開催。期間は、2019年1月16日(水)から21日(月)まで。「ねこ休み展」史上初の単独展開催となる本展。記念すべく第1回目の主役に選ばれたのは、「ねこ休み展」で⼈気の⽢えん坊猫“ホイップ”こと、通称“ホイちゃん”だ。まるで「チクワ」のようなユニークな模様の毛並みを持つホイちゃんは、その愛らしい姿からSNSで25万人超えのフォロワーを持つアイドル猫でもある。今回は、そんなホイちゃんに焦点をあてた新作や未公開作品を展示。また2.5メートルを超える超巨⼤化したホイちゃんと写真が撮れるフォトスポットも設置予定など、会場全体がホイちゃん一色に彩られる。ファンにはたまないグッズコーナーには、「ねこ休み展」ゆかりの作家陣とのコラボレーションアイテムも登場。<灯さかす>とタッグを組んだステッカーや、<marucoro chan>とコラボレートした「ホイちゃんこけし」など、会場でしか手に入らない限定グッズが並ぶ。さらに期間中は、先着入場者1000名に、ホイちゃんの姿を捉えたオリジナルポストカードを配布する嬉しい特典も用意。なお1月19日(土)と20日(日)には、ホイちゃんの飼い主である“ホイ主”も在廊する予定だ。【詳細】「まるごとホイちゃん展 in ⼤阪」期間:2019年1月16日(水)~21日(月)10:00〜21:00 ※最終⽇のみ19:00閉場休館日:なし場所:ルクア大阪 9階 LUCUAホール住所:⼤阪市北区梅⽥3-1-3⼊場料:300円 ※3歳以下無料※上記は予定の為、内容が変更になる可能性有り■アイテム例<灯さかす>ステッカー 2種 各700円<0313>オリジナルトートバッグ 2,400円<marucoro chan>ホイちゃんこけし 2,500円■入場者特典先着入場者1000名に、ホイちゃんのオリジナルポストカードがプレゼント
2018年12月28日原美術館で19年前に開催し大きな反響を呼んだ、世界的に注目されるフランスの女性現代美術作家・ソフィ カル(Sophie Calle)の個展「限局性激痛」を、フルスケールで展示する再現展『「ソフィ カル―限局性激痛」 原美術館コレクションより』を、2019年1月5日から3月28日まで、原美術館にて開催する。Sophie Calle Exquisite Pain, 1984-2003 © Sophie Calle / ADAGP, Paris 2018 and JASPAR, Tokyo, 2018同展は日本の美術館におけるカルの初個展として開催され、会期終了後、全出品作品がコレクションに加えられた。「限局性激痛」とは、医学用語で身体部位を襲う限局性(狭い範囲)の鋭い痛みや苦しみを意味し、カル自身の失恋体験による痛みとその治癒を、写真と文章で作品化したもの。人生最悪の日までの出来事を、最愛の人への手紙や写真で綴った第一部と、不幸話を他人に語り、代わりに相手の最も辛い経験を聞くことで自身の心の傷を少しずつ癒していく様子を美しい写真と刺繍で綴った第二部で構成されている。Photo : Jean-Baptiste Mondino見知らぬ人々を自宅へ招き、自分のベッドで眠る様子を撮影したものにインタビューを加えた「眠る人々」(1979年)や、ヴェネツィアのホテルでメイドをしながら、宿泊客の部屋の様子を撮影した「ホテル」(1981年)、拾ったアドレス帳に載っていた人物にその持ち主についてのインタビューを行い、日刊紙リベラシオンに連載した「アドレス帳」(1983年)など、常に論争を巻き起こしている彼女の作品。90年代の「本当の話」や「ヴェネツィア組曲」などの初期の代表作を制作する一方で、「盲目の人々」(1986年)から始まった盲人に焦点を当てたシリーズにおいて、美術の根幹に関わる視覚・認識についての深い考察を行っている。また、カルの生き方に感銘を受けたポール オースター(Paul Auster)が、彼女を小説「リヴァイアサン」の登場人物マリア ターナーのモデルとしたことをきっかけに、逆にカルがターナーを演じた作品「ダブル・ゲーム」(1998年)を発表するなど、その活動は現代美術の枠組みを超えて広く注目を集めている。「ソフィ カル―限局性激痛」1999-2000年 原美術館での展示© Sophie Calle / ADAGP, Paris 2018 and JASPAR, Tokyo, 2018日本滞在が契機となって誕生した作品「限局性激痛」は、日本で最初に発表したいという作家の希望を受けて1999年の原美術館での展覧会のためにまず日本語版が制作され、その後フランス語や英語版も世界各国で発表された。フランス語版は、ポンピドゥー国立近代美術館での大個展(2003 - 2004年)に出品された後、同館コレクションに加わった。「限局性激痛」第二部で特徴的なのは、テキストが全て刺繍でつづられている点。「見本と寸分違わず刺繍できる凄腕の職人がフランスにいる」という作家の情報を受けて、当初、日本語のテキストをフランスで手刺繍してもらう予定だったが、新潟にある刺繍工場の方と偶然にも幸福な出会いがあり、まずは膨大な量の日本語版の機械刺繍が完成した。生地は作家こだわりの麻布をベルギーから取り寄せ、作家も出来栄えに大いに満足。その結果、フランス語版と英語版も新潟で制作。ソフィ作品の命ともいえるテキストは、コピーライターの竹内桃子が、原文にあるニュアンスを取り込みながら日本語版テキストを完成させた。「ソフィ カル―限局性激痛」1999-2000年 原美術館での展示© Sophie Calle / ADAGP, Paris 2018 and JASPAR, Tokyo, 2018また15年間封印されていた思い出の品々、例えば行動を記録した手書きのメモ、地図、ポラロイドやコンタクトプリント、(中国の)紙幣、そしてあってはいけない某ホテルの鍵など、全てひとまとめにしまわれていた第一部で被写体となった品々は、作品制作を決めた作家がこれを開封し、メモや記憶をたよりに必要に応じてその地を再訪するなどして、数年をかけてこのシリーズ作品が完成。第二部で、自らの最もつらい体験をカルの失恋体験と交換した相手の中には、哲学者やアーティストもおり、同館にて2012年に個展を開催したフランスの現代美術作家、ジャン=ミシェル オトニエル(Jean-Michel Othoniel)も実はその一人だ。会期中の2月1日には、原美術館のザ・ホールにて、アーティスト・トーク(作家来日予定)が開催。詳細は決まり次第、原美術館ウェブサイトにて掲載。日曜日と祝日には、学芸員によるギャラリーガイドを実施。ザ・ミュージアムショップでは、フランス語版『Douleur Exquise』を、ショップ限定の和訳テキストを付録として販売する。また、緑ゆたかな庭に展示された作品を眺めながら、季節感あふれる菓子や食事、ドリンクを楽しめる館内のカフェ ダールでは、開催中の展覧会にあわせた「イメージケーキ」(755円)を提供する。会期中、都内2箇所でもソフィ カルの個展を同時開催。2019年2月2日から3月5日にギャラリー小柳にて「ソフィ カル «Parce Que »(なぜなら)」が、2月2日から3月11日にはペロタン東京にて「ソフィ カル «Ma mère, mon chat, mon père, dans cet ordre. »(私の母、私の猫、私の父、この順に。)」が開催され、作家も来日する予定。自身の人生をさらけ出し、他人の人生に向き合うカルの制作に触れてみては。【展覧会情報】「ソフィ カル―限局性激痛」 原美術館コレクションより会期:2019年1月5日〜3月28日会場:原美術館住所:東京都品川区北品川4-7-25休館日:月曜日(1月14日、2月11日は開館)、1月15日、2月12日時間:11:00〜17:00(水曜日は20:00まで、入館は閉館時刻の30分前まで)料金:一般1,100円、大高生700円、小中生500円※原美術館メンバーは無料、学期中の土曜日は小中高生の入館無料、20名以上の団体は1人100円引
2018年12月06日国際的にも注目されるコレクション「バッドアート」が日本で美術展を開催。バッドアート美術館とは、その名の通り「バッドアート」が並ぶ美術館。ことの始まりは、1994年、ボストンの画商スコット・ウィルソンがゴミの中から拾った一枚の絵。額縁だけ売るために拾ったつもりが、中の絵があまりに「バッド」で見逃せず、友人のジェリーが気に入って飾り始めた。この作品が第1号。それ以来、ジェリーのところにじわじわと集まった「バッドアート」が話題となり、国際的にも注目されるコレクションになっていった。この美術館に所蔵されるための選考基準は厳しく、単に下手なだけではだめ。真剣に創作されていること、何かが間違ってしまっていること、疑問は残るが称賛せざるを得ないもの、これらを満たさなければ認められない。今回は、800点を超える収蔵作品から110点が日本にて初公開。スペシャルサポーターは、しりあがり寿さんが務める。「ケンタウロスとバイカー」どこで何を間違えてしまったのか、同時に存在し得ないはずのふたりがなぜか出会ってしまった様子に、空の青さからさえも目が離せない。「チャーリーとシーバ」シマリスのチャーリーとシープドッグのシーバ。見れば見るほどおかしくなってくる、2匹の表情とこの状況。ポップな絆創膏の唐突さとチャーリーの目線がたまらない作品。Gallery AaMo(ギャラリー アーモ)東京都文京区後楽1-3-61東京ドームシティ クリスタルアベニュー沿い開催中~2019年1月14日(月)10:00~18:00(最終入館は17:30まで)当日券1300円ほか開催期間中無休東京ドームシティわくわくダイヤルTEL:03・5800・9999※『anan』2018年12月5日号より。(by anan編集部)
2018年12月01日ネスカフェ 原宿では、2018年12月4日(火)から25日までの期間限定で「ネスカフェ フォトラテ 飲める美術展」を開催する。ゴッホ「ファンゴッホの寝室」、モネ「睡蓮(1906年)」、葛飾北斎「神奈川沖浪裏」など、著名な画家の作品を描いた全20種類のラテアートが楽しめる本イベント。会場内の特設ブースに作品が展示されるほか、好みの絵画が選べる体験ドリンクメニューも数量限定で販売される。ユニークなラテアートに使用されているのは、ネスカフェが2018年10月にオンラインショップで販売をスタートした、写真やイラスト、メッセージで作るオリジナルのラテアートシート「ネスカフェ フォトラテ」。会場で作品に触発された人は、是非自分オリジナルのラテアート作りにも挑戦してみてはいかがだろう。【開催概要】「ネスカフェ フォトラテ 飲める美術展」開催期間:2018年12月4日(火)〜12月25日(火)時間:11:00〜21:00(ラストオーダー20:30)会場:ネスカフェ 原宿(東京都渋谷区 神宮前 1-22-8)作品展示時間:14:00〜14:10、16:00〜16:10、18:00〜18:10の1日計3回ドリンクメニュー:300円(税込)※「カフェラテメニュー」1杯と展示作品の「ネスカフェ フォトラテ」1枚の体験セット。数量限定。※ドリンクメニューは、開催初日の12月4日(火)のみ14:00から販売スタート。<展示ラテアート作品>(1)フィンセント・ファン・ゴッホ「ファンゴッホの寝室」(2)クロード・モネ「睡蓮(1906年)」(3)葛飾北斎「神奈川沖浪裏」(4)フィンセント・ファン・ゴッホ「自画像(1887)」(5)フィンセント・ファン・ゴッホ「自画像(麦わら帽をかぶったもの)」(6)フィンセント・ファン・ゴッホ「ルーラン夫人ゆりかごを揺らす女」(7)ヨハネス・フェルメール「水差しを持つ女」(8)ヨハネス・フェルメール「信仰の寓意」(9)ポール・セザンヌ「リンゴの籠」(10)ピエール=オーギュスト・ルノワール「2人の姉妹(テラスにて)」(11)ポール・セザンヌ「エスタックから眺めたマルセイユ」(12)エドヴァルド・ムンク「窓辺の少女」(13)クロード・モネ「静物、りんごとぶどう」(14)ポール・ゴーギャン「マハナ・ノ・アトゥア(神の日)」(15)ピエール=オーギュスト・ルノワール「ピアノを弾く婦人」(16)フィンセント・ファン・ゴッホ「糸杉のある麦畑」(17)アンリ・ルソー「獅子座の食事」(18)エドゥアール・マネ「アルジャントゥイユの家の庭のモネの家族」(19)エドガー・ドガ「ダンスレッスン」(20)東洲斎写楽「市川鰕蔵の竹村定之進」※ドリンクメニュー提供作品は、(1)〜(10)。事情により変更される場合あり。
2018年11月25日バレエ史料・美術・衣装などを展示する展覧会「薄井憲二バレエ・コレクション特別展 The Essence of Beauty バレエー究極の美を求めてー」が、横浜・そごう美術館にて開催される。期間は2018年11月23日(金・祝)から12月25日(火)まで。「薄井憲二バレエ・コレクション」とは日本バレエ協会前会長の薄井憲二が収集した「薄井憲二バレエ・コレクション」は、バレエの始まりから現代までを広くカバーする世界でも有数のコレクション。ダンサーたちの自筆の手紙やメモ、写真、当時の公演プログラム、台本、美術的価値の高いリトグラフや絵画、ポスター、陶器、絵はがき、書籍や雑誌といった文献資料など、6500点を超える貴重な史料が揃う。史料・美術・衣装など約300点を展示「薄井憲二バレエ・コレクション特別展 The Essence of Beauty バレエー究極の美を求めてー」では、このコレクションの中から、バレエの歴史・バレエ美術・チャイコフスキー三大バレエに関する品を約300点セレクト。衣装や、映像なども交えて、バレエの美の世界を紹介していく。展示されるのは、マリー・タリオーニが踊ったバレエ作品『ラ・シルフィード』を表現したアンティークプリントや、"日本バレエの母"とも称されるエリアナ・パヴロバの遺品、東京シティ・バレエ団の再演で注目を集めた藤田嗣治『白鳥の湖』の草案模写・舞台模型といった舞台美術など。牧阿佐美バレヱ団のチャイコフスキー三大バレエ『白鳥の湖』『眠れる森の美女』『くるみ割り人形』から約30点におよぶ衣装や、『瀕死の白鳥』を代表作に持つバレリーナ アンナ・パヴロワの映像も紹介する。【詳細】薄井憲二バレエ・コレクション特別展 The Essence of Beauty バレエー究極の美を求めてー会期:2018年11月23日(金・祝)~12月25日(火) ※会期中無休開館時間:10:00~20:00(最終入館は閉館の30分前まで)会場:そごう美術館(神奈川県横浜市西区高島2-18-1 そごう横浜店6階)入館料:大人1,000(800)円、大学・高校生800(600)円、中学生以下無料※全て税込。( )内は前売および20名以上の団体料金。ミレニアム/クラブ・オンカード持参者は( )内の料金にて入館可。障がい者手帳各種持参者と同伴者1名は無料。前売券取扱場所:そごう美術館、セブン-イレブン、ローソンチケット、イープラス、チケットぴあ【問い合わせ先】TEL:045-465-5515
2018年11月24日現代美術アーティスト・加賀美健の回顧展「加賀美健 レトロスペクティブ(Ken Kagami Retrospective)」が、8月31日から9月17日まで、池袋パルコ本館7階のパルコミュージアムにて開催。Images courtesy of artist and MISAKO & ROSEN Photo by KEI OKANO加賀美健は、社会現象や、時事ネタを始め、美術史で起こる様々な問題、カルチャーなどすべてのジャンルをジョーク的発想に変換し、彫刻、絵画、ドローイング、映像、パフォーマンス等の美術作品を発表し続ける現代美術アーティスト。多くの彫刻には、アメリカのスリフトストアや東京の街角によくあるリサイクルショップで見つけたアイテムが使われている。使われなくなったものを取り扱うスリフトストアやリサイクルショップは、消費社会のせつなさの象徴でありながら、加賀美健の作品を通してみると楽観的でポジティブなアイデアへと変容していく。幼年期に誰しもが無意識的に経験する皮肉ないたずらを、大人になった今も作品を通して続けている。Images courtesy of artist and MISAKO & ROSEN Photo by KEI OKANO同展では、2000年代はじめに加賀美健を印象づけるきっかけとなったファウンドオブジェクトによる彫刻作品や、それとは逆の発想から得た伝統的なモチーフの彫刻作品に加え、近年精力的に取り組んでいるキャンバスにテキストを描いたシリーズなど、これまでのシリーズ作品を一挙に展示する。9月15日の14時からは、「Ken Kagamiのオールナイトすっぽんぽん!下ネタ厳禁バージョン!」と題した、加賀美健が自らラジオパーソナリティーを務めるラジオ風番組の公開録音イベントを開催。この他、展覧会記念グッズの販売も行う。最新情報は、公式サイト(www.parco-art.com)にて随時公開。【展覧会情報】加賀美健 レトロスペクティブ(Ken Kagami Retrospective)会期:8月31日~9月17日会場:池袋PARCO本館7F PARCO MUSEUM住所:東京都豊島区南池袋1-28-2時間:10:00~21:00(入場は閉場の30分前まで)※最終日は18:00まで料金:一般500円 学生400円 小学生以下無料
2018年08月17日現代美術家・内藤礼による、自然光での展覧会『内藤 礼―明るい地上には あなたの姿が見える』が7月28日から10月8日まで、水戸芸術館現代美術ギャラリーにて開催される。《無題》2009年(2008年−)神奈川県立近代美術館 鎌倉、神奈川 撮影:畠山直哉「地上に存在することは、それ自体、祝福であるのか」をテーマに制作する内藤は、光・空気・風・水・重力など無尽蔵な自然と、それらがもたらす色彩や音を受け取る地上の生を、ひそやかでありながら確かな希望を放つ形に昇華させた空間作品で国内外より高い評価を得ている。内藤はこれまで、きんざ《このことを》(直島、2001年)、《母型》(豊島美術館、2010年)のような自然や建築空間と呼応するパーマネント作品を手がけた他、フランクフルトのカルメル会修道院や東京都庭園美術館など、歴史的な場所で展示を開催してきた。国内において2014年以来の個展、かつ過去最大規模となる本展では、光を自身の作品における根源の一つとしてきた内藤が、初めて自然光のみによる光と生命と芸術が決して分別されることのない「地上の生の光景」を見つめる空間を生み出す。《無題(母型)》2008年 三渓園 横笛庵、神奈川[横浜トリエンナーレ2008] 撮影:畠山直哉内藤はある時、「地上の生の内にいる者(私)が生の外に出て他者の眼差しを持ち、生の内を眼差す無意識の働き」に気づき、「私たちは遠くから眼差され、慈悲を受け取っているのではないか」と感じるようになったという。本展は、一日を通して移り変わる豊かな自然光のもと、地上に生きる私たちと死者、生まれ来る者、動植物、精霊との交歓の場として、また永続する自然の動きと私たちとを貫く連続性を可感化する空間として立ち現れる。タイトルの「明るい地上には あなたの姿が見える」をもとに、内藤が水戸芸術館現代美術の空間と向き合う本展。新作を中心として、ギャラリー全8室が絵画や彫刻といった様々なメディアで構成され、一つの作品として立ち上がる。鑑賞者は全室を巡ることで、新たな内藤の作品世界と出会うことができる。《タマ/アニマ(わたしに息を吹きかけてください)》2005年 アサヒビール大山崎山荘美術館、京都 撮影:森川昇内藤は、日中の太陽の光が自室に注ぎ込む間のみ制作を行う。今回は、内藤が制作する光の環境に近い条件での作品鑑賞となる。とりわけ、絵画作品《color beginning》においては、人工照明では見ることのできない繊細で神秘的な色彩が立ち現れ、移りかわる光景を目にすることになる。関連プログラムとして、企画担当学芸員が展示について話すキュレータートークも開催される。【イベント情報】内藤 礼―明るい地上には あなたの姿が見える会期:7月28日〜10月8日会場:水戸芸術館現代美術ギャラリー住所:茨城県水戸市五軒町1-6-8 時間:9:30〜18:00(7月28日〜8月31日、入場時間は17:30まで)、9:30〜17:00(9月1日〜10月8日、入場時間は16:30まで)休館日:月曜日、9月18日、25日(9月17日、9月24日は開館)入場料:一般900円、前売・団体(20 名以上)700円、高校生以下・70 歳以上・障害者手帳をお持ちの方と付き添いの方1名 無料キュレータートーク会期:8月25日、9月15日会場:現代美術ギャラリー時間:14:00〜15:00 料金:無料(展覧会入場料に含まれる)
2018年07月05日人の似姿を描く肖像芸術人の似姿を捉えた肖像芸術は、西洋社会において最も広く普及した、最も長い歴史を持っている、主要な芸術ジャンルの一つです。しかし現在では、スマートフォンの高性能カメラでセルフィーを取ることが当たり前となり、私たちにとって今や最も身近な芸術といえるかもしれません。本展覧会では、その肖像芸術の起源に迫るべく…3000年以上も前の古代エジプトのマスクや古代メソポタミアの彫刻から19世紀ヨーロッパの絵画・彫刻まで、広範囲にわたる時代と地域の豊かなコレクションを対象とし、肖像芸術が担ってきた社会的役割や表現上の特質を浮き彫りにしています。そして、ルーヴル美術館の全8部門(古代オリエント美術、古代エジプト芸術、古代ギリシャ・エトルリア・ローマ美術、イスラム美術、絵画、彫刻美術工芸品、素描・版画)から代表する肖像の傑作を堪能できます。 肖像芸術の役割に迫る 肖像芸術が時代が経つにつれて、役割を豊かなものにしてきた事実を踏まえて、本展覧会ではゆるやかに時代順に展開しながら、テーマによる分類に基づきながら3つの章に分けています。第1章では、記憶・記念するという肖像の最も古い役割に焦点を当て、重要な人物の死と結びつき、社会や神々を個人の信仰心の証言者にしようとする願望が関連づけられ、故人の肖像、奉納像、祈祷像で構成されています。例えば、記憶という肖像の機能が発揮された主要分野である葬礼美術では、故人や親族の記憶を永久的に残すため、肖像彫刻を施した墓碑が存続しています。第2章では肖像芸術が最も古くから担ってきた一つの役割である権力の顕示にフォーカスしています。王や皇帝など最高権力を振るった君主にとって、自らの似姿である肖像は権威を広く知らしめる最も有効な手段でした。絶対権力を握った君主などの作品を通して、肖像芸術が担った政治的役割や意味を考察し、権力者の肖像表現を浮かび上がらせています。この章で特に注目して欲しいのは、「吾輩の辞書に不可能の文字はない」という名言を残したナポレオンの作品。素早いタッチで生き生きと描写した若き将軍時代にはじまり、フランス皇帝に即位した戴冠式の正装の姿や、幽閉先であるセントヘレナ島で亡くなったデスマスクなど、彼の人生に想いを馳せることができます。第3章では古代より培われてきた上流階級の肖像表現に含まれるルールを踏襲しつつ、その一方では各時代・地域・社会に特有の流行を反映しながら多様に展開を遂げていった肖像芸術を考察しています。男性、女性、子供と家族など、肖像のモデルの裾野が広がり、衣服や装飾品からモデルの人柄や個性が浮き彫りになっています。例えば何処から見ても目を合わせることができない「美しきナー二」が着用しているドレスは、当時ヴェネツィアで流行していたスタイルで、未婚の女性は着用できませんでした。また、手を胸に当てる仕草は、伴侶への忠実さを表しているのだそう。このように肖像画から様々なことが読み取れます。 多義性を帯びた奇想 ただ1人の人物に似せることを特徴とする「肖像」は、多義性とは相容れないように思われます。しかし、ルネッサンスから20世紀のシュルレアリスムまで、多義性を帯びた奇想が華々しく展開された芸術ジャンルは肖像でした。肖像表現を特定するルールがどのように生まれ、地理的、歴史的、社会的な広がりのなかで、どのように変容的に永らえてきたのか理解することができる一方で、注文主からの圧力があるなかでも、芸術家の自由な創造力から刷新してきたのかを見て取れることもできるでしょう。本展覧会では高名な傑作と、貴重ですがあまり認知されていない作品、これを機に修復された作品も入り混じり、およそ110点が一堂に会します。これまでに例を見ない大規模な肖像展を通して、鑑賞者の視点によって様々なイメージへと変容していく楽しさを味わえる、「肖像芸術」の魅力に触れてみてはいかがでしょうか。【情報】 『ルーヴル美術館展肖像芸術ー人は人をどう表現してきたか』会期:2018年5月30日(水)~9月3日(月)場所:国立新美術館(東京・六本木)企画展示室1E休館:毎週火曜日(ただし8/14は開館)時間:10:00~18:00金・土曜日は、5・6月は20:00まで、7・8・9月は21:00まで*入場は閉館の30分前まで
2018年06月11日夢二の多彩な活動を紐解く出版・印刷業が集積した全国有数の街として発展してきた東京・千代田区。その中でも千代田区九段南にある出版社「龍星閣」は、高村光太郎による『智恵子抄』の版元以外にも、戦後には夢二の画集を次々と出版し、第二次夢二ブームを牽引した存在でもあります。本展覧会では竹久夢二の著作や画集の出版に際して、「龍星閣」創業者である澤田伊四郎により収集された、1200点を超える膨大なコレクションが寄贈されたことを記念し、その精華を紹介しているものです。会場内では、20歳の若き夢二が制作した外国文学の翻案や創作、さらに数点の手書きを含む画文集『揺籃(ようらん)』、そんな夢二の半生を綴った自伝小説『出帆』の挿絵原画が初公開されます。その他にも数多く出版された自身の画集をはじめ、装幀本、楽譜集、子どものための絵本、絵葉書や千代紙、半襟のデザイン、そして肉筆画に至るまで、竹久夢二の多彩な活動を紐解くことができます。 夢二はアーティストであり、プロデューサーだった?! 過去最大級となる500点以上の展示作品から、多彩な活動を様々な角度から紹介している本展覧会。夢二が手掛けた数多くの展示作品を目にすると…アーティストの側面を持ち合わせているだけでなく、プロデューサーとしての才覚も確認することができます。例えば、夢二が正式に結婚した唯一の女性・たまきが主人を務めた「港屋絵草紙店」では、夢二がデザインした千代紙、便箋や封筒、着物の半襟などの夢二グッズを販売していますが、時折若い芸術家たちが集わせて作品発表ができるギャラリーでもありました。そんな「港屋絵草紙店」を開店させた背景には、世間一般に自身を知ってもらうための拠点としてだけではなく、作品と鑑賞者や読者を手に届ける距離で提供していく商業的な目的のほか、自身の妻子を養うための経済的な理由も兼ね備えていたそうです。また、竹久夢二は女性遍歴が激しいことでも知られており、自身の女性関係を赤裸々に綴った書籍化を目指すなど、自分という1人のアーティストをプロデュースせずにはいられなかったのだと思いました。 竹久夢二に思いを馳せる 会場内の夢二作品を一望してみると、仕事として“他者”のことを考えながらも、自身の表現を探求していく様子が感じられます。一重には、夢二が装幀を手掛けた灰色の地に白抜きで表した柳、江戸情緒溢れる着物女性の半身像が描かれた『春の鳥』では、見返しの意匠がそれぞれ異なっており、同作品でも装幀の違いが楽しむことができます。二重には、夢二によるデザインが施された数多くの楽譜表紙は、日本や世界各国の楽曲をイメージを反映させ、様々なジャンルの要素を取り入れている様子が分かります…宗教絵画のようなマリア様や観音様が描かれている表紙や、ジョルジュ・ブラックによるキュビスム絵画のような『ベニスの夜』。その他にもスキャンダラスな内容の自伝小説『出帆』では、イタリア未来派の影響を受けた画風から、20世紀初期の美術運動を取り入れていることが分かります。そんな夢二作品は時代を越えても色褪せることなく、現在に生きる私たちの目を楽しませてくれます。それは先述に申し上げたことを踏まえ、商業品・消費品でありながらも、後世に自分の作品を残していけるよう、将来を見通していたのかは神のみぞ知るところですが…そんな想像を膨らませてくれるのもアートの楽しみ方の一つ。そんな手に届くアートを提供してくれる竹久夢二の作品が楽しめる本展覧会に足を運んでみてはいかがでしょうか。 【情報】『夢二繚乱』会期:2018年5月19日(土)〜 7月1日(日)会場:東京ステーションギャラリー休館:6月25日をのぞく月曜日時間:10:00 - 18:00※金曜日は20:00まで開館※入館は閉館の30分前まで
2018年06月02日「サンタフェ リー・ダークスコレクション浮世絵最強列伝―江戸の名品勢ぞろい―」展が、2018年7月3日(火)より、京都・相国寺承天閣美術館で開催される。日本美術を愛する収集家、リー・ダークスの浮世絵コレクションを初公開今回、その多大な所蔵作品を公開するリー・ダークスは、空軍士官として日本に駐留したのを契機に日本文化に関心を持って以来、浮世絵版画の名品を収集してきた米国人コレクター。浮世絵の祖・菱川師宣、美人画の喜多川歌麿、役者絵の東洲斎写楽、そして葛飾北斎や歌川広重など、代表的な浮世絵師の優品のみを集めたコレクションの数々を紹介する。華麗な色調を残した貴重な作品群浮世絵200年の歴史を網羅した稀品、著名作品で構成されているダークスコレクションは、浮世絵の歴史を語る上での重要性を持つだけにとどまらず、その大半が極めて良好な保存状態にあり、まるで今摺り上がってきたかのような華麗な色調を残しているのが特徴だ。200年の歴史と共に鑑賞する、浮世絵の真の芸術性展覧会は全六章で構成。菱川師宣や鳥居清信・清倍など、江戸独自の浮世絵文化を形成した浮世絵師に迫る第一章からはじまり、美人画・役者絵の国貞、武者絵・戯画の国芳、名所絵の広重と、幕末・天保期の浮世絵界を牽引した歌川派の絵師たちの作品を紹介する第六章まで、浮世絵の歴史を辿りながら、その真の芸術性を鑑賞出来るものとなる。浮世絵をモチーフにしたオリジナルグッズもまた、会場では浮世絵をモチーフにした展覧会オリジナルグッズも販売。本展における代表的な浮世絵を、光を吸収・蓄える特殊な素材でプリントした蓄光Tシャツ、ポップな色調と浮世絵を組み合わせたメガネケースなど、様々なグッズが用意されている。開催概要「サンタフェ リー・ダークスコレクション浮世絵最強列伝―江戸の名品勢ぞろい―」展会場:相国寺承天閣美術館開催期間:<前期>2018年7月3日(火)〜8月5日(日)<後期>2018年8月8日(水)〜9月30日(日)休館日:8月6日(月)、8月7日(火)開催時間:10:00〜17:00(最終入館は16:30)※前期、後期で全点展示替えを行う。チケット:一般 1,000円(800円)、65歳以上・大学生 800円(600円)、小中高生 500円(300円)、団体 800円(20名以上・一般のみ)※( )内は前売料金※リピーター割引あり(会期中2回目以降の鑑賞は、半券と引換にて100円割引※前売券は5月28日(月)から7月2日(月)までの限定販売。チケットぴあ(Pコード:769-039)、ローソンチケット(Lコード:52637)ほか、主要プレイガイド、コンビニエンスストアなどで販売■巡回展・山口県立萩美術館・浦上記念館会期:<前期>2018年4月28日(土)〜5月13日(日)<後期>5月15日(火)〜 5月27日(日)住所:山口県萩市平安古町萩市平安古586-1・横浜髙島屋会期:2018年10月10日(水)~10月22日(月)住所:神奈川県横浜市西区南幸1-6-31・日本橋髙島屋会期:2019年1月9日(水)~1月21日(月)住所:東京都中央区日本橋2-4-1・大阪髙島屋会期:2019年2月23日(土)~3月11日(月)住所:大阪府大阪市中央区難波5-1-5
2018年05月28日ジョルジュ・ブラック 晩年の境地 キュビスムの創始者であるジョルジュ・ブラック。20世紀初頭、パブロ・ピカソとともに対象物の立体的な全容を平面上に表現するために、分割と再構成という手法で革新をもたらした重要な画家として知られています。本展覧会は、これまで日本ではほとんど紹介されてこなかった、ブラックが最晩年に取り組んだ「メタモルフォーシス」シリーズの一連の作品群が、絵画を含めてまとまった形で約90点も来日し、日本で初めて本格的に展示する大変貴重な機会です。メタモルフォーシスという言葉は…「変身」「変容」という意味。ブラックの絵画作品から発展させ、陶磁器、ジュエリー、彫刻などの装飾芸術に至る様々な形態への移り変わりが感じられるとともに、彼の絵画から立体への昇華や、最終的な目的である“すべての造形物への美化への挑戦”を汲み取ることができます。 美麗な立体への飽くなき探求 右)ジョルジュ・ブラックトリプトレモス(部分)ブローチ(金とルビー)サン=ディエ=デ=ヴォージュ市立ジョルジュ・ブラック‐メタモルフォーシス美術館蔵Archives Armand Israël 絵画である二次元作品から三次元に変容させるブラックの情熱は、ジュエリー作品に加えて、ガラス彫刻、陶磁器、タピスリー、ステンド・グラス他、装飾芸術に至る様々な形態へと変化させていきます。モチーフは一緒でも様々な表情を見せてくれるプロダクトから、素材と形態の組み合わせを変えながら永遠の命を与えようとする試みが感じ取れることでしょう。ブラックの絵画が貴石と貴金属によって立体に変容した様子を目にした、フランス文化大臣のアンドレ・マルローが「ブラック芸術の最高峰」と絶賛したジュエリーの数々においては、崇高な彫刻とも言えるほどに、貴石や金属の美しさに魅了された画家の美への飽くなき探求が結実しています。 絵画作品や平面作品にも注目 本展覧会では、ジュエリーをはじめとする三次元に変容した作品紹介していますが、その原点となるジョルジュ・ブラックの画業の重要な遍歴を辿れるような構成になっています。最初の作品といわれている18歳の頃に描かれた《モンソー公園》をはじめ、貴重なキュビスム絵画《静物》が出品される他、「メタモルフォーシス」の制作活動の根幹である平面作品も紹介されています。第1章に展示されている一連のグワッシュ画は、その後の立体作品が作り出される下絵となり、晩年のブラックによるエネルギーを込められた躍動的な作品群です。 ブラックの人生もメタモルフォーシス 右)ジョルジュ・ブラックペルセポネ陶器サン=ディエ=デ=ヴォージュ市立ジョルジュ・ブラック‐メタモルフォーシス美術館蔵Archives Armand Israël 81歳で亡くなるまでの3年間に取り組んだ「メタモルフォーシス」シリーズ。そこに至るまでの彼の人生を思うと、まさに「変容」の一言に尽きます。少年時代は家業をついで装飾画家としての修行を積み、18歳でパリ・モンマルトルに住みながら夜間講座で油彩画やデッサンを学びながら最初の淡い色彩の作品を手掛けたり、フォーヴィスムの影響を受けて色彩豊かな作品を描いたり…そして、セザンヌとピカソから影響を受けてキュビスムを創始するとモノトーンの作品を制作するなど、その画風を一つずつ紐解いていくと彼の変化をたどることができます。そして、そのキュビスム絵画を探求していくにつれ、鑑賞品を超えて装飾品として生まれ変わっていく様子も変容と言えるでしょう。本展覧会は、ブラックの集大成ともいえる晩年の境地にフォーカスしていますが、そこへの道のりに想いを馳せながら鑑賞してみてください。 【情報】ジョルジュ・ブラック展絵画から立体への変容 ―メタモルフォーシス会期:2018年4月28日~6月24日会場:パナソニック 汐留ミュージアム住所:東京都港区東新橋1-5-1 パナソニック東京汐留ビル4階時間:10:00~18:00休館日:水曜日観覧料:一般1000円、65歳以上900円、大学生700円、中高生500円、小学生以下は無料※5月18日(金)国際博物館の日は入館無料会場
2018年05月22日没後40年を経た今でもなお、世界的に絶大な人気を集めるアーティスト、ゴードン・マッタ=クラーク(Gordon Matta-Clark)のアジア初の回顧展「ゴードン・マッタ=クラーク展」が、6月19日から9月17日まで東京国立近代美術館にて開催される。ゴードン・マッタ=クラーク Photo:Cosmos Andrew Sarchiapone©The Estate of Gordon Matta-Clark; Courtesy The Estate of Gordon Matta-Clark and David Zwirner, New York/London/Hong Kong. 1970年代ニューヨークを中心に活躍し、35歳で夭折したゴードン・マッタ=クラーク。アート、建築、ストリートカルチャーを始め、アーティストによる食堂「フード」の経営など、約10年に渡り多面的な活動を繰り広げた。世界経済が爆発的な成長を始めた時代、資本主義の実験場であったニューヨークで行われた彼の活動の核心とは、豊かなコミュニティーの創出にアートが寄与する方法の模索。軽やかでクール、そしてポエティックな彼の活動は、今でもなお、世界中の人々を魅了し続けている。《スプリッティング》1974年 ゴードン・マッタ=クラーク財団&デイヴィッド・ツヴィルナー(ニューヨーク)蔵©The Estate of Gordon Matta-Clark; Courtesy The Estate of Gordon Matta-Clark and David Zwirner, New York/London/Hong Kong.マッタ=クラークの作品は、その多くが個人蔵や、メトロポリタン美術館、ニューヨーク近代美術館といった欧米の著名美術館に所蔵されているため、これまでアジアでまとまった形で紹介される機会がなかった。本展では、都市を舞台に活動した彼にとって重要だった住まい、ストリート、港、市場、ミュージアムの5 つの“場所”にフォーカスし、彫刻・映像・写真・ドローイング・資料など、約200点を展示。今回、彼の代表作「ビルディング・カット」シリーズの中で、最大規模の立体作品となる《スプリッティング:四つの角》(サンフランシスコ近代美術館蔵)が初来日するなど、貴重な作品を観ることができる。《スプリッティング:四つの角》1974年 サンフランシスコ近代美術館蔵 San Francisco Museum of Modern Art, Purchase through a gift of Phyllis C. Wattis, The Art Supporting Foundation, the Shirley Ross Davis Fund, and the Accessions Committee Fund: gift of Mimi and Peter Haas, Niko and Steve Mayer, Christine and Michael Murra; Photo: Ben Blackwell; Courtesy the San Francisco Museum of Modern Art.会場では、1970 年代ニューヨークの文化的・社会的背景を示す資料や、私たちの住む現在の東京に関わる資料などを組み込むことで、変転する現代の都市における、マッタ=クラークの実践の今日的意味を浮かび上がらせる。今日、世界に先立って社会の収縮を迎えつつある東京。彼の軽やかでクール、そして詩的なアイデアの数々は、豊かに生きるためにいま何ができるかを、私たち一人ひとりが考えるためのさまざまなヒントを示してくれる。【イベント情報】ゴードン・マッタ=クラーク展会期:6月19日〜9月17日会場:東京国立近代美術館 1階 企画展ギャラリー住所:東京都千代田区北の丸公園3-1時間:10:00〜17:00 ※金・土は21時まで (入場は閉館の30分前まで)料金:一般 1,200円、大学生800円休館日:月曜日、7月17日(※7月16日、9月17日は開館)
2018年05月21日「タグチ・アートコレクション」とは? 「タグチ・アートコレクション」とは、実業家・田口弘氏により収集された国内有数の現代美術のコレクションのこと。400点を超える芸術作品を所有するコレクションから、世界で活躍する作家たちの作品を通して、現在の美術の動向が一望できます。本展覧会ではそのコレクションの中から、2000年代に制作された作品を中心に、約70点にも及ぶ作品を紹介しています。性別、出身地、宗教や文化が異なる作家たちは、私たちと同一の現代社会の暮らしの中で生きています。しかし、その作品からは社会の側面をユーモアに映し出す鏡であり、知らない価値観を教えてくれる大切なツールでもあります。会場を構成している分類にならいながら、美術的背景とともに作品をご紹介します。 モダンとポップ ー 美術とは何か?ー 左)ジュリアン・オピー街中で見るサインや標識のように簡略化された人物ですが、黒の輪郭線や小さく描かれた目によって表情を的確に捉えられています。17〜18世紀の肖像画家による古典的な作品が重ねられています。右)ヴィック・ムニーズマウリッツハイス美術館に所属されているヨハネス・フェルメール《デルフトの眺望》の裏面を忠実に再現した作品。19世紀後期から20世紀初期にかけて “写真” が登場すると、報道や記録の目的以外に芸術的表現も探求されるようになります。写真は美術の在り方を変えていきました。現実を再現するという写実主義が重要視されなくなり、20世紀前半は抽象表現が開拓されます。そして、20世紀後半には大衆文化を取り入れながらも大衆文化を批判する、大量生産・消費社会をテーマを軸とした写真を活用する「ポップアート」が誕生。その中でも、広告やアニメーションのイメージを取り込んだアンディー・ウォーホルは、日常的な人工物を作品に取り入れて非日常的なものと示し、美術の概念を問い直すような作品を手掛けました。このような「ポップアート」の系譜は、ジュリアン・オピーやロブ・プルイットの作品に見られます。その後、既存の美術作品や一般に流布しているイメージをそのまま流用する作品も登場しました。ヴィック・ムニーズやジョナサン・モンクは、古典的な作品を引き写して、美術にとって重要と考えられる「オリジナル」とは何かを問うような作品を制作しています。20世紀は「芸術とは何か?」という問いから、様々な表現方法が試みられ、各作家が考える作品が誕生しました。続く、21世紀もその概念は拡張し続けています。身体・アイデンティティ・物語 ー何故、私は私であるのか?ー 左)ガーナ系イギリス人のリネット・ヤドム=ボアキエは、黒人のモデルにして描く画家として知られています。描かれる人物には実在のモデルがいるわけではなく、自身の記憶をもとに思考のおもむくままに制作しているそうです。右)セバスチャン・ディアズ・モラレスの映像は、主人公が扉を通り抜けて別の空間へと移るシーンをループさせ、迷宮にいるかのような幻想的なストーリーを感じさせます。 「美術とは何か?」という問いが続けられている一方で、作品から意味を切り離すことができないと考え、作家の内発的なものを強調する場合もあります。このことは、人間の身体そのものや個人のアイデンティティーをテーマにした作品に特徴的にあらわれています。身体は個人にとって逃れようのないものですが、同時に鑑賞者が個人の意志に関わりなく、社会的に価値づけてしまうものです。作家たちは、自身をたらしめている要点となる身体そのものや、民族やジェンダーといったアイデンティティーの構成要素を、人間の存在に関わる問題として捉えています。また、ストーリーの要素を含んだ物語の手法による作品は、自身を取り巻く社会や人間関係が問いかけています。アイデンティティーに関わるものや物語を要素を感じさせる作品は、作家の個人的な体験や内発的な動機に依ながら、鑑賞者のイメージを喚起しているのです。作品の声に耳を傾けて会期中には担当学芸員によるギャラリートークが開催されなど、現代美術に馴染みがない人でも楽しめる取り組みが行われます。会場に展示されている様々な作品は、作家の独創的アイデアより、ユーモアと機知に富んでいます。一点、一点、作品の声に耳を傾けながら鑑賞することで、自分の知り得なかった概念や社会を教えてくれる重要なものとなるでしょう。作品を鑑賞しながら、おかしくて笑ってしまったり、ハッと気づかされたり、深く考えさせたりしながら、美術館でアート体験を楽しんでみてください。 【情報】『21世紀の美術 タグチ・アートコレクション展 アンディ・ウォーホルから奈良美智まで』会期:4月21日(土)〜6月17日(日)会場:平塚市美術館開館時間9:30 ~ 17:00( 入場は16:30 まで)休館日 月曜日(ただし、4/30 は開館)観覧料金一般800(640) 円/高大生500(400) 円※( ) 内は20 名以上の団体料金※中学生以下、毎週土曜日の高校生は無料※各種障がい者手帳をお持ちの方と付添1 名は無料※65 歳以上で平塚市民の方は無料、市外在住の方は団体料金(年齢・住所を確認できるものをご提示ください)
2018年05月17日“光の画家”と称されるターナー(美術館にて写真撮影の許可をいただきました) イギリスを代表する風景画の巨匠、ジョゼフ・ウィリアム・ターナー(1775~1851年)。ロンドンの下町であるコヴェント・ガーデンの理髪店に生まれた彼は幼い頃から絵を愛し、14歳でロイヤルアカデミー付属学校に入学。20代で画家としての地位を確立しました。穏やかな田園風景、荒れる海や険しい山岳など、そこで描く自然の様々な表情を優れた技法で表現した風景画は、今尚人々の心を捉えて離しません。独特の光や空気に包まれたターナーの画風は、フランスの印象派をはじめ、後世の芸術家に影響を与えました。本展覧会では、ターナーによる、油彩、水彩、版画約120点を英国各地と日本国内の美術館から集め、出展作品の多くが日本初公開となる大変貴重な機会です。 風景画から旅行を追体験 左)東郷青児記念 損保ジャパン日本興亜美術館内展示室作品(美術館にて写真撮影の許可をいただきました)右)筆者がオルセー美術館で撮影したセザンヌによるサント・ヴィクトワール山を描いた作品 本展覧会では、「地誌的風景画」「海景‐海洋国家に生きて」「イタリア‐古代への憧れ」「山岳‐あらたな景観美をさがして」のターナーの風景画に見いだすことのできる主要テーマに分けて紹介されています。当時、貴族の修学旅行ともいえるグランド・ツアーが流行り、国外への旅行者が増えたことが大きく関係しているといわれています。毎年、ターナーはイギリス国内はもとより、フランス、イタリア、スイス、ドイツなど、ヨーロッパ各地にも足を運び、膨大な風景をスケッチしました。ターナーが手掛ける絵画作品は、その土地の様子を精巧に描くことで、現代でいうところの『地球の歩き方』のような、旅行のガイドブック的役割を担っていました。是非、会場内を歩みながらヨーロッパ各国を旅する気分を味わってみてください。写真(右)は近代絵画の父と称されるセザンヌが、モチーフとしてよく描いてたサント・ヴィクトワール山。ターナーとの山の表現を見比べてみると表現の違いが明確で面白いですね!ビジネスマンの視点《風下側の海辺にいる漁師たち、時化模様》 1802年展示油彩・カンヴァス91.5×122cm サウサンプトン・シティ・アート・ギャラリーOn loan from Southampton City Art Gallery ©Bridgeman Images / DNPartcom 海が持つパワーを表現しようと果敢に挑戦した《風下側の海辺にいる漁師たち、時化模様》は、ターナーが晩年に買い戻そうとして叶わなかったというエピソードもある名作。荒れ狂う波に流されまいと帆を高く掲げる船や抗おうとする漁師たちの姿だけでなく、優れた技量によって自然の多様性さ、美しさ、ドラマを伝えています。日本と同じ島国であるイギリスでは、海景画は主要な芸術のジャンルだったそう。ターナーが生きた時代は、ナポレオンが率いるフランス軍の脅威にさらされていたため、イギリス国民全体が海に対する関心を共有していました。自然に対する理解と趣味が変化するなかで、より広範囲にわたる流行を認識して、ターナーは作品制作していたのだそう。そういった背景を読み取っていくと彼はビジネスマンの視点を持ち合わせていたことが分かります。作品の美しさだけに触れるのもアートの楽しみ方の一つですが、そういった発見から歴史や着眼点も学べると、もっとアートの楽しみ方が広がっていきますね! 是非、会場に足を運んでみてください。 【情報】 「ターナー風景の詩(うた)」展 会期:2018年4月24日(火)〜7月1日(日)会場:東郷青児記念 損保ジャパン日本興亜美術館住所:東京都新宿区西新宿1-26-1損保ジャパン日本興亜本社ビル42階休館:月曜日(ただし4月30日は開館、翌5月1日も開館)時間:午前10:00〜18:00※5月9日(水)、16日(水)、6月26日(火)〜30日(土)は19:00まで※入館は閉館の30分前まで観覧料:一 般 1,300円 大・高校生:900円 65歳以上:1,100円 中学生以下:無料
2018年05月13日横山大観とは?横山大観ポートレート(昭和8年頃) 写真提供:横山大観記念館明治から昭和にかけて近代日本画の巨匠として知られている、横山大観(1868〜1958年)。1868年(明治元年)に茨城県水戸市に生まれ。17歳の頃より鉛筆画を学びます。1889年東京美術学校(現・東京藝術大学)創設にあたり、親の反対を押し切って第1期生として入学。その後、東京美術学校に学び、師・岡倉天心とともに同校を去り、日本美術院創設に参加。横山大観は新たな時代における新たな絵画の創出を目指しました。1958年89歳で亡くなるまで存在を発揮しつづけ、皇室からの制作依頼を積極的に受けるほか、画壇での評価も高まり人気作家として地位を確立していきました。 本展覧会の見どころ 本展覧会では、40メートルを超える日本一長い画巻《生々流転》(重要文化財)が一挙公開されてるだけでなく、夢幻の世界へと誘ってくれる《夜桜》や、鮮明な色にプラチナが輝く《紅葉》など、絢爛豪華な横山大観の代表作が展示されます。さらに注目して欲しいのは…観音の描写が精密な《白衣観音》やハレー彗星を水墨画で描いた《彗星》などの、100年ぶりに発見された新出作品や習作などの資料をあわせて紹介しており、制作の過程から大観が追い求めた芸術の本質を探ることができます。 変容していく画風 現在では高評価を得ている横山大観ですが、輪郭をぼかした画風は「朦朧体」と呼ばれ、当時の画壇からは批判されました。その後、仲間たちと研究を続けますが、画壇からは全く評価されず、困窮の日々が続いてしまい、日本美術院は崩壊。そんな中、親友・春草や師・天心が亡くなると、大観は在野における日本画のリーダーと目されるようになります。その頃の作品である「群青富士」は、琳派の影響を受けた装飾的な画風です。 筆運びが読み取れる情熱と遊び心 横山大観が活躍した時代は、明治維新から近代国家へと移り、西洋文化の煽りを受けていくなか、西洋諸国に恥じない芸術の体裁を整えようと洋画が成立し、その一方でそれまでの日本画が衰退していくなど…日本の美術史は大きく動きました。西洋から様々なものや情報が押し寄せるなか、日本の絵画の伝統的な技法を継承しつつ、時に改変を試み、また主題についても従来の定型を脱してみせました。こちらの写真は大観の作品に出てくる動物たち…日本画特有の艶やかな美しさだけではなく、不思議なポーズを取っており、愛いらしさも兼ね備えている表現にも注目してみてください!こうした遊び心も忘れない手法はさらなる広がりを見せ、自在な画風と深い精神性をそなえた数々の大作を展開していきました。是非、大観の柔らかな筆跡や繊細な画風をこの目でお確かめください。 【情報】 『生誕150年 横山大観展』 《東京展》会期:2018年4月13日〜5月27日会場:東京国立近代美術館住所:東京都千代田区北の丸公園3-1電話番号:03-5777-8600開館時間:10:00〜17:00(金土〜20:00) ※入館は閉館の30分前まで休館日:月(ただし4月30日は開館)料金:一般 1500円 / 大学生 1100円 / 高校生 600円 / 中学生以下無料 【プレゼント応募】本展覧会の無料鑑賞券をプレゼント致します。件名に【『生誕150年 横山大観展』チケットプレゼント】に加え、下記の情報を記入の上、info@pelulu.jp宛にメールにてご応募下さいませ。名前(漢字/カナ)郵便番号住所電話番号Q1:pelulu.jp内で今までで面白かった記事3つをあげるとしたら?Q2:今後pelulu.jpで取り上げて欲しい記事を3つあげるとしたら?応募締切日:5月13日プレゼント当選者は発送をもって代えさせていただきます。
2018年05月10日魅了されるモノクローム ©Tomoo Gokita / courtesy of Taka Ishii Gallery キャンバスに描かれたモノクロームの作品郡は、その大きなサイズに圧倒されるだけでなく、濃淡のグラデーションに引き寄せられます。モノクロームだけの表現にも関わらず、まるで豊かな色彩で描かれているかのように、肉体の弾力などの質感が伝わってくる、妖艶なポーズを取っている絵画の中の女性達。そんな彼女達の髪型やクラシカルなファッションから、古き良きアメリカを彷彿とさせます。また、描かれている人物に注目してみると、特に旧作は顔がハッキリと描かれていないものが多く、瞳が描かれていないのに視線を感じたり、現代の風刺画のようにも読み取れたり、想像が掻き立てられるのも魅力の一つです。 本展覧会の見どころ ©Tomoo Gokita / courtesy of Taka Ishii Gallery 本展覧会では新作の絵画をはじめ、ドローイングを中心とし、2000年以降の作品を36点を展示しています。両手を挙げて微笑みかける艶かしい女性を描いた「Come Play with Me」は、本展覧会のためのメインビジュアルに使用されている新作。また、アクリルグワッシュと墨を使ったチャレンジ精神溢れるドローイングも必見です!800点以上の大小さまざまなドローイングからなる大規模なインスタレーション「Untitle」は、一点、一点、作品を鑑賞しながら贅沢な時間に浸ってみてほしいです。その他にも、五木田さんのプロレス好きがわかりすぎる、愛するプロレスラーの似顔絵をレコードジャケットのフォーマットで描いた、225点にも及ぶ「Gokita Records」が展示されています。 多彩な表現の可能性に触れる©Tomoo Gokita / courtesy of Taka Ishii Galleryイラストレーションから出発した五木田さんは、60〜70年代のアメリカやサブカルチャーに影響を受け、雑誌や写真にインスピレーションを得た作品を発表してきました。計算されたグラデーションや陰影が生み出すエレガントでファッショナブルな魅力、シンプルな描線とデフォルメされた歪な造形のコントラストが醸し出すユーモアやノスタルジー、具象と抽象の間を自由に行き来するイメージの両義性など、多彩な表現の可能性を発散しています。是非、五木田智央の魅力を存分に味わえる本展覧会に足を運んでみてください。 【情報】 五木田智央『PEEKABOO』 期間:2018年4月14日(土) – 6月24日(日)会場:東京オペラシティ アートギャラリー開館時間:11:00-19:00 (金・土は11:00-20:00/いずれも最終入場は閉館30分前まで)休館日:月曜日(但し4月30日は開館)
2018年04月30日旅するような展示構成 珠玉のコレクションを所蔵していることで知られているモスクワのプーシキン美術館。古代エジプトから近代までの絵画、版画、彫刻を収蔵し、印象派を中心とするフランス近代絵画コレクションは世界屈指と言われています。本展覧会は、プーシキン美術館より“風景画”をテーマにし、初来日となるモネの《草上の朝食》をはじめ、ルソーの《馬を襲うジャガー》のほか、ロラン、ブーシェ、コロー、ルノワール、セザンヌ、ゴーギャンのフランス近代絵画65点が来日します。初夏の爽やかな風が吹き抜ける上野で、巨匠たちが愛した光と色彩が躍る、美しい風景を楽しめる「旅」をどうぞお楽しみください。 風景画の展開 風景画…現在では美術のジャンルとして確立しており、まるで絵画と同時期に誕生したかのように思えますが、クレタ島の宮殿壁画やポンペイの中のフレスコ画を除けば、17世紀まで確立していませんでした。本展覧会の第一部では、17世紀末の神話や聖書の物語を題材にした風景画にまでさかのぼり、19世紀からヨーロッパでは自然主義が主流となった、自然への賛美が感じられる情景を切り取った風景画に触れています。写真(右)のクロード・ロラン《エウロペの掠奪》は、フェニキアの王女エウロペに一目惚れしたゼウスが白い牡牛に姿を変身し、侍女たちと花を摘んでいたエウロペに近づいて、一瞬にして彼女を連れ去ってしまうシーンを描いた作品。暴力的な場面とは対照的に美しい自然が広がっている背景には、風が波を立てる様子や大きな木々、洋上の船などが丁寧に描かれ、理想的な風景が生み出されていますね。 印象派以降の風景画 クロード・モネ《草上の昼食》 1866年 130×181cm 油彩・カンヴァス本展覧会の第二部では、風景画に描かれている場所に着目した構成になっています。19世紀中頃から「パリ大改造」が行われた忙しない大都市パリの街並みや、鉄道網が発達したことからレジャーを楽しみ郊外に目を向けた作品。さらには南フランスや海辺、そして海を渡ってタヒチまで、果ては想像の世界へと、自然豊かな風景を表現しています。こちらはポスターにも使用されているモネの《草上の朝食》。本作品は、当時26歳のモネがみずみずしい感性で描いたもので、銀杏の木から溢れる木漏れ日の表現方、モネの才能溢れるタッチを感じ取れることでしょう。 風景画から読み解く 数々の風景画が教えてくれるのは、神話や聖書の物語をはじめとし、その時代を生きる人々の暮らしだけではなく、情景を切り取った筆跡から、画家自身の個性が読み取れます。また、それぞれの画家が捉えた世界の見方は、私たちに光と影が織りなす世界の美しさを教えてくれることでしょう。是非、多様なスタイルで表現した風景画の旅に出かけてみてはいかがでしょうか。 【情報】 『プーシキン美術館展――旅するフランス風景画』 会期:2018年4月14日(土)~7月8日(日)会場:東京都美術館 企画展示室(東京・上野公園)時間:9:30~17:30※金曜は20:00まで ※入室は閉室の30分前まで休館:月曜日(ただし、4月30日は開室) 【プレゼント応募】本展覧会の無料鑑賞券をプレゼント致します。件名に【『プーシキン美術館展――旅するフランス風景画』『チケットプレゼント】に加え、下記の情報を記入の上、info@pelulu.jp宛にメールにてご応募下さいませ。名前(漢字/カナ)郵便番号住所電話番号Q1:pelulu.jp内で今までで面白かった記事3つをあげるとしたら?Q2:今後pelulu.jpで取り上げて欲しい記事を3つあげるとしたら?応募締切日:6月24日プレゼント当選者は発送をもって代えさせていただきます。
2018年04月28日六本木ヒルズ・森美術館15周年記念展「カタストロフと美術のちから展」が2018年10月6日(土)から2019年1月20日(日)まで開催される。これまで森美術館は、2003年の開館記念展で“幸福”をテーマにした「ハピネス」展、10周年を迎えた2013年の“愛”に注目した「LOVE展」といった具合に、節目となる年において全人類にとって普遍的なテーマを掲げ、展覧会を開催してきた。そして15周年を記念して開催する今回は、あえて“カタストロフ”つまりは大惨事をテーマとし、今日の国際社会における美術の役割を問う。現代美術のスーパースターから注目の若手作家まで、社会の変革を目指す美術作品を紹介一般的に、アーティストが社会に介入し、彼らの作品や活動を通して社会に変革をもたらそうとすることを「ソーシャリー・エンゲイジド・アート」と呼び、近年日本でも注目を集めている。本展では、現代美術が秘めている「社会をよりよくする可能性」に着目。宮島達男やオノ・ヨーコによる鑑賞者参加型の作品をはじめとする社会的メッセージが込められた美術作品を多数紹介し、美術と社会のつながりを考察していく。そのほか参加アーティストも多彩な顔触れだ。現代美術界で最も権威ある祭典「ヴェネチア・ビエンナーレ」や「ドクメンタ」への参加経験をもつトーマス・ヒルシュホーン、アイザック・ジュリアン、畠山直哉、宮本隆司といったベテラン作家、ストリート・アート界のスターであるスウーン、注目若手勢として加藤翼や平川恒太ら国内外を問わず幅広いジャンルの作家が集う。また日本初公開となる作家としてヒワ・Kやヘルムット・スタラーツも参加する。風化させぬよう、あの大惨事について考える――問題が山積の現代社会における美術の役割を問う中、最も大きな出来事として、2011年に発生した東日本大震災を取り上げる。日本社会だけでなく日本の現代美術界にも大きな影響を与えた東日本大震災は、今でも復興が思うように進まないなど多くの問題を抱えている一方、私たちの震災体験や記憶は風化しつつある。今回は、この議論を再燃させるべく、震災を契機に制作されたChim↑Pom、トーマス・デマンド、池田学など約10作家の作品も紹介する。開催概要カタストロフと美術のちから展会期:2018年10月6日(土)~2019年1月20日(日)場所:森美術館住所:東京都港区六本木6-10-1 六本木ヒルズ森タワー開館時間:10:00~22:00 火 10:00~17:00※いずれも閉館時間の30分前まで。会期中無休。入館料:一般 1,800円、学生(高校・大学生) 1,200円、子供(4歳~中学生) 600円、シニア(65歳以上) 1,500円※本展のチケットで展望台 東京シティビューにも入館可(スカイデッキを除く)【問い合わせ先】ハローダイヤルTEL:03-5777-8600
2018年04月21日「ルーベンス展ーバロックの誕生」が、2018年10月16日(火)から2019年1月20日(日)まで上野・国立西洋美術館にて開催される。「ルーベンス展ーバロックの誕生」は、バロック様式が栄えた17世紀ヨーロッパを代表する画家、ペーテル・パウル・ルーベンスの作品を展示する。また本展は、彼の作品に大きな影響を与えたといわれる"イタリア美術"との関わり合いにもフォーカス。古代彫刻や16世紀のイタリアの芸術家の作品、そして同時代以降のイタリア・バロックの芸術家たちの作品が併せて展示され、ルーベンスがイタリアのバロック美術から何を学んだのか、また、その後のイタリア美術界にどのような影響を与えたのかを、作品を通して感じることができるのだ。ルーベンス晩年の裸婦表現に大きな影響を与えたティツアーノ作品の模写である《毛皮をまとった婦人像》をはじめ、愛娘を描いた肖像画《クララ・セレーナ・ルーベンスの肖像》や、多くの描き直しが見られ構成に注力したであろう《パエトンの墜落》など数多くの作品が来日。作品は「1章 ルーベンスによる古代美術とイタリア美術の学習」から「7章 神話の叙述」までの全7章構成で展示される。イタリア芸術家の作品とともにジャンルごとの細分化をすることで、ルーベンス作品のルーツから表現の幅広さ、宗教画などテーマ性の強い作品においての彼の考え方などを分かりやすく紹介している。さらに、日本ではアニメ『フランダースの犬』で一躍有名となった聖母大聖堂の《キリスト昇架》、《キリスト降臨》、《聖母被昇天》を4Kカメラで撮影し、原寸大に近い大きさで展示。国立西洋美術館内ロビーにてネロとパトラッシュが最期に見た景色を完全再現する。【詳細】「ルーベンス展ーバロックの誕生」開催期間:2018年10月16日(火)~2019年1月20日(日)開催場所:国立西洋美術館住所:東京都台東区上野公園7-7開館時間:9:30〜17:30(金曜、土曜日は20:00まで。ただし11/17は17:30まで)※入館は閉館の30分前まで休館日:月曜日(ただし12/24、1/14は開館)、12/28~1/1、1/15チケット:当日券 一般 1,600円(1,400円)/大学生 1,200円(1,000円)/高校生 800円(600円)※()内は団体料金(20名以上)※中学生以下無料※心身に障害のある人とその付添者1名は無料(入館の際に障害者手帳を提示)【問い合わせ先】TEL:03-5777-8600(ハローダイヤル)
2018年04月15日