66年ぶりとなる五輪連覇を成し遂げた羽生結弦(23)。絶対王者が「伝説」となった瞬間だった。 2月16日に行われたショートプログラムでは111.68点を獲得し、首位発進。フリーでも圧巻の演技を見せつけ、206.17点を獲得。合計317.85点となり、金メダルに輝いたのだ。 昨年11月のNHK杯で公式練習中に転倒し、右足首靭帯を損傷。練習再開までには2カ月間かかり、ジャンプ練習は今年に入ってから。演技構成についても直前まで迷うなど、まさにギリギリで臨んだ大舞台だった。 しかし羽生はすべてを終えた後、こう語っている。 「本当に自分がやりきれたなと思うくらいの演技ができたことがよかったと思う」 11日にカナダ・トロントから現地入りした際も「どの選手よりも勝ちたいという気持ちが強くあると思うし、ピークまでもっていける伸びしろがたくさんある」と意気込んでいた羽生。平昌五輪で金メダルを取る。そのイメージだけは揺るがなかった。 実は羽生、その夢をすでに10代のころから見据えていたという。 16年に発売されたスポーツライター野口美惠氏の『羽生結弦 王者のメソッド 2008-2016』(文藝春秋)。13歳の少年が絶対王者に至るまでの軌跡を本人の肉声とともに描いたものだが、そのなかでシニア転向した羽生の“予言”が記されている。 《14年のソチ五輪は、とにかく出場したいです。あの空気を味わって,初の五輪だからある程度緊張もするだろうけれど、『僕は五輪で滑っているだぞ』っていう空気を味わって、すごく思い切って出来るんじゃないかな。そして、18年平昌五輪は23歳で年齢的には味も出てくるし、一番ベストの年齢。平昌五輪では金というイメージです》 快挙の陰には、どんなときでも決してぶれなかった“強い信念”があったのだ。
2018年02月17日2月17日、フィギアスケート男子フリー、羽生結弦選手(23)が金メダルを獲得。同時刻には将棋の藤井聡太五段(15)が羽生善治竜王(47)に勝利し、Yahoo!検索ランキングには「羽生」「羽生くん」「羽生選手」「羽生さん」「羽生竜王」などランクイン。「羽生(はぶ)」と「羽生(はにゅう)」が入り乱れており、大混乱を生んで話題となっている。 この日、平昌冬季オリンピックフィギュアスケート男子シングル・フルースケーティングが行われ、ソチ五輪金メダリストの羽生結弦選手が206.17点を獲得。総合で317.85点で2大会連続金メダルを獲得した。 また同時刻には、将棋の羽生善治竜王と藤井聡太五段との公式戦、朝日杯将棋オープン戦の本戦準決勝が東京都千代田区の有楽町朝日ホールで行われ、藤井五段が119手で勝利し、羽生竜王が敗れた。 現在ネットニュースでは、フィギュアスケートの羽生選手のニュースや将棋の羽生竜王の記事が入り混じっている状態となっている。 これに対しネットでは、「ニュース、将棋と混じってる……」「え?どっち??スケート?将棋??」「ニュースのトップページが羽生の文字がたくさんですが、実は羽生竜王も戦っていましたね…」「スケートの羽生は金だけど将棋の羽生は藤井聡太にまけたんだね」「「将棋とフィギア一緒にしてる系のツイートまじで好き」「羽生(はにゅう)と羽生(はぶ)の件どっち?というくらいに見出しではわかりづらい」などの反応を見せている。
2018年02月17日フィギュアスケート男子代表の羽生結弦選手が17日、平昌オリンピックで金メダルを獲得。Twitterでは一部の映画ファンが、映画『バーフバリ 王の凱旋』を連想したことで話題となっている。映画『バーフバリ 王の凱旋』は、現在上映中のインド映画で、同国で歴代最高興収を達成した大ヒット作。2015年に上映された『バーフバリ 伝説誕生』と二部作となっており、21日には『王の凱旋』のブルーレイ&DVDも発売される。古代インドを舞台に、数奇な運命に導かれた伝説の戦士・バーフバリが、三代にわたり愛と復讐の物語を繰り広げる同作は日本でもSNSを中心に熱狂的に受け入れられた。映画を観た人がバーフバリ(父親&息子)のカリスマ性に感化され、「バーフバリ! バーフバリ!」としかつぶやかなくなることでもおなじみとなっている。前回のソチオリンピックで金メダルを獲得した後、怪我に悩まされていたが、平昌オリンピックで見事にそのカリスマ性を見せた羽生。16日に羽生がショートプログラムで1位に輝いたことで、Twitterでは「ソチが『伝説誕生』、平昌が『王の凱旋』」と話題になり、「バーフバリ」と検索すると「羽生」という単語がサジェストされる結果となっていた。さらに17日、フリープログラムを終えて金メダル決定となった羽生に、王の気配を感じた映画ファンたちが「羽生くんがバーフバリに見えてきた」「バーフバリのような絶対王者感」「実質バーフバリ」「フィギュア界のバーフバリ」「氷上のバーフバリ」と話題に。同作のキャッチコピーにかけて「王を称えよ!」と羽生に興奮する人が続出している。
2018年02月17日舞台『熱海殺人事件 CROSS OVER 45』の公開ゲネプロが、東京・紀伊国屋ホールで行われ、味方良介、木﨑ゆりあ、敦貴(α-X’s)、匠海(α-X’s)、石田明が取材に応じた。同作は故・つかこうへいさんにより1973年に発表された戯曲で、2018年で45周年となる。3人の刑事が、熱海で起こった女工殺しの犯人を前に、理想の事件に仕立てるよう迫る。昨年、歴代最年少で主演を務めた味方は「この面子なら絶対に勝てるという確信があります。『熱海殺人事件』ってすごいな、演劇っていいなと思ってもらえるように頑張ります」と意気込みを語った。AKB48卒業後、初舞台となった木﨑は「すごい緊張してるんですけど、この作品に出会えてよかったなと心から思っているので、観に来てくれる方にも作品に出会えてよかったと思ってもらえるように、しっかり演技を届けたい」と語る。Wキャストでゲネプロには出演しない敦貴も「(出演しないのに)すごく緊張してます。本番もこの歴史のある作品に貢献できるように」と心境を吐露し、匠海は「とても緊張しておるんですけど、大山金太郎という役が19歳という年齢で、僕にしかできない大山金太郎をやろうと思っているので、ぜひ頑張ります」と意気込んだ。石田は「羽生くんばりのノーミスで届けたいと思います」と、平昌オリンピックで活躍する羽生結弦選手の名前を出し、「全員が羽生くんになったつもりで。羽生まみれでお届けしたいと思います」と周囲を笑わせた。また木﨑は注目選手を聞かれると「たか、たか……高梨(沙羅)さん。すごくメイクがお上手ですよね。髪の毛の色も変わって」と意外なポイントに注目。「飛ぶのもすごい勢いで飛ぶので、かっこいいです」と答え、石田から「オリンピックの話聞かれて、メイクで返すって!」とつっこまれていた。石田は若いメンバーについて「本当にバカなんですよ。最初、『熱海がどこにあるかわかるか?』と聞いたら、こいつら全員『長崎』って言いました」と苦笑。木﨑は「漢字が読めないのが大変でした。いろんな方に教えてもらいながら。人との関係性って大事だなって」と苦労を明かした。
2018年02月16日2月13日、平昌五輪フィギアスケート男子シングル日本代表の羽生結弦(23)が、本番リンクで練習をスタート。昨日の公式練習から羽生が愛用している「くまのプーさん」のティッシュケースカバーをいちごのショートケーキ型のカバーへと変更しネットを中心に話題になっている。 羽生はディズニーキャラクター「くまのプーさん」のファンで知られており、普段から練習時にはプーさんのティッシュカバーを愛用している。しかし、国際オリンピック委員会が特定のスポンサーやロゴに厳しいためプーさんカバーを控えたとみられ、代わりにいちごのショートケーキ型のカバーを持参した。前回のソチ五輪の際もプーさんは控えており、ブルーのティッシュケースを使用していた。 いつも愛用している「くまのプーさん」とは違うケースが登場し、ネットでは「ティッシュカバーがショートケーキになってる!」「どんだけ可愛いの!」「ショートケーキが似合いすぎる!」「羽生さんがケーキのティッシュカバー持っている!!」などの反応を見せている。また、プーさん好きを推すファンからは「あのケーキのティッシュケースヒックリ返すとプーさんカラーになるアイディアかな?」「まさかと思って調べてたんだけど、羽生くんのケーキの中身これじゃないかな?」などケーキケースの下にはプーさんの柄の箱ティッシュなのではないかといった憶測も広がっている。
2018年02月13日鈴虫寺の人気が、すごいことになっている。年間で40万人、連休や休日にもなると1日3,000人もの参拝客が訪れる。全国各地からはもちろん、地元・京都市民のリピーターも多い。参拝客のお目当ては、「一願成就」の御利益。願い事をひとつだけ、「幸福地蔵」さんが叶えてくれるのだ。 昔から「恋愛成就の寺」として有名だった、「妙徳山華厳寺」、通称「鈴虫寺」は、享保8(1723)年開創の古刹。4年前に住職が代替わりし、参拝客がさらに増えた。その理由の1つが、現在の住職・桂紹寿さん(47)の“漫談説法”だ。 噂を聞きつけた記者は、「願いを叶えてもらいたい!」と、さっそく京都・嵐山を訪れた。 平日の午前中にもかかわらず、寺へと続く階段には、すでに100人ほどの行列が!長いときには山門から最寄りのバス停「苔寺・鈴虫寺」まで行列が延びるという。 待つこと約1時間、拝観料の500円を支払い、ようやく書院にたどりついた。まずはここでで30分の「鈴虫説法」を聞き、300円の初穂料で「幸福御守」をいただいて、最後に幸福地蔵さんにひとつだけ願いを伝えるというのが、“願いを叶える参拝”の流れだ。 鈴虫寺の由来でもある4,000匹もの鈴虫の美声が響くなか、凛としたたたずまいのご住職が現れた。一瞬、静まった200人の参拝者を前に、テンポよく語り始める。まるで漫談を聞いているかのような、爆笑「鈴虫説法」が始まったーー。 ■お願い事は“身の丈に合った願い”でなければなりません 「初めての方もいらっしゃるやろから、まずはお願い事の仕方をお教えしましょうね。みなさんのお願い事を叶えてくださるのは『幸福地蔵』さんです。日本で唯一、わらじを履いていらっしゃるお地蔵さんです。みなさんのおうちを一軒一軒訪ねて、願いを叶えてくださるからなんですよ。 どんなお願い事でも叶えてくださいますが、お願いすることは、ひとつでなければなりません。3つも4つもと欲張っては叶えてもらえません。気が散ってはダメなんですね。あなたがいま何をいちばん求め、必要としているのかを、よくよく見つめ直してみてください。 また、“身の丈に合った願い”でなければなりません。特に願う方が多い『良縁祈願』では『私にふさわしい、結婚できる人に出会わせてください』とお願いするようにしてください。 なかには『嵐の櫻井翔さんと結婚したい』『羽生結弦選手と付き合いたい』と願う方もいますが、これは叶いません(笑)。なぜなら、それはあなたに“ふさわしい人”じゃないからです」 ■願ったあとは、笑顔で暮らすこと 「家に帰ったあと、願いを忘れてはダメですよ。そして、いつもニコニコして暮らすよう心がけてください。『しんどいときこそよう笑え』と言いますやろ。生きていれば、誰にでもイヤなことはあります。そんなときこそ、怖い顔をせんで、鏡に向かってニターッと笑ってみてください。ただし、必ず1人のときにやりましょう。人に見られたらあきません。アホやと思われますからな(笑)。 笑顔は、縁を呼びます。縁が増えれば願いも叶いやすくなります。 生きていれば、いろんなことが起こりますな。いいことも、悪いこともありますな。笑顔でいれば、それを楽しんで受け止めることができるようになります。これを仏教では『柔軟心』と言います。この柔らかさが強さになり、優しさになります」 ーー噺家のようなトークに引き込まれ、笑っているうちに30分はあっという間にたった。「鈴虫説法」は住職だけでなくほかの僧侶も行い、来るたびに違うお話が聞けるそう。 さて、説法後、自分のいちばんの願いは何なのかをじっくりと考えた記者。たしかに「身の丈に合った願い」をして「心穏やかに笑顔で過ごして」いれば、どんな願いも叶うなと思いつつ、熟考の末に記者が願ったことは……。 「『私が書いた』と胸を張って言える、いい記事を書かせてください」 身の丈に合っているのか、いないのか、自問自答しながら、お礼参りに来られることを願い、山寺を後にした。
2018年02月12日アイドルグループ・ももいろクローバーZが11日、神奈川・横浜アリーナでのニッポン放送のライブイベント「ももいろクローバーZももクロくらぶxoxo バレンタイン DE NIGHTだ~Z!2018」2日目の開演前に取材に応じ、百田夏菜子(23)が平昌五輪で連覇を狙うフィギュアスケート男子・羽生結弦(23)にエールを送った。ももいろクローバーZの百田夏菜子百田は「羽生選手とは同い年なので、こうやって同い年の方がすごい活躍したり頑張っている姿を見ると、私も頑張ろうと思います」と刺激を受けていると言い、「けがとかあって大変だと思うんですけど、羽生選手ならきっと素敵な演技を見せてくれるんじゃないかと思っています」と期待した。以前、羽生が出演したアイスショーを鑑賞したことがある百田。その際に「お写真を撮りました」と言い、「『同い年ですね』『お互い頑張りましょう』っていう話をしました」とやりとりを明かした。同イベントは、6年目となる恒例のラジオ番組イベント。先月21日に行われたライブ「ももいろクローバーZ 2018 OPENING ~新しい青空へ~」で有安杏果が卒業し、4人体制となってから初のライブベントとなる。
2018年02月11日SKE48の惣田紗莉渚が9日、都内でファースト写真集『うらばなし』(発売中 1,800円税抜 発売元:サイゾー)の出版記念イベントを行った。写真集『うらばなし』の出版記念イベントを行った惣田紗莉渚2017年に実施された第9回AKB48選抜総選挙にて5万2475票を獲得して8位にランクインした惣田。SNSを通して「10位以内にランクインで写真集を出す」と"非公式"に公約していた写真集がついに発売した。そんな写真集を手にした惣田は「写真集を出すのはSKEで私が6人目なんですけど、(写真集を発売することは)すごく難しいと聞いていたので、ソロで出すことができて夢みたいで、私なんかが出していいのかなって信じられません」と吐露。写真集のコンセプトについて惣田は「普段ファンの皆さんに見せられていない素の自分だったり、バレエや(西武)ライオンズなど、今まで私を作ってきたいろんなものが詰まっています」と紹介し、具体的にどんなカットが収録されているのか尋ねられると「名古屋の自宅のベッドとか、キッチンで料理をしている姿。あとはビールを飲んでいるところも写っていて、お酒を飲むところをファンの方に見せたことがなくて、お酒の話も1度もしたことがないですけど、それをここで披露しています」と説明した。また、撮影は昨年11月ころに名古屋と関東で行われたそうで「自分が今まで育ってきた場所と、SKEで活動してきた名古屋という、故郷と第2の故郷という大事な場所2ヶ所で撮影しました」と明かし、撮影時のエピソードを聞かれると「実際に通っていた高校で撮影したんですけど、当時、本当に着ていたセーラー服を着て、通っていた高校の教室で撮影したりしました。それはレアなんじゃないかなって思います」とニッコリ。お気に入りには、ホテルのソファーで撮影したという白いビキニ姿のカットを挙げ「すごいセクシーじゃないですか!?」と自画自賛し、さらに「泡風呂で泡ブラをしている写真もあります(笑)」とアピールした。タイトルにちなみ、SKE48メンバーの裏話をお願いされると「この間、大場美奈さんと松村香織さんと3人で初めてお酒を飲んだんですけど、大場美奈さんはたまにオラオラなのに、ちょっと飲んだだけで顔が真っ赤になって眠くなっちゃうんです。それが可愛いなあって思いました」と告白した。なお、平昌五輪が開幕したが、エールを送りたい選手を尋ねられた惣田は、男子フィギュアスケートの羽生結弦選手の名前を挙げ「スケートはいつも家族とお家で見ているんですけど、羽生選手の演技を見ると涙が出るんですよね。今回はケガから復帰されて出場されるということで、楽しみにしています」と目を輝かせた。
2018年02月10日平昌五輪の注目競技の一つ、フィギュアスケート。今回はその中でもフィギュアの“技”に注目して、観戦のポイントをご紹介します。4回転が1種類あれば、メダル争いに食い込めたソチ五輪から4年。男子シングルはどんな技の競い合いになるのか。そして女子シングルは?五輪出場経験があるプロフィギュアスケーター・本田武史さんに予想していただきました。「2種類以上の4回転ジャンプを3本はフリースケーティング(FS)に入れないと、上位に食い込めません」と、解説者の本田武史さんが予想する男子シングルの戦い。しかも、4回転をただたくさん跳んでもダメ。いかにそのジャンプの質を上げて、高いGOE(出来栄え点)を叩き出すかが、雌雄を決するという。その点で強いのが、羽生結弦選手。「ジャンプはもちろん、スピンやステップにも高いGOEがつくバランスが優れた選手。不安があるとすれば、ケガの影響ぐらい」メダル候補に、彼をはじめ、ネイサン・チェン、宇野昌磨、ハビエル・フェルナンデス、ミハイル・コリヤダ選手たちが並ぶ。「実績のあるフェルナンデス選手と羽生選手は、PCS(演技構成点)でも高い得点を叩き出します。若い選手は対抗するために、4回転の種類や本数を増やしてくると思いますが、そこでGOEのマイナスをつけないことが肝心。チェン選手は4回転の成功率が高く、滑りの姿勢も、体の動かし方もいいですから、一番難しいルッツを確実に跳べば強いと思います」宇野選手はジャンプの着氷時にクセがあることを懸念しつつ、「音楽と一体化したスピンは素晴らしいですし、今季は表現力でも高い評価を受けているので、十分チャンスはあります。独特の表現力を持つコリヤダ選手も、4回転ルッツが決まれば、プログラムの流れが一気に良くなる。ジャンプに高さ、幅、流れがとてもあり、彼の滑りは好きです」力でなく、リズムで跳ぶジャンプが魅力という田中刑事選手は、「長身を活かして踊れる彼の良さを引き出したプログラム。ノーミスで、上位を狙ってほしいですね」一方、女子シングルのメダル争いは、男子以上にミスが許されない、過酷な展開になると予想する。「3回転の連続ジャンプを、GOEのマイナスをつけずに、確実に跳ぶことがメダルの条件です」メダル候補に挙げたのは、エフゲニア・メドベージェワ、アリーナ・ザギトワ、マリア・ソツコワ、カロリーナ・コストナー、ケイトリン・オズモンド各選手。「ザギトワ選手は、すべてのジャンプを後半に入れながら、きちんと回り切ってから降りてくる。さらに、ジャンプに抜群の安定感を持つメドベージェワ選手、長身をコントロールして高さのあるジャンプを飛ぶソツコワ選手というロシア勢が強いと思います」対抗馬は、若手ひしめく中、燦然と輝く31歳、コストナー選手だ。「エッジの深さ、漕がないスケーティングの滑らかさ。年齢を重ねて、さらに磨かれた滑りのうまさは、世界中のスケート関係者が認めるところです」そこに食い込んできそうなのが、宮原知子選手とガブリエル・デールマン選手。「宮原選手の強みは安定感。ノーミスで滑れば、PCSも伸びてきます。デールマン選手は、冒頭に跳ぶ3回転の連続ジャンプが観る者の心を掴む迫力。完璧に演じた時の破壊力はすごいですから」その彼女と肩を並べるジャンプを跳ぶのが、坂本花織選手だ。実績の少ない彼女にもチャンスあり。「滑りの速さと、それをコントロールして跳ぶ高さと幅のあるジャンプは、女子選手には珍しい。彼女の持つ元気の良さも武器になります。練習でも緊張感で張り詰めているのが、五輪という特別な舞台。その中で楽しそうに滑っている選手がいると、周囲の選手がリズムを崩したりすることもありますから、練習の時から持ち味を前面に出してほしいですね」メダル争いに絡まずとも、素晴らしい技を持った選手が世界中から参加する。フィギュアスケートで、マレーシアから初めて五輪に出場するジュリアン イー・ジージェイ選手のバレエジャンプは、得意とする本田さんが太鼓判。本田武史さん日本の4回転ジャンプのパイオニア。長野、ソルトレイクシティ五輪に出場し、後者ではヤグディン、プルシェンコとメダル争いをして、4 位入賞。SP『ドン・キホーテ』は名演。※『anan』2018年2月14日号より。取材、文・齋藤優子写真提供・共同/Getty Images、朝日新聞社/Getty Images、ISU via Getty Images
2018年02月09日「anan」2089号2/7水曜日発売「思考の整理術。」特集、表紙には平昌五輪直前の羽生結弦選手が登場。今回の表紙撮影の様子を紹介します。anan編集部羽生結弦選手、anan3度目の表紙です!ファンの方でお気づきの方もいらっしゃるかもしれませんが、2015年のグランプリファイナル、2017年の世界選手権どちらも試合直前に羽生選手に表紙を飾っていただいております。そして、いよいよ、2018年。平昌五輪前。何が何でも、表紙を飾っていただきたい! と約半年前からプロジェクトを開始いたしました。今回の独占シューティングのカメラマンはずっと羽生選手をとり続けていらっしゃる能登直さん。昨秋に行われたカナダ・トロントにあるクリケットクラブの公開練習からはじまり、9月のオータムクラシック、10月のロステレコム杯まで、追いかけていただきました。長年、取材に携わっている能登さんは、羽生選手ともすっかり顔なじみ。目が合うと、手を振ってくれたり、笑顔でカメラを見てくれるそうで、試合中や練習中には見れない、無邪気な表情の写真なども。いまの拠点、カナダでの練習中のストイックながらもリラックスした表情にも注目です!インタビューでも「やっぱり勝ちたい!という気持ちはありますね」と語る羽生選手。ケガを乗り越えて、どんな演技でワタシたちを感動させてくれるのか、今から楽しみでなりません。もちろん羽生選手だけでなく、平昌五輪での日本代表選手のみなさんをanan編集部は心より応援しています!(HK)
2018年02月06日「元日はのんびり家にいました。1月3日からは、両親と2日間、箱根で過ごしました。一緒にゆっくりできるのは1年に1回、お正月だけ。それに、両親は箱根に行ったことがなかったそうで、すごく喜んでくれました。実は、(いつもコンサートの司会を務めている)西寄さんと、マネージャーも一緒に行ったんです。犬も連れていって。僕、大勢が大好きなんです」 そう語るのは、1月30日に新曲『勝負の花道』をリリースした氷川きよし(40)。この曲は全世代に向けた王道の応援歌だ。そこで、氷川に“勝負”や“応援”にまつわる質問をぶつけてみた! 【Q】平昌五輪で楽しみにしている競技や選手は? 「フィギュアスケートの羽生結弦選手。きれいな踊りですよね。衣装もすてきです。あんなふうに舞うように歌を歌えたら、と思いながら見ています」(氷川・以下同) 【Q】今までの五輪で印象的だった選手は? 「ヤワラちゃん(柔道の谷亮子さん)。福岡県出身で、同郷なので身近に感じています。今回の新曲のカップリング(『勝負の花道』《Aタイプ》収録)にも『柔道(やわらみち)』という曲を入れてもらっていて。日本のスポーツといえば柔道、というイメージです」 【Q】スポーツで応援しているのは? 「ヤクルトスワローズの試合で『東京音頭』を歌わせてもらっていて縁があるので、応援しています。ヤクルトファンといえるほどではないんですけれど。去年の夏、歌わせていただいたときも、僕が歌ったあとにホームランを打ってくださって。あのときは感激しました。 【Q】落ち込んでいるときに元気を出すためにすることは? 「人と会って話をして、励ましをもらう。自分も相手がたいへんなときには励まします。人は人によって成長する、人のなかにいてこそ頑張れる、と思っています」 【Q】自分にとっての“応援歌”は? 「手前みそですが、新曲の『勝負の花道』。自分で聴いても、“今日も一日頑張ろう”と思える曲です。歌詞にも励まされます」 【Q】今までの人生で挑んだ、印象的だった“勝負”は? 「何周年というような節目節目は、いつも勝負だと思っています。来年は20周年。また勝負の年がきますね」【Q】新曲『勝負の花道』の聴きどころは? 「これまで数々の作品を出させていただきましたけれど、『勝負の花道』はありそうでなかった曲です。心地よくて、テンポもいい。詞も元気が出る内容。くよくよしないで前向きな気持ちになれる、今頑張っている人たちに対する応援歌です」 【Q】最後に、いつも応援してくださるファンの方へ一言! 「いつも多くの方に応援していただいてここまで歌ってこられて感謝でいっぱいです。また新たなスタートをきって向上できるよう、日々努力して、常に初心に帰って歌っていきたいと考えています。新曲も聴いていただけるとうれしいです!」
2018年01月31日2月9日、いよいよ平昌五輪が開幕する。 羽生結弦(23)は昨年11月に行われたNHK杯の公式練習中に転倒し、右足関節外側靱帯を損傷。なんとか五輪代表には選出されたが、“ぶっつけ本番”で臨むことになった。そんな“奇跡の復活”を目指すなか、“祈祷班”たちも日本各地で祈りを捧げていた――。 “祈祷班”とは、羽生の無事を願うファンたちのこと。もともと彼がケガをした際、ツイッター上で自然発生的に誕生し話題となった。今や、その輪は全国に拡大。熱心なファンたちは実際に神社まで足を運ぶことも少なくない。 羽生の地元・宮城県仙台市にある「秋保神社」も、そのひとつ。“戦の神”を祀るこの神社、羽生の父親も息子の勝利のため祈りを捧げに来ていた“ゆかりの地”だ。 「ソチ五輪で金メダルを獲った後、羽生選手はこちらにお礼参りへ来てくださいました。以来、東北や関東の女性が訪れるようになりました。最近では日本人だけでなく、外国人の女性ファンの姿も見えますね。みなさん、熱心に羽生選手を応援しているようです。昨年の暮れあたりから必勝祈願の“奉納のぼり”が立ち始め、先日ついにその数が100本を超えたと聞きました」(秋保神社関係者) 売られているのは、金色で「心」「技」「体」の文字があしらわれた新勝守(800円)。金メダルをとれるよう、ファンたちもこのお守りを購入しているようだ。 そして羽生ゆかりの神社は、ほかにも。その名称から “聖地”とも呼ばれる兵庫県神戸市の「弓弦羽神社」にも、熱心な女性ファンたちが押し寄せているという。しかもなんと羽生を応援するため、弓弦羽神社を参拝するバスツアーまで組まれていたというのだ! 「昨年秋以降、それらしき団体さんがいらっしゃるようになりました。おかしいなと思い調べてみると、関東の旅行会社が『羽生結弦選手怪我回復とオリンピック連覇を祈願するバスツアー』といったようなものを企画していたんです。それに参加された方々が、団体でお参りにこられていたようです」(弓弦羽神社関係者) ツアーパンフレットに神社の名前が無断で使われていたため、神社はこの会社には抗議したという。ただそれでもツアーに頼らず自力で神社を訪れる熱心なファンは、今も後を絶たないようだ。 《羽生結弦選手の右足が早くよくなりますように。平昌オリンピックで金メダルがとれますように》《羽生結弦選手が金メダルをとり世界中のファンと喜びを分かち合えますように……!!》 絵馬所にはそうした祈願の文字とともに、羽生の写真や金の縁などで彩られた絵馬があふれていた。 そして羽生のフリー演目『SEIMEI』にちなんで“もうひとつの聖地”といわれているのが、京都府京都市にある「晴明神社」。やはりここにもファンたちは殺到していたという。 「もっともファンのお参りが多かったのは、羽生選手がケガをされた直後でした。うちの神社で参拝する人が行列を作るのはお正月ぐらいですが、このときは初詣かと思うほど境内が羽生ファンでいっぱいになりました。最近でもまだまだ参拝客はたくさんいらっしゃっていて、絵馬掛けを増設したほどです。絵馬を見ると、みなさんの願いは“金メダル”よりも“ケガの完治”が多いようです。『結果よりも、五輪本番で練習の成果を発揮してほしい』という思いから、祈願しているのでしょう」(晴明神社宮司) 日本全国で広がる「祈祷班」の祈り――。これだけ多くの願いが寄せられれば、きっと神々も羽生に勝利のパワーを送ってくれることだろう。
2018年01月31日(写真:アフロ) 2月9日から開幕する平昌五輪。羽生結弦(23)にとって、フィギュアスケート人生の集大成となる。だが、羽生はその場に立つことができるのか……。そんな不安も囁かれている。 昨年11月のNHK杯で公式練習中に転倒し、“右足関節外側靱帯損傷”の大けがを負った羽生。平昌五輪の最終選考会でもある、昨年12月20日の全日本選手権も欠場していた。 14年のソチ五輪で金メダルを獲得したことや、昨季の世界選手権を制した実績から五輪代表には選出された。とはいえ、公の試合は3カ月ぶり。今年1月からは、氷上練習も再開したと発表されている。 そんな彼をバックアップする“神様”がいた。日本フィギュアスケート界で “ゴッドハンド”と呼ばれている「マッサージセラピスト」の青嶋正さん(54)だ。 マッサージセラピーとは、施術を通じて心と体の両面から改善していく治療法。青嶋氏はトロントで20年以上前から指圧鍼灸クリニックを営んでおり、患者ひとりひとりに合わせた施術を行う。その腕前が話題となり、彼のもとへ通う選手は多い。 「選手がケガをしないようにするだけでなく、最大のパフォーマンスを出せるコンディションにしていく。それが青嶋さんのポリシーです。選手をあらゆる面からサポートしてくれるとあって、これまでにも小塚崇彦さん(28)や織田信成さん(30)などが“神の手”のお世話になったと聞きました」(フィギュアスケート関係者) 羽生は17歳でトロントに渡って以来、青嶋さんのもとに通っているという。 「最初はストレッチの重要性を認識していなかったという羽生選手も、青嶋さんの指導によって次第に“身体のケア”をふだんから行うようになったそうです。羽生選手はソチ五輪の前も決して万全だったわけではありませんが、みごと金メダルを取ることができた。だから今回も、4年前と同じです。羽生選手は本番までにきっと体を仕上げ、周囲の不安を払拭してくれることでしょう」(前出・フィギュアスケート関係者) “ゴッドハンド”のパワーをもらいながら、決戦の地へと挑む羽生。その目はきっと“五輪2連覇”の快挙を見据えている――。
2018年01月31日子役でフィギュアスケーターの本田望結と本田紗来が4日、東京スカイツリータウンのスカイアリーナで行われた「本田望結・紗来スペシャルスケーティングプログラム」に登場した。左から本田紗来、本田望結東京スカイツリー タウンでは、本物の氷を使用したアイススケートリンク「TOKYO SKYTREE TOWN ICE SKATING PARK」を1月4日から3月11日の期間に東京スカイツリータウン4階のスカイアリーナにオープン。そのオープニングイベントに本田望結と紗来の姉妹が登場し、華麗なフィギュアスケートのプログラムを披露して会場を訪れたファンから喝采を浴びた。同プログラムでは衣装から選曲、振り付けまで担当したという姉の望結は「今回はいつもとはちょっと違うようにしたかったので、ペアみたいにしました」と明かしつつ、「最初の頃は紗来が小さかったんですが、今回は提案してくれたので、大きくなったなと思います」と妹の成長ぶりに笑顔。今年で4回目の登場となった紗来は「振り付けは分からなかったので、お姉ちゃんが考えてくれました。いいお姉ちゃんを持って幸せだなと思います」と姉を持ち上げ、それに対して「ありがとう」と感謝した望結は「大会のような緊張の中で2人で滑れてうれしかったです。2人で息を合わせるのは難しかったですが、たくさん練習したし無事にできてよかったです」と同プログラムでの滑りには合格点を与えていた。お正月のイベントということで、今年の目標を「Study English」と書き記した望結は「スケートで海外に行くことがあるので、1つの勉強として英語も頑張りたいと思います」とその理由を説明。望結は現在、フィギュアスケートと芸能界という二足のわらじで奮闘しているが「二刀流なんて全くできてないし、どっちも中途半端。スケートは全日本に行っただけで満足しているので、もっと上を目指していきたいです。今年はスケートもお芝居も頑張りながら、もっと視野を広げてたくさん遊びたいなって思います」と抱負を。また、平昌オリンピックへの出場が叶わなかった姉の真凜について「お姉ちゃんは姉妹の夢でもあります。またイチから家族みんなで力を合わせて頑張りたいと思います」と気遣い、昨年出場したすべての大会で優勝した紗来は「真凜お姉ちゃんと戦う時にライバルだと思ってもらえるような選手になりたいです」と力強く語っていた。
2018年01月05日(写真:アフロ) 常に高みを目指し続けてきた男子フィギュアスケート・羽生結弦選手(23)。ケガをも恐れない挑戦に、ファンは冷や冷やしながらも、いつも温かい目で見守ってきた。そんな羽生を襲ったアクシデント。11月9日、NHK杯の公式練習での右足関節外側靱帯損傷。足は予想以上に深刻な状態だが、’18年2月の平昌五輪では復活できるのか。試練を成長の糧に変えてきた彼の闘いと復活の軌跡、そしてその先にある将来のビジョンとは――。 「結弦くんが小学生のころです。スケートを続けるかどうか、家族で話し合ったことがありました」 そう話すのは、羽生の親戚の1人。当時、彼が通っていた仙台市内の「泉DOSCアイスアリーナ」が経営難のため閉鎖され、練習拠点がなくなった。仙台市内には、ほかに2つ、スケートリンクがあったが、それぞれ自宅から7キロ、20キロと離れていて、小学生が1人で通うのは難しかった。 「お父さんの秀利さんは、スケートをやめさせるつもりでした。フィギュアはお金のかかるスポーツですから、金銭的な事情もあったんでしょう。でも、お母さんの由美さんが猛反対して。『待って。もう少しやらせてあげて。パートの仕事を増やすから』と――」 当時、由美さんはスーパーの紳士服売場で、主任待遇で働いていた。そのパート時間を増やすと同時に、遠くなったリンクまでの送り迎えも始めている。そのころのことを由美さんは、地元紙にこう答えている。 《結弦は、小さいときはのんびりしていて、コーチに怒られて、泣いていたこともありました。でも(リンクの閉鎖で)練習できないつらさを味わい『自分がやらなきゃ』という自覚が出てきました》 ホームリンクの閉鎖は、羽生のスケートを人生で初めての試練だったが、彼はそれを成長の契機にした。ソチ五輪金メダル、世界選手権は2度、優勝。GP(グランプリ)ファイナル4連覇と、次々に記録を塗り替え、世界歴代最高点をも更新し続けてきた。 ’94年12月7日、羽生は宮城県仙台市で生まれた。父・秀利さんは中学校教師。住まいは、仙台市北部の県営アパートだった。4歳のとき、姉が通っていたスケート教室についていき、フィギュアスケートと出合う。羽生が通った泉DOSCは、トリノ五輪金メダルの荒川静香、世界選手権で2度の銅メダルを獲得した本田武史を輩出した名門リンクだ。 ぜんそく持ちで、体が弱かった羽生だが、スケートに関しては非凡なものがあった。世界選手権で日本人初の銅メダリストとなった佐野稔さんを育てた名コーチ・都築章一郎さんが泉DOSCに移籍してきたのは、羽生が7歳のとき。都築さんの目から見ても、羽生はスケートに関して、卓越したものがあったという。 「とにかく感性がすごかった。曲をかけたとき、おじけづかずに対応できる。子どもにはなかなかできないことなんです。非常に積極的で、自分というものを持っていました」(都築さん) 都築さんは、羽生に徹底的に基礎をたたき込む。小学校4年の10月、羽生は初出場した全日本ノービスで優勝する。フィギュア関係者の間で「仙台にマッシュルームカットの天才がいる」と、ささやかれ始めた。泉DOSCの閉鎖は、その直後のことだった。 羽生は別のリンクに通い始めたが、自宅から遠い分、練習時間が十分にとれない。都築さんが横浜に拠点を移すと、平日は仙台で練習し、週末だけ横浜まで新幹線で通い、都築さんの指導を受けるようになった。 「それ以降、中学卒業まで、横浜に通い続けた。休まずに、です。お母さんもずっと付き添っていました。お母さんは、結弦の心の支えであり、彼の考え方や精神力の根本になったと思います」(都築さん) 中学1年の3月、泉DOSCが「アイスリンク仙台」と名称を変え、営業を再開する。 ’11年3月11日。高校1年生だった羽生は、期末試験を終え、昼ごろからアイスリンク仙台で練習していた。そのさなか、東日本大震災が発生する。羽生にとって2つ目の大きな試練だった。ライフラインはすべて止まり、自宅は全壊指定。一家は、小学校の体育館に4日間、避難した。 ようやく電話がつながるようになると、由美さんは横浜の都築さんと連絡をとり、「結弦をそちらで練習させてもらえないでしょうか」とお願いした。そして3月20日、横浜へ移動した羽生は練習を再開する。 「震災直後の結弦は不安定な状態でした。震災は彼の心を傷つけた。そのなかで競技に向き合える環境をつくることが急務でした。ご両親も心配だったでしょう」(都築さん) 羽生自身もこう話している。 「生きていくだけで精いっぱい。このままスケートを諦めてしまおうと思った」 大震災で、関東圏のリンクの多くが閉鎖し、スケーターが練習場所を求めて、横浜のリンクに集まってくる。羽生の練習時間も限られていた。そんな羽生を後押しするように、地元も動いた。県と仙台市から、アイスリンク仙台に、早期の営業再開を求める要請が入ったのだ。練習ができる喜びを味わった羽生は、’12年3月、世界選手権に初出場する。総合で銅メダルに輝いた羽生は、テレビのインタビューに笑顔でこう答えている。 「被災地のために滑ろうと思っていたのですが、それは違うんだな、と。逆に、僕は、支えられている立場だったんです。応援されている立場。その応援をしっかり受け止めて、演技することがいちばんの恩返しだと気づいたんです。やっと自分のなかで、震災を乗り越えられたんだという気持ちになりました」 わずか17歳3カ月。多くの刺激を成長に変え、ソチ五輪の表彰台まで一気に駆け上がっていく……。羽生は都築さんとこんな夢を語り合っている。 「日本は、フィギュア選手にとって環境が整っているとはいえません。結弦には『将来、引退したらプロデューサー的な立場で、リンクやシステムづくりの部分でも、環境を整えてほしい』という話もしています。結弦のような人気も実力も兼ね備えた選手ならできると思うんです。そうすると彼は、『3年は待ってください、先生』と、言いました。おそらく彼には、将来のビジョンがすでにあるのでしょう」(都築さん)
2017年12月30日(写真:アフロ) 連覇のかかる’18年2月の平昌五輪を前に、男子フィギュアスケート・羽生結弦選手(23)は今また、かつてないほど大きな試練に直面している。11月9日、NHK杯の公式練習で右足関節外側靱帯損傷のケガを負い、大会を欠場した。 12月14日には、日本スケート連盟を通じ、羽生自身がコメントを発表。靱帯だけでなく、腱と骨にも炎症があり、いつから練習が再開できるか決まっていない状況だという。 全日本選手権は五輪代表を決める最終選考会でもあるが、羽生は欠場しても、これまでの実績で五輪出場は確実だ。とはいえ、五輪連覇には黄信号がともってしまった。 ’08年から彼の取材を続けるスポーツライター・野口美惠さんはこう語る。 「今シーズンが始まる前の羽生選手は、表情や体つきなどから、夏の間に充実した練習をこなして、しっかり仕上げてきた自信が見えました。GPシリーズのロシア杯、NHK杯で見つけた課題を修正し、全日本選手権ではある程度、完成した演技をして、五輪本番を迎える。それが、2つ目の金メダル獲得のために綿密に計画されたスケジュールでしたが、ケガで崩壊してしまった。羽生選手にとって大きな誤算です」(野口さん) ソチ五輪金メダル、世界選手権は2度、優勝。GP(グランプリ)ファイナル4連覇と、次々に記録を塗り替え、世界歴代最高点をも更新し続けてきた羽生。彼はこれまで幾度となくケガや病気に見舞われながら、その壁が高く、試練が大きいほど、乗り越え、進化してきている。 ソチ五輪以降、男子フィギュアスケートは“新4回転時代”に突入し、年々、ハイレベルな競技になってきている。4回転ジャンプは当たり前。1つのプログラムで数種類の4回転を跳び、コンビネーションにしなければ、メダル獲得は難しい。加えて、ステップやスピンでも、GOE(出来栄え点)で加点がつく完璧な演技が求められる。 トップを走る羽生は、より高い技術と完璧な表現をストイックに追求することで、常にケガや病気、アクシデントに遭遇した。オリンピック後は毎年のように、この試練に直面することになる。 ’14年10月、GPシリーズ中国杯の試合直前の6分間練習で、中国のハン・ヤン選手と激突。ブライアン・オーサーコーチも止めるなか、頭に包帯、顎にばんそうこうという姿で演技した。ジャンプで5回も転倒し、会場から悲鳴が上がったが、最後まで滑りきり、銀メダル。 その時期、羽生が口にした言葉は印象的だ。 「たくさん乗り越える壁をつくっていただいて、こんなに楽しいことはない。自分が弱いということは、強くなれる可能性があるということ。壁を乗り越えた先にある景色はいいものだと思っています」 壁を恐れない強さを身につけた羽生は、その後のGPファイナルで4回転ジャンプを次々に決め、金メダルを獲得。続く全日本でも3連覇を果たした。ところが、その直後に、尿膜管遺残症と診断され、開腹手術を受ける。’15年3月の世界選手権は出場が危ぶまれたが、気迫の滑りで2位に入った。 野口さんは次のように話す。 「この試合の後、羽生選手は『追い込みすぎて疲れたら、調子が下がるのは当たり前。自分のさじ加減を考えるきっかけになったな。失敗しないと気付けないことはたくさんある』と、すぐに新たな課題を見つけていました。『ミスしたことは、成長への糧になる』それが、彼のプラス思考。壁を乗り越える力なんです」 そして、こう続ける。 「彼のレベルまでいけば、あえて新しいものに挑戦するより、同じジャンプ構成のまま、より演技に磨きをかけていい点数をキープすればいい。でも、彼はあくまで挑戦したい。挑戦しすぎるんです。彼には、進化するためには、苦しい時期があるのが当然という考え方があるんですね。ネイサン・チェン(アメリカ)が4回転を5種類跳んだという情報を耳にすると、楽しくてしょうがない。まだまだ、自分にはやることがあるとワクワクしてしまうんです」(野口さん) 世界選手権で2度の銅メダルを獲得、現在はフィギュアスケートの解説者を務める本田武史さんは、羽生が今回のケガをする場面に遭遇していた。 「ちょうどあの日、僕は目の前で見ていた。ジャンプで跳び上がった瞬間、合ってないぞと思いました。普通は回転をやめますが、羽生選手はそのまま行ってしまったので、転んではいけない方向に転んでしまった。全日本に出たい気持ちもわかるが、五輪で100%を出すことを考えて、足と相談してほしいと思います」(本田さん) 本田さんと羽生は、ともに仙台市内の「泉DOSCアイスアリーナ」に通った間柄。仙台時代には接点はなかったが、東日本大震災後のアイスショーで、同じリンクを滑った。 「あのころ羽生選手は東神奈川にいて、すごい数のアイスショーに出ていました。お客さんの前で、緊張感をもって滑る経験を積んで、練習時間も練習場所もない逆境を克服したんです。彼はマイナスをマイナスと考えていなかった。どうしたら、できるのか。そればかりを考えていました」(本田さん) 《逆境はプラスだ》という考え方が、彼のなかに芽生えたのは、このころだ。泉DOSCで、羽生を指導した都築章一郎さんは言う。 「アイスショーが、リハビリになったと思います。横浜のリンクで練習して、ショーで確かめる。その半年間でした。震災で、生と死について、強く感じたと思うし、それを乗り越えて、競技している。結弦は、天真爛漫に動いていた少年時代より、強い信念をもってスケートをするようになりました」(都築さん) 最後に、数々の危機を乗り越えてきた羽生を見て本田さんは思う。 「『不可能という文字はない』それは、羽生選手の生き方」
2017年12月30日日本スケート連盟が12月24日、来年2月の平昌五輪に出場するフィギュアスケートの代表を発表した。 男子は男子は右足負傷の回復が間に合わず全日本選手権を欠場した羽生結弦選手(23)、同選手権優勝の宇野昌磨選手(20)、同選手権2位の田中刑事選手(23)に。女子は同選手権4連覇を達成した宮原知子選手(19)、同2位の坂本花織選手(17)が選ばれた。 「羽生選手が欠場しても五輪の代表争いには視聴者の関心が高かったようで、全日本選手権は23日にフジテレビ系で放送された女子フリーの平均が14.0%(ビデオリサーチ調べ、関東地区、以下同)、24日放送の男子フリーは11.8%を記録しました。もし羽生選手が出ていれば男子の方はもっと数字が跳ね上がったはずです」(スポーツ紙の五輪担当記者) すでに平昌五輪のフィギュア中継局は決定済み。前回14年のソチ五輪から導入された団体戦はNHK、フジテレビ、日本テレビが放送権を獲得。男子の個人はTBSとNHK、女子の個人はテレビ朝日とNHKがそれぞれ中継する。 「国民の関心は高い五輪だが、やはり五輪の個人2連覇がかかった羽生選手が出るか出ないかでは大違いです。代表が正式決定して中継の責任者は胸をなで下ろしています。ケガの影響もあって団体戦には出るか分からないので、団体戦の放送権を獲得した局は天に祈るしかないでしょう」(NHK関係者) ソチ五輪で羽生選手が金メダルを獲得した男子フリーはフジが中継。午後11時台から午前4時台の放送にもかかわらず平均16.6%、瞬間最高23.1%を記録した。平昌ではどこまでこの数字を更新するかが注目される。
2017年12月27日一気に寒くなってくる冬!!温泉に行って、ゆっくりとお湯につかりたいけれど、なかなかそうもできませんよね?おうちでできる温め入浴法をいくつかご紹介しますので、「これ家にある!!」というものから、どんどんお風呂に投入して体を温めていってくださいね!!入浴剤以外の”ぽかぽかアイテム”3選!!お風呂に入れるのは入浴剤だけとは限りません!!ちょっと意外なものも含めて、お風呂に入れると体を心地よく温めてくれるのです。冬のお風呂にどぼんと入れて、体をぽかぽか温めてあげましょうね。1.「ゆず」は冬限定の入浴アイテムゆずと言えば、冬至のときお風呂に入れる、定番アイテムですよね。ゆずの皮には体を温めてくれる作用があり、香りもよく、リラックスしてお風呂につかれます。ゆずの果肉には酸が含まれており、肌の弱い人にとっては少し刺激になることもありますので、この点だけは注意しましょう。皮をむかないようにすれば大丈夫です。また、ゆずのタネには、保湿成分が含まれており、化粧水の材料などに使われることもあるくらいです。このため、ゆずをお風呂で使用した後は、タネを取り出し、水につけて冷蔵庫に保管しておきましょう。果肉にはプルプルとした保湿成分が出てきますので、これをお風呂に入れれば、今度は保湿入浴剤として使用できます。ゆずは冬には安く売られるようになりますし、お庭で栽培している人も多いですよね。とっても、おすすめで、二度楽しめるゆず入浴、試してみてください。2.「あら塩」は年中無休の”コスパ入浴剤”あら塩とは、通常の食卓塩とは違い、天然のミネラル分をたっぷりと残した天然塩のことです。こんな風に言うと、オーガニック専門店等でしか買えないのでは?と思われる人もいるかもしれませんが、実は普通のスーパーやネットで一袋数百円程度で買えてしまうのです!!普通の入浴剤は一回分でも100円以上するものが多い中、あら塩はとってもお得で。7~8回分以上が200円くらいで買えてしまいます。使い方もいたって簡単。だいたいカップ一杯分程度の量を、お風呂に度本と入れるだけでOK。これだけで、ぽかぽかあら塩風呂の完成です。あら塩にはミネラルがたっぷりと残っていて、バスソルトと同じような効果が期待できます。さらに、香りなどをつけたい場合は、アロマオイルなどで好みの香りを足してもよいでしょう。コスパ最強のあら塩浴、ぜひ、今夜からお試しあれ!!3.「日本酒」は大人だけのお楽しみ日本酒って、実はそのまま化粧水に使われることもあるくらい、お肌にいい保湿成分などを含んでいるって知っていましたか?化粧水として販売されている日本酒もあるくらい、日本酒は古くから女性の美容に役立つものとして、愛されてきました。そして、お風呂に入れると、保湿効果だけでなくアルコール分が適度に体を温めてくれますので、冷えなどにも効果的なのです。とはいえ、アルコールを含むものなので、お子さんが入るお風呂に入れるのは、やめておきましょうね。入れるときはカップ一杯程度をお風呂にばしゃっと入れて香りと温かさを満喫しましょう。おすすめコスパ入浴剤はこれ!!もちろん市販の入浴剤も冬の温め対策にはとってもおすすめです。なかでも、コスパがよくて、毎日使えそうなものを選んでご紹介します。薬局で買えるものもあるので、手軽にお試ししてみてくださいね。「きき湯」は体調に合わせてチョイスきき湯 マグネシウム炭酸湯 気分ほぐれるカボスの香り 柑橘色の湯 360g 透明タイプ 入浴剤 (医薬部外品)羽生結弦選手のCMなどでも有名なきき湯は薬局で買える入浴剤の中でもおすすめの1品です。いろいろな効果のあるものが出ているので、その時の気分や体調に合わせてチョイスするのも楽しいでしょう。冬の温め対策には、温め効果の強いオレンジ色のきき湯が一番のおすすめです。「バブ」はいろいろな種類を楽しもう【大容量】 バブ 6つの香りお楽しみBOX うるおいプラス 48錠 炭酸 入浴剤バズはタブレット状の入浴剤で、ロングセラーの人気商品です。薬局でもネットでも買えて、香りも効果もいろんなタイプのものが出ていますので、選ぶ楽しさもひとしおです。いろいろな種類を用意しておいて、うまく使って楽しみましょう。「湯の花」は温泉に行ったら欠かせないお土産別府温泉 薬用湯の花 5袋入り温泉の元は、よく販売されていますが、実際の温泉に行くと湯の花といった、その温泉でとれた、温泉のもとが販売されています。袋にたっぷりと入ってコスパもいいので、お土産でおねだりしてみてもいいかもしれません。温泉と近い効果が期待できるので、本当に温泉に行ったような気分が楽しめますよ。ネット販売もされているので、一度試してみましょう。ぽかぽかお風呂で冬の寒さを乗り切ろう!!身近にあるものでぽっかぽかお風呂。今すぐできることから始めて、冬の冷えから遠ざかりましょう。女性にとって冷えは大敵、冷えてていいことなんてほとんどないので、冷えない体づくりにお風呂をうまく利用しましょう!!冬でも冷えない体づくりで、不調やおブスの原因を吹き飛ばしましょう!!
2017年12月18日《Happy Birthda Yuzu》 カナダのトロント郊外のバス停に、突如としてそんな文字が綴られたポスターが貼り出された。祝福の言葉とともに写っているのは、衣装をまとった羽生結弦(23)だ。 11月9日、NHK杯の練習中に“右足関節外側靱帯”を負傷。現在は練習拠点でもあるトロントでリハビリに専念している羽生。12月7日に23歳の誕生日を迎えた彼を待ち受けていたのが、トロントの人々によるこの“粋なサプライズ”ポスターだった。 「カナダの人たちも応援してくれていますからね。もちろん、けがのこともわかっていて、激励の意味もあったんだと思います」(現地関係者) ポスターを見た羽生は「すごい……」と声を挙げたそう。また、リンクでも羽生は仲間たちに祝福されていた。 「コーチやスタッフのみんなが集まって、サプライズで羽生をお祝いしていました。用意されたケーキのプレートには、シンプルに『ハッピーバースデー』とだけ書かれていました。『五輪』や『金メダル』などの文字を入れて、リハビリ中の彼のプレッシャーにならないよう気遣ったそうです」(スケート関係者) というのも、この日は羽生の誕生日であると同時にGPファイナルの開幕日。毎年、羽生はライバルたちに囲まれながら誕生日を迎えてきた。だが、今年はリハビリの中で迎えることに――。 7年ぶりにテレビで観戦することになったGPファイナルの悔しさ。そして、サプライズづくしの誕生日で感じた周囲の期待の大きさ。羽生はけがを乗り越え“完全復活”に挑む――。
2017年12月14日12月13日、政府が将棋の羽生善治氏(47)と囲碁の井山裕太氏(28)に国民栄誉賞を授与する方向で検討に入ったと報じられた。 羽生氏といえば、12月5日に永世竜王の資格を獲得。7つある将棋の永世称号資格をすべて獲得し、「永世七冠」を達成。前人未到の偉業だった。 「羽生氏の国民栄誉賞授与については、永世七冠を達成した時点ですでに期待が高まっていました。そうした声を受けて、政府も動いたようです。関係者の意見も聞いたうえで最終的に判断するとしていますが、授与はほぼ確実でしょう」(全国紙記者) Twitterでは、そんな羽生氏の国民栄誉賞報道に歓喜の声があがっている。 ≪えええええええええ羽生さん井山さん国民栄誉賞だと!?≫≪すごいすごい!神やから当たり前やけどな!≫≪羽生さんは神。井山は天才≫≪羽生善治=将棋星人という風潮≫ また≪国民栄誉賞まだもらってなかったのか≫など、羽生氏の偉業を考えれば妥当との声も多いようす。さらには≪もう人間国宝と呼んだ方がいいレベル≫など、人間国宝認定に期待の声も高まっている。 ≪ある意味羽生さんはもう、人間国宝級だと思う≫≪羽生竜王は人間国宝も認定してもいいと思う≫ 将棋界の歴史を次々と塗り替えてきた羽生氏。このまま一気に人間国宝にも選ばれるかも!?
2017年12月13日YOUTUBE再生回数は一億回を超え、ヨーロッパ、北米・南米でスタジアム級の会場を満員にしている超ホットなイタリア男子3人組のヴォーカル・ユニット「イル・ヴォーロ」。11月27日、イタリア大使館で行われた記者会見には元気いっぱいな姿で登場し、イタリア人らしい陽気なジョークで会場に集まった記者たちを湧かせた。「日本に来られて大変ハッピーです。日本の女性はみんな美しくて、それだけではなくとても洗練されていますね」と語ったのはイケメン担当(?)のジャンルカ。女性向けのファッション媒体も多く集まった会場を一気に活気づけ、アモーレの国の男子のパワーを見せた。「日本に来て食べたいものは?」という質問には、間髪入れずメンバーの中でも一番ひょうきんなイニャツィオが答える。「寿司が最高です。寿司の繊細さは素晴らしいですよ。僕たちが知っている寿司はアメリカを経由してイタリアに伝わってきた寿司で、本物の寿司ではなかったのです。寿司は毎日でも食べたいですね」。実力派のヴォーカリストとして14、5歳の頃から頭角を表していたという3人。「祖父の世代から音楽好きの一家で、両親は三大テノール(パヴァロッティ、ドミンゴ、カレーラス)をよく聞いていました。イル・ヴォーロが目標とするのもそうした偉大なテノールですが、最終的には自分たちならではのオリジナリティを磨いて、イタリアを代表するグループになれたらいいと思っています」こう語るのは、眼鏡がトレードマークのピエロだ。「僕たちは3人ともテノール。声の特徴も違うし、ダイナミック・レンジも少しずつ違います。そうしたことを配慮しながら、曲の配分を行っているんですよ」とイニャツィオが付け加える。磨き抜かれた美声とドラマティックな曲調がフィギュアスケート界でも話題となり、羽生結弦やエフゲニー・プルシェンコも彼らの曲をエキシビジョンに使用したほど。全員が20代前半という若さだが、ドラマティックな表現力はベテランの域に達している。チャームポイントの髭について質問されると「イタリアの床屋が全員倒れてしまったから、伸ばしっぱなしなのです」とまたジョーク。「僕たちはイタリア人なので、今日一日を精いっぱい生きることがポリシーなのです」と語る3人は、コンサートでもとびきりの元気をファン与えてくれそうだ。12月1日(金)のカルッツかわさきの公演では、当日券販売予定。気になる方はお見逃しなく!取材・文:小田島久恵
2017年11月30日(写真:アフロ) 「ニュース直後から参拝者が増え始めて、週末には羽生さんの完治を願う絵馬が大量に並びました」と語るのは、京都・護王神社の関係者だ。 11月9日、NHK杯の公開練習中に転倒して“右足関節外側じん帯損傷”の重傷を負った羽生結弦(22)。ネットでは「祈祷班」として復帰を願う人たちが続出している。護王神社の御利益は“足腰の守護”。奈良時代には和気清麻呂公の足萎えも完治させたとの故事が残っている。その御利益を求め、熱心なファンたちが神社へ“祈祷”に殺到したようだ。 そんなファンたちの心配が募るなか、11月17日にはコーチを務めるブライアン・オーサー氏(55)が「復帰計画」を発表した。オーサー氏は近く練習拠点であるカナダのトロントに渡り、今後の方針について話し合う予定。また「全日本に向けて準備させる」と語り、12月21日から始まる全日本選手権までに復帰させる意向を明らかにしたのだ。 さらに1カ月後の復帰を万全とすべく、日本でも最先端の医療スタッフらによる“チームゆづ”が結成され始めているという。 「チームの中心として名前があがっているのは、東京・国立スポーツ科学センターに所属している藤木崇史医師と、福田直子医師。ともにスポーツ医学界の第一人者です。そのほかにも伊達公子や錦織圭のリハビリも担当した実績もある優秀なスタッフたちが集まり、羽生選手が日本にいる間のサポートを担当することになりそうです」(フィギュア関係者) カナダと日本で同時に進められる復帰プロジェクト。周囲からの心配が募るのなか、今回の怪我を前向きに受け止める声も上がってきているという。 「実は“今回の怪我で金メダルが近づいてきた”とも言われています。もともと羽生選手は高難度のジャンプに強いこだわりを持っていましたが、ケガをしたことで難しいプログラムを見直す必要が出てくるでしょう。それは逆をいえば、安定的な演技が期待できるようになるということでもあります。彼は演技力だけでも世界をとれるほどの存在。プログラムの難度を下げたとしても、金メダルは十分手が届くでしょう」(スケート連盟関係者) “奇跡の復活”が見られる日は、そう遠くないかも!
2017年11月27日(無断転載禁止)猫に対する客観的な視点と、友としての猫に対する敬愛の念が呼応した、猪熊弦一郎ならではのユニークな猫たちに逢える展覧会「猪熊弦一郎展 猫たち」が、渋谷のBunkamura ザ・ミュージアムにて2018年3月20日から4月18日まで開催される。百花繚乱の昭和の画壇にあって試行錯誤を繰り返しながらも、常に独自の境地を維持し、極めて個性的な作品群を残した画家・猪熊弦一郎。彼は「いちどに1ダースの猫を飼っていた」ほどの無類の猫好きとして知られ、私生活でも作品のモチーフとしても猫は重要な存在だった。もちろん、彼の芸術は猫だけにとどまるものではない。本展は彼が愛した猫たちを描いた作品を堪能することで、猪熊弦一郎の奥深い世界に触れるきっかけとなるよう企画されており、猪熊の地元・香川県の丸亀市猪熊弦一郎現代美術館所蔵の猫を描いた油彩、水彩、素描を中心に、猫以外の主題の作品も若干加えた百数十点によって構成されている。なお、当日券より400円お得な早割チケット(一般のみ/税込900円)が、10月7日から2018年1月5日まで販売中。また、1月6日からは通常前売り券(一般/税込1,100円、大学・高校生/税込700円、中学・小学生/税込400円)と、数量限定のオリジナル缶バッジ付き前売券(一般のみ/税込1,400円)が3月19日まで販売される。【展覧会情報】「猪熊弦一郎展 猫たち」会期:2018年3月20日~4月18日会場:Bunkamura ザ・ミュージアム住所:東京都渋谷区道玄坂2-24-1 地下1階時間:10:00~18:00(毎週金曜、土曜は21:00まで)※入館は各閉館の30分前まで料金: 一般 1,300円(1,100円)大学・高校生 900円(700円)中学・小学生 600円(400円)※( )内は前売および団体料金会期中無休
2017年11月20日(写真:アフロ) 「結弦はショックを受けて泣いていた……」 帯同していたコーチはそう明かしたという。11月10日、グランプリシリーズ第4戦となるNHK杯を棄権した羽生結弦(22)。大会前日の公式練習で転倒してしまい、右足首じん帯を損傷したのだ。 今回の欠場で、12月のGPファイナル出場は絶望的。大会5連覇という前人未到の夢は消えてしまった。さらに年末の全日本選手権や、来年2月の平昌五輪出場にも影響が出かねない状況だという。 「羽生選手のケガの状態について現時点では“全治不明”とのことで、全日本への出場も心配されています。GPファイナル出場を逃した羽生選手が五輪に出場するためには、全日本で表彰台に上がらなければなりません。もしここに出場できないとなると、五輪出場に黄信号がともってしまうのです」(前出・フィギュア関係者) だがそんななか、連盟はある計画を“画策”し始めているというのだ。 「連盟から『羽生選手が全日本に出場できなくても五輪代表に決める』との声が上がっているそうです。五輪代表の選考基準では、基本的に全日本の表彰選手とGPファイナル上位2名が出場対象となります。世界ランキング上位選手や今季最高得点をあげた選手も可能性があるのですが、そうなると全日本やGPファイナルで好成績だった選手を差し置いて繰り上げ当選させることになります。こうした措置は過去にも賛否を呼んでいます。羽生選手はケガがなければ、正々堂々と代表の座を勝ち取っていたはず。連盟のプランは屈辱的でしょう」(前出・フィギュア関係者) だが、ケガのたびに何度も蘇ってきた羽生。今回も「治療に専念し、全日本に向けて頑張ります!」と出場に意欲を見せている。 「この時期に練習できなくなるのは、羽生選手にとってかなりのマイナスです。それでも彼は『五輪本番じゃなかったのが不幸中の幸い』と言って、切り替えていますよ」(別のフィギュア関係者) 羽生は逆境を乗り越え、平昌五輪にたどり着けるのか!?
2017年11月19日フィギュアスケート選手の羽生結弦が、7日より公開されるロッテ「ガーナミルクチョコレート」のPR動画に出演し、エプロン姿でホットチョコレートづくりに挑戦している。女優の土屋太鳳、松井愛莉、広瀬すずが出演する「ガーナミルクチョコレート」の新CM「この冬ガーナで何をする?」編が全国で7日より公開されるのにあわせ、羽生選手を起用した広告ビジュアルも屋外広告や店頭POP等で全国に順次展開。羽生選手が寒い冬にぴったりな“ホットチョコレート”をおすすめするという内容になっている。そして、実際にホットチョコレートづくりに挑戦。チョコレートを割り、電子レンジで加熱するなど、手際よく調理を行い、さらに、マシュマロ、ホワイトチョコレート、ハニージンジャーなど試行錯誤しながらこだわりのトッピングを施し、羽生選手によるオリジナルホットチョコレートを提案した。その様子が、7日より「ガーナミルクチョコレート」の公式サイト、ホットチョコレート特設ページにて公開される。広告ビジュアルの撮影では、冬らしい真っ赤なセーターで登場した羽生選手。撮影は夏の暑い日に行われ、スタッフが撮影の合間に仰いでいた扇子を見つけると、扇子を手に取り「実はこんな特技があって・・・日本舞踊が踊れるんです!」とその場で日本舞踊を披露。「通っていた小学校の伝統で、生徒全員で踊るんです」と意外な特技を告白し、その姿にスタッフも「羽生選手・・・多才だなぁ」と驚いていたという。ホットチョコレートづくりでは、1分30秒電子レンジで温める工程で、「(1分30秒で)何が出来るかな・・・(演技の)後半のジャンプ全部できるかな?後半のエレメンツ全部かな?(笑)」と常にフィギュアスケートのことを考えていた羽生選手。出来上がったホットチョコレートを一口飲むと「おいしい!すごく“ほっと”しますね・・ホットチョコなだけに(笑)。」と語り、現場は和やかな空気に包まれたという。そして、「甘さの中に生姜の辛みも効いていて、いいアクセントになっています。ぜひお試しください」と呼びかけた。
2017年11月07日(写真:アフロ) 来年2月に開催される「平昌オリンピック」(韓国)シリーズを前に、オリンピック連覇のかかる羽生結弦(22)が、テレビのインタビューで、「全員がノーミスをした中で、自分もノーミスをして圧倒的に勝ちたい」と闘志を語った。 今月20日には、グランプリシリーズ初戦のロシア杯が開幕。グランプリファイナル5連覇を目指す羽生が登場し、最大のライバル・アメリカのネイサン・チェン(18)と激突したばかり。 今回、本誌では、男子フィギュアスケートのオリンピックシーズンの見どころを、元フィギュアスケーターで解説者の佐野稔さんと、スポーツライターの折山淑美さんが徹底解説してくれた。 「もはや4回転を何種類、ショート+フリー合わせて何回跳ぶか、で勝負がつく時代です。4回転と3回転のコンビネーションも必須。種類と数では、アメリカのネイサン・チェンが5種類、宇野(昌磨)、金博洋、ヴィンセント・ゾウが4種類と続きます。現在3種類を跳ぶ羽生くんですが、公式練習ではすでに成功している4回転ルッツを、本番でどう成功させるかに注目です」(佐野さん) さらに佐野さんはこう続ける。 「フィギュアではもちろん、ジャンプだけでなく、芸術面での完成度も求められるので、総合面で羽生くんにかなう選手はいない。羽生くんは、’15年のグランプリファイナルで世界歴代世界最高のトータル点となる330.43をたたき出しました。得点には、『技術の基礎点』、『GOE』と呼ばれる出来栄えを評価する点、そして『演技構成点』の3つがあります。このときのフリー『SEIMEI』の演技構成点は100点満点の98.56点。そこまで出した人はいまだかつていません。またオリンピックの審査員はほぼ海外の人なので、メード・イン・ジャパンの作品『SEIMEI』は審査員にはエキゾチックに映り、高評価のはず。自らの記録を超えて66年ぶりの金メダル連覇を成し遂げてほしい」(佐野さん) 折山さんも羽生の選曲に“完成度の高いもので勝負する”意志を感じるという。 「私はショートの演目『バラード第1番』の静かな音で跳び上がり、ふわっと着氷する、彼のトリプルアクセルが好きです。しなやかな美しさのあるスケーティングは、GOEの出来栄え点も取れます。羽生がノーミスなら、断トツに強いでしょう」(折山さん) ただ羽生の調子が悪かったときは、320点あたりで優勝争いが混沌としそうと折山さん。 「その場合、319.84点で世界歴代2位の宇野がノーミスなら羽生に競っていける。4回転は4種類を跳べます。コーチの樋口(美穂子)さんの振付で演技に力強さが加わり、演技構成点も上がっています」(折山さん) 羽生が4回転ルッツを鮮やかに決めて、宇野も4種類を跳んで、日本勢のワンツーフィニッシュを見届けたい!
2017年10月28日(写真:アフロ) 「まわりは右ヒザを心配していますが、彼は練習量を減らすどころか増やしているようです。オータムクラシックでは見せなかった4回転ルッツを何度も飛び、周囲から『ケガをしているとは思えない』と驚きの声が上がっていました」(フィギュアスケート関係者) 10月20日から始まるロシア杯に出場する羽生結弦(22)。9月のオータムクラシック直前に右ヒザ痛を訴えていたことが発覚していたが、平昌五輪の前哨戦ともいえるグランプリシリーズの初戦とあって並々ならぬ闘志を燃やしているという。 15年1月には右足首を捻挫し、昨年4月には左足リスフラン関節じん帯を損傷。そして右ひざを故障してもなお飛ぶことをやめない羽生。いったい何が彼をここまで駆り立てているのかーー。 今季フリープログラムに2年前の演目『SEIMEI』を選んだ羽生。映画『陰陽師』の安倍晴明を題材にしたこの演目で、羽生は過去に世界新記録を連発してきた。そんな勝負曲を再演するにあたり、羽生はシーズン直前の6月に京都・晴明神社を訪れていたという。宮司がこう語る。 「羽生さんは2年前に参拝した後で世界最高得点を出すことができたため、そのお礼参りに来られました。境内には樹齢数百年という大きな楠のご神木があるのですが、それを両手で抱きかかえるようにしてパワーをもらっていました。そして参拝の際は表情をひきしめ、凛とした佇まいでじっと前を見つめていました」 そのとき彼が絵馬に書いたのは 《私の演技がきっかけで、皆さんに幸せがおとずれますように》という願いだった。羽生はその足で神戸の弓弦羽神社も参拝。ファンの聖地となっているこの神社。絵馬には《私が少しでも導きの光となれますように》との言葉も綴られていた。実は、それらの思いは羽生選手が抱き続けた“父との約束”でもあるという。 「父・秀利さんは息子の名前を付ける際、“弓を結ぶ弦のような凛とした人間になってほしい”と願いを込めたそうです。羽生選手としては五輪シーズンを前にして不安もあるはずです。しかし苦しい時期だからこそ、父が願った凛とした人間でありたいと思った。その“命名の思い”を胸に刻む意味もあり参拝したのでしょう」(前出・フィギュア関係者) 絵馬に壮大な夢を書き込むことで、自らを鼓舞している羽生。家族やファンの想いを胸に、羽生の挑戦は続く。
2017年10月19日「磨き上げた4回転ジャンプと表現力、そして挑み続ける姿勢など、“羽生結弦は今シーズンも高得点を出すように仕上げてきた”というイメージをジャッジ(審判)に発信できたことが大きな収穫です」 そう語るのは元フィギュアスケート選手の中野友加里さん。来年2月に行われる平昌オリンピックで、66年ぶりの快挙となる五輪2連覇を狙う羽生結弦(22)。今シーズンの初戦「オータム・クラシック」(カナダ・9月21日~)では、ショートプログラムで世界歴代最高点をたたき出すも、フリーではジャンプの失敗が響き2位に。「ユヅ君、大丈夫?」とファンをヤキモキさせた。 「オータム・クラシックは順位や点数よりも、実戦調査とともに、昨シーズンからどれだけ成長したかをジャッジの頭にすり込ませる大切な機会。フィギュアは人が採点する競技。とくに五輪イヤーでは、本番の舞台で最高の演技をするのはもちろんですが、その前から、ジャッジに“強さ”を印象づけておくことも重要。今回のミスもたいした問題ではありません。逆に、オフシーズンに十分滑り込んできたこと、まだまだ期待値があることをジャッジは感じ取ったはずです」(中野さん・以下同) ユヅ君のさらなる“進化”で、2つ目の金メダルが近づいたとみていい? 「ライバルの成長もあり、激しい争いが予想されますが、羽生選手が表彰台の頂点にもっとも近いことは言うまでもありません。注目はGPシリーズを勝ち抜いた者だけで競うGPファイナル。優勝者となれば、五輪の金メダルへの歩みを進めたといえるでしょう」
2017年10月16日各分野で若い才能が開花!史上最年少でプロ棋士となった14歳の藤井聡太四段に、スポーツ界では世界卓球で活躍を見せた張本智和や平野美宇、フィギュアスケートの本田真凜など。そんなNEXTジェネレーションの強さを識者の方々が解説してくれました。解説してくれたのは、教育評論家の尾木直樹さん、スポーツライターの藤島 大さん、SNSコンサルタントの石井リナさんです。グローバルな視点ネット社会がグローバル化を後押しし、世界はぐっと身近になった。なかでも特にインスタグラムやYouTubeの影響は大きいと石井さんは言う。「このふたつの登場で、コミュニケーションが、テキストからビジュアルに変わりました。言語を介さず、世界中の人と写真や動画で瞬時につながり合うことで、世界がより身近で対等に感じられる時代になったのです」“世界で戦う”意識も定着しているという。「ダルビッシュ有や岡崎慎司らが海外で活躍する姿を映像で見ているので、自分自身と世界を遮断する壁がない。その結果、とても無理だと感じる者と、これなら私もできそうだと思う者にくっきりと分かれ、後者が目覚ましい活躍をしているのです」(藤島さん)先進的なコーチング根性論やスパルタとは一線を画す、新しい指導法の普及もスポーツ界で実を結んでいる。「体育会系の指導は通用しにくい時代。日本柔道の井上康生監督が、科学的なトレーニングや栄養学、沖縄相撲などを取り入れて、リオ五輪で選手を躍進させたように、ロジカルな指導が勝利に結びつきます」(尾木さん)競技ごとに、最新の設備が整ったナショナルトレーニングセンターなど、選手を強化する環境も整いつつあるが、「情報化が進んで、熱心な親であればよきコーチングに関する知識を持てます。そして正しい理論を身近な人が知っていれば、幼くして世界を見すえられる。熱意次第で、よりよい環境を手に入れることができるようになったということです」(藤島さん)ゆとり教育これまで何かと否定的に捉えられてきた「ゆとり教育」だが、再評価の動きがある。実際、20代半ばくらいまでのゆとり世代には、錦織圭、羽生結弦や萩野公介など、世界クラスのトップアスリートが勢ぞろい。「ゆとり教育は実践がうまくいかなかっただけで、主体性を育む理念は間違っていません。参加型の授業スタイルにより、物事に主体的に取り組む姿勢が生まれ、それが各分野で輝く才能を生む成果にもつながったのです。また、ゆとり以降の世代には、他者との比較ではなく『絶対評価』の軸があり、自分のパフォーマンスの真価を、勝負以上に重視します。常に自分自身と向き合う視点があるからこそ、表現者としても一流で、さらなる高みへ成長し続けられるのです」(尾木さん)親のバックアップ親や身近な大人が、子どもの持っている個性とどのように向き合うか、そしてどう伴走するかも重要になると、尾木さんは言う。「とてもシンプルです。子どもをよく見て、好きなことや得意分野を見極めること。そして、強制も否定もせず、適度な距離感で支えてあげる。それにより、その子の可能性が広がり、自立心や感性が育ちます。若くして才能を開花させた人の親御さんとお会いすると、これを自然に実践している人が多いです」時代的な流れとして、親世代も社会の多様性を受け入れる傾向があるよう。「レールを敷くのではなく、子どもを尊重する親が増えました。アーティストなど、思い切った道に進んで成功をつかみやすくなったのはそのせいかもしれません」(石井さん)尾木直樹さん教育評論家尾木ママでおなじみ。教育現場に密着した研究に取り組む。近著に『取り残される日本の教育』(講談社+α新書)など。藤島 大さんスポーツライター雑誌で連載するコラムに定評が。ラジオNIKKEIのラグビー番組に出演中。『人類のためだ。』(鉄筆)など著書多数。石井リナさんSNSコンサルタントWeb広告のコンサルタントを経て、フリーランスとして企業のマーケティングに従事する。初期のゆとり世代でもある。※『anan』2017年9月6日号より。取材、文・熊坂麻美(by anan編集部)
2017年08月30日平昌冬季五輪まであと半年となった8月9日。カナダ・トロントで羽生結弦(22)の今季フリープログラムが発表された。 それは2シーズン前と同じ『SEIMEI』。再演プログラムで平昌五輪に挑むという決定にフィギュア関係者からは驚きの声が上がっていたが、この日の公開練習で関係者を注目させるものがもう1つあった。 「手袋が、いつも使っている黒の無地のものではありませんでした。黒地にゴールドで、氷と水の妖精のイラストが描かれたものに変えられていたのです。『アイスリンク仙台』のキャラクターショップで売られている、定価799円のアクリル製の保温用手袋でした」(フィギュア関係者) 羽生は4歳のときから、母に連れられてこのリンクを利用してきた。そのため彼は、これまで折に触れてリンクや地元への寄付を続けてきたのだ。総額は3千万円以上にのぼるという。『アイスリンク仙台』の関係者はこう語る。 「ここの送迎用バス2台は、羽生選手が寄付してくださった『蒼い炎』の印税で購入することができました。このリンクには顔見知りの子どももいますから、シーズンオフになると様子を見に、顔を出してくれていますよ」 新シーズン最初の公開練習に大切なリンクの手袋をつけて臨んだ羽生。故郷へ特別な思いを抱いている彼にとって、その手袋には大きな意味があった。 「故障明けの大会や優勝が懸かった演技の午前練習など、これまでも羽生選手は重要な節目にこの手袋をよく着けていました。今回のプログラム決定に際して、彼の心は大きく揺れました。そんな自分を奮い立たせるために、そして『僕はいつでも故郷・仙台のことを忘れない!』というメッセージを込めて、手袋をつけたのかもしれませんね」 自分を支え、育ててくれた故郷の人たちに、今度は自分が五輪連覇で恩返しを――。羽生はそんな思いを799円の黒手袋に込めていたのだ。
2017年08月24日