神戸市広報課のホームページで連載中のブログ「ごろごろ、神戸。」の著者、平民金子による初の展覧会『平民金子展「ごろごろ、神戸。」もうひとつの世界』が、4月1日(月)から4月30日(火)まで神戸・塩屋の784JUNCTION CAFEにて開催される。期間中は、会場限定のZINEの販売やトークイベントなども行われる。「ごろごろ、神戸。」は、2015年に神戸に移住してきた文筆家・写真家の平民金子が、神戸市広報課のホームページで2017年より連載しているブログ。自身による写真と文章で神戸のさまざまな場所を歩く様子を記録したものだ。頻出するのは須磨水族館や東山商店街、稲荷市場など、お洒落な神戸のイメージとはちょっと異なる味わい深い町の姿。それらを子育てをする親の目線を通して、独自の筆致で紹介する人気連載である。平成が終わるこのタイミングを区切りに行われる平民金子初の展覧会。本展では、神戸移住後に彼が撮りためてきた膨大な写真の中から、可能な限りを展示する。また、期間中には全編書き下ろしのZINE「ごろごろ、神戸(B面)」を会場限定で販売予定。さらに、神戸を語った名著『神戸、書いてどうなるのか』でも知られるロック漫筆家・安田謙一とのトークショーも開催される(こちらは既に定員に達しているため現在はキャンセル待ちのみ受付中)。同期間中、カフェ1階の図書ルームでは神戸・元町の書店「1003」のセレクトによる「食の本棚」も展開される。会場となる塩屋は、神戸の西に位置し山と海に挟まれた小さな町。駅前には旧い商店街が直結し、旧グッゲンハイム邸など現存し利用されている洋館もある。平成最後の1か月、展覧会とあわせてぜひ神戸の様々な魅力を感じてほしい。平民金子展「ごろごろ、神戸。」もうひとつの世界▼平成31年4月1日(月)~4月30日(火・祝)784JUNCTION CAFE兵庫県神戸市垂水区塩屋町9-14-7(JR・山陽塩屋駅より徒歩13分)入場無料日曜休9:00-18:00078-778-7071※同時開催神戸元町1003「食の本棚」※会場限定ZINE『ごろごろ、神戸。(B面)』の販売あり※スペシャルトークイベント平民金子×安田謙一4月6日(土)15:00~1000円+1drink満席につき予約終了(キャンセル待ちのみメールにて受付中)
2019年03月04日誰もが一度は経験してみたいものといえば、身を焦がすような命懸けの恋。そこでご紹介するのは、時代や周りに流されることなく自分を貫いた実在の女性を描いた話題作『金子文子と朴烈(パクヨル)』です。今回は、主人公の金子文子を演じたこちらのかたにお話を伺ってきました。それは……。写真・大内香織(チェ・ヒソ)韓国で注目を集めている女優チェ・ヒソさん!【映画、ときどき私】 vol. 213チェ・ヒソさんは本作の熱演が高く評価され、“韓国のアカデミー賞” といわれる大鐘映画祭では新人女優賞と主演女優賞をW受賞。そのほかにもいくつもの賞に輝き、一躍人気女優のひとりとなりました。そんななか、この役を演じるうえで学んだことや “第二の故郷” である日本への思いを語ってもらいました。韓国人と日本人には一番観て欲しい―本作は1923年の東京を舞台に金子文子と朝鮮人アナキストの朴烈との出会いが中心に描かれていますが、日本での公開に対してはどのような心境ですか?チェさん私がこの作品を一番観て欲しいと思っていたのは、韓国人と日本人だったので、公開が決まったときは本当にうれしかったです。国境を越え、同志として愛し合い、戦った人たちが100年近くも前にいたということは韓国でも日本でもあまり知られていないと思うので、ぜひご覧いただきたいです。―チェさんは小学校2年生から5年間日本に住んでいたことがあり、もともと日本語は得意だということですが、とはいえ今回は特殊なセリフもあり、難しかったのではないでしょうか?チェさんそうですね。普段とは違う日本語で演技をするというのは、やはり大変なことではありました。でも、撮影前に資料などを全部読んだので、そのおかげでレベルは上がったと思います。特に裁判記録とかは本当に難しくて、1枚読むのに2時間かかるほどでした。―では、チェさんから見た文子の魅力を教えてください。チェさん脚本ができる前にイ・ジュンイク監督から文子の手記を読んで欲しいと言われました。読み始めたら、最後まで一気に読んでしまったくらい、とにかく力強い内容。でも、それ以上に20歳という若さでこんなにも自主的に自分の人生を生きようとした女性がいたというのは、本当にすごいことだと感じました。「文子はアジアでは初めてのフェミニストじゃないかな」と監督も言っていましたが、とにかく素晴らしい女性なので、私の人生における観点にもかなり影響を与えていると思います。実際、「自分の主張を曲げてはいけないんだ」と思うようになりました。文子を演じる前の私と演じたあとの私とでは、まったく違う人間になったと感じています。―同じ女性として共感する部分もありましたか?チェさん彼女の主張のなかでも素晴らしいのは、男性も女性も区別をしないで、人間は人間であり、誰もが平等な権利を享受すべきだということ。若い女性でそういう考えを持てることは本当にすごいことですよね。私も自己主張は強いほうだとは思いますが、彼女のように自立して生きていきたいと思ったので、共感以上に学ぶことが多かったです。難しい役を演じ切って自信になった―では、役作りをするうえでこだわった点があれば、教えてください。チェさん文子は一見かなりタフな女性に見られがちですが、明るくて無邪気な一面もあったと思われたので、そういう部分をいかに表情やしぐさで出せるかという点を監督と相談しながら、いろいろと試していきました。ただ強い女性を演じるのではなく、表面的な部分と内面的な部分のバランスをどのように表現すればいいのか、すごく悩んだところですね。―この作品ではさまざまな賞を獲得し、女優としてのキャリアにおいても大きな作品になったと思いますが、演じるうえで影響を与えたことは?チェさんこれまで、最初から最後まで物語を主導するような役というのはあまりなく、こんなにも主体性が強い役どころもなかったので非常に難しかったです。でも、それをやり切ったことで、いまではすごく自信にはなったと思います。―今回は日本人の女性を演じるのもチャレンジだったと思いますが、日本人の女性の印象を教えてください。チェさんまず、日本人の女性は、文子みたいに大声は出さないですよね(笑)。いつもとてもやさしくて、行儀がよくて、姿勢がいいという印象があります。よく日本の映画を観ていますが、文子みたいに叫んだり、悪い言葉を口にしたりするようなキャラクターはめずらしいと思います。―日本の作品もよくご覧になりますか?チェさん私は安藤サクラさんが大好きで作品を全部観ています。安藤さんは固定概念にとらわれない日本人女性を演じていらっしゃっているので、韓国でも人気が高い女優さんなんです。あとは、是枝裕和監督の作品もすべて映画館で観ていますし、小津安二郎監督のようなクラシックな作品も好きですね。日本にはほかにも素晴らしい監督さんや俳優さんがとても多いので、いつかみなさんとお仕事してみたいというのがこれからの夢のひとつです。文子と自分の恋愛観で違うところとは?―本作は歴史的な事実を描いただけの作品ではなく、文子と朴烈とのラブストーリーでもあると思いますが、彼らの恋愛をどう感じましたか?チェさんとても若い2人ですが、とても成熟した愛。ただのひと目惚れから始まったように見えますが、牢獄のなかでもお互いに信頼し合い、最後まで一緒に戦い続けるので、男女としても、同志としても非常にステキな愛の姿だと感じました。この作品は歴史的人物のヒーローの映画でもありますが、第一にラブストーリーでもあるので、特に女性のみなさんはより共感していただけると思います。なかでも、文子が「彼の欠点を全部超えて彼を愛する」という言葉を大勢の人の前で言うところは実際に文子が裁判所で語った部分ですが、すごくステキな場面だと思いました。―ご自身の恋愛観と比べるといかがですか?チェさん実は、私は自分から告白したことがないんです。というのも、自信がないのと、傷つくのが怖くて勇気がでないんですよね。そういう意味では、積極的な文子とは全然違いますね(笑)。―文子は朴烈の書いた詩を読んだ瞬間に恋に落ちますが、そういう経験はありますか?チェさん実は私も文章や詩を書くのが好きなので、詩を読んでひと目惚れするというのはすごいなと思うと同時に共感もしました。私も外見で好きになっても内面的に通じ合えないと長く続かないんですよね。とはいえ、私の人生で文子みたいなことは起きていませんが……(笑)。―では、男性を見るときに大切にしていることは?チェさんまずは信頼できる人かどうかですね。それはお互いの約束を守れるかということだけでなく、仕事関係や周囲の人々にとっても信頼できる人と思われることが一番大事なところだと思いますし、あとは共通点のある人がいいですね。たとえば、映画やスポーツが全然好きじゃない人とは合わないかなと思うので。―やっぱり好きなものを共有できるのはいいですよね。チェさんそうですね。あと一番重要なのは、好きな食べ物や味の好みが同じこと。東京に来る時はいつも美味しいお店をネット検索しているくらいなんですよ。日本は懐かしくて、親しみを感じる国―日本食もお好きなんですね。ちなみに、日本にはどのくらいの頻度で来られていますか?チェさん大学に入ってからも、バイトで稼いだお金で東京、大阪、京都を訪れたり、母と一緒に福岡の温泉にも行ったりしたので、数えきれないくらい来ていますね。最低でも1年に1回、多いときは2~3回は遊びにきているんですよ。―そんなに日本に来てくださるのはうれしいことですが、どんなところが好きですか?チェさん幼いころに住んでいたこともあり、日本語を聞いたり、日本語の看板を見たり、食事の匂いをかいだりするとすごく懐かしい気持ちになるんです。そういったものに惹かれて日本に来ているところはありますが、私にとって日本は親しみを感じる国だと思います。―それでは最後に、同世代の女性読者へ向けてメッセージをお願いします。チェさん韓国でも「女の子はこういうことを言うべきだ」とか、「こういう服を着るべきだ」といった「女性だったら〇〇すべき」みたいな考え方がいまだにあります。でも、文子を見てもらえばわかるように、彼女は誰の言葉にも振り回されることなく、自分の意志で自分の人生を作っていった人。なので、彼女のことを知ったら、「私ももっと自分で決めて行動しなきゃ」と思うきっかけになるはずです。それだけでなく、とても明るくて魅力的なキャラクターでもあるので、ぜひみなさんにこの作品をご覧になっていただきたいと思います。インタビューを終えてみて……。日本の雑誌のなかでもananはお気に入りで、日本に来る前にはいつも韓国で読んでトレンドをチェックしているというチェ・ヒソさん。とにかく日本語が堪能で驚きでしたが、勉強家な一面はぜひ見習いたいところです。知的な雰囲気がありつつも、親しみやすいチャーミングな笑顔がステキなチェさんが、日本の作品にも出演されるのを楽しみにしたいと思います。自分にしか生きられない人生がある!何かと人の目を気にしたり、周囲に流されたりしがちな現代ではあるものの、本当に自分が求めているものは、自分にしか決められないもの。激動の時代のなかでも、最後まで自分を貫いた金子文子の生き様は、女性の持つ強さを教えてくれるはずです。ストーリー1923年、社会主義者たちが集う東京のおでん屋で働く金子文子は、ある日「犬ころ」という詩に心を奪われ、作者である朝鮮人アナキストの朴烈に出会う。ふたりはすぐに同志として、恋人として生きることを決めるのだった。ところが、そのあとに関東大震災が日本列島を襲い、過酷な運命が文子と朴烈の前に立ちはだかることに……。胸が熱くなる予告編はこちら!作品情報『金子文子と朴烈』2月16日(土)よりシアター・イメージフォーラムほか全国順次公開配給:太秦©2017, CINEWORLD & MEGABOX JOONGANG PLUS M , ALL RIGHTS RESERVED
2019年02月15日ロサンゼルス発デニムブランド「ヤヌーク(YANUK)」とスタイリスト・金子綾によるコラボレーションアイテムが登場。2018年8月28日(火)より発売される。数々の女性誌で活躍するスタイリスト・金子綾を迎えて製作されたアイテムは、10年先も着たいと思えるほど着心地がよく、体をきれいに魅せてくれる女性に向けたデニムだ。重厚感のある雰囲気のデニムパンツは、ひざ下からテーパードを効かせたハイライズスリムテーパードのシルエット。ウエスト周りが華奢に見えるように設計された細いベルトループや、どんなシューズでもはまる短めの丈感など、スタイリストならではの視点でカスタマイズ。また、生地には、日常の動きすべてにフィットするよう、縦方向にのみ伸びる新感覚のものを採用した。体が泳ぐくらいゆとりのあるオーバーサイズのデニムジャケットは、ただサイズを大きくするのではなく、ほどよく抜け感のある形に仕上げた。ワンピースなどのアイテムと組み合わせてもすんなり馴染むよう、ステッチは同色で施された。オーバーサイズなので、中にニットやパーカーなども合わせられ、真冬まで活躍するのもうれしいポイントだ。カラーは、濃淡のコントラストを抑えた、クリーンな印象の3色を展開。爽やかなサックス、モードなブラックとノスタルジックなブルーを用意する。【詳細】発売日:2018年8月28日(火)オンラインストア予約受付日:2018年8月8日(水)12:00~※取扱い店舗により期間・内容が異なります。展開カラー:サックス、ブラック、ブルー価格:・Highrise Slim Tapered 27,000円(税込)・Over Sized Jean Jacket 36,720円(税込)【問い合わせ先】カイタックインターナショナルTEL:03-5722-3684(10:00~18:00)
2018年08月10日俳優・映画監督・写真家とマルチに活躍する斎藤工、ピン芸人の永野、ミュージシャン・俳優の金子ノブアキという個性的な3人の演者に映像ディレクター・清水康彦を加えた4人が、映像制作プロジェクトチーム「チーム万力」を結成。彼らが完全自主制作で手がけるショートフィルムが「ショートショート フィルムフェスティバル & アジア(略称:SSFF & ASIA)2018」にて初公開されることになった。このたび決定したのは、米国アカデミー賞公認にしてアジア最大級の国際短編映画祭「SSFF & ASIA」20周年を記念したスペシャルイベント「チーム万力 presents ショートフィルムの未来地図」。SSFF & ASIAにて初公開となる「チーム万力」のオリジナルショートフィルムは、芸人・永野さんのコント「イカになった先生」を原案に制作された「LOHAS」同じく「焼きそばしかないキャバクラ」を原案に制作された「ZERO-焼きそばしかないキャバクラ」素人の青年・宮本諒から発想し制作された「宮本」という変化に富んだ3本。斎藤さん、金子さん、永野さん、それぞれ3人の際立った存在感に、清水監督が表現する圧巻の映像で完結するショートフィルムとなっている。今回は、その初公開とともに「チーム万力」の4人が登壇し、チーム結成の背景や制作秘話などを語る一般向けのトークイベントも行われる。■超個性派集団「チーム万力」からコメント到着斎藤工“チーム万力” この退っ引きならない奇妙な名前を掲げテレビジョンが嫉妬する鋭利な映画作品をこの才能に溢れた面々と程よい経験値と程よい攻撃性を元に作り上げたいと思います。金子ノブアキ撮影現場に謎のエネルギーが充満していた。出所の分からない「謎の」エネルギーだというのがたまらなくロマンチックだった。素晴らしい体験に感謝します。永野気合い入れてくんで夜露死苦映像ディレクター・清水康彦映像制作には、予算とスケジュールの話が、必ずついて回ります。それらの都合と足並みをそろえた上で、良いものを作っていくべきです。しかし、好きだから楽しいからという、単純な動機に立ち返ることが一番大切だと思います。それを共有するメンバー、たくみくん・あっくん・永野さん。その他共に遊んでくれた皆さん。我々の手で、何か「新しいもの」が生まれることを願っています。(text:cinemacafe.net)
2018年05月02日ハザーが運営する「AZABU GOZEN-YA」はこのほど、「不思議の国のアリス」のさし絵などで知られる画家・金子國義氏とコラボレーションした生チョコレート「choco零糖」(16粒入り3,500円・税込)の新作を発売した。「choco零糖」は、特殊な寒天に食物繊維から作られた甘味料「イヌリン」を配合し、日本の伝統的な和菓子・ようかんの製法をヒントに製造したダイエット生チョコレート。寒天で作られているため、チョコレートの割合が少なく、カロリーは1粒あたり24kcal。チョコレートの豊かな風味、寒天によるトロけるような口溶けが楽しめるとのこと。今回発売した同商品は、金子國義氏の未完の作品と言われる「気分を出して」をあしらった特別パッケージに入っている。バレンタインデーのプレゼントなどにも推奨している。
2018年02月13日発達障害当事者による、発達障害当事者のための居場所「Necco」Upload By 発達ナビ編集部東京の高田馬場にある「Necco」は、大人の発達障害当事者による、大人の発達障害当事者のための居場所です。高田馬場にある雑居ビルの1室にあり、18時までは一般のカフェとして発達障害の当事者によって営業され、18時以降はフリースペースとして発達障害の当事者のために場が解放されます。スペースでは茶話会やゲーム大会といったイベントも頻繁に開催されており、発達障害の当事者が気軽に集まれる居場所づくりがなされています。大人(成人)の発達障害当事者のためのピアサポート Necco(ネッコ)取材に訪れた日もたくさんのお客さんで賑わっており、別フロアではフラワーアレンジメント講座が開かれていました。Upload By 発達ナビ編集部本棚には発達障害関連の本が多数並んでいます。Upload By 発達ナビ編集部Neccoは自由に集まれる居場所としては2010年、カフェとしては2011年に活動をスタートしており、大人の発達障害当事者のための常設の居場所としては、日本で最初に出来た場です。今回の記事では、このNeccoを立ち上げた方であり、ご自身も発達障害の当事者である金子磨矢子さんに、活動を始めたきっかけや、長年続けていく中での苦労、活動を続けるモチベーションや今後の展望についてお話をお聞きしました。金子さんは平成28年度厚生労働省より「発達障害者の当事者同士の活動支援のあり方に関する調査」を受託し、その報告会である「発達障害当事者会フォーラム2017」を開催された主催者のおひとりでもあります。この報告会は、1月にも「発達障害当事者会フォーラム2018」として大阪で開催する予定とのことです。金子さんのインタビューから見えてきたのは、当事者活動を続けることの大切さと、当事者活動としてどう外の社会と関わっていくかという問題意識でした。ずっと自分はちょっと変な子だと思っていたUpload By 発達ナビ編集部―金子さんがご自身の発達障害について知ったのは、どういったきっかけだったのでしょうか。金子さん: 子供のころからずっと、自分はちょっと変な子だとは思っていました。しかし本格的に自分のADHDを知るきっかけとなったのは、子育てに悩み、本屋で調べ物をしていたときですね。子どもが2才の時にプレイグループに参加させたんですけど、どうにもよその子と何かが違ったんです。なかなかうまく他の子どもと交わることが出来ず、自分のやり方で自分なりの遊びをつくるのを好む傾向があって。プレイグループには、参加している子供の他にその子たちの弟や妹にあたる赤ちゃんも何人かが場にいたのですが、赤ちゃんの泣き声を極端に嫌がるそぶりも見せました。うちの子はよその子となにか違うのかしら?という答えが知りたかったんですが、当時はインターネットも普及していなかったので、しょっちゅう本屋に入り浸っては答えを探し求めていました。その時に出会ったのが『のび太・ジャイアン症候群』という本です。落ち着きがない・忘れ物が多い・後先を考えずに行動する・いじめられる…この本を読んで、子どものことはひとまずそっちのけで「これは私だ!」って叫びそうになりましたね。その場で立ちつくし、購入して帰り、何度も何度も読みました。それまでも自分自身に対する違和感はずっと持っていたんですが、こんな変わった人は自分だけじゃない、特性というものなんだと知り、この本にとても励まされたんです。よその子とは何かが違うと感じていた子どもに関しては、その後、2004年ごろですかね…テレビ番組がきっかけで、アスペルガー症候群だということに気付きました。自分が発達障害だと気づいてから起こした私の行動Upload By 発達ナビ編集部―ご自身の発達障害特性に気付いた金子さんですが、当事者としてNeccoの活動をはじめるきっかけは何だったのでしょうか。金子さん: 最初は活動というまでのものではなかったんです。SNSが普及した頃に、そのSNSの発達障害コミュニティのメンバーでリアルでも会ってみようということになり、定期的にオフ会をするようになったのがはじまりです。そうやって集まるようになっていた中で結束が強くなったのは、リタリンの処方が制限されるようになったのがきっかけです。(編集部注:現在リタリンはナルコレプシーにのみ適応)メンバーの中にはリタリンなしではADHDの症状がしんどい人もいて、これはなんとか訴えないと!ということで、厚労省の会議に傍聴に行ったり、ネット上で活動を行ったりしました。結局私たちの訴えは聞き届けてはもらえなかったのですが、この活動がきっかけで2つの願いが強まりました。ひとつは、いつでも私たち発達障害の当事者が集まれる場所がほしいということ。当時は私の家のリビングに集まってミーティングをしていましたので。そしてもうひとつは、自分たちが集まる居場所を得るだけではなく、社会に対して働きかけを行い、当事者発信で発達障害を広く知ってもらうことです。リタリンの処方うんぬん以前に、当時の発達障害の認知度の低さを思い知らされましたね。私自身、自分の発達障害を知ることが出来てよかったと思っているんです。だから今度は私が、まだ自身の発達障害に気付かずひとりで悩んでいる人の気付くきっかけになったり、居場所になれたらいいなと思って、啓発や居場所づくりの活動を続けています。また、最近でこそ「発達障害」という名前だけは知られてきましたが、「それでは発達障害とはいったい何なのか」という本質的なことは、まだほとんどの人に理解されていないのではないでしょうか。発達障害の啓発活動の動機として、生きづらさを抱えながらも自分が発達障害だと気付かずに生きている方本人に、自分自身のことを気付いてもらいたいというのもありますが、本人だけじゃなくてもっと多くの人にも発達障害についてちゃんと知ってもらいたいと思っています。というのも、発達障害に対する無理解によって苦しんでいる当事者の人がたくさんいることを知っているからです。この人たちはこういう人たちなんだよっていうことを、目に見えないのでむつかしいとは思うのですが、発達障害じゃない人たちにも分かってもらいたい。学校の先生、役所の方、会社の上司…出来ないことは出来ないんだと分かってもらえないと、当事者の方はつらいばっかりです。わざとやらない、怠けたくて障害のせいにしている、そういう風にとられてしまいがちなんですが、本当にそんなことないんですよ。むしろ精一杯努力している真面目な方が多いと思います。必要としてくれている人がいる限り、続けていきたいと思ってるUpload By 発達ナビ編集部―Neccoを続けてきた中で、印象に残っていること、大変だったことはありますか。金子さん: もう、大変なことだらけです(笑)まずNeccoをはじめるにあたり、場所探しから大変でしたね。「借りた場所を発達障害の人の居場所にしますので物件を貸してください」と言って、理解してくれた上で快く貸して頂ける場所を探すのに1年ぐらいかかりました。現在Neccoの運営母体は一般社団法人としており、非営利で運営しています。カフェの店員はボランティアで、費用の持ち出しも発生しています。とはいえNeccoを必要としてくれている人がいる限り、なんとかして運営を続けていきたいと思っています。「Neccoという居場所があるから今、学校や会社に頑張って行けている」、そういう方がたくさんNeccoにいらしているんです。なかには毎週末、長野から夜行バスでNeccoに来ている方もいます。月から金までなんとかお仕事を頑張り、金曜の夜の夜行バスで東京に来て、日曜の夜の夜行バスで長野に帰っていくんですね。また以前は40才前後のいわゆる団塊ジュニアといわれる世代の方が多かったのですが、最近は高校生や大学生といった若い方も増えてきました。当事者としてどう社会と関わりを持つかUpload By 発達ナビ編集部―今後、Neccoの将来の展望はありますか。金子さん: Neccoに関していえば、"来たかったらいつでもここに来ていいんだよ"という居場所がある状態をこれからも維持していくだけだと思っています。発達障害の人は、かつての私がそうであったように、いろんな場所で苦労している方が多いと思います。そういった人たちの誰もが気軽に来れるような居場所を準備しておきたい。欲を言えばここだけじゃなくて、もっと日本中のいろいろなところにたくさんNeccoのような居場所ができたらいいなとは思いますね。また最近力を入れていたのは、大人の発達障害当事者会に関する調査報告書の作成ですね。これは厚生労働省から依頼を受けた調査事業で、私は事業責任者をしていました。長年Neccoに関わってきて、自分たちで自分たちの居場所をつくることももちろん大切だと思っていますが、当事者たちだけでやっていくのはなにかと限界があります。というのも、当事者の生きづらさは、自分の努力や行動で解消出来る部分もありますが、当事者の周りにいる発達障害ではない人や社会の理解、配慮や助けがとても重要です。また先ほどお話したように、私は私自身が発達障害だと分かったことですごく人生が楽になった経験から、まだ自分の特性に気付かず生きづらさを感じている人に発達障害というものを知ってもらいたい。ですから発達障害の啓蒙のため、まず私が出来ることとして、当事者や当事者会の情報を取りまとめ、私たちの生きる困難さや活動を社会に向けて発信し、知ってもらう必要があると考え行動しています。長年発達障害の当事者活動に関わってきましたが、課題はまだまだ山積みです。当事者同士の活動に関して言えば、とにかくいろんな特性を持った方が集まるので、運営のむつかしさがあります。こだわりの強い特性の人同士の意見が対立して分裂してしまったり、正直当事者同士での連携のむつかしさは感じています。なんとか意見をまとめてルールをつくってみると、今度は逆にそのルールを文字通りにとらえてしまって、ルールからちょっとずれる人がいるとこだわりから許せない人がいたり。たとえばNeccoでいうと、かつてはフリースペースのクローズ時間は22時だったのですが、スタッフが大変だということで21時に変更したんですね。たまに場が盛り上がってクローズが21時を過ぎてしまうことがあったのですが、そのことに対して「ずるい」と腹を立てる方がいたこともありました。同じ発達障害の当事者同士とはいえ、特性は本当に人によってさまざまなので、いろんな国の外国人同士が集まっていっしょに何かやろうとしているような困難さを感じています。当事者活動をどうしたらいいか、ずっとそればかり考えています。しんどいと思うことも多々あります。だけど続けている、それは、私は子供の頃からずっと自分のことをダメな人間で、人の役に立つことが出来る人間ではないと思っていたんですね。そんな私が今、活動を通して、目の前の人の支えになったり、社会に働きかけを行ったり出来ている。そのことが生きがいであり、生きるよろこびだからかもしれません。見えない障害とどう向き合うか「私は私が発達障害だと気付けて心から良かったと思っています」これは取材中に金子さんが繰り返しおっしゃっていた言葉です。この記事を掲載している発達ナビのユーザーさんからは、病院へ行き診断を受けることへの心理的抵抗感や、障害受容のむつかしさなど、日々さまざまなお悩みが寄せられています。自分や自分の子どもの生きづらさ・育てにくさをどうとらえるかについて、それぞれに多様な悩みを抱えられているのだと思います。「見えない障害」であり、また「ここからこっち側は障害です」と線を引くように切り分けることは難しいからこそ、その悩みは尽きないのかもしれません。いろんな考え方があって当然で、答えはないのかもしれません。金子さんの場合、彼女は子どもの頃からずっと「自分はちょっと変な子だ」「自分は努力不足でダメだ」と思い悩んでいたそうですが、一冊の本との出会いをきっかけとして発達障害を知ったことで、自分は努力不足でもなく、親の育て方のせいでもなかったということが分かり人生が前向きに進んだと語っています。今、人知れずしんどい思いをしている人、一人でつらい思いを抱えている方が、もしこの記事を読んでくださっていたら、こういった考えや経験をもとに活動をしている人がいることや、その人がつくった居場所があることを、選択肢のひとつとして心の片隅にとどめておいていただけるとうれしいです。大人(成人)の発達障害当事者のためのピアサポート Necco(ネッコ)
2017年12月01日俳優としても活躍しているロックバンド・RIZEのドラマーの金子ノブアキ(36)が25日、自身のインスタグラムで第1子となる女児が誕生したことを報告。感謝の思いを伝えるいっぽうで、発表よりも報道が先にされていたことへ戸惑いを示した。 金子は木から太陽の光が差しこむ写真と共に「第一子の誕生を報告させて頂きます」と書きだした。つづけて「今朝のニュースになっているのを僕も事務所も全く知らなかったので、正直、少し驚いています。近しい人間を疑いたくないので辛い」と率直な思いを明かした。 「無事に退院まで済んでからと思っていた手前、こちらからの方向が遅れてしまいすみません。見守って頂きたく思います。沢山のお祝い嬉しいです。ありがとうございます」とファンに感謝の気持ちを伝えた。 金子は’13年11月日ファッションブランド『Laymee』の代表兼デザイナーである中村沙織さん(33)と結婚した。 ファンからは「情報が早すぎるのは少し怖くなってしまいますね」「芸能人って本当に大変」「素敵な家族になりますように!」「ここ(SNS)で報告してもらえてうれしい」と応援と励ましのコメントが届いている。
2017年10月25日バンド結成20周年の今年、7年ぶりにニューアルバムをリリースしたロックバンド・RIZE。ダブルで嬉しいタイミングに、ドラマーの金子ノブアキさんにインタビュー!「20周年なんてメンバーみんな忘れていたんですが、デビュー当時に所属していたレコード会社に戻って、新たな気持ちでアルバムを作ることになりました。バンドが原点に立ち返ることができたし、今年だからこそ作れたアルバムだと思います」メンバーのJESSEはThe BONEZ、KenKenはLIFE IS GROOVE、Dragon Ash.など別のバンドでも活躍中。金子さん自身も、俳優業やドラマーとしてのソロワークのほか、パフォーマーとのコラボなど活動は多岐にわたる。しかし3人の原点は、やはりRIZE。「このメンバーで音を出すと、結成したころの衝動や焦燥感が引っ張り出されてくるんだよね。いまのRIZEらしさを出すなら、一発録りでやるべきだよ、と思ってドラムとベースはほぼワンテイクです。説明が難しいんだけど、2回3回録っても、まるで魔法みたいに、最初のプレイがいちばんカッコいいんです」金子さんとJESSEはとりわけ’90年代のアメリカ西海岸のミクスチャーロックに影響を受けた世代だ。この『THUNDERBOLT~帰ってきたサンダーボルト~』からは、彼らが吸収してきた音楽の原点を、おおいに感じさせられる。「アメリカにもこういうバンドはもういなくなっちゃったから、絶滅危惧種?(笑)そんなこと気にせず、全身で表現しているよ。ライブはみんなで命を分け合うような瞬間なので、その基本に立ち返って、この作品を作れたことは非常に大きいね」20年前、高校生でRIZEを結成したころから、金子さんは「変わったバンドだな」と思っていたそうだが、いま再び、いい意味での特殊性を強く感じると言う。「今回は、半分裏方のような気持ちでレコーディングしました。ドラマーに徹し、サウンド面は3人に大部分を任せました。JESSEのラップは誰よりもカッコいいし、ギターのリフのキレ味も、他にできる人が見当たらないぐらいいいんですよ。そしてKenKenのベースとサポートギターのRio君という2人のソリストが、ボーカルをうまく盛り上げてくれる。これだけ濃いメンバーが集まって成立する音、我がバンドながら最高だと思います」そして12月にはRIZEとして初の武道館公演が控えている。「’97年の『新宿ロフト』20周年イベントでRIZEを結成し、武道館で演奏したんですよ。思い出もあるので特別なライブになるでしょう」8th ALBUM『THUNDERBOLT~帰ってきたサンダーボルト~』【初回生産限定盤CD+Blu-ray】¥5,000映像特典は昨年のツアーファイナルのライブの模様とドキュメンタリーを収録。【通常盤CD】¥3,000*共に税込み(EPIC RECORDS JAPAN)ライズメンバーはJESSE(V&G)、金子ノブアキ(D)、KenKen(B)。JESSEと金子により結成され、2000年『カミナリ』でデビュー。2006年にKenKen加入。9月後半から全国22会場をツアーし、12/20に初の武道館公演を行う。※『anan』2017年9月27日号より。写真・内山めぐみ文・北條尚子(by anan編集部)
2017年09月26日前編(連載2回目)に引き続き、沢村さんとMinottiAOYAMAのインテリアプランナー・金子直人さんとの対談をお届けします。今回は、金子さんから家庭でもすぐ簡単に実践できる、インテリアをもっと良くするための“あるアドバイス”を伝授してもらいました。お見逃しなく!家具は最終地点をイメージして買いそろえていくのが正解沢村一樹さん(以下、沢村さん):ご来店されるお客さまも、多いんじゃないですか?金子直人さん(以下、金子さん):最近は徐々にお客さまが増えていますが、まだまだ一般的に見ると、インテリア自体に興味を持たれている方は少ないと感じています。沢村さん:僕は元々好きだったので興味はありましたが、まだまだ少ないんですね。金子さん:そうですね。興味を持つ方が多くなってくれることを願います。沢村さん:インテリアのトレンドについて、聞かせてください。毎年毎年、大きな変化はないと思いますが、多少なりともトレンドは変わりますよね?金子さん:〔Minotti〕では、イタリアのメーカーでは珍しく、ショールームの空間を新しくアップデートしています。でも、昨年出たものが古いデザインかというと、そうではありません。昨年といっても、古い歴史がある中の1~2年です。結局、バリエーションを増やしているにすぎません。そこが、ファッションのトレンドとは異なる点です。沢村さん:あぁ、なるほど。金子さん:今、私たちが座っているソファも2004年に発売されたものですが、〔Minotti〕では定番になりつつあります。男性の方は首筋がフォローされるのが良いそうで、支持を得ていますね。ただ、お客さまとソファの使い方について話していると、約半分の方から「ソファで横になることが、多い」と聞きます。女性の方はお座りになりますが、男性の方はソファに寝転がりながら使用されるケースが多いようです。沢村さん:僕も、本当にたまにですが、明日は何もなくてゆっくり寝られるなぁ……というときはブランケットを持ってきて、わざとソファで寝ています。朝、みんなが起きてきて、子どもたちが“わちゃわちゃ”やっているのを寝ながら耳で聞いていると、「ぜいたくな時間だな」って思うんですよね。金子さん:イタリアの家具はデザインだけだと思われがちですが、文化からライフスタイルまで、全て考えられているので、家具を配置すると、ある程度のライフスタイルが決まってくるんですよ。それはすごいなと思いますね。沢村さん:家具を購入することについて、何かアドバイスはありますか?金子さん:一人でいろいろ考えていると、好きな家具をどんどん購入していって、最終的に部屋や家の中の統一感がなくなると思うので、最終地点をイメージして購入した方がいいですね。沢村さん:ちょっと前まではカフェみたいなインダストリアルな家具とかが好きだったんですが、最近は年を取ったせいか、ラグジュアリーなテイストが好きになってきましたね。また、好みは変わっていくと思いますが……。金子さん:でも、インテリアは、そうやって楽しんでいってもらった方がいいですね。一つとして同じ部屋はありませんし、家具も置く部屋によって雰囲気が変わります。季節によって家具を買い替える人も、結構いるんですよ。モダンとクラシックの“いい、あんばい”=すてきな家具沢村さん:イタリア家具全体のトレンドはどういったものになっていますか?金子さん:毎年、イタリアのミラノで世界最大規模の家具の見本市である「ミラノサローネ」が開催されます。そこで発表されたトレンドは、昔のイタリア家具ほどギラギラしていないものが比較的多く見られました。どちらかというと、丸みのあるデザインが流行しています。色味的には、ざっくりしていますが、少しトーンが低めのイエロー、グリーン、オレンジを差し色に使うのがトレンドになっているようです。インテリアのトレンドはファッションと違って毎年変わるものではなく、2~3年に1度、ゆっくり変化していくので、面白いですよ。沢村さん:でも、いきなり変わるときもありますよね?『ELLEDECOR(エル・デコ)』を読んでいて一時期、壁から照明から、全てグレーがトレンドになったことがありました。金子さん:確かに、ありました。ちょうど2~3年前ですね。沢村さん:見たときは「何だコレ?」と思ったんですが、見慣れてくると、これがいいんですよ。で、ちょっと前からは、ゴールドが入っていて……。最初は「えっ?ゴールド?」って思いましたけど、見ていると「やっぱり、カッコイイなぁ」ってなってくる。金子さん:他のメーカーがどうかはわかりませんが、最近、〔Minotti〕ではブロンズ系がキテますね。よく〔Minotti〕では“タイムレス”という言葉を使います。インテリアだからこそ、長く使っていただきたい。流行に左右されない意味を込めて、“タイムレス”という言葉を使っているのです。沢村さん:新しいけれど、飽きないようにデザインされているんですね。でも、言うのは簡単ですけど実際に作るのは大変ですよね。金子さん:そうですね。結局、モダン家具といわれていても全部コンテンポラリーにしてしまうと、ちょっと違うイメージになってしまいます。元々、インテリアはクラシックなものとして発展し、今のモダンがあるわけです。だからこそ、モダンとクラシックがいい割合で入ったものが、すてきな家具になるんですね。沢村さん:それ、わかるなぁ……。でも、理解するにはやっぱり勉強が必要ですね~(笑)。セオリーを変えれば、インテリアの意識が変わる沢村さん:昔、ある番組で、映画『グラン・ブルー』でジャン・レノが演じたエンゾ・モリーナのモデルになったイタリア人の男性フリーダイバー——エンゾ・マイオルカの家に行ったことがあるんです。そのとき、彼は77~78歳くらいだったと思うんですが、その家がまぁ、カッコイイ。絶対、日本では実現できないような家でしたね。漆喰(しっくい)の壁があって、家の中は全部石で、古い木製のアンティークの家具があって……。イタリア人は、そういった感覚を持っているんですかね?金子さん:そうかもしれませんね。イタリアではインテリアコーディネーターという職業が建築家と同じように、とても重要な職業なんです。沢村さん:イタリアでは一般の人たちのインテリアに対する意識が高いから、そういった職種の人が注目されるのかもしれないですね。金子さん:私が思うイタリア人と日本人のインテリアの感覚の違いは、家に人を呼ぶか呼ばないかだと思うんですよ。見せるものに人は気を使うものですよね。人が集まる場所だからこそ、見てもらう場所だからこそ、よりすてきな空間にする。日本人は家に人を招き入れることが少ないので、そういった感覚の違いがあるのではないかと思います。沢村さん:やはり、ライフスタイルが違うんでしょうね。金子さん:最近は、日本でもホームパーティーを開く人が増えているので、そうなると、また日本人の感覚が変わってくるかもしれないですね。沢村さん:他人が訪れてきても恥ずかしくないすてきな空間づくりをするために、すぐ実践できることって何でしょう?金子さん:日本のリビングは誰が決めたのかわかりませんが、テレビやオーディオが中心となり、機器やものに寄りすぎています。つまり、それらを変えるだけでも十分、インテリアの意識は変わるんです。家族みんなが生活するからこそ、リビングやダイニングといった空間を大事にした方がいいと思いますね。例えば、ダイニングチェアとリビングのソファの張り地を同じにしてみる。これだけで、空間としての“仕上がり感”が出ます。家具をバラバラに購入していくと、配置したとき、どこかに違和感が出てしまうものです。あとは、ソファを目立たせたい場合、ソファよりも力の強いインテリアやアートを置いてしまうと、その空間が全部その色になってしまうので、気を付けた方がいいですね。ある程度、バランスは必要です。でも、置きたいものを置いちゃうんですよね(笑)。沢村さん:置いちゃいますよね~(笑)。照明を置く際のアドバイスはありますか?金子さん:照明をよく見せるのであれば、部屋全部を明るくするのではなく、必要な所だけ明るくするのがポイントです。そうすることで、雰囲気が出ます。簡単に実践できるインテリアをよく見せる照明テクニックとしては、最初に影をつくること。皆さん、とにかく部屋を明るくしたがります。「この部分は使わないから、いったん、影にしてみよう」。そうすると、他の明るい部分が際立つんです。沢村さん:僕は21時になったら部屋の明かりを消して、間接照明だけにします。「21時からは俺の時間だ!」と言って……。お酒を飲みながら部屋を見ているのが、好きなんです(笑)。金子さん:先ほど(連載2回目)も言ったように、ソファの前に置くセンターテーブルはリモコンやティッシュを置いているだけなら、不要だと思います。それがあることで日本人はソファを背もたれにして、床に座ってしまうんです。だから、そもそもセンターテーブルがない方がソファに座るんですね。サイドテーブルさえあれば、事足りるんです。沢村さん:面白いなぁ。そう考えると、インテリアの常識が変わってきそうですね。金子さん:セオリーを変えるだけで、インテリアはいろいろな角度から楽しめます。意識も変わると思いますので、試行錯誤してみてください。明日公開の連載4回目は、JCDデザインアワード、グッドデザイン賞、INAXデザインコンテストなど、多数の賞を受賞している建築家・谷尻誠さんが登場。沢村さんと「ちょっと楽しい暮らし」について、笑いも交えながら、語り合ってもらいます♪(つづく)【沢村一樹(さわむらいっき)】1967年7月10日生まれ、鹿児島県出身。今年4月からスタートした連続テレビ小説『ひよっこ』(NHK総合)では、谷田部実役で出演中。10月スタートの連続ドラマ『ユニバーサル広告社~あなたの人生、売り込みます!~』(テレビ東京系)では、主演の杉山利史役が決定。また、2018年1月からは大河ドラマ『西郷どん』(NHK総合)に赤山靭負役での出演が決定している。●Photographer:KenjiFujimaki●Stylist:MiyokoOnizuka(Ange)●HairandMake-up:INOMATA(&’smanagement)●Director:ShunsukeNakagawa(CROSSRING)●Casting:HiroSuzuki(Hybiscus)●Writer:YasuyukiUshijima(NOTECH)●Editor:AyaKanaizumi,TakashiOtsubo(LIMIA)【取材協力「MinottiAOYAMA」】Minottistudioがデザインするアート的空間。●Address:東京都渋谷区南青山4-21-26●Tel:03-6434-0142●URL:【衣装「CalvinKleinPLATINUM」】ジャケット:¥45,000/シャツ:¥18,000/パンツ:¥19,000(全て税抜き)●Tel:03-5476-5811(株式会社オンワード樫山・お客様相談室)【特集・沢村一樹さん】私のインテリアとDIY——2匹の愛猫との暮らし【特集・沢村一樹さん】高級家具メーカーMinotti・金子直人さんに聞くインテリアの秘訣(前編)【特集・沢村一樹さん】建築家・谷尻誠さんと語る、住まいと暮らしと仕事のこと(前編)【特集・沢村一樹さん】建築家・谷尻誠さんと語る、住まいと暮らしと仕事のこと(後編)
2017年09月06日俳優でタレントの金子賢(40)が15日にブログを更新。2カ月半で10.7キロ落として作り上げた“驚異的肉体美”写真を披露した。 金子は5月20日からブログで、夏に向けて食事調整とトレーニングを重ねることを宣言。そして今回、「僕は二ヶ月半でこんな感じに変わりました」とビフォーアフター画像をアップしたのだ。 ややポヨンとしていたお腹まわりは、トレーニングを経て“シックスパック”がくっきり。下腹部の血管まで浮き上がるほどで、全体的に見事な逆三角の驚愕ボディが完成していた。 「かつての金子さんは芸能活動を休止し、格闘技に挑戦していました。その際はあまり成果を出すことができず、芸能界に復帰しています。しかしいつしかトレーニングにのめり込み、自分の思い通りにボディをデザインできるようになったのです」(テレビ局関係者) その結果、14年にはしなやかな筋肉美を競う「ベストボディジャパン」の東京大会で優勝。昨年は「マッスルマニア・フィットネス世界大会選抜戦」のスポーツモデル部門で準優勝している。 そのほか、自ら大会を主催するなどフィットネス競技の普及にも尽力しているという金子。ボディを作り上げた秘訣は、凄まじすぎる“筋肉美意識”にあった。 「ジムでは、トップボディビルダー顔負けのトレーニングをこなしていました。また筋肉の張りを確認するため、頻繁にスマホで自撮り。トレーニング中も髪の毛が乱れるのを嫌がるなど、“美意識”がかなり高いんです。そして食事は親交のある芸人・ハチミツ二郎(42)がプロデュースする飲食店で、いずれも高タンパク低脂肪の食事ばかり。周囲からも『あれほどの体になるのも納得』と賛美する声があがっています」(フィットネス業界関係者) 金子のようなボディなるのは、かなり至難の業のようだ。
2017年08月26日株式会社枻(エイ)出版社が、人気美容師の金子真由美さん監修によるヘアアレンジブック『#かねこアレンジ』を、2017年6月20日(火)より発売。金子真由美さんは、大人かわいいヘアアレンジで話題を呼び、インスタグラムフォロワーが8万人を超える業界が注目する人気美容師。美容師はもちろん、ヘアメイク、ブライダル関係者からも絶大な支持を得る金子さん監修によるヘアアレンジ教本がDVD付きで登場。金子流ヘアアレンジの中から特に人気のある48スタイルを厳選して紹介し、いま最も旬なアレンジテクニックが満載。作り方のプロセスは付録のDVDにも収録してあるので、髪の動きや手の動かし方など、細かいテクニックを繰り返し動画で見て学べる。製品概要『#かねこアレンジ』(特別付録:教則DVD)発売日:2017年6月20日(火)定価:3500円(税抜)発行:株式会社枻(エイ)出版社仕様:A4変型/オールカラー/128ページ/DVD収録映像77分【収録コンテンツ】・ベーシックアレンジ(ひとつ結び、三つ編み、編みおろしの3カテゴリー6スタイルの基本)・ブライダルヘア(結婚式、披露宴、1.5次会~2次会までの花嫁ヘア)・ゲストヘア(結婚式、披露宴、1.5次会~2次会までのお呼ばれヘア)・浴衣髪(ボブ、ミディアム、ロングまでの浴衣アレンジヘア)【付録DVD収録動画】書籍で紹介する人気アレンジスタイルの中から16スタイルの作り方の詳細を完全収録。(ベーシック編、ブライダルへア編、ゲストヘア編、浴衣髪編)金子真由美について金子真由美(かねこ まゆみ)東京・渋谷の美容室『BOTTOMS』所属のスタイリスト。大人かわいいヘアアレンジが人気を呼び、女性ファッション誌、TV等でも活躍。美容師やヘアメイク、ブライダル業界からも注目を集める存在に。1987年12月29日生まれ。広島県出身。関西美容専門学校卒業。アレンジ作品は自身のInstagram(@kanekomayumi12)でも公開中。
2017年06月19日昨年3月に「金子國義一周忌回顧展」を開催したKHギャラリー銀座が、3月16日より「金子國義×コシノヒロコEROS 2017」を開催する。「ネコ」「ヒロコ」とお互いを呼び合う仲で、金子はヒロココシノが以前使用していた扇を持ったブランドロゴの作者としても知られている。前回は金子の絵画とコシノのスタイル画を展示。今回は“EROS”をテーマに、金子の神髄ともいえる油彩人物画とドローイング、コシノは江戸時代の春画から得た衝撃から、男女をモチーフにした新作の油彩人物画を初披露する。会場には生前の金子が愛用した品々を展示した部屋も再現され、私室を覗くような官能的な体験も演出される。3月16日から31日の期間、「ファッションヘッドラインを見て」と言ってくださった方、先着5名に「金子國義×コシノヒロコ展」のポストカード(2枚組)がプレゼントされる。【展覧会情報】「金子國義×コシノヒロコEROS 2017」会期:3月16日~5月7日(3月26日、4月9日、23日休廊)会場:KHギャラリー住所:東京都中央区銀座4-3-13 和光並木通ビルB1F時間:10:30~19:00(3月21日は17:00まで)入場無料
2017年03月06日グラビアアイドルの金子智美(かねこ=さとみ・27)が、漫画誌『漫画アクション』(双葉社)主催のグラビアコンテスト「ミスアクション 2017前期」(東京・大阪・北海道会場)でグランプリを受賞したことが17日、発表された。「ミスアクション」は未来のトップアイドルを発掘することを目的に開催。過去には元SKE48の佐藤聖羅(24)らを輩出し、芸能界でも注目されているミスコンだ。今回は約250人が応募。前期(東京・大阪・北海道)と後期(東京・名古屋・九州)に分かれ、フォトセッション、ネット生配信、はがき、ネットでの読者投票にてグランプリが選ばれる。約250人の頂点に立った金子は、「ファンの皆様に本当に感謝しています」と喜びのメッセージ。「ミスアクションという冠を手に入れてここからがスタートなので」と気を引き締め、「色々なお仕事にチャレンジしたい」と決意を新たにしている。金子は1989年12月22日生まれ。愛知県出身。身長158センチ。スリーサイズはB89(F)・W57・H83。AKB48の研究生(4期生)を経て、グラビアアイドルとして再スタートした。昨年6月8日付けのブログでは、「元AKBという肩書きに頼るしかない自分がとても嫌いで。。。」「グラビアというお仕事に誇りもある。だから『ミスアクション2017』に挑戦することにしました!」と応募の動機をつづり、「ミスアクション2017の金子智美と胸を張って言えるように」と意気込んでいた。そのほか、準グランプリは東京会場からは斉藤みさき(さいとう・みさき=20)、佐山みさき(さやま=みさき・24)、立川楓(たちかわ・かえで=19)、北海道会場からは須藤美里(すどう・みさと=21)、大阪会場からは徳永彩佳(とくなが・あやか)、特別賞は須田理夏子(すだ・りかこ=14)、寺口智香(てらぐち・ちか=26)、結城ちか(ゆうき・ちか=19)。受賞者は、後期で選ばれたメンバーと共に、ショートムービーに出演予定で、イベントやプロモーション活動に参加する。
2017年01月17日イッセイ ミヤケ(ISSEY MIYAKE)と福井県鯖江市のアイウエアメーカー・金子眼鏡の共同開発によるアイウエアライン「イッセイ ミヤケ アイズ (ISSEY MIYAKE EYES)」のシリーズ3作目となる「ボーンシリーズ III」が発売された。「ボーンシリーズ」は昨年秋にデビューして、今年春には「ボーンシリーズ II」を展開。シリーズを通して、イッセイ ミヤケ創業当初から一貫している“一枚の布”の概念を踏襲し、片方のテンプルエンドからもう片方のテンプルエンドへと続く1本のラインの美しさにこだわっている。11月24日に販売がスタートした3型は、コレクション初となるチタニウム製のフルメタルフレームで、“1本のライン”が一層強調されるスタイル。シンプルでありながらも、2色のグラデーション塗装により立体的な陰影が生まれ、メタルの質感がより際立っている。また、チタニウムに焼き付け塗装と貴金属メッキが施され、アレルギーフリー仕様にもなっている。ラインアップは、「WELLINGTON III」(眼鏡 4万円、サングラス 4万2,000円)、「PANT III」(眼鏡 4万円、サングラス 4万2,000円)、「HEXAGON III」(眼鏡 4万2,000万円、サングラス 4万4,000円)。いずれも参考価格。
2016年12月05日株式会社フレームワークスが展開する「フレームワーク(FRAMeWORK)」が、人気スタイリスト金子綾とのコラボレーションアイテム第2弾を、2016年11月10日(木)よりフレームワーク全店にて発売。2016年春夏に発売した第1弾の好評を受け、コラボ企画が再び実現。第2弾となる今回は、『デイリーに気軽に着てもらいたい』という思いが込められた、ニット、カーディガン、パンツなど手に取りやすいものを中心としたラインナップ。金子氏の持ち味である“女っぽさ”に、“ヴィンテージ リラックス”という新たなエッセンスを加えた全6アイテムが登場。①Velor 2Way Cardigan今季を象徴するトレンド、ベロア素材のカーディガン。前後どちらを前にしても着られる2way仕様で、カーディガンとしてもプルオーバーとしても楽しめる。エレガントなイメージのベロアを、カジュアルなスナップボタンでさりげなくハズしているのがポイント。②Plaid Pantsボリュームで魅せるチェック柄のワイドパンツ。トラッドの香りを感じるネイビーベースと、ヴィンテージテイストにハマるブラウンベース。ハイウエストと太めのベルトループは、トップスをインしてもすっきり決まる。③Lace Gown素材や編み方、色にこだわることで、冬はもちろん1年通して着られるようにと計算しつくされたレースガウン。スリットが入った長めの丈で、シルエットの美しさを追求。エクリュベージュと旬のキャメルの2色展開。④V-neck Knit首元の開きがきれいなVネックニット。コンサバになりやすいベーシックアイテムを、ほつれたようなダメージ加工とゆったりシルエットで程よくカジュアルダウン。肌なじみのいいモーブピンク、ベーシックなグレー、ブラウンの3色展開。スカートやパンツと合わせることで、3ピースのセットアップとしても楽しめる。⑤Knit Skirtタイトで女らしいシルエットながら、地厚な素材であたりの出にくいニットスカート。シンプルに履くのはもちろん、セットのニットパンツと合わせると印象がガラリと変化。今年らしいバランスが楽しめる。⑥Knit Leggingsバックにポケットをつけたことで、ニットレギンスがパンツさながらの佇まいに。大人が違和感なくはける、ありそうでなかったニットパンツ。裾のスリットとダメージ加工はパンプス、ブーツとどんな足元とも相性抜群。スタイルアップ効果も期待できる。金子 綾(Kaneko Aya)人気雑誌「Oggi」「VERY」をはじめ、数々の女性誌で活躍する人気スタイリスト。シンプルでベーシックな服の魅力を最大限に引き出しながら、女性らしくキレ味のいいスタイルが得意。上品且つこなれた配色センスも絶妙で支持を集める。プライベートファッションをアップするInstagram(@ayaaa0707)は、フォロワー70Kを超える人気っぷり。自身の著書「a nuance」や「Not Mania! THE DENIM BOOK」を発行するなど、注目を集めているスタイリスト。
2016年11月09日『デスノート』『デスノート the Last name』(06年)、スピンオフ作『L change the WorLd』(08年)で大成功を収めた実写『デスノート』シリーズ。誕生から10年の時を経て、映画『デスノート Light up the NEW world』(10月29日公開)で、まさかの続編として復活を遂げる。果たして、その"最終ページ"には一体何が書き込まれたのか。マイナビニュースでは「独占スクープ 映画『デスノート』の最終ページ」と銘打ち、すべての作品を企画・プロデュースしてきた日本テレビ・佐藤貴博プロデューサーの「今だから語れる」証言を中心に、全20回にわたってその歴史を掘り下げていく。インタビューは合計約5時間、4万字近くにも及んだ。第15回は「死神CG技術の進化」「松坂桃李起用の背景」。○原作作画・小畑健も一発OKのクオリティ――今回の死神は、現実世界にいてもおかしくないような質感に仕上がっていました。はい、まず前作はその当時の実写映画内でのCG表現を金子修介監督が鑑みて、あえて人形ぽい死神、肌の質感とかもセルロイドっぽくすることで、その場に居る感じを狙っていた。そして10年後となる本作では実写映画内でのCG表現の技術を飛躍的に上がったので、(佐藤)信介監督としても今回は、より生物感、生々しさをアップさせたいと希望しました。そこで、リュークを含めて死神たちのデザインを新たに起こすことになりました。まず水彩画によるあくまでイメージデザインが上がってきました。それはダークで、リアルで、アートと言ってもほどの出来栄えでした。原作作画の小畑先生も一発でオッケーするほど。私もモチロン素晴らしいと思ったのですが、このイメージ画をCGで描き出せるのだろうか? 描き出せたとしても、現実の世界に浮くことなく、存在感を持って動かすことができるのだろうか? と正直不安に思ってもいました。予算もあることですから(笑)。結果は作品をご覧いただけた方はお分かりのとおり、もう私はデジフロさん(06年の旧作からCG制作を担当している会社「デジタル・フロンティア」のこと)に謝らなければなりません。イメージを完璧に現実世界に存在するものとして表現してくれました。本当に凄いです。今回の新たに登場する死神のデザインは、もともと小畑先生の死神をベースにしています。原作コミックや、13巻で小畑先生が描いていた死神たちをいくつかを組み合わせたり、アレンジしたりして作り上げました。○わずか40分で快諾――映画を観ていて全く気づきませんでしたが、エンドロールに「死神ベポ松坂桃李」の名前があって驚きました。信介監督によるキャスティングです。松坂さんは、信介監督による『万能鑑定士Q』(14年)、『図書館戦争THE LAST MISSION』(15年)に出演されていて、お互い強い信頼関係で結ばれているそうで(笑)。ベポはその骨格上、ほとんど口の動きがなく、表情などをその演じる人からいただく必要もなかったので、収録は声だけで1時間もかからないだろうと。なので、ベポはゲスト枠として考えていて、私としてはサービスじゃないですけど、観客への嬉しいサプライズとして意外な役者さんにお願いしたかった。そうしたら、信介監督から「松坂桃李さんはどうですか?」と提案がありました。松坂さんは信介監督と仕事をして以来、信介監督作品にまた出たい!と心を奪われたようで(笑)。『アイアムアヒーロー』(16年)にも、ZQN(ゾンビ)役での出演を強く希望していたそうなんです。信介監督は「松坂さんがそんな役で出るはずがない」と冗談として受け流していたんですが、本気だったらしく(笑)。そのことを伝え聞いた信介監督は反省して(笑)、機会をうかがっていたところ、死神役はどうだろう? と思いついたようです。そういった関係性やストーリーが私は大好きなので松坂さんへのオファーは大賛成でしたが、言ってもお忙しい方ですから、本当に出演いただけるか半信半疑でしたね。でも、事務所に話をしたら即答。40分ぐらいのうちに決まりました(笑)。――監督と俳優の関係性も、映画作りにおいては重要になってくるんですね。信介監督は『GANTZ』の時にキャスティングにおける主張があまりなかったので、今回はうれしかったです。彼ならではのキャスティングを勧めても、「いえ、大丈夫です」と遠慮していた。今回は監督としての主張を明確に感じたというか。これまでのキャスティングは割と私に任せてくれていましたが、今回は信介監督の意向も随所に入っています。■プロフィール佐藤貴博(さとう・たかひろ)1970年4月26日生まれ。山梨県出身。1994年、日本テレビに入社。営業職を経て、2003年に念願の映画事業部に異動する。映画プロデューサーとして、『デスノート』シリーズ、『GANTZ』シリーズ、『桐島、部活やめるってよ』などヒット作話題作を数多く手がける。今年公開作品は、『デスノート Light up the NEW world』(10月29日公開)、『海賊とよばれた男』(12月10日公開)。(C)大場つぐみ・小畑健/集英社(C)2016「DEATH NOTE」FILM PARTNERS
2016年11月02日『デスノート』『デスノート the Last name』(06年)、スピンオフ作『L change the WorLd』(08年)で大成功を収めた映画『デスノート』シリーズ。誕生から10年の時を経て、映画『デスノート Light up the NEW world』(10月29日公開)で、まさかの続編として復活を遂げる。果たして、その"最終ページ"には一体何が書き込まれたのか。マイナビニュースでは「独占スクープ 映画『デスノート』の最終ページ」と銘打ち、すべての作品を企画・プロデュースしてきた日本テレビ・佐藤貴博プロデューサーの「今だから語れる」証言を中心に、全20回にわたってその歴史を掘り下げていく。インタビューは合計約5時間、4万字近くにも及んだ。第11回は「"ミサミサ"こと弥海砂を演じた戸田恵梨香の起用秘話」「10年後、女優となった弥海砂を再び演じる葛藤」。○10年後のミサミサが必要だったわけ――弥海砂役・戸田恵梨香さんがいることで、「10年後」の世界観がより鮮明になりました。前作の生き残りで、デスノートを使ったことがある人物。そして、夜神月を愛していた女性。彼女にはぜひ出てほしかった。『デスノート』でスクリーンデビューを果たし、女優としてデスノート以降も大きく成長していった存在。現在も女優として第一線を走り続けているので、彼女が出ることはすごく大きな意味を持っていました。――『デスノート』での最初の撮影シーンは?前編終盤のADに襲われる場面です。前編では、あとは「ハッピースイーツ」という、映画内でのテレビ番組出演シーンぐらいでした。本格的な海砂の活躍となる後編では、改めてADに襲われるシーンから撮影しました。前編では見せなかった死神レムの登場シーンです。そこを最初に撮ってから、すぐに夜神月の部屋での芝居。台本10ページ近いセリフ量でしたが、(藤原)竜也くんはいつも通りスタジオには台本を持ってこない。それを見ていたからなのか分かりませんが、恵梨香ちゃんも台本を持たずに撮影に臨んでいました。大量のセリフも完璧に入っている竜也くんとの2人だけの芝居なので、相当なプレッシャーだったと思いますが、恵梨香ちゃんもセリフが飛ぶということは一切ありませんでした。しかも、月の部屋のシーンはリュークとレムの死神2体も同時に登場するシーン。CG合成のために同じ芝居を何度も繰り返さなければならないんです。このシーンで海砂は涙を流すのですが、何度も同じく涙を流さなければならない。恵梨香ちゃんは同じ動きをただ繰り返すだけでなく、ちゃんと毎回同じテンションで感情を込めた涙を何度も流していました。映画デビュー戦で、竜也くんを前にして凄いなあと思いましたね。○『野ブタ。をプロデュース』の好演がきっかけ――オーディションで起用されたんですよね。フレッシュな才能を見つけたかったので、有名無名関係なく一人でも多くの人に会うためにオーディションにしました。金子修介監督もオーディション好きなので、もちろん賛同してくれました。オーディションメンバーのピックアップはキャスティングチームにお願いしたんですが、そこには「戸田恵梨香」が入っていなかった。僕は『野ブタ。をプロデュース』(日本テレビ系・05年)を見て彼女がいいなと思っていたので、僕からの逆指名で来ていただきました。『野ブタ』の役とミサミサのイメージは違うと分かっていたんですが、あの存在感とかわいさは……単純に「会いたい」と思わせる魅力がありました(笑)。ですが、オーディションに参加してもらってもその輝きは変わらなかった。当時はオーディションをたくさん受けて連戦連勝だったみたいで、そういう勢いも感じました。参加者には「ミサミサっぽい格好」で来てもらうようにお願いをしていて、恵梨香ちゃんもゴスロリではなかったですがミニスカではあったかな。恵梨香ちゃんが参加した日の終わりに、僕が恵梨香ちゃんを逆指名したのを知っていた金子監督が「僕も戸田恵梨香がベストだと思います。佐藤さんも彼女がいいっていうなら決まりじゃないですか」と。その後もオーディションを続けることも可能でしたが、スタッフ一同も同意見だったので、そこで弥海砂役は戸田恵梨香に決定しました。○悩み抜いた結論は「今の私が出るべきではない」――藤原竜也さんが天才型、松山ケンイチさんが憑依型の俳優とよく言われていますが、戸田さんは?恵梨香ちゃんは努力型だと思います。いろいろな役を演じていますが、本当に努力の人。考えに考えて、悩んで悩んでやり遂げる。その後何度か作品をご一緒させていただいていますが、毎回かなりのディスカッションを重ねています。自分の役だけでなく、作品全体のことも考えていろんな提案をしてくれますし、製作サイドからの意見もしっかりと受け止めて考えてくれますね。10年後のミサミサをやる上でもすごく悩んだそうです。「自分にとっても大切な作品で、海砂というキャラクターも大切だからこそ出ないほうがいい」、そう思っていたみたいなんです。10年後の作品に出るのは怖い、と。「今の私が出るべきではない」は、『デスノート』ファンの気持ちになって出した答えだったのでしょう。そこを根気強く説得して。いつも以上にディスカッションを重ねました。海砂のセリフには恵梨香ちゃんの意見がかなり入っています。当初よりセリフは減っていますね、恵梨香ちゃんからセリフではなく表情で見せたいというところが多くなったからです。佐藤信介組はとても良いチームだと思っているので、恵梨香ちゃんにも短い撮影期間でしたが参加してもらいたかった。撮影後に、「やってよかった」と言ってくれました。――その一言で救われますね。10年の付き合いになり、仲が良い中でも緊張感もあり。恵梨香ちゃんの現場は必ず足を運びました。まるでマネージャーのように(笑)。10年、そして夜神月の重み。それを彼女はきちんと表現してくれた。口説き落としたかいがありました(笑)。■プロフィール佐藤貴博(さとう・たかひろ)1970年4月26日生まれ。山梨県出身。1994年、日本テレビに入社。営業職を経て、2003年に念願の映画事業部に異動する。映画プロデューサーとして、『デスノート』シリーズ、『GANTZ』シリーズ、『桐島、部活やめるってよ』などヒット作話題作を数多く手がける。今年公開作品は、『デスノート Light up the NEW world』(10月29日公開)、『海賊とよばれた男』(12月10日公開)。(C)大場つぐみ・小畑健/集英社(C)2016「DEATH NOTE」FILM PARTNERS
2016年10月28日『デスノート』『デスノート the Last name』(06年)、スピンオフ作『L change the WorLd』(08年)で大成功を収めた実写『デスノート』シリーズ。誕生から10年の時を経て、映画『デスノート Light up the NEW world』(10月29日公開)で、まさかの続編として復活を遂げる。果たして、その"最終ページ"には一体何が書き込まれたのか。マイナビニュースでは「独占スクープ 映画『デスノート』の最終ページ」と銘打ち、すべての作品を企画・プロデュースしてきた日本テレビ・佐藤貴博プロデューサーの「今だから語れる」証言を中心に、全20回にわたってその歴史を掘り下げていく。インタビューは合計約5時間、4万字近くにも及んだ。第8回は「映画関係者が度肝を抜かれた」話。○周囲の予想「後編は間違いなく下がる」――前編の興行収入が28.5億円、後編が52億円。後編の興収が倍近く伸びるという異例の大ヒットとなったわけですが、反響の広がりを感じることはありましたか。後編初日の異常な熱狂は今でも覚えています。ただ、前編の時には正直「こんなはずじゃない」という思いの方が強かったです。前編も公開初日週末興収4億円を記録してランキングも第1位スタートでした。最終的にも興収30億近くまでいっているので、十分成功でもちろん黒字で大きな利益もでていました。ただ、『デスノート』というタイトルに僕らが懸けていた思いや想定には届いていなかった。このままではダメだ、なんとかしないと。前編公開中には、そんなプレッシャーを常に抱えていました。二部作ものの常識というか実績として、まず間違いなく後編の興収が下がるというのは、当時も言われていました。どんなに前編・後編それぞれ楽しめるように作っていたとしても、観客の心理として、前編を観ていなければ後編はついていけないと思い、後編だけを観に行こうとは思わない。だから自然と後編の方が下がってしまうものなのです。だから、何か起爆剤というか後編を想定外に伸ばす作戦が必要だったのです。そこで繰り出したのが、当時の映画業界的には奇策というか反則技と言える、後編公開前に前編を地上波ゴールデンタイムで放送してしまうことです。――邦画史上でもなかなか聞かない宣伝手法ですね。ええ、もちろんありません。6月に公開した映画を、10月末に放送してしまうという、公開から4カ月ちょっとでの放送ですから、映画業界の掟破りと言われるのも当然ですね。映画業界の掟というか、法律で定められている訳ではありませんが、業界のルールとして「ウィンドウコントロール」を守りましょうというものがありました。映画業界の健全な成長のために、映画が公開されてから半年後以降にビデオグラムの発売、そして公開から1年後以降にテレビ放送、という順番を守りましょうというものです。劇場公開の一次利用、それ以降の二次利用をキチンと住み分けて進めましょうといことです。○帰国後に声掛けられ「やっぱりおかしい」――どなたが思いついたアイデアなんですか。スタジオジブリから日本テレビ映画事業部に移籍してきた高橋望が「前編を放送しちゃえばいいんじゃないですか?」とフッと言ったことからではあります。奥田映画事業部長からそのことを聞かされた私はすぐに「それしかないです。放送しましょう!」と決意したことを覚えています。高橋も映画事業部に来て間もない時期でしたし、特に実写映画への関わりは薄かったので、門外漢の気軽な意見だったと思いますが、そんな外野の意見に背中をおしてもらったという感じでしたね。一応、こちらのロジックとしては「2本で1本分の映画を途中まで見せるだけ」だと。ウィンドウコントロールが業界として盛り上がっていくためのルールなのであれば、放送後にさらなるヒットが見込めるのであればなおさらだと。実際、DVDもすごく売れました。現場作業は私が進めていきましたが、他の映画各社との政治的な交渉は奥田映画事業部長が調整に奔走しました。――そして、視聴率は24%と大成功を収めます。放送後の風向きは変わりましたか。10月27日に金曜ロードショーが放送されて、翌日の10月28日(土)早朝からすぐ香港キャンペーンに飛びだしたので、実は2日間、日本にいなかったんです。香港は香港で、トンデモナイ大熱狂だったのですが、何だか逆に海外の方が凄いのかもな……と思ったりしていました。(藤原)竜也くんは舞台の関係で29日早朝の便で帰国。松ケン(松山ケンイチ)と我々は、ゆっくりと午後便で帰国しました。それまでは松ケンには誰も気づかなかったのに、成田空港に到着すると、松ケンに気づいて人が写真を撮りはじめて(笑)。彼も「あれ? なんかおかしいな」と(笑)。成田エクスプレスで品川まで帰って来て、山手線に乗り換えると、どんどん声を掛けられる。やっぱり何かおかしい。そこで、「テレビ効果だ!」と気づいたんです。そこからは、本当に状況が変わりました。電車に乗ると、自然と『デスノート』の会話が聞こえてくる。そして11月3日祝日金曜日に公開となるわけですが、そこから金土日の3日間で観客動員100万人を突破していました。本当にイッキに爆発した感じでしたね。○映画大ヒットも妻から雷――その後のスピンオフ作も興収31億円という好成績でした。撮影は2007年の8月9月。公開は翌年2月。映画業界で「観客が集まらない」と言われているのが2月です。今さらですが、何でそんなタイミングで公開しちゃったんだろうと(笑)。2月公開の映画では最高記録だったはずです。その時はもう松ケンのある意味アイドル的な人気も爆発していて、どこへ行っても追っかけが凄くて、もう嬉しい悲鳴でした。今で言えば、連続ドラマ版でⅬを演じた山崎賢人くんぐらいの熱狂だったんじゃないですかね(笑)。同年8月の『デトロイト・メタル・シティ』も興収23億円を超える大ヒット。Lも白塗り、DMCのクラウザーさんも白塗り(笑)。美形で格好良い役柄では決してないのに、あんなに女性からの支持を集めていたのが信じられないですね(笑)。――前後編の大ヒットを受けて、打ち上げなどは?後編公開後、3日間で観客動員100万を突破記念として、翌月曜日の真昼間に渋谷で、竜也くんと松ケンのサプライズの舞台挨拶を行いました。平日でサプライズにも関わらず、超満員で本当に驚きました。舞台挨拶後、お祝いということで15時くらいから渋谷の中華料理屋で、ひたすら飲みました。宴は翌朝まで続き、気づけばベロベロ。途中寝ている間に、松ケンにおでこに「肉」と書かれて、そのまま気づかずに家に帰って奥さんにすごく怒られました。「あんた、プロデューサーでしょっ!」と(笑)。その奥さんの言葉をいまだに松ケンはモノマネするんです。まあ青春でしたね(笑)。■プロフィール佐藤貴博(さとう・たかひろ)1970年4月26日生まれ。山梨県出身。1994年、日本テレビに入社。営業職を経て、2003年に念願の映画事業部に異動する。映画プロデューサーとして、『デスノート』シリーズ、『GANTZ』シリーズ、『桐島、部活やめるってよ』などヒット作話題作を数多く手がける。今年公開作品は、『デスノート Light up the NEW world』(10月29日公開)、『海賊とよばれた男』(12月10日公開)。(C)大場つぐみ・小畑健/集英社(C)2006「DEATH NOTE」FILM PARTNERS監督:金子修介
2016年10月26日『デスノート』『デスノート the Last name』(06年)、スピンオフ作『L change the WorLd』(08年)で大成功を収めた実写『デスノート』シリーズ。誕生から10年の時を経て、映画『デスノート Light up the NEW world』(10月29日公開)で、まさかの続編として復活を遂げる。果たして、その"最終ページ"には一体何が書き込まれたのか。マイナビニュースでは「独占スクープ 映画『デスノート』の最終ページ」と銘打ち、すべての作品を企画・プロデュースしてきた日本テレビ・佐藤貴博プロデューサーの「今だから語れる」証言を中心に、全20回にわたってその歴史を掘り下げていく。インタビューは合計約5時間、4万字近くにも及んだ。第5回は「死神に命を吹き込んだ人々」の話。――役者の演技、物語の展開に加えて、観客を引き込む上で肝となるのが死神の存在。リューク役の中村獅童さんには、どのようなきっかけでオファーを?声のイメージがぴったりでした。それから、当時からスパイダーマンになったり、コミック文化というかそういうものへの造詣も深くて、CGの死神役を面白がってくれるんじゃないかなと。それから、実写映画からの映像化なので、初手としてはアニメ的な見え方を避けたかったので、声優さんではなく俳優さんにオファーしたかった思いもあります。獅童さんは2つ返事でOKしてくれました。映画版リュークのハマリっぷりをアニメプロデューサーも気に入って、アニメ版リュークも獅童さんが演じることになりました(笑)。――そして、レム役は池畑慎之介さん(現・池畑慎之介☆)。レムはメスなんですが、オスだと思っている人も多くて。ジェンダーフリーな感じだと思ったので、池畑さんが適任なのではないかなと。すごく愛のある死神なので、慈愛に満ち溢れた池畑さんに。ミステリアスな雰囲気も含めて、レムのイメージでした。池畑さんはしっかりイメージを作り込んで収録に臨んでくださって、完璧だったのでそのままレムの声が固まっていきました。――死神のCG製作を担当したのは、最新作も含めてデジタル・フロンティア(以下、「デジフロ」)。10年前とは思えないクオリティです。CG界ではトップクラスの技術と陣容を誇っていると思います。映画ファン的には、山崎貴監督が所属する白組が有名かもしれませんが、デジフロも負けていないですよ。私がプロデュースした、佐藤信介監督の『GANTZ』(11年)シリーズもデジフロ。佐藤監督はその後、『図書館戦争』シリーズ(13年・15年)、『アイアムアヒーロー』(16年)などでもデジフロと組んでいます。映画の中でのCG表現は、この10年でかなりの進化を遂げています。金子監督はガメラやゴジラ、ウルトラマンなどの特撮作品も数多く手掛けているので、作品の中でのCGの使い方、見せ方を心得ている方です。10年前、その時点でのCG技術でのベストな見せ方を金子監督は考えて、あえて人形っぽさを残した。死神のセルロイド的な肌の感じは狙いです。そうすることが、あの時点では最もそこに居る感じ、存在感が際立つという判断でした。馴染み方も含めて、10年後の今でも映像的に耐えられるのはそのためだと思います。現場撮影でも試行錯誤がありました。もちろん誰も本物の死神を見たことが無いので(笑)、共通認識が必要であろうと、2メートル50センチある実物大の死神リュークの人形を制作して現場に持ち込みました。ドタバタの中、短期間でのお願いだったので顔面の完成度は高くありませんが、ベルトやアクセサリーなどの再現度は高かったと思います。その分、かなりの重量になってしまい、現場での撮影ダミーとしては機動力に欠けたので、後編では軽い簡易版になりました。レムも上半身しかありません(笑)。ただし、このダミー人形はその後のプロモーションで活躍し、昨年のミュージカルでも稼動してました。おかげで今はボロボロの状態です(笑)。■プロフィール佐藤貴博(さとう・たかひろ)1970年4月26日生まれ。山梨県出身。1994年、日本テレビに入社。営業職を経て、2003年に念願の映画事業部に異動する。映画プロデューサーとして、『デスノート』シリーズ、『GANTZ』シリーズ、『桐島、部活やめるってよ』などヒット作話題作を数多く手がける。今年公開作品は、『デスノート Light up the NEW world』(10月29日公開)、『海賊とよばれた男』(12月10日公開)。(C)大場つぐみ・小畑健/集英社(C)2006「DEATH NOTE」FILM PARTNERS監督:金子修介
2016年10月25日『デスノート』『デスノート the Last name』(06年)、スピンオフ作『L change the WorLd』(08年)で大成功を収めた映画『デスノート』シリーズ。誕生から10年の時を経て、映画『デスノート Light up the NEW world』(10月29日公開)が、まさかの続編として復活を遂げる。果たして、その"最終ページ"には一体何が書き込まれたのか。マイナビニュースでは「独占スクープ 映画『デスノート』の最終ページ」と銘打ち、すべての作品を企画・プロデュースしてきた日本テレビ・佐藤貴博プロデューサーの「今だから語れる」証言を中心に、全20回にわたってその歴史を掘り下げていく。インタビューは合計約5時間、4万字近くにも及んだ。第2回は「藤原竜也」の天才的な演技と行動について。――夜神月役の藤原竜也さんは、どのような経緯で決まったのでしょうか。(藤原)竜也くんは、かなり最初の方から決まっていました。当時ホリプロのマネージメントの部長だった鈴木基之さん(現在は専務取締役)が、「夜神月は藤原竜也だ!」と日本テレビだけでなくいろいろなところにプレゼンしていたそうで(笑)。だからというわけではありませんが、我々も竜也くんしかいないと思っていました。イメージだけであればほかに合っている人もいたかもしれませんが、「狂気」を演じられる俳優はそう多くはありません。そして、主演としてしっかり真ん中に立てる人も。「夜神月役は藤原竜也しかいない」という結論は、こうしてかなり早い段階から決まっていました。何もないと物事はなかなか進まないものですが、「藤原竜也がいる」ということはわれわれにとって大きな支えとなりました。そして彼は天才型の俳優なんだと思います。努力しているようなところを全く見せない。何にも考えてないように見せて、現場にふら~っと入ってきて、本番でスイッチが入るとガラリと雰囲気が変わる。普段はフラットで、本当に普通な感じ。究極にスイッチが入る。松ケン(松山ケンイチ)は、撮影中はずっとその役として生きている感じ。(戸田)恵梨香ちゃんはどちらかというと竜也くんに近い感じだと思います。いろいろなタイプの役者さんがいますが、演技力を認められている方々はみなさん真面目です。驚くほど役のことを考え続けている。タイプの違いは、その出し方が違うだけ。活躍している(いろんな作品に出演している)役者さんは、「役と脚本をとてつもなく考えている人たち」とも言えると思います。――死神との絡みなどで、藤原さんの演技力が光った瞬間は?竜也くんは、完成した映像を見ても分かるとおり、死神への視線の送り方が完璧だったり、CG合成のためには何度も同じ芝居を繰りかえさなければならないのですが、それをいともたやすく実行できたりと、テクニック的なところもすばらしいと思います。『デスノート』の世界観が実写で成立し、ここまで受け入れられたのは彼がいたからこそ。また、その状況に合った感情をリアルに表現できるような演技力はもちろんですが、「同じことを何度もできる」のは役者・藤原竜也のすごさ。舞台を何度も経験しているだけあって、全く同じ動きを何度もできるんです。さらに、同じ動きが出来る人は沢山いるかもしれませんが、同じテンションと観客に与えるエモーションを毎回ハイレベルで出せるのは竜也くんの凄いところです。Lという極端に異常な存在というのは、もしかしたら役者にとってはアプローチしやすいキャラクターかもしれません。でも、夜神月は天才ではあるけれど外見はいたって普通の大学生です。竜也くんは役者としてネタバラシをしないという美学を持っていると思うので、いつも役作りについて語りませんが、相当、夜神月のことを考えに考え抜いて挑んだはず。でも、何事もなかったかのように演じている。そこが竜也くんのカッコいいところです。自分の芝居については、演じたものを見て判断してくれと。それを自ら説明しようとしない。飲んでいても、演技論とか芝居論とか本当にしゃべらないんです。テレてるのか、(そういった演技論とかを話すのが)かっこ悪いと思っているのか(笑)。僕が松ケンと比較するとあまり竜也くんのことを話さないのは、本人があまり言ってほしくないのかなという配慮です(笑)。だから、自然とLの話が多くなっちゃったりするんですよね。そんなわけで竜也くんと飲んでいる時は、バカ話だけ(笑)。ある意味で、プロフェッショナルな俳優だと思います。――そんな彼がきっかけとなり、新宿ジョイシネマが"聖地化"してしまったそうですね(笑)。もちろんそれだけではないんですが(笑)。新宿ジョイシネマは2009年に閉館した映画館。キャパは200~300人ほどですが、『デスノート』シリーズでは全国の劇場で観客動員第一位の成績を残しています。当時、新宿ピカデリーも、TOHOシネマズ新宿もなかったからといっても、あのキャパで全国ナンバー1を獲るにはずっと満員御礼じゃないと難しいです。聖地化するのは異例のことだと思います。きっかけは、竜也くんの"思いつき"でした。前編の公開初日舞台挨拶行脚は、川崎のチネチッタで終わり、少しの休憩時間を取って、日本テレビ系『スポーツうるぐるす』の生放送に番宣出演して初日プロモーションは終了する予定でした。すると、その少しの休憩時間に竜也くんが「もっとどっか(舞台挨拶)行きましょうよ」と(笑)。その突然の舞台挨拶オファーを受けてくれたのが新宿ジョイシネマだったわけです。結構夜遅めの回でしたが満席で、みなさん普通に映画を観に来られた方々。そこに突然、藤原竜也と松山ケンイチが現れるわけですから、場内が騒然とするのは当たり前ですよね(笑)。以後、そんなノリでサプライズ登壇を繰り返していたので、自然と聖地化していきました。――その"思いつき"というのは、完成後も作品に貢献したいという熱い思いの現れとも受け取れます。なんとしてもヒットさせたいと。そうですね。普段は普通の田舎の兄ちゃんのような飾らない雰囲気で、いたずら好きなノリの良さで周囲を盛り上げてくれます。サプライズ登壇して、司会者が観客に写真を撮らないように注意をしても、「いいよ。撮って撮って」とファンサービスも。天才型の俳優にはそんな一面もあります。■プロフィール佐藤貴博(さとう・たかひろ)1970年4月26日生まれ。山梨県出身。1994年、日本テレビに入社。営業職を経て、2003年に念願の映画事業部に異動する。映画プロデューサーとして、『デスノート』シリーズ、『GANTZ』シリーズ、『桐島、部活やめるってよ』などヒット作話題作を数多く手がける。今年公開作品は、『デスノート Light up the NEW world』(10月29日公開)、『海賊とよばれた男』(12月10日公開)。(C)大場つぐみ・小畑健/集英社(C)2006「DEATH NOTE」FILM PARTNERS監督:金子修介
2016年10月22日『デスノート』『デスノート the Last name』(06年)、スピンオフ作『L change the WorLd』(08年)で大成功を収めた映画『デスノート』シリーズ。誕生から10年の時を経て、映画『デスノート Light up the NEW world』(10月29日公開)が、まさかの続編として復活を遂げる。果たして、その"最終ページ"には一体何が書き込まれたのか。マイナビニュースでは「独占スクープ 映画『デスノート』の最終ページ」と銘打ち、すべての作品を企画・プロデュースしてきた日本テレビ・佐藤貴博プロデューサーの「今だから語れる」証言を中心に、全20回にわたってその歴史を掘り下げていく。インタビューは合計約5時間、4万字近くにも及んだ。第1回は「映像化権」にまつわる秘話。――それでは長丁場になりますが、よろしくお願いします(笑)。シリーズの第1弾となるのが、2006年に2部作連続で公開された『デスノート』『デスノートthe Last name』。まずは、日本テレビが映像化の権利を得るまでの経緯をお聞かせください。はい、よろしくお願いします。せっかく何日にもわたって連載をしていただくので、できるだけこれまで語ってこなかったことを話していきたいと思います(笑)。漫画『DEATH NOTE』は、2003年に『週刊少年ジャンプ』で連載がスタートしました。連載開始当初からこれは凄い連載になると思っていましたが、物語の全貌が見えないうちに映像化の話に行くのは失礼だと思っていましたので、タイミングは2巻が発売されたぐらいだったと記憶しています。Lが登場したところで、手を挙げさせていただきました。僕らも集英社さんとの付き合いは長いので、争奪戦になることは間違いないけれど「早い者勝ち」では決定されないだろうと思っていました。各社の条件を比べて、ベストのパートナーを見つけるはずだと。日テレ映画事業部内でも「少年ジャンプ連載作品の中で、最も実写化に向いている作品」と獲得を熱望する状況になり、夜神月とLによる「天才同士の闘い」という軸が見えてきたところで、正式に映像化権交渉に入りました。――映像化権争奪戦の中で、集英社さんが見定めていたのはどういったところだったのでしょうか?小畑先生を担当していた副編集長(当時)が、映像化の窓口をされていました。少年ジャンプ連載作品の連続アニメ化を数多く手がけられていた方ですが、この「デスノート」については、アニメだけでなく「実写化」を強く意識されていました。また「アニメ」と「実写化」の両方を実現出来るパートナーを探されていたそうです。日本テレビも我々映画事業部からの「実写化」と、アニメチームによる「アニメ化」を一緒に提案出来たのが良かったと思います。そして、通常アニメから映像化するのが通例でしたが、「デスノート」は実写化から攻めたいという集英社さんと日本テレビ映画事業部の意思がシンクロして、実写化を先に進めることになりました。ここからはどこにも言っていない話です。実は当初、連続ドラマを経ての映画化を提案していました。連続ドラマから連動する形で映画、連続アニメ、そのすべてをやらせていただきたいと。すでにコミックは売れていましたが、それでも少年コミック誌の実写化のハードルが当時は高かった。まずは地上波のパワーを使おうという目論見でした。また、作中では緻密な攻防戦が繰り広げられるので、2時間では描き切れないだろうなと。夜神月をはじめ、魅力的なキャラクターたちをしっかり掘り下げ、地上波で認知度を上げてから映画へと導いていく。最近でいうと『HIGH&LOW』が連続ドラマから映画へと連動したプロジェクトですが、当時は「踊る大捜査線」という連続ドラマからのメガヒットプロジェクトが他局で成功していた時代です。日テレでも、『家なき子』『金田一少年の事件簿』のようにドラマがヒットした後に映画という流れはありましたが、製作段階からドラマと映画を連動させる企画はまだありませんでした。――交渉時の段階で、構想はどの程度まで固まっていたんですか?ストーリー構成やキャスティング、監督・脚本などのスタッフも具体的には決定していなくて、プロジェクトとしての大きな構造だけ提案していました。このプロジェクトのリーダーは、私の師匠である佐藤敦プロデューサーで、私はセカンドプロデューサー的なポジション。佐藤敦は、映画会社の日活で企画部長をしていて、そこから日テレに移籍してきた変わり種です。日テレに来てからも『家なき子』『銀狼怪奇ファイル』『透明人間』『蘇る金狼』など土曜9時ドラマなどで大ヒットを飛ばし、テレビドラマと映画の両方を企画できる稀有な存在でした。佐藤敦の特性はもちろん、日本テレビとしても、映画単体ではなくテレビとの連動をまず考えたかったのだと思います。私は2003年に念願だった映画事業部に異動して来て、佐藤敦についてプロデューサーとしてのイロハを学びました。日本テレビ映画事業部はスタジオジブリなど、他社の企画製作作品に出資参加するのが主でしたが、2003年は日本テレビ自社で映画を企画・製作するということを打ち出した年。スタジオジブリと日本テレビの強いパイプを作り上げた奥田誠治が映画事業部部長として自社企画映画製作を推進し始めた年に異動出来たのは幸運でしたね。私が佐藤敦の下で初めてプロデューサーとしてクレジットされたのが、岡田准一さんと黒木瞳さんが主演された映画『東京タワー Tokyo Tower』(05年)でした。奥田は2005年に公開されて大ヒットした『ALWAYS 三丁目の夕日』も手掛けています。これは当時ROBOTの阿部秀司プロデューサーからの持ち込み企画でした。今、その阿部さんとは、私が映画化権を獲得した『海賊とよばれた男』(2016年12月10日公開)を共にプロデュースしています。――そういう流れから、『デスノート』で初の試みに挑戦しようと。ええ。『東京タワー』は興行収入16億を突破し、日本テレビオリジナルの企画・製作でさらなるヒットを狙うための企画が『デスノート』でした。だからこそ、いろいろなチャレンジをしようという目論見があり、「ドラマからの映画」を計画しました。集英社さんも賛同していただき、めでたく日本テレビが映像化の権利を獲得しました。2004年の頃に提案をして、翌年頭ごろに正式にOKをいただきました。――ところが、実際にはドラマ化はなされなかった。現場レベルでは連続ドラマ化はオーソライズとれていたのですが、会社上層部を含め全体の議論の中で、幅広い層の方が観られる地上波コンテンツとしては「ノートに名前を書かれた人間は死ぬ」という過激さが当時は認められませんでした。他局も同様の見解だったようで、地上波での連続ドラマを提案していたのはテレビ局としては日本テレビだけだったようです。映像化の権利を得たのに、日本テレビ社内を通すことができなかった。当時の周辺環境含めて、日本テレビの考査基準を甘く見ていた我々のミスです。昨年、『デスノート』が日本テレビで連続ドラマ化されましたが、それはやはり映画化をして多くの人に認知され、その映画をテレビで放送しても一切苦情がなかったからです。あくまでフィクションとしてのエンターテイメントであると多くの方に認めていただいたからこそ、実現できたわけです。当時に話を戻しますと、映像化のひとつの条件である連続ドラマ化が崩れてしまったので、すぐに集英社さんに事情説明に伺いました。――すぐに納得してくれましたか?いえ(笑)。そもそもの話が違うわけですから、納得してもらえないのも無理ないですよね。おそらく日本テレビの状況を受けて水面下では他局ともお話されていたんじゃないでしょうか。そして、テレビドラマ化に変わる交渉材料として、試行錯誤の上でたどり着いたのが「映画の2部作連続公開」だったわけです。そこで何とかご納得いただきました。それまで、第1弾のヒットを受けて第2弾が製作されることはありましたが、初めから決めた形での連続公開は初めてでした。――当時、「興行収入100億円」を目標に掲げられていましたが、そういう流れで生まれた数字だったんですね。現在は松竹で当時ワーナーの宣伝プロデューサーを務められていた関根さんが勝手に言ったこと(笑)。日本テレビでは製作費や目標興行収入などお金の話は当時も今もしないようにしています。日本テレビから具体的な数字として発表しているのは観客動員数ぐらいです。もちろん、打ち上げ花火というか、高い目標を掲げるのはプロジェクトとして必要なことです。日本テレビが言えないことを関根さんが代弁してくださったのかもしれません。というわけで、2部作連続公開は試行錯誤の上で生み出されたもの。最近では当たり前になりましたが、邦画史上初の試みだったと思います。ドラマは多くの人に見てもらえる反面、制作予算の問題からするとクオリティが下がってしまうかもしれない。結果論になりますが、実写の『デスノート』がここまで受け入れてもらえるようになったのは、「映画が先」だったからなのかもしれません。――ドラマ化が見送りになり、2部作公開で集英社さんの了解を得た後は、どのような流れだったのでしょうか。ドラマ化から映画化にシフトしたこともあり、制作準備が整えられず、遅れていました。そんな中、集英社さんから「2006年5月に連載が終わるので、直後のタイミングで公開してほしい」と。そのように決まった時点で、すでに公開まで一年を切っていました。それでも何とか2006年6月と11月に連続で公開されることが決定できました。当時、邦画の勢いがかなりあった頃で、劇場を空けてくれる配給会社さんがなかなか見つからず……。ほとんどの配給会社さんが2006年秋と2007年春であれば大きな興行チェーンを出せるという状況の中、自らの洋画作品を調整することで、2006年の6月と11月を空けてくれたのがワーナーさんでした。2005年秋の吉報でした。キャスティングや監督のオファーはそこからです。ここで、チーフプロデューサーの佐藤敦と僕はあるお互い譲れない案件で平行線となり、どちらかだけが残ることになりました。最終的に私が全権を任され、一人でプロデュースしていくことになります。これで私が独り立ち出来ることにはなったわけです。ただ、もともと佐藤敦プロデューサーも「『デスノート』は、始まったら佐藤貴博に任せるつもりだった」と言っていたと人づてには聞きました。■プロフィール佐藤貴博(さとう・たかひろ)1970年4月26日生まれ。山梨県出身。1994年、日本テレビに入社。営業職を経て、2003年に念願の映画事業部に異動する。映画プロデューサーとして、『デスノート』シリーズ、『GANTZ』シリーズ、『桐島、部活やめるってよ』などヒット作話題作を数多く手がける。今年公開作品は、『デスノート Light up the NEW world』(10月29日公開)、『海賊とよばれた男』(12月10日公開)。(C)大場つぐみ・小畑健/集英社(C)2006「DEATH NOTE」FILM PARTNERS監督:金子修介
2016年10月21日大場つぐみ、小畑健の原作・作画タッグによって生み出された伝説的コミックス「デスノート」は、藤原達也、松山ケンイチ主演による実写映画『デスノート』『デスノート the Last name』、スピンオフ『L change the WorLd』によってさらに伝説となった。それから10年。その世界を受け継ぎつつ、新たな世界観を持った新作映画『デスノート Light up the NEW world』(10月29日公開)が完成した。本作を手掛けたのが、シリーズをけん引してきた佐藤貴博プロデューサーと、金子修介監督から指揮を引き継いだ佐藤信介監督。今年1月5日、2人が撮影現場で今作について語った。「前作のエンディングを受けて、新たにデスノートの事件が始まる"まだ誰も知らない物語"であり、前作とはまた違ったテイストで物語が展開していきます。リメイクではないので、全く違った方向の"デスノート"のテイストも植え付けていこうと思っています。死神をアニメチックに描いているところは前作の魅力のひとつだと思いますが、リュークに関して本作では、より緻密にリアルに計算してデザインしています」と監督。そして、なぜ今『デスノート』なのか、佐藤Pが答える。「10年前と違い、日本人にも"テロ"の脅威が迫ってくる時代となり、今こそまた、人間が人間を裁く"デスノート"のテーマに取り組むべきだと感じました。夜神月は、法律で裁かれなかった犯罪者を"デスノート"で裁き、犯罪のない平和な新世界を目指した。今回はさらにその先に踏み込み、戦争をやめられない人間たち、暴力・恐怖で問題を解決しようとする人間たちについて、是か非かと問いかける人間たちの物語になっています」。気になる原作、前作との関係にも触れた。「ルールは原作そのままで、前作の映画で起きた出来事もそのまま事実として扱っています。あくまで"デスノート"を描いた映画ですが、金子監督のワールドがあり、信介監督のワールドがあるので、表現方法はだいぶ変わっていると思いますね。前作は映画自体の色合いが割とカラフルでポップな感じでしたが、今回目指したのはモノトーン。美しい映像の中で、よりアクションやサスペンスが展開します」。前作では藤原竜也、松山ケンイチのふたりが、絶対的な支持を得た。新作では東出昌大、池松壮亮、菅田将暉がメインを担う。監督が語る。「前作は2つの戦いだったと思うのですが、今回はまさに三つどもえというか、3つのキャラクターのぶつかり合いです。ファンタジックな物語だけれども、実は色濃い人間ドラマで、普通では見られない人間ドラマが見られると思います」。さらに起用理由を佐藤Pがコメント。「捜査官の三島は"デスノート"によって悪のほうに落ちていくキャラクターではないので、"実直でまっすぐな男"を探すことになりました。そんなとき、東出の初舞台を観劇に行き、彼の成長を感じ、本作の真ん中を預けたいと思いました。三島の"受けの力"に対して、Lの後継者の竜崎とサイバーテロリストの紫苑は攻撃的でエキセントリック。今若手の中で最も面白い俳優、池松、菅田を起用しました。3人にはキャラクター作りから入ってもらいました」。まだ誰も観たことのない新『デスノート』の船出は目の前だ。(C)大場つぐみ・小畑健/集英社(C)2016「DEATH NOTE」FILM PARTNERS
2016年09月27日俳優の金子貴俊が、きょう31日に放送される日本テレビ系バラエティ番組『世界の果てまでイッテQ!』(毎週日曜19:58~20:54)に出演し、メキシコの海で奇跡の光景を目撃する。金子は同番組で「オーシャンズ金子」として、ホホジロザメの大ジャンプや、ザトウクジラが群れで行う捕食行動「バブルネットフィーディング」の撮影など、奇跡の瞬間を何度も目撃する強運を見せてきた。そんな中、『イッテQ』に比べて多くの予算を持つ米テレビ局・ナショナルジオグラフィックは、普段単独行動するムンクイトマキエイ(通称:ミニマンタ)が、メキシコのコルテス海に大集結するシーンを4年前に撮影していたが、今回同所でミニマンタが「群れを成す可能性がある」という情報を入手。オーシャンズ金子とともに、現地へ向かった。この結果について、金子は「この9年間、オーシャンズ金子は世界の大きなテレビ局のすばらしい映像に負けじと、『イッテQ』チームの仲間とともに、それを超える映像の撮影に臨み続けてきましたが、なんと今回はオーシャンズ金子にしか見れない『本当の意味での世界的な映像撮影』に成功しました!!!」と報告。「チームワークと粘り強さと全員が奇跡を信じて追い求めた、オーシャンズ史上最高の映像を、ぜひとも多くの方に見ていただきたいです! 絶対に見逃がせない今回の放送! お楽しみに!!!」と、興奮しながら予告している。今夜の放送では他にも、宮川大輔がイタリアの街の路地をウォータースライダーのように浮き輪で滑り、その速さを競うレース「洗い流し祭り」に挑む。
2016年07月31日日本人とハンガリー人の両親のもと生まれ、両国の文化を吸収して育った金子三勇士。日本デビュー5周年という節目の年、「5大ソナタに挑む!」と題した意欲的なプログラムを披露する。金子三勇士 チケット情報「5という数字をコンセプトに、クラシックの正統派レパートリーで、同時に多くの人にとってフレンドリーであり、かつ自分にとって挑戦となる内容を考えました。5年間、全国津々浦々いろいろな場所にお邪魔しましたが、初めてクラシックのコンサートを聴いたという反応が思った以上に多くありました。それで、クラシックやピアノ音楽はまだ紹介するべき場所がある、どうすれば届けられるだろうかと考えるようになったのです」そんな想いで取り上げるのは、スカルラッティからバルトークまで、クラシック205年の歴史を歩むプログラム。ピアノ音楽史において重要な存在であるソナタに、それらと親和性のある耳なじみの良い名曲を織り交ぜる、初心者からコアなファンまで満足できる内容だ。「モーツァルト、ベートーヴェン、ショパン、リスト、バルトークのソナタという5本の柱をめぐり、時代旅行を楽しんでいただきたいと思います。全3部で3時間を超える演奏会なので重いと感じるかもしれませんが、発見や体験の場だと思って、気軽に聴きにきてほしいです。小学~高校生むけに、500円のMiyujiシートも用意しました。休憩中にお茶や散歩を楽しむとか、好きな部分だけ聴くなど、それぞれの午後を過ごしていただけたら」金子は“計画性のあるタイプ”だそうで、実はデビュー時からすでに5周年への構想を練り始めていたという。「お昼を食べながら、夕食どころか、来週の食事のことまで考えるタイプなんです(笑)。6歳から暮らしたハンガリーの学校教育の影響かもしれません。授業中、急に指名されてプレゼンテーションをする機会が多いので、急遽何かが起きたときの対応とか、いざというときのためのプランを立てる能力が身についたのかも」デビュー時にも演奏し、今回も取り上げるリストのピアノソナタは、すでに10周年でも演奏するつもりでいるそうだ。「ハンガリー生まれの敬愛する作曲家リストが、自身の人生、そして人類や地球の歴史を描いた壮大な作品です。5年ごとに、90歳になるまで弾いていきたいですね」“夢は大きく、目標はもっと大きく”が、活動を支えてきたモットー。すでに次の目標実現にむけて、金子の頭の中には多彩なプランが渦巻いているに違いない。デビュー5周年記念リサイタルは、東京オペラシティコンサートホール:タケミツメモリアルにて、9月18日(日)に開催。チケット発売中。取材・文:高坂はる香
2016年06月21日イッセイ ミヤケ(ISSEY MIYAKE)から、金子眼鏡との共同開発によるアイウェアの新コレクション「ボーン シリーズ Ⅱ(BONE SERIES Ⅱ)」が、2016年4月28日(木)より発売される。2015年秋に金子眼鏡とスタートさせた「イッセイ ミヤケ アイズ プロジェクト(ISSEY MIYAKE EYES PROJECT)」。第2弾となる今回は、“一本のライン”を強調した前回の「ボーン シリーズ(BONE SERIES)」に対し、“色で遊ぶ”をコンセプトにしている。「ボーン シリーズ」に通底する、アイウェアの“背骨”である美しいフレーム。1stコレクションから踏襲されたテンプル形状は、このデザインアイコンを体現している。一方で、フロント部分は、発色と光沢感に優れたアセテート素材を用いて、色彩に表情をプラス。また、異素材の重ね合わせの構造を利用して、表側と裏側で色の見え方を異なる、ユニークな仕掛けを施した。フレームは、「HEXAGON Ⅱ」、「PENTAGON Ⅱ」、「WELLINGTON Ⅱ」、「BOSTON Ⅱ」の4モデルが揃い、それぞれ4色ずつ16のバリエーションで展開。それぞれのレンズには、最適なカラーがコーディネートされる。国産のモノづくりに向き合うイッセイミヤケと、金子眼鏡が共鳴して実現したコレクションの進化形をぜひ試したい。【アイテム詳細】ISSEY MIYAKE×金子眼鏡「ボーン シリーズ Ⅱ」発売日:2016年4月28日(木)・サングラス 46,000円+税・オプティカル 44,000円+税※オプティカルは、金子眼鏡直営店のみの販売。取り扱い店舗:【問い合わせ先】
2016年05月01日狂言師の野村萬斎が4月29日(金・祝)、都内で行われた主演作『スキャナー記憶のカケラをよむ男』の初日舞台挨拶に登壇。本作で初の現代劇に出演し「今後、もっとやりたいですね」と再チャレンジに意欲を燃やした。“残留思念”と呼ばれる人間の記憶や感情を読み取る(=スキャン)特殊能力をもった元漫才師の主人公・仙石和彦(萬斎さん)が、元相方とともに連続殺人事件に挑む異色ミステリー。「探偵はBARにいる」「リーガル・ハイ」などで知られる人気脚本家・古沢良太が書き下ろした。上映後の舞台挨拶に立った萬斎さんは、「腰、抜けましたか?」と結末のドンデン返しに思わずドヤ顔。「誰にも予測できない、摩訶不思議な作品」とアピールし、「厚着でアスファルトの上に手を置いたりするから、火傷しちゃうかもと思った」と真夏に行われたロケをふり返った。舞台挨拶には萬斎さんをはじめ、共演する安田章大、杉咲花、ちすん、金子修介監督が登壇。エリート刑事役の安田さんは、「すごく変態的な役で(笑)、こんな機会もないと演じられない」と新境地(?)で手応えたっぷり。そんな安田さんと対峙するシーンがある杉咲さんは「怖かったけど、笑っちゃった」とはにかんだ。また、ちすんさんは「夏の撮影だったので、セミの鳴き声をやむのを待つ“セミ待ち”の時間があった」と話していた。大型連休の初日を迎え、金子監督は「ほかの作品には負けたくない。例えば、カルタやゾンビ、ゴキブリとか」と同時期公開の『ちはやふる -下の句-』『アイアムアヒーロー』『テラフォーマーズ』をライバル視。 安田さんは「ゴールデンウィークの思い出は、家族で動物園に行き、草っぱらでおにぎりを食べたこと」。“草っぱら”という独特な表現に、登壇者&ファンは大受けだった。『スキャナー記憶のカケラをよむ男』は全国にて公開中。(text:cinemacafe.net)
2016年04月29日狂言師・野村萬斎の主演映画『スキャナー記憶のカケラをよむ男』(4月29日公開)の初日舞台挨拶が29日に行われ、映画に出演する野村、安田章大(関ジャニ∞)、杉咲花、ちすん、金子修介監督が登場した。同作は『リーガル・ハイ』、『ALWAYS 三丁目の夕日』などの脚本で知られるヒットメーカー・古沢良太のオリジナル作品。人の持ち物から残留思念を読み取ることができる超能力者・仙石和彦を萬斎が演じ、仙石の漫才師時代の相方・丸山竜司を宮迫博之(雨上がり決死隊)、2人にある事件の解決を依頼する女子高生を杉咲、エリート刑事を安田、行方不明になった女性を木村文江が演じる。元漫才師という役柄に、萬斎は「相方(宮迫)がプロなので、乗らせていただきました」と役作りについて話し、安田も「家ですね毛を剃って臨みました」と裏側を明かした。思念を読み取るという設定にちなんだ、「自分の思念が強く残っている場所は?」という質問に対しては、「稽古場」(萬斎)、「かき氷屋さん」(杉咲)、「家のソファ」(ちすん)、「映画館」(金子監督)と、それぞれ自分の思いが残っている場所をあげた。安田は、所属するグループ・関ジャニ∞の駆け出し時代に触れ、「1台しかなかった時のマネージャー車」を選択した。仕事現場に行くまで、マネージャーが各メンバーの家を回ってピックアップしていたため「1番最初の人は劇場に着くまでに2時間車に乗っている」といった状況。「その時にちっちゃく縮こまってた自分が出てきそうな気がしますね」と、当時の苦労を語った。そして「遠足みたいな感じ」と懐かしそうに振り返りつつ、「ありがたい。今が! 感謝しています」と頭を下げていた。
2016年04月29日イッセイ ミヤケ(ISSEY MIYAKE)がアイウエアメーカー・金子眼鏡とのコラボレーションによる「ISSEY MIYAKE EYES PROJECT」の第2弾となるアイウエアコレクション「BONE SERIES II」を発売する。15年の秋に金子眼鏡との共同開発からスタートした「ISSEY MIYAKE EYES PROJECT」。第1弾では、ブランドの出発点である“一枚の布”から着想し、ひと筆書きのような一本のラインにこだわって製作された。第2弾となる今回は、スリムな造形ながら軽量で耐久性の高いβチタニウム素材を採用することにより、強度と優れたかけ心地を実現。さらに、スリムな質感のβチタニウムに加え、発色や光沢感にすぐれたアセテート素材で色彩をプラスすることで、異素材の質感のコントラストが美しいデザインに仕上げられた。また、“色で遊ぶ”をコンセプトに製作されており、厳選されたカラーレンズとの組み合わせも特徴のアイテムとなっている。フレームは、「HEXAGON II」、「PENTAGON II」、「WELLINGTON II」、「BOSTON II」、の4モデルを用意。各4色ずつの16バリエーションで展開される。各バリエーションには最適なカラーレンズがコーディネイトされる他、カラーバリエーションによっては表側と裏側で色の見え方が異なるユニークなモデルもラインアップしている。価格は、サングラスが4万6000円、オプティカルが4万4000円となっており、オプティカルは金子眼鏡直営店のみで販売される。また、特設サイト()もオープンしている。
2016年04月28日映画『スキャナー 記憶のカケラをよむ男』が、2016年4月29日(金)より全国の劇場で公開される。現代劇初出演となる野村萬斎が演じる主人公・仙石和彦は、残留思念(物や場所に残った人間の記憶や感情など)を読み取ることができる特殊能力を持った男。その能力を使い、マイティーズというお笑いコンビで日本中を湧かせたこともあったが、その能力の代償に精神をすり減らし、コンビを解散。以来、マンションの管理人として人目を避けた生活を送るようになってしまう。一方、仙石の相棒であり、元相方のマイティ丸山を演じるのが、数々のバラエティーに出演する傍ら、俳優としても数多くの人気ドラマ・映画で活躍する宮迫博之。とある出来事から、再会した仙石をなんとか外の世界へと引きずり出し、この二人にしかできない捜査で様々な事件に挑んでいく。脚本は、『ALWAYS 三丁目の夕日』(05)共同脚本での日本アカデミー賞最優秀脚本賞に始まり、話題作となった『キサラギ』(07)、『探偵はBARにいる』シリーズ(11)(13)、『少年H』(13)など多くのヒット作を手掛ける人気脚本家・古沢良太による描き下ろしだ。そして、6年に公開され大ヒットを記録した『デスノート』、『デスノート the Last name』などを手掛け、ブリュッセル映画祭で観客賞を受賞するなど、国内だけでなく海外でも高く評価されている金子修介がメガホンを取る。予想を裏切り続ける緊迫した展開、ふたりのかみ合わない凸凹コンビが見せる笑い。狂言とお笑いという全く異なるフィールドで活躍する人気者同士が魅せる異色の謎解きミステリー、その化学反応やいかに。【作品情報】『スキャナー 記憶のカケラをよむ男』公開日:2016年4月29日(金)キャスト:野村萬斎、宮迫博之、安田章大、杉咲 花、木村文乃、ちすん、梶原 善、風間杜夫、高畑淳子脚本:古沢良太音楽:池 頼広監督:金子修介© 2016「スキャナー」製作委員会
2016年04月23日『探偵はBARにいる』「リーガル・ハイ」などで知られる人気脚本家・古沢良太が書き下ろした異色ミステリー『スキャナー記憶のカケラをよむ男』の完成披露上映会が3月27日(日)、都内で行われた。上映を前に古沢氏をはじめ、初の現代劇に挑んだ野村萬斎、共演する宮迫博之、安田章大、杉咲花、木村文乃、ちすん、高畑淳子、金子修介監督が舞台挨拶に登壇。“残留思念”と呼ばれる人間の記憶や感情を読み取る(=スキャン)特殊能力をもった元漫才師の主人公・仙石和彦が、元相方とともに連続殺人事件に挑む。萬斎さんは「才能とどう付き合うか、社会とどう向き合うか。苦しみながら生きる人間を描いたミステリー」と本作をアピール。劇中では木村さんとの恋愛模様も描かれ、「幸せでしたね。普段は男だらけですし、女優さんとの共演が映像の楽しみ」と笑みを見せた。主人公の元相方を演じる宮迫さんは「お堅い方と思ったら、僕より全然しゃべる。僕らは元漫才師という役柄でしたが、『漫才師?僕は萬斎』なんて言うから(笑)」と、芸人顔負けな萬斎さんの素顔を暴露した。「正直怖い人かと思っていたが、実際にはめっちゃ優しい」(安田さん)、「ハンバーガーを食べている姿に驚きました」(杉咲さん)、「クールで寡黙なイメージだったが、お会いすると虫眼鏡を手にした少年みたいにキラキラしていて、失礼かもしれませんが可愛らしい」(木村さん)とほかの共演者も、狂言師のイメージとのギャップに驚かされた様子。当の本人は「僕も現代人ですから、ハンバーガーは食べますよ」と苦笑いだった。映画のテーマである特殊能力に話題が及ぶと、安田さんは「エラ呼吸できるようになりたい。趣味がダイビングですし、魚に憧れかれこれ31年」と笑いを誘い、宮迫さんは「家に帰って、玄関のドアの“重さ”で嫁の機嫌が分かる」と恐妻家ぶりを披露していた。『スキャナー記憶のカケラをよむ男』は4月29日(金・祝)より全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2016年03月28日