「ジャングル大帝」「リボンの騎士」「新日本紀行」「きょうの料理」「大河ドラマ」・・・。アニメ、特撮、映画音楽など様々なジャンルへ優れた音楽を提供した冨田勲(1932―2016)。日本が世界に誇るトミタの音楽を、壮大なオーケストラ、シンセサイザー、合唱、ダンスなどで堪能する贅沢なコンサート「冨田勲 映像音楽の世界」が9月17日(月・祝)に東京・東京国際フォーラムCで開催される。開催に先立って、12日に東京・浜離宮朝日ホールにてリハーサルが行われた。【チケット情報はこちら】場を引き締め、エネルギッシュな指揮で音楽を作り出すのは藤岡幸夫。世界中のオーケストラで活躍する藤岡の指揮で音楽を聴くと、自然と笑顔になり、前向きなエネルギーが湧き出るようだ。リハーサルは、総勢50名を超えるオーケストラ・トリプティークと、50人に及ぶ混声合唱によって『マイティジャック』『キャプテンウルトラ』『ジャングル大帝』『リボンの騎士』『新日本紀行』などが奏でられた。リハーサルで聴いても壮大でゴージャス。あまりの迫力で、本番はさらに良くなると考えるとワクワクする。オーケストラ・トリプティークの演奏も素晴らしく、笑顔で進むリハーサルのなか、パーカッションのホールを揺るがす低音や、トランペットの強烈な響き、弦楽の美しい旋律、フルートのきらびやかに彩る音色など、カラフルな音の万華鏡のようだった。このコンサートは冨田勲の没後企画としても最大規模のひとつ。手塚治虫アニメ、NHKの大河ドラマ、「マイティジャック」など、映像のために作曲された傑作をゴージャスなオーケストラ演奏で楽しむだけでなく映像上映とオーケストラ、女子高生のダンス、合唱、シンセサイザーなど、通常のコンサートでは味わえないコラボレーションも予定しているとのこと。コンサートへの推薦コメントを寄せてくれた庵野秀明監督は、『マイティジャックの歌』を人生で1番聞いているとコメントしているが、今回のメインイベントのひとつが特別編集版『マイティジャック』の400インチ画面での上映にあわせてのオーケストラ演奏だ。リハーサルでも映像を上映しての細かい確認や調整がキビキビと行われていたが、日本でもこのようなシネマ・コンサートを行えるスタッフは限られており、プロフェッショナルな仕事の素晴らしさを垣間見ることができた。コンサートの最後には『マイティジャックの歌』みんなで歌おう!というお客様への気の利いた計らいも用意しているとのこと。今回は、様々な形で冨田勲にゆかりあるミュージシャンやクリエーターも参加する「冨田勲フェスティバル」とも言える大規模になり、夢のような大コンサートとなった。これは期待するしかない!チケットは発売中。取材・文:仁木高史(ライター)
2018年09月14日ポノック短編劇場『ちいさな英雄-カニとタマゴと透明人間-』完成披露プレミア試写会が8月19日(日)、品川ステラボールにて行なわれ、声優を務めた木村文乃、鈴木梨央(『カニーニとカニーノ』)、尾野真千子、篠原湊大、坂口健太郎(『サムライエッグ』)、田中泯(『透明人間』)、米林宏昌監督、百瀬義行監督、山下明彦監督、エンディングテーマを担当した木村カエラ、西村義明プロデューサーが出席した。■出来上がったのは6日前!本作は、長編アニメーション映画『メアリと魔女の花』のスタジオポノックが贈る短編「ポノック短編劇場」第一弾。「ちいさな英雄」をテーマに、大冒険ファンタジーの『カニーニとカニーノ』、母と少年の愛と感動の人間ドラマ『サムライエッグ』、見えない男の孤独な闘いをスペクタクルアクションで描いた『透明人間』の三つの物語が描かれる。西村プロデューサーは「完成したのは6日前でした。ギリギリまでいいものを作ろうと思って」と粘りに粘って作品を完成させたことを明かすと、三篇で構成されている本作について「実は四本あったんです」と語る。その四本目とは、今年2018年4月に死去した巨匠・高畑勲監督にお願いしようと思っていたと西村プロデューサーは打ち明ける。西村プロデューサーと高畑監督は、スタジオジブリ時代『かぐや姫の物語』などでタッグを組んだ間柄。高畑監督を師匠と仰ぐ西村プロデューサーは「高畑監督に教えていただいたものは作品に入っていると思います」と自信をのぞかせると「よく高畑さんとは『人は死んだらどうなるんだろう』という話をしていました。草葉の陰ではないですが、今日もちゃんと観てくれていると思います」と力強く語っていた。■三者三様、個性的な作品が勢ぞろい!自身初となるオリジナルストーリーで挑んだ『カニーニとカニーノ』の米林監督は「全編カニ語で物語は進んでいきます」とユニークな発想の物語であることを明かすと、木村文乃の弟役・カニーノを演じた鈴木さんは「木村さんと二人でアフレコしたのですが、気づいたら2時間がたっていました」と時間を忘れるほどのめり込めたという。巨匠・高畑勲監督の右腕として活躍した鬼才・百瀬監督は『サムライエッグ』のキーワードを“歯”と語ると「生命とか成長の象徴として見えるといいなと思いました」と理由を述べる。宮崎駿監督作品の中心を担った天才アニメーターである山下監督は『透明人間』を製作。キーワードを“存在”と語ると「そこいるのに、いないも同然という扱いを受ける人を描きました」と説明する。本作で盲目の老人を演じた田中さんは、目を閉じてアフレコに臨んだというが「見えているのと見えていないのでは、まったく違う」と役作りについて語っていた。『ちいさな英雄―カニとタマゴと透明人間―』は8月24日(金)より全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2018年08月20日8月17日今夜の「金曜ロードShow!」(日本テレビ系)で、宮崎駿監督(77)の映画「となりのトトロ」が放送される。88年に公開されて以降、幾度もテレビで放映されている同作。根強い人気を誇るだけにTwitterでは《今日はトトロやから早く帰らないと》《今日トトロ観ながら泣く予定なんだけどだれか一緒に観ようよ》《何度見てるかわかんないけど楽しみだなー》といった声が上がっている。「今年4月に亡くなった高畑勲さん(享年82)と宮崎監督はもともと先輩後輩関係で、良き仲間でした。宮崎監督を育てたのは高畑さんですが、映画をそれぞれが作るようになるとライバル同士に。ですから高畑さんが宮崎監督を褒めることは滅多になかったそうです。しかし一番好きな宮崎映画について訊ねられた際、『トトロ』と即答。理由については明かしていませんが、有無を言わさぬものがあったといいます」(映画関係者)また高畑さんにとって「トトロ」は別格だったとするエピソードが。ジブリの代表取締役である鈴木敏夫(69)は「女性自身」13年12月17日号で、こう明かしている。「『となりのトトロ』のときは高畑さんに『僕らが目指してきたものの頂点ですね』と言われて、宮崎駿は小躍りして喜んでました。そういうとき高畑さんは大人のふりして立派なことをいうんですよ。アハハ」続けて鈴木は「なんというか、高畑勲は宮崎駿にとってお兄ちゃんなんですよね」と語っている。高畑さんを偲び、今夜見られるのはどうだろうか?
2018年08月17日高畑充希主演ドラマ「過保護のカホコ」が、この秋、スペシャルドラマ「過保護のカホコ2018~ラブ&ドリーム~」として帰ってくることが決定。高畑さんと共演の竹内涼真からコメントが到着した。「過保護のカホコ」は、昨年7月期に日本テレビ系で放送された連続ドラマ。高畑さん演じる史上最強の箱入り娘・カホコと、それを見守る竹内さん演じる美大生・ハジメの恋と成長を描いた作品だ。最終回では、自分を取り巻く過剰な庇護から卒業し、めでたくハジメとの結婚を果たしたカホコ。終了後は“カホコロス”を嘆く視聴者も多くいた。そんな中今回、「カホコとハジメの新婚生活はどうなったの?」「カホコの成長ッぷりをもっと見たい!」と、その後の物語が見たいという熱い声に応える形でスペシャルドラマが放送決定!1年後を舞台に、夢と愛を両立させることの難しさをテーマにした、新しい家族の愛の形を描いていくという。“カホコ”こと麦野加穂子役の高畑さんは、「去年の夏は、私にとって奇跡のような夏」と前回の撮影をふり返り、「すごくドキドキしています。ソワソワもしています。心臓出そう」とスペシャルドラマ放送が決定した現在の心境を明かす。また、「大好きな初くんやママパパ、家族のみんなにまた会えるのが、とにかく楽しみ。カホコファミリーみんなで、すっばらしいスペシャルドラマ目指して一生懸命頑張りますので、お楽しみに!いざ!」とファンへ呼びかけた。一方、前作について「去年の夏、悩みながら、もがきながら多くのことを勉強させていただき、自分自身の成長を少しですが感じることができた作品」と語る竹内さんは、「1年経った今、またその麦野初として帰ってこられることを心から嬉しく思います。初が一家の主としてカホコとどんな結婚生活を送っているのか、そしてカホコのパパやママたちはどうしているのか。僕自身、撮影がすごく楽しみです」と話している。ストーリーあれから1年――。カホコは過保護からの脱却を目標に、仕事に家事にと奮闘する毎日を送っていた。と、思いきや、カホコはあらゆるトラブルを全て抱え込み、ひとりで空回りするばかり。親と一緒にいられない子どものために始めた「カホコハウス」は経営が苦しく、残業続き。家庭では家事一切を自分でやると言いながら、洗濯も料理も間に合わず、庭は荒れ放題。見かねた初に止められるも、ムリして開いたイトの誕生日会では、単身コンダクターへの道を探すために、ウィーンへ旅立つと言うイトと節が大喧嘩。子ども欲しさに代理母出産を計画する環が衛と揉めはじめ、とパーティは大紛糾。そんな折り、カホコハウスに通う保の元に、行方不明になっていた母・真美がやって来て引き取られていく。数日後、再び置き去りにされ、カホコを頼って来た保の将来を案じ、カホコは「保を引き取る」と言い出す。しかし当然、初は猛反対。泉からの子作りのプレッシャーもあり、カホコと初夫婦の関係も微妙にズレ始める――。「過保護のカホコ2018~ラブ&ドリーム~」は9月19日(水)21時~日本テレビ系にて放送。(cinemacafe.net)
2018年08月17日今年の夏もお茶の間を騒がせている朝ドラヒロインたち。16年上半期の『とと姉ちゃん』でヒロインをつとめた高畑充希(26)は、その“恋の行方”に注目が集まっている。「16年11月、『とと姉ちゃん』でも共演した坂口健太郎(27)との熱愛報道が浮上。その後も坂口さんが彼の自宅に通う姿や、同じマンションに引っ越していたことなども報じられました。2人とも、互いの価値観や波長が合っているようですね」(前出・芸能プロダクション関係者)10月からは『忘却のサチコ』(テレビ東京系)で主演をつとめる高原。さらに実は、9月19日には『過保護のカホコ』(日本テレビ系)のドラマSP放送が決定しているという。そんな彼女の憩いのひとときは、やはり“食”だった。「最近の高畑さんはスーパーでお酒とつまみを買うのが日課。坂口さんと宅飲みしているそうです。2人とも呑兵衛なので、大盛り上がり。お陰で、外に出る機会が減ったそうです(笑)」(2人の知人)そうした生活が、女優奮闘の原動力となっているようだ。
2018年08月10日こんにちは。エッセイストの鈴木かつよしです。盟友の高畑勲監督をうしなってもなお、次回作『君たちはどう生きるか』 完成への情熱は変わることのないスタジオジブリと宮崎駿監督。その長編アニメーション作品の数々はわが国が世界に誇るべき文化の代表選手ではないかと思います。ママのみなさんがお子さんにみせるジブリ作品を選ぶ際に、お子さんの年齢によって 「何をみせるか」の参考にしていただければと思い、今回は筆を執りました。『魔女の宅急便』(1989年公開作品)こちらは、小学校高学年の児童から中学生にお薦めです。主人公のキキが魔女界のしきたりにしたがって13歳の春に人間しか住んでいない街へと独り立ちの旅に出る物語。人間界の街で出会ったとんぼとの初恋は高学年の小学生ならシンパシーを感じるでしょう。また、生まれて初めて“職業実習”を体験する中学2年生 にとっても感じるところがある作品です。『となりのトトロ』(1988年公開作品)4・5歳児から小学校の全学年の児童にお薦めです。母親の療養のため引っ越してきた農村で姉妹二人きりの夏を過ごすことになった12歳の小学6年生サツキと4歳児メイの物語。日本の子どもたちにとって小学生時代の“夏休み”ほど特別なものは他にありません。このアニメは入道雲や夕立がある日本の夏の風景を鑑賞できるだけでも価値がありますが、しばし親が傍にいない時間を過ごさざるをえなくなった小さな姉妹の心理描写が観ているわたしたちの胸を打つ作品です。4・5歳児のお子さんであればメイの微笑ましい様子 を観て楽しむこともできるでしょう。『耳をすませば』(1995年公開作品)中学生みんなにお薦めです。京王線聖蹟桜ヶ丘駅周辺の東京の多摩地区を舞台にした中学3年生の雫と聖司の初恋物語です。高橋一生さん が聖司の声を担当していましたね。人生の早い時期から医者や公務員や大企業の会社員を目指すのもいいですが、雫と聖司のように作家やバイオリン職人を夢見て努力する中学生もいてほしいですよね。中学生のお子さんであればほとんどのみんなが共感できる作品ではないかと思います。『コクリコ坂から』(2011年公開・宮崎吾朗監督作品)中学生・高校生にお薦めです。メルという愛称で呼ばれる高校1年生の少女・海と同じ高校に通う1学年先輩の新聞部長・俊との甘く健気で美しい初恋物語。日本の青春映画の最高傑作 ではないかと筆者は思っています。海や俊と同じ高校生はもちろん、高校進学を控える中学生のお子さんたちにもぜひ観ていただきたい作品です。心から「好き」と思える異性に出会えたことが人としてどれほど幸福なことであるかをあらためて実感させられる上質のラブストーリーです。『火垂るの墓』(1988年公開・高畑勲監督作品)最後は、4歳以上の全ての子どもたちにお薦めです。わが国に生を受けた全てのお子さんに観ていただきたい作品です。4歳以上になっていれば、感覚的に「何か」を感じ取る ことができるかと思います。太平洋戦争末期の神戸大空襲で親を亡くした14歳の清太と4歳の妹・節子が、子どもだけではやはり生きて行くことができず終戦を迎えた直後に二人とも栄養失調による衰弱死をとげる物語です。この作品は、子どもたちが子どもたちだけでは生きて行けない以上いかなる理由があっても一国の指導者は「戦争」という選択肢を採ってはならないという強烈なメッセージを含んでいます。原作者の野坂昭如さんと高畑勲監督がこのアニメを子どもたちに観てもらうことによってその思いをずっと後世の子どもたちにまで伝えて行ってほしいという願いが、観る者の胸に突き刺さってくる、そんな凄いアニメ映画です。----------いかがでしたでしょうか。こうしてみるとジブリの長編アニメ作品は、いろいろな年代のそれぞれ気質の違う「少女」たちが主人公になっているので、どんな学齢のお子さんでも夢中になれる作品が必ずあるように思います。今回ご紹介しきれなかった作品についていずれまたコメントさせていただく機会があればこのうえなく幸いに存じます。●参考リンクスタジオジブリ()●ライター/鈴木かつよし
2018年07月26日『メアリと魔女の花』の「スタジオポノック」が短編アニメーションの制作レーベルとして「ポノック短編劇場」を新設、その第1弾として公開される『ちいさな英雄―カニとタマゴと透明人間―』から、木村カエラの新曲が流れる予告編が到着した。“子どもたちから大人まで楽しめるアニメーション映画を作りたい”という志からスタートした本プロジェクト。“ちいさなものの中にこそ大事なものが込められている”3つの奇跡の物語が誕生し、木村さんの新曲「ちいさな英雄」がエンディングテーマとして起用されることになった。■木村カエラ「子どもたちが、のびのびと生きてほしい」と思い込める木村さんは「この3作品を手掛けられた、米林監督作品や、百瀬監督、山下監督が関わった作品の大ファンで、いつか自分の曲も一緒に何かできないかとずっと思っていたので、夢が叶いとてもうれしく思っています」と今回の起用に感動の様子。「何度もスタッフと打ち合わせを行い、3作品のすべてをまとめるというエンディングテーマなので、この映画を観終わった人たちすべての人が笑顔で帰れるような楽曲を作ろうと思いました。この楽曲を聴いた子どもたちが、のびのびと生きてほしい、育ってほしいと、私なりの目線で書かせてもらいました」と、母親として絵本も手がける木村さんならではの楽曲となっているようだ。劇場公開よりひと足早く解禁された本作の予告編では、その元気なエンディングテーマを聴くことができる。『メアリと魔女の花』の米林宏昌監督の自身初となるオリジナルストーリーとなる、カニの兄弟の大冒険ファンタジー『カニーニとカニーノ』。故・高畑勲監督の右腕として活躍してきた鬼才・百瀬義行監督による、実話をもとにした母と少年の愛と感動の人間ドラマ『サムライエッグ』。宮崎駿監督作品の中心を担った天才アニメーター・山下明彦監督が、見えない男の孤独な闘いをスペクタクル満点のアクションで描く『透明人間』。兄と弟の勇気、母と子の絆、そしてたったひとりの闘い…。楽曲「ちいさな英雄」の中では、懸命に生きる子ども、そして彼らを温かくみつめる大人の目線、感情が相互に入れ替わり、軽やかで爽快な楽曲となっている。西村義明プロデューサーが「すごい!」と唸った楽曲物語も絵柄も作り手も異なる3つの作品を、「ちいさな英雄」というテーマで明るく包む歌が欲しい。声の中に笑顔が見える木村カエラさんの歌声なら、この無理難題に一緒に挑んでもらえるんじゃないか。その思いでエンディングテーマをお願いしました。後日、歌曲が完成したとき「緊張しすぎて泣きました!」と笑っていた木村カエラさんですが、こちらは思わず「すごい!」と唸りました。カエラさんの曲と真っ直ぐな声は、感傷や叙情を軽々と飛び越えて、劇場をキラキラと祝福で満たします。映画館からの帰り道、大人も子どもも思わず口ずさんで空を見上げるような、とても素敵な歌の完成に心から感謝しています。『ちいさな英雄ーカニとタマゴと透明人間ー』は8月24日(金)より全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2018年07月05日近未来の日本を舞台にした最新作『犬ヶ島』を引っ提げ、ウェス・アンダーソン監督が13年ぶりに来日!本作の声優を務めるコーユー・ランキン、ジェフ・ゴールドブラムとともに5月22日(火)、都内で行われた来日記念舞台挨拶に登壇した。■今年ナンバー“ワン”候補!『犬ヶ島』ってどんな映画?近未来の日本。犬インフルエンザの感染拡大を理由に、すべての犬が“犬ヶ島”と名付けたゴミ集積場に追放してしまう。愛犬のスポッツを救おうと、単身犬ヶ島に上陸した12歳の少年アタリ(ランキン)は、そこで出会った勇敢な犬5匹と一緒に、スポッツ探しを始めるが…。なんと445日もの時間をかけて、14万枚以上の静止画を撮影したストップモーション・アニメーションで、第68回ベルリン国際映画祭で銀熊賞(監督賞)に輝いている。■日本愛が炸裂!黒澤明、宮崎駿、そして高畑勲にリスペクト示す本作について、「黒澤明から強いインスピレーションを受けた」と公言しているアンダーソン監督。日本のファンを前に「(構想から)6年間の間、ずっと日本のことしか考えていなかったし、今日という日を心待ちにしていた。すでに各国で公開されているけれど、僕にとっては、真の意味でのワールドプレミアなんだ」と感無量の面持ちだった。さらに「この作品を作る上で、考えたことはただひとつ…。(日本語で)黒澤さんなら、どうするだろうか?」とメッセージを読み上げると、客席からは大きな拍手が。黒澤監督に加えて、「インスピレーションの源」として宮崎駿、高畑勲、庵野秀明、今村昌平、北野武、仲代達矢、三船敏郎、志村喬、香川京子、大友克洋といった日本が世界に誇るクリエーターの名前を挙げて、リスペクトの念を示していた。■豪華日本人ボイスキャストも集結!アフレコはiPhoneで?アンダーソン監督の呼び込みで、ステージには本作のボイスキャストを務めた野村訓市、夏木マリ、村上虹郎、伊藤晃、池田エライザが登場!村上さんは劇中に登場する“火の玉”がモチーフになった浴衣姿で登場し、「この浴衣、実はウェス監督にいただいたんです」。アフレコは主にiPhoneのボイスメモで行われたそうで、「監督にお会いしたのも、ついさっきで。やっと今日、実感が湧きました」と喜んでいた。「こんなに長く日本を思ってくださり、それを形にしてくださる監督さんがいることが幸せ」(池田さん)、「ウェスの世界の一部になれて感激している」(夏木さん)と女性陣も感激しきりだった。『犬ヶ島』は5月25日(金)より全国にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:犬ヶ島 2018年5月25日より全国にて公開©2018 Twentieth Century Fox Film Corporation
2018年05月22日日本テレビ系『金曜ロードSHOW!』(毎週金曜21:00~)の公式Twitterで、シンガーソングライター・二階堂和美が、映画『かぐや姫の物語』の主題歌「いのちの記憶」を歌う動画が公開されている。この動画は、今月15日に行われた、故・高畑勲監督のお別れの会で、二階堂が独唱したもの。その様子をノーカットで3分割の動画で配信したが、1日も経たないうちに「その1」「その3」は再生回数10万回を突破した。同Twitterでは「本当に圧倒的な素晴らしさで会場は涙に包まれました」と紹介。これに対し、リプライでは「涙なしでは見れませんでした」「高畑勲監督をお見送りする、その場にいらした皆さんと心を同じくして、共にお見送り出来たような気持ちになりました」といった感想が寄せられている。『かぐや姫の物語』(2013年)は、きょう18日21時からの『金曜ロードSHOW!』で、完全ノーカット放送。西村義明プロデューサーは「8年間という長期の制作期間を経て完成した映画ですが、ジブリ第7スタジオのスタッフ達とともに、とても楽しそうに映画を作っていた高畑監督を思い出します」とコメントしている。
2018年05月18日俳優の堤真一、綾野剛、女優の高畑充希が16日、都内で行われたNTTドコモ「2018夏 新サービス・新商品発表会に出席した。NTTドコモ「2018夏 新サービス・新商品発表会」に出席した綾野剛、高畑充希、堤真一(左から)この日行われたNTTドコモの新サービス・新商品発表会では、新商品11機種とAIエージェントサービス「my daiz」の提供開始、そしてdポイントによるポイント投資サービス及びロボアドバイザーによる資産運用サービス「THEO+docomo」のサービススタートを発表。発表会後にはCMキャラクターでもある堤真一らが登壇し、トークショーが開かれた。舞台裏で発表会の内容を聞いていた3人。綾野が「今回はカメラ機能のすごい新商品が多いですね」と興味津々で、中でもライカトリプルカメラが搭載されているHUAWEIのP20 PROがお気に入りのようで、「風景や食べ物もいいですが、人物を撮りたいですね。ぼかし機能もありますから革新的なスマートフォンですね」と絶賛。一方の堤は「僕はイマイチ分からなかったりしますが、投資を始めようとする人にはとてもいいんじゃないんですかね」とポイント投資サービスなどに興味を示していた。トークショー後半では、3人がAIエージェントサービス「my daiz」を体験するコーナーも。高畑がスマフォに向けて「my daiz!私のこと好き?」と話し掛けると、my daizが「もちろん好きです。みっちゃん!」と反応し、それを聞いた堤が「みっちゃんみちみち…」と歌い始めるも、場所をわきまえて途中で歌を止めて会場は大爆笑。横で聞いていた高畑は「小さい頃言われたな。それ(笑)」と苦笑いを浮かべていた。また、「Galaxy S9」で写真を撮ってアバター制作にも挑戦した3人それぞれのアバターを披露。堤から「もし俺がこれを送ったら嫌われないかな?」と問われた高畑は「『おっさん何やってんねん!』って送りますよ(笑)」と回答していた。
2018年05月16日今年4月5日に亡くなった高畑勲監督(享年82歳)を偲ぶ「高畑勲 お別れの会」が5月15日(火)、東京・三鷹の森ジブリ美術館で行われ、高畑監督の息子である高畑耕介氏が“父”の素顔と思い出を語った。耕介氏によると、高畑監督は昨年4月に手術を受けて以来「発熱、せき、味覚障害に絶えず苦しんでいた」という。それでも今年の2月末まで講演会などに登壇しており、その忍耐力と精神力は「医者も驚くほど」だったのだとか。そんな高畑監督は今年3月10日、耕介氏とともに近所の公園を散歩したそうで「芽吹き始めた木々、さえずる小鳥について、教えてくれたことを昨日のことのように思い出します」。3月末に入院した際には、「呼吸が苦しく、言葉を発することもできない状態となり、見守る私たち家族もつらい思い」だったといい、「人に話を聞いてもらうことが生きがいだった父にとってこそ、それはしんどく耐えがたいことだったと思います」とふり返った。亡くなる1年前ほど前から、講演会や対談といった高畑監督の仕事に付き添うようになったという耕介氏。移動中は「体調は大丈夫だろうか」とヒヤヒヤする一方、いざ講演が始まると「話はいつも面白く、時間はあっという間に過ぎてしまいました」。それだけに、「映像作品以外の父の言葉や姿に触れて、もっと知りたいという思いが強くなったいま、父の声を聞くことがもうできない現実を前にすると、悔やみきれず、胸が詰まる思いです」としみじみ語っていた。「既成概念に囚われることなく、何よりも自身の感覚、直感によって物事を捉え、言葉や表現に変えていきました。対象の全体像を捉えるために必要なことは何でも調べる貪欲さ、理想に近づきたいという往生際の悪さ、一種の感覚的、また即物的な視点と切り口によって、当たり前のように感じることも、日常をも再発見させられる父なりの物の見方は、いつも私を惹きつけました」。「古今東西の文物に美を見出し、そこにあるトリックや魔法を見つけることが楽しみで、父は何か発見があると、嬉々としてそれを語ってくれました。現実への冷徹で客観的なまなざし、共同体から世界まで、社会は少しずつ良くすることができるはずという期待、不器用で間違いだらけの人間の肯定というものを、何気ない会話からも感じさせるので、自然に私もそのように考えるようになりました。ある種の捉えがたいものに光をあて、言語化する。明確な答えはないけれども、大事な何かをそのまま問いかけ、考えさせるというのが父のスタイルだったと思います」。最後に耕介氏は「純粋な好奇心と、日ごろの勉強から得た発見や着想を、実験的なやりかたを交えて、各分野の才能豊かな仲間たちと表現し続けることができた。父は本当に幸せな人間だったと思います」と語り、「父が望むものは、人間が人それぞれの個性と、育てられた社会的、文化的背景をお互いに理解し、尊重する。そして、それらは活かし、助け合い、譲り合って、小さいものや弱いものも安心して、暮らしていける世の中だと思います」と締めくくった。(text:cinemacafe.net)
2018年05月15日今年4月5日に亡くなった高畑勲監督(享年82歳)を偲ぶ「高畑勲 お別れの会」が5月15日(火)、東京・三鷹の森ジブリ美術館で行われた。このお別れの会は、宮崎駿監督と鈴木敏夫プロデューサーの「ジブリとして盛大なお別れの会で見送りたい」という言葉に従い、高畑監督も生前大好きだった三鷹の森ジブリ美術館で開催。宮崎監督が実行委員長を務め、スタジオジブリと公益財団法人徳間記念アニメーション文化財団の協力で執り行われた。「開会の辞」を担った宮崎監督は、追悼コメントとして、高畑監督の出会いや思い出を回想。時折、涙ぐみ、言葉につまる場面もあった。宮崎駿監督追悼のコメント(全文)パクさんというあだ名のいわれは定かではないんですが、だいたいがとにかく朝が苦手な男でして、東映動画に勤め始めたときも、ギリギリに駆け込むのが常でして、買ってきたパンを、タイムカードを押してから“パクパク”と食べて、水道の蛇口からそのまま水を飲んでいたという。それでパクさんになったという噂です。追悼文という形ではありませんが、今日は書いてきたものは読ませていただきます。パクさんは95歳まで生きると思い込んでいた。そのパクさんが亡くなってしまった。自分にもあんまり時間がないんだなと思った。9年前、私たちの主治医から電話が入った。「友だちなら、高畑監督のタバコをやめさせない」。真剣な怖い声だった。主治医の迫力に恐れをなして、僕と鈴木さん(鈴木敏夫プロデューサー)は、パクさんとテーブルを挟んで向かい合った。姿勢を正して話すなんて、初めてのことだった。「パクさん、タバコをやめてください」と僕。「仕事を続けるために、やめてください」。これは鈴木さんの言葉です。弁解や反論が怒涛のように噴き出てくると思ったのに、「ありがとうございます、やめます」とパクさんはきっぱり言い、頭を下げた。そして、パクさんは本当にタバコをやめてしまった。僕はわざとパクさんのそばで、タバコを吸った。「いい匂いだと思うよ。でも、全然吸いたいと思わない」とパクさん。彼のほうが、役者が上であった。やっぱり95歳まで生きる人だなと思いました。1963年、パクさんが27歳。僕が22歳のとき、僕らは初めて出会いました。初めて言葉を交わした日のことは、いまでもよく覚えています。黄昏時のバス停で、僕は練馬行きのバスを待っていた。雨上がりの水たまりの残る通りを、ひとりの青年が近づいてきた。穏やかで賢そうな表情がそこにはあった。それが高畑勲ことパクさんと出会った瞬間だった。55年前のことなのに、ハッキリ覚えているのだろう。あのときのパクさんの顔を、いまもありありと思い出す。次にパクさんに出会ったのは、東映動画の労働組合の役員に押し出されてしまったときだった。パクさんは副委員長。僕は緊張で吐き気に苦しむような日々が始まった。それでも組合事務所のプレハブに泊まり込んで、僕はパクさんと夢中で語り明かした。ありとあらゆること。僕らは仕事に満足していなかった。もっと遠く、もっと深く、誇りを持てる仕事がしたかった。何を作ればいいのか…。パクさんの教養は圧倒的だった。僕は得難い人に出会えたのだとうれしかった。(高畑監督が演出を手がけた『太陽の王子 ホルスの大冒険』の)製作は難航した。スタッフは新しい方向性に不器用だった。仕事は遅れに遅れ、会社全体を巻き込む事件になっていった。パクさんの粘りは超人的だった。会社の偉い人に脅され、泣きつかれても、踏ん張っていた。僕は夏のエアコンが止まった休日で、ひとりで大きな紙を相手に背景原画を書いたりした。会社と組合の協定で、休日出勤は許されていなくても、構っていられなかった。タイムカードを押さなければいい。初号(試写)を見終えたとき、僕は動けなかった。感動ではなく、驚愕に叩きのめされていた。会社の圧力で、“迷いの森”のシーンは削る削らないの騒ぎになっているのは知っていた。パクさんは粘り強く会社側と交渉し、ついにカットごとの作画枚数まで約束し、必要製作日数まで約束せざるを得なくなっていた。当然のごとく、約束ははみ出し、そのたびにパクさんは始末書を書いた。一体、パクさんは何枚の始末書を書いたのだろう。僕も手いっぱいの仕事を抱えて、パクさんの苦闘に寄り添う暇はなかった。僕は初号で初めて、“迷いの森”のヒルダのシーンを見た。何という圧倒的な表現だったろう。何という強い絵。何という優しさだったろう。パクさんはこれを表現したかったんだと初めてわかった。パクさんは仕事を成し遂げていた。公開から30年が経った西暦2000年に、パクさんの発案で、映画の関係者の集まりが行われた。当時の会社の責任者、重役たち、会社と現場の板挟みに苦しんだ中間管理職の人々、制作進行、作画スタッフ、背景や彩色の女性たち、撮影、録音、編集の各スタッフがたくさん集まってくれた。興行は振るわなかったが、もう誰も気にしてはいなかった。パクさん、僕らはあのとき、精いっぱい生きたんだ。パクさんの生き方は、僕らのものだったんだ。ありがとう、パクさん。55年前に、あの雨上がりのバス停で声をかけてくれたパクさんのことを、忘れない。どうも、すみません。▽高畑勲監督プロフィールアニメーション映画監督。1935年10月29日、三重県伊勢市に生まれ、岡山で育つ。1959年に東京大学仏文科卒業後、東映動画に入社し、劇場用映画『太陽の王子 ホルスの大冒険』(1968)で初監督。退社後、「アルプスの少女ハイジ」「母をたずねて三千里」「赤毛のアン」といったTVアニメの演出・監督を務めた。1985年、スタジオジブリの設立に参加し、『火垂るの墓』(1988)、『おもひでぽろぽろ』(1991)、『平成狸合戦ぽんぽこ』(1994)、『ホーホケキョ となりの山田くん』(1999)を発表。2013年には、製作に8年を費やした待望の新作『かぐや姫の物語』が公開され、米国アカデミー賞長編アニメーション映画部門賞にノミネートされた。1998年、紫綬褒章を受章。2018年4月5日(木)午前1時19分、帝京大学医学部附属病院にて、逝去。死因は肺がんだった。(text:cinemacafe.net)
2018年05月15日4月5日に82歳で逝去した高畑勲監督の集大成にして遺作となった『かぐや姫の物語』が、5月18日(金)の「金曜ロードSHOW!」でオンエアされることになった。1935年、三重県伊勢市に生まれた高畑監督は東京大学仏文科卒業後、東映動画(現在の東映アニメーション)に入社「アルプスの少女ハイジ」や「赤毛のアン」「じゃりン子チエ」などの演出、監督を担当。物語の世界のなかに生きる人々の営みを的確に捉えた繊細な日常描写でキャラクターの内面を浮かび上がらせる演出技法は、後の日本のアニメーションの表現、技術に大きな影響を与えた。東映動画の後輩でもある宮崎駿らとスタジオジブリを設立すると、『火垂るの墓』『おもひでぽろぽろ』『平成狸合戦ぽんぽこ』『ホーホケキョとなりの山田くん』といった作品を監督、プロデューサーとしても『風の谷のナウシカ』『天空の城ラピュタ』などいまだに愛される名作を世に送り出した。そんな高畑監督の遺作となった『かぐや姫の物語』は、誰もが知っている日本最古の物語「竹取物語」を全く新しい解釈で映画化。水彩画がそのまま動き出したような美しさとダイナミックさを併せ持ったその映像は日本のみならず。第87回アカデミー賞長編アニメーション映画部門にノミネートされるなど、海外の多数の映画賞を席巻したのは記憶に新しい。「かぐや姫」という一人の女性が誕生し、少女時代を経て美しい姫に成長していく物語を日本の原風景ともいえる美しい景色とともに描くことで、命の輝きと“生きる喜び”というテーマを表現。感動のラストへとつながっていくこの超大作を今回完全ノーカットで放送。かぐや姫役の朝倉あきをはじめ高良健吾、宮本信子、田畑智子、宇崎竜童、上川隆也、朝丘雪路ら豪華声優陣による声の共演も注目だ。今回の放送にあたり本作のプロデューサー・西村義明(スタジオポノック)は「かぐや姫はなぜ、数ある星の中から地球を選んだのか。この地で何を思い、どう生きたのか。かぐや姫は、なぜ地球を去らねばならなかったのか…高畑勲監督の3つの問いから、映画『かぐや姫の物語』の企画が始まりました。8年間という長期の制作期間を経て完成した映画ですが、ジブリ第7スタジオのスタッフ達とともに、とても楽しそうに映画を作っていた高畑監督を思い出します。残念なことに高畑監督は亡くなってしまいましたが、最後の長編映画『かぐや姫の物語』を、この機会にぜひ日本中の皆さんに楽しんでいただければと思います」とコメントを発表。高畑監督と日本アニメ界最高のスタッフたちによる渾身の名作『かぐや姫の物語』は5月18日(金)21時~日本テレビ系「金曜ロードSHOW!」枠で完全ノーカット放送。また5月15日(火)には監督を偲ぶ「お別れの会」が東京・三鷹の森ジブリ美術館にて執り行われる。(笠緒)■関連作品:かぐや姫の物語 2013年11月23日より全国にて公開© 2013 畑事務所・GNDHDDTK
2018年05月04日俳優の星野源が、映画『引越し大名(仮題)』(2019年公開)に主演することが30日、わかった。高橋一生、高畑充希が出演する。同作は『超高速!参勤交代』シリーズで知られる土橋章宏の時代小説『引っ越し大名三千里』を映画化。生涯に7回もの国替え(引っ越し)を命じられた実在の大名・松平直矩をモデルに、お国を救うため知恵と工夫を絞る姫路藩の藩士たちの汗と努力と涙と笑いの物語となる。星野が演じるのは、姫路藩書庫番・片桐春之介。いつも書庫にこもりっきりの本の虫で、人と接するのが苦手なために「かたつむり」とあだ名される「引きこもり侍」だが、“引っ越し奉行”に任命されて、すべての采配を取り仕切ることになってしまう。また高橋が演じるのは、春之介の幼馴染で、春之介を引っ越し奉行に推薦する御刀番・鷹村源右衛門。腕っぷしの強さと豪傑さで春之介を支える相棒としての役割を担う。そして、前任の引っ越し奉行・板倉の娘で父親から受け継いだ引っ越しのコツを春之介に指南する於蘭を、高畑が演じる。3人とも時代劇映画初出演、初共演となる。犬童監督は「江戸時代、理不尽な人たちや、タイミングが引き起こす苦難を、偽ることなく、真っ直ぐな正直さ、そして笑顔で乗り切ろうとする若者を描きたい。それこそ、今一番必要だと思うから」と同作についての思いを吐露。「星野源こその片桐春之介。きっと、最高にグッとくるはずです。キュート極まる高畑さん、ぶっ飛んだ一生さんにも、乞うご期待!!」と語った。○星野源コメントオファーをいただいた時、時代劇の主演だというのでどんなシリアスな役柄だろうと身構えたのですが、その役が「引きこもり侍」だと聞き、楽しい作品になりそうだと非常にワクワクしました。僕が演じる片桐春之介は、本を読むのが大好きで、人と接するのが苦手な男です。そんな内気な男が“引越し奉行”として無理やり引っ張り出されたことを切っ掛けに、人と接し、悩み、協力し、己の才能を開花させていきます。脚本を読み、その痛快かつ胸が震えるようなストーリーに驚きました。犬童監督、一生くん、充希ちゃんをはじめ、素晴らしいスタッフ・キャストの皆様とお仕事できることを光栄に思います。久しぶりの主演作品『引っ越し大名』。春之介として精一杯楽しみたいと思います。○高橋一生コメント台本を読ませていただいて、この役を何故僕にお声掛けくださったのか、嬉しく思うと同時に不思議でなりませんでした。俳優は、少しずつそのイメージの幅が狭まってくるものだと理解しています。それでも僕は幸運な事に、今までいただいた役それぞれが独立していたと思います。ただ、今回演じる鷹村源右衛門は、今までとはさらに違った方法論を持ち出さなければならないことを感じていますし、それをこの組で、この共演者の方々と共に作っていけることが楽しみで仕方ありません。○高畑充希コメント2015年の犬童監督とのメッセージのやりとり履歴を先日発見して、「いつか一緒に。」という言葉を見つけ、やっと実現するんだなぁ、、と嬉しくなっています。時代劇で、京都で、馬にまで乗る。慣れないことだらけですが、未知の場所に思いっきりダイブするつもりで。以前わたしの奥様だった(笑)。源さん、高橋さんがいてくださることが、とてもとても心強いです。ほぼ紅一点、そわそわします。がんばります。
2018年04月30日最後にご紹介する作品は、2013年7月に公開の宮崎駿監督作『風立ちぬ』です。宮崎駿監督は本作公開後の2013年9月に引退を発表。その後、2017年5月に引退発言を撤回しましたが、本作が宮崎駿監督の集大成的な作品であるのは間違いないでしょう。 『風立ちぬ』(宮崎駿監督/2013年公開)© 2013 Studio Ghibli・NDHDMTK “美しい飛行機を作ること”を夢見て、設計士になった主人公本作は、1920~30年代を舞台に、飛行機の設計家として活躍した主人公・二郎の半生を描いています。主人公のモデルは、零式艦上戦闘機を作った実在の人物・堀越二郎。宮崎駿監督は、そこに同時代の文学者・堀辰雄の小説「風立ちぬ」のエッセンスを交えて、大胆に脚色。幼い頃から、“美しい飛行機を作ること”を夢見て、飛行機の設計家となった二郎。しかし、彼が飛行機設計にかかわった時代は、日本が戦争へと突入し、破滅へと向かう道のりとともにありました。劇中、夢を実現しようと邁進する二郎の姿は、現代の私たちの胸にも熱く響きます。小学生の二郎は、辞書を片手に英語の航空雑誌を読み、イタリアの航空技師・カプローニ伯爵に憧れていました。そして、夢の中で尊敬するカプローニ伯爵と出会う二郎。現実と大胆に交差する、この夢の世界の描写は、本作の見どころのひとつ。異国情緒漂う風景の中をたくさんの人を乗せて飛行機が飛んでいく様子は、主人公の壮大な夢を具現化したとても素敵なシーンです。 ★印象的な名セリフ「近眼でも飛行機の設計はできますか?」空に憧れる主人公・二郎は、視力が悪いせいで、飛行機の操縦はできないと諦めます。そんな彼が、憧れの人物・カプローニ伯爵に向かって発したのがこのセリフ。カプローニ伯爵は「飛行機は美しい夢だ」と二郎に向かって語り、設計家の仕事をは夢に形を与えることだと説明します。操縦士という夢は叶わないながらも、飛行機の設計という新しい夢を見つけた二郎。幼いながらも固い決意で一歩を踏み出す、物語上のきっかけとなるセリフです。その後、戦争に向かう時代の中で、二郎は戦闘機を設計することになります。それが彼にとって幸せだったのかはさておき、子どもの頃からの夢を死ぬまで追いかけ続けた姿に、胸を熱くせずにはいられません。 ★印象的な名セリフ「あなた 生きて」本作では、主人公・二郎と、結核を患った妻・菜穂子の恋模様、短いながらも幸せだった結婚生活も描かれています。映画の終盤で、二郎の夢の中に、先に亡くなった菜穂子が姿を現します。夫をずっと待ち続けていた彼女が発した言葉は、二郎に生きてほしいと願う「あなた 生きて」というものでした。このセリフ、続いて紹介するドキュメンタリー『夢と狂気の王国』を見ると分かるのですが、当初は違うセリフが想定されていたとか。主人公に、生きて使命をまっとうするという希望を託したセリフは、本作に通底するメッセージともとれるような印象的なものです。 物語の中を吹き抜ける“風”これまでのジブリ映画がそうであるように、本作で描かれる風景の数々が美しいのは言うまでもありません。なかでも特筆すべきなのは、『風立ちぬ』というタイトルからも分かる通り、劇中の“風”の表現。二郎と妻・菜穂子との出会いのシーン。カプローニ伯爵と夢の中で飛行機に乗るシーン…多くの大事なシーンで風が吹いているのが印象的です。風は、あるときは登場人物たちの帽子を空高くまで飛ばし、あるときは、新緑の草原を勢いよく波立たせます。そんな風の描き方は本当に美しく、主人公・二郎の生きる決意を表現しているかのよう。そして、観ている私たちの心にも強い風が通り抜けるような、爽やかな感動を与えてくれます。 あわせて観たい、ドキュメンタリー『夢と狂気の王国』©2013 dwango 先述の通り、『風立ちぬ』は、宮崎駿監督が一旦は引退を決意することになった、ひとつの区切りといえる作品です。観客側も、本作にこれまでの宮崎駿作品の痕跡やテーマを感じとらずにはいられません。そういった背景を踏まえながら、もっと深く作品世界を楽しみたいという人にオススメなのが、『夢と狂気の王国』という作品。これは、映画『風立ちぬ』の制作過程をとらえたスタジオジブリのドキュメンタリーです。宮崎駿監督の創作現場はもちろん、ジブリを支える鈴木敏夫プロデューサーの仕事にもスポットが当てられています。そして、宮崎駿の先輩であり、数々の作品で一緒に仕事をしながら切磋琢磨してきた高畑勲監督のエピソードも。高畑勲、宮崎駿両監督のアニメーション映画制作を原点にスタートした、スタジオジブリの軌跡を知る貴重な映像作品となっています。また、先に『風立ちぬ』を観た人は、主人公・二郎役の声優さがしに難航し、決定にいたるまでの経緯など、映画完成までの舞台裏を知ってさらに楽しめること間違いナシです! さて、ここまで3回に分けて、大人にオススメしたいジブリ映画をご紹介してきましたが、いかがだったでしょうか。私たちの思い出とともにあるジブリ映画ですが、大人になってからはあまり観ていない、というペルル読者もいるのでは? 今回は、大人にもオススメ、むしろ大人になって観てこそ、より深く楽しめる作品を取り上げてみましたが、『となりのトトロ』も、『魔女の宅急便』ももちろんオススメ!これをきっかけに、久々にまたジブリ映画を観てみようかなーと思っていただけると幸いです! ----------------------------------------------------------------------- 【DVD発売情報】『風立ちぬ』(宮崎駿監督/2013年製作)【発売元】 ウォルト・ディズニー・ジャパン【価格】4700円(税別)© 2013 Studio Ghibli・NDHDMTK 『夢と狂気の王国』(砂田麻美監督/2013年製作)【発売元】 ウォルト・ディズニー・ジャパン【価格】4700円(税別)©2013 dwango-----------------------------------------------------------------------
2018年04月23日突然ですが、皆さんが一番好きなジブリ映画は何ですか? 『となりのトトロ』や『魔女の宅急便』『天空の城ラピュタ』など、いろいろな答えが聞こえてきそうですね。 すでに子ども時代を過ぎ、大人になった私たちにとってジブリ映画の面白さって何だろう?改めてそう考えてみると、幼い頃に感じたワクワク感はもちろんそうですが、大人になった女子の感性にもガンガン響く要素があるんじゃないかと思うのです。例えば、さまざまな経験を経て、大人になった今だからこそ、登場人物たちのセリフがズーンと胸に響くなんてことも。今回は、そんな印象的なセリフにも注目しながら、ジブリ映画の魅力を紹介していきます。 1991年公開の『おもひでぽろぽろ』は、個人的に大好きな作品で、見直すたびにつくづくよくできたドラマだと感じる名作です。物語は、東京都内で働く27歳のOL・タエ子が、夏季休暇をとって山形旅行へ出かけるところから始まります。この旅行をきっかけに、タエ子の心の中に、小学生時代の思い出が次々とよみがえってきます。本作は、現在のタエ子の姿と、小学5年生のタエ子の思い出を交錯させながら、27歳の女性の心境を多彩なエピソードとともに描いています。 『おもひでぽろぽろ』(高畑勲監督/1991年公開)© 1991 岡本螢・刀根夕子・Studio Ghibli・NH 27歳OLのタエ子と小学5年生のタエ子本作の面白さは、主人公・タエ子のどこか懐かしくて、おかしいエピソードにあります。小学生時代の楽しかった思い出や苦い思い出。今思えば、どうしてあんなことに一喜一憂していたのだろうというような、小学生の悲喜こもごもは、まさにかつて私たちが体験した思い出と重なり、懐かしいやら恥ずかしいやらで共感が止まりません。映画冒頭のシーンで、会社で休暇届を提出するタエ子。海外旅行ではなく、山形の田舎を旅行するという彼女を、上司は珍しがります。それに対し、「田舎に憧れてるんです」と明るく答えるタエ子。彼女はこの言葉をきっかけに、小学5年生の夏休みのことを思い出します。幼い頃、遠くの田舎に遊びに行く友人たちが羨ましくて仕方なかったこと。回想シーンで描かれるのは、「ねえねえ、うちには田舎ないの」と何度も母にたずね、駄々をこねる小学生・タエ子の姿。周りの友人と自分を比べてやたら羨ましがる姿は、大人になって振り返ると滑稽ですが、小学生なりにそれが一大事だったあの頃。本作は、そんな忘れかけていた子ども時代の記憶の描き方が秀逸なんです。 ★印象的な名セリフ「体育休む子はみんな生理だって思われちゃうじゃない」「やっぱり果物の王様はバナナね」etc.そして数々のエピソードを彩る名セリフの数々!上記のちょっぴり衝撃的なセリフは、小学5年生のタエ子が、クラスの女子だけを集めて行われる保健の授業後に発したもの。ほかにも、当時はまだ珍しかったパイナップルを、家族全員でワクワクしながら食べるシーン。パイナップルを食した姉たちが「やっぱり果物の王様はバナナね」と言うに至る顛末は、時代性とともに家族の思い出を生き生きと描写しています。さらには、小学5年生のタエ子が、少し年の離れた姉たちと交わす会話がとてもリアル。妹のわがままさ、年の離れた姉のこざかしさに、“あー、こういうのあったあった!”と共感するのは、私だけではないはず。家族で外食に行くことになったタエ子が、お出かけ用にエナメルのハンドバッグを、姉に貸してほしいとねだるシーン。「ハンドバッグがないんだもん」と散々ごねたあげく、結局「あたし行かない」とすねるタエ子。姉妹ならではのこのやり取りがあまりにもリアルで、個人的には胸がえぐられるようにズキズキしてしまいました。 楽しかった記憶も苦い記憶も、ひっくるめて今の自分があるこの作品が大人女子の心にじんわり染みるのは、幼い頃の楽しい記憶だけでなく、つらかった思い出や、思い通りにならなかった願望もすべてひっくるめて描いているからだと思います。そして、幼い頃の経験や記憶が、やがて大人になった自分の考え方を形成しているという事実も。貴重な夏季休暇を使い、わざわざ山形の田舎で農作業に励む27歳のタエ子。彼女が心の中にあるモヤモヤを見つめ直すには、幼い頃の記憶に立ち返ることが必然だった。そして映画の終盤、上っ面だけを見て田舎の良さを絶賛していたタエ子は、“田舎に嫁に行く”という現実的な選択肢を突き付けられるのですが……。30歳前後の心境の変化…。例えば、いったん仕事を辞めて息抜きしてみたかったり、がらりと環境を変えてみたくなったりするのは、わりとよくあることではないでしょうか。でも結局のところ、自分自身の性格が大きく変わることはなくて、欠点を受け入れながら、続きの人生を踏み出すほかない。夢見るばかりではいられない大人になったからこそ、この物語は余計心にしみるのかもしれません。爽やかな季節の到来とともに、ぜひぜひオススメしたい作品です。 【DVD発売情報】 『おもひでぽろぽろ』(高畑勲監督/1991年製作)【発売元】 ウォルト・ディズニー・ジャパン【価格】4700円(税別)© 1991 岡本螢・刀根夕子・Studio Ghibli・NH
2018年04月21日高畑淳子(63)が4月18日放送の「梅沢富美男のズバッと聞きます!」(フジテレビ系)に出演。長男の高畑裕太(24)について言及したことについて、波紋を呼んでいる。 俳優として活躍していた裕太だが、16年8月に強姦致傷容疑で逮捕。示談が成立し、不起訴処分となっていた。そんななかMCを務める梅沢富美男(67)から近況について訊ねられたところ、高畑はこう語った。 「(裕太は)元気なときも、元気じゃないときもあります。息子は何とかしようとしている。私は世の中全部恨んでいるところもあるけれど……」 裕太が遺品整理業やバーでのアルバイトを現在していると明かした高畑。彼を役者として評価している梅沢が「復帰させましょうよ」と語りかけると、高畑は涙で「ありがとうございます」と一言。そして裕太の「これから」について“母親”としてコメントした。 「(裕太本人が)どうするか考えているんじゃないでしょうか。生きていますから。私が言うことではない。必要なときがきたら自分で言うべきだと思う」 しかしTwitterでは高畑の「世の中全部恨んでいる」といった発言から、裕太の“自立”を心配する声が上がっている。 ≪親が成人した子供を「守りたい」と思う気持ちは、時に本人の自立や判断をくじいてしまうケースがあると思う≫≪高畑さんが「世間が悪い、息子は悪くない」と思ってると、逆に息子さんの足を引っ張る結果になりませんか?≫≪突き放してあげるのも親だよ≫ 親にも子にも、それぞれの時間が必要なのかもしれない。
2018年04月19日日本アニメーション界の巨匠にして、世界でも賞賛される数々の作品を世に送り出した高畑勲監督の訃報を受けて、「金曜ロードSHOW!」では放送作品ラインナップを急遽変更し、4月13日(金)に高畑監督の代表作『火垂るの墓』を放送することが発表された。1988年に公開された本作は、神戸の大空襲を体験した野坂昭如による直木賞受賞小説が原作。第二次世界大戦当時の神戸を舞台に、懸命に生きようとした兄妹のいのちを描いた。罪のない子どもや病気の母たちを容赦なく炎に飲み込んでいく空襲。周囲の人々に頼ることができない幼い清太と、優しさを見せる余裕のない大人たち…。戦争の愚かさと哀しさを、高畑監督は切々と訴えかけていく。1935年10月29日生まれ、4月5日に82歳でこの世を去った高畑監督。スタジオ・ジブリ設立に携わった人物であり、宮崎駿監督とは盟友だった。同枠では、これまで『火垂るの墓』をはじめ、『おもひでぽろぽろ』『平成狸合戦ぽんぽこ』『ホーホケキョ となりの山田くん』、遺作となった『かぐや姫の物語』など、スタジオジブリ作品として公開された高畑監督の長編映画が長年にわたって放送された。なお、「金曜ロードSHOW!」ではすでに13日(金)に『名探偵コナン から紅の恋歌』が放送決定していたが、今回の決定により同作は20日(金)に放送日が変更。さらに、20日(金)に予定されていた『パシフィック・リム』は、新たな放送日が決定次第、発表されるようだ。金曜ロードSHOW!『火垂るの墓』は4月13日(金)21時~日本テレビにて放送。金曜ロードSHOW!『名探偵コナン から紅の恋歌』は4月20日(金)21時~日本テレビにて放送。(cinemacafe.net)
2018年04月06日日本を代表するアニメーション監督のひとりである高畑勲氏が4月5日、都内の病院で亡くなった。82歳だった。1935年三重県伊勢市生まれ。東京大学仏文科卒業後、東映動画(現在の東映アニメーション)に入社し、85年に宮崎駿監督らと「スタジオジブリ」を設立した。■日本のアニメを変えた繊細な“日常描写”記念すべき長編デビュー作『太陽の王子 ホルスの大冒険』から50年。最高傑作の呼び声高い『火垂るの墓』からちょうど30年である。その偉大な功績をふり返り、検証するのに多くの時間と労力が必要なのは言うまでもない。それでも高畑作品の魅力として、まず頭に浮かぶのは、日本のアニメーション全体にも大きな影響を与えた、繊細な日常描写だ。そこに生まれ、そこで暮らす人々の営みを的確に捉え、丁寧に演出することで、キャラクターの内面を浮かび上がらせ、生きざまを輝かせる…。そんな高畑マジックは、70年代に生み出した「アルプスの少女ハイジ」「母をたずねて三千里」「赤毛のアン」といった名作テレビアニメに始まり、それに続く劇場作品でも健在。91年公開の『おもひでぽろぽろ』は、高畑監督の日常描写が特に光る秀作である。■盟友・宮崎駿監督との作風の違いは?東映動画の後輩だった宮崎駿監督との長年にわたる盟友関係も広く知られるが、両巨匠の作風には大きな違いがある。その最たるものが、登場人物に対する視点ではないだろうか。ひと言で表せば、宮崎作品のキャラクターは非常にエモーショナルであり、宮崎監督自身もそんな彼らの喜怒哀楽に寄り添いながら、物語を盛り上げていく。一方、高畑監督は登場人物に一定の距離を置くことで、彼らの感情に見え隠れする「儚さや滑稽さ」を作品に映し出した。代表作である『平成狸合戦ぽんぽこ』は文明批判を込めたメッセージ色の強い作品だが、化学(ばけがく)を駆使し、自然を破壊する人間たちに戦いを挑むタヌキたちの姿には、どこか悲哀や皮肉も受け取れる。仮に同じ題材を宮崎監督が描いたら、「人間vs.自然」の対立構造がもっと強調された、まったく違う映画になったはず。また、結果的に遺作となった『かぐや姫の物語』で見せた、詩的な躍動感と夢見心地な浮遊感も、高畑作品ならでは。同作は第87回アカデミー賞で、長編アニメ賞候補となった。盟友でありライバルだった高畑監督の旅立ち…。果たして、長編アニメからの引退宣言を撤回し、新作の製作を進めている宮崎監督の胸には、どんな思いが去来していることだろう?高畑監督が残した功績を足早にふり返ったが、改めてご冥福をお祈りしつつ、今日は『太陽の王子 ホルスの大冒険』をじっくり見直したいと思う。何度見ても、胸が踊るなあ、この作品は。(text:Ryo Uchida)(text:Ryo Uchida)
2018年04月06日『火垂るの墓』や「アルプスの少女ハイジ」など多数の名作を生み出したアニメーション作家で監督の高畑勲が、4月5日、82歳で亡くなった。14年ぶりとなった長編映画『かぐや姫の物語』は米アカデミー賞にもノミネートされるなど国内外で絶賛されたこともあり、海外でも悲しみの声が広がっている。1935年、三重県・伊勢出身の高畑さんは、東京大学文学部仏文科に在学中、フランス初の長編アニメーション映画『やぶにらみの暴君』(1952年、後に『王と鳥』として公開)に影響を受け、アニメーションに関心を持つようになったという。日本では1955年に公開された同作は、高畑監督のみならず、盟友・宮崎駿監督にも大きな影響を与えたことで知られ、『王と鳥』はスタジオジブリ提供によって2006年に日本公開されている。高畑監督は、宮崎監督とともにTVアニメ「ルパン三世」や「アルプスの少女ハイジ」「母をたずねて三千里」「赤毛のアン」などの作品を手がけ、『風の谷のナウシカ』『天空の城ラピュタ』にもプロデューサーとして参加。1985年、スタジオジブリの創立に関わった。野坂昭如・原作で太平洋戦争に翻弄された兄妹の悲劇をアニメーションで如実に表現した『火垂るの墓』(1988)は、モスクワ児童青少年国際映画祭でグランプリを獲得するなど海外での評価が高いことで知られる。手描き風アニメーションや水墨画のような表現で注目を集めた『かぐや姫の物語』(2015年)も高い評価を受け、第87回アカデミー賞長編アニメーション部門にノミネート。2009年にも、スイス・ロカルノ国際映画祭でも映画界への長年の貢献が評価され「名誉豹賞」を受賞。2015年には、世界最大級のアニメーション映画祭として知られるフランスのアヌシー国際アニメ映画祭「名誉クリスタル賞」を受賞し、フランス芸術文化勲章のオフィシエを受けている。翌年には“アニメ界のアカデミー賞”アニー賞でも、功労賞にあたる「ウィンザー・マッケイ賞」を受賞するなど、海外の映画・アニメ専門家からも尊敬を受けていた。訃報を受け、米誌「The Playlist」では「スタジオジブリの共同創設者で、アニメーションのパイオニア」と高畑監督を紹介。先日、『かぐや姫の物語』を21世紀の最も優れた日本映画(The Best Japanese Films of the 21st Century)の1本に選んだばかりの「IndieWire」誌は、『火垂るの墓』をはじめ『おもひでぽろぽろ』(1991)、『平成狸合戦ぽんぽこ』(1994)などを代表作として上げている。より詳しく、1960年初期から映画とテレビの双方で活躍し、アニメーターであり、脚本家であり、製作者であったこと、最後にその名がクレジットされたのは『レッドタートル ある島の物語』(アーティスティックプロデューサー)であったことにも言及。とりわけ、『火垂るの墓』については「最も偉大で(--そして最も悲しい)アニメーション映画であり、彼の最も有名で最も尊敬された仕事として刻まれる」とコメント、映画批評家として知られた故ロジャー・イーバートが遺した言葉「これまで作られた最も優れた戦争映画のあらゆるリストに加えられるべき作品」も引用している。SNSには、『火垂るの墓』の画像とともに「信じられない」「レジェンドだった」など、ショックと悲しみを伝える声が後を絶たない。フランスのアニメチャンネルとして知られる「Catsuka」ではTwitterで追悼の意を示し、2014年に行われた監督のインタビューがオンラインでも見られることを告知、さらに『火垂るの墓』を再放送すると伝えている。またフランス大使館からも【大使の言葉】と題しローラン・ピック駐日フランス大使から追悼のコメントが発表された。(text:cinemacafe.net)
2018年04月06日2018年4月5日、日本アニメーション界の巨匠・高畑勲監督が亡くなったと報道された。享年82。『火垂るの墓』『おもひでぽろぽろ』『かぐや姫の物語』などを手掛け、スタジオ・ジブリで宮崎駿監督と共に走ってきた盟友だった。1935年10月29日に生まれ、82歳でこの世を去った高畑監督。スタジオ・ジブリ設立に携わった人物であり、『柳川堀割物語』『火垂るの墓』『おもひでぽろぽろ』『平成狸合戦ぽんぽこ』『ホーホケキョ となりの山田くん』『かぐや姫の物語』を手掛けてきた。ジブリ設立前は「ルパン三世」や、「パンダコパンダ」「アルプスの少女ハイジ」「未来少年コナン」「赤毛のアン」『じゃりン子チエ』などがある。最後の作品となった『かぐや姫の物語』は製作期間8年、総製作費は50億円を投じて描き、自身でも「ずいぶんお金も時間もかかってしまった」と話し「日本のアニメーションにとって、新しい一歩を進める作品になったような気がします。大変満足を覚えていますし、苦楽を共にしたスタッフにこれほどありがたい気持ちで満たされたことはない」と語っていた。第68回毎日映画コンクールアニメーション映画賞を始め東京アニメアワードでは特別賞「アニメドール」を受賞。さらに、ロサンゼルス映画批評家協会(LAFCA)賞で「長編アニメーション賞」に輝き、2015年の第87回アカデミー賞でも「長編アニメーション」にノミネートされるなど海外からの評価も高かった。宮崎監督や鈴木敏夫プロデューサーからは「パクさん」の愛称で親しまれていた高畑監督。突然の訃報に“高畑ワールド”を愛するファンから悲しみの声がSNS上に溢れている。(text:cinemacafe.net)
2018年04月06日スタジオポノック最新作『ちいさな英雄―カニとタマゴと透明人間―』が、2018年8月24日(金)全国公開。スタジオジブリ作品『思い出のマーニー』(2014)や『借りぐらしのアリエッティ』(2010)を手掛けた米林宏昌が、2014年末にジブリを退社した後、西村義明が設立したスタジオポノックでの監督第1弾作品となる映画『メアリと魔女の花』は、女優・杉咲花を声優に迎え大きな話題を呼んだ。そんなスタジオポノックが新プロジェクト“ポノック短編劇場”を発足。第1弾として展開するのが2018年夏に公開となる『ちいさな英雄―カニとタマゴと透明人間―』だ。作品は3つの物語で構成される。米林宏昌が紡ぐのは、カニの兄弟の冒険ファンタジー。『火垂るの墓』の監督を務めた高畑勲の右腕として活躍した鬼才・百瀬義行は、母と少年の愛と感動の人間ドラマ「サムライエッグ」を、そして宮崎駿監督作品の中心を担ったアニメーター・山下明彦が、見えない男の孤独な闘いをスペクタクルアクションで魅せる「透明人間」をそれぞれ描き出す。共通するのは「ちいさな英雄」がテーマであること。映画『メアリと魔女の花』で華々しいデビューを飾ったスタジオポノックの新しいプロジェクトに期待が高まる。【詳細】ポノック短編劇場『ちいさな英雄―カニとタマゴと透明人間―』公開日:2018年8月24日(金)配給:東宝(C)2018 STUDIO PONOC
2018年03月30日岡崎京子による代表作の映画化『リバーズ・エッジ』の完成披露試写会が1月31日(水)、都内にて行われ、出演する二階堂ふみ、吉沢亮らと行定勲監督が舞台挨拶に登壇した。■吉沢亮、映画祭初参加に「何をするんですか?」「第68回ベルリン国際映画祭」のパノラマ部門に正式出品も決まっている本作。5度目のベルリンとなる行定監督だが、「二階堂ふみからのプレッシャーがすごくて…“ベルリン行きたいな、行きたいな”って言われて(笑)。相手が選んでくれて行けるもので、お金を渡せば行けるわけではないので、身内からのプレッシャーでした」と苦笑いを見せた。これには、当の二階堂さんが「純粋な気持ちで発言していました(笑)。本当にありがとうございます。せっかく力強い魂のこもった作品になったと思うので、ぜひ海外の方にも観ていただきたいんです」と心を込めた。同映画祭には吉沢さんもレッドカーペットを歩くとのことだが、実は吉沢さんは「映画祭」と名のつくものに参加すること自体初めてだそう。舞台裏では、行定監督に「“映画祭って何をするんですか?”と聞いた(笑)」と笑顔を見せた吉沢さんは、「僕自身、挑戦的な作品になったので、本当にすごく光栄です」と感謝を伝えた。■映画化発案は監督ではなく二階堂ふみ!『リバーズ・エッジ』は、「ヘルタースケルター」をはじめとする岡崎さんのエッジの効いた作品の中でも、最高傑作の呼び声が高く、青春漫画の金字塔として支持を集める原作の同名映画化。若草ハルナ(二階堂さん)は彼氏の観音崎(上杉柊平)がいじめる山田(吉沢さん)を助けたことをきっかけに、夜の河原で放置された死体を見せられ、秘密を共有される。その日を境に、ふたりのゆがんだ絆が結ばれ、思わぬ現実がふりかかる。93~94年に連載された漫画がときを経て映画化される意図について、行定監督は「僕からの発案よりも、二階堂ふみからの発案だったんです。“やる”とも何とも答えていないけど“興味あるよ”と言ったら“OK、じゃあ話しましょう”とスタートした」と経緯を語り、「『リバーズ・エッジ』のタイトル通り、岸に少年少女たちはたたずんで、ふんばって生きている。生きるテーマが見えてきたので、いまの人たちにささるんじゃないかと取り組みました」と、原作への敬意と普遍のテーマ性を感じたことを語る。■森川葵、演じたキャラクターは自分にピッタリ?強烈なキャラクターが数多く出てくるが、中でも森川葵演じるカンナは山田が好きで、愛が空回りストーカーのようになっていく女性。だが、森川さんは「(自分が)カンナと性格自体、すごい近いんですよ」と衝撃(?)発言をすると、キャスト陣や行定監督は「そんなこと言って大丈夫?」とニヤニヤ&おろおろ。しかし森川さんは、「そんな変な女の子じゃないと思うんで大丈夫だと思う…。人のことを好きになるけど、好きすぎてどんどん離れていっちゃうの、カンナっぽいな、自分。自分カンナだなって思っていました」と改めて「自分はカンナ」発言で場内をざわつかせていた。そのほか、舞台挨拶には上杉柊平、SUMIRE、土居志央梨も出席した。『リバーズ・エッジ』は2月16日(金)よりTOHOシネマズ新宿ほか全国にて公開。(cinamacafe.net)
2018年01月31日若手ホープとして注目を受け、NHK 連続テレビ小説『とと姉ちゃん』の主演で幅広い層から愛されるようになった女優・高畑充希。18日から公開された映画『泥棒役者』では、丸山隆平演じる主人公・はじめの恋人である美沙を演じている。同作の監督・脚本を務めた西田征史は、『とと姉ちゃん』の脚本も担当しており、高畑とは再タッグとなる。西田から見た役者としての高畑の魅力は、どこにあるのだろうか?○ちょっと普通じゃない――『とと姉ちゃん』からの高畑さんとのタッグとなりましたが、朝ドラを見て高畑さんにオファーされたんですか?いえ、『とと姉ちゃん』が始まる直前くらいにオファーしました。『泥棒役者』を制作することも決まっていたので、ぜひ彼女がいいなと思いました。これまでの作品でも芝居がいいのは本当に知っていましたし、ちょっと普通じゃないすごさですよね。――どういうところが一番すごいのでしょうか?『とと姉ちゃん』の時は脚本としての参加でしたので、高畑さんの現場への参加の仕方や、女優意識はわからなかったんですけど、実際に演出してみて、芝居の”生(ナマ)さ”に驚きました。すごくナチュラルで、セリフを一字一句変えていないのに、芝居のニュアンスが毎回ちょっとずつ違うんですよ。それは芝居がぶれているということじゃなくて、例えばテイクごとの相手の目線の動きに合わせて自身の芝居を変えているというか。そういった反応が、その時その時で違うのが、すごい。自分の中での芝居を固めてきてしまうのではなく、そこにどーんと存在して、その時思っている感情で芝居しようという感じでした。――相手のリアクションを見て演技を変える、というような。丸山くんも一緒に演じていてすごく楽しかったみたいです。多分、セッションしている感覚があって楽しかったんじゃないかな。――今回は撮影が2日間とのお話でしたが、それだけすごさが伝わったんですね。ご本人は「2日以上あったらボロが出たかも」とは言っていましたが(笑)。でもきっと、ぶつかり合うことはあったとしても、話し合って面白いものになると思いますよ。ドラマと映画で芝居の質も変えてるし、現代と昔の質感の差はあると思うんですけど、彼女の新たな表現の幅を見た気がします。『とと姉ちゃん』に感じていたものとはまた違うものでした。
2017年11月21日アイドルグループ・嵐の松本潤と、女優の有村架純が16日、映画『ナラタージュ』(10月7日公開)の大ヒット御礼舞台挨拶に、行定勲監督とともに登場した。同作は、作家・島本理生による同名の恋愛小説を実写化。高校の時の演劇部顧問教師・葉山(松本)に想いをよせる泉(有村架純)は、卒業以来1年ぶりの再会に想いをつのらせ、葉山の方もまた泉に複雑な感情を抱える。撮影で学んだことについて、松本は「お芝居をさせてもらう時の表現の幅が広がったんじゃないかな」と振り返る。「演技のやり方もだいぶ削ぎ落とした方向」と語り、「全然違う役をできるようになったらいいなという風に思います」と今後の役柄にも思いを馳せた。また有村は「映画の面白さを改めて感じた」という。「お芝居って作品が終わるまであまり楽しいとは思わないんですけど、いろんな葛藤をしながら作品を作る楽しさを、改めて感じました」と魅力を表し、「いろんな出会いや発見をくれた作品でもあったので、撮影から今日まで、とても充実した時間でした」と語った。一方、行定監督が「首がつながった。これ当たんなかったら、路線変えようと思ってたんだよね」と明かすと、松本は「マジっすか!? 大胆発言ですね」と驚いた様子。行定監督は「人間関係の曖昧さが好きなんです、僕は。映画だからできることだと思っていて。わかりやすくしなくてもいいし、暗闇の中で2時間くらい没頭してもらいたいという気持ちがあるんですよね。物語じゃないものをみんなが感じ取ってる」と映画の良さについて持論を展開した。行定監督が「これが当たらなかったら、超ジェットコースタームービーみたいなものを撮ろうかと……」と実は持っていた構想を披露すると、松本は「真逆ですね」と苦笑。監督は「皆さんが観ていただいたってことで、もうちょっとこういうのをやっていける期間が延びた」と感謝した。さらに監督は「映画がキャストによって救われれる瞬間があるものなんですよ」と2人にも感謝。「このキャストに出会うために10数年間、成立しなかったんだろうな、待ってたんだろうなと思います」と語り、2人のおかげで大規模公開できたため「たくさんの人に映画を観て欲しいという思いがあったので、感謝しています」と改めてお礼の言葉を述べた。
2017年10月16日女優の高畑淳子(62)が9日放送のテレビ朝日系『徹子の部屋』に出演。長男で俳優の高畑裕太氏(23)が昨年8月に強姦致傷容疑で逮捕された騒動を振り返り、心境を語った。 騒動を受け、「退かないといけないのでは」と芸能界引退を考えたこともあったという高畑。当時を振り返り「仕事があまりたくさんできなかったので、代々木公園でスロージョギングをしていました。月や雲を見ながら『色んなことがあるけど、過去には戻れないんだから先を見ていくしかない。現在と未来しかない』とジョギング後、原っぱに寝転がりながらよく空を見ていました」と明かした。 4日からは主演舞台『土佐堀川近代ニッポン-女性を花咲かせた女広岡浅子の生涯』の公演が始まったばかり。番組では「この1年のことを、あれがあったからこそ今があるんだと言える日が来るといいなと思います。もう絶対帰れないんだから。それでも次に向かって生きていいんだと、生きていてよかったという日がまた来るといいなと思っています」と現在の心境を語った。
2017年10月09日女優の有村架純が、都内で行われた映画『ナラタージュ』(10月7日公開)の「一生に一度の恋をした人限定!スペシャル試写会」に、松本潤、坂口健太郎、行定勲監督とともに登場した。同作は、作家・島本理生による同名の恋愛小説を実写化。高校の時の演劇部顧問教師・葉山(松本)に想いをよせる泉(有村)は、卒業以来1年ぶりの再会に想いをつのらせ、葉山の方もまた泉に複雑な感情を抱える。印象的なシーンを聞かれた松本は「架純ちゃんの表情が崩れる姿ですかね」とピックアップ。「体当たりで演じられてる分、如実に出てるので。観てる皆さんが共感してくれるんじゃないかなと思います」と語る。松本の言葉を受けて、有村は「葉山先生に対して『なんなんだろうこの人は』って思いもあったし、複雑ですね」と撮影中の役の心境を振り返った。有村は同じ質問に対して「泉が葉山先生に対して『聞いてることと違うぞ』と思うところ。そこがわかってから、問い詰めるんじゃなくて、わかった上で寄り添う」と説明。行定監督は有村の回答を聞いて「『なんか違うぞ?』という時の架純ちゃん、すげー怖い」とニヤリと笑顔を見せた。一方行定監督は、作中で泉が見せた土下座シーンを挙げる。「ここはクライマックスの前だから、あんまり盛り上がっちゃいけない感じもするけど、なんか痛いよね」と語ると、松本と坂口も無言で頷く。行定監督はさらに「女性が土下座するんですよ。とんでもないですよね。けど切ないね」としみじみ。「(相手側との関係性が)SなのかMなのかとか、ねじれまくってる。それが愛の表現だと言ってしまえば、すごい究極」と語り、「土下座が見所ですね」とアピールした。
2017年09月27日「スタジオジブリ 鈴木敏夫 言葉の魔法展」が、金沢21世紀美術館にて2018年7月27日(金)から8月25日(土)まで開催される。なお、期間中8月11日(土)から閉幕日までは『千と千尋の神隠し』にまつわる特別企画を実施する。金沢でスタジオジブリ関連の展示が開催されるのは初めてのことだ。スタジオジブリ作品の“言葉の魔法”に触れる貴重な展示鈴木敏夫は、『千と千尋の神隠し』などスタジオジブリ作品をプロデュースし、作品の本質的なメッセージを言葉にして世に送り出してきた。『かぐや姫の物語』の題字や『風立ちぬ』のキャッチコピー“生きねば。”など、手書きのメッセージによって、言葉のもつ力強さを存分に表現している。本展では、プロデューサー鈴木敏夫が生み出した言葉の魅力に迫る資料や手書きの書、キャラクターデザインを展示。活字では表せない、手書きならではのメッセージが伝わる作品資料や、名台詞などを書き下ろした書を通して、ジブリ作品の持つ「言葉の魔法」を紐解いていく。ジブリ作品の原点に立ち返る会場では、鈴木が編集者を務め、アニメーション雑誌のパイオニアとして創刊された月刊『アニメージュ』の仕事にも焦点を当てる。この時期に、高畑勲・宮崎駿両監督と出会い、同誌で『風の谷のナウシカ』を連載、映画化をも成しとげた。まさにジブリの原点とも言える雑誌だ。当時の『アニメージュ』をはじめとし、スタジオジブリ設立までの軌跡を感じとることもできそうだ。ちばてつや原作、幻の作品を限定上映また、幻と言われた宮崎駿初演出作品『ユキの太陽』を限定上映。『あしたのジョー』を手掛けた漫画家ちばてつやが原作をつとめた本作は、2人を結びつけた貴重な一作でもある。さらに見どころは続き、名古屋での開催時に鈴木本人が残した落書きや直筆メッセージの展示、名言を添えた開運おみくじなども用意。今まで慣れ親しんだスタジオジブリ作品に、また新たな角度で触れられる機会となるだろう。夏休み特別企画『千と千尋の神隠し』をピックアップ8月11日(土)から閉幕日の25日(土)までは、夏休み特別企画を実施。毎日先着1,000人の来場者に特製ポストカードがプレゼントされる。また、18日(土)から24日(金)までの1週間は、カオナシが会場を散歩する「カオナシ散歩」を実施。フォトスポットエリアでは撮影も可能だ。そして、23日(木)には1日限定で映画の上映会も行う。開催概要スタジオジブリ 鈴木敏夫 言葉の魔法展会期:2018年7月27日(金)〜8月25日(土) ※会期中無休場所:金沢21世紀美術館 市民ギャラリーA住所:石川県金沢市広坂1-2-1開催時間:10:00〜18:00※初日7月27日(金)は13時開場※金・土曜日は20時まで、但し最終日8月25日(土)は18時閉場※いずれも入場は閉場の30分前まで入館料:大人 1,200円 中高生 800円 小学生 600円■夏休み特別企画詳細期間:2018年8月11日(土)~8月25日(土)・ポストカードプレゼント:企画開催中全日、先着1,000人にポストカードプレゼント。・カオナシ散歩:18日(土)~24日(金)の期間、各日11:00、13:00、15:00頃カオナシが会場内を散歩。・映画『千と千尋の神隠し』上映会:8月23日(木)11:00~定員150名。上映時間の30分前から先着で受付。※展覧会チケット(半券も可)が必要。
2017年08月28日10月に開幕する高畑淳子主演の舞台『土佐堀川近代ニッポン―女性を花咲かせた女 広岡浅子の生涯』。その製作発表が行われ、出演者の高畑淳子、赤井英和、南野陽子、田山涼成、葛山信吾、三倉茉奈、紫とも、篠田光亮、越智静香、演出の田村孝裕が登壇した。舞台『土佐堀川』チケット情報本作は、NHK連続テレビ小説「あさが来た」(15~16年)でもお馴染みの女性実業家・広岡浅子のドラマチックな人生を描く舞台。「あさが来た」の原案でもある古川智映子の小説が原作で、主人公の浅子を高畑が演じる。製作発表は、浅子が「女性にも学問を」という思いから設立に貢献した日本女子大学が会場となり、冒頭では同大学の講師による“広岡浅子ミニ講義”も開かれた。浅子の波乱万丈の人生を、17歳から亡くなるまで演じる高畑は「最初(十代の頃)はお客さんに特殊眼鏡を渡したいくらいですが(笑)、晩年のほうのシーンはすごくよくて。(脚本を読んでいると)涙でぐしょぐしょになります」と明かし、浅子について「“女性はこう生きなければいけない”という時代に、“なぜ?”と思える人だったんでしょうね。商売に長けた三井家の中で、自分も(男性と)同等に商いをしたい気持ちもあったんだと思います」と印象を語る。演出の田村は「淳子さんは走りだしたら止まらないというか、止まれないというか(笑)。広岡浅子さんと重なる部分がすごく多くて。前を向いたら突き進んでいく印象があるので、僕はすごく(浅子と)重ねやすいです。新しい淳子さんというかそのままの淳子さんというかが見られるんじゃないかと思います」。浅子の旦那・広岡信五郎役の赤井は「大阪の商売人の役なので、それならピッタリやな!と脚本を読ませてもらいました。『涙は悲しいときに出すんやなく、嬉しいときに出すんや』という小藤の台詞に胸を打たれましたね」と劇中の印象的な台詞を披露。広岡家の女中・小藤役の南野は「小藤は浅子の幼いころから晩年までずっとそばで支え続けた、いや逆に支えられた…そのくらい密で、近くにいた人間です。(同じように)高畑さんにいろいろ教えていただきながら、支えていきたいです」と高畑との共演を心待ちにしている様子。広岡正秋役の田山は、実年齢は8歳下である赤井の弟役を演じることに「どう料理しよう」と笑いつつ「浅子さんのような人の影には、その人の気持ちを受け、支える人が必ずいるんだなと感じました」と、今作で描かれる浅子と正秋の関係に思いを馳せた。高畑が「メランコリックにならないで、目の前にあるものを追いかけていきたい」と語る本作は、10月4日(水)から28日(土)まで東京・シアタークリエにて上演後、全国7か所を巡演。取材・文:中川實穂
2017年08月25日一生に一度のすべてを捧げた恋を描いた映画『ナラタージュ』の完成披露試写会舞台挨拶が8月23日(水)、都内にて行われ、出演する松本潤、有村架純、行定勲監督が登壇した。大人の男を演じた松本さんは、行定監督に「今日、明らかに(劇中と)違うよね。声かけづらかったもん。嵐の松潤がいるよ」と言われると、「まあ、嵐ですけど(笑)」と余裕の笑み。さらに、行定監督が「葉山先生は親近感がある」と続ければ、松本さんは「僕、親近感がないみたい、やめてくださいよ(笑)」と、タジタジになっていた。『ナラタージュ』は、『陽だまりの彼女』以来4年ぶりとなる松本さんの主演映画。2006年版「この恋愛小説がすごい」第1位となった島本理生による同名小説の映画化で、たとえ許されなくてもすべてを捧げた衝撃の純愛を描く。大学2年生の泉(有村さん)のもとへ、高校の演劇部の顧問教師・葉山(松本さん)から、後輩の卒業公演に参加してくれないかと誘いの電話がくる。葉山に特別な想いを抱いていた泉は、再会により気持ちが募っていってしまうが…。行定作品に初出演となった松本さんは、参戦について「うれしかったです。プライベートで一度お会いしたことがあって、『いつか面白い作品があったとき、やれたらいいね』と言っていたので、思い出して本当に声かけてくださったんだなって」と感激の表情。同じく行定組に初参加となった有村さんも「ご一緒できるんだと、すごく感激しました。とても難しい役でもあったので、インするまでは緊張していました。現場では気は抜けなかったですけど、肩の力は抜けたと思います」とふり返った。この日は、8月30日に34歳の誕生日を迎える松本さんのために、サプライズでバースデーケーキが登場する一幕も。『ナラタージュ』にもじって「ナラタージュン」と描かれたケーキに、思わず笑みをこぼした松本さんは「まさか、タイトルと僕の名前でギャグができるなんて…祝っていただけてうれしいです!ありがとうございます!」と、赤いバラが施されたケーキの前で感激の様子。ちなみに、34歳の目標は「ぜひ映画がたくさんの方に観ていただけたらと、説に願います」と願をかけていた。『ナラタージュ』は10月7日(土)より全国にて公開。(cinamacafe.net)
2017年08月23日