映画『クリーピー 偽りの隣人』の公開を記念して6月21日(火)、主演の西島秀俊と黒沢清監督、さらに本作には出ていないが黒沢組常連で、同監督の下で17年前の『ニンゲン合格』で西島さんとも共演している役所広司も来場し、異例のトークイベントが開催された。“クリーピー”は「気味が悪い」を意味する英語で、ある失踪事件の謎を追う犯罪心理学者が妻と共にまさにクリーピーな事件に巻き込まれていく様を描き出す。役所さんは、自身が出ていない作品の感想を、黒沢監督の前で求められ「僕にとっても監督は映画の先生なので…(苦笑)」と困惑しつつ「エンターテインメントとしても面白く、観終わって解釈の余白を与えてくれる」と称賛。「なんでここに僕が出ていないんだと思った」と嫉妬交じりに語るが、西島さんは「役所さんが出たら僕が出られない」と苦笑。黒沢監督も「ワンカットでも出てもらえばよかった…」と悔やんだが、役所さんは「犬でもいいから」と語り、会場は笑いに包まれた。トークでは1999年に公開された『ニンゲン合格』の思い出も!黒沢監督が「当時は僕も若く、哀川翔さんが出てるいわゆるVシネをいっぱい撮ってて、その流れの中で役所さん主演の『CURE』を撮り、次の年に同じ流れで『ニンゲン合格』を撮ったんです。楽しかったけどVシネのノリで、とにかく作ることだけで楽しかった」と述懐。西島さんは「当時は僕はほとんど映画の一番手なんてなかったんですが、話をいただいたら、役所さんに哀川さん、麻生久美子さん、大杉蓮さん、洞口依子さん、菅田俊さんと黒沢組のオールスターで、戻れるならあの時に戻りたいです…(笑)」と懐かしそうにふり返る。役所さんは、西島さんについて「『ニンゲン合格』で仕事して、なぜ黒沢監督が西島くんをキャスティングしたか分かりました。(一時期は)あまり、TVに出てなかったのが、最近はTVにも出て、頑張ってるけど、また映画中心で40代、50代と黒沢監督とやれる役があるんじゃないかと一ファンとして楽しみです!」とエール!黒沢監督は「今回の『クリーピー』は、かつては(主演は)役所さんだった。今回、役所さんではないと思いつつ、どこかで『役所さんなら高倉役はこうかな?』とどこかで基準というか、モデルにしてるところがあった。『CURE』の頃の役所さんとほぼ同い年の西島さんならどうするか見たかったし、ポジションが似ている」と2人の名優をハッキリと比較の俎上にあげて語る。西島さんは「僕はただの(役所さんの)ファン(笑)。黒沢監督の作品で、役所さんの役は、最初は人間だけど、どこかで人間を超えた“何か”になる。それは役所さんにしかできない。『クリーピー』を『CURE』と比べる声もありますが、正直、勝負にならないです(苦笑)」と改めて役所さんの偉大さについて語った。『クリーピー 偽りの隣人』は全国にて公開中。(text:cinemacafe.net)
2016年06月22日いよいよ今週末6月18日(土)に迫った西島秀俊と黒沢清監督が贈る『クリーピー 偽りの隣人』。このほど、本作で西島さん演じる主人公の“謎の隣人・西野”を演じた香川照之の怪演がヤバすぎる劇中映像が一挙に解禁となった。元刑事の犯罪心理学者とその妻の日常が、“奇妙な隣人”への疑惑と不安から深い闇へと引きずり込まれていく圧倒的恐怖を描いた本作。まさに、恐怖のためにぞっと身の毛がよだつような、気味が悪い“クリーピー(creepy)”な作品として話題を集めている。ドラマ・映画の『MOZU』シリーズ、「ダブルフェイス」「流星ワゴン」など、数々の共演作品がある西島さんと香川さん。黒沢作品では念願の初タッグとなった本作で香川さんは、主人公・高倉(西島さん)が妻・康子(竹内結子)と引っ越してきた先の隣に住む、隣人・西野を怪演する。風変わりではあるものの、なんてことはない隣人に見えた西野。しかし、接していく内に、言葉のふしぶしで何かがおかしい、笑っているのに気味が悪い、普通なようでどこか普通じゃない一面が、次々に明らかになっていく。西野とは、いったい何者なのか…?今回解禁となったのは、そんな香川さん演じる隣人・西野が、劇中で見せる特に“奇妙な行動”5つを、それぞれ約5秒程度の短い動画にし、まとめたWEB限定のスペシャル動画。まずは、本作の名シーンともいえる、家のドア越しから勢いよく顔を覗かせる西野のシーンが繰り返される映像。西野が家を訪ねてくる怪奇を、延々と味わえるようになっている。また、高倉にだんだんと顔を近づけながら話す西野の笑みの顔面アップ。高倉が西野を追いかける“地獄の追いかけっこ”に、目玉を大きく見開き、獲物を探すような表情が奇行すぎるシーンと、不気味な笑顔で犬をなでる異様な姿も。どれも見応えのある動画となっており、奇怪すぎる“隣人”のヤバさを浮き彫りにさせている。『クリーピー 偽りの隣人』は6月18日(土)より全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2016年06月16日西島秀俊、竹内結子が6月6日(月)に法政大学で行われた映画『クリーピー 偽りの隣人』の試写会の上映後トークイベントにサプライズで乱入!学生たちから熱烈な歓迎を受けると共に、学生との質疑応答を行なった。“クリーピー”には「不気味な」という意味があり、ある夫婦が奇妙な隣人への疑惑と不安から闇への引きずり込まれていくさまを描く。原作者・前川裕が法政大学で教授を務めていることもあり、上映後の前川先生と黒沢清監督のトークが告知されていたが、サプライズで西島さん、竹内さんが登場すると、ホール内に轟音のような歓声と「ヤバい!」「カワイイ」「カッコいい!」といった絶叫がこだました。竹内さんは満面の笑みを浮かべて学生に手を振り「私自身は大学の経験がないので、いいなぁって思います」とキャンパスライフへの羨望を語り、映画の中で犯罪心理学の教授を演じた西島さんも「こんな大きな講堂じゃなかったので、いまは緊張してます」と学生の熱狂ぶりに驚いていた。「もしも学生時代に戻れるなら?」という質問に西島さんは「僕は、学生のころはリュックを背負って一人旅をしてました。この歳になるとそれもなかなかできないので、またひとりでブラっと行きたいですね」と語り、学生に向けて「もうちょっと経つと経験できなくなるので」と旅を勧めていた。竹内さんは、脳内の大学生のイメージそのままに(?)「合コンしたり、サークルをやってみたい!」とノリノリ。竹内さんは高校生のころから芸能界で仕事をしているが、あまりしっかりと勉強しなかったことに後悔があるようで「なんでたかだか3年が我慢できなかったのか…?勉強したいです」と明かした。就職活動に直面するも「やりたいことが見つからない」という学生も多いようだが自身の経験に基づきアドバイスを求められると西島さんは「僕も同じように将来、何になりたいか分からずに考えて、お金が入らなくても、これだけをやっておけば人生で後悔しないことは何か?と考え、映画の現場で仕事がしたいと思い、高校の9つ上の先輩の縁で映画の世界に入った」と明かし「好きなものを見つけるのは大変だなと思います」としみじみ。竹内さんは高校入学を控えた春に「原宿を歩いてたら拾われた」と思わぬ芸能界入りのきっかけを明かし「いろんな体験をするうちに『この仕事を続けたい』と思いました。好きなものを見つけるのも大事だけど、続けることも大事だと、36歳にして思います」と語ったが、竹内さんが36歳という事実に講堂がざわつく…。竹内さんは笑みを浮かべ「好きだから苦しいことがやれるし、好きだからこそあきらめが悪い…」と好きなものをやり続ける難しさを説き、西島さんもこれにうなずき「最初の『好き』からは変わっていくけど、どんなジャンルでも掘っていくといろんなものが見つかります」と未来に不安と期待を持つ学生たちにエールを送った。また西島さん、竹内さんから逆に学生たちに質問する一幕も!西島さんは若いころ、映画や音楽にお金を費やしていたことを明かし、いまの学生たちは何にお金を遣うのかと質問。映画を観に行く学生が意外と多いことを喜びつつ、メイクや化粧品に使うという女子学生の多さに「なんだ!こんなに多いのか!」と驚き、イマドキの学生たちの生態に興味津々だった。ちなみに西島さんは昔、理由は定かでないものの同大学の学食を利用したことがあるそうで、学生たちからは驚きの声が上がっていた。『クリーピー 偽りの隣人』は6月18日(土)より全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2016年06月06日6月18日(土)より全国で公開される『クリーピー 偽りの隣人』に出演している西島秀俊と竹内結子が、6月6日(月)今夜放送のフジテレビ系バラエティ「SMAP×SMAP」にゲストとして登場。「SMAP」とクイズやトークに花を咲かせる。西島さんと竹内さんがゲストで登場するのは「ビストロSMAP」。今回は改めて2人のプロフィールをおさらいするため“穴あき”形式の2人の巨大履歴書が登場。子供の頃あこがれていた職業やある場面での発言など、様々な質問にSMAPメンバーや質問の該当者ではない方のゲストが答えていく。また西島さんと竹内さんのどちらかがおすすめするスイーツが登場、両者があたかも自分がおすすめしているかのように演技をして、その様子からどちらのスイーツかを当てるクイズも出題される。果たしてSMAPは名優2人の演技にひそむ真実を見抜けるのか。今回2人から出たオーダーは餃子。今回は木村・稲垣チーム、草なぎ・香取チームともにフジテレビが「宇宙ウィーク」中であることにちなんだ“宇宙を感じさせる”料理を作る。竹内さんが感激した宇宙らしさあふれる餃子の出来栄えも必見だ。そして草なぎさんが限界に挑戦する企画が今週も行われる。挑戦するテーマを聞き草なぎさんのリアクションなどをヒントに成功するか失敗するかを推理するというもので、出川哲朗の不安定な司会ぶりと草なぎさんと仲のいい香取さんの答えにも注目だ。今回ゲストで登場した西島さんと竹内さんが出演している『クリーピー 偽りの隣人』は、日本ミステリー文学大賞新人賞を受賞した前川裕の小説を『リアル~完全なる首長竜の日~』『Seventh Code』などの黒沢清監督が映画化。元刑事の犯罪心理学者・高倉は、妻の康子とともに新居に引っ越すが、隣人の西野一家にどこか違和感を抱く。そんなある日、西野の娘が高倉夫婦の家に駆け込み、「あの人、お父さんじゃありません。全然知らない人です」と驚きの事実を打ち明ける。やがて、西野家と6年前に起きた一家失踪事件に奇妙なリンクが浮かび上がり…。その一方、高倉は事件唯一の生き残りである長女・早紀(川口さん)の記憶をたどるも、核心にはたどりつけずにいた。この未解決の事件と、隣人一家の不可解な関係。2つの繋がりに高倉が気付いたとき、妻・康子(竹内さん)の身に“深い闇”が迫る…というストーリーになっている。西島さんと竹内さんのほか川口春奈、東出昌大、香川照之など豪華キャストの共演も見どころだ。「SMAP×SMAP」は6月6日(月)22時~フジテレビ系で放送。(笠緒)
2016年06月06日西島秀俊、竹内結子、川口春奈、東出昌大、香川照之に『ソロモンの偽証』の藤野涼子ら、日本映画界を代表する豪華キャストを迎えて贈る黒沢清監督の最新作『クリーピー 偽りの隣人』。このほど、昨年『岸辺の旅』で第68回カンヌ国際映画祭「ある視点」部門監督賞を受賞した黒沢監督が、撮影中、最も“怖かった”キャストが明らかになり、その場面写真がシネマカフェにて解禁となった。犯罪心理学者・高倉が追う未解決一家失踪事件と、彼の奇妙な隣人・西野一家の、気味の悪い(クリーピーな)関係に迫る衝撃のサスペンス・スリラーとなる本作。これまで、『CURE キュア』『回路』『叫』『ドッペルゲンガー』など、数々の恐怖映画を手がけ、『アカルイミライ』『トウキョウソナタ』、そして『岸辺の旅』などが、カンヌやヴェネチア国際映画祭をはじめ数々の映画祭を席巻し世界が注目する日本人監督のひとり、黒沢監督がメガホンをとることでも話題を呼んでいる。そんな巨匠がこれまでに仕事をともにした俳優は、本作の西島さん、香川さんをはじめ、役所広司、浅野忠信、オダギリジョー、深津絵里、小泉今日子など、名だたる大物俳優ばかり。しかし、実力派俳優たちを見事に演出し、世界の観客を夢中にさせてきた巨匠が、本作ではかなり手を焼いたキャストがいたことが発覚!そのキャストとは…西島さん演じる高倉の愛犬・マックス!黒沢監督は、「犬って何をするのか全然わからない。こちらが意図しない思わぬ動きを取ったり、急に吠えたり…」と、現場がマックスによって翻弄されていたことを吐露。「犬をメインで撮るシーンは、正直、いままでで一番怖かった。犬は苦手ではなく、むしろ好きなのに、なぜか僕に吠えてくる。ほかの人にはなつくのに、僕が手を差し出すと牙を剥く。だから怖くなりました」と明かしている。もしかすると、犬は本作の“不気味な闇”にも似た、黒沢監督の中に潜む邪悪な“何か”を感じ取っていたのかも!?今回は、そんなマックスと西島さんとのお散歩シーンの場面写真も到着。そんな監督の不安を少しも感じさせない、むしろ微笑ましい“ワン”シーンとなっている。『クリーピー 偽りの隣人』は6月18日(土)より全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2016年06月02日俳優のディーン・フジオカ、小野武彦、村上範義、女優の藤原紀香、清野菜名、池田エライザ、歌手の小室哲哉が5月31日、都内で行われた「Amazon プライム・ビデオ 日本オリジナル作品 記者発表会」に出席した。Amazonは、Amazonプライム会員に提供している見放題・動画配信サービスのAmazonプライム・ビデオにおいて、オリジナル映像作品のラインナップを強化。その発表会に6月22日より配信する『はぴまり~Happy Marriage!?~』、7月15日より配信する『Invisible TOKYO』に出演したキャスト陣が登壇した。円城寺マキのベストセラーコミックを実写化した『はぴまり~Happy Marriage!?~』に出演したディーン・フジオカは「僕は間宮北斗というキャラクターで、彼は家族の形を捉えられずに大きくなって絶望を経験し、自分なりに目的を見つけ出していきます。そのような中、今回は結婚が手段とやっていくんですが、契約結婚をしていく中で家族の形や愛に気づいて成長していきます」と同ドラマを説明。相手役の清野菜名は役衣装姿で登壇して「千和はどこにでもいるような女の子で、指輪を毎日付けてさせていただいているんですが、ヒヤヒヤしながら撮影しています(笑)」と苦笑い。ディーン・フジオカとの共演については「お腹が空くとディーンさんがバナナをくれるんです。私、バナナは食べられなかったんですけど、克服できました」と感謝。これにディーン・フジオカは「餌付けですね(笑)」と笑顔を見せていた。また、小室哲哉、池田エライザが出演した『Invisible TOKYO』は、東京の今を牽引する文化の発信者たちを追ったドキュメンタリー。胸元全開のドレス姿で登壇した池田エライザは「自分のリアルをさらけ出そうと考えていたんですが、現場に行って東京を眺めながら撮影してると私ってこんなこと考えていたんだ? とか、普段プライドが邪魔して言えなかったことを発信してしまったっていう感覚になれました。同世代の方に寄り添えるんじゃないかと思います」とアピールしていた。
2016年05月31日俳優・東出昌大が、西島秀俊と竹内結子が共演する映画『クリーピー 偽りの隣人』(6月18日公開)で、自身初の刑事役を務めている野上を捉えた場面写真が26日、公開された。東出が演じる野上は、主人公・高倉(西島)の元同僚刑事。6年前に起きた未解決の一家失踪事件を解決するため、高倉と共に奮闘する正義感あふれる刑事姿を披露している。東出が刑事役を務めるのは、今回が初となる。公開された写真は、拳銃を握りしめにらみを利かせるシーン、高倉と事件の真相を探るため調査に出る場面を写した2枚。いずれもりりしい表情で野上の男らしさを捉えている。映画の原作は、作家・綾辻行人氏も「展開の予想できない実に気味の悪い(クリーピーな)物語」と絶賛した、前川裕氏による小説『クリーピー』。ある夫婦が"奇妙な隣人"への疑念と不安から、深い闇へと引きずり込まれていく恐怖を描く。3人のほか、川口春奈、香川照之らも出演し、黒沢清監督がメガホンを取る。(C)2016「クリーピー」製作委員会
2016年05月26日瀬々敬久、黒沢清、石井裕也など名だたる映画監督の下で助監督を務めた菊地健雄が、晴れて長編監督デビューを果たした『ディアーディアー』。このほど、ブルーレイ・DVDが発売になり、本作の主演・中村ゆりがインタビューに応じた。借金苦の兄、虚言癖の弟、依存症の妹――幻の“シカ”をめぐる三兄妹の軌跡を描いたヒューマン・コメディーで、観る人によって感動の種類が違ってくるだろう快作について想いを聞いた。ある山あいの長閑な町にはかつて、“リョウモウシカ”という幻のシカがいたとされ、そのシカを発見したという三兄妹は一躍、時の人となる。しかし、ほどなく目撃は虚偽とされ、三兄妹はうそつきというレッテルを貼られてしまう。二十数年後、別々の人生を送っていた三人だったが、父の危篤がきっかけで久々に再会。シカ事件で人生が狂ったと思っている三人はまた、山の中へと入っていく――。“リョウモウシカ”という幻のシカに振り回され、思うように人生を操縦できないダメな人間たちのドラマ。ファンタジックな世界観ではあるが、脚本の印象について中村さんはこう明かす。「鹿がモチーフになっているという意味ではファンタジックなストーリーですが、キャラクターの個々の掘り下げ方が家族の関係性を含めて丁寧だったので、最近では出会うことも少なくなったテイストの素敵な物語だと思いました」。主要登場人物は、中村さん演じる末娘の顕子をはじめ、老朽化した工場と莫大な借金を背負う長男の冨士夫(桐生コウジ)と、シカ事件で精神を病み、病院で暮らす次男の義夫(斉藤陽一郎)。およそハッピーな人生を送っているとは言い難いが、人間味がある三兄妹ではある。「自分自身も含めて、立派な大人になれたと実感できている人なんて少ないような気がして、そういう意味でこの映画って、全然皆ダメでどうしようもないけれど(笑)、そこに人間の愛しさがある気がします。そういう映画になればいいなと思いながら、撮影していましたね」。中村さん演じる末娘の顕子も実に人間臭く、リアリティーの強い女性だ。駆け落ちの果てに酒浸りの生活を送っていて、シカ事件を機に町を捨て、同時に何かも失ってしまったような感もある。顕子を演じるにあたって中村さん自らの提案が反映されたシーンの一つが、ラブシーンだった。「ラブシーンは男性の場合、遠慮がちになることがありますが、私があれくらいやりたいって言ったんです(笑)」。「結局、顕子は文句を言っているようで、ブツブツは言っているけれど、実際はあまり弱音を吐いていないんです。でも、彼女がアルコールに走っていることは、拠り所であることは間違いない。ぐでんぐでんに酔うことは弱さであり、流されて欲情するような人間らしさを作りたかったんです」。それが奏功して顕子が本音を言うシーンとして、彼女の人間性を一段階掘り下げることに成功している。そしてどこか、愛おしくも映る。「意外と、周りに甘えているんですよ。でもそれは、男性目線ですよね。私はあまり関わりたくない。(笑)ただ、顕子は、知能的な悪い人じゃないんです。立派な人でもないですが」。そして、鹿。“リョウモウシカ”という得体の知れない存在。もちろんこれは何かの象徴ではあるが、その正体は「観る人が決めること」と中村さんは語る。「観ている人が決めていいと思うんです。お父さんの象徴とか神の使いとか、いろいろな意見を伺って、私もびっくりしました。私の解釈としては、過去から何かのせいにして成長できていない、ただのダメな大人の象徴みたいなもの(笑)。何かのせいにして生きてきた大人たちの物語なので、私はそういう風に受け取っていますね」。確かに、シカのせいにして生きていれば楽なのだ。「そうなんですよね。でも、周りからしたら『何それ?』と思われることでも、意外と本人にしてはこだわってしまって、そこから抜けられないこともあるでしょう。だから、そういう象徴なのかなって思いました。観る人それぞれ、いろいろな意見があって面白いです。人が生きるって、頑張っていないと続かないことなんですよね。恵まれていても貧しくても、それぞれが何かを抱えているものじゃないですか。だから、こんなどうしようもない人達でも映画の主人公として描かれていいと思うんです」。この映画、出てくる人皆、聖人君主は一人もいない。ボンクラとまではいかないまでも、そういう人間のおかしみ哀しみなどを観ていると、自分も含めて優しく認めてあげたい想いが自然とあふれてくる。「この映画に出てくる人たちはダメな大人なんですけど、オフビートのなかでクスッと笑える瞬間もあると思うので、そういうところも楽しんでもらえればいいなって思います」。ヘアメイク・衣装クレジットニット¥27,000(JOHN SMEDLEY)パンツ¥23,760(muller of yoshiokubo)スタイリング:阪上秀平ヘアメイク:藤田響子(text/photo:Takashi Tokita)
2016年05月18日フランスにて開催中の「第69回カンヌ国際映画祭」。この度、14日(現地時間)に、日仏合作映画『淵に立つ』が「ある視点部門」で公式上映され、主演の浅野忠信をはじめ、筒井真理子、古舘寛治、深田晃司監督がレッドカーペットに登場。上映後、場内は観客からのスタンディングオベーションが鳴り止まないほどの大盛況を見せた。本作は、下町で金属加工業を営む夫婦(古舘寛治、筒井真理子)のもとに、突然ひとりの男(浅野忠信)が現れ、奇妙な共同生活が始まり、一見平和だった家族に“異物”が混入することで夫婦それぞれが抱える秘密があぶり出されていく人間ドラマ。夫婦とは、家族とは、愛とは、人間とは何か、普遍的なテーマを問いかけながら、人間の心の奥底を揺さぶる衝撃作だ。監督は、世界の映画祭で数々の受賞歴を誇る『歓待』や、『ほとりの朔子』(ナント三大大陸映画祭クランプリ)、『さようなら』(東京国際映画祭コンペ出品)など、次々と話題作を世に出し続ける深田監督。世界的に評価の高い黒沢清、是枝裕和、三池崇史監督に次ぐ、新しい世代の監督として世界中から注目を集めている。そしてキャストには、今回が深田監督との初のコラボレーションとなる主演の浅野さんをはじめ、『歓待』『ほとりの朔子』に続き、深田組常連の古舘さん、映画やテレビ・舞台と幅広く活躍する筒井さんが出演している。現地時間14日、はじめの舞台挨拶では「まずは2時間楽しんでください。私から言えることは、本当に素晴らしい俳優たちの演技、日本を代表できる俳優たちの演技をこの映画で2時間堪能できると思います」という深田監督の挨拶で映画がスタート。そして上映が終わると場内の観客からの鳴り止まないスタンディングオベーションが沸き起こった。そして監督は「最高のスタートを切れたと思っています」と上映後第一声を述べ、また今回で2年連続のカンヌ国際映画祭参加となった浅野さんは「これから毎年来られるよう頑張ります(笑)」と新たな目標を語った。さらに囲み取材にて古舘さんは、「すごく温かい拍手を頂いて、とても嬉しいです」と話し、ずっとカンヌに行きたいと思っていたという筒井さんは、「報告をマネージャーからもらったとき、『あぁー』って、遠い目になってしまって(笑)いまもちょっとふわふわしています」とコメントした。そして浅野さんは、「本当に長い戦いだったので、それがやっと実ったというか。このカンヌに来るときも、飛行機がたどり着かないとか、荷物が着かないとか、ハプニング続きだったんです。本当にいまとてもほっとしています」とここに来るまでにいろいろあったことを明かし、また「とても良い役を頂いて、これをどう演じるのかというのは、自分でも大きな課題だったもので、監督が忍耐強く見守って、僕の意見も全部取り入れてくれて、こういう映画に仕上げて頂けたので、これは僕にとっても大きな一歩になったかなと思っています」と映画についてふり返った。初のカンヌ国際映画祭となった深田監督は「何とも比較できない経験ですね」と述べ、さらに「ただ誰一人としてカンヌがゴールだと思っている監督はいないと思うので、これからがスタートだと思って、これからもコツコツと地道に映画を作っていきたいと思います」と気持ちを新たにしていた。また本作については、「こういう最高の舞台を与えられましたが、やっとこれからよちよち歩きを始めた赤ん坊のような映画で、これから皆さんに観てもらって、いろんな声をかけてもらって大きく育っていく子どもだと思っています。ぜひ皆さんで見守って育んで頂ければと思います」と話した。『淵に立つ』は2016年秋、有楽町スバル座ほか全国にて公開。(cinemacafe.net)
2016年05月16日重松清の小説『希望ヶ丘の人びと』が、WOWOWの“ドラマW”で連続ドラマ化されることが決定した。沢村一樹が主演を、連続テレビ小説『おひさま』の岡田惠和が脚本を、『神様のカルテ』の深川栄洋が監督を務める。その他の:情報本作の主人公・田島は、妻の圭子、娘の美嘉、息子の亮太と都内で幸福に暮らしていたが、圭子に末期がんが見つかり、3か月でこの世を去ってしまう。そこで、田島は圭子が育った希望ヶ丘に行き、そこで圭子の思い出をたどりながら暮らすことを子どもたちに提案し、現在は空き家になっている圭子の旧家で新生活を開始する。沢村が主人公の田島を、和久井映見が亡き妻を、桜田ひよりと『そして父になる』の二宮慶多がふたりの子どもを演じるほか、平泉成、寺脇康文、伊藤かずえ、六角精児、宮川一朗太らが出演する。連続ドラマW『希望ヶ丘の人びと』7月16日(土)スタート(全5話)※第1話無料放送毎週土曜 夜10時よりWOWOWプライムにて放送
2016年05月09日6月18日公開の映画『クリーピー 偽りの隣人』のレッドカーペット&ジャパンプレミアが26日、東京・丸の内ピカデリーで行われ、西島秀俊、竹内結子、川口春奈、東出昌大、香川照之、黒沢清監督が出席した。作家・綾辻行人も絶賛した前川裕の小説『クリーピー』を、『岸辺の旅』で第68回カンヌ国際映画祭「ある視点」部門監督賞を受賞した黒沢清監督が映画化した本作。ある夫婦の日常が、奇妙な隣人への疑惑と不安から深い闇へと引きずり込まれていく恐怖を描いたもので、2月に行われたベルリン国際映画祭や4月の香港国際映画祭でで大きな反響を呼んだ。世界各国からのオファーもひっきりなしで、フランスやイギリス、アイルランドをはじめ9カ国での上映や世界各国の映画祭への出品も決定している。主演の西島は「ついに日本で上映されるということで嬉しいです。海外で何回か上映されて、すごく温かいリアクションをいただいているので、皆さんには楽しんでもらえると思います」と作品の出来に自信。観客から大喝采を浴びたベルリン国際映画祭の話題となり、「上映中も結構リアクションがすごかったんですが、終わってから舞台に僕が上がり、着物姿の結子が上がると『わ~』と歓声があり、そして香川さんが上がられると笑いが起きて、ドイツで大人気でしたね」とエピソードを明かした。香川が演じつ隣人の危なさが見どころの一つということで、「どの人が隣人だったらうれしい?」という質問に、西島は「現場で差し入れとかいっぱいくれた竹内さんかな(笑)。今回は珍しく専業主婦の役で、これが可愛らしくてチャーミングなんですよ。だからお隣に住んだらご飯とか食べさせてくれそうですよ」と回答。すると竹内が「お家で(西島がCMに出演している)ラオウを食べたらいいじゃないですか」と拒否反応を示し、「私は春奈ちゃんかな。お隣からいい匂いがしそうだから、求められたら何でも差し入れしますよ!」と話していた。映画『クリーピー 偽りの隣人』は、6月18日より全国公開。
2016年04月27日黒沢清監督の最新作『クリーピー 偽りの隣人』の完成披露試写会が4月26日(火)、都内で行われ、黒沢監督をはじめ、西島秀俊、竹内結子、川口春奈、東出昌大、香川照之が出席した。日本ミステリー文学大賞新人賞を受賞した前川裕の小説を映画化。元刑事の犯罪心理学者・高倉は、妻の康子とともに新居に引っ越すが、隣人の西野一家にどこか違和感を抱く。そんなある日、西野の娘が高倉夫婦の家に駆け込み、「あの人、お父さんじゃありません。全然知らない人です」と驚きの事実を打ち明ける。やがて、西野家と6年前に起きた一家失踪事件に奇妙なリンクが浮かび上がり…。すでにベルリン国際映画祭で上映されており、現地入りした西島さんは「海外でも暖かいリアクションをいただいているので、日本での上映は本当にうれしい」と感無量の面持ち。現地では香川さんの“怪演”が大反響を呼んだといい、「香川さんが舞台挨拶のステージに上がると、笑い声が起こったんですよ」とニヤリ。人気ドラマ「MOZU」シリーズの名タッグに続き、黒沢作品では初共演する2人の丁々発止のやりとりに、ファンからは歓声があがった。また、西島さんと竹内さんといえば、以前『ストロベリーナイト』で部下上司を演じた間柄。今回は夫婦役に挑戦にしており、「夫婦役ということでとてもうれしい」(竹内さん)、「僕もうれしいです!」(西島さん)と喜びの声をあげる場面もあった。世界各国からオファーが舞い込み、現時点でフランス、イギリス、アイルランド、韓国、香港、台湾、中国、トルコ、ブラジルでの上映が決定。さらにベルリン国際映画祭、香港国際映画祭に続き、ウディネ・ファーイースト映画祭(イタリアで開催中)、シアトル国際映画祭(アメリカで5月開催)、ニッポンコレクション(ドイツで5月開催)、ニューヨークアジア映画祭(アメリカで6月開催)、台北映画祭(台湾で6月開催)、ファンタジア国際映画祭(カナダで7月開催)、プチョン国際ファンタスティック映画祭(韓国で7月開催)に出品されることも明らかになった。『クリーピー偽りの隣人』は6月18日(土)より全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2016年04月26日西島秀俊と竹内結子が夫婦役で共演する『クリーピー 偽りの隣人 』。今回、6月の公開を前に、最近注目を集めている「LINE LIVE」にて 、4月26日(火)、本作の豪華キャストが出演するレッドカーペット&舞台挨拶イベントを生配信することが決定した。6年前の一家失踪事件を調べる犯罪心理学者・高倉(西島秀俊)。愛する妻(竹内結子)と引っ越した先の隣人は、人の良さそうな父親と病弱な母親、中学生の娘だった。ある日、その娘から突然告げられた一言「あの人、お父さんじゃありません。全然知らない人です」。未解決の事件と、隣人一家の不可解な関係。2つのつながりに隠された恐るべき真実とは――?『トウキョウソナタ』『リアル~完全なる首長竜の日~』の黒沢清が監督を務める本作。西島さんとは4度目のタッグとなり、「第66回ベルリン国際映画祭」「第40回香港国際映画祭」と海外にも出品。また、香港映画祭においては日本映画としては初めてのクロージング上映を飾り、日本国外でも注目を集めている。『ちはやふる』の舞台挨拶が配信され、また今週には『オオカミ少女と黒王子』のプレミアイベントが生配信されるなど、注目の「LINE LIVE」。今回生配信されるのは、 本作のジャパン・プレミアイベント特番。本イベントには、西島さんと竹内さんをはじめ、川口春奈、東出昌大、香川照之といった豪華キャストが登場し、レッドカーペットイベント、オリジナルトーク番組、舞台挨拶までをライブ配信するようだ。また、オリジナルトーク番組では、「LINE LIVE」ならではの視聴者とのコメント機能を使った連動企画も予定されており、舞台挨拶前のキャストから貴重な裏話も飛び交うかも!?「映画『クリーピー 偽りの隣人』ジャパン・プレミア特番」は 4月26日(火)18:00~「LINE LIVE」にて配信。『クリーピー 偽りの隣人』は6月18日(土)より全国にて公開。(cinemacafe.net)
2016年04月25日西島秀俊主演・黒沢清監督作<a href="">『クリーピー偽りの隣人』</a>や主演作『にがくてあまい』など話題映画への出演が相次ぐ川口春奈が、六本木・俳優座劇場にて行われる演劇集団「Z-LION(ジーライオン)」第7回公演「Magician達のリファンタジ~」で自身2度目の舞台出演を果たすことが明らかとなった。舞台は、とある田舎町の小さな自動車整備工場。そこには“魔法使い”である小百合が密かに暮らし、いつも仲間たちと映画の話ばかりをしていた。それは、いまも、昔も…。ある日、小百合はそんな仲間たちと共に自主映画の企画を考えていた。だが、『スター・ウォーズ』のように壮大にしたいとか、『ゴッド・ファーザー』のようなギャングものにしたいとか、企画が全然まとまらない。すると、そこに居合わせた1人の従業員が小百合たちに言った。「お前たちの魔法を使って、新しいジャンルの映画を作ってみれば?」。その言葉をきっかけに、小百合たちは1本の映画を作り始める。後にその映画は、とある世界を感動の渦に巻き込むのだった――。川口さんにとって、2014年に初舞台で初主演を務めた舞台「生きてるものはいないのか」(作・演出:前田司郎青山円形劇場)以来、2度目の舞台出演となる本作。脚本・演出を手掛け、俳優としても出演する粟島瑞丸とは初タッグとなる。今回、川口さんが演じる主人公・小百合は、明るく元気で面倒見もよく、男勝りな性格だが、純粋な分、ときにささいなことで落ち込むこともある“魔法使い”。夢は自分の作った映画で人を感動させること。いつも魔法使い仲間たちと集まり、映画の話ばかりしているという役どころだ。また、演劇集団「Z-Lion」とは、粟島さんが2012年12月に単身旗揚げした集団。集団とはいいながら、メンバーは彼1人。プロデュース、演出、脚本をすべて1人で担当する粟島さんは、自身の舞台のほか、連続ドラマ「パブリシャス・ロード」(BS11)「マネーの天使~あなたのお金、取り戻します!~」(読売テレビ・日本テレビ系)などに出演。3月30日(水)からはZ-Lion特別公演「隣はラジカル」も控えている。<以下、コメント>■川口春奈6月に俳優座劇場で舞台をやらせていただくことになりました。まだまだ未熟者で今は不安しかないですが、これから始まる稽古でしっかり土台とお芝居を作っていきますので、みんな観に来てください。よろしくお願いします。■粟島瑞丸脚本を書かせていただきました粟島瑞丸です。いつもは脚本を書いてからキャスティングを始めるのですが、今回は初めて川口春奈さんとお会いしてから構想から考えました。話す上で閃いた物語。そこからすでに春奈さんとの作品創りがスタートしてると思います。日常の中のありそうでないファンタジー。どうぞご期待ください。演劇集団Z-Lion第7回公演「Magician達のリファンタジ~」は6月22日(水)~6月26日(日)、六本木俳優座劇場にて開演。(text:cinemacafe.net)
2016年03月30日俳優・西島秀俊と女優・竹内結子が再共演する映画『クリーピー 偽りの隣人』(6月18日公開)で、2人が夫婦役を演じている場面写真が29日、公開された。原作は、作家・綾辻行人氏も「展開の予想できない実に気味の悪い(クリーピーな)物語」と絶賛したという、前川裕氏による小説『クリーピー』。ある夫婦が"奇妙な隣人"への疑念と不安から、深い闇へと引きずり込まれていく恐怖を描く。西島や竹内のほか、川口春奈、東出昌大らも出演し、黒沢清監督がメガホンを取る。すでに第66回ベルリン国際映画祭では正式出品作品に選ばれ、第40回香港国際映画祭では日本映画初となるクロージング上映が決定するなど、各国からの注目が集まっている。西島が演じるのは犯罪心理学者の高倉で、竹内が演じるのはその妻・康子。2人は、これまでフジテレビ系『ストロベリーナイト』シリーズで共演。刑事の上司・姫川玲子(竹内)に秘めた恋心を抱く部下・菊田和男(西島)の姿が描かれ、話題を呼んだ。その2人が本作では夫婦役となったことで、ネット上では「"菊姫"コンビがついに夫婦に!」との声も上がっているという。今回の場面写真は、そんな2人が誕生日を迎えることを記念しての公開(西島はきょう29日、竹内は4月1日)。新居に引っ越しての新生活を楽しむ2人の様子や、仲良く食事をする模様、連れだって歩く姿に加え、康子が食事を作る場面、それを笑顔で食べる高倉など、幸せそうな表情が多く捉えられている。しかし劇中では、この幸せムードから一転、隣人に巻き込まれる形で恐怖に翻弄(ほんろう)されることになる。(C)2016「クリーピー」製作委員会
2016年03月29日西島秀俊と竹内結子、川口春奈、東出昌大、香川照之ら豪華キャストが、<a href="">『岸辺の旅』</a><a href="">『トウキョウソナタ』</a>の黒沢清監督のもと集結した最新作<a href="">『クリーピー偽りの隣人』</a>。このほど、本日3月29日には西島さん、4月1日には竹内さんがそれぞれ誕生日を迎えることを記念し、2人が“ファン念願”(?)の夫婦役で共演を果たした本作から仲良し劇中写真が一挙解禁となった。本作は、未解決の一家失踪事件と奇妙な隣人一家がつながり、日常に忍び寄る“クリーピー=ぞっと身の毛がよだつような”恐怖を描き出すサスペンス・スリラー。第15回日本ミステリー文学大賞「新人賞」を受賞した前川裕の同名小説が原作となる。先日行われた第66回ベルリン国際映画祭において正式出品作品に選ばれ、第40回香港国際映画祭では日本映画初となるクロージング上映が決定、早くも国内外から注目を集めている。その本作で主人公の高倉夫婦を演じてるのが、西島さんと竹内さん。この2人といえば、過去に<a href="">『ストロベリーナイト』</a>のドラマシリーズと映画で共演。警視庁捜査一課刑事の上司と部下を演じ、“姫川”(竹内さん)に秘めた恋心を抱くも報われない“菊田”(西島さん)の姿に、夢中になったファンも多いはず!今回、本作では夫婦役で再共演を果たしていることから、ネット上では「あの“菊姫”コンビがついに夫婦に!」と早くから話題に。先日解禁となった予告編でも、絶叫する妻・康子(竹内さん)をしっかりと抱きしめる高倉(西島さん)の姿に萌える人が続出した。そんな2人は、西島さんが3月29日、竹内さんが4月1日にそろって誕生日を迎える。前回の共演では実現しなかった幸せいっぱいの夫婦2ショット写真では、新居に引っ越し、新生活を楽しむ2人の様子や、仲良く食事をする様子、夫婦連れ立って歩く姿のほか、竹内さん演じる康子が食事を作る場面、それを笑顔で食べる高倉など、幸せショットが満載!こんな平穏な日常を過ごしていた高倉夫妻が、香川さん演じる“奇妙な隣人”によってどう翻弄されてしまうのか…。実はお誕生日も近かった2人の仲良し写真からは想像もできない衝撃の展開に、ますます期待は高まるばかりだ。『クリーピー偽りの隣人』は6月18日(土)より全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2016年03月29日黒沢清監督の『ニンゲン合格』(’99)にて映画初主演を果たし、いまや国際的にも活躍する西島秀俊が、黒沢監督と4度目のタッグを組んだ『クリーピー 偽りの隣人』。このほど、西島さんに竹内結子、川口春奈、東出昌大、香川照之ら豪華キャスト陣が揃って登場する、身の毛もよだつような“クリーピー”な予告編と本ビジュアルが解禁となった。ある犯罪心理学者夫婦の日常が、“奇妙な隣人”への疑惑と不安から深い闇へと引きずり込まれていく圧倒的恐怖を描いた本作。原作は、日本ミステリー文学大賞新人賞を受賞した前川裕の同名小説。先日行われた第66回ベルリン国際映画祭で正式出品作品に選ばれ、第40回香港国際映画祭では日本映画初となるクロージング上映が決定するなど、早くも世界から熱い視線を浴びている。今回、解禁となった待望の本予告は、犯罪心理学者の高倉(西島さん)が、刑事の野上(東出さん)から頼まれた未解決の一家失踪事件を調べ始めたことをきっかけに、奇妙な隣人・西野(香川さん)の家族のことが気になり始める様子が明らかとなる。ある日、西野の娘・澪(藤野涼子)が、高倉に「あの人お父さんじゃありません、全然知らない人です」と訴えたことで、事態は急展開を迎えることに。その一方、高倉は事件唯一の生き残りである長女・早紀(川口さん)の記憶をたどるも、核心にはたどりつけずにいた。この未解決の事件と、隣人一家の不可解な関係。2つの繋がりに高倉が気付いたとき、妻・康子(竹内さん)の身に“深い闇”が迫る…。家から火が噴き出し、康子の絶叫がこだまする中、しっかりと彼女を抱きしめ全力で守ることを誓う高倉。だが、映像のラストには、チャイムとともになぜか外側から鍵が開き、半開きになった扉の隙間からは、こちらを覗き込む西野の姿が!果たして、西野とは一体何者なのか!?終始、不穏な空気が充満する、まさしく“クリーピー”な予告編となっている。また、併せて解禁となった本ビジュアルでは、「あの人、お父さんじゃありません。全然知らない人です。」という、藤野涼子が放つ事件のきっかけとなる言葉が大々的にあしらわれ、正面を見据えた西島さん演じる高倉を中心に超豪華キャストの顔がコラージュされている。それぞれがどこか意味深な表情を浮かべる中、特に香川さん演じる謎の隣人・西野の怪しげな表情は強烈に脳裏に残りそうだ。見ているだけでその異様な雰囲気に背筋がぞっとする映像を、まずはここから覗いてみて。『クリーピー 偽りの隣人』は6月18日(土)より全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2016年03月22日NYを拠点に活躍する女優・小山田サユリさん。これまで、黒沢清監督『アカルイミライ』、行定勲監督『セブンス アニバーサリー』、森田芳光監督『わたし出すわ』など、日本映画界を牽引する監督作品に多く出演。2016年は、新作映画『女が眠る時』への出演、資生堂CMでのレディ・ガガとの共演など、活躍の幅を広げています。プライベートでは2015年に婚約し新生活をスタートさせた小山田さん。公私ともに充実した今に至るまで、どんな風に「自分」を育ててきたのか。小山田さんのこれまでを聞きました。実力をつけたい。その一心で、35歳で単身NYへ 都内の短大に通っていた20歳のとき、スカウトされたことをきっかけに女優の道を歩き始めた小山田さん。「地元・新潟に帰って、幼稚園の先生をしよう」と免許もとっていた矢先の、突然の転機だったと言います。「まさか自分が女優になるとは、想像もしていませんでした。華やかな競争社会に自分は絶対に向いていないと思っていましたが、目の前の仕事を一つ一つ進めていって得られる達成感が心地よく、気づけばがむしゃらに20代を過ごしていました。短期的な集中力が大切なCMの仕事、スピードが大事なテレビドラマの仕事、じっくりとものづくりを進める映画の仕事……それぞれを経験する中で映画に自分の居場所を感じられるようになり、もっと演技を学びたいという気持ちが芽生えていったんです」「このままでいいのだろうか」と足が止まったのは、30代になって数年が過ぎたころ。演技を“学んだ”経験がないことへの焦りや将来への不安から、35歳のとき文化庁新進芸術家海外派遣制度の研修員として単身渡米を決め、本場・NYの演劇学校に通うことにしたのです。これが今の小山田さんへ導く、最大のターニングポイントになります。「20代のころは『若くて透明感がある』と評価されることが多く、勢いだけで突き進んでいました。でもそんなのって、実力とは違う儚いもの。このままじゃ演技の幅が広がらない、しっかりとスキルを身に着けたいという思いが、日に日に強くなっていきました。幸運なことに、文化庁の派遣制度に応募したところ合格。9カ月間演劇学校に通い、ゼロから演劇を学びなおすことを決めました」日本で順調に仕事をしていた中での、渡米というチャレンジ。当時は英語を一切話せなかったそうですが、不安よりも「広い世界に飛び出したい」という衝動の方が大きかったと言います。「世界中から俳優を目指す人が集まり、演技を理論から実践まで体系的に学ぶ環境で、世界のレベルの高さを痛感しました。授業の半分を理解するのがやっと、言いたいことが伝えられないという環境で最初はノイローゼ気味でしたが、一方でいろんなことから解放されていく自分に気づいたんです」年齢は数字でしかない 「NYで居心地のよさを感じた理由の一つが、『私のことを、見たまま評価してくれる』ということでした。私は女優デビューが20代と比較的遅かったので、日本では演じられる役にかなり制限がありました。『この役は10代後半だから25歳の小山田はダメ』という風に、私を見ることなく履歴上の年齢だけで落とされることが何度もあり、すごく悔しかったんです。でも、NYに来たら誰も年齢のことを口にしません。私が35歳であろうと40歳であろうと、オーディションでプロデューサーが20代だと思えば役をもらえる。とてもシンプルで、ありのままの自分で勝負できるという自由さに、心も体もどんどん開放されていきました。オーディションで落ちることももちろんたくさんありますが、『実力がなかった』とすっきり前に進める。そんな経験から、年齢は数字でしかないと思えるようになりました」レディ・ガガと共演した資生堂のCMでも役の想定年齢は20歳だったものの、オーディションに行ってみると、15歳の中学生から40~50代の方まで幅広い層がいたそう。「チャンスの入口は広く、チャレンジすることに前向きな人ばかり。いくつになってもやりたいことに挑戦すればいいと思えたら、40歳の今もまだまだスタートラインに立ったばかりと思えます。世界で活躍する女優になりたいし、プロデュース業もやってみたい。30代だからこうすべき、40代になったらこうすべきといった考え方は、一切しなくなりました」スクリーンで魅せる透明感はそのまま、くるくると表情を変えながら話す小山田さん。35歳で英語もできないまま、NYで自ら厳しい環境に飛び込む……それだけを聞くと、なんて強くたくましい女性なんだろうと思いがちですが、「小さなきっかけに背中を押されただけ。無知だったから行けたんです」と笑顔を見せます。「年齢って、本当に誰も気にしないの。日本の常識が世界じゃ全然スタンダードじゃないんだ、なんだ、私は私でいいんだと思えたんです」そんな小山田さんの言葉に、聞いているこちらも、ふっと心が軽くなった気がしました。撮影:石田祥平ヘア・メイク:Hanjee スタイリング(デザイナー):Satoko Ozawa【News】小山田サユリさん出演の映画『女が眠る時』全国の映画館で公開中。作家の清水健二(西島秀俊)は、編集者の妻・綾(小山田サユリ)とともに休暇を過ごすため郊外のリゾートホテルを訪れる。そこにいた、初老の男(ビートたけし)と若く美しい女(忽那汐里)の謎めいたカップルに目を奪われた健二は、少しずつ2人に近づいていく。監督:ウェイン・ワン出演:ビートたけし、西島秀俊、忽那汐里、小山田サユリ第66回ベルリン国際映画祭パノラマ部門正式出品作品
2016年03月09日国内だけでなく海外でも高い評価を集めている日本映画を上映し、作り手たちをゲストに迎えたトークショーも楽しめる恒例イベント“ミューズ シネマ・セレクション 世界が注目する日本映画たち”が今年も19日(土)から開催される。会期中は、松尾スズキ監督、黒沢清監督、塚本晋也監督、石井裕也監督らが登場し、作品の秘話をじっくりと語る予定だ。その他の画像本イベントは、毎年、埼玉県所沢市で開催されている企画で、今回で16回目になる。今年は8作品が上映され、すべての回にゲストが登場。19日(土)の『あん』には原作者のドリアン助川が、『ぼくたちの家族』には石井裕也監督が登場。20日(日)の『滝を見にいく』には沖田修一監督が、『夢は牛のお医者さん』には時田美昭監督が、『岸辺の旅』には黒沢清監督が、21日(月・祝)の『トイレのピエタ』には松永大司監督が、『ジヌよさらば~かむろば村へ~』には松尾スズキ監督が、『野火』には塚本晋也監督が登壇する。上映後にはゲストによるサイン会が行われるのが恒例で、観客が映画の作り手たちと直で交流できるのが本イベントの最大の魅力になっており、今年も多くの映画ファンが足を運ぶことが予想される。第16回「ミューズ シネマ・セレクション 世界が注目する日本映画たち」3月19日(土)13:30~『あん』ゲスト:ドリアン助川さん(原作)16:45~『ぼくたちの家族』ゲスト:石井裕也監督3月20日(日)11:00~『滝を見にいく』ゲスト:沖田修一監督13:45~『夢は牛のお医者さん』ゲスト:時田美昭監督16:30~『岸辺の旅』ゲスト:黒沢清監督3月21日(月・祝)11:00~『トイレのピエタ』ゲスト:松永大司監督14:15~『ジヌよさらば~かむろば村へ~』ゲスト:松尾スズキ監督(大人計画)17:30~『野火』ゲスト:塚本晋也監督会場:埼玉県・所沢市民文化センター ミューズ
2016年03月08日女優・川口春奈と俳優・山崎賢人という最旬の若手2人が、映画『一週間フレンズ。』で初共演。“一フレ。ロス”なる言葉を生み出したTVアニメ、舞台に続く、葉月抹茶によるベストセラーコミックの実写映画化で、W主演を務めることが決定した。本作は、1週間で友達の記憶を失くしてしまう女子高生・藤宮香織と、そんな彼女をひたむきに想い続ける心優しい同級生・長谷祐樹の2人が織りなす、ピュアで切ない青春ラブストーリー。原作は、月刊「ガンガンJOKER」(スクウェア・エニックス刊)にて2011年~2015年春まで連載された同名漫画。その透明感あふれる世界観や繊細なタッチ、あまりに切なく泣ける物語と、魅力的なキャラクターたちが多くの支持を集め、コミックのシリーズ発売累計はこれまでに130万部を突破。2014年4月にTVアニメ化されるや、 最終回の放送後には“一フレ。ロス”となるファンが続出。さらに、同年11月には舞台化も実現するなど、話題は尽きることなく、連載終了後のいまも世代を超えて多くのファンから愛され続けている。そんな話題のコミックの“圧倒的純真”な主人公たちを、実写では誰が演じるのか、大きな注目を集めていたが、このほど『好きっていいなよ。』「金田一少年の事件簿N」などで等身大の女子高生を演じ、黒沢清監督×西島秀俊の『クリーピー偽りの隣人』にも出演する川口さんが、1週間ごとに記憶をなくしてしまう女子高生・藤宮香織役に決定。そして、ドラマ「デスノート」やNHK連続テレビ小説「まれ」のほか、『ヒロイン失格』『orangeーオレンジー』『オオカミ少女と黒王子』『四月は君の嘘』と人気コミックをリアルに体現できる俳優として話題作が相次ぐ山崎さんが、香織に思いを寄せる長谷祐樹役に決まり、W主演を務めることになった。撮影は、2015年11月14日より都内ロケにてクランクインし、オールロケにて12月16日にすでにクランクアップ。初共演でありながらも撮影初日から意気投合し、お互いに大きな信頼感をもって撮影に臨めたという2人は、約1か月にわたる撮影の日々を重ねながら、少しずつ変化していく香織と祐樹の微妙な距離感を奥深い演技で表現していたという。“自身にとって初めて挑むタイプの役柄だった”というキャラクターを、それぞれ演じきった様子の2人。“1週間ごとの記憶喪失”という、気持ちを作ることが非常に難しい役どころに全身で挑んだ川口さんは、「山崎さんとは初めてお仕事させていただきましたが、山崎さんの芝居が大好きで本当に長谷君にしか見えなくなって、自分の感情を勝手にコントロールされてるかのようで不思議な時間でした。わたしにとってすごく大切で大事な作品になりました」とコメント。役作りについては、「香織という役は本当に難しくて、過去のトラウマや病気と闘いながらも人の温かさにふれて、不安の中、前向きに生きている女の子だと思いました。だけど、決して可哀想な子だとは思わず、香織の成長物語だと思うので、気持ちの変化や表情や仕草、細かいところまで丁寧に演じようと思い没頭しました」と強い思いを覗かせた。一方、毎週月曜日になるたび、自分のことを覚えていなくても何度も何度もめげずに香織に会いに行く、そんな全力でまっすぐな男の子を熱演した山崎さん。「諦めずに、一生懸命になれば何かが変わる、思いは伝わる。そんなことを感じてもらいたいです」と意気込みを語り、「全力で走り回って、汗をかいて、空気を読むということが良いとされてる世の中で、自分で空気を変えていく。真っ直ぐで、思いやりがあり、憎めない。そんなやつになれば良いなと思い演じさせてもらいました」と役柄に込めた思いを明かした。メガホンを取ったのは、映画『赤い糸』やドラマ「1リットルの涙」など、数多くの名作を手がけてきた村上正典監督。「それぞれの役にひたむきに向き合う姿は香織と祐樹そのもので、思いやりと優しさあふれる世界観に仕上がりました。友達を想い孤独を選んだ香織と、友達のために不器用ながらも全力で汗かく祐樹の姿から、リアルな関係の温かさを改めて感じてもらえればと思います」とコメント。撮影の合間も頻繁に主演の2人と会話を交わし、緊張感がありながらも、終始穏やかなムードの現場となっていた。また、今回の映画化に際し、原作者の葉月さんは「撮影現場を見学させていただき、お2人の香織と祐樹を見ることができた経験は、いまでも大事な思い出です。どのような映画になるか私も楽しみにしております。原作を知ってくださっている方、そして未読の方にも観てよかったと思っていただけることを願っております」と激励のコメントを贈っている。孤独な香織と、いつも前向きな祐樹という対照的なキャラクターに、「川口さんと山崎さんのそれぞれが持つ“光と影”が命を吹き込んでくれる」(プロデューサー)という本作。キラキラ輝く“純度200%”のピアなラブストーリーの続報を、これからも楽しみにしていて。『一週間フレンズ。』は2017年2月、全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2016年03月02日西島秀俊が黒沢清監督と4度目のタッグを組んだ最新作『クリーピー偽りの隣人』。このほど本作が、先日の第66回ベルリン国際映画祭に続いて、第40回香港国際映画祭に正式出品されることが決定、日本映画としては初めてクロージング上映を飾ることが明らかとなった。6年前の一家失踪事件を調べる犯罪心理学者の高倉(西島秀俊)。愛する妻(竹内結子)と引っ越した先の隣人は、人の良さそうな父親と、病弱な母親、中学生の娘だった。だが、ある日、その娘が突然告げる。「あの人、お父さんじゃありません。全然知らない人です」 未解決の事件と、隣人一家の不可解な関係。2つの繋がりに隠された、恐るべき真実とは――?“奇妙な隣人”への疑惑と不安から深い闇へと引きずり込まれていく、気味の悪い(=creepy)恐怖を描いた本作。3月21日から4月4日まで開催される第40回香港国際映画祭の「Galas」部門に正式出品され、日本映画初のクロージング作品として上映されることになった。黒沢監督にとって本映画祭は、第37回(2013年)に実施されたアジアの監督たちによる短編オムニバス企画プロジェクト「ビューティフル」への参加以来、3年ぶり。同企画では自身にとって初のアクション映画『ビューティフル・ニュー・ベイエリア・プロジェクト』が上映された。また、2009年には『トウキョウソナタ』で第3回アジア・フィルム・アワードを受賞している。今回、黒沢監督は、最終日の4月4日に行われるクロージング上映前の舞台挨拶と上映後のQ&Aに出席、クロージングセレモニーへの参加も予定されている。黒沢監督はこれまでに、『トウキョウソナタ』でカンヌ国際映画祭審査員賞、『岸辺の旅』でカンヌ国際映画祭映画祭「ある視点」部門監督賞を受賞しており、次回作には初の海外作品となるタハール・ラヒム主演『ダゲレオタイプの女』が控えている。先日行われたベルリン国際映画祭では、本作を鑑賞した海外メディアから「名作『羊たちの沈黙』に匹敵し、クライマックスは予想だに出来ない!」、「平和な日常や普通の家に凶悪性を持たせる見事なカメラワーク」、「『サイコ』の犯人ノーマン・ベイツでさえ、怖がってしまう傑作!」と、多くの絶賛の声が寄せられていた本作。黒沢監督は今回の参加に際し、「ハイレベルでマニアックなシネフィルが集まり、映画を知った上で作った作品を認めてくれる香港国際映画祭の栄えあるクロージング作品に選ばれたことは、嬉しい限りです。これまでにも何度か行っていますが、人も街も楽しい香港にまた行けるぞ!と胸をときめかせています」と、喜びのコメントを寄せている。『クリーピー 偽りの隣人』は6月18日(土)より全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2016年02月25日元横浜DeNAベイスターズ監督の中畑清氏(62)が24日、都内で行われた映画『ジュラシック・ワールド』ブルーレイ&DVDリリース記念イベントに出席し、巨人やヤンキースなどで活躍した松井秀喜氏は「監督にならなきゃいけない」と語った。イベントで、"ゴジラ"の愛称で知られる松井氏が本作の魅力を語るVTRが紹介されると、中畑氏は「完璧なコメントだったね」とたたえ、「最初見た時は本当にゴジラそのものでしたよ。迫力がありましたよ」と出会った頃の印象を語った。そして、MCを務めた映画コメンテーター・LiLiCoが「松井さんはいつか監督に?」と聞くと、「ならなきゃいけないでしょ。球界に対して恩返しをするためには」と力強く答え、「どの球団でやるかっていうのは別として…ジャイアンツだと思うんですけど」と発言。「タイミングがあると思います。僕だって60歳前にやっとなれた。やりたいって言っているヤツはなかなかなれないけど、彼はやりたいってあんまり言わなかったからいつでもできる」と笑いを交えて話し、「見たいね。彼の監督の姿を」と期待した。また、各球団のキャンプを視察した中畑氏は、今年の優勝は「ソフトバンクでしょ。戦力がたまらなくすごい」と断言。セ・リーグの中では「金本(知憲)のところがおもしろいね」と阪神を挙げ、「(高橋)由伸も2、3年監督をやっているような落ち着きがある。周りをしっかり観察して、どっしり構えてやっているという怖さを感じる」と注目の巨人新監督も評価した。イベントには、大相撲初場所で日本出身力士として10年ぶりに優勝した大関・琴奨菊も出席。『ジュラシック・ワールド』ブルーレイ&DVDセット(3990円+税)は、NBCユニバーサル・エンターテイメントより2月24日発売、同時レンタル開始。TM&(C) 2014 Universal Studios & Amblin Entertainment,Inc.All Rights Reserved.
2016年02月24日『岸辺の旅』で第68回カンヌ国際映画祭「ある視点」部門の監督賞を受賞した黒沢清監督の最新作『クリーピー 偽りの隣人』が、第66回ベルリン国際映画祭に正式出品され、主演の西島秀俊をはじめ、竹内結子、香川照之、黒沢監督がワールドプレミア上映に出席。詰めかけた観客1,650人から喝采を浴びた。元刑事でいまは犯罪心理学者の高倉(西島さん)は、かつて同僚だった刑事・野上(東出昌大)から、6年前に発生した一家失踪事件の分析を依頼される。しかし、事件の唯一の生き残りである長女・早紀(川口春奈)の記憶をたどるも、核心にはたどりつけずにいた。一方、高倉が妻・康子(竹内結子)と共に最近引っ越した新居の隣人は、どこかつかみどころのない家族。病弱な妻と中学生の娘・澪をもつ人の良さそうな主人・西野(香川照之)との何気ない会話に翻弄され、困惑するばかり。そしてある日、澪が告げた言葉に、高倉は衝撃を受ける…。2月13日21時(現地時間)より、第66回ベルリン国際映画祭の「ベルリナーレ・スペシャル」部門にてワールドプレミア上映された本作。黒沢監督にとっては、第49回でフォーラム部門に出品した『ニンゲン合格』以来17年ぶりに、主演の西島さんは第52回でパノラマ部門に出品された『いたいふたり』以来14年ぶりに本映画祭へ出席。共演の竹内さん、香川さんとともに、フォトコール、記者会見、レッドカーペット、そしてワールドプレミアとなる公式上映の舞台挨拶に登壇した。ベルリンでも黒沢監督への注目度はとても高く、公式上映のチケットは売り切れに。1,650人の観客からは上映後にスタンディングオベーションが起こった。舞台挨拶で黒沢監督は「こんな気味の悪い映画を、こんな美しい会場で上映するということを決断していただいたベルリン映画祭には本当に勇気があるなと、深く感謝いたします」とコメント。また「映画の中ではかなり変な人ばかり出てくるのですが、ここに並んでいる3人の俳優は、普段はみんな紳士的で優しい人たちだということをこの場を借りて言っておきたいと思います」と話し会場を沸かせた。その発言を受けた西島さんは「香川さんはちょっとクレイジーなところがあります(笑)」と場内の爆笑を誘い、「とても大きな劇場で、入った瞬間に驚きました。観客の皆さんと一緒に映画を観て、とても楽しんで観てくれていると感じた。盛り上がりと反応の良さは、これまで感じた事が無いほどで、とても幸せな上映でした」と改めて喜びを表現した。香川さんも、ドイツ語で「皆さん、こんばんは。香川照之です。私は映画のキャラクターと同じ性格です」と自身が演じた少し不気味で奇妙な隣人に引っ掛けた挨拶で会場を盛り上げ、「これほど拍手が起きた上映は、いままでで一番かもしれません」と感想を寄せた。『クリーピー 偽りの隣人』は6月18日(土)より全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2016年02月15日『スモーク』のウェイン・ワン監督がビートたけし、西島秀俊、忽那汐里らオール日本人キャストで邦画制作に挑んだ『女が眠る時』が、第66回ベルリン国際映画祭パノラマ部門へ正式出品されることがこのほど決定。あわせてワン監督、西島さん、忽那さんがベルリンに渡航し、同映画祭に参加することが明らかとなった。作家の清水健二(西島さん)は1週間の休暇を取り、妻の綾(小山田サユリ)と共に郊外のリゾートホテルを訪れる。初めて書いた小説がヒットしたもののスランプに陥り、今後就職することが決まっていた健二は、妻との関係も倦怠期を迎え、無気力な時間を過ごしていた。滞在初日、彼はプールサイドで異様な存在感を放つ、初老の男・佐原(たけしさん)と若く美しい女性・美樹(忽那さん)のカップルに目を奪われる。その日以来、健二はホテル内で彼らを見かけるたびに後をつけ、部屋を覗き見るようになっていく。スペイン人作家ハビエル・マリアスによる短編小説「While the Woman Are Sleeping」を、『メイド・イン・マンハッタン』などの巨匠ウェイン・ワン監督が自ら日本で撮影することを提案し、初のオール日本人キャストで映画化した本作。主演を『血と骨』以来12年ぶりに自作以外での映画主演を果たすたけしさん、共演に『CUT』がヴェネチア国際映画祭にて絶賛された西島さん、オーストラリア出身で、2015年カンヌ国際映画祭にて監督賞を受賞した『黒衣の刺客』への出演など国際派女優としての期待も高い忽那さん、現在ニューヨークにて活動中の小山田サユリらが務め、予告編のイメージソングを中森明菜が担当している。そしてこのほど、本作の第66回ベルリン国際映画祭パノラマ部門への正式出品が決定。ベルリン国際映画祭は、ドイツ・ベルリンで毎年2月に開催され、カンヌ、ヴェネチアと並ぶ世界三大の映画祭のひとつ。第66回目の開催となる今年は、日本からは他にも桃井かおり監督作『火 Hee』や、黒沢清監督作であり本作と同じく西島さん出演の『クリーピー』の出品が決定している。さらにワン監督、西島さん、忽那さんの3人は現地ベルリンへ渡航し、映画祭に出席する事が決定。たけしさんはスケジュールの都合上欠席となっており、記者会見やレッドカーペットイベントなどの公式行事は2月14日、15日(現地時間)に行われる予定だ。ワン監督は過去に『スモーク』でベルリン国際映画祭銀熊賞を受賞しており、本作の国際的な評価に注目が集まりそうだ。『女が眠る時』は、2月27日(土)より全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2016年02月04日『CURE』『トウキョウソナタ』など日本国内のみならず世界中から熱狂的な支持を集める黒沢清監督が、前編フランス語で撮りあげた初の海外作品『La Femme de la Plaque Argentique』(原題)の邦題が『ダゲレオタイプの女』に決定した。職を探していたジャンは、ひょんなことから、ダゲレオタイプの写真を撮り続けている写真家・ステファンの弟子として働き始めることになる。ステファンの家では、娘のマリーが何十分も器具に固定されていて、写真の被写体としての役目を果たしている。ステファンの妻・ドゥニーズも、彼のダゲレオタイプ写真の被写体となっていたが、昔、屋敷内で首を吊って自殺してしまっていた。ドゥニーズの亡霊におびえるステファン。マリーに惹かれ始めたジャンは、マリーがドゥニーズの二の舞にならないように、彼女を屋敷の外に連れ出そうとするが――。本作は、全編フランス語で撮影され、「ダゲレオタイプ」と呼ばれる世界最初の写真撮影法を用いて肖像写真を撮影するカメラマンの家に隠された秘密と愛を描く、ホラー・ラブストーリー。主人公のジャンを演じるのは、『預言者』(ジャック・オディアール監督)『ある過去の行方』(アスガー・ファルハディ監督)『消えた声が、その名を呼ぶ』(ファティ・アキン監督)など名匠の作品への出演が続くタハール・ラヒム。ジャンが想いをよせるマリー役には『女っ気なし』などで若手女優として注目を集めるコンスタンス・ルソー、マリーの父であり、ダゲレオタイプのカメラマンであるステファンをダルデンヌ兄弟作品常連のオリヴィエ・グルメが好演している。また名優マチュー・アマルリックがステファンの友人・ヴァンサン役で出演しているのも注目だ。昨年『岸辺の旅』でカンヌ国際映画祭ある視点部門監督賞を受賞し、高い評価を得た黒沢監督。このたび挑んだ初の海外作品について、「初めてフランスで映画を撮りました。日本と何か大きく違うことがあるんじゃないかと最初は心配しましたが、杞憂でした。映画はやはり世界共通言語のようです」と撮影を振り返り、また「日本の怪談にならったホラーとラブ・ストーリーを組み合わせた物語を、フランス人スタッフもキャストもたちどころに理解し、全ての作業がスムーズに進みました」と語っている。日本の監督とフランスのスタッフ&キャストが作り上げる愛と死の物語。日本のみならず、世界中から熱い注目を集めることとなりそうだ。『ダゲレオタイプの女』は2016年秋、全国にて公開予定。(cinemacafe.net)
2016年01月25日『トウキョウソナタ』『岸辺の旅』の黒沢清監督がフランスで手がけた新作映画の邦題が『ダゲレオタイプの女』に決まり、今秋に日本で公開されることが発表になった。その他の情報新作『クリーピー』が第66回ベルリン映画祭に正式出品されるなど、世界の映画ファン・評論家から支持を集めている黒沢監督が、全編フランス語で撮影した初の海外作品が日本で公開になる。ダゲレオタイプと呼ばれる世界最初の写真撮影法を用いて肖像写真を撮影する写真家の家が舞台で、かつてここでは写真家の妻が被写体を務めていたが、その昔に彼女は首を吊って自殺をしていた。映画ではこの屋敷に秘められた過去と、愛のドラマが描かれる。ジャック・オディアール監督の『預言者』やアスガー・ファルハディ監督の『ある過去の行方』に出演したタハール・ラヒムや、ジャン=ピエール&リュック・ダルデンヌ作品の常連オリヴィエ・グルメ、マチュー・アマルリックらが出演する。黒沢監督は「初めてフランスで映画を撮りました。日本と何か大きく違うことがあるんじゃないかと最初は心配しましたが、杞憂でした。映画はやはり世界共通言語のようです。日本の怪談にならったホラーとラブ・ストーリーを組み合わせた物語を、フランス人スタッフもキャストもたちどころに理解し、すべての作業がスムーズに進みました。そして、一本の見紛うことのないフランス映画ができあがりました」と語っている。『ダゲレオタイプの女』秋、全国ロードショー
2016年01月25日西島秀俊主演のサスペンス・スリラー『クリーピー』や、また自身の主演映画『にがくてあまい』の公開を控える川口春奈が、3月26日(土)、今年で4回目となるファンイベントを開催することが決定、本人から意気込みのコメントが到着した。女優として映画やドラマ、CMなど、幅広く活躍する川口さん。今年は、西島さんや竹内結子、東出昌大ら豪華キャストによる黒沢清監督作『クリーピー』である失踪事件のカギを握る少女として出演、同作はベルリン国際映画祭に正式出品されワールドプレミア上映されることもあり、世界的な注目を集めそうだ。また、コミック累計発行部数60万部突破の大人気漫画を実写映画化する『にがくてあまい』では、ゲイ役を演じる林遣都と初共演を果たすなど、こちらも目が離せない。今回、4回目となるファンイベントでは、MCにグランジ遠山氏を迎えたトークショーのほか、毎回好評の来場者全員との握手会、およびオリジナルグッズの販売などが実施される。川口さんは「今年もみんなに直接会える機会を作ることができました!とても楽しみにしてるよ。とにかくみんなと楽しめることを思い切りやりたいと思っています!ぜひ会いに来てね待ってるよー!」とメッセージを贈っている。研音モバイルサイト「Message」では会員限定チケット先行抽選予約受付を1月29日(金)より発売、一般発売はチケットぴあ、ローソンチケットにて3月12日(土)より発売開始となる。「川口春奈ファンイベント2016」は3月26日(土)、時事通信ホールにて第一部12:30~/第二部16:30~開場、第一部13:30~/第二部17:30~開演。(text:cinemacafe.net)
2016年01月22日西島秀俊を主演にサスペンス・スリラーの名手・黒沢清監督が贈る最新作『クリーピー』がこの度、第66回ベルリン国際映画祭に正式出品されることが決定。併せて「ベルリナーレ・スペシャル」部門で行われるワールド・プレミア上映に西島さんと黒沢監督が参加することが明らかになった。元刑事でいまは犯罪心理学者の高倉(西島さん)は、かつて同僚だった刑事・野上(東出昌大)から、6年前に発生した一家失踪事件の分析を依頼される。しかし、事件の唯一の生き残りである長女・早紀(川口春奈)の記憶をたどるも、核心にはたどりつけずにいた。一方、高倉が妻・康子(竹内結子)と共に最近引っ越した新居の隣人は、どこかつかみどころのない家族。病弱な妻と中学生の娘・澪をもつ人の良さそうな主人・西野(香川照之)との何気ない会話に翻弄され、困惑するばかり。そしてある日、澪が告げた言葉に、高倉は衝撃を受ける…。日本ミステリー文学大賞「新人賞」を受賞した前川裕の小説を原作とし、不気味な隣人との接触をきっかけに、日常から深い闇へとひきずりこまれていく夫婦の姿を描いた本作。西島さんを始め竹内結子、川口春奈、東出昌大、藤野涼子、香川照之ら演技派俳優が集結している。黒沢監督にとってベルリン国際映画祭は、1999年のフォーラム部門に出品した『ニンゲン合格』(’99)以来。同作でも主演だった西島さんと共に、『クリーピー』で17 年ぶりのベルリン参加となる。同部門には過去に『レ・ミゼラブル』、『フィフティ・シェイズ・オブ・グレイ』などの話題作が過去に上映されており、日本映画は木下惠介監督の『二十四の瞳』(’05)や大島渚監督の『儀式』(’10)、山田洋次監督の『東京家族』(’13)などが上映されている。本作は、同部門の中でも特に期待された作品を上映するGala(ガラ・スクリーニング)枠となり、欧州最大規模のキャパシティ1,750席と最新の機器を備えた、世界中の国際映画祭の中でも最大級の劇場である「Friedrichstadt-Palast フリードリッヒシュタット・パラスト」で上映される予定だという。出品決定を聞いた黒沢監督は「たいへん驚いています。荒々しいスリラー映画をよくぞ選んでくれました。ベルリン映画祭ってフトコロが深いですね」と喜びを語っている。「第66回ベルリン国際映画祭」は2月11日~21日(現地時間)まで開催。『クリーピー』は6月18日(土)より全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2016年01月19日日清食品は1月18日、「日清のとんがらし麺ビッグ 激辛ジャークチキン味」(税別205円)を全国で発売する。「日清のとんがらし麺」は、唐辛子の風味がする「唐辛子練り込み麺」と辛さの中にうまみのあるスープが特徴のシリーズ。ビッグサイズでは、「突き抜けた辛さ」と話題性のあるメニューを展開している。同商品は、ジャマイカの国民食で、香辛料を利かせたソースで味付けしたチキンをローストした味わいの「ジャークチキン」をイメージしたもの。5段階中5を上回る辛さレベルとなっているが、タイム、クミンなどの香辛料を利かせることで、激辛ながらもしっかりとチキンのうまみを感じられるスープに仕立てたとのこと。別添の「超絶激辛オイル」を加えることで、シリーズ最高の辛さを楽しめるという。
2016年01月06日西島秀俊、竹内結子、香川照之らが出演する黒沢清監督による最新サスペンス『クリーピー』の撮影現場に潜入!黒沢組初のドローンを使用しての空撮が行われたほか、黒沢監督は現場で取材に応じ、4度目のタッグとなる西島さんの魅力についても語ってくれた。原作は「第15回日本ミステリー文学大賞」新人賞に輝いた前川裕のサスペンス小説。元刑事で、いまは犯罪心理学者の高倉は6年前に起きた未解決の一家失踪事件の分析と調査を開始する。私生活では妻(竹内さん)と共に一軒家に越してきたが、そこで奇妙な隣人・西野(香川さん)に出会うが…。8月1日にクランクインし、夏の暑さの中、約1か月にわたって撮影が行われた本作。お盆を少し過ぎたこの日は、東京郊外の私鉄沿線での撮影となったが、終始、蝉の鳴き声が現場に響き渡る。この日、撮影されたのは西島さん演じる高倉と昔の後輩である若き刑事で東出昌大が演じる野上が6年前の失踪事件の一家の家を訪れ、そこで一家の中で唯一、失踪を免れた少女で、川口春奈が演じる本多早紀と顔を合わせるというシーン。東出さんは現役刑事ということでこの暑さの中でもネクタイを締めたスーツ姿。西島さんもノーネクタイながらもスーツで、左手の薬指には指輪が光る。2人は、ひとりの少女を残して家主たちが消えてしまった家から、何とも奇妙な感覚を刑事ならではの勘から感じるのだが…。2人が訪れる事件の当事者の家(本多家)とその近隣の様子がドローンで空撮されたのだが、黒沢監督にとっては撮影で使用するのはもちろん、ドローンの実物を見たのも「この現場が初めて」とのこと。脚本の段階で、ドローンでの空撮を考えていたというが、そこには物語に深く関わる重要な理由が…。「映画の中で、あるひとつの地形、家の配置が物語の鍵を握っているということで、どうしても高いところから見下ろすショットが必要でした。地面に立っていると分からないけど、見下ろすと分かることがあるんです」と説明。これまでであれば、クレーンを持ち込むか、より高い建物や丘などがあるロケ場所を探す必要があったが、ドローン技術の発達で、効率的に空撮が可能となった。改めて、初のドローンによる撮影を体験し「ビックリしました。面白いものですね」と興味深そうにうなずいていた。なお、もうひとつのメインの撮影現場に関しても、家の並びが重要な意味を持つことになるが、そちらに関しては近隣の小高い丘から撮影することができたという。撮影の合間、監督は取材に応じたが、映画『ニンゲン合格』、中編ドラマ『楳図かずお恐怖劇場蟲たちの家』に続く黒沢作品での主演で、映画『LOFT ロフト』以来、久々にタッグを組む西島さんについて「いまだに変わっていない。いま、あれだけいろんな役をやって、良くも悪くもある種の“濁り”が加わっているかと思ったらクリアで、『どうとでも色を着けてください』という感じです」と評する。今回、元刑事の犯罪心理学者の主人公の役を振ったが「40代の半ばに差し掛かり、そろそろ、昔、僕の映画で役所広司さんが演じていたような役ができるのでは?という思いがあった」とも明かす。高倉の日常を侵食していく奇妙な隣人・西野を演じる香川さんも過去の黒沢作品に出演しており、近年では「MOZU」シリーズをはじめ、映画やドラマでたびたび、西島さんと香川さんの共演が見られるが、黒沢作品では初めて!「いつかは僕の映画で、この組み合わせでやってみたかった。念願の黄金コンビです」と嬉しそうに語った。物語については「ものすごい悪意と平穏で善意に満ちた日常が激突する瞬間は、撮っていて興奮する」とニヤリ。“クリーピー”は「気味が悪い」「身の毛がよだつような」という意味を持つが「薄気味悪いですよ(笑)」とタイトルそのままのゾッとするような展開が待ち受けていることを示唆し「エンターテイメントの王道としても楽しんで見られると思います」と自信をのぞかせていた。『クリーピー』は2016年6月18日(土)より公開。(text:cinemacafe.net)
2015年12月30日