「僕と帰ってこない妻」第11話。夫婦円満だと思っていたのに妻が突然子どもを連れて家出した。理由がわからない。2年前、妻が待望の妊娠し、ひどいつわりが始まった。定時に帰ろうとすると、「まだ定時だろう。周りが見えていないのか?」と上司に呼び止められるも、帰宅した。 その後、成績は悪くないのにボーナスが激減! 上司に理由聞くと、驚きの答えが……! 「僕と帰ってこない妻」第11話 「妻を理由にコンペに行かない、残業もしないそんな働き方、後輩が真似したらどうする衰退するだろうが」 これが、20万円もボーナスを減らされた理由だった。 残業できない代わりに早出して仕事をして、成績も悪くなかった。 それでも、成績より、残業をしたか、業務時間外の付き合いに参加したかどうかで評価されてしまう理不尽な世界。 上司の評価を聞いた夫は……?著者:イラストレーター ちなきち都内在住の会社員。「結局、一番怖いのは人間だよね」というテーマで、エッセイ漫画を描いています。ベビーカレンダーでは実話「その人って、本当にママ友ですか?」「夫が消えました」を短期連載。
2021年09月05日「僕と帰ってこない妻」第10話。夫婦円満だと思っていたのに妻が突然子どもを連れて家出した。理由がわからない。2年前、妻が待望の妊娠。そして、すぐにつわりが始まった。 「明日から俺も早く帰るから」 しかし、定時に帰ろうとすると、「まだ定時だろう。周りが見えていないのか?」と上司に呼び止められて……?! 「僕と帰ってこない妻」第10話 「君が帰ったところで、つわりが楽になるわけじゃないだろう」 「つわりで苦しむ嫁のために毎回旦那が寄り添っていたら社会が回らない」 そう言って、定時で帰ろうとする夫を引き止める上司。 「うちは妻も働いていて、家事くらいは力になってあげたいんです」 そう言って、定時で帰った夫。 妻を思うこの行動が、こんな仕打ちで返ってくるなんて……。著者:イラストレーター ちなきち都内在住の会社員。「結局、一番怖いのは人間だよね」というテーマで、エッセイ漫画を描いています。ベビーカレンダーでは実話「その人って、本当にママ友ですか?」「夫が消えました」を短期連載。
2021年09月04日「僕と帰ってこない妻」第9話。夫婦円満だと思っていたのに妻が突然子どもを連れて家出した。理由がわからない。会社の人たちには妻が家出したなんて言えない。妻が妊娠してからますます仕事を頑張った。なのに、雪穂はどうして家出なんか?2年前、妻が妊娠した。そのときは……。 「僕と帰ってこない妻」第9話 妻が待望の妊娠。そして、すぐにつわりが始まった。 「明日から俺も早く帰るから」 しかし翌日、定時に帰宅しようとすると上司に声をかけられた。 「まだ定時だろう。周りが見えていないのか?」 家にはつわりで苦しむ妻が待っている……。夫は帰れるのか?! 著者:イラストレーター ちなきち都内在住の会社員。「結局、一番怖いのは人間だよね」というテーマで、エッセイ漫画を描いています。ベビーカレンダーでは実話「その人って、本当にママ友ですか?」「夫が消えました」を短期連載。
2021年09月03日買い物も間違うし、掃除をお願いしたら大変なことになるし…失敗ばかりする夫。頼りなく、タイミングが悪く何かしら問題が起こるのでその尻拭いをする私はへとへと……。なんでこんなにポンコツなのかと、モヤモヤする日々を送っていました。■なんでこんなに失敗ばかりするの!?(泣)そんな夫に買い物を頼んだときのこと。これはまだましなほうです。ときには思わず叫び声をあげてしまうようなことも……。ウンチまみれになった床を綺麗にするのは私、ご近所さんに謝るのも私と、ちょっとうんざり&もやもや。■これは洒落にならない! 夫がついにやらかした!!そして、ある夏、夫が盛大にやらかしたのです……。家族で旅行に出かけたのですが、夫がホテルの予約日を間違っていたのです!泊まるところがなくなり、途方にくれるも、混んでいる夏休みに、当日になって空いているホテルなんてあるはずもありません。だけど夫は無邪気に……。確認しなかった私も悪かったのですが、子どもの心配もあってさすがに爆発してしまいました。すると夫から、近くにあるキャンプ場に泊まらないかと提案が。バーベキューができて子どもも喜んでくれ、何より泊まる場所が見つかってほっと一安心。でも、やっぱりこの人……疲れる!家族でバーベキューを楽しんでいたところ、隣から急に……。私たちにまで聞こえてくるほどの大声で奥さんと子どもを怒鳴っている旦那さんの姿を見て…。失敗ばかりな夫だけど、滅多に怒らないし、いつも機嫌がいいのです。私が彼と結婚したのは、一緒にいて心地良かったこと、周りの人を大切にしてくれるところが好きだったから…。この事件をキッカケに、私は夫の良さを見直したのでした。■読者の声:うちの夫も失敗ばかり…この漫画を旦那にも見せたい><読者からは、「うちの夫もそう!」と共感する声が多く集まりました。すーんごいわかります! いい人なんだけど…そのおっちょこちょいも可愛げと思えばいいのだろうけど、一緒にいるとそうも思えないとこが(笑)。だって後始末は私…。でも、これを読んで、私だけじゃなくて頑張ってる方々もいるんだって勇気をもらいました!この漫画を描いてくれてありがとうございます。うちだけではないんだなと、ほっとしました。自分の気持ちが代弁されてるようで、なんだか救われます(笑)。漫画だと読みやすく、旦那にも見せたいなと思うので、まだまだ連載お願いしますm(_ _)mダメにも悪意ある笑えないものと、そうでないものがありますよね。自分だけが苦しんでるんじゃないんだと思うと心が救われます。後始末するのは決まって私なので主人公の気持ちがよくわかる。なぜこの人はできないのか? なぜ尻拭いさせられてるのか? ちょっと自分が惨めな気持ちになったりするのに共感する。うちの夫のことなのかな?と思うくらい全く同じでした(笑)。なんで私が片付けたり自己処理しないといけないの? 私はあなたの家政婦でも母親でもない!と何度も思ってます(現在進行形)。■読者の声:でも優しいのがいちばん!ポンコツだけど優しい旦那さんの性格に注目する読者の方も多くいました。このご主人は一生懸命でステキです。もちろん、困ることもたくさんありそうですが、ほんわかした雰囲気で楽しい生活が送れそう。うらやましいです。ポンコツでも、性格が良くて妻と子供を大切にしてくれるのがいちばん! この人はこんな人だからしょーがない!と思えた時にふっと楽になるものですよね。まるでうちの夫を見ているようです(笑)。うちの夫もポンコツですが、引くくらい私にも息子にも優しいです。お互い足りない部分は補って行くしかないと改めて思いました。夫は優しいのがいちばんだと思う。相手が、苦手なところやできないところは、夫婦助け合いできれば…。失敗続きでもへこたれず、明るい笑顔をふりまけるご主人に好感が持てます。我が家のすぐに「鬱気味(仮)」になる夫に見習ってほしいです。私の旦那もポンコツでよく失敗して呆れてしまうことが多々あります。でもこのエピソードを読んで、私って幸せものだったんだ!と気づかされました。優しいだけで頼りないと思ってたけど、その優しさがとてもありがたいものだと知りました。素敵なお話を載せてくださりありがとうございました!!人には得手不得手があるもの。だからこそ、人生を共にする夫婦は互いを補い合える関係でいたいものです。夫婦、子育て、家族、ママ友などの実話を漫画にした連載はウーマンエキサイトで掲載されています! ▼漫画「なんでこの人と結婚したんだっけ…?失敗ばかりする夫の後始末はもうコリゴリ」
2021年08月27日婚活で約1000人の男性と出会い、年下夫を射止めたライター・かわむらあみりがお届けするコラム【結婚引き寄せ隊】連載第82回は、浮気男に悩まされている彼女が“こっそりとやってみたプチ仕返し”3つをご紹介します。1.まわりを味方につける【結婚引き寄せ隊】vol. 82やっと出会いをつかんで付き合うようになったのに、男性のほうはフワフワと、つい浮気の虫が騒いでしまうというタイプも時に存在するようです。そんな浮気男とキッパリと別れられればいいのですが、そこまでは考えられず、事実を口に出して険悪にもなりたくない。そんな女性たちがこっそりやってみた“プチ仕返し”をご紹介します。まず、ひとつめはこちら。「まわりを味方につける」ということ。そもそも、恋人同士でのいざこざは当人同士で解決できるのが一番いいのですが、そうもいかないときもあるはず。とくに男性側の浮気という、明らかに彼氏に非があるケースでは、彼女は望んでいないのに勝手に、自分以外の女性の存在が出てきてしまうのです。彼女に隠れて浮気を繰り返す彼氏もいれば、なんとなく浮気の証拠を残してしまうツメの甘いタイプなどさまざまですが、そういう男性を彼氏にした彼女でよく聞くのは、一緒にいないときの彼氏の様子をまわりから教えてもらったり忠告してもらったりした、という協力体制。浮気されたことをひとりで悩むより、思い切って相談してみると、まわりの協力も得られて、彼女も心強くなります。まわりに話すことで彼氏の悪事がバレてしまいますが、それも自業自得というところでしょうか。2.彼の歯ブラシで便器掃除彼氏の家に行くと、妙に部屋がきれいになっていたり、置いたはずの自分の荷物がなくなっていたりという経験があったという女性もいます。彼女に「あれ?なんか様子が違う」と勘づかれてしまう時点で、他の女性の影をちらつかせる彼氏はツメが甘いわけですが、そこで彼女がこっそりしたプチ仕返しは「彼の歯ブラシで便器掃除」です。彼女以外の女性を部屋にあげている形跡があるなんて、うんざりしてしまう女性も多いですが、ストレートに彼氏にそのことを話して喧嘩になっても嫌なときは、お泊まりした際に計画実行。彼氏が彼女よりも先に寝てしまった、彼氏よりも先に彼女が目が覚めたときが仕返ししやすいようです。もちろん本来はオススメできる方法ではありませんが、彼氏の歯ブラシでそっと便器を掃除して、何食わぬ顔でそのまま歯ブラシスタンドに戻しておいた、という人もいました。ポイントなのは、ガッツリと掃除してしまうと明らかに歯ブラシが汚れるので、ちょっとというところかもしれません。3.相手をつきとめる彼氏とは別れたくないものの、彼はどうやら浮気していて、それがどんな相手なのか知りたくなってしまうという女性もいます。アヤシイ彼氏の行動に一度気づいてしまうと、それからは疑惑がどんどん深まってしまい、浮気の兆候に敏感になってしまうのも仕方がありません。そんなときに、いてもたってもいられなくて、「相手をつきとめる」行動に出てしまったという人もいます。彼氏の携帯やSNSから、相手のしっぽがつかみやすいのだとか。フォロワーの中にその相手がいて、どんなメッセージを彼氏が送っているのかを確認したり、彼女と会っていない日にその相手と会っている写真がアップされていたりすることも……。さりげなく彼氏と会っているときに、その相手が話題にしている内容を会話に出すなどして、彼氏がちょっとギクっとする様子を見ると内心落ち着くということもあるよう。ここでのポイントは、相手をつきとめても決して直接対決することはないところかもしれません。恋愛していると、いつも思い通りにいくことばかりとは限らないですよね。でも、なるべくなら傷つかず、充足感のある恋ができますよう、すてきな選択ができること応援しています!文・かわむらあみり©Tony Anderson/Gettyimages©Willie B. Thomas/Gettyimages©Ivan Pantic/Gettyimages
2021年08月20日1児のママでもあるライター・かわむらあみりがお届けするコラム【ママライフばんざい!】連載第30回は、残念ながら離婚することになったかたから、身近でよく耳にしたその理由を3つご紹介します。1.何も考えずに結婚したから【ママライフばんざい!】vol. 30運命の人と出会い、そのままハッピーに暮らすこともあれば、そうではない場合もあります。年を重ねていくにつれて、離婚する人たちは増えていきます。いまは多様化の時代ですから、その人にとってよりよい人生の選択が離婚であるならば、それはそれでよいことですよね。とはいえ、よく耳にする離婚理由のひとつめは、残念ながら「勢い」。恋人同士のときは、結婚してからの「生活」がどうなるのか、あまり何も考えずに結婚してしまったということ。好きな気持ちが強くて結婚したものの、経済力のない夫に苦労したとか、義両親との関係性がうまくいかなくて、勢いで結婚したことを後悔するといったこともあるかもしれません。ただ、結婚にはいろいろなタイミングや勢いが重要ともいえるので、勢いで結婚することがよくないこととはいえません。ですが、勢いで結婚した人は、同じく、勢いで離婚してしまうというパターンも。いずれにしても、夫婦になれば、恋人同士のときのように会いたいときだけ会えばいいというスタンスではなくなりますから、勢いを持ちつつも“その後”のことをできるだけ考えておけるといいですよね。2.頼れる年上だと思っていたから同世代婚はもちろん、最近では男性が女性よりも年下というパターンも増えてきましたが、昔から一番多いパターンは、年上の男性に憧れを抱く女性です。恋人同士ならまだしも、結婚するとなると、年上のほうが経済力もあって、頼りがいがあると思いますよね。でも、それが勘違いだった…と気づいて、離婚することも。経済力があるタイプの男性は仕事に精を出しているわけで、結婚するとほとんど家にいない、子どもが生まれてもワンオペになりやすいといった特徴があります。ワンオペになっても経済力があれば、ベビーシッターや家事代行を頼める家庭もあるかもしれませんが、そこまでの余裕がある場合はそれほど多くはなく、また頼めたとしても、それで心の寂しさが満たされるわけではありません。さらに、年上=甘えられると思っていた場合、結婚してみたら全然頼りがいがないとわかったり、ほとんど妻がなんでもしてあげなくてはいけなかったり。それに年上だからといって、しっかりしているとは限りません。年下だって、頼りがいのある男性はたくさんいますので、要はその人の性格によるもの。そのことに気づいた頃には、どんどん嫌気がさしてきて、ついに離婚ということもあるようです。3.やりたいことができたから結婚して、小さな不満はあるとしても、大きな不満はとくにない、といった場合でも、だからこそふと家庭以外のことに目を向けるきっかけがあったり、結婚後に出会った人たちや環境から、何かの影響を受けることがあるかもしれません。子育てをしていて少し余裕が出てきたときに、子どもに関する仕事が何かできたらと考えたり、結婚後も続けていた仕事でやりがいのある仕事を任されて力を入れたくなったり、何かしらの向上心が芽生えることもあるでしょう。いまは妻が家でじっと夫を待つという家庭のスタイルはほとんど少なくなってきていますし、妻のほうでもやりたいことができたからと、独り身になると気兼ねなく興味のある分野へと向かっていきやすいと考えるところもあるようです。離婚の理由は家庭によってもさまざまですが、もしまだ独身なら、将来の夫を今後見極める参考に、既婚なら我が振り直す参考にしてみてくださいね。みなさんがこれから、すてきなパートナーとよいママライフが送れますように!文・かわむらあみり©JGI/Jamie Grill/Gettyimages©Con Tanasiuk/Gettyimages©A. Chederros/Gettyimages
2021年07月26日元テレビ誌編集者で、地上波では全クールの作品&動画配信のドラマなどもチェックしている、テレビウォッチャーでライター・エディター・コラムニストのかわむらあみりです。今回から、毎月1本、注目のドラマをお届けする【テレビっ子の窓】をお届けします。連載第1回は、『コントが始まる』をオススメします。「マクベス」と仲間が選んだもの【テレビっ子の窓】vol. 1現在放送中の菅田将暉さんが主演する土曜ドラマ『コントが始まる』(日本テレビ系 毎週土曜 午後10時)は、同枠で2019年10月期に放送された『俺の話は長い』で「第38回向田邦子賞」を受賞した、金子茂樹さんによるオリジナル脚本の青春群像劇です。ドラマでは、高岩春斗(菅田)、朝吹瞬太(神木隆之介)、美濃輪潤平(仲野太賀)が、売れないお笑い芸人のトリオ「マクベス」を演じています。そんなマクベスがネタ作りにいつも集まるファミリーレストラン『メイクシラーズ』のウェイトレス、中浜里穂子(有村)と妹のつむぎ(古川)とともに、姉妹はマクベスの3人と次第に縁が深まっていきました。6月12日放送の第9話は、コント『結婚の挨拶』。ステージには、プロレス実況役の春斗、チャラい若者役の瞬太、頑固オヤジ役の潤平がコタツを囲みます。春斗が実況する中、雲行き怪しい結婚の挨拶は「娘さんと結婚したいんすけど」という瞬太。マクベスによるコントの前フリが始まります。里穂子とつむぎの就職祝いのため、マクベス開幕の聖地「ポンペイ」に集まる春斗たち。潤平は奈津美(芳根京子)とともに参加していましたが、奈津美の実家への挨拶を控えて緊張気味。さらに潤平は、奈津美の元彼氏で新進気鋭の実業家として活躍する小林勇馬(浅香航大)とのこじれた関係が気がかり。一方、春斗は、ひきこもりを脱して印刷会社で働くようになった兄の俊春(毎熊克哉)と再会。そして、春斗と瞬太は高校の担任の真壁(鈴木浩介)の家にバーベキューに招待され、真壁の息子の太一から「夢」について、ある問いかけをされるのですが……。若者たちのリアルな感情を繊細に描く毎回、ドラマの冒頭はマクベスのコントから始まり、そのコントが残りの物語の重要な伏線としてつながっていくという、異例の構成で繰り広げられる『コントが始まる』。菅田さん、有村さん、神木さん、仲野さんという、実際に全員が93年生まれという同世代俳優のみなさんが、実年齢と同じ28歳の役を演じるのも興味深いところです。また、劇中で有村さんの妹役を演じる古川琴音さんは現在、24歳。この20代の5人のキャストが、現代の若者の生きざまを体現。人生の岐路に立つ若者たちのリアルな感情の揺れを巧みに描いている点が、このドラマの魅力です。これまで今作を観続けている視聴者のみなさんはもちろん、観ていない方にもおすすめしたい理由はいろいろありますが、まずひとつはマクベスや彼らを取り巻く人たちの言動が人生を見つめるヒントになっていること。苦悩の末、解散することになった、マクベスの3人。偶然入った居酒屋でマクベスと出会い、後にマネージャーとなった楠木実籾(中村倫也)。里穂子からのふとしたひと言で、本当に芸能事務所のマネージャーを志望して就職したつむぎ。会社案内のパンフレットに見事な生花が飾ってあったことで、会社を選んだ里穂子。マクベスの3人も思い描く未来をつかむために闘っていましたが、彼らと関わり合うなかで、まわりの人たちもそれぞれがちょっとした瞬間の行動やふいの言葉にヒントを得て、前へ進んでいきます。わたしたちにも、ありますよね。うんと思い悩んでいる最中に答えを出せないのに、ふとしたきっかけで、まったく違うギアが入ること。生きることに不器用な人たちばかりが登場するからこそ愛らしく、今作を観ていると、共感できる場面がたくさんあるように感じます。また、マクベスの大ファンである里穂子のオタクっぷりにも注目。当初、働いていたファミレスに集まる彼らがいるため仕事に精を出すようになり、さらには隣のマンションに彼らが住んでいることを知り、1週間かけて自力で彼らが「マクベス」という名前のお笑い芸人であることを突き止めます。以降は何かとマクベスを心の支えにし、マクベスの名付け親の奈津美と一緒に記念撮影したり、マネージャーの楠木から、マクベスの第1回単独ライブのチラシをもらって「一生の宝にします!」と歓喜したり(2回以降の単独ライブのチラシもおねだり)。大阪出身でお笑いが大好きな筆者は、ダウンタウンさんが好きで学生時代によく劇場へ足を運んでいましたが(菅田さんも大のダウンタウンさん好きなことは知られていますが)、『コントが始まる』はお笑い芸人がメインとなるドラマというだけでも大変興味をそそられましたし、冒頭のコントが物語にも絡んでくるなんて、金子さんの脚本にうなるばかりなうえ、演技力の高いキャストがそろい、見どころしかありません。さて、これから最終回に向けて、いよいよ壊れた過去に向き合い、止まっていた時間が動き出します。マクベスの解散ライブまで、残りわずかとなりました。夢に敗れた若者たちの先にあるものは、いったいなんなのか。見逃せない展開となる『コントが始まる』。彼らの喜劇的な人生を、あなたも一緒に見守りませんか。Information出演:菅田将暉、有村架純、仲野太賀、古川琴音、神木隆之介ほか脚本:金子茂樹演出:猪股隆一、金井紘(storyboard)、瀬野尾 一(トータルメディアコミュニケーション)チーフプロデューサー:池田健司プロデューサー:福井雄太、松山雅則(トータルメディアコミュニケーション)主題歌:あいみょん「愛を知るまでは」(unBORDE / Warner Music Japan)制作協力:トータルメディアコミュニケーション製作著作:日本テレビ©日本テレビ文・かわむらあみり文・かわむらあみり
2021年06月12日■前回のあらすじ明日香にいくら電話しても応答がない…。そんなとき連絡が来たのはテニス仲間だった愛ちゃん。そのメッセージを見て自分が明日香にしてしまった仕打ちの酷さに気がつくのだが…。家から姿を消していた妻の明日香。しかし義母からの連絡で、明日香の実家にいることがわかりました。これまで明日香は、仕事で大変だったときも、妊娠中のツラいときも実家を頼ることはありませんでした。よく「お母さんは心配性だから…」が口癖だった明日香なので、今回も実家以外ばかり考えていたのです。でもようやく無事が確認できて、急いで迎えに行くと、そこには冷たい表情の明日香が待っていました。てっきり僕は、毎日飲みに出かけたり、テニスに行っていることを怒っているのだと思っていました。そしてもしかしたら愛ちゃんとのことを疑っているのかも…なんて考えていた僕は本当に明日香の気持ちを理解していませんでした。僕にとってはたかがメッセージで呟いただけのこと。でも僕の何気ないたった数文字の言葉は、明日香のそれまでの頑張りを否定するものだったことすら気づいていませんでした。先ほど電話で明日香のことを知らせてくれた義母は、僕を責めるどころかとても心配そうに声をかけてくれて…。僕は自分のことばかりで、明日香の気持ちを何もわかってなかったのです。明日香ははじめての育児に家事に必死でやっていたのに、僕はかまってくれないといじけてた。ただの子どもです…。僕はお父さんになれてなかったんです。この後、お義母さんの助言もあり、お互いの気持ちを話し合うことができました。おそらくはじめはほんの少しのすれ違いだったはず。でもお互いに言葉にせずに、相手が気づいてくれないことにいら立って、どんどん溝が深まってしまっていたことに気づきました。お互いに理解するためには、心の声を言葉にすることも大切なんだと学びました。仕事をするなかで、できる範囲で僕が家事や育児を行うことはもちろん、何事にも手が抜けず自分をより追い込んでいた明日香のために、まずはロボット掃除機と食洗器を購入することに。土曜日の朝は僕が早く起きてひまりのことを見ると約束したことで、僕としても念願の金曜日の夜に少しの時間でもふたりで過ごすことができるようにしました。少しずつではあるけれど、家族の問題と向き合い、再構築して行きたいと思います。※この漫画は実話をべースにしたフィクションです原案・ウーマンエキサイト編集部/脚本・ まるこ /イラスト・ ふくみみ
2021年04月16日婚活で約1000人の男性と出会い、年下夫を射止めたライター・かわむらあみりがお届けするコラム【結婚引き寄せ隊】連載第60回は、自分が本命彼女だと思っていたら、他にもいたというゾッとした女性のエピソードを3つご紹介します。1.突然彼の家に行くと中に入れてもらえない女性【結婚引き寄せ隊】vol. 60出会いを探した末、すてきなパートナーを見つけて恋愛中にもかかわらず、自分が本命彼女だとばかり思っていたら実は、浮気をされていたほうだったなんて知った日には愕然としてしまうと思いませんか。今回はそんな女性のお話をご紹介していきましょう。それはイケメンの彼氏がいる20代のAさんのこと。つきあって1年というふたりは、同世代だけあってぶつかるときも多いものの、ケンカしてもしばらくするとまた仲直りするという日々が続いていたそうです。付き合い当初は、「何月何日はどこそこへデートに行こう」と、日付を決めて会っていましたが、いまではなんとなくお互いの家を行き来して、そのときの気分でぶらりと出かける感じだそう。そんなある休日の昼下がり、彼の家がある駅の近くに用事があった彼女は、「そういえば今日はどうしているのかな」と、思い立って彼の家に行ってみました。ピンポーン。玄関カメラには、彼女の姿が映っているはずですが、返事はありません。「おかしいな……」と思い何度もピンポーンと押しても応答なし。彼女は、スマホを取り出し電話すると、部屋の中から聞き覚えのある着信音がするではありませんか。あれ?と思ったとき、ガチャっとドアを開いたら渋い顔をした彼がそこに立っていたそうです。でも、しっかりとドアチェーンはしたまま。なぜチェーンをかけているのか、中に入れないのか聞いても、「とにかく今日は都合が悪いから帰ってくれ」の一点張り。妙な気配を感じたものの、中の様子を窺い知ることはできなかったAさん。数日後、彼の友人から、「この前彼女が部屋にいたらしいよ」と聞かされたAさん。なんと、知らない間にAさんとは「うまくいっていないから別れた」ことになっていて、新しい彼女に乗り換えていただことが判明。衝撃的な事実に愕然としたAさんですが、きちんと別れも告げずに新しい女性を部屋に引っ張り込むような不誠実な男性なんて、別れて正解だなと思ったのでした。2.仕事と聞いていた日に彼を見かけた女性30代前半のBさんは、同じ会社の別の部署で働く彼氏と付き合って、半年ほど経っていました。バリバリと働く少し年上の彼氏のことをずっと見ていて、憧れていたBさんは、会うたびに彼が「かわいいね」と言ってくれる言葉がとてもうれしかったそうです。あるとき、デートの約束をしてた週末に「仕事が入っちゃってゴメン!」と、直前になってドタキャンされたBさん。ですが、彼の仕事の忙しさを遠くからでもわかっているつもりだったので、そういうときにワガママを言って困らせてはいけないと思い、笑顔で「がんばってね」と応援していました。デートのはずだった日、一緒に行くはずだったお店に、時間もあるしひとりでランチに行ってみようと思い立ったBさん。お店は混んでいて、予約していないと入れない状態。あきらめて、やっぱり今度彼氏とふたりで来たらいいかと思っていたBさんですが、店を後にしようとふと店内を何気なく見回したとき、遠目にも彼氏だとわかる男性が奥の席で女性とふたり、仲良く食事をしているではありませんか。見間違いではないかと何度も見直したものの、どこからどう見ても、彼氏にしか見えません。浮気されているとショックを受けたBさんですが、聞かずにはいられないと、後日彼にそのことを話すと、「ああ、彼女だよ」とあっけらかんと返事する彼。「え? 一度でも付き合おうって言ったっけ?」と逆ギレされそうになり、よく考えたら、「かわいい」と甘い言葉を吐くものの、付き合おうとか、他の友人に紹介されるとか、そういったことがまったくありませんでした。しかも「社内だから秘密にしようね」と言われて、仕事上の理由だと思っていたものの、実は本命彼女が他にいたという事実に打ちひしがれたBさんは、同期の友人たちになぐさめられてなんとか失恋を乗り越えたそうです。こういう男性って、最悪ですよね。3.実はいっぱいいる「一番」のひとりだった女性アラサーのCさんは、婚活で出会ったエリートサラリーマンと意気投合し、正式に付き合うことにしたそうで、楽しく毎日を過ごしていました。なんでも仕事柄、海外に行くこともあるという彼氏は、月の半分ぐらいしか日本にいないので、会える時間が限られているのだとか。もっと一緒にいられればいいのにと思うCさんでしたが、「もうちょっとしたら仕事が落ち着くから」という彼の言葉を信じて、そして挨拶代わりのようにいつも彼が言ってくれる「君が一番だよ」という甘いささやきに酔いしれ、会えない時間も我慢していました。そんなある日、彼と出会った婚活にCさんと同じように参加していて連絡先を交換していた女性から、合コンのお誘いが。「ごめん、実はあのときに出会った男性と付き合っていて……」と話すと、「え!」 私も口説かれて、君が一番だよって言われたよ!何度か参加している人に聞いたら、あの人いろいろな女性を口説いて、みんなに一番って言ってるらしいからすぐ縁を切ったほうがいいよ!」と衝撃的な事実が。よく考えたら、もしかすると月に半分は海外へ行っているという彼の話も、疑ってしまうCさん。それからほどなくして、“みんなに一番男”とはスッパリと別れたのでした。恋活や婚活をしていると、いろいろなタイプの男性に会うこともあるかもしれません。さまざまな人たちとの出会いを糧に、みなさんもよりいっそうの良い出会いがありますように!©sasacvetkovic33/Gettyimages©LuckyBusiness/Gettyimages©skynesher/Gettyimages
2020年12月29日家族とちょっとしたことでケンカしてしまった時、あなたはどんな風に仲直りしていますか。ケンカ中に顔を合わせると、つい気まずくなって謝るタイミングを逃してしまうこともありますよね。ケンカ中の妻からのメッセージある男性がTwitterへ投稿した1枚が、「吹いた」「最高」とネット上で話題になっています。ある日、妻とケンカをしてしまったという投稿者(@JZX90Masaya)さん。翌日、投稿者さんは昼ご飯を食べるため弁当箱を開けてみると…!妻の手作り弁当のご飯には、大きなくそという文字が!昨日のケンカの腹いせでしょうか…たった2文字の中にも、妻の強い意志を感じます。インパクトが強すぎるお弁当に驚きを隠せない投稿者さん。「ご飯を海苔で食べるのか…」と残念に思いながらご飯の中を見てみると…!下にお肉隠れてましたやっぱり好きだぞ嫁 pic.twitter.com/Y4K3dzWVQJ — 盆栽Mk-Ⅱ 二桁会【にけたかい】 (@JZX90Masaya) December 2, 2020 肉隠れてたッ…!!ご飯の中にはなんとお肉が隠れていました!ケンカをしても弁当を作ってくれる優しさ、そして「くそ」という文字の下にお肉が隠れている工夫は、まさに愛。ネット上では、投稿を見た人から「同じような経験がある」という声が続出しています。・インパクトがすごい…!私も夫とケンカした時、昆布で同じことをやりました!・昔亡くなった母親とケンカした時、弁当に500円玉が貼りつけられていたのを思い出しました…。・思わず吹き出してしまいました!この海苔を切るのに時間かかってると思うと、愛のある奥様ですね。手作り弁当は、そもそも『愛情』がなければ作ってあげようと思わないものです。「くそ」と書かれた弁当でも残さず食べて、笑顔で「ごちそうさま」と伝えることで、仲直りのきっかけになるかもしれませんね![文・構成/grape編集部]
2020年12月07日2020年12月1日放送のバラエティ番組『華丸大吉&千鳥のテッパンいただきます!』(フジテレビ系)では、視聴者の女性が体験した『夫の頭にくる行動』について特集。同番組のMCを務める、お笑いコンビ『博多華丸・大吉』の博多大吉さんも、妻を怒らせた自身のエピソードを披露しました。うちの妻はほとんど怒らないんですけど、1回だけスーパーでキレられたことがあって。それが、(妻が)カートを押してる時で、僕はフラフラしてたの。ある日、「ちょっと来い」って呼ばれて。「周り見てみろ。夫婦、カップルで来てる人で、女がカート押してるのうちだけばい!」って。「ジャスコの中でうちだけばい!!」って。「恥ずかしいけん、代わって!」っていわれて。華丸大吉&千鳥のテッパンいただきます!ーより引用妻の主張に、大吉さんは「なるほど!」と思い、それからはカートを押すようにしているそうです。大吉さんのエピソードに、視聴者からはさまざまな声が上がりました。・うちの夫も、買い物中にフラフラいなくなって、不必要なものを持ってきます。「子供じゃないんだからさぁ…」って毎回イライラする。・カートを持つのはどっちでもいいけど、「何が必要か」「今週は何を食べたいか」とか、話し合いながら買い物をしたい。・妻のお願いをちゃんと受け止めて、改善してくれる大吉さん素敵です!・「ジャスコの中でうちだけばい!」に笑ってしまった。カートを押すのは男性の仕事というわけではありませんが、「一緒に何を買う必要があるか、話し合いながら買い物をしたい」という人は多いようです。また、「恥ずかしいから」と正直な気持ちをいわれたことで、初めて妻の不満に気が付いた大吉さん。お互いに不満に思ったことは、すぐに相手に伝えることが大切なのかもしれません。[文・構成/grape編集部]
2020年12月02日愛するパートナーの匂いは、落ち着くものですよね。しかし、そんな相手に見知らぬ匂いがついていると、何をしていたのかと不安になってしまいます。妻から知らない匂いがこれはまさか…男性がTwitterに投稿したエピソードが、反響を呼んでいます。ある日、投稿者(@hrtoshika0101)さんは、妻からいつもはしない『匂い』がすることに気が付きます。嫁からオッサンの匂いがする…。なぜか『オッサンの匂い』がする妻。投稿者さんは不安な気持ちになり、恐るおそる妻に「何をしてたの…?」と聞いてみます。※画像はイメージすると、妻から返ってきた答えが…。あなたの布団で昼寝してた。本当にあった怖い話なんだけど、嫁からオッサンの臭いがしたので、心配になってそれとなく「何してたの?」って聞いてみたら、「あなたの布団で昼寝してた」とのことでした。— 魂動(こどう) (@hrtoshika0101) November 25, 2020 いや、俺かいッ!!なんと、妻からする『おじさんの匂い』の正体は、自分自身の体臭…!どうやら投稿者さんの布団で眠ったことで、妻に匂いがついたようです。投稿者さんは、自分の匂いを受け止め切れていないようですが、指摘してくれた妻には感謝しているそう。ネット上ではこのエピソードに爆笑してしまう人が続出しました!・笑ってしまいました!私も妻に思われているかも…。気を付けます。・面白すぎます…!でもいいにくいことを指摘してくれるパートナーって大事ですね。・夫の布団で昼寝するなんて、かわいらしいですね…!いいづらいことも共有できるのは、パートナーとの信頼関係があってこそです。投稿のように、相手に指摘する時はちょっとした笑いを交えていってあげるといいのかもしれませんね。[文・構成/grape編集部]
2020年11月30日『腐女子、うっかりゲイに告る。』など、斬新かつ良質なドラマを作り出しているNHKの「よるドラ」枠。その新作『彼女が成仏できない理由』は、外国人留学生と彼の部屋に住み着いていた幽霊との恋模様あり、謎解きありの一風変わった物語。留学生エーミン役の森崎ウィンさんは、この役柄に並々ならぬ思い入れがあるようだが、それもそのはず。「エーミンはミャンマー人。その役をミャンマー人である僕が演じられるのは、この上なく嬉しいこと。これまでタイ人やベトナム人の役はやったことがありますが、ミャンマー人の役は今回が初めて。それも全国放送のNHKで主演の一人として演じられるなんて!ずっと抱いていた、エンターテインメントを通してミャンマーを知ってもらいたいという夢が、このドラマで一つ叶えられたのかなと思うと、とても幸せです」と言うように、劇中には森崎さん発の、ミャンマー人役ならではの細かな描写がそこかしこに。「仏壇に足を向けて寝ないとか、目上の方には必ず敬語で話すとか。台本には敬語ナシで年上の人と話すセリフもありましたが、ミャンマーの国民性を説明して、敬語に変えてもらいました。今作ではミャンマー語で故郷のおばあちゃんに思いを吐露するシーンもあります。僕自身、ミャンマーに大切なおばあちゃんがいるので、自分と重なり、演じていて熱い思いがこみ上げてきましたね」森崎さん演じるエーミンは、子どもの頃から漫画家になることをまっすぐ夢見て日本に勉強をしに来た、とってもピュアな青年。澄んだ瞳を持つ森崎さんは、まさに適役といえそうだ。撮影現場では、隙あらば周囲の人にちょっかいを出す姿から、幽霊役の高城れにさんに「5歳児みたい(笑)」と評されたようだが…。「釈明させてください!自粛期間があって、撮影開始がずれ込んだあとの現場だったので、幸福感がうわーっと溢れてしまって(笑)。普段の僕は、30歳にもなりましたし、自分の発言に対する責任感とか周りからどう見られているのかなど、前に比べたら考えるようになりました。一方で、ありのままの自分を臆せず提示するという意味で、どんどん素直になっている部分もあります。エーミンとは少し違いますが、そういう素直さや純粋さは、年齢を重ねてもなくさずにいたいですね」今作は人間と幽霊という関係上、大切に思いながらも近づけない二人のラブコメディ。台本はコロナ禍以前にあがっていたが「今の状況とリンクを感じる」と森崎さん。「この物語はファンタジー。でも自粛期間を経て人と触れ合えない経験を多くの人がしたからこそ、二人の関係も身近に感じるはず。キュートなドラマですが、人との距離感についても改めて考えられる作品になっていると信じています」『彼女が成仏できない理由』森崎さんと、ももいろクローバーZの高城れにさんのW主演。漫画家志望のミャンマー人エーミン(森崎)と幽霊の玲(高城)との恋、さらに玲が成仏できない理由とは?NHK総合にて毎週土曜23:30~放送中。全6回。©NHKもりさき・うぃん1990年8月20日生まれ、ミャンマー出身。小学4年生の時に日本へ。映画『レディ・プレイヤー1』でハリウッドデビュー。ソロ歌手としても活動中。ブルゾン¥138,000(チンクワンタ TEL:050・5218・3859)シャツ¥42,000(カンタータ/カルネ TEL:03・6407・1847)パンツ¥23,000(ヨシオクボ TEL:03・3794・4037)※『anan』2020年9月23日号より。写真・内山めぐみスタイリスト・森田晃嘉ヘア&メイク・KEIKOインタビュー、文・保手濱奈美(by anan編集部)
2020年09月17日「ムーミン」をモチーフにしたドリンクスタンド「ムーミンスタンド」から、秋限定ドリンクが登場。「むらさき芋プリンミルク」&「えびすカボチャミルク」が、2020年9月18日(金)より期間限定発売される。「ムーミンスタンド」の秋限定ドリンクは、ハロウィンを思わせる鮮やかなビジュアルが特徴の2種類。「むらさき芋プリンミルク」は、沖縄県産のむらさき芋ペーストを使用したこっくり甘いドリンクと、とろりとしたカスタードプリンの二層から成るドリンク。口にふくむとむらさき芋ドリンクとプリンが混ざり合い、“むらさき芋プリン”のような味わいを楽しむことができる。「えびすカボチャミルク」は、北海道産えびすカボチャペースト入りのミルクに、チョコレートソースを添えたドリンク。濃厚なチョコレートの味わいが、かぼちゃの素朴な風味を引きたててくれる。どちらのドリンクにも、もっちりキャラメル味の“ニョロニョロのたね”をトッピング。また「ニョロニョロ」をモチーフにしたストローも付いてくる。【詳細】「ムーミンスタンド」秋限定ドリンク提供期間:2020年9月18日(金)~販売店舗:ムーミンスタンド コピス吉祥寺店、ランドマークプラザ店、サンシャインシティ店、浅草店、名古屋mozoワンダーシティ店、イオンモール岡崎店、土岐プレミアム・アウトレット店、天王寺ミオ店、神戸ハーバーランドumie店、イオンモール広島府中店、キャナルシティ博多店・むらさき芋プリンミルク(COLD) Rサイズ 667円+税・Lサイズ 787円+税・えびすカボチャミルク(COLD) Rサイズ 556円+税・Lサイズ 676円+税※ニョロニョロストローが付属。
2020年09月14日婚活で約1000人の男性と出会い、年下夫を射止めたライター・かわむらあみりがお届けするコラム【結婚引き寄せ隊】連載第47回は、本命女性になるための心がけ3つをお届けします。1. まわりの人たちに気遣いができる【結婚引き寄せ隊】vol. 47出会いを探していても、なかなかうまくいかないこともありますよね。そんなときに振り返ってほしいのは、いつもの自分で大丈夫? ということ。好きな人と付き合える女性というのは、性別関係なく人として素晴らしい魅力があるはず。では、どんな部分に多くの人は惹かれるのでしょう。男性の声を聞いてみました。1つめは、なんといっても、やっぱり“気遣いのできる女性”は、人気が高いものです。何か困っている様子を見たら、「何か手伝いましょうか?」とすすんで声をかけたり、押し付けがましくなく自然にサポートしてくれたりすると、相手に対する好感度がグッと上昇。気遣いができるということは、よくまわりのことを見ている人ともいえ、それは場の空気を読むことができる女性でもあります。そういった人は、恋愛に限らず、ビジネスシーンにおいても重宝される存在であることが多いはず。誰だって、優しくしてくれたり、サポートしてくれたりすると、うれしいですよね。そういうことがあると、「すてきだな」と好印象となり、心を掴むことができるのです。信頼関係を築くことができれば、本命彼女への近道となるでしょう。2. 外見だけでなく会話も好み“気遣いができる”といった性格の良さはもちろんですが、なんだかんだいって「外見が好みかどうか」もポイント。女性のほうでも、性格が良いならベストだけれど、やっぱりイケメンならなお良しと思うのと同じ感覚ですね。だからこそ、お気に入りの男性と会うときは、めいっぱいおしゃれをして出かけることがあるはず。ですが、ここで意外な落とし穴が待っています。それは、たとえ外見を装っていても、“会話をしているときの様子”も重要だということ。たとえ外見が相手の好みでも、いざ話してみると、ちょっとだらしない話し方だったり言葉が乱暴的だったりすると、あまり本命にしたいとは思わないものです。むしろ、流行のファッションに身をつつみ、おしゃれであるほど、外見はいいのに「話し方がちょっと……」とそのギャップが浮き彫りになってしまいます。とはいえ、なんでも相手に合わせて会話すればいいのではありません。お互いにムリをしなくても、自然体で話ができるのが理想です。心地よく話ができる人を目指したいですね。3. 意思表示してくれる女性を「自分の色に染めたい」という亭主関白タイプの男性はさておき、いまの時代はだいたいの男性が、一緒に肩を並べて歩けるような女性が気楽で良いようです。とにかく女性は黙って男性のあとをついていく……という時代ではなく、女性側も、きちんと意見が言えるほうがベストだといえそう。たとえば、言いたいことを言わずに、ひたすら“察してよオーラ”を出す女性は面倒くさい印象を男性に与えます。また、一緒に食事に行ったとしても「何が食べたい?」と聞いているのに「なんでもいいよ」と言っておいて、あとで「やっぱりが良かったかな」と言い出すなど、遠慮しているのかワガママなのかわかりにくい女性は扱いづらく、男性はニガテです。何をしたいのか、どう思っているのか、ある程度は意思表示したほうが、相手にとってもわかりやすいですし、気を遣いすぎなくていいですよね。それに、あまり意思表示のない女性は、一歩間違えると“都合のいい女”になってしまうことも。思っていることはきちんと言葉にして伝えましょう。出会いを探していると、思いがけずいろいろなタイプの人たちに会うこともあるかもしれません。気になる男性の本命彼女になって、すてきな恋愛をしてくださいね。©pixelfit/Gettyimages©Astarot/Gettyimages©ZoneCreative/Gettyimages
2020年08月30日9月にNHKにて放送予定のドラマ「彼女が成仏できない理由」の制作が決定。森崎ウィンと「ももいろクローバーZ」高城れにがW主演を務める。ミャンマーの青年エーミンは、日本の漫画に憧れ、漫画家になるため念願だった日本への漫画留学をすることに。限られた留学資金をもとにアパート探しをはじめ、激安物件を発見し即決。しかし、築40年程の古いアパートの周りには、一癖も二癖もある訳アリな住人たちが。そして何より、エーミンの部屋には色白で黒髪の幽霊がいて…。本作は、外国人留学生と部屋に住み着いた幽霊が織りなす、ちょっと切ないビターテイストラブコメディー。『レディ・プレイヤー1』への出演が話題となった森崎さんが留学生のエーミン、高城さんが幽霊・小鳥遊玲を演じ、W主演。「このドラマの主人公・エーミンを演じるために、僕は生まれてきたような気がしてなりません」と語る森崎さんは、「このドラマに出会えて心から感謝しています。とにかくたくさんの方に届けられるよう、精一杯演じさせていただきます」と撮影へ意気込み。一方、高城さんは「出演が決まった瞬間は、本当に本当に嬉しくて撮影が始まる何か月も前からドキドキでした!」と出演決定時の心境を明かし、「初めてのことだらけで不安や緊張ももちろんありますが、全身全霊をかけて素敵な作品が作れたらいいなと思います!みなさんにお届けできるまで楽しみに待っていてください!」とコメントを寄せている。主演の2人のほかにも、連続テレビ小説「ごちそうさん」、「陸王」の和田正人や、「テセウスの船」での演技が話題となった子役・白鳥玉季、村上穂乃佳、中島広稀、高橋努、ブラザートム、古舘寛治も出演する。「彼女が成仏できない理由」は9月12日(土)23時30分~NHK総合にてスタート(全6回)。(cinemacafe.net)
2020年06月23日カレがあなたの夢を応援してくれないとしたら、どう思いますか?こんにちは、ライターのともしどです。仕事や学業など、将来頑張りたいことってありますよね。でも、男性がモヤモヤとした気分になって素直に応援できない場合もあるのだとか。それって彼女として悲しいですよね・・・。そこで今回は、男性が彼女の夢を応援できない理由についてリサーチしてきました!■1.負けそうで怖い「やっぱり男性の立場としては、彼女には仕事で負けたくないですよね。とくに、収入面では絶対に負けたくないです。順調に出世していっている彼女を見ていると、ジェラシーを感じてしまいますね。」(飲食業/27歳/男性)男性には、「男たるもの、女性を経済的に支えるものだ!」というような気構えがあるのでしょう。「プライド」というものなのかもしれません。また、彼氏に「収入の高さ」を求める女性も多いもの。「しっかり俺が稼がなきゃ・・・」というプレッシャーを背負って生きているのでしょう。ただ、だからといって彼女を応援できないというのは考えものですよね。互いに切磋琢磨しつつ、お互いに成長できる関係を築くために、しっかりお互いの将来について話し合いましょう。■2.遠くに行ってほしくない「頑張っている彼女のことは『すごいな』と思いますが、遠くに行ってしまうのではないかという不安も同時に大きくなっていきます。できれば将来的には家庭に入ってもらいたいですし・・・。」(営業/25歳/男性)夢に向かって進んでいれば、その過程の中で環境の変化が次々と起こるはずです。それに伴い、カレとの距離が開いてしまうこともあるでしょう。とはいえ、世の理は諸行無常なので、それは仕方のないことだと思います。また、カレが本当に「あなたとの関係を続けること」を望んでいるならば、カレのほうからも歩み寄ってくれるべきですよね。一方的に、「こうしてくれ」と言うのは、よくありません。■3.浮気されそう「行動力のある女の子は、それだけ多くの男性との接点がありますよね。『浮気なんてありえない』と彼女は言ってくれていますが、それを全面的に信頼することはできません。」(販売業/23歳/男性)「浮気されそう」というのは、「自信のなさ」の表れです。とくに若い男性は、会社の中でも自身の立場が確立されていないことも多いので、その傾向が強いと思います。その場合には、安心してもらうために、カレへの気持ちを示してあげてください。■4.かまってほしい「夢に向かって努力している女性は忙しいので、なかなか会う時間を取れなくて・・・。ボクはできるだけ多く会いたいと思うタイプなので、欲求不満になってしまいますね。」(大学生/21歳/男性)忙しくて会えないというのは、仕方のないことだと思います。そこはカレに我慢してもらうほかありません。とくに高校性、大学生の女性には、「そのときにしかできないこと」もあります。それをカレのためにやらずに終わるのは、もったいないです。カレとの時間も作りつつ、上手くバランスを取りましょう。■おわりに彼氏彼女の関係においては、恋人との時間、今後の方向性など、「恋人がいることによって変わってくるもの」が少なからずあると思います。ときには、「恋人なんていないほうがいい」と思ってしまうこともあるでしょう。とはいえ、「恋人がいるからこそ体験できること」も中にはあります。上手に公私のバランスを取りながら、カレとの関係を上手く築いていきましょう。ただ、「恋人に会いたい」、「恋人にもっとこうしてほしい」と願うことも、人として当たり前の感情なのかもしれません。でも、だからといってそれを押し付けすぎてしまうのはよくありませんよね。お互いに歩み寄りながら、妥協点を見つけることもときには必要だと思いますよ。(ともしど/ライター)(ハウコレ編集部)
2020年06月19日男性から「別れよう」という発言が出てきてしまったときは、もはや手遅れだと言われることがあります。ただ、その理由として心のなかで「俺では彼女を幸せにできない」と敗北感を感じたことが原因になっていることも少なくないようです。男性が別れを予感した彼女の残念な発言について聞いてみました。■ 「結婚するならこういうマンションに住みたい」「交際中はそんな子だと分からなかったのですが、プロポーズした途端に『結婚するならあの街に住みたい』『角部屋最上階がいい』とか、僕の収入では厳しい家をリクエストしてくるようになって……。これは結婚してもキツイなあと思ってしまったんです」(27歳/証券会社勤務)付き合い始めの頃に価値観の違いを感じたならまだしも、結婚を決めてから「もう無理」と感じてしまうとは相当なダメージだったのかもしれません。ただ、お金のことは価値観が合わないと結婚しても不幸になるので、籍を入れる前に別れて良かったのかもしれないですね。■ 「誕生日を忘れるとかありえない」「会社が外資に吸収された形になったので、早く結果を出さないと立場がマズいという状況で、彼女の誕生日があったんです。でも、心の余裕がなくてウッカリ忘れてしまっていて……。本当に申し訳ないと思ったんですが『人としてありえない』とか責められ過ぎて疲れてしまいました」(31歳/金融関係勤務)確かに、「本当に好きなら彼女の誕生日を忘れないだろう」と思ってしまう女性の気持ちもわかりますよね。ただ、悪いと思っているところにしつこく責められると「この先も同じミスをしたらこうなるのかな」と萎縮してしまうのも仕方がないことなのかもしれません。彼とどうしていきたいかを考えることが大事ですね。■ 「なんで私の気持ちをわかってくれないの」「寂しがりやの彼女と付き合っていたとき、すぐにLINEを返さないと文句を言われることがあったんですが、そのくらいは仕方がないかなと思っていました。でも、『なんで私の気持ちをわかってくれないの』と責められるのは厳しかったですね。そんなに先回りして察するなんて男は無理ですよ」(26歳/IT関係会社勤務)男性のなかにも察することができる人はいますが、それは姉や母親、あるいは元カノに鍛えられた結果であったり、女性の多い会社で日々体験して身についた後天的なものであることが多いです。最初から自分好みの対応をしてくれないからと言って不満をぶつけていては長続きしないでしょう。■ 男性は女性が考えている以上にプレッシャーを感じている生き物一見、何も考えずに生きているように見える男性でも、本質的に女性を幸せにしたいと思う本能を持っているようです。でも、そこでプライドもあるからこそ「自分では無理」と感じてしまったときに「頑張ろう」と思うより、「逃げたい」と自分が傷つかない方法を選んでしまう人も多いのでしょう。女性が気付かないところで男性が別れを決意してしまっている場合もあるので、気をつけてくださいね。(ライター/上岡史奈)(愛カツ編集部)presented by愛カツ ()
2020年06月13日俳優としてテレビ番組などで活躍している村杉蝉之介(むらすぎ・せみのすけ)さん。妻・まきさんと結婚したことが、ファンの間で話題になりました。そんな村杉蝉之介さんが出演した大河ドラマ『いだてん~東京オリムピック噺~』(NHK)でのエピソードや、俳優・ムロツヨシさんに似ているといわれていることなど、さまざまな情報を紹介します!村杉蝉之介の妻は『まき』さん!宮藤官九郎は「結婚するならバンド解散」村杉蝉之介さんは2015年7月に、かねてより交際していた一般女性『まき』さんと結婚しました。この報告は、村杉蝉之介さんが所属する『グループ魂』のアルバム『20名』の発売記念生放送にて行われ、ファンの間で大きな話題に。というのも、この時、同バンドのメンバー・暴動こと宮藤官九郎さんが「バンドメンバー全員が妻帯者なんてありえない。村杉蝉之介が結婚をやめるっていわない限り、解散するから」とコメント。メンバー内では結婚か、バンド解散かが話し合われ、ファンを終始ハラハラさせました。最終的には、村杉蝉之介さんが結婚してもバンドは続けるということになり、多くの人から祝福の声が寄せられています。村杉蝉之介は『いだてん』の神回に出演!村杉蝉之介さんは2019年1~12月にかけて放送された『いだてん~東京オリムピック噺~』の第39話『懐かしの満州』に出演しています。この回は、同作の脚本家である宮藤官九郎さんが「もっとも書きたかったところ」と語る、重要なエピソード。オリンピックと落語の2層構造で描いてきた本作の伏線が回収され、『神回』として話題になりました。村杉蝉之介はムロツヨシと似てる?村杉蝉之介さんは「ムロツヨシさんに似てる」と、たびたび話題になります。ネットでは、こんな声が…。・村杉蝉之介とムロツヨシがそっくり!・村杉蝉之介がどう見てもムロツヨシにしか見えない…。ムロツヨシさんは村杉蝉之介さんと同じく俳優として活躍しており、数多くの舞台やドラマ、映画に出演しています。実際に、2人の写真を見比べてみると…。村杉蝉之介さん村杉蝉之介ムロツヨシさん今日のLIFEのコント衣装より、 pic.twitter.com/752ZJZF6m3 — ムロツヨシ (@murotsuyoshi) September 22, 2018 確かに、雰囲気は似ているかもしれません。村杉蝉之介はどんなテレビ番組に出演した? 経歴は?村杉蝉之介さんは27歳の時に、劇団兼芸能事務所『大人計画』の舞台で宮藤官九郎さんの芝居を観て、役者の仕事に興味を持ちます。その後、28歳で『大人計画』のオーディションに合格。強烈な個性を放つ劇団員たちに囲まれ、戸惑いつつも自身のキャラクターを確立していきます。役者以外にも、同劇団メンバーで結成したロックバンド『グループ魂』に参加。ここでは『バイト君』と呼ばれ、主要メンバーの1人として活動しています。そんな村杉蝉之介さんは、ドラマや映画では主に脇役として存在感を発揮。2018年放送のドラマ『ラブリラン』(日本テレビ系)では主人公たち行きつけのBarのマスター・前島悟郎を演じ、作品を陰で支えています。そして2013年に放送された朝の連続テレビ小説『あまちゃん』(NHK)では、アイドルオタクのカメラ小僧・ヒビキ一郎役をコミカルに演じ、話題に。同ドラマのインタビューでは「朝ドラ出演が決まって嬉しい」と喜び、役の印象について語っています。朝ドラは出演が決まって嬉しかったですね。実家の親がすごく喜んでくれましたし、地元でも評判が良かったです。僕が演じたヒビキ一郎はご当地アイドルを追っかけているカメラ小僧だったのが、いつの間にかアイドル評論家みたいになっているという面白い役でした。最初のころは、小泉今日子さんが演じられた春子から「変態、変態」と言われていたんですけどね(笑)。あの役は、宮藤官九郎さんが僕にあて書きしてくれたのかなと思っています。NHKアーカイブスーより引用また、映画では2002年に公開された『TRICK トリック 劇場版』に昌三役で出演。同作はドラマ版も人気だったことから、大ヒットとなりました。さらに2018年には映画『空飛ぶタイヤ』や『EVEN~君に贈る歌~』といった話題作に出演。後者では主人公たちが所属する事務所の社長・柿生を個性たっぷりに演じています。『EVEN~君に贈る歌~』予告編今や『名バイプレイヤー』の仲間入りを果たしている村杉蝉之介さん。さらなる活躍に期待です!村杉蝉之介 プロフィール本名:村杉友一生年月日:1965年9月7日出身地:群馬県所属事務所:大人計画28歳の時に劇団『大人計画』に参加し、以降はさまざまな作品で存在感を発揮。主な出演作に、ドラマ『ラブリラン』や連続テレビ小説『あまちゃん』、映画『空飛ぶタイヤ』、『EVEN~君に贈る歌~』などがある。俳優業のほかにもロックバンド『グループ魂』のメンバーとして精力的に活動し、マルチな才能で今後の活躍が期待されている。[文・構成/grape編集部]
2020年06月05日1児のママでもあるライター・かわむらあみりがお届けするコラム【ママライフばんざい!】連載第16回は、ふとした瞬間に感じる「結婚してよかった」と思ったママの声を3つご紹介します。1. 世の中が不安定になったとき【ママライフばんざい!】vol. 16ひとりでいると心細いときもあるけれど、家族と一緒にいると、それだけで安心できることもたくさんありますよね。最近では、新型コロナウイルス感染拡大防止のため、世界的に活動自粛となっていました。いつもとは違う状況で、いろいろと考える時間があった人も多かったようです。夫が在宅勤務に切り替わったご家庭のママの場合、「自分のお昼ごはんだけなら適当に済ませるけど、夫もいるとなるとちゃんと作らないといけないから面倒なんだよね」という人もいましたが、周りにいるママの多くは、活動自粛期間を特別なものとして乗り切っています。専業主婦のAさんは、「ひとり増えても変わらないからね」と、夫が家で仕事をすることにより増える家事などはまったく手間ではなく、むしろ「こんな状況で家にいて帰りの遅い主人を待つより、そばにいてくれるほうが安心するから、結婚していてよかったよ」と言います。確かに、わが家でも夫はしばらくリモートワークとなり、子どもの保育園通園も自粛となっているため、活動自粛期間は毎日家族が一緒。こんな時期は家族と一緒にいると、私の場合は、よりいっそう心強さを感じます。また、独身の友人も、通勤時間がなくなって「自分の時間を有意義に使える」と言っていました。もちろん全員がリモートワークになるわけではないですし、家族がいてもいなくても、さまざまな立場においての捉え方があるはず。まずは何よりも世界中でコロナの影響が終息することを願いながらも、不安なときこそ“いつも通り”の心持ちで過ごせるといいですよね。2. 自分ができないことをしてくれる力仕事が苦手な女性は多いものです。重い荷物を持つとき、職場なら男性社員が、恋人同士なら彼氏が協力してくれるということもあるはず。家族がいるママの場合、とくにパパのありがたみを感じることもあるようです。3人のお子さんがいるBさんは、力仕事やテレビの配線などをテキパキとやってくれる夫がいます。「私ができないことをやってくれるから助かるんだよね」と言っていましたが、お子さんが多いぶん、遊び相手になってくれたり、DIYを任せることができたりするパパがいると、「結婚してよかった」と思うのだとか。もちろん女性でも力仕事やDIYが得意な方もいるでしょうし、結婚していなくても、自分にできないことができる人が身近にいると助かりますよね。ママの場合、それがパパだとさらに頼り甲斐が増して、パパ本人も張り切ってくれることもあって、何かと円満になりやすい気がします。3. 家族でご飯を食べているときいつも忙しく過ごしている共働きのCさんは、夫が仕事柄家を空ける日があったり、Cさん自身も仕事が忙しいため、近くに住むご両親に家事や育児を協力してもらうことがよくあるそうです。基本的に夫は帰ってくるのが遅いか出張などで家にいないことが多く、Cさんの帰りが遅いときは、Cさんのお母さんがお子さんの食事の用意をしているのだとか。だからこそ、お子さんたちと一緒に過ごせる時間は何より大事だと思っていて、「家族でご飯を食べるときが幸せ」だと言います。ほとんどワンオペ育児に近い状態のCさんですが、ご両親がそばにいることが、心の支えのひとつにもなっている様子。また、子どもたちも忙しいCさんの毎日に慣れているので、ママがいないときはおじいちゃんたちと遊ぶのも楽しいようです。そんなCさんは、なんといっても、あまり家にいない夫と、Cさんのご両親、お子さんたちという「家族全員がそろう食卓が一番」とのこと。お子さんも、おじいちゃんやおばあちゃんと触れ合う機会があって、自然と家族の絆を感じられる環境になっているのは、安心ですよね。「家族でごはんを食べる」という、一見、ごく当たり前のように思えることが、実はとても素晴らしいことでもあります。「結婚してよかった」とどんなときに感じるのかは人それぞれですが、いつかママになる人も、いままさに育児中の人も、すてきなママライフが過ごせますように。©franckreporter/Gettyimages©zeljkosantrac/Gettyimages©Morsa Images/Gettyimages
2020年06月03日音楽をこよなく愛する、ライター・エディター・コラムニストのかわむらあみりです。【音楽通信】第36回目に登場するのは、モデルやラジオDJとしても活躍されている、シンガーの安田レイさん!「元気ロケッツ」から、ソロシンガーへ【音楽通信】vol. 36アメリカで生まれ、3歳で日本ヘ来た、安田レイさん。13歳のときに、音楽ユニット、元気ロケッツに参加。その後、2013年にシングル「Best of My Love」でソロシンガーとしてデビューしました。2015年には「第57回輝く!日本レコード大賞」新人賞を受賞し、その後もドラマやアニメ主題歌、CMタイアップ曲など話題の楽曲を次々と発表し、2020年3月には3rdアルバム『Re:I』をリリース。今回、5月27日にニューシングル「through the dark」をリリースされるということで、お話をうかがいました。ーー3歳でアメリカから日本へいらしたのち、シンガーを志した経緯を教えてください。アメリカのノースカロライナ州で生まれ、お父さんの仕事で3歳のときに日本に来ました。小学校はインターナショナルスクールに通いましたが、それ以外の幼稚園や中学、高校は日本の学校へ行きました。そんな学生生活のなかで出会ったいろいろなジャンルの音楽やアーティストに影響を受け、小さい頃からずっと音楽に興味があったんです。とくにシンガーになりたいと思った一番のきっかけは、宇多田ヒカルさんの曲「First Love」との出会いでした。そのとき、私はまだ小学1年生で、恋愛の歌詞の意味なんて何ひとつわかりませんでしたが、宇多田さんの歌の表情やサウンドが他の人にはない個性的なヒカリに感じて、一目惚れした記憶があります。ですから、宇多田さんは、いまでも雲の上の存在です。ーー13歳で音楽ユニット、元気ロケッツに参加され、その後ソロ活動されたきっかけは。それぞれどのような心境だったのでしょうか。元気ロケッツと出会っていなかったら、いま私はどんなふうに生きていたんだろうと、たまにふと考えてしまいます。歌以外にできることが何も浮かばないんですよね。小学校6年生のときに、元気ロケッツのオーディション会場で、緊張して顔を真っ赤にしながら歌った“チビレイ”に感謝です(笑)!それまでボイストレーニングにも行ったことがなかったですし、人前で歌うのはカラオケくらいでしたし、受かる自信はありませんでした。会場には自信に満ちてキラキラしている洗練された美しい人ばかりで……。私はランドセルを背負ってましたし、ソバカスだらけでしたし、まわりには大人しかいないし、「あぁ、どうしよう、怖い」と思いました(笑)。それなのに、こんな私を選んでくださって、感謝しかないです。元気ロケッツで学んだいろいろなことが、いまの安田レイのベースになっていると思います。右も左もわからないただの小学生に、さまざまなことを教えてくださったプロデューサーの玉井健二さん含め、チームのみんなに感謝です! We LOVE GENKI ROCKETS!ーー2013年からソロシンガーとしてご活躍され、2020年3月には、ドラマ『健康で文化的な最低限度の生活』のオープニング曲「Sunny」や、ドラマ『モトカレマニア』オープニングテーマ「アシンメトリー」などを含む3rdアルバム『Re:I』をリリースされましたね。さまざまな作品を通して、みなさんが安田レイの音楽に出会ってくれていると思うんです。今回のアルバムもそうなのですが、その一つひとつのタイミングは、本当に奇跡。日本には、世界には、たくさんの素晴らしい音楽が存在していて、生きているなかで全部聴くことは不可能なので、この出会いに「感謝! 乾杯! ありがとう!」という想いをどの作品にもぶつけています。ですが、一番伝えたいのは、今年の7月でデビュー7周年を迎える目前で、何かいい意味でみんなの中の「安田レイ」というイメージを壊したいというエネルギーがあって。これは昨年からすごく強くなって、ちょっといい子ちゃんな自分のイメージを壊して、「こんな私もいるんだよ、知ってほしいな」というところから制作が始まりました。もちろん、その想いを受け入れてもらえなかったらどうしよう、こんなの安田レイじゃないと思われるかもしれないという覚悟でアルバムを作りました。でも、ずっと同じ場所で前にも後ろにも動けずにいるのがイヤで、トライした結果、やってよかったです。たまには心の信号無視はしていいものですよ、みなさん。気持ちがいいです(笑)。誰かへこのエールが届いていたらうれしいです。光と闇、遠距離恋愛がテーマの新曲ーー5月11日に先行配信した、14枚目のシングル「through the dark」を5月27日にCDとしてもリリースされますね。“光と闇”をテーマに表現されたそうですが、歌詞にはどのような思いを託されましたか。光と闇が大きなテーマですが、実は遠距離恋愛というテーマでもあるんです。遠くにいる大切な人へのストレートな気持ちを歌詞にしてみました。「会えない時間が私を少し迷わせる」という歌詞があるんですが、こういうことって、実際にもありますよね。好きな人に会えないことによって、余計なことを考えてしまい、自分の正直な気持ちが見えなくなるあの恋愛の謎めいた感情を歌詞にしてみました。でも、実はすごく会いたくて、触れたくて、その人がもしいま苦しんでいたら、闇のなかであっても救い出したい、この僅かな光ででも、照らして見つけて、抱きしめたい。そんな想いを歌詞に込めています。ーー今作は、ゲーム発のテレビアニメ『白猫プロジェクト ZERO CHRONICLE』(TOKYO MXほか 月曜 22:30)のエンディングテーマにもなっていますね。はい。アニメも毎週の楽しみになっています。この「through the dark」は、ヒロインのアイリス目線の楽曲なので、私は自然とアイリスを応援してしまいますね(笑)。とにかく心がピュアで美しいアイリスは目の保養にもなりますし、こんなエンジェルのような心を持ちたいと思いながら、毎回TVの向こう側にいるアイリスを応援しています。ものすごいプレッシャーと戦いながら、世界の平和を守るアイリスはカッコ良すぎます!ーー「through the dark」は生命力を感じる楽曲ですが、曲の第一印象や歌唱の面で気をつけた点はありますか。今回初めてご一緒したプロデューサーのJeff Miyaharaさんが作る、繊細さのなかにある、心のなかの叫びのようなサウンドに初めて触れたとき、ゾクゾクしました。レコーディングのときは、ディレクションが面白くて新鮮。なかでも一番印象に残っているのは、「5歳のレイちゃんならどう歌う? ヴォーカルテクニックとか全部忘れて、もっと素直になって、うまく歌わないで」と言われたこと。いままでそんなディレクションをされたことがなかったので、最初は少し戸惑いましたが、だんだんとその意図を読み解くことができた気がしました。この曲のピュアなメッセージは、この歌い方が正解だったんだと思います。ーーでは、カップリング曲の「true colors」には、どのような思いがありますか。この曲は、鳥かごのなかに閉じ込められた鳥というのがテーマなんです。本当は見たい世界があって、広げる羽があるのに、そこから抜け出せない。これは職場の人だったり、親だったり、恋人だったり、そういう近くにいる人が自由にしてくれないというフラストレーションを歌詞で表現しています。私はそんなコントロールが大っ嫌いです。実はこの歌詞は何年か前に書いていたメモから生まれたんですが、そのときの悩みが、まさかこうやって曲になるとは!ーーそうだったのですね。この「true colors」の編曲者には、元気ロケッツでも組まれていた玉井健ニさんの名前があります。玉井さんが携わっている楽曲と、そうではない楽曲ですと、心境の面で違いはありますか。小学校6年生の頃から玉井さんと一緒に制作しているので、確かに阿吽の呼吸みたいなものはあると思います。いまだに、私が27歳だという事実を玉井さんは疑いますしね(笑)。玉井さんのなかでは、出会った12歳の頃の私でストップしているみたいです。ですが、初めましての方とモノ作りをするのも刺激的で楽しいです。みんなやり方が十人十色で面白いです! 結果、音楽を通して出会ったみんなが大好きです!ーー今回のジャケット写真では、通常盤は安田さんが白い服を着て白い球とともに、初回生産限定盤では黒い服を着て黒い球とともに写っていますがコンセプトは。今回、光と闇がテーマなので、「光の私」「闇の私」をテーマにしてみました。光は闇を、闇は光を、求め、共存していく。そんなことを思いながら撮影していました。光だけの世界も、闇だけの世界もなくて、きっとどちらもお互いを求めていると思うんです。共存するからこそ、グラデーションが生まれ、お互いが存在する。大切な人の光も闇も、私は知りたいですしね。ーーところで、ラジオパーソナリティとしてもご活躍ですが、歌うことと話すことでの意識の違いはありますか。まず、歌うときと話すときの声が全然違うと言われますね。しゃべるときはかなり素でやらせていただいています(笑)。歌うときは、その楽曲の世界観、キャラクター、歌詞のメッセージなどが楽曲によって違うので、声も自然と変わってきますね。マイルールは“できることを無理せずにやる”ーー容姿端麗な安田さんですが、普段から美容で気をつけていることはありますか。“できることを無理せずにやる”がマイルールです(笑)。あとは長風呂をして汗をかいています。湯船に浸かりながら動画配信サービスを観ていると、1時間なんてあっという間。長いときは2時間近く入っているんですよ。たっぷりと水分を摂りながら、たまに足湯にチェンジしながら入るのがオススメです。無理は絶対続かないので。ーー食事やダイエットはどうされていますか。おすすめの健康法があれば教えてください。フルーツや野菜を多く摂っていますね、最近は味噌にハマっていて、毎日お味噌汁を飲んでいます。お味噌汁の具材は、冷蔵庫に残っている野菜を適当に入れるだけで、パパッとできるので大好き。健康にも美容にも発酵食品はいいので、お味噌料理を極めたいです。いつかマイ味噌も作ってみたいですね。ーー好きなアーティストはいますか。好きなアーティストはたくさんいます。最近注目しているのは、藤井風さんです。こんなに若いのに、この色気と、可愛さと、センス! 「ずるーい!」と言いながらも釘付けになっている私です(笑)。藤井さんはピアノの技術もすごくて、欠点が何も見当たらない。たぶん、あっという間にスーパースターになると思います。ーー安田さんがいま興味のあることは。最近は古着のTシャツ集めにハマっています。仕事で全国をお邪魔した際に、その地域の古着屋さんに行くのがいつも楽しみなんです。ハーレーTとか、タイダイTとか、あとは男子には全くウケないだろうちょっと変わったモチーフのTシャツとか(笑)。Tシャツは夏だけではなく、冬はレイヤードして使えるので、何枚あっても困らないんです。ーー現在、新型コロナウイルス感染拡大防止のため、世界的に活動自粛制限がありますが、安田さんはどんなふうにおうちで過ごされていますか。洋服のDIYにハマっています! 「ブリーチタイダイ」といって、漂白剤でタイダイの模様を作るDIYなんですが、もう着ないと思っていた服が生まれ変わるんですよ。作り方をインスタにアップしているので、見てみてください。すごく簡単にできるので、ぜひやってみてくださいね。取材後記2020年7月で、デビュー7周年を迎える、クールビューティな安田レイさん。モデルとして、ラジオDJとして、シンガーとして、これからもさらにご活躍されるはずです。音楽への愛情にあふれる安田さんがリリースされるニューシングルをまずはチェックしてみてくださいね。安田レイ PROFILE1993年4月15日、アメリカのノースカロライナ州生まれ。3歳で日本ヘ。10歳の頃、母親が聴いていた宇多田ヒカルに衝撃を受けてシンガーを志す。13歳で音楽ユニット、元気ロケッツに参加。2013年7月、シングル「Best of My Love」でソロシンガーとしてデビュー。その後も、ドラマやアニメ主題歌、CMタイアップ曲など、話題の楽曲を次々とリリース。2015年11月にリリースしたシングル「あしたいろ」がTBS系ドラマ『結婚式の前日に』主題歌として共感を呼び、その年の活躍が認められ、「第57回輝く!日本レコード大賞」新人賞を受賞。配信シーンでの活躍が顕著で、これまでにリリースした1stアルバム『Will』2ndアルバム『PRISM』はともにiTunesでJ-POP1位、総合2位を獲得。2020年3月、3rdアルバム『Re:I』をリリース。5月11日に先行配信したシングル「through the dark」を5月27日にCDとしてもリリース。JFN38局放送 TOKYO FM『JA全農 COUNTDOWN JAPAN』、JFN系列『CITY GIRLS MUSIC』ではラジオDJとして、ファッション分野ではモデルとしても活動し、さらなる活躍が期待されている。InformationNew Release「through the dark」01.through the dark02.true colors03.through the dark -Instrumental-04.true colors -Instrumental-2020年5月27日発売*通常盤と初回盤の収録曲は共通(通常盤)SECL-2577(CD)¥1,200(税込)(初回生産限定盤)SECL-2575(CD+DVD)*DVDは「through the dark」Music Video。¥1,800(税込)(期間生産限定盤)*収録曲は3曲目「through the dark -アニメサイズ-」以外は共通。SECL-2578(CD+Blu-ray Disc)*アニメ絵柄描き下ろしデジパック仕様。*Blu-ray DiscにはTVアニメ『白猫プロジェクト ZERO CHRONICLE』ノンクレジットエンディング映像を収録。¥1,500(税込)
2020年05月14日音楽をこよなく愛する、ライター・エディター・コラムニストのかわむらあみりです。【音楽通信】第35回は「番外編」! 現在、活動自粛期間で“Stay Home”を続けるみなさんの力になりたいと、EXILEのパフォーマーであり、俳優でもあるAKIRAさんから『ananweb』をご覧のみなさんだけにお送りする動画とスペシャルメッセージが届きました。 ぜひチェックしてくださいね!!内田紘倫(The VOICE) スタイリスト・jumbo(speedwheels) ヘア&メイク・MAKOTO(juice & juicy)僕ら一人ひとりが与えられた使命を全うしたい【音楽通信】vol. 35「番外編-AKIRAさんスペシャルメッセージ」新型コロナウイルス感染拡大防止のため、現在は世界的に活動自粛制限がなされていますが、ananwebをご覧のみなさんはどんな毎日を過ごしているでしょうか。いつもは音楽記事をお届けしている「音楽通信」ですが、普段とは違う日常生活を送り“Stay Home”を続けるみなさんに、今回は特別編として、AKIRAさんから動画とスペシャルメッセージが届きました!いまAKIRAさんが思うこと、どんなおうち時間を過ごしているのか、そしてEXILEのことまで、さまざまなことをうかがいました。AKIRAさんのメッセージに込められたエールを受け取ってくださいね。ーー「LDH PERFECT YEAR」にあたる今年ですが、活動自粛のためライブは延期または中止となりましたね。ご来場されるみなさまの健康と安全を最優先に考えたうえでの判断ではありますが、「LDH PERFECT YEAR 2020」を楽しみにしていただいた多くのファンのみなさまには、大変申し訳なく残念な気持ちでいっぱいです。LDH独自に専門家の方々で構成した「LDH新型コロナウイルス感染症対策専門家チーム」による対策会議を開催し、さまざまな状況を検討した結果、想定以上に当面はライブの開催が困難であるとの判断に至りました。ですが、このまま中止、延期とするだけではなく、この新型コロナウイルス感染症が終息した際には、明るい未来へ向けてみんなが一緒に歩んでいけるようにとメンバー、スタッフと、日々熟考しています。ライブが開催できない期間においては、いましかできないことにも積極的に取り組み、自宅でも楽しんでいただけるようなLDHらしいエンタテインメントを作れないかと、連日、メンバーやスタッフでアイデアを出し合い、みなさまに楽しんでいただきたいとの想いでいろいろな準備もしています。ーー休校になったり、職場へ出社せずにリモートワークになったり、外出できない人々がたくさんいるなかで、おすすめの家での過ごし方はありますか。普段、僕は日本にいるときも海外への移動があるときも、ライブやイベントなど地方に飛んでばかりで、とにかく外出が多いんです。家で過ごす時間や自分の時間が少なく、アウトプットばかりしてきたので、むしろいまはこの期間を活用しています。インターネットやSNS、読書や映画などから、さまざまな知識や情報をインプットして、自分自身の成長につなげて生活していますね。ーー予定していたスケジュールが変更になるなど、外出できないストレスを抱えている方もいるかもしれませんが、いま一番心がけることは何だと思われますか。また、AKIRAさんが現在心がけていらっしゃることは何でしょうか。まずは、さまざまな葛藤や恐怖、プレッシャーと隣り合わせのなか、新型コロナウイルスと最前線で戦ってくださっている世界中のドクター、医療関係のみなさまに、感謝の気持ちを持って生活するように心がけています。大変な状況下ではありますが、そんなみなさまのおかげで僕らの生活が保たれて、世界中がなんとか持ち堪え、終息に向かうことができていると思いますので。世界各国で最前線で戦ってくださってるみなさまも、早く安全な私生活を取り戻していただけるよう、まずは、僕ら一人ひとりがいま与えられている使命をしっかり全うして、一刻も早い終息を願っています。もしオンライン飲みをするならファンのみなさんと乾杯したいーーEXILEのメンバーのみなさんも、いまはどのように過ごしていらっしゃるのでしょうか。EXILE TRIBEメンバーの世代を超えて、定期的に情報共有会議やビジョン会議をリモート会議や各自それぞれで話し合ったりしています。先日は、GENERATIONSの数原龍友からもいろいろなアイデアの共有や相談の連絡がきました。とにかくみんなで一丸となって、新たなエンタテインメントを考えています。ーー自宅にこもる人が多いなか、オンライン飲み会をする人もいるようです。AKIRAさんはリモートで、メンバーのみなさんやご友人と盛り上がることはありますか。飲酒はいまの時期は控えていますが、もし、オンライン飲みをするなら、たくさんのファンのみなさんと乾杯してみたいですね(笑)。さすがに、何万人という方々とは、レモンサワー乾杯をしたことがないので(笑)。ーー想像しただけで楽しそうですね(笑)。そんな明るいイメージをずっと保てるといいのですが、もしこのまま自粛期間が長引いて落ち込んでしまうときがあったら、どうやって前向きさを取り戻せばよいでしょうか。落ち込んだときは、自分より大変な思いをしている人が、この世界にどれだけいるのだろうと、イメージしてください。現代の僕らは、きっといろいろな意味で恵まれすぎなのではないかとも思います。もちろん個人差もありますし、そう思えない方々もいらっしゃることは重々承知ではありますが。世界各地では、生まれたときから家も家族もなく、ごはんもろくに食べられず、必死で生きている子どもたちがいます。学びも社会に出ることもできず、必死に生きることだけに日々を過ごしている子どもたちもいます。自分のまわりに存在するどんな小さなことにもすべてに感謝の気持ちを持って向き合えば、きっと、自然と笑顔や幸せを感じでいけるのではないかと。そして次第に、自分の悩みも少しは癒えるのではと思うんです。地球規模で考えて「自分の悩みなんてこんなに小さいではないか!」と思えば、少しは気が楽になるかもしれませんね。僕はそうやって、乗り越えてきました。あと“ピンチはチャンス”ではないですが、ネガティブな状況下だからこそ見えてくる発想やアイデアを見出すように心がけ、さらにプラス思考に持っていき、さらなるビジョンやプランを立てていきます。思い通りにいかないことは当たり前だと思って、常に芯は持ちながら柔軟に対応、変化していける自分作りが大事。“人生日替わり弁当”です、当たり前はない。だからこそ、変わりゆくその日、その日の流れに順応しながら“日替わり弁当”を楽しんでいく。そういう生き方のほうが、ネガティブ思考にならず常にワクワクしていられます。嫌いなことも許し、受け入れ、克服していくことが大事ではないでしょうか。世界を明るくする気持ちと意識で過ごしてほしいーーAKIRAさんのご自宅での過ごし方を教えてください。いまは生活リズムを改める良いチャンスかなとも思うので、朝8時に起きて、自宅でできるトレーニングをし、しっかり朝昼晩、自炊して健康的な生活を心がけています。いま、アスリートや世界のアーティストたちもたくさん、トレーニング方法をアップしてくださっているので、参考にすることも。僕は、日頃からEXILE専属トレーナーとしてお世話になっている『コアパフォーマンスジムPCP』の吉田輝幸さんのメニューをこなしているんです。女性の方にも簡単にできる内容もありますので、YouTubeなどでチェックしてみてくださいね。ーーいずれ活動自粛制限が解除されたら、AKIRAさんはまず何がしたいですか。LIVEです!ーーLIVEも楽しみですが、自宅でもEXILEのみなさんの音楽を聴いて勇気づけられる方はたくさんいると思います。今後もSNSなどから、近況報告を届けてくださるのでしょうか。自社メディアを充実させていけるよう、メンバー、スタッフと面白い企画を練っている最中です。いまはYouTubeやSNSなど含めて、みなさんと離れていても自分たちのエンタテインメントを共有できるツールがたくさんありますよね。離れていてもワクワクしていただけるような企画や、ゆくゆくは家からでも体感できるLIVEシステムや音楽配信システムが充実していくとよいなとも考えています。ーーAKIRAさんの今後の活動のご予定は。「LDH PERFECT YEAR 2020」の再開に向けて、準備をしています。先行きは不透明ではありますが、この事態が落ち着きLIVEができる環境になったら、まずは「EXILE THE SECOND PERFECT LIVE」をリスタートできることを願っています。今回の「EXILE THE SECOND」のLIVEは、集大成であり、新たな幕開けともなるべく、進化したLIVEスタイルをお届けできると確信しているんです。以前は、EXILE TRIBE全体として「LDH PERFECT YEAR 2020」の4つのシーズン「IGNITION(1月〜3月)」「IMAGINATION(4月〜6月)」「INFINITY(7月〜10月)」「BEYOND THE BORDER(11月〜12月)」を計画していました。ですが、新型コロナウイルス感染拡大防止による現状の開催期間延長に伴って、ファイナルシーズンとして新たに「RISING SUN〜TO THE WORLD〜(2021年1月〜3月)」をテーマに、開催することを決定しました。「RISING SUN〜TO THE WORLD〜」は、東日本大震災の復興へ向けて「日本を元気に」という想いを込めてEXILE が作った楽曲「Rising Sun」が根本のテーマにあって。東日本大震災とはいままた状況が違いますが、私たちが経験したことがないこの状況を克服し、また新たな未来へと力強く歩んでいこうという希望と願いを表現しています。そして「Rising Sun」にはEXILEがいつも大切にしてきた想いが込められています。かつてない挑戦への絶対に負けないという不屈の精神と、困難を乗り越え次の時代を切り拓いていく力。これまで歩んできたEXILEの精神そのものでもあり、いまでは、EXILE TRIBE、LDH全体に受け継がれている精神でもあります。LDHのエンタテインメントで「日本を元気に」というテーマを掲げ、LDHアーティスト、スタッフ一丸となって、お待ちいただいているみなさまが一人でも多く笑顔になっていただけるように、LOVE、DREAM、HAPPINESSあふれるエンタテインメントをお届けしていきたいと決意を新たにしていますので、ご期待いただき、楽しみにお待ちいただけたらと思います。ーー最後に、ananwebの読者のみなさんにメッセージをお願いします。ananwebをご覧のみなさん、僕のインタビューを読んでくださり、ありがとうございました!現在は大変な状況下ですが、読者のみなさま、そしてみなさまのご家族や身内の方が安全で健康な日々でありますよう、心から願っています。新型コロナウイルスはとても怖いです。どうか、一人ひとりが正しい知識と危機管理意識を持って、日々を生活していただければと思います。手洗い、うがいを徹底して、不要不急な外出は控えて、不確かな情報をうのみにしないようにしましょう。今日、私たちができることをそれぞれの場所で徹底し、こんな時代だからこそ、一致団結し終息に向かっていけたらと思います。暗いニュースばかりの世の中なので、どうかみなさまご自身が世界を明るくしていく気持ちと意識で、日々を過ごしてくださいね。取材後記AKIRAさんの真心がまっすぐに伝わってくる動画とメッセージ。かつてない状況にいるわたしたちですが、AKIRAさんのあたたかい言葉は、「前を向こう」という勇気をくれます。励ましの言葉をくださったAKIRAさん、本当にありがとうございました!AKIRA PROFILE1981年8月23日生まれ、静岡県出身。EXILE、EXILE THE SECONDのパフォーマー、俳優。EXILEの中心核としてグループを牽引し、パフォーマーとしての活動に加え、数々の映画、ドラマ、舞台、声優などさまざまな分野で活躍。2009年、長編映画初主演作『ちゃんと伝える』では日本映画批評家大賞新人賞を受賞。2010年、中国公開のアンドリュー・ラウ監督作品『レジェンド・オブ・フィスト 怒りの鉄拳』でアジア映画デビュー。2017年、マーティン・スコセッシ監督のハリウッド作品『沈黙‐サイレンス‐』に出演。2018年、三船敏郎の生涯を描いたドキュメンタリー映画『MIFUNE:THE LAST SAMURAI』日本版ではナレーターを務め、2019年、童謡100周年を記念して作られた映画『この道』では大森南朋とダブル主演を果たす。また、アーティスト、役者として活躍するなか、2017年からはアジア人初となるRalph Laurenアンバサダーに就任し、2018年と2019年の2年連続で最高峰ラインPurple Labelの広告イメージモデル契約を結ぶなど、世界に活躍の場を広げている。2020年、小泉堯史監督作品『峠 最後のサムライ』の9月25日公開が控えている。Information
2020年05月13日音楽をこよなく愛する、ライター・エディター・コラムニストのかわむらあみりです。【音楽通信】第34回目に登場するのは、メンバーそれぞれが自分の趣味に特化したコアなオタクで、秋葉原を拠点に国内外で活躍している6人組アイドルグループ、でんぱ組.inc(でんぱぐみインク)!写真・黒川ひろみ秋葉原から世界のでんぱ組.incへ写真左から古川未鈴、相沢梨紗。【音楽通信】vol. 34メンバーそれぞれが、アニメ、漫画、ゲームなど自分の趣味に特化したコアなオタクで、「萌えきゅんソングを世界にお届け」をキャッチフレーズに、秋葉原を拠点に活躍している古川未鈴さん、相沢梨紗さん、成瀬瑛美さん、藤咲彩音さん、鹿目凛さん、根本凪さんからなる6人組ユニット、でんぱ組.inc。2013年にはJAPAN EXPOに日本代表として出演し、2014年度は東アジア文化都市2014横浜親善大使を務め、2015年はワールドツアーも敢行するなど国内のみならず、海外でも活躍しています。2019年1月には、約2万人を動員した日本武道館公演2daysを開催し、夢眠ねむさんが卒業して、現在の6人体制に。12月に行った幕張メッセ2days公演「幕張ジャンボリーコンサート」の模様をおさめた映像作品は、2020年3月25日に発売されました。今回、4月15日にニューアルバム『愛が地球救うんさ!だってでんぱ組.incはファミリーでしょ』をリリースされるということで、でんぱ組.incから古川未鈴さん、相沢梨紗さんにお話をうかがいました。ーーまずはおひとりずつ、自己紹介からお願いします。古川未鈴「みりんちゃん」こと古川未鈴です、テーマカラーは赤です。もともとゲームが好きで、いろいろなきっかけがあって秋葉原に来て、メイド喫茶で働き始めて、ディアステージ(秋葉原のライブ&バーであり、でんぱ組.inc他が所属する芸能事務所)へ入ったんです。そこで、「どうしてもアイドルグループが作りたい」と、もふくちゃん(でんぱ組のプロデューサー)に直談判して、紆余曲折あり、いまのでんぱ組.incが結成されました。相沢梨紗「りさちー」こと、相沢梨紗です。テーマカラーは白で、でんぱ組.incのリーダーをさせていただいております。「2.5次元伝説」が私のキャッチフレーズなんですが、もともとオタク気質で、声優さんのラジオをよく聴いていました。そしてコスプレをしたり、メイド喫茶のメイドさんをしたりと秋葉原に通うようになった後、ディアステージに入って、でんぱ組として活動するようになりました。古川未鈴(ふるかわみりん)。9月19日、香川県生まれ。A型。でんぱ組.incのセンター。オタクジャンルは、ゲーム。ーーそもそも、おふたりがアイドルになろうと思ったきっかけは何だったんでしょうか。古川私はもともとSPEEDさん、モーニング娘。さんなどの女性アイドルに憧れていたんです。学生の頃にすごくいじめられていたので、アイドルのようにみんなが憧れるようなキラキラした人になれたら、いじめていた人を見返せるんじゃないかと思ったことから、アイドルを目指しました。だから、ひとりではなく、どうしてもグループでのアイドル活動がやりたかったんです。所属しているディアステージでは、その当時、アイドルグループよりもソロシンガーで活躍する人が多くて。でも、どうしても人を集めてアイドル活動がしたいと思って事務所に直談判して、(相沢)梨紗ちゃんなどにも加入してもらい、でんぱ組.incができたという感じですね。私はアイドルになりたくてなったんですが、他のメンバーはどちらかというと、アーティスト志望だったり歌手志望だったり、アイドルになりたいっていう動機の子はほとんどいなかったという、不思議なグループなんですよ。たぶん、梨紗ちゃんも、「アイドルになりたい」とは思っていなかったよね?相沢梨紗(あいざわりさ)。8月2日、大阪府生まれ。A型。でんぱ組.incのリーダー。オタクジャンルは、2.5次元。相沢私は声優さんになりたくて、声優さんをしつつ歌唱をしている人にあこがれていたので、いろいろな活動ができればいいなとは思っていました。でも、私は秋葉原に来るまで歌や踊りもしたことがなかったですし、そんな急にはできないですし。アイドルになりたいというよりも、なれないから、なりたいとも思っていなかったんです。当時、でんぱ組に入ると「ゲームの歌が歌えるよ」と聞いて、「じゃあ、やりたいです!」とオーディションを受けて入れてもらって、気づいたらアイドルになっていました(笑)。だから、アイドルになりたかったわけではなかったのに、だまされたわけではないんですが……。古川それはだましてますね(笑)。相沢ははは(笑)。だから「あれ?アイドルになりたかったんだっけ」と思いながら、でんぱ組を始めたんです(笑)。オタクからしたら、三次元で輝いているアイドルに対しては、もはや嫉妬の感情しかないんですが(笑)。私は自分から音楽を聴いてもこなかったので、音楽活動をしているいまが不思議な感じです。ーーそういった経緯がありながらも、実際にアイドルとしてご活躍されていていかがですか。相沢「人って、めちゃくちゃ変われるんだ」と思いましたね(笑)。「でんぱ組.inc」になる前の、初期の「でんぱ組」に入ったとき、私はダンスも踊ったことがないのでツーステップも踏めなかったんです。学生時代も体育の授業はできる限りサボっているようなタイプで……。でも、マネしちゃダメですよ、授業はサボっちゃいけません(笑)。ただできる限り、ドッジボールをしてもはしっこにいるとか、そんな運動が苦手な人間だったので、それがいますごくはやい曲を歌いながら踊れるようになるというのは、やり続けていると、人は変われるんだと思いました。いまはけっこう踊るのも歌うのも好きになったんです。古川私は人に興味のない人生を送ってきたんです。それこそ梨紗ちゃんからは、自分の世界だけで生きている“古川未鈴は人間じゃない”ぐらいのイメージを持たれていて(苦笑)。相沢そうだね(笑)。古川でも、でんぱ組.incを通じて、私自身の意識が変わってきました。活動していると、応援してくださるファンのみなさんは、心から応援してくれているんだなということを肌で感じるじゃないですか。そういうときに、みなさんにもっと喜んでいただけるようにという意味でも、私は「とにかくアイドルだけで生きていればいい」とより強く思いますね。相沢そう、わりと人って、優しいんだなと思いますよね。私たちは本当にオタクの集まりーー国内外でご活躍されているでんぱ組.incさんですが、2019年1月に夢眠ねむさんがでんぱ組.incから卒業されてから現在までに、心境の変化などありましたか。古川ねむさんはメンバーをまとめてくれていた方で、すごく優しいので、私にない人間味の良さを120パーセント持っている方だったんです。そういう方が卒業するとなって、グループが空中分解するんじゃないかと、ちょっと不安でしたね。でも、いまの6人でも、ちぐはぐしながらもなんとかやってこれている状態ではあります。相沢私たちは本当にオタクの集まりなので、すごく得意な分野もあれば、すごく苦手な分野もあって。ねむさんは、秋葉原に来たことがない方やアイドルを初めて知るような方に「こういうことを伝えたいんですよ」とか、未鈴ちゃんが「こんな気持ちでいるんです」、梨紗が「ボケているようですけどこう言ってるんです」という、メンバーの状況を説明する架け橋の役割をしてくれていたんですよね。それは外でもそうですし、グループのなかでもそれぞれの共通言語を見出す役割を担っていたから、いままでねむさんに頼っていたところを「どうしようか、そこ」となっちゃいましたね。古川私たちが話す内容は、まわりにあまり伝わらないことが多いんです(笑)。そういうときに、「あ、通訳のねむさんがいない」と気づいて、自分の話し方を反省することもあります。家族のようになってきたでんぱ組.incーー2020年4月15日に、6枚目のアルバム『愛が地球救うんさ!だってでんぱ組.incはファミリーでしょ』を発売されますね。相沢毎回、良いアルバムなんですが、今回は本当にめちゃくちゃ良くて。でんぱ組.incとしては珍しく、じっくりと「でんぱ組らしさとは何か」ということを考えて、純粋にこのアルバムのために楽曲を作っていったというイメージの作品です。古川今回はコンセプチュアルなオリジナルアルバムで、2019年にやってきたことがすべて入っている集大成。そもそもの2019年のテーマが「愛」「ファミリー」だったので、リリースまでに1年半ぐらいの時間をかけた壮大な作品です。1曲、1曲に、このアルバムに収録をしていった意味があると思っています。ーーでは、1年半前に、すでに「愛」と「ファミリー」をテーマにして活動されていたのですか。古川アルバムの最後の「いのちのよろこび」という曲が、現体制で走り出した1枚目のシングルだったんですね。そのツアーが2019年の初頭で、そのときに「でんぱ組っていろいろな背景がある子の集まりだけど、やっと今になって大事なのは愛なんじゃないか? と気付きはじめた」ということをプロデューサーが言い始めて。私は日常会話で「愛がさあ〜」とは、なかなか言わないんですが。相沢うん、なかなか言わないよね(笑)。古川10年ぐらいでんぱ組.incをやっていて、前まではメンバーのことを「一緒に走り抜けてきた仲間」や「戦友」という気持ちがあったんです。でも、2017年12月の大阪城ホール公演で、ぺろりん(鹿目凛)、ねもちゃん(根本凪)がでんぱ組.incに入って「家族っぽくなってきたな」という雰囲気になって。そんな家族のようなメンバーと一緒にいる気持ちから「いのちのよろこび」という曲ができて、それで2019年を走り続けてきた現在しか歌えないアルバムになっていると思います。相沢ねむちゃんがいて7人でツアーをまわっていたときは、いわば宇宙でいろいろな探査をしていた時期。そのなかで、私たちが見つけてきたものが愛なんじゃないかと思っています。もちろんこのアルバムにねむちゃんの声は入ってないんですが、愛の意思も受け継ぎつつ、これまでの歴史のなかででんぱ組の歴史も感じつつ、ここに辿り着いているのかなって。ーーそんな楽曲が14曲収録されています。どの曲も大切だと思いますが、とくに思い入れのある1曲を選ぶとしたら、どの曲でしょうか。古川う〜ん、1曲。相沢1曲となると……どれも良いんですよね。なんとか2曲にしてもいいですか(笑)。このなかで、ライブをしていて一番「いいなっ」とより好きになったのは、アルバムのタイトル曲にもなっている2曲目「愛が地球救うんさ!だってでんぱ組.incはファミリーでしょ」ですね。この曲は、2019年12月に2日間行った幕張メッセ公演で初めてお披露目した曲なんですが、そのときにすごく素直にいまの気持ちや宣言を歌える曲で、いまのでんぱ組.incらしい曲だと感じています。そしてアルバム用に作った新曲があるんですが、8曲目「桜が咲く頃に」は、(3人組バンドの)LUCKY TAPESさんのKai Takahashiさんが書いてくださった曲なんです。もともとLUCKY TAPESさんが好きでよく聴いていて、今回のアルバムタイミングで曲を作っていただきました。作っていただいてからわかったのですが、LUCKY TAPESさんの「MOOD」という曲とまったく同じ音を「桜が咲く頃に」でも使っているそうで、このアルバムがなかったらそんな嬉しいことはなかったかと思うと、感慨深いですね。ーーこの曲はラップがありつつもメロウな感じのアンニュイな曲ですよね。相沢そうですね。曲の分布図のようなものをサウンドプロデュースのYGQさんが作ってくれたんですが、「でんぱ組のなかには、おだやかでラップぽい、エモ目の曲がないよね」ということを発見してくれて、こういうタイプの曲にもアルバムで挑戦してみようということで作ってくれたのですが、難しい歌でしたね。古川気づくと口ずさんでいるのが、4曲目の「もしもし、インターネット」です。この曲は、高校1年生のシンガーソングライターの諭吉佳作/menさんが作ってくれた曲で、家族というテーマのなかで、年若い諭吉さんがこういう曲を作ったという事実自体がなんかいいなと思って。諭吉さんはでんぱ組.incのメンバーではないですが、こうやって新しく“でんぱファミリー”が増えていくというファミリー感もいいと思ったし、歌詞の最後のほうで「もうここには残るものもないのに、何ひとつとして諦めたりはしないの」と歌う部分があるんですが、それがいまの心境に合っているんです。歌詞の心境に共感して歌えたので、このパートを歌わせてもらえてよかったなと感じていて、お気に入りの1曲です。誰にとっても優しいでんぱ組.incでありたいーーアルバムのリリース後は、全国ツアー「THE FAMILY TOUR 2020」がスタートしますが、どのようなステージになりそうでしょうか。相沢アルバムの新曲はチャレンジングな曲が多く、私たちもライブでやったことがないタイプの曲がけっこう入っているので、実際にどんなステージなるのかは、やってみないとわからないところがありますね。みんなでアルバムのステージバージョンを作りつつ、これから練習をしていく感じになります。古川ツアーといえば、昨年末の幕張のツアーで私は“サプライズフライング”をしてもらって、会場の宙に飛ばされたんです(笑)。それは私が昨年の9月に、ファンのみなさまの前で結婚発表をしたお祝いフライングだったんですが、「おめでとう!」と言われたかと思いきや、ばーん!と飛ぶ、みたいな(笑)。その結婚発表をしてから初めてのツアーが、今回の「THE FAMILY TOUR 2020」なんです。幕張公演のように単発のものではなく、今回行うツアーのように全国各地をまわるライブは結婚後初めてになるので、観てくれている人もたぶんこれまでと違う目で私のことを見ますし、でんぱ組.incのことも見ると思うんですよ。だから、みなさんにどういう目で映るのかも気になるし、私自身も結婚で人生がガラッと変わったなかでのツアーは、また新しい思いでまわることになるのかなと。いまから、そこは楽しみであり、不安でもありますね。ツアーのこまかいところはまだ詰めきれていないんですが、これまでとはまたひとつ、違ったでんぱ組.incになるかと思います。ーーここでがらりと違うお話ですが、おふたりが普段から美容面で気をつけていることはありますか。古川とくにこのふたりは“美容大好き人間”なんです。やっぱりオタクって、ゲームだったりアニメだったり、何かを突き詰めるじゃないですか。私たちはそういうのも好きなんですが、美容に関して、このふたりはずば抜けて興味があるんですよ。相沢ちょうどこの間、未鈴ちゃん家におじゃまして、「新しいメイクをやってみようか」「このコンシーラーがいいんだよ」とか、情報共有しながらやっていました(笑)。古川めったにメンバー同士、仕事以外では会わないんですよ。相沢メンバーはみんなオタクなので、それぞれの趣味のオタク活動をしなきゃいけないので、趣味が合わないとあまり一緒に何かをやるということもなくて会わないんです(笑)。古川それがこのふたりは、美容という目的だけで会うんです。意見交換をすることもあるので、お互いに美容については気をつけていることがいっぱいありますね。相沢実は2018年末ぐらいから筋トレを始めて、ジムに通い始めて、まわりからは「スタイルが良くなったね」と言われるようになったんです。それで未鈴ちゃんにも「一緒にやろうよ」と言って。古川梨紗ちゃんと同じジムに通いました。同じように食事制限をして、ストイックに筋トレをやりましたね。相沢いまも続けていますが、以前よりは緩やかにやっている感じです。古川食事では「油を絶対に食べてはいけない」という制限があって、サラダチキンをいっぱい食べ、玄米を食べ、タンパク質を摂るという食事スタイルなんです。それを面倒くさがらず、ひとつずつ制限についても、夢中になれるふたりなんです。相沢さっきもずっとそんな話をしていました(笑)。ーーおやすみの日の過ごし方も教えてください。相沢趣味が料理なので、家にいると、ずーっと料理を作ってしまいますね。この間は、自家製ジンジャーエールを作ろうと思って、生姜を買ってきて、お鍋でコトコト煮込んでいました。ジムに通ったことがきっかけで、自分が何を食べているのかをわかっていなきゃいけないと思うようになって、何も考えずに何が入っているかわからないものばかり食べていてもだめだなって、料理に目覚めたんです(笑)。古川でんぱ組.incは、大人なんですよ(笑)。私の場合、お休みの日はひたすら化粧品について調べていますね。いま流行っているものや新発売のものをYouTubeで調べています。やっぱり、いま、かわいくなければ意味がないと思っているんですよ。数々のアイドルのオーディションに落ち続けてきた人間なので、なんとかしてかわいくなりたいと思っているんです。メイクにはこだわりがあって、不自然に見えないようにするとか、そういうものも鏡を見ながら日々研究しています。ーーでは最後に、でんぱ組.incさんとしての今後の目標を教えてください。相沢まずは全国ツアーを成功させたいですね。いままで来てくれている方はもちろん、ちょっと離れちゃったという方、遠くてなかなか行けなかったという方も来てほしいです。それに、こちらの体制が変わったり、曲も変わったりしているので、いろいろな方に「今日、でんぱ組.incに時間を作ってよかったな」と思ってもらえるような私たちでいたいと、そういう気持ちでツアーに臨みたいと思っています。古川私が結婚してもアイドルを続けられているというのは、けっこう奇跡的なことだと思っているんです。みんなにも何かしら恩返しできたらいいなと思っています。みんなが私にしてくれているように、誰にとっても優しいでんぱ組.incであればいいなと。ふわっとした感じではありますが、それが長期的な目標ですね。取材後記明るく、元気で、カラフルなイメージのあるでんぱ組.inc。今回登場してくださった古川未鈴さん、相沢梨紗さんは「あまりこういう写真撮らないかも」と言いつつ、撮影では大人っぽい表情も見せてくださいました。好きなことをとことん追究するすてきなオタクで、アイドルのでんぱ組.incのみなさんがリリースされるニューアルバムをまずはチェックしてみてくださいね。でんぱ組.inc PROFILE古川未鈴、相沢梨紗、成瀬瑛美、藤咲彩音、鹿目凛、根本凪からなる6人組ユニット。メンバーそれぞれがアニメ、漫画、ゲームなど、自分の趣味に特化したコアなオタクで、「萌えきゅんソングを世界にお届け」をキャッチフレーズに、秋葉原を拠点に活躍中。また、東京コレクションほかさまざまなクリエイターとのコラボレーションを活発に展開し、国内のみならず海外からも注目を集め、台北やジャカルタでのファッションイベントにも参加。2013年にはJAPAN EXPOに日本代表として出演。2014年度は東アジア文化都市2014横浜親善大使を務めた。2014年は日本武道館で1万人動員、2015年は国立競技場代々木第一体育館2days単独公演を大成功させた。シングル「あした地球がこなごなになっても」でミュージックチャート1位を獲得。2015年はワールドツアーも敢行。MTV「ワールド・ワイド・アクト賞」の日本部門「ベスト・ジャパン・アクト」のウィナーに。2016年12月、ベストアルバム『WWDBEST 〜電波良好!〜』をリリース。2017年1月、アリーナツアー6公演を開催し、2度目となる日本武道館公演も行う。8月、最上もが脱退。12月、大阪城ホール公演で鹿目凛、根本凪が加入し、2018年4月4日に7人体制となって初のシングル「おやすみポラリスさよならパラレルワールド / ギラメタスでんぱスターズ」をリリース。2019年1月1日、7人体制初のアルバム『ワレワレハデンパグミインクダ』をリリース。1月6、7日に日本武道館公演2daysを開催し、約2万人を動員。この公演で、夢眠ねむはでんぱ組.incから卒業。12月7、8日に幕張メッセ公演2daysを開催。2020年3月25日、昨年12月の幕張メッセ公演「幕張ジャンボリーコンサート」の模様をおさめた映像作品を発売。4月15日、ニューアルバム『愛が地球救うんさ!だってでんぱ組.incはファミリーでしょ』をリリース。InformationNew Release『愛が地球救うんさ!だってでんぱ組.incはファミリーでしょ』01.ファミリーワールド02.愛が地球救うんさ!だってでんぱ組.incはファミリーでしょ03.子丑寅卯辰巳04.もしもし、インターネット05.生でんぱ06.星降る引きこもりの夜07.ボン・デ・フェスタ08.桜が咲く頃に09.形而上学的、魔法10.私のことを愛してくれた沢山の人達へ11.結婚してもMAMAになっても君は永遠にぼくのIDOL12.アイノカタチ13.秋の葉の原っぱで14.いのちのよろこび2020年4月15日発売*CD収録内容は全形態共通(通常盤)TFCC-86710(CD)¥3,000(税別)(初回限定版A)TFCC-86708(CD+DVD)*特典DVDにはMusic Video9曲を収録。¥4,500(税別)(初回限定盤B)TFCC-86709(CD+CD)*特典CDにはメンバー6人のソロ曲を収録。¥4,000(税別)
2020年04月13日音楽をこよなく愛する、ライター・エディター・コラムニストのかわむらあみりです。【音楽通信】第33回目に登場するのは、歌手としてだけでなく、俳優やモデルなどでも幅広く活躍している5人組ボーカルダンスユニット、M!LK(ミルク)!写真・大内香織音楽以外にも多ジャンルで活躍する5人写真左から吉田仁人、山中柔太朗、佐野勇斗、曽野舜太、塩﨑太智。【音楽通信】vol. 332014年11月に結成され、2015年3月にシングル「コーヒーが飲めません」でデビューしたボーカルダンスユニット、M!LK。「何色にも染まることのできる存在に」という意味が込められたグループ名の通り、メンバーは音楽活動に留まらず、ドラマ、映画、舞台、モデルと幅広く活躍しています。2018年にリリースされた8thシングル「Over The Storm」でオリコンウィークリーランキング2位、2019年11月にリリースした結成5周年アニバーサリーシングル「ERA」はトータルセールス10万枚を超え、ゴールドディスク作品として認定されました。2020年2月から、佐野勇斗さん、塩﨑太智さん、曽野舜太さん、山中柔太朗さん、吉田仁人さんの5人編成となったM!LKが、3月11日に3rdアルバム『Juvenilizm(ジュブナイリズム)-青春主義-』をリリースされるということで、メンバー全員にお話をうかがいました。ーーまずはおひとりずつ、自己紹介からお願いします。佐野佐野勇斗、22歳です。特技は書道です。塩﨑塩﨑太智、19歳です。趣味はゲームです。曽野曽野舜太、17歳です。もうすぐ高校3年生になります。人に笑ってもらえたり、笑顔を見ることが好きです。山中山中柔太朗、18歳です。最近、ドライヤーの髪の乾かし方にハマっています(笑)。どうやったら効率良く乾かせるか、研究しています。吉田リーダーの吉田仁人、20歳です。特技はダンスと合気道です。蕎麦、アメフト観戦、盆栽が好きなんですが、最近はゴルフも好きです。5人になっていまはすごくいい現状のM!LKーーM!LKさんは2020年1月まで7人編成でしたが、おふたりが卒業されました。2月からは現在の5人編成となりましたが、心境の変化はありますか。佐野5人になってより一層、団結力を深めたいと思いますし、「後がない」という気持ちでがんばらなきゃなとは思っていますね。曽野“背水の陣”という感じですね!(静まり返るメンバー)佐野……よかった、言わなくて(笑)。山中その言葉、このために残しておいたの(笑)?佐野そう、(曽野)舜太が言うだろうと思って残しておいた(笑)。曽野ありがとう(笑)。もう僕らは、前しか向いていないんです。もし次に誰かが卒業するとなったら、解散するぐらいの気持ちでいるから。それぐらい5人で上を目指す気持ちがかたまっていますし、スタッフさんも含めての強い絆があるんです。吉田字面で“背水の陣”と見ると、危機感があるように見えるかもしれませんが、僕らはいつも笑っているというか。どんな状況になっても「いけるっしょ!」という気持ちで前を向ける5人なので、いまはすごくいい現状だと思いますね。ーー5人編成となって初のニューアルバム『Juvenilizm -青春主義-』を3月11日にリリースされましたね。吉田今回は“シネマティックアルバム”というコンセプトアルバムになっていて、1曲目から順番に聴いていくと、ストーリーが進んでいくように工夫されています。5人になって初めてのアルバムということで、「5人だとどういうものを最初に出すんだろうな?」と思っているM!LKを知っている方も、そして知らない方でも、聴きごたえのあるものになりました。「これが5人のM!LKですよ」と堂々と言える力作になっています。最新作では5人それぞれが主演のショートフィルムもーー“シネマティックアルバム”ということで、メンバーのみなさんがおひとり1曲ずつ、収録楽曲の5曲をそれぞれモチーフにしたショートフィルムも制作され、主演を務めています。佐野さんは、アルバムの14曲目に収録された「君がくれた宝物ならココにある」のショートフィルムでは、新人美容師を演じていましたね。佐野この役がけっこう難しかったんです。“佐野勇斗だけど佐野勇斗”じゃないから。普通は役で別の人物の人生を演じていますが、今回は佐野勇斗役。だけど、パラレルワールドといいますか、違う時間軸を生きている佐野勇斗なんです。この5人の関係も、メンバーではなく、幼なじみという設定になっていて。ショートフィルムの中で、僕は幼なじみのみんなにハサミをもらって、「一流の美容師になりたい」と希望を持つのですが、実際には大変な状況なんです。目指す場所にたどりつけていない自分にモヤモヤするという心情を今回演じてみて、世の中のみなさんのなかにももしかして壁に当たってしまった方がいるとしたら、悩む気持ちに共感することができました。そのあたりは繊細に演じています。ーー吉田さんは、収録曲の5曲目「晴れのち曇り時々虹」に連動したショートフィルムで主演を務めていますね。吉田この曲は、(山中)柔太朗くんとふたりで歌うユニット曲なんです。ストーリーで僕は就活生の役。実際に、就活生のみなさんが経験したことのあるかもしれない、就活があまりうまくいかないという設定です。現実的で、考えさせられる部分が多くて、いろいろな作品を読んで勉強しました。ストーリーでは、うまくいったら「みんなでビールを飲む」という夢があって、支えてくれる仲間がいるから、就活もがんばれるんだと思いました。そういう点では、支えてくれるメンバーがいる実際の自分自身と重なっている部分もあると感じましたね。自分だけど自分じゃないという役なので、「もしかすると自分はこういう人生を送ることもあったのかもしれない」と思うと、別の人生を送る“吉田仁人”を演じるのは難しかったけれど楽しかったです。ーー山中さんは、11曲目の「last moment」ですね。山中はい。「last moment」のストーリーのなかで、僕はフリーターで仕事もせず、ヒモというんですかね。年上の彼女の家にずっと住み込んでいるという男性の役で、面白いなと。でも監督さんと役について話し合うと難しい役だと思いましたが、演じていると、だんだんとこの役の気持ちがわかってきました(笑)。僕とはさすがに正反対だと思いたいんですが(笑)。世の中にいるこういうタイプの男性は、その人にはその人なりの魅力があるんじゃないかなと。年上の彼女が思わず世話したくなるような魅力があると気づいて、演じていて楽しかったです。ーー曽野さんは、6曲目の「DEAR LIFE」をご担当です。曽野はい。このストーリーをひとことで言うと、「運命のマドンナに再会……だが!?」というところです(笑)!メンバー爆笑曽野学生時代に好きだったマドンナに、デリバリーサービスの配達員をしていたら偶然再会するんですが、だが! しかし! という展開(笑)。そこにはマドンナが付き合っているダメ男もいて、しょんぼりしていたら、(塩﨑)太智くんたちと偶然出会って、運命の歯車が動き出していくというストーリーになっています。実生活では、運命のマドンナに再会という経験がなく、まるで夢の世界のストーリーなので、演じていて楽しかったですね。あと偶然この撮影現場で、小学校のときに一緒にサッカーをやっていた友達に出会ったんです。しかも僕、東京ではなく、三重県の出身なんですよ。三重県出身の男同士が、東京のスカイツリーの下で偶然出会うという経験をして、そのことに運命を感じました(笑)。ーー塩﨑さんは、9曲目「Don’t think Jump!」ですね。塩﨑僕は、友達の前で強がってしまう俳優志望という役柄でした。演じてみて、(曽野)舜ちゃんと一緒の場面も多くて、みんなが学生という設定での場面を撮ったときは、ナチュラルに普段の僕らの感覚で演技ができました。でも、大人になったときの場面を撮るときもついはしゃいでしまって、そこがちょっと難しかったところではありましたね。完成したアルバムを聴いてやっと安心ーーアルバムのレコーディングは順調でしたか。山中まあ順調でしたね。曽野いつもメンバーは別々にレコーディングするんです。吉田(佐野さんを見ながら)確か、レコーディングは主演舞台『里見八犬伝』(2019年10月~12月開催)のときだったよね?佐野そうだったね。舞台とレコーディングの日程が重なっているときがあったんですが、舞台で声を張っているから喉を壊してしまっていて。歌えなくて、初めてレコーディングの日程をずらしてもらいましたね。僕が歌う曲数は多いので、喉の調子を見ながら、メンバーのなかでは最後に歌録りをしました。吉田それぞれがレコーディングをしていて、まとめあげて完成された音源を聴いたときに、「おっ!」って思いましたね。「やっと出来上がったな」という実感がわきました。山中7人体制のときに、「5人になる」と決まってからのアルバム制作期間でした。曽野長期的な計画だったんです。吉田なんだその、ロケットを飛ばすような「長期的な計画」って(笑)。それはつまり、ちょうど今回のアルバムは、M!LKが7人から5人体制に移行するタイミングで、じっくりと時間をかけたという意味での長期的な計画です。だから、完成したアルバムを聴いて、やっと安心できましたね。個性豊かな5人のエピソードーーここで趣向を変えて、メンバーそれぞれの普段の行動を見て思う「さわやか」エピソードを本人以外のメンバーの方から、おひとりずつ教えてください。曽野今日カフェに行ったんですが、スコーンを(佐野)勇斗くんが買ってくれて、お礼を言おうとしたら「you’re welcome」って言われました(笑)。吉田ダサい(笑)!メンバー爆笑曽野さらっと「you’re welcome」なんて言葉が出てくるところが、さわやかだなと思いました!佐野文字にされると恥ずかしい(笑)。曽野なんていうか、「どういたしまして」をあえて英語で言うさわやかさが、ニュアンスだけでも伝わればいいなと思います(笑)!吉田あとのメンバーはさわやかさはない気がするんですが……(笑)。佐野僕らには、さわやかさが足りていないのかな(笑)。吉田そういえば、さっき車中でアルバムの曲をみんなで大合唱してきたんです。勇斗もめいっぱい歌っていましたし、これは“さわやか”じゃないでしょうか。曽野(吉田)仁人くんは、スタジオに入るときに「先にどうぞ」って譲ってくれましたね。山中そう、そういうところだね、さわやか!曽野あと仁人くんは、メイクをするときも順番があったんですが、先に譲ってくれました。佐野それはゆっくりしたかったのかも(笑)。吉田話を聞いていて思いました、こうやって人のいいところを見つけられる舜太は、さわやかですね。佐野太智は、アルバムの2曲目「Winding Road」のミュージックビデオで一生懸命自転車をこいでいて、その姿はさわやかです!塩﨑ぜひ見てほしいですね(笑)。曽野太ちゃん、この前ハワイに行って帰ってきてから、「ハワイの男性は常にレディファースト」だと教えてくれました。それ以来、僕も太ちゃんを見習って、レディファーストをまねしています(笑)。吉田意外とあんまり見せないけど、柔太朗は笑顔がさわやかですよ。山中そういえば、以前撮影していたときに、作り笑顔じゃなくて、自然といい感じの笑顔ができたこともありましたね。ーーさわやかエピソード、ありがとうございます。ところでみなさん、好きな女性のタイプも教えていただけますか。塩﨑これは盛り上がっちゃうな(笑)。曽野時間が足りないかもしれない(笑)。佐野好きなのは、笑顔ですね。でも、なんでも笑ってほしいわけじゃないんですよ。流す感じの「ははっ」という笑い方ではなく、ちゃんと僕の話を聞いて、自然と笑顔を見せてくれる人はうれしいですね。あとは家族や同性を大事にする人ですね。女の子同士でいるときに、まわりの女の子にも気をつかえる、優しいタイプの女性は、本当にいい子だと思います。吉田僕は、自分のままでいられる人が一番です。嬉しいときは嬉しい、悲しいときは悲しいと、素直に表現できる人が一番心が強いと思っているので、そういうありのままでいられる人が魅力的だと思います。あとは、笑ってくれる人がいいですね。山中うん、ささいなことでも笑い合える人がいいですよね。僕は、おしゃれな人が好きです。僕と価値観が合うようなセンスの人がいいですね。佐野じゃあ、外見も内面もめちゃくちゃタイプだけど、ファッションがイマイチの女性だと、どうなるの?山中それは……コーディネートを考えたりしたいですね(笑)。でも基本的には、おしゃれな人、服の価値観が合う人だと、うれしいですね。曽野僕はですね、一緒に笑ってくれる人。相手が「ありがとう」って言ったときに、歯が見えるくらいのニコッとした笑顔がいいですね。塩﨑確かに、まず笑ってくれるのは、僕も大前提ですね。そしてたとえばお金を払ったときに、ちゃんと感謝をする人。「あ、払ってくれるのね〜」と流すんじゃなくて、毎回「ありがとう」を言える人、気遣いができる人、料理ができる人がいいです。外見でいうと、清楚な雰囲気が好きですね。これからもどんどんM!LKを広げていきたいーー最後に、今後のM!LKさんとしての目標を教えてください。佐野ヒット曲を出したいですね。楽曲からもM!LKのことを知ってもらいたいので、代表曲がほしいですし、冠番組も持ちたいですね。吉田メンバーで夢を語り合うことがよくあるんですが、僕としてはずっと、「この5人で一生M!LKをやっていたい」と思っています。それぐらい大事なメンバーだし、日本中の人がM!LKを聴いてほしいですし、僕たちのことを知ってもらいたい。目標は、M!LKでドームツアーをすること、紅白歌合戦の司会をすること。日本中の人にM!LKを知ってもらえたら、目標にしていることもできるようになるのではと思っています。大きな夢を掲げて、一歩ずつ地道に進んでいきながら、まずはこのアルバムをみなさんに聴いていただきたいですね。そして2020年、2021年と、どんどんM!LKを広げていきたいと思っています。取材後記佐野さん、塩﨑さん、曽野さん、山中さん、吉田さんらメンバーそれぞれが多岐にわたってご活躍されている、M!LK。取材の合間にも楽し気に過ごす姿を見せてくださって、5人の仲の良さやチームワークの良さを強く感じました。それぞれが織り成すカラーをまとい、これからも全国の女性のハートをキュンキュンさせてくれるはず。まずはニューアルバムをチェックしてみてくださいね。M!LK PROFILE2014年11月結成。佐野勇斗、塩﨑太智、曽野舜太、山中柔太朗、吉田仁人からなる5人組ボーカルダンスユニット。スターダストプロモーション所属。“今この瞬間の感情”を収めた楽曲や、エモーショナルで強いメッセージ性が話題を呼び、注目を集めている。グループ名には「何色にも染まることのできる存在に」という意味が込められており、メンバーは音楽活動に留まらず、ドラマ、映画、舞台、モデルと幅広く活躍している。2015年3月「コーヒーが飲めません」でCDデビュー。8枚目のシングル「Over The Storm」で自身最高のオリコンウィークリーランキング2位、2019年にリリースした結成5周年アニバーサリーシングル「ERA」はトータルセールス10万枚を超え、ゴールドディスク作品として認定された。2020年3月11日に3rdアルバム『Juvenilizm-青春主義-』をリリース。InformationNew Release『Juvenilizm-青春主義-』01. Theme of Juvenilizm-青春主義-02. Winding Road03. かすかに、君だった。04. Searchlight-僕らが僕らになる方法-05. 晴れのち曇り時々虹06. DEAR LIFE07. Ordinary-最高の退屈-08. We’re Here!!!09. Don’t think, Jump!10. Lost and found-am 0:00-11. last moment12. 嫌い13. ERA14. 君がくれた宝物ならココにある(通常盤)2020年3月11日発売ZXRC-2061(CD)¥2,750(税込)(Limited盤)ZXRC-2059(CD+Blu-ray)*Juvenilizm-青春主義-Special Short Film+40Pフォトブック+身蓋箱¥4,950(税込)(初回限定盤)ZXRC-2060(CD)*40Pフォトブック+三方背仕様¥4,070(税込)※封入特典:Limited盤、初回限定盤、通常盤(初回生産分)共通全18種類(メンバーソロ各3絵柄メンバー全員3絵柄)のトレカから1枚ランダム封入
2020年03月27日音楽をこよなく愛する、ライター・エディター・コラムニストのかわむらあみりです。【音楽通信】第32回目に登場するのは、“上地雄輔”として俳優やタレント活動も行うなかで、今年歌手活動12年目を迎える、遊助さん!写真・黒川ひろみ応援してくださる方が作ってくれた“遊助”【音楽通信】vol. 32俳優の上地雄輔さんが、2009年からソロ名義の「遊助」として行なっている歌手活動は、今年の3月で12年目を迎えます。時に役者としてシリアスな姿を披露し、時にバラエティ番組でチャーミングな表情を見せ、時に多くの人たちを勇気づける歌を歌う、遊助さん。そんな多彩な活動を展開している遊助さんが、2020年3月11日に9枚目のアルバム『遊言実行』をリリースします。今回は、アルバムでコラボレーションをした大人気YouTuberのフィッシャーズから、んだほさんも途中登場。遊助さんらにお話をうかがいました。ーーあらためて、「遊助」名義で歌を始めたきっかけから、教えてください。以前、『クイズ! ヘキサゴンII』という番組に出演していたときに、僕がいた羞恥心というユニットでのライブがあったんです。そのとき、ライブでひとり1曲ずつ歌うコーナーがあって、それぞれ歌を用意することになり、僕は事前に「ひまわり」という曲を作りました。当初「ひまわり」はライブ用に作った曲だったので、CDにしたいとはまったく考えていなかったんです。でも、SNSで話題になったり、番組への問い合わせもたくさんあって「CD化してほしい」という反響もあり、2009年3月にシングル「ひまわり」としてリリースして、遊助名義での歌手活動がスタートしました。ーー2009年以降から現在まで、コンスタントにCDリリースとライブ活動をされています。ご自身では、音楽活動についてどのようにお考えでしょうか。気づいたら、1年間のほとんどを音楽活動が占めているほど、大事なものになっています。昔は番組企画やユニットという傘の中に入っていましたが、いまは傘に入っていなくて、一本立ちしました。ひとりになると、制作時間や打ち合わせ、人選びやリハーサルなど、やらなくてはいけないことがいろいろとあるので、責任感がより増しましたね。2020年3月11日で、遊助の活動が12年目に入るんです。できるだけ続けようとは思っていましたが、ソロ活動を始めた当時はこんなに続くとは思っていませんでした。もともと歌を歌おうと思っていたわけではなかったですし、歌手になりたいとも思っていなかったから。でも、それはいまが楽しくないというわけではなく、歌手活動はもらった命といいますか、応援してくださる方が作ってくれた“遊助”だと思っています。与えられた場所がけっこう光り輝いているので、そのぶん自分でやらなきゃいけないこともたくさんありますし、背負わなきゃいけないものもたくさんあるからこそ、続けていって少しでもみなさんに恩返しがしたいんです。アルバムには第2ステージに行く気持ちを込めたーー3月11日に、9枚目となるアルバム『遊言実行』をリリースされますね。『遊言実行』は、遊助として10年が過ぎて、第2ステージへ行く気持ちを込めています。年齢も40歳になって、いろいろな人への恩返しはもちろん、聴いてくださるみなさんに向き合う気持ちで、さらに僕がみなさんの背中を押すことで、やりたいことを行動に移してほしい、勇気を出してほしい、そういうエールを込めて音楽を作り続けようとこのタイトルにしました。ーーアルバムでは、“遊turing”と題したコラボレーションをされています。今回、んだほさん(フィッシャーズ)、サイプレス上野さん(サイプレス上野とロベルト吉野)、MaRuRiさん(まるりとりゅうが)といった幅広い世代の3組が参加していますね。毎回、さまざまなジャンルの方とコラボレーションをやってきました。応援してくださる方は、同世代や年配の方はもちろん、10代や20代の方も多いので、そういった年齢の人たちなどともおたがいに高め合えるようなコラボをしています。歌手活動を10年もやっていると、どうしても方程式というか、「こうすればいいだろう」というものができてしまうんです。40歳になったこともそうですが、20年も芸能界にいると、「なんとなくこうやっとけばいい」という自分の言い訳がうまくなってしまうところもありますが、それはつまらないし、飽きちゃうんです(笑)。だから、いろいろな分野で活躍している人たち、さまざまな世代の人たちと組んで、刺激をもらわないといけない。やっぱりアーティストって、アウトプットしていくことが多いので、違う環境で育った人たちの感性が知りたいですし、話を聞いていかないと、視野が狭くなってしまうんです。僕のように、若くもない、ベテランでもないというポジションは、上の人たちからも下の人たちからもいろいろなものを学んでいかないと、いつかカラカラになってしまうので。視野を広く、いつも受け入れる余裕を持って、なんでも吸収できるスポンジのような状態でいることを大事にしています。コラボしたフィッシャーズ、んだほ登場写真左から遊助、フィッシャーズのメンバー、んだほ。ーーここで、今回コラボされたうちのおひとり、YouTuberのフィッシャーズのメンバー、んだほさんが取材に駆けつけてくださいました。んだほさんは、もともと遊助さんとお知り合いだったのですか。んだほもともと遊助さんのファンで、勝手ながら、応援させていただいていたんです。YouTuberとしての活動をやるなかで、遊助さんにたまたま僕のことを知っていただく機会があって、遊助さんのライブで楽屋にお邪魔させていただいたときに、そこから話がふくらんで今回のアルバム参加にまでつながりました。今回「よかったら一緒にやろうよ」と遊助さんから言っていただいて、僕からすると「いいんですか!?」という歓喜でしかないんですが、そうしてコラボが始まったんです。遊助さん、ですよね?遊助そうです! いつもひとりで取材を受けているから、ふたりだと自分が話さなくていいときがあるって、なんかうれしいなと思って話を聞いていました(笑)。ーー確かにソロインタビューとは違う感じですよね(笑)。遊助さんは、んだほさんがご自身のことをお好きだと、ご存知だったのですか。遊助最初はスタッフさんから、んだほのことを聞きました。YouTubeで活躍している人とはわかっていましたが、僕はSNSに疎かったので、んだほが応援してくれているという話を聞いてから、しっかりと動画を見させていただいたんです。んだほはがんばっている子で、僕も感化されましたし、刺激になって、インスタグラムからダイレクトメッセージを送らせていただいて。すると、んだほが、当時の彼女でいまの奥さんに「プロポーズしたんです」と、「今年もライブに行きます」と言うので、だったらお祝いが言いたいから、ライブでは楽屋に来てよと伝えたんです。んだほちょうどプロポーズしたその日に、遊助さんからメッセージをいただいたんですよ。そもそも遊助さんが、前はやっていなかったツイッターやインスタグラムを始めて近況をファンに聞かせてくれるようになったことも、すごくうれしかったんです。遊助マジ?んだほめっちゃマジです! 結果として、インスタがあったから、連絡もつながったので、さらにうれしい!ーーんだほさんは遊助さんの大ファンだそうですが、どのぐらい昔からお好きなのですか。んだほ普段アップしているYouTubeでも、遊助さんのグッズを持って紹介していたり、遊助さんのグッズのハーフパンツを履いて出たり。ツイッターに、遊助さんのライブに行った話もあげていて、それをファンのみなさんがご本人に伝えてくれたというか、つなげてくれたのかなと。僕からしたら、この展開は本当に不思議なことですね。遊助んだほの気持ちは、めちゃくちゃうれしかったです。ライブで楽屋に来てくれたときも、泣きそうな顔で来てくれて、本当にすてきな人だと思いました。そうやって僕を応援してくださる仲間、クルーのことは自分自身でも誇りに思っているので、恩返しできたらいいなと思ったんです。んだほうれしいですねえ(笑)。ーー実際にお会いできるようになって、遊助さんの印象はいかがですか。んだほ遊助さんは本当に、光っています(笑)!遊助光ってる(笑)?んだほ出会って半年経ちましたが、ずっと遊助さんは光っています! 遊助さんにお会いする日が来るまで、カレンダーを見ながら、日が近づくたびにドキドキしてしまいますし、前日の夜はさらにドキドキ。遊助実は、取材でこうして一緒に話すのは、初めてなんですよ。んだほだから今日も緊張しています。声がいつもより小さいです(笑)。コラボ曲は、遊助から、んだほへのお祝いソングーーではここであらためて、んだほさんが所属されている「フィッシャーズ」はどんなグループなのか、普段のご活動を教えてください。んだほ中学校の同級生で組んだチームで、変わらずみんなで遊んでいるところをたまたま動画に撮っていて、みんなで観れるようにYouTubeにあげていて、その延長が10年ぐらい続いています。毎回テーマは決めず、歌や運動など、いろいろなことに挑戦しながら“みんなで遊んでいる”という動画をあげているのが、フィッシャーズです。たまに休みますが、基本は1日、1本か2本は動画をあげていますね。遊助こうやって活躍しているYouTuberの人と一緒になるのは、普段ほとんどないんですよね。たまに音楽番組などで一緒になるときに、ご挨拶に来てくださったりということはあったとしても、話す機会がなくて。僕はすごくアナログ人間ですが、YouTubeなどのSNSで活躍している子たちが、どういう感性を持っていて、どういうふうに活動しているのかを知るのは刺激的です。それこそ、いまはさまざまなチャンネルが増えて、いろいろな媒体が増えるなかで、YouTubeで活躍するんだほの真っ直ぐさ、努力家だからこそのエネルギーで続けている姿勢が勉強になりましたね。んだほこの取材の音声をください(笑)!めっちゃうれしいです(照)!ーー今回、遊助さんとんだほさんは、アルバムの3曲目に収録された「HERO宴 遊turingんだほ」でコラボされました。遊助さんが、んだほさんへのお祝いの気持ちを込めて書き下ろしたメッセージソングになっているんですよね。遊助そう、奇跡が重なったから。んだほが楽屋に来たとき、んだほの彼女も一緒だったんですが、「遊助さんのライブでこの子と会ったんです」という話を聞いて、ビックリしました。人との出会いは一期一会ですし、そのときの高ぶった気持ちやうれしさ、お祝いの気持ちを「曲にして作らなきゃ」と思ったんです。そして、「こんなのないから一緒にやっちゃおうぜ」って。んだほその後、ご連絡先を交換させていただいて、「こういうテーマにしたいんだけどいいかな」と曲の相談をしてくださって、「HERO宴 遊turingんだほ」という、おめでとう! な感じの曲になりました。ーー実際に完成した曲を聴いていかがでしたか。んだほ毎日聴いてますが、「やった、できた!」という気持ちと、不思議だなという気持ちと、いろいろな気持ちがこの曲を聴くたびにあふれ出てきます。遊助さんのようにマルチに活動したいので、遊助さんを目標にして、3、4年前から僕も歌の活動をしているんですよ。遊助目標にする山が低い(笑)。でも、ありがたいですね。ーー今回、おふたりで歌っていますが、レコーディングはいかがでしたか。んだほ遊助さんはめっちゃ録るのはやいんですよ。僕が慣れてないのもあるんですけど。遊助それは「遊turering」でコラボした人みんなに言われる。「めちゃくちゃはやいね」って(笑)。んだほ遊助さんは役者もされているので、曲の世界観のイメージが固まっているといいますか、レコーディングでは集中力がすごいんです。「うわあっ!!」と感動して見ていました(笑)。遊助レコーディングはすごく楽しかったし、親戚や弟が急に現場に入ってきた感じもありましたね。んだほも緊張感を持って歌ってくれましたし、いっぱい練習してきてくれたんだろうなというものを感じました。歌には人柄が出てしまうものですが、んだほの場合、仲間や家族に愛情をたくさんもらってきているんだろうなということを感じて。親心じゃないですが、大きくなったねって、すくすく育ってよかったなって思いましたね(笑)。ライブは見えないところも含めての連携プレーーーんだほさん、貴重なお話をありがとうございました。ここでソロインタビューに戻りますが、「レコーディングがとてもはやい」というお話がありましたね。ほかの人たちがどうやって作っているのか、覗いたことがないからわからないのですが、けっこう言われますね(笑)。一気に歌詞の世界に入り込んで歌いますし、芝居もそうですが、何回も同じことをやりたくないんです。芝居だと、ドライやテストというものをやって、同じ芝居を何度も確認するんですが、僕は本番用にとっておくんです。相当、めんどくさいと思いますよ、共演者にとっては(笑)。でも、最初に「上地雄輔は本番でこういうことやるやつ」という取り扱い説明書を渡しておくというか、伝えておけばいい。さすがにまったく違うことを本番でやらないですが、“これをパッとやって、あれもパッとやって、はい次!”というリズムが体に入っています。バラエティもやらせていただくので、瞬間的に物事をとらえるといいますか、切り替えがはやいんです。ーーリリース後は、4月18日に横浜の山下埠頭でライブもありますし、7月4日からは全国ツアーが行われます。4月18日は誕生日なんですが、地元の横浜に帰って、山下埠頭で大きな野外ライブをやります。小さい子もおじいちゃんおばあちゃんも、久しぶりに来た人でも、一発で虜にさせられるような、いやなこと忘れてみんなで大騒ぎできるライブを考えています。さらに、今年のツアーはホールツアーをやらせていただきます。ちゃんと箱(ホール)があるので、そのなかでエンタテインメントとして、何十回観ても楽しいものにしようと。もしもライブがどういうものかわからない人でも、僕の曲を知らない人でも、盛り上がることができるショーにしたいと思っています。ライブは、連携プレーですよね。お客さんは、たとえば一緒に連れて来た彼氏が笑っていなかったら彼女も笑いにくいし、前に座っているおじさんが肩を揺らしていないと笑いにくいし。ステージだけがライブではないから、僕ひとりだけではなく、見えないところでスタッフさんががんばってくれていたり、警備員の人も、もぎりの人も、そういう見えないところも含めて連携プレーで、ひとつのライブだと思っているんです。そこを意識しておかないと、誰かひとりでも疲れたり楽しくなかったりすると、どんどん負の連鎖になりがち。リハーサルに入る前から、そこの意識は高めて、チームとして作り上げています。そんな“チーム遊助”として、どういうものを作り上げていくのか、スタッフやパフォーマーもどういう意識でいるかが大事なので、ツアーはそこから気合を入れていこうと思います。いつもインプットするために仲間と過ごすーーお休みのときは、どのように過ごしていますか。結局、休みの日も仕事しちゃうんですよね。「いまのうちに曲作んなきゃ」「いまのうちに台本読んどこう」って。趣味がないんですよ。ゴルフはたまにやるんですが、それは一緒に行くやつが楽しいから行くだけです。野球もやっていましたが、草野球チームを作っているわけじゃないし、波乗りもしますが地元の知り合いがいるから行くだけで。打ちっぱなしにひとりで行くわけでもないし、バッティングセンターでストレス解消することもないし、カラオケでひとりで歌うのもないんです。一緒にいるやつが楽しいから、どこかに行くだけです。友達と飲みに行くこともありますが、ひとりでは行かないので、そういう意味では、仲間に恵まれていますね。常に仕事を意識してしまうから、いつもインプットしないといけないと考えています。道で「この前、犬のうんち踏んじゃってさあ」ってバラエティで言おうとか、「この前振られたんだ」という話を聞いたら、「この役に活かせるな」と思ったり、ずっと何かの日常を描かなきゃいけないから。それを自分から出し続けてばかりだと、からっぽになってしまう。だから、どこの場所に行くにしても、誰かが行くなら行く。そこに行ったら、面白い話はありそうかなって、結局、仕事になってしまうんです。何もしないでいると、「ヤバい、家にいちゃダメだ! 外ならまだ面白いことがあるかも」って、その生活が当たり前になっています。自分のために生きている人がいいーー話は変わりますが、好きな女性のタイプを教えてください。自分のために生きている人がいいですね。冷たい言い方かもしれませんが、他人に「こうであってほしい」という期待をしていない人。それは女性に限らず、友達でもそうかもしれません。たとえばSNSが普及してから情報がいっぱい入ってくるようになって、その情報を自分のものと思いがちですよね。知らないうちに他人に期待していて、自分が思ってもいないことが書かれたり、反応されたりすると、怒ったり悲しんだりしやすい。でも人間は、そのときどきの感情があるから、自分の思い通りの答えが返ってこないときもあるし、以前とはまた考えが変わってしまうこともあると思うんです。なんでも自分の思った通りに相手が反応しないこと、期待をしすぎて違う反応をしたときに、悲しむ人は多い気がします。昔はテレビに出ている人はあこがれの対象でしたが、いまは親近感のある人がよくなってきて、さらに自分を肯定できる人、わかってくれる人ばかりを好きになるという風潮もありますよね。そういったことに流されずに、友達でも恋人でも家族でも、尊重し合うことが大事だから、自分のなかでの「こうであってほしい」という期待を押しつけない人が好きなんです(笑)。40歳になったいまがいちばん楽しいーー今後は、どのような未来を思い描いていますか。10年後も、こんな話をしていたいなって思いますね。実は30歳のときも、同じことを言っていたんです。「やっと30歳になった、何も成し得ていないけど、ここまで来たぞー!」と。なんとか生き延びたと思っていたんですが、30代は大変でしたね(笑)。もう1度自分を見つめ直すという、30代だった気がしています。とはいえ、30代ももちろん楽しいこともありましたが、40歳になったいまが、いちばん楽しいです。だから、50歳になっても同じことを言っていたいと思いますし、そうなれるように、37歳、38歳、39歳をがんばったんですよ。これは30代に限らず、10代なら17、18、19歳。20代なら27歳、28歳、29歳。30歳なら37、38、39歳。40代なら47歳、48歳、49歳といった具合に、どの年代でも後半の“7、8、9歳”の3年間をがんばればいいと思っていて。次の年代にあがったときも「絶対楽しくなる!」って勝手に言っています(笑)。だいたいこの3年間は、まわりでも自分を見つめ直すやつが多いんです。子どもの7、8、9歳だと、急に小学校のルールにとまどうようになったり、17、18、19歳も「あれ? 思ったより夢がかなわないぞ」って気づいてきたり、27、28、29歳も「結婚しなきゃいけないのかな」とか。僕も失敗をいっぱいしてきたんですが、なんだかんだで駆け抜けてこれたので、40歳になったいまも楽しいんです。だから、未来に「50歳になっても楽しい」と言っているように、まだ先ですが47、48、49歳もがんばりたいと思います(笑)。取材後記アーティストとして、全力で音楽に向き合う遊助さんは、自然体ながらも、とても熱いパッションを感じさせてくれました。きっと50歳になっても、ポジティブなオーラとさわやかな笑顔を絶やさず振りまいてくれるでしょう。フィッシャーズのんだほさんも、遊助さんへの愛いっぱいのお話をありがとうございました。ソロデビュー12年目を迎える遊助さんのニューアルバムをまずはチェックしてみてくださいね。遊助 PROFILE遊助(上地雄輔)。1979年4月18日、神奈川県生まれ。俳優、タレント活動の他、歌手として、ソロ名義では「遊助」として活動。2009年3月11日、シングル「ひまわり」でアーティスト「遊助」としてデビュー。以降、コンスタントに作品リリースとライブ活動を展開。2020年3月11日、9枚目のアルバム『遊言実行』をリリース。4月18日に、遊助250回記念LIVE「宴」を横浜の山下埠頭の特設会場で実施。7月4日から「遊助 2019年全国ツアー」を開催する。InformationNew Release『遊言実行』(収録曲)01.JACKPOT02.千羽鶴03.HERO宴遊turingんだほ04.俺達には明日があるんだ05.Pom Pom06.Why7.砂時計8.場外HOMER 遊turing サイプレス上野9.wind10.桜遊turing MaRuRi(まるりとりゅうが)11.俺と付き合ってください。12.3分30秒のタイムカプセル13.ありがと。2020年3月11日発売(通常盤)SRCL-11437¥3,500(税別)※CDのみ。(初回限定盤A)SRCL-11433~11434¥4,500(税別)※CD+DVD。CD収録曲は通常盤の12曲目まで同じ。(DVD内容)1.HERO宴遊turingんだほ -Music Video–2.-Documentary of 遊言実行-(初回限定盤B)SRCL-11435~11436¥4,500(税別)※CD+DVD。CD収録曲は通常盤の12曲目まで同じ。(DVD内容)1.遊飯Special in 北海道2.Making of 北海道
2020年03月06日音楽をこよなく愛する、ライター・エディター・コラムニストのかわむらあみりです。【音楽通信】第29回目に登場するのは、聴くだけで癒やされるような“ボタニカルボイス”を持つシンガー、Wakanaさん!写真・土佐麻理子母の影響で音楽に触れる環境に育つ【音楽通信】vol.2912歳から声楽を学び、17歳より多数のイベントに出演していたWakanaさん。福岡県から上京後、2008年に「Kalafina(カラフィナ)」のメンバーとしてデビューし、本格的にシンガーとして活動をスタートされた後、2019年にシングル「時を越える夜に」でソロデビュー。その後、コンスタントに作品をリリースし、ワンマンライブでもたくさんの人たちにシルキーで心地よい歌声を届けているWakanaさんが、2020年2月26日に2ndアルバム『magic moment』をリリースされるということでお話をうかがいました。ーーWakanaさんは12歳から声楽を学ばれていたそうですが、もともと音楽に触れる環境にいらっしゃったのですか。母が小学校の音楽の教師だったんです。母のピアノの伴奏で歌うことが好きで、小学生のときに少年少女合唱団に入っていました。さらに歌の基礎を教えてもらうために、中学校の3年間はご近所の先生に歌を教えてもらっていたので、歌にはよく触れ合っていた生活でしたね。母がピアノ教室も行なっていて、高校1年生ぐらいまでは家のピアノの発表会に出ていました。発表会では、生徒さんたちみんながピアノを2曲演奏するところ、私は母のすすめもあり、歌1曲とピアノ1曲を披露していました。私だけ歌が入っていることに、多感だった当時の私は恥ずかしかったのですが、学校の先生が発表会に来て、歌を褒めてくれたことがとてもうれしかったことを覚えています。ーーその後、福岡県から上京後、「Kalafina(カラフィナ)」のメンバーとして2008年にデビューされ、2019年にはWakanaさんがソロデビューされています。2008年から約10年間、梶浦由記さんという作曲家でプロデューサーの方のもとで、歌い手として活動していました。そのぶん、ソロになって環境が変わり、自分自身がどういうものを発信していけばいいのか、自分の良さはなんなのかということをものすごく考えなければいけない場面になりました。デビューシングルでは、初めて作詞をさせてもらったのですが、恥ずかしさが先にきてしまって、悩みましたね。ただ、1年間ソロ活動をさせていただいたなかで自分の書きたい欲も出てきましたし、こういうものを書いてみようという意欲にもつながっていったんです。いままでの自分を認めてあげる気持ちになったーー今回、2月26日に2ndアルバム『magic moment』をリリースされますね。『magic moment』は、ソロデビューしてからの1年間を通して培った経験から、「すべての瞬間を音楽に変えられたらいいな」という思いを込めさせていただきました。今回のアルバムは、昨年の春に初めてのソロツアーをさせていただいた後、次に出すEPから2ndアルバムまでの活動を「同じコンセプトで統一させよう」と話し合って決めていたんです。最初は“magic hour”というコンセプトを立てて、それに沿っていこうと。昨年の11月にリリースしたEP「アキノサクラ」では、空を意識したmagic hour的なものが収録曲の中に入っていますし、例えば恋に落ちる瞬間もmagic hourなんじゃないかと思っていて。ということは、“hour”という時間だけではなく、ほんの一瞬のような瞬間も考えると、アルバムタイトルは「magic moment」にしようと思いました。12月のワンマンライブでも、「瞬き」というタイトルをつけたんですね。ライブという瞬きの時間と、CDという作品を聴く時間、それぞれ私にはとても大切な時間で、どの瞬きも一番でひとつは選べないというお話をいつかみんなにしたいと思っていたんです。ライブではライブの時間、CDに込めた思いはいつだってどこだって届く、ということをライブでも伝えていました。今回のアルバムは、いままでの自分を認めてあげようという気持ちにもなった作品です。曲が歌詞の世界に連れていってくれるーー11曲目はストリングスの厚い表題曲の『magic moment』ですね。この曲は、人生で最後の場所ぐらい自分で決めていこうという旅の歌。「magic moment」というタイトルも、他にもいろいろと案があって、実は最後の最後まで悩みました。わたしたちは普通になめらかに動けますが、瞬間で動きがつながっていて、その瞬間の大切な思い出を1つ残らず次に持っていきたいと思っています。自分が生まれるときにきっと場所を決めて生まれてきていますが、そのときの記憶は忘れているから。生きているということが、奇跡の積み重ねですが、宇宙からしたら人の人生なんて一瞬だと思っていて。でもそのなかで、その人の人生はぎゅっと詰まっているということをこの曲に込めたかったんです。「何処か遠く」という歌詞は、最後の場所と言いつつ、まだまだやりたいことがある状態。この曲を11曲目の最後に持ってきて、1曲目の「breathing」にまたつながれる世界観になっています。「breathing」には、生きていくうえで必ず誰しもが息をして、鼓動を鳴らしているという、思いが入っています。海の生き物も空の生き物も、見え方が違っても、息をして鼓動を動かしていることを私の意思では止められないのが、生き物の面白さだと思っていて。そんな自分の意思だけで止められないことが、“生かされている”という部分でもあると思うので、「breathing」も最後まで悩んでタイトルをつけました。呼吸にスポットをあてたときに、11曲目から1曲目はつなげて考えてもらっていいと思ったんです。ーー輪廻転生のようなイメージですね。Wakanaさんの歌詞は知的な印象がありますが、今回は7曲の作詞を手がけていらっしゃいます。まだ作詞を始めたばかりで、勉強中なんです。これからどんどんやり方も変えていきたいですし、もっとうまくやりたいとも思うこともあるのですが、曲から得たイメージで詞を書いています。曲のイメージが、私を歌詞の世界に連れていってくれると思っているんですよ。ライブで歌うことで曲の表現が変わってくるーーそれぞれの曲へのアプローチはどのようにされているのですか。曲へのアプローチは、曲のイメージを大事にしたいと思って向き合っています。どう表現するかということは、曲を作ってくださった方の思いが込められていると思うので、それを読み取りたいから、歌でどう表現するかをあまり悩んだことがないんです。曲以上のものはまだこれから生まれてくるものだと思っていて、それもライブで歌うことで変わってくるんですよ。レコーディングのときは、自分にとってそのとき求めていることを最大限にやっています。ライブでは、何よりも自分を変えてくれるのが、お客さんです。ーーライブではおなじみという8曲目「君だけのステージ」は、明るいアップテンポのナンバーです。作曲と編曲を担当されている音楽プロデューサーの武部聡志さんとは、ライブでもご一緒されているそうですね。ソロデビュー前のファーストライブで、武部さんが音楽監督を努めてくださって以来、ずっとライブは武部さんが音楽監督です。そのファーストライブ制作の際に武部さんが曲を何曲かあげてくださって、「歌詞を書いてみて」とすすめられて書いたうちの1曲なんです。そして「この曲もライブでやりましょう」と武部さんが言ってくださって。当時はリリース前で曲数が少なくて、武部さんの作ってくれた曲、カバー曲、Kalafinaの曲なども歌わせてもらってライブをしていました。その頃から「君だけのステージ」を歌っていることもあって、歌い込んでいるからすごく楽しかったし、アルバムのなかでも1番年季の入った曲です(笑)。ピアノはもちろん武部さんが担当で、ギターとベースの方もライブでお世話になった方で、ドラムの方は初めてだったんですが自分の歌の雰囲気もすぐ読み取ってくれて、歌の思いを汲んだドラムをたたいてくださって、みなさん歌を音としてとらえてくれるので、すごく気持ちのいいレコーディングでした。音楽監督の武部聡志さんがメンバー加入ーー3月14日には、リリース記念のワンマンライブ“Wakana Spring Live 2020 ~magic moment~”がヒューリックホール東京で開催されるそうですね。今回は、音楽監督の武部さんが、初めてミュージシャンのメンバーとして入ってくださるんです。これまでレコーディング以外で、武部さんがバンドのみなさんと弾いてくれるという経験をしていないんですよね。ライブに武部さんがゲストとして登場してくださるときはピアノ1本なので、今回はどうなるのか楽しみです。『magic moment』リリース後のライブになるので、バンドサウンドで生でお披露目できる曲たちをどういうふうにみんなのところに届けようかなと考えているところです。ーーWakanaさんの歌声は、シルキーで包み込むような高音がきれいですが、普段ののどのケアはどのようにされていますか。ケアは、秋からずっと寝るときにマスクをしています。昨年まではマスクなしで加湿器のみで夜は寝ていたんですが、加湿しすぎるのもどうかと思って、マスクに切り替えたらのどの調子が良いんです。最初はマスクが苦しくて自然と取ってしまうこともあったんですが、つけたまま眠れるようになると、朝はのどの痛みがまったくないんですよ。ーーところで、Wakanaさんはメイクのこだわりはありますか。メイクはいつもナチュラルにしたいと思っていますね。アイラインもブラウンが多いんですよ。冬はいつもマスクをするので、よれにくいファンデーションを研究することもありますし、メイクさんが使っているものを見て探すこともあります。春や秋に出る黄色や黄緑色のような発色がいいハイブランドのものも見ますが、ペンシルやマスカラなどのポイント使いでしか使用せず、アイシャドウでは色はいつもブラウンになっちゃいますね。ステージでは、ブラウンのメイクはパッと見なじんでしまうので、アイラインはブラックを使います。肌が敏感なので、オーガニックコスメのSHIROやTHREE、ジュリークは肌にやさしいとうたっているから安心して使っています。マスカラはお湯で落ちるタイプを使用していて、クレンジングもジュリークのミルククレンジングを使っていて。ダブル洗顔は乾燥するので、いつもミルククレンジングのみなんです。今後は狭いテーマでより内面が出る曲も作りたいーーおやすみの日は何をされていますか。お友達と約束して、食事に行きますね。それにもともと植物が大好きでお部屋にも緑がいっぱいあって、お休みの日は、さらに植物を探しに行きます。お店で球根を見つけて、球根の水栽培に挑戦したんですが、よく考えたらどんな花が咲くのかわからないまま買っていました(笑)。水栽培の仕方を調べると、最初は寒いところに置いて冬をイメージさせるとまず根っこが生えてくるそうで、根っこが生えたらお水の量を加減して、明るい場所に置くと「春かな」と思って咲くということで、その通りに栽培して無事にピンクの花が咲きました(笑)。春先は、お花や植物がお店に多くなるんです。お花は命が短いので、冬になると枯れた部分を切ったり枝だけになったりして、春に花が咲くのか不安になることもあってすごく育てるのが難しいですね。置く場所が重要だから、お部屋のなかの太陽が当たる場所がもう満席なんですよ。ーー最後に、Wakanaさんの今後の目標を教えてください。聴いてくれる方の気持ちをいつも大切にする音楽を作っていきたいですね。アルバム2枚を制作して、あらためて2枚を通して聴いた時に、曲間や1曲ごとにこだわりもありますし、レコーディングのときにいろいろと相談したこともいっぱい思い出していたんです。今回は「magic moment」というテーマで作ってきましたが、今後はもっと狭いテーマでスポットを狭くして、自分の内面がもっと出る曲を作ってみたいと思いました。自分の思い描く声やあこがれの声もあるし、好きな音もあるので、そういうものを表現できるよう、これからも追究していきたいなと思います。取材後記しなやかで心地よい歌声を持つWakanaさんは、お会いすると明るい笑顔を見せてくださる、エレガントな女性。東京の神宮外苑いちょう並木通りでの撮影は、Wakanaさんのナチュラルな一面が樹々と溶け込んで絶妙にマッチしていました。そんなWakanaさんのニューアルバムをチェックしてみてくださいね。Wakana PROFILE12月10日、福岡県生まれ。12歳から声楽を学び、17歳より多数のイベントに出演。上京後、FictionJunctionのプロジェクトに参加。その後、劇場版アニメ「空の境界」主題歌プロジェクトとしてスタートした「Kalafina」のメンバーとして2008年1月にデビュー。本格的にシンガーとしてのキャリアをスタート。2019年2月、シングル「時を越える夜に」でソロデビュー。3月に1stアルバム『Wakana』、11月に1stEP『アキノサクラ EP』をリリース。2020年2月26日、2ndアルバム『magic moment』をリリース。3月14日、ヒューリックホール東京で「Wakana Spring Live 2020 ~magic moment~」を開催する。InformationNew Release『magic moment』(収録曲)01.breathing02.揺れる春03.where04.44205.ひらり ひらり06.アキノサクラ(Acoustic ver.)07.myself08.君だけのステージ09.オレンジ10.Happy Hello Day11. magic moment2020年2月26日発売※収録曲は(通常盤)(初回限定盤)AとB全共通。(通常盤)VICL-65328¥3,000(税別)※CDのみ。(初回限定盤A)VIZL-1730¥4,000(税別)※LIVE CD「Wakana Winter Special Live 2019 ~瞬き~ at マイナビBLITZ赤坂」※2CD。(初回限定盤B)VIZL-1731¥4,800(税別)※LPサイズジャケット仕様。LPサイズフォトブックレット封入。ポスター(B2変型サイズ)封入。ボーナスディスク(全曲インストゥルメンタル収録)付き2枚組。高品質SHM-CD仕様※SHM-CD。ヘアメイク・丹羽寛和(maroonbrand)
2020年02月25日音楽をこよなく愛する、ライター・エディター・コラムニストのかわむらあみりです。【音楽通信】第24回目は、5人組ロックバンドのBUCK-TICK(バクチク)が、代々木体育館で開催した「THE DAY IN QUESTION 2019」ファイナル公演のライヴレポートをお届けします!撮影:田中聖太郎、立脇卓、渡邊玲奈(田中聖太郎写真事務所)2019年「THE DAY IN QUESTION」最終日は代々木体育館【音楽通信】vol. 24櫻井敦司(vo)、今井寿(g)、星野英彦(g)、樋口豊(b)、ヤガミ・トール(ds)の5人からなるBUCK-TICKは、1987年のメジャーデビュー以降、メンバーチェンジをすることなくロックシーンの第一線で活躍し続けている。気高く、不動の存在といえるBUCK-TICKは、2020年にバンド結成35年、デビュー33年。いまもなお後続するアーティストたちに多大な影響を与え、誰もがリスペクトする唯一無二のバンドへと遂げている。そんな彼らが20年間開催し続けているのは、毎年12月29日に恒例となっている日本武道館公演。2019年は、12月3日に出身地でもある群馬県の高崎芸術劇場から、ツアー「THE DAY IN QUESTION 2019」がスタート。ファイナルとなる12月29日は、改修工事により武道館が使用できないため、会場を初となる国立代々木競技場第一体育館に移して開催された。国立代々木競技場第一体育館に着くと、アリーナ席からスタンド席まで約12,000人の満席。以前からBUCK-TICKを応援している支持者から、20代前後の男女や子どもを連れた親子まで、幅広い層のオーディエンスが集結している。BUCK-TICKの音楽が色褪せることなく、循環され、進化し続けているからこそ、新しいファンを常に獲得し続けているのだろう。会場が暗くなり、ステージ上のスクリーンに映像が映し出され、荘厳でゴシックな世界観の「夢魔-The Nightmare」からライヴがスタート。黒いベールをまとった黒衣装の櫻井が、圧倒的な存在感で一気にオーディエンスを惹きつける。今井と星野のツインギターが交差し、樋口とヤガミがボトムを支えていく。続いてハードなロックナンバー「唄」へ。ボーカルの櫻井敦司。そしてこの日の初MC。櫻井が「みなさん、こんばんは。代々木体育館は初めて舞台に上がります。こんなにたくさんの方がいらしてくれて、本当に幸せです。ありがとうございます。それでは最後まで楽しんでいってください」と伝えると、大きな歓声がわいた。次にダンサブルな「獣たちの夜」、アグレッシブな「Jonathan Jet-Coaster」、メロディアスで切ない「羽虫のように」を披露。前半ですでに場内のテンションは上がり続け、館内は熱気でいっぱいに。ギターの今井寿。さらにスパニッシュサウンドの「絶界」、今井が「メリーさんの羊」のフレーズを弾きながらの「細胞具ドリー:ソラミミ:PHANTOM」、インダストリアルな「PINOA ICCHIO-踊るアトム-」を放ち、センチメンタルな「月下麗人」を披露。櫻井が「どうもありがとう」と歓声に応え、スクリーンの雪景色を背に歌う「Snow white」では、雪が舞う演出がなんとも幻想的だ。続いて、今井がエレキギターで「きよしこの夜」を弾き、バックのスクリーンに教会が映し出されるなか、星野がアコースティックギターで「SILENT NIGHT」を鳴らす。ここまでのしっとりとした静寂を打ち破るかのように、ファンタジックでポップな「Alice in Wonder Underground」を演奏。緩急のついた構成でオーディエンスをまったく飽きさせない。そして「スピード」のイントロが流れ歓喜する場内はヒートアップ。たたみ掛けるように、続いてエレクトロなダンスナンバー「独断場Beauty-R.I.P.-」で会場を揺らす。ラストは、優しくて儚い「FLAME」で締めくくった。櫻井は何度も深いお辞儀をして、ステージをあとにし、メンバーも続いて退出。暗くなった会場では「アンコール!」の声が響き渡る。ギターの星野英彦。しばらくした後、メンバーがステージに再登場。アンコール1曲目は、2020年1月29日にリリースされるニューシングル「堕天使」。続いて、アンニュイでロマンティックな「RONDO」、ヘビーな「無題」を繰り広げ、会場をダークネスに染め上げた。メンバーがステージをあとにし、再度暗くなる場内。1度目よりもさらに力強い「アンコール!」の声が広がるなか、メンバーが現れ、明るくなる場内とオーディエンス。2度目のアンコールでは、アコースティックな「Coyote」、メランコリックな「ドレス」を披露。櫻井が「どうもありがとう。次は懐かしいエイトビートの曲をやりたいと思います」と言い終わるやいなや、ヤガミが「ワン、ツー、スリー、フォー!」とカウントし、疾走感あふれるナンバー「惡の華」へ。ベースの樋口豊。そして櫻井はスタッフ、生放送中継をしていたWOWOWの視聴者、代々木に集まった来場者に感謝の意を述べ、メンバー紹介。「まずは自己紹介。ボーカル櫻井です」と話し、「ギター!今井寿」「ギター!星野英彦」「ベース!樋口豊」「ドラムス!ヤガミ・トール」と紹介していき、ヤガミ以外のメンバーは退出。ここでヤガミはドラムソロを披露する。まずは素手でドラムをたたき、次にドラムスティックを持って、見事なドラミングをプレイ。会場から「おお〜っ!」という歓声が飛び、メンバーが再登場。ドラムのヤガミ・トール。櫻井は「良いお年をお迎えくださいませ。みなさんもどうか、お幸せに。では最後に1曲、みなさん、自分を愛しましょう」。そう言って、この日のライヴを締めくくったのは、1990年に発表されたキャッチーな「LOVE ME」。今井は童謡の「お正月」のフレーズをしのばせて、最後の曲を盛り上げる。この曲に限らず、彼らは新旧織り交ぜたナンバーを披露しているが、2020年間近のいま現在どの曲を聴いても、古く感じさせないどころか魅力的な楽曲ばかりだという事実に驚いてしまう。会場中にメンバーを呼ぶ声が響くが、女性だけではなく、野太い声の男性が「櫻井さーん !!」などと叫んでいるところも、BUCK-TICKのすごさのひとつ。女性ファンはもちろん、確実に男性のファンも新たに増加し続けていることは、彼らの魅力が多岐にわたって発揮され続けていることの証しだといえる。果たして、これほどまでに長年支持され続けているバンドはどれほどいるだろうか。彼らがステージから去ったあと、スクリーンには、2020年5月からオフィシャルファンクラブ会員とモバイル会員限定のライブハウスツアーを全国7会場8公演開催すること、夏にはニューアルバムがリリースされて秋には全国ホールツアーを、12月29日には日本武道館公演を行うことが発表された。けっして守りに入ることなく、常に進化し続けるBUCK-TICKの偉大さをあらためて実感した夜だった。取材後記筆者は、BUCK-TICKが1988年に『ミュージックステーション』に初登場し「JUST ONE MORE KISS」を披露した回を目にしたとき、その麗しくも尖ったビジュアルと楽曲に衝撃を受けたことをきっかけに、「将来は素晴らしい人たちを伝える仕事をしよう」と心に誓いました。そして現在、ライターや編集のお仕事を通して素晴らしい表現者のみなさまの作品を文字でお届けしております。こんなふうに、キャリアが長いバンドはそれだけ人々の人生の折々に触れることも。新旧の楽曲を披露されたBUCK-TICKのライヴに魅了された夜でした。セットリスト01.夢魔-The Nightmare02.唄03.獣たちの夜04.Jonathan Jet-Coaster05.羽虫のように06.絶界07.細胞具ドリー:ソラミミ:PHANTOM08.PINOA ICCHIO-踊るアトム-09.月下麗人10.Snow white11.SILENT NIGHT12.Alice in Wonder Underground13.スピード14.独断場Beauty-R.I.P.-15.FLAME<アンコール1>1.堕天使2.RONDO3.無題<アンコール2>1.Coyote2.ドレス3.惡の華4.LOVE MEInformationNew Release「堕天使」01. 堕天使02. Luna Park2020年1月29日発売VICL-79005 (通常盤)¥1,000(税別)VIZL-1685 (完全生産限定盤A(SHM-CD+Blu-ray))¥2,380(税別)VIZL-1686 (完全生産限定盤B(SHM-CD+DVD))¥1,880+税[完全生産限定盤 (A/B共通)]・「堕天使」(「THE DAY IN QUESTION 2019」高崎公演)音源収録。・Blu-ray/DVD : 「堕天使」 MUSIC VIDEO収録。・スペシャルデジパック仕様New ReleaseBUCK-TICKトリビュートアルバム『PARADE III ~RESPECTIVE TRACKS OF BUCK-TICK~』01. ICONOCLASM / BRAHMAN02. 青の世界 / 八十八ヶ所巡礼03. 形而上 流星 / minus(-) featuring 藤川千愛04. 天使は誰だ / GRANRODEO05. JUPITER / シド06. Lullaby-Ⅲ / 黒色すみれ07. 愛の葬列 / Der Zibet08. LOVE ME / Cube Juice09. 唄 / 椎名林檎10. NATIONAL MEDIA BOYS / DIR EN GREY11. ミウ / 坂本美雨12. 惡の華 / GARI13. JUST ONE MORE KISS / 藤巻亮太2020年1月29日発売VICL-70243¥3,000(税別)
2020年01月14日音楽をこよなく愛する、ライター・エディター・コラムニストのかわむらあみりです。【音楽通信】第23回目に登場するのは、ロックバンド「サニーデイ・サービス」のフロントマンでもあり、ソロとしても多彩な活動をされているシンガーソングライターの曽我部恵一さん!写真・大内香織そのときどきでやりたいことをやってきた15年【音楽通信】vol.231990年代初頭から、ロックバンド「サニーデイ・サービス」のボーカル&ギタリストとして活動をスタートし、2001年からは並行してソロとしても活動している曽我部恵一さん。2004年12月には自主レーベル「ROSE RECORDS」を設立し、インディペンデント/DIYを基軸とした活動も展開しています。メジャーでもインディーズでもシーンを選ばず、プロデュースや楽曲提供、映画音楽やCM音楽、執筆、俳優など形態にとらわれない表現を続けている曽我部さん。2019年12月25日にリリースされたベスト盤『The Best Of Keiichi Sokabe -The Rose Years 2004-2019-』について、お話をうかがいました。ーー今回、2004年に設立されたご自身のレーベル「ROSE RECORDS」の15年間を振り返るベスト盤となりますが、ソロもバンドもさまざまな活動を維持されているのはすごいことですね。15年前から、現在の状況を計画していたのでしょうか。いえ、何にも考えていないです(笑)。僕はいま成功しているとも何とも思わないのですが、こうしてやりたいことを続けてこれたことに、もし秘訣があるとしたら、適当にやっているからだと思います。ーー事業計画を立てたりすることは。全然ないです。企業と組んで何かやるようなこともないですし、とにかく失敗しそうなことは絶対しないぐらいですね。大きいことはやりたくないんです、怖いから(笑)。ーー音楽シーンにおいて曽我部さんは大御所の域に入りつつあるかと思いますが……。大御所とかになるのもいやなんです、責任が増す感じがあるじゃないですか(笑)。ブログやインスタで変なことは書けないし、変な自撮りとか上げられないし(笑)。そういうのはいやなんですよ。ーーでは、メジャーなレコード会社に所属していたときは窮屈な感じがあったのでしょうか。窮屈ではなかったんですが、結果を残せていないということですね。大会社でやってみましたが数字では結果を残せていないし、じゃあドラマのタイアップで売れるような曲を作れるのかと言われると、そこまでしてやってみようという気にはなれなかった。だから、自分で責任を持って「やりたい音楽をやりたいだけだ」ということに気づいて、独立したんです。自分がやりたいことをそのときどきでやりたいように、のらりくらりとやっていきたいなというのが心のどこかにあって、それをいまもやっているだけなんです。ベストアルバムをCDとアナログ盤と配信の3形態でリリースーー12月25日に、ベストアルバム『The Best Of Keiichi Sokabe-The Rose Years 2004-2019-』をCDとアナログ盤と配信の3形態でリリースされましたね。以前は2013年に、2001年から2013年の楽曲を収録したベスト盤をリリースされていますが、今回のベスト盤発売のきっかけは何でしょうか。2019年は弾き語りのライブでいろいろな場所に行って、演奏してきました。そういった場所で初めてライブを観た人に、僕は作品が多いのでどれを最初に聴けばいいかわかりやすく、ベスト盤を買ってほしいという思いがあるんですよ。前は2枚組だったので、もう少しコンパクトなベスト盤を作ろうと思って、1年ぐらい計画していたんです。今回は、前に発売したベスト盤に入っていなかった曲も入っていますし、ちょうど自主レーベルが15年になるので、いいタイミングだと思いました。ーーとくに録り直したりもしなかったのですか。もちろんミックスダウンし直したり、いまのテイストに仕上げたりはしました。ーー今回はどのような基準で選曲されたのでしょうか。CDは、だいたい曲が70分代後半ぐらいまで入るんですが、ぎりぎりまで入れようと思いました。「自分がCDで聴くんだったら、どういう選曲かな」という視点から、いいと感じたものを選んでいます。さらにアナログ盤の発売と配信もありましたが、それぞれ収録曲は違うものを選びました。いまスマートフォンなどで曲を聴く人も多いので、配信は配信用に、アナログはアナログ用にマスタリングもやっています。何か引っかかるポップな曲がおもしろいーー収録曲には、ラブソングから社会的なメッセージの強い曲までありますが、いつも社会的なことは意識されているのでしょうか。意識していますね。例えば、このベスト盤に収録している「街の冬」という曲は、新聞を読んで知ったニュースのことをテーマに曲を書いていますし、「汚染水」という曲も原発について思ったことを曲にしています。歌に社会的なメッセージを込めることは多々ありますね。ーー強いメッセージを込めた曲を発表されるときは、好意的な反応だけではないときもあるかとは思いますが、そういったことも覚悟して出していらっしゃるのでしょうか。僕の場合は覚悟までしていないですね。ただ、「これは曲にしておもしろいか、おもしろくないか」という基準で作っているかもしれません。何かのニュースを知ったからといって、ただそれを書けばいいというものじゃないと思っています。曲を作って、そこからみんなが共感なり反感なり、何か引っかかるポップなものじゃないとおもしろくないですから。ーーでは曽我部さんが曲を作るときは、ご自身の中のセンサーで「これはおもしろい、おもしろくない」と判断しているのですか。これは曲になるような気持ちだな、風景だなというときに曲を作ります。ラブソングも、この感情は歌にしておきたいな、聴いてほしいなというものを作っています。ーーそれはソロのときとバンドのときでは、同じなのでしょうか。やっぱりサニーデイ・サービスのほうがチームワークといいますか、バンドとしてやっているので、個人とはちょっとだけ違いますが、基本は同じですね。全国でライブを約100本も行った2019年ーー今日は曽我部さんのホームタウンといえる下北沢での取材ですが、撮影場所でお借りしたこのライブハウス『CLUB Que』に、よくライブ出演されていますね。そうですね。2019年に『CLUB Que』が25周年で、ライブハウスができたばかりの頃から出演しているので、25年前にサニーデイ・サービスのワンマンライブとして初出演してから、毎年何かしらで出演しています。ーー『CLUB Que』25周年企画では、12月に曽我部さんのソロライブ「それからlove 東京編」2daysを開催されていましたが、いかがでしたか。各地で弾き語りのワンマンライブを続けてきたので、ここが2019年の締めとなる弾き語りの2daysでした。ソロのライブでもサニーデイの曲を演奏しましたが、2019年はバンド自体をお休みしていたので、(サニーデイ・サービスのベースの)田中貴くんが「ゲスト」というかたちで入ってくれました。ーーそんな2019年は、曽我部さんにとってどんな年でしたか。撮ったのは2018年なんですが、2019年に公開された音楽と映画をテーマにした『アイムクレイジー』という映画に初出演しましたし、「ロロvol.15『はなればなれたち』」という舞台にも初出演して、お芝居に挑戦したりといい年でしたね。ライブではフィジカルな運動性が大事なんですが、お芝居に出たことで、筋トレやフィジカルなことに目覚めたこともよかったです。ーー劇団ロロの舞台は、なぜ出ようと思ったのですか。「出て」っていわれたから(笑)。もともと好きな劇団で2017年に音楽を担当したことがあったのですが、今回はオファーされたこともあり、舞台に出てしまいました。それに2019年は音楽活動でも、ライブを100本くらいやっていたから、ものすごく働いた年です。ライブが1日2本ある場合、京都と東京間で移動してライブをするようなことも平気でやっていました。ーー普通に移動するのも大変だと思いますが、さらにライブもするなんてタフですね。でも100本ライブをしてもお金が儲からないんですよね、怖い(笑)。レコーディングはお金がかかるんですよ。スタジオ代だけではなく、エンジニアやスタジオミュージシャンを呼んだりすると、どんどんお金が出ていってしまうんです。しかも録ったものがお蔵入りすることもあって、作品として世に出るわけでもなかったり。実は2019年、あまりリリースがなかったんですよ。新曲を作っていないし、新曲として出したのは後藤まりこさんとデュエットした「結婚しようよ」という曲のみだったんですが、これも吉田拓郎さんのカバーだから。実はサニーデイ・サービスの曲を1年かけてずっと作っていたというのもあるんですけどね。2020年はソロとしてもサニーデイとしても活動ーープライベートにおいて、曽我部さんはシングルファーザーで3人のお子さんがいらっしゃいますが、育児と仕事の両立は大変ではないでしょうか。子どもがちっちゃいときは大変でしたが、いまは大変じゃないですね(笑)。いま一番上の子が高校生、次が中学2年生、一番下が小学校5年生ですから。ーーこの15年で、一番変化を感じるのはどんなことでしょうか。生活は日々変わっていくので、子どもの成長に一番変化を感じますね。その一方で、音楽はそんなに変わっていないんですが、テクノロジーは15年の間に変わっていって、スタジオに入らなくても曲作りができるようになりました。あとは3年前ぐらいに車の免許を取得したことも大きな変化かもしれません。それからはどこ行くにも、車移動になって、とても便利になりました。ーーお休みのときはどうされているんですか。基本的には休まないんです。でも、この間久しぶりに1日だけ休みがありましたが、ひたすら寝ていました。いつもだいたいは制作や取材やライブなど、何かしら予定が入っています。ーー曽我部さんご自身はハードすぎてご負担はないのでしょうか。僕は大丈夫です。ただ、忙しくて家にいないと、子どもたちは寂しいかもしれませんね。でも、その寂しさや悔しさをバネに生きていってほしいと思っているんです。それで将来、子どもたちがどうなるかはわからないですが。ーーそうなんですね。お子さんのお話ありがとうございました。ではまったく違うテーマですが、曽我部さんが思う魅力的な女性像とはどんなタイプでしょうか。一般的には、魅力的だと思えるタイプには、いろいろなパターンがあると思うんです。モデルさんのように見た目がかわいい人やキレイな人というのもひとつあるだろうし、「この女性を自分のものにしたい」という征服欲や性的な欲求がわく人というのもひとつあるはず。でも、いま僕は48歳なので、ご飯を作ってくれる人がいいですね(笑)。お掃除してくれる人もいいかな。容姿よりも雰囲気。いまは子育てなども共有できる人がいいです。ーーでは、2020年はどんな年になりそうでしょうか。ソロだけではなく、サニーデイとしても動こうと思っています。アルバムをリリースしますし、ツアーで全国をまわります。ドラムもキーボードも入れてライブをしていく予定なので、楽しみにしていてください。取材後記音楽家として、経営者として、父として、さまざまな顔を持つ曽我部恵一さん。取材日の数日前に「家族にカレーを作っていたら指を切っちゃって」と話してくださった曽我部さん。音楽に生活が溶け込むなか、あふれる才能でこれからもたくさんの作品を生み出し、ソロでもサニーデイでも色褪せない音楽を聴かせてくれるはず。そんな曽我部さんのベストアルバムをまずはチェックしてみてくださいね。曽我部恵一 PROFILE1971年8月26日生まれ。乙女座、AB型。香川県出身。’90年代初頭よりサニーデイ・サービスのヴォーカリスト/ギタリストとして活動を始める。1995年に1stアルバム『若者たち』を発表。’70年代の日本のフォーク/ロックを’90年代のスタイルで解釈・再構築したまったく新しいサウンドは、聴く者に強烈な印象をあたえた。2001年のクリスマス、NY同時多発テロに触発され制作されたシングル「ギター」でソロデビュー。2004年、自主レーベルROSE RECORDSを設立し、インディペンデント/DIYを基軸とした活動を開始する。以後、サニーデイ・サービス/ソロと並行し、プロデュース、楽曲提供、映画音楽、CM音楽、執筆、俳優など形態にとらわれない表現を続ける。最新作は、2019年12月にリリースされた『The Best Of Keiichi Sokabe -The Rose Years 2004-2019-』。InformationNew Release『The Best Of Keiichi Sokabe -The Rose Years 2004-2019-』(CD収録曲)1.キラキラ!2.愛ってやつを3.抱きしめられたい4.汚染水 (2019 Stereo Mix)5.街の冬6.碧落 -へきらく-7.コーヒーとアップルパイ8.満員電車は走る (Single Version)9.bluest blues10.スウィング時代 (Another Version)11.オーロラ12.春の嵐13.恋人たちのロック14.シモーヌ15.東京 2006 冬16.おとなになんかならないで (Shimokitazawa Concert Live)17.魔法のバスに乗って18.LOVE-SICK※レコード、CD、配信で収録内容は異なります。[ダウンロード・ストリーミング]2019年12月11日配信開始ROSE 242D[CD]2019年12月25日(水) 発売ROSE 242 ¥2,500(税別)[アナログ盤]2019年12月25日(水) 発売ROSE 242X ¥3,900(税別) ※2枚組/完全限定生産
2020年01月10日音楽をこよなく愛する、ライター・エディター・コラムニストのかわむらあみりです。【音楽通信】第22回目に登場するのは、日本のヴォーカルグループのパイオニアとして第一線を走り続け、メジャーデビュー25周年を迎えた、ゴスペラーズ!写真・大内香織25年で多彩な切り口のあるグループに育つ写真左から、村上てつや、黒沢 薫。【音楽通信】vol. 22北山陽一さん、村上てつやさん、黒沢 薫さん、酒井雄二さん、安岡 優さんの5人からなるヴォーカルグループ「ゴスペラーズ」は、1994年にシングル「Promise」でメジャーデビュー。2000年発表のシングル「永遠(とわ)に」が43週にわたってロングヒット、翌年発表の「ひとり」はアカペラ作品としては日本音楽史上初のベスト3入りを果たしています。さらに同年発表のラブソングコレクションアルバム『Love Notes』もロングヒット、オリコン1位と初のミリオンセラーを記録し、「第16回日本ゴールドディスク大賞」ほかも受賞するなどの輝かしい実績の持ち主。以降も第一線で活躍し、他アーティストへの楽曲提供、プロデュースをはじめ、ソロ活動も展開し、アジア各国でも作品がリリースされています。シングル総数は全52枚、両A面シングルも合わせるとなんと全58曲。今回は、メジャーデビュー25周年を迎え、2019年12月18日に、25周年記念シングルコレクション『G25 -Beautiful Harmony-』をリリースされたゴスペラーズから、村上さんと黒沢さんのおふたりにお話をうかがいました。ーーもとは村上さんと黒沢さんが同じ高校で、3年生のときに初めてご一緒に歌われたのですよね。その当時は25年間もこうして第一線で続くことを想像できていましたか。黒沢当時はまったく考えていなかったですね。そもそも高校のときの学園祭で、「何か目立つことがしたい」ということで組んだアカペラグループで、そのときはまだゴスペラーズにもなっていませんでした。その後、大学に入学した際、うちのリーダー(村上さん)が早稲田大学に一浪して入っていて「アカペラのサークルがあるぞ」と教えてくれたのが、ゴスペラーズ結成のきっかけです。そのときはサークルにおもしろい人がたくさんいたんですよね。アカペラサークルなので、歌い上げることが好きな人、ハーモニーを構築してハーモニーの響きを突き詰めたい人などがいました。アマチュアなので両方いてもいいんですが、たまたま我々の代に、何人かすごく歌を歌いたい人がいて、その人たちで組んだのがゴスペラーズです。プロになるにあたって、進路のこともあって、就職するメンバーが抜けて、そこで後輩を入れたのがデビューのときのかたちなんですよ。黒沢 薫。1971年4月3日生まれ。カレー本の出版やプロデュースしたカレーを発売するほどのカレー好き。ーー当時はとくにデビューを目標にしていたわけでもなかったのですか。村上最初はもう、デビューする、しないという考え方もなかったですね。ただ、当時はアカペラグループがほとんどいなかったから、ちょっと歌うと、まわりからのリアクションがすごくよかったんです。だから、良い意味でも悪い意味でも調子にのったところがあって、バブルが弾けたか弾けていないかぐらいのときに、アルバイト感覚で営業をやらせてもらったらお金をはずんでもらえたことも。そんな、学生がつけあがるにはすごくいい条件だったんです。人から「お前らやってみるか」と言ってくれているんだったら、その話にのってみるかという感じでしたね。黒沢デビューしたとき、一番若いメンバーは20歳です。若いから、自分の年齢を超えた25年も続けることの重みなんて、わかっていなくて当たり前ですよね。でも、デビューするときにすぐ解散しようと思って始めることはないわけで、セールス的な結果が出るまでちょっと時間がかかったこともあって、もがいた時期もありました。みんな共通で興味を持つところもあるんですが、それ以外は意外とばらばらな趣向の5人なので、例えば楽曲ごとに方向性を決めるリーダーが変わったりして、その都度少しずつ意識が変わることであまり中だるみもしませんでした。常に目標や行きたいところを見ながら、みんなで走ってこれた25年だったということは大きいと思いますね。これが村上てつやの才能ひとつでやろうとなっていたら、ひとりでアイデアをひねり出し続けるのがすごく大変で難しかったかもしれませんが、いろいろなメンバーがいますから、5人でやってこれてよかったと思います。村上てつや。1971年4月24日生まれ。ゴスペラーズのリーダー。スポーツが好き。村上5人で一緒に続けてこれたというのは、チームワークの良さだとも思うので、トップダウンかボトムアップかというそんな単純なものではないと思うんですよね。瞬間、瞬間のイメージというのは、作る人間がいるほど、時には難しいこともあるかもしれないですが、最終的にはそっちのほうが面白いものになると思うんです。そういう意識が抜けてしまったら、ただのハモる人になってしまうから。アカペラをやることはたいして難しいことではないんですが、それを飽きずに聴かせ続けていくというのは、そんな簡単なものじゃないんです。ファンの人が何に魅力を感じるかだと思いますが、結果として、切り口がいろいろあるというグループに育っていったから、25年もったのかなというところはありますね。意図してこうしてきたというよりは、みんながんばっているうちにそうなったということだと思います。いまがシングルコレクションを出すベストタイミングーー2019年12月18日にシングルコレクション「G25 -Beautiful Harmony-」をリリースされました。25周年のタイミングでのリリースは、どのようなきっかけだったのですか。黒沢だいぶん楽曲がまとまってきたのと、フィジカルで出せるタイミングとしては、いまが最適かつフィジカルというものにあまり意味がなくなっていくのではないかという音楽業界の話もあったことがきっかけですね。村上実際、アメリカはほとんどCDよりも配信なわけですから。黒沢楽曲をまとめておくというのは今ぐらいがちょうどいいと、「シングルコレクションだ」と喜んでもらえるギリギリのタイミングではないかと、レコード会社の方にいわれて確かにそうだなと思ったんです。実際に作業してみて、最初の頃の音源は我々テープで録っているんですが、テープの対応年数がもうギリギリだったんですよ。一度動かなくなって、いろいろな行程をして、なんとか動くようになって録音してマスタリングしてというのは、たぶん今回が最後の作業だったので、危ないところだったんです。今回、マスター音源もデジタルになおすこともできました。最初の頃の楽曲は音量が全然違うので、ただ並べるプレイリストにしても、今回のアルバムのようにならないんですよね。でこぼこしちゃうんですよ。そういう意味でも、でこぼこしないものを今回出せたのはよかったと思っています。あとは25年経って、ダメな自分たちもやっと面白がれるようになったというか。それはそれで良さを見つけられるようになったということもありますね。10周年、15周年のときは「あれはもっとうまく歌えたのに」と後悔が勝っていたのが、25年経って、「あの頃はあの頃で頑張ってたよね」と思えるようになった。そういう意味でも、シングルコレクションを出すのならいまだと思いました。村上本当にベストタイミングです。黒沢これが30周年だったら、もう出さなくてもいいかなと思ったかもしれません。ーータイトルは、新元号「令和」の意味「Beautiful Harmony」もあるのですか。村上はい。昨年、夏フェスなど我々のことをそんなに知らない人がいる現場で歌うときは、全部この話から入ったんですよ。「今年は追い風が吹いていますよ、みなさん5月の菅さんの会見を見たでしょう」と。僕は本当に、あの会見をテレビで見ていて、膝を打つような気持ちになって(笑)。黒沢「ビューティフルハーモ二ー」なんて、僕たちの時代が来た! という感じ(笑)。ーーそうなのですね(笑)。今回、ディスクが5枚あってそれぞれに、リミックス音源がボーナストラックとして収録されています。ヒプノシスマイクなどを手がけるmaeshima soshiさん、yonkeyさん、空音さん、Momさん、長谷川白紙さんらのリミックスはいかがでしたか。黒沢25周年だから、25歳以下のアーティストがリミックスしていますね。そういう人たちが我々の楽曲をどういうふうに料理するのか、レコード会社の人から提案されて、それはおもしろいなと思いました。でもこれが20周年だったら「おもしろそうだね」って言えなかったと思うんですよ。「いやちょっと待って」と。でも、今回はそこもやってみようと言えるようになったのは、25周年だから。実際におもしろいものが上がってきたので、「我々は絶対こういうことはしないよね」というのも含めて、おもしろいです。村上ファッションなどでもそうだと思うんですが、ある程度年齢が離れると、前提としているものが違う。つまりリバイバルのときも知っていて乗る人と、新しいところから入ってくる人ということ。インプットが違う人たちのアウトプットの仕方を見てみるのは、すごくおもしろい。今回ちょっと度肝を抜かれるものもありました。黒沢こんな感じになるんだと思ったり、逆に我々が昔聴いてきた曲に近い感じにもなったり。すごく新しいけれど聴いたことがあるという感じもおもしろいですね。村上いまはアーティストというあり方も、25年前とはまた全然違って、どういうふうに楽しむのかも違っています。僕たちは無理して若い人たちに気に入られようとしていく必要はないんですが、知っていたら楽しまないと損だなとは思いますよね。黒沢若い人の音楽をいまからやってどうだではなく、我々は我々としてやっているときに、若い世代からも「おもしろいじゃん」と言ってもらえたらいいなと。ずっと長くやっている人は、そういう人が多い印象がありますね。ーーゴスペラーズさんも25年経って、遊び心や余裕を感じられるようになったということですか。黒沢やっとそういうところに来れたのかなと思います。村上制約の多い音楽ではあるので、ハーモニーって。基本的にはひとり1パートであったり、それぞれが自由にやったりすると、ハーモニーとして成立しないんです。そのなかでも遊びをちゃんと入れられてきたとは思うんですが、そこが心の余裕にもなってきたのかもしれません。25年間の出来事は前に進む力になっているーー25周年記念シングルコレクションのCMで、ゴールデンボンバーさんが、ゴスペラーズさんの代表曲「ひとり」を“エアーアカペラ”で歌う姿を拝見しましたが、爆笑しました(笑)。村上けっこう笑っちゃいますよね(笑)。黒沢ゴールデンボンバーのみんなは動きが多いですよね(笑)。以前、鈴木雅之さんのモノマネ芸人の方が、鈴木さんのモノマネをされていたときのことを思い出しました。本人よりも、モノマネするときのほうが動きが多くなるんですよね。ゴールデンボンバーの樽美酒研二さんは、「俺は口パクなのに声が枯れた」と言っています(笑)。村上それぐらい気合が入っていたんでしょうね(笑)。彼らに初めて会ったときも、「若いときはけっこう聴いてたんですよ」なんて言ってくれました。このCMも話題になってほしいですね。黒沢そうだね。CM出演も快諾してくれてうれしいね。ーー先日放送されていた阿佐ヶ谷姉妹さんの日本テレビ系の番組『阿佐ヶ谷姉妹のおばさんだってできるわよ』では、阿佐ヶ谷姉妹のおふたりにゴスペラーズさんが指導したり、コーラスをしたりする場面も拝見しました。村上阿佐ヶ谷姉妹さんはお笑い芸人という立場にいますが、ものすごく音楽を神聖なものとして自分たちのなかに持っている感じがありましたね。いろいろな企画のなかで、もちろん芸人的な笑いもとるものの、「今日ゴスペラーズと私たち歌えるんだ」という感情をすごく発してくれたのでそれはうれしかったですし、彼女たちは歌がうまかったですよ。黒沢僕たちあまり指導することもなかったです(笑)。村上そうなんですよ(笑)。テレビでは指導しているふうな映像が少し流れていましたが、あれは段取りを話していただけで、合わせたのも1回だけですし、実時間的にも全然時間がかかっていないんです。番組内のスタジオにいたゴスペラーズファンで、シングルコレクションの告知をしてくれた人もよかったですね(笑)。ーー阿佐ヶ谷姉妹さんやゴールデンボンバーさんなど、いろいろなジャンルにファンの方がいらっしゃいますね。村上最初の頃、僕らのこういうスタイルを面白がってもらってフジテレビ系のバラエティー番組『笑っていいとも!』にレギュラーで出させてもらったときもありました。そのときは大変だったんですが、当時のゴスペラーズのようにヒット曲を持っているアーティスト像が世の中に確立されていないときに、一種のネタのようなものをテレビでやるというのは、ある意味危険でもあるわけですよね。面白くない芸人だと思われる可能性もあるわけだから。でも、そうやって面白がってくれる人や場所に対して、もちろん25年間の中で拒絶したことやものもあるんですが、できるだけ5人全員がポジティブになって前に進んでいこうというスタンスできました。こうしてポジティブにチャレンジしてこれたのも、結果としていろいろな人とさまざまな絡みを25年間できたからだと思います。それはやっぱりグループとしての適応力が磨かれたのではないかなと。「僕たちはこういう音楽家だから」と殻に閉じこもっていたときに、果たしてこのスタイルがそんなに面白いものとして世の中に映っていたかというとわからない。もちろんからんでしまって失敗したこともあるんですが、トータルとしては、25年間の出来事は全部前に進める力になっています。危険なものもいっぱいあったと思いますが(笑)。黒沢危険なものもなんとかしのぎきったり、しのぎきれなかったり、いろいろあった25年だったと思います。たっぷり歌う大切な部分が見える全国ロングツアーーーお休みの日などはどのように過ごしていますか。黒沢休みがないんです。ありがたいことにこのプロモーションで忙しくさせていただいていて、休みの日は本当に休んでいます(笑)。前は映画に行ったり、ライブを観に行くこともありましたが、最近は外出することで風邪をひくといけないので、前ほどは外出していませんね。村上僕も同じですね。インタビューで言っちゃいけないけど、疲れは本当に早くなっていますからね(笑)。夜の8時でこんな辛いのか、目がしばしばするぞと。25周年を迎えて、僕も働き方改革です(笑)。ーーそうなんですか(笑)。ではまったく違う切り口のお話ですが、おふたりが魅力的だと思う女性像はどんな人でしょうか。黒沢いまは、女性像自体が変わってきている最中で、女性も変わっていく過渡期ではないかと思うんです。少し前までは「女子力」という言葉がありましたし、男性を立てる女性が男性にとってはラクではありますよね。でも、これからは主体的にバンバン行動していく女性がより活躍するでしょうし、僕としてもこちらからいくよりも、女性からグイグイ来られるほうがいいという感じになっています(笑)。村上それこそもう「男性」「女性」で語る時代でもなくなってきていますよね。少し話がそれますが、悩んでいるのは、コンサートで「男性—!」「女性ー!」という呼びかけをするのはもう封印だなと思っています。いままでなら、大多数のことを指しているんだからという話で済んだことが、済まなくなっていくから、いまの時代は「レディースアンドジェントルマン」という言葉じゃないなと。実際に、その言葉を使ってはいけないというわけではないですが、僕らのような立場の人が鈍感であるといけないじゃないですか。でもそんなことに忖度せずに言うと、黒沢と同じになりますが、女性はどんどん突っ走ればいいと思っています。だから、自分らしく進む女性がいいのではないでしょうか。ーーわかりました。ゴスペラーズさんは、7月5日まで25周年を記念した全都道府県ツアー「ゴスペラーズ坂ツアー2019~2020 “G25”」を開催中ですが、どのようなステージですか。黒沢たっぷり歌います。シングルコレクションからの曲を中心にしているんですが、かなり楽曲的には満足していただけるんじゃないかと思っています。さすがにシングル曲の58曲すべてはできないですが、かなりボリュームのしっかりした全都道府県ツアーです。村上すべてを見せるのは難しいのですが、いろいろな曲を演奏していくなかで、自分たちのやってきたことをシンプルに届けるというのもあるし、いままでツアーや制作の中でやってきたものを少し加えるというのもあるし。僕らが積み重ねてきたものの大きな部分、大切な部分ができるだけたくさん見えるようなツアーになっています。黒沢ロングツアーだから、体調管理だけは気をつけていきたいですね。楽しみにしていてください。取材後記インタビューの際も美声でこたえてくださったゴスペラーズの村上てつやさんと黒沢 薫さん。グレーのスーツ姿で大人の魅力を見せながらも、インタビューでは場を和ませるユーモアも見せていただき、楽しい現場となりました。25年間走り続けているゴスペラーズさんは、これからもビューティフルハーモニーをわたしたちに聴かせてくれることでしょう。まずは、シングルコレクションボックスをチェックしてみてくださいね。ゴスペラーズ PROFILE1991年、早稲田大学のアカペラ・サークルで結成。メンバーチェンジを経て、1994年12月21日、シングル「Promise」でメジャーデビュー。2000年にリリースしたシングル「永遠(とわ)に」、アルバム『Soul Serenade』がロングセールスを記録しブレイク。2001年リリースのシングル「ひとり」は、アカペラ作品としては日本音楽史上初のベスト3入り、ラブソングコレクション・アルバム『Love Notes』が大ヒットし、ミリオン・セールスを記録する。以降、「星屑の街」「ミモザ」など多数のヒット曲を送り出す。2014 年にデビュー20 周年記念のベストアルバム『G20』をリリース。オリコン初登場2 位を獲得。全66公演ゴスペラーズ史上最多公演数の全都道府県ツアーは大成功。2017年、アルバム『Soul Renaissance』をリリース。2018年はシングル「ヒカリ」「In This Room」をリリース。10月、アルバム『What The World Needs Now』リリース。2019年10月30日に25周年記念シングル「VOXers」を、12月18日に25周年シングルコレクションボックス『G25 -Beautiful Harmony-』をリリース。デビュー記念日の12月21日から2020年7月5日まで、全都道府県ツアー『ゴスペラーズ坂ツアー2019~2020“G25”』を開催中。InformationNew Release『G25 -Beautiful Harmony-』(DISC 1)1. Promise2. U’ll Be Mine3. Winter Cheers!~winter special4. Higher5. Two-way Street6. カレンダー7. 待ちきれない8. ウルフ9. 終わらない世界10. Vol.11. 夕焼けシャッフル12. BOO~おなかが空くほど笑ってみたい~13. あたらしい世界(DISC 2)1. 熱帯夜2. パスワード3. 永遠(とわ)に4. 告白5. ひとり6. 約束の季節7. 誓い8. Get me on9. エスコート10. 星屑の街11. Right on, Babe(DISC 3)1. 新大阪2. 街角 -on the corner-3. ミモザ4. 一筋の軌跡5. 風をつかまえて6. Platinum Kiss7. 陽のあたる坂道8. It Still Matters~愛は眠らない9. 言葉にすれば10. 青い鳥11. ローレライ(DISC 4)1. Sky High2. セプテノーヴァ3. 1, 2, 3 for 54. 宇宙(そら)へ ~Reach for the sky~5. ラヴ・ノーツ6. 愛のシューティング・スター7. 冬響8. NEVER STOP9. BRIDGE10. It’s Alright ~君といるだけで~11. STEP!(DISC 5)1. 氷の花2. ロビンソン3. 太陽の5人4. SING!!!!!5. クリスマス・クワイア6. Dream Girl7. GOSWING8. Recycle Love9. Fly me to the disco ball10. ヒカリ11. In This Room12. VOXers2019年12月18日発売KSCL-3217 ~ KSCL-3221(通常盤)6,000円(税別)KSCL-3210 ~ KSCL-3215(初回限定盤)8,000円(税別)※初回生産限定盤は5CD+1BD(特典Blu-ray)ほか豪華仕様あり。
2020年01月09日音楽をこよなく愛する、ライター・エディター・コラムニストのかわむらあみりです。【音楽通信】第20回目に登場するのは、秀逸な歌声とパフォーマンスで人々を魅了し続けている、シンガーソングライターの森山直太朗さん!写真・大内香織120万枚の大ヒットとなった「さくら(独唱)」の存在【音楽通信】vol. 202002年10月、ミニアルバム『乾いた唄は魚の餌にちょうどいい』でメジャーデビューした森山直太朗さん。このデビュー作にバンドアレンジで収録されていた「さくら」はシングルカットされ、ピアノのみでの独唱版として2003年3月にリリースされた「さくら(独唱)」はミリオンセラーを達成し、一躍注目を集めました。その後もリリースやライブ活動をコンスタントに展開し、音楽と演劇を融合させた劇場公演の実施や俳優としてのドラマ出演など、唯一無二の歌声と類稀なる表現力に定評のある直太朗さん。今回、デビューから17年を経たいま、再び「さくら」が新たなアレンジで生まれ変わり、10月30日に配信シングル「さくら(二〇一九)」としてリリースされました。そして昨年から今年の6月まで行われた全国ロングツアー「人間の森」を追ったドキュメンタリー映画『森山直太朗 人間の森をぬけて』が12月13日に公開。長期間密着撮影されたこのツアーでは、直太朗さんの学生時代からの友人で、楽曲の共作者でライブ演出も手がけてきた御徒町凧さんとの関係性に変化があり、その姿も映画にはありのままに映し出されています。新曲「さくら(二〇一九)」と映画『森山直太朗 人間の森をぬけて』について、直太朗さんにお話をうかがいました。ーー今回、リアレンジされた「さくら(二〇一九)」がリリースされました。シングルとしては2003年にリリースされた「さくら(独唱)」がもとですが、この楽曲は当時初回出荷枚数が1,200枚からスタートして、最終的に120万枚の大ヒットになりましたね。あらためて当時の心境から振り返ってみるといかがでしょうか。当時は、振り返っても思い出せないくらい、めまぐるしい状況にいた記憶があります。「さくら(独唱)」が2003年3月5日にリリースされてから、桜前線とともに、僕も北上していったんですよ。宣伝費もなかったので、ギター1本を持って、全国各地のラジオ局をまわったり、レコードショップの営業の人に挨拶に行ったりという草の根活動をしていました。そのうち少しずつ、ランキングのチャートが上がっていって、5月ぐらいには「さくら(独唱)」が1位になっていましたね。そこからまた慌ただしくなったので、2段階の混乱があったのですが、かなりすり減っていた思い出があります。ですがそれと同時に、まず持ち前の体力があったので、歌っていくことができましたね(笑)。楽曲が自分の想像をはるかに超えていってしまったーー「さくら」は、高校の国語の教科書にも掲載されているそうですし、卒業式でも歌われるなど、多くの人たちの感動の節目にも携わっている曲だと思います。直太朗さんご自身では、こんなに人々の間で曲が大事にされ、育っていくと思っていましたか。まさかそんなことは思っていなかったです。ただ、多くの人たちに僕の曲が届いて、響いてくれたらいいなという願望やイメージはありました。ーー先日、日テレ系朝の情報番組『スッキリ』の歌のコーナーに直太朗さんが出演されていたところを観ましたが、「さくら(二〇一九)」を歌ったら、MCの水卜麻美アナウンサーが感動して号泣されていましたね。そうでしたね。日テレの水卜さんや、ファンクラブに入ってくださっている山本紘之アナウンサーなど支持してくださる方がいたり、教科書に載っていたりと、もう楽曲が自分の想像をはるかに超えていってしまった感じがします。僕はかつて共作者の御徒町と一緒に、曲を作りながら路上で歌っていたインディーズ時代や、部屋でしゃべりながら曲を作っていたときに「ここじゃないどこかに早く行ってみたい」と常に思っていました。でも、同時に「どこに行くのかがわからないから不安」という気持ちもあったんです。それが曲を作り、歌い続けていくことで、自分では見たこともない景色、想像もしなかった人たちとの出会いがあるという不思議を実感しています。自分の作った曲がさまざまな場所で歌われるということは、無意識のうちに心のどこかで求めていたことだから、本当にありがたいですよね。ーー今回、「さくら(二〇一九)」はドラマ『同期のサクラ』(日本テレビ系 毎週水曜日午後10:00)の主題歌ですが、ドラマ制作陣からのオファーだったそうですね。そうです。僕は曲が評価されてオファーされるのはいいことだと思っていたんですが、当初は驚きました。なぜなら主題歌にするにあたって、以前リリースした「さくら(独唱)」をそのまま使用するのではなく、今回は「新録でいきたい」という、お話をいただいたから。「さくら」に関わらず、どの曲も“今の曲”として感じてもらえるシチュエーションを自分たちだけで発信していくのは限りがありますよね。だから、僕個人としては、新録することはうれしかったんですが、時間がなかったので慎重に進めないといけないと考えました。安易に自分の曲をカバーするのは、いままで「さくら」に向き合ってくれていたたくさんの人たちを裏切ることにもなりかねないので、実はハードルの高いことだと思ったんです。そこで、まずはオファーをくださったドラマのプロデューサーの大平太さんの話を聞きました。僕らの仕事は人の思いに応えていく仕事でもあるから、もしそこであまりにもとってつけたような理由や感じるものが何もないようなら、この話はやめておこうと。でも、実際に大平さんから、この曲に対する熱い思いが伝わってきたんです。大平さんにはドラマの強いビジョンもあったので、「さくら」は主演の高畑充希さんにカバーしてもらうほうがいいのではないかとも考えました。だから再びこの曲を自分で出すということに勝算はあまりなかったんですが、「ここでやらなきゃウソだな」って思ったんですよね。そう思った背景には、ツアー「人間の森」を経て、足もとを見つめ直して、さらに足もとのもっと奥にあるものを見つめ直すという“自立のとき”でもあったというタイミング。そしてデビューの頃、「さくら」を多くの人たちに知ってもらい、そのあとは混乱した季節があったものの、でも自分たちで得た経験を守りながら活動してきたら「人間の森」で、ある種のアーティスト活動の限界のようなものがあったということ。そこから“もう1回やり直せ”と言われている気持ちになって、思い切ってレコーディングをしたんです。高畑充希さんが「神さまみたい」と絶賛!ーー新録された「さくら(二〇一九)」をリリースするにあたって、いろいろな思いを抱かれたのですね。今回は劇伴作家でもある世武裕子さんが編曲とピアノを担当されています。はい。世武ちゃんは、「人間の森」の音源のピアノで参加してくれて出会いました。今回の「さくら」を新録することになった当初、僕がアレンジするのも面白そうだけれど、うかつに手を出せないから、「さくら」を知らない外国人がアレンジするほうが振り切った曲になるのではないかと思ったんです。これだけいろいろな人に聴いてもらっている曲を新しくアレンジするのは、本当に思い入れが強いか、良い意味でまっさらに曲をとらえて先入観のない人かと考えて、僕は後者を選びました。そうなったときに、規格外の発想をする世武ちゃんが良いのではと思いました。彼女は「さくら」に先入観がないけれど、音楽には良い意味で反応するし、劇伴作家もやっているから、この物語に寄り添いながらもどんどん引き上げてくれるようなアレンジをしてくれるんじゃないかと思ったんです。こういう仕事は対話で作っていくようなものじゃないですか。自分の中の価値基準がはっきりしている彼女とは対話がしやすいし、そこにすごく救われましたね。ーー歌唱の面では、ご自身で意識して変えられたところはあったのでしょうか。それはほとんどないですね。最初、大平さんからは「アカペラでもいい」と言われたんですが、さすがに「さくら(アカペラ)」は違うなって(笑)。でも、そんな話をしたと世武ちゃんに言うと、「まずアカペラで曲をもらっていいですか」と言われました。アカペラで歌った「さくら」を送って、このときにはドラマ『同期のサクラ』の台本が2話ぐらいまであったのでそれも見ながら、きっと世武ちゃんは物語の景色と曲の旋律をアレンジで繋いでいったんだと思います。ーー高畑充希さんは直太朗さんの声を「神さまみたい」と絶賛されていますが、お会いしたことはあるのでしょうか。ドラマの現場に、表敬訪問しました。高畑さんからは「この曲を新しく歌ってくださってありがとうございます」と言われましたね。物語では、彼女の演じている“北野桜”という忖度できない性格の女の子が、どんどんボロボロになっていくんです。でも、遊川和彦さんの脚本だから、超ハッピーエンドではないけれどバッドエンドにはしないと思っていて、ハラハラドキドキしながらドラマを観ています。心がざわざわしたドキュメンタリー映画ーーそして2018年10月から2019年6月まで全国51公演が実施された全国ツアー「人間の森」を追ったドキュメンタリー映画『森山直太朗 人間の森をぬけて』が12月13日に公開になりました。映画を拝見すると、苦悩する姿や意見がぶつかるシビアな場面も出てきますが、そもそも映画にするご予定だったのでしょうか。違います。最初は、ツアーの事前番組として密着していました。ーーそうですよね。映画のなかでも、共作者でライブの演出家でもある御徒町さんが「バンバン(映画を撮影した番場秀一監督の愛称)まだ撮るんだって!」と、予想外に撮影が続いていることを伝えるシーンがありました。赤裸々な姿が映し出された映画が公開されるというのは、どんなお気持ちですか。すごく複雑ですよ。バンバンじゃなかったら無理だし、無茶だと思いました。僕はとにかくバンバンと竹内さんという制作の方を信じるしかなかった。僕も1回観たんですが、やっぱり心がざわざわしました。でも今後活動していくなかで、この季節がどれだけ意味があったのかを証明していかなきゃいけないと思うと、複雑でしたが背筋がピンとしましたね。別にダメな自分が映し出されていて恥ずかしいというレベルの話ではなく、もっと自分と向き合っていかなきゃ、乗り越えていかなきゃいけない意識があるんだと知れただけでも、複雑さの奥には感謝があります。ーーいろいろな思いが交差して、ご自身のドキュメントを観るのは大変だったのではないですか。途中本当にきついところもありました。ただ、それとは裏腹に、手前味噌なんですが、映画を観ていて音楽がとてもよく聴こえたんです。何事もなく、魅力的で感じも良くて、音楽もよく聴こえてなんて、そうは簡単に事は進まないわけですよ。実際には、さまざまな歪みや葛藤、楽しいだけではないことといった自分では見つめたくないものもあって、初めて本当に“音楽しだす”というか。そういう意味でいうと、理想としていることなんてたかが知れているし、最終的に自分が理想としている「作品至上主義」ということは、作品がよく聴こえてほしいということなんだと確信しました。近しい人たちは、映画を観て、「なんとも言えない気持ちになった」とみんな口をそろえて言っています。共作者で演出家の御徒町凧との新たな関係ーー映画で、直太朗さんが「最後の最後まで窮屈だった」と言っていた言葉が印象的でした。それはツアー「人間の森」にかかっているものじゃないんですよね。僕の活動全体にかかっている言葉です。僕と御徒町は、ユニットのように活動してきて、お互いがお互いに自立を求めているんだけれど、どちらかというと「人間の森」のときは御徒町色が強かった。今回、舞台上で、僕自身のアイデンティティや主体性を120パーセント求められるのであれば、僕は1度御徒町と決別しなきゃいけないという結論になったわけです。それはどこかで彼が望んでいた状況でもあったんですが、そういったこともあって、「人間の森」が終わってから、実は鬱々とした時期が続いていました。それこそ「さくら」のリリースなどの話も決まっていない空白の時期だったので、「このままだと死にはしないけれど、精神的にもおかしくなっちゃうかも」と思って御徒町に電話して、今まで一緒にやってきたこと、プロデュースや演出などを一度解消しようという話になったんです。ただ、彼との曲作りは友達としての延長線上にありますし、友達としての関係が終わるわけではありません。ーーでは今後も、曲作りについては直太朗さんと御徒町さんのおふたりで組むのですか。それはわかりません。「僕は自分なりの表現を探していくから、お前はお前で本当に好きなことをしたほうがいい」とは言いました。アーティスト活動に情で関与するのではなく、クリエイターとして、表現者として、創作者として、心底やっていけばいいということを話すと、「それはわかってる」と御徒町は言っていました。その後、彼は詩人の活動の一環として、ユーチューバーになったんですよね(笑)。ーー知っています。「オカチャンネル」を開設されましたよね。そう。そして精神的なものや、関係的なものを整理をすると、面白いもので空いたスペースに、表現者として試されるような「さくら」のお話やお芝居のお話が次から次へと入ってきました。ーーすごいタイミングですね。そうですよね。だからやっぱり、決断していくこと、どんどん手放していくことは、良い表現に向かうための基本なんだと思いました。今も活動の只中だから、これが正解だったのかどうかはわかりません。でも、これがひとつの答えだから、それに向かって突き進んでいくだけです。僕は表現を、御徒町は創作活動を、それぞれのやりたいことをやる。そしていつか彼が心の底から「森山直太朗のライブを演出したい」と思ったら、もしかしたらまた交わるときもあるかもしれない。この決断が良かったのか、悪かったのかは、いまの活動やこれから先の自分の佇まいを見てもらうしかないと思っています。結果的に、ドキュメントを作ったことは、自分の中では糧になりました。ーーそういった経緯を経て、2020年は1月18日から放送される土曜ドラマ『心の傷を癒すということ』(NHK総合午後9時 毎週土曜、全4回)と、春に始まるNHK連続テレビ小説『エール』(午前8時 毎週月〜金曜)の2本に出演が決まっていますね。俳優活動を活発化される決め手は何ですか。きっかけは、背景にはちゃんと道筋があるんです。まず『心の傷を癒すということ』は、いきなりご指名ではなく、プロデューサーの方に以前からドラマの際は「絶対誘いますからね」と気にかけていただいていたという、ひとつの約束があったんです。その流れでいただいたお話だったので応えたいと思ったのと、「人間の森」を経て、表現者としてもっとヒリヒリすることをしようと思い、何かを演じることに好奇心はあるほうなので引き受けました。その後に『エール』の話をいただいたんですが、ドラマの制作に後輩がいるんです。以前、僕の劇場公演『あの城』を観に来てくれたときに、演技もできるなら何か一緒に仕事ができるんじゃないかと思ったようです。それから何年か越しに、『エール』が音楽にまつわる物語ということで、お話をいただきました。だから2本とも、急にふってわいた話じゃなかったということも、大きかったですね。ーー立て続けにドラマ出演が発表されたので、急にモードが切り替わったのかと思いましたが、以前からのご縁だったのですね。はい。ましてやこういう時期に話がきたということに、意味があると思っていて、その後に「さくら(二〇一九)」のお話へとつながってくるんです。今まであった安心のようなものと決別して手放していくのは、やっぱり大事なプロセスだったのかなと思いますし、それが良かったと思える表現活動をしていかなきゃいけないと実感しています。今後は本当にやりたいことを本気でやっていくーーご多忙のようですが、お休みの日はあるのでしょうか。ほとんどないですね。ドラマの大阪のロケだったり、福島のロケだったり、NHKだったり。いろいろなところを飛び回っています(笑)。リリースもありますし、ミュージックビデオやライブの打ち合わせもあるので、忙しく過ごしていますが、すごく楽しいですね。大変さと充実さのなかで、いま、転がる石のように活動しています。ーーじゃあ休みはいらないですね?え? いるよ(笑)! 1日でも休みがあったら、どこか静かな場所に行きます。僕が持っている山小屋に行くと、自分のことをフラットにしてくれるんです。大自然のなかにいると、情報量が少なく、人との関わり合いもなく、なんにもないから。ただ日が移ろって、また日が昇る。でもそんな1日が僕にとっては大切な時間です。僕が悩んでいることなんてちっぽけなことですが、でもそのちっぽけなことが創作の起源になっているから、否定はできないんですよね。悩みを抱えながら活動をしていく。そこは自分で認めて、外に行くときはその荷物は背負わずに行かないと自意識に負けてしまう。「人間の森」というツアーを経て、“限界”と“自信”の両方を得られたことが財産ですね。ーーわかりました。それでは最後に、直太朗さんの今後の抱負を教えてください。当たり前のことですが、本当にやりたいと思うことを自分なりの形で、本気でやるということですね。いま改めて「さくら」を聴いてもらうこともうれしいですが、「さくら」だけではない活動にも触れてもらえるようにしていきたい。今年は入り口を作る年。来年はさらにそこから広がった景色を見る年にしたいと思います。取材後記デビューのときから取材させていただいている森山直太朗さん。アーティスト活動において重要な位置付けとなる「さくら」が、ターニングポイントとなるツアー「人間の森」を終えた時期に、新録発表されるとは不思議なものです。御徒町さんとの関係の変化も含め、今後の“森山直太朗 第二章”を見守っていきたいと思います。歌にドラマにと活躍する直太朗さんの新曲と映画をチェックしてみてくださいね。森山直太朗 PROFILE1976年4月23日、東京都生まれ。少年時代より一貫してサッカーに情熱を傾ける日々を送るが、大学時代より本格的にギターを持ち、楽曲作りを開始。その後、ストリートパフォーマンス及びライブハウスでのライブ活動を展開。2001年3月、インディーズレーベルより「直太朗」名義でアルバム『直太朗』を発表。2002年10月、ミニアルバム『乾いた唄は魚の餌にちょうどいい』でメジャーデビューを果たし、2003年3月、「さくら(独唱)」の大ヒットで一躍脚光を浴びる。2005年に音楽と演劇を融合させた劇場公演『森の人』を成功させ、2006年は御徒町凧の作・演出による演劇舞台『なにげないもの』に役者として出演。劇場公演としてはその後も2012年『とある物語』、2017年『あの城』を上演。2016年9月、デビュー15周年記念オールタイムベストアルバム『大傑作撰』をリリース。2018年8月22日には、オリジナルアルバム『822』をリリース。10月~2019年6月まで全51公演のロングツアー、“森山直太朗コンサートツアー2018~19「人間の森」”を全国各地で開催。10月30日「さくら(二〇一九)」を配信、12月13日ドキュメンタリー映画『森山直太朗 人間の森をぬけて』公開。2020年1月9日から始まるTVアニメ『ソマリと森の神様』(TOKYO MXほか)のオープニング主題歌に「ありがとうはこっちの言葉」が決定。また、1月からNHK土曜ドラマ『心の傷を癒すということ』、4月からNHK連続テレビ小説『エール』に出演する。InformationNew Release「さくら(二〇一九)」01.さくら(二〇一九)10月30日配信movie映画『森山直太朗 人間の森をぬけて』12月13日公開監督:番場秀一( THEE MICHELLE GUN ELEPHANT「THEE MOVIE-LAST HEAVEN 031011」、「BUMP OF CHICKEN “WILLPOLIS 2014” 劇場版」)出演:森山直太朗御徒町凧 ほか製作:WOWOW配給:WOWOW日活(C)2019 WOWOW INC.製作年:2019年尺:87分ヘアメイク・北島圭二、スタイリスト・上野真紀
2019年12月18日