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●アドビがクラウドビジネスに大きく舵を切った理由アドビ システムズは4月から、新たなクラウドサービス「Adobe Document Cloud」をスタートした。これにより、従来から提供している「Adobe Creative Cloud」、「Adobe Marketing Cloud」を加えて、3つのクラウドサービスを提供することになった。今後、アドビ システムズはどのような方向へ向かおうとしているのだろうか。2014年7月に社長に就任し、同社の強みを「マーケティングプロセスを包括的に支援できる唯一の企業」だと語った佐分利ユージン氏に、新クラウドサービス展開の意図を中心に話を聞いた。――ここ数年、アドビシステムズは、クラウドビジネスに大きく舵を切っています。その狙いは何ですか。現在は、Creative Cloud、Marketing Cloud、そして先ごろ発表したDocument Cloudを加えて、「3つのクラウド戦略」が軸になっています。2012年には、Creative Suiteにおいて、オンラインでの利用が可能なCreative Cloudのサービスを開始。そして、2014年5月にはクラウドへの100%移行を完了させました。企業によっては、オンプレミスとクラウドの両方で展開するといったケースもありますが、アドビは、クラウド型ビジネスモデルに完全にコミットしており、この1年間で、そのビジネスモデルの推進にも勢いがついてきたといえます。また、エンタープライズ向けとなるMarketing Cloudは、2009年に買収したオムニチュアの技術を活用し、まずは解析ツールからスタートしましたが、関連企業の買収や製品群の拡大によって、CMSのAdobe Experience Managerや、マーケティングオートメーションのAdobe Campaignなど、マーケッターが必要とするすべてのツールを、トータルに提供する環境を整えてきました。そして、最後のひとつが、Document Cloudとなります。アドビのDNAは、AcrobatおよびPDFにありますが、同製品の最初のバージョンを出荷したのが1993年。それから22年を経た現在、一般消費者が触れている媒体の7割近くが、すでにモバイルデバイスに搭載された液晶パネルになり、大きな変化が訪れています。そして、モバイルワーカーが急増し、働き方も変化しています。AcrobatおよびPDFを、モバイルへとしっかり対応させ、同時に、モバイル時代のワークフローをしっかりと支えるための機能進化を遂げたのが、Document Cloudということになります。どこにいても、どんなデバイスからでも、文書をセキュアな環境で管理でき、e-sign(海外ではEchoSign)を活用した署名も可能になる。モバイルデバイスの浸透により、イノベーションが起こる一方で、セキュアな環境を維持するために、さまざまなルールが決められ、それによって生まれる「制限」が増加しているのも事実です。そのなかで、どうやって業務効率をあげていくか。それを解決するのがDocument Cloudだといっていいでしょう。――Creative Cloud、Marketing Cloud、そしてDocument Cloudは、ユーザーターゲットも、製品の役割も異なるものですね。アドビは、どんな事業構造を描いているのですか。Marketing Cloudを例にあげると、このビジネスは、毎年、2割増、3割増で売り上げが増加していますし、昨年は、Marketing Cloudのビジネスだけで10億ドル(約1,200億円)に達しました。現在、アドビの全売上高の約4割がMarketing Cloudになっています。アドビといえば、もともとPhotoShopやIllustratorなどのデスクトップアプリケーションがよく知られていますが、そうしたイメージを持っている人たちにとって、いまのアドビの姿は意外かもしれませんね。アドビの製品を大きく分けると、一般消費者向けと、企業向けに分けられます。Marketing Cloudは完全に企業ユーザーにフォーカスしたものですし、媒体がデジタル化するなかで、新たなマーケティング手法を提案するものになります。世界の名だたる企業に比べると、日本の企業は、マーケティングに対する投資が少なく、またそれに対するノウハウも蓄積されていない状況だといえます。薄型テレビ市場において、日本のメーカーは優れた製品を作っているのに、世界で勝てなかったというのも、マーケティング力に差があったのではないでしょうか。日本の企業において課題となっているマーケティングを、新たなツールを活用して、最新の手法へと切り替えて、一気にレベルを高めてもらいたい。これが結果的には収益化にもつながり、企業が元気になる。こうしたお手伝いを果たしていきたいですね。一方で、Creative Cloudは、長年、アドビとお付き合いがあるクリエイター、デザイナーを対象にした製品です。しかし、これまでの製品と異なるところは、クリエイター、デザイナーのビジネスサイクルが加速するなかで、それを支えるワークフローをしっかりと支える製品であるという点です。クラウドを活用することで迅速性が高まり、機能強化についても、従来は2年に1回だったものが、半年以内で新たな機能を追加して、市場の変化に対応した技術革新を行えるようになります。こうしてみると、それぞれのクラウドサービスは、ターゲットが異なり、役割が異なるように見えますが、実は、ひとつのサービスとして捉えることもできます。例えば、Creative CloudとMarketing Cloudを連携させると、Creative Cloudのデジタルアセット管理の活用と、Marketing Cloudによるデジタルマーケティングでの活用までを、共通基盤で提供できます。その点では、長年、クリエイターやデザイナーを対象にビジネスをしてきたアドビにとって、そのまま一気通貫でマーケティング活動にも展開できるデジタルマーケティングへの進出は当然だったともいえます。一方、4月からサービスを開始したDocument Cloudでは、一般消費者も企業も使える製品ですから、最も幅広い方々に活用していただけるクラウドサービスだと考えています。Creative Cloudのシングルサインオンの機能を使っていますから、Creative Cloudのユーザーは、そのままDocument Cloudのサービスを利用することができますし、保存先も共有することができます。●Document Cloudが「ハンコ」に対応?――3つのクラウドサービスを組み合わせることで、どんなサービスが提供されることになりますか。過去2年に生成されたデータは、人類が誕生してから生成されたデータの約9割を占めるといったような調査結果がありますが、それだけ、いまの世の中には数多くのデータがあふれかえっています。そうした流れを形成するもののひとつに、ソーシャルメディアなどに投稿されている数多くのテキストデータや画像、映像があります。こうした情報の投稿や利活用において、アドビのツールを活用してもらえる場が増えているといえます。写真の加工や、PDF化すること、さらにはこれらのコンテンツを活用してマーケティング活動をしていくという点でも、アドビは貢献できます。世界がデジタル化していくなかで、アドビの製品を活用して、情報をさらに有効活用してもらいたい。いま、アドビでは、「4つのM」という表現をしています。これは、Make(コンテンツ制作)、Manage(コンテンツ管理)、Measure(計測)、Monetize(収益化)の頭文字を取ったものです。Creative CloudとDocument Cloudは「コンテンツ制作」のためのツールであるとともに、ここで作ったものをしっかりと「コンテンツ管理」していくツールでもあります。そして、ManageとMeasureの間には、マーケティング活動や営業活動など、なにかしらの行為が発生するわけですが、これらの活動を行った結果はどうだったのか、インパクトはどうだったのかということを「計測」することになる。ここは、Marketing Cloudの役割です。「計測」した結果、それが「収益化」につながり、さらに改善点があれば、「コンテンツ制作」へと反映させることができる。このように、マーケティングプロセスを包括的に支援できる唯一の企業がアドビです。――一方で、クラウドへの舵の切り方があまりにも急激であったため、ユーザーが置き去りになっているという印象も受けます。クラウドサービス化したことによって実現したモバイルデバイスへの柔軟な対応や、新たな時代に向けた新機能の提供のほか、銀行振り込みへの対応や発注書への対応など、購入しやすい環境を提供している点にも評価が集まっており、すでにかなりのユーザーがサブリスクリプションモデルへと移行しています。ただ、クラウド環境への移行は、まだまだやらなくてはならないことがあると感じています。――Document Cloudでは、紙の文化と共存させるということを強く訴求していますね。日本ではまだまだ紙の文化が中心となっています。社内の申請や購買手続き、稟議など、社内のルール上、紙でしかできないような仕事も数多くあります。しかし、それを否定するのではなく、むしろ、うまく活用しながらも、お客様の課題を解決することを支援したいと考えています。そこにDocument Cloudの役割があります。紙の書類も、モバイルデバイスのカメラで撮影し、それをPDF化し、必要な加工をして、情報共有するといった使い方ができるわけですが、従来の仕組みでは、それをやるには、かなりの手間がかかりました。スキャナーが必要だったり、ソフトウェアをインストールしたりといったことも必要でした。しかし、いまでは手元のモバイルデバイスで、それらの作業のほとんどは代替できますし、Document Cloudによって、いつでも、どこでも利用できるようになります。複合機でも、紙への出力だけでなく、PDFへの出力が可能な製品が増えていますし、電子黒板でも手書き文字が一気にPDFに変換できる。PDFを利用すれば、上司が出張続きで、紙の申請書類は上司の机の上に置かれたままで、いつまで経っても手続きが進まないということもなくなる。紙で往復する回数を減らすことは、業務の大きな効率化につながります。このように、効率化のために、紙の情報をPDFで共有するのであれば、そのステップを大きく削減して、もっと手軽に行えるようにしたい。PDFは、社内、社外を問わず、どんなアプリケーションであれ、最も使われるフォーマットですから、情報の共有化には最適です。共通化している点では、紙に最も近いフォーマットであり、それでいてデジタルならではの利便性、効率性が図れる。つまり、紙をデジタル化するには、最も身近なフォーマットともいえるわけです。紙との共存を図りながら、デジタルならではの使い方を付加することが、アドビの提案ということになります。――Document Cloudで新たに提供するe-signを活用した、日本市場に向けた利用提案はありますか。たとえば、日本の法律に準拠した形で、契約書にe-signを活用するといった提案は可能ですが、具体的なソリューション提案はこれからになります。電子サインは、日本では普及していない仕組みですから、我々からも積極的に利用提案をしていく必要があります。見方を変えれば、大きなビジネスポテンシャルがあるともいえます。また、これは、決定した話ではありませんが、ハンコにも対応してほしいという声が多ければ、そうしたことも考えていきたいですね。利用者からのフィードバックをもとにして、日本の商習慣にあわせた形で進化させるといったことにも取り組みたいと考えています。――Document Cloudの最初のゴールはどこになりますか。社内の数値目標とは別に、Acrobatにはなかった機能の活用率が高まることを期待しています。例えば、スマートフォンで撮影したデータを、JPEGのまま保存するのではなく、PDFに変えて情報を共有したり、画像データから文字データに変えたりといったことが行われるようになるといいですね。また、e-signの導入も、日本の企業におけるビジネスの効率化に寄与すると考えていますから、この利用率ということにもこだわりたい。米国では、EchoSignを利用した契約書の総数が、1年間で1億件に到達しています。日本でもこうした指標は重視したいと考えています。Acrobatは、大手企業の社員が複数のデバイスで利用していますから、社員数に対する導入率が100%以上となっている場合も多い(笑)。そこまでいくにはまだ時間がかかるかもしれませんが、e-signを利用することによるメリットは積極的に訴求していきたいと考えています。●佐分利氏がアドビを「変えた」部分、「変えなかった」部分――話は変わりますが、Acrobat Readerの名称を、一度、社名を冠したAdobe Readerとしたものの、再び、Acrobat Readerに戻しましたね。社名を冠したものから、製品名に戻すと、やや格落ち感が否めませんが、この名称変更の理由はなんですか。これはブランディングの整理と捉えていただければいいと思います。Acrobat Reader に限らず、Acrobatというブランドの下で、ドキュメント製品群を展開していくという姿勢を明確に打ち出したものであり、その一環として、e-signも、Acrobatブランドの下に入りました。長年の歴史を持つブランドを活用することが最適である、との判断によるものです。――2014年7月にアドビ システムズの社長に就任してから約10カ月が経過しました。この間、何を変え、何を変えなかったのでしょうか。まずは、データを可視化していくことに徹底してこだわりました。自らもデジタルマーケティングの製品を出しているわけですから(笑)、しっかりと測定して、それをビジネスに生かしていかなくてはなりません。そこは、社員に嫌われるぐらい徹底しました。売上高などのデータからは、バックミラーを見ることはできますが、フロントガラスの先に何があるのかといったことはみえない。だが、顧客満足度という指標は、フロントガラスの先を見通すには重要なデータです。コールセンターにどんな連絡が入っているのかといったことも、その指標のひとつです。シンプルな言い方をすれば、顧客満足度が悪化すると、その先の売り上げは必ず悪化することになる。自分のクルマがどこにいるのかということを理解するには、360度すべてがわからなくてはならない。そのためにデータの可視化は重要な要素です。もちろん、100%のデータは集まりません。なにかアクションを起こすにも、社員には7~8割の状況がわかってもらえればいい。そうすれば、私は5割以上の状況が理解できて、そこから判断ができる。完全なところまで待つと何も動かなくなってしまいます。データはあくまでも手段です。その点では、データとの正確性と、ビジネス判断の迅速性のバランスが重要ですね。私が、こうしたことにこだわるのは、長年、マーケッターをやってきたDNAだと思います。データドリブンの仕事の仕方は、自然と身についたやり方です。もちろん、勘や根性といった要素も必要です。アドビ流にいえば、左脳と右脳をバランスよく使うことが必要。これも重視していきます。いずれにしろ、データを可視化していくという取り組みは、これまでにはない大きな変化だといえます。また、前社長のクレイグ・ティーゲル氏を私はとても尊敬していますが、やはり日本語の壁があったのではないでしょうか。その点では、私は日本語でパートナー、ユーザー企業、エンドユーザーとコミュニケーションできますから、その点も大きな変化でしょうね。より緊密なパートナーシップを図りたいと考えています。一方で、変えなかったのは、アドビが持つすばらしい企業文化です。特に、協業の意識が強いですね。例えば、製品に関するトラブルが発生した場合に、この情報の社内への伝わり方はとにかく速い。現場から上に上がっていって、そこから本社に伝わって、本社の現場に伝わって解決するというのではなく、現場から一気に本社のしかるべき人につながる。これはシステムとか、プロセスがあって実現しているのではなく、アドビが持つ文化だと思います。――日本マイクロソフトから米マイクロソフト本社に勤務後、帰国した途端にアドビ システムズの日本法人社長に就任したのには正直驚きました。日本マイクロソフトの本社が品川なのに対して、アドビ日本法人の本社があるのは大崎。山手線の降りる駅を一駅間違ったのではないかという声が、日本マイクロソフト社内から出ていましたが(笑)。そういっていただけるとありがたいですね。私は競合する会社には行きたくないと思っていましたし、その点、アドビとマイクロソフトは、協業できる関係にあります。米アドビのCEOであるシャンタヌ・ナラヤンと、米マイクロソフトのサティア・ナデラCEOは友人ですし、私は日本マイクロソフトの樋口泰之社長とも、いまでも連絡を取らせていただいていて、時には指導もいただいています。お金で買えないものはたくさんあります。こうした関係もお金で買えないもののひとつです。大事にしていきたいですね。――今後、どんなアドビを目指しますか。グローバル化が進むなかにおいて、日本の企業は競争力を高める必要があります。私は、マーケティング力の強化が、企業力の強化に直結すると考えています。そこをぜひお手伝いしたい。デジタルマーケティングを活用することで、お客様の収益向上を図り、日本の企業を元気にしたい。また、少子高齢化が進むなかで、社内業務の効率は重要な要素になっています。その点でもアドビは貢献をしたい。さらに、ありとあらゆるデジタルコンテンツが生成されるなかで、アドビのツールを利用していただくことで、より効果的に、そして効率的に情報を活用できるようになります。Creative Cloud、Marketing Cloud、そしてDocument Cloudを通じて、こうした貢献をしていきたいですね。一方で、社内に対しては、アドビでキヤリアプランを作ってもらい、骨をうずめてもらえる会社にしたいと思っています。――佐分利社長は骨をうずめるつもりですか。もう、うずめていますよ(笑)
2015年05月07日EMCジャパンは今日、企業向けのクラウド・ゲートウェイ製品「EMC CloudArray(クラウドアレイ)」を発売した。仮想アプライアンス版の価格は178万1,250円から(税別)。新製品は、企業における非アクティブ・データの増大という課題を、クラウドの活用によりコストや管理面で解決するという。企業ユーザーが使い慣れているiSCSIやNFS、CIFSといった標準的なストレージ・インタフェースで、AmazonやGoogle、SoftLayerなどの主要なクラウド・サービスや、「EMC Elastic Cloud Storage(ECS)」やOpenStack Swiftなどオンプレミスのオブジェクト・ストレージへデータを容易に格納できるとのこと。さらに、柔軟なデータ・キャッシュ機能やクラウドとのデータ転送の圧縮や暗号化にも対応、企業が求めるパフォーマンスやセキュリティ機能を提供するとしている。同製品は、仮想アプライアンス版およびハードウェア・アプライアンス版で提供する。また、5月下旬より販売開始を予定している同社のコンバージド・インフラストラクチャ製品である「EMC VSPEX BLUE」にも、同製品のライセンスをバンドルする予定だ。
2015年05月01日ガートナー ジャパンは4月28日、日本企業のクラウド・コンピューティングへの取り組みに関する調査結果を発表した。これによると、クラウド・コンピューティングの採用率は16%となり、2012年の10%から上昇したことがわかった。種類別では、SaaS(サービスとしてのソフトウェア)が28%と最も採用率が高く、続いてプライベート・クラウド(23%)、ホステッド・プライベート(18%)、PaaS(サービスとしてのプラットフォーム、16%)、IaaS(15%)、ハイブリッド(12%)、デスクトップ(10%)の順となった。リサーチ部門 バイス プレジデント 兼 最上級アナリストの亦賀忠明氏は、「調査結果はあくまでも回答者が回答したものであり、世の中で必ずしもクラウドではないものまでがクラウドと呼ばれている状況、いわゆる『何でもクラウド』となっているなかで、回答には本来クラウド・コンピューティングとは呼べないものが含まれている可能性があることに注意が必要」とコメントしている。今回、クラウドIaaSに期待される稼働率についても調査が行われたが、40%以上が「99.999%でなくてもよい」と考えていることが明らかになった。この結果について、亦賀氏は「多くのクラウドIaaSが提示するサービス・レベル合意 (SLA) は99.95%であり、これは絶対に止まらないことを保障するものではない。日本では、業務システムは絶対に止まってはならないという暗黙の認識が根付いており、クラウド導入のハードルを上げている側面があったが、今回の調査の結果、多くのユーザーが、クラウドの実態に即した考え方を持っていることが明らかになった。企業は各業務システムに期待されるSLAには『松竹梅』のように異なるサービス・レベルがあることを理解し、その考え方に基づいて仕分け、各業務システムに合った適切なクラウドを選択することが重要」と述べている。
2015年04月28日日本IBMは4月27日、同社の2015年のクラウド事業戦略に関する説明会を開催。全方位でハイブリッド・クラウドを推進し、そのためにクラウド事業統括という、クラウド事業を社長直下の組織として統合したことを発表した。日本IBM クラウド事業統括担当 執行役員 小池裕幸氏は、「これまでのやり方を再構築するには、最前線でデータを示し判断をくだすことができる新しいアプリ、新しいデータからビジネス機会を見い出すこと、エコシステムをデジタルでまとめた新しいソリューションが必要になる」と指摘。そのためには、モバイルやソーシャル活用するSoE(Systems of Engagement)領域で、すばやくアプリを作成する必要があるとした。これらSoEのシステムは、クラウド上に構築されるケースが圧倒的に多いが、小池氏によれば、これらのアプリは、企業の活動を記録する従来の基幹系のシステムであるSoR(Systems of Record)のデータを参照するケースも増えているという。そのため、クラウド上のSoEとオンプレミス上のSoRのデータ連携も重要になるとした。これらを踏まえ小池氏は同社のクラウド戦略について、「これまでは、オンプレミスとオフミレスという2軸しかなかったが、最近はSoRとSoEという側面も出てきた。いま、企業の投資は圧倒的にSoEで、それをクラウドで実現している。しかし、お客様にはSoRと連携したいという希望もある。そのため、これら4つ方向をすべてをカバーしていくのがIBMの戦略で、それができるのはIBMだけだ」と語った。そして小池氏が、4つ方向をすべてをカバーするためのハイブリッド基盤として挙げたのがBluemixだ。同氏は、BluemixではSoE向けのSaaSサービスが300以上用意されており、ユーザーは、これらをAPIを利用してサービスを組み合わせるだけで、簡単にアプリを構築できる点がIBMの大きなアドバンテージだとした。「これからは、APIエコノミーの時代だ。APIエコノミーでは、それぞれのシステムがAPIを公開することで、連携することができる。それを可能にするのが「API Harmony」でBluemixで公開している。これらをAPIを活用して組み合わせて利用するこことで、アプリを早く構築できる」(小池氏)。一方、これらBluemix上のアプリと、オンプレミスとの連携向けには、同社はBluemix上サービスカタログ「Secure Gateway」が用意されており、日本IBM クラウド事業統括 クラウドマイスター 紫関昭光氏は、これを利用することで、簡単の安全なトンネルを作成できるととした。また、同社はBulemixの環境として、マルチテナント型の「Public」、SoftLayer上の占有環境である「Dedicated」に加え、今後、自社のデータセンター内でのマネージドサービスとして展開できる「Local」も開始するという。
2015年04月28日富士通エフサスとサイオステクノロジーは4月23日、クラウドシステムの安定稼働を実現すべく、クラウドシステムの構築分野において協業すると発表した。これにより、両社はサイオスの HA クラスターソフトウェア「LifeKeeper」を活用し、同一クラウドのリージョン間での冗長化を実現するとともに、オンプレミスシステムとクラウド間、異種クラウド間の冗長化技術の開発に取り組む。あわせて、富士通エフサスは、「FUJITSU Managed Infrastructure Service パブリッククラウド導入・運用サービス」を6月より拡充し、同技術を活用したクラウドの冗長化の導入・運用サービスを順次提供する予定。同サービスは、パブリッククラウド上へのシステム導入にあたり、システム基盤の設計・導入・運用までをサービスとして提供するもの。FUJITSU Cloud IaaS Trusted Public S5、FUJITSU Cloud A5 for Microsoft Azure、ニフティクラウドに加え、Amazon Web Services、VMware vCloud Air など、複数のパブリック・クラウドに対応している。また、同技術は、富士通の「FUJITSU Cloud Integration Service」にも適用し、より可用性の高いシステムを実現していく。
2015年04月23日ニフティは、クララオンラインが中国にて提供しているパブリッククラウドサービス「鴻図雲(ホンツーユン)」に共同提供社として参画し、4月16日(木)からサービス提供開始したと発表した。これは、同社が海外で提供する初のクラウドサービスとなる。同サービスは、ニフティクラウドの安定したインフラ基盤とクララオンラインの中国におけるビジネスノウハウを組み合わせることで、中国でもニフティクラウドと同じパブリッククラウドを利用できるサービス。中国の5つの通信キャリアとのBGP接続による中国全土へのインターネット接続性と、環境の違いに対する技術面およびビジネス面でのサポートを提供する。これらのサービスは、既に本田技研工業(中国)、タニタ上海といった企業がサービスを利用している。現在、中国で、ITビジネス市場の成長に伴ってクラウドサービスが急速に普及しており、これまで、「鴻図雲」をインフラ構築・運用の面で支援。今回、中国で安定稼動し、導入実績のある「鴻図雲」に共同提供社として加わることで、サービス促進を図るという。今後は、クララオンラインとの協業をより強化し「鴻図雲」のソリューション拡大を図り、中国でのビジネスを強力に支援するとしている。
2015年04月23日ライフスタイルファニチャーブランド「アルフレックス(Arflex)」が、テキスタイルデザイナーの鈴木マサルとコラボレーション。特別展「MARENCO×鈴木マサル」が4月21日まで、アルフレックスショップ大阪で開催中。鈴木マサルは多摩美術大学の染織デザイン科を卒業後、粟辻博デザイン室に勤務。やがて独立すると、05年からファブリックブランド「オッライピイヌ(OTTAIPNU)」を主宰している。その後はフィンランドの老舗ファブリックブランド「マリメッコ(marimekko)」のデザインを手掛けるなど、これまで様々なメーカーやブランドのプロジェクトに携わってきた。今回のイベントは家具とテキスタイルデザインの楽しさを伝えることを目的に、昨年東京で開催された展示会を再現。アルフレックスのシンプルな家具に、鈴木の大胆かつ鮮やか、そしてユーモラスな要素を併せ持つデザインが融合している。中でも注目なのが、ブランドを代表する「マレンコ(MARENCO)」のコラボモデル。このソファーはデザイナーのマリオ・マレンコが一瞬のうちに描いたスケッチから生まれたもので、無駄のない個性的なフォルムは、発売から40 年経った現在でも多くの人々に愛され続けている。コラボ作品の一つ「ダンス(DANCE)」(3人掛け/78万8,000円)は、鈴木が“攻める”気持ちで手掛けたという、日常使いのリアリティから逸脱したデザインが特徴。「色も柄も、なるべく合わないようなものを隣に並べた」という鈴木の言葉通りに、名作ソファーが現代アートのように芸術的な姿へと生まれ変わっている。一方、「パーク(PARK)」(3人掛け/74万2,000円)はシャープなモダニズムとは対局の存在として、可愛らしく感情移入のしやすい動物をモチーフに使用。ソファー全体を1枚のキャンバスとして捉え、座面や肘掛けなどを横断するようにプリントした。その中で、各パーツ間で分断され、結合されたモチーフが絵画的に表現されている。これと良く似た技法を用いているのが「バルーン(BALOON)」(3人掛け/61万2,000円)だ。マレンコのフォルムにも似たドッドモチーフを横断的にプリントすることで、予測出来ない変則的なパターンが誕生。あたかもソファの形が変化しているような錯視を生み出している。素材にはマレンコの定番である麻を用い、一版ずつ手捺染でプリントした。更に、木目の方向にまで気を配り、途切れることなく流れるようなフォルムを生み出しているチェア「リン(RINN)」(5万3,000円から)でも、今回鈴木とのコラボが実現。座面にマレンコにも用いられた全20種類のファブリックを使用し、アートな感性をプラスしている。また、音響メーカー「バング&オルフセン ジャパン」とコラボし、今年3月に発表された「BeoPlay A9」の限定スピーカーカバーも出展される。今回のコラボについて、鈴木は「異なる技術で作られた3種類のテキスタイルに包まれたマレンコは、皆さんの知っているあのクールなマレンコとはまったく別の姿を見せました。色柄が空間を漂い、人の心の中で揺らぎ、高揚させ、形にならない感覚が新しいリアリティとなって生活を、そして環境を変えていくのです。モダンデザインとカワイイデザインが絡み合い、テキスタイルによって劇的にソファー自体が、環境が、変わっていくその瞬間。皆様、是非高覧下さい」と語っている。【イベント情報】MARENCO×鈴木マサル会場:アルフレックスショップ大阪住所:大阪府大阪市中央区南船場4-2-11 ベネトン心斎橋ビル6階会期:4月10日から21日まで時間:11:00から19:00まで(10日は18:00から20:00まで)休館日:4月15日
2015年04月18日Sansanは4月13日に、近畿大学が同社が提供するクラウド名刺管理サービス「Sansan」の利用を開始したことを発表した。「Sansan」は企業向けのクラウド名刺管理サービスで、名刺をスキャナやスマホアプリで読み取るだけで、入力オペレーターにより名刺情報が正確にデータ化され、クラウド型アプリケーションを通して組織内で名刺情報を共有できるというものだ。さらにその名刺情報を元にしたマーケティングや営業活動、顧客管理といった幅広く活用できる機能を備えている。近畿大学では、情報発信としてニュースリリースに力を入れており、年間350を超えるニュースリリースの配信を行っているという。このニュースリリースを各種メディアや今まで名刺交換した方により効率的に配信し、さらに組織的な情報管理を行えるようにするため、人脈情報が可視化されて簡単にメール配信を行える「Sansan」の導入を決めたとしている。
2015年04月14日アプレッソの新製品「Thunderbus」は、VPN構築など大がかりな作業をすることなく、手軽にオンプレミス環境にあるデータをクラウドサービス上から利用できるようにするツールだ。開発の経緯や製品の特徴について解説した第1回に続き、今回は想定する利用シーンや将来像などについて話を聞いた。○Thunderbusで実現する情報活用3つのケースThunderbusはサーバライセンス(Thunderbus Serverを稼働させるサーバのCPU単位)およびエージェントライセンス(Thunderbus Agentの台数)、そしてユーザーライセンスの組み合わせで販売される。最小構成として、サーバ1CPU、5エージェント、5ユーザーという構成で100万円、または月額58,000円となっている。利用シーンとしては、以下のようなケースが挙げられる。[Case 1]クラウドサービス+Excel1つめは、社内のクライアントPC上などにあるファイルをSaaSから活用するパターンだ。「現場で日々発生する数字を、それぞれの社員がPCのローカルに保存したExcelで管理しているケースは少なくありません。一方で、サイボウズの『kintone』などでアプリを作り、データを皆で共有するようにしている企業も最近は増えています。現状ではそれらを連携することが容易ではありませんが、これらをThunderbusでつなげば、現場では今まで通りExcelに手入力するだけで、あとはThunderbusとDataSpider Servistaによりkintoneへデータをわたすことができます」と亀井氏は説明する。[Case 2]BI(ビジネスインテリジェンス)+拠点データ2つめは、多数の拠点や店舗を展開する企業の場合だ。拠点から本社へのデータ送信や、その逆となる本社から拠点へのデータ送信、あるいは売り上げなどの同期を行う必要があるデータは多岐にわたる。そのため、拠点や店鋪で管理しているデータとクラウド上にある本社のBI システムを連携することで、最新のデータをもとにした経営分析が行えるようになる。同社 営業部の脇野寛洋氏によると、すでにα版の段階から、こうした多拠点展開をする企業がThunderbusを導入して、活用している例もあるという。「この企業様は急速に拠点を拡大中で、拠点ごとの業績を管理するためにBIシステムの導入を進めていました。各拠点にあるシステムから業績データをファイルとして出力するところまでは構築されていたのですが、そのファイルを本部に転送する仕組み、分析に必要なデータをファイルから抽出・加工する仕組みを検討する必要がありました。ここで登場するのがThunderbusとDataSpider Servistaの組み合わせによるデータ連携です。Thunderbusを利用することにより、DataSpider Servistaから拠点にあるファイルを直接操作することができるため、ファイル転送処理をDataSpider Servista上でデータ加工処理と一緒に考えることができるようになり非常に効率的です。さらにThunderbusの拠点への導入が簡単であるということも好評をいただいており、アプリケーションエンジニアだけで拠点間の連携の仕組みを構築できることも魅力です」(脇野氏)[Case 3]グローバルデータ連携3つめは、グローバル展開している企業での利用も想定されている点だ。世界各地の拠点サーバからThunderbusでデータを収集して本社のシステムから参照したり、逆に各拠点のサーバへデータを配布するといった使い方だ。「グローバル展開する際には、ネットワークインフラが貧弱な地域や、ITエンジニアがいないような場合もあります。そういった地域でも、Thunderbusを使えばVPNなどを導入する必要なく、連結会計や経費精算、在庫の突合などといったシステム間のデータ連携を容易に実現できます」(脇野氏)○SaaS事業者が、個々のユーザーのデータを収集することも可能にもちろん、この3パターンの想定以外にも様々な使い方が考えられる。「例えばSaaS事業者が、Thunderbusを利用してユーザーのオンプレミス環境にあるデータを活用できるようにする、といった使い方も可能です。ユーザーの環境にあるファイルにアクセスしたいとき、ユーザーにアップロードしていただいたりオンプレミス環境とVPNで繋いだりすることなく、簡単にファイルにアクセスすることができます。また、ローカルで溜まっていくアプリのログやバックアップデータをクラウドに逃がす処理を自動化するといった使い方も想定できます」(土岐氏)「その他、流通小売業のEDIでも、便利に使えると思います。Thunderbusでつなげば、サーバ側からプッシュ配信することも、逆にサーバ側で収集することも簡単にできます」(脇野氏)Thunderbusが提供する機能は、これまで敷居が高かった「オンプレミスにあるデータをクラウドから参照できるようにつなぐ」ことを容易に実現するという非常にシンプルなものだ。シンプルであるだけに、工夫次第で用途は広がるわけだ。○データベースやWebサーバへの対応など、機能を拡充予定2014年9月のα版、12月のβ版を経て、今回1.0をリリースしたThunderbus。先行ユーザーの要望を聞ききながら調整を進めてきたわけだが、すでに今後の開発方針も定まっている。「バージョン1.0では、WebDAVサーバとしてファイルへのアクセスを可能にしています。今後のバージョンでは、データベースやイントラネットなどのWebサーバの接続にも対応していく予定です。私たちは常にユーザーの声を聞きながら、機能を拡充していこうと考えています」(土岐氏)データベースやWebサーバへの対応は、今夏にも実現させる方針だという。また、先行ユーザーからは他の接続形態を要望する声もあり、正式版ユーザーからの反応も踏まえつつ対応を検討していく意向だ。「将来的には、SaaSとしての提供なども考えています。また、企業ユースとしてはもちろんですが、前述のようにSaaS事業者様へのOEM提供も行っていますので、自社サービスの利便性向上のためにも利用していただきたいです」(亀井氏)本格的なクラウド時代を迎え、Thunderbusが利用されるシーンは今後ますます増えるはずだ。次回は、実際にThunderbusを導入、利用している企業の事例を紹介する予定なので、こちらも楽しみにしていただきたい。
2015年04月13日TKCは4月2日、全国の市区町村に向けて「新世代TASKクラウド(番号制度対応版)」の提供を開始した。同サービスは、全国の市区町村で共同利用するクラウドサービスで、単独導入、複数団体による共同運営組織型のいずれの場合でも利用可能。同サービスは「住民向けサービス」「基幹系サービス」「庁内情報系サービス」から構成される。番号制度への対応として、ナビゲーション機能が追加され、システムの指示の通りに作業を進めるだけで、最適な業務フローで、漏れや間違いのない処理が行えるようになった。新たな住民サービスの創造に向け、スマートフォンやタブレット端末などのデバイスやHTML5といった技術にも対応している。また、操作に不慣れな職員でも、マニュアルに頼らず、操作ガイダンスにより直観的に使うことができ、変更箇所の強調やエラー項目への誘導等の補助機能で入力ミスを防止する。データは、同社の正社員が運用するTKCデータセンターで24時間365日保管され、大規模災害などにより通常のネットワーク回線が切断した場合も、モバイル回線を使って住民サービスを継続できる。同サービスは、3月9日より栃木県大田原市において運用を開始しているという。
2015年04月02日○オンプレミスと同様の安心を提供するクラウドサービスクラウドファーストの時代になったといえども、企業内のすべてのシステムをクラウド化できる例は少なく、オンプレミスシステムとの混在環境となるケースがほとんどである。このとき、どのようにバランスを取って最適化を図るかというのが、多くの企業の悩みでもある。特に規模が大きいほど、その課題は顕著となる。伊藤忠テクノソリューションズ(CTC)は、日本を代表するシステムインテグレーターの1社である。世界各国のIT企業とのグローバルパートナーシップを生かし、新たな製品を発掘する「目利き」力には定評があり、オープン系システム基盤構築における長年の経験と実績、ノウハウを基に、コンサルティングからインテグレーション、運用、アウトソーシングまで提供するトータルソリューションプロバイダーとして、数多くの顧客に最適解を提供している。同社は、クラウド化のニーズをいち早く捉え、2008年にIaaS型クラウドサービス「TechnoCUVIC」の提供を開始。2014年1月には、ユーザーが仮想サーバを自由に増減できるIaaS型プラットフォームサービス「TechnoCUVIC Virtual Platform(VP)」の提供を開始している。クラウドサービス企画開発部 クラウドサービス企画開発第2課 課長の前田正重氏によれば、CTCにとってTechnoCUVICは、ITシステムの課題を解決してビジネスに貢献するための重要なコンポーネントの1つだと言う。「単にクラウドを"利用させる"サービスでは、ユーザーは安心できません。当社では、クラウドサービスであってもオンプレミスシステムと同等の品質を提供するために、専任のアカウントSEをアサインし、ドキュメント管理やトラブル対応など、フェイス・トゥ・フェイスで細やかなサポートを提供しています」(前田氏)○TechnoCUVICの要はVMwareテクノロジーすでに、TechnoCUVICは5年以上の運営実績をほこり、多くのエンタープライズユーザーに好評のサービスである。ファイアウォールやロードバランサー、バックアップなど、IaaSに必要となるコンポーネントサービスも豊富で、必要に応じて柔軟なシステム構成を採ることができる。オンプレミスのプライベートクラウドと同様に、基盤の構築や運用はすべてCTCに任せることができ、システム障害などのトラブルにも、迅速に担当者が機器交換などを実施するため、ユーザーは基盤上で稼働するアプリケーションに集中できるというメリットがある。前述したように、オンプレミスシステムと同じような高度なインテグレーションを受けられるほか、CTCのハウジング/コロケーションサービスを活用したオンプレミスシステムとの構内LAN連携が可能で、効率化を図ることができる。一方、TechnoCUVIC VPは、TechnoCUVICのITリソースをユーザー専用のリソースプールとして提供し、資産を持たずに利用できる"プライベートクラウドサービス"である。ユーザー専用の管理画面(VMware vCenter)から、自由に仮想マシンの管理が可能で、柔軟な運用が可能となる。これらTechnoCUVICサービスのベースとなっているのが、VMwareのテクノロジーである。CTCでは、2005年ごろからVMware製品の提供を始めており、仮想化技術やクラウド技術のノウハウを蓄積してきている。その知見は、プライベートクラウドを短期間で構築できるソリューション「VM Pool」などにも生かされている。クラウドサービス企画開発第2課 渡邊泰祥氏は、「VMwareはクラウドにおけるキーテクノロジー」と評価し、特にTechnoCUVIC VPについて次のように語っている。「オンプレミスシステムでVMwareを活用し、サーバ仮想化やプライベートクラウドを構築しているユーザーは数多くいます。TechnoCUVIC VPは、使い慣れたVMware環境をそのまま利用できることから、特に自社で運営体制を整えているユーザーに好評です。例えば、オンプレミスのVMware環境のDRサイトとして、TechnoCUVIC VPを活用している例があります」(渡邊氏)例えば、ファミリーマートでは、海外の基幹システムを構築する際のインフラとしてTechnoCUVICを採用し、素早いグローバル展開の要として活用している。さらに同社は、仮想デスクトップ環境のインフラとしてTechnoCUVIC VPを活用し、ワークスタイル変革を目指している。これらの構築と運用は、CTCグループが総合的に支援しており、「密な会話がないと実現できないシステム」(渡邊氏)だという。またアサヒグループホールディングスでは、2011年の東日本大震災を受け、TechnoCUVICとDRアウトソーシングを活用して関西のデータセンターにBCP環境を構築し、大規模災害時でも安定的に飲料水を供給できる仕組みを設けている。同社は仮想サーバ30台、物理サーバ20台というDRシステムを、たった3カ月で実現したという。データセンター間のネットワークサービスも、CTCが提供している。「将来的には、オンプレミスとTechnoCUVICのハイブリッド環境の連携を強化する必要があり、そのために仮想ネットワーク基盤のVMware NSXや統合管理環境のVMware vRealize Automationが重要な役割を担うと考えています。さらに、VMware vCloud Airを活用して他社とは異なる連携を提供できれば、さまざまなニーズに応えることができるでしょう」(渡邊氏)○大きなビジョンでパートナーを導いてほしいCTCは、古くからVMwareのテクノロジーを取り扱っており、ハイパーバイザーやクラウドの日本市場開拓を通じて、VMwareの日本法人であるヴイエムウェアと強力なパートナーシップを形成してきた。今や日本屈指の販売代理店として、膨大なノウハウと実績を持った強力な"VMwareインテグレーター"である。「ほとんどの企業にとって、オンプレミスシステムもクラウドサービスも、重要なインフラであり続けるでしょう。特にエンタープライズにおいては、ハイブリッドシステムの提供が非常に重要です。これが実現できるのも、ヴイエムウェアの協力によるものです」(前田氏)ますます進むクラウドサービス時代において、リニューアルされたVMware vCloud Air Networkによってパートナーシップの強化を図る中、CTCもヴイエムウェアに大きな期待を寄せている。「クラウド技術のトップベンダーとして、大きく明確なビジョンを描いて、私たちを導いていただきたいですね。そうすれば、当社の"システムインテグレーション力"を最大限に活用し、VMwareのテクノロジーを最適な形でユーザーに提供していけると考えています」(前田氏)
2015年04月02日アプレッソは3月27日、オンプレミス環境にあるデータをクラウド上で処理可能にする「Thunderbus(サンダーバス)」および、同社のデータ連携ソフトウェア「DataSpider Servista」でThunderbusを活用するための専用コネクタ「Thunderbusコネクタ」を発表した。Thunderbusの基本構成での価格は、パッケージ・ライセンスで100万円(別途年間保守費用)、月額ライセンス&サポートで5万8,000円。Thunderbusコネクタは無償。販売開始は4月1日。Thunderbusの利用により、オンプレミス環境のマシンにある特定のファイルやフォルダをクラウド側とシームレスかつセキュアに連携できるという。専用線や特別なハードウェアが必要無く、手軽かつスピーディにクラウド・アプリケーションとオンプレミスのデータの接続が可能になるとしている。クラウド側に「Thunderbus Server」、オンプレミス側に「Thunderbus Agent」をそれぞれインストールして設定を行えば接続でき、VPNやインフラの構築や設定は不要とのこと。Thunderbus Serverと同Agentの間はHTTPSプロトコルで接続し、インターネット接続があれば回線を問わずセキュアにデータを連携できるという。Thunderbusコネクタにより、Thunderbusで共有しているフォルダをDataSpider Servistaからシームレスに利用可能になり、Thunderbusで共有したデータをDataSpider Servistaで演算・変換して多種多様なシステムに連携できるとしている。同社ではThnderbusの利用シーンとして、3つのケースを例示する。クラウド・サービスとExcelとの連携では、従業員が管理するExcel上のデータを、PCのローカル・フォルダからThunderbusを経由してクラウド・サービスに連携する。Excelにデータを入力し保存するという日頃の業務スタイルを変えず、クラウド・アプリケーションに最新のデータを自動で登録できるようになるという。BI(ビジネス・インテリジェンス)と拠点データの連携では、各店舗や子会社で運用している個別システムのデータを、Thunderbusを経由してクラウド・インフラ上の本部BIシステムに連携する。これにより、BIシステムは拠点システムから常に最新のデータを参照できるようになり、リアルタイムの経営分析が可能になるとしている。グローバル・データ連携では、ネットワークインフラが貧弱な地域やVPNを管理できるネットワーク・エンジニアの手配が困難な地域からでも、グローバル拠点を結んだシステム・データ連携を実現するという。動作環境は、Thunderbus ServerがWindows Server 2008/2012(いずれも64ビット版)、Thunderbus AgentがWindows Server 2008(32ビット版/64ビット版)/2012(64ビット版)またはWindows 7/8/8.1(32ビット版/64ビット版)。今回発売するバージョン1.0ではファイル連携をサポートし、データベースやWebの連携にも順次対応していく予定。
2015年03月27日●農業支援クラウドサービス「食・農クラウドAkisai」モバイルやスマートフォンとの連携が農業を変えるかもしれない。26日、富士通はクラウド技術を農業に生かす事業に関する説明会を開催。富士通とオリックス、増田採種場、静岡県磐田市は農業による地方創生の実現を目指し、スマートアグリカルチャー事業の立ち上げに向けた検討を開始することで基本合意した。○富士通の農業支援クラウドサービス「食・農クラウドAkisai」とはIT企業である富士通が農業を手掛けるという話はイメージしがたいかもしれない。しかし、発表会で登壇した富士通執行役員イノベーションビジネス本部の廣野充俊本部長によると、企業的農業経営を支援するICTサービス「食・農クラウドAkisai」を開発し、2008年に実証実験を2012年にイオンアグリ創造やJR九州ファームといった農業法人にサービスを提供しているとのこと。この「食・農クラウドAkisai」では、農場やビニールハウスといった施設にセンサーを取り付けてLANにつなぎ、ネットを使ってどこからでも施設の状況が確認できるだけでなく、農産物の販売や農業経営のコンピューターによる管理や、空調や温度・水といった栽培において重要な要素をパソコンや携帯を使ってリモート制御が可能だ。また、クラウドに蓄積したデータを活用することで栽培技術の向上も目指しているという。廣野充俊本部長は「空調や風のコントロール、温度のコントロール水のコントロールを標準化して、どこのベンダーさんや施設でも誰でも安くつなげられることを目指している」とコメントしている。また、富士通のイノベーションビジネス本部、須藤毅本部長代理は、事業立ち上げのため4月1日に「磐田スマートアグリカルチャー事業準備株式会社」を設立し、自身が代表者になると発表。須藤本部長代理によると、新たな作物の研究開発するところからスタートして、農業らしい情報を活かした産業モデルと情報を基盤にした経営モデルを確立していくという。●各企業も期待○農業の企業化で強い農業を目指すまた発表会には、富士通と基本合意した企業の首脳陣も登壇し、スマートアグリカルチャー事業に対する期待を述べた。オリックスの執行役松崎悟氏は、同社が加太菜園やカゴメなどと植物工場の運営や、農業用機械のシェア・レンタルにおける取り組みを行なっている実績を挙げ、農業に事業会社としての経営という観点・視点を入れていることを強調。「我々、オリックスとしての農業への思いと、今回のスマートアグリカルチャー事業というものには非常に共通点が多い。そのコンセプトに非常に共感し、我々もこれに参画させていただこうと思った」とコメントしている。また、キャベツなど葉物野菜の種苗メーカーで機能性野菜などの品種改良も行っている増田採種場は、参画した理由として、スマートアグリカルチャー事業が品種の創出から行い、種子生産技術のシェアリングモデルの実現を目指すという2点を挙げている。同社専務取締役の増田秀美氏は「流通されにくい品種に付加価値をつけ、安定生産まで実現するこの事業はこれからの農業に新しいビジネスモデルを創出すると期待している」と話した。●地方創生に繋がるか○地方の雇用創出につながるスマートアグリカルチャーまた、富士通の取り組みは企業だけでなく、地方自治体においても大きな期待が寄せられている。今回の事業の場となる静岡県磐田市の渡部修市長は、地方創生が叫ばれる中でも地域や雇用を守るため、各自治体の首長が苦戦していることを挙げ、「農業を見ると地域に根の張った方たちが多い。今はグローバル社会なので製造業は、生き残るため、世界制覇のために海外展開をしているが、日本発そして地元に根を張ったような雇用形態、そして産業を育成したい」と農業の企業経営について期待するコメントをした。企業経営としての農業はすでにオランダなどで行なわれているが、IT技術を大規模に導入した農業は世界に類を見ないものになっている。須藤本部長代理は「農業ダイバーシティを目指す」とコメントしているが、はたして新たな農業の形はどんなバリュー築いていくだろうか。
2015年03月26日朝日新聞社は25日、クラウドファンディングサイト「A-port(エーポート)」をオープンした。全国紙によるクラウドファンディングサイトの開設は初という。同サイトのクラウドファンディングは、資金を必要とする「プロジェクト」に対し、支援者がWeb決済でワンコイン(500円)から支援でき、金額に応じて起案者が設定したリターン(特典)を受け取る「購入型クラウドファンディング」となる。 プロジェクトの内容については、同社が審査する。なお、決済システムや運営については、クラウドファンディング大手のMotionGallery(モーションギャラリー)のサポートを受ける。まずは映画制作や伝統工芸、地域活性化など8件のプロジェクトから開始。今後は新ビジネス創出や地域活性化などにつなげることも視野に、同社が持つ編集力・情報発信力を生かし、紙面や関連媒体でプロジェクトの魅力を発信していくとともに、クラウドファンディングのしくみ自体の普及も図る。「A-port」は、夢やアイデアを乗せた船が、帆を立てて沖にこぎ出す港(port)のようなサイトにしたいとの思いで名付けたという。また、「A」には、起案者と支援者がつながって一緒に冒険(Adventure)し、行動(Action)を起こすという意味を込めたとしている。
2015年03月25日メディバンは、同社の無料マンガ制作ソフト「クラウドアルパカ」に、クラウド経由で10書体の有料フォントを無償で提供する機能「「クラウドテキスト」」の提供を開始した。「クラウドテキスト」は、フォントワークスが有償で提供しているフォント10書体を、同ソフト利用者が漫画制作をする際に無料で利用できるというサービス。提供されるフォントは商用利用が可能で、クレジット等も不要。クラウド経由での提供のためWindows・Macともに対応しており、異なる環境下でも同じフォントでセリフの入力を行える。今回提供されるフォントは、アンチックセザンヌ、スキップ、マティス、マティスEB、ニューロダン、スーラ、万葉古印ラージ、コミックミステリ、マティスえれがんと、コミックレゲエの10書体。マンガで喜怒哀楽の多彩な表現に対応でき、マンガやアニメで使用された実績のある人気の書体を厳選したという。なお、「クラウドテキスト」で提供されるフォントの種類は随時追加されていくとのことだ。
2015年03月24日GMOクラウドは、パブリッククラウドの乗り換えまた新規導入検討する企業向けに「AWSと国産クラウドの使い分けで無駄なコスト削減セミナー」を開催する。開催日は4月16日(木)で、会場は東京・渋谷の東急セルリアンタワー11階GMOグループセミナールーム、参加無料で先着順。このセミナーでは、話題のAWS(アマゾンウェブサービス)と国産クラウド)と国産クラウドの優位性をクラウドベンダーの立場で分析。それぞれのメリットをコスト面、ユーザビリティ面などで最大限に享受するクラウド運用方法を提案する。実際にAWSと国産クラウドを使い分けて運用されているユーザ企業からゲストを招いての講演もあり具体的な運用イメージが分かりやすい内容となっている。セミナー開催概要は以下のとおり。・日程2015年4月16日(木)・時間15:00~16:20 (14:30受付開始)・場所東京・渋谷の東急セルリアンタワー11階GMOグループセミナールーム・定員30名(先着順、1社につき2名まで)・対象・AWS(または他のクラウド)からの乗り換えを検討中の企業・クラウドの無駄なコストを削減したい経営者・クラウドを活用したビジネス連携を検討中の企業など・費用無料・セミナー内容の詳細および申込
2015年03月20日日立システムズは3月17日、アマゾンウェブサービス(AWS)を活用したシステムにおけるクラウド基盤の運用から業務BPOまでワンストップで支援する「クラウド向け統合運用サービス」を販売開始した。同サービスは、高負荷時に仮想サーバの台数を自動的に増減できるオートスケール機能があり、災害対策サイト(バックアップ用システム)を低コストで構築できるためBCP(事業継続計画)目的で活用されることも多いというAWSの特性を踏まえ、サーバの台数ではなく、インシデント数に応じた課金体系で提供される。AWSは、海外拠点向けシステムの基盤として活用されるケースも多いことから、日本語に加えて英語でも24時間365日の体制で監視・運用・問い合わせ対応を行う。さらに、既存のマルチベンダー・サポートサービスと組み合わせて利用することで、AWS以外のシステム基盤、ハードウェア、ソフトウェアなどに関する問い合わせ対応にもワンストップで対応可能。同サービスにかかるコストは、基本料+インシデント数による費用となり、運用費は月額13万円から(税別)。顧客の要望に応じ、各種プランが用意されている。
2015年03月17日NTT東日本は、タブレットや電子黒板等を用いた授業等において活用できる学習支援アプリケーションをクラウド型で提供する学習支援クラウドサービス「おまかせ教室」を4月27日より提供開始すると発表した。現在、全国の自治体では、小中学校全校に児童生徒1人1台のタブレット導入が進められている。「おまかせ教室」は、これをサポートするもの。本サービスでは、小中学校のタブレット・電子黒板等を用いた授業において既に利用されている学習支援アプリケーションをクラウド型で提供する。また、小中学校のタブレットの活用が効果的とされる、「一斉学習」・「協働学習」・「個別学習」という3つの学習場面において利用できるアプリケーションを網羅している。「おまかせ教室 テックキャンバス」では、先生と児童生徒のタブレット間において授業補助教材等の一斉配布や児童生徒の閲覧・回答等状況の一覧表示等が可能となる。「おまかせ教室 コラボノート」では、児童生徒同士のグループ討論や協働作業を円滑に実施できるよう、複数人による画面の同時編集等が可能。そして、「おまかせ教室ラインズeライブラリ」では、小中学校の国語、算数/数学、理科、社会、英語の5教科、約6万問のドリル教材や百科事典等「確かな学力の向上」に役立つデジタル教材が利用可能となる。利用料金は個別見積もり。学校毎の児童生徒数等により料金が変動するという。
2015年03月16日クラウドサービスの利用が急速に普及しています。総務省が2014年7月に公表した「平成26年度版 情報通信白書」によると、国内においてクラウドサービスを利用している企業の割合は前年の28.2%から33.1%へと上昇。資本金規模別に見ると、資本金50億円以上企業では5割以上がクラウドサービスを利用しているという結果が出ています。インターネット経由でデータをやりとりするクラウドは、以前はセキュリティの面で不安視されたこともありましたが、サービス事業者の企業努力により現在では安心して使えるようになってきています。ビジネスでも幅広く利用されるようになったクラウドサービスですが、サービス事業者によって提供されるサービス内容が異なるため、どのようなクラウドサービスを導入すればよいのか迷うこともあるでしょう。本稿ではIaaSを中心にクラウドの基礎知識から、自社にあったサービスの選び方までを解説します。クラウドサービスの特徴やメリットを理解しておけば、業務内容にあわせて適切なクラウドサービスを選ぶことが可能です。○そもそもクラウドってどんなもの?クラウドサービスとは、さまざまなコンピュータ資源をネットワーク経由で利用できるサービスのことです。各種サービスの中から、ユーザーが必要な機能を必要なだけ利用できます。以前は、利用するコンピュータのハードウェアやソフトウェア、そこで作成したデータなどは、ユーザー自身が管理していました。これに対してクラウドを利用する場合、ユーザーはクラウドサービスに接続するための最低限の環境を用意するだけでよいのです。実際の処理を行うコンピュータやデータを保存するストレージなどは、サービスを提供する側が保有・管理します。高度な処理能力を持つコンピュータを用意したり、専用ネットワークを構築したりする必要がないので、時間やコスト、運用工数の面でも大きなメリットがあります。○クラウドサービスの種類一般的に「クラウド」と呼ばれるサービスには、大まかに分けて3種類のサービスがあります。SaaS、PaaS、そしてIaaSです。SaaSSaaSは「Software as a Service」の略で、インターネットを経由してソフトウェアのパッケージを提供するサービスです。カレンダーやスケジュール管理のアプリケーション、電子メールサービスなどがこれにあたります。PaaSPaaSは「Platform as a Service」の略で、アプリケーションを実行するためのプラットフォーム、OSにあたる機能を提供するサービスです。ユーザーは、提供されたプラットフォーム上で、任意のアプリケーションを利用することができます。IaaSクラウドサービスの根幹に位置するのがIaaS「Infrastructure as a Service」で、サーバーなどのマシンやネットワークインフラを丸ごと提供し、ユーザーが任意のプラットフォームとアプリケーションを使えるようにしたものです。物理サーバーを直接提供するレンタルサーバーとは違い、マシンの処理能力や記憶容量を必要に応じて必要なだけ利用することができます。○SaaS/PaaS/IaaSを構成する主な要素ここからは、クラウドサービスの中でもIaaSを中心に基礎知識から選定ポイントまでについて、主に解説を行っていきます。IaaSとホスティングサービスとの違いは?ここまでの解説で「IaaSはホスティングサービスとなにが違うの?」と疑問を持たれた方がいるかもしれません。そこで、IaaSとホスティングサービスの違いについて見ていきましょう。まず大きく異なるのは、サーバーを構築する際に選べるスペックの自由度が高いことです。ホスティングサービスではある程度スペックが固定化されており、事前のシミュレーションが必須であるなど、業務内容に応じた最適なサーバー構築が難しいといえます。たとえば、メモリ使用量が多い業務のため構築時にメモリの増強を考えた場合、CPUまで一緒にランクアップしなければいけない、といったケースも多く見られます。その点、IaaSならばCPUやメモリなどを個別に細かく設定できるのです。また、将来的なビジネス規模の拡大に合わせて、迅速かつ柔軟に対応できるのもポイントです。たとえば、Web系の中でも特にゲームやソーシャルなどは短期間でブレイクすることが多いのですが、IaaSならサーバーのスペックを増強するスケールアップが細かい単位で簡単に行えます。さらに、IaaSはわずか数分でサーバーを構築できるため、複数台のサーバーを仮想的にまとめて増やすスケールアウトも容易です。申し込みから利用開始まで数日を要するホスティングサービスでは、ここまでの手軽さとスピードは得られません。そのほか、サービスのピークを過ぎてオーバースペックになった際など、簡単に縮小してコストが抑えられるのもIaaSならではの特徴といえるでしょう。○実際のサービス選定時に重視すべきポイントは?では実際にIaaS導入を検討する際、どのような点に着目すればよいのでしょうか。ここでは、サービス選定時に重視するポイントを3つに絞って解説していきます。注目点(1) 性能第一に、クラウドの性能にはCPUの処理能力、ディスク書き込み・読み出しの早さなどの要素があります。しかしながら、一言で「性能」と言っても、実際にどのクラウドの性能が優れているかは、カタログスペックだけでは分からないのが現状です。実際に各サービスの「性能」を確かめてみたいといった時には、ぜひ各ベンダーが用意しているトライアルなどを利用して、テストしてみましょう。いくつかのサービスを利用してみることで、各サービスの個性を感じることができます。まずは自社の求める要件を確認し、それに沿ったベンチマークを取得してみることが重要です。注目点(2) セキュリティ次にセキュリティに関しては、データセンターの施設そのものが信頼できる環境にあるか、監視・認証などの対策がきちんととられているかが重要になってきます。こうした情報についてもきちんと公開されているサービスを選ぶ方がよいでしょう。また、「サービスそのもののセキュリティ機能が充実しているか」についても注目することが大切です。ログイン時のセキュリティを守る2要素認証や、操作権限の設定などができる機能があることで、更なるセキュリティ強化を図ることができます。どの程度のセキュリティ要件を満たすことが必要になるかは、情報の機密性や利用するサービスによって異なる点ではありますが、最低限上記のポイントは事前に確認しておくことが望ましいでしょう。注目点(3) サポートもうひとつ、ベンダーによるサポート体制にも注目しておきたいところです。トラブル発生時など、いつでも安心して問い合わせできる先があるかどうかということは、安定的なサービス運用の観点から非常に重要になってきます。各ベンダーが用意するサポート体制に関しては、各WEBサイトなどですぐ確認することができますが、実際のサポートの質については、実際に窓口を利用してみなければ判断の難しい部分であることも事実です。まずはどういった窓口が用意されているか、それらのサービスが有償なのか、無償なのかという点だけでも、事前にチェックしておくとよいでしょう。○システムの移行・運用が快適にできるかも注目このほか、システムの移行や運用が快適にできることも重要なポイントの一つです。システムの移行については、一番大きな壁となるのが専門的な知識やノウハウの不足です。たとえば従来の物理サーバーから仮想化環境へ移行するには、移行前後の互換性を保つためにソフトウェア・ハードウェアの両面で一定以上のスキルが求められます。自社内のスキルのみで移行が難しいような場合、サーバーを含む各種設定などができるだけ簡単に行えるクラウドサービスを選択すると良いでしょう。また、システムの移行には多くの時間と工数がかかるほか、予期せぬトラブルへの対応なども含めてIT部門の負担が非常に大きくなります。こうした負荷の軽減やトラブル回避という観点からも、できるだけスムーズに移行できるサービスがベストといえます。運用に関しては、“これから何年にもわたって使い続ける”ことを前提に選んでください。たとえば、業務規模の拡大に応じて柔軟にサーバーのスケールを変更できる拡張性に加え、日々の運用でIT担当者にかかる負担の少なさもポイントとなります。ツールやスクリプトなどである程度の自動化を図れる、といった点もメリットのひとつになるでしょう。○選定ポイントに留意し、快適でコストメリットのあるクラウド活用を本記事では、IaaS選定におけるポイントを解説してきました。コスト削減やIT部門の負担軽減など、さまざまなメリットがあるクラウドサービスですが、これから導入を検討するのであれば、性能・セキュリティ・サポートなどご紹介したポイントを念頭に、業務の内容や利用目的にあったシステムを構築できるサービスを選択するとよいでしょう。一般的なスペック比較ではなく、用途や目的に応じた項目にフォーカスして比較し、まずは使用感を試した上で最終的な導入を決定することをおすすめします。そのほか、システムの移行や運用に際してはIT担当者に無理な負担がかからず、快適に使い続けられるか、という価格とは別の部分のコストも重要です。
2015年03月04日GMOクラウドは3月2日、「春イチバン!18日間無料キャンペーン!」をスタートさせた。キャンペーン期間内に『ALTUSアルタスBasicシリーズ』『ALTUSアルタスIsolateシリーズ』『オブジェクトストレージ』の対象サービスを申し込んだ場合、利用開始から18日間無料でサービスを利用できる。キャンペーン期間は、2015年3月2日(月)10:00から2015年4月13日(月)18:00まで。「ALTUSポータル」より「サービス有効化(利用開始)」の手続きを行うと、キャンペーンが利用できる。現在ALTUSのいずれかのシリーズを利用中で、まだ利用していないシリーズの「サービス有効化」の手続きをされた場合もキャンペーン適用となる。
2015年03月02日タレントの関根勤が初監督を務める映画『騒音』。このほど、本作の主題歌に大ブレイク中の人気芸人「どぶろっく」が担当することが明らかになった。「どぶろっく」が、映画の主題歌を手がけるのは本作が初となる。東京都S区。再開発に沸き立つ平和な街に、突如出現した謎の生物。人間の抵抗力を奪う有毒ガスを吐きながら、二足歩行で人々を襲う不気味な怪物の正体は「地底人」だった。逃げ惑う事しかできない区民たち。戦う術もなく、誰もが諦めかけたそのとき、有毒ガスへの耐性を持つ者が現れた。彼らはなぜかみんな、家庭や職場で虐げられている「ダサくてしょぼいオヤジ」たちだった。愛する家族、愛するS区を守るため立ち上がった五人の男たち!彼らは果たしてS区の救世主となれるのか?地底人と最低人たちの戦いがいま、始まる――。関根勤100周年(生誕60年+芸能生活40周年)を記念した本作には、温水洋一 、村松利史、飯尾和樹、岩井ジョニ男、酒井敏也、YOU、関根麻里、廣田あいか(私立恵比寿中学)、天野ひろゆき、ウド鈴木など個性的俳優陣が集結するなか、渡辺哲、タモリ、明石家さんま、車だん吉、小堺一機、戸田恵子、千葉真一、そして語りに山寺宏一となんとも超豪華なキャストが顔を揃える。2004年に結成した「どぶろっく」。「もしかしてだけど~」の歌ネタでブレイクしたが、今回は映画をイメージしオヤジたちへ向けた切ないバラード調の曲を制作。「どぶろっく」の2人は「映画『騒音』の主題歌『テカる星屑達』のイメージは、映画に散りばめられている笑いだけではなく、オヤジたちが格好つかないんだけど一生懸命で、報われなかったりもするんだけど、頑張っている。もの哀しくて切ない。そんな感じを出してみたいと思ってつくりました」と曲に込めた想いを語った。日本を代表するオヤジ俳優たちの哀愁漂う、せつない背中を「どぶろっく」のバラードで後押しする。『騒音』は5月23日(土)よりシネマート新宿ほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2015年02月27日モバイルアイアン・ジャパンは2月18日、パーソナルクラウドのセキュアな業務利用を実現する新製品「MobileIron Content Security Service(CSS)」を公開した。広がる「シャドーIT」問題に対処するソリューションで、一般的なパーソナルクラウドサービスを対象に、EMMプラットフォームとの密接な統合を通じてドキュメントレベルでのセキュリティを提供する。具体的には、セキュリティコントロールをデータストレージの方式と分離し、複数のコンテンツ・レポジトリーにわたってドキュメントレベルでセキュリティ管理できる。CSSは、従業員やIT部門を特定のコンテンツ・レポジトリーに制限せず、ドキュメントを新しいレポジトリーに移動させる必要もなく、パーソナルクラウドサービスに保存したドキュメントのセキュリティも確保する。このセキュリティ層とデータ層を切り離す技術は、同社が2014年に「Secure Virtual File Management System」として米国で特許を取得したもの。同社はまた、パーソナルクラウドのセキュアな業務利用を実現する第1段階のソリューションを2014年10月に公表し、MobileIronのMCM製品であるDocs@Workアプリケーションを通じてクラウド上で管理されたコンテンツ・レポジトリーへのネイティブ・アクセスを可能にしている。この第2段階のソリューションであるCSSは、「暗号化と鍵管理」「情報漏洩防止(DLP)コントロール」「セキュアな共有」「アクティビティ追跡」「EMM統合」の5つの中核的機能によってこれらのレポジトリーに保存されているドキュメントを保護。CSSは、仕事用のドキュメントが個人向けクラウドに保存される際にそれを暗号化し、企業が不正な使用を防ぐためのポリシーを設定できるようにしている。
2015年02月19日NTTドコモは2月19日から、Amazon Web Services(AWS)などのパブリッククラウドの導入を検討する企業が安全なクラウド環境を短期間で導入できる「ドコモ・クラウドパッケージ」を提供開始する。利用料金は初年度が年額19万円、2年目以降が同10万円(いずれも税別)。新サービスは、ドコモがエージェントサービス「しゃべってコンシェル」などのクラウドサービスにより蓄積したノウハウを提供することで、ユーザー企業がAWSなどのパブリッククラウドを短期間で導入し、安全に利用できるサービス。クラウド利用に必要なセキュリティ関連ツールなどのノウハウ提供に加え、クラウド利用に関するコンサルティングの実施により、クラウド導入における事前検討からシステム設計・構築までの時間を短縮できるという。さらに、ドコモが蓄積したノウハウをパッケージ提供するため、従来と比べて安価にクラウド環境を導入できるとしている。併せて、経済産業省が定める「クラウドサービス利用のための情報セキュリティマネジメントガイドライン2013年度版」に準拠するクラウド利用が可能となり、より安全にクラウド環境を利用できるとのことだ。なお、利用可能なパブリッククラウドサービスは、当面AWSのみの予定。
2015年02月19日マネーフォワードは2月6日、クラウド会計ソフト「MFクラウド会計」と「MFクラウド確定申告」のユーザー数の合計が12万人を突破したと発表した。クラウド型請求書管理ソフト「MFクラウド請求書」についても3万5000ユーザーを突破している。「MFクラウド会計」と「MFクラウド確定申告」は、クラウド上でデータを編集・管理できる初期費用無料の会計ソフト。個人向けは、月額費用がかからない無料プランとサービス内容が豊富な有料プランの2つを用意。法人向けは月額1800円。両ソフトは2014年1月27日に正式サービスを開始。その後、7月に4万人突破、11月に8万人突破と利用者数が順調に増え、2015年に1月に12万人を突破した。マネーフォワードでは、ソフトをパッケージ化した「マネーフォワード法人会計」「マネーフォワード確定申告」をソースネクストと協力して全国の家電量販店などで販売している。確定申告シーズンに合わせて多くの店頭キャンペーンが実施されるなど、パッケージ販売の好調さを維持し、販売本数の増加を後押ししている。同社が有料プランに加入するユーザーにアンケート調査をした結果、87%が「日々の会計処理が楽になった」と回答したほか、92%が「簿記の知識がなくても活用できる」との回答が得られたという。確定申告に関する調査では、9割以上のユーザーが「申告準備が楽になった」と回答した。確定申告にかかる時間は、MFクラウドを使っていない場合の平均準備時間が7.4日であったの対し、ユーザーは平均1.6日まで短縮できるとの回答を得られたという。一方の「MFクラウド請求書」は、請求書作成から送付・管理を作成できるクラウドサービス。請求書のプレビュー機能、豊富な添付レートなど、請求書の作成を簡略化できることなどで、多くのユーザーから人気を得ている。請求書の累計請求金額は、2014年10月時点が40億円で、その後3カ月間で100億円に到達した。2014年5月20日のベータ版の提供を開始し、10月27日より正式版を開始した。ユーザー数は、開始当初から緩やかな増加傾向であったが、2015年に入ってから急激に増加した。特に、IT企業から個人事業主や小売店、法律事務所などに数多く導入されているという。
2015年02月09日米国VMwareは1月29日(現地時間)、Googleとの協業を拡大し、同社のハイブリッドクラウド「VMware vCloud Air」上でGoogleのパブリッククラウドを企業向けに提供すると発表した。第1弾として、次の4つのGoogle Cloud Platformサービスが、Cloud Air上で提供される予定。Google Cloud StorageGoogleの低コストの分散オブジェクト ストレージ サービスGoogle BigQuery数十億のデータポイントにアクセスが必要なアドホックのビジネス インテリジェンスのクエリを数秒で実行可能なリアルタイムのビッグデータ分析サービスGoogle Cloud Datastore自動拡張機能と完全なトランザクション整合性を備えた、スキーマ不要かつドキュメント ベースのNoSQLサービスGoogle Cloud DNSグローバルに分散された低レイテンシのDNSサービスvCloud Air上で利用できるGoogle Cloud Platformサービスは、2015年後半に提供開始予定だが、国内での提供時期は未定。VMware vCloud Airの既存の顧客は、保有するvCloud Airのサービス契約とネットワーク接続環境を用いてGoogle Cloud Platformサービスを利用できる。使用したGoogle Cloud Platformサービスの料金だけを追加で支払うことになる。両社は、クラウド管理プラットフォーム「VMware vRealize Cloud Management Suite」からGoogle Cloud Platformを管理できるよう、共同で取り組むことも発表した。
2015年01月30日SCSKは「クラウド」という言葉がまだなかった2004年 から、VMwareのテクノロジーをベースとしたハイブリッドクラウド「USiZE (ユーサイズ)」を展開しており、今やその利用顧客数は340社以上、VM(仮想マシン)数は9,000を超えている。ビジネスのクラウド化が進展し、より深いサービスが求められるようになってくる中、VMwareのテクノロジーはSCSKの今後のクラウド戦略において重要な役割を担っている。○クラウド活用が成熟する一方で課題も浮き彫りにクラウドの活用は一時期のブームから、顧客の成熟度も向上した現在、オンプレミスとクラウドの使い分けを検討する実用期に入った。つまり、まずは共有型クラウドを検討する「クラウドファースト」の流れも継続している一方、クラウドの活用により、いかに効果を上げるか、実運用における課題も浮き彫りになってきている。クラウドの活用は経営資源の効率化、外部環境の変化に柔軟に対応できる内部環境の構築、事業継続性の強化などが期待されており、特に大規模な導入にあたってはトップダウンで決まることが多い。しかしパブリッククラウドを導入している企業の現場では、サポート体制や障害時対応などへの不安から、SCSKなどのシステムインテグレーターにサポートを依頼することも増えているという。SCSKの基盤インテグレーション事業本部 クラウドインテグレーション部 クラウド基盤サービス課長である白川正人氏は、「そうした不安から結果的にパブリッククラウドを活用する最大のメリットであるコスト効果が得られなくなっています」と話す。そこでそうしたサポートを得つつ、コスト効率の最大化を可能にするのが同社のハイブリッドクラウド「USiZE(ユーサイズ)」である。USiZEはリソースの利用量に応じて従量課金するインフラ基盤サービスだ。システムインテグレーターであるSCSKの強みを活かし、アセスメントを通じて顧客システムの現状を可視化した上で、システムの適性に応じて最適なモデルを提案するという。具体的には、ITリソースと運用を完全カスタマイズ型で提供する「プライベートモデル」、VMwareの仮想化技術をベースに品質とコストのバランスを最適化できる「シェアードモデル」 、パートナーのグローバルクラウドに付加価値をつけて提供する「パブリッククラウドモデル」 の3つのサービスモデルで構成される。なかでも、主力は標準で運用監視が組み込まれているシェアードモデルだ。シェアードモデルの特長を、白川氏は「マネージドサービス型による高い品質とセルフサービス型のコストメリットのバランスを最適化できることです。VMwareの仮想化技術をベースとしているので、既存のシステムを改修することなく、そのまま移行することができるのも特長の1つです」と話す。○2004年サービス開始以降、基幹系を中心とした稼動実績を蓄積「クラウド」という言葉がまだ存在していなかった2004年からSCSKがVMwareのテクノロジーを活用して展開してきたUSiZE。当時は“ユーティリティコンピューティングサービス”と呼ばれていた。従量制でコンピューティングノードを提供するサービスとしては、日本で最も長い歴史を持つクラウドサービスの1つである。SCSKの強みについて、同社基盤インテグレーション事業本部 クラウドインテグレーション部 クラウド企画課長の菅原俊夫氏は「オンプレミスからクラウドへの移行に対し、数多くの経験と実績があり、膨大なスキルとノウハウを蓄積していることです」と話す。その言葉の通り、現在、USiZEを利用する顧客数は340社以上、VM数は9,000を超えている。菅原氏は「オープンソースとして公開したマルチクラウドコントローラであるPrimeCloud Controller を利用することで、インフラだけでなく、ミドルウェアやアプリケーションなどの運用監視、自動プロビジョニングもできるのが、キャリア系クラウドサービスとの差別化ポイントです」と語る。「USiZE」の具体的な導入事例を見てみよう。カーエレクトロニクスメーカーであるパイオニアは、オンプレミスで運用していたミッションクリティカルな基幹システムであるSAPの基盤にUSiZEのシェアードモデルを採用している。基幹システムを運用する上で、プライベートクラウドのサービス品質とマルチテナントでのコストパフォーマンスをバランスよく兼ね備えている点が採用の決め手となったという。オンプレミスのSAP環境をクラウドに移行すると共に、5.5カ月という短期間でVMware vSphereベースのサービス利用型仮想化基盤にSAPを中国に導入した結果、SAPの維持運用費用を50%削減、アドオンプログラムの処理時間を大幅短縮、99.99%以上の可用性を実現した。また、基幹システムであるERPがクラウド上で運用されるようになった結果、万一、災害が発生した際も可能な限り復旧時間を早められ、事業継続性がより強化されるようになったという。インフラとアプリケーションのワンストップサポートの品質や、営業・サポート担当の顔が見える対応といった、SCSKならではのサービスに対するお客様からの評価も高い。白川氏は「ERPも稼働できるVMware vSphereの高可用性、高信頼性を基盤としていることが、USiZEの強みです。逆に、基幹システムにも耐えられる仮想化技術であることがVMware vSphereを選定した最大の理由です。これにより、金融業界などシステムの安定性・セキュリティを求めるお客様のニーズにも応えることができ、多くのお客様にご満足していただいています。また製品の成熟度はもちろん、万全のサポート体制、オンプレミスからクラウドへの移行の親和性なども高く評価しています」と話す。○VMware vCloud Airでより一層の価値を提供VMwareが2014年11月より新たに提供を開始したパブリッククラウド「VMware vCloud Air」への期待を菅原氏は、「VMwareの仮想化技術を活用しているので、USiZEとの高い親和性が期待でき、新たな選択肢が増えることで、これまで以上の価値をお客様に提供できます」と話す。さらにUSiZEの今後の取り組みについて、白川氏は「オンプレミスをクラウドに移行する場合、インフラだけでなくアプリケーションの移行が重要です。移行作業を無停止かつ自動化できれば、移行期間を間違いなく短縮できます。そうした点においてはVMware NSXによるネットワーク仮想化の領域に大いに期待しています」と語る。
2015年01月30日IDC Japanは1月28日、国内のパブリッククラウドサービスの市場予測を発表した。2014年の国内パブリッククラウドサービス市場規模は、前年比33.6%増の1804億円になると推定。2015年以降も増加傾向で、2019年の市場規模は2014年比3.0倍の5337億円に達する見込みだという。増加の理由として、既存システムの更新時などにクラウドの導入を検討する大企業が増えていることなどを挙げている。一方、中小企業では、クラウドの導入を慎重化する傾向にある。導入後の資産の継承性やリスクに対する懸念が拭えないことから、既存のITを使い続け、クラウドの導入を見送っている企業も多い。企業がクラウドのメリットをよく理解することが、普及を促進するポイントになると言及している。また、普及の促進には、企業がクラウドの利用価値を高めるための事業を創出する必要がある。IDC Japanでは「ユーザーやパートナーと情報共有を進め、コミュニティを活性化させることが未踏分野においてITソリューションを顕在化させる鍵である」と説明している。今回の発表は、IDC Japanが発行する有料のレポート「国内パブリッククラウドサービス市場 2014年の推定と2015年~2019年の予測」で詳細を確認できる。
2015年01月30日GMOクラウドは、「GMOクラウド」の専用サーバおよびクラウドサービスにおいて、 パラレルスのサーバ管理ツール「Parallels(パラレルス) Plesk(プレスク) 12」(以下、Plesk 12)の3つのエディションに対応し、 1月28日より提供開始したと発表した。「Parallels Plesk」は、 GUIにより直感的にサーバを管理することができるサーバ管理ツール。 顧客のWebサイトを運営するサーバ管理者に導入されており、 導入実績は世界130カ国、 5万社以上に上るという。そこでGMOクラウドは顧客が手軽にサーバ管理ができるよう、「Plesk 12」の対応を開始した。「Plesk 12」は、 「GMOクラウド Altus Basicシリーズ」、「GMOクラウド 専用サーバー」「マイティーサーバー」の3サービスで、月額350円(税別)から提供する。「Plesk 12」では、 WordPressの管理機能の「WordPress Toolkit」を搭載し、該当サーバへのWordPressのインストール/更新/削除はもちろん、 WordPressプラグインやテーマのインストール/更新/削除/アクティブ化といった作業も、 コントロールパネルで一元管理できる。 また、WordPressの脆弱性を突いた第三者からの攻撃を未然に防ぐため、 管理対象サーバのWordPressについてセキュリティが不十分な設定を検知した場合、 コントロールパネル上で知らせ、 ワンクリックでセキュリティ改善の設定が行える。そのほか、管理するサーバと、 運営しているWebサイトの両方を保護するセキュリティ機能が搭載されており、 すべてのエディションで利用できる。プランには、Web Admin Edition、Web Pro Edition、Web Host Editionがあり、月額料金は350円、800円、1,500円/5,000円(いずれも税別)。
2015年01月28日KDDIは1月26日、法人の顧客向けクラウド基盤サービス「KDDI クラウドプラットフォームサービス(KCPS)」で新機能「エクストラアベイラビリティ」などを2月1日より追加すると発表した。国内クラウド事業者では初となるストレージ部分の2重化と分散によってサービス信頼性を大幅に向上するという。「KDDI クラウドプラットフォームサービス」は、顧客のニーズに応じてさまざまなシステム構成に柔軟に対応し、高い信頼性と拡張性を兼ね備えたクラウド基盤サービス。2014年10月以降の3カ月稼働率が99.999%を達成するなど高い安定性も実現している。同社によると、国内クラウド事業者としては初めて、一般的なホストサーバの2重化に加えてストレージ部分も分散可能な「エクストラアベイラビリティ」を追加する。これにより、サービスの信頼性がさらに向上し、高い稼働率を実現する。さらに、データベース管理ソフトウェア分野で高いシェアをもつオラクルの「Oracle Database」のクラウド利用に対応。また、日本マイクロソフトの「Office」や「Exchange」等のアプリケーションを、使いたい時に使いたい分だけ月額利用料金のみで利用できる。
2015年01月27日NTTPCコミュニケーションズは、企業ネットワークと複数のクラウドを閉域網でつなぐ「Master’sONE インタークラウドネットワーク」を開発し、1月30日よりMicrosoft Azureへの接続サービスを受付け、3月2日より提供開始すると発表した。同社ではこれまでアマゾン ウェブサービス(AWS)やSalesforce 1 Platform等のパブリッククラウドへの接続サービスを提供してたが、昨今のニーズに応え、複数のクラウドを組み合わせて利用できる、柔軟性かつ拡張性を備えた本サービスを提供する。顧客は、複数のクラウドから自由に選び、また組み合わせて利用することが可能。どのクラウドへも、インターネットを経由せず接続可能。複数クラウドを利用する際、煩雑になりがちなシステム運用管理業務を集約したり、データ種別やインターフェ-スの異なるシステム間でも柔軟に連携できる各種インテグレーション機能を提供することが可能。なお、現在利用できるクラウドは、AWS、Bizホスティング、Salesfocrce、SoftLayer、NTTPCクラウド。
2015年01月22日