映画『永い言い訳』の西川美和監督と、西川監督の10年前の作品『ゆれる』に主演したオダギリジョーが、12月3日(土)に『ゆれる』公開時以来となるトークセッションを行ない、映画について、お互いについて、語り合った。オダギリさんは今回のトークを前に『永い言い訳』を2回見たと明かし「これは傑作ですよ!」と断言。「真面目な話はテレくさいけど、これはすごい。こんな作品を撮るようになっちゃたら、次に撮りたいものがなくなっちゃうんじゃないかと心配になるくらい、ひとつの完成形を見せつけられた気がします」と手放しで絶賛する。有名作家としてテレビなどにも出演する衣笠幸夫(本木雅弘)が、不倫にふけっている最中に事故で妻を亡くし、その葬儀でも本心からの涙を流すことができなかったが、同じ事故で妻を亡くした男やその子どもたちとの触れ合いの中で、妻への愛に失ってから気づいていくさまを描く本作。オダギリさんは本木さんが演じた幸夫の魅力に引き込まれたよう。「すごく気になったのは本木さんがたびたび言う『そうでしょ?』というセリフ。本木さんがアドリブで入れたのかと思いました。ものすごくお上手!『そうでしょ?』を言わせたら、いまの日本で本木さん以上の人はいない!」とも。実は、オダギリさんは若い頃から本木さんが大好きで「本木さんの影響を受けたことは、自分の中で20%くらいある!いや、言い過ぎかな(笑)。でも17%くらいはあります。芝居もそうだけど、ファッションとか、あの時代のとんがった感じ。紅白歌合戦でコンドームをぶら下げた衣裳を着たり(笑)」と熱く語る。当初、オダギリさんの言葉を「意外!」と受け止めていた西川監督も「そう言われると共通しているかも。突飛でとがった行動の部分は似てる」と納得した様子。ちなみに西川監督によると、本木さんは幸夫役に自分がふさわしいのかを、公開後もずっと「グチグチと(笑)」気にしているそう。キャンペーンで地方を回っても「自分じゃなかったら、誰がふさわしいか?と尋ねて、具体的な名前を挙げるまで待つ(笑)。挙げたら挙げたで『それはちょっと違う…』とか言う」と幸夫以上に自意識の捻じ曲がっためんどくさい性格であると暴露する。また、幸夫役に関しては、原作の本がテレビで取り上げられた際、『ゆれる』でオダギリさんの兄役を演じた香川照之から西川監督に「あれをやるのは僕しかいないと思う」と直接売り込みの電話があったとか!すでに、そのときには本作の撮影が始まっており、監督は「『ありがとうございます』と言って電話を切った…(笑)」とのこと…。オダギリさんはこのエピソードを笑いつつも「この役は俳優なら演じてみたいですよ。ものすごく魅力的。西川さんの携帯を知っているかいないかの差ですね(笑)」と香川さんの行動に理解も示す。作家というクリエイティブな仕事をする一方で、TVに出るなどタレント的な活動もする幸夫は、俳優と重なる部分も多く「俳優から見ると、(幸夫の言動の)何もかもがイタイ!自分の一部を見せつけられている気になる」とも。一方で、「本木さんは特に内面にそういうものを持たれている方。こういう役はいいですね!ほかの俳優じゃ出ないものがある」と本木さんにしかできない役だと語っていた。また、オダギリさんはこのトークのために、前夜、約10年ぶりに『ゆれる』を見返したそうだが「当時、20代最後の作品で、ムッチャ気合入れて臨んでて、自分の中であるひとつの答えを出せた気になってたけど、いま見ると…ショボい(苦笑)!」と自身の演技に辛口評価。またメイキングの様子を見て「生意気でした(笑)」とも。また、『永い言い訳』の幸夫を見て「『ゆれる』で僕が演じた早川猛が、大人になったらこうなっていてもおかしくないと思った。繋がっている気がした」と語る。西川監督は『ゆれる』で20代の自分自身を猛に、『永い言い訳』で30代の自身を幸夫に投影したと明かし、オダギリさんの感じた“つながり”を肯定。「10年後に、50代になった猛が(映画の中に出て)来るかも」と語っていた。『永い言い訳』は公開中。(text:cinemacafe.net)
2016年12月04日現在公開中の『続・深夜食堂』の台湾プレミアが11月28日(月)に行われ、本作で警官・小暮役を務めるオダギリジョーと松岡錠司監督が登壇した。原作は、安倍夜郎の日本を代表する国民的「食」コミック「深夜食堂」。本作は、その映画化第2弾。原作を始め、ドラマシリーズ、映画も中国、韓国、台湾などアジアでの人気を集め、本作も海外での公開が続々と決定している。中でも台湾では、「深夜食堂」シリーズは大変人気で前作が邦画では異例の大ヒットを記録しており、それに伴い年末に公開を控える台湾にて今回のプレミアが実現。プレミア前日にに現地入りした2人は、空港で待ち構えていた100人以上のファンや報道陣に囲まれ、記者会見では主要媒体50社以上、100名以上の報道陣が詰めかけ、さらに街中ではラッピングバスが走り、映画館の装飾も豪華仕様と、台湾での本作の注目度の高さが伺えた。まず記者会見に登場した2人。「7年前はバタバタで、ただ食べて飲んだ記憶しかない」と過去訪れた台湾について語り、「だから、今回はいろんなことがフレッシュッに感じられて、食べるものが全て美味しいし、ホテルからの景色も凄く良くて、台湾をエンジョイして、好きになっています」と訪問を喜んだ。また、さらなる続編ができたらどんな俳優をキャスティングしたいかという問に監督は「台湾の方ですと、チャン・チェン。『クー嶺街少年殺人事件』を観て昔から素晴らしい俳優だと思ってました」と話し、一方のオダギリさんは続編で共演したい俳優について、「いまだと、パククネさんですかね(笑)。面白いんじゃないですかね。いま、話題の方ですしね」と会場を笑いに誘っていた。夜にはプレミア上映会も行われ、会場には約500名のファンが詰めかけ、邦画でも類を見ない盛り上がりに。そして上映がスタートすると、各所で大きなリアクションが起こり、松岡監督が演出するクスリと笑えるようなシーンでも、会場内で笑いが起き、演出の狙いが合致していた。また日本の観客同様に、笑いはもちろん涙を流す人が続出していた。上映が終了すると、会場中が拍手喝采となり、そんな中オダギリさんと松岡監督が登壇。「めしや」にいったら何を質問しますか?という質問があがると、オダギリさんは「豚肉と牛肉をいま止めているので、鶏肉と魚を使ってるんだけど、ちゃんとしたハンバーガーの味がするハンバーガーをマスターにお願いしたいですね」と明かし、ドラマと映画で演じ方は違いますか?という問いには、「本来であればドラマと映画の演じ方は違います。でも、『深夜食堂』は演じ方は変えていません」と回答した。『続・深夜食堂』は全国にて公開中。(cinemacafe.net)■関連作品:続・深夜食堂 2016年11月5日より全国にて公開(C) 2016 安倍夜郎・小学館/「続・深夜食堂」製作委員会
2016年11月29日アジア各国でも旋風を巻き起こす「深夜食堂」の劇場版第2弾『続・深夜食堂』の公開記念舞台挨拶が11月24日(木)、都内で行われ、主演の小林薫をはじめ、安藤玉恵、宇野祥平、金子清文、須藤理彩、小林麻子、吉本菜穂子、オダギリジョー、松岡錠司監督が登壇した。安倍夜郎の人気漫画を原作に、ドラマ、動画配信、映画と世界観を広げる人気シリーズ。新宿ゴールデン街を思わせる繁華街の路地裏で、経歴も年齢も不詳なマスター(小林さん)が佇む深夜営業の食堂「めしや」を舞台に、夜な夜な集まる個性豊かな客たちが、悲喜こもごもの人生を交錯させる。この日はステージ上に、撮影で使われた「めしや」の実物のれんが設置されたり、写真撮影時に登壇者全員がビールピッチャーを手にしたりと、映画のヒットを祝う演出が施された。公開3週目も好調をキープしており、主演の小林さんは「トランプさんが大統領になったり、重大な事件もあるなかで、自分の息子や彼女の話、過去のあやまちが棘のように刺さった市井の人たちのドラマこそ、共感してもらえるのだと思う」とヒットの理由を分析。ステージ端に立つ松岡監督に視線を送り、「第2作目というプレッシャーのなかで、細やかな部分にも気を配っていた。松岡監督は良くも悪くも、評判が良いといい気になるから、立ち振る舞いを心配するところもあるんですけど(笑)。でも、今回に限っては調子に乗るのもいいんじゃないかなと」を苦言(?)をこめて、労をねぎらった。当の松岡監督は「そういうの、いいから」と照れ笑いを浮かべ、「日本独自の話を作っているつもりですけど、言語も食文化も違うアジア圏で評価が高いのはうれしいですね」と手応えは十分。「映画が始まって割と早めから、お腹が鳴ると思いますが、皆さん同じ現象だと思うので、気になさらないで」と“飯テロ”を警告していた。「実は今日、二日酔いなんです」と告白したのは、オダギリさん。今週末には松岡監督とともに、台湾キャンペーンに出かけることになっており、主演の小林さんは「いま、初めて聞いた」とうらやましそうに話していた。『続・深夜食堂』は全国にて公開中。(text:cinemacafe.net)■関連作品:続・深夜食堂 2016年11月5日より全国にて公開(C) 2016 安倍夜郎・小学館/「続・深夜食堂」製作委員会
2016年11月25日国内映画賞の先陣を切って発表される「TAMA映画賞」が8回目を迎え、11月19日(土)に授賞式が開催。『オーバー・フェンス』と『団地』が最優秀作品賞を受賞したほか、オダギリジョー、蒼井優、三浦友和、小松菜奈ら豪華な面々が顔を揃えた。今年の映画シーンを盛り上げた秀作の監督、キャスト陣が一堂に会したこちらの授賞式。ひときわ、会場をわかせたのは『オーバー・フェンス』および『FOUJITA』で最優秀男優賞を受賞したオダギリさん。まずは登場するや、その奇抜な髪形で話し出す前から会場はどよめく。そして受賞の挨拶では「11月19日は、“あの”松崎しげるさんの誕生日です。まさかそんな日に僕がこのような賞をいただけるとは光栄です」ととぼけた挨拶で会場を爆笑に包む。さらに、挨拶の途中で「暑くないですか?ここ」と言い出し、40歳の節目を迎えての今後への抱負を求められても「わかんないですね、先のことは。やりたくない仕事をやってまで俳優をやりたくないのでどんどん狭めていけたら。人生、楽しければいいかなと思ってます」と飄々と語り、喝采を浴びていた。同じく最優秀男優賞(『葛城事件』『64-ロクヨン-』)に輝いた三浦さんは「オダギリくんの後はやりづらい…」と苦笑しつつ「11月19日は偶然ですが、私たちの結婚記念日です」と明かし、会場は拍手に包まれる。予想外の温かい反応に驚きつつ、三浦さんは「俳優を続けられているのも妻のおかげが大きいので、感謝したいです。帰ったら喜びを分かち合いたいです」と相変わらずの愛妻家ぶりを見せる。また、三浦さんは10代を多摩地方で暮らしており、同映画賞に不思議な縁を感じているよう。「日野高校で忌野清志郎に会い、彼は高校時代から天才だったんですが、それに気づかず、自分にもできるんじゃないかとミュージシャンを目指していました。『ほかのことをやったら?』と事務所を紹介してもらった」とこの地域に住んでいたからこそ、いま俳優をしていると強調し、会場は再び拍手がわき起こった。新進女優賞を受賞した、小松菜奈、松岡茉優のために、多摩市になじみの深いキティちゃんが着物姿で花束プレゼンターとして登場し、壇上でガッチリと抱擁を交わす。話題作への出演が続く小松さんだが、今後、演じてみたい役を尋ねられると「ハッピーな役も楽しいけど、重い暗い役もやれたらと思います」と語った。一方、『ディストラクション・ベイビーズ』で特別賞を受賞した柳楽優弥は、同じ質問に「ラブコメに出ていきたい!そういうイメージを作りたい」と明かし、会場をわかせる。『団地』で最優秀作品賞を受賞した阪本順治監督は「よくこんなおバカな映画に…(笑)。クソみたいな業界なので、おさらばしようと書いた脚本だったんですが…」とストレートな物言いで受賞の驚きを口にしていた。このほか、最優秀女優賞の小泉今日子(『ふきげんな過去』)、蒼井優(『オーバー・フェンス』ほか)、新進男優賞の村上虹郎(『ディストラクション・ベイビーズ』)、若葉竜也(『葛城事件』)らが出席した。【第8回TAMA映画賞受賞一覧】<最優秀作品賞>『オーバー・フェンス』『団地』<最優秀男優賞>三浦友和(『葛城事件』『64-ロクヨン-』)オダギリジョー(『オーバー・フェンス』『FOUJITA』)<最優秀女優賞>小泉今日子(『ふきげんな過去』)蒼井優(『オーバー・フェンス』『岸辺の旅』『家族はつらいよ』)<最優秀新進男優賞>村上虹郎(『ディストラクション・ベイビーズ』)若葉竜也(『葛城事件』)<最優秀新進女優賞>小松菜奈(『ディストラクション・ベイビーズ』『黒崎くんの言いなりになんてならない』ほか)松岡茉優(『ちはやふる』『猫なんてよんでもこない。』)<最優秀新進監督賞>前田司郎監督(『ふきげんな過去』)小泉徳宏監督(『ちはやふる』)<特別賞>『ディストラクション・ベイビーズ』真利子哲也監督、柳楽優弥『ジョギング渡り鳥』鈴木卓爾監督、スタッフ・キャスト一同(text:cinemacafe.net)
2016年11月19日前回の企画展「Modern Beauty展」も大盛況のうちに終了した箱根ポーラ美術館。2016年度後半の企画展は、19世紀後半〜20世紀のパリが舞台。「ルソー、フジタ、写真家アジェのパリ − 境界線への視線」と題した本展覧会では、ルソー、フジタ、アジェの3人の芸術家を中心に取り上げています。彼らを「パリ」と「境界線」という共通点を紐解いてみましょう。「時代の大きな変化」に芸術家として生きていた彼らの作品は、現代を生き抜くヒントになるかもしれません。◆見どころ1芸術家が捉えつづけたパリ市周辺部の「境界線」19世紀中期から20世紀初頭にかけ、パリ市は周囲を壁に取り囲まれていたそう。その間、パリ市の人口増加に伴い貧富の差も拡大。煌びやかな中心部とは異なり貧困層が住むパリ市周辺部で作品を作り続けた人物が、今回の3人です。日曜画家として活動していたアンリ・ルソー、渡仏し戦前すっかり画会を代表する日本人と名声を手に入れたレオナール・フジタこと藤田嗣治、そして写真家として大器晩成となったウジェーヌ・アジェ。同じパリ市周辺部の「境界線」を題材にしていたにも関わらず、彼らの作品は三者三様でした。殊に、日本から渡仏したフジタにとっては日本人であるという来訪者としての自意識と、貧困者という街にとっての異物とを、重ね合わせていたと言われています。 ◆見どころ2紆余曲折の末にたどり着いた「写真」が絵画に与えた多大な影響3人の中で、学芸員の方も「有名でなかったからどう取り上げればいいか戸惑った」と苦笑いするほど知名度の低い写真家アジェ。演劇人を目指すものの一向に目が出ず写真に手を出したのが30代半ば、という苦労人でした。1898年(このときすでに41歳!)以降、19世紀のパリの姿を撮影することを使命として写真に打ち込み地位を確立していったそう。20kgするカメラを抱え、パリ郊外の建造物、公園、道路、店先、看板、室内、路上で働く人々を撮影していきました。そのうち彼の作品は美術館や公的機関、画家や室内装飾家、建築家などに買われていったのだとか。いつでもどこでも気軽にスマホで撮れるわけではなかった時代、仕事資料として重宝される商売も需要があったというわけです。晩年は、マン・レイに見い出されたことを機に、ジョルジョ・デ・キリコらのシュルリアリストたちに影響を与えていたというから驚きです。また、アジェの残している顧客リストには名を連ねていないものの、フジタの手記にはアジェが記録写真販売の訪問営業に来たという記録が残っているんだとか。こういった系譜を知っていくのも体系的に作品を見ることのできる企画展ならではですね。 また、レオナール・フジタは、昨年の東京国際映画祭 (TIFF) でオダギリジョー主演映画「FOUJITA」が放送されたことも記憶に新しい方もいらっしゃるのではないでしょうか。「アッツ島玉砕」に代表される通り、2度の世界大戦に人生を翻弄された挙句、フランスへ帰化した1人です(日本を去る時の名言と、土門拳が撮影した空港写真が最高にかっこいいのでぜひ見ていただきたい)。そういった経緯を鑑みると、半世紀以上が経過した今こうして邦美術館で彼を目にする機会が増えたことは、喜ぶべきことかもしれません。ちなみに、著作権が厳しいフジタの作品は今も数多くの作品が未だ「著作権有効」であるため。なのでこの記事に1枚もフジタの作品画像は掲載されていません。「小さな職人たち」シリーズをはじめ作品を見るためには現場で確かめるのみ!乳白色だけでないフジタの作品を、貴重な絵画・写真の数々をぜひご自身の目で確かめてみてはいかがでしょう?そのほかにも、企画展をモチーフに考案された限定のコース料理や19世紀末に使われていたピンホールカメラを作るワークショップなど、多角的に展示会を楽しめる催しが用意されているので要チェック。すぐには行けない!という方は、ポーラ美術館のInstagram(@polamuseumofart) のフォローもおすすめ。貴重な貯蔵品や企画展示の様子はもちろん、建造物としても有名な美術館の写真や「森の遊歩道」の季節の移り変わりもチェックすることができます。 「ルソー、フジタ、写真家アジェのパリ ー 境界線への視線」会 期 : 2016年9月10日(土)~ 2017年3月3日(金)※会期中無休主 催 : 公益財団法人ポーラ美術振興財団 ポーラ美術館 特別協力 : 川崎市市民ミュージアム、東京国立近代美術館、横浜美術館 後 援 : フランス大使館、アンスティチュ・フランセ企画展HPポーラ美術館Address神奈川県 足柄下郡 箱根町 仙石原小塚山1285Tel0460-84-2111Open9:00-17:00(入館は16:30まで)無休(展示替えのための臨時休館あり)美術館HP Text. Midori Tokioka
2016年11月13日読者の求める、素敵な「大人の男」を体現するのは誰?今年も大アンケートを実施しました。日本を代表する、カッコよく、そして色っぽい俳優40名がずらりラインナップされました。下は35歳から上は65歳までと、昨年よりも幅広い年齢層の方々がラインナップ。「年の差恋愛に抵抗がなく、むしろ自分よりも遥か年上の男性を好む女性は増えています。これは、同世代にはない、経験値を積んだことで生まれる頼りがいや優しさに惹かれるからでしょう」(マーケティングライターの牛窪恵さん)たしかに、40人の面々を見ていると、俳優としてはもちろん、男としてのキャリアを重ねたからこその自信や、艶っぽさを携えているのが特徴。また、容姿のカッコよさに加え、話しやすさなどのコミュニケーションをとりやすい雰囲気も、大人の男性が支持される理由のひとつ。「素敵な大人の男性は、必要以上に大人ぶるのではなく、同じ目線に立って、でも時々こちらが分からないことがあるときに教えてくれるようなイメージ。また、仕事のスタンスや優しさなど、今の大人世代の男性から学べることもたくさんあると思います」(歌人、小説家の加藤千恵さん)上手な距離感をとることができ、会話をしているとユーモアがある。でも、悩みを相談したら親身になってアドバイスをくれて頼りになり、ときおり、持ち前の色っぽさでドキドキさせてくれる。そんな“この人と飲んだら楽しそう…”と思わせる人こそが、今年愛される大人の男の条件のよう。さあ、あなたは誰と飲みに行きたいですか?■読者が選んだ2016年の“大人の男”40人(※年齢は2016年11月9日時点)<30代>高橋一生さん(35歳)、井上芳雄さん(37歳)、平山浩行さん(39歳)、長谷川博己さん(39歳)<40代>滝藤賢一さん(40歳)、オダギリジョーさん(40歳)、反町隆史さん(42歳)、小林賢太郎さん(43歳)、大泉 洋さん(43歳)、大森南朋さん(44歳)、西島秀俊さん(45歳)、竹野内 豊さん(45歳)、北村一輝さん(47歳)、岡本健一さん(47歳)、田辺誠一さん(47歳)、渡部篤郎さん(48歳)、大沢たかおさん(48歳)、佐々木蔵之介さん(48歳)、江口洋介さん(48歳)、織田裕二さん(48歳)<50代>田中哲司さん(50歳)、古田新太さん(50歳)、豊原功補さん(51歳)、仲村トオルさん(51歳)、津田寛治さん(51歳)、高橋克典さん(51歳)、椎名桔平さん(52歳)、堤 真一さん(52歳)、阿部 寛さん(52歳)、松重 豊さん(53歳)、豊川悦司さん(54歳)、光石 研さん(55歳)、中井貴一さん(55歳)、遠藤憲一さん(55歳)、佐藤浩市さん(55歳)、時任三郎さん(58歳)<60代>役所広司さん(60歳)、草刈正雄さん(64歳)、水谷 豊さん(64歳)、小林 薫さん(65歳)※『anan』2016年11月16日号より。
2016年11月09日映画『続・深夜食堂』の公開初日舞台挨拶が5日(土)都内で行われ、主演の小林薫、共演の佐藤浩市、河井青葉、池松壮亮、小島聖、不破万作、綾田俊樹、多部未華子、オダギリジョー、そして松岡錠司監督が登壇。マイペースぶりを発揮するオダギリさんが、松岡監督から叱られる一幕があった。作品が海外から高評価を受けていることについて感想を求められたオダギリさんは「いま危なかったですね、だいぶ質問を聞いていなかった」と初日舞台挨拶にも関わらずボーッとしていたことを告白。それでも「ドラマと映画を含めて42本を作る大変さは、キャスト・スタッフの愛情のなせる業。お金がない中でやって来たのは凄い。マネのできない奇跡的なこと」と回答した。しかし質問との趣旨ずれに松岡監督から「いや、だから海外の反応の話。それじゃ話の筋がおかしくなるでしょ!」と注意を受けると、オダギリさんは「なんでこんだけの人前で怒られないといけないの?今日来なければよかった」とイジケてみせて、笑いを誘っていた。またオダギリさんは「縁を感じるとき」との質問に「今日の話です」と切り出すと「朝ごはんを食べようと思って常備してあるハムにしようとしたら賞味期限が切れていた。常備しているものって食べようと思ったときに必ず賞味期限が切れていて、“縁がないなあ”と今朝思って来ました」とマイペースに真逆返答していた。一方の佐藤さんは「これから人様の結婚式に行かなければならなくて、こういう日に結婚式があるのかと思った。無理矢理のこじ付けですが、初日舞台挨拶の日に結婚式…いやー、縁があるって幸せですねえ」とめでたい繋がりで締めくくった。漫画家・安倍夜郎による人気コミック「深夜食堂」を原作にしたドラマシリーズの劇場版第2弾。深夜になると開店する“深夜食堂”を舞台に、寡黙なマスター(小林さん)とワケアリ客たちの悲喜こもごもを描く。ドラマ版スタート時からマスター役を務めている小林さんは「キャスト・スタッフを含めてそれぞれがプロの仕事をして出来上がった作品。レギュラードラマ枠でも映画でもそう簡単に作れないものを成し遂げた。つくづく奇跡的な作品だと思う」と感無量の表情だった。『続・深夜食堂』は全国にて公開中。(text:cinemacafe.net)■関連作品:続・深夜食堂 2016年11月5日より全国にて公開(C) 2016 安倍夜郎・小学館/「続・深夜食堂」製作委員会
2016年11月05日「ネプチューン」「くりぃむしちゅー」「チュートリアル」が毎回「旬”なゲストとトークや企画を繰り広げるバラエティ番組「しゃべくり007」の10月31日(月)今夜放送回は2時間スペシャル。女優の宮沢りえと杉咲花を始め豪華ゲストが続々登場する。新宿バルト9ほかで全国公開中の映画『湯を沸かすほどの熱い愛』に、親子役で共演している宮沢さんと杉咲さんは共演にあたって「敬語を使わないと決めた」ことなど、撮影でのエピソードを紹介。そんな2人の距離をもっと縮めるべく、それぞれに同じ質問に答えてもらう「オトナ女子とおさな女子 その差をうめたい007」を実施。2人の“憧れのデート”や“やめられない癖”などが明らかになる。また“発言がネットニュースになるランキング1位”として坂上忍が登場。番組にゲスト出演する際依頼されたアンケートをびっしり書くという坂上さんに、番組でもアンケートを依頼。それを元にネットニュースに取り上げられそうな話題を提供してもらう企画「びっしりアンケート007」を実施するほか、“しゃべくりモンスター”としてキャスターの古舘伊知郎も登場。しゃべくりメンバーが古舘さんに聞きたいことを即興で質問、答えてもらう「名司会者 古舘伊知郎に本当に聞きたいコト007」を放送する。今回番組にゲストで登場した宮沢さんと杉咲さんが親子を演じた映画『湯を沸かすほどの熱い愛』は、『チチを撮りに』の中野量太監督のオリジナル脚本による商業映画デビュー作。突如余命宣告を受けた母親と娘の物語を描いている。「私には、死ぬまでにするべきことがある」――。ある日突然、「余命わずか」という宣告を受けた幸野双葉(宮沢りえ)。その日から、彼女は「絶対にやっておくべきこと」を決意、実行していく。まずは、1年前に家出した夫・一浩(オダギリジョー)を連れ帰り、家業の銭湯を再開させること、気が優しすぎる娘・安澄(杉咲花)を独り立ちさせること、その娘をある人に会わせること…。母のこうした行動は、家族からすべての秘密を取り払うものだった。ぶつかり合いながらもより強い絆で結びついていく家族。そして、母から受けた大きな愛で繋がった家族は、究極の愛を込めて母を葬(おく)ることを決意する。キャストは宮沢さん、杉咲さん、オダギリさんのほか、松坂桃李、伊東蒼ほか。「しゃべくり007」2時間SPは10月31日(月)今夜21時~日本テレビ系で放送。(笠緒)
2016年10月31日「ぴあ」調査による2016年10月28日、29日のぴあ映画初日満足度ランキングは、中野量太監督、宮沢りえ主演の人間ドラマ『湯を沸かすほどの熱い愛』がトップに輝いた。その他の画像本作は、余命2カ月を宣告された宮沢演じる母・双葉の深い愛情を通して、家族がより強い絆で結ばれていく様を描いた作品。普遍的なテーマを描いた本作は、年代・性別問わずさまざまな観客の心を掴んだようで、出口調査では「とにかく泣いた」(42歳・女性)、「情緒あふれる内容。もう1度観たい」(67歳・女性)、「愛は自ら与えてこそ初めて与えられるのだと教えられた」(27歳・男性)、「ラストシーンは本当に美しく、晴れやかな気分になった」(72歳・女性)、「家族にはさまざまな形があるが、愛があれば伝わると思った。家族に会いたくなった」(25歳・女性)などの感想が集まった。末期がん発覚後、双葉は、消極的な娘(杉咲花)を独り立ちさせたり、突然蒸発した夫(オダギリジョー)を連れ戻し、家業の銭湯を再開させたりと、死ぬ前に“絶対にやっておくべきこと”を実行していく。そんな双葉の姿に、観客からは「母の強さがひしひしと伝わった」「出会う人を笑顔にする双葉にあたたかさを感じた」などの声が聞かれた。また病により次第に衰弱していく双葉を熱演した宮沢には、「最初から最後まで引き込まれるような演技が素晴らしい」「ストーリーが進むにつれて、宮沢りえの表情も雰囲気も驚くほど変化していく」といった絶賛のコメントが寄せられた。なお、満足度ランキングは、『きっと、うまくいく』のラージクマール・ヒラニ監督と、主演のアーミル・カーンが再タッグを組んだドラマ『PK』が2位に、『プリキュア』シリーズ通算13作目となるTVアニメの劇場版『映画魔法つかいプリキュア!奇跡の変身!キュアモフルン!』が3位に入っている。(本ランキングは、10/28(金)、29(土)に公開された新作映画13本を対象に、ぴあ編集部による映画館前での出口調査によるもの)『湯を沸かすほどの熱い愛』公開中
2016年10月31日宮沢りえ主演の映画『湯を沸かすほどの熱い愛』が10月29日(土)に公開を迎え、宮沢さんをはじめ、共演の杉咲花、オダギリジョー、松坂桃李、伊東蒼、中野量太監督が舞台挨拶に登壇。先日の熱愛報道もあり、宮沢さんのコメント目当てに多くの報道陣が詰めかけた。中野監督の商業映画デビュー作にしてオリジナル脚本による本作。夫が出奔し、女手一つで娘を育てる“お母ちゃん”双葉だったが、ある日、余命2か月の宣告を受ける。その日から「絶対にやっておくべきこと」を決めて実行に移していくが…。宮沢さんは「私もガンで母を亡くしているので、神様に試されているのかな?と思いつつ、余命2か月のお母ちゃんは、並大抵のエネルギーではできないと思いながら挑みました」と語り「軌跡のような時間を重ねていきできた映画です。私はこの映画に出会えてとても、とても幸せです」と晴れ晴れとした表情で語った。双葉のダメダメな、でもどこか憎めない夫を演じたオダギリさんは「胸がいっぱいで何もしゃべれません」といきなり挨拶拒否(?)で“妻”宮沢さんから「ちゃんとしてください! 初日ですよ」とたしなめられる。「何を言うべきか…(苦笑)」と思案しつつ「ただ、僕は映画を見て強く思ったのは、宮沢さんと杉咲さんの2人が特に身を削っていて、俳優としての表現が本当に素晴らしいです」と称賛の言葉を贈っていた。宮沢さんのもうひとりの“娘”を演じた伊東さんは「撮影に入る前にお母ちゃんと『嘘はなしね』と約束し、監督と『本当の家族になってね』と約束しました。この映画でみんなと家族になれたと思います」と挨拶。宮沢さんは「演技って嘘の中で生きることだけど、この共演者のみなさんと“本番”の枠の中で呼吸をしてて、枠がなくなっていき、本当の時間が流れているような錯覚にとらわれることが多かったし、それが画面にも映っていると思います」と伊東さんの言葉に大いにうなずき、杉咲さんも「演技している感覚がなかったです」と本当の家族だったとふり返った。そんな中、オダギリさんは、完成した映画を最近まで鑑賞していなかったと監督に暴露されたが「良いに決まってると思いが強すぎて、見る気になれなかった」という珍妙な釈明。さらに宮沢さんらについて「現場で素晴らしい演技を見ていて…」と語ると、宮沢さんから「一緒にやってましたよね! 『見てた』とかやめてもらえますか(苦笑)」とツッコミが飛ぶ。それでもマイペースなオダギリ節は止まらず「見てみると、やっぱり素晴らしくて、見なくてもよかったなと思った(笑)」と語り「10年後、20年後もちゃんと残っている作品だと思いました」と照れ隠しの中にしっかりとこの映画に対する強い思いをのぞかせていた。写真撮影では、入退場の際に宮沢さんから“熱愛”報道についてのコメントを取ろうと、TVクルーが正面ではなく、入口付近に集中するという奇妙な事態も見られたが、宮沢さんは余裕の笑みを浮かべて劇場を後にした。『湯を沸かすほどの熱い愛』は公開中。(text:cinemacafe.net)
2016年10月29日宮沢りえがオダギリジョー、杉咲花らと家族を演じる主演最新作『湯を沸かすほどの熱い愛』。まもなく10月29日(土)に公開を控えた本作から、オダギリさん演じる“お父ちゃん”が、杉咲さんと新人子役の伊東蒼が演じる2人の娘を緊張した面持ちで抱きしめている場面写真がシネマカフェに到着した。余命2か月を宣告され、「絶対にやっておくべきこと」を決め実行していく“お母ちゃん”。家出した夫を連れ帰り、家業の銭湯を再開させる、気が優しすぎる娘を独り立ちさせる、娘をある人に会わせる…。ほとばしるほどの熱い愛を注ぐ母と、遺される家族や関わった人々との絆を、『紙の月』以来の主演となる宮沢さんをはじめ、オダギリさん、杉咲さん、伊東さん、さらに松坂桃李、篠原ゆき子、駿河太郎ら豪華実力派キャストで描く本作。本作が商業映画デビューとなる中野量太監督は、想像もつかない展開と衝撃のラストをオリジナル脚本で紡ぎ出した。今回到着した新たな場面写真は、幸野家を家出した“お父ちゃん”・一浩(オダギリさん)が、病院の待合室らしき場所で娘2人(杉咲さん・伊東さん)を抱きしめているカット。緊張した面持ちで娘たちを強く抱きしめながらも、その瞳は怯え、こちらに向けられた視線は何かを訴えかけているかのよう。ただならぬムードを漂わすこの写真、もしかしてお母ちゃん(宮沢さん)の身に何かが…。余命わずかのお母ちゃんの大きな愛に包まれ、頼りなかった“お父ちゃん”は成長し、娘たちを守る力強い父親に変貌しつつあることが伺えるが…。中野監督は、オダギリさんに一浩を演じてもらうにあたり、一浩の役柄を「だらしがなくてダメなお父ちゃんだけど、心の芯は家族を愛している憎めない人間」と説明し、撮影以外のところでも子どもたちと一緒にお弁当を食べたり、コミュニケーションをとったりしてほしいとリクエストをしたという。実生活でも父親であるオダギリさん。演じたお父ちゃんからも、親としての温かみが自然と滲み出ている様子は愛すべきポイントだ。死にゆく母の熱い愛は、遺される家族へ確かに伝わり、新たな愛を生み出す。本作では、何気ない、さまざまなシーンに散りばめられている熱い愛の形を、目撃することができるだろう。『湯を沸かすほどの熱い愛』は10月29日(土)より新宿バルト9ほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2016年10月25日俳優のオダギリジョーが10月21日(金)、東京・テアトル新宿で行われた主演作『オーバー・フェンス』(佐藤泰志原作)のヒット御礼舞台挨拶に、メガホンをとる山下敦弘監督とともに出席した。9月17日(土)に全国32スクリーンで封切られ、佐藤氏の原作を映画化した『海炭市叙景』『そこのみにて光輝く』を超えるオープニング記録をたたき出した本作。同日、都内で初日舞台挨拶が行われたが、オダギリさんは新作映画『エルネスト』(阪本順治監督)の撮影でキューバにおり、“主演なのに初日舞台挨拶に不在”という珍事も巻き起こった。キューバでの撮影を終えたオダギリさんは、直接、本作が上映された釜山国際映画祭に参加し「時差ボケもあって、何も覚えていない」と現地でもマイペースだったのだとか。「監督たちと一緒に飲んで、まるで漫画に出てくるような千鳥足になったらしくて(笑)。その記憶すらない」と迷惑をかけた山下監督を前に、バツの悪そうな表情だった。原作は1990年、41歳の若さでこの世を去った佐藤氏の生涯最後の芥川賞候補作。執筆活動を諦めかけた頃、函館の職業訓練校で過ごした実経験をもとに執筆された。職業訓練校に通いながら失業保険で暮らす主人公・義男(オダギリさん)が、同じ訓練校に通う仲間の代島と出かけたキャバクラで、鳥の動きを真似る風変わりなホステス・聡に出会う…。代島を松田翔太が、聡を蒼井優が演じている。「ヒットしていると聞き、本当にありがたい気持ち」とオダギリさん。自身にとっては30代最後の作品でもあり、「面白い台本に出会い、実際に出演してみるといい作品に仕上がった。僕にとってはベストな形でしたね。キャストの皆さんもすばらしかったし、スタッフの方々も同世代が多かったので、とてもやりやすい現場だった」と作品への深い思い入れを語った。『オーバー・フェンス』はテアトル新宿ほか全国にて公開中。(text:cinemacafe.net)
2016年10月21日宮沢りえ主演最新作『湯を沸かすほどの熱い愛』。この度、公開に先駆け10月18日(火)109シネマズ二子玉川にて本作の特別試写会が開催され、オダギリジョーと中野量太監督が登壇した。自主制作映画『チチを撮りに』が、ベルリン国際映画祭ほか、国内外10を超える映画祭で絶賛された中野監督の待望の商業デビューとなる本作。“死にゆく母と、残される家族の愛と絆″という普遍的なテーマを、想像できない展開とラストで紡ぎ出し、涙と生きる力がほとばしる驚きと感動の詰まった物語となっている。キャストには、“お母ちゃん”双葉役の宮沢さん、娘・安澄役に杉咲花、お父ちゃん役にオダギリさん。そのほか、松坂桃李、篠原ゆき子、駿河太郎らが出演する。まず本編の上映が行われたこの日の特別試写会。上映後は、鼻をすする観客が多く見られた。そんな中登場したのは、出演するオダギリさんと中野監督。本作の試写会イベントにオダギリさんが登場するのは今回が初めてで、出演者の試写後の舞台挨拶というのも今回が初のため、ネタばれOK、自由なトークが繰り広げられた。完成からしばらく映画を観なかったというオダギリさん。その訳を「絶対良い作品だったから、観たくなかったんです。自分の作品で泣くというのが恥ずかしくって」と明かすと、「自分の出ているシーン以外観たことなかったから、新鮮だったでしょ?」と監督。ダメ男だけど憎めない、このお父ちゃんという役にオダギリさんオファーしようと思ったきっかけについて監督は「僕はオダギリさんの演じる3枚目が大好きなんです。だから、このお父ちゃんという役も絶対やれると思ってました」と話し、「最近SNSで試写の感想を見ると、『オダギリさんが演じるお父ちゃん、本当にやだ!!でも憎めないんだよね』という書き込みがよくあって」と思ったとおりだったと満足げ。そして今回、なんとお客さんからの質問に2人が答えるというスペシャル企画が実現。小学生の女の子からは「オダギリさんの一番好きなシーンはどこですか?」という質問が飛び出すと、「監督オリジナルならではの緻密な脚本に張り巡らされた伏線の数々が、見どころだと思いましたよ」とあるシーンを例にあげて語った。さらに、監督から印象的なシーンとして飛び出したのが、娘・安澄がトイレにこもるシーンのドアの外でお父ちゃんがひたすら語りかけるシーン。なんとそのお父ちゃんの長台詞は全部オダギリさんのアドリブだったそう。オダギリさんは「脚本を見たら、すごいセリフの量だったので、覚えられないなと(笑)なので、全部アドリブにしてもらいました」と明かしていた。最後にオダギリさんは「初めて脚本を読んだときから、こんなに練られた脚本は見たことがなくてすぐに『やりたい』と思いました。本当に良い作品に巡り合えた年になりました」とコメントし終了。製作秘話を聞けるという大満足な試写会となっていた。『湯を沸かすほどの熱い愛』は10月29日(土)新宿バルト9ほか全国にて公開。(cinemacafe.net)
2016年10月19日愛する人が、思いもよらない壁にぶつかってしまったら、どうする?何ができる?いちばん身近にいる家族や親友などが、相手を思いやるからこそ、戸惑いながらも一緒に生きようとする姿や、信頼し合った関係だからこその確かな絆、随所にちりばめられた人間味あふれるユーモアに、ほっこりとしながら涙してしまう…。そんな並々ならぬアツい“愛”の数々がつまった3作3様の映画が、相次いで公開される。●岐路に立つ女性たちのアツい友情!『マイ・ベスト・フレンド』(11月18日公開)少女期から思春期、そしていままで一緒に成長をしてきた幼馴染みで親友のミリー(トニ・コレット)とジェス(ドリュー・バリモア)。それぞれに大切な家族やパートナーができるも、乳がん、不妊といった壁に2人は直面する。運命に向き合おうとする周りの家族の戸惑い、“自分以外はわかりっこない”というやり場のなさが、リアルに丁寧に描かれていく。愛する夫にも言えない心の奥底の想いは、女同士の大親友だからこそ打ち明けられることも…。明るさと切なさにあふれ、つらいことも笑い合える、感動の“ベスト・フレンズ・ドラマ”の決定版が日本に上陸。カリスマ性を放ち周囲を魅了するミリーを演じるのは、『リトル・ミス・サンシャイン』『イン・ハー・シューズ』など、現代女性を力強く演じてきたトニ・コレット。そんな彼女を大らかな優しさで包むジェスには、『チャーリーズ・エンジェル』シリーズなどで魅力的な女性を演じ続けているドリュー・バリモア。本作の共演により、実生活でも親友になった2人の絆を、『トワイライト~初恋~』の女性監督キャサリン・ハードウィックがスクリーンに描き出す。●最愛の人の決断にアツい議論が止まらない!『世界一キライなあなたに』(公開中)イギリスをはじめ各国で話題を呼び、世界40か国以上で翻訳されたベストセラー恋愛小説を原作に、大人気海外ドラマ「ゲーム・オブ・スローンズ」のエミリア・クラークと『あと1センチの恋』で多くの日本女性を夢中にさせたサム・フランクリン共演で映画化。ファッションが大好きなルー(エミリア・クラーク)は、バイクの事故により車椅子生活を送る元青年実業家ウィル(サム・クラフリン)の世話係兼話し相手を、半年の期間限定で務めることに。天真爛漫でユーモアにあふれるルーに、かたくなだったウィルは心を開き、やがて2人は惹かれ合うのだが…。エミリアの感情豊かな表情とポップなファッションに和み、最愛の人の決断に心を揺さぶられ、2人の深い愛情に涙せずにはいられない!●母が遺すアツい愛に家族も沸騰!?『湯を沸かすほどの熱い愛』(10月29日公開)自主製作映画『チチを撮りに』がベルリン国際映画祭ほか、国内外10を超える映画祭で絶賛された、中野量太監督の商業デビュー作に、宮沢りえ、杉咲花、オダギリジョー、松坂桃李ら各世代の注目キャストが集結。持ち前の明るさと強さで娘を育てている双葉(宮沢りえ)は、突然の余命宣告を受けてしまう。やがて双葉は現実を受け入れ、1年前に突然家出した夫(オダギリジョー)を連れ帰り、休業中の銭湯を再開させることや、気が優しすぎる娘(杉咲花)を独り立ちさせることなど、「絶対にやっておくべきこと」を1つ1つ実行していく。死にゆく母の熱い想いが1つにつながり、やがて想像もつかない驚きのラストが待ち受ける家族の愛の物語。いずれも、知らず知らずのうちに笑顔の後に涙がくる、アツい物語。ハートが温まるこの3作は、今秋、女性必見といえそうだ。(text:cinemacafe.net)
2016年10月11日宮沢りえが新進気鋭の中野量太監督が自ら手がけた脚本を読み、「心が沸かされた」という主演映画『湯を沸かすほどの熱い愛』。本日10月10日は“1010”ということで「銭湯の日」。宮沢さんら一家が勢ぞろいで舞台となる銭湯「幸の湯」をぴかぴかに掃除するシーンの画像が解禁。しかも、本編にはない“幻のシーン”であることが分かった。銭湯「幸の湯」を営む幸野家。しかし、父(オダギリジョー)が1年前にふらっといなくなり、銭湯は休業状態。母・双葉(宮沢さん)は持ち前の明るさと強さで、パートをしながら娘・安澄(杉咲花)を育てていた。そんなある日、突然、「余命わずか」という宣告を受ける。その日から彼女は、「絶対にやっておくべきこと」を実行していく。家出した夫を連れ帰り、家業の銭湯を再開させること。気が優しすぎる娘を独り立ちさせること。その娘をある人に逢わせること…。母の行動は、家族からすべての秘密を取り払うものだった。母から受けた大きな愛で繋がった家族は、究極の愛を込めて母を葬ることを決意する――。本日の「銭湯の日」を記念し、特別に解禁となったのは、宮沢さん、オダギリさん、娘役の杉咲さん、伊東蒼が勢ぞろいして「幸野湯」をきれいに掃除しているシーン。本編には登場しないシーンではあるものの、地元の人々の憩いの場である「幸の湯」の営業前には、きっとこんな風景が広がっていることを思わせる、微笑ましい瞬間をとらえている。心を込めて磨いた湯船と洗い場にお客さんの笑顔が咲き、至福のひと時に吐息がこぼれる…そんな毎日が愛おしいからこそ、宮沢さん演じる“お母ちゃん”は「幸の湯」を再開することが夢だったのかもしれない。この「幸の湯」内部のシーンを撮影したのは、東京最古級の木造建築銭湯として知られる文京区の「月の湯」。しかし、2015年5月に惜しまれつつも、90年の歴史に幕を下ろした。本作は閉店直後に撮影を決行。まだ人のぬくもり、気配が漂う「月の湯」、その最後の姿が映し出され、銭湯ファンにとっても必見となっている。また、「月の湯」では撮影終了と同時にスタッフが機材を片づける中、ふと振り返ると、そこには自らが沸かした“最後の湯”につかるご主人の姿があったという。「月の湯」を愛した人々の顔を思い浮かべ、愛情込めて掃除し、熱い湯を沸かし続けた日々。どんな想いで湯船につかっていたのだろうか…。年月を重ねた実在の「銭湯」だからこそ、にじみ出てくるぬくもりと愛情の熱さは、本作をより味わい深いものにしていることは間違いない。『湯を沸かすほどの熱い愛』は10月29日(土)より新宿バルト9ほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2016年10月10日小林薫を主演に安倍夜郎の大ヒットコミックをドラマ化し、現在の食ドラマブームの先駆けとなった「深夜食堂」が、再びスクリーンに戻ってくる『続・深夜食堂』。本作で、映画化第1弾から続投しているのが、オダギリジョーだ。今年、出演作が相次いで公開され、40代を迎えて絶好調のオダギリさんは、10月21日からスタートするNetflixの新ドラマ「深夜食堂-Tokyo Stories-」ではまったくの別人役を演じている。深夜になると開店する、繁華街の路地裏にある小さな食堂「めしや」。マスター1人で切り盛りする小さなお店の営業時間は、深夜0時から朝の7時ごろまで。「深夜食堂」と呼ばれるその店のメニューは「豚汁定食、ビール、酒、焼酎」それだけ。「できるもんなら何でも作るよ」と言うマスターが出す懐かしい味を前に、夜毎さまざまな人々が集まり、悲喜こもごもな人生ドラマが巻き起こる。ある夜は、常連たちが揃いも揃って喪服姿で現れる。そんな中、1人喪服姿で来た範子(河井青葉)。だが、彼女は喪服を着ることがストレス発散という一風変わった女性だった。そんな彼女が、本当の通夜の席で喪服の似合う渋い中年男(佐藤浩市)と出会い、心惹かれて…。また、近所のそば屋の息子・清太(池松壮亮)は父亡きあと、店を切り盛りする母親・聖子(キムラ緑子)が子離れしてくれず、年上の恋人さおり(小島聖)との結婚を言い出せずにいた…。お金に困った息子に頼まれ、九州からやってきた夕起子(渡辺美佐子)。息子の同僚という男性に大金を渡してしまう。「騙されたのでは?」と常連客たちも心配するが、あまり気にも留めぬ様子。そんな折、迎えにやって来た義弟(井川比佐志)が、夕起子の身の上話を明かし…。小林さん演じる「めしや」の渋くて頼れるマスターをはじめ、今回も店を訪れる客たちに個性的な豪華俳優陣が集った本作。中でも、オダギリさんは2015年の映画化第1弾に引き続き、「めしや」のある“よもぎ町”交番の警察官・小暮役で出演する。今年は1月放送のドラマ「重版出来!」での、ストイックで頼れるコミック誌の副編集長・五百旗頭(いおきべ)役に始まり、9月公開作『オーバー・フェンス』では、過去に訳ありの冴えないバツイチの中年役、10月29日公開『湯を沸かすほどの熱い愛』では、宮沢りえ演じる主人公の頼りないが憎めない夫役と相次いで話題作に出演、飛ぶ鳥を落とす勢いで躍進を続けている。本作でオダギリさん演じる小暮といえば、町交番勤務の警官で、飄々として掴みどころがないが、マスターとはツーカーの仲。「めしや」で困ったことがあると仲介してくれる役どころだ。凛々しい警察官の制服姿とは裏腹に、おだやかな語り口とマイペースさで、女性たちをほっこりとさせる不思議な魅力を放っている。実力派かつ個性的なキャスト陣の中でも独特の存在感を発揮するオダギリさんは、マスターが手掛ける料理に負けず劣らず、“いい味“を出している。ちなみに、Netflixオリジナルドラマとして配信スタートする最新シリーズ「深夜食堂-Tokyo Stories-」にも、オダギリさんは出演。ドラマオリジナルのキャラクターとして、これまでのシリーズにもチラチラと登場していた、「めしや」にふらっと現れる謎の男・カタギリ役を演じている。着物姿がサマになるミステリアスなキャラクターで、こちらも気になるところ。40代に突入し、俳優としてノリにのっているオダギリさんの最新作として、映画もドラマも見逃せなくなりそうだ。映画『続・深夜食堂』は11月5日(土)より全国にて公開。Netflixオリジナルドラマ「深夜食堂-Tokyo Stories-」は10月21日(金)より配信開始。(text:cinemacafe.net)■関連作品:続・深夜食堂 2016年11月5日より全国にて公開(C) 2016 安倍夜郎・小学館/「続・深夜食堂」製作委員会
2016年10月09日11月19日(土)より開催され、国内映画賞のトップバッターとして注目を集める「第8回TAMA映画賞」。この度、東京テアトル70周年記念作品から、『オーバー・フェンス』、『ふきげんな過去』、『ディストラクション・ベイビーズ』の3作品が選出、受賞が決定した。「TAMA映画賞」は、明日への元気を与えてくれる・夢をみせてくれる活力溢れる<いきのいい>作品・監督・俳優を、映画ファンの立場から感謝をこめて表彰するというもの。本年度最も活力溢れる作品の監督及びスタッフ・キャストに対し表彰する「最優秀作品賞」には、山下敦弘監督の『オーバー・フェンス』が決定!加えて、本作に出演するオダギリジョーと蒼井優が「最優秀男優賞」と「最優秀女優賞」をそれぞれ受賞している。なお、『オーバー・フェンス』は、10月6日(現地時間)から開催される第21回釜山国際映画祭「アジア映画の窓」部門にて出品が決定しており、クロージング上映ではオダギリさんと山下監督の登壇も決定している。また、映画ファンを魅了した事象に対し表彰する「特別賞」は、『ディストラクション・ベイビーズ』の真利子哲也監督&柳楽優弥、及びスタッフ・キャスト一同に贈られる。さらに本作からは村上虹郎と小松奈々が「最優秀新進男優賞」「最優秀新進女優賞」をそれぞれ受賞。そして、『ふきげんな過去』からは「最優秀女優賞」に小泉今日子、「最優秀新進監督賞」は前田司郎監督が選ばれた。今回受賞を受けて、各作品の主演キャストより喜びのコメントが寄せられた。<以下受賞者コメント>■オダギリジョー(『オーバー・フェンス』)芝居なんかいつでも辞めてやる!!そんな気持ちでいます。いや、少し丁寧に言うといつまでこの職業を続けるのかな…という気持ちでいます。でもこういう賞を頂くともう少し続けてみちゃおうかしら…とか思うんですよねぇ~。揺らぐ40歳。ありがとうございました。■小泉今日子(『ふきげんな過去』)前田司郎監督の世界の中で不思議な夏休みを過ごしていたあの撮影の日々もすでに過去。あの日々よりも少し未来に立っている私は、懐かしい気持ちで「ふきげんな過去」を思う。ワニがいようがいまいが、本当のお母さんがいようがいまいが、果子は相変わらず不機嫌な顔をして、あの町でビニール傘を引きずっているでしょう。少女って頼もしくて、カッコイイ!!少女ではなくなってずいぶん経ってしまった私は、満面の笑みでこの栄えある賞を頂きに参ります。本当にありがとうございました。■柳楽優弥(『ディストラクション・ベイビーズ』)作品への皆の情熱が、この様な素晴らしい形で評価して頂けたことに心から感謝致します。特に今年は邦画が豊作で、新たな銀幕時代への重要な年になったのではないかと思います。この素晴らしい機会を新たな出発地点と考え、より一層精進してまいります。ありがとうございました。第8回TAMA映画賞は11月19日(土)~11月27日(日)開催予定。(cinemacafe.net)
2016年10月06日宮沢りえが銭湯「幸の湯」の“お母ちゃん”を演じ、頼りないけど憎めない“お父ちゃん”をオダギリジョー、その娘を「とと姉ちゃん」の杉咲花と新人子役・伊東蒼が演じる映画『湯を沸かすほどの熱い愛』。このほど、本作に“心を熱く沸かされた!”各界の著名人からコメントが到着。漫画家・ヤマザキマリからは描き下ろしイラスト付きコメントが寄せられ、あの“お風呂大好き”古代ローマ人とまさかのコラボが実現していることが分かった。余命2か月を宣告された母と、残される家族や関わった人々の愛と絆を、宮沢さんを主演にオダギリさん、杉咲さん、伊東さん、さらに松坂桃李、篠原ゆき子、駿河太郎ら豪華実力派キャストで紡ぎ出した本作。「絶対にやっておくべきこと」を決め実行していく“お母ちゃん”。家出した夫を連れ帰り、家業の銭湯を再開させる、気が優しすぎる娘を独り立ちさせる、娘をある人に会わせる…。その母の行動は、家族からすべての秘密を取り払うことになり、彼らはぶつかり合いながらも、より強い絆で結びついていく。そんな本作を、いち早く鑑賞した著名人から絶賛コメントが続々到着。中でも、古代ローマ帝国の浴場設計技師・ルシウスが、お風呂を愛するあまり現代日本の大衆浴場にタイムスリップする、前代未聞の大ヒットコミック「テルマエ・ロマエ」を生み出したヤマザキ氏からはイラストも到着!描き下ろされたイラストでは、突如「幸の湯」の湯船から現れた、古代ローマ人らしき謎の人物が、「そなたの湯を沸かすほどの熱い愛に導かれて時空を超えて来たぞ!」と叫び、幸野家のお母ちゃんと娘2人をブルブル怯えさせている。この時空を超えた今回限りのスペシャルなコラボレーションは、まさに“お風呂が繋いだ縁”。思わずクスッとなり、ワクワクで心がさらに沸騰。さらに、ヤマザキ氏は「お母ちゃんひとりの愛情で、恐らく日本全国中の銭湯の湯を涌かせることだろう。間違いない 」という熱いコメントも寄せている。<著名人コメント>■辻村深月(小説家)作中で、まるでミステリのように次々と誰かの思いや秘密が明らかになる。何度目かの驚きがやってきたところで、心から思った。この映画が大好きだ、と。■安彦麻理絵(漫画家)観ている間中、泣き過ぎて、試写後はマスカラが全部ごっそり落ちていた。アイメイク完全崩壊。マブタ腫れ上がって人相も変わってるし。女の顔をここまで変えてしまうこの映画は本当に凄い。だからこそ「デートには向かない映画」とも言える。けれど、顔面崩壊しつつも、心の中は、熱い風呂に浸かったように、芯まであったまるのでした。■伊藤理佐(漫画家)途中まで泣いていたのに、ラスト5分で目玉が飛び出るくらい驚いて、涙がどっかにとんでっちゃいました。す、すごかった。■鎌田實(医師・作家)愛の海から生まれ、愛の海に死んで逝く、秘密を持った人間たちの優しく美しく熱い熱い映画だ。宮沢りえがすごい。泣いた。『湯を沸かすほどの熱い愛』は10月29日(土)より新宿バルト9ほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2016年10月06日10月21日(金)より「Netflix」にて配信開始となるオリジナルドラマ「深夜食堂 -Tokyo Stories-」。この度、本作の配信に先駆け、予告編とポスタービジュアルが解禁された。繁華街の路地裏にある小さな食堂「めしや」。マスター1人で切り盛りする小さなお店の営業時間は、深夜0時から朝の7時頃まで。「深夜食堂」と呼ばれるその店のメニューは「豚汁定食、ビール、酒、焼酎」それだけ。マスターの「できるものなら何でも作るよ」という営業方針のもと、深夜食堂に今宵も様々な客たちが訪れる。マスターと料理と客たちとのつながりから生まれるユーモラスで時に切ないエピソード、心も小腹も満たす人情物語が繰り広げられる――。深夜ドラマとしてスタートしたにも関わらず、回を重ねる毎に大きな反響を呼び、いまや元祖“めしテロドラマ”として、日本のみならずアジア中の人気ドラマとなった小林薫主演「深夜食堂」。本作の監督には、ドラマシリーズ第1部から、11月公開予定の映画『続・深夜食堂』まで全シリーズを通して手掛ける松岡錠司を中心に、山下敦弘、小林聖太郎、大森立嗣、野本史生、吉田康弘と気鋭の監督陣が参加している。今回の新シリーズでも、もちろん美味しそうな食べ物が登場。そんなメインのメニューは全部で10品。タンメンやアメリカンドッグ、トンテキ、オムライス、ハムカツ、年越しそば…などなど、フードスタイリストの飯島奈美が手掛け、エピソードタイトルにもなっているメニューの数々が、思わず食欲を刺激すること必至となっている。このほど解禁された予告編では、ファンにはすっかりお馴染みとなった、鈴木常吉が歌う主題歌「思ひで」と共に豪華ゲスト陣やお馴染みの常連客たちが次々と登場。第2話の「アメリカンドッグ」では、佐藤B作と新井浩文が絶縁してしまった浅草芸人と元付き人として登場し、佐藤さん演じるケセラ世良夫が新井さん演じるハジメからアメリカンドッグを奪おうとするシーンなどが映し出される。そのほか、映画『続・深夜食堂』から常連客の仲間入りを果たした余貴美子、多部未華子を始めお馴染みの常連客メンバーが勢揃いの「年越しそば」(第10話)も登場。そして中には、久しぶりに見られる常連客の姿も。風間トオル演じるカリスマAV男優・エレクト大木は、ドラマシリーズ第1部「ポテトサラダ」ぶりにメインゲストで出演。今回は、「長芋のソテー」(第8話)で緒川たまき演じる富士子との間に秘められた過去を抱え再登場するほか、常連客カタギリと警官・小暮の一人二役を演じるオダギリジョーが「オムライス」(第4話)で登場。風来坊のカタギリは、シリーズ第2部最終話「ギョウザ」以来の登場となっている。Netflixオリジナルドラマ「深夜食堂-Tokyo Stories-」は10月21日(金)よりNetflixにて配信。映画『続・深夜食堂』は11月5日(土)より全国にて公開。(cinemacafe.net)
2016年10月05日宮沢りえが、中野量太監督によるオリジナル脚本に「心が沸かされた」と出演を決めた主演最新作『湯を沸かすほどの熱い愛』。このほど、銭湯・幸の湯を舞台にした本作から、“お父ちゃん”役のオダギリジョーと、家族が偶然出会った青年・拓海役の松坂桃李が、銭湯を切り盛りする様子をとらえた新たな場面写真とメイキング映像が解禁となった。ある姉妹が14年前に出ていったきりの父親を訪ねる『チチを撮りに』が、ベルリン国際映画祭やアジア太平洋国際祭など国内外で絶賛された中野監督の、待望の商業デビューとなる本作。余命2か月を宣告された死にゆく母と残される家族の愛と絆、という普遍的なテーマを、想像もつかないストーリー展開でスクリーンに描き出す。今回、本作から解禁されたのは、幸野家の父・一浩(オダギリさん)と、「幸の湯」を手伝うことになった拓海(松坂桃李)が銭湯の熱い湯を沸かす聖域・釜場にて、汗を流し薪をくべる男らしさムンムンのシーン。実在する栃木県・足利市の「花の湯」で撮影されたメイキング映像には、額に汗してひたすら薪をくべる松坂さんのもとへ優しい笑みを浮かべながら、ふらりふらりと近づくオダギリさんの姿が。終盤では、オダギリさんが松坂さんにポンポンと触れる姿も映り、どこかユーモラスで可愛らしいやり取りが垣間見えるメイキングとなっている。中野監督は、「炉の前は想像よりもはるかに熱く、カメラマンがのぼせてしまうほどだった」と撮影時を様子をコメント。そんな過酷な現場の中でも「オダギリさん、松坂さんは2人とも、子どもの火遊びではないけれど、火を焚くのがとても楽しそうで、(火を焚くのは)人間の本能なのか、演技指導はほとんどなく自然な芝居ができていた」とふり返っている。死にゆく母の家族への熱い想い、遺される家族からお母ちゃんへの熱い愛がほとばしる本作だが、「幸の湯」をめぐる男たちの“湯を沸かすほどの熱い”シーンも楽しみとなりそうだ。『湯を沸かすほどの熱い愛』は10月29日(土)より新宿バルト9ほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2016年09月28日孤高の作家・佐藤泰志原作の函館三部作の最終章を、オダギリジョー、蒼井優、松田翔太ら注目のキャストで映画化した『オーバー・フェンス』。ちょっぴりこじれた大人たちを描く本作から、メガホンをとった山下敦弘監督もイチ押しだという“最もファニーな(面白い)瞬間”の本編シーンがシネマカフェにて解禁となった。都内上映館のテアトル新宿では、初日舞台挨拶に主演のオダギリさんがまさかの欠席にもかかわらず(?)、初日・2日目と全回満席を達成、前作『そこのみにて光輝く』を大幅に超えるヒットを記録している本作。今回解禁された映像は、失業保険を受け取りながら職業訓練校に通う白岩(オダギリさん)が、偶然出会った風変わりな女・聡(蒼井さん)のアルバイト先である遊園地に会いに行くシーンから切り取られたもの。遊具の空中ブランコに少年が1人で乗るなか、白岩と聡の会話が繰り広げられていく。白岩は、職業訓練校で行われるソフトボールの大会に聡を誘い、「聡のためにホームラン打つからさ、見に来いよ」とカッコつけて言葉を掛けるが、実は聡は、白岩がその前に元妻(優香)と会っていたことを知っていた。そして、白岩に感情をぶつけ、空中ブランコの前から走って立ち去ってしまうのだ。そんなシリアスなシーンにも関わらず、空中ブランコはむなしく回り続け、少年は「ちょっと!」「助けて!」「おじさん!」とSOS。回り続ける少年を見て、白岩は聡を追いかけるべきか、空中ブランコを止めてやるべきか、しどろもどろになる…という、何ともシュールでファニーな瞬間の映像となっている。どこか危なっかしい大人たちが恋をしたり、自身を見つめ直していったりする姿を真摯にとらえた本作には、本映像のように思わずクスッとしてしまうシーンも散りばめられており、彼らの人間くささをより浮き彫りにさせている。『オーバー・フェンス』はテアトル新宿ほか全国にて公開中。(text:cinemacafe.net)
2016年09月24日離婚を経験し、東京から故郷の函館へと逃げるようにして帰って来た40の男が、人との深い関わりを避けながらも、どうしても逃げられない人と人とのぶつかり合いを経験しながら成長していく姿を描く『オーバー・フェンス』。自らと同年代の主人公・白岩を情けなく滑稽に、だからこそ現実味たっぷりに体現するのはオダギリジョー。孤高の作家とも称される佐藤泰志の短編小説の世界観を、映像化に際し豊かに広げた脚本に惚れこんだという彼に、作品に寄せる思いを語ってもらった。『オーバー・フェンス』は、オダギリさんが、39歳で挑んだ30代最後の作品。同年代を演じるというところにも、強い思いがあったという。「僕、山下敦弘監督を含め、同年代のスタッフが多く、お話をいただいたとき、何となくそういう世代感のようなものがひっかかったんです。これまでは、ちょっと変わった役や作品を選んできたかなという思いがあったので、地方都市にいる、ごく普通の40歳という人物をどれだけ深堀できるだろうかということも魅力でした」。これまで、個性的な役を多く演じてきたオダギリさん。エキセントリックな役柄は、インパクトが強く、迫力があるだけに、役者として旨味も大きいはず。一方で、普通の男を演じる魅力についてこう話した。「40代の男は、20代の若者と比較したときに、明らかに出るものが違うと思うんです。例えば、雲を見ているときでも、20代が雲を見ていればすごく爽やかで夢を見ているようなすがすがしいものを感じるけれど、40代なら“あれ?悲しいことでもあったのかな”とか観ている側が勝手に解釈を変えてくれる。つまりこちらの芝居次第で、清々しくも、悲しくも見せられるし、ぐんと可能性を広げられるということでもあると思うんです。それがきっと40代の面白さ。同じ年の山下監督と、白岩という同年代の役の人間臭さをどんどん深めて行って、男の情けなさとか、頼りなさとか、滑稽さとか、そういったいろいろなことを深めていけたらいいなと思ったんです」。エキセントリックな役が多かった時期は、どちらかというとオリジナリティを大切にしていたそうだ。「自分にしかできない芝居をと考えていましたね。誰もできない発想、誰も表現できない個性、というところに面白さを感じていたんです。今回は真逆ですね。普遍的な40代のあり方を追求し、それが普遍的であればあるほど、こういう40代っているよねというところに落ち着くのが面白かった。いままでやってきたのとは、違うベクトルで演技を組み立ていきましたね。ある年齢に達した男の人が持っている男性性を表現したかった。普遍的なものを演じたいと言うよりも、この作品ではそれが面白いと思ったんです」。劇中、男の情けなさ、ずるさを自分なりに表現してみたいと、監督と話し合い、自らのアイディアを実践することもあったとか。「こういうことをすると、女性がイラッとするだろうなと思って、やらせてもらったくだりもあります。そういう滑稽さとか、人間のずるい部分とか、自分勝手な部分も、この役なら活かせる気がして。そういう細かい部分が白岩の幅をどんどん広げていける気がして。人間の綺麗な面ばかり並べても、表面的な作品にしかならない気がしているんです。ムカついたり、イラッとしたりと、観ている人の感情にひっかかる、そんな要素を入れるように心がけました」。確かに、白岩の言動には“男の人ってこういうことするんだよな”という部分が、良きにつけ悪しきにつけ、浮かび上がります。だからこそ、女性の観客は白岩に呆れることもあるはず。でも、それは男性が知らないうちにしでかしてしまう種類のもの。オダギリさん自身が客観的にそこを理解できるというのは、男性として珍しいのでは?「そうかもしれませんね。気づくには気づくんでしょう、僕は(笑)。気付かないところもいっぱいあるんでしょうけれど。いままで女性がなぜ怒っているのかわからないこともいっぱいあったし。ただ、こういう返事をしたらずるいよなと思いながら、そう返事するということもいままでいっぱいあった。そういうことがいまになって活かせるのかもしれません。きっと相手のリアクション、相手の気持ちみたいなものを、注意して感じようとして育ったからかな。いい子でいたかった子どもって、相手の出かたとか、距離感とかすごく測る。きっと自分もそういうところから、人との関係性の構築の仕方を始めているような気がしています。僕も、いい子でいたいタイプの子どもでしたね。母と2人きりだったし、ちゃんとしなさいと言われ続けて育ちましたから」。劇中、白岩は幾度も“自分は最低な人間なんだ”と笑いながら言い、それを言いわけにして人間関係から逃げている。いまいる場所から、どうしても飛び立てないもどかしさに、絶望しているかのように。「人との距離を保っておくのが一番楽なんですよね。そうやって予防線を張ることで、傷つけ合わずにすむから」。本作では、傷つくのが嫌で人と距離を保っていた白岩が、容赦なく心に入り込んで来る聡というまっすぐな女性との出会いによって、何かを乗り越えていく様に、ある種の爽快さが感じられる。自分一人では超えられない壁だって、誰かとの出会いによって、ときには傷つきながらでも越えられるかもしれないというメッセージが鮮烈だ。聡がしきりに鳥の求愛行動を真似するのも印象的。さらには、鳥が空を飛ぶシーンも時折さしはさまれていて、柵も塀も、国境も関係なく飛んで行ける鳥が自由の象徴のように登場している。「聡という女性はとても純粋。ぶつかるときは、本気でぶつかるんです。白岩がずっとぬるま湯の中で、いい距離感を保っていこうと思っていたのに、それが通じなかった。彼女のペースに巻き込まれていくというか」。できれば、誰だって傷つかずに生きていきたい。現代は、摩擦を避ける傾向が顕著で、直接的に関わるのではなく、ネットなどヴァーチャルな繋がりを好む人も増えている。白岩にも、無意識のうちに鎧を着る、そんな現代性も見て取れる。でも、どんなに人との間に柵を作ろうとしても、人は人と関わらずには生きて行けず、いやがうえにも影響し合ってしまう。その部分を強調するかのように、劇中では人との関わりの重要性を反映させているアナログなコミュニケーションが繰り返し登場するのも新鮮だった。「携帯やPCを使うシーンはないですね。白岩が通う職業訓練校の場面では、たばこを吸いながら喫煙室で雑談を交わしたり、休憩時間にみんなで教官の悪口をぶつぶつ言いながら野球をしたりしている。野球もチームプレイのスポーツで象徴的。家を建てるという職業訓練所での授業内容も、チームワークを象徴するものですよね。離婚して、東京から函館に戻るときに、ゼロから出直すつもりだった白岩。人間関係をすべてシャットアウトした状況で戻って来たのに、人間関係を持たざるを得なかった。そこから、生きると言うことはこういうことなんだと学ぶんです。監督は、どちらかというと群像劇にしたいとおっしゃっていたので、そのつもりでいたんですが、群像劇の中から生まれる人と人との温度のあるぶつかり合いと、聡の情熱的な熱量の高いぶつかり、その両方を通して白岩が成長していく物語と言えるのかもしれません」。ヘアメイク:砂原由弥(YOSHIMISUNAHARA)スタイリスト:西村哲也(TETSUYA NISHIHARA)(text:June Makiguchi/photo:Nahoko Suzuki)
2016年09月21日「ぴあ」調査による2016年9月17日のぴあ映画初日満足度ランキングは、大今良時のベストセラーコミックを映画化したアニメーション『映画「聲の形」』がトップに輝いた。その他の画像本作は、“いじめ”や“障がい”といったテーマを題材に、少年少女たちの青春を描いた感動ストーリー。物語は、小学生の主人公・石田将也と転校生で聴覚障がいを持つ西宮硝子の出会いから始まる。互いに歩み寄れないまま高校生になったふたりが再会を果たし、過去の自分や周囲の人々と向き合っていく様が描かれる。劇場に訪れた原作ファンからは、「ボリュームのある漫画が2時間に上手くまとまっていた」「どのシーンも丁寧に作られている。涙をこらえるのが大変だった」「原作と異なるシーンも満足できる仕上がりだった」「キャラクターの面白さもしっかり出ていた」と好評。一方で、原作は知らないが「予告編を観て気になった」という観客も多く、「思っていたより深い作品」「登場人物ひとりひとりが人間臭くてリアルに感じた」「登場人物それぞれの個性や考えに共感することもあった。見ごたえのある作品」などのコメントが寄せられた。“見ごたえのある作品”を作り出したのは、数々の人気を輩出してきた京都アニメーション。『映画 けいおん!』『たまこラブストーリー』など青春ドラマを多数手掛けており、本作でも少年少女の悩みや葛藤がリアルに描写されている。主人公たちと同じ10代の観客からは「いじめる側が、いじめられる側になってしまうシーンは心に刺さった」(19歳)、「主人公が過ちを償っていく姿が心に染みた。自分と重なる部分もあった」(15歳)、「いじめる側、いじめられる側の関係の変化が感動的」(16歳)などの声が寄せられた。なお、満足度ランキングは、佐藤泰志の原作小説をオダギリジョー、蒼井優の共演で描く『オーバー・フェンス』が2位に、『悪人』の李相日監督が再び作家・吉田修一の長編小説を映画化した『怒り』が3位に入っている。(本ランキングは、9/17(土)に公開された新作映画8本を対象に、ぴあ編集部による映画館前での出口調査によるもの)『映画「聲の形」』公開中
2016年09月20日オダギリジョー、蒼井優、松田翔太ら、いま注目の実力派俳優たちが集結した、『海炭市叙景』(熊切和嘉監督)、『そこのみにて光輝く』(呉美保監督)に続く故・佐藤泰志原作の函館三部作最終章『オーバー・フェンス』。先日9月17日(土)に初日を迎え、舞台挨拶が行われたが、なんと主演のオダギリさんがキューバでの撮影のために不在。代わりにオダギリさんの等身大パネルが登場し、キューバから届いたメッセージを松田さんが代読、会場に爆笑を巻き起こした。この日の初日舞台挨拶には、蒼井さんと松田さん、北村有起哉、満島真之介、松澤匠、山下敦弘監督が登場。まずは、満島さんが「オダギリさんが今日来られないので、みんなでパネルをだそうぜって翔太さんが提案して」と等身大パネルを持って現れ、ほかのキャストも笑いながら登壇した。オダギリさんとのラブシーンや鳥の求愛ダンスなど、印象的なシーンを数々演じた蒼井さんは、無事に初日を迎えたことに、「(この映画が)この世界に誕生する日を楽しみにしすぎていました」と喜びのコメント。また、松田さんは「この作品に参加できて本当に心がいっぱいです。撮影中、実は、代島という役を演じるのに何かモヤモヤしていました。でも映画を観たら、すごくポジティブになっていて、本当に好きな映画になりました。嬉しい限りです」と語り、満島さんも「初日嬉しいです!僕はデビュー作がテアトル新宿で公開され、舞台挨拶もここでした。その作品以来の初日舞台挨拶で嬉しいです!」と感慨深げ。蒼井さん、松田さんはそろって31歳の誕生日を迎えたばかり。30代のスタートとして節目となる作品になったのでは、と聞かれた蒼井さんは、「“何が好きで何があまり好きではないかを教えてくれた作品”になりました。私はこの映画と同じくらいの規模の映画からキャリアがスタートしましたが、改めて、小さな幸せのお話が好きなんだなと思いました。オダギリジョーさんの主演としての立ち位置を拝見していたら、もし次に主演をやらせていただく機会があれば、こんな距離感でやりたい、と思いました」と真摯にコメント。松田さんは、「監督も、オダギリさんや蒼井さんも、いつかお仕事したいと思っていた人たちでした。たまたま、代島という役柄を演じることが、腑に落ちない時があったけど、楽しい撮影の中で、“この立ち位置で正解なんだな”と思ったことがありました。代島は、接着剤みたいな存在で、代島がいないとまとまらない。そう思えてから熱が入ってきました。こんな気持ちになれて、俳優として成長できてるのかなと思わせてくれた映画でした」と、言葉を強めてふり返った。そして、満島さんがマイクを差し出す中、松田さんが「すべりそうになっても僕のせいじゃないですよ(笑)」と前置きしながら、オダギリさんからのメッセージを代読。「公開初日に主演がいないというのは聞いたことがない、まさに前代未聞の状況で、謝ることしか出来ませんが…この事態をもしも良く捉えようとするならば…ある意味マンネリ化していた初日舞台挨拶の在り方に新たな光を射したのかもしれませんね……」とオダギリさんらしい観点で(?)お詫びのコメント。さらに、函館ロケの思い出として、「朝市に行ったときのこと。カニの味噌汁を頼んだらサービスで付いて来たのがシンプルな味噌汁で、なぜか味噌汁がふたつになったことも、いまとなっては大感謝です。いままさにキューバで体重を10kg落としゲリラ戦を撮影している最中なので、余計にふたつの味噌汁なんて大大感謝です。あ~味噌汁の味」との言葉に爆笑が起こっていた。オール函館での撮影には、満島さんも「みんなでお酒を飲んで語り合いましたし、そのおかげで先輩方とも仲良くなれました。蒼井さんなんて一緒のシーンは全くなかったのに、密度濃く一緒にいました」と明かし、「先ほどお味噌汁のお話もありましたが、僕も海鮮丼を思い出したり、撮影以外のことを思い出します。参加できて良かった。おごっていただいてありがとうございます」と思い出を語った。最後に、山下監督は「このスタッフ・キャストでこのタイミングで作ることができて、良かったです。大事な作品になりました、『海炭市叙景』『そこのみにて光輝く』の両監督にも感謝ですし、佐藤泰志さんの原作にも感謝です。いまそれを実感していました。僕にとって特別な映画だし、力のある作品になったと思います」と手応えを覗かせる。本作は、先日発表された第21回釜山国際映画祭をはじめ、台湾Shine Film Festival、香港アジア映画祭、サンディエゴアジア映画祭、ハワイ国際映画祭、第2回上海日本映画展など、続々と映画祭への参加が決まっている。『オーバー・フェンス』はテアトル新宿ほか全国にて公開中。(text:cinemacafe.net)
2016年09月20日先日放送を終えたドラマ「はじめまして、愛しています。」は、尾野真千子と江口洋介が夫婦役で初共演し、“特別養子縁組”制度をテーマに家族を描いた。オリジナル脚本を担当したのは、社会現象にもなった「家政婦のミタ」の遊川和彦氏。ドラマは児童虐待など現代の問題も含みながら、血縁だけではない家族の姿を映し出し、ラストの壮絶な展開は視聴者を釘付けにした。そして、いま映画界にも、さまざまなカタチのユニークな家族が続々と登場している。まずは、『ワンダーウーマン』さながら(?)の力強い女性・母性を体現している『湯を沸かすほどの熱い愛』(10月29日公開)の宮沢りえ。彼女が演じた銭湯「幸野湯」の“お母ちゃん”双葉は、ある日突然、自分の余命が残りわずかという宣告を受ける。しかし、この“お母ちゃん”の熱量はむしろ一段と高まり、学校でいじめられている娘・安澄(杉咲花)のために、観る者が若干引いてしまうほどの荒療治を見せたり、初めて出会ったヒッチハイカーの青年・拓海(松坂桃李)の心をあっという間に開かせたりもする。一貫しているのは、“その後”も家族が幸せに暮らせるよう、それぞれに大きな愛を遺していること。その一方で、1年前、ふいに姿を消した「幸野湯」の主人・一浩(オダギリジョー)は、そんな双葉に探し出され、家に連れ戻されても、何とも頼りない。しかも、「妹」と見知らぬ女の子・鮎子(伊東蒼)を連れてきたり…。それでも、最後には“お父ちゃん”が一念発起する姿を目にすることができる!?はず。また、橋本愛と宮崎あおいが娘・母役を演じる『バースデーカード』(10月22日公開)では、橋本さん演じる紀子と、父・宗一郎(ユースケ・サンタマリア)、弟・正男(須賀健太)が遺された家族に。宮崎さん演じる母・芳恵は、紀子が10歳のときに亡くなって以来、毎年バースデーカードを通して娘の成長を導いてきた。だが、紀子はあるとき、そんな母の想いを窮屈に感じるようになってしまう。やがて、バースデーカードから、“いまを生きる”ための太陽のような母の愛の集大成を受け取るときがやってくる。キーポイントとなるのは、芳恵を看病しながら支え続けた夫であり、不器用ながらも子どもたちを育ててきた父親の存在や、再会した紀子の初恋の人・立石(中村蒼)の存在。そして、クイズ番組「アタック25」への挑戦なのだ。とはいえ、妻に先立たれた男でありながら、本木雅弘演じる『永い言い訳』(10月14日公開)の主人公、人気作家・津村啓こと衣笠幸夫の“言い訳”はずいぶんと厄介。不倫相手(黒木華)との密会中に知らされた妻・夏子(深津絵里)の突然の死。親友と出かけた旅先でのことだった。親友の遺された家族、夫の大宮陽一(竹原ピストル)は悲しみに暮れ、小学生の長男が幼い妹の面倒を見ている。幸夫は、この兄妹の世話を買って出る。テレビにも出て、ちやほやされていたタレント作家は、団地住まいの大宮家へ通い、いつしか主夫のようになって一家に溶け込む。この不思議な“疑似家族”が、お互いの悲しみをいやしてくれるように見えたが、そうは簡単にいかないのがミソ。幸夫が乗り越えていく試練、大宮家が乗り越えていく試練がまた胸を打つ。しかし、恋人と同棲する家に突然、父親が押しかけてきてしまったら、それは困りもの。『お父さんと伊藤さん』(10月8日公開)では、34歳の彩(上野樹里)と20歳年上の彼氏の伊藤さん(リリー・フランキー)の同棲先に、74歳の父(藤竜也)が転がり込み、奇妙な同居生活が始まる。頑固なお父さんは何かと小言が多く、とんかつのソースの味1つで言い争いに。そんな3人が狭いアパートで共同生活をする様子はおかしくもありながら、少しずつ涙腺を刺激。また、彩も嫉妬するほどの友情をお父さんと築き、彩の心を救っていく、“ザ・マイペース”の伊藤さんが何だか頼もしく見えてくるから不思議だ。同居人といえば、『ぼくのおじさん』(11月3日公開)の主人公(松田龍平)は、小学生の甥っ子・雪男から「ぼくの家で一番役立たずの居候」といわれる始末。大学の臨時講師で週1で哲学を教えているだけの“自称・哲学者”のおじさんは、万年床でゴロゴロしては漫画を読み、義理の姉(雪男の母)に叱られてばかり。そんな不可思議な存在のおじさんを、雪男は「自分のまわりにいる大人について」の作文のテーマに選ぶが、なんとそのおじさんが恋に落ち、一路ハワイへ!まるで子どもみたいな困ったおじさんと、しっかり者の少年のハワイでの珍道中はどうなることか、要注目!さらに、『ボクの妻と結婚してください。』(11月5日公開)では、末期がんの放送作家・三村修治(織田裕二)が、妻(吉田羊)や息子の“その後”の幸せのために、なんと自ら妻の結婚相手を探すという奇想天外な“企画”を立ち上げ、動き出す。『彼らが本気で編むときは、』(2017年2月公開)では、トランスジェンダーの女性リンコ(生田斗真)とその恋人マキオ(桐谷健太)、マキオの姪っ子で孤独を抱えた少女トモとの3人の共同生活を描いていく。彼らが織りなす家族の姿は、平穏な毎日では忘れがちな大切な気持ちを、厳しくも優しく思い出させてくれる。家族に重大な“何か”が起こる前に、日ごろからその思いを素直に伝えてみては?(text:cinemacafe.net)
2016年09月18日宮沢りえを“お母ちゃん”に、杉咲花、オダギリジョーらが家族を演じる映画『湯を沸かすほどの熱い愛』。このほど、先日の第40回モントリオール世界映画祭への初出品に続き、10月6日より開催される韓国・第21回釜山国際映画祭の「A window of Asian Cinema(アジア映画の窓)」部門に正式出品されることが決定した。「私には、死ぬまでにするべきことがある」――。ある日突然、「余命わずか」という宣告を受けた幸野双葉(宮沢りえ)。その日から、彼女は「絶対にやっておくべきこと」を決意、実行していく。まずは、1年前に家出した夫・一浩(オダギリジョー)を連れ帰り、家業の銭湯を再開させること、気が優しすぎる娘・安澄(杉咲花)を独り立ちさせること、その娘をある人に会わせること…。母のこうした行動は、家族からすべての秘密を取り払うものだった。ぶつかり合いながらもより強い絆で結びついていく家族。そして、母から受けた大きな愛で繋がった家族は、究極の愛を込めて母を葬(おく)ることを決意する。『チチを撮りに』の中野量太監督が、“死にゆく母と、残される家族の愛と絆”という普遍的なテーマをオリジナルの脚本で紡ぎだした本作が、釜山国際映画祭「A window of Asian Cinema(アジア映画の窓)」部門に出品される。同部門は、さまざまな視点とスタイルを持つ、才能豊かなアジアの映画監督たちの優れた作品を紹介する部門であり、日本からは本木雅弘主演×西川美和監督『永い言い訳』、本作出演のオダギリさんが主演を務める山下敦弘監督『オーバー・フェンス』など、この秋注目の話題作もエントリーされている。モントリオールに続き、釜山国際映画祭への出品も初となる中野監督は、第一報に「究極の家族愛を描いたこの映画のラストシーンをどう感じてもらえるのか?きっと、熱く沸き上がってくれるはず、そう信じて釜山へ行ってきます。とっても楽しみです」と期待のコメント。また、同映画祭の執行役員ヤン・シオン氏は、「この『アジア映画の窓』部門で上映される『湯を沸かすほどの熱い愛』は、笑いあり涙ありの家族映画であり、中野量太監督が描く強力な女性映画でもある。母として妻として生きる1人の女性の家族に対する責任と愛。そこから生まれる無限とも言える肯定的思考。映画を見終わると、この妙なタイトルの意味をもう一度味わえる二度美味しい作品。世界共通の単語となりつつある“UMAMI”たっぷりの作品だ。『アジア映画の窓』部門に相応しい、いま現在の日本映画の流れが把握できる1本である」とコメントを寄せている。現地時間10月9日の上映には、中野監督が登壇し、Q&Aを行う予定。『湯を沸かすほどの熱い愛』は10月29日(土)より新宿バルト9ほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2016年09月16日展覧会「レオナール・フジタとモデルたち」が、9月17日から2017年1月15日まで、千葉・佐倉のDIC川村記念美術館で開催される。ヨーロッパ近代美術の歴史において最も成功した日本人芸術家、レオナール・フジタこと藤田嗣治(以下、フジタ)。現在の東京藝術大学の前身、東京美術学校の西洋画科を卒業後、第一次世界大戦前の1913年、27歳の時にフランス・パリへと渡ったフジタは、モンパルナスの一角にアトリエを構え、スーティン、モディリアーニらエコールド・パリの画家たちと交流を深めた。1920年代、「乳白色の下地」と均一な極細の描線によって自らのスタイルを確立したフジタは、ピカソやシャガール、ダリなど世界中から芸術家たちが集まっていた「狂乱の時代」のパリで、一躍時代の寵児となった。多様な主題、ジャンルでその才能を発揮してきたフジタだが、画業の中心は人物を描いた絵画が中心を占める。他の芸術家の場合と同じように、職業モデルを雇ってポーズの研究を行い、社交界の名士や裕福なブルジョワから注文を受けて肖像画を制作した他、時には家族や親しい友人を画面に登場させることもあった。本展では、フジタの初期から晩年までの約90点の作品を、描かれたモデルに関連する約150点の資料を交えて紹介。「モデル」をテーマにフジタの描いた人物、モディリアーニやジャン・コクトーといった芸術家、職業モデル、身近な友人や5人の妻たちを様々な視点から取り上げ、フジタの思考とモデルに注ぐまなざしを再検討する。また、フランス、エソンヌ県の特別協力により、フジタがモデル研究の集大成として群像表現に挑んだ壁画も展示。「構図」と「闘争」を主題とした連作壁画は、3×3mのカンヴァス4点に人物、動物が描かれた大作で、フジタが挑んだこの群像表現は、後の戦争記録画を考える上でも重要だという。会場では、フジタ自身が被写体となってトレードマークのおかっぱ頭に丸眼鏡、カメラ目線でポーズを決めた写真をはじめ、フジタの最初の妻であった鴇田とみにフジタが宛てた書簡や、中南米旅行で蒐集した土偶・石偶、最後の妻、君代に贈ったハンドペイントの木箱なども展示される。会期中には、講演会やギャラリートーク、ワークショップなども開催される予定だ。なお、府中市美術館では、名古屋市美術館、兵庫県立美術館から巡回する「生誕130年記念 藤田嗣治展 東と西を結ぶ絵画」が、10月1日から12月11日まで開催。学生時代の自画像、乳白色の裸婦、戦争画、最晩年の宗教画といった初期から晩年までの画風の変遷を辿る内容となっている。昨年、小栗康平監督による映画「FOUJITA」がオダギリジョー主演で公開され、東京国立近代美術館で「藤田嗣治、全所蔵作品展示。」、東京藝術大学大学美術館では「『藤田嗣治資料』公開展示」が開催され、近年ますます注目を集めている藤田嗣治/レオナール・フジタを知るために、この秋、DIC川村記念美術館と府中市美術館で開催されるふたつのフジタ展を是非ご覧になってはいかがだろうか。【イベント情報】「レオナール・フジタとモデルたち」会場:DIC川村記念美術館住所:千葉県佐倉市坂戸 631会期:9月17日~2017年1月15日時間:9:30~17:00(入館は16:30まで)料金:一般1,300円、学生・65歳以上1,100円、小中高600円休館日:月曜日(9月19日、10月10日、1月9日は開館)、9月20日、10月11日、12月25日~1月2日、1月10日「生誕130年記念 藤田嗣治展 東と西を結ぶ絵画」 会場:府中市美術館住所:東京都府中市浅間1-3会期:10月1日~12月11日時間:10:00~17:00(入館は16:30まで)料金:一般1,000円、高校生・大学生500円、小学生・中学生200円休館日:月曜日(10月10日は開館)
2016年09月13日宮沢りえの主演最新作として注目を集める『湯を沸かすほどの熱い愛』。このほど本作から、“お母ちゃん”宮沢さんと旅に出かけた“娘たち”、杉咲花と子役の伊東蒼が高足ガニをほおばるメイキング映像が解禁となった。「私には、死ぬまでにするべきことがある」――。ある日突然、「余命わずか」という宣告を受けた幸野双葉。その日から、彼女は「絶対にやっておくべきこと」を決意、実行していく。まずは、1年前に家出した夫を連れ帰り、家業の銭湯を再開させること、気が優しすぎる娘を独り立ちさせること、その娘をある人に会わせること…。母のこうした行動は、家族からすべての秘密を取り払うものだった。ぶつかり合いながらもより強い絆で結びついていく家族。そして、母から受けた大きな愛で繋がった家族は、究極の愛を込めて母を葬(おく)ることを決意する…。自主制作映画『チチを撮りに』が国内外で絶賛された、中野量太監督の待望の商業デビューとなる本作。会う人すべてを包みこむ優しさと強さを持つ“お母ちゃん”・双葉を宮沢さんが熱演、頼りないけどなぜか憎めない“お父ちゃん”にオダギリジョー、娘・安澄に杉咲さん、旅先で双葉と出会い、彼女の母性に触れ人生を見つめ直していく青年・拓海役に松坂桃李。そして、好演を見せる新人子役・伊東さんも加わり、新しい家族の物語を映し出す。そんな本作から、このたび解禁となったメイキングは、母・双葉(宮沢さん)が、娘・安澄(杉咲さん)と鮎子(伊東さん)を連れて、初めての女三人旅で訪れた、海風漂う港の食堂のシーン。静岡県・戸田港にて撮影が行われた。ここの名物は、高足ガニ!映像では、大きなカニの足を手にする杉咲さんと、宮沢さんに上手に殻を取ってもらった伊藤さんの、口いっぱいにほおばる姿がなんとも微笑ましい。母娘、水入らずで過ごすひとときに、お腹いっぱいの高足ガニ。例えば、卵を落とした味噌汁、ごはんがぎゅっと詰まったいなりずし…、誰しも思い出に残る“幸せの味の記憶”があるならば、幸野家の娘たちが大人になって思い出すのは、もしかすると、高足ガニなのかもしれない。『湯を沸かすほどの熱い愛』は10月29日(土)より新宿バルト9ほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2016年09月11日女優・麻生久美子らが、俳優・オダギリジョーの主演映画『オーバー・フェンス』(9月17日公開)についてコメントを寄せた。同作は『海炭市叙景』(10年)、『そこのみにて光輝く』(14年)に続く、作家・佐藤泰志の原作による「函館三部作」最終章。妻(優香)に見限られて故郷・函館に戻った白岩(オダギリ)が、失業保険で暮らしながら職業訓練校に通う中でホステス・聡(蒼井優)と出会い、孤独と絶望の心情が徐々に変化していく様を描く。オダギリと麻生といえば、テレビ朝日系ドラマ『時効警察』シリーズ(06年/07年)で主人公とヒロインだった間柄。かつてのパートナーの主演作を「登場人物たちの心の闇に引きずり込まれそうで怖くなった。もう見たくない、でも何回も見たいような忘れられない作品」と表現し、「自分はこういう感情に蓋をしているんだろうかとふと考えてしまう」と自身の心の動きと重ね合わせた。一方、『海炭市叙景』に出演した女優・南果歩は「ヤッター! 思わず拳を振り上げるほどに心躍るラストに、生きる突破口を見た」と結末を評価。『そこのみにて光輝く』の呉美保監督も「男が女を包み込んだ瞬間、血液が体中を激しくめぐり、涙があふれました。大切なひとと何度でも見たい映画です」と称賛の言葉を送っている。■著名人から寄せられたコメント呉美保監督(映画監督)「男が女を包み込んだ瞬間、血液が体中を激しくめぐり、涙があふれました。大切なひとと何度でも見たい映画です」南果歩(女優)「三度よみがえる佐藤泰志の世界。大人になるのが、こんなにも息苦しく切ないなんて、あの頃は夢にも思っていなかった。しかし屈託無く笑えない大人にも、ほんの一言が、誰かとの関わりが、フェンスを越える力になる。大人になるのも悪くはない。いや、大人になったからこそ、その力が掛け替えのないものだと知るのだ。ヤッター!思わず拳を振り上げるほどに心躍るラストに、生きる突破口を見た」清川あさみ(アーティスト)「人は大人になるとバランスをとる生き物。ただ何かが欠けているということは、究極にピュアだということだとも。時には人生の中でそれに振り回されてみる事も大事な宝物が見つかるキッカケになるのかもしれない」若木信吾(写真家)「目の前で人がはじけたり、泣き崩れたり、キレたりするのを観て、これは自分のことではないと思うか、この人たちのおかげで自分が同じことをせずにすんだと思うか。いずれにせよ自分の内側になにかが降り積もっていくのは避けられない」加藤登紀子(歌手)「オダギリジョーは本当にいい!その体温から、むなしさや、耐えられない切なさや、狂おしいほどのいとしさが、確かに伝わる。虚無感の中にキラキラとした光を見ようとした、作家 佐藤泰志の世界が、見事に描けている!」韓英恵(女優)「幼かったときより、純粋さがいつの間にかすり減って、笑うことも泣くことも怒ることも愛することも、無駄に我慢することが増えた。だから、感情むきだしに生きる彼らは壊れていない。むしろ壊れてしまったのは私たちの方なのかもしれません。お互い傷を追いながらも、求愛する白岩とさとしの本能に、最後まで震えました。観た人みんなが大切な人に会いたくなる、そんな映画でした」平間至(写真家)「退屈な日常の中、線香花火のようにじわじわと燃える男と女。どんな平凡な毎日も恋愛と言う花火によってコントラストを高めていく。恋愛の原点を思い出させてくれる映画」武藤昭平(勝手にしやがれ)「例えば映画『カッコーの巣の上で』のように、そして自由に空を飛ぶ鳥のうように。そのフェンスを越えていくさりげない人たち。なんか、すごくジーンときました。生きるということ」辛酸なめ子(漫画家・コラムニスト)「本能的に、刹那的に生きている男女だけが、恋愛サインに気付くことができるのでしょう。この作品を観るとさび付いていた求愛センサーが稼働しそうです」河本準一(次長課長)「日常生活なドキュメントを見てるぐらい全ての人が自然でした。40歳を過ぎた人が『もうどうでもいいや』ではなく、学校に通ったり恋愛したり本気で言い合ったり、無理をするのではなく今できることをやって行く。自然体で生きる爽快感を感じました。無理してる所はうまく息抜きしながら生きていけたらいいなとも思いました。オダギリジョーという男は40歳を過ぎたのでこの作品に出会ったんだと思います」(C)2016「オーバー・フェンス」製作委員会
2016年09月09日日本を代表する国民的“食”コミックをドラマ化&映画化し、大ヒットを重ねている「深夜食堂」が、初めて海外ロケを敢行した新シリーズ「深夜食堂-Tokyo Stories-」。10月21日(金)よりNetflixにて世界190か国で配信開始となる本作から、韓国ロケを行ったエピソード「オムライス」の場面写真とともに、出演する岡田義徳、コ・アソンのコメントが到着した。深夜ドラマとしてスタート後、シリーズを重ねるたびに大きな反響を呼び、いまやアジア中でも人気ドラマとなった「深夜食堂」。Netflixオリジナルドラマとして新シリーズとなる本作にも、マスター役の小林薫をはじめ、常連客たちには実力派、個性派の俳優たちが顔を揃える。韓国ロケを行ったエピソード「オムライス」(監督・松岡錠司)は、岡田さん演じる物理学者・雨宮と、コ・アソン演じる日本で働く韓国人女性レイの国境を超えたラブストーリーだ。今回公開された場面写真には、韓国のレストラン前で向き合う雨宮とレイの姿に加え、オダギリジョー演じる「めしや」常連で風来坊のカタギリが、韓国でキムチと焼酎を楽しむ様子をとらえている!果たしてカタギリは、韓国で何をしているのか…?オダギリさんといえば、本エピソードの日本パートで、マスターとツーカーの間柄の警官・小暮も演じており、一人二役での出演を果たしている。今回「深夜食堂」初参戦のコ・アソンは、『ビューティー・インサイド』『戦場のメロディ』などに出演する若手実力派。本作への出演を「ファンとして、とても光栄でした」と語り、「マスターはカウンター越しに黙々と聞いてくれる。そのどこか包みこむような優しさが気持ちを癒してくれるんですよね」と、「深夜食堂」の魅力についてコメント。もしマスターが韓国に来てくれたら、「キムチポックムパプ(キムチ炒めご飯)を注文してみたい」と希望を明かした。一方、相手役を務める岡田さんは、本作には「演者として参加してみたい」と思っていたとか。「実際にセットに来てみて、その作り込みの凄さに驚かされて、自分がこの役をどうやっていくべきかという気持ちが一段階上がりました」と、作品への姿勢を熱くコメント。「小林薫さんとも『この作品では誰が主役というのはないよね。あの食堂が主役なんだよね』という話をしていた」そうで、「“ここが主役だから”という気持ちでやっていました」と語った。「深夜食堂」では、『かもめ食堂』や「ごちそうさん」のフードスタイリスト・飯島奈美が手がけるメニューの数々が見どころの1つだが、岡田さんは「出てくる小料理へのこだわりがものすごく強くて、しかも全部美味しいんですよね。細部に渡ってこだわっていて本当にびっくりしました」と絶賛。マスターには、もちろん「オムライス」を注文するという。なお、本作の配信に先駆け、Netflixではドラマ「深夜食堂」第1部~第3部も一挙配信中だ。Netflixオリジナルドラマ「深夜食堂-Tokyo Stories-」は10月21日(金)より世界全世界190か国オンラインストリーミング開始。(text:cinemacafe.net)
2016年09月08日