ソン・ガンホ、イ・ビョンホンに、チョン・ドヨン、キム・ナムギルらが豪華共演し、ハワイ行きの航空機が謎のウイルスによって恐怖と混乱の渦に巻き込まれていく航空パニック映画『非常宣言』。Withコロナの時代に極限のリアリティーが描かれる本作で、「すごいことを起こす、飛行機テロだ」と言い放つ謎の男を演じたのは、ドラマ「ミセン -未生-」や映画『弁護人』『名もなき野良犬の輪舞』などで知られる人気実力派俳優イム・シワン。登場した瞬間から異様な雰囲気を纏い、冷たい眼差しで観る者を戦慄させるテロリストを演じた彼が、初めて挑んだ悪役の役作りや、共演者についてシネマカフェに語ってくれた。「引き受けた役をしっかりと演じなければ」メガホンをとったハン・ジェリム監督が脚本を執筆し、キャスティングを行い、撮影開始の準備をしていたのはもちろんコロナ禍以前のこと。「自分が頭の中で思い描いていた出来事が現実になるのを見て、衝撃を受けずにはいられなかった」とコメントしているとおり、クランクインは 2020年5月30日、クランクアップは同年10月24日と、まさに世界中がウイルスパニック真っ只中での撮影となった。そんな本作への出演を決めた理由をイム・シワンは、「僕自身が作品を選択したというよりも、“選択していただいた”という表現が適切かと思います」と謙虚に語る。「素晴らしい先輩、素晴らしい監督、何よりも作品が素晴らしいので、僕自身を選択していただいたのは大きな機会になると思いましたし、光栄だと思って作品に臨みました。引き受けた役をしっかりと演じなければ作品に対して失礼になってしまう、そんな責任感を持って臨みました」と明かす。2019年に兵役を終えた彼は、ドラマ「他人は地獄だ」「それでも僕らは走り続ける」ほか、現在は最新ドラマ「なにもしたくない」(原題)など精力的に活躍を続けている。そこには、役者という仕事への激しい渇望があったようだ。「若い年齢で入隊すると、何かの仕事をしていたら一定期間、その仕事を中断せざるを得ないという状況になります。それが兵役の特徴なんですけれども、そんなふうにやってきた仕事を中断すると、やはりその仕事に対する“喉の渇き”のような、その仕事に対する気持ちがどんどん強まっていくものなんです」と言う。「ですから、その気持ちを解消できるような作品と出会えるというのは、“恵みの雨”ともいえるような心境になりました。(復帰作の)『他人は地獄だ』を撮っていたときも本当にワクワクしていましたし、共演した俳優や監督とおしゃべりするときもそうでしたし、食事をするときも本当に楽しくてワクワクしていました」とふり返る。イ・ビョンホンとの共演は「不思議な、スゴい日だった」本作においても、錚々たる顔ぶれと共演することになった。演じたのは、謎のウイルスを仁川発ハワイ行きKI501便に持ち込み、拡散させた張本人リュ・ジンソクという男。空港から、イ・ビョンホン演じる飛行機が苦手なジェヒョクとその娘スミンに執拗につきまとい、不審がられるというキャラクターだ。イ・ビョンホンについてイム・シワンは、「世界的にも演技が認められている先輩ですから、先輩の演技は常に正解だと思っています。そんな先輩と共演できて、また、息を合わせて一緒に演技できたのは、僕にとって不思議な経験でした」と語る。「撮影初日のことは日付も記憶にあるくらい、本当に自分にとってイ・ビョンホンさんと共演できた日というのは不思議な、スゴい日だったと、いまでも思っています」と当時の心境を打ち明ける。また、副操縦士ヒョンス役のキム・ナムギルと対峙するシーンもあった。「キム・ナムギルさんは僕のことを弟のようにかわいがってくださったんです。撮影しているときにも、(緊迫したシーンが続く)僕が心理的に大変な思いをしないように一緒にふざけてくれたり、いたずらをしてくれたりして、いい雰囲気を作ってくださいました」と言う。「そのおかげで気持ちを楽にして撮影ができたんです。映画の中で乱気流が発生するシーンがあったんですが、そのときにも気遣ってくださって気楽な気持ちで演技ができました。僕たちがふざけていたのを見て、監督はそれが演技だと思ったらしく、『いまのがいいですね』と言ってくださって、それが演技に反映されたところもありました」とも明かした。航空バイオテロを引き起こす張本人役「僕なりに彼の個人史を考えました」イム・シワンが演じたリュ・ジンソクは、副操縦士のヒョンスらに追及されても傲岸不遜で、その人物背景も多くは語られない。「監督としては、リュ・ジンソクの背景や動機は推測に留めておこうという考えだったようなんですね。つまり、リュ・ジンソクの細かい個人史を(劇中では)説明しないという方向で監督は考えていたようです」と語る。「なぜかと言いますと、(米国史上最悪といわれた2017年の)ラスベガス銃乱射事件が起きたとき、誰にとっても悲劇であり、恐怖だったわけですが、その事件の恐怖が大きかったのは犯人に特定の動機がなかったという点だったんです。動機がないという不透明さ。明確な理由がないまま、あのような事件を起こした。それがむしろ大きな恐怖に感じられた、と監督はおっしゃっていました。そのお話を聞いて、僕も共感できたんですね」。「ですから僕は、演技をするために必要になるので、リュ・ジンソクがどんな人間だったのかという個人史を、キャラクターの正当性を作るために自分なりに考えてみました。それはあくまでも僕が演技をする上で必要なものであって、監督とも共有する必要がないと思ったので、『僕なりに彼の個人史を考えます』と監督にお伝えしたところ、監督も快く認めてくださいました」と言い、「僕なりに考えたリュ・ジンソクの個人史を根幹にして演技に臨みました」と、未曾有のバイオテロを引き起こした人物の秘かな役作りを打ち明けた。また、「リュ・ジンソク本人は自分がしている行動をテロとは思っていなかったと思うんです」とも言う。「本人にとっては、神聖な浄化作業のようなもの、と頭の中でセッティングをして行動に及んだと思います。ですから、スミンという少女は自分にとって邪魔になる存在だと思ったはずなんです。これから神聖なことをするけれども、スミンが知ってしまったら失敗する恐れがある。だから彼にとっては邪魔者になるわけで、だからこそ、スミンが乗る飛行機のチケットを買うことになったと思います」と分析。「それについてはおそらく、罪悪感は感じていなかったと思うんですね」と続け、「罪悪感があったら、あのような行動はできなかったと思いますし、スミンについてはそのときにすでに犠牲者の1人だと思っていたはず。リュ・ジンソクには、もとから罪悪感などなかったのです」と話す。その穏やかな語り口とは打って変わって、これまでのイメージを覆すようなキャラクターを怪演したイム・シワンは、第31回釜日映画賞で助演男優賞を受賞、第43回青龍映画賞でも助演男優賞ノミネートなど、大きな反響を得ている。彼の新境地といえる役どころを、スクリーンで確かめてみてほしい。『非常宣言』は2023年1月6日(金)より全国にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:非常宣言 2023年1月6日より全国にて公開© 2022 showbox and MAGNUM9 ALL RIGHTS RESERVED.
2023年01月03日ソン・ガンホとイ・ビョンホン、いずれも韓国を代表する日本で最も名の知られた俳優が4度目のタッグを組み、パンデミック以前に発案されたとは思えないほどのリアルさで描く映画『非常宣言』。本作は、スクリーンでこそ目撃したい大迫力の航空パニック映画でありつつ、この2人をとりまく群像劇としての面白みも格別だ。そして実際に私たち自身が未知のウイルスに対する選択を様々な局面で迫られたように、この映画の登場人物たちもまた究極の選択を突きつけられている。妻を救うため、ソン・ガンホの血・汗・涙がほとばしる!ソン・ガンホ演じるク・イノは、妻へユン(「SKYキャッスル~上流階級の妻たち~」ウ・ミファ)から海外旅行に行くことも知らされず、娘には煙たがられるしがない中年刑事。動画サイトに投稿された飛行機テロを予告するビデオの信憑性を確かめるため、その予告犯らしき人物が暮らす高級マンションで小学生から話を聞こうとするも、「英語できないんだ」と言われてしまう。そんなちょっぴり情けない小市民的な姿は、これまでに見てきたようなソン・ガンホそのものだ。また、そのとき「金持ちの街だから教育水準が高いな」と同僚の刑事ユンチョル(『三姉妹』ヒョン・ボンシク)がふとこぼした愚痴は、仁川空港発ホノルル行きKI501便に乗り込んだテロ犯リュ・ジンソクのキャラクターに少しずつ輪郭を持たせていくことになる。今回かつてない悪役に挑んだイム・シワンが嘲罵する冒頭シーンにも、納得が生まれていく。さらに、リュ・ジンソクの部屋で次々に判明していく事実は、『アウトブレイク』さながらに緊迫を高めさせる。やがて、リュ・ジンソクが前代未聞の航空バイオテロを引き起こすつもりであること、ハワイ旅行に出かけた妻が同機に搭乗していることが分かると、ク刑事の瞳に炎が宿る。その捜査は前のめりで全力、ときどき無鉄砲。本作のハン・ジェリム監督と初めて組んだ『優雅な世界』(07)で見せたような激しいカーチェイスもあり、ク刑事は血・汗・涙まみれになる。地上にいる彼が関わるのは、『シークレット・サンシャイン』でソン・ガンホと共演したチョン・ドヨン演じる国土交通大臣のキム・スッキ。航空テロ事件対策本部の指揮をとる彼女も葛藤しながら、誇りを持ち、忖度することなく対処しようとする。また、「夫婦の世界」の“不倫夫”として知られるようになったパク・ヘジュンは危機管理のために大統領府から派遣されたパク・テスとして冷静さを貫く。とはいえ、これまでも『観相師』や『タクシー運転手~約束は海を越えて~』など、市民目線の“抵抗者”を演じてきたソン・ガンホのこと。本作でも政治家や上層部の指示をただ待っているだけではなく、我々の想像の上をゆく選択をし、未曾有のウイルスに立ち向かう。その壮絶なシーンも含め、ク刑事はやはりソン・ガンホにしか演じられないキャラクターとなった。イ・ビョンホンが対峙するテロ犯とトラウマその一方、高度28,000フィート上空では機内で起き始めた異変に動揺が広がっていく。イ・ビョンホン演じるパク・ジェヒョクは、娘スミン(キム・ボミン)のアトピーの治療のために苦手な飛行機に乗ってハワイへと向かうところだった。親子は空港にいるときから、身なりはきちんとしているが、ぶしつけな男リュ・ジンソクに付きまとわれていた。「旅行ですか?奥さんは?」と尋ねてきた男が同じ飛行機に乗り合わせたことに不安を感じながらも、ジェヒョクは自身の飛行機恐怖症に対峙することで精一杯だ。これまでアクションスターとしても大活躍してきたイ・ビョンホンは、直近のNetflixドラマ「私たちのブルース」で慟哭したドンソクのように、本作でも決して完全無欠のヒーローではない。キム・ナムギル演じる副機長ヒョンスとの確執とトラウマを抱え、脆くて弱い、臆病な部分を見せることになる。やがてウイルスが拡散された機内では、1人、また1人と咳き込みはじめ、発熱や発疹から始まる感染に見舞われていく。「お前、感染してるんじゃないのか?」そんな言葉が飛び出すシーンはまるでコロナ禍当初のようで、疑心暗鬼とエゴイズムまでもが蔓延し、弱き者が追いやられていく様は『新感染 ファイナル・エクスプレス』にも通じる。むしろ機内では、ハン・ジェリム監督の前作『ザ・キング』で絶賛されたキム・ソジンが演じるチーフパーサーのヒジンや、「社内お見合い」のソル・イナらCAなどの女性たちが不安と混乱の中にあっても頼もしい。“いま”の映画として拡がる恐怖も…こうしたウイルスを巡る人間たちのドラマが交錯していく中で、やがて機内と地上の混乱が繋がると、予想だにしていなかった方向にストーリーは転じ、事態は悪化の一途を辿る。さらに悪いことに、現在はスマホで撮影された思慮なき映像がそのままニュースとして配信されてしまう時代である。『新感染』や「今、私たちの学校は…」など世界を席巻したKゾンビはもちろん、多くの感染パニックムービーは当該の人々が孤立し連絡手段を断たれて、現状を把握できずに右往左往するものだが、本作ではウイルスの最新情報や世間の声が機内に筒抜け。この点も“いま”の映画として、ある種の恐怖となっていく。「非常宣言」とは映画の冒頭でも説明されている通り、航空運行における“戒厳令”だ。何らかの理由により飛行機が危機に直面し、通常の飛行が困難になったときパイロットが不時着を要請する。“これ”が布告された航空機はどの航空機よりも優先的に着陸できるという絶対的な効力がある、はずだった。しかし、あのときの日本で港に停留し続けていたクルーズ船のように、KI501便の運命は不確かなものとなっていく。誰もが大切な誰かを思い浮かべながら最悪の事態を回避するために、文字通り命を賭けた選択を迫られる。上空にいる者、地上のその家族、警察、政治家、国家…それぞれが自身のできることに向き合っていくその過程がかつてないスペクタクルで描かれ、まさに息つく暇もない。脚本も手がけたハン・ジェリム監督は、撮影前に6か月を費やし「カット割りから構図、人物のエモーション、小物や衣装に至るまで」綿密な絵コンテを作成したという。コロナ禍での大規模撮影を円滑に進めるためだったというが、それほど計算されていたフィクションに現実が追いついてしまったいま、「自助」や「自己責任」をいわれ続けてきた私たちがこの映画に直面したとき、どんな選択ができるだろうか。映画を観た後は、それを問い続けることになる。『非常宣言』は2023年1月6日(金)より全国にて公開。(上原礼子)■関連作品:非常宣言 2023年1月6日より全国にて公開© 2022 showbox and MAGNUM9 ALL RIGHTS RESERVED.
2022年12月28日ソン・ガンホやイ・ビョンホン、キム・ナムギル、イム・シワンら韓国のスター俳優が豪華共演を果たしたフライトパニック超大作『非常宣言』。この度、ソン・ガンホ演じる刑事とチョン・ドヨン演じる航空テロ対策本部を任された国土交通大臣の執念が実るシーンの本編映像と場面写真が解禁となった。この度解禁されたのは、抗ウイルス剤とワクチンの提供が発表されるシーンを収めた本編映像。リュ・ジンソク(イム・シワン)がテロに使用した実験用ウイルスを持ち出した過去の勤務先ブリコム社に対し、ク・イノ刑事(ソン・ガンホ)は執念深く協力を求めていた。そこにキム・スッキ国土交通大臣(チョン・ドヨン)が現れ、ク刑事とともに交渉に動くが、多国籍企業ブリコム社はかつて働いていたリュ・ジンソクが実験用のウイルスを持ち出した証拠はないと主張、責任を認めない。そんな企業側に対し、スッキ国土交通大臣は「着陸後ウイルスを解明します」と強気に迫りながらも、抗ウイルス剤とワクチンの提供で企業としての責任は情状酌量をすると交渉を続ける。そしてついにその執念が実り、ブリコム社から抗ウイルス剤とワクチンが提供されるとの発表が!地上ではKI501便の帰りを待つ人々が安堵の様子を浮かべ、同じくその吉報を伝えられた上空の乗客たちも歓喜の渦に包まれる。誰もが乗客の無事を確信したはずだったが…着陸するためにはさらなる障壁が立ちはだかることに!?KI501便に待ち受ける、その後の展開は見逃せない。また、「映画プレゼンター」としてテレビ、ライブ、コラムなど多方面で活躍している赤ペン瀧川先生による特別動画もあわせて解禁されている。『非常宣言』は2023年1月6日(金)より全国にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:非常宣言 2023年1月6日より全国にて公開© 2022 showbox and MAGNUM9 ALL RIGHTS RESERVED.
2022年12月26日約26年ぶりのドラマ復帰となるチェ・ミンシク主演、ソン・ソック、イ・ドンフィ、ホ・ソンテらの超豪華共演による韓国ドラマ「カジノ」。ディズニープラス スターで12月21日より配信開始された本作の、韓国・ソウルで行われた会見の模様が到着。キャストによる「人生で一番の賭け」が明かされる、日本独占インタビューも一部公開された。金・名誉・成功など様々な欲望が入り乱れるフィリピンのカジノを舞台に、カジノに命を賭けた主人公チャ・ムシクの波乱万丈な人生を描く本作。この日は、チェ・ミンシク、ソン・ソック、イ・ドンフィ、ホ・ソンテ、キム・ジュリョン、ソン・ウンソ、リュ・ヒョンギョン、そしてカン・ユンソン監督が登壇。集まった記者たちの質問に答える形式で、約1時間にわたり、ドラマをPRした。約26年ぶりにテレビ界に戻ってきたチェ・ミンシクは、「映画の撮影は密度が濃いものの、何か物足りない気持ちがいつもありました。伝えたいことを、余裕を持って表現できるドラマというプラットフォームが恋しかったです」と感慨深い表情。演じたチャ・ムシクを「とても平凡な人間です。しかし、欲望をあまりにも追い求めてしまったがために、自分でも気づかぬうちにカジノという世界に足を踏み入れてしまい、多くの人と出会い、左衝右突(韓国の四字熟語:四方八方にぶつかるように、いろんなことが起こること)していきます」と説明し、「ムシクを演じ、彼の人生を生きる中で、人の人生とは、誰に会い、どこに行き、何に接するのかによって、知らぬうちにドラマティックに変わっていくのだと感じました」と明かした。ソン・ソック、演じた警察官は「僕自身」「似たような状況で成長してきた」チャ・ムシクと対立関係を繰り広げる警察官オ・スンフンを演じるのは、「22年最もホットな俳優」と名高いソン・ソックだ。「スンフンは警察本庁でデスクワークをしていたのに、なぜか犯罪率の高いフィリピンに派遣されることとなった警察官です」と、自身の役柄を語る。「エンターテイメント作品によく出てくる、アクションがうまくて、捜査能力も突出しているような警察官ではなく、会社員マインドで警察官生活を送っている平凡な人間です。そんなスンフンがフィリピンに行き、人は自分の力で生きていかなければいけないということを知り、成長していきます。目の前にいる捕まえなければならない人間を捕まえるべく、全ての力を振り絞って走るところが見どころです」と役の見どころをアピール。「演じるのに苦労はありませんでした。なぜなら彼は“オ・スンフン”という名前ではありますが、僕自身だったんです。性格も似ているし、似たような状況で成長してきたこともあって。僕は警察官ではないですけどね。そのため、演技をしているという感覚がありませんでした。スンフンを通じて、多くの方に僕という人間をより分かってもらえるのではないかと、期待しています」と付け加えた。イ・ドンフィ、“チェ・ミンシク先輩の右腕”役は「家門の誇り」“チャ・ムシクの右腕”ジョンパル役を演じるイ・ドンフィは「『カジノ』は、平凡な人々が出会い、様々な選択をしていく中で起こる出来事を見せるドラマです。ジョンパルは、視聴者の皆さんに自分だったらどんな選択をするのかと考えてもらえるような役だと思い、チャ・ムシクの右腕という存在に好奇心を持っていただけるよう演じました」と語る。そして「個人的には、誰でもない“チェ・ミンシク先輩の右腕”として生きることができたのが人生において一番の幸せでしたし、家門の誇りではないかという思いがしました」とユーモアたっぷりにコメント。他作品との違いを見せるために、外見的な差別化を目指したと言い、「“鼻ひげ”に挑戦しました」と明かすと、すぐさまソン・ソックに「韓国のジョニーデップです」と言われ「すみませんが、水を飲んでもいいですか?」と慌てふためくひと幕もあった。また、チャ・ムシクと親しい間柄から、互いに刃を向け合う関係となるソ・テソクを演じるのは、「イカゲーム」「アダマス 失われたダイヤ」などで世界的に認知度を高めたホ・ソンテ。キャラクター紹介を促されると、「ジャスト・センシティブ・クレイジー・ギャングスターです」と英語でひと言。「長く説明する必要がないんですよ。複雑そうにみえて、複雑ではない人物なので」と短く話し、劇中のカリスマある姿とは似ても似つかないシャイな一面をうかがわせた。フィリピンでの壮大な現地ロケ、暑すぎて「みんな“すっぴん”」ドラマの見どころについて聞かれると、チェ・ミンシクは「俳優のアンサンブルだと思います。後輩たちと演技をする中で、みんなプロフェッショナルだなと感じました。私も彼らの演技に大いに刺激を受けました」と、後輩たちを称えて回答。同じく「イカゲーム」で知られるキム・ジュリョンも「韓国の演技派俳優が大集結したと思っていただければ。俳優たちの演技を見る楽しみがあると思います」と続ける。本作のもう1つの見どころが、フィリピンで撮影されたリアルな映像。海外ロケの感想を聞かれたソン・ソックは「フィリピンの宿舎で初めてドンフィと食事をしたとき、本人の覚悟のようなものを語ってくれたんです。”僕はこの作品に一身をささげて尽くす”という言葉に感動をしましたし、その時僕も覚悟を決めた記憶があります。いい思い出になりました」とイ・ドンフィとの秘話を紹介。ソン・ウンソは「多くの俳優さんたちと同じ宿舎で生活をしながら撮影したのは初めての経験でした。おかげでより親密になれたと思いますし、自然に演技をすることができたと思います」と語り、「当時は“早く韓国に帰りたい”と言っていましたが、今はあの現場が恋しくて、また行きたい気持ちもあります」と模範的回答。だが、チェ・ミンシクにすかさず「本当に?本気?」とツッコまれて苦笑い。フィリピンロケの一番の敵は暑さだったそうで、「暑さのせいでメイクをしてもすぐに落ちてしまうんです。そのため、俳優、女優問わず、みんな“すっぴん”なんですよ。そこまで含めてリアルです」とソン・ソック。「(暑さは)予定外でしたが」と付け加えるカン監督に、「僕は3泊4日で5キロも減りましたよ」とホ・ソンテは話した。チェ・ミンシク「ソン・ソックさんとは初共演とは思えないほどしっくりくる」共演者との呼吸について尋ねる質問には、チェ・ミンシクが「ソン・ソックさんとは初共演とは思えないほどしっくりくる感じがありました。キャラクターをしっかりと分析してきてくれたので、大いに助けになりました」と評価。一方、ソン・ソックは「ミンシク先輩と初シーンを撮った時、あまりにも演技が自然で、正直、演技をしていることに気づきませんでした。あまりにリアルで演技に見えなかったんです。それが不思議だったのと同時に、少し緊張感が走りました。先輩がこんなにリアルな演技をするのに、僕がウソの演技をして台無しにしてしまったらだめじゃないですか」とベテランの演技に感嘆したそう。リュ・ヒョンギョンも「幼い頃から尊敬しているチェ・ミンシク先輩と自分が共演していることが信じられませんでした。どうすればかっこよく映るのか、たくさんアドバイスしてくださりました」とチェ・ミンシクに言及。ホ・ソンテも「チェ・ミンシク先輩と監督をはじめ、同僚俳優の方々にも多くのアドバイスをいただきながら役を作りあげました」と感謝の弁を述べた。また、会見の中盤には、カン・ユンソン監督から来年シーズン2が配信されることが発表されており、視聴者の期待を高めている。キャストから視聴者へメッセージチェ・ミンシクどんな作品、どんな現場にも苦労はつきものです。ですが、どんな質の苦労なのかは、違います。本作は物理的な苦労だけではありませんでした。しかし、そんな悪条件の中でも、カン・ユンソン監督をはじめ、たくさんのスタッフ、俳優たちが、「いい作品を作ろう」「自分の役をうまく表現しよう」という強い思いで最後まで一丸となって作りあげました。期待していただきたいですし、いい結果が出てくれたらうれしいです。ソン・ソック「カジノ」は、一言で言うならば、リアリティ溢れるドラマです。既存のドラマとは違う何かを感じられると確信しています。イ・ドンフィインタビューを受けるたびに「チェ・ミンシク先輩の復帰作です」「ソン・ソックさんの最新作です」、そして僕のことは思いつかないので「イ・ドンフィが出る作品です」と話すのですが、本作が僕の代表作になったらうれしいです。ホ・ソンテ監督をはじめ、俳優やスタッフたちの情熱がたっぷりと込められている作品です。「人生の喜怒哀楽」全てが入っています。期待してください。キム・ジュヒョン22年、23年に配信されるドラマの中でも最高のドラマになるのではないか、という確信があります。年末から新年にかけて「カジノ」を観ながら幸せな時間を過ごしていただけたらと思います。ソン・ウンソ今日この場にたくさんの方がいらしているのを見て「私たちの作品を待っている方がたくさんいるんだ」と、心が温かくなりました。何か月もの間、多くの俳優とスタッフ、監督とともに作った作品に今やっと光が当たるという思いで、緊張しています。シーズン1,2が終わるまで、関心を寄せ続けていただきたいです。リュ・ヒョンギョンこのようにステキな作品に参加させていただき、光栄です。「カジノ」を応援してください。ありがとうございました。カン・ユンソン監督二年前くらいに、チェ・ミンシク先輩とこの作品の話を初めてしたときのことを思い出すと感極まるものがあります。今日のこの日を迎えられたことをうれしく思います。多くの応援をよろしくお願いいたします。ホ・ソンテ&イ・ドンフィの日本独占インタビューの一部公開これまでの人生においての最も大きな賭けを尋ねられたホ・ソンテは、幼い頃からの夢だった俳優という職業に挑戦したことだと話す。「外国の方にはあまり知られていないと思いますが、僕は35歳(数え年)までサラリーマンをしていたんです。それが人生で最も大きな賭けだったと思います」と、その賭けに打って出たからこそ現在があるというホ・ソンテ。1つのことを始めたら、最後まで歯を食いしばってやり遂げるタイプだという彼らしい、まさに人生の賭けを明かした。一方の、イ・ドンフィは「僕はひどい猫アレルギーがあるにもかかわらず、猫を飼うことを決めたこと。正解でした」と茶目っ気たっぷりに告白。猫と過ごすことで愛や生き方について改めて考えるきっかけをもらったというイ・ドンフィは、「飼い主、というより、“執事”ですね。(ホ・ソンテの方を向いて)ソンテさんも“執事”ですよね?」と同じく愛猫家であるホ・ソンテに共感を仰ぐ場面も。「(ホ・ソンテの飼い猫の名前は)“南韓(ナマン)”と“山城(サンソン)”でしたっけ?」と韓国に“南韓山城”という城があることにかけてふざけるイ・ドンフィに、呆れ顔で笑いながら「南韓とナジュです」と返すホ・ソンテ。日本のファンに向けて、それぞれの意外な一面が垣間見えるエピソードを披露してくれた。「カジノ」はディズニープラス スターにて独占配信中(全8話)。(text:cinemacafe.net)
2022年12月22日第74回カンヌ映画祭に正式出品されたソン・ガンホとイ・ビョンホン共演の『非常宣言』。この度、上空の機内でウイルステロが勃発する中、ソン・ガンホ演じる刑事がその共犯者を追い詰める壮絶なカーアクションシーンがシネマカフェに到着した。この度到着したのは、KI501便を混乱の渦に陥れる犯人のリュ・ジンソク(イム・シワン)の捜査を進めるク・イノ刑事(ソン・ガンホ)ら地上捜査チームが、犯人の動機を解明すべく重要参考人の元へ訪れるシーンから始まる。重要参考人であるその男は、訪ねてきたク・イノ刑事らを欺き逃走を図る!そのころ、上空の機内ではリュ・ジンソクによって拡散された謎のウイルスによって、乗客が次から次へと命を落としていく。一刻の猶予もない焦りの中、捜査チームは逃走する男がリュ・ジンソクの内情をつかむ唯一の手掛かりだと懸命に追う。やがてバイクを盗んで逃走する重要参考人と、車で追うク・イノ刑事らのカーチェイスが展開。街中を猛スピードで駆け抜けるド迫力のカーアクションは、上空でのフライトパニックにも迫る緊張感MAXレベル、見応えたっぷりの超絶シーンに仕上がっている。また、決死のカーアクション映像に加え、事件を解明しようとするク・イノ刑事ら敏腕刑事たちの場面写真も解禁。果たしてク・イノ刑事ら捜査チームは重要参考人の身柄を確保し、犯人リュ・ジンソクの動機解明につなげることはできるのだろうか。『非常宣言』は2023年1月6日(金)より全国にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:非常宣言 2023年1月6日より全国にて公開© 2022 showbox and MAGNUM9 ALL RIGHTS RESERVED.
2022年12月16日パク・ソダム&チョン・ヒョンジュン出演『パーフェクト・ドライバー/成功確率100%の女』と、ソン・ガンホ出演『非常宣言』の公開を記念し、『パラサイト 半地下の家族』が12月29日(木)深夜にテレビ東京にて放送されることが決定した。凄腕の運び屋に託された「返品不可」の荷物、それは泣き虫の男の子。『パラサイト 半地下の家族』の“家庭教師”パク・ソダムと“教え子”チョン・ヒョンジュンがバディとなった『パーフェクト・ドライバー/成功確率100%の女』は、韓国公開時には『ウエスト・サイド・ストーリー』『ハウス・オブ・グッチ』を抑えて初登場1位を獲得(※初日KOFIC調べ)。一方、『非常宣言』は、飛行機内のウイルステロから妻を救うため地上から解決しようとするベテラン刑事と、飛行機に乗り合わせた乗客が奔走する姿をソン・ガンホ、イ・ビョンホンなど、韓国を代表する豪華キャスト陣で描いた。ソン・ガンホとパク・ソダムが共演!『パラサイト 半地下の家族』『パラサイト 半地下の家族』で、ソン・ガンホとパク・ソダムは“貧しい家族”キム家の父と娘役で共演。裕福なパク社長一家の息子役でチョン・ヒョンジュンが出演している。カンヌ国際映画祭では、審査員満場一致で最高賞となるパルム・ドールに輝き、韓国映画として初の同賞受賞という歴史的快挙を成し遂げた。その後も各国の映画祭を席巻。第92回アカデミー賞では作品賞ほか最多4部門を受賞。世界に『パラサイト』旋風を巻き起こした。メガホンを取ったのは『殺人の追憶』『グエムル-漢江の怪物-』など、世界がその才能を絶賛するポン・ジュノ。本作では、あらゆるジャンルを完璧に融合させながら、いま世界が直面している貧富格差への痛烈な批判をも内包した、超一級のエンターテインメントとして描き切った。『パラサイト 半地下の家族』は12月29日(木)深夜0時50分~テレビ東京にて放送。『パーフェクト・ドライバー/成功確率100%の女』は2023年1月20日(金)よりTOHOシネマズ 日比谷ほか全国にて公開。『非常宣言』は2023年1月6日(金)全国にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:パラサイト 半地下の家族 2020年1月10日よりTOHOシネマズ日比谷ほか全国にて公開© 2019 CJ ENM CORPORATION, BARUNSON E&A ALL RIGHTS RESERVED非常宣言 2023年1月6日より全国にて公開© 2022 showbox and MAGNUM9 ALL RIGHTS RESERVED.パーフェクト・ドライバー 成功確率100%の女 2023年1月20日よりTOHOシネマズ日比谷ほか全国にて公開© 2022 NEXT ENTERTAINMENT WORLD & M PICTURES. All Rights Reserved.
2022年12月16日イングランドのプレミアリーグに加盟しているトッテナム(正式名称=トッテナム・ホットスパーFC)に所属し、フォワードを任せられているサッカー選手のソン・フンミン。11月24日に行われたW杯のウルグアイ戦で「バットマンみたいなフェイスガードをつけている選手がいる!」と初めて気になった人も多いのでは? そんなソン・フンミン は、韓国ではBTSよりもTVや街中の広告などに出演していて、目にする機会が多く、国民的な人気を博しているんだとか! 1992年生まれで現在30歳。まだまだ続くW杯、韓国の次戦は、11月28日(月)22:00キックオフ! エンタメ好きならソン・フンミンも押さえておきましょう♪ 韓国のバットマンと呼ばれているソン・フンミン この投稿をInstagramで見る Son HeungMin(손흥민)????????(@hm_son7)がシェアした投稿 フェイスガードをつけていることで、「バットマン」や「キャプテン・ゾロ」と呼ばれているソン・フンミン。フェイスガードをつけている理由は、今回のW杯開幕まであと3週間だった11月1日に欧州チャンピオンズリーグの試合中に、相手選手と接触し顔面骨折したため。直前のタイミングでの大怪我で、ギリギリまで出場が危ぶまれていたのです。W杯直前に出場できることが決まった感謝の言葉には約160万超のいいねが! この投稿をInstagramで見る Son HeungMin(손흥민)????????(@hm_son7)がシェアした投稿 韓国チームの初戦は11月24日(木)。そのわずか8日前に突如、ソン・フンミンがカタール入り! 「小さな頃からの夢だったW杯出場」という投稿には、韓国国民からの応援の声が殺到!BTSのJ-HOPEもいいね♡をしていて、ソン・フンミンの人気ぶりがよくわかります。開会式でパフォーマンスを披露したBTSのジョングクと対面!응원해주셔서 감사합니다???????? #BTS #정국 #응원 ✔2022 카타르 월드컵 본선 조별리그 1차전????????v???????? #우루과이 11.24(목) 22:00????에듀케이션 시티 스타디움 ⏰한국시간 기준 #대한민국 #축구국가대표팀 #카타르월드컵 #FIFAWorldCup #더뜨겁게theReds pic.twitter.com/p6LQGYFcfg — theKFA (@theKFA) November 20, 2022 開会式でパフォーマンスを行ったジョングクとも対面していました!このツイート、韓国エンタメ最強って感じです(笑)。 韓国チームの次戦は、11月28日(月)22:00からの対ガーナ! 初戦が引き分けだったので、先行きは厳しいですが、ぜひ一緒に応援してベスト16、8への進出を願いましょう♪あわせて読みたい🌈サッカー日本代表の守護神!権田選手の妻・裕美さん「ただただ尊敬」スタジアムから感動綴る
2022年11月28日ソン・ガンホとイ・ビョンホンが共演する韓国映画『非常宣言』。韓国・仁川国際空港を飛び立ったハワイ行き旅客機を舞台に、いま現在のコロナ禍を意識したかのようなウイルスによるバイオテロを描いた本作には、ほかにもチョン・ドヨン、キム・ナムギル、イム・シワン、キム・ソジン、パク・ヘジュンら、韓国エンタメ界の“アベンジャーズ”級の俳優たちが勢揃いする。メガホンをとったのは、これまでもスター俳優共演で、実際の史実や社会の実態をモチーフにしながら観客から支持されるエンターテイメントを作りあげてきたハン・ジェリム監督。その監督作や製作を手がけた3作品をピックアップした。『ザ・キング』(2017)駈け出し検事が“権力”に染まるかつて貧しい青年だったパク・テス(チョ・インソン)は、暴力ではなく権力で悪を制する検事に憧れ、猛勉強の末に夢を実現。新人検事として地方都市で働く中で、高校の性暴行事件をきっかけにソウル中央地検のエリート部長ハン・ガンシク(チョン・ウソン)と出会う。ガンシクは他人を踏み台にして出世し、大統領選挙を利用して権力をつかんだ“1%の成功者”だった。『ザ・キング』本作は、現代の“王”のごとく権力を牛耳る検事に憧れた主人公パク・テスの視点で、1980年から2010年にわたる激動の韓国現代史を追うことのできるクライム・エンターテインメント。正義感に溢れた駆け出し検事が許しがたき悪に染まっていく姿を、実話さながらに活写。二転三転するストーリーや、効果的なフラッシュバックやスローモーションなどの導入で緊迫が最後の最後まで続く。『ザ・キング』『モガディシュ 脱出までの14日間』も記憶に新しいチョ・インソンが、日本のバブル期のようにチョン・ウソンと弾ける一方、リュ・ジュンヨル演じるテスの幼馴染みチェ・ドゥイルとの関係性が運命のカギに。ペ・ソンウや、「医心伝心~脈あり!恋あり?~」のキム・アジュン、『非常宣言』にも出演するキム・ソジンほか、チョ・ウジン、パク・ジョンミン、現在「ITZY」のメンバーとして活躍するリュジンらも出演している。『ザ・キング』『観相師-かんそうし-』(2013)実際の政変を観相師の視点で描く大ヒット作人の容貌や骨格を見て、その性格や運命を見抜く天才観相師キム・ネギョン(ソン・ガンホ)。都の芸妓ヨノン(キム・ヘス)に招かれるとたちまち評判を呼び、その才を見込まれ、“トラ”の異名を持つ高官キム・ジョンソ(ペク・ユンシク)の信頼を得て宮中の要職に抜擢。だが、先王の弟・首陽大君(イ・ジョンジェ)には“オオカミ”のような逆賊の相を見る。首陽大君は若き王、第6代・端宗を倒す謀反を企てていたーー。『観相師-かんそうし-』監督の前作『優雅な世界』(2007)でも悲哀を見せたソン・ガンホに、「イカゲーム」のイ・ジョンジェ、「シュルプ」のキム・ヘスが共演。ソン・ガンホ演じるネギョンの息子が「ビックマウス」のイ・ジョンソク、義弟が「賢い医師生活」のチョ・ジョンソクという豪華布陣で、実際に起こったクーデター「癸酉靖難」をもとに朝鮮王朝の凄惨な覇権争いを描く。とりわけソン・ガンホとチョ・ジョンソクの“兄弟”コンビはコメディリリーフにもなっている。『観相師-かんそうし-』その才ゆえに、食うか食われるか、国を揺るがす政変に巻き込まれていく観相師ネギョンを飄々と演じるソン・ガンホの“顔”は、波乱を呼び込みながらも信念を持って生き抜く者そのもの。一方、イ・ジョンジェの欲に満ちた“顔”も忘れられなくなりそう。こちらも随所に登場する名バイプレイヤーたちは見逃せない。『観相師-かんそうし-』『造られた殺人』(2015)スクープを狙った記者が堕ちていく離婚と解雇の危機に瀕していた報道局の記者ホ・ムヒョク(チョ・ジョンソク)は、人生のピンチを救ってくれるかのように転がり込んできた連続殺人事件のスクープが、実は誤報だと悟る。しかし、報道局トップは世間の注目を集める事件のスクープをさらに掘り下げようとしており、後手に回った刑事からはにらまれることに。やがて、新たな事件が起こっていく。『造られた殺人』誤ったスクープを報道した冴えない記者と、スクープの拡大を企むTVの報道局、真実を暴こうとする刑事の3者を描くサスペンス・スリラー。ハン・ジェリム監督は製作、『恋愛の温度』(2013)や今年のNetflixシリーズ「グリッチ -青い閃光の記憶-」も手がけた女性監督ノ・ドクがメガホンをとった。権力をもつ者の隠蔽体質や保身は現在放送中の日本のドラマ「エルピス―希望、あるいは災い―」とも重なる。『造られた殺人』記者として致命的なミスを犯したものの、真実を語ることのできない隙だらけの人間味あふれるムヒョクをチョ・ジョンソクが好演。イ・ミスクやイ・ハナほか、「賢い医師生活」の“99ズ”仲間であるキム・デミョンが重要人物で登場、ドラマファンをヤキモキさせる。そして最新映画となる『非常宣言』は、ソン・ガンホとイ・ビョンホンが『JSA』(2000)『グッド・バッド・ウィアード』(2008)『密偵』(2016)以来4度目の共演。それぞれに地上と上空から愛する人のために奮闘する人物を演じ、『シークレット・サンシャイン』でソン・ガンホと共演しているチョン・ドヨン、「それでも僕は走り続ける」「ミセン-未生-」のイム・シワンや「夫婦の世界」が話題を呼んだパク・ヘジュンら注目キャストが参加。最後まで波乱が続くストーリーを深い人物造型と手に汗握る緊迫の映像で描き、いまを生きる人々へのメッセージも盛り込む。『非常宣言』次なる作品は「その年、私たちは」「ユミの細胞たち」の製作会社のもと、人気WEB漫画を原作にした「マネーゲーム」(原題)で、初めて配信ドラマシリーズを手がける。こちらにも『ザ・キング』のリュ・ジュンヨルに、チョン・ウヒ、パク・ヘジュン、パク・ジョンミンら豪華キャストが集結しており期待を集めているところだ。『非常宣言』は2023年1月6日(金)より全国にて公開。(上原礼子)■関連作品:非常宣言 2023年1月6日より全国にて公開© 2022 showbox and MAGNUM9 ALL RIGHTS RESERVED.
2022年11月18日韓国エンタメが大好物のライター冨田です♡全人類が応援している(と信じている)『愛の不時着』カップルの子どもの性別が男の子とソン・イェジンの事務所が発表! 12月に出産予定というから、ヒョンビンとイェジンの最新情報はそろそろマメにチェックしたいところ。結婚報告から可愛らしさが滲み出るソン・イェジン この投稿をInstagramで見る 손예진(@yejinhand)がシェアした投稿 韓国語は読めないので、もちろんインスタの「翻訳を見る」ボタンを迷わず使うのですが、そのまま翻訳されていないにも関わらず(私は何を読み取っているのか笑)、謙虚さやファンに伝えたい気持ちがしっかり伝わってくるイェジンの文。好感度バツグンなんですよね!彼女が広告に出ていた魔女工房のコスメも、もう何回リピートしたかってくらいすっかり愛用しています(笑)妊娠報告もファンの気持ちを汲んでいる! この投稿をInstagramで見る 손예진(@yejinhand)がシェアした投稿 結婚報告後もインスタ更新をしていて、少しずつ顔もふっくら。幸せそうだな〜と微笑ましい気持ちになるイェジンの投稿。妊娠報告も、「穏やかに過ごしてね♡」と見守りたくなるような気持ちになるような、ひとつずつしっかり言葉を選んでいるのが分かるキャプションが嬉しい。ヒョンビンの最新画像は事務所アカウントでチェック! この投稿をInstagramで見る VAST엔터테인먼트(@vast.ent)がシェアした投稿 そして、パパになるヒョンビンは個人アカウントを持っていないので、所属している事務所VASTエンターテイメントのアカウントをチェック! 他の俳優陣ももちろんアップされますが、ヒョンビン多め♡ お好きな方はこちらも押さえておきましょう。イェジンのインスタには2人分だろうと思われる食事の写真が♡ この投稿をInstagramで見る 손예진(@yejinhand)がシェアした投稿 栄養たっぷりで美味しそう!卵料理が好きなのかな?なんて。とにかく、たくさん食べて、元気な赤ちゃんを出産して欲しいです♪
2022年11月18日「エンタメプリント」第2弾コンテンツとして、ソン・ガンホやイ・ビョンホンが出演する映画『非常宣言』の映画前売券付きブロマイドが、11月18日(金)正午より販売スタートした。エンタメプリントで販売する映画前売券付きブロマイドは、申し込みサイトで購入手続き・決済を行った上で、映画の前売券が付いたブロマイドを大判の2Lサイズ(横178×縦127mm)の写真用紙に高画質でプリントする商品。映画鑑賞の記念にもなりそうだ。第2弾コンテンツとして販売がスタートした映画前売券付きブロマイドは、ソン・ガンホ演じるベテラン刑事と、イ・ビョンホン演じる飛行機に乗り合わせた乗客が、地上と上空でそれぞれが愛する人のために奮闘する姿を描いた航空パニック作品『非常宣言』。販売価格は1,700円(映画前売り券:1,500円、ブロマイド:200円/税込)。決済後に発行されるプリント番号を、ファミリーマート、ローソンのマルチコピー機に入力することで出力可能となる(※一部の店舗ではご利用いただけません)。『非常宣言』は2023年1月6日(金)より全国にて公開。(cinemacafe.net)■関連作品:非常宣言 2023年1月6日より全国にて公開© 2022 showbox and MAGNUM9 ALL RIGHTS RESERVED.
2022年11月18日ソン・ガンホとイ・ビョンホンが豪華共演を果たした航空パニックムービー『非常宣言』から本編映像が解禁、空港で不穏な雰囲気を纏うイム・シワン演じる謎の男を捉えたシーンが到着した。この度解禁された本編映像の冒頭では、トイレの個室から出てきて入念に手にこびりついた血を洗う、不穏な雰囲気を身に纏った男(イム・シワン)の姿が映し出される。手を洗い終えると、苦痛の表情を浮かべながら何かで切り裂いたような痛々しい脇の傷口の手当てを始める。その姿をトイレの個室から覗いていたのはイ・ビョンホン演じるパク・ジェヒョクの娘スミン。誰かに見られていることに気づいた男は、「すいません」と声をかけながら徐々に個室へと近づく。そして、男が個室のドアを開こうとしたその時、「スミン!」と娘を探しにきたジェヒョクが現れる。スミンは急いで父の元へと駆け寄り、何とかことなきを得るが...。空港に現れたこの男の正体、そして目的とは一体…!?親子に迫り来る魔の手と“地獄のフライト”へのカウントダウンとなるシーンとなっている。また、本作の前売券が11月18日(金)より各種販売スタート。韓国版ポストカード特典付きのムビチケ前売り券、映画前売券付きブロマイド3種、ポスタームビチケなど充実したラインナップとなっている。「エンタメプリント」で販売する映画前売券付きブロマイドは、あらかじめ申し込みサイトで購入手続き・決済を行った上で、映画の前売券が付いたブロマイドを大判の2Lサイズ(横178×縦127mm)の写真用紙に高画質でプリントするものとなる。販売価格は、1,700円(映画前売り券:1,500円、ブロマイド:200円の合計・税込)。『非常宣言』は2023年1月6日(金)より全国にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:非常宣言 2023年1月6日より全国にて公開© 2022 showbox and MAGNUM9 ALL RIGHTS RESERVED.
2022年11月11日韓国で異例の大ヒット記録を更新した、マ・ドンソク主演・プロデュース映画『犯罪都市 THE ROUNDUP』より、最狂のヴィランを演じたソン・ソックから日本に向けてメッセージが到着した。Netflixドラマ「私の解放日誌」で話題沸騰中のソン・ソックが演じるのは、怪物刑事マ・ソクト(マ・ドンソク)と死闘を繰り広げる凶悪犯カン・ヘサン。自身「今までにない」と語るほど、劇中で圧倒的な外道ぶりを見せるが、マ・ドンソクと張り合うキャラクターにすべく、トレーニングを重ね、10kg以上増量し撮影に挑んだという。元々の高い演技力に加えた徹底的なビジュアル面のブラッシュアップとともに、アクションチームとは細かい打ち合わせを繰り返し、激しいアクションのスタントもこなすなど、ストイックな役作りで誰が見ても納得の強敵となっている。公開された映像では、これから映画を観る人へ向け「僕は本作で今までにないほど極悪非道な悪役 カン・ヘサンを演じました。日本の皆さんもこの映画を観て緊張感のあるアクションとスリルを楽しんでいただけたらと思います!『犯罪都市 THE ROUNDUP』を応援してくれたら嬉しいです」とメッセージ。また最後には、日本語で「お楽しみに!」と爽やかさに締めくくっている。『犯罪都市 THE ROUNDUP』は全国にて公開中。(cinemacafe.net)■関連作品:犯罪都市 THE ROUNDUP 2022年11月3日よりTOHOシネマズ日比谷ほか全国にて公開©ABO Entertainment Co.,Ltd. & BIGPUNCH PICTURES & HONG FILM & B.A.ENTERTAINMENT CORPORATION
2022年11月06日ソン・ガンホやイ・ビョンホンらが豪華共演する韓国映画『非常宣言』から、飛行機内にウイルスがばらまかれるバイオテロをとらえた緊迫の予告映像とキャストたちを映し出したポスタービジュアルが解禁となった。離陸直前の1台の航空機内を映し出したシーンから始まる本予告。楽園ハワイに向けて仁川空港を飛び立ったはずのKI501便だが、解禁された予告映像では、そんなKI501便が謎のウイルスによって混乱の渦に巻き込まれていく様子が描き出されている。「すごいことを起こす、飛行機テロだ」と話す若い男(イム・シワン)による犯行予告を皮切りに次々と犠牲者が続出する機内。そこに乗り合わせていたのは、娘の治療のためハワイへと向かう途中のパク・ジェヒョク(イ・ビョンホン)だった。一方、飛行機でのバイオテロの犯行予告動画がアップされ、捜査を開始するク・イノ刑事(ソン・ガンホ)。テロの標的になったその便には妻が搭乗していた。バイオテロが起きた航空機は着陸を認められず、逃げ場のない上空では感染が拡大していき、ついに機体は制御不能に…。感染するか、はたまた墜落するか。果たして乗客たちの選択とは…?同時に解禁されたポスタービジュアルでは、重々しい背景の中“上空”のKI501便が描かれると同時に、“地上”での混乱の様子も描かれている。また、ソン・ガンホやイ・ビョンホン、チョン・ドヨン、キム・ナムギル、イム・シワンという主要キャストたちの表情も窺うことができ、彼らそれぞれの選択が運命を決める、一瞬も目が離せない物語を期待させている。『非常宣言』は2023年1月6日(金)より全国にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:非常宣言 2023年1月6日より全国にて公開© 2022 showbox and MAGNUM9 ALL RIGHTS RESERVED.
2022年11月03日ソン・ガンホ、イ・ビョンホン共演の『非常宣言』より場面写真が解禁された。本作は、妻を救うため地上から飛行機テロを解決しようとするベテラン刑事と飛行機に乗り合わせた乗客が奔走する姿をソン・ガンホ、イ・ビョンホンなど豪華キャスト陣で描く。この度解禁されたのは、愛する人を救うため“地上”と“上空”それぞれで奮闘する登場人物たちの姿を捉えた10点の場面写真。ソン・ガンホが演じたのは、バイオテロの混乱に巻き込まれるKI501便に乗り合わせた妻を救うため“地上”で全力を尽くすク・イノ刑事。上空の妻の無事を祈りながら、刑事としてこの危機を“地上”から解決すべく奔走する姿が写し出されている。一方、イ・ビョンホンが演じるのは、飛行機恐怖症にも関わらず、娘の治療のためKI501便に搭乗した父親パク・ジェヒョク。逃げ場のない高度28,000フィート“上空”で愛する娘を必死に守り抜こうとする様子が窺える。また、自ら創り出したウイルスによってバイオテロを起こし、機内を混乱の渦に巻き込んだテロリストのリュ・ジンソクを怪演したイム・シワン。場面写真では、その狂気じみた表情が切り取られている。そして、テロの知らせを受け、緊急着陸のために国内外との交渉に尽力するキム・スッキ国土交通省大臣を演じたチョン・ドヨンや乗客の命を守るため手を尽くすヒョンス副機長を演じたキム・ナムギル。さらにチーフパーサーのヒジン役キム・ソジン、大統領府危機管理センターのパク・テス役パク・ヘジュンといった豪華キャスト陣の姿も見ることができる。『非常宣言』は2023年1月6日(金)より全国にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:非常宣言 2023年1月6日より全国にて公開© 2022 showbox and MAGNUM9 ALL RIGHTS RESERVED.
2022年10月21日韓国映画界のトップスターであるソン・ガンホとイ・ビョンホン、チョン・ドヨン、キム・ナムギル、イム・シワンらが豪華共演を果たした『非常宣言』が、2023年1月6日(金)より公開決定、ティザービジュアルが解禁された。高度28,000フィート仁川発KI501便バイオテロ発生…娘とハワイへ向かう飛行機恐怖症のジェイ・ヒョク(イ・ビョンホン)は、空港で執拗につきまとう謎の若い男(イム・シワン)が、同じ便に搭乗したことを知り不安がよぎる。KI501便はハワイに向け飛び立つが、離陸後間もなくして1人の乗客男性が死亡。直後に、次々と乗客が原因不明で死亡し、KI501便は恐怖とパニックの渦に包まれていく。一方、地上では、妻とのハワイ旅行をキャンセルしたベテラン刑事のク・イノ(ソン・ガンホ)が警察署にいた。飛行機へのウイルス・テロの犯行予告動画がアップされ、捜査を開始するが、その飛行機は妻が搭乗した便だったことを知る。また、ウイルス・テロの知らせを受けた運輸大臣のスッキ(チョン・ドヨン)は、緊急着陸のために国内外に交渉を開始。副操縦士のヒョンス(キム・ナムギル)は、乗客の命を守るため奮闘するが、飛行を続けるタイムリミットが迫り、「非常事態宣言」を発動。しかし、機体はついに操縦不能となり、地上へと急降下していく。見えないウイルスによる恐怖と、墜落の恐怖。高度1万メートル上空の愛する人を救う方法はあるのか――。韓国映画界を代表する豪華キャストが集結妻を救うため地上から飛行機テロを解決しようと奔走するベテラン刑事のク・イノを演じるのは、『パラサイト 半地下の家族』『ベイビー・ブローカー』などに出演し、第75回カンヌ映画祭で韓国人初となる主演男優賞を獲得するなど世界的な評価を受けるソン・ガンホ。ソン・ガンホ娘の治療のため、飛行機に乗り合わせた乗客ジェイ・ヒョク役には、ハリウッド映画にも進出し、近年では「イカゲーム」のカメオ出演で話題となったイ・ビョンホン。『グッド・バッド・ウィアード』『密偵』などに続いてのソン・ガンホとのタッグ、韓国映画界を牽引する大物俳優の2人が地上と上空でそれぞれが愛する人のために奮闘する姿を描く。さらに、『殺人者の記憶法』『感染家族』など多ジャンルを行き来するキム・ナムギル。『藁にもすがる獣たち』『シークレット・サンシャイン』などで知られる実力派チョン・ドヨン、『弁護人』「ミセン-未生-」のイム・シワンなど豪華キャストが集結。また、本国での公開前に実施されたVIP試写会には「BTS」のジン、「イカゲーム」主演のイ・ジョンジェらが出席するなど、各界で話題沸騰中。この度解禁されたティザービジュアルでは、急降下する機内の衝撃の様子が映し出されている。機内は全てがひっくり返り、想像を絶する物語を予感させている。『非常宣言』は2023年1月6日(金)より全国にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:非常宣言 2023年1月6日より全国にて公開© 2022 showbox and MAGNUM9 ALL RIGHTS RESERVED.
2022年10月06日「応答せよ1994」や食バラエティ「三食ごはん」シリーズのソン・ホジュンと、「医師ヨハン」「刑務所のルールブック」のイ・ギュヒョン、「イカゲーム」のホ・ソンテが共演する『ステラ SEOUL MISSION』が11月11日(金)より公開決定。予告編と日本版ポスタービジュアルが解禁となった。韓国で1980年代に一世を風靡した「ヒョンデ」(旧ヒュンダイ表記)の車、“ステラ”がタイトルとなる本作。人生崖っぷち主人公と廃車目前のレトロカーの“怒りの疾走”は、2週に渡り本国で韓国映画1位を獲得した。監督は、チョ・ジョンソク×D.O.(ド・ギョンス)共演の名作『あの日、兄貴が灯した光』を手掛けたクォン・スギョン。脚本は世界各国でリメイクされた『おとなの事情』の韓国版『完璧な他人』を手掛け、韓国1,000万人動員を突破し日本でもヒットした『エクストリーム・ジョブ』を脚色したペ・セヨンが務める。主人公ヨンベを演じるのは名作ドラマ「応答せよ1994」や「ゴー・バック夫婦」、「三食ごはん」などで知られるソン・ホジュン。お茶の間に浸透した穏やかな姿とは打って変わって、血も涙もなく取り立てに精を出し、人生最大のピンチに悪態を吐きまくる主人公ヨンベを確かな演技力でコミカルに演じる。ヨンベを窮地に追い込む親友ドンシクに、「刑務所のルールブック」でヤク中の受刑者を演じたイ・ギュヒョン、手下と共にヨンベを追うソ社長に「イカゲーム」のドクス役で世界的なブレイクを果たしたホ・ソンテが務める。この度、本作のポスタービジュアル&日本版予告編が解禁。ヘッドライトを照らしたステラを中央に、両脇に配置された訳アリの登場人物たち。いずれもひと筋縄ではいかない事情を抱えた面々の人生は、“ヤバいミッション”が発動したことで一変する!大都会ソウルの街並みとパトカーを背に、いまにもこちらに飛び込んできそうなステラが印象的な1枚。また、予告編冒頭で映し出されるのは、最高速度50km/hの“ステラ”に乗り込んだ主人公ヨンベは、車内で1人ステラへの不満をこぼしていたはずだったが、ステラはその独白を聞いているかのようなタイミングで不具合を起こす!?この不思議な車との旅は、親友ドンシクが上司であるソ社長のスーパーカーを持ち逃げしたことに遡る。ドンシクを探すべく社長たちを振り切りステラに乗り込むが、オプションなし、訳あり車との旅は思うようにいかない事態の連続。コミカルなシーンと振り切ったカーアクションが魅力の、本編への期待が高まる映像となった。『ステラ SEOUL MISSION』は11月11日(金)よりシネマート新宿ほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:ステラ SEOUL MISSION 2022年11月11日よりシネマート新宿ほか全国にて公開©2022 Daydream Entertainment & CJ ENM All Rights Reserved.
2022年08月05日俳優のソン・スンホンが主演を務めるドラマ『偉大なショー~恋も公約も守ります!~』が、映像配信サービス・dTVで配信開始した。日本の漫画『JIN-仁-』をドラマ化した『Dr.JIN』での心優しい医師役や、『プレーヤー~華麗なる天才詐欺師~』でのクールな詐欺師役など、多彩な役柄を演じてきたソン・スンホン。同作は、ソン・スンホン演じる元国会議員のウィ・デハンが、「子どもたちを育てるイクメン」というイメージで好感度をアップして政界復帰を果たすために、4姉弟と親子の契約を交わしたことから始まるヒューマン・コメディ。デハンと親子の契約を交わすきっかけとなった長女・ダジョンを、子役から活躍するノ・ジョンウィが演じるほか、デハンを支え、思いを通わせるチョン・スヒョン役に『スケッチ〜神が予告した未来〜』のイ・ソンビン、スヒョンに片思いするカン・ジュンホ役に『ハベクの新婦』のイム・ジュファン、ダジョンの恋人でアイドル練習生チェ・ジョンウ役にVIXXのヒョギなど、豪華キャストが顔を揃える。
2022年07月25日『愛の不時着』のソン・イェジンをはじめ、今年は韓国のスター女優が続々と挙式!豪華なウエディングドレスも話題となった。そんな、ドラマティックなドレス姿をご覧あれ。題して、「韓国スター女優“愛の幸せドレス”」ーー♪■ソン・イェジン(40)/ヒョンビン(39)6月27日に妊娠を発表した『愛の不時着』カップル。挙式前のウエディング写真で披露したアシンメトリーなチュール使いが特徴のドレスは、セレブ御用達のブランド「ヴェラ・ウォン」の最新コレクション。豪華な式は招待客への引出物も破格で、ヒョンビンが広報大使を務める「トム フォードビューティ」の香水と「バカラ」のグラス、韓国ブランドの美顔器のセットで総額100万ウォン(約10万円)台とも。■チャン・ナラ(41)/撮影監督可憐な容姿で“最強の童顔”と称されたナラが伴侶に選んだのは、6歳年下の撮影監督。6月26日の結婚式では、デコルテが美しいスクエアネックのシルクドレスを披露。ウエディングシンガーは、『テバク不動産』で共演したCNBLUEのジョン・ヨンファが担当した。■パク・シネ(32)/チェ・テジュン(30)小花の刺繡が美しいドレスは「モニーク・ルイリエ」のもので、米国セレブに人気のブランド。新郎新婦の子役時代から交流のあるスターが集結した挙式では、Block Bのジコが手紙を朗読。『美男ですね』で共演したFTISLANDのイ・ホンギらが祝歌を披露した。
2022年07月09日いまや世界的な映画監督となった是枝裕和監督の最新作にして、カンヌ国際映画祭で2冠に輝いたことでも話題となった『ベイビー・ブローカー』。そこで、国内外の観客を魅了している本作について、こちらの方にお話をうかがってきました。イ・ジュヨンさん【映画、ときどき私】 vol. 497日本でも大ヒットを記録したドラマ『梨泰院クラス』でトランスジェンダーという難しい役どころを見事に演じ、新世代スターとして一躍注目を集めたイ・ジュヨンさん。劇中では、赤ちゃんポストに預けられた赤ん坊をこっそりと連れ去る“ベイビー・ブローカー”を追跡するイ刑事を演じています。今回は、是枝監督の現場で感じたことや韓国が誇る名優たちから学んだこと、そしてこれからのビジョンについて語っていただきました。―是枝監督は、まっすぐでさわやかなイ刑事にぴったりだと思って声をかけられたそうですが、お話があったときのお気持ちからお聞かせください。イ・ジュヨンさんドラマの撮影中に是枝監督からお電話をいただいて、少しだけお話をしたのが最初でした。ただ、そのときは単なる打ち合わせをしたいのか、それとも監督の前でオーディションをするのか、よくわからなかったので、正直に言うと、まさか自分がこの作品に参加するとは思っていなかったんです(笑)。その後、監督が韓国で映画を作る準備をしていることを知り、会って話をしたいというご連絡をいただいてからはかなり緊張してしまいましたが……。でも、初めてお会いしたときの監督の印象がとてもよかったことと、私と一緒に映画を撮りたいとはっきり言ってくださったので、その言葉を聞いて気持ちが楽になったのを覚えています。―実際に是枝監督の現場に入られてみて、印象に残っていることや演出面で驚いたことなどもあったのでしょうか。イ・ジュヨンさん映画というのは、基本的にフィクションであることが前提ではありますが、そんななかでも「本物の感情とは何か?」とつねに考えていらっしゃるのが是枝監督。そういったこともあって、私が現場で居心地の悪さを感じていたり、自分の気持ちを装っていたりすると、監督がすぐに察知して、緊張をほぐすようなディレクションをしてくださいました。そのおかげで、現場は本当にいい雰囲気だったと思います。この作品はロードムービーのような性質がありますが、実際に旅行をしているような感覚で撮影をしていましたし、共演者の方なかには「現場が遊び場みたいだ」と言っていた人もいたほど(笑)。それくらい是枝監督というのは、俳優たちを楽しくさせ、自由に解放させてくれる監督だと感じました。たくさんの刺激とともに、学ぶことも多かった―劇中では同じく刑事役のペ・ドゥナさんとのシーンがほとんどでしたが、ご一緒されてみて印象に残っていることがあれば教えてください。イ・ジュヨンさんおそらくみなさんもすでにご存じだとは思いますが、ペ・ドゥナさんは本当に魅力的な方でした。今回の作品で私がペ・ドゥナさんから教わったのは、相手の俳優と呼吸を合わせることの大事さ。そういったことは演技をするうえで大切だと思ってはいましたが、ペ・ドゥナさんのおかげで改めて感じることができました。あと、誰も思いつかないようなアイディアを出されることも多かったのは印象的でしたね。しかも、それらは事前に考えて準備しているものではなく、現場でその役になりきった状態で私たちに投げかけてくださるので、たくさんの刺激を受けるとともに学ぶことが多かったです。―また、本作では主演のソン・ガンホさんが、韓国人俳優初となるカンヌ国際映画祭の最優秀男優賞を受賞。是枝監督も役作りへのこだわりには驚いたそうですが、イ・ジュヨンさんも先輩のすごさを垣間見た瞬間などあったのでは?イ・ジュヨンさん残念ながら今回はソン・ガンホさんと一緒のシーンはありませんでしたが、ソン・ガンホさんは、ご自分の出番が終わったあとでも現場に残り、いつも私たちの撮影に付き合ってくださいました。逆に私もソン・ガンホさんが演技をされているところをモニター越しで見させていただいたことがあったのですが、驚いたのは屋上で洗濯物を干しているシーンを撮っていたときのこと。電話で話しているソン・ガンホさんが洗濯物の間から顔をのぞかせているようなアングルなのですが、立ち位置も含めて、すべてが巧妙でまさに映画的。その画がとにかく美しくて、さすがベテラン俳優だと感じました。作品のなかでは見逃してしまいそうなほど些細なシーンではありますが、そういうところだからこそ、俳優の存在が光るもの。改めてほかの俳優との違いを実感しました。日本との縁をもっと広げていきたいと考えている―日本についてもおうかがいしたいのですが、これまで日本にいらっしゃったことはありますか?イ・ジュヨンさん実は、5年ほど前にドラマの撮影期間中にもらった休暇で、友達と小樽を旅行したことが一度だけありました。というのも、私は大好きな岩井俊二監督の『Love Letter』のロケ地を巡りたかったので。おかげでそのときは、とても楽しい時間を過ごすことができました。―今回、久しぶりに来日されてみて日本の印象はいかがでしょうか。イ・ジュヨンさん普段、日本のファンからいろいろなメッセージを受け取ることはありますが、あまり実感する機会がなかったので、正直に言うと「日本の方は、本当に私のことを知ってくださっているのかな?」と不安に思ったことも。でも、空港でみなさんが歓迎してくださって、本当にうれしかったです。―『Love Letter』が大好きということですが、日本の映画やドラマはよくご覧になりますか?もし、いつか会ってみたい方や一緒にお仕事をしてみたい方がいれば教えてください。イ・ジュヨンさん私は菅田将暉さんの演技や雰囲気が大好きで、『コントが始まる』をはじめ、最近出演されたドラマや映画は全部観ています。いま、韓国でも大人気で非常にホットな俳優さんですからね。あと、先ほどお話した岩井俊二監督とは縁がありまして、『ラストレター』という作品が韓国で公開されたときのプロモーションで監督と手紙のやりとりをするという企画に参加したことがありました。コロナ禍で直接会うことではできませんでしたが、とても楽しい思い出です。機会があれば、ぜひ日本の監督や俳優さんとの縁をもっと広げていけたらいいなと思っています。内面を深めていきながら年を重ねていきたい―楽しみにしています!今年で俳優デビューから10年、さらに30歳という節目も迎えられました。ご自身でも、今後についてはいろいろと考えていらっしゃるのではないかなと。イ・ジュヨンさんこの仕事は次にどんな作品が来て、何をするのかがまったくわからないので、不安にもなりますが、それが楽しいところであり魅力でもあると感じています。これから先もどうなるかはわかりませんが、声をかけていただいたときに、そのときの私を最大限に引き出せる演技ができればいいなと。30歳になって自分の価値観や人生に対する考えが変わってきたところもありますが、いままでもそうやって仕事をしてきたので、これからもそうできればいいですね。あと、これは『ベイビー・ブローカー』の撮影を終えて感じたことですが、グローバルに活動することの意味も知ったので、今後はもう少し国際的な仕事にも携わっていきたいと思っています。―役によっても雰囲気が変わりますが、自然体なところにも魅力を感じている人は多いと思います。ご自身で何か意識されていることはありますか?イ・ジュヨンさんそういうふうに感じていただけることはありがたいですし、自分が演じた役で愛されることは本当に幸せな経験だと思っています。そのいっぽうで、私という人間の内面や私の趣味といったことにも関心を持ってくださる方がいることにも面白さを感じてるので、これからは私の人間性をもっと見せていけたらと。私自身の内面を深めていきながら年を重ねていきたいので、その様子をみなさんにも見守っていただきたいです。―それでは最後に、日本のファンに向けてメッセージをお願いします。イ・ジュヨンさんドラマ『梨泰院クラス』や映画『野球少女』といった私が参加した作品が日本で愛されていると知り、本当に私はラッキーだと思っています。是枝監督からは韓国のコンテンツが好きだと言っていただいていますが、私も日本のドラマや映画にとても関心を持っているので、これからも日本と韓国のコラボ作品が数多く作られたらいいなと。まもなく『梨泰院クラス』のリメイク版である『六本木クラス』の放送が始まるということなので、私も拝見できるのを楽しみにしています。これからも、みなさんに応援していただけたらうれしいです。インタビューを終えてみて……。飾らない優しい笑顔を見せながら、一つ一つの質問に丁寧に答えてくださったイ・ジュヨンさん。特に、日本のことについて話しているときの楽しそうな姿が印象的で、こちらまでうれしい気持ちになりました。今後も、日本に関わりのある作品への出演をぜひ楽しみにしたいと思います。ささやかな日常に生まれてきた喜びを感じる是枝監督ならでは世界観のなかで、命や生きること、そして家族とは何かにまっすぐと向き合っている本作。心に響く美しいストーリーとともに、最高のキャストによる繊細な演技が堪能できる必見作です。取材、文・志村昌美撮影・依田佳子ストーリーある土砂降りの雨の晩、若い女ソヨンは赤ん坊を〈赤ちゃんポスト〉に預けていた。その赤ん坊をこっそり連れ去ったのは、借金に追われながら古びたクリーニング店を営むサンヒョンと、〈赤ちゃんポスト〉がある施設で働く児童養護施設出身のドンス。彼らの裏稼業は、ベイビー・ブローカーだったのだ。翌日、思い直して戻ってきたソヨンは、「赤ちゃんを大切に育ててくれる家族を見つけようとした」という2人の言い訳にあきれながらも、成り行きから一緒に養父母探しの旅に出ることに。そんな彼らを検挙するため、ずっと尾行していたのは、刑事のスジンと後輩のイ刑事。現行犯逮捕しようと、静かに後を追っていたのだが……。引き込まれる予告編はこちら!作品情報『ベイビー・ブローカー』全国公開中配給:ギャガ© 2022 ZIP CINEMA & CJ ENM Co., Ltd., ALL RIGHTS RESERVED
2022年07月05日●是枝監督との約束が叶い感無量是枝裕和監督最新作『ベイビー・ブローカー』(公開中)で、韓国人俳優初となる「第75回カンヌ国際映画祭」最優秀男優賞を受賞したソン・ガンホ。今や世界的名優となった彼だが、是枝監督との「いつか一緒に映画を作ろう」という約束が結実した本作は、「俳優としても多くの気づきをもたらしてくれる作品になった」と明かす。カンヌでの受賞は「もちろん光栄なことだけれど、それが絶対的な価値を持つものだとは思っていない」という彼が、俳優として最も大切にしていることや、是枝監督と過ごした特別な時間について語った。○■是枝作品は「社会を映し出す怖さも希望の花を咲かせる部分も」本作は、“赤ちゃんポスト”に赤ちゃんを預けた母親、預けられた赤ちゃんを、子供を欲しがる人に斡旋するベイビー・ブローカーの男たち、彼らを現行犯逮捕しようと追う刑事らが繰り広げる旅路を描いたヒューマンドラマ。「第75回カンヌ国際映画祭」で主演のガンホが最優秀男優賞を受賞したほか、キリスト教関連の団体から「人間の内面を豊かに描いた作品」に与えられる「エキュメニカル審査員賞」も受賞した。本作の来日舞台挨拶の際、是枝監督は「15年以上前に釜山の映画祭で、『韓国でもし映画を撮るなら誰で撮りたいですか』と聞かれた時に、ソン・ガンホさんの名前を出させていただいた。そのインタビューを終えてエレベーターを待っていたら、そのエレベーターが開いたときにソン・ガンホさんがいた」と運命的な出会いについて語っていた。ガンホも『誰も知らない』(04)で初めて是枝監督作品に触れてから「ずっとファンだった」そうで、「いつかタッグを」と相思相愛の思いを抱き、数年間からその実現に向けて是枝監督と対話を重ねてきたという。本作でその長年の約束が叶ったが、ガンホは「長い時間がかかったけれど、作品として実を結ぶことができた。本当にうれしいです」としみじみ。「今回の撮影を通して、是枝監督の人生を捉える視点や、社会を冷静に見つめる芸術家としての眼差しを、より身近に感じることができた」と話す。「私は本作でベイビー・ブローカーの男を演じましたが、ブローカーという設定が重要な部分ではないと思っています。本作は、こういった設定、題材を通して、私たちが生きている社会の空気や、社会がどのように成り立っているかを語っている映画だと感じています。是枝監督は、物語に劇的な加工をするわけではなく、非常に冷静な眼差しで社会を見つめている。そういった意味では、是枝監督作品には、現実を感じさせられる怖さのようなものもありますね」と社会の問題を浮き彫りにする是枝監督の手腕にうなり、「本作は、『誰も知らない』の延長線上にあるような映画とも言えるかもしれません」と分析。「社会を映し出す“怖さ”もありながら、同時に観客の心の中に希望の花を咲かせるような部分もある」と是枝監督作品の魅力を語る。○■映画祭での受賞は光栄なことだけれど「目標になることはない」ガンホは本作で、古びたクリーニング店を営みながらも借金に追われ、ベイビー・ブローカーを裏家業としている男・サンヒョンを演じた。苦しい状況にいる男も、ガンホが演じるとどこかチャーミングで目の離せない存在となってスクリーンに登場する。世界的にも彼の名演が注目を集め、「第75回カンヌ国際映画祭」では見事に最優秀男優賞を受賞した。レッドカーペットではスマートに投げキッスをお見舞いし、会場を盛り上げていたガンホ。「はしゃぎすぎたかな」と大笑いしながら、「後輩のキャストの皆さんは、カンヌが初めてということで、とても緊張されていて。それをなんとかほぐしたいなと思っていたんです」とにっこり。韓国人俳優初となる受賞は、彼にとってどのような意味があるものになったのだろうか?ガンホは「是枝監督も同じだと思いますが、賞をもらうために演出をしていたり、カンヌ国際映画祭に出品するために映画を撮っているわけではないと思うんですね。それに、そういった目標を持ったからといって、実際に賞を獲れるわけでもないわけで」と口火を切り、「もちろん光栄なことだと思っていますし、俳優人生にとって最高の瞬間であることも事実です。でもそれが絶対的な価値を持つものだとは思っていません」とキッパリ。「私が、映画人や芸術家にとって最も重要なことだと感じているのは、観客との疎通。これに尽きると思います。映画を通して観客とどのようにつながることができるのか、また心から共感してもらうためにはどうしたらいいのか、ということを最も大事に考えていて、そのために一生懸命、夢中になって映画を作っています。その過程に映画祭があり、受賞という光栄なこともあるかもしれません。ただそれが目標になることはありません」と真摯な眼差しを見せる。●出会いに背中を押されてきた俳優人生○■是枝監督との出会いは「俳優人生の中でも10本の指に入る大切なもの」ガンホは、1996年の映画『豚が井戸に落ちた日』で映画界デビューを果たした。『殺人の追憶』(03)や『シークレット・サンシャイン』(07)、『パラサイト 半地下の家族』(19)など、出演作はどれも名作ぞろい。観客にとって「ソン・ガンホが出ている映画ならば観たい」と思わせるような特別な魅力を持ち、NYタイムズが選ぶ「21世紀の偉大な俳優25人」にも選出されるなど、世界的名優として豊かなキャリアを築いている。これまでの役者としての道のりを振り返ってもらうと、「俳優として生きている上では、もちろん疲れてしまったり、疎通が思うようにいかず、危機のように感じられたことも多くあった」と告白。「でもそれはきっと生きていれば、誰にでもありえること」と語り、「そんな中で、すばらしい出会いがたくさんありました」と出会いに背中を押されながら、歩みを進めてきた。本作で共演したキャスト陣も「すばらしい人ばかり」と称え、「イ・ジウンさんは歌手としても有名なスターですが、ものすごい潜在力、才能を持った俳優だと思います。そしてイ・ジュヨンさんのポテンシャルにも驚かされ、これからもっと大きな俳優になっていくだろうと感じています。ぺ・ドゥナさんはもう皆さんよくご存知の俳優だと思いますが、本作でも難しい役どころで老練な演技を見せています。カン・ドンウォンさんは私にとっては、とても近しい、実の兄弟のような存在。見た目はあんなにクールな感じですが、非常に純朴で情に厚い人なんですよ。あの眼差しを見ていると、とてもピュアな透き通った魂が見えてきますよね」と愛情を傾ける。そして「是枝監督との出会いは、これまでの俳優人生の中でも10本の指に入る、とても大切なもの」だと心を込める。「是枝監督がシナリオを書くときに、いまだにパソコンを使わずに手書きで臨まれている姿や、アナログが持つ真実性を重視されている姿も印象的でした。また現場では俳優の演技をモニター越しに確認するのではなく、カメラの脇に立って、直接ご本人の目で見ることを大切にしていました。是枝監督は、ハイテクの時代にありながらも『映画にとって大切なことは何なのか?』という思いを、常に手放さずにいるんです」と大いに刺激を受けたという。「私にとっても、『いくら時代や世の中が変わっても、映画、そして人生において大切なことは何なのか』ということを改めて見つめ直すきっかけになりました。本作を通して見た是枝監督の姿が、心の中にしっかりと残っています」と語っていた。■ソン・ガンホ1967年1月17日、韓国・金海市生まれ。映画『豚が井戸に落ちた日』(96)で、長編映画初出演を果たす。『JSA』(00)で「第38回大鐘賞」男優主演賞、『殺人の追憶』(03)で「第40回大鐘賞」男優主演賞・人気賞を受賞。『グエムル -漢江の怪物-』(06)で「第1回アジア・フィルム・アワード」主演男優賞、『シークレット・サンシャイン』(07)で「第19回米パームスプリングス国際映画祭」主演男優賞を受賞したほか、『タクシー運転手 ~約束は海を越えて~』(17)では「第38回青龍映画賞」主演男優賞、『パラサイト 半地下の家族』(19)では「第26回全米映画俳優組合映画部門」のキャスト賞、「第45回ロサンゼルス映画批評家協会」の助演男優賞を受賞をするなど、韓国の国民的俳優であると共に、世界的な注目を集めている。(C)2022 ZIP CINEMA & CJ ENM Co., Ltd., ALL RIGHTS RESERVED
2022年07月02日俳優のソン・ガンホが映画『ベイビー・ブローカー』の演技で、先ごろ開催されたカンヌ国際映画祭の最優秀男優賞を受賞した。これまでに数々の名作に出演し、世界的な映画作家たちと繰り返しコラボレーションしている彼は、本作でも、是枝監督の創作手法や視点を丁寧に見つめながら演技にあたったようだ。来日時に話を聞いた。ソン・ガンホは韓国映画界を代表するスター俳優のひとりだが、彼の出演作は興行的な成功だけでなく、高い評価を集めることが多い。ソン・ガンホは優れた脚本や監督、プロジェクトを選びだす才能も持ち合わせているのだ。そんな彼が選んだ新プロジェクトが、是枝裕和監督が韓国で撮影する『ベイビー・ブローカー』だ。「是枝監督の作品は初期のものから最新作までほぼすべて観ています。是枝監督の作品は劇的なものではありません。暗い現実からスタートして、最後はハッピーエンドで終わるというようなドラマティックさはなく、平凡な日常を描いています。しかし、そんな平凡な日常の中から、我々が置かれている現実のどうすることもできない”もどかしさ”や、日常に潜む恐ろしさが的確に描かれています。是枝監督の作品では、我々の姿が客観的な視点から描き出され、淡々と我々に突きつけられますから、それに触れた私たちは、人間本来の姿について考えさせられたり、人間の“あるべき姿”について考えることになるのではないかと思います」彼が演じたサンヒョンは、児童養護施設で育ったドンスと、何かしらの理由で赤ん坊を育てることができない親が子を預ける“赤ちゃんポスト”に届いた子どもを売る“ベイビー・ブローカー”をしている。ある日、ふたりは赤ん坊を手に入れ、売りに出そうとするが、思い直して戻ってきた赤ん坊の母ソヨンに見つかってしまい、サンヒョンは「赤ちゃんを育ててくれる家族を見つけようとしている」と嘘をつき、彼らは赤ん坊の“新しい親”を探す旅に出る。本作は、ブローカーのふたりと赤ん坊、その母、児童養護施設の少年がひとつの車に乗り込んで旅をする展開が描かれており、サンヒョンは集団を時に率い、時に振り回される役割を担う。「確かに、いわゆる“ワントップの主人公”という役ではないですよね。今回のような役は、俳優としては単独の主人公よりは容易な部分もあるのですが、俳優たちのレベルの高いアンサンブルをつくりだす難しさもあるかと思います。ポン・ジュノ監督の『パラサイト 半地下の家族』も同じような役回りだと思うのですが、私はあの作品の出演を引き受けた瞬間、とても喜んだのです。なぜなら、出番があまり多くないから(笑)。ポン監督にも『今回の脚本はとても良いですね。僕は現場では楽できるかなぁ』なんて言ってたんですよ! でも、実際に演じてみると……まったく楽ではありませんでした(笑)。落とし穴のようなものだったんですね。その点は本作でも同じでした。このような役は、“見えている”のだけれど見えていないように、スクリーンでは“見えていない”のだけれど、観客が見えているように演じることが求められるわけです」広い意味での“社会”がこの映画で描かれている『ベイビー・ブローカー』彼が語る通り、劇中のサンヒョンは派手に動いたり、大きく立場が変化するわけではない。しかし、ソン・ガンホはどのシーンでもそこにいる俳優の動きや感情を的確にキャッチし、絶妙なタイミングとトーンでリアクションしている。本人は「私がリアクションすることで、相手の演技の邪魔にならないように演じています」と控えめだが、彼は自分の役やセリフだけでなく、相手の俳優がどういう状態で、何をしゃべるのか、そのシーンが映画全体の中でどのような役割を果たしているのかを精緻に把握している。「ときに映画は“監督の芸術”と呼ばれます。私が大事にしているのは、“映画は、俳優の肉体と言語で形成されている芸術でもある”という考えです。ですから私は俳優のクリエイティビティが映画にとって重要な位置を占めると考えています。パク・チャヌク監督やキム・ジウン監督など、自身のスタイルをしっかりと確立した監督は、一見すると自身のスタイルを重視しているように見えるかもしれません。しかし、撮影現場で彼らは俳優たちのクリエイティビティ、表現を誰よりも待ち望んでいるのです。監督たちのそんな姿を直近で見てきましたから、私も映画監督というのは俳優の表現力を必要としているのだと感じるようになりましたし、多くの優れた映画監督の共通点だと思うようになりました」だからこそ彼は本作でも、単に役を演じるだけでなく、是枝監督の視点や想いを丁寧に探っていった。中でも彼は本作が“社会の視点”を持っていること、ここで描かれている物語が絵空事ではなく、我々の社会につながる部分があることを重視したようだ。「それはとても重要なことだと思います。私は、是枝監督がこの映画で単に“赤ん坊を横流しをしている人の話”を描いているとは考えていません。このような人たちが現実に存在しているのか私にはわからないですし、それは重要なことではありません。私はこの映画では、社会にいる“見えない存在”や、現代の社会構造の中で疎外されてしまっている人たちが描かれ、さらには“人生において正しい道とは何か?”を問いかけている。つまり、広い意味での社会がこの映画で描かれていると考えています。是枝監督のこれまでの作品でもずっとそうであったように、非常に冷静沈着な眼差しをこの映画からも感じることができました。ですから、私も演技をする際にはそういう視点、そういう気持ちで臨みたいと思っていました」『ベイビー・ブローカー』公開中(C)2022 ZIP CINEMA & CJ ENM Co., Ltd., ALL RIGHTS RESERVED
2022年07月01日韓国の歌手で女優のイ・ジウン(IU)が26日、都内で行われた映画『ベイビー・ブローカー』(公開中)の来日記念舞台挨拶に、ソン・ガンホ、カン・ドンウォン、イ・ジュヨン、是枝裕和監督とともに登壇した。本作は、“赤ちゃんポスト”に赤ちゃんを預けた母親、預けられた赤ちゃんを子供を欲しがる人に斡旋するベイビー・ブローカーの男たち、彼らを現行犯逮捕しようと追う刑事らが繰り広げる一風変わった旅路を描いた物語。「第75回カンヌ国際映画祭」で主演のソン・ガンホが韓国人俳優初となる最優秀男優賞を受賞、また、キリスト教関連の団体から「人間の内面を豊かに描いた作品」に与えられる「エキュメニカル審査員賞」も受賞した。イ・ジウンは「コンニチハ! IUです。日本に久しぶりに来ましたが、空港にも多くの皆さんが来て歓迎してくださいました。また、多くの皆さんがすでに映画をご覧になって『すごくよかったよ』という言葉をかけてくださって、とても気分がいいです」と挨拶。「前のほうに泣いているファンの方がいらっしゃるんですけど、私も日本に来るのが本当に久しぶりで申し訳ないなと思います。私も皆さんに会いたいなと思っていました」と話した。“赤ちゃんポスト”に赤ちゃんを預けた母親・ソヨンを演じたイ・ジウン。「長編映画に出演するのは初めてだったので挑戦だったと思います。また、演じたソヨンはさまざまな設定がされているキャラクターで、それを立体的に表現できるようにということで監督ともさまざまな会話を交わしましたし、そういったところを気にしながら演技をしました」と撮影を振り返った。是枝監督は、コロナ禍に韓国ドラマにハマり、印象に残ったイ・ジウンとイ・ジュヨンに声をかけたという。イ・ジウンは「監督が私を知る前に、韓国の食堂で監督を偶然見かけたことがあるんです。そのとき私は監督のファンでしたが、監督はまだ私のことを知らない状況だったので、挨拶したいなと思ったんですけど、することもできずそのまま通り過ぎました」と是枝監督を偶然見かけたエピソードを披露し、「それから1年経ったあとに監督の映画に出演することができ、監督が私の作品や音楽を知っているということですごく不思議な気分がしますし、とても気分がいいです」と語った。MCを務めた宮司愛海アナウンサーが「監督、一度スルーしていたんですね?」と振ると、是枝監督は「そうなんだよね~」と申し訳なさそうに話し、会場から笑いが起こった。
2022年06月26日●「捨てるなら産むなよ」と言えなくなる話にしたい先月開催された「第75回カンヌ国際映画祭」で2冠に輝いた映画『ベイビー・ブローカー』(公開中)を手掛けた是枝裕和監督にインタビュー。“赤ちゃんポスト”を題材にした本作に込めた思いや、主演のソン・ガンホとの作品作りなどについて話を聞いた。本作は、“赤ちゃんポスト”に赤ちゃんを預けた母親、預けられた赤ちゃんを子供を欲しがる人に斡旋するベイビー・ブローカーの男たち、彼らを現行犯逮捕しようと追う刑事らが繰り広げる一風変わった旅路を描いた物語。是枝監督初の韓国映画で、アカデミー賞作品賞を受賞した『パラサイト 半地下の家族』のソン・ガンホが主演を務めた。「第75回カンヌ国際映画祭」でソン・ガンホに韓国人初となる最優秀男優賞をもたらし、また、キリスト教関連の団体から「人間の内面を豊かに描いた作品」に与えられる「エキュメニカル審査員賞」も受賞した。是枝監督が“赤ちゃんポスト”や“養子縁組”といった問題に関心を持つようになったのは、『そして父になる』(2013)の制作に際して、日本で唯一の赤ちゃんポスト“こうのとりのゆりかご”について書かれた本を読んだことがきっかけ。その後、独自にリサーチを続ける中で、捨てる母親に対する非難が根強くあると感じたという。「『捨てるなら産むなよ』と。今回の映画の冒頭でペ・ドゥナのセリフにもしましたが、ベイビー・ボックス出身の子供、もしくは保護施設に預けられた子供が聞いたときに『自分は生まれてこないほうがよかった』と思う。そう思ってほしくないなと個人的には思うので、おそらく少なくない人が最初に口にしてしまうであろうぺ・ドゥナの言葉からスタートし、2時間かけて『捨てるなら産むなよ』という言葉を口にできなくなるような話にしたい。それがスタートでした」「大人として」この題材は取り上げるべきだと感じたという是枝監督。「監督としては、神父の格好をしたソン・ガンホが、赤ん坊を預かりながら、裏でお金に換えているという姿が最初に浮かび、神父姿のソン・ガンホが撮りたいという、監督としての不謹慎さをもう一方で持ちながらのベイビー・ボックスへの関心でした」とも明かした。また、リサーチする中で、赤ちゃんポストに預けられる赤ん坊の数が、日本と比べて韓国は圧倒的に多いことを知ったという。「毎日1人は預けに来るような状況で、相談に来る人を含めるともっと多い。取材に行ったときも1人の母親が赤ちゃんを連れてきて、15分くらいですっといなくなったんです。こんなに風に預けていなくなるんだって驚きました。そこに預けられる子供の数もそうだし、養子縁組の数も日本とは比べものにならないくらい多い」そういった現状を知り、「ベイビー・ボックスを題材として扱うなら、日本より韓国のほうが普遍化できる」と韓国で制作することに。『空気人形』(2009)で主演に起用したぺ・ドゥナとは、また映画を作ろうと継続的に話し、ソン・ガンホやカン・ドンウォンとも国際映画祭で話した際に、チャンスがあれば仕事をしようと約束したそうで、本作で実現した。これまでも多くの社会的な問題を取り上げてきた是枝監督。映画作りにそれを意識しているのか尋ねると、「あまり使命を感じているわけではない」と言い、「ただ、ちゃんと社会性を持って生きようと思っています。自分が社会性を持って生きていれば、自分が作るものは必然的に社会性を帯びると思っていて」と話した。●編集したものを見て提案「あんな役者さんは初めて」赤ちゃんポストに預けられた赤ん坊を横流しするブローカーのサンヒョンを演じたソン・ガンホは、「第75回カンヌ国際映画祭」で最優秀男優賞を受賞し、スピーチで「偉大なる芸術家、是枝裕和監督に深く感謝申し上げます」と感謝。是枝監督も「役者が褒められるのが一番うれしい」と喜んだ。ソン・ガンホとの初タッグでは、作品をより良くするために一切妥協しない彼の熱意に驚かされたという。すべてのテイクで異なる演技をし、そのすべてを覚えていて「7テイク目より4テイク目の芝居のほうがいいかもしれない」などと編集を見て提案してきたそうで、「あんな役者さんは初めてでした」と笑う。「本当に真面目なんです。作品愛が強いし、自分に対する基準が高いから、自分が納得していない自分が映っているのが嫌だという感覚。だから翌日、僕が来る前に編集マンをつかまえて『昨日編集したものを見せて』って。僕がいるところで見るのは失礼だと思っているみたいで。そして、僕のところに来て、『昨日のは素晴らしかった! だけど僕の芝居のあそこのセリフはもしかすると別のテイクのほうがいいかもしれないから試しにやってみてくれ。もちろん最終的な判断は監督に任せるけど』ということが毎日のようにありました」監督によっては任せてほしいと思う人もいると思うが、是枝監督は「全然嫌じゃなかった」と言い、「助かりました。セリフのディテールを僕がつかめていない場合もあるので、ソン・ガンホさんに選択肢を提示されるのはありがたい」とむしろ感謝する。さらに驚きのエピソードも。滑舌が悪い場面を発見し、先回りしてアフレコし、編集作業まで完了させていたという。「一番驚いたのは、僕が使っていたテイクについて『とても素晴らしいんだけど1カ所だけ滑舌が悪くてセリフが曖昧なところがあるんだ』と言われて、『アフレコしましょうか?』と提案したら、『実は今日、録音部と一緒に録ってあるんだ』と言われ、『はめてみましょうか』と言ったら、『実はもうはめたんだ』って。それはちょっとびっくりしましたが、それぐらいこだわっていてすごいなと思いました。自分で先にアフレコするって人はなかなかいないと思います(笑)」また、『空気人形』(2009)でタッグを組んだペ・ドゥナが、本作ではサンヒョンらを検挙しようと尾行を続ける刑事スジンを演じたが、是枝監督は「役者としてのポテンシャルは本当にすごい」と改めて実感。さらに、ソン・ガンホ同様、妥協しない作品作りへの姿勢にも感銘を受けたという。「ペ・ドゥナは、韓国語に翻訳された脚本と日本語の脚本を比較し、ひらがなくらいしかわからないけれど、『日本語で表現されている“…”が韓国語では消えている。監督がこの“…”に表現したニュアンスは何ですか?』とひとつひとつ確認され、『だとするとこの韓国語じゃないほうがいい』と、通訳を交えて直しました」翻訳されていたものが、いわゆる韓国の刑事ドラマで刑事が使うような荒っぽい言葉遣いだったようで、ペ・ドゥナは日頃の話し合いなどから「監督はたぶんそういう言葉を使ってないのではないか」と疑問に思ったそう。是枝監督は「それで話し合いをして全部直していく作業をしました。こういうセンスを持った役者であれば、翻訳における齟齬はだいぶ修正できると感じました」と振り返る。長年温めてきた題材で、最高のキャストとともに作り上げた本作。「とても面白い作品になったと思いますし、命というものを題材にストレートに伝えられたと思っているので、ぜひお楽しみください」とメッセージを送った。■是枝裕和(これえだ・ひろかず)1962年6月6日、東京都生まれの映画監督。1995年、『幻の光』で映画監督デビューを果たし、ヴェネチア国際映画祭で金のオゼッラ賞を受賞。『誰も知らない』(2004)、『そして父になる』(2013)、『海街diary』(2015)、『三度目の殺人』(2017)などで、国内外で数々の映画賞を受賞。『万引き家族』(2018)は、第71回カンヌ国際映画祭でパルムドールを受賞。初の国際共同製作映画となった『真実』(2019)は、第76回ヴェネチア国際映画祭のコンペティション部門でオープニング作品として上映。『ベイビー・ブローカー』(2022)で初めて韓国映画の監督を務め、第75回カンヌ国際映画祭でソン・ガンホが最優秀男優賞を受賞、さらに「人間の内面を豊かに描いた作品」に与えられる「エキュメニカル審査員賞」も受賞した。(C)2022 ZIP CINEMA & CJ ENM Co., Ltd., ALL RIGHTS RESERVED
2022年06月25日6月24日(金)より公開される映画『ベイビー・ブローカー』。このたび、主演のソン・ガンホをはじめとした出演者4名の緊急来日と、6月26日(日)に日本で開催される舞台挨拶への登壇が決定。あわせて、特別映像も到着した。本作は是枝裕和監督の最新作にして、<赤ちゃんポスト>をきっかけに出会った赤ん坊の母親、ベイビー・ブローカーの男たち、そして彼らを現行犯逮捕しようと静かに追いかける刑事――彼らが絡み合いながら繰り広げる一風変わった旅路を描く、衝撃と感動のヒューマンドラマ。本作は去る現地時間5月28日に閉幕した第75回カンヌ国際映画祭において、主演のソン・ガンホに韓国人初となる最優秀男優賞をもたらし、またキリスト教関連の団体から「人間の内面を豊かに描いた作品」に与えられる「エキュメニカル審査員賞」を受賞、合わせて2冠の快挙を成し遂げた。そしてこのたび、主演のソン・ガンホ、カン・ドンウォン、イ・ジウン(IU)、イ・ジュヨンの来日と、6月26日(日)に日本で開催される舞台挨拶への登壇が決定。あわせて、このキャスト陣が演じた様々な境遇のキャラクターに迫る特別映像も到着した。カンヌ国際映画祭での快挙でも世界中から注目を集め、本作では赤ちゃんポストに預けられた赤ん坊を横流しするブローカーのサンヒョンを演じたソン・ガンホは『パラサイト 半地下の家族』でアカデミー賞作品賞受賞後に来日して以来、約2年ぶりとなり、サンヒョンのブローカー仲間で、自身も親に捨てられた過去を持つドンスを演じたカン・ドンウォンは、伊坂幸太郎原作の同名小説を韓国で実写映画化した『ゴールデンスランバー』以来、約3年ぶりの来日となる。そして赤ん坊を赤ちゃんポストに預ける母親ソヨンを演じ、IUという名で歌手としても活躍するイ・ジウン、さらにペ・ドゥナ演じる刑事スジンとともに、赤ん坊を売るブローカーたちを検挙しようと追いかけるイ刑事を演じ、ドラマ『梨泰院クラス』での活躍で日本でも広く知られるイ・ジュヨンの2人は、映画のプロモーションとしての来日は今回が初となる。韓国でのプロモーションで日本の訪問についてほのめかすなど来日を心待ちにしていたキャスト陣が是枝裕和監督とともに日本の観客の前でどのような想いを語ってくれるのか。公開を来週に控え、ますます熱気が高まる本作に目が離せない。そして緊急来日決定にあわせ、豪華キャスト陣がそれぞれの演じたキャラクターについて語る特別映像も到着。赤ん坊を横流しするブローカー、赤ん坊を手放した母親、正義感のために追いかける刑事……と、全く違った立場、そして境遇にいる複雑なキャラクターたちをキャスト陣が説明していく。社会を鋭い視点で見つめながらも、キャラクターたちの心情に優しく寄り添った是枝監督らしい演出とストーリーが展開する本作で、韓国のキャスト陣がみせる新鮮な表情も必見。是枝裕和監督と韓国キャスト陣が織りなす豪華コラボレーションに期待が高まる。『ベイビー・ブローカー』6月24日(金)より公開
2022年06月20日バーバリーは、韓国のサッカー選手であるソン・フンミンがブランドアンバサダーに就任したことを発表、そのために撮り下ろしたポートレートを公開しました。© Courtesy of Burberryプレミアリーグで活躍し、プロサッカー選手として叙勲を受けたソン・フンミンとパートナーシップを組むことはブランドとして大変名誉なことです。プレミアリーグでの得点王を選出する 2021-22 ゴールデンブーツをアジア人選手として初めて共同受賞し、大きな夢を持ち、それに向かって熱心に取り組んできた人物として彼の名は歴史に刻まれました。そんな彼に、可能性を切り拓き、限界を越えるために想像力を解き放つというバーバリーの信念を投影し、バーバリーファミリーとして迎える運びとなりました。「バーバリーの新しいアンバサダーに就任することができて嬉しく思っております。プレミアリーグの選手として、豊かな英国ヘリテージを誇るブランドとパートナーシップを組むことができて光栄です。歴史に裏付けされた想像力と革新性を追求するバーバリーの姿勢が好きですし、その価値に共感しています。私たちがこれから共に開拓する新たな旅に期待しています」ソン・フンミン© Courtesy of Burberryバーバリー公式サイトburberry.comLINE @burberry_jpInstagram @BurberryTwitter @Burberry_JapanFacebook @BurberryJ
2022年06月13日第75回カンヌ国際映画祭で主演のソン・ガンホが最優秀男優賞を受賞した『ベイビー・ブローカー』の凱旋記者会見が13日に都内で開催され、メガホンをとった是枝裕和監督が出席。授賞式を振り返り「役者が褒められるのが一番うれしい」と語った。本作は、是枝監督が長らく企画として考えていた“赤ちゃんポスト”を題材に、赤ちゃんを育てられずにポストに預けた女性、その赤ちゃんを、子供を欲しがる人に斡旋するブローカー、さらにはその事実を追う刑事というさまざまな視点から描いたヒューマンストーリー。男優賞のほか、キリスト教関連の国際映画組織がコンペティション部門のなかから「人間の内面を豊かに描いた作品」に与える「エキュメニカル審査員賞」も受賞している。受賞式の現場で、最優秀男優賞にソン・ガンホの名前が呼ばれたとき、是枝監督は「この映画の最高のゴールなんだなと気づきました」と胸に去来した思いを述べると、これまで『万引き家族』でのパルムドールなど海外で数々の映画賞を受賞しているが「役者が褒められるのが一番うれしい」と語った。続けて是枝監督は「(『誰も知らない』で男優賞を受賞した)柳楽(優弥)くんのときは、彼はすでに日本に帰っていて、現地には僕しかいなかった。受賞してあの場で(ソン・ガンホと)抱き合ったのは初めてでした」と特別な夜だったことを明かしていた。6月8日に韓国で公開されると、『ジュラシック・ワールド/新たなる支配者』や『犯罪都市2』を抑えてオープニング興収1位を記録。是枝監督は「単館映画から始めた監督が、今回1600スクリーン規模という大きな興行。僕のキャパを超えていると思っていたので、結果にはホッとしています」と笑顔を見せると、カンヌから韓国に凱旋したとき、空港に多くの人が詰めかけたことに「ソン・ガンホさんは改めて国民的スターだなと感じました。オリンピックでメダルを取る以上なんだなと思いました」と語っていた。今後について「まだこの作品の総括できていない」と前置きすると「受賞後のパーティーは、結構気軽に審査員と話をしたりできるのですが、ハビエル・バルデムと目が合ったら指を差してくれて……。ほかにもジェイク・ギレンホールやマッツ・ミケルセンとか、そういう人たちを頭のなかで組み合わせて、こんな物語はどうだろう……みたいなことを考えていました。もちろん、今すぐにとかいうのではなく“いずれチャンスがあれば”ですよ。この言葉は削らないでくださいね」と強調していた。
2022年06月13日「第75回カンヌ国際映画祭」の授賞式が現地時間28日に行われ、是枝裕和監督最新作『ベイビー・ブローカー』の主演ソン・ガンホが最優秀男優賞を受賞した。現地時間26日に行われた公式上映では、今回の映画祭出品作史上最長の12分にわたるスタンディングオベーションがおこり、割れんばかりの拍手喝采で観客を魅了、会場全体が感動に包まれ、受賞への期待が高まっていた本作。授賞式で「最優秀男優賞」に選出されたソン・ガンホは、隣に着席していたカン・ドンウォン、是枝裕和監督らと熱い抱擁を交わした後、壇上へ。「本当に有難うございます。光栄です。偉大なる芸術家、是枝裕和監督に深く感謝申し上げます。一緒に頑張ってくれた役者のカン・ドンウォンさん、イ・ジウンさん、イ・ジュヨンさん、ペ・ドゥナさんに深い感謝と、この光栄を分かち合いたいと思います。イ・ユジン代表、そしてCJの関係者の方にも本当に感謝しています。今、2階にいると思いますが、愛する家族と共に来ました。本当に大きなプレゼントになりました。とても嬉しいですし、このトロフィーの光栄と永遠なる愛を差し上げます。多くの映画ファンにこの栄光を差し上げます」と目を潤ませながら喜びのスピーチを行った。カンヌ国際映画祭において、韓国人俳優が最優秀男優賞を受賞するのは初となる快挙。さらに、是枝裕和監督作品がカンヌ国際映画祭で同賞を受賞するのは、2004年に『誰も知らない』で柳楽優弥が受賞して以来2度目となる。なお、是枝監督は、本作品で「エキュメニカル審査員賞」(カンヌ国際映画祭の独立賞で、キリスト教関連の団体から「人間の内面を豊かに描いた作品」に与えられる)を受賞しており、本賞と合わせて2冠の快挙となる。(C)2022 ZIP CINEMA & CJ ENM Co., Ltd., ALL RIGHTS RESERVED
2022年05月29日是枝裕和監督がソン・ガンホ、カン・ドンウォン、イ・ジウン(IU)、イ・ジュヨンら韓国を代表する俳優たちと組み、作りあげた『ベイビー・ブローカー』。第75回カンヌ国際映画祭にて昨日の公式上映に続き、是枝監督らはフォトコールと記者会見に参加。海外のプレスからは、『そして父になる』『万引き家族』に続く3部作となる可能性について、物語のきっかけとなる「赤ちゃんポスト」や、初の母親役を演じたイ・ジウン(IU)らの役へのアプローチなどに鋭い質問が飛び交った。公式上映の正装とはうって変わってカジュアルな装いでフォトコールに登場した是枝監督。白い爽やかなジャケットに身を包んだソン・ガンホと、涼しげで個性的なハーフパンツスーツでラフに決めたカン・ドンウォン、タイトな白いミニスカートのスーツ姿のイ・ジウン。さらにクールな白いパンツスーツのイ・ジュヨンも揃って、世界から集まったスチールカメラマンたちの前で笑顔で撮影に応じた。その後、会見場へ向かった5人。パルムドールを受賞した2018年の『万引き家族』以来4年ぶり参加となる是枝監督と、2020年パルムドールに続いて米アカデミー賞作品賞を受賞した『パラサイト 半地下の家族』のソン・ガンホの主演ということもあり、場内には多くのメディアが詰めかけ、作品への注目度が伺える熱気に包まれた会見となった。なお、第75回カンヌ国際映画祭授賞式は、現地時間5月28日(土)20時30分ごろ、日本時間5月29日AM3時30分ごろから予定されている。是枝監督「“家族”というものを捉えなおしたい」Q:(監督へ)キャラクターたちはみな孤独です。それでいて親密なグループを形成する家族の話ですが、今回もまた自分たちが選んだ家族の物語を描いていますが、どうしてそういう作品にしたのですか?監督:今回、車に乗り込む者たちの疑似家族の旅を描こうとおもって書き始めたプロットで、そこに乗り合わせる人たちが、あらかじめ色々な形で、一般的に考えられる普通の家族、親子という者から排除されている、切り離されて生きてきたという人たちが、ほんの短い間同じ車に乗るという話にしたいなと思って書きました。そのことによって、わたしたちが考えている、考えて捉えている“家族”というものを捉えなおしたいという気持ちもありましたし、彼らが一瞬だけ手にすることで何かひとつだけいいことをする、すごく小さな悪人だったり、悪意をもって旅に同行した人たちが、ひとついいことをする、そんな物語を紡いでみたいと思って作った映画です。Q:(監督へ)ブローカーたちが犯していることは重罪ですが、視点はとてもヒューマニズムであったり、彼らに対する視線が優しい。だから少し混乱しました。どういう風にどうしてこういうキャラクターたちを生んだのでしょうか?監督:描かれるモチーフが深刻であればあるほど、ディティールの描写にはある種の軽やかさやおかしみのようなもの、コメディではないですが、人間が本来持っている存在のおかしみみたいなものを表現したいと思い、それを表現するにはソン・ガンホさんという役者さんは一番ピッタリだなと思いました。Q:(役者さんへ)4名とも素晴らしかったです。是枝監督と他の韓国監督たちとの一番大きな差はなんですか?教えてください。ソン・ガンホ:是枝監督と韓国の監督との違いは、是枝監督は食が大好きなところです。美食を好み、食べることが好きで韓国料理が好きです。他の韓国の監督との大きな違いでした。カン・ドンウォン:監督と仕事して、他の監督はわからないですが、現場では本当にそこに一緒にいてくれた。それは本当に素晴らしかったです。役者と共にいてくださる。そして感情をディティールにわたって捉えて下さる。イ・ジウン:私にとっては監督と違うのはまず同じ言語を話しません。なので努力をします。ちょっとしたディティールも見逃さないように。言語のバリアがあるから、より集中しました。他の参加した映画に比べて面白い体験でした。イ・ジュヨン:監督との仕事はすばらしいもので、もちろん通訳は入れましたけども、それ以外はそんなに大きな差は感じませんでした。国籍が違うというだけで、非常に監督はリラックスしてましたし、私たちといても、そして現場の雰囲気もリラックスしたものを作ってくださったので撮影も快適でした。Q:(監督へ)釜山は映画人にとってとても大切な場所だと思いますが、その釜山を舞台にした理由を教えてください。監督:釜山のロケーションについては、映画祭には度々参加しているのですが、いつも食べるのに一生けん命で、撮影を前提に街を見ていなかったというのもありまして、今回ロケハンで結構色んな場所を候補として回らせていただきました。その中でやはりあの町は坂道が多い。山が迫っている。その立地の高低差みたいなものを活かした場所を、撮影のホン・ギョンピョさんと一緒に探して、結果的にああいう場所を選んで撮影しました。とても魅力的な街で、ソウルとの違いもワンカットで出るという、とても面白い撮影でした。Q:(監督へ)最も難しかった撮影シーンは?それはなぜ?監督:基本的に撮影は、製作部、撮影部が本当に優秀で、スムーズに進みました。車のロケーションも合成を使わずに、基本的には全部実際の車を走らせて撮るというやり方をしたのですが、それにも関わらずとても順調だったんですけど…一番難しかったのは観覧車かな。観覧車が狭くてですね、僕自身は乗れないので、僕はさっきドンウォンさんがおっしゃってくださったように、なるべく役者の側でお芝居をみて、ジャッジをしたいと思っていたんですけれども、あのシーンに限っては僕は下で待っていて、観覧車が上に行くにつれて音が飛ばなくなるので、どんなやりとりがあったのかっていうのは戻ってこないと判断ができないというような状況もあったりして、そこが一番不安でしたし、撮れたものに一番感動したのもあのシーンでした。Q:(ソン・ガンホさんへ)監督はパルムドールを2018年に受賞して、フランスで、そして韓国で撮影されてこられてました。監督のチャレンジをどう思われますか?ソン・ガンホ:監督は素晴らしい作品を手掛けられてきた。例えば『真実』。フランス映画です。今もいろんな作品企画を手掛けられていることを知っています。監督は常に挑戦を受ける方で、そこに感銘をうけます。あるいは感服しています。この作品もそうです。最もワクワクさせる作品の一つです。日本と韓国では文化的な違いがある。そういうことがあっても私たちはそれを乗り越えて幸せに一緒に仕事をすることができましたし、そのことが逆にこの仕事を面白いものにしてくれました。ソン・ガンホ「出会うまでは幸福ではなかった」キャラクターたちへの思い明かすQ:(監督へ)監督はトリロジー三部作をこの作品で完成させているような感覚はありますか?『そして父になる』、『万引き家族』、この作品で終わらせている感覚はありますか?またフランスで映画を作りたいと思っていますか?監督:繋がりがあるといえばそうかもしれない。『そして父になる』を撮って、こういうインタビューに答えていると、女性は子どもを産むとみんな母親になれるけど、男性はなかなか実感が持てなくて、父親になるには何か階段をのぼっていかないとなれないんです、というような実感を話したときに、友人から批判をされまして。女性でも産んだ人たちがすぐに母になるわけではない。母性というものが生まれつき備わっているのだということ自体が、やはり男性からみた女性に対する偏見であるということを指摘されて、それはすごく反省しました。そのことから、『万引き家族』の安藤サクラさんが演じた産まないんだけど母親になろうとする女性と、今回イ・ジウンさんが演じた産んだんだけれども、色んな事情で母になることを諦める女性という、その2人の女性像というのが、自分なりにそこの反省から生まれた2人の女性像という形で。これは本当に姉妹として描いているんですね。だから僕の中でも直線的に『そして父になる』からこの『万引き家族』と『ベイビー・ブローカー』はつながっております。Q:(ソン・ガンホさん、カン・ドンウォンさん、イ・ジウンさんへ)素晴らしい演技でした。とても強烈なキャラを演じつつも、社会背景だったり、複雑な部分を理解させなければならなかったでしょうからどんな風に役に命を吹き込みましたか?カン・ドンウォン:ドンスは孤児です。でも彼は赤ちゃんを売っている仲介役です。なので、リサーチでそういう孤児院とか環境で育った方にお話を伺いました。その方々の内に痛みを感じ、それを映画のなかで表現しようとしました。ソヨン(イ・ジウン)と会うときに、彼の痛みは少し和らぎます。それを表現したいと思いました。イ・ジウン:私にとって初めての母親役。しかも未婚の母でした。なのでスクリーンで表現するのに自分が実際経験したことがほとんどなく緊張しました。またベイビー・ボックスについてはそれが何であるかを知るのに調べなければいけませんでした。シングルマザーという役は慣れ親しんだものではなく、シングルマザーに対しても知識がなかったのでお話をしたり、いろんなインタビューやドキュメンタリーを見たりして、ある程度理解することができました。彼女たちが強いこと、でも社会が彼女たちを見下しているということ。この経験で私の彼女たちを見る目がかわりました。ソン・ガンホ:同じですね。この映画のすべてのキャラクターはいままで人生で幸せを感じていない。幸福だった過去もないし、今も幸福ではない。出会うまでは幸福ではなかった。監督が描いたのは彼らの日常。それは普通の日常かもしれないが、同時にそこにある暴力性やその恐怖心、苦しみも描いている。それぞれの人生でそういったことが積み重なってきているわけです。そして客観的な距離のある形でこの世界がどんなに冷たいものか描きつつ、私たちの心を同時に溶かしてくる。僕らはみなキャラクターのアプローチは似たようなものがあったと思います。ベイビー・ブローカーを追う刑事の視点が映画の縦軸にQ:赤ちゃんとの撮影はどうでしたか?絆ははぐくめましたか?キャラクターが赤ちゃんに対して想いを描くことでどう変化していくか、そのあたりはどうでしたか?監督:母親役のイ・ジウンさんに似ているとか、そういうこととは一切関係なく、音に反応する子ということで選びました。それは正しかったんじゃないかと思っていますが、撮影の現場で、ソン・ガンホさんが動くと目で追ったり、目の前にいる養父母役の女性の顔に触ったりすることが、もちろん僕の演出ではなく起きていました。彼が電車の中でずっとカン・ドンウォンさんの手をずっと握っていたりして、そういうことが多分大人のお芝居にも活きてきているのではないかと思います。最後、ホテルで(赤ちゃんを)売りに行こうとするサンヒョン(ソン・ガンホ)に語り掛けるように赤ちゃんが大きな声を出してソン・ガンホさんの顔をみるとか、もう二度とできないと思いますが、本当にこういうことが起きるんだなって思う奇跡的な瞬間が、映画の中にはたくさんありました。ソン・ガンホ:今監督がおっしゃったように最後のシーンですよね。赤ちゃんが僕を見ていて、「ソンもういいんじゃない?テイク数、十分だと思うから撮影もうここでいいんじゃない?」、僕も撮影はここで良いと思ったからまるで赤ちゃんと会話しているような気がしておりました。カン・ドンウォン:ソン・ガンホさんとは僕は共演もしていて仲がいい。イ・ジウンさんのことはよく知らなかったんです。映画の中でも2人は仲がいいわけではなかったのですが、ロードムービーのような映画ですからすこしずつ仲良くなっていかなければいかない。その友情が映画と共に育まれていかなければない。そして加えて赤ちゃんの存在があった。赤ちゃんがアイスブレイカーになってくれた。赤ちゃんをきっかけにいろんな話をすることができたので赤ちゃんきっかけで仲良くなれました。イ・ジウン:赤ちゃんのリアクションが素晴らしくうまかったです。困ったことはなく、すごくかわいくて。劇中では母親としてふるまわなければいけなかったけど。本当にかわいくて何の問題もなく、役を演じるにあたり大きな助けになりました。Q、(イ・ジウンへ)自分の子どもを捨てるという役柄で一番の挑戦はなんでしたか?イ・ジウン:母親役は初めてのことでした。以前は、奇妙な話ですが、母親役をやったら面白んじゃないかと思っていたら、オファーが来たんです。すごい偶然でした。今回の母親役を演じるにあたって最善を尽くそうと思っていました。よくある母親ではなく複雑な過去をもち、すこし影がある。複雑な母親。母性もあるけど劇中ではその母性を持っていないかのようにふるまわなければいけない。赤ちゃんのことを愛に満ちた目で見つつ、その気持ちを隠さなければいけなかったり。Q、(監督へ)捨てられる赤ちゃんについてデリケートな形で語られた映画だと思いますか?ベイビー・ボックスはすばらしい発明だと思います。そういう状況の見方は変わりましたか?監督:日本でも韓国でも、この「ベイビー・ボックス」というものへの評価というのは定まっておらず、賛否色々とあると思います。多くは、この物語の冒頭でぺ・ドゥナさんが演じたスジンが発する「捨てるなら、産むなよ」というひと言のような、母親に対するバッシングが多分大半を占めるんじゃないかと思います。あえて、そのスジンのセリフから始めつつ、彼女の目線を通して、車の外から見ていたら単なる犯罪者の集まりである彼ら、そして売られていく赤ん坊を見る目線を、2時間の映画を通して色々なところから揺さぶっていきながら、スジンの中で彼女の言葉や、考え方、目線、母親に対する意見がどういう風に変わっていくのか、それが、映画の縦軸になるのだろうなと思いながらつくっていました。何か、僕が意見を表明するというよりは、映画をご覧になった皆さんがスジンと同じようにあの旅に同行しながら、スジンがそうしたように、それぞれの今までの価値観をちょっとだけ見終わった後にもう一度見つめ直していただけるような、そんな映画であれば良いなと思っています。『ベイビー・ブローカー』は6月24日(金)よりTOHOシネマズ 日比谷ほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:ベイビー・ブローカー 2022年6月24日よりTOHOシネマズ日比谷ほか全国にて公開ⓒ 2022 ZIP CINEMA & CJ ENM Co., Ltd., ALL RIGHTS RESERVED
2022年05月28日『万引き家族』の是枝裕和監督と『パラサイト 半地下の家族』のソン・ガンホがタッグを組み、韓国の多彩な才能が共演した『ベイビー・ブローカー』。第75回カンヌ国際映画祭に是枝監督、ソン・ガンホ、カン・ドンウォン、イ・ジウン(歌手名:IU)、イ・ジュヨンが登場、公式上映後には12分間におよぶスタンディング・オベーションを受けた。是枝監督の作品がカンヌ国際映画祭コンペティション部門に選出されるのは、最高賞のパルムドールを受賞した2018年の『万引き家族』以来4年ぶり、6回目(同映画祭への出品自体は8回目)となる。ファンから「IU」コールも!レッドカーペットイベント現地時間5月26日(木)18時30分、日本時間で5月27日(金)AM1時30分すぎ、カンヌの澄み渡る空の下、大勢の取材陣や観客が注目する中、登場したのは「アルマーニ(ARMANI)」のタキシードにサングラスをかけた正装の是枝監督と、同じくタキシードにサングラスの出で立ちでひげをたくわえ、さすがの貫録を見せるソン・ガンホ率いる『ベイビー・ブローカー』チーム。「ルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)」のスパンコールタキシードで長身を生かしたスタイルの良さが目を引くカン・ドンウォンが登場、胸元にポイントのおかれたオフショルダーのグレーのロングドレスにショーメのアクセサリーでエレガントに登場したイ・ジウン(歌手名:IU)、さらに胸元が大きく開いたシンプルな白いロングドレスに身を包んだイ・ジュヨンも横に並ぶ。イ・ジウンは丁寧にファンサービスにも応じ、アジア、そしてヨーロッパの観客からはIUコールも起こり、ひと目見ようと木に登ったり、中には泣きくずれるファンもおり世界的な人気ぶりがうかがえた。そして『ベイビー・ブローカー』の音楽を手掛けたチョン・ジェイルの美しいピアノの旋律にのせ、ゆっくりと階段をあがる監督とキャスト陣。パルムドールを受賞した『万引き家族』の是枝裕和監督と『パラサイト半地下の家族』のソン・ガンホがタッグを組んだ作品ということで、世界から集まったメディアや観客からの注目度は非常に高い。会場に向かう直前に心境を聞かれた是枝監督は、「毎回持ってくる作品も違いますし、チームも違うので、何度来てもいつも新鮮な思いで臨んでいます。今回は特に会場へ向けての出発場所となるホテルの壁に作品の垂れ幕がかかっているので、ちょっと背筋が伸びる思いです。でも、作品の出来上がりには自分的にとても満足しているので、そんなに何かが負担になったり、過剰な期待をしたり、それで落胆したりという、今回はそこは卒業できたのかなと思っています。あとはみんなと楽しみたいと思います」と語る。また、レッドカーペット上のインタビューでは、「言葉を越えてつながれたという印象がスタッフともキャストともあるので、自分でも納得ができる作品でまたここに帰ってこられて本当にうれしいです」とコメント。「ベイビー・ボックス自体は韓国だけでなく、日本にもあるのですが、今回はベイビー・ボックスがあるなしにかかわらず、生まれてきた命に対して大人たちがどう関われるのか、それを旅を通して描いてみたいなと思いました」と語り、さらに大好きなケン・ローチと同じようにもう一つパルムドールを獲ってしまうのでは?という質問に対しては「そんなことが起きたら、本当にうれしい」と謙遜しながらも素直な思いを伝えた。先に本編を鑑賞した海外のプレスからは、「彼(是枝監督)は、最高の作品を生み出した。新しい家族のかたちを考え出し、巧みに人生の物語を描き出す」「キャラクターが見事に描かれている。特に母親役がね」と、是枝監督が紡ぎ出した物語とキャラクターを称えるコメントが。「是枝監督は、感情の達人」と語った女性は、「彼はいつも、家族をテーマにした作品を作り出す。血のつながった家族、今ある家族、そして、自分で選ぶ家族を描く。どれが本当の家族なのかと私たちに語りかける」と語っていた。是枝監督とソン・ガンホ、カン・ドンウォンらと喜びを分かち合うそして5月26日(木)19時、日本時間5月27日(金)AM2時すぎからはワールド・プレミアとなる公式上映へ。会場は、カンヌ国際映画祭のメイン会場となるPALAIS DES FESTIVALS。2,200席の会場が満席となる中、大きな拍手に迎えられながら、レッドカーペットを終えた是枝監督を先頭に、キャスト陣が続く形でにこやかに場内に入場し、上映がスタート。本編前に流れる歴代パルムドール受賞者の名前に是枝監督が出てきた際には場内が沸いた。上映中は「赤ちゃんポスト」をきっかけに出会ったブローカー、母親、刑事たちの一風変わった旅路に、中盤までは笑いがおこる場面も。さらに終盤にかけては、涙をすする音が聞こえてくるなど、是枝監督の社会に切り込む鋭い視線と韓国映画界最高峰の才能がぶつかり合い生み出された“一つの命を巡る物語”に、観客はすっかり魅了され、心揺さぶられた様子がうかがえた。上映終了後は、12分にも及ぶスタンディングオベーションが続き、是枝監督とソン・ガンホ、カン・ドンウォンは3人で肩を組みお互いを称えあう様子も。またイ・ジウン(IU)、イ・ジュヨンも監督と目を合わせて微笑みあったり、場内を見上げて手を振り満面の笑みを見せるなど、割れんばかりの拍手喝さいを全身で受け止めていた。コメントを求められた監督は、「こんなに沢山の拍手で迎えてくれて本当に有難うございました。コロナの中で、すごくチャレンジングなチームだったと思うのですが、本当に一体感のある現場でスタッフ・キャストが一丸となって作り出した映画がここで皆さんのもとへ届けられたことをとても嬉しく思っています。有難うございました」とスピーチし、会場はさらなる盛り上がりをみせ、本作がカンヌの観客から愛される作品になったことがひしひしと伝わる、ワールド・プレミアとなった。是枝監督「笑い声が起きたところでお互いに手を探り合った」その後、日本用囲み取材に応じた是枝監督は、「ちゃんと笑うところで笑い声が聞こえて、隣のソン・ガンホさんと手を握りあって最後まで僕自身上映を楽しめたので良かったのではないかなと思います」と語り、胸をなで下ろした様子。ソン・ガンホと上映中、「笑い声が起きたところでお互いに手を探り合った」と明かした。キャスト陣も完成版の映画を見たのは初めてだったそうで、「ソン・ガンホさんは本当にいい映画になった、撮っている時にはこんなに感動的な映画になるとは思っていなかったと言ってくれました。編集を頑張ってよかったなと思えました。イ・ジウンさんとイ・ジュヨンさんは初めてのレッドカーペットでしたし、すごく緊張したと言っていました。でも上映中笑い声がおきてすごくホッとしたと言っていました。上映後は緊張がほぐれていい笑顔がみられました」とふり返った。また、韓国映画として韓国キャスト・スタッフたちとカンヌを迎えたことについては、「フランス映画を撮ったとか、韓国映画を撮ったとか、日本映画を撮ったという意識ではないので、自分の好きな役者さんとその国で映画を撮っているという感覚」と監督。「ソン・ガンホさんを観ていると、あのお芝居は万国共通に、いろんなことが伝わるなとは思います」と語り、「今回は本当に、ちょっと信じられないくらいトップレベルの俳優さんたちが集まってくれて、僕にとってもとても稀有な経験ですけれど、それが作品にとって大きな力になっているのではないかなと思っています」と話した。「『万引き家族』の時にも彼は顔を出してくれてね。すごくそういう温かさのある人で」と語ったカン・ドンウォンについては、「レッドカーペットを一緒に歩けたのは、僕も感慨深かったです。カン・ドンウォンさんとは上映後見つめあっただけです。普段からそんなにしゃべらないタイプですが、この後しゃべります」と話した。韓国俳優の層の厚さを問われると、「演技の訓練を積んでますからね。その素養があるというのは大きな違いだと思います。それはフランスも同じ」と回答。「ただ、僕みたいに役者じゃない人をキャスティングしたり、演技経験のない子供で映画を撮ったりすることの面白さ、勿論難しさもありますが、その面白さで映画を作っていたりすると、必ずしも訓練を積んでいるから面白いというわけでもないんです。ただ、日本の中で訓練を積んでいないのは役者だけではないし、僕も含め、監督も訓練を積まないといけないと思う。海外の監督はきちんと技術を学んで監督になっています。僕自身含め、コミュニケーションをとる言葉だったり、技術だったりを身に着ける必要があるなと思います」と考えを明かす。さらに、「日本の役者さんも決して負けてはいないと思います。日本のトップの方たち、例えば役所広司さんとか安藤サクラさんとかは一緒にやって学ぶことが非常に多いですし。日本での企画もきちんと動かしています。海外で撮ったことをどう日本での映画作りにフィードバックして何を変え、何をそのままでいいのかを持ち帰りたいと思っています」と今後の構想も明かした。『ベイビー・ブローカー』は6月24日(金)よりTOHOシネマズ 日比谷ほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:ベイビー・ブローカー 2022年6月24日よりTOHOシネマズ日比谷ほか全国にて公開ⓒ 2022 ZIP CINEMA & CJ ENM Co., Ltd., ALL RIGHTS RESERVED
2022年05月27日是枝裕和監督作品『ベイビー・ブローカー』(6月24日公開)が「第75回カンヌ国際映画祭」のコンペティション部門に正式出品されたことを受け、是枝監督、ソン・ガンホ、カン・ドンウォン、イ・ジウン(歌手名:IU)、イ・ジュヨンの5人がカンヌ入りし、現地時間26日にレッドカーペットを歩いて公式上映の会場に入った。本作は、赤ちゃんポストをきっかけに出会った赤ん坊の母親、ベイビー・ブローカーの男たち、そして彼らを現行犯逮捕しようと静かに追いかける刑事――彼らが絡み合いながら繰り広げる一風変わった旅路を描くヒューマンドラマ。是枝監督作品がカンヌ国際映画祭のコンペティション部門に選出されるのは、最高賞のパルムドールを受賞した2018年の『万引き家族』以来4年ぶり、6回目(同映画祭への出品自体は8回目)となる。また本作は韓国の製作・俳優陣と長年温めてきたオリジナル企画を映画化した是枝監督初の韓国映画となり、2020年アカデミー賞作品賞を受賞した『パラサイト 半地下の家族』のソン・ガンホが主演を務める。カンヌの澄み渡る空の下、大勢の取材陣や観客が注目する中、レッドカーペットに黄色い歓声と共に迎え入れられたのは、アルマーニのタキシードにサングラスをかけた正装の是枝裕和監督と、同じくタキシードにサングラスの出で立ちでひげをたくわえ、さすがの貫録を見せるソン・ガンホ率いる『ベイビー・ブローカー』チーム。2人に続くのは、ルイ・ヴィトンのスパンコールタキシードで長身を生かしたスタイルの良さが一段と目を引くカン・ドンウォン。そして、最も注目を集めたのは、胸元にポイントのおかれたオフショルダーのグレーのロングドレスにショーメのアクセサリーでエレガントに登場したイ・ジウンだ。アップにしたヘアスタイルと透明感のあるメイクがその可憐さをさらに際立たせる。さらに、胸元が大きく開いたシンプルな白いロングドレスに身を包んだイ・ジュヨンも横に並ぶ。イ・ジウンはファンサービスにも丁寧に応じ、アジア、そしてヨーロッパの観客からはIUコールも起こり、一目見ようと木に登ったり、中には泣きくずれるファンもいて世界的な人気ぶりがうかがえた。全員が一列に並んだタイミングからは、『ベイビー・ブローカー』の音楽を手掛けたチョン・ジェイルの美しいピアノの旋律にのせ、ゆっくりと階段をあがる監督とキャスト陣。パルムドールを受賞した『万引き家族』の是枝裕和監督と『パラサイト 半地下の家族』のソン・ガンホがタッグを組んだ作品ということで、世界から集まったメディアや観客からの注目度は非常に高く、盛り上がりを見せるレッドカーペットとなった。会場に向かう直前に心境を聞かれた是枝監督は「毎回持ってくる作品も違いますし、チームも違うので、何度来てもいつも新鮮な思いで臨んでいます。今回は特に会場へ向けての出発場所となるホテルの壁に作品の垂れ幕がかかっているので、ちょっと背筋が伸びる思いです。でも、作品の出来上がりには自分的にとても満足しているので、そんなに何かが負担になったり、過剰な期待をしたり、それで落胆したりという、今回はそこは卒業できたのかなと思っています。あとはみんなと楽しみたいと思います」と語っていた。また、レッドカーペット上のインタビューでは、「言葉を越えてつながれたという印象がスタッフともキャストともあるので、自分でも納得ができる作品でまたここに帰ってこられて本当にうれしいです」「ベイビー・ボックス自体は韓国だけでなく、日本にもあるのですが、今回はベイビー・ボックスがあるなしにかかわらず、生まれてきた命に対して大人たちがどう関われるのか、それを旅を通して描いてみたいなと思いました」と語り、さらに大好きなケン・ローチと同じようにもう一つパルムドールを獲ってしまうのでは?という質問に対しては「そんなことが起きたら、本当にうれしい」と素直な思いを伝えた。(C)2022 ZIP CINEMA & CJ ENM Co., Ltd., ALL RIGHTS RESERVED
2022年05月27日