夫(妻)が別居後に不貞を行った場合、又は離婚後になって初めて夫(妻)の不貞が発覚したというケースのご相談者様から、「夫(妻)の不貞相手に対して慰謝料請求することはできないのか」とのご質問をいただくことがよくあります。 別居後に不貞が行われた場合まず、別居後に不貞が行われた場合についてですが、最高裁は、不貞が行われた当時、既に夫婦関係が破綻していた場合には、不貞相手は被害者である妻(夫)に対して損害賠償責任を負わないと判断しています。確かに「別居」という事実は、夫婦関係が破綻しているという判断に繋がりうる要素ではありますが、「別居」=「破綻」ではありません。夫婦関係が破綻しているか否かについて、裁判所は、夫婦それぞれの離婚意思の有無、離婚協議の有無及び程度、別居に至る経緯及び理由、別居の期間、別居中の夫婦の交流の有無及び程度、別居中の夫婦の家計管理が独立しているか否かなど様々な事情を総合的に考慮して判断しているのです。例えば、「別居をした理由は単身赴任であり特に離婚の話は出ていない」「離婚して不貞相手と一緒になりたいという思惑で夫(妻)が一方的に家を出て行ったが、自身は離婚を望んでいない」「別居はしているが、夫婦の一方が家計管理をしており、定期的に子供も含め家族で出かけるなど交流がある」といったケースであれば、不貞が行われたのが別居後であっても、夫婦関係は未だ破綻していないと認定されて、不貞相手に対する慰謝料請求が認められる可能性があるでしょう。また仮に、別居開始の時点で夫婦関係が破綻していると認められるような場合でも、別居直後、例えば別居を開始した日の翌日に夫(妻)が不貞を行っていることが発覚したケースなどは、その他の事情にもよりますが、別居開始以前(夫婦関係が未だ破綻には至っていない時期)から不貞関係が始まっていたものと推認され、不貞相手に対する慰謝料請求が認められる余地があります。 離婚後に不貞が発覚した場合次に、離婚後の不貞発覚の場合についてご説明いたします。そもそも、法律上、夫(妻)の不貞相手に対して慰謝料請求ができる根拠は、夫(妻)と不貞相手との間の不貞の事実を知ることで、夫婦関係に不和が生じ、婚姻関係の平穏を維持する権利利益が侵害されるからです。離婚後に不貞が発覚した場合は、裏切られていたことを知ってショック受けるとしても、婚姻関係の平穏を維持する権利利益なるものはその時点で存在しないため、原則として不貞相手に対する慰謝料請求は認められません。 もっとも、例えば、様々な事情から、「不貞の事実が存在したからこそ夫婦関係が悪化した」と認められる場合、言い換えると「不貞の事実がなければ夫婦関係が悪化することはなかった(他に夫婦関係悪化の要因がなかった)」と認められる場合などは、不貞の発覚が離婚後であったとしても、客観的に不貞行為による夫婦関係の平穏を維持する権利利益に対する侵害が観念できるため、不貞相手に対する慰謝料請求が認められる余地があります。以上のように、別居後や離婚後に初めて不貞が発覚した場合でも、事情によっては不貞相手に対して慰謝料請求できる可能性が十分にありますので、諦めずに一度我々弁護士にご相談ください。 *執筆弁護士:若井 亮(若井綜合法律事務所。「迅速対応」「分かりやすい説明」「徹底した報告」をモットーとしている。不当要求への対応、詐欺被害への対応を多く経験している)*画像はイメージです(pixta)離婚後に不貞が発覚した場合慰謝料は請求できるの?弁護士に聞いた!はシェアしたくなる法律相談所で公開された投稿です。離婚後に不貞が発覚した場合慰謝料は請求できるの?弁護士に聞いた!はシェアしたくなる法律相談所で公開された投稿です。
2019年09月02日不倫中の既婚女性の中には「そろそろ本気で離婚しよう」と考える人もいるようです。複雑怪奇な人間模様分析を得意とする並木まきが、そんな妻たちが夫に送った、離婚決意のLINEを3つご紹介します。文・並木まき1:「実は好きな人がいて…」「離婚した元夫には、LINEで離婚話を切り出しました。面と向かって言うよりも、言うべきことを伝えやすいと思ったのが、その理由です。離婚を決めたときは、単刀直入に、仕事に行っている夫に『実は、好きな人がいて離婚したい』とシンプルに送信しました。しばらく返信がないと予想していましたが、既読になってすぐに『やっぱり』と返事が届きました。夫は私の浮気に気づいていたようです。そこから話し合いを始めて、3ヶ月後に離婚しました」(34歳女性/専門学校勤務)浮気をしている、とは言わずに「好きな人がいる」という言い方で、離婚を切り出す人もいるようです。2:「もう帰らないから」「4年前に私は元夫と離婚しました。その理由は、今の夫と再婚するためでした。当時、どうやって離婚しようか悩んでいたのですが、結局、前の夫に面と向かって言いだせず、こっそり家を出る形で別居を開始しました。家に戻ってこない私を心配した夫からのLINEに、『もう帰らないから。ごめん』と返事をしたのを、今でもはっきり覚えています。本当は、きちんと話し合って別れるべきだったのはわかっていたのですが……。結局、そのLINEをキッカケに離婚の話をすることとなりました」(41歳女性/経営)離婚の話し合いを切り出せず、勝手に別居を始めた身勝手な女性も……。前の夫にとっては、彼女のLINEはトラウマになっているに違いありません。3:「離婚届、書いたから」「3年前に私が不倫したとき、その人と一緒になりたいと考えて、今の夫と本気で離婚しようと思っていました。でも、顔を合わせて“離婚したい”と言っても、全然相手にしてもらえませんでした。そこで私は、夫が仕事に行ったあとに離婚届を書き、その写真とともに夫に『離婚届、書いたから』とLINEしたんです。しかし、結局これも相手にされることはなく……。そうこうしているうちに、彼への気持ちも冷めてしまい、結局今でも離婚せずに夫と暮らしています」(40歳女性/専業主婦)離婚届まで書いて準備をしたとなると、彼女にも相当な覚悟がありそうです。しかし、夫は彼女の気持ちがすぐに冷めると気づいていたのでしょう。今回は彼に軍配が上がりました。不倫をしている妻が離婚を決意すると、LINEでその意思表示をするケースもあるようです。こんなドロ沼にはまってしまわないように、皆様もお気を付けください。© GaudiLab / shutterstock© Syda Productions / shutterstock
2019年07月27日タレントの熊田曜子(37)が6月12日、自身のインスタグラムに「夫が食事を食べてくれず、手料理を捨てることが続いている」ことを投稿。「モラハラではないか」とSNSで話題となっている。熊田はインスタグラムのストーリーズに「朝起きて一番にする家事が一口も食べてもらえなかったご飯の処理。食べるって言ったのに。このパターンもう100回は経験してるけどかなりのダメージ」と記した。投稿には一汁三菜を越えた品数の和食に、大きくバツ印をつけた写真が添えられている。この投稿がTwitterで拡散され、「旦那一口も食べないってどういうこと?モラ夫かよ…」「このクオリティの料理を作っている熊田曜子さんすごいな。もう少し手を抜いて余裕を持って欲しい」「これは可哀想すぎる。小鉢こんなに用意するの大変だよ」と同情の声が集まっている。熊田がSNSで家庭の愚痴をこぼしたのは、今回が初めてではない。今年4月29日、ストーリーズで姑からの厳しい仕打ちについてもこう悲痛な叫びをあげていた。「明日一緒に夕飯を食べましょうというお姑さんからの誘い。予定が入ってるし義家族とあう約束は別日にあるからお断りしたらめっちゃ怒られた。しかも、朝から私の実母に私のダメ出し電話1時間。さらに30行くらいの長文LINEで実母も私も怒られてる」熊田は、2012年4月に一般男性と結婚。同年12月に第一子女児、2015年10月に第二子女児、2018年6月に第三子女児を出産。現在はグラビアだけでなく、三人娘を抱えるママタレントとしても活躍している。
2019年06月14日「亭主元気で、留守がいい」なんて言葉が幅を利かせた昭和の時代には、離婚は夫婦にとって「今生の別れ」とも言えるものだった。ところが平成に入ると、離婚件数はうなぎのぼりに増加。離婚はそれまでの「人生の一大事」から「まあ、よくあること」に。そして、それにともない、離婚後の夫婦の距離感も、徐々に近づいてきた感すらある。実際、テレビのバラエティ番組では、フラットな距離感で共演する元夫婦タレントが、違和感なくお茶の間に受け入れられているし、一般人でも、それぞれのSNSで離婚を報告しながら、その後もあっけらかんとツーショットをアップするケースも増えている。そこで今回は、離婚後の元夫婦たちの最新事情を徹底取材。別れた男女関係はいったいどんなふうに変わってきたのだろう。【読者の実例ケース・1】真田ゆかりさん(仮名・40歳・専門学校講師)29歳で3歳上の同僚と結婚しました。すごく好きだったのかと聞かれると微妙なのですが、当時は年齢も気になっていたものですから……。ただ、彼は仕事熱心で誠実な、いわゆる“いい人”でしたから、「まあ、いいかな」という気持ちでした。結婚後、立て続けに2人の子どもを授かったこともあり、夫婦関係は良好だったのですが、夫は子育てにはまるで関わらない人だったので、徐々に私のイライラが募っていくようになりました。仕事をしながらの家事・育児に忙殺される私を横目に、夫は「資格を取ってスキルをあげたい」などと無神経なことを言いだす始末。私のなかにあった愛情が冷え切ってしまうのは、時間の問題だったのかもしれません。そして、35歳のときに離婚。周囲の友人からは、「養育費はきちんともらえるの?」と心配されましたが、じつは私、その点だけは安心していたんですね。妙な話に聞こえるかもしれませんが、私は夫への愛情はなくなっていたものの、生真面目な性格だけは信頼していましたから。彼は、思ったとおりこれまで5年間、養育費は滞りなく払ってくれています。そういう恩義もあって、日曜日には子どもたちだけ彼に会いに行くという習慣も続けています。彼は「子どもと会いたい」という気持ちがとても強いんですよ。ちなみに私は現在、子どもを連れて実家に戻っているのですが、たまたまシングルマザーに手厚い自治体だったこともあり、生活には大きな支障もありません。そして、こういう環境になって気づいたのは、「夫としての期待」さえ捨てれば、彼のことを「人間としては」まだ信頼できるということ。子どもの送迎時に会うこともありますし、進学のことを電話で相談することもあります。彼にはもう感情的には何もありませんが、円滑に生活していくためには、こういう関係がしばらく続くのも悪くないかなと思っています。【読者の実例ケース・2】佐川麻巳さん(仮名・53歳・会社員)私は40歳(長女が中1、次女が小5のとき)で離婚しました。当初、私といっしょにいたいと言っていた娘たちですが、元夫が「パパは1人になったら東京でホームレスになる」と言いはじめたため、「ママは1人で生きていけるよね……」と夫の元に行くことになってしまいました。離婚後は、束縛が強く口うるさい夫と離れ、毎日が穏やかに暮らせるようになった半面、娘たちと離れてしまったことは本当につらかったですね。娘に会いに行っても、いつも元夫から「来るな!」って追い返されていましたし。きっと私に娘たちを取られることを恐れていたんでしょうね。ただその後、元夫から「ママに会えないと娘たちが不安定になるから」と連絡があり、ようやく会うことを許されました。娘たちが私の家に泊まりに来るようになると、元夫の家での様子もだんだん伝わって来ましたが、彼は娘たちが後ろ指をさされないよう、縫い物やお弁当作りも頑張り、なんとPTAの役員まで引き受けていたそうです。けっして私には弱音を吐きませんでしたが、彼なりに孤軍奮闘していたのでしょう。そんな様子を聞くと、やっぱりどこか「ほっとけないな」という気になりますよね。ですから、彼が娘たちとの関係に悩んでいるようなときは、「お茶でもしない?」と誘い出し、娘たちとの仲を取り持つようなこともしてきました。もちろん離婚そのものはつらかったですが、離婚によって、お互いの関係は確実にいい方向に変わりました。最近では、「きみならもっといい男と結婚できたんだろうけど、俺のせいで人生狂わせちゃったね」なんて殊勝なことを言ってくれるくらいですから(笑)。私はいま、仕事も恋愛も充実していますが、元夫になかなかいい出会いがないことだけが心配の種。元夫は娘たちに「パパが病気になったら面倒みてね」と言っているらしいのですが、それはさせられません。娘たちには「大丈夫、パパの面倒はママがみるよ」と言っています。淡々とした「ビジネスライク」な付き合いから、男女の関係を超えた「友達感覚」な関係……。それぞれの事情は異なるが、元夫との関係は「いい感じ」だという。これからの令和の時代には、離婚はけっしてネガティブな選択肢ではないのかもしれない。
2019年06月14日://専業主婦の人は、経済的には夫に頼って生活しているはずですから、離婚後自立して生活していく方法を考えておかなければなりません。シングルマザーの貧困が取り沙汰されていますが、離婚して生活に困らないためには、しっかりした準備が必要です。本記事では、専業主婦が離婚したい際に知っておきたいポイントをまとめていますので、参考にしてください。専業主婦が離婚するならお金が必要専業主婦が離婚するとき、お金の問題は重要です。準備が不十分なまま離婚すれば、悲惨なことになります。離婚後に継続的に収入を得られる手段を確保し、離婚時に夫からもらえるお金は忘れずに受け取っておきましょう。【離婚後のお金について①】養育費や手当だけでは生活できない離婚するとなると、その後は夫の収入に頼って生活するわけにはいきません。子供がいる場合でも、夫から受け取れる養育費は子供の生活費のみですから、自分の生活費は自分で稼ぐ必要があります。母子家庭には児童扶養手当も支給されますが、養育費と手当を合わせても、それだけで生活が成り立つことはないのが普通です。専業主婦の人も、離婚後は仕事を見つけて働かなければなりません。結婚と同時に仕事を辞めた人も、仕事を探して再就職する必要があります。児童扶養手当はどれくらいもらえる?離婚して母子家庭になった場合、条件を満たしていれば、児童扶養手当(母子手当)を受給できます。児童扶養手当の金額は一律ではなく、前年度の収入を基準に支給金額が決まります。専業主婦だった人は前年度の収入がゼロですから、子供が1人の場合1か月あたり約4万2,000円、2人目がいれば約1万円加算、3人目以降がいれば1人につき約6,000円が加算されます。しかし、働いて収入が増えると、次年度から手当の金額は減ることになります。また、児童扶養手当支給の基準になる収入には、元夫からの養育費の8割も加算されます。養育費をたくさんもらっていると、児童扶養手当の金額は少なくなるということです。児童扶養手当を受給するには?児童扶養手当を受給するには、役所に毎年現況届を提出しなければなりません。また、5年以上継続して受給していると、自立に向けて努力していることや病気で働けないことを証明しなければ、支給額を減らされてしまいます。働けるのに働かず、手当だけもらい続けるということはできないのです。離婚後の生活設計を考えるとき、児童扶養手当をアテにしすぎるのは危険です。児童扶養手当は、働いて十分な収入が得られるようになるまでの間、足りない生活費を補充してくれるものと考えましょう。【離婚後のお金について②】仕事はいつ探す?仕事を探しても、すぐに見つかるとは限りません。離婚を考えたら、早い段階から仕事探しを始めましょう。子供を抱えて働くとなると、保育園や学校の都合がありますから、勤務時間にも制約が出てきます。希望する条件の職場が見つかっても、実際に働いてみたら合わないこともあるでしょう。離婚後、急に仕事を辞めなければならなくなったら困るはずです。離婚前に仕事を探し、その職場でやっていける目途が立ってから離婚した方がよいでしょう。【離婚後のお金について③】離婚時に夫から慰謝料はもらえる?離婚するときに、夫から慰謝料を払ってもらえないかも考えてみましょう。一方的に離婚原因を作った側に対しては、慰謝料を請求できます。たとえば、夫の浮気が原因で離婚に至った場合、夫に対して慰謝料を請求できます。慰謝料の相場は200~300万円程度ですから、離婚後の生活の元手として役立てることが可能です。夫に慰謝料を請求したい場合でも、離婚後3年を経過してしまうと時効になってしまいます。慰謝料をもらうのであれば、早めに請求しましょう。【離婚後のお金について④】専業主婦でも財産分与で2分の1をもらえる離婚するときには、財産分与という形で、婚姻期間中築いた財産を分けることができます。財産分与では、専業主婦でも2分の1の割合で財産を取得できるのが原則です。たとえば、夫名義になっている預貯金でも、結婚している間に貯めたものであれば、半分を分けてもらうよう請求できます。財産分与を請求できる期間は離婚後2年間と限定されているため、権利があるものについては忘れずに請求しましょう。【離婚後のお金について⑤】夫がサラリーマンなら年金分割を忘れずに!夫が会社員や公務員の人は、年金分割の手続きもしておきましょう。年金分割は、婚姻期間中の厚生年金保険料の納付実績を分ける制度です。離婚時に夫の納付実績を分けてもらうことで、将来の年金受取額が増えることになります。年金分割を希望する場合には、離婚後2年以内に年金事務所で手続きが必要です。専業主婦の場合、平成20年4月1日以降の納付実績については「3号分割」となり、自分1人で年金分割の手続きができます。一方、平成20年3月31日以前の納付実績については、夫の同意を得て「合意分割」の手続きをしなければ分けてもらえません。離婚するなら夫に養育費を請求できる子供がいるなら、夫に養育費を請求できます。離婚するときには、養育費についての取り決めもしておきましょう。専業主婦でも親権を取ることは可能専業主婦であっても、親権を取ることはできます。親権者を決めるとき、収入の多い少ないは関係ありません。収入の少ない側が親権者になっても、他方が養育費を払って補えば問題ないと考えられるからです。養育費の相場は?養育費を決めるときには、裁判所で使われている養育費算定表を参考にします。たとえば、夫が会社員で年収400万円、妻が年収0円、子供の年齢は全て14歳以下と仮定した場合、養育費の相場は子供の人数によって次のように変わります。子供1人の場合…4~6万円子供2人の場合…6~8万円子供3人の場合…6~8万円養育費を確実に払ってもらうには?離婚時に養育費について約束しても、きちんと払ってもらえるとは限りません。協議離婚の場合には、養育費の取り決めを公正証書にしておきましょう。公正証書があれば、差押えして養育費を回収しやすくなります。夫が納得いく額の養育費を払ってくれない場合には、離婚調停を申し立て、裁判所で解決する方法があります。調停が成立すれば裁判所で調停調書を作ってもらえるので、それに基づき差押えが可能です。[adsense_middle]離婚後の住まいの確保は重要離婚すれば、通常はそれまで住んでいた家を出て行かなければなりません。離婚するなら、住む場所を確保しておきましょう。【離婚後の住まいについて①】持家やマンションに住み続けることはできる?結婚している間に購入した家やマンションがある場合、離婚後もそこに住み続けたいと思うことも多いでしょう。住宅ローンが残っていない場合、夫と話し合って合意すれば、財産分与で家をもらうことも可能です。一方、住宅ローンが残っている場合には、家の名義変更は原則的にできません。住宅ローンの残っている夫名義の家に妻が住み続けることにはリスクがあります。離婚するときには、新しい住まいを探した方が安心です。【離婚後の住まいについて②】公営住宅に入れば家賃を抑えられる生活費の中で、大きな割合を占めるのが住居費です。住居費を抑えるためには、都道府県営住宅、市営住宅、町営住宅などの公営住宅に入るのがおすすめです。自治体によって、シングルマザーは公営住宅に優先的に入居できる扱いがされているところも多くなっています。離婚調停になっている場合には、裁判所発行の証明書を提出することにより、離婚成立前でも優遇してもらえることがあります。【離婚後の住まいについて③】民間住宅を借りるには保証人が必要離婚後、民間の賃貸住宅を借りて住む場合には、保証人も用意しておく必要があります。保証料を払って保証会社に依頼すれば、常に保証人なしで賃貸住宅を借りられるわけではありません。まず保証会社の審査に通らなければなりませんし、保証会社と連帯保証人の両方が必要になる物件が大半です。親が生きていても、高齢の場合には保証人になれないことがあります。親戚や知人など、保証人を頼める人がいないかどうか考えておきましょう。離婚の手続きに関するまとめ専業主婦が離婚するときには、経済的不安を解消するために、準備にしっかり時間をかけましょう。養育費や慰謝料、財産分与について知識をもっておくことも必要ですが、まずは自身の自立が最優先です。離婚後の生活設計について十分考えた上で、離婚を進めるようにしましょう。
2019年06月09日「子ども欲しいけど、実際どうなの?」人気コラムニスト犬山紙子が育児体験者の話を聞いて考える「出産・育児」のリアル。保活、育児分担、二人目問題…母親の本音炸裂! 『私、子ども欲しいかもしれない。』より(全19話 連載)「最初からすごく嫉妬深かった。付き合って数か月で遠距離恋愛になったんだけど、そのタイミングで妊娠が分かってからは、さらに束縛が異常になってきたの。起きてすぐ、出勤前、昼も夜も全部FaceTimeを長時間……。寝てる時も見えるようにFaceTimeにしておかないといけない。はっきりいって監視だったと思う。でもね、最初はまだ付き合いたての時期だし、遠距離恋愛したてだからしょうがないなと思ってたの。それがどんどんエスカレートして、妊娠初期は体調が悪くなるから横を向くのも辛くてFaceTimeに付き合えないと、『冷たくなったね、変わったね』と言われるようになってきて」妊娠した身体や心をケアするどころか、自分の寂しい、かまってほしいという欲求を通そうとする。そして、その自分のわがままな願いが叶わないと分かると、いたわるべき相手を罵る。辛い妊娠初期をそんな相手に束縛されたMちゃんを思うと、やるせない気持ちになる。この頃から、私はMちゃんと連絡が取りにくくなってきた。後から聞くと、Mちゃんの趣味だったホームパーティーや、女友達とのちょっとしたランチでさえ、彼から咎められていたという。いま思えば、Mちゃんは少し洗脳されてしまっていたのかもしれない。どんなに理不尽なことだって、「こういうことをすると彼に怒られる」という嫌な体験が繰り返されれば、それを避けるように動いてしまうだろう。「そのうち、体調が悪くて朝の電話に出られないだけで怒られるようになってきて。 それでやっと彼は、私の身体を気遣ってるんじゃなくて、本当に、私を自分だけのものにしたいのだというのが分かってきたの」つづく 私、子ども欲しいかもしれない。:妊娠・出産・育児の〝どうしよう〟をとことん考えてみました』 犬山紙子著(平凡社)
2019年06月08日「“介護離婚”の多くは熟年離婚になりますが、熟年離婚は経済的に厳しいのが現実です。それでも精神の解放を求めて『離婚したい!』と思うなら、一度きりの人生、後悔のないようにしてほしいですね」そう語るのはマネーセラピストの安田まゆみさん。最後の手段ともいえる、介護離婚という難しい結論。そんな介護離婚についての知っておくべきお金の話を安田さんに聞いた(会社員の夫を持つ専業主婦」を想定)。「まず、婚姻中に夫婦が築いた共同財産は離婚時に財産分与の対象になり、基本は夫婦半々。預貯金のほか夫の厚生年金や結婚後に購入した自宅などが対象です」(安田さん・以下同)一聞すると収入の少ない主婦にとっては福音だが、いざ試算すると現実は甘くない。「たとえば40~50代の夫婦なら、子どもにお金がかかる時期なので、いざ介護離婚となっても預貯金が少ないことがほとんど。仮に自宅を売却しても多くはローンの残債もあり、1,000万円も残ればいいほうです。そうすると、妻がもらえるのは500万円にすぎません。介護が始まると身動きがとれなくなることが多いので、不安がある人はいまのうちに正社員などの安定した職を得て、かつ共同財産の額を増やしておきましょう」離婚には初期費用も必要だ。「安く見ても引っ越し関連で80万円。また、裁判や調停費用に備えて、80万円は用意しておきたいところです」いっぽう60代以降ともなると、就職は難しい。そのため、夫の退職金などまとまった財産があればそれを分け、あとは年金分割でやりくりすることが基本になる。「現在、夫婦合わせた年金の支給額は月に22万~23万円ぐらいです。そのうち、仮に妻の年金受給額が老齢基礎年金(6.5万円)と結婚前に加入していた厚生年金を合計した7万円だとしたら、夫の受給額は差し引き約15万円。このうち、年金分割の対象になるのは夫の老齢基礎年金分を除いた8.5万円のなかから、勤めていた期間のうちの結婚期間分だけなので、妻がもらえるのは半分で多くても4万円弱。つまりこの場合、離婚後の年金収入は7万円+4万円強で月11万円と少しです。財産分与があれば手元のお金は増えますが、離婚後も数十年生きることを考えれば、1カ月あたりのプラスは数万円でしょう」なお、夫に介護を丸投げされたことが離婚の火種になったとしても「それで慰謝料を請求するのは難しいでしょう」と安田さん。離婚を検討するなら、まずは“いまできること”を考えてみよう。
2019年06月07日磯野貴理子(55)が24歳年下のバーテンダー夫・A氏と離婚したことを、一部スポーツ紙が報じた。磯野は03年12月に「かしまし娘」正司照枝(86)の長男で自身のマネジャーだった男性と結婚したが、09年に離婚した。その後、A氏との交際がスタート。12年8月5日放送の「行列のできる法律相談所」(日本テレビ系)でA氏がプロポーズし、翌月再婚した。記事によると何度も度も話し合いを重ね、双方が納得した上での離婚だったという。「結婚前から元夫と共同でバーを経営していましたが、Aさんはあまり商売が上手ではありませんでした。そのため貴理子さんはよく店で飲んでは、足りない分の売り上げを補填していました。14年10月に脳梗塞を発症。その際はA氏が献身的に貴理子さんを支えていましたが、以後は貴理子さんの酒量が減ったこともあって店に行く回数も減っていたそうです」(テレビ局関係者)磯野は19日放送のフジテレビ系レギュラー番組「はやく起きた朝は…」で離婚に至った詳細について説明した。離婚を切り出したのは元夫だったという。磯野は「理由聞きたいじゃない。待ってたら『自分の子供が欲しいんだ』って言われて。『そうだよね、うんうんうん、分かった分かった』って。『自然なことだよ、当たり前じゃないの』って言って、別々の道を歩くことになって、そういう報告です」と話した。「バー経営への資金提供からはじまって、子づくりの話まで……。結局、貴理子さんはAさんの“わがまま”を受け入れ続けてきました。20歳以上と年下の夫に、最後まで強く言えなかったようです」(前出・テレビ局関係者)ネット上では磯野に対して《笑いながら話す貴理子さんに涙が止まらない》など、同情の声が飛び交っていた。
2019年05月19日職場の人間関係、多すぎる仕事量、責任の重いプロジェクト…。そんなストレスから「もう勘弁してほしいよ」「やってられないよ」なんて仕事の愚痴を、妻にこぼす夫は少なくないでしょう。愚痴をこぼせるのは、信頼している妻だからこそ。心を許している妻に弱音をはくことで、甘えているんです。妻のほうもそんな夫を気遣って「ご苦労さま」とねぎらったり、「負けないで」と応援したりしますよね。でも、その愚痴の対象がだんだんと自分に向けられるようになってきたら? 怒りの対象が仕事だったはずが、なぜか矛先が妻に向かい始め、「おまえのせいだ」と言い始めたら要注意。それはもう、甘えの域を超えています。今回は、「夫の愚痴。妻への甘えなのか、ライトなモラハラなのか」を見極めるポイントと、その対処法について考えていきましょう。■夫の愚痴テーマ、大きく分けると4パターン夫の愚痴は大きく分けると、下記のような4パターンに分かれます。・自分の能力・スキルに関すること・職場の人間関係・仕事の内容について・勤務先の待遇・業界について例えば「今日はすごく疲れた。なんで俺だけこんなに多く仕事を振られるんだろう…?」というのは自分の能力に関する愚痴です。「あの上司と、俺。なんか相性悪いんだよなあ」というのは職場の人間関係にあたる愚痴ですね。「昨日、大きなミスしちゃって…。夏のボーナスに響くかも」は仕事内容について。「少子高齢化の時代に、うちの会社はやってることが逆行しているよ。もう先細りかなあ」は勤務先や業界について… というような感じです。■愚痴る夫の心理「自己嫌悪の甘えか、責任転嫁のモラハラか」愚痴をいうとき、夫の心の中はどのような状態になっているのでしょうか? 実は、愚痴をこぼす夫の心理は2つのタイプに分けられます。1つ目のタイプは「どうしたらいいんだろう…」「俺ってダメだなあ…」という自己嫌悪からくる愚痴です。これは「弱音をはく」と言い換えることもできますね。自分に対する愚痴をいうのは「妻に甘えたいから」です。成果を出さなければならない毎日の中で、頑張る自分を励ましてほしい、話をやさしく聞いてほしい…。つまり、夫は弱音をはくことで妻に甘えているんですね。2つ目のタイプは「部下(上司)は分かってない!」「会社の制度が悪い!」など周りを批判する愚痴です。会社という組織の中にいれば理不尽な目に合うことも珍しくありませんし、こうした文句はどうしても生まれてしまうものでしょう。だから、たまにあるのは仕方のないことです。でも、自分の身に起こった出来事を、いつまでも周りの誰かや環境のせいにしている、自分を省みることがほとんどない、といった場合は要注意…!なぜかというと、このタイプは自身のイライラの矛先を妻にスライドさせる恐れがあるからです。例えば、部下の悪口をいっていたと思ったら「おまえもいつも要領が悪いよな」といってきたり、給料が上がらないといった愚痴から「お金がないのは、君が節約してないからじゃないか?」といってきたり…。愚痴を聞いていただけなのに、いつのまにか自分が責められている…。周囲の誰かや環境を批判する愚痴は「妻へのモラハラ」の第一歩になる危険を秘めているのです。■夫の愚痴、モラハラになりかけた時の対処は?誰でも愚痴をこぼしたくなるときはあるものです。では、夫の愚痴に対し、どのように対応するのが望ましいのでしょう?「俺ってダメかも」「どうしよう…」といった自分に対する愚痴をいうのは、妻を信頼して弱みを見せている証拠です。だから、ひたすら聞いてあげましょう。「うんうん」とうなずきながら、会話の途中に「そうなんだね」「大丈夫、なんとかなるよ」など、気休めでもいいので励ましの言葉を入れてあげると効果的です。「話をきちんと聞いてくれている」と思えると、どんな人でもホッとしますよね。信頼している妻に自分の気持ちを聞いてもらった夫は、次第に気持ちも落ち着いてくるはずです。周囲を批判する愚痴も、最初の対応は同じ。話を聞いて、励ましてあげましょう。ただし、矛先が自分に向いてきたな…と感じたときは、決して「謝らない」ことを意識してください。自分が責められたとき、なだめようとして「はいはい、私が悪いね。ごめんね」と謝まってしまうと、夫は「妻がイライラの受け口になってくれる」と認識し、外での鬱憤(うっぷん)をますますぶつけてくるようになります。だから、決して謝らず、極力言葉を挟まないようにすることです。「聞いてる?」「どうなの?」など夫からの問いかけがあったり、何か言葉を返さなければならなくなったときは「まあ」「うーん」「ふーん」「あ、そうだっけ?」「ああ、そうなのね」といった感情のこもっていない、そっけない反応を示すようにします。すると夫は「あれ?」と肩すかしをくらったような気分になり、それ以上ヒートアップしにくくなるのです。「長くなりそうだな…」と感じたときは最初だけ話を聞いて、さりげなくその場を離れるのも有効です。すべて受け止めようとせず、我関せずといった態度が周囲を批判する愚痴への望ましい対処といえるでしょう。甘えの愚痴なのか、モラハラに発展する愚痴なのか。夫の愚痴タイプを意識して、上手にガス抜きさせてあげられると良いですね。
2019年05月02日【元ホステスが語る男ゴコロの裏事情348】表沙汰になりづらく、深刻化しない限り、なかなか周りに気づかれないモラハラ。彼の言動について誰かに相談し「それ完全にモラハラじゃん」と言われて、ようやく自分が被害者だと知る女性もいるでしょう。付き合ったときはわからなくても、結婚前には正体を見抜きたいですよね?というわけで今回は、モラハラ男子の特徴をご紹介します。交際中に以下のようなことがあったら、結婚するのは危険かも。■女性への偏見に満ちた発言をする「女は何を考えているかわからない」「女は感情的で頭が弱い」と決めつけている彼と結婚して……幸せになれると思います?「女のくせに」「女なんだから」「これだから女は」と見下す発言をしてくるのなら、結婚後は確実に雑に扱われるでしょうね。仮に、今あなたには優しくても、女性全般を見下している印象があるのであれば、気をつけたほうがいいですよ。将来はその発言があなたに降りかかりますから。■嫉妬深いうえ、要求が多いやきもちをやく程度ならまだいいのですが、嫉妬深いうえに、やたらと要求が多い場合はモラハラ男かもしれません。「俺の言うことが絶対で常識」と思いこんでいるのか、彼女の意見を聞かず、マイルールを押しつける彼は、偏見に満ちた発言をする男性同様、相手を見下していますよね?少なくとも彼女のことを尊敬してはいないでしょう。「お前のために言っているんだ」などと、洗脳しようとする男性はロクでもないですよ。稀にいますよね?「女は男の要求を飲むのが当たり前」という態度を取る男性。どこでそんな差別的なことを学んだの?学校の授業では教わってないよね?と思ってしまいます。そういう人はたぶん、知性が低いんじゃないかと。また、カナダのブロック大学で心理学を研究しているGordon Hodson氏によると、保守的・差別的な思想に走りがちな人は、相手の立場に立って考える能力が欠如しているそうです。そんなおバカさんと一緒にいたら、あなたもおバカさんになってしまうかも。さっさと離れたほうが身のためですよ。■興味のないことは無視!モラハラ言動をするような差別的な男性は、相手の立場に立って考える能力が欠如していると書きましたが、これはつまり共感力が低いということ。なので興味のないことは無視するでしょう。楽しいこと、うれしいことをシェアできない彼氏って……寂しいですよね?交際中、あまりにも彼が淡白で、あなたの発言をスルーしたりするなら結婚は考えものです。また、共感力が低い男性は、まず謝らないと思います。自分が悪いと頭のどこかでわかっていても、変なプライドのせいなのか謝らないんですよね。むしろ逆ギレしたり、責任転嫁したり。一生懸命、正当化して自分を守ろうとします。こういう人は成長しないし、人間関係で何かと問題を起こしがち。彼が自分の悪い部分に気づき、考えを改めない限り、一生そのままでしょう。自分のことしか考えないモラハラ男子との結婚は、自ら不幸を招くようなものだと思います。■彼がどんな人かをチェックしてもちろん、好きな気持ちだけで結婚を決め、ずっと円満な夫婦もいますが、それだと後々、大変なことになる場合もあると聞きます。結婚後に後悔しないためにも、事前に彼がどんな人かをしっかり見極めたいものですね。
2019年04月05日Bさん(30代・女性)は真剣に離婚を考えています。その理由は、夫が交通事故に遭い、高次脳機能障害になってしまったことで、すっかり性格が変わってしまったため。物覚えが悪くなってしまい仕事も辞め、現在はふさぎ込む毎日。Bさんが働いて生計を立てていますが、口から出るのは「死にたい」というネガティブな言葉や、「あと30分お前が早く起こしてくれたら事故らなかった」という愚痴ばかりなのだそうです。離婚を考えているBさんですが、「障害を持った夫を捨てる」ような形になるため、悩んでいます。このようなケースの場合、離婚は認められるのでしょうか?ピープルズ法律事務所の森川文人弁護士に見解を伺いました。 Q.交通事故で障害を持った夫と離婚したい…離婚事由として認められる? A.直ちに離婚は難しい森川弁護士:「法的な離婚原因はなく、直ちに離婚は難しいと思われます。脳機能障害の程度にもよると思いますが、いわゆる「性格が悪くなる」程度では、意思疎通ができないというわけでもありません。離婚が認められるためには、ある程度の長期の別居等、顕著な破綻を裏付けるような事実が必要かと思われます」 今回の場合、すぐに夫と離婚できる、というわけではないようですね。非常に難しい事案ではあります。夫を見捨てるようで罪悪感に苛まれることもあるでしょうし、事故によって辛い思いをしている夫を支えなければという気持ちとの葛藤もあるかもしれません。ですが、致し方ない障害だったとしても、結果として夫婦関係継続が難しく、長期別居など破綻してしまっていると認められる場合は離婚も不可能ではありません。妻として苦しい決断ではありますが、限界を感じるのなら、我慢して結婚生活を続ける必要はないでしょう。 *取材協力弁護士:森川文人(ピープルズ法律事務所。弁護士歴25年。いわゆる街弁として幅広く業務を経験。離婚、遺産相続をはじめ、不動産、 慰謝料・損害賠償請求、近隣トラブル、借地借家、賃金、インターネット問題、知的財産権などを扱う。)*取材・文:櫻井哲夫(本サイトでは弁護士様の回答をわかりやすく伝えるために日々奮闘し、丁寧な記事執筆を心がけております。仕事依頼も随時受け付けています)【妻の葛藤】交通事故の後遺症で豹変した夫…離婚事由として認められる?はシェアしたくなる法律相談所で公開された投稿です。【妻の葛藤】交通事故の後遺症で豹変した夫…離婚事由として認められる?はシェアしたくなる法律相談所で公開された投稿です。
2019年03月28日日本の離婚率と言えば、「夫婦の3組に1組が離婚」といった数字を聞いたことがある人が多いと思います。日本の離婚率は高いように思いますが、はたしてそうなのでしょうか?本記事では、日本の離婚率について解説し、日本では離婚率が高いと言われる理由についても検証します。日本の「離婚率」が高いというのは本当?厚生労働省「平成29年人口動態統計月報年計(概数)の概況人口動態総覧(率)の国際比較」日本の離婚率の推移日本の離婚率は、近年上昇しているのでしょうか?戦後の日本の離婚件数及び離婚率の推移は、次のグラフのとおりです。厚生労働省「平成29年(2017)人口動態統計月報年計(概数)の概況結果の概要」このデータによると、同居期間15年未満の夫婦の離婚件数は、平成17年をピークに概ね減少傾向です。しかし、同居期間15年以上の夫婦の離婚件数は、それほど減っていません。同居期間35年以上に限っては、平成17年よりも平成29年の方が多くなっています。同居期間が長い夫婦というのは、熟年離婚ということです。つまり、離婚全体に占める熟年離婚の割合が増えているのです。離婚率が高いと言われるのは熟年離婚が増えたから近年離婚件数はむしろ減少傾向です。けれど、これまで離婚しなかった40~50代以上の夫婦の離婚が増えたため、離婚率が高くなった気がするのではないかと思います。熟年離婚が増えているのはなぜ?熟年離婚が増えている理由としては、以下のような点が考えられます。共働き夫婦が増えた女性は離婚するとなると経済的な心配があります。今は40代以上でも働いている女性が多いですから、離婚後に直ちに困るといったケースが少なくなってきています。年金分割制度の創設平成20年度から、離婚時に夫の年金保険料納付記録を分けてもらえる「離婚時年金分割」の制度が始まりました。年金だけで生活していくことは難しいですが、年金分割すれば多少なりとも年金が増えることで、専業主婦やパートの人でも離婚しやすくなったというのがあります。高齢化により寿命が長くなった寿命の短かった昔は、夫婦で余生を過ごす時間はそれほど長くはありませんでした。しかし、現在では寿命が延びたため、子供が巣立ったり仕事を引退したりした後も、夫婦でいる時間が増えてしまったというのがあります。残りの人生、今のパートナーと過ごすのではなく、自分の好きなように生きたいという人も増えています。相手の介護をしたくないという理由もあるでしょう。婚姻期間が長くなったということは、離婚できる期間も長くなったということです。長い人生の中で、離婚という選択肢を取る余裕ができたことも熟年離婚が増えた理由と考えられます。熟年夫婦の離婚理由では、熟年夫婦はどういった理由で離婚しているのでしょうか?一般に、離婚原因として、最も多いのは、性格の不一致です。離婚原因については、こちらの記事をご参照ください。熟年夫婦であっても、離婚理由の中心的なものは、性格の不一致です。と言っても、長年一緒にいる夫婦はお互いの性格をよく知っているはずですから、性格の不一致で即離婚を決めているわけではありません。熟年夫婦の場合、長い夫婦の歴史の中で、浮気、浪費、親族との不和など、いろいろな事件を経験しています。その時々には離婚せずに乗り切ったけれど、納得いかないことを積み重ねた結果、最終的に性格の不一致として離婚を決めているケースが多いように思います。日本の離婚率:まとめ日本の離婚件数は、平成14年をピークに減少しており、離婚率も低下しています。近年、離婚が増えているようなイメージがあるのは、熟年離婚が多くなっているからです。寿命が長くなったことにより、性格の合わないパートナーと余生を過ごすよりも、残りの人生自分の好きなように生きたいと考える人もいるでしょう。熟年離婚にはリスクもありますから、しっかり準備して臨むのがおすすめです。
2019年03月26日離婚する夫婦は増えていると言われていますが、どのような理由で離婚をしているのかが気になるのではないでしょうか?ここでは、夫婦の離婚原因についてランキング形式でご紹介します。男性、女性がそれぞれ離婚を考える場合の離婚原因の違いについても知っておきましょう。離婚原因ランキング1位から10位は?夫婦がどんな理由で離婚しているかを知るためには、裁判所の発表している司法統計が参考になります。司法統計には、家庭裁判所に申し立てがあった婚姻関係事件(主に離婚調停)の申立人に「申し立ての動機」の調査を行って、男女別にまとめたものがあります。最新の司法統計のデータから、離婚原因をランキング形式でみてみましょう。※この調査は、複数の選択肢の中から、1人3個まで回答ができるものです。()内に、全体の何%の人がその理由を挙げているかを付記しました。妻から申し立てた場合の離婚原因ランキング平成29年度、家庭裁判所に離婚調停などの申し立てがあった件数は、妻側からが4万7,807件、夫側からは1万7,918件と、妻側からが圧倒的に多くなっています。妻側の申し立ての動機のランキングは、次のとおりです。1位性格が合わない(39%)女性が離婚原因とする中で最も多いのは、性格の不一致です。他の原因がある場合でも、性格も合わないと考える人は多いでしょう。2位生活費を渡さない(28%)夫から生活費を渡してもらえないことで離婚を考える女性はかなり多いようです。生活費を渡さないのは、経済的虐待と言えるでしょう。3位精神的に虐待する(25%)精神的虐待を理由に挙げる人も多くなっています。いわゆるモラハラです。4位暴力をふるう(21%)夫に暴力をふるわれると、当然離婚を考えることもあるでしょう。かなりの女性が夫の暴力を受けているようです。5位異性関係(16%)異性関係は、夫婦の関係に亀裂を及ぼします。夫が浮気すれば、夫を信頼できなくなってしまいますから、離婚を考えるのも当然でしょう。6位浪費する(10%)夫婦の財布は1つです。夫の浪費により生活に支障が出るようなら、離婚原因にもなるでしょう。7位家族を捨てて省みない(8%)夫婦というのは協力して家庭を築くものです。夫が仕事や他のことで全く家庭を省みなければ、何のために結婚しているのかもわからなくなるでしょう。8位性的不調和(7%)性交渉拒否、性的不能、異常な性癖、セックスレスなど、性的な問題は夫婦にとって大きな障壁となります。離婚の原因として夫との性的不調和を挙げる人も少なくありません。9位家族親族と折り合いが悪い(6%)今は夫の親との同居が少なくなったとはいえ、夫の家族や親族との付き合いをしなければならない場面はあります。家族や親族とうまくいかずに離婚を考える人もいます。10位酒を飲み過ぎる(6%)お酒を飲み過ぎ、問題を起こしてしまう夫はいます。夫の酒癖の悪さから、離婚を考えることもあるでしょう。夫から申し立てた場合の離婚原因ランキング夫が申し立てた場合の申し立ての動機は、次のような順位になっています。1位性格が合わない(61%)夫が申し立てた場合でも、やはり性格の不一致がトップです。男性の場合は、半数以上が性格が合わないことを離婚原因の1つとして挙げています。2位精神的に虐待する(20%)夫が妻から精神的虐待を受けているケースも多いようです。妻の性格がきつ過ぎる場合、夫側は虐待と捉えていることもあるでしょう。3位異性関係(14%)夫婦間には貞操義務がありますから、妻の浮気がわかれば、夫も離婚を考えるのは当然です。男女問わず、異性関係は離婚原因の代表的なものです。4位家族親族と折り合いが悪い(13%)夫が妻側の親族と折り合いが悪いこともあります。相手の親族との不調和を挙げる人の割合は、男性の方が大きいようです。5位性的不調和(12%)男性では、離婚を考える原因として性的不調和を挙げる人の割合が、女性の倍近くになっています。男性の方が、性的な問題を重視する傾向があります。6位浪費する(12%)妻の浪費も家庭生活に影響を及ぼします。夫が妻の浪費により離婚を考えることもあるでしょう。7位同居に応じない(8%)相手が同居に応じないことは、女性では圏外(12位)ですが、男性では7位にランクインしています。女性が出て行って戻ってこないケースが多いことがうかがわれます。8位暴力をふるう(8%)暴力をふるうのは男性だけではありません。妻の暴力を理由に挙げる男性も、相当数います。9位家族を捨てて省みない(5%)妻が家族を捨てて省みないこともあります。この場合には、夫の方が離婚を考えることもあるでしょう。10位生活費を渡さない(4%)妻が財布を握っていて、夫に生活費を渡さないこともあるでしょう。女性側ほどではありませんが、生活費を渡してもらえないことを理由に挙げる男性もいます。法律上の離婚原因となるものは限られている離婚原因が何であれ、夫婦が離婚することに合意していれば、協議離婚ができます。もし相手が離婚に合意しない場合には、裁判所を通じて離婚することを考えなければなりません。離婚調停は話し合いの延長ですから、両者が合意すれば離婚は可能です。しかし、裁判では、法律(民法)上の離婚原因がない限り、簡単に離婚はできないことになっています。民法上の離婚原因民法770条1項1~5号に離婚原因として定められているのは、次の5つになります。配偶者に不貞な行為があったとき配偶者から悪意で遺棄されたとき配偶者の生死が3年以上明らかでないとき配偶者が強度の精神病にかかり、回復の見込みがないときその他婚姻を継続し難い重大な事由があるとき性格の不一致、経済的・精神的虐待、暴力、酒癖などは離婚原因になる?上の司法統計で挙げられている離婚原因のうち、「異性関係」は民法770条1項1号の不貞行為に、「生活費を渡さない」は2号の悪意の遺棄に該当します。その他の離婚原因は、5号の「その他婚姻を継続し難い重大な事由」に該当しない限り、法律上の離婚原因とはなりません。どんな場合に「婚姻を継続し難い重大な事由」となるかは、ケースバイケースの判断が必要になります。男女とも多くが離婚の原因と考える「性格の不一致」も、それだけでは法律上の離婚原因にはなりません。努力してもどうしようもないなら離婚原因になる「婚姻を継続し難い重大な事由」として離婚原因になるのは、共同生活の回復が見込めない程度に夫婦関係が破綻している場合、すなわち努力しても修復不可能な場合です。性格の不一致というだけでは離婚できませんが、性格の不一致により夫婦関係が実質的に破綻しているなら、離婚が認められる可能性はあります。離婚原因を作れば慰謝料を払わなければならないことがある法律上の離婚原因がある場合、離婚原因を作った側は、相手に対して慰謝料の支払義務を負うことがあります。ただし、離婚原因があれば必ず慰謝料が発生するわけではありません。慰謝料を払わなければならないのは、離婚原因となった行為に、違法性がある場合です。不貞行為や暴力、悪意の遺棄などでは慰謝料を請求できます。それ以外の離婚原因でも、違法性があると言えるレベルなら、慰謝料請求できる可能性があります。離婚原因を作った側でも親権者になれる夫婦間の離婚の原因と子供の親権とは関係ありません。たとえば、母親が不貞行為をして離婚原因を作った場合でも、母親は子供の親権者になることができます。子供の親権者は、子供にとってどちらの親に育てられるのが良いかを基準に決めます。夫婦の問題と親子の問題は切り離して考えるということです。夫婦の離婚原因まとめ日本では、法律上の離婚原因に該当していなくても、お互いが合意さえすれば離婚できるシステムになっています。全体の約9割が協議離婚ですから、大部分が「性格の不一致」など法律上の離婚原因とまでは言えない理由で離婚しているものと思われます。もし相手が離婚に同意しなかったら、簡単に離婚はできません。離婚したいけれど相手が拒否している場合には、離婚原因があることの証拠が必要になりますから、弁護士などに相談して対処しましょう。
2019年03月18日「セクハラ」「パワハラ」に続き、「モラハラ」に注目が集まる今日この頃。「モラハラ」と聞くと、夫が妻に「俺の稼ぎのほうが多いよな!」とすごむような光景を思い浮かべがちですが、モラハラの加害者はいつも夫とは限りません。実は、強力なモラハラ系モンスターワイフも、そこかしこで暗躍しているのです。モラハラの恐ろしいところは、DVなどと違って、加害者に加害者意識がない場合が多いこと。 前回 ご紹介した友梨佳さんのケースではどうでしょう。夫の裕貴さんの目に映る友梨佳さんは、完全なモラハラモンスター。しかし、当の友梨佳さんには何の悪気もなく、まさか自分がモラハラをしているなどとは夢にも思っていません。それどころか、「自分は家族のためにしている。家族を正しい方向へ導いている」という気でいるのです。夫と妻、それぞれに見える現実が完全に乖離(かいり)したまま、ついに夫は「妻を断舎離する」というところまで追いつめられてしまいました。その後、友梨佳さんと裕貴さんはどうなったのでしょうか。離婚も辞さない覚悟の裕貴さんに対して、友梨佳さんは夫がなぜ自分を捨てたがるのか、まったく理解できずに大混乱。「離婚だとか、そんなこと考えられません。私は夫を愛しているんですから。愛しているからこそ、夫にも消費社会の呪縛や物欲から解放された、本当に自由で健全な生き方をして欲しくて…。一体、夫はどうしたら、私の思いを理解してくれるのでしょうか?」「悪気がないからタチが悪い」というケースの典型例です。この期に及んでまだ、友梨佳さんは自分がモラハラの加害者であると認識できずにいるのです。このままではいつまでたっても、2人の主張は平行線をたどるだけでしょう。あなたも知らず知らずのうちに、モラハラ妻になりつつありませんか? 自分の中に危険な傾向を見つけたら、早め早めにリスクを摘み取ることが重要。早速、以下のチェックテストをどうぞ。■「モラハラ系モンスター 暴走ダンシャリアン」度チェックここでは、あなたの「モラハラ系モンスター 暴走ダンシャリアン」度をチェックしてみましょう。以下の質問で、〇はいくつありますか?1. 物事の「違い」を尊重するよりも、「優劣」をはっきりさせたい性格だ。2. 自分がいいと思ったものは、人にすすめずにはいられない。3. 自分のやり方が受け入れられないとイラっとする。4. 善意と熱意を持って接すれば、相手を変えることはきっとできる。5. 家族が効率の悪いことやムダなことをしていると、すぐに口出ししてしまう。6. 不必要と思えば、人もモノも遠ざけたくなる。7. 自分のことを道徳的、常識的な人間だと信じている。 8. 夫に直して欲しいところ、変えて欲しいことが即座に5つは思い浮かぶ。9. 夫婦けんかの中で、相手の癖や生活習慣を否定したことがある。10. 子どもたちの前で夫を「悪い大人の見本」扱いしてしまったことがある。■あなたの「モラハラ系モンスター 暴走ダンシャリアン」度は何レベル? 「モンスターワイフ」判定結果「モラハラ系モンスター 暴走ダンシャリアン」度をチェックする質問に、あなたはいくつ〇がありましたか? 下の判定結果と照らし合わせて、自分のモンスターワイフ度を確認しましょう。○の数が3個以上6個未満は、暴走ダンシャリアン度「C」(「自分こそ正義」「家族は私のやり方を見習うと幸せになる」という態度をとり始めていませんか?)○の数が6個以上8個未満は、暴走ダンシャリアン度「B」(自分のスタイルを夫にゴリ押しすることが多いのでは? 要注意!)○の数が8個以上は、暴走ダンシャリアン度「A」(夫もあなたと同じ、個性を尊重されるべき個人です。夫の気持ちやポリシーを切り捨てないで!))■モラハラモンスターにならないための「2つの心得」「セクハラやパワハラの定義は難しいが、被害者がセクハラだ、パワハラだと感じたなら、それはセクハラであり、パワハラである」と言いますね。モラハラも同じです。妻にどれほど悪気がなかろうと、善意しかないと言っても、夫が妻の言動をモラハラだと感じたなら、それはモラハラ以外の何物でもないのです。「それじゃあモラハラを避けるために、具体的に妻はどうしたらいいんですか?」そんな声が聞こえてきそうです。大丈夫。モラハラモンスターワイフ化を防止するための心得が、ちゃんとあります。どんな時も妻たちに心に留めておいて欲しいのは、以下の2つの点。一つ目は、「他人が操作して人を変えることはできない」ということです。これは、夫婦関係のみならず、あらゆる人間関係の基本です。大の大人が、それもプライドを傷つけられるのが大嫌いな男性たちが、「あなたのここがよくない」「こうしなくちゃダメよ」などと妻から言われると、気持ちよくはありません。誰しも大人になるまでに、さまざまな経験をして、たくさんの選択を重ねて、今の自分があります。本人にしか分からない心の傷があり、本人にしかわからないこだわりがある。そうしたことが、各人の「個性」を形成しています。それなのに、いくら妻だからといって、自分ではない別の人間が「ああしろ、こうしろ」と指図してきたのでは、それは夫にとってストレスにしかなりません。「自分なりのこだわり」を単なる「ムダ」と切り捨てられた時にも、夫のプライドは傷つきます。夫独自のやり方があるのに「そんなんじゃダメ。もっとこうして」とダメ出しされたり、個人の好みの問題にまで口を出されて、自分のスタイル、自分の趣味を否定されたり…。それが続くと、夫は妻に自分の人格や人間性を否定されていると感じるようになります。それを子どもの前でやるなどというのは、言語道断。夫の自尊心をひどく傷つける行為です。「自分と夫は別の人間」「夫を自分の思い通りに変えることなどできない」という事実が見えていない、あるいは事実に目をつむっている妻が多いのです。だから、それと気づかぬまま夫にモラハラ攻撃を続けてしまう。さらに、自分の善意のアドバイスや指示が夫に受け入れられないと、妻たちは傷つき、腹を立てます。そして「アドバイス」はいつしか「命令」になり、夫に自分の要望を飲ませよう、夫を自分の望み通りに変えようと躍起になります。こうなると、もはや夫にとって妻はモラハラモンスターでしかありません。夫がしていることや持っているものが、ムダか否か。それを決めるのは妻ではなく、夫本人です。「でも、相手はほかの誰でもない、私の夫なんだもの。自分の夫だからこそ、自分がいいと思うものはすすめたいし、よりよく変わってもらいたいんです」そんな妻の気持ちも分かります。では、どうすればいいのか?人を変えることはできないし、変えようとしてはいけません。人というのは自ら変わりたいと思った時に、初めて変わることができるのです。「あなたにこうして欲しい」「あなたにこう変わって欲しい」を上から目線で押しつけない。夫を変えようとするのではなく、夫が自ら「変わろう」と思うような機会を提供するのです。例えば、「夫のファッションセンスが理解不能。もういい大人なんだから、もっとちゃんとした格好をしてよ。一緒に外出するのも恥ずかしいから、私が選んだものを着てちょうだい」というのが、妻のホンネだとします。それをそのまま伝えたら、夫は自分の趣味を否定された気持ちになって傷ついたり、腹を立てたりするでしょう。では、「夫の着るものを変える」というゴールは同じであっても、伝え方を変えてみたら?「もっと正統派のおしゃれのほうが、あなたの魅力が引き立つと思うのよね。ちょっとあなたに着てみて欲しいお洋服があるんだけど…」まずは、相手の好みや趣味を否定しない。そして、妻の好み(夫自身の趣味ではない)を受け入れるか否かの選択権を、あくまで夫に委ねてみるのです。この後者の方法であれば、夫が「自分を否定された」と思うことも、「自分を曲げるよう強要されている」と感じることもないでしょう。このやり方であれば、妻の「要望」が夫に対する「モラハラ」になることもないのです。■妻のモラハラ行為「実は自信のなさの裏返し?」モラハラモンスター化防止のため、そして夫と幸せで安定した関係を築くために大切なポイントの二つ目は「自信」です。「モラハラモンスターって、自分や自分のやり方に自信過剰な人がなるんじゃないの? それなのに、モラハラモンスター化防止に大切なのは自信…?」そう思った方もいるでしょう。確かにモラハラ系モンスターは一見、「我が道に自信満々」というタイプに見えます。けれども、最近急増中なのは「自信満々に見えて、実は本当の意味での自信をまったく持てずにいるタイプ」のモラハラモンスターワイフです。「私の人生、これでいいのかしら?」などと、自分の生き方に漠然とした不安を抱いている妻。彼女たちは「新しいライフスタイル」や「洗練」といった言葉に弱く、常に「よりよい暮らし」を目指さなければならないような気がしています。これまでにも何度かお話ししてきましたが、ある種の妻たちにとって現代社会は非常に危険な社会です。自分自身のことをしっかり理解できず、自分のスタイルを確立できていないと、情報に流されてしまいます。インターネットによって無限の情報にアクセスすることができるようになりましたし、SNSの普及で人の暮らしをのぞき見ること、自分のライフスタイルを発信することが可能になりました。人の暮らしぶりや持ち物にいちいち嫉妬して張り合いたがる。自分だって幸せだと、見えを張りくなる。自分のスタイルが確立できていないから、ちょっとおしゃれに見える他人のスタイルをすぐにまねしたくなる。新しいもの、話題のものにすぐに飛びついて夢中になる。けれど、それが本当に自分が求めているものなのか、自分に合ったものなのか確信が持てないから、不安をかき消すために周りの人まで巻き込もうとするのです。本当に自分のこと、自分の求めるものを知っていて、自分の生き方に満足している人の心は安定し、落ち着いています。そんな妻は、以下のようなこととは無縁です。「没頭できるものがないと、不安で落ち着かない」「よさそうなものを目にすると、とりあえず片っ端から飛びつかずにはいられない」「何かが『マイブーム』になると、周囲の人にも加わって欲しくて仕方がない」自分の信条がしっかりしている人ほど、人の生き方も尊重できます。そして、人に押しつけられたライフスタイルや人にねじ曲げられたテイストでは、結局うまくいかないことも分かっています。自分に自信を持ち、自分の生き方に満足している妻は、「私もOK、あなたもOK、みんなOK!」と考えられるのです。そんな妻の心には、モラハラモンスターも侵入できません。知らず知らずのうちに、夫を全否定してその心を荒ませるモンスターワイフと化さないように。「私は私、夫は夫」という冷静な線引きができ、「私は私の生き方に満足」と思える、理性的なハッピーワイフを目指してください。
2018年11月11日夫の愛が冷めてゆく…それは、妻にモンスターワイフの影が見えるから…。「親しき仲にも礼儀あり」とは、人生の真実。とはいえ「親しい」どころのレベルではなく「運命共同体」である夫婦の間で、このことをきちんと理解できていないケースが多いのは非常に残念なことです。夫婦としてどれだけ親しい、近しい関係にあろうとも、夫はあなたとは別の人間。あなたとは違う感じ方、考え方、好み、ポリシーを持っていて当然なのです。ところが、そんな当然のことを認められない、認めたくない場面が出てきてしまうのが、夫婦生活の難しいところ。「この人の、こういうところがどうしても理解できない。苦手」「親身になってアドバイスしてるのに、まったく聞く耳を持ってくれなくて頭にきちゃう」相手が知人や友人ならば、距離を置くという選択をすることも可能です。けれども、夫婦となると、そうはいきません。毎日顔を合わせなければならないし、簡単に距離を置くことなどできない。今後もおそらく、ずっと一緒にいる相手。お墓もおそらく一緒…。だからこそ、夫を自分の都合がいいようにしたい。夫に気になる言動があったら、直して欲しい。夫にも、自分のやり方に従って欲しい。そう思うようになってしまうのです。「長い人生を共にする、代えなどきかないパートナー」だと思うからこそ、「相手と自分は違う人間」という当たり前過ぎる事実が見えなくなる。相手を支配したいと思うようになってしまう…。妻の中のこうした傾向は、夫の人格を否定する「モラハラ系モンスター」の卵。このタイプのモンスターワイフは、夫という自分とは別の人間の存在を無意識に否定し、夫婦仲を崩壊させます。あなたも知らないうちに、モラハラ系モンスターへの第一歩を踏み出し始めていないでしょうか?悪気などまるでなく、けれども気づけば完全なモラハラモンスターと化していた友梨佳さんのケースを参考にしてみてください。■断捨離に狂ったモラハラ系妻「家から次々とモノがなくなっていく…」「モラハラ系モンスター 暴走ダンシャリアン」代表:友梨佳(仮名)34歳の場合裕貴は我が家のドアの前に立つと、ドアノブに手をかけて大きくひとつ深呼吸をした。最近ではこの瞬間が、一日の中で最も緊張する時間かもしれない。意を決して家の中に入る。リビングに異変はない。そこから見えるキッチンも、問題なさそうだ。鍋の中をのぞき込みながら「おかえり」とつぶやくように言った妻の友梨佳の様子も、いつもと変わりない。よかった。今日我が家では、何も起こらなかったようだ…そう胸をなで下ろして洗面所のドアを開けた裕貴はギョッとした。洗面所が、異様に広々として見える。それもそのはず、1年半前に友梨佳に懇願されて渋々購入した乾燥機が、跡形もなく消え去っているのだ。裕貴が唖然としていると、いつの間にか彼の背後に立っていた友梨佳が、不気味な笑いを浮かべて言った。「どう?スッキリしたでしょ。乾燥機も断捨離しちゃった。やたら場所を取るし、やっぱり服を傷めちゃうし。それにね、ネットで見たんだけど、乾燥機にかかる平均的な1カ月分の電気代って…」裕貴は嬉々としてしゃべり続ける妻の声が、遠のいていくのを感じた。勘弁してくれ。毎日毎日、家の中から何かしらなくなっていく。最初は、去年のクリスマスにねだられたホームベーカリーだった。次はトースター。続いて炊飯器が消えた。そして、今度は乾燥機?裕貴は文字通り頭を抱えると、「断捨離」の素晴らしさについてお決まりの熱弁を続けている妻をその場に残して、フラフラと寝室に逃げこんだ。■浪費と衝動買いを繰り返す「片づけられない妻」友梨佳と裕貴は、ともに27歳の時に結婚した。いわゆる「授かり婚」で、長女の芽衣は今年7歳。2歳下には長男の海斗もいる。少々いい加減でだらしないところはあるが、基本的に明るくニコニコしている友梨佳。優柔不断なところもあるけれど、穏やかで優しい裕貴。2人の結婚生活は、それなりにうまくいっていた。けれど、経済的な不安はあった。裕貴は小さなメーカー勤務で、収入はそれほど多くない。それなのに働くのが嫌いな友梨佳は第一子妊娠を理由に、ほとんど独断でショッピングモールの販売員の仕事を辞めてしまったのだ。長男の幼稚園入園後、夫にせっつかれてようやく友梨佳は重い腰を上げ、パート先を探し始めた。友梨佳の口癖は「好きなことしかしたくない」。そんな調子なので彼女の仕事探しはなかなか進まず、夫婦けんかも増えた。妻の「好きなこと」は、世の中にあまりないように裕貴には見えた。しょっちゅう「何か楽しいことないかなぁ」などと言いながらダラダラとネットサーフィンを続け、その時々の流行の商品やサービスを購入したりする。だが、どれも1カ月もしないうちに、友梨佳はきれいサッパリ忘れ去ってしまう。そんな性格の反動なのか、数年に一度、何かにハマると友梨佳はすさまじい勢いで熱中した。彼女が好条件とは言えない雑貨屋のパートの職にあっさり収まったのも、そのショップの雑貨にハマったからだった。キッチン小物やらベランダ用の置き物やらガーデニング用品やら、友梨佳はしょっちゅう細々したものを購入してパートから帰って来る。稼いだそばから浪費してしまうのも困りものだったが、それ以上に裕貴を困惑させたのは、どんどんひどくなる家の散らかりぶり。「春になったらハーブを植えるのよ。そのハーブを使ってお料理するの。すてきじゃない?」友梨佳はそんなことを言って自分の妄想にうっとりしているが、実際に春が来る頃にはそんな妄想などすっかり忘れているに違いないと、裕貴はため息をつく。一体どうして妻は、「ベランダ」というより「エアコンの室外機置き場」と言ったほうがいい小さな小さなスペースのために、これだけ大量のモノを購入してくるのだろう。キッチンだってそうだ。同じようなものをすでに持っていても、「デザインがすてき」、「ひと工夫あって使いやすい」などと言って、似たようなものを山ほど買ってしまう。おかげでキッチンも、モノだらけでグチャグチャ。その収納のために「すきま収納」家具が欲しいと友梨佳が言い出した時には、さすがの裕貴も異議を唱えた。「家具を増やして収納することより、少しはモノを減らすことも考えてくれよ。似たようなものがいっぱいあるじゃないか。同じようなものは処分するなり、ネットで売るなりできないのか?」自分の要望が通らず、友梨佳は逆上した。「何よ。私は家族のためにおうちをすてきな場所にしようと思って、そのためのアイテムを買いそろえてるのに。それに、料理なんてほとんどしない裕貴に、キッチン用品の使い勝手なんて分からないでしょ。何にも分からないくせに、口出ししないでよ」こうして始まった冷戦は結局、友梨佳が自分のパート代ですきま収納家具を購入し、裕貴がそれを黙認するまで続くことになった。この家が足の踏み場もない状態になるのも、時間の問題だな…。さらに狭くなったキッチンをながめながら、裕貴はがっくりと頭をたれた。 ■断捨離に目覚めた妻「トースター、炊飯器、次は…」やりすぎで生活崩壊ところが、事態は思わぬ展開を見せた。雑貨コレクターと化していた友梨佳が、断捨離ブームに乗っかったのである。「モノに依存しても、本当の幸せは得られないって気づいたの。それどころか、モノをためこむことで、幸せは逃げていってしまうみたい。これからはできる限り、シンプルライフを目指すわ」断捨離に関する本や雑誌を、散らかり放題のテーブルに山積みにして満足そうに笑う友梨佳。どうせ断捨離のムック本やら、お片付け講座のDVDやらが増えて、さらに部屋が狭くなるだけに違いない。そう思っていた裕貴だったが、翌週から本当に部屋が片づき始めた。毎晩裕貴が帰宅すると、友梨佳は夫の帰りを待ち構えていたかのようにやって来て、すごい勢いでまくし立てた。「今日はゴミ袋4つ分捨てちゃった」「しゃもじはね、厳選してこれ一つだけ残すことに決めたの」「私はこれまで新しいモノを買うことで、『新しい自分』になれるような気がしてたんだけど、今は違うの…」友梨佳は何やら、断捨離によってすさまじい充足感・達成感を得ているらしい。その没頭ぶりは多少異常なような気もしたが、とにもかくにも部屋が片づくのは素晴らしい。裕貴はそう思い、妻の変化に目を細めていた。しかし、そんなふうに呑気に構えていられたのは最初のうちだけ。裕貴はすぐに、断捨離にハマり過ぎた妻についていけなくなっていった。似たようなものが山ほどある、鍋しきやら調味料ケースを断捨離してくれるのは大歓迎。だが、さんざんねだられて買ったばかりのホームベーカリーを手放したと聞いた時には、裕貴も驚いた。「まだ新品同様だったじゃないか。これからまだまだ使えたのに…」「そういう問題じゃないのよ」決然とした口調で、まるでその道の専門家か何かのように友梨佳が解説する。「『まだ使えるモノ』であっても、『実際には使っていないモノ』を家に置いておくのが大問題なわけ。使われていない不要なものは、負のエネルギーを出すようになっちゃうんだから」確かにホームベーカリーは購入直後に2、3度使われたきり、まったく使用されていなかった。費用を負担した裕貴としては「もったいない」という気持ちはあったが、これからもずっと使われない運命にあるモノに、決して広くない家の中の空間を占拠させておくほうが「もったいない」のかもしれない。裕貴はそう考えて、自分を納得させることにした。ところが、しばらくしてトースターまで捨てたと言われた時には裕貴は訳が分からなくなった。「トースターは毎日使ってるじゃないか」すると友梨佳は、「まったく、これだから何も知らない人は…」と言わんばかりの顔で答えた。「トーストなんて、フライパンでもできるんだから。ミニマリストの間では、家電を減らしてほかのもので代用するのは常識よ、常識」ミニマリスト…? ついこの間まで「私って『ステラレネーゼ』なの」などと言っていた妻が、一体いつの間にミニマリストになったというのだ。裕貴はひたすら理解に苦しんだ。その間にも友梨佳の断捨離熱は、ひたすら過熱していった。次に姿を消したのは、炊飯器。友梨佳に言わせれば、「時短料理ブームの時に買った圧力鍋を使えば、あっという間にごはんが炊けるから炊飯器なんていらない」とのことだった。ところが、そこはもともとズボラな友梨佳のこと。「フライパンでトースト」も「圧力鍋で炊飯」も1週間と続かず、朝食のパンは「トーストしなくたっていいじゃない」とそのまま出されるようになり、ごはんの代わりに麺類ばかり出される日が続いた。「今日は米が食べたい」と裕貴が何日か連続でリクエストすると、とうとう「そんなにごはんが食べたければ、コンビニでパックのやつ買ってきたら?」などと言い出す始末。この頃になると、断捨離に関する夫婦けんかが急増した。「何でもかんでも後先考えずに処分して、生活に支障が出てきてるじゃないか」「支障って何よ? 家の中はどんどんスッキリ、快適になってきてるじゃない。きれいなものはネットフリマで売ると2000円位になるのよ。上等じゃない!」「なんだよ、その言い方。俺は前みたいに毎日普通に米が食べたいし、子どもたちだって朝はトーストが食べたいって言ってるだろ。快適、快適って言い張ってるのは、友梨佳だけじゃないか」こんな時、友梨佳はお決まりの「あきれた」「あなたは何も分かってない」という顔をする。そして、やれやれと首を振りながら言うのだ。「あなたは本当の『快適』の意味が理解できてないのよ。麺か米か? パンがトーストしてあるかどうか? そんなことが本当に重要だと思ってるの? だとしたら、あなたはこの過剰消費社会に踊らされてるのよ。あれこれ用途別に家にモノを増やして、それで快適な生活を手に入れているつもりなんだとしたら、そんなの健全じゃないわ。モノだらけの空間は精神衛生上よくないし、お金も浪費…」「じゃあコンビニの白米パックやコインランドリーは何なんだよ!」裕貴はすかさず反論した。「乾燥機なんてスペースばっかり取って服を傷めるって言って処分しておいて、やっぱり干すのが面倒でコインランドリーに頼ってるのは一体、何なんだ? せっかく買ったものを何にも考えずに処分して、新たな出費まで発生してるようじゃ、それこそ浪費以外の何物でもないじゃないか」「どうしてあなたは、いつもそうなの!?」ここで友梨佳は、まさかの逆ギレ。「私はいつだって家族のために、最善のライフスタイルを目指して頑張ってる。それなのにあなたは、いつもそうやってあげ足を取って、ケチをつけて…。どうして私の気持ちを分かってくれないの!?」こうして友梨佳の大爆発で、何の解決にもならないまま、けんかが強制終了されるのがいつものパターン。友梨佳は自分のやり方が通らなければ逆上し、泣きわめく。裕貴はそんな日々に疲れきっていた。けれども実は、この頃はまだよかったのだ。友梨佳の断捨離テリトリーが、主婦の主戦場であるキッチンや洗面所に限られていた頃は…。 ■「パパ、ダメね~」子どもを味方に断捨離を強要する妻そのうち友梨佳はベッドまで断捨離したいと言い出した。さらには、裕貴の個人的な持ち物にまで、連日うるさく口出しするようになる。「ねえ、このカタログ捨てていいでしょ」「この漫画本、全然読んでないじゃない。売りましょう」「あなたのクローゼットで、こんなシャツ見つけたんだけど。悪趣味よ。全然あなたに似合わない。捨てちゃっていいわよね」自分の持ち物にまで、断捨離に狂った妻の魔の手が伸びてきそうになり、裕貴も自分の身を守るために徐々に攻撃的になっていく。もはや断捨離をめぐる衝突は、日常の一部と化していた。ひたすら断捨離の素晴らしさを説き、それを夫にも押しつけようとする友梨佳。そんな妻を異常だと感じ、抵抗する裕貴。自分が理想とするライフスタイルを認められず、じれにじれた友梨佳は、とうとうこの問題に子どもたちまで巻き込み始めた。裕貴と口論になると、これ見よがしに子どもたちに向かって大声で言うのだ。「パパったら、いらないものをいつまでもためこんでダメねぇ。整理整頓ができなきゃダメって、幼稚園でも習うわよねぇ」「あーあ。パパはまだ、使わないものを捨てられずにいる。芽衣ちゃんと海斗くんは、パパみたいな大人になっちゃダメだぞー」子どもたちの前で「ダメな大人の見本」扱いされるにいたって、裕貴の妻を見る目も完全に変わってしまった。以前はズボラでミーハーで、とても「できた奥さん」とは言えなくても、それなりにかわいいところもあって、一緒にいて楽しいこともあった。けれども、今の友梨佳は独裁者だ。家庭内で自分の設定したルールが通らなければ即、激怒。自分のやり方こそ正しく、これを認められないのはお前がダメだからだという態度。そのうえ、子どもたちの前で、「パパはダメ人間」と毎日のように繰り返す。一体なぜこんな妻と一緒にいるのか。裕貴はいよいよ分からなくなってきた。■ついに夫のコレクションまで断捨離、その結果…そんなある日、決定的な出来事が起きた。大けんかの翌日、仕事から帰った裕貴がパソコン部屋に入ると、コレクションしていた映画のキャラクターのフィギュアが消えていた。何が起きたか、疑問に思うまでもなく一瞬で分かった。友梨佳が捨ててしまったのだ。持ち主である裕貴に何の相談もなく、何の許可も得ずに。裕貴専用のパソコンの横の、小さな箱に収められた、本当にささやかなコレクションだった。そんな小さな空間であっても、友梨佳は自分にとって「ムダなもの」にスペースを取られるのが、どうにも我慢ならなかったらしい。裕貴はリビングで、ミニマリストのブログに夢中になっている友梨佳に話しかけた。「お前の言う通り、健全な人生のためには、思いきっていらないものを捨てる覚悟も必要かもな」友梨佳はびっくりした顔でスマホから顔を上げたが、その顔はすぐに輝くばかりの笑顔に変わった。「もう! やっと分かってくれたのね! そうよ。ムダを排除して、本当に必要なものだけを持つことが一番大事なの。そういう生き方を、子どもたちにも早い段階から見せてあげることが…」友梨佳の弾んだ声を、裕貴がキッパリとした口調でさえぎった。「それなら俺が真っ先に断舎離すべきは、友梨佳、お前だよ」今ではガランとしたリビングで、友梨佳はポカンと口を開けたまま裕貴を見上げていた。「私が進む道こそが、我が家が進むべき道」と断捨離に没頭した友梨佳さん。夫の意見も持ち物も勝手に断捨離した結果、自分自身が夫の断捨離対象になってしまいました。果たしてこの夫婦の行く末は? 次回は、モラハラ系モンスターの診断チェックテスト、そして友梨佳さん、裕貴さん夫婦の結末をご紹介しましょう。
2018年11月10日夫婦が仲良く協力して子育てをする。本来はこの形を保ち続けるのが大切です。しかしやむを得ない理由で離婚に至ってしまうケースもあります。お子さんへの影響も考えて、離婚する方法やその後の子育てを進めていく方法をパピマミ編集部が紹介します。離婚に踏み切るか意思を確認これからの生活をどうすればいいのか、そんな悩みを抱えることもありますよね。夫婦だけの関係であれば、離婚してスッキリする のも1つの手です。しかし、子どもがいると事情は変わります。離婚すると、子どもは片親と離れることに。2人の親もとで育つことで得られるはずだった価値が得られなくなってしまうのです。その点を考えると、子育て中の離婚は影響が大きくなります。子どもへの影響を考え、離婚に踏み切るかどうかをしっかり検討 しましょう。離婚を考え始めたら準備を子育て中の離婚は、どちらが親権を持つかで争いが長引きがちに。そのため、当事者間での話し合いではなく、調停や裁判に進むケース も多くなっています。その場合、いかに有利に進めていくかを考えると、事前の準備が重要。相手に非があっても、それが証明できなければ裁判では勝てません。また、収入が不安定だと子どもを育てられない と判断されることも。とくに女性は、収入面の問題にぶつかります。離婚後も子どもを育てていきたいのであれば、離婚原因の証拠集めや安定した仕事につく ことなどを離婚準備として取り組んでいきましょう。子供を育てる費用についてはしっかり主張子育てにはお金がかかります。高校・大学まで進むのであれば、学費の負担は厳しくなります よね。離婚が原因で子供の学習の機会を減らすのは避けたいものです。離婚を早めたいために、夫からの養育費をあきらめるケースも多々あります。しかしそれは、必ずしも子どものためにはなりません。養育費は自分のためだけでなく、子どものためにも負担してもらうのが得策 です。養育費についての取り決めは、書面にしておくのがおすすめです。念には念を入れておきましょう。別れた夫と子どもとの面会についても考えたい離婚してからの子育ては、今まで以上に大変です。子どもを一人で育てるに等しい わけですから、どうしてもカバーできない部分はあるものです。女性だけではむずかしい力仕事など、男性の力が必要になります。感情的には夫を許せなくても、子どもにとってはたった一人の父親です。父親との接触を親の都合で断ってしまうのは、子どもの成長に悪影響です。離婚したあとも、父親と子どもが会う機会を設けましょう。スムーズに子どもを健やかに育てていくために、子供と夫との面会のルールを離婚の際に決めておく という事も重要なポイントとなります。まとめ離婚が避けられなくても、親の都合で子どもに悪影響は与えたくありませんよね。離婚は様々な原因で起こるもの。事前にしっかりと準備しておくことで、スムーズに手続きを進められます。子供が、離婚後も両親の庇護を受けて健やかに成長していけるように、離婚の条件については子供を優先して考えていきましょう。●文/パピマミ編集部
2018年10月23日・離婚したい・離婚させたくないいまのあなたはどちらの心境でしょうか。離婚に悩む夫婦や離婚を未然に防ぎたい夫婦に向けて、パピマミ編集部が、離婚の「原因」とその「解決策」、そして「予防」について、お話しします。離婚の原因パターンを知ろう!風邪を引く原因が様々なように、離婚をする原因も様々 です。風邪を引いた原因が「昨日お風呂に浸かりすぎたからだ!」とは思いませんよね。もちろん1つの要因かもしれませんが、いくつかの問題が合わさったときに、風邪の症状が出るもの。風邪と同じように離婚の原因も1つではなく、複数の問題があると思って問題ありません 。だからこそ、いろんなパターンの離婚原因を知る必要があるのです。●離婚しそうな考え方の特徴「破局するのはどのタイプ? 周囲で“離婚”した夫婦の特徴と対処法」や「辛党でお酒好きはキケン? 離婚しがちな人に見られる特徴3選 」を読むとわかるように、離婚する夫婦の話を聞いていると、一定の法則のようなものが見えてきます。価値観が違っていたり、金銭感覚が違っていたり。結婚する前は優しかったのに、結婚したらDVに変貌したり。あなたはどうでしょうか。極端な考え方をしていませんか?もし自分の考え方に疑問を持ったのであれば、「あなたにも訪れる?産後の離婚危機の考え方 」を読んでみてください。夫婦に亀裂が入る1つのパターン を理解できます。妻や夫にイライラしていても、イライラするだけなら問題ありません。ありませんが、その思いを口に出してしまうと離婚の危機につながります。「言っちゃってるカモ? 夫が離婚を考える“妻の無神経な一言”3つ」に書かれている3つの言葉は、男女問わず言われたら傷つく言葉です。離婚したくなるのも頷けます。自分が相手に対して、ヒドイ言葉を言っていないか、確認してみてください。●繋がっていたと思っていたのは自分だけ?離婚を切り出した経験のある方のお話を聞くと、相手がものすごく驚く、とおっしゃいます。ネット上では、・女は男の浮気をわかる・男は何も知らないというような意見であふれていますよね。しかし現実は、「20年待った!? トツゼン離婚を切り出す夫の気持ちと対処法」に書かれているような状況になり得ます。20年も前から離婚したいと思っていたことに、妻は一切気付いていなかった わけですから。「仲良しだったのにナゼ!? おしどり夫婦が突然離婚してしまう理由」を読んでもわかるように、周りからおしどり夫婦だと思われていて、片方が本当におしどり夫婦だと思っていも、もう片方はウンザリ しているかもしれません。自分たちは本当につながっているのか?を考えるのは、離婚を防ぐ上で大切なのではないでしょうか。実体験からわかる離婚問題を解決する方法離婚の原因がわかったら、次は離婚を解決する方法を考えてみましょう。解決といっても、「夫婦円満に戻りたい」「もう終わらせたい」など、十人十色ですよね。ここでは、離婚を防ぐための解決策 をご紹介します。●夫婦間での価値観のすり合わせ離婚危機に陥る夫婦の問題は、「夫婦の「すれ違い離婚」を防ぐ3つの方法」にも書いたように、価値観のすり合わせ を行なっていない夫婦は、離婚率が高いうえ、夫婦の満足度も低い傾向にあります。価値観や金銭感覚がズレているのは、ガソリンで動く車を水で動かそうとするようなもの。結婚の前提としてムリ が生じてきます。「離婚の危機にまで発展!私は産後の夫婦関係の危機をこう乗り越えた」には、すり合っていなかった価値観を元に戻すことによって、離婚を乗り越えたエピソードが紹介されています。「不倫から修復した例も!? 主婦たちが離婚危機を乗り越えたエピソード3つ」の3つのエピソードも、解決策は「価値観 」が重要になっています。ぜひ、自分の家庭と照らし合わせてみてください。●離婚を突きつけられたときの対処法「離婚するor許す? 夫が不倫したときに妻たちがとる対応ランキング」は、パピマミ編集部が453人にアンケートを取った結果から導き出されています。1位が「話し合いの上で判断する 」。2位が「問答無用で離婚する」でした。このランキングは妻にアンケートを取っていますが、夫に取っても1位は同じになるでしょう。結婚した相手ですから、問答無用で離婚を考えたりはしないはず。その点を踏まえると、離婚しようか迷っているときに、参考になるのではないでしょうか。パピマミ編集部が593人にアンケートを取った「問答無用で離婚? 夫が専業主夫を希望したときの妻の対応ランキング」のランキングも興味深く、夫が主夫になりたいと提案したときの妻たちの対処法を紹介しています。5位に、「離婚する」があり、すぐさま離婚しようとはならない様子。もし離婚を突きつけられたのであれば、まずは「話し合う」ことが何よりも大事ですね。まとめ離婚の問題は人それぞれで、やり方も考え方も違ってきますよね。「自分たちはどうすればいいんだろう?」としっかりと夫婦で考えて、納得のいく答えを出していきましょう。あなたが幸せになることを願っています。
2018年10月15日前回【私の知らぬ間に離婚が成立していた!? 元夫との壮絶法廷記②】では、元夫のよし夫に、離婚を白紙に戻す調停を申立てたまゆこ。有利に見えた調停は、よし夫のとんでもない主張で一転してしまい、勝つか負けるかわからない紙一重の戦いを強いられることになるのでした。 長引く調停の中、よし夫や調停委員・裁判官の立会のもと、まゆこは子供との『試行的面会交流(しこうてきめんかいこうりゅう)』を果たすのでした。 まゆこと子供の交流は、親権獲得に影響を与えるのでしょうか。1年半の間、問題なく養育してきたよし夫。監護実績のあるまゆこ。裁判所が見極める『親権者としてふさわしい親』の判断基準とは、どのようなものなのでしょうか? まゆこが行う『試行的面会交流』とは『試行的面会交流』は別居期間が長く、その間に一度も面会交流が行われなかった場合や、一方の親が面会交流に反対している場合に行われ(まゆこの場合、両方の理由が当てはまります…)、実際に面会交流をして子供に影響はないか、交流に問題はないかを確認します。 面会交流の様子は、調停委員や裁判官、親権者(よし夫)が見守ります。これは、子供が嫌がったり、親が不相応な態度(暴力など)を取ったりした場合に、注意・中断するためです。 また、今後の面会交流の回数や方法を決める基準になったり、親権について争っている場合には、よりふさわしい親権者がどちらかなのかを判断する1つの要因になったりします。 泣くことは許されない!?面会時のルールとは強制的に子供を引き離されて以来、1年半以上話すことすらできなかったまゆこは、子供の姿を遠目に見るだけでも涙があふれそうです。 しかし、泣くことはできません。試行的面会交流が始まる前、まゆことよし夫は『子供の前で泣かない』と約束していたからです。 約束を破った場合、調停委員や裁判官に注意・中断されてしまうかもしれません。最悪、子供への悪影響を懸念され、今後の面会交流の回数や方法が厳しく制限されたり、親権獲得が不利になったりする可能性もあります。 親権獲得へ影響を少しでも小さくするため、歯を食いしばって泣くのを耐えるまゆこ。子供は、幼いながらにまゆこを母親と覚えており、面会交流は無事終了しました。 裁判所が見極める『親権者としてふさわしい親』の判断基準とは裁判所が親権者を決める基準として、以下のようなものがあると考えられます。 子供の監護実績が多い経済的に安定している身体的・精神的に健全である今後の子育ての計画がしっかりしている今までの監護で子供の成長に悪影響を与えていない子供が両親の愛情を感じられるように、適切な面会交流をする意思がある 日本では、『母親である』ということは、親権を争う上で有利になる大きな条件の1つです。理由は様々ですが、子供が幼い内は、父親より母親と一緒にいることが望ましいと考えられていることが大きいでしょう。 また、特別な事情(母親がすぐに働き出した、父親が専業主夫など)がない限り、日本では母親が一日中子供の傍で世話をします。そのため、自ずと母親は監護実績を積むことになりますので、監護実績の長さという側面からみても、母親は有利になるのです。 その他、親権の判断基準について、高島総合法律事務所の理崎 智英弁護士にお聞きしました。 理崎弁護士:裁判所は、子供の幸せを1番に考えていますので、その他にも子供に対する態度も重要になります。例えば、子供に対する虐待などはもちろんですが、一方がもう一方の親の悪口を子供に吹き込んだり、子供がもう一方の親のもとに行かないように、目の前で泣いたりするなど、両親の間で子供が板挟みになってしまうような行いは、親権者としてふさわしくないと判断される可能性があります。 まとめ理想的ともいえる面会交流を行ったまゆこに、よし夫は危機感を覚えます。面会交流を重ねて、子供が母親と住むことを望み、離れたくないという想いが強くなれば、調停で離婚が白紙になったときに親権獲得するのも夢ではないかもしれません。 次回はいよいよ最終回。よし夫の今までの行いを金額にすると、どれくらいの慰謝料を請求できそうか、弁護士に聞いてみました! 次回につづく… *監修弁護士:理崎智英弁護士(高島総合法律事務所。弁護士登録以来、離婚や不倫問題を中心に取り扱っており、多数の解決実績がある。)私の知らぬ間に離婚が成立していた!? 元夫との壮絶法廷記③はシェアしたくなる法律相談所で公開された投稿です。私の知らぬ間に離婚が成立していた!? 元夫との壮絶法廷記③はシェアしたくなる法律相談所で公開された投稿です。
2018年10月09日前回(私の知らぬ間に離婚が成立していた!? 元夫との壮絶法廷記①)、子供を連れ、全財産を持ち逃げした上、勝手に離婚届まで提出した夫・よし夫に対し、妻・まゆこは、離婚後の親権の変更を求めるのが難しい状況であることを知りました。 かわいい我が子を取り戻すためには、離婚届を白紙に戻すことが必須。まゆこは、離婚をなかったことにするため【協議離婚無効確認調停(※)】に挑みます! ※協議離婚無効確認調停(きょうぎりこんむこうかくにんちょうてい)そもそも離婚は、離婚届を提出する際に、夫婦双方に離婚する意思のあることがなくてはなりません。そのため、一方に離婚の意思がないのに離婚届が受理されたしまった場合、戸籍上は離婚が成立していても、法律上は無効と考えられます。協議離婚無効確認調停では調停手続きによって、離婚を無効にする・しないが話し合われます。無効にすることで合意に至った場合、戸籍が訂正されます。調停開始!計画犯よし夫のとんでもない主張とは申立てから1ヶ月、とうとう調停の幕が開きました。「よし夫が来ないかもしれない」というまゆこの不安をあっさりと裏切り、弁護士を連れたよし夫が現れました。 まずは、調停室にまゆこが呼ばれ、今までの経緯や事情を話し、最低でも親権がほしい、財産分与がしたい旨を伝えました。子供も財産も奪われた事実に、調停委員が同情してしまうのは当然です。 通常であれば、まゆこの方が圧倒的に有利と考えられますが、よし夫は想像をはるかに超えた主張をしてきたのです。それは、 「妻は子供を虐待していて、子供の世話もせず、家事もしていなかった。親権は渡せない」 という、とんでもない主張です。しかも、証拠として部屋が散らかっている写真(自作自演)を提出し、子供が虐待されたエピソードをでっちあげたのです。 結婚してから、家事も育児も任せっきりのよし夫に、文句一つ言わず、毎日こなしてきたまゆこは、驚きで声がでません。 調停は長引きそうです…。 よし夫の超超計画的離婚|調停に終わりは来るのか…調停におけるよし夫のでっちあげは止まりません。突然家を出たよし夫に対し、まゆこが送った謝罪メール(「私が悪かった、帰ってきてください」などの内容)が証拠だとして、まゆこは自分の非を認めていると主張してきたのです。 もちろん、まゆこに非はありませんでしたが、その頃は帰ってきてほしくて必死だったため、謝罪メールもたくさん送っていたのです。こんなことに利用されるなんて、思ってもみませんでした。 そのほかにも、まゆこは自分で離婚届にサインをした事実がある上に、よし夫の悪事を裏付ける証拠がなかった(よし夫が連絡はメールを利用せず電話で済ますなど、証拠を残さなかった)ので、話は難航。調停委員も困惑していました。 次の調停は2ヶ月後、まゆこは無事離婚を白紙に戻せるのでしょうか? まとめこの話で紹介した調停は現在も続いており、まゆこが離婚を白紙に戻せるか、よし夫が逃げきるかはかなり紙一重…。 次回、1年半ぶり子供と面会交流したまゆこ。感動の再開! でも、親権を獲得したいなら、子供の前で絶対に泣いてはいけない?弁護士に聞く、裁判所の『親権者にふさわしい親』の判断基準とは? 次回につづく…*監修弁護士:理崎智英弁護士(高島総合法律事務所。弁護士登録以来、離婚や不倫問題を中心に取り扱っており、多数の解決実績がある。)私の知らぬ間に離婚が成立していた!? 元夫との壮絶法廷記②はシェアしたくなる法律相談所で公開された投稿です。私の知らぬ間に離婚が成立していた!? 元夫との壮絶法廷記②はシェアしたくなる法律相談所で公開された投稿です。
2018年09月25日『泥沼離婚』という言葉を聞いたら、どんな離婚をイメージしますか? 不倫の末、不倫相手の女に子供ができ夫は離婚を決意、それを知った妻が激怒、両親や周囲を巻き込んだ修羅場になり、最後は…。 なんて、映画のような泥沼離婚もあり得るかもしれません。このような場合、当事者や周囲の心情は別として、あくまで法的に考えると、離婚時に問題になるのは大きく分けて『有責配偶者からの離婚請求(※)』『慰謝料請求』『財産分与』『親権』『面会交流』の5つになるかと思います。 これらの問題は、『離婚裁判』という1つの裁判によって問題を解決できるので、当事者やその周囲の人たちの感情(慰謝料ははらわないと主張、離婚を拒否など)によって問題がこじれない限り、裁判も泥沼のような複雑さにはならないでしょう。しかし、今回は弁護士も嫌になるような泥沼離婚。『【実録】そんな男はやめておけ! 結婚を後悔したくなる男トップ3』で紹介した、婚姻届と同時に離婚届を書かせた男とその元妻の、果てしない裁判での争いについて法律的な観点を交えて話そうと思います。※有責配偶者からの離婚請求有責配偶者とは、不法行為(不倫、DVなど)等によって夫婦関係を破綻させる原因をつくった配偶者を指します。原則として、有責配偶者からの離婚の請求は、裁判では認められていません。 ①すべての始まりことの始まりは去年の1月。普段仕事で忙しい夫のよし夫(仮名)はある日、連休を取り「3日間実家に帰るね」と妻のまゆこ(仮名)に言い残し、子供を連れて実家に帰りました。 キャリアウーマンのまゆこは、子供がいない寂しさを感じつつも、家事をしなくていい解放感に浸りながら、3日間を気ままに過ごしていました。しかし、よし夫と子供は3日を過ぎても一向に帰ってきません。電話をかけても、連絡がつかない! 普段ならあり得ないことに慌てふためくまゆこでしたが、一週間後さらに驚くことが起こりました。なんと、よし夫が「離婚したから」と連絡をしてきたのです。要するに、よし夫が勝手に離婚届を提出してしまったのです。 離婚届は一方が勝手に記入し、提出すると『有印私文書偽造罪』などの罪に問われる可能性があります。しかし、この離婚届は、よし夫と結婚する際に口車に乗せられ、まゆこ自身が記入したものでした。(親権などの詳細は、勝手に変更されていました) 後々判明したようですが、よし夫は前妻と離婚したときも、離婚届を勝手に提出して離婚したそう… さらによし夫は、家を出ていった際に、まゆことの共同預貯金をすべて持ち出していたのです。しかし、そんな夫でもまだ愛情が残っていたので、帰ってくるよう必死に懇願したまゆこですが、よし夫の頑なな拒絶や子供に会わせてもらえない現状に、夫婦関係の修復を諦め、自分の主張を通した離婚できるよう、本格的に行動することを決意しました。 よし夫が家を出て1年…。まゆことよし夫による壮絶な争いの火蓋が切って落とされました。 ②よし夫とまゆこの離婚騒動における問題点離婚の話を一切されずに家を出ていかれたため、精神的にも経済的にも大きな損害を受けたまゆこの希望は以下のとおりです。親権を取り戻し、子供の籍を自分の戸籍に入れたいこの日々の精神的苦痛に対する慰謝料を請求したい財産分与で自分の財産を取り戻したい離婚時に一般女性が望むことと大差ありません。しかし、既に離婚届が提出されていることが離婚問題を複雑にしているのです。 ③離婚後に親権は変更できる?親権の変更はまゆこの悲願ともいえるでしょう。離婚後に裁判所をとおして親権を変更する手続きを取ることもできますが、容易ではありません。裁判所は、現状の監護状況や生活環境が子供の発育に問題ないのであれば、無理に変更を加えるのをよしとしません。これは、安定している現状を崩すことが、子供の精神的な負担や人格形成に悪影響をおよぼす可能性を懸念しているからです。 変更が認められる状況の具体例として、親権者が死亡したり、親権者の監護が不十分で子供への悪影響が懸念されたりする場合が挙げられます。よし夫は実家に帰ったため、自身で監護できない場合でも祖父母を頼ることにより十分に監護できている状態で、子供との関係も安定しています。また、経済的にもよし夫の方が安定しています(財産をすべて持って行ったため)ので、変更が難しい状況と言わざるを得ません。 しかし、まゆこの場合、離婚届を書き換えられた上に勝手に出されたという経緯がありますので、親権を変更するのではなく『家庭裁判を通し離婚を白紙に戻し、再度親権を決め直して離婚届を提出する』という方法もあります(実際、まゆこはこの方法でよし夫に挑みました)。 まとめ離婚の事実を一度白紙へと戻す調停に挑むまゆこ(と弁護士)の前に立ちはだかる、頭脳明晰なよし夫(実際に有名大学を出ているらしい…)。まゆこは、離婚を白紙に戻せるのでしょうか? …次回につづく。【次の話を読む】→ 私の知らぬ間に離婚が成立していた!? 元夫との壮絶法廷記② *監修弁護士:理崎智英弁護士(高島総合法律事務所。弁護士登録以来、離婚や不倫問題を中心に取り扱っており、多数の解決実績がある。)私の知らぬ間に離婚が成立していた!? 元夫との壮絶法廷記①はシェアしたくなる法律相談所で公開された投稿です。私の知らぬ間に離婚が成立していた!? 元夫との壮絶法廷記①はシェアしたくなる法律相談所で公開された投稿です。
2018年09月12日ライターの山田 芽依です。モラルハラスメント、通称モラハラという言葉があります。DV(ドメスティック・バイオレンス)のように、分かりやすい力や言葉の暴力ではなく、モラルによる精神的な暴力、嫌がらせのことです。モラハラって、付き合っているうちはそうではなくとも、結婚して「身内」になるとその片鱗が見え始める・・・ということが多いので、なるべく早くに「モラハラになりそう」というのをキャッチしておくのが得策です。とはいえ、じゃあ実際モラハラってどんなことなの?となると、分からないものかもしれないですね。今回は、付き合っているうちから分かる、結婚したらモラハラ男に変貌しかねない男性の特徴を紹介します。■特徴その1.やたらと同情を引きたがる筆者が「結婚したら彼氏がモラハラ男に変貌した」という女性の話を聞いていく中で多かったのが、そもそもモラハラ男と付き合ったきっかけが「同情」だったというもの。どういうことかというと、モラハラ男は「やたらと同情を引きたがる」のです。筆者が知るケースでは、初対面でいきなり「自分は家庭環境が昔から悪くて。他にも、付き合った女性に裏切られたり、いろいろな苦労をしてきて・・・・・・」と語られたそう。それを「私が傷を癒やしてあげたい」「私ならそんな目にあわさないのに」と同情してしまうのが破滅の元。今まで苦労してきたことを語るというのは、誰しもあること。それ自体が悪いわけではありません。しかし、何事に関しても「自分が全面的に被害者」のような顔をする男性には要注意。モラハラ男は、同情を買うのが上手いことが多いのです。■特徴その2.自分に都合のいい人間には優しい彼女である自分にはとても優しいのに、周りの評判は悪い・・・・・・。これは「モラハラ男は外面がいい」という、よくいわれていることとは正反対ですが、モラハラ男が外面を良くしているのは「自分にとって都合のいい相手」だけ。逆に自分に都合の悪い相手や、どうでもいい人間には冷たい場合があります。たとえば、コンビニや飲食店で、店員さんに対して少しでも気に入らないことがあると、尋常ではないぐらい怒りを見せたりします。そこで彼女が「そのとおり。あなたが正しい」と、賛同者になるようであれば、彼女に対しては優しいままです。しかし、彼女が「今のは怒りすぎじゃないの?」、「ちょっとおかしいよ」といった疑問を口にした瞬間、モラハラ男の怒りが彼女に対して向くということもあります。モラハラ男が認めているのは、ずばり「自分にとって都合のいい人間」なのです。彼女が自分の絶対的な味方ではないと認識した途端に態度が急変するような男性は、要注意です。■その3.さり気なく束縛をしてくるモラハラ男は、付き合っている最中はあからさまな束縛はあまりしてきません。むしろ「飲み会に行っておいでよ」「たくさん友達と遊ぶといいよ」と、「彼女の交友関係に理解のある彼氏」という顔をすることさえもあります。これだけなら、実際に理解のある彼氏のような気がします。しかし、これだけでは終わらないのがモラハラ男。彼女が飲み会に行けば飲み会の場所を調べて、飲み会が終わるまで、外でずっと待っていたり・・・・・・友達のことをチェックして「あの子は性格が悪いから、付き合いを控えたほうがいいよ」と意見してきたり・・・・・・これはどちらも、結婚したら彼氏がモラハラ男に変貌したという女性から実際に聞いた話です。あからさまな束縛をされるのであれば「この人、危ないのかも?」と判断することもできますが、分かりにくい、さり気ない束縛をしてくるのがモラハラ男なのです。さり気ない束縛が、結婚したらあからさまな束縛になり、外出さえ自由にできない。例に出した女性は、そのような状態に陥ってしまっているそうです。■おわりにもちろん、今回出した3つの特徴はあくまでも「結婚したらモラハラ男に変貌する可能性がある」というだけであって、こうした特徴がある男性全てが、必ずしもモラハラ男になるとは限りません。しかしながら、実際に経験した女性の話を聞いていると、こうした特徴が共通点として見受けられるのです。「これってモラハラ?」という疑問を彼氏に感じたら、気のせいだろうと流してしまわずに、しっかりと問題に向き合うことも大切だというのは、間違いないと思います。(山田 芽依/ライター)(ハウコレ編集部)
2018年09月05日精神的に傷つけられるモラハラ。度重なる人格否定に、精神的に病んでしまう可能性がある重大な問題です。しかし、夫にモラハラを受けているにも関わらず、なかなか離婚に踏み出さない妻もいます。それは一体なぜなのでしょうか。理由を紐解いていきましょう。なぜモラハラ夫と離婚しないのか離婚が認められる理由は、法律によって定められています。モラハラは民法第770条の5つ目、「その他婚姻を継続しがたい重大な事由があるとき」に含まれます。モラハラは、法的にも離婚を切り出せる理由として認められているものなんです。では、なぜモラハラをする夫から離婚しない妻がいるのでしょうか。モラハラだと気づいてないモラハラの厄介な面は、「被害者が被害を受けていると気づきにくい」ところです。モラハラは、世間一般と比較して「おまえはダメなんだ」「社会で通用しない」「俺だから許してやるんだ」など、被害者が社会的・人間的に劣っている存在であると思い込ませる言動です。そのため、モラハラ被害者は、「わたしがダメだから」と思い込みやすく、自分が被害に遭っていることに気づきにくいようです。夫からモラハラを受け、辛い思いをしていたとしても、「でも、悪いのはわたしだから……」という思考になってしまっているのですね。収入面の問題現実的な問題として、収入面も離婚に踏み出せない原因のひとつです。会社勤めをやめ専業主婦やパート・アルバイト勤務をしている場合、離婚したあとの経済面は不安なもの。また、そうした経済的な弱さがあるために、モラハラが加速している可能性もあります。さらに、モラハラによって「こんなわたしが社会に出て自立してやっていけるわけがない」と思わされてしまっていると、離婚しても生活していける自信がない」と二の足を踏んでしまうのではないでしょうか。子どもの問題「両親が揃っているほうが、子どもにとって良いのではないか」というのは、離婚を前にしたとき誰しもが思うことでしょう。子どもの存在が離婚に踏み出せない理由になっているのかもしれません。客観的に見れば、どんなに良い父親だったとしても、母親が父親からモラハラを受けている環境は、子どもにとって好ましいものではないですよね。しかし、「自分はダメなんだ」と思い込んでしまっていると、自分ひとりでも子どもを幸せにする……という思考には行きつきにくいでしょう。離婚のハードルが高い「離婚します」「わかりました」で済めば話は簡単なのですが、そうスムーズにいかないのが離婚です。心身ともに健康な人であっても、離婚の手続きを済ませるのには肉体的・精神的なダメージを受けるもの。モラハラ被害を受けている妻は、心に傷を負った状態。「何かをしよう」という活力がすでにないという人もいるでしょう。そうした妻にとって、離婚に踏み出すことは、ハードルがかなり高いといえるのではないでしょうか。 モラハラ夫と離婚しない妻の心理モラハラ夫と離婚しない妻の心の中には、どのような思考回路が働いているのでしょうか。被害者になりやすい体質どれだけ健全な人間であったとしても、長期にわたりモラハラを受け続ければ、精神が蝕まれていくものです。しかし、モラハラを受け始める前から被害者自身の性格や生い立ちによる性質がダメージを深く受けやすいものである可能性も。代表的な特徴が、「自己肯定感の低さ」や「我慢強さ」「同情を愛情・友情と錯覚しがち」などです。自己肯定感が低い人は、相手が加害者であったとしても、無視をしたり切り離したりすることが苦手な傾向にあります。また、何かトラブルが起きた際に、「わたしが我慢すれば丸く収まるから」という選択肢を取りがちな人も、モラハラ被害を受けやすいといえるでしょう。「同情の錯覚」は、「この人もかわいそうな人なんだ」と思う感情を、相手への愛情や友情だと思い込んでしまうこと。理不尽な対応をされても、「でも、わたしも悪かったし」「この人もつらかったんだろう」と思うことで、なかなか相手を拒絶できないわけですね。もしかして共依存恋愛?共依存恋愛とは、両者がお互いに依存しあっている恋愛関係のこと。「ずっとそばにいて、離れないで」「おまえじゃなきゃダメなんだよ」と、強く相手に求める側が依存状態にあるのは、はたから見ていてもわかりやすいでしょう。共依存恋愛は、こうした「求める側」に対し、「応える側」も「相手に求められること」に依存している状態を指します。「この人はわたしがいないとダメなの」とつい世話を焼いてしまい、相手を自立させようとはしない……モラハラでいうと、本来お互いのことを思えば、距離を置いてみたり、突き放してみたりするほうが愛情であるにも関わらず、それができないといったところでしょう。妻は理不尽なことをするモラハラ夫に依存し、モラハラ夫も妻に依存しているといった夫婦関係になっている可能性も高いです。 どうすれば改善できる?モラハラは、あくまでも加害者が悪いものです。被害者側が「わたしが悪いから」と思う必要はありません。しかし、被害者側の対応を変えていけば、徐々にモラハラを軽減させられる可能性もあります。例えば妻が必要以上に、夫の顔色をうかがってしまっている場合。意見や本音をすべて飲み込み、夫の意見がすべて通る状態になっている可能性が高いです。このような環境では、「俺が正しい。俺の考えは絶対だ」「こいつは何も決められないから、俺が決めてやるんだ」といったモラハラ夫の思考回路を増長させてしまうのではないでしょうか。「夫が主張し、妻が従う」といった関係性を由来とするモラハラであるならば、妻が再び夫婦の関係性を築き直していくなかで、モラハラが軽くなっていく可能性もあるのです。ただし夫によっては、妻が変わろうとすることを許容できず、DVに発展してしまうこともあるでしょう。また、夫がモラハラをしてしまう原因は、夫の精神疾患にあるかもしれません。無理に「わたしが何とかしなければ」と思いつめず、夫婦カウンセリングやモラハラの相談窓口、必要時には弁護士の力を借りる勇気も必要です。 参考:民法(電子政府の総合窓口)DVやモラハラ被害に遭いやすい人とは?4つの心理学的特徴と対策を解説します(オンラインカウンセリングのcotree(コトリー)「共依存恋愛」とは?危険な共依存カップルの特徴と克服方法(マイナビウーマン)共依存チェック(恵比寿メンタルカウンセリング)
2018年06月26日夫の言動がきつくて、いつも自分は我慢をさせられていたり、「亭主関白」という言葉をたてに、主導権を握らせていないと大変なことになる…。それはもしかしたらモラハラ夫かもしれません。モラハラとはなんなのか、モラハラの基礎知識やモラハラ夫への対処法、自分の夫はモラハラ夫なのかチェックができる記事をまとめました。その1●うちの夫はモラハラ?モラハラの基礎知識今まで意識したことが無かったけれど、うちの夫はモラハラなんじゃ…?そんな疑問を持ったときに、「モラハラ」とは何か、実際にモラハラ夫とはどんな夫なのか事例を交えて専門家にお聞きしました。▼続きはこちら▼その2●モラハラ夫との付き合い方やっぱりうちの夫はモラハラだった!でもわかったところで、今後どうしていけば…?モラハラ夫を怒らせたときの対処方法、離婚をしてからの注意点など、モラハラ夫との付き合い方について調べました。▼続きはこちら▼
2018年06月20日ここ数年、メディアでも取り上げられることが増えた「モラハラ」。モラハラとは「モラル・ハラスメント」の略で、言葉や態度により相手を傷つけ、思うとおりにコントロールしようとすることを指します。実はモラハラは、夫から妻にだけではなく、妻から夫になされることも多いんです。今回は、妻が加害側であるモラハラについてご紹介します。モラハラ妻の特徴とはモラハラ妻に見られる特徴には、どんなものがあるのでしょうか。自己愛が強い自己愛の強さは、妻に限らずモラハラ加害者の特徴です。自己肯定感が低い人ほど歪みがちで、自分を否定する心に蓋をするために、モラハラとして暴発しているケースも多く見られます。思い込みが激しいこちらも女性に限らない特徴ですね。「自分が絶対に正しい!」という信念を持っている人は、決して反省したり謝罪したりすることがありません。「ああ言えばこう言う」を繰り返し、夫が正論を述べたとしても、無理やり自分の論理を貫き通します。「男女平等」が異常に好きこれは女性加害者だからこそ見られる特徴です。モラハラ加害者の言う「男女平等」は、本来の意味での「男女平等」ではありません。要するに「自分が正しい」と言いたいわけ。夫が反論をしても、「それは男女不平等だ」という論理を突き付けがちなようです。 もしかしてモラハラ妻かも?簡単チェックシートモラハラは自身では気づかないことも多いです。妻のみなさん、こうした発言を夫にしていませんか?「汚い、臭い」「デブ」などの悪口案外やってしまいがちなのが、軽口のつもりの相手への悪口発言。お互いが良しとしているのならばコミュニケーションのひとつでもあるのですが、言われているほうが我慢しているのであれば、それはモラハラに当たります。見ているお子さんにとっても、決していい影響を与えませんよね。「給料安いんだから、もっと働いてきてよ」給料を引き合いに出され、「役立たず」と言われ続けてしまう……こうした発言に傷ついている夫は多いでしょう。お金に関することでのモラハラは非常に多いようです。もしかすると、夫婦で分担している家事や育児の負担が妻に偏っていることが、こうした発言の原因なのかもしれません。しかし、嫌味な言いかたをせずに伝えなければ、悪循環になってしまいますよね。おかずが少ない、メニューが違う言葉では言えない妻の嫌がらせなのか、食事のメニューが夫だけ違う、量が少ないといったケースもあるようです。「パパはデブだから」と言ってデザートを分けてもらえない、という夫も。妻からしたら些細なことかもしれませんが、夫を尊重しているとはいえない行動ですよね。「どうせ遊んできたんでしょ?」仕事が遅くなってしまうことは仕方がないですし、付き合いもあります。その際、妻が夫の話を聞かずに「どうせ遊んできたんでしょ」などと言ってしまうケース。遅くまで働いて疲れているのに話を聞いてもらえない、信じてもらえないと精神的な疲れも倍増してしまいます。 モラハラ妻への対処法は?「妻からモラハラを受けている」と感じた場合、どのような対処をすればよいでしょうか。話し合いをする妻に限らず、モラハラ加害者とまともな話し合いをすることは困難です。しかし、今後のために録音する機会としても、話し合いの場を設けることは無駄ではないでしょう。ただし、モラハラの度合いによっては夫自身や子どもに危害が加えられる可能性もあります。こうした場合は無理に話し合う必要はありません。証拠を残す話し合いの様子を録音するのと同様ふだんの発言を録音し、可能な場合は録画しておくなどして、客観的に異常性が判断できる証拠を集めておきましょう。相談窓口を頼る相談窓口というと女性専用のものを思い浮かべるでしょうが、男性用のものもきちんとあります。離婚を考えるレベルなのかどうかすら、判断ができなくなっている可能性もあります。まずは一度相談してみましょう。モラハラ妻は改善・治療できるのか?モラハラは本人の自覚なく行われるケースが多いのですが、妻から夫へのモラハラの場合、感情的な言動をどうにかしたいと思っていることもあるようです。人間は自覚をすれば変わっていけるものです。軽度のモラハラであれば、「相手を傷つける言い方をしない」「自分の考えがすべて正しいわけじゃない」といった自覚をするだけで改善方向に向かう可能性もあります。また、異常に感情的になってしまう原因のひとつとして、ホルモンバランスの乱れがあります。ひとりではどうにもならないけれど、何とかしたい……と妻が思っているならば、婦人科や心療内科など必要な医療機関を受診してみることもおすすめです。 まとめ健全な夫婦関係を損なわせるモラハラ。最近では「夫を傷つけてしまうことがやめられない」と自覚をしている妻の存在も浮き彫りにされています。モラハラの原因は、本来の性格から育てられ方まで、多くのものが絡み合っています。「治したい」と妻自身が思っているのであれば、しかるべき機関に相談しましょう! 参考:「モラハラ妻」になっていませんか?夫を悩ます特徴と改善策!既婚男性が涙の告白!「家庭内モラハラがヒドすぎる!!」モラハラ妻の実態|夫が知っておくべき対処法の全てモラハラ妻の暴力が怖い。まるで鬼!3つの特徴から分かった対処法を大公開
2018年06月15日メディアで見聞きするようになった「モラハラ」。モラハラとは、「モラル・ハラスメント」の略で、肉体的な被害が及ぼされることのあるDV(ドメスティック・バイオレンス)とは異なり、精神的な暴力を指します。言葉や態度によって相手の心を傷つけるため、被害を受けた人は精神的に深いダメージを受けることに。ひどい場合には正常な判断力さえ奪われてしまうのです。このページでは、モラハラ夫・妻と離婚を考えたとき、離婚に至るまでの流れと手順についてご紹介いたします。モラハラ認定される行為とはモラハラには、ふたつの段階があります。初期段階は、加害者が被害者を思うとおりに動かしたいという「支配」です。言葉巧みに相手が自分の言うとおりになるような言動を繰り返すことで、被害者の考えや行動を誘導していきます。被害者が反論をするようなそぶりを見せると、第2段階に移行します。第2段階は、加害者側に暴力性が芽生えているため、第1段階に比べて嫌味や暴言が増える特徴があります。「だからおまえはダメなんだ」「あなたってバカだよね」と否定する言葉を繰り返されることで、被害者はだんだん「わたしが悪いせいだ」と思い詰めていってしまうのです。なお、こうした言葉は、決して怒鳴り散らすように言われるケースばかりではありません。そのため、被害者本人が自覚を持ちづらくもあるのです。また、言葉を一切かけない「無視」や、イライラを露わにし続ける態度もモラハラの一種です。なぜモラハラが起きるのかモラハラの加害者の傾向としてあげられるのが、自己愛の強さです。これには育ちかたも影響しており、小さい頃からちやほやされて育った人の中には、「自分が1番正しい」という意識から相手を自然と見下してしまう人がいます。また、自己肯定感が健全に育まれなかった人も、モラハラ加害者になってしまうことがあります。他者から否定をされたときに過敏に反応し、夫婦間や子どもに対して暴発してしまうことがあるんです。 モラハラ夫・妻と離婚する流れモラハラ加害者との関係性は、時間をかければよくなるとは言い切れないものです。自分自身の精神を守るためにも、離婚は有力な選択肢といえるでしょう。協議離婚モラハラに限らず、離婚を考えた際はまず協議離婚を試みます。しかし、長くモラハラを受け続けてきた被害者が加害者と対等に話し合うことは困難。やっとのことで切り出したところで、加害者側に「誰のおかげで生きてこられたんだ!」「何を甘えたことを言っているんだ、だからあなたはダメなんだ」と返されてしまうことも多いです。話し合いが成立しない場合は、言いくるめられてしまう前に、調停や裁判を選びましょう。離婚調停夫婦だけでの解決が難しい場合は、家庭裁判所に調停を申し立てます。この際に重要なポイントは、「証拠」です。身体的暴力性が見られないモラハラは、第三者から被害の程度が判断しづらい特徴があります。さらに、モラハラは家庭内でのみ行われるケースが多いので、夫婦に共通の知り合いがいたとしても、実情が知られにくいという特徴も。そのため、離婚を考え始めたら、以下の証拠を集め始めましょう。自分への暴言の録音データものに当たる様子の動画相手が送ってきたメールやLINEの文面被害の様子を記したもの(日記、SNSへの投稿履歴など)相手にこれまでに行ってきた改善要求の手紙やメールなど第三者から見て、加害の異常性がわかる証拠を示すことが大切です。調停員の前では人当たりが良い態度をとられるケースも多いため、冷静に被害について説明する必要があります。裁判離婚モラハラでの離婚の場合、調停を申し立ててもスムーズに進められるケースはあまり多くはありません。しかし、裁判に持ち込む前には調停を申し立てなければいけないことを覚えておきましょう。裁判での離婚では、法律で定められている離婚理由かどうかが判断の基準となります。モラハラは、民法770条1項の5つ目にあげられている「婚姻を継続しがたい重大な事由」に当てはまります。重大な事由とは、「性格の不一致・暴力・性的異常・浪費・犯罪」など。モラハラは夫婦間コミュニケーションの問題だとされてしまうケースもあるため、できるだけモラハラ問題に強い弁護士を立てましょう。慰謝料は請求できるのかモラハラでの離婚の場合も、慰謝料は請求可能です。相場は数十万円~300万円程度。金額は婚姻期間の長さや子どもの有無のほか、モラハラの回数・期間・程度によっても異なります。少しでも高い金額を望むのであれば、客観的な証拠をきちんと提示することが必要です。財産分与はどうなるのか離婚理由が何であれ、財産分与はできます。2分の1ずつ分割するケースが大半です。親権はどうなるのか離婚をする際、夫婦間でトラブルになりがちなのが親権です。一般的に、母親のほうが獲得しやすいため、モラハラ加害者が妻で、夫が親権を取得したい場合には難しいということを頭に入れておきましょう。とはいえ、父親が親権を得られないわけではありません。父であれ母であれ「子どもにとってこちらのほうが養育者として適任」と判断されれば良いのです。モラハラは、弱い立場の相手に向かいがちです。離婚後は子どもに矛先が向かないとも限りません。そうしたことも合わせながら、「自分のほうが親権者としてふさわしい」とアピールしたいですね。弁護士に相談長い期間モラハラ被害を受けていると、正常な思考回路で物事を考えられなくなっている可能性もあります。これまで相手に虐げられてきた分、加害者を目の前にすると、洗脳されたような状態に舞い戻ってしまうことも。法的なアドバイスも含め、自分が不利にならないためには、弁護士に相談することが有効です。法テラスなど、無料で相談にのってもらえるサービスもあるため、まずは弁護士に相談してみましょう。弁護士の選びかた先述のとおり、モラハラは「離婚するほどのことではない」とされてしまうケースもあります。調停や裁判になった際は、モラハラ問題に詳しい弁護士を選びましょう。過去にどういった離婚トラブルを解決してきたかを調べた上で、親身になってくれる弁護士を選んでくださいね。 参考:
2018年06月14日家庭内で、夫もしくは妻からの「モラハラ(モラルハラスメント)」に悩んでいませんか。もしくは「これってモラハラかも……」と思うようなことがあったり。モラハラは目に見えないので気づきにくく、知らないうちにストレスが溜まっていきます。今回はそんな夫婦間のモラハラについて、どのようなものなのか、どういった言動があてはまるのか考えてみました。また、モラハラは治るのかなどについてもご紹介します。モラハラとはどんな行為?モラハラは「モラルハラスメント」の略で、言葉や態度によって人の心を傷つける、嫌がらせ行為です。家庭や職場などで日常的に行われ、「精神的な暴力」や「精神的DV」ともいわれています。最近では夫婦間のモラハラにより、離婚する夫婦も増えているようです。家庭内という狭い空間の中は第三者の目がないので、モラハラが起きやすい環境ともいえそうですね。身体的暴力と違って目に見えないため、加害者の「精神的暴力をふるっている」という意識が薄く、被害者も「自分は暴力をうけている」と気づきにくいのがモラハラ、精神的暴力です。そのままにしておくと事態はどんどん深刻になっていくので、早めの対処が必要ですね。モラハラに当てはまる行為・言動それでは一体、どのような行為や言動がモラハラに当てはまるのでしょうか。男性と女性両方に当てはまる特徴をご紹介します。2面性がある突然無視をする何をしてもしなくても難癖をつける平気で嘘をつく相手を徹底的にけなすなど夫のみに当てはまる特徴は以下のとおり。殴るそぶりをしたり「子どもに危害を加えるぞ」など言って脅す「誰のおかげで生活できるんだ」といった発言束縛をする妻の仕事を辞めさせる生活費を渡さないなど妻のみに当てはまる特徴がこちらです。自分に異常なほど自信があり、夫を見下している夫の大切なもの(コレクション)を捨てる、壊す「甲斐性なし」「男のくせに」「離婚する」などと言う子どもや周りを味方につけて夫を孤立させる何かあるとすぐ実家に逃げるなどモラハラ加害者がモラハラをする原因は、自己愛性パーソナリティ障害を持っていたり、幼少期に親からモラハラを受けていたり、ネグレクトや過干渉だったりなど、さまざまなことが考えられるそうです。そのため、モラハラ加害者の多くが「自分がモラハラをしている」ということに気がついていません。「モラハラだから治して」なんて言えないし、本人に自覚がないのだから治療は絶望的……と思うかもしれませんが、今の状況を「改善」できる可能性はあります。 モラハラにはカウンセリングをモラハラ加害者に自覚があり、モラハラを治したいという意思があるのなら、カウンセリングにより改善できるかもしれません。しかし、第一関門は「モラハラ加害者をカウンセリングに連れていくこと」ですよね。そこで、夫婦で一緒に行く「カップルカウンセリング」をおすすめします。カップルカウンセリングとは?その名のとおり、カップル(夫婦)2人で受けるカウンセリングのこと。夫婦カウンセリング・ペアカウンセリングともいわれています。第三者を交えて夫婦間の問題を話し合っていくので、今の状況を客観的に見ることができます。「DV加害者更生プログラム」などとは違って、夫婦の問題として進められます。カウンセリングの内容夫婦に関する問題なら、ありとあらゆることが相談できます。落ち着いた環境で話し合いができ、相談者のどちらが悪いなどという話もありません。夫婦関係の修復を目的として来院するかたが多いそうです。カウンセリングの流れカウンセリングによって異なりますが、最初に悩みごとの概要を説明し、今後夫婦でどうしていきたいのかを伝えます。2回目以降からは、問題をどう解決するのかを話し合っていきます。カウンセラーは話をうまく誘導したりと、聞き役に徹しているそうですよ。料金料金もカウンセリングによって異なります。以下がおおよその目安です。初回料金:無料~20,000円継続料金(50分):数千円~約17,000円予約延長(25分ごとに):~約8,000円初回無料のところもあれば、初回はお時間をたっぷりとって話すため金額が2倍となるところも。また、延長や時間外のカウンセリングもできるところとできないところがあります。 悩みがちな夫婦間のモラハラ問題ですが、夫婦2人で乗り越えたいと考えているのなら、ぜひ夫婦カウンセリングを活用してみてはいかがでしょうか。できることから行動に起こしてみてくださいね。 参考:ドメスティック・バイオレンス(DV)とは精神的なものの事例カップル(夫婦)カウンセリングの概要
2018年06月09日幸せになるために結婚したのに「こんなハズじゃなかった……!」と、旦那さんと過ごす日々を嘆く女性たち。モヤモヤした日々を送った結果、“離婚”という選択をするのも珍しくない時代になりました。幸せそうなフリをするのはやめ、離婚という道を選んだ女性たちの理由は様々。今回は、夫の風俗通いにウンザリして離婚した女性に真相を直撃っ!文・並木まき夫の引き出しには大量の風俗名刺が…」「別れた夫は、独身の頃から風俗が大好きだったみたいですが、私は結婚するまでそのことを知りませんでした。ある日、夫が書類をしまっているキャビネットの引き出しを『いけない』と思いつつも、興味本位で覗いちゃったんです。そうしたら、風俗店の名刺が山のように出てきて……。そのときに初めて、そういうお店が好きだと知りショックを受けました。さらに、当時は共働きをしながらも生活はカツカツで、節約を強いられる毎日を送っていました。それなのに夫は風俗に行きまくっていたと知り、ショックというだけでなく怒りもこみ上げてきました。その日から夫のことを気持ち悪いと思うようになってしまい、夫婦の営みもなくなりました。その後も引き出しを見るたびに新しい名刺が増えており、もう無理だと感じ、私から離婚を申し出て別れてもらいました」(ユッコ/33歳/ネイリスト)風俗通いする男に裏切られた気持ちになる妻みなさま、こんにちは。魑魅魍魎(ちみもうりょう)とした人間模様を分析し続けている恋愛模様研究家・並木まきです。実は、結婚後も奥さんにバレないように風俗通いを楽しんでいる男性は一定数います。ただ奥さんたちは、「ウチの夫に限って、風俗に行くはずがない」と信じているもの。それだけに、旦那さんの風俗通いが発覚したとき、裏切られたと感じ、離婚の原因となることもあるのです……。風俗好きは結婚しても治らないあくまで私の所感ですが、狂ったように風俗に通う男性がいる一方、風俗自体に嫌悪感を示す男性も一定数います。また、男性が風俗に通うのは、その人の性的な嗜好と深い関係があります。例えば、妻にしてもらえないプレイを風俗でして欲求不満を解消したり、“妻がいるのに風俗に通う”という背徳感そのものを楽しんだりと、理由は様々です。いずれにしても、結婚前から風俗通いをしていた男性が妻と結婚したからといって、その後風俗に行かなくなることはごくまれでしょう。どうしてもパートナーの風俗通いが許せないのであれば、風俗に対して嫌悪感を示すくらいの男性を選ぶのがいいかもしれませんね。(C) bg_knight / Shutterstock(C) andriano.cz / Shutterstock(C) VGstockstudio / Shutterstock
2018年05月02日結婚してしばらく経ってから「こんなハズじゃなかった……!」と、旦那さんと過ごす日々を嘆く女性たち。モヤモヤした日々を送った結果、“離婚”という選択をするのも珍しくない時代になりました。幸せそうなフリをするのはやめ、離婚という道を選んだ女性たちの理由は様々。今回は、旦那さんが子どもを欲しがらないという理由で離婚を決断した女性に真相を直撃ッ♡文・並木まき「子作りを拒絶する夫と不仲に…」「結婚前には、夫と『子どもはそのうちに』と話していました。私が34歳、夫が36歳のときに結婚したので、私としては、1年くらい夫婦の時間を楽しんで、それから子作りに入るつもりでいたんです。ところが、私が『子どもが欲しい』と伝えても、夫は『いらない』とか『無理』とか言うばかりで、夜の生活も拒絶されるようになってしまって……。そのままレス生活が続き……、そんな状態なので、もちろん夫婦で病院に行き妊活するなんてこともできず、気付けば38歳に。実は、夫が子作りを拒絶し始めた頃から、夫婦仲もどんどん悪くなり始め、家庭内別居のような状態に。このまま一緒にいても、お互い幸せにはなれないと感じたので離婚しました。私から切り出しましたが、元夫もずっと離婚を考えていたそうです。共働きだったこともあり、話し合いだけですぐに離婚が成立しました」(みどり・39歳/会社員)子作り計画は「夫婦生活」においてかなり重要片方が「子どもが欲しい」と思っているのに、もう一方は「いらない」となると、夫婦間にすきま風が吹きがちです。特に、女性側が子どもを欲しいと思っている場合、年齢的リミットも頭によぎり、夫に愕然とすることに……。また、子作りに対する考え方に相違があると、女性は「なんのために結婚したんだろう……」と考えてしまいがち。なので、“子作り計画”は円満な夫婦生活のために、かなり重要なポイントになります。結婚前でも『そのうちね』などの曖昧な話し合いは危険まだ結婚していない交際段階では、“子作り計画”など具体的な話をしないカップルも多いでしょう。自分だけが先走っているように思われるのも嫌で、ついつい後回しにしがちな話題でもあります。しかし“子どもは何人ほしいか”“いつ頃には欲しいか”といったことは、結婚前に絶対に話し合っておいた方がいいテーマです。曖昧に「そのうちね」なんて話すだけではいけません。“そのうち”の認識を合わせておかないと、結婚後深刻な問題に発展するのです。結婚前に関係が安定してきたタイミング、遅くても婚約中には、パートナーの子作りに対する意志確認を行っておく必要があります。(C) VGstockstudio / Shutterstock(C) Antonio Guillem / Shutterstock(C) g-stockstudio / Shutterstock
2018年04月13日*画像はイメージです:介護離婚(かいごりこん)とは、簡単に言うと夫の親(義親)の介護に嫌気がさし離婚してしまうことです。離婚を決意するほど疲れる原因として、義理の親との関係が悪く義親の介護をしたいと思えない・夫や夫の兄弟姉妹が介護にまったく協力してくれない・貢献しても労わってもらえないなどが問題になっているようです。このあたりの問題について、高島総合法律事務所の理崎智英先生に伺いました。 ■介護離婚に発展する3つの理由介護離婚は精神的なストレスが根本的な原因です。ここでは、ストレスになる3つの理由を紹介します。◆義親と仲が良くないから精神的にも肉体的にも辛い介護は愛情がないとできません。優しくされたことがなく、恩や情を感じない相手への介護はとても苦痛でしょう。また、離婚に発展しなくても、うつなどの精神病になってしまったり、虐待までしてしまったりする可能性があります。◆兄弟姉妹が介護に協力してくれないから『長男の嫁=義親の介護をしなくてはいけない』という暗黙の了解があることも少なくないでしょう。そうなってしまうと、まだ介護が必要でなくてもプレッシャーですし、「他の兄弟(姉妹)がすればいいのに!」と理不尽に感じてしまいますよね。◆介護をしているのに感謝してもらえないから一生懸命に介護しているのに義親や夫・夫の兄弟姉妹からまったく感謝されないと、介護を続けようという気持ちにはなりませんよね。介護は感謝されるためにすることではありませんが、自分の時間を削ったり、やりたいことを我慢したりしているので感謝や気遣いをしてほしいものですよね。 ■そもそも義親の介護責任は誰にある?夫が長男であったり義親と同居したりしている場合、義親でも妻が介護しなくてはいけないように感じますよね。しかし、妻に介護する義務はありません。その理由として、民法第877条1項の扶養義務者を定めた記述が挙げられます。直系血族及び兄弟姉妹は、互いに扶養をする義務がある。(引用:民法第877条1項)理崎先生)ここには『直系血族は』と記載されているため、直系血族ではない妻には、原則として、義親の扶養義務はありません。介護を拒否しても法的には問題にならないのです。もっとも、『特別の事情』がある場合には、例外的に『親族』である妻にも義親を扶養する義務が発生する場合があります(民法877条2項)。ただし、『特別の事情』は、扶養義務を負担させることが相当とされる程度の経済的対価を得ているとか、高度の道義的恩恵を得ている等の場合に限定して認められるものですので(大阪家裁昭和50年12月12日審判)、基本的には、妻が義親の扶養義務を負うことはないと理解してよいでしょう。 *取材対応弁護士: 理崎智英(高島総合法律事務所。離婚・男女問題を多数取り扱っている。)*取材・文:編集部【画像】イメージです最近話題の介護離婚って…?何が問題?はシェアしたくなる法律相談所で公開された投稿です。最近話題の介護離婚って…?何が問題?はシェアしたくなる法律相談所で公開された投稿です。
2018年03月31日熟年離婚ではなく「卒婚」を選択する夫婦が増えてきているといいます。そもそも卒婚とはどのようなものなのでしょうか。離婚とどう違うのでしょうか。また、なぜ卒婚が選ばれるか……。今回はそんな「卒婚」についてご紹介します。 1. 卒婚とはなにか?離婚との違い2004年にフリーライターの杉山由美子さんが書いた、『卒婚のススメ』という本をきっかけに話題となった「卒婚」という夫婦の形。「結婚を卒業する」という意味の造語ですが、いったい離婚とどういった違いがあるのでしょうか。そもそも離婚とは、「婚姻関係を解消」するものですよね。卒婚とは、婚姻関係のままで「夫婦生活を解消」し、お互い自由に生きていくものなんだそうです。卒婚のスタイルは夫婦それぞれ異なり、別居や同居は問わないんだとか。株式会社かんでんCSフォーラムが40代以上の既婚女性を対象に行った調査によると、約3人に1人の割合で「卒婚をやってみたい」と答えたそうです。意外と多くの女性が卒婚に興味がある様子。卒婚のメリットとは、「離婚という煩わしい手続きをしないで、夫婦それぞれが自由に生きられる」というところにあります。調査対象が40代以上ということで、これまでの夫婦生活で自由時間が少ない女性が多かったのかもしれませんね。また、離婚とまではいかなくても、現在の夫婦スタイルに疑問を抱いているかたもいるのかも。 2. 男性は「卒婚」についてどう思う?離婚するほどではないけれど、結婚に対して不満があるかたが選択するのが「卒婚」なのかもしれません。やはり離婚となれば、子どもにも負担をかけますし、なにかあったときに後悔することも。卒婚だと法律上は夫婦関係のため、それがいざというときの精神的な支えにもなりそうですね。それでは男性は、卒婚についてどう考えているのでしょうか。筆者の知人の既婚男性数名に卒婚について説明した上で、どう思うか聞いてみました。俺が結婚した理由は、お互いに協力して生きていきたいから。卒婚は相手よりも自分の生きかたを尊重するってことでしょ。俺はそう思った時点で離婚したい。中途半端な関係よりそのほうが楽そう。(20代男性)働いてるうちはいいかもしれないけど、働けなくなったときにお金や生活の問題がでてきそう。でも、困ったときは卒婚を解消してまた夫婦生活に戻ればいいのか。離婚してないわけだし、手続きもいらないし。そんな関係があってもいいかもしれない。(30代男性)今まで夫婦でやってきたことをひとりでするわけだから、今までよりも自由に使える時間と金が少なくなりそう。卒婚するのは、それなりの覚悟が要りそう。(30代男性)意見はもらったものの、皆さん卒婚に対してあまり興味がない様子でした。「支え合ってこそ夫婦」という考えが多く、卒婚後の生活が大変そう……というのが正直な感想のようです。 3. 「自分らしい生きかた」を求めるには男性が重視する「協力」や「支え合い」ですが、もしかしたらそれが女性にとって「夫婦のため」「家族のため」というしがらみになり、夢や自由な時間を諦める要因になっているのかも。それを取り戻すには、「卒婚」がうってつけというわけですね。離婚も以前に比べると随分ポピュラーになりました。家族や友人に再出発を誓い、結婚指輪を破壊する「離婚式」も近年、話題です。「結婚=無条件の幸せ(当たり前)ではなく、自分らしい生きかたを追求することが幸せである」という考えかたが浸透し、「別れ」がネガティブでなくポジティブになる時代なのかもしれません。しかし、かといって卒婚や離婚を経ないと自分らしく生きられないわけではないですよね。結婚生活を営んだままでも個人の時間を尊重し、お互いに依存しすぎないことでそれは可能なのではないでしょうか。例えば依存することで、「妻(夫)がいないとダメかも」と、すべての行動に消極的になる可能性があります。お互い自立して自分のためだけの時間を作り、さまざまなことに挑戦することで自信がつき、より自分らしい生きかたを目指せたら、それは素敵なことだと思いませんか? 浸透しつつある「卒婚」という夫婦の形。離婚とは違って気軽に、独身のような生活を試せるのも魅力のひとつですね。ただし卒婚することで、お金のことや生活のことなど、新たな問題が浮上することもあります。夫婦生活を続けながら「自分らしく生きる」という行動ができるように、今一度「夫婦の形」を再確認してみてもいいかもしれません。自由に生きられない不満な気持ちを解消して、お互いに納得のいく生活ができますように。 参考:「卒婚」ってなに?離婚じゃない、新しい夫婦のかたち「卒婚」に関する調査結果
2018年03月24日