●女形に楽しさ「舞台中、普段の性格も柔らかく」俳優・香川照之(市川中車)の長男で歌舞伎俳優の市川團子が、明治座創業百五十周年記念『市川猿之助奮闘歌舞伎公演』(東京・明治座、5月3日~28日)の夜の部「三代猿之助四十八撰の内『御贔屓繋馬』(ごひいきつなぎうま)」に百足のお百役で出演する。2012年に8歳で初舞台を踏んでから約11年。大学生活を送りながら歌舞伎俳優として着実に成長を遂げている團子に、同舞台への意気込みや歌舞伎への情熱、そして、目標とする祖父・市川猿翁と親戚でもある猿之助への思いを聞いた。『御贔屓繋馬』は、四世鶴屋南北の原作を三代目市川猿之助(現・市川猿翁)と奈河彰輔が筆を執り、1984年4月に明治座で初演し、大評判を呼んだ作品。今回は物語を洗い直し凝縮した形で届ける。大喜利所作事『蜘蛛の絲宿直噺』では猿之助が女童、小姓、番頭新造、太鼓持、傾城、土蜘蛛の精の6役を早替わりで踊り分け、“奮闘公演”に相応しい変化舞踊を披露する。――明治座創業百五十周年記念『市川猿之助奮闘歌舞伎公演』への出演が決まったときの心境からお聞かせください。『新・三国志』や『弥次喜多』に出させていただく機会が多く、それも本当にありがたいのですが、古典を学びたいと思っていたので、古典の作品に出演させていただけるというのはうれしかったです。――古典で学びたいと思った理由は?新作やスーパー歌舞伎『新・三国志』はセリフが現代調だったりして、先輩方は古典が身についていらっしゃるので現代調で言っても歌舞伎になるのですが、自分はまだ全然できていないので基礎である古典をしっかり学びたいと思いました。――明治座に抱いているイメージを教えてください。小学5年生のときに『四天王楓江戸隈』という作品に鬼童丸という役で出演させていただき、そのときに立ち回りが本当に楽しかったというのを覚えています。今回が2回目となりますが、また明治座さんに出させていただくのは本当にうれしいです。――『御贔屓繋馬』の魅力をどのように感じていますか?明治座さんでおじいさま(猿翁)がされた初演の映像も見させていただいたのですが、とにかく面白いという印象です。(主人公の)良門が復活するときに衣装から火や煙が出たり、視覚的にも楽しいですし、セットもすごくきれいです。そして、僕が演じる百足のお百はスパイで、村娘に扮して敵方に潜入するという役なのですが、僕だけでなく物語のほぼすべての人が“実は”という役で、スパイ合戦が繰り広げられます。この人はこうだったのだとひも解かれていくのも面白いですし、立ち回りも面白くパワフルな舞台だと思います。――今回の公演で特に楽しみにしていることを教えてください。女形を務めさせていただきますが、去年初めて女形をさせていただいたので、とにかく頑張って食らいつきたいと思っています。そして、“実は”という役を演じるのは初めてなので、その“実は”という要素をしっかり演じられるように、頑張ります。――女形はいかがですか? やりがいなどお聞かせください。楽しいです! 初めて女性に扮し、不思議な感覚になりました。――女形を演じて新たな気づきや変化などありましたか?すごく不思議なのですが、舞台中、普段の性格も柔らかくなっていたようで、家族や周りの人に言われてびっくりしました。言葉は変わりませんが、ちょっとした仕草が女性らしく柔らかくなっていたみたいです。――もしかしたらまた今回も?なるかもしれません(笑)●大切にしている猿之助の言葉「高1のときに…」――これまでも何度も共演されていますが、猿之助さんは團子さんにとってどんな存在ですか?“憧れ”と“かっこいい”が大きいです。『三国志』ではお父様の役(関羽)を演じられていて、後ろをついて歩く場面があったのですが、背中がとにかくかっこよかったです。――自分もこうなりたい! というように憧れている部分を教えてください。すごすぎてまだ何もわかりません(笑)。じいじと猿之助さんの2人が僕の中で一番の憧れなので、そんな役者になれるように必死に食らいついていきたいと思っています。――猿之助さんに言われたことや教えてもらったことで大事にしていることはありますか?高校1年生のときに猿之助さんと出演させていただいた『連獅子』で、「1日2個のことを直せば、25回公演があるから50個のことを直せる」とおっしゃってくださって、それは大事にしています。また、この前出演した作品の立ち回りのときに、僕は立ち回りは型だと思っていたのですが、猿之助さんは「そうではなく感覚でやるものだ。型も大事だけど、戦っているんだからもっと切羽詰まっているわけだし、それに縛られすぎたらよくない」とおっしゃっていて、とても勉強になりました。――今回の共演でもまた学びがありそうですね。長い時間共演するシーンが多いので、同じ場面で猿之助さんを見られるということが一番の楽しみです。猿之助さんの座頭を見るのも初めてで、目が見えない方をどう演じるのか、いろんなことを学ばせていただきたいです。――2012年に初舞台を踏まれていてから11年。ここまで活動されてきて歌舞伎俳優という職業に対して今どのような思いかお聞かせください。ずっと“好き”“楽しい”という感情です。――一番楽しいと感じる瞬間は?全部です! お稽古も本番も楽しいです。もちろん大変だなとか難しいという感情もありますが、常に楽しいという感情があります。――その楽しさは、経験を重ねるごとに増しているのでしょうか?楽しさはずっと一緒ですね。ずっと変わらず歌舞伎が好きなのだと思います。――團子さんが感じている歌舞伎の魅力とは?魅力は無数にあって未熟者なので到底語れませんが、音楽が楽しい、踊りも楽しい、そしてパワフルなところが大好きです。――若い團子さんを見て歌舞伎に興味を持つ若い方もいると思いますが、ご自身の活動によって歌舞伎界がこうなっていったらいいなという思いはありますか?全世代の方に見てみようかなと思っていただける役者に、いつかなりたいです。●祖父・猿翁の映像が活力源待ち受けも「じいじ」――歌舞伎のことがずっと好きだということですが、この11年で特にご自身にとって大きな経験になった転機を教えてください。おじいさまが『三国志』をやられた20年前のビデオとの出会いは転機になりました。おじいさまも言われていますが、主人公の関羽とおじいさまの人生は共通する部分があり、関羽が未来を語る場面は、おじいさまの夢を語っている場面でもあって、キラキラした目で語る姿がすごく好きで感動しました。子供のときも「かっこいい」と思って見ていましたが、2年前に僕も『新・三国志』に出演させていただくことになってよりそのシーンを見て感動し、その語りのシーンが活力源になっています。――けっこうな頻度で映像を見ているのでしょうか。見ます。いつも見ると「頑張らなきゃ!」と。心を燃やしてくださる活力源です。――今、映像を見せていただいた際に、スマホの待ち受け画面が歌舞伎の写真になっているのがちらっと見えましたが、ご自身ですか?これはじいじです。この写真は今年になってからですが、待ち受けはいつも、かっこいいなと思ったじいじの写真にしていて、本当に憧れです。――おじいさまの言葉で大切にしているものはありますか?「勇なるかな勇なるかな、勇にあらずして何をもって行わんや」という言葉をおじいさまが好きで、その言葉を書いた色紙を3、4年前にくださったのですが、これは何を行うにしてもまず勇気が必要であるという意味で、「僕も勇気を持ってやろう」と力をもらっています。――たくさんのパワーの源がありますね。そうですね!――大学ではどのようなことを学んでいるのでしょうか。芸術を学ぶ学科で、東洋のことだけでなく西洋の音楽や美術、演劇なども学んでいて、どれも面白いのですが、いろんなことを学んでいる中で僕はやはり歌舞伎が一番好きだと再確認しました。――本当に歌舞伎を愛していらっしゃるのですね。11年続けてこられて、別の道を考えてことはないですか?ないです。――今後、歌舞伎俳優としてどのようになっていきたいと思い描いていますか?じいじと猿之助さんが僕の理想なので、その背中を見てなんとか追いかけて、頑張り抜きたいという気持ちです。――最後にファンの方にメッセージをお願いします。『御贔屓繋馬』は、お話の内容がわかりやすく、早替わり、宙乗り、立廻りもありパワフルで楽しいお舞台です! 初めて歌舞伎を見る方や若い世代の方にも楽しんでいただける作品になっています。是非ご覧ください!■市川團子(いちかわ・だんこ)2004年1月16日生まれ、東京都出身。香川照之(市川中車)の長男。屋号 澤瀉屋。2012年、6・7月新橋演舞場『ヤマトタケル』で五代目市川團子を名乗り初舞台。2013年、国立劇場10月歌舞伎公演『春興鏡獅子』胡蝶にて、国立劇場賞特別賞を受賞。学業と芸道を両立させながら、さまざまな舞台に挑戦している。
2023年05月03日明治座創業百五十周年記念「市川猿之助奮闘歌舞伎公演」と銘打ち上演されるのは、映像作品でも大活躍の猿之助が主演と共同演出を勤める2演目。昼の部は先代の猿之助(現・猿翁)が宝塚歌劇団の植田紳爾に依頼して作ったという“歌舞伎レビュー”『不死鳥よ 波濤を越えて』。夜の部は「三代猿之助四十八撰の内」から猿之助の6役早替りが楽しめる『御贔屓繋馬』。中村壱太郎や中村米吉、中村隼人ら今を時めく若手俳優を配し、中村鴈治郎や市川門之助ら重鎮が舞台を引き締める豪華版。気になる内容を猿之助と隼人に聞いた。『不死鳥よ~』は壇ノ浦の戦いで戦死した平知盛(猿之助)が、実は海を渡って生きていたという設定のもと展開されるレビュー(※台詞ではなく歌と踊りのシーンで進行してゆくショー形式のステージ)。猿之助は「レビューをやるのは初めてなんですが、歌劇でも振付経験のある藤間勘十郎さんに演出と振付に入っていただいたので不安はないです。あとは楽曲で、音楽って特に時代を映し出すものじゃないですか。だからミュージカルも多数担当されている玉麻(尚一)先生と相談して新しい楽曲を作っているところ。僕も含めて役者も歌うので楽しみにしてもらえれば」と笑う。隼人も「資料映像を観たら本当に“男版宝塚”で見どころ満載。初演になかったという知盛と若狭(壱太郎)のシーンも、猿之助さんはどう演出されるんだろうと今から楽しみです」と語る。一方の『御贔屓~』は四世鶴屋南北の原作を、先代の猿之助と奈河彰輔の手で1984年に明治座で上演、大評判となった演目。今回は公演最終日に『御贔屓~』の配役を猿之助と隼人が入れ替わりで勤めるのも話題だ。「まさか猿之助さんのお役をさせていただけるとは夢にも思っていなかったので、驚いています。幸いなことに公演中は間近で猿之助さんの姿を見て学べますし、今こういう事をさせていただける意味を感じつつ、次の課題にも精一杯ぶつかっていきたい」と表情を引き締める隼人。猿之助から「まずは女方だね。木偶の坊になっちゃうか、ちゃんとした女方ができるのか」(早替りの6役に女方があるため)と、からかいつつも愛情たっぷりの声が飛ぶと、隼人も「女方は7年ほどやっていないですが、その間に多少は他の力を付けられたのではないかと自分を信じて。稽古場で打ち拉がれながらも(笑)、頑張りたいです」と語った。若手俳優を多く配していることを問われると「今を盛りと咲いている人には、自分が一番いい状態のときに(芸を)教えたい。伝統芸能って1年や2年じゃ教えられないものなので、10年、20年先を見据えてね。僕はここからがスタートだと思っているんです」と真剣な表情で話す猿之助。演者たちが生き生きとぶつかり合う5月明治座はまもなく開幕。取材・文/藤野さくら
2023年05月01日電気代にはエアコンの使用が大きく関わっているようです。エアコンの使い方を見直すと、電気代の節約に繋がるかも……!そこで今回は、実際に寄せられた「やめたら電気代が減った!電気代の節約術」を3つご紹介します。監修者:黒田悠介税理士法人Bridge代表税理士金融機関・IPO企業・富裕層コンサルティング会社を経て、税理士法人Bridge東京・静岡事務所を創設。「お客様に幸せの架け橋を」というビジョンを掲げ、多角的な税務サービスを行っている。エアコンの温度を変更1番の電気代節約は、エアコンの温度を20度にすることです!オール電化なので、台所、リビング、寝室でエアコンを使用していました。しかし、エアコンを25度設定から20度に下げることで、一気に電気代を削減。寒さは、着こむことで調整しています。(44歳/パート)日中の暖房を使わない冬場は、日中に暖房をなるべくつけません。昼間にカーテンを開けて、部屋を温めておきます。小動物がいるので、深夜はつけっぱなしですが、昨年の同じ月から1,000円ほど安くなりました。他にも、それほど変わらないかもしれませんが、電気のつけっぱなしには気を付けています。(29歳/公務員)エアコンから床暖房に変更私の家は南西向きのため冬は暖かく、相当な寒さでなければエアコンを付けないのですが、エアコンを付けた月だけ電気代が上がりました。しかし給湯器が壊れたときに「こまめに床暖房を付けてください」と言われ、エアコンではなく床暖房にすると安くなりビックリしました。(50歳/派遣社員)エアコンの使用方法を見直すエアコンの使用方法を変えて節約した3つのエピソードをご紹介しました。皆さんは、エアコンをどのように活用していますか?監修者:黒田悠介(税理士法人Bridge代表税理士)※こちらは実際に募集したエピソードを記事化しています。※この記事は編集部に寄せられた実話ですが、すべての方が当てはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。(MOREDOOR編集部)
2023年05月01日ガス代が高いと感じることはありませんか?ガスの使い方を工夫することで、ガス代の節約につながるかもしれません。そこで今回は、実際に寄せられた「やめたらガス代が減った!ガス代の節約術」を3つご紹介します。シャワーの使い方を見直すガス代を一番使うのはシャワーなので、光熱費削減の方法を考えました。それは身体を洗う順番を替えることです。浴槽には溜めずシャワーのみで済ませるのですが、頭から洗うと一度シャワーで頭を流すために水を出し直さないといけません。身体を先に洗ってからシャンプーをすることで、全身まとめて身体を洗い流せます。そうすることでシャワーの出し入れの回数が減るので、平均的にガス代が減りました。(31歳/フリーランス)お風呂に入る時間を決める以前は、家族が自分達の都合に合わせてお風呂に入っていました。しかし、ガス代の節約のために家族会議を開いて、原則的に夕方6時半から8時までに入浴するように……。集中して入ることで、追い炊きをするときもあまりガスを使用しないので、確実にガス代の節約ができました。(64歳/会社員)電気圧力鍋を活用ガスコンロを使ってお鍋での煮込み料理やめました!大根や里芋など長時間煮込んで味をしっかり染み込ませたいし、野菜は煮込むと嵩が減るので子どもたちもたくさん野菜がとれてすごく良いです。しかし、火をつけっぱなしにするとガス代が……。そこで、ガスコンロでグツグツ煮るのをやめて電気圧力鍋を購入。料理中に火を気にせずに他の家事や子どもの相手ができ、ガス代の節約にもなり、今はなくてはならい我が家の家電です。(35歳/主婦)見直してガス代を節約これまでの生活を見直してみると、ガス代を節約できる部分が見えてくるようです。皆さんは、どのようにガス代を節約していますか?※こちらは実際に募集したエピソードを記事化しています。(MOREDOOR編集部)
2023年04月13日電気代が高いなと感じることはありませんか?少しでも節約できると、家計にも嬉しいですよね。そこで今回は、実際に寄せられた「やめたら電気代が減った!電気代の節約術」を3つご紹介します。外出時にエアコンをつけっぱなしに今までは少しだけ外出するときも、エアコンのスイッチを切っていました。しかし、最近は短時間なら、エアコンをつけっぱなしにしています。部屋の温度を設定温度にするまでにエネルギーを使うようで、そのままにしていた方が節電になるらしいです。(58歳/主婦)食器乾燥機を使わない大人2人と子ども2人の4人家族です。電気代が4万円だったのですが、食器乾燥機を使うのを止めて自分で食器を拭くようにしました。また、お風呂からあがったらすぐに電源を消すようにしていたら、2万円も下がりました。(30歳/主婦)オイルヒーターを使わないオイルヒーターを使うのをやめました。リモコンで操作できないので、部屋が十分暖かくなっていても消すのが面倒でつけたままにしていると電気代が大変なことに……。今は、厚着をしてリモコンで操作できるヒーターの温度調節をマメにするようにしています。(46歳/自営業)『やめる』に切り替えて……これまでなんとなくしていたことを『やめる』と、節約につながるようです。皆さんは、電気代節約のためにやめたことはありますか?※こちらは実際に募集したエピソードを記事化しています。(MOREDOOR編集部)
2023年03月21日4月歌舞伎座「鳳凰祭四月大歌舞伎」昼の部『新・陰陽師』で脚本・演出、そして蘆屋道満役を勤める市川猿之助が、安倍晴明を祀る晴明神社にて成功祈願を行った。本公演は、夢枕獏が描いた伝奇小説『陰陽師』を原作に、歌舞伎ならではの演出や工夫が凝らされた作品。猿之助の脚本・演出のもと、次代を担う花形俳優が顔をそろえ、新たな「陰陽師」の世界が誕生する。神社には、出演者(市川猿之助、坂東巳之助、中村壱太郎、尾上右近、中村隼人、中村児太郎、中村福之助、中村鷹之資、市川染五郎)が書いた絵馬を猿之助が代表して奉納。京都・南座『三月花形歌舞伎』に出演中の尾上右近、中村鷹之資もその場に駆けつけた。成功祈願の様子左より)中村鷹之資、市川猿之助、尾上右近併せて、本公演の特別ポスターも公開。猿之助扮する蘆屋道満からはいかにも怪しげな雰囲気が漂い、まるでその指先から伸びた糸で登場人物たちを操っているかのようなビジュアルに。道満が広げた手の下には、中村隼人の安倍晴明、市川染五郎の源博雅、坂東巳之助の平将門、中村壱太郎の滝夜叉姫、尾上右近の興世王、中村児太郎の桔梗の前、中村福之助の俵藤太、中村鷹之資の大蛇丸ら総勢八人の個性豊かなキャラクターが並んでいる。本ポスターは歌舞伎座ほかにて掲出される。■市川猿之助 コメント公演が成功するように座中一丸となって、良いものをこれから作り上げ、初日が開いてからも努力していこうということを晴明様にお誓い申し上げました。絵馬に書いた言葉は「神恩感謝」。4月にこうして公演をやらせていただけるということがすでにありがたいことですから、まずは感謝を申し上げて、そこからものごとが始まるということです。今回の『新・陰陽師』は同じ夢枕獏先生の原作をもとにしていますが、前回の公演から10年経ってリニューアルという意味も込めて、古典歌舞伎の形式でお届けします。若手それぞれに見せ場を作りますので、普段彼らがいかに古典歌舞伎を学んできたかということの成果をお見せいたします。彼らにとっても色々な発見がある舞台になるのではないかと。昼夜二部制ということもあり、久しぶりに三幕構成としてひとつのお芝居をじっくりと観ていただきます。ひとりでも多くの方に劇場に足を運んでいただいて、お芝居を楽しんでいただければと思っております。<公演情報>歌舞伎座新開場十周年記念「鳳凰祭四月大歌舞伎」『新・陰陽師』2023年4月2日(日) 初日~27日(木) 千穐楽『新・陰陽師』特別ポスター
2023年03月18日Amazon Original番組『風雲!たけし城』(4月下旬より全世界順次配信)に、バナナマン、上田晋也(くりぃむしちゅー)、渡辺直美、市川猿之助が出演することが10日、発表された。さらに、ビートたけしをはじめとするキャストのキャラクタービジュアルも公開された。80年代に空前のブームを巻き起こし、海外でも熱狂的なファンを生んだ視聴者参加型アトラクションバラエティ番組『風雲!たけし城』が34年ぶりにPrime Videoで復活する。水に浮かんだ偽石を見分けながら対岸まで渡る“竜神池”や、回転しながら進む大きなキノコにしがみ付きゴールを目指す“キノコでポン!”など、お馴染みのゲームがさらにスケールアップして登場。さらに豪華新ゲームも加わり、挑戦者たちが攻撃軍として、果敢に数々の”無理ゲー”に体当たりで挑む。総勢300人以上の挑戦者たちを迎え撃つ“たけし城”城主ビートたけしの家老・家臣としてバナナマンの設楽統と日村勇紀が出演。たけし城を守る配下の3つ城の城主に、くりぃむしちゅーの上田晋也、渡辺直美、市川猿之助が決定した。公開されたキャラクタービジュアルでは、復活を遂げた伝説の“殿”ビートたけしに加え、たけし軍の設楽、日村、上田、渡辺、猿之助、攻撃隊長の谷隼人、木村昴の闘争心溢れる姿が映し出されている。数々の伝説的なお笑い番組を生み出し、お笑い界のトップに君臨するビートたけしは「『風雲!たけし城』はバラエティの基本が詰まっている。人間のやることで一番面白いのは、かなり高度なことに挑戦して失敗すること。あまり深く考えずに楽しんでほしいです」と番組の面白さについて語る。“新たなたけし城の名参謀”として難攻不落のゲームを支配する家老を務めた設楽は「昔から『風雲!たけし城』を見ていたので、出演が決まってうれしかったですね。“おさむ城”をやりたいって言っていたくらい好きでしたから。復活するだけでも嬉しいのですが、それに出られるという。いいのかな?と思いました」、“たけし城のマスコットキャラクター”の家臣を務めた日村は「他の番組の復活とは違いますよね。学生の頃は見ていて『楽しそうで羨ましいな』と思っていました。皆の憧れの番組だったので復活が信じられないですし、そこに出演できるというのも不思議な感じでした」と心境を語った。各エピソード約100人にわたる挑戦者たちを迎え撃つのは、たけし城の配下である城主たち。第一の城の城主で“チェーンソーをぶん回す狂気の城主”を務めた上田は以前から「本作に出演したい」と公言しており、「出演したいと言ってみるものですね。言った次の日にはオファーが来ましたから(笑) 高校時代に家に帰って見ていた番組なので、令和版の一部に参加させていただくことができて一つ念願が叶った気持ちになりました」とコメント。第二の城の城主“バイブス高めのゴージャス姫”の渡辺も「『たけし城』復活の噂は聞いていましたが、まさか自分が城主に選ばれるとは思いませんでした。他の城主メンバーもいかついじゃないですか(笑)そんな中で、私でいいんですか?と、びっくりしました。『風雲!たけし城』は歴史のある番組で、ずっと世界中で愛されている番組なので、そんな作品に出演できるのはうれしいです」と喜ぶ。第三の城の城主で、“白の甲冑の二刀流城主”の猿之助は「SASUKEの元になった凄い番組です。昔を知っている方には懐かしいし、ある種スポーツ番組としても見れるし、一番大事なのはお笑いとして見られることが大きいと思います。偶然から生まれる仕込みのないお笑いです。是非ご覧下さい」と番組を楽しみにしている人たちへメッセージを送った。たけし城陥落を目指し、挑戦者たちと共に攻め入る攻撃隊長には、谷隼人と木村昴が出演。昭和版に続き“34年ぶりの攻撃隊長”となった谷は「『風雲!たけし城』は特別な作品なので、何役でもいいから番組に関わりたいと思っていました。攻撃隊長は挑戦者たちの士気を上げる役割があるので、この年では厳しいかなと思っていたのですが、再び隊長役に選ばれて気合いが入りましたね」、“平成生まれの新・攻撃隊長”を務めた木村は「作品を見直して攻撃隊長がいかに大事な役割か分かりました。だからこそ選ばれて光栄でしたし、プレッシャーも感じました。当時を知る視聴者の方には谷さんの姿を見て熱くなっていただき、若い世代には新隊長として私が『たけし城』を広めていきたいです」と語った。(c)2023 Tokyo Broadcasting System Television, Inc. All Rights Reserved
2023年03月10日1月10日(火)より放送開始のドラマ「大奥」より【3代・徳川家光×万里小路有功編】のキービジュアルが完成。デザイン担当の清川あさみのコメントも到着した。【3代・徳川家光×万里小路有功編】は、赤面疱瘡が広まり、本来の3代将軍・家光も死亡した後の物語。春日局は秘密裏に、その娘・千恵を将軍の身代わりにし子を産ませ、徳川幕府を維持しようとする…。福士蒼汰が万里小路有功、堀田真由が徳川家光を演じ、春日局役を斉藤由貴がつとめることがすでに発表されている。この度公開されたキービジュアルのデザインは、昨日公開された【8代・徳川吉宗×水野祐之進編】と同様、清川あさみが担当。寄り添う家光と有功の周囲に散りばめられた花のモチーフが印象的だ。清川あさみ清川さんは、「お互いに傷を暖め合うような有功と家光の空気感が美しいです。二人の関係は優しく穏やかで、時に激しさを伴う一途な愛のようなカタチに見えます。大奥の全ての『はじまり』をコンセプトを蕾に見立てて制作しました」とコメントを寄せた。ドラマ10「大奥」は2023年1月10日より毎週火曜日22時~NHK総合にて放送(※初回15分拡大)。(text:cinemacafe.net)
2022年12月20日40代もキレイでいたいから!今やりたい美肌術出典:byBirth肌の衰えを痛感する40代だからこそ、30代のうちからできる対策をしておきましょう。「みんないつかは40代!キレイを維持するために30代のうちにやりたい12の美肌術【1】」では40代の肌状態についてと、美肌術のうち「1. UVケア」、「2. 摩擦レス」、「3. 洗顔」を紹介しました。「みんないつかは40代!キレイを維持するために30代のうちにやりたい12の美肌術【2】」では、「4. 保湿とは」、「5. 朝のスキンケア」、「6. セルフマッサージ」、「7. 自分にあった化粧品を選ぶ」についてお伝えしています。本記事では、30代のうちにやっておきたい生活習慣の見直しにまつわるアレコレに触れていきます。ぜひ、今日から対策をスタートしてくださいね。8.食事を整えていく出典:byBirthどんなに高機能な化粧品でスキンケアをしても、それはあくまで外側からのケアです。若々しい肌のためには内側からのケアがかかせません。特に40代になると、肌の老化だけでなく、体のめぐりの停滞、基礎代謝の低下、ホルモンバランスの変化なども始まります。食事に気をつけないと、肌や体作りに必要な栄養が不足。肌トラブルのほか、ダイエットや健康面でも「こんなはずでは…」というシーンが増えてしまいます。仕事やプライベートが忙しいかもしれませんが、今のうちからできる範囲で食生活を整えておきましょう。例えば…和定食風のメニューを意識する体や美容に良い食べ物を調べて、少しずつ取り入れる脂質や糖質の摂りすぎに気をつける朝ごはんをきちんと食べる夜ごはんは低糖質・高タンパクを意識する偏食をなくす(嫌いな食べ物に挑戦してみる)週末は自炊して栄養バランスを整えるどんなことでも構いません。「意識して、少しずつ食生活を整えていく」のが大切です。なお、食生活を整えても食事のみで補いきれない栄養がある場合は、サプリメントを活用するのも良いでしょう。美肌づくりには、以下のような成分がおすすめです。ビタミンC抗酸化力が高く、シミやくすみ対策に。コラーゲン生成をサポートするのでハリ・弾力ケアにも有用。ビタミンE若返りのビタミンとも言われる。体のめぐりをサポート。抗酸化力も高い。亜鉛ターンオーバーをサポート。新しい細胞づくりにかかわる。タンパク質肌の材料になる。セラミドもともと肌に存在し、角層内で肌のうるおいを守っている。加齢に伴い減少するためサプリで補うと良い。ただし、サプリメントはあくまで補助食品です。まずは食生活を見直して、その上で必要と感じるときにサプリを活用するのが○。9.睡眠時間を確保する出典:byBirth睡眠中は、肌のターンオーバー促進や細胞の修復に関わる「成長ホルモン」が分泌されます。成長ホルモンの恩恵を受けるためには、良質な睡眠がかかせません。特に眠ってすぐの深い眠り(眠りはじめ~3時間程度まで)のときに、成長ホルモンは多く分泌されます。この3時間の睡眠の質を高めるよう、30代のうちから睡眠習慣を見直しておきましょう。睡眠の質を上げるには…眠る前はリラックスして過ごす(軽いストレッチ、ノンカフェインのハーブティーを飲む、ヒーリングミュージックを聴くなど)カフェインを含む飲料は午後に飲まない日中、適度な運動をする眠る3時間前までに夕食は済ませる眠る1~2時間前に入浴する(湯船につかる)眠る1時間前にデジタル機器(TV、スマホなど)を使わない清潔な寝具を使う寝室の温度と湿度を快適にする眠るときに保安灯(豆電球)はつけずに、部屋を暗くするいきなり全部をやろうとすると大変かもしれません。1つずつ習慣にしていってはいかがでしょうか。10.運動習慣を身につける出典:byBirth海外では、運動をすると肌が若返る可能性を示唆する研究結果が発表されています。その理由は「汗をかくと老廃物が排出される」「血液の流れが良くなり新陳代謝がUP。肌のターンオーバーが促進される」「成長ホルモンの分泌を促す」からなのだそう。運動は、美容だけでなく健康やダイエットにも有用です。忙しくて時間が取れないと諦めずに、適度な運動を日課にしていきましょう。とはいえ、運動習慣がないのに「毎日、30分ウォーキングする」「週に数回、ジムで筋トレする」などはハードルが高いのではないでしょうか。まずはお手軽運動からスタートを。TVを見ながらその場足踏み10分×2~3セット、スキマ時間にかかとの上げ下げ、スクワット20回など、簡単なことから取り組んでみましょう。慣れてきたら、少しずつ運動量を増やすのがおすすめです。以下の記事で、初心者でも取り組みやすい簡単な運動を紹介しています。参考にしてください。※参考記事「○○を見ながらダイエット!1日3分のエクササイズできれいを叶えよう」「痩せスイッチは肩甲骨にあり?ズボラさん&運動嫌い必見!肩回し体操ダイエットとは」「体脂肪を落とすのは難しくない!憎き脂肪にサヨナラする方法(2)【運動編】」11.ヒートショック・プロテイン入浴法を取り入れる出典:byBirthHSP(ヒート・ショック・プロテイン)とは、細胞ダメージを防いだり、損傷した細胞を修復する働きがあるタンパク質です。近年、紫外線ダメージによるシミやシワを抑制することが研究で明らかになりました。40代以降は、紫外線ダメージの蓄積のツケが肌表面にドンッとあらわれやすくなります。だからこそ、HSPで、紫外線ダメージに負けない状態を作っておきたいもの。HSPは、体が熱によるストレスを受けると体の中で作られますので、入浴法を工夫してみましょう。HSP入浴法HSP入浴法とは、その名の通り、体内のHSPを増やす入浴の仕方です。美容だけでなく、代謝UP、疲労回復、ダイエット、免疫力の向上などに役立つと言われています。汗をたっぷりかくので、入浴前にコップ1杯の常温の水を飲む41度にお風呂をわかす足 → ふくらはぎ → もも、手 → 腕 → 肩など、心臓から遠い部分にかけ湯をして、体をお湯にならすゆっくりと湯船に浸かる(15分)入浴後はコップ2杯程度の常温の水を飲むお湯の温度は40度または42度でもOK。40度なら20分、42度なら10分、湯船に浸かります。HSPは3~4日程度で減少するので、週に2回程度、HSP入浴法を実践すると良いでしょう。12.メンタルヘルスに気を使う出典:byBirthストレスは体のめぐりを停滞させます。肌作りに十分な栄養が細胞に届かなかったり、むくみで皮膚がたるんだりと、肌老化が加速しかねません。40代になると夫婦や子供との関係の変化、仕事での責任UP、ホルモンバランスの乱れによるなんとなくの不調など、ストレスがたまりやすくなります。すこやかな心を保てるよう、今のうちに自分なりのストレス解消法を見つけておきましょう。「今」が40代の美肌を守ると心得て出典:byBirth3回にわたって「30代のうちにやりたい12の美肌術」をお伝えしました。「やることがいっぱい!」と感じたかもしれませんが、すべてを完璧にこなせなくてもOKです。30代の「今」の積み重ねが、未来の美しい肌を育むと心得て、やれることを無理のない範囲で取り入れてみてくださいね。
2022年11月14日市川猿之助が主宰する演劇プロジェクト・猿之助と愉快な仲間たち。2022年2月の第1回公演では、作家・浅田次郎の人気シリーズを「朗読劇『天切り松闇がたり~闇の花道〜』」として上演した。4月の第2回公演は劇作家・横内謙介が新たな構想で書き出した『森の石松』を、市川猿之助による演出で上演。いずれも好評を博し、2023年3月に第3回公演を行うこととなった。そんな中、10月に2.5回公演として急遽「七川劇団リターンズ『新説堀部安兵衛』」を開催することが決定。第2回に引き続き原作は横内謙介。市川青虎が初の脚色と演出を担当し、市川猿之助がスーパーバイザーを務める。10月20日(木)の開幕に先駆けてゲネプロが行われた。冒頭では脚色・演出を務める市川青虎が登場し、前作『森の石松』をダイジェストで語る。要点を押さえたコミカルなダイジェストにより、前回の公演を見逃した方も、本作に連なる人間関係やドラマを理解できるようになっている。物語は、前作で成仏したかと思われた七川一座の面々が次々に“差し戻し”をされることからスタート。和気藹々とした仲間たちの軽妙なやりとりから“猿之助と愉快な仲間たち”の一座としての円熟味が窺える。前作を経て博品館劇場の支配人となったものの、自分のせいで人が死んでしまったという後悔に苛まれ、「人が死ぬ芝居はやらない」と拒絶する小松を、市川郁治郎は熱量を持って演じる。『堀部安兵衛』の台本を持ち込んだ制作の富山(大知)、小松の部下の原田(立和名真大)と小松がぶつかり合うシリアスなシーンに、大森(市川澤五郎)のコミカルな芝居が程よい軽さを与えている。小松の様子を見て、前作では自分達のために『森の石松』を演じた七川一座は人のために芝居をすることに。劇中劇となる『堀部安兵衛』で安兵衛を演じるのは下川真矢。酒飲みだが明るく気さくで、長屋の面々から頼られるのも納得の好漢だ。安兵衛を討とうとする剣客・祐見を演じる市川翔乃亮は、ユーモラスな芝居で憎めないライバルを描き出す。飄々とした安兵衛との対比も楽しい。安兵衛の義理の叔父・菅野六郎左衛門を演じた石橋正次は、穏やかさの中に一本芯の通った強さを感じさせ、安兵衛の生き方に大きな影響を与えるキーパーソンとしての存在感を見せつけた。見得や殺陣に加えてミュージカルのような歌とダンスもあり、長屋の仲間たちの見せ場も多数。仇討ちをテーマとした作品だが、横内による『新説』では大胆な脚色を加え、安兵衛を取り巻く人々の温かさや絆にフォーカスした物語に生まれ変わった。山場である高田馬場での決闘では長屋の仲間たちも駆けつけ、大立ち廻りを繰り広げる。一人ひとりの個性と魅力が際立っているからこそ、一つひとつの戦いや台詞がグッと胸に迫ってくる。公演では若手たちの熱量と勢いたっぷりな芝居を楽しめるだけでなく、豪華な日替わりゲストも登場。アドリブも飛び出すと予想されるシーンに期待が高まる。大衆演劇的な分かりやすさと古典の良さを掛け合わせた作品であると共に、今の世の中で改めて考えたい人との繋がり、演劇の必要性に対するメッセージも感じられるこの作品。制作会見で青虎が語っていた通り、“宝箱”のように仕上がった。休憩を挟んだ2幕は舞踊ショーが行われ、しなやかで美しいダンスやポップな舞踊、聴かせる歌唱まで幅広く披露された。ゲストの見せ場など日替わりの演目もあり、見応え充分なショーをぜひ楽しみにしてほしい。本作は10月20日(木)より23日(日)まで、博品館劇場にて上演される。<公演概要>猿之助と愉快な仲間たち第2.5回公演「七川劇団リターンズ『新説堀部安兵衛』」日程:2022年10月20日(木)〜23日(日)会場:銀座博品館劇場出演:穴井豪 石橋正次 石橋正高 市川郁治郎 市川右田六 市川喜介 市川澤五郎 市川笑猿市川翔三 市川翔乃亮 市川青虎市川段一郎 市川段之 市川三四助 下川真矢下村青 大知 立和名真大(五十音順)=日替わりゲスト=20日(木)15:00公演坂東新悟、嘉島典俊21日(金)15:00公演市川猿之助、市川團子19:00公演市川猿之助、尾上右近、市川團子22日(土)15:00公演市川猿之助、中村鷹之資、市瀬秀和19:00公演市川猿之助、中村隼人、市瀬秀和23日(日)15:00公演市川猿之助、浅野和之、市川團子原作:横内謙介脚色/演出:市川青虎スーパーバイザー:市川猿之助音楽:SADA(破天航路)主催:ニッポン放送/全栄企画株式会社企画:猿之助と愉快な仲間たち制作:株式会社WISTERIENCE制作協力:博品館劇場/三響会企画/株式会社ちあふる協賛:株式会社和光トランスポート協力: 松竹株式会社全席指定 8,000円(税込) ★公演パンフレット付※未就学児入場不可お問い合わせZen-A(ゼンエイ) TEL:03-3538-2300(平日11:00~19:00)公式ホームページ 詳細はこちら プレスリリース提供元:NEWSCAST
2022年10月20日9月21日、「猿之助と愉快な仲間たち第2.5回公演七川劇団リターンズ『新説 堀部安兵衛』」の製作発表取材会が都内で開催され、市川猿之助、市川青虎、下村青、市川段之、市川郁治郎が出席した。©️GEKKO本公演は、歌舞伎俳優の市川猿之助が主宰する演劇プロジェクトで、東京・大阪・愛知で今年2月に第1回公演「朗読劇『天切り松 闇がたり〜闇の花道〜』」を上演。4月には東京・六本木で第2回公演『森の石松』を上演し、2023年3月に第3回公演の上演決定も発表された。しかし、予定していなかった本公演「七川劇団リターンズ『新説 堀部安兵衛』」が急遽決定し、間を取って“第2.5回公演”となった。スーパーバイザーを務める猿之助は、「今日、この記者会見を開いてもらったのは、一にも二にも“切符を売るため”です。残念ながら、コロナ禍になって劇場に足を運ぶことが少なくなりました。第7波が収まるんじゃないかという状況ではありますが、7回もコロナ禍を経験しているにもかかわらず、『コロナだから』と自分の出不精をコロナのせいにして世の中に出ないという方向に行っているような気がします。それは、自分もそうだからです(笑)。お店もファミレスが夜10時に終わってしまったり、世の中がどんどんそちらの方に傾いているように思うのです」と現状を憂いつつ、「演劇界も今、昔は飛ぶように売れていたチケットが売れなくなりました。しかし、今回の博品館劇場での公演は『コロナだから』という言い訳は一切通用しない公演となっております。時間と心に余裕がある方は、自分の判断でどんどん観にきていただきたい」と呼びかけた。また、「朗読劇が第1回でしたが、“第1回”と言ったからには10回ぐらい続けないといけないなと思っています。“継続は力なり”なので、使命感に駆られて今回も開催するわけです」と、今回の第2.5回、来年3月に予定されている第3回にとどまらず、継続していくことを約束。“スーパーバイザー”の役割について聞かれると、「“猿之助と愉快な仲間たち”なのですが、僕も“愉快な仲間たち”の一員なので、なるべく私に頼らないでやってほしい。お正月に飾る鏡餅だとすると、私は真ん中についている飾りのミカンみたいなもの。ないと困るが、あってもそう役には立たない。そんなスーパーバイザーなので“お飾り”だと思ってください(笑)」と答えた。“私に頼らないでやってほしい”という思いもあって、今回の演出と脚本は市川青虎が担当している。「今年3月に第2回公演の『森の石松』を上演しました。ご好評いただきまして、来年3月に第3回公演の開催を発表させていただきましたが、その直後に全栄様から『博品館劇場で“猿之助と愉快な仲間たち”として何かやりませんか?』というお話をいただきました。私は来年3月に演出家デビューする予定でしたが、予定が早まって、ここで演出家デビューすることになりました」と青虎が予定が繰り上がったことを説明。「このお話をいただいたのが今年の6月。準備期間を考えるとなかなか難しいと思いましたので、“猿之助と愉快な仲間たち”に頂いた話でもありますし、僕の一存では決められないので『猿之助のもとに持ち帰ります』と答えました。猿之助さんが『前向きに検討します』と答えられたので、全栄さん、猿之助さん、私、そして愉快な仲間たちみんなで話し合いをしました。短い期間だけど、お客さまに『これならまた観に行きたい』と思い、真っさらな新作を一から書き上げて上演することにしました」と、今回の経緯を話した。今回の原作を手掛けたのは前回の『森の石松』と同じく、横内謙介氏。青虎が横内氏に相談し、書いたけれど一度も上演していない『堀部安兵衛』を選択。そのまま演じるのではなく、好評だった『森の石松』にならって、“七川劇団”という形での脚本に仕上げることとなった。「いろんな世界で活躍されている方々がいる中で、皆さんの持ち味を活かして、開けたらいろんな物が入っている“宝箱”みたいな作品になればいいなと思っています」という思いを語った青虎。段之は「七川劇団の古株の女形で、いろんなことを発言して、しっちゃかめっちゃかになるんじゃないかと思います」と自身の役を紹介。下村は「第1回は出られなくて、第2回は日替わりゲストとして1日だけ出させていただきました。今回、やっとフルで出られます」と喜びを伝え、「1幕はミュージカルスターみたいな感じで登場し、第2幕では深川芸者をやらせていただきます」と役どころを伝えた。郁治郎が演じる役は“博品館劇場の支配人・小松”。「第2回では小松はシアター停車場の若い職員でした。彼のせいで事件が起きて、ずっとトラウマがある状態というところから今回の本編が始まるので、キーマンになります」と重要な役どころであることを明かした。猿之助は「今日の記者会見の主役もこちらの4人です。私は出なくてもいいと思っていたぐらいですし、これ(一人だけカジュアルな服装)も、いい意味での“やる気のなさ”の表れです。僕はあくまでも“脇”ですから」と4人を立てた。最後に、演劇プロジェクト“猿之助と愉快な仲間たち”の今後の理想的な活動は?と聞かれ、「今は人の声援、クラウドファンディングなどで支えていただいてますが、演劇自体で採算が取れるようになって、しかも次の興行の製作費も出せるようになりたい。もっと理想を言えば、京都の春秋座ぐらいの700〜800ぐらいのキャパの劇場で、昼夜公演をやる。昼は今のような新劇と混じったような芝居で、夜はきちんとカツラを着けて勉強会のような形で歌舞伎の古典を行う。昼夜で歌舞伎と両立した公演を2〜3週間開催し、ゆくゆくは地方の会館へ持っていって巡業するのが夢です。ぜひやりたい」と意欲を示した。そしてフォトセッションの後、退席する間際に、「前回、最初は全然切符が売れなくて、公演が始まってから急に売れ出して『切符がない!』って状態になったんです。今回も前回と出足が似ています。なので、今買っておかないと切符がなくなる可能性があるので、ぜひ今のうちに!」というメッセージを残した。「猿之助と愉快な仲間たち第2.5回公演七川劇団リターンズ『新説 堀部安兵衛』」は、10月20日(木)から23日(日)まで東京・銀座 博品館劇場で上演。<公演概要>公演名:猿之助と愉快な仲間たち第2.5回公演七川劇団リターンズ『新説 堀部安兵衛』公演日:2022年10月20日(木) ~23日(日)会場:銀座 博品館劇場(東京都中央区銀座8-8-118階)<出演>穴井豪石橋正次石橋正高市川郁治郎市川右田六市川喜介市川澤五郎市川笑猿市川翔三市川翔乃亮市川青虎市川段一郎市川段之市川三四助下川真矢下村青大知立和名真大(五十音順)他、豪華日替わりゲストあり(予定)!どうぞお楽しみに!原作:横内謙介脚色 / 演出:市川青虎スーパーバイザー:市川猿之助音楽:SADA(破天航路)主催:ニッポン放送企画:猿之助と愉快な仲間たち制作:全栄企画株式会社/株式会社 WISTERIENCE制作協力:博品館劇場/三響会企画/株式会社ちあふる協力:松竹株式会社【チケット】発売中・Zen-A[ゼンエイ] TEL:03-3538-2300(平日11:00~19:00)・チケットぴあ (パソコン・スマホ)セブン-イレブン店舗 [P コード:514-323]・ローソンチケット ローソン店内Loppi[L コード:32425]・イープラス (パソコン・スマホ) ファミリーマート店内Fami ポート・CN プレイガイド (パソコン・スマホ)TEL:0570-08-9999・博品館 1F TICKET PARKTEL:03-3571-1003(11:00~20:00)全席指定 8,000円(税込) ★公演パンフレット付※未就学児入場不可特別チケット①有料アフタートーク付きチケットチケット代:9,500円(税込)※10月21日(金)15:00公演のみ[Zen-A(ゼンエイ) のみ取扱い] 特別チケット②NFT付きチケットチケット代:9,000円(税込)[ローソンチケットのみ取扱い]ローソンチケットHP お問い合わせZen-A(ゼンエイ) TEL:03-3538-2300(平日11:00~19:00)公式ホームページ 詳細はこちら プレスリリース提供元:NEWSCAST
2022年09月22日猿之助と愉快な仲間たち第2.5回公演「七川劇団『新説 堀部安兵衛』」が、 10月20日(木) から23日(日) の4日間にわたって東京・銀座 博品館劇場にて全6公演が行われることが決定した。本公演は、歌舞伎俳優の市川猿之助が主宰する演劇プロジェクト。第1回公演では「朗読劇『天切り松 闇がたり~闇の花道~』を上演。猿之助、市川中車、中村壱太郎、石橋正次らが、作家・浅田次郎の人気シリーズを朗読劇として語り上げた。続く第2回公演では「森の石松」を上演。講談や浪曲をはじめ、テレビでの時代劇、映画などでもよく知られる“森の石松”の物語を、劇作家・横内謙介が新たな構想で作劇し、猿之助が演出を担当。市瀬秀和、石橋正高、下川真矢、松原海児、石橋正次のほかに、松雪泰子も出演した。そして、今年6月には“第3回公演が2023年3月に上演決定”と発表。しかし、急遽今回の公演「七川劇団『新説 堀部安兵衛』」が決まり、間を取って“第2.5回”として上演されることに。原作は横内謙介、脚色と演出を初めて市川青虎が担当し、市川猿之助はスーパーバイザーを務める。個性豊かなキャストに加え、豪華な日替わりゲストも出演する。<公演情報>猿之助と愉快な仲間たち第2.5回公演「七川劇団リターンズ『新説 堀部安兵衛』」2022年10月20日(木)~23日(日) 銀座 博品館劇場【ストーリー】あの七川劇団が今度は銀座博品館劇場に帰ってくる。シアター停車場という劇場を経営していた奈良橋徳次が突然姿を消した。時が経ち、シアター停車場の唯一の従業員であった小松は、今博品館劇場の支配人になっていた。そんな折、劇団襖座の作家・堀内源介から「新説 堀部安兵衛」の上演を依頼されるが、小松は人の死ぬ芝居は上演しないと頑なに断った。しかし、その「新説 堀部安兵衛」という作品の元に、吸い寄せられるが如く、七川劇団の面々がやってくる……。【出演】穴井豪 / 石橋正次 / 石橋正高 / 市川郁治郎 / 市川右田六 / 市川喜介 / 市川澤五郎 / 市川笑猿 / 市川翔三 / 市川翔乃亮 / 市川青虎 / 市川段一郎 / 市川段之 / 市川三四助 / 下川真矢 / 下村青 / 大知 / 立和名真大(五十音順)ほか、 豪華日替わりゲストあり(予定)原作:横内謙介脚色・演出:市川青虎スーパーバイザー:市川猿之助音楽:SADA(破天航路)【チケット料金】全席指定:8,000円(税込・公演パンフレット付)※未就学児入場不可■一般発売日:9月11日(日)~チケットはこちら:公式ホームページ:
2022年09月10日選挙啓発イメージキャラクターを務める歌舞伎俳優の市川猿之助、女優の生田絵梨花が出演する、「第26回参議院議員通常選挙」の新CM「投票する。一票は、私の声だから。」投票日周知編、期日前投票周知編、感染症対策周知編が22日より放送される。さらに「新型コロナウイルス感染症対策について」編も同日にWEB上で公開。新CMでは、「私たちの暮らしのために、明日のために、声を届けよう。投票する。一票は私の声だか ら」と二人が力強く呼びかけ、期日前投票や感染症対策を周知していくもの。WEBで公開される「新型コロナウイルス感染症対策について」編では、投票所における感染症対策の内容と、来場者へのお願いとして、マスクの着用と咳エチケット、ソーシャルディスタンス、筆記用具持参が可能であること、期日前投票の積極的な活用について、猿之助と生田が説明する。○■市川猿之助、生田絵梨花コメント――撮影を終えての感想をお聞かせください。猿之助:投票を呼び掛けるCMは、CMのなかでも非常に特殊で、なかなか体験できませんけど、今回お声掛けいただいて、貴重な役目をできて、そして投票所以外で投票箱を初めて見たので、それは役得ではないかと思いましたね。生田:こんな重大な役割を担わせていただくということで、すごく緊張して現場に入ったのですが、とても明るい雰囲気ですぐに安心しました。投票がより皆様に身近に感じていただけたらいいなと思いながら撮影させていただきました。――投票のデモンストレーションをしてみた感想を教えてください。猿之助:筆記用具は自分のものが使えるというのを初めて知りました。普段は会場に用意してある筆記用具を使うので。今度は自分の筆記用具を持っていこうと思うのですが、大体鉛筆を忘れてきてしまうので、しっかり持っていきたいと思います。生田:今日はまだ穏やかな感じで出来たので、たぶん今日よりも当日の方が緊張すると思います。――人生で初めて選挙で投票した時の気持ちや、これまでの選挙、投票についてのエピソードなどについて教えてください。猿之助:初めて投票した時は至れり尽くせりで、分からなくても係の方がちゃんと説明してくださいますし、行って、名前を書いて、投票というと結構時間がかかるのかなと思っていたら、意外とスムーズに出来ました。本当に忙しいなかでも舞台が立て込んでいる間でも行って短時間で出来るんだ、意外と簡単なんだなと。投票ということ自体は重い行為ですけど、手続きとしては非常に簡単だという思いはありますね。(初めて投票した時の気持ちは)本当にこの声が届いているのかなと思いました。ただ、そういう小さなものが一つ一つ集まって、大きなものになるので、塵も積もればではないですが、小さい一票かもしれませんけど、確実にそれは声となって届くとは信じてますね。生田:やっぱり大人になったということで選挙はちゃんと行かないとね、と家族で話し合って、 それで近所の小学校に投票しに行きました。一票にすごく責任を感じ、想いを込めて投票しました。――これまで選挙のある日はどのように過ごされていましたか?猿之助:日常の一部ですね。特別なことではないと思っているので。普通の国民としての生活の一部ですからね。普通に生活して、普通に投票に行って、普通に仕事をするという。 期日前投票は聞いたことはあるけれどやったことは無いですね。今度やってみようかなと。行ったほうが早いと思うから、てくてく行ってしまうんですけどね。生田:私もまだ当日にしか行ったことがないので、期日前投票は今度やってみたいと思います。 当日は一日中TVをつけ、どうなっているかなと見て過ごしています。――CMをご覧になる方にメッセージをお願いします。猿之助:日本ではなかなか投票に行くということに対する意識が海外に比べてまだまだですが、自覚を持って行こうと心新たに自分に言い聞かせました。生田:今回このような機会をいただけて、私も一票の重みや大切さといった意味を感じながら 投票に臨みたいと思いましたし、皆さんが「よし投票行こう!」とか、「もっといろんなことを知ろう!」と思うきっかけに少しでもなれたら嬉しいなと思います。
2022年06月22日市川猿之助×中村壱太郎「二人を観る会」公演が5月に日本教育会館 一ツ橋ホールにて開催されることが決定した。今回の公演では、素踊り『種蒔三番叟』と歌舞伎舞踊『お祭り』を披露。貴重な公演を前に、猿之助が取材に応じ、公演の見どころや意気込みを語った。「今日は『二人を見る会』の会見だというのに、なぜか僕だけ」と苦笑いを見せた猿之助は、同じ大学の先輩・後輩の間柄でもある壱太郎について、「歌舞伎役者としても僕に近いタイプだし、研究熱心。昔の役者の定義からすると、つまらない人間かもしれないが、一般常識があり(笑)、社会の中でちゃんと暮らしていける役者」と分析し、「持ち味は違うが、まっとうな二人がお届けする、まっとうな会ですね」と笑いを誘った。何より「お芝居が好きであることが共通点」だといい、「二人とも冷静というよりは、テンションがあがって興奮しがち。いい意味で、昔の自分を見ているようだし、壱太郎くんは興奮しないように自制すると思うので、それを邪魔しようと(笑)。シンプルだけど熱っぽい舞台になるはずで、それが売り。そこだけが売りかな」とアピールした。今回の「二人を観る会」は、コロナ禍でも表現の場を追求し続ける壱太郎の思いをくみ取った形で実現したそうで、「きっと僕と踊ってみたいという、彼からのリクエストがあったのかな。それがありがたい」と喜びの声。快諾した理由は「声をかけていただけるうちは、人の役に立ちたいという気持ち」だと明かし、「頼まれごとを引き受けると開運すると聞いて(笑)」と再び会場を笑いに包んでいた。おおらかで洒脱な祝言の舞踊を、素踊りで披露することになっており「歌舞伎座で素踊りがかかることはないですし、そういうものをお見せするのもいいのかなと。特に僕は結構派手なイメージもあると思いますが、その逆を行ってみようと。シンプル・イズ・ベストじゃないけど」。幕間では座談会も予定されており、「壱太郎くんはコーヒー屋で働いていたこともあって、プロ並みですからね。挽き方や香りも詳しいから、そういう話を。コロナの話はもううんざりだからね」と話していた。なお、壱太郎は公演に先がけ「猿之助のお兄さんと踊らせていただける!その喜びを胸に、初めて踊らせていただく2作品に今からワクワクしております。『種蒔三番叟』の千歳は素踊りとして気品高く、『お祭り』の芸者は歌舞伎舞踊らしくコッテリと演じられますよう稽古を積み重ねてまいります」とコメントを寄せている。取材・文・撮影:内田涼猿之助×壱太郎『二人を観る会』【演目】一、素踊り『種蒔三番叟』清元連中二、座談会三、歌舞伎舞踊『お祭り』清元連中【日時】2022年5月23日(月)開演18:00(開場17:30)2022年5月24日(火)開演12:00(開場11:30)/開演15:00(開場14:30)【会場】日本教育会館一ツ橋ホール(東京都千代田区一ツ橋2-6-2)【料金】全席指定 8,000円※全席指定・税込※未就学児入場不可※本公演は新型コロナウイルス感染拡大予防のため、政府・自治体及び関係団体のガイドラインに従い、できる限りの対策を講じた上で開催いたします。【公式ホームページ】 【問合せ】Zen-A(ゼンエイ) TEL:03-3538-2300(平日11:00〜19:00)主催:ニッポン放送制作:三響会企画制作協力:全栄企画株式会社 / 株式会社ちあふる協力:松竹株式会社
2022年05月06日市川猿之助と中村壱太郎による『猿之助×壱太郎「二人を観る会」』が、5月23日(月)・24日(火)に東京・日本教育会館 一ツ橋ホールで開催される。演目は素踊り「種蒔三番叟」と歌舞伎舞踊「お祭り」を披露する。その開催を前に、市川猿之助が取材会を開催し、本公演にかける思いなどを語った。演目について、「『種蒔三番叟』を最初にやらせていただいたのは明治座で、その後、春秋座でもやらせていただきました。これは私の曽祖父の初代・猿翁と今の宗家のお祖父様でいらっしゃる勘十郎さんが若い頃に演じていたものがNHKの白黒の映像が残っておりますので、孫とひ孫がやったら面白いだろうなと思い、明治座で上演しました。今回は壱太郎くんと二人で、素踊りでご覧いただきます。そして、『お祭り』は私の叔父の猿翁と、壱太郎くんのおじいさまで、藤十郎のおじさまが歌舞伎座でやられている映像もありまして、こちらは衣裳付きでやらせていただきます。二つとも、シンプルなもので、二人だけで踊るものなので、踊り手の器量などがよくわかるものになっております。初めての方も、何回も観られている方も楽しめる演目となっています」と関わりを含めて説明した。中村壱太郎との共通点は“大学”。「彼は慶應義塾大学の後輩で、僕は文学部ですが、彼は環境情報部で、慶應の中でも一番頭がいいと言われているSFCというところです。このあいだまで通っていたと思ったら、もう卒業されていますけど、歌舞伎役者としても僕に近いタイプなんです。社会の中でちゃんと暮らしていける役者だと思います(笑)。つまり、今日の為替で1ドルいくらなのか、世界のどこで争いが起こっているのか、どういう状況なのか、今の日本の物価などもわかるタイプの人間です。彼は珈琲屋でバイトをしたり、歌舞伎以外の生活もしていましたし、一般常識のある役者です。もしかしたら、昔の役者からすると、僕ら二人は非常につまらない人間かもしれないけど、社会の中で見たら真っ当な二人がやる、真っ当な会となります。それを見ていただきたいと思います」と、ユーモアを交えて紹介。今回の「二人を観る会」は、壱太郎からのお声がけで実現したという。「人の役に立ちたいと思っているので、お声がけいただいたことが非常にありがたくて。声をかけてくれているうちは、全力で応えていこうと去年ぐらいから思うようになったんです。忙しい時って、断ってしまうこともあるんですけど、何かに書いてあったんです。『頼まれごとは引き受けると開運する』と。お金は別ですよ(笑)。なので、開運してみようかなと思いまして(笑)」と、快諾したことを明かした。さらに共通点として、次のように語った。「二人ともお芝居が好きなんです。そして、芝居をやっていることが楽しい。二人とも冷静というよりは、舞台だと興奮しがち。10やればいいところを20も30もやってしまうんです。彼の若さの中に自分の面影を見ますし、いい意味でのやりすぎるところがあるので、テンションの高い二人が組んだらどうなるのか?意外とテンション高い同士を、例えば動物でも一緒に檻に入れてしまうと暴れるのか、逆に鎮まるのか(笑)。僕は彼を舞台の上で興奮させるように仕向けたいし、彼は自分でそれを欠点だと思っているので、興奮しないように自制するんです。なんとかそれを邪魔したいなと(笑)。シンプルだけど“熱っぽい”ということを感じてもらいたいですね」と公演の見どころに繋げて語った。二つの演目の間に「座談会」も行われる予定となっている。どんな内容になりそうなのかを尋ねると、「たぶん、壱くんが一人で喋って終わると思います(笑)」と場を和ませ、「すごく弁が立つんですよ。僕なんかはお客さんの前に出た瞬間に喋ることを考えるんですけど、彼の場合はすごく下調べをするので、彼が勝手にテーマを決めて、勝手に進行してくれると思うんですけど、どういう話になるのか僕も楽しみですね」と、完全に一任している様子。ただし「昨今、どうしてもコロナの話になることが多いですが、もううんざりしているので、演劇界が大変だとか、そういうことは彼と相談して『もういいでしょう』と言って、明るい話題で話したいですね」とポジティブな話題にすることを提言。「『学生生活はどうだったか』とか『コーヒーの淹れ方』とか聞きたいですね。そういう知られなかった部分を楽しく、演目と演目の間ですし、気分を変える感じになればいいですね」という願望も語った。共演することで何かを教えることは?という問いには、「言葉ではなく、一緒に舞台に立って、何かを感じてもらえれば。例えば、舞台の向き合い方とか、体から発するものなどを、呼吸、肌で感じてもらえたら」と答え、「彼が思うような人生を歩んでほしい。なんか、遺言みたいですけど(笑)。これから、歌舞伎に限らず、生きる上ですごく難しい時代が来ると思うんです。そういう中で、生き生きとしていてほしいと思います。」と、歌舞伎役者としてではなく人生の先輩としてアドバイスを送った。舞台に立ち続けていると“世代交代”を感じるという。「若手が出てきている中、いつまでも自分がやりたいという思いは役者としてありますけど、元気なうちに次の人にバトンを渡さないと。年を取ってから渡されても、年を取ってからの芝居をマネされてもダメですから。一番良い時は絶対に人に渡したくないのですが(笑)、良い時を見てもらって、良い時に渡さないと。なので、僕は芸の上での“終活”に入らないといけないのかなと。芸の終活は10年、20年かかると思うので、今から始めないと悔いが残ると思うんです。引退するということじゃなくて、自分も頑張りながらバトンタッチしていくことを目標にしていきたい」と、今後への思いと考えを伝えて、取材会を締めくくった。公演名:猿之助×壱太郎「二人を観る会」演目一、 素踊り『種蒔三番叟』清元連中二、 座談会三、 歌舞伎舞踊『お祭り』清元連中日程:5月23日(月)開演18:00・24日(火)①開演12:00②開演15:00(全3公演)会場:東京・日本教育会館 一ツ橋ホール料金:全席指定8,000円(税込)公式ホームページ お問い合わせ:Zen-A(ゼンエイ) TEL 03-3538-2300(平日11:00〜19:00)撮影:GEKKO 詳細はこちら プレスリリース提供元:NEWSCAST
2022年05月06日現在『三月大歌舞伎』第一部で『新・三国志』が東京・銀座の歌舞伎座で上演中だ。この度、本公演を前に猿之助が演じる関羽が祀られている横浜中華街の関帝廟を市川青虎と共に訪れた際の写真が解禁された。本作は1999年に3代目市川猿之助(現・市川猿翁)がスーパー歌舞伎として初演。『新・三国志』では、横内謙介が脚本、横内と当代猿之助が演出を務め、関羽にフォーカスした「関羽篇」を描く。1999年の初演から変わらぬ「夢見る力」のテーマが、猿之助演じる関羽の「戦なき世を」という言葉でより一層強いメッセージ性を帯びる今日。まさに今観るべき舞台として、連日多くの人を感動に包んでいる。今回の公演から幹部に昇進し、29年間名乗った市川弘太郎から2代目として襲名した市川青虎は、頭脳明晰な軍師・諸葛孔明を演じている。関羽たちが諸葛孔明のもとを訪れる有名な「三顧の礼」の場面では、初演ではなかった「青き虎となって」というセリフを猿之助が放ち、客席からは大きな拍手が巻き起こった。この熱演をぜひ現場で味わってほしい。関帝廟を訪れた際の猿之助・青虎のコメントは以下の通り。<市川猿之助・コメント>今月三日に初日を開けた『新・三国志』も、早いもので、折り返し地点を迎えました。未だ予断を許さない状況ではありますが、連日、大勢のお客様に劇場へお運びいただき、心より御礼申し上げます。さて、先月のことですが、この舞台の報告並びに成功祈願のため、横浜中華街にある関帝廟を、襲名された市川青虎さんと共に訪れてきました。お天気にも恵まれ、絶好の参拝日よりとなりました。奇しくも、旧正月後の初めての満月の日という吉祥日のお参りとなりました。五つの大きな香炉に線香をお供えし、座中一統、無事に千穐楽を迎えられるよう、関羽様にお祈りをいたしました。人の飢えぬ国、殺されぬ国を夢見る劉備、張飛、関羽の3人。「夢見る力」をテーマに描いた本作品は、今、この時に観ていただきたいお芝居です。<市川青虎・コメント>先月、猿之助さんと自主取材という事で、横浜中華街にある関帝廟にお参りに行って参りました。偶然にも元宵節といって、旧正月から初めての満月の日でお参りするにはとても良い日だったそうです。関帝廟の関羽様にお参りをして、『新・三国志』の成功と無事をお祈りしました。途中、関羽様の置物や青虎にちなんだ青い虎の物などを探しながら、散歩日和だったので中華街を散策し、あまりの陽気の良さに元町もぶらぶらしました。■公演情報『三月大歌舞伎』3月3日(木)~28日(月)上演会場:東京・歌舞伎座
2022年03月17日歌舞伎座「六月大歌舞伎」が6月3日(木)に初日を迎える。この度、本公演の第3部として上演される、横内謙介の構成・脚本・演出、市川猿之助の演出・主演による『日蓮』の特別ポスターが公開された。歌舞伎座では昨年8月の公演を再開。「五月大歌舞伎」は9日遅れで初日の幕を開け、5月12日より上演中だ。席数は1808席の50%(904席)、各部完全入替えの3部制により、引き続き感染予防対策を徹底して、5月28日の千穐楽まで公演を続けていくという。「日蓮聖人降誕八百年記念」の記念公演となる、今回の『日蓮』。これまでにも歌舞伎では江戸時代から日蓮を採り上げた作品が多く存在するが、今回は、3代目市川猿之助(現・猿翁)のスーパー歌舞伎(『八犬伝』『カグヤ―新竹取物語―』『新・三国志Ⅰ~Ⅲ』)や21世紀歌舞伎組公演(『雪之丞変化』『龍神伝』『新・水滸伝』)で数多くの話題作を手掛け、4代目市川猿之助によるスーパー歌舞伎Ⅱ『ワンピース』(脚本・演出)、『新版オグリ』(脚本)でも称賛を浴びた劇団扉座の横内謙介が構成・脚本・演出。そして市川猿之助が演出並びに主演(蓮長後の日蓮)を務める注目の舞台だ。特別ポスターは4月某日、都内スタジオでスチール撮影が行われた。撮影は、渞忠之(ミナモトタダユキ)。猿之助からの信頼も篤く、互いに意見を交わしながら和やかに撮影は進んだという。採用されたのは猿之助から「ちょっとやってみるから撮ってみて」と提案した、躍動感に溢れる姿を捉えた1枚。演目の舞台は戦乱が続き天災が相次いだ鎌倉時代。飢餓や疫病が流行り、世相が混乱を極めるなか、蓮長は人々が救われぬ世に疑問を抱く。そして物語は今を生きることの大切さを説き、強い信念のもと蓮長から日蓮へと名を改め、人々の幸せを願う力強い姿が描く。沈鬱した憂き世に希望の光を照らし、溢れる想いの力が観る者の心に響く舞台に期待したい。■公演情報歌舞伎座「六月大歌舞伎」6月3日(木)~6月28日(金)会場:歌舞伎座
2021年05月20日ショートのキーポイントはトップのふんわり感がとても大切トップに高さをどこまでつけるかで印象は変わりますトップの長ささえ設定すれば後は似合わせるスキルの問題です。今回はトップの長さを耳下に設定しました。軽い印象を与えてくれ、襟足はタイトに首に沿うようにするとシルエットもよりキレイに顔まわりは切りすぎないよう骨格に合わせて顔まわりに馴染むようカットします白髪ぼかしのハイライトを入れるとよりトップからのシルエットがキレイに見えます骨格や髪質、生え癖に合わせて、再現性が高いショートボブなのでとてもオススメですトップからふんわりボリュームが簡単に出せるショートボブで、簡単スタイリングで毎朝が楽に◎最近オススメなのは【根本パーマ】でトップにだけパーマをすれば自然な立ち上がりになり、よりキレイなシルエットになります。実際のオーダーの画像ですまとめショートやショートボブはトップの高さにより印象は変わってきますので、骨格、髪質に合わせ、【自分らしさ】を出しつつ今旬も取り入れて、素敵なヘアスタイルを楽しんでいただけたら嬉しいです。是非参考にして、カウンセリングにお使いください。ヘアスタイルの関して相談事があればいつでもご連絡お待ちしております。
2021年05月10日新型コロナウイルスの感染拡大を受け、2021年4月25日に三度目となる緊急事態宣言が東京都、京都府、大阪府、兵庫県の4都府県で発令されました。大型連休であるゴールデンウイーク終了後の5月11日までを対象としており、政府は飲食店や娯楽施設を中心に休業要請。また、劇場や遊園地、競技場などで行われるイベントに対しては、事実上の休業要請といえる無観客での営業を要請しました。市川猿之助、劇場への休業要請に苦言歌舞伎役者の市川猿之助さんが、同月23日にInstagramのストーリーズ機能で投稿。今回の緊急事態宣言について、劇場で働く1人の役者として疑問を投げかけました。日々、感染症や、亡くなった方の人数が発表されても、生活が行き詰って自ら命を経つ人の数は発表されない。このままでは、わが国では、感染で亡くなる人の数を上回るのではないか。それがいちばん危惧されます。ennosuke_ichikawa4ーより引用(原文ママ)どうしたら東京五輪が開催できるか、という視点から対策を講じるから、おかしなことになるわけで。どうしたら日本という国がこの難局を乗り切れるか、という視点から対策を講じるべきではないのか?と、思うのですが、、、ennosuke_ichikawa4ーより引用歌舞伎座は、座席制限が解除されても、収入度外視、安全安心第一で、座席数50%以下でやってきました。オリンピックも大切です。しかし、オリンピックありきの対策には疑問しか感じません。休業要請は、死の宣告と同じです。皆が救われる道はないものですか?ennosuke_ichikawa4ーより引用猿之助さんのメッセージはネットで拡散され、多くの人から「気持ちを代弁してくれてありがとう」「悔しさや怒りが伝わってくる」といった声が上がっています。東京都中央区にある歌舞伎座で『四月大歌舞伎』に出演していた猿之助さん。緊急事態宣言の発令によって公演は中止となり、急きょ同月24日に千秋楽を迎えることになってしまいました。猿之助さんは「これまでの役者人生の中で、一番めでたくない千秋楽となりました」とつづり、悔しい気持ちをあらわにしています。 この投稿をInstagramで見る 市川猿之助 ENNOSUKE ICHIKAWA Ⅳ(@ennosuke_ichikawa4)がシェアした投稿 政府は無観客の要請について「社会生活の維持に必要なものを除く」と線引きをしていますが、娯楽は多くの人の心を支えているといえるでしょう。また、出演者や劇場のスタッフなど、多くの人が娯楽によって生計を立てています。「文化を軽視しているのではないか」「なぜ五輪は許されて、演劇は許されないのか」といった疑問の声が相次いでいる、今回の休業要請。長年守り続けてきた文化の灯が消えないよう、多くの人が強く願っています。[文・構成/grape編集部]
2021年04月25日歌舞伎俳優の市川猿之助と尾上右近が出演するキリン「本麒麟」のWEBムービー「本麒麟 × 伝統と革新を語る」と、オフショットを収めたメイキング映像が23日、公開された。市川が「乾杯したいあの人」として尾上を指名し、今回の対談が実現。2人は一緒にラスベガスへの旅行やお伊勢参りをするなどプライベートでも仲が良く、尾上が市川を「お兄さん」と呼んで慕うほどの関係だ。同ムービーは、尾上が手土産にフランス産のサラミと下鴨茶房の「きんぴらまぐろ」を持参し、和やかな雰囲気で始まった。歌舞伎についての話題では、市川が未来を担う若手役者として尾上に期待することや、これから起こしていきたい「革新」 について語り、最後には「愛がなければ何事も続かない」「歌舞伎役者って本当に真の深い愛情を持った人じゃないとできない」といった、歌舞伎愛あふれる濃密なトークに発展していく。市川は「右近君は初めて『本麒麟』を飲んだのですが、すっかり好きになってくれたみたいで、お招きした甲斐がありました。飲んだ後のリアクションに注目してください」と呼びかけ、尾上は今回の撮影で学んだ「三度注ぎ」について「お兄さんから教えていただいたので、家飲みの際には『三度注ぎ』で飲みたいと思います」と宣言した。
2021年04月23日昨年、ドラマ『半沢直樹』の伊佐山部長を演じ、注目を集めた市川猿之助さん。歌舞伎俳優としても、人気漫画『ワンピース』を舞台化するなど精力的な活動を見せる、その人は――。――猿之助さんが歌舞伎俳優の道を選ばれたのはなぜですか?歌舞伎の家に生まれてはいますが、猿之助さんならばそれこそどんな職業にもなれそうです。それしかできなかったからです。やる気もなかったし。だって、他の仕事に就いたとして、お金になるかわからないじゃない。生業(なりわい)ってそうでしょ。生きていくために、自分ができることをやって対価をもらう。自分が一番お金になることをやるわけで、僕の場合はその手段が歌舞伎であったということです。――でも、澤瀉屋(おもだかや)一門を離れた時期もあり、歌舞伎俳優だからといって、待っていれば舞台に声がかかる状況ではなかったですよね。それでも無職ではないですから。歌舞伎をやめたら無職になるし、一から始めなきゃいけない。よくお金のためにやってないと言う人がいるけれど、やっぱり生活していけなかったら続けられないんだから、そこは認めようよって思う。“パンのみに生きるにあらず”ですけど、パンなしには生きられない。だから、両立できたらいいんでしょうね。やり甲斐があって自分も充実していて、生活もちゃんとできるっていうのが。――では、スーパー歌舞伎として『ワンピース』の舞台化を手掛けられたり、あえて大変な挑戦をされるのはなぜなんでしょう?それは僕がやりたいと思っていて、それを実現させることに幸せを見出しているからです。誰かのためじゃなく、あくまで自分が面白いからやってるだけ。古典歌舞伎だって同じ。逆に、面白そうだなって思ってやってみたら、そうでもない時もある。それは食事と一緒じゃない?良さそうだと思って店に入ってみたら、予想通り美味しかったとか、意外に美味しくなかったとか。――でも、これを歌舞伎にしたら面白くなるとか、盛り上がるだろうっていう確信に近い嗅覚のようなものがあるのかな、と。それがセンスっていわれるものなんだと思う。確信なんてものはまったくありませんよ。僕は自分がやりたいことをやってるだけで、究極のところ、世の中にそれがどう受け取られるかは、自分のなかであまり重きを置いていません。――でも、そうやって作ったものが喜ばれるのは嬉しいですよね。お客様が喜んでくださったというのは、望外の喜びです。――猿之助さんが感じている歌舞伎の面白さって何なんでしょう?何だろうね。何が魅力なんだろう…わからないな。歌舞伎も玉石混交で、なかにはつまらないものもあるしね。でも、やるのは楽しいですよ。観る側の面白さとは違うけど、舞台の上でパッてやった時に、歌舞伎座が満席なら2000人近いんだけど…そのお客さんが一斉に喜んでくれて笑顔になる瞬間はね、他にはない喜びです。それってある意味、魔法使いみたいなものだから。1人を笑わせるのだって難しいのに、2000人を笑わせたり涙させたりすることができるんだからね。それはやっぱり演劇の…演劇に限らないかもしれないけれど、役者の特権だと思ってる。僕は、そこに楽しさを感じています。どんな芝居をしてくるかわからないのが楽しいです。――以前に若手の中村梅枝さんや尾上右近さんを取材させていただいたのですが、おふたりとも猿之助さんの話をされたのが印象的でした。それだけ影響や刺激を受けているんだと感じるのですが、若い歌舞伎俳優たちを育てようという思いがあるんでしょうか。育てようとかはないよ。ないない(笑)。でも期待はしてるし、気にはなります。一生懸命やってる人のことはね。彼らがこの先の歌舞伎を支えていくわけですし。でも、その後のことは知らないよ。――次回作は舞台『藪原検校』ですが、歌舞伎以外の舞台に出演されるのは目的が違うんでしょうか。また違うね、僕のなかでは。今回で言ったら、三宅健さんとか松雪泰子さんとか、第一線で活躍されている人たちとお芝居ができるってことかな。だって歌舞伎は共演者全員が生まれた時からの仲間だから、相手がどのような芝居を返してくるか予想がつく。でも、今回は全然予想がつかない。それは向こうも同じで、そこが楽しいです。お客さんの反応も歌舞伎と違うから新鮮だし、あとは演出家との会話だね、面白いのは。――これまで、いろんな方がやってきた作品ですが…。たしかどっかで、僕、『藪原』いいよねって言ったんだよ。そこまで知らないのに(笑)。朝倉摂先生の舞台美術の展示があって、その時に見た藪原の舞台セットが素晴らしくて、強烈に覚えていて、それで言ったんじゃないかな。――醜く盲目で生まれた男が、殺しと謀略で成り上がっていく物語ですが、深いテーマ性や笑いもあって、面白い作品ですよね。そうね。だからこそ上演され続けるんでしょうね。ちゃんとエログロもあるし。同じ井上ひさしさんの『雨』という作品をやったことがあるけどそれも面白かったし。――こんな作品やってみたいというのはありますか?そういうのはないかな、映像では。舞台の人間だから。やっぱり演じていて舞台は楽しいんで。いちかわ・えんのすけ東京都出身。歌舞伎俳優の家に生まれ、1983年に二代目市川亀治郎を襲名。歌舞伎の舞台のほか、現代劇やテレビドラマでも活躍。2012年に四代目市川猿之助襲名後は、スーパー歌舞伎II(セカンド)と称した新作歌舞伎も発表。とくに’15年に手掛けたスーパー歌舞伎II『ワンピース』は大きな話題となった。スーツ¥150,000(YOSHIDAYA/YOSHIDAYA BESPOKE TAILOR TEL:03・6273・1295)その他はスタイリスト私物市川猿之助さんが出演する舞台、PARCO劇場オープニング・シリーズ『藪原検校』は、3月7日(日)まで渋谷・PARCO劇場にて上演中。盲目で醜い上に性根の曲がった杉の市(猿之助)。欲望にまみれ悪知恵の働く彼は、謀略と殺人を繰り返しながら、検校への道を成り上がってゆく。共演は、三宅健、松雪泰子、川平慈英ほか。演出は杉原邦生さんが務める。※『anan』2021年2月17日号より。写真・岩澤高雄(The VOICE)スタイリスト・三島和也(Tatanca)ヘア&メイク・白石義人(ima.)インタビュー、文・望月リサ(by anan編集部)
2021年02月13日「詫びろ詫びろ…」のセリフでお茶の間の人気者となった市川猿之助さん。歌舞伎俳優としても、膨大な知識に見識の深さ、確かな実力で、古典から新作歌舞伎までマルチに活躍。その人柄は率直かつざっくばらん。インタビューにも端的で歯切れよく答えてくださいました。――昨年のドラマ『半沢直樹』の反響がすごかったですね。インパクト抜群でしたけど、あれは…。ノリかな、その場の。あとは監督の指示もあります。でも、あれから各局いろんな番組であのセリフを言ってくれと頼まれますから、単純だなぁとは思っています(笑)。そんなこと言ったらバラエティに呼んでいただけなくなるのかな。――バラエティ番組に出るの、お好きなんですか?好きですよ。MCのみなさんは、第一線で活躍されている方ばかりで、人としても素敵な方が多いし。それに、進行の仕方を拝見しているとやはりすごいです。――毎回同じことを求められて、もういいよとはならないですか?それでバラエティに呼んでいただいているわけですからね。そこで失うものは何もないし、ギャラもいただいていますし。これでタダだったら出てませんよ(笑)。あくまで僕らはサービス業ですから。――サービス業、ですか?だってそうでしょう。歌舞伎だって、お金を払って観に来てくれる方がいるから成り立つわけで、欲しいものがあるから買いに来るのとなんら変わりはないですよ。――でも歌舞伎の場合、エンターテインメントである一方、伝統芸能として伝承の役割もあります。もちろんそれもあるでしょうね。先人が伝えてきて今あるものだから、伝えられる限り伝えていかなければとは思っています。それは歌舞伎役者としての最低限の義務ですね。人から預かったもので自分のものじゃないんだから、ちゃんと後世に渡していかないとね。――猿之助さんは、古典歌舞伎にも精力的に出演する一方で、スーパー歌舞伎や図夢(ずぅむ)歌舞伎のような新しい歌舞伎にも挑戦されています。それはご自身のなかで同じベクトルにあるものなのでしょうか。会社にいろんな部署があるようなものです。会社って、ひとつの事業を進めるために、宣伝部だったり営業部だったり、いろんな部がありますよね。それと同じです。ただ、宣伝部だからといって宣伝のことだけ知っていればいいわけじゃなく、会社全体のことや他の部署のことも把握してないといけない。全体を見て、いま自分が何をすべきかが見えていないとね。――歌舞伎についてあまり詳しくない読者に向けて、古典歌舞伎と新しい歌舞伎、それぞれが担う役割を教えていただけますか?わからないんだったら自分で調べる方が早いって思っちゃうけどね(笑)。だって、今は興味があればすぐ調べられる時代なんだから。――『半沢直樹』で猿之助さんのことを気になった方が、歌舞伎を観に行ってみたいと思った時に、何か参考になるものがあると…。そうね。古典っていうのは伝承。そして、我々歌舞伎役者の基礎となるものです。そしてスーパー歌舞伎なんかは、それの応用…開発担当って感じかな。――昨年、歌舞伎座が数か月興行をお休みした後、再開してからは、ほぼ毎月のように古典作品に出演されていますね。今は古典しかできないからね。製作費もないし、時間制限も人数制限もあるなかで、新作歌舞伎は無理ですから。新作をやるための稽古期間も取れないし。――ちょうどドラマの露出とタイミングが同じだったこともあっていろんな番組に出演されていましたし、歌舞伎の広告塔的な意識もあるのかなと…。バラエティは出たくて出てるだけだから、僕は宣伝をさせてもらわなくてもいいんだけれど、そこにはいろいろ大人の事情があるらしく(笑)。――何か歌舞伎に対して危機感を感じていらっしゃるのかなと。つねに危機感はありますよ。安泰だと思わない方がいい。それは何だって同じで、危機感のない会社なんてダメでしょ。ただ、だからって歌舞伎を救おうと思ってテレビに出てるわけじゃない。そんなのテレビに対して失礼ですし。――その危機感というのは、歌舞伎の世界に入ろうと思った時から持たれていたんでしょうか。安泰なものなんてないですよ。“ここにいれば安泰”なんて考えでいるとダメになるんだと思います。この世の中、すべてにおいて。いちかわ・えんのすけ東京都出身。歌舞伎俳優の家に生まれ、1983年に二代目市川亀治郎を襲名。歌舞伎の舞台のほか、現代劇やテレビドラマでも活躍。2012年に四代目市川猿之助襲名後は、スーパー歌舞伎II(セカンド)と称した新作歌舞伎も発表。とくに’15年に手掛けたスーパー歌舞伎II『ワンピース』は大きな話題となった。スーツ¥150,000(YOSHIDAYA/YOSHIDAYA BESPOKE TAILOR TEL:03・6273・1295)その他はスタイリスト私物市川猿之助さんが出演する舞台、PARCO劇場オープニング・シリーズ『藪原検校』は、3月7日(日)まで渋谷・PARCO劇場にて上演中。盲目で醜い上に性根の曲がった杉の市(猿之助)。欲望にまみれ悪知恵の働く彼は、謀略と殺人を繰り返しながら、検校への道を成り上がってゆく。共演は、三宅健、松雪泰子、川平慈英ほか。演出は杉原邦生さんが務める。※『anan』2021年2月17日号より。写真・岩澤高雄(The VOICE)スタイリスト・三島和也(Tatanca)ヘア&メイク・白石義人(ima.)インタビュー、文・望月リサ(by anan編集部)
2021年02月13日演出・杉原邦生、主演・市川猿之助の舞台『藪原検校(やぶはらけんぎょう)』が2月10日(水)~3月7日(日)、PARCO劇場で上演される。それに際して最終リハーサルでの舞台写真、また出演者代表からのコメントが公開された。1973年のオープン以来、渋谷PARCO建替えまでの43年間プロデュース公演の先駆けとして、様々な名作や話題作を送り出してきたPARCO劇場(オープン当時の名称は西武劇場)。本作『藪原検校』は、PARCO劇場のオープン当初の名称・西武劇場での「オープニング記念・井上ひさしシリーズ」として1973年に初演された、当劇場とも大変ゆかりの深い傑作舞台である。ストーリーは生まれつき盲目で性根の曲がった男が殺しに殺しを重ね、藪原検校にまで上りつめる悪党一代記だ。初演の演出は木村光一、その後、蜷川幸雄、栗山民也といった演劇界の巨匠たちが演出してきた。そして今回手がけるのは、スーパー歌舞伎II『新版 オグリ』や、木ノ下歌舞伎『勧進帳』などの演出を務めてきた気鋭の若手演出家・杉原邦生。劇中歌もすべて刷新して、稀代の悪党・杉の市を演じる市川猿之助をはじめ、三宅健、松雪泰子、川平慈英ほか、異彩を放つ豪華キャスト陣と共に『藪原検校』が新たによみがえる。キャスト・スタッフからのコメントは以下の通り。市川猿之助新しいPARCO劇場での藪原検校ということですが、この情勢の中なんとか初日を迎えられるようなので、あとはひたすら、無事に千秋楽を迎えられることをいまはただただ祈るばかりです。東京はもちろん、地方にも行きますので、最後はみんなで手を取り合って笑って、いい公演ができたねといえる芝居になることを祈っております。念には念を入れて、準備万端で、その場その場で燃えていきたいです。健ちゃん(三宅健)には遊んでもらって、みなさんにも楽しくしていただいて、稽古も楽しく一か月乗り切れました(笑)。井上(ひさし)さんは稀代の悪人を描いてはいますが、必ずしも生まれたときからの悪ではないんです。悪人でも赤ちゃんの時の笑顔はあっただろうし、家庭環境もあっただろうし、悪人の様々な面を描いています。今回のラストは杉原くんなりの解釈で、杉の市の悲しさがでていると思います。スタッフさんも、照明さんもスーパー歌舞伎のときと一緒で、ツーカーの仲なので杉原くんがやりたいことの飲み込みが早く、みんなが同じ方向を向いていて、とてもやりやすかったです。いろんなジャンルの俳優が、異種格闘技のような、舞台の上での演技のいい意味での戦い、それが良いほうに化学反応を起こして、従来の藪原検校をご覧になった方々には驚きだろうし、初めて観るかたにも驚きだろうと思います。この時代にしかできない、杉原邦生が、やりたいことを我々を使ってやった芝居ですので、若さと若いアイデアにあふれた古典作品と言っていいこの『藪原検校』を隅から隅まで味わい尽くしていただきたいです。三宅健猿之助さんとの共演は本当に楽しいです。今は猫を被っていますが、チャーミングな方で毎日毎日笑顔が絶えない現場です。健ちゃん、猿ちゃんと呼び合い、健猿の仲です(笑)。僕が小学4年生なら、猿之助さんは小学2年生です。歌舞伎の技術、技がふんだんにこの舞台に活かされていて、そういった意味でも、これまで上演されてきた『藪原検校』とは違うと思いますし、渋谷の街と猿之助さんの技と、いろんなものが融合して、まったく新しいものが渋谷で生まれるんだなと感じています。猿之助さんのファンの方々も楽しくて楽しくて仕方がないのではないかと、そして観に来てくださった皆さんが猿之助さんの虜になって帰っていくんだろうなと思います。手放しでぜひ観に来てくださいといえる状況ではないですが、僕たちは粛々と芝居をやっていくしかありません。キャスト、スタッフはじめ、観に来てくださる方々も感染対策をしっかりしていらっしゃると思いますので、千秋楽の日まで無事に終えられるように努めたいと思います。松雪泰子三宅さんもおっしゃったように、皆さん同じ気持ちだと思いますが、最後まで無事に千穐楽まで完走できることを祈っております。今回のカンパニーならではの『藪原検校』になっていると思います。今回は杉の市の愛人ということで、精いっぱい杉の市に絡みついていきたいと思っております。稽古場で生まれ積み上げてきたものを信じて演じていきたいです。約20年ぶりに三宅さんとも共演させていただいて、映像と舞台の現場では環境も全然違いますから、稽古場では三宅さんの新たな魅力をたくさん拝見しながら、お稽古をしておりました。三宅さんの魅力はぜひ作品を観ていただければ感じていただけると思います。川平慈英演出の杉原さんが大変エキセントリックで、猿之助さんバージョンの今作はポップな『藪原検校』です。僕は語り部なので一回舞台に上がったら一秒たりともはけない。役者になってはじめてくらいのセリフ量の多さで、今さらながら何で引き受けたんだろうと…(笑)。すごくチャレンジングなお仕事をいただいて感謝しています。僕は歌舞伎のカルチャーと舞台の上で組ませてもらうのは初めてなので、お稽古場では本当に目からうろこなことばかりでした。すごくセンセーショナルで稽古が楽しかったです。これをこうやってやるんだ!と発見が多く、すごく勉強になり、いろんなアイデアをいただけました。このご時勢、エンターテイメントを観に来るのは本当に難しいと思います。コロナ渦で、なかなか人に優しくなれない、寛容になれない毎日だと思いますが、観に来てくださったお客様には楽しんで、笑顔になって、寛容になれるような作品になっていると思います。この素敵なメンバーで完走できたら、こんな幸せなことはないです。杉原邦生(演出)約1年前のラインナップ発表会見で舞台に立った時には、考えもしなかった社会状況になっているなと、いま改めて感じています。今回は素晴らしいキャスト、スタッフの皆さんが、僕のアイデアの種を稽古場でふくらませ、育ててくれて、現代の人に伝わる『藪原検校』になっていると思います。稽古中も稽古が終わってからも、猿之助さんにLINEでここはこうしようかとか、こうしたらいいんじゃないかとアイデアをいただいて、僕のほうで噛み砕いて演出に反映させた場面もありますし、猿之助さんが歌舞伎の演出を丸ごと持ち込んでいるような演技をなさっているところもあります。歌舞伎俳優の猿之助さんが主演で、周りにいろんな出自の俳優さんがいて、作品の芯に井上ひさしさんの本がある世界観で、いいバランスですべてが融合しているなと感じながら稽古をしていました。そして、劇場に来て、実際に舞台美術が立って、いい意味で我ながらこれは「やっちまったな」という気がしています。井上ひさしさんは地方と都市をテーマにずっと作品を描いてきた方で、今作も杉の市が東北から江戸に出てきて成りあがっていく話です。都市の象徴である渋谷の街の一角で上演したらおもしろいのではないかというアイデアから、このような現代的なセットになっていて、でも衣裳は江戸中期のもので、普通では融合しない2つが皆さんの力で融合しています。今までにない『藪原検校』だし、井上ひさしさんの作品がこんなふうになるとはだれも想像しなかった世界観になっているので、いろんな批判も出てくるのではとドキドキしていますが、ぜひ楽しんでいただきたいです。■公演情報PARCO劇場オープニング・シリーズ 『藪原検校』作:井上ひさし演出:杉原邦生音楽・演奏:益田トッシュ出演:市川猿之助、三宅健、松雪泰子、髙橋洋、佐藤誓宮地雅子、松永玲子、立花香織、みのすけ / 川平慈英東京公演:PARCO劇場(渋谷PARCO 8F)2月10日(水)~3月7日(日)<地方公演>名古屋:日本特殊陶業市民会館・ビレッジホール3月9日(火)・10日(水)石川:こまつ芸術劇場・うらら3月13日(土)・14日(日)京都:京都芸術劇場春秋座3月18日(木)~3月21日(日)
2021年02月10日歌舞伎俳優の市川猿之助主演のPARCO劇場オープニング・シリーズ 『藪原検校』が10日に初日を迎える。同作は話題作を送り出してきたPARCO劇場(西武劇場)の「西武劇場オープニング記念・井上ひさしシリーズ」として1973年に初演を迎え、今回新生PARCO劇場のオープニング・シリーズの一作として上演される。とある按摩・盲太夫が語る、稀代の悪党の一代記で、江戸時代の中頃、松島・塩釜の漁港に生まれた一人の盲目の男児・杉の市(猿之助)が、父ゆずりの曲がった性根と母ゆずりの醜さで殺しと欲にまみれた栄華への道を上り始める。これまで木村光一、蜷川幸雄、栗山民也といった演劇界の巨匠たちが演出してきた本作を、気鋭の若手演出家・杉原邦生が手掛け、劇中歌もすべて刷新し、猿之助をはじめとする豪華キャスト陣と共に、新生PARCO劇場で新たに蘇らせる。猿之助、三宅健、松雪泰子、川平慈英、高橋洋、佐藤誓、宮地雅子、松永玲子、みのすけらが出演している。今回は初日に先駆けてゲネプロを行い、その際の舞台写真と、出演者代表からのコメントが到着した。○市川猿之助 コメント新しいPARCO劇場での藪原検校ということですが、この情勢の中なんとか初日を迎えられるようなので、あとはひたすら、無事に千秋楽を迎えられることをいまはただただ祈るばかりです。東京はもちろん、地方にも行きますので、最後はみんなで手を取り合って笑って、いい公演ができたねといえる芝居になることを祈っております。念には念を入れて、準備万端で、その場その場で燃えていきたいです。健ちゃん(三宅健)には遊んでもらって、みなさんにも楽しくしていただいて、稽古も楽しく一か月乗り切れました(笑)。井上(ひさし)さんは稀代の悪人を描いてはいますが、必ずしも生まれたときからの悪ではないんです。悪人でも赤ちゃんの時の笑顔はあっただろうし、家庭環境もあっただろうし、悪人の様々な面を描いています。今回のラストは杉原くんなりの解釈で、杉の市の悲しさがでていると思います。スタッフさんも、照明さんもスーパー歌舞伎のときと一緒で、ツーカーの仲なので杉原くんがやりたいことの飲み込みが早く、みんなが同じ方向を向いていて、とてもやりやすかったです。いろんなジャンルの俳優が、異種格闘技のような、舞台の上での演技のいい意味での戦い、それが良いほうに化学反応を起こして、従来の藪原検校をご覧になった方々には驚きだろうし、初めて観るかたにも驚きだろうと思います。この時代にしかできない、杉原邦生が、やりたいことを我々を使ってやった芝居ですので、若さと若いアイデアにあふれた古典作品と言っていいこの『藪原検校』を隅から隅まで味わい尽くしていただきたいです。○三宅健 コメント猿之助さんとの共演は本当に楽しいです。今は猫を被っていますが、チャーミングな方で毎日毎日笑顔が絶えない現場です。健ちゃん、猿ちゃんと呼び合い、健猿の仲です(笑)。僕が小学4年生なら、猿之助さんは小学2年生です。歌舞伎の技術、技がふんだんにこの舞台に活かされていて、そういった意味でも、これまで上演されてきた『藪原検校』とは違うと思いますし、渋谷の街と猿之助さんの技と、いろんなものが融合して、まったく新しいものが渋谷で生まれるんだなと感じています。猿之助さんのファンの方々も楽しくて楽しくて仕方がないのではないかと、そして観に来てくださった皆さんが猿之助さんの虜になって帰っていくんだろうなと思います。手放しでぜひ観に来てくださいといえる状況ではないですが、僕たちは粛々と芝居をやっていくしかありません。キャスト、スタッフはじめ、観に来てくださる方々も感染対策をしっかりしていらっしゃると思いますので、千秋楽の日まで無事に終えられるように努めたいと思います。○松雪泰子 コメント三宅さんもおっしゃったように、皆さん同じ気持ちだと思いますが、最後まで無事に千穐楽まで完走できることを祈っております。今回のカンパニーならではの『藪原検校』になっていると思います。今回は杉の市の愛人ということで、精いっぱい杉の市に絡みついていきたいと思っております。稽古場で生まれ積み上げてきたものを信じて演じていきたいです。約20年ぶりに三宅さんとも共演させていただいて、映像と舞台の現場では環境も全然違いますから、稽古場では三宅さんの新たな魅力をたくさん拝見しながら、お稽古をしておりました。三宅さんの魅力はぜひ作品を観ていただければ感じていただけると思います。○川平慈英 コメント演出の杉原さんが大変エキセントリックで、猿之助さんバージョンの今作はポップな『藪原検校』です。僕は語り部なので一回舞台に上がったら一秒たりともはけない。役者になってはじめてくらいのセリフ量の多さで、今さらながら何で引き受けたんだろうと……(笑)。すごくチャレンジングなお仕事をいただいて感謝しています。僕は歌舞伎のカルチャーと舞台の上で組ませてもらうのは初めてなので、お稽古場では本当に目からうろこなことばかりでした。すごくセンセーショナルで稽古が楽しかったです。これをこうやってやるんだ!と発見が多く、すごく勉強になり、いろんなアイデアをいただけました。このご時勢、エンターテイメントを観に来るのは本当に難しいと思います。コロナ渦で、なかなか人に優しくなれない、寛容になれない毎日だと思いますが、観に来てくださったお客様には楽しんで、笑顔になって、寛容になれるような作品になっていると思います。この素敵なメンバーで完走できたら、こんな幸せなことはないです。○杉原邦生(演出) コメント約1年前のラインナップ発表会見で舞台に立った時には、考えもしなかった社会状況になっているなと、いま改めて感じています。今回は素晴らしいキャスト、スタッフの皆さんが、僕のアイデアの種を稽古場でふくらませ、育ててくれて、現代の人に伝わる『藪原検校』になっていると思います。稽古中も稽古が終わってからも、猿之助さんにLINEでここはこうしようかとか、こうしたらいいんじゃないかとアイデアをいただいて、僕のほうで噛み砕いて演出に反映させた場面もありますし、猿之助さんが歌舞伎の演出を丸ごと持ち込んでいるような演技をなさっているところもあります。歌舞伎俳優の猿之助さんが主演で、周りにいろんな出自の俳優さんがいて、作品の芯に井上ひさしさんの本がある世界観で、いいバランスですべてが融合しているなと感じながら稽古をしていました。そして、劇場に来て、実際に舞台美術が立って、いい意味で我ながらこれは「やっちまったな」という気がしています。井上ひさしさんは地方と都市をテーマにずっと作品を描いてきた方で、今作も杉の市が東北から江戸に出てきて成りあがっていく話です。都市の象徴である渋谷の街の一角で上演したらおもしろいのではないかというアイデアから、このような現代的なセットになっていて、でも衣裳は江戸中期のもので、普通では融合しない二つが皆さんの力で融合しています。今までにない『藪原検校』だし、井上ひさしさんの作品がこんなふうになるとはだれも想像しなかった世界観になっているので、いろんな批判も出てくるのではとドキドキしていますが、ぜひ楽しんでいただきたいです。
2021年02月10日色気がある女性は男性にもてやすいですが、その色気は年代によってポイントが異なってきます。年齢に合わない色気を出そうとすると痛く見えてしまうこともありますから、年齢に応じた色気のポイントを確認しておきましょう。20代は若さを生かした色気20代になると10代のころよりは大人びてきます。しかし、30代40代に比べると肌もスタイルもまだまだ若々しくてきれいに見える年代です。この若さを存分に生かすことが色気につながります。ぜひギャップを意識して色気を出してみましょう。普段の仕事などでは落ち着いたファッションで印象をよく仕上げていき、プライベートでは露出の高めなファッションを選ぶという具合です。足を思いきり出していけるのは20代のうちだけですから、ぜひプライベートの時間は露出で健康的な色気をアピールしてみましょう。メイクよりスキンケアに気を付けて、素肌の美しさを見せていくほうが色気につながりやすくなります。30代になったらミステリアスな色気を30代になってくると、それまでと異なり肌がくすんできたり、張りを失ったりしてしまいがちです。それにより、肌の露出をできるだけ抑えていく必要が出てきます。そうなると色気が出しにくくなると感じる方もいるでしょうが、隠すからこそミステリアスに見え、大人の色気につながるのです。素材で勝負する20代から、ファッションではお悩み部分を隠しつつ、メイクテクニックで美しく見せていきましょう。ファッションは無理に露出を多くしすぎると若作りしているイメージになりがちなので気をつけましょう。甘すぎるデザインの服などは合わなくなってくるので、シンプルなデザインのものを選ぶとよいでしょう。シンプルさがあなたの色気を引き立ててくれます。40代は内面で勝負40を超えてくると、どうしても肌やスタイルに衰えが見えてきます。それで若い子と同じように見た目の色気で競うことは難しいものです。しかし、それだけ長く生きていることで内面の個性が生まれ、それにより色気を感じるケースもあります。知識が豊富でやり取りが楽しい方、表情が素敵な方などは色気を感じさせやすいです。それまでの生き方が直接色気につながりますから、ここで勝負できるように常に前向きな生き方ができるように意識していきたいものです。自分に合った色気を探す色気は無理をして出そうとするのではなく、にじみ出てくるものです。それまでの生き方が反映することも多いので、多くの経験をして内面を豊かにしていきましょう。若いうちは肌の露出で色気を出していても、ある程度年齢が上がったらそうはいきませんから、見た目と同時に内面磨きもしっかり行っていきたいものです。
2021年01月27日どんなに冷静で紳士な男性であっても、理性をコントロールできないような激しい感情に落ちることがあります。大人の30代男性の理性が飛んでしまうのは、一体どんな時なのでしょうか。日常に隠れている意外なシーンを3つご紹介します。過激なラブシーンを見た時目には目を、歯には歯を、ラブシーンにはラブシーンを?、映画やテレビでたまに流れる男女が絡み合うシーン。家族団らんで見ている時は場が凍り付くこともありますが、男性が好きな女性といる時も、ある意味で気が気じゃないのかもしれません。目からの情報は強い刺激となります。特に映像として動きが加わるとそれは一気にリアリティーを持ち、男性の想像力を掻き立てます。そんなつもりではなくても体が反応してしまうこともあるでしょう。そして一度その気になると、冷静になるのには時間がかかります。映画を見終えた後に、急に気持ちが高まるという人もいるかも。映画やドラマで長い時間セクシーな場面が続くと、理性が飛んでしまう衝動に駆られる男性は多いのではないでしょうか。好きな女性のギャップ普段見せる姿からは想像のつかない意外な一面を見ると、急にその人に惹かれることはないでしょうか。ギャップは心理的な距離を一気に縮めることがあります。何とも思っていなかった女性の意外な一面を見て好きになることもあれば、好意を寄せる女性のギャップに一気に気持ちが惹かれ、猛アタックしたくなることも。男性の理性が飛んでしまう女性のギャップとは、普段は体型の出ないゆったりとした服装をしている女性が、くびれの出るタイトな服装で足も見えていたり、職場でお馴染みのユニフォーム姿の女性の私服が、想像以上にセクシーだった時など。好きな女性の、見たことのないセクシーなボディーラインや服装に、興奮する男性は決して少なくないでしょう。アルコールの力お酒の力を侮ってはいけません。弱い人はもちろんのこと、自分はお酒に強いと思っている人が限度以上の量を飲むと理性は飛びやすくなってしまいます。露出の高いセクシーな服装の女性とお酒を飲み、女性が酔ってボディタッチを増やせば、男性側は理性がきかなくなってしまうことも多いでしょう。特に性的な欲望というのは誰にでもあるもので、我慢しようとすればするほど頭に強くイメージしてしまったり、気持ちが高まってしまうものなのかもしれません。女性からしてみれば自分の身を守るためにも、気のない男性に勘違いさせないように気をつけましょうね。
2021年01月10日年齢を重ねるごとに増えてくる歯やお口の悩み。30代~40代の女性では、口臭、歯の色(着色汚れ)、歯周病、知覚過敏などの悩みがよく聞かれます。(歯周病は歯肉炎・歯周炎の総称です。)オーラルケアは、大人の女性として見た目を美しく保つためにも、全身の健康を整えるためにも、毎日意識して行いたいですね。今回は、30代~40代女性におすすめの歯磨き粉を、悩み・目的別にご紹介します。歯周病予防に!「システマEXハミガキ」 この投稿をInstagramで見る システマ公式アカウント(@lion_systema)がシェアした投稿 価格:418円(税込・編集部調べ)容量:130g会社:ライオン株式会社システマEXハミガキは、高濃度フッ素(1450ppm)を配合した医薬部外品の歯磨き粉です。薬用成分IPMP(イソプロピルメチルフェノール)が歯ブラシの届きにくい場所の歯垢を徹底殺菌し、IPMPとコーティング剤によって歯周病菌の付着を防ぎます。さらに薬用成分LSS(ラウロイルサルコシンナトリウム)が口臭を予防し、フッ素が虫歯も予防。爽快感のあるメディカルクールミント香味と、さっぱりしたエクストラハーブミント香味の2種類から選べます。お手頃価格なので、「まずは手軽に歯周病予防を始めたい」という方におすすめです。ホワイトニングに!「ホワイトエッセンス クリストホワイト」 この投稿をInstagramで見る ホワイトエッセンス公式(@whiteessence_official)がシェアした投稿 価格:2,420円(税込)容量:100g会社:ホワイトエッセンス株式会社ホワイトエッセンス株式会社は、歯のクリーニングやホワイトニングなどの歯科サービスを提供している会社で、全国に約200院を展開しています。クリストホワイトはもともと歯科専売品でしたが、自宅で気軽にケアできるようにとの思いから、現在は公式オンラインショップやAmazon、ロハコなどで購入できるようになりました。美容成分のナノプラチナ、低研磨剤のナノゼオライトを配合しているのが特徴です。香味はさっぱりしたプレミアムミント味。白い歯に憧れている方や、ホワイトニング後の効果を長持ちさせたい方におすすめです。歯のホワイトニングで豊富な実績を持つホワイトエッセンス社が開発した歯磨き粉は、試してみる価値がありそうですね!7つの働きがひとつに!「シュミテクト コンプリートワンEX」出典:byBirth価格:700円(税込・編集部調べ)容量:90g会社:グラクソ・スミスクライン・コンシューマー・ヘルスケア・ジャパン株式会社シュミテクト コンプリートワンEXは、システマEXハミガキと同様に高濃度フッ素(1450ppm)を配合した医薬部外品の歯磨き粉です。知覚過敏の方のために作られており「シミるのを防ぐ」「歯周病予防」「歯を白くする」「ムシ歯予防」「口臭防止」「口中クリーン」「ブラッシングによる歯石沈着予防」の7つの働きをしてくれます。メントールとハッカを配合し、清涼感のある香味です。「ひとつの製品で歯のトータルケアをしたい」という方におすすめです。目的に合う歯磨き粉で美しい歯を目指そう!出典:byBirth30代・40代女性におすすめの歯磨き粉をご紹介しました。かつては虫歯予防の製品がメインだった歯磨き粉ですが、いまでは見た目や口臭、歯周病予防など、さまざまなニーズに対応する製品が登場し、種類も非常に増えています。どの歯磨き粉を選ぶべきか迷ったら、悩みや目的に合う成分が配合されているものを選ぶのがおすすめです。丁寧なブラッシングを毎日の習慣にして、いくつになっても健康的で美しい歯を保ちたいものですね。
2021年01月06日●「国民的な作品に出演させていただき感謝」今年大ヒットを記録したTBS系日曜劇場『半沢直樹』で伊佐山泰二役を務め、熱演が話題となった歌舞伎俳優の市川猿之助。ドラマ放送終了後もさまざまなバラエティ番組に出演し、イベントにも呼ばれるなど大活躍だ。堺雅人演じる主人公・半沢直樹の前に立ちはだかる東京中央銀行証券営業部部長・伊佐山泰二役として続編に加わった猿之助。“顔芸”と評される迫力満点の演技や、「詫びろ!」「土下座野郎!」といった発言で強烈なインパクトを放った。最終回は平均世帯視聴率32.7%(関東地区、ビデオリサーチ調べ)を記録し、有終の美を飾った『半沢直樹』。猿之助は「今の時代にあれだけの視聴率をとるのも珍しいと思いますし、国民的な作品に出演させていただき、コロナの中であのような仕事をさせてもらったことに感謝しています」と振り返った。「詫びろ!」や「土下座野郎!」のセリフはSNS上でも大きな反響を呼んだが、猿之助自身はその盛り上がりを冷静に受け止めつつ楽しんでいたという。『半沢直樹』での猿之助の熱演は多くのメディアで取り上げられ、バラエティ番組にも引っ張りだこに。猿之助は「いい意味でも悪い意味でも、メディアの持つ力の大きさ、すごさがよくわかりました。自分も含め、現代の人はもうメディアなしには生きられない。メディアにいかに影響を受けているのかわかりました」とやはり一歩引いて見ている。そして、世間やメディアの盛り上がりに関して、「みんなの手の上で踊っているのを楽しんでいる感じ。うまく踊ったほうが勝ち。いずれブームが去ることはわかっているから、踊らされるのではなく、踊って楽しませてもらおうと思っています」と笑った。また、「昔は反響って長く続いたけど、この頃の反響は長く続かない。昔の歌手は1曲でずっと食べていけていたけど、今はどんどん流行りが変わっていく。その場その場ではすごい盛り上がりだけどすぐに消えていき、時代を超えるものが昔ほどないような気がします」と昔と比較。「今は『鬼滅の刃』一色だけど、来年あたりになったらまた違うと思いますよ。盛り上がらなくなったらすぐ次にいくから」と予想した。『半沢直樹』で注目を集めた2020年だが、自身にとってどんな一年になったか漢字一文字で表現してもらうと「病」を挙げ、「コロナですべてがストップしてしまって。それがすべてでしょう」と何よりもコロナが一番の衝撃だったという。「僕らの生き方はどこかが間違っているというのは気づけた。反省の機会だと思う。緊急事態宣言のときの深刻さを保てず、揺り戻しでまた流行り出した。喉元過ぎればすぐに熱さを忘れてしまう。そういう生き方がダメだということに気づけた」と問題点を指摘。「一人ひとりが自覚しないとダメだと改めて感じました」と話した。そして、「エンターテインメントの在り方も変わらないといけない。ただ、未曾有の出来事だから、これから何年かけて変われるかどうかが、僕らの下の世代に響いてくるのではないかなと思っています」と語った。●世界配信の野望も! オンライン歌舞伎の広がりに期待猿之助が言うように、変化を余儀なくされているエンタメ界。ライブや舞台をオンラインで配信するという新たな試みがなされ、歌舞伎界でもオンライン歌舞伎「図夢歌舞伎」がコロナ禍に誕生した。その第2弾として、松本幸四郎と猿之助がお騒がせコンビ“弥次喜多”を演じる図夢歌舞伎「弥次喜多」がAmazon Prime Videoにて12月26日より独占レンタル配信がスタートした。幸四郎と猿之助による“弥次喜多”は2016年に歌舞伎座で誕生し、毎年新作を発表してきた人気作品。今回、2009年にPARCO劇場で上演された猿之助が現代劇に初出演した『狭き門より入れ』を原作に新作を制作した。同舞台は謎の疫病の流行にまつわる物語。“現代に通ずる作品”として猿之助が原作に選び、新作歌舞伎へと生まれ変わらせた。猿之助は「10年前は絵空事だった物語が、私たちの日常とシンクロしている今だからこそ、この作品を歌舞伎にして届けようと思いました」と原作に選んだ理由を説明。「この時代を生きる一人ひとりに深く響く作品だと思いますので、これまでの『弥次喜多』を知らない方も、新作映画を観るような気持ちでぜひご覧ください」と呼びかけている。『狭き門より入れ』を原作に「弥次喜多」の新作を制作しようと考えた猿之助は、喜多八として出演するだけでなく、監督・脚本・演出も担当。カット割りや編集にも携わり、「ありえないくらい短い期間でやっているので大変でした」とかなり苦労したという。監督の視点によって「監督が欲しい演技をいかにできるか、その重要さは改めてわかりました」と新たな気づきもあったようだが、「監督はもういいです。ちゃんとした準備期間と、ちゃんとした環境を与えてくれればやりますけど」と笑った。大河ドラマ『風林火山』、『龍馬伝』やTBS『ブラックペアン』など、さまざまなドラマに出演している猿之助。その経験は、歌舞伎と映像を融合させた図夢歌舞伎「弥次喜多」に生きた部分もあったようで、「映像に面食らわない。何回も同じシーンを撮ったり、その耐性はついている」と話した。また、歌舞伎と触れ合ったことのない人や「弥次喜多」を知らない世代に届ける難しさも感じていると吐露。「僕らが若い人たちの文化を知らないように、若い人たちは『弥次喜多』を知らないと思う。そういう方々にアピールするのは本当に難しい」『半沢直樹』をきっかけに猿之助の演技に魅力を感じ、違う作品も見てみようと思う人もいると思うが、猿之助は「それをきっかけに見ようと思う方がいたら、見ていただければうれしいです。ただ僕は、歌舞伎を見る人を増やすためにドラマに出ようという考えは一切ありません。ドラマだけでやられている役者さんに失礼なので」と自身の考えを明かした。そして、図夢歌舞伎という歌舞伎の新たな挑戦について「歌舞伎はこんなこともできるということは示せたと思います」と手ごたえ。図夢歌舞伎「弥次喜多」は「世界で絶対にウケる!」と断言し、世界配信への野望をあらわに。「今は石を投げたところ。それがどう広がるか、これからですね」と今後の広がりに期待している。
2020年12月29日歌舞伎俳優の松本幸四郎と市川猿之助がお騒がせコンビ“弥次喜多”を演じる人気歌舞伎シリーズの最新作となる図夢歌舞伎「弥次喜多」が、Amazon Prime Videoで26日より独占レンタル配信。幸四郎と猿之助がこのほど取材に応じ、本作の魅力や制作の裏話を語った。本作は、コロナ禍で誕生したオンライン歌舞伎・図夢歌舞伎(ずぅむかぶき)の第2弾。客席では観ることができない視点から、より近くで歌舞伎に“ズーム”するという意味でこの名前が付けられている。幸四郎と猿之助による“弥次喜多”は2016年に歌舞伎座で誕生し、毎年新作を発表してきた人気作品。今回、2009年にPARCO劇場で上演された猿之助が初めて現代劇に出演した『狭き門より入れ』を原作に新作を制作した。同舞台は謎の疫病の流行にまつわる物語。“現代に通ずる作品”として猿之助が原作に選び、新作歌舞伎へと生まれ変わらせた。幸四郎と猿之助は、図夢歌舞伎第1弾「忠臣蔵」にも出演。劇場が長期休館となった中で生まれた「図夢歌舞伎」について、幸四郎は「やっと見つけたお芝居する唯一の場所でした。これが始まりとなって、舞台が再開した後も、図夢歌舞伎は見ていただく場としても、演じる側の場としても、選択肢として続いていってほしいと思いました」と語った。猿之助も「これからの歌舞伎は舞台と配信と両方進んでいくべきだと思う」と意見。「平和な時代はあんまり発展的なモノは生まれない。そういう意味で、コロナは二度とあってほしくないけど、こういう新しいものが生まれたので、不幸中の幸いだと思います」と前向きに捉えた。そして、2人とも図夢歌舞伎で「弥次喜多」ができたことを喜び、猿之助は「『弥次喜多』は毎年新作を生み出していて、今年は8月に歌舞伎座が再開しましたが『弥次喜多』は上演できませんでした。なんとか続けられる方法を考えている中で、図夢歌舞伎とうまく合わさって、新作が誕生しました」と説明。「非常に苦労しました。今までの新作で一番大変だったんじゃないでしょうか」と苦笑した。猿之助は、監督・脚本・演出も担当。「撮影の1カ月くらい前は何もできていなかった。台本ができたのが1週間くらい前。限られた中でしたが間に合わせは嫌ですから精一杯作りました」と現場のバタバタぶりを明かし、「冒頭はハリウッド映画みたいにしたいなと。そこで予算を使い果たしそうになるくらい幕開けに凝りました。本編の中身は出演者同士の信頼関係が出ている。本当はアドリブなんか言っている余裕なんかないのにアドリブになるとみんな生き生きしてくるんですよね」と魅力を伝えた。本作には、猿之助のいとこである市川中車(香川照之)が参戦するほか、“弥次喜多”シリーズ常連である、幸四郎の長男・市川染五郎、中車の長男・市川團子も出演。猿之助は「中車さんは映像作品ならではの演じ方をしっかり息子に教えていて、親子の会話がありました。『カメラがここだったらこちらを向いて演技をする』とか。歌舞伎の現場で教えているのを初めて見て、それはお父さんじゃないとできないアドバイスだなと思って、微笑ましかったです」と中車・團子親子のエピソードを明かした。そして、幸四郎は「ルールも不可能もない、配信と歌舞伎の無限の可能性を詰め込んだ作品になっています。根拠はありませんが、歌舞伎の配信は今後100年続いていくと信じています! 好きな時に、好きな場所で『弥次喜多』をお楽しみください」とメッセージ。猿之助も「10年前は絵空事だった物語が、私たちの日常とシンクロしている今だからこそ、この作品を歌舞伎にして届けようと思いました。この時代を生きるひとり、ひとりに深く響く作品だと思いますので、これまでの『弥次喜多』を知らない方も、新作映画を観るような気持ちでぜひ、ご覧ください!」と力強くアピールした。本作は国内のみの配信となっているが、世界配信されることも期待している2人。幸四郎は「全世界に共通する物語の歌舞伎というのは初めてだと思います」と話し、猿之助はすでに提案していることを明かし、「世界配信したら絶対ウケると思う。エンドロールのところに世界にも共通する仕掛けをしている」と自信を口にした。(C)松竹
2020年12月26日PARCO劇場オープニング・シリーズ『藪原検校(やぶはらけんぎょう)』が2021年2月10日(水)に開幕する。主演の市川猿之助に話を聞いた。井上ひさしの戯曲である本作は、『西武劇場(PARCO劇場のオープニング当時の名称)オープニング記念・井上ひさしシリーズ』として1973年に初演され、これまで木村光一、蜷川幸雄、栗山民也といった演劇界の巨匠たちが演出してきた傑作舞台。今回は演出・杉原邦生、主演・市川猿之助というタッグで上演されることになるが、スーパー歌舞伎Ⅱ『新版 オグリ』でも杉原とタッグを組んだ猿之助は「『新版 オグリ』は一緒に演出を手掛けたので、僕の色になりましたが、今回は杉原の色を出してほしいし、料理されてみようと思います」と語る。井上ひさし作品は『雨』(’11)に出演経験がある猿之助。「井上ひさしさんの作品は日本人の心を打ち、日本人でなければできない精神が描かれているように思います。日本のいい面も悪い面も見ておられて、それをお書きになって、さらに言葉の持つ怖さ、大事さ、重要さを大切にされている」と印象を語り、今作では稀代の悪党‘杉の市’を演じるが、「井上作品に出てくるほどの悪党はなかなかいませんから。だからこそ演じるのが面白いなと思います」と楽しみにしているそう。猿之助に加え、三宅健や松雪泰子、川平慈英ら豪華キャストが出演する本作。猿之助は「画面の向こうにいる人たちですからね。皆さんと、例えば食事はできるかもしれないけど、お芝居はなかなかできないわけで。でも、役者って“芝居での会話”ってあるんですよ。それができるのが嬉しいです」。三宅とは顔も合わせたそうだが「三宅さんは歌舞伎をお好きだと聞きましたし、何度か劇場でもお見かけしたことがあります。その時も熱心に観ていらっしゃった。そして第一線で活躍し続けるスターですからね。そういう方とのお芝居は、歌舞伎ではできないことですから。こういう機会をいただいたことは感謝です」。今作でこだわりたいことを問うと「上演時間」というこれまでにない答え。「お客様の安全が第一だし、僕らの安全も第一だから。この状況の中で公演を無事に続けるために考えたい。お客様も演者も安心して過ごせるように上演時間にはこだわりたいです」。公演は2021年2月10日(水)から3月7日(日)まで東京・PARCO劇場にて上演後、名古屋、石川、京都を巡演。文:中川實穗
2020年12月23日