『時空警察シリーズ』や『俺俺』など、誰にも真似できない独自のコメディセンスを持つ三木聡監督の新作『音量を上げろタコ!なに歌ってんのか全然わかんねぇんだよ!!』に、千葉雄大、田中哲司、麻生久美子らが出演していることが明らかとなった。声帯ドーピングのロックスター・シンを演じるのは、ドラマや映画で数々の役をこなしつつ、自身も「グループ魂」でボーカルを務める阿部サダヲ。ヒロイン・ふうかには劇中で歌声を披露することが明らかになり注目を集める吉岡里帆。そんな2人の脇を固めるキャスト陣が今回発表された。シンのマネージャー・坂口に千葉雄大、ふうかの親戚でもあるデビルおばさんにふせえり、シンの事務所社長に田中哲司、ザッパおじさんに松尾スズキ、謎めいた女医に麻生久美子が好演する。「三木ワールド」全開のキャラクターをそれぞれ猛烈なエネルギーでハイテンションに演じるのだという。■キャストからのコメントも到着!千葉雄大(坂口役)三木監督の世界に入れることを本当に幸せに思いながら日々撮影しておりました。僕が演じる坂口はグチャグチャドロドロになって振り回される役回りでもあるのですが、全てが超興奮でした。音楽も最高にかっこよく、そして、尊敬する阿部サダヲ先輩とまたご一緒できたのも嬉しかったです。真剣に遊ぶ現場でした。みなさまにも早くこの世界にまざっていただきたいです。麻生久美子(女医役)久々に三木さんの台詞を言葉に出来て、本当に感無量でした!見た目はパンチが効いてますが(笑)、一生懸命マジメに演じましたので、楽しんでいただけたらと思います。ふせえり(デビルおばさん役)生きてると、色々、やな事、面倒くさい事があるけど、この映画を見て、「まぁいいや、いいし。」と思って頂けたら、何よりです。田中哲司(事務所社長役)久しぶりの三木監督、楽しかったです。しかも、今回はリハーサルも何回かやらせて頂き、今までやった事ないような役にトライさせてもらって、三木組を堪能しました。そして今回、脚本を読んだ段階で、既に傑作の予感がしました。松尾スズキ(ザッパおじさん役)三木さんの映画には主役でデビューさせていただきました。次に出たときは準主役、それからテレビで脇役、次に映画に出させていただいたときは、ワンカットのみ。となれば次は、声の出演だけ、くらいを覚悟していましたが、今回脇役に戻していただきました。三木さんにはドキドキさせられっぱなしです。■そのほか個性的なキャストが集結!お笑いコンビ「バイきんぐ」のツッコミ小峠英二がロックバンドのボーカル・自滅役を演じるほか、ドラマ「セトウツミ」(17)で注目を集める片山友希、『イン・ザ・プール』(05)『野火』(15)などの中村優子、大人計画所属の池津祥子が出演。三木監督作常連の森下能幸はよろこびソバのおじさん役、岩松了は無料レコード社長役とどのような役柄なのか期待が高まる展開となっている。『音量を上げろタコ!なに歌ってんのか全然わかんねぇんだよ!!』は、2018年10月12日(金)より全国にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:音量を上げろタコ!なに歌ってんのか全然わかんねぇんだよ!! 2018年10月12日(金)より全国にて公開ⓒ 2018「音量を上げろタコ!」製作委員会
2018年04月12日●漫画原作の魅力はキャッチーなキャラクター第57回小学館漫画賞一般向け部門を受賞し、「このマンガがすごい! 2009オンナ編」第1位に輝いた小玉ユキの漫画『坂道のアポロン』が実写映画化され、3月10日より公開される。長崎・佐世保を舞台に、孤独な青年・薫(知念侑李)が札付きの不良と恐れられるクラスメイト・千太郎(中川大志)と、心優しいクラスメイト・律子(小松菜奈)と出会い、ジャズを介して心を通じあわせていく。アニメ化されたときには、演奏シーンのリアルさが「名場面」として話題を読んだ同作。実写映画化にあたっては、三木孝浩監督自らキャスティングに関わっているという。今回のキャスティングのポイントや脇を固める俳優陣の魅力について、三木監督に話を聞いた。○男性ファンが多い作品――原作やアニメが人気の『坂道のアポロン』ですが、私の周りにも男性でこの作品が好きな人がいて、幅広い世代に支持されているのかなと思いました。男性ファンがすごく多い作品ですよね。選曲も良くて、「Moanin」や「My Favorite Things」は、初心者でも聞きなじみのある曲ですし、全然ジャズを知らない薫が段々ジャズを演奏する喜びに気付いていくという展開なので、薫目線で入っていけるのだと思います。僕もこの作品に関わるまではそんなにジャズに詳しくなくて、作品に関わりながら「あ、ジャズってこういうところが楽しいんだ」と気づいていけたので、映画にする上でも入りやすさはすごく大事にしました。――今、漫画原作の映画がすごくたくさんあるという状況ですが、その魅力はどういうところにあると思いますか?やっぱり、良い作品が本当に多いという、日本の漫画文化の深さがあるのだと思います。もちろん小説原作でもたくさんありますが、漫画原作の面白さは、キャラクターにあるのではないでしょうか。ストーリーの起伏だけでなく、それぞれのキャラクターに魅力がある作品がすごく多いなと思います。今回も、客観的に見ると千太郎はすごくキャッチ―なキャラクターだと思うんですよね。その魅力に薫が引っ張られていくのですが、漫画ならではの面白さが出ている強烈なキャラクターなのではないかと思います。――今までの中川さんのイメージとも、また少し違うキャラクターのように思いました。そうですね。映画化の企画をもらったときに、誰よりもまず「千太郎、誰がやるの? 今の日本映画界にいる?」という話になりましたから(笑)。ハーフ顔に見えて、ガタイが良くて、ドラムができて……もう、キャスティングする側からしたらゾッとするようなキャラクターですけど、だからこそ、トライしがいがある。ヴィジュアルもドラムの演奏も含めて、大志君がキャラクターを体現してくれて嬉しかったです。●薫と千太郎はセットで考えていた○運命的な2人にオファー――キャスティングには1から関わっていらしたんですか?もちろん、まっさらな状態から関わっています。多分キャスティングだけで半年か1年以上かかりましたし、「いいキャストが見つかるまで、これは進められないね」と言っていました。定期的にプロデューサーと集まってキャストを探していたのですが、何かのタイミングで、フッと「知念君と大志君の身長差は面白いな」という話になったんです。そこから大志君がドラムをかじったことがあると聞いて、「おっ!」と思って、プロフィール写真を茶髪にしたり短髪にしたり落書きして、「千太郎、いけるんじゃないの!?」という話になってから、グッと現実味を帯びて来ました。――薫と千太郎はセットで探されていたんですか?完全にセットでしたね。組み合わせを考えているうちに、知念くんと大志くんのコンビにすごくピンときたんですが、2人が、実は共演経験もあって仲が良いということは、全然知らなかったので、すごく運命的だと思いました。――小松さんについてはいかがですか?律子のキャストは、まず「薫と千太郎を決めてから」という思いはありました。すごく難しいポジションなんですよね。薫と千太郎の2人はキャラクター作りの拠り所があるのですが、律子は受け身の立場。2人を見てどういう表情になるのか、というのが芝居のベースになります。『ぼくは明日、昨日のきみとデートする』を監督したとき、菜奈ちゃんの演技のすばらしさを感じていましたが、本当に何かを感じて出る表情のリアリティが素晴らしい女優さんだと、改めて思いました。お客さんは律子というフィルターを通すことで、2人のことをより深く理解していくので、すごく重要な役どころです。菜奈ちゃんが素敵なのは、技術で泣いたりするんじゃなくて、現場で内から湧き出た感情を大事にするところ。その表情の嘘のなさに、ますます信頼できる女優さんになったと感じました。――ほかにも豪華キャストが集まっているのがすごいですよね。ディーン・フジオカさん(桂木淳一役)も、真野恵里菜ちゃん(深堀百合香役)も、中村梅雀さん(律子の父・迎勉役)もすばらしかったです。梅雀さん、本当にその世界では名の知れたベーシストですし。もともとご本人はエレキが得意ですが、今回を機に「ぜひウッドベースもやりたい」とおっしゃっていて、実際にめちゃくちゃうまくて。何よりやはり、「プレイするのが楽しい」という表情が1番出ていましたね。あの梅雀さんの表情で、恐る恐る入ってくる薫が「ジャズって、楽しい」と思えるような、優しく迎え入れてくれる感じに助けられました。もちろんディーンさんもアーティストなので、ピアノもギターもできるんですよ。でもトランペットはやったことがなかったので、「これを機にぜひ覚えたい」と特訓してくださって。音楽に対するモチベーションがものすごく高いメンバーに集まってもらえたことが嬉しかったです。■三木孝浩1974年生まれ、徳島県出身。これまでに、いきものがかり、FUNKY MONKEY BABYS、YUI、ORANGE RANGE等、数多くのPVやライブ映像、TVCM,ショートムービーなどを手掛け、MTV VIDEO MUSIC AWARDS JAPAN 2005 最優秀ビデオ賞、カンヌ国際広告祭2009メディア部門金賞などを受賞。2010年に『ソラニン』で長編映画監督デビュー。以降、『僕等がいた』(前篇・後篇/12)、『陽だまりの彼女』(13)、『ホットロード』(14)、『アオハライド』(14)、『くちびるに歌を』(15)、『青空エール』(16)、『ぼくは明日、昨日のきみとデートする』(16)、『先生!、、、好きになってもいいですか?』(17)などがある。(C)2018 映画「坂道のアポロン」製作委員会 (C)2008 小玉ユキ/小学館
2018年03月09日●友情を超えた、眩しい絆の物語第57回小学館漫画賞一般向け部門を受賞し、「このマンガがすごい! 2009オンナ編」第1位に輝いた小玉ユキの漫画『坂道のアポロン』が実写映画化され、3月10日より公開される。長崎・佐世保を舞台に、孤独な青年・薫(知念侑李)が札付きの不良と恐れられるクラスメイト・千太郎(中川大志)と、心優しいクラスメイト・律子(小松菜奈)と出会い、ジャズを介して心を通じあわせていく。メガホンをとった三木孝浩監督は、恋愛映画の名手としても知られているが、今回は薫と千太郎の友情が物語を動かしていく。知念、中川、小松という若手トップクラスの俳優陣や同作の見どころについて、三木監督に話を聞いた。○未成熟な人間がもがく姿を描きたい――恋愛映画のイメージが強い三木監督ですが、今回は薫と千太郎、2人の友情がメインなのかなと思いました。恋愛映画のイメージ、強いですか?(笑) 僕は、大きなくくりで「青春映画」が多いということなんだと思います。だから恋愛も青春映画だし、友情も青春映画なんですよね。「未成熟な人間が、自分のあるべき姿に向かってもがく」ところに美しさを感じるし、キャラクター達がすごく愛おしくなるので、描くのが好きなテーマです。もがく対象が恋愛のときもあれば、部活のときもあり、音楽や友情だったりもする。でも目指すものがそれぞれ違うだけで、根底には未成熟な人間の成長があります。――今回の『坂道のアポロン』では、これまで恋愛映画で使われていた手法を、2人の友情を描くときにもとられていたというお話でしたが。普通のラブストーリーに使う手法を、薫と千太郎の関係を描くときに応用したところはありますね。たとえば薫が千太郎を見る時の音楽や映像表現は、女の子が魅力的な男の子を見た瞬間の演出にしています。「強烈な魅力を放つ千太郎に、どんどん反発しながらも惹かれていく薫」という図を、一種のラブストーリーに見えてもいいかな、くらいの感覚で撮っていました。というのも、この作品は単なる友情の話ではなく、それぞれが奥底に孤独を抱えながら、「独りじゃない」と思わせてくれる相手に出会う物語だからなんです。薫と千太郎が音楽を通じて「自分がここにいていい」という証明を見つけて、互いに存在理由を見出していく。その友情を超えた結びつきは、律子の目線で見るとすごくうらやましく感じるし、映画を観た方が「その中に入りたい」と思ってくれたら、世界観が描けているということなのだと思いました。――夜の教会に2人で並んでいるところや、2人で坂道を駆け下りていくところなど、あまりにもまぶしすぎて……。手を取ってダッシュするって、映画『卒業』のような駆け落ちパターンですからね(笑)。しかも笑顔で駆け下りていく。でも、薫と千太郎だったら「そうだよな」と納得してしまう感じがありますし、観客の方にも愛おしく見えたらいいなと思いました。●期待以上の演奏シーンに、監督もキュンキュン○律子のキュートさは小松菜奈ならでは――一方で、律子と薫もキュンとするシーンが多くて、糸電話のシーンやキスシーンも素敵でしたよね。糸電話も、昭和の時代設定だからこそ描けるアナログ感でしたね。電話も携帯ではなく家の電話ですし、なかなかコミュニケーションを取れない難しさがある。でも顔を見合わせることがやっぱり一番のコミュニケーションというところが、この時代を描く面白さだったりもしますし、今までにない空気感を出せたのですごく楽しかったです。――出演者の方も少しレトロポップ感のある顔立ちなのかなと思いました。特に菜奈ちゃんは、60年代のファッションがすごく似合うんですよ。元々、モデルもやっているので何でも似合うんですけど、あのキュートさは、なかなか出せない。やっぱり、菜奈ちゃんだなと思いました。――三木監督は、映画を観てキュンとしたりするタイプなんですか?めちゃめちゃします(笑)。もう、キュンキュンしてますね。――撮影中もキュンキュンされているんですか?かなりしています(笑)。でも今回何が一番キュンと来たかって、完成披露のときの舞台挨拶かな。その場でピアノを演奏した知念くんと、ドラムを演奏した大志くん、2人の目線が合った瞬間は、もうキュンキュンしました。映画の演奏シーンも、千太郎と薫が「よしいくぞ!」と目を合わせたり、相手の演奏を見て「すごいな」と笑顔になっていたりする瞬間、2人は笑顔なのに、観ているこっちは泣けてくるんです。彼らが音楽を演奏している姿を見て、孤独を抱える2人が本当に幸せそうな表情をしているところが、やっぱりグッときました。演奏シーンでは互いの目線を撮るときに、2つのカメラでそれぞれ顔に寄っていたんですが、モニターを並べて見ていたら、「これだけ演奏を練習してきたけど、もう、表情だけでシーンが成立するんじゃないか?」という気持ちになりました。これまでの準備や練習があって、感情も高めて来たからこそ、この表情が出来るんだなと思いました。表情だけで2人のすべてが伝わる、それくらいの演技をしてくれたんです。○アニメ版に刺激された――映画を拝見しても、よくあの演奏を……とびっくりしました。やはり演奏シーンはすごく大事に撮られていたんですか?原作も素晴らしいですし、僕も元々アニメ版を観ていたので、文化祭のシーンのすごさは身に染みていました。プレイヤーの動きをトレースして、もはや音楽が流れていなくても音の伝わるようなアニメーションになっていて、すごいと思っていたのに、それを自分が撮らなきゃいけない。これを実写でやるとなると、役者に相当負担がかかると思いました。実際に若い年代の俳優さん達がやらなければいけないと考えると、最初は「それは無理じゃないかな」と、思ったくらいです。でも目標としては、遜色ないものを作りたかったですし、特にこだわって作った部分でした。――演奏シーンをプロの方の吹き替えにしようと考えたりはしなかったんですか?最初は、手元はプロのプレイヤーに任せるという選択肢もあるのかな、と思いました。でもこちらの想像以上に、2人が演奏曲を完璧にトレースできていたので、もう本当に、感動しましたね。嘘をつかなくてすむというのは、監督として本当に幸せな事です。本人が演奏しているというリアリティがあるからこそ、感動できるというのは大きいです。■三木孝浩1974年生まれ、徳島県出身。これまでに、いきものがかり、FUNKY MONKEY BABYS、YUI、ORANGE RANGE等、数多くのPVやライブ映像、TVCM,ショートムービーなどを手掛け、MTV VIDEO MUSIC AWARDS JAPAN 2005 最優秀ビデオ賞、カンヌ国際広告祭2009メディア部門金賞などを受賞。2010年に『ソラニン』で長編映画監督デビュー。以降、『僕等がいた』(前篇・後篇/12)、『陽だまりの彼女』(13)、『ホットロード』(14)、『アオハライド』(14)、『くちびるに歌を』(15)、『青空エール』(16)、『ぼくは明日、昨日のきみとデートする』(16)、『先生!、、、好きになってもいいですか?』(17)などがある。(C)2018 映画「坂道のアポロン」製作委員会 (C)2008 小玉ユキ/小学館
2018年03月07日●朝ドラ『わろてんか』でも注目の高橋一生&松坂桃李2017年の邦画は、16年のアニメーション映画『君の名は。』や特撮映画『シン・ゴジラ』のように巨弾ヒットがなかったとはいえ、オリジナルも原作ものも幅広く楽しめた。とりわけ年々、アクション満載の少年漫画の実写化が増えていて、実写化不可能かと思っていた作品が続々実写化され、技術のクオリティの上昇を実感する。引き続き、2018年も少年漫画の実写化はあとを絶たない。それと、ラブ満載の少女漫画の実写化も堅調だ。このように原作の内容ももちろん大事だが、その登場人物を誰がやるかで映画の価値は大きく左右する。ここでは、2018年の映画を、活躍を期待したい俳優別で紹介してみたい。○高橋一生…献身が誰よりも似合った俳優、今年はどうなるテレビドラマ『カルテット』(TBS)、大河ドラマ『おんな城主 直虎』(NHK)、朝ドラ『わろてんか』(NHK)、月9『民衆の敵』(フジテレビ)と注目作に出続けた2017年。『直虎』も『わろてんか』もどちらも主人公を陰ながら支える役だった。『民衆の敵』もそうといえばそう。そこにプラスして、世襲政治家一家の一員でありながら裏の生活を送るミステリアスな面も描かれ、やたら色っぽいシャワーシーンなどのサービスシーンも付与されていた。身を挺して主人公を支えたり、肉体を晒したり、実力派の中堅俳優にしてはずいぶんとがんばっているなあと、人気商売の大変さを思う。そんな高橋一生は、18年、映画で活躍。現在わかっている範囲で、3本の映画に出演する。まず、1月20日公開の『嘘を愛する女』(中江和仁監督)は、高橋一生のやや影のある魅力が大いに生かせそうな作品で、経歴をすべて偽って、長澤まさみ演じるヒロインと同棲していた謎の男の役。病気入院して経歴詐称がわかり、ヒロインは男の本当の姿を知ろうとする。高橋一生(の演じる役)はきっと痛々しいまでに何かを背負っているのだろうと、見る前から震える。続く、2月3日公開の『blank13』(齊藤工監督)では、高橋と同じく女性の性的な眼差しにさらされることを厭わないかのように、肉体を晒す役の多い斎藤工が監督となって、高橋を撮ることに。実話をベースにした家族の話で、高橋演じる主人公が、13年前に失踪した父と再会するも、すでに父は余命3カ月。半年後、父の葬儀の参列者から父にまつわるエピソードを聞くことで父の謎がわかっていく。斎藤と高橋、ものづくりが好きそうなふたりのタッグは期待できそう。少し間を開けて、6月15日公開の『空飛ぶタイヤ』(本木克英監督)はベストセラー作家・池井戸潤作品の初映画化。脱輪事故をきっかけに企業のリコール隠しが発覚。主演は長瀬智也。車の整備不良を疑われるも、車両の欠陥に気づき、製造会社に再調査を要求する。高橋は、製造会社の経営に疑問をもって独自に調査する銀行員を演じる。ディーン・フジオカが、製造会社の戦略課家長役で出演。それぞれの思惑が交錯する硬派な企業ものになりそうだ。○松坂桃李…背徳感を醸し続ける異色な存在朝ドラ『わろてんか』で松坂桃李が演じている日本一の席主を目指す男・藤吉は、視聴者からツッコみの的になっている。朝ドラヒロインの夫は、ヒロインを頑張らせる起爆剤としてダメ男に設定されることが多く、そのダメさが愛されるものなのだが、松坂の演技があまりにリアルで、どう見ていいのか困ってしまう。元々、松坂は、映画『エイプリルフールズ』(15年)や『彼女がその名を知らない鳥たち』(17年)で女性を自分の都合のいいように扱うために嘘も厭わないゲス男を迫真で演じており、朝ドラのような、ソフトなダメ男よりも、ハードなダメ男のほうが演技力を発揮できるのではないか。その点、2018年は、映画で思う存分、背徳感を醸してくれそうだ。2月1日公開『不能犯』(白石晃士監督)は、“見つめるだけで相手を死に追いやる”ため罪に問われない、おそるべき人物を演じる。彼はその能力を使って、殺人依頼を引き受けていく。集英社『グランドジャンプ』に連載された漫画の映画化で、宣伝美術のニヤリと笑った松坂桃李の顔がおそろしすぎるほど。4月公開の『娼年』(三浦大輔監督)はかなりの問題作。石田衣良の小説が原作で、娼婦ならぬ娼年として、お仕事として次々と女性とカラダを重ねながら、それぞれの心に触れていく物語。16年に、松坂主演、三浦演出で舞台化されたとき、その過激な内容でセンセーショナルを巻き起こした。映画もR 18になっていて、どれだけエロティックなものになるのか気になる。5月12日公開予定の『孤狼の血』(白石和彌監督)は、柚月裕子の小説を原作にした骨太なハードボイルド。広島を舞台に、暴力団の犯罪とそれを追う警察との仁義なき戦いが描かれる。松坂の役は呉原東署・捜査2課・暴力団係・大上班のメンバーで巡査。型破りな大上(役所広司)の行動に戸惑いながらも成長していく新人刑事だが、白石監督の『日本で一番悪い奴ら』のように朱に交われば赤くなるパターンだろうかと今からドキドキだ。●吉沢亮&福士蒼汰&菅田将暉の活躍と注目作品は○吉沢亮…漫画の名著に挑む2009年のデビュー以来、イケメン俳優が群雄割拠するなか、着々と力をつけている注目株。17年、これに出ると、若い俳優は弾けると言われている福田雄一作品に出演(『銀魂』の沖田総悟役)し、瞬発的な面白さを追求したことで、ひとかわ剥けた感がある。いまや、顔がいいこと以外で何かプラスアルファがないとサヴァイブできない芸能界。沖田役によって、かっこよさと面白さを両方身につけて最強に近づいたところで、18年は、漫画界のレジェンド級作品に2本も主演する。2月16日公開『リバーズ・エッジ』(行定勲監督)は、カリスマ漫画家・岡崎京子の名作。深くて重くて苦い物語で、吉沢の役は、学校でイジメられているゲイの少年。河原でみつけた死体を大事に隠している。いじめられているところを助けてくれた少女(二階堂ふみ)と心を通わせていく。とにかく、吉沢が、岡崎京子の絵にそっくり。漫画原作多々ある中なんでも似せればいいってものではないけれど、この場合の“似ている”はかなりポイントが高い。4月27日公開『ママレード・ボーイ』(廣木隆一監督)は少女漫画の王道。お互いの両親の離婚&再婚によって家族として同居することになった主人公たちが恋するようになって……いろいろな障害などありながら、この恋がどうなっていくのか。吉沢が公式サイトで「今までにも少女漫画原作の作品には出させて頂いたことがありますが、お調子者の三枚目キャラや、根暗な役など、あまりカッコ良くない役が多かったので、今回のようなドストレートな二枚目は初めてです。ついにこの顔面をフル活用する時が来たなと」と語るように、徹底的に少女漫画の王子様を演じてほしい。○福士蒼汰…アクション全開英語が得意な若手知性派俳優である福士蒼汰ではあるが、特撮ヒーロードラマ『仮面ライダーフォーゼ』ではリーゼントでヤンキー高校生という異色なライダーを演じていた。そのとき、脚本を書いていた中島かずきが座付き作家をつとめている劇団☆新感線の舞台『髑髏城の七人 Season月 <上弦の月>』にて主役の捨之介を演じて、かっこいいアクションを披露している福士。2018年は、アクション全開の少年漫画原作に2作も主演する。3月21日公開『曇天に笑う』(本広克行監督)は、ときは明治維新後、場所は滋賀県大津。人々に災いをもたらす大蛇の力を阻止しようとする雲神社を代々継ぐ曇家3兄弟と、明治政府右大臣・岩倉具視率いる直属部隊・犲(やまいぬ)と、政府の転覆を企む忍者集団・風魔一族が、三つ巴の戦いを繰り広げる。福士が演じるのは三兄弟の長男で、強いだけでなく、底抜けに明るい男として、華やかなアクションを見せてくれそうだ。次男は中山優馬が演じる。夏公開の『BLEACH』(佐藤信介監督)は悪霊退治をする死神になってしまった高校生を演じる。予告映像では、大きな“刀斬魄刀”をもっていて、これを振るうダイナミックなアクションが見られそうだ。そして、もう一作、アクションものではないが、5月4日公開、東野圭吾原作の大型ミステリー『ラプラスの魔女』(櫻井翔主演 三池崇史監督)にも出演する。二面性のある芝居に定評がある福士だが、三池は「剥き出しの福士蒼汰が人類の明日を憂う」とコメントしているので、今回はストレートに迫ってくるのかも。楽しみだ。○菅田将暉…少年漫画から少女漫画まで自由自在NHK大河ドラマ『おんな城主 直虎』で直虎の後を継ぎ、井伊家の当主となる大役を堂々演じきった菅田将暉。少年漫画の主人公のように血気盛んな演技をする一方で、映画『あゝ荒野』、『火花』、舞台『ローゼンクランツとギルデンスターンは死んだ』など文学的な作品にも多く出演し、幅の広さを見せた。18年も、17年に大ヒットした『銀魂』の続編が控えているほか、少女漫画『となりの怪物くん』に出演と、少年ギャグ漫画から胸キュン少女漫画まで、まるで別人かと思わせてくれるはず。4月27日公開『となりの怪物くん』(月川翔監督)は、勉強ばかりで情緒のないヒロイン(土屋太鳳)と、頭はいいが問題児の少年(菅田将暉)、友だちがいないふたりが出会い恋をして変わっていく物語。菅田にとってこれが最後の制服になるらしいので、その勇姿は見逃せない。夏休み公開予定『銀魂 パート2(仮)』(福田雄一監督)では、パート1で、主人公・銀時(小栗旬)と行動を共にする志村新八役を、菅田将暉だとわからないくらい漫画にそっくりに演じて、映画のクオリティーを底上げしていた。いまのところ、詳細がほとんど伝わってきていないが、パート2でも、ぜひ、楽しませていただきたい。ほかにも、阿部サダヲが吉岡里帆と主演する『音量を上げろタコ! なに歌ってんのか全然わかんねぇんだよ!!』(三木聡監督)や、NGT48の北原里英が過激な表現に挑む『サニー/32』(白石和彌監督)、土曜ドラマ『アシガール』が良くて、いまやショートカット美少女といえば、という黒島結菜が主演する『プリンシパル〜恋する私はヒロインですか?〜』(篠原哲雄監督)、木村拓哉と二宮和也の共演はやっぱり気になる『検察側の罪人』(原田眞人監督)などなど、俳優たちの活躍しそうな映画が目白押し。このなかで、期待の3作を選ぶとしたら、あの名作漫画をどう実写化してくれるかとにかく気になる『リバーズ・エッジ』、ガツンと重くて満足感ありそうな『孤狼の血』、吉岡里帆と阿部サダヲと三木聡がきっとやらかしてくれそうな『音量を上げろタコ! なに歌ってんのか全然わかんねぇんだよ!!』の3作。18年も映画館に通いつめたい。■著者プロフィール木俣冬文筆業。『みんなの朝ドラ』(講談社現代新書)が発売中。ドラマ、映画、演劇などエンタメを中心に取材、執筆。著書『挑戦者たちトップアクターズ・ルポルタージュ』『ケイゾク、SPEC、カイドク』、構成した書籍に『庵野秀明のフタリシバイ』『堤っ』『蜷川幸雄の稽古場から』などがある。最近のテーマは朝ドラと京都のエンタメ。
2018年01月09日阿部サダヲと吉岡里帆が主演を務めるオリジナル映画『音量を上げろタコ!なに歌ってんのか全然わかんねぇんだよ!!』が、2018年10月12日(金)に全国の劇場で公開される。「時効警察」シリーズの三木聡が監督&脚本本作の原案・脚本・監督を手掛けるのは、「時効警察」シリーズなどで知られる三木聡。『俺俺』『インスタント沼』『転々』など、独自のコメディセンスを持つ監督が、現代社会に“歌”と“笑い”の力で風穴を開ける、ハイテンションロックコメディを作り上げる。ストーリーリミット迫る“声の争奪戦”が今、はじまる!!!爆音!爆上げ!ハイテンション・ロック・コメディ!!驚異の歌声をもつ世界的ロックスター・シン(阿部サダヲ)と、声が小さすぎるストリートミュージシャン・ふうか(吉岡里帆)。正反対の2人は偶然出会い、ふうかはシンの歌声が“声帯ドーピング”によるものという秘密を知ってしまう! しかもシンの喉は“声帯ドーピング”のやりすぎで崩壊寸前!やがて、シンの最後の歌声をめぐって、2人は謎の組織から追われるはめに。リミット迫る“声の争奪戦”が今、はじまる!!!マリリン・マンソンをイメージしたロックスター・シン役に阿部サダヲ主演のシンを演じるのは、『舞妓Haaaan!!!』『謝罪の王様』『殿、利息でござる!』などに主演し、人気・実力を兼ね備えた個性派俳優・阿部サダヲ。紅白歌合戦出場も果たした人気バンド「グループ魂」のボーカル≪破壊≫も務める彼が、驚愕の歌唱力で一躍スターダムにのし上がったカリスマロックスターを演じる。破滅的なロックスター・シンのキャラクターを創り上げるにあたり、製作サイドが参考にしたのは、その常軌を逸したパフォーマンスで世界中を驚かせてきたマリリン・マンソン。奇抜で衝撃的なメイク姿の阿部サダヲの姿は、本作の見どころの1つだろう。ヒロイン・ふうか役に吉岡里帆ヒロイン・ふうか役には、「ゆとりですがなにか」、「カルテット」、「ごめん、愛してる」など続々とドラマに出演し、今最も注目を浴びている女優の一人・吉岡里帆。2019年には、『パラレルワールド・ラブストーリー』の公開も控えている。そんな彼女は、ストリートミュージシャンとして活動するも、声が異様に小さく歌声が聞こえないという弱点を持つ難役に挑む。さらに本作で、映画・ドラマでは一度も披露した事のない歌声を初お披露目。撮影に向けて特訓中であるギター演奏とともに奏でられる彼女の歌声と、豪華アーティスト達の提供による映画オリジナル曲にも要注目だ。阿部サダヲ×吉岡里帆にインタビュー本作で主演を演じた阿部サダヲと吉岡里帆にインタビューを実施。独自のセンスに溢れる三木監督との現場風景について触れながら、2人が演じたキャラクターの役作りなどについて話しを伺った。ハイテンション・ロック・コメディというユーモア溢れるジャンルの作品ですが、三木監督の台本を初めてご覧になった際のご感想を率直に教えてください。阿部:正直わけの分からないところが沢山ありました(笑)撮影前の立ち稽古の場で、初めて吉岡さんにお会いできた際、「やっぱり、この台本の内容分からないよね!」って、お互いにこの感情を共有できた時は妙にホッとしましたね(笑)吉岡:私も、阿部さんが自分と同じ気持ちだと知った時は、素直に嬉しかったです(笑)これまで数々のコメディ作品をこなしてきた阿部さんは、てっきり台本を理解しつくしたうえで、立ち稽古に臨まれるんだろうなと思っていたので…。実際に現場に入ってから、台本の“謎”は解消されたのでしょうか。阿部:はい。三木監督が丁寧に説明してくれて、何から何まで全て計算し尽くされた台本なのだと気付かされました。この作品を観た人からは「あれはどこからアドリブなの?」とよく尋ねられる程、劇中には突拍子もない台詞が溢れかえっているのですが、それも全て三木監督が台本に事細かに書かれていること。僕たち俳優が、何か追加で足すような要素など何1つありませんでした。吉岡:私は演技にはいることで、徐々に台本に描かれた意味や内容を自分の中に落とし込むことができました。三木監督が7年かけて構想したオリジナル脚本なので、その細部にまでかけた拘りも並々ではなくて。台詞の1つ1つにも、実は監督の愛やメッセージが詰め込まれていたりするんです。例えばどんな台詞でしょうか?吉岡:音楽の道を諦めようとしているふうかに対して、シンが「やらない理由ばっか見つけてんじゃねえ!」と言い放つ台詞。この言葉は、実は三木監督が、ご自身の娘さんに対して伝えたいメッセージでもあるらしくて。ロックな感じにも聞こえますけど、本当は愛情に満ち溢れた言葉なんです。“好きなことをやり抜いてほしい”というエールに、私も撮影中勇気づけられていました。これまでの人生を振り返って、「やらない理由ばっか見つけてんじゃねえ!」という台詞が胸に突き刺さるようなご経験はありますか?阿部:僕の場合は、高校時代の部活。野球部に所属していたのですが、どうしても素振りが嫌いで…。素振りをしない理由だけは、誰にも負けなかった。(笑) 「左打ちになるかもしれない」とかどうしようもない言い訳を考えて、いつも逃げていましたね。それでも芝居に関していうと、何故かそういう“素振りをやめる理由”を探すようなことは不思議とない。どんな役でも、断ったことがないんです。役者を始めた時から、“僕芝居知ってますよ”みたいなテンションで乗り越えてきました。どんな役でも引き受けてきた阿部さんですが、本作で演じたシン役では、かなりきついシーンがあったとか?阿部:忘れもしない、撮影初日の大量の水が降ってくるシーンです。ふうかとシンが初めて出会う重要な場面でもあるのですが、これはもう本当に言葉にすることが出来ないくらい、体力的に限界を感じたシーンでして…(笑)吉岡:あの日はすごく気温が低い日だったんですよね。その中で撮影に使用された雨のセットは、消防車から出る大量の放水。その冷たい水を阿部さんは、半裸で浴びながら演技をされていたんですよ。しかもその演技が本当に面白いっていう。生死をさまよいながら、それを笑いに変えるっていうのは、本当にすごい!阿部:面白かったでしょ?僕も自分じゃなかったら、腹抱えて笑いますもん (笑)でも現実は、路上にいながら、溺れそうになっていたという…。これまで破天荒なシーンを沢山撮影してきましたが、あそこまで死にそうになりながら演技をしたのは、僕の役者人生の中でも初めての出来事でして。今ではこの作品の撮影によって、大量の水が怖い!ていうトラウマができてしまったほどです(笑)初日からそんな過酷な現場を目の当たりにして、率直にどのように感じられましたか?吉岡:スタートを切る上で、私にとって、とてつもなく大きな刺激となりました。作品の為に、全エネルギーを注ぐ阿部さんの役者魂を初日から間近でみさせていただいて、“これがプロの演技なのだ”と一気に身が引き締まって。阿部さんの横に立つためには、私も全力の演技を出し切らなければいけない、と改めて気合を入れ直すことができました。阿部:たしかに初日にあれだけ一番きついシーンがあったからこそ、吉岡さんや周りのスタッフの方と、これから共に頑張ろう!という共通意識のような絆が自然と芽生えたように感じます。(笑)その次に繋がる場面というのも、自然とスムーズに進めることができましたね。本格的に撮影が始まってから、演技の面で難しさを感じることはありましたか?阿部:もちろんです。長期間かけて練ったストーリーを、急に完璧に理解して演技に移せるほど、“演じる”ということは簡単なものではありません。けれど、だからこそ僕は、この作品に俳優としての“やりがい“を感じていました。全力の演技で三木監督が爆笑してくれた時は、やはり嬉しい!“あ、この演技が今、監督の頭の中とマッチしているんだ”と、手応えのような感覚を掴みながら、演技に臨んでいました。吉岡:明確なゴールがある作品だったので、それを演技で完璧に表現することはやはり難しかったですね。台詞や演技の“間”に対しても強い拘りを持たれていて、何か食い違いがある度に、はっきりとNGの指示がある。映像に関しても、私の喉にカメラを突っ込んで撮影を進めたりと、全てに対してストイックな姿勢で、ついていくことに精一杯な時もあったのですが。けれど撮影が進むにつれて、私は三木監督の頭の中で描いていることに少しでも近づきたい!という使命感のようなものが芽生えていました。誰も観たことがないような映画を、三木監督と作り上げよう!と。お2人が演じたシンとふうかは、極端なキャラクター設定でしたが、役作りの上で工夫されたことは?阿部:役作りについて、よくインタビューされるんですけど、未だになんて答えていいのか分からないんです。どう答えたら、“この阿部サダヲの答えはシメたぞ!”て思ってくれるんだろう…(笑)ただこの作品に関していえば、世界観がしっかりとあったので、何か自主的に“こういうキャラクターにしよう”と考えて、取り組んだことは本当にないですね。細かいことにも気を使って頂き、衣装に関しても、僕が実際に組んでいるバンドとイメージが被らないように、革ジャンではなく、敢えてジャージを用意して頂いたりしていました。僕の普段の活動にまで配慮をして下さっていたので、役にも自然にすっと入り込むことが出来ました。吉岡:私は敢えてマイペースを貫くことに徹していました。共演しているキャストの皆さんのキャラクターがとにかく濃すぎたので、同じようなテンションでいると、自分のペースを見失ってしまうなと。周りの普通じゃないキャラクターを、あたかも普通のように冷静に受け止めて、自分の演技に集中するという感覚です。阿部:あ、その答えが正解ですね!(笑)癖の強いキャラクターばかりだから、逆にこちらは“役作らない”みたいなテンション。それぞれのキャラクターを演じる上で、難しかったことは?吉岡:私の場合、“大声を出してはいけない”キャラクターだったので、大きい声だからこそ伝わる言葉を、どのように表現するかということが一番の難問でした。例えば、ふうかが「私は気持ちを大事にしたいんです!」と、自分の熱い想いを打ち明けるシーン。これは大声で言う方が、観客の方にもストレートに伝わりやすいと思うのですが、私の場合、小さな声でダイナミックに表現しなければいけなくて。これが慣れるまでは本当に悪戦苦闘しました。阿部:僕は、キャラクターのシンとして歌うという場面は、本来なら難しかったと思います。どうしても僕の普段のバンド活動を意識してしまうので。けれど、幸いなことに、このシーンは、全ての場面を撮り終えた後撮影最終日に行われたんです。その為、作品を通して、僕はあの最後の瞬間シンとしてステージに立てることができたというか。自然にキャラクターに入り込んで、思い切り歌うことが出来ました。お2人の俳優業における強みを教えてください。阿部:俳優業に就く前に、いろんな仕事を経験していたことは、演技において強みかもしれません。色んな人の職業を経験しているから、その感情や動作を演技の上で活かすことができる。あとこれは少し変な話ですけど、ものすごく平均的な家庭で生まれ育った自分の生い立ちも最近は気に入ってます。昔は何故か複雑な家庭で育った俳優の方の方が、人生にある“深み”のようなものがあると感じていて。自分の平凡な生い立ちに対して、妙なコンプレックスを抱いていた時もあったんですよ。“どうしてうちは離婚していないんだ!”なんて変に親を逆恨みしたときもあったくらい。(笑)けれど今は、“普通”な僕だからこそ、届けられる演技もあるのかなって感じています。吉岡:私は関わった作品や共演者の方に対して、感謝の気持ちを忘れないこと。誰が何と言おうと、胸を張って全てが最高だったと誇ることができますし、それが次の作品に対する活力にも繋がっています。主演を囲む豪華キャスト勢ロックスター・シンのマネージャー坂口を演じるのは、映画『亜人』などヒット作の出演が続く千葉雄大。「尊敬する阿部サダヲ先輩とまたご一緒できたのも嬉しかったです。真剣に遊ぶ現場でした。」と阿部との思い出について語っている。また、「時効警察」をはじめ三木聡監督作品に多数出演する麻生久美子は、謎めいた女医に。ふうかの親戚・デビルおばさん役にはふせえり、シンの所属事務所社長役には田中哲司、ザッパおじさん役には松尾スズキと実力派俳優の登場も決まっている。主演2人の主題歌をHYDEとあいみょんがそれぞれ製作主演の2人それぞれが歌う主題歌にも注目。阿部サダヲ演じるロックスター・シンが歌う「人類滅亡の歓び」の作曲を、L’Arc~en~Cielやソロとして世界で活躍するHYDEが、同曲の作詞を、作詞家・音楽プロデューサー・作家として活躍するいしわたり淳治が担当。バックバンドとして、サウンドプロデュースなどで活躍するPABLOやRIZEをはじめ多数のバンドで活躍するKenKen、ロックバンド「FUZZY CONTROL」のSATOKOが、演奏と出演の両面から盛り上げる。吉岡里帆演じるふうかの歌う主題歌「体の芯からまだ燃えているんだ」の作詞・作曲は、新星シンガーソングライター・あいみょんが手掛けた。その他にも、「never young beach」の安部勇磨や、「チャットモンチー」の橋本絵莉子、「グループ魂」のギター“遅刻”としても活躍する富澤タクなどが挿入歌の作詞・作曲を手掛けるなど、豪華なアーティスト達が本作のサウンドを彩る。作品情報映画『音量を上げろタコ!なに歌ってんのか全然わかんねぇんだよ!!』公開日:2018年10月12日(金)出演:阿部サダヲ、吉岡里帆、千葉雄大、 麻生久美子、小峠英二(バイきんぐ)、片山友希、中村優子、池津祥子、森下能幸、岩松了、ふせえり、田中哲司、松尾スズキ監督・脚本:三木聡(『俺俺』、「時効警察」シリーズ)主題歌:SIN+EX MACHiNA「人類滅亡の歓び」(作詞:いしわたり淳治作曲:HYDE)/ふうか「体の芯からまだ燃えているんだ」(作詞・作曲:あいみょん)製作:映画「音量を上げろタコ!」製作委員会制作プロダクション:パイプライン配給・制作:アスミック・エース
2017年10月13日『インスタント沼』『俺俺』など独自のコメディセンスを持つ三木聡監督が原案・脚本・監督を手掛けるオリジナル映画『音量を上げろタコ!なに歌ってんのか全然わかんねぇんだよ!!』の製作がこのたび決定!主演に阿部サダヲ、ヒロインには吉岡里帆を迎え、11月より撮影を開始し、来年公開予定となることが明らかとなった。■あらすじ4オクターブの音域と、すべての人の心を打つ声量を持ち、金も女も名声も手にするロックスター・シン。しかし彼には誰にも言えない秘密があった。彼の歌声は、「声帯ドーピング」という掟破りの方法によって作られたものだったのだ。「歌を届けるためなら、もう声が出なくなってもいい、死んでもいい――」長年にわたる声帯ドーピングの副作用で、彼の喉には限界が近づいていた。次第に声が出なくなる恐怖に怯えるシン。そんな中で彼が出会ったのは、 歌声が小さすぎるストリートミュージシャン・ふうかだった。彼女の姿にかつての自分を重ね、ふうかを叱咤するシン。そんな中、シンは次第に声が出なくなっていく…。果たして、ふうかはシンを救えるのか!?■阿部サダヲのキャラクターモデルはマリリン・マンソン!?「ダウンタウンのごっつええ感じ」「タモリ倶楽部」「笑う犬の生活」「トリビアの泉」、近年では「ヨルタモリ」の総合演出など、バラエティ番組も数々手掛け、幅広いジャンルで活躍する三木監督が本作で作り上げるのは、何かと息がつまる現代社会に“歌”と“笑い”の力で風穴を開ける、ハイテンションロックコメディ。声帯ドーピングのロックスター・シンを演じるのは、『アンフェア』シリーズや『舞妓Haaaan!!!』『殿、利息でござる!』などに出演し、人気・実力を兼ね備えた俳優の阿部さん。今回このキャラクターを創り上げるにあたり、製作サイドが参考にしたのは、そのパフォーマンスが世界中を驚かせてきたマリリン・マンソンだという。劇中では奇抜で衝撃的な、いままで見たことのないメイク姿の阿部さんが見られるようだ。また、ヒロイン・ふうか役には、「ゆとりですがなにか」「カルテット」「ごめん、愛してる」など続々と話題作に出演し、注目を集める吉岡さん。映画やドラマでは一度も披露したことのない歌声を、劇中で初お披露目。現在絶賛特訓中であるギター演奏とともに奏でられる彼女の歌声と、豪華アーティストたちの提供による映画オリジナル曲にも注目だ。■目指すのは馬鹿馬鹿しいラブストーリー今回の決定を受け、「いつかは御一緒してみたいとずっと思っていた三木監督とお仕事出来るとは…」と喜びを噛み締めている様子の阿部さん。「これはどうやって撮るんだろうっていうところばっかり…ワクワクします」と撮影への期待を口にした。さらに、台本を読んで「絶妙な掛け合いに笑いが込み上げ、予測出来ない展開にワクワクし、ラストシーンではじんわりと胸が熱くなりました!」という吉岡さんは、「私の演じる明日葉ふうかという役は声があまりに小さなストリートミュージシャンです。でも私は歌もギターにも触れたことが無い人間です。ふうかになるべく0から作っていってます。殻を破るための殻作りをいましています。生の成長記録として、皆様の胸が熱くなれる様に全力を尽くしますのでどうぞよろしくお願いします」とコメントしている。一方、「目指すのは馬鹿馬鹿しいラブストーリー」だと言う三木監督。「この役を演じられるのは阿部サダヲ氏のほかには居ないと確信してる。演技面そしてロック的なアナーキー感、どこを取っても凄すぎる。阿部さんの歌を実際に聞いただけで、ぶっ飛びました」とコメント。また吉岡さんについては、「とても華奢な感じだけどこのカオスに平然と飛び込める強さと驚くべき集中力。話をしていても、パッと憑依するみたいに映画に集中する感じはいままで会ったことないタイプ。変ちゃ変な人ですよね吉岡さんは」と語った。さらに、未発表のキャスト陣についても「サブキャラクターもベストメンバー。もう、ちょっと怖いくらいですこの俳優陣」と明かしており、続報を心待ちにしたい。『音量を上げろタコ!なに歌ってんのか全然わかんねぇんだよ!!』は2018年、全国にて公開予定。(cinemacafe.net)
2017年10月10日俳優の阿部サダヲが映画『音量を上げろタコ!なに歌ってんのか全然わかんねぇんだよ!!』(2018年公開)に主演することが10日、わかった。女優の吉岡里帆がヒロインを務める。同作は監督・脚本を三木聡が務めるオリジナル作品。驚異の歌声を持つロックスター・シン(阿部)だが、実は彼の歌声は、「声帯ドーピング」というタブーな方法によって作られたものだった。限界が近づく喉に焦るシンは、異様に声の小さなストリートミュージシャン・ふうか(吉岡)に出会う。ロックスター・シンのキャラクターとして製作サイドが参考にしたのは、そのパフォーマンスが世界中を驚かせてきたマリリン・マンソン。阿部は自身も「グループ魂」のボーカル・破壊として活躍するが、今回は奇抜で衝撃的なメイク姿でカリスマロックスターを演じる。また、吉岡演じるヒロインのふうかは歌声を披露。現在ギター演奏も特訓中で、豪華アーティストたちの提供による映画オリジナル曲を披露する。11月から撮影を開始し、2018年に公開予定のハイテンションムービーとなる予定だ。三木監督は「目指すのは馬鹿馬鹿しいラブストーリー」と説明し、「この映画に参加してくれてるメンバーのキャラは濃い、俳優、ミュージシャン、スタッフ、どこを取ってもキャラ濃すぎる人材ばかりで胸焼けしそうだ」と語る。阿部については「演技面そしてロック的なアナーキー感、どこを取っても凄すぎる。阿部さんの歌を実際に聞いただけで、ぶっ飛びました」と印象を明かした。また、阿部に立ち向かう吉岡については「まぁ大変でしょう。でも大丈夫、とても華奢な感じだけどこのカオスに平然と飛び込める強さと驚くべき集中力。話をしていても、パッと憑依するみたいに映画に集中する感じは今まで会った事ないタイプ。変ちゃ変な人ですよね吉岡さんは」と絶賛。未発表のサブキャラクターについても「ベストメンバー」と表し、「もう、ちょっと怖いくらいですこの俳優陣」と自信を見せた。○阿部サダヲコメントいつかは御一緒してみたいとずっと思っていた三木監督とお仕事出来るとは……嬉しいです。しかもロックコメディ‼ ワクワクします‼ 台本を読んで、これはどうやって撮るんだろうっていうところばっかり……ワクワクします‼吉岡里帆さんはお会いした事ないですけど、どんなふうかを見せてくれるのか、とても楽しみです。よろしくお願いします。○吉岡里帆コメント「音量を上げろタコ! なに歌ってんのか全然わかんねぇんだよ!!」頂いた企画書の頭に書かれていたタイトル。これが私には映画の題でありながら、突然贈られてきた激励のメッセージの様に見えました。台本を読み進めていくと、絶妙な掛け合いに笑いが込み上げ、予測出来ない展開にワクワクし、ラストシーンではじんわりと胸が熱くなりました!昔から大好きだった三木聡監督の作品に出られること、監督のピュアで真っ直ぐな台詞を発せられること、ただただ嬉しく台本を抱きしめたくなりました。そして同時に背筋が伸びました。私の演じる明日葉ふうかという役は声があまりに小さなストリートミュージシャンです。でも私は歌もギターにも触れたことが無い人間です。ふうかになるべく0から作っていってます。殻を破るための殻作りを今しています。生の成長記録として、皆様の胸が熱くなれる様に全力を尽くしますのでどうぞよろしくお願いします。
2017年10月10日映画主演の俳優・妻夫木聡が、編集者・妻夫木聡として現れた!妻夫木聡さんが編集者として座談会の仕切り、取材を担当。総研メンバーへ編集者の正体は知らせずに、企画進行!映画の公開を記念して、特別先行試写会を開催!という名目で集められた5人のanan総研メンバーたち。でも実はこれ、試写会場に本物の妻夫木さんが現れるという超豪華サプライズ企画。試写終了後、こっそり会場入りして後ろの席に座っていた妻夫木さんを発見すると、総研メンバーは驚きのあまり絶句。「どうも。本物の妻夫木聡です!」とご本人にご挨拶していただいたところで、「きゃ~~!!」とみなさん一斉に事態を把握した様子…。妻夫木さんにはアンアンの編集者として、映画の感想から恋のお話まで総研メンバーにインタビューしていただきました。anan総研メンバーに映画の感想から恋愛事情までインタビュー!!妻夫木:今日はお集まりいただき、どうもありがとうございます。映画は面白かったですか?佐藤:ずっと笑ってました!妻夫木:僕が演じたコーロキくんという男はどうでした?佐藤:自分の気持ちにまっすぐで素直でいい人だなって。妻夫木:ストレートに思いをぶつけてくる男は嫌いじゃない?布川:すごくいいと思います!妻夫木:面倒くさくならない?新井:好きな人なら大丈夫です。妻夫木:みんなの周りにも直球でくる男の人はいますか?鷲巣:日本人ではあんまりいないよね…?五位渕:うん、いない。妻夫木:待って。みんな外国人と付き合ってるの?(笑)鷲巣:いえいえ、そういうイメージなだけです(笑)。妻夫木:あそこまで「今、何してるの?」って頻繁に連絡してくるのもイヤじゃない?佐藤:私はイヤです(笑)。妻夫木:毎日連絡取らなくても大丈夫なんだ?佐藤:全然大丈夫です。布川:私も大丈夫。妻夫木:それで3日くらい連絡してこなかったとしても、「なんであいつ連絡してこないんだよ!」とは思わないの?布川:…思っちゃうかも(笑)。妻夫木:思うんじゃん!!(笑)布川:3日はさすがにイヤですけど、1日1回必ずLINEするとか、決め事みたいにはしたくないなって。妻夫木:なるほどね。この映画は男性目線で描かれてるけど、他にも男の生態のこんなところにびっくりしたって思うところはありますか?佐藤:男性もLINEの未読、既読を気にするんだなって。妻夫木:意外と女々しいってことだね(笑)。鷲巣:返事がきてないのに、何回も画面開いて確認するところが気持ち悪いなって(笑)。妻夫木:僕が若いときにLINEがなくて本当によかったわ…。絶対、何回も見ちゃうもん。コーロキくんと同じように、画面スクロールしたら、既読になるような気がして(笑)。一同:あはははは!布川:あと、意外と仕事にも恋愛を持ち込んじゃうんだなって思いました。妻夫木:仕事に持ち込むのはダメだよねぇ。仕事に持ち込むと男はだいたいダメになるからね。でもそうなっちゃうときもあるでしょ。女性はないの?布川:意外と女性のほうが切り替えられてる気がします。五位渕:私は結構、仕事中も考えちゃったりするけどなー。妻夫木:それくらい忘れられない恋ってしたことないの?鷲巣:私は完全にリセットして次に行くので、以前の恋はほとんど覚えてないです。妻夫木:じゃあ、もらったものとかも全部捨てるタイプ?鷲巣:……。妻夫木:捨ててねぇな(笑)。鷲巣:捨てられないです(笑)。妻夫木:じゃあさ、元カレには自分との思い出を全部取っておいてもらいたいと思う?布川:何も考えずに、しれっと捨ててほしいです。妻夫木:自分があげたものとか、全部ダンボールに入れて返されたらどう?佐藤:めっちゃきもい(笑)。新井:返されたら悲しい…。五位渕:迷惑だよね。妻夫木:あははは!なんでこれを聞いたかっていうとね、僕は、高1のときにダンボールに入れて持っていったことあるの。元カノの家まで。どうしたらいいかわからなくて(笑)。一同:えーーーーー!!!!!!妻夫木:続いて(笑)、水原希子ちゃんが演じたあかりはどう思った?女性からすると魔性の女に見えると思うけど、僕は清々しいまでのかっこよさみたいなものを感じたんだけど。佐藤:たしかに、途中まではこういう子、結構いそうだなって思いましたけど、あそこまで潔い人ってなかなかいないかも。布川:サバサバしてるよね。妻夫木:自分にもあかり的な要素はあると思う?布川:転がしたい願望はあります(笑)。あそこまで何人もの男の人から同時に愛されるってことは、それだけ魅力があるってことだと思うので。鷲巣:あれはどこまでが天然で、どこからが計算なんですかね?妻夫木:うーん、計算なのかなぁ?あかりがなんでイヤな女に見えないかっていうと、全部あかりの中で筋が通ってるからだと思うんだよね。複数の男性に気を持たせてるのも、キープしておきたいからじゃなくて、相手に幸せを与えてあげたいからなわけで。そのときそのとき、相手に言ってたことも嘘じゃなくて本心だし。まぁそれが計算ってことなのかもしれないけど。新井:すごく頭がいいなって思いました。恋愛だけじゃなくて、絶対仕事もできるだろうし。妻夫木:憧れる?新井:人の心を読むスキルは身につけたいなって思いました。五位渕:急に男の人の手を握ったりするのも、勉強になりました。あんなことできたら絶対モテるじゃないですか!妻夫木:俺は「コイツ誰にでもやってるな」って思っちゃうけどね(笑)。実際に女性は、ボディタッチとか意図的にアピールすることはあるの?布川:本当に好きな人だったらすると思います。五位渕:うん。する、する。妻夫木:そうなんだ~。ってなんか、世間話みたいになっちゃってすいません。僕もいろいろ勉強になりました。もう勉強しても仕方ないんですけど(笑)。布川:こちらこそ、今日はお会いできて本当に光栄でした!鷲巣:妻夫木さん、爽やか!!新井:すごくお話もお上手でびっくりしちゃいました。五位渕:そしてお肌がきれい!!妻夫木:やばい。ここにきて急に緊張してきた(笑)。佐藤:すごく楽しかったです!妻夫木:今日はこちらこそ、どうもありがとうございました!つまぶき・さとし1980年12月13日生まれ、福岡県出身。‘98 年、ドラマ『すばらしい日々』で俳優デビュー。昨年公開の映画『怒り』で、‘17年度日本アカデミー賞最優秀助演男優賞を受賞。妻夫木聡・編集者デビュー!『奥田民生になりたいボーイと出会う男すべて狂わせるガール』スピンオフ『MALET.』980円(小社刊)が好評発売中!五位渕のぞみさん 30歳・会社役員、佐藤由佳さん 24歳・会社員、布川桃花さん 23歳・モデル、新井まるさん 30歳・webマガジン「Girls Artalk」編集長、鷲巣善美さん 31歳・接客業。※『anan』2017年9月13日号より。写真・岩澤高雄スタイリスト・望月 唯ヘア&メイク・勇見勝彦(THYMON Inc.)取材、文・菅野綾子(by anan編集部)
2017年09月10日“誘うカラダ”を表現した水原希子さんと、そんな彼女に誘引される男を演じた妻夫木聡さんのお二人に話をうかがいました。背中からヒップへの曲線は、自分のカラダの中でも魅せどころ。これほど見事な肢体を前に、本能に抗える男などいるのだろうか。長くまっすぐ伸びた手脚など、その造形美はいうまでもなく、水原希子さんのカラダには、見る者を惹きつける圧倒的なオーラがある。「外見的な部分では、エクササイズなどをして自分の理想の体型に近づけていくことができると思うんです。でも、美しいカラダって、それだけじゃないような気がしていて…。やっぱりメンタルも、見た目には影響してきますよね。ヘルシーな内面があってこそ、女性のカラダはより魅力を増していくんじゃないでしょうか」今回の撮影では、妖艶に、そして男女の張りつめたムードたっぷりに“誘うカラダ”を表現してくれた水原さん。そんな彼女に誘引される男を演じたのが、映画『奥田民生になりたいボーイと出会う男すべて狂わせるガール』で水原さんと共演している妻夫木聡さん。「女優でありトップモデルでもある希子ちゃんは、自分のカラダの魅せ方を知り尽くしている印象。彼女が下着姿でベッドに横たわっているシーンでは、希子ちゃんが腰のあたりでくねらせていた指先を、僕は無意識のうちに目で追っていたという(笑)。そういうポイントとなる仕草にも、男は弱い気がします」と、妻夫木さん。折しも水原さんが『奥田民生になりたいボーイ~』で演じたあかりは、次々と男性を翻弄する小悪魔系の女の子。こっそり耳打ち、カラダを密着、お尻ふりふりなど、男心をくすぐる仕草が満載。「とくにこの映画では、お尻を強調することが多かったですね。大根(仁)監督が私のお尻を気に入ってくださっていて、監督とつながったのも、実は篠山紀信さんに撮っていただいたバックショットの写真がきっかけと言っても過言ではないほど(笑)。私も自分のお尻はチャームポイントだと思っていて、背中からヒップにかけて綺麗な曲線が出るように、脚を後ろに蹴り出すエクササイズや、スクワットなどを極力取り入れています。あとはヨガの先生にヒップアップ中心のメニューを組んでもらって、それをやったりしています」お尻のほかにももう一つ、好きなパーツがあるという。「それは肩です。首筋から肩へのなだらかなラインによって、服が綺麗に着られるというか。ケアというほどではないかもしれませんが、ストレッチポールの上に背中をあずけるように寝そべって、肩を開くことはよくしています。せっかくカラダをシェイプしても、姿勢が悪かったり、歪みがあったりしては台無しですからね」水原さんといえば、モデルとしての活躍も目覚ましい。カラダを魅せるうえで、ファッションからのアプローチも気になるところ。「プライベートでは、ショート丈のトップスでお腹をチラ見せするのが基本。あとはミニスカートで脚をバーンと出すとか、肌はどこか露出していたほうが、スタイルがよく見えて好きですね。でも、ここまで潔く出すと、モテより萎縮する男性のほうが多いかも(笑)」つまぶき・さとし1980年12月13日生まれ、福岡県出身。9月16日に公開される大根仁監督の映画『奥田民生になりたいボーイと出会う男すべて狂わせるガール』に主演。みずはら・きこ1990年10月15日生まれ、米国出身。モデルの活動と並行し、2010年、映画『ノルウェイの森』で女優デビュー。“民生ボーイ”では、甘え上手のプレスを演じている。【水原さん】ジャケット 参考商品カラー¥45,000(共にエンポリオ アルマーニ/ジョルジオ アルマーニ ジャパンTEL:03・6274・7070)ブラトップ¥6,500〈ショーツとセット価格〉ガーター¥3,800(共にラヴィジュール/ラヴィジュール ルミネエスト新宿店TEL:03・3358・7790)ショーツ¥15,000(ウォルフォード/福助TEL:03・3797・3890)イヤリング¥34,000(ジーヴィージーヴィー/ケイスリー オフィスTEL:03・3464・5357)コルセット¥31,200(コリーダ コルセットTEL:03・5468・9339)リング¥19,000(ラダ/ヴィア バス ストップ ミュージアムTEL:03・5459・1567)サングラス¥52,000(トム フォード/トム フォード ジャパンTEL:03・5466・1123)タイツはスタイリスト私物/ドレス¥290,000シューズ 参考商品(共にトム フォード/トム フォード ジャパン)タイツ¥5,800(ウォルフォード/福助)/ドレス¥1,297,000〈参考価格〉(マーク ジェイコブス/マーク ジェイコブス カスタマーセンターTEL:03・4335・1711)イヤリング¥29,000(ロドリゴ ニューヨーク バイ ロドリゴ オタズ/エム&アソシエイツTEL:03・6451・1481)タイツ¥5,800(ウォルフォード/福助)/ガウン¥198,700(ラペルラ/ラペルラジャパンTEL:03・6438・9700)ショーツ¥15,000(ウォルフォード/福助)ガーター¥3,800(ラヴィジュール/ラヴィジュール ルミネエスト新宿店)タイツは本人私物シューズ¥84,000(ジミー チュウTEL:03・5413・1200)【妻夫木さん】ニット¥61,000(ヴェルサーチ/ヴェルサーチ ジャパンTEL:03・3569・1611)パンツ¥26,000(ポール スミス/ポール・スミス リミテッドTEL:03・3478・5600)ベルト 参考商品(トム フォード/トム フォード ジャパン)ネックレス¥179,000(ファイブサーティーパーク/ファイブサーティーパーク ウェブストア)/シャツ¥56,000(ディースクエアード/ディースクエアード 東京TEL:03・3573・5731)ネックレス¥179,000¥80,000リング¥200,000(以上ファイブサーティーパーク/ファイブサーティーパーク ウェブストア)※『anan』2017年9月13日号より。写真・ホンマタカシスタイリスト・SHUN WATANABE ヘア&メイク・TAKU(水原さんヘア)、佐伯裕介(水原さんメイク)、勇見勝彦(THYMON Inc./妻夫木さん)インタビュー・保手濱奈美(by anan編集部)
2017年09月06日長年、当事者にとって封印されていた実話を映画化した時代劇『殿、利息でござる!』の初日舞台あいさつが5月14日に、都内で行われ、阿部サダヲ、瑛太、妻夫木聡、竹内結子、千葉雄大、松田龍平、中村義洋監督、原作者の磯田道史氏が登壇した。初日舞台あいさつ・その他の写真重税が原因で、夜逃げや破産が相次ぐ江戸中期の仙台藩を舞台に、宿場町を心配する造り酒屋の穀田屋十三郎(阿部)が、町一番の知恵者・菅原屋篤平治から「藩に大金を貸し付け、その利息を巻き上げる」という驚きの復興計画を聞かされ、一丸となり元手1000両(現在の約3億円)をかき集めようと奮闘する。主演を務めた阿部は「こんな話が実在し、長い間知られていなかったなんて信じられない」と今も驚きを隠せない様子。役作りのために「プチ断食した」そうだが、「こういうことは本来、言わなくていいですよね」と映画が描く“慎み”の精神をアピールした。妻夫木は、阿部の弟を演じ「似ていないのが心配だった」(妻夫木)、「それはみんな、分かっている(笑)。お芝居なんだから」(阿部)。念願だった中村組に初参加し「あとで話を聞いたら、以前から中村監督には4回ほどオファーをいただいていたそうで…。ホリプロめ」と所属事務所への恨み節を披露し、笑いを誘った。また、瑛太は『アヒルと鴨のコインロッカー』以来、中村監督とは約9年ぶりのタッグで「今回は難しい役どころで、中村監督も僕に厳しかった」と思わず本音。「確かに瑛太とは、結構やり合った。怒っていた?」(中村監督)、「いや、怒ってはいないです…」(瑛太)と息の合ったやりとりを見せていた。『殿、利息でござる!』公開中取材・文・写真:内田 涼
2016年05月14日俳優の妻夫木聡が3月31日(木)、東京・六本木ヒルズで行われた「サッポロ生ビール黒ラベルパーフェクトデイズ2016」開催記念イベントに出席した。「サッポロ生ビール黒ラベル エクストラブリュー」が4月12日(火)より数量限定で発売されることに先駆け、全国8都市で開かれる大規模試飲イベント。本商品は麦芽を100%使用し、喉ごしの旨さと爽快な後味を追求しており、黒ラベルのメインキャラクターを務める妻夫木さんは、お客様第1号として登場すると本商品の樽生の試飲を行った。「黒ラベルの樽生は飲んだことがないので楽しみです」と語る妻夫木さんは、ビールが注がれたグラスを渡されると、思わず頬が緩み、「今一瞬、イベントのこと忘れました」とポロリ。そしてグビグビと喉を潤すと、「営業じゃなくて、これは本当に美味しい。やっぱり生ビールって美味しいですね」とニッコリ。その後も「カメラの前でビールを飲むのがなんとなく気が重いなぁ」と言いながらも飲み続け、「旨い!」と目を細めていた。この日は、妻夫木さんが出演するTV-CMも初お披露目された。CMキャラクターを務めて7年目を迎えた妻夫木さんは、「こんなに長くやらせていただけるとは夢にも思っていなかったのでうれしいですね」としみじみ。当初、20代だった妻夫木さんは「35歳になっちゃいましたね。そろそろ僕自身が大人になれっていう話になってきたんですけど」と照れた笑みも見せる。しかし、着実に大人の階段を上り続けている妻夫木さんは、4月より大人の仲間入りをするフレッシャーズへ向けて、「新しく仕事をする時は今でも緊張や不安があるし、初めての仕事で挫折感を味わって俳優業がスタートしたけど、あの挫折がなかったら今の自分はなかった」と自身のエピソードを交え、「一歩踏み出さないと何も始まらないので、失敗を恐れず進むことが何より大事」と力強くエールを送った。「パーフェクトデイズ2016」は3月31日(木)より東京・六本木を皮切りに順次開催。サッポロ生ビール黒ラベル新TV-CM「黒ラベル2016年宣言篇」は4月1日(金)から、「黒ラベルエクストラブリュー篇」は4月12日(火)から全国放送。(text:cinemacafe.net)
2016年03月31日『ソラニン』『くちびるに歌を』を手がけた三木孝浩監督を特集する上映イベント「三木孝浩 filmo day ~音楽と映画~」が、11月8日(日)に開催されることがこのほど決定した。『僕等がいた』『ホットロード』『アオハライド』など、恋愛青春映画の名手として大ヒット作の多くを手がける三木監督。映画監督デビュー5周年を記念して実施される本イベントでは、ミュージックビデオ監督出身の三木監督にとって長編映画デビューとなった『ソラニン』をはじめ、山崎賢人が初映画出演にして主演を務めた『管制塔』、初めて“ラブストーリー”ではない本格的な“人間ドラマ”に挑んだ『くちびるに歌を』の、どれも音楽をモチーフにした3作品が上映される。中でも『管制塔』は、2011年の公開当時、ロケ地である稚内での先行上映と東京・大阪にてわずか2週間しか上映されず、ニューヨーク・ロンドン・ノルウェー・シカゴでの国際映画祭で高い評価を受けた作品であり、今回の劇場での上映は貴重な機会となる。『ヒロイン失格』『orange』と公開作が続く山崎さんが披露する初々しい演技と歌声も見どころだ。三木監督は今回のイベント開催に際して「昨年、『くちびるに歌を』を撮り終えて、ふとこれまでの自分を振り返った時に、あぁやっぱり自分の作品は音楽によって背中を押されてるんだなぁと実感する瞬間がありました。音楽が翼になって、見たかった風景(シーン)を求めて旅をする。それは MVディレクター時代から変わらない自分の創作の源でもあります。そうして創ってきた映画たちを、今回あらためて皆さんに観ていただける機会ができたことをとても嬉しく思います」とコメントしている。また、イベントでは三木作品出演者からの映像コメントをスクリーンで上映するほか、ゲストを招いての舞台挨拶、三木監督作品のパッケージ販売、さらに三木監督のサイン会も開催される。作品ごとに出入りは自由となっており、音楽ライブフェスのような映画上映ベントとして、ぜひチェックしてみて。「三木孝浩 filmo day ~音楽と映画~」は11月8日(日)、渋谷ユーロライブにて開催。(text:cinemacafe.net)
2015年10月13日ASIAN KANG-FU GENERATIONやORANGE RANGE、いきものがかりなど、数多くのアーティストのミュージックビデオを手掛ける三木孝浩監督。映画監督デビューを飾った『ソラニン』以来、能年玲奈主演の『ホットロード』、本田翼&東出昌大主演の『アオハライド』など、青春映画の新たな名手として着実にフィルモグラフィーを更新し続けている。15歳だったすべての人へ――。そんな印象的なキャッチがつけられた三木監督の最新作『くちびるに歌を』は、今15歳という年齢を迎える子どもたちや、かつて15歳だった私たち大人の心を、確かな感動で包み込むような素晴らしい作品に仕上がっている。乙一の変名として知られる中田永一による原作小説は、アンジェラ・アキ「手紙 ~拝啓 十五の君へ~」を物語の主軸に、アンジェラさんが長崎県・五島の中学校を訪ねたテレビドキュメンタリーがもとになっている。原作を読んだ三木監督は、映画化への強い思いを抱いたそうだ。「ああそんなことに悩んでいたなあというような、自分が15歳だったときの気分を思い出させてくれた作品だったんです。だから自分の実体験も重ねやすかったですし、すごく自分で映画化したいなと思いました」。撮影に入る前に、ひとりでロケハンを行ったという三木監督。舞台となった長崎県・五島の透き通るような海の青と、生き生きとした緑が視界に飛び込む美しいショットの数々が映し出されている本作は、三木監督が「手紙」からイメージされる風景を自らの足で探し、イマジネーションを膨らましていったそうだ。本作の何よりの魅力は、合唱に夢中になって挑む子どもたちの真摯な姿だろう。仲村ナズナ役の恒松祐里や桑原サトル役の下田翔太をはじめ、今後この作品が機転となり活躍していくであろう子役たちが、演じる役とともに成長する姿を生き生きと感じることができる。映画制作において子役の演出は難しいと言われることがしばしばあるが、三木監督はその行程が楽しかったと語る。「むしろ大人に芝居をつけるよりも楽しいですね。すごく変化や成長しやすい時期ですし、“1”言ったら“5”も“10”も自分の中で考えてくれていたりするので。これだけ人数がいると、それぞれの相互作用があって、ひとりの子がいい芝居をすると、それに引っ張られるように周りもいい芝居をしたりとか、その影響し合う姿を観ても面白かったですね」。『ソラニン』『管制塔』と同様、ひとつの楽曲が物語の主軸となり、“未熟”な登場人物たちが、音楽を通して成長していく様を描く本作。だからこそ、クライマックスにおける演奏シーンが観るものの心に感動をもたらすのだが、過去作品を振り返りながら、合唱がテーマとなった本作の演出の裏側について三木監督は明かす。「みんなほぼ合唱に関してははじめてだったので、一から練習して本番に向けて頑張りました。そこが実は撮影の狙いでもあって、子どもたちが役者として成長していく姿と、この子たちが物語の中で成長していく姿というのが、撮りながらリンクしていくといいなと思ったんです。役者として合唱を練習していくその成長過程をちゃんとこの子たちが体感することで、物語の中でそれが投影されれば、すごくリアルにできるんじゃないかと。それは過去の作品にも言えるのですが、音楽単体で聞くよりも、物語のキャラクターをそれぞれ知った上で歌を聞くと、よりその歌が深く聞こえるというのはどの作品にも共通する部分だと思います。この作品も、最後に合唱する姿を観て、それぞれのキャラクターのいままでのことを思いながら、歌詞にその子たちの気持ちが乗って歌ってるんだということを、観たひとが想像してくれたらいいなと思っています。合唱っていうのは、たぶんそれぞれの悩みはあるけれど、一緒に歌うことでその子たちの救いになっているというのが、言葉での説明ではなく、観てるひとの体感として感じてもらえる効果があるんじゃないかなと思いましたね」。子役のキャスト陣に対して、大人側のキャストには木村文乃や桐谷健太といった魅力的な配役はもちろんだが、本作のもうひとつの大きな見どころとしてあげられるのは、やはり主演を務めた新垣結衣のキャスティングだろう。印象的な彼女の笑顔が封印され、まったく笑わないクールな柏木ユリ役を新垣さんが演じる本作は、観るものに新鮮な意外性と、新垣さんの新たな魅力を感じさせる。三木監督はそんなキャスティングへの“戦略”を語った。「毎回キャスティングするときに、特に女優さんは、いままでにない表情を切り取りたいなと思っていて、パブリックイメージと逆のキャスティングをしています。それが観ているひとの予想を裏切ったり、逆にギャップを感じさせることで、共感度が増すと思うんです。今回も、パブリックイメージ的には明るくて元気なイメージがある新垣さんにあえて笑っている姿を封印してもらうことで、どこかでドキッとするというか、“あれ、いつも笑っているひとが笑っていない”という負荷がかかっている状態で観てもらうことで、なぜそうなんだろうと能動的に想像してもらう。もしかしたら、普段は明るく見えている新垣結衣本人にもそういう一面があるんじゃないかと思ってもらえたら“勝ち”かなと思っているんですね。それが柏木ユリを演じてもらう上で実は大事なポイントだった気がしますね。特にあんまり自分の気持ちを吐露するキャラクターではないので、柏木は子どもたちを今観てどう思ったんだろうとかどう感じたんだろうと想像しながら柏木ユリが再生していく様を観てもらえればと思いました」。錆びてぼろぼろの車や折りたたみ式のガラケーなど、ユリの人物造形における細部に至るまでの設定が、柏木ユリという人物をなんとも実在感のあるキャラクターに仕上げることに成功しているのだが、実は柏木ユリ人物造詣の多くは映画オリジナルのもの。そこには、三木監督の並々ならぬ思いが注がれていた。「実は、原作はほとんど中学生それぞれの話なので、柏木ユリ自体のキャラクター造形や、柏木先生の視点は深く掘り下げられてないんです。ですが、物語のベースになっているアンジェラ・アキさんの『手紙』が、歌の一番が十五歳の自分が大人の自分に宛てて書いた手紙、二番が大人の自分が十五歳に向けて書いた手紙という構成になっているので、映画自体も十五歳の視点と大人の視点というのを相互に作用させられるような構成にしたいなと思いました。なので、柏木先生については、折りたたみケータイに執着してるところとか、映画オリジナルですごく膨らませた部分があります」。本作の人間ドラマとしての魅力は、三木監督が柏木ユキという主人公に仮託した大人の目線に他ならない。これまでの作品では、どちらかといえば物語の中で成長していく“子ども”の主人公たちに目線に寄り添ったかたちが多かった三木監督だが、本作における「手紙」の構成になぞらえて描かれた二つの視線は、本作をさらに感動的に演出している。そしてそんな柏木ユキの人物造形への思い入れは、三木監督自身が親になったことが大きいようだ。「今回視点の変化っていう部分では、自分が親になったっていうのがすごくありますね。今回の映画の中で中学生だけの視点だけじゃなくて、柏木先生というのを強く入れたかったというのはその部分で。撮影前の取材やオーディションをしたり準備をする中で、子どもたちの成長をみて自分がハッとさせられる瞬間っていうのが多かったんですね。子どもたち視点っていうのはもちろん大事なんですけど、子どもたちが成長する姿を観る大人がどう感じるかっていう方が、この作品を描く上では逆に一番重要なんじゃないかなと思ったんです。だからこそ、柏木先生が大人の代表として子どもたちの姿をみることで変化していくっていうのは、一番共感してもらえるんじゃないかなと思いました」。現在5歳と2歳の二人のお子さんがいるという三木監督。演出の際にも、自分の娘が十五歳ぐらいになったらどんな悩みを持つのか想像しながら作ったのだそう。本作に溢れる暖かい目線は、父親としての三木監督のひととなりが現れているからこそなのかもしれない。「今後残っていく作品にしたい」と思い制作したという本作を経たいま、今後の展望について語ってもらった。「映画の中で成長だったり再生だったりを描くのが、毎回自分の中でテーマになっていて、ジャンルは変わっても今後もそれがモチーフになるのは変わらない気はしますね。そこが愛おしいというか、未熟だったり未完成な人間が、それでももがきながら自分のあるべき姿を求めて頑張っている姿というのが、観る方としても感動しますし、作り手としてもそこを描きたいなと常々思っています」。人間ドラマの描き手として、今後の三木監督に期待したい。(text:cinemacafe.net)■関連作品:くちびるに歌を 2015年2月28日より全国にて公開(C) 2015 『くちびるに歌を』製作委員会(C) 2011 中田永一/小学館
2015年09月08日ヴイエムウェアは3月3日、副社長を務めていたジョン T. ロバートソン氏が代表取締役社長に、2005年10月から代表取締役社長を務めていた三木泰雄氏が代表取締役会長に就任すると発表した。三木氏は、「ジョンは2007年に入社したのだが、当時の従業員は30名弱。当時から、2人でヴイエムウェアを成長させるべく、奮闘してきた。社内でも『次の社長はジョン』と見られており、ようやくその時が来たことになる」と、今回の社長交代が規定路線だったことを明らかにした。三木氏の会長就任後のミッションは、「新規事業の開拓とパートナーとのリレーションシップの強化」となる。「パートナーの数はますます増えている一方、リレーションシップの強化が重要になってきている。こうした業務と社長としての任務を一人でこなすことは難しい」と、会長職への就任理由を説明した。ロバートソン氏は、2007年に入社後、5年にわたりエリア バイスプレジデントを務める。その後、2012年にVMware ASEANのバイスプレジデント兼ゼネラルマネージャに就任し、シンガポールを拠点にアジア地域のビジネスを開拓してきた。2014年にヴイエムウェアの副社長に就き、今回、社長に就任する運びとなった。ロバートソン氏は20年以上、日本で生活しているとのことで、日本語が堪能。発表も流暢な日本語で行われた。同氏は、2015年度の事業戦略について、「モバイルとクラウドへの対応が迫られる顧客の成功に向け、"One Cloud, Any application, Any Device”を実現する」と説明した。同社が目指すOne Cloud, Any application, Any Deviceとは、あらゆるデバイスからあらゆるアプリを企業のプライベートクラウドとパブリッククラウドから構成されるハイブリッドクラウドで利用することを可能にすることを意味する。また、ロバートソン氏はヴイエムウェア自身が「Japanese Heart」と「外資系mind」を兼ね備える「ハイブリッド企業」だと語った。「Japanese Heartは、例えば、チームワークのよさや顧客のための奉仕をいとわないところに表れており、また、外資系mindはグローバルのベストプラクティスを利用できるところにある」と同氏。今後は、社長として、「三木氏とのコンビネーションを続けていく」「vCloud AirやAirWatchといった新規事業への投資を積極的に行っていく」「これまで以上に離職率を抑えるため、女性活用を進め、ワークライフバランスを強化していく」といった3つの点に注力していくという。マイクロソフトも前日に社長交代を発表したが、現社長が会長に就任し、社長がカバーしきれない業務をサポートしていくという同様の内容の社長交代劇となった。ヴイエムウェアは、昨年、国内でパブリッククラウド「vCloud Air」を提供開始したが、それ以来、サービスプロバイダーとの付き合い方も変わってきているという。これまではサービスプロバイダーに対しソフトウェアを提供するのみだったのが、一緒になってクラウドサービスを開発する方向に向かっているとのことだ。ヴイエムウェアのほかにも、日本IBMやマイクロソフトも企業のハイブリッドクラウド活用の推進に力を入れており、競争はますます激化している。各社の社長交代が、今後どのような形でビジネスに影響を及ぼすのか、興味深い。
2015年03月04日「観客として、おもしろいものが観たいんですよね。なんか、ドキっとしたいんですよ」。サラリと、しかし確かな意思を感じさせる瞳で語るオダギリジョー。常に野心的な姿勢を貫いてきたオダギリが出演を即決したのが、俳優と(ストップモーション撮影による)人形の“Wキャスト”で話題の3D映画『Present For You』だ。ひとりの登場人物を役者と人形が演じ、ワンシーンの中に人間と人形とが入り混じる摩訶不思議な世界を楽しんだオダギリから伝わってきたのは“モノづくり”へのこだわりだった。その他の写真「パイロット版の映像を見せていただいたとき、『The World of GOLDEN EGGS』の臺(だい)佳彦監督らしい挑戦的でクリエイティブな世界観がすでに出来上がっていたんです。その主演に僕を考えてくれたことがとても嬉しかった。すぐに、やりますと答えてましたね」と笑うオダギリ。扮したのは、新橋にある怪しい健康食品販売会社で、ボス(夏八木勲)から送られてくる袋詰めの人間=プレゼントを処分する裏稼業を任された梶原役。「真面目に考えると、人形を使う意味もわからないし、ある種の馬鹿らしさもある(笑)。でもその馬鹿らしさが好きなんです。『時効警察』を一緒にやった三木聡監督の台本も馬鹿らしいんですよ、すごく。それを大人が一生懸命に作るっていうのが、すごく楽しいんですね。臺監督の世界には、エッジの効いた危険な感じのユーモアがあるし」。制作にあたり、オダギリもかなりの意見を出した。「モノづくりに興味があるので、どうしても関わろうとしてしまうタイプ」だというオダギリにとって、それは本作に限ったことではない。「どんな作品であっても、監督たちと話す中で生まれるものが大事だと考えているし、そこでアイデアを出して表現することが自分の価値だと思っているんです」。あくまでも、モノづくりに携わる手段が役者という道に繋がっているというオダギリだが、そうした姿勢が、彼を特別な俳優にしている。オダギリのモノづくりへのアンテナの冴えは、本作でも健在だ。『Present For You』2月7日(土)新宿バルト9ほか全国3D公開※取材・文・写真:望月ふみ
2015年02月05日日本の映画シーンでは、2013年は宮崎駿監督のスタジオジブリ作品『風立ちぬ』が圧倒的な強さを見せつけましたよね。興行収入では2位以下が2ケタ億円なのに、この作品だけは3ケタ億円をマーク。まさにひとり勝ちといった様相でした。そんな宮崎監督が引退宣言(3年ぶり5回目)をした映画界、2014年は誰がヒットメーカーとなるのでしょう。歯に衣きせぬトークが好評!芸能人もこぞってアドバイスを受けに行くという辛口鑑定師・魚ちゃんをはじめ、テレビや雑誌でもおなじみの人気占い師100人が大胆予想。今年大ヒット映画を作る強い運勢を持つ映画監督のランキングがこちらです!【今年大ヒット映画はこの人が作る!映画監督ランキング】1位園子温2位若松節朗3位ヴィム・ヴェンダース4位三木聡5位行定勲6位ガイ・リッチー7位ジョン・カーペンター8位ヴィンセント・ギャロ9位クエンティン・タランティーノ10位是枝裕和映画は国内だけでなく、世界にも市場が広がっています。世界的大ヒットを飛ばすことを考えると、やはり英語圏の監督のほうが言語の壁がないぶん有利かもしれませんね。3位に『ベルリン・天使の詩』のヴィム・ベンダースさん、6位に『スナッチ』のガイ・リッチーさん、7位はゴジラとAKB48の大ファンとしても知られる『遊星からの物体X』のジョン・カーペンターさん、そして8位に個性派俳優であり監督しても非凡な才能を見せつける『バッファロー’66』のヴィンセント・ギャロさん、9位は『キルビル3』に期待がかかるタラちゃんことクエンティン・タランティーノさんがランクインしています。すでに世界的な大ヒットを飛ばしている海外の監督たちに対抗することになる、日本映画界期待の星々。そのトップバッターとして最高の運勢の持ち主とされるのが、1位に輝く園子温監督です。現在52歳の園子温監督は、いわば早熟の天才タイプ。17歳の頃から『現代詩手帖』などに投稿し、自主制作映画でぴあフェルムフェスティバルのグランプリを受賞、そしてベルリン国際映画祭に正式招待されるなど、国内国外を問わずに活躍しています。海外評価がとても高いのが特徴ですから、運気の強さを味方につけて、世界的な監督として名を挙げることになるかもしれません。これまで『自殺サークル』、『奇妙なサーカス』、『愛のむきだし』など実験的ともいえる作風で映画ファンのハートをわしづかみにしてきた園監督ですが、今後はどのような作品を生み出していくのか期待が高まります。☆占い師さんからのコメント・自身の世界をアピールするのに絶好のチャンス期です。ちょっとマニアックな作品であっても、大きく評価されたり、受け入れられたりするでしょう。テレビでの活動を増やされるとより良い作品を作れそうです。家族を大切にしないと、仕事に影響が出てきそうですので、注意して下さい。(生田目浩美.先生│改運 姓名術)・今年は、勢いよく急成長するというよりも、これまでの実績を具体化して安定した形にしていくことで、大きく不動のものとなる。といった運気です。人と協調していく事は、先天的に能力は高いのですが、心の中の頑固さのようなものが表面化しますと、今の支援者は離れていくことも有りそう。しかしまた別の方の協力を得られるという徳運は、守りたいところです。(山倭厭魏先生│運命矯正鑑定)世界的に有名な監督が名前を連ねる中、特に気になるのは、2013年に亀梨和也さん主演の『俺俺』でウディネ・ファーイースト映画祭(イタリア)の観客賞を受賞した3位の三木聡監督です。イタリアのみならず、アメリカ、台湾、ロシアにシンガポールでも同作が公開され、世界的にも評価が高まっているところ。脱力系と称される独特のノリと不条理な展開、その中に感じられる「日本らしさ」が高評価のポイントのようですね。今年はクールジャパンはアニメだけじゃないんだと世界に知らしめてほしいものです。でも、宮崎駿監督がまた復帰しそうな気がするんだよなぁ…(笑)。(文=総合占術研究家橘のえる)100人の占い師が2014年の運勢を大予想!「2014年cocoloni超運ランキング」
2014年01月06日人気シリーズ完結の後編が「まだできていない!」と堤幸彦監督が自らが語り、その結末どころか公開の行方も心配されている(?)『SPEC~結(クローズ)~爻ノ篇』(11月29日公開)。その主人公、坊主頭の“キレ”キャラ・瀬文焚流を連続ドラマからおよそ3年間演じ続けてきた加瀬亮。一方で、『ペコロスの母に会いに行く』(11月16日公開)では、主人公・雄一の若かりし頃の父親役でまたひと味違った“キレっぷり”を披露している。その確かな演技力と、選ぶ役柄の振り幅の広さでファンだけでなく映画監督たちからも人気の俳優・加瀬亮、その魅力に迫る。鬼才・堤監督のもと、戸田恵梨香とのコンビでW主演を務めて早3年、自身最大のヒットシリーズとなった『SPEC』。数々の謎が明かされ、未曽有のクライマックスへと向かう完結編に、『~漸(ゼン)ノ篇~』初日舞台挨拶では「寂しさ半分、晴れやかな気持ち半分」と語るなど、かなり思い入れ強く瀬文を演じてきた加瀬さん。戸田さん演じる当麻にキレまくる、瀬文の仏頂面がこれで見納めかと思うと、確かに一抹の寂しさがある。だが一転、『ペコロスの母に会いに行く』では、神経症持ちの、線の細い父親役で仏頂面を披露する。認知症になった母・みつえ(赤木春恵)の夢想に時々現れる、雄一(岩松了)の父・さとるは、給料をすべて飲み代に使ってしまい、道ばたで寝てしまうような男。しかし、不器用にも息子を思う愛情はたっぷりな、何とも憎めない父親なのだ。出演シーンはそれほど多くないものの、原作ファンも納得する深い余韻を劇中に残している。幼少期をアメリカで過ごした帰国子女という、正真正銘の高“SPEC”な加瀬さんは、浅野忠信に憧れて役者の道へ。2000年に石井聰亙監督(現、石井岳龍/『シャニダールの花』)による『五条霊戦記』でデビュー。以後、人情喜劇の巨匠といわれる『ペコロス~』の森崎東監督の前作『ニワトリはハダシだ』(’04)など、様々な役柄で異彩を放ってきた。そんな中、加瀬さんの名を一気に知らしめたのは、やはりクリント・イーストウッド監督作『硫黄島からの手紙』(’06)と、周防正行・監督作『それでもボクはやってない』(’07)だろう。特に後者で見せた、平凡さや素朴さを体現する存在感は彼の持ち味でもある。しかし、北野武監督作『アウトレイジ』シリーズでは、それまでの“草食男子”のイメージを覆し、腹の奥底にある弱さを虚勢で隠しながら狂気を放つインテリ・ヤクザを見事演じてみせた。また語学が堪能なことも手伝ってか、映像鬼才ミシェル・ゴンドリーのオムニバス『TOKYO!<インテリア・デザイン>』(’08)や、ガス・ヴァン・サント監督作『永遠の僕たち』(’11)、さらにイランの巨匠アッバス・キアロスタミ監督の『ライク・サムワン・イン・ラブ』(’12)にも起用され、その活躍はワールドワイド。しかも今年の加瀬さんはこれまで以上の大活躍で、モヒカン頭で登場した『インスタント沼』の三木聡・監督作『俺俺』ではぴったり一九分けの斬新な髪型を披露したかと思えば、原恵一監督作『はじまりのみち』では『二十四の瞳』の名匠・木下惠介監督の若かりし頃を演じるという機会も得た。作品によってガラリと印象を変えることから“カメレオン俳優”とも形容される演技力に、名だたる鬼才、名匠、巨匠と呼ばれる監督たちから、ひっきりなしにお声がかかる加瀬さん。『SPEC』の瀬文という自身を代表する役柄に1つ区切りがついたことで、今後の活躍にますます期待が高まる。『SPEC ~結~漸ノ篇~』は公開中、『爻ノ篇』は11月29日(金)より公開。『ペコロスの母に会いに行く』は11月9日に長崎先行上映、11月16日より全国にて公開。(上原礼子(cinema名義))■関連作品:ペコロスの母に会いに行く 2013年11月9日に長崎先行上映、11月16日より全国にて公開(C) 2013『ペコロスの母に会いに行く』製作委員会劇場版 SPEC~結(クローズ)~漸(ぜん)ノ篇 2013年11月1日より全国東宝系にて公開(C) 2013「劇場版SPEC ~結~ 漸ノ篇」製作委員会/2013「劇場版SPEC ~結~ 爻ノ篇」製作委員会劇場版 SPEC~結(クローズ)~爻(こう)ノ篇 2013年11月29日より全国東宝系にて公開(C) 2013「劇場版SPEC ~結~ 漸ノ篇」製作委員会/2013「劇場版SPEC ~結~ 爻ノ篇」製作委員会
2013年11月07日アイドル・俳優・キャスターと様々な顔を持つ人気グループ「KAT-TUN」の亀梨和也が、1人33役を演じるという前代未聞の主役を務めた映画『俺俺』。ありふれた日常の中で、ありえない出来事が起こる、この“日常逸脱系サスペンス”から、ちょっぴり奇妙なニュースが届いた。原作は、第5回大江健三郎賞受賞の星野智幸による超リアル不条理小説。“俺の増殖”という奇想天外なストーリーを、人気TVドラマ「時効警察」や映画『インスタント沼』などで独自の三木ワールドを確立してきた三木聡監督が、亀梨さんと異色のコラボレーションで映画化させた。なりゆきでオレオレ詐欺をしてしまった主人公・均(亀梨さん)の前に、次々と同じ顔の“俺”が現れる。好みも考え方もまったく同じ“俺”だらけって最高に心地いいと思っていた均だったが、なかには“許せる俺と許せない俺”がいることに気づく。やがて増殖した“俺”同士の削除が始まっていき…。本作にはどこにでもありそうな風景の中で、個性を放つ存在となっているものがいくつか登場する。その中でも特に目を引くのが、均が住む街にある、さかずきのような奇抜な形の給水塔だ。付近の千葉県在住者にはもはやお馴染み(?)、写真を見てもらえれば分かるとおり、その不思議な形もさることながら、周りの風景との奇妙な違和感が魅力的と、“給水塔マニア”も高ぶるほど。三木監督は「虚無性のある構造物が物語の背景としてあるのも面白いんじゃないかと思って、ちょっと違和感のある給水塔を選んだ」と語る。不思議な魅力がつまったこの給水塔、実は本作で均が抱える“ある思い”を投影しているかのような、重要な役割を担っているのだとか。そんな日常の風景に溶け込んだ、個性的で「ちょっとおかしな何か」に目を向けたとき、“自分が自分であることの証の見つけ方”、そして“人はいかにして他者と向き合えばいいのか”という、普遍的な問いへのヒントに気づくことができるかもしれない。『俺俺』は、5月25日(土)より全国にて公開。(C) 2012 J Storm Inc.(text:cinemacafe.net)■関連作品:俺俺 2013年5月25日より全国にて公開(C) 2012 JStorm Inc.
2013年03月26日第5回大江健三郎賞受賞の星野智幸による超リアル不条理小説を、「KAT-TUN」亀梨和也を主演に迎えて映画化した『俺俺』。このたび、登場する人物すべてが亀梨さんという驚愕の特報映像がついに完成した。なりゆきでオレオレ詐欺をしてしまった主人公・均(=俺)の前に、俺と同じ顔の“別の俺”が現れ、世の中に俺が増殖していく奇想天外なストーリーが展開する本作。この日常逸脱系サスペンスというゆる~く不可思議な物語を手がけたのは、TVドラマ「時効警察」を始め、映画『インスタント沼』や『転々』で独自の三木聡監督。自ら脚本も担当し、おかしみにあふれながらも“自分大好き”な世の中を斬る現代社会を鋭く捉えたシニカルな作品となっている。そんな本作で、33人にもおよぶ多種多様な“俺”を演じた亀梨さんは、まさに今回は役者としての“挑戦”が伺える。公式サイトにて解禁された特報映像では、警官の俺、オタクの俺、チャラ男の俺、全身タトゥーの俺、そして極めつけは“巨乳の俺”…と実に様々な亀梨さんが登場する三木ワールド全開のユニークなものとなっている。まずは、公式サイトから『俺俺』の奇妙な世界観をたっぷり味わってみて。『俺俺』は2013年年5月25日(土)より全国にて公開。※こちらの予告編は『俺俺』公式サイトにてご覧いただけます。■関連作品:俺俺 2013年5月25日より全国にて公開©2012 J Storm Inc.
2012年12月13日人気TVドラマ「時効警察」や映画『インスタント沼』など、独自の笑いと世界観で多くのファンをもつ三木聡監督が、人気アイドルグループ「KAT-TUN」亀梨和也を主演に迎えて贈る最新作『俺俺』。このほど本作の前売り券の発売が決定し、その特典グッズとなる“33種類の俺”特製ステッカー(数量限定)の亀梨さん演じる“俺”たちの可愛いビジュアルが解禁された。なりゆきでオレオレ詐欺をしてしまった主人公・均(亀梨さん)の前に、“俺”と同じ顔の“別の俺”が現れ、世の中に俺が増殖していくという奇想天外なストーリーを描き出す。第5回大江健三郎賞受賞の星野智幸による超リアル不条理小説の映画化となる本作。前代未聞の33人の主人公“俺”を演じるのは、『映画 妖怪人間ベム』で人間になりたい妖怪人間役という複雑な役柄を演じるなど、役者としての幅を広げている亀梨さん。本作では、“アイドル封印”と思えるほどの様々な人物の役柄を見事に演じ分けている。さらに、ミステリアスなヒロインに内田有紀、イヤミな上司に加瀬亮ら実力派たちもその名を連ねている。今回お披露目となった可愛いビジュアルは、来年5月25日(土)の公開を前に発売される前売り特典として付いてくる“33種類の俺”特製ステッカー(数量限定)のもの。この“33種類の俺”が登場する本作にちなんで作成された特典には、ビジュアルからも分かる通り、主人公・均、そしてミリタリーマニアの俺、巨乳の俺、警察の俺などなどなど、亀梨さんがたったひとりで演じ分けたさまざまな俺の姿が!止まらない俺の「増殖」、俺同士のパラダイス「俺山」、そしてやがて始まる俺同士の「削除」。ありふれた日常の中で、ありえない出来事が起こる“日常逸脱系サスペンス”に注目だ。『俺俺』は、2013年5月25日(土)より全国にて公開。■関連作品:俺俺 2013年5月25日より全国にて公開©2012 J Storm Inc.
2012年11月30日人気TVドラマ「時効警察」や映画『インスタント沼』など、独自の笑いと世界観で多くのファンをもつ三木聡監督が主演に亀梨和也を迎えて贈る最新作『俺俺』。本作で亀梨さんと笑いを織り成す共演キャストとして、内田有紀と加瀬亮の出演がこのほど明らかとなった。郊外の家電量販店で働く、どこにでもいそうな主人公・均が、成り行きでオレオレ詐欺をしたことから“俺”が増殖していくという奇想天外なストーリー。均が勤める家電量販店に来店したことから彼と知り合い、奇妙な仕事の依頼をしてくるミステリアスなヒロイン・サヤカを演じるのは、三木組初参加となる内田有紀。自ら会社を持ち仕事をしている自立した女性でありながら、時に思わせぶりな言動で均を翻弄するキャラクターを軽やかに演じている。そして、加瀬亮が扮するのは均のイヤミな上司・タジマ。サヤカが自分に気があると自惚れる“面倒な男“という役柄だそうだが、三木監督と組んだ前作『インスタント沼』でのパンキッシュなヘアスタイルから一転、七三ならぬ九一に分けた髪型に挑戦しており、今回公開されたビジュアルからも強烈なキャラクターを予感させる。今回の抜擢について「以前より参加させていただきたかった三木組。私の演じる役(サヤカ)は不思議な女性の役なので、なるべく現実味があるような、ないような、ということを意識しました」と喜びを語る内田さん。一方、三木監督とは2作目のタッグとなる加瀬さんは本作を「ユーモアと毒のある奇妙な世界で、そしてその世界が今日の現実とも妙にリンクしている」と表現。「とにかく三木監督の映画なので、変な作品に仕上がるようにと思って演じていました。怒ってばかりで、変な役でしたけど、いじらしい人だなと思いました」と自らが演じるタジマの魅力を語る。また2人とも主演の亀梨さんを「バランスの取れた方、プロですね」(内田さん)、「素晴らしい方ですね。今回初めてだったのですが、何でもできる人なんだなと思いました」(加瀬さん)と大絶賛!このほか高橋惠子、キムラ緑子ら大物女優陣から三木組の常連であるふせえり、岩松了、松重豊、松尾スズキら個性派俳優陣も名を連ねる本作。三木監督独特のワールドで、それぞれの役者たちがどのような化学反応を見せてくれるのか、期待が高まる。『俺俺』は2013年、全国にて公開予定。■関連作品:俺俺 2013年、全国にて公開©2012 J Storm Inc.
2012年07月02日熊澤尚人監督×主演・岡田准一『おと・な・り』、中村義洋監督×主演・錦戸亮『ちょんまげぷりん』など、日本映画界で注目される監督と人気俳優のタッグでハイクオリティの映画を送り出してきたJ Storm MOVIE。その第9弾作品として、監督・三木聡×主演・亀梨和也が初タッグを結成!映画『俺俺』を製作することが決定した。TVドラマ「時効警察」や映画『転々』、『インスタント沼』などで独自の笑いの世界を確立し、国内のみならず海外でも熱狂的なファンをもつ三木監督が3年ぶりの最新作としてメガホンを握る本作。『俺俺』という奇妙なタイトルがまず興味をそそるが、郊外の家電量販店で働いているどこにでもいそうな主人公の均が、成り行きで“オレオレ詐欺”をしたことから“俺”が増殖し、とんでもない事態に陥っていくという奇想天外なストーリーになっている。原作は、第5回(2011年)大江健三郎賞を受賞した星野智幸の同名小説で、星野氏にとってはこれが初の映画化作品。三木監督が自ら脚本を手がける。この“俺”だらけの世界に当惑しつつも、やがて“俺”同士の心地よさに陶酔していく主人公の“俺”こと永野 均を演じるのが、『ごくせん THE MOVIE』など数々の映画やTVドラマに出演し、最近では「妖怪人間ベム」の好演も記憶に新しい亀梨和也!映画単独初主演となる本作で、ミリタリーマニアの“俺”、巨乳の“俺”、全身タトゥーの“俺”などなど…20人以上の“俺”に変身するという、役者としての新境地を開拓する。“俺”が増殖し、やがて“俺”同士の削除が始まる…という前代未聞の設定で「この不可解な役を演じられるのは亀梨氏しかいないと思えた」と言う三木監督。「俺は俺なのか?俺は俺として、別の俺は別のキャラクターなのか?そもそも俺とは何か?正直どうなるか、全くわからない。だからやりたいと思う。亀梨氏と私、そして共演者スタッフたちは映画の撮影終了時までに何か答えを見つけることができるのか?それとも映画の観客だけがその答えを見つけられるのか?」と自らに疑問をぶつける。三木監督と初タッグを果たす亀梨さんからは、「自分にとってすごく新しい挑戦だと思いました。『自分が増殖していく』という絶対ありえない設定ですが、決して非現実的社会ではなく、ものすごく現実に近いところで起こる、奇妙さがおもしろいと思いました。“俺”一人一人のキャラクターに個性があって、同じ部分や違う部分に注目してもらいたいです」とワクワク感の伝わるコメントが寄せられている。5月上旬にクランクインし、2013年の公開を予定している本作だが、まもなく開催されるカンヌ国際映画祭を皮切りに、海外セールスを開始することも決定!三木監督と亀梨和也の初タッグが海外でどのように広がっていくのか、期待が高まる。『俺俺』は2013年、公開予定。
2012年05月03日生田斗真、麻生久美子ら豪華キャストが出演する『シーサイドモーテル』の公開を記念して、日本映画専門チャンネルにて「ボクらの映画の作り方」と題して、本作の守屋健太郎監督と松尾スズキの対談が行われた。その模様がシネマカフェに到着!さらに、2人となじみが深い俳優の田辺誠一、三木聡監督からメッセージも。学生時代から松尾さんが主催する劇団「大人計画」のファンだったという守屋監督は、ある番組を通じて大人計画と関わり、その後、TVドラマ「噂の探偵QAZ」を演出した際に、松尾さんが出演。また、松尾さんについてのドキュメンタリー番組を守屋監督が演出したこともあり、取材を通じて監督は“松尾演出”を学んでいったという。守屋監督曰く「打ち合わせに行ったら、大人計画の事務所で車椅子に座らされて驚いた」。さらに2人は2006年に作られた「大人計画社歌」(詞:松尾さん/曲:グループ魂)のPVを共同演出。今回の対談ではこのときの苦労エピソードなども語られる。松尾さんの監督作『恋の門』には守屋監督が演出協力として参加し、逆に守屋作品の『スクールデイズ』に松尾さんが出演するなど2人の関わりは相当深い。今回到着した映像でも、松尾さんが放ったアドリブ演技について、そして、もし『シーサイドモーテル』に松尾さんが出演するならどの役か?といった内容についてユーモアたっぷりに語っている。そして、『スクールデイズ』に出演していた田辺誠一、2人をよく知る三木聡監督からメッセージも到着!こちらの対談は6月4日(金)より日本映画専門チャンネルにて放送される。特別映像冒頭には、麻生久美子さん演じるコールガール、キャンディの決め台詞のシーンが流れるので、こちらも要チェック!『シーサイドモーテル』は6月5日(土)より新宿ピカデリーほか全国にて公開。※こちらの特別映像はMOVIE GALLERYにてご覧いただけます。MOVIE GALLERY■関連作品:シーサイドモーテル 2010年6月5日より新宿ピカデリーほか全国にて公開© 2010「シーサイドモーテル」製作委員会■関連記事:麻生久美子インタビュー「変な役は好き」だけど今回の登場ポーズは「恥ずかしい…」
2010年06月04日かわいくて、かわいくて仕方ないのに、どうにも付きまとう“ニセモノ”感とウサン臭さ…。麻生久美子は“それ”を「賞味期限が切れそうなギリギリ感のある女性」と表現する。映画『シーサイドモーテル』で彼女が演じたのは、三十路を目前にした場末のコールガール、キャンディ。「私も歳をとって(笑)、いまだからこそ演じられる役なのかな」とも。世の男性を(いや、おそらく女性も!)癒やし、和ませてやまない麻生さんが、ある意味、究極の癒やしを生業とする女を演じる姿は一見の価値アリ!映画公開を前に話を聞いた。今回演じたキャンディのような「変わった役は好き」と麻生さん。どこか俗というか、B級っぽさというか、麻生さん自身がそういう雰囲気を好んでいるような…見た目とのこの“ギャップ”こそ、彼女の魅力であることは間違いない。でもなぜだ!?「自分で映画とかを観る上でも、そういうのが好きなんですね、そこは本当に好みの問題で(笑)。でも、若い頃は清純な女の子の役が多かったんですが、そこから“外れた”役をいただくようになってからが楽しくて。すごくやりがいを感じてしまうんです」。ちなみに、彼女の言う「“外れた”役」のきっかけになった作品というのは、三木聡監督によるTVドラマ「時効警察」。「そう、あれがあったから、そういう役のオファーが来るようになったんです。でなければこなかったと思います。私、ずっと“幸薄い”系の役が多かったので。相当高い確率で死んでました(笑)。最近は死ななくなりましたね」。そんな形でここ数年、“変わった役”がすっかり板についてきた(?)麻生さんだが、今回演じたキャンディは登場シーンからかなり楽しませてくれる。「お店の方針」により、自己紹介に続いて、とってもかわいらしい(!)振り付けと共に「今宵、あなたとフォーリンラブ!」とキメるのだが、どんなポーズかは見てのお楽しみ!変わった役と同様にこの変わったポーズも大好き?「恥ずかしかったです…(恥)。でも、この『何か、恥ずかしくてやりづらい』って感じのままでいいかなと。キャンディも決してやりたくてやってるわけではないので。『頑張ってやってるぞ!』というのは私も同じ気持ちでした(笑)。でも、辛かったですよ…。最初はスタッフさんも面白がってくれて、わりとわいてくれたんですが、何度もやってると見飽きてくるじゃないですか?何か、もういいよ的な空気が流れて(笑)。もう、すごく辛かったです。何で私はこんなことやってるんだろう?って」。彼女がこのセリフを言う相手は生田斗真演じる主人公のエセ営業マン。ちなみに最初に生田さんがこのポーズを見たときのリアクションは?「最初は笑ってくれました。でも一度、生田さんが同じ振り付けをやってくれたんですよ。そしたらそっちの方が私がやるより数百倍かわいくてですね…。何か『もうやりたくないな』と(笑)」。その生田さんと共演してみての感想、生田さんの印象を尋ねると「好青年」という答えが返ってきた。「すごく真面目な方ですね。初めてお会いしたときは『人間失格』が終わったばかりだったんですが、すでにセリフは全部入ってらして。すごいな、と思ったし、こういう方とお芝居できるのは嬉しいなって。(しばらく思案しつつ…)何かねぇ、いいんですよ(笑)!みんなに愛されるキャラですね。他人との距離をすごく上手に作って、スッと入ってくるんです。それが失礼でもなれなれしくもなくて『あっ、この人いいな』と思わせて去っていくような。ズルいくらいの天性のものを持ってますね」。話が今後の目標におよぶと、心底困ったような表情を浮かべ「性格的に先のことを考えられないんですよ。いま、やるべきことをやってそれが積み重なったときに面白くなればいいな、と思ってるので目標はないんです」と語る麻生さん。だが、いま最も共演してみたい俳優は?という質問には「佐藤浩市さん!」と即答してくれた。また、今回の生田さんのように若い俳優陣との共演の機会も増えている。「なんかもう、どんどんどんどん…年齢が離れて(苦笑)、関係性としては結構、微妙になってきますよね、彼らと共演するには。でも、そういうお話が来ることを願ってます(笑)!」(photo:Yoshio Kumagai)■関連作品:シーサイドモーテル 2010年6月5日より新宿ピカデリーほか全国にて公開© 2010「シーサイドモーテル」製作委員会
2010年06月03日2005年に結成され、デビュー曲「BLOOD on FIRE」で日本レコード大賞の新人賞を受賞し、今年で早デビュー5周年を迎えるAAA(トリプル・エー)。5年をふり返ると、いかに彼らがこの月日をハイスピード、そして高密度で駆け抜け、その中で着実に地力を蓄え、輝きを増してきたかが分かる。平均して実に3か月から4か月で1曲という、かなりのハイペースでCDをリリースし、パフォーマンスを披露してきた彼らだが、加えてここ数年、目立つのが、グループと並行しての個々のメンバーの俳優としての活動。メンバー最年少の與真司郎(あたえ しんじろう)もまた、近年、ドラマに、舞台、映画と活躍の場を広げてきた。そんな彼が初めて映画主演を果たす『ラムネ』がまもなく公開を迎える。公開を前にじっくりと話を聞いた。與さんが演じるのは、美大への進学をあきらめきれずに思い悩む高校3年生の陽介。偶然出会い、人物画のモデルをしてもらうことになった少女との甘酸っぱいひと夏の恋が綴られる。青春映画の王道!と言うべき作品だが、こちらのそんな言葉に、與さんは初っ端から照れくさそう…というか「照れます!」と自ら堂々と宣言?「いや、これはもう青春ですね、思い切り青春映画(笑)。そりゃ照れますよ、そう言われると!」いやいや、そこまで反応していただけるとは…では、ついでにもう一問。高校生役ということで久々に学校の制服着てみての感想は?「いや、それが意外とすんなりと昔の感覚に戻ったというか…。現場に入ると若い子たちがいっぱいで、みんな制服姿なので。さすがに実年齢より下の役で、違和感あるかと思ってたんですが、着てしまうとあっさり『平気だな』と思いました」。10代後半というのは誰もが説明できない漠然とした不安や悩みを抱えているもの。與さんも、自身が演じた陽介への思いや共感をこう語る。「誰でも迷う時期ってありますよね。『これからどうしよう?』、『やりたいことがないんだけど…』とか。その中で、陽介はいろんな人と出会って、いろんなことを吸収して成長していく。そこが羨ましくもありましたね。悩みつつも、その過程で陽介が生み出したものってすごい強いなって思うんです」。翻って與さん自身は?傍から見れば同世代の若者たちと比べて、はるかに早い段階でプロとしての歩みを始め、成功を手にしてきたように見えるが…。「もちろん、やりたいことをいっぱいやらせてもらってると思います。でも、この世界にいる限り…いや、たとえ芸能界にいなくてもやっぱり、毎日悩んでますよ。あっちへ行くのか?こっちへ行くのか?新しくやりたいことできたけどどうしようか?ってね」。世は5月、世間には悩める社会人があちらこちらに蔓延する時期だが、與さんなりにこれまでの経験で身につけた、悩んだときの打開策は?「いやぁ…これは僕の良くないところなんですけど、悩み始めると考え込んで朝まで眠れなかったりすることがよくあるんです(苦笑)。それでも、考えこんだ末に答えが出ればすっきりするんですけどね。そうならないときは、周りの人間、マネージャーさんや家族や友人に話します。やっぱり人と出会って、話をすることってすごく大事ですよ。僕、これまで自分で『人見知りです』って言うことがよくあったんですけど、それはよくないことだな、と思うようになりましたね。そこで最初からで壁を作ってしまってる。だから、最近はあまり言わないようにしてます」。では、悩める社会人…というか働く人々へのメッセージを込めてもう一問。これまでに仕事でした最も大きな失敗は?「一度、大遅刻をしたことがあります…目覚ましをかけ忘れて(苦笑)。僕、ちょっとした物音でもすぐ起きちゃうタイプなのであまり寝坊はないんですが。結構、周りに遅刻するヤツもいて(笑)、それを見て、遅刻をしないっていうのは社会人として、プロとして基本だ、とか思ってたんですが…。あともう一つ、これはメンバー全員でなんですが、デビュー当時、楽屋でありえないくらい騒いで、隣の方に…名前は言えませんが(笑)…すごく怒られました、マネージャーさんが!申し訳ない(笑)」。では最後に今後について。演じることについて「メッチャ、面白い!」という與さんだが、これからやってみたい役、一緒に仕事をしてみたい俳優さん、監督は?「ちょっと影がある役とかやってみたいですね。普段できない役『こんな人間いないだろ!』っていうぐらい壊れてて、でも実はいそうな人間を演じてみたい。俳優さんで好きなのは、浅野忠信さんと椎名桔平さん。2人の渋い芝居も、役から離れたところのファッションなんかも大好きなんです。監督では、三木聡監督の作品を一時期すごく観てました。あの世界観の中で何か演じることができたら嬉しいですね」。イケメンなのにどこかフワフワ飛んでる男(失礼!)。同じくどこかブッ飛んでる三木作品の中でどうあがき、生きるのか見てみたい気も…。まずは『ラムネ』で青春にどっぷり浸かった與さんの姿を見てほしい。■関連作品:ラムネ 2010年5月29日よりヒューマントラストシネマ渋谷にて公開
2010年05月27日若い世代を中心に絶大なる人気を誇る漫画家・浅野いにおの作品「ソラニン」の実写映画化を手がけた三木孝浩監督の動画インタビューが到着!宮崎あおいを始めとする若手人気キャストを迎え、主題歌はASIAN KUNG-FU GENERATION(以下、アジカン)が担当するなど、公開前から大きな話題を呼んでいる本作。これまで、多くのミュージックビデオの演出を行ってきた監督とあって、映画化に際してもライヴシーンを重視。原作について「音のない表現で音を感じさせて素晴らしい」と絶賛しつつ「映画ではそれとは違う形で音楽が持っている力を表現したかった」と思い入れを明かす。さらに、宮崎さんとのクランクイン前の会話、バンドのシーンにまつわるエピソード、主題歌をアジカンに決定した経緯、自らの青春時代についてまで、落ち着いた口調ながらも熱い思いが感じられるコメントが並ぶ。監督の視点、思いを知ることで、作品の見え方、受け止め方がまた違ってくること請け合い。映画を観る前に、ぜひご覧あれ!『ソラニン』は4月3日(土)より全国にて公開。※こちらのインタビュー映像はMOVIE GALLERYにてご覧いただけます。MOVIE GALLERYシネマカフェSweet「『ソラニン』 素晴らしきマンガワールド特集」■関連作品:ソラニン 2010年4月3日より全国にて公開© 2010浅野いにお・小学館/「ソラニン」製作委員会写真:太田好治■関連記事:芽衣子は理想の恋人?あなたの青春恋愛ソングは?『ソラニン』アンケート結果発表映画公開直前!『ソラニン』原作者・浅野いにおから動画メッセージが到着超豪華!宮崎あおい、高良健吾らキャストサイン入り『ソラニン』プレスを1名様にプレゼント桐谷健太×近藤洋一インタビュー「そっくりなベーシストが出てくるマンガがあるよ」宮崎あおいの言葉にアジカンのゴッチ感激!「録音して着ボイスにしたかった…」
2010年04月02日映画『ソラニン』の試写会が3月15日(月)、若い世代に人気の書店『ヴィレッジヴァンガード」(以下V.V.)主催で開催され、本作の三木孝浩監督とV.V.のオンラインショップの“中の人”こと中本恵二氏によるトークイベントが行われた。トークイベントは作品上映後ということで、中本さんは映画を観たばかり。早速、感想を尋ねると「いまもウルウルしていて、感動冷めやらぬ感じです。印象に残ったのは、最後のライヴシーン。宮崎あおいさんのギターを弾いているときの真剣な表情は、演技を超えてかなり(役に)入っているな、と。ひと言で言えば、観てよかったな、と」と絶賛。三木監督はこの言葉にホッとした様子。その三木監督は、ミュージックビデオの分野で活躍しており、本作で初めて映画監督に挑戦した。以前から(原作の)浅野いにおさんの作品は好きだったものの、「ソラニン」だけは読んでいなかったとか。「読んでみたらまさしく自分がやってきた音楽というフィールドに近い、バンドをやる若者たちの話で、ぜひやりたいと思って(監督の話を)引き受けました。音楽をテーマにしつつ、『夢を持ってるんだけど、まっすぐに進めないモヤモヤした感じ、冷めている感じ、想いと戦っている感じ』に共感できたし面白いと思った」と語った。中本さんは、原作漫画の連載当時、および漫画の発売当時について「よく『浅野いにおの新刊読んだ?』と話してました。読んでみて『なかなかない物語だな。売ってやろう!』という気持ちになって、当時かなり押しましたし、お客さんの反応も良かったですね」とふり返った。さらに話は世代論に。「浅野さんよりも少し上の世代」と言う三木監督は、90年代後半を引き合いに「あの頃は、斜に構える感じでも、根本は明るいというか、少しのん気さがあった。『ソラニン』のシビアな感じ…例えば貯金残高がなくなったり、タイムリミットが差し迫ってるという感覚はこの世代ならではかも。(劇中の)種田(高良健吾)や芽衣子(宮崎あおい)の悩み方ってきっと僕らの世代以降の悩み方だと思うんです。自分の幅が見えてしまい、設定が出来てしまう」とも。これに中本さんも「劇中の、ギターを初めて弾いた少年の『世界が開けたような』感覚を得る機会が少なくなっている。ネットで検索すれば何でも見える時代で、自分の発見に感動することがなくなった」と頷く。監督はさらに、自らの経験を挙げ「僕は徳島の田舎育ちで、高校時代に『映画監督を目指す』と周りに話して、何となくビデオ回して作った作品を『これは傑作なんじゃないか!』って幻想したりして(笑)、それがモチベーションになってた。いまは、例えば曲を作ればすぐにマイスペースに上げられて世間にも評価されてしまう。そこで自分のレベルにある程度、想定がついてしまう」と現代の“手軽さ”が、皮肉なことに若者たちの“熱”を奪っている現状を語った。若い世代を中心とした観客は、真剣な眼差しで監督の言葉に耳を傾けていた。また、トークイベントの最後には三木監督は、『ソラニン』以後について「浅野先生の別作品もやってみたいですね。『世界の終りと夜明け前』(小学館刊)が大好きなのでぜひ映像化したいです」と意欲を語った。『ソラニン』は4月3日(土)より全国にて公開。■関連作品:ソラニン 2010年4月3日より全国にて公開© 2010浅野いにお・小学館/「ソラニン」製作委員会/写真:太田好治■関連記事:『ソラニン』Twitterが熱い!フォロワーが3,000人突破宮崎あおい、夢はガソリンスタンドのバイト?『ソラニン』イベントで幻の楽曲も公開アジカン後藤バンドブレイク前をふり返り「僕らはちょっとおかしい」ふたりの想いをつなぐ歌!『ソラニン』劇場鑑賞券を5組10名様にプレゼント高良健吾率いる劇中バンド熱唱のデモCD付き!『ソラニン』特別前売鑑賞券予約開始
2010年03月16日『亀は意外と速く泳ぐ』や『転々』など、ゆるりとしたギャグと徹底的に作り上げられた独特の世界観で数々のファンを魅了する、日本映画界きっての奇才・三木聡。またもや摩訶不思議なタイトル『インスタント沼』と名づけた、監督の集大成とも言うべき最新作がDVDリリースされた。作品の随所から見られる監督の「映画」へのこだわり、そしてその原風景について、話を聞いた。実は、「〜沈丁花ハナメの冒険〜」という副題を考えていたと話す監督が、今回主軸に置いたのは、30歳前後の岐路を迎えたヒロイン・沈丁花ハナメ(麻生久美子)の“成長譚”。これまでにも増して、この作品では、主人公が前向きに人生と向き合っていくさまがストレートに描かれている。「ただギャグをやる以外の、別の楽しみ方を映画の中で見つけたいという気持ちはあった」と監督は話す。「人生の中で、成長しなきゃいけないとか、利益を上げなきゃいけないとか、いろんなことの目標値を周りに設定されるじゃないですか。でも、目標のない人生がむなしいというのは単なる植えつけで、別に意味なく一生を過ごしてもその人が良ければそれでいいわけじゃないですか。頑張らなきゃいけない理由なんて何にもないんですよね。そういう柵からちょっとフリーになってもいいんじゃないかという気持ちはあったと思います、2008年の夏は。それはそのときの気分だったんだろうし、それを観た人がまた別の気分を見出してくれると、ちっちゃい思想しかない映画が勝手な広がりになっていく。観た人がそれぞれ自由に思ってくれることが一番ですよね」。そんな三木監督の作品に欠かせない要素というのが、ナンセンスなジンクスや“未確認”生物の存在。今回も、物語のゆくえを司る“沼”しかり、河童や空飛ぶ龍しかり、期待を裏切らない、ナンセンスがそこかしこに転がっている。「やっぱり目の前にあるものだけを認めなくてもいいんじゃないかというのは、映画の基本構造としてあります。僕自身も、底なし沼があったらいいなと思ってた世代なわけですよ。小さい頃は、アマゾンに人が落ちたらピラニアに喰われて骨だけが浮いてくるということにドキドキした世代だから。デヴィッド・リンチとかも大好きな監督なんだけど、ある種の“まがまがしさ”というのを映像にしていくことに惹かれるんです」。続けて、監督は楽しそうにこう語る。「僕の映画の原始的な体験って小さい頃大好きだった西部劇ごっこなんです。おもちゃの兵隊を目の高さに持ってきて、別の世界をミニチュアサイズの中に作っていくという構築の仕方はいまも影響されてるのかなと思います。小学校6年生くらいのときって男子より女子の方が成長してる感じがあるじゃないですか?その関係っていまもあると思うけど、女性の監督さんはその辺がすごくドラスティックで、俺が作っている映画の方が随分単純でくだらないなと思うことはありますね(笑)」。では今回、なんでまた“沼”を題材に選んだのか?それも日本の社会が急成長した70年代、幼い頃の日常にあった、沼が埋め立てられ団地にされていくという景色と深く結びついていた。「沼とかがブルドーザーで埋められてるのを見て、何で埋め立てちゃうんだろうと。社会が成長していく上で排除されているものに対して、あってもいいんじゃないという気持ちはありますね。雑多なものやイメージが街の中にあるからこそ街なんだという気もするし、そういうことへのアンチテーゼも池や沼に結びつき、骨董屋にも結びついていったんだと思います。電球商会(劇中の骨董屋)というのはまさにカオスで、昔は古着の山の中にすごく高いものが埋まってるんじゃないかという幻想みたいなのがあったと思うんだけど、そういうのが無くなることへの懸念もあったり。『転々』のときも、無くなってしまうだろう空き地とか、開発中の変な建物だとか、ぽつんと駐車場に取り囲まれたアパートとかを背景にしているんですよ」。脱力系ワールドとは裏腹に、既成の価値観やルールをぶち壊すスピリットを強く感じさせる三木監督。改めて、監督にとっての“映画”とは何かを聞いてみた。「こうでなきゃいけないというのがない、懐の深さが映画の最大の特徴だと思います。特に2000年以降は、映画界以外の分野からいろんな人が参入したり、いろんなトライ&エラーがなされてきた。(不景気の煽りを受け)いまはちょっとみんなへこんでますけど、それが終わったときに映画がどんなトライ&エラーをしていくのか楽しみですし、自分も目撃者としてそこにいたいという気はありますね」。早くも次回作が待たれるが、では監督、次はどんな映画を撮ってみたいですか?「ロックな映画をやってみたいですね。僕も一時期バンドをやっていたことがあるんですけど、大きな声でバカバカしく歌うっていう。昔の『ロッキー・ホラー・ショー』でおっさんが編みタイツ履いてたり、ああいうロックそのものの破天荒でバカバカしいイメージを再現したいなと思いますね(笑)」。三木聡監督プロフィール1961年神奈川県生まれ。テレビの構成作家やシティボーイズのライブの作・演出などを務めた後、最近では、高視聴率のドラマ「時効警察」の脚本・演出でも話題になる。監督作に『イン・ザ・プール』(’05)、『転々』(’07)など。「インスタント沼ミラクル・エディション」発売元:角川映画/販売元:ポニーキャニオン価格:4,935円(税込)発売中© 2009「インスタント沼」フィルムパートナーズ■関連作品:インスタント沼 2009年5月23日よりテアトル新宿、渋谷HUMAXシネマほか全国にて公開© 2009「インスタント沼」フィルムパートナーズ■関連記事:『蒲田行進曲』と麻生久美子の浅からぬ因縁とは?風間杜夫は必死の自毛アピール【どちらを観る?】加瀬亮の“染まり”を検証『重力ピエロ』&『インスタント沼』幸運!?の“ジリ貧”『インスタント沼』特製マグカップを2名様にプレゼント「出たとこ勝負(笑)!」麻生久美子が30歳を前に迎えた岐路と出会いとは?引越し大好きの麻生久美子、“ジリ貧”脱出法を伝授「おかげで運気が上がった」
2009年12月08日