2019年10月から消費税が原則10%になります。増税前にセールやキャンペーンなど財布のひもを緩めるお店が増えていますが、本当に消費税増税前に買ったほうがいいものは限られています。 今回は、消費税増税前に買ったほうがいいものと買わないほうがいいものを仕訳してお伝えします。 大前提として必要なものは買い、不必要なものは買わない当たり前のことのようですが、必要なものは買い、不必要なものは買わないことが大前提です。 例えば、10万円(税抜)の品物の消費税増税の2%は2,000円ですが、増税前に購入した場合の品物の総額は108,000円になります。必要なものであれば増税前に2,000円安く買えると判断できますが、不必要なものであれば108,000円の無駄遣いになってしまう可能性もあります。消費税増税前のセールやキャンペーン等に踊らされて不必要なものを買うことにならないかまずは考えられると良いでしょう。 消費税増税前に買ったほうがいいもの・したほうがいいもの消費税増税前に買ったほうがいいものは、増税後に値下げしないもの・しにくいものが中心となります。【1】定期券・回数券・航空券・テーマパークや映画館等のチケット使用期限内に使うことが前提となりますが、消費税増税すると値下げしない場合がほとんどですので、予算や計画を立てた上で、期限内であれば使えるチケット類は増税前に購入すると良いでしょう。期限切れや紛失には注意しましょう。【2】書籍・カルチャースクール等習い事の費用・保険適用外の治療や健康診断・修理費用・たばこ・市販薬・化粧品等これらに共通するのは(市販薬や化粧品は一部の商品で値下げとなるものもありますが)値下げをほとんどせず、価格が決まっているものです。価格本体の変更はありませんが、消費税2%分の負担が単純に増えることとなります。歯列矯正やインプラントであれば、100万円を超えるケースも少なくありませんので、予定があれば、増税前に治療が行えるか確認すると良いでしょう。 消費税増税前に買わないほうがいいもの消費税増税後も支払い総額が変わらないもの、安くなる可能性のあるものは、無理に駆け込んで購入する必要ありません。 【1】食料品等の軽減税率(8%)が適用されるもの酒類・医薬品を除く飲料品、健康食品を含む食料品は2019年10月以降も持ち帰りであれば8%の消費税率のため、増税前に買い込む必要はないでしょう。なお、アルコール濃度1%以上の酒類や医薬品・医薬部外品は軽減税率が適用されないことも合わせて覚えておきましょう。【2】衣類、家具、家電すべてに当てはまるわけではありませんが、多くのお店で売っている衣類、家具、家電等は消費税増税後の売り上げの減少や価格の比較が容易であることから、増税後に値段が割り引かれる可能性が少なくありません。 また、2019年10月~2020年6月に実施されるキャッシュレスポイント還元制度(対象店舗でクレジットカードや電子マネー等のキャッシュレス手段で支払うと最大5%のポイント還元が受けられる制度)が適用されれば、この制度を利用して増税前よりトータルの支払いが減る可能性もあります。 【3】消費税が非課税のもの法律で消費税がかからないものがあります。一例としては、切手・はがき、商品券・プリペイドカード、保険料等が挙げられます。これらは、消費税が掛かりませんので、いつ購入しても価格は変わりません。 なお、郵便料金は2019年10月以降に上がるので、古い切手・ハガキ等を使用する場合は差額の切手を貼る必要があります(例:増税後62円ハガキの場合は、1円切手を貼って総額63円にする必要があります)。 今回の消費税増税は、軽減税率やキャッシュレスポイント還元制度等が関わってくるため、今までの消費税増税と比べて複雑化している面もありますが、無駄なものは買わず、必要なものを増税前に買うと良いか、増税後に買うと良いかの判断をすることは今までと変わりありません。駆け込み需要の雰囲気に飲まれ過ぎず、必要なものを適切な価格で購入できるように考える機会にしてください。 監修者・著者:ファイナンシャルプランナー 大野高志1級ファイナンシャルプランニング技能士、CFP®(日本FP協会認定)。独立系FP事務所・株式会社とし生活設計取締役。予備校チューター、地方公務員、金融機関勤務を経て2011年に独立。教育費・老後資金準備、税や社会保障、住宅ローンや保険の見直し、貯蓄・資産運用等 多角的にライフプランの個別相談を行うとともにセミナー講師として活動しています。
2019年09月19日以前、近隣住民から反対の声があがり、新設保育園の建設が中止になったというニュースが各地でありましたね。実はわが子が通園していた保育園でも、近隣の方とのトラブルがいくつかあり、残念ながらそれはすべて保護者が原因によるものでした。実際に私が体験したトラブルから感じたことをお伝えしたいと思います。 近隣住民から声をかけられた第二子育休後、初出勤の日の朝のことです。初出勤ということもあり、いつもより早めに登園していました。子どもたちをクラスに送り届け、足早に保育園をあとにしようとしたところ、「ちょっとすみません」と見知らぬ女性から声をかけられました。そこには怒り顔の女性と同じ園の親子の姿がありました。 その怒り顔の女性は私に対し、「こちらの保育園の方ですよね? 違法駐輪を毎日していた方がいたので注意したら『うるせーなー』と言われたのですが」と話されました。 突然のことにどう対応したらいいか焦り…保育園の駐輪場と門は離れており、園の隣にはマンションがありました。どうやらその親子は毎日そのマンションに駐輪して送迎していたため、見かねた住人の女性が注意。それに対して反論した……という最悪のパターンのようです。 当然ですが女性は大変ご立腹だったので、一度、園長を呼んで対応しようとしました。しかし、「これから通勤なので結構です。のちほど園に連絡します」と立ち去ってしまったのです。 すぐに園へ電話で連絡をするそうこうしているうちに、渦中の親子も園内へと入ってしまいました。私も通勤時間がせまっていたので、駅へ向かう間に園へ一連の内容を電話で報告しました。その後、お迎えのときに園長から、お昼過ぎごろに女性から苦情の電話があったと説明がありました。 しかし事前に報告があったので、対応策を考えることができたと逆にお礼を言われたのです。勝手に自己判断するのではなく、何かあったときはまず園に報告する大切さを実感しました。 その後も降園時の騒音、園周辺の交通マナーなど、たくさんの苦情が入り、そのたびに園側は対応に苦慮したようです。子どもたちのためにも、私たち保護者がまずマナーを守る、その当たり前のことを徹底しなければならないと感じました。著者:東慶子三児の母。育児のかたわら、アンガーマネジメントキッズインストラクターの資格を取得。自身の育児経験に生かすとともに、将来的には子ども向けの講座を開催したいと考えている。
2019年09月04日こんにちは、婚活FP山本です。あなたは「独身税」を聞いたことがあるでしょうか?ざっくり「独身なら(割増の)税金が発生」というものです。少なくとも今のところ、そんな税金は日本にはありませんが、将来的には分からないかもしれません。もし実施されるとしたら……あなたはどう思うでしょうか?そこで今回は、この独身税について議論の背景や海外の実例、取り巻く可能性についてお伝えします。あなたの人生に、お役立て下さいませ。実は日本でも独身税が議論されたことがある!まずは、日本における独身税の背景についてお伝えします。冒頭通り、独身税とは文字通り独身の方にかける税金です。こうすることで独身者に早期の結婚を促すと、少子化対策に繋がるという考えになります。今の日本でも、少子化は深刻な問題ですからね。また「既婚者の負担を軽減する」という目的もあります。結婚すると、特に教育費を中心に独身者よりも支出が増えますからね。既婚者の負担増を独身者に補ってもらいたいというのも税金の理由です。独身者は独身貴族として、少なくとも既婚者よりは余裕があるはずと考えられているのが理由になります。つまり、少子化対策と既婚者支援の一挙両得になりうる策が「独身税」です。どちらも十分な問題ながら効果的な策が中々見つからないため、過去には実際に日本でも独身税が議論されたことがあります。それほど、切羽詰まった状況とも言えるかもしれません。かほく市ママ課のお願いに過ぎなかった…が最近では2017年に、石川県かほく市のママ課(一種のボランティア団体)が、行政との意見交換会で「独身税」を要望したことで議論が再燃しました。「子育てで生活が苦しい。独身者に支援をお願いできないか?」という内容です。結局、実現しませんでしたけどね。あなたは、このママ課の要望をどのように感じましたか?少なくとも、未だに賛否の声があって結論は出ておりませんし、議論さえ進んでいません。もし実際に導入されたら、日本はどのようになるのでしょうね。海外で独身税が導入されたことがあった!次は、海外の実例についてお伝えします。実は海外では、実際に独身税を導入した国がいくつかありました。有名なところでは「ブルガリア」でしょうか。1968~1989年で導入されました。ちなみに導入の理由は、今の日本と同じく「少子化への対策」としてです。その結果は……大失敗となりました。導入前は2.18%だった出生率が1.86%に下がり、さらに結婚数自体も下がってしまったのです。増税で独身者がお金を貯めにくくなり、余計に結婚が遠のく結果になりました。出生率は「形だけの結婚」が増えたため……でしょうか。他にはフランスも有名かもしれません。ただ、どちらも現在は廃止されています。独身税の失敗は他にも原因があるのかもしれませんが、少なくとも上記の理由は十分にありえるでしょう。同じものを日本に導入したら、同じ結末を迎える可能性が高いかもしれません。独身税での結婚は少子化対策にならない?確かに子供を望むなら、まずは前提として結婚があるのは基本です。しかし、結婚したとしても子供をつくるかどうかは別問題と言えます。現に子供のいない夫婦も多いです。前例であるブルガリアのように、偽装のような形だけの結婚が増えるだけかもしれません。また仮に「子ナシ税」のようなものができたとしたら、独身税と同じく余計に子供を育てるお金や気力を失う結果になりかねないでしょう。少なくとも、海外の独身税のままの結婚では、少子化対策にはならないのかもしれませんね。独身税が日本で実現する可能性はゼロではない今度は、独身税が日本で実現する可能性についてお伝えします。結論から言えば、実現の可能性は「ゼロではない」と言えるでしょう。なぜなら「賛成意見も相応にあるから」です。否定意見ばかりならともかく、賛成も多いなら「議論の余地アリ」と言えますからね。そもそも、独身税以上の少子化対策……あなたなら、どんな方法を思いつきますか?「高額な出産祝い金」という手段が言われることもありますが、これはこれで一つの差別ですし財源も問題になります。何も対策を取らなければ、それだけ少子化が進んでしまいますね。既婚者の負担軽減についても、理屈は似ています。必要なだけ消費税を上げるなら、それはそれで問題でしょう。他に有効な策が見つからない以上、独身税が実現する可能性は残ると言えます。憲法違反という理由は変わることもある簡単に言えば、日本の憲法という最高の社会ルールで、国民は「法の下で平等」と保障されています。つまり「不合理な差別は認めない」というわけです。既婚と未婚、子アリと子ナシ、いずれも平等のはずなら、独身税は憲法違反になる可能性が出てくるのかもしれません。しかし憲法も絶対ではありません。直接の変更もあれば、解釈や裁判所の判断などによる変更もありえます。すでに「一定の差」もありますし、これが拡大される可能性もゼロではないでしょうね。年収が低い人ほど結婚すべきなのも事実さらに、独身税の効果である結婚への誘導や既婚者支援についてお伝えします。前者は、基本的にありえません。結婚するもしないも、本人の自由です。また既婚者は自由意志で結婚したはずなので、それで「生活や子育てが苦しい」などと騒ぐのは、自業自得と言えます。……ただ、年収が低い人ほど結婚すべきなのも一つの事実です。最終的に生活に困るのは、むしろ独身者になりますからね。そういう意味で、結婚への誘導は悪いわけではありません。また最終的に支援が必要になるのは独身者だからこそ、まずは既婚者を支援するのもアリと言えます。でないと、同様に自業自得と切り捨てられてしまうかもしれませんからね。結婚したくてもできない人を見捨てるのか?独身税を考える時には、「結婚したくてもできない人」への対処にも悩みます。もはや結婚は、頑張ったら誰もが普通にできることではありませんからね。同様に「本気で年収が低く、上がらない人」も沢山います。だから結婚できない人は、どうやって結婚したらいいのでしょう。少なくとも、皆に結婚を促し、皆で子アリ既婚者を支援すれば良いわけではありません。人も生き方も「多様化の時代」です。ぜひあなたも、あなたなりの意見を考えてみましょう。[adsense_middle]結婚税、独身控除ができる可能性もあるかも?最後に、独身税を考える時の注意点をお伝えします。今のところ、独身税は「独身者負担・既婚者優遇」という方向性です。このため、既婚者ほど独身税を歓迎しがちといえます。しかし今は3組に1組が離婚する時代ですから、「明日は我が身」で考えることも大切です。それに、すでに既婚者は「配偶者控除」「3号被保険者」などで独身者より優遇されています。平等を保つために「結婚税」ができるかもしれませんね。最終的に困るのは独身者だからこそ「独身控除」ができるかもしれません。こんな可能性もゼロではないでしょう。「保育園落ちた。日本死ね」のように、あなたの意見で国が動く可能性もあります。発信はもちろん自由ですが、客観性や思いやりの気持ちは忘れないようにしましょう。目先の税金や損得より長期的ライフプランを!仮に独身税が導入されたら、あなたは独身だったら結婚しますか?結婚税が導入されたら、既婚者なら離婚するのでしょうか?国がどうなるかは誰にもわかりません。ただ大切なことは、目先の税金や損得より、長期的に未来を見据えたライフプランによる判断です。独身税の導入などの可能性も踏まえつつ、しっかり未来を見据えて、結婚を含めた行動を考えていきましょう。独身税はともかく、未婚や少子化は確かな問題独身税はともかく、未婚や少子化は確かな問題です。一方で年収が上がらない事、結婚したくてもできない事、教育費の負担感なども大きな問題といえます。この世は不十分で問題だらけですが、だからこそ国まかせにするのではなく、個人は個人で自助努力に励んでいきましょう。
2019年09月03日本記事ではiDeCoの所得控除について考察します。記事の中ほどに「年収などの違いによってどのくらい減税の効果があるのか」分かりやすい一例の一覧表を作成しましたので、ご覧いただければ幸いです。iDeCoのメリットの一つ、所得控除とは税金がお得になることiDeCoは老後のための資産形成の制度です。大きなメリットが3つあります。「掛け金が全額所得控除になる」「運用益が非課税になる」「将来お金を受け取るときに所得控除が受けられる」この中でも今回は1の「掛け金が全額所得控除になる」について見てみましょう。iDeCoへの掛け金の全額が所得控除になる。iDeCoの所得控除の仕組み&メリットを受けられる対象は所得税・住民税が課税される人iDeCoの所得控除の仕組みを簡単に言うと「iDeCo口座に毎月(あるいはまとめて)お金を出していくと、税金の負担が減少しますよ」ということです。もう少し詳しく言いますとiDeCoに出した掛け金の全額が「小規模企業共済等掛金控除」の対象となります。個人事業主や所得のある専業主婦などは確定申告が必要です。そして、iDeCoの所得控除の減税メリットを受けられる人は、会社員・公務員・自営業者などの「課税される所得のある人」です。【質問】所得税・住民税が課税されない人でもiDeCoに掛け金を出すと、所得控除のメリットがありますか?答え:ありません。所得税・住民税が課税されない人の場合には、所得控除による減税メリットはありません。ただ「減税メリットがないからiDeCoをする理由がない?」かというと、そうではありません。理由は後述します。【質問】家族のiDeCoの掛け金を自分が負担すれば、自分に減税メリットがありますか?答え:ありません。家族の掛け金を負担しても、減税メリットは得られません。iDeCoの所得控除はどのくらい減税効果があるのか【年収別シミュレーション】それでは具体的に、iDeCoの所得控除のメリットによる減税効果がどのくらいなのか一例を見てみましょう。注意点:以下は毎月掛け金を出した場合です。途中で課税所得や掛け金の変更がない前提です。こちらの一例は「イデコ公式HPかんたん税制優遇シミュレーション」を使用して出しています。実際とは異なることがあります。[adsense_middle]iDeCoの所得控除のメリット【金額】をチェックしてみよう共通の条件として、20歳で加入して60歳まで40年間続けた場合です。ちなみにiDeCoに出せるお金の毎月の限度額は「加入者区分」によって異なります。以降のシミュレーション一例では、以下のパターン(月/5,000円・12,000円・23,000円・68000円)で見てみましょう。最低掛け金額/月5,000円公務員の限度額/月12,000円会社員の限度額/月12,000円or23,000円(会社員の場合、企業年金のある・なしなどにより異なる)専業主婦(主夫)の限度額/月23,000円自営業者の上限/月68,000円①年収が200万円の場合のiDeCoの所得控除による減税金額上記を見ると掛け金に応じて軽減額が大きくなることが分かります。②年収が300万円の場合のiDeCoの所得控除による減税金額自営業者の上限68,000円のケース以外では①と同じ数値です。③年収が400万円の場合のiDeCoの所得控除による減税金額このケースでは②と全く同じです。④年収が500万円の場合のiDeCoの所得控除による減税金額③より減税金額が大きくなってきました。⑤年収が600万円の場合のiDeCoの所得控除による減税金額こちらは④と68,000円のところだけが異なります。⑥年収が700万円の場合のiDeCoの所得控除による減税金額やはり年収が上がるほどに所得控除の減税メリットが大きくなってくることが分かります。iDeCoの本当のメリットは所得控除じゃない?さて上記のシミュレーション一例をご覧になって、どのような感想を抱かれたでしょうか。「結局、高所得者の方がお得になるじゃないか」「所得が低いと減税の金額にお得感が感じられない」「そもそも収入の無い専業主婦だと所得控除のメリットがないからiDeCoをする気が起きない」などと思われた方もいらっしゃるかと思います。その一面は確かにあります。ただ、iDeCoは所得控除のメリットを受けられるだけの制度ではありません。その本質は「老後のためのもう一つの年金」にあります。どういうことでしょうか。[adsense_middle]老後の公的年金が減るからiDeCoは重要2019年8月27日に厚生労働省より「公的年金の財政検証」が発表されました。これは簡単に言うと、「公的年金の健康診断」のようなものです。5年に一度のペースで公表されます。今回のポイントはいくつかありますが、少しだけ見てみましょう。公的年金制度の「健康診断(財政検証)」のポイント一例:「減税だけじゃ乗り切れない?」筆者にとって(そしておそらく読者の方にとっても)印象的なのは次の点でした。現在20歳の方が現状の高齢者と同水準の年金をもらうには68歳9か月まで働く必要があるということでした。現在定年の多くは60歳ですので、実に8年9か月長く働かなくてはいけません。※ちなみにこれは今後「日本経済が良かった場合」の楽観的なシナリオです。現実はもっと悪くなると筆者は考えています。ちなみに30歳以降が今の65歳と同水準の年金を受給するには、次の年齢まで働かないといけないことが数値上算出されています。現在の30歳→68歳4か月現在の40歳→67歳2か月現在の50歳→66歳ここだけ見ても、何となくiDeCoやつみたてNISAを利用しての資産形成の重要性が見えてきます。将来、年金を現在と同水準もらうには、現在よりも(短くて)6年~8年4か月働かないといけない可能性がある。若い人ほど老後のお金は厳しくなる。所得控除のメリットにこだわりすぎないことも重要ではまた公的年金制度の「健康診断(財政検証)」では、所得代替率の低下についても触れられていました。所得代替率:ざっくり言うと、現役世代の今の私たちの手取り収入に対する年金額の割合。低いほど受け取れる年金額が少ない。いま(2019年度)は所得代替率が61.7%です。しかし「健康診断(財政検証)」では6つある、どのシナリオでも将来の所得代替率は低下しています。一番良いシナリオ→51.9%一番悪いシナリオ→36%~38%ちなみにこれは賃金が上がり続けるという前提のお話です。しかし直近5年間で賃金が上昇したのは2016年の一年だけでした。筆者の個人的な考えでは、一番悪いシナリオよりも将来は悪くなる(もらえる公的年金は減る)のではないかと考えています。その理由は少子高齢化です。公的年金は現役の世代が高齢者にお金を「仕送りする+積立金を上乗せしている形式」です。そして、今の現役世代が年金受給資格を得るころには、ますます若い人が減っていると思われます。つまり、「未来の私たちに仕送りをしてくれる人が減っている」わけです。そのため、将来のもらえる年金額は構造上減ってしまうと考えられます。ちなみに6つのシナリオの一番悪いものでは2052年には国民年金の「積立金が枯渇する」ということになっています。つまり「仕送りする+積立金を上乗せしている形式」の「積立金を上乗せしている」部分がなくなって、単純な「仕送り形式(正式には賦課方式という)」になることを意味しています。早い話が受け取れる年金がさらに減る可能性があります。ちなみに公的年金を受給開始後も、加齢とともに所得代替率は下がる見通しです。嫌なお話ばかりですが、だからこそiDeCoの所得控除のメリット以外について考えてみることが重要かもしれません。将来もらえる年金の所得代替率は今61.7%だが、36%~38%(あるいはそれ以下)に下がる可能性がある。iDeCoの所得控除に関するまとめiDeCoのメリットの一つは所得控除で実質減税になるあなたの所得控除のメリットはいくら?年収・掛け金別一覧でまる分かり!iDeCoで大事なのは所得控除だけじゃない。iDeCoで未来の自分を助けようiDeCoのメリットの一つに「掛け金が全額所得控除になる」というものがあります。税制面でとても優遇されているのがiDeCoの特徴です。本文内のシミュレーション一例で見ましたが、基本的に年収・掛け金が大きいほど所得控除のメリット金額が大きくなっていきました。ただ、iDeCoの本質は所得控除のメリットだけではないと筆者は考えています。記事の最後の方で触れましたが、これからは若い人ほど、公的年金だけでは老後の生活が成り立ちにくくなると考えられます。そこで出てくる考え方が「自助努力(自分の老後のお金は自分で形成する)」です。人によってはiDeCoの所得控除のメリットがない・少ないことがあり、魅力的に見えないかもしれません。ですがiDeCoの本質はそこではないのではないでしょうか。本記事が読者の方の合理的な資産形成の一助になれば幸いです。
2019年09月03日生命保険料控除は、保険会社に対して支払った生命保険料がある場合、一定の計算式にあてはめて計算した金額を所得税や住民税といった税金を計算する上で控除することができるものを言います。ざっくり言ってしまいますと、生命保険に加入している場合、税金を少なくすることができることになりますが、本記事は、この生命保険料控除の計算方法を中心に押さえておきたいポイントを紹介していきます。生命保険料控除の計算をするための重要ポイント2つ.手元にある生命保険料控除証明書を新制度と旧制度に分ける新制度で、一般用の合計金額は、120,000円でしたので、上記計算式にあてはめると、80,000円超に該当し、この結果、一般用の生命保険料控除は40,000円であると計算されます。また、新制度で、介護医療用の合計金額は、60,000円でしたので、上記計算式にあてはめると、40,000円超80,000円以下に該当し、この結果、介護医療用の生命保険料控除は35,000円であると計算されます。結果、一般用40,000円と介護医療用35,000円を合算した75,000円が生命保険料控除の金額となります。参考大同生命と第一生命の2つの保険契約があった場合の生命保険料控除金額大同生命と第一生命の2つの保険契約があった場合の生命保険料控除金額は、一般用266,870円、介護医療用104,492円といずれも80,000円超に該当しているため、どちらも一律40,000円の控除金額となります。したがって、一般用40,000円と介護医療用40,000円を合算した80,000円が生命保険料控除の金額となります。生命保険料控除のシュミレーションは、控除証明書がすべて届いた後に行う生命保険料控除を正しく計算するためには、現在加入している生命保険の控除証明書がすべて届いてから行うことが重要なポイントとなります。この理由は、計算方法の流れの中でも紹介しましたように、生命保険料控除証明書に記載されている制度や金額を基に生命保険料控除が計算されるためです。したがって、生命保険料控除証明書が届く秋ごろに行い、以後、行うことになる年末調整や確定申告前の対策とするのが最も望ましい方法と言えます。[adsense_middle]年末調整で適用し忘れた生命保険料控除は確定申告で行える会社員や公務員などのような給与所得者の場合、毎年12月頃に勤務先が行う年末調整によって1年間の税金精算手続きが完了することになります。この時、年末調整で適用をし忘れた生命保険料控除や誤った生命保険料控除で税金の精算を終えた場合、確定申告をすることによって訂正することができます。特に、次項で紹介するようなパターンにあてはまる場合は、再確認しておくことが望ましいでしょう。夫婦いずれも給与所得者(課税対象者含む)である場合の注意点本人と配偶者が共に給与所得者で、いずれも年末調整をする場合、生命保険料控除の適用の仕方に工夫をした方が得策な場合があります。たとえば、生命保険料控除の適用対象者になる人とは、その生命保険料を実際に負担している人だけに限らず、別の家族を適用対象とすることができ、大まかなイメージを次項で紹介します。参考生命保険料控除の賢い適用の仕方こちらはあくまでも参考情報であり、それぞれの世帯における状況をあらかじめ確認精査する必要があると前置きした上で、生命保険料控除の賢い適用の仕方を紹介します。なお、生命保険料控除の計算方法で紹介した以下、2つの生命保険に加入していると仮定し、いずれも保険料を支払っている人は夫であるものとします。夫婦で分散して生命保険料控除を適用する大同生命と第一生命の生命保険料控除を夫だけに単独で適用した場合と夫婦それぞれが1つずつ適用した場合の違いは以下の表の通りです。(計算過程は省略します)生命保険料控除を夫が単独で適用すると、夫個人の生命保険料控除は、分散するよりも多くなりますが、世帯で考えますと、妻が全く生命保険料控除の適用ができない分、ロスが大きくなることが分かります。生命保険料控除の計算に医療費や医療保険金が影響することはない生命保険料控除は、あくまでも1年間に支払った生命保険料に対して控除されるものにあたるため、医療費控除のように、実際に支払った医療費や受け取った医療保険金の金額が生命保険料控除の計算に影響を与えるということはありません。ごく稀に、生命保険料控除や医療費控除をごちゃまぜに考えてしまう人もおられますので、この点には注意が必要と言えそうです。1年の途中で新規加入や見直しをする場合は、年払いが得策生命保険料控除は、1月1日から12月31日までの1年間で実際に支払った保険料を基に算出される控除となります。そのため、この1年間の途中で生命保険の新規加入や見直しをする場合、保険料の支払方法を月払いではなく年払いにすることによって、月払いよりも総支払保険料を安く抑えられ、かつ、生命保険料控除を多く適用できる可能性があるため得策です。とても細かいですが、この辺もできる限り意識しておきたいものです。まとめ生命保険料控除は、仕組上、新制度および旧制度の違いのほか、夫婦共働き世帯なのかどうかなど、置かれている世帯の状況によっては、適用の仕方が節税になるかどうかの違いを生じさせます。そのため、少なくとも生命保険の新規加入や見直しを行った場合、自分たちはどのような組み合わせで生命保険料控除を適用するのが最適なのか、時には、FPなどの専門家を通じてしっかりと確認しておくことが望ましいでしょう。
2019年08月13日生命保険料控除は、1月1日から12月31日までの1年間で支払った生命保険料を基に計算される税金の軽減制度のことを言います。この生命保険料控除は、制度による違いや加入している生命保険の種類によって分類や計算の仕方をはじめ、控除される金額も異なります。加えて、生命保険料控除には、控除ができる上限額も決められていることから、本記事では、この生命保険料控除の上限額を中心に押さえておきたいポイントを解説します。生命保険料控除で適用できる最大の控除限度額わかりやすい例で解説しますと、新制度が対象の生命保険契約を締結し、一般用、介護医療用、個人年金用のそれぞれの契約に、1年間でそれぞれ120,000円ずつ支払ったものとします。この時に算出される生命保険料控除は、以下のように計算されます。一般用・介護医療用・個人年金用をそれぞれ単独で計算式にあてはめて計算一般用:年間支払保険料120,000円のため80,000円超に該当控除額40,000円介護医療用:年間支払保険料120,000円のため80,000円超に該当控除額40,000円個人年金用:年間支払保険料120,000円のため80,000円超に該当控除額40,000円上記3つの生命保険料控除をすべて合算することで、1年間に適用できる生命保険料控除が確定することになります。よって、新制度における生命保険料控除の最大控除限度額は120,000円(40,000円+40,000円+40,000円)となるわけです。生命保険料控除の旧制度とは生命保険料控除の旧制度とは、平成23年12月31日以前に締結した保険契約のことを言い、ざっくり説明しますと、昔から加入している生命保険を引き続いて契約している場合などは、旧制度による取り扱いイメージとなります。なお、旧制度における生命保険料控除は、新制度とは異なり、一般用、介護医療用、個人年金用といった3つの控除ではなく、一般の生命保険料控除と個人年金保険料控除の2つの控除に分けられます。旧制度における生命保険料控除の最大控除限度額は100,000円旧制度の生命保険料控除は、加入した生命保険の種類や契約内容によって、一般の生命保険料控除と個人年金保険料控除の2つの控除に分けられますが、こちらも先に解説した新制度と同じように、それぞれの種類ごとに以下の計算式にあてはめて生命保険料控除を算出する必要があります。なお、新制度と計算式や控除金額が異なる点には要注意です。わかりやすい例で解説しますと、旧制度が対象の生命保険契約を締結しており、一般の生命保険料控除と個人年金保険料控除のそれぞれの契約に、1年間でそれぞれ120,000円ずつ支払っていたものとします。この時に算出される生命保険料控除は、以下のように計算されます。一般の生命保険料控除と個人年金保険料控除をそれぞれ単独で計算式にあてはめて計算一般の生命保険料控除:年間支払保険料120,000円のため100,000円超に該当控除額50,000円個人年金保険料控除:年間支払保険料120,000円のため100,000円超に該当控除額50,000円上記2つの生命保険料控除をすべて合算することで、1年間に適用できる生命保険料控除が確定することになります。よって、旧制度における生命保険料控除の最大控除限度額は100,000円(50,000円+50,000円)となるわけです。誰でもできる新制度と旧制度の判別方法生命保険料控除証明書は、保険会社によって書式は異なりますが、上記イメージ図のように、適用制度が新制度なのか旧制度なのかが必ず記載されておりますので、そちらを確認することで判別が誰でも簡単に行えます。[adsense_middle]生命保険料控除の金額は、保険種類や契約の仕方によって変化する生命保険料控除の金額は、新制度と旧制度の違い、支払保険料のほか、実際に加入している生命保険の種類や契約の仕方によっても変化します。なお、現在、生命保険の新規加入や見直しにかかる生命保険料控除の適用制度は、すべて新制度になることを踏まえ、本項では、新制度に対応した保険種類と契約の仕方について解説を進めます。加入している保険種類によって、異なる3つの生命保険料控除新制度の生命保険料控除は、加入した生命保険の種類や契約内容によって、一般用、介護医療用、個人年金用といった3つの控除に分けられることをすでに解説しています。ここでは、主な生命保険の種類と適用となる生命保険料控除の関係について箇条書きで大まかに紹介しておきます。一般用:終身保険・定期保険・収入保障保険・学資保険など介護医療用:医療保険・がん保険・介護保険など個人年金用:個人年金保険(契約の仕方に要注意)個人年金用のみ保険契約の仕方に注意が必要生命保険料控除の中でも、一般用と介護医療用は、契約内容による控除の違いが生じることはありませんが、個人年金用に限っては、保険契約の仕方によって、一般用または個人年金用のいずれかに該当することになるため要注意です。なお、個人年金保険に加入するメリットの1つには、個人年金用の生命保険料控除が適用できることもあげられ、仮に、個人年金保険への加入を検討している方は、次項の内容を参考に条件を満たしているか必ず確認しておきましょう。個人年金用の生命保険料控除を適用するための条件個人年金用の生命保険料控除を適用するためには、保険会社が販売している個人年金保険に加入することに加え、税制適格要件と呼ばれる条件を満たした個人年金保険の契約を締結していなければなりません。なお、税制適格要件を満たした個人年金保険の契約とは、以下、3つの条件をすべて満たしている保険契約となります。個人年金保険の保険金受取人は、保険契約者(本人)または、配偶者となっている契約個人年金保険の保険料支払期間が10年以上の契約個人年金保険の保険金支払いは、保険金受取人の年齢が60歳になってから支払われるもので、かつ、10年以上に渡って支払われる契約上記3つの条件をすべて満たしていなければ、個人年金用の生命保険料控除は適用されず、一般用の生命保険料控除としての取り扱いになります。これによって、生命保険料控除を上限額いっぱいまで最大限に活かせない結果となるため注意が必要と言えるわけです。生命保険料控除(所得控除)による税金対策はあくまでも限定的なもの生命保険料控除(所得控除)を適用することによって、個人に対して課される所得税や住民税といった税金を軽減させられる効果が得られることは確かです。ただし、実際に適用をすることができる生命保険料控除には上限が設けられているため、生命保険の極端な掛け過ぎによるメリットは得られない点には注意が必要だと言えます。極端な例ではありますが、たとえば、1年間で終身保険料を10万円支払ったとしても、100万円支払ったとしても、生命保険料控除額は、一律40,000円で同額です。このように、生命保険料を多く支払ったからといって、生命保険料控除の恩恵が多く受けられるわけではないため、税効果と保障内容のどちらもニーズに沿った対策を取ることが望ましいと言えます。新制度と旧制度の保険契約が混じった生命保険料控除の上限額生命保険の契約をしている人の中には、新制度の保険契約と旧制度の保険契約のどちらの契約もある場合があります。実のところ、このような2つの制度が対象になる保険契約を締結している場合、生命保険料控除の適用方法によって、税効果が、有利になったり不利になったりする場合があります。このようなことから、次項より一例を紹介しながら新制度と旧制度の保険契約が混じった生命保険料控除と上限額について解説を進めます。[adsense_middle]新制度と旧制度の保険契約が混じった生命保険料控除の適用ルール生命保険料控除の適用において、新制度と旧制度のいずれも適用をすることができる場合、新制度および旧制度の計算式にあてはめ、それぞれの生命保険料控除の区分ごとに、どちらの控除額を適用(または併用)するか任意に選択できることになっています。つまり、現在加入している新制度と旧制度の生命保険料控除証明書を用いて、それぞれ生命保険料控除を計算し、自分にとって最も有利(得)になる選択をすることができるといった意味になります。新制度と旧制度の保険契約が混じった生命保険料控除の選択前項の解説だけではよくわからないため、以下のような前提条件で、最も有利な選択とは、どのような選択なのかイメージを持っていただければと思います。新制度(一般用):年間支払保険料40,000円旧制度(一般):年間支払保険料120,000円医療保険(介護医療用):年間支払保険料30,000円新制度(個人年金用):年間支払保険料40,000円旧制度(個人年金):年間支払保険料110,000円前提条件の支払保険料を基に、上記の生命保険料控除の計算式にあてはめて計算した場合における生命保険料控除は、以下の表のようにまとめられます。制度区分年間支払保険料生命保険料控除額新制度(一般用)40,000円30,000円旧制度(一般)120,000円50,000円新制度と旧制度の併用160,000円40,000円制度区分年間支払保険料生命保険料控除額医療保険(介護医療用)30,000円25,000円制度区分年間支払保険料生命保険料控除額新制度(個人年金用)40,000円30,000円旧制度(個人年金)110,000円50,000円新制度と旧制度の併用150,000円40,000円生命保険料控除を最も有利になるように適用するには、金額が最も高いものを適用すれば良いことになります。したがって、すべての生命保険料控除を併用して適用するのではなく、旧制度(一般)、医療保険(介護医療用)、旧制度(個人年金)の3つを組み合わせて適用するのがベストな選択肢であると判定することができます。新制度と旧制度を組み合わせた場合の最大上限金額は120,000円前項の解説より、旧制度(一般)、医療保険(介護医療用)、旧制度(個人年金)の3つを組み合わせて適用するのがベストな選択肢であることが分かりましたが、これらの生命保険料控除金額を合計しますと125,000円となります。しかしながら、生命保険料控除の適用ルールとして、新制度と旧制度を組み合わせた場合の最大上限金額は120,000円という決まりがあるため、生命保険料控除金額は125,000円ではなく120,000円となる点に注意が必要です。それぞれの保険会社が無料で提供しているシミュレーターを活用しよう生命保険料控除の計算は、制度の確認と支払保険料さえ間違えなければ、それぞれの保険会社が無料で提供しているシミュレーターを活用すると早くて便利、かつ、正確に計算結果が表示されることになります。そのため、自分に合ったシミュレーターを見つけて活用されてみることをおすすめします。なお、筆者個人としては、第一生命のシミュレーターが使いやすかったので、以下、シミュレーターのリンクを紹介しておきます。生命保険料控除は、確定申告や年末調整で適用を受ける生命保険料控除は、所得税や住民税といった個人に対して課される税金を軽減させられる効果がありますが、実際に生命保険料控除の適用を受けるには、年末調整または確定申告の手続きが必要です。また、年末調整や確定申告で手続きを行う際、保険会社から郵送された生命保険料控除証明書を添付する必要があります。なお、年末調整や確定申告での手続き方法は、同サイト内で公開されている以下記事をそれぞれ読み進めていただければと思います。まとめ生命保険料控除が適用される上限は、新制度と旧制度によって異なるほか、実際に加入している生命保険の種類や契約内容によって変わることが分かりました。また、生命保険料控除を適用することによって税金を軽減させられる効果が得られるものの、上限が設けられていることから、極端な掛け過ぎによるメリットは得られないこともご理解いただけたと思います。新規加入や見直しをする上に置かれましては、保障内容の重視は当然のことながら、生命保険料控除を考慮した組み合わせを考えることも大切なポイントになると言えます。
2019年08月12日固定資産税は、土地や建物など不動産を所有している人に対して課される税金です。一戸建てやマンションを所有している場合には、土地と建物それぞれに固定資産税がかかります。マンションにも同様に課税されます。不動産を共有している場合は、持分に応じて固定資産税がかかります。では、固定資産税はどのように算出されるのでしょうか。■ 1. 固定資産税とは固定資産税は先に述べたとおり、土地や建物など不動産を所有している人に対して課される税金です。3年に1度見直しが行われています。固定資産税の納付書が送られてくるタイミングは、自治体によって多少異なりますが、毎年5〜6月頃に1月1日時点の所有者に対して送られてきます。年4回の指定月が期限となり、1回ずつ納めればいいようになっています。1-1.年の途中で不動産の所有者が変わったら1月1日時点の所有者に対し課税され、たとえ年の途中で不動産の所有者が変わっても支払い義務は1月1日時点の所有者となります。不動産の売買では一般的に、所有権の移転時を起点にし、移転時までを売主、移転後を買主の負担とし、日割り計算で買主が売主に支払うことが多いです。HappyRich / PIXTA(ピクスタ)1-2固定資産税の算定基準は固定資産税評価額固定資産税の税額の算出は、固定資産税評価額が基になっています。固定資産税評価額は実勢価格の70%程度を目安に決められます。実勢価格とは、実際の取引が成立する価格のこと。つまり、不動産の時価のことで、売り手と買い手の間で需要と供給が釣り合う価格です。■ 2.固定資産税評価額hiroshi / PIXTA(ピクスタ)固定資産税評価額を知るにはどうしたらいいのでしょうか。2-1固定資産税課税明細書を確認する不動産の1月1日時点の所有者に対して市町村から送付される固定資産税課税明細書には、固定資産税評価額が記載されていますので、確認することができます。紛失の際には、不動産を管轄する区役所等で所得できます。取得には運転免許証等の身分証明書が必要となります。2-2固定資産税台帳を閲覧する各区市町村が所有する固定資産税台帳を閲覧して確認する方法もあります。毎年4月1日から第1期の納期期限日までの間、自分の土地と建物だけでなく、他の人の土地や建物の評価額も確認すること可能となります。帳簿所有者の情報は掲載されていませんが、評価額は掲載されています。料金は無料です。2-3評価額に納得できないときは評価額を確認して思ったよりも高いなど、納得いかない場合は、「縦覧制度」などで確認をしたうえで、各自治体にある固定資産評価審査委員会に対して不服を申し立てることができます。審査の申し出が可能な期間は決まっていて、その時期は各自治体で異なりますので、申請の際には期限を確認しましょう。■ 3.固定資産税を安くする方法がある評価額が高ければ高いほど、固定資産税は高くなります。居住用の家屋の敷地(住宅用地)については、固定資産税の負担を軽くするために住宅用地の課税標準の特例措置が設けられていますのでうまく使うべきです。特例の条件を満たす物件を購入することで、減税措置を受けることができます。HappyRich / PIXTA(ピクスタ)たとえば「小規模住宅用地」の特例措置があります。200平方メートル以下の部分は評価額の6分の1、200平方メートルを超える部分は3分の1が課税対象になるという制度です。また新築の物件なら、一般の住宅なら3年間、認定長期優良住宅のマンションなら最長7年間、固定資産税が半分になる制度も利用できます。これらの措置を受けるためには、適用要件があるためチェックが必要です。■ 4.まとめkawamura_lucy / PIXTA(ピクスタ)固定資産税は、土地や建物など不動産を所有している人に対して課される税金です。算出は評価額を基に行われます。固定資産税の知識を知ったうえで課税標準の特例に該当する条件を備えた住宅選びを行えば、節税することが可能ですので、自分の土地や建物の評価額がいくらなのか確認しておきましょう。
2019年08月07日7月21日の参議院議員選挙を前に、れいわ新選組の山本太郎氏(44)が注目を集めている。山本氏が演説をすると人だかりができ、その様子はSNSを中心に拡散されるのだ。20日の産経ニュースによると、立憲民主党の関係者が「枝野幸男代表の10倍以上の聴衆が集まっている」と語るほどだという。YouTubeにアップされた山本氏の演説動画を見ると、その熱量がうかがえる。Twitterでもこんな感想が上がっている。《選挙なんか行っても変わらんから適当でいいって考えやったけど、それが変わったのは山本太郎さんの演説見たから》《山本太郎の街頭演説がすごく盛り上がってる。田中角栄の演説も聴衆がすごく集まったらしいけど、こんな感じなのかな》《れいわ新撰組に大きなうねりを感じる。これだけ心に響く演説は聞いたことがなかったし、山本太郎にかけてみたいと思う。ウソやごまかしはもうたくさん》れいわ新選組の擁立する候補者が個性豊かな点も、人々を惹きつけているようだ。元拉致被害者家族会副代表の蓮池透氏(64)や元派遣社員の渡辺照子氏(60)、また難病であるALSの当事者・舩後靖彦氏(61)や脳性まひで重度障害者である木村英子氏(54)といった顔ぶれが揃っている。れいわ新選組はホームページに「政権とったらすぐやります」「今、日本に必要な緊急政策」とつづり、政策を紹介。「安い家賃の住まい」「奨学金チャラ」「最低賃金1,500円」など17個の政策が並んでいる。そのなかで特に注目を集めるのは、他の野党が10月に予定されている消費税率10%への引き上げに「反対」「凍結」といった姿勢を示すなか、「廃止」を打ち出している点だ。5月、山本氏は本誌に登場。安倍晋三首相(64)について「深刻なデフレ下で、消費税を増税するなど、経済オンチでしかありません」と揶揄。「景気が低迷している今、まず手をつけるべきは人々の生活を底上げすること。そのために、消費税廃止を目指し、まずは5%に減税すべき」と話していた。続けて山本氏は「消費税は、89年に3%で始まって以来、97年、14年の2回、上がりました。そのたびに、法人税や所得税は減税されています」と指摘する。かつて消費税が導入された89年には19兆円あった法人税の税収だが、16年には10.3兆円に。89年を基準とする法人税の減収額は累計192.5兆円にのぼる。そのいっぽうで、消費税の税収の累計は263兆円だ。「この2つの数字を比較すると、消費税収の73%が、法人税の減少分に割り当てられていると見ることができます」(山本氏)つまり、法人税の減税で足りなくなる税収を消費税で穴埋めしている形となる。山本氏は「法人税は利益に対してかかりますが、消費税は家計が赤字であっても、消費をする限り払わなければならない“罰金”です。金持ちを、もっと金持ちにするために消費税がある」と語り、こう続けていた。「税金は“ないところから取るな、あるところから取れ”が基本です。日々の生活に苦しむ人たちが犠牲になっていいわけはありません」14年4月、消費税を3%増税する際に政府は「引き上げ分は、全額、社会保障の充実と安定化に使われます」と約束した。しかし山本氏は「完全な形で“社会保障の充実”に使われたのは、3%の増税で増えた約8兆円の税収のうち16%ほどに過ぎません。残り84%の使途について、詳細を要求しても、『出しません』の一点張り。説明責任を果たす気もない」と批判。そして、こう結んでいる。「しかも、この7年で社会保障費は4兆円以上カットされています。消費税は社会保障のため?だまされてはいけません」果たして、有権者はどんな結論を出すのだろうか。
2019年07月21日「安倍政権において、消費税をこれ以上引き上げることはまったく考えていません」「今後10年ぐらいの間は、上げる必要はないと私は思っている」参議院選挙の公示日前日の7月3日に行われた日本記者クラブ主催の討論会。安倍晋三首相はこう語り、10月から消費税を10%に引き上げることに理解を求めた。「この状況下で“消費税を増税する”というのは“日本経済を破壊します”と言い放っているのに等しいのです。『10年間上げない』という言葉も、はたして額面どおりに受け取っていいかどうか……」そう憤るのは、京都大学大学院教授の藤井聡さんだ。6年にわたり、安倍内閣で内閣官房参与を務めたが、増税などに反対する「言論活動に注力するため」、昨年12月に参与の職を辞している。「すでに安倍政権になってから1世帯当たりの年間の平均所得は実質値で40万円も減少しました。10月の消費増税は、さらなる所得の落ち込みを招くでしょう」消費税は所得が低い人ほど、負担が大きくなる。ファイナンシャル・プランナーの有田美津子さんが解説する。「2%の増税による消費税の負担額は、年収252万円の世帯だと約3万9,000円、年収1,183万円の世帯だと約8万2,000円増えることになります。負担額だけ見れば高所得世帯のほうが大きいんですが、収入に占める負担額の割合は、低所得世帯になるほど、高くなります。年収が252万円の世帯では負担の増加率は1.54%、一方、1,183万円の世帯では0.69%です。つまり、低所得のほうが2倍以上も負担額の割合は増えている。消費増税は、所得が低い世帯ほど家計への影響が大きいんです」だが、これはあくまでも2%の増税が家計に与える直接的な影響にすぎない。所得は増えていないのに、税負担が増えれば、当然、消費を抑えて支出を減らさざるをえないことになる。藤井さんはその影響をこう指摘する。「消費は経済成長のエンジンです。消費が冷え込めば、物価が下落し企業業績も悪化する。その結果、労働者の給与が減ってしまう。’97年に消費税が3%から5%に増税されてから、1世帯当たりの平均所得は多いときで年間20万円減り、’13年にはピーク時より135万円も減少しました」10%への増税は、5%への増税時以上の影響を日本経済に与えるという。「10%という税率だと、買い物する際に、簡単に税額を計算できます。常に、税が意識されることで、消費行動に大きなブレーキをかけてしまうのです。とりわけ女性の場合、5%から8%への3%分の増税より、10%への2%分の増税のほうが、“購買意欲”を減退させる力が4.4倍も高いという研究結果もあります」(藤井さん・以下同)さらに、最悪のタイミングの増税となる。「『働き方改革』のために、残業代が減り、所得は確実に減っています。ここ数年、日本経済を活気づけていた“オリンピック特需”も終わってしまう」世界経済が好調だったおかげで、輸出企業が収益を上げて、日本のGDPは押し上げられていたが……。「米中の貿易戦争に、原油高。世界経済の見通しは立たない状況にあります。これまで日本経済を支えていた外需が、落ち込みつつあるのです。この経済状況下での増税は自殺行為だといっていい。現在、年間の平均所得は550万円ほどですが、10%の心理的効果も相まって、短期的には50万円、長期的には最悪のケースで200万円ほども、所得が減少すると考えています」
2019年07月16日「いまの景気状態で、消費税の増税が強行されれば、家計への影響は計り知れません。日本経済も間違いなく悪くなってしまいます」こう警鐘を鳴らすのは、政権与党の自由民主党内で、「消費増税の凍結」を一貫して主張してきた西田昌司参議院議員(60)だ。10月に予定されている消費税の10%への増税。7月21日に投開票が行われる参議院選挙では、「老後2,000万円不足」問題と同様に大きな争点になることは間違いない。そんななか、今回の参院選で3期目を目指す西田議員が、6月25日に本誌の取材を受け、消費増税反対の声を上げた。税理士を経て、京都府議を5期務めた後、’07年から参議院議員に。国会で「政治とカネ」の問題を鋭く追求する姿勢などから、“国会の爆弾男”の異名がある西田議員は、消費増税が日本経済をどん底に突き落とすと考えている。「アベノミクスで、景気はよくなっています。ただ、いちばんの問題は賃金が上がっていないこと。雇用が増えて、ようやく賃金も上がろうとしている局面で、消費税を10%にすれば、個人が消費に使えるお金が減ってしまいます」軽減税率の対象となるのは、持ち帰りの食料品など、一部の品目だけ。購入する店舗の規模によって、還元率が2%か5%かで変わる、ポイント還元も’20年6月末までの期間限定だ。「多くの人が外食や家族旅行などの消費を控えるようになるでしょう。これまで1カ月に1度だった外食が、2カ月に1度になれば、当然景気は悪くなりますよね。外食産業もお客さんが来なくなれば、そこで働く従業員にお金を払えなくなる。つまり、雇用が減り、給与も減る。すると、さらに個人消費が減ってしまう。こうした、負のスパイラルが日本中に拡大してしまうんです」だが、財務省が“国の借金”と表現する国債などは、現在1,000兆円ほどある。消費税の増税を行わなければ、将来世代にツケを回してしまうのではないか。「そもそも、国は中央銀行(日本銀行)を通して、通貨を発行することができます。いくら国債を発行しても、財政破綻することはありません」国債の信用度は金利の低さに現れる。現在の日本国債の金利は、0.1%という超低金利だ。「デフレ下のいまこそ、どんどん国債を発行すべきだと考えています。すると、通貨の量が増えるわけですから、物価が上昇するインフレになります。まずはデフレ脱却が最優先です。そして、目標とするインフレ率が達成されてから、消費税の増税を行えばいいのです」自国通貨を発行できる政府は、ハイパーインフレにならない限り、財政赤字を心配する必要はないという考えは、MMT(現代貨幣理論)として、世界中で注目されている。「日本は900兆円もの国債を発行していながら、破綻しないどころか金利が下がってきた。これを財務省はどう説明するのでしょうか?財務省は現実を見てほしい」デフレ脱却のためには、個人の所得が上がる必要がある。「企業の業績がよくて、株価がそこそこ高くなっても、従業員に給料として還元されないから、個人消費が増えない。さらに、働き方改革で残業代が減って、家庭に入る給料総額も少なくなっています。これでは、デフレから脱却できるはずはありません」財務省は、“すでに軽減税率などの準備を進めているので、いまさら消費増税を延期したら、大混乱になってしまう”として、反対意見を封じ込めようとしている。「先の大戦では、米国と戦うのは危ないとわかっていながら、日本は戦争に突き進んでいきました。“決まったから、やめられない”では大日本帝国陸軍と同じ。もちろん、凍結による混乱はあるかもしれないが、実際に経済が悪くなることを考えれば、どちらの混乱のほうがいいでしょうか」
2019年07月04日医療保険は、公的医療保険と民間医療保険の2種類があり、いずれの保険料を支払った場合も、所得税や住民税の負担額を軽減する所得控除の対象になります。ただし、実際に負担した公的医療保険料と民間医療保険料では、適用となる所得控除の種類が異なるほか、税額を軽減する効果も大きく異なります。そこで本記事では、2つの医療保険にかかる所得控除と知っておきたいポイントについて紹介していきます。医療保険と所得控除の基本ポイント保険会社を問わず、上記図のように適用制度が新制度なのか旧制度なのか記載されているため、そちらを見ることでどちらの制度なのか簡単に確認することができます。新制度と旧制度のいずれの契約もある場合は、シミュレーターの活用がおすすめ生命保険料控除について、新制度と旧制度のいずれの生命保険にも加入している場合は、適用の仕方によっては税負担を少なく抑えられる場合があることをお伝えしました。しかしながら、そのような専門的なことはよくわからないといった方も多いと思いますので、保険会社が無料で提供している生命保険料控除のシミュレーターを使ってみるのも良いでしょう。参考までに、以下、第一生命が無料提供している計算ツールとなります。医療保険と関係の深い医療費控除について医療保険に加入している状態で、病気やケガで入院した場合など、保険金の支払事由に該当する場合は、保険会社から保険金を受け取ることができます。この時、医療保険と関係の深い所得控除として、これまで解説した生命保険料控除のほかに、医療費控除が挙げられます。医療保険に関わる控除についてのまとめ医療保険に関係する控除には、生命保険料控除と医療費控除があります。保障内容や保険料といった目に見える部分だけではなく、いずれの控除も考慮しておくことがとても大切です。
2019年06月21日「多くの国民が、10月の『消費税増税』が予定通りに行われるかどうかを、気にしています。自民党の選挙公約が発表されましたが、公約が載った資料には、小さな文字でひっそりと『本年10月に消費税率を10%に引き上げます』と書かれているだけ。これで選挙に勝ったら、公約が信任されたといって、増税するつもりなのでしょうか?」(全国紙政治部記者)6月7日、自由民主党は夏の参議院選挙に向けての選挙公約を発表した。党本部で行われた会見で壇上に上がったのは、岸田文雄政調会長だ。「令和の時代になって初めて行われる国政選挙。令和時代の日本の姿を選ぶ選挙というのを念頭に、公約も作成を行いました。表紙にある『日本の明日を切り拓く(ひらく)』というタイトルはそういった思いと決意を込めさせてもらった」そう夏の参院選挙の意義を説明した岸田氏。この日、自民党が公開した資料は『令和元年政策パンフレット』と『令和元年政策BANK』の2つ。いずれも、自民党ホームぺージで閲覧できる。「『政策BANK』が公約の本体。そのなかから、強調したい項目を、6項目にわたって、“特だし項目”として、(『政策パンフレット』で)掲げさせてもらった」そう岸田氏が言うように、24ページある『政策BANK』は小さい文字だけでびっしり公約で埋め尽くされている一方、18ページの『政策パンフレット』は大きい文字と写真で構成されている。自民党が『政策パンフレット』で“重要項目”として掲げたのが、「力強い外交・防衛で、国益を守る」「強い経済で所得をふやす」「誰もが安心、活躍できる人生100年社会をつくる」「最先端をいく元気な地方をつくる」「災害から命・暮らしを守る」「憲法改正を目指す」の6項目だ。各項目で概要が説明されているが、どこにも「消費税」の文字はない。そもそも、『政策パンフレット』には一度も「消費税」という文字は出てこないのだ。「消費税」についての記載があるのは『政策BANK』のみだ。10月の消費税10%が明言されるのは、8ページ目。「2経済再生」という大項目で、5つめの項目である「財政・税制」の2つ目の文章。前出の政治部記者はいう。「要は、自民党は『消費税』を選挙の争点にしたくないということだと思います。よっぽど政治に興味を持っている人くらいしか、『政策BANK』なんて読まないでしょう。10月の消費税増税前の最後の選挙ですし、これだけの国民の関心事なのですから、消費税の増税が正しい政策だと思うのなら、『政策パンフレット』の方にも大きく記載するべきです。これでは“消費税増税隠し”と言われても仕方がない」この日の会見でも、岸田氏は自ら、増税について語ることはなかった。初めて触れたのは会見の開始から30分ほど経ってから。記者の質問を受けてのことだ。「リーマンショック級のできごとがない限り引き上げる。こういったことを再三強調してきました。少なくとも、現在、リーマンショック級のできごとには遭遇していないと、私は認識している」増税を争点化させたくない自民党。一方、野党5党派は、全国に32ある「1人区」の候補者の一本化に向けて動き出しているが、政策でのまとまりはなく、“増税反対”に対する熱量はバラバラだ。このまま波風が立つことなく、10月の消費税増税は行われてしまいそうだ。
2019年06月08日今年10月に予定される消費税の増税まで、いよいよ残り数ヶ月に。増税と聞いて、家計の負担が増えることに頭を悩ませている方も多いのではないでしょうか。でも、支払い方法を変えるだけで、出費を抑えられることもあるのです。今回は、資産運用・トレーディングのプロである山田良政さんに「増税後にクレジットカードを使うメリット」についてご紹介いただきます。文・山田良政「キャッシュレス」が増税対策に!?いよいよ、消費税10%への増税が迫ってきました。現在の8%から2%増えるわけですが、これが毎回の買い物で積み重なると、予想以上の家計の負担となります。例えば、年間で200万円使っている家庭では、消費税分だけで4万円も負担が増える計算です。しかし、その影響で皆がお金を使わないと経済が冷え込んで、逆に国の税収が減ってしまう可能性もあるのです。そこで政府は、増税による家計や経済への負担を減らすために、クレジットカードやQRコードでのキャッシュレス決済に限り、原則2%分をポイントで還元する軽減税率を施行する予定です。つまり、現金しか使わない人は、増税後は10%の消費税を支払うことになりますが、キャッシュレス決済をすれば、増税後でも2%分のポイントが還元されるので、実質に支払う消費税は8%に近い感覚になります。支払いは現金派というあなたも、この機会にクレジットカードに乗り換えてみてはいかがでしょうか。中小の小売店での商品購入時には5%還元される!また、さらに嬉しいことに、キャッシュレス決済で商品を購入する際、店によっては5%分のポイントが還元されるケースもあるのです!ただし、対象は「中小の小売店」での商品購入時のみ。全ての買い物で5%還元されるわけではないということを覚えておきましょう。ちなみに、5%還元の対象になっている「中小の小売店」とは、中小規模の飲食店、宿泊施設、サービス業などのことを指しています。大手スーパーや、百貨店などで購入した商品に関しては、そもそもポイント還元の対象外になっています。ただし、コンビニの場合はオーナーが中小規模でも、大手の傘下なので2%還元となります。なお、換金性の高い商品券やプリペイドカード、減税対策済みの住宅、自動車などはポイント還元の対象外となっているので注意しましょう。還元率の高いクレジットカードを早めに選ぼうここでひとつ、軽減税率を受ける上で重要なことをお伝えします。それは、この軽減税率が期間限定の政策だということです。政府は、増税前の駆け込み需要と、増税後の経済の冷え込みを抑えるため、増税後9ヶ月間は最大5%ポイント還元を行うと発表しました。つまり、現段階では2020年6月には軽減税率が終了する予定なのです。また、消費税増税の前後にクレジットカードを作ろうとしても、同様の申し込みがカード会社に殺到し、手元にカードが届くまでいつも以上に時間がかかってしまう可能性があります。さらに、ひと言で「クレジットカード」と言っても、年会費があったり、軽減税率分以外のポイントが貯まりにくかったり、貯まったポイントの使い道が限られていたりすると、むしろ損してしまう可能性も……。カード会社に申し込みが殺到する前に、還元率が高く、使い勝手の良いカードを選びましょう。5月現在、ポイント還元の対象となる、キャッシュレス決済業者の登録は完了しており、業者の一覧が公開されています(詳しくは、経済産業省の「キャッシュレス・消費者還元事業」というページを確認してみましょう)。増税後からカードを使い始めたいと考えている方は、申し込みが殺到する前に、早めに申し込んでおいた方が良いかもしれませんね。-山田良政-株式会社オフィサム代表取締役。FXによる資産運用を自動化させた第一人者。自身が開発したFX自動売買システムが、2013年度に「世界一の評価」を獲得。誰でも気軽に資産が増やせる「自動取引システムによる資産運用」を提案し、その分かりやすい切り口はマネーに関するプロ達だけでなく女性からの支持も多い。「億を稼ぐ」ために必要な思考が綴られたインタビュー本『億トレⅡ』『億トレⅢ』も大好評。『月間BIG tomorrow』でも執筆中。・株式会社オフィサム © Kite_rin /shutterstock© Ollyy /shutterstock© Dean Drobot /shutterstock
2019年06月01日2019年10月に消費税が10%に増税される予定ですが、税制は社会状況の変化に応じて変わるものです。所得税も働き方の多様性を踏まえ、同一業務であるのに雇用形態が異なる場合がある、会社員とフリーランスにある税制の差を埋めるために今回の改正となりました。 今回は2020年以降に適用される所得税の給与所得控除と基礎控除の改正事項についてお伝えします。 1.給与所得控除の改正について 所得税を計算するうえで、事業をしている人やフリーランスの人(以下、個人事業主)は必要経費を収入から引くことによって所得を算出しますが、勤務先から給料を支払われている人(以下、給与所得者=会社員・公務員・団体職員・パートタイマーやアルバイトも含まれます)は具体的な必要経費の計算をしません。 その代わりに、給与所得控除と呼ばれる法律上の経費的なものを差引き、収入の全額を所得としないことで、個人事業主との所得税負担の公平を図っています。この給与所得控除について、高額所得者は多額すぎるとの判断から、2020年分の所得税から上記の表のように変更となります。経費的に差し引ける給与所得控除額の上限を220万円から195万円にすることで、給与の高額所得者の所得税負担を増やすことになりました。 2.基礎控除の改正について基礎控除とは、所得税額の計算をする場合に、所得金額などから差し引くことができる控除の一つで、誰にでも適用される控除です。この控除があるため、年間103万円以内のパート・アルバイト等の収入があっても、所得税はかからないことになります。 2019年分は所得に関わらず、一律38万円ですが、2020年からは上記の表のとおりとなります。所得の種類を問わず、2400万円を超える所得がある場合は、控除額が減り所得税の負担が増えることになります。 3.給与収入850万円以下の人は実質的な影響はなし給与所得者にとっては、給与所得控除と基礎控除との両方が影響しますが、給与収入が年間850万円以下の場合は、給与所得控除が10万円減少するものの基礎控除が10万円増加するため、合計するとそれらが差引されて実質的な所得税には変化がありません。 しかし、給与収入金額が年間850万円を超える場合には状況が変わります。所得調整控除の対象となる人(特別障害者、23歳未満の扶養親族がいる人、特別障害者である同一生計配偶者または扶養親族がいる人)以外は、段階的に控除額が減るため負担増となります。例えば、給与収入1,000万円の場合・税率20%の場合には、所得やその他の控除が同じ条件であれば、年間3万円の所得税の負担が増えることになります。 一方、個人事業主は、雇用形態でない場合には給与所得控除がありませんので、今回の改正で基礎控除の控除額が引き上げられる分、所得やその他の控除が同じ条件であれば、所得税は減ります。事業所得が1,000万円・税率20%の場合は年間2万円の所得税の負担が減ることになります。 今回の所得税改正では、給与での年収850万円以上の人は負担増、個人事業主の人は負担減となるため、本人や家族で該当する人は2020年からの手取り額が変わる可能性がありますので、働き方や源泉徴収票、確定申告書を確認する機会にしていただければと思います。 監修者・著者:ファイナンシャルプランナー 大野高志1級ファイナンシャルプランニング技能士、CFP®(日本FP協会認定)。独立系FP事務所・株式会社とし生活設計取締役。予備校チューター、地方公務員、金融機関勤務を経て2011年に独立。教育費・老後資金準備、税や社会保障、住宅ローンや保険の見直し、貯蓄・資産運用等 多角的にライフプランの個別相談を行うとともにセミナー講師として活動しています。
2019年05月23日みなさんが日々支払っている税金。今年も消費税の増税をはじめ、大きな税制の変更が予定されています。今のうちから、ある程度の知識と対応策を押さえておきましょう。今回は、資産運用・トレーディングのプロである山田良政さんに“今年度増税・減税される税金とその対策”についてご紹介いただきます。文・山田良政2019年10月1日に消費税が8%から10%へもうご存知の方も多いと思いますが、今年の10月1日から、消費税が8%から10%になります。ほぼ全ての商品に関わる税金ですので、食費や日用品などが2%分高くなるとあれば、家計への打撃は必至でしょう。車で通勤している方は、ガソリン代や車検・保険代でさらにお金がかさむことに。このタイミングで、支出の見直しを行い、携帯の契約を大手キャリアから格安会社に移行したり、普段買っているものを安売りのときだけ購入したりといった、細かな対策を行うようにしましょう。景気対策として消費税の軽減税率が適用2019年10月の増税では、今までの増税とは異なり、軽減税率が適用されます。軽減税率の対象商品は今まで通り消費税8%のまま。酒類(料理酒やみりんを含む)以外の食品に適用されます。お酒をよく飲まれる方は、これを機にお酒の量を抑えてみても良いかもしれません。また、持ち帰りや出前食品は8%のままですが、席について食べる外食は10%の税率が適用されます。同じものを食べるなら、店内で食べるのではなく持ち帰りにした方がお得ですね!キャッシュレスによる5%ポイント還元がスタート上で紹介した軽減税率以外にも、キャッシュレス決済の場合5%のポイントが還元される施策も検討されています。ただし、これは中~小規模の店での買い物時限定で適用されるものなので、すべて5%還元になる!と思っていると、損してしまう恐れもあります。大手は対象外となっていますが、JRがスイカでのポイント還元を検討するなど、自主判断でポイント還元を行うケースはあるようです。今のうちからアンテナを張っておき、どのカード、サービスを利用するのが一番お得なのか、見極めておく必要がありそうです。自動車税減税&環境性能割の実施これから自動車の購入を検討する方にお得なニュースが。それは自動車税の減税。今年の10月1日以降、新たに登録された車は減税適用されるのです。減税額は、最大年間4,500円で排気量が上がるほど減額されていく仕組みのようです(軽自動車は対象外)。また、同時に自動車取得税が廃止され、燃費基準に応じて課税されていく「環境性能割」が導入されます。「2020年度燃費基準」という指標を+10%以上達成した車種であれば、自動車取得の際の「環境性能割」が非課税になるのです。なお、電気自動車やクリーンディーゼル車、プラグインハイブリッド車も「環境性能割」の非課税対象になります。これから車の購入を検討される方は、ぜひ参考にしてください。消費税はすべての人にかかってくる税金です。物価が上がれば、私たちの生活にも少なからず変化があるでしょう。だからといって、切り詰めすぎるのは良くありません。今回ご紹介した点を意識しつつ、楽しみながら生活を送りしょう。© TunedIn by Westend61 /shutterstock© Africa Studio /shutterstock© George Rudy /shutterstock
2019年05月18日相続が発生したときに、心配になるのが相続税ではないでしょうか?相続税は、場合によっては大きな負担になることがありますが、財産を相続しても相続税がかからないこともあります。今回は、相続税発生の有無を分ける基礎控除の額について説明します。基礎控除額の計算方法を理解しておき、生前の相続対策などに役立てていただければ幸いです。相続税の基礎控除は相続人の数で変わる!相続税発生の基準となるのが、基礎控除です。相続税の基礎控除の意味や基礎控除の金額を計算する方法を知っておきましょう。相続税がかかるケースとは相続税は、相続や遺贈により財産を取得した人に課税される税金です。相続税がかかるかどうかは、相続の規模によって変わります。亡くなった人(被相続人)が残した財産が一定規模以上の場合、その相続で財産を取得した人に相続税がかかるしくみです。相続税の基礎控除とはその相続が、相続税がかかる規模かどうかを判断する基準となるのが基礎控除です。基礎控除は、相続税だけでなく贈与税や所得税にもありますが、課税対象から無条件で差し引きできる金額になります。相続税は、相続税の課税対象となる財産の合計額(課税価格の合計額)から基礎控除額を差し引きした課税遺産総額をもとに計算します。課税価格の合計額が基礎控除額以下の場合には、相続税はかかりません。基礎控除額は、相続税の非課税枠ということになります。相続税の基礎控除の計算式相続税の基礎控除は、次の計算式で計算します。基礎控除額=3,000万円+600万円×法定相続人の数相続税の基礎控除は、2015年1月に改正により引き下げられました。2014年12月以前に発生した相続については、次の計算式で計算します。(旧)基礎控除額=5,000万円+1,000万円×法定相続人の数相続税の基礎控除の早見表相続税の基礎控除額は、相続人数によって変わります。たとえば、相続人が1人の場合、相続税の基礎控除額は3,600万円ですから、被相続人の残した財産の額が3,600万円を超える場合には相続税がかかります。一方、財産の額が3,600万円を超えない場合、すなわち3,600万円以下の場合には、相続税はかかりません。相続税の基礎控除額を超えているなら早急に遺産分割が必要被相続人の残した財産が相続税の基礎控除額を超えている場合には、相続開始を知った時から10か月以内に相続税の申告が必要です。相続税の申告をする前提として、遺産分割を終わらせなければなりません。基礎控除額を超えており相続税がかかるケースでは、速やかに遺産分割協議を終わらせるようにしましょう。10か月以内に遺産分割が終わらない場合でも、法定相続人が法定相続分で財産を取得したものとして、期限内の申告が必要になります。相続税の基礎控除の「法定相続人」とは?相続税の基礎控除は法定相続人の数によって変わりますが、ここでいう「法定相続人」には民法上の法定相続人すべてが含まれるわけではありません。相続税における法定相続人のカウントの仕方を知っておきましょう。法定相続人に含まれる養子の数には制限がある民法上、養子には実子と同様の相続権があります。子は第1順位の相続人ですから、養子を増やせば法定相続人を増やすことができます。しかし、相続税の基礎控除を計算するときには、養子を全員法定相続人としてカウントできるわけではありません。養子については、次のようなルールがあります。被相続人に実子がいる場合…養子は1人までしか法定相続人に含めることができません。被相続人に実子がいない場合…養子は2人までしか法定相続人に含めることができません。養子を実子とみなす場合相続税の基礎控除の計算においては、次の場合には養子であっても実子とみなします。特別養子縁組により養子となった場合配偶者の連れ子を養子にした場合代襲相続人でもある養子(孫を養子にしており、子が亡くなっている場合)相続放棄した相続人も法定相続人に含める民法上、相続放棄すれば最初から相続人でなかった扱いになり、法定相続人ではなくなります。しかし、相続税の基礎控除の計算では、相続放棄をした人も法定相続人としてカウントします。相続放棄をした人がいても、基礎控除額が減ってしまうことはありません。生命保険金がある場合の相続税の基礎控除は?財産を相続するのではなく、生命保険金として受け取った場合には、一部が非課税になることをご存じでしょうか?相続の際に、生命保険金がある場合の相続税の計算方法や基礎控除との関係を知っておきましょう。生命保険金を受け取っても相続税がかかることがある被相続人が亡くなったことにより、生命保険金(死亡保険金)を受け取ることがあります。生命保険金は、民法上の相続または遺贈により取得した財産ではありません。しかし、生命保険金は、みなし相続財産として、相続税の課税対象になります。生命保険金には非課税枠がある相続税の計算において、生命保険金には基礎控除とは別の非課税枠が設けられています。生命保険金の非課税枠は、次の計算式で計算します。500万円×法定相続人の数たとえば、法定相続人が3人の場合、生命保険金は1,500万円まで非課税です。相続人が受け取った生命保険金が1,000万円の場合には、全額非課税になります。もし相続人が受け取った生命保険金が2,000万円なら、500万円のみが課税対象になります。生命保険に加入すれば、相続税の課税対象になる財産を減らすことができます。相続税対策として、財産を現金や預金で残すのではなく、生命保険に加入することは、有効な方法の1つです。生命保険金の非課税枠を計算する際の「法定相続人」とは?相続税において、生命保険金の非課税枠を計算する際の「法定相続人」には、民法上の法定相続人全員が含まれるわけではありません。養子の数について制限があり、相続放棄をした人も「法定相続人」の数に含めることは、基礎控除の場合と同様です。非課税になるのは相続人が受け取った生命保険金だけ生命保険金について、非課税の恩恵が受けられるのは、相続人が受け取ったもののみになります。相続人以外が受け取った生命保険金は、非課税にはなりません。相続放棄をした人が受け取った生命保険金も、非課税枠には含めないことになっています。たとえば、相続放棄をした人が1,000万円の生命保険金を受け取った場合、法定相続人の人数に関係なく、1,000万円全額が課税対象になります。生命保険金がある場合の計算例相続税がかかるかどうかは、課税対象になる財産から生命保険金の非課税分を差し引きした金額が、基礎控除額以下であるかどうかで判断します。たとえば、法定相続人が3人の場合、基礎控除額は4,800万円です。被相続人の残した財産額が6000万円で、そのうち相続人が受け取った生命保険金が2,000万円の場合、生命保険金については1,500万円が非課税になりますから、相続税の課税対象になる財産額(課税価格の合計額)は4,500万円です。つまり、このケースでは課税価格の合計額は基礎控除額以下であるため、相続税はかからないことになります。基礎控除の計算方法まとめ相続財産の額が基礎控除額を超えていれば、相続税がかかります。基礎控除額は法定相続人の数によって変わりますが、法定相続人の数はほぼ変えることができません。相続対策としては、相続財産の額を減らすことが有効です。生前贈与をしたり、生命保険に加入したりすることで、課税対象になる相続財産の額を減らせることがあります。相続税が心配なら、あらかじめ対策をしておきましょう。
2019年05月16日消費税増税によってマンションを購入する際の負担はどう変化するのか。消費税増税に伴う住宅ローン控除拡充の内容や控除額の変化などを踏まえながら、マンションを購入するタイミングについて考えていきます。消費税増税によるマンション購入への影響2019年10月に迫った消費税の10%への引き上げは、予定通り実施されればマンションの購入にも影響します。マンション購入価格の上昇消費税増税はマンション購入価格の上昇に直結します。ただし、消費税がかかるのは「建物」部分のみ。「土地」(マンション敷地)や個人が売主となる「中古マンション」にはもともと消費税がかからないため、増税による影響はありません(中古マンションであっても、不動産業者(課税事業者)が売主となるケースでは建物部分に消費税がかかります)。消費税増税により「建物」部分の購入価格が上昇する4,000万円(建物2,000万円・土地2,000万円)の新築マンション購入する場合では、消費税の負担は40万円(=建物価格2,000万円×増税分2%)増えます(税率8%適用時:160万円→税率10%適用時:200万円)。仲介手数料の増加中古マンションは一般的に不動産業者を介して売買され、不動産業者に支払う手数料(仲介手数料)が発生します。この仲介手数料は消費税の課税対象であり、消費税増税による影響を受けます。消費税増税により仲介手数料が増える不動産業者へ支払う仲介手数料は宅地建物取引業法で上限(*1)が定められており、売買価格が400万円を超える場合の上限額は「(売買価格×3%+6万円)+消費税」で計算されます。(*1)仲介手数料上限額たとえば売買価格3000万円の中古マンションを購入する場合の仲介手数料上限額は、以下のように変化します。上記の金額は仲介手数料の上限額であり、物件や不動産業者によっても違います。特に不動産業者が売主・買主双方から手数料を受け取れるような場合、交渉によって仲介手数料を下げられる可能性があります。買い手側から交渉しなければそのままということも多く、まずは交渉してみましょう。下がらなかったとしても損はしません。消費税10%が適用されるタイミング消費税は原則として引渡時点の税率が適用されます。今回の増税では2019年9月30日までに引渡しが済めば8%、引渡しが2019年10月1日(増税日)以降となれば10%の税率が適用されます。引渡日2019年9月30日以前:消費税率8%引渡日2019年10月1日以降:消費税率10%消費税増税に伴う住宅ローン控除の拡充2019年の税制改正大綱において住宅ローン控除を拡充する特例が設けられました。この特例は消費税増税に伴う負担の増加と住宅需要減少への対策を目的としたもので、個人が消費税率10%で住宅を購入した場合に適用されます。現行の住宅ローン控除制度の概要住宅ローン控除制度(住宅借入金等特別控除制度)は、住宅ローンを利用して住宅を取得する人の金利負担軽減を図る制度。その内容は、年末時点の住宅ローン残高または住宅の取得対価のいずれか少ないほうの金額の1%を、最長10年間に渡り所得税から控除するというものです(所得税から控除しきれない場合には、翌年度の住民税の一部からも控除できる)。住宅ローン控除の(年間)最大控除額=年末時点住宅ローン残高等×1%住宅ローン控除限度額(2014年4月〜2021年12月居住開始)(*2)売主が個人で消費税が非課税となる場合(*3)前年度所得税課税所得金額の7%まで(上限13.65万円)(*4)前年度所得税課税所得金額の5%まで(上限9.75万円)住宅ローン控除拡充の概要2019年の税制改正では特例によって、消費税率10%が適用される住宅を取得し、2019年10月1日から2020年12月31日までに入居した場合に限り、控除期間が3年間延長されることになりました。消費税率10%が適用される住宅を取得・2019年10月1日から2020年12月31日までに入居→控除期間が3年間延長控除額は1年目〜10年目については現行どおり、11年目〜13年目については以下のいずれか少ないほうの金額となります。【11年目〜13年目の住宅ローン控除(年間)最大控除額】(1)または(2)のいずれか少ないほうの金額(1)年末時点の住宅ローン残高等(*5)×1%(2)住宅の取得価格から含まれる消費税相当額を差し引いた金額(*5)×2%÷3(*5)一般住宅:上限4,000万円/長期優良住宅等:上限5,000万円住宅ローン控除拡充による控除額への影響住宅ローン控除拡充によって控除額はどう変わるのか。以下のような条件でシミュレーションしてみます。シミュレーション条件家族構成:夫(会社員)・妻(専業主婦)・子(8歳・12歳)収入:夫の給与所得600万円(課税所得265万円)*シュミレーション期間中一定で推移すると仮定所得税額(復興特別所得税含む):17.1万円住宅価格:4,000万円(建物2,000万円・土地2,000万円)+消費税200万円(諸経費含まず)住宅ローン:借入金額3,200万円/元利金等返済/返済期間30年・ボーナス返済なし/全期間固定金利1.5%住宅ローン残高推移(万円)住宅ローン控除は、(A)所得税と控除対象となる住民税から、(B)40万円(=4,000万円×1%・一般住宅の場合)を上限として、(C)住宅ローンの年末残高×1%と(D)住宅取得価格×2%÷3(11年目〜13年目)のいずれか少ないほうの金額が控除する仕組み。つまり、以下の表の(A)〜(D)のうち最も小さい金額(赤字で示したもの)がその年の実際の控除額となります。実際の控除額(万円)このケースでは10年間の控除額の合計は約271万円、13年間の控除額の合計は約333万円となり、控除の拡充によって控除額は約62万円増えます。すまい給付金の拡充住宅ローン控除は所得税・住民税から控除する仕組みのため、収入が低い(課税額の少ない)人は控除される税金が少なくなり、負担軽減効果が薄いという欠点があります。これを補完する仕組みとして設けられたのが「すまい給付金」制度であり、今回の増税に伴ってすまい給付金の拡充も行われます。すまい給付金は売主が不動産業者等で消費税が課税される場合のみが対象で、個人が売主となる中古マンションの購入では給付を受けられません。(*6)夫婦(妻は収入なし)および中学生以下の子どもが2人のモデル世帯において、住宅取得する場合の夫の収入額の目安。実際には都道府県民税の所得割額(市町村発行の個人住民税課税証明書で確認できる)に基づいて決定されます。消費税増税により実質的な負担が減るケースも上記のシミュレーションの条件で4,000万円(消費税込4,200万円・諸経費含まず)の新築マンションを購入する場合、増税による消費税負担の増加分は40万円。一方で住宅ローン控除の拡充によって控除額が約62万円増え、新たに対象となるすまい給付金が30万円とあわせ、控除額は92万円増加します。消費税負担の増加分40万円を控除額の増加分92万円が上回り、このケースでは税率10%で購入することで実質的な負担が52万円減少します。マンション価格の動向人手不足や建築需要の増加によって建築費、人件費は高止まりしており、マンション価格は上昇が続いています。マンション価格の動向は、マンション購入のタイミングを判断する材料となります。マンション価格の推移不動産経済研究所による調査によると、2018年の新築マンションの全国平均価格は4,759万円(㎡単価71.3万円)となっており、1973年の調査開始以来の最高値を更新しました。特に価格上昇の大きい東京23区内では新築マンションの平均価格が7,142万円(2018年)と、平均的なサラリーマンではなかなか購入が難しい水準にあります。マンション価格は今後どうなるのかすでにマンション価格はピークにマンション価格は今後もしばらくは高止まりが続くと見込まれているものの、オリンピックが開催される2020年が近づき、すでにマンション価格はピークにあるとの見方もあります。マンションの売却が増えることも想定マンションの売却益は保有期間が5年を超えると長期譲渡所得(所得税+住民税/税率20%)に該当し、短期譲渡所得(同/税率39%)よりも有利な条件で売却できます。オリンピック開催が決定した2013年からすでに5年が経過し、値上がりを見込んで当時購入したマンションの売却が増えることも想定されます。家余りは長期的なマンション価格の下落要因また税制改正によってタワーマンションを利用した相続税の節税対策ができなくなったことで、投資・節税目的の需要減少によるマンション価格の下落につながる可能性もあります。さらに人口減少に伴って空き家は急増しており、家余りは長期的なマンション価格の下落要因となります。好立地の新築マンションについては今後も価格の高止まりが続くと予想一方で建築費や人件費の高騰でマンションの利益率は低下しており、ディベロッパーは新築マンションの供給数を減らし、利益率の高い好立地の高価格帯マンションの比率を高めています。そのため好立地の新築マンションについては今後も価格の高止まりが続くのではないかと予想されます。結論資産性の高い好立地のマンションであれば、待っていてもあまり値下がりは期待できず、その間の家賃負担などを考えると、早めに購入したほうがいいかもしれません。一方で郊外型のマンションなどは今後値下がりも予想され、不動産価格が落ち着くまで様子を見るのもひとつの選択肢といえます。どのタイミングでマンションを購入すればいいのか新築マンションを購入する場合、住宅ローン控除特例によって消費税10%が適用されるほうが有利となるケースもあります。入居時期を調整できる場合には、税率8%と10%のどちらで購入すれば実質的な負担が減るか、借入金額や収入などをもとに試算して、有利なタイミングを選びたいところ。ただし焦って購入するのは禁物です。マイホームを持つことはリスクも伴い、無計画な住宅購入によってせっかくのマイホームが人生の重荷になってしまうこともあります。ライフプランや返済計画をしっかりと立て、迷いのなくなったタイミングで購入すべきでしょう。
2019年05月09日親が亡くなったときなどに、財産を相続するケースは多いでしょう。財産を相続できるだけならよいですが、相続税の負担は心配なはずです。相続税がどれくらいになるのかを計算するため、相続税の税率を知りたいという人も多いと思います。今回は、相続税の税率や計算方法について説明しますので、参考にしてください。相続税の税率とは?まず、大前提として知っておいていただきたいのは、相続税は、所得税のように所得の額に税率をかけて計算するものではないということです。相続税の税率を知っても、相続税は計算できません。相続税にも税率と呼ばれているものはありますが、相続税の税率は計算の過程で使うものです。相続税の計算方法は、やや複雑です。以下、相続税計算方法について説明しますので、大まかな流れを理解しておいてください。相続税の計算方法相続税は、次のような流れで計算します。手順1. 「課税価格の合計額」を出すまずは、「課税価格の合計額」を出します。「課税価格の合計額」とは、相続税のかかる財産の額を合計したものから、相続税のかからない非課税財産(仏壇・仏具など)及び被相続人の債務・葬式費用を差し引きしたものです。相続税のかかる財産とは、以下のものになります。ア本来の相続財産民法上の相続または遺贈により取得した財産です。イみなし相続財産生命保険金や死亡退職金になります。ただし、生命保険金も死亡退職金も、それぞれ「500万円×法定相続人の数」までは非課税です。ウ相続開始前3年以内の生前贈与財産相続の際に財産を取得した人が、被相続人から相続開始前3年以内にも生前贈与を受けていた場合、その生前贈与財産も相続税の課税対象になります。エ相続時精算課税による生前贈与財産相続時精算課税を選択して生前贈与された財産は、相続税の課税対象になります。つまり、「課税価格の合計額」は次のようになります。課税価格の合計額=ア+イ+ウ+エ-(非課税財産+債務+葬式費用)手順2. 「課税遺産総額」を出す相続税には、手順1で算出した「課税価格の合計額」から必ず差し引きできる「基礎控除額」があります。相続税の「基礎控除額」は、次の計算式で計算します。基礎控除額=3,000万円+600万円×法定相続人の数「課税遺産総額」とは、「課税価格の合計額」から基礎控除額を控除したものです。この「課税遺産総額」に対して相続税がかかることになります。「課税価格の合計額」が「基礎控除額」よりも少ない場合には、「課税遺産総額」はマイナスになりますから、相続税はかかりません。課税遺産総額=課税価格の合計額-基礎控除額手順3. 各相続人の「仮の相続税額」を出す手順2で算出した「課税遺産総額」を法定相続人が法定相続分で取得する形で仮に分けます。その上で、各相続人の取得額に対応する「仮の相続税額」を出します。各相続人の「仮の相続税額」は、財産の取得額に税率をかけて計算します(下記「相続税の税率表」参照)。手順4. 「相続税の総額」を出す手順3で計算した各相続人の仮の相続税額を合計し、「相続税の総額」を出します。手順5. 財産を取得した人の「実際の相続税額」を出す手順4で計算した「相続税の総額」を、実際に財産を取得した人(相続人及び受遺者)に取得額に応じて割り振る形で、「実際の相続税額」を出します。相続税の税率の意味相続税は、相続した財産額に税率をかけて出すものではありません。1つの相続が発生すると、財産をどう分けるかに関係なく、「相続税の総額」が決まります。「相続税の総額」を取得額に応じて按分することでそれぞれの人の実際の相続税額が決まります。相続税は「相続税の総額」を按分して出す相続税を出すときには、相続した財産額が基準になるのではなく、「相続税の総額」が基準になります。たとえば、親が亡くなったときに1,000万円を相続したとしても、それだけでは相続税額がいくらになるかはわかりません。相続税の金額を求めるには、その相続の「相続税の総額」を知る必要があります。自分が相続した財産額だけでなく、相続の全体像を知らなければ、相続税の額は出せないのです。税率は相続税の計算の過程で便宜上使うもの相続税の税率は、相続税算出の基礎になる「相続税の総額」を算出する過程で使います。「相続税の総額」は、各相続人の「仮の相続税額」を合計したものです。相続税の税率は、「仮の相続税額」を出すときに使います。なお、ここで税率を使って算出された「仮の相続税額」は、「実際の相続税額」とは異なります。相続税の税率表「仮の相続税額」を出すときに使う相続税の税率表(速算表)は、次のとおりです。なお、下記の表は平成27年1月1日以降の相続・遺贈に関して適用するものです。平成26年12月31日以前の相続・遺贈については別の表を使いますが、今回は省略します。「仮の相続税額」を出すときには、課税遺産総額を法定相続分に応じて分けたときの取得金額を上記の速算表にあてはめ、次の計算式で計算します。仮の相続税額=法定相続分に応じた取得金額×税率ー控除額相続税の税率表のどこにあてはめるかは、法定相続分に応じた取得金額によって決まります。ちなみに、現金や株など相続した財産の種類によって税率が変わることはありません。相続税の税率表は、計算の便宜のための速算表です。控除額というのも、あくまで計算のために使う金額なので、特に意味はありません。仮の相続税は子供でも税率は同じ「仮の相続税」を出すために、相続税の税率表にあてはめるときには、年齢は関係ありません。子供であっても、法定相続分に応じた取得金額のところにあてはめます。相続税の計算例上の手順2までで算出した課税遺産総額が9,000万円と仮定します。法定相続人が、被相続人の妻、長男、次男の計3名の場合、法定相続分は妻2分の1、長男及び次男は各4分の1ですから、法定相続分に応じた取得金額は次のようになります。妻:9,000万円×1/2=4,500万円長男:9,000万円×1/4=2,250万円次男:9,000万円×1/4=2,250万円この金額を上記の速算表にあてはめて、各相続人の「仮の相続税額」を出すと、次のようになります(手順3)。妻:4,500万円×20%-200万円=700万円長男:2,250万円×15%-50万円=287万5,000円次男:2,250万円×15%-50万円=287万5,000円仮の相続税額をもとに計算した「相続税の総額」は、次のとおりです(手順4)。700万円+287万5,000円+287万5,000円=1,275万円なお、実際にも法定相続分どおりに遺産分割した場合、1,275万円を法定相続分で分けることになりますから、各相続人の実際の相続税額は次のようになります(手順5)。妻:1,275万円×1/2=637万5,000円長男:1,275万円×1/4=318万7,500円次男:1,275万円×1/4=318万7,5000円※妻については配偶者の税額軽減が受けられるため、相続税の負担は0円となります。上の計算結果を見ればわかるとおり、「実際の相続税額」は、税率表を使って出した「仮の相続税額」とは異なります。相続税の税率表を使っても、実際の相続税の額を出せるわけではありませんので、注意しておきましょう。相続税の税率や計算方法まとめ相続税の金額は、相続した財産に税率をかけても出せません。相続税の金額を把握したい場合には、手順を踏んで計算する必要があります。相続税の計算は複雑ですから、よくわからない場合には税理士に相談しましょう。
2019年05月08日今年10月には消費税が10%に上がるとされており、すでに生活に身近な食品などの値上げが相次ぎ、家計を直撃している。2月からはレギュラーガソリンの全国平均価格が9週連続で上昇し続け、3月からはアイスクリームやサバ缶などの缶詰類、家庭用すり身製品、牛乳などの乳製品の値段が上がった。5月以降は大手メーカーの値上げラッシュが本格化する。■家計にかかわる主な価格・制度の変更【5月】<サントリー>1日出荷分から1.2リットル以上のペットボトル飲料が一律20円値上げ。<アマゾン>17日からアマゾンプライム年会費が3,900円から4,900円に値上げ。<カルビー>21日納品分からポテトチップスなどスナック菓子を順次値上げ。【6月】<TOHOシネマズ>一般の映画鑑賞料金を1,800円から1,900円に値上げ。<東洋水産>1日出荷分から「赤いきつね」など即席めん約200品目を13~30円値上げ。【7月】<カゴメ>1日出荷分からトマトジュース、野菜ジュースなどが5~10%値上げ。【10月】消費税が10%にアップ(見込み/軽減税率制度により、外食・酒類などを除く飲食料品は8%に据え置き)。中小の小売店でのキャッシュレス決済で最大5%ポイント還元。値段や消費税が上がる前に買うべきものを買っておかないと損してしまう!と駆け込み消費を考える人も少なくない。「あまり慌てずに、いったん冷静になって家計のことを考えてみましょう」そうアドバイスするのは、1万5,000人以上の家計を再生させてきた家計再生コンサルタントの横山光昭さんだ。「消費税が上がっても、家賃や健康保険適応の医療費、保険料などには消費税はかかりません。消費税がかかる支出は光熱費や食費、日用品費など月の生活費の3分の2程度。たとえば、生活費が毎月30万円かかる家計であれば、約20万円分の支出に消費税がかかることになります。現在の8%で計算しますと、消費税は1万6,000円。10%になりますと2万円で差額は4,000円。負担増は4,000円と思えば、それほど苦しいと感じることはないと思います。焦ってストック買いするほうが家計のムダにつながります」(横山さん・以下同)むしろ今から増税前までに準備しておきたいのは、改元を機に家計の“お金の流れ”をきちんと見直して、みるみる貯まる“貯め体質”になること。「一度、支出のすべてを書き出してみましょう。支出は家賃や光熱費、通信費、保険料などの『固定費』と、食費や日用品費、衣服費や娯楽費などの『変動費』に分けられ、支出を書き出すことでふだんの買い物の浪費グセが見つかります。“ムダ支出”を見直すだけでも増税分はカバーでき、さらに貯蓄の分も捻出することもけっして無理ではありません。把握しているつもりの支出も改めて書き出してみると、“なんとなく”“ついつい”使っている支出に気づくもの。元号が変わるタイミングは、そうした“家計の常識”をガラッと見直すのにもよいチャンスです。家計のルールを改めて、貯め体質になりましょう」
2019年05月05日世論調査によると「消費税増税に伴う家計支出の見直し」を考えている人の節約項目で、最も多かったのは「食費」だった。だが“お金のプロ”は、「もっと削るべきところがある」と――。時事通信が実施した「生活のゆとりに関する調査」が3月に発表された。注目すべきは、家計を管理することが多い女性の65.5%が、消費税増税によって支出を見直す必要を感じていること。「家計を見直す場合、どのような支出に影響があるのか、幅広い層に調査(複数回答)しました。59.4%ともっとも多くの人が節約対象としたのは食費で、外食、旅行などの娯楽費(39.5%)、水道光熱費(37.6%)と続きました」(時事通信世論調査担当者)そして、生活に直結する「日用雑貨の購入費」「衣料品や宝飾品の購入費」などを対象にしている人も多かったことがわかった。「日銀が目標とする『物価上昇率2%』を達成しないうちに消費税増税すると、景気の後退を招くため、増税はすべきではありません」この前提で節約術を解説するのは、経済評論家の山崎元さん(60)。「毎月30万円の家計支出がある家庭では、2%の消費税増税によって、月に6,000円の節約をする必要が生じます」節約で大切なのは「(1)確実である、(2)ストレスが小さい、(3)悪影響が出ない――」こと。この3条件を満たすのが生命保険の見直しだという。まずは年間の保険料を割り出すことから。「40代、50代の夫婦は、とにかく保険に“入りすぎ”。公的な健康保険に加入していれば、医療費の出費も3割負担、1割負担などになります。仮に入院・手術があっても、高額療養費制度で一定額以上の医療費の支払いは必要ありません。つまり、がん保険、医療保険は不要だと私は考えます」月の掛け金が高い、年金型保険に苦しむ人も多いはずだ。「低金利時代のため、年金型はリターンが少ない。人気の『外貨建て保険』なども含め、解約して別の貯め方をおすすめします。たとえば10年満期の変動金利型の個人国債です。これなら元本割れの心配がありません」保険は、最小限の範囲・最短期間・最安値に収めるのが鉄則だ。「生命保険なら、特約はつけず、働き手の死亡保障のみで、子どもが成人するまでの期間、掛け金の安いネット生保や共済に」保険を解約することに抵抗があるなら“払い済み”も検討を。「新たな保険料の支払いをストップする代わりに、すでに支払った保険料で保障内容を縮小するという方法があります。これも保険の整理になるでしょう」解約や契約内容を変更する際は、自分で判断し、決断すること。「保険会社の外交員などに相談してはいけません。彼らの収入に直結するため「もっと安くなるプランがある」と、新たな費用がかかる保険の転換など、言葉巧みに引き留められることがあるからです」保険の整理さえできれば、家族の“楽しい思い出”となるはずの旅行も我慢しなくてよい。「ただし、これをいい機会だと思って、将来の“わが家の暮らし”をきちんと数字で考える癖をつけましょう。厚生年金加入のサラリーマン家庭なら、手取り収入の2割を貯蓄する生活設計ができれば、老後の準備はOKと言えます」
2019年04月13日サラリーマンの方は年末調整で書類に生命保険料控除証明書を添付し、自営業の方は確定申告で申告書に生命保険料控除証明書を添付されていると思います。毎年機械的に申告する方が多く、手続き名を忘れられがちですが、それらが生命保険料控除の手続きです。今回は年末調整と確定申告に必要な生命保険料控除証明書と申請方法をご紹介します。生命保険料控除って何?生命保険料控除とは、払い込んだ生命保険料に応じて、一定の金額が保険料負担者(契約者)のその年の所得から差し引かれる制度です。税率を掛ける前の所得が低くなるので所得税、住民税の負担が軽減されます。ここでは生命保険控除の新制度/旧制度、生命保険料控除の計算方法をご紹介します。生命保険料控除の制度生命保険料控除には新制度と旧制度の2つの制度があります。新制度は「平成24年1月1日以後に契約した生命保険等」が対象になり、旧制度は平成23年12月31日以前の契約が対象です。生命保険料控除の新制度生命保険料控除の新制度には3つの控除があります。一般生命保険料控除個人年金保険料控除介護医療保険料控除新制度では一般生命保険料控除、個人年金保険料控除、介護医療保険料控除について、所得税から最大でそれぞれ4万円まで控除され、住民税から最大で2.8万円まで控除されます。新制度では介護医療保険料控除が新たに加えられ、税金をより軽減できるようになりました。生命保険料控除の旧制度生命保険料控除の旧制度には2つの控除があります。一般生命保険料控除個人年金保険料控除旧制度では一般生命保険料控除、個人年金保険料控除が所得税からそれぞれ最大で5万円まで控除され、住民税からそれぞれ最大で7万円まで控除されます。生命保険料控除の計算方法生命保険料控除は以下の式で計算します。所得税と住民税それぞれ新制度と旧制度の計算式があります。所得税の生命保険料控除の計算式住民税の生命保険料控除の計算式確定申告に必要な生命保険料控除の書類と手続き生命保険料控除申請はサラリーマンは年末調整時に、自営業者は確定申告時に行いますが、それぞれ申請の時期が異なります。年末調整は毎年12月くらいに必要書類を提出、確定申告は基本的に毎年2月16日~3月15日の期間に行う必要があります。控除手続きには生命保険料控除証明書が必要生命保険料控除申請には「生命保険料控除証明書」が必要です。生命保険料控除証明書は毎年10月から11月にかけて保険会社から送付されます。契約している保険会社が複数ある場合は、各保険会社から生命保険料控除証明書が送付されます。生命保険料控除証明書を紛失した場合は再発行が可能ですが、発行までに時間がかかるので大切に保管してください。生命保険料控除申請のタイミング生命保険控除申請は、サラリーマンと自営業者でタイミングが異なります。サラリーマンは年末調整時に「給与所得者の保険料控除申告書」に生命保険料控除証明を添付することで生命保険料控除申請が完了します。自営業者は確定申告時に生命保険料控除証明を添付することで生命保険料控除申請が完了します。このとき、生命保険料控除証明書はコピーではなく原本を添付します。実際の生命保険料控申請ここでは実際の生命保険料控除申請をご紹介します。近年はe-taxによる電子申請が推奨されいます。最初は電子申告に抵抗があるかもしれませんが、慣れてくると電子申告の方が短時間で簡単にできます。サラリーマンの生命保険料控除申請サラリーマンの生命保険料控除申請の書き方は、年末調整時に記入する「給与所得者の保険料控除申告書」の「生命保険料控除」の欄に該当する保険区分と新制度/旧制度に分けて「保険料控除証明書」に記載されている内容を記入します。その後、前出の所得税の生命保険控除の計算式を用いて所得税控除額を記入します。年末調整書類に保険料控除証明証を添付して会社に提出すれば、生命保険料控除申請は完了です。自営業の生命保険料控除申請自営業の生命保険料控除申請は、確定申告時に行います。確定申告では事前に用意する書類がいくつかあるので、申告までに全て揃えておく必要があります。確定申告時に必要な書類の準備以下が代表的な確定申告に必要な書類です。給与所得や公的年金の源泉徴収票(原本、コピー不可。)医療費の領収書社会保険料(国民年金保険料)控除証明書生命保険の控除証明書地震保険の控除証明書確定申告に必要な申告書などの書類は国税庁ホームページからダウンロード可能で、税務署でも配布されています。申告書の作成確定申告書はAとBの2種類あり、確定申告書AとBにはそれぞれ第一表と第二表があります。確定申告書Aは、申告する所得が給与所得、雑所得、総合課税の配当所得、一時所得のみで、所得税及び復興特別所得税の予定納税額のない方が使用します。確定申告書Bは所得の種類にかかわらず、どなたでも使用できます。源泉徴収などの添付書類は、添付書類台紙に貼って申告書と一緒に提出します。国税庁ホームページ「確定申告書等作成コーナー」の利用国税庁ホームページ「確定申告書等作成コーナー」では、画面の案内に従って金額を入力すると簡単に確定申告書を作成できます。申告書提出方法申告書の提出方法は3つあります。郵便又は信書便により、住所地等の所轄税務署に送付住所地等の所轄税務署の受付に持参e-taxによる電子申告で生命保険料控除申請をする方法書類で提出する場合は郵送か税務署に持参する必要がありますが、電子申請で確定申告をする場合はオンラインで確定申告書類のデータを提出します。e-taxによる電子申告で生命保険料控除申請をする方法確定申告を電子申請する場合は、インターネットを利用した国税庁が運営する「e-tax」で、ウェブ上で申告書を作成し、オンラインで提出します。e-taxを用いた確定申告は、マイナンバーカードやICカードリーダ、パソコンの事前セットアップが必要です。生命保険料控除まとめ生命保険料控除は、申請すると支払った保険料に応じて税の負担が軽減される制度でした。パソコンで申請書を作成でき、電子申請も可能になったのでより手軽に申告できるようになりました。1回の生命保険料控除で節税できるのは小さな金額ですが、数十年で考えるとまとまった資金になります。年末調整や確定申告の時は忘れずに生命保険料控除も申請してください。
2019年04月06日今年10月1日から消費税が増税されますが、それに伴い「消費税の経過措置」が設けられていることをご存知ですか?今回は、知っているとちょっとトクする「消費税の経過措置」についてお話しします。■ 経過措置ってなに?そもそも消費税とは、商品を購入したり、料金を支払ってサービスを受けるなどの場合にかかるものです。普段の生活で常にかかってくる身近な税金なので、昨日まで8%だった消費税が今日から10%に変更されると、取引が混乱する可能性があります。Graphs / PIXTA(ピクスタ)商品を購入する場合やサービスを受ける場合、その商品やサービスを「実際に受ける時期」と「お金を払う時期」がズレる場合があり、このズレが、消費税率が変わったときに税処理上の不都合を招く恐れがあるのです。2019年の10月1日以降に商品を受け取ったりサービスを受けたりする場合の消費税は10%ですが、その代金・料金の支払いや契約を、一定の期日までに行っていた場合に税率が「8%のまま」でいいとする法的措置、これが「消費税の経過措置」です。■ 暮らしに大きく関係する経過措置3つ今回、設けられる経過措置は10種類以上ありますが、ここでは私たちの生活に深く関係する3種類の経過措置とその内容について見てみましょう。1.旅客運賃等今年の10月1日以後に行う旅客運送の対価や映画・演劇を催す場所、競馬場、競輪場、美術館、遊園地等への入場料金等のうち、2014年4月1日から今年9月30日までの間に領収しているものに経過措置が適用されます。例えば、電車などの乗車券・回数券・定期券や、映画や演劇などのチケット・入場券、航空券・乗船券などは、もし10月1日以降に利用が決まっている場合、早めに購入しその代金を支払っておくとちょっとだけお得になります。ふじよ / PIXTA(ピクスタ)ただし、一見経過措置が適用されるように思えても、適用されないものがありますのでご注意ください。例えば、「ディナーショー」には経過措置が適用されますが、クルーザーで遊覧航行しながら飲食を提供する「ディナークルーズ」の料金には経過措置が適用されません。これは、ディナーショーは「ショー」がメインであると捉え、ディナークルーズは「食事」がメインであると捉えられているためです。2.請負工事等経過措置の対象となる請負契約については、2013年10月1日から今年3月31日までの間に契約を締結すると、建築や工事・製品などの引渡しが10月1日を越えても旧税率が適用されます。この請負契約で代表的なものが「建築請負工事」です。例えば、請負金額が2,500万円であれば、新旧税率による差額は50万円にも上りますので、この経過措置によるおトク感は大きいといえるでしょう。ただし、建築工事代金などについては同じ経過措置でも「旅客運賃等」とは違い、とても高額となりますので、あせらず自分に合ったタイミングで契約に臨みましょう。makaron* / PIXTA(ピクスタ)ちなみに、不動産売買にかかる仲介手数料に経過措置は適用されますが、「不動産の売買」には経過措置が適用されませんのでご注意ください。3.資産の貸付私たちの生活に大きく関係する「資産の貸付」とは、「事業用建物の賃料、月極駐車場料金、自営の場合に借りている店舗・事務所などの賃料」等です。「住居」の家賃にはそもそも消費税が課税されませんので、住まいの家賃は消費税率が増減しても影響がありません。ただし、事業用の建物や月極駐車場等には消費税が課税されます。freeangle / PIXTA(ピクスタ)その場合、一定の要件に該当すれば経過措置の適用があるのですが、そのハードルはちょっと高めです。まずは、この経過措置が適用になる要件を見てみましょう。2013年10月1日から2019年4月1日の前日までの間に契約を締結し、2019年10月1日以降も引き続き貸し付けを行うこと。貸付期間及びその期間中の対価(賃料)の額が定められていること。当該対価(賃料)の額の変更を求めることができる旨の定めがないこと。このなかでハードルが高い要件は「当該対価(賃料)の額の変更を求めることができる旨の定めがないこと」の部分です。なぜなら、ほとんどの賃貸借契約書には「土地若しくは建物の価格の上昇若しくは低下その他の経済事情の変動により、又は近傍同種の建物の借賃に比較して不相当となったとき、当事者は契約期間中であっても賃料の増減額請求をすることができる」という旨の条項が盛り込まれているためです。この条項が盛り込まれる理由は「借地借家法32条」によって、「建物賃料の増減額請求権」が定められているからです。現在、事業用建物や駐車場を借りていて、その賃料に消費税が課税されている人は、賃貸契約書に上記の条項が盛り込まれているかチェックしてみてください。Graphs / PIXTA(ピクスタ)今回ご紹介した以外にも様々な経過措置があります。いろいろな経過措置を知って、ちょっとだけおトクに「節税」してみてはいかがでしょうか?【参考】※国税庁「消費税率等に関する経過措置」
2019年04月03日住宅ローン控除と個人型確定拠出年金iDeCo(イデコ)は、どちらも節税メリットがあります。個人型確定拠出年金iDeCo(イデコ)とは、簡単にいうと、自分でつくる年金制度のこと。しかし、控除の金額と拠出金額のバランスで、住宅ローン控除のメリットがフルにいかせなくなる場合があります。あなたの場合は実際どうなのか、調べてみましょう。■ 1.まずは2つの控除の仕組みを知るfreeangle / PIXTA(ピクスタ)2つの控除は「どの段階で控除するか」が異なります。個人型確定拠出年金iDeCo(イデコ)では、課税所得から年間に支払った拠出金額全額分を差し引きます。そこから税金計算を行い、算出した税額から住宅ローン控除を差し引きます。個人型確定拠出年金iDeCo(イデコ)とは?個人型確定拠出年金iDeCo(イデコ)は、老後の資金を作るため積立投資を行うものです。拠出金が全額控除になることから節税効果があります。運用益も非課税になり、受け取り時も税制優遇されお得です。r.s / PIXTA(ピクスタ)また、一時金として受け取る場合は「退職所得控除」、年金として受け取る場合は「公的年金等控除」が適用になります。運用にあたっては、運営管理機関の手数料などがかかり、その額は運用機関によって異なります。掛け金には限度額があります。・自営業者などの「国民年金第1号保険者」 は国民年金基金と合算で6万8,000円/月(付加保険納付者は6万7,000円/月)・会社員が加入できる「国民年金第2号保険者」は1)企業年金なし、企業型確定拠出年金なし 2万3,000円/月2)企業年金なし、企業型確定拠出年金あり 2万円/月3)企業年金あり 企業型確定拠出年金あり、なしにかかわらず一律1万2,000円/月4)公務員 1万2,000円/月・専業主婦などの「国民年金第3号保険者」は2万3,000円/月となっています。住宅ローン控除とは住宅ローン控除は、年末の住宅ローン残高の1%が税額から10年間または13年間控除される制度です。控除を受けるためには、年収が3,000万以下である、住宅ローンの返済期間が10年以上あるなどの要件を満たす必要があります。対象者は2009年から2021年12月末までの間に入居した人なら、所得税額から住宅ローン控除しきれないとき、住民税から残りの額を差し引くことができます(上限あり)。住民税からの控除は手続きを必要とせず、自動的に手続きされます。■ 2. 計算の仕方は?freeangle / PIXTA(ピクスタ)モデルケースの世帯の税額計算を実際にしてみましょう。・新築住宅を購入して、年末に2,500万円の残高あり・住宅ローン控除額25万円・世帯主は会社員の場合を考えます。最初に課税所得を算出します(図1参照)。個人型確定拠出年金iDeCo(イデコ)で拠出していない場合、所得税額は300万円×10%-9万7,500円、つまり20万2,500円です。ここから住宅ローン控除で25万円をさらに引こうとすると、4万7,500円が引ききれなくなります。しかしこれは、住民税からは13.65万円までなら引けますので、このケースでは控除枠をすべて使うことができます。個人型確定拠出年金iDeCo(イデコ)で月2万円拠出しているとしたら、年額は24万円なので20万2,500円-24万円=-3万7,500円となります。住宅ローン控除を加味すると-28万7,500円となり、住民税から引いても住宅ローン控除枠を使いきれなくなってしまいます。図1※平成27年分以降参考/国税庁■ 3.両方のメリットをいかすには?【IWJ】Image Works Japan / PIXTA(ピクスタ)住宅ローン控除の枠をすべて使いきれない人は、高所得ではないが、借入額が多い人です。両方のメリットをフル活用できないなら、住宅ローン控除を優先さるべきです。そして、個人型確定拠出年金iDeCo(イデコ)ではなく、つみたてNISAを利用したらいかがでしょうか。個人型確定拠出年金iDeCo(イデコ)と異なり、好きな時に引き出しができるので、いざという時にも役立ちます。Sqback / PIXTA(ピクスタ)住宅ローンを組む前ならば、夫婦二人に分けてローンが組める「ペアローン」にするという選択肢もあります。それぞれに住宅ローン控除が使えるために、個人型確定拠出年金iDeCo(イデコ)と併用しても住宅ローン控除のメリットがいかせます。まずは、自分がどんなパターンに当てはまるかを知るために試算してみてください。税金のしくみは、国の政策で、ここに挙げた税率から変更になる、制度が新設されるなど、各制度が複雑に絡み合い、とても複雑です。専門家に相談し、自分がメリットを十分に受けられるよう検討することが大事です。
2019年02月09日消費税は、所得に応じて高くなる“累進課税”ではなく、すべての人に同じ税率が適用される税金です。そのため、増税で生活が苦しくなりそう……と感じている人も少なくないでしょう。でも、そんな状況でも得することはできるはず。そこで今回は、“消費税増税後に買った方が得かもしれないもの”について、資産運用・トレーディングのプロである山田良政さんにご紹介いただきます。文・山田良政■デジタル家電は増税後に得する可能性が耐久消費財のなかでも、比較的安価な家電製品は、増税前にいろいろと買いたくなってしまうもの。しかし、特にテレビやレコーダーなどのデジタル(クロモノ)家電は、そもそも新商品が登場するまでのサイクルが短く、増税後でも型落ち製品の値下がりが期待できるので、急いで購入する必要はありません。次のシーズンの新製品が発売されるまで待てば、ワンシーズン前の型落ち品を非常に安く手に入れることが可能になるので、増税分の差額を差し引いても得することができるはずです。■増税前に売れなかった不動産は狙い目かも!?不動産、特に中古でない新しい物件は消費税の対象になりますので、増税前に買うのが基本です。増税後は不動産が売れなくなり、不良在庫が増えることが予想されるため、不動産販売業者も「増税前に買った方が得ですよ」と言うでしょう。しかし、増税後は必ずと言っていいほど消費が停滞し、恐らく今回も同様でしょう。それに伴って、不動産は増税した金額以上に値下がりする場合もあるので、増税前に焦って買うのは考えもの。さらに、政府が増税後の景気対策で住宅減税のような施策をとる可能性もあります。そのタイミングを狙って、増税前に売れなかった不動産を買えば、意外とお得に買い物できるかもしれません。■車は増税前に買うのがセオリーだが、エコカーは増税後購入で得する場合も車はただでさえ高価なもの。簡単には買えませんよね。さらに、増税のあおりを受けて、購入・維持の金銭的負担が増えることは間違いありません。しかし昨今、政府は自動車取得税を取りやめ、燃費性能がよい車を優遇するため“環境性能割”という制度を導入し負担を軽くしています。また、エコカー減税など、燃費の良い車を優遇する制度があったことを考えると、増税後も同様の制度が設けられる可能性は高く、エコカーを購入した際の実際の出費は、増税前後であまり変わらないでしょう。今後も、環境性能割などの制度によって、環境に優しい車への優遇は続いていくはずなので、エコカーを購入するメリットは大きいと言えます。平成30年10月15日時点で、安部内閣から平成29年4月に予定されていた消費税10%への増税を、予定通り平成31年10月まで延期することが正式に発表されました。増税の波は刻一刻と私たちの生活に忍び寄りつつあります。しかし、政府の対策や企業努力などによって、状況が改善されることも予想できます。みなさんも、増税に負けないやりくり上手を目指しましょう!-山田良政-株式会社オフィサム代表取締役。FXによる資産運用を自動化させた第一人者。自身が開発したFX自動売買システムが、2013年度に「世界一の評価」を獲得。誰でも気軽に資産が増やせる「自動取引システムによる資産運用」を提案し、その分かりやすい切り口はマネーに関するプロ達だけでなく女性からの支持も多い。「億を稼ぐ」ために必要な思考が綴られたインタビュー本『億トレⅡ』『億トレⅢ』も大好評。『月間BIG tomorrow』でも執筆中。・株式会社オフィサム © dotshock / shutterstock© Monkey Business Images / shutterstock© Syda Productions / shutterstock
2019年01月26日確定申告や年末調整は、個人の方が1月1日から12月31日までの1年間で得た収入(所得)を基に所得税を計算して精算する手続きを言います。この時、所得税を計算する流れの中で、所得控除と呼ばれる控除を差し引いて所得税を計算する仕組みになっているのですが、実のところ、確定申告と年末調整では、適用することができる所得控除に違いがあります。そこで本記事では、確定申告で適用可能な所得控除の紹介をはじめ、節税対策に使える大切なポイントをわかりやすくまとめて紹介していきます。所得控除とは?所得控除のイメージをざっくり知ろう所得税は、1月1日から12月31日までの1年間に得た収入(所得)を基に計算される税金ですが、すべての方が公平な税負担をするための措置として、14種類の所得控除が設けられており、これらの所得控除を差し引いて所得税を計算することによって、税負担の公平性を保っています。所得控除の具体的なイメージとして、たとえば、本人も含め障害を抱えている家族や親族を扶養している場合は、他の方に比べて多くのお金がかかる場合や生活する上での負担が大きいと考えられるため、このような方々には、障害者控除を適用できるようにすることで、税負担を軽くします。また、高校生や大学生などの子供を扶養している場合は、教育費にお金が多くかかることが考えられるため、このような方々には、扶養控除を適用できるようにすることで、税負担を軽くします。このように、所得控除はその方が置かれている状況や置かれていた状況を加味された上で税負担が軽減される控除のことを言い、所得控除の種類は次項の通りです。確定申告で適用可能な所得控除は14種類所得税法で定められている所得控除は、全部で14種類あり、所得控除を適用することができる条件に合致している場合は、確定申告をすることで、14種類すべての所得控除を適用することができます。所得控除の種類所得控除が受けられる場合雑損控除災害や盗難、横領により住宅や家財などに損害を受けた場合医療費控除1年間を通じて、医療費負担の合計金額が一定額以上となった場合寄附金控除ふるさと納税(都道府県・市区町村に対する寄附金)をはじめ、国や政党などに対して寄附をした場合社会保険料控除健康保険料や国民健康保険料(税)、後期高齢者医療保険料、介護保険料、国民年金保険料などの支払いがある場合小規模企業共済等掛金控除iDeCo(個人型確定拠出年金)の掛金や自営業者などが加入している小規模企業共済の掛金がある場合生命保険料控除終身保険や医療保険、個人年金保険など各種生命保険や共済へ加入している場合地震保険料控除地震保険料や旧長期損害保険料の支払いがある場合寡婦・寡夫控除申告する方が、寡婦または寡夫である場合勤労学生控除申告する方が勤労学生である場合障害者控除申告する方や配偶者、扶養親族が障害者である場合配偶者控除配偶者が専業主婦(主夫)などの場合や配偶者の収入が低い場合配偶者特別控除申告する方の合計所得金額が1,000万円以下で、配偶者の合計所得金額が38万円を超え、76万円未満である場合扶養控除12月31日時点で16歳以上の扶養している親族などがいる場合基礎控除すべての方に適用される所得控除上記14種類の所得控除は、毎年1月1日から12月31日までの1年間において、所得控除が受けられる条件にあてはまっていることで適用を受けることができます。ただし、実務上、それぞれの所得控除を適用するための条件は、さらに細かくなっているため、上記表は大まかな目安とした上で、適用になりそうな所得控除がある場合は、国税庁のWEBサイトで詳しく調べたり、税務署や税理士へ尋ねてみることをおすすめします。確定申告のみで適用可能な所得控除は3種類本記事の冒頭でもお伝えしましたように、実のところ、確定申告と年末調整で適用することができる所得控除には違いがあるのですが、具体的に、雑損控除、医療費控除、寄附金控除といった3種類の所得控除は、確定申告のみで適用可能な所得控除になります。そのため、年末調整でこれら3つの所得控除の適用はできないため、1年間において、雑損控除、医療費控除、寄附金控除のいずれかの適用を受けるためには、原則として、翌年2月16日から3月15日までの間に確定申告をしなければなりません。ちなみに、会社員や公務員で、基本的に年末調整のみで1年間の税金精算を終了した方がふるさと納税をした場合、寄附金控除の適用を受けられますが、確定申告をする手間を省くことができるワンストップ特例制度がありますので、そちらの制度も合わせて確認されておくのも良いでしょう。なお、年末調整で適用できる所得控除と確定申告で適用できる所得控除の内容や条件は、手続きによる違いはありません。確定申告のみで適用可能な医療費控除とは?医療費控除とは、1月1日から12月31日までの1年間において、本人や配偶者をはじめ生計を同一にしている家族の医療費を支払った場合で、支払った医療費が一定額を超えるときに受けられる税金の軽減制度です。ここで言う、支払った医療費の一定額というのは、確定申告をする方の収入(所得)によって異なる特徴があり、それによって、医療費控除が適用できる、できないといった判定も異なります。加えて、医療費控除の適用を受けるためには、作成した確定申告書のほかにも医療費控除の明細書などが必要であり、さらに、医療費控除の対象となる金額を計算する必要もあります。ここだけ見ますと、とても難しそうな感じを受ける方もおられるのかもしれませんが、以下、同サイト内で公開している記事では、確定申告で医療費控除を適用する方法や医療費控除の計算方法をはじめ、対象となる医療費などポイントを幅広く紹介しておりますので、合わせて確認されてみることをおすすめします。住宅ローン控除の適用を受ける場合も確定申告が必要住宅購入は、一生に一度の大きな買い物と言われますが、夢のマイホームを金融機関から住宅ローンを借入して購入された場合は、こちらも一定の条件を満たしていることで、住宅ローン控除の適用を受けることができます。住宅ローン控除の重要なポイントの1つとして、住宅ローン控除の適用を受けるためには、初年度のみ必要書類を添えて確定申告をしなければならないことも適用条件に含まれています。なお、住宅ローン控除は、本記事で紹介している所得控除ではなく、税額控除にあてはまるため、節税効果はかなり大きいメリットがあり、さらに、会社員や公務員など給与所得者の方であれば、2年目からは勤務先が行う年末調整で適用が可能です。住宅ローン控除は、購入した住宅が新築なのか中古なのかといった種類のほか、リフォームをした場合など、それぞれによって適用条件が異なるのですが、こちらも、以下、同サイト内で公開されている記事を合わせて読み進めてもらうことで、住宅ローン控除の適用方法から必要書類をはじめ、多くの方が抱えている疑問まで解決することができると思います。確定申告で節税対策に使える大切なポイントとは確定申告は、年末調整で1年間の税金精算が終える方々にとってみますと、馴染みがないため難しいイメージや面倒なイメージをお持ちの方も多いと思いますが、確定申告のメリットは、適用し忘れた所得控除を追加できるところにあります。たとえば、給与所得者であれば、年末調整後に新たに適用できる所得控除がわかった場合や適用できる所得控除を適用するのを忘れていた場合など、いわば、税金の精算をやり直すことで、所得税の還付を受けられ、翌年納める住民税も軽減できるのが、確定申告のメリットと言えます。そのため、必ず節税効果が得られるといったわけではありませんが、これまで紹介した14種類の所得控除がどのような場合に適用されるのか、そして、それぞれの所得控除の適用忘れがないかを再確認することで節税対策につながる可能性があると考えることができます。確定申告で適用可能な所得控除まとめ確定申告で適用可能な所得控除の紹介をはじめ、節税対策に使える大切なポイントを紹介させていただきましたが、特に、確定申告をしなければ適用されない雑損控除、医療費控除、寄附金控除については、いま一度、適用できるのか確認されてみることをおすすめします。また、住宅ローン控除の適用を受けるために初年度は確定申告が必要であることや、そもそも確定申告とはどのような手続きなのか大まかな概要やポイントも押さえておく必要があるでしょう。
2019年01月24日消費税は、所得に応じて高くなる“累進課税”ではなく、すべての人に同じ税率が適用される税金です。そのため、増税で生活が苦しくなりそう……と感じている人も少なくないでしょう。だからといって、焦ってアクションを起こすのはむしろ危険。そこで今回は、“消費税増税前に早まってやらない方がよいこと”について資産運用・トレーディングのプロである山田良政さんにご紹介いただきます。文・山田良政■消費税の課税対象でないものを焦って買わない消費税増税前に大きな買い物をする際、注意すべきポイントがあります。それは、買おうとしているものが課税対象かどうかということ。そもそも消費税の課税対象でなければ、焦って購入する必要はありません。例えば、土地などは消費税課税の対象にはなりません。他にも、国債や株券などの有価証券、商品券やプリペイドカード、介護保険サービスや保険料は対象外です。これらのものを焦って手に入れようとすると、あとからお金に困る可能性もあります。くれぐれもご注意を。■軽減税率の対象商品を把握しよう消費税増税後も、“軽減税率”が適用されることで、現行の消費税率の8%のまま据え置かれるケースもあります。例えば生活に必要不可欠な食料品なども軽減税率の対象です。それを知らずに大量に食料品を買い込んでも、全く意味がありません。食べきれずに賞味期限が切れてしまい、かえって損をしてしまう恐れも。食料品は焦って買い込まないようにしましょう。■家電は購入するタイミングが重要家電は、本当に欲しい商品が決まっているのであれば、増税前に買ってもいいでしょう。しかし、何となく「消費税が上がる前に買っておこう」と思っているだけであれば、増税前ではなく、家電そのものの値段が下がるタイミングを狙った方がいいかもしれません。それは、新旧モデルが入れ替わる時期。当然、旧モデルは在庫処分のためお買い得になります。時期は商品によってだいたい決まっているので、自分が欲しいものが決まったら、そのモデルの前回の入れ替わり時期を調べてみましょう。増税前に焦って買うよりもお買い得になる場合も。■家を購入する場合は新築か中古かを確認して家を購入する場合、消費税が関係するのは主に“新築の物件”です。一般個人が売主である、大半の中古物件には消費税はかかりません。それに、住宅の価格は簡単に2~300万円程度上下するもの。焦って買ってしまうと、かえって損するケースも。特に、個人が売主の中古物件を検討するなら、急ぐ必要はありません。ただし、不動産会社が中古住宅の売主となっている場合の売買価格や、不動産仲介業者への仲介手数料には消費税が課されるので要注意。平成30年10月15日時点で、平成29年4月に予定されていた消費税10%への増税を、平成31年10月まで延期することが正式に発表されました。増税の波は刻一刻と私たちの生活に忍び寄っています。ただし、焦り過ぎるのはよくありません。自分の生活水準と課税される対象を見極めたうえで、柔軟に対応していきましょう。-山田良政-株式会社オフィサム代表取締役。FXによる資産運用を自動化させた第一人者。自身が開発したFX自動売買システムが、2013年度に「世界一の評価」を獲得。誰でも気軽に資産が増やせる「自動取引システムによる資産運用」を提案し、その分かりやすい切り口はマネーに関するプロ達だけでなく女性からの支持も多い。「億を稼ぐ」ために必要な思考が綴られたインタビュー本『億トレⅡ』『億トレⅢ』も大好評。『月間BIG tomorrow』でも執筆中。・株式会社オフィサム © PERO studio / shutterstock© fizkes / shutterstock© Andrey_Popov / shutterstock© Monkey Business Images / shutterstock© PR Image Factory / shutterstock
2019年01月19日医療費控除とは、1月1日から12月31日までの1年間において、本人や配偶者をはじめ生計を同一にしている家族の医療費を支払った場合で、支払った医療費が一定額を超えるときに受けられる税金の軽減制度です。ただし、実際に、医療費控除で税金の軽減を受けるためには、年末調整では受けられず、翌年2月16日から3月15日までの確定申告期間中に確定申告をしなければならないほか、確定申告をする方の収入(所得)によって、医療費控除が適用できる、できないといった判定も異なる特徴があります。このようなことを踏まえまして本記事では、確定申告で医療費控除を受けるための方法や医療費控除で押さえておくべきポイントをわかりやすく紹介していきます。確定申告で医療費控除が適用になる金額医療費控除が適用になる金額の計算式確定申告で医療費控除の適用になる金額は、確定申告をする方の収入(所得)によって、金額が異なりますが、実務上、医療費控除が適用になる金額は、以下の計算式によって求めることになります。(実際に支払った1年間の医療費合計額-保険金などで補填される金額)-10万円たとえば、1月1日から12月31日までの1年間で、実際に支払った1年間の医療費合計額が30万円、医療保険から保険金を15万円受け取ったと仮定した場合、上記の計算式にあてはめますと、医療費控除の金額は5万円(※)となります。※(30万円-15万円)-10万円=5万円なお、保険金などで補填される金額には、医療保険から支給される入院給付金や手術給付金といった受取保険金のほか、健康保険などから支給される高額療養費・家族療養費・出産育児一時金などがあてはまります。ちなみに、1年間の総所得金額などが200万円未満の人は、総所得金額等の5%の金額を超えた場合に医療費控除が適用できることとされていることから、先に紹介したように、一概に、1年間に支払った医療費が10万円を越えなければ医療費控除が適用できないといったわけではありませんので注意が必要です。総所得金額ってどのように判断する?1年間の総所得金額などが200万円未満と言われても、そもそも総所得金額って何?と感じられている方も多いと思いますので、ここでは、1年間の収入が給料のみである会社員や公務員を想定して、総所得金額の確認方法について、源泉徴収票を例に紹介しておきます。国税庁No.2260 所得税の税率納めるべき復興特別所得税:355円(16,950円×2.1%)納めるべき所得税および復興特別所得税の合計金額:17,305円→17,300円(100円未満切り捨て)還付される所得税:2,800円(17,300円-20,100円(源泉徴収票の源泉徴収税額)=▲2,800円)医療費控除の適用によって、本来納めるべき所得税および復興特別所得税は、17,300円で良いのですが、20,100円が源泉徴収されているため、結果として2,800円、多く税金を納めていることがわかります。そのため、差し引きした2,800円の所得税の還付が受けられるほか、翌年から納めるべき住民税も少なくなる効果が得られます。確定申告で医療費控除の対象となる医療費を知ろう先に紹介した医療費控除の計算式において、実際に支払った1年間の医療費には、医療費控除の対象となるものと医療費控除の対象にならないものがあり、医療費控除の対象になる医療費が計算式の結果よりも多くなければ医療費控除を受けることができません。医療費控除の対象となる医療費と対象にならない医療費国税庁のWEBサイトでは、医療費控除の対象となる医療費や対象にならない医療費は、以下の通りとしていますが、治療のための医療費は、医療費控除の対象、予防のための医療費は、医療費控除の対象外と考えながら読み進めてみるとわかりやすいでしょう。1 医師又は歯科医師による診療又は治療の対価(ただし、健康診断の費用や医師等に対する謝礼金などは原則として含まれません。)2 治療又は療養に必要な医薬品の購入の対価(風邪をひいた場合の風邪薬などの購入代金は医療費となりますが、ビタミン剤などの病気の予防や健康増進のために用いられる医薬品の購入代金は医療費となりません。)3 病院、診療所、介護老人保健施設、介護療養型医療施設、指定介護老人福祉施設、指定地域密着型介護老人福祉施設又は助産所へ収容されるための人的役務の提供の対価4 あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師、柔道整復師による施術の対価(ただし、疲れを癒したり、体調を整えるといった治療に直接関係のないものは含まれません。)5 保健師、看護師、准看護師又は特に依頼した人による療養上の世話の対価(この中には、家政婦さんに病人の付添いを頼んだ場合の療養上の世話に対する対価も含まれますが、所定の料金以外の心付けなどは除かれます。また、家族や親類縁者に付添いを頼んで付添料の名目でお金を支払っても、医療費控除の対象となる医療費になりません。)6 助産師による分べんの介助の対価7 介護福祉士等による一定の喀痰吸引及び経管栄養の対価8 介護保険制度の下で提供された一定の施設・居宅サービスの自己負担額9 次のような費用で、医師等による診療、治療、施術又は分べんの介助を受けるために直接必要なもの(1) 医師等による診療等を受けるための通院費、医師等の送迎費、入院の際の部屋代や食事代の費用、コルセットなどの医療用器具等の購入代やその賃借料で通常必要なもの(ただし、自家用車で通院する場合のガソリン代や駐車場の料金等は含まれません。)(2) 医師等による診療や治療を受けるために直接必要な、義手、義足、松葉杖、補聴器、義歯などの購入費用(3) 傷病によりおおむね6か月以上寝たきりで医師の治療を受けている場合に、おむつを使う必要があると認められるときのおむつ代(この場合には、医師が発行した「おむつ使用証明書」が必要です。)(3-1)医療費の中には、身体障害者福祉法、知的障害者福祉法などの規定により都道府県や市町村に納付する費用のうち、医師等の診療等の費用に相当するものや前記(1)・(2)の費用に相当するものも含まれます。(3-2)おむつ代についての医療費控除を受けることが2年目以降である場合において、介護保険法の要介護認定を受けている一定の人は、市町村長等が交付する「おむつ使用の確認書」等を「おむつ使用証明書」に代えることができます。10 骨髄移植推進財団に支払う骨髄移植のあっせんに係る患者負担金11 日本臓器移植ネットワークに支払う臓器移植のあっせんに係る患者負担金12 高齢者の医療の確保に関する法律に規定する特定保健指導(一定の積極的支援によるものに限ります。)のうち一定の基準に該当する者が支払う自己負担金(平成20年4月1日から適用されます。)出典:国税庁No.1122 医療費控除の対象となる医療費確定申告で医療費控除を受けるために必要なことこれまでの解説より、確定申告で医療費控除を受けるために必要なことをまとめますと、以下のようになります。医療費控除の適用を受ける方の1年間の総所得金額が200万円未満なのか、200万円超なのかを確認しておく医療費控除の対象となる医療費が、計算式で計算した結果よりも多くなっているのかを確認しておく確定申告で医療費控除を受けるための必要書類確定申告で医療費控除を受けるためには、原則として、翌年2月16日から3月15日までの確定申告期間中に作成した確定申告書に医療費控除の明細書を一緒に提出する必要があります。なお、医療費控除の明細書を作成するための基となった医療費の領収書は、5年間に渡って自宅などで保管する必要があるのですが、所定の事項が記載された医療費通知(医療費のお知らせなど)を医療費控除の適用を受ける際に提出する場合は、医療費控除の明細書や領収書の保管を省略することもできるようになっています。ちなみに、平成29年分の確定申告より、医療費控除を受けるために、医療費通知(医療費のお知らせなど)を添付することで、医療費控除が簡単に受けられるようになりましたが、1年間の支払った医療費が、すべて網羅されているわけではありません。たとえば、薬局で購入した市販の風邪薬や公共交通機関を利用して通院した場合の交通費も医療費控除の対象になるわけでありますから、このようなことを踏まえますと、少しでも多くの医療費控除を適用するためにも、やはり、医療費控除の明細書を作成することが望ましいのではないかと筆者は感じています。確定申告で添付が必要な医療費控除の明細書とは国税庁平成30年分確定申告特集(準備編)医療費控除の明細書は、医療費の領収書を見ながら必要事項を明細書へ記入していく流れとなりますが、すべてを個別に記入する必要はなく、医療を受けた方の氏名や病院・薬局などといった支払先の名称ごとにまとめて記載しても良いことになっています。国税庁医療費控除に関する手続について(Q&A)上記イメージ図のように、まとめて記入し、明細書を作成することで、手間や時間が省けることにつながります。医療費控除を受ける際に領収書の添付をしても差し支えないこれまでは、医療費控除の適用を受けるためには、医療費控除にかかる領収書の添付が求められておりましたが、平成29年分の確定申告からは、領収書の添付が省略できるようになっています。一方で、これまで通りのやり方で医療費控除の適用を受けたい方や多くの領収書を自宅で保管することに対して煩わしさを感じている方は、経過措置として、平成31年分まで引き続き領収書の添付をすることで医療費控除の適用を受けることが認められています。仮に、5年間に渡って保管しなければならない医療費控除にかかる領収書を紛失したり破棄する恐れがあると感じている方は、これまで通りの方法で確定申告の際に領収書を添付してしまう方が確実、かつ、安心と言えるでしょう。医療費控除で交通費がある場合は、忘れずに領収書などの添付を病院へ治療に行かれる際に、電車やバスなどの公共交通機関やタクシーを利用される方もおられると思いますが、これらは、医療費控除の対象になるため、忘れずに領収書の添付をするように心掛けておきたいものです。中には、領収書が発行されないものもあると思いますが、メモに残しておくことやエクセルなどの表計算ソフトへ入力して保存しておくなどの方法も認められているため、何かしらの証拠として残しておくことがとても大切になります。なお、ご自身が自ら自動車などを運転して通院するためのガソリン代や駐車場の代金は、医療費控除の対象とはなりませんので、こちらも合わせて注意しておくことが大切です。確定申告で医療費控除を受けるための方法まとめ医療費控除は、医療費通知(医療費のお知らせなど)を確定申告書に提出することで簡単に受けられるようになったため、医療費控除の適用を受ける方にとって手間や負担が前よりもかからなくなったことは確かです。ただし、医療費控除の対象となる医療費の範囲はとても広いことから、普段から家族にかかった医療費の領収書を1つの場所にしっかりと保管しておき、年末になりましたら一通り合計金額を算出される習慣を身に付けておくことをおすすめします。これは、長い人生の中で、病院へ入院したり、高額な医療費がかかる場合が将来的に十分考えられることから、いつかは必ず役に立つ内容のものであると考えられるからです。日常生活を振り返ってみて、普段と違った特殊な事情が生じた場合は、医療費控除が受けられる可能性も高くなるとも考えられますので、ケース・バイ・ケースではありますが、本記事で紹介した医療費控除のポイントを、ぜひ、今後に役立てていただければと思います。
2019年01月13日住宅ローン控除は、金融機関などから住宅ローンを借入して住宅購入をされた方が、一定の条件を満たし、確定申告など、所定の手続きを行うことで受けられる税金の優遇制度です。一定の条件や所定の手続きは、後程紹介させていただきますが、住宅ローン控除は、手続きが難しくないほか、制度を受けるためのハードルが極めて低いため、住宅を購入されたほとんどの方が適用できると言っても過言ではありません。そこで本記事では、初めて住宅ローン控除を受ける方を対象に、確定申告で住宅ローン控除を受けるために必要な手続きから必要書類まで幅広く解説を進めていきます。住宅ローン控除とは住宅ローン控除は、正式名称が住宅借入金等特別控除と言い、金融機関などから住宅ローンを借入して住宅購入をした場合、12月31日時点における住宅ローン残高の1%を最大で10年間に渡って税金控除できるといった税金優遇制度です。住宅ローン控除は、購入した住宅が新築なのか、中古なのかによって適用できる条件が異なっているほか、住宅ローンを単独で借入するのか、夫婦で収入合算して借入するのかによっても適用される金額が異なります。新築住宅を購入した場合の住宅ローン控除新築住宅を購入した場合に住宅ローン控除が適用できる条件は、以下の通りです。新築または取得の日から6か月以内に購入した住宅に住み、住宅ローン控除の適用を受ける年の12月31日まで引き続いて住んでいる住宅ローン控除を受ける年分の合計所得金額が、3,000万円以下新築または取得をした住宅の床面積が50平方メートル以上であり、床面積の2分の1以上の部分が住宅部分であること住宅ローンの返済期間が10年以上で分割返済であること居住用財産を譲渡した場合の長期譲渡所得の課税の特例など、特殊な税制度を一定期間に渡って受けていないこと中古住宅を購入した場合の住宅ローン控除中古住宅を購入した場合に住宅ローン控除が適用できる条件は、以下の通りです。建築後、使用された住宅であること建物が、建築された日からその取得の日までの期間が20年(マンションなどの耐火建築物の建物の場合には25年)以下地震に対する安全上必要な構造方法に関する技術的基準、または、耐震基準に適合する建物であること購入した中古住宅が、親族や特別な関係のある者などから購入した住宅ではないこと贈与によって取得した中古住宅ではないこと住宅ローンを組んで新築住宅を購入する場合は、さほど大きな注意点は見受けられないのですが、中古住宅を購入する場合で住宅ローン控除の適用を受けられる予定がある方は、購入した中古住宅の築年数や耐震基準など、注意しなければならない点が多いため、あらかじめ気を付けておく必要があります。リフォームをした場合も住宅ローン控除が受けられる住宅ローンを借入して中古住宅を購入される方は、リフォームやリノベーションも住宅ローンやリフォームローンといった借入で行われる方も多いと思いますが、このような中古住宅の購入とリフォームなどをした場合でも住宅ローン控除をそれぞれ受けることができます。なお、リフォームやリノベーションをした場合に住宅ローン控除が適用できる条件は、以下の通りです。住宅の所有者がご自身で、所有している建物について行うリフォームやリノベーションであること以下、いずれかの工事に該当するものであること①増築、改築、建築基準法に規定する大規模な修繕または大規模の模様替えの工事②マンションの場合は、ご自身が区分所有する部分の床、階段または壁の過半について行う一定の修繕・模様替えの工事③居室、調理室、浴室、便所、洗面所、納戸、玄関または廊下の一室の床または壁の全部について行う修繕・模様替えの工事④バリアフリー改修工事⑤一定の省エネ改修工事⑥地震に対する安全性に係る基準に適合させるための一定の修繕・模様替えの工事リフォームやリノベーションの日から6か月以内に住み、住宅ローン控除の適用を受ける年の12月31日まで引き続いて住んでいること住宅ローン控除を受ける年分の合計所得金額が、3,000万円以下リフォームやリノベーションをした住宅の床面積が50平方メートル以上であり、床面積の2分の1以上の部分が住宅部分であることリフォームやリノベーションをした工事費用が100万円を超えており、その2分の1以上の額が住宅改修にかかる工事費用であること住宅ローンの返済期間が10年以上で分割返済であること居住用財産を譲渡した場合の長期譲渡所得の課税の特例など、特殊な税制度を一定期間に渡って受けていないこと中古住宅を購入してリフォームやリノベーションも合わせて行った場合で住宅ローン控除を受ける場合は、すまい給付金や地方自治体からの補助金が絡む兼ね合いも十分考えられるため、工事費用には、特に注意が必要と言えます。住宅ローン控除の適用は、初年度のみ確定申告が必要住宅ローンの借入をして新築住宅や中古住宅を購入した場合をはじめ、リフォームやリノベーションをした場合で、初めて住宅ローン控除の適用を受ける年は、確定申告をしなければ住宅ローン控除の適用を受けることはできません。また、確定申告の際には、作成した確定申告書のほかにも、住宅ローン控除を受けるための必要書類も忘れずに添付する必要があります。なお、確定申告は、原則として、翌年2月16日から3月15日までの間に行わなければならないことになっているため、上記の確定申告期間中に確定申告を間に合わせるためにも、後述する必要書類をあらかじめしっかりと確認して準備することが大切です。確定申告で住宅ローン控除を受けるための必要書類確定申告で住宅ローン控除を受けるための必要書類は、以下の通りです。確定申告書(特定増改築等)住宅借入金等特別控除額の計算明細書住宅ローンの残高証明書土地や建物の登記事項証明書土地や建物の売買契約書の写し住民票の写し給与所得者の場合は、源泉徴収票マイナンバーおよび運転免許証など身分証明書の写しなお、中古住宅を購入した場合は、耐震基準適合証明書または、住宅性能評価書の写しが紹介した書類に加えて必要なほか、リフォームやリノベーションを行った場合は、工事業者からの工事証明書や工事請負契約書の写しも必要になります。また、新築住宅、中古住宅に関わらず、すまい給付金や地方自治体からの補助金(助成金)を受けた場合は、それらを受けた明細書(無ければ支給を受けた通帳の写しなどでも可能)も添付しなければならないため、確定申告をする際は、やはり、時間と余裕を持って計画的に必要書類を準備することがとても大切になります。2年目からの住宅ローン控除は、確定申告不要住宅ローン控除の適用を受ける上で、初年度は、必要書類を添えて確定申告をしなければならないため、時間や手間がどうしてもかかってしまうのですが、2年目から10年目までの期間は、確定申告をしなくても年末調整で住宅ローン控除の適用が可能です。そのため、会社員や公務員のように勤務先が行う年末調整で1年間の税金の精算が終了する方は、税務署から郵送される(特定増改築等)住宅借入金等特別控除額の計算明細書と金融機関が発行する住宅ローンの残高証明書を添付して年末調整をすることで、引き続き、住宅ローン控除の適用がなされることになります。住宅ローンを夫婦で収入合算した場合は、それぞれ確定申告が必要住宅ローンを夫婦で収入合算した場合で、夫婦それぞれが住宅ローン控除の適用を受ける場合は、それぞれ、必要書類を添えて確定申告が必要になります。そのため、先に紹介した住宅ローン控除を受けるための必要書類も夫の分、妻の分といったように2部必要になりますので、業者などが発行する必要書類で写しではなく、原本の提出が必要なものにつきましては、あらかじめ時間の余裕を持って準備と対策をしておくことがとても大切になります。住宅ローン控除の金額は、住宅などの持分によって按分される住宅ローンを夫婦で収入合算した場合は、夫婦が住宅ローンの連帯債務者であれば、それぞれ住宅ローン控除の適用がなされることになりますが、登記をした持分割合に応じた住宅ローン控除が適用となる点に注意が必要です。たとえば、夫婦それぞれが2分の1ずつ土地や住宅の持分があったと仮定し、12月31日時点で2,500万円の住宅ローン残高があったとします。この時、夫の債務および妻の債務は、それぞれ1,250万円(2,500万円×2分の1)ずつとなり、住宅ローン控除の金額もそれぞれ12.5万円(1,250万円×1%)となります。初めて確定申告をして住宅ローン控除の適用を受ける場合、確定申告書に添付する(特定増改築等)住宅借入金等特別控除額の計算明細書には、ご自身の持分のみの金額を記入することになりますので、この辺には注意が必要と言えるでしょう。確定申告で住宅ローン控除を受けるための方法まとめ確定申告で住宅ローン控除を受けるための方法を解説させていただきましたが、以下、要点をざっくりまとめます。住宅を購入した年の翌年2月16日から3月15日までの間に確定申告を行わなければ住宅ローン控除が適用できない購入した住宅の種類によって、住宅ローン控除の適用条件や必要書類が異なるため注意時間に余裕を持って確定申告や必要書類の準備をする住宅ローン控除の適用を受ける方の中には、確定申告も住宅ローン控除の手続きも初めてという方も多いと思いますが、わからない場合や不安な場合は、ご自身が住んでいる地域を管轄している税務署へ尋ねてみるのも効果的です。直接話を聞きながら手続き方法を教えてもらうことで、安心で確実な確定申告ができることにつながるとも考えられます。
2019年01月12日ふるさと納税とは、都道府県や市区町村といった地方自治体に対する寄附のことを言い、ふるさと納税をすることによって、納めるべき所得税や住民税を軽減でき、さらに、寄附をした地方自治体から寄付金額に応じたお礼の返礼品が貰える特徴があります。すでにお気付きの方も多いように、毎年、年末が近くなりますと、メディアのCMやインターネットでふるさと納税の広告を多く見聞きすることがあると思いますが、実のところ、これにもしっかりとした理由があります。こちらにつきましては、後程解説をさせていただくものとしますが、本記事では、ふるさと納税の特徴から節税効果、申告方法、他の所得控除との併用まで、幅広く網羅した、ふるさと納税の総合案内記事としてそれぞれポイントを進めていきます。ふるさと納税についてはじめに、ふるさと納税の大まかな概要について紹介していきますが、ここでは、ふるさと納税を初めて行う方やふるさと納税をこれから検討している方を対象に、ふるさと納税に多い疑問について、それぞれQ&A方式で紹介していきます。ふるさと納税は、どのような制度?こちらは、本記事の冒頭でもお伝えしましたように、ふるさと納税とは、都道府県や市区町村といった地方自治体に対する寄附のことを言い、ふるさと納税をすることによって、納めるべき所得税や住民税を軽減でき、さらに、寄附をした地方自治体から寄付金額に応じたお礼の返礼品が貰える特徴がある寄附金制度になります。ふるさと納税は、いつまで行えば良い?ふるさと納税は、基本的にご自身が寄附をしようと思った時にいつでも行うことができます。ただし、個人の税金の課税期間は、1月1日から12月31日までの1年間と決まっていることから、ふるさと納税をしたことによる税金の軽減効果をその年に受けたい場合は、12月31日までにふるさと納税を行っておく必要があります。たとえば、平成30年にふるさと納税を行ったことによる税金の軽減効果を受けたいのであれば、平成30年1月1日から平成30年12月31日までにふるさと納税をするといったイメージです。ふるさと納税は、何がお得?ふるさと納税の魅力は、税金の軽減効果と寄附をした地方自治体からの返礼品に尽きるでしょう。寄附の金額が多ければ多い程、より良い返礼品が貰えるほか、それぞれの地方自治体によって、返礼品のラインナップが異なるため、返礼品を目的として、ふるさと納税を活用するのであれば、ご自身が求めている返礼品を探して寄附をするのも良いでしょう。ふるさと納税は、どれだけ節税できるの?ふるさと納税の節税効果は、寄附をした金額や寄附をした方の収入状況によって、すべて異なるため、一概にどのくらいの節税効果があると言い切ることはできません。とはいえ、ふるさと納税をすることによって、具体的にどのくらいの節税ができるのかイメージを持てなければ、ふるさと納税を積極的に活用したいとは思わないのが当然だと思います。以下、同サイト内に公開している記事では、ふるさと納税をする前に確認しておくべき節税ポイントやどのくらいの節税効果があるのかについても、シミュレーションしたものを紹介しておりますので、ふるさと納税で、どれだけ節税できるか気になる方は、こちらの記事も一緒にチェックしていただくことをおすすめします。ふるさと納税で税金の軽減効果を得るには確定申告が必要ふるさと納税で税金の軽減効果を得るためには、ただふるさと納税をすれば良いわけではなく、寄附をした地方自治体から送られてくる寄附金受領証を添付して確定申告をしなければなりません。また、確定申告は、いつでもできるものではなく、翌年の2月16日から3月15日までの確定申告期間に行わなければならないため、この期間に確定申告をしなければ、ふるさと納税をしたことによる税金の軽減効果を受けることはできないことになっています。ただし、ふるさと納税では、会社員や公務員などのように、基本的に年末調整で1年間における税金の精算が終了する方のために、後程紹介するワンストップ特例という制度も設けられているため、手間や時間を考慮するとワンストップ特例の方が活用しやすいのかもしれません。なお、以下、同サイト内で公開している記事では、国税庁が公開している確定申告のマニュアルを下に、確定申告でふるさと納税の恩恵を受ける方法とポイントをわかりやすく補足しておりますので、確定申告について気になる方は、こちらの記事も一緒にチェックしておくことをおすすめします。また、確定申告を行う場合は、年末調整が完了した後に、勤務先から渡される源泉徴収票も必要となるのですが、この源泉徴収票から実際に確定申告書を作成してふるさと納税の控除について紹介した記事も公開しておりますので、特に、還付金などが気になる方は、こちらを読み進めてもらうと良いかもしれません。ふるさと納税のワンストップ特例とはふるさと納税のワンストップ特例とは、基本的に確定申告が不要となっている会社員や公務員など、給与の支給を受けている方が対象の制度で、ふるさと納税を1月1日から12月31日までの1年間を通じて、5つ以下の都道府県や市区町村に対して行った場合に活用できる特別な制度です。実際に、ふるさと納税のワンストップ特例を活用して税金の軽減効果を受けるためには、こちらも、ただふるさと納税をすれば良いわけではなく、ふるさと納税を行う際に、ふるさと納税をする地方自治体に対して特例の適用に関する申請書を提出する必要があります。なお、ワンストップ特例やワンストップ特例を活用した場合におけるふるさと納税の節税効果につきましては、以下、同サイト内で公開している記事リンクから確認することができますので、併せて、読み進めてみることをおすすめします。これまでの解説をまとめますと、ふるさと納税をすることによって、税金の軽減効果を受けるためには、確定申告をするか、ワンストップ特例を活用するか、いずれかの方法を選ばなければなりません。ただし、いずれの方法を活用したとしても、所得税や住民税の納めるべき金額が異なるものの、トータルで得られる税金の軽減効果はどちらも同じになりますので、ご自身でやりやすい方法を選択して行うことが大切です。ふるさと納税と他控除を併用した場合ふるさと納税で税金の軽減を受ける場合、原則として、所得税は、寄附金控除として所得控除の対象となり、住民税では、税額控除として納めるべき住民税額から一定の計算式で計算した金額が直接差引される仕組みになっています。中には、ふるさと納税で税金の軽減を受けながら、住宅ローン控除を受ける方や医療費控除を受ける方、iDeCo(個人型確定拠出年金)に加入していることで、小規模企業共済等掛金控除を受ける方など、さまざまな方もおられると思います。このような方々にとってみますと、ふるさと納税と他控除を併用した場合の効果はどのようになるのか気になる方も多いと思いますが、以下、記事リンクでは、住宅ローン控除と併用した場合、医療費控除と併用した場合、iDeCoと併用した場合をそれぞれ個別に紹介しています。ふるさと納税をした場合は、基本的にどの制度と併用したとしても、節税効果は得られますが、寄附をしたすべての金額に対して節税効果があるわけではなく、節税対象となる上限金額が設けられている点には注意が必要です。ふるさと納税限度額の計算についてふるさと納税には、寄附をした金額の上限が設定されておりますが、こちらにつきましては、収入や家族構成によってそれぞれ異なる特徴があります。厳密にふるさと納税の効果的な上限金額を知るためには、専門家へ計算してもらう必要があるのですが、大まかな目安につきましては、以下サイトで確認することが可能です。また、同サイト内の以下記事でも、寄附金控除のシミュレーションを紹介しておりますので、併せて、読み進めてみることをおすすめします。ふるさと納税を効果的に活用するためにおすすめしたいことふるさと納税を効果的に活用するためには、ふるさと納税の特徴から節税効果、申告方法、併用まで、幅広くまとめて知ることがとても大切です。そのため、以下の流れに沿って、1つずつ段階的に情報を得ることをおすすめします。1.ふるさと納税の全体的な特徴などを知るこちらは、本記事中でもポイントを紹介させていただきましたが、まずは、ふるさと納税を全体的に知っておくことが大切です。2.ふるさと納税をする地方自治体を検討するふるさと納税をしたいと思う地方自治体は、それぞれ異なりますが、ご自身の出身地域、馴染み深い思い出の地域、お礼の返礼品が理想的など、さまざまな理由があると考えられます。3.ふるさと納税の税金軽減をどのような方法で受けるのか検討するふるさと納税をすることによって、税金の軽減効果を受けるためには、確定申告をするか、ワンストップ特例を活用するか、いずれかの方法を選ばなければなりません。ご自身にとって、どちらの方法が適しているのか、いずれの方法も大まかなポイントは、あらかじめ押さえておきたいものです。4.ふるさと納税のシミュレーションをあらかじめ行っておくふるさと納税は、寄附をしたすべての金額に対して税金の軽減効果が得られるわけではありませんので、たとえば、昨年の源泉徴収票や確定申告書の金額を下に、どのくらいのふるさと納税をすれば最大限に恩恵が受けられるのか、シミュレーションを行っておくようにしたいものです。もちろん、住宅ローン控除、医療費控除、iDeCoの加入による小規模企業共済等掛金控除の適用を受けられる方は、それぞれを考慮したシミュレーションをすることがポイントです。まとめ本記事は、ふるさと納税の総合案内記事としてそれぞれ押さえておきたいポイントと流れを紹介させていただきました。最後に紹介したおすすめの流れに沿って1つずつポイントを押さえていただくことで、より、ふるさと納税を効果的に活用することができます。なお、ふるさと納税は、いつでも行うことができるものの、多くの方から人気のある返礼品につきましては、数に限りがあることから、年の途中で終了してしまうこともあります。そのため、年末に駆け込みで寄附をするのではなく、余裕を持ったふるさと納税を行われることが得策かと思われます。
2019年01月09日「“いざなぎ超え”の好景気といわれていますが、生活に還元されているとはいえません。’19年からは、4月の社会保障制度改革と10月の消費税増税により、国民はより負担を強いられます。さらに、4月から施行される『働き方改革関連法』により、大企業に勤める会社員は、軒並み残業代がカット。年収は確実に減少するため、5月以降“生活が苦しい”と感じる世帯は増えるでしょう」そう解説するのは、経済評論家の加谷珪一さん。’19年は、多くの法改正により、家計への負担が大きく変わってくる。「さまざまな負担から家計を守るためには、法改正ごとに、その制度が自分の家族にとって負担を増やすものなのか、それとも賢く利用することで負担を減らすことができるのか、つねに意識することが重要です」さっそく、加谷さん、弁護士の松下真由美さん(レイ法律事務所)とともに、’19年下半期の“お金にまつわる法改正”を見ていこう。【7月】■相続法(民法)改正「長年の見直しの末、’18年7月に相続法(民法)が40年ぶりに改正され、’19年7月(一部は’20年7月)から施行されます。被相続人の妻や相続人の妻に“お得”なケースも増えているので、把握しておきましょう」そう話す松下さんが、改正相続法の重要項目を解説してくれた。《預貯金の仮払い》「夫が急に亡くなり、葬儀費用や当座の生活費が足りないときでも、現状では相続人全員の同意がなければ、夫の預金を引き出せませんでした。しかし今回の改正法では、夫の預金の3分の1の額から、妻の法定相続分の2分の1まで(1金融機関150万円が上限)を妻が単独で引き出せるように改正されました」《相続人でない親族の特別寄与》「同居の義理の父をどれだけ長年にわたって介護してきても、現行法では法定相続人ではないため、相続人の妻は遺産を1円ももらえませんでした。この問題を解消するため、改正法では『義父の財産の維持などに特別な貢献をした』という意味で、相続人以外の親族にも『特別寄与』として請求できる権利が与えられることになります。各相続人に対して、特別寄与の支払いを請求し、協議によって決めるか、家族で決めてもらうというのがおもな請求方法です」【10月】■住宅ローン減税の延長・自動車税減税の見直し住宅ローンの控除期間が、現行の10年間から、13年間に。入居1年目から10年間は、これまでと同様に年50万円を上限にローン残高の1%を控除。さらにローンが残る場合は11年目以降の3年通算で建物購入価格の2%の範囲で減税する方針だ。自動車税減税については、最大で年間4,500円を恒久的に減税するという。「しかし、これらは’19年10月~’20年末の間に新たに契約し引き渡された住宅やマンション、同年10月以降に新車新規登録を受けた自家用乗用車に適用されるもの。すでに住宅ローン減税を受けていたり、自家用車を保有している人にとっては“現状維持”となりそうです」(加谷さん)■消費税増税下半期で家計を直撃するのは、なんといっても8%から10%に引き上げられる今回の消費税増税。小売業に与える影響を加谷さんが解説する。「家電は前回の増税時、駆け込み需要による“バカ売れ”が目立ちました。今回もそれを狙って、8~9月あたりから家電量販店は価格を上げる可能性がありますから、安易な“駆け込み買い”は控えたいところです」さらにこの消費税増税には、もうひとつ“政府の狙い”があるという。「それは決済の“キャッシュレス化”です。銀行ATMは維持費がかかりすぎるため、政府は店舗数を減らしたいのです。今後のために、クレジット決済を中心としたキャッシュレス生活に切り替えることは重要だと思います。政府は消費税増税後、クレジットカードなどのキャッシュレス決済を使った消費者に対し、購入額の5%分をポイントで還元する施策まで検討しています。還元目的に、むやみに買い物をしては本末転倒ですが……」(加谷さん)「超高齢社会のいま、’20年以降も、現役世代に負担を強いる政策は増える」と加谷さんは語る。自分の消費を見直しつつ、法改正を理解して、賢く’19年を乗り切ろう。
2019年01月07日