サッカーノートを書き始めようとしたものの、何を書けばいいのかわからない、という人は多いのではないでしょうか。この記事では、サッカーノートの書き方について解説します。どういった内容を書くのか具体的に解説しているのでぜひ参考にしてみてください。サッカーノートの概要サッカーノートとは、普段の練習や試合などの記録や自分のプレーの振り返り、課題や目標を書き込むノートのことです。その日のプレーはどうだったのか、どのようなアドバイスを受けたのか、自分で感じたことなどを書き込むのが一般的です。中村俊輔選手や本田圭佑選手といったプロ選手もサッカーノートを使用していたというエピソードもあるため、馴染みのある人も少なくないでしょう。ノートは特に決められたフォーマットがあるわけではなく、市販のノートやアプリなど、好みに応じたツールを使用して作成します。サッカーノートの書き方サッカーノートの書き方は特に決まっているわけではないため、自分の書きたいことを好きな形で書いても構いません。ここではサッカーノートに書かれることの多い内容とその書き方について解説します。参考にしてみてください。その日の練習内容を書くサッカーノートの主な使い方の一つが、練習内容の記録です。その日どのような練習を行ったのか、その練習はどういった目的をもって行われたのか、自分の出来はどうだったかと言ったことを記入します。また、練習中に受けたアドバイスも書き込んでおくと、次に同じ練習をした時に役立ちます。練習や試合の目標を書くサッカーノートは、普段の練習や試合の目標を立てる際にも利用できます。普段の練習や試合の記録をノートに書き込んでいれば、自分が今どのようなプレーを苦手としているのか、どのようなことをコーチやチームメイトから求められているのかが見えてくるはずです。そこで浮かび上がってきたことを目標として書いておき、練習の前や試合の前にチェックしておけば、課題に向き合いながら試合や練習に取り組むことができるでしょう。小学校低学年の場合小学生、特に低学年となると、自分の課題を的確に把握し目標を立てることは簡単ではありません。そのため、シンプルな目標を立ててください。目標は、後になって振り返りがしやすい形で設定するのがポイントです。例えば「今日の試合では1点取る」「今日の試合は無失点で抑える」などです。逆に「今日は頑張る」というような抽象的な目標だと、後になって振り返りが行いにくいため、注意してください。できたこと・できなかったことを書く練習や試合でできたこと、できなかったことを書くこともできます。できなかったことを書く場合は、なぜできなかったのか、次はどういった点に注意するのかなどについても書くことができれば、次回以降に自分がやるべきことが明確になるでしょう。また、自分のプレーを振り返っていると、どうしてもできなかったことばかりになってしまいますが、できたことも必ず書くようにしましょう。できなかったことばかり書き込むノートは、書いていて楽しいものではないため、ノートを書くことがネガティブなものになってしまいます。書くときの注意点サッカーノートは特に書き方にルールなどはありませんが、書く際にはいくつかの点に注意する必要があります。そこでここでは具体的な注意点を2つ紹介します。継続して書くサッカーノートは、練習や試合のたびに必ず書くようにしてください。継続して書くことで、自分の成長の過程がわかり、自分の課題や目標が明確になります。今日は面倒だから書かない、今週分は週末にまとめて書くといった形はとらず、必ずその日のうちに書くようにしましょう。書くことを保護者が強制しない小学校低学年の子どもだと、自分の意思ではなく保護者が半ば強制的にノートを書かせているケースも少なくありません。しかし、やらされる形でノートを書くと、熱心に書くわけではないため、あまり役に立たない形だけのサッカーノートになりかねません。サッカーノートは、子どもが自ら書くことが大切であるため、強制はしないようにしましょう。まとめ今回は、サッカーノートの書き方について解説しました。書き方にルールはありませんが、練習や試合の振り返りや自分の目標の確認、できたこと・できなかったことの確認などを書くのが一般的です。選手としてもっと成長したいとい人はぜひサッカーノートを取り入れてみてはいかがでしょうか。
2021年03月18日サッカー選手として成長するには、試合や練習だけでなく、日々の取り組みの振り返りをすることが大切です。その際に活用できるのがサッカーノートです。この記事では、サッカーノートの概要からノートに記載する内容まで解説します。ぜひ参考にしてみてください。サッカーノートとは?サッカーノートとは、日々の練習や試合の記録、プレーの振り返りや感じたこと、課題などを記録する日記のようなものです。練習内容やコーチからのアドバイス、個人的に感じたことなどを書き込むのが一般的となっています。チームによってはサッカーノートを書いて提出し、監督やコーチがコメントをするといったことを行っているケースもあります。また、プロとして活躍する選手たちの中でもサッカーノートを利用している人たちは少なくなく、中村俊輔選手や本田圭佑選手がサッカーノートを書いていたことは有名です。このようにプロも使用するなど、サッカーノートはサッカー選手にとって身近なものだと言えます。サッカーノートを書くメリットサッカーノートを書くと様々なメリットが得られます。ここでここでは、具体的なメリットを3つ紹介します。その日の振り返りができるサッカーノートを活用すれば、その日の練習や試合の振り返りができます。練習内容や試合結果などはその日のうちは覚えているかもしれませんが、翌日になると記憶が曖昧になっているケースが少なくありません。また、コーチやチームメイトから受けたアドバイスを正確に覚えていない、というケースもあるでしょう。練習内容やアドバイスを覚えていないと、その次以降の練習や試合で同じミスをする可能性が出てきてしまいます。そのような時にサッカーノートがあれば、練習内容やアドバイスを書き残しておけるため、忘れることなく振り返ることが可能になります。アドバイスを踏まえて練習や試合に取り組めれば、選手としての成長スピードもアップするでしょう。良いプレーの再現性も高くなるはずです。課題が明確になるサッカーノートにその日の試合や練習でできなかったことを記録しておけば、自分の課題が明確になります。できなかったこと、もっとスキルアップしたいことを記録し、練習前にチェックしておけば、その日の練習で行うべきこともはっきりとするため、練習に対する意識も高まるでしょう。自分自身の成長記録になるサッカーノートを継続して書き続けていけば、自分の試合や課題が書き残されていくため、自分自身の成長記録になります。数年前のサッカーノートを見返したとき「あの時はこんなことに悩んでいたのか」「今ではこのプレーは得意なプレーになっている」など自分の成長を確認することもできるでしょう。サッカーノートを書くときのポイントサッカーノートを書く時にはいくつかのポイントを押さえておくことが大切です。ここでは、具体的なポイントを2つ紹介します。継続して書くサッカーノートはとにかく継続して書くことが大切です。「今日は眠いから書かなくていいや」となると、ノートを見返した時に前回の練習で何ができたのか、どういったアドバイスを受け、次の練習では何を意識してプレーするのかといったことがわからなくなります。何ページもびっしりと書く必要はありませんが、練習や試合のたびに必ずノートを書くようにしてください。ネガティブな内容ばかりにならないようにサッカーノートを書いていると、ネガティブな内容が多くなることが少なくありません。もちろんできなかったことや反省点は記録しておくべきですが、その日の試合や練習でうまくできたことも少なからずあるはずです。悪いことばかりを書き込むノートになると、書くモチベーションも上がりません。ネガティブな内容だけでなくポジティブなものも書きましょう。ノートは市販のものでOKサッカーノートは決まったフォーマットがあるわけではないため、市販のノートを使用しても問題ありません。書店などにはサッカーノート用のノートが販売されていますが、必ずしもそのノートでなければサッカーノートが書けないわけではないため安心してください。メモアプリなどに書き込んでも構いません。自分のやりやすい方法で行いましょう。まとめ今回はサッカーノートの概要から具体的なメリット、作成時のポイントなどについて解説しました。日々の記録を書いておくことで、プレーの振り返りが行えます。振り返りを行い、自分の課題を把握することは選手として成長するためには欠かせないことです。ぜひサッカーノートを書く習慣を取り入れてみてください。
2021年03月17日これからサッカーを始めようと思っている子には、シューズやウエアなどの道具の用意とともにサッカーノートも用意していただくことを勧めます。少しサッカーが上達してからでもいいのでは?低学年では早すぎない?と思っている方もいるかもしれませんが、サッカーノートは考える力をつけてくれるのでプレーの上達にもつながるのです。サッカーノートはサッカーの上達をサポートするもので、元日本代表の中村俊輔選手や本田圭佑選手なども子どものころから書いていました。サッカーノートをつけると、子どもにどんな変化があるのかを、サカイクサッカーノートの開発に携わったしつもんメンタルコーチの藤代圭一さんに話を聞いてみました。(取材・文:前田陽子)サッカーノートを書くことで思考が整理され上達につながるので、サッカーを始めた時からの習慣にしたいものサカイクサッカーノートお得な12冊セットを期間限定で販売中!【3月18日19時まで】>>■サカイクサッカーノートは質問に答えるだけで、自然とサッカーがうまくなるサッカーは自分でその場その場で考え、最善のプレイを選んでそれを実行するスポーツ。監督やコーチから「考えてプレイしろ」と言われることもたくさんあります。ですが、サッカーを始めたばかりで考える経験をしていない子どもにとって、ピッチで瞬時に考えてそれを表現するのは難しいものですよね。その練習のためにサッカーノートが役立ちます。「真新しいノートを一冊用意して、さあ書いてみよう!と思っても、何を書いていいかわからないですよね。サカイクサッカーノートには、質問という形式で書く項目が配置されているので、それに答えるだけ。サッカーを始めたばかりで初めてのノートという子どもにおすすめです」と藤代さんは言います。ノートは「どうしてサッカーをはじめましたか?」という質問から始まります。今の自分を書き出すページが用意されているのです。「サッカーを続けていくと好きで始めたのに、いろいろと評価をされることが増え、誰かから良く思われたい、うまくならなければだめだという感情が生まれ、サッカーをつまらなく感じる子が出てきます。サッカーを好きという気持ちを忘れてしまうんですね。振り返ったときにサッカーを始めた時の新鮮な気持ちを思い出してもらいたいという思いを込めて、最初にこの質問を用意しました」と藤代さんが開発の意図を教えてくれました。サッカーを続けていくと、先発に選ばれる、セレクションに受かるなど誰かに評価される場面も多くなり、サッカーが辛いと感じることも出てきます。ずっと続けるために"好き"は最強のモチベーション。その思いを忘れない工夫がされているのです。今日の「自分」を知るページ※拡大できます■振り返りと目標設定はセットで。練習の質が向上し、技術面でも上達するサッカーでは練習や試合ではたくさんの失敗と成功をします。練習や試合のたびにサッカーノートを使ってなぜ失敗したのか、どうして成功したのかを振り返ることを習慣化すると良いそうです。振り返りをしないと今日は運がなかった、たまたまうまくいっただけで終わってしまい、悪かったプレイを繰り返し、良かったプレイも再現できません。結果、うまくいくこともあれば、うまくいかないこともあるというムラのある選手になってしまうのだと藤代さんは教えてくれました。振り返りをすると、うまくいったことも含めて次に生かすことができます。また人は悪いことを指摘されると何もやりたくなくなりますが、うまくいったことを見つけられるとできなかったことにも目を向けることができるもの。「適切な振り返りをすると気持ちに余裕が生まれ、視野が広がります。サカイクサッカーノートは最初にうまくいったことを探すことを質問として用意しているので、自然とその後に改善点にも気づけるはずです」と藤代さん。練習や試合が終わったらサッカーノートを書いて、次の練習や試合の前にそのノートを見返す習慣が大事です。前回どんなチャレンジをしたのか、どこがうまくいって、何がダメだったのかを整理せずに練習や試合をしても、目的がないままになってしまいます。練習や試合の課題を決めると集中力も高まり、やる気も出て、練習の質も高まり、いいプレイが出来るというサイクルが出来ます。そのためにどんな時にどんなことを感じたのかをノートを見て確認し、課題や目標を考えましょう。サッカーノートを書くことで思考の整理ができ、サッカーにより深く取り組めるようになるのですサッカーノートを書くことで、思考の整理ができると同時に、自分のことがわかります。人は周りの人のことは知ろうとしますが、自分を知ろうとはなかなかしません。特に低学年の子どもでは、普段からご家庭でそのような習慣があればできるかもしれませんが、ほとんどの子はそういった意識はしていないでしょう。自分のことを客観的に振り返ることで頭の中が整理され、新たなチャレンジに向かうことができるようになるのです。■完璧に記入しなくても大丈夫。三日坊主でも継続できればOK練習や試合の後、毎回ノートに記入する習慣ができるのが理想です。そういう習慣になってほしいと願う親御さんも多いでしょう。サッカーノートを使うことで自分がなりたい姿と現在のギャップを感じられ、自分がなりたい姿になるためにどうすればいいか考えて、努力することができます。ですが、ノートを書くことが子どもにとってやらされている、やらなければいけない事(=義務)になると続けられません。「連続と継続は違います。親御さんは連続365日やってほしいと思っていると思いますが、1週間に3日しか書かないけれど、翌週また3日間と三日坊主を繰り返して、1年間続けられればそれでもいいと思います。子どもには日々新しい好奇心が芽生えていきます。その中でやるべき理由がよくわからないものを続けるのは無理なこと。完璧にやろうとせず、1日10分だけなどと時間を区切って、時間内に書けた分だけをやるのでも十分です」と藤代さんが続けるコツを教えてくれました。時間を区切るのは、そうすることで「ここまで書こう」と言うよりゲーム性が生まれるためだそうです。10分間で書けたところまでとして良いのだとか。1日目はたいして書けなくても、続けていくと書ける分量も増えていきます。時間を区切ると集中力もUPするそう。サカイクサッカーノートには、楽しく続けれるようにいろいろな工夫がされていますが、取り組み方にゲーム性を加えるとより継続しやすくなるということです。楽しくサッカーを続けることが何より大切ですが、「何となく」続けるのと常に自分の現在地を知り、思考しながら続けるのでは、取り組みの深さもコーチの指示の理解も変わってくるもの。いきなり真っ白いノートを渡しても、子どもたちが自ら書き出すのは難しいので、思考を引き出すガイドがたくさん仕掛けられたサカイクサッカーノートを使って、お子さんの上手くなりたいをサポートしてみませんか。サカイクサッカーノートお得な12冊セットを期間限定で販売中!【3月18日19時まで】>>藤代圭一(ふじしろ・けいいち)一般社団法人スポーツリレーションシップ協会代表理事。教えるのではなく問いかけることでやる気を引き出し、考える力を育む『しつもんメンタルトレーニング』を考案。全国優勝チームや日本代表選手など様々なジャンルのメンタルコーチをつとめる。2016年より全国各地に協会認定インストラクターを養成。その数は350名を超える。選手に「やらせる」のではなく「やりたくなる」動機付けを得意とする。新刊に「教えない指導」(東洋館出版)がある。「教えない指導」出版感謝企画 2つの特典紹介>>
2021年03月04日テレビや新聞などでも報道されている内容ですが、2022年度から高校のカリキュラム(学習指導要領)が変わり、家庭科で「資産形成」についても学ぶことになりました。今までは、消費者の視点からカード破産やねずみ講などの経済活動において失敗をしないことが家計教育の中心の内容でしたが、2022年からはリスク管理も踏まえた家計管理や基本的な金融商品の特徴もカリキュラムに含まれるとのことです。 今回はカリキュラムにもある株式,債券,投資信託についてお伝えします。 高校の家庭科では何を教えるの?2022年度の教科書はこれから作成されますので、詳細な内容はこれから決まる点もありますが、教科書や授業の前提となる学習指導要領を確認すると、「生涯を見通した生活における経済の管理や計画,リスク管理の考え方について理解を深め,情報の収集・整理が適切にできる」ために、(中略)「預貯金,民間保険,株式,債券,投資信託等の基本的な金融商品の特徴(メリット,デメリット),資産形成の視点にも触れながら,生涯を見通した経済計画の重要性について理解できるようにする。」とあります。 その他にも家計管理やリスク管理にも触れるため、リスクを取って運用を積極的に促すというよりは、メリット・デメリットを確認し、ライフプランに応じて適切に活用することを中心に教えられる予定です。 株式、債券、投資信託とは?高校家庭科の対象となる主な金融商品である株式、債券、投資信託ですが、一般の方でも売買できるものも少なくありません。それぞれの主な特徴は以下の通りです。 株式株式とは、企業が事業に必要な資金を調達するために発行するものです。その株式を保有するということは、出資者となり、会社の共同オーナーの一人になることを意味します。日本には200万社を超える株式会社がありますが、証券会社で不特定多数の人が取引できる上場会社は2021年2月現在3,755社となっています。 会社の業績が良ければ配当金を受け取ったり、売却して値上がり益を得られる一方、業績が悪ければ株価が下がったり、配当金が出なかったりすることもあります。株価が何倍に上がる会社もあれば、企業が破綻して株式が無価値になってしまう可能性もゼロではありません。会社ごとに株価(株式の値段)が異なり、1万円以下で買えるものもあれば、100万円以上するものもあります。 債券債券とは、投資家から資金を借りるために、国や地方自治体、企業等が発行する借用証書のことです。国が発行するものは国債、企業が発行するものは社債・事業債と呼ばれます。株式と異なり借入期間(満期)が決まっているものがほとんどで、満期まで当初設定されている利息を定期的に受け取ることができる利付債と利息はないものの、額面金額より安い値段で買い、満期がきたら額面金額の差額を上乗せしてお金が戻る割引債があります。 一般的には株式よりリスクが低いと思われることの多い債券ですが、発行体が外国や信用度の低い企業の場合は利率が高いことがある一方で元本や利息の支払いが滞ることがある可能性があることは覚えておきましょう。個人向け国債は最低1万円から購入できますが、社債や外国の国債などは数十万円から百万円単位での販売となることもあります。 投資信託投資信託とは、投資家から集めたお金をひとつの大きな資金としてまとめ、運用の専門家が株式や債券、不動産などで運用する商品です。運用成果が投資家それぞれの投資額に応じて分配される仕組みです。 一般向けに販売している公募投資信託でも2021年1月現在、日本国内で約5900種類の取り扱いがあります。投資対象が低リスクの国内債券のものから、高リスクの新興国株式や通常の値動きより大きく動くレバレッジ型投信などのようなものもありますので、購入の際には値動きの幅や投資対象を確認することはとても大切です。証券会社によって最低購入金額が異なりますが、100円単位で購入できるケースもあります。 値動きのない運用商品はありませんいままで預貯金しか金融商品を利用していない人は、元本が保証されず、値動きがある運用商品を感覚的に理解できないこともあると思います。しかし、野菜やガソリン等の価格が日々変動することと同じように金融商品の価格も日々変動します。 程度の差は商品ごとによって異なりますが、金融商品は価格が上下するものが当たり前ということは覚えておきましょう。 なお、運用を始めるにあたっては、インターネットや書籍、新聞等で最低限の知識は入れておくようにしましょう。証券会社や銀行などで金融商品を勧められることもあると思いますが、即決せずに手数料や実績などをその他の商品などと比較して極端に性能が劣るようであれば避けた方が賢明です。また、周囲の人や情報に流されず、理解できないものや感覚的に合わないものは購入を控えたり、保有量を減らしたりすることが必要になることもあります。 高校の家庭科で運用商品を学ぶことだけなく、NISAやiDeCoなどの制度や運用商品の税制など、預貯金から資産運用へシフトする政策は以前から進められています。必ずしも使うものではないかもしれませんが、上手に活用することによって家計やライフプランにプラスになることが期待できます。 これを機に資産運用を考えるきっかけにしていただければと思います。なお、本稿は、特定の運用商品を推奨するものではありません。運用商品のご購入に際しましては、ご自身の判断と責任において行ってください。 監修者・著者:ファイナンシャルプランナー 大野高志1級ファイナンシャルプランニング技能士、CFP®(日本FP協会認定)。独立系FP事務所・株式会社とし生活設計取締役。予備校チューター、地方公務員、金融機関勤務を経て2011年に独立。教育費・老後資金準備、税や社会保障、住宅ローンや保険の見直し、貯蓄・資産運用等 多角的にライフプランの個別相談を行うとともにセミナー講師として活動しています。
2021年03月01日葉羽エストレーノは、2020年春、コロナ禍でJリーグが延期される中、架空のチームでサッカーを楽しもうと生まれたSNS発のサッカークラブ。2シーズン目の今年、ヒュンメルがオフィシャルパートナーとしてユニフォームをデザイン。2月12日より、ヒュンメル通販サイト限定で発売します。■真剣にバカができる場所SNS発で一気に名を馳せた葉羽エストレーノには、メディアや海外クラブによるM&Aなども可能性としてあったが、世界中でコロナ禍が続く中、架空のクラブとしてできることを模索しようと、2シーズン目を迎えることに。代表の龍恭平さんは、この3月に大学を卒業。「閉塞感のある社会で、大人が真剣にバカができる場所が必要だと思った。サッカークラブのサポーターって、クラブの枠を超えて仲良くなったり、一緒に取り組むことが少ないと思うのですが、架空のチームだとサッカーが好きな人たちが集まって、サッカーを通して楽しみをつくり出すことができる。その魅力をもっと広げたいと、今シーズンも続けることにしました」と語る。葉羽エストレーノが所属するのは、中村銀行JS2リーグ。葉羽の他にも、バラディフィエロ三国やレオシオネス水城など22チームが競う。リーグには600名余りの選手と監督が所属。名前はもちろん、身長や体重、年齢、キャリアなど、ディテールも設定されている。葉羽の注目選手は、まずは、韓国出身のオ・ヒルゴハン選手。昨シーズン途中加入ながら、ランチくんという愛称で親しまれる人気者。もうひとりは大学時代のケガを乗り越えてブレイクしたFW成瀬敬一選手。プレシーズンマッチでも軽快な動きを見せている。■架空のチームの実在のユニフォームそんな架空だらけの中にあって、実在するのがユニフォームとスポンサー企業だ。今シーズンのユニフォームは、ヒュンメルがつくった完全オリジナル。チームカラーのグリーンとイエローをベースにしたユニフォームは、ボディに大きめのシェブロンラインをシャドーストライプに。そこにバイクのまちとして知られ、チームのニックネーム「バイク軍」にもなっている二輪車を透かしてデザイン。フロントから背中にかけてオートバイが疾走する形に。メインスポンサーは昨年から変わらず、Webサービスの企画・開発・運営の「yollo」が入り、背中には、スポーツチーム向け映像分析ソフト、AIカメラの開発、販売で知られる「hudl Japan」が。そして新しく、人材紹介、ヘッドハンディングの「STAGE」、イベント・アイドル、エンターテイメント事業のプロデュース「LIKES」、金沢カレーの元祖「チャンピオンカレー」が入った。さらには、右袖には中村銀行SJ2リーグの公式エンブレムも入り、オフィシャル感のあるユニフォームに仕上がった。■商品情報今回発売するのは、フィールドプレイヤー(FP)用ユニフォームを長袖と半袖の2種。無地に加えて、推しの選手名と背番号の入ったもの、12番とオリジナルネームのセットを合わせると、それぞれ合計25パターンから選べるように。さらに、今回のユニフォーム発売を記念して、選手たちがバイクに乗る時に着用するウーブーンパーカーを合わせて発売。2月12日より発売をスタートし、3月7日まで受け付け。4月中旬のお届けを予定しています。葉羽エストレーノ2021 FPユニフォーム半袖シャツSize:S,M,L,O,XO,XO2(UNISEX)Price:9,000円(税込):マークなし:1万0円(税込):背番号+選手名:1万円(税込):12番+オリジナルネーム葉羽エストレーノ2021 FPユニフォーム長袖シャツSize:S,M,L,O,XO,XO2(UNISEX)Price:1万円(税込):マークなし:1万1,000円(税込):背番号+選手名:1万1,000円(税込):12番+オリジナルネーム葉羽エストレーノ2021 ウーブンフーデッドパーカーSize:S,M,L,O,XO,XO2(UNISEX)Price:1万6,000円(税込)■葉羽エストレーノについて葉羽エストレーノは、新型コロナウイルスによるJリーグ中断が生んだ架空のサッカークラブ。実存しないサッカークラブながら、スポンサーがつき、リアルにユニフォームも発売。独自の切り口で、Jリーグ関係者からも注目されるなど、SNSを中心に話題に。【OFFICIAL TWITTER】■ヒュンメルについてデンマークのスポーツブランド「hummel(ヒュンメル)」は、世界で初めてスタッド付きスパイクを開発し、1923年に誕生。革靴でサッカーをしていた当時、真っ平らな靴底にスタッドを付け、グリップ力の飛躍的向上をもたらし、今までできなかったプレーを可能にしました。そこで重過ぎるために理論上飛べないとされるマルハナバチ(ドイツ語でhummel)が努力を重ねて飛べるようになったという逸話を重ね合わせ、ブランドネーム&ロゴに採用。90年の歴史を経て、現在は“Change the World Through Sport.” をミッションに、独自のブランドストーリーを展開。新しいチャレンジを続けています。【OFFICIAL WEBSITE】企業プレスリリース詳細へ本記事に掲載しているプレスリリースは、株式会社PR TIMESから提供を受けた企業等のプレスリリースを原文のまま掲載しています。FASHION HEADLINEが、掲載している製品やサービスを推奨したり、プレスリリースの内容を保証したりするものではございません。掲載内容に関するお問い合わせは、株式会社PR TIMES()まで直接ご連絡ください。
2021年02月13日サッカーを始めたばかりのお子さんをお持ちの保護者の中には、ボールを購入しようとしている人もいるでしょう。サッカーには様々なボールのサイズがあります。この記事では、サッカーボールのサイズについて解説します。小学生はどのサイズが適切なのか、ボールを選ぶときにはどういった点に注意すべきなのか、などについて解説するので、ぜひ参考にしてみてください。ボールのサイズは年齢によって異なるサッカーボールには、1号球から5号球まで5種類のサイズがあります。しかし、1号と2号はサインボールやリフティングボールとして利用するのが一般的であり、試合で使用するのは3号球以上となります。そして、年齢に応じて使用するボールのサイズが異なるため、ボールを購入する際はお子さんの年齢を考慮する必要があるでしょう。引き続き、ボールのサイズと年齢の関係について解説します。3号球3号球は、主に幼稚園児~小学校低学年が使用するボールです。競技用のボールとして最も小さいサイズで、非常に軽いため、小さい子どもでも扱いやすくなっています。なお、規格は以下の通りです。周囲:58〜60cm直径:19cm重量:300〜320g4号球4号球は主に小学生年代で使用されるボールです。普段の練習や公式戦などでもこのサイズが使用されています。これからサッカーを始める小学生のお子さんがいる場合は4号球を購入するといいでしょう。なお、将来的には5号球を使うことになりますが、小さいうちから5号球を使用すると怪我に繋がる恐れもあるため、4号球を購入するようにしてください。なお、規格は以下の通りです。周囲:63.5〜66cm直径:20.5cm重量:350〜390g5号球5号球は、中学生以降で使用するボールです。高校や大学、社会人、プロもこの5号球を使用するため、一般的なサイズのサッカーボールというと5号球のことを指していると考えてください。なお、規格は以下の通りです。周囲:68〜70cm直径:22cm重量:410〜450gサッカーボールの選び方ここからは、サッカーボールを選ぶときのポイントについて解説します。スポーツショップに行くとたくさんのサッカーボールが置いてあります。どれも同じように見えるかもしれませんが使用目的によって違いがあるため、参考にしてみてください。使用するグラウンドを考慮サッカーボールには、大きく分けて土用と芝用があります。このボールはそれぞれ土での使用、芝での使用を想定して作られているもので、土用を芝のグラウンドで、芝用を土のグラウンドで使用すると、ボールが跳ねすぎたり逆に跳ねなかったりするので注意が必要です。なお、土用のボールは衝撃に強い素材を使用しており、固いグラウンドで使用しても傷みにくくなっています。一方の芝用は伸縮性のある素材を使用しており、跳ねやすく作られています。検定球かどうかサッカーボールの場合、サッカー協会やサッカー連盟が規定している規格を満たしているボールには「検定マーク」がつけられています。JFA検定球はJFA(日本サッカー協会)の規格を満たしているボールで、FIFA検定球はFIFA(国際サッカー連盟)の規格を満たしているボールです。JFA検定球でもFIFA検定球でも検定マークがついていれば、ボールの品質が信頼できる証拠になります。そのため、練習や試合などでも安心して利用できるでしょう。公式試合では検定球を使用することが求められているので、購入の際に検定球であることを確認しましょう。今回は、サッカーボールのサイズの概要とボールを選ぶときのポイントについて解説しました。小学生の使用するサイズは4号球です。年齢に応じてボールのサイズが定められているため、5号球を小学生のうちから使用するのは避けるようにしてください。また、ボール選びの際は、使用するグラウンドを考慮し、検定マークの入っているものを選ぶようにしましょう。
2021年01月29日毎年1月から2月にかけては、学校でのお弁当が最後となる時期。友達と囲んで食べたり、親子ゲンカした翌日もちゃんと用意をしてくれたり、弁当にもさまざまな思い出が詰まっているでしょう。Twitterユーザーの@towan___さんも、高校生活最後の弁当の日がやってきました。弁当の中には、母親からの手紙が入っていたといいます。そこに書かれていた内容に多くの人が感動しました。小さなメモ用紙に書かれていたのは…。3年間、お弁当を作らせていただきありがとうございました。冷食、玉子焼きばっかでごめんネ。高校生活最後のお弁当でお母さんが泣かせてきた。 pic.twitter.com/sSqwEPNDrt — #VigorとわにゃんNox CWN (@towan___) January 25, 2021 「作らせていただきありがとう」とつづる母親の言葉に、愛を感じますね。3年間、いろいろな想いがあって弁当を作ってきたに違いありません。投稿には、同じように最後のお弁当に手紙が入っていたという人もいました。・素敵なお母さんですね。とても愛情を感じる。・自分も同じようなことがあり、学校で泣いたな…。・これは泣く。改めて母親に感謝したいね。冷凍食品でも、レパートリーが少なくても、深い愛情は毎回お弁当に詰まっていたはず。きっと高校生活最後のお弁当は、いつも以上においしかったことでしょうね。[文・構成/grape編集部]
2021年01月26日職場でU‐8以下の子どもたちを指導することになったけど、自分自身はサッカー経験なし。初めてサッカーをする子たちばかりだけど、楽しんで基本が身に付くような練習はある?とお悩みのコーチよりご相談いただきました。長くサッカーを続けるためにも、サッカーに出会う時期の楽しさは大事ですよね。現在低学年や未就学児に指導されている方も池上さんのアドバイスを参考にしてください。これまでジェフユナイテッド市原・千葉の育成コーチや、京都サンガF.C.ホームタウンアカデミーダイレクターなどを歴任し、のべ60万人以上の子どもたちを指導してきた池上正さんが、この年代への指導で大事なことをお伝えします。(取材・文島沢優子)池上正さんの指導を動画で見る>>(写真は少年サッカーのイメージです。ご相談者様、ご相談内容とは関係ありません)<<何をやっても楽しそうじゃない子のテンションを上げる練習を教えて<お父さんコーチからの質問>こんにちは。職場の幼稚園、小学校低学年でボランティアコーチをしています。自身はプレーの経験は無く、元2級審判員です。今は3級で現役です。これまでも何回も聞かれているかもしれませんが、サッカーが初めてのこの年代に楽しみながら基本を教えるには、どうすれば良いでしょうか?<池上さんのアドバイス>ご相談ありがとうございます。メールに「サッカーが初めてのこの年代に楽しみながら基本を教えるには、どうすれば良いか?」とありますね。ご相談者様がおっしゃる「基本」とは、ボールを蹴る、運ぶ、止めるといった主には個人スキルを想像されていると想像します。しかしながら、サッカーは自分以外の仲間がいますね。その仲間とパスをつなぎながら、相手にボールを取られずシュートまでもっていく。そしてゴールを狙う。それがサッカーです。たとえ幼児だろうと、指導はそこから入ってほしいと思います。ところが、未就学児や小学校の低学年にミニゲームをしてもらうと、団子になります。特定の子どもだけがドリブルをし、他の子が追いかけて行くような場面が多く、ボールを扱う子どもが限られてしまいます。そのため、ボールを扱えるように、止める、蹴るを体験できる対面パスやコーンドリブルの時間が増えていく。そんな傾向があります。■「まだ団子サッカーで仕方がない」ではダメ先日、千葉県柏市サッカー協会からの依頼で、セミナーを開きました。その際に町のクラブの方から、団子サッカーをどう解消したらいいか?といった質問がありました。多くの方が「まだ幼稚園だから団子で仕方がない」と考えているようです。しかし、そのままにしておかないでください。そこからどうサッカーにつなげるか。指導者の方に対策を立ててほしいのです。仲間とつないでいくのが当たり前のこと。それがサッカーだという認識を持てるよう子どもを育てる必要があります。団子サッカーを卒業させようと考えた場合、子どもたちに「団子にならないようにしよう」とか「団子にならないで広がって」と指示することが少なくありません。ところが、言っても、言っても、団子になってしまう。指導者は途方に暮れます。■団子サッカー解消のためにどうすればいいかでは、どうするか。まずは、子どもたちに、自分たちがどんな状況になっているかを理解してもらいます。「いま、どんなふうになってる?」問いかけると、子どもなりの意見が出てきます。「○○君は僕の味方なのに、僕のボールを取りに来る」「人がいっぱいいるから前に行けない」2、3人だけでなく、みんなに尋ねてみてください。そういうことを認識させることが大事です。そのあとで、「なるほど。みんなそんなことを感じているんだね。じゃあ、どうしたらいいかな?」とまた問いかけます。そして、それぞれが「みんな広がってみる」とか「空いてる人にパスする」と、対策が出てきたら、「じゃあ、そこに気をつけてやってみよう」とまたミニゲームをやらせます。子どもですから、もちろんすぐに「自分で気をつける」ことはできません。が、やりながら、コーチからも、考える材料になる問いかけをします。「味方の近くにいるのと、遠くにいるのとでは、どっちが相手からボールを取られないかな?」そんなふうに話し合いながら練習を進めてください。そのとき、決して答えを言わないでほしいと思います。■手取り足取り教えることが指導ではない以前、私が日本人コーチの佐伯夕利子さんが所属するスペインのビジャレアルの5歳児たちのミニゲームの動画を見せた時のことです。幼児でもパスをつなげることを見せて、「ここまでに育てるのに2~3年かかるそうです」と話したら、参加していた方がこうおっしゃいました。「私はそんなに我慢できません」日本の指導者は、どうも早く結果がほしいようです。コーチが我慢する、しないの問題ではないことを理解してほしいものです。子どもたちにサッカーがどんなスポーツかを教えるには、前述したようにやり取りしながら理解を深めていく「時間」が必要不可欠だということをわかってもらえないでしょうか。「コーチがこんなに言ってるのに、どうして君たちはやらないの?」「やらないから上手くならないよね」そんなふうに責めたり、手取り足取りして教えることが指導だと思っていませんか?子どもたちを「一日も早くうまくしなければ」と思っていないでしょうか?何かができたら、次はこれというふうに、進み具合を大人のほうで決めて、そこに当てはめようとしてしまう。そこに追い付けない子どものことを心の中で否定したり、成長をあきらめていないでしょうか?指導に決まったマニュアルはありません。いま、目の前の子どもは上手くできないかもしれません。ただ、大人の目には見えないけれど、前述したように考えさせる指導をしていけば、子どもは日々何かを獲得するはずです。ビジャレアルの子どもたちも、そのようにしてサッカーの認知度を上げたのだと考えます。■サッカー経験がなくてもできる、子どもたちが自分で考えるようになる「問いかけ」また、「上手くなってもらうには、どんな声がけをしたらいいですか?」という質問をよく受けます。すでにお伝えしたように決まったマニュアルはないので、こう声をかければ上達する、という魔法の法則はありません。あるとすれば、いまのどう?うまくいった?というような問いかけです。子どもが自分で考え始めるきっかけになる問いかけは、別にベテランでなくても、サッカー経験者でなくても、誰でも聞けます。考え方を理解してもらえれば簡単なことです。ただし、この問いかけを続けるには、そういうことが必要であることを大人のほうがきちんと理解していなくてはいけません。ミスパスを「それはミスだね」とだれにでも言えますが、それは指導ではありません。そういったことを理解してもらわなくてはなりません。■問いかけと対話を重ねて子どもたちの視野を広げてあげるミスパスがあれば、「いま、誰にパスしようと思ったの?」と聞くことができるコーチになってください。「だってあそこに味方がいたんだもん」「右に味方がいたから」と答えれば、「じゃあ、左にいたのは見えた?」と尋ねる。そうすれば、「じゃあ、右も左も見られるといいね」となります。その次に「両方見ました」と言ってくる日が来ます。そのときは、じゃあ、その選択はどうだった?となります。対話だけをみても、その子どもが進化しているのがわかるかと思います。選ぶのはその子の権利。コーチの役目は、視野を広げてあげることなのです。池上正さんの指導を動画で見る>>■「こっちでしょ」コーチが答えを教えると、ほかの可能性を見逃す(写真は少年サッカーのイメージです。ご相談者様、ご相談内容とは関係ありません)「こっちでしょ」と一つの答えだけをコーチが教えてしまうと、見逃すものがいっぱい出てきます。サッカーをより楽しくするためには、どこがいいかな?と子どもがワクワクしながら考えられること。それができる環境を指導者が保証してあげることが重要です。そうすると、よりサッカーを楽しむためには、視野を広げるんだ、という結論になります。より楽しくなるよね、という考え方をもって子どもに接してください。池上正さんの指導を動画で見る>>池上正(いけがみ・ただし)「NPO法人I.K.O市原アカデミー」代表。大阪体育大学卒業後、大阪YMCAでサッカーを中心に幼児や小学生を指導。2002年、ジェフユナイテッド市原・千葉に育成普及部コーチとして加入。幼稚園、小学校などを巡回指導する「サッカーおとどけ隊」隊長として、千葉市・市原市を中心に年間190か所で延べ40万人の子どもたちを指導した。12年より16年シーズンまで、京都サンガF.C.で育成・普及部部長などを歴任。京都府内でも出前授業「つながり隊」を行い10万人を指導。ベストセラー『サッカーで子どもがぐんぐん伸びる11の魔法』(小学館)、『サッカーで子どもの力をひきだす池上さんのことば辞典』(監修/カンゼン)、『伸ばしたいなら離れなさいサッカーで考える子どもに育てる11の魔法』など多くの著書がある。
2021年01月22日2021年1月17日放送の、情報番組『ワイドナショー』(フジテレビ系)に元プロサッカー選手の内田篤人さんが出演しました。同月11日に行われた、『第99回全国高校サッカー選手権』の決勝に応援リーダーとして出演した内田さん。新型コロナウイルス感染症(以下、コロナウイルス)の感染拡大防止のため、無観客で行われた決勝戦についてこのように想いを語りました。こういう強いチームになってくると部員数が200人くらいいるんですよ。そうすると、ベンチに入れない180名くらいはスタンドで観ることになるんですね、普段は。でも、今回はそういうこともできずに、各高校で観たりとか。何より、お父さんお母さんがスタンドで観れないことがかわいそうだなって思いましたね。まあ、仕方ないんですけどね。ワイドナショーーより引用決勝戦が無観客で行われたことは「仕方がない」としながらも、子供たちの雄姿を直接見ることのできなかった親の気持ちを考え、かわいそうだと発言した内田さん。無観客で行われた決勝戦についてネットからは、さまざまな声が上がりました。・本当にスタンドで応援したかった親の気持ちを考えると切ないよな。仕方がないこととは思うけれど。・無観客で行われていたので、選手たちの声が響いて、静かな熱い大会でしたね。来年こそは、スタンドで家族や仲間が声援を送れるようになってほしい。・スタンドで直接見れず、とても悔しかった。来年こそは、大声援を送れたらいいな。・コロナ禍の中、うまくいかないことも多かったはずだけど、頂点を決めるに相応しい、素晴らしい試合でした。来年はスタンドで応援したい!頑張る我が子や、チームメイトへ向けて大きな声援を直接届けたかったという人も多いでしょう。1日も早く、コロナウイルスが終息する日が来ることを願わずにはいられません。[文・構成/grape編集部]
2021年01月17日早稲田大の12年ぶりとなる連覇か、天理大の悲願の初優勝か。『第57回全国大学ラグビーフットボール選手権大会』が1月11日(月・祝)・国立競技場でキックオフを迎える。1月7日に1都3県の首都圏に緊急事態宣言が発令され、無観客試合かはたまた大会中止かと危ぶまれたが、1月8日に日本ラグビーフットボール協会は記者会見を実施。首都圏でのイベントは最大5000人か収容率50%以下の少ない方に制限される中、販売済みのチケットには適用されないという政府見解を受け、先行販売した1万7000枚のチケットはすべて有効とする方針を発表した。大学準決勝で明治大を下した天理大『大学選手権』準決勝で早稲田大は勝負強さを、天理大は盤石の強さを発揮した。両校は1月2日・秩父宮ラグビー場に登場。早稲田大は3年前に9連覇を成し遂げた帝京大と、天理大は前回覇者の明治大と対峙した。第1試合は早稲田大×帝京大。両校はすでに11月1日の『関東大学対抗戦A』で激突。昨年の対戦では前半は19-19と互角の攻防から後半に早稲田大が突き放し、45-29で勝利したが、この日は異なる展開に。長田智希(早稲田大)(c)JRFUペナルティゴール(PG)で3点を刻もうとする帝京大に対し、早稲田は6・24分とラインアウトからドライビングモールで立て続けにトライを奪う。33分にはラインアウトからフルバック(FB)河瀬諒介が抜けインゴールへ。前半終了間際には帝京大にスクラムで押され、認定トライを許すも、21-13の早稲田大リードで折り返す。後半も早稲田大が仕掛ける。47分、ラインアウトからスタンドオフ(SO)吉村紘がパスダミーからセンター(CTB)伊藤大祐へロングパス、伊藤は防御網を突破し、河瀬へ。河瀬からウイング(WTB)古賀由教へつなぎ、大外を30m駆け抜けてトライを奪ったのだ。53分に帝京大CTBニコラス・マクカランにトライされるも、62分にはハーフウェイラインから河瀬が抜け出し独走トライ。33-20として、2年連続決勝進出に大きく前進した。その後、帝京大の粘りに1トライ1ゴールを返されるも、勝負どころを抑えた早稲田大が33-27で勝利したのだった。早稲田会見(写真左より)丸尾崇真主将(早稲田大)、相良南海夫監督(同)(c)JRFU試合後、相良南海夫監督が「フィジカルの非常に強い帝京さんに、どれだけウチが身体を張れるかが勝負を分けると思っていたが、選手がよく身体を張り続けて粘り強くディフェンスしてくれた。最後は接戦になったが、しっかり勝ち切ることができたゲームだった」と勝因を語れば、丸尾崇真主将も「フィジカルの強い帝京さんのセットプレーに早稲田から仕掛けようとして、できたところとできなかったところとあるが、勝利することができた」と振り返った。河瀬諒介(早稲田大)(c)JRFU12月6日の『関東大学対抗戦A』ではラインアウトが乱れ、明治大に14-34と完敗を喫したが、この日はラインアウトモールの精度を取り戻した。ロック(LO)下川甲嗣が「早明戦では自分たちのラインアウトが相手のプレッシャーによって崩されてしまった。そこでどこへ立ち返るのかと言ったら、自分たちの精度、スキルにしっかりフォーカスするということ。最後にゴールラインを割るまで全員が密着して、コミュニケーションを取りながら押せた」と胸を張れば、2トライを挙げた河瀬も「仕留めるところで、しっかり仕留められたのは良かった。早稲田のバックスリーとして、ボールを持ったら常にトライを狙いに行くという意識を持っている」とキッパリ。土橋源之助(天理大)(c)JRFUU第2試合は一昨年の『大学選手権』決勝と同じカードとなった。いきなり3分、天理大SO松永拓朗のロングパスを受けたWTB土橋源之助が右サイドギリギリにトライ。24分に明治大に同点とされるも、天理大は28分にラックからHO佐藤康が近場を攻めてトライ。36分にはスクラムハーフ(SH)藤原忍の早いリスタートにLOアシペリ・モアラが反応し、そのままインゴールへ。天理は19-5とリードし、前半を終える。後半に入っても天理大の勢いは止まらない。CTBシオサイア・フィフィタが距離を稼いだ後に連続攻撃から松永がグラバーキックは放つ。ボールは相手に当たり跳ね返るも、松永は自ら拾いトライ。50分にはラインアウトモールからフォワード(FW)がピック&ゴーを繰り返し、最後は佐藤がこの日ふたつ目となるトライをねじ込んだ。その後、明治大も意地を見せ2トライを奪うが、終わってみれば41-15。天理大が見事に2年前のリベンジを果たしたのだった。天理会見(写真左より)松岡大和主将(天理大)、小松節夫監督(同)(c)JRFUU試合後、小松節夫監督が「強い明治大学さんに対して、『どれだけチャレンジできるか』『ディフェンスでどれだけプレッシャーをかけられるか』『セットプレーでどれだけできるか』を考えて準備してきた。明治さんの強いアタックを止めることができたのが今日の勝因だと思う。スクラムもがんばった」と語れば、フランカー(FL)松岡大和主将は「ものすごくうれしかった。僕はあまり泣いてなかったが、周りの選手たちは悔しい思いもしてきて、勝った瞬間はものすごくうれしくて泣いたのだと思う。まだ最後までやることがあったので、僕は『しっかり最後までやり切ろう』と言った」と次を見据えた。シオサイア・フィフィタ(天理大)(c)JRFUUまた、フィフィタが「勝って良かった。明治大学さんが一番強いとわかっていたので、この試合のためにずっと練習してきた。めっちゃ準備して来たので、結果が出て良かった」と安どの表情を見せれば、松永は「早稲田さんは自分たちの試合を見て、すごく分析して来ると思うし、自分たちの強みであるバックス(BK)の展開力を見せて来ると思う。僕たちはそこでできるだけ我慢して、アタックで自分たちの強みを出すラグビーを徹底してやりたい」と決勝へ思いを馳せた。準決勝のパフォーマンスやV候補の筆頭だった明治大との試合をモノサシにして、天理大有利と決めつけるのは早計だ。昨年、早明戦で7-36と完敗を喫しながらも『大学選手権』決勝で早稲田が下馬評を覆したのは記憶に新しいところだろう。早稲田大は浮足立つ明治大に対して、31-0と前半で一気に勝負を決めたのだった。ちなみに昨年の準決勝で早稲田大は天理大を52-14で一蹴している。一方、天理大は8月中旬に24名が新型コロナウイルスに感染するクラスターに遭った。チーム作りに苦心しながらも、ここまで上り詰めて来たのだ。それに今年こその思いは強い。果たして、早稲田大が最多記録を更新する17回目の優勝を遂げるのか、天理大が3度目の正直にして初の日本一の栄冠に輝くのか。『大学選手権』決勝の模様はNHK総合にて全国生中継。文:碧山緒里摩(ぴあ)
2021年01月09日サカイクで開発した「サッカーノート」。早速、お使い頂いた子どもたちやコーチ、保護者から「ノートをたくさん書くようになった」「ノートをもとに、考えてプレーするようになった」と、うれしい感想が届いています。宮城県仙台市で活動する「ラセルバロイFC」も、サカイクサッカーノートを使ってくれているチームです。小学校低学年の子どもたちは、サカイクサッカーノートを使うことで、どのようにプレーが変わってきたのでしょうか?小学1、2、3年生を担当する、岡田尚コーチにうかがいました。(取材・文:鈴木智之)<<サッカーノートの書き方が分からない子、初心者もスラスラ書けるサカイクサッカーノートの使い方■低学年でも書く量が増えたラセルバロイの低学年は、今年からサカイクサッカーノートを使い始めたそうで、岡田コーチは「質問形式になっているので、書きやすくなっていますよね。そのおかげで、書く量も増えました」と笑顔を見せます。なかでも「自分で自分を評価するところを始め、質問に対して考えながら書くところや、コーチや保護者がコメントを書く欄があるのがいい」と感じているようです。「このノートを使うようになってから、子どもたちが『コーチ、コメント書いて』って感じで、毎回提出するようになりました。コメントはコーチだけでなく、保護者も書けるようになっているので、すごく熱心に書いてくれるお母さんもいます」岡田コーチはそう言って、小学2年生の子が書いたノートを見せてくれました。そこには「前回の学びや発見は何がありましたか?」という質問に対し「パスを出すときは、なるべく走らせる」。「試合や練習が終わったとき、どうなっていたら最高ですか?」という質問には「みんなで、これは良かったよ。これはもう少し頑張ろうと言い合えていたら最高」といった答えが書かれていました。ノート誌面※画像をクリックして拡大できます「質問があるので、子どもは考えやすいですし、それによって書く量も増えています。保護者の方も、お子さんが書いた内容から『今日はこんな練習したんだな』『こんなことを考えてプレーしたんだな』と知ることができるので、評判はいいですね」■わが子の考えを知ることができ、親子コミュニケーションに役立つ今年はコロナの影響で、保護者は送迎のみとなり、練習や試合の見学はできませんでした。ですが、サッカーノートがあるおかげで、練習や試合の内容がわかるようになり、コミュニケーションツールとしても役に立ったようです。「保護者の方も、熱心にコメントを書いてくれるんです。このお母さんはすごいですよ。お子さんが書いたことに対して『今日のくやしかった気持ちを忘れないで、これからも一生懸命練習しよう』『サッカーは一人で攻めても、守ってもうまくいかないことを学びましたね。うまくゲームができないとき、自分にはどんなことができるかを考えてプレーしてみよう』など、すごく前向きなコメントを書いてくれています」親御さんのコメント(許可をいただいて掲載しています)※画像をクリックして拡大できますコーチや保護者からコメントを書いてもらうことで、子ども自身も書くモチベーションにもなっているようです。岡田コーチは、ノートを読んでコメントを書くときには「思考やイメージを掘り下げられるように書くことを心がけています」と言います。「たとえば『うまくいかなかったことはなんですか?』という欄に、子どもが『ドリブルシュート』と書いたときは、『どうすればドリブルとシュートがうまくいくかな?』など、より深く考えるためのコメントを書くようにしています」■書くことでコーチのアドバイスが頭に残るまた、「練習中に言ったことを、ノートに書いておこうね」とアドバイスもしているそうです。「ノートに書くことで頭に残りますし、見返したときに『こういうこと言われたな』と思い出すことができます。練習で何を言われたかを覚えていないときは『恥ずかしがらずに聞くんだよ』と言っています。実際に『なんでしたっけ?』と聞きに来る子もいるので、そこでまたコミュニケーションがとれますし、復習にもなるのでいいかなと思っています」サカイクサッカーノートを使うことで「書く量がすごく増えた」と話す岡田コーチ。子どもたちは練習前に「始まる前に書こう」のページにある「試合や練習が終わったときに、どうなっていたら最高ですか?」「そのためにどんな工夫をしますか?」を書き、練習や試合後に、自分でどれぐらいできたか、点数をつけるそうです。「練習や試合の後に、自分で自分のプレーを振り返って、これができた、できなかったと自己評価するのはすごくいいと思います。ほかにも『どんなプレーが記憶に残っていますか?』という欄にイラストを描いている子がいたので『イラストと一緒に文章を入れると、後で見返したときにわかるよ』と言ったら、文章も書いてくれるようになりました」■サッカーノートを書くようになって、考えてサッカーするようになった岡田コーチは「サッカーノートを書くことで、考えてサッカーをするようになった」と成果を口にします。「練習前にノートに書いたことを、練習中に意識して取り組み、練習後にどうだったかを振り返るという流れができました。それによって、考えて取り組むようになったと思います」多くの質問や書くための工夫が施されている、サカイクサッカーノート。ラセルバロイFCは小学1年生から使用し、幼稚園年長の子も「コーチ、書いたから見て」と言って見せにくるそうです。低年齢時からサッカーを言語化し、考えてプレーすることを習慣化することで、プレーにも変化が現れることでしょう。「サッカーは楽しいもの。大人になってもやり続けてほしい」と話す岡田コーチ。考えてプレーする土台を作るためにも、サッカーノートは欠かすことのできないアイテムになりそうです。【詳細】子どもたちが自ら進んで書き出す、たくさん書けるようになるサカイクサッカーノートの表紙デザインなど
2020年12月10日悲しいことに、全国各地で犯罪行為は絶えません。ニュースを見ると、必ずといっていいほどその日に起こった事件の報道を目にします。警察に連行される犯人の姿を見て、「ああ、いかにもやってそう」と思ったことがあるのではないでしょうか。お笑いコンビ『チョコレートプラネット』が投稿した企画動画が、ネットで話題になっています。チョコレートプラネットの『悪い顔選手権』が再現度高すぎと話題に2020年11月16日、『チョコレートプラネット』が自身のYouTubeチャンネルに投稿したのは『悪い顔選手権』。その名の通り、いかに「ああ、やってそう」と思える顔をできるか競うという企画です。「もし悪いことをして捕まった時の練習も兼ねて」とジョークを交えながら、長田庄平さんと松尾駿さんは渾身の悪い顔を撮影することに。戦いの結果や、いかに…!うわあ…いかにもやってそう…。フードを被って「やっちまった…」という表情をしたり、周囲を見回しながらスマホで誰かと話していたりと、『悪いことをしてる感』が凄まじいものばかり!逮捕のテロップも相まって、どちらの悪い顔もニュースで流れる映像にしか見えません。予想以上の出来に、これには本人らも「これは絶対やってる」「この顔は暴行を通り越して傷害」と大爆笑!あまりの再現度の高さに、ネットから反響が上がりました。・罪状も「それっぽい!」って感じでめちゃくちゃ笑っちゃった。・2人とも実際はかなりいい人っぽいのに、なんでこんなに雰囲気あるんだろう!?・やってない架空の罪で反省してるのにツボってしまった。数々の悪い顔を披露した『チョコレートプラネット』の2人。あなたにとっての第1位はどれでしたか…![文・構成/grape編集部]
2020年12月05日子どもたちの「考える力」をサポートし、サッカーがうまくなるためにサカイクが制作した「サッカーノート」。質問に答えて書き進めていくことで、自分の考えを言葉にできたり、プレーのアイデアが湧いてくるのでおすすめです。そこで今回は、サカイクサッカーノートを熟知している、サカイクキャンプのコーチ陣に「このように活用すれば効果的」という使い方を教えてもらいました。ぜひ参考にしてみてください。(取材・文:鈴木智之)<<サカイクサッカーノートに込められた思い、たくさんかける工夫など制作秘話■書くことが苦手な子もスラスラ書けるサッカーノート菊池コーチはサカイクサッカーノートを「質問に答えることで、書くことがスラスラ出てくるノート」と表現します。「各ページに質問があるので、それに沿って自分で書き進められるノートです。自分の思ったことを素直に書くのが、一番いいと思います」サッカーノートを書き慣れていない場合、「何を書けばいいかわからない」という声を耳にします。そんなお子さんに対し、柏瀬コーチは次のようにアドバイスを送ります。「コーチやお父さん、お母さんにノートを見られることを前提に書くのではなく、自分はどう思ったかを、正直に書いていくといいと思います。ノートの中にある質問も、答えやすく、書きやすいものなので、できるところから始めてみましょう」菊池コーチは「サッカーノートはテストではないので、良い、悪いはありません」と話し、次のように続けます。「思ったことを素直に書く中で、1日、2日と書き進めると、内容が少しずつ具体的になり、変化が現れます。それが、考える力が高まっている証です。サカイクキャンプでも、初日と3日目のノートを比べると、見違えるようにたくさん書けるようになった子もいます」サカイクサッカーノートには、書き方の説明も記してあるので、何を書けばいいかわからなくなった場合、前のページに戻って「こう書けばいいんだ」と参考にすることができます。白紙のノートだと、何を書けばいいかわからず、戸惑ってしまうケースも見られますが、質問つきのサカイクサッカーノートは、その心配もありません。記入例※画像をクリックして拡大できます【詳細】子どもたちが自ら進んで書き出す、たくさん書けるようになるサカイクサッカーノートの表紙デザインなど■失敗の反省でなく、改善点などポジティブなことを書こうまた、サカイクサッカーノートは、開発者のひとり「しつもんメンタルトレーニング」の藤代圭一さんの「ポジティブな気持ちで、前向きに、サッカーも私生活もがんばってほしい」という想いが込められています。それも踏まえて菊池コーチは子どもたちには、「良かったことをたくさん書こう」と言っているそうです。「人間って、良かったことより、悪かったことの方が記憶に残りやすいですよね。『なんであの場面でシュートを外してしまったんだろう』とか、『自分のパスミスが失点につながった』とか。ネガティブなことを書き続けると、気持ちも下向きになってしまいます。なので、まずはできたことやコーチに褒められたことを書いてみる。その次に『こうすればできそうだぞ』など、改善点を書くといいと思います」サカイクサッカーノートには、イラストでプレーを振り返る箇所があります。サカイクキャンプのコーチ陣が「自由に書いてみよう」と言うと、「ドリブルでカットインしてシュートを打てた」「サイドでスルーパスを受けて、チャンスになった」など、子どもたちが楽しんでイラストを描いていくそうです。絵で描くことは、イメージトレーニングにもなるのでおすすめです。子どもたちが、楽しんで書き進めることができるサカイクサッカーノート。コーチや保護者の学びにも役立つようです。菊池コーチは「子どもたちが書いたノートを読むことで、自分が伝えたことが、どの程度浸透しているのか、理解しているのかという目安にもなります」と話します。「指導者としては、『自分が言ったことが、これぐらい伝わっているんだな』と確認の作業にも使うことができます。サカイクキャンプで『チャレンジ&カバー』を練習をしたのですが、子どもたちが書いたノートを見ながら『ここは伝わっているな』『ここは理解が不足しているな。使え方を変えてみよう』など自分の指導を振り返り、トレーニングメニューや伝え方を変更したこともありました」■サッカーノートを通じて会話だけじゃ伝わらない子どもの考えが分かる柏瀬コーチは「ノートを通じて、親子間でのコミュニケーションが円滑になるのも良いですよね」と笑顔を見せます。「試合中や試合後に、自分の子に対して厳しく言ってしまうこともあると思います。そこで、試合直後は厳しく言ってしまったけど、ノートには前向きな言葉を書いてあげたりすると、お子さんも親御さんの気持ちをわかってくれるのではないかと思います」柏瀬コーチの話を聞きながら、菊池コーチは「親子間のコミュニケーションに、ノートはすごく役立っています」と実体験を語ります。「ノートを見ることで、子どもがどんな一日を過ごしたのかを知ることができます。『今日のサッカー、どうだった?』と訊いても『普通』とか『勝ったよ』とか、素っ気ないことも多いのですが(笑)、ノートを見ると、どんなことがあって、どんなことを考えていたのかもわかるので、読むのが楽しみです」サカイクサッカーノートは改良を重ね、ひと足先にサカイクキャンプで導入しました。質問形式にすることで考えやすくなり、書く量も増えました。また、書き続けることで「思考力がついた」「文章の組み立てができるようになってきた」という声も聞こえてきます。「今まで、サッカーノートに何を書いていいかわからなかった子には、すごく書きやすいノートだと思います」(菊池コーチ)「ノートを書いていたけど止めてしまった子も、改めて『こうやって書けばよかったんだ!』とわかりますし、書こうという気になるノートだと思います」(柏瀬コーチ)何を書けばいいかわからなかった子達が書けるようになり、思考力アップの後押しをしてくれるサカイクサッカーノート。たくさんの子どもや保護者、コーチから好評のノートを、ぜひ試してみてください!【詳細】子どもたちが自ら進んで書き出す、たくさん書けるようになるサカイクサッカーノートの表紙デザインなど
2020年11月11日秋や冬、春先など寒さを感じる季節のサッカーには防寒ウェアが欠かせません。この記事では、防寒ウェアの1つである「ピステ」についてその概要からメリット・デメリット、選ぶ時のポイントなどについて解説します。サッカーを始めたばかりでどのような用具を買えばいいのかわからない、というお子さんやその保護者の方はぜひ参考にしてみてください。ピステとはピステとは、サッカーの練習時に着用するウェアの1つです。主に使用されるのは長袖タイプのピステで、冬場などの防寒対策として活躍しています。多少の雨や風なら寒さをしのぐことができるので、身体を冷やすことなくプレーすることができるでしょう。裏地にメッシュや起毛が使われており、保温性の高いものや薄手の生地のものなど、バリエーションも豊富です。ピステは前面にファスナーがなく頭からすっぽり被るプルオーバータイプの防寒着のことウィンドブレーカーやジャージとの違いサッカーの防寒着というとウィンドブレーカーやジャージを思い浮かべる人もいるのではないでしょうか。これらのウェアも防寒対策として活用はできますが、ピステとの大きな違いがあります。それは、ウィンドブレーカーやジャージにはチャックがついていることです。サッカーの場合、胸でボールをトラップすることもあるため、チャックがあると胸トラップの際に金具にボールが当たり痛い思いをする可能性があります。一方で、ピステはチャックがなく頭からすっぽりとかぶるタイプのウェアなので、トラップ時に痛みを感じることもありません。ピステのメリットピステを着用すると様々なメリットが得られます。ここでは、ピステのメリットについて解説します。動きやすいウィンドブレーカーやジャージの場合、チャックがついていることもあり、着用時に重たさを感じることがあります。重いと動きにくくなってしまうため、いくら防寒対策になっても練習中の着用には向いていないケースもあるでしょう。一方で、ピステであれば、チャックがなく、非常に軽いため動きにくさを感じることはありません。選手のプレーの妨げにもならない点はピステの大きなメリットです。コンパクトになる薄手の生地のピステであれば、コンパクトな状態に畳むことができます。サッカーの練習に行く場合、ボールやシューズ、飲み物など荷物が多くなりがちなので、コンパクトになるピステは非常に便利でしょう。撥水性・速乾性に優れているものもピステの素材によっては、撥水性・速乾性に優れているものもあります。そのため、多少の雨や雪の中での練習であれば、特に濡れていることを気にすることもないでしょう。また、洗濯後はすぐに乾くので、練習が続く場合や練習の翌日に試合がある場合など、2日連続での使用にも向いています。洗濯をする親にとっても重宝するはずです。デメリットメリットの多いピステですが、デメリットも少なからず存在します。それは、薄手のピステの場合、生地が破れやすいことです。例えばプレーの最中にスライディングをしたり、転んだりすると破けてしまうケースもあるので注意してください。ピステの選び方ここでは、ピステを選ぶ際のポイントについて解説します。購入時は着用時のシチュエーションを考えて選ぶのがポイントです。サイズは少しゆったりしたものピステは、基本的に中にユニフォームや練習着を着た状態で着用します。そのため、サイズは少し大きめのものを選ぶようにしましょう。ユニフォームや練習着と同じサイズを選ぶとピステ着用時にパツパツになってしまうので注意してください。安いものを購入するのも◎デメリットとして紹介したように、ピステは破れやすいという特徴を持ちます。高価なものを買ってすぐに破けてしまう、となると後悔するかもしれません。そのため、破けて買い換えることを想定して、安いものを購入するのも1つの選択肢となります。まとめ今回は、ピステの概要とメリット・デメリット、さらには選び方などについて解説しました。寒い季節の練習には防寒対策が欠かせません。チャックがなくトラップ時に痛みを感じず、動きやすいピステは練習時におすすめです。バリエーションも豊富なので、お子さんに合ったピステもきっと見つかるでしょう。
2020年10月20日サッカーをする子どもたちや保護者にとって、興味の対象である「トレセン」について、日本サッカー協会(JFA)ユース育成ダイレクターの池内豊さんに話をうがかいました。インタビュー後編では、トレセンの意義やオフ・ザ・ピッチでの取り組みなどをお伝えします。(取材・文:鈴木智之)日本独自の制度「トレセン」の意義とは(写真は少年サッカーのイメージ)<<前編:トレセンは日本代表への切符?どんなスキルを重視しているの?日本サッカー協会に聞いた最新トレセン事情■トレセンは日本独自の活動なぜ海外にはトレセンがないのか池内さんはトレセンの意義について、まずはこう話します。「トレセン活動の意義として、拮抗したレベルで練習や試合ができることがあります。子どもたちに『お山の大将』で満足しないように刺激を与え、勝ちか負けかどちらに転ぶかわからない相手と試合をする中で、『どうすれば、相手を上回ることができるか?』を考えるようになります。その環境を用意するのが、トレセン活動の意義のひとつです」上達のためには、レベルの拮抗した相手と試合やトレーニングをすることが必要です。その環境があれば、子どもたちは自ら考え、成長するための努力に視線を向けていきます。「ヨーロッパには、シーズンを通したリーグ戦があり1部、2部、3部とカテゴリーに分かれていることで選手のレベルに応じたリーグに参加できる環境が整っています。そして、一番上のカテゴリーである1部のクラブに、質の高い選手がいます。日本も育成年代にリーグ戦を導入し始めましたが、クラブのカテゴリー分けも含めて、整備している途中です。そのため、色々なチームに良い選手がいます。そこでトレセンを活用し、選手の発掘や刺激を与える場としています」池内さんは「ドイツには、日本のトレセンを参考にした活動がありますが、それ以外の国には存在しないと思います」と話し、その理由を「育成はクラブでするものという考えがあるからではないでしょうか」と言います。日本のジュニア年代では、リーグ戦を最優先ととらえないクラブも多く、ヨーロッパのように、リーグ戦を中心シーズンが進んでいく文化が浸透していないのが現状です。シーズンを通して、レベルが拮抗した相手との試合ができれば、一番の強化になるのですが、トーナメント形式をベースとした大会が多く、リーグ戦がカレンダーの中心になっていない以上、トレセンという日本独自の活動が広まってきたことも合点がいきます。■トレセンで実力を存分に発揮するための準備日本サッカー協会としても、トレセンをさらに有効活用できるように、リーグ戦の導入と平行して、トレセンの整備にも取り組んでいるようです。「これまで、トレセンの指導はボランティアの方々に支えられてきました。その環境を少しでも良くするために、47FA(都道府県サッカー協会)に技術の専任者を置いて、地域のトレセンのリーダーになってほしいと思っています。そこにJFAが補助金を出す形で進めていて、47FAのうち20ほどの地域で実施しています」静岡県では、すでにその制度が導入されていて、JFAのサポートを受けた専任者が指導しています。池内さんは「指導の質が上がり、選手のレベルも上がってきました。その成果が、(2019年の)国体(U‐16)での優勝にもつながっていると思います」と手応えを口にします。トレセンやセレクションなどの「選ばれる舞台」でプレーするのは緊張するもの。なかでも、経験の少ない子どもたちは、緊張して普段の力が出せないといったこともあるでしょう。そんな子どもたちに対し、池内さんは「前日や当日に何かをしたとしても、大きく変わることはありません。だからこそ、そこまでに何ができたか、いい準備ができたかが大切になります」とエールを送ります。「トレセンやセレクションで力が発揮できなかった、メンバーに入れなかったとしても『自分はこれだけやってきたのだから、後悔はない』という心理状態になれるかどうかです。プレー会場で不安を感じるのは、やり残したことがあるということ。次はそうならないように、頑張るしかありません。12歳のときにトレセンに選ばれなくても、コツコツやってきた子が追い越していく例は、たくさんあります。次のチャンスは絶対にあるし、それが報われる環境が日本サッカーにはあります」■サッカーがうまくなるために必要なことは日常生活にも関わっているトレセンではオン・ザ・ピッチのプレーに加えて、日常生活での取り組みや姿勢も大切にしているそうです。JFAのトレセン活動では、「トレセンの選手として」と題し、生活習慣の5か条を制定しています。それが、次の5つです。1:自分の物の管理に責任を持とう2:ルールを守ろう3:あいさつをしよう4:サッカー選手として、何をすべきかをいつも考えよう5:何事も積極的に!前向きに!池内さんは「自分で判断して実行することなど、サッカーがうまくなるためにすることは、実際の生活にも関わってきます」と言います。「ただし、大人が『あいさつしろ』『片付けしろ』『準備しろ』と言って、子ども自身に理解させず、形だけやらせても意味がありません。指導者に言われたから、チームのルールだからカバンをきれいに並べるのではなく、なぜカバンを並べたほうがいいのかを考え、そのために行動することが大切なのです。それができたら、ピッチの中で自分で判断して、実行したことが力になり、サッカー自体も伸びていくと思います」ピッチ内外で自分で判断し、行動すること。レベルの高い仲間と切磋琢磨すること。そのような日々の積み重ねこそが、サッカー選手としての成長につながります。トレセンはその一助になりますが、12歳の時点で選ばれなかったといって、悲観する必要はありません。子どもも保護者もそれを念頭に入れて、一喜一憂せず、自らの課題に向き合って、地道にトレーニングしていくことこそが、成長のためにもっとも大切なことではないでしょうか。池内豊(いけうち・ゆたか)現役時代はフジタ工業クラブサッカー部などに所属、1981年には日本サッカーリーグ1部で新人王を獲得。日本代表としてワールドカップ予選にも出場。引退後は名古屋グランパスエイトユースで指導者の道に進む。2007年にU-15日本代表監督に就任、2009年のFIFA U-17ワールドカップでも指揮を執った。現在はJFAユース育成ダイレクターを務める。
2020年10月12日大好きな人からの励ましや応援は大きな力になるものです。それは時に奇跡を起こすほどのパワーになることがあります。イタリアのサッカー1部リーグ『セリエA』の『ラツィオ』に所属する19歳のイレニア・マティッリさんは、2019年12月に交通事故に遭いました。同乗していた友人は命を落とし、イレニアさんは助かったものの昏睡状態に陥ってしまったのです。トッティからの激励を聞いた女性に奇跡が起きる昏睡状態が続くイレニアさんが目覚めることを祈る家族は、ある人物に彼女へ激励メッセージを送ってもらえないかと頼むことにします。その人物とは、『ASローマ』で活躍し、イタリア史上もっとも偉大なサッカー選手の1人といわれるフランチェスコ・トッティ。海外メディア『CNN』によると、トッティはこの依頼を快諾。イレニアさんに向けて「頑張れ。あきらめるな」と呼びかけるビデオメッセージを撮って家族に送ったのです。そしてそのビデオをイレニアさんの前で再生したところ、彼女に回復の兆候が見られたのだそう。ローマの病院はトッティのビデオが「イレニアさんが目覚める『カギとなる役割』を果たした」とコメントしています。数か月後、意識を取り戻したイレニアさんは筆談で「トッティに直接会いたい」というメッセージをつづりました。すると本当にトッティ本人がお見舞いにやってきたのです。 Roma fan Ilenia Matilli was left in a coma in December by a car accident in which her friend sadly died❤️ @ASRomaEN legend @Totti recorded an encouraging video message for her months ago & on Monday he was there as she emerged We are all with you, Ilenia pic.twitter.com/ffkszY0CFf — FIFA.com (@FIFAcom) September 28, 2020 トッティとイレニアさんは1時間ほど一緒に時間を過ごしたのだとか。トッティは彼女に「早く退院して、元の生活に戻れるといいね」と伝えたということです。この心温まる出来事を紹介したFIFAの公式Twitterの投稿には、イレニアさんの回復を祈る声や、代表引退後もファンを大切にするトッティへの称賛コメントが寄せられています。イレニアさんは退院したらトッティと一緒にディナーを食べることを楽しみにしているのだそう。憧れのスターとの約束は、間違いなく彼女の回復を助けるパワーになることでしょう。イレニアさんが1日も早く全快して、トッティとの再会が実現するといいですね。[文・構成/grape編集部]
2020年10月07日10数年前までは全国的に無名だった昌平高校を今や全国レベルの強豪校に躍進させた藤島崇之監督。短期間での飛躍的成長の背景には何があったのでしょうか。昌平高校に選手を送る育成組織の存在、選手のケガが劇的に減った理由などをお話しいただきました。また、元日本代表を父親に持つ藤島監督に、保護者のあり方についてもお伺いしましたのでご覧ください。(取材・文:元川悦子)コロナウイルスの影響で延期されていたプリンスリーグ関東が再開。昌平高校は三菱養和SCユースと対戦し、勝利を収めた(写真:元川悦子)<<前編:日本一に相応しい言動や振る舞いができ、社会に貢献できる人間を育てる!昌平・藤島崇之監督■短期間で躍進を遂げた背景にあった「FC LAVIDA」の存在藤島崇之監督が2007年に就任してから13年で昌平高校が飛躍的成長を遂げたことは、前回の記事で書きました。短期間で右肩上がりの軌跡を描いた要因の1つになっているのが、2012年に発足した下部組織「FC LAVIDA(以下ラヴィーダ)」の存在です。藤島監督の父・信雄氏が代表を務める同クラブは、藤島監督の習志野高校時代の同期である村松明人監督、関隆倫U‐15コーチらが中心となって指導しており、2019年の日本クラブユース選手権(U‐15)初出場でベスト8を達成。知名度も一気に上昇し、近年は30名弱のセレクションに300人の小学生が殺到するほどになったといいます。「村松は茨城のFOURWINDS(フォーウインズ)というクラブから来ましたが、指導力は日本屈指。厳しい部分もありますけど、伝え方がうまくて、選手たちは確実に技術レベルが向上し、強さを身に着けます。関も大宮アルディージャでプレーしていた元Jリーガーで、tonan群馬などで指導実績を積んでウチのクラブに参加してくれました。彼らを含めて習志野の同期4人が昌平とラヴィーダに関わっているので、サッカー観が近く、言いたいことを言い合える風通しのよさが強み。ジュニアユース年代はドリブルでの仕掛け、タテに早く運ぶスタイルを重視していますが、個の力があればユース年代で羽ばたける。6年かけて長所を伸ばせる環境というのは、選手にとっても大きな魅力だと思います」と藤島監督は胸を張ります。■香川真司の個人トレーナーによる指導でケガが劇的に減った指導スタッフはフィジカルコーチ、フィジオセラピスト、医学療法士含めて総勢17人。昌平には165人、ラヴィーダには約75人の選手がいますが、全員が両チームに関わり、指導しているのも見逃せない特徴です。香川真司選手(サラゴサ)の個人トレーナーを務めていた神田泰裕氏も今年から正式にフィジカルコーチに就任し、週3~4回は練習に帯同していますが、姿勢やバランスを見直すところから徹底的に改善すると神田氏のアプローチのおかげで、動きのスムーズさ、質が上がるとともに、ケガ人が劇的に減少したそうです。有能なスタッフがいる効果は確実に表れています。香川真司選手の個人トレーナーを務めていた神田泰裕さんが今年からフィジカルコーチに就任。神田さんのアプローチでケガが劇的に減少したそうこれだけスタッフ数が多ければ、通常だと練習前にミーティングを開いて指導方針や練習メニューをすり合わせ、それを監督が選手たちに伝える形を取るのが普通でしょう。しかしながら、昌平とラヴィーダの場合は誰がどういう指導をしてもいいことになっています。この体制は「自由で風通しのいい環境がプラス効果を生み出す」という藤島監督の考えによるものなのです。「昌平の場合、集合をかける時は自分が話をしますが、コーチ陣が選手を捕まえて個別指導することも積極的にやってくれと伝えています。僕と村松、関はそれぞれ見る目が違うし、アプローチ方法も異なる。多種多様な視点で教えた方が成長を促せると思うんです。全員が言いたいことを言い合える雰囲気がウチのよさではないかと感じています」■部の一員である自覚を持つことで行動が激変藤島監督の思考やアプローチ方法に賛同する1人が、就任3年目で、監督の教え子でもある日野口廉コーチです。青森山田中学校時代から6年間指導を受けた彼は、さまざまなスタッフが6年がかりで多角的に接し、選手を育て上げる一貫指導スタイルが大きな成果を挙げていると強調します。「ラヴィーダから昌平に上がってきた高校1年生は行動が激変します。中学生まではまだ子どもで、自分のことで精一杯という印象ですが、高校生になって部の一員である自覚を持ち、先輩の行動を見て学ぶことで、規律ある行動をするようにする。部屋のゴミ箱を気づいた人が片付けるとか、そういう気配りができるようになるんです。プレー面でも『技術的にボールは持てるけど、メンタルは足りないな』と思っていた中学生が高1になった途端、体が太くなり、ぶつかり合いも厭わなくなる。逞しくなる様子がよく分かります。僕が高校生だった頃はラヴィーダとの連携はなかったので、今の体制は本当に意味あることだと感じます」自律心を高められ、選手としての成長も期待できるこの環境を、保護者も好意的に受け止め、信頼を寄せているようです。取材当日練習に参加していた昌平高校の選手たち■あえて口出しせず、意見を押し付けないスタンスで藤島監督は父・信雄氏との関係から「親は子どもに干渉しすぎず、見守ってあげるべき」という考えを持っていますが、時には保護者にもアドバイスすることがあるといいます。「父は日本代表だったので、サッカー界の人脈は広いでしょうが、僕にサッカーの話をしたことはほとんどない。元アルゼンチン代表の名選手であるマリオ・ケンペスと対戦したという話も人づてに聞きましたから(笑)。指導者の批判も聞いたことがない。親が悪口を言うと子どもも同じ価値観になりがちですから、それを避ける意味でも、父の向き合い方はよかったなと感じます。父が何かを語るのは、僕の方から尋ねた時でした。『これはどう思う?』と相談すると親身になって答えてくれました。自分がサッカー経験者だった分、言いたいことも沢山あったんでしょうが、あえて口出しせず、意見を押し付けないようにしていた。そういうスタンスはぜひ参考にしてほしいです」尊敬する信雄氏も見守る中、選手とチームのレベルアップに奔走する藤島監督。「勝負の年」と位置付ける今年は、Jリーガーになる3年生が2~3人は出る見通しです。もちろん彼らのようなプロ選手を送り出すだけでなく、社会に貢献できる人材を輩出することも念頭に置いています。これまでの卒業生には、銀行員や不動産会社、学校教員、スーツメーカーのオーナーなど多種多様な道に進んだ人間が出ており、彼らOBは昌平を力強く応援し、できる限りの協力体制を取ってくれているそうです。「そういう支援の輪を広げて、最終的には社会人チームや女子チームのある『昌平クラブ』を作れれば一貫指導体制が完成する」と理想を明かしてくれた藤島監督。大きな夢を現実にすべく、彼らは一気にギアを上げていくつもりです。<<前編:日本一に相応しい言動や振る舞いができ、社会に貢献できる人間を育てる!昌平・藤島崇之監督藤島崇之(ふじしま・たかゆき)昌平中学・高等学校サッカー部監督習志野高校時代は世代を代表する名選手として活躍。元日本代表FW玉田圭司と同期で、高校3年生時の選手権では全国大会まで勝ち進んだ。順天堂大卒業後は青森山田中学で指導者としてのキャリアをスタートさせ柴崎岳らを指導。2007年に昌平高校に着任。14年に選手権に初出場。第98回(2019年度)大会では準々決勝まで勝ち進んだ。16年には18年にはインターハイで全国ベスト4入りなど昌平高校を強豪校に成長させた。
2020年09月15日今冬の高校サッカー選手権で初の8強入りを果たした埼玉の強豪・昌平高校サッカー部。この10年ほどで一気に力をつけ、今や埼玉県内だけでなく全国でもその名を轟かせる強豪校に飛躍しました。そんな昌平高校サッカー部を躍進させた藤島崇之監督に、指導理念や選手を伸ばすための取り組みについて考えを伺いました。(取材・文:元川悦子)取材当日練習に参加していた昌平高校の選手たち■恩師、本田裕一郎氏から送られた言葉「できない理由を探さない」2020年1月の全国高校サッカー選手権大会で初のベスト8入りを果たした埼玉県の昌平高校。チームを率いる藤島崇之監督(40)は2007年の就任からわずか13年で同校を全国屈指の強豪校へと引き上げました。近年は東京五輪代表候補のボランチ・松本泰志(福岡)、彼と同期のテクニシャン・針谷岳晃(磐田)らJリーガーを続々と輩出。急激な躍進ぶりは全国からも注目を集めています。日本鋼管で活躍した元日本代表の信雄氏を父に持つ藤島監督は、習志野高校時代に玉田圭司(長崎)や吉野智行(鳥取強化部長)ら同学年のタレントとともにプレーしていました。順天堂大学卒業後は青森山田中学校で教員になり、柴崎岳(ラコルーニャ)らを指導。4年後に昌平へと赴いています。転職の際、習志野高校時代の恩師である本田裕一郎監督(国士舘高校テクニカルアドバイザー)から送られてきたハガキにしたためられていた「できない理由を探さない」という言葉が琴線に触れ、それを肝に銘じながら現チームの指導に当たっているという藤島監督。「僕が赴任して最初に掲げたのは『日本一』。当時は部員も20人程度しかいなくて、東部支部予選敗退くらいのレベルでしたが、日本一に相応しいチームになるために何ができるかを第一に考えました。学校や先生、仲間や地域に愛され、応援されるのがいいチーム。『挨拶や礼儀正しい言動や振る舞いといった基本的なことをしっかりやって、サッカーしかできない人間にならないようにしよう』と選手には伝えました」■社会に出ればすべてが自分の判断になる。高校時代はその準備期間同時に高校生の本分である学習面も重視しており、文武両道も目指す姿勢も明確にしました。「勉強とサッカーの2つをやろうとすれば、効率よく物事を進めたり、時間を管理する力が求められます。課外学習や趣味などやるべきことが3つ4つと増えていけば、自分をマネージメントする能力がより一層、問われます。そのために自分なりに工夫し、的確な判断をしていくことが非常に重要。学生時代は学校側がカリキュラムを決めてくれるし、練習メニューも監督が与えてくれますけど、社会に出れば全てが自分の判断になる。高校時代をその準備期間を捉えてもらえるように、僕はアプローチをしてきたつもりです」こういった方針の下、チーム強化に取り組み始めましたが、藤島監督は選手に口うるさく指示することはせず、できるだけ自主性や自律心に任せるスタンスを取っています。試合ではあえて戦い方を決めずに入り、選手自身の状況判断に委ね、積極的なトライやチャレンジを力強く後押ししたと教えてくれました。「ユース年代はチャレンジの場。ジュニアユース時代の所属先で『なぜパスをしないんだ』と怒られてウチに来たというドリブラーの選手がいましたが、僕は長所を生かそうとするチャレンジは大いに歓迎。むしろ『なぜ積極的に仕掛けないんだ』と言いますし、失敗しても大丈夫だと思わせる環境を作ろうと心掛けてやってきました。習志野時代に玉田のスーパーな左足のドリブル突破を見て『ファウルして止めるしかない』と思いましたけど、ああいう尖ったストロングを持つ選手の集合体がサッカー。『昌平の選手はうまい』とよく言ってもらいますが、みんなで助け合い、サポートし合うから、そう見えるんだと思います。やはり長所を伸ばしてあげる方が選手は大きく成長する。僕はそう確信しています」■考える習慣を身に着けてもらうことがピッチ上の一挙手一投足にもプラスになる遠征や大会での行動についても、起床時間・消灯時間などを事細かく定めず、自らの判断に任せているといいます。その方が選手のベストパフォーマンス発揮につながるという藤島監督の考えがあるからです。「2年前の選手権埼玉県準決勝の時、2時間半前に会場入りしたら、ミーティングが始まるまで教科書を開いて勉強をしていた選手がいましたね。それも彼のルーティン。一番いい状態になれるサイクルを自ら見つけてくれればいいと僕は思っています。寮も外出時間や門限など多少の規律は作っていますが、オフの日にモラルの範囲内でどこへ行くのも自由。ガールフレンドを作ることも規制していません。それでパフォーマンスが下がるなら苦言を呈しますが、自分の行動に責任を持ってもらえるなら問題ない。何事も判断ですから、考える習慣を身に着けてもらうことがピッチ上の一挙手一投足にもプラスに働く。それが僕の目指すところなんです」藤島監督は今回のコロナ禍でよりそういう気持ちが強くなったといいます。3月2日から全国一斉休校になってから、昌平高校は部活動を全面的に休止。6月15日の再開まで3か月以上を要することになりました。その間、オンライントレーニングなども実施したそうですが、基本的な練習は選手自身に任せざるを得なかったと振り返ります。「『自覚ある行動を取りなさい』と声掛けはしましたが、指導者としてやれることに限界がある。だからこそ、より選手たちの自律心や判断力を伸ばすように仕向けなければいけないと痛感しました」と藤島監督は語ります。■口に出すことで考えを整理する力がつく「この3か月間で選手たちは社会人になったような感覚を持ったと思います。彼らなりに勉強やサッカー、将来の進路などいろんなことに思いを巡らせて、グラウンドに戻ってきたはず。以降は通常通りの活動をしていますし、僕からは『どうだった?』『何してた?』くらいしか聞きませんけど、意識の変化は少なからず感じ取れます。こうした中で再認識したのは、選手は大人と話すことで人間的に成長するということ。口に出すことで考えを整理することもできます。選手権などの大会の際、取材に来られた記者のみなさんに『選手の考えを引き出してください』とよく声をかけていますが、短期間で彼らの自己表現力はグングン上がります。実際にそういう選手を数多く見てきました。言葉での説明は社会に出てからもつねに求められる。その重要性も踏まえながら、選手と向き合っていこうと思います。彼らをサッカー選手として、高校生としてさらに一段階飛躍させられるように頑張ります」2020年前半戦の公式戦がなくなった彼らにとって、ここからが本当の戦いです。9月から始まる高円宮杯JFA・Uー18サッカープレミアリーグ2020関東、その後の選手権に向けて、彼らのチャレンジは続いていくのです。藤島崇之(ふじしま・たかゆき)昌平中学・高等学校サッカー部監督習志野高校時代は世代を代表する名選手として活躍。元日本代表FW玉田圭司と同期で、高校3年生時の選手権では全国大会まで勝ち進んだ。順天堂大卒業後は青森山田中学で指導者としてのキャリアをスタートさせ柴崎岳らを指導。2007年に昌平高校に着任。14年に選手権に初出場。第98回(2019年度)大会では準々決勝まで勝ち進んだ。16年には18年にはインターハイで全国ベスト4入りなど昌平高校を強豪校に成長させた。
2020年09月04日8月18日から19日の2日にわたってパシフィコ横浜・国立大ホールにて開催された「第13回 日本高校ダンス部選手権 夏の全国大会(ダンススタジアム)」の360度VR動画、マルチアングル映像が、auスマートパスプレミアムで配信を開始した。auスマートパスプレミアムでは、映像を4画面の複数アングルで同時視聴できる新機能「マルチアングル動画プレイヤー」を6月1日から開始。1画面で楽しむものだった映像に複数のアングルが加わることで、新たな視聴スタイル、映像の楽しみ方を提供する。2008年にスタートした「日本高校ダンス部選手権」は、オールジャンルの高校ダンス部日本一を決める大会。今年は新型コロナウイルス感染拡大の影響により、地方予選は一部ビデオ審査で行われ、全国大会も一般客は入れず、学校関係者のみが見守る中で行われた。auスマートパスプレミアムの配信は、会場にいるような臨場感が味わえる360度VR動画と、複数のアングルで同時視聴が可能なマルチアングル映像。無観客で行われた本大会を、様々な視点で楽しむことができる。
2020年09月04日映画『キーパー ある兵士の奇跡』が、2020年10月23日(金)より全国公開。元ナチス兵士のサッカー選手がイギリスの英雄になった奇跡の物語『キーパー ある兵士の奇跡』は、ナチス兵士の主人公、バート・トラウトマンが終戦後にサッカー選手としてイギリスとドイツを結ぶ平和の架け橋となり、イギリスの国民的ヒーローとして敬愛されたという驚くべき実話から生まれた物語。多くの逆境に立たされながらも自分にできる素晴らしいプレーを貫くことで人々に勇気を与え続けたトラウトマンの、ドラマティックで波乱万丈な人生に迫る。ストーリー1945年、ナチスの兵士だったトラウトマンはイギリスの捕虜となる。収容所でサッカーをしていた時、地元チームの監督の目に留まり、ゴールキーパーとしてスカウトされ、名門サッカークラブ「マンチェスター・シティFC」に入団。ユダヤ人が多く住む街で、想像を絶する誹謗中傷を浴びながらも、トラウトマンはゴールを守り抜いた。やがて彼の活躍によって、世界で最も歴史ある大会でチームを優勝へ導き、トラウトマンは国民的英雄となる。だが、彼は誰にも打ち明けられない〈秘密の過去〉を抱えていた。そしてその秘密が、思わぬ運命を引き寄せてしまう─。『愛を読むひと』デヴィッド・クロスなど英国を代表する俳優が勢揃い主人公のバート・トラウトマンは、『愛を読むひと』で高い評価を得たデヴィッド・クロス。同作では、ケイト・ウィンスレット演じる年上の女性に恋する青年役を演じていた彼が、元ナチス兵という過去を持つゴールキーパーを熱演。“ゴールキーパー未経験”から練習を重ねていたったという、再現度の高いクロスプレーは必見となる。また妻のマーガレットは、『サンシャイン/歌声が響く街』のフレイア・メーバーが抜擢。さらにマーガレットの父親役に『天使の分け前』のジョン・ヘンショウ、トラウトマンにつらく当たるスマイス軍曹役に『ハリー・ポッター』シリーズのダドリー・ダーズリー役を演じたハリー・メリング、マンチェスター・シティ FCの監督役に『リトル・ダンサー』のパパ役で知られるゲイリー・ルイスと、イギリスを代表する実力派俳優が勢揃い。監督は、ドイツ国内で数々の賞を受賞してきたマルクス・H・ローゼンミュラーが務める。詳細『キーパー ある兵士の奇跡』公開日:2020年10月23日(金)監督:マルクス・H・ローゼンミュラー出演:デヴィッド・クロス、フレイア・メーバー、ジョン・ヘンショウ、デイヴ・ジョーンズ英題:The Keeper配給:松竹
2020年08月02日千葉県の流通経済大学付属柏高校をサッカー強豪にし、高校サッカー選手権や高校総体で複数回の全国制覇を達成した本田裕一郎さん。これまで45年にわたって高校サッカー部の監督として育成に携わり、73歳の今なお新たな挑戦に挑んでいる名将に伺う、今だからこそ若い指導者に伝えたいこと。後編では、世界中が困難に直面しているからこそ、今、あえて言いたいことを語っていただきました。(取材・文:元川悦子)国士館高校サッカー部(2020年3月19日撮影)<<前編:選手の情熱を掻き立てるのが指導者の務め、全国制覇複数回の元流経柏・本田裕一郎監督が語る目標達成への「早道」とは■「真似る」のは良い指導者になる第一条件新型コロナウイルスの感染拡大でユース年代の活動が制限される中、選手の行動調査を行ったり、自宅で最新の指導法や戦術を勉強をしたりと、本田裕一郎先生は先を見据えた準備に余念がありません。昨年まで指導していた流通経済大学柏高校時代も毎年のように欧州に出かけて最新のトレーニング方法を持ち帰っていました。2018年夏にはGPSを導入し、走行距離やスプリント回数を計測。2019年1月の第97回高校サッカー選手権準優勝の原動力とした実績もあります。このように本田先生はつねに情熱を持って新たなことを取り入れようと努めています。自身を「カメレオン」と称するように、年齢に関係なくいいものは取り入れ、若い指導者から学び、誤りは正すという潔さを備えているからこそ、73歳になろうというタイミングで、4度目の新天地に赴くことができたのでしょう。「国士舘に来てから痛感することですが、若い指導者はチーム運営に忙殺されています。今は上野晃慈監督ら8人に加え、大学生コーチを含めて10人で180人もの選手をマネージメントしていますが、それだけでも本当に大変。そういう状況下でも、私のような人間が来ることで新たな刺激を受けてもらえれば、彼らにとっても活性化になるのかなと感じます。私自身も経験ある指導者に学びながらここまでやってきました。市原緑にいた若い頃は飲めないお酒を飲んで静岡学園の井田勝通さんや島原商の小嶺忠敏先生(現長崎総合科学大学付属)に近づいてノウハウを盗んだものです。人のことを真似るというのはいい指導者になる第一条件。お茶の世界の『守破離』もそうですけど、最初は徹底的に真似るところから始まります。完ぺきにコピーできるようになって初めて応用段階に入れるし、オリジナリティも出せます。『ただの物真似』と言われてもいいですから、人からもっと学んだほうがいいと私は思いますね」■環境の不備を言い訳にしていたら、いつまでも成功できない本田先生の教え子である尚志高校(福島県)の仲村浩二監督、昌平高校(埼玉県)の藤島崇之監督も恩師が目指したテクニックと創造性溢れるサッカーをベースにして経験を重ね、自分らしさを模索していきました。そうやって「経験者に学びながら新しいものを追求していくんだ」という意識を持った指導者が優れたコーチになれると本田先生は考えているのです。「今の時代は情報過多で、いつでもどこでも世界のトップレベルのクラブでやっている練習方法を知ることができます。若い指導者は『盗む前に教えられている状態』と言ってもいいかもしれない。『野鴨も先に餌をやると食べる方法を覚えない』と言いますから、人間も同じかもしれない。飢えている指導者の方が強く求めていくのでしょう。今の時代、ゼロからチームを作り上げるというのは簡単なことじゃないですし、そういう環境にも巡り合えるとは限りませんけれど、『自分が作り上げるんだ』という強い情熱を持った人間が成功できると私は考えます。京セラの創業者である稲森和夫さんが『思い邪なし(よこしまなし)』という本を出されていますが、素直な心でひたむきに前進することの大切さは全ての世界で通用するのではないでしょうか」もちろん全てのサッカークラブの環境が整っているわけはありません。沢山の選手を1人で教えなければいけない指導者もいれば、サッカーコート1面も満足に使えないチームもあるでしょう。そんな環境の不備を言い訳にしていたら、いつまで経っても成功は手にできません。あえて困難に挑んでいくくらいのタフなメンタリティを持ってほしいと本田先生は力強くアドバイスしています。「『ウチはいい人材が来ないから勝てない』と言っている指導者をよく見ますけど、そのことを嘆いているだけでは進歩はないと思います。私も市原緑の頃は弱小チームでしたし、千葉のトップレベルの中学生を送ってもらえるような状況ではなかった。少しずつグランドを作り、選手集めに回り、宮沢ミッシェル(解説者)や石井正忠(現タイ・サムットプラカーン監督)のような選手が来てくれるようになりました。習志野の頃も前任者が辞めてから2~3年経っていたので、チームの規律がなくなっていて、立て直すのに苦労しました。流経も全くのゼロからのスタートで寮を作るところから選手の勧誘まで自分で取り組みました。そうやって環境を変えるような努力を続けて今に至ったのです。家庭のことを振り返ると、私の家族は被害者だったと反省していますが、そのくらいの覚悟を持って取り組まなければ頂点には立てないのではないかと。そこまでやっても私も常勝にはなれませんでした。少し古い考え方かもしれませんが、オンとオフを器用に分けるような指導者では難しいのかなとも思っています」■いくつになっても挑戦し続ける姿を若い指導者に見せる今年に入って、新型コロナウイルスの問題も重なり、全ての指導者が苦しんでいます。子どもたちを高いレベルに引き上げることよりも、安心安全を第一に考えて行動しなければならないのも確かでしょう。そういう時でも落ち着いて生徒の状態を把握し、手洗いとうがいを徹底させ、自分でできるトレーニングを与えてチェック体制も構築するといった工夫も重要になってくるでしょう。厳しい状況の中でも若い指導者を育てることを本田先生は今の最重要テーマだと考えています。新天地・国士舘では自分の長年の経験を全て駆使して、取り組んでいく構えだといいます。「今年は思うような活動ができなくて、チーム強化に遅れが出ているのは確かです。それをどう取り返していくかがこれからの大きな課題になります。転んでもただで起きないようなアプローチを上野監督や若いコーチと一緒になって考えていきたい。私自身もまだまだ成長できると思っていますし、いいチャンスだと捉えて頑張ろうと思います。世界中が困難に直面しているからこそ、今、あえて言いたいことがあります。まず夢を描きましょう。描けなければ夢ではない。妄想です。夢を描いたら、それに近づく目標を、期限つきで考えなさい。そして、目標を持ったらやりなさい。少し頑張れば可能な目標、それより少し高い目標を少しずつ達成していくことが大事。諦めたら、終わりです。前向きに取り組んでいきましょう。そんなことを自分にも言い聞かせていきます」飽くなき情熱を持って挑戦し続けることの重要性を示している本田先生。そのポジティブ志向と積極性を多くの人々に学んでほしいものです。<<前編:選手の情熱を掻き立てるのが指導者の務め、全国制覇複数回の元流経柏・本田裕一郎監督が語る目標達成への「早道」とは本田裕一郎(ほんだ・ゆういちろう)1947年5月1日、静岡県生まれ。順天堂大卒業後、千葉県市原市教育委員会を経て、75年に千葉県立市原緑高校サッカー部監督に就任し佐々木雅尚、宮澤ミシェル、石井正忠らを指導。その後86年に習志野高に転勤し福田健二、広山望、玉田圭司らを指導し、95年のインターハイで初の日本一に。2001年より流通経済大柏高に赴任し、2007年の全日本ユースを皮切りに5度の全国制覇を成し遂げた。2020年4月より国士舘高サッカー部のスーパーバイザーに就任。指導者としてだけでなく高円宮杯U-18サッカーリーグの前身である関東スーパーリーグの立ち上げなど高校サッカーの発展に大きくかかわっている。
2020年07月27日アメリカの女子サッカープロリーグ「ナショナル・ウーマンズ・サッカーリーグ」(以下「NWSL」)は、ナタリー・ポートマンらセレブが新しい女子サッカーチームを設立することを発表した。チーム名はまだ決定していない。ナタリーは「NWSL」を通して声明を発表。「今日、私たちはワクワクするような一歩を踏み出しました」「素晴らしい方々とパートナーシップを結び、ロサンゼルスにプロの女子サッカーチームを設立する機会に恵まれ、とてもうれしく思います」と語った。オーナーはナタリーのほかにエヴァ・ロンゴリア、ジェニファー・ガーナー、ジェシカ・チャステイン、アメリカ・フェレーラ、テニスプレイヤーのセリーナ・ウィリアムズら女性セレブが大半で、なんと、セリーナの2歳の娘アレクシス・オリンピアちゃんまでもが名を連ねており、男性メンバーにはセリーナの夫アレクシス・オハニアンがいる。オハニアンは出資者となった理由を「女性のためのスポーツの機会を作り出すことは、私と妻にとって非常に大切なこと。娘のためにも、よりよい未来を作る一部になりたいのです」と語っている。オーナーメンバーの多くは、昨年女子サッカーのアメリカ対ベルギーの試合を観戦し、「Time’s Up」と連動して選手たちの性別による賃金格差の解消を訴えていたメンバーでもある。(Hiromi Kaku)
2020年07月22日トップアスリートがゲームで真剣勝負する“eスポーツ”に日本サッカー協会(JFA)が本格参戦!日本代表プレイヤーも誕生したということで、JFAのeスポーツ担当・森田恭平さんに詳しくお話を伺いました。現役サッカー選手とコラボで早くも話題に!4月、日本サッカー協会(JFA)は、新たな日本代表のカテゴリー「サッカーe日本代表」に2名を選出した。2人は自粛期間中にオンラインで開催されたJFA主催や協力の大会やイベントに参戦し、元日本代表の岡崎慎司選手とタッグを組んだり、なでしこジャパンの岩渕真奈選手と対戦したりして、多くの視聴者にその華麗なテクニックを印象づけた。「彼らは本来なら5月に開催予定だった国際サッカー連盟(FIFA)主催の国別対抗eスポーツ大会『FIFA eNations Cup』に出場するために選ばれました。2人とも世界に通用する実績を持つ凄腕。ランクでいうなら日本サッカーと同じくらいの位置にいると思います。コロナ禍において大会は中止となりましたが、今回のオンラインイベントで素晴らしい活躍をしてくれました」と、JFAのeスポーツ担当・森田恭平さん。有名選手と一緒に出場したことも収穫だったという。「昨年の同大会を視察したのですが、eスポーツの強豪であり先進国のフランスでは、サッカーe代表がエムバペ選手など世界的なスター選手と対戦し、それをSNSで発信してe代表をアピールしていました。いずれe日本代表も広く知ってもらえたらと考えていたので、ちょうどいい機会になったと思います。今後も代表選手×サッカーe日本代表でできることを模索していきたいですね。また、オンラインの国際試合や、いずれはオフラインの全国大会開催も考えています。そして、リアルのサッカー代表戦の前座のような立ち位置で、試合前に同カードのゲーム対戦をやるのも面白いかなと。サッカーe日本代表の新しいイメージを作っていきたいですね」FIFA eNations Cup 2019(ロンドン)森田さんが視察した、FIFAによる初の国別対抗eスポーツ大会。20か国が招待された。©Getty Images森田恭平さんJFAマーケティング部所属。「eスポーツの魅力は性別や年齢、障害のあるなしに関係なく楽しめること。女性でも仮にサッカーで彼氏に勝てなくても、eスポーツなら勝てます!」※『anan』2020年7月15日号より。取材、文・伊藤順子(by anan編集部)
2020年07月16日千葉県の市原緑高校、習志野高校、流通経済大学付属柏高校をサッカー強豪にし、高校サッカー選手権や高校総体で複数回の全国制覇を達成した本田裕一郎さん。これまで45年にわたって高校サッカー部の監督として育成に携わり、今年からは国士舘高校でテクニカルアドバイザーに就任するなど今なお新たな挑戦に挑んでいる名将に、今だからこそ若い指導者に伝えたいことを伺いました。(取材・文:元川悦子)国士館高校サッカー部(2020年3月19日撮影)<<連載一覧:ベテランの金言「言わずに死ねるか」-今だからこそ、若い指導者・保護者に伝えたい-■SNSツールの弊害がサッカーの現場にも千葉県の市原緑、習志野、流通経済柏で45年間にわたってユース年代の指導に携わり、高校サッカー選手権や高校総体で複数回の全国制覇を達成しているのが、本田裕一郎先生です。2006年ドイツワールドカップ日本代表の玉田圭司(長崎)らを数多くのプロ選手を育てた名将は、2020年1月から国士舘高校でテクニカルアドバイザーに転身。新たなチャレンジに打って出ています。新天地ではトップチーム約30人を主に指導していますが、「笑ってグラウンドに立つ」と新たな目標を設定。明るく接しやすいイメージを作ろうと心掛けています。「練習前からしかめっ面だとチームのモチベーションは上がりません。そう気づいて、『今日は元気?』『目標は何?』とまず笑顔で選手に話しかけ、彼らの考えを聞くところからスタートするようになりました。昨年まで指導していた流経柏はAチームの9割方が『プロを目指す』という目標をハッキリと持っていましたが、国士舘の場合は『全国大会に行きたい』という子がほとんどで、プロを目指しているのは1~2割程度。それはそれでもちろんいいのですが、全国に行くためにやらなければいけない具体的なビジョンをうまく描けないのかなと感じます。それを自分から言葉にして説明できればいいんですけど、今の子どもはコミュニケーション不足なのか、何か聞いても一言二言で終わってしまう。それも目標達成の足かせになっていると思いますね」本田先生がコミュニケーション不足の最大要因だと考えるのがスマートフォンの普及。昨今は『LINE』などの通信アプリで簡単にやり取りできるので、子どもたちが言葉を発しなくていい環境になっています。それがサッカーの現場にも影響しているというのです。「日本人のよさというのは、挨拶や礼儀正しい行動、場の雰囲気を察知したり、相手の表情を見ながらうまく会話を運ぶことだと思うんです。しかし『LINE』だと単にスタンプを押すだけで意思疎通が成り立つ。そればかり多用していたら、目で会話をしたり、相手の思いを汲んで物事を進めていく力は身に付きません。人間関係も希薄になり、サッカーのようなチームスポーツをやるうえでは大きなマイナスになります。現場に立っていて2~3年前から生徒の質がだいぶ変わってきたなという印象を受けるので、我々指導者も工夫を凝らしていく必要があると思います」■選手自身が「何が必要か」に気づくことが一番の早道国士舘に来てからの本田先生は「生徒たちにより高い経験をさせてやりたい」とモチベーションを高めています。同時に「どうすれば全国大会出場へ導けるか」というテーマを真剣に模索し始めました。その一歩として、目標達成への道筋をより明確にさせるところから取り組もうとしています。「選手たちが全国に出るまでの段取りを探っていく中で『何が必要か』を自ら気づいてくれるのが一番の早道なんです。人によってはボールコントロール力やドリブル技術、シュートのスキルを磨かなければいけないという人間もいるでしょうし、走力やパワーが足りないと感じる人間もいるでしょう。個人レベルでもチームでもできることは沢山ある。そこに気づいて行動するように、指導者が仕向けていかないといけないと思います。子どもたちの『全国大会出場』への気持ちは同じでも、重さが100gから1kgになれば取り組み方は全然違ってくる。そうやって情熱をかきたてることが大事なんです。長年、子どもたちを教えてきた私が『全国はそんなに遠い目標じゃないんだ』と言えば『そうかな』と感じる生徒がいるかもしれない。そんな期待を持って、最初に話したように笑顔でグランドに入ることを心掛けたり、言い回しを工夫したりとトライを続けているところです」■高校サッカー部員の休校中の過ごし方、多かったのは......現在も連日感染のニュースが流れていますが、本田先生の新たなチャレンジが始まって約2か月が経過した今年2月末。新型コロナウイルスの感染拡大が深刻化し、安倍晋三首相が全国一斉休校を要請しました。私立の国士舘も部活動休止に踏み切りました。練習は3月19日にいったん再開され、3月末までは2日に1度ペースで継続できていましたが、東京都から外出自粛要請が出た4月頭から再び活動を停止。少なくとも4月いっぱいまでは全員が自宅待機することになったのです。もともと「日本サッカー界もオフシーズンを設定すべき」と主張し、定期的な休みを取ることに前向きな本田先生にとっても、これは予期せぬ出来事。45年超の高校サッカー指導者人生の中でも初めてのアクシデントだと言っていいでしょう。そんな時だからこそ「選手のことをより知りたい」という思いが強まり、休部期間に彼らがどんな過ごし方をしていたかを調査してみたといいます。「2月末から3月19日までの約3週間に何をしていたかを尋ねたところ、1日の生活は睡眠が約8時間、食事は家族のいずれかととっている選手が多かったですね。ただ、勉強はほとんどしておらず、読書をしたと答えた者も皆無に近かった。スマホでSNSなどで流れてくるニュースを見る子もいましたけど、それを含めてもニュース記事などに目を通していたのは1日1時間以内。活字に触れる時間が極端に減っているなと考えさせられました。外出は1日5時間以内。外で走っていた者、ボールを触っていた選手、買い物に行った選手などさまざまでしたが、それ以外は外出自粛を意識して自宅にいたようです。その多くの時間を(ニュースチェック以外の)スマホ利用と向き合っていたというのはやはりもったいないと感じました。生徒の行動調査をしたのは私自身も初めてでしたが、練習がストップし、時間が空いたことで見えるものもありました。彼らの行動をしっかりと把握したうえで、再開後の部活動に役立てたいと思っています」こうやって目の前の事態を冷静に受け止め、臨機応変な対応を取り、先の段取りを考えていくのが本田先生流のやり方です。何度も全国制覇を達成し、数多くのプロ選手を輩出してきたベテランの発想力や行動力はやはり特筆すべき点でしょう。そこは多くの指導者に見習ってほしいところです。<<連載一覧:ベテランの金言「言わずに死ねるか」-今だからこそ、若い指導者・保護者に伝えたい-本田裕一郎(ほんだ・ゆういちろう)1947年5月1日、静岡県生まれ。順天堂大卒業後、千葉県市原市教育委員会を経て、75年に千葉県立市原緑高校サッカー部監督に就任し佐々木雅尚、宮澤ミシェル、石井正忠らを指導。その後86年に習志野高に転勤し福田健二、広山望、玉田圭司らを指導し、95年のインターハイで初の日本一に。2001年より流通経済大柏高に赴任し、2007年の全日本ユースを皮切りに5度の全国制覇を成し遂げた。2020年4月より国士舘高サッカー部のスーパーバイザーに就任。指導者としてだけでなく高円宮杯U-18サッカーリーグの前身である関東スーパーリーグの立ち上げなど高校サッカーの発展に大きくかかわっている。
2020年07月14日サッカーでは、試合中に攻守が目まぐるしく変わり、予想外の事の連続です。そんなとき、いちいちピッチ外の監督やコーチの指導を仰ぐことはできません。だからこそ、自分で判断し動くことができる選手になることが大事になります。自分で考える力はサッカーだけでなく社会においても必要なスキルです。今回は、「幼少期から常に自分で考えることを意識していた」というU‐23世代の注目選手、三好康児選手(ロイヤル・アントワープFC/ベルギー)にお話を伺いました。(取材・文:松尾祐希写真提供:UDN SPORTS)自分のプレーを掘り下げて「どうして」を追求していたという三好選手のサッカーノートの書き方は、上達するためにも必要な思考力をつける書き方なので参考にしてください■小学生時からスパイクは自分で管理現在はベルギーのアントワープでプレーする三好康児選手。U‐23日本代表でも主軸を担っており、来年開催予定の東京五輪でも活躍が期待されるプレーヤーです。そんな三好選手がサッカーと出会ったのは今から小学校1年生の時でした。三好選手はお兄さんの影響を受けて地元・川崎の中野島FCでサッカーを始め、小学校5年生の時に川崎フロンターレU‐12に入団をしました。当時から自分で何でもこなす性格だったそうで、3人兄姉の末っ子でご両親やご家族に頼れる環境があっても過度に甘えることはなかったと振り返ります。「小さい頃は兄と姉がおり、親も含めて色々と身の回りの面倒を見てくれていました。ただ、常に『自分のことは自分でやるように』と言われていましたし、特に川崎フロンターレのアカデミーに入ってからはその意識が強くなりました。クラブの方からも『人間として自立しないと選手として上に行けないぞ』と常に言われていたんです」中でも三好選手が小学校時代から気を遣っていたのが、スパイクの管理です。練習後は汚れを落とし、常に自分で手入れをしていたそうです。なぜ、三好選手が道具の管理を徹底したかというと、私生活とプレーがリンクしていると考えていたからでした。「自分が使う道具なのでスパイクを大事にしていました。スタッフからも、そうした細かい気配りが『プレーの最後に出るんだぞ』と教わっていましたし、『サッカーの部分だけではなく、私生活の取り組みがピッチに出る』と言われ続けていたんです。そこから自分で様々なことを考えるようになりました。たとえば、『ゴミ拾いをすることでその行いが良いプレーに繋がるかもしれない』。そういう考えを自ら持って、やっていたのを今でも覚えています」■「なぜそのプレーをしたのか」サッカーノートで自分のプレーを掘り下げていた"勝負の神様は細部に宿る"。そうした想いでサッカーに取り組むのと同時に、三好選手が重視していたスタンスがありました。"常に考える"ことです。そう思うようになったのは川崎フロンターレに入団してからだったそうで、サッカーノートを付けながら自身と向き合っていたと言います。「川崎フロンターレに入ってからは毎日サッカーノートを付けていました。おこったことや自分の感想を書き連ねる日記みたいに書くのではなく、どういうことが起こって、どうしてそういうプレーをしたのか、なぜそう考えたのか。一つの行動に対して掘り下げていく。そんな風にサッカー面以外も含めて、どういう思いでアクションを起こしたのかを整理していました。それまでは気持ちよくプレーしているだけだったのですが、プロのサッカーチームのアカデミーに入ったことで一気に意識が変わりましたね」小学校の時から自立に向かって歩き始めていた三好選手。中学では早くから頭角を表し、中学校2年次には飛び級で川崎フロンターレU‐18に昇格しました。周りの仲間たちよりも一足早く高校生の舞台に足を踏み入れる環境はサッカー面で大きな意味を持ちましたが、ピッチ外での経験も自身の自立をより促したと言います。「中学生と高校生の間にある数年は大きな差を持っています。その中で高校に進学するといろんな誘惑があるのを目の当たりにし、サッカーをやる上で何が大事かを確認できました。中学から高校に進級すると、大人に近づくのでいろんな誘惑が絶対に生まれます。その中でどれだけ流されないでいられるか、自分自身を持って何が必要なのかを常に考えるようになりました。僕自身はサッカーに夢中だったし、プロになりたいと思っていたので遊びたい欲求やほかの様々な誘惑をそんなに感じていませんでしたし、僕は惑わされることはなかったです。中学2年生からU‐18チームでプレーしていて、早くトップチームのカテゴリーに昇格したいと思っていたので遊びたい欲はあまりなかったですね」■私生活で人を手伝う、助けるなどのスタンスはピッチでも出るまた、中学時代に海外遠征へ行った経験も三好選手を子どもから大人に成長させる大きな要因になりました。特に世代別日本代表でプロを目指す仲間と切磋琢磨できた環境や、異国の地で味わった様々な体験は小学校時代から培ってきた考え方をさらに深めるきっかけになったと言います。「世代別代表ではA代表のように何から何まで揃っているわけではありません。ウェアなどは揃っている部分はありましたが、シューズの手入れも含めて色んなことを自分でやらないといけなかったんです。荷物の管理なども選手の仕事。だからこそ、よりチームのために何が必要なのかを考えて行くようになりました」徐々に自立していく三好選手ですが、すべてが順調にいったわけではありません。失敗を重ねながら成長をしてきました。特に今でも覚えているのが、代表合宿中の出来事です。「U‐16かU‐17の代表合宿中に怒られた経験があります。練習前にグラウンドへ荷物を運ぶ分担をみんなで決め、僕は水を運ぶ係りに決まったんです。行きは水を持って行ったのですが、帰りは水を消費したので何も持たずに宿舎へ戻りました。すると、スタッフの方から『どうして何も持たずに帰っているの?』と聞かれたんです。そこで、『水がなくなって持つものがありません』と答えると、『そういうことではないだろ』と怒られました。その時はただ自分の分担していたものがなくなったから持たなくて良いと思ったんです。当時は中学生だったので、指摘されてムッとした部分もあったのですが、よくよく考えてみたら、チームを思えば、できる行動はあったんですよね。他の誰かを手伝ったり、重い物を持っている人を手伝うとか。そういうスタンスはピッチで出ます。プレーでも人を助けることで自分を助けてもらえるかもしれません。サッカーは助け合いのスポーツですから。そういうチームスポーツの大切さを私生活の部分から学びましたね。上に行けば、行くほど細かいことを言ってくれる人は少なくなりますし、サッカーの面でも周りから言ってもらえるのは、期待をされている証拠でもあります。何も思っていなければ言ってもらえないので、自分は本当に恵まれていました」■活躍するために重要なのは自分自身を理解すること三好選手は高校進学後、川崎フロンターレU‐18でプレーし、2014年の8月に翌シーズンのトップチーム昇格を勝ち取りました。誰もが幼少期を経て多感な思春期を歩みます。その中でいかに大人になっていくのか。自立をする上で、 "常に考える"ことが大きな役割を果たしました。その結果、三好選手は"自分を理解する"ことに繋がったと言います。「一番は自分自身を理解することです。現在のチームメイトは全員プロなので、試合へ出るために競争があります。その中で自分が試合に出て、結果を残すことを考えていかないといけません。そういう意味では、幼い頃からプロになるために何をすべきかを考えてきたので、その習慣がプロになってより生きたと思います。中には何も考えずに能力だけでプロになれる人もいるかもしれませんが、プロになった時に周りはいろんな特徴を持った選手がいます。自分よりも強力な武器を持っていたり、身体の強さを持っていたり。そういう選手に対し、どう戦っていくかを考えなければいけません。自分がどうすべきか、監督にどうやったら認めてもらえるか。でも、周りみんなライバルで、誰もが自分を使ってほしい、自分が一番だと思っているわけで、僕が何をしたらいいかなんてほとんど言ってくれません。だからこそ、小中高で自分で考える力を身に付けることが大事だと思います後編では海外でプレーするために必要な力と語学の重要性について迫ります。
2020年06月18日令和最初の全国高校サッカー選手権で優勝を果たした静岡学園高校。今年78歳となる井田勝通総監督にとっては96年の鹿児島実業との両校優勝以来、24年ぶりの選手権優勝となりました。テクニックと個人技を大事にし、見る者を魅了する「静学スタイル」を確立させた井田総監督が、今だからこそ若い指導者たちに伝えたいことは何か。指導者として大事なことを伺いました。(取材・文:元川悦子写真:森田将義)(C)森田将義■負けた悔しさを糧に努力して初めて頂点に立てる「清々しい青空、満員の観客の中で、美しく華麗で見る者を魅了する学園らしいサッカーを見せて、選手権の単独制覇を果たす。それが俺の夢なんだ」96年1月の第74回高校サッカー選手権大会で鹿児島実業と両校優勝を成し遂げた後、静岡学園の井田勝通監督(当時)は悔しさをにじませました。それから24年の月日が経過した2020年1月、静学は悲願の単独優勝を達成しました。井田監督はすでに現場を退き、総合監督としてベンチに入っていましたが、教え子である川口修監督や齊藤興龍コーチらが自身の哲学を貫き、選手を育て上げ、成果を挙げたのだから、感無量だったはずです。「修も監督になって10年目。優勝するまでには本当に長い時間がかかるもんなんだよ。俺自身も昭和51年度(1976年度)に初めて選手権決勝まで勝ち上がり、国立競技場の大舞台に立ってから、両校優勝するまで19年もかかったんだから。今のユース年代でトップを走る青森山田の黒田(剛監督)だって、柴崎岳(ラコルーニャ)を擁した2010年度の高円宮杯全日本ユース選手権の時は、1次リーグで学園に負けて敗退するくらいのレベルだった。『生みの苦しみ』というのはスポーツ界全体に共通するもの。負けた悔しさを糧に努力して初めて頂点に立つことができる。それを多くの指導者が体験し、理解してほしいな」と名将はしみじみ話していました。■かつては小嶺監督(現:長崎総合)の朝練を学びに行ったことも井田前監督が静学の指導を始めたのは1972年12月。当時の日本サッカー界は1968年メキシコ五輪銅メダルの原動力になったドイツのデッドマール・クラマー氏のメソッドが中心でした。当時のドイツは4-3-3のスイーパーシステムがベースで、3人のDFの後ろにもう1人のDFを置いてセフティに守るという考え方がよしとされていたのです。しかし井田前監督は3バックのゾーンで守って、ドリブルとショートパスでゆっくり攻めるラテンスタイルのサッカーを志向しました。原点となったのが、17歳の時に衝撃を受けたブラジルサッカーの王様・ペレ。彼のような選手を育て、人々を驚かせるサッカーをしたいという理想を掲げてスタートしたのです。「当時の俺はガムシャラだった。島原商の小嶺(忠敏=現長崎総合科学大学付属監督)の朝練がすごいという話を耳にして、1週間泊まって毎日勉強したこともある。小嶺の練習はボールを使ってキックやパス、ヘディングなど基本技術を磨く内容で一般的なものだったけど、『俺たちも朝練をやらなきゃダメなんだ』と分かって、朝5時半から毎日、練習をやるようしたんだ。今の時代は学校もうるさいから早朝練習もやりにくいけど、指導者に情熱がなければ子どもは教えられない。朝練ができない環境なら、子どもたちに『自主練をやらなきゃいけない』という気持ちにさせる工夫をしなくちゃならないんだ」■マニュアル通りの指導ではコピーを生むだけ「今の時代は指導者が勉強できる環境が整っているし、海外から有名クラブの指導者がやってきてセミナーや講習会も受けられる。バルセロナのコーチの話を聞いてそれを取り入れるだけで強いチームを作れるなら全員がそうするはずだ。サッカーはそんなに単純じゃない。日本サッカー協会の指導者マニュアル通りに指導しても画一化が進むだけ。コピーをしてるだけではオリジナリティは生み出せない。そこは声を大にして言いたいところだよ」とゼロから1つ1つ道を切り開いた名将は含蓄ある発言をしています。昨今の子どもたちが個性やオリジナリティに欠けているというのは、サッカーに限った話ではありません。教育現場でも同様の傾向が進んでいると言われています。「何事も言われた通りに動くのがいい子」という一般的な評価基準では、際立った才能のある人間は出てきづらいのは確かです。そのあたりに井田前監督は警鐘を鳴らしています。■行動を起こさなければいつまでもコピーから抜け出せない「最近の日本では『I can do for you(あなたのためにやってあげる)』ではなく『You can do for me(私のためにやってください)』という発想が目立つ。受け身や指示待ち人間も多い。そういう教育ばかり受けていると、自分からアイディアを出したり、創造性を発揮して物事を起こすような人間になるのは難しい。サッカー選手もそうで、特にJリーグの下部組織にそういう子どもが多いと感じる。型にはまっていた方が楽だし、安心なのも分かるけど、それじゃあ本当に見る者を魅了するようなプレーはできないんだ。俺自身は破天荒なタイプだから、何度も協会から怒られた。『なぜドイツ流のスタイルでやらないんだ。日本人はもともと技術的に劣るからそのサッカーが一番合っているのに』と言われたこともある。でも異端児の自分はその考えに賛同できなかった。『絶対に人のコピーはしない』とむしろ燃えてきたよ(笑)。自分らしいサッカーを追求するためにはどうすればいいかとつねに考え、毎年のようにブラジルに足を運んだ。そうやって行動を起こさなければ、いつまでもコピーからは抜け出せない。今の時代は情報が多い分、オリジナリティを前面に出すのは難しいと思うけど、『新しいものを生み出すんだ』という情熱を持ってやってほしいよ」燃えたぎる情熱が信頼できる教え子たちに引き継がれ、静学は約50年がかりで1つのスタイルを確立するに至りました。確固たる信念がなければ、成功もありえないということを、井田前監督は改めて私たちに教えてくれたのです。(後編に続く)井田勝通(いだ・まさみち)サッカー指導者、静岡学園高校サッカー部総監督1942年3月、満州・奉天(現瀋陽)生まれ。静岡高校、慶応大学を経て、静岡銀行に入行。サッカー指導は慶応大学時代からスタートし、72年12月に静岡学園高校のプロコーチとなる。ブラジルスタイルの個人技時主体のサッカーを追求し、77年正月の第55回高校サッカー選手権で準優勝。96年正月の第74回選手権で鹿児島実業と両校優勝。2020年の第98回選手権で24年ぶりの優勝を果たした。2009年に監督勇退後、総監督として現在も公式戦のベンチに入っている。
2020年06月03日スマホやパソコンなどに搭載されたカメラと音声機能を使い、離れた相手とも連絡がとれるようになるサービス『Zoom』。新型コロナウイルス感染症(以下、コロナウイルス)の影響により、飲み会から仕事の会議まで、さまざまな場面で活用されるようになりました。そしてついに、スポーツ観戦でも『Zoom』が活躍するように…!「圧迫感やばい」「選手は、これでいいのか?」とネット上がザワついた、デンマークのサッカーリーグの試合風景がこちらです。フィールドの周囲に設置された画面上には、サポーターらしき人たちの姿が!それぞれ自宅で観戦している姿が映し出され、その光景は異様でもあり、新鮮でもあります。【ネットの声】・こういう観戦スタイルがあったらいいな~と、まさに思っていました。・これぞ本当に『ホーム感』。・新しくてワクワクしますね!コロナウイルスの影響により、無観客試合が強いられているスポーツ業界。その逆境をばねに新たな観戦スタイルを模索する姿勢は「素晴らしい」のひと言です!今後、この観戦スタイルが継続されるのかは分かりませんが、新たなスタンダードになる可能性も考えられますね。[文・構成/grape編集部]
2020年06月01日編集部:学研キッズネット編集部株式会社QLEAが運営する高校受験教育情報サイト「School Post 高校受験ナビ」は、2020年5月29日(金)18時より公式HPにて、長引く休校で高校入試に不安を抱える受験生向けた「都立高校推薦入試対策オンラインセミナー」を開催と合わせ、受験生の自宅学習を応援する「授業リクエスト」を受付開始することを発表しました。対策講座開催の背景新型コロナウイルスにより長引く休校で、「先生との進路相談ができず、推薦入試に向けた対策をどうすれば良いか分からない。」「高校説明会自粛が続き、情報が入らない。」など、高校推薦入試に不安を抱える多くの声が、高校受験情報サイト「School Post高校受験ナビ」に集まりました。これらの不安の声を受け、高校推薦入試合格を目指す受験生や受験生の子を持つ保護者のみなさまに、高校入試に向けた対策法を知ってもらい、いま何をするべきか考え、受験に対し前向きに取り組むきっかけとなればという想いから、「都立高校推薦入試対策オンラインセミナー」を企画・開催いたしました。都立高校推薦入試に特化したセミナー内容となりますが、全国の私立・公立高校における推薦入試対策にもご参考いただけます。さらに今回、推薦入試対策に重要な内申点を上げるための振り返り学習として、受験生の自宅学習を応援する「授業リクエスト」を受付開始。School Post高校受験ナビでは、リクエストが多く集まった授業を今後無料オンライン講座として配信し、全国の受験生を応援してまいります。【「都立高校推薦入試対策オンラインセミナー」プログラム】・合格・不合格の分かれ道!合格への5つの関門とは?・高校推薦入試に「受かる子」の5つの特徴 / 「落ちる子」の3つの特徴・合格に向けて、いまからするべきこと・合格に向けた1年間のスケジュール。都立高校推薦入試の日程他※都立高校推薦入試に特化したセミナー内容となりますが、全国の私立・公立高校における推薦入試対策にもご参考いただけます。高校推薦入試対策オンラインセミナー 概要〈 講師/School Post高校受験ナビ主宰:石井 知哉〉早稲田大学卒業。東京都の塾業界で指導歴25年。豊富な実践経験に裏付けられた独自の理論とメソッドに基づき、小学校~大学受験まで、幅広い教科・年齢・学力層を対象に、個々の成長を最大限引き出す指導を得意とする。現在は、東京都大田区で個別指導塾2校舎の教務・運営を統括する傍ら、千代田区麹町に超少人数制個人指導道場「合格ゼミ」を開設。自ら教鞭を執り、多くの受験生を人気校・難関校合格に導いている。「School Post 高校受験ナビ」をはじめ、多くの教育系メディアからの取材・教育に関する記事を執筆。■高校推薦入試対策オンラインセミナー概要日時:2020年5月29日(金)18:00〜配信開始開催形式:公式HPにてオンライン配信(Youtube)対象:全国の受験生(中学1年生〜3年生)または受験生の子を持つ保護者参加費:無料■School Post 高校受験ナビとは「School Post高校受験ナビ」は “首都圏の高校受験を控える子どもの親御さん”のための教育情報サイト。学校の取り組みと、学習のテクニックを発信し、お子さんの進路の選択肢を増やすことを目指しています。公式HP:■企業情報会社名:株式会社QLEA本社:東京都千代田区麹町1-8 高砂ビル3F代表者:代表取締役 鳥越 隆文■「学研キッズネットFor Parents」のニュース一覧はコチラ■学研キッズネット編集部(がっけんきっずねっと)『学研キッズネット』は、1996年にオープンした小・中学生のためのWebメディアです。学研の子ども向け書籍や雑誌の編集ノウハウを活かし、子どもたちが安全に楽しめるサイトとして運営しています。子どもたちのしあわせのために、家族のしあわせのために、有益な情報やサービスをお届けできるよう、いつも精一杯がんばっています。すくすく伸びる子どもたちのために
2020年05月28日映画『ディエゴ・マラドーナ 二つの顔』が、2020年7月10日(金)より新宿ピカデリー、ヒューマントラストシネマ渋谷他にて全国ロードショー。“神の子”天才サッカー選手の光と影映画『ディエゴ・マラドーナ 二つの顔』は“神の子”と称されたサッカー選手ディエゴ・マラドーナにフォーカスを当てた物語だ。アルゼンチン・リーグ史上最年少でプロデビューし、“5人抜き”のスーパープレイでメキシコW杯優勝へとチームを導いた、スター選手ディエゴ・マラドーナ。華やかな顔を持つ一方で、プライベートではマフィアとの交際、愛人とのスキャンダル、コカインでの逮捕…など影の姿があった。未公開の秘蔵映像で明かされる真実の姿映画『ディエゴ・マラドーナ 二つの顔』は、マラドーナ本人の完全なる協力を得て、500時間にも及ぶ未公開秘蔵映像をもとに制作。栄光と転落を繰り返す天才サッカー選手の栄光と苦悩の日々を明らかにする。監督、製作総指揮を手掛けたのは、『アイルトン・セナ ~音速の彼方へ』で英国アカデミー賞受賞、『AMY エイミー』でアカデミー賞受賞を果たした、アシフ・カパディア。製作にジェームズ・ゲイ=リース、編集にクリス・キング、音楽にアントニオ・ピントと、過去2作と同じスタッフが集結して、新たな物語を刻む。なお映画『ディエゴ・マラドーナ 二つの顔』は、カンヌ国際映画祭のオフィシャルセレクションに選ばれ、英国アカデミー賞にもノミネートしている。ストーリー1984年、世界的な人気を誇るアルゼンチン出身のサッカー選手ディエゴ・マラドーナは、熱狂的な観客が集うイタリア南部の弱小クラブSSCナポリに移籍する。ピッチでは“神の手”“5人抜き”でメキシコW杯優勝、“クラブ史上初”のセリエA優勝により、スーパースターとして崇 め立てられたかと思いきや、プライベートではマフィアとの交際、愛人とのゴシップ、コカインでの逮捕により、トラブルメーカーとして忌み嫌われてし まう。やがて、サッカーを愛するピュアな“ディエゴ”、マスコミを騒がせるダークな“マラドーナ”という、相反する二つの顔が浮かび上がる・・・。【作品情報】映画『ディエゴ・マラドーナ 二つの顔』公開日:2020年7月10日(金)※当初2020年6月5日(金)公開予定だったが公開延期。※購入済み前売券(ムビチケカード&ムビチケオンライン券)は、延期後の上映にも使用可能。監督:アシフ・カパディア製作総指揮:アシフ・カパディア製作:ジェームズ・ゲイ=リース、ポール・マーティン編集:クリス・キング音楽:アントニオ・ピント出演:ディエゴ・マラドーナ他原題:DIEGO MARADONAムビチケ情報発売日:2020年3月27日(金)・オリジナルステッカ ー付ムビチケカード 1,500円(税込)<数量限定>※一部劇場を除く・オリジ ナル待受付ムビチケオンライン券 1,500円(税込)
2020年03月14日令和最初の全国高校サッカー選手権で優勝を果たした静岡学園高校。足元の技術やドリブルなどの個人技で観客を魅了するスタイルのチームでしたが、連覇をかけた青森山田高校に先制点を許しながらも逆転劇は印象的でした。試合をご覧になった方はご存知かと思いますが、前半は劣勢だった静岡学園のプレーが後半にガラッと変わり、チームが勢いにのって逆転勝利につながったのです。劣勢を跳ね返すことができた理由の一つが、試合後の川口修監督のインタビューで語られた「選手たちに整理する力があった」こと。サッカーでも勉強でも役に立つ「整理する力」とはどんなスキルで、静岡学園ではどう身につけさせているのか、川口修監督にお話を伺いました。(取材・文:元川悦子写真:森田将義)<<齊藤興龍コーチに聞いたタイムマネジメント術近年は東大合格者も生んだ静岡学園が取り組む1日、1週間の効率的な時間の使い方状況をよく見て頭の中を整理できたからこそ、後半戦い方をガラッと変えることができたのです■劣勢でもブレずにスタイルを貫けた理由1月13日に行われた第98回高校サッカー選手権大会決勝で、2019年高円宮杯プレミアリーグ王者・青森山田に前半から2点のリードを許しながら、3点を奪って逆転勝利し、初の単独優勝を飾った静岡学園。彼らのアグレッシブな戦いぶりは多くの高校サッカーファンを大いに勇気づけました。劣勢で折り返したハーフタイム。指揮を執る川口修監督は「ブレるな」と語気を強めたといいます。「青森山田はフィジカル的に強く、強固な守備をベースにセットプレーやロングスローで点を取ってくるチームです。彼らに勝ちたいと思うなら徹底的に相手を分析して、ストロングポイントを消すのが早い。しかし学園は勝利よりも個人の力を伸ばすことに主眼を置いていますから『1対1で負けるな』『個々の力を押し出せ』というベースをあえて曲げずに戦いました。自由度の高いサッカーをするのは選手たちにとっては難しいものです。あの大舞台ですからなおさらでしょう。でも僕らは高い目標を持ち、時間をかけてコツコツと技術と戦術眼を磨いてきた。そういう自信があったから、最後の最後で勝ち切れた。選手権決勝は『静学スタイル』を貫いた1つの成果ですし、埼玉スタジアムに集まった人々や全国のファンが喜んでくれたのも、その姿を目の当たりにしたからだと思います」■指導者の言葉を何でもかんでも鵜呑みにしない、情報取捨選択も必要川口監督が井田勝通前監督(限総合監督)の下でプレーしていた頃から、静学の哲学は変わっていません。96年末に藤枝明誠から母校に戻ってコーチになり、2009年に監督に昇格してからも「自分で考えて行動する力」をつけさせようと意識的にアプローチしてきたといいます。「『選手に教えすぎてはいけない』というのは、井田さんが指導現場に立っていた頃から言い続けていたこと。戦術を1~10まで事細かに教えなくてもサッカーができるようになると僕は考えています。実際、選手権で優勝したチームもこの1年間は課題の改善というのを重要テーマに掲げ、つねに取り組んできました。試合後は必ずミーティングを行って、何が問題だったのか、どうしてうまくいかなかったかをフィードバックし、それを選手たちに考えてもらうように仕向けたんです。それを踏まえて、彼らは選手同士のミーティングもよくやっていましたね。今回のチームはインテリジェンスとアンテナの感度が高く、それぞれ意見を言い合える自主性とコミュニケーション力があった。僕たち指導者が何か言わなくても、『自分たちで変えていこう』と決断してチーム全体に発信することもできましたね。課題改善のサイクルを通じて、状況に応じた良いプレー、良くないプレーの判断基準を身につけることが頭の中を整理することにつながります。監督やコーチの指示も、何でもかんでも鵜呑みにせず、ピッチ内の状況を考え、その時の状況に合わせて取捨選択できるのもスキルの一つで、このスキルは年々高まっていると感じます。実際今回のチームでも、青森山田戦の時も僕が『ブレるな』と言った後、キャプテンの阿部健人が中心となって『前半は自分たちのサッカーができてない。ここからは普通にやろう』と声を掛け合っていました。その姿を見て大丈夫だと感じました。自立心の高い選手たちに恵まれて本当に感謝しています」と川口監督はしみじみと語っていました。■指導者に言われたことを理解し、課題を克服してピッチで実現できることが大事課題の改善に関しては、試合やビッグトーナメントの時だけに行っていたわけではありません。日々の練習の時から地道に取り組んでいたのです。思ったようなパフォーマンスが出せなかったり、技術・戦術面で足りない部分があったり、メンタル的な問題を抱えている選手がいたら、川口監督や齊藤興龍コーチはその選手を呼んで意思疎通を図ることを忘れませんでした。「気になる選手がいれば練習前後に声をかけて『何か不安なことがあるのか』と聞いたり、『もっとこうした方がいいんじゃないか』とアドバイスするようなことは日常的にやっていました。練習の中で意識させるのが選手を伸ばす一番のポイント。指導者に言われたことを理解し、自分なりに努力して課題を克服し、ピッチ上で表現できる選手が最終的に選手権でメンバー入りし、大舞台で活躍するんです。そうやって目覚ましい成長を遂げる選手は『アドリブ力』も高まりますね。サッカーは止める蹴るの基本が最も重要ですけど、余裕が出てきたらもう一段階レベルの高いプレーをやっていい。それこそが個性だと僕は思います。思考力のベースがあって初めてアドリブができるようになる。そこまで行けば、静学の育成としては一応の成功かなと感じます」■高校以降も「伸び続ける力」のベースを身につけさせるのが静学のモットーそんな川口監督が口癖のように言っているのは「武器を大きくしろ」ということ。静学は技術・戦術・フィジカル・メンタルが全て平均点の選手を育てるチームではないという強い自負があるからなのです。「選手の特徴は千差万別。いろんな選手がいていいんです。例えば、今年川崎フロンターレに入った東京五輪代表候補の旗手怜央なんかは1対1とスピードには絶対的な自信を持っていました。本人は順天堂大学に進んでから『守備のプレスのかけ方が分からない』と苦労したようですが、そういうことは自分で考えて判断していけばいい。それによってプレーの幅と思考力が伸びていく。高校年代は個人のベースとなる技術とストロングポイントをしっかりと身に着けていくことが大事、それが伸び続ける力の原動力になる。それを身に着けさせるのが静学のモットーなんです」川口監督が強調する哲学に魅了され、入学希望者は年々増加しています。2020年春にはサッカー部員が280人体制になる見通し。その大所帯で個の力を磨くことは難しいですが、それにあえて取り組んでいくことで、彼らはさらなる高みを目指すつもりなのです。<<齊藤興龍コーチに聞いたタイムマネジメント術近年は東大合格者も生んだ静岡学園が取り組む1日、1週間の効率的な時間の使い方川口修(かわぐち・おさむ)1973年6月生まれ、沼津市出身。92年春に静岡学園を卒業後、プロを目指しレブラジルに渡る。95年4月から藤枝明誠高校でコーチになり、96年12月に母校・静学のコーチに。2009年から監督となり、2020年正月の第98回高校選手権で全国制覇。
2020年03月09日