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こんにちは。助産院ばぶばぶ院長HISAKOです。今日は、赤ちゃんの本能についてお話しします。知っておくと育児に役に立つこともあるんですよ。 移動中にあらわれる本能動物はみんな効率よく生き延びるための本能を持っています。移動中に泣いたり暴れたりすると、親が運びにくかったり落とされてしまう危険があったり、敵に見つかりやすくなったりするので、哺乳類の赤ちゃんは運ばれるとき、親に口でくわえられると体を丸くしてじっとしています。 これは「輸送反応」といって、自然界で身を守るために、哺乳類に備わっているチカラだといわれています。哺乳類は未熟な状態で生まれるので、親子関係は最も大切。一番基本になる社会関係です。赤ちゃんが親の行動に合わせ、協力することで、赤ちゃん自身で自分の身を守ります。その本能の1つが「輸送反応」としてあらわれるのです。 ママは知らないうちにやっている?!人間の赤ちゃんも動物と同じで、泣いていても抱き上げた瞬間に泣き止むことが多いです。それでも泣き止んでくれず、どうしようもないときには、次の手段として多くのママは赤ちゃんを縦抱きにして、自分も立ち上がってゆっくり揺らします。そうすることで赤ちゃんが泣き止むことを、ママたちは本能的に知っているかのようです。 さらに赤ちゃんがギャン泣きしていたら、「縦抱きにしてスクワットをするとピタリと泣き止む」というのは有名な話です。どうしてスクワットで泣いていた赤ちゃんが落ち着くのでしょうか? 横方向の揺れより縦方向の揺れで赤ちゃんは落ち着きます。これこそが「輸送反応」なのです。 たて抱きや乗り物でぐっすりのワケ動物は赤ちゃんの首の後ろをくわえて縦姿勢で運びますよね。そうすると、親が歩くときに赤ちゃんが感じるのは、横の揺れではなく縦の揺れ。赤ちゃんは縦方向の揺れを感じると「輸送反応」のスイッチがONになっておとなしくなるわけです。 人間の赤ちゃんも抱っこして歩いたり、乗り物に乗って揺れたりすると心拍数が下がって落ち着き、泣き止みます。動物の赤ちゃん同様に本能的にリラックスする機能が備わっているのです。 ママにとって、育児は大変なストレスがかかる仕事です。泣き止まない赤ちゃんに対応するのはホントにしんどい! そんなときに、哺乳類全般に共通する「輸送反応」を思い出して、赤ちゃんにもぜひ協力してもらいましょう! 監修者・著者:助産師 助産院ばぶばぶ院長 HISAKO総合病院小児科・産婦人科・NICU病棟勤務を経て、地域での助産師活動・出張専門助産院を開業。2006年には来院ケアも可能な「助産院ばぶばぶ」をオープン。2016年11人目出産し、ママたちに元気と勇気をおすそ分けすべく母乳育児支援や講演活動、書籍出版など多岐にわたって活動中。
2019年04月23日「気軽に専門家に質問ができて、さらに返信も早い」とママから日々感謝の声が寄せられているベビーカレンダーの人気コンテンツ【助産師に相談】の掲示板。その中から特に注目をあつめた質問の内容を一部抜粋してご紹介します。今回は、赤ちゃんの1カ月健診の結果に関するご相談です。 Q.1カ月健診の結果、大きな病院への紹介状を頂きました今日、1カ月健診があり、気になる所があると医師から言われ、大きい病院への紹介状を頂きました。内容は、・心雑音が少し聞こえる・股関節が硬い上記2点でした。 心雑音のほうは不安が消える事がなく、ひとりずっと考えてしまっています。また股関節のほうはM字を意識してと言われるもののなかなか難しく、おくるみをしているとM字にするのが難しいなとも思います。寝る際等はどのような体勢をとるのがよいのでしょうか。 在本祐子助産師からの回答1カ月健診で、大きな病院で小児科の先生の診察を受けるようにお話があったんですね。急なお話でしたか? とても不安でしたよね。誰もが赤ちゃんに異常があるのではと指摘を受ければとても不安になられますよ。お気持ちお察し致します。 心雑音に関しては、しっかりと診ていただきましょう。赤ちゃんの発育が問題なければ、まず発育に影響を及ぼすほどの大きな心臓トラブルはないように思います。ですが、専門の先生にお任せしましょうね。股関節は足回しをしっかりしながらおむつをしましょう。足も一緒に診てもらえるんですね。何より1カ月健診でしっかりと発見できたことは早い対応ができていると思いますよ。※参考:ベビーカレンダー「助産師に相談」コーナー※診断や具体的な治療については医師の指示にしたがってください 生後1カ月時の特徴・母子健康手帳に身長・体重の発育の目安として、厚生労働省が発表する発育曲線が記載されています。生後1カ月時の男児の身長は50.9~59.6cm、女児の身長は50.0~58.4cmです。男児の体重は3~5.17kg、女児の体重は2.9~4.84kgです。 成長には出生時の身長体重や個人差がありますが、発育の目安として参考にしましょう。生後1カ月では、出生体重から約1kg増えていれば、順調に成長しているといえるでしょう。そのほかにも以下のような特徴があります。 ●皮下脂肪がついて、少しふっくらとした体つきになります●口の周りの筋肉が発達しておっぱいの吸い方が上手になって飲む量が増えると、授乳間隔が開いてきます。授乳の間隔は個人差があり、母乳の場合は1~2時間おきに1日10~12回哺乳する赤ちゃんもいれば、3~4時間おきに1日7~8回の哺乳する赤ちゃんもいます●視力が発達して、はっきりした色のものであれば見えるようになります。20~30cmであれば見えるようになってきているため、ママやパパの顔を近づけるとじっと見るようになります●音や色を感知して目で物を追いかけるようになります●表情が少し豊かになります 赤ちゃんの1カ月健診は何をする?●赤ちゃんの全身状態のチェック通常は出産した病院で1カ月健診がおこなわれ、身体測定は身長、体重、胸囲、頭囲などを測定します。成長・発達のチェックは、心臓・黄疸・おなかの調子・股関節脱臼・大泉門などをチェック。男児の場合は睾丸に異常がないかもチェックします。引き起こし検査、原子反射(モロー反射で大きな音を立てると両手を広げて抱きつく動作)などの確認がおこなわれます。 ●問診育児に関する不安や疑問などに対して相談可能ですので、メモして準備するとよいでしょう。体重が増えない、授乳に30分以上かかる、授乳直後も泣く、睡眠が1時間も続かない、哺乳後に吐く、おむつかぶれがひどい、湿疹がひどい、うんちの回数が少ない、鼻水や咳がある、しゃっくりが出るなど、気になる症状は相談しましょう。※参考:基礎知識(ベビー)「赤ちゃんの1カ月健診とは?健診の内容や注意点」 ベビーカレンダーは、妊娠や育児のお悩みを抱えたママさんの強い味方でありたいと思っています。自分だけではどうしても解決できなかったとき、不安で仕方がないときは本物の助産師や管理栄養士がリアルタイムでお悩みや質問にお答えする『助産師に相談』『管理栄養士に相談』の掲示板をぜひご活用ください!
2019年04月22日「気軽に専門家に質問ができて、さらに返信も早い」とママから日々感謝の声が寄せられているベビーカレンダーの人気コンテンツ【助産師に相談】の掲示板。その中から特に注目をあつめた質問の内容を一部抜粋してご紹介します。今回は、マタニティ下着に関するご相談です。 Q.妊娠前の下着がきつくなってきました。赤ちゃんは大丈夫?2人目を妊娠中で、妊娠11週になります。まだ、初期なのですがおなかが出てきています。早めにマタニティ下着に変えたほうがいいかなと思いながら、妊娠前の下着を着用していました。すごく窮屈ではないですが、足の付け根とウエストラインに跡がついています。けっこうきつくなってきました。 ふと、下着がきつくて血流が悪くなり、赤ちゃんに影響があったらどうしようと不安になりました。ネットを見ると、きつめの下着(パンツ)で血流が悪くなってしまい、切迫流産なるなど怖いことが書いてあり、ますます不安になってしまいました。キツめの下着で赤ちゃんに大きな影響があるのでしょうか?どんなに早くても明日の夕方にしか買い物に行けません。明日の夕方でも大丈夫でしょうか? 在本祐子助産師からの回答きつい下着は、確かにママさんにとっては不快になりますよね。ですが、下着が直接的な原因と思われる切迫流・早産は少し考えにくいです。切迫流・早産はお腹の張りが原因です。赤ちゃんは子宮の中にいます。子宮はおなかの脂肪や筋肉に守られているので大丈夫ですよ。きつい下着がおなかの張りを引き起こす可能性はないわけではありませんが、質問者さんの週数であれば、あまり考えなくてよいと思います。※参考:ベビーカレンダー「助産師に相談」コーナー※診断や具体的な治療については医師の指示にしたがってください 主なマタニティショーツの種類と選び方についてマタニティショーツには、深ばき、浅ばき、ゴムなし、大きくわけて3つの種類があります。それぞれの特徴を理解して、自分に合ったものを選ぶようにしましょう。 ●マタニティショーツの種類・深ばきタイプマタニティショーツと聞いて誰もがイメージするのは、この「深ばきタイプ」でしょう。おなかとお尻をすっぽり包むデザインで、おなかを冷えから保護してくれるのが特徴です。伸縮性があるので、臨月まで安心して使えます。ゴムまわりや足の付け根にピコレースなどをあしらったものもありますが、肌が弱い人はできるだけシンプルなものを選ぶようにしましょう。 ・浅ばきタイプおなかが小さい初期妊婦さん、深ばきタイプに抵抗がある妊婦さんに人気の「浅ばき」タイプ。下腹部下の位置でおなかを支える仕様で、腹帯と併用して使う人も多いようです。産後も続けて使えるメリットも。 ・ゴムなしタイプおなかにゴムを使わないタイプ。締めつけがなく肌にやさしくフィットするので、はき心地は抜群です。足の付け根のゴムが気になる場合は、ボクサータイプがオススメ。下着のラインがシルエットに響かないので、パンツスタイルが多い人に人気があります。 ●マタニティショーツの選び方デリケートな妊婦さんの肌にオススメなのは、なんといっても、汗をしっかり吸収する綿100%素材。できればオーガニックのもので、洗濯を繰り返してもくたびれない丈夫な素材のものを選ぶとよいでしょう。 クロッチ部分は白色のものを。色や量などおりものの変化に気づきやすく、体調管理の目安になります。 妊娠による体の変化を想定して設計されているため、サイズは妊娠前と同じもので問題ありません。妊娠前にMサイズを購入していた人は、マタニティショーツもMサイズを選んでOK。 ただし、妊娠中にキツく感じるようになったら、1サイズ大きいものに買い替えを。おなかの大きさには個人差があるので、そのときのサイズに合わせ、臨機応変にチェンジするようにしましょう。 履き替えるタイミングは?マタニティショーツへの履き替えはなるべく早いタイミングで、妊娠がわかったらすぐに購入を検討するようしましょう。妊娠初期ははまだおなかの大きさは目立ちませんが、つわりや肌トラブルが目立つ時期。おなかの大きさが目立ち始める妊娠中期以降は、あっという間におなかが大きくなるので、どうせなら、妊娠初期のうちに購入しておくのがおすすめです。 ※参考:基礎知識(妊娠中)「マタニティショーツは使ったほうが良い? メリットや選び方について」
2019年04月18日こんにちは! 助産師のREIKOです。産科特有の診察である内診。妊婦健診やお産のときにするけれど、あれって何を診ているのか気になったことはありませんか?今回は、お産のとき、助産師が内診で何を診ているのかをお話しします。 内診とは?そもそも内診とは、産婦人科の医師や助産師によっておこなわれる基本的な診察方法の1つで、指や専用の器具を腟に挿入して、腟内や子宮、卵巣の状態を診察することです。 助産師は、指の感覚のみで内診をして、お産の進み具合を判断しています。お産のときの内診のタイミングは、陣痛の強さ・間隔やママの表情・訴えなどから判断しておこなっています。 内診で何を診ているの?助産師は、内診のときに子宮口の開大度、子宮頸管の展退度、赤ちゃんの頭の位置、子宮頸管の硬さ、子宮口の位置を診ています。 子宮口の開大度お産が進むにつれて子宮口は開いてきます。最終的に10cmまで開くのですが、助産師は自分の指の太さや指の開き具合から、今どのくらい子宮口が開いているのか判断します。 子宮頸管の展退度子宮頸管の展退度(てんたいど)とは、子宮頸管の長さ・薄さを表しています。子宮頸管は陣痛が来る前、いわば「ちくわ」のような状態です。それが陣痛とともに徐々に短く薄くなっていきます。それを触れた感覚で判断していきます。 赤ちゃんの頭の位置赤ちゃんの頭がどのくらい下がってきているのか、恥骨や骨盤の触れ方で判断します。 子宮頸管の硬さ子宮頸管はお産が進むにつれて、小鼻、くちびる、そしてマシュマロ状と徐々にやわらかくなってきます。子宮頸管に触れた感覚で、今どのような状況なのか判断しています。 子宮口の位置子宮口はお産が進むにつれて前方に向いてきます。子宮口の触れ具合で今どの位置にあるのか判断します。 そのほかにも……それ以外にも、赤ちゃんがちゃんと正しい方向で降りてきているのか、産道の伸びはどうか、感染の兆候はないか……などなど、内診ではさまざまなことを診ています。 これらのことと陣痛の強さや間隔、ママの表情、訴え、赤ちゃんの心音など、総合的に診て、お産が順調に進んでいるのか、今後どうなるのか判断しているんですよ。 内診というと苦手な方が多いと思います。具体的にどんなことをしているかわかると、ちょっと苦手意識も薄れるのではないでしょうか? 内診をスムーズにおこなうにはリラックスが一番! ゆっくり息を吐くようにして内診に臨んでくださいね。 ◆関連動画出産ドキュメンタリー(通常分娩)監修者・著者:助産師 REIKO医療短期大学専攻科(助産学専攻)卒業後、大学附属病院NICU・産婦人科病棟勤務。 大学附属病院で助産師をしながら、私立大学大学院医療看護学研究科修士課程修了。その後、私立大学看護学部母性看護学助教を経て、現在ベビーカレンダーで医療系の記事執筆・監修に携わる。
2019年04月16日「気軽に専門家に質問ができて、さらに返信も早い」とママから日々感謝の声が寄せられているベビーカレンダーの人気コンテンツ【助産師に相談】の掲示板。その中から特に注目をあつめた質問の内容を一部抜粋してご紹介します。今回は、赤ちゃんのクーイングに関するご質問です。 Q. これはクーイングの一種ですか?生後2カ月になったばかりの子ですが、2週間前くらいから、おしゃべりが増えました。「くー、あくー、かえくいこえ」と喋りました。これはクーイングの一種ですか? 宮川めぐみ助産師からの回答お子さんがおしゃべりをするようになってきたのですね。とってもかわいいですよね!かわいくてたまらないかと思います。書いてくださったように、おしゃべりをしてくれているのはクーイングだと思います。おしゃべりをしてくれていたら、引き続き返してあげて、楽しんでくださいね。※参考:ベビーカレンダー「助産師に相談」コーナー※診断や具体的な治療については医師の指示にしたがってください クーイングとは泣き声や叫び声と違って、赤ちゃんが機嫌のよいときに舌を使わない「あー」「うー」「くー」などといった優しい声をクーイングといいます。 クーイングは赤ちゃんが成長して口やのどの形に変化が表れて出る声といわれています。クーイングの始まりは、言葉の発達の始まりと考えてよいでしょう。 クーイングは、英語の「cooing」から来ており、cooingは鳥の鳴き声を意味しています。赤ちゃんの「くー」という発語が、鳩の鳴き声に似ているためクーイングといわれています。 クーイングをしたときの答え方、パパ・ママの対応方法赤ちゃんが「あー」「うー」などのクーイングの発語があれば、パパとママは同じように「あー」「うー」と返してあげましょう。自分の発した声に反応があると赤ちゃんは喜びます。積極的に赤ちゃんに話しかけ、触れあうことで発達にも良い影響を与えます。赤ちゃんも愛情を感じて安心するでしょう。 赤ちゃんは生まれながらにして音の違いがわかるともいわれています。パパやママの声に対して「あーうー」と声を出して反応することもあれば、見つめてにっこり反応する場合もあります。赤ちゃんが声を出して笑うことは、とても大切です。感情表現をすることで心は豊かに育みますし、発語のためのトレーニングとしても効果が期待できます。ぜひ、赤ちゃんとのコミュニケーションを大切にしていきましょう。 クーイングで発する音をまねするのもよいのですが、パパとママから「楽しそうだね」「何をして遊ぼうか」「絵本読もうね」「おなかすいたかな」など、さまざまな言葉を使って話しかけることも大切です。たくさんの言葉は赤ちゃんにとってよい刺激となります。のちに言葉を話すようになると、それまでインプットされていた言葉を使ってさまざまな表現をするようになります。※参考:基礎知識(ベビー)「クーイングとは?いつからはじめる?喃語との違いや答え方について」【監修者:助産師 Yuko】
2019年04月14日2018年生まれの男の子を育てる、まるるさん。ブログ「よーさんと私と」のなかから、無痛分娩の貴重なエピソードをお届けします! 11話目の今回は、「もうすぐ生まれる!」というところで、助産師さんがたくさんの人を連れてきて、まるるさんはビックリ!どこにそんなに人がいたんだ!……ってぐらい、一気にたくさんの人が入ってきました。主治医の先生、途中内診をしてくださった初対面の先生(研修医?とかだったのだろうか)、見たことない助産師さん多数……。 一気にワ~っと来て、ついでに部屋の電気もバッ!とついたので、「ついにその時が来たんだ!」という感じがすごかったです。 このころには産道の出口辺りに明らかな異物感がありました。今考えるとそこに赤ちゃんいたんですね……。なんかすごい。恐怖のおなかぐいぐい、実際は…ドラマ版「コウノドリ」のワンシーンで、赤ちゃんがなかなか生まれないから、助産師さんが妊婦さんのおなかに馬乗りになって力いっぱい押す、というシーンを妊娠中に見て戦慄していたのですが、まさか自分もそれを経験することになるとは。 そしていざ経験してみると、いきむのに必死でおなかを押されて苦しい感覚は一切なかったです。もう相当必死でしたね……。 そして無痛分娩だと麻酔の効きが良すぎて、いきむための力が足りなくなるという説明を事前に受けていたのですが、私ももれなくそれでした。産道にトンテンカンテン、金属製の器具が仕込まれているのを感じたときは「ヒ、ヒェェッ……」となりました(全然痛くはないです)。 ※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。 監修/助産師REIKO著者:イラストレーター まるる夫、2匹の猫とともに、2018年3月生まれの息子を育てるママ会社員。息子の育児絵日記や夫との日常などをブログに綴っています。実はものすごい長文を書くのも好き。
2019年04月12日「気軽に専門家に質問ができて、さらに返信も早い」とママから日々感謝の声が寄せられているベビーカレンダーの人気コンテンツ【助産師に相談】の掲示板。その中から特に注目をあつめた質問の内容を一部抜粋してご紹介します。今回は、出産後のママへの言葉かけに悩むパパからのご相談です。 Q. 妻に日々どんな言葉を投げかけてあげればよいでしょうか?妻が出産してから3カ月経ちました。日によって機嫌の変わり方が大きく違います。そのうちのほとんどがイライラ状態です。私は朝早く仕事に行き、帰りは日が変わってから帰宅します。夜泣きしたら子どもの世話をして、朝は早く起きて2人の世話をしています。妻の知り合いからはわりとよく動く夫と言われているようですが、妻本人からすれば心の支えにはまったくなっていません。私自身もそう感じます。 そこで質問ですが、妻に日々どんな言葉を投げかけてあげればよいでしょうか? 褒めたり、共感したりするとよいと一般的に言われていますが、妻に「包容力がないね!」それに加えて「私の体調が悪いのはあなたが原因だ!」など、マイナスの言葉を言われると何て言えばよいかまったくわからなくなります。私に妻を支える気持ちがなければ気にならないかもしれませんが、何とかしたい気持ちがある分、妻に言われてしまうと正直絶句して言葉が出ません。何かよいアドバイスをお願いします。 宮川めぐみ助産師からの回答質問者さんは奥さまのことをとても大切にされていますね。大切に思っておられるからこそ、このように言葉のかけ方について悩んだり、なんとかしたいと思われるのだと思います。とても素敵だなと思いました。 また奥さまは、質問者さんがお休みのときに、おひとりになれるような時間はありますか? 近くに一人でお茶をしに行かれるのもとてもいいと思います。暖かくもなってきたので、ふらっと少しでもお散歩に行かれるのもいいと思いますよ。もし、ひとりでお出かけすることが難しいようなら、その分おうちでできることをしてみたり、フォローをしてみるのがいいのかなと思いました。 これは、私自身、夫にしてもらえてうれしかったことになります。そして、人によるかもしれませんが、ぎゅーっとハグをしてもらって、背中をさすってもらうことがとてもよかったですよ。背中をさすってもらうのは、とても落ち着きます。息がはーっと抜けていったりします。奥さまは今までにない初めてのことを常に体験しているので、とても肩にも力が入っていると思います。それを溶かしてあげられるかもしれません。質問者さんにハグをしてもらって、奥さまもチャージされるのではないかと思いました。 奥さまにマイナスの言葉を投げかけられても、今のまま言わせてあげることもいいように思いました。同じ土俵に上がらずに受け止めてあげられること、すごいと思いますよ。また平日に半休を取ってみたりされるのはいかがでしょうか? 週末以外にもおうちにいてフォローできる体勢でいるのは、とてもいいのではないかと思いました。※参考:ベビーカレンダー「助産師に相談」コーナー※診断や具体的な治療については医師の指示にしたがってください パパにイライラ…。その原因は?育児に不慣れなパパにイライラしたり、忙しくて普段育児参加できないパパがおそるおそる育児をする様子に怒り口調になったりすることは育児中の多くのママたちが経験することでしょう。出産前はこんな感じではなかったのにと夫婦関係がぎくしゃくして、戸惑うパパも少なくありません。これはパパが育児に不慣れなことや育児参加が少ないことが原因でしょうか。実は、出産後にママの脳からたくさん分泌される「オキシトシン」というホルモンが関係しているのです。 オキシトシンは快の刺激によって愛情が深まりますが、逆に少しでも不快な刺激が与えられると攻撃性が高まるという働きがあります。この働きはわが子を敵から守ろうとするために母親に備わっていると考えられています。つまり、一番の味方であるべきパパが期待するように協力してくれないことで不快な感情が強くなり、ママの攻撃の対象になっているというわけです。 パパにお願いしたいことママは1日中ほとんど慣れない育児やたくさんの家事とでストレスフルな時間を過ごしていますので、ママを労い、向き合って会話をする時間を作りましょう。ただそれだけのことのようですが、パパに、自分の気持ちに寄りそって話を聞いてもらえているということがママのリラックス状態を作り、快の刺激となりオキシトシンが愛情ホルモンとして働くのです。ママがどんなに怒っていたとしてもきちんと向き合って話を聞き、一緒にママの悩みを考えていきましょう。きっと攻撃性のホルモンから愛情ホルモンに変わりますよ。 そして、ママもたまには息抜きをしましょう。パパにお子さんを預けてショッピングをしたり、お友達とお茶をしたり、体を動かすのもいいですね。一時的に「ママ」の時間から離れ、一人の女性としての時間を持つことでリフレッシュし、また日々の育児を頑張れるようになれます。 育児にお休みはなく、日々の生活に追われる中でママの緊張感やストレスはとても大きいものになっています。パパも、ママの大変さを理解して、いつも夫婦で向き合い、寄り添いあい、助けあっていくことが大切ですね。パパにできることは育児を担うことだけではありませんが、たまには「ママのリフレッシュ休暇」を作れるといいですね。※参考:ニュース(ママネタ)「産後、夫にイライラが止まらない理由と男性にお願いしたほうがいいこと」【著者:助産師 高杉絵理】
2019年04月12日ベビーカレンダーの「助産師に相談」コーナーでおなじみ、宮川めぐみさんが2018年12月に長女を出産! 助産師の子育てって、どんな感じ? 育児のコツをのぞかせてもらいました! 毎月こっちゃんの1日の様子や成長をご紹介します。 生後3カ月、こっちゃんの1日3:50おまるでおしっこ、授乳 7:30おまるでおしっこ、うんち、授乳授乳を終えて朝食をとり、その後洗濯などの家事を夫と分担。その合間にベビーカレンダーのお仕事(助産師に相談コーナーのお返事)もちょこちょこ。 11:30授乳、昼食この日は出かける予定があったため、慌ただしく昼食をとりました。 12:30お出かけお食い初めをするために、みんなで夫の実家へ。こっちゃんは2回目の新幹線です! 14:30授乳(新幹線の中)新幹線の中でこっちゃんはスヤスヤねんね。ママはその間にベビーカレンダーのお仕事の続き。 16:30夫の実家に到着、授乳 18:30お食い初めスタート パパに抱っこしてもらって、おばあちゃんがお口のそばに小石や黒豆などを運んでもくれました。こっちゃんはニコニコご機嫌で、「アムアムしてごらん!」と声をかけながら口を動かしてみると、真似をして口を動かしてくれました。 19:45授乳 20:20お風呂お風呂から上がって授乳し、そのままねんね。 22:30授乳わたしも疲れていたので、添い寝をしながら就寝。 生後3カ月、今の様子メモ ■身長/体重62cm / 6.0kg ■服のサイズ60~70cm ■おむつのサイズSサイズ(日中は布おむつを使用、夜間のみ紙おむつ) ■睡眠・お昼寝の時間日中は1~2時間のお昼寝を3回くらい。夜は4~5時間続けて寝てくれます。 ■授乳回数母乳で10回前後 ■おしっこの回数10回前後 ■うんちの回数3~4回 ■今月できるようになったこと・変化・拳をじーっと見つめる・拳を口に入れる・音のするほうを見つめたり目で追ったりする・両足をおなかのほうに引き寄せるように上げて手でふくらはぎをつかむ・おしゃべりが増え、1人で遊んでいる時間が増えた・おしゃべりや泣き声の声量が大きくなった・遊び飲みをすることがでてきた 生後3カ月の時期を振り返って生後100日を迎えたこっちゃん。今月はいろいろな経験をしました。まず、お食い初めのお祝い。新幹線に乗る前は私が少し心配していたのですが、いざ乗ってみると寝ている時間も多く、少し泣いても授乳をすれば落ち着いてくれて、一安心。到着後もご機嫌で、楽しくにぎやかにお食い初めを終えることができました。 さらに、わたしの仕事に同行してもらったことも初めての経験でした。ベビーカレンダーの動画撮影やその打合せに連れて行きました。慣れない環境やいつもと違う私の雰囲気を察してか、落ち着かずに泣いてしまうことも多かったです。でも、こうやって母子ともに経験値が上がっていく……そんな感じがしています。 休職中だったパパがこれから少しずつ仕事復帰していくので、こっちゃんと2人で過ごすことが多くなっていきます。これまでパパの存在がとても頼りになっていたので心配もありますが、少しずつ慣れていきたいと思います。 監修者:助産師 特定非営利活動法人だっことおんぶの研究所認定 ベビーウェアリングコンシェルジュ 宮川めぐみ2001年京都第二赤十字看護専門学校卒業、2002年国立病院東京医療センター附属東が丘看護助産学校助産学科卒業。産科病棟にて約12年間助産師として勤務し、多くの妊産婦、褥婦、新生児のケアに関わる。2013年に退職後パリで数カ月過ごし、自分自身と向き合う。大切にしていきたいことなどに気づいて「lier」を立ち上げ、個人の活動を開始する。現在、東京23区内で新生児訪問、母乳育児相談を中心に母子のケアに携わる。
2019年04月11日「気軽に専門家に質問ができて、さらに返信も早い」とママから日々感謝の声が寄せられているベビーカレンダーの人気コンテンツ【助産師に相談】の掲示板。その中から特に注目をあつめた質問の内容を一部抜粋してご紹介します。今回は、赤ちゃんの熱性けいれんに関するご相談です。 Q. 熱性けいれんの正しい対処法がわかりませんネットで育児ブログなど読み、熱性けいれんのことを知りました。ただ、熱性けいれんの正しい対処法がわかりません。どのような症状が出たら救急車を呼んでいいのでしょうか? 子どもが熱性けいれんになってしまったとき、私はパニックになってしまいそうで怖いです。 高塚あきこ助産師からの回答熱性けいれんは、乳幼児が発熱の際に、全身がリズミカルにガタガタとけいれんするものです。一般的には38.0度以上の発熱時に起こると言われていて、パパさんかママさんのどちらかが、熱性けいれんを起こしたことがある場合には、お子さんも熱性けいれんを引き起こす確率も高くなると言われていますよ。また、熱性けいれんを何度も起こす確率は、15%程度と言われていますが、ご両親の熱性けいれんの既往や1歳未満で熱性けいれんを発症したことがある、発熱して1時間も経たずにけいれんした、熱が39度以下でけいれんした、のいずれか1つでも当てはまる場合は、再発率は30%と高くなると言われています。目の前でお子さんが熱性けいれんを起こしてしまうと、ママさんはパニックになってしまいますよね。お気持ちよくわかりますよ。ですが、熱性けいれん自体が生命に関わる可能性は低いと言われていますので、まずは、冷静に落ち着いて対応することが大切です。 熱性けいれんは、長いように感じても1〜2分で収まることも多く、けいれん後に泣いたり、ご家族のことを認識できたり、意思疎通が可能であれば、慌てずに様子をみてくださいね。あまり余裕はないかもしれませんが、動画などに収めていただくと、受診の際に、診断しやすいこともありますので、もし、状況が可能なら、動画などを取っておくといいかもしれません。 特にその後の様子にお変わりなければ、かかりつけの小児科に受診してくださいね。また、もしけいれんが持続する、けいれんは止まっているけれど目が合わない、意識がはっきりしないようなときには、すぐに救急車を呼んでくださいね。※参考:ベビーカレンダー「助産師に相談」コーナー※診断や具体的な治療については医師の指示にしたがってください 熱性けいれんを起こしたときの対処法 1)『熱性けいれん』は、小児期でもっとも多いけいれんとされていて生後6カ月~5歳の間、38度以上の発熱にともなって引き起こります。一般的には数十秒で終わりますが、時に、1分以上続くこともあります。 2)けいれんが起きたときに、赤ちゃんを揺さぶったり、大きな声で赤ちゃんを呼んだりしてはいけません。余計な刺激を与えることで、けいれんが長引いてしまう恐れがあります。落ち着いて、赤ちゃんのそばにいて状況を観察しましょう。 3)赤ちゃんの衣服を緩め(特に首回り) 4)横向きに、寝かせましょう。 5)その際、嘔吐したら、嘔吐物を喉に詰まらせないよう拭き取り顔を横に向けます。 6)あわてて口の中に指やタオルを入れないようにしてください。 7)けいれんを起こしたときの状況(体温・発症時間・けいれんの持続時間など)をわかる範囲でメモしておきましょう。 8)クーリングをしていない場合は、クーリングを開始しましょう。タオルケットなどをかけている場合は、減らしたり薄手のものに交換しましょう。 9)また、医師からけいれん止めの坐薬が処方されている場合は、必ず医師の指示に従って、用法・用量を守って使用しましょう。 ※参考:ニュース(医療)「赤ちゃんの『熱性けいれん』、実例と小児科医による対処法を動画で解説!」【監修者:医師 三石 知左子 先生 小児科 | 葛飾赤十字産院院長】 ベビーカレンダーは、妊娠や育児のお悩みを抱えたママさんの強い味方でありたいと思っています。自分だけではどうしても解決できなかったとき、不安で仕方がないときは本物の助産師や管理栄養士がリアルタイムでお悩みや質問にお答えする『助産師に相談』『管理栄養士に相談』の掲示板をぜひご活用ください!
2019年04月10日んぎまむさん、いよいよ無痛分娩にて出産間近! 点滴・陣痛促進剤、硬膜外麻酔をおこない、いよいよ出産かと思いきや、担当医に「いったん陣痛促進剤休んで、また明日朝からチャレンジする?」と言われ、指示に従うことに。出された夕飯を一心不乱に食べるマッマ。昨晩の夕飯から何も食べずに約1日経っていたのもあり、おなかはめちゃくちゃ空いていたのだ。 しかし、助産師さんの「旦那さんもいっしょに食べちゃって」という謎の台詞。真意がわからず、「パッパの夕飯は出ないから、かわいそうだからかな?」と思い、一応食べるか聞いて、いらないというのでひとりでたいらげたマッマ。 おぼんをさげにきた看護師さんに「全部自分で食べられたの!? すごいね」と驚かれる。「みんなね、全部食べきれなくて、ほとんど旦那さんが食べるのよ」とのこと。 なるほどな! そういう意味か!こんな状況でも食欲旺盛なマッマは、見事に全部たいらげて、自分の生命力の強さを感心するのでした。 著者:イラストレーター んぎまむ2017年1月18日生まれの女の子、「んぎぃちゃん」を子育て中。イラスト・漫画制作中心の在宅クリエイター。ベビーカレンダーでは、んぎぃちゃんを妊娠中から出産、育児まで怒涛のんぎまむライフを「んぎぃちゃんカレンダー」として連載中。
2019年03月23日赤ちゃんからの性教育?「赤ちゃんからの性教育」と聞いてどんな印象を受けますか?「性教育」?まだまだ早い!そう思うママも多いのでは?わが家の子どもたちは、小6・小4・小2。このくらいの年齢になってくると、親としてそろそろきちんと考えないとね、私自身そんな気持ちでした。でも、今回助産師あいこさん(京都府助産師会性教育事業代表/子育て支援団体京mom~キレイ代表・渡邉安衣子さん)の乳幼児ママ向けの「子どもと性の話をするためのヒント」を聞いてみて、「もっと早くからきちんと知っておくべきだった」と思うことがいっぱいありました。これはみなさんにぜひお伝えせねばと、私が講座を受けて感じたことを中心にご報告します。「赤ちゃんからでも早くはありません」の意味実際に赤ちゃんに性について何かを教えるわけではもちろんありません。人間は、赤ちゃんのうちから3つの粘膜(口、肛門、性器)で得られる性的な粘膜快感を感じていると言われています。「おっぱいを飲むことが気持ちいい、おむつをきれいにしてもらったら心地よく感じる」というようなことです。このような赤ちゃんが感じる快感を愛情を注ぐことでしっかりと感じさせてあげながら、親の方では来たるべき性の質問が多くなる幼児期を迎える準備をしていくことが大切です。子どもたちに絵本を使って赤ちゃんが生まれてくる様子を説明するあいこさん性教育は体への自尊感情を育むことが大切「おちんちんをいつも触っています。どうしたらいいですか?」男の子のお母さんからよく聞かれる質問だそうですが、確かに男の子、よく触ってたりしますよね。親としてはやはり人前ではやめてほしい!そんなとき、どうしますか?「はずかしいからやめなさい!」もしくは「きたないからさわらないで!」でしょうか?あいこさんいわく、怒られると隠れてするようになったり、性教育の土台となる体への自尊感情が育たなくなってしまうのだそうです。親の見えないところでするようになると、性被害に巻き込まれる可能性も高くなります。まずは、「大事な場所だから、触りたいときはきれいな手で触ること」「ひとりだけの時にすること」など、触ることを否定せずに、大事な約束事を伝えましょう。これは、男の子だけでなく、女の子も同じです。自分だけの大切な場所なんだよ、ということをしっかりと伝えていきたいと思います。絵本や年齢に応じてわかりやすく説明された本を使ってなら、話しにくいことも伝えやすいかもしれません子どもの質問にはごまかさずに答える「赤ちゃんってどうやったらできるの?どこから生まれてくるの?」これは4~5歳児くらいの子にとても多く聞かれる質問だそうです。そういえば、うちの子にも聞かれたわ、というママパパも多いのではないでしょうか。ついはずかしくって、「そんなこと聞かないの」「大人になったらわかるわよ」などと、はぐらかしてしまいそうになりませんか?でも、ごまかしたり叱ったりせずに聞かれた時にきちんと答えることが、何を聞いても大丈夫という安心できる親子関係を築くことになるんだそうです。「そんなこと聞かないの」と言われたら、聞いてはいけないんだ、親は教えてくれないんだと思って、そのうち情報を得るために自分でネットにアクセスして不必要な不適切な情報までも得ることになりがちです。子どもにとっては、「うさぎの耳はなんで長いの?」と同じレベルの疑問。うそをつかず、ごまかさずに答えられるようにしたいですね。年齢によっては、絵本を使って説明をしたり、一緒におふろに入った時に「性器は大事なところだから自分できれいにしようね」などと声をかけたり、わかりやすい言葉で納得できるように伝えていきましょう。大切なことは、小さいころから親子で話せる関係をしっかり築いておくこと!私がこの講座を受けて感じたのは、親子で話せる関係をしっかり作っておくことが一番大事なのだということ。「8歳くらいまでに体や性に対する健やかな感性やイメージが育っていれば、あとからそれをゆがめるような情報が入ってきても、自分でバランスよく判断できる」とあいこさんは言います。今はネット社会。子どもたちが興味本位でいろんな情報を得ることができます。親が見てほしくないと思うようなゆがんだ情報も世の中にあふれています。そんな情報から守ってあげられるのは、小さいころからの親子の対話なんだなぁ、と感じました。すでに思春期に入りつつあるわが子たち。今からでもママに聞いても「否定されない」「怒られない」と思えるような、そして何か困ったことがあったときには一番信頼できるママに聞いてみようと思える、そんな関係を作っていきたいです。京momキレイ
2019年01月19日こんにちは。こじめです。今回は未知なる陣痛や分娩の痛みに不安を抱えているプレママさん達に、私が救われた助産師さんの「ある言葉」を贈りたいと思います。初めての出産って本当に全てが未知ですから、どのくらい痛いのか想像もつかないんですよね。実際に鼻からスイカが出てこれる訳が無いけど、出産経験者はみんな「ああそうそう、まさにそんな感じ」と口を揃えて言いますし…。お腹が大きくなり胎動が激しくなってくると、今まで以上にお腹の赤ちゃんの存在を感じられて幸せですよね。それと同時に襲い来る不安、不安、超不安……そんな時参加した初産婦向けの母親学級で、助産師さんの言葉を聞いて愕然としました。助産師さんの言葉は以下のようなものでした。「皆さん出産を控えて、どれくらい痛いのかと不安に思われてると思います。でも言ってしまえば、お母さんが痛いのは子宮だけですよ。まぁ腰も痛みますけど、それだって人体のほんの数ヶ所痛いだけです。でも赤ちゃんは全身ですよ?想像してみてください、ご自分が全身余すところなくギュウギュウに締め付けられながら何時間も耐えて、出てくる時はものすごい力で押し出されるんです。それを皆さんのお腹の中に入るくらい小さな赤ちゃんが耐えながら、頑張って産まれてくるんですよ。痛いのはお母さんだけじゃないどころか、むしろ赤ちゃんの方が痛い思いをするんです。そう思えば、どんなに痛くて過酷な出産も乗り切れそうですよね?」モチベーションの維持は大事私自身の出産の時で言うと「赤ちゃんの方が痛い思いをしている」という情報は、モチベーションを保つ上でとても重要でした。その言葉があったからこそ、一緒に頑張っていると思えたからこそ、ほとんど取り乱さずに出産を終えることが出来ました!勿論赤ちゃん本人にインタビューした訳じゃないでしょうから、真否は不明ですが(笑)それでもその言葉が無ければ、暴れ回って泣き叫んでいたと思います。エール!!まぁそうはいっても、陣痛は本当に生理痛の100倍(当社比)でしたし、分娩は鼻からスイカだし毛穴からミカンでした。そして今回の記事に関しては、自然分娩予定のプレママさんに向けて書かせて頂きましたが……正直!自然分娩だろうが帝王切開だろうが無痛分娩だろうが、痛いものは痛いんです!特に私は手術をした経験が無いので、帝王切開が未知すぎて本当に怖くて仕方ありません。帝王切開を乗り越えたお母さん達、すごいと思う。それぞれ痛みを伴う出産方法ですが、しかし一度腹を括れば女は強いものです。陣痛が来ればもう産むしかなくて、「ちょっとしんどいから一旦やめて明日また頑張るわ……」なんて事は出来ません(笑)今は不安でも、その時になれば必ず乗り越えられます!それに痛みの先にある我が子との対面は、何物にも代えられない一生の思い出。プレママの皆様が無事に痛みを乗り越えて、可愛い可愛い赤ちゃんと感動のご対面が出来る事をお祈りしております!●イラストライター/こじめ
2019年01月18日私は母子同室でした。自分の部屋で授乳すればよかったのですが、助産師さんがいる授乳室の雰囲気が大好きだったので、いつもここで授乳していました。■素晴らしい助産師さん産まれたばかりの赤ちゃん、やさしく声をかける助産師さん…。その光景を見ているのが好きでした。時々、私にも話しかけてくれてうれしかったです。入院している間ってほんの少しなんですよね~。でもこの少しの間がものすごく幸せだったし、貴重な時間だったなって思います。もし初めから助産師さんという仕事を知っていたら、絶対に目指していたなと思うくらい、憧れるし、尊敬する職業です。
2018年12月20日たらちね助産院院長、大坪三保子先生にお話を聞く連載。小さなママ・コミュニティの大事さをうかがった 第1回 、情報に振り回され過ぎない子育てをうかがった 第2回 に続き、最終回は育児に忙しいお母さんが無理なくできて、自分を癒せるセルフケアについてうかがいました。お話をうかがったのは…大坪三保子先生(たらちね助産院院長)久留米大学看護専門学校、熊本大学医療技術専門短期大学助産学科卒業。たらちね助産院院長、助産師・看護師。子育て支援グループamigo顧問。母と子のウェルネス研究会幹事。『はじめてのベビーマッサージ』(保健同人社)、『安産のための体と心をつくるHappyマタニティ・ヨガDVD付』『キレイで元気なママになるHappy産後ヨガDVD付』(共に高橋書店)など著書多数。 ・たらちね助産院 ■育児のコリ・ストレス・緊張「タオル1枚でときほぐす」マタニティ、産後ヨガクラスを長年開催している大坪先生。出産したばかりのママ、子育て中のママのセルフケアには、ヨガの呼吸法や動き、心の持ち方を取り入れています。大坪三保子先生(以下大坪先生):お母さんたちにはよく「脈をとってみましょう」と言っています。ちょっとやってみましょうか? 左手首の親指側に右手の人差し指、中指、薬指3本を置いて、自分の脈を感じてみてください。自分の脈を感じているときって呼吸はどうなりますか? 吸う息と吐く息、どちらを意識するようになりますか?──ゆっくりになりますね。そして特に吐く息を意識しているように思います。大坪先生:そうですね。脈をとるというのは、自分の身体を感じようとしていることなんですけど、呼吸がゆっくりになります。そして、呼吸がゆっくりになると、自分の身体や心を感じて穏やかな気持ちになります。そうすると、「自分自身の身体と心の穏やかな状態のなかで、生きるための判断ができるようになる」という自分の芯の部分とつながれる感覚が芽生えると言われています。ヨガでは、それを理知と呼んでいるそうです。──久しぶりに自分の脈を感じました。自分の体を感じることで、わかることがあるんですね。大坪先生:日々の生活で、自分が「ここにある」という感覚になるのはなかなか難しいと思うのですが、そういう感覚になるために、ヨガではポーズをとったり瞑想をしたりしますよね。瞑想すると呼吸がゆっくりになって、自分の心を止めることはできないんですけど、穏やかになる。そうすると、自分が今なすべきこと、なさざるべきことが見えてくると言われています。そのために脈をとることをご紹介しましたが、それ以外に少し感じにくいところを感じてみる方法もあります。どこにでもあるふつうのタオルを使ってできますよ。──フェイスタオルを使うんですね。大坪先生:例えば、背中ってふだん、あまり感じないですよね。ちょっと仰向けになって、肩甲骨のあたりにタオルを入れるんです。肩甲骨の下に入れると胸が広がるので、授乳や日常の作業で前かがみになりがちな方にいいですよ。ちょっとタオルを置いただけで体の感覚が変わりませんか?──タオルを置いた部分を意識しますね。そして、なんだか眠くなりました。大坪先生:あとは、正座をしてみてください。頭の上にタオルを置いてみますね。タオルを置かれると「タオルを落としたくないな」と姿勢が変わりますよね。これだけでも感覚が変わるんです。鼻がだんだん抜けてきて、呼吸が楽になる。腹筋もしゃきっとしますよね。──タオル一枚で、できるのがいいですね。大坪先生:妊婦さんにもするんですけれど、足首の下に置いたり、おなかの緊張をとりたい方は膝下に置いてもいいと思います。腱鞘炎になっている方は、ひじの下に入れるとすごく楽になります。ふだん、よく使っている関節のところに置くのがいいと思います。関節って筋肉がついているところとついていないところの接点なので、重力の影響を受けているところにタオルをあてがってあげるんですね。■たった5分で忙しい心をリセット──時間はどのくらいがいいのですか?大坪先生:3分から5分くらいでも十分ですよ。あまり長くやると昼間は反って眠気が強くなったりするので、10分程度でも十分です。もちろんそのまま夜は寝てしまっても大丈夫ですよ。赤ちゃんがいる忙しい生活の中で、5分という時間だけでも、リセットできると思います。緊張がとれて気持ちも楽になるという方もいます。5分間、楽にしたいなというところにタオルをおいていただくだけなので、ぜひ試してみてください。■寝る前に安らかな気持ちになることも大事大坪先生:それから、夜はできるだけ安らかな気持ちで眠りにつくことは大事だと思います。明治生まれの祖母が「夫婦げんかは夜してはだめ。日中に話し合うこと」とよく言っていました。夫婦でいると話し合うことはもちろん必要ですが、いつも気持ちが通じ合うことは難しいかもしれません。ですが、夜に興奮しすぎてしまうと気持ちが収まりにくくなります。交感神経がたかぶることで眠れなくなりますし、自律神経のバランスを崩してしまいます。寝る前は穏やかな気持ちで寝たほうがいいですよね。──そのためにはどうしたらいいですか?大坪先生:パートナーとお互いに寝る前のルール―を決めるというのはどうでしょうか。お互い穏やかな気持ちで眠りにつくために、「けんかをしていても『おやすみなさい』は言おうね」とか、寝る前にパートナーに何かひとつでもいいから褒めてもらうとか、優しく「おやすみ」と言ってもらうだけでもいいと思います。──あいさつだけでもいいんですね。大坪先生:「おはようございます」「ありがとう」「おやすみなさい」は魔法の言葉ではないでしょうか。さまざま出来事があっても、そこで仕切り直しができる言葉です。何か魔法の言葉をひとつ決めておく、もしくはふるまいを決めておくと、これだけは守るというルールになっていいと思います。肩をさするなどスキンシップをして寝るのでもいいですね。──家族間のコミュニケーションが大切ということですね。大坪先生:家族という単位で、さまざまなことを乗り越えていかれると思いますが、そこでのストレスを軽減して家族の絆を深めていただきたいです。そういうストレスは、弱いところに影響が出てしまいがちです。「親しき仲にも礼儀あり」ではないけれど、話し合い折り合いをつけ、相手を思いやって関係性を培っていく働きかけを、お互いが心がけていく。その中で、子どもとの関係も育っていくのではないでしょうか。元気な朝を迎えるために、眠りにつくときは安らかな気持ちになる儀式をつくるといいですね。シングルマザーの方も、赤ちゃんと二人きりで頑張りすぎず、家族や友人、地域の支援者とのコミュニケーションをとられることをおすすめしてます。「子どもを育てるには村が必要」と言われていますが、誰かと気持ちをわかち合うことで、子育てがぐっと楽になると思います。全3回の取材をさせていただいた中で印象に残ったのは、忙しい中でも自分の気持ちを理解しながら子育てをする大切さでした。そして、自分の気持ちを理解するためには、家族をはじめ、身近な方とのコミュニケーションが大切ということ。そういえば、忙しい日々の中で自分の気持ちや家族の気持ちが置いてけぼりになってしまうことが、当たり前のようになりがちだな…とそんなことを考えました。もうかなり大きくなった小中学生のわが子への向き合う気持ちも、少しだけ変えようと思えた取材でした。取材協力: ・NPO法人子育て支援グループamigo 世田谷区松原を拠点に 2001年から「産前産後」に特化して活動、2014年5月より特定非営利活動法人に。“一緒に楽しく子育てしようよ!”を合言葉に、助産師や保育士と連携しながら、生まれてくる子どもたちとその親が、地域の温かい人間関係の中で支えられ、すこやかに成長していくことができるよう、出産・育児を支援。大坪三保子先生のお話やベビーヨガ、ベビーマッサージが掲載されている冊子をホームページで販売。
2018年11月08日たらちね助産院院長、大坪三保子先生にお話を聞く連載。 第1回 は、乳児を育てているママたちには、小さなママ・コミュニティが大きな助けになるという話をうかがいました。第2回は、大坪先生が取材中に何度も口にされた「腑(ふ)に落ちる」子育てについて考えます。お話をうかがったのは…大坪三保子先生(たらちね助産院院長)久留米大学看護専門学校、熊本大学医療技術専門短期大学助産学科卒業。たらちね助産院院長、助産師・看護師。子育て支援グループamigo顧問。母と子のウェルネス研究会幹事。『はじめてのベビーマッサージ』(保健同人社)、『安産のための体と心をつくるHappyマタニティ・ヨガDVD付』『キレイで元気なママになるHappy産後ヨガDVD付』(共に高橋書店)など著書多数。 ・たらちね助産院 ■「自分はなにがしたい?」あふれる子育て情報の取捨選択──第2回はいろいろな子育て情報があふれているなかで、どうやって子育てをしたらいいかを中心におうかがいます。大坪三保子先生(以下大坪先生):人間は不安なことがあると、最悪の事態を考えがちです。不安なことや危険なことを調べるのはいいのですが、ネットで世界中から情報が入るので、深く掘りすぎてしまう傾向はあると思います。──不安を助長させる傾向があるということですね?大坪先生:センセーショナルではない平凡な情報はかき消されていきますよね。わりと極端な情報がいつまでも残る傾向はあると思います。例えば、「完全母乳」という言葉も、育児に「完全」や「不完全」があるわけではなく、学術的な調査研究の世界で、人工乳の期間を分けなくてはいけないので「母乳だけの期間(Excluseive breastfeeding)」というような使い方を最初はされていました。それが、言葉を短くした造語もできて、「私カンポじゃないんです」などと使われるようになりました。──「完全母乳」がもともと学術用語だったとは知りませんでした。大坪先生:その言葉が一人歩きをして、時にはお母さんたちが自分自身を責めてしまうこともあるようです。母乳で育てたい母親を支援する NPO法人ラ・レーチェ・リーグ日本 では「使いません『完全母乳(完母)』という言葉~一人ひとりの子育てに寄り添って~」という声明を出しています。( 参照)──言葉の影響が時に大きいということですね。大坪先生:赤ちゃんは、お母さんが穏やかなやさしい気持ちでいてくれていることで、赤ちゃん自身もうれしいみたいです。赤ちゃん自身を見つめて微笑んでもらったり、やさしい言葉かけやなでてもらう時間や抱っこの時間が度々あったりすることで落ち着いていられます。そのためには、情報をなにかと比べたり責めたりすることではなく、気持ちを整理することに使うとよろしいのではないでしょうか。自分が腑に落ちているかモヤモヤしているのか、まずは感じることがその後につながるのではないでしょうか。知り得た情報を誰かと共有し気持ちを分かち合うことができれば、なお納得することに役立つのではないかと思います。──気持ちを受けとめてもらうのは、LINEなどのSNSを通してでもいいのですか?大坪先生:文字情報は、自分が読みたいように読む、切り取りたいように切り取る、という傾向があるので、そのことも含めて使用することが必要かもしれません。人間はコミュニケーションをとる時、相手のジェスチャーや顔色、目などのボディランゲージを見ながら会話を成り立たせているので、やはり誰かと直接話すことは大事じゃないかしらと思います。第1回目で話したような集まりを利用するのもいいし、家族に自分の気持ちを話すなども有用だと思います。──身近な存在である家族とコミュニケーションをとれればいいですね。大坪先生:仲が良かった夫婦でも産後に仲が悪くなったと話す方もいますが、「あなたがやらないからじゃない」など方法を言い合って責めてもつらいですね。相手の気持ちはどうなのかと注目するだけでも理解がすすむこともあるようです。■授乳や排せつの回数・量「大切なのは“記録より五感”」──育児アプリなどについてはどのように考えていらっしゃいますか?大坪先生:育児アプリ使用されている方が増えていますね。授乳の度に記録をずっとつけていらっしゃるかたもありますね。──授乳の回数や量、排せつなどの記録はつけた方がいいですか?大坪先生:お子さんが病気の場合や、医師や医療従事者から「しばらく情報共有したいので」と依頼されていたらその期間は必要です。そうではない場合は、記録よりはお母さんの感覚もとても大切だと思います。授乳の回数、時間よりは、母乳ならお母さんの飲み取られている感覚、ウンチのいつもの様子とかですね。回数や時間にとらわれていると、その事柄自体がよく見えていないことってありますよね。「どんなウンチでした?」と聞かれると答えられないとか…。──確かに、オムツなどよく見ないでさっさと交換していました。大坪先生:「紙オムツにしているおしっこ、どんな感じでした?」と聞くとみなさん「え?」って答えますよ。「おしっこは出ているようだけど、おむつは乾いていました」など、回数よりもぬれ心地とか、赤ちゃんの表情が大事な情報なんですね。だから、五感で感じてください、とよくお母さんにお話しています。──目で見る以外にどうすればいいのでしょうか?大坪先生:目でみるだけではなく、肌で感じてください。においも感じてください。赤ちゃんを五感で感じてくださいね。時々、「目の情報が多すぎるなと思ったら目を閉じてください」とお話しています。目を閉じて赤ちゃんのおなかに触れてみる、汚れたおむつのぬれ具合を触ってみるなどをしてみると、感覚がぐっと上がってきます。──手で触れる感覚が大事だと考えて、先生はベビーマッサージをすすめられているのですか?大坪先生:手の感覚は大事ですね。お母さんが体で感じることが大事だと思います。抱っこも縦抱きや横抱きしなければいけないわけではなく、赤ちゃんが穏やかで気持ちよさそうににこにこっとしてくれればいいのです。そういった赤ちゃんが心地いい抱き方って、お母さんが緊張をゆるめて手で感じないとなかなかできないですよね。──初めての育児だと、なにが正解かまるで分からない状態ですが、やはり自分の五感で培っていくしかないということですね? そうすると、情報としてはどんな情報を得ていけばいいのでしょうか?大坪先生:お母さん自身が穏やかでいれば、必要な情報が見えてきて、聞こえてくるのではないでしょうか? 極端な情報ばかり追いかけることもなくなるかと思います。──母親が穏やかな気持ちでいることが大事なんですね。大坪先生:自分の心と相談する。ゆっくり深呼吸してみてもいいかもしれません。そのために、誰かに気持ちを聞いてもらい、相談する。そして、自分が情報にとらわれ過ぎて赤ちゃんの表情が読めなくなったら、しばらくスマホやパソコンから離れてみるのも必要かもしれませんね。■「ハイハイしないけど大丈夫?」赤ちゃん自身の成長する力を信じる──それでもついつい「より良い発達・発育」を求めて情報検索をしてしまいがちです。大坪先生:赤ちゃんには「成長しよう」という欲求があります。今、NHKの番組『みんなで筋肉体操』が流行っているそうですが、そこで紹介されている体操は赤ちゃんの動きにそっくりなものも多いんです。スクワットが良い例ですね。つかまり立ちを始めた赤ちゃんってずっとスクワットみたいな動作をしていることがあるでしょう? 赤ちゃんの自然な欲求として、次の発達に結びつく動作を自発的にするんです。──赤ちゃん自身が自分になにが必要かを知っているということですか?大坪先生:ハイハイをしないお子さんもいるので、「ハイハイしないといけないですか?」と聞かれることもあります。でも、ハイハイしないで立てるようになり、歩く方法を自分で身につけていくお子さんもいます。子どもの発達は自分のやりやすいところからやるので、それを無理に妨げる必要はないと思います。──「ハイハイしなければいけない」などと情報に振り回され過ぎず、まずはわが子を穏やかに気持ちで見守るといいのですね。今日はありがとうございました。大坪先生が頻繁に使われている「腑(ふ)に落ちる」という言葉を辞書で調べると、腑とは、「1.はらわた。内臓。胃 2.心。心根。性根」をさし、腑に落ちるとは、「納得がいく、合点がいく」( 小学館 デジタル大辞泉 より)という意味を持っています。先生がこの言葉を使われているのは、頭だけではなく、肝の部分から自分で納得していくことが、忙しく情報の多い現代社会の子育てで大切なことと伝えるためだと感じました。最終回は、忙しいママでもできる1日5分のセルフケアについておうかがいします。
2018年11月02日世の中では「子育て支援」がうたわれているけれど、まだまだ産後の子育てに四苦八苦しているママはたくさんいるのではないでしょうか。ベビーマッサージや産後ヨガの著作も多数ある、たらちね助産院院長の大坪三保子先生は、子育て中のママやパパと日々向き合って支えています。そんな大坪先生に、乳児を育てるママが少しでも快適に過ごすためのお話をうかがいました。お話をうかがったのは…大坪三保子先生(たらちね助産院院長)久留米大学看護専門学校、熊本大学医療技術専門短期大学助産学科卒業。たらちね助産院院長、助産師・看護師。子育て支援グループamigo顧問。母と子のウェルネス研究会幹事。『はじめてのベビーマッサージ』(保健同人社)、『安産のための体と心をつくるHappyマタニティ・ヨガDVD付』『キレイで元気なママになるHappy産後ヨガDVD付』(共に高橋書店)など著書多数。 ・たらちね助産院 ■ママの悩み「自分の時間がない」を解消する3つの“間”──乳児を育児中のママには5~10人程度の小さなママ・コミュニティに参加するのがおすすめとうかがいました。大坪三保子先生(以下:大坪先生):子育ての孤独感を癒すには、ピアサポートと呼ばれる、同じような課題に直面する人同士が互いに支えあうことが大切と言われています。さらに、少人数のグループであれば、相手の話が聞きやすく自分も話しやすいので、お互いの支え合う力が引き出されやすいようです。子育て支援では「時間、空間、仲間の三間(さんま)」が大切と言われるのですが、時間、空間を共有する仲間ができると、自分の気持ちを吐き出せたり、自分自身を見つめ直したりできます。子どもを生むと「自分が自分でなくなる」「自分の時間がない」とストレスに感じる方もあるようですが、同じように子育てに悩む母親の話や気持ちを聞いたり話したりするうちに、共感しあうことで穏やかな気持ちになれるようです。──ママ一人だとなかなか難しいということですか?大坪先生:一人でいてはダメということではないのですが、考えが広がりにくく、不安要素が強い時などは視野がそこに集中しがちです。例えば、赤ちゃんの泣き声って救急車のサイレンよりも心拍数を上げ、人をドキドキさせると言われていますが、赤ちゃんが泣いていると「なにかしてあげなくちゃ」と不安になりますよね。でも、それが誰か知り合いと一緒にいる時だったら、不安は薄まりませんか? むしろ、ずっと泣いていた赤ちゃんが泣き止んだら、その場にいる人がみんな「あーよかった」と共感し連帯感が生まれたりしますよね。──仲間といれば、赤ちゃんが泣いても、不安ではなく共感が生まれることがあるということですね。それでは具体的に、どのような場所に出かけたら、ママ・コミュニティに参加できるのでしょうか。大坪先生:やはり子育て中は地元の集まりがおすすめです。ご近所に知り合いができると、災害時の安心や防犯にもつながります。2回、3回と同じ人と会えば親しく感じることができるので、できれば同じところに2、3回以上通えればなおいいと思います。■ママの集まり「小さなコミュニティ“2つのメリット”」──小さなコミュニティがおすすめの理由はほかにもありますか?大坪先生:出産すると生活が大きく変わり、今まで経験したことのないことが次から次へと起こります。戸惑いや不安からネット情報収集に走ってしまいがちになる方も多いのではないでしょうか。そのようにとまどいながら日常生活を送っている中で、遠方への外出やたくさんの人とのかかわりは疲れないでしょうか。また、赤ちゃん自身もママとのコミュニケーションを高めているところなので、5~6人程度から多くても10人程度が集まる場所の方が疲れないと思います。行政も子育て支援に力を入れていて、そういった母親同士が集えて安心して話せる居場所作りをサポートしているところも増えてきています。子育て支援の窓口や保健センターで相談してみられると良いと思います。──同じような境遇のママ同士が集まることもメリットがありますか?大坪先生:ママ・コミュニティの場合は、赤ちゃんを育てている方たちが集まりますよね。みなさん赤ちゃんを通じて家族の健康や幸せを願う気持ちが高まっていらっしゃるので気持ちが分かり合え、励まし合って情報を共有されています。そのことが孤独感を癒し、子育てを続ける元気につながっていかれるようです。■人見知りママ「産後の今だからコミュニケーション力アップ」──人見知りのママは、どうすればいいのでしょうか? 初めてなにかに参加する時はハードルが高そうです。大坪先生:私が開催しているものでも、参加者の人数や年齢などの問い合わせがあります。年齢が高い方や、逆に若い方も気がひけることがあるようです。でも、参加前はいろいろ気にしていた方も、実際にいらっしゃると赤ちゃんを通してつながっていきますよ。──お互いの年齢が異なっても仲良くなれるんですね。大坪先生:お母さんになったら、みんなスタートは一緒だ、と思われるみたいですよ。そして、赤ちゃんが仲間を作ってくれます。「子はかすがい」と言いますが、お母さんが無理に話さなくても、赤ちゃんがほかのお母さんを見つめてくれたりすると、そこで会話が生まれます。──赤ちゃんがいることで場が和むのですね。大坪先生:赤ちゃんって笑顔を引き出すのが上手なので、こちらのリアクションに赤ちゃんが笑顔を返してくれるだけで、こちらも笑顔になります。場に安心感が生まれ、その場にいるみなさんも自然と笑顔になります。──さらに、産後のお母さんはホルモンのおかげでコミュニケーションが上手になると聞きました。大坪先生:オキシトシンというホルモンがあるんですけど、それが人の社会性に働きかける、と言われています。オキシトシンは、お産の時に子宮を収縮させたり、おっぱいを押し出す働きがありますが、子どもを抱っこしたりして触れ合うとオキシトシンの分泌スイッチが入りやすくなるそうです。産後は特にオキシトシンへの感受性が高まり、お母さんの社会性に働きかけるので、コミュニケーション力が高まるのではないでしょうか。──ホルモンがお母さんのコミュニケーションを助けてくれるんですね。それでもなにを話したらいいかと心配な場合はどうすればいいですか?大坪先生:「なにか話さなければ」と思う必要はありません。人の話を「ふんふん」って聞いていればいいんですよ。しかも、赤ちゃんは日々成長するので、話題には事欠かないですよね。一人ひとりの性格もいろいろですし、親の関わり方もいろいろで多様性もありますし。──ママ・コミュニティでは、いろいろな子育ての話も聞くことができるのですね。大坪先生:子育てしている方は自分の中に「理想の母親像」を持ち、「私がママじゃなかったら、この子はもっと幸せになれたのに」と自分で自分を責めがちになることもあるようです。当事者同士の集まりのいいところは、専門家が「こうした方がいい」と話すわけではないので、それぞれの子育てが責められたり評価されたりというような気持ちになりにくいようです。いろいろな人が自分の経験を話しても、その中で欲しい情報だけを持って帰ればいいので、「私はやっていない。できない」などと自分を責めなくてすみますよね。──ママ同士の話の中には「こうしなければいけない」というものはないということですね?大坪先生:そうです。生活ってそうですよね? お風呂ひとつとっても、髪の毛から洗う人もいれば、足から洗う人もいます。どれが正解というわけではなく、その人自身がやりやすく快適に過ごせていければ、スムーズでストレスも少なくてすみますよね。■「思っていたのとは違った…」合わない集まりに参加してしまったら?──とはいえ、自分が乳児を育てていた頃を振り返ると、すごくきちんとなにかやっている方がいると影響を受けた気がします。大坪先生:引っぱられますよね。そういう時に2人きりで「絶対あなたこうした方がいい」と言われると影響を受けるでしょう?だけど、3人以上いればグループ・ダイナミックス(集団における人の行動や思考の特性、集団力学)によって、それぞれが役割を担うみたいですよ。わーっと意見を押しつける人もいれば、それに対してえーっという人も出てきます。だからこそグループで話して、いろいろな意見を聞くのが大切だと思います。──合わない集まりに出てしまったら、どうすればいいですか?大坪先生:子どもをダシにするわけではないですけど、必要以上にふみこんでくる方がいたり、楽しめない集まりだとしたら、「この子がもう退屈しているみたいだから帰りますね」と言えばいいのではないでしょうか。自分が嫌だなと思ったら、つらいことを我慢する必要はありません。──無理につきあわず、さっと引いていいのですね。大坪先生:あとは、人を招いたりすることも苦手だったらしなくてもいいと思います。負担になるようなことは無理をしないでも大丈夫ではないでしょうか。──つきあい方も自分で調整すればいいのでしょうか?大坪先生:距離間は人それぞれなので、自分を守ることも必要だと思います。話していく中で話しやすい人を見つけられればいいですね。あとは、私が顧問をしている子育て支援グループamigoのように、子育て支援者が案内役を務めてくれる場所もいいかもしれません。なかなか自分に合った集まりがないと思ったら、自分で作るのもひとつの手です。必ずしも誰かにやってもらわなくても、自分たちでも作れます。乳児ママは、情報収集やガス抜きという意味でも、10人以下ぐらいのコンパクトなママ・コミュニティに無理のない範囲で参加することをおすすめする大坪先生。次回は、あふれる情報にまどわされない子育てについてうかがいたいと思います。
2018年10月29日これから夏にかけて日の出時刻も早くなり、朝日を肌で感じやすい季節。この時期に朝の目覚めに子どもと触れ合う「ふれあいマッサージ」を取り入れて、親子ともにスッキリ目覚める生活を始めてみませんか?朝一番に子どもと触れ合うコミュニケーションを取ることで親子ともに一日の始まりがハッピーに。ベビーマッサージや産前産後のヨガに関する著作の執筆や講座、ワークショップを開催している、たらちね助産院院長の大坪三保子先生に、「ふれあいマッサージ」についてうかがいました。お話をうかがったのは…大坪三保子さん(たらちね助産院院長)久留米大学看護専門学校、熊本大学医療技術専門短期大学助産学科卒業。たらちね助産院院長、助産師・看護師。子育て支援グループamigo顧問。母と子のウェルネス研究会幹事。『はじめてのベビーマッサージ』(保健同人社)、『安産のための体と心をつくるHappyマタニティ・ヨガDVD付』『キレイで元気なママになるHappy産後ヨガDVD付』(共に高橋書店)など著書多数。 ・たらちね助産院 ■「気持ちいいね」“第二の脳”といわれる肌をタッチ! 赤ちゃんとふれあいマッサージ首が座った赤ちゃんからできる、乾布摩擦の技法を取り入れた「ふれあいマッサージ」。起き抜けにやさしくさすってあげることで赤ちゃんの代謝があがり、朝の目覚めがよくなります。スッキリ目覚められると日中も好奇心旺盛に活動でき、生活リズムがつきやすくなります。寝起きの体に働きかけてあげることで、食欲もアップ。腸も刺激を受けて便通もよくなることにつながるでしょう。「赤ちゃんとの生活を楽しみながら、小さな子どもとの暮らしのリズムを家族で作っていくといいですね。赤ちゃんが受け入れてくれるところ、お母さまがやりやすいところから始めてください。お日様の光や気温、湿度などを感じながら、赤ちゃんの機嫌や体の様子も一緒に感じていくことにだんだんと慣れていってください。ママやパパの手の感覚やぬくもり、声のトーンを赤ちゃんも楽しんでいますよ」と大坪先生。■歌いながら楽しみながら「ふれあいマッサージ」乾布摩擦の手順赤ちゃんが目覚めてきたら、布団の上からやさしく歌いながらさすってあげることから始めます。好きな歌に合わせてさすってもいいですし、下の歌詞に適当にメロディを付けて歌ってあげてもいいでしょう。1 赤ちゃんが目覚めてきたら、やさしく掛け布団や毛布にくるんだまま揺らしてあげます。♪おーいもほりゴーロゴロ、おーいもほりゴーロゴロ、おいしいおいもはできたかな~?2 左腕から順番に四肢を軽くタッチしていきます。♪よっこらしょ、どっこいしょ おいしいおいもはできたかな~?3 左脚をタッチ。♪おいしいおいもはできたかな~?4 次に右脚をタッチしてから、右腕もタッチします。♪おいしいおいもはできたかな~?5 両足、両手を一つずつ先から中心に向かってさすりあげます。♪あ~できてる、できてるきれいにしようね 6 腕を真ん中から外に向けて開くようにさすります。♪ゴシゴシ、ゴシゴシ7 うつぶせにして背中とおしりをさすります。8 背中からおしりにかけてぱこぱことタッピングしてあげましょう。9 最後は子どもが大好きなくすぐり遊びでしめましょう。大坪先生によると、お母さんはもちろん、お父さんが子どもにやってあげるのもおすすめとのこと。「お母さんとお父さんでは『おはよう』と声かけるのでも、子どもの反応は変わります。子どもにとって安心・やすらぎの存在であるお母さんに対して、お父さんは社会性を感じる存在。朝にお父さんが声をかけて触れてあげることで、子どもはパッと目覚めのスイッチが入ります」(大坪先生)赤ちゃんからお年寄りまで、何歳になってもできる「ふれあいマッサージ」。少し大きくなった子どもには、「おはよう」と声かける時にちょっとさすってあげる程度でもOK。代謝を上げるので、朝起きれなくなる思春期にもおすすめです。■「朝からふれあいマッサージ」で生活リズムをととのえる子どもの目覚めをよくする「ふれあいマッサージ」ですが、子どもだけでなく、親の体、心にまで次のような好影響があるそうです。1 親子のかかわりを深め、親子間で安心や安定が生まれる。親子で楽しくふれあうことで一日の楽しいスタートが始まり、自立神経のバランスもととのうでしょう。2 子どもへの理解が深まる。毎日触ってあげることで、子どもの体調や気持ちの変化もよくわかるように。3 親子のセルフケア力を高める。親が子どもの体を意識してあげることは、子ども自身も自分の体の状態に関心を持つようになり、結果として自分に対してのセルフケア力もアップ。「子どもの成長をうながしたい」「子どもとの生活リズムをどうしたらいいのか」「親子のコミュニケーションを楽しみたい」などと考えていたら、ぜひ試してみてください。取材協力:NPO法人子育て支援グループ amigo 世田谷区松原を拠点に 2001年から「産前産後」に特化して活動、2014年5月より特定非営利活動法人に。“一緒に楽しく子育てしようよ!”を合言葉に、助産師や保育士と連携しながら、生まれてくる子どもたちとその親が、地域の温かい人間関係の中で支えられ、すこやかに成長していくことができるよう、出産・育児を支援。本マッサージは「あみーごのよみものnagi2」に掲載されており、amigoネットショップにて購入可能です。取材・文/まちとこ出版社 石塚由香子
2018年06月11日