厚生労働省はこのほど、妊娠や出産を理由にした職場での嫌がらせ、「マタニティー・ハラスメント」(マタハラ)に関する実態調査の結果を発表した。調査の中では、派遣労働者のうち約半数がマタハラを受けたことがあると回答。マタハラの種類も、解雇や不利益な配置転換など多岐にわたった。この結果について、どう考えるべきか。そして、法律上の対策としてどのようなことができるのか。労働問題を専門としている旬報法律事務所の新村響子弁護士に聞いた。○派遣労働者も産休・育休は取れる同調査は9月14日~10月4日にインターネット上で行われ、25~44歳の女性雇用労働者(雇用された経験がある人も含む)5,000人から回答を得たもの。調査の中では、回答者のうちそれぞれ約2割の人が「解雇」や「雇い止め」にあっていると回答。マタハラの行為者としては男性の上司に限らず、女性の直属上司(11.1%)や「女性の同僚・部下」(9.5%)も上位にあがった。中でも注目すべきは、派遣労働者の48.7%がマタハラの経験があると回答したことだ。これについて新村弁護士は、「同じ仕事をしていても正社員に比べて低待遇で、"よそもの"として扱われがちな職場環境に根本的な原因がある」と指摘。その上で、「派遣社員であっても妊娠・出産を理由とする不利益取り扱いは禁止されているし、育休・産休も取ることができる」とアドバイスした。ただし育児休業を取得するためには、「(1)一の事業主に引き続き1年以上雇用されていること」「(2)子の1歳の誕生日以降も引き続き雇用されることが見込まれること」「(3)子の2歳の誕生日の前々日までに、労働契約の期間が満了しており、かつ、契約が更新されないことが明らかでないこと」の3つの条件を満たすことが必要だという。このうち問題となりやすいのは(2)の条件とのこと。「3カ月など短期の契約の場合、契約書に『更新の可能性あり』(引き続き雇用されることが見込まれる)と書かれていても、(2)の条件を満たすかどうかが不確定」と指摘。契約期間によって、育休の取得可否が変わってきてしまうという。しかし、この3条件を満たすかはっきりしなくても、取得できたケースもある。「事業主と交渉することによって、休みを取得できたという人も多いので諦めないでほしい」として、労働局の雇用均等室や労働組合、弁護士への相談を呼びかけた。○働き続けることを諦めないでさらにマタハラの内容を調査したデータでは、「『迷惑』『辞めたら? 』等、権利を主張しづらくする発言」(47.3%)という回答が最も多くなっている。「解雇」や「雇い止め」とは異なり明確な対処がしづらいケースのように思えるが、新村弁護士は「繰り返し言われた場合や職場いじめのような場合には、不法行為として損害賠償請求ができることもある」と指摘した。「『辞めたら? 』などの提案型の発言は、『迷惑をかけて悪い』と思って受け入れがちだ」としながらも、「働きながら子どもを育てるのは権利。泣き寝入りして自ら辞職を申し出るというのはやめて、働き続けることを諦めないでほしい」と訴えた。これらの現状を踏まえたうえで、マタハラを受けたと感じたときに私たちができることはなんなのだろうか。後編では、増加傾向にあるマタハラの事例や対策についてお伝えする。※写真と本文は関係ありません
2015年12月17日イーウェルは12月15日、福利厚生パッケージサービス「WELBOX」において、内定者を対象としたパッケージプラン「WELBOX for Freshers」を提供開始した。新プランは、「WELBOX」会員企業の内定者が利用できるパッケージサービス。従来のWELBOXとほぼ同等に、ステイ&リフレッシュメニューや、日常生活を支援するライフサポートメニューなど、1万件以上のメニューが利用できる。さらに、メニューを利用するとWELBOX専用ポイントプログラム「WELコイン」も付与され、獲得したWELコインは、入社後に引き継いで利用することができるという。サイト内には内定者向けの特設ページが設けられ、買い物や旅行などの割引、eラーニングコンテンツなど幅広いメニューより、内定から入社までの数カ月間を充実させる活用方法が提案される。同プラン導入による人事部門のメリットとして、内定者の帰属意識・モチベーションの向上や企業のイメージアップなどが見込まれている。また、入社前の同プランの活用例として、100コースのeラーニングによるスキルアップや、新生活に必要なグッズの購入などがあげられている。なお、同サービスは「WELBOX」導入企業であれば、入会金・年会費無料で内定者は利用できる。
2015年12月15日厚生労働省はこのほど、保育士資格のない人でも認可保育所で保育に携わることができるよう、平成28年4月から基準を緩和する方針を固めた。児童の少ない朝夕の時間帯などに、子育て支援の研修を受けた人などが働けるというものだ。保育の質の低下につながるという批判もある今回の基準緩和について国に聞いた。○児童の少ない朝・夕の時間に対応今回の措置は、認可保育所の保育士の数が最低でも1施設あたり「2人」を下回ってはならないという厚生労働省の省令を緩和するというもの。児童数が少ない時間帯には保育士の資格保有者が1人常駐した上で、もう1人は無資格者でも対応ができるとした。8時前まででは全定員数の21.7%、17時からの1時間では15.2%、18時からの1時間では1.1%と児童数が少なくなる(平成24年度地域児童福祉事業等調査により国が作成)ことから、朝・夕の時間帯において活用が可能となっている。保育に携わることができるのは、「保育施設などで十分な業務経験を有する者」「子育て支援員研修を修了した者」「家庭的保育者」のいずれかの条件を満たした人だ。厚労省は保育の現状について、「保育士の確保が難しく、1日のうち保育士2名体制を順守した勤務シフト作成等の人事管理が困難な状況」と指摘。その上で、「園児の多い日中のコアタイムに保育士資格者を集中的に配置することが可能となり、保育所全体でみて保育の質の向上につながる」と基準緩和の意義を説明している。○保育の質の低下懸念する声も平成28年度から実施される予定の対策ではあるが、厚労省は本格的な運用を前に「保育士の確保が特に難しい地域に限り」という条件付きで、今年度から基準緩和を認めている(平成27年3月19日各都道府県等宛て厚生労働省保育課事務連絡)。実施状況を踏まえて、今後の運用のあり方を検討するためだ。国が提示した特例的な措置を、自治体はどのように受け止めたのか。厚労省が8月24日~9月4日に都道府県、指定都市、中核市に対して行ったアンケート調査によれば、89の自治体のうち13%にあたる12の自治体が、認可保育所で無資格者が働くことを認めていた。一方で、71%にあたる63の自治体は認めていなかった。さらに、今回の措置を来年度以降も延長すべきか尋ねたところ、「延長すべき」(27%)、「延長すべきでない」(29%)という意見が2つに割れている。無資格者が働くことを認めた自治体は「保育士の確保が難しく、現在、勤務している保育士の負担が過剰になるのを防ぐため」と保育士不足の深刻な状況を理由にあげている。一方で、認めなかった自治体からは「朝夕および延長保育の時間帯は、けが等の発生が多いことから、最低基準に基づく保育士の配置は必要であると判断した」など保育の質の低下に言及する意見が28件寄せられた。問題点や課題についても数々の意見が述べられている。「朝・夕の時間帯は、児童数は少ないが0歳児から5歳児までの合同保育となるため、けがや事故などが起きやすく、日中の時間帯よりもむしろ配慮が必要と考えている」「対応可能な時間帯および保育士に代わる者の保育能力について、施設長が認めるとしているところだが、自治体としてその適否を判断する方法が明確ではない」といった内容だ。○「無資格の人が働くのは怖い」「給料上げるのが先」今回のニュースはTwitter上で大きな話題となった。保育士と名乗る男性は、「命を預かるお仕事なので無資格の人が働くのは怖いですし私らの努力がなんの意味もなさなくなるのは悲しいです」とコメント。「人が足りなければ給料上げたり待遇良くするのがセオリーだと思う」といった声も相次いだ。今回の基準緩和では、朝・夕の時間帯に関わらず、保育士が研修中で不在の場合も対応が可能としている。さらにすべての時間帯において、幼稚園教諭や小学校教諭でも認可保育所で働けるとした。これについては、検討会の構成員や各団体から「現実的には、保育士側が嫌がるので小学校教諭は難しいのではないか」「単独でなく、複数の職員で保育する場合に限るなど、慎重な対応が必要ではないか」という見解が述べられている。一方で「多様な人材の活用は、むしろ保育の質を高めることにつながるのではないか」という前向きな意見もあった。国はこれらの意見を踏まえ、「実施自治体・事業者の事例等を十分把握した上で、保育の質への影響を継続的に検証していく」としている。今回の試みが保育の現場にどのような結果を生むのか。今後の動きが注目される。
2015年12月15日厚生労働省は9日、「21世紀成年者縦断調査」の結果を発表した。回答は、平成24年10月時点で20~29歳だった配偶者の男女のうち、平成24年から継続して調査に協力している1万3,205名。平成14年10月時点で20~34歳だった配偶者の男女のうち、平成14年から継続して調査する9,184名。調査はともに平成26年11月5日に実施した。○結婚後の離職割合、平成14年~24年の間で減少に同調査では、平成14年調査の回答者群(現在33歳~47歳)と平成24年調査の回答者群(現在23歳~32歳)の結果を比較した。それぞれ平成14年、24年の初回調査時に独身で、それから2年の間に結婚した女性の結婚後の就業状況をみた。結婚後に離職した女性の割合をみると、平成14年調査の回答者群は31.0%、平成24年調査の回答者群は20.4%となり、10年間で10.6pt減少していた。平成14年調査の回答者群のうち、同調査を行った12年の間に子供が生まれた同居夫婦に対して、妻の出産後の就業状況について聞いた。妻の出産後の就業継続意欲ごとに、産後の就業状況をみたところ、「出産した後も続ける」と回答した人のうち、同一就業を継続している割合は78.1%だった。12年間のうちに子供が生まれた同居夫婦に対し、夫が家事・育児をする時間の長さごとに、出産後の妻の就業状況をみた。出産後において、夫の家事・育児時間が「4時間以上」の場合、妻が同一就業継続している割合は72.1%で最多だった。一方、出産後における夫の家事・育児時間が「なし」の場合、妻が同一就業を継続している割合は54.3%だった。このことから、夫が家事・育児に費やす時間が長いほど、妻の同一就業継続の割合は高くなっている。
2015年12月14日塩分を摂りすぎていませんか?味の濃いものが好きな人は要注意。厚生労働省は、男性8.0g/日未満、女性7.0g/日未満の塩分量を推奨しています。しかし、これでも日本は多い方なのです。WHO(世界保健機関)では、5g未満を推奨しているからです。では、塩分を摂りすぎるとどんな悪影響があるのでしょうか?今回は『BUSTLE』の記事を参考に、塩分の摂りすぎによって体内で起こる6つのことをまとめました。■1:全身がむくむ週末、ベッドに寝転がりながらポテトチップスを完食したことはありませんか?食べたあと、目の下にできた袋やふっくらした唇、膨張した頬を見て驚くかもしれません。これはズバリ「むくみ」です。でも心配しすぎないで。目に見える方法で、体が塩分の摂りすぎを教えてくれているだけです。むくみは顔だけではなく、手や足首、足全体にも現れます。日常的に塩分を摂りすぎている場合だけでなく、レストランでつい食べすぎたときなど、一過性の場合もむくんでしまうことがあります。ニューヨークの皮膚科医であるニール・B・シュルツ氏は、年をとればとるほど、体内で塩分の分解に対応できなくなると警告します。いま何歳であろうと、塩分の摂りすぎは控えるべきですし、たくさんの水とともに塩分を摂取するよう意識するべきなのです。■2:脱水症状になる余分な塩分を体内で相殺するには、大量の水分を摂取する必要があります。たとえば映画を観るときに塩味のポップコーンを食べたいのなら、一緒に飲みものも買うべきです。水分の摂取が十分ではないとき、体内では自身の体細胞から水分を奪います。そしてその細胞も、水分を必要とするのです。極端な喉の渇きを感じるとき、もしかしたら脱水症状になりかけているのかもしれません。吐き気、下痢、胃の痙攣を伴っている場合は、明らかに塩分が体内に多いときに起きる脱水症状です。すぐに十分な水分を摂り、症状が続くようであれば専門家に相談しましょう■3:胃潰瘍になるかもしれない8つの異なる国で調査された研究によると、塩分の過剰摂取と胃潰瘍が直接の相関関係にあることがわかりました。健常組織がおなかの粘液を分泌する内壁に影響を与え、酸化していく変質形成(※組織に別の種類の細胞が生じてくること)からの結果であると考えられています。塩分の過剰摂取を日常的に続けると、最終的にがん化して、胃がんになる可能性もあるでしょう。事実、1996年には、生涯を通じて塩分摂取量の多かった男女が胃がんで死亡した、ということを証明する研究が疫学の国際ジャーナルで発表されています。■4:腎臓がうまく機能しない腎臓は常に、水分を排出するタイミングを臓器のなかで判断しています。腎臓が正確に仕事を遂行するには、体内のナトリウム量が多すぎてはいけません。塩分を摂りすぎている場合、尿を通して排出する必要がありますが、水分量が少ないとその動きができないのです。むくみにもつながってしまいます。さらに、塩分の過剰摂取は尿中のカルシウム量もあげてしまうので、腎臓結石の原因となります。なにも対処しない場合は、腎臓病のような慢性の問題につながってしまう可能性もあります。■5:動脈硬化アメリカの臨床栄養学専門誌で、2011年に魅力的な研究発表が行われました。塩分の多い食事をした30分後に、血流に重大な影響が出るという内容です。16人の大人の、食事前後の動脈内血流について調査をしました。低塩食品を食べたときと比較すると、高ナトリウム食品を食べたときは男女ともに血流に障害が発生しました。いつも通りの動脈の動きができなかったのです。この現象は、4gの塩を摂取したときから起こりました。心臓にも血管はあります。心臓の健康を考えたときにも、塩分の摂取過多はよい影響は与えないということがおわかりいただけるでしょう。■6:血圧が上昇する日常的に長い間、塩分の摂取過多となっている人に起こりやすい副作用です。むくみの原因と同じように、体内にナトリウムがたまっていると高血圧となり、心臓が必要な酸素と栄養を受信しきれなくなります。状況が悪化するほどに、脳卒中や心臓発作の危険も増すでしょう。高血圧は悪化しない限り自覚症状がないため、注意が必要です。可能な場面で血圧測定を行い、胸に痛みを感じたら躊躇せずに病院に行きましょう。*普段から料理をよくする人も、外食が多い人も、健康のためにカロリーだけではなく塩分にも気を配ることが大切です。水分の摂取も大事です。生活習慣を少しだけ見なおして、より快適な日々を送りましょう。(文/スケルトンワークス)【参考】※6 Ways Eating Too Much Salt Hurts Your Body-BUSTLE
2015年12月04日楽天とイーウェルは12月3日、イーウェルが運営する福利厚生パッケージサービス「WELBOX」において業務提携し、WELBOX会員向けに「楽天市場」で利用可能なクーポンの提供を開始した。福利厚生サービスにおいて「楽天市場」で利用できるクーポンが導入されるのは、今回が初となる。今回の提携により、WELBOX会員が同サービスで取得する「カフェテリアポイント」や「WELコイン」を、「楽天市場」で利用可能なクーポンに交換できるようになった。同クーポンは、「楽天市場」の出店店舗で対象となる約35,000店舗で、指定ジャンルの商品を購入する際に利用できる。クーポン交換時に、クーポン金額1%分のWELコインが付与されるほか、クーポンを利用して商品を購入する際に一定率の「楽天スーパーポイント」が還元される。さらに、WELBOX会員専用ホームページを経由して「楽天市場」で商品を購入すると、クーポン金額を除く商品購入金額の1%分のWELコインが追加で付与される。また、企業ごとにクーポンジャンルの利用範囲を設定することが可能。「健康」「育児」「介護」など、企業が社員に利用させたいジャンルに限定して、福利厚生制度の目的に寄与するサービスとすることができる。
2015年12月04日厚生労働省は3日、「2015年賃金引上げ等の実態に関する調査」の結果を発表した。それによると、民間企業で働く労働者の平均賃上げ額(1人当たり)は前年比28円増の月額5,282円となり、比較可能な1999年以降で最も高くなった。改定率は1.9%だった。同省は「景気の回復を背景に企業の業績、雇用情勢が改善しており、その動きを反映している」と分析している。○企業規模が小さいほど賃上げ額は減少2015年中に平均賃金を引き上げた・引き上げる企業は同1.8ポイント増の85.4%となった。平均賃上げ額を企業規模別にみると、5,000人以上の企業は同1,204円増の7,248円と、1999年以降で初めて7,000円を上回った。一方、1,000~4,999人は同127円減の5,999円、300~999人は同211円減の4,633円、100~299人は同282円減の3,947円と、規模が小さいほど賃上げ額は低くなった。同省は中小企業の賃上げ動向について、「(賃上げに向けて)整ってきている状況で、今後とも注視していく」と話している。産業別では、「金融業、保険業」が最も高く同2,384円増の7,603円。次いで「建設業」が同346円増の7,370円、「不動産業、物品賃貸業」が同161円増の6,381円と続いた。調査時期は2015年8月、有効回答は常用労働者100人以上の企業1,661社。
2015年12月04日厚生労働省は2日、2015年9月分の被保護者調査の結果を発表した。それによると、9月時点の生活保護受給世帯は前月比874世帯増の162万9,598世帯となり、過去最多を更新した。増加は2カ月ぶり。前年同月比では1万7,645世帯増加した。○高齢者の受給世帯、初の80万世帯突破生活保護受給者数は前月比228人増の216万3,584人と、2カ月ぶりの増加。前年同月比では1,325人減少した。世帯別にみると、高齢者世帯(男女とも65歳以上の世帯、またはこれらに18歳未満の未婚者が加わった世帯)が全体の49.4%に当たる80万301世帯と、初めて80万世帯を突破し最も多くなった。以下、働ける世帯を含むその他の世帯が27万2,564世帯、傷病者世帯が25万3,386世帯、障害者世帯が18万9,752世帯、母子世帯が10万4,723世帯と続いた。同省は「高齢者世帯において、年金が足りずに生活保護を受給する世帯が増えている。今後も高齢者世帯の受給世帯は増加すると予想している」と分析している。
2015年12月02日CYBERDYNE(サイバーダイン)は11月25日、同社のロボットスーツ「HAL医療用下肢タイプ(HAL医療用)」が、同日付で厚生労働省(厚労省)より医療機器の製造販売承認を取得したと発表した。HAL医療用は患者に装着して生体電位信号に基づき下肢の動作補助を行い歩行運動を繰り返すことで、歩行機能を改善することを目的としたロボット治療機器で、今回、治験によって筋萎縮性側索硬化症(ALS)や筋ジストロフィーといった緩徐進行性の神経・筋疾患患者への安全性と進行抑制効果とが認められたことから、承認を得たという。また、HAL医療用は、同社代表取締役で筑波大学大学院 教授でもある山海嘉之氏が開発した動作原理を搭載することで、患者の症状や身体機能、使用環境などに応じた細やかな対応が可能であることが技術的な特徴となっている。今後、同社はHAL医療用を用いた治療に対して保険適用を受けるための申請手続きを行う予定としていくほか、HAL医療用については、今回承認された神経・筋難病疾患から脊髄疾患への適応拡大を目指した取り組みとして、すでに2014年9月よりHTLV-1関連脊髄症(HAM)などの主に痙性のある対麻痺症に対する治験も進めているという。
2015年11月26日厚生労働省は24日、「過重労働解消相談ダイヤル」と「労働条件相談ほっとライン」の相談結果を発表した。それによると、長時間労働・過重労働、賃金不払残業、休日・休暇について、計1万7,276件の相談が寄せられた。○長時間労働でうつ病、自死した人も相談件数の内訳は、「過重労働解消相談ダイヤル」が488件(2015年11月7日)、「労働条件相談ほっとライン」が1万6,788件(2015年4月1日~11月7日)。主な相談内容は、「賃金不払い残業」が1,468件、「休日・休暇」が1,406件、「長時間労働・過重労働」が926件となっている。特に深刻なものとしては、「食料品の製造(製造業)。毎日午前6時から翌日午前2時くらいまで働いており、1カ月200時間を超える残業をしているが、労働時間が管理されておらず、残業手当は一切支払われない。また、定期健康診断も実施されていない。事業場内では、長時間労働によりうつ病を発病し、自死した労働者もいるようだ」(50代、労働者)といった相談がみられた。同省は、寄せられた相談のうち、労働基準関係法令上、問題があると認められるケースについては、労働基準監督署に情報提供を行い、監督指導を実施するなど、必要な対応を行うとしている。同省労働基準局監督課は「法令違反に当たるものについては、当然指導していかなければいけない。ただ、法令違反ではないものについては、指導が難しい部分もあるため、法令の周知・啓発をしっかり行っていく」と話している。
2015年11月25日厚生労働省は24日、2015年9月の毎月勤労統計調査(事務所規模5人以上)の確報を発表した。それによると、現金給与総額に物価変動の影響を加味した実質賃金指数は前年同月比0.3%増と3カ月連続で増加したものの、速報値の同0.5%増から下方修正された。○現金給与総額、きまって支給する給与などの伸び率も縮小現金給与総額(1人平均)は同0.4%増の26万4,645円で、速報値の同0.6%増から下方修正。所定内給与は同0.1%増の23万9,743円で、同0.4%増から下方修正。所定外給与は同1.3%増の1万8,984円で、同1.4%増から下方修正。所定内給与と所定外給与を合わせた「きまって支給する給与」は同0.1%増の25万8,727円で、同0.4%増から下方修正された。ボーナスなどの「特別に支払われた給与」は同12.6%増の5,918円で、速報値の同14.0%増から下方修正された。同省は「常用労働者比率に占めるパートタイム労働者の割合が、速報から確報にかけて高まる傾向があるため、全体の平均額が押し下げられた」と説明している。常用雇用者数は同2.0%増の4,801万5,000人(速報値4,801万3,000人)。このうち一般労働者は同1.3%増の3,338万人で、速報値の同1.5%増から下方修正された。一方、パートタイム労働者は同3.9%増の1,463万5,000人で、同3.3%増から上方修正された。
2015年11月24日厚生労働省は20日、10月時点での「大学等卒業予定者の就職内定状況調査」の結果を発表した。対象は平成28年卒業予定の大学・短期大学・高等専門学校・専修学校112校・6,250名。調査は10月1日に行われた。○10月1日時点での大学生就職内定率は66.5%に平成28年3月の大学卒業予定者は55万7,000人だった。このうち「就職希望者」は78.7%(44万2,000人)。「就職(内定)者」は66.5%(29万4,000人)となり就職内定率は前年より1.9pt減少した。男女別でみると、男子の「就職希望率」は73.2%、「就職内定率」は65.8%。女子においては「就職希望率」が86.5%、「就職内定率」は67.2%だった。文理別の就職内定率をみると、「文系」は65.9%だった。うち「国公立」は69.4%、「私立」は64.9%。「理系」は69.2%で、「国公立」が66.7%、「私立」は70.9%となった。地域別の就職内定率をみると75.8%で「関東地区」が1位だった。以降、「近畿地区」(67.8%)、「中部地区」(63.6%)、「北海道・東北地区」(62.9%)と続いた。
2015年11月21日厚生労働省は19日、2015年「賃金構造基本統計調査(初任給)」の結果を発表した。それによると、大学卒、高校卒の初任給はともに2年連続で増加した。○大卒「建設業」の初任給は4.1%アップ大学卒の初任給は前年比0.8%増の20万2,000円で、男性は同0.8%増の20万4,500円、女性は同0.8%増の19万8,800円。高校卒の初任給は同1.3%増の16万9,000円で、男性は同1.3%増の16万3,400円、女性は同1.3%増の15万6,200円となった。企業規模別にみると、大学卒では、男女ともに大企業(常用労働者1,000人以上)、中企業(同100~999人)、小企業(同10~99人)の全ての企業規模で前年を上回った。高校卒では、前年と同額だった小企業の女性を除いて、男女ともに全ての企業規模で前年を上回った。産業別の伸び率をみると、大学卒では、人手不足が続く「建設業」が同4.1%増の20万9,700円と大幅に伸びたほか、「金融・保険業」が同2.6%増の20万1,200円、「製造業」が同1.6%増の20万2,000円などとなった。高校卒では、「金融業、保険業」が同8.6%増の15万8,400円と伸長した。同省は「昨年に引き続き景気が緩やかに回復していることが決定的な背景にあり、それを含めて全体を押し上げたのではないか。特に建設業などで伸びがよかったため、就職する側からみると売り手市場だったと考えられる」と分析している。有効回答数は民営事業所(従業員10人以上)のうち新卒者を採用した1万5,526事業所。実施時期は7月で、新規学卒者の6月分の賃金を集計した。
2015年11月20日厚生労働省はこのほど、平成27年「賃金構造基本統計調査(初任給)」の結果を取りまとめ、公表した。同調査は、全国の主要産業に雇用されている労働者の賃金の実態を、雇用形態、就業形態、職種、性、年齢、学歴、勤続年数、経験年数別等に明らかにすることを目的として、毎年7月に実施している。今回発表した賃金は、新規学卒者の平成27年の初任給(6月分)。調査対象として抽出された10人以上の常用労働者を雇用する民間の事業所のうち、有効回答を得た事業所の中で新規学卒者を採用した1万5,526事業所について集計を行い算出した。○大学卒は、男女とも20万円台が最多大学卒及び高校卒の初任給は、男女計、男女別ともに前年を上回った。大学卒は、男女計202,000円(前年比0.8%増)、男性204,500円( 同0.8%増) 女性198,800円( 同0.8%増)。高校卒は、男女計160,900円(同1.3%増)、男性163,400円(同1.3%増)、女性156,200円(同1.3%増)となっている。企業規模別にみると、大企業(常用労働者1,000人以上)、中企業(同100~999人)の初任給は、大学卒及び高校卒の男女で前年を上回り、小企業(同10~99人)では、大学卒の男女及び高校卒の男性で前年を上回った。初任給について主な産業別にみると、大学卒は、男女ともに「学術研究,専門・技術サービス業」(男性212,200円/女性212,200円)、高校卒は、男女ともに「生活関連サービス業,娯楽業」(男性172,800円/女性166,900円)が最も高い。初任給の分布をみると、大学卒は、男女とも20万円台(200,000~209,900円)が最も多く(男性36.1%/女性24.8%)、高校卒は、男性は16万円台(39.8%)、女性は15万円台(28.0%)が最も多くなっている。
2015年11月20日●進研ゼミ依存の構造からの切り札になるか11月11日、ベネッセスタイルケアは「ベネッセ シニア・介護研究所」を開設すると発表した。奇しくも同日は、厚生労働省が定めた「介護の日」であり、今回の発表の内容も含め、ベネッセグループがいかに“介護”事業に力を入れているかを印象づけた。この発表会で最初に登壇したベネッセホールディングス 代表取締役会長兼社長の原田永幸氏は、同グループの介護事業の位置づけについて語った。それによると「介護事業は教育事業と並ぶ重要な柱として捉え、さまざまな事業ポートフォリオの中でもきわめて大事」と語った。というのも、ベネッセグループが主軸としてきた国内教育事業に暗雲が垂れ込んでいるからだ。少子化による教育を必要とする若年層の減少という構造的な要因に加え、ICTを活用した他企業の追随も大きくベネッセの事業に響いた。さらに、2014年7月に発覚した個人情報漏えい問題により、国内教育事業の信用は大幅に低下したことも業績に大きく影響した。事実、2015年3月期の決算では、国内教育事業領域は販売高2,388億円だったが、前年度比約94%と苦戦した。一方で明るいきざしもみえる。その最たるものが海外教育事業領域とシニア・介護事業領域だ。2015年3月期の発表で、前者は販売高210億円、前年度比約118%、後者は872億円、前年度比109%とほぼ2桁増の成長を果たした。原田氏も「海外展開と介護事業はグループ内でもっとも重要」と語ったとおり、“進研ゼミへの依存”からの脱却に両事業がいかに大切かをうかがわせた。●社外への情報提供を積極的に続いて登壇したのが新設されたベネッセ シニア・介護研究所 所長の滝山慎也氏だ。同氏はグループ内の介護事業を統括するベネッセスタイルケア 代表取締役社長であり、ベネッセホールディングスの執行役員も務める。まず同氏は「ベネッセは介護事業に20年間携わった経験があり、その知見を社会に還元したい」と、ベネッセ シニア・介護研究所設立の意義を語った。特に強調したのが地域密着型の介護事業と、介護に携わるスタッフのケアについてだった。まず地域密着型の例として東京・世田谷区での取り組みを紹介。同区には現在老人ホームなど29拠点をかまえており、約4割のシェアを占めているという。地域に密着し、その地区の医療機関や行政と密接に関わり情報交換することで、よりよい介護環境を整えたいと強調した。世田谷区には2016年4月に、保育園、学童施設、老人ホームを併設した複合施設を開設する予定で、より一層同地域に貢献できる体制を築きたいと語った。また、介護に携わるスタッフのケアについては、同社に勤める人以外にもサービスを提供したいという。ベネッセスタイルケアにおいて、“自身が介護に身を置かなくてはならない理由”で同社を辞めるスタッフは、5%を占めるという。介護スタッフが自身の介護事情で業界を離れていく環境を是正したいというのがねらいだろう。介護に関しては、年々その需要が増しているのに対し、「仕事がきつい」「報酬がわりにあわない」といった理由でスタッフが定着しないという問題が長らく提示されている。ベネッセ シニア・介護研究所は、研究結果を広く開示するとしているが、こうした問題是正にいかに貢献できるかがカギとなりそうだ。
2015年11月16日厚生労働省は9日、「アルバイトに関する意識調査」の結果を発表した。対象はアルバイト経験のある大学生・大学院生・短大生・専門学校生の1,000名。調査期間は8月27日~9月7日。○「働く前に会社から労働条件通知書等を交付された」学生は41.3%同省によれば、労働基準法では「使用者は労働契約の締結に際し、労働者に対して賃金、労働時間その他の労働条件を明示しなければならない」とされているという。回答者が経験したアルバイト1,961件に関して、「アルバイトをする際、労働条件はどのように知ったか」を聞いたところ、41.3%が「働く前に会社から労働条件が記載された書面を渡され、知らされた(書面を持ち帰ることができた)」と回答した。一方、労働条件通知書等を交付されていない割合は58.7%だった。内訳をみると、「働く前に口頭で知らされた(労働条件が記載された書面はなかった)」(22.0%)、「働く前に具体的な説明はなかった(求人情報のみを含む)」(19.1%)、「働く前に会社から労働条件が記載された書面を見せられ、知らされた(書面は見せてもらえたが持ち帰ることはできなかった)」(17.6%)となった。回答者が経験したアルバイト1,961件について、労働条件上での不当な扱い等にあったかどうかを質問したところ、「労働条件上の不当な扱いはなかった」と回答したのは51.8%。一方、労働条件等で何らかのトラブルがあった割合は48.2%となった。トラブル内容の内訳では、「採用時に合意した以上のシフトを入れられた」(14.8%)、「一方的な急なシフト変更を命じられた」(14.6%)、「採用時に同意した仕事以外の仕事をさせられた」(13.4%)が上位にあがった。
2015年11月11日厚生労働省は9日、2015年9月の毎月勤労統計調査(速報、事務所規模5人以上)を発表した。それによると、現金給与総額に物価変動の影響を加味した実質賃金指数は前年同月比0.5%増となり、3カ月連続で前年を上回った。伸び率は前月(0.1%増)より0.4ポイント拡大した。○夏ボーナスは2年ぶり減少現金給与総額(1人平均)は同0.6%増の26万5,527円。所定内給与は同0.4%増の24万538円、所定外給与は同1.4%増の1万8,997円で、所定内給与と所定外給与を合わせた「きまって支給する給与」は同0.4%増の25万9,535円。ボーナスなどの「特別に支払われた給与」は同14.0%増の5,992円となった。現金給与総額を就業形態別に見ると、一般労働者は同0.8%増の33万9,220円、パートタイム労働者は同0.5%増の9万5,780円となった。総実労働時間は同0.9%減。このうち所定内労働時間は同0.9%減、所定外労働時間は同1.8%減となった。併せて発表した2015年の夏季賞与(1人平均、6~8月支給分)は前年比2.8%減の35万6,791円と、2年ぶりに減少した。下げ幅は2009年(9.8%減)以来の大きさ。同省は「1月に調査対象となる事業所を入れ替えたことや、高齢労働者、パート労働者の割合が上昇したことが影響したと考えられる」と分析している。産業別にみると、製造業は同3.3%減の49万4,777円、不動産・物品賃貸業は同14.5%減の38万963円、卸売業、小売業は同6.5%減の29万6,120円などとなった。
2015年11月09日厚生労働省は4日、「就業形態の多様化に関する総合実態調査」の結果を発表した。対象は、5名以上の常用労働者を雇用する約1万7,000カ所の事業所と約5万3,000名の労働者。調査時期は平成26年10月1日。○正社員以外の労働者の活用理由、「賃金の節約のため」がトップに正社員以外の労働者がいる事業所に対し、「正社員以外の労働者を活用する理由」を聞いたところ、1位は「賃金の節約のため」(38.6%)だった。2位は「1日、週の中の仕事の繁閑に対応するため」(32.9%)、3位は「即戦力・能力のある人材を確保するため」(30.7%)と続いた。民営事業所では、「賃金の節約のため」(38.8%)が最多となった。次いで、「1日、週の中の仕事の繁閑に対応するため」(33.4%)、「正社員を確保できないため」(31.1%)と続いた。前回調査と比較すると、「賃金節約のため」が5.0pt、「1日、週の中の仕事の繁閑に対応するため」0.5ptが減少したのに対し、「即戦力・能力のある人材を確保するため」が6.7pt増加した。正社員以外の労働者(出向社員を除く)に対して、現在の就業形態を選んだ理由を聞くと、「自分の都合のよい時間に働けるから」が1位だった。次いで、「家計の補助、学費等を得たいから」(30.6%)、「家庭の事情(家事・育児・介護等)と両立しやすいから」(25.4%)という結果となった。
2015年11月09日厚生労働省は11月5日、平成27年度「テレワーク推進企業等厚生労働大臣表彰(輝くテレワーク賞)」の受賞者を発表した。今年度から始まった本表彰は、テレワークの活用によって、労働者のワークライフバランスの実現に顕著な成果をあげた企業・団体や個人が表彰されるものとなっている。初年度となる今年度は、「優秀賞」にシスコシステムズと日本マイクロソフトの2社、「特別奨励賞」に8社、「個人賞」に2名が決定した。「優秀賞」受賞企業シスコシステムズ日本マイクロソフト「特別奨励賞」受賞企業カルビーキャリア・マムコンピューターシステムハウスサントリーホールディングスジョブサポートパワーテレワークマネジメントネットワンシステムズ明治安田生命保険「個人賞」受賞者北村有紀氏(NTTデータ)横澤昌典氏(向洋電機土木)
2015年11月05日料理に必ず入れる「調味料」。味を整えたり隠し味にしたり、種類も使い方もさまざまです。しかし、気をつけたいのがその塩分。厚生労働省が定める、日本人の1日のナトリウム(食塩相当量)の目標値は男性8.0g、女性7.0g。そのなかに加工食品など食材の塩分のほか、調味料の塩分も収めなくてはいけません。ところがこの調味料、けっこうな塩分を含んでいるのです。今回は、管理栄養士の望月理恵子さんに定番調味料の中から「塩分が高い調味料トップ10」を伺いました。それぞれ大さじ1杯の塩分量で比較。要注意な調味料をチェックしてみましょう。■10位:ポン酢(塩分1.5g)CMのおいしそうな料理風景のイメージも手伝って、ついドバドバッとかけてしまうポン酢。柑橘果汁の酸味が強いものの、しょうゆや鰹節などの出汁もしっかり使われています。1回の使用量が多くなりがちなので、なるべく「かける」のではなく「つける」を意識して、使いすぎに注意したい調味料です。■10位:コチュジャン(塩分1.5g)ビビンバに欠かせない、韓国の代表的な調味料。唐辛子の辛みともち米麹の甘みに糖類をプラスしたもので、同じく唐辛子を使った発酵調味料である豆板醤よりも塩分は少なめ。ただ、糖分を含むためカロリーはこちらの方が多めです。あくまで少量を心がけて。■8位:赤みそ(塩分2.2g)白みそにくらべて熟成期間が長くコクもある赤みそ。保存がきくように、塩がたっぷり含まれています。みそ汁1杯には約大さじ1のみそが入っていますので、赤だしのみそ汁1杯で2g以上の塩分を摂っていることに。ちなみに、白みそを使えば約1.2~1.5gに抑えられます。■7位:豆板醤(塩分2.4g)原料はソラマメ、塩、麹、唐辛子など。回鍋肉や麻婆豆腐といった四川料理に使われるだけあって唐辛子の辛みが強いですが、じつは塩もたっぷり使われていて、日本の赤みそより多めです。四川料理を食べるときには、ほかの食事の塩分を控えめにするなど1日の塩分摂取量に気をつけましょう。■6位:濃口しょうゆ(塩分2.6g)食卓でも欠かせない濃口しょうゆですが、塩分はかなり多め。かけると食材に染み込み、必要以上に摂ることになってしまうので、食卓で使うときには「かける」のではなく「つける」習慣をつけましょう。■5位:薄口しょうゆ(塩分2.9g)うすくちという言葉から、塩分も控えめと誤解している方はいませんか?これは見た目の色が薄いという意味。味はしっかりとついていて、濃口よりも塩分濃度が高めです。素材にあまり醤油の色をつけたくないときに使うもので、基本は薄口よりも濃口、濃口よりも減塩しょうゆを使う方が減塩になります。■4位:顆粒風味調味料(塩分4.2g)鰹エキスパウダーや鰹節粉末、そのほか化学調味料やうまみ調味料といわれる「グルタミン酸ナトリウム」などが原料ですが、主成分は砂糖と塩なので塩分は高め。手軽にだし汁がつくれる料理の味方ではありますが、減塩のためにも、ときどきは鰹節や昆布でしっかりとだしをとりたいものです。■4位:固形コンソメ(塩分4.2g)ブイヨンを加工したものが固形コンソメです。お湯に入れただけでもスープができる完成された洋風だしで、調理もコンソメだけで仕上がるようになっているため、塩分も高めです。使うときには、なるべく新たに塩を加えず、素材の味を生かした味つけを心がけましょう。■2位:とりがらスープ(塩分4.32g)肉を取り去った鶏の骨などのエキスのほかに、粉末醤油、酒精、ニンニクなどで味つけがされています。かなりの塩分含有量ですが、実際に料理に使うのは1人分小さじ1/2(2.5g)程度なので、塩分量は1.2gほど。摂取量としてはそこまで多くなりにくい、と望月さん。スープや炒めものなどいろいろな料理に活用できて便利な調味料ですが、コショウなどをきかせて、使いすぎないよう工夫しましょう。■1位:食塩(塩分18g)当然ながら、塩がトップです。もし塩を大さじ1杯分取ってしまったら、塩分摂取量は18g。一日の摂取目標量の2倍以上です。ただし望月さんによれば、日本人は食塩以外の調味料で、全体の7割ほどの塩分を摂っているとのこと。食材自身に塩分が含まれている場合もありますから、料理に使う場合は控えめに。食塩として摂取する量は極力抑えたいものです。*厚生労働省の基準に抑えるためには、1食あたりの塩分量は2gちょっと。調味料だけであっという間に基準をオーバーしてしまいそうです。「調味料は全体的に塩分が高いので、レモン果汁やカボス果汁など柑橘系の果汁を使ったり、素材の風味を生かして食べたりすると、減塩になります」と望月さん。とくに、酸味を利かせると塩味が少なくてもおいしく感じられ、甘味に比べて全体のカロリーも抑えられます。健康的でも、おいしくなければつまらない。工夫をこらして、おいしくて健康的な食生活を心がけたいものです。(文/よりみちこ)【取材協力】※望月理恵子・・・管理栄養士、サプリメントアドバイザー、ビタミンアドバイザー。調剤薬局、サプリメント会社に勤務後、独立。強制・禁止などの指導ではない“楽しく自然に身に付く栄養カウンセリング”と、アンチエイジングクリニックや皮膚科などで美容・肩こり・冷え・眼精疲労など“健康な人にもおこりうる悩みに対してのカウンセリング”を得意とする。現在は、健康検定協会を運営しながら、栄養専門誌など、幅広い媒体で執筆活動中。
2015年10月30日綾野剛が産婦人科医を演じるTBSドラマ「コウノドリ」と厚生労働省が協力し、「風しん」について国民に広く理解・普及を図ることを目的とした企画を実施することが決定。その一環として綾野さんが塩崎恭久厚生労働大臣のもとへ訪問した。講談社「モーニング」で連載中の人気漫画のドラマ化に挑む本作。産婦人科に加え、新生児科、小児科、救命救急などのチーム医療をテーマに、お母さんと赤ちゃんの命を預かる医師たちの奮闘ぶりや、いままでのテレビドラマではほとんど描かれることのなかった出産に関するリスクやアクシデント、現場が実際に直面している様々な社会問題が盛り込まれた新しい切り口の医療ドラマとして、大きな反響を呼んでいる。この日、施策の啓発メッセージを掲載したタイアップリーフレットを厚生労働省・塩崎恭久厚生労働大臣に手渡しに来た綾野さん。大臣室に入りやや緊張気味の様子で「子どもの頃にワクチンを受けたが、このドラマをきっかけに、改めて抗体検査を受けた」と大臣に伝え、「“たった1本の注射で救える命がある”ということを、ドラマというフィクションのメディアを通して、現在進行形で起こっているノンフィクションのところに届けるというのは本当に良いドラマ作りとして正しいやり方のひとつだと思う」とドラマに対する想いを語った。それを受けて塩崎厚労大臣は、「人々の命と健康を守ることができる素晴らしい番組を作っていただいて、本当にありがたく思っています。番組を通じて若い人たちに意識を持ってもらえることがすごく大事だと思う」とドラマへの期待を語っていた。10月30日(金)放送の第3話では、「風しん」をテーマにストーリーが展開。ペルソナ総合医療センターに勤務する産婦人科医・鴻鳥サクラ(綾野剛)は、10年前出産に立ち会った瀬戸加奈子(石田ひかり)と、そのとき生まれた娘・遙香(山田望叶)に再会する。遙香は、ピアノを弾くのが大好きな笑顔の可愛い少女に成長しているが、加奈子が妊娠中にかかった風しんの影響で白内障を患い目が不自由に。心臓疾患もあるため、この日も心臓の検査を受けに来ていた。遙香には、風しんの予防接種を啓蒙するためのテレビ出演依頼が来ているが、加奈子は出演するかどうかを新生児の頃の担当医・今橋貴之 (大森南朋)に相談。テレビに出演することで遥香が好奇の目にさらされるのではと懸念しているという。一方、ペルソナ総合医療センター近くでは、妊婦の木村法子(山田真歩)が喫煙中、激痛に襲われる――。「コウノドリ」は、毎週金曜22時よりTBS系にて放送。(text:cinemacafe.net)
2015年10月28日厚生労働省は27日、「人口減少社会に関する意識調査」の結果を発表した。それによると、子育てにおいて負担・不安に思うこととして最も多かったのは「出費がかさむ」で46.2%を占めた。○「子どもの声が騒音」、35.1%が「同感できる」0歳~15歳の子どもが1人以上いる人に対して、子育てをしていて負担・不安に思うことがあるかと聞くと、「ある(どちらかといえば+とても)」と答えた人は72.4%に上った。具体的な負担・不安の内容は、「子育ての出費がかさむ」が46.2%で最も多く、以下、「将来予想される子どもにかかる経済的負担」が40.8%、「子どもが病気のとき」が33.3%と続いた。同省は「子育てにおける経済的負担は長年の課題であり、政府としては若者の雇用の安定化に向けて取り組んでいく」と話している。全員を対象に、若者世代が出産・子育てにより前向きになるために必要と思うことを尋ねたところ、「とても必要、大事」の割合が最も高かったのは「安定した雇用と収入」で72.4%。次いで「安心して保育サービスが利用できること」が47.4%となった。住宅地に立地する保育所を巡って「子どもの声が騒音」であるという声があり、近隣住民からの苦情や訴訟に発展するケースが出ていることについて質問すると、35.1%が「同感できる(ある程度+とても)」と回答した。同省は「家庭や地域社会に子育てへの理解を求めていくことが重要」と話している。調査時期は2015年3月、有効回答数は15歳~79歳の個人3,000人。
2015年10月27日厚生労働省は10月27日、同日の閣議で「平成27年版厚生労働白書」(平成26年度厚生労働行政年次報告)を報告し、公表した。同白書では「結婚をめぐる状況と意識」として、年々上昇する生涯未婚率を紹介。2010年は男性20.1%、女性10.6%だった生涯未婚率が、将来的に2015年は男性24.2%、女性14.9%、2035年は男性29.0%、女性19.2%にのぼると推計している。また、18歳~34歳の未婚者のうち「いずれ結婚するつもり」と答えた人は男性は86.3%、女性は89.4%という。20代、30代の男女に今まで結婚していない理由を聞いた調査では、「適当な相手にめぐり合わないから」「異性とうまくつきあえないから」「自由や気楽さを失いたくないから」などが多く選ばれた。結婚していない理由には、「結婚後の生活資金が足りないと思うから」「結婚資金が足りないから」というものも上位に。男性の雇用形態別に見ると、正規雇用労働者と非正規雇用労働者で配偶者がいる割合に差が見られた。
2015年10月27日厚生労働省は20日、「コース別雇用管理制度の実施・指導状況」の結果を発表した。期間は、平成26年4月~平成27年3月。対象は、コース別雇用管理制度導入企業の118社。○平成26年4月採用、総合職女性は2割コース別雇用管理制度とは、「総合職」「一般職」といった労働者の職種、資格などに基づき複数のコースを設定し、コースによって異なる配置・昇進などの雇用管理を行うシステムを指す。平成26年4月の採用者の男女比率をみたところ、総合職の割合は、女性が22.2%(前年より3.1pt増)、男性が77.8%(前年より3.1pt減)だった。一般職では、女性が82.1%(前年より2.2pt減)、男性が17.9%(前年より2.2pt増)となった。応募者数に占める採用者割合は、総合職では、女性は2.3%(採用倍率44倍)、男性は3.3%(採用倍率30倍)となった。一般職では、女性は4.4%(採用倍率23倍)、男性は8.8%(採用倍率11倍)だった。平成17年4月の総合職新規採用者について、「10年後(平成26年4月時点)での役職等の状況」をみると、女性は58.6%で「離職」が最多となった。次いで、「一般職員」(33.1%)、「課長相当」(4.0%)と続いた。男性の最多は38.1%で「一般職員」だった。以降、「離職」(37.1%)、「係長相当職」(15.5%)となった。
2015年10月27日女性向け医療保険とは、女性特有の疾病(保険会社によって、女性に多い病気も含まれます)に対して保障のある保険で、女性専用の保険商品や、医療保険に特約でつけるタイプのものがあります。女性向け保険の仕組み女性保険の一般的な形は、基本の入院保障額に女性特有の疾病に対して保障額を上乗せする形の保険商品になっています。例えば、入院保障が日額10,000円の基本保障に、女性特有の疾病に対しては5,000円上乗せで給付を受けられるというもので、女性特有の疾病として保障対象になる乳がんに罹患して入院した場合は、15,000円給付されることになります。また、保険商品によっては、手術給付金に対して、上乗せしている保険もあります。女性保険の保険料は、保障内容が付加される分、一般的に通常の医療保険より高めとなります。保障される女性特有の疾病とは?保険会社により、保障対象になる女性特有の疾病の種類が異なります。代表的なものは、がんでいえば、乳がん、子宮がん、卵巣がん等で、子宮の病気でいえば、子宮内膜症、子宮筋腫等となります。その他にもリウマチやバセドウ病等も保障している商品があります。さらに、妊娠・出産時のリスクに対する保障も受けられます。妊娠期間中は早産等で入院することがあります。出産時においても異常分娩や帝王切開などで通常の出産よりも長く入院をすることがあります。妊娠中の契約は保険会社によって制限がありますので、確認する必要があります。例えば、妊娠中に契約ができたとしても、妊娠出産に関する疾病は保障対象外となることがあります。医療保険の保障に上乗せして保障を手厚くするので、毎月の保険料負担は、長期間にわたると大きな差が出てきます。ライフイベントの変化に応じて、保険加入を合理的に考えることは大切なことです。女性は、結婚してから高齢期に至るまで、さまざまな体の変化があり、ライフステージによりかかる疾病も変化します。女性が入院することは、家族のいる人にとっては、子育てや家事に影響が出て、費用も掛かります。そのようなことを踏まえ、保障と保険料のバランスを考えて、女性保険を選びましょう。※掲載されている情報は、最新の商品・法律・税制等とは異なる場合がありますのでご注意ください。
2015年10月27日先進医療とは、厚生労働大臣が定める高度の医療技術を用いた療養等で、国民の選択肢を拡げ、利便性を向上するという観点から、保険診療との併用を認めることとされた医療行為です。先進医療は、医療技術ごとに適応症(対象となる疾患・症状等)および実施する医療機関が限定されています。また、厚生労働大臣が認める医療技術・適応症・実施する医療機関は随時見直されます。医療技術の進歩や、より良い治療を受けたいという患者の要望により、承認される先進医療はここ数年は100種類前後で推移しています。先進医療の数現在、厚生労働省が公表している先進医療の技術は107種類です。このうち、第2項先進医療技術(先進医療A)と呼ばれるものが62種類、第3項先進医療技術(先進医療B)と呼ばれるものが45種類です。また、先進医療は治療を受けられる医療機関が限定されています。がんの重粒子線治療が受けられる病院は全国で4カ所しかありません。(平成27年9月1日現在)先進医療の費用負担先進医療には、がん治療に関するものが数多くあります。代表的なものとして、陽子線治療や重粒子線治療があります。重粒子線治療の費用は、約300万円かかり高額となります。先進医療にかかる費用は、患者が全額自己負担することになります。また、先進医療にかかる費用は、医療の種類や病院によって異なります。先進医療にかかる費用以外の、通常の治療と共通する部分(診察・検査・投薬・入院料等)の費用は、一般の保険診療と同様に扱われます。つまり、一般の保険診療と共通する部分は保険給付されるため、各健康保険制度における一部負担金を支払うこととなります。医療保険での保障お金のかかる先進医療の備えとしては、医療保険やがん保険に特約を付ける形で備えられます。がん保険のがん先進医療特約は、がん治療に関する先進医療しか保障しないのに対し、医療保険の先進医療特約は全ての先進医療が対象になりますので、先進医療特約は医療保険に付与したほうが保障範囲は広がります。保障は、ほとんどの商品が実際にかかった先進医療の技術料と同額となっていて、限度額は各保険会社によって異なりますが、1,000万円や2,000万円が多くなっています。先進医療特約の保険料は、月額100円程度となっており、加入しやすくなっています。先進医療は、今後健康保険が適用される可能性があります。また、新しい医療技術も次々と開発されることから、先進医療の数は常に変化し、その内容も変わっていきます。先進医療特約は、満足のいく治療を受けるための備えとして有効です。※掲載されている情報は、最新の商品・法律・税制等とは異なる場合がありますのでご注意ください。
2015年10月27日厚生労働省は21日、社会保障審議会医療保険部会に対し、「次期診療報酬改定に向けた基本認識、視点、方向性等について」と題した資料を提示した。これによると、『考えられる具体的方向性の例』として、「後発医薬品の使用促進・価格適正化」や、「かかりつけ機能が発揮できていないいわゆる門前薬局の評価の見直し」、「残薬や多剤・重複投薬を減らすための取組の推進」などの方向性が示された。同資料では、「改定に当たっての基本認識」として3つの項目を提示。このうち、「経済・財政との調和」の項目では、「 医療政策においても、経済・財政との調和を図っていくことが重要との観点から、無駄の排除や医療資源の効率的な配分、医療分野におけるイノベーションの評価等を通じた経済成長への貢献にも留意することが必要ではないか」との問題認識を示した。その上で、「効率化・適正化を通じて制度の持続可能性を高める視点」として、「今後、医療費が増大していくことが見込まれる中で、国民皆保険を維持するためには、制度の持続可能性を高める不断の取り組みが必要」とし、「医療関係者が共同して、医療サービスの維持・向上と同時に、医療費の効率化・適正化を図るよう検討する必要があるのではないか」と問題提起。『考えられる具体的方向性の例』として、「後発医薬品の使用促進・価格適正化、長期収載品の評価の仕組みの検討」、「残薬や多剤・重複投薬を減らすための取組の推進など、医薬品の適正使用を推進するための方策」、「いわゆる門前薬局の評価の見直し」などを挙げた。「後発医薬品の使用促進・価格適正化、長期収載品の評価の仕組みの検討」では、新たな後発医薬品に係る目標を達成するための取組の推進や後発医薬品の価格算定ルールの見直し、長期収載品に係る前回改定の影響を踏まえた検討、などの検討課題を挙げた。また、「残薬や多剤・重複投薬を減らすための取組の推進など、医薬品の適正使用を推進するための方策」では、「医師・薬剤師の協力による取組の推進」、「いわゆる門前薬局の評価の見直し」では、「かかりつけ機能が発揮できていないいわゆる門前薬局の評価の見直し」などを具体的方向性の例として挙げている。
2015年10月22日厚生労働省(厚労省)は10月21日、9月18日付で出荷の自粛要請などを行っていた化学及血清療法研究所(化血研)が製造販売する季節性インフルエンザワクチン「インフルエンザHAワクチン"化血研"」についての出荷自粛要請を解除することを決定したと発表した。同要請は、化血研が製造販売するワクチン製剤などについて、承認書と製造実態の齟齬などについての同省への報告が適切になされていないことを理由になされていたもの。21日に開催された「第13回 厚生科学審議会感染症部会」において、化血研のインフルエンザワクチンについて、品質および安全性などに重大な影響を及ぼす齟齬はないという判断が報告されたほか、公衆衛生対策上の必要性の観点から、インフルエンザの発生の予防およびまん延の防止をはかる目的から、出荷を認め、供給不足を避けるべきと考えられる、との意見がまとめられたという。インフルエンザワクチンの接種は10月より各地で始まっているが、すでに一部では接種希望者に対して供給不足を理由に後日の接種が提案されるといった状況が起こっていた。なお、化血研のインフルエンザワクチンは近く出荷が開始される見通しだという。
2015年10月21日保育園に入れたくても入れられない深刻な状況が続く「待機児童」問題。厚生労働省によると、全国の待機児童数は今年に入り5年ぶりに増加しているという(2015年4月1日時点)。その数、2万3,167人。そんななか、全国の市区町村のうち待機児童数が最多となっている東京都世田谷区では、認可保育施設の申し込み受付が始まっている。ママたちが熾烈な保活競争に苦しむ中、行政は保育の現状をどう捉え、課題解決に取り組んでいるのか。世田谷区保育計画・整備支援担当課の菅井英樹課長に聞いた。○待機児童問題の背景には「未就学児&共働き家庭の増加」がある世田谷区によると、認可保育施設に入れない待機児童の数は近年増加傾向にある。平成23年度に688人いた待機児童が昨年度は1,000人を超え、今年度に入ってからは1,182人となった。なぜこれほどまでに待機児童が増えてしまったのか。菅井課長はその理由として、「未就学児(0~5歳児)の数が想定を超える勢いで増えていること」をあげた。ここ数年は年に1,000人ペースで増加。これに伴い、平成20年春入園の希望者が2,860人であったのが、平成27年の時点では6,175人と倍以上になっている。また、「平成20年のリーマンショック以降、共働き家庭が増えたことなどにより、保育施設のニーズ自体が高くなっていることも理由の1つ」と語る菅井課長。これらの要因から、準備すべき保育施設の想定も上回っていて、定員が足りないという状況が生まれているのだという。○認可保育施設の新設で昨年以上の定員増が可能そのうえで、これらの課題をどのように解決しようとしているのか。区が最も重要な施策として進めているのが認可保育園の新設だ。今年度は4月の時点で1,221人分の定員増を実現。来年4月には、現在調整中の施設も含めると今年度以上の定員増を見込んでいる。加えて、今年から法制化された「小規模認可保育所」の整備もあわせて進めていく方針。「小規模認可保育所」は、対象を0~2歳児に限定した保育施設ではあるが、一般的な保育施設に比べて、低予算で開園が可能だという。今年4月には4カ所の保育所を認定し63名の定員を確保した。○一方で、0歳児の定員は5年後も足りない一方で、菅井課長は「現時点の計画では、5年後も0歳児の定員は足りない見込み」と話す。これまでの計画で、区では未就学児童数のピークを平成30年(4万2,851人)と予想していたが、昨年1月の時点で4万3,365人と既にピーク時の想定を超えてしまっているからだ。今後、計画の見直しも検討しているという。また、待機児童の多くを占める0~2歳児対象の「小規模認可保育所」の整備に関しても、実は課題が多い。小規模施設に適した物件の確保は難しく、その規模によっては利益を出すのが難しいため、事業者が集まりにくいというのだ。さらに同区では、3歳以降も確実に保育施設に通ってもらおうと、連携先の保育園の確保も要請していて認定のハードルが上がっているのが実情だ。待機児童問題について、行政が傍観しているわけでは決してない。しかし、今後も保育施設を確保するために親たちが奔走する状況は続きそうだ。
2015年10月21日東京急行電鉄はこのほど、厚生労働省が主催する「イクメン企業アワード2015」において特別奨励賞に選定されたことを発表。10月19日開催の「イクメン推進シンポジウム」にて表彰式が行われた。「イクメン企業アワード」は、厚生労働省が働きながら安心して子供を産み育てることができる労働環境の整備を推進するため、男性の育児と仕事の両立を積極的に促進し、業務改善を図る企業を表彰する制度。2013年度から始まり、2015年度で3年目を迎えた。同社は、運輸業界では初の受賞となった。受賞理由として、スライド勤務や時間休の導入などのフレキシブルな勤務体系に加え、マネジメント層の意識改革セミナー「イクボスセミナー」や、育児休業の有給化などの取り組みが評価されたという。同社における男性の育児休業取得者数は、2011年7月から2012年6月までの1年間で1名(平均取得日数9日)だったが、これらの取り組みにより、取得者数は2014年7月から2015年6月までの1年間で16名(平均取得日数73日)まで増加したとのこと。なお同社は、2015年度から開始した「中期3か年経営計画」の重点施策の一つとして、「ワークスタイル・イノベーション」を掲げている。「当社が持続的に発展するためには、多様性を生かす組織づくり、すなわちダイバーシティマネジメントの推進と、この基盤となるワークスタイル・イノベーションが必須であると考えます。年齢、性別、国籍、身体の状態など、背景の異なる社員一人ひとりの力を最大限に発揮し、組織として最大価値を創出することを目指します」とコメントを寄せた。
2015年10月20日