中百舌鳥【炭火焼肉ひびの亭中百舌鳥店】三国ヶ丘【MochaArtCafe】堺【みくり】上野芝【中国酒菜暢暢上野芝店】堺東【大阪の鉄板焼コミット】中百舌鳥【炭火焼肉ひびの亭中百舌鳥店】“映える”メニューに心が躍る! コストパフォーマンスもうれしい焼肉店スモークとともにお店の代表メニューが現れる『焼肉の玉手箱』中百舌鳥駅前という、アクセス至便な場所にある【炭火焼肉ひびの亭中百舌鳥店】。こだわりは、味のクオリティや演出、コストパフォーマンスのよさ。贅沢な演出にワクワクする『焼肉の玉手箱』をはじめ、『クラシタロースのすだれ焼き』『ジャンボハラミ』『極厚切りタンステーキ』など、見応え&食べ応え満点のメニューが充実!最大50名の団体利用ができるのもうれしい全80席ある店内は広々としていて、家族連れでも気兼ねなく利用できる雰囲気。誰かを喜ばせたい、楽しませたいときにも選びたい一軒です。大人の焼肉デートなら、オススメメニューをピックアップしたペアセットで上質な焼肉を満喫するのもオススメ。仁徳天皇陵など百舌鳥エリア古墳の散策時にも、重宝すること間違いなしです。炭火焼肉ひびの亭中百舌鳥店【エリア】堺【ジャンル】焼肉【ランチ平均予算】1000円【ディナー平均予算】4000円【アクセス】中百舌鳥駅 徒歩1分三国ヶ丘【MochaArtCafe】約50のフードメニューや愛らしいスイーツが楽しめるカフェ『きのこと明太子のパスタ』三国ヶ丘駅から徒歩5分の【MochaArtCafe】。多彩なパスタメニューは、プラス100円で淡路島の老舗、淡路麺業の生パスタに変更できます。ほかにも、ドリアやロコモコ丼などの豊富なフードメニューを用意。18時からはお値打ちなディナーセットも登場するので、たっぷりと味わいたい人にオススメ。アルコールメニューもあり。照明も愛らしい、居心地のいい店内でくつろげますカフェ使いなら、スイーツと一緒にラテアートが魅力のカフェラテを満喫してみては。店内には本や雑誌が充実しているので、一人で訪れてもリラックスした時間が過ごせます。11時半から夜は23時までオープンしているので、古墳群巡りの途中や後など、ひと息つきたいときに気軽に立ち寄れるうれしい存在です。MochaArtCafe【エリア】堺【ジャンル】カフェ【ランチ平均予算】1100円【ディナー平均予算】2200円【アクセス】三国ヶ丘駅 徒歩5分堺【みくり】ほっとくつろげる空間で日々変化する料理と日本酒市場から仕入れた新鮮な魚介を焼き物やお造りで堪能堺駅から徒歩3分の場所にある【みくり】は、多彩なジャンルのメニューが味わえるのが魅力。料理人が市場でその日に仕入れた食材を駆使し、一期一会のラインナップで楽しませてくれます。リーズナブルな価格設定で、希少なプレミアム焼酎や日本酒も手頃な価格で提供。ぜひ、料理とともに味わってみては。落ち着いた雰囲気の店内でほっと和める時間が過ごせそう暖色系の色調でまとめた空間には、カウンター8席とテーブル3卓が並びます。豊富なアラカルトメニューのほか、飲み放題付きなどのコース料理も用意。貸し切り利用も可能なので、グループの集まりにも重宝します。世界遺産を訪れたあと、家族や友人たちとゆったりとくつろぐのにもぴったりです。みくり【エリア】堺【ジャンル】居酒屋【ランチ平均予算】-【ディナー平均予算】4000円【アクセス】堺駅 徒歩3分上野芝【中国酒菜暢暢上野芝店】中国全土のさまざまな料理をバランスよく楽しめる『季節野菜と紋甲いか花切の塩味炒め』など、アラカルトも充実【中国酒菜暢暢上野芝店】で味わえるのは、広東、上海、四川、北京といった本格的な四大中国料理。ホテル出身の料理人が手がけるオススメ料理は、お刺身をタレで中国風にアレンジした『暢暢特製 鯛の刺身』や『四川風ピリ辛麻婆豆腐』など。一ヶ月半ごとに内容の変わる、季節感あふれるコース料理もぜひ。ゆったりと過ごせる雰囲気で居心地がいい上野芝駅から徒歩5分、履中天皇陵古墳からもほど近い立地。広々とした店内では、盛付けも彩り鮮やかなお得なランチセットや夜のコース料理が楽しめます。個室の円卓席も用意されているのでシーンに合わせて使い分けることも可能。5年ものと10年もののこだわり「かめ出し紹興酒」も料理の魅力をさらに引き立ててくれるはずです。中国酒菜暢暢上野芝店【エリア】堺【ジャンル】中華料理【ランチ平均予算】1000円【ディナー平均予算】2000円【アクセス】上野芝駅 徒歩5分堺東【大阪の鉄板焼コミット】バラエティに富んだ鉄板料理をカジュアルな空間で満喫!塩麹に漬けてから火入れをする『和牛たたき』1993年に開業し、過去に居酒屋甲子園関西地区で3年連続準優勝したことのある【大阪の鉄板焼コミット】。柔らかくてジューシーな『和牛のたたき』や、和風のようでも洋風のようでもある『チーズロール』、グルテンフリーな『お好み焼き』など、自慢のメニューが用意されています。食後は、人気の『フレンチトースト』で締めくくるのがオススメ。女将が毎日丁寧に磨く鉄板で次々に料理が焼き上がる堺東駅から徒歩10分。大きな看板を目印にお店に向かうと、ほっと落ち着くようなどこか懐かしい雰囲気が迎えてくれます。一人でカウンターに座ってくつろぐのもよし、複数で訪れて自慢の料理を存分に味わえる『鉄板焼コース』をオーダーするのもよし。ハイボールサーバーが設置されているので、熱々の鉄板焼きメニューとともに酔いしれてみては。【大阪の鉄板焼コミット】電話:072-229-4448住所:大阪府堺市堺区南瓦町1-21 宏昌センタービル※店舗情報は取材当時の情報です。最新の情報や営業時間は店舗にご確認ください。
2024年05月10日THE COLLECTORSのギタリスト・古市コータローが5月15日(水) に発売する6枚目のソロアルバム『Dance Dance Dance』の詳細が発表された。浅田信一をサウンドプロデュースに迎えて制作された本作には、自身が作詞作曲した楽曲に加えて、YO-KING(真心ブラザーズ)や西寺郷太(NONA REEVES)の作詞曲、江沼郁弥の提供曲などバラエティに富んだ全10曲を収録。レコーディングには浅田に加え、田村明浩(スピッツ)、高間有一、オヤイヅカナル、古市健太が参加し、ジャンル問わず様々なアーティストからリスペクトを受ける古市ならではの布陣となった。アルバムはアナログとCDの2形態で発売。アナログには直筆ライナーノーツ入り8PブックレットやB2ポスター、収録曲がダウンロードできるカードが封入。CDはコロムビアミュージックショップおよびライブ会場限定販売となる。併せて、アートディレクションを庄司信也(Fu-10)、カメラマンを後藤倫人が務めたジャケット写真が公開された。また、アルバムの発売を記念したオンラインイベントの開催が決定。コロムビアミュージックショップで期間内に予約した人を対象に、オンラインサイン会が実施される。<リリース情報>古市コータロー 6thアルバム『Dance Dance Dance』5月15日(水) リリース●LP:6,600円(税込)古市コータロー『Dance Dance Dance』LP盤ジャケット【封入】・直筆ライナー付き8Pブックレット・B2ポスター・LPの音源が全曲聴けるダウンロードカード●CD:3,300円(税込)※コロムビアミュージックショップ限定販売古市コータロー『Dance Dance Dance』CD盤ジャケット【収録内容】01. Dance Dance Dance作詞作曲・編曲:浅田信一02. Tonight作詞:古市コータロー、浅田信一作曲:古市コータロー編曲:浅田信一03. Only Lonely Road作詞:浅田信一 作曲:古市コータロー編曲:浅田信一04. OCEAN WAVES作詞:西寺郷太作曲:古市コータロー編曲:浅田信一05. POOL作詞:YO-KING 作曲:古市コータロー編曲:浅田信一06. ROCK ’N’ ROLL IS MY LIFE作詞作曲・編曲:浅田信一07. 冬にわかれて作詞作曲:江沼郁弥編曲:江沼郁弥、浅田信一08. そばにあるはず作詞作曲:古市コータロー編曲:浅田信一09. 解き放て作詞作曲・編曲:浅田信一10. Windy Day作詞:古市コータロー、浅田信一作曲:古市コータロー編曲:浅田信一<イベント情報>古市コータロー『Dance Dance Dance』発売記念オンラインイベント5月12日(日) 14:00~THE COLLECTORSオフィシャルYouTubeアカウントで配信内容:ネットサイン会詳細はこちら:<ツアー情報>古市コータロー『KOTARO FURUICHI SOLO BAND TOUR 2024「赤のブルース」』5月18日(土) 岩手・CLUB CHANGE WAVE開場16:30 / 開演 17:00バンドメンバー:古市コータロー(Vo & G) / 浅田信一(G & Cho) / 鈴木淳(B & Cho) / 古市健太(Ds) / オヤイヅカナル(Key) / 真城めぐみ(Cho)5月25日(土) 愛知・名古屋JAMMIN’開場16:15 / 開演17:00バンドメンバー:古市コータロー(Vo & G) / 浅田信一(G & Cho) / 鈴木淳(B & Cho) / 古市健太(Ds) / オヤイヅカナル(Key)5月26日(日) 大阪・Music Club JANUS開場16:15 / 開演17:00バンドメンバー:古市コータロー(Vo & G) / 浅田信一(G & Cho) / 鈴木淳(B & Cho) / 古市健太(Ds) / オヤイヅカナル(Key) / 真城めぐみ(Cho)5月30日(木) 東京・EX THEATER ROPPONGI開場18:00 / 開演19:00バンドメンバー:古市コータロー(Vo & G) / 浅田信一(G & Cho) / 鈴木淳(B & Cho) / 古市健太(Ds) / オヤイヅカナル(Key) / 真城めぐみ(Cho)ゲスト:ウエノコウジ(The HIATUS / Radio Caroline) / 江沼郁弥(DOGADOGA) / 大森南朋 / クハラカズユキ(うつみようこ&YOKOLOCO BAND / M.J.Q / QYB / The Birthday / 緊急バンド / OHIO101) / 佐々木亮介(a flood of circle) / 神野美伽 / 仲井戸“CHABO”麗市チケット情報:()古市コータローsolo acoustic tour 2024『赤のブルース〜弾き語り編』5月31日(金) 東京・LIVE INN ROSA開場18:30 / 開演19:006月2日(日) 茨城・LIVE MUSIC PUB Paper moon開場17:00 / 開演17:306月3日(月) 宮城・LIVE & CLUB MACANA開場18:30 / 開演19:006月6日(木) 静岡・LIVE HOUSE UHU開場18:30 / 開演19:006月8日(土) 岡山・Blue Blues開場17:00 / 開演17:306月9日(日) 京都・紫明会館開場17:00 / 開演17:30THE COLLECTORS 公式サイト:
2024年03月29日古市コータロー、ウエノコウジ、松本素生が出演するスペシャル番組『SPEAKEASY QUATTRO』の第5シーズンが、4月27日(木) 17時より4週にわたってクラブクアトロのYouTubeチャンネルで配信されることが決定した。『SPEAKEASY QUATTRO』は3人がぶっちゃけトークを繰り広げる番組で、今回は例年よりも早い桜の開花に合わせ都内某所でお花見を開催。広島編で結成されたスペシャルバンド「SPEAKEASY BAND」のドラマーで、古市コータローの息子・古市健太も登場し、桜の舞う中での大人のミュージシャン談義が届けられる。<配信情報>『SPEAKEASY QUATTRO』第5シーズン配信日:4月27日(木)・5月4日(木・祝)・11日(木)・18日(木) 17:00~出演:古市コータロー(THE COLLECTORS) / ウエノコウジ(the HIATUS他) / 松本素生(GOING UNDER GROUND) / 古市健太クラブクアトロ YouTubeチャンネル:
2023年04月26日社会学者であり、コメンテーターとしてメディアに出演している、古市憲寿さん。古市さんは、2022年11月15日にTwitterを更新し、スペイン・バルセロナでの様子を公開しました。脱出ゲームを終えた後の写真や、サグラダ・ファミリアの写真に加え、『海外旅行する人が準備しておくと便利なこと』などの情報を投稿。スペインの脱出ゲームで汚れた。でも楽しかった! pic.twitter.com/rf2U4km4Zz — 古市憲寿 (@poe1985) November 14, 2022 いくつかのツイートの中で、自身の若い頃の写真も投稿しており、反響を呼んでいます。14年前、若い。バルセロナの港のどこか。 pic.twitter.com/gUMUt7Lkar — 古市憲寿 (@poe1985) November 15, 2022 古市さんは14年前にもバルセロナを訪れており、その時に撮影された写真を公開。2022年現在の古市さんと比べて、少しあどけない様子が伝わってきますね!投稿には、さまざまなコメントが寄せられました。・やんちゃな雰囲気があって、かわいい。・まったく印象が違う、別人みたい…。・昔もいいけど、今もかっこいいよ!・髪型が若いけど、顔立ちは全然変わらないですね。メディアに出演している時の、臆することのない堂々たる姿勢とのギャップに、魅了された人が多かったようです![文・構成/grape編集部]
2022年11月19日戦争の極限下で異質な他者と出会い、人はどう変わるのか。古市憲寿さんによる、極上純愛小説『ヒノマル』。「この2年で、自由というのは脆いものだと痛感しました。ある出来事をきっかけに社会の空気はがらりと変わってしまうし、当たり前だと思っていた“自由”という権利すら、突然奪われてしまう。それが、またすぐに『いまはしょうがないか』と当たり前の形が変わって、いつの間にか窮屈さが増していくことだってあり得ますよね。そんなときに、社会の要請に従順に従うのか、徹底的に抗うのか。ただ、それ以外の第三の道というのはあるんじゃないのかなと思うんです」『ヒノマル』の舞台である戦時下と、コロナ禍にあるいまの状況に共通点を感じたという古市憲寿さん。「たとえば戦時下にも『不要不急』というスローガンがあったんです。そんな非常時だからこそ書けた物語かもしれません。戦争に対して、あるいはコロナウイルスに対してどう向き合うか。価値観が極端に対立していたり、親しい人同士でも本音と本音をぶつけ合えなかったり。そんなふうに疑心暗鬼になってギスギスした空気が蔓延する時代に、人と人はどうすれば信頼し合い、共に行動できるのかを考えたかったんです」主人公は、国家のために命を捧げたいと考えている軍国少年の新城勇二。ある日、中学の同級生で親友の小針啓介から〈魔女退治に行かないか?〉と誘われる。観音山公園内の洞窟に魔女が住んでいると噂があるのだ。探しに行くと、ひっそりとした洞窟に〈秘密の図書館〉を作っていた美しい女の子が現れて…。一ノ瀬涼子と名乗った彼女は、歴史学者の娘で、勇二より1学年上の高等女学校生。勇二は、「日本は負ける」と主張する涼子に反発を覚えながら、無意識に惹かれていく。だが、彼女は兄・優一の恋人だった。「聡明な兄と、国の教育のまま軍国少年になってしまった弟、リベラリストで自由奔放な女の子。いわゆる三角関係の物語なんですが、戦争中の物語なのでどうしても事件が起こるんです。兄が徴兵されたり、非国民呼ばわりされたり、空襲に怯えたり。極限状態で人はどうなるのか」第1稿のときの勇二は、国の勝利を疑いもしないような人間だったそう。書き直すうちに、内心では理知的な大人たちの言説を否定できなくなっていく“二重性”を、にじませるよう意識した。「勇二の正義感のゆらぎをどう書くかが、いちばん気を遣ったところですね。涼子は涼子で気ままに振る舞いすぎて、周囲とハレーションを起こしていますが、優一や勇二らとの交流を経て少し変わった部分もある。異質な他者との出会いによって人はどう変わるのか。それを見つめるのが大きなテーマでした」極限を苦悩しながら生きる若者たちの姿が描かれるが、読み心地は存外に明るい。「確かに重苦しい時代ですが、戦時中には戦時中なりの青春はあったと思うんです。たとえば、勇二らは勤労動員で軍需工場に行かされますが、夜中に涼子たちがいる女子寮に忍び込んだりします。実際にあったエピソードを参考にしたのですが、どんな大変な時代に生まれたとしても、楽しみ方はある。それは現代にもいえる話だと思います」本書には、機転が利いて要領よく立ち回れるような人物も多く登場するが、そんな人間でも時代の常識から完全に逃れるのは難しい。「ただそうした束縛を突破できる力があるとすれば、『自分や大切な人を守りたい。一緒に幸せになりたい』しかないのかなと。そんな思いを込めた作品です」シンプルだが力強いラストの一文まで、一気読み必至の大ロマンスだ。ふるいち・のりとし1985年、東京都生まれ。社会学者。同世代の視点からの新たな若者論『絶望の国の幸福な若者たち』で注目を浴びる。2018年に初小説『平成くん、さようなら』を発表し、コンスタントに作品を書き続けている。近著に『楽観論』など。『ヒノマル』物語は昭和18年、戦争の只中にある日本から始まる。大学生だった優一は学徒出陣で徴兵され、勇二らは勤労動員で駆り出される。重苦しい束縛をかいくぐり、青春を駆け抜ける彼らのたくましさが希望だ。文藝春秋2200円※『anan』2022年4月20日号より。写真・中島慶子(本)インタビュー、文・三浦天紗子(by anan編集部)
2022年04月19日鈴井貴之作・演出・出演の舞台『D-river』が2月5日、池袋サンシャイン劇場にて開幕した。「OOPARTS」プロジェクトとしては今回が6度目となる本公演。渡辺いっけいや田中要次、竹井亮介、大内厚雄ら「OOPARTS」お馴染みのキャストに加え、初参加となる温水洋一、最年少キャスト舟木健(NORD)、鈴井の盟友でもある藤村忠寿(北海道テレビ)というキャスト陣が揃った。本作品のテーマは「人間と人工知能AIの共存」。秘密裏に行われる自動運転実験をめぐり、メーカー、科学者、技術者、被験者といった個性豊かな登場人物たちの思惑が交差することで物語は進んでいく。鈴井演出における特徴でもある幾何学的な舞台セットは今回も健在。不規則に並べられた段差は可動式で、一部を切り離して車両を表現するギミックは観客の想像を掻き立てる。舞台全体に映し出される緻密に計算された映像演出や、青を基調とした淡く美しい照明などの視覚効果も見どころのひとつだ。さらにベテラン役者陣の見事なアンサンブルが笑いを誘い、コミカルな中にもメッセージ性を強く伝える内容も特徴といえるだろう。また劇伴はロックバンド・勝手にしやがれのドラムボーカルであり、鈴井と親交のある武藤昭平が担当。主要シーンで流れる書き下ろし楽曲は哀愁のあるギターフレーズが特徴的で、登場人物達の背景や思惑をさらに色濃く映し出して舞台を彩った。<鈴井貴之・コメント>正直、今まで初日を迎えるのは緊張というか不安でしたが、強者ばかりのキャスト陣・スタッフの力もお借りし、今回の舞台はOOPARTS史上一番の手応えを感じています。この後の本番も、皆様の笑い声、大きな拍手をいただけるよう、オッサン達(若者ひとり)全力で努めさせていただきます。一緒に楽しい時間を作り上げましょう!劇場でお待ちしております。■公演情報TAKAYUKI SUZUI PROJECT OOPARTS VOL.6『D-river』<東京公演>2月5日(土)〜2月13日(日)会場:サンシャイン劇場<大阪公演>2月18日(金)〜2月20日(日)会場:COOL JAPAN PARK OSAKA TTホール<札幌公演>2月25日(金)〜2月27日(日)会場:道新ホール
2022年02月08日●舞台ならではの観客との一体感「一度経験すると忘れられない」俳優、タレント、映画監督、脚本家、演出家などマルチに活躍する鈴井貴之。大泉洋、安田顕、森崎博之、戸次重幸、音尾琢真らの演劇ユニット「TEAM NACS」らが所属する芸能事務所「CREATIVE OFFICE CUE」の取締役会長でもある鈴井が、今でも北海道を拠点に活動し続ける理由とは? 今年還暦を迎える鈴井に、感謝してやまないという地元・北海道の人々やTEAM NACSへの想い、今後の展望について話を聞いた。2022年2月には、鈴井が手掛ける演劇プロジェクト「OOPARTS(オーパーツ)」の舞台『D-river(ドライバー)』が東京・大阪・札幌で上演される。人間と人工知能=AIとの共存をテーマにした本作は、渡辺いっけい、温水洋一、田中要次、竹井亮介、大内厚雄、舟木健、藤村忠寿、作・演出の鈴井という8人の演技が見ものだ。「僕も皆さんと同年代ですが、おっさんたちでバカバカしいことをしたいなと思い、そこに同調してくださる方々に参加してもらいました(笑)。皆さん、過去に僕がご一緒している方々ですが、実績があるのはもちろん、いい人たちばかりです。稽古場が和気あいあいと進行できるようなイメージでしたが、実際にものすごく楽しくやらせてもらっています」中年男3人が、自動運転の車に乗って、ある高額報酬のミッションを遂行していく。どうやらそのうちの1人がAIを備えたロボットらしいが、外見を見るかぎり、それが誰なのかが識別はできない。3人はお互いに懐疑心を抱きながらドライブをしていく。「僕は日常で車を運転していて、高速道路で田舎と札幌の行き来をしていますが、最近の車はアシスト運転の性能がすごいという話を聞きまして。自分も歳をとってきたし、田舎に行くと高齢者のドライバーが多くておっかないんです。早く精度の良い自動運転車ができれば、おじいちゃんやおばあちゃんも免許を返納しなくて済む。総合的に鑑みても自動運転の進化はありがたいことだと思いました」しかし、その一方で、鈴井は「車産業は、タクシーやバスの運転手はもちろん、車の整備工場や自動車免許教習所で働いている人など、いろんな分野で膨大な人が関わっていて、簡単に自動化なんてできないんじゃないかと。技術がかなり進歩していたとしても、実用化に至るまでにいろんなハードルがあり、すぐに出来ない現状があるんじゃないかと、疑いの目を向けてしまって」と深読みしたうえで、今回のストーリーを考えていったとか。本作も含め、鈴井は自身の舞台に自分も出演するプレイングマネージャー的な演出家だが、両方をやるメリットをどう捉えているのだろうか。「本当は演出に専念できればいいんですが、僕は少しでいいから出たいと思ってしまうタイプです。どっちつかずでダメなんですが、だからこそ、細かい演出が必要のないキャリアのある方たちをキャスティングするわけです」演出家と演者の立ち位置については「まったく別物です」と言う鈴井。「映像ならカットをかけられるし編集で落とすこともできますが、舞台の演出家の場合、本番の幕が上がったあとは本当に無力ですから。演出でこうやってくださいと説明しても、アドリブで何かをやられちゃったら、もう手出しができません。とか言っていますが、実は自分の芝居を一番壊すのは僕自身なので。演出と全然違うじゃないか! といつも怒られるのは僕なんです(笑)」そこは生ものである舞台ならではの面白さがあるに違いない。鈴井は「僕個人の見解ですが」と前置きしたうえで、「舞台は生身の体で直に、何百人のお客様たちと対峙する世界。時間と場所を共有していないとわからないことをお互いに体感するので、その一体感や空気感は、一度経験すると忘れられない気がします。舞台をDVDやブルーレイで見たとしても、やはり客席で見たものとは違う感じがしますし、舞台に立っている側の人間もそういう感覚を持っています。生だからこその緊張感はあり、万が一ミスがあったとしてもそれをどう挽回していくかという、1本1本が真剣勝負ですから」●事務所創立30周年感謝の思いと還暦後の展望を語る1992年に立ち上げた「CREATIVE OFFICE CUE」は、今年創立30周年を迎える。所属するTEAM NACSは、今や全国区で人気を博すユニットで、それぞれが個人でも活躍しているのは周知の通り。その理由について鈴井は「稀有な出会いがあったからこそです。ここまで来られたのは、決して我々だけの力だけではなく、いろんな方たちに助けられから今日があります」と心から感謝する。「現社長(伊藤亜由美)と出会って『会社を作り、本格的にやりましょう』と始めた事務所です。最初にOFFICE CUEに入ったのは安田顕ですが、その後TEAM NACSのメンバーが揃っていって、彼らを全国区にしたいと思った時、東京のアミューズさんとの出会いがあり、そこからまたいろんな縁がつながっていきました。今でこそ、うちは新卒入社採用みたいな制度もありますが、だいたいは人づてで入ってくることが多くて。そういう出会いがずっと続いているから、やりたいことをやらせていただける状況が作れたのかなと思っています」鈴井だけではなく、TEAM NACSのメンバーたちも、東京をメインに活動していながら、地元・北海道での仕事を大切に続けてきたが、鈴井はメンバーたちについて「きっと僕というダメなお父さんを見ているから、彼らは僕がしっかりしなきゃと思っているんじゃないでしょうか(笑)。こうやって東京にひょこひょこ出てくるけど、芝居が終わったらまた田舎へ帰って、自分勝手だなって」と冗談交じりに話す。また、「やはり北海道という土地柄も大きいと思います。千歳空港に着いた瞬間、冷たい空気が凛としていて、寒くて嫌だけど北海道ならではの安心感があり、いろんなことを頑張ろうという気持ちにさせてくれるんです」とも語った。そして、北海道民のファンたちの支えが何よりも大きかったと強調する鈴井。「TEAM NACSもそうですが、そもそも北海道で人気者になったから全国区になれたんです。北海道の人たちが育ててくれて、全国へいってらっしゃいと送り出してくれました。そういう気持ちがベースにあるので、彼らは東京での仕事が多くなっても、地元での仕事を続けているんじゃないかと思っています」ちなみに鈴井自身も20代前半で、東京進出を考えたことがあったそうだ。「当時、札幌で芝居をやっていた僕と同年代の人たちは、みんな東京へ行っていて、僕自身も『あとに続くから』と言っていたのに、そのタイミングを逃しました。勇気と自信がなかったんです。地元の北海道が好きだからといったきれいごとを口にしていた時期もありましたが、正直、ビビっていたんだと思います。親からの圧力もあり、27歳ぐらいで一度、芝居をやめようと思い、一般企業の面接を受けたりもしましたし。でもそこから『北海道で意地でもやってやる!』と奮起し、30歳でOFFICE CUEを立ち上げました」OFFICE CUEには安田や大泉に続いてTEAM NACSの他のメンバーも移籍。北海道テレビの『水曜どうでしょう』が全国放送されたことで、ご当地タレントの枠を超え、全国で人気を不動のものにしていく。「TEAM NACSが、全国でもお客さんを動員できる演劇ユニットになってくれたことが大きかったです。そこは彼らだけではなく、僕が描いていた夢でもありましたから。僕は自分でそれをできなかったけど、彼らが実現してくれました。ただ、ご当地タレントとかローカルタレントって、ランクが下のように扱われがちですが、僕はそう思ってないし、そこを彼らが証明してくれたような気もします。また、彼らに感化されて、僕ももう1回やりたいと思い、OOPARTSを2010年から再始動させたんです」OOPARTSの今後の展望についても話を聞いた。「実現できるかどうかわからない夢物語として。お客さんを入れずに中継で、山1つ爆破しちゃうような規模の野外劇を、自然のなかでやってみたいです。劇場の舞台という枠ではないものをね。北海道なので、大きな雪山を作ればできないこともないかなと。また、逆に50人ぐらいの小さな規模で、舞台と客席の垣根がない空間を使って、お客さんも巻き込んだストーリー展開のお芝居なども面白いのではないかと。お客さんの1人を犯人にしちゃうとかして(笑)」それは還暦を迎える年齢になった今だからこそ思いついたことだ。「いい年になって、これからもっとすごいことをやりますということより、今までずっと何十年も応援してくださった方たちに、もっと深く刺さるものを作りたい。若い頃ならもっとファンを拡大していこうと思うかもしれませんが、今は長年ファンでいてくださる方たちに、お礼をしたいです。それは老後の楽しみじゃないけど、こういうこともできますよ!という感じのものを何か作れたらと。これからもいろいろなことを考えていきたいです」■鈴井貴之(すずい・たかゆき)1962年5月6日生まれ、北海道出身の俳優、タレント、映画監督、放送作家、脚本家、演出家。大学在籍中に「ノーティキッズ」、「劇団487パラシュート」などの劇団を主宰。1990年に劇団「OOPARTS」を結成し、作・演出し、俳優としても出演。「OOPARTS」解散後は、タレント・構成作家としてHTB『水曜どうでしょう』などの数々の番組の企画・出演に携わる。映画監督としても『man-hole』(01)、『river』(03)、『銀のエンゼル』(04)、『銀色の雨』(09)を手掛ける。2015年には「ドラマ24『不便な便利屋』」で自身初の連続ドラマ脚本・監督を務める。2010年には「OOPARTS」を鈴井自身のプロジェクトとして再始動し、2019年までに5作の舞台公演を上演。
2022年01月28日北海道から全国に広がったバラエティ番組『水曜どうでしょう』(HTB)の“ミスター”で知られる鈴井貴之のプロジェクト・OOPARTSの最新作『D-river』が2022年2月に上演される。作・演出を手がけ、自ら出演する鈴井の構想に耳を傾けた。プロジェクト第6弾となる本作は、「人間とAIの共存」をテーマにした物語が繰り広げられる。高額な報酬のもと集まった3人の男は目的や到達地点を知らされず、指示されるがまま自動運転機能が搭載された車に乗り込む。それぞれの疑念を胸に発進するドライバーのうち、1人はロボットだ。「最新の人工知能を携えたロボットがハンドルを握ったら」というミッションを検証するために集められた男たちは、募る猜疑心をますます加速させる。テーマは、鈴井自身の「車の“完全”自動運転はすでに実現しているかもしれないが、一気に舵を切ると仕事を失くす人たちが現れるなど社会が大きく変わってしまう。だからどこかの機関が技術躍進を制御しているのでは」という仮定が着想の大きなポイントになっている。「何が真実かわからない世の中で自動車を中心軸に置き、進歩の裏で暗躍する人たちや翻弄される切ない存在を描きます」と聞くとシリアスな展開を想像するが、同時に「目指しているのは抱腹絶倒のコメディ」とも語る。渡辺いっけい、田中要次、竹井亮介、大内厚雄、藤村忠寿は「OOPARTS」作品に出演経験があり、温水洋一は鈴井演出のドラマに出演、舟木健は同じ事務所(クリエイティブオフィスキュー)と“勝手知ったる”仲だ。「出方を探り合っている『初めまして』の時間がもったいない。互いのスタンスを知っている人たちと『久しぶり、じゃあ早速やろうか』とすぐに始めたいんですよね」とせっかちな一面も見せる。『水どう』で裏方のディレクターながら抜群の存在感を発揮し男4人の旅路を盛り上げるHTB(北海道テレビ)の藤村とは、もはや“盟友”と言ってよいだろう。OOPARTSプロジェクト第1弾を除いて皆勤賞の藤村について、鈴井は「キャスティングされることに何の疑いも持っていない、出さなかったら関係に亀裂が入って、『水どう』が暗礁に乗り上げるでしょうね(笑)」と苦笑しつつ、信頼関係も覗かせる。鈴井自身の役どころは、自動運転の技術を開発したメーカーの権力者だ。「ドラマの『半沢直樹』(TBS)で香川照之さんが演じた役のようなヒールに徹します。メーカーの下請け工場に“圧”をかけまくるので、前作で演じたリストラの憂き目に遭って抑圧された元ヤクザより弾けたいですね」と“暗躍”を誓った。公演は、2022年2月5日(土)~13日(日)に東京・サンシャイン劇場にて。その後、2月18日(金)~20日(日)に大阪・COOL JAPAN PARK OSAKA TTホール、2月25日(金)~27日(日)に北海道・道新ホールと巡演する。チケットの一般発売は、12月4日(土)10:00よりスタート。■チケットぴあでの取り扱いは東京公演のみ取材・文:岡山朋代
2021年12月03日近鉄では、世界遺産「百舌鳥・古市古墳群」登録2周年を迎えたことを機に、百舌鳥・古市古墳群の普遍的価値を広く知っていただくことを目的とし、10月1日(金)から2022年3月31日(木)までの間、クリアファイル付き記念入場券セットと駅名キーホルダーを発売します。記念入場券をセットしたクリアファイルや駅名キーホルダーのデザインは、学生時代、通学で当社の南大阪線などをご利用いただいていた藤井寺市出身の絵本作家 長谷川義史さんにご協力をいただきました。古墳、水鳥埴輪、藤井寺市の人々と9月10日(金)に運行開始から5周年を迎えた「青の交響曲(シンフォニー)」などが描かれたユーモアあふれる作品です。この機会に、ぜひ世界遺産「百舌鳥・古市古墳群」登録2周年記念のグッズをお買い求めいただければと考えています。なお、この取り組みについては藤井寺市にご協力をいただいています。【記念グッズの内容等】1.記念入場券セットクリアファイルに「藤井寺駅」「土師ノ里駅」「道明寺駅」3駅の記念入場券をセット(限定5,000セット)2.オリジナル駅名キーホルダー(藤井寺駅500個、土師ノ里駅200個、道明寺駅300個限定)クリアファイル付き記念入場券セット駅名キーホルダー1.記念入場券の発売百舌鳥・古市古墳群世界文化遺産登録2周年記念入場券セット(1)発売期間 2021年10月1日(金)午前10時から2022年3月31日(木)まで ※売切れ次第終了(2)内 容 藤井寺市の駅(藤井寺駅、土師ノ里駅、道明寺駅)3駅の入場券を藤井寺市出身の絵本作家 長谷川義史さんが描いたクリアファイルにセット利用期間 2021年10月1日(金)から2022年3月31日(木)までの間の利用当日限り有効期間 券面記載駅の利用期間中の当日限り入場から2時間有効発売額 1,000円 ※大人用のみ発売数 5,000セット発売箇所 藤井寺駅、土師ノ里駅、道明寺駅※土師ノ里駅は9時30分~11時30分2.オリジナル駅名キーホルダーの発売百舌鳥・古市古墳群世界文化遺産登録2周年記念オリジナル駅名キーホルダー(1)発売期間 2021年10月1日(金)午前10時から2022年3月31日(木)まで ※売切れ次第終了(2)内 容 藤井寺駅、土師ノ里駅、道明寺駅のオリジナル駅名キーホルダー発売価格 600円(税込)発 売 数 藤井寺駅500個、土師ノ里駅200個、道明寺駅300個発売箇所 藤井寺駅、土師ノ里駅、道明寺駅(3駅とも各駅分のみ)※土師ノ里駅は9時30分~11時30分(参考)【長谷川義史さんプロフィール】絵本作家。1961年大阪府藤井寺市出身。グラフィックデザイナーを経て、『おじいちゃんのおじいちゃんのおじいちゃんのおじいちゃん』(BL出版)で絵本デビュー。『おたまさんのおかいさん』で第34回講談社出版文化賞絵本賞、『かあちゃんかいじゅう』で第14回、『いいからいいから3』(絵本館)で第19回けんぶち絵本の里大賞受賞。『ぼくがラーメンたべてるとき』で第13回日本絵本賞と第57回小学館児童出版文化賞、ペグ・ヒナ作『あめだま』で第24回日本絵本賞翻訳絵本賞など、多数受賞。毎日放送でのスケッチ散策が、お茶の間にも人気。 詳細はこちら プレスリリース提供元:@Press
2021年09月24日社会学者としてだけでなく、TV番組の司会やコメンテーター、小説家など、活躍の場を拡げ続ける古市憲寿さん。その軽やかなフットワークのヒントを教えていただきました。社会学者で小説家、TVのコメンテーターとしても活躍する古市さんが注目を浴びるきっかけとなったのは、ちょうど10年前、26歳で刊行した著書『絶望の国の幸福な若者たち』(巻末には俳優の佐藤健さんとの対談を収録!)だった。ただし本人の感覚としては、人生を決定付けたターニングポイントは、大学生時代まで遡る。「大学3年生の1年間、ノルウェーに留学したんです。そこで学んだことを元に卒業論文を書いていた頃、大学院進学を勧められ、社会学を本格的に専攻することになった。キャリア形成という意味でも大きなポイントでしたが、あの1年で生き方、考え方自体がかなり変わりました」もともと留学を決めた理由は、「単純に就活したくなかっただけ(笑)。それで一番ゆっくりできそうな国を選びました」しかし留学当初は、後悔することも多かったそう。「初めての一人暮らしだし食事もそんなに美味しくないしいつも天気が悪いし、友達もすぐにはできないし。勝手に思い描いていたキラキラの留学生活とのギャップで、最初の1か月は鬱々としていました。でも、この気持ちって、過度に自分に期待しているから生まれるんだよなと気が付いたんです。“自分はもっとうまくできるはず”とか考えて縮こまらないで、今の自分にできることをやれればいいし、日常の中で楽しいと感じられる小さなことを拾い集めていけばいい。今はもう、自分に期待しないと割り切っているので、どんな大舞台に見える場所でも緊張せずに済むし、トラブルが起こっても一人で抱え込まず、あっさりと人に頼れる。自分に期待しないって、結構いいことずくめだと思うんです(笑)」それは、自己否定とは異なる。むしろ、適切な自己肯定だ。「自分の足りないところや、コンプレックスに感じるところを認識するのは大事だと思うんです。というのも、それが変えられないものだなと分かったら、肯定するしかないじゃないですか。ある種の絶望から、楽観は始まるんですよね。例えば“何をやっても長続きしない”と思っている人は、楽観的な見方をすれば“好奇心が旺盛”ですよね。自分の淡泊な顔が気にくわなくても、実はそれって誰に対しても威圧感を与えない顔かもしれない。太っている人って、優しそうに見えたりしますよね。全ては解釈次第で、どんなコンプレックスも、見方を変えれば必ずいいことだと思えるようになる。別に“新しい自分”を目指さなくても、今の自分のままでも自分を肯定できるはずなんです」8月に出した新著の題名は『楽観論』だが、100%の楽観を目指せと説いているわけではない。大前提として悲観や「諦め」はありつつ、「それでも」自分自身や世の中に対していいところを探す。そんな柔軟なバランスを提案している。「自分の能力を活かせる場所は、この世界のどこかに必ずある。気付いていないだけで、“ここ”がそうかもしれない。こんな時代だからこそ、日常生活の中に少しの楽観を取り入れてみてほしいです」Noritoshi Furuichi1985年、東京都生まれ。社会学者。慶應義塾大学SFC研究所上席所員。日本学術振興会「育志賞」受賞。小説家として芥川賞に2度ノミネート。最新の著書は『楽観論』(新潮新書)。※『anan』2021年9月22日号より。写真・井手野下貴弘ヘア&メイク・堤 紗也香取材、文・吉田大助撮影協力・BACKGROUNDS FACTORY(by anan編集部)
2021年09月18日過去のいじめ問題がきっかけとなり、ミュージシャンの小山田圭吾さんが、東京五輪開会式の楽曲担当を辞任することが発表されました。同件は、小山田さんが、障害のある同級生などにいじめを行っていたことを明かした、1990年代のインタビュー内容が拡散されたというもの。小山田さんが楽曲を担当する東京五輪には、障がい者スポーツの大会であるパラリンピックもあり、かついじめの内容も度を越えたものだったことから、批判の声が殺到しています。古市憲寿「そもそも『いじめ』という言葉がよくない」2021年7月19日、社会学者の古市憲寿さんが自身のTwitterを更新。内容に反響が上がっています。フォロワーに小山田さんの件について聞かれた古市さんは、自身の考えをこう明かしました。「いじめ」に関する報道に思うことはずっと一緒で(これまで何度も発言したり書いてきています)、そもそも「いじめ」という言葉がよくないと思うんです。刑法における暴行罪や傷害罪に当たるなら刑事事件になるべきで、学校空間を聖域にするべきではありません。@poe1985ーより引用古市さんはそもそも『いじめ』という言葉がよくないとした上で、「学校空間を聖域にするべきではない」と指摘。また、問題なのは『いじめから時間が経過してしまった場合』とし、「すべての被害者がすぐに告発できるわけではない。言葉にできるまでに10年、20年かかることがある」と被害者の心に寄り添いました。続けて、古市さんはこう持論を展開しています。当事者の問題であること、日本は法治国家であること、の二点が重要だと思います。私刑は許されないわけですから、当事者が告発したい場合に、それを支援する制度や社会のあり方は大事です。だけどそれを、それこそ「いじめ」のような形で加害者を糾弾するのは反対です。@poe1985ーより引用最後に、「当事者が告発をしたい場合に、それを支援する制度や社会のあり方が大切」と持論をつづっています。投稿には、ネット上でさまざまな声が寄せられました。・「『いじめ』という言葉がよくない」というのは本当に共感。その言葉があることで、いじめの実情が曖昧になっている気はする。・当事者が告発できる社会の構築っていうのは少し難しいのかも。もちろん実現するのが理想だけど…。・開会式の作曲家としてふさわしくないという批判は仕方がないと思う。けど古市さんのいうように、私刑にしていい、というわけでもない。ネット上では賛否が分かれた、古市さんのいじめに対する持論。いじめに関する問題を他人事として済まさず、正しい方法によって少しでも傷付く人を減らす努力が必要でしょう。[文・構成/grape編集部]
2021年07月20日SNSの普及にともない、昔の友人や連絡の途絶えた幼馴染などをインターネット上で見つけ、再び連絡をとりあうことができるようになりました。昔の友人とつながることは懐かしい話で盛り上がったり、現在の姿に驚いたりと、楽しいものですよね。古市憲寿「18年ぶりに話せた!実は大学の同級生で…」2021年2月9日、社会学者の古市憲寿さんがTwitterを更新。音声SNS『Clubhouse(クラブハウス)』で、18年ぶりに会話したある友人とのエピソードを明かし反響を呼んでいます。クラブハウスとは、自分でルーム作りそこに友人を招待して会話を楽しんだり、ルームに入って話を聞いたりすることができるサービス。驚きの声が多く寄せられた、投稿がこちらです。クラブハウスで水嶋ヒロくんと18年ぶりに話せた!実は大学の同級生で、入学当初に会っていたのを覚えていてくれた。あと昔、YouTubeの悪口を言ったのもばれていた— 古市憲寿 (@poe1985) February 9, 2021 なんと、古市さんと俳優の水嶋ヒロさんは、2003年に慶応義塾大学へ入学した『同級生』だといいます。音声での会話を楽しめるクラブハウスで、水嶋さんと久しぶりに会話した古市さん。投稿では、「昔水嶋さんのYouTubeチャンネルの悪口をいったことがバレていた」と冗談交じりに明かしました。きっと、水嶋さんが18年経った今でも自分のことを覚えていてくれたことを、嬉しく思ったことでしょう。ネット上では、古市さんと水嶋さんの意外な関係に、驚きの声が上がっています。・まさかすぎる2人でした…!どちらも好きなので、嬉しい!・覚えていてくれてよかったですね。意外な組み合わせだったのでビックリです!・古市さん、悪口はほどほどに!クラブハウスで聞いていましたが、とても楽しいやりとりでした。SNSを通じて、学生時代を振り返った古市さんと水嶋さん。同窓会などができない中でも、SNSを通じて懐かしい友人とやりとりをするだけで、ちょっとした同窓会気分を味わうことができるかもしれませんね![文・構成/grape編集部]
2021年02月10日2020年10月31日放送の、バラエティ番組『アナザースカイⅡ』(日本テレビ系)では『世界の学校スペシャル』というテーマのもと、これまでの放送を振り返りました。留学経験のある著名人の1人として、同番組にゲスト出演した社会学者の古市憲寿さんは、20歳の時にノルウェーのオスロ大学へ留学。2019年1月には、同番組の企画で母校であるオスロ大学を訪問しました。オスロ大学では子育てをしながら学ぶ生徒のため、敷地内に保育園が併設されていることを紹介。日本とノルウェーとの保育環境の違いについて、古市さんはこのように持論を展開しました。やっぱり日本って待機児童がすごい問題だったりとか、「少子化」っていう割には全然子供のためにいろんなことを行政がしてないなって感じて。だったらいっそ、国が義務教育みたいに幼稚園とか保育園に関しても整備してもいいんじゃないかっていう。小学校に待機児童っていないじゃないですか。だから同じようなことが、保育園とか幼稚園とかでもできるんじゃないかっていう。ノルウェーは義務教育とかじゃないですけど、望んだら1歳を超えたら多くの子供たちは保育園に通えるわけで。それが多分、子供たちの発育にもいい影響を及ぼしている。アナザースカイⅡーより引用古市さんが訪問した当時オスロ大学内の保育園には76人の子供が預けられており、8人の先生と12人のアシスタントが働いていました。厚生労働省によると、日本では、保育現場における保育者の人数は、以下のように定められています。【保育園】1~2歳児6人につき1人以上3歳児20人につき1人以上4~5歳児30人につき1人以上【幼稚園】児童35人につき1人以上古市さんは、オスロ大学内の保育園の保育者が多いことに驚いたといいます。また、その園では、子供の主体性に任せて遊ばせている光景を目の当たりにした古市さん。「日本と違い、保育者の数が多いからできること」と、ノルウェーの保育園の体制に感心していました。日本だと、おままごととかお遊戯とか、「みんなでこれしましょう」っていうことが多いと思うんですけど。(ノルウェーの保育園では)子供の主体性に任せているなと思います。多分、先生の数が多いからできると思うんですけどね。ノルウェーって、そんなに詰め込み教育じゃないんですけど、大学ランキングが高いのは、子供の頃に主体性を、子供に持たせてあげている。「何やりたい」とか「何したい」ってことを、みんなが主張するようにちゃんと環境を作ってあげるから。これが大人になってからもいいように働いているんじゃないかなぁって。アナザースカイⅡーより引用スタジオで、過去の自分の発言をVTRで見ていた古市さんは「僕、これ、好感度上がりますかね?」と笑いながらひと言。同番組のMCを俳優の広瀬アリスさんは「めちゃめちゃ上がりますね」「世の母親たちが『うんうん!』ってうなずいてると思う」と答えました。同番組の視聴者からはさまざまな声が上がっています。・本当に、古市さんの好感度ものすごく上がりました!素敵な考え方だと思います。・「小学校に待機児童はいない」という発言、本当にその通りだと思います。保育園、幼稚園の環境の改善をもっと進めてほしい。・保育士の待遇をもっと改善していく必要があると思う。「保育士として働きたい」って思える環境を作っていくことも大切ですね。日本では2019年10月1日から、3~5歳の保育料無償化をスタート。保育料無償化だけにとどまらず、さまざまな国のいいところを取り入れながら、保育環境の改善がもっと進むことを祈ります。[文・構成/grape編集部]
2020年10月31日・母親らしい服装をしろ。・同じ子を持つ母親として恥ずかしい。・胸元を出す母親はありえないだろ。2018年に娘さんを出産した、タレントやパーソナルトレーナーとして活躍する紅蘭さん。紅蘭さんが、セクシーな服装の写真をSNSに投稿するたびに「紅蘭さんみたいなかっこいいママになりたい!」という声が寄せられる一方で、「母親らしい格好をしろ」という非難の声も多数寄せられるそうです。※画像は複数あります。左右にスライドしてご確認ください。 View this post on Instagram A post shared by 紅蘭 (@kurankusakari) on Sep 18, 2020 at 2:58am PDT紅蘭さんは非難の声に対し、自身のInstagramで反論。その内容に多くの人が共感し話題となりました。「母親らしい格好をしろ」の声を一蹴!紅蘭の投稿に「スカッとした」の声古市憲寿、紅蘭の服装に対する持論に称賛の声2020年9月24日放送の、情報番組『とくダネ!』(フジテレビ系)では、紅蘭さんの服装に対する賛否の声について特集。紅蘭さんへの非難の声について、コメンテーターとして出演している、社会学者の古市憲寿さんは…。日本のお母さんってとにかく周りにいろんなことをいわれるんですよ。働いただけで「子供がかわいそう」とか、遊んでると「子供がかわいそう」とか…。だから、これもその一環だと思うんですけど、本来は別にどんな服を着ようとどんな髪型をしようと完全に個人の自由なので。それを他人が、とやかくいう問題じゃないのかなと僕は思いますね。とくダネ!ーより引用また、古市さんは『母親らしさ』について、「『○○らしい』とか『○○らしくない』って、本当に呪いだなと思う」とコメント。古市さんの意見に、視聴者からは称賛の声が上がりました。・本当にそう!母親になったって、その前に1人の女性です。他人がとやかく口を出すことじゃない。・古市さんのいうように『○○らしさ』って呪いだと思います。「男らしく生きろ」とか「女らしくない」とか、そういう考えはもう古い。・よくぞいってくれました!個人の『母親像』を世の女性に押し付けないで。『母親』といってもそれぞれに個性があり、好きなファッションや選ぶ服が違うのは、当たり前のこと。古市さんや紅蘭さんのような、『らしさ』に囚われない自由な考え方がもっと広まってほしいものですね。[文・構成/grape編集部]
2020年09月25日社会学者で、情報番組のコメンテーターとしても活躍する古市憲寿さんは、小説家でもある。芥川賞に2期連続ノミネートされ一躍注目を集めた。第4作『アスク・ミー・ホワイ』はオランダのアムステルダムを舞台にした長編だ。マガジンハウスから刊行される。「これまで書いた3冊の小説とは、明らかに違うものができたと思ったんです。だったら、純文学からは一番遠い出版社に出してもらうのがいいかな、と(笑)」主人公のヤマトは、恋人のサクラに誘われてアムステルダムへ移住してきた青年だ。サクラに捨てられた今、とどまる理由も飛び出す理由も持てないまま、日本料理店で働き続けている。鬱屈した日々の中で出会ったのが、日本で国民的知名度を誇っていた芸能人の港くんだった。アムステルダムやオランダ郊外の街デルフト、ヨーロッパの様々な風景の中で、ふたりは共に時間を過ごし――。「オランダはエスケープルーム(脱出ゲーム)の聖地で、3年前に初めて足を運んで以来何度も旅行しています」作中の港くんという存在は、実際に海外へ移住した噂もある元有名俳優を想起させる。「『港くん』というキャラクターを書くにあたって、性格や佇まいなど特定のモデルがいたわけではないんです。ただ、表舞台から姿を消した人がどうか幸せであってほしいと思って書いた部分はありますね。そんなことを考えているうちに、アムステルダムで“彼”と出会い、“彼”との関係を通じて成長していく主人公のイメージができあがっていきました」相手は芸能人で、自分は一般人。相手は男で、自分も男だから、抱いている感情は恋愛と違う。主人公は港くんとの関係に常識に囚われた線引きをするが、境界線はグラグラ揺さぶられる。凝り固まった思考がほどけて、溶けていく。「人って何事も二項対立にしがちだけど、そんなにはっきり分けられるものではないよなって昔から疑問なんです。友情と愛情、とか。異性愛者にとって、性別って絶対に超えられない壁でもないんじゃないのかな、とか。今“溶けていく”と言っていただけたのは嬉しくて、もともとの僕の出自である社会学の本でも、基本的には社会の常識を溶かしたいというか、“こうも見られるんじゃないの?”ってことを書いてきたつもりなんですよ。テレビでコメンテーターをする時も、そこは意識しています」だが、小説だからできることがある。「例えばこの小説の書き出しの〈ニュースにはいつも続きがない〉という一文は、何年も前からメモしていたものなんですが、論文っぽいものやエッセイではうまくハマらなかった。そういうものが溜まってアウトプットできていないことが、小説を書く前まではちょっとストレスでした。日常の中で芽生えたふとした感情とかふとした気付きって、小説ならば自由に盛り込める。小説だから、フィクションだからこそ“本当のこと”が書けるって感覚があるんです」ちょっとだけの勇気でこれだけ人生が動く。「コロナが流行しはじめた頃、外に出られず家にいるしかない時間を使って一気に書き上げました。旅行した時のことを思い出しながら書いていったからこそ、想像も加味されて、実際よりも素敵なオランダとかドイツになったんじゃないかなと思います」物語の舞台が、東京から海外へと変わっただけじゃない。安楽死をテーマにした『平成くん、さようなら』に象徴されるように、過去3作には死の匂いが充満していた。しかし本作は、外国で暮らす主人公の孤独感や、過去のスキャンダルが一生つきまとう芸能人の理不尽なども活写されてはいるが、生の、希望の方向へと物語が展開していく。何よりその一点が、これまでと「明らかに違う」。「辛い話や暗い話は僕自身も読みたくなくなっていたし、書きたくもなかったんです。社会が暗くて不安な時代ほど、明るい話だったり、現実には叶わないことをフィクションで読者に届けることが、クリエイターに求められるものなんじゃないかなと思う。そうすると、死の匂いが消えて、あんまり純文学っぽくもなくなる(笑)」デビュー以来書き継いできた“記憶”というテーマも、ポジティブな感触で読者の胸に刺さる。「辛い時に何が今日の自分を助けてくれるかっていうと、楽しい思い出や記憶。それは誰にとっても絶対大事なもので、誰も奪うことはできないものじゃないですか。思い出したい記憶をどれだけ作れるかが重要で、逆に記憶さえあれば、大切な人とたとえ離れ離れになっても大丈夫だと僕は思うんです。だからインスタグラムは、あと100年ぐらいサービスが続いてほしいですね。老後にちゃんとインスタの写真を見返せるように。逆にツイッターはなくなったほうが、無駄な争いが減っていいかもしれないけど(笑)」作中で、幾度か現れるフレーズが印象的だった。「勇気」だ。「“人生つまんないな”とか“何も起こんないな”と言う人ほど、受動的な気がするんですね。ただ待つんじゃなくて、自分から動きだすことでしか、自分の人生って動いていかないなと思うんです。ヤマトはうじうじした面倒くさい奴ですけど(笑)、港くんに対してはちょっと勇気を出して近づいていった。ちょっとの勇気でいいんですよ。人から誘われたら断らないようにするとか、提案されたことをすぐ拒絶せずいったん考えてみるとか。僕自身が人生の中で感じてきた“ちょっとの勇気でこれだけ人生が動く”ってことを、物語にしたのが今回の小説なんです」主人公のヤマトは港くんとの交流を通じて、自由になった。幸せになった。そして、優しくなった。いや、彼本来の優しさが表に出せるようになった、と言うべきか。人間は、本当は優しい――。古市さんの小説は、身も蓋もない酷悪な現実を突きつけながらも、必ずそのことを描いている。「合理的に突き詰めて考えていくと、人って優しくなれるはずだと昔から思っているんです。世界中の人々がいがみ合うよりも一斉に仲よくしたほうが、警察もいらなくなるし、軍隊もいらなくなるし、経済もうまく回るじゃないですか。利他的であることが利己的である、誰かに優しくすることが巡り巡って自分のためになる。そういった僕自身の考え方が、一番色濃く出るのが小説なのかもしれません」コロナ禍で疑心暗鬼と隣人恐怖が渦巻く今だからこそ、優しさがより強く響く。ラブストーリーというジャンルでは括れない、深い読後感を持つ一冊が届けられた。ふるいち・のりとし1985年生まれ。社会学者。連続して芥川賞候補となった『平成くん、さようなら』『百の夜は跳ねて』ほか、著書多数。8月27日、最新作『アスク・ミー・ホワイ』が発売される。※『anan』2020年9月2日号より。写真・内田紘倫(The VOICE)ヘア&メイク・大野彰宏(ENISHI)取材、文・吉田大助(by anan編集部)
2020年08月26日2020年8月16日に放送された情報番組『ワイドナショー』(フジテレビ系)に、社会学者の古市憲寿さんが出演。新型コロナウイルス感染症(以下、コロナウイルス)にまつわる発言が話題になっています。古市憲寿「感染者0ではなくて、死者の数を減らす」番組では、島根県のサッカー強豪校の学生寮でコロナウイルスが流行し、選手らを中心に集団感染が起きた1件について特集。無症状や軽症を訴える感染者が多いことが危険視される中、古市さんは次のような持論を展開しました。一方ではやっぱり、原点に立ち返るべきだと思っていて。我々はコロナで何を目指すべきかっていうと、感染者0ではなくて、死者の数を減らす。重症の方の数を減らすと考えると、基本は重症化しやすい高齢者の方と、現役世代ができるだけ会う回数を減らしてくっていうのがコロナの基本じゃないですか。ワイドナショーーより引用コロナウイルスが身近に存在する以上、どれだけ気を付けて感染予防対策をしていても、感染してしまうことはあります。古市さんは、猛威を振るい続けるコロナウイルスについて「感染者数より死者数を減らすことを目指す」という視点を持つことが大切だと説いたのです。さらに「今回のクラスターは確かに防げたかもしれないけれど、日本中のニュースで大騒ぎする必要があるかというと、違うと思う」とキッパリ。古市さんの意見に対し、番組のMCを務める東野幸治さんは「クラスターが出たからといってやみくもに騒ぐのではなく、冷静な対処が必要ですね」とうなずきました。古市憲寿が接触確認アプリを推奨続けて、古市さんは厚生労働省が提供する『新型コロナウイルス接触確認アプリ』(通称:COCOA)について紹介。『COCOA』とは、濃厚接触の疑いのある同アプリ利用者間の接触を検知・記録し、接触者から陽性者が発生した際に通知される仕組みです。アプリを利用することで、検査の受診など保健所のサポートを早く受けられるというメリットがあります。また、利用者が増えることで感染拡大の防止につながることに期待の声も。氏名や電話番号などの個人情報を入力する必要はないため、プライバシーを確保した上で運用されているのも嬉しいポイントでしょう。古市さんは「日本が持っている唯一の武器だと思うし、アプリを入れてもデメリットはないので、積極的に入れてほしい」と訴えました。【ネットの声】・「目指すのは感染者0じゃない」って、本当にその通りだなと思った。・古市さんに完全同意。マスコミが何かあるとクラスターだといって、やや騒ぎすぎているように感じる。・ただ「気を付けてください」で終わらせるのではなく、接触確認アプリを薦める姿に好感を持った。同月現在、特効薬がないといわれている以上、コロナウイルスとの共存をはかっていかなくてはなりません。古市さんのいうように、感染者数の増減に一喜一憂するのではなく、死者数を減らすよう最大限注力していくことが大切でしょう。できる限り『3密(密閉・密集・密接)』の状態を避け、接触確認アプリを取り入れるなど、世の動きにあった対応が求められています。[文・構成/grape編集部]
2020年08月17日2020年7月21日に、俳優の横浜流星さんが新型コロナウイルス感染症(以下、コロナウイルス)に感染したことが明らかとなりました。所属事務所によると、横浜さんは同月20日にあった舞台稽古の帰宅途中に倦怠感を訴え、発熱症状が見られたことから、医療機関を受診。抗原検査で陽性の結果を受けました。本人は病院の指導に従い、入院と治療を行っているとのことです。医療機関受診後、当人は病院の指導に従い、入院・治療を行なっております。仕事関係者・共演者の皆様、いつも応援して下さっているファンの皆様に多大なるご迷惑とご心配をお掛けしていることを、心よりお詫び申し上げます。当人も病状の回復に全力で努めております。今後も医療機関、行政機関の指導の下、当人の体調管理を徹底してまいります。STARDUST - スターダストプロモーション制作2部 -ーより引用横浜流星の感染発表に、古市憲寿が持論同月22日に放送された情報番組『とくダネ!』(フジテレビ系)では、横浜さんの感染について報道。横浜さんは、ドラマの撮影や舞台の稽古を行っていたため、多くの共演者が濃厚接触の対象者となり、検査を受けています。共演者との濃厚接触は免れないという状況に対し、番組でスペシャルキャスターを務める古市憲寿さんは…。当然ドラマだからキスシーンもあるでしょうし、避けられないですよね。まあでも、ただどんな立場の人であっても、コロナ含め病気にかかったら、いえることは「お大事に」という言葉しかないわけで。ご本人も事務所もそんな「申し訳ない」とか、あんまり思わなくていいんじゃないのかなぁってことは思いますよね。とくダネ!ーより引用古市さんの発言に対し、スタジオでは「これだけ経路不明の感染者が出ている以上、誰しもが感染の可能性がある」といった意見も上がりました。ネット上では、横浜さんの容体を心配する声や、古市さんの意見に同意するコメントが寄せられています。・本当にその通り。今は自分を責めずに、治療に専念してほしいな。・古市さん、ありがとう。こんな風にいってくれることで、救われる人がいるはず。・どんなに気を付けていても感染する可能性はあるので、自分も謝罪は要らないと思う。厚生労働省によると、同月20日時点で日本のコロナウイルス陽性者数は400人を超えています。人によっては無症状な場合もあるため、感染経路が分からないことも少なくありません。どんなに感染予防対策をしていても、生活のために外出する以上、防ぎようがないこともあるでしょう。引き続き「感染しない・させない」という意識を持つとともに、万が一感染した際に備えることが大切ですね。[文・構成/grape編集部]
2020年07月22日サイドやえり足部分を短くカットするヘアデザイン『ツーブロック』。若者の間で人気のヘアデザインですが、一部の学校では校則でこのツーブロックが禁止されているといいます。ツーブロックを禁止する校則については、2020年3月に行われた都議会で話し合われ、東京都の教育委員長は「外見が原因で事件や事故に遭うケースがある。ツーブロックの禁止は生徒を守るため」と回答。この回答が同年7月中旬にネット上で注目を集め、各テレビ番組などでも特集が組まれるほど話題になっています。同月16日放送の情報番組『とくダネ!』(フジテレビ系)でも、同校則について特集。社会学者の古市憲寿さんは、ツーブロックを禁止する理由についてある問題点を指摘しました。問題なのは、教育に携わる方が、外見で人を差別してもいいってメッセージを堂々と発していることだと思うんですね。例えば、性被害にあった人に対して「ミニスカートが悪いんだ」とかってことをいう人がいるじゃないですか。でも実際、そんなの被害者側に責任を負わせる発言だと思うんですね。だからツーブロックだから犯罪に巻き込まれやすいというのは、外見差別の助長っていう意味で、非常に問題だなと僕は思います。とくダネ!ーより引用ツーブロックに限らず、髪の毛の長さやデザインについて、校則で細かく規則を定めている学校は多くあります。そうした現状を受け、古市さんが「バカな先生がたくさんいる」と吐き捨てる一幕も。髪形で子供を管理できると思っているバカな先生がたくさんいるってことですよね。だから本当に頭悪いと思うんですよ。髪形で、うまく人を導けるという発想自体が、すごい前時代的だなって思う。とくダネ!ーより引用厳しい言葉を並べ、髪形に関する校則を批判した古市さん。番組内でのこれらの発言は反響を呼び、放送終了後にさまざまなコメントが寄せられました。・髪型は個性。自由にしたらいい。禁止されるから、余計に反発するもんです。古い考えは捨てなさい!・「被害者側に責任を負わせる発言」に、強く共感!本当にその通り。・髪形すらも管理しないといけないバカな生徒が多いからでは?本来、校則は生徒を守るために存在するはずです。しかし、返ってその校則が生徒を傷付けることにつながっていないか、改めて見直す必要が出ているのではないでしょうか。[文・構成/grape編集部]
2020年07月18日総勢37人がリモート出演するサントリーグループのWEB動画シリーズ最新作『話そう。みんなで』篇の続編、『話そう。「佐藤健・しずちゃん(南海キャンディーズ)・古市憲寿』篇が13日、公開された。佐藤は、しずちゃんと古市氏とのリモートトークで、「パソコンの前で1日10時間くらい過ごしていますよ。朝とか夜とかの概念はないよ」と外出自粛生活を語り、「人とつながるとは何なのかとか、哲学的なことを考え出すよね」とコメント。そして、古市氏から「結婚したい欲、高まってないでしょ?」と言われると、「高まってる。だいぶ高まってるよ」と返し、「リモートだけで恋愛し出す時代が来るのかな。会わずにしゃべっているだけで満足しちゃうような」と話した。サントリーグループは、新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、人との接触を減らすことが求められている中、「これまでも、これからも。私たちは、つながっている。」という言葉を大切に、今できることから取り組みを開始。こんな今だからこそ「人と人が話す」その価値を改めて伝え、後押しするメッセージを発信できないかと考え、WEB動画を制作した。5月8日より「人と人が話す」大切さを感じられるWEB動画『話そう。』篇、『話そう。』シリーズを公開し、12日より最新作として、天海祐希、石原さとみ、香取慎吾、堺雅人、佐藤健、出川哲朗、吉高由里子ら総勢37人が総出演する『話そう。みんなで』 篇を公開。そして13日に、続編『話そう。「佐藤健・しずちゃん(南海キャンディーズ)・古市憲寿』篇が公開された。
2020年05月13日4月4日、報道バラエティー番組「中居正広のニュースな会」(テレビ朝日系)に社会学者の古市憲寿氏(35)が出演。新型コロナウイルス感染時の対応について持論を展開し、話題を呼んでいる。阪神タイガースの藤浪晋太郎選手(25)や脚本家の宮藤官九郎氏(49)など、新型コロナウイルス感染を公表する著名人が続出している。公表の際に謝罪する著名人が多いことに対し、古市氏は「謝る必要はないと思っていて。病気ってその人も誰かからうつされたわけで、その人のせいではないわけですよね。病気ってお互い様だから、仮に僕はかかっても絶対に謝らないですよ」と述べた。これに対し、Twitter上では《謝る必要ないですね。行動さえ明らかにしてもらえれば》《それでいいんじゃないかと。日本は、もういつ何時何処で誰が感染してもおかしくないんだもの》《古市さんもたまにはいいこと言う》と、称賛の声が上がっている。いっぽう《かかったものは仕方ない ただ予防もマスクも手洗いうがいもしないでかかったのなら絶対に謝るべきだぜ?》《確かにそうなんだけど「3密空間」に行ったり、ましてやそこで濃厚接触なんてしてたら、話は別…あくまで謝らくていいのは、感染防止策&免疫力アップをしてたのにも関わらず、感染した場合…》と、自粛・予防せずに感染した者に対する厳しい意見も見られた。体調不良で新型コロナウイルス感染を疑い自宅待機していた元大阪府知事の橋下徹氏は2日、Twitterで「体調不良を名乗り出た者を、悪人扱いする風潮では、誰も名乗り出ない」と警鐘を鳴らしている。
2020年04月05日「古市くん、ついにヌードになるらしいよ(笑)」10月某日午前7時、『とくダネ!』(フジテレビ系・月〜金曜8時〜)の打ち合わせが行われる会議室。本誌の取材が入ると聞き、さっそく小倉智昭のジョークが飛ぶ。「すごく楽しくやれています。小倉さんって実はシャイで、最初はあまりしゃべってくれなかったんです。番組に出るうちに自然に距離が縮まった感じで。僕が芥川賞に落選したときは食事に誘ってくれたりして、とても優しい人です」そう語るのは、10月から同番組の水・木曜のスペシャルキャスターを務めている、社会学者で作家の古市憲寿(34)。「コメンテーターのときと立ち位置が変わったという意識はなくて、ただ、少しでもお役に立てたら」古市が話題の人物に会いに行く新企画「1パーセントの社会学」も注目されている。バーチャルリアリティ(VR)の世界で美少女を演じる男性や、精子を無償で提供する男性たちへの取材を敢行。「一見、社会から外れたように見える人のことや、そういう人たちを社会がどう受け入れるかということに興味があります」最近は、タレントとしてバラエティ番組にも多数出演。そもそも社会学者になったきっかけは?「大学院時代、たまたまピースボートに乗船したときの体験を修士論文に書いたら、本にしたほうがいいと勧められたんです。“たまたま”が重なって自然にこうなっただけ。自分でも不思議です」毒舌キャラで人気が高まるいっぽう、“炎上コメンテーター”と呼ばれることもしばしば。「空気を読まないって言われますけど、読んでるつもりなんですよ。ただ、人と空気の濃度が違うらしい(笑)。“こういう意見もある”といろんな視点からコメントをしようとはしますが、基本は思ったことを言うだけ。嘘をついてまで人に好かれようとは思わないですね。好かれても面倒くさいだけ」では、好きな女性のタイプは?「僕よりも年収があって才能がある人です。絵が描けるでもいい、何か自分にしかできないことがあって、その分野で活躍できる人。たとえば、浜崎あゆみさんって、どんなに世間からバッシングされても歌い続けているからすごいなあと思って。何事もやり続けられる人を尊敬します」若者の代弁者として注目されてきたが、30代になって世に発信していきたいことは?「これまでどおり、そのときにやりたいことをやっていきたいですね。最近は小説を書いたりもしていますが、作家と言われることもピンとこないし、肩書なんて、正直、なんでもいいんですよ」
2019年11月22日8月23日、東京・池袋サンシャイン劇場にて鈴井貴之作・演出・出演の舞台、OOPARTS VOL.5 『リ・リ・リストラ~仁義ある戦い・ハンバーガー代理戦争』が初日の幕を開けた。開幕に先立ち、ゲネプロが行われた。【チケット情報はこちら】本作品のテーマは、 社会に溶け込もうと奮闘する“リストラされたヤクザ”。反社会勢力というテーマを扱いながらも、内容はあくまでコメディー要素が強く、キャラクター性豊かな人物たちが様々な背景を抱えながらも奮闘し、時に物騒に、そしてバカバカしく物語を進めていく舞台となっている。鈴井率いるOOPARTSプロジェクトは今作で5回目を数える。これまで独特の舞台装置などで予測のつかない舞台で話題をさらってきたが、今回は“ミュージカル”の要素が盛り込まれているところが眼目だ。ファストフード店を舞台に繰り広げられる元ヤクザ同士のプライドを賭けた抗争と、ストーリー展開に合わせて始まる歌唱シーンというミスマッチ感が、如何にも鈴井ならではのアイディア。物語は、北海道を舞台にかつて抗争を繰り返していたふたつの反社会的組織の人間が、ひょんなことからハンバーガーショップで働くことになり、“スマイルを心掛けた”仁義なき戦いに発展するというもの。元ヤクザの北斗連合若頭・五味を演じる鈴井をはじめ、個性的なキャストが揃った。OOPARTS作品では常連の、解散したヤクザの北斗連合の組長・小沢を藤村忠寿(HTB)、その妻・貞子を佐藤めぐみ、五味を兄貴と慕う龍崎を八木将康(劇団EXILE)、その彼女である美穂を上地春奈が演じる。小沢の顧問弁護士・大黒を演じる赤谷翔次郎は切れ者という役どころで小沢の相棒的存在だ。敵対する南斗龍星会の斎藤を演じる竹井亮介と山崎役の阿部丈二が披露するロックな歌声にも注目したい。ファストフード店店長・北川役は東京公演のみ、佐田正樹と是近敦之がWキャストで務める。ふたりの異なる演技も楽しみのひとつ。南斗龍星会の金本を演じる島太星(NORD)は今回が初舞台。役作りのため金髪にする熱の入れようで、定評のある歌声は必見。ゲネプロを終えた鈴井貴之は次のようにコメントを寄せた。「5回目となるOOPARTS、今回は今まで以上に、僕自身、出演にも力を入れています。試行錯誤を重ね、個性豊かで素晴らしいキャストの皆さんと一緒に今日まで作り上げてきました。本日からの本番、精一杯やらせていただきます。是非、劇場に足を運んでください」東京公演は9月1日(日)まで。その後、9月13日(金)15日(日)まで北海道・道新ホール、9月21日(土)23日(月・祝) に大阪・COOL JAPAN PARK OSAKA TTホールにて上演。チケット発売中。
2019年08月26日「水曜どうでしょう」(HTB)の“ミスター”こと鈴井貴之が率いるプロジェクト「OOPARTS(オーパーツ)」の最新公演『リ・リ・リストラ~仁義ある戦い・ハンバーガー代理戦争』が今秋上演される。鈴井自ら演じる主人公は、いま何かと世間を騒がせている“反社会的組織”の一員だった男、すなわち元ヤクザ! リストラの憂き目に遭った男が、スマイルが基本のハンバーガーショップで働き始める…という設定を聞いただけでも笑ってしまいそうな物語は一体どこに着地するのか? 鈴井に話を聞いた。【チケット情報はこちら】数年前の某ヒット洋画を想起させるタイトルは「“ミュージカル風テイスト”があるから」とのことだが、企画自体は10年ほど前から温めてきたと明かす。「リストラされたヤクザの行き着く先として一番遠いところはどこかと考えてハンバーガーショップにしました。制服に帽子で、笑顔で接客しないといけない(笑)。そこに1番そぐわない人たちが再起をかけるって面白いなと」巷では“反社会的勢力”という言葉がネットやTVを飛び交っている昨今だが、本作も鈴井自身もそういう存在や違法な行為を推奨する意図はない。が、しかし、“反”という言葉をつけて社会と切り離そうとする風潮には疑問を抱いている。本作で描くのは、社会との断絶ではなく、社会の中でもう1度、生き直そうとする彼らの姿。鈴井は「あくまでもこの作品はコメディ」と断った上でこう続ける。「臭いものに蓋をすればいいのか? 良いとか悪い以前に、そういう存在を生んでいるのは社会なのに、そこに目を向けずに“見ちゃいけない”っておかしいんじゃないかと思うんです。これまでも僕は、マグロ漁船に乗る人々やつぶれかけたお化け屋敷、孤独死の現場を清掃する人々などを描いてきましたが、僕自身、そういう“日陰者”の周波数を持ってるんでしょうね。北海道で演劇を作ってきて、大泉洋をはじめTEAM NACSの面々が全国で活躍するようになったのは奇跡的なこと。本来なら僕もそこに乗っかって、東京に出て行って次の展開を考えればいいのに、田舎にこもってる(笑)。生きるのがヘタなんです。でも、そういう人って実はたくさんいる。そんな人たちを面白おかしく描きたいなと思います」これまで演出と脚本に重きを置いてきたが、今回は役者としての比重もこれまでの舞台以上に大きくなる。「歳も歳なんでね。ここで踏ん張らないと、2度とやれないかもしれない。最後のひと勝負ってわけじゃないけど、作る側と出る側の二刀流でガッチリやってみようかと。田舎の草野球ですね。ベンチに監督として座ってるんじゃなく、エースで4番でキャプテンで行こうかと。まあ、昔気質の元ヤクザ役ですからね。僕も昔はみんなに恐れられていましたから(笑)、その頃を思い出せば、すぐにできると思います!」公演は8月23日(金)東京・サンシャイン劇場を皮切りに札幌、大阪を巡演。チケットは発売中。取材・文・撮影:黒豆直樹
2019年07月19日平成カルチャーにどっぷり浸かった古市憲寿さんと乃木坂46の高山一実さん。青春期に夢中になったものを振り返りながら、去りゆく平成を、愛をもって語ります。平成って、昭和のツケをずっと払い続けてきた時代なんですよ。社会学者でテレビのコメンテーターとしても活躍中の古市憲寿さんと、国民的アイドルグループ・乃木坂46の人気メンバー、高山一実さん。平成最後の冬、ふたりが小説家デビューを果たした。“死と恋愛”をテーマにした古市さんの『平成くん、さようなら』はなんと、デビュー作にして芥川賞にノミネート(発表は1月16日)。“アイドル”を題材にした高山さんの『トラペジウム』は初版即完売、発売から1週間で8万部超まで増刷が大決定!文芸シーンでもまたたく間に注目の的となったふたりが、「平成カルチャー」を振り返り、未来について語り合った。古市:僕は昭和60年生まれで、物心ついた頃がちょうど平成元年。高山さんは平成6年生まれだから…平成8年の「たまごっちブーム」は経験していないですよね。とにかく本物が入手困難で、偽物ばかりを集めてしまった記憶があるけど(笑)。高山:私が子供の頃も、手に入れづらかった記憶があります。ショッピングモールで、整理券をもらって並んで買っていた友達がいたような。古市:今、グーグルで調べてみたら、「たまごっちブーム」って平成で3回起きていた。第2期のブームが平成16年みたいです。確かに、ブームってリバイバルしますよね。平成8年は安室奈美恵ちゃんがきっかけで「厚底ブーム」もあったけど、最近はメンズファッションで「ダッドスニーカー」が流行っている。高山:なんですかそれ!?古市:BALENCIAGAとかGUCCIがここ最近出しているスニーカーって、全体的にゴツくてでかいし、厚底なんだよね。おしゃれで履いていることになってるけど、背が高く見えて、脚が長く見える。高山:そのやり方、賢い!(笑)古市:僕は‘90年代から‘00年代にかけての、平成前半のJポップが大好きなんです。安室ちゃん、あゆ(浜崎あゆみ)、TRF、globeあたりは聴いていました?高山:聴いていたのはあゆと、くぅちゃん(倖田來未)ですね。詳しい子が、おすすめの曲をガラケーの「着うた」に設定してくれたんです。古市:めっちゃ懐かしい。「着うた」だと30秒しか聴けないんですよね。その後、1曲200円で全編ダウンロードできる「着うたフル」ってサービスが出てきた。高山:音楽でいうと、私が最初にハマったのはモーニング娘。さんです。『LOVEマシーン』(平成11年)はリアルタイムで聴いていたかも。父親が好きだったんですよ。たくさんいる中から自分の推しを見つける、みたいなことは物心がついた頃からやっていました。古市:誰推しだったんですか?高山:加護(亜依)ちゃんと辻(希美)ちゃんが大好きでした。古市:ふたりの今を思うと、時の流れを感じますよね。高山:映画だと、『ハリー・ポッター』シリーズ(平成13~23年)が大好きです!1作目の『賢者の石』が公開されたのは、私が小学校1年生の時で。映画の台詞を暗記するっていうのがクラスで流行って、今でも覚えているくらいです。古市:ジェネレーションギャップだ。『賢者の石』の頃は高校生だったから、そんなに思い入れがない。じゃあ、テレビゲームはしましたか?僕はプレイステーション(平成6年)から始まって、家庭用ゲーム機は結構通ってきています。『ドラクエ』とか『FF』(『ファイナルファンタジー』)とか。高山:私は「NINTENDO64」(平成8年)にハマりました。対戦型のゲームをやることが多かったんですよ。『マリオパーティ』と『スマブラ』(『大乱闘スマッシュブラザーズ』)と。小学校の登校班が同級生4人組だったので、4つのコントローラーを使って遊んでいました。古市:仲良し4人組がいたんですね。高山:今でも仲良しです。古市:僕は大学以前に友達だった人と、ひとりも連絡を取ってない。高山:えっ!?古市:携帯電話を最初に持ったのって、何歳の時ですか?高山:中学1年生です。親が渡してくれたんですけど、端末を1円で買えることが信じられなくて、親に怒った記憶があります。「なんでそんな嘘つくの?1円で買えるものなんて世の中にないよ!」って(笑)。古市:家の電話かポケベルしかなかった時代から、ガラケーをみんなが持つようになって、今はスマートフォンの保有率が6割近く。平成の大きな変化の一つは、みんなが当たり前のようにインターネットを使えるようになったこと。高山:ネットで買い物も簡単にできるようになりました。昔はアイドルのグッズが欲しくなったら、地元の千葉から電車で東京へ出て、専門店に買いに行ってたんです。「109‐2」(現「109MEN’S」)の下が、ハロプロショップだったんですよ。古市:そんな高山さんが、乃木坂46の1期生になったのは……。高山:平成23年です。古市:なでしこジャパン、パンケーキブーム、『人生がときめく片づけの魔法』。一気に“現在”って感じがする。だってパンケーキってまだブームじゃないの?高山:そうですよね(笑)。私自身は、7年前のことはあんまり記憶がないんです。オーディションに受かってから1年ぐらいはバタバタでしたし、東京での生活に慣れることにも必死で。お金もなかったので、欲しいものがあっても買えなかったし、カルチャーを楽しむ余裕もなかった。古市:何が欲しかったんですか。高山:洋服と、あとはいい化粧水も欲しかったです。上京して、肌が一気に荒れちゃったんですよ。古市:千葉の水と東京の水って、そんなに違うの!?高山:違うんですよ!実家にいた頃は湧水を汲んで使っていたので。古市:湧水?世代の違いももちろんだけど、地域の違いによっても、生きてきた現実がぜんぜん違うんだね。そこを無視して一括りにしようとする議論がありますよね。平成の若者といえば「ゆとり世代」だ、とか。上の世代からのそういうラベリングって、ピンときてました?高山:悪く思われているなぁという意識はありました。でも、私は高校生の時に『高校生クイズ』にハマって、今も毎年録画して見ているんです。頭が良くて、頑張っている同世代の子たちの活躍を見ると、「この人たちになら日本を任せられる!」って希望が持てるんです。その人たちのことを知っているからか、同世代の悪いところに目を向けようという気にならないんです。古市:よく「ゆとり世代」は協調性がないとか言われるんですけど、見方を変えたら、自分で物事を判断して自分で動ける子たちが多いってことなんですよね。アイドルに関して言えば、平成は昭和に負けてないって思います。古市:高山さんの小説『トラペジウム』、面白かった。すごく好きな台詞があるんです。主人公が言う、「私たちってさ、未来のことばっかり話してるよね」。青春の本質だと思うんですよ。若いってことは未来の話ができるということ。今日は、平成の昔話ばかりさせちゃってごめんね(笑)。高山:私も、古市さんの小説『平成くん、さようなら』の主人公が大好きでした。常に社会を分析しているというか、俯瞰で見ているじゃないですか。「平成くん」に気になることをちょっと質問したら、ばばーっといっぱい返事をもらえる生活って楽しそうだな、と(笑)。古市:すぐに飽きるかもしれないけどね。「昔は良かった」って、下の世代に古い価値観を押し付けてくる大人ってどう思いますか?高山:あんまり共感できないです。私は、昭和のアイドルも好きなんですね。レジェンド感があるし、平成のアイドルは負けている気がしていたんです。でも、自分がアイドルになって、平成のアイドル事情を詳しく知っていくうちに、魅力に気づけたんですよね。今はもう、平成は昭和に負けてないなって思っています。古市:平成って、昭和のツケをずっと払い続けてきた時代なんですよね。5月に新しい元号に変わったら、今度は平成のツケを払わなきゃいけない。そう考えると、平成っていい意味でも悪い意味でも、ずっと終わらないのかなって思います。高山:どうせならいいイメージを持ちたいなって気がします。もっと平成のことを知っていいところを見つけて、「平成っていい時代だった」という気持ちで新しい元号を迎えたほうが、ハッピーじゃないですか。古市:すごい前向き(笑)。ふるいち・のりとし社会学者、作家。小誌連載「紙のラジオ」でおなじみ。平成の記号をちりばめた小説『平成くん、さようなら』が話題沸騰。たかやま・かずみ乃木坂46メンバー。雑誌『ダ・ヴィンチ』で連載した初めての小説『トラペジウム』(KADOKAWA)が大反響。※『anan』2019年1月16日号より。文・真島絵麻里(by anan編集部)
2019年01月17日クリエイティブディレクター南貴之と老舗書店の有隣堂が出会って生まれた、小さな街のような複合型店舗、ヒビヤ セントラル マーケット(HIBIYA CENTRAL MARKET)が、3月29日に開業する東京ミッドタウン日比谷3階にオープンする。南が世界中で拾い集めた“市場”や“街角”、“路地”の記憶を、237坪のフロアで表現する同店舗は、様々なカテゴリーの9つの店舗が軒を連ね、食事やお酒、本や衣服などが揃えられ、誰もが郷愁や親近感を抱き、居場所を見つけられる場所として展開される。「Library」象徴であり、本と現実世界がリンクする広がりのある場所となるのは「Library」。本棚の壁に囲まれた内側は、海外のバザールのように、世界中の洋服や雑貨、ヨーロッパで集めたアノニマスなヴィンテージが並ぶ。什器であり商品でもあるヴィンテージの家具は売れるたびに入れ替わり、店の様子も変化していく。ギャラリーともセレクトショップともつかないユニークなプレゼンテーションを行う「Graphpaper」は、アドバイザーの二村毅と共に選び抜いたクオリティの高いものに加え、日比谷という立地ならではのアイテムも取り扱う。「一角」熊本のスペシャリティコーヒー「AND COFFEE ROASTERS」、「有隣堂」、架空の運送会社をイメージしたモバイル型コンセプトストア「FreshService」では、ハンドドリップによるスペシャリティコーヒーを楽しみながら手に取れる、駅のキオスクのようなデイリーユースなマガジン、日用品、お土産がそろう。「MAISON CINQUANTE-CINQ」などを手掛ける丸山智博による「一角」では、唐揚げにハイボール、蕎麦といった食事と酒を肩の力を抜いて楽しめる。「理容ヒビヤ」藤井実が監修し日本最高峰の衛生管理を誇る「理容ヒビヤ」では、オフィスワーカー向けの理容やグルーミングだけでなく、女性向けの顔そりサービスが受けられる他、フランスのデッドストックのヴィンテージフレームが圧巻の眼鏡店「CONVEX」には、札幌のヴィンテージアイウェアショップ「Fre’quence」の柳原一樹の審美眼によって貴重なミュージアムピースまで集まる。軍用テントのファサードが印象的な「Tent gallery」では、ここだからこそできる独創的かつ多様な展示や企画も。開業を控え話題の、東京ミッドタウン日比谷の数あるテナントの中で大きな注目を集めそうだ。【店舗情報】ヒビヤ セントラル マーケット(HIBIYA CENTRAL MARKET)オープン:3月29日住所:東京都千代田区有楽町1-1-2 東京ミッドタウン日比谷3階営業時間:店舗スペース 11:00~21:00、飲食スペース 11:00~23:00 (ラストオーダー 22:30)面積:237坪
2018年02月07日7月19日、東京・サンシャイン劇場にて鈴井貴之作・演出・出演の舞台『天国への階段』が開幕した。本作品のテーマは、孤独死の現場を清掃し遺品を探す“特殊清掃員”。一見ヘビーなテーマではあるが、鈴井独自の視点で掘り下げ、笑いもふんだんに取り入れたエンターテインメントとしてひとつの舞台が完成。「観客が一番楽しめる舞台を作りたい」という鈴井の思いが伝わる、ライトな笑いとダークなテーマが融合した内容となった。【チケット情報はこちら】OOPARTSプロジェクトとしては今回が4度目の公演。過去には舞台全体にシーソーやネットを張り巡らすなど、予測のつかない舞台装置で観客の度肝を抜いてきたが、今回は『天国への階段』の舞台である“時間の経過した孤独死現場”を表現するため、家屋を連想させるようなセットを展開。随所に空いている穴を使った予測不可能な動きが役者に緊張感を与えると共に観客を驚かせる効果を生んでいた。出演は鈴井のほか、人気劇団・ヨーロッパ企画より永野宗典、キャラメルボックスより畑中智行、そして菊地美香、根岸拓哉、平田薫、吉田悟郎、戸澤亮(NEXTAGE)が参加。また「水曜どうでしょう」(北海道テレビ)のディレクターでありOOPARTS作品には常連として参加する藤村忠寿も脇を固める。更に、北海道出身で2017年3月にSKE48を卒業した東李苑が卒業後初の舞台出演を果たした。初日を終えた鈴井貴之から、以下のコメントが寄せられた。「毎回、幕が開くまでは不安もあるんですが、今回は特に、お客様が本当に待ち焦がれていてくださって、参加するぞという能動的な意識で見ていただいていると感じました。公演中もこちらが戸惑うくらいの拍手もいただけて、やはり舞台はお客様と一緒に作り上げるものなんだなと。今回は「孤独死」という非常に重い題材を選んだ上で、かつ笑いもあるポップな内容にするという目標でしたが、それもお客様に助けられて達成できているのかなと思います。本当に心から感謝です。今回も特殊な舞台セットを考えて、役者の皆さんには大変な思いをさせておりますが、それがこの「OOPARTS」の醍醐味。怪我なく千秋楽まで、全員で頑張ります!」東京公演は7月25日(火)まで。その後、8月4日(金)から6日(日)まで大阪・梅田芸術劇場シアター・ドラマシティにて上演後、札幌、仙台、松本を巡演。
2017年07月20日HTB「水曜どうでしょう」の”ミスター”こと鈴井貴之のプロジェクト「OOPARTS(オーパーツ)」の第4回公演『天国への階段』が決定した。今回のテーマは「特殊清掃員」。7月から8月にかけて、東京を皮切りに大阪、札幌、仙台、松本を巡演する。2010年より鈴井貴之のソロプロジェクトとして活動をスタートさせた「OOPARTS」は、同年に『CUT』、2014年に『SHIP IN A BOTTLE』、そして2016年『HAUNTED HOUSE』と舞台公演を行ってきた。鈴井の創り上げるステージは、これまでも舞台上にシーソーを敷き詰め難破船を表現したり、ネットを張り巡らせ不安定なステージ上でアトラクション感を表現するなど、独特の感性が光る“鈴井ワールド”が見どころのひとつ。第4弾のテーマは「特殊清掃員」。孤独死した人が住んでいたアパートを片付け修復する特殊清掃員の話をOOPARTSらしくコミカルに作り上げるという。キャストにはキャラメルボックスから畑中智行、俳優集団D-BOYSの根岸拓哉、北海道出身で元SKE48メンバーの東李苑、今回で3度目のOOPARTS出演となる「水曜どうでしょう」の盟友・藤村忠寿などを迎え、新たな鈴井ワールドが展開される。<公演情報>【作・演出】鈴井貴之【出演】永野宗典(ヨーロッパ企画) 畑中智行(キャラメルボックス)根岸拓哉 吉田悟郎 戸澤 亮(NEXTAGE)菊地美香 平田 薫 東 李苑藤村忠寿(北海道テレビ)鈴井貴之【チケット】料金:6,800円(税込)一般発売:2017年6月3日(土)
2017年04月13日HKT48の指原莉乃(23)が、1日に放送されたフジテレビ系トーク番組『ワイドナショー』(毎週日曜10:00~10:55)で、社会学者・古市憲寿氏(31)との"トークバトル"で感情をあらわにする場面があった。この回は先月14日に収録され、同月17日に放送予定だったが地震の報道特番に差し替えられたことで延期に。安倍晋三首相がゲスト出演することでも話題になり、松本人志(52)、東野幸治(48)といったレギュラー陣のほか、指原、古市氏、南海キャンディーズ・山里亮太(39)といったゲストも討論に加わった。今年、芸能人ら1万6,000人が招かれた安倍首相主催の「桜を見る会」。冒頭でこのことが話題になり、指原が2年前に出席した当時を思い返すと、一方の古市氏は今年招待されていながら「朝が早くて……」という理由で欠席したことを報告した。「朝が早い。9時とか9時半とか」と不満気な古市氏を、指原は驚きの表情で「マジでやべえヤツですよそれ」とバッサリ切り捨て、スタジオは爆笑。山里もあきれはて、すかさず「バイトのシフトじゃないんだから!」とツッコミを入れた。その後、待機児童の話題で、安倍首相は山崎夕貴アナと指原を見ながら「お二人のように(女性が)輝く社会を作りたいと思っています」とコメント。これに古市氏は「指原さんが輝いているか分からないですけど」と前置きをして意見を述べようとするも、指原は「いいじゃないですか別に」と割って入り、古市氏を指差して「マジでやばいっすよ。やばいよー! ヤダー! 超やべえじゃん」と"やばい""やべえ"を連呼した。そんな2人に挟まれていた山里は「やめなさいよ。総理の前でケンカはやめて」と仲裁に入って笑いを誘い、指原の左に座っていた安倍首相は苦笑いを見せながらも温かく見守っていた。
2016年05月01日北海道発の人気バラエティ「水曜どうでしょう」(北海道テレビ)の“ミスター”こと鈴井貴之による演劇プロジェクト「OOPARTS」の最新作『HAUNTED HOUSE(ホーンテッド・ハウス)』はその名の通り、お化け屋敷が舞台。2月12日の開幕を前に、前日11日、東京・サンシャイン劇場にてゲネプロが行われた。OOPARTS Vol.3『HAUNTED HOUSE』チケット情報ひなびた温泉街にある、経営の傾いたお化け屋敷で苦境から脱する打開策もないままに日々働くフランケンシュタインの社長、正社員のドラキュラほか従業員たち。そこへ一人の少女がやってきて、ここで働きたいと言い出し、様々な改革のアイディアを提案する。従業員たちも彼女に乗せられる格好で再建に立ち上がるのだが……。前作『SHIP IN A BOTTLE』では舞台上にシーソーを敷き詰めるという奇抜なアイディアが話題を呼んだが、本作ではお化け屋敷のバックヤードのセットとして、ネットが舞台に斜めに張り巡らされており、俳優たちはその上を動き回る。誰かが歩くたびにネット全体がトランポリンのように揺れ動くという何とも不安定で、文字通り地に足のつかない状態の中、8人の俳優たちが躍動する。そして、舞台装置以上のインパクトを放つのが登場人物たちの凄まじいメイクと個性的なキャラクター!森崎博之(TEAM NACS)演じる緑色の肌で頭に大きな釘の刺さった気弱なフランケンシュタインの社長に、鈴井自らが扮した、蚊に血を吸われてキンカンを塗るドラキュラ。長髪姿が気持ち悪い(!)渡辺いっけいのお岩さん、ネガティブで不幸体質のろくろっ首(上地春奈)、やる気はないのに口ごたえばかりのバイトのゾンビ(多田直人)&キョンシー(清水由紀)コンビ、頭に矢が刺さった平家の落ち武者(藤村忠寿)……できればオペラグラスを持参し、ひとりひとりを細部までじっくりと見てほしい。「ホラーではありません」という看板に偽りなしの鈴井版お化け屋敷は、ウィットと笑いがちりばめられている。だが、もちろんそれだけでは終わらないのが鈴井ワールド。物語が進むにつれて、登場人物たちの背負った過去や様々な思いと共に彼らの抱える秘密が明らかになっていく。「人間の思うこと、考えることが一番怖いんですよ」、「普通の人が一番怖い」。コミカルな掛け合いのすき間に挿入される何気ないひと言が静かに心の突き刺さり、「自分にとって一番怖いものってなんだっけ?」と考え、スーッと冷たいものが心に入り込んでくる。東京公演は2月21日(日)まで。2月17日(水)19時の回は追加公演。大阪公演は2月26日(金)から28日(日)までシアターBRAVA!にて。チケットは一部を除き発売中。取材・文:黒豆直樹
2016年02月12日北海道発の伝説的番組「水曜どうでしょう」(北海道テレビ)の“ミスター”こと鈴井貴之のプロジェクト「OOPARTS(オーパーツ)」第3弾『HAUNTED HOUSE(ホーンテッド ハウス)』。タイトルそのまま“お化け屋敷”を舞台にした本作で「演劇界の大仁田厚」を自称する鈴井は何を仕掛けてくるのか…?稽古開始を前に話を聞いた。OOPARTS『HAUNTED HOUSE』チケット情報ひなびた温泉街にあるお化け屋敷を再建すべく、社長のフランケンシュタインや正社員のドラキュラ、バイトのゾンビやキョンシーらが奮闘する…というプロットを聞いただけで想像が膨らむが、鈴井は「お化け屋敷ですがホラーではありません。バカバカしく、笑ってもらえます!」と笑いに自信をのぞかせる。「日々の疲れを抱えていたり、仕事や学校の帰りに見に来た芝居で、さらに深く考えさせるようなものを見てもらうのはどうなんだろうと。営業が終わったばかりのお化け屋敷のバックヤードで、メイクも落としてないフランケンシュタインやろくろ首が口論してたら――それが真剣であるほど、面白いでしょ?ドラキュラは何回も蚊に刺されて、キンカン塗ってたり(笑)。帰りの電車で思い出し笑いしてもらえるような作品にしたいと思っています」。渡辺いっけいをはじめ、芸達者な俳優が顔を揃えるが、演劇ユニット「TEAM NACS」の森崎博之が出演するのは気になるところ。実は、1990年代の「OOPARTS」活動時に、森崎が出演しかけたことがあったが結局、叶わず、しかもその際、代わりに森崎が安田顕を「OOPARTS」に紹介し、所属することになったという因縁(?)もあるとか…。「森崎は他の劇団の主演とウチの端役を天秤にかけたらしいですが(笑)。最初は、彼のことは全く頭になかったけど、寿司屋で『フランケンシュタインが社長で翻弄されるお化け屋敷の話』と説明したら『僕でしょ、それ!』って(笑)。それこそ、安田が以前『1、2作目はまだ早いけど、3作目くらいから出たいです』と言ってたのに、なぜか森崎に…(笑)。ヤツは俳優としての僕の演出をするって息巻いてましたが、返り討ちにしてやりますよ!(笑)」。前作『SHIP IN A BOTTLE』(1月27日DVD発売)では舞台上にシーソーを用い苛烈な船上の刑務所を作り上げたが、今回はいったいどんな仕掛けを…?という問いに「プランはありますが『どう具現化するんだ?』とスタッフがいま頭を抱えてます」とニヤリ。「いままでは、稽古場で完成させた芝居を劇場へ持っていっていましたが、今回はお客さんと毎日一緒に作り上げていく舞台になるんじゃないかと思います。初日と千秋楽で全く違うものになっているかもしれませんが(笑)、いい年した親父たちがバカやってる、テンションの高い世界観を楽しんでほしいです」。鈴井版“お化け屋敷”から何が飛び出すのか?楽しみに待ちたい。『HAUNTED HOUSE』は2月12日(金)より東京・サンシャイン劇場にて開幕。取材・文・撮影:黒豆直樹
2016年01月08日