意外と知らない社会的な問題について、ジャーナリストの堀潤さんが解説する「堀潤の社会のじかん」。今回のテーマは「沖縄本土復帰50年」です。もとは独立国家。虐げられてきた歴史に目を向けて。50年前の5月15日、アメリカの施政権下にあった沖縄が日本に復帰しました。沖縄は、古くは琉球国という約450年続いた独立国家でした。明治政府は1872年に琉球国を解体し、琉球藩に。1879年には廃藩置県により、沖縄県に生まれ変わります。「富国強兵」のスローガンのもと、近代国家の仲間入りを果たそうとしていた日本。沖縄は内地とはある種、支配・従属的な関係にありました。中央から派遣された役人や軍人は、沖縄を見下し「はやく大和になれ」と押し付けます。沖縄の人々は差別や偏見にさらされ、「私たちは日本人なのだ」という強い機運を生み、太平洋戦争末期、日本を守るために玉砕、集団自決を決行します。日本で、民間人が戦闘要員として駆り出されたのは沖縄だけです。1945年、米軍は沖縄に上陸し3か月にわたり激しい戦闘が繰り広げられました。沖縄県民の4人に1人が犠牲になり、日米合わせて約20万人の被害が出ました。沖縄戦は9月7日に幕を閉じ、アメリカに統治されることに。マッカーサー元帥は、太平洋地域に拡大した日本国の影響を弱体化させるため、沖縄・南西諸島を日本から分離させることにこだわりました。当時、ソ連や中国を筆頭に共産化の波が押し寄せており、東の果ての防波堤として、沖縄を所有することはアメリカの安全保障上、大きな意味がありました。戦後、沖縄支配は日本からアメリカに移ります。やがて「島ぐるみ闘争」という、米軍支配への反対運動が勢いを増し、日本に復帰するか、独立するか、国連の統治下に置かれるべきか、沖縄住民の間でも意見が割れました。返還交渉は1969年に始まり、年末に最終合意。沖縄県内では「核抜き、本土並み」と核の持ち込み禁止、沖縄と本土が格差のないように扱ってほしいと訴えていました。しかし、裏で秘密協定が結ばれており、沖縄返還に関する費用は日本国が負担し、核の持ち込みも密約では認められていたことがのちに明らかになりました。沖縄には、いまなお米軍基地の約7割が集中しています。国家の安全保障のなかで、沖縄県民の思いを無為にしてきた歴史があることを忘れないでほしいです。堀 潤ジャーナリスト。市民ニュースサイト「8bitNews」代表。「GARDEN」CEO。Z世代と語る、報道・情報番組『堀潤モーニングFLAG』(TOKYO MX平日7:00~)が放送中。※『anan』2022年5月25日号より。写真・小笠原真紀イラスト・五月女ケイ子文・黒瀬朋子(by anan編集部)
2022年05月21日モデルの長谷川潤(35)が9日、自身のインスタグラムを更新。母親との2ショットを公開した。長谷川は「23歳のお母さんと2歳の私。2人ともまだ子供。一緒に成長したよね」とつづり、母親との顔出し2ショットを公開した。8日の母の日にちなみ「#happymothersday」とハッシュタグをつけた。この投稿を見た人からは「潤ちゃんはママ似だったのか」「潤ちゃんは小さい時から、お目目キラキラだったねー」「お母さんと潤さんの写真を見て姉妹に見えましたよ」「既に美人さんですね」などと絶賛するコメントが寄せられた。
2022年05月09日タレントの渡辺満里奈が8日までに自身のインスタグラムを更新し、5日の結婚記念日に夫のネプチューン・名倉潤からプレゼントをもらったことを報告した。渡辺は「朝、早起きしてボーッとしているところ、これまた早く起きてきた夫が『ママ、いつもありがとう』とプレゼントくれました」と、『GUCCI』のギフトボックスの写真を投稿。続けて「ひゃーっ。忘れてはいないし、『もう17年かー』なんて話もふたりでしていたんだけど、記念日的思考になってなかった!てへ」と愛を込め、「いつも感謝を言葉にしてくれる夫。こちらこそ、いつもありがとう。健康も気になるお年頃。心と体を大切に、健やかに、ゆっくり焦らずこの先も歩んでいこう」と喜びをつづった。プレゼントの中身はTシャツで、渡辺は「#ナイスTシャツ!」「#ありがとう」「#結婚17年」「#忘れないように入籍をこの日に」「#こどもの日」と添えた。また、17年前のウェディングでの2ショットなどもアップした。この幸せな投稿に、ファンは「これからも、お2人の健康とご活躍とハッピーな生活を陰ながら応援しております」「憧れのお2人、これからも応援しています」「幸せの御裾分けありがとうございます」など、コメントが多数寄せられた。
2022年05月08日お笑いトリオ・ネプチューンの名倉潤(53)が5日、自身のインスタグラムを更新。妻でタレント・渡辺満里奈(51)との“新婚旅行”での2ショットを公開した。「今日は結婚記念日 丸17年です」と報告した名倉は、結婚式での2ショットなど思い出の写真をアップ。2枚目は「新婚旅行でNYに行ってヤンキースタジアムに行った写真」で、観客席で自撮りする初々しい1枚となっている。名倉は「17年いろいろあったけど、妻のおかげで楽しく過ごせた17年でした」と回顧。続けて「これからもよろしくお願いしますいつも妻には感謝しかありません。いつもほんまにありがとう」と、愛情溢れるメッセージをつづった。ファンからは「素敵なご夫婦 末永くお幸せに」「お二人ともかわいい」「理想すぎる」「ステキ!」「これからも素敵なラブラブなご夫婦でいてください」「凄いかわいいウェディング写真の2人 おめでとうございます」などの声が寄せられた。
2022年05月06日松本潤多くのドラマが物語のクライマックスを迎える中、北京五輪による休止を挟んだ『となりのチカラ』(テレビ朝日系)は新たな展開を見せている。「嵐の松本潤さんが、グループ活動休止後、初めての主演を務めるドラマとして注目を集めていました。脚本は『女王の教室』や『家政婦のミタ』などを手がけた遊川和彦氏が務めており、松本さんと上戸彩さんが演じる家族が越してきたマンションを舞台に住人たちの関わりが描かれています」(テレビ誌ライター)松本が演じているのは、なんともクセの強い役柄。「主人公の中越チカラは、マンションの住人たちの問題を放っておけず、悩みながらも“何かしてあげられることないかな……”と次々に首を突っ込むお節介なキャラクター。普段の松本さんのイメージや今までに演じてきた役ともまったく違う頼りない役です」(同・テレビ誌ライター)それだけに、苦労もあった。「今日は笑わない」松潤に異変が脚本の遊川氏もWEBインタビューでこう明かしている。《松本さんが普通に演じてしまうと、やっぱりかっこ良くなってしまうんです。止まっていても、かっこ良く見えちゃうから、『ずっとおどおどしていてほしい』とリクエストしましたし、声も『高くしてくれ』としつこく言いました》(『MANTANWEB』より)ファンの間で“ミスターストイック”と称されるほどの松本は、現場でもストイックに役を追求した。「お芝居の中に彼なりの理論を構築して、ちょっとした行動にもしっかり理由づけをするのです。だからといって、それがわざとらしくならず、すごく自然な演技に見えます。カメラワークなども細かくチェックして、自ら提案することもあるそうです」(芸能プロ関係者)番宣にも積極的に参加。「テレビ朝日系のバラエティー番組に出ずっぱりで、『相葉マナブ』での相葉雅紀さんとの共演や、『テレビ千鳥』では千鳥の大悟さんからのむちゃぶりに振り回される姿も話題になりました」(前出・テレビ誌ライター)雑誌にも複数登場したが、ある雑誌の撮影現場では、珍しい顔を見せていて……。「疲れた様子でスタジオ入りすると“今日は笑わないので”と宣言して撮影がスタートしたようで……。本当に笑顔なしでの撮影が進み、実際に掲載された写真に笑っているものはありませんでした。また、あまりに疲れた顔が気になったのか、かなり事務所からのNGカットが多かったようです」(前出・芸能プロ関係者)“となり”だけじゃなく自分の疲れにも気を配って!
2022年03月10日松本潤「なにかしてあげられることないかな……」松本潤が不安そうな表情を浮かべながら、隣人たちのために奔走する─。1月20日から放送されているドラマ『となりのチカラ』(テレビ朝日系)が好評だ。■番宣にも全力投球「思いやりと人間愛はありながらもちょっと頼りない主人公が、同じマンションの住人たちの悩みを解決していく物語。心優しい主人公を松本さんが、彼の妻役を上戸彩さんが演じます。初回の平均視聴率は11・5%と好スタートを切りましたね」(スポーツ紙記者)’20年末に嵐が活動休止して以来、松本が連ドラで主演を務めるのは初めて。久しぶりのドラマということで、気合十分だ。「スタッフ全員の名前を覚えて積極的にコミュニケーションをとっていますね。カメラワークなど、細かいところもチェックして、“ここはこうしたほうがいいのでは?”と提案していますよ」(芸能プロ関係者)少しでもたくさんの人に見てもらおうと宣伝にも全力投球だ。「番組の告知も兼ねたバラエティー番組に積極的に出ています。以前はグループの仕事との兼ね合いで出られないこともありましたが、今回はスタッフが心配するぐらいテレビに出ずっぱりですね(笑)」(同・芸能プロ関係者)■松潤がスマホで作中では気の強い妻役の上戸に気圧されぎみな松本だが、撮影現場では、彼がリードすることが多いみたい。「実は、2人は高校の先輩・後輩という関係なんです。共演は今回が初めてですが、先輩である松本さんがアドバイスしていますね。夫婦でやりとりするシーンも多いので、打ち合わせにも力が入るのでしょう」(制作会社関係者)連日、撮影に追われているが、上戸は夜遅くの打ち合わせに参加できないこともある。「上戸さんは’15年に長女を、’19年に長男を出産しました。お子さんはまだ6歳と2歳と手のかかる年齢なので、保育園の送り迎えなどで早抜けすることもあるのでしょう」(同・制作会社関係者)そんな“時短”勤務の“妻”を松本が陰ながらサポートしていて─。「上戸さんが参加できなかった本番前の本読みや稽古の様子をスマホで動画撮影したり、録音して彼女に送っているんです。しかも、撮ったデータを編集までして!ムービーなら上戸さんも家事の合間に手軽に見られるので、“すごく助かる!”と喜んでいますよ」(同・制作会社関係者)嵐のコンサートの演出を担当するなど、裏方の事情に精通しているだけに、“カンゲキ”ムービーを作るのは朝飯前なのだろう。松潤の“チカラ”で人気ドラマになること間違いなし!?
2022年01月27日松本潤が遊川和彦とタッグを組む「となりのチカラ」が1月20日スタート。松本さん演じるチカラに「見たことない松潤」「めっちゃ新鮮」などの声が殺到、ずっとセーターを裏返しのまま着ている姿にも「可愛い」の声が多数寄せられている。「人を救いたい」「周囲を平和にしたい」という思いから、いつも中途半端に他人の問題に関わり、簡単に解決できない問題だとわかるとオロオロと中腰になりながら悩んでしまう中越チカラを主人公に、そんなチカラが同じマンションに住む住人たちの悩みを解決し、やがてそのマンションはひとつのコミュニティーとなって強い繋がりを持っていくという、現代人の心に癒しと少しの勇気を与えてくれる、社会派ホームコメディーとなる本作。中越チカラを松本さんが演じるほか、チカラの妻で12歳の娘・愛理と10歳の息子・高太郎の母親、アパレルショップで店長を務めている中越灯に上戸彩。小学6年生のチカラの娘・中越愛理に鎌田英怜奈、高太郎に大平洋介。中越一家のお隣に住むエリート会社員で、妻と娘と仲良く暮らす理想的な3人家族に見えるが、なぜか妻と娘は何かに怯えている木次学に小澤征悦。学の妻の達代に映美くらら。小学3年生の娘・好美に古川凛。中越一家の真下に住み、数人でルームシェアをしているマリアにソニン。凶悪少年犯罪事件の真犯人“少年A”という噂がある上条知樹に清水尋也。震災で両親を失い祖母の清江と暮らす高校3年生の柏木託也に長尾謙杜(なにわ男子)。託也の祖母・清江に風吹ジュン。チカラの担当編集者・本間奏人に勝地涼(友情出演)。チカラが仕事場に使うカフェの店主に夙川アトム。マンションの管理人・星譲に浅野和之。中越一家の隣人で占いにハマっている道尾頼子に松嶋菜々子といったキャストが出演。※以下ネタバレを含む表現があります。ご注意ください。東京の郊外にあるマンションにチカラたち一家が引っ越してくる。個性豊かな住人たちに思いを巡らせるチカラに対し、灯は「ご近所のことに首を突っ込まないように」と諭す。しかし隣の部屋から叫び声が聞こえ、心配でいてもたってもいられなくなったチカラは隣の木次家を訪ね、学に怯えたような表情をみせる達代と好美が気になる。実は好美は虐待を受けているらしく…というのが1話のストーリー。チカラ役の松本さんに「面白かった! 見たことない松潤だった!」「こういう役の松潤新鮮だなー。凄い好き」「今までの松潤と違うキャラでめっちゃ新鮮」などの反応が上がるとともに、「歩き方も話し方も違って松本潤くんなのに松本潤くんじゃ無かった」など、これまでにない役柄を演じる松本さんの演技力を高く評価したコメントも。一方、放送が開始してしばらくたつとSNS上には「セーター裏返しじゃんチカラくんw」「セーター表裏逆じゃございませんか?」など、チカラがセーターを裏返しに着ているという指摘が相次ぐように。その後、裏返しに着ていることを灯に指摘されたチカラはあわてて脱ごうとするのだが、視聴者からはその姿にも「セーター表裏逆可愛い」「チカラくん可愛すぎ セーター裏返し」など、多数の“カワイイ”という反応が寄せられている。(笠緒)
2022年01月20日松本潤1月20日から松本潤主演のテレビ朝日系木曜ドラマ『となりのチカラ』が始まる。「今回演じる中越チカラは、松本さんが今までやったことのないタイプの役柄です。カッコよさは封印して、ちょっと情けないキャラですね。同じマンションの住人を助けようとするんですが、いつも中途半端な“中腰ヒーロー”。都会で隣人との絆を結ぼうとする姿を描く社会派コメディーです」(テレビ誌ライター)松本の新しい一面が見られそうだ。新感覚のドラマは、主題曲にも注目が集まる。「坂本九さんが歌った名曲『上を向いて歩こう』のピアノバージョンです。その放送回の出演者に合わせて、毎話違ったアレンジで聞かせてくれるというのが驚きですね」(同・テレビ誌ライター)■東京オリンピックでも演奏演奏するのは上原ひろみ。世界で活躍するジャズピアニストだ。「上原さんは17歳でジャズの超大物チック・コリアに見いだされ、バークリー音楽大学を首席で卒業。’03年にデビューすると、瞬く間に世界的に人気が爆発。各国を回り、年間150公演をこなすように。’11年には“グラミー賞ベスト・コンテンポラリー・ジャズ・アルバム”を受賞。’16年には“ビルボード・ジャズ総合アルバムチャート1位”という快挙を達成しています」(音楽ライター)日本でもドリカムや矢野顕子などとコラボ。今年の5月にはドリカムとジャズフェスティバルに出演する予定だ。「東京オリンピック開会式では、市川海老蔵さんの歌舞伎に合わせて演奏しました。上原さんの音楽はクラシック、ロック、ファンクなどさまざまな音楽の影響を受けてジャンルレス。同じ曲でも即興で毎回違う印象になるんですよ」(同・音楽ライター)上原は「《お芝居》と《音楽》という形で初めて一緒にお仕事できることが楽しみ」とコメントしているが、実はもともと松本とは縁が深い。「松本さんは’17年に日本テレビ系の『嵐にしやがれ』に上原さんがゲストに来たとき、“本人の前でこんなことを言うのもあれですけど、天才です。ひれ伏す感じですね”と発言して大ファンであることを明かしていました。松本さんがビートルズ、マイケル・ジャクソンからクラシックまで幅広いジャンルの音楽を聴いていることは知っていたんですが、上原さんのファンだとは知りませんでした」(前出・テレビ誌ライター)実は上原のコンサートにも顔を出しているという。「10年近く熱心に通っているんじゃないでしょうか。コンサートが終わるといつも上原さんの楽屋に一番乗りし、ほかの人が挨拶に来る前にスッと帰っていきます。楽屋に友人らを大勢連れて来るような人もいるけれど、彼は毎回1人。上原さんの音楽が心の底から好きなんだと思いますよ」(音楽関係者)■上原ひろみの夫とも親交があって上原の夫はデザイナーの三原康裕氏。松本は彼のブランド“MIHARA YASUHIRO”のファンでもある。「三原さんは多摩美術大学在学中に靴のブランドを立ち上げて、それがおしゃれな若者の間で大人気に。メンズ、レディース、ジュエリーなども手がけるようになり、ミラノコレクション、パリコレクションに参加。世界的に評価されているデザイナーです。かつてはPUMAと、昨年はGUともコラボしていますよ」(ファッション関係者)松本はプライベートでも着ることが多かったが、’15年の紅白歌合戦では嵐の衣装としてMIHARAブランドを採用。「三原さんは以前から松本さんと面識がありましたが、着てくれるように頼んだわけではありません。あるとき“ビックリしたよ、松本クンがウチの服を着ているんだもん”って目を丸くしていました。松本さんが自費で購入していたようなんです」(三原の知人)松本は嵐のライブで演出を担当し、衣装も決めていた。「忙しい合間に単独でパリコレを視察に行っているくらい、ファッションに対しては本気。三原さんをクリエイターとして尊敬しているから、自腹でMIHARAブランドを購入して、嵐にも取り入れたんだと思います。松本さんは交友関係を仕事に絡めることはしない人ですからね。今回は上原さんが主題曲を担当することになったので、ドラマの内容を松本さんが直接、上原さんに伝えたのでしょう。話し合った結果、毎回違うアドリブでやることになったのかもしれません」(前出・テレビ誌ライター)上原と三原は、松本の“推し夫婦”。クリエイター同士のつながりが、ドラマを盛り上げるに違いない!
2022年01月20日お笑いトリオ『ネプチューン』の名倉潤さんが、2021年12月5日に自身のInstagramを更新。「#親バカですみません」とハッシュタグをつけ、長女が馬術障害の県大会で優勝したことを明かし、喜びをあらわにしました。※画像は複数あります。左右にスライドしてご確認ください。 この投稿をInstagramで見る Jun Nagura(@nagrat1968)がシェアした投稿 娘が馬術障害で県大会優勝!しました〜!嬉しすぎてまた投稿してしまいました本当に何年も頑張ったね。おめでとうまたもや親バカ投稿でしたnagrat1968ーより引用名倉さんは、2005年にタレントの渡辺満里奈さんと結婚。2人の間には、1男1女が誕生しています。名倉さんと渡辺さんは、結婚記念日にツーショットをあげるなど、その夫婦円満ぶりでも話題になる2人。夫婦仲だけでなく、親子仲のよさもうかがえる今回の投稿に、ファンからは絶賛の声が寄せられています。・名倉さんは子供の努力を全力で認めてくれるから素敵だな。・親バカ投稿、最高です!・子供の成長が親の一番の喜びですよね。我が子の成長は、親にとっても嬉しいもの。名倉さんは「いつも喜びをありがとう」ともつづり、テレビで見せる姿とはまた違う、父親の顔をのぞかせました。そんな、親近感がわく名倉さんだからこそ、お笑いタレントとしても1人の人間としても多くの人から支持を集めているのかもしれません。[文・構成/grape編集部]
2021年12月05日意外と知らない社会的な問題について、ジャーナリストの堀潤さんが解説する「堀潤の社会のじかん」。今回のテーマは「親ガチャ」です。階層の固定化をどのように崩していくのか。「親ガチャ」とは、カプセル玩具やソーシャルゲームの“ガチャ”になぞらえて、親や生まれる境遇を選べない状況を表す言葉で、国会でも取り上げられました。かつては「一億総中流」といわれ、どの家庭に生まれても平準化された暮らしがありましたが、いまは大きく変わってしまいました。一般的に親の年収ごとに400万円以上ならN(ノーマル)。1000万円以上ならR(レア)。3000万円以上ならSR(スーパーレア)、400万円以下はB、C、D…と、ゲームのランキングのように、年収と職業を符号させることがネット上で流布されています。階層化をまざまざと認識させるような手法は、社会の分断を加速させてしまいます。一番の問題は、階層移動が不可能な格差が固定化されていることでしょう。これまでは、個人の努力によって、いかなる家庭に生まれようとも望む暮らしが手に入れられるチャンスがありました。ところが、いまは頑張ったところでどうにもならない状況に追い込まれています。この問題の解決には政治の力が求められます。少なくとも、「機会の均等」について対策をとるべきでしょう。日本は教育への投資がGDP比率で圧倒的に低い状況にあります。大学までは国が無償で面倒をみる、給食費は国や自治体が税金でまかなう、タブレットやパソコンなどのデジタル機器・通信環境は家庭によって差が出ないように補助していくなど、方法はいくつもあると思います。アメリカのシリコンバレーでは、難民や移民、貧困層の子供たちに民間の企業が寄付を呼びかけるなど、教育機会を与えて人材育成に力を注いでいます。日本では孫正義さんが率いる財団で、進学や留学、研究などを志す若者たちのサポートをしていますが、民間企業全体ではそういうサポートがまだ足りていません。自分たちの国を支える技能者を育てるという観点からも、必要なことなのではないかと思います。子供たちを国や社会で育成するという視点が重要なのではないでしょうか。読者のみなさんも、自分が親になったときに、子供の人生が自分の年収で決まってしまう社会でいいのか?考えていただけたらと思います。堀潤ジャーナリスト。市民ニュースサイト「8bitNews」代表。「GARDEN」CEO。Z世代と語る、報道・情報番組『堀潤モーニングFLAG』(TOKYO MX平日7:00~)が放送中。※『anan』2021年12月8日号より。写真・中島慶子イラスト・五月女ケイ子文・黒瀬朋子(by anan編集部)
2021年12月04日意外と知らない社会的な問題について、ジャーナリストの堀潤さんが解説する「堀潤の社会のじかん」。今回のテーマは「中国TPP加盟申請」です。中国も台湾も加盟を申し出た。行く末に注目。TPP(環太平洋パートナーシップ)協定の始まりは、ASEAN(東南アジア諸国連合)や南米地域の経済連携でした。ところが、オバマ政権時にアメリカが加わることになり一気に色合いが変わりました。中国の台頭が目覚ましくなり、中国を牽制する連携が必要と、自由主義諸国の中国経済圏への対抗措置として交渉が進められるようになったのです。日本は最初は関心を示していませんでしたが、この巨大な貿易圏に入っておかなければ、将来孤立しかねませんし、最初からルール作りに参加しておいたほうがよいだろうと判断。反対意見もあるなか、民主党政権下で参加を決め、交渉を開始しました。ところが2017年、ようやく貿易交渉も合意したところに、トランプ政権が誕生し、アメリカはTPPを離脱。一気に、規模が縮小してしまいました。そこからは日本主導となり、2018年に11か国がTPPに署名しました。今年、バイデン政権になり、日本はアメリカのTPP復帰を求めていますが、バイデン大統領は静観しています。そんな折、中国がTPP加盟を申し出ました。習近平国家主席は当初からTPPに関心を持っていたらしく、米国が抜けたいまがチャンスだったんですね。中国は戦争という武力で圧力をかけることよりも、交渉のなかで自国に有利なルールを作り、中国の貿易圏に取り込むことで他国を経済的支配下におくことに注力してきました。TPPはその大きな入り口になるところでした。そこへTPP加盟を申し出て牽制に入ったのが台湾です。これには「中国は一つではなく、台湾は台湾」というメッセージが込められています。TPPの加盟には参加国全員の合意が必要です。中国を先に入れれば台湾やアメリカの加盟は不可能になるでしょう。また、台湾を先に入れれば中国を敵に回すことになり、アジア太平洋地域の緊張につながります。日本にとって頭の痛い問題なのです。TPPの先には、さらに国や地域を拡大した連携などの構想があります。政治と経済を切り離し、東アジア全体の安定につながるような交渉ができるといいのですが、そう簡単にはいかないでしょう。堀潤ジャーナリスト。市民ニュースサイト「8bitNews」代表。「GARDEN」CEO。Z世代と語る、報道・情報番組『堀潤モーニングFLAG』(TOKYO MX平日7:00~)が放送中。※『anan』2021年12月1日号より。写真・中島慶子イラスト・五月女ケイ子文・黒瀬朋子(by anan編集部)
2021年11月26日2021年11月3日に、お笑いトリオ『ネプチューン』の名倉潤さんがInstagramを更新。53歳の誕生日を迎えるにあたって、家族でお祝いをしたことを明かしました。名倉さんは、妻でありタレントの渡辺満里奈さんとのツーショットや、家族からもらった手紙などの写真を公開。※画像は複数あります。左右にスライドしてご確認ください。 この投稿をInstagramで見る Jun Nagura(@nagrat1968)がシェアした投稿 心のこもったプレゼントや、用意された食事に感動した名倉さんは、妻である渡辺さんへの感謝の想いをつづりました。食事、お手紙、服のプレゼントに感動しました家族に、奥さんにいつも感謝です陰ながら応援してくださる皆様にも感謝ですnagrat1968ーより引用投稿の最後に、ファンの人へ向けても感謝の言葉をつづるところに、気遣いのある名倉さんらしさがにじみ出ていますね。一方、妻の渡辺さんも、同月4日にInstagramを更新。名倉さんと同じ写真を投稿し、夫の誕生日を祝いました。誕生日を迎えるたびに、あっという間に時が流れたように感じるけど、1日1日の積み重ねには当然いろんなことがあり、その日々が尊い。家族や周りのことを優先するばかりでなく、そろそろ自分自身をちゃんと労ってあげてね。健康に過ごしたいものです。funnyfacefunnyーより引用渡辺さんは、周囲への気配りを欠かさない夫の性格について触れ、「家族や周りのことを優先するばかりでなく、自分自身を労わってあげてね」とメッセージを送っています。お互いへの愛情が伝わる夫婦のやり取りに、ネット上ではほのぼのとする人が続出しました。・名倉さん、お誕生日おめでとうございます!・本当に憧れの夫婦です。こんな風に歳を重ねたいと思います。・とても素敵…。渡辺さんのメッセージに、お互いを想い合っていることが伝わってきました。「ありがとう」という感謝の気持ちをはじめ、想いは言葉や態度にしないと伝わらないことがあります。記念日はもちろん、日頃から想いを伝え合える関係でいたいと思わされますね。[文・構成/grape編集部]
2021年11月06日意外と知らない社会的な問題について、ジャーナリストの堀潤さんが解説する「堀潤の社会のじかん」。今回のテーマは「東京オリパラ」です。パラの成長を見た東京大会。認知に広がりも。東京オリンピック・パラリンピックは大会としては結果的に成功だったように思います。無観客でさまざまな制約があったにせよ、特にパラリンピックは過去の大会に比べると注目度もたいへん高く、史上最多の4403人の選手が参加しました。アフガニスタンでは開催直前に政変が起き、選手が大会に参加できず他国に逃れるという事態に。開会式では国連難民高等弁務官事務所の方が代わりに国旗を持って入場行進をし、最終的にはサポートを得て2人の出場が叶いました。女性選手も、LGBTQをカミングアウトする選手も、これまでの大会以上に参加が増えました。僕はパラリンピックの取材に関わっていましたが、会場内の感染対策は徹底していました。関係者はPCR検査を毎日無料で受けられ、毎朝専用アプリに体温を入力。それが自分のIDナンバーに紐づけられていました。誰か記入漏れがあると同じ取材グループ全員にメッセージが届き、入力を促すシステムで、すごく安心感がありました。こういうデジタル化された管理システムが街中でもできればと思います。日本のボランティアは、海外から高い評価を得ました。しかしそのバックヤードでは、1年延期により指揮命令系統や担当者の引き継ぎに不具合があり、ボランティアのみなさんに大きな負荷をかけてしまっていたようです。東京五輪は、政治的な抗議パフォーマンスが認められた初めての大会でもありました。女子サッカーなどでは試合開始前に選手が片膝をつき、女子砲丸投げの銀メダリストは表彰台で両腕をクロスして人種差別等に抗議を示しました(表彰台上でのパフォーマンスは本来は禁止)。Black Lives Matterなどの流れを受けたことが背景にあります。ミャンマーの選手の日本への難民申請が異例の早さで認定されたのも、オリパラという世界が注目する場だからできた判断だったと思います。今回、オリンピックよりもパラリンピックのほうが、理念をより体現した大会だった印象です。世界中の人々が集まり、出身国の政治状況を身近に知る機会になったのは、大きな財産になったのではないでしょうか。堀潤ジャーナリスト。市民ニュースサイト「8bitNews」代表。「GARDEN」CEO。Z世代と語る、報道・情報番組『堀潤モーニングFLAG』(TOKYO MX平日7:00~)が放送中。※『anan』2021年10月27日号より。写真・中島慶子イラスト・五月女ケイ子文・黒瀬朋子(by anan編集部)
2021年10月23日意外と知らない社会的な問題について、ジャーナリストの堀潤さんが解説する「堀潤の社会のじかん」。今回のテーマは「世界の気温1.5℃上昇」です。加速する温暖化。脱炭素に向けた新技術に注目。8月、IPCC(国連の気候変動に関する政府間パネル)は、今後20年以内に、世界の平均気温上昇が産業革命前と比べて1.5度に達するという予測を発表しました。これは3年前の報告よりも10年早まっています。温暖化は人間の影響により起きており、そのせいで熱波や豪雨、干ばつなどの異常気象が増加。気温の上昇は2050年頃にCO2の排出をゼロにしても1.5度、ゼロにならなければさらに上がり、脱炭素対策が急務であると警告しました。日本政府は4月、2030年度には‘13年度比でCO2を46%削減すると発表しています。しかし、産業界からは、それさえ難しいという声が上がっており、再生可能エネルギーの普及促進を政府に求めています。家庭でのCO2排出量削減は66%減が必要と国は試算していますが、個人でできる範囲は限られます。電力の使用量を可視化できる「スマートメーター」も個人で新たに設置するには高額です。国は街づくりと一体化して、効率的に電力を運用していく必要があるのではないでしょうか。環境省は、‘19年より省エネ製品買換ナビゲーション「しんきゅうさん」をウェブで公開。また、ステイホームで長時間使用するようになったエアコンのサブスク化の検討も進めています。新しい省エネ機種を購入するのではなく、月額使用料を支払い、導入しやすくする狙いがあります。また、大学や公的機関のインフラを再生エネルギー100%に変えていく試みも始めようとしています。企業に対しては、太陽光パネルの設置の義務化も提案されましたが、それには森林を切り開かなければいけなかったり、台風や土砂災害により太陽光パネルが産業廃棄物になってしまうという環境負荷の問題もあり、異論が出ています。そんななか、非常に薄いフィルム状の「ペロブスカイト太陽電池」が開発されました。世界で注目の次世代型太陽電池で日本でも研究が進んでいます。将来は自分の使用するエネルギーを、身につけているものでまかなう時代になるかもしれません。新しいテクノロジーに社会的関心が高まり、研究促進の後押しになるといいなと思います。ジャーナリスト。市民ニュースサイト「8bitNews」代表。「GARDEN」CEO。Z世代と語る、報道・情報番組『堀潤モーニングFLAG』(TOKYO MX平日7:00~)が放送中。※『anan』2021年10月6日号より。写真・中島慶子イラスト・五月女ケイ子文・黒瀬朋子(by anan編集部)
2021年10月01日意外と知らない社会的な問題について、ジャーナリストの堀潤さんが解説する「堀潤の社会のじかん」。今回のテーマは「アフガニスタンとタリバン」です。タリバンの圧政を恐れ、逃げる国民。世界の監視が必要。8月16日、武装勢力タリバンがアフガニスタンのほぼ全域を制圧しました。タリバンは1996年に政権を樹立。しかし2001年、アメリカ同時多発テロの首謀者・ビンラディンを匿っているとして米軍などがアフガンを空爆、政権を崩壊させました。その後、約20年間、タリバンは駐留米軍や政府軍と戦闘状態にありましたが、前トランプ政権時に米軍が撤退することで合意。引き継いだバイデン大統領が5月から撤退を本格化させるとタリバンは次々に全土を掌握、首都を包囲されたガニ大統領は国外に逃れ、8月末の米軍の完全撤退前に政権が崩壊しました。元タリバンの兵士で、現在は現地で平和構築活動をしている方を3年前に取材したことがあります。そのときに、「シリア内戦やISの台頭など、世界の注目がアフガニスタンから外れていった。その空白(時期)が生まれると暴力が起きる」とおっしゃっていました。今回の制圧も急に進んだのではなく、ガニ政権は腐敗しており、タリバンの活動は近年活発化していたのです。旧タリバン政権は女性の教育や就労を認めず、男性家族が同伴しない外出を禁止。人権侵害だけでなく、反政府勢力となってからは無差別テロをたびたび起こすなど残虐性が増していると指摘する海外メディアもあります。復権による圧政を恐れた国民は、国外に逃れようと空港に押し寄せ、離陸する飛行機にしがみつき振り落とされて亡くなる悲劇も起こりました。そんななか、中国やロシアはいち早くタリバン新政権を支持すると表明しました。中国にとっては一帯一路構想の重要な地域なので、タリバンと良好な関係を築いておきたいのです。一昨年、アフガニスタンの緑化運動を進めていた中村哲医師が、武装勢力に殺害されました。現地には日本の人道支援に対して、強いリスペクトを持つ人が大勢います。こういうときこそ、アメリカかタリバンかではなく、市民の側に立ち、生活が安定するように関わり続けることが重要なのではないかと思います。いま現地では、激しい攻撃を受けながらも、女性たちが権利を求めて抗議活動を行っています。動向を注視しなければなりません。堀 潤ジャーナリスト。市民ニュースサイト「8bitNews」代表。「GARDEN」CEO。Z世代と語る、報道・情報番組『堀潤モーニングFLAG』(TOKYO MX平日7:00~)が放送中。※『anan』2021年9月29日号より。写真・中島慶子イラスト・五月女ケイ子文・黒瀬朋子(by anan編集部)
2021年09月24日意外と知らない社会的な問題について、ジャーナリストの堀潤さんが解説する「堀潤の社会のじかん」。今回のテーマは「新型コロナの治験」です。多くの治験が新薬の完成を早めます。新型コロナウイルス感染症の感染拡大がなかなか収まらないなか、急がれるのは治療薬の開発です。そのために行われるのが「治験」です。治験とは、新しい治療薬の候補が開発される過程で、健康な人や患者さんに使ってもらい、効果や安全性、副作用の有無などを確かめる臨床試験のこと。体を使って調べるため、もちろんリスクを伴いますが、検査費用の負担はなく日本では何かあればすぐさま医療機関による手厚いフォローが受けられます。現在、国立国際医療研究センターの治験管理室や「生活向上WEB」で、新型コロナの治験参加者を募集しています。「生活向上WEB」の募集案内によれば、自宅で服薬しながら病院に定期的に通い、7か月にわたり経過を調べる。通院は、自宅から病院まで専用タクシーが送迎。参加することにより、薬の開発は進み、社会貢献になると記されています。ただし、治験にはデータを採るのに適した検体でなければいけません。新型コロナの治療薬候補の場合、陽性患者で症状があり、ワクチンをまだ一度も接種していない成人男女が対象になります。あらゆる治療薬の開発に治験は欠かせません。日本での治験の数は近年増えていますが、先進国のなかでは下位に位置します。アメリカなどは医療費が高額なため、無料で治療を受けられる治験を希望する人は大勢いますが、日本では一定水準の医療が保険適用で受けられるので、無理して受けようという人は限られているのです。治験の数が足りない分は、アジアの他の国のデータを活用しますが、日本人の治療には、やはり日本人による治験の結果が必要です。たとえば、海外の製薬会社で新薬が開発されても、日本人の治験結果がなかなか採れないためその薬が日本に投入されない、もしくは日本向けには開発されないという問題が起きてしまいます。このことに厚労省は危機感を抱いています。治験については、まだ一般にはよく知られていません。政府はもっと広くアナウンスするべきではないでしょうか。新型コロナの治療薬も、多くの治験データ収集が、完成に少しでも近づけることになります。堀潤ジャーナリスト。市民ニュースサイト「8bitNews」代表。「GARDEN」CEO。Z世代と語る、報道・情報番組『堀潤モーニングFLAG』(TOKYO MX平日7:00~)が放送中。※『anan』2021年9月22日号より。写真・中島慶子イラスト・五月女ケイ子文・黒瀬朋子(by anan編集部)
2021年09月18日意外と知らない社会的な問題について、ジャーナリストの堀潤さんが解説する「堀潤の社会のじかん」。今回のテーマは「熱海土砂災害」です。突発的な災害に備えるため、住む地域を見直そう。7月、熱海市伊豆山地区にて大規模な土石流が発生し、約130棟の建物が被害に遭い、多くの死者と行方不明者を出しました。現地に行ってみると、典型的な土石流とは明らかに様子が違いました。これまでの現場では大岩や根から折れた木などが流れてきて、土は粘り気のある泥状でした。ところが今回は、土を踏むと膝まで埋まってしまうサラサラのシャーベット状で、足が掬われそうになりました。専門家の調査では、「盛り土」により造成された山が崩壊し、そのまま土砂となって流れていたことが判明。この場所の、度を越した盛り土問題は県も把握しており、業者に対して指導をしていたにもかかわらず、対策が取られていなかったことが問題になっています。土石流を引き起こしたのは短時間の集中豪雨。熱海市の72時間降水量は、過去最大量の1.3倍にあたる500mm以上だったことが分かりました。明らかに気象が変わってきているため、防災基準の見直しは必須でしょう。国土交通省は大規模盛土造成地の徹底調査を行っており、全国で5万1306か所存在していると昨年3月に発表していました。しかし、自治体に対し国が安全対策の必要性を伝えても、自治体には、民間業者に販売権利を撤回する権限はありません。また、この背景には、都市近郊に人口が集中し、土地のないところに土地を造成して住宅を増やさねばならないという近年の宅地開発の流れも深く関係しています。やはり自分の身は自分で守るしかないと思います。山や川が近い、液状化が起きるかもしれないなど、自分の住む地域に災害の可能性を少しでも感じているのならば、何らかの対策を検討する必要があります。熱海の土砂崩れの第一報は、公的機関の発表より前に住民のグループラインによって、「あそこが危ないらしい」と連絡が回ったそうです。集中豪雨はすさまじい雨音のため、広報車の避難アナウンスもほとんど聞こえなくなります。予期せぬ大規模災害を即座に察知するには、地域住民の連携による防災発信が大切になります。これからは、“地方創生と防災”が、住みやすさの大きなキーワードになると思います。堀潤ジャーナリスト。市民ニュースサイト「8bitNews」代表。「GARDEN」CEO。Z世代と語る、報道・情報番組『堀潤モーニングFLAG』(TOKYO MX平日7:00~)が放送中。※『anan』2021年8月25日号より。写真・中島慶子イラスト・五月女ケイ子文・黒瀬朋子(by anan編集部)
2021年08月24日意外と知らない社会的な問題について、ジャーナリストの堀潤さんが解説する「堀潤の社会のじかん」。今回のテーマは「育休法改正」です。現場の声を反映。男性が取得しやすい制度に。改正育児・介護休業法が成立し、2022年より施行されることになりました。この改正の大きなポイントは、「男性が育児休業を取りやすくするように定めた」ということです。これまでの男性の育休取得率は7.48%、1割にも達していませんでした。さらに、取得した人のうち、7割が取った期間が1週間以内。もっと長期に、必要なときに分割して何度でも取れるようにと、現場のお父さんお母さんの声が改正案には反映されました。これは大きな前進だと思います。現在、孤立してしまうお母さんの産後うつの問題が深刻です。また、僕も経験がありますが、働く男性にしてみたら、いったん長期間休んで前線を離脱してしまったら、元のポストに戻れないのではないかという怖さもあります。さらに、休めば残業代が減ってしまいます。そういう経済的理由からも育休は取りにくいものでした。改正後は新たに出産日から8週間の間に4週間の育休を取れ、子供が1歳になるまでに女性は2回、男性は最大4回に分けて取得することが可能になります。さらに、育休取得日の半分を上限に仕事をすることも認められます。給付金は育休開始時賃金の67%が支給され、厚生年金など社会保険料が免除されるため、実質、収入の8割程度が保障されることになります。これまでは正社員だけの制度でしたが、改正法では、働いて1年未満の非正規雇用でも育休を取れるように変更されました。ある調査で男性の5人に1人が、育休を取らなかった理由を「職場が育休制度を取りづらい雰囲気だったから」と答えています。「取っていいと思っているのか?」と上司に言われ、申請できなかったという例も聞きました。そんな職場の空気を是正するため、育休取得対象の男性に、会社は制度の説明をし、取得の意向を確認をすることが義務化されることになりました。日本は有給休暇も取得率が極端に低い。けれども休みを取りやすい会社のほうが生産性が高いという数字も出ています。休むことで仕事のパフォーマンスも向上します。子供の有無にかかわらず、休みが取りやすい職場に変わっていくことを期待したいですね。堀潤ジャーナリスト。市民ニュースサイト「8bitNews」代表。「GARDEN」CEO。Z世代と語る、報道・情報番組『堀潤モーニングFLAG』(TOKYO MX平日7:00~)が放送中。※『anan』2021年8月4日号より。写真・中島慶子イラスト・五月女ケイ子文・黒瀬朋子(by anan編集部)
2021年08月03日意外と知らない社会的な問題について、ジャーナリストの堀潤さんが解説する「堀潤の社会のじかん」。今回のテーマは「LGBT法案」です。LGBTと一括りではなく個別の課題解決を。与野党合意で進められていた、性的少数派をめぐる「理解増進法案」は自民党内の強い反対を受け、今国会での提出を断念しました。オリンピック憲章では、いかなる差別も認めず、ジェンダー平等を謳っています。オリンピック開催国でありながら、この法案が成案できないというのは恥ずかしい状況だと思います。2014年のソチオリンピックでは、ロシア政府が同性愛を認めないとLGBT運動を弾圧したため、各国の首脳は抗議の意を示し、開会式の参加をボイコットしました(日本は参加していました)。自民党内でも、稲田朋美議員をはじめ、LGBT当事者と対話を重ねてきた議員はなんとか成案させようと与党幹部に詰め寄りましたが、「家族観が壊れる」など、ベテラン議員からのクレームがついて進みませんでした。もともと野党は、ヘイトスピーチや、同性愛者という理由で入居を拒否されたり、社内で差別を受けたりすることを禁止する「差別解消法案」を提出していました。それに対して自民党はLGBTの人々の実情をまず知ってもらおうと「理解増進法案」を進めていました。結局、自民党案を修正する形で与野党合意したのですが、「差別は許されない」という文言に対して、与党内の保守派が「権利を与えることで、権利を極度に主張されると訴訟が起こり、かえって分断を生む。何をもって差別とするかを定義づけないかぎり法案は認められない」と強硬姿勢を崩さず、国会提出も叶わなかったのです。たとえ法律ができたとしても、差別感情を持つ人の意識が一変するわけではありません。理解を深めるためには、対話や交流の場を増やすことが肝要なのだと思います。残念なのは、この制度を決める国会議員の中に、公表しているLGBT当事者がほとんどいないということです。議員の多様性のなさにも問題があると言わざるを得ません。最初からLGBT法案に賛成か反対か、という二択から始めるのではなく、もっと小さな主語で、性別の問題で困っているさんの課題に対処するには、どんな方法があるのか。具体策を一つずつ見出すことが、状況改善の糸口になるのかもしれません。堀潤ジャーナリスト。市民ニュースサイト「8bitNews」代表。「GARDEN」CEO。Z世代と語る、報道・情報番組『堀潤モーニングFLAG』(TOKYO MX平日7:00~)が放送中。※『anan』2021年7月21日号より。写真・中島慶子イラスト・五月女ケイ子文・黒瀬朋子(by anan編集部)
2021年07月17日意外と知らない社会的な問題について、ジャーナリストの堀潤さんが解説する「堀潤の社会のじかん」。今回のテーマは「温室効果ガス46%削減」です。環境の問題だけではなく、経済の生き残り策 。4月に気候変動サミットが開かれ、各国が温室効果ガスの削減目標を表明しました。日本は2030年度までに2013年度比で46%削減するという新たな目標を掲げ、「50%の高みに向けて挑戦を続ける」と発表。それまでの目標値は26%削減でしたから、一気に引き上げた形になります。ところが、環境問題に熱心に取り組む若い人たちが、その数字では足りないと、経産省前でハンガーストライキを行いました。パリ協定では、世界の気温上昇を産業革命前と比べて1.5°Cに抑えることを目標に定めています。そこまで効果を出すには日本は62%の削減が必要だと訴えたのです。ちなみに他国の目標値は、アメリカは2005年比で50~52%削減。EUは1990年比で55%以上減。イギリスは1990年比で78%以上減です。アメリカのバイデン大統領は、オバマ政権で謳われた、温暖化防止と経済格差是正の両方を行う経済刺激策「グリーン・ニューディール」をさらに強化し、「クリーンエネルギー/持続可能インフラ計画」に4年間で総額2兆ドルを投入すると公約で掲げました。中国は、公害により健康被害が多く出たことを機に、環境対策に積極的になり、2030年までの温室効果ガス削減目標は2005年比で65%以上削減。また、2035年の新車販売でガソリン車をゼロに。電気自動車を中心に省エネ・新エネルギー車の割合を5割にし、残りの5割もすべてハイブリッド車にすると昨年秋に発表しました。欧米や中国の削減目標値が高いのは、環境対策がこれからの経済の主戦場になると踏んでいるからです。欧米の大手企業は、石炭や火力による電力に依存する企業とは取引しないと公言していますから、日本も再生可能エネルギーの比率を上げるなどの対処をしないと、このままでは世界の経済市場から日本の企業は排除されてしまいます。環境対策は、地球を守るというイデオロギー的なものから、産業の生き残り策に大きく変わったんですね。AIや再生可能エネルギーなど、あらゆるテクノロジーを駆使し、環境に負荷をかけない産業政策を、国が本格的にとる必要があるのではないかと思います。堀 潤ジャーナリスト。市民ニュースサイト「8bitNews」代表。「GARDEN」CEO。Z世代と語る、報道・情報番組『堀潤モーニングFLAG』(TOKYO MX平日7:00~)が放送中。※『anan』2021年6月16日号より。写真・中島慶子イラスト・五月女ケイ子文・黒瀬朋子(by anan編集部)
2021年06月12日意外と知らない社会的な問題について、ジャーナリストの堀潤さんが解説する「堀潤の社会のじかん」。今回のテーマは「出入国管理法改正案」です。難民は犯罪者ではない。廃案後も対応是正を求める。日本の入国管理のあり方が国際的に問題視されています。まず、難民認定率が1.2%(2020年)と、とても低い。さらに、難民申請を却下された外国人が、入国管理の施設に長期間収容されていることも問題になっています。家族と引き離され、無期限勾留のような状況で、体調を崩してもきちんとした手当てが受けられません。扱いが非人道的ではないかと、国連からも再三勧告を受けていました。今国会では出入国管理法の改正が審議されました。改正案には、難民認定手続き中は強制送還が停止されるという規定を3回目以降の申請には適用せず、本国に送還できるという変更が含まれていました。しかし、内戦や封建的な軍政から命からがら逃れてきた人を母国に送り返せば、その人は殺されてしまうかもしれません。改悪案だと、多くの人が反対の声をあげ、3月に名古屋入管施設に収容中だったスリランカ人女性が死亡し、その管理状況が問題視されたことも受け、与党は今国会での審議を断念しました。難民申請をしている人が本当に難民なのかを判定するのは確かに難しいです。パスポートはもとより、その人を証明するものがないからです。けれども、難民=犯罪者ではありません。ただ、入管庁は麻薬カルテルの一味や武装集団を入国させないよう水際を守るのが仕事ですから、入管庁の中で難民審査を行うこと自体に無理があると思います。たとえば、難民局を作り、難民なのか、虚偽の申請をする偽装難民なのかを審査できる体制を整える必要があるのではないでしょうか。日本は難民申請を厳しくする一方で、特定技能制度など、外国人労働者を受け入れる規制緩和はしてきています。労働力のためには門を開き、助けを求める人には閉ざすというのは矛盾しています。欧米には多民族、多文化の土壌があり、移民を国力に反映させる術を持っています。その点、日本は多様性を受け入れるのが不得意なんですね。廃案になっても難民に対する日本の対応は問題が残っています。もしも日本が戦争状態になり、自分が国を逃れ難民になったとしたら?と想像力を働かせて考えてみてほしいです。堀潤ジャーナリスト。市民ニュースサイト「8bitNews」代表。「GARDEN」CEO。Z世代と語る、報道・情報番組『堀潤モーニングFLAG』(TOKYO MX平日7:00~)が放送中。※『anan』2021年6月9日号より。写真・中島慶子イラスト・五月女ケイ子文・黒瀬朋子(by anan編集部)
2021年06月05日意外と知らない社会的な問題について、ジャーナリストの堀潤さんが解説する「堀潤の社会のじかん」。今回のテーマは「Z世代」です。世界中で抱える問題。解決の鍵となるZ世代。バブル世代と氷河期世代は「X世代」、‘80~‘90年代半ばに生まれたゆとり世代は「Y世代」、‘90年代半ば~2010年代初めに生まれた若者たちは「Z世代」と呼ばれています。Z世代に注目が集まるきっかけとなったのは、人権運動家のマララ・ユスフザイさんや環境活動家のグレタ・トゥーンベリさんの登場でしょう。ティーンエイジャーが、人権や地球環境が脅かされている窮状をSNSを通じて訴え、それらを守ろうとするアクションは世界で同時多発的に起こりました。そうして、経済至上主義とは別の新しい幸福の価値観を広げていきました。日本のZ世代は、小学生~中高生の多感な時期に東日本大震災や原発事故を体験しています。義務教育課程で環境や人権、SDGsについて学び、働き方は会社員ベースから、フリーランスベースに移行しつつあります。国や集団に属さずに、強い個として生き抜く新自由主義者がフィーチャーされた時代を経て、人々は戦いに疲れてしまいました。さらに自然災害が頻繁に起こり、景気は回復せず、格差は広がるばかり。個人の力ではどうしようもない状況に陥っています。そんな背景のもと、多様な個が足りない部分を補填し合い、困難を共に乗り越えようとする「コミュニタリアニズム(共同体主義)」がZ世代に広がっていきました。社会環境は目まぐるしく変化しています。人権や環境部門に積極的でない企業は投資の対象にならなくなり、SDGsというゴールを目指さねばなりませんが、大人たちは策がなく困っています。以前、ベンチャー企業と大手企業をマッチングさせる取り組みを取材したとき、大企業の社員はZ世代の新しい感性や価値観をサービスに取り入れようと、熱心に若い起業家たちの意見を聞いていました。これまでは若者の意見といえば、流行物やギャル語など、トレンドとして取り上げられる程度でした。しかし、今後は、デジタルネイティブのZ世代から新しい知見を学び、大人は資本やマーケットを若者に提供するなど、ウィンウィンの関係を築く必要があると思います。互いに協力しなければ乗り越えられそうにない問題が世界に山積みなのです。堀潤ジャーナリスト。市民ニュースサイト「8bitNews」代表。「GARDEN」CEO。Z世代と語る、報道・情報番組『堀潤モーニングFLAG』(TOKYO MX平日7:00~)が放送中。※『anan』2021年5月26日号より。写真・中島慶子イラスト・五月女ケイ子文・黒瀬朋子(by anan編集部)
2021年05月21日夫婦にとって、特別な日といえる結婚記念日。夫婦として歩んできた日々を振り返る、いい機会でもあります。2021年5月5日に、タレントの渡辺満里奈さんがInstagramを更新し、16回目となる結婚記念日を報告しました。渡辺さんといえば、夫でありお笑いトリオ『ネプチューン』の名倉潤さんと、長年にわたるおしどり夫婦というイメージがありますよね。渡辺さんは、結婚式で撮影した夫婦のツーショットを公開。名倉さんから、サプライズでバッグと手紙をもらったことを明かしました。※画像は複数あります。左右にスライドしてご確認ください。 この投稿をInstagramで見る 渡辺満里奈 marina watanabe(@funnyfacefunny)がシェアした投稿 なんと、名倉さんは結婚記念日に、必ずプレゼントと一緒に手紙を添えてくれるのだとか。渡辺さんは「サプライズのプレゼントも嬉しいけど、毎回くれるカードにやっぱり泣ける」とつづり、次のようなメッセージを送りました。いろんなこと乗り越えても、まだまだ16年。お互いを思いやり、感謝し(私、できてるかな?)、これから先も実りある豊かな人生にしていきたいね。funnyfacefunnyーより引用また、夫である名倉さんのほうも、同日にInstagramを更新。同じように、笑顔があふれる夫婦のツーショット写真を披露し、ずっと連れ添ってきた渡辺さんに対する、感謝の想いを述べました。妻にはバックと手紙を渡しました。それだけでは足りないくらい妻にはいつもいつも感謝しかありませんnagrat1968ーより引用※画像は複数あります。左右にスライドしてご確認ください。 この投稿をInstagramで見る Jun Nagura(@nagrat1968)がシェアした投稿 普段から妻に感謝しているという名倉さん。投稿の最後は「こんな俺やけどこれからもよろしくお願いします」という言葉で締めくくりました。お互いを思いやる様子が伝わってくる2人の投稿に、ネット上では「最高!」「毎年プレゼントだけじゃなく、手紙まで渡すなんて素敵すぎる」「本当に仲よしな夫婦」といった声が殺到。また、結婚記念日を祝うコメントがたくさん寄せられました。一緒に生活する中で、夫婦は喜びや楽しさだけでなく、時にはつらい想いや困難な状況も共有し合っていくものです。お互いをリスペクトし、いつも感謝の気持ちを伝え合う関係を築けたら、誰よりも心強い味方になるでしょう。[文・構成/grape編集部]
2021年05月06日意外と知らない社会的な問題について、ジャーナリストの堀潤さんが解説する「堀潤の社会のじかん」。今回のテーマは「米中外交」です。体制の違いにより対立が顕著に。注視が必要です。アメリカの外交政策を、国際協調から「アメリカ第一主義」に大きく方向転換したトランプ前大統領。バイデン大統領は2月の演説で、「アメリカは戻ってきた」と世界に向けてメッセージを発し、再び協調体制に戻すこと、失われた同盟関係を修復することを宣言しました。問題は対中国です。就任前には「弱腰になるのでは?」と推測する声がありましたが、それを覆すかのようにバイデン政権は中国に強い姿勢を示しています。人種や宗教によって差別することは許さないと、新疆ウイグル自治区や香港、東南アジアに対する中国の挑発的な支配姿勢を批判。「中国の経済的虐待に立ち向かう」「人権や知的財産、グローバルガバナンスに対する中国の攻撃を押し返す」などと表現しました。中国への強硬姿勢は、トランプ時代と変わりませんが、バイデン大統領は「アメリカの国益となる場合は、中国政府と協力する用意がある」と付け加えることも忘れませんでした。しかし、米中関係は日に日に緊張感を増しています。3月に行われた米中外交トップ会談では、人権に反する中国の行為を非難したアメリカに対し、「内政に干渉する行為には断固として反対」と、中国側は強く反発しました。中国は自らを民主国家と謳いますが、民主主義の定義が私たち自由主義国とは異なり、最終決定権はすべて中国共産党にあります。バイデン大統領は、中国が民主国家に変わることを期待していたのですが、体制の違いは露わになるばかり。3月末の記者会見でバイデン大統領は「21世紀における民主主義と専制主義のどちらが機能するかの闘い」と発言し、対立を極めました。習近平国家主席は、オバマ政権のころには「G2」として、中国とアメリカで世界の秩序を作ることを呼びかけていました。ところがトランプ政権になり対立関係に。本音ではビジネス上で繋がっておきたい両国ですが、不当逮捕や弾圧が日常的に行われる国相手では安心して投資はできません。今後、たとえば台湾をめぐり、米中関係がさらに悪化した場合には、日本の米軍基地から中国にプレッシャーをかける可能性も。他人事ではいられないのです。堀潤ジャーナリスト。市民ニュースサイト「8bitNews」代表。「GARDEN」CEO。新しい朝の報道・情報番組『堀潤モーニングFLAG』(TOKYO MX平日7:00~8:00)が放送中。※『anan』2021年4月21日号より。写真・中島慶子イラスト・五月女ケイ子文・黒瀬朋子(by anan編集部)
2021年04月16日松本潤(37)が’23年のNHK大河ドラマ『どうする家康』で主演の徳川家康を演じることが発表され、さっそく“家潤”と愛称がつくなど話題になっている!「たぬきっぽいイメージの徳川家康を松潤が演じるのは意外、と思った方もいると思いますが、彼はこれまでさまざまな役をうまく演じ分けてきました」そう語るのは、『ジャニヲタ女のケモノ道』などを著書に持つ、芸人の松本美香氏。「『花より男子』の俺様キャラの印象が強いかもしれませんが、『99.9−刑事専門弁護士−』では飄々とした弁護士役。『きみはペット』で演じたモモは年上のお姉さまに甘える男のコ。本当に幅広いんです!」松本氏はこう続ける。「松潤は嵐のライブでも『これ以上のものはないやろ!』という最高の演出をしてくれました。家康のことを研究し尽くして、まったく新しい家康を見せてくれるんじゃないでしょうか。体重を増やしたりもするのかな」さらにはこんな期待も。「日舞のシーンや馬術は持ち前の華やかさと貫禄があるだろうし、真逆にコミカルな部分もあったりして……。もう、いろんな“家潤”に1年間翻弄されたいですね(笑)」「女性自身」2021年2月9日号 掲載
2021年01月30日松本潤「嵐という船を1度降りて、新たな冒険の先を見つけようとしている僕にとって、こんなに大きな挑戦はありません」嵐が活動休止して1か月、驚きの発表が!「松本潤さんが’23年に放送されるNHK大河ドラマ『どうする家康』で主演を務めることが決まりました。嵐のメンバーが大河の主役に抜擢されたのは初めて。ジャニーズ事務所では、’05年の『義経』で主演を務めた滝沢秀明さんや’14年の『軍師官兵衛』で主役を演じたV6の岡田准一さんらに続く5人目の起用となります」(スポーツ紙記者)かねてから松本は、嵐のメンバーの中でスケジュールが“白紙”になっていたことで、ファンをやきもきさせていた。「櫻井翔さんは日テレ系の『嵐にしやがれ』の後続番組『1億3000万人のSHOWチャンネル』、相葉雅紀さんはフジ系の『VS嵐』の後続番組『VS魂』のMCを務めています。二宮和也さんは日テレ系のレギュラー番組『ニノさん』を続投し、ドラマや映画のオファーも殺到しています。松本さんだけ活動休止以降の仕事が決まっていないと思われていたんです」(同・スポーツ紙記者)■周囲には「このままではダメだ」と漏らしそんな中、彼の大河主演が決まったという発表は、多くのファンを安心させたことだろう。松本は、’05年のドラマ『花より男子』(TBS系)で演じた道明寺司役をはじめ、恋愛ドラマのヒロインの相手役のような“王子様”のイメージが強いが、以前から時代劇への憧れがあったようだ。「滝沢さんの『義経』を見て、興味を持つようになったそうです。さらに、’08年に時代劇の映画『隠し砦の三悪人 THE LAST PRINCESS』で主演を務めたのを機に、“いつか大河に出たい”と思っていたといいます」(テレビ局関係者)“2人の親友”の活躍もそんな彼の思いに拍車をかけた。「プライベートでも仲のいい小栗旬さんと生田斗真さんです。小栗さんは’18年の『西郷どん』をはじめ7回も大河に出演し、’22年には『鎌倉殿の13人』で主演を務めます。生田さんも『軍師官兵衛』と’19年の『いだてん』で重要な役柄で出演しています。大河に出演して以降、彼らは重厚な役やシリアスな役を演じることも多くなり、俳優としてスキルアップしています。松本さんは、そんな2人を見て、少々焦っていたのか、周囲には“このままではダメだ”と漏らしていました」(芸能プロ関係者)日に日に思いが強くなっていくものの、国民的アイドルが大河に出るのは難しかった。「毎年、嵐の大規模なツアーがあったので、撮影期間が1年間と長期間にわたる作品に出るのは難しかったんです。また、松本さんはコンサートの演出を担当しており毎日、夜遅くまでライブの演出を考えていたので、大河に出る余裕はなかったんですよ」(前出・テレビ局関係者)昨年末で嵐の活動がひと区切りつき、余裕ができたことで決心がついたのだろう。撮影に入るまで時間はたっぷりあるが、すでに準備を進めているという。「春ごろまでは、昨年末の疲れを癒すためにゆっくり過ごすそうですが、それ以降は、徳川家康を演じるにあたって必要な所作や殺陣、乗馬などを身につける時間にあてるそうです。松本さんはどの作品でも、緻密に役作りをするタイプなんですよ」(同・テレビ局関係者)■第2の変革期『どうする家康』の脚本は、ドラマ『リーガル・ハイ』や『コンフィデンスマンJP』(ともにフジテレビ系)などを手がけた脚本家の古沢良太氏が担当する。彼は、松本を猛プッシュしていた。「制作スタッフとの打ち合わせで、古沢さんはしきりに“家康役に松本さんを使いたいんです”と言っていましたよ。2人は過去に一緒に仕事をしたことはないので、なぜあんなに松本さんを推していたのか不思議なくらいでした」(制作会社関係者)実は、彼らには深いつながりがあった。「古沢さんは’16年に松本さんが主演を務めたTBS系の日曜劇場『99・9-刑事専門弁護士-』を見て感銘を受けたそうです。今回の大河で家康役に誰を起用するか考えるにあたって、多くのドラマや映画を見て、思い描いていた“ナイーブで頼りない家康”に当てはまる俳優を探しました。すると、『99・9』で松本さんが変わり者で危なっかしい役をやっていた。その演技を見て、“彼なら家康役を任せても大丈夫だろう”と確信したといいます」(NHK関係者)松本の熱演を見るうちに、古沢氏の脳裏に“あの演技派俳優”の顔がよぎった。「『リーガル・ハイ』で主演を務めた堺雅人さんです。堺さんは、偏屈で毒舌の弁護士役を演じましたが、『99・9』で松本さんが演じたのも、飄々としたクセのある弁護士役でした。くしくも、同じ役柄を演じた松本さんに堺さんの面影を重ねたのでしょう」(同・NHK関係者)大河に出たことで、今後の松本の俳優としての仕事に変化はあるのだろうか。『ジャニーズは努力が9割』(新潮社刊)の著書があり、ジャニーズ事情に詳しい霜田明寛氏に話を聞いた。「演技の幅とシニア層への認知度が広がるでしょう。滝沢さんも、岡田さんも、それまでは若い人向けの作品に出演することが多かったですが、大河以降は、シニア層の間でも支持を得る作品に出演し、評価されていますからね」大河に出る年に松本は40歳になる。その時期は、彼にとって、“第2の変革期”になるという。「第1の変革期は’00年代前半でした。ジャニーズJr.時代は、天然でかわいらしい弟系のキャラクターでしたが、ドラマ『ごくせん』や『花より男子』以降、王子様系のキャラクターとして人気を得るようになりました。今後は、“頼りがいのある大人”というキャラにもシフトできると思います。20〜30代は王子様キャラで女性からの人気を獲得したので、40代以降は男性や自分と同じ世代の人たちからも支持を得るようになるかもしれません」(霜田氏)かつて徳川家康は数々の強敵を倒して天下統一を成し遂げた。大河でパワーアップした松本が“芸能界統一”を果たす日もそう遠くない!
2021年01月27日松本潤2023年のNHK大河ドラマ『どうする家康』の主演に、嵐の松本潤(37)が決まった。■早くも高まる「松潤大河」ネットでは、数日前から大河ファンのあいだで重大発表があるらしいとの声が出ており、発表後には嵐ファンが松潤版徳川家康について「家潤」と呼ぶか「徳潤」と呼ぶかという論争を展開。国民的時代劇と国民的アイドルのコラボは、すでに大きな期待を集めている。脚本は『コンフィデンスマンJP』シリーズ(フジテレビ系)などで知られる古沢良太。大河の歴史に新風が吹き込まれそうだ。ちなみに、松潤は一昨年、NHKの単発時代劇『永遠のニシパ~北海道と名付けた男松浦武四郎~』に主演したが、連続時代劇は初めてだ。NHKの公式動画のなかでも、「嵐という船を一度降りて、新たな冒険の先を見つけようとしている僕にとって、こんなに大きな挑戦はありません」と、コメント。プレッシャーとやる気が混在する心境なのだろう。というのも「ジャニーズ大河」にまだ本当の大ヒット作はないからだ。1972年、歌手デビュー前の郷ひろみが『新・平家物語』で俳優デビューを飾って以来、ジャニーズと大河のつきあいは約半世紀に及ぶ。そのあいだ、さまざまな出来事があった。初めて主役を務めたのは東山紀之で、1993年の『琉球の風』。ただし、いつもの通年ではなく半年間放送というイレギュラー作品だった。その次が2004年の『新選組!』で近藤勇を演じた香取慎吾。若者に支持され、DVDが記録的セールスを達成したものの、年配層の反応は今ひとつで、視聴率は右肩下がりになってしまった。また、このときはスケジュールをめぐる問題も浮き彫りに。大河の主役となれば、1年以上にもわたってそれ一本に集中することが求められる。だが『SMAP×SMAP』(フジテレビ)などのレギュラーバラエティーを抱えていた香取にとってそれは無理な話だ。現場からは不満の声もあがったという。その翌年が『義経』の滝沢秀明。5月には岩手県平泉で行なわれる恒例行事「源義経公東下り行列」にも義経役で登場して、30万人近い観衆を集め、話題になった。ただ、戦国や幕末以外の大河は当たりにくいとされ、視聴率は及第点にとどまった。では、戦国モノならどうかということで、2014年には岡田准一が『軍師官兵衛』に主演。自身も歴史好きで、アクションも得意とあって、馬術指導スタッフからは「特に上手」という賛辞も残されている。また、同じジャニーズの生田斗真も華を添えたが、大ヒットには至らなかった。■木村拓哉の大河はあるのか?そんななか、実現しそうで実現していないのが「キムタク大河」だ。2010年の『龍馬伝』では木村拓哉への主役オファーがあったといわれるが、香取のところで触れたスケジュールの問題で折り合わなかったとされる。じつは今回も、キムタク主演説がささやかれていた。それがふたをあけたら松潤だったわけで、これはある意味、象徴的でもある。SMAP解散、嵐活動休止という流れのなかで、松潤が大河を大成功に導けば、ジャニーズのトップ、かつ、国民的俳優という地位を奪えるからだ。もともと、かなりの野心家でもある松潤。元「嵐」の側近スタッフが書いた『嵐、ブレイク前夜』(主婦と生活社)にはデビュー当時のこんな発言が紹介されている。《どうやったらSMAPを抜けるかな》《ジャニーズ事務所のなかで、一番になりたい》さらに数年後、本格ブレイク前の嵐が後発のKAT-TUNの勢いに押され、CMが激減していた時期のことだ。そんなくすぶった状況にあってさえ、スタッフにマッキントッシュで有名なアップル社のCM動画を見せながら、「俺、こういうのやりたいんだけど。(略)海外のカッコいいCMに出たい」と、上昇志向をアピールしていた。それこそ、戦国武将顔負けの熱い立身出世欲だ。しかし、大河は今、朝ドラほどの安定枠ではない。一昨年の『いだてん~東京オリムピック噺~』は平均視聴率が史上初のひとケタ台に低迷。現在放送中の『麒麟がくる』も20%近い数字でスタートしたものの、最近は10%台の前半だ。ここ10年で、数字的にも話題的にも大ヒットと呼べるのは三谷幸喜脚本、堺雅人主演の『真田丸』(2016年)くらいだろうか。2015年の『花燃ゆ』では、松潤との交際が報じられていた井上真央が主演。東出昌大や高良健吾、瀬戸康史、賀来賢人などのイケメン俳優たちが脇を固めたことから『花より男子』(TBS系)の時代劇版ともいわれた。松潤のサプライズ出演も噂されたが、もし実現していれば、もっと注目されただろう。「花男」といえば、井上や松潤とともに、大ヒットに貢献したのが小栗旬。来年の大河『鎌倉殿の13人』の主役だ。松潤にとっては親友でもあり、ライバルでもある。なにせ、嵐の活動休止後、松潤は役者に力を入れようとしている。その動機のひとつが、小栗のようなライバルたちと、芝居で思う存分勝負したいという気持ちなのだ。前出の公式動画では、こんな発言も。「初めて聞いたときはビックリ。自分に大河のオファーが、しかも、あの家康を。うれしかったのと同時に、大きな不安も感じました。そんな大役を自分が務めあげられるのかと」家康は戦国乱世を終わらせた男。演じる松潤ははたして、ジャニーズ、そして芸能界の天下をとれるだろうか。PROFILE●宝泉 薫(ほうせん・かおる)●作家・芸能評論家。テレビ、映画、ダイエットなどをテーマに執筆。近著に『平成の死』(ベストセラーズ)、『平成「一発屋」見聞録』(言視舎)、『あのアイドルがなぜヌードに』(文藝春秋)などがある。
2021年01月21日名倉潤「昨年11月末から始まったNHK連続テレビ小説『おちょやん』も5週目に入りました。杉咲花さんが演じる若かりし浪花千栄子が、役者の世界に足を踏み入れる様子が描かれています」(テレビ誌ライター)“浪花千栄子”は、1950年代から1970年代にかけて関西を中心に活躍した女優だ。「浪花さんはラジオドラマ『アチャコ青春手帳』で演じた関西弁の母親役でブレイク。“大阪のお母さん”という愛称で多くの人に親しまれました。黒澤明さんや小津安二郎さんといった名監督たちの作品にも出演しています」(同・テレビ誌ライター)そんな彼女の“育ての父”役を、お笑いトリオ・ネプチューンの名倉潤が務めている。「幼いころの浪花さんが奉公していた、大阪の道頓堀にあった芝居茶屋の主人です。婿養子のため奥さんに対して頭が上がらず、いつもオドオドして頼りなさそうですが、主人公を父親のように見守る愛情深い役柄です」(スポーツ紙記者)名倉は2016年に放送された連続テレビ小説『べっぴんさん』以来、2作目の“朝ドラ”出演となった。「ドラマの現場にも慣れている名倉さんは、キャストやスタッフともすぐに打ち解けて、お笑い芸人らしく冗談でみんなを笑わせるなど、ムードメーカー的存在です。杉咲さんからも旦那さんをもじって“旦さん、旦さん”と親しまれており、一緒に写真を撮って彼女のインスタグラムに登場したこともありました」(同・スポーツ紙記者)■「なんとかせんと!」舞台裏でも発揮されている名倉の人柄だが、特に助けられているのが、その場になじめなかった若手俳優たちだ。「このドラマの撮影は大阪のNHKスタジオで行われているのですが、撮影のたびに東京からやってくる若手の子たちは、仲のいいスタッフやキャストもおらず、休憩中はスタジオの隅で孤立することも多かったんです。名倉さんはそれを見て“なんとかせんと!”と、彼らに真っ先に声をかけたり、一緒にトランプで遊んだりと、全員が打ち解けるようにしてくれるんです」(制作会社関係者)このような気遣いもあって、撮影はいたって順調のようだ。「トランプの最中も、絶妙なツッコミを入れて笑わせたり、バラエティー番組で見せるようなMC力でみんなに話題をふったりして周囲を和ませてくれています。本当にみんなのお父さんのような方です」(同・制作会社関係者)ドラマに関するウェブインタビューでは、自身が演じる役柄についてこう評している。《本当にあったかい、やさしい人で、妻や娘のことが大好きで大好きでしょうがない人です》初回の視聴率が3年ぶりに20%を切ってしまうなど、やや出遅れてしまった『おちょやん』だが、名倉のように温かく支えてくれる人がいれば先々は明るい!
2021年01月12日意外と知らない社会的な問題について、ジャーナリストの堀潤さんが解説する「堀潤の社会のじかん」。今回のテーマは「子供・若者白書」です。自己肯定感の低い若者たち。長所を伸ばせる社会に。内閣府が毎年国会に提出している「子供・若者白書」。2019年に発表された「日本の若者意識の現状~国際比較からみえてくるもの~」が話題になりました。これは‘18年の冬に7か国の13~29歳の男女を対象に行われた調査で、国際競争力や結婚観、自ら切り拓く力など、日本の国力に関わる若者の実態を知ることが目的で行われました。この結果、日本の若者は他国の若者と比べて、自己肯定感が低い傾向にあることがわかりました。「自分自身に満足しているか」という問いに対して、「そう思う」「どちらかといえばそう思う」を含め、イエスと答えた若者は、日本は5割に届きません。ところがアメリカは「そう思う」が57.9%。肯定的回答を合わせると、欧米諸国はほぼ8割を超えています。「自分に長所があると感じているか」という問いには、「そう思う」と断言する日本の若者はわずか16.3%。他の6か国は日本の倍近く、さらにそれ以上の高い割合で「そう思う」と答えています。日本の若者の自己肯定感の低さは、自分は役に立たないと感じる「自己有用感」の低さが関わっているようだと内閣府は分析しています。一方で、家族に大切にされていると感じる若者は多く、海外留学や海外居住を求める割合は低い。堅実で謙虚な優しい日本の若者像が浮かび上がりました。なかでも気になったのは、「よく嘘をつくか」という問いに7割の若者が、つかないと答えている一方で、「人は信用できないと思う」という設問に肯定的回答をした割合が5割以上。これは、政府のモリカケ問題や桜を見る会の問題、ブラック企業やいじめを隠蔽しようとする学校など、社会に対する不信感の表れなのではないかと思います。「うまくいくかわからないことに意欲的に取り組むか」という設問にはイエスとノーの回答がほぼ半々でした。成功体験の有無が影響しているのかもしれません。1月11日は成人の日。若者たちがそれぞれの特性に応じて活躍できる環境を、社会として作るべきではないでしょうか。若者のみなさんには、とるに足らない人間なんていないのだから、好きなことを追求して長所を伸ばしていってほしいと思います。堀 潤ジャーナリスト。元NHKアナウンサー。市民ニュースサイト「8bitNews」代表。「GARDEN」CEO。監督2作目となる映画『わたしは分断を許さない』が昨年公開された。※『anan』2020年1月13日号より。写真・中島慶子イラスト・五月女ケイ子文・黒瀬朋子(by anan編集部)
2021年01月09日意外と知らない社会的な問題について、ジャーナリストの堀潤さんが解説する「堀潤の社会のじかん」。今回のテーマは「脱ハンコ」です。無駄な手続きを省くのが目的。押印否定ではない。菅政権になり、書類に押印をする手続きを簡略化しようと「脱ハンコ」の動きが官民で急速に進んでいます。コロナ禍のなか、テレワークが推奨されながらも、経理部門などでは、押印のためにわざわざ出社しなければいけないというような事態になっていたことも、改革の後押しとなりました。ただ、河野太郎行政改革大臣も話していましたが、政府はすべての押印をなくそうとしているわけではありません。印鑑証明や銀行印、契約書の押印などは残ります。そもそもハンコの問題ではなく、書類申請や申し込みなど、責任を分散させるために何人もの承認印を押させるなど、煩雑だった手続きを見直すことから始まりました。契約書の押印も、実は民法上では必須ではありません。口約束でも証明さえできれば契約は成立します。ただ、たとえば裁判になったとき、「自分で判を押した」ということが本人の承認意志の有無の証明になるため、押印を求められることが常になっているのです。インターネットの登場とともに電子取引が増え、2001年には電子署名法が施行されました。しかし、電子認証の申請手続きのハードルが高く、なかなか利用されませんでした。その後、テクノロジーが発達し、民間企業の方で電子署名の仕組みが進み、2017年以降、電子契約サービス市場は急速に伸びています。2018年に約37億円程度だったのが2023年には198億円になる見込みです。コロナ禍で契約者数が増え、電子契約サービスを導入している日本の法人数は300万社前後にのぼりました。Eメールの登場で、逆に、手書きの文書が特別なものになったように、今後、印を押す行為は文化として継承されていくのではないかと思います。脱ハンコは菅政権の行政改革の「1丁目1番地」。デジタル化の一つとして進められました。安倍政権のころから提案されていた事案。代替サービスもありますし、押印の必要性は法的根拠もなく、なんとなく皆が続けていた古い産業形態だったので、おそらく誰も反対はしない。ここにメスを入れるのは、菅総理にとって、手柄を立てるのにもってこいのテーマだったんです。堀潤ジャーナリスト。元NHKアナウンサー。市民ニュースサイト「8bitNews」代表。「GARDEN」CEO。監督2作目となる映画『わたしは分断を許さない』が公開中。※『anan』2020年12月23日号より。写真・中島慶子イラスト・五月女ケイ子文・黒瀬朋子(by anan編集部)
2020年12月24日