「行け!稲中卓球部」の古谷実の異色のベストセラーコミックを園子温が映画化した『ヒミズ』の新キャストが解禁!窪塚洋介、鈴木杏が園監督作品初出演を果たすほか、それぞれ園監督作品で映画デビューを果たしている西島隆弘(AAA)、吉高由里子が出演していることも明らかになった。ギャグ漫画で高い人気を誇る古谷氏がギャグ路線を完全に封印して描き上げた原作漫画を、『冷たい熱帯魚』など海外でも注目を集める鬼才・園子温が「3.11」以降の日本を舞台に実写化。「普通」な大人になることを願う15歳の住田(染谷将太)と愛する人と守り守られ生きることを夢見る景子(二階堂ふみ)を通じて、ある事件をきっかけに破滅へと突き進んでいく若者たちの姿を描き出す。染谷将太、二階堂ふみという若いキャストを中心に、吹越満、でんでん、黒沢あすかなどこれまで園作品を彩ってきた名優陣の共演が発表されていたが、今回、新な顔ぶれが明らかに。窪塚さんは、物語に強烈なインパクトを与えるスリの若者・テル彦役で出演。「ひやかし程度の出演ですけど、園監督とご一緒できてだいぶ楽しかったです」と撮影をふり返る。窪塚さんと同じく園監督の作品に初めて参加した鈴木さんは、「いつも観て圧倒されていた園子温監督の作品に参加できてとても嬉しかったです。もっと現場にいたかった!」と喜びを語ってくれた。映画初出演&初主演作となった『愛のむきだし』で強烈な存在感を放ち絶賛を集めた西島さん。「約4年ぶりの園監督とのお仕事でしたが、あの頃を思い出すくらい、園ワールド全開のLIVE撮影を久しぶりに味わえました!最高に気持ちが良かったです!もっと出たかった!漫画も読んでいたので、出来上がりが楽しみです」と自信をうかがわせる。そして『紀子の食卓』でデビューを果たし、園監督の薫陶を受けた吉高さんは「1日だけ参加させていただきました。なので、現場全体がどういう雰囲気で前進しているかあまりわかりませんでしたが、その日だけで感じたのは、何かが決壊したような自由で勢いのある作品になりそうだということです」と手応えを明かす。常連&初参加組が園監督の指揮の下でどのような化学変化を見せているのか?本作はこのほど開幕した第68回ヴェネチア国際映画祭のコンペティション部門にも出品されており、グランプリの金獅子賞受賞に期待がかかる。日本の“いま”をすくい上げた作品として、海外の感想、評価も気になるところだ。『ヒミズ』は2012年春、シネクイントほか全国にて順次公開。■関連作品:ヒミズ 2012年春、シネクイントほか全国にて順次公開© 『ヒミズ』フィルムパートナーズ■関連記事:ヴェネチア、モントリオールにトロント…世界の映画祭での邦画の奮闘に期待!『冷たい熱帯魚』の衝撃再び?『ヒミズ』に吹越満、でんでんら“園組”が勢揃い園子温が「稲中卓球部」古谷実の人気漫画「ヒミズ」を映画化!主演に染谷将太
2011年09月02日「女優水野美紀のオフステージ」「CPサロン」を展開するCPコスメティクスで、"CPコスメティクスと女優水野美紀のコラボ企画"として、「女優水野美紀のオフステージ」が、連載されている。今回5回目がアップされ、「ソワーニュアクアフィットウォータークリームNとピコウォーターミストを使い始めて、メイクさんから肌の調子がいいと褒められることが多くなりました。といことらしい。37歳の彼女、肌のお手入れは怠り無いといったところ。ところで、水野美紀さんのフルヌードということでも話題の映画が11月に封切りされる。「見たことのない水野美紀、解禁!」シネマトゥデイで、「見たことのない水野美紀、解禁!」と報じられている作品「恋の罪」。東電OL殺人事件に触発されて製作された作品で、特設サイトでは、わずかだが予告編も見ることができる。「愛のむきだし」「冷たい熱帯魚」と、いま日本映画界で最も注目すべき監督のひとり園子温監督・脚本作品で、"愛の地獄"の物語のなかで、彼女がどれほど凄みのある演技をしているか、期待大だ。元の記事を読む
2011年08月11日「行け!稲中卓球部」などで知られる古谷実の人気漫画を鬼才・園子温が実写化することで話題の『ヒミズ』。すでに出演が発表されている染谷将太、二階堂ふみに加え、渡辺哲、吹越満、神楽坂恵、光石研、渡辺真起子、黒沢あすか、でんでんら“園組”のおなじみの俳優陣が出演することが明らかになった。古谷実が一切のギャグを封印して、人間の暗部を浮かび上がらせた本作。園監督にとっても初の原作実写化となるが、原作で主人公の貸しボート屋に集まる中学校の同級生が映画では家を持たない、大人の“自由人”として描き変えられ、世の中の不条理さが、より刻銘に描き出される。この自由人たちを演じるのが、園監督の『冷たい熱帯魚』で強烈なインパクトを残した渡辺哲と吹越満、そして監督の最新作『恋の罪』で独特の色気と存在感を放っている神楽坂恵。さらに、染谷さん演じる主人公の住田をどん底にたたき落とすきっかけを作る父親を演じるのは、主演作『あぜ道のダンディ』が先日公開された光石研。園監督作『紀子の食卓』では、真面目だけが取り柄の主人公の父を演じたが、今回は全く違ったタイプの父親像を見せてくれそうだ。そして、住田を捨てて男と逃げる母親を、『愛のむきだし』の自由奔放な女・カオリ役で脚光を浴びた渡辺真起子。そして、二階堂さんが演じる住田の唯一の理解者である茶沢の母親という、原作にはないキャラクターを黒沢あすかが演じる。そしてもうひとり、『冷たい熱帯魚』の冷酷な殺人犯役で映画史に残る怪演を見せたでんでんが、住田から借金を取り立てようとするヤクザの金子に扮する。渡辺哲さんは今回の現場をふり返り「監督にどんどんひっぱってもらいました。ハードでしたが、やり終えた充実感は他にはないもので、完成がすごく楽しみです」と語る。吹越さんは、園監督からのオファーについて「園さんのご要望とあらば、いつでもどこでもなんでも、です。え?『ヒミズ』?そりゃスゲェー!!!ってな感じでした」と述懐。現場を終えて「園さん初の“原作あり”ということですが、これがまたなんと、オリジナルではないかと思えるほどぴったりな世界観。園子温が園子温の映画を撮っていたとしか言い様がないのです。また、これはいつも感じることですが、『園子温の撮影現場』というライヴを観ているようでした」と感想を明かす。原作の独特の世界観に園カラーが加わり、どのような化学反応が起こっているのか?完成が待たれる。『ヒミズ』は2012年春、シネクイントほか全国にて順次公開。■関連作品:ヒミズ 2012年春、シネクイントほか全国にて公開© 『ヒミズ』フィルムパートナーズ■関連記事:園子温が「稲中卓球部」古谷実の人気漫画「ヒミズ」を映画化!主演に染谷将太
2011年07月22日「行け!稲中卓球部」で知られる漫画家・古谷実が「ヤングマガジン」(講談社刊)に連載した異色作「ヒミズ」が、『冷たい熱帯魚』、『愛のむきだし』の園子温によって映画化されることが発表された。「稲中」などギャグ漫画家として人気を博してきた古谷さんだが、「ヒミズ」ではこれまでのギャグ路線を封印。“普通の人生”を望む男子中学生が、ある事件をきっかけに心に闇を抱えて普通とは程遠い人生を歩んでいくことになるさまを描く。人間の心の奥に潜む暗部をえぐり出した残酷な青春劇として熱狂的な支持者を生み出した。この過激な物語を、過激な暴力描写では引けを取らない鬼才・園子温が映画化することに!これまでに原作のノベライズ版が刊行されているほか、2004年には舞台化もされたが、映像化は今回が初めてとなる。撮影は茨城県で特設セットを設置して5月いっぱいをかけて行われ、すでに編集段階に入っているとのこと。気になるキャストだが、主人公の住田を演じるのは、『嘘つきみーくんと壊れたまーちゃん』に主演し、来年公開の『ALWAYS 3丁目の夕日 ’64』への出演も決まっている若手実力派の染谷将太。そして、原作で住田と同じクラスという設定の女子・茶沢を『ガマの油』で鮮烈なデビューを果たし、最近では『劇場版 神聖かまってちゃん/ロックンロールは鳴り止まないっ』のヒロイン役で強烈な印象を残した二階堂ふみが演じる。住田も茶沢も複雑な内面を抱えた役だけに、若い2人がどんな掛け合いを見せるのか楽しみなところだ。『冷たい熱帯魚』のヒットおよび国際的な高評価に続き、水野美紀を主演に迎えての『恋の罪』の公開も決まるなど、その勢いが留まるところを知らぬ園監督。どんな激しい描写で若者たちの内面をさらけ出すのか?『ヒミズ』公開は2012年春、シネクイントほか全国にて。■関連作品:恋の罪 2011年公開© 2011「恋の罪」製作委員会ヒミズ 2012年春、シネクイントほか全国にて公開冷たい熱帯魚 2011年1月29日よりテアトル新宿ほか全国にて順次公開© NIKKATSU■関連記事:【カンヌレポート8】テーマが明確な作品が勝利の鍵?気になるパルム・ドールの行方【カンヌレポート番外編】カンヌに華をそえる!スターたちのファッションチェック吹越満、“血まみれ”園子温監督現場をふり返り「笑ったねぇ」キーワードを集めて幻の“超過激”映像を観よう!『冷たい熱帯魚』動画キャンペーン吹越満インタビュー「いつも『俳優になりたい』って気持ちで仕事してます」
2011年06月10日カンヌ映画祭も、残すところあと2日。現在のところの評判を総合すると、パルムドールの有力候補と言えるのは、ナンニ・モレッティ(イタリア)による、新法王に選ばれてしまった枢機卿の苦悩をユーモラスに描く『法王誕生』(原題)、アキ・カウリスマキ(フィンランド)が、フランスの港町ル・アーブルを舞台に移民少年を救い出す人々を追った『ル・アーブル』(原題)、ミシェル・ハザナビシウス(フランス)が白黒サイレントで、ハリウッドのトーキー映画誕生の裏側を描いた『アーティスト』(原題)の3作品。それらをテレンス・マリックの『ツリー・オブ・ライフ』、そしてフランスの女優マイウェン・ル・ベスコが監督した、警察の児童虐待課を追う『ポリス』がそれらに続くかたち。日本映画はやや厳しい状況だ。まだ上映されていない作品も3本あるためなんともいえないが、法王の悩みを通し人生とは何かをユーモアたっぷりに問う『法王誕生』が一歩リードとみている。今年はロバート・デ・ニーロが審査員ということもあり、テーマが明確な作品が好まれそうだ。ちなみに、男優賞は『法王誕生』のミシェル・ピコリと、『アーティスト』でハリウッドスターになり切ったフランスの人気俳優ジャン・デュジャルダンの一騎打ちだろう。結果は現地時間の22日夜に発表される。また、コンペではないが監督週間で上映された園子温監督の『恋の罪』も高く評価されており、次回はコンペ入りに期待したい。(text:Ayako Ishizu)写真は右が『法王誕生』ナンニ・モレッティ監督、その隣は同作のキャストのミシェル・ピコリ。© Reuters/AFLO特集「カンヌ国際映画祭現地から最新ニュースお届け」■関連作品:第64回カンヌ国際映画祭 [映画祭]ツリー・オブ・ライフ 2011年8月12日より丸の内ルーブルほか全国にて公開© 2010 Cottonwood Pictures, LLC. All Rights Reserved恋の罪 2011年公開© 2011「恋の罪」製作委員会■関連記事:【カンヌレポート番外編】カンヌに華をそえる!スターたちのファッションチェック【カンヌレポート7】瑛太、初カンヌに緊張監督は時代劇に3D起用理由を説明【カンヌレポート6】ブラピ、子供たちに対し「すごい俳優だと思ってくれれば(笑)」【カンヌレポート5】金城武、北野武になる?【カンヌレポート4】オダジョー、芝居を通しチャン・ドンゴンと言葉の壁を乗り越える
2011年05月21日いよいよ今週末に閉幕となる第64回カンヌ国際映画祭。「コンペディション」部門には河瀬直美監督の『朱花の月』、三池崇史監督の『一命』、「監督週間」には園子温監督の『恋の罪』がエントリーし、日本映画への注目度も高く、各賞のゆくえも気になるところだ。映画祭には今年も、『パイレーツ・オブ・カリビアン/生命の泉』をひっさげたジョニー・デップ、『ツリー・オブ・ライフ』、『カンフー・パンダ2』とそれぞれの出演作が出品されたブランジェリーナをはじめ、豪華な顔ぶれが揃った。ここでは写真と共に映画祭に華を添えた女優、俳優たちをご紹介しよう。ブラピ主演の『ツリー・オブ・ライフ』の公式上映に参加したアンジェリーナ・ジョリーはアトリエ・ヴェルサーチのチョコレート色のシルク・ドレスを着用。前面には深いスリットが入り、背面には複雑なドレープが波打つゴージャスなデザインだ。自身の出演作『カンフー・パンダ2』のフォトコールではサルヴァトーレ・フェラガモのヌード・ベージュのシンプルなワンピース姿で自然体の魅力をふりまいた。『Sleeping Beauty』(原題)のダイアン・クルーガーはカルバン・クラインのシャンパンゴールドのドレス、監督作『The Beaver』(原題)の公式上映に主演のメル・ギブソンを伴って登場したジョディ・フォスターはジョルジオ・アルマーニのワンショルダーのドレス。ネイビーブルーがお気に入りらしく、『Melancolia』(原題)の公式上映出席時は同系色のバレンシアガのホルターネックのドレスを着ていた。アトリエ・ヴェルサーチ、オスカー・デ・ラ・レンタ、エリー・サーブを着こなし、連日注目を集めたのは中国出身のファン・ビンビン。とりわけ目立ったのはオープニング・セレモニーのときに着た赤のドレス。鶴の刺繍が入った着物風のデザインは彼女のスタイリストによるものだという。若手女優たちは清楚な装いで勝負。アストリッド・ベルジェ=フリスベはシャネルのアイボリーのドレス、ミア・ワシコウスカはフィロソフィ・ディ・アルベルタ・フェレッティのローズのシルクドレスや、ヴァレンティノのピンクのドレスで爽やかさを演出した。16日(現地時間)にはスーパーモデルのナオミ・キャンベルが東日本大震災被災者支援のチャリティ・ファッションショー「Fashion For Relief: Japan」を開催、ゾーイ・サルダナやロザリオ・ドーソン、そして70歳を超える名女優のジェーン・フォンダらがモデルとしてランウェイに立った。会場ではドルチェ&ガッバーナがデザインしたチャリティTシャツも販売された。ドルチェ&ガッバーナの人気は高く、サラ・ジェシカ・パーカーや本年度コンペ部門の審査員を務めるユマ・サーマンらがプレミアやフォトコールで白に刺繍の入った2011年春コレクションのドレス(サラ・ジェシカはたっぷりとしたマキシ丈、ユマは身体にフィットした膝丈)を着ていた。ちなみに、審査員全員のフォトコールでユマと並んだ審査員長のロバート・デ・ニーロのよれよれの普段着姿は、ある意味究極の外しの美学かも。さて、あなたが選ぶ今年のカンヌのベストドレッサーは?(text:Yuki Tominaga)特集「カンヌ国際映画祭現地から最新ニュースお届け」■関連作品:第64回カンヌ国際映画祭 [映画祭]カンフー・パンダ2 2011年8月19日より新宿ピカデリーほか全国にて公開KUNG FU PANDA 2™ & © 2010 DreamWorks Animation LLC. All Rights Reserved.ツリー・オブ・ライフ 2011年8月12日より丸の内ルーブルほか全国にて公開© 2010 Cottonwood Pictures, LLC. All Rights Reserved一命 2011年10月、公開© 2011映画「一命」製作委員会恋の罪 2011年公開© 2011「恋の罪」製作委員会朱花の月 2011年9月、渋谷ユーロスペース、TOHOシネマズ橿原 ほか全国にて順次公開© 「朱花の月」製作委員会パイレーツ・オブ・カリビアン/生命の泉 2011年5月20日より丸の内ピカデリーほか全国にて公開© Disney Enterprises, Inc. All Rights Reserved.■関連記事:【カンヌレポート7】瑛太、初カンヌに緊張監督は時代劇に3D起用理由を説明ジョニー・デップの膨大な帽子コレクションに危機!ヴァネッサが断捨離を迫るジョニーもペネロペも欲しがる…?「手に入れたい泉」の投票結果を大発表!海賊たちが可愛い人形に!『パイレーツ・オブ・カリビアン』フィギュアを2様プレゼントジョニーの横断幕はストで届かずも、日本人キャスト・松崎悠希、渾身のボケかます
2011年05月20日第61回ベルリン国際映画祭が20日に閉幕、コンペティション部門でイランのアスガー・ファルハディ監督の『Nader and Simin: A Separation』(原題)が最高賞の金熊賞に輝いた。日本勢ではフォーラム部門に出品された瀬々敬久監督の『ヘヴンズストーリー』が国際批評家連盟賞と最優秀アジア映画賞を受賞した。『Nader and Simin: A Separation』は家族でイランからの出国を考える女性と、老父と国に留まる決意をした夫が離婚調停の際に思わぬ事態に直面するドラマ。物語を通して現代のイランの様相がうかがえる本作はキャストが銀熊賞最優秀男優賞、女優賞も受賞した。ファルハディ監督は2年前に『彼女が消えた浜辺』で同映画祭銀熊賞監督賞を受賞しているが、イラン映画が金熊賞受賞するのはこれが初めて。19日に行われた授賞式の際、ファルハディ監督は今年の映画祭で審査員に選出されながら、イランで禁錮刑を下され映画祭参加が叶わなかったジャファル・パナヒ監督について受賞スピーチで言及。「彼の問題は解決すると信じています。そして、彼が来年、この場に来ることを願っています」と語ったが、パナヒ監督は反政府運動に関わったとして6年の禁固刑の判決を受け、今後20年間の映画製作と海外渡航禁止を言い渡されている。銀熊賞審査員賞は『倫敦から来た男』のタル・ベーラ監督がドイツの哲学者・ニーチェの晩年のエピソードを題材に描くモノクロ作品『The Turin Horse』(原題)。受賞後の会見でタル監督は「これが私の最後の作品になります」と語った。銀熊賞最優秀監督賞は地元ドイツのウルリッヒ・コーラー監督(『Sleeping Sickness』<英題>)、銀熊賞最優秀脚本賞は『The Forgiveness of Blood』(原題)のジョシュア・マートン 、アンダミアン・ムラタジが受賞。また、短編映画を対象にしたベルリナーレ・タレント・キャンパスのベルリン・トゥデイ・アワードを英国在住の三宅響子監督のドキュメンタリー『Hackeney Lullabies』(原題)が受賞した。2009年の『愛のむきだし』(園子温監督)、昨年の『パレード』(行定勲監督)に続いて国際批評家連盟賞を受賞した『ヘヴンズストーリー』は4時間38分の力作。家族を殺された少女、妻子を殺された若い夫、理由なき殺人を犯した青年など、20人以上の登場人物が複数の殺人事件を介して繋がっていく11年間の物語。日本では昨年10月より全国にて順次公開中。(text:Yuki Tominaga)写真は『Nader and Simin: A Separation』(原題)で金熊賞を受賞したアスガー・ファルハディ監督。© AP/AFLO■関連作品:ヘヴンズ ストーリー 2010年10月2日よりユーロスペース、10月9日より銀座シネパトスほか全国順次公開© 2010 ヘヴンズ プロジェクト■関連記事:毎日映画コンクール授賞式稲垣吾郎、極悪人役にSMAPメンバー「地が出てるね」『ヘヴンズ ストーリー』忍成修吾インタビュー「この仕事が好きなんだなと実感した」
2011年02月21日現在公開中の園子温監督最新作『冷たい熱帯魚』の特別予告編映像が公開された。その他の写真『冷たい熱帯魚』は、いくつかの実在の事件をモチーフにしながら、小さな熱帯魚店を営む一家が、同業者の男と出会ったことを機に想像を絶する猟奇殺人事件に巻き込まれていく姿を描いた作品。本作は、先月29日から日本公開され、初日の全回が満席&立ち見の大ヒットを記録。新宿の劇場は公開初日に急きょ深夜の上映を追加、上映劇場を拡大するなど対応しているが、その後も平日でも立ち見が出るほどの盛況を見せている。このたび公開された特別予告編は、本作で園監督と共同で脚本を手がけたアートディレクター・映画評論家の高橋ヨシキ氏が編集した“幻の予告編”で、現在のところ、劇やイベントでの上映予定のない貴重な動画だ。高橋氏は、映画秘宝誌や映画のポスター・フライヤーなどのデザインを手がけ、熱狂的な支持者をもつアートディレクター。本予告編でも『冷たい熱帯魚』のシーンの中から“限界ギリギリ”の場面を厳選して、劇場で上映されていたものとは異なったテイストの予告編をつくりあげている。本日、大阪のシネ・リーブル梅田では、5日(土)の一般公開に先がけて先行上映を実施。20時から本編上映を行い、その後に園監督によるQ&Aイベントが行われる。『冷たい熱帯魚』テアトル新宿ほか全国順次公開中
2011年02月03日昨年、ヴェネチア国際映画祭やトロント映画祭で上映され、絶賛の嵐を巻き起こした「冷たい熱帯魚」がついに日本で公開。1月29日(土)に東京・テアトル新宿で初日舞台挨拶が行われ、メガホンをとった園子温監督をはじめ、吹越満、でんでん、黒沢あすか、神楽坂恵、梶原ひかり、渡辺哲が登壇した。小さな熱帯魚店を営む社本(吹石さん)が、娘の起こした万引き事件をきっかけに、手広く熱帯魚店を経営する村田(でんでんさん)と出会い、若い後妻(神楽坂さん)や娘(梶原さん)と共に想像を絶する猟奇殺人事件に巻き込まれる。すでに欧州など世界10か国での公開が決定した本作は、過激な描写を理由にR18指定を受けている。暴力に満ちた血まみれの撮影現場をふり返り、吹越さんは「人というのは、きっとバランスを取ろうとする本能があるんですね。現場がひどければ、ひどいほど顔はニコニコしてしまって」と不敵な笑み。「梶原さんは本当に鼻血を出してたし、神楽坂さんも首のあたりが青アザだらけ…笑ったねぇ」と愛する妻子の惨状にもはや“笑いしかない”ようだ。一方、社本を不幸のドン底に陥れる村田を怪演したでんでんさんは「よー、みんな、ハッピーかい?3回観ると一番面白いんで、あと2回観てください」と村田さながらの飄々とした挨拶。『羊たちの沈黙』のハンニバル・レクター、『ダークナイト』のジョーカーに勝るとも劣らない究極の悪人を演じて「気持ちよかったですね。もう何やっても許されちゃうんじゃないかって錯覚しちゃって(笑)。しばらくは優しい八百屋のおじさん役でいいな」。今月23日に61歳の誕生日を迎えたでんでんさんに、妻役の黒沢さんから花束がプレゼントされる場面もあり、このときばかりは悪人払拭。満面の笑みだった。黒沢さんは「女優復帰を真剣に考えるきっかけになった。最初は女優の勘を取り戻すのに時間がかかるかなと不安だったが、監督がマンツーマンで言葉をかけてくれた」と感慨深げ。一方、神楽坂さん&梶原さんは、園監督からスパルタ指導を受けたといい「地獄だった。泣いたこともあったが、この出会いで演技だけじゃなく人間的にも成長できた。忘れられない作品」(神楽坂さん)、「私も泣きました。リハで『こんなんじゃ、現場に連れて行けねー』って。でも負けないぞって気持ちにあって、逆に良かった。鼻血も出しましたし」(梶原さん)。ベテラン俳優の渡辺は「いろんな発想が出てくる監督。頭をかち割って中身を見たい」と“暴力的”に園監督を絶賛した。園監督は「初日舞台挨拶は何度も経験しているが、昨日は緊張でほとんど眠れなかった。本当に感極まっている」。壇上に勢揃いのキャスト陣に「このキャストでなければ成立しなかった。(配役が)決まったところで90パーセント勝利だと確信した」と苦労をかけた(?)報いとばかりに感謝しきりだった。『冷たい熱帯魚』はテアトル新宿ほか全国にて公開中。■関連作品:冷たい熱帯魚 2011年1月29日よりテアトル新宿ほか全国にて順次公開© NIKKATSU■関連記事:キーワードを集めて幻の“超過激”映像を観よう!『冷たい熱帯魚』動画キャンペーン吹越満インタビュー「いつも『俳優になりたい』って気持ちで仕事してます」三池崇史×園子温×吹越満がほろ酔い&タバコ片手に過激発言で映画界をメッタ斬り!鬼才・園子温監督最新作『冷たい熱帯魚』試写会に25組50名様ご招待満島ひかり主演の未公開作も上映!園子温監督作品の特集上映開催決定
2011年01月29日昨年のヴェネチア国際映画祭、トロント映画祭など多くの海外映画祭で喝采を集め、早くも世界10か国で公開が決定している、鬼才・園子温の最新監督作『冷たい熱帯魚』が1月29日(土)より公開となる。これを記念して、物語を彩る強烈な登場人物たち、そのキャラクター別特別映像をめぐって幻の予告編が観られる「『冷たい熱帯魚』サイト連動キャンペーン」が本日1月24日(月)よりスタートした。新作を発表するごとに衝撃をもたらしている園監督作だが、前作『愛のむきだし』が“陽”とするならば、本作はまさに“陰”の要素たっぷりのダークファンタジーとも言うべき一作。小さな熱帯魚店を営む男・社本(吹越満)とその家族が、有力同業者の村田(でんでん)と出会ったことで想像を絶する破滅の世界へと導かれていくさまが描かれている。そこで浮き彫りにされているのは、“人間の狂気と極限の愛”!その衝撃度の高さから映倫よりR-18指定を受けている。今回のキャンペーンでは、連動サイトにて劇中の6人のキャラクター別のオリジナル予告編を配信。映画サイト「シネマカフェ」では、主人公・社本を翻弄していく村田と妻・愛子(黒沢あすか)、そして顧問弁護士(渡辺哲)の「村田組」の3人の動画を掲載、対する社本家3人の動画を「Movie Walker」にて掲載する。それぞれの動画の最後に1文字が隠されているので、そのキーワードを集めて『冷たい熱帯魚』公式サイトのキャンペーンページで入力すると、“幻の超過激予告編”を観ることができるのだ。ここでしか観られない、超過激な映像とは果たしてどんな仕上がりになっているのか…。本番の衝撃の前に心の準備をするためにも、ぜひここでチャレンジしてみては?『冷たい熱帯魚』は1月29日(土)よりテアトル新宿ほか全国にて順次公開。シネマカフェ『冷たい熱帯魚』特別動画『冷たい熱帯魚』キャンペーンページ『冷たい熱帯魚』公式サイト:■関連作品:愛のむきだし 2009年1月31日より渋谷ユーロスペースほかにて公開© 愛のむきだしフィルムパートナーズ冷たい熱帯魚 2011年1月29日よりテアトル新宿ほか全国にて順次公開© NIKKATSU■関連記事:吹越満インタビュー「いつも『俳優になりたい』って気持ちで仕事してます」三池崇史×園子温×吹越満がほろ酔い&タバコ片手に過激発言で映画界をメッタ斬り!鬼才・園子温監督最新作『冷たい熱帯魚』試写会に25組50名様ご招待満島ひかり主演の未公開作も上映!園子温監督作品の特集上映開催決定板尾創路入籍の花子を祝福「女らしく可愛らしい」
2011年01月24日映画やドラマで静かに、しかし確かな存在感を感じさせたかと思えば、一転、舞台の上ではこれが同一人物かと見まがうようなコミカルな一面を見せる。吹越満とは何とも不思議な俳優だ。その奇妙な(失礼!)佇まいはインタビューで対峙してもやはり、変わらない。そんな彼が主演を務める映画『冷たい熱帯魚』がまもなく公開となる。メガホンを握ったのは、日本の映画監督の中でも数少ない“鬼才”という形容が似合う監督・園子温。吹越さんは堕ちて、堕ちて、ひたすら堕ちる、救いようのない主人公・社本を演じている。園子温vs吹越満――。タッグを組むのは今回で3度目、主演としては初めてとなったが、吹越さんはこの強烈極まりない作品に何を感じ、どのような思いで臨んだのか――?「楽しかった。現場で監督が一番面白い存在だったから(笑)」監督自身の経験と、90年代に起きた愛犬家殺人事件やほかの猟奇事件からインスパイアされて製作されたという本作。小さな熱帯魚屋を営む主人公が、ある出会いをきっかけに、たったひとつの“破滅”という名の道を進んでいく姿が映し出される。「ひと言で言うと楽しい」とは園組の撮影の印象。3度も組むぐらいだから当然、と思いきやその内容は映画さながらなかなか激しいようだ。「撮影は3週間ぐらいかな。おそらくは十分な時間がない中で、クランクイン前には1週間のリハーサルがあって、クランクインの日は朝から深夜、2日目が朝から次の日の朝まで…24時間以上か。いや、もうウワァって始まりだったんですが、なぜかホントに最後まで全然イヤじゃなかった。それは監督の人柄もあるのかな?やっぱり面白いね、監督が現場で一番面白い存在だっていうのは(笑)」。吹越さんから見た園監督というのは…?「作品の感じから、何となくどういう人か分かる気がするでしょ?でも、結構きちんとしてる。作品からすると意外なくらいね(笑)。酒癖が悪いってのは本当で(笑)、でもそれを認識してるから、ちゃんとお酒を飲まない時間を作って…ってそりゃそうか、大人だし(苦笑)。で、何より監督本人が言うのが『役者のお芝居を撮りたい』ということ。美術も照明も音もカメラもアングルももちろん必要で大切なんだけど、一番大切なのは役者の芝居だと謳ってる。だから、ずっと大切に“見られていた”という感覚はありますよ」。一見、人のよさそうな同業者の村田(でんでん)の恐るべき“裏”の顔を目の当たりにしつつも、抗うことすらできずに絶望へと引きずり込まれていく社本。この2人の関係を吹越さんはこう語る。「村田はものすごい悪だけど、いま考えると社本にも裏があって、『みんなによく思われたい』とか『責任を負いたくない』とか考えて、何とか取り繕うとしてもそれが全部悪い方向に行っちゃう。そういう人間だからこそ、村田は社本のことを狙ってたのかな、というのが僕の解釈。分かりやすい悪人が村田なら、社本は問題になる人間ですね。村田を見ながら僕も『そっちの方が良いなぁ』って思ってましたもん。『お前が考えてる地球はツルっとした丸い石だろう?おれが考えてるのはゴツゴツした岩だ』なんてセリフとしてかっこいいしね(笑)。やってることはひどいけど、すごい人間だなぁって」。「この映画に出て思ったのは“作りモノなめんなよ!”ってこと(笑)」まさに、吹越さんが引用したセリフではないが、破滅への一本道をスルスルと堕ちつつも、要所要所でグサリと突き刺さる何か――単に猟奇殺人事件を映画化したのではない、あえて言うなら“異物感”をこの映画の物語は感じさせる。「観てる側が『こう進む』と思ってるところをカクっと外して、また『こうかな?』と思うとカクっ、カクって全部外していく。それは裏を返せば実は、全部あっているということなんですね。昔、知り合いでビートルズの曲を聴いて、ジョンが歌ってるのか、ポールなのかが分かるっていうヤツがいて。試しにこれはジョン、これはポールってやってみたら、全部外れてた、ということがあったんだけど(笑)。それは、全部聞き分けてたってことなんだよね。それと同じで、園さんは全部“ちゃんと”外してるんですよ。それがエンターテイメントだな、と思います。“事実は小説より奇なり”って言うけど、逆にこの映画に出て思ったのは“作りモノなめんなよ!”ってこと(笑)」。そこで“絶妙”という言葉しか思い当たらない演技を見せている吹越さんもやはり、エンターテイナーだろう。もうすぐ46歳。不惑の40代も半ばを過ぎて、自らをどのように見つめているのか。その言葉は興味深い。「(観客が自分を)ダメというよりは良いと思ってくれているのかなぁ…でも、それを真に受けて自信を持ってよいものかなぁ…?という感じでしょうか(笑)。『俺、良い演技したよね』って言ってもいいかな…と思わなくもないような…と言うのは冗談ですが(笑)。ひとつ、自分で思っているのは『俳優になりたい』ということ。俳優になりたいんですよ、僕(笑)。そのためにこうやって映画やTVや舞台で仕事してるのかな。“良い俳優になりたい”というのでも“俳優を続けたい”でもなくて、あくまでも俳優になりたい。いつなれるのか分からないけれど、このままこうして続けていればなれるのかな…と思って仕事してます。その俳優になりたいって気持ちがなくなったら終わりですよ」。そう言って笑うこの男は“いま”一体何者なのか?もしかしたら、この映画を観たらもっとそんな謎が深くなるかもしれない――。■関連作品:冷たい熱帯魚 2011年1月29日よりテアトル新宿ほか全国にて順次公開© NIKKATSU■関連記事:三池崇史×園子温×吹越満がほろ酔い&タバコ片手に過激発言で映画界をメッタ斬り!鬼才・園子温監督最新作『冷たい熱帯魚』試写会に25組50名様ご招待満島ひかり主演の未公開作も上映!園子温監督作品の特集上映開催決定
2011年01月21日映画監督の三池崇史と園子温、俳優の吹越満によるトークイベントが1月20日(木)、東京・港区の東京ミッドタウン内の「ビルボードライブ東京」で行われ、園監督を中心に、3人は過激なトークを繰り広げ会場は大きな盛り上がりを見せた。「三池崇史presents大人だけの空間」と称したトークショー付きの試写会企画の第2弾で、この日は吹越さん主演の園監督最新作『冷たい熱帯魚』の上映を実施。上映前のトークイベントに登場した時点で3人、特に三池監督と園監督はすでにほろ酔い気味!三池監督は『冷たい熱帯魚』を「ここ何年かにおける驚くべき傑作」と絶賛する。一方で「僕と園さんの映画との関わり方は全く違う。僕はいろいろやりつつも、いまは健全な家族で楽しめる作品作ってる(笑)」と自身の健全さをアピールして園監督との違いを強調!「園子温が暴れ回った後を付いていく。(園監督が)僕らの作れる映画の幅をどこまで広げてくれるのか」と続けると、これに園監督が「逆ですよ!三池崇史が森を伐った後を、僕らはスポーツカーで走るつもりなので心外です」と反論し、会場は笑いに包まれた。映画は、90年代に実際に起きた「愛犬家殺人事件」を基にしているが、園監督は「“事実は小説より奇なり”と言うけど、事実は起承転結の“結”がダラダラしたりする。だから“転”から“結”の部分をフィクションにした」と熱弁。勢いあまって「そこで吹越さんが…」と核心を語りそうになり、慌てて吹越さんが「まだ(観客は)観る前ですから!」と止めに入る一幕も。さらに、酒とタバコがトーク中も“注入”されていく中で、発言内容はどんどん過激に。三池監督は、自身の監督作で今年公開となる『忍たま乱太郎』の話題でも自虐的な発言を交えながら会場の笑いを誘う。園監督も負けじと(?)、現役の映画監督や公開中の作品の名を挙げて「消えてなくなれ!」などと毒を吐き続けた。吹越さんが慌てて「普段はこういう人じゃないです!」と再び“火消し”に走るも、2人はどこ吹く風。「いまの映画監督なんて全員ダメでしょ?」(園監督)などとさらに過激な方向に…。吹越さんは「ほかの作品や監督のことは置いといて…」と苦笑しつつ、「『冷たい熱帯魚』のオファーは本当に、本当に嬉しかった」と充実した表情を見せる。ちなみに園監督が吹越さんに主演を依頼した経緯はというと「喫茶店で話してたら吹越さんが入ってきたので『(スケジュール)空いてる?』って(笑)。そのいいかげんさが良いものを呼ぶと信じてる」と力強く語り、三池監督も頷いた。さらに園監督は「血まみれになりながら書いた」など、こちらも過激な製作の過程を暴露。三池監督は「映画は狂人が作るべきものなんですよ!例えば、勝新太郎がいまの時代に二十歳で生きてたとしても、映画関係者は誰も見向きもしない。そんな状況になってしまった。そんな中で園子温は勝手なことして生きてる」と三池流のエールを送り、観客の喝采を浴びていた。ちなみに、ここまで過激な方向で息のピッタリ合ったやり取りを見せた三池監督と園監督だが、今夜が初対面だという…。『冷たい熱帯魚』は1月29日(土)よりテアトル新宿ほか全国にて順次公開。■関連作品:冷たい熱帯魚 2011年1月29日よりテアトル新宿ほか全国にて順次公開© NIKKATSU■関連記事:鬼才・園子温監督最新作『冷たい熱帯魚』試写会に25組50名様ご招待満島ひかり主演の未公開作も上映!園子温監督作品の特集上映開催決定
2011年01月20日新作を発表するたびに衝撃と共に観る者に強いメッセージを投げかける園子温監督。最新作『冷たい熱帯魚』は来年1月末の全国公開を前に、すでにヨーロッパ10か国での公開も決定するなど海外でも高い評価を受けている。本作の公開を記念し、“園子温 むきだし特集”と銘打って園監督作品を一挙に上映するイベントが開催されることが決定した。ヴェネチア国際映画祭、トロント映画祭などで上映され、驚愕を持って受け止められた『冷たい熱帯魚』は、吹越満演じる主人公が、娘の万引きをきっかけにズルズルと破滅への道に引きずりこまれていく様子を過激に描いた作品。あの鬼才・三池崇史監督をして、「人生をリセットしたい人に次の句を贈ろう。『園子温ああ園子温園子温』。観て、震えて、透明にされちゃう前にやり直そう。ついでに日本映画もやり直そう。この映画は傑作です」と言わしめた問題作。その公開を前に、「園子温の世界にダイブせよ!」との触れ込みで過激な特集上映の実施が決定!監督、脚本、編集から主演まで全てを自らこなし、ぴあフィルムフェスティバルで入賞を果たした1985年の『俺は園子温だ!』から、写真家の荒木経惟、舞踏家の麿赤児、ファンションデザイナーの荒川眞一郎という3人の表現者が出演した『うつしみ』、吹石一恵を主演に迎えた『紀子の食卓』、237分という長大な物語、西嶋隆弘(AAA)、満島ひかりといった若き才能のきらめきが注目を集めた『愛のむきだし』など計12本が上映される。中でも注目は『Make the Last Wish』。先述の満島さんが主演で2008年に制作された作品だが、劇場では公開されていないため今回がスクリーンで初上映となる。栗山千明(『エクステ』 )、オダギリジョー(『HAZARD ハザード』)ら園監督との出会いで新たな一面を引き出された俳優陣も、もちろん要チェック!特集上映「園子温 むきだし特集」は来年1月8日(土)から21日(金)までヒューマントラストシネマ渋谷にて開催。『冷たい熱帯魚』は1月29日(土)よりテアトル新宿ほか全国にて公開。※特集上映の詳細はヒューマントラストシネマ渋谷の特設ページ()にて。■関連作品:冷たい熱帯魚 2011年1月29日よりテアトル新宿ほか全国にて順次公開© NIKKATSU
2010年12月22日まもなく公開となる『SR2 サイタマノラッパー2〜女子ラッパー☆傷だらけのライム〜』に女子ラッパーチーム「B-hack」の一員として出演している安藤サクラから、シネマカフェに向けてメッセージが到着した。「B-hack」のプロモーションビデオと併せてお届け!低予算作品ながら第19回ゆうばり国際ファンタスティック映画祭のグランプリを受賞し、3度のリバイバル上映が行われるなどロングランのヒットを記録した『SR サイタマノラッパー』の続編となる本作。群馬の女子ラッパーチームのメンバーたちが、ライヴ実現に向けて奔走する姿が描かれる。安藤さんと言えば、昨年公開された園子温監督の『愛のむきだし』で鮮烈な印象を放ち、先頃公開された『ケンタとジュンとカヨちゃんの国』でも体を張った演技で高い評価を得ているが、本作ではチームの一員・みっつー役で初めてのラップにも果敢に挑戦している。メッセージと共に到着した「B-hack」のPVでは、山田真歩演じるアユム、安藤さん扮するみっつーらメンバー5人がセーラー服姿で歌って踊り、メンバーひとりひとりが紹介される。安藤さんのコメントと共に、セーラー服と実家の旅館のハッピに身を包んだ“借金旅館ラッパー”ことみっつーの熱演をお楽しみあれ!『SR2 サイタマノラッパー2〜女子ラッパー☆傷だらけのライム〜』は6月26日(土)より新宿バルト9ほか全国にて順次公開。※こちらの動画メッセージおよびPV映像はMOVIE GALLERYにてご覧いただけます。MOVIE GALLERY■関連作品:SR2 サイタマノラッパー2〜女子ラッパー☆傷だらけのライム〜 2010年6月26日より新宿バルト9ほか全国順次公開© 2010「SR2」CREW■関連記事:父への思いをラップで披露安藤サクラ、父・奥田瑛二を「割としょうもないオヤジ」今度は女子ラッパー!『SR2 サイタマノラッパー2』試写会に5組10名様ご招待ラップ女子に萌え?『サイタマノラッパー2』予告編を先行配信ヒップホップ・スタイルで登場の大江裕が「“夕張”大将」&ラップを披露!
2010年06月25日女優・満島ひかりを突き動かすものは何なのか――?一条ゆかりの漫画を原作にした『プライド』では、のし上がるために手段を選ばない音大生を見事に演じきり“少女漫画”に映像作品としての息吹を与え、園子温監督の『愛のむきだし』ではタイトルそのままに、愛憎をむき出しにしたヒロインを体現。スクリーンから、凄まじいまでのエネルギーを発散させている。最新主演作『川の底からこんにちは』では「しょうがない」を口癖に生きていたものの、どうしようもない状況に追い込まれた末に、見事に“ケツをまくり”、生きる道を切り拓く主人公・佐和子を演じている。「本来の私自身に一番近い役」とは演じた満島さんの佐和子評。詳しく話を聞いた。“個性的”などという言葉では括れない、濃厚な役柄を演じ続けているが、毎回、どのように役柄に向き合い、キャラクターを生み出すのか?「苦しいですよ…毎回(笑)。論理的に物事を考えたり、説明したりするのがすごく苦手で、唯一、他人よりも優れているかもしれないと思えるのが何かを“感じ取る”ということなんです。台本から感じた空気や匂い、監督の話やスタッフの顔、共演者の方々から感じるモノ…目に見えない“何か”を感じながら役と向き合っています」。サエないOL生活に区切りをつけ、子連れの婚約者(元上司)と共に田舎に帰り、父のシジミ工場を継ぐが会社は倒産寸前。婚約者は連れ子を残して別の女と逃亡…。そこから“開き直り”を見せる佐和子という主人公を満島さんは「憧れの女性像に近い」とまで言う。「自分をちゃんと見て、自分をちゃんと解って『だから、こうやって生きていく』という答えを出せる女性って同世代であまり見たことがなくて、素敵だと思いました。母や祖母の持っている強さ…守るものがあって、何があっても生きていかなくちゃいけない、佐和子もきっと、母性のような強さにあふれているんです」。だが、演じる上では今回も当然、一筋縄ではいかなかった。「プライドや、これまで生きていく上で身につけてきたズル賢い智恵なんかを捨てなきゃできない役でしたね。“作る”のではなくダメなところも含めて自分を“壊して”全てでぶつからないと…。だから、最初に監督にお会いしたときも、私の人生にこの役が、この作品が必要で、どうしてもやりたい、という思いを、何の計算もなくぶつけたんです。『私を選ばなきゃ損しますよ』って感じで、言いたい放題に(笑)。まず、私自身が開き直らなきゃいけなかった」。だからこそ、と言うべきか、満島さん自身の人格、人柄について、演技と知りつつ映画の中のキャラクターと重ねて『役柄そのままの人なのでは?』と考えてしまう人も多いのでは?と言うと「かなり、そう言われます」と苦笑を浮かべた。「身近な人ですらそう言うんですよ。『台本あるから!』って毎回きちんと答えています。でも、それって嬉しいことだと思っています。“生っぽい”モノを目指しているので。『この人、本当にいるだろうな。でも身近にいたら嫌だな』なんて思えるような(笑)佐和子はなんだか自分に近いということもありましたが、現場もまるで実家にいるような雰囲気だったんです。監督が何か言っていても、親に何かを言われているような、そんな…。そのままの自分で向き合える空気を周りが自然に作ってくれましたね」。冒頭の質問に戻ろう。時に全てをさらけ出し、目を背けたくなる苦しみや痛みと向き合い役に臨む。満島さんが“女優”としてそこまでできるのはなぜなのか?「そう。最近考えるんですよ、何でいま、自分はこういう仕事してるのか?って。子供の頃から、大人や周囲の人間に自分の気持ちが伝わらないことがいっぱいあって。多分、昔から感じていたそういう『誰かに何かを伝えたい、誰かに何かを解ってほしい』という気持ちからだと…そう思っています。11歳の頃に映画『モスラ2 海底の大決戦』に出演して、相当ワガママな子役で、いまだにそのときのスタッフには『お前、ちゃんと仕事してるか?』とか言われますが、はは(笑)。その撮影の半年後に完成した作品を、スクリーンに映った自分を初めて観ました。私、自分の姿に感動しちゃったんです。セリフはなく、ただジッとスクリーンに映った自分の姿に。まだまだクソガキだったので深く考えてはいなかったですが、『あ、ここだ、私』って。その感動が原点で、己の姿と深く向き合いだしたきっかけです」。では最後に、いま、やってみたい役は?そう尋ねるとこのインタビューを通して幾度となく出てきた“生っぽさ”というキーワードを挙げ、こんな答えが…。「きれいなヒロイン役、やりたいですね(笑)。生きていくために本来持っている生っぽさを一生懸命隠しているような。昔の日本映画(白黒の時代)の奥ゆかしいマドンナのような役がやってみたいです、ふふ」。■関連作品:川の底からこんにちは 2010年5月1日よりユーロスペースほか全国にて順次公開■関連記事:満島ひかりが白ずくめ防菌服で“中の下の人生”を歌い上げる特別映像が到着
2010年05月12日全国150もの独立系映画館のスタッフの投票で決定する“映画版本屋大賞”と言うべき「映画館大賞 2010」が発表され、クリント・イーストウッド監督・主演の『グラン・トリノ』が見事、1位に輝いた。昨年の第1回と比べ約40館増えて、北海道から沖縄までおよそ150館の独立系映画館で働くスタッフが参加した今年の映画館大賞。昨年の『ダークナイト』に続き、今年も洋画が1位を獲得した。『グラン・トリノ』は頑固な白人の老人とアジア系の青年との交流を描いており、イーストウッドの俳優引退作となるのでは?とも言われている。また「イーストウッドの最高傑作」との声も挙がっており、国内でもつい先日発表された日本アカデミー賞の最優秀外国作品賞を始め、数々の映画賞を獲得。その高評価を裏付ける形で映画館スタッフが最もオススメする映画に選ばれた。2位には邦画から西川美和監督、笑福亭鶴瓶主演の『ディア・ドクター』が入った。3位には、まさに映画館で観るべき作品と言うべきか『マイケル・ジャクソン THIS IS IT』がランクイン。4位には、園子温監督の4時間近くに及ぶ超大作『愛のむきだし』、5位には雪山での撮影による美しい映像が話題を呼んだ『劔岳 点の記』がそれぞれ入った。ベスト10を眺めてみると、昨年は1作もベスト10に入らなかった韓国映画から、ポン・ジュノ監督作で日本でも人気の高いウォンビンが出演する『母なる証明』が7位にランクイン。また、アニメ作品では昨年は『崖の上のポニョ』が10位に入ったが、今年は細田守監督の『サマーウォーズ』が6位に。そして日本アカデミー賞で最優秀作品賞を受賞した『沈まぬ太陽』は10位という結果となった。また、3人の著名人が最も印象に残る1本を選ぶ企画「あの人の1本」には阪本順治監督、竹中直人、中谷美紀が参加。阪本監督は警察の組織的な犯罪事件を題材にした社会派ドラマ『ポチの告白』、竹中さんはギレルモ・デル・トロ製作×J・A・バヨナ監督による魅惑のスピリチュアル・ムービー『永遠のこどもたち』を選出。そして、中谷さんが選んだのは、多くのミュージシャンたちに絶大な影響を与えながらも、自分たちはブレイクすることなく、ほとんどの人の記憶から忘れ去られているバンド「アンヴィル」が、いまなおスターダムを夢見て活動を続ける姿を追ったドキュメンタリー『アンヴィル!夢を諦めきれなかった男たち』。中谷さんは「『夢を叶えるには人生は短すぎる。しかし、夢を諦めるには人生は長すぎる』と、ある監督は言いましたが、この作品はまさにそんな映画でした。ヘヴィーメタルなんて全く好きではありませんでしたし、始まって5分程で劇場を出ようか否か迷ったほど、退廃的で過剰なパフォーマンスに嫌悪感を抱いていたにもかかわらず、いつの間にか中年男たちが必死で夢を追いかけ生きる姿に引き込まれ、最後にはポケットティッシュを使いきってしまいました」という熱い感想を寄せてくれた。4月17日(土)から24日(土)までの期間には、シネマ・ヴェーラ(東京・渋谷)にて上位作品の特集上映や豪華ゲストを迎えてのトークイベントも開催。“映画ソムリエ”たちが「映画ファンに最も観てもらいたい」という情熱を持ってセレクトした、昨年を代表する名作の数々を劇場で楽しんでみては?映画館大賞 2010 ランキング1位:『グラン・トリノ』2位:『ディア・ドクター』3位:『マイケル・ジャクソン THIS IS IT』4位:『愛のむきだし』5位:『劔岳点の記』6位:『サマーウォーズ』7位:『母なる証明』8位:『スラムドッグ$ミリオネア』9位:『イングロリアス・バスターズ』10位:『沈まぬ太陽』映画館大賞 2010 公式サイト© 花くまゆうさく■関連作品:グラン・トリノ 2009年4月25日より丸の内ピカデリーほか全国にて公開© 2009 WARNER BROS. ENT. ALL RIGHTS RESERVED.ディア・ドクター 2009年6月27日よりシネカノン有楽町1丁目ほか全国にて公開© 2009『Dear Doctor』製作委員会マイケル・ジャクソン THIS IS IT 2009年10月28日より丸の内ピカデリーほか全国にて2週間限定公開愛のむきだし 2009年1月31日より渋谷ユーロスペースほかにて公開© 愛のむきだしフィルムパートナーズ劔岳点の記 2009年6月20日より全国にて公開© 2009『劔岳点の記』製作委員会サマーウォーズ 2009年8月1日より新宿バルト9、池袋HUMAXシネマズ、梅田ブルク7ほか全国にて公開© 2009 SUMMER WARS FILM PARTNERS母なる証明 2009年10月31日よりシネマライズ、シネスイッチ銀座、新宿バルト9ほか全国にて公開©2009 CJ ENTERTAINMENT INC. & BARUNSON CO., LTD. ALL RIGHTS RESERVEDスラムドッグ$ミリオネア 2009年4月18日よりTOHOシネマズ シャンテほか全国にて順次公開© 2008 Celador Films and Channel 4 Television Corporationイングロリアス・バスターズ 2009年11月20日よりTOHOシネマズ日劇ほか全国にて公開© 2009 Universal Studios. ALL RIGHTS RESERVED 沈まぬ太陽 2009年10月24日より全国東宝系にて公開© 2009 「沈まぬ太陽」製作委員会アンヴィル!夢を諦めきれなかった男たち 2009年10月24日よりTOHOシネマズ六本木ヒルズほか全国にて公開© Ross Halfin /ANVIL! THE STORY OF ANVIL, © Brent J. Craig/ANVIL! THE STORY OF ANVIL■関連記事:【アカデミー賞】助演男優賞は『イングロリアス・バスターズ』クリストフ・ヴァルツ!『ハート・ロッカー』のプロデューサーがあり得ない失態で、オスカー規則違反本家オスカーを控え激戦、混戦!英国アカデミー賞で『ハート・ロッカー』6冠お味はどれが一番?アカデミー賞ノミネート作品にちなんだメニューの数々を公開あの名作をもう一度シネマライブ!「アカデミーナイト2010」に50組100名様ご招待
2010年03月15日毎年2月に開催される世界三大映画祭の一つ、ベルリン国際映画祭。記念すべき60回目を迎える来年の同映画祭フォーラム部門に大森立嗣監督、松田翔太×高良健吾主演による『ケンタとジュンとカヨちゃんの国』が正式出品されることがこのほど決定した。今回出品されるフォーラム部門とは、若手監督の作品が多く上映されることで知られており、昨年は園子温監督の『愛のむきだし』がカリガリ賞と国際批評家連盟賞をダブル受賞したことで話題となった。大森監督は、4年前の長編デビュー作『ゲルマニウムの夜』がロカルノ国際映画祭やサンパウロ国際映画祭など多くの映画祭に正式出品されたが、2作目となる本作で三大映画祭デビュー。同映画祭での上映の際には、ティーチインに登壇する予定とのこと。今年11月にベルリンの壁崩壊から20年という節目を迎え、さらに注目が高まる同映画祭。本作で松田さんと高良さん扮する、工事現場で壁を壊す“はつり”の仕事をする二人の若者が、自分のいる世界を“ぶっ壊して抜け出す”姿が、国境を超えてどれだけの共鳴を呼ぶことができるのか、注目される。第60回ベルリン国際映画祭は、来年2月11日から21日(現地時間)まで開催。『ケンタとジュンとカヨちゃんの国』は来年6月12日(土)より新宿ピカデリー、ユーロスペースほか全国にて公開。■関連作品:ケンタとジュンとカヨちゃんの国 2010年6月12日より新宿ピカデリー、ユーロスペースほか全国にて公開© 2009「ケンタとジュンとカヨちゃんの国」製作委員会パレード 2010年2月、渋谷シネクイント、新宿バルト9ほか全国にて公開© 2010 映画『パレード』製作委員会第60回ベルリン国際映画祭 [映画祭]■関連記事:林遣都がイカ天ソバをおごって藤原竜也を“イカ”呼ばわり?『パレード』Xmas試写松田翔太&高良健吾の真剣ムードに、安藤サクラ「お通夜みたい(笑)」松田翔太×高良健吾タッグ作の特報解禁!東京フィルメックスにも出品決定藤原竜也、大酒での歓迎に笑顔“抑制”効かせた『パレード』を釜山にて披露!松田翔太&高良健吾が競演!孤児院育ちの荒削りな若者演じる青春ムービーが来春公開
2009年12月25日『自殺サークル』、『紀子の食卓』と過激なスタイルで社会問題にメスを入れ、各国の映画祭でその名を知らしめてきた園子温。約4時間に及ぶ異色作『愛のむきだし』に続き、故郷へと戻った鬼才は、一連の作品群から見て“異色の”と言える、父と息子の命の物語を完成させた。そのタイトルは『ちゃんと伝える』。そして、映画初主演として監督の思いを継ぐべき者として抜擢されたのが、EXILEで華々しい活躍を見せるAKIRA。2人に本作について語ってもらった。――亡き父に捧げる一作として、園監督が本作で描くのは、余命を宣告された父と息子。これまでのエキセントリックな作風を取り払い、今回、敢えて映画の題材としては普遍的な“余命”を題材に選んだのはなぜですか?園:余命モノの日本映画ってたくさんあるけど、死ぬ人がかわいそうとか悲しいとか単純なことで泣かせる感じの映画は全然好きじゃなくて、「絶対、俺はやらない!」と思ってたんだけど。親父が死んで、AKIRAくんと一緒に映画をやることになって(脚本を)書いてたら、「あ!これ余命モノじゃん!やべえ俺!」となって(笑)。いわゆる余命モノっていうのは生き残る人と死ぬ人の映画ですよね。でも今回は、(父と息子)両方が死ぬ側の気持ちで生きている。僕は余命何年か分かんないけど、いつかみんな死ぬという意味でみんな余命を生きている、そういう各自の余命を考えさせる映画にしたかったです。――その“余命”というテーマで、AKIRAさんは父を案じながら自らも余命を宣告されるという複雑な役・史郎を演じるのに、苦労もあったのでは…?2週間という短い準備期間の中で、どのように役作りをしていったのですか?AKIRA:台本を読んだときにすごく素敵な脚本だなと思ったんですが、その次に実際にこういうご家族を持っている方やがんを患っている方たちに失礼のないように演じなきゃいけないと思いました。内面から史郎を感じていかなければこの役をやれないという感じで、良い意味でガッツリ自分を追い込みました。そしたら自然と見た目も3、4キロ落ちて、顔つきも変わっていきましたね。でも、撮影の合間にEXILEの仕事と往き来していたのですが、どっぷり役に染まっていましたので、逆に「EXILEを演じている」自分がいて、なんとも面白い新たな発見がありました。――悲しくなりがちな“死”ということを、切なくも穏やかに、そしてどこかおかしさを含んで描いているのが印象的でした。そこに監督の意図はあったのでしょうか?園:1本の映画を作るとき、泣かせるとか笑わせるとか、そういうことじゃなくて、“1+1=2”になるから、シーンを繋げていくだけなんですよ。テーマも物語も出来ていて、それが結果的に泣ける映画や笑える映画になっていくのであって、そういうのは意図させちゃダメだと思います。お通夜のシーンも、みんなちょっと笑ってたり、変な係の人がいたり…、葬式を経験すると、笑えるところがいっぱいあるんですよ。そのシーンを観て笑えちゃったら笑えちゃったで、しょうがないと思います。でもそれは観る人を笑わすためではなくて、全体を通して本当のことが言いたいな、と。AKIRA:僕も作品が出来上がって、霊柩車で父親を運んだり一緒に釣りをするというシーンを改めて観たときは、あんなに斬新なシーンを本当に何でもないように美しく、切なくも温かく見せる演出だなと。いままで監督に対して、天才とか鬼才というイメージがあったんですけど、作品を観て、園子温監督という人間性というか、情熱やピュアさを感じさせていただきました。すごく素敵な作品で、自分が成長したときに、次もまた監督の作品に携わらせていただけたら、という気持ちになりました。――監督の故郷・愛知県豊橋市で撮影が行われた本作。監督のご実家の台所が撮影に使われたり、監督自身のお母様までエキストラとして登場されているとか。これまでの監督作でも“家族”というのがベースになっていますが、今回は正面から家族と向かい合ってますね。園:そうですね、ずっと家族をテーマにやってきたのですが、今回は社会の中の家族というような映画ではなく、時代とか社会の背景を全部抜き取っちゃって、もっとパーソナルな家族の映画を撮りたかったんです。家族がすれ違ったり、意志の疎通が出来なくても最後は再生していくという、誰の家族でもありうる、観客みんなの家族という風にしたかったんです。あと、父と息子というのは基本的に恥ずかしがっていて、お互い男のプライドもあるから、何か頑なだったりして。厳しくて、あんまり意思疎通が出来ないというのが、みんなの父親じゃないですか(笑)。AKIRAもお父さんにこの映画見せたい?AKIRA:見せたいですね。やっぱり男同士なので、喋るのも恥ずかしいし、ちゃんと親孝行出来てるかって言ったら出来てないので。そういった意味で、すごく照れくさい部分もありますが、全身全霊をかけてやったので、この映画は自分の親に対しても自分の気持ちを代弁してくれる作品なんじゃないかなと思います。母ちゃんは、いつもは家族みんなで映画を観たりするんだけど、この予告編を観たときに、「いや、これはちょっと離ればなれで観たいね」って言ったんです。あ、予告編だけでも伝わるものがあったんだなと。お父さん、お母さんにも、一人の人間として感じてもらいたい部分はありますね。園:観終わった後さ、家族みんなで話し合ったらおもしろいかもね。AKIRA:そうですね、ちょっとこっ恥ずかしいですけど(笑)。■関連作品:ちゃんと伝える 2009年8月22日よりシネカノン有楽町1丁目ほか全国にて公開© 「ちゃんと伝える」製作委員会■関連記事:奥田瑛ニがAKIRAを絶賛!「『××スクリーム』よりもこっちの方が絶対良い!」ファッション小噺vol.112日本女優の美肌のヒミツはこれだった!AKIRA、男泣きを告白映画初主演作で「バケツ一杯分くらい泣いた」鬼才・園子温監督最新作『ちゃんと伝える』試写会に25組50名様をご招待園子温×AKIRA×奥田瑛ニ『ちゃんと伝える』N.Y.上映で観客総立ちの喝采
2009年08月24日ガンを患い入院中の父親を見舞う中で、思いがけず父よりもさらに短い余命を宣告された息子が抱える葛藤、苦悩を描いた『ちゃんと伝える』。園子温監督が自らの亡き父親への思いを込めて作り上げた感動のドラマが、8月22日(土)に公開初日を迎えた。都内で行われた初日の舞台挨拶に、園監督、主演のAKIRAを始め、伊藤歩、高橋恵子、奥田瑛ニが登壇した。つい先日行われた完成披露の舞台挨拶のときと同様、“チーム『ちゃんと伝える』”のムードメーカーは奥田さん。AKIRAさんの「監督やスタッフ、キャストの思いがつまった作品。僕も魂込めました」という挨拶に「お前、短いよ!」とツッコミを入れ、「AKIRAは最近公開した『××スクリーム』(注:『山形スクリーム』)にも出てるけど、こっちの方が絶対いいと思いますよ!あ、あんまり言うと監督のT中N人(同注:竹中直人監督)に怒られちゃうな」と語り会場の笑いを誘った。園監督もAKIRAさんについて「本当にすごいやる気満々で、根性入ってた。男の俳優では、こんな奴は久しぶり」と称賛を贈った。そして、舞台挨拶もいよいよ終わりという段階になって、突如、場内に「ハッピー・バースデイ」の歌が流れ、ケーキが運び込まれてきた。実は、AKIRAさんは映画公開翌日、23日(日)が28回目の誕生日。AKIRAさん自身は「初日で頭が一杯で、誕生日のことをすっかり忘れてました」とのことだが、奥田さんが「明日がAKIRAの誕生日だと知ってた人?」と客席に向かって問いかけると、8割ほどの女性客の手が挙がった。これにはAKIRAさんも感動した様子。奥田さんは嫉妬交じりに「お前、幸せなやつだなぁ…」とつぶやいていた。最後は園監督が「この映画は、父と息子だけでなく、夫婦の絆、恋人との絆も描かれているので、ぜひそこも見てください」と呼びかけ、舞台挨拶は終了した。『ちゃんと伝える』はシネカノン有楽町1丁目ほか全国にて公開中。■関連作品:ちゃんと伝える 2009年8月22日よりシネカノン有楽町1丁目ほか全国にて公開© 「ちゃんと伝える」製作委員会■関連記事:鬼才・園子温&AKIRA“1+1=2”で作り上げた命の物語『ちゃんと伝える』ファッション小噺vol.112日本女優の美肌のヒミツはこれだった!AKIRA、男泣きを告白映画初主演作で「バケツ一杯分くらい泣いた」鬼才・園子温監督最新作『ちゃんと伝える』試写会に25組50名様をご招待園子温×AKIRA×奥田瑛ニ『ちゃんと伝える』N.Y.上映で観客総立ちの喝采
2009年08月24日映画を大スクリーンで観ていて、また、お家のテレビで観ていて、「この女優さんは肌がきれいだな」とうっとりとしたことありませんか?反対に、雑誌などでは気づかなかったけれど、「この人、かなり肌が荒れているな…」とちょっとがっかりすることもしばしば。映画やテレビでのどアップに耐えられないなんて女優としてはけっこう深刻。最近では、エンタメ業界に進化したデジタル技術が導入されているので、特に大問題となっているのです。確かに、いまやハイビジョン時代。美しいものもそうでないものもありのままに映し出してしまうのです。こうなると、エステやコスメ、デジタル技術によるリタッチの出番。最も手頃で手っ取り早いのはコスメでしょう。実は先日、新しい化粧品の発表会で、秘密兵器を見つけました!美肌が美人の条件のひとつになっている日本で、プロたちから熱い支持を受けているKoh Gen Doの新製品「マイファンスィーモイスチャーファンデーション」。赤いチューブが目印です。1989年の発売以来、過酷な環境でも女優の肌を美しく保つことでエンタメ業界のメイクに改革をもたらしたこのファンデ。ロングセラーとなっているものの、今年9月1日には待望の進化バージョンが、次世代ハイビジョンにも対応する“3Dリアルスキンファンデーション”として世界同時発売されるのです。進化のポイントは、Koh Gen Doが掲げる「これからの映像メイクに求められるものは、美しいメイクではなく、もはや『美しい素肌』」という発想に基づいています。より鮮明に、より立体的に対象物に迫り、リアルな映像を映し出すハイビジョン時代に必須のコスメというわけですね。実際に使ってみると…凄いです。濃厚なクリームが、肌に乗せると伸びの良いライトテクスチャーなリキッドに変化。ぴったりと肌になじむので、超薄付き。でも、塗っているのに、本当についているのか不思議なくらい肌に負担がないのです。カバー力のあるファンデにありがちな、ほってりとした重み、しっかりと肌に張りつくがゆえの窮屈な不快感などは全くなし。でも、鏡を見れば、ファンデが威力を発揮しているのは明らか。肌のでこぼこやしみ、そばかすなどがしっかり隠れているのです。それでいて、素肌感はそのまま。もちろん、すっぴんでいるより数段に美しく、つけているのを忘れるほどに窮屈さは皆無。そして、これが長時間続くのです。さらには、時間が経つほどに肌なじみが加速し、落ち着きが良くなります。普通は、時間の経過と共に崩れるのがメイクの常識。ところが、10時間以上のメイクでも乾燥しないという厳しい基準を課しているというから驚きです。とにかくいくつもの画期的な製法を駆使して誕生したこのファンデ。美肌に見えるだけでなく、つけ続けるほどに美肌そのものに近づいてきたような。肌の調子もなんだか良くなってきているようです。これほどまでに優秀なKoh Gen Doのコスメ。これまでに200本を超える映画や舞台への化粧品タイアップをしてきたのが何よりの品質保証。なぜかって?女優たちは天候の不安定なロケ現場や、強いライトや空調の効いたスタジオや劇場で、熱、乾燥、湿気、汗、脂などと長時間闘い、過酷な肌環境にさらされています。それなのに、美しさを保つことを要求されている女優たちを支え続け、支持されているのですから、そのパワーはいかほどかというものでしょう?PR担当者に伺うと、「実は、弊社の歴史は、映像業界と切っても切り離せないものでして、20年前、日本で初めてハイビジョン対応ファンデーションを発売できたのも、創業当時から、TV・映画業界やヘアメイクさんとの関係があったからなのです。特に映画の世界では、撮影が長期に渡るため、役者が良い肌コンディションを保つことが困難ということと、映画もハイビジョンカメラで撮影することが当たり前の時代になってしまったため、おかげさまで、弊社の化粧品を採用してくださる役者・俳優・監督・プロデューサーが非常に増えております」とのこと。確かに、日本映画での使用頻度は頻繁。エンドロールを見ていると、協力企業のリストの中に、Koh Gen Doの名前を見つけるのは決して難しいことではありません。今後の公開作品としては、・『ちゃんと伝える』(8月22日公開/配給:ギャガ・コミュニケーションズ)・『カムイ外伝』(9月19日公開/配給:松竹)・『白夜』(9月19日公開/配給:ギャガ・コミュニケーションズ)・『ヴィヨンの妻〜桜桃とタンポポ〜』(10月10日公開/配給:東宝)・『沈まぬ太陽』(10月24日公開/配給:東宝)・『サイドウェイズ』(10月31日公開/配給:20世紀フォックス映画)など、多くの作品が。先日『ヴィヨンの妻〜桜桃とタンポポ〜』を観たのですが、主演の松たか子さんはスクリーンの中でも美肌でした。その後、松さんにインタビューをしたのですが、彼女自身もお肌つるつる。繰り返しメイクをオン&オフする過酷な毎日のはずなのに、これほど美肌なのは、もしや彼女も愛用者なのかしらと思ったのでした。映画のクローズアップばりに近づかれても、堂々としていられる肌を目指すなら、一度手にとってみて損はないと思いますよ。■Koh Gen Do公式サイト:■Koh Gen Doが化粧品提供している映画の情報(一部)はこちら:■関連作品:ヴィヨンの妻〜桜桃とタンポポ〜 2009年10月10日より全国東宝系にて公開© 2009 フジテレビジョンパパドゥ新潮社日本衛星放送ちゃんと伝える 2009年8月22日よりシネカノン有楽町1丁目ほか全国にて公開© 「ちゃんと伝える」製作委員会カムイ外伝 2009年9月19日より丸の内ピカデリー2ほか全国にて公開© 2009「カムイ外伝」製作委員会白夜 2009年9月19日より新宿武蔵野館ほか全国にて公開© 「白夜」製作委員会沈まぬ太陽 2009年10月24日より全国東宝系にて公開© 2009 「沈まぬ太陽」製作委員会サイドウェイズ 2009年10月31日より全国にて公開© 2009 Twentieth Century Fox Film Corporation and Fuji Television Network, Inc.■関連記事:AKIRA、男泣きを告白映画初主演作で「バケツ一杯分くらい泣いた」眞木大輔&吉瀬美智子登壇!『白夜』完成披露試写会に10組20名様をご招待松たか子×浅野忠信『ヴィヨンの妻』がモントリオール出品で、太宰イヤーを飾る!鬼才・園子温監督最新作『ちゃんと伝える』試写会に25組50名様をご招待松山ケンイチ、忍術で壁渡りも何のその?崔洋一「カムイは彼しかいない!」
2009年08月20日各国の映画祭で喝采を浴びる鬼才・園子温監督が亡き父に捧げる一作として、父と息子の絆を描いた感動作『ちゃんと伝える』。8月22日(土)の公開を目前に控えた19日(水)、本作の完成披露試写会が開催され、上映前に園監督はじめ、映画初主演を果たしたAKIRA(EXILE)、共演の高橋恵子、奥田瑛二が登壇し、舞台挨拶を行った。監督とキャスト一同が舞台に登場するや、会場を埋め尽くすAKIRAファンの女性たちから割れんばかりの歓声!この熱狂に奥田さんは「AKIRAの父です。君たち、うるさい」と早速、説教調で挨拶。本作で、病に倒れた父親よりも短い余命を宣告される主人公・史郎を演じたAKIRAさん。本読みの段階で「すごく温かい話で、バケツ一杯分くらい泣いた」と明かし、役作りのために髪を切り髭も剃ったことについては「ビジュアル面のことを良く言われるんですが、そんなことはどうってことなかった」と固い決意を感じさせた。そんなAKIRAさんについて、両親役の高橋さんと奥田さんからは絶賛の言葉が口をついて出る。高橋さんが「本読みのときからすごく素直に“息子”という存在感だった」と語れば、奥田さんは「普通の俳優はたくさんいる。でもAKIRAは“ちゃんとした映画俳優”になれる男」と太鼓判を押した。さらに園監督からも「AKIRAという新しい映画俳優の誕生をみなさんで見守ってください」と一押しされると、AKIRAさんは感激の笑顔を浮かべた。最後に映画に因んで、登壇者全員が「映画を通して“ちゃんと伝えたいこと”」を披露、園監督直筆の書き初めによって、それぞれの本作への思いが伝えられた。「優しい心」と披露したAKIRAさんは「この作品を観た人に何かしらの映画のメッセージが伝わると嬉しいです」とメッセージを残し、盛大な拍手が贈られた。『ちゃんと伝える』は8月22日(土)よりシネカノン有楽町1丁目ほか全国にて公開。■関連作品:ちゃんと伝える 2009年8月22日よりシネカノン有楽町1丁目ほか全国にて公開© 「ちゃんと伝える」製作委員会■関連記事:ファッション小噺vol.112日本女優の美肌のヒミツはこれだった!鬼才・園子温監督最新作『ちゃんと伝える』試写会に25組50名様をご招待園子温×AKIRA×奥田瑛ニ『ちゃんと伝える』N.Y.上映で観客総立ちの喝采
2009年08月20日鬼才・園子温監督の最新作で、EXILEのAKIRAが主演を務めたことでも注目を浴びている『ちゃんと伝える』。本作が、ニューヨークで開催された、第9回ニューヨークアジアンフィルムフェスティバルのクロージング作品として上映された。舞台挨拶には園監督をはじめAKIRA、共演の奥田瑛ニらが登壇し、現地のファンの喝采を浴びた。がんを患った父親の面倒を見ていた息子が、自らも実はがんに冒されていることを知るも、周囲には告げることができずに思い悩む姿を描いた本作。海外にファンの多い園監督の新作とあって、上映中も監督独特のユーモアに何度も笑い声がわき起こり、上映後にはスタンディングオベーションが。生と死や人とのつながりといった万国共通のテーマを扱っていることもあり、ニューヨークの観客にも受け入れられた様子。その後のQ&Aで園監督は、自らがんを患った経験があるという女性の観客の悩みに耳を傾けたり、今後の展望について聞かれ「ガールフレンドがほしい。早く結婚したい」と壇上で婚活に励むなど大活躍だった。ニューヨークでの盛況を経て、日本では8月22日(土)よりシネカノン有楽町1丁目ほか全国にて公開を迎える『ちゃんと伝える』。果たして日本での反応はいかに? 公開が待たれる。■関連作品:ちゃんと伝える 2009年夏、シネカノン有楽町1丁目ほか全国にて公開© 「ちゃんと伝える」製作委員会
2009年07月10日