ミュージカル『しゃばけ』の制作発表会見が、8月27日に東京・サンシャイン劇場で開かれ、主演の植田圭輔、滝川英治、中村誠治郎、藤原祐規、逢沢優、大平峻也、福井将太、川下大洋が登壇した。『しゃばけ』は、畠中恵のファンタジー時代小説シリーズ。シリーズ累計580万部を超える人気作で、2001年には第一弾は日本ファンタジーノベル大賞優秀賞を受賞した。江戸の大店長崎屋のひとり息子・一太郎坊ちゃま(通称:若だんな/植田)が、町で起きた数々の難事件を解決する、という物語。頭の回転はすこぶるいいが体の弱い若だんなは、幼い頃から甘やかされ、今は長崎屋の手代・仁吉(中村)と佐助(滝川)に守られている。しかしこのふたり、日頃は人間の形をしているが白沢、犬神という妖(あやかし)。祖母が大妖の若だんなは妖が見えるため、他にもさまざまな妖に囲まれ、賑やかに暮らしている。和やかに始まった会見では、それぞれが自らの役の印象や演じるうえで考えていることを披露。主演の植田は、病弱な若だんなを演じることについて「僕はどちらかというと“健康系チビ”なのですが、昔からか弱い役をやらせていただくことが多かった。私ごとですけど今年(活動)10年目ということで、原点に戻ったような気持ちで作品づくり、役作りをやらせていただけたら」と想いを語った。さらに植田は、若だんなを甘やかす仁吉と佐助を演じるふたり(滝川・中村)について「僕はデビューのころからお世話になってて」と言いつつも、「年下ではあるんですけど、まあ、僕が面倒を見ることになるのかなと思ってますので。プライベートでは(役とは逆の)お世話係を頑張りたいと思います!」と宣言。それに対して滝川は「一太郎に仕えるということで、あまり役づくりはいらないんじゃないかなと正直思っておりまして。常に植田圭輔に愛を注いでおるものですから。今までもごちそうとかしてるんですけれども…」と反論(?)。植田の「全然おごられてない!」という抗議にも「今回は毎日毎朝ATMでお金をおろしてから、稽古場に行こうかなと思っています」。さらに中村も「圭輔がお世話しているように言っていましたけど、僕が遊んであげてるんですからね?10年前にこのサンシャイン劇場で初めて共演したときには今よりもっと可愛いかった圭輔が立派に成長した姿も、役とリンクするところがあると思いますので、支えていきたいなと思ってます。頑張れよ!」と話すなど、既に役柄同様の関係性を感じさせた。ミュージカル『しゃばけ』は2017年1月19(木)から29日(日)まで、東京・紀伊國屋サザンシアターにて。
2016年08月30日今年、15周年を迎える梅棒が10月に上演する、梅棒 6th OPUS『GLOVER -グラバー-』。今作のモチーフは、シェイクスピアの「ロミオとジュリエット」。“ダンス×J-POP×演劇”の特徴的なスタイルで、梅棒が古典に挑戦する。梅棒 6th OPUS チケット情報そんな挑戦作で主役・ロミオを務めるのが大貫勇輔。幅広い演劇で活躍する実力派の大貫だが、梅棒の総合演出・伊藤今人の対談で、意外な接点が判明した!伊藤「僕は劇場から作品をイメージすることが多いのですが、グローブ座と言えばやっぱりシェイクスピア。昔から梅棒が古典をモチーフにやったらどうなるかって言われていたし、僕らは普段演劇を観ない人にも観てもらいたいと思っているので『ロミオとジュリエット』を題材に選びました」梅棒と大貫、ダンス・演劇という共通項はあれど異色の組み合わせのように思えるが、大貫「梅棒さんの名前はずっと知っていましたが、あるとき今人さんがやられていることを知ってびっくりしました。2013年に出場した『ストリートダンスバトル DANCE@LIVE』で、MCの今人さんが応援してくれたんですよ」。伊藤「さっきそのことがわかって、テンションめっちゃ上がってます。あの時の彼に出てもらえるなんて!」と、思わぬ繋がりが発覚。大貫はダンスバトルに「Nonsuke」という名前で出場していたそうで、伊藤は「舞台に興味ないかなと思ってた」と笑う。大貫にオファーしたのはそんな事実が発覚する前だが、「“やべーヤツ”に出てもらおうって話をしてて。主役を務められるイケメンで、お客さんが『この人が梅棒に出るんだ』『どんなことになるんだろう』ってワクワクしてくれる方ってやっぱり限られてるんですよ。でもまさか出てくれるとは!」(伊藤)。「尊敬するのは、お笑い芸人とダンサー。人を笑顔にしたり元気にさせることがすごく好きなので、ダンスとエンターテインメント性がかけあわさった作品に出られるのはすごく嬉しいですね。僕がずっと願い続けているスタイルの作品です」(大貫)。大貫「15年やられている梅棒さんに、僕がなにかひとつ新しい石を投げ入れられたら嬉しいし、それが僕の仕事だと思うし。与えられたものを僕はとにかく全力でやる。いろんなものを感じてくれるような新しい舞台、新しい場になったらいいなと思います」伊藤「まず、見たことないのんちゃん(=大貫)が見れますよって言いたいですね。それに、彼が加わることで見たことない梅棒になります…Win-Winです!楽しみにしていてください」公演は、10 月15 日(土)から23 日(日)まで東京グローブ座、10月25日(火)から27日(木)まで大阪・森ノ宮ピロティホールにて。取材・文:中川實穗
2016年08月24日キャンディストリッパー(Candy Stripper)とPUFFYの大貫亜美によるユニット「ロンパース(ROMPUS)」より、PUFFY20周年を記念した特別なアニバーサリーコレクションが登場。2016年7月15日(金)から、キャンディストリッパー原宿本店・新宿ミロード店・名古屋パルコ店の3店舗限定で発売される。コレクションから登場するのは、パジャマやネグリジェ。「カートのパジャマ」は部屋着・外着両方で活躍するストライプデザインのパジャマだ。ミュージシャンのカート・コバーンを着装源に作成したため、胸元にはカートの刺繍が施されている。フレンチライクなトリコロールとモノトーンの2色で登場。「あみのねこちゃん、ケンのネグリジェ」は丸襟とフリルがついた淡いピンクカラーと、ブラックの2色で展開される。ピンクのネグリジェは、大貫亜美が小学生の時に着ていた、ねこの総柄ネグリジェを思い出しながらデザインしたもの。■ロンパースについて大貫亜美(PUFFY)と板橋よしえ(Candy Stripper)によるユニット。ROMPUS(ロンパース)=Romp with us(一緒に遊ぼう)という意味の造語。2002年に結成して以降不定期で活動中。毎回、大貫亜美独自のセンスが散りばめられたジェンダーレスで楽しめるコレクションを展開している。【詳細】ROMPUS 2016 SPECIAL COLLECTION発売日:2016年7月15日(金)価格:・カートのパジャマ(上・下) 17,800円+税サイズ:M、L・あみのねこちゃん、ケンのネグリジェ 33,800円+税サイズ:S、M取扱店舗:キャンディストリッパー原宿本店、新宿ミロード店、名古屋パルコ店【問い合わせ先】Candy StripperTEL:03-5770-2204
2016年07月17日激しく足を打ち鳴らす音と手拍子、掛け声の余韻がいつまでも耳に残る…。そんなフラメンコの舞台『「フラメンコ・カフェ・デル・ガト』が大阪・サンケイホールブリーゼで幕を開けた。同作は、湖月わたる、水夏希、原田薫で結成された「BAD GIRLS」が、異国のダンスに挑戦する「ダンス・レジェンドシリーズ」の第3弾。今回は、スペイン人舞踊家でマリア・パヘス舞踊団第一舞踊手のホセ・バリオスが構成・演出・振付を手掛けた。「BAD GIRLS」のメンバーに、元宙組男役スター緒月遠麻、ダンサー大貫勇輔を迎え、皆、マドリッドで約1ヵ月間の稽古を積んだという。そのメンバーにスペインから招聘した女性ひとり、男性4人の若手実力派のフラメンコダンサーが加わった。「フラメンコ・カフェ・デル・ガト」チケット情報1幕目は、スペインの酒場「カフェ・デル・ガト」で、長女ローラ(湖月)、次女カルメン(緒月)、弟ルイス(大貫)ら兄妹がフラメンコを踊り始める。そこへ仲間を連れた闘牛士が登場。スペイン人を含めたキャスト全員が踊り、その迫力、華麗さに目は釘づけになった。日本人女性キャストは、踊りながらマントン(大型のショール)を回したり、アバニコ(扇)を振ったり、難しい小道具も使って美しく優雅に見せる。大貫はスピーディにステップを踏み体の切れも抜群だ。日本人キャストは皆、フラメンコ初挑戦だが、スペイン人キャストに引けを取らない。「ダンスのジャンルが違っていても『核』があれば踊りこなせる」と、大貫が取材で語った言葉を全員が体現している。ローラは闘牛士に心を奪われ、女たらしの彼と付き合うことを許さないルイスは怒り狂う。ルイスと闘牛士がバストン(杖)で地面を激しく叩き合って闘うシーンは、そのバストンの音、ダンサーが奏でる箱型の打楽器カホンのリズム、ダンサーが足で床を鳴らす音が、大雨のように舞台を打ち続け強烈な印象を残す。さらに、闘牛士を誘惑するマリア(原田)まで現れ、店の主人アナ(水)は混乱した状況を収めようとするが…。意外な結末は見てのお楽しみだ。第2幕は、アンダルシアを舞台に、キャストが各地を旅するようにフラメンコで表現するショーが展開。土地によって違う独特の音楽や踊りが堪能できる。日本人女性キャストが、アルメリアでパンツスーツを着てジャズダンスを踊る場面は、マニッシュで「BAD GIRLS」らしい魅力が満載だ。また、スペイン人キャストがセルビアで踊るシーンは、一秒ごとに振付けをしているかのような緻密で繊細な手と足さばきに圧倒される。息をするように踊り、大地を踏みしめて力強く生きることがフラメンコだと実感した。日本、スペインの両キャストが美しく調和しそれを伝えてくれた。この後、6月29日(水)から7月4日(月)まで東京芸術劇場 プレイハウスで上演される。チケットは発売中。取材・文:米満ゆうこ
2016年06月27日映画監督に、出演役者の印象を伺っていく「監督は語る」シリーズ。今回とりあげるのは、藤ヶ谷太輔(28)だ。アイドルグループ・Kis-My-Ft2のメンバーとしてグループを引っ張る存在だが、『美男ですね』『仮面ティーチャー』『信長協奏曲』などドラマ出演経験も豊富。2013年には雑誌『an・an』のヌード表紙を飾るなど、現代のスターとして女性の視線を集めている。最新作となる主演映画『MARS(マース)~ただ、君を愛してる~』では、学園のスター的存在でありながら、心に闇を抱えた青年・樫野零を演じる。同じく主演の窪田正孝演じる転校生・桐島牧生から執着され、怒涛の展開に巻き込まれることになる。真ん中に立つことを求められた藤ヶ谷の演技の裏側とは。○藤ヶ谷太輔の印象藤ヶ谷くんは役者以外にもアイドルとして、歌もバラエティもやっているからこその、スターオーラがありますよね。今回演じてもらった樫野零は"学校一の憧れの的"という設定だったので、そこの説得力は不可欠でした。藤ヶ谷くんって、バラエティでは面白かったり、歌う時はセクシーな感じだったり、いろんな面を持っているので、激しい面もクールな面も持っている零役に、うまくマッチしていたと思います。役作りについては、最初に「一緒に考えていこう」という話もしたのですが、彼の中には「こういう役なんじゃないか」というのがちゃんとあって、ぶれていなかったです。しかも、原作を大切にいつも持ち歩いていて。映画化するにあたって、入れることができなかったセリフももちろん存在したのですが、「このセリフをなくした理由は何ですか?」と、するどい質問を投げかけられることもありました。○撮影現場での様子今回は若い役者が中心で、撮影場所も学校でしたが、教室の中でリーダーシップをとってくれたので、本番以外でも零のままでした。現場の中心でオーラが生かされていたんですよね。スタッフとも仲が良くて「良いものを作ろう」という熱い思いが伝わってくるんです。ただ役者としているだけではなく、作品づくりの中でリーダーシップを発揮できる人なんだと思います。一度、「このセリフはどういう気持ちで演じたらいいのか」と、演技について相談する電話がかかってきたこともありました。現場ではすごく真面目に取り組んでいたので、もしかしたら少し悩む場面もあったのかもしれないですね。ドラマ版にあった、牧生(窪田)との人工呼吸シーンは、リアルな人工呼吸ではなく、せっかくだからきれいに! という意図で撮らせてもらいました。キラ(飯豊まりえ)からはこう見えた、というシーンなので、あれで正解なんです(笑)。寓話のような「王子様にキスされて目を覚ますお姫様」というイメージで、リアルにしすぎないことを心がけました。○映画『MARS(マース)』でのおすすめシーンかっこいいキャラクターなんですけど、スーパーヒーローってだけじゃないんです。だから、弱さを見せていくシーンをぜひ見ていただきたいですね。特にキラを思って涙するというシーンが切なくて。藤ヶ谷くんにとって、アイドルらしからぬ部分だと思うし、映画の中だからこそ見られた切ない一面だと思います。男の色気が出ていて、深みのあるシーンです。台本のト書きでは「涙ぐむ」くらいの指示だったと思うのですが、「自分がかっこよく見えることは考えなくていい。キラのことだけを思うシーンだから、かっこ悪いところを見せてほしい」と言ったら、自然と涙のあるシーンになったのかなと思います。映画『MARS(マース)~ただ、君を愛してる~』海で奇跡的に出逢った零(藤ヶ谷太輔)とキラ(飯豊まりえ)。過去に心の傷を抱えながら孤独に生きてきた2人は惹かれあい、恋に落ちる。そこに、零の死んだ弟・聖の親友、牧生(窪田正孝)が現れる。零とキラのよき理解者であるように見えた牧生は、実は零の持つ秘めた一面「怒りに火がつくと抑えられない激しい凶暴性」に強い憧れを抱いていた。現在公開中。(C)劇場版「MARS~ただ、君を愛してる~」製作委員会
2016年06月23日抜群の華やかさやダンスに加え、悪役、クセのある役で存在感が光る俳優・吉野圭吾。夏の風物詩となったブロードウェイミュージカル『ピーターパン』で、今年、吉野が悪役のフック船長役に選ばれたのは大いにうなずける。作品について話を聞いた。ブロードウェイミュージカル「ピーターパン」チケット情報最近のフック船長でいえば、橋本じゅんはコミカルに、大貫勇輔はダンサブルに役を演じてきた。吉野ならその両方ができそうだ。「そうですか?僕、何でもやりますよ。踊って歌って、ギャグも言ったりして。フックを上手に使って色々なこともしてみたい。例えば、ロープに引っ掛けて上からザーッと降りて来ることができないかと、演出・振付の玉野和紀さんと話をしているんです。過去にはこだわらず、僕なりの新しいフック船長を作り上げたいですね」吉野にとって大人も楽しめる『ピーターパン』の魅力はどこだろう?「台本を読むと、『殺す』というセリフがフックだけではなく、ピーターパンにもやたらと出てくる(笑)。ピーターパンもけっこうグロいんですよね(笑)。でもそこを強調しすぎないようにしたい。物語も夢の中の話ではない。ネバーランドに行って帰って来て、目が覚めたら夢だった…という設定ではないですから」。ラストを含め、きれいごとだけでは終わらない話の奥深さが老若男女を引きつけるのだろう。ウェンディの父親ダーリング氏との一人二役をこなす。「ネバーランドの住人はフックをはじめ、大人になりたくてもなれない大人。みんな子供の心を持っていてずっと遊んでいたい。そこを大切に演じたいですね。一方、ダーリング氏は大人の中の大人として描かれている。ふたりをどう演じ分けるかです」子供の心は、最近出演したミュージカル『1789 -バスティーユの恋人たち-』の子役たちと交流することで取り戻しているという。「1789で演じた悪役のメイクは怖いんです。稽古場ではそのいでたちで、誰も寄せ付けないオーラを醸し出していたはずなのに、子供たちは『遊ぼう』と寄ってきて、僕の固い扉をコンコンとノックしてくる(笑)。実家が昔、保育園だったこともあり、子供には好かれるんですよね(笑)」また、舞台では、観客に向かってピーターパンが「妖精を信じる?」と問うシーンが有名だが、吉野も妖精を信じるという。「妖精を含め、物には神様が宿っている。舞台の神様には真摯に向き合わないと、セリフが出てこなかったり、小道具の鎖が切れたりして裏切られるんです。そんな時は、『なぜ、私を裏切るのですか』と会話しています(笑)」。裏切りを経験してこその役者業。今後は「妖怪や動物、ゾンビなど人ではないものも演じてみたい」と意気込みも高い。ただならぬフック船長を演じてくれそうだ。公演は、7月24日(日)から8月3日(水)東京・東京国際フォーラム ホールC、8月17日(水)大阪・梅田芸術劇場メインホールにて上演。チケットは発売中。取材・文:米満ゆうこ
2016年06月23日湖月わたるら宝塚歌劇団OGを中心とする“BAD GIRLS”がフラメンコに挑戦する『フラメンコ・カフェ・デル・ガト』が、6月25日(土)の開幕に先がけ、公開稽古で4曲を披露した。「フラメンコ・カフェ・デル・ガト」チケット情報本作は、2012年の『BAD GIRLS meets BAD BOYS』、2014 年の『Argentango』に続くダンスレジェンドシリーズの第3弾。今回は、第1弾から出演する湖月わたる、水夏希、原田薫に加え、昨年2月に宝塚歌劇団を退団した緒月遠麻が初参戦。さらに、2014年公演で“BAD BOYS”に参加した大貫勇輔と、本場スペインのダンサー4人で作り上げられる。構成・演出・振り付けは、フラメンコの名門マリア・パヘス舞踊団の舞踊手・振付家であるホセ・バリオス。ホセは、スペインフラメンコ界で最も権威のある賞「フラメンコ・オイ賞」男性舞踏家部門・最優秀賞を受賞したばかり。フラメンコの本場・マドリッドでの稽古を終え、6月13日に帰国したばかりというキャスト達。稽古場には、約1か月間の稽古を共に過ごす中で生まれたであろう濃厚な空気が漂う。ACT1は、19世紀に存在したフラメンコショーを観劇できる酒場「カフェ・デル・ガト」で起きる愛と悲劇の物語。その中から披露されたM1「GALLARDO」、M2「Carmen Overture」は大迫力の群舞。まず振動を感じるほどのサパテアード(足を踏み鳴らす動き)に圧倒され、そして情熱的なダンスに心を奪われる。照明もセットもない稽古場でも、その熱い空気に飲み込まれてしまいそうなフラメンコは、実際のステージでは更に強烈な魅力を放つはずだ。M4「Yo solo quiero caminar」は芝居仕立てで、湖月演じるローラと闘牛士が互いに惹かれ、想いを伝え合うように踊る姿がセクシーで印象的。その仲を裂こうとするローラの弟役・大貫の演技にも注目だ。ACT2は、アンダルシアをイメージしたダンスショウ。披露されたM6「FLAMENCO JAZZ」では、ACT1から雰囲気をガラリと変え、BAD GIRLSの4名がマニッシュなパンツスタイルで登場。宝塚歌劇団時代の男役を彷彿させる姿で披露されたクールなダンスは必見だろう。稽古後の囲み取材では日本人キャストの5人が本作について、「言葉より、観て、感じていただくと魅力がわかる」(湖月)、「フラメンコは難しいイメージがあるかもしれないが、気負いなく楽しんでもらえるはず」(水)、「東京に戻ってまたいい雰囲気になった。楽しむ雰囲気が伝われば」(原田)、「スペインチームの足さばきはすごい」(緒月)、「僕らにしかできないフラメンコを観てもらいたい」(大貫)と話した。公演は、6月25日(土)・26日(日)に大阪・サンケイホールブリーゼ、6月29日(水)から7月4日(月)まで東京・東京芸術劇場 プレイハウスにて上演。撮影・取材・文:中川實穗
2016年06月22日今年で36年目に突入する、夏のファンタジーミュージカル『ピーターパン』(演出・振付・上演台本/玉野和紀)が東京と大阪で上演される。現在、NHK連続テレビ小説「とと姉ちゃん」でヒロインを務める高畑充希から、9代目ピーターパンとして16歳の時にバトンを受け継いだ唯月ふうか。「みんなのヒーローになりたい!」と、4年目のアツい夏が始まる。ブロードウェイミュージカル「ピーターパン」チケット情報ある夜、ウェンディ、ジョン、マイケルの3姉弟は、ピーターパンと妖精のティンカーベルの導きで、永遠に子供でいられる「ネバーランド」を訪れる。四季が入り交じる不思議な島でインディアンらと存分に遊んだ3人。そろそろ家に帰ろうとした時、フック船長率いる海賊たちが現れる。なんと、ウェンディを自分たちの「お母さん」にしようというのだ。助けに来たピーターパンやインディアンのリリーを巻き込み、海賊船上で大乱闘が始まる。ピーターパンといえば、フライング。ウェンディらと夜空を旅したり、海賊との戦闘では宙を舞いながらのアクションも披露する。「妖精の粉を撒く昨年の客席フライングでは、3年目にしてようやく子供たちの表情を見られるまでになりました。歓声を上げながら舞い落ちる粉を待っているみんなの姿が嬉しくて、自分はピーターパンなんだなと改めて実感しました」座長として本番前には必ず円陣を組み、共演者らに言葉をかける。毎公演100%の喜怒哀楽を出し切るため、毎日の腹筋背筋も欠かさない。「観に来てくれる子供たちが本当にパワフルなので、そこから元気を貰いまた舞台に返せる、相乗効果がある。チームワークも万全で、出演者みんなが『ピーターパン大好き』と公演が終わる度に言うくらい。私も『もう終わりね』と言われるまで出演し続けたいとブログに書くほど、特別な思い入れのある作品です」今年は宿敵のフック船長役に吉野圭吾が初参戦。唯月にとって3人目のフック船長だ。「橋本じゅんさんには毎回のアドリブで対応力を鍛えられ、2番目の大貫勇輔さんには体格や力では敵わないので、声の大きさで勝とうと頑張っていました(笑)。吉野圭吾さんは面白い方と伺っているので、どんな仕上がりになるのか私も楽しみです」東京公演は7月24日(日)から8月3日(水)まで東京国際フォーラムホールC、大阪公演は8月17日(水)に梅田芸術劇場メインホールにて上演。チケットは発売中。「子供から大人まで楽しめる作品です。劇場ではネバーランドの住人気分で、一緒にアツい夏を過ごしましょう!」取材・文:石橋法子
2016年06月21日「anan」2004号5/18発売は藤ヶ谷太輔さんが表紙の「好きになってもいいですか?」特集。今週の表紙作成ストーリーを紹介します。ピアノの音色が流れる空間で魅せた、”けだるいセクシー”。藤ヶ谷太輔さんが、ここのところ急激に大人の男性の魅力を纏ったと思うのは私だけではないはず。ふとした仕草や表情に、ただならぬ色気を感じるんです。今号の恋愛特集のタイトルは、「好きになってもいいですか?」。このテーマで藤ヶ谷さんときたら、妄想も膨らむばかり。「もしかして、彼女がいる?」「ツラい恋に悩んでる?」「人には言えないような秘密を抱えてる…?」そんなふうに女子をモヤモヤさせちゃうような、せつなげでセクシーな男性を演じてほしい!! 完全にこちらの無茶振りです。が、ここはさすがの藤ヶ谷さん。ぼーっと外を眺めたり、ため息をついたり、伏し目がちにじっと一点を見つめたり。”恋に悩むオトコ”を表現する藤ヶ谷さんは、こちらの胸がぎゅっと苦しくなるような、なんともミステリアスな雰囲気に包まれていました。そのときスタジオでは、そんな気持ちに寄り添うようなムーディなピアノの音が流れていて。見ているこちら側は「いい、すごくいい。好きになってもいいですか? 感がすごい!」と大興奮。インタビューももちろん、彼自身の恋愛論です。これがまた男前。「周りの恋愛に口出しはしない。二人の関係は、二人で決めればいい」のだと。恥ずかしがることもなく、堂々と迷いなく話す彼の姿勢に、さらに魅力を感じる瞬間でした。今号の藤ヶ谷さん、本当にかっこいいです。是非見てください。(S)
2016年05月17日ダンスをはじめ、映像やストレートプレイでも活躍をみせる大貫勇輔。今回、舞台『フラメンコ・カフェ・デル・ガト』では、フラメンコに初挑戦する。ジャズ、コンテンポラリー、ストリートダンスなど何でも得意の彼が、どんな踊りを見せてくれるのか。稽古を目前に、その心意気を聞いた。「フラメンコ・カフェ・デル・ガト」チケット情報湖月わたる、水 夏希、原田 薫で結成されたユニット『BAD GIRLS』が、異国の男性ダンサーと共演する舞台「DANCE LEGEND」シリーズ。今回はその人気シリーズの第3弾で、構成・演出・振付をフラメンコの名手ホセ・バリオスが手掛ける。大貫はスペインのフラメンコダンサーとともに参加する。「フラメンコは今まで踊ったことはないんです。スペインには以前から興味があり、現地で稽古があると聞いて『やったー!』と声を上げてしまいました(笑)。以前、パリに行きたいと思っていたら、ストリートダンスの大会で優勝してパリに行けたり、自分がやりたいと思うと何かつながる瞬間があるんです。今回もスペインに呼ばれているような気がして、運命的なものを感じました」。フラメンコ初挑戦に「もちろん不安はあります」というが、どこか余裕を感じさせる。「水 夏希さんが、フラメンコのテクニックを学んだだけでは、外国人が付け焼刃で日本舞踊を踊るみたいになってしまう。それよりも、どれだけスペインの文化を愛し、フラメンコの血を自分の中に入れられるかが大事だとおっしゃっていたんです。僕も同感で、自分の内側から出て来るものが一番大切。それがダンスだと思うんです」。フラメンコは、ジプシーと呼ばれるロマ族をはじめとする多数の民族が培ってきた伝統文化だ。「僕は、ダンサーの母親の胎内にいるときから舞台に立っていて、生まれながらのダンサーだと思っています。言葉にならない思いや、つらかったことを肉体を通して変換し表現してきた。フラメンコも現地の人が生きる上で、必要としてきた踊りです。そこは通じる思いがあるんです」。核が同じなら、ダンスのジャンルが違っても踊りこなせる。そんな自信が彼の中に脈打っているのが伝わってくる。今作は第1幕が『ロミオ&ジュリエット』のように愛や闘いを描く物語で、大貫もある役柄を演じ、第2幕は、スペインの地方や都市を巡るショー形式の舞台になる予定だ。「いいダンサーは日本で食べていくのは難しいから、まず、海外に出て日本に帰ってくる。それは熊川哲也さんがすでにされているから負けず嫌いの僕は、逆の発想で(笑)、日本を拠点にして世界に行きたい」と言い切る。「僕と同じ踊りはほかの人にはできない。僕にしかできないものを持っている」ともいう。大貫ならではのフラメンコに注目したい。公演は、6月25日(土)・26日(日)に大阪・サンケイホールブリーゼ、6月29日(水)から7月4日(月)まで東京・東京芸術劇場 プレイハウスにて上演。チケットは発売中。取材・文:米満ゆうこ
2016年05月02日世界各国で上演されたフランス発のミュージカル『ロミオ&ジュリエット』が新キャストにより2017年1月から3月まで、東京、大阪で上演が決定した。ミュージカル『ロミオ&ジュリエット』公演情報本作は、2010年に宝塚歌劇団星組が大阪、博多で日本初演。その後、雪組、月組でも上演され、宝塚歌劇団においても大ヒット作品となった。2011年秋には、さきの宝塚歌劇団での上演を成功に導き、日本ミュージカル界を牽引する演出家、小池修一郎により、日本オリジナル本格ミュージカルバージョンを上演。2013年にも再演し、いずれも大ヒットを記録、16万人を動員した。主演のロミオ役は、『エリザベート』での皇太子ルドルフ役やミュージカル『黒執事』で主演を務めた古川雄大が、前回に引き続き出演する。一方Wキャストは、大河ドラマ『花燃ゆ』やNHK連続テレビ小説『とと姉ちゃん』に出演中の大野拓朗。ミュージカルへの出演は、2012 年の『エリザベート』以来5年ぶり初主演だ。ジュリエット役には、『虹のプレリュード』や『リボンの騎士』で主役経験のある乃木坂46の生田絵梨花。Wキャストはテレビ番組『全日本歌唱選手権 歌唱王2015』の決勝戦に佐賀県から出場した期待の新人・木下晴香が挑むなど、キャストを一新。新ロミオ、新ジュリエットに対し小池は、「古川雄大君は再挑戦ですが、大作への出演が続いているので、今回は自分なりのロミオ像を完成させてくれるでしょう。 大野拓朗君はミュージカル『エリザベート』の後、4年間、秘かに歌のレッスンを重ねてきたというミュージカルへの情熱がオーディションで感じられ、リベンジのチャンスを勝ち取りました。 生田絵梨花さんはトップアイドルにも関わらず、本格的な音楽の勉強を続けていて、ミュージカル女優としての開花に大いに期待しています。 木下晴香さんは、テレビの歌番組で見て高校生ながら突出した歌唱力と新鮮さに懸けました」とコメント。そのほか、ロミオの親友・ベンヴォーリオ役は馬場徹、矢崎広。マーキューシオ役は平間壮一、小野賢章。敵対するティボルト役には、渡辺大輔、広瀬友祐。死のダンサーには、大貫勇輔、宮尾俊太郎(Kバレエカンパニー)が出演する。若者の情熱と、その純粋さを操る“死”の妖しい美しさ、失われた世界に燃え上がるひとすじの恋を描いた、永遠の感動のミュージカルの新たな歴史が生まれるはず。開幕の日を楽しみに待ちたい。■ミュージカル『ロミオ&ジュリエット』【東京公演】8月27日(土)チケット発売予定▼2017年1月15日(日)~2月14日(火)赤坂 ACTシアター[問]0570-077-039【大阪公演】10月チケット発売予定▼2017年2月22日(水)~3月5日(日)梅田芸術劇場メインホール[問]06-6377-3800
2016年04月08日村井良大、平方元基らが出演する舞台『SHOW ル・リアン』が、3月31日、東京・天王洲 銀河劇場にて開幕する。開幕を目前に控えた30日、舞台稽古が公開された。演出は本間憲一。舞台『SHOW ル・リアン』チケット情報作品は、夜毎ショーが開催されている“ル・リアンの館”に、ひとりの少年・タクミが迷い込んでくることからはじまる。少年とともに、観客も夢の世界に誘われていくような幻想的な雰囲気を纏ったショーだ。披露されるナンバーは『ショーほど素敵な商売はない』(アニーよ銃をとれ)、『Too Darn Hot』(キス・ミー・ケイト)、『All That Jazz』(CHICAGO)といった、スタンダード化しているミュージカルソングの数々。その王道ナンバーを、時にシックに、時にチャーミングに魅せていくのが、村井、平方ら人気若手俳優を中心としたメンバーだ。これまであまりショー作品への出演イメージのない彼らの個性が素敵に光り、なんとも温もりあるステージを作り上げている。村井はストーリーテラー的役割も担いつつ、後半の重要なタップダンスの場面もしっかりと見せ、平方は豊かな歌声を劇場いっぱいに届け、若手ミュージカルスターらしいきらめきを放った。さらにダンサー・大貫勇輔が『SINGIN’ IN THE RAIN』(雨に唄えば)でジーン・ケリーもかくやといったダンスを披露したり、元宝塚トップスター・大空祐飛はジャズのスタンダードナンバー『Stardust』でオーラ全開のディーバの顔を見せたと思えば、真っ赤なミニドレスでキュートなペアダンスを披露したり……と、出演者それぞれの魅力が存分に楽しめるショー。演出を手がける本間が日本を代表するタップダンサーということもあり、タップダンスも重要な要素で、HIDEBOHの印象的なソロ・タップ、出演者全員の迫力のタップも見どころだ。そして本作のテーマ曲の作曲も手がけた14歳の天才ピアニスト、奥田弦の超絶テクニックも必見。郷愁を誘うスタンダードナンバーを繋げ、奇を衒わず丁寧に作り上げたた舞台は、古き良きショー作品の趣きだが、奥田とタクミ役の松本拓海というふたりの少年の存在が、エンターテインメントの未来の輝きを予感させる。ショー作品の原点と未来を同時に体感できる、上質のステージである。公演は4月3日(日)まで同劇場にて。その後、4月5日(火)・6日(水)には大阪・サンケイホールブリーゼでも上演される。
2016年03月31日2012年、ラスタ・トーマス率いるBAD BOYSと、宝塚歌劇団OGを中心とするBAD GIRLSの共演で話題を呼んだDANCE LEGENDシリーズ『BAD GIRLS meets BAD BOYS』。14年にはBAD GIRLSがタンゴに挑むシリーズ第二弾『Argentango』を、BAD BOYSの『Rock the Ballet 2』とほぼ同時期に上演した。第三弾の今回は、フラメンコの名門マリア・パヘス舞踊団の舞踊手・振付家ホセ・バリオスを構成・演出・振付に迎える『フラメンコ・カフェ・デル・ガト』。第一弾からの湖月わたる、水 夏希、原田 薫、第二弾のBAD BOYSに参加した大貫勇輔らに加え、昨年2月に宝塚を退団した元宙組男役スター、緒月遠麻が初参戦する。『フラメンコ・カフェ・デル・ガト』チケット情報「自分が出演するなんて、まだ信じられません。だって、ご覧下さい、このメンバーに私が入っているチラシ……(深いため息)」と、緒月は公演への期待と不安をのぞかせる。彼女にとって、共演者の湖月、水は宝塚時代からの大先輩だ。「湖月さんは憧れの方。私がいた雪組にも専科から出演され、芸事においても人間性においても本当に素晴らしくて、多くを学ばせていただきました。水さんは私の雪組時代のトップスター。私はありがたい事に絡む場面が多かったり、水さんが本公演で演じられた役を私が新人公演で演じたりとご縁が深くて。当時から、ご自身を高めながら周囲も見ている方でした。偉大なおふたりの胸を借り、だいぶ頼ってしまいそうです(笑)」一方、原田、大貫とは初顔合わせ。「先日、過去のダンス映像を拝見しました。あまりの凄さに、ビックリして映像を止めてしまったほど。基礎も身体能力も桁違いのお二方とご一緒するのはとんでもない挑戦になりますが、宝塚時代、男役としての演技を、上級生の真似をしながら積み上げたのと同じように、今回もとにかく見習い、色々なものを吸収したいです」日本での稽古のほか、公演前には本場スペインでもリハーサルが行われるという。「宝塚でもフラメンコのシーンがありましたが、リズムも独特ですし、足と手を別々に動かすのも難しくて。本場の方に教わるのは貴重な機会なので、しっかり成長できたらと思います。少し落ち着いたら生ハムと白ワインも楽しみたい。その余裕ができるよう、まずは稽古に打ち込みます!」今回は退団後初のダンス公演だ。「お芝居が特に好きなので、この1年はストレートプレイをさせていただいていたのですが、歌も踊りもまたやりたいという気持ちが出てきた時にこの機会をいただき、恵まれていると思います。私は稽古場でもマイペースで、納得できるものができるまで時間がかかるタイプなので、周囲を心配させてしまうかもしれないのですが、なんとか足を引っ張らないよう頑張りたいですね」公演は、6月25日(土)・26日(日)に大阪・サンケイホールブリーゼ、6月29日(水)から7月4日(月)まで東京・東京芸術劇場 プレイハウスにて上演。チケットは4月16日(土)10:00より一般発売開始。取材・文:高橋彩子
2016年03月22日2012年、ラスタ・トーマス率いるBAD BOYSと、宝塚歌劇団OGを中心とするBAD GIRLSの共演で話題を呼んだDANCE LEGENDシリーズ『BAD GIRLS meets BAD BOYS』。14年にはBAD GIRLSがタンゴに挑むシリーズ第二弾『Argentango』を、BAD BOYSの『Rock the Ballet 2』とほぼ同時期に上演した。第三弾の今回は、フラメンコの名門マリア・パヘス舞踊団の舞踊手・振付家ホセ・バリオスを構成・演出・振付に迎える『フラメンコ・カフェ・デル・ガト』。第一弾からの湖月わたる、水 夏希、原田 薫、第二弾のBAD BOYSに参加した大貫勇輔らに加え、昨年2月に宝塚を退団した元宙組男役スター、緒月遠麻が初参戦する。『フラメンコ・カフェ・デル・ガト』チケット情報「自分が出演するなんて、まだ信じられません。だって、ご覧下さい、このメンバーに私が入っているチラシ……(深いため息)」と、緒月は公演への期待と不安をのぞかせる。彼女にとって、共演者の湖月、水は宝塚時代からの大先輩だ。「湖月さんは憧れの方。私がいた雪組にも専科から出演され、芸事においても人間性においても本当に素晴らしくて、多くを学ばせていただきました。水さんは私の雪組時代のトップスター。私はありがたい事に絡む場面が多かったり、水さんが本公演で演じられた役を私が新人公演で演じたりとご縁が深くて。当時から、ご自身を高めながら周囲も見ている方でした。偉大なおふたりの胸を借り、だいぶ頼ってしまいそうです(笑)」一方、原田、大貫とは初顔合わせ。「先日、過去のダンス映像を拝見しました。あまりの凄さに、ビックリして映像を止めてしまったほど。基礎も身体能力も桁違いのお二方とご一緒するのはとんでもない挑戦になりますが、宝塚時代、男役としての演技を、上級生の真似をしながら積み上げたのと同じように、今回もとにかく見習い、色々なものを吸収したいです」日本での稽古のほか、公演前には本場スペインでもリハーサルが行われるという。「宝塚でもフラメンコのシーンがありましたが、リズムも独特ですし、足と手を別々に動かすのも難しくて。本場の方に教わるのは貴重な機会なので、しっかり成長できたらと思います。少し落ち着いたら生ハムと白ワインも楽しみたい。その余裕ができるよう、まずは稽古に打ち込みます!」今回は退団後初のダンス公演だ。「お芝居が特に好きなので、この1年はストレートプレイをさせていただいていたのですが、歌も踊りもまたやりたいという気持ちが出てきた時にこの機会をいただき、恵まれていると思います。私は稽古場でもマイペースで、納得できるものができるまで時間がかかるタイプなので、周囲を心配させてしまうかもしれないのですが、なんとか足を引っ張らないよう頑張りたいですね」公演は、6月25日(土)・26日(日)に大阪・サンケイホールブリーゼ、6月29日(水)から7月4日(月)まで東京・東京芸術劇場 プレイハウスにて上演。チケットは4月16日(土)10:00より一般発売開始。取材・文:高橋彩子
2016年03月22日「僕たち、久しぶりの再会なんですよ」「6年ぶり」と笑い合うのは、片岡信和と桑野晃輔。4月に上演する舞台『人間風車 Jnapi produce』で重要な役を演じるふたりだ。ミュージカル『忍たま乱太郎』の初演(2010年)以来の共演となる。舞台『人間風車』チケット情報映画『パコと魔法の絵本』の原作者であり『ダブリンの壁つきカビ人間』でも知られる後藤ひろひとの代表作ともいえる本作。2000年には生瀬勝久、斉藤由貴、阿部サダヲら、2003年には永作博美、入江雅人、河原雅彦らと錚々たるキャスト陣で上演されてきた。その作品を若手俳優たちが演じたらどうなるのか――という挑戦から、オリジナルにアレンジを加え、従来とは異なる新しい生命を吹き込む。演出は朗読劇『私の頭の中の消しゴム』『しっぽの仲間たち』の脚本・演出を手掛ける岡本貴也。本作の主演、売れない童話作家・平川を演じる片岡。物語のキーパーソンで知的障害のあるサムを演じるのは桑野。「平川って終盤では友人や恋人に裏切られて、その憎しみのシナリオを勢いで書いたら現実になってしまうっていう人なんですけど。でもそれまではどこか幸せそうに見えるんですよね。楽しく生きていた人間なのかな」(片岡)「サムは平川先生の大ファンで、先生と恋をする女優の弟でもあるんですけど。先生から聞く物語を再現してしまうことで物語が転がっていく役どころです。これが僕がやるサムだよっていう像を伝えられたら」(桑野)名だたるキャストが演じてきた本作。「(前作は)敢えて見ないようにしています。僕、影響受けやすいし、なぞってしまうかもしれないので。素直に台本を読んで演じることから始めてみるのが僕はよさそうだなって。きっと、初めて観る人もいれば、この作品を知っていて、役の重みも知っていて、比較して観る人もいると思うんです。でもそういうことを意識するより一生懸命やるだけだよね」(片岡)「そうですね。僕らでしかできないものって絶対あると思うので。そこは演出の岡本さんを信じてみんなで作っていきます。それがなにかの1ページになるように作っていけたらなと思っています」(桑野)「これまでとはまた別の、僕たちだけの『人間風車』を稽古で作っていきます。『人間風車』ってどういう意味なのかとか、わからないことも今はたくさんあるので。そういうのを全部舞台上で伝えられるように、届けられるように、がんばります!」(片岡)舞台『人間風車』は4月6日(水)から12日(火)まで、東京・六行会ホールにて。取材・文:中川實穗
2016年03月15日「僕たち、久しぶりの再会なんですよ」「6年ぶり」と笑い合うのは、片岡信和と桑野晃輔。4月に上演する舞台『人間風車 Jnapi produce』で重要な役を演じるふたりだ。ミュージカル『忍たま乱太郎』の初演(2010年)以来の共演となる。舞台『人間風車』チケット情報映画『パコと魔法の絵本』の原作者であり『ダブリンの壁つきカビ人間』でも知られる後藤ひろひとの代表作ともいえる本作。2000年には生瀬勝久、斉藤由貴、阿部サダヲら、2003年には永作博美、入江雅人、河原雅彦らと錚々たるキャスト陣で上演されてきた。その作品を若手俳優たちが演じたらどうなるのか――という挑戦から、オリジナルにアレンジを加え、従来とは異なる新しい生命を吹き込む。演出は朗読劇『私の頭の中の消しゴム』『しっぽの仲間たち』の脚本・演出を手掛ける岡本貴也。本作の主演、売れない童話作家・平川を演じる片岡。物語のキーパーソンで知的障害のあるサムを演じるのは桑野。「平川って終盤では友人や恋人に裏切られて、その憎しみのシナリオを勢いで書いたら現実になってしまうっていう人なんですけど。でもそれまではどこか幸せそうに見えるんですよね。楽しく生きていた人間なのかな」(片岡)「サムは平川先生の大ファンで、先生と恋をする女優の弟でもあるんですけど。先生から聞く物語を再現してしまうことで物語が転がっていく役どころです。これが僕がやるサムだよっていう像を伝えられたら」(桑野)名だたるキャストが演じてきた本作。「(前作は)敢えて見ないようにしています。僕、影響受けやすいし、なぞってしまうかもしれないので。素直に台本を読んで演じることから始めてみるのが僕はよさそうだなって。きっと、初めて観る人もいれば、この作品を知っていて、役の重みも知っていて、比較して観る人もいると思うんです。でもそういうことを意識するより一生懸命やるだけだよね」(片岡)「そうですね。僕らでしかできないものって絶対あると思うので。そこは演出の岡本さんを信じてみんなで作っていきます。それがなにかの1ページになるように作っていけたらなと思っています」(桑野)「これまでとはまた別の、僕たちだけの『人間風車』を稽古で作っていきます。『人間風車』ってどういう意味なのかとか、わからないことも今はたくさんあるので。そういうのを全部舞台上で伝えられるように、届けられるように、がんばります!」(片岡)舞台『人間風車』は4月6日(水)から12日(火)まで、東京・六行会ホールにて。取材・文:中川實穗
2016年03月15日日本を代表するタップの名手でもあり、演出家・振付家としても活躍する本間憲一が贈る、エンターテインメントショー『SHOWル・リアン』。村井良大、平方元基、青柳塁斗、大貫勇輔ら若手実力派たちと、本間の盟友でタップダンサーのHIDEBOH、元宝塚トップで現在は独自の個性で活躍中の女優・大空祐飛らベテラン陣とのタッグで綴る本作。さらに「雨に唄えば」「ショーほど素敵な商売はない」などスタンダードナンバーの数々を生演奏で盛り上げるのは、14歳の天才ピアニスト奥田弦だ。その内容について、本間と大空に聞いた。『SHOW ル・リアン』チケット情報舞台はヨーロッパの山中にたたずむ館〈ル・リアン〉。そこではオーナーであるMC(HIDEBOH)主催のライブが日々開かれていた。ある日、館を訪れた引っ込み思案の少年たくみ(松本拓海)は、ディーバ(大空)や出演するキャストたち、ピアニスト(奥田)らが繰り広げる華やかなステージに釘付けになる。オーナーのもとで研鑽中の次期MC(村井)が優しく見守るなか、たくみの心に変化が生まれて……。本間が本作へ込めたテーマは"絆"(フランス語でル・リアン)。往年のミュージカルの名曲を散りばめて未来へとそれをつなぎ、未来を担う若手スターへは、先人たちが培ってきたショーの精神を託したいという。「『サウンド・オブ・ミュージック』や『雨に唄えば』など名作ミュージカルの音楽は、聴くだけで楽しくなる曲がたくさん。だからこそスタンダードナンバーとして愛されているし、いま改めてそんな曲を盛り込んだショーを作りたいと思ったんです」という本間。往年のミュージカル映画には女優もタップを踏むシーンが多く登場するが、それは本作での大空も同様だ。「今まであまりタップの経験がなかったので、今回が初挑戦のようなもの。必死に練習しています」と笑いながらも、「スキップしながら怒れる人がいないように、タップを軽快に踏んで暗い気持ちになる人はいないのでは。そこに、本間さんの作る素敵なステージの秘密があるような気がします」と大空は話す。「村井くんや平方くんの、いつもとはちょっと違う表情を引き出したいなと思いながら脚本を書いたんですよ。大空さんにも、クールな雰囲気は大切にしつつ、伝説の(!?)『大空先生』のシーンを設けてみたりね」と本間がいたずらっぽく言うと、大空も「眼鏡をかけてビシビシいってみましょうか(笑)」と乗り気の様子。「ショーって華やかだったり笑えたり、出る人も観る人も皆がハッピーになれるもの。大人の方が観て楽しめるエンターテイメントを目指せれば」と話す大空に、大きくうなずいていた本間。魅力的なキャストたちがそろって放つショーの本番を、今から楽しみに待ちたい。公演は3月31日(木)から4月3日(日)まで東京・天王洲 銀河劇場、4月5日(火)・6日(水)大阪・サンケイホールブリーゼにて。取材・文佐藤さくら
2016年02月19日「竹中直人さんと芝居がしたい!」という生瀬勝久さんの熱意でスタートした竹生企画。旗揚げ公演となった、マンションに集う人々を描いた群像劇『ヴィラ・グランデ 青山』から4年。久々の第2弾『ブロッケンの妖怪』は、絵本作家と編集者がアイデアを得るために訪れた島が舞台のホラーコメディ。お二人にお話をうかがいました。* **生瀬:正直、この企画は1回だけで終わっちゃうんだと思っていたんです。そしたら今回、竹中さんのほうから、そろそろやりますかって声をかけていただいたんですよね。僕は、それがうれしくって。竹中:本当はもっと早くできたらと思っていましたが、なんだかんだで4年経ってしまって、ここでやらないと次がないだろうと思って。生瀬:4年って、何かあるのかもしれませんね。オリンピックも4年周期だし。前回のことを忘れるのと、新しいことを始める気持ちになるのと、ちょうどいいサイクルなのかも。竹中:そこはやっぱり、前回が楽しかったからだよね。芝居をしていた時間とか、その時に感じていた風とか、なんだかすごく心地よくて。生瀬:それはうれし~なぁ。竹中:その生瀬さんが、どんな芝居にするかは任せますって言うから、前回同様、脚本・演出を倉持裕さんにお願いしたんです。前回の山田優ちゃん、今回の佐々木希ちゃんと、初舞台の女優さんたちを引っ張り込んでいるのも僕だし。生瀬:僕は、竹中さんと芝居がしたいだけなんで、他のことはお任せしています。竹中:あの、倉持君が描く、世界観が好きでね。生瀬:倉持君の作品って、覗き見のような面白さがあるんですよね。例えば、喫茶店で隣のカップルが喧嘩しだした時の、彼らの素性を知らないからこそ面白がれる、あの感じ。ただ、舞台ではいきなりそれが始まるから、観てる人は、会話を通して得られる情報から必死に状況を理解しようとする。その時点で倉持君の罠に引きずり込まれているんだけど。竹中:演じてる僕自身も、分からないまま演じています(笑)。生瀬:僕もそう(笑)。意味を考えてバランスをとっていくのは、作家であり演出家や監督の仕事であって、俳優は、台本どおりにセリフを言えばいいんですよ。そのほうが現場も波風が立たずに進んでいくし。竹中:僕も、言われるがまま。何も考えずやっています。生瀬:僕、竹中さんの、周りに合わそうとしない芝居が好きなんですよ。時々、本当にすっとぼけた顔をする時があって、それが面白くって。竹中:照れるな(笑)。生瀬君とやってると、想像もできない何かが生まれるような気がします。大体、生瀬君って独特の顔してるでしょ。それが本当に凄くて。しかも今回、そこに希ちゃんが参加するのも面白いし。お人形のような美しさがあるんだ。生瀬:生なのにお人形さんみたいって、それだけで凄いですからね。竹中:希ちゃんってすごい独特で、今回声をかけさせていただきました。前回の山田優ちゃんもそうだけど、舞台馴れしてない女優さんを誘うのって、やっぱり覚悟がいるし、責任も感じるからね。でも、その緊張感っていうのもいいんだよね。生瀬:ぶっちゃけて言うと、竹中さんも僕も、この舞台をやらなくったって、生活はしていける。でも、だからこそ純粋に芝居がやりたくてやってるとも言える。大人の俳優さんがやるいい芝居を、多くの人に観ていただきたいんですよ。竹中:今回はホラーコメディなんで、きっと怖くて笑える舞台になっていると思いますよ(笑)。◇なませ・かつひさ’60年、兵庫県生まれ。11月よりスタートする関東ローカルの深夜ドラマ『危篤スルー』(NTV)に主演。スペシャルドラマ『必殺仕事人2015』の放送も控える。たけなか・なおと’56年、神奈川県生まれ。出演ドラマ『海に降る』(WOWOW)が現在放送中。11月には『びったれ!!!』、12月には『海難1890』と出演映画の公開も相次ぐ。◇とある孤島の洋館を訪れた絵本作家と編集者。彼らの目的は、霧の濃い日にだけ海の上に洋館の影が現れるブロッケン現象の取材。そこに島の住人たちの思惑が絡み合っていく。10月30日(金)~11月1日(日)/北千住・シアター101011月12日(木)~29日(日)/日比谷・シアタークリエ作・演出/倉持裕出演/竹中直人、生瀬勝久、佐々木希、大貫勇輔、安藤聖、田口浩正、高橋惠子全席指定9000円(税込み)東宝テレザーブTEL:03・3201・7777(9:30~17:30)広島、大阪、静岡、名古屋、福岡、鹿児島、鳥取、新潟、岩手、栃木公演あり。※『anan』2015年11月4日号より。写真・中島慶子インタビュー、文・望月リサ
2015年10月28日個性派俳優、竹中直人と生瀬勝久のふたりによる“竹生企画”第二弾の舞台『ブロッケンの妖怪』の稽古が進行中。開幕まで3週間あまりとなった10月上旬、その稽古場が公開された。【チケット詳細はこちら】4年前の竹生企画第一弾と同じく、人気劇作家の倉持裕が作・演出を手がけるこの舞台。“ホラーコメディ”と銘打たれるだけに、笑いと怪奇が交錯する倉持ワールドと、竹中、生瀬らの無類の個性がいかに絡み合うのか、期待は自ずと高まっていく。静やかな緊張感が漂う稽古場。竹中、生瀬両氏がその通る声で場の空気を牽引しながら、同作が初舞台となる佐々木希を気遣い、さりげなく手引きする場面も見受けられた。舞台は孤島にぽつんと一軒建つ、大きな洋館。竹中演じる絵本作家の打越と、生瀬演じる編集者の黒柳、打越の恋人の桃(安藤聖)は、この島の“ブロッケン現象”──霧の濃い日に洋館の影が霧に映り、海の上にもうひとつの洋館が現れる現象を取材に来た。ここに暮らすのは、高橋惠子、佐々木希が演じる虹子と小真代という母娘。そこに使用人の稲井(大貫勇輔)と生活必需品を運ぶ船乗りの泊(田口浩正)が加わり、役者が揃う。洋館の一室にまず現れたのは竹中と佐々木。見慣れぬ光景に好奇心いっぱいの竹中と、何か秘密がありそうな佐々木。お互いの正体を探りながらの、可笑しなやりとりがひとしきり続く。「会話をするなかで、だんだんに」と、ふたりの接近を促したり、きっかけを定めたりと、倉持の緻密な指示で徐々に物語の焦点が明白に。いっぽうで、互いに一歩もひかない生瀬と安藤の激しい台詞の応酬に、ぐいぐいと引き込まれる。そして高橋が登場、ドラマは一気に動き出す。美しく上品ながら、何か隠しごとがありそうな彼女、良好とは言えない母娘関係、亡き夫のこと、小真代に対する稲井の使用人らしからぬ強気な態度、そして、霧の中に現れたもうひとつの洋館──と、ホラーへと突き進む要素が次々と示される。場面変わって外は嵐に。暴風雨の中、必死に進もうとする大貫の体当たりのダンスでコメディ感は高まるも、打越の行方不明が発覚。虹子は彼らの滞在が約束の期限を過ぎていると苛立ちを見せ、緊迫感は徐々に増していく。黒柳が彼女を問い詰めるも、謎は深まるばかり。打越はどこへ?霧の中に現れるもう一軒の洋館の秘密とは──。実力派強力タッグが紡ぎ出す、手に汗握る展開が期待される。10月30日(金)より11月1日(日)まで東京・シアター1010にて。その後全国各都市で上演予定。チケットは発売中。取材・文:加藤智子
2015年10月21日竹中直人と生瀬勝久がタッグを組む「竹生企画」が4年ぶりに第二弾を放つ。前回に続き倉持裕を作・演出に迎えて挑戦するのは、『ブロッケンの妖怪』なるホラーコメディ。これが初舞台の佐々木希をはじめ、大貫勇輔、安藤聖、田口浩正、高橋惠子らとともに、笑いと怪奇の不思議な世界を作り上げる。超個性派のふたり、今度はどんな激突を見せるのか。舞台『ブロッケンの妖怪』チケット情報そもそもは、「竹中さんの芝居が好きで、憧れの人とぶつかりたかった」という生瀬のラブコールから始まった「竹生企画」。受けて立った竹中にとっても、「お互いに馴れ合いにならず、心地いい緊張感を持って静かに戦えた」場となったそうだ。実際、「もう1回、もう1回と繰り返していくうちに感情が動く瞬間がある稽古が好き」という竹中に対し、生瀬は「繰り返すよりも早く舞台に上げる形を見つけたい」と、ふたりは考え方も異なる。しかし、「違うから良かった」と竹中が言えば、生瀬も「すごく仲良くなったわけでもないんですけど(笑)、竹中さんという存在は唯一無二。絶対またやりたかった」と、さらなるタッグを望むようになったと話す。そうして立ち上がった第二弾は、洋館が1軒だけ建つ孤島が舞台。そこで、ブロッケン現象で霧に映ったもうひとつの洋館が日に日に近づいてくるという物語が展開していく。第一弾に続いて作・演出を担うのは、「あの何とも言えない不思議な世界がたまらなく好き」と竹中が依頼した倉持裕。「今回も演劇でしか表現できない不思議なエンターテインメントになると思う」と生瀬も期待を膨らませる。さらに、「生瀬くんと僕でホラーコメディをやるなんて、『ヴあああ~!』っていう恐怖の顔合戦がすごいことになるんじゃないかと思う(笑)」と竹中が楽しそうに言うと、「僕、そういうテンションを上げることを良しとする先輩たちの考え方が、今すごく大事だと思うんです。ギリギリでやるっていうことがやっぱり美しいと思う」と生瀬が力強く応えた。今回の物語がホラーコメディになったのは、実は、ホラー映画マニアの竹中の声が発端。自分たちで立ち上げた企画だからこそ、何ものにもとらわれず、やってみたいことに、やってみたい人を呼んでトライできる。「とにかくすごい芝居になる予感がする」と竹中。そして、「2回目が勝負。面白いことやってるらしいよと噂になって、3回目を期待してくれる人が増えたら」と生瀬。純粋に、自由に、ふたりの俳優が舞台に取り組む。10月30日(金)より東京・THEATRE1010を皮切りに、全国で公演。取材・文:大内弓子
2015年09月09日宮尾俊太郎(バレエ)×大貫勇輔(コンテンポラリーダンス)×尾上菊之丞(日本舞踊)×藤原道山(尺八)×SINSKE(マリンバ)による『Clementia』が上演に。昨年、大貫がSINSKEと共演した公演の第二弾で、今回は構成・演出・振付に川崎悦子を迎え、スケールアップした舞台となる。『Clementia』チケット情報大貫は「昨年の『Clementia』は、マリンバ奏者のSINSKEさんの1対1で踊りたいという思いで始めました。1回で完結させるつもりでしたが、あまりに楽しかったので続けたくなって」と振り返る。その彼が共演を切望したのが宮尾だ。大貫と宮尾は、2013年のミュージカル『ロミオ&ジュリエット』で同じ「死」の役を踊って以来、互いの舞台を観に行く仲。宮尾は「ここ数年、自分が培ったものとは違う環境にも身を置いてみたいと思っていたんです。前回の『Clementia』を観た時、演奏者とダンサーが飾りのない丸裸の状態で舞台を成立させていて、こういうことをしたいと感じました」と語る。今回は舞台でのナレーション、和の音楽での踊りなど、宮尾にとって初挑戦尽くしだ。公演は二部構成。第一部は物語仕立てで、昔話『桃太郎』を5人全員のコラボレーションで上演。第二部はオムニバス形式で、柳本雅寛振付『ボレロ』のほか、ミュージカル『ロミオ&ジュリエット』の曲を用いたダンス、5人でのインプロビゼーションなど新しいコラボレーションに挑む。取材日、稽古場では川崎の指導の下、第一部の稽古が行われていた。キジ役の宮尾が華麗な跳躍や回転技を披露したかと思えば、帽子をかぶったイヌ役の大貫がセクシーなジャズダンスやブレイクダンス風のフロア技を決める。なお、菊之丞がサル役、道山が鬼役となり、桃太郎役は、基本的にはSINSKEが担うほか、大貫が幼少期、宮尾が青年期を表現することもあるという。さらに稽古は第二部の『ボレロ』へ。互いの身体を支点に展開していくコンタクト的な動きが柳本らしい。Kバレエカンパニーでプリンシパル・ソリストを務めるほか、昨年生まれたカンパニー内のグループ“Ballet Gents”では座長として演出・振付を手がける宮尾。「Kバレエでは古典で自分が感じていることやキャリアに応じた表現を追求し、Gentsでは一歩引いたところから踊り全体を俯瞰するという経験をし、今回のような外の舞台で刺激を受ける。とても充実しています」。一方、大貫は「昨年、ラスタ・トーマス率いる“Bad Boys of Dance”の『ロミオ&ジュリエット』ドイツ公演に参加して、すごいダンサーがたくさんいることを肌で感じたり、今年、『アドルフに告ぐ』で演出家の栗山民也さんや素晴らしい俳優陣とお仕事をしたりする中で、色々と考えさせられたことが、この企画に繋がっています。異ジャンルのクロスオーバーを重ねて、いつか日本発のカンパニーとして世界に持って行きたい」とする。出演者たちの今が交錯する『Clementia』に注目だ。公演は9月12日(土)・13日(日)東京・天王洲 銀河劇場にて。取材・文:高橋彩子
2015年09月01日長い手足を使ってスピンし、優雅にセクシーに踊りまくる。史上最年少でそんな“踊るフック船長”を、昨年、ブロードウェイミュージカル「ピーターパン」で魅せた、ダンサーの大貫勇輔。今年は初の連続ドラマにも出演し、注目を集めた彼が、再び、「ピーターパン」で大暴れする。役にかける思いを聞いた。ブロードウェイミュージカル「ピーターパン」チケット情報「昨年一年間、歌と芝居をみっちり勉強して、両方とも進歩したと思います」と、自信をみせる。昨年の取材時には、「歌は課題で特訓中」と話していたが、「前よりは少し自信はつきました。でも、あるオーディションで『もっと聞いていたくなるような歌声を目指して』といわれて。歌を歌うのに精いっぱいでそこまで考えたことがなかった。感動させる歌声というステップに上がろうと奮闘しています」。「ピーターパン」では、一人二役で、ウェンディの父親ダーリング氏も演じる。フック船長としてはワイルドに、一方、ダーリング氏としては、飼い犬を追いかけながらゆるいテンションで踊ったりと、何の苦労もなく二役をこなしていたように見えたが、「実は、これまでの人生で一番キツイ舞台でした(笑)。とくに、フック船長での殺陣のシーンは、重い衣装とカツラを身に着けたまま、歌って踊り、えらそうにセリフを言わなくてはいけない。ゼーハーゼーハーと息をしたいのを我慢して演じているので、舞台裏では倒れ込んでいたんです(笑)」。また、ピーターパンと戦うシーンでは「子どもたちから『やめてー!』と声がかかり戸惑い、セリフが飛んだことも(笑)。今年はもっと余裕を持って自然にセリフを返したいですね。それに、僕は『アンパンマン』を見ていても、バイキンマンを応援するひねくれた子どもだった(笑)。怖いけど子どもたちにマネされるフック船長が目標です」。今年はドラマ「セカンド・ラブ」に出演し映像でも活躍。「今まで歌うポジション、歩き方のポジションなど、ダンサーの立場から演技をしていた。今の演技のままでは、内面の動きが足りないことを実感。心のポジションを確立しないことには、いい演技はできないと感じました」。芝居の面白さにさらにはまり「早く『ピーターパン』で実践したくてたまらない」という。その表情や姿勢は、グングンと伸びていく新芽や木々を思わせる。「アダム・クーパーやヒュー・ジャックマンのような何でもできるエンターテイナーになるのが夢。目の前のことをひとつひとつ大切にこなせば、いつかたどり着けると思うんです」。大きく成長した彼を目撃してほしい。ブロードウェイミュージカル「ピーターパン」は、7月20日(月・祝)から30日(木)まで東京・東京国際フォーラム ホールC、8月2日(日)には大阪・梅田芸術劇場 メインホールにて上演。東京公演のチケットは発売中。大阪公演は5月30日(土)の一般発売に先駆け、5月17日(日)23:59まで先行先着「プリセール」実施中。取材・文:米満ゆうこ
2015年05月14日2010年の初演より再演を重ね、今回が7度目となる『朗読劇 私の頭の中の消しゴム 7th letter』。キャストはひと組の男女のみ、自分の日記を互いに読み合う形で展開するラブストーリーは、会話のリアルさから結末まで一気に引き込まれると評判だ。毎回各ジャンルから集結したキャストの役替わりでも楽しめる本作。4月28日の初日は、鈴木拡樹と竹達彩奈コンビで幕が開いた。『朗読劇 私の頭の中の消しゴム 7th letter』チケット情報建築現場で働く浩介(鈴木)は、ある事情から人生を諦めた日々を送っている。仕事先で出会ったアパレル会社に勤める薫(竹達)のことも、最初はうとましく思うばかり。だが"苦労知らずのお嬢様"に見えた薫の強くまっすぐな優しさに、浩介は次第に惹かれてゆく。家庭環境の違いによる誤解も乗り越え、ようやく結ばれたふたり。だが幸せな生活を送る薫を病魔が襲う。医師から告げられた病名は「若年性アルツハイマー病」。泣きながら「私に頭の中には消しゴムがあるの」と言う薫に、浩介はある決意を……。舞台版『弱虫ペダル』シリーズでも活躍中の鈴木と、声優として絶大な人気を誇る竹達。フレッシュなコンビながら、いずれも豊かな声量としっかりしたセリフ回しが共通点だ。それだけに、芝居が始まってすぐに、浩介と薫というキャラクターが強い輪郭をもって舞台に立ち現れた。不器用だが性格に裏表のない浩介と、多少フワフワしているが芯はしっかり者の薫。その人物像が鈴木と竹達に重なり、ふたりのテンポよく進むセリフのやりとりには客席からはたびたび笑いが起こった。浩介が現場の親方や後輩の言葉を再現するシーンでは、声音での演じ分けに劇場が笑いの渦に包まれるひと幕も。空気が一変したのは、薫が病名を告知されたシーンから。可愛らしい容姿と声で薫そのものといった雰囲気の竹達の表情が、ガラリと変わる。伸びやかな声はかすれがちになり、眼差しには絶望がにじむ。流れる涙もそのままに、薫の心の動揺を繊細に語っていく竹達の姿に客席からはすすり泣きがもれた。そんな薫に向き合うことになる浩介像は、演じる者によってさまざまに異なってくる。鈴木が演じる浩介は、誰にもぶつけられない怒りが前面に出て、竹達扮する静かなたたずまいの薫とはいっそう対照的だ。だが終盤、記憶を失った薫の心に触れた時……。鈴木の、またそれぞれのキャストが演じる浩介はどう変化するのか。その姿はぜひ、劇場で確かめてほしい。『朗読劇 私の頭の中の消しゴム 7th letter』は5月6日(火・祝)まで東京・天王洲 銀河劇場にて。当日引換券は各公演日前日まで発売中。5月1日(金)加藤和樹×安倍なつみ/山口大地×小清水亜美5月2日(土)鈴木拡樹×竹達彩奈/下野紘×藤澤恵麻5月3日(日)下野紘×藤澤恵麻/大貫勇輔×高垣彩陽5月4日(月)日野聡×愛原実花/大貫勇輔×高垣彩陽5月5日(火)玉城裕規×岡本玲/廣瀬智紀×増田有華5月6日(水)玉城裕規×岡本玲取材・文佐藤さくら
2015年05月01日2010年の初演より、その衝撃的な内容とピュアなラブストーリーで人気を呼び、これまで6度の再演を繰り返している『朗読劇 私の頭の中の消しゴム』。毎回複数のキャストによる日替わり上演も見どころで、7度目の再演となる今回も各ジャンルから多彩な顔ぶれが揃った。中でも高垣彩陽は、昨年6月に続いて2度目の出演。人気声優としてだけでなく、ガールズグループ「スフィア」やソロでの歌手活動でも多くのファンを魅了している高垣。近年は女優活動でも着実に成果を示している彼女に、話を聞いた。『朗読劇 私の頭の中の消しゴム 7th letter』チケット情報建築現場で働く浩介は、人生に疲れた日々を過ごしていた。そんなある日、仕事を通してアパレル会社に勤める薫と出会う。最初は"苦労知らずのお嬢様"と薫を見ていた浩介だったが、毎日のやりとりを経て、生来の明るさと素直さをもつ薫に惹かれてゆく。行き違いも乗り越え、ようやく結ばれた2人ふたり。だが幸せに包まれた生活に、少しずつ影がしのび寄る。薫に告げられた病名は「若年性アルツハイマー病」。浩介のことを想うがゆえに離れようとする薫だったが…。「昨年の本番は2回だけだったんですが、それから今まで、日常生活でも(自分の演じた)薫や浩介のことをよく思い出すんです」と高垣は言う。「それは出演するより前に、いち観客としてこの舞台を観た時から始まっているんですけど…。“あのシーンはこういう意味だったのかな”とか、"ああいうセリフがあったなぁ"とか、1回観ただけで心の中に深く刻み込まれていたんです。だから演じる側になって、再び出演が決まったとき、舞台上でしか得られない"薫の幸せ"をもう一度味わえるんだ!というのがまず嬉しかったです」と、本作への並々ならぬ想いを語る。続けて「物語は浩介と薫の日記形式で進んでいくのですが、日記って誰にも見せないものだから、その時々のリアルな気持ちがそのままあふれ出ているでしょう。それが観客としても演者としても深く共感できる理由なのでは」と、朗読劇ならではの魅力も話してくれた。小柄でキュートな容姿と確かな実力とを兼ね備える声優として活躍中の高垣だが、実は高校生の頃からミュージカルファン。少しずつ女優活動も増えており、昨年は堤幸彦監督が演出した舞台でベテラン俳優たちにも負けない存在感を示した。「今、もっともっと舞台に立ちたいという気持ちが強くなっていて。それはアニメ『ガンダム Gのレコンギスタ』に出演した時、富野由悠季監督とお話しする中で改めて感じたことなんです。生身でやるお芝居が声優の演技に役立ったりと、私にとって声優と女優のお仕事は、互いに影響し合っているもの。今後も、両方の世界での活動を続けていきたいです」『朗読劇 私の頭の中の消しゴム 7th letter』は4月28日(火)から5月6日(火・祝)まで東京・天王洲 銀河劇場にて。高垣は5月3日(日)夜・4日(月・祝)夜公演に大貫勇輔とともに出演。取材・文佐藤さくら
2015年04月17日佐々木希の初舞台が決定、今年10月下旬より東京・シアタークリエ他で上演する舞台『ブロッケンの妖怪』に出演する。同作は人気個性派俳優・竹中直人と生瀬勝久がタッグを組む「竹生企画」の第2弾。2011年の第1作『ヴィラ・グランデ 青山~返り討ちの日曜日~』に続き、人気劇作家・演出家の倉持裕を迎え新作を上演する。舞台『ブロッケンの妖怪』チケット情報佐々木は「私が舞台に立つ日がくるなんて、夢にも思いませんでした。今からとてもとても緊張しております。お芝居もまだまだ未熟な私ですが、竹中さん、生瀬さんを始めとするキャストの皆様から沢山の事を吸収したいと思います。竹中さんとは私の連ドラ初出演の時にご一緒でき、今回の初舞台でも共演させて頂けることにご縁を感じています。尊敬する多才な方ですが、撮影の合間は、お茶目で気さくで魅力的で、またお会いできると思うと楽しみです。生瀬さんとは最近バラエティ番組の収録現場でご一緒させて頂き、周りの方とも自然にコミュニケーションを取っていらして、優しくて素敵な方だと感じました。稽古場でもたくさんお話しできたらと思います」と初舞台に期待を寄せている。作品は霧に包まれた孤島を舞台に笑いと怪奇が交わる、倉持の新作ホラーコメディ。竹中と生瀬は孤島へ取材にやって来た絵本作家と担当編集者という役どころだ。ふたりはそれぞれ「再び生瀬さんと舞台を共にすることは もう今から怖いです。ますますパワーアップした生瀬さんが目を剥いて迫ってきそうで……。何とか踏ん張って受け止めようと思っています。今回倉持さんの描く世界は ホラーという事でホラーが大好きな僕は今からかなりテンションが上がっています!!佐々木希さんは昨年のドラマで共演させて頂き 無限の可能性を感じました。きっとコメディセンスも持っている女優だと思うのでかなり期待しています。初舞台だからと恐れず思い切って演じて欲しいと思っています。」(竹中)、「竹生企画は私からのラブコールで始まった企画ですので、また全力で先輩の胸をお借りして、素敵な舞台を創りたいと思っています。作・演出の倉持さんには全幅の信頼を寄せています。あとは作品を俳優がどのように具現化するのか、それにつきますので、気を引き締めて頑張ります。佐々木希さんの初舞台については、同じ俳優ですので偉そうなことは言えませんが、舞台を好きになって頂きたいです」(生瀬)とコメントを寄せている。舞台は10月下旬より東京・シアタークリエ、シアター1010他、全国各都市で公演予定。出演は他に、大貫勇輔、田口浩正、高橋惠子。東京公演のチケット一般発売は9月を予定。
2015年04月14日ドラマや映画、バラエティなど多方面で活躍する女優・佐々木希が、竹中直人と生瀬勝久が出演する「ブロッケンの妖怪」にて、待望の舞台デビューを果たすことが明らかとなった。2011年、竹中さんと生瀬さんが舞台で激突し話題となった「竹生企画」第一弾「ヴィラ・グランデ青山~返り討ちの日曜日~」から4年。屈指の超個性派俳優でありクリエイターでもある二人が本作で再びタッグを組む。物語の舞台は孤島。絵本作家の打越(竹中さん)、担当編集者の黒柳(生瀬さん)は小さな孤島を訪れる。打越には放浪癖と浮気性があり、心配する打越の恋人もやって来た。森と砂浜、そして大きな洋館がぽつんと一軒建っているだけの孤島。その洋館には、虹子(高橋惠子)という女と娘の小真代(佐々木さん)、使用人の稲井(大貫勇輔)が暮らしており、生活必要品は船乗りの泊(田口浩正)が本土から運んでくる。打越たちはこの島で目撃される「ブロッケン現象」を取材しに来たのだった。霧の濃い日に、洋館の影が霧に映り、海の上にもう一つの洋館が現れるのだという。謎めいた母娘の住む洋館、そして日に日に近づいて来るもう一つの洋館の影。打越はふとある日、その洋館の影にあるものを見つけ…。それぞれの思惑を巻き込みながら、霧に包まれた孤島で不思議な物語が展開する。前作に続き人気作家・演出家の倉持裕を作・演出に迎え、バラエティ豊かなキャストが集結。ドラマや映画、CMなどで美しさを遺憾なく発揮し、女子たちからの絶大な人気を誇る佐々木さんが初舞台を踏むのも本作の見どころのひとつだ。さらにはミュージカル「ピーターパン」のフック船長役や、舞台「アドルフに告ぐ」への出演決定など、舞台や映像で着実なキャリア重ねている大貫勇輔、前作に続き出演の田口浩正、竹生企画初参加となる高橋惠子と、個性豊かなメンバーが名を連ねた。佐々木さんは「私が舞台に立つ日がくるなんて、夢にも思いませんでした。今からとてもとても緊張しております。お芝居もまだまだ未熟な私ですが、竹中さん、生瀬さんを始めとするキャストの皆様から沢山の事を吸収したいと思います」と意気込みを語り、初舞台を心待ちにしている様子。そんな佐々木さんに対し、“先輩”となるお二人は「きっとコメディセンスも持っている女優だと思うのでかなり期待しています。初舞台だからと恐れず思い切って演じて欲しいと思っています」(竹中さん)、「同じ俳優ですので偉そうなことは言えませんが、舞台を好きになって頂きたいです」(生瀬さん)とエールを送った。公演は、10月下旬より、東京・シアタークリエ、シアター1010ほか、全国各都市公演を予定。<公演概要>「ブロッケンの妖怪」作・演出 倉持裕出演:竹中直人生瀬勝久佐々木希大貫勇輔田口浩正高橋惠子主催:東宝株式会社株式会社キューブ公演日程:2015年10月下旬~12月中旬シアタークリエシアター1010ほか各地公演予定。東京公演チケット一般発売:9月予定(text:cinemacafe.net)
2015年04月14日アナ スイ(ANNA SUI)15SSアジア版のシーズンビジュアルが公開された。今シーズンは同ブランド初となる男性モデルを起用。これまで同ブランドのシーズンビジュアルには、ニューヨークコレクションのショーに登用した女性モデルをセレクトしてきた。今回初の男性モデルに抜擢されたのが国内外で活躍するダンサーで、近年は俳優としても活躍中の大貫勇輔。ストリートダンスからバレエまで様々なジャンルのダンスをしなやかに踊る長身の大貫に白羽の矢が立った。撮影はデザイナーのアナ・スイの立ち会いのもと、昨年末ニューヨークにある「エレクトリック・レディ・スタジオ(Electric Lady Studios)」で行われた。シューティングが行われた同スタジオは1970年代にジミ・ヘンドリックスが「世界中からミュージシャンが集まり、音楽という共通の言語を一つ屋根の下で録音して欲しい」という願いを込めてオープンした伝説的なスタジオ。今シーズンのアナ スイには、アナが敬愛する60年代、70年代のロックスターたちへのオマージュともいえる華やかな雰囲気のアイテムも多い。ランウエイでも、蝶デザインに加え、星モチーフやメタリックなテキスタイルなど、サイケデリックな色彩でその時代の雰囲気を彷彿させた。その世界観をそのままにフォトグラファーにエマ・サマートン (Emma Summerton)を迎え、シーズンビジュアルが撮影された。アナとニューヨークで言葉を交わした大貫は「ニューヨークで海外のスタッフに囲まれての撮影は緊張もありましたが、アナ・スイ氏はじめ一流のスタッフの方々と、歴史あるレコーディングスタジオでの撮影はすごく貴重な経験になりました。幸せなシューティングでした」とコメント。来年日本上陸20周年を迎えるアナ スイの新たなシーズンローンチに注目だ。
2015年02月18日高岡奏輔が主演する舞台『悪』が1月28日、東京・紀伊國屋ホールで開幕。高岡をはじめ、陳内将、西丸優子、川上ジュリア、青柳塁斗、羽場裕一ら出演者は開幕直前に同劇場で会見を開いた。舞台『悪』チケット情報ある大学の研究室が「世紀の大発見」を記者会見で発表。その陰で、研究者のひとり“リケジョ”をめぐる感情のもつれから「大発見」を使った殺人が計画される…。高岡は、世紀の発見をした研究室で助手を務める野心家の大学院生役。「台本を読んだら、羽場さんや青柳君、西丸さんたちと比べて専門用語が少なくて『楽だな』と思ったのですが、それがとんでもなかった」と役作りの苦労を話しながら「年末から稽古を始めて、ようやくこの日を迎えることができた。初日からバタバタではありますが、しっかりいいものをお届けしたい」と意気込んだ。公演は2月8日(日)まで。チケット発売中。
2015年01月29日絶世の美青年ドリアン・グレイが、美貌の衰えを恐れるあまり悪事に手を染め、転落していくさまを描いたオスカー・ワイルドの小説『ドリアン・グレイの肖像』。その舞台化に、バレエ『白鳥の湖』の主人公を王子に置き換えて男性ダンサーが演じる“白鳥”との愛の行方を描いた大ヒット作『スワン・レイク』の振付・演出で知られるマシュー・ボーンが挑んだ。2008年の英国での初演から5年、男同士の過激なシーンから「R15」と噂されるその舞台が、いよいよ7月に幕を開ける。ボーンの主宰するカンパニー〈ニュー・アドベンチャーズ〉に所属し、本作でもタイトルロールを務めるリチャード・ウィンザーに話を聞いた。マシュー・ボーンの『ドリアン・グレイ』チケット情報本作では時代設定を19世紀から現代に置き換え、ドリアンの“美”を形に残そうとする友人のバジルも画家からカメラマンに、彼らを取り巻く環境は貴族のサロンからショービズの世界へと翻案されている。「今は誰もがセレブリティの行動や服装を追いかける、クレイジーな時代だよね。その他の美しい物もメディアを通して供給されるから、追いかけられている本人は人間的で大切な部分がだんだんわからなくなるところがある。原作に描かれているドリアンの焦燥感も、このように翻案されることで観客によりリアルに伝わるんじゃないかな」近年ではストレートプレイや映画にも出演しているウィンザー。自身もセレブリティ=ドリアンの気持ちが分かるのではと尋ねると、気さくな笑顔と共に「僕は違うよ」との答えが返ってきた。「道でファンに声を掛けられることもあるけれど、いつも自然体で応えているよ(笑)。外面を取り繕うより、知識と経験を積み重ねていくほうが僕は好きなんだ。だからドリアン役を演じるときも、役に入り込むというよりは彼を“アンチヒーロー”としてとらえるようにしている。ドリアンがどう考えているかより、周囲の人物たちの目には彼がどう映っているか、さらにはその様子を見て観客がどう感じるかということのほうが、この舞台では重要なんだ」今回の日本バージョンでは、メインの3役は日本と英国のそれぞれダブルキャスト。ウィンザーとのダブルキャストは、オーディションでドリアン役を勝ち取った新鋭・大貫勇輔だ。オーディション会場では、ウィンザー自ら振付を教えたという。「勇輔は最初から気合いがものすごく伝わってきた。彼のことを深く知るのはこれからだけど、稽古場で一緒にレッスンするのが楽しみだね。その他のメンバーも全員日本人だけど、国籍の違いなんてまったく気にならないよ。お客様には、ダークで美しい舞台と日英キャストのダンスの共演をぜひ観に来てと伝えてほしいね(笑)」公演は7月11日(木)から15日(月・祝)まで。チケット発売中。取材・文:佐藤さくら
2013年06月11日元宝塚トップスター、水夏希が主演する舞台『SHOW-ism IV「TATTOO 14」』の公開稽古が4月25日、都内にて行われた。SHOW-ism Ⅳ「TATTOO 14」チケット情報はこちら作・演出を手がける小林香が、新しいショウの形を目指し作るシリーズ「SHOW-ism」。これまで3度上演された人気シリーズの第4弾には、水をはじめ、シルビア・グラブ、高良結香、Jennifer、Miz、今枝珠美、保坂知寿という個性豊かでカッコいい7人の女優が結集する。7人が紡ぎだすのは、孤児として育った血の繋がらない7人の姉妹の物語。アメリカを舞台に、ショー・コンテストの本選出場権を獲得しながら、次女・ビーが起こした事件のために自然消滅した姉妹のショー・カンパニー「TATTOO 14」。様々な思いを抱えつつ、彼女らはナッシュビルからサンフランシスコまでをオンボロ車で移動し、ふたたびコンテストを目指す……。この日の稽古では、それぞれが自己紹介をしていく冒頭早々のシーンと、後半に組み込まれた1シーンを披露。ともに椅子やステッキを使ったクールなダンスシーンで、出演者たちは動きやポージングを入念に確認。決めポーズの連続のようなダンスは、どこを切り取ってもカッコいい。姉妹たちの愛情や、それぞれが抱える孤独などをセンシティブに描きながらも、今までのシリーズ同様、ショー的要素が存分に組み込まれた飽きさせない内容であることを伺わせた。次女・ビーを演じる水は「宝塚を退団してから、こんなに歌と踊りがたくさんある作品に出るのは初めて。トップの時もこんなにたくさん歌ったり踊ったりしたことはないです」と苦笑。また「退団してから、(男役からの)性転換の一貫として(笑)、女性の研究をしていますが、今回のカンパニーは女性率が高く、何をもって女性というかなどを考えています。新しい女性像を模索していきたい」と意気込みを語った。シルビア・グラブも「かっこいいナンバーを、めちゃめちゃ歌ったり踊ったりします!」と力強くアピール。またブロードウェイのカンパニーで『コーラスライン』や『RENT』に出演、映画『ブロードウェイ♪ブロードウェイ』でも大きく取り上げられていた高良結香は「マイカントリーでこんな風にパフォーマンスするのは初めてなので、とってもとっても楽しみ」と笑顔でコメント。さらに作・演出の小林が「死ぬほど歌い踊り、芝居もあり、ものすごく大変な舞台になっていますが、プロフェッショナルな方ばかりで素晴らしい作品が出来つつあります。女子のみで稽古していますので、女子校のノリで稽古場もエンジョイしつつ、本番もその勢いでパワフルに踊ってもらいます」と自信を覗かせた。カッコいい女性たちがパワフルに作り上げる舞台に期待したい。公演は5月17日(木)・18日(金)に兵庫県立芸術文化センター 阪急 中ホール、5月21日(月)から25日(金)まで、東京・SHIBUYA-AXにて。チケットは発売中。なお、公演には日替わりでこれまでの『SHOW-ism』シリーズに出演した大貫勇輔、彩吹真央、井上芳雄、中川晃教、知念里奈がゲスト出演する。
2012年04月26日