#MeTooが話題となり、海外では今まで言えなかったセクハラや男性からの圧力にもフォーカスが当たるようになった今日この頃。でも、日本はどうでしょうか。今回は、anan世代の女性たちに、セクハラ体験について赤裸々に語っていただきました! 衝撃な実話をご紹介します!文・オリ子【アンアン総研リサーチ】2人に1人がセクハラを受けた経験あり!anan総研調べ今回のアンケート結果によると、2人に1人の女性が、なんらかのセクハラを受けた経験があると告白してくれました! 街中で考えても、2人すれ違った女性のどちらかがセクハラという嫌な経験を持っていると思うと、衝撃の結果ではないでしょうか。anan総研調べセクハラを受けたと答えた女性のうち、その半数以上が職場の上司からと告白! 毎日顔を合わす相手だからこそ、被害を受けた女性たちは、かなり辛い思いをした、もしくはしていることと思います。また、そのほかを選んだ方の回答では、通りすがりの人、合コンで会った人、などがありました。男たちに知ってほしい! こんなこともセクハラになるのです!上司編:ダイレクトなボディタッチ以外にも、あんなことも勘違いの原因になってます!「あっちはどれくらいご無沙汰なの? と聞かれた」(31歳・自由業)「アポ行ってくるねと頭をポンポンされた」(25歳・その他)「俺とヤレばいい仕事を振ってやると言われた」(33歳・その他)「仕事中手を握られたり、肩のマッサージをされたり」(34歳・専門職)「社長にキスされた」(28歳・その他)「パソコンのキーボードでいつも手が触れ合う。上司というより同僚的な立場な人ですが、正直ほぼ毎日は気持ち悪いし、もう少しパーソナルスペースを考えてほしい」(32歳・会社員)「隣に座ると必ず太ももを触ってくる。あと彼氏との営みを聞いてくるし、耳に息をかけられた」(27歳・専門職)「自分のあそこをよく揉んでおり、その手で仕事してる……」(32歳・専門職)明らかにレッドカードものから、おそらく相手は無意識や軽い気持ちでしているけれど、受け取る側からするとストレスを感じるわかりづらい行為まで、さまざまなセクハラで悩まされている女性はたくさんいるようです。あからさまなものは周りにも理解されやすいし訴えやすいですが、小さいけれど毎回続くと精神的にも追い込まれる、微妙なタッチや発言は周りからも理解されづらいぶん、本当に悪質! 男性は、もう少し女性にリスペクトを払ってほしいものですね。仕事のお客さま編:飲みに誘うのも、子作りについて聞くのも相手を不快にさせます!「『愛人にならない?』と恋愛感情をもたれる」(31歳・専門職)「営業に行く際に、毎回『いつ飲みに行く?』と聞かれる。毎回断るのが大変」(30歳・専門職)「『赤ちゃんはまだ?』みたいなことをみんなの前でたくさん聞かれて嫌な気持ちになった」(33歳・その他)「毎日メールで自撮りだけを送ってくる……」(33歳・主婦)男性はあまり気にしていないかもしれませんが、最近は不妊で悩んでいる女性や、キャリアのために子作りを我慢している女性も増えており、ましてや大勢の人がいる前で、子作りの状況について聞くのは失礼です! また、飲み会についてもお客さまという立場上、断りづらいということもあるので、あまり男性から誘うのは賢くないケースも。日本人は、特に ”本音と建前” を使いがちですが、もうこのご時世。ハッキリと「嫌なものは嫌、不快なものは不快」と、ビジネスの場においても権利を主張できる環境作りをしてほしいものです。こんな時代だからこそ、被害者にも加害者にもなりうる!?耐え難いセクハラ経験を赤裸々に語ってくれたanan総研のみなさま、ありがとうございました! 残念ながら日本では、セクハラについて周りに言いづらい環境がほとんど。現在も日々嫌な思いをしている女性も多いのではないでしょうか。また、セクハラとパワハラは繋がっていることもよくありますよね。2人に1人の女性がセクハラを受けたと感じたことがある今回のリサーチ結果。 知らない間に、あなたの夫、彼氏、家族も、接している女性からセクハラ行為をしていると思われている可能性もあり得ます。今回の結果は、本来であれば無神経な男上司などに知ってほしい内容ですが、せっかくの機会なので、これ以上被害者を増やさないためにも、家族や周りの人と一度セクハラのラインについて話し合ってみてはいかがでしょうか。©mediaphoto/Gettyimages©fizkes/Gettyimages
2018年07月11日12歳から女優業をスタートさせ、エンタメ業界で四半世紀を過ごしてきたジェシカ・アルバが、自身のセクハラ体験について語った。「CNN」のトーク番組「Talk Asia」(原題)に出演したジェシカは、インタビュアーから昨今エンタメ業界で問題となっているセクハラ体験について尋ねられると、「もちろんあるわ。この業界に入ってから、いままでずっとよ」と答えた。「(セクハラを)受け入れるべきではなかったのかもしれない。でも若い頃からこの業界に身を置いていると、こういう風に扱われるのが当たり前なんだって思ってしまったこともあったわ」。たった1人で密かにセクハラと闘ってきたジェシカは、セクハラや性的暴行を告発する「#Me Too」運動の発足に、「あんなことがまかり通っていた時間が長すぎた。ついに、来たという感じね」と、“時代の到来”に喜びを感じているようだ。「誰もセクハラに対抗するマニュアルなんてくれなかった。闘い方を教えてもらうチャンスもなかった。だから1人で闘うしかなかったけど、もし誰かが助けてくれたらヘマをすることもなかったかもしれない。もっと多くの女性たちが私に注意してくれたら良かったのに…と思ってしまうの」とジェシカは過去をふり返っている。「#Me Too」運動に加え、ジェシカは映画業界における人種の“多様性”についても言及。「次の10年ではカメラの前に立つ人も、後ろに立つ人も、もっと多様性が受け入れられていることを願っているわ」。(Hiromi Kaku)
2018年07月05日昨年、アンソニー・ラップに約30年前のセクハラ行為を告発され、謝罪するとともに同性愛者であることを公表し、「問題をすり替えている」ことでも問題となったケヴィン・スペイシー。主演していた人気ドラマ「ハウス・オブ・カード 野望の階段」は打ち切りとなり、アンソニー以外の被害者からも告発を受け、俳優人生が危ぶまれていた。ケヴィンのセクハラ行為はアメリカのみならず、イギリスをも騒がせていた。今年1月までにイギリスでは3人の被害者から訴えられていたケヴィンだが、2月に2人、4月に1人とさらに3人増え、現在6人の事件に関する調査が行われているという。被害者はすべて男性。1997年に『L.A.コンフィデンシャル』でケヴィンと共演したガイ・ピアースは、つい先日トーク番組でケヴィンについて尋ねられ、「素晴らしい俳優だ。信じられないくらいすごい俳優だ。一緒にいるのはちょっとつらかったけどね…。ベタベタ触ってくるから。あのとき、ぼくは29歳で、14歳じゃなかったことが幸いだよ」とコメント。14歳でセクハラ被害にあったアンソニーを案じた。また、1995年に『ユージュアル・サスぺクツ』で共演したベニチオ・デル・トロは「The Independent」紙に「被害者たちが気の毒だ。彼についても残念だね。でも、被害者たちを一番に考えなければ。彼にどれだけの才能があっても、そんなことは関係ないんだ」とケヴィンを突き放した。(Hiromi Kaku)
2018年07月04日これを書いている今は5月で、セクハラ問題がテレビやネットなどを賑わせています。これが掲載になる6月も、おそらくまだセクハラ問題で賑わっていると思うので、今回はセクハラ問題を見つつ、「演じてくれる女子のモテっぷり」について一緒に見ていきたいと思います。■■セクハラをはたらく男の問題点セクハラで謝罪会見している人は、決まって「合意の上だと思っていた」とか「キスくらいは彼女もOKしてくれていると思っていた」という言いますよね。これを聞いて「アホか、今さらそんな都合のいいことを言いやがって」と思う女子もいると思うんですが、でもこれって、男は大真面目に「合意の上だった」「彼女もOKしてくれていると思っていた」と言っているんですよね。と、言い切れないですが(セクハラおやじと会って喋ったことがないので)、でも男としてはそう感じます。男が「合意の上/OKそうだった」と判断するのは、なにを見てそう判断するのかといえば、相手の女性の言動です。「部長、ここは仕事の飲み会の席ですから、わたしにそんなに近寄ってくるのなら別料金をいただきます。お金が払えないのなら帰ってください」とかとピシャッと言えなかった女性がいます。言っときますが、ふつうはこうは言えないはずで、なので、こう言えない女性になんの落ち度もない。当たり前のことです。問題は男にあります。男のなにが問題かといえば、ピシャッと厳しいことを言ってこない女性に対して「厳しいことを言わない(100%拒否しない)というのは、もしかしてこの女性はおれのことが好きってことか?」と勘違いしたところが問題。■■男はじつは分かっているんですセクハラの謝罪会見で頻繁に出てくるのは「酒に酔って」という、お酒にとっても失礼なセリフで、でも「酒に酔って」と言えば、それ以上を語らなくて済むという認識が今の社会の間の抜けた常識なので、とっても便利な言葉です。「酒に酔って」という理由以外で、先に挙げた男の勘違いをどう説明するのがベターか?「おれが勘違いした理由は、女性が演技してくれていると、おれが見抜けなかったからである」こう思っている男だっているんですよね。こういう男性って、例えばキャバクラに行くといくらでも見ることができます。キャバ嬢がニコニコしながら「いい女」を演じていることに気をよくして、おっぱいを触ろうとして、でも触らせてくれなくて、でもキャバ嬢はニコニコしていて、というのが続くと、男はいとも簡単にその店の常連客になります。おっぱいを触らせてくれそうで、でも触らせてくれないキャバ嬢と同伴したりして、ものすごくお店にお金を落とします。お金を使っている時、男はじつは分かっているんです。「あのキャバ嬢、仕事だからああやってニコニコしてくれているんだな」と。「仕事だからおれがおっぱいを触ろうとしても嫌な顔ひとつしないんだな」と。■■演技とわかっていても猪突猛進しちゃう男の「なぜ」そうわかっていれば、適当なところでキャバクラに行くのをやめるといいんです、ホントは。財産の大半を失う前に行くのを止めるといい。でも行ってしまう。なぜなら男は、演技をしてくれる女子のことが好きだから。演技か本心か、どちらなのか判断がつかない言動をしてくれる女子を前に「この女子の演技がじつは演技ではなく彼女の本心から出た言動であれば」と夢見るのが好きだから。若い男子だっておなじです。おじさんになったから「演技派」の女子が好きになった、ということではなくて、男の本質は老いも若きもおなじです。若い男子だって、あなたが好意ある演技をすれば、すぐにコロッと落ちます。好きな男子の前で演技をすればすぐに付き合えるし、好きじゃない男の前で演技をすれば、彼はやがてあなたにセクハラをはたらくことでしょう。あるいはストーカーになるかもしれない。それくらい男って、女子の演技に夢見がちな生き物なんです。それはきっと、女子とはまた別の種類の淋しさを男たちが抱えているからです。(ひとみしょう/文筆家)【今夜はちょっと、恋の話をしよう】(ハウコレ編集部)
2018年06月27日先日、8人の女性からセクハラを告発され、「決して、意図的にやったわけではありません」と否定しながらも「嫌な思いをされた方、失礼な扱いを受けたと思われた方に謝罪します」と謝罪したモーガン・フリーマンが、2回目の声明文を発表した。「とてもショックなことです。私の80年間の人生が、木曜日のメディアの報道によって一瞬にして崩れていく危機に瀕しています」との嘆きから始まった声明文。「暴行や迷惑行為を受けた被害者は、声を上げる権利があります。しかし、そういった恐ろしい事件と、ちょっと間違った褒め言葉やユーモアを同じものにしてしまうのはよくない」と持論を展開。自分は喜んでほしい、打ち解けてほしいという思いから女性にジョークを言ったり褒めたりしていたが、それは気軽なもの、ユーモラスなものだったと主張している。そのうえで、先日は「そういった意図が伝わっていなかったことが明らかになった」として、その点を認めて謝罪したのだという。しかし、モーガンは続ける。「これははっきりと言いたいのです。私は不安を感じさせるような仕事環境は作っていない、と。私は女性にセクハラをしたことはありません。セックスの見返りに雇用や昇進のオファーをしたこともありません。私がそのようなことをしたとという指摘は完全に間違っています」と完全否定した。(Hiromi Kaku)
2018年05月28日モーガン・フリーマン(80)が8人の女性からセクハラ行為を訴えられ、謝罪した。「CNN」によれば、被害者女性8人を含む16人が、モーガンのセクハラ発言や過剰な身体的接触について証言しているという。具体例としては、2012年、『グランド・イリュージョン 見破られたトリック』の撮影現場でモーガンが女性の身体に関するセクシャルなコメントばかりしてくるので、女性たちの間では「胸が目立つようなトップスは着ないこと、お尻が目立つようなボトムスは履かないこと、つまり、身体にフィットするような服は避けよう」との暗黙の了解があったことが挙げられている。また、モーガンが過去に妊娠6ヶ月の記者からインタビューを受けた際も、卑猥なセクハラコメントを放ったことも報じられている。これを受け、モーガンは「私を知っている人、私と働いたことがある人ならわかってくれると思いますが、私は意図的に人に不快な思いをさせたり、故意に不安にさせるようなことはしません」と声明を発表。「嫌な思いをされた方、失礼な扱いを受けたと思われた方に謝罪します。決して、意図してやったわけではありません」と謝罪した。モーガンは今年1月に、全米映画俳優組合賞(SAG)授賞式にて生涯功労賞を受賞したが、SAGはこのセクハラ報道を受けて「見直し」を行っており、モーガンから賞をはく奪する可能性も示唆している。(Hiromi Kaku)
2018年05月25日【元ホステスが語る男ゴコロの裏事情207】お酒の席で男性に下ネタを振られたことがある女性は少なくないはず。正直、不快でも場の空気を考えると、なかなか「やめてください!セクハラですよ」なんて言えないですよね。特におとなしめの女性は、なおさら阻止できず、酔った男性の下ネタがエスカレートしてしまったり……。そこで今回は、効果的な下ネタのかわし方についてご紹介します。■下ネタに答えないとノリが悪い女!?筆者は基本、イヤなら「イヤ!」とストレートに言ってしまうタイプなので、男性に露骨な下ネタを言われることはそうありません。が、それはムリっていう女性もいるでしょう。昔、飲み会で男性がちょっとおとなしめの女の子に、結構、露骨な下ネタの質問(胸は何カップあるの?とか、最近いつエッチした?とか)をしてたことがあって。困った感じで答えなかったら、なんとその男性、彼女に「お前、ノリが悪いな!」と悪態をついたのです。見ていた筆者は、さすがに腹が立ったので説教することに。「彼女がノリが悪いんじゃなくて、あなたがセクハラしてるだけでしょ?なんでセクハラするあなたのノリにみんなが合わせなきゃいけないの?むしろ嫌がらせで盛り上がろうとするあなたのほうがノリ悪いわ!」と言って場の空気をぶっ壊しました!でもまぁ、彼はその場にいづらくなったのか帰りましたね。■自己チュー男は無視してOK下ネタって難しいですよね……。全面的に嫌がれば「ノリが悪い女」と勝手に決めつけられる場合もあるし、逆に乗ってしまうと「下品な女」と思われるし。けど、下ネタに答えないだけで「ノリが悪い」と言う男性って、自分の要求通りにいかなければ全てノリが悪い!とジャッジする自己チュー男ですよ。だいたい人に向かって「ノリが悪い」って言い放つ人は、自分が無茶苦茶なことをしているって自覚がないですから。もし「ノリが悪い」と言われても気にすることはありません!■許しすぎるとつけあがるから要注意どんな下ネタも全部、拒否すると、場の雰囲気が盛り下がることもあると思います。とはいえ、毎回のように下ネタを受け入れてしまうと、相手は「この子には何を言っても平気っぽい!」とつけあがり、もっとディープな話題を振ってくることもあるでしょう。そうならないためにも、下ネタは上手にかわしたほうがいいと思います。筆者的に「この下ネタ、めんどくさいな」って感じた場合は、まず、質問を質問で返します。例えば「今日の下着、何色?」と聞かれたら「何色が好きですか?」とか「〇〇さんは何色の下着なんですか?」って質問したり、真顔で「下着?何それ?」とトボけたりするんです。それか、わざと「わー!やだー。セクハラー!!」と、ちゃかす感じで返します。下ネタを楽しそうに言う男性に限って、プライドが高い&メンタルが弱いのか、意外と傷つきやすい人が多め。あえて「セクハラ」ってワードを使って心をチクっと刺してやるのもアリですよ。■下ネタは「不快」と植えつけていく事前回避の方法としては、飲み会の前半(男性陣が酔って下ネタを話し始める前)にこういうことを言うのがオススメです。「そういえばこの前、合コンに行ったら男性陣が下ネタばっかり話すから超不快で……。小学生と話してるみたいで、マジつまらなかったんですよね。下ネタは女子ウケするとでも思ってるんですかね?モテない人の集まりっぽくて、時間とお金のムダでしたー」「下ネタを楽しそうに話す人って頭悪そうですよね。笑」「下ネタしか話題がない人って魅力に欠ける!」などなど。「私は下ネタが不快なんだよ?あなたたちは下ネタなんて話さないよね?」というメッセージを伝えておけば、下ネタトークが繰り広げられることはそうありません。下ネタは不快で楽しくない!と男性陣の脳内に植えつけていけば、彼らもあなたの前では下ネタを話さなくなります。下ネタ質問を質問で返すか、「下ネタは不快で楽しくない」と先手を打っておくか…どちらも効果は実証済みです!■終わりに仕事の付き合いでもプライベートでも、何かと下ネタを振られることってありますよね。イヤならイヤ!とはっきり意思表示してもいいと思うんです。でも、それが難しいなら、ここまで書いてきたかわし方を参考にしてみてはいかが?
2018年05月21日ハラスメントによる失脚者が続出中の国、ニッポン。「生きづらい世の中になった」なんて思っているそこのアナタも、“加害者”になっている可能性が……!? 「たとえ親切心から言ったことでも、相手がイヤだと思えば、それはハラスメント。この事実に気づかない人が、実は中高年の女性に多いのです」 そう語るのは『高学歴モンスター一流大学卒の迷惑な人たち』『嫉妬をとめられない人』(ともに小学館新書)などの著書がある、精神科医の片田珠美先生だ。長年の臨床経験にもとづき、現代人が抱える心の問題を分析している。 想像力の欠けている中高年女性のハラスメント=「オバサンハラスメント」、略してオバハラをしてしまうのは、心の奥底に潜んでいる“毒”が原因だと片田先生は指摘する。その“毒”は、(1)欲求不満、(2)羨望、(3)他人の不幸は蜜の味、の3つに大きく分けられるという。 私たちがこのハラスメントに陥る背景には、社会の大きな変化がある。現代は、女性が抑圧されていた社会から、女性が活躍する社会へと移り変わる過渡期。新しい価値観の中で生きる若い世代に、中高年のわれわれが羨望の感情を抱くため、オバハラが発生するという構造だ。 とはいえ、「何を言ったらハラスメントかなんて、わかんないわよ!」という人も多いはず。そこで「オバハラ加害者」にならないための3つのポイントを片田先生に聞いた。 【1】自分を見つめ直す 「欲求不満」「羨望」「他人の不幸は蜜の味」の3つの心の中を観察してみよう。 「かつて“若くてキレイな自分”を誇りに思っていた女性ほど、加齢を受け入れにくい傾向にあります。つねに自分の心がどのような状態にあるかを確認することが大切です」(片田先生・以下同) 【2】ささやかな幸せを探す 朝食がうまくできた、鉢植えが花をつけた、好きな友達に会えたなど、幸せは毎日の生活の中にあるもの。自分が幸せに暮らしていれば、他人を妬む感情は自然と薄らぐ。 「インスタグラムやフェイスブックなどのSNSには、リア充や幸せ自慢ばかりが並んでいます。そんな“よそいきの幸せ”に惑わされてはいけません。他人をたたいておとしめたからといって、自分の幸福度が上がるわけではないのです。そのような発言をしていれば周囲から嫌われ、むしろ幸福度は下がります」 【3】適度な距離感を保つ 離婚やひきこもりなど「知り合いの不幸な噂」を聞いたら、人前ではなるべく触れないようにしよう。 「好奇心から不用意にプライベートに立ち入り、相手を怒らせれば、自分が攻撃される可能性も。『ご主人、お元気ですか?』なども不用意に聞くべきではありません。女をつくって出ていった、大企業にリストラされたなんてことも、昨今はよくある話です」
2018年05月18日このところ、ニュースで「セクハラ(セクシャルハラスメント)」という言葉を聞かない日がない。ハリウッドで始まった、セクハラをされた経験を告白する#metoo運動は、日本の有名人も賛同したこともあり、比較的広まった。でもなかには、「セクハラの定義って?」「セクハラの問題点って何?」と理解があやふやな人もいるかもしれない。そんな人たちにも伝わるように、わかりやすくて可愛いポスターを使ってセクハラの問題について呼びかける若い女性たちがいる。本記事で紹介するのは、彼女たちが日本のアート界でのセクハラに焦点を当て、広めようとしているハッシュタグ「#NotSuprised」「#私たちは驚きません」についてだ。Illustration by Lola Rose明日少女隊Website|Facebook|Twitter|Instagram|tumblr▶︎これまでの「丼」じゃなくて「#」で読み解く、現代社会・59杯目:“なんでもシェアすることが普通”のSNS時代に知っておくべき「子どもの写真」をシェアすることの危険性 #kidsforprivacy・58杯目:「インスタ映え」ばかり気にする人へ。インスタグラムが野生動物とセルフィーするユーザーを“警告”する理由 #Koalaselfie・57杯目:「本当にその買い物は必要?」爆買いできる“ブラックフライデー”に、あえてアウトドアを選択する人たち #OptOutside▶︎オススメ記事・アンジェリーナ・ジョリーなどの著名人が「過去のセクハラ被害」をSNSで告白したことでわかった社会の闇・日本で異常なほど“日常化”する「痴漢」を経験した女性5人に聞く「MY 痴漢 STORY」。All images via #私たちは驚きませんText by Shiori KirigayaーBe inspired!
2018年05月15日言葉が持つニュアンスの捉え方って、人によって違うから・・・・・・という国語の授業みたいな話を、今宵はすご~くやわらかくお話したいと思います。たとえば、片思いの彼と運よく飲みに行けて、それなりにうまく1軒目が終わりました。で、彼が「2軒目どっか行く?」とあなたに聞いてきて、あなたが「スイーツなら食べたい」と言ったとします。ありがちな光景ですよね。お酒はもういらないけど、甘いものならいくらでも、みたいな。■■セクハラ!で、そのとき彼が「甘いものか・・・・・・じゃあホテルに行って甘いものをオーダーして食べようよ」と言うと、あなたが「それセクハラだから」と言って、心のなかで「あ~あ、この彼もわたしのカラダだけが目当てでずっとわたしに優しくしてくれてたんだ。ショックだわ・・・・・・ほかにもっといい男っていないのかなあ」と思って、「わたし帰る」と言って帰っちゃう・・・・・・。セクハラ!男子が思うセクハラって、たとえばオフィスで「君がんばってるねえ」と言いながら女子の肩を揉むとか(キモイ)、深夜のオフィスで女子にキスを迫るとか(キモすぎる)、そういう「訴えられても弁解のしようのないアホな行為」を指します。女子に死んでしまえと言われても、反論の余地のないことを指します。これが、男の感覚。つまり男子は、ちょっと気がありそうな女子に対して、「ホテル」という言葉を発するだけでセクハラと言われるなんて、夢にも思っていないわけです。■■それを探るためにホテルという3文字を口にしたまでで・・・でも、ですよ、気になる女子に対して「ヤらせてくれそうかどうか」というのって、男子は女子に質問してみたいわけです。この場合の「ヤらせてくれそうかどうか」というのは、単純に体だけ・・・ということではなく、彼女が自分に対してどこまでの好意を持っているのだろうか?ということです。だからそれを探るためにホテルという3文字を口にしたまでで、なにもあなたのおっぱいがひたすら気になるという気持ちだけでホテルと言ったわけではないということです。こういうのって、広く言うと「付き合うまでは下ネタを言われたら虫唾(むしず)が走る」みたいな女子の気持ちに集約されてくる問題だろうと思います。付き合うまでは下ネタを言われたらホントにキモイとしか思えなくて、でも付き合ってしまえば、彼がビックリするようなこともやってあげる・・・・・・みたいな、女子特有の、男子にはうまく理解できない気持ちですね。■■男子の総意ありとあらゆるシーンで、女子からのセクハラという言葉って、男子にとってはアイスピックで胸を刺されるようなニュアンスを帯びています。女子は・・・・・・ちょっとした護身術的にセクハラという言葉を使いますよね。それが効果的な場面もあるでしょうが、お互いに「恋愛の場」として認識していたのなら、それは男子にとって、あまりにも急な攻撃となるわけです。*何回もこの『ハウコレ』に書きましたが、「ちょっといいな」レベルの男子って、あなたの身体だけが目当てじゃないんですよね。身体も好きだけど心も好きということなんですよ。そういうウブな男心は、「それセクハラだから」でぽきっと折れてしまう。だから、恋愛の場では、「付き合った人としかラブホに行ったことない」とか「付き合うまではヤラないと決めてるの」とか恋愛の言葉を使ってあげる。「ちょっと探りを入れたつもりだったけど、もうどうしたら良いかわからない・・・」彼はこう心の中で嘆きながら、ひとり帰路につくのです。(ひとみしょう/文筆家)(ハウコレ編集部)
2018年05月11日女優のケイト・ブランシェット(48)が、映画プロデューサーのハーヴェイ・ワインスタインからのセクハラ被害を明かした。ケイト・ブランシェット(C)BANG Media International数々の作品でワインスタインと仕事を経験したケイトは、ワインスタインからは常に「嫌な雰囲気」を感じていたそうで、それは彼の要求を断ったせいで嫌われたからだと考えているようだ。ケイトはヴァラエティ誌に「セクハラはいろいろあるわ。もちろん、ずっと悩まされていたし、悩んでいる人はたくさんいると思う」と語り、ワインスタインからセクハラされたり、不適切な行動を取られたことがあるかと尋ねられると「私の場合、イエスね。彼は本当に、多くの捕食者がやるように弱者を主に餌食にしていたと思うの。彼には嫌な予感がしたの。よく『友達なんかじゃない』って言われてた」「それに、彼に要求されても従わなかったしね」と明かした。詳細は明かそうとしないケイトだが、ワインスタインが起訴されることで先例となり、今後権力を持たない人が同じような状況になった時に自分を守りやすくなるだろうとして、「ハーヴェイのように、タガが外れて罪を犯す人に本当に興味があるし、同じような男性は多くの業界にいるわ」「彼は残念なことにある種の典型的な男性だから、例として挙げられている。他に起訴された人にも興味があるし、判例を作る必要がある」「タイムズ・アップ運動の使命の一部は、自分を守るのに必要なお金を持たない人たちを助け、平等で公平かつ安全な職場を目指すことにあるの」「実際に有罪となった判例があれば、他の人もそれを利用する恩恵を得られるわ」と語った。ワインスタインは数々の訴えを否定し、性行為は全て合意の上だったとしているが、ケイトは実刑が下ることを望んでいるようで、懲役刑が下されると思うかと尋ねられると「そう願うわ。私が調べた限りでは、法定強姦は犯罪だもの」「司法制度を通し訴えることが本当に大切だと思う。様々な脅威があるから、司法制度という民主主義の方法を支持することが本当に重要なの」と話した。(C)BANG Media International
2018年05月04日福田財務事務次官が、女性記者にセクハラ発言した問題が話題となっていますね。「おしり触っていい?」「抱きしめていい?」など、女性にとっては聞くに耐えない言葉が飛び交う音声データが公開されました。福田次官は、自身の声か判断できないとしていますが、これが福田次官のものだった場合、当然セクハラ問題として取り上げられるべきものでしょう。しかし、音声データは、福田次官らしき男性の音声のみで、女性記者の音声は公開されていません。結局、辞任を決めた福田次官。不確定な音声データを公開されたとして、公開した雑誌社に対し、名誉毀損として提訴する意向を表明しました。 連日報道されるこの問題、さまざまな憶測を読んでいます。一体誰が言っていることが本当なのか…。間接的にしか把握できない私たちにとって、なんともモヤっとする問題ですよね。 では、法的に見ていくとどのような見解になるのでしょうか? 筆者の疑問を、虎ノ門法律経済事務所齋藤健博弁護士に直撃してみました。 Q.セクハラで訴える、となると、証拠が必須になりますよね。では、被害を訴える女性記者が、福田次官をセクハラとして訴えるとなった場合、今回のように女性記者の音声が伏せられた状態の音声データは証拠として認められるのでしょうか? A.結論から言いますと、証拠になり得ます。しかし、内容が人格侵害に至ったという証拠として価値がある音声であれば、です。もし、女性記者の音声が明らかになったとしても、全体の文脈から考えて、その会話が性的発言を助長するようなものではいなら、そもそもセクハラとして認められない可能性があります。もちろん、ことさら一方的に、女性に申し向けていれば、これはセクハラにはあたるでしょうね。とりいそぎ音声の同一性を争う以上は、これも争点になるとは思いますが。 Q.もし、福田次官の言っていることが事実であれば、女性記者を名誉毀損で訴えた場合、勝訴する見込みはありますか? A.「公務員の地位には公共性あります。公共性とは、国民の税金で運営されている公務員組織が、適切に運営されているのは正当な関心事だとの趣旨です。そうすると、名誉毀損罪が成立する可能性は私人に比較すると低いです。ただ、ことさらな公開の必要性がないなら、損害賠償の余地ありますね。」 Q.批判が殺到している、「女性記者は名乗り出てください」という、財務省の今回の調査。齋藤先生はどのような見解でしょうか? A.「名乗り出ること自体は義務ではありません。調査方法としては、他の効果的な手段が見出せないで困っているという印象を受けますね。」 大きく話題となっている、財務事務次官セクハラ騒動。真実が隠された現状では、どちらに正当性があるのか、判断できませんね。真実はどうであれ、『セクハラ』はセンシティブな問題。日本の社会を担う公人の方々には、国民からの信用を失いような、こういった報道をされないよう、日々十二分に気をつけて過ごしていただきたいものです。 *弁護士監修/ 虎ノ門法律経済事務所池袋支店齋藤健博弁護士(弁護士登録以降、某大手弁護士検索サイトで1位を獲得。LINEでも連絡がとれる、超迅速弁護士としてさまざまな相談に対応。特に離婚・男女問題には解決に定評。今日も多くの依頼者の相談に多く乗っている。弁護士業務とは別の顔として、慶應義塾大学において助教も勤める。)*執筆/シェア法編集部(編集者兼ライター。シャア法を盛り上げようと日々奮闘中。)*画像はイメージです(pixta)財務事務次官のセクハラ騒動について、弁護士に聞いてみた!はシェアしたくなる法律相談所で公開された投稿です。財務事務次官のセクハラ騒動について、弁護士に聞いてみた!はシェアしたくなる法律相談所で公開された投稿です。
2018年04月20日4月17日放送の「バイキング」(フジテレビ系)に出演した柳原可奈子(32)。財務省の福田淳一事務次官(58)の“セクハラ疑惑”についての発言が、話題となっている。 12日発売の「週刊新潮」によると、「森友問題」に関して取材を行っていた女性記者に対し「抱きしめていい?」「手、縛っていい?」などのセクハラ発言を福田事務次官が繰り返したという。その音声データを同誌では報道し、自社のニュースサイトで公開した。 騒動を振り返り、同番組のMCを務める坂上忍(50)は「女性記者からすると事務次官から情報を得られるとしたら、ある程度受け止めざるを得なくなってしまう」と女性記者の心情に配慮。しかし柳原は「もっとうまく切り抜けることはできなかったのか」と対応を疑問視した。 「私だったら、この流れで『おっぱい触っていい?』て言われたら「『どこがおっぱいでしょう』とか言って『それより森友の件どうなっていますか?』って」 続けて柳原は「切り返し、切り返しを学んで来たので、大変なセクハラだと感じなかった。私は(セクハラに)慣れてきちゃっているのかな」と漏らした。それに対し坂上は「福田さんの立場ってものは、絶対的権力の持ち主ですから、僕らと一緒にするべきではない」と芸能界と政界には“違いがある”と釘を差した。 Twitterでは、柳原の発言に対し賛否がわかれている。賛成派の意見は「普段からそんな発言が許される間柄だったのでは」というものだ。 《例えば、はじめて会ったひとにこんなこと言うかな?どんな関係でも言っていいことと悪いことがあるのは承知だけど、ある程度「こういう人だから」と受け入れなくてはならないってのもある気が》《軽口を聞ける間柄だから得られたものもあり、取引として等価交換で納得できるレベルじゃない?》《世の中のセクハラに真剣に対処しようとするなら、このような政治的な状況で(今回の事務次官の発言を)持ち出すのは、かえってセクハラの一般的な認識が後退してしまう恐れはないでしょうか?》 否定派からは「切り返しができるか否かの問題ではない」といった声があがっている。 《相手への取材で誰にも救ってもらえない状況で自分も同じ目にあって笑顔で仕事をしながら対処出来るかな?》《絶対的権力で性的圧かけられるのと、その辺の居酒屋にいそうなおっちゃんのエロ会話とは質が違うから!切り返しとかいう問題じゃない》《柳原可奈子も、自分の身をもっと大事にしてほしい》 17日の「ビビット」(TBS系)では、今回の音声データを解析。複数の音声が合成された「可能性もある」という指摘があり、再び波紋を呼んでいる。
2018年04月17日2014年に亡くなった名優ロビン・ウィリアムズが、過去のセクハラ行為を暴露された。1978年から1982年に放送されたロビン主演のドラマ「モーク&ミンディ」で共演したパム・ドーバーが、まもなく発売されるロビンの伝記「Robin」(原題)で明かしたという。「Robin」を執筆した「ニューヨーク・タイムズ」紙の記者デイヴ・イツコフが、過去にロビンとドラマで共演したパムにインタビュー。パムはロビンとの共演時、ロビンに胸やお尻をつかまれるなど、いまでいうセクハラを受けたものの「まったく腹が立たなかった」とふり返った。「彼は多分、たくさんの人にそういうことをしていたわね…でも、楽しかったわ」。セクハラ報道が続くハリウッドにおいて、セクハラ容認とも捉えかねないコメントではあるが、「(彼のセクハラは)マジックみたいなものだったのよね。文字にしてみたらゾッとすることかも。でも、ロビンには悪気がなかったし、あのキラキラした目が…」と無邪気なロビンのキャラクターを説明。「突然、子犬みたいに遊んでほしそうな目で見つめてくるんだもの。それで、私のおっぱいをつかんで逃げていくの。お咎めはナシ。70年代のことよ」。同ドラマの監督も、撮影の合間にパムにセクハラするロビンにしょっちゅう「それは台本にないよ!」と声を掛け、ロビンは「あー、そうだったっけ!」と答えていたというエピソードを語っている。プロデューサーの故ゲイリー・マーシャルも「ロビンはよくパムが演技をしている目の前で服を脱いで全裸になっていたよ。あの頃の彼はパムを赤面させることに人生を賭けていたね」と話していたという。(Hiromi Kaku)
2018年03月22日アカデミー賞を主催する映画芸術科学アカデミー会長ジョン・ベイリー(75)に3件のセクハラ疑惑が浮上した。現在調査が進められているという。「Variety」誌などが報じた。ベイリーは『恋はデジャ・ブ』、『旅するジーンズと16歳の夏』などで知られるベテラン撮影監督で、昨年8月に新会長に選出されたばかり。前任のシェリル・ブーン・アイザックスは初のアフリカ系アメリカ人で30年ぶりの女性会長という、アカデミーに変化を起こした人物だった。それに比べ、75歳の高齢であり白人男性のベイリーは、“多様性”を推し進めるアカデミーのトップにはふさわしくないという声も就任時に挙がった。これに対し、ベイリーは「そんなくだらないこと…。私は白人男性として生まれた。75歳って事実は変えられない。それが(会長になる)制限因子になるかい?」と主張していた。セクハラの事実が確認されベイリーが会長の座から退く場合、7月に行われる選挙まで現副会長でベテランのメイクアップ・アーティスト、ロイス・バーネル(『ラストサムライ』、『リンカーン』)が会長を務めることになるそうだ。本来ならば会長の在任期間は4年。ベイリーは身の潔白を証明し、会長の座を守ることはできるのだろうか。アカデミーは、「徹底的な調査が完了するまでこの件に関するコメントはしない」とのことだ。(Hiromi Kaku)
2018年03月19日女優のエマ・ワトソンが、セクハラ被害者をサポートする新規の団体に100万ポンド(約1億5,000万円)を寄付した。エマ・ワトソン(C)BANG Media Internationalエマは英国アカデミー賞(BAFTA)に先駆けて、レベル・ウィルソン、エミリア・クラーク、オリヴィア・コールマンら約200名の女性スターたちによる「タイムズ・アップ」運動支持のオープンレターに参加していた。そして今回、仕事場での脅しや不平等に関する被害者たちへのアドバイスとサポートを提供する英ジャスティス・アンド・イクアリティ基金に多額の寄付をした。また、そのオープンレターの中身がザ・オブザーバー紙に発表されている。「この運動は我々の業界の変化に収まりきるものではありません。パワーバランスの不均衡を巡り、人種、階級、コミュニティ、能力、仕事環境を超えてあらゆる分野を交差しながら対話するものなのです」「ついこの間まで世界ではセクハラが不快なジョーク、そして少女や女性にとって不可避なものという考えが横行していました」「確実にいえるのは議論したり、単独で問題を取り上げるような類のものではなかったのです。2018年、変化の時期も熟し、私たちは目覚めたのです。本気で私たちがこの瞬間を受け入れれば、一筋の砂は石と化すでしょう」(C)BANG Media International
2018年02月20日’17年10月、米国ハリウッドの大物映画プロデューサー・ワインスタイン氏によるセクハラ疑惑が報じられたのを受け、女優のアリッサ・ミラノが、同様の被害を受けたことの女性たちに向けて、「#MeToo(私も)」を合言葉に名乗りを上げるようツイッターで呼びかけた。 これに応え、有名スターたちだけでなく一般人も続々と行動を起こし、やがて世界的なムーブメントになった。 日本にも瞬時に波及。「#MeToo」運動をきっかけに、政界、教育界、スポーツ界から元NHKの看板アナウンサーの事件まで、押さえ込まれていたセクハラ告発が噴出。長らくセクハラ後進国に甘んじていた社会が、「絶対にNO」と認識を変えた。 「セクハラで泣き寝入りするケースが多いのは、写真をばらまかれるなど二次被害があるからです。パワハラがらみも非常に多い。『仕事をくれるんじゃないか』は逆に言えば『仕事を失うんじゃないか』という恐れにつながる。それで私のようなカウンセラーに相談に来られるわけです」 そう話すのは、男女問題研究家の山崎世美子さん。先日は、女子中学生の母親が相談に訪れたという。 「娘がSNSで社会人男性と知り合い、ラブホテルに連れ込まれて、最悪のことは避けられたが、写真を撮られ『誰かに言ったら、写真をばらまくぞ』と脅された。警察に行ったが、3,000円を受け取っていたため『事件としては扱えない』と。私は、そういう男はロリコン趣味だと踏んで、ウチ(山崎探偵事務所)の女性スタッフを囮にして接触させて、逮捕にこぎつけました」 そこで、こうした事件を未然に防ぐ方法、また反撃する方法を山崎さんが教えてくれた。 【1】食事の約束をしても2人きりにならない 「誰かを連れていくのが最善策。『◯◯先生と食事に行くと言ったら、大ファンで行きたいというんで、連れてきちゃいました』と、友達を連れていっちゃえばいい。障壁が多い女性はターゲットから外されるという水際作戦です」(山崎さん・以下同) 【2】お酒を勧められても「飲めない」ことにする 「『体質に合わない』『目上の人の前では飲まないと親に教わった』などを理由に。飲酒しなければ、味覚もしっかりしたままなので、ソフトドリンクに何か混ぜられれば、すぐに気付けます。飲めないのを無理やり飲ませようとする相手はおかしいし、女性が飲んでいなかったことは、のちのち『その気もなかった』ことの証明にも」 【3】写真はあからさまに拒否せず“顔をそむけて”意思表示 「『一緒に撮ろう』と言われたら顔をそむけて『NO』の意思を証拠として残しましょう。笑顔も必要ありません」 【4】“ややこしい”彼氏や友人の存在をほのめかす 「権力で人が動くと知っている相手には“力”で対応。『私の彼は弁護士なんです』『週刊誌の記者と仲よしで』といった“面倒なことになるかも”と思わせるプロフィールの男性を、会話に登場させてください。そこで相手の態度がガックシとなったら魂胆もわかろうというもの。彼、親、きょうだいの順がお勧めです」 【5】危険を感じたらSNSにすぐさまアップし記録 「食事中に、あやしいと感じたら『SNS映えするので、アップしちゃいました』と先手を打って経緯がわかる写真で記録を残します」 それでも万が一、被害に遭ってしまったときはーー。 【6】場所など状況がわかる写真を撮っておく 「セクハラ訴訟は微妙な境界線の事案なのでその“背景”を撮影しておいてください。風呂、トイレ、脱いだ服など」 【7】SNSによる誘導尋問やリマインドメールで相手を特定 「悔しいかもしれませんが、相手からのメールなどの連絡には、証拠保全の意味もあり、対応を続けてください。『先日は、ごちそうになりました。こないだは、どういうお気持ちだったんですか。もしかして私に好意を持ってくださっているんでしょうか』などと振ると、男は次に期待して、ほぼ間違いなく『好きに決まっているじゃないか!』と返事が来ます。これで加害者を明白にできます」 【8】再会時に内ポケットに録音機器を忍ばせておく 「泣いたり騒いだりは警戒されるもと。カウンセラーに相談してから反撃に出ましょう。男性と会う場合は、録音は相手に告げて行う場合と、黙ったまま行う場合とがありますが、ジャケットに小型録音機を忍ばせておいてください。ここで加害者の名前と行為を言葉にさせるのです」 この8つのスキルを身につけて、セクハラを回避し、いざというときには闘おう!
2018年02月19日ファッション業界で活躍する25人の写真家のセクハラ行動が暴露された。「ボストン・グローブ」紙が伝えている。同紙は綿密な取材により、ボストンに蔓延していたカトリック教会の神父による児童への性的虐待を暴き、2015年に『スポットライト 世紀のスクープ』として映画化されたことがある日刊新聞。今回、セクハラ加害者として摘発された中でも目を引くのはパトリック・ドゥマルシェリエだ。現在74歳、フランス出身のパトリックはファッション業界で数々の功績を残してきた。『プラダを着た悪魔』ではメリル・ストリープとアン・ハサウェイ演じるミランダとアンディのセリフの中に登場し、『セックス・アンド・ザ・シティ』ではサラ・J・パーカー演じるキャリーを撮影する『VOGUE』誌の写真家としてカメオ出演も果たした。また、故ダイアナ妃自らのリクエストにより、1989年から亡くなるまでの間ダイアナ妃の写真家として活躍したことでも名前を馳せた。王室がイギリス人以外の写真家を起用したのはパトリックが初めてだった。そんな有名写真家のパトリックが、少なくとも7人の女性からセクハラ被害を訴えられている。1人は元アシスタントの女性で、パトリックの“要望”に応えなければクビにすると脅されていたという。中にはモデルもおり、ほかのモデルの胸をつかむことや自分の性器を無理やり触れさせるなど、嫌がることを強要してきたと言われている。これらの話に対し、パトリック本人は完全に否定している。(Hiromi Kaku)
2018年02月19日’17年10月、米国ハリウッドの大物映画プロデューサー・ワインスタイン氏によるセクハラ疑惑が報じられたのを受け、女優のアリッサ・ミラノが、同様の被害を受けたことの女性たちに向けて、「#MeToo(私も)」を合言葉に名乗りを上げるようツイッターで呼びかけた。 これに応え、有名スターたちだけでなく一般人も続々と行動を起こし、やがて世界的なムーブメントになった。 日本にも瞬時に波及。「#MeToo」運動をきっかけに、政界、教育界、スポーツ界から元NHKの看板アナウンサーの事件まで、押さえ込まれていたセクハラ告発が噴出。長らくセクハラ後進国に甘んじていた社会が、「絶対にNO」と認識を変えた。 「性暴力被害に遭った女性は、忌まわしい記憶と直面するのもストレスなのです。それに目を背けてきたのに、カウンセリングで『ひどい犯罪ですね』『暴力ですね』と言われると、一気にトラウマ化することもあります。ですから私は『よく思い出してくれました』や『お仕事の頑張りがすごいですね』という言葉で、まずは安心させることから始めます」 こう語るのは、精神科医の香山リカさん。性暴力被害に遭った場合、心のケアがまずは大事。とくに避けなければいけないのが自己嫌悪に陥ることだと香山さんは言う。 「“私はレイプされた女”と自分自身に間違ったレッテルを貼ってしまう方も多いのです。ときには医師としてではなく、『姉の立場として考えれば』と慎重に語りかけ、『あなたの存在のすばらしさは変わらない』ことを強調。自分が傷ついた人間ではないということを彼女が理解して、それが警察に訴えるという動きに変わっていければいい」(香山さん) その後は自治体にある性被害支援の女性センターや、知人の女性弁護士を紹介することもあるそう。 「NPOでは警察の取調べに付き添ってくれるスタッフもいますが、警察の担当者が理解ある人ばかりとは限りません。『女性のスタッフを準備してください』と依頼してもいいでしょう」 性暴力事件が起きると、被害者の家族もまた心を傷つけられる。 「『まさか自分の家族が』と認めたくないとの思いもあるでしょう。でも最後まで味方でいられる存在は家族だけ。まずは『私たちがいるから』という安心感を与えられるように接してください。『体は大丈夫だった?』『ケガはない?』など基本的なことから気遣うといいでしょう」 災害時のケアのように、食事や寒さなど身の回りのことから声をかけてあげるほうが、特別な意識をさせないですむ場合もあるという。 「また被害者の家族は、怒りや恨みから、逮捕や裁判とあらゆる手段で“被害の回復”を考えると思いますが、最初に考えてほしいのは被害に遭った本人の回復です」 そして心配されるのが、話を聞く前から「被害者に落度があるんじゃないか」と思いたがる人が周囲にいることだろう。 「性被害の対処法は、世代によっても考え方が違うことが多いので、これを機会に、一度家族全員で確認し合っておくとよいと思います。とくにこの新年度から社会に出る方がいるご家族には、それをお勧めしたい」
2018年02月19日’17年10月、米国ハリウッドの大物映画プロデューサー・ワインスタイン氏によるセクハラ疑惑が報じられたのを受け、女優のアリッサ・ミラノが、同様の被害を受けたことの女性たちに向けて、「#MeToo(私も)」を合言葉に名乗りを上げるようツイッターで呼びかけた。 これに応え、有名スターたちだけでなく一般人も続々と行動を起こし、やがて世界的なムーブメントになった。 日本にも瞬時に波及。「#MeToo」運動をきっかけに、政界、教育界、スポーツ界から元NHKの看板アナウンサーの事件まで、押さえ込まれていたセクハラ告発が噴出。長らくセクハラ後進国に甘んじていた社会が、「絶対にNO」と認識を変えた。 「厚労省HPにもあるように何より『セクハラは犯罪』なのです。毅然とした態度で対処しましょう」 こう話すのは、弁護士の打越さく良さん。では、セクハラ被害に遭ったとき、どう対処すればいいのか。打越さんが解説してくれた。 「勤務中や仕事に関する範囲内でセクハラ被害に遭った場合は、記録やメモを取っておくべきです。自分の手帳でかまわないので、日付や細かいシチュエーションを書いたうえで『◯◯をされた』と具体的な記載を心がけてください」(打越さん・以下同) また上司と部下、対クライアントなど、NOと言えない立場だからこそおとしめられる。もとから支配されていて断わりにくいという図式は、裁判になっても考慮されるそう。 「『嫌だ』と言ったのに、され続けている場合も、完全なセクハラです。声を上げにくい関係性だからこそ起こりやすいのがセクハラですが、できればそのつど、相手に対して、『それはセクハラです』とはっきり言っておいたほうがいいでしょう」 会社側が「酔った席での与太話を本気にするなよ」というように、のらりくらりの姿勢のこともある。しかし、「酔った席での軽口」といった言い逃れで見過ごされることを許してはいけない。 「会社に相談しても、会社側も相手の肩を持つ、つまりグルだという場合には、各自治体の労働局に相談を。それでもらちが明かない場合は労働弁護団のホームページにも窓口があり、必要な場合は代理人にもなってくれます」 ただし法廷までいっても、日本では、慰謝料もアメリカの懲罰的な高額に比べて高くはなく「裁判をしてまで」となってしまいがち。かといって我慢していればすむという問題ではなく“被害が繰り返される”危険もある。 「また、実際に性暴力を受けて妊娠などの恐れがある場合には、すみやかに産婦人科に行くべきです。被害届を提出するために警察にも相談を。ワンストップ支援センターは現在、全国41自治体にあり、相談しやすいと思います」
2018年02月18日’17年10月、米国ハリウッドの大物映画プロデューサー・ワインスタイン氏によるセクハラ疑惑が報じられたのを受け、女優のアリッサ・ミラノが、同様の被害を受けたことの女性たちに向けて、「#MeToo(私も)」を合言葉に名乗りを上げるようツイッターで呼びかけた。 これに応え、有名スターたちだけでなく一般人も続々と行動を起こし、やがて世界的なムーブメントになった。 日本にも瞬時に波及。「#MeToo」運動をきっかけに、政界、教育界、スポーツ界から元NHKの看板アナウンサーの事件まで、押さえ込まれていたセクハラ告発が噴出。長らくセクハラ後進国に甘んじていた社会が、「絶対にNO」と認識を変えた。 「ネットの時代が来たことで、テレビをはじめ、旧メディア側は『世論』を知ることになりました。視聴者や読者にどう伝わっているかが、ネットの反響という形で直に見られるようになったのです。悪気なく作った番組でも配慮に欠ければ批判される。価値観が多様化した時代に合わせた変化球が求められています」 こう話すのは、元アナウンサーで現在はエッセイストとして活躍する小島慶子さん。マスコミに携わる小島さんが、テレビ業界のセクハラ事情を明かしてくれた。 「大手放送局のアナウンサーは、いわば会社の“箱入り娘”。守られた立場でもあったので、私は性行為を強いられた経験はありません。ただ、『出演者の男性からセクハラされています』と、会社に訴え出た女性アナウンサーもいました」(小島さん・以下同) それを機に社内のセクハラ通報窓口の開設や実態調査が行われたが、残念ながら“そこまで”で、当の男性出演者には触れずじまいだったという。 「少しずつ変わってきてはいますが、まだテレビ業界には、セクハラに限らず『耐えてなんぼ』のような空気があります。セクハラやパワハラ行為を愛情表現や破天荒な才能の証しと考えたり、そうした上司や先輩などからの“いじり”に対して、面白い返しや愛嬌のある反応をすることが、デキる業界人だと評価されます」 ハラスメントをなくすには、知識を広めることと、対話の場を増やすことが必要だと小島さんは言う。 「『悪気がない』ことこそが問題。『細かいこと言うなよ』とか『目くじら立てるな』ですませてしまう人が困る。『#MeToo』は反男性運動ではなく、暴力に泣き寝入りするしかない社会を変えようという動きです。ハラスメントにNOと言えない社会は暴力の連鎖を生み、その最も弱いところから上がってきたのが『#MeToo』の声。だから夫や息子、男性たちもこの運動に関わってほしい。たとえば『#HeForShe』で『MeToo』の声を上げた女性をサポートする=『セクハラを見たら止める』という価値観のシェアです」 米国では、トランプ大統領に対する「ウィメンズ・マーチ」に始まり「#MeTooキャンペーン」「タイムズ・アップキャンペーン」へと広がっていき、運動を一過性でないものにしている。 「私はいま日本のメディアの最前線にいる女性たちの“危機感”に期待しています。彼女たちは長くセクハラやパワハラの渦中にいました。だからこそ後悔している。『自分たちが黙ってきたことが、セクハラを助長してきたのかもしれない』と。彼女たちの尽力で『#MeToo』がニュースになり、次のアクションへの模索も始まっています」 先日、テレビの収録でこんな場面があったという。ある熟年の男性出演者が、ミニスカート姿の若い女性タレントにこう言った。 男性「お前そんなスカートはいてくるなよ、見ちゃうだろ」女性「それセクハラですよ」男性「俺はそのセクハラって騒ぐのが気に入らないんだよ」女性「いいえ、そういう言い方は『女は好きな服を着るな』と言っているのと同じですよ」 「編集でカットされたのが残念ですが、若い世代の意識はちゃんと変化しています。みんなが自分の半径2メートルから『もうそんなのやめにしよう』を始めれば、世の中は変わります。男性も女性も、一緒にハラスメントにNOを」
2018年02月18日’17年10月、米国ハリウッドの大物映画プロデューサー・ワインスタイン氏によるセクハラ疑惑が報じられたのを受け、女優のアリッサ・ミラノが、同様の被害を受けたことの女性たちに向けて、「#MeToo(私も)」を合言葉に名乗りを上げるようツイッターで呼びかけた。 これに応え、有名スターたちだけでなく一般人も続々と行動を起こし、やがて世界的なムーブメントになった。 日本にも瞬時に波及。「#MeToo」運動をきっかけに、政界、教育界、スポーツ界から元NHKの看板アナウンサーの事件まで、押さえ込まれていたセクハラ告発が噴出。長らくセクハラ後進国に甘んじていた社会が、「絶対にNO」と認識を変えた。 「日本では、性暴力被害に遭っても、被害者が警察に相談したり、裁判で加害者を訴えたりということは、とても少ないのが現状です。加害者側が、職場の上司や取引先、師弟といった上下関係を利用したケースが多いので、訴えることで報復を受けたり、職を失ったりすることを怖れて、我慢せざるをえないことがあるからです」 そう語るのは、弁護士の太田啓子さん。太田さんはセクハラ裁判における「日本の司法」に限界を感じている。 「勇気を出して警察に相談しても、性犯罪の捜査の過程で「どこをどう触られたのか」「そのとき、どのような体勢だったのか」など詳細に説明させられ、精神的に耐えられなくなってしまうことも。そのうえ、刑事事件として起訴するには、被害者の体内から、加害者の体液や、デートレイプドラッグなどが検出されるという客観的証拠が必要です。これを得るためには、被害を受けてすぐ警察に行かなければ証拠が採取できず、結局、証拠不十分で起訴に至らないことも多いのです」(太田さん・以下同) 起訴されたまれな事例では、元柔道金メダリストの内柴正人氏が、当時18歳だった部員に酒を飲ませてレイプに及び、準強制性交等罪(旧・準強姦罪)に問われた事件。 「この裁判では、同じ柔道部員が、内柴氏が酩酊状態の被害女性を背負って帰るところを目撃していたことなどから立証され、有罪になりました。性犯罪被害に遭ったらどうすべきか、という情報がもっと広く共有されることが、被害者を救う第一歩です」 刑事裁判に訴えられない場合は、損害賠償を求めて民事裁判を起こすが、ここで問題になるのが、性交の際の“合意の有無”。 「加害者側からは、『確かに性的関係はあったが、彼女も合意していたのだから違法ではない』という反論が、よく出ます。それまでの人間関係がどのようなものだったのか、性的関係の強要はなかったのか等について、いろいろな証拠から判断されることになります」 被害者と加害者が面識のある人間関係の場合、事件があった後も、いつもどおりにふるまわざるをえないこともある。 「うっかり、被害者側が『先日はありがとうございました』などとお礼のメールやLINEを送ってしまい、『性被害を受けた直後の被害者が、加害者に対してこんなことを言うはずはない』などと加害を否定する証拠として利用されることもあります。今後は、『すぐに抗議できなかったとしても不思議ではない』という認識を社会的に広げ、裁判官にも理解を求めていくことが重要です」
2018年02月17日’17年10月、米国ハリウッドの大物映画プロデューサー・ワインスタイン氏によるセクハラ疑惑が報じられたのを受け、女優のアリッサ・ミラノが、同様の被害を受けたことの女性たちに向けて、「#MeToo(私も)」を合言葉に名乗りを上げるようツイッターで呼びかけた。 これに応え、有名スターたちだけでなく一般人も続々と行動を起こし、やがて世界的なムーブメントになった。 日本にも瞬時に波及。「#MeToo」運動をきっかけに、政界、教育界、スポーツ界から元NHKの看板アナウンサーの事件まで、押さえ込まれていたセクハラ告発が噴出。長らくセクハラ後進国に甘んじていた社会が、「絶対にNO」と認識を変えた。 「昨年10月の『Black Box』の出版を機に、アメリカの『ニューヨーク・タイムズ』はじめイギリスのBBCやフランスなど海外メディアからの取材が殺到しました。『#MeToo』運動のうねりのなかで、各国の女性が声を上げ始めていますが、やはりアジア圏からの実名での声はまだ少ないからでしょう」 こう話すのは、元TBSテレビ報道局ワシントン支局長の山口敬之氏からのレイプ被害を記者会見で訴えたジャーナリストの伊藤詩織さん。著書『Black Box』(文藝春秋)も出版され、“顔の見える”被害者の訴えに社会的関心が集まっている。 「運動の発祥の地のアメリカは当然として、私が驚いたのはスウェーデンの反響のすさまじさ。人口はそれほど多くないのに、インタビューが掲載されたとたん、多くのメッセージが私の元に届きました。激励に加えて、同じサバイバーの方からの『勇気をもらった』という声も多かった。わざわざスウェーデンから日本の性犯罪救済センターに寄付を送ってくれた方もいました」(伊藤さん・以下同) 伊藤さんがインタビューのなかで、「日本では性暴力救済センターやスタッフの数が足りていない」と話しているのを読んでくれての行動だった。 「私は、自分が性被害に遭って以来、海外の性犯罪被害のサポート体制を取材し続けています。特に、イギリスのサポートの厚さには驚かされることの連続でした。現地の警察では、日本と違って、性犯罪専門のトレーニングを受けた捜査員がいます。しかも、ほとんど女性だから話しやすい。人形を相手に、被害状況を再現させられるなどの、セカンドレイプに当たるようなことは決して行われません。イギリスでは、被害者が事件の状況を説明するのは最低限少なくし、大体3回にするように努力しているそうです」 1度目は罪名を決めるために概要を、2度目は捜査のためにビデオカメラの前で、そして3度目が法廷だ。 「また、性犯罪救済センターなども、おもに寄付などで運営されてきた日本とは違い、政府が資金を出しています。ここでは被害届を出すかどうか決めていない段階でも、捜査員が匿名で話を聞いてくれます。そのうえで、どんなサポートを受けられるのかアドバイスをもらえます」 一度、話ができたことでとハードルが下がるのか、その後、被害届を出す人は約7割にも上るという。 「性被害を受けたあとのPTSDは私も体験していて、加害者と同じ背格好の男性を見ると体が震えたり、彼が働くオフィスの近くに行くことも怖くて、仕事に支障をきたしたりすることもありました」 イギリスでは、そうした性犯罪を受けたあとの精神的なケア、いち早く社会に復帰できるようにサポートしてくれる体制が整っているそう。 「大学のキャンパス内でレイプされたある女子学生は、大学に通えなくなり、単位を落としたんですが、スタッフが代わりに大学側に説明して、再度テストを受けられるようになりました。また、大学から紹介を受けて入居したアパートも追い出されそうになりましたが、それも交渉してくれたそうです」
2018年02月17日’17年10月、米国ハリウッドの大物映画プロデューサー・ワインスタイン氏によるセクハラ疑惑が報じられたのを受け、女優のアリッサ・ミラノが、同様の被害を受けたことの女性たちに向けて、「#MeToo(私も)」を合言葉に名乗りを上げるようツイッターで呼びかけた。 これに応え、有名スターたちだけでなく一般人も続々と行動を起こし、やがて世界的なムーブメントになった。 日本にも瞬時に波及。「#MeToo」運動をきっかけに、政界、教育界、スポーツ界から元NHKの看板アナウンサーの事件まで、押さえ込まれていたセクハラ告発が噴出。長らくセクハラ後進国に甘んじていた社会が、「絶対にNO」と認識を変えた。 「私は、日本でまだ『セクハラ』という言葉が誕生する以前の『性的嫌がらせ』と呼ばれていた時代から、この問題に深く関わってきました。最初は、’89年のセクハラ裁判の第1号となった福岡セクハラ訴訟でした」 そう語るのは、大阪大学人間科学研究科教授の牟田和恵さん。“セクハラ”誕生から30年。意識改革はどこまで進んだのか。牟田さんに話を聞いた。 「その後もおよそ30年の間、少しずつ社会状況は変わりつつあるとはいっても、まだまだ被害を口にできず、自分を責め続け、我慢している人が多い現実を思えば、現在もセクハラを取り巻く状況は課題が山積みのままです。そんなとき「#MeToo」の世界的な波及によりセクハラへの意識が高まり、女性たちが『悪いのは自分じゃないんだ』と自覚し、声を上げ始めたことはうれしい驚きでした」(牟田さん・以下同) 世界経済フォーラムが毎年発表するジェンダー・ギャップ指数では、日本は’13年には136カ国中105位、’16年も144カ国中111位と、先進国でも順位が低いままだ。 「これらの解決策としては、社会にもっと決定権を持つ女性が増えることが重要だと思います。最も期待するのは女性議員ですが、それは企業の管理職でも、メディアでも同じことが言えるでしょう」 今後は、女性の権利はもちろんだが、LGBTや高齢化社会のなかでのお年寄りなど、弱い立場の尊厳や権利が守られる社会にしていかなければならない、と牟田さん。 「セクハラに対する第1の防衛法は、ふだんから“シミュレーション”をしておくことでしょう。ただし、現実問題として、最初から思うようにサポートしてもらえるとは限りません。大事なのは、あきらめないこと。世の中は確実に変わりつつあります」 ’99年施行の男女雇用機会均等法改正法で、企業はセクハラの防止に配慮することが定められた。 「その後、セクハラ防止規定や相談窓口が設けられています。また、会社外にもセクハラ問題に詳しい弁護士が大勢います」 同時に、日本中に性犯罪・性暴力の被害者に対して総合的な支援を行うワンストップセンターが開設されたという動きもある。 「必ず、あなたをいろんなかたちで助け、支えてくれる人はいますから、あきらめないで声を出し続けてほしい。いちばん避けるべきは、我慢してしまうことです。その場ではトラブルを回避できたようでも、その後も被害が繰り返されると、自分を損なう気持ちが澱のようにたまっていくのです」 それに打ち勝つためにも、常に情報を集めておくことが大切だと牟田さんは言う。 「ニュースをチェックしたり関連本を読んでもいい、セクハラ問題に関心をもって情報を集め、もしものときに駆け込める場所や相談できる人を想定して、準備しておくことです。そうしてシミュレーションすることこそが、自分をセクハラから守ることになります。ふだんから『自分を大切にして生活する』ことを考えてください」
2018年02月17日『メイズ・ランナー』の原作者で小説家のジェームズ・ダシュナーがエージェントから解雇されたと「The New York Times」紙が報じた。解雇の原因となったのは「セクハラ問題」だ。先日、児童文学作家協会から追放された「13の理由」の著書ジェイ・アッシャーと同様、司書向けのウェブマガジン「School Library Journal」でダシュナーの名前もセクハラ加害者として挙げられていた。「The New York Times」紙の記事が出た直後、ダシュナーはSNSに「ぼくからきみへのメッセージ…」と題した手紙を掲載。それによれば、ダシュナーはここ数日、過去の行いをふり返り自分を省みたという。「もしかすると、ぼくはセクハラ問題の一部に加担してしまったのではないか」と。その結果、「私は、やってしまったと思う」と認めた。しかし、「決して誰かを意図的に傷付けようと思ったことはない」とセクハラをしている意識はなかったことを綴っている。自分の行いによって影響を受けた人たちには「深く謝罪します」とし、告発や非難を深刻に受け止めると反省を示した。ダシュナーは今後、カウンセリングに通うことも明かしている。昨年10月にハリウッドの重鎮ハーヴェイ・ワインスタインのセクハラ問題が明るみに出てから、この問題は収まるどころか映画・音楽業界を越えての告発が始まっている。(Hiromi Kaku)
2018年02月16日“独立の洗礼”で片付けていいものか。 世界的に今、セクハラ被害への見方が変わりつつあります。ハリウッドセレブたちがこぞって抗議の声をあげ、日本でも「#MeToo」というセクハラ告発運動が盛んに行われています。 そんななか“麿サマ”の愛称でおなじみの元NHKアナウンサーの登坂淳一さん(46)にも疑惑が。「週刊文春」により同僚へのセクハラが告発され、キャスター就任が決まっていた番組も降板することを発表しました。 セクハラはあくまでも“疑惑”ということでしたが、これをキッカケに過去の噂が多数報告される始末。大々的にテレビで報じられることはありませんが、登坂さんはある意味社会的に“抹殺”されようとしています。 就任後にスクープが発覚し、番組内定辞退が決まる。この流れは、経歴詐称疑惑が浮上したタレントのショーン・マクアードル川上さん(49・以降、ショーンKさん)と同じ。そのためさまざまな比較をされていますが、実際は同じとはいえません。 ショーンKさんはもともと異業種からの大抜擢でしたが、登坂さんはNHKアナウンサーとしての確固たる実績と実力が評価されて抜擢されました。また事前に見抜けなかったテレビ局側の甘さを指摘する声もありますが、セクハラ被害は目に見える証拠が残りにくいもの。改めてセクハラ問題の扱いについて、難しさも感じます。 登坂さんは独立後の大きなチャンスを失ったことになりますが、セクハライメージのついた彼は今後どうやって活躍の場を作っていけばよいのでしょう。 実はそのチャンスが、すでに目の前まで迫っています。そう、平昌オリンピックです!実は登坂さんの趣味の1つはカーリング。豊富な知識とアナウンス力、そして熱い熱量をオリンピック中継で伝えられれば……。もう一度実力が認識され、風向きも変わってくると思います。 今やネットを駆使すれば、個人でなんでも発信可能な時代。お膳立てされた舞台はないものの、実力を示す技術とチャンスはあまた用意されているのです。 セクハラは当然ながら、許されない問題です。ただ登坂さんを擁護するわけではありませんが、あくまでも“疑惑”の段階なのに、社会的に“抹殺”してしまうのは少し悲しい気もします。 それと同時に、不倫報道に匹敵する世間の強烈な熱量も感じます。日本人はもともと誠実で潔癖な人を好む傾向がありますが、現実問題としてはどんな人にも“そうじゃない部分”があります。 登坂さんは上品なイメージが先行していますが、地方局時代はおちゃめでユーモアあふれる姿がファンを喜ばせていたそうです。 アナウンサーとしてキャリアに傷はついてしまいましたが、もしその傷が謝罪してすむ程度なら……。そのときは彼のつまずきを許し、独立という大きな決断をもう一度応援する“正しく”優しい日本でありたい。 この一件は世界のトレンドをふまえたうえで、日本人として今いちど考えていくべき問題だと思うのです。
2018年02月06日アンソニー・ラップから「未成年の頃にセクハラ被害を受けた」と暴露され、主演ドラマ「ハウス・オブ・カード 野望の階段」を解雇されたケヴィン・スペイシーが、今度は人種差別主義者であることも指摘されている。「私はケヴィンの大ファンだったのですが、いまじゃ大っ嫌いですね」と「Daily Mail」紙に語るアール・ブルーさん。2012年、彼が経営する警備会社は「ハウス・オブ・カード 野望の階段」の撮影現場の警備担当として製作会社に雇われた。彼を含む黒人警備スタッフのグループがキャストたちのトレーラーを監視していたところ、アールさんはケヴィンが自分の個人的なセキュリティースタッフに「俺のトレーラーをニガー(※黒人に対する差別擁護)なんかに見ててほしくない」と言っているのを聞いてしまったという。これを受けてアールさんは撮影マネージャーに抗議したものの、「お偉方だから。あれが彼なんだよ。ぼくらは彼をとにかくハッピーでいさせなきゃならないんだ」と取り合ってもらえなかったそうだ。また、アールさんとチームを組んでいたほかの黒人スタッフもケヴィンが「握手を拒否した」と語っている。結局、製作会社はアールさんの警備会社の仕事ぶりに「満足している」と言いながら、シーズン1以降契約を更新してくれなかったとのことだ。(Hiromi Kaku)
2018年01月16日ゴールデングローブ賞のミュージカル・コメディ部門で主演男優賞に輝いたジェームズ・フランコが、5人の女性からセクハラ行為を告発された。ジェームズはゴールデングローブ賞授賞式で、ハリウッドの多くの女優たちが支持しているセクハラ撲滅運動「Time’s Up」のピンバッチを身につけていた1人であった。このピンバッチをつけていたことがセクハラ被害者たちの感情を逆なでし、告発に至ったようだ。「The Los Angeles Times」によると、5人のうち4人はジェームズが経営し教鞭をとる演劇学校の学生だというのだから驚きである。ジェームズが監督した『The Long Home』(原題)に出演したサラ・タイサー=カプランは、フルヌードでの出演は承諾していたものの、セックスシーンでジェームズにプラスティックの前張りを取られたと憤っている。2016年にジェームズと交際していたヴァイオレット・パレイは、ツイッターに車の中でオーラルセックスを強要されたこと、ジェームズがヴァイオレットの友人で17歳の少女をホテルに呼び出そうとしたことを激白。ジェームズはもちろん全否定しており、「ねえ聞いてよ。ぼくはいままでの人生で、自分の行いすべてに責任を持ってきたし誇りに思ってる」と言い、「ツイッターに書かれてることは正しくない。でも、ぼくは何かを告白する人や声を上げることについては完全に支持するよ。だって、長い間声を上げられなかったんだからね」と語った。(Hiromi Kaku)
2018年01月12日俳優のマイケル・ダグラス(73)が、32年前の元職員にセクハラ行為をはたらいたとする疑惑が浮上する可能性があると知り、事前にその疑惑を否定した。マイケル・ダグラス(C)BANG Media Internationalマイケルはその女性を触ったり、友人たちと下品な会話をしたり、脅迫したなどという件についてコメントを求められたことを受け、公になる前に自ら否定コメントを出すことが必要だと感じたという。マイケルはデッドラインにこう語った。「その女性からは、まず始めに、僕が彼女に対して、ではなく彼女の前で下品な言葉を使ったと言われた」「2番目に僕が彼女の前でしていた電話の最中、そのプライベートな会話で友人に対していやらしい発言をしていたと」「結局、その女性は仕事ぶりが理由で解雇したんだけど、3番目として彼女は僕がこの業界では2度と仕事がもらえないようにすると自分を脅したと言ってる」「そして4番目、僕が彼女の前で自慰行為を行ったと」マイケルはその女性の前でひどい言葉を使用したことを謝罪したものの、脅迫したことや、自慰行為を行ったことなどないと断言した。「どこから始めればいいかも分からないよ。これは完全な虚偽で、全く持って事実無根だ」ザ・ハリウッド・レポーターからこの件について連絡を受けたというマイケルは「とても心が痛いね。僕は父(ーク)の長年の歴史などは言うまでもなく、この業界での自分の評判に誇りを持っている」「下品な言葉を使った点については認めるよ。でも彼女の前で自慰行為をしただって? そんなの去年に初めて聞いたような話さ。80年代に使われたような表現ではないね。だからおかしいと思った。それでなぜ、こんなことをしようとする人がいるのか考えたよ」「一番辛いことと言えば、こんなことを妻や子供たちと共有しなくちゃいけないことさ。うちの子供たちはすごく落ち込んでいる。僕がセクハラ人間だというニュースが出るんじゃないかと心配しながら学校に通わなければいけないんだから」と話した。妻キャサリン・ゼタ=ジョーンズとの間に2人と前妻の間に1人の計3人の子供を持つマイケルは、今回自らの潔白を宣言すると共に、セクハラ抗議運動である「#MeToo」を支援すると続けた。(C)BANG Media International
2018年01月11日ハーヴェイ・ワインスタインの長年に渡るセクハラが明るみになってから、女優たちによるセクハラ事件の暴露が後を絶たないハリウッド。ワインスタインのみならず、次から次へと著名な俳優たちの蛮行も明らかになってきた。「People」誌によれば、1月7日(現地時間)に開催されるゴールデングローブ賞授賞式では、エマ・ストーンやメリル・ストリープら女優たちが、ハリウッドに蔓延しているセクハラへの抗議として全身黒ずくめで出席するという。彼女たちに賛同しているドウェイン・ジョンソンらも同様の服装で出席する。ドウェイン、アーミー・ハマー、トム・ヒドルストンのようなハリウッドのトップ俳優を担当しているスタイリストのイラリア・ウルビナーティがインスタグラムで明かした。「みんな私に聞いてくるのよ…。ええ、ゴールデングローブ賞では、男性陣が女性陣と団結して立ち上がり、黒ずくめの服装で女性軽視に対する抗議を行うわ。少なくとも、私のクライアントの男性たちはね」。華やかなファッションが見どころの1つである授賞式だが、ファッションによるこの抗議は、ゴールデングローブ賞だけでなく賞シーズンを通して続くかもしれないとのことだ。(Hiromi Kaku)
2017年12月25日