■これまでのあらすじ母親の優しさが息苦しい—。心配性で過干渉な母親に支配される子ども時代を過ごしてきた主人公・志乃。社会人になり、母親から逃れるため、一人暮らしを始めることに、しかし…。人生初の彼氏に夢中になる志乃と娘の恋を阻止する母親。対立する親子関係を通して描かれるのは、女性の「自立」と「恋愛」、そして「自分らしい生き方」について。最近は近所の人と集まってラジオ体操をしていると話す母親。自分よりも年上の人がさまざまなチャレンジをする自由な姿に驚いたと話すのでした。それでも自分の人生は不幸だと思ったことがないと告げ、「怒鳴られない、殴られない、それだけで十分幸せだった」と語る母親に志乃は衝撃を受けるのでした。■母親が語る“幸せの基準”に志乃は… ■どんな子ども時代だったのだろう現代では考えられない“幸せの基準“に驚く志乃に対して、母親は「子どもの頃は日常にそういう事があった」と、当時を振り返るように語ります。初めて耳にする母親の子ども時代の話に興味をひかれた志乃は、「殴られてたってこと?」と問うと、母親は「昔はしつけが厳しかったこと」「女が大学に行かせてもらえなかった」と告げるのでした。今まで志乃が知り得なかった本心を母親は語り始めます。次回に続く「やさしさに溺れる」(全86話)は21時更新!
2024年01月07日わが家は私と夫、6歳と3歳の息子の4人家族。夫は子どもをかわいがってくれますが、しつけには大変厳しい人。いたずら好きでやんちゃ盛りな6歳の長男は、悪さをしては夫にこっぴどく叱られ、大きな声で泣くこともしょっちゅうです。善悪の分別がある程度つく年齢ではあるものの、まだ小学校に上がったばかり。あまりにも厳しくしつける夫を見て「少しやりすぎなのでは」と心配していたのですが、ある日……。 夫の厳しすぎるしつけで楽しい夕食が一転 わが家は作法に厳しい夫の方針で、上座から夫、私と座り、向かい合う形で子どもたち、という席順が決まっています。それぞれの席の前に自分のお箸や食器を並べ、全員が着席したところで夕食がスタートします。 その日の夕食は子どもたちの好きなハンバーグ。長男が、大きな口を開けてハンバーグを口に入れようとしたそのとき、 突然「なんだ、その箸の持ち方は!」 と怒号が飛んだのです。叱られた長男だけでなく、隣に座っていた次男もびっくり。2人ともわんわん泣いてしまいました。長男は箸や鉛筆を持つのがへたで、以前から注意されることもしばしば。和やかな夕食の雰囲気から一転、そこは地獄絵図と化しました。夫の言葉に恐怖を感じ、わんわん泣く子どもたちをなだめることに。 息子たちが寝た後は夫との話し合いです。普段、夫のしつけには口を出しませんが、その日ばかりは言わずにいられません。「親の感情に任せて子どもを怒るのは間違っている! 子どもたちが傷つくような言い方はやめて」と伝えました。夫はそのあと反省したのか、翌日子どもたちに謝罪。子どもたちは特に気にしてはいないようでしたが、正直ここまで厳しい人だったとは……。また行き過ぎた言動をしないよう、息子たちをしっかり見守っていきたいです。 作画/becomachi85著者:徳島久美
2023年04月26日私は「子どもを持つこと自体」に漠然とした不安がありました。なぜならば、私の両親が「毒親」だったからです。自分も同じように「毒を持って子どもに接してしまうかもしれない」「私のようなつらい幼少期を過ごすのであれば、子どもは作らないほうがいいのでは?」といった考えが頭から離れませんでした。そんな私が紆余曲折ありながらも1人目を出産し、さらに2人の子どもを持つまでの過程や葛藤などをお伝えします。 転換期は20代後半の同棲経験憂うつ感に苛まれながらも、私はなんとか幼少期~思春期を過ごしてきました。そんな私の大きな転換期は20代後半のころ。今の夫となる人と結婚前提で同棲し始めたころです。 今まで生きてきた人生のなかで初めて長期に渡って親と離れて暮らせることができ、だんだんと心に落ち着きを取り戻し、「過去に親から受けてきた仕打ち」に対してやっと疑問を感じるようになってきました。いわば過去の自分は、親からマインドコントロールを受けていたと言っても過言ではないと思います。 友人たちの妊娠で心境の変化数年に渡る同棲期間を経て30歳になるころに、私は今の夫と結婚しました。しかし、結婚した1年ほどは前述した理由や背景があり、子作りする気になれませんでした。そんな私の気持ちを変化させたのが「友人たちの妊娠」です。 その友人たちとは数十年付き合っており、いろいろな過去も知っていた仲なので、「人生いろいろありながらも、皆どこか決断をして新たな道へ進んでいくのだな」ということが、友人たちの妊娠・出産を通して改めて実感しました。 過去と折り合いをつけるという決断また、友人たちのなかには不妊治療に励んでもなかなか授かれない子もいました。そんな友人を見て「授かれること自体が奇跡なんだ」「私ももう31歳になるし、女性の妊活は時間が区切られている。どこかで親のことは見切りをつけなければ」と、私の心境が友人を通して少しずつ変わっていきました。 そして、31歳のときに1人目を出産。里帰りはせず、基本的にワンオペ育児でしたが、なんとか1人目を2歳まで私の手で育てることができました。その後は1人目が2歳になったころ、2人目の妊活を始めました。 自分が毒親になることなく、気持ちに余裕を持って妊活や育児ができたのは「いざとなれば福祉の手を借りて助けを求められる」という安心感です。産後ヘルパーの活用や、産前産後要件で保育園に通うことができることなど、子育て支援情報は調べ抜きました。情報収集は育児の不安を解消し、自分を救う手立てになっています。 監修/助産師REIKOイラストレーター/みいの著者:山本加奈子2児の母。自身の体験をもとに、妊娠・出産・子育てに関する体験談を中心に執筆している。
2022年11月28日■前回のあらすじパパに甘えれば思い通りになるということを学んでしまい、果歩にひどい態度を取るようになった真矢。家族で行った雅也の会社の人たちとのBBQでは、他の子どもにぶつかっておきながら、「自分は悪くない」と謝ろうとしなくて…。 >>1話目を見る 雅也の「褒める育児」は「叱らない」と同義でした。私が真矢に注意するとすぐに「怒っちゃダメ。褒めないと!」と制止してきたのは雅也。それなのにしつけは母親の仕事だなんて…!身勝手な夫の言い分に私は呆れ返ってしまいました。次回に続く(全8話)毎日18時更新! ※この漫画は実話を元に編集していますイラスト・ 茅野 (監修: インクルーズ )
2022年11月22日しつけ・飼育相談・室内ドッグラン・保険業務などを行うPet Life Consulting シンビオーシス(所在地:埼玉県さいたま市北区吉野町2丁目22-13、代表:岡田 敏宏)は、しつけ相談教室「Pet Life Consulting シンビオーシス」を2022年8月7日(日)、さいたま市北区吉野町にオープンいたしました。店舗外観「Pet Life Consulting シンビオーシス」詳細URL: ■店舗の特徴・サービス紹介<しつけ>子犬・子猫から成犬・成猫までを対象に社会化期トレーニングや問題行動改善を行っています。マンツーマンでしつけ指導をする従来の預けるしつけではなくしつけや飼育のノウハウを飼い主様自身に伝えていきます。多頭飼育をする方や今後何十年と飼育をしていく人が多い中で正しい最新の知識を身に着けて行くことで飼育の悩みを改善し明るい共生社会を目指していきます。<飼育相談>食事管理や体重管理、食ムラなど多様化するフードの相談など成長期から高齢期までの飼育方法やお手入れのレクチャーをすることで普段の体調の変化やトリミングに慣れない子に対して慣らし飼育をしやすくいたします。飼育に関する方法や費用など全般の相談にのります。<出張サービス>しつけや飼育相談など全般に行います。飼育環境を分析すると問題行動などの原因が隠れていることもあり、効率的にしつけを行ないます。住環境診断を行い、快適な飼育環境のアドバイスも行います。<室内ドッグラン>ドッグラン専有面積は23畳ほどの広さ。床は足腰に負担の少ない防滑性のあるペット用床材を使用。トレーナーが見守り社交性指導も行えます。ご家族でも、ご友人とも完全貸し切りですので快適に過ごすことができます。イベントやコミュニティでの使用も受け付けております。<保険業務>ペット保険を利用することで人とは違い全額負担になる治療費に金銭的不安を感じることなく、気軽に動物病院へ足を運んでいただくことができます。誤飲など様子見をする方が多い現状もあり、すぐに異変に気付き病院へいく判断が出来る手助けとしてご利用ください。保険の活用で負担なく大切な家族とたくさんの時間を過ごすことに繋がります。■店舗概要店舗名 : Pet Life Consulting シンビオーシス開店日 : 2022年8月7日(日)所在地 : 〒331-0811 埼玉県さいたま市北区吉野町2丁目22-13アクセス : 大宮駅東口 東武バス大51より「鈴木」バス停より徒歩2分上尾駅入口 東武バス大51より「鈴木」バス停より徒歩2分宮原駅入口 東武バス大51より「鈴木」バス停より徒歩2分営業時間 : 9:00~17:00 完全予約制駐車場 : 店舗前お客様駐車場 2台URL : 公式LINE : YouTube : Twitter : Instagram: 店内施設店舗施設2■会社概要屋号 : Pet Life Consulting シンビオーシス代表者 : 代表 岡田 敏宏所在地 : 〒331-0811 埼玉県さいたま市北区吉野町2丁目22-13設立 : 2022年7月事業内容 : しつけ・飼育相談・室内ドッグラン・保険業務URL : 第一種動物取扱業: 第960号【訓練】【本件に関するお客様からのお問い合わせ先】Pet Life Consulting シンビオーシスTEL : 048-788-2254お問い合せフォーム: 詳細はこちら プレスリリース提供元:@Press
2022年08月23日週一で遊びにくる義両親。義両親は近くに住んでいるため週一で家に遊びに来ていました。野菜や手づくりのおかずなどたくさん持ってきてくれるので食費も浮き、初めはあまり嫌な気はしていませんでした。しかし娘が成長するにしたがって、義両親は子育てに口を出すことが多くなってきたのです。ある日、自宅で義両親も含めお昼ごはんを食べていたときのこと。いつもどおり全然食べる気配がない娘。Upload By とまぱんUpload By とまぱん『こっちはこっちのやり方があるんだよーーー!!』と心の中で絶叫しました(笑)。この時期、娘は長い間座って食べることができませんでした。どんなに言ってもダメです。一口食べさせて美味しいと分かれば座って食べてくれるのでは、と思いとった行動でした。また別の日。珍しく娘が大人しくごはんを食べていました。自分も今のうちにごはんを食べようと思い自分の食事に集中していたそのときのこと。Upload By とまぱんUpload By とまぱん『えーーーん。うるさいよーーーうるさいよーーー』再び心の中で叫びました(笑)。義両親には(特に義父)、食事どきの訪問を避けてもらえたら…心の中でそう思いました。癇癪を起こしそうな娘。私がとった行動に義両親は義両親とおでかけ中、娘が癇癪を起こしそうになったときのこと。癇癪が起きてからは何をしてもダメだということを知っていたので癇癪を起こす前に娘にお菓子をあげました。娘は大きな癇癪を起こさずにすみ、ほっと胸をなでおろす私。しかし一緒にいた義両親は私にひとこと。「すぐにお菓子をあげるなんて。しつけがあまいな」私のとった行動は、しつけがあまいと取られてしまうのは仕方ないかもしれません。しかしほかの子より癇癪が強い娘。癇癪が始まると、長時間大声で奇声を出し続けてしまいます。力強く暴れまわるので抱きかかえることもできません。床に大声で暴れまわる娘を見つめることしかできない時間は、私にとってつらいものでした。もちろんお菓子に頼らずしつけられるのが理想です。しかし子育てとは理想通りにできないもの。妥協せざるをえないときがたくさん出てきます。親の葛藤と苦悩とは裏腹に、義両親はそのことを知りません。私は義両親と一緒にいることが徐々にストレスになっていきました。義両親と会うのがストレスに。そんなとき夫は義両親と会う前日は「明日はどんなことを言われるのだろう」と考えて眠れなくなる日も。こんな行動したら何か言われるだろうかと、義両親の前で行動ひとつ取れなくなっている自分がいました。ちなみに夫はそんな義両親をどう思っていたかというと…。夫にとっては両親なので、義両親の発言がストレスだということを伝えるのは勇気がいりました。ある日思い切って伝えることに。Upload By とまぱんUpload By とまぱんはい、夫は全く記憶にありませんでした。義父はもともと指摘することが多く、義母に対してもいろいろと言う場面が多かったようです。夫は小さいころから慣れていることもあり、スルースキルが身についていたようです。うらやましい…。うらやましいけど、このつらさを共有できないのがしんどい(笑)。現在の義両親との関係は?今、義両親とはちょうどいい距離感になりました。その理由は夫が義両親に「来すぎ」と言ったからです。ありがたいけど、夫の言い方が強くてシュンとする義両親。ほんのちょっとだけ可哀想になりました。そんなこともあり、今は遊びに来る頻度が週一から月一になりました。孫を可愛がってくれるのは嬉しいですし、可愛い孫の子育てに口を出したくなる気持ちも分かります。口を出すのも孫に会えた嬉しさからなのでしょう。ですが、やはり子育てでとても大切なのは親のメンタル。親の気持ちが不安定だと子どもにすぐ伝わるし、ときには子どもに当たってしまうこともあります。私も夫のように、スルースキルを身につけられればみんなハッピーだったのかもしれません。しかし人間そんな器用なことはできないもの。ときには自分のためにも子どものためにも。自分自身の気持ちを優先することも大切だと思いました。執筆/とまぱん(監修:初川先生より)同居していない祖父母などの親族の言葉はネガティブなものであればどんな些細なことでも刺さりますね。子と生活を共にし、どういうときにどう難しくなるかの歴史や「傾向と対策」を日々身に付けているお母さんからすると、とまぱんさんの「心の叫び」が出るのも当然だろうと思います。祖父母も孫がかわいいし、良い子に育ってほしい思いで助言するのだろうということをそんな状況でも察しているのは素晴らしいですね。ただ、本当に欲しいのは、助言ではなく労いや子育ての苦戦の理解だったりするんですけどね…。「大切なのは親のメンタル」はその通りです。心がざわつく距離感ではなく、良い距離感に落ち着けることが大切です。今は「ちょうどよい距離感」とのこと、何よりです。
2021年10月04日こんにちは、保育士の中田馨です。1歳が近付いてくると生活リズムが整ってきて、食事、睡眠、遊びを毎日だいたい同じ時間にするようになります。それと同時に歯磨き、手洗い、お風呂、トイレなど「生活習慣」のしつけを徐々に考える時期に入ってきます。 今回は年齢ごとの生活習慣を身につける方法を話します。 生活習慣を身につけるポイント乳幼児が生活習慣を身につけるためにはポイントがいくつかあります。 1.親が気持ちに余裕を持つ乳幼児に「手洗いはごはん前に毎回するのよ」と言ったところで、すぐにそれを自分でできるようになるわけではありません。3歳になっても、サッと洗面所に行けるときもありますし、遊びの途中でなかなか行動に移せないときもあります。親の「してほしい」気持ちと子どもの「したい気持ち」はなかなか一致しないもの。なかなか上手くいかずモタモタするので、イライラしてしまうこともあるかもしれません。生活習慣は、練習に練習を重ねてできるようになることも多いので「思い通りに行かなくて当たり前」くらいの大らかな気持ちで取り組みましょう。 2.できた喜びもできなかった気持ちも共感する子どもは、ほめられるととても嬉しい気持ちになり、それが自信につながります。ですので、できたときは子どものうれしい気持ちに共感します。また、できなかったときは残念な気持ちや不安な気持ちになるかもしれません。そんなときも子どもの気持ちに共感し、「大丈夫だよ」と伝えて安心させましょう。 3.自分でできることはさせるまだまだ身体機能が未発達です。時間がかかるし、うまくできないし、親がしたほうが何倍も早くスムーズにできることでしょう。でも、子どもがしていることを途中で止めること、最初から全て手伝ってしまうこともよくありません。「自分でできるところまで(最後まで)やってみる」という経験が自信につながります。 1・2・3歳にできる生活習慣は?生活習慣と一言で言っても、大きなものから小さなものまでさまざまあります。1・2・3歳の子どもができる代表的なものを紹介します。 食事食事は1日3回と1~2回のおやつの時間があります。例えば、1歳からできる食事の生活習慣は「いただきます」と言うことからスタートし、自分で手づかみ(スプーン)で食べる、タオルで口をふく、「ごちそうさま」をするという4ステップです。 これに付け加えて2~3歳ごろになると、自分や家族のお箸や食器を運ぶ、テーブルを拭く、使ったタオルをたたんでみるなどもチャレンジできるようになってきます。 歯磨き歯が生えてきたら口の中をガーゼで拭くところからスタートし、上下2本ずつ生えそろってきたら歯ブラシを使った歯磨きがそろそろスタートします。湯冷ましや水を飲んで口の中がスッキリする感覚を感じさせることも大切です。 最初はママがメインでの歯磨きですが、年齢が上がるごとに磨き方を教えて自分でも上手に磨けるようになってきます。「食後は歯磨きをする」ことを伝えていきましょう。 着替え起きたときにパジャマから服に着替え、寝るときにパジャマに着替えることは、生活の切り替わりにおいて大切なこと。1歳ごろはまず、靴下などの簡単なものを脱ぐことからスタートしましょう。年齢が上がるごとに、ママの手を借りながら服を着て、自分である程度着られるようになります。 トイレ1歳ごろはまず「トイレやおまるに座る」からスタートです。このときは「おしっこを出させる」ことよりも「座ることに慣れる」をメインにします。トイレに座ることに慣れたら、起きたとき、お出かけ前、外から帰ってきたとき、寝る前など、家の生活リズムに合わせながら徐々にトイレに行く習慣を取り入れます。 早寝早起き「夜は9時台に布団に入る」「朝は7時に起きる」など、寝て起きることは生活習慣の要。1日の最初と最後のリズムを整えることで、その他の生活習慣も整ってきます。 一度にこれら全てができるようになるわけではありません。子どもの成長発達を見ながら、少しずつできることを増やしていきましょう。 1・2・3歳への声かけ方法各年齢によって声をかけるときのポイントが違います。 ・1歳ごろ1歳ごろの子どもにはくり返し伝えます。まだ長い間記憶しておくことができないので、毎日毎日伝えるようにしましょう。1歳のときに「生活習慣を身につけさせる!」と強く思わず、楽しい雰囲気で取り組めるといいですね。 ・2歳ごろ短い言葉で伝えます。大人の言っている言葉が分かり始めているので「しっかり伝えなくちゃ」と思ってしまいますが、まだ長い文章で言っても伝わりません。「出かけるから、トイレに行くよ」「ご飯食べるから、手を洗うよ」など、簡潔な言葉に言い換えましょう。 ・3歳ごろ「次に何をすればいいか」という生活習慣のリズムが徐々に分かってきます。外から帰ったら自分から洗面所に向かったり、蛇口も自分で開け、ハンドソープも自分で押して、手を洗って、タオルで拭くという「手洗い」を一通り自分でできるようになったりします。自主的にできているときはそばで見守り、できないときやしないとき、ダメなことをしたときに簡潔な言葉で伝えるようにしましょう。 1歳でできていたことが、イヤイヤ期になって突然しなくなったりすることもあります。例えば、靴下を自分ではけていたのに「はけない!」と言ったり……。そんな姿が見られるときの多くは「ママに甘えたい」気持ちの表れです。「自分ではけるでしょ!」と無理にさせようとするのではなく、「じゃあ、右足はママがはかせるね。左足は〇〇ちゃんがはいてね」と言ってもいいですし、全面的に「ママがはかせてあげる!」と、たまには甘えさせてOKです。 お手本はパパとママ生活習慣の見本は何と言ってもパパとママ。子どもはパパとママのことが大好きなので、2人をよく見ています。子どものお手本だと思って、これまでよりも意識的に手洗い、歯磨き、トイレ、食事などをしてみてください。このときに、子どもも一緒にできるといいですね。食事のあいさつ「いただきます」「ごちそうさま」も、いつもは何気なくしているかもしれませんが、子どもも一緒にすると思うと意識が変わります。子どもに「パパとママと一緒にできた」という経験をたくさん積み上げさせて、楽しい雰囲気から自信につなげていきましょう。 生活習慣は、教えてすぐできるようになるものではありません。小さなときからできる範囲で少しずつ伝えているうちに、いつの間にか「習慣になってきたな」と感じることです。焦らず、子どものペースで進めていけるといいですね。 著者:保育士 一般社団法人 離乳食インストラクター協会 代表理事 中田家庭保育所施設長 中田馨0~2歳対象の家庭保育所で低年齢児を20年以上保育する。息子が食べないことがきっかけで離乳食に興味を持ち、離乳食インストラクター協会を設立。現在は、保育士のやわらかい目線での離乳食の進め方、和の離乳食の作り方の講座で、ママから保育士、栄養士まで幅広く指導。離乳食インストラクターの養成をしている。「中田馨 和の離乳食レシピ blog」では3000以上の離乳食レシピを掲載中。『いっぺんに作る 赤ちゃんと大人のごはん』(誠文堂新光社)も発売中!
2021年03月23日みなさんは「しつけ」をどのようにとらえているでしょうか。その言葉の響きから、「子どもを押さえつけるもの」といったイメージを持っている人もいるかもしれません。そうであるなら、子どもが自ら考えて行動する「自主性」とは対極にあるものとも言えます。ところが、幼稚園の園長を務めた経験もある東京家政大学子ども学部教授の岩立京子先生は、「しつけこそが、子どもの自主性を育てる」と語ります。構成/岩川悟取材・文/清家茂樹写真/山本未紗子「しつけ」と子どもの「自主性」は対極にあるものではない子育て中の親御さんから耳にする言葉に、「しつけもしっかりしたいけど、子どもの自主性も育てたい」というものがあります。この言葉には、大きな間違いがあります。「しつけとは親が子どもを押さえつけるもので、それによって子どもの自主性が育たないのではないか」という大いなる勘違いをしているようです。この、「しつけによって自主性が育たなくなる」というのは完全に間違いです。なぜなら、しつけというのは、最終的には子どもが自分自身でこの世の中を生きていける力、つまり、自主性を育てるためにあるものだから。しつけと子どもの自主性は、対極にあるものではないのです。しつけによって社会のルールや価値をきちんと知ることができた子どもは、それに基づいて自信を持って自分を出していけます。また、なかには居心地の悪い社会のルール、変えていかなければならない社会のルールもあるでしょう。そこで、その悪いルールを変えていこうと自ら動き始めることもできる。それもまた自主性が育っているからこそできることです。まずはしつけによって社会のルールを知ることが大切です。でも、そのなかに留まっている必要はありません。社会のルールを知り、それを行動基準としながらも、なおかつそれを、自主性を持って乗り越えていく。そういうことが、人間らしく生きていくにはとても重要なのではないでしょうか。自主性が育つベースにある自己肯定感と自己信頼ただ、大切となるのは、しつけによって社会のルールや価値を子どもに教えることだけではありません。なぜなら、子どもの自主性が育つには、そのベースとして子どもの自己肯定感や自己信頼が必要だからです。ですから、子どもがなにかを自分からすすんでやってくれたようなときには、そのことを認めてしっかりほめてあげることが大切になります。いま、「ほめる子育て」に対しては研究者によってさまざまな意見がありますが、わたし自身は、叱り続けるような子育てよりは、ほめる子育てのほうが絶対に子どもは伸びるというふうに考えています。これはもう、基本原理と言っていいでしょう。臨床心理学でも教育学でも、さまざまな研究が「ほめる子育てがいい」ということを示しています。ですから、まずは子どもをほめることを考えるべきです。もちろん、子どもがやることのなかには好ましくないこともあるでしょう。誰もが認める社会の基本的なルールから逸脱してしまうようなことです。そんなときには、きちんと叱ってあげることが大切。怒鳴りつけるように叱るのではなく、その都度、「こういうことはやらないほうがいいよ」「お母さんはこうしてほしくないな」といったようにマイルドにメッセージを伝えてあげるのです。そういう子育てをすれば、子どもは悪く育ちようがないと思うのです。自己肯定感と自己信頼が低い子どもは問題行動を起こす逆に言えば、自己肯定感や自己信頼が非常に低い子どもは、いろいろな問題行動を起こしてしまう傾向にあります。「自分なんてどうでもいいや……」と投げやりになっていて、「自分はできるんだ!」と思えない。だからさまざまな問題行動を起こすし、自主的になにかにチャレンジすることもできません。すると、問題行動を起こしてまた厳しく叱られ、さらに自己肯定感や自己信頼が下がってしまうという悪循環に陥ることにもなりかねないのです。この自己肯定感や自己信頼が大切だということは、大人であるみなさん自身に置き換えても想像しやすいものであるはずです。一生懸命に仕事や家事、子育てを頑張っているのに、パートナーから「あなたは全部だめ」「いいところはなにもない」なんて言われたとしたらどうですか?せっかく頑張っていた仕事や家事、子育ても投げ出したくなりますよね。それこそ、まだ自分自身でできることが大人に比べて少ない子どもに対しては、しっかりとほめてあげて、「自分はお父さんとお母さんに大事にされている!」「自分はいまの自分であっていいんだ!」「僕には自分でできることがある!」と思わせてあげることがなにより大切なのです。『遊びの中で試行錯誤する子どもと保育者 子どもの「考える力」を育む保育実践』岩立京子 監修/明石書店(2019)■ 東京家政大学子ども学部教授・岩立京子先生 インタビュー記事一覧第1回:イヤイヤ期には“気そらし方略”がうまくいく。3歳の子育てを楽にする、2歳までの「しつけ」のコツ第2回:もう「早く!」なんて言わなくていい。“ニンジン作戦”で子どもを楽しい世界にいざなってあげて第3回:子どもの失敗の機会を奪う「悪い先回り」を今すぐやめて、「いい先回り」をするための工夫とは?第4回:「しつけもしっかりしたいけど、自主性も育てたい」親のこの考えが“完全に間違っている”理由【プロフィール】岩立京子(いわたて・きょうこ)1954年生まれ、東京都出身。東京家政大学子ども学部教授。東京学芸大学名誉教授。東京学芸大学教育学部卒業後、同大学大学院教育学研究科修士課程を経て、筑波大学大学院心理学研究科博士課程単位取得退学。筑波大学心理学系技官を経て、1986に東京学芸大学講師となり、1991年に筑波大学で博士(心理学)を取得。その後、東京学芸大学で34年間にわたり保育・幼児教育の専門家養成に関わった後、現職に就く。2014年から2017年まで、東京学芸大学附属幼稚園長を兼任。主な著書に『幼児理解の理論と方法』(光生館)、『保育内容 人間関係』(光生館)、『たのしく学べる乳幼児の心理』(福村出版)、『乳幼児心理学』(北大路書房)、『新幼稚園教育要領の展開』(明治図書出版)、『子どものしつけがわかる本 がまんできる子、やる気のある子を育てる!』(主婦の友社)がある。【ライタープロフィール】清家茂樹(せいけ・しげき)1975年生まれ、愛媛県出身。出版社勤務を経て2012年に独立し、編集プロダクション・株式会社ESSを設立。ジャンルを問わずさまざまな雑誌・書籍の編集に携わる。
2020年06月02日人それぞれにとらえ方が違う「しつけ」。そもそもしつけとはどんなもので、また、いつ頃から始めるべきなのでしょうか。幼稚園の園長を務めた経験もある、東京家政大学子ども学部教授の岩立京子先生は、「しつけとは社会のルールや価値を子どもに伝えていく、親のやるべき最も中核的な営み」だと言います。そして考え方にもよりますが、しつけは子どもがはいはいを始める0歳台後半くらいから、始まっているのだそう。構成/岩川悟取材・文/清家茂樹写真/山本未紗子しつけとは、社会のルールや価値を子どもに伝える営み「子育て」と「しつけ」は似ているようで異なる意味を持つ言葉です。子育てとは、食事や排泄など、子どもに対するさまざまな「お世話」やその他の関わり全般を指すもの。一方のしつけとは、子育てのなかでも、なにが大切でなにがそうではないのかといった社会のルールや価値を子どもに伝えていく営みです。この営みは、言うまでもなくとても重要なものです。なぜなら、人間は社会のなかで生きていく生き物だから。社会のルールや価値がわかっていないまま育った子どもは、社会のなかでうまく生きていくことができません。つまり、しつけこそ親のやるべき最も中核的で重要な営みなのです。そのしつけのなかの具体的な行為は、大きくふたつに分類されます。そのふたつとは、「ほめる」と「叱る」です。親からほめられれば「これはいいこと」というメッセージを受け取り、逆に叱られれば「これはやってはいけないこと」というメッセージを受け取って、子どもは社会のルールや価値を徐々に学びます。ただ、研究者のなかにも、「子どもは愛情深く育てるべきだから、叱ってはならない」と考える人もいる。でも、叱るという行為は、怒鳴りつけるようなことを指すのではありません。社会に生きていくうえでなにをしてはいけないのか、どう振る舞うべきなのかといった不可欠で重要なことを、メッセージとして子どもに対して冷静に伝えていく――それが、叱るということなのです。ただ、叱ることも大切だとはいえ、親がルールを押しつけるようなやり方ではしつけは成功しません。子どもが「ああ、そうなんだ」と納得して、「じゃあ、そうしよう」と自ら思えなければならないからです。これは心理学では「内化」と呼ばれるプロセスで、子ども自身が社会のルールや価値を取り込んでいくという営み。その内化ができるように「導いていく」という発想を、親であるみなさんには持っておいてほしいですね。子どもがはいはいを始めたらしつけもスタートでは、しつけはいつから始めればいいのでしょうか?このことについては研究者によって考え方が大きく違ってくるのですが、私は0歳台の後半からしつけが始まると考えます。子どもは0歳台後半になると、はいはいをするようになります。すると、親の思惑を超えて子どもが動き回った場合には、子どもに危険が及ぶこともありますし、親からすれば大事なものを壊されるといった可能性も出てくるでしょう。ですから、子どもがはいはいを始めた頃からしつけが始まるというわけです。しつけでは、そうした子どもに危険が及ぶようなこと、してはいけないことに対して、「これはだめよ」「危ないからね」というふうに伝えます。とはいっても、やはり0歳台の子どもの場合は言語的理解が未熟ですので、表情や抱きとめるといったかたちでマイルドに伝えていくことが大切。たとえば、子どもがなにか熱いものに手を伸ばそうとしたら、「だめ!」と強く叱るのではなく、優しく抱きとめて「アチチだよ」という具合に、やわらかいメッセージで伝えましょう。いま、「言語的理解が未熟」だとお伝えしたことで、「0歳台でしつけを始めても意味がないのでは?」と思った人もいるかもしれません。でも、子どもは生まれて8カ月頃から、たいていの場合は愛着関係にある親を対象に「社会的参照」というものを始めます。社会的参照とは、子どもが未知のものに出合ったときに、それがよいものか悪いものか、危険かそうでないかのような判断を、愛着関係にある人の表情などを伺ってすることです。先の例のように、子どもが熱いものに手を伸ばそうとしたとき、親が「危ないよ」「アチチだよ」と言うと、子どもは親の顔を見ます。そして、その真剣な表情、禁止の表情を読み取って手を引っ込める。あるいは、親が「大丈夫よ」と言いながらほほ笑んでいれば安心して手を伸ばすのです。もちろん、そうしながらなにをしたらだめなのかといったことを子どもはしっかり学んでいきます。イヤイヤ期の子どもに有効な「気をそらす」方略そのように0歳からきちんとしつけをしていても大変になるのが、子どもが2歳になった頃。いわゆるイヤイヤ期です。自我が芽生え始め、ほとんどの子どものしつけが難しくなります。でも、イヤイヤ期は子どもの発達のひとつのプロセスですから、「あ、自分を出し始めたな」というふうにライトに考えてあまり深刻にとらえないようにしましょう。しつけが難しい時期ではありますが、いいことはしっかりほめて、子どもがだめなことをしようとしたときにはマイルドに叱るという基本は変わりません。ただ、この時期の子どもに有効な「気をそらす」というテクニックは知っておいて損はないでしょう。イヤイヤ期の子どもは、たとえばスーパーでお菓子を買ってほしいとかんしゃくを起こすようなことがありますよね。もちろん、言いなりになる必要はありません。子どもの泣くという行為には、非常に激しくてスパンが短いという特徴があります。ですから、泣いている子どもをひょいと抱き上げて駐車場の車にでも乗せて、「あれ欲しかったんだもんね」と共感してあげて、少し時間が経てば、子どもが疲れて少し落ち着くタイミングがやってくる。そのときに、ジュースをあげるなどして気分転換させてあげるのです。そういった気をそらす方略が有効です。そして、このプロセスのなかで、子どもは親の力を借りながら自分の情動をコントロールする術を身につけていきます。これがとても重要なこと。私は幼稚園の園長を4年間務めましたが、3歳になったときの、子どもそれぞれの自己コントロール力の大きな違いに驚かされました。同じ3歳でも、親に怒りなどの感情を受け止めてもらい、調整してもらってきた子どもは、保育者のなだめや「気そらし方略」によって自己の情動を調整できる傾向が強いと感じました。言ってみれば、0歳でのしつけが1歳の子育てを、1歳でのしつけが2歳の子育てを、2歳でのしつけが3歳の子育てを楽にしてくれるということ。子どもは0歳台から優れた学習能力を持っています。0歳台から、豊かなコミュニケーションのなかで、価値やルールの伝達=しつけをしていってほしいと思います。『遊びの中で試行錯誤する子どもと保育者 子どもの「考える力」を育む保育実践』岩立京子 監修/明石書店(2019)■ 東京家政大学子ども学部教授・岩立京子先生 インタビュー記事一覧第1回:イヤイヤ期には“気そらし方略”がうまくいく。3歳の子育てを楽にする、2歳までの「しつけ」のコツ第2回:もう「早く!」なんて言わなくていい。“ニンジン作戦”で子どもを楽しい世界にいざなってあげて(※近日公開)第3回:子どもの失敗の機会を奪う「悪い先回り」を今すぐやめて、「いい先回り」をするための工夫とは?(※近日公開)第4回:「しつけもしっかりしたいけど、自主性も育てたい」親のこの考えが“完全に間違っている”理由(※近日公開)【プロフィール】岩立京子(いわたて・きょうこ)1954年生まれ、東京都出身。東京家政大学子ども学部教授。東京学芸大学名誉教授。東京学芸大学教育学部卒業後、同大学大学院教育学研究科修士課程を経て、筑波大学大学院心理学研究科博士課程単位取得退学。筑波大学心理学系技官を経て、1986に東京学芸大学講師となり、1991年に筑波大学で博士(心理学)を取得。その後、東京学芸大学で34年間にわたり保育・幼児教育の専門家養成に関わった後、現職に就く。2014年から2017年まで、東京学芸大学附属幼稚園長を兼任。主な著書に『幼児理解の理論と方法』(光生館)、『保育内容 人間関係』(光生館)、『たのしく学べる乳幼児の心理』(福村出版)、『乳幼児心理学』(北大路書房)、『新幼稚園教育要領の展開』(明治図書出版)、『子どものしつけがわかる本 がまんできる子、やる気のある子を育てる!』(主婦の友社)がある。【ライタープロフィール】清家茂樹(せいけ・しげき)1975年生まれ、愛媛県出身。出版社勤務を経て2012年に独立し、編集プロダクション・株式会社ESSを設立。ジャンルを問わずさまざまな雑誌・書籍の編集に携わる。
2020年05月27日こんにちは! おにぎり2525です~我が家の息子。なにをするのものんびりでしていまして…言われてもなかなか動かないんです。■のんびり屋の息子にイライラ…毎日毎日このやり取りを朝から晩までしています。ご飯もだらだら。歯磨きもだらだら。寝るまでにだらだら。本当に繰り返しで、正直疲れます…でも最近夫が寝かしつけをやってくれるようになり、とても楽になりました!!きっと夫もだらだら寝る準備をする息子にイライラするはず!■夫よ! 私をダシに使わないでせっかくママが叱らなくていい場面なのに!!ママが怖いっていうイメージを植え付けないでください!そこはパパがちゃんと叱って、しつけしてよー!せっかく寝かしつけを変わってもらったのにモヤモヤした結果になりました(笑)
2020年04月10日夫と私は、教育方針について多少のズレはあっても根本的には同じ方向を向いていると思っています。だからどんな時にどの程度子ども達を叱るかというポイントも大体同じ。なのですが、実は内心こんな理不尽な思いが駆け巡っています。■夫に感じる複雑な感情■この矛盾した気持ちは何だろう?私だっていつも同じようなことで同じような怒り方してるくせに!!なのに、客観的に見ている立場だと「そんな怒らなくても~~(泣)」と胸がチクチク。もちろん、冷静に考えても疑問を感じるような怒り方だと思った時は夫に言います。ただ基本的に夫が怒り役の時は、そのまま解決しそうなら任せるし悪化しそうなら子ども達へのフォローに回る感じなので、内心チクチクしつつも見守っています。…と思っても、子ども達と3人で過ごしているとやっぱりまたつまらないことでイライラして怒ってしまう。端から見たら矛盾している、複雑な母心です…。
2020年04月10日赤ちゃんから幼児へと成長してきたわが子、そろそろしつけをしたほうがいいのかな……でもどうやって? 私はしつけによって、娘にも自分にもストレスばかりが募るという悪循環を経験してきました。そんなわが家の失敗によって学んだことをご紹介します。 「わかった」はその場のことだけだと心得る「〇〇しないでね」「わかった!」こんなやり取りをした数分後、また同じことを繰り返す……。子どもにはよくあることですよね。「何度言えばいいの?」と募るママのイライラ。 「わかった」は口だけなのかな? 私は何度も考えましたが、実はそうではないようでした。子どもはちゃんとわかっています。でも、それは言われたその場の出来事だけ。その後のことに応用できるようになるのは、少なくとも3歳以降ではないかと思います。1歳や2歳では難しいことなのだと知っておくと、私は気持ちが少しラクになりました。 強制ではなく事態を実感できるような声かけを他の子と関わる場所では、喧嘩やおもちゃの取り合いなども少なからずあります。けれど、他の子のおもちゃをとってしまったり、とられた子が物を投げて怒ったりしても、それは子どもが成長するために必要なプロセスなのではないかと私は思っています。 ケガをするようなことや人に痛い思いをさせるようなことは注意するべきですが、必ず理解を示してあげるようにしていました。「使いたかったんだね。でもとられちゃったら悲しいな」「嫌だったね。でも物を投げるのは危ないよね」など、強制してやめさせるのではなく、その事態を実感できるような声かけをすると、少しずつですが、わが子は自ら学んでいってくれました。 生活習慣のしつけは、まず自分が実践わが家では、生活習慣だけは早くから伝えようと決め、たとえば靴を脱いだら揃えるなどの覚えやすい生活習慣は1歳半から教えることにしました。 まず気を付けたことは、「自分が実践すること」。子どもは親の行動を「これが一番いい方法」と思ってついてくることが多いですよね。私の子どもも、私がやっていることは必ずと言っていいほどまねをします。そして、まねをしているうちにだんだんと身についていきました。 そして、もう1つ気を付けたことは、「できなくても怒らないこと」。できないことにイライラしていたらストレスがたまる一方! 私は自分に余裕がないと感じているときは、できない姿を見ても見ないフリをするようにしていました。 子どものしつけは、気になり出すとどんどん気になっていってしまいますが、「最低限ここは身につけてほしい」という線引きをするとラクになりました。 「共感した」「私の場合はこうだった」など、ぜひベビーカレンダーサイトのコメント欄にご感想をお寄せください。また、ベビーカレンダーでは皆さんから募集した体験談を記事でご紹介させていただくことも。ベビーカレンダーに会員登録すると届くメルマガから、皆さんのオリジナル体験談をご応募ください。 イラスト:(c)chicchimama監修/助産師REIKO著者:里川まちこ大人しく内気な娘と楽天的で活発な息子、男女二児の母。ママ・パパに役立つ情報をお届けすべく、これまでの育児経験を生かして、育児の工夫やお役立ちグッズなどの情報を発信中。
2020年04月05日こんにちは、保育士の中田馨です。1歳が近付いてくると生活リズムが整ってきて、食事、睡眠、遊びを毎日だいたい同じ時間にするようになります。それと同時に歯磨き、手洗い、お風呂、トイレなど「生活習慣」のしつけを徐々に考える時期に入ってきます。 今回は年齢ごとの生活習慣を身につける方法を話します。 生活習慣を身につけるポイント乳幼児が生活習慣を身につけるためにはポイントがいくつかあります。 1.親が気持ちに余裕を持つ乳幼児に「手洗いはごはん前に毎回するのよ」と言ったところで、すぐにそれを自分でできるようになるわけではありません。3歳になっても、サッと洗面所に行けるときもありますし、遊びの途中でなかなか行動に移せないときもあります。親の「してほしい」気持ちと子どもの「したい気持ち」はなかなか一致しないもの。なかなか上手くいかずモタモタするので、イライラしてしまうこともあるかもしれません。生活習慣は、練習に練習を重ねてできるようになることも多いので「思い通りに行かなくて当たり前」くらいの大らかな気持ちで取り組みましょう。 2.できた喜びもできなかった気持ちも共感する子どもは、ほめられるととても嬉しい気持ちになり、それが自信につながります。ですので、できたときは子どものうれしい気持ちに共感します。また、できなかったときは残念な気持ちや不安な気持ちになるかもしれません。そんなときも子どもの気持ちに共感し、「大丈夫だよ」と伝えて安心させましょう。 3.自分でできることはさせるまだまだ身体機能が未発達です。時間がかかるし、うまくできないし、親がしたほうが何倍も早くスムーズにできることでしょう。でも、子どもがしていることを途中で止めること、最初から全て手伝ってしまうこともよくありません。「自分でできるところまで(最後まで)やってみる」という経験が自信につながります。 1・2・3歳にできる生活習慣は?生活習慣と一言で言っても、大きなものから小さなものまでさまざまあります。1・2・3歳の子どもができる代表的なものを紹介します。 食事食事は1日3回と1~2回のおやつの時間があります。例えば、1歳からできる食事の生活習慣は「いただきます」と言うことからスタートし、自分で手づかみ(スプーン)で食べる、タオルで口をふく、「ごちそうさま」をするという4ステップです。 これに付け加えて2~3歳ごろになると、自分や家族のお箸や食器を運ぶ、テーブルを拭く、使ったタオルをたたんでみるなどもチャレンジできるようになってきます。 歯磨き歯が生えてきたら口の中をガーゼで拭くところからスタートし、上下2本ずつ生えそろってきたら歯ブラシを使った歯磨きがそろそろスタートします。湯冷ましや水を飲んで口の中がスッキリする感覚を感じさせることも大切です。 最初はママがメインでの歯磨きですが、年齢が上がるごとに磨き方を教えて自分でも上手に磨けるようになってきます。「食後は歯磨きをする」ことを伝えていきましょう。 着替え起きたときにパジャマから服に着替え、寝るときにパジャマに着替えることは、生活の切り替わりにおいて大切なこと。1歳ごろはまず、靴下などの簡単なものを脱ぐことからスタートしましょう。年齢が上がるごとに、ママの手を借りながら服を着て、自分である程度着られるようになります。 トイレ1歳ごろはまず「トイレやおまるに座る」からスタートです。このときは「おしっこを出させる」ことよりも「座ることに慣れる」をメインにします。トイレに座ることに慣れたら、起きたとき、お出かけ前、外から帰ってきたとき、寝る前など、家の生活リズムに合わせながら徐々にトイレに行く習慣を取り入れます。 早寝早起き「夜は9時台に布団に入る」「朝は7時に起きる」など、寝て起きることは生活習慣の要。1日の最初と最後のリズムを整えることで、その他の生活習慣も整ってきます。 一度にこれら全てができるようになるわけではありません。子どもの成長発達を見ながら、少しずつできることを増やしていきましょう。 1・2・3歳への声かけ方法各年齢によって声をかけるときのポイントが違います。・1歳ごろ1歳ごろの子どもにはくり返し伝えます。まだ長い間記憶しておくことができないので、毎日毎日伝えるようにしましょう。1歳のときに「生活習慣を身につけさせる!」と強く思わず、楽しい雰囲気で取り組めるといいですね。・2歳ごろ短い言葉で伝えます。大人の言っている言葉が分かり始めているので「しっかり伝えなくちゃ」と思ってしまいますが、まだ長い文章で言っても伝わりません。「出かけるから、トイレに行くよ」「ご飯食べるから、手を洗うよ」など、簡潔な言葉に言い換えましょう。・3歳ごろ「次に何をすればいいか」という生活習慣のリズムが徐々に分かってきます。外から帰ったら自分から洗面所に向かったり、蛇口も自分で開け、ハンドソープも自分で押して、手を洗って、タオルで拭くという「手洗い」を一通り自分でできるようになったりします。自主的にできているときはそばで見守り、できないときやしないとき、ダメなことをしたときに簡潔な言葉で伝えるようにしましょう。 1歳でできていたことが、イヤイヤ期になって突然しなくなったりすることもあります。例えば、靴下を自分ではけていたのに「はけない!」と言ったり……。そんな姿が見られるときの多くは「ママに甘えたい」気持ちの表れです。「自分ではけるでしょ!」と無理にさせようとするのではなく、「じゃあ、右足はママがはかせるね。左足は〇〇ちゃんがはいてね」と言ってもいいですし、全面的に「ママがはかせてあげる!」と、たまには甘えさせてOKです。 お手本はパパとママ生活習慣の見本は何と言ってもパパとママ。子どもはパパとママのことが大好きなので、2人をよく見ています。子どものお手本だと思って、これまでよりも意識的に手洗い、歯磨き、トイレ、食事などをしてみてください。このときに、子どもも一緒にできるといいですね。食事のあいさつ「いただきます」「ごちそうさま」も、いつもは何気なくしているかもしれませんが、子どもも一緒にすると思うと意識が変わります。子どもに「パパとママと一緒にできた」という経験をたくさん積み上げさせて、楽しい雰囲気から自信につなげていきましょう。 生活習慣は、教えてすぐできるようになるものではありません。小さなときからできる範囲で少しずつ伝えているうちに、いつの間にか「習慣になってきたな」と感じることです。焦らず、子どものペースで進めていけるといいですね。 著者:保育士 一般社団法人 離乳食インストラクター協会 代表理事 中田家庭保育所施設長 中田馨0~2歳対象の家庭保育所で低年齢児を20年以上保育する。息子が食べないことがきっかけで離乳食に興味を持ち、離乳食インストラクター協会を設立。現在は、保育士のやわらかい目線での離乳食の進め方、和の離乳食の作り方の講座で、ママから保育士、栄養士まで幅広く指導。離乳食インストラクターの養成をしている。「中田馨 和の離乳食レシピ blog」では3000以上の離乳食レシピを掲載中。『いっぺんに作る 赤ちゃんと大人のごはん』(誠文堂新光社)も発売中!
2020年02月25日私の父親は、気に入らないことがあるとすぐに怒鳴り散らしたり暴力をふるったりする人でした。特に子どもに求める学力のレベルが高く、勉強が原因で叩かれることが当たり前の家庭で育ちました。自分が親になってみて、反面教師にしようと思うことがたくさんあります。 年齢以上のレベルを求める父父自身は家庭の事情でレベルの高い学校に通うことができなかったため、子どもである私と弟に過剰な期待をかけていたようです。 5歳になってひらがなが読めるようになると、新聞を毎日読み上げさせるようになりました。大人が読むものですから、もちろん漢字にふりがなはふっていません。漢字の読み方がわからないと1度は教えてくれますが、2度目に同じ漢字が読めないと頬を平手打ちです。小学校4年生くらいまで続いたと思います。つらくて泣きながら読みました。 弟への罪悪感私は女の子だったので、まだ手加減していたようです。男の子には容赦がなく、2歳下の弟は私よりも高い学力レベルを要求され、さらにひどい暴力をふるわれていました。恐ろしいのはそれが当たり前になってしまっていたことです。 私は進学し、弟よりも先に家を出ました。私がいなくなった家では、父のターゲットは弟ひとり。どんなにかつらい目にあったことだろうと思います。しかし、当時の私は進学できた安心感と家を出られるうれしさで、弟のことなど考えていませんでした。その罪悪感は、今でも持ち続けています。 母親との喧嘩がつらい一方、母は子どもに声を荒げたことがなく、とてもやさしい人でした。父と母の立場は対等だったようで、父は子どもには日常的に手を上げましたが、母を叩いているところは見たことがありません。母はよく父と大きな声で口喧嘩をしていましたが、それでも子どもへの暴力を止めることはできませんでした。慣れてしまっていたのだと思います。 子どもの私は、両親の喧嘩が嫌でたまりませんでした。2人は「親の責任」を果たすために、ののしり合いながらも一緒に生活し、弟が成人したあとに離婚しました。子どものせいにしないで、自分たちの責任でさっさと別れたらよかったのにと思います。 親ですから尊敬できる部分もあります。しかし、しつけと称して暴力をふるったこと、子どもへの過剰な期待、毎日のように起こる夫婦喧嘩という点に関しては、確実に毒親だったと思います。私は子育てに関して、何があっても絶対に暴力をふるわないこと、子どもの前で夫婦喧嘩をしないことの2つだけは、絶対に守ろうと思っています。 著者:武田沙季子自身の体験をもとに、妊娠・出産・子育てに関する体験談を中心に執筆している。
2019年11月20日保育園、幼稚園、学校に通う子ども、そしてその親にとって、先生はとても重要な存在です。私は以前、息子が通う保育園の先生の子どもへの対応に不安を感じたことがあります。そのときの不安解消のきっかけは、「お母さん同士の会話」と「先生との懇談会」でした。先生のキツイ言い方が気になり、不安に0歳児クラスから入園した息子は、今年が保育園3年目。各クラスに3、4人の担任がつき、進級ごとに大半の担任が入れ替わります。今まで担任になってくださった先生方は基本的にとてもいい先生でした。しかし、0歳児の入園時には甘やかされていた子どもも、成長とともにルールに従うことが必要になります。ルールを学ばせるための方針・方法は先生によって違うため、時に「それでいいのかな?」と不安に思うことも。私が特に気になったのが、ある先生の子どもへの注意の仕方でした。例えば、息子の園では、部屋の出入口を子どもが開閉することは禁止されていますが、送迎で私と一緒のときに息子が開けてしまったことがあります。それを見た先生が、「こら!開けたの誰?誰かな?ねえ、ドア開けていいんだっけ?ダメって言ったよね?ドアはお母さんが開けるんだよね。今開けたの誰?」と立て続けに言われたのです。息子が涙目になるのも気に留めずに責め立ててるような言い方が心に引っ掛かりました。その後、息子やほかの子どもを注意している場面に何度か遭遇するうちに、保育園児に対する態度としては厳しすぎるのではないか、これでは子どもが萎縮するに違いない、子どもの人格形成に支障をきたしたらどうしよう、と徐々に不安が大きくなっていきました。息子本人に日中の様子を聞こうとしても、3歳前ということもあり、まだ会話がおぼつかず、ましてや自分の気持ちを言葉で表現することまだできない時期。そんな状況で「○○先生ってコワイ?」と聞くことはネガティブな気持ちを植えつけてしまうと考え、詳しい話を聞くことはできませんでした。同級生のお母さんとの会話不安が増大した私は、先生に直接抗議するか、園長先生や事務の先生に相談しようと思い、そのために事前に情報収集をしようと考えました。そこで、同級生のお母さん数名にメールすることにしました。メールの内容はとても悩みましたが、実際に見たことと、私は威圧的に感じたということを、感情的な文章にならないように注意して書きました。正直なところ、私はみんなから「同じような状況を見たよ。あの先生キツすぎるよね」という返事を期待していました。そういう意見が集まれば「やっぱり問題のある先生なんだ!子どものためにみんなで抗議しよう!」と即座に続けて行動するつもりでした。あるお母さんから「うちの子も、いっぱい怒るからキライって言ってる」との返信を受けたことで、抗議行動への気持ちはヒートアップしていきました。しかし、あるお母さんの返信が私を冷静にしてくれました。「言い方はキツイけど、言ってる内容は間違ってない」自分ひとりで考えていても思い至らない意見にハッとさせられました。さらに他のお母さん、保育士さん、知人と話すなかで、その先生について・子どもの良いところもよく見てくれている・以前から厳しいが、毎年子ども達には人気があるなど、私が気づかなかったことや、・男の子はとにかく優しい先生が好きだけど、女の子は厳格な先生を好きな傾向がある・叱るところはきっちり叱らないとクラス全体が無法化するなどの一般論もとても勉強になりました。結果として、爆発寸前だった不安は大きく減少しました。先生との懇談会で知る、思いや人柄不安は減少したものの、キツイ言い方が先生個人の感情に起因するのではないかという不安が残っていた頃、先生と親が参加する懇談会がありました。懇談会では、その先生から・この時期に子ども達が学ぶべきこと・指導するうえでの考え方・実際の指導方法などが説明されました。話の内容だけでなく、その話し方も含めて、私にはとても心のこもったものに感じられました。その様子から、今まで目にしてきた場面も一時の感情で怒ったのではなく、教育の一環として叱っていたのだと感じました。冒頭のエピソードで、私は息子が一生懸命ドアを開けてくれて嬉しいと感じていました。しかし、ドアの開閉が禁止されているのは子どもの安全を確保するため。先生は、単に言いつけを守らなかったことを怒っているのではありませんでした。日頃の送迎のわずかな時間だけでは、先生の行動のごく一部を見ているに過ぎず、その背景にある考え方まで正確に理解することは難しいです。懇談会はそれを知る貴重な機会です。また、問題がある場合には直接話し合うこともできます。私は今後も可能な限り参加していこうと思いました。今回学んだこと私が当初抱えていた不安は、お母さん同士の会話と先生からの話によってほぼ解消されました。わが子に関わることは、どうしても主観的になります。だからこそ、より一層客観的、多角的に判断するよう努めるべきだということを再認識しました。今回は不安が杞憂に終わって幸いでしたが、そうではない場合もあると思います。そのときでも、できる限り冷静に周りの人や先生との対話を積み重ねて解決していこうと心に刻みました。<文・写真:ライターnekotaaya>
2019年09月29日しつけをするのは「子どものため」ですよね。人にはやさしくあってほしい、ずるいことを考えず、正しいおこないをしてほしい。良い子になってもらうべく、私たち親は奮闘するわけです。けれど「これが本当に子どものためになるのだろうか」と迷い、悩むことがあるのはなぜなのでしょう。子育てで目指すべきゴールはどこにあるのでしょうか。今回は、子どもが「生きやすくなる」ために親ができることについて 『今日からしつけをやめてみた』 (主婦の友社)を監修された柴田愛子先生にうかがってきました。お話をうかがったのは…「りんごの木 子どもクラブ」代表 柴田愛子先生「子どもの心により添う保育」をモットーにした「 りんごの木 子どもクラブ 」代表。絵本作家。 保育者。育児書の執筆、雑誌への寄稿だけでなく全国で保育者向けセミナーや母親向け講演会をおこない支持を得る。NHK『すくすく子育て』出演。園で行っている「子ども達のミーティング」はテレビ・映画で取り上げられ「子どもの力を最大限に引き出している」と話題に。■親が自慢に思う「良い子」を演じる子どもたち――世のママやパパがしつけをするのは「良い子になってほしい」という思いがあるからですよね。でも「良い子」であることって、そんなに重要なことでしょうか?柴田愛子先生(以下、柴田先生):小さいときから「良い子」というものが評価されすぎているわね…。評価されすぎると、良い子は良い子を崩せなくなる。本当の気持ちがいえなくなってしまうの。空気を読むようになって、大人たちから褒められることが自分の生きがいになっていくのね。――褒められることが生きがい…。柴田先生:20~30代の人がこんな事を言ったりするの。「本当の私はいつ出したらいいんですか?」って。小さなころから、みんなに「良い子ね」っていわれてきた。だけど、本当の私は別にある。本当の自分をいつ出せばいいのか、分からなくなってしまったのね。――良い子の自分とは別に、本当の自分がいたんですね。柴田先生:そう。だから私は「今日から良い子をやめなさい。ひとつでもいいから自分の本音をいってごらん」といったの。自我のない人間はいない。でも、我が子が「良い子」の評価を受けると、親は満足するでしょう。それを見て、子どもは親を喜ばそうと、自ら「良い子」路線に進んでしまうの。――子どもも親の期待に応えたいと感じるんですね。柴田先生:でもそれは、人のために自分をつくることで、自分の人生じゃない。たとえ誰かに迷惑をかけても、非難されても、良い子じゃなくても…。我が子には「自分で良かった」と思って、生きてほしいじゃない?――はい…!■「好きなこと」があれば生きていける!――でも「あるがままでいい」と思うことは大人でも難しいことですよね…。まわりに振り回されず、自分の軸をしっかり保ちながら生きていくにはどうすれば良いのでしょう?柴田先生:そうね。私が小学校低学年のときに、母から「人間、好きなことがひとつあれば、生きていけるから」といわれたことがあるの。――好きなことがあれば、生きていける?柴田先生:当時「ピアノが習いたい」と母にいったら「そう。あそこにピアノ教室があるからいっておいで」って。私、1人で教室に「習いたいです」といいにいったの。ほかの友だちはみんな親がついてきてるのに(笑)。やりたいことは応援してくれたけど、手取り足取りじゃなかったわね。自分のやりたいことは自分の力で進まなくちゃいけない。――自分の力で…。「好きなことがあれば生きていける」というのは、好きなことを仕事にして食べていく、ということでしょうか?柴田先生:当時は私も意味がよく分からなかったけど「好きなことがあれば食べていける」ってことではなかったわね。「今、何かしら好きといえるものがあれば大丈夫」ってこと。――好きなことがあれば「大丈夫」…?柴田先生:母は専業主婦で大変だったけど「今日は民芸です」といって、月に1度、外出するときがあった。私はどこへでも母についていく子だったけれど、その日だけは「一緒にいく!」とはいえない空気があったの。18歳になったとき、ようやく「今日は一緒に民芸にいこう」と連れていってもらえたんだけど、劇団の芝居だったの。社会問題を扱った難しい芝居が多かったけど、一緒にいくことで私は母の考え方を知った。「母はこういう考え方を支持してるのか」と理解できたわ。――親がどういう考え方を持っているかって、聞く機会をつくらない限り分からないですよね。柴田先生:そうね。母は何より、自由を求めていた人だったと思う。「好きなことがひとつあれば生きていける」といったのはたぶん、好きなことがひとつあれば「自分がブレない」ってことじゃないかな。子育てや仕事で自分を見失ってしまうこと、いっぱいあるじゃない? そのとき、自分が好きといえるものに出会うと、自分を取り戻せるような気がしない? 好きなことって何でもいいのよ。「その先に何があるの?」ってよく聞かれるけど、そこに意味や価値はなくてもいいの。例えば、私は山登りが好きで、すごく疲れていても大自然を感じると、空気が体の中にはいってきてホッとできる。帰ってきたような気分になるのね。だから、好きなことがあると「私はこういうのが好きなんだ」「私はこう思うんだ」って自分を取り戻せる。まわりにおびやかされず、自分を守っていけるんだと思うの。■生き抜くために「たくさんの友だち」より大切なこと――それは、親だけではなく子どもにもいえることですよね。柴田先生:そう。子どもにとって、お友だちがいるかいないかはそんなに大事なことじゃない。自分がやりたいことを見つけられる力を持っていることのほうが、ずっと大事だと思うの。あるとき、りんごの木にお迎えにきたお母さんが「今日はお友だちと遊んでましたか?」って聞いてきたのね。だから私は「お友だちと遊ぶことは、そんなに大事なことではないです」って答えた。お友だちはだんだんできていくもので、つくろうとしてつくるものではないのね。ひとりぼっちでもいいじゃない? 昨日も2歳の子がずーっとひとりで泥遊びをしていたんだけど、「ああ…! たっぷり自分の時間を過ごしてるなあ」ってうれしく思ったの。――友だちは多いほうがいい、ひとりでいるより大勢でいたほうがいい。そう思い込んでいた気がします。柴田先生:大人も子どもも、基本は自分ひとりよ。ひとりでも不安にならず、夢中になれることがあることがどれだけ大事か。だから、他人の視線を気にするあまり、やってしまうのが「しつけ」だと思う。他人を気にしすぎて、自分がもろくなっていない? それより、まず自分を大事にしようって思うのね。――人の目を気にしていると、自分がもろくなる…。柴田先生:毎日毎日、子どもに「静かにしなさい」「良い子にしなさい」といっていると、お母さんは自分が自分じゃなくなるようでつらくなりますよね。もし、そう感じたのなら「うちの子うるさいな。耳栓買うか」くらいに思えばいいのよ(笑)。――耳栓!(笑)柴田先生:そう思わなきゃ、周囲に気をめぐらしすぎて自分を見失っていくと思う。今のあるがままが、どんなに大事かっていうことね。■「嫌です」面と向かっていえる? 正論が子どもを追いつめる――小学生の息子が私に「今日、友だちにひどいことをされた」と報告してくることがあります。そんなとき私は「嫌なら嫌っていわないと、相手には伝わらないよ」と答えるのですが、息子はぶぜんとした表情のままで…。息子の心に響いてない気がするんです。柴田先生:親は事実を確認して、一歩踏み込んで「あなたはこうするべき」と正論でいくことが多いわね。「嫌なことされたら、嫌っていいなさい」って。でも実際、自分より強い人に嫌っていえる人、いる?――…え?柴田先生:上司に「それ、嫌です」っていえるかしら? 自分より強い人に、嫌っていえる勇気を持っている人なんていないですよ。――確かに私も嫌といえないとき…あります。柴田先生:大人でもあるわよね。そんなときは「それはなかなかいえないよね~。いえればいいんだけどね…」と気持ちに寄り添う。それが、子どもの元気を取り戻すことになるのね。――子どもの元気を取り戻す?柴田先生:そう。子どもは「僕(私)は、こんなにひどい目にあってるんだよ!」とあなたに泣きついているの。だから「そんなにひどい目にあっているなんて…かわいそう!」って受け止めてあげるの。ここで共感してあげると、子どもはすごくホッとする。――そうか…。子どもを守りたい、という気持ちもあってつい正論で返していました。そうじゃなくて、元気を出してもらうように接すればいいんですね。柴田先生:そうね。それから嫌と言葉でいわなくても、嫌と伝える方法はいくつかあるよ、と伝えるのもいい。まず泣くのが何より効果的。それから先生やお母さんにいいつけるのも良し。その場から逃げるのもアリだよって。――確かに、いろいろな方法がありますね(笑)柴田先生:大人が正論ばかりいうから、子どもは生きる力を持てないの。嫌なときは嫌といいなさいとか、困ったら乗り越えなさいとか…。大人だって、お金使ったり、物の力を利用したりしているじゃない? なのに子どもには正論をいう。これは子どもの生きる力を奪っていると思う。――子どもにだけ正論をかざすのは、確かに変ですね。柴田先生:自分を守る方法を教えていけば、道はある。それに、わが子を分析し正論で判断ばかりしていると、親である自分も苦しくなってくるんじゃない? もちろん「今日も嫌なことをされた」と同じようなことが続くなら、何か別に理由があるかもしれない。そんなときは、先生に相談してみるといいと思う。いずれにせよ、最後の最後まで結論を追い求めるんじゃなくて、追いつめないことのほうが大事だと思うわね。良い子を強要するのは、もしかすると「本当の自分を隠しなさい」といってるようなものかもしれません。あるがままの自分を大事にすることが、生きる力になる…。ずっと忘れずにいようと思いました。次回は、「子育ては親だけに責任がある」という世間の風潮について、引き続き柴田先生にうかがいます。参考図書: 『今日からしつけをやめてみた』 (主婦の友社)あらい ぴろよ (イラスト), 柴田 愛子 (監修)「小さいうちから、きちんとしつけないと…」そうしておこなわれる「しつけ」は子どもにどんな影響を与えているのか? しつけなくして、親子が笑顔になる方法はあるのか? 子どもの目に映る世界は、大人が見ている世界とは違うもの。親子でストレスの溜まる「しつけ呪縛」から解放される一冊。
2019年06月17日子どもが成長するに従い、あいさつや言葉づかい、食事のマナーなど、生活におけるさまざまなルールをどうやって教えればいいか、悩むことはありませんか。子どもの年齢にもよりますが、さまざまな状況によってしつけの必要性を感じる人は多いかもしれません。ただ、家庭や親によって考え方はさまざまで、さらに子どもの個々の性質もあるため、正しいしつけの方法を見つけるのは難しいですよね。今回は、子どものしつけについて、パパやママの助けとなるヒントを探してみたいと思います。 ■半数以上の悩みは「あいさつや言葉づかい」、「電子機器の時間」 アンケートでは、子どものしつけで一番悩んでいることについて聞きました。その結果、「あいさつ/言葉づかい」と答えた人が31.9%でもっとも多く、2番目は20.9%の「TV、動画、ゲームの時間」と答えた人でした。これら2つの回答だけで全体の半数を占めていて、親の悩みにはある程度の偏りがあるようです。ただ、残りの約半数は全部で8つの回答に分かれていて、しつけの悩みは多種多様であることも読み取れました。 Q. お子さまのしつけで一番の悩みは?あいさつ/言葉づかい 31.9%TV、動画、ゲームの時間 20.9%片付け 15.0%食事のマナー 13.5%寝る、起きる 3.7%特になし 2.9%トイレトレーニング 2.4%交通ルール 1.8%歯みがき/着替え 1.4%その他 6.4% ■言葉づかいの悪さで悩む親が多数「あいさつや言葉づかい」で悩んでいると答えた3割の親たちの思いをのぞいてみたいと思います。「あいさつを当たり前にできないのが情けない。子どもらしく、元気にあいさつができるようになればうれしいです」(神奈川県 40代男性)「小学校で広い年齢層での生活をしていると、変な言葉づかいをまねしちゃうのが一番の悩み」(三重県 40代女性)「言葉づかいが気になる。兄弟の影響か、言葉づかいが男の子みたいな時があります」(三重県 40代女性)「幼稚園で覚えてほしくない言葉を覚えてきて、“お友だちはいいのに自分はどうして使ってはだめなの”と聞かれると、納得してもらえる説明ができない」(千葉県 30代女性)保育園や幼稚園、小学校などでの集団生活、または兄弟間のやりとりによって、子どもたちは新しい言葉をたくさん覚えていきますよね。そんな「言葉づかいの変化」に心配を抱える親は多いようです。ただ、こんな意見も寄せられていました。「上の子が、下の子に注意するときの言い方が、私そっくり。命令口調だったり、下の子が嫌だろうなぁと思うような言い方をしていたりすると、客観的に見てあの言い方はやめようって反省しています。正に『子は親をうつす鏡』だなと思います」(神奈川県 30代女性)筆者も、長男が次男に「そんなことするならおやつあげないよ!」と意地悪そうに言っているのを見て、情けないような恥ずかしいような気持ちになったことがあります。子どもたちは親から言われた言葉を本当によく聞いているのだと、あらためて気づかされました。子どもたちの言葉づかいの悪さの原因にはもしかすると、親自身の話し方もあるのかもしれません。 ■テレビや動画、ゲームの時間が長すぎる!2番目に多い回答が集まったのは、テレビや動画、ゲームに使う時間についてでした。 「4歳の子が、テレビが見たくて仕方がないらしい。市の検診では“テレビは1時間まで”と厳しく言われましたが、ルールを作るのも難しい」(徳島県 30代女性)「テレビを見ながら、ゲームをやりながら、携帯で音楽を流し、タブレットで動画を流している。“目と耳はいくつあるの?”と不思議でたまりません」(千葉県 40代女性)「中学生でずーっとゲームをしていて、本当に困ります。休みの日は1日中家で友だちとオンラインゲーム、勉強は宿題だけで心配です」(新潟県 50代女性)「少し前はテレビばかり、最近はスマホの動画ばかり見ています。 さすがにテスト前は取り上げますが、自分も仕事をしているので管理しきれません」(神奈川県 40代女性)「ゲームの時間を決めていても、日に日に長くなる」というコメントもあり、時間を決めて電子機器を使わせることの難しさが伝わってきます。またゲームや動画に使う時間が長くなりすぎて、「一日の時間をどう管理するか」といったしつけがうまくいかないことを心配している人が多くいました。 ■家庭環境や子どもの個性によってしつけの悩みはさまざま…そのほか、片付けや食事のマナー、寝起きなど、日々の生活を過ごすうえで、守ってほしいこと、身に着けて欲しいことなど、しつけの悩みは細かく分かれました。それぞれどんなことで悩んでいるのでしょうか。▼「片付けができない子どもにイライラ」「最初の遊びに飽きると次の遊びが始まる。最初に使ったおもちゃは片付けることなく次から次へと出しまくり、結局片付けられずに終わります」(東京都 40代女性)「整理整頓ができなくて、どこに何があるかわからなくなってしまう。机の引き出しも、何をしまうか決めても時間がたつとグチャグチャで、“あれがない、これがない”と騒ぎます」(茨城県 30代女性)ほかにも「使ったら戻すよう、何回も注意しているができない」という意見もありました。片付けが苦手な筆者自身も耳が痛い話で、子どもたちに対して「片付けなさい」と言っても説得力がないなと反省する日々です。▼食事のマナーが守れない子どもに悩む親も「とにかく息子は食事中に機関銃のようにしゃべりまくる」(茨城県 40代女性)「手や机を大きくたたいて“おいしい”と表現するのが、クセになってしまって直らない。外食すると周りの目が気になる」(千葉県 40代女性)「食事中、肘をついたり後ろにもたれ掛かったりする。あとは食事中にトイレに行くのも、何度言っても直らない」(神奈川県 30代女性)食事中のマナーが気になっているという声は多いようですが、なかには「小さい頃は食事させるのに必死で、しつけどころではなかった」という意見も寄せられていました。忙しい日々を送るパパママにとって、子どもに毎日の食事を作って食べさせるだけでも大変という現実がありますよね。そうした日々のなかでは、マナーまで気にすることは難しいというのも、本音なのかもしれません。▼「朝全然起きてくれない…」「寝る時間になるとテンションが上がって、お布団の上でふざけてしまい、いくら注意しても言うことを聞きません」(茨城県 20代女性) 「朝起きることが苦手で、目覚まし時計の音も聞こえないようです。光の目覚まし時計、爆音の目覚まし時計などいろいろ試しましたが、ダメでした」(愛媛県 50代女性)「子どもがなかなか寝ない」、もしくは「起きない」というのも、毎日繰り返されることなので、親としてはイライラが募ってきます。とくに、寝つきや寝起きが悪い子だと、その苦労は相当なものでしょう。■しつけできない原因はパパにあり!?ここまで、さまざまなしつけの悩みを見てきましたが、しつけできない理由について、パパに一因があると考えている人も多く見受けられました。「“ゲームはダメ”と言っても、夫がご飯以外の時間ずっとスマホでゲームしています。そこを直さないと子どもだけ直すのはムリ!」(岩手県 40代女性)「子は親の背中を見て育つ。例えば、“片付けなさい”と言えば“パパだって出したら出しままだよ”と返ってくる。“洗濯物ちゃんとカゴに入れて”と言えば“パパだって入れていないよ”と言ってくる。まずは夫をしつけます」(大阪府 30代女性)「子どもは親や身近な大人を見て、自然と学んでいる。まずは親や大人たちがしっかりしないとね。パパ、頼むからちゃんとしてくれ」(神奈川県 40代女性)ママからパパに対する切実な思いが伝わってきますよね。なかには、「夫が家事をやらないから私がやるのが当然と子どもたちも思っている」というママからの意見も寄せられていました。アンケートからわかるのは、子どものしつけにおいては、夫婦が同じ思いで協力して行っていかないと、子どもが混乱してしまうということでした。■しつけで一番重要なこととは?それでは、子どものしつけでもっとも大切なこととは何なのでしょうか。「あいさつの大切さは、口が酸っぱくなるくらい言って教え、自分も一緒になってやりました。家族も“ありがとう”を言うようになり、いま夫婦円満です。感謝は大事だと、この歳になって知りました」(神奈川県 30代女性)「“子どもは、親が言ったようにではなく親がしたように育つ”と聞いて、まずは自分が示さなければと思うようになった」(東京都 40代女性)「“しつけ”と言うと、親が決めているように感じられますが、話し合って決めていくことで、自分の子どもであっても人格は別だと考えれば、おのずと答えが見つかると思います」(神奈川県 40代女性)「一番大切なのは“人としてどうか”ということに尽きると思っています」(神奈川県 40代女性)「今はできなくても、大人になったときに“母ちゃん、しつけてくれてありがとう!”と少しでも思ってもらえたらそれでいい」(千葉県 40代女性)ここまで、子どものしつけについてアンケートをもとに考えてきました。「しつけ」とは、家族や社会で自分も周りも過ごしやすく、秩序やマナーを守っていくうえで大切なふるまいを学んでいくことだと思います。そう考えると、子どものためだけのものではなく、親自身もわがふりを見直すきっかけにもなりそうです。忙しい毎日の中で、何もかも完璧にこなすことは親でも難しいこと。まずは夫婦で、どんな風に育ってほしいのか、自立するためにどういったことを教えたいのか、どう伝えると理解しやすいのか、夫婦で話し合ってみるといいかもしれませんね。そして「あるべき姿」を、言葉で言うだけでなく、親が行動で表すことにより、きっと子どもたちが人として一番大切なことを学ぶのではないでしょうか。そのためには、親としても直していきたいところがあるときは、夫婦間で「あなたには、子どものお手本になってほしい。だから●●については見直してもらえないか」と感情的にならず、伝えられるといいかもしれません。子どもが大きくなってきたときには、親子でも「どんな自分になりたいのか」を考えることも、ひとつのしつけの道筋と言えるかもしれませんね。 Q.お子さまのしつけで一番の悩みは? アンケート回答数:4622件 ウーマンエキサイト×まちcomi調べ
2019年02月17日新年あけましておめでとうございます!今年もよろしくお願いいたします。新年一発目の記事は、「しつけ」についてです!約1年半前のことです。上の子イチコは3歳。0歳の子どもがいる友だち、1歳になりたての子どもがいる友だちと集まりました。そこであることを聞かれたのです。3歳のイチコに注意することが日常すぎて、いつから声かけをし始めたか、まったく覚えていませんでした!育児って目の前のことに必死すぎて、振り返ると本当いろんなこと忘れてる…。その後どうだったか記憶をたぐり…そしてふと思い出したんです!イチコが0歳のとき私も同じことで悩んで、近くの保育園の先生に聞いたことを…!先生のおっしゃるとおり、泣かずにおもちゃを貸せるようになるのは、3歳の終わり…いや、4歳になってからだったと思います(まさかのそこ曖昧)。でも先生の言う、「親が『まだわからんやろ』『できひんやろ』と決めつけて何も言わないより、子どもがわかってなさそうでも、できなくても伝え続ける」って大事な気がします。いつかわかってくれるときは来るし、それを行動に移してくれるときも来る。それを想像して…いまイヤイヤ期でおもちゃを貸せない二太郎に、「貸してあげようね」と言い聞かせる日々です。ふぅぅぅ…。(デカめのため息)
2019年01月07日こんにちは。わたしはこいしさんと申します。現在4歳差の姉妹を育てている主婦です。子育てをしていて、私が一番難しいなと感じているのが「しつけ」です。上の娘は6歳になり、いろんなことが理解できているなと思う反面、「分かっているはずなのに、なんで何度言っても直らないんだろう…」そんな風に感じることも増えました。そんな日々の中で、わたしはふと、自分の幼少期のことを思い出しました。ただのおばさんの思い出話ですが、私と同じように「(子どもが)何度言っても聞かない! キィーーー!」となりがちなお父さんやお母さんに読んでほしいです。■父の口癖うちの父の話をします。父はわりと豪快な性格で、口調がかなり荒っぽいです。自営業をしており、取引先とはかなりフレンドリーな付き合いで、私は父が敬語を使っているところをほとんど聞いたことがありませんでした。そんな父は怒ったとき、「バカやないんか!」と言うのが口癖で、幼少期の私にも、その口癖がしっかりとうつってしまっていました。あるとき、私は友だちとの会話の中で、何も考えずに「バカやないん!」と口にしてしまったことがありました。私としてはツッコミ、くらいの気持ちだったのですが、そのときの友人の反応…そうではありませんでした。■友人の反応友だちを傷つけて、そして怒られるという出来事は、私にとってすごく強烈でした。「バカ」は、絶対使っちゃいけない言葉だということ、無神経な言葉によって人が傷つくことがあることを、私は友人との会話で学びました。■親ではなく他人から学ぶ経験単純に、母親から「バカは言ったらいけんよ」と言われてもきっと流れてしまっていたと思います。「ああまた言いよるわ」くらいに思っていたと思います。たとえば、親に叱られるのはある意味慣れていても、他人に叱られる体験ってなかなかないですよね。家で言い聞かせていることも、本当の意味で理解をするのは、外で痛い思いをしたときなのかもしれません。きっと娘も、理解力はついてきたけど、まだまだ経験が足りてないだけなんじゃないかなと思うんです。だから私も、「いますぐになんとかしたい」という気持ちはいったん置いておいて、「いつか分かるときがくるよね」という気持ちで接していきたいな、と思っています。そんな私の昨晩の様子を載せておくのでぜひ参考にしてくださいね。※本文はあくまで理想論です
2018年12月29日子どものしつけ、叱り方というのは家庭によって様々です。もちろんこれは自分の子どもに対することが前提ですが、今回は自分の子ではなく、よその子を叱るとしたらどうするか?についてのお話です。日本では、あまりこういうことってないですよね。ところが、アメリカでは、よその子を叱ることも、育児の中でよくあることなのです。もし、ママさん自身が、そういう場面に遭遇したらどうするだろう?と考えてみる参考になるかもしれません。まずは日米比較・子どもの叱り方日本では、子どもを叱るときこんな風に叱りますよね。例えば、ご飯を残していたら、「ちゃんと食べないと大きくなれないんだよ。頑張って食べようね」。何か悪いことをしていたら、「コラコラ、そんなことしたら危ないでしょ? 〇〇ちゃん怪我しちゃうし、痛いからやめようね」など。なぜ叱っているのか、まずは理由を説明して、だからダメなのよ、叱っているのよ、というスタイルが殆どでしょう。しかし、アメリカの場合は、「全部、食べなさい」「こっちに来なさい。それダメだから。やめなさい。今あなた何したの?」と、まずはダメなものはダメ。理由を先に説明するのは無し、もしくは後回しです。子どもと同じ目線では叱りません。まずは、親と子どもの上下関係をはっきりさせておくことを徹底しています。自分の子を叱るのは簡単。でも、よその子は?日本の場合だと、よその子を叱るなんて場面、そうそうないと思います。もしも、よその子を叱ったとしたら、その子のママさんたちに、「うちの子に何を言うの?」なんて思われかねませんよね。よほどの危険を感じない限り、見て見ぬ振りをするのが一般的でしょう。ところがアメリカのママさんたちの場合は違います。違うんです。よその子だとしても、自分の子同様に叱るのです。例えば、公園で子ども達がワイワイと遊んでる中、悪い言葉を使ってる子がいたら、「それは言ってはいけないよ、ダメだよ」とはっきり伝えます。何か行動で悪いことをしてる子がいる時も「それはやってはいけないことだよ、わかった?」などと直接的に伝えます。もし、目の前にその子達の親がいたとしても、悪いことをしていると目に入ってきたならば、迷わず叱るのです。「うち」の子と「よそ」の子を叱る時の違いって?自分の子にも、よその子にも迷いなく叱ることができるアメリカのママさん達。それって両方とも分け隔てなく叱るのか、それとも叱り方に違いがあるのか、気になるところですよね。実はちょっとした違いがあります。自分の子を叱るときは、親子の上下関係をはっきりさせて叱るのですが、よその子を叱るときは、少し優しいトーンで、理由を説明しながら叱るのです。これって何か聞き覚えがありませんか? そうです、日本のママさん達のスタイルそのもの。ですから、何ら難しいテクニックではないのです。確かによその子を叱るのは勇気が要ることです。周りの目も気になります。ところが、アメリカのママさん達の考え方は、「みんな平等に」。一個人として向き合うので、自分の子もよその子も、特別分けないのだそうです。だからこそ、説明を付け加えるという配慮をしながら叱るそうです。また、直接その子のママさんに同じように言うこともあるそうです。どうしても見過ごせない場面に遭遇した時は、こういう考え方もありなのかもしれませんね。Yuka RiverfieldPHOTO/Yuka Riverfield
2018年09月30日専門家・プロ:親野智可等親子関係がよければうまくいく親子関係をよくすることは、しつけや勉強よりもはるかに大事です。これは、子どもが幼児であろうが小中学生であろうがそれ以上であろうが、まったくかわりません。そして、親子関係をよくするために絶対必要なのが、子どもが「自分は親に受け入れてもらえている」「わかってもらえている」「大切にされている」「愛されている」と実感できるようにしてあげることです。これが、すべての土台であり始まりです。子どもがそういう実感を持てていれば、生きる力がわいてきます。いろいろなことでがんばるエネルギーがわいてくるのです。そして、親の言うことも素直に聞くようになります。親が「ゲームのやり過ぎに気をつけよう」とか「友達の家に行ったらあいさつを忘れないでね」などと言えば、それを素直に受け入れます。すぐにはできないことでも、やってみようという気持ちにはなります。親が「いけないことや危ないことに誘われたり巻き込まれたりしたら、心配だよ」とか「危ないことしないでね」などと言えば、「大好きな親を心配させちゃいけない」ということで心のブレーキになります。叱りすぎると子どもは親の愛情を疑うようになるこの反対に、「自分はいつも叱られている」「自分は親に受け入れてもらえていない」「自分の気持ちを分かってもらえていない」「あまり大切にされていない」「あまり愛されていない」などと感じている子もいます。もちろん、親は愛しているつもりです。でも、子どもの方はそれが実感できていないというのです。こういうケースはけっこうたくさんあり、多くの場合その原因は親の叱りすぎです。このような場合、親がいくら口でいいことを教えても、いくら正しいことを教えても、子どもはそれを素直に聞くことができません。親の心配が心のブレーキになるどころかかえって反発材料になり、よけい危ないことをしてしまうことすらあるのです。こういうわけで、いい親子関係をつくることこそが最優先なのです。それのないところで、「しつけをしなければ」とか「勉強をさせなければ」などと思っても絶対にうまくいきません。ある親の実例これらのことは、私が教師時代にいろいろな親子を見てきてわかったことです。ある親が次のように言ったことがありました。「懇談会で先生が教えてくれたように、2学期のはじめに節目の高揚感を活かして「○○するために□□する」という目標の書き方をしてやり始めたんですけど、子どものやる気はあまり続きませんでした」親はそう言いましたが、私にはうまくいかない原因ははっきりわかっていました。うまくいかないのは、その親が感情の起伏が激しくて、自分の気分が優れないときは感情的に叱りつける人だったからです。子どもはそういう親にかなり反発心を持っていました。ですから、形だけ「○○するために□□する」などという目標の書き方をさせられても、素直にがんばろうという気持ちになれないのです。肝心なところができていないとノウハウコレクターになるだけまず、土台になるいい親子関係がなければ、どんな方法を試したところで、うまくいきません。それでは、いわゆるノウハウコレクターになるだけです。みなさんの職場やビジネスの世界にもそういう人がいるはずです。いろいろなノウハウに飛びついてやり始めるけど、結局うまくいかないという人です。そういう人は、一番肝心なところができていないのです。ノウハウコレクターは職場やビジネスの世界だけでなく、親の中にもいるのです。親野智可等(おやのちから)教育評論家。1958年生まれ。本名杉山 桂一。公立小学校で23年間教師を務めた。教師としての経験と知識を少しでも子育てに役立ててもらいたいと、メールマガジン「親力で決まる子供の将来」を発行。具体的ですぐできるアイデアが多いとたちまち評判を呼び、新聞、雑誌、テレビ、ラジオなど各メディアで絶賛される。また、子育て中の親たちの圧倒的な支持を得てメルマガ大賞の教育・研究部門で5年連続第1位に輝いた。読者数も4万5千人を越え、教育系メルマガとして最大規模を誇る。『「親力」で決まる!』(宝島社)、『「叱らない」しつけ』(PHP研究所)などベストセラー多数。人気マンガ「ドラゴン桜」の指南役としても知られる。長年の教師経験に基づく話が、全国の小学校や幼稚園・保育園のPTA、市町村の教育講演会で大人気となっている。著書多数。Webサイト
2018年08月27日こんにちは!イラストライターのねここあんなです!息子は1歳3か月。まだ手加減というものをわかっていないため、母は容赦なく叩かれたり引っ掻かれたり…生傷が絶えません。でももしこれをお友達にしてしまったら?誰かを傷つけてしまったら??相手の痛みがわかる子に育ってほしいと願う私は、1歳過ぎの息子にどの程度「躾」をすべきなのかいつも悩みます。皆様のお家では、どんなふうにお子さんに伝えているでしょうか?「怒られてるとわかっている」生後9か月ぐらいだったでしょうか。息子が触っちゃダメなものに手を伸ばしていたのですが、私たちが思わず「ダメーっ!!!」と大声を出してしまいました。最初は私たちの大声に「ビクッ」とした様子で、そのまま私たちの固まった顔を見て息子はみるみる顔が真っ赤に。そして涙をためながら少し我慢しているかのように口をすぼめて、最終的には泣いてしまいました。その時、「この子は私たちの顔色をよく見ているんだなぁ」ということに気づいたんです。まだ、何が良いのか悪いのかを教えるのは早いとばかり思っていました。しかし想像以上に子どもは私たちの言っていることがわかってきているのかもしれません。そこで私たちは「子ども自身が危険になること」や「誰かを傷つけてしまうこと」だけはきちんと伝えるべきだなと確信しました。「痛いことをされたら、両親できちんと伝える」1歳になった息子は、私の顔を叩いてそのリアクションに喜ぶようになりました。はじめのうちは、「可愛いな」と思って私も笑って過ごしていたんです。しかしだんだんと力が強くなってきて、いよいよこのままじゃいけないと思い始めました。そこで何度か「痛いよ!」と伝えるのですが、どうしても息子は私が喜んでいると思ってやめてくれないのでした。だんだんと力がついてきたある日、お父さんの顔をパチン!と叩いた息子。夫は「痛い!」と声を出していました。実際はそこまで痛くなかったと思いますが、夫は心を鬼にして息子に教えたかったんです。それでもおふざけの反応と勘違いした息子は、ニコニコと笑っていました。夫は息子の目を見ながら深刻な表情で「痛かったよ」と伝えます。もちろん隣にいる私が笑顔でいたんじゃ夫の気持ちが伝わらないと思い、私も「お父さん痛かったんだって、ごめんなさいしないとね」と真剣に話します。最初はわからずにヘラヘラした様子の息子。息子は再びお父さんの顔をパチンと叩くので、そのたびに手を握って言い聞かせていました。…すると息子はお父さんとお母さんの顔を交互に見て、だんだんと表情が険しくなります。どうやら状況を把握したようにシュンと落ち込み始めたのでした。泣きそうになる息子の顔は見ていて辛かったのですが、私も必死にその気持ちをこらえて演じ続けます。「叱ったあとが大切」叱られたあと、その空気に耐えられなくなった息子は泣いてしまいました。私たちの気持ちが届いたことに安心しつつも、息子の心境を思うと胸が痛くなりました。そして「私たちは決して君を泣かせるために言ったんじゃないよ」と言いながらぎゅっと抱きしめてあげました。お父さんが叱った時はとくに、もう一方のお母さんがフォローします。叱った人が悪役になるのではなく、「お父さんは君のために大切なことを教えたんだよ」ということを何度も伝えました。これはあえて口にすることで「夫に向けての感謝の気持ち」を伝えるためでもあります。気がつくと3人でギュッとしていました。子どもを育ててるつもりが親が育てられてると実感させられる瞬間です。これが正しいのか、正直わかりません。躾はどうすべきなのかは今も悩み続けています。でも”楽しい”を共有するだけが優しさではないですよね。きっと本当の優しさは「相手の痛みがわかる子」になるよう導いてあげることじゃないかなと思っています!●ライター/ねここあんな
2018年07月11日こんにちは。エッセイストの鈴木かつよしです。最近では、子どもが泣いていると、『黙らせろよ。どんなしつけしてるんだよ』 などと大声で言う人が実際にいます。このような“不寛容の時代”に子どもと電車に乗る際の注意点について、今回は考えてみようかと思います。みなさんもご一緒に考えてみませんか?雪の朝の超満員電車での教訓何年か前の冬。東京に大雪が降った朝のことでした。いつも通勤に使っている京王線が不通になったため、雪道を30分以上歩いて乗った小田急線の電車内での出来事です。雪で自転車が使えず保育園に送るために2歳くらいの女の子を抱っこした若いお父さんが乗ってきました。ぎゅうぎゅう詰めの電車に、それでもじっと我慢して乗っていた女の子が次の次の駅で降りる際、履いていた長靴が脱げ落ちてしまったのです。そのときの車両の中の乗客の反応といったら、昭和後期世代の筆者にとっては考えられないようなものでした。誰一人として同情するどころか『ちぇっ』 という舌打ちの嵐が起こり、『いい加減にしてよ』『最初から乗せんなよ』といった声があちらことらから上がったのです。筆者は身動きできない車両の中で足でまさぐって長靴を探り当て、親子に渡して電車を降ろしました。困っている親子を助けることもなく、それどころか舌打ちの嵐が起きるという通勤時間帯の満員電車の現実。こんな電車に小さい子どもを連れたパパ・ママが乗らざるをえないときの注意点として実感したことは、『乗る前に子どもの靴を脱がせておく』 ということです。グズりがひどいときには…言って聞かせれば少しは聞いてくれるような年齢になっていればともかく、まだ乳児期の赤ちゃんと一緒に電車に乗る場合は、大泣きやひどいグズりはある程度覚悟しておかなければなりません。筆者夫婦などは長女がまだ乳児だったころ乗った電車でひどくグズったものですから筆者が持っていた新聞を大きく広げてカーテンの代わりにし、妻が授乳したという経験があります。でもこれは、日曜日の昼間のかなり空いた電車であったことと、当時の世の中が今ほどギスギスしていなかったという背景があったから出来たことでした。その長女も3歳の男の子の母親になった今、あらためて確信していることがあります。それは、『グズりがひどいときには何度でもいったん下車してホームで風に当たる』 ということです。もちろん当時の筆者夫婦も用いた有効な方法の一つではありますが、何をやっても収まらないほどひどいグズりのときは、もうこれしかありません。小さい子どもを連れて電車に乗る場合は、「目的地に着くまで何時間かかっても仕方ない」 くらいの開き直りも重要です。子どものコンディションがよくなさそうなとき…最後の注意点。それは、『子どものコンディションがよくなさそうなときは電車には乗らない』 ということです。ママのみなさんであれば筆者などが何を申すまでもなくいろいろな工夫と努力をされていますよね。電車に乗るときにはお子さんが好きなおもちゃやお菓子を用意したり、しりとりやなぞなぞなどをして気を紛らわせたり。いつの時代でも子どもに向き合うときのママたちの辛抱強さには敬意を表します。本当に「母は強し」だと思います。それでも、お子さんのコンディションが明らかによくなさそうなときは電車に乗るにはやめて、別の日に回せる用事であれば別の日に回してやってください。子どもは子どもです 。親がどんなに努力したところで虫の居所がわるいときには泣き止むものではありません。そして、子どもとはそういうものだということを分かっている大人の割合が相対的に少なくなってしまった今の日本の社会では、子どもの虫の居所がわるいときに電車に乗せることは危険を伴います。悲しいことではありますが、現実は直視しなければなりません。----------いかがでしたでしょうか。本当であれば、子どもにたいして不寛容な世の中の空気を変えることの方が重要なのであって、子どもを連れて電車に乗るときにママがビクビクしなければならない社会なんておかしいのです。現実には対応していかなければいけないので今回このようなお話をしましたが、それが筆者の本意ではないことだけは、終わりに申し上げておきたいと思います。●参考リンク先輩ママが伝授!子連れでの電車トラブルを避けるとっておきの方法暮らしニスタ●ライター/鈴木かつよし●モデル/前田彩
2018年07月09日「大きな声で子どもを怒鳴ってしまったら、児童相談所の人が来た。近所の人に通告されたみたい…」。ママ友の飲み会で、このような笑えない話が出ることも決して珍しくない昨今。つい子どもを怒鳴ってしまい「自分のしていることは虐待ではないか!?」と不安になっているお母さんも少なくないのではないでしょうか。「どこまでが虐待で、どこまでがしつけ?」という疑問を解消すべく、都内で1991年より虐待防止に向けて電話相談を始めとした支援をボランティアで続けている、民間団体の「子どもの虐待防止センター(CCAP)」にお話をうかがってきました。■一般的な境界線は? 東京都発行の児童虐待予防パンフに見る「虐待」一般的には虐待とはどのような状況をいうのでしょうか。東京都発行のパンフレット「みんなの力で防ごう 児童虐待」(2017年度版)によると、虐待は、1.身体的虐待 2.性的虐待 3.ネグレクト(養育の放棄または怠惰) 4.心理的虐待という4種類があります。2016年度の東京都の統計データでは、約10,000件の中で、心理的虐待が55.0%、身体的虐待が24.7%、ネグレクト19.5%となっています。そして、実母による虐待は53.8%、実父によるものが38.7%となっていて、お父さんよりもお母さんの虐待が多いようです。また、同パンフレットによると、虐待は子どもたちに次のような「深刻な影響」があるとされています。*発育・発達の遅れなどの身体症状。*情緒不安定、感情抑制、強い攻撃性などの精神症状があらわれることがある。■「虐待かどうか」ママたちが気になるのはなぜ?お話をうかがったのは20年近く子育ての電話相談をボランティアで受けてきたMさん。「虐待としつけの境界線はあるのでしょうか?」という冒頭の質問に対して、やさしい口調で次のような返事がありました。Mさん:電話相談でも「これって虐待ですか?」とたずねるお母さんはいて、皆さんものすごく心配していらっしゃいます。でも、虐待かどうか、その境界線を引いて仕分けすることに、どれくらい意味があるのかな、とはちょっと思います。思いがけない答えが返ってきて、ハッとしました。なぜ自分たち母親は「虐待の境界線」が気になるのでしょうか? 法律に触れるようなことは犯していないはずだし、子どもも元気に育っている。それなのに心配なのは、「自分の子育てはこれで大丈夫」という判断基準がない不安からでしょうか? 「虐待じゃない。しっかり子育てをしているよ」というお墨付きを誰からかもらいたいという気持ちなのでしょうか?「自分は虐待の境界線を知って、どうしたかったんだろう?」。そんな気持ちとともにインタビューは進みました。Mさん:私はまず、相談してきた方に「あなたはどう思う?」とお母さんの思いを聞いています。あるいは、「虐待ではないかを判断する立場ではないけれど、あなたが、自分がしていることをあまり良いことだと思っていなくて、今、困っているように感じられるのだけど…」と話すんです。── 虐待かどうかという答えを出さないんですね?Mさん:たとえ「それは虐待ではありませんよ」と言われても、「良かった。ホッとしました」と言って終わるものではありませんよね。モヤモヤを抱えているから電話をかけてきているので、しっかりその思いを聞かせていただきます。そして「少しスッキリしました」と言って電話を切ってもらいたいと思っています。── 確かに、「虐待ではありませんよ」と誰かが保証してくれても、お母さんたちの「自分の子育てはこれで良いのか」という心配がなくなるわけではないですもんね。■子どもを「かわいい」と思えない時があっても当たり前Mさん:子どもがかわいく思えないと、自分のことを母親失格のように感じてしまうお母さんも多いのが気になっています。だだをこねて泣き叫んでいれば、かわいく思えない時だってあって当然なのに、「ダメな親だ」と自分を責めてしまうのです。── その気持ちよくわかります。私も、遠くから眺めている時と寝ている時はかわいいのになあ、と思うこともしょっちゅうです。Mさん:お母さんにとって、子どもは大事な存在で、だからこそ精一杯努力しているわけです。でも努力が報われなかったり、ギリギリの状況になったりした時はかわいく思えなくても普通なんだ、と自分を許してあげていいと思います。── 子どもをかわいくないって思う気持ちがあってもいいんですね。Mさん:大事だから放りだせないし、もっと子どものために良くしてあげたいし、だけどうまくできないからイライラもするし、腹も立つ。そして、そういう自分を責めてしまうんです。そんな時は寝顔を見て「かわいい!」というので十分だと思います。 ■怒ることはしつけではない…虐待としつけの境界線── 子どもは大切だから、なんとか良い子に育ってほしいと思うからこそ、うまくいかない時につい腹が立って怒ってしまうんですね。よく、虐待の事件で、「しつけのつもりだった」などという報道もありますが、この差をどう思われますか?Mさん:しつけというのは本来、子どもが自立していけるようにサポートすることで、決して親の感情をぶつけることではないと思っています。子どもが自分の生活をきちんと立てていけるように基本的なところ、例えば、社会で生きていける信頼感や他人との関係のベースになるものを築くためのものなのではないでしょうか? ── 感情をぶつけるのはしつけではない、ということですね。Mさん:親が怒りすぎた時って子どもが失敗とか間違いをした時ですよね? 失敗とか間違いって、ふつう誰もがするものでしょう? だからそうした時に感情を爆発させるのではなく、どうすればいいかを教えられたらいいですね。── 例えば、どのように?Mさん:「なぜこういうことをしたの?」と聞くことから始めみてはでどうでしょうか? 例えば、子どもが友だちのおもちゃを無理やり取ったとしますよね。「○○ちゃんが貸してくれなかったから」などと言われたら、「遊びたかった気持ちはすごくよくわかるけど、取るのはいけないね。もう一度、また頼んでみようか」というように。すごく手間がかかることですけどね。──なかなか毎回対応するのは大変そうですね…。Mさん:お母さんが全部それをするのは、神様ではありませんから、無理でしょう。でも、今は悪いことと怒ることがセットになってしまっていることに気付いてもらって、ちょっと冷静になれればいいな、と思います。── 子どもがいけないことをした時も、本来、怒る必要はないということでしょうか?Mさん:本当のしつけは、子どもに何がいけなくて、どうすればよいかを教えることだと思うんですよ。だけど、ただ怒って「謝りなさい」って言っていたら子どもは何を学ぶのかなと思います。怒られたら謝るという、表面的なことだけ学んでしまうかもしれませんよね。「本当はどんな子に育ってほしいと思っていたか」を、思い出して欲しいですね。■子どもの存在を否定・無視することは「心理的虐待」── 虐待で一番多いのは心理的虐待なんですね? どのようなことが心理的虐待にあたりますか? Mさん:「お前なんか生むんじゃなかった」「Aちゃんと違ってお前はかわいくない」など、根本的に子どもの存在、人格を否定することです。── 頭にきてしまったら思わず言ってしまいそうですが…。Mさん:やっぱり存在を否定することは避けたほうがいいですね。それ以外にも、ちゃんとできるまでお説教し続けるなど、やりすぎるケースがあります。こういうケースは、「自分の子どもはこうあるべき!」という、親の思いが突っ走っているように思います。── そのほかには? Mさん:冷たく突き放したり、何を言っても無視したりと、無関心にさらされることです。── 感情を示さない無関心も虐待となるのですね?Mさん:存在をスルーされるのはつらいことです。人間として育っていく過程で、子どもは喜怒哀楽を学んでいきますよね。あり得ない例えかもしれませんが、なんのつらいこともなくて、お母さんはいつもニコニコしていて、それで子どもが健全に育ちますかっていうと、それはそれで難しいと思うんですよね。だから、やりすぎだなって思ったらセーブして、親子一緒に泣いたり笑ったりしていってはどうでしょうか?──心理的虐待が続くと、子どもにはどのような影響がでますか?Mさん:自分に自信がなくなる、安心感がなくなる、落ち着きがなくなる、食欲がなくなる、元気がなくなるというようになってくるかもしれません。── 子どもの存在を否定することは言わない、そして、あとは怒らないほうがもちろんいいけれど、喜怒哀楽をお互いにやりとりをしている間は大丈夫ということでしょうか。今日はありがとうございました。筆者自身も、娘たちをつい怒鳴ってしまったり、傷口に塩を塗るようにネチネチと叱ってしまったりすることもあり、それは心理的虐待にあたらないかな、といった思いも持ちながら向かったこの取材。長年、電話相談で虐待や子育てと向き合ってきたMさんのお話から、「どこまでが虐待で、どこまでがしつけ?」という線引きよりも、親が子育てで困らないことと、子どもの存在を否定しないことが大切なのだと感じました。後編では、子育てが大変な今の時代に、親がどのようにすれば心の余裕が持てるか、というお話を聞きました。取材協力: 社会福祉法人子どもの虐待防止センター(CCAP) 子どもの虐待を早期に発見し、虐待防止を支援するために1991年に設立された民間団体。研修を受けた相談員と、医師、弁護士、臨床心理士、ソーシャルワーカー、行政経験者、教育関係者などが活動しています。CCAPでは、子育てに悩む方のための電話相談、母親のグループ(MCG)、CCAPペアレンティングプログラム講座「親と子の関係を育てるプログラム」などを行っています。相談の電話番号は、03-5300-2990(平日10:00~17:00 土曜日は10:00~15:00/通話料以外は無料)取材・文/まちとこ出版社 石塚由香子
2018年03月09日こんにちは。子育て支援を専門にする臨床心理士の今井千鶴子です。教育相談では、多くのママから“しつけ”に関するご相談を受けます。厚生労働省における平成16年度全国家庭児童調査でも、小学校低学年以下の子育てにおける不安や悩みの中で、「しつけに関すること」が最も多くあげられています。このように、私の臨床心理士としての経験だけでなく、研究結果からも多くの方がしつけに悩んでいることがわかります。そこで今回は、“しつけが自分の手に負えない”と感じた時の対処法について考えていきます。●しつけに悩むのは普通のこと先ほどご紹介したように、しつけに悩むママはとても多いです。一見するとしつけに関する悩みがなさそうなママも、「うまくいかないな…」「どうしたらいいんだろう」と感じているケースもあります。ですから、“しつけが自分の手に負えない”と感じた時には、『しつけに悩むのは自分だけでなく、一般的なことだ』と考えてみましょう。真面目なママほど、「自分はダメな母親だ」「自分の育て方が悪いから」とすべてを自分のせいにして、落ち込んでしまいがちです。でも、よくよく考えてみると、これだけ多くのママが悩んでいるわけですから、子どもをしつけるのは思った以上に難しいということ です。ですから、“自分のせい”だと必要以上に落ち込む必要はありません。●しつけに完璧を求めすぎない“しつけが自分の手に負えない”と感じているママの中には“完璧を求める傾向 ”が強いことがあります。たとえば、9割できていても残りの1割ができていないと、“まったくできていない”ととらえ、不安や怒りを感じていることもあります。河野(2011)によると、このような完璧主義は、育児不安を抱えるママの特徴の1つともされています。もちろん完璧を目指すことはすばらしいのですが…、ママが100%満足のいくしつけをすることは神業に近いほど難しいと私は思います。ですから、“完全主義”の傾向が強いママは、全てを完璧にやろうとせず”これだけは守ってほしい”という優先順位を立てましょう 。また、完全主義なママほど、ハードな目標を立ててしまいがちです。これだと、お子さんもだんだん苦しくなってしまいます。心理学的にいうと、“少しがんばったらできた”くらいの目標がよいとされています。ですから、周りの基準に合わせた目標よりも、お子さんの発達に合わせた目標を意識していきましょう。●しつけに悩んだら相談する限界まで誰にも言わず、深刻な状況になってようやく明るみになるといったケースは少なくありません。深刻になればなるほど解決が難しくなってしまいます。ですから、しつけが自分の手に負えないと感じた時には、自分だけで抱えこまずに信頼できる誰かに相談しましょう。三菱UFJリサーチ&コンサルティング(2014)によると、子育てについての相談相手(母親)としては『配偶者・パートナー(74.1%)』『自分の母(70.5%)』『保育士や幼稚園の先生(31.3%)』が上位にあがっています。また、近年の特徴として、家族以外の近所で子育てについて相談できる相手が減っていることが指摘されています。さらにこの調査では、”地域における子どもを通じた付き合いと子育ての楽しさ”の関連についても検討されています。それによると、地域の中で『子どもを通して関わっている人はいない』と回答した人は『子どもを預けられる人がいる』や『子育ての悩みを相談できる人がいる』と回答した人にくらべて、子育てを楽しい(「いつも楽しい」+「楽しいと感じる時の方が多い」)と回答する割合が低い傾向にあることを報告しています。こうしたデータをふまえると、家族以外にも地域の中に子どもを通じた関わり合いをもつ ことの大切さがわかります。私自身の経験からも、地域の中に子どもを通じた関わりを持つことの大切さを痛感します。実は、わが家は長男が1歳の頃、関東から東海へ引っ越しました。引っ越し前は子どもを通じて仲良くさせていただいていた方がいたのですが、引っ越し後には知り合いがまったくおらず孤独な育児を経験しました。また、欧米に比べてわが国での利用は極端に少ないのですが、家族や知人に相談しても気分がはれない時には、専門家に相談してみるのも1つです。たとえば、私が専門にする認知行動療法では、カウンセラーの経験だけでなく科学的に裏打ちされたデータやプログラムをもとにクライエントをサポートしていきます。ご相談に来られた多くのママから「早く相談すればよかった」といった声をいただきますので、日本も欧米のようにもっと気軽にサポートが受けられる環境を整えていく必要があると感じています。----------いかがでしたか?今回は、“しつけが自分の手に負えない”と感じた時の対処法について考えてみました。皆さんの子育ての参考になったら嬉しいです!ライター:今井千鶴子参考文献河野順子(2011)母親が抱える育児不安に関する要因:子どもの育てにくさ、母親の認知様式、父親の育児参加をめぐって東海学園大学研究紀要人文科学研究編 16, 55-64.参考リンク厚生労働省平成16年度全国家庭児童調査三菱UFJリサーチ&コンサルティング(2014) 子育て支援策等に関する調査2014
2017年10月31日子どもと一緒に過ごしていると、“やってはいけないこと”を子どもにされて「こら!」と怒りたくなる場面にたくさん遭遇します。「しつけっていつから始めたらいいの?」「しつけは必要?」「どうしたら上手にしつけられるのだろう」といった子育て中の“しつけの悩み”はだれもが一度は抱えるものです。今回は、そんな“しつけ”に悩んだときに知っているとホッとできるポイントをまとめてご紹介します。「しつけ」と「怒る」はイコールではない…そもそも、しつけとは“仕付け”と書き「(「躾」とも書く)礼儀作法を身につけさせること。また、身についた礼儀作法。」(広辞苑第五版より)という意味をもつ言葉です。他にも「作りつけること」「縫い目を正しく整えるために仮にざっと縫いつけておくこと」などの意味ももっています。身が美しいという漢字から想像されるように、“キレイな所作を身につけさせる”こともしつけのひとつです。また、社会のなかで生きていくために必要なマナーや模範的な行動なども教えていくことも“しつけ”に含まれます。しつけは「いけないことをしたから怒る」のではなく、「正しいことを身につけさせる」ことだということを、まずは頭に入れておくようにしましょう。いつからしつけをスタートさせる?しつけの本来の意味を考えると0歳から始まっていると定義することもでき、また、厳密に「何歳から始めましょう」というものではありません。ただ、ひとつの目安としてのしつけのスタート時期としては、2歳を過ぎた頃からとされています。これは、しつけが「礼儀作法を身につけさせる」意味をもつことが関係しています。2歳頃には、それまでなんでも周りの大人にやってもらっていたことを「自分でやる!」と自己主張をはじめる子どもが多いようです。自我が芽生えはじめたこの頃に、正しいやり方やマナーを教えながら“自分でできるようになる=身につけさせる”のがしつけの本来の目的ではないでしょうか。そのための準備段階として、0歳のうちから周りの大人、特にもっとも身近な存在であるママやパパや見本となる姿を見せておくこともポイントとなります。また、赤ちゃんの頃に築いた信頼関係がその後のしつけや教育に影響します。それが、「しつけは0歳から始まっている」と言われることにつながっていくのです。現実的には、1歳を過ぎた頃から、交通ルールを守ることや人に危害を加えないなどの、自分や他人の身を守ることは教えていくのがいいでしょう。あくまで、叱る・怒るのではなく、“身につけられるように教えていく”姿勢で取り組めるように気をつけてみてください。しつけの上手なママ・パパになるしつけを上手に進めていきたいと思ったときに、「どう叱ればいいのか」という注意することに目が向けられがちですが、しつけは「ほめる」ことも大切です。しつけを進めるに当たって、できるだけ心がけておきたいポイントをまとめてみました。■ほめ方「◯◯ちゃん/くん、すごいね」「えらいね」と抽象的にほめるのではなく、「お着替えができたね」「上手にスプーンで食べられたね」とできたことを具体的に伝えるようにしましょう。できるだけほめる回数を多くしたほうが、しつけはスムーズに進みます。子どもの行動を見守ってあげるようにして、「できた!」という気持ちを尊重してあげられるような声掛けがおすすめです。なんでもかんでも「すごいね」「えらいね」「さすがだね」と言うのではなく、「◯◯ができた」「●●ができるようになったね」と行動を言葉にして表してあげるだけでも子どもは「ママ(パパ)は見てくれている」と安心することができます。しつけの中で“ほめる”目的は、子どもの自尊心を伸ばしてあげることにあります。「自分はできる」という気持ちを育てられるような言葉を選ぶようにしていきましょう。■叱り方まず叱るときには、端的に「何がいけないことなのか」を伝えるようにします。言葉を理解できるようになってきている年齢であれば、「なぜいけないのか」も一緒に伝えられるといいでしょう。このときに注意したいのが、“叱るのに長い時間をかけない”ことです。大人でもクドクドと何時間も叱られるのは嫌なものですが、子どもも同じで、時間が経てば経つほど「何を叱られているのか」わからなくなってしまいます。たとえば、食べ物を下にわざと落としたことを叱りたいのであれば「食べ物をわざと落とすのはいけない」ことと「下に落としたらもう食べられなくなる」「食事を作ってくれた人に失礼な行為である」など、やってはいけない理由を伝えたら、叱るのはそこで終了です。決して、「毎日毎日同じことで…」「何度言えばわかるの」「昨日もやった、あのときもやった」と過去を蒸し返して怒るようなことはせず、その場だけで終わらせるようにしましょう。年齢によってしつけの仕方は変える? 基本的なしつけのほめ方・叱り方のコツは、どの年齢でも同じですが、しつけの仕方やポイントはそのときどきによって変わります。ここでは、0歳児・1歳児・2歳児・3〜5歳児に分けてしつけの仕方のポイントをチェックしておきましょう。■0歳児0歳児の頃は、コミュニケーションのベースとなる“安心感”や“信頼感”が身につけられるようにすることが大切です。これらは、しつけの第一歩となる感情で、ママやパパなど身の回りの大人に安心感を抱き、信頼しているからこそ、言われたことを素直に聞けるようになっていきます。また、どんなに身につけさせたいと思っていても、ママやパパができていないことは子どもにも身につけさせることはできません。身につけてほしい礼儀作法は0歳児のうちからママやパパが気をつけて、見本となる姿を見せてあげるようにしましょう。■1歳児1歳児になると、危険なことや他人との関わりのなかで身につけておいてほしいことを教え始める時期になります。ただし、1歳半頃までは言葉をまだ理解しきれないため、怖い顔で叱られても、内容ではなくママやパパの怖い顔しか記憶に残らなくなってしまいます。いけないことを「いけない」と言葉で伝え始める時期ではありますが、「いけない」という言葉を理解する時期だとママやパパが認識しておくことが大切です。何度も同じ行動をとっても根気強く「ダメ」「いけない」と淡々と伝えるようにしていきましょう。■2歳児2歳になる頃には、言葉も理解できるようになり自我も芽生えはじめるため「自分でやりたい」と主張するようになり、しつけにとって絶好のタイミングが訪れます。身につけてほしいことを、どうやったら子どもが自然と自分からやってくれるようになるかを考えて、準備しておくと、ママやパパもイライラせずに対応ができるようになります。この頃にはどうサポートしたらいいかを考えるようにしましょう。また、叱ったり注意をしたりしても、自己主張が通らないことで駄々をこねるようになるのもこの時期の特徴です。常に一貫した対応で、「ダメなものはダメ」としながらも、“気持ちが落ち着くまで待ってあげる”“自分から気持ちを切り替えられるのを見守る”ように、できれば時間や気持ちの余裕をもって接してあげられるようにしていくのがおすすめです。■3〜5歳児言葉も理解でき、ある程度“いいこと・悪いこと”や“礼儀作法”が身についてきているはずの年齢でも、やはり“いけないこと”をすることはあります。「わかっているでしょ!」と怒鳴ったり、しつけと称して体罰を加えたりしてしまいそうになるのもこの時期が多いようです。怒鳴り声や体罰といえる行動は、子どもの心を傷つけてしまうだけでしつけにはなりません。危険な行為に対して、とっさに大きな声を出して注意を引きつけることで止めることが必要なケースもありますが、基本的には叱るときには淡々と何がいけなかったのかを端的に伝えるようにして感情的にならないようにすることが大切です。また、「もう大きいからできて当然」ではなく、ときどきほめてあげることも忘れないようにしましょう。3〜5歳児でも新しいことをどんどん吸収しています。新たにできるようになったことがあれば、しっかりほめてあげることは続けていくのがしつけのポイントです。しつけに悩んだときに知っておきたい5つのポイントしつけの上手な進め方や年齢ごとのポイントを押さえていても、しつけをするママやパパの悩みはつきないものです。しつけに悩んだときには、これからご紹介する5つのポイントを思い出して、原点に戻ってママやパパも気持ちをリセットしながら一歩ずつ進めていきましょう。■イライラしたときにはしつけは長い時間かけて進めていくものですが、0〜5歳頃はしつけなければならないことも多く、何度も同じことを繰り返される日々にイライラしがちです。ママやパパも人間なので、イライラはするものです。できればイライラしないように対策を講じておくことも大切ですが、イライラしているなと感じたときには、まず深呼吸をするようにしましょう。「あ〜もうっ!」とイライラしたときに、鼻からゆっくり息を吸い、口からゆっくり吐き出す深呼吸法を取り入れてみましょう。深呼吸をすることで、大きな声で怒鳴りそうになっていた気持ちにストップがかかり、冷静に子どもが何をしようとしているのかが見えてくることがあります。「いけないことをしている」と思っていた姿が、実はお手伝いしようとしていて失敗しているだけだったかもしれません。また、1回の深呼吸だけではどうにもならないくらいイライラしていて、手をあげてしまいそうだと感じたときには、別室やトイレなど少し1人になれる場所に移動してゆっくり呼吸を繰り返し、気持ちが落ち着くのを待つのもひとつの手です。イライラをそのまま子どもにぶつけてしまうと、しばらくしてから後悔することも多く、嫌な気持ちになってしまいます。人間なのでイライラすること自体を止めるのは難しいですが、イライラしたときの対処法を心がけておくだけでも、後悔する機会はたいぶ減るはずです。■家の方針を固めておくしつけは、各家庭の方針によって内容が異なるものです。「よそはよそ、うちはうち」で問題ないですが、家庭のなかで方針がバラバラだと子どもも混乱してしまいます。まずは、ママとパパの間で家の方針としてルールや“やってはいけないライン”を決めて、どちらが対応しても同じになるようにしておきましょう。二世帯住宅などでおじいちゃんおばあちゃんが一緒に住んでいるときにも、できるだけ同じ方針でしつけられるようにするのがベストですが、なかなかうまくいかないときもあるかもしれません。そんなときには、ママとパパの見解は一致させておき、同じ家に住んでいても、おじいちゃんおばあちゃんとママ・パパの考えや価値観は違うことを伝えていきましょう。子ども心に時間をかけてその違いを理解するようになっていきますが、ママとパパの意見が違うと混乱し続けてしまうため、その点はしっかり一致させておくことが大切です。■「しつけ」は「怒る」ことではないしつけを怒ることと考えている方も多いですが、しつけは怒ることではありません。怒るというのは人のもつ感情のひとつです。しつけのうえでは怒るのではなく、何がいけなかったのかを理解させるることが大切です。それを理解させる上で、叱るという選択をする場合もあるかと思います。叱って伝えるためには家庭の方針を固めておいたり、どうしていけないのかを端的に伝えるために「なぜいけないのだろう」と考えていたりするなど事前の準備が重要です。ママやパパ自身がさまざまなマナーや行動をどう捉えていて、どうしていくのがいいと考えているのかを改めて振り返って考え、ひとつの方針を決めていく必要があります。自分自身やこれまで当たり前だと思ってやってきたことを今一度見つめ直すチャンスでもあるのです。自信をもってしつけをしていくポイントは、ここでどれだけ深く考え直すことができていたかにかかっています。その都度、迷ったときや悩んだときにママとパパとで話し合いながら進めていくようにしましょう。■ママやパパが素直になることも大切しつけをしている真っ最中には、ついつい叱り過ぎてしまったり、感情的に怒ってしまったりと、「失敗したな」とママやパパが感じることもたくさん起こります。そんなときには、素直に子どもに謝ることも大切です。ママやパパが素直に謝ったり、話し合いをしたりしている様子を見て子どもは成長していいます。「子どもに素直になってほしい」と思ったらまずは自分たちが素直になれているかを考えてみるようにしましょう。■つらくなったら写真を見返そう子どものしつけに悩んでいるときには、「どうしてこうなってしまったのだろう」「なんでわかってくれないのだろう」とその瞬間だけを切り取って思い詰めてしまいがちです。でも、少しずつでも確実に子どもは成長しているはずです。つらいなと感じたら、子どもの写真を見返してみましょう。おっぱいやミルクを飲んで寝ているか泣いているだけだった赤ちゃんが、歩くようになって、言葉を話すようになって、意思疎通ができるようになってきて…、とその成長ぶりが写真から見えてくるはずです。ちょっとやさしい気持ちになれたら、また明日から頑張る気力が湧いてくるようになりますよ。子どものしつけについては、先輩ママ・パパも、周りで同じように子育てをしているママ・パパたちも悩んできていることです。しつけに悩むということは、それだけ子どものことを真剣に考えてあげられている証拠でもあります。迷ったときには、家庭の方針を都度話し合いながら、自分たちなりの“しつけ”を固めて、一貫した対応を心がけることで、いつかフッと楽になれる時はきます。ポイントを押さえて、前向きに取り組んでいきましょう!
2017年03月01日次男も1歳半を過ぎ、食事など自分1人でしたがることが増えてきました。これからおおよそ3歳までに食事、トイレ、着替え、靴を履くなど一通り自分でできるようになります。同時並行で、イヤイヤ期も到来しますよね。この頃、子どもへのイライラが増えるママも多いのでは?1人でやらせると時間がかかるし、やり直しが必要だし、汚すし、できたと思ったらまたできなくて後戻り…など、かなり根気のいるもの。どうしてもイライラしてしまいがちですが、対処法はないか探してみました。親は「楽しみに待つ」しかない児童精神科医である佐々木正美先生著書の『子どもへのまなざし』(福音館書店)に、その答えがありました。佐々木先生はしつけをする上で大切なことを、「くり返しそのこと(しつけの内容)を伝えながら、本当にあなたがここで上手にできるようになるのはいつか、楽しみに待っていてあげるからという気持ちですね。そしてその時期は自分で決めなさい、自分で決めればいいのですよといってあげることです」と伝えています。とは言っても「早くできるようになってもらわないと困る」というのも親の本音。もちろん佐々木先生も親側の意見を承知の上で書いていますし、私自身「楽しみに待つなんて正直ムリ…」と思いました。でも親が子どものしつけにイライラするのは、「何十回言っても理解しない子どものせい」ではなく、「子育て環境にも問題がある」と気付いたのです。親が1人きりで忙しいからイライラするたとえば、子どもが食事中に味噌汁をこぼしたとします。ママが1人の場合、「も〜味噌汁は片付けるのが大変なのに…早くタオルを持ってきて、机を拭いて、タオルを洗って、着替えもさせなきゃ。代わりの味噌汁も持ってきて、今度はこぼさないように私が食べさせないと。寝かせる時間がまた遅くなる…」など考えるでしょう。これが夫や祖父母がいる場合、「タオルを持ってきて」「代わりの味噌汁を温め直すから、着替えさせて」「タオルを洗うから食べさせてあげて」と頼めます。ママがイラっとしても、「ありゃーまたやっちゃたね〜(笑)」という場の空気を和ませる笑いや、「でも今日は昨日よりも沢山食べてからこぼしたね」と成長に目を向けるフォローがすぐさます。イライラしたことさえ忘れ去ることができるでしょう。1人で全てをやろうとするのではなく、積極的に夫や祖父母など、身近な人に助けを求めていくのがおすすめです。親として覚悟を決めてしつけようどんなにイライラしたとしても、結局しつけを完了するためには、親は何百回と言って聞かせ、その子ができるようになるまで待つしかありません。それなら同じ時間を過ごすのに一日中イライラして子どもに怒り、子どもが萎縮したり泣いてしまう状況も、楽しみに待つ選択をとりませんか?それには「親としての覚悟」が必要。親が覚悟をきっちり決めないと、またイライラの毎日に逆戻りです。佐々木先生が言うように、「楽しみに待ってあげる」という目線や、「できる時期は自分で決めればいいよ」という心でいられているか。常に自分に問い直したいものです。そのためにあらかじめイライラしない環境作りをしたり、家事負担を減らして親側の心の余裕を保ったり、時には実母やママ友などに愚痴を言ったり、できるようになったことを紙に貼って楽しみにするなどの「環境作り」も大切。しつけが終わってしまえば、逆にしつけ中を懐かしく思うものです。二度と戻らない時間だからこそ、楽しみに待つ視点を持てるよう見直してみてください。ライター:宮野 茉莉子
2016年11月28日【ママからのご相談】夏休みに主人の実家に帰省するのが、毎年恒例の行事です。主人の実家は子どものしつけには大変厳しい家です。行くと必ず、親戚の方々が多く集まる席に子どもを参加させなければなりません。私は毎年、 わが家のやんちゃな2人の子どもにヒヤヒヤさせられっぱなしです。子どもには、大きくなるにしたがって徐々に“親戚の家でのマナー”も覚えていってほしいと思っています。親として心がけるべき点は何かありますか?●A. 基本的生活習慣をいま一度チェックする、良い機会です。ご相談ありがとうございます。ママライターのあしださきです。普段は遠くに暮らすご主人のご両親に、久しぶりの帰省でお会いするときに気になることといえば、やはり“子どものマナー”ですよね。義理のお母様からの厳しいチェックもママたちの頭を悩ませてしまいます。核家族化が進み、家に祖父母が同居している家庭が少ない現代では、日本人が昔から大切にしてきた礼儀やマナーなどについて注意してもらえる機会が少ないと思います。私も夫と3人の子どもと暮らしております。幸いにして、近所に主人の両親や祖母がおりますので、子どものマナーや礼儀について怒られることがよくあります。よく言われることは、“あいさつ”“食事のマナー”“和室での作法” です。「幸いにして」と思えたのは、少し時間がたってからです。怒られたその場では恥ずかしい気持ちが先行して、とても「怒られて良かった」なんて思えませんが、何かの折に他人から子どものマナーを褒めていただき、結果的にはあのとき怒られて良かったと思うことが多いのです。今回は、子どもの生活科学研究会が編集した『子どもとマスターする49の生活技術(3)』という本を参考に、簡単で子どもにも分かりやすく、親も教えやすい生活習慣に基づくマナーを2つご紹介したいと思います。●(1)あいさつ基本的な生活習慣であるあいさつができる子どもが少なくなったと言われています。前出の『子どもとマスターする49の生活技術(3)』の中に、以下のような記述があります。**********『最近は、幼稚園や学校などで、名前を呼ばれても返事をしない子どもがいるという話をよく聞きます。「はい」という短い受け答えの声を出しおしんでいるのでしょうか?また、アメリカ、イギリス、韓国などの国々の子どもと比べて、日本の子どもは、日常のあいさつができていないともいわれています。日々のあいさつがきちんとできているか、あいさつをかわすゆとりのある生活をしているか、家庭で生活を見直してみる必要がありそうです』**********わが家の子どもたちも、主人の両親の家であいさつができずに注意を受けることがよくあります。注意されて気をつけるので徐々に良くなっていますが、“大きな声で”というのがどうも苦手です。特に主人の祖母にあいさつするときは、大きな声でないと聞こえないということもありますから、大変なのでしょう。しかし、回数を経るごとに徐々に大きな声で「こんにちは」ができるようになってきました。子どもにとってはあいさつひとつでも“訓練” なのかもしれません。もし、あいさつが苦手なお子さんがいらっしゃるならば、地道な作業ではありますが、“あいさつの回数を意識的に多くする生活”で改善していくという方法はどうでしょうか。たとえば、・朝は玄関先を一緒に掃除しながら近所の家の人にあいさつする・買い物に連れて行き、その都度「こんにちは」や「さようなら」を言ってみる・家庭内では、誰かが出かけるときや帰ってきたときに大きな声で「行ってらっしゃい」「お帰りなさい」を欠かさないなどです。●(2)食事のマナー主に食事のときに注意すべきは、“箸の正しい使い方” であると思います。**********『1995年に子どもの生活科学研究会が行った子どもの正しい箸使いに関する調査では、箸を正しく持って使える子どもが小学6年生で20%ほど、小学1年生では5%にも達していません』(『子どもとマスターする49の生活技術(3)』より)**********箸の正しい使い方や持ち方については、ご家庭でお父さんやお母さんがお手本となって示していくことが基本ですが、どのような箸をお子さんに使わせているかということはいま一度チェックしてみると良いと思います。プラスチック製の箸は食材が滑りやすく子どもは食べ物がつかみにくいと思いますし、また断面が丸いものも同じで食材が滑ってしまいます。長女が通っていた幼稚園では、園児たちがお箸で苦戦する状況に直面し、竹でできた六角箸 の推奨をし始めました。竹の六角箸はとても軽くて持ちやすく、六角の形は食材がつかみやすいのでオススメです。箸の長さも子どもの手のひらの大きさに合ったものでなくては使いにくいということも分かりました。キャラクターものの箸でないとお子さんは喜んでくれないかもしれませんが、箸の練習には使いやすい道具であることが最重要なのではないかと思います。次にご紹介したいのはやってはいけないお箸のルールです。“忌みばし”をご存知でしょうか?大人の方なら、名前まではわからなくてもひとつやふたつは聞いたことがあるはずです。忌みばしは非常に多くの種類があるそうですが、ここに挙げる9つはぜひ覚えておくとお子さまの将来きっと役に立つことでしょう。**********(a)刺しはし……滑りやすい食材を箸で突き刺して食べる行為(b)かきはし……皿のふちに口をあてて食べ物をかき込む行為(c)ねぶりはし……はし先を舐める行為(d)かみはし……はし先をかむ行為(e)寄せはし……はし先で皿などを自分の方に引き寄せてくる行為(f)握りはし……はしを握ったままの手で茶碗などを持つ行為(g)迷いはし……何を食べようか迷って、はしであちこちを指す行為(h)探りはし……底の方に何が入っているかかきまわしてさぐる行為(i)渡しはし……食器の上にはしを渡す、また食器のふちにかける行為(『子どもとマスターする49の生活技術(3)』より)**********これらを日々の生活の中で少しずつ覚えていけるといいですね。帰省先のご主人のご両親と食事をするとき、知っているのといないのとでは印象が違う ように思います。----------いかがでしたか?あいさつも食事のマナーも、私が子どもだったころは自然と近くにいた祖父母が教えてくれたように記憶しています。日々子育てに追われる中、他のことも注意しなくてはならないママたちにとって、細かいマナーをひとつひとつ教えていくのも大変です。親戚の家にお邪魔する機会は、もしかしたらママたちにとっては“わが子のしつけが行き届いていないと指摘される憂鬱な日”かもしれませんが、そういう場にお子さんが実際に居合わせ、そこにいる年配の方々から注意を受けることがあっても、それを機にマナーを身につけることができれば良いと思いませんか?注意されたことが記憶として残り、自然とできるようになるのですから。子育ての一端を親戚の方々にも担っていただき、子どもの成長を楽しみに感じてもらえるといいですね。【参考文献】・『子どもとマスターする49の生活技術(3)(イラスト版 子どものマナー)』子どもの生活科学研究会・編集●ライター/あしださき(元モデル)
2016年08月08日長男5歳。小学校入学も控え、いよいよ本格的に「しつけ」を考える年齢になってきました。以前より口うるさく言う機会が増えてきたのですが、正直、心の中はモヤモヤでいっぱいです。子どもが言うことを聞いても嫌なムードが残り、何だかスッキリしない…。そもそも「しつけ」って、何だろう?子どもに偉そうに指示を下し、「あなたのためよ」とお決まりのセリフで押し付けるのが、本当のしつけなんだろうか?そもそも私って、子どもをしつけられるほど立派な人間だったっけ…そう、悩み始めたのです。 ほんとうに「子どものため」?悩みながら気付いたのが、まず自分が「しつけ」という言葉をうまく飲み込めていないということ。それは、子ども時代の記憶があるから。子どもの頃は、「しつけと称して偉そうにしたり、怒る大人」に嫌悪感を感じていたのです。同時に思い出されるのが、「あなたのため」と口うるさく言われた記憶。たしかに親になってみれば子どものためを思って言うのですが、子どもの頃を思い出すと、親の言う「あなたのため」が時々「押し付け」に感じるときもありました。そういうときに限って、よく考えると「親のため」も絡んでいるのです。たとえば「親の体裁のために勉強してほしい」というように。では、本来のしつけって何でしょうか?それは「子どもが自分で自分の身を守り、また他人と社会でうまくやっていくための習慣作りの基盤」となるものです。たとえば、子どもが健康で、安全に生きていくために。友達と遊んだり、ケンカをしても仲直りして、信頼関係を築いていくために。社会に出て周囲と協力して夢を叶え、恋人や家庭を作り、やがて我が子を育てていくために。そうやって子どもが自分らしい人生を歩める基盤を、いま形作ることがしつけなのです。子どもにどう育ってほしいのかじっくり考え、しつけの定義をしっかり定めておくと、「しつけと称して偉そうになる」ことは防げると気付きました。本来の自分とのギャップもう一つ引っかかるのが、「自分は子どもをしつけられるほど、きちんとしていたかな?」ということ。そこまでひどい人間だとも思いませんが、独身時代は夜更かしが好きでしたし、休日はパジャマのままダラダラ、テレビだって付けっぱなしでした。「本来の自分」だって、子どもに威張れるほど立派な人間ではないのです。だからさも偉そうに口うるさく言う「ママとしての自分」とのギャップを、気持ち悪く感じていたのでしょう。そして子どもはその違和感にも、必ず気付くものです。そのギャップをなくすためには、まず本来の自分がしっかり生活することです。早く寝てもらいたいなら、自分が早く寝る。勉強して欲しいなら、自分が勉強する、という風に。子どもは親の真似が大好きですし、親の背中を見て育ちますから、効果はあるでしょう。基本は自分がしっかり生活をし、子どもに声をかけるときはしつけの定義を思い出すこと。そうすることで「偉そうに」「口うるさく」「押し付けるように」ならず、自然としつけることができると思うのです。ライター:宮野 茉莉子
2016年06月17日こんにちは、保育士ライターのyossyです。皆さんは、子どもがぐずったときにどのように対処していますか?落ち着いて諭そうと思っても、興奮した子どもをなだめるのは大変。なかなか言うことを聞いてくれません。つい声を荒げてしまうことがある……という人も多いでしょう。子どもが言うことを聞かないとき、アメリカでは“タイムアウト ”という方法を使うのがメジャー。日本でも実際に取り入れている家庭はあるはずです。しかし、近年タイムアウトに対しては批判も出てきています。今回は、その理由や新しく注目されている“タイムイン ”についてご紹介しましょう。●“タイムアウト”は子どもを1人にしてクールダウンする時間では、そもそもタイムアウトとはどのようなしつけ法なのでしょうか。よくスポーツの試合でタイムアウト中に作戦会議や水分補給を行いますが、まさにあのようなイメージ。子どもがぐずったときに、一旦その場から離れてクールダウンする時間を設ける のです。より具体的な方法をご紹介しましょう。子どもが何かよくない行いをしたら、まずはそれをやめるように伝えますよね。そして、何度か言っても聞かなければ、「やめなければタイムアウトだよ」ということを伝えます。このとき、終始親は落ち着いていることが大切です。それでもやめない場合、家庭であればどこか決められた椅子など、指定の場所に子どもを1人にします。ただし、狭いところや暗いところに閉じ込めることはせず、親の目の届く場所で。そして、なぜタイムアウトを行うのか、何を考えてほしいのかをきちんと伝えます。タイムアウトの時間の目安は“年齢×1分 ”。5歳なら5分というわけです。泣き叫んでいて冷静ではない時間はカウントしません。タイムアウトが終わったら、子どもに理解できたかどうかを確認します。まだわからないようであれば、しっかり説明しましょう。●本来の意味から離れて“懲罰”になってしまう家庭が多いタイムアウトは、本来、親子ともに冷静になれる時間のはずです。しかし、懲罰的な意味合いで使用している家庭が多いことに対する批判的な意見も出てきています。特に子どもが幼い場合や親が冷静さを欠いている場合はうまくいかない ことが多いのです。下記のような例は不適切な使用方法だと言えるでしょう。・子どもが「親につきはなされた」と感じて怖がる、孤独感を感じる・親が脅すように「もうタイムアウトだからね!」などと言ってしまう・タイムアウトの時間が単なる“罰”になっている●“タイムイン”の時間を設けて子どもの言い分をしっかり聞こう代わりにダニエル・J・シーゲル博士らが推奨しているのは、“タイムイン ”という方法。タイムインでは、子どもを落ち着かせるために、まずは親が近くで静かに寄り添いながら子どもの言い分を聞きます。ここではどんな言い分も否定せず、受け止めるようにしましょう。そして、ある程度子どもが冷静になったら、今後はどうしたらいいか親子で話し合うようにするのです。すぐに正しい行動をさせようとせず、冷静になる時間を設けるという意味ではタイムアウトと同じですね。でも、しっかり親がそばにいて支えてあげることで子どもが孤独感を抱くことはありません 。また、話をしっかり聞いて受け止めることで親子の信頼関係も築けるのです。●子どもに寄り添う“タイムイン”は日本の育児観に近いアメリカ流のタイムアウトに比べて、タイムインのほうが日本のパパ・ママにとっては挑戦しやすいかもしれませんね。興奮したり泣いたりしている子どもが落ちつくまで親が寄り添っている家庭は多いでしょう。また、近年は「頭ごなしに叱ってはいけない」ということを意識している家庭も増えているのではないでしょうか。心理セラピストの星一郎氏も、『親があれもダメこれもダメ、と禁止事項ばかり増やしていると、子どもがやる気を失ってしまう』と述べています。また、ひとつの答えを与えるのではなく、複数の選択肢を与えて子ども自身が今後どうすべきかの道を選ぶ ことが重要なのだとか。タイムインにおいては“親子で話し合う”ということが重要視されていますが、親が完全に主導権を握ってしまってはあまり“話し合い”の意味がありません。ぜひ、子ども自身に考えさせてあげたいものです。子どもの叱り方は、親にとって永遠の課題ですよね。タイムインはしっかり子どもと寄り添える利点がある一方、親にとっては少し手間がかかり簡単ではないかもしれません。しかし、叱っても子どもが言うことを聞かずに悩んでいる人は試してみる価値があるのではないでしょうか。【参考文献】・『アドラー博士が教える 子どもの「くじけない心」を育てる本』星一郎・著●ライター/yossy(フリーライター)
2016年02月24日