米国の宇宙開発企業「ブルー・オリジン」は1月22日(現地時間)、昨年11月に打ち上げと着陸に成功した「ニュー・シェパード」ロケットを、再び打ち上げて宇宙まで飛ばし、地上に着陸させることに成功した。垂直に離着陸する形式の再使用ロケットが、実際に再使用され、宇宙空間に到達した後に着陸に成功したのは史上初で、大きな快挙となった。ロケットは1月22日(現地時間、時刻は不明)に、西テキサス地方にある同社の試験場から離昇した。ロケットは高度101.7kmまで上昇し、先端に積んだ無人の宇宙船カプセルを分離。その後カプセルはパラシュートで地上に帰還し、一方のロケットは、エンジンを逆噴射しつつ、地上に垂直に着陸した。ニュー・シェパードは昨年11月23日、今回の打ち上げに使ったものと同一の機体を打ち上げ、その際も宇宙空間まで達した後、垂直に着陸することに成功している。その後同社は、機体を再使用するために必要な点検や整備を行い、また11月の飛行で得られたデータなどを基にソフトウェアの改良なども実施。そして先端に再びカプセルを搭載し、今回の再打ち上げを成功させた。なお、カプセルも前回の飛行と同様のものが再使用されたかどうかは明らかにされていない。同社では発表の中で、「我々は今年、ニュー・シェパードを、さらに何度も何度も飛行させるつもりだ」と語っている。○ブルー・オリジンとニュー・シェパードブルー・オリジンは2000年9月に、ネット通販大手のAmazon.comを設立したことで知られるジェフ・ベゾス氏によって立ち上げられた。同社は旅客機のように何度も飛行ができる「再使用ロケット」の研究開発を行っており、これまで試験機の打ち上げを続けてきている。ニュー・シェパードは単段式のロケットで、垂直に打ち上げ、高度100kmの宇宙空間まで上昇した後、そのまま垂直に着陸し、整備と推進剤の補給を行い再び打ち上げることができる能力をもつ。ロケット・エンジンには液体酸素と液体水素を使う「BE-3」を使う。人工衛星を打ち上げることはできないが、ロケットの先端に人や実験装置などを積んだカプセルを搭載することができ、宇宙観光や簡単な宇宙実験などを行うことができるようになっている。初の試験飛行は2015年4月に行われ、高度93kmまで到達したものの、ロケットの着陸に失敗。そして同年11月23日に行われた飛行試験では、高度100.5kmまで到達した後、地上に帰還することに成功した。ブルー・オリジンでは今後もニュー・シェパードの試験飛行を繰り返し行い、2年以内にも同ロケットを使った宇宙観光や宇宙実験を、ビジネスとして展開したいとしている。また、人工衛星を打ち上げられる大型の再使用ロケットの開発も進められており、2019年ごろの初打ち上げを目指すという。再使用ロケットの開発をめぐっては、同じ米国の宇宙企業である「スペースX」も挑戦を続けており、両社の競争がよりいっそう激化することが予想される。参考・Blue Origin | Launch. Land. Repeat.・Launch. Land. Repeat. - YouTube
2016年01月25日ゼロエンタープライズ・ジャパンは1月20日、2012年より開始した「零戦里帰りプロジェクト」で米国より帰国させた零式艦上戦闘機(零戦)のテスト飛行を1月27日に実施すると発表した。同プロジェクトは同社取締役の石塚正秀氏が保有するレストア済みの零戦を米国から日本に移し、飛行可能状態なまま保存するというもの。同機は2014年11月に日本へ入国し、海上自衛隊鹿屋航空基地内で管理、2015年7月にはエンジン始動テストを開始していた。今回のテスト飛行は安全面から一般には公開されないが、テスト飛行終了後に他の空港へ飛行させる一般公開を計画している。この一般公開の実現のためには航空局からの飛行許可の再取得ならびに米国からパイロットを招聘するためなどの資金が必要になるため、同社では企業・団体、個人などからスポンサーを募集している。
2016年01月21日ワイスリー(Y-3)と、宇宙旅行ビジネスを行う英国のヴァージン・ギャラクティック社が、世界初の民間宇宙旅行用アパレルデザインに取り組むため、提携したことを発表した。“今まで手が届かないと思われていたものを現実に変える”宇宙旅行ビジネス会社ヴァージン・ギャラクティック社と、先見性に優れイノベーションの最前線に立ち続けてきたワイスリー。この度発表された提携により、ヴァージン・ギャラクティック社のパイロットや将来の宇宙飛行士、スペースポート アメリカのオペレーションチームに向けたスペース・アパレルを展開していく。両者はヴァージン・ギャラクティック社の本拠地であるニューメキシコ州のスペースポート アメリカにて、同社の宇宙飛行士用フライトスーツとブーツの試作品を公開した。今回のフライトスーツは、ヴァージン・ギャラクティック社のパイロットチームとのテストやトライアルを繰り返して製作したもので、パイロットの自然な座位姿勢をしっかりとサポートしてくれるアイテムに仕上がっている。また、フライトブーツは機能性を重視し、アウトソールにはグリップ力に優れたTRAXIONを、ヒールインサートにはadiPRENE(R)を採用した。ヴァージン・ギャラクティック社のデザイン部門をまとめるアダム・ウェルズは、「我々は製品開発の物語を、ヴァージン・ギャラクティック社が商業運航へ近づいていくステップのひとつとして、皆様にお伝えする日を楽しみにしています」とコメントしている。現在開発が進められているフライトスーツとブーツのほか、既にオーダーメイドの限定版「Y-3&ヴァージン・ギャラクティック パートナーシップ・ジャケット」が公開されている。同ジャケットのデザイン、製造、販売は、ヴァージン・ギャラクティック社による初の民間宇宙飛行の乗客となる「未来の宇宙飛行士達」に向けて行われる予定。動画引用元: (adidas Y-3オフィシャルYouTube:
2016年01月15日ロシア連邦で1月1日、ロシア連邦宇宙庁が解体され、新たに国営宇宙開発企業「ROSKOSMOS」が設立された。これは2015年12月28日にプーチン大統領が署名し、1月1日に発効された大統領令に基づくもので、ロシアでは近年、ロケットの打ち上げ失敗や衛星の故障といった問題が相次いでいることから、この改革によって宇宙産業の立て直しを図る意図がある。宇宙庁を国営企業化する動きは昨年1月から始まり、7月13日にはロシア議会で、ロシア連邦宇宙庁とロシアのすべての宇宙企業を1つにまとめ、新たに国営企業とする設立することを定めた法律が成立。今回の大統領令はこれに従うものとなる。また8月には、ROSKOSMOSの初代CEOに、宇宙庁の長官を務めていたイーガリ・カマローフ氏が就くことも発表されていた。ロシア連邦宇宙庁は2004年に、それまでのロシア宇宙庁(1992年~1999年)、またロシア航空宇宙庁(1999年~2004年)を引き継ぐ形で設立された機関で、「ロシア版NASA」のような存在として、宇宙開発を取り仕切ってきた。また2014年3月5日には、ロケットを製造しているRKTsプラグリェース社やGKNPTsフルーニチェフ、有人宇宙船を製造しているRKKエネールギヤなど、それまで独立していたロシアの宇宙関連企業を一挙に束ねる形で「統一ロケット・宇宙会社(ORKK)」が設立されたが、同社もこのROSKOSMOSに組み込まれることになる。ロシアの省庁が企業化するのは今回が初めてではなく、2007年にはロシア連邦原子力庁がROSATOMに再編されている。同社はロシア国内における原子力発電所の建設を進める一方、国外に対しては原子力の輸出を積極的に行っており、着実に成果を残している。メドヴェージェフ首相は2015年1月、このROSATOMの成功を例に挙げ、ROSKOSMOSの成功にも期待をしていると語っている。○ロシアの宇宙産業は立て直せるかロシアではここ数年、ロケットの打ち上げ失敗や人工衛星の故障などが相次いでおり、抜本的な対策の必要性が叫ばれていた。昨年だけでも、4月には「プラグリェースM-27M」が打ち上げに失敗し、5月には「プラトーンM」ロケットが打ち上げに失敗。7月には日本人の油井宇宙飛行士が乗った「サユースTMA-17M」が、打ち上げ後に太陽電池パドルの片方が開かないという問題を起こした。12月には「サユース2.1v」ロケットが衛星の分離に失敗する事故を起こしている。その原因として、ソヴィエト連邦崩壊後の混乱やロシア連邦の財政難による、技術者の頭脳流出や、経験者の不足、後継者の育成失敗などが挙げられる。こうした状況を受けて、ロシアでは数年前から宇宙庁長官や宇宙企業社長の交代や、産業構造の再編といった対策が打たれてきたが、目立った改善は果たせなかった。2014年に設立されたORKKも、当初は宇宙計画を進める宇宙庁と、実際にロケットや衛星を開発、製造するORKKで、完全に役割を分けることで改革が図られたが、責任の所在や主導権をどちらが握るかといった問題で揉めることとなり、結局良い成果は出なかった。今回のロシア連邦宇宙庁の解体と、それに伴う国営企業化は、この一連の改革の中でも最も大きなもので、これによりロシアの宇宙産業の立て直しと強化ができるかに注目が集まっている。【参考】・・Executive Order abolishing Federal Space Agency • President of Russia・The Russian space agency, Roskosmos・・
2016年01月08日●下半期は木星・火星探査が進展探査機「ニュー・ホライズンズ」による冥王星の観測や、「ファルコン9」ロケットの着陸成功など、さまざまな話題にあふれた2015年が幕を閉じた。そして2016年もまた、数多くの興味深い宇宙開発の話題が待ち構えている。今回は、今年予定されている数多くのロケットの打ち上げや探査機の活動などの動きの中から、特に注目したいものを紹介する。前回の上半期編に引き続き、今回は7月から12月の下半期と、また具体的な日時は不明、あるいは決まっていないものの、今年中になんらかの動きが予定されているものもご紹介したい。なお、日時はすべて1月7日時点での予定に基づくものであり、今後延期される可能性もあるので、ご留意いただければと思う。また文末に、ロケットの打ち上げ予定を掲載しているWebサイトを紹介しているので、最新の情報はぜひそちらをご参照いただきたい。○7月4日: NASAの木星探査機「ジュノウ」、木星に到着2011年8月5日に打ち上げられた米航空宇宙局(NASA)の木星探査機「ジュノウ」が、5年間の航海を経てこの日、目的地である木星に到着する。これまで木星は、「ガリレオ」や、また土星探査機「カッシーニ」が木星の近くを通過した際などに観測が行われているが、これらは木星とその衛星からなる木星系を理解することに主眼が置かれていた。しかしジュノウは木星そのものを徹底的に探査することを目指している。ジュノウはまた、木星より遠くへ飛ぶ探査機では初めて、放射性同位体熱電気転換器(RTG)ではなく、太陽電池を使って電気を作っている。観測期間は約1年が予定されており、運用終了時には生命が存在している可能性のある木星の衛星に墜落しないよう、木星に落とされることになっている。○9月3日: NASAの小惑星探査機「オサイリス・レックス」、打ち上げ「オサイリス・レックス」はNASAの小惑星探査機で、小惑星「ベンヌ」から石や砂などのサンプルを持ち帰ることを目的としている。探査機は打ち上げから約1年後に地球をスウィング・バイして加速し、2018年8月に小惑星ベンヌに到着する。そして観測やサンプル採取を行った後、2021年3月にベンヌを出発し、2023年9月に地球に帰還する予定。なお、地球に帰ってくるのはサンプルが入ったカプセルだけで、探査機本体はさらに別の天体へ行って探査を行う可能性もあるという。ミッションの目的や工程は、日本の小惑星探査機「はやぶさ2」に似ているが、オサイリス・レックスはより多くのサンプルを持ち帰ることができる。一方、「はやぶさ2」はサンプルを収めるコンテナを複数持っており、採取した場所によってサンプルを分けることで、きめ細やかな分析ができるようになっている。○9月30日: 彗星探査機「ロゼッタ」が運用終了、彗星の地表に着陸2014年にチュリュモフ・ゲラシメンコ彗星の探査で話題となった欧州宇宙機関(ESA)の彗星探査機「ロゼッタ」がこの日、ミッションを終える。ロゼッタは最後に、彗星の地表への着陸を行うことが計画されている。ただ、ロゼッタは着陸できるようには造られていないため、衝突にも近い捨て身の着陸となる。これには安全、確実に探査機を処分するという意味もある。彗星への着陸はロゼッタに搭載されていた小型着陸機「フィーレイ」がすでに実施しているが、ロゼッタはより強力な観測機器をもっているため、着陸するまでの彗星地表に徐々に近付いていく間に、フィーレイよりさらに詳細で大量の、画像などのデータが得られることが期待されている。○10月19日: 火星探査機「トレイス・ガス・オービター」火星到着、着陸試験機「スキャパレッリ」は火星地表への着陸に挑戦今年3月14日から25日の間に打ち上げが予定されている欧露の火星探査機「エクソマーズ2016」が、予定どおり打ち上げられれば、この日火星に到着する。エクソマーズ2016は火星のまわりを周回する「トレイス・ガス・オービター」と、火星地表への着陸技術を実証する「スキャパレッリ」から構成されており、両者は合体した状態で打ち上げられて宇宙を航行し、火星到着の直前で分離され、トレイス・ガス・オービターは火星周回軌道に、スキャパレッリは火星の大気圏に突入し、地表へと降り立つ。火星到着後、トレイス・ガス・オービターは約7年間にわたって運用される予定となっている。一方のスキャパレッリは着陸技術の試験機であるため、火星地表での活動帰還は3日程度しか予定されていないが、着陸で使われた技術や、得られた知見は、2018年に打ち上げが予定されている「エクソマーズ2018」の着陸船と探査車(ローヴァー)で活用されることになっている。またトレイス・ガス・オービターは、そのエクソマーズ2018と地球との通信の中継役も務めることになっている。●時期未定:米国の小型シャトルの試験飛行、強化型イプシロンの打ち上げも○時期未定: 小型シャトル「ドリーム・チェイサー」の滑空試験飛行スペース・シャトルのような翼をもっていることで知られる宇宙船「ドリーム・チェイサー」を開発している米国シエラ・ネヴァダ社は今年、ドリーム・チェイサーの滑空飛行試験を実施することを計画している。ドリーム・チェイサーはもともと、国際宇宙ステーション(ISS)への宇宙飛行士の輸送に使う商業用の宇宙船として開発されていたが、競作でボーイング社、スペースX社に敗北。しかしその後も、自社資金を使って開発を続けており、現在は他国の宇宙機関や企業への売り込みや、NASAが計画しているISSへの物資の商業輸送契約の受注を狙っている。同社は昨年10月に、2016年の前半に滑空飛行試験を行い、また実際に宇宙を飛ぶことができる機体の製造を進めていると明らかにしている。ただ、その後情報はなく、具体的な実施日時などは現時点では不明である。○時期未定: 中国の大型ロケット「長征五号」初打ち上げ中国は昨年、新型の小型ロケット「長征六号」を打ち上げ、また今年4月ごろには、エンジンなどを共有する中型ロケット「長征七号」の打ち上げも予定されている。そして、エンジンなどを共有する大型ロケット「長征五号」もまた、今年中の打ち上げが予定されている。長征五号は地球低軌道に最大25トン、静止トランスファー軌道に最大14トンの打ち上げ能力をもち、現在運用されているロケットの中で最も打ち上げ能力の大きい米国の「デルタIVヘヴィ」やロシアの「プラトーンM」に匹敵する性能となる。中国はこれを、大型の人工衛星、とくに宇宙ステーションのモジュール(構成要素)や大型の惑星探査機の打ち上げに使うことを計画してている。○時期未定: 「ドラゴンV2」宇宙船、ロケットからの脱出試験と無人での初飛行昨年末にロケットの着陸成功で話題になったスペースX社だが、同社は先進的なロケットだけではなく、先進的な宇宙船「ドラゴンV2」も開発している。ドラゴンV2は最大7人の宇宙飛行士を乗せ、ISSとの往復が可能なように造られており、いずれは火星への飛行や、さらには火星の地表への着陸も可能になるという。ドラゴンV2は昨年5月に、宇宙船のみでの脱出試験を実施し、成功している。これにより、打ち上げ直前の段階でロケットが爆発するなどしても、宇宙船と中の宇宙飛行士が安全に脱出できることが確かめられている。しかし、実際に宇宙に打ち上げる前には、飛行中のロケットに問題が起きた際にも安全に脱出できるかどうかを実証しなければならない。本来ならその試験は昨年のうちに行われるはずで、すでに試験用のロケットの準備も完了していた。しかし6月に「ファルコン9」ロケットが打ち上げに失敗したことや、その後の改良などが優先されたため延期され、今年のどこかのタイミングで実施されることになっている。○時期未定: 「イプシロン」ロケット2号機、ジオスペース探査衛星「ERG」を打ち上げ2013年9月14日に華々しいデビューを飾った日本の新型固体ロケット「イプシロン」。その2号機が今年、ジオスペース探査衛星「ERG」を搭載して打ち上げられる予定となっている。このイプシロン2号機は、正確には各所を改良して打ち上げ能力を高めた「強化型イプシロン」となる。もともと2013年に打ち上げられた試験機の性能ではERGを打ち上げられなかったため、性能向上に向けた取り組みが行われていたが、別に進められていた改良計画などと統合されるなどの紆余曲折を経て、現在は「強化型」と名付けられた改良計画が進んでいる。また2016年度中には、イプシロンの3号機で小型の地球観測衛星「ASNARO-2」の打ち上げも計画されている。○時期未定: 中国の新しい宇宙ステーション「天宮二号」と有人宇宙船「神舟十一号」、新型補給船「天舟」の打ち上げ中国は2003年に楊利偉宇宙飛行士が乗った「神舟五号」の成功で、ソヴィエト、米国に続いて、世界で3番目に有人宇宙飛行に成功した国となった。その後、2005年の「神舟六号」では2人の宇宙飛行士を宇宙へ送り、2008年の「神舟七号」では3人の宇宙飛行士が搭乗し、さらに宇宙船の外に出る船外活動(宇宙遊泳)を実施した。2011年には小型の宇宙ステーション「天宮一号」を打ち上げ、同年に無人の「神舟八号」によるドッキング試験を実施した後、2012年には女性1人を含む3人の宇宙飛行士を乗せた「神舟九号」を、2013年にもやはり女性1人を含む3人の宇宙飛行士を乗せた「神舟十号」を打ち上げ、天宮一号での滞在、宇宙実験などを成功させた。そして今年、中国は次の新しい宇宙ステーション「天宮二号」の打ち上げを計画している。天宮二号が無事に軌道に乗れば、有人の「神舟十一号」がドッキングし、ふたたび中国人宇宙飛行士が宇宙に滞在し続けることになる。また無人の補給船「天舟」の開発も進んでおり、今年から来年の間のどこかで打ち上げられ、天宮二号とドッキングする予定となっている。中国は2020年代を目処に、ソヴィエト/ロシアが運用していた「ミール」ほどの規模をもつ大型の宇宙ステーション「天宮」の建造を計画しており、天宮二号や神舟十一号、そして天舟が成功するかどうかが、実現に向けた大きな鍵を握っている。【参考】・・・・・
2016年01月07日40年近くもの間、「プラグリェース」と名付けられたロシアの無人補給船は、「サリュート」や「ミール」、そして国際宇宙ステーションといった宇宙ステーションに向けて、「宇宙の定期便」として運用に必要不可欠な補給物資を送り届けてきた。プラグリェースは有人宇宙船「サユース」をもとに開発され、サユースが改良されると共に、プラグリェースも改良を、あるいはその逆もまた然りと、両者は常に一心同体となって、宇宙開発の歴史を歩み続けてきた。そして12月21日、最新の、そしておそらく最後となる改良が施された「プラグリェースMS」が宇宙に飛び立った。プラグリェースMSとはどんな補給船なのか、従来のプラグリェース補給船から何が変わったのか。そして、その先にどんな意味があるのかについて見ていきたい。○プラグリェースMSロシア連邦宇宙庁は12月21日、新型補給船「プラグリェースMS-01」を搭載した「サユース2.1a」ロケットの打ち上げに成功した。2日後の23日には国際宇宙ステーション(ISS)とのドッキングにも成功し、2436kgの補給物資を送り届けた。ロケットは日本時間12月21日17時44分39秒(カザフスタン時間12月21日14時44分39秒)、カザフスタン共和国にあるバイカヌール宇宙基地の第1発射台(通称「ガガーリン発射台」)を離昇した。ロケットは順調に飛行し、約9分後にプラグリェースMS-01を軌道に投入した。プラグリェースMS-01はその後、太陽電池パドルやアンテナの展開に成功。そして約2日間の飛行を経て、23日19時27分にISSの「ピールス」モジュールにドッキングした。プラグリェースMS-01はこの後2016年7月までISSに係留される。プラグリェースMSはロシアのRKKエネールギヤ社が開発した新しい補給船で、今回が初めての飛行であった。シリーズとしては初期型、M型、そして現行のM-M型に続く第4世代になる(厳密にはもう少し細かい種類がある)。MS型の外見は従来のプラグリェースとあまり変化はない。しかし部品から機体の構造全体に至るまで、さまざま箇所に改良が加えられている。ロシア国産の自動ランデヴー・ドッキング・システム「クールスNA」プラグリェースも、また有人のサユースも、宇宙ステーションとのランデヴー(接近)とドッキングには「クールス」と名付けられた装置を使用している。この装置は「2AO-VKA」、「AS-VKA」、「2ASF1-M-VKA」、そして3基の「AKR」の、合計6基のアンテナからなり、電波を使ってドッキング相手のステーションとの相対的な距離や速度、角度などを測り、そのデータをコンピューターで処理。その結果に基づき宇宙船は自動で操縦される。これまでサユースやプラグリェースに使われていたクールスは、正確には「クールスA」と呼ばれているが、このクールスAは大きく2つの欠点がある。まず1つはアンテナが展開式、あるいは可動式であり、故障によってアンテナの展開や格納、可動ができなければ、ランデヴー・ドッキングができなくなる危険性を抱えている。実際に、大きな失敗や事故にはつながらなかったものの、アンテナが展開できない、あるいは格納できないという問題が過去に発生している。また、クールスAの電子機器を製造しているのはウクライナの企業であり、ロシアにとっては入手しづらいという問題もあった。クールスが開発されたのはまだソヴィエト連邦が存在したころであったが、ソ連崩壊後に独立したウクライナは、ロシアに対してクールスAの価格を吊り上げるようになった。クールスAはサユースやプラグリェースにとって必要不可欠な装備であり、ロシアは言い値で購入しなければならない状態となり、かつては一度使用したクールスAの電子機器を取り外し、スペースシャトルで持ち帰って再使用するといったことも行われていた。そこでロシアは2003年から、クールスAと互換性をもたせつつ、部品をすべてロシア製にし、かつ可動部を少なくした、「クールスNA」の開発に着手した。外見も大きく変わり、クールスAの2AO-VKAと3基のAKR-VKAの合計4基のアンテナが、AO-753Aと呼ばれる1つのアンテナに置き換えられている。AO-753は機体に固定されているため、展開機構に起因する問題が起こり得なくなる。さらに測定誤差も小さくなり、消費電力も少なくなるなど、性能も向上している。クールスNAは2012年に打ち上げられた「プラグリェースM-15M」と、2013年の「プラグリェースM-21M」に試験的に搭載され、実際にISSとのドッキングで使われた。このときの試験結果は芳しくなく、何度かの試験の中で失敗と成功が半々ぐらいというものだったが、今回のプラグリェースMS-01では問題は起きず、無事にISSとのドッキングを果たした。新型飛行制御システム「ASN-K」新型の飛行制御システム「ASN-K」は、ロシアの全地球測位システム「GLONASS」を利用し、自身の軌道を測定することができる。これまでプラグリェースやサユースにそうした機能はなく、地上から軌道を観測し、そのデータを送るしかなかった。また、このASN-Kと、サユース2.1aロケットの高い軌道投入精度とを組み合わせることで、打ち上げからISS到着までの所要時間を、最短で4時間ほどにまで短縮することも可能だという。新型通信システム「EKTS」従来のプラグリェースやサユースは、ロシア国内にある地上局のアンテナとしか通信ができなかったため、ロシアの上空を通過すると通信ができなくなるという制約を抱えていた。しかしプラグリェースMSでは新たに衛星通信用のアンテナを装備し、静止軌道に配備されたロシアの通信衛星「ルーチ5」を中継することで、1日のうち83%ほどは、ロシアの地上局と通信ができるようになるという。また、従来の「クヴァーントV」と呼ばれる通信システムはウクライナ製だったが、EKTSはロシア製となる。この他にも、次のような点が改良されている。新しい太陽電池パドルによる出力の向上。外部に超小型衛星を搭載、放出できるコンテナーを搭載(10 x10cmのキューブサットで最大24機まで搭載可能)。尾部にある軌道変更用スラスターを改良。エンジンを4基搭載し、そのうち1基が壊れてもドッキング可能に、また2基が壊れても安全に軌道離脱が可能。映像システムが新しくなり、外部カメラからの映像がより鮮明に。新型のバックアップ制御システム「ブーク」の追加。スペース・デブリ(宇宙ゴミ)や宇宙塵などとの衝突に備えたシールドの強化。LEDを使った照明システムの搭載。角速度センサーの改良。ドッキング機構にバックアップ系統を追加し、ISSのドッキング面との結合の信頼性が向上。これらの改良点は有人宇宙船のサユースにも採用されることになっている。改良されたサユースは「サユースMS」と呼ばれ、2016年6月に初飛行を行う予定となっている。サユースMSではまた、以下の改良も施される。これらはプラグリェースMSには必要ないため、サユースMSだけの改良点となる。GLONASSと米国のGPS受信機を装備し、大気圏再突入後の帰還カプセルの位置を正確に測定可能に。また予定外の地域に着陸した場合の捜索活動も容易になる。宇宙飛行士が船外を見るための光学式のペリスコープ(潜望鏡)を廃止し、映像を見て操縦する形に。○ロシア宇宙開発、復活の狼煙となれるか新技術をふんだんに盛り込んだプラグリェースMS-01の成功は、実は完璧なものではなかった。サユースとプラグリェースには、クールスが問題を起こした場合に備え、「TORU」という手動のドッキング・システムが搭載されているが、プラグリェースMS-01がISSに接近する際、このTORUが使えなくなるという問題が発生した。もしクールスNAがなんらかの問題を起こしていれば、ドッキングができなかった可能性もある。もちろん、宇宙船という複雑なシステムであればひとつやふたつの故障は起こるものであり、そのために冗長系と呼ばれる、予備の部品や装置が用意されている。今回もクールスNAのバックアップであるTORUの故障だったからこそ、ドッキングそのものには影響は出なかった。それでも本来は起こるべきものでなく、やや不安は残る。現在、ロシアの宇宙技術が低迷していることは、すでに多くの人が認識している。今年だけでも、4月には「プラグリェースM-27M」が打ち上げに失敗し、5月には「プラトーンM」ロケットが打ち上げに失敗。7月には日本人の油井宇宙飛行士が乗った「サユースTMA-17M」が、打ち上げ後に太陽電池パドルの片方が開かないという問題を起こした。12月には「サユース2.1v」ロケットが、衛星の分離に失敗する事故を起こしている。ロシアのロケットや衛星の打ち上げ数の多さは考慮する必要はあるが、しかし、ほぼ同じ打ち上げ数である米国や中国の失敗の少なさを考えると、ロシアの失敗数の多さは際立っている。ロシアでは数年前から宇宙産業の改革が始まっているが、今のところ目立った変化はまだ現れていない。とくに新しい技術は失敗の原因となりやすいことを考えると、今後プラグリェースMSが2号機、3号機、4号機……と、今回のTORUの一件のような問題を起こさず成功を重ねることができるか、そしてサユースMSの運用も無事に軌道に乗るかが、この改革が成功したか否かを見極める試金石となるだろう。また、現在ロシアはサユースに代わる、まったく新しい宇宙船「PTK NP」の開発も進めており、プラグリェースMS、サユースMSの技術も活用されることになっている。PTK-NPの初飛行は2021年ごろに予定されている。プラグリェースMS、サユースMSが成功するかどうかは、PTK NPにたすきをつなぐためにも、そして何よりロシアの宇宙開発の威信回復のためにも、重要な意味をもっている。また、ISS計画に参加する米国や欧州、そして日本にとっても他人事ではない。とくにサユースMSの1号機には大西卓哉宇宙飛行士が搭乗することになっており、その後も日本人が搭乗する機会があるだろう。なにより、有人宇宙船は人の命がかかっていることもあり、今後の動向を注意深く見守っていく必要がある。【参考】・・・Progress-MS cargo ship・Progress MS Spacecraft begins Debut Mission to ISS with successful Launch atop Soyuz Rocket | Spaceflight101・Kosmonavtika - par Nicolas Pillet - Le système radar de rendez-vous Kours
2015年12月25日宇宙航空研究開発機構(JAXA)は12月24日、宇宙飛行士の精神心理健康状態を評価する手法の高度化を目的に、JAXAの閉鎖環境適応訓練設備を用いた有人閉鎖環境滞在試験を実施すると発表した。○現在宇宙のストレスチェックはビデオ問診のみこれまで、宇宙飛行士の精神状態を評価する手法は、基本的に2週間に1度の精神医学・心理学の専門家によるビデオ問診のみに限られており、より客観的な指標に基づくストレス状態評価手法の開発が求められている。今回の研究は2015年度と2016年度にわたって実施され、2015年度は閉鎖試験を1回実施し、ストレス状態評価に有効な客観的指標(ストレスマーカー)候補を絞り込み、2016年度には閉鎖試験を最大3回実施してストレスマーカーの決定を目指す。また、宇宙飛行士が滞在する国際宇宙ステーション(ISS)では健康管理を目的とした採血・採尿は行われておらず、ISSで解析されることはない。そのため同研究では非侵襲的かつ宇宙飛行士自身が軌道上でほぼリアルタイムに評価可能な手法の開発も目標とする。試験では、成人男性8名がJAXAの閉鎖設備で共同生活を送り、その間行動・情報・食事などを制限するほか、グループ作業を含むさまざまな課題を与える。そうしたストレス負荷が、血液や尿などの生理的指標、反応速度などのパフォーマンス、音声・表情などにどのような影響を与えるかを検証し、専門家の面談によるストレス状態評価の変化と比較することで、有効なストレスマーカーを探っていく。○被験者は一般から募集試験の対象となるのは20歳~55歳の健康な一般男性で、ジャパンクリニカルボランティアネットワークで被験者を募集する。第1回試験は2016年1月29日の基礎データ取得からスタートし被験者は2月5日~18日まで閉鎖環境に滞在することになる。なお、滞在後もデータ取得を行う。被験者が全日程を消化した場合、協力費として総額38万円が支払われる。同試験で使用される設備はJAXAの筑波宇宙センターにあり、宇宙飛行士の選抜にも使用されたもの。試験中の生活サイクルはISSでの生活サイクルに似たものになる。試験結果を被験者が知ることは基本的に出来ないが、遺伝子検査の結果は希望すれば提供される。また、対象が男性に絞られているのは、女性に比べてホルモンバランスの影響を受けにくく、精神状態に影響を与えるストレス以外の要素が少ないという点で、試験が実施しやすいためだという。宇宙飛行士の精神状態の健康維持は、ISSでの活動はもちろんのこと、将来の超長期宇宙滞在や民間の宇宙利用などでも重要なポイントとなる。そのため、今回の研究を通じて宇宙滞在者の精神健康状態を評価する有効な手法が確立され、ISS以降の国際宇宙開発競争における日本のアドバンテージとなることが期待される。
2015年12月25日2016年の宇宙、どうでしょう? ということで、予測が秒単位でできることから、どーなるかわからんことまで「素人でも手軽に観察・参加できる」宇宙に関わるあれこれを、サクっと紹介しちゃいます。今回は、2016年1~6月の半年分をば。なお、1年分のデータが入っている年鑑、手帳などが1000~3000円程度で売られています。データ量を考えるとリーズナブル。どんなのがあるのかは、昨年の記事をみてくださいませ。○1月~2月東京、名古屋、大阪など太平洋側の大都市では、天気もよく、星を見るベストシーズンです。特に東京周辺は、連続10日快晴とかになる時期ですなー。雪に閉ざされる日本海側は、しんどいところはありますが、共通することがあります。明るい星が多いんです。晴れさえすれば、ともかく、明るく、星が見えるのです。ボヤーっとながめても、もちろんOKですが、ちょっと名前がわかるとうれしいですな。形に特徴がある「オリオン座」をみつけて、そこから展開するのが定番でございます。図を参照くださいませ。オリオン座の真ん中に三つ並んだ星のならびを、延長していくのがポイントでございます。あ、実際にはずっとデッカく見えますよー。1月7日は、明け方に注目。月と金星と土星が接近します。さらに9日は金星と土星が手を伸ばした先にある5円玉の穴に入るくらいの大接近があります。金星は、メチャクチャ明るいのですぐにわかりますよ。あ、明け方。夜明け前ですのでくれぐれもお間違えなく! 夕方には見えません。さて、宇宙探査の方に目を向けてみます。日本ネタがありますよー。2月12日、日本のX線天文衛星ASTRO-Hが打ち上げられます。X線は、天体から出てくる光の大半を占めていますが、大気がジャマして地上ではとらえられません。そこで、人工衛星の登場ってわけです。この分野では日本が世界のトップを走っています。打ち上げは午後6時ごろを予定。成功を期待しましょー。米・欧・インド・ロシアもそれぞれ衛星の打ち上げ予定がありますが、海洋衛星のジェイソン3(米)とセンチネル3A(欧)が目を引きます。米欧の2機、目的がほぼ同じ地球海面の監視なんですよ-。ふーむ。また、インドは独自の航法衛星を打ち上げ予定です。○3~4月3月9日の午前10時すぎ~正午すこし前まで日食があります。11時ごろに見るのがいいでしょう。わずか2割欠ける程度ですが、日食めがねとか遮光板で見られます。前に買っておいたのがある方は、ぜひ探しておいてください。なお、この日食、インドネシアの一部からグアムの沖合で皆既日食になります。ツアーは「インドネシア日食」でググるとたくさんでてきます。30万円くらいから、豪華客船を使う200万円なんてのもあります。皆既日食は見ると「日食病」になるほど魅力的な現象だそうですが、お金以前に、休みとれないなー(お金もない)。3月半ばから木星がみごろになります。東に見えます。これはもう7月くらい(このころは西)までオッケー。とても明るい白っぽい星ですのですぐにわかると思いますよ。4月18日には、夕方の空に水星がみごろになります。ほぼ2016年ベストですかね。これは、また近くになったらご紹介しますねー。水星は肉眼で十分見えるのですが、見えるタイミングがきびしくて、そのぶん難易度が高いんですよ。4月22日は満月です。まあ、満月は29.5日ごとにあるので、年に12~13回あるんですけど、この日の月はこの年で一番地球から遠いんですね(平均より1割ほど遠い)。その分小さく見えます。デッカい場合はスーパームーンという言い方が広まってますが(学術用語じゃないです)、小さい場合は、サテ、プリティムーンとかリトルムーンとでも言うんでしょうかねー。あと4月18日~24日は科学技術週間です。この前後、各地の大学や研究所が一般公開されたりしますよ。特に、茨城県の筑波地区はすごく楽しいらしいです。詳しくは科学技術週間のWebサイトで。毎年科学ポスターの無料配布もありますが、2016年はどんなネタなんでしょうね。ノーベル賞がらみで生物由来有用物質かしらん?さて、宇宙探査では大ネタ。3月14日にヨーロッパ&ロシアのエクソマーズ2016火星探査機が打ち上げられます。2017年末に火星に到着して大気を調べ、着陸テスト機を分離させます。さらにおっかけて2018年に打ち上げられるエクソマーズ2018の中継基地の役割も果たします。こちらは、着陸して自走できる探査機、ローバーなのでございます。火星は2年ごとに地球に追い越され、そのときに接近になるのですが、このときが、観察および宇宙探査機打ち上げのチャンス。近いからね。2016年はまさに接近の年なのです。なお、日本は、先日金星到達に成功した、金星探査機あかつきが、このころから本格観測に移行します。○5~6月5月7日の明け方、みずがめ座エータ流星群の活動がピークになります。日本では観察しにくい(見えますけどね)のですが、南半球で早起きをするとよく見えます。2016年の条件では最良。連休で南半球に旅行に出かける方は、ちょっと意識してもいいかもですね。まあ、海外の夜、外に出るのは怖いので安全な場所が確保できる場合に限られますな。5月31日、2016年のビッグニュース! 火星が最接近となります。地球に追い抜かれ、非常に近くなるんですな。2016年の接近度合いは5点満点で4点くらい。かなーり、近づくのです。8時には東の空から異様に明るくて赤い星が見えます。で、実際に観察しやすいのは、接近の後6~8月になります。しばらく火星が楽しめます。各地で観察会も開かれるはずですので、望遠鏡で見てみると、火星の極の氷が白く輝いている様子など見られると思いますよー。なお、このころから土星も見ごろになっています。火星の近くにある星ですが、このころの火星を見なれちゃうと、ちょっとひかえめに感じちゃうかも。6月21日には、国際宇宙ステーションにソユーズ宇宙船が向かいます。中には日本人飛行士の大西卓哉さんも搭乗。大西さんの初宇宙になります。大西さんは東大を出て、全日空のパイロットだった人でございます。もっと高い空を目指したということですなー。チョイとはみ出して、7月4日には米国の木星探査機ジュノーが、木星に到達します。たぶん、その前から木星の画像が発表されると思いますよー。その後ジュノーは木星を南北に周回する衛星となり、北極から南極まで、木星を詳細に探査する予定となっています。しかし7月4日ですか、インディペンデンス・デー(独立記念日)ですな。好きですなー、こういうの米国は。ということで、来年も宇宙を楽しんでいきましょー。著者プロフィール東明六郎(しののめろくろう)科学系キュレーター。あっちの話題と、こっちの情報をくっつけて、おもしろくする業界の人。天文、宇宙系を主なフィールドとする。天文ニュースがあると、突然忙しくなり、生き生きする。年齢不詳で、アイドルのコンサートにも行くミーハーだが、まさかのあんな科学者とも知り合い。安く買える新書を愛し、一度本や資料を読むと、どこに何が書いてあったか覚えるのが特技。だが、細かい内容はその場で忘れる。
2015年12月23日宇宙飛行士の野口聡一氏が17日、東京都墨田区の東京スカイツリーで行われた映画『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』(12月18日公開)の公開を記念したライティングイベントに登場し、『スター・ウォーズ』への熱い思いを語った。野口氏は、作品の舞台である宇宙にちなんだゲストとして登場。「小学生の頃にエピソード4を初めて見て、宇宙目指してミレニアム・ファルコン号でのぼっていく感じとか、すごく心に残っている」と『スター・ウォーズ』との出会いを明かし、「宇宙を目指す第一歩だったと思う」と振り返った。好きなキャラクターを聞かれると、「乗り物好きなので…ミレニアム・ファルコン号」と答え、「なんといってもイオンエンジンですから! われわれJAXAが誇る"はやぶさ"と同じです」と熱弁。「『スター・ウォーズ』の世界からずっと時代がたって、"はやぶさ"にミレミアム・ファルコンのイオンエンジンが残っていると思うと夢が広がる」とうれしそうに話した。また、『スター・ウォーズ』がきっかけで宇宙に興味を持った宇宙飛行士は多くいると言い、「先週まで宇宙に行っていた油井亀美也さんのクルーもみんな好き」「来年宇宙に行く大西卓哉さんもファン」と紹介。「NASAのアメリカ人ももちろん大好き」と続け、「スペースシャトルに搭乗した『スター・ウォーズ』ファンの宇宙飛行士の希望により、ライトセーバーがスペースシャトルに積まれて宇宙に行ったことがある」と驚きのエピソードも披露した。そして、宇宙飛行士について、「『スター・ウォーズ』に出てくる戦闘機乗りの気質に近い」と分析し、「いろんな場面で落ち着いて状況をよく見て、宇宙ステーションを操るという意味で」と補足。「エピソード4で、デススターに向かって飛んでいくシーンなど、戦闘機乗りのシーンは心が熱くなるものがある」と語った。世界一宇宙に近いタワーでもある東京スカイツリーを『スター・ウォーズ』のライトセーバーに見立てた公開記念ライティングは、12月17日~20日の4日間限定で実施。光と闇の戦いをイメージした青と赤の2色の演出から始まり、最新作の悪役カイロ・レンが操る赤い十字型のライトセーバーが立ち上がる、動きのある演出が楽しめる。(C) 2015Lucasfilm Ltd. & TM. All Rights Reserved
2015年12月17日世界中が待望するシリーズ最新作にして新たなる3部作の1作目『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』の公開を翌日に控えた12月17日(木)、世界一宇宙に近いタワー、東京スカイツリーにてライトセーバーをイメージしたライトアップが開始され、点灯式にJAXA宇宙飛行士の野口聡一が登壇した。はるかかなたの銀河系で繰り広げられる<家族の愛と喪失の物語>が、『エピソード6/ジェダイの帰還』(’83)から約30年後を舞台に帰ってくる本作。“STAR WARS YEAR”として日本各地で盛り上がりを見せてきた本作。今回東京スカイツリーで行われた点灯式では、野口さんのほかにストームトルーパー、R2-D2、C-3POが登場。『スター・ウォーズ』シリーズを子どもの頃に観てきたという野口さんは、「エピソード4を観たのが小学校の頃なんですが、そのときに感じた宇宙の広がりが印象的で、実際に宇宙を目指すことになる第一歩だったのかなと思います」と宇宙飛行士へのきっかけとなっていたことを明かし、『スター・ウォーズ』の中でもお気に入りは、キャラクターよりも宇宙を駆け巡る乗り物だそうで、「僕は乗り物やメカ好きなのではやぶさと同じイオンエンジンで動くミレニアムファルコンが心に残ってます!」と笑顔で語った。大の『スター・ウォーズ』ファンという野口さんだが、宇宙飛行士仲間の中でもファンが多いようで「宇宙飛行士の中でも宇宙に行きたいと思った最初のきっかけが『スター・ウォーズ』という人が多いですね。アメリカではルーカス・フィルムとNASAが調整して、スペースシャトルにライトセーバーを積んで宇宙に持って行ったっていうことがありましたね」と語った。さらに今回は野口さんのほかにストームトルーパー、R2-D2、C-3POが登場。野口さんはお馴染みのキャラクターを目の前にして感無量の様子。「『スター・ウォーズ』シリーズはR2-D2が司っているんじゃないかと思ってます。一番最初から出ているし、絶対死なないし。我々(宇宙飛行士)の中ではR2-D2最強伝説があります(笑)」と話すとR2-D2も嬉しそうに返事をしていた。その後、ライトアップを待つ『スター・ウォーズ』ファンと共にカウントダウンをし、スカイウォーカー家に代々受け継がれてきた青いライトセーバーと、最新作の悪役カイロ・レンが持つ赤い十字型のライトセーバーをイメージした2色のライティングに感激していた。『スター・ウォーズ』仕様にライティングした東京スカイツリーは12月17日(木)~20日(日)の4日間点灯される。『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』は12月18日(金)18時30分より全国一斉公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:スター・ウォーズ/フォースの覚醒 2015年12月18日より全国にて公開(C) 2015 Lucasfilm Ltd. & TM. All Rights
2015年12月17日油井亀美也さんら、3人の宇宙飛行士が乗ったロシアの宇宙船「サユースTMA-17M(ソユーズ)」が、12月11日(現地時間)、141日間にわたる国際宇宙ステーション(ISS)での長期滞在ミッションを終え、地球に帰還した。同宇宙船は日本時間12月11日18時49分、アリェーク・カノネーンカ宇宙飛行士(露宇宙庁)、油井亀美也宇宙飛行士(JAXA)、チェル・リングリン宇宙飛行士(NASA)の3人を乗せて、国際宇宙ステーションの「ラスヴェート」モジュールから分離。単独で飛行した後、21時19分から軌道離脱のための噴射を開始し、完了後に各モジュールを分離した。宇宙飛行士が乗った帰還モジュール部分は21時49分ごろに大気圏に再突入し、パラシュートを展開しつつ降下。そして22時12分(カザフスタン時間19時12分)ごろに、カザフスタン共和国のジェズカズガンの北東にある平原地帯に着陸した。当時、現地の天候は悪く、着陸の瞬間の映像などはなく、宇宙船との通信もできない状態が続いたが、約5分後に無事に着陸に成功したことが確認された。その後、回収部隊が到着し、宇宙飛行士らは船外へ出ることとなった。3人の健康状態は正常だという。油井飛行士は帰還後「ただいま。体調は大丈夫です。重力を感じます。寒いけれど、みなさん大丈夫ですか? 宇宙も素晴らしいけど、地球も素晴らしい。冷たい風が心地よい。ゆっくりシャワーでも浴びたいが、ツイッターをフォローしている人がたくさんいるので、発信していきたい」と語った。同宇宙船は2015年7月23日に、今回帰還した3人を乗せて打ち上げられた。3人は到着後、141日間にわたってISSに滞在し、さまざまな実験や、ISSにやってくる補給船の運用などを行った。帰還は当初、12月22日と計画されていたが、11月に予定されていた新型のプログレス補給船の打ち上げが12月21日に延期となり、宇宙船の到着や出発が集中し、運用が大変になることから、帰還日の前倒しが決まった。また今回の着陸は、2012年以来の夜間着陸となった。サユース宇宙船がISSとの往復で使われるようになって以来、着陸が夜間になったのは、サユースTM-34(2002年)、サユースTMA-4(2004年)、サユースTMA-5(2005年)、サユースTMA-7(2006年)、そしてサユースTMA-05M(2012年)で、今回で6例目となる。○12月15日には新しい飛行士が出発、21日には新型補給船の打ち上げも油井飛行士らが帰還したことで、現在ISSにはスコット・ケリー飛行士(NASA)、ミハイール・カルニエーンカ飛行士(露宇宙庁)、シルゲーイ・ヴォールカフ飛行士(露宇宙庁)の3人が滞在している。今後、12月15日には、ユーリィ・マレーンチェンカ士(露宇宙庁)、ティモシー・コプラ飛行士(NASA)、ティモシー・ピーク飛行士(欧州宇宙機関)の3人の宇宙飛行士を乗せた「サユースTMA-19M」宇宙船が打ち上げられ、ISSは再び6人体制となる。この3人はISSの第46/47次長期滞在員として、約半年間滞在する予定となっている。また12月21日には、ロシアの新しい無人補給船「プラグリェースMS」の打ち上げも予定されている。プラグリェースMSには新型の航法システムや、自動ランデヴー・ドッキング・システムなど、多くの新しい技術が採用されており、ミッションが成功するかどうかが注目される。○現在のISS滞在員第43/44/45/46次長期滞在員(2015年3月23日~2016年3月)スコット・ケリー(NASA)ミハイール・カルニエーンカ(露宇宙庁)第45/46次長期滞在員(2015年9月2日~2016年3月)シルゲーイ・ヴォールカフ(露宇宙庁)参考・РОСКОСМОС. МЕЖДУНАРОДНЫЙ ЭКИПАЖ КОРАБЛЯ «СОЮЗ ТМА-17М» ВЕРНУЛСЯ НА ЗЕМЛЮ・NASA Astronaut Kjell Lindgren Safely Returns to Earth | NASA・JAXA | 油井宇宙飛行士搭乗のソユーズ宇宙船(43S/TMA-17M)の帰還について・ソユーズ宇宙船(43S)着陸!:油井宇宙飛行士ISS長期滞在 - 宇宙ステーション・きぼう広報・情報センター - JAXA
2015年12月12日セコムは12月10日、独自開発した自律飛行型監視ロボット「セコムドローン」のサービス提供を12月11日より開始すると発表した。「セコムドローン」は同社の画像認識技術やセンシング技術、防犯・飛行ロボットを駆使して開発されており、監視カメラとLEDを搭載したドローンが侵入異常発生時に対象の車や人に上空から接近し、車のナンバーや車種、ボディカラー、人の顔や身なりなどを撮影する。撮影した画像をセコムのコントロールセンターに送信することで、不審車(者)の追跡・確保に役立てることができるとする。価格は月額5000円(税別)~で、工事料が80万円(税別)~(オンライン・セキュリティシステムと「レーザーセンサー」による外周監視を導入済みの場合)。同社は航空法改正によりサービス開始を延期していたが、12月10日に改正航空法が施行され、第1号の契約先の承認が得られたため11日よりサービスを開始することとなった。
2015年12月10日エアバスは現地時間の12月1日、ブラジル最大の航空会社であるTAM航空のA350 XWB初号機が初飛行を実施したことを発表した。TAM航空は12月に初号機を受領する予定となっている。同社は2016年1月からサンパウロとマナウスを結ぶ路線で商業運航を開始し、さらにその後、マイアミやマドリード、オーランドへの国際路線に導入することを予定している。
2015年12月02日三菱航空機および三菱重工業は12月1日、11月11日の初飛行に続く次世代のリージョナルジェット機であるMRJ(Mitsubishi RegionalJet)の飛行試験を11月19日と27日に実施したことを公表した。なお、11月11日に実施した初飛行に関してこのほど、コックピットの様子なども含めた4分38秒バージョンの動画も公開している。(c)2015 MITSUBISHI HEAVY INDUSTRIES, LTD. All Rights Reserved.
2015年12月01日宇宙航空研究開発機構(JAXA)は11月24日、国際宇宙ステーション(ISS)に滞在中の油井亀美也 宇宙飛行士が搭乗するソユーズ宇宙船の帰還予定日が12月11日午後10時10分頃(日本時間)に決まったと発表した。同宇宙飛行士は7月23日にカザフスタン・バイコヌール宇宙基地から宇宙に出発し、第44/45次長期滞在クルーとして国際宇宙ステーション(ISS)に滞在。滞在中は8月19日に種子島宇宙センターからHII-Bロケット5号機により打ち上げられたISS補給機「こうのとり」5号機(HTV5)のロボットアームによるキャプチャ(把持)を担当するなどした。なお、帰還日時は、帰還予定日の数日前に開催される飛行準備審査会で最終決定されることとなる。
2015年11月24日マット・デイモンが火星に取り残された宇宙飛行士を演じ、全米で大ヒットを記録している『オデッセイ』。巨匠リドリー・スコット監督作品史上、最高の興行成績を更新中の本作と、日本で幅広い世代から高い人気を誇るTVアニメ「宇宙兄弟」と“星を超えた”コラボ予告が解禁となった。火星での有人探査の最中、猛烈な嵐に巻き込まれた宇宙飛行士のマーク・ワトニーは、死亡したと推測され、残りの乗組員は火星を去ってしまう。しかし、奇跡的に生き延びていたワトニーは、厳しい環境の惑星でたった一人取り残されたことに気づく。空気も水も通信手段もなく、わずかな食料しかない状況で、彼は知恵と精神力、創意工夫の才能を発揮し、4年後の NASA の救出まで生き延びようとする。一方、2億2,530万km離れた地球では、NASAと各国から集められた科学者たちが、彼を生還させるための努力を続けるが、ワトニーを火星に残してきたチーム乗組員は協力し、不可能とも言える大胆な救出ミッションを計画する――。1作ごとに世界中の注目を集める巨匠リドリー・スコット監督が、科学的視点とリアリティを追及した壮大なドラマを、『ボーン』シリーズや『オーシャンズ』シリーズなどでハリウッドのトップを走るマット・デイモンとの初タッグで描く本作。歴代の10月公開作品&秋公開作品としては、あの『ゼロ・グラビティ』に迫る数字で1位スタートを切った本作は、初週とその翌週も連続1位を獲得、3週目こそチャート2位となったが、4&5週目は首位に返り咲き、計4回チャートのトップに。現在、トータルの全米興行成績は2億ドル強。近年の全米秋興行の特徴として、13年は『ゼロ・グラビティ』、14年は『インターステラー』という“宇宙もの”の良作がいずれも大ヒットとなったが、本作が最終成績2億7,000万ドルを記録した『ゼロ・グラビティ』にどこまで迫るか、また同時に賞レースも席巻するのか、注目を浴びている。このたび完成した「宇宙兄弟」とのコラボ予告では、月面で遭難事故にあった経験を持つ弟“日々人”と、その兄“六太”の宇宙飛行士兄弟が、たったひとり火星に取り残されてもポジティブに生き残る道を決してあきらめない本作の主人公マーク・ワトニーの姿に共感。六太も「日々人以上にハートが強い」と語るように、マークにエールを送っており、劇中で彼の帰還を待つ人々と同じ気持ちで火星からの帰還を強く願っている。わずかな食料と酸素も水もない、この極限状態からマーク・ワトニーは生還することができるのか!?六太と日々人、そして全世界70億人の想いは彼に届くのか!?まずはこの予告編から、ある男の不屈の挑戦を覗いてみて。『オデッセイ』は2016年2月5日(金)よりTOHOシネマズ スカラ座ほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2015年11月16日「神奈川県などが実施の『地域限定保育士』で、保育士不足は解消されるのか」と題した前編では、保育士不足の現状や制度導入の利点についてご紹介した。そんな中、各自治体ではどのような点を保育士確保の課題と捉えているのか。担当者に聞いた。○潜在保育士の掘り起こしが課題まず第1に課題として指摘されたのは、保育士の資格を持ちながら保育士としては働いていない「潜在保育士」の掘り起こしだ。千葉県の担当者によれば、「希望する勤務時間や場所がマッチングできない」「ブランクがあった後にいきなり現場に出るのが怖い」などを背景に、資格保有者の再就職が進んでいない現状があるという。そんな中でも、新たに資格を取得する人の数は限られているとして、「再就職を促す施策に力を入れていく」と語った。また大阪府では、潜在保育士が再就職をためらう理由として、「条件にあった職場を自力で探すのが難しい」「保育事情がわからず不安」などがあると分析。今年度から潜在保育士を対象にした「大阪府保育士・保育所支援センター」を開設し、求職の相談に応じているほか、セミナーや保育体験を通して、現在の保育情勢を学んでもらう取り組みを始めている。○処遇の改善と働き続けられる職場環境づくりをさらに改善が必要と考えられているのが、保育士の待遇面や職場環境だ。処遇の改善について特に沖縄県では、「他の自治体と比べても保育士の平均年収が低い」と分析。要因のひとつに、認可保育所でも非正規職員の保育士が多いことをあげ、正規雇用化した場合、施設に補助金を支給する制度を今年度から導入している。加えて神奈川県の担当者は、「保育士の平均就業継続年数は7.6年と短いため、現在就業中の保育士が継続して保育現場で活躍してもらうための方策も併せて必要だ」と主張した。県が保育士登録を行っている人を対象に行ったアンケート調査※では、保育士としての仕事を辞めた理由として、「結婚のため」(23.7%)、「妊娠・出産のため」(23.4%)、「育児のため」(15.1%)が上位に入っている。厚生労働省は来年度以降、通常もしくは地域限定とする試験の枠組みを問わず、保育士資格試験を年2回実施する地域を拡大していくという。国には、新たな保育人材の確保に加えて、資格取得者が長く働き続けられる環境づくりも求められているといえるだろう。※平成26年度神奈川県保育士実態調査結果による※画像と本文は関係ありません。
2015年11月14日名古屋駅直結の東京ハンズ名古屋店は現在、次世代のリージョナルジェット機である「MRJ(Mitsubishi RegionalJet)」が11月11日に初飛行したことを記念した「祝 MRJ初飛行」ブースを展開している。同ブースは7階模型コーナーに設置されており、模型の他にもクリアファイルなどの文房具からコップやTシャツ、ネックストラップなどの日用品など、約30品の商品を取りそろえている。一番人気はプラモデル「ファインモールド 三菱ジェットMRJ90」(税込2,376円)となっているが、現在は欠品しており、入荷は12月初旬を予定している。また、MRJのロゴが入ったマグカップ「MRJマグカップ」(税込1,620円)も人気が高く、こちらは在庫もあるという。ブースはもともと11月13日までの予定だったが、初飛行実施日の延期のほか、初飛行後のニーズの高まりもあり、開催期間を延長することになった。まだ終了予定日は定まっていないが、初飛行後に問い合わせが増えた現状を受けて、今度も展開していくという。
2015年11月13日全国で保育所の整備が進められる中、深刻な問題となっている「保育士不足」。国は平成29年度末までに、46.3万人の保育士が必要だとしているが、そのためには新たに6.9万人の保育士を確保しなければならないという(平成27年1月時点)。その確保策として、今年から導入された「地域限定保育士」の試験がこのほど、神奈川県、千葉県(成田市)、大阪府、沖縄県の4府県限定で実施された。3年間、受験した自治体で働くことを条件に、年1回の試験を2回に増やすというこの試みに、行政はどんな期待を抱いているのか。各自治体の担当者に聞いた。○深刻な保育士不足の実態「地域限定保育士」は、受験した自治体でのみ保育士として働くことができる資格のことを指す。受験者にとって最大のメリットは、通常年に1回しか受験できない保育士試験のチャンスが2回に増える点。保育士登録を行ってから3年を経過すれば、全国で働くこともできる。今年からこの制度を導入した4府県が共通して抱えている悩みはもちろん、深刻な保育士不足だ。このままでは、神奈川県で平成31年度までに約3,000人、沖縄県では平成29年度までに約2,300人の保育士が足りなくなるという。大阪府の担当者は現状として、「受け皿となる保育所を整備することはできるが人がいない」と指摘。千葉県では、国家戦略特区に指定されている成田市限定の導入となっているものの、「成田市だけでなく、東京に近い地域は特に不足している」という。○"より早く"確保できることにメリットしかし、「地域限定保育士」の導入が果たして保育士不足の解決策となるのだろうか。この点について4府県すべての担当者が口をそろえて指摘したのは、「受験回数が増えれば来年4月からすぐに働ける保育士の数が増える」ということだ。保育士資格は3年の間に8科目の試験を受験し、最終的に実技試験に合格することで取得できる仕組みになっている。そのため、未受験科目や不合格科目の残っている受験者が、この制度を利用して合格を勝ち取れば、来年の試験を待たずして、資格を取得できることになる。自治体にとってはいち早く、保育士を確保できることにつながるのだ。10月に行われた地域限定保育士の試験で、沖縄県では約500名が受験。ほかの府県でも、通常試験時を上回る受験申し込みがあったという。約2,000人の受験申し込みがあった千葉県の担当者は、「例年の合格率が20%ほどと考えると、単純に例年より約400人分、合格者数が増えることになり、数としての確保ができる」と話した。さらに制度を導入したのが4府県に限られていることもあり、ほかの自治体在住者が同府県で働いてくれる可能性が高まる点も魅力だという。大阪府の担当者は、「大阪府で働きたいという人の機会を創出することにつながる」と回答。神奈川県や千葉県でも、他地域からの受験者がみられたことに期待を高めている。一方で担当者に取材すると、いずれの自治体もこの制度が抜本的な解決策になるとは考えていないことがわかった。地域が必要としている対策とは何なのか。後編では、課題と行政の施策についてご紹介する。※画像と本文は関係ありません。
2015年11月13日三菱航空機および三菱重工業は11月11日、次世代のリージョナルジェット機であるMRJ(Mitsubishi RegionalJet)の飛行試験機初号機による初飛行を県営名古屋空港で実施した。約1時間半の飛行の模様を動画で公開している。同機は11日09:40頃、県営名古屋空港を離陸し、太平洋側の空域を利用して上昇、下降、旋回などの基本特性の確認を行い、11:05頃県営名古屋空港に着陸した。公開された動画は、離陸・着陸をメインに1分40秒にまとめている。今後も国内での飛行試験を継続し、2016年第2四半期から米国モーゼスレイク市(ワシントン州)のグラント・カウンティ国際空港を拠点とした飛行試験を行う。量産初号機納入は2017年第2四半期を目指しており、ローンチカスタマーはANAとなる。(c)2015 MITSUBISHI HEAVY INDUSTRIES, LTD. All Rights Reserved.
2015年11月12日三菱航空機および三菱重工業は11月11日、次世代のリージョナルジェット機であるMRJ(Mitsubishi RegionalJet)の飛行試験機初号機による初飛行を県営名古屋空港で実施した。初飛行では県営名古屋空港を離陸後、太平洋側の空域を利用し、上昇、下降、旋回などの基本特性の確認を約1時間半かけて行った。三菱航空機の森本浩通社長は、「これまでの皆様の多大なるご協力により、本日MRJは無事、大空に飛び立つことができました。今後、さらに気を引き締め、型式証明取得、初号機納入に向け邁進していきます」と述べた。また、機長を務めた安村操縦士は「MRJの操縦性は期待以上のものでした。大変快適なフライトでした」とコメントしている。両社は今後、国内での飛行試験を継続し、2016年第2四半期から米国モーゼスレイク市(ワシントン州)のグラント・カウンティ国際空港を拠点とした飛行試験を行う。量産初号機納入は2017年第2四半期を目指しており、ローンチカスタマーはANAとなる。(c)2015 MITSUBISHI HEAVY INDUSTRIES, LTD. All Rights Reserved.
2015年11月11日三菱重工の子会社 三菱航空機が開発するリージョナルジェット機「MRJ(Mitsubishi Regional Jet)」の飛行試験機初号機が11月11日午前9時35分ごろ、愛知県・県営名古屋空港を無事に離陸した。初飛行では、上昇や下降、左右への旋回といった基本的な性能を確認後、午前中のうちに同空港へ戻る予定となっている。
2015年11月11日三菱航空機および三菱重工業は11月11日9:40分ころ、次世代のリージョナルジェット機であるMRJ(Mitsubishi RegionalJet)の飛行試験機初号機による初飛行を県営名古屋空港にて実施。初飛行の離陸の様子が生中継された。現在、県営名古屋空港では展望デッキを含む旅客ターミナルビル3階を閉鎖しており、一般来場者の立ち入りを制限している。そのため、一般への情報発信はユーストリームでの生中継だけとなっていた。生中継は離陸および着陸時だけとしている。離陸の時の様子を伝える配信は08:30より実施され、ネット上の声では「気になって仕事が手がつかない」などの声も見受けられ、その瞬間には「無事離陸おめでとう」など初飛行を歓迎するコメントが寄せられていた。飛行試験機の初号機は、県営名古屋空港(愛知県豊山町)および周辺空域で約1時間の飛行を経て、11:10分頃に着陸を予定。現在、ライブ中継は中断されているが、着陸時の様子を伝える配信が10:55より再開される。(c)2015 MITSUBISHI HEAVY INDUSTRIES, LTD. All Rights Reserved.
2015年11月11日三菱航空機および三菱重工業は11月11日08:30より、次世代のリージョナルジェット機であるMRJ(Mitsubishi RegionalJet)の飛行試験機初号機による初飛行の離陸および着陸時の模様を生中継で配信している。飛行試験機の初号機は、県営名古屋空港(愛知県豊山町)および周辺空域で約1時間の飛行を予定。飛行試験は安全を全てに優先させて実施し、今後の機体状況および天候状況等によっては、予定が変更となる場合もある。現在、県営名古屋空港では展望デッキを含む旅客ターミナルビル3階を閉鎖しており、一般来場者の立ち入りを制限している。展望デッキのほか、県営名古屋空港周辺に一般を対象とした見学スペースは設置されない。(c)2015 MITSUBISHI HEAVY INDUSTRIES, LTD. All Rights Reserved.
2015年11月11日三菱航空機および三菱重工業は11月11日午前、次世代のリージョナルジェット機であるMRJ(Mitsubishi RegionalJet)の飛行試験機初号機による初飛行を実施する。飛行試験機の初号機は、県営名古屋空港(愛知県豊山町)および周辺空域で約1時間の飛行を予定。飛行試験は安全を全てに優先させて実施し、今後の機体状況および天候状況等によっては、予定が変更となる場合もある。現在、県営名古屋空港では展望デッキを含む旅客ターミナルビル3階を閉鎖しており、一般来場者の立ち入りを制限している。また、県営名古屋空港周辺には一般を対象とした見学スペースを設置しない。初飛行当日は新サイトにて離陸および着陸時の模様を生中継で配信を予定しており、会場周辺の混乱を避けるためにも動画配信での視聴を呼びかけている。(c)2015 MITSUBISHI HEAVY INDUSTRIES, LTD. All Rights Reserved.
2015年11月10日エアバスは現地時間の11月5日、A350-1000用Trent XWB-97エンジン(英・ロールス・ロイス社製)の飛行テストを開始した。同エンジンはA380のテスト機に装備し、初飛行テストを実施。飛行時間は4時間14分で、最大で高度3万5,000フィートまで上昇したほか、低速度からマッハ0.87の速度において様々なテストを行った。同エンジンは9万7,000ポンドの推力を実現し、エアバス用に開発されものの中で最も強力なエンジンとなっている。
2015年11月06日三菱航空機および三菱重工業は11月2日、次世代のリージョナルジェット機であるMRJ(Mitsubishi RegionalJet)の飛行試験機初号機による初飛行に向け、新サイトを開設した。初飛行当日は、新サイトにて離陸および着陸時の模様を生中継で配信を予定している。なお、三菱航空機および三菱重工業は、県営名古屋空港周辺に一般を対象とした見学スペースの設置を行わないため、会場周辺の混乱を避けるためにも動画配信での視聴を呼びかけている。初飛行は11月9日~13日の週に予定しており、実施日に関してはその前日に発表される。飛行試験機の初号機は、県営名古屋空港(愛知県豊山町)および周辺空域で約1時間の飛行を予定。飛行試験は安全を全てに優先させて実施し、今後の機体状況および天候状況等によっては、予定が変更となる場合もある。(c)2015 MITSUBISHI HEAVY INDUSTRIES, LTD. All Rights Reserved.
2015年11月02日三菱航空機は10月24日、開発中の次世代リージョナルジェット機MRJ(Mitsubishi RegionalJet)の飛行試験機初号機による初飛行に関して、予定していた10月26日~30日の実施を11月9日~13日に延期することを発表した。今回の延期の理由は、操舵用ペダルの改修が必要になったためとしている。初飛行の日程については、実施の前日に発表される。なお、当初初飛行を予定していた週(10月26日~30日)の前半には、飛行許可取得に向け国土交通省の飛行前審査を受審する予定となっている。許可取得後は高速走行試験及びその評価等を実施し、初飛行に備える。飛行試験機の初号機は、県営名古屋空港(愛知県豊山町)および周辺空域で約1時間の飛行を予定。飛行試験は安全を全てに優先させて実施し、今後の機体状況及び天候状況等によっては、予定が変更となる場合もある。(c)2015 MITSUBISHI HEAVY INDUSTRIES, LTD. All Rights Reserved.
2015年10月24日仏Parrotは10月22日、同社のドローンである「Bebop Drone」のユーザー向けに、自動飛行ルートを作成できる機能「Flight Plan」の提供を開始した。「Flight Plan」は操縦アプリ「Free Flight 3」のアドオン機能で、スマートフォン/タブレットの地図上で出発地点や通過ポイントを指定すると、自動で飛行ルートが作成される。進行方向や速度、高度は各ポイント間で変更することができるほか、動画や写真の撮影、離着陸、旋回、カメラの角度変更などのアクションがドラッグ&ドロップで設定可能。また、ディスプレイにはBebop Droneの進行状況が逐次表示されると同時に、ライブビデオストリーミングの映像を見ることができる。同機能は「Free Flight 3」内から購入することができ、価格は2400円となっている。
2015年10月22日巨匠リドリー・スコット監督がマット・デイモンとタッグを組み、事故で火星に取り残され地球に帰還しようとする宇宙飛行士を描く『オデッセイ』。このほど、デイモンが演じる主人公ワトニーが極限状況下で水と食料を作り、何とか生き延びようとする様を描く驚きの予告映像が解禁となった。火星での有人探査の最中に嵐に巻き込まれ、死亡したと推測された、宇宙飛行士のマーク・ワトニー(マット・デイモン)。ほかの乗組員が彼を残し火星を去った後、息を吹き返したワトニーの手元に残されたのはわずかな供給品のみ。極めて絶望的で過酷な状況下、知恵と精神力、創意工夫の才能を発揮して、地球に自分が生きていることを知らせるべく、ワトニーが取った方法とは…。10月2日に全米で公開されるやNo.1で好発進し、『ゼロ・グラビティ』に次いで、全米秋興行の歴代2位を記録。主要メディアでも絶賛を受け、早くもアカデミー賞候補に名乗りをあげた。海外でも20か国でオープニングNo.1スタートを記録するなど、好成績を叩き出している本作。今回解禁された予告編では、常人なら耐えられないであろう極限状況下でも、人間性を失わず、科学を武器に生き残ろうとするワトニーの姿が描かれている。NASAが受信した映像に映し出される、火星という決して人間を歓迎するような環境ではない場所で「火星で家庭菜園だ」と喜ぶワトニーの姿には、どこか余裕さえ感じられる。数々の大作を世に送り出し続け、『エクソダス:神と王』のヒットも記憶に新しいリドリー・スコット監督は、ワトニーの置かれている状況について「想像を絶する孤立状態に置かれたマーク・ワトニーが危機的状況に対応していく様子を見せる究極のサバイバル・ストーリーだ。マークは、絶望し、避けられないものとして死を受け入れるのか、それとも、これまで培った訓練の成果に、創意工夫の知恵やユーモア・センスを生かして、冷静に問題を解決していくかにかかっている」とコメント。対するマットも、「ワトニーのユーモアと非常に緊迫した状況でも落ち着いて対処できるところに惹かれる」と、絶望感に陥らず、悲惨な状況にとらわれることなくユーモア・センスを発揮し、対処するワトニーのキャラクターについて分析してみせた。折しもつい先日、NASAが火星の有人探査計画について発表を行ったばかり。それが現実のものとなる前に、本作で世界70億人がワトニーの救出劇をめぐりひとつになる“史上最大の奇跡”を体験してみて。『オデッセイ』は2016年2月5日(金)よりTOHOシネマズ スカラ座ほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2015年10月19日