米ヴァージン・ギャラクティックの宇宙旅客機「SpaceShipTwo」が10月31日(現地時間)、米カルフォルニア州でのテスト飛行中に墜落し、パイロット2名のうち1名が命を落とした。もう1名はパラシュートを使って脱出し、現地の病院で手当を受けているという。同社は今後、地元当局および国家運輸安全委員会と連携して事故の原因を調査していく。同社のGeorge Whitesides CEOは今回の事故について「クルーとそのご家族にお悔やみを申し上げます。宇宙は難しい、今日は本当に大変な1日となってしまった。このプロジェクトに注力してきたチームのためにも、前に進むしかない。」とコメントしている
2014年11月01日○X-37B、宇宙へ計画の始まりから10年以上を経て、ついにX-37Bが宇宙へ飛び立つときがきた。2010年4月22日、X-37Bの1号機を載せたアトラスVロケットは、フロリダ州にあるケープ・カナヴェラル空軍ステーションを離昇した。このとき使われたアトラスVは501という構成で、この機体はロケットの直径よりも一回り太い衛星フェアリングを装備しているうえに、固体ロケット・ブースターを持たないため、頭でっかちな形をした機体が長大な炎をなびかせつつ、ゆっくりと上昇していくという少し不思議な光景が見られる。このあたりも、盛大に煙を吐き出しながら豪快に飛んでいくスペースシャトルと対照的だ。その後、打ち上げを担当したユナイテッド・ローンチ・アライアンスと米空軍は、打ち上げは成功したという声明を発表した。しかし、X-37Bは機密扱いになっているため、投入された軌道については明らかにされなかった。だが世の中には、地球周辺を飛び交う人工衛星を日夜、自宅の望遠鏡を使って観測している愛好家が存在する。そして彼らの世界的なネットワークによって、X-37Bの軌道はおおよそ特定されることとなった。もっとも、彼らによって軌道が特定されてしまうことは、米空軍らにとっても織り込み済みであっただろうし、また特定されたからといって、何か具体的な影響ができるわけでもなかった。彼らの観測によれば、近地点高度(地球にもっとも近い点)が約403km、遠地点高度(地球からもっとも遠い点)が約420km、そして赤道からの傾き(軌道傾斜角)は約40度であった。またその後の観測で、少なくとも4回の軌道変更を行っていることが確認されている。そして打ち上げから224日後の、同年12月3日に、カリフォルニア州にあるヴァンデンバーグ空軍基地の滑走路に着陸した。なお、この最初のミッションにはOTV-1という名前が与えられた。OTVとはOrbital Test Vehicleの頭文字を取ったもので、直訳すると「軌道試験機」という意味になる。そのあとの数字はミッション回数を意味している。ちなみにスペースシャトルのミッションでも、毎回「STS-数字」という名前が与えられており、STSとはスペースシャトルの正式名称であるSpace Transportation System(宇宙輸送システム)の頭文字から取られたものだ。X-37BのOTVもこれと同じものと考えて良いだろう。続いて2011年3月5日に、再びX-37BはアトラスVに載せられ、ケープ・カナヴェラル空軍ステーションから打ち上げられた。ミッション名はOTV-2で、X-37Bの2号機 -誤解のないように別の言い方をすると2番機- の初飛行でもあった。このときも地上からの観測によって、近地点高度317km、遠地点高度319km、傾斜角41.9度の軌道に乗っていることが確認された。また軌道変更も逐一観測された。このOTV-2ミッションは興味深いことに、カタログスペック上の軌道上滞在期間である270日を大幅に超えて宇宙に滞在し続けた。最終的に468日後の2012年6月16日に、ヴァンデンバーグ空軍基地に着陸した。そして今回行われたOTV-3ミッションは、1号機の2回目の飛行、すなわちOTV-1の飛行後に、メンテナンスを行ったうえでの再飛行であった。X-37Bが宇宙からの帰還後に再使用されるのは、もちろん初めてことだ。OTV-3を載せたアトラスVは、米国東部標準時間2012年12月11日13時3分(日本時間2012年12月12日3時3分)、ケープ・カナヴェラル空軍ステーションから離昇した。ロケットは順調に飛行し、その後打ち上げは成功したとの声明が発表された。そしてやはり今回も、その軌道は地上からの観測で特定され、飛行中の軌道変更もその都度再捕捉された。OTV-3ミッションはOTV-2をさらに上回る、674日もの間宇宙に滞在し続けたのち、2014年10月17日にヴァンデンバーグ空軍基地に着陸した。この3回のミッションで、2機のX-37Bによる総飛行日数は1,367日にもなった。ちなみにスペースシャトルのSTS-1からSTS-135までの総飛行日数は1,334日であり、それを超えたことになる。OTV-3ミッション完了後、ボーイングは声明の中で、「このX-37Bは、航空機と宇宙機のそれぞれの長所を組み合わせ、手ごろで即応性が高い革新的な機体だ。そして再使用可能な宇宙機が、重要なミッションを支援するための手ごろなオプションであることを実証し続けている」と誇らしげに語っている。ボーイングと米空軍では、2015年にもOTV-4ミッションを行うことを計画している。これはおそらく2号機の2回目の飛行となるはずだ。またOTV-3の帰還直前の10月8日、NASAは米空軍との間で、NASAのケネディ宇宙センター内に3カ所あるオービター整備施設(OPF:Orbiter Processing Facility)のうち、OPF 1、2の2カ所を、X-37Bのために提供することで合意したと発表した。OPFはかつてスペースシャトルの点検や修理、次のミッションの準備などに使われていた施設で、シャトル引退後は使われていなかった。現在すでにボーイングが改修工事を行っており、今年12月にも完成するという。米空軍は今後も長期にわたり、X-37Bの運用を続けていく意思があるようだ。また、現在OTV-1から3まではすべて、米国東海岸のフロリダ州にあるケープ・カナヴェラル空軍ステーションから打ち上げられ、西海岸のカリフォルニア州にあるヴァンデンバーグ空軍基地に着陸しているが、今後はケネディ宇宙センターの滑走路に帰還することになる可能性もある。この滑走路はかつてスペースシャトルが着陸していた場所でもある。ケープ・カナヴェラル空軍ステーションとケネディ宇宙センターは隣接しているため、より効率よく運用することができよう。一方でボーイングは2011年に、X-37Bのサイズを160から180%ほど拡大させ、さらに宇宙飛行士が乗れるようにしたX-37Cの開発構想を発表している。打ち上げは引き続きアトラスVで可能で、最大6人までの宇宙飛行士を乗せることができるという。実際に開発が始まったという話はまだないが、スペースシャトル用だった施設を使うことは、X-37Cへの布石と取ることもできよう。(次回は10月24日に掲載します)
2014年10月23日2014年9月26日、3人の宇宙飛行士を乗せて打ち上げられたソユーズTMA-14M宇宙船は、ロケットからの分離直後、2枚ある太陽電池パドルのうち片方が開かないという問題に見舞われた。また3月に打ち上げられたソユーズTMA-12Mではスラスターに問題が発生し、ソユーズの貨物機版であるプログレス補給船でも問題が頻発している。2011年にスペースシャトルが引退して以来、ソユーズは国際宇宙ステーション(ISS)へ宇宙飛行士を送り込むことができる唯一の宇宙船であり、米国をはじめ、ISS参加国はソユーズへの依存を続けている。当のロシアもそれを誇り、シャトル引退直後には「ソユーズの時代がやってきた」と声高々に宣言した。だが、その直後からソユーズやプログレスをはじめ、ロシアのロケットや衛星に問題が相次いでおり、信頼性は大きく揺らぎつつある。ソユーズは1960年代に開発された宇宙船だ。もともとは有人月飛行もできるように造られたが、実現することはなく、もっぱら単独での地球周回ミッションや、サリュートやミール、ISSといった宇宙ステーションへの飛行など、地球周回軌道でのみ運用されている。開発以来、基本的な構造はそのままで、改良を重ねつつ運用が続けられており、現在はコンピュータなどを新しくしたソユーズTMA-Mと呼ばれるバージョンが運用されている。ソユーズはこの半世紀で123回のミッションを行い、300人を超える数の宇宙飛行士を宇宙へ送り込んだ。しかしその中で2回の事故を起こしている。1回目は1967年のソユーズ1、つまりソユーズの最初のミッションのときで、打ち上げは成功したものの軌道上で問題が続出し、なんとか地球への帰還を試みるも、最終的にはパラシュートが開かず墜落し、搭乗していた宇宙飛行士が死亡している。2回目は1971年のソユーズ11で、このときは帰還時に、帰還カプセル内の通気弁が何らかの理由で開いてしまい、中の空気が抜け、搭乗していた3人の宇宙飛行士が死亡した。この2回以外は、宇宙飛行士が死亡するような事故は起きていない。しかし、その一歩手前だったことはいくつもある。2003年5月、ソユーズTMAの1号機であるソユーズTMA-1が、ISSからの帰還時に技術的な問題が発生し、「弾道再突入モード」と呼ばれる、緊急時の際に使われる帰還方法で大気圏に再突入する羽目となった。ソユーズは通常、揚力突入といって、機体の姿勢を制御することで揚力を発生させつつ大気圏に再突入する。これにより宇宙飛行士が受ける加速度(G)を小さくすることができる。一方の弾道再突入モードは、打ち上げ時にロケットが故障したりといった緊急事態の際に「飛行士の命だけは助ける」ことのみを考えたモードであり、乗り心地に関しては保障されておらず、このときは約10Gもの加速度が加わったという。また着陸地点も大きくずれ、アンテナも損傷したため位置の特定も難しくなり、回収部隊の到着が大きく遅れたことで、宇宙飛行士は待ちぼうけを食らう羽目にもなった。2007年10月には、ソユーズTMA-10が、やはりISSからの帰還時に弾道再突入モードに陥った。さらに2008年4月には、ソユーズTMA-11でふたたび同様の問題が発生した。この2件は、大気圏再突入の直前に分離されるはずの帰還モジュールと機械モジュールとが繋がったまま再突入したために起きた。運良く再突入時の高熱によって両者は分離されたことで大事故にはならなかったものの、やはり弾道再突入モードであったため、宇宙飛行士には大きな負荷がかかり、着陸地点もずれることになった。分離されなかった原因は爆発ボルトの不点火であったと結論付けられている。以降は改修が施されたためか、同様の事故は発生していない。また、ソユーズは通常、耐熱シールドがある底部から大気圏に突っ込むが、この3件では頭部側から大気圏に再突入したため、ハッチには大きな圧力と熱が掛かった。底部とは異なり、ハッチ側は最低限の耐熱処理しか施されていないため、もし加熱が続いていればハッチは破壊され、船内に高熱のプラズマが流れ込み、宇宙飛行士が死亡する事態になったはずだ。また、同じく頭部にあるパラシュートのハッチが壊れ、中のパラシュートが燃えるようなことになっていれば、再突入後の減速と着陸ができず、帰還モジュールは地面に叩きつけられ、やはり飛行士が死亡する事態になっていただろう。その後ソユーズTMAは、ソユーズTMA-22をもって引退し、ほぼ時を同じくして次世代のソユーズTMA-Mが登場した。前述のようにソユーズTMA-Mはコンピュータを中心に大きな改良が加えられており、軽量化のほか、従来打ち上げからISSへの到着までは約2日間掛かっていたが、わずか6時間での飛行が可能となった。当然これほど多くの改良を加えることに対しては、不安視する声もあったが、1号機から11号機までは安定した飛行を続けていた。しかし今年3月、ソユーズTMA-12Mが打ち上げ後に、スラスターの噴射で問題が発生し軌道変更に失敗し、予定では6時間でISSに到着するはずが、2日掛かる旧来の飛行プロファイルに急きょ変更された。このときの原因はソフトウェアにあったとされている。そして9月にはソユーズTMA-14Mが、ロケットからの分離直後に、2枚ある太陽電池パドルのうち片方が開かないというトラブルに見舞われた。原因は今も調査中だ。なお、開かなかった太陽電池パドルはISSとのドッキング後に展開した。ドッキング時の衝撃で引っかかっていた何かが外れたためであると推測されているが、こちらも詳しくは調査中だ。さらに、ソユーズの貨物機版であるプログレス補給船でも近年問題が多発している。例えば2006年と2008年、2013年に、プログレスの展開式アンテナに関する故障が発生している。このアンテナはソユーズにもまったく同じものが使われており、今後ソユーズでも同様のことが起こる可能性は十分にある。また、現在ロシアは新しいランデヴー・ドッキング装置の開発を進めており、ソユーズへの搭載に先立って、まずプログレスに搭載されて試験が行われている。しかし問題が多発しており、実用化のめどは立っていない。この装置はもともとウクライナで製造されていたもので、部品などをすべてロシア製にし、かつ性能をも向上させるという二兎を追ったものであったが、皮肉にもロシアの宇宙技術力の低下を示すことになってしまった。こうした問題続きの中で、しかしロシアは、プログレスとソユーズの大規模な改良を計画している。この改良型はプログレスMS、そしてソユーズMSと呼ばれており、まず前述の新しいロシア製ドッキング装置が正式に搭載され、また太陽電池も発電能力と効率がより高いものになるという。さらにスラスターも改良され、新しい航法装置も搭載される。通信システムも改良され、また船体を構成する材料や部品も新しくなり、スペースデブリからの防護システムも搭載されるとのことだ。まずはプログレスMSが先行して開発され、実際に飛行を行い、これらの改良点に問題がないことが証明された後、ソユーズMSが運用に入るとされる。現時点ではプログレスMSは2015年に、ソユーズMSは2017年にそれぞれ初打ち上げを迎える予定となっている。しかし、現在のソユーズやプログレスでも問題が頻発し、さらに新しいドッキング装置の試験も不満足な結果に終わっている今、プログレスMSやソユーズMSが無事に開発され、大きな事故を起こすことなく運用されるという見込みは小さい。またロシアの他のロケットも頻繁に失敗しており、また打ち上げられた衛星が、その後問題を起こすことも多い。ロシアはそもそもロケットや衛星の打ち上げ数が多いということを勘案する必要はあるが、一方でほぼ同じ頻度で打ち上げている中国や米国ではこれほど多発していないことから、やはりロシアの宇宙開発において、設計、製造、検査の質が低下していることは明らかだ。ソユーズがふたたび問題を起こすのも、またそれが今までよりも深刻な事態になることも、そしてそれが人命に関わるほどの事故になることも、もはや時間の問題であろう。だが、米国の民間企業によって開発されている宇宙船は2017年にならなければ運用に入らないため、それまでISS参加国は、否が応でもソユーズに命を預け続けなければならない。それは言わば、ロシアン・ルーレットの引き金を、連続で引き続けるようなものかもしれない。
2014年10月03日エアバス(本社: フランス トゥールーズ)は現地時間の9月25日、A320の派生型であるA320neoが約2時間半の初飛行に成功したことを発表した。○商業運航開始は2015年第4四半期今回、初フライトとなったA320neoには、エンジンとして米プラット&ホイットニー製PW1100G-JMを搭載。離陸重量60トンでトゥールーズから飛び立ち、南フランス上空を飛行した。クルーたちはフライトを通じて、フライト・エンベロープやシステムの動作を検証。なお、初フライトの様子はライブ中継され、現在はホームページからその様子を視聴できる。A319neo(160座席)やA320neo(189座席)、A321neo(240座席)のA320neoファミリーは、これまでに60社から3,200機以上の受注を獲得し、市場占有率は60%となっている。なお、商業運航開始は2015年第4四半期を予定している。また現状では、ANAホールディングスがA320neoを7機、A321neoを23機、発注を確定している。
2014年09月26日AIRBUS(エアバス)は9月25日、新型旅客機「A320neo」の初試験飛行を、フランス南部のトゥルーズで行った。今回の試験飛行は2時間半行われ、今後1年間にわたっておよそ3000時間の試験飛行を予定しているとのこと。同機は近・中距離向けの「A320」の改良型で、サービス開始時点で1席あたりの燃費効率を15%、その後改良を続け2020年までに20%向上させる計画になっており、2014年第4四半期にカタール航空へ最初に納入される。「NEOシリーズ」には「A320neo」「A321neo」「A319」の3機種があり、同社のFabrice Brégier社長によると、すでに60社から3200機以上を受注しているという。
2014年09月26日農業生物資源研究所(生物研)は4月15日、2014年2月19日に国際宇宙ステーション(ISS)の日本実験棟「きぼう」にて若田宇宙飛行士によって実施されたネムリユスリカ蘇生実験の結果、微小重力下においても再水和後に蘇生し、さなぎや成虫に変態できることが確認されたと発表した。同成果は、宇宙航空研究開発機構(JAXA)とロシア連邦宇宙局との水棲生物共同研究合意に基づき、JAXAとロシア科学アカデミー生物医学問題研究所(IBMP)の共同研究(研究プロジェクト名:Space Midge)として計画されたもので、IBMPに生物研が生物材料を供給し研究協力を行うことで実現したという。ネムリユスリカは、ユスリカの1種で、幼虫は、俗にアカムシと呼ばれ水の中の有機物などを食べて成長することが知られている。また、幼虫はカラカラに乾燥(含水量3%)しても、脱水時にトレハロース(糖)を爆発的に合成し、水の代わりにタンパク質などの生体成分や細胞膜を乾燥ストレスから保護することで、水が戻ってくると1時間以内で発育を再開できるといった昆虫の中で唯一、極限的な乾燥耐性を持つことも知られている。今回の実験は、宇宙環境でも乾燥に耐えるか、微小重力環境で遺伝子変化を起こさないかの調査を目的として実施された。具体的には、2月19日に乾燥幼虫100個体に対し注水(再水和)し、その3時間後にネムリユスリカ乾燥幼虫が蘇生する様子が確認されたという。ISS船内の平均気温は約23℃、幼虫の至適温度よりもやや低いものの、ほとんどの幼虫が再水和3時間後に微小重力下においても吸水を終え、活動を始めたとする。また、3月6日に100個体のうち7個体がさなぎ化し、その中の1個体が成虫に羽化したことも確認。研究グループでは、微小重力下において、乾燥状態から蘇生した昆虫の変態を確認したのは今回の実験が初めてだとする。なお、この結果を受けて研究グループは、今後は、微小重力下での幼虫の行動、例えば、営巣行動や餌の探索行動、成虫の交尾行動(飛翔行動)などの行動観察実験の実施が可能となるとするほか、将来的には、ISSで実施される、宇宙環境ストレスへの影響を解析するさまざまな実験の材料として利用されることが期待できるようになるとしている。
2014年04月16日日本科学未来館は、米航空宇宙局(NASA)の宇宙飛行士であるトレイシー・コールドウェル・ダイソン博士を講師に迎えた小学生・中学生向けのトークイベント「女性宇宙飛行士が語る-無限大の可能性-」を2014年3月28日に開催すると発表した。ダイソン博士は、1969年生まれの化学者。1998年にNASAの宇宙飛行士の候補に選ばれ、2007年と2010年の2度の宇宙飛行を経験している。1度目のフライトでは、スペースシャトル「エンデバー」の乗組員として、ロボットアームを用いた国際宇宙ステーション(ISS)の組み立てを担当し、2度目のフライトでは、第24次長期滞在クルーとしてISSに174日間にわたって滞在し、合計22時間の船外活動をこなしている。トークイベントでは、宇宙空間とはどんな場所なのか、船外活動で苦労したことなど、宇宙遊泳を体験した数少ない宇宙飛行士ならではの話などが語られる予定。また、宇宙から見た地球についても、未来館の球体ディスプレイ「Geo-Cosmos(ジオ・コスモス)」に映し出される地球に関する観測データを一緒に眺めながら語ってくれる予定とのことで、博士のライフストーリーを振り返りながら、宇宙や地球の魅力、女性宇宙飛行士として活躍する意義などを聞くことができるものになるという。開催日時は2014年3月28日の15:00~16:45を予定しており、場所は未来館3階のGeo-Cosmos前。対象は小中学生で、定員は70名(立ち見は自由だという)。参加費は無料で、参加方法は、米国大使館イベント情報サイト(未来館のWebサイトにもリンク有り)にて申し込む形で、応募者多数の場合は抽選になるという。
2014年03月18日もしあなたが宇宙飛行士のリーダーだったら、次のときにどの行動をとるだろうか。燃料の消費量が多く、地球に帰るまでぎりぎりの量、ミッションを続けるか否かがリーダーの決断にかかっている。(1)与えられたミッションだ、最後までやり遂げよう。それが宇宙飛行士だ!(2)途中で燃料が切れたら大変だ。ミッションを中止して地球へ帰ろう!(3)どうしたら良いのかわからない。みんなの意見をきかせてくれ。9月12日、東急ハンズ渋谷店にて期間限定オープン中の「人工衛星 胸キュン※カフェ」(※はハートマーク)で行われたワークショップ「宇宙飛行士の訓練に学ぼう JAXA流チームワークの育て方」にて、山口孝夫さんから投げかけられた質問に、その場にいた参加者は思い思いの解答を選んだ。山口さんは、「宇宙航空研究開発機構 有人宇宙ミッション本部 宇宙環境利用センター 計画マネジャー」として、日本の宇宙飛行士選抜や教育に関わっている。この場合の正解は、2番だという。山口さん「宇宙飛行士は、ミッション達成が大切ですが、生きて帰ってくることも大きな目標です。1番のような無謀な引っ張り方をしていては、チームメイトに認められません。90%以上達成できると思っても、10%不安があるなら引き換えすこと。自分の命をてんびんにはかけられません」その場では、3番に手を挙げた人も多かった。山口さん「3番は時間に余裕があるときならば良いですが、『どうしたらよいのかわからない』という言い方がよくないですね。あらかじめ3案ほど用意しておいた上でメンバーにきいてみるのが良いでしょう。その上で、もしメンバーが自分と同じ意見であっても『君の意見はいいね!』と、相手の意見として採用するのが良いと思います」宇宙という極限空間に対応できるよう、日本だけでも320倍もの選抜に勝ち残り、更にアメリカやロシアで何年も訓練を受けアサインされる宇宙飛行士たち。能力的にも、人格的にも優れた人ばかりであれば、何も問題なんか起こらないようにも思える。山口さん「宇宙飛行士がどんなに優れていても、普通の人間です。地上で起こるあらゆるトラブルは、宇宙でも起こるはずだと仮定しなければなりません」宇宙に近い海底20mの環境で2週間生活してチーム行動能力を養う、リーダーを毎日変えて1週間、A地点からB地点まで最低限の水と食料のみで野外ミッションを達成させるなど、チームワーク・リーダーシップを形成するための訓練メニューが数多く存在する。シャトルや国際宇宙ステーション(ISS)などで過ごす時間はもちろん、もし帰還時に不時着した場合、-30度の環境で狼(おおかみ)がうろうろしているという状態の中、2~3日過ごさなければいけないことも想定される。チームで力を合わせなければ、生きて帰れない。山口さん「訓練を受ける上で、まず宇宙飛行士には『チーム行動に必要な能力』について教えます。自己管理、コミュニケーション、異文化適応、チームワーク、リーダーシップ、チーム不協和対応、状況認識、意思決定と問題解決です」この場合に必要なコミュニケーションとは、相手とただうまく接する能力ではない。「自分の言っていることを相手が理解しているとは限らない」という前提のもと、「私はこういう意味で言いましたが、どうですか」と確認、理解してもらうことこそがコミュニケーションだと山口さんは語る。山口さん「異文化適応についても、相手の文化を尊重して受け入れることが大切です。これは何も国の違いだけではなく、宇宙飛行士と地上職員といった職種の違いも入るんですよ。私たち地上職員も、宇宙飛行士の訓練に一緒に参加することもあります」ワークショップでは、更に1問出題された。宇宙飛行士の訓練で使われる「グリーンカード」という指示カードを使うケースの問題だ。一般の方50人を5チームにわけ、チーム内の3名にこっそりグリーンカードを渡したという研修の結果、一番早くミッションを成功させたのはどのチームだろうか。(A)チームメンバーの3割がみんなの意見に賛成する(B)チームメンバーの3割が何事にも反対する(C)チームメンバー全員が自由に意見を言い合える(D)チームメンバーの3割が相互理解の促進に努力する(E)チームメンバーの3割が聞き上手/褒め上手である正解は次のページに。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2013年09月20日映画「プロメテウス」では、人類の祖先を彷彿(ほうふつ)させる宇宙人が描かれていた。圧倒的な科学力を持つ宇宙人が祖先なら、原始時代は何のためだったかなど、想像がふくらむ。地球の生命は宇宙から来たのだろうか?もしそうなら、水も空気もなく、有害な放射線に満たされた宇宙を超えて来た彼らは、人間とかけ離れたバクテリアや微生物のような姿だったに違いない。■20万分の1の出会い地球の誕生は約46億年前。38~40億年前に生命が誕生し、人間の祖先となる霊長類は6,500万年前ごろに登場したと考えられている。生物にとって欠かせないアミノ酸が窒素やメタンから作られたのは確かだが、生命がどのように誕生したのかは決定的な証拠がない。そのため、地球以外の天体からやって来たと考えるパンスペルミア説も根強い。地球起源と考えるなら、それは現在の尺度とはかけ離れた生物だ。初期の地球の大気は水素やヘリウムが主成分で、その後の原始大気も二酸化炭素やアンモニアが多く、酸素はわずかしかなかった。そのため当時のバクテリアや微生物は、人間には有毒な硫化水素やアンモニアを食料とし、なかには猛毒で知られるヒ素を取り込むバクテリアも存在したほどである。対してパンスペルミア説は空想に聞こえるが、当時の地球環境の過酷さを考慮すれば、さほど荒唐無稽(むけい)な話ではない。現時点では地球以外の生命体は確認されていないが、とは言え地球にしか存在しない理由にはならない。そのため、他の生命体からのメッセージを電波望遠鏡で観測し続けるSETI(地球外知的生命体探査)プロジェクトや、文明を持つ惑星数を計算するドレイク方程式など、真剣に取り組んでいる科学者も多い。ドレイク方程式は、1年間に銀河系で生まれる恒星の数や、その恒星が惑星を持つ確率など7つの要素をかけ合わせて求める。SF作家であり天文学者の故・カール・セーガン博士の計算では、銀河系には100万ほどの文明惑星が存在する。銀河系にはおよそ2,000億個の恒星があるのだから、確率20万分の1は、現実的な数値と言えるだろう。もしも生命の起源が地球外なら、どのようにして地球に来たのだろうか?もっとも有力なのは彗星(すいせい)の氷や隕石(いんせき)に付着して来たという説で、地表に落下する際に高温になる隕石(いんせき)からもアミノ酸が検出された例があるほど現実的だ。ただし乾燥、温度、圧力、放射線に強い生物、すなわち細菌やバクテリア/ウイルスなどに限定される。紫外線にさらされ希薄な空気しかない高度50kmの成層圏にも存在するほど、細菌やバクテリアの生命力は強いからだ。有力候補はデイノコックス・ラディオデュランスだ。これは放射線耐性の高い細菌で、人間の致死量の3,000倍のガンマ線にも耐えられる。生物はガンマ線を浴びるとDNAにダメージを受けるが、この細菌はDNAを自己修復する機能を持つため、致命傷にならない。もっとも放射線耐性の高い生物としてギネス世界記録に登録され、放射性廃棄物の処理に期待が持たれている。頼むぞデイノコックス・ラディオデュランス。地球の未来は任せた。■果報は寝て待てさらに強力なのはクマムシだ。大きくても体長1ミリ程度の緩歩(かんぽ)動物で、イモムシに8本の足を付けたような風ぼうをしている。ユニークな姿とは裏腹に、人間の致死量の1,000倍を超えるx線、絶対零度(=約-273℃)から150℃ほどの高温、真空から6,000気圧、80%の体内水分が1~3%に減少するような乾燥にも耐えられるのだ。過酷な状況になると仮死状態となるのがポイントで、寒いときは凍眠、水分がないと樽(たる)型に丸まって乾眠、酸素がなければ窒息仮死でやり過ごす。9年間の乾眠後でも、水分を与えれば活動再開する「種」のような性質も持っている。液体窒素で凍らせても、電子レンジで3分ほどチンしても死なない、2007年にギネス世界記録に登録された最強サバイバーだ。もしクマムシを彗星(すいせい)の氷に閉じ込めれば、他の惑星に到達する可能性は高い。逆に、他の天体から地球にやって来た生物がいるなら、最有力候補はクマムシだろう。自分の起源がゲテモノ食いのバクテリアか、宇宙から来た菌やクマムシかもしれないと思うと、パンドラの函(はこ)を開けた気分だ。■まとめ雪や氷に紫外線を当てると、過酸化水素水が発生する。殺菌性の強い物質ながら、熱エネルギーに頼れない地域では、これをエネルギーにする生物がいると考えられている。極寒の星、木星のエウロパ、土星のタイタンにも生命が存在する可能性が高い。そう遠くない未来に、そう遠くない場所から、人類の起源が明かされるのかもしれない。(関口寿/ガリレオワークス)
2013年02月17日大手総合建設会社・大林組が宇宙エレベーター構想を発表した。2050年に運用開始というから楽しみだ。もしも宇宙エレベーターが完成したら、安全に宇宙に行けるに違いない。そう思っていたが、大出力のレーザー光、気圧や温度、ケーブルの切断など、ロケット同様に危険に満ちた旅になるだろう。■10万kmのクモの糸日常生活でエレベーターと言えば、垂直のエレベーター・シャフト内を移動する装置だが、宇宙エレベーターは地上と大気圏外をつなぐケーブルだけで、まわりを囲む構造物はない。ケーブルの片側を地球に固定し、もう一方を宇宙にただよわせる。すると地球の自転で遠心力が働き、たるまずにケーブルが張れるのだ。高度15万kmまで伸ばせばケーブルだけで十分だが、10万kmぐらいでは遠心力が足りないので、端にカウンター・ウェイトと呼ばれるおもりを付けて張力を増す。月から見れば、宇宙から垂れたクモの糸程度の大きさだろうが、このケーブルを伝ってクライマーやシャトルと呼ばれる「かご」が昇降し、人間や荷物を宇宙に運ぶのだ。長さ10万kmを超えるケーブルは、それ自体が膨大な重量となる。自分の重さで切れてしまう破断長は、鋼材ワイヤーが50km、防弾チョッキに使われるケブラーでも200km程度だから役に立たない。そのため、軽くて強靱(きょうじん)なカーボン・ナノ・チューブが最有力候補になっている。通常のエレベーターは、ケーブルが切れてもエレベーター・シャフト内のレールに接触する非常ブレーキが働くが、宇宙エレベーターにはレールがない。ケーブルが切れた場合、高度100km以下ならわずかながら大気があるのでパラシュートなどで対処できるが、100km以上のクライマーは地球に帰還する宇宙船と変わらない。安全に大気圏再突入するには秒速8km以下が目安というから、逆算すると高度250kmが限界で、それより高いと大気中で燃え尽きる公算が大きい。高度5万km以上では地球脱出速度を超えて周回しているので、ケーブルが切れた瞬間にクライマーは宇宙のかなたを目指し旅立つ。有人ボイジャー3号では悲しすぎるので、頑丈なケーブルに期待しよう。地球から見て常に同じ場所に位置するように、静止軌道ステーションは高度3万6,000kmをおよそ3km/秒で周回する。高度400kmの国際宇宙ステーション(ISS)には高すぎるので、移動や補給の拠点となる低軌道ステーションを300~400km地点につくる。人件費から燃料代まであらゆるコストを含めると、退役したスペースシャトルの打ち上げは1回500億円と言われ、運べる荷物は25トン程度だから1kgあたり200万円かかった。もしもISSにミネラルウォーター(2リットル)を届けるなら、送料だけで400万円かかる計算だ。飲料水がピンドンよりも高いなんて、ぼったくりにもほどがある。対して宇宙エレベーターなら、1基の場合は1kg・50万円程度、数基稼働させれば30万円程度に収まるというから圧倒的に安い。完成すれば宇宙開発に拍車がかかることは間違いなしだ。上昇スピードをコントロールできるのもエレベーターのメリットだ。ロケットのGに耐えられない病人でも運べ、微少重力状態の宇宙ステーションでは、重力の支配を受けず治療できる。うつぶせの状態が長時間続く脳外科手術も、宇宙なら患者の負担を大幅に減らすことができるのだ。ただし高度80kmを超えた熱圏は、1,000℃を超えることも珍しくない。しかも昇るほど高温になるやっかいなエリアだから、クライマーの耐久性を考えるとなるべく短時間で通過したいところだ。時速200kmなら低軌道ステーションに2時間で着くが、秒速55.6mで5.7Gかかるので、スペースシャトルより身体に厳しい。宇宙病院を開業すれば大盛況と思ったが、5.7Gでは通院だけで余計に具合が悪くなりそうだ。■動力は殺人光線酸素の少ない宇宙では、エネルギーは電力が妥当だろう。しかし重たいバッテリーをクライマーに搭載したら、運べる貨物が減ってしまう。少なくとも2,000kWと見積もられるクライマーの電力を、どのように供給するかが問題だ。もっとも現実的なのは、地上ステーションからレーザーを発し、クライマーがそれを受け止めて電力に変換する方法だ。レーザーから電力へは約40%と変換効率も良く、およそ5,000kWのレーザーを照射すればクライマーの動力がまかなえる。ただしレーザーは、扱い方を間違えると非常に危険だ。0.4W程度でタバコに火がつき、失明した例もある。日本工業規格「レーザ製品の放射安全基準」では0.5Wを超えると高出力と定義され、もっとも危険なクラス4に分類されているぐらいだから、その1,000万倍のレーザーを浴びたら無事では済まされない。周辺を立ち入り禁止にすれば人的被害は防げるだろうが、鳥を防ぐ方法を考えなければならない。地上ステーションに焼き鳥が散乱するような事態は避けたいものだ。■まとめ宇宙エレベーターは、昇りよりも下りの方が技術的に難しいという。自由落下では20秒ほどで時速700kmに達するため、ブレーキをかけながら下りるのだが、空冷できない宇宙ではブレーキの冷却や排熱が課題となるそうだ。運用までの38年間に、幾多の問題を乗り越えて完成するに違いない。その時はすでに高齢者の一人だが、搭乗が許されるならぜひとも宇宙に行ってみたいものだ。(関口寿/ガリレオワークス)
2012年12月31日日本人宇宙飛行士も珍しくない時代になりました。しかし、宇宙ロケットというのは一朝一夕でできるものではありません。アメリカ、ロシア、日本など、わずかな国だけが製造できる最先端技術の結晶です。ロケットに関する面白い話をご紹介します。■カウントダウンは映画からロケットが発射する際に「10、9、8……」とカウントダウンが行われますが、これがどこから始まったのかご存じでしょうか。実は映画なのです。1929年に公開されたフリッツ・ラング監督の『月世界の女』です。この映画の中でカウントダウンが初めて使われ、それが実際のロケット発射時でも使われているのです。ちなみに月世界の女は無声映画ですが(笑)。■最初にロケットで宇宙に行った生き物は!?一番最初に宇宙に送られた生物は「ミバエ」だと言われます。第二次世界大戦後にアメリカがドイツから接収した技術を使って、V2ロケットを打ち上げた時にトウモロコシの種に付いていたのです。これは宇宙線被爆の実験のために打ち上げられました。アメリカは1949年にはアカゲザルを同じくV2ロケットに乗せて打ち上げました。このアカゲザルはアルバート二世という立派な名前でしたが、残念ながらパラシュートの故障で生きて戻っては来られませんでした。当時宇宙開発でアメリカとしのぎを削っていた旧ソ連も動物を打ち上げています。「地球は青かった」で有名なガガーリンの前に、10匹以上の犬を使って実験したと言われています。一番有名なのは1957年に衛星軌道上を回った「ライカ」です。ライカもかわいそうに地球には戻れませんでした。今なら動物愛護団体が決して許さないでしょう(笑)。■日本の執念! 原因を究明せよ!日本のロケット開発の歴史は開発者、研究者たちの血と汗の結晶です。1999年11月15日にH2ロケットが墜落した時の原因究明に賭けた執念はまさに鬼気迫るものでした。H2の第1段ロケット『LE-7』は芸術品とも呼ばれるエンジンでした。この世界に誇るエンジンが不調を起こし、発射から3分59秒後に噴射を停止。泣く泣く信号を送ってロケットを爆破しました。爆破されたエンジンを回収して原因を究明すべくNASDA(宇宙開発事業団、今はJAXAに統合)とJAMSTEC(海洋研究開発機構)が動き出します。NASDAでは、ロケットの墜落地点の正確な予測、JAMSTECは1万1,000メートルまで潜れる『かいこう』を使って探します。と言っても広く、深い海が対象のため、なかなかうまくいきません。しかし、ついにエンジンの台の部分が見つかります。NASDAはこの位置からエンジン落下地点の再計算を行います。そしてついに12月24日、エンジンを見つけることに成功したのです。小笠原諸島の北西約380キロの地点でした(水深は約3,000m)。日本の技術者の執念がつかみ取ったクリスマスプレゼントでした。LE-7エンジンを回収して調査した結果は、H2Aロケットの『LE-7Aエンジン』に生かされています。この回収調査のおかげでLE-7Aエンジンは高い信頼性を誇るものになったのです。■日本の打ち上げ拠点「種子島」の話鹿児島県の種子島は日本の「ケープ・カナベラル」。日本のロケット発射の最前線です。種子島がなぜロケット発射場に選ばれたかご存じでしょうか。静止軌道衛星(地球から見ると止まってるように見える)を打ち上げるのに最も安くすむのは赤道上から打ち上げることです。静止軌道衛星は、気象観測などにニーズが高いですから、これを安価に打ち上げられることを考えなければなりません。また、地球の自転速度を利用することを考えると赤道上が一番です。(自転速度の最も速い)赤道上では秒速464m。(地球が西から東に自転しているため)東向きにロケットを打ち上げるのであれ、このスピードをロケットの速度に足すことができるのです。しかし、残念ながら日本の国内に赤道は含まれていません。できるだけ、赤道に近く、周囲の民家が少なく、(東に向かって打ち上げるため)東側が開けていること、インフラを整備しやすい場所ということで種子島が選ばれました。ちなみに種子島は意外に大きな島です。横浜市とほぼ同じ面積あります。(高橋モータース@dcp)
2012年12月03日英国の歌手サラ・ブライトマンが、2015年の宇宙旅行計画を発表した。国際宇宙ステーション(ISS)に10日ほど滞在しコンサートを開く予定というから、宇宙が身近な場所に思えてきた。もしも宇宙旅行にいったら、どんなに楽しいだろう。そんな幻想も発射台までだ。加速G、宇宙酔い、放射線、スペースデブリや病気におびえ、二度と来るか!と思うに違いない。■新婚旅行は宇宙にいこう誰もが宇宙旅行を楽しめる時代にむけて、航「宙」会社を設立しよう。ターゲットは新婚旅行。ふたりの門出をお手伝いします。まずは宇宙船の調達だ。スペースX社のドラゴンも有人飛行は可能だが、帰還時は洋上着水なので、空港に着陸できるスペースシャトルが良いだろう。NASAが払い下げてくれるなら、5番機アトランティスがお勧めだ。おなじみのケネディ宇宙センターから出発し、高度600kmで地球を周回する。地上の300倍もの放射線を浴びるから、旅程は1週間程度にとどめておこう。有害な高エネルギー粒子のかたまりバン・アレン帯を避け、北/南極上を周回する極軌道が良いだろう。斜めに飛ぶので燃費は悪いが、健康第一が当社のモットーだ。打ち上げ時は3G強の加速度が15分ほど続く。誰でも耐えられるというのがNASAの言いぶんだが、体重の3倍は少々キツい。アトラスDロケットの13Gと比べれば、ずいぶん楽になったんですよ。ボンボヤージュ。周回軌道上では約50分で地球を一周する。刻々と変わる地球の表情に新郎新婦は興奮気味だが、あと2~3周もすれば飽きるだろう。シートベルト着用サインも消え、クルーは機器の点検を始める。新郎新婦はおくつろぎください。トイレもご自由に。ただしシャトルのトイレは微小重力状態でも使える吸引式で、身体にあてたアダプタからホースで吸い取る仕組みだから、かなりのストレスを感じるに違いない。シャトルには冷蔵庫はありません。中身が吹き出る炭酸飲料もご遠慮いただき、シャンパンの代わりにアップルジュースで乾杯しましょう。本日のディナーはもちろん宇宙食。和食もございます。電磁波の心配のない電気オーブンで温めて、冷めないうちにボナペティ(召し上がれ)。翌朝、頭に血が上ったようなぼんやり感と、吐き気やむかつきで目が覚める。典型的な宇宙酔いだ。重力が弱い宇宙では上下の区別がない。これが人間の感覚器官を狂わせ、乗り物酔いのような症状を引き起こすのだ。宇宙酔い以外に、筋力の低下、体重の減少、血液の減少、背が伸びるなどが起きる。深刻なのは貧血と、ホルモン異常によるカルシウムの減少だ。数日なら大事に至らないが、50日以上滞在すると、地球に戻っても完治するのに数ヶ月かかる。虫歯も大きな脅威だ。重力から解放されたバクテリアは、地上の40~50倍速で増殖しあっという間に歯をむしばむ。我慢できない場合は抜歯しますので、お近くのクルーにお申し付けください。■宇宙遊泳は命がけ宇宙酔いに苦しみながら、翌日の船外活動に向けて減圧が始まる。シャトル内は地球と同じ1気圧だが、船外活動宇宙服(EMU)内は0.27気圧の純酸素しかないので、急激な気圧変化で体液中の窒素が泡だち、減圧症を起こしてしまう。そのため12時間以上かけて少しずつ気圧を下げ、その後は1時間ほど純酸素を吸って窒素を追い出す。着替えるだけでも1時間はかかるからというから大変な労力だ。減圧が終わったら、人類に残された最後の開拓地、宇宙を満喫しよう。残念ながらEMUの遮蔽(しゃへい)性はあまり高くないので、シャトル内よりも多くの放射線を浴びることになるが。秒速7~8kmで飛び交いシャトルを大破させるほどのエネルギーを持ったスペースデブリ(宇宙ゴミ)のただなかでは、EMUなど裸も同然だが。恐怖から心拍数ははね上がり、意識がもうろうとする。おまけに、目標物のない宇宙空間では、自分がどこにいるのか分からずパニックを起こしやすい。決してシャトルから目を離さずに、落ち着いて行動しよう。地球をバックに記念撮影。にっこり笑って、はいチーズ!最終日は帰還の準備で忙しい。血液の減少と降下時の体液シフトで失神しないよう、塩の錠剤と多量の水を飲んでおこう。ただし空港到着までトイレはお控えください。逆噴射のあとは、地表面に対し機首を約40度上げた体勢となり、尻もちのような感覚で落ち続ける。大気圏再突入時、シャトルの速度はマッハ24(音速の24倍)!機体は1,600℃に達し、高温イオン化粒子の影響で無線が使えないブラックアウトがしばらく続く。大気中で十分な揚力を得られないスペースシャトルは、旅客機では墜落といえる角度と速度で降下する。着陸したらパラシュートで急制動だ。緊張と恐怖は限界を超え、薄れる意識のなかでこうつぶやく。モルディブにすれば良かった、と。長旅お疲れさまでした。またのご利用をお待ちしています。検疫が終わったら空港のラウンジで、念願のシャンパンで乾杯だ。新鮮な空気を胸いっぱいに吸い込みながら、飲み物、トイレ、そして重力を満喫しよう。地球か、なにもかもが懐かしい。■まとめサラ・ブライトマンのISS・10日間の旅は3千万~4千万ドル、オプションの船外活動は1,500万ドルと推定されている。1ドル=80円なら計44億円!一生の思い出には少々高すぎる。格安航宙会社が登場するまでは、貯金に専念することにしよう。(関口寿/ガリレオワークス)
2012年11月18日皆さんは海外旅行に行ったことがありますか?海外旅行の経験がある人はご存知だと思いますが、飛行機で同じ区間を往復する場合、行きと帰りでは飛行時間が異なりますね。たとえば、東京~ニューヨーク間を往復する場合だと行き(東京⇒ニューヨーク)の方が、また東京~パリ間を往復する場合だと帰り(パリ⇒東京)の方が短い時間で目的地まで到着します。でも、このようなことが起こるのは一体なぜでしょうか。■ 飛行機と偏西風との関係日本の上空付近には、西から東に向かっていつも風が吹いています。この風を「偏西風(へんせいふう)」と呼びますが、この影響により、飛行機が東から西へ向かうときはこの偏西風が向かい風となるため、西から東へ向かうときよりも長い時間がかかってしまうわけです。ところで、この「偏西風」という言葉。これまでに聞いたことがある人も多いと思います。でも、なぜ日本の上空には常時このような偏西風が吹いているのでしょう。実は、偏西風というのは地球の自転の影響を受けている風なのです。■ 北半球における空気の流れ偏西風が起きる理由を説明するにあたり、まず北半球全体の空気の流れを整理しておきたいと思います。まず赤道付近で暖められた空気はしだいに上昇を始めます。すると、今度は地球全体の温度をなるべく均一に保とうとし、寒い北極へ向かって移動します。しかし、北へ向かうにつれて上空の気温は下がりはじめ、この空気は冷やされるため、やがて体積は小さく、密度は高くなっていきます。そして、北緯20~30度付近の「亜熱帯高圧帯(中緯度高圧帯)」と呼ばれるエリアまで達すると、今度はその重みで下降を始めます。そのため、亜熱帯高圧帯では、下降した空気が北極方向と赤道方向に向かってそれぞれ吹き出していきます。このとき北極方向に向かって吹く風を「偏西風」、赤道方向に向かって吹く風を「貿易風」と言います。■ 偏西風が生まれる仕組み上で説明したような空気の流れだけでは、単に南から北へ吹くだけになり「偏西風」とは言えませんが、ここでさらに地球の自転の力が加わります。仮定として、赤道から真北へ向かって物体を発射したとします。するとこのとき、その物体は北向きの速度と同時に、自転に合わせた西から東への速度も持っていることになります。地球は球体であることから、北に向かうにつれて、その緯度における自転速度は小さくなります。しかし、この物体が持つ西から東への速度は小さくならないため、地球の自転速度よりも先に(東に)進んでいきます。その結果、真北へ向かったはずなのに、少しずつ真北よりも東へ逸れていくことになります。この見えない力を「コリオリの力」と呼びます。コリオリの力は、北半球では右に向かって働くため、北から南に向かうときには西向きに、南から北へ向かうときには東向きの力となります。つまり、南から北へ向かって吹く風は、東向きに力を受けることで、しだいに西から東へ吹く(西よりの)偏西風へと変わっていくわけです。■ コリオリの力を体感しようコリオリの力は地球の自転に限ったものではなく、回転しているすべての物体に働く力ですので、もっと簡単に体感することもできます。まず、1kg程度のおもり(身近にあるカバンやお砂糖などで十分です)を用意してみてください。それを両手で持ったまま、フィギュアスケートの選手のように、その場でグルグルと回転しながら、さらにその状態で前にゆっくりと腕を伸ばしたり縮めたりしてみてください。するとどうでしょう。左回りに回転しているとすると、腕を伸ばしたときには右向きに、縮めたときには左向きに力を受けるような感じがしませんか?(自分が右向きに回転しているときはこの逆になります。)それこそが「コリオリの力」なのです。■ まとめ今回は、飛行機に乗ったときの飛行時間の違いについて考えてきました。上空を飛ぶことによって、飛行機は偏西風の影響を受けますが、その偏西風が地球の自転とも深く関係していることをお分かりいただけたでしょうか。偏西風の影響を考えると、ニューヨークとパリに寄る世界一周旅行を計画するときには、東京⇒ニューヨーク⇒パリ⇒東京の順に移動した方が楽チンだということになりますね。(文/TERA)■ 著者プロフィールTERA。小さい頃から自然科学に関心があり、それが高じて科学館の展示の解説員を務めた経験も持つ。現在は、天文に関するアプリケーションの作成や、科学系を中心としたコラムを執筆している。
2012年11月11日宇宙は膨張し続けている。それもスピードを上げながら。これは加速度的な自殺に等しい。宇宙の最後はどうなるのか?収縮して居場所がなくなるのも恐ろしいが、膨張し続ければさらに惨めな死にざまとなる。光もなく熱もなく、再生の見込みもなく、ただ存在するだけの空間となるからだ。■絶対零度の世界宇宙はおよそ137億年前に誕生した。宇宙のすべてが集められたごく一点が、爆発的に膨張したことからビッグバンと呼ばれている。あまりにも高密度であまりにも高温だったため、宇宙は素粒子のスープのような状態で、光が通り抜けるすき間さえなかったと考えられている。その後も宇宙は広がり、38万年後には多くの元素や物質が形成された。空間にも余裕が生まれ、光が抜けるようになったことから「宇宙の晴れ上がり」と呼ばれている。膨張はさらに続き、4億年後には恒星が生まれ銀河も誕生する。膨張とともに成長する様子は「インフレーション理論」と呼ばれている。高密度から低密度へ、素粒子から物質へ。まるでブラックホールに吸い込まれる物体を逆再生しているようだ。ただし、「ブラックホールの嘔吐(おうと)」と呼ぶのはやめておこう。情けない気分になる。現在観測できる宇宙の半径はおよそ470億光年。毎年3.43光年ほど広がっている計算になる。物体は光速を超えられないのに、宇宙は光速を超えて広がるのはあまりに不条理だ。この現象は、暗黒エネルギーによるものと考えられている。邪悪さを感じる名前だが、「そこに存在するのは分かるが、見えない(=何だかわからない)」が由来だ。このエネルギーは引力とは逆に、物体と反発する斥力(せきりょく)を持ち、それが宇宙の加速膨張を引き起こしていると考えられている。もし斥力を活用できれば、超光速移動も夢ではない。頼むぞ暗黒エネルギー。宇宙の果てまで連れてってくれ。さて、宇宙の膨張が続くとどうなるのか?ゴールは熱的死だ。宇宙を、自分のエネルギーで膨張している1つの物体と考えれば、膨らむごとに温度は低下する。現在の宇宙の温度はわずか2.7K(ケルビン)。あと3度ほど下がれば絶対零度となり、エネルギーはゼロとなる。幸いにも収縮できれば再度のビッグバンが期待できるが、そのエネルギーすら持ち合わせていない。永遠に続く凍りついた漆黒。弛緩(しかん)した、ただ存在するだけの空間。これが宇宙の死にざまだ。老兵は死なず。ただ伸びきるのみ。しかしそう悲観する必要はない。伸びきらなくても必ず宇宙はエネルギーを使い果たすのだから。ビッグバンを元年とすると、千兆年後には恒星が燃え尽きる。それから1正(せい)年(=10の40乗年)ぐらいまではブラックホールの天下だ。あらゆる天体を飲み込み、時にはブラックホール同士の共食いも見られるだろう。ただしブラックホールも無限のエネルギーは持ち合わせていないので、1垓(がい)年(=10の20乗年)ほどかけて蒸発する。その後は陽子も崩壊し、10の92乗年ごろには完全な死を迎える。時間はたっぷりあるから、ゆっくりと対策を考えよう。■ちぎれる宇宙まったく違うシナリオで、宇宙がちぎれるという説もある。すでに外周3千億光年にも及ぶ巨大な空間が、正確に、均等に、足並みをそろえて膨張するはずがないという考えだ。例えるなら3千億人3千億1脚で超光速ダッシュを試みるようなものだから、成功するとは思えない。実に人間味のある考えだ。膨張速度が速い部分はちぎれ、泡立つように分かれていく。ひとつを意味するユニから「マルチ」バースの誕生だ。さらに膨張が続けばあっという間に子宇宙、孫宇宙が生まれ、大宇宙家族が完成する。宇宙にムラがあるという考えに基づくマルチバースでは、残念ながら子/孫宇宙の組成が均一とは考えにくい。物質が多い宇宙は重力で収縮し、暗黒エネルギーが多ければ膨らみ続ける。少しでも長く生き延びるために、必要な物質を奪い、要らないエネルギーを押し付けあう宇宙「間」戦争が起きるかもしれない。負けた宇宙はゴミ屋敷。刺激的すぎる罰ゲームだ。■まとめ子供のころ、シーモンキー(甲殻類の飼育キット)が好きだった。けなげに泳ぎまわる彼らを人類、小さな水槽を宇宙に見立て、あれこれ夢想するのが好きだったのだが、ある日、自分が「観察者」だと気づいたとき、言いようのない不安に襲われた。われわれの宇宙にも「観察者」がいるのだろうか?もしかしたら、この宇宙は試験管の中なのかもしれない、と。いまでもこの話を思い出すたびに、何かに見られているようで、落ち着かない気分になる。(関口寿/ガリレオワークス)
2012年11月04日宇宙はとっても広いです。私たちが住んでいる地球を含む太陽系は、巨大な銀河系の中にありますが、広い宇宙にはそのような巨大な銀河ですら無数に存在します。そして、その中には地球の直径の約109倍もの大きさを持つ「太陽」さえはるかに凌ぐような大きな星も、数多く存在しています。今回はそんな広大な宇宙に存在する、巨大な星たちをいくつか紹介していきたいと思います。■ 宇宙にある星の数は?よく「星の数ほど…」と言ったりしますが、そもそも、この宇宙にはいったいどれほどの数の星があるのでしょう。太陽のように自ら光り輝いている恒星だけに限ってみても、太陽系を含む銀河系の中には2,000億個もあると推定されています。そして、宇宙にはそのような銀河が1,000億個以上あるとも言われています。銀河の明るさなどを詳しく観測することで、その総質量やそこに含まれる星の総数を調べることができるのですが、この方法を用いた研究によると、この宇宙にはなんと7×10の22乗個(7の後に0が22個)もの星があると考えられています。実際には、これ以外に地球のような惑星もあるわけですから、あらためてその壮大さが分かりますね。■ 宇宙で一番大きな星とはそれでは、これほどまでに多く存在する星たちの中で、もっとも大きいものとはどれぐらいなのでしょう。現在までに確認できている星の中で、最大のものは「おおいぬ座VY星」です。この星は「赤色超巨星(せきしょくちょうきょせい)」と呼ばれる種類の1つで、その大きさは、直径が25億~30億km(太陽の1,800倍~2,100倍程度)、体積が太陽の60億~90倍という想像を絶するもので、仮に太陽の位置に同じサイズの星があったとすると、土星の軌道まで達するほどの大きさです。また、1周の距離は、80億km以上ということになりますので、仮に時速1,000kmの飛行機で1周しようとすると900年以上、光の速度ですら8時間以上もかかる計算になります。ただし、このおおいぬ座VY星は天体そのものの大きさが大きく変動する「脈動変光星」であることから、宇宙最大の星ではないと捉える説もあります。■ おおいぬ座VY星の最期ちなみに、このおおいぬ座VY星の寿命は残り少なく、まもなく最期が近づいていると推定されています。この星は最期に「超新星爆発」という大爆発を起こして壮絶な死を遂げますが、地球からは5,000光年も離れたところにあるため、幸いその影響を受けることは無いと考えられています。なお、爆発後、星の内部は中心に向かって圧縮され、やがて巨大なブラックホールとなるでしょう。■ 巨大な星はまだまだある…おおいぬ座VY星が、現在までに確認できている星の中では最大のものとして紹介しました。とはいえ、地球からは遠く離れたところにあり、肉眼では観測できないほど暗い星のため、あまり目立ちません。ですが、広い宇宙には、これほどとまではいかなくても、まだまだ巨大な星たちが数多く存在します。太陽の直径の1,600~1,900倍の大きさを持つ「ケフェウス座VV星」や、同じく1,400倍程度の「ガーネットスター」などもありますが、巨大な星の中でも身近なものとしては、オリオン座の1等星「ベテルギウス」や、さそり座の1等星「アンタレス」などが挙げられます。これらは、地球からもはっきり見えるほど明るい星ですので、ご存知の方も多いのではないでしょうか。オリオン座のベテルギウスで太陽の1,000倍、さそり座のアンタレスでも太陽の700倍程度もあるとされ、いずれもおおいぬ座VY星と同じ、赤色超巨星に属します。■ まとめ今回は、想像を絶するような巨大な星たちをいくつかご紹介しましたが、いかがでしたでしょうか。太陽系の中にいると、太陽が圧倒的に大きな星だと言えますが、宇宙全体を見渡すとそれとは比べ物にならないほど巨大な星々がたくさんあるわけです。どんな世界にも上から上がいるのですね。(文/TERA)■著者プロフィールTERA。小さい頃から自然科学に関心があり、それが高じて科学館の展示の解説員を務めた経験も持つ。現在は、天文に関するアプリケーションの作成や、科学系を中心としたコラムを執筆している。
2012年10月14日茨城県つくば市にある筑波宇宙センター(JAXA)では、10月13日(土)に、施設の特別公開を行う。宇宙に興味のある子どもから大人まで楽しく宇宙体験できる、秋の人気イベントだ。公開は10時00分から16時00分、入場は15時30分まで。入場無料。宇宙飛行士との交信やNASA等他国の宇宙機関との連絡を行っている「きぼう」運用管制室、宇宙ステーション補給機「HTV」の飛行を制御監視するHTV運用管制室、宇宙飛行士の訓練施設など、通常行われている一般公開では見ることのできない施設が特別公開される。当日は、さまざまなイベントが企画されている。例えば、天体の重力と運動エネルギーを利用して宇宙機の軌道や速度を変更する航法、惑星スウィングバイに模擬実験装置を使って挑戦できる「スウィングバイを体験」。準天頂衛星システム「みちびき」の電波を受信しながら進むお宝探しゲームや、コンピューターを使って、ITと宇宙のクイズに回答、ミッションをクリアして宇宙旅行に行くコーナー、筑波宇宙センター内にあるアニメ「宇宙兄弟」に登場する場所を巡ってクイズに答えるクイズラリーなどなど、楽しみながら宇宙を学習できる。そのほか、「赤外線で見る地球」、「宇宙医学生物学研究」、「マイナス196度の世界を知る~液体窒素おもしろ実験~」、「ミニロケット作り」などに加えて、JAXAの仕事について、職員・内定者が相談ブースでさまざまな疑問、質問に答えてくれるJAXA就職相談会も予定されている。また、今回の宇宙講演会では「若田光一宇宙飛行士と話そう!」「宇宙×ミエル化意見交換会」「宇宙ステーション補給機こうのとり(HTV)について」が行われる予定。最新情報は筑波宇宙センターツイッターで確認を。電車利用はJR常磐線「荒川沖駅」下車、タクシー(約15分)または関鉄バス「筑波大学中央」行き「物質研究所」下車徒歩1分。つくばエクスプレス線「つくば駅」下車、タクシー(約10分)または関鉄バス「荒川沖駅」行き「物質研究所」下車徒歩1分。車利用は常磐道桜土浦ICよりつくば方面へ7分。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年10月09日今回紹介するのは、茨城県つくば市にあるJAXA(宇宙航空研究開発機構)の筑波宇宙センター(茨城県つくば市)の社食だ。夢がいっぱい詰まった宇宙の研究開発施設では、どんな食事がとられているのだろうか。こちらの社食は、一般の利用も可能(平日のみ営業・11時30分~13時30分)で、見学に訪れた人も多く利用しているという。利用希望者は、敷地内にある広報・情報棟で受付を済ませ、「食堂利用証」を身につける。食堂に入ってすぐのところにショーケースとホワイトボードがあり、当日の提供メニューが掲示されている。日替わりで提供されるA定食(460円)やB定食(610円)をはじめ、カレーライスやラーメン、そばなどオーソドックスなメニューが並ぶ。食堂内の座席はカウンター席とテーブル席、個室風の席合わせて380席。シンプルで、食堂らしい食堂、といった印象だ。敷地内の従業員数はおよそ2,000人。従業員が休み時間になるピークの12時30分頃にはかなり混み合うため、一般の利用者はその時間を避けるのがおすすめとのこと。食事提供カウンターは2つあり、定食と麺類で分かれている。トレーを持ってカウンターで注文し、提供されるのを待つ。ここまで見て、普通の食堂……かと思いきや、メニューの中にいかにもJAXAらしい”宇宙っぽい”ものを発見した。その名も、「冷やし宇宙坦々麺」(460円)と「天の川カレー」(660円)。冷やし宇宙坦々麺は温泉玉子とチャーシュー、野菜が盛り付けられたもの。温泉玉子が月に見立てられている……のかもしれない。麺に冷えたごまだれのスープと温泉玉子が絡んで、まろやかな味わいだった。天の川カレーは、細かくカットされたパプリカやキュウリなどの野菜がちりばめられており、ふりかけられた粉チーズが天の川のように見える。こちらは中辛のカレーにちりばめられた野菜の食感とチーズの味わいがアクセントになっている。ちなみに、この日のスペシャルセットは、「夏野菜ミートピラフセット」(560円)だった。こちらも見た目がかわいらしい。食堂に訪れたときは、敷地内も見学していくことをおすすめしたい。展示館「スペースドーム」では、さまざまな種類や形の人工衛星、ロケット、国際宇宙ステーション「きぼう」日本実験棟の実物大モデルなどの展示が並んでいる。また「ロケット広場」にある53mの「H-IIロケット」の模型も圧巻だ。ちなみに同敷地内は、『下町ロケット』『仮面ライダーフォーゼ』『宇宙兄弟』のロケ地にもなったそうだ。宇宙のロマンを感じに出掛けてみてはいかがだろうか。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年08月27日いばらきツアーオフィスでは、「2012年秋のいばらきよいとこプラン」の一つとして9月29日(土)に実施するツアー「ファミリーで体験!!筑波山わくわく森探検と”宇宙親子”」の参加者を募集中だ。このツアーでは、茨城県つくば市でしか体験できない「宇宙飛行士模擬訓練体験」や、筑波山でサワガニに出会える「沢めぐり」、虫たちが暮らしている「森探検」などが予定されている。なお、宇宙飛行士模擬訓練体験は小学2年生以上限定。募集人員は32名(最少催行人員24名)。参加費用は昼食とつくば市産ブルーベリージャムの土産付きで1人5,000円。同伴者で宇宙飛行士体験無しの場合は1人2,500円。ツアーのスケジュールは、つくばエクスプレスつくば駅改札前に8時45分集合、9時につくば駅前をバスで出発し、10時00分に筑波ふれあいの里に到着。ここで森探検とエコバック製作体験をしたあと昼食をとり、13時40分から筑波宇宙センター(JAXA)での宇宙飛行士模擬訓練体験をする。17時15分、つくば駅でツアーは解散となる。筑波山麓の中腹にある「筑波ふれあいの里」での自然体験では、筑波山の森の探検、拾った落ち葉を使った世界にひとつだけのエコバックづくりを行う。さらに、筑波山山麓で生産される特別栽培米で、昭和時代初期には皇室に献上されていた「北条米」のおにぎりを筑波山頂で味わう。筑波宇宙センターでの宇宙飛行士模擬訓練は、宇宙飛行士が実際に訓練をした設備を使って行う。ここ宇宙センターは、人工衛星やロケットエンジンなどの実物大のモデルによって本物の宇宙開発に触れることができる展示室などもある人気スポットだ。ツアーの参加にあたっては、動きやすい服装・歩きやすい靴を着用すること。つくばエクスプレスつくば駅までの往復の交通費は各自負担となる。なお、雨天など諸事情により内容が変更になる場合がある。ツアーの申し込み 【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年08月24日宇宙はとても広大です。そのため、その大きさを数値で表すと非常に膨大になりがちです。それを避けるため、宇宙の大きさを示す独自の基準(ものさし)があります。そこで今回はそんなものさしを使って、宇宙の大きさを体感してみましょう。■ 「メートル」で測ってみるまずは、日常生活でもよく使われている「メートル(m)」や「キロメートル(km)」から始めてみたいと思います。私たちが住んでいるこの地球。その直径は赤道方向で約12,750km、その一周の長さで計ると約40,000kmとなります。参考までに、東京~大阪間が最短距離で約400km、東京~ロンドン間が約9,580km、東京~ニューヨーク間が約10,860km。ここまではまだ想像がつきますね。次に、地球から最も近い天体である月。ここまでの距離はというと約384,400km。東京~ニューヨーク間の約35倍、地球9周半ほどの距離です。さらに太陽までの距離となると、地球~月までの距離のおよそ400倍で、1億5,000万kmとなります。イメージしやすくするために、すべて1億分の1スケールで考えてみると、地球と月の距離は3.8m、地球と太陽の距離は1.5kmとなります。ついでに天体そのものの大きさも1億分の1スケールで考えてみると、地球は直径12.8cm、月は3.5cm、太陽は13.9mとなります。つまり、地球・太陽・月の位置関係としては、12.8cmのグレープフルーツほどの球体(=地球)から、3.8m離れたところに3.5cmのピンポン玉ほどの球体(=月)があり、1.5kmも離れたところに14mの巨大な球体(=太陽)があるという感じです。月に比べて太陽がいかに遠いところにあるかということが分かりますね。■ 「天文単位」で測ってみるちょっとスケールの大きな話になってきましたので、ここで新たな単位を登場させましょう。それが「天文単位(AU)」です。1天文単位は地球と太陽の間の平均距離を表しており、1天文単位=約1億5,000万kmとなります。これを使うと、太陽系でもっとも遠い惑星である海王星までの距離はおよそ45億kmですから、30天文単位ほどです。では、地球からもっとも近い恒星までの距離はどれほどでしょう。もっとも近い恒星は、「プロキシマ・ケンタウリ」と呼ばれる天体ですが、そこまでの距離は270,000天文単位となります。つまり、一番近い恒星ですら、海王星までの距離の9,000倍も遠いところにあるわけです。ますます膨大なスケールの話になってきましたね。■ 「光年」で測ってみるそこで、さらに次の単位を登場させましょう。それが有名な「光年」という単位です。「光年」は光の速度で1年間に進む距離を表しており、1光年はおよそ63,000天文単位(約9兆4,600億km)です。地球から太陽までなら光の速度で8分ちょっと、海王星までなら4時間ほどで行けますが、もっとも近い恒星「プロキシマ・ケンタウリ」までとなると、4.2年かかる計算になります。ちなみに、全天でもっとも明るい恒星であるおおいぬ座の「シリウス」までが8.7光年、有名なオリオン座の三ツ星の右下にある「リゲル」になると約700光年の距離となります。それでは、さらに話を広げて、太陽系を含む銀河系となるとどうでしょうか。銀河系は平たい円盤のような形をしており、その円盤の直径は約10万光年。光の速度を持ってしても、端から端まで移動するのに10万年もかかるわけです。最後に、現在地球から観測可能な宇宙の半径は、およそ470億光年だと言われています。仮に銀河系の大きさが直径10cmのどら焼きだとした場合、光が1年間で進める距離はわずかに0.001mm。逆に観測可能な宇宙の半径は47kmにもなります。これは大阪~京都間の距離に匹敵します。もう想像もできないスケールになってしまいましたね。余談ですが、0.1mmの厚さを持つ紙を100回折ることができると仮定すると、計算上では0.1×2の100乗mmで、その厚みは何と134億光年となります。…あくまで計算上の話ですけどね。■ まとめ今回は数字を使って宇宙の大きさを見てみました。このように、あまりに広大な宇宙の大きさを扱う時には、日常生活ではお目にかかることの無い独自の単位を使っていることがお分かりになったでしょうか。あらためて見ても、やはり宇宙の大きさは想像を超えていますね。(文/寺澤光芳)■著者プロフィール小さい頃から自然科学に関心があり、それが高じて科学館の展示の解説員を務めた経験も持つ。現在は、天文に関するアプリケーションの作成や、科学系を中心としたコラムを執筆している。
2012年07月28日高速バスなどを展開するWILLER TRAVEL(ウィラートラベル)は、宇宙ツアーが体感できるまったく新しいアトラクションバス「STAR FIGHTER」の開発を発表した。「STAR FIGHTER」は、日本最先端のバス開発技術とITテクノロジーを結集して開発されたとのことで、「宇宙空間で新たな夢と感動を体感できる」としている。すでに専用サイトがプレオープンしており、29日のグランドオープンとともに販売を開始するとのこと。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年06月26日気象予報士の試験は難関として知られています。非常にステータスの高い資格であることも確かです。では、気象予報士になるにはどうすればいいのでしょうか? またそのためのコストは? 一般財団法人 気象業務支援センター 気象予報士試験事務担当 常務理事の迫田優一さんにお話を伺いました。――そもそも気象予報士の資格ができた経緯は?平成6年(1994年)から始まった資格です。それまで一般向けの天気予報というのは、気象庁が作ったものをマスコミなどに配布していたわけです。というのは、気象予報というのは「防災」という側面が強いものですから。――なるほど。平成5年に気象業務法が改正されて予報業務が自由化されることになり、独自の気象予報というのを気象庁以外で作ってもいいよ、と決められたんですね。ただし、重要な条件が2つありました。1つは気象庁が発表する警報などの防災に関する情報と矛盾しない予報とすることです。もう1つは「気象予報を出すのは必要な知識と技能を持った人でなければならない」ということです。――この2つ目の条件を満たすための資格が気象予報士なんですね?そういうことですね。独自の気象予報を発表することができる資格です。この資格を認定する業務は気象庁長官が行なうのですが、現在は「一般財団法人 気象業務支援センター」が指定試験機関として長官の指定を受けて、(気象庁長官に代わって)その業務を行なっています。――独自の天気予報を発表する「気象予報士」になりたいのであれば、気象予報士試験にまず合格しなければダメだということですね?そうです。まず合格して頂かないといけません。合格した人には気象業務支援センターから合格証明書が交付されます。あと、気象予報士となるには、合格しただけではダメですよ(笑)。「私は合格しました」と合格証明書の写しを添えて気象庁長官に登録を申請しないといけません。そうして初めて気象予報士として働けることになります。――資格を取って、実際に働かないとお金にはならないですもんね。そうです。気象予報士の資格だけ取ってもお金にはならないですよ(笑)。普通二種免許だけ取ってもタクシー会社に勤めないとお金にならないのと一緒です。――気象予報士資格試験はいくらかかるのでしょうか?11,400円です。――そんなに高くないですね。気象予報士資格試験(平成24年度第1回の試験案内書による)学科試験予報業務に関する一般知識 : イ.大気の構造ロ.大気の熱力学ハ.降水過程ニ.大気における放射ホ.大気の力学ヘ.気象現象ト.気候の変動チ.気象業務法その他の気象業務に関する法規予報業務に関する専門知識 : イ.観測の成果の利用ロ.数値予報ハ.短期予報・中期予報ニ.長期予報ホ.局地予報ヘ.短時間予報ト.気象災害チ.予想の精度の評価リ.気象の予想の応用実技試験の科目気象概況及びその変動の把握局地的な気象の予報台風等緊急時における対応――見るからに難しそうですね(笑)。実技試験というのは何か特別なことをやるのでしょうか?いえ記述式の設問です。学科試験の方は多肢選択式(5択)です。――合格基準はどうなっていますでしょうか?合格基準は、学科は15問中正答が11問、実技は正答率70%としていますが、平均点により調整される場合があります。たとえば、第37回の試験では、学科試験は、予報業務に関する一般知識が15問中11問以上、専門知識は15問中10問以上が正解であること、実技試験では総得点が満点の66%以上でした。――試験は年に何回あるのでしょうか?年2回です。始まった平成6年度だけ3回開催されましたが、後は現在までずっと年2回開催です。――1回でどのくらいの人数が受験していますか?たとえば直近の、平成24年1月29日に行なわれた第37回の試験では、男性3,234名、女性718名、計3,952名の方が受験しています。――では合格した人数は?男性156名、女性28名の計184名でした。合格率で言うと、男性4.8%、女性3.9%、全体で4.7%になります。――かなり狭き門である印象ですね。そうかもしれません。ただ、基準に達していない人の合格を認めるわけにはいきませんから。今まで開催された37回の試験の合格率を累計して見ますと、男性で6.2%、女性で4.2%、全体で5.8%です。――資料を拝見しますと、受験資格にはまったく制限がないんですね。そうですね。誰でも受けられます。何歳の人でも受けて頂けますよ。――今まで最年少で受かった人は何歳ぐらいですか?平成21年1月の試験で合格した13歳7カ月の男性が最年少です。――それはスゴイですね。みなさん、大体何回目ぐらいで合格してるんでしょうか?それは一概に申し上げられないですね。合格率は先ほど申し上げた通りですので、なかなか1回で受かるというのは難しいかも知れません。このため、何回も挑戦続けている方もおられるようですよ。――受験回数の回数制限というのがありませんから、何回でも、受かるまで受けてもいいわけですね?そうなります。受験生を励ますお話をしますとね、毎回毎回、全部の科目を受けなければならないわけではありません。学科試験には一般知識、専門知識の2つの科目がありますが、このどちらか、あるいは両方に合格していれば、合格発表から1年以内に行なわれる試験においては、その科目の学科試験は免除されますよ。――残った試験にだけ集中すればいいと。そういうことです。免除されるのは1年以内ですけどもね。試験に合格され、登録を済ませて晴れて「気象予報士」となられるよう、ご健闘を願っています。気象予報士になるには、資格試験に受かればいいわけですから、そのコストは試験代金の11,400円です。ただし一発合格が難しいようですので、これを何回受けるかはあなた次第。また合格のための努力はプライスレス……ですね。(谷門太@dcp)【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年06月07日いよいよ宇宙旅行が現実のものになります。普通の人でも宇宙空間に行ける時代がついにやって来ます!「2012年宇宙にまで広がるクラブツーリズムの旅」をキャッチコピーに民間宇宙旅行事業を推進している、クラブツーリズム株式会社、宇宙旅行部長の浅川恵司さんにお話を伺いました。クラブツーリズムさんが日本での独占販売権を獲得しているのは、英ヴァージン ギャラクティック社が推進している観光宇宙旅行。ヴァージン ギャラクティック社は、あの世界的な企業『ヴァージン』のグループ企業です。■宇宙旅行の中身は……双胴型の飛行機・マザーシップ『ホワイトナイト2』が、宇宙往還用の『スペースシップ2』を抱いて空港を離陸。上昇45分後にスペースシップ2が切り離されて、空中発射。スペースシップ2はロケットエンジンを噴射して90秒加速します。高度110kmまで達する弾道飛行を行って、その後大気圏に再突入。高度21kmからグライダー飛行を行って着陸します。このフライトの中で、無重力状態4分間を味わえ、宇宙空間から地球を眺めることができるのです。約2時間のフライトです。■初フライトはいつ!?――2012年ということで、いよいよ宇宙旅行が始まるようですが、初フライトの日取りは決まったんでしょうか?浅川さんいや、それが残念ながら……少し時間がかかっています。ヴァージングループのリチャード・ブランソン会長は「2012年のクリスマスには飛ばしたい」と言ってますがね。――なるほど。浅川さん初飛行にはリチャードが乗ると言ってます(笑)。自分の家族を連れて。――先に会長が乗って安全を確認してくれると、後から乗るお客さんは安心ですね(笑)。浅川さんクリスマスに飛べればいいんですが、実際問題2013年にずれこむかもしれません。――それは残念ですね。浅川さんもう7年も待っているお客さんがおられるので。――7年ですか?浅川さんええ。2005年にこの宇宙旅行の発表をして、その時に予約してお金を振り込んだ方にはもう7年も待っていただいておりますね。450人の人が待っておられます。■チケットは20万ドルだけど円高でお得に――チケットの価格はいくらなんでしょうか。浅川さん20万ドルです。日本円で1,600万円ですね。ここのところの円高で、最初に振り込んだ方の金額と比べると600万円も下がりましたよ(笑)。――一括支払ですか?分割払いは「なし」ですか(笑)?浅川さんドル建て一括払いです。分割はありません(笑)。将来的にはもっと安価になると思いますが、それがいつかはわからないですね。――待ってる人は早く飛ばないかなーと思ってるでしょうね。浅川さん「早く、早く」と言われます。でも、待ってる間が楽しいという人もいるんですよ。というのは、毎年、ヴァージンギャラクティック社が予約してくれた人をイベントに招待するんです。年に1回イベントがあるので、その度に集まりますからもうコミュニティーができてますよ。昨年はスペースポート(宇宙港)ができましたので、その落成式にみなさんを招待しました。■スペースポートを新設! そのために消費税アップ!?――それはスゴイ。スペースポートはまったく新しく作ったんですか?浅川さんそうです。完全に宇宙旅行専用で、ニューメキシコ州の何にもないところ(笑)を整地して作ったんですよ。広さは成田空港の7倍ぐらいです。――お金がかかったでしょうね(笑)。浅川さん総額1億9,800万ドルかかりました。そのうち1億ドルは州が出して、ヴァージン社は9,800万ドルを出しました。ニューメキシコ州はこのスペースポート建設のために消費税を0.25%上げたんです。――えっ?このためにですか?浅川さんそうです。新しく雇用を生み出し、観光客を誘致できるので、経済効果を期待できるというわけですね。商業宇宙旅行の実現に向けてそれぐらい真剣にやっているんですよ。――先ほど、飛行が2013年にずれこみそうとおっしゃっていたのには何か理由があるんでしょうか?浅川さん何か欠陥があったとかそういうんじゃないんです。なにせ「安全第一」で着実にやってますので。フライトデータも全部公開していますし。マザーシップのホワイトナイト2はもう80回近く、スペースシップ2は16回飛んでいます。■初フライトへの2つの課題――クリアしなければいけない大きな要素は何でしょうか?浅川さん大きなのはスペースシップ2が空中発射後、ロケット噴射で高度100キロ以上まで上がれるか、このテストがまだです。あとはFAA(アメリカ連邦航空局)の認可ですね。このふたつが終わったら、会長が乗りこむ手はずですね(笑)。――宇宙旅行はFAAの認可なんですね。浅川さんFAAにはすでに「商業宇宙室」というのが設置されています。7~8年前のことですよ。それに、ブッシュ大統領のころに「商業宇宙打ち上げ法」という法律が可決されています。――アメリカは進んでますねえ。その認可を受けるのは難しいのでしょうか?浅川さんまだ認可取った業者はないんですよ。たぶんこのプロジェクトが認可を受ける第1号になります(笑)。一番進んでいますから。あくまでもめざしているのは商業宇宙旅行の定期便です。――なるほど。1回のフライトで6名乗れるんですよね?浅川さんそうです。スペースシップ2にはお客さんが6名乗れます(+パイロット2名)。定期便を運用するために、スペースシップをあと5機、マザーシップのホワイトナイト2をあと1機建造する予定ですね。――どのくらいの定期便を運航するのでしょうか?浅川さん1年で500人と発表しています。――1回のフライトで6名ですから年間84便は飛ぶ計算になりますね。浅川さんそうなりますね。■普通の人は宇宙旅行に耐えられる?――ちょっと気になるのは……普通の人が乗って大丈夫かという点なんですが。資料を拝見すると、スペースシップ2の上昇時に3.5G、大気圏再突入時に6Gという重力加速度がかかるみたいんでんすが。6Gって結構なG(重力加速度)だと思うんですけど、普通の人は大丈夫なんでしょうか?浅川さん実はですね、予約された最初の100名の方々には、ヴァージン社の招待で、フィラデルフィアにある遠心加速器を使って、そのGの体験を既にしていただいているんですよ。――その遠心加速器はNASAか何かの施設なんでしょうか?浅川さんいや民間企業が持っているんですよ。ナスターセンターっていうんですけどね。――えっ?民間企業が遠心加速器を持ってるんですか?浅川さんそこにしかないんです(笑)。普段は空軍のパイロットの訓練なんかで使っているみたいです。100名の方に体験していただいて、全部データもとってます。70歳代後半のお客さんも経験して問題なかったので大丈夫だと思います。実は私も、3Gは体験しました。――どうでしたか?浅川さん3Gはまったく問題なかったです。大丈夫ですね。――伺っていると、準備は着々と進んでいるようですね。浅川さん繰り返しになりますが「安全第一」です。遅延してはいますが、もうホントにあと少しだと思います。――最後に、読者にメッセージをお願いします。浅川さんもう夢ではなく、本当に「宇宙旅行」ができる時代になります。あと少し待っていただければと。まさか宇宙港まで新設しているとは思ってもみませんでした。スケールの大きな話です。今年のクリスマスに、ヴァージングループ会長のリチャード氏が家族と一緒に第1号フライトができることを祈りたいと思います。(高橋モータース@dcp)クラブツーリズム・宇宙旅行のページ
2012年06月02日本年10月に行われる、天文宇宙検定委員会主催の「天文宇宙検定」第2回検定に、入門者向け検定と上級者向け検定が追加される。金環日食、金星太陽面通過、星出宇宙飛行士が乗り込んだソユーズ打ち上げなど、宇宙への関心が高まる中、その不思議さにふれ天文宇宙の世界を極めようとする「天文宇宙検定」の第2回検定実施が発表された。昨年開催の第1回検定では、8歳から82歳までの幅広い層で、3,000人弱が受験し話題を集めた。第2回検定からは、これから天文を学んでみようという人、小学校高学年の人を対象とする「4級星博士ジュニア」と、2級合格者のみを対象とする最上位検定「1級天文宇宙博士」を新たに設定。検定会場は昨年の東京、大阪に加え名古屋が追加された。合格者へは、漫画家・松本零士氏のイラスト入り合格認定証がプレゼントされるほか、各級の成績優秀者には協賛のセガトイズ、ビクセンから提供された各種賞品が抽選で当たる。申込締め切り日は9月5日(水)。受験料は4級4,000円、3級4,500円、2級5,500円、1級6,000円(すべて税込み)。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年05月15日累計800万部を超える人気漫画を映画化した『宇宙兄弟』がまもなく公開となる。宇宙飛行士選抜試験に臨む主人公・南波六太(ムッタ/小栗旬)のライバルであり、親友となるケンジを演じたのは、名だたる演出家の舞台で強い存在感を放つ“ミュージカル界のプリンス”井上芳雄。インタビューで4度目となる映画出演への思いを語った。ケンジは爽やかで、リーダーシップのある好青年。森義隆監督からは撮影前に「そのままでいてくれればいい」と言われたそうだが、この言葉に撮影を通じて苦しめられることになったという。「舞台の人間なので“何もしない”という演技をやったことがないんです。『演技しないで』と言われて20回近くやり直したシーンもあったし、OKが出ても何がOKだったのか分からない(苦笑)。演じてて『役を掴んだ』という感覚は全くなくて、完成作を観て初めて『あ、ケンジになってる』って思えた。それは映像ならではの感覚だと改めて思いました」と明かす。小栗とは蜷川幸雄演出の舞台『ハムレット』(’03)以来の共演となる。当時は楽屋も同じだったという小栗に対し、「この9年でいろんな経験をして、それが小栗旬という人間に全て生かされてるんだなということを感じましたね。一方で『この映画で芝居に対してやっと楽になったところがある』と自分の思いを赤裸々に語ってくれたり、芝居への真摯な姿勢や熱さは全く変わってなかった」と惜しみない称賛をおくる。劇中、良きライバルとして選抜を兼ねた訓練を受けるムッタとケンジの姿は小栗と井上の関係とも重なるのでは? そんな問いに「小栗くんは9年前の時点で人気俳優だったし、その後も次々と大きな作品で活躍してる。そんな風に見たことはないですよ」と微笑むが、宇宙飛行士候補者たちが月面基地を模した閉鎖空間で生活するシーンに関しては、芝居作りと重なる部分を感じたようだ。「オーディションを経て選ばれて、『この人どういう芝居するのかな?』とか『僕はどう応えられるのか?』なんて考えながら周りを窺ってる気持ちは同じですよね。オーディションのときの心理? これだけの人の中でまず受かるなんてないだろうって絶望的な気持ちですよ(笑)」。決して映像作品への出演が多いとは言えない井上だが、舞台とはタイプの違う演技の経験が「確実に俳優としての糧となっている」と断言する。「舞台では考えないようなことを考えさせられますね。足し算ではなく引き算でどう見せるか? 映画の場で芝居をより繊細に考えてる自分がいるなと思います。何度やっても慣れないで常に緊張するし、できない自分が本当に嫌になるけど、お話をいただくと断る気になれない。マゾなんですね(笑)。そういう新人のような気持ちで臨める場をありがたく思ってます」。『宇宙兄弟』5月5日(土)より全国ロードショー取材・文・写真:黒豆 直樹
2012年04月27日日本科学未来館(館長:毛利衛)は、ゴールデンウィーク期間中、25年ぶりに日本で観測できる金環日食に関するワークショップや、宇宙飛行士の目線で宇宙を体感できる大型映像の上映など、さまざまなイベントを開催する。オーロラや放電閃光現象のスプライトなど、国際宇宙ステーション滞在中に古川聡宇宙飛行士がカメラにおさめた、地球と宇宙の間で起こる不思議な現象を紹介するNHKスペシャル「宇宙の渚」の、未公開部分を含む貴重な映像を15mの巨大スクリーンで上映する。超高感度で撮影された臨場感溢れる映像は、まるで「宇宙の渚」に立っているような感覚。■開催日時:4月25日~5月28日 10:00~17:00■開催場所:1階企画展示ゾーンb■入場料:無料日食がおこる原理や皆既日食と金環日食の違いなどを楽しく学ぶミニトークと、金環日食を観測するための投影機を作る簡単なワークショップを開催。「サイエンス・ミニトーク 『5月21日 金環日食をみよう!』」■開催日時:4月29日~5月20日 11:45~12:00、もしくは13:45~14:00のいずれかの時間■開催場所:5階 「世界をさぐる」 フロンティアラボ■参加費:入館料のみ(大人600円、18歳以下200円)ワークショップ 「日食投影機をつくろう!」■開催日時:5月5日、6日 13:00~13:30、15:00~15:30■開催場所:3階 実験工房■参加費:入館料のみ(大人600円、18歳以下200円)■定員:40名■対象:幼稚園以上すべてのものごとに潜むさまざまな「終わり」に正面から向き合う企画展。本展では、特別企画として、「Toshi Yoroizuka」のオーナーシェフ・鎧塚俊彦氏が「世界の終わり」をテーマに制作したオリジナルスイーツを5月の土日と祝日に、1日50個限定で販売する。■価格:630円(税込)■販売個数:1日50個限定■販売場所:5階 Miraikan Café■販売日:5月の土日祝日の10日間 (5/3、5/4、5/5、5/6、5/12、5/13、5/19、5/20、5/26、5/27)【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年04月17日小栗旬、岡田将生ダブル主演の映画『宇宙兄弟』に、宇宙飛行士の野口聡一氏とバズ・オルドリン氏が出演することが発表された。その他の写真本作は、週刊誌『モーニング』に連載中で、小学館漫画賞と講談社漫画賞を同年にダブル受賞し、累計700万部を発行したベストセラーコミックを実写化したもの。会社をクビになり無職になった兄・ムッタ(小栗)と宇宙飛行士になった弟・ヒビト(岡田)が、幼い頃に交わした約束を思い出し、共に宇宙を目指す姿を描く。“本物”を追求するべく、日本映画としては異例のNASAケネディ宇宙センターでの大型ロケを敢行した本作。その姿勢はキャスティングにまで及び、実際に宇宙へ飛び立った経験のある野口氏とオルドリン氏を起用した。野口氏は、2005年に日本人として初めてISS(国際宇宙ステーション)で船外活動を行った実績を持っており、回想シーンでは、ブルースーツに身を包み、彼に憧れる幼いムッタとヒビトの肩を抱く本人役を演じている。オルドリン氏は、『トイ・ストーリー』の人気キャラクターであるバズ・ライトイヤーの名前の由来となった、伝説的な宇宙飛行士。1969年アポロ11号の乗組員としてニール・アームストロング船長と共に月面を踏み、あの有名な足跡を残して星条旗を立てたことで知られている。そんな、アメリカの国民的ヒーローの映画出演を実現させたのは、「あのでかいロケットを打ち上げる動力は、“人間の魂”だ」というセリフを、実際に月に立った男に言わせたいというスタッフの強い思いがあったからだという。1年にわたる粘り強い交渉を受け、オルドリン氏は脚本を読んだ上で快諾。幼い頃からの夢を実現させたヒビトの打ち上げを複雑な気持ちで見つめるムッタに、宇宙にかける人間たちの夢と想いを語るという、重要な役どころを演じている。そんな彼は、森義隆監督を「俳優には出ないリアリティと言葉の説得力がある」と言わしめるくらい見事な演技力を見せたとのこと。実際に宇宙飛行を体験した彼らだからこそ表現できる、リアリティのある演技に注目したい。『宇宙兄弟』5月5日(土)より全国ロードショー
2012年03月22日東北銀行は12日、震災復興支援の一環として、住宅再建を支援する復興支援住宅ローン「未来飛行」を発売した。販売期間は31日まで。同商品の対象は罹災証明書保有者で、被災後も残っている住宅ローンをまとめることも可能。融資利率は、変動金利方式と固定金利方式の2種類から選択でき、各種公共料金、東北JCBカード、給与振込、年金振込の中から3件以上契約した場合はキャンペーン金利から年0.1%引き下げる。保証料はない。利用するには、借入時年齢が満20歳以上満71歳未満で、81歳まで(満82歳)に完済できること、前年度の税込年収が150万円以上、勤続年数6カ月以上または営業年数3年以上であること、同行が指定する団体信用生命保険への加入、そのほか同行所定の条件を満たすことが条件となる。なお、三大疾病保障特約付団体信用生命保険の利用者は、借入年齢が満20歳以上51歳未満で、75歳まで(満76歳未満)に完済できることが求められる。融資金額は、50万円以上5,000万円以内(10万円単位)、融資期間は、1年以上35年以内(1年単位、据置期間1年以内を含む)。返済方法は、毎月元利均等分割返済で、融資金額の50%を上限として6カ月ごとの増額返済ができる。保証人は法定相続人1名以上、ただし、連帯債務者の場合は原則不要。取扱手数料は、融資額1,000万円未満では5万2,500円、同1,000万円以上では10万5,000円。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年03月13日今夏に公開され、大ヒットを記録したアクション大作『トランスフォーマーダークサイド・ムーン』のブルーレイとDVDが12月16日(金)にリリースされるのを前に、本編映像の一部が公開された。本編映像の一部はこちらから『トランスフォーマー』は、謎の金属生命体“トランスフォーマー”の戦いを描いた作品。第3作目では、これまで人間がひた隠しにしてきた人間とトランスフォーマーたちの間にある“秘密”や、人間が月の裏側(ダークサイド・ムーン)であるものを発見したことにより招いた人類最大の危機を描いている。このほど公開されたのは、善なるトランスフォーマー“オートボット”の司令官オプティマスプライムが、アメリカ航空宇宙局(NASA)の宇宙飛行士だったバズ・オルドリンと対面するシーン。ふたりは、人類の命運を左右する“月で発見されたあるもの”について語り合う重要な場面だが、本映像では、人間たちが月の裏側で何を発見したのかは明らかにされない。ちなみに、オルドリン役は、実際に月面に降り立ったエドウィン・オルドリン(通称バズ・オルドリン)氏本人で、実在の宇宙飛行士と金属生命体が会話を交わす興味深い映像に仕上がっている。本作は、シリーズ前2作を上回るスケールとクオリティで次々にバトルが展開され、世界を代表する映像工房であるILMとデジタル・ドメインが総力を挙げ、多数のデジタル・ショットを仕上げたが、一方で、人間と金属生命体の間に生まれる確執や、金属生命体たちの間の裏切り、そして地球の危機に立ち向かう人間たちのドラマなどもふんだんに描かれており、アクションだけでなく物語も楽しめる作品に仕上がっている。『トランスフォーマーダークサイド・ムーン』ブルーレイ&DVD セット(2枚組) 4935円(税込)セルDVD4179円(税込)12月16日(金)リリース※2012年2月17日(金)、3Dブルーレイ発売発売元:パラマウント ジャパン(C)2011 PARAMOUNT PICTURES. All Rights Reserved. HASBRO, TRANSFORMERS and all related characters are trademarks of Hasbro.(C)2011 Hasbro. All Rights Reserved. TM, (R) & Copyright (C) 2011 by Paramount Pictures. All Rights Reserved.
2011年11月24日宇宙探査機“はやぶさ”の偉業に迫った感動作『はやぶさ/HAYABUSA』が、10月1日(土)から公開になるのを前に、地球から約400km上空の国際宇宙ステーション日本実験棟「きぼう」(以下、<きぼう>)で世界初の試みとなる宇宙試写会を実施。試写会の様子と古川氏のコメントの映像が届いた。その他の写真本作を鑑賞した宇宙飛行士の古川聡氏は、「堤監督の演出でさまざまなものがリアルに再現されていたのには、とても驚きました。私が宇宙で仕事をすることを目指して12年間訓練を続けていた同時期に、はやぶさも7年間かけて目的をやり遂げたことはとても勇気づけられました。私が目指していた国際宇宙ステーションで、そのはやぶさの映画を観られたことをとても感慨深く思います」とコメント。また、「はやぶさプロジェクトではひとりひとりがそれぞれにできることを行い、日本中の企業が力を合わせて困難を乗り越えてきました。いま東日本大震災のあとの被災地では、多くの方が困難とたたかっておられます。私はいまこそ、このはやぶさ精神を世界に見せるときなのではないかと思います。被災地のみなさんとともに、一緒に頑張りましょう!」と語った。本作は、宇宙探査機“はやぶさ”の偉業に迫る感動の一本。竹内結子をヒロインに、女性研究者の視点を通して、宇宙科学研究所の面々の7年間にわたる奮闘を追いかける。『20世紀少年』の堤幸彦監督が、実在の人物たちをモデルに、ユニークな熱気で実話を再現している。『はやぶさ/HAYABUSA』10月1日(土)より全国ロードショー
2011年09月28日昨年12月に「宇宙戦艦ヤマト」シリーズの最新作である「SPACE BATTLESHIP ヤマト」が劇場公開され話題になりましたが、その原作者である松本零士先生がデザインした「ヒミコ」という水上バスが東京の浅草やお台場を運行しているのをご存じでしょうか?しかも、その水上バスは「銀河鉄道999」のキャラクターたちが船内アナウンスをしてくれるというものなのです!私は「銀河鉄道999」が放映された、だいぶ後の世代ではありますがミーハー心がうずうずしてきます。浅草といえば東京スカイツリーも見えるはずだし、行くなら今!と思い、女友達と3人で浅草~お台場観光に行ってきました!■いよいよ出港!浅草で「人形焼」や「あげまんじゅう」をたらふく堪能したあとで、いよいよ水上バスに乗り込みます!乗り場からはアサヒビールタワーやスカイツリーが見えるので、一緒に記念撮影をパチリ。乗船口の方へ通されると、すでに行列が!あ、あの未来的なデザインの船が「ヒミコ」か!と感動。船内は外観に比べ意外とシンプルですが、星野鉄郎、メーテル、車掌さんのパネルが船の前方に置かれていて特別感を盛り上げてくれます。そしていよいよ出港!車掌さんによる船内アナウンスが聞こえてきました。それから、鉄郎やメーテルの声も続々……。水上バスから見える、周辺の案内をしてくれます。セリフはアニメからの使い回しではなく、オリジナルの音声。マニアには垂ぜんモノ、大興奮に違いありません。私も、声優さんの声を聞いて「おぉ~!」と思わず感嘆の声が漏れました。■高層ビルや東京タワーを眺めながらのクルーズ隅田川を下るコースで、普段見ることのできない角度から橋を眺めることができ、次々と現れる高層ビルは圧巻!築地市場や東京タワーもばっちり見えます。このクルージングでは隅田川にかかる12の橋と、総武線の鉄橋、東京港に出てからレインボーブリッジ、と全部で14もの橋をくぐります。そしてお台場フジテレビの大きな球体が見えると、ゴールはすぐそこ。約50分の船旅は、新しい角度からの東京の再発見でした。隅田川を見ることはあっても、隅田川から東京の街並みを見る機会はなかなかないですしね。ちなみに「ヒミコ」という名前の由来は、外国人観光客も多く乗る船だから、分かりやすい名前が良いだろうと言うことで、日本最古の女王様である卑弥呼から名付けたのだとか。日本人のみならず、世界中から愛されるようにという願いも込められているのかもしれません。【Information】東京都台東区花川戸1-1-1(浅草乗船場)<問合せ先>フリーダイヤル:0120-977311(9:30~17:30)浅草発―お台場海浜公園経由、豊洲行き10:10(お台場海浜公園止まり)、13:20、15:20料金=浅草―お台場海浜公園は大人1,520円ほか。※休日は混雑が予想されます。また、季節や天候によって運行に変動がありますので、詳しくはウェブサイトをご確認いただくか、フリーダイヤルで確認してからお出かけください。東京都観光汽船ウェブサイト栗本千尋+プレスラボ)【関連リンク】【コラム】「東京スカイツリー」完成前から盛り上がる地元のオモシログッズ【コラム】ベトナムの「メコンデルタ」の川下り体験記【コラム】コブスくんと行く浜松ぶらり旅
2011年01月09日