日本女子プロ将棋協会(LPSA)は、8月21日に「マイナビ杯第16回小学生・第14回中学生女子将棋名人戦」全国大会を開催します。全国大会はネット中継!今年は2年ぶりに地区予選大会を開催「マイナビ杯小学生・中学生女子将棋名人戦」は、小学生女子・中学生女子の将棋ナンバー1を決める大会。今回は5月28日から、2年ぶりに地区予選大会が全国各地で開催されています。7月30日には、居住地に関係なく参加できる「オンライン大会」を開催します。8月21日の全国大会には、各地区代表クラスの優勝者、関東大会の準優勝者、オンライン大会の優勝者が集結。ナンバー1の座を争います。過去の出場者からは、多数の女流プロ棋士やマイナビチャレンジマッチ活躍者が誕生。大会をきっかけに、本格的にプロを目指している将棋女子も多くなっています。全国大会は全局ネット中継。プロ棋戦同様の環境で対局でき、棋譜も配信されます。(フォルサ)
2022年07月19日1901年に創業し、世界各国のレースや刺繍を使った、オリジナルアイテムを企画・販売している、近沢レース店(@chikazawa_lace)。美しく繊細でありながら、実用にも耐えうるレースをあしらった、さまざまなアイテムが人気です。2022年4月に発売後、わずか数分で完売したという、レースハンカチは『あるゲーム』がモチーフ。その斬新すぎるデザインは、販売前から「すごすぎる…」と、ネット上で話題となっていました。一体どのようなデザインなのでしょうか…こちらの画像をご確認ください!⏰発売まであと少し‼️発売以前からSNSで話題となった"将棋"ハンカチが待望のお目見え盤上の頭脳戦、将棋をレースハンカチで表現しました。将棋好きに人気の駒「銀」と「歩」で作ったレースがポイントオンラインショップでは4/16(土)10:00〜発売開始⏰ pic.twitter.com/gXIrbul7g6 — 近沢レース店 (@chikazawa_lace) April 14, 2022 デザインのモチーフは、幅広い世代の人から愛される、盤上の頭脳ゲーム『将棋』!駒や盤面など細部に至るまで、とことんこだわり、忠実に表現されています。盤面を囲むレースの駒は、将棋通の心をくすぐる『銀将』と『歩兵』を採用。その内側には、よく見ると将棋用語の『OUTE』と『王手』という、2つの小さな文字が縁取りされています。近沢レース店では、10年ほど前から、毎月新作を数量限定で発売する『シーズンタオルハンカチ』の製作をスタート!周囲の人が「それは何?」と、つい聞きたくなる、コミュニケーションツールとなるようなハンカチを目指して『シーズンタオルハンカチ』を製作しているそうです。ユーモアあふれる『将棋ハンカチ』について、近沢レース店のグラフィックデザイナーである大石さんに、話をうかがいました。――将棋のデザインでハンカチを作ろうと思ったキッカケは?将棋のハンカチは『シーズンタオルハンカチ』の1つとして販売しました。「将棋人気が高まっている今、このようなハンカチを作ったら、将棋好きな人が喜んでくれるのではないか」と、弊社のレースデザイナーが考え、発案したものです。――ハンカチの中で、一番の『こだわりポイント』はどこか?レースにする駒の種類を、マニアの中で人気が高い『銀将』と『歩兵』にしたことです。持っていたら縁起がよさそうな『OUTE(王手)』の文字も、将棋盤を囲むようにレースで表現していることもポイントですね。また、実際に将棋の試合でも使えるように、タオルのステッチで、将棋盤と同じ盤上を再現しました。実用に耐えられる強度にするため『銀将』と『銀将』の間に『歩兵』を斜めに配置し、駒同士が接する部分を縫い付けています。――駒のデザインに『銀将』と『歩兵』の2種類を選んだ理由は?インターネットで調べたり、将棋が趣味の人に「好きな駒は?」と、聞いてみたりしたのです。調査をする中で『銀将』と『歩兵』が、駒のマニアから人気が高いと感じ、レースにしました。――アイディアが出てから商品開発に至るまで、どのくらいの期間がかかったか?開発期間は約10か月です。駒の文字表現、ステッチの入れ方や密度で見え方が変わるので、デザイナーが何度も修正を繰り返しました。デザイナーの技が光る『将棋ハンカチ』に対して、Twitter上では「デザインが細かくて、本当にすごい」「数ある駒の中で『銀将』と『歩兵』を採用したことに、センスを感じる」などのコメントが集まっています。カバンやポケットから取り出した時、気分がパッと明るくなるような、楽しいアイテム!こんなにユニークで素敵なハンカチを持っている人がいたら、思わず声をかけたくなりますよね。2022年5月現在、すでに商品は完売しており、夏頃に再販を予定しているとのこと。詳しい販売状況については、近沢レース店のウェブサイトやSNSアカウントを、確認してください。2022年秋冬の『シーズンタオルハンカチ』を公開!近沢レース店では、新作となる2022年秋冬の『シーズンタオルハンカチ』を、ウェブサイトにて公開中。デザインは全部で12種類!『将棋ハンカチ』と同様、どれもユーモアあふれる素敵なデザインです。直営店舗では、新作のハンカチをまとめて予約できる『頒布会』を、2022年5月23日まで実施しています。気になる人は、近沢レース店のウェブサイトを確認してみてください。近沢レース店[文・構成/grape編集部]
2022年05月20日株式会社マイナビ出版(本社:東京都千代田区)は、2022年3月23日に発売した書籍『すごすぎる将棋の世界』を、2022年4月25日に重版します。発売直後から多くの反響をいただき、発売後約2週間で重版決定となりました。表紙本書では、「観る将」のトップランナーとして活躍しているサバンナの高橋茂雄さんが、将棋の魅力を熱く語ります。執筆する上で高橋さんが重視したのは「ストーリー」。対戦結果だけを見ても将棋の面白さはわかりませんが、その一局に至るまでに両対局者が歩んできた道を知ることで、将棋の魅力をより深く味わうことができます。棋士のすごさ、注目の棋士、将棋史に残るエピソード、AI対棋士、「しょうぎ飯」など、あらゆる角度から将棋を楽しむための話が満載です。また、巻末には本書のために実現した、渡辺明名人との将棋対談を収録しています。プロ棋士について、名人の趣味であるぬいぐるみについて、AIを使った研究について―。将棋ファン必見の内容です。将棋をより広く、より深く、楽しむための一冊です。<目次>第1章 棋士ってすごい!第2章 ボクが注目している棋士の先生たち第3章 歴代の棋士の戦いがすごい第4章 棋士vsAI電王戦がすごい第5章 高橋茂雄流将棋の楽しみ方将棋対談 渡辺明名人×サバンナ高橋茂雄<サンプルページ>サンプルページ1サンプルページ2サンプルページ3■書籍情報書名:すごすぎる将棋の世界定価:本体1,540円+税販売:株式会社マイナビ出版判型:四六判 192ページISBN:978-4-8399-7746-7■購入リンク「将棋情報局」商品ページ 詳細はこちら プレスリリース提供元:@Press
2022年04月25日サバンナ高橋茂雄お笑いコンビ・サバンナの高橋茂雄が、4月から地上波唯一となる将棋番組『将棋フォーカス』(NHKEテレ)の新MCに起用された。「高橋さんは“藤井聡太ブームからハマった”と公言しており、ファン歴はまだ2年ほど。しかし受験生ぐらい勉強したと本人が語るなど研究熱心です。その圧倒的な知識量と愛情で、3月には関連本を出版。将棋関係者からも一目置かれる、芸能界を代表する将棋ファンになっています」(スポーツ紙記者)実はここ最近、高橋はテレビ業界で“隠れブレイク芸人”として、スケジュールの争奪戦になっているという。「レギュラーはネット番組を含めて10本。テレ朝系の『関ジャム完全燃SHOW』などにも定期的にゲスト出演しているので、スケジュールがなかなか取れないタレントの1人です」(制作会社関係者)彼を起用したことのあるテレビ局関係者は「ギャラのわりに使い勝手がいい」と絶賛する。「数年前にお願いしたときは、サブMCとしては相場よりもリーズナブルなギャラでした。お笑い色の強い番組であればきちんと笑いを取ってくれるし、文化人や一般の方と絡む番組であれば、サブMCに徹して“裏回し”をしてくれる。その場の空気を読んでバランスを取るのがうまいので、どんな番組でも安心して起用できますね」高橋にオファーが殺到している背景には、趣味をすべて仕事につなげる“プレゼン力”の高さも関係している。本気で取り組むからこそ熱意が伝わる「『アメトーーク!』では『サウナ芸人』や『ドラえもん芸人』などに出演していますが、“(サウナは)3回入った後の汗こそ、真実の汗”と熱弁するなど、キャッチーな言葉で初心者にもわかりやすく伝えられるのが強みですね。その後に冠のサウナ番組を持ったり、『ドラえもん』の映画でゲスト声優を務めています。立命館大学卒の高学歴とあり、芸人のなかでもトップクラスのプレゼン能力ですね」(放送作家)エンタメ事情に詳しい、フリーライターの大塚ナギサさんは「行動力」も評価する。「YouTubeチャンネルでは、別荘の庭にサウナを建てる様子を紹介。業界の人と交流を深めながらサウナを建てたり、オリジナルブランドを立ち上げるなど、やりたいことを実現させる行動力があります。好きなことには本気で取り組むからこそ周囲にも誠実さや熱意が伝わり、仕事にもつながっているのではないでしょうか」麒麟・川島明やアンガールズ・田中卓志に続く、“40代司会者”の筆頭との声も。「川島さん司会のTBS系『ラヴィット!』が若い世代を中心に支持を集めていることもあり、安定感もフレッシュ感もある40代のMC候補を各局探しているところ。将棋番組の評価次第では、民放でもメインMCに起用される機会が増えそうです」(前出・放送作家)大ブレイクに“王手”をかけた高橋。今年は彼を見る機会がますます増えそう!
2022年04月10日藤井聡太竜王(王位、叡王、棋聖)「11月21日に千葉の『幕張メッセ』で行われた、将棋日本シリーズJTプロ公式戦の決勝では、藤井クンが負けましたが、それでも彼の一挙手一投足には、日本中が注目しています」(ワイドショースタッフ)2016年に、史上最年少の14歳2か月で将棋の四段に昇段してプロ入りし、“中学生棋士”として話題になってから5年。藤井聡太がまたも大記録を打ち立てた。「2020年に初タイトルの『棋聖』を獲得し、すぐに『王位』も奪取。今年はこの2つのタイトルを防衛したうえで『叡王』になって三冠達成。続いて行われた『竜王』も獲得して、ついに四冠になりました。もちろん史上最年少記録です。『王将』戦の挑戦者決定リーグで5連勝して挑戦権を獲得しましたから、今年度内に五冠となる可能性も出てきました」(将棋ライター)『竜王』戦は七番勝負で戦ったが、藤井は4連勝してストレート奪取。いくら天才と呼ばれる棋士でも、さすがにこの結果は驚きだった。「相手は将棋界四強の1人とされる豊島将之竜王。しかも、藤井さんが唯一苦手にしている棋士と言われていたんです。なにしろ、初対局から6連敗していましたからね。それが、今年は王位戦で挑戦されるも4勝1敗で退け、『叡王』戦は逆に挑戦者となって3勝2敗で獲得。『竜王』戦の4連勝で、今年の通算成績は藤井さんが勝ち越し、立場が逆転しました」(前出・将棋ライター)■“第5戦”が幻となった倉敷市藤井の快挙を喜びながらも、複雑な思いを抱く人々も。「タイトル戦は、日本全国の観光地で行われることが多いんです。藤井さんが『竜王』を獲得した第4戦は山口県の宇部市でした。第5戦は岡山県倉敷市ということになっていたんですが、勝負が決まってしまったので、キャンセルになったんです。鹿児島県指宿市の第6局、山梨県甲府市の第7局も中止になりましたが、どちらもタイトル戦の常連なのでさほどダメージはありません。でも、倉敷は初めてでしたからショックが大きかったでしょう」(スポーツ紙記者)舞台となるはずだったのは、“良寛さん修行の寺”として知られる『円通寺』。住職は万全の準備をしていたという。「もしかしたら、こういうことがあるかと言われてはいました。藤井さんが勢いあるなとは思っていたのですが、まさか4連勝するなんて……。檀家さんが半年前からピカピカになるくらい一生懸命、掃除をしていたんですよ。仕方ないのですが……。対局者の2人が写ったポスターもできとったんですが、そろそろ剥がさないといかんですね。“幻のポスター”は永久保存版です (苦笑)。関連事業の『高校生将棋大会』決勝の会場が11月28日、こちらに決まりました」(円通寺の住職)倉敷市では以前からタイトル戦誘致を働きかけていた。「3年前から動いていたので、ショックですね。うちは初めてだから、第4局になると聞いていたのですが、結果は第5局。将棋連盟さんが決めることですから、仕方ないです。やるからには街をあげて地元をアピールするべきと思い、青年会議所や市に協力をいただいていました。観光誘致のいいきっかけになればいいなと思ったんです」(倉敷市玉島の倉敷西ライオンズクラブ大会誘致担当者)4000枚刷っていたチラシは無駄に。ポスターや記念グッズなどで、300万円近い経費がかかっていたという。「前夜祭が行われるはずだった11月25日に、『藤井聡太・竜王誕生を祝う会』を開催することになりました。藤井さんに来ていただいて、報道もしていただけると思います。来年は再挑戦したいですね。ただし、“第4局より前に限る”という条件付きで(笑)」(前出・担当者)来年も藤井竜王が4連勝すると、第5局以降の開催を引き受けてくれるところがなくなってしまうかも!
2021年11月24日2021年11月13日、将棋の藤井聡太三冠(王位、叡王、棋聖)が、第34期竜王戦七番勝負の第4局で豊島将之竜王を下し、竜王奪取に成功しました。4つのタイトルを同時に保持する四冠の誕生は28年ぶり。また、19歳3か月での達成は史上最年少となり、羽生善治九段が1993年7月に記録した22歳9か月を大幅に更新しました。今回の偉業達成に、将棋ファンのみならず日本中から歓声が上がっています。・どこまでいくのやら…!すごい!・令和の天才棋士。映画化待ったなし。・見ているだけで、ワクワクする。将棋界の若きエースの快進撃は、これからも続いていくのでしょう![文・構成/grape編集部]
2021年11月13日藤井聡太二冠“最年少プロ入り”“デビューから29連勝”“史上初10代で九段昇段”……将棋界の数々の記録と常識を塗り替え続けている天才棋士・藤井聡太くん、いや、二冠。「昨年は賞金と対局料だけで4554万円を稼ぎ出してランキング4位に。CM契約もありますから、実際は1億円近い収入があるはず。名実ともにトップ棋士のひとりになりました」(将棋ライター)その藤井二冠に、また勲章が加わるかもしれない。「今、藤井先生は将棋界8大タイトルのひとつ、叡王戦に挑戦中なんですが、これにも“史上最年少”記録がかかっています。叡王をとると現在持っている王位、棋聖のタイトルと合わせて三冠を達成するわけですが、19歳で達成すれば、あの“元祖天才”羽生善治先生の“22歳で三冠”という記録を3年も早めることに」(全国紙記者)■謎解きのサインがファンの間で話題にその叡王位をかけた“五番勝負”は現在2勝2敗。9月13日に行われる最終戦で、豊島将之竜王を退ければ晴れて“史上最年少三冠”となる。「……のですが、この豊島先生が藤井先生の“天敵”で。藤井先生が唯一、去年まで負け越しどころか6連敗して一度も勝てていなかった相手なんです。文字どおり大一番ですね」(同・全国紙記者)そんな藤井二冠が、行く先々で残しているちょっとした“謎解き”がファンの間で話題になっている。「“謎解き”というのは、藤井先生のサインなんです」(前出・将棋ライター)ただのサインではない。「藤井先生は訪れたお店やファンからサインを頼まれると、自作の“詰将棋”を色紙に書くことがたまにあるんです。ふたつと同じ出題はないそうで、ファンの中には、このサインの飾ってある場所を片っ端から回って“謎解きツアー”をする人までいると聞きました」(同・将棋ライター)■行きつけに飾られてある“27手詰め”“詰将棋”とは、配置された駒と手持ちの駒を使って、指定された手数で相手の“王将”を手詰まりさせる─将棋のルールを用いたクイズ、あるいはパズルのことだ。この藤井二冠のサイン、いずれも超難問で、腕に覚えのある将棋ファンでも容易に解けないのだとか。中でも、愛知県名古屋市内にある藤井二冠行きつけのラーメン店『陣屋』に飾られているサインが最難問ともっぱら。おかみさんの川浦節子さんによると、初めて店を訪れた際に残していったものだそう。「中学2年生で四段になったころね。そのとき、NHKが藤井くんを密着取材していてね。NHKの人が彼を指して“きっと有名になるから、サインをもらっておいたほうがいいですよ”って言ってね。その場でチャチャッと20秒くらいで書いてくれた“27手詰”の詰将棋がコレ」27手ものパズルを、たった20秒で作ったの!?「日本でいちばん難しいと思うわよ。愛知県知事にも同じサインを渡したそうなんだけど、それは“21手詰”だから(笑)」(川浦さん、以下同)いまも、全国からひっきりなしに挑戦者が訪れるという。「みなさん、腕組みして考えるんだけど解けない。ラーメンのびちゃうわよね(笑)」ちなみに正解は?「それがね、誰も答えがわからないのよ」そんな……気になるぅ。
2021年09月10日「将棋に興味を持ったきっかけは、奨励会の存在を知ったことです」芦沢央さんの『神の悪手』は将棋をモチーフにしたミステリー集だ。奨励会とはプロ棋士の養成機関。入るだけでも狭き門だが、そこからプロになれるのはごくわずか。しかも原則満26歳までの年齢制限もある。夢を見ることのダークサイドと夢だけが与えてくれる一筋の希望と。「“夢”はポジティブに語られることが多いけれど、夢に食い潰されるという恐ろしさもあるのではないかと。私の『書く動機』の核に、怖いものを見つめたい、恐ろしいものの正体を知りたいというのがあるんですよね(笑)。余計に惹かれました」書くと決めてから将棋教室に通い、棋書を読み、詰め将棋にも熱中した。それまでは駒の動かし方さえ知らなかった、と言うから恐れ入る。「せっかく将棋の小説を書くなら、勝負の世界であればスポーツとかに置き換えても成立する話にはしたくなかったんですね。あるとき『同じ棋譜はふたつとない』という特性を活かしたトリックが浮かんで、依頼されてもいないうちに表題作を書き上げてしまった。こんな体験は、作家生活10年で初めてです」各編とも棋士や将棋世界と関わる人々が主役。そこにミステリーとしての面白さや、社会とリンクするテーマが内包されている。たとえば、被災地の避難所に将棋指導に行ったプロ棋士が、将来有望な子どもと触れ合ったことで胸の痛む問題が浮かび上がる「弱い者」には、フェミニズム小説の匂いもある。「将棋界でも、女性の地位などジェンダー問題を感じますね」また、「ミイラ」の謎の始まりは、編集部に投稿された不可解な創作詰め将棋。たどっていくうちに、少年が味わった孤独が見えてくる。読者からの反響も大きかった一作だとか。「詰め将棋は、答えがわかった瞬間に、作者は盤の中にどんな伏線を張り、どんな意図を持ってその世界を構築したのかが迫ってきます。そこが、ミステリーの作者と読者の関係に似ているなと思ったんです。作中でやりとりをする作者とそれを添削する〈検討者〉は、一度も顔を合わせてはいない。なのに生まれる濃密なコミュニケーションにドラマがあるのが面白い」取材のために始めた将棋の勉強。「でも知れば知るほど深いし、自分の経験とシンクロするような。この題材でまだまだ書いてみたいです」あしざわ・よう作家。1984年、東京都生まれ。2012年、『罪の余白』で野性時代フロンティア文学賞に輝き、デビュー。『火のないところに煙は』『汚れた手をそこで拭かない』など話題作を次々と発表している。『神の悪手』どんでん返し、犯人視点で描く倒叙ミステリー、予想を覆す叙述トリック…。収録された5編はすべて、語りも仕掛けも機知に富んでいる。新潮社1760円※『anan』2021年7月28日号より。写真・土佐麻理子(芦沢さん)中島慶子(本)インタビュー、文・三浦天紗子(by anan編集部)
2021年07月27日将棋の藤井聡太棋聖(王位との二冠)の初防衛戦として注目を集めた、第92期ヒューリック杯棋聖戦五番勝負の第3局が、2021年7月3日に行われました。渡辺明名人(棋王、王将との三冠)の挑戦を、3勝0敗のストレートで退け、藤井棋聖が18歳11か月という史上最年少でのタイトル初防衛を達成。また、タイトルを通算3期獲得したため、史上最年少での九段昇進も同時に決めました。ちなみに、それまで史上最年少での九段昇進記録を持っていたのは、この日の対局を行った渡辺名人の21歳7か月。藤井棋聖は、2年8か月という大幅更新で、九段昇進に花を添えました。対局直後の会見で藤井棋聖が…対局直後に行われた記者会見。ここで、大記録を達成したばかりの藤井棋聖は、別の意味でも周囲を驚かせます。記者から次のような質問をされた藤井棋聖。(藤井)棋聖は、記録であるとか、数字であるとか、段位であるとか。勝負の世界であれば、誰もが追い求めるものに、あまり興味を示されないようにも思えます。それはどうしてなんでしょう。これに対し、藤井棋聖は「はい」と答えた後、考え込むそぶりを見せます。そして、しっかりと言葉をかみしめるように、次のように語りました。藤井棋聖:そうですね。結果ばかりを求めてしまうと、逆にそれが出ない時にモチベーションを維持するのが難しくなってしまうのかな、と思っているので。結果よりも、内容を重視して。そうすることで改善していけるところが新たに見つかると思っているので、それをなんとかモチベーションにしてやっていきたいと思っています。藤井棋聖の将棋に対する姿勢をいい表した言葉。これに対し、ネットには「人生2週目だろ」「18歳の言葉とは思えない」と絶賛の声が寄せられます。「完璧に指せた将棋は一局もない」さらに同記者は質問を続けます。「強くなりたい」と、よくおっしゃっている。そういった思い、また将棋の真理を追い求めていくといった部分をもう少しうかがえますか。すると、さらに深く考え込んだ後、藤井棋聖はゆっくりと自らの思いを語りました。藤井棋聖:これまで公式戦で、200局以上あったかと思うのですが、その中でも完璧に指せたな、という将棋は一局もありません。自分が強くなることで、今まで見たこともないような局面に出会えるのかな、というふうにも思っているので。そうですね。強くなることで、今までと違う景色を見ることができたらな、というふうには思っています。目の前の一局一局は、もちろん大切です。しかし、藤井棋聖は「もっと大切なことがある」と考えているのでしょう。将棋に限らず、ビジネスやスポーツなど、さまざまな分野で成功している人は、思考や信念が常人とは異なるともいわれます。まだ18歳の藤井棋聖。これまで以上の活躍を、多くの人が期待してしまうのも仕方がないように思えますね。記者会見の映像はこちら!会見の様子はYoutubeにノーカットで公開されています。話題になっているシーンは、15分15秒ごろから。興味のある方は、ぜひこちらもご覧ください。[文・構成/grape編集部]
2021年07月04日『ひふみん』の愛称で親しまれる将棋界のレジェンド・加藤一二三さん。14歳で当時の史上最年少棋士となり、現役棋士の史上最年長記録などさまざまな記録を持っています。そんな加藤さんは、Twitterに将棋の楽しさを伝える投稿をしたのですが、ある誤字によって多くの人の笑いを誘う事態となってしまいました。年齢に注目して、投稿した文章をお読みください!5歳で将棋と出逢い、10歳で新聞観戦記と出会いプロになれる事を確信し、14歳の史上最年少で夢の実現に至り、777歳の史上最高齢での現役引退まで闘い抜いた私が断言できる事は『将棋は弱くても強くても誰もが等しく堪能できる知的競技』です。初心者の皆様も、だから、臆する事なく愉んでくださいね— 加藤一二三@音声サービスNow Voice一日一話更新中 (@hifumikato) May 24, 2021 「777歳の史上最高齢での現役引退まで闘い抜いた私が断言できることは…」77歳とつづりたかったところを、『777歳』としてしまっただけに、相当な時代をさかのぼることとなってしまったのです!投稿を読んだ人たちは、笑いをこらえきれなかったようでさまざまなコメントが寄せられていました。・鎌倉幕府のある時代から将棋をされていたとは…。・思わず吹き出して笑ってしまったよ。さすがひふみん。・人類の最高齢記録だ…。言葉に勇気づけられました!・さすがに年齢、盛りすぎですよ!やはり神だったのか…。その後、多くのツッコミを受けて間違いに気づいた加藤さん。「さすがに永く働きすぎ」とかわいい顔文字を添えて、投稿していました。777歳!!?!!流石に永く働きすぎです(((o(*゚▽゚*)o)))たいへん申し訳ありません正確には77歳です(>人<;) — 加藤一二三@音声サービスNow Voice一日一話更新中 (@hifumikato) May 24, 2021 お茶目な加藤さんの投稿は、多くの人に笑顔をもたらしてくれたでしょう。[文・構成/grape編集部]
2021年05月24日4月8日には橋本さんの話を交え、連れ去りについて議員が国会で問題提起「対局を終えて家に帰ると、妻と息子の姿はありませんでした。そこから、地獄のような日々が始まって……」子どもを連れ去られたその男性は、憤りを隠さない──。■「息子を妻に連れ去られた」と告発日本将棋連盟は4月2日、橋本崇載(たかのり)八段(38)の引退を発表した。引退と同時に彼はユーチューブを通じて、「息子を妻に連れ去られた」と衝撃的な告白をし、物議を醸している。“ハッシー”の愛称で親しまれた橋本さんがプロ入りしたのは2001年、18歳のとき。藤井聡太二冠や羽生善治九段ともしのぎを削ったトップ棋士だった。金髪で対局に臨む姿や解説での痛快なトークが将棋ファンに親しまれ、巷では“将棋界の異端児”と称された。だが、昨年10月から休場が続き、突然の電撃引退と『子ども連れ去られ』騒動。事の経緯を知るべく、橋本さんに話を聞いた。「発端は2019年7月18日のことです。対局を終えて東京から妻と生まれたばかりの息子がいる滋賀県の自宅に帰ったところ、妻が息子を連れて姿を消していたんです」2017年3月に30代前半の女性と結婚した橋本さん。その後、妻は専業主婦となり、2年後の2019年3月に、長男が誕生した。「彼女の実家がある滋賀県に新築のマンションを借りて住んでいました。私も仕事で東京にいるとき以外、可能な限り家で育児に専念していた」妻が産後鬱(うつ)に悩んでいるのも理解していたが……。「DVや浮気など、妻を精神的に追い詰めるようなことはしていません」それがなぜ、突然の連れ去りに発展してしまったのか。■LINEでケンカした翌日に…「連れ去られた前日、私が都内で自転車に乗っていたら、雨で転んでしまったんです。ケガがひどかったので妻に連絡したのですが、“友人と食事中”と言って取り合ってくれなかった。その後、“アホやな、自業自得や”と言われました。それで、LINEでケンカになってしまった」翌日帰ると、自宅には妻と息子の姿はなかった。息子は生後4か月で、首もすわっていない状態だったという。「7月7日には妻の誕生日祝いで、息子を両親に預けてフレンチレストランに行った。連れ去りの直前にも、彼女は息子と一緒に私の対局を見て応援していたはずなのに……」困惑した様子の橋本さん。「車の中のチャイルドシートまで取りはずされていたんです。彼女は犬が好きで2匹飼っていましたが、あっさり置き去りにしていきました」そう言って肩を落とす。その後、妻とは何度か話し合い、“衝動的に決めるのはよくない”と説得したが、暖簾に腕押しだった。■弁護士から“慰謝料を支払え”と文書が「7月31日になって突然、弁護士から“慰謝料を支払え”などと記載された文書を一方的に送りつけられました。2人で話し合っている間に、すでに弁護士と離婚の話を進めていた。絶対に許せません」それから2年間、橋本さんは対等な条件での面会交渉も拒まれ、一度も息子に会えておらず、写真も見ていない。それだけではなく、「妻の両親にはいつでも会いに来れるよう家の合鍵も渡していました。それが、連れ去りの後、夜中に“ガシャン!”という音がして外に出たらポストに鍵が放り込まれていた。彼女の両親は逃げるように車で走り去っていきました」妻は息子を連れて実家に帰ったようで、その後、橋本さんとは会っていない。ほどなくして離婚裁判が始まり、橋本さんは精神的に追い詰められる。「息子が生まれたときに流した涙、毎日入ったお風呂。幸せだった日々は何だったのか。茫然として、まともに将棋も指せなくなりました。街で親子を見かけると、吐き気をもよおすほど。生き地獄ですよ」食欲も失せ、90キロあった体重は70キロまで減少した。「2020年の8月くらいに本格的に頭がおかしくなり、10月にはドクターストップがかかって休場しました」そんな矢先のこと……。■「子どもの連れ去りを違法化します」「2021年1月5日、裁判所から将棋連盟に差し押さえ請求が届きました。“支払いを拒んでいる婚姻費用を支払え”と。連盟から見舞金で毎月24万円をもらっていましたが、半分取られるようになり、家賃も支払えなくなった」同じ時期、橋本さんの代理人でさえ、“(勝ち目がないから)親権は相手方とする”という書面を用意していた絶望的な状況だったが、「自分から諦めてはならないと感じました。息子のために、棋士を辞めてでも死んでも闘う。親権を争いたいと、弁護士に伝えました」現在の法律では子どもを取り戻せないと悟った橋本さん。引退直後から、SNSなどで『子どもの連れ去り問題』について発信を始めた。「想像以上の反響で驚きです。同じ悩みを抱える方からも多くのメッセージが届きました」中には夫に子どもを連れ去られた女性もおり、「夫は浮気相手の女性のもとで子どもと暮らしているようです。裁判所は“一緒に過ごせているから問題ない”と追認している。お腹を痛めて産んだ子を奪われた母親がそんなことされたら、どう思います?精神的リンチですよ」そう憤る。今後の取り組みとして橋本さんは、「問題を世間に訴えて、子どもの連れ去りを違法化します。今の法律では絶対に息子を取り戻せませんから」と意気込む。社会問題となっている連れ去り問題だが、解決はできないのか。弁護士法人グレイスの茂木佑介弁護士によると、「子どもの連れ去りは連れ去った側が有利というのが現状。連れ去りを禁止する明確な法律がないので、違法と判断されることはまれです」としたうえで、「1人で子どもの面倒を見ていた人が、暴力はふるわれていなくても精神的苦痛に耐え切れず、すぐに家を出たいとなったとき、連れ去りを違法にすると、子を置いていくしかなくなります」連れ去られた側の苦痛も甚大。早急な改善が必要だ。
2021年04月14日藤井聡太七段 《タイトルを獲得できた事で将棋に専念したい気持ちが強くなりました。秋に意思を固め、数回学校と話し合いをした上、1月末日付で退学届けを提出いたしました。一層精進していく所存ですので、今後ともよろしくお願い申し上げます》2月16日、将棋の藤井聡太二冠が日本将棋連盟を通じて驚きの報告をした。1月末で高校を自主退学していたというのだ。■あと1か月ほどで卒業できるのに、なぜ退学?「高校3年生ながら、段位は八段。棋聖と王位という2つのタイトルを保持していることで二冠と呼ばれています。日々の対局が多く、学業との両立は難しくなっていました」(将棋ライター)在学していた名古屋大学教育学部附属高等学校も、17日に校長名でコメントを寄せた。《藤井くんは、本校で学んだ生徒であることに変わりはありません。今後とも応援のほどよろしくお願いいたします。私たちもますますの活躍楽しみにしています》あと1か月ほどで卒業という時期なのになぜ、退学しなければならなかったのか。そこにはどうやら“出席日数”というハードルが存在していたようなのだ――。彼が高校3年生に進級した昨年4月、コロナ禍による緊急事態宣言があり、学校は臨時休校になった。6月から授業が再開されたが、同時期にちょうどタイトル戦が始まってしまったのだ。「棋聖戦が行われたのは昨年6月から。7月には王位戦も始まり、全国各地を転戦していました。なかなか学校に行けなかったはずです」(スポーツ紙記者)’20年7月に棋聖、翌月には王位を獲得し二冠、八段昇段を果たす。「藤井くんは、6月と7月で計21局をこなすというハードスケジュールだったと聞いています。授業が再開されてからも、学校で彼を見たという話は聞きませんでしたね」(在校生のひとり)7月16日に棋聖タイトルを獲得したとき、学校の担任らが記者会見を行った。「その時点では、出席日数は足りているという回答でした。ただ、“彼に対して特別扱いはしない”とも話しています。補習などのサポート制度はあるものの、それでも足りなければ留年する可能性があることをほのめかしていました」(前出・スポーツ紙記者)■泊まりがけの対局も「特別扱いはできない」事情タイトル奪取後も対局が途切れず、高校に行く時間がさらに無くなってしまった。「藤井さんは対局の前後は現地に宿泊することが多い。王位戦では福岡や札幌などで対局があり、基本的に日帰りはできません。タイトル戦の当日は欠席扱いにならないと学校は話していましたが、その前後までは認められなかったようです」(同・スポーツ紙記者)一般的な高校では、1年間の3分の1以上欠席すると、進級や卒業が危ぶまれると言われているだけに、今回は出席日数をクリアできなかった可能性が高い。「うちの高校は、進級や卒業が危ない人は、夏休みが終わったころに担任に呼び出されるケースが多いですね。そこで留年の可能性を伝えてまず登校を促して、補習などの提案をされるんです」(名大付属高校の卒業生)将棋連盟を通して彼が出したコメントによると、学校との話し合いを始めたのは昨年秋ごろから。名大付属高校が進級や卒業が危ない生徒と面談をする時期とも一致する。「私立の学校であれば“課外活動の実績”を理由に、多少の融通はきいたかもしれません。でも、国立の学校は藤井さんだからといって特別扱いすることはできない。規定通りに判断せざるを得ませんからね。学校側はなんとか卒業させたかったでしょうが、留年もやむなしという結論になったんだと思います。彼としてももう1回、高校3年生をやり直すのではなく、退学して将棋に邁進する道を選んだのでしょう」(前出・スポーツ紙記者)藤井の退学理由について、学校側に改めて問い合わせたが、「発表した以上のことは、個人情報になりますのでお答えできません」とのことだった。“1日中将棋のことを考えていたい”という藤井にとって、自主退学という選択は、合理的な判断だったのかもしれない。師匠の杉本昌隆八段も、メディアの取材に対してこのようにエールを送る。「もったいない気持ちもしましたけど、卒業という形にとらわれないのが藤井二冠らしい。将棋に専念して、さらに飛躍してほしいです」地元の瀬戸市でも、藤井の決断を支持する声が聞かれた。「もう進路は決まっているのだから、無理して高校に通うことはないと思いますよ」(40代/男性)「よく今まで両立させてきたと思います。これからは将棋のことだけを考えて、どんどん勝ってもらって、8つのタイトルを全部取ってほしいですね」(50代/女性)将棋に専念できる環境を手に入れた藤井がどこまで強くなるのか、今から楽しみだ。
2021年02月23日天才に敗れ棋士になる夢をあきらめた主人公がAI将棋のプログラミングに新たな夢を見出し、かつてのライバルと再戦を果たす青春物語『AWAKE』。この度、棋士VSコンピュータの世紀の対決がいままさに始まろうとしている瞬間を切り取った冒頭映像が解禁された。解禁となった映像は、若葉竜也演じる浅川陸七段が美しい指し手、ロボットアームは精密な動きで、それぞれ王と玉の駒を配置する対比的なシーンから始まる。「まもなく、人間対コンピュータの世紀の対決が始まろうとしています」と、リポーターが話す姿が映るパソコン画面には、“始まるううううううう”、“キタキタキタキター”などのコメントが映し出され、対決を待ちわびる観客の盛り上がりと熱量が感じられる。「コンピュータなんかに人間は負けないから」と棋士の勝利を信じる子どもたち、「いよいよこの日がやってきてしまいました…」と複雑な心境を語る将棋解説者、そして“人工知能が人類を超える日”と大々的に報じるマスコミも。今年は、AIが6億手を読んで導き出した最善手を、18歳の藤井聡太二冠がわずか23分で導き出し「AI超え」と話題になったが、2015年当時はAIの“人類超え”が話題になっていたことが分かる。さらに、かつて互いに切磋琢磨したライバル・清田英一(吉沢亮)と、“棋士VSソフト開発者”として再び相まみえることとなった心境を聞かれた陸は、「(開発者が元ライバルであることは)特に意識はしてません。僕が闘うのは…あくまで彼が作ったコンピュータソフトなので」と冷静沈着に答える。それぞれの思惑が交錯する中、英一の思惑は冒頭では明かされない。一度は棋士の夢をあきらめた英一が、なぜ将棋界に戻ったのか?また、自分の地位が危ぶまれる、コンピュータ将棋との対局を陸はなぜ受けたのか!?この世紀の対決にいたるまでの物語に期待が膨らむ冒頭映像となっている。『AWAKE』は12月25日(金)より新宿武蔵野館ほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:AWAKE 2020年12月25日より新宿武蔵野館ほか全国にて公開©2019『AWAKE』フィルムパートナーズ
2020年11月27日藤井聡太撮影/日本雑誌協会代表「タイトル保持者になりましたが、盤上でも、それ以外の面でも一層精進して成長したいです」史上最年少の17歳11か月で初タイトルを奪取した藤井聡太棋聖が『第91期棋聖戦就位式』に出席。7月の大一番から2か月、いまの心境を語った。この日は、小学3年生のときの将棋大会で披露して以来となる、紋つき羽織姿で登場。「和服自体は、タイトル戦に出るまで着る機会はなかったんですが、今回就位式のために仕立てていただいて、特別な感慨はありました」式では賞杯や賞金目録のほか、師匠の杉本昌隆八段(51)から花束を贈呈され照れ笑いするひと幕も。8月には王位も獲得し、史上最年少二冠となるなど、その勢いは増すばかり。そんな彼の“お初”づくしエピソードを一気にプレーバック!■詰将棋にパソコン……次なる“お初”とは!?14歳2か月での史上最年少のプロ棋士に始まり、公式戦最多連勝記録(29連勝)、タイトル獲得など、規格外の活躍を続ける藤井二冠。将棋ライターの松本博文さんは、2017年に取材した際にそのすごさの一端を垣間見たという。「将棋の実力というのは、詰将棋を解く速さと比例するところがあるんです。藤井さんも得意で、『詰将棋解答選手権』で5連覇とまさに世界一の実力者。取材の際に10分で解けたらアマ三段の実力という問題を解いてもらったんですが、何と始めて10秒もかからずに終了。話には聞いていましたが、こんなに速いのかと(笑)」AIを使った将棋ソフトを活用し練習をする棋士も多い昨今。藤井二冠もそのひとりだが、ここにもまさかの初が!「高性能のパソコンを使用する方が多いのですが、藤井さんはそれを自作しているようです。もちろん趣味ではなく、いいパフォーマンスを発揮できると知って、必要に応じて始めたんだと思います。ゲームのためにという話はよく聞きますが、将棋のためにと自作する棋士の方は聞いたことがないですね」(松本さん、以下同)そして、気になるのは次なる“お初”が何か?「次は史上最年少三冠だと思いますね。いちばん最短の可能性は王将。いま挑戦権を賭けたリーグ戦が行われていて、藤井さんは10月5日に豊島将之竜王(30)と対戦します。これまで5連敗と勝ったことのない相手。すでに1敗しているので、負ければ王将戦への挑戦は厳しい。注目の一戦ですね」2016年9月ピッカピッカの“プロ”1年生プロ入りを決めた対局後に会見で笑顔を見せた。翌10月からは、62年ぶりに“ひふみん”こと加藤一二三九段(80)の14歳7か月を抜く、史上最年少14歳2か月でプロに。このときまだ中学2年生だった2016年12月相手は“ひふみん”でしたデビュー戦の相手はひふみんで、年の差62歳対決。結果は白星で、14歳5か月での勝利は最年少記録2017年6月負けなしとは“ニク”いね!デビュー戦から半年後。まさかの負け知らずで歴代単独1位の29連勝を達成。これには日本中が熱狂。会見では「実力を高めてタイトルを狙える棋士になりたい」と目標を2018年2月優勝してWでうれしい〜♪『朝日杯将棋オープン戦』を制し、プロ入り後初優勝。15歳6か月は、ひふみんが持つ一般棋戦の最年少優勝記録を63年ぶりに更新。同時に最年少で六段に昇段するおまけも2018年5月まさにスピード出世六段になり3か月後。『竜王戦ランキング戦』の準決勝で勝利し、最年少記録を61年ぶりに塗り替える15歳9か月で七段に。抜かれたのは、またもひふみんでした……2018年12月まだまだ通過点『銀河戦』でプロ入り2年2か月、17歳6か月の最速最年少で通算100勝を達成。勝利スピードもすごいけど負けもたったの18敗で、この時点の勝率が8割4分7厘というのも驚異的2019年3月ドヤ顔で5連覇!藤井二冠は詰将棋も半端なかった!『詰将棋解答選手権』で前人未到の5連覇を達成。なんと初優勝は小学校6年生のとき。今年はコロナの影響で開催中止になり、6連覇はおあずけに2019年12月初体験は対局よりも緊張!?実はこんなこともやってました。『棋士・藤井聡太の将棋トレーニング』でゲームの初監修に挑戦。音声などの収録も行ったそうで、「初めての経験ばかりで、対局より緊張した」2020年7月初戴冠に師匠もニッコリ『棋聖戦5番勝負』で渡辺明棋聖(36)に勝ち、屋敷伸之九段(48)のタイトル最年少記録を30年ぶりに更新、17歳11か月で達成。会見では、師匠の杉本八段が花束を渡し笑顔2020年8月いつの間にか表情もオトナに『王位戦7番勝負』で木村一基王位(47)に4連勝で勝利。羽生善治九段(50)の21歳11か月を抜き、18歳1か月で二冠。同時に昇段し、最年少八段になった。プロデビュー時と比べると、表情もどこかオトナに
2020年10月04日2020年8月19日、18歳という若さで活躍している将棋の藤井聡太棋聖が、『王位戦』の第61期王位戦七番勝負第4局に挑みました。対局2日目である同月20日、藤井棋聖は木村一基王位を破り、七番勝負を4連勝。今回の勝利で28年ぶりに最年少で棋聖と王位の2冠を記録し、また八段の最年少も62年ぶりに記録更新という快挙です。藤井棋聖の活躍に、ネットからは「藤井くん、すごすぎる…」「将来がさらに楽しみ」といった声が上がっています。62年ぶりに『最年少記録』を破られた、加藤一二三のコメントが話題にこれまで、八段昇格の最年少記録保持者は『ひふみん』こと加藤一二三(かとう・ひふみ)さんでした。1958年に18歳3か月で八段になり、昇段の最年少だった加藤さん。62年ぶりに、18歳1か月の藤井棋聖がその記録を破ったのです。将棋は戦いの世界。また、将棋に限らずきっと誰もが自分の記録を塗り替えられたら、悔しさを感じることでしょう。しかし、加藤さんは今回の記録更新に対し、このように思いを明かしました。62年ぶりの記録更新に関して、記録は破られるために存在すること、そして今日まで陽の当たることのなかった将棋界に華やかな光を当てて戴けることの喜びが勝るので寂しさは感じないものの、寂しいと仰って下さったファンの皆様の温かくお優しいお気持ちは非常にありがたいものと深く感謝しております。— 加藤一二三@藤井聡太さん史上最年少二冠&八段昇段達成おめでとうございます㊗️ (@hifumikato) August 20, 2020 記録が塗り替えられたことを受け、加藤さんの元には多くの『ひふみんファン』から「藤井棋聖の記録更新は嬉しいけど、ちょっぴりさびしい」といった声も寄せられていたようです。そんな中、加藤さんは「記録は破られるために存在する」ととらえ、記録が破られたことを悲しむのではなく、むしろ藤井棋聖が今後の将棋界の希望として活躍することが嬉しいといいます。将棋界の厳しさは、長年、現役として活躍してきた加藤さんも知っているはず。だからこそ、藤井棋聖を応援すると同時に尊敬しているのでしょう。ひふみんも号外ほしかった— 加藤一二三@藤井聡太さん史上最年少二冠&八段昇段達成おめでとうございます㊗️ (@hifumikato) August 20, 2020 投稿に対し、「ひふみん、かっこよすぎる」「62年間も記録保持したことがすごい!」「規定が今とは異なっていたから、ひふみんもすごいですよ」といった声が寄せられました。加藤さんがいうように、記録は破られるために存在するもの。いつか、藤井棋聖の記録を更新する若き棋士が現れるかもしれませんね![文・構成/grape編集部]
2020年08月22日2020年8月20日、将棋の藤井聡太棋聖が最年少で2冠と八段昇段を果たしました。史上最年少での快挙に、祝福の声が寄せられています。藤井聡太棋聖、最年少&10代史上初の『2冠』王位奪取に「すごすぎる」「おめでとう」の声同月21日、藤井棋聖は会見を行い現在の心境について語りました。藤井聡太棋聖が将棋以外でやりたいこととはサンケイスポーツによると、藤井棋聖はこれからの目標について聞かれると「実力を高めていくのが一番の目標」と答え、新たに見つかった課題も改めるなどさらなる向上心を見せたといいます。また、自宅に帰ってやりたいことを聞かれると、その回答に注目が集まりました。--自宅に帰ってやりたいことは「家に帰ってから、昨日の対局についてじっくり振り返れれば」--将棋以外では「落ち着いたらパソコンを1台組みたいな、と」サンケイスポーツーより引用「パソコンを1台組みたい」と答えた藤井棋聖。これにはネット上でも反響が上がり、「その気持ち、わかるよ」「すごすぎる」などの声が寄せられていました。・自作したパソコンのスペックよりもご本人の能力のほうが上回りそう…。・藤井さんの気持ち、とてもよく分かるよ。作成中の動画とか見たい。・自分でパソコンを組めるなんてすごすぎる。・将棋のことは詳しくないけど、この発言で親近感がわいた。これまでも趣味について発言していたことがありましたが、今回の会見で多くの人から注目が集ったようです。藤井棋聖がどのようなパソコンを組むのか、気になりますね![文・構成/grape編集部]
2020年08月22日吉沢亮主演の映画『AWAKE』が、2020年12月25日(金)に公開される。実際に起きた将棋電王戦が着想源、“将棋”にかける若者たちの青春ストーリー映画『AWAKE』は、2015年に実際に開催された棋士 VS コンピュータの将棋電王戦(※)をもとに、山田篤宏監督が書き下ろしたオリジナルストーリー。棋士になる夢をあきらめた主人公の内気な大学生が、AI将棋のプログラミングに目覚め、かつてのライバルと再戦を果たす青春物語を描き出す。(※)2015年4月に行われた将棋電王戦 FINAL第5局、棋士 VS AWAKE戦。開始からわずか49分、21手という異例のスピード決着となった。将棋プログラム・AWAKEの開発者は、元奨励会員という経歴の持ち主、また、棋士の手がコンピュータの習性をついたものであったことから、当時、ネットユーザー、将棋ファンの間で物議を醸した。キャスト主演に吉沢亮主演に抜擢されたのは、『キングダム』『一度死んでみた』など、話題作への出演が絶えない吉沢亮。『キングダム』では、日本アカデミー賞最優秀助演男優賞を受賞するなど、高い演技力にも注目が集まる吉沢が、周囲との関わりを持つことが苦手な内気な青年・英一役に挑む。■吉沢亮コメントとにかく脚本の面白さにやられました。素晴らしいスタッフ、キャストの皆さんと少しずつ形にして行く時間はとても幸せで、個人的に今まで出演した作品の中で一番好きです。将棋以外何もなかった男が、仲間との出会いや衝突、ライバルとの再会を通して、沢山の大切な物を見つけて行く青春ストーリー。勝ち負けにこだわるのか、勝ち方や負け方の誠実さ、美しさにこだわるのか。とても素敵な映画になったと思います。人気キャストも集結!また吉沢演じる英一の周りにも、若手注目キャストが集結。英一の将棋のライバルである陸役を若葉竜也、大学のAI研究会で出会う変わり者の先輩・磯野役を落合モトキが演じるほか、寛一郎、馬場ふみか、川島潤哉、永岡佑、森矢カンナ、中村まことらといった面々が揃う。第1回木下グループ新人監督賞グランプリ受賞なお映画『AWAKE』は、河瀨直美監督を審査員長に迎えた、2017年の第1回木下グループ新人監督賞の中で、グランプリに選ばれた作品。またこれまで乃木坂 46のミュージックビデオや短編映画を手掛けてきた山田篤宏監督の、商業映画デビュー作でもある。詳細映画『AWAKE』公開時期:2020年12月25日(金)、新宿武蔵野館ほか全国ロードショー出演:吉沢亮、若葉竜也、落合モトキ、寛一郎、馬場ふみか、川島潤哉、永岡佑、森矢カンナ、中村まこと監督:山田篤宏脚本:山田篤宏<ストーリー>大学生の英一(吉沢亮)は、かつて奨励会(日本将棋連盟の棋士養成機関)で棋士を目指していた。降格したら奨励会を去らなければならない大一番、同世代で圧倒的な強さと才能を誇る陸(若葉竜也)に敗れた英一は、プロの道を諦め、普通の学生に戻るべく大学に入学したのだった。幼少時から将棋以外何もしてこなかった英一は、急に社交的になれるはずもなくぎこちない学生生活を始めるものの、なかなか友人もできない。そんなある日、ふとしたことでコンピュータ将棋に出会う。独創的かつ強い。まさに彼が理想とする将棋を繰り出す元となるプログラミングに心を奪われた英一は、早速 AI 研究会の扉をたたき、変わり者の先輩・磯野(落合モトキ)の手ほどきを受けることになる。自分の手で生んだソフトを強くしたい―将棋以外の新たな目標を初めて見つけ、プログラム開発にのめり込む英一。数年後、コンピュータ将棋の大会で優勝した英一は、棋士との対局である電王戦の出場を依頼される。最初は申し出を拒否する英一だったが、相手がかつてのライバル・陸だと知り―。
2020年08月15日2020年7月16日、『第91期ヒューリック杯棋聖戦五番勝負』の第4局が開催され、高校生棋士の藤井聡太さんが渡辺明棋聖に勝利。同シリーズ3勝1敗で、初タイトルとなる棋聖位を獲得しました。17歳11か月という異例の若さで、史上最年少でのタイトル獲得を成し遂げた藤井新棋聖。将棋界の歴史を揺るがすようなニュースに、世間では大きな反響が上がっています。藤井新棋聖の快挙を、加藤一二三が祝福同日、元プロ将棋棋士で、タレントとして活躍する『ひふみん』こと加藤一二三さんが、藤井新棋聖のタイトル獲得について言及。 #棋聖戦 藤井聡太新棋聖にはその天賦の才を余すところなく発揮し天高く翔ける龍となり、将棋史に於いて今後だれもまだ見ぬ地平を、ときに孤独と闘いながらも勇猛果敢に切り開いていただき、いつまでも色褪せない名局を紡ぎながら、将棋という芸術文化の大輪の花を咲かせていただきたいと願います。— 加藤一二三@7/17フジテレビとくダネ!生出演 (@hifumikato) July 16, 2020 同シリーズで対局が行われるたびに、勝負における一挙一動を注目し続け、藤井新棋聖の勝利を我がことのように喜んでいた加藤さんだからこそ、感慨深いものがあったのでしょう。加藤さんの投稿に対し、ネット上では祝福や共感のコメントが寄せられる中、一方でその文才を称える声が続出。・藤井新棋聖誕生からわずかの時間で、これだけの名文をつづるひふみんもすごい。・ひふみんの人柄が伝わる美しいコメントに、胸がジーンとしました。・なんて優雅で品のある祝福のコメントなんだろう。素晴らしい。また、加藤さんはコメントを発表する20分前に、次のようなつぶやきも投稿しています。 #棋聖戦 やっぱり、聡太さんはつよい。。。— 加藤一二三@7/17フジテレビとくダネ!生出演 (@hifumikato) July 16, 2020 年下である藤井新棋聖のことを、「聡太さん」と呼び、感嘆のため息をつくようにつぶやいた加藤さん。その後、一部の人から「孫より年下ぐらいの人をさん付けで呼ぶって、すごいことだと思う」といった指摘が入ると、藤井新棋聖を『さん』付けで呼んだ理由について、こうつづりました。数多の報道陣を前に微動だにせずデビュー戦開幕を待つ藤井聡太四段は紛れもなくプロのオーラを身に纏っておられました。将棋盤を挟んで対峙した者としてその佇まいからはとても『藤井くん』と呼ぶ気にはなれません。棋士として産声を挙げた瞬間から彼は、勝負師魂を携えたまさしくひとりの大人でした。@hifumikatoーより引用加藤さんは、過去に棋士として対局した藤井新棋聖を、1人の大人としてリスペクトする想いから、『さん』付けをしたのです。年齢や立場に関係なく、相手を敬う…そういう姿勢こそ、加藤さんが幅広い層の人々に愛されるゆえんといえますね。[文・構成/grape編集部]
2020年07月17日藤井聡太七段提供/日本将棋連盟棋聖戦第3局――。渡辺明棋聖と激戦の末に敗れた藤井聡太七段。“魔王”相手に2勝し、このままストレート勝ちかと思われていたが、その壁は厚かった。将棋ライターの松本博文さんは、“事前準備”が明暗を分けたと語る。「お互いに相手の最新の戦型を研究したものの、渡辺棋聖の準備のほうが万全だったのが大きな勝因だと思います。スケジュールを見ると、7月に入って渡辺棋聖は2局目で、藤井七段は5局目。藤井七段は過密な日程のなかで、事前準備に十分時間が取れなかった可能性があります」棋聖戦に加え、王位戦にも挑戦中の藤井七段。屋敷伸之九段の18歳と6か月を塗り替える“最年少タイトル獲得”を期待する声も多い。「藤井七段は14歳と2か月という最年少でプロ入りを果たし、デビュー以来無敗で将棋史上最多の29連勝を達成するなど、記録を次々と打ち立ててきた神童です。この最年少記録を更新できるのは彼以外にはいないと思いますね。この先、これだけ規格外の天才が出てくる可能性はほとんどないと思うので」(松本さん)前人未到の偉業を達成するための、今後の課題は?「藤井七段は今、過密なスケジュールのなか、日本中を飛び回っています。その状況のなかでどれほどのパフォーマンスを発揮できるのか、そして今後はいかに時間的な余裕を確保し、それを休息や次の対局の準備に当てることができるかが重要なポイントだと思います」(松本さん)渡辺棋聖との次なる“決戦”は木曜日。運命やいかに――。■一式そろえるのに百万円以上はザラ史上最年少でのタイトル獲得に、あと一歩の藤井聡太七段。試合運びにも注目が集まるなか、たびたび話題になるのが“指し方”。「まるで芸術作品」と評する声もあるが、何が他の人と違うのか?将棋ライターの松本博文さんは次のように語る。「“強いうえに華がある”指し方と言えます。一局中のどこかで必ず、人を驚かせるような一手がある。スター性を感じる美しい手を指してくれるんです」普段は謙虚、しかし将棋盤の上では強い意志を感じさせるという。「大先輩相手でも物怖じせず、自分の実力を信じている印象です。やはり本質的な部分でとても負けず嫌いなのでしょう」(松本さん)タイトル戦でもうひとつ注目を集めたことが。趣ある和装姿だ。「棋士にとって晴れ舞台なので、和装で臨むのが伝統です。最近では羽生善治九段の影響が大きいと思います。彼は’89年に竜王のタイトルを取って以降、和装で臨んでいます。羽生九段に憧れた子どもたちが棋士となり、その形式が継承されているんです」(松本さん)高価なイメージがあるが、一式そろえるにはいくらかかるの?「一部では30万円ほどと報じられていましたが、おそらくそれでは足りません(笑)。百万円以上はざらと聞きます。藤井七段のように、若手棋士はタイトル戦出場など特別な機会があって和服を用意するのがほとんど。羽生九段は百着以上、持っていると言われていますよ」(松本さん)ファッション&裏名場面を振り返り!デビュー戦は学ラン中学の学ラン姿で臨んだデビュー戦は、初々しさが印象的だった。当時14歳と2か月という史上最年少でプロ棋士デビューを果たすと、ひふみんこと加藤一二三・九段と対局。その年齢差はなんと62歳!(’16年12月24日・プロデビュー戦)さわやかな夏服姿も“相撲好き”で知られる藤井七段。この日は師匠の杉本昌隆八段と桝席で観戦。爽やかな夏服姿が印象的だった。終了後に白鵬と対面すると、扇子をプレゼント。白鵬から「かわいいね」と言われ、タジタジな様子!(’17年7月12日・大相撲名古屋場所)愛用の“青リュック”を持って 増田康宏六段相手に勝利しデビュー戦から最多の29連勝を果たす。紺のスーツにデビュー当時、注目が集まった“青色のリュックサック”で登場。リュックはカリマー社製のプレストンデイパックで、一時期は問い合わせが殺到する事態に(’17年6月26日・第30期 竜王戦決勝トーナメント1回戦)100勝達成も謙虚に通算100勝に達した際の記者会見にて、100勝に対する感想を聞かれると、「喜ばしく思っているが、最終的にどれだけ強くなって実績を残すかがいちばん重要」と謙虚なコメント。(’18年12月12日・第27期銀河戦)和装で“勝負”をかけて 和装で対局に臨むや否や、「大人っぽくなった」と話題に。将棋棋士にとって和服は、タイトル戦など重要な対局のときに身を包む“勝負服”。師匠の杉本八段いわく「(藤井は)和服は4着持っている」とのこと(’20年7月9日・ヒューリック杯棋聖戦五番勝負の第3局)“全集中”モード対局時の集中した表情。棋士は1回の対局で体重が2、3キロ落ちるほど、エネルギーを使うことも。知識はもちろん、集中力も大切な要素(’19年1月20日・第12回朝日杯オープン戦準々決勝)お茶が熱くて思わず驚き!対局前。これからの闘いに向けてお茶をひと口飲むと、その熱さに驚いたような表情に!ライバルにも動じない藤井七段の貴重な一瞬。(’17年6月26日・第30期 竜王戦決勝トーナメント1回戦)悔しさにじむ闘いも百戦錬磨のイメージが強いが、悔しい経験も。この対局で井上慶太九段相手に137手で敗れ、当時の連勝が16戦でストップしてしまった(’18年3月28日・第68期王将戦1次予選)
2020年07月15日藤井聡太七段史上最年少のプロ入り記録を62年ぶりに更新して、日本中の注目を集め続けている将棋の藤井聡太七段。現在はタイトル戦の真っ最中だ。「藤井七段は現在『棋聖戦』に挑戦中で、7月1日には『王位戦』もスタートするため、同時進行でタイトル戦を行っていく予定です。6月20日には、『竜王戦』の本戦進出を決め、史上最年少でのタイトル挑戦記録を更新するだけでなく、3つ同時に戴冠の可能性も出てきました」(スポーツ紙記者)これまでの経歴も規格外。2016年にプロ入りしてから、2018年には七段にまで昇格し、新人王を獲得。同年12月には史上最速、最高勝率で公式戦通算100勝をあげ、これらすべてが史上最年少記録。さらに2019年度には3年連続勝率8割という、史上初の快挙も成し遂げた。地元・愛知県瀬戸市の『せと銀座通り商店街』では《藤井聡太くん王位戦応援してます》と、似顔絵が描かれた垂れ幕が掲げられている。その商店街で衣料品店を営む女性店主は、「全国から聡太くんのファンが集まってきますが、8割は女性ですね。たまに“プレゼントを渡したいから聡太くんの家を教えて?”と聞いてくる人がいますけど、だいたいはにわかファン。本当の将棋ファンは、そんなこと聞きませんよ」商店街には垂れ幕以外にも、シャッターを利用した大型の将棋盤が作られるなど、多くの人が集い、盛り上がっているようだが、それに水を差す事件が起きた。「6月24日、瀬戸市役所に藤井さんを“殺害予告”する電話があったんです」(全国紙記者)殺害予告があった翌日には、彼の自宅でこんな様子が目撃されていた。「1日中、近所をパトカーがグルグル回っており、藤井くんの家にはスーツ姿の男女4人組が入っていったんです。2時間ぐらいベランダで作業をしていて何だろう?と思っていたのですが、報道を見て納得しました。警察が来て、防犯カメラを設置していたんですね」(近隣住民)脅迫電話がかかってきたのは市役所だが、タイトル戦に挑む若き棋士が集中できるよう、地元も一丸となってバックアップしているのだろう。■藤井七段の祖母「かわいい孫」「藤井さんは未成年ですし、大事な対局中ですので、できるだけ穏便に捜査をしています。万が一のことが起きないようにしておりますが、いたずらの可能性も含めて、捜査をしています」(警察関係者)藤井七段の祖母に事件について話を聞くと、「本当になんなんでしょう。怖いですね……」と弱々しく語る。事件後の変化については、「今のところは何も変わっていません。かわいい孫を、いつも気にかけてくださり、ありがとうございます」卑劣な脅迫に屈せず藤井七段の快進撃を期待したい。
2020年07月01日2020年6月26日に、高校生にしてプロ棋士の藤井聡太七段に対し、出身地である愛知県瀬戸市役所を通して寄せられた、脅迫めいた殺害予告。サンケイスポーツによると、脅迫の電話は24日にかかってきており、市は25日に県の警察署へ通報。同署は26日に新幹線移動をする藤井七段を警護した結果、トラブルはなかったとのことです。同月28日に行われた、『第91期ヒューリック杯棋聖戦五番勝負』の第2局で、藤井七段は普段通りの冷静さと勝負強さを見せ、完勝しました。加藤一二三が殺害予告について反応しなかったワケ同日、元プロ将棋棋士で、タレントとして活躍する『ひふみん』こと加藤一二三さんは、藤井七段が勝利を収める瞬間を見ていたのでしょう。自身のTwitterで、藤井七段の勝利を祝福するとともに、今後の対局について期待を寄せました。 #将棋 #藤井聡太 藤井聡太七段の完勝でした!万全なる事前研究のもと大舞台に臨まれており非の打ち所がないことに感嘆するばかり。将棋界の歴史をいとも容易く塗り替える予感に満ち溢れた17歳。ストレート奪取を期待します。— 加藤一二三@中央公論新社『天才の考え方〜藤井聡太とは何者か』絶賛発売中! (@hifumikato) June 28, 2020 加藤さんは、数々のテレビ番組などでも藤井七段の快挙についてコメントを寄せており、その内容が「適格だ」「さすが」と話題になっています。しかし、対局中、藤井七段に寄せられた脅迫まがいの電話について、いっさい語らなかった加藤さん。藤井七段の勝利を見届けた後、次のようなコメントをTwitterに投稿しました。なお殺害予告の件については過剰反応を示すことは犯人の思う壺ではないかとの考えから、また藤井七段の鋼のメンタルを顧みるに本局への影響は皆無との信頼感から、敢えてコメント致しませんでした。万全の対策で両対局者を護り恙無く対局を終えてくださいましたすべての関係者に深く感謝申し上げます。— 加藤一二三@中央公論新社『天才の考え方〜藤井聡太とは何者か』絶賛発売中! (@hifumikato) June 28, 2020 加藤さんは、脅迫電話に対し、過剰な反応を示すことを避け、あえて沈黙を守ったといいます。そこには藤井七段への信頼や、犯人を刺激する危険を回避する意図があったのです。加藤さんの投稿に対し、共感やその姿勢を称賛する声が上がっています。・ひふみんのこういう姿勢が大好きだし、心から尊敬する。・藤井七段への信頼感はもちろん、運営側の配慮にも丁寧に礼をいうところにグッときた。・自分も同意見。藤井七段が対局に集中できるよう、周囲が気遣っていて安心した。万全の対策で挑んだことはもちろん、藤井七段が集中できるような環境を作ったうえで、無事に対局を行った運営スタッフに対しても、丁寧に感謝の想いを寄せた加藤さん。そのメッセージは、きっと多くの人に届いたに違いありません。[文・構成/grape編集部]
2020年06月29日2018年、最年少の天才棋士・藤井聡太に粘り強い将棋で勝利した最年長ルーキーが世間をにぎわせた。将棋ひと筋の人生に苦渋の思いで終止符を打ち、「中卒」のレッテルにもがいた苦労人。アルバイトや会社員を経験しながら挫折を繰り返し、貯金が底をついて介護士に転身。過酷な現場で弱点を克服し、3度目の挑戦でつかんだ逆転人生を追った。今泉健司四段撮影/伊藤和幸■当時15歳の藤井聡太七段との対決将棋界きっての異端児である今泉健司四段(46)。戦後最年長の41歳でプロ棋士になったオールドルーキーだ。対局中はポーカーフェイスを貫く棋士が多いなか、今泉さんは表情豊かだ。劣勢になると顔が真っ赤になって、どんどんうなだれてくる。天を仰ぐようなしぐさや、ため息が出ることもある。駒を持った手が、まるで指揮をするように空中で大きく左右に揺れるときは、絶好調のしるしだ。「バシッ」そのまま大きな音を立てて盤上に駒を置く。書店員、レストラン勤務、株のトレーダー、介護士など、さまざまな仕事をした末、夢に追いついた。今は幸せだと満面の笑みを浮かべる。「自分の人生は、つまらない人生だとずっと思っていました。そしたらね、つまらないことばっかり起きた。30代後半になって、介護現場でいろいろな人の思いに触れたり、周りの人に助けてもらって感謝したり。一生懸命やっているうちに、けっこう人生って面白いじゃんと思った。そうしたら、面白いことばっかり巡ってきたんです」プロ棋士の養成機関である奨励会に2度も在籍。プロにあと1歩のところまで何度も迫りながら失敗を繰り返し、プロ棋士になることは完全にあきらめていた。それだけに、将棋を指してお金をもらえる今の生活には感謝しかないとしみじみ言う。「対局前に駒を並べるときはいつも、1個並べるたびに、心の中で“ありがとう”と言っているんです」2014年12月にプロ編入試験に合格し、プロ棋士になって5年余り。最も注目を浴びた対局は’18年7月に行われた、当時15歳の藤井聡太七段とのNHK杯1回戦だ。史上最年少の14歳でプロ入りし、公式戦で29連勝するなど数々の記録を打ち立てた天才と、真逆の経歴を持つ超遅咲き棋士の対決。誰もが藤井さんの圧倒的有利を疑わなかった。ところが、今泉さんは持ち味の粘り強い将棋で攻め続け、藤井さんのミスを誘い、逆転勝ちしたのだ─。「宝くじで3億円当てたみたい。それくらいすごいことなんですよ」予想外の勝利を、こう表現するのは、親しくしている棋士の菅井竜也八段(28)だ。「対局が終わった直後に、今泉さんが電話をくれて、“奇跡が起きたー!”と。でも、絶対勝てないと思っていたから、“すぐ小さな嘘をつくんだから”と言って、しばらく信じなかったんですよ(笑)。将棋ファンの方たちにとっても、今泉さんの1勝は価値が違うみたいで、もう、お祭り騒ぎでしたよ。40歳近くになって、もう1度プロを目指し、夢をあきらめずにずっと頑張っていれば叶う人もいるんだと証明したわけで、今泉さんはアマチュアの英雄でしたから」今泉さん自身も、藤井さんに勝てる自信はまったくなかったそうだ。ただ、勝つためのイメージトレーニングは欠かさなかった。「相手は怪物ですからね。とにかく自分の勝ちパターンに持っていくことを考えました。野球でたとえると、外角高めだけは得意なコースだから、投手がそこに投げるように、いろいろ誘導するという感じで。話題にはなったし、いい話のネタになったなとは思いますが、一生の自慢というつもりもない。だって、同じ棋士なんですから。相手が誰でも勝つという気概をなくしたら、トーナメントプロは辞めようと思っています」プロになって以来、毎年勝ち越してはいるが、連敗するときもある。タイトル争いには縁がない。もっと勝てるかと思っていたが、「プロの厳しさは想像以上だった」と本音もチラリ。将棋を嫌いになったことはないのかと聞くと、即座に否定した。「26歳で奨励会を退会したころは彼女もいなかったし、将棋が女性みたいなものだと感じていたんです。イヤになって離れようとしたこともあったし、“大好きか?”と聞かれたら、今も微妙なところはあります(笑)。でも、最後に帰る場所は、やっぱ、将棋だなーと」■容赦ない父親に97連敗!運命の女性にもたとえる将棋との出会いは、小学2年生のときだ。今泉さんは1973年に愛知県豊橋市で生まれた。両親と姉、妹の5人家族。社会保険労務士関係の仕事をしていた父の都合で、6歳のとき岡山市に転居した。小学校に入ると学校の図書室で、偉人の伝記を読みふけった。「この人は何歳で死んだのかとか、死に方に興味があったんです。今でも有名人の享年はスラスラ言えますよ。織田信長49歳、武田信玄53歳、シューベルト31歳……。だいぶ変わってましたね(笑)。今日は誰の享年を覚えようかなと本棚を見ていたら、“玉将”と書かれた五角形の木片が表紙に大きく印刷された本があった。どうしてかはわからないけど、その本を手に取ったのが今泉の将棋人生の始まりです」最初の対局者は、父の正さんだ。本でルールを覚えて挑んだが、まるで歯が立たない。なんと97連敗!「1回くらい負けてあげたらいいのに」見かねた母の恭子さん(75)はそう口にしたが、正さんは、「勝負は勝負だから」と、まったく手加減をしなかったそうだ。あまりの悔しさに、今泉さんは折りたたみ式の将棋盤を投げつけて真っ二つに割ってしまったこともある。こっぴどく叱られ、割れた将棋盤はガムテープで補修した。図書室にある将棋の本を片っ端から読み、載っている詰め将棋を解いた。「将棋って、ちょっとキツい言い方をすると駒を使った殺し合いなんです。王様を取ることは相手の命を取るということ。命がけでやっているので、負けたときにはこの世のすべてが終わったみたいに、こう(ガクンと首をうなだれる)なるんですよ。ムッチャクチャ悔しいから勉強をする。その結果、98回目に連敗が止まったときは、すっごい喜んで、ガッツポーズをしました。初めての、ものすごい悔しさと、ものすごい喜びの両方を与えてくれたのが、将棋だったんです」3年生になると父との対戦成績は五分五分になり、やがて今泉さんが勝ち越すようになった。4年生のときに広島県福山市に引っ越した。今泉さんは強くなりたい一心で、学校から帰ると自宅近くの書店に行き、将棋界でバイブルともいわれる『将棋大観』という分厚い本を自分のノートに書き写した。3千円近くする高価な本で、買ってくれとは言い出せなかったのだ。「ほんまは、やったらあかんのですけどね(笑)。僕、筆圧が強いから、手は鉛筆の粉だらけ。その手でページをめくってベタッと触るから、本は売り物にならないくらい黒ずんでしまったと思います。よく許してくださったなあと。ただ、そうやって書いて覚えたことは記憶に深く残るので、原点になっていますね」父のすすめで地元の将棋教室に通い始めると、当初アマチュア5級ぐらいだった実力は5年生の終わりにはアマ二、三段になった。小学生名人戦など各地で対局があるたびに付き添ってくれたのも父の正さんだ。41歳でプロ入りした息子の晴れ姿を見届けた後、正さんは亡くなったが、当時の様子を母の恭子さんが教えてくれた。「娘たちはそっちのけで……と言ったら語弊があるかもしれませんが、主人は健司の将棋に関しては一生懸命で、とことん付き合っていました。そうやって、あちこち連れて行って他流試合をしたこともあって、強くなっていったんだと思います」■プロを目指し15歳で大阪へ初めて奨励会に入ったのは14歳、中学2年生のときだ。奨励会の試験を受けるにはプロ棋士の師匠が必要だが、福山の将棋教室の先生を通じて、小林健二八段(現九段)が引き受けてくれた。今泉さんは奨励会の例会(対局)だけでなく将棋連盟の記録係などの仕事も積極的に引き受け、福山から大阪市の関西将棋会館に足しげく通った。一方で中学の欠席日数は3年時には122日にのぼっていた。「奨励会に入ってからはプロ棋士になると勝手に決めていたので、学校の勉強はほぼせんかったですね。だから、成績はもう、ズタボロ(笑)」高校には行かず、大阪のアパートでひとり暮らしをしたいという息子の願いを、両親はあっさり許した。まだ15歳の少年だ。よく送り出したと感心すると、母の恭子さんは「のんびりしているんですかねぇ。そこまで心配しなかったんです」とおっとりした口調で返す。「主人は大学を出ているので、“高校ぐらいは行け”と言うんじゃないかなと思ったんですが、そんなに将棋が好きなら、やってみろと。本音を言いますと、小林先生が近くにいてくださったので、安心感はありました」師匠の小林さんの配慮で、今泉さんは毎朝8時に小林さんの家で朝ご飯を食べ、その後、将棋会館に行くことになっていたのだ。ただ、「不安がまったくなかったわけではない」と恭子さんはもらす。「健司は何にでも興味を持つ子だったので、遊びを覚えちゃうと怖いなーとは思ったんですが……」6級から1級までは順調に昇級したが、初段を前に勝てなくなった。今泉さんは奨励会の仲間のアパートに入り浸り、麻雀やお金を賭けたトランプ、当時流行っていたファミコンなどに没頭した。「現実逃避ですよね。将棋に負けると本当にイヤになるので、逃げたんですよ。“何で俺が負けるの?おかしいでしょ”と事実を見ない。他人が自分よりすぐれていることを認めたくない。そこで自分に向き合えない人間は上に行けないんです」徹夜で麻雀をして、小林さんの家での朝食にも遅刻が続き、ついに帰郷を命じられる。17歳のときだ。福山の実家に戻り、ステーキ店でアルバイトしながら大阪に通った。将棋に専念すると成績も上昇。20歳で三段になり、再び大阪でひとり暮らしを始めた。プロ棋士になるための最大の難関が三段リーグだ。30数名の三段が半年間で計18局を戦い、上位2名のみが四段、つまりプロになれる。しかも奨励会には21歳までに初段、26歳までに四段にならなければ退会という年齢制限がある。奨励会に何年いても8割の人は夢破れて去っていく、厳しい戦いだ。「24歳のときに“アレ?何かおかしいな”と違和感を感じたんです。もしかして俺はプロ棋士になれないんじゃないか。そう思った瞬間に、成績も一気に下がってきて、その後は、もうボロボロ。負けた後の気持ちの切り替えも、全然できてなかった。プロになった今でもけっこう難しいなと思っているので、当時の自分に切り替えなんて、できるわけないですわ」26歳の年齢制限が迫るなか、ずっと教えてきた後輩にも負け、「すべて終わった」と気持ちが折れた。「消えてしまいたい……」14歳から12年間、青春のすべてをささげた奨励会を退会。アパートに戻ると、布団にくるまったまま3日間、動けなかった。「自殺したら迷惑がかかるから、それは嫌だったんです。奇術みたいに、ポンと消えないかなと思って寝ていたんです。でも、残念ながら身体は溶けてなくならない。何もしないわけにはいかないから、動かなきゃと」福山に帰ったが、最終学歴は中卒だ。履歴書を書くのが恥ずかしくて、そのとき初めて、「高校ぐらい行っておけばよかった」と後悔した。しかたなく「奨励会三段」と書いた履歴書を手に仕事を探すと、子どものころ『将棋大観』を書き写した近所の書店がアルバイトとして雇ってくれた。■就職後、半年で20キロも痩せたその後、大学入学資格検定(現・高等学校卒業程度認定試験)を受けて合格。通信制の短期大学に入学した。新しい生活をスタートし、将棋とはもう縁を切ろうと思っていた。そんな今泉さんを引き戻したのは、福山で将棋道場を営む竹内茂仁さんだ。講師として将棋を教えてほしいと頼まれたのだ。「竹内さんに、“今までの経験を生かして前に進んでいきましょう”と言っていただいて、自分の価値を認めてもらえたと思ったんですよ。人って、やっぱり居場所を求めている。自分の価値は何かと求めて生きていると思うんです」将棋への意欲が再燃すると真剣勝負がしたくなったが、元奨励会員の有段者は一定期間、アマチュアの大会に出場できない規定がある。今泉さんが練習できるよう、竹内さんは当時できたばかりのインターネット道場「将棋倶楽部24」にも参加できるようにしてくれた。アマチュアの大会に出始めると、「アマタイトルを独占してやる!」と火がつく。全国アマ将棋レーティング大会で優勝するなど、いくつもの大会で好成績を収めた。大会で知り合った元奨励会員の紹介で、28歳のとき大手レストランチェーンに就職が決まり、短大はやめた。’02年2月、配属されたのは広島市にあるパスタ専門店の厨房。もちろん、それまで包丁を握ったことはない。「不器用な僕に、そこでの仕事はツラかったっすね」顔をしかめてそう言うと、両手の指を見せてくれた。切り傷の跡がうっすらと何本も残っている。「“将棋の強いヤツは仕事もできる”と雇ってくれたけど、仕事ができたのは紹介してくれた人だけやから、というオチが待っていた(笑)。当時75キロだった体重が半年で20キロ減りました。ツラい日々が積み重なっていくと、頭の中は後悔ばっかり。“何で俺は奨励会でちゃんとやらなかったんだ”と……」前出の棋士仲間の菅井さんが今泉さんに初めて会ったのはこのころだ。当時、菅井さんは小学5年生。岡山県に住んでおり、隣県の今泉さんに将棋を教えてもらったり、ご飯を食べに連れて行ってもらったそうだ。「今泉さんはアマチュアの全国トップで憧れの存在でしたが、口数も少なくて、とにかく厳しくて怖い人でした。すぐカーッとなるタイプで、けっこうイライラしてましたね。海鮮丼を食べに行ったとき、丼にご飯をひと粒残したら、ものすごく怒られて、“ヒエー、コワー”と(笑)」’05年7月。今泉さんは3年半勤めたレストランチェーンを突然、辞めてしまう。実は、その5か月前のこと。アマチュアの瀬川晶司さんが、日本将棋連盟にプロ編入を求める嘆願書を提出したのだ。瀬川さんは今泉さんと同じく、奨励会を年齢制限で退会していた。その後、サラリーマンとして働きながらアマチュアの大会に出場。一定の成績を挙げると出場できるプロの公式戦で17勝6敗と驚異的な成績を挙げていた。「俺も、もう1度プロ棋士になれる!と。でも、まだ編入試験の制度ができていない時期に衝動的に辞めたので、ムチャクチャやね。見切り発車にもほどがある(笑)」翌年、プロ編入制度の導入が正式に決まる。ひとつはアマチュアの全国大会で優勝し、奨励会三段リーグへの編入試験を受験するもの。もうひとつは瀬川さんのようにプロ公式戦で10勝5敗以上し、プロ棋士との編入試験を受けるというもの。どちらのルートも年齢制限はなく、何度でも挑戦できる。今泉さんはネット将棋で腕を磨き、前者の試験を受験。33歳で合格し、三段リーグで4期戦うことを許された。師匠は財テク棋士として有名だった桐谷広人七段が引き受けてくれた。1期目で9連勝してトップを快走していたときのこと。「このままうまくいっていいのかな?」なぜか、そんな感情が湧いてきた。「その後は5連敗して奈落の底にゴロゴロゴロー。将棋を指していて、何より気持ちって大事なんですよね。焦っちゃいけないところで焦ると一気に崩れてしまうので」結局、2年後に再び奨励会を退会─。「たぶん三段リーグを2度やったのは僕だけです。スッキリしました。俺はもう、プロ棋士になる能力はないと完璧に割り切れました。ただ、これからどうするかという絶望感はありましたね。ちょっとだけ職歴はあるけど、35歳、中卒ですから」■介護の仕事で見つけた、すっごい発見奨励会の幹事だった人の紹介で、次に向かったのは東京の兜町だ。証券会社で元奨励会員が何人も働いていた。「あなたには絶対無理!」家族には猛反対されたが、押し切った。研修後、トレーダーとして株の売買をしたが、負けてばかり……。結局、紹介してくれた人に礼状を書いた3か月後にはわび状を書き、福山に戻った。「介護の仕事をしてみないか」そうすすめたのは父の正さんだ。職業訓練校の介護コースで半年間勉強をしながらお金をもらえるという。貯金もまったくなかった今泉さんは、すぐに応募した。ヘルパーの資格を取得し、高齢者向けの小規模多機能ホームに就職が決まった。初出勤の日。「おはようございます!」利用者の高齢男性に張り切ってあいさつをすると、いきなり右ストレートが飛んできて殴られた。その男性にとって目障りな場所に、今泉さんが立っていたからだ。別の高齢男性は、普段は穏やかでよく笑うのに、トイレに連れて行こうとすると激しく抵抗する。「行かんもんは行かん!」「まあ、そうは言ってもなー。ちょっとスッキリしていきましょうよ」あれこれ話しかけながら誘導する。実はその男性、戦時中シベリアで独房に入れられていたことがあり、閉所を恐れていたのだ。「介護の仕事を始めて、目からウロコが5枚くらいポロッポロッと落ちました。介護では相手の気持ちになって考えることが大切なんですね。これは今泉の中で、すっごい発見でした。将棋を指していたときは、自分のことしか考えていなかったから」仕事を始めて半年後のこと。トイレ嫌いの男性にいつものように声をかけると、男性は今泉さんの手を取って、唐突にこう言った。「兄ちゃんの手、ぬくいなー」翌朝、出勤した今泉さんが起こしに行くと、男性はベッドの中で冷たくなっていた。「目の前で人が亡くなっているのを見るのは初めてだったので、ものすごいショックでした。めっちゃツラかったです。その後もたくさんの死とめぐりあって、本当に人はいつ死ぬかわからない。だったら、僕は笑顔で生きていきたい。周りの人も笑わせたいと思ったんです。苦しい局面も楽しめるようになってきたら、将棋の成績もすごく上がりだしたんですよね」■あと1勝でプロになれる今泉さんは再び、アマチュアの大会に出るようになっていた。’11年夏には全日本アマ名人のタイトルを獲得。アマ王将戦でも優勝した。プロの公式戦に出場する権利を得て、勝利を重ねていった。介護士になって2年半後に、系列のほかの施設に異動になった。そこで介護リーダーをしていた藤川紀代子さん(68)は、自ら“応援団長”と称する。今泉さんが将棋の大会に出るため、シフトの変更を申し出ると、快く応じてフォローしてきたそうだ。「今泉さんは本当にまじめでね、仕事もすごく一生懸命なんですよ。入浴介助や排せつ介助はちょっと雑なところがあったけど(笑)、大きな声で童謡を歌ったり、テンポよくクイズを出してみんなを楽しませたり。レクリエーション関係はもう、満点でした」介護の仕事は過酷だ。利用者からののしられたり蹴られたりは日常茶飯事。藤川さんも、あごを亜脱臼したことがあるという。「それでも、怒ったらあかん、平常心を保たないと仕事ができひんのです。今泉さんも介護の仕事を通してそれを学んだことが、将棋にも役に立ったんじゃないですか」’14年7月、今泉さんはプロ公式戦で10勝目を挙げ、編入試験への挑戦権を得た。新鋭プロと5局を戦って3勝すればプロ棋士になれる。最初に2連勝し、迎えた第3局目。「このままうまくいっていいのかな?」2度目の三段リーグのときと同じく、ネガティブな思いにとらわれた今泉さん。あっさり負けてしまう─。深く後悔して、うなだれる今泉さんに、旧知の新聞記者はこう声をかけてくれた。「まだ何も終わってませんよ」次の対局は翌月だ。介護施設では、出勤してくる今泉さんにどう接すればいいか気をもむスタッフたちを、藤川さんは一喝したそうだ。「そんなん、普通にしておいたらええんよ」第4局を前に、今泉さんは心の中に渦巻く感情をノートに書き出していった。《自分にはもう何もできないのではないか》《負けることの恐怖はすごくある》《能力不足》いくつも書き、最後に浮かんだのはひとつの言葉だ。《勝つしかない》そして、4局目に勝利して、プロ入りを決める。勝った瞬間、勤務する施設では万歳三唱の声が響き、地元のニュース番組では速報が流れた。「可能性に蓋をしなければ、年齢なんて関係ない」対局後のインタビューで今泉さんが口にした言葉だ。「41歳の僕が勝てたのは介護士という帰れる場所がもうひとつあったことが、すごく大きかったと思います。たとえ将棋がダメでも俺には帰る場所がある。そういう心のゆとりが、僕をプロ棋士にしてくれたんじゃないかと思います」一般的に棋士のピークは“心技体”そろった30歳くらいだといわれる。40代は知力的には下り坂なので重要なのは心。50代は身体が丈夫なことが大事なのだとも。■「未来も過去もあまり興味がない」実は、それだけではない。今泉さんが快挙を成し遂げた裏には、大きな力を与えてくれた女性がいる。医療系の仕事をしている千里さん(52)。22歳の息子がいるシングルマザーだ。将棋好きな息子の影響で、今泉さんの存在を将棋雑誌で読んで知った。フェイスブックを通じて交流が始まったのは、今泉さんがプロ公式戦で10勝を目指していたころだ。《やらなかった後悔よりやった経験を生かそう》千里さんが「筆文字修行」と題してフェイスブックにアップしている言葉が、今泉さんの心に刺さった。ネット上でのやりとりを続け、プロ編入試験の前に今泉さんから交際を申し込んだ。第3局に負けた後、ノートに思いを書くようアドバイスしたのも千里さんだ。第4局の前日。ナーバスになる今泉さんに、楽しかったことを思い出してもらおうと、こう聞いた。「お父さんに初めて勝ったとき、どんなんやったん?」たちまち記憶が蘇ったのか、今泉さんはうれしそうに話し始めたそうだ。「最後に、俺、大丈夫やわ、明日勝てるわと言わはったんですよ。フフフ」穏やかにほほ笑む千里さんのことを、今泉さんは「僕の女神です」と照れもせずに言い切る。現在、今泉さんは対局をするほか、将棋教室を開いたり、講演をしたりして、全国を飛び回っている。菅井さんに聞くと、今泉さんは人前で話をするのもお手のものだという。「4、5人の棋士でトークショーをすると、実績は今泉さんがいちばん下だけど、マイクを離さないですから(笑)。介護の仕事を始めて半年くらいたったころから、おおらかになったなと感じました。全然怒らなくなったし、よくしゃべるし、人ってこんなに変わるんだと(笑)。今はほかの人には言えない悩み事の相談や将棋以外の話も、今泉さんとはよくします」将棋教室では、あいさつや「ありがとう」「ごめんなさい」をきちんと言うなど、礼儀作法をまず教える。初心者に将棋のルールを説明するときは「歩は10円、金は100円、飛車と角は500円」など、わかりやすくたとえる。今後やりたいことは?と聞くと「未来も過去もあまり興味がない」と素っ気ない。「今泉は今を生きています。僕の生涯のモットーは“将棋を通じてみなさまの笑顔のもとになること”。目の前の人に、こんな人がおるんや、おもろいなーと思っていただけたら、何より幸せです」今泉さんがプロに再挑戦するキッカケを作った瀬川さんは’05年にプロ編入試験に合格して今も活躍している。その半生は’18年に『泣き虫しょったんの奇跡』として映画化された。瀬川さんを演じたのは俳優の松田龍平だ。「今泉さんの人生も負けないくらい面白いのでは?」そう水を向けると、まんざらでもない顔だ。「誰かに言われたのですが、僕の役を演じられるのは俳優の竹中直人さんしかいないと(笑)。映画化してもらえるのなら、主題歌はぜひ、高橋優さんの『プライド』でお願いしたいです!」そんな妄想をするのが楽しいと目を輝かせた。取材・文/萩原絹代(はぎわらきぬよ)大学卒業後、週刊誌の記者を経て、フリーのライターになる。’90年に渡米してニューヨークのビジュアルアート大学を卒業。’95年に帰国後は社会問題、教育、育児などをテーマに、週刊誌や月刊誌に寄稿。著書に『死ぬまで一人』がある。
2020年06月13日2020年6月8日、『第91期ヒューリック杯棋聖戦五番勝負』の第1局が開催されました。高校生にしてプロ棋士の藤井聡太七段が、渡辺明三冠(棋王・王将・棋聖)に挑戦。藤井七段が勝利し、初のタイトル戦挑戦となる初戦を白星で飾りました。渡辺三冠の着物や振る舞いがネットで話題に同月9日、情報番組『スッキリ』(日本テレビ系)では、渡辺三冠と藤井七段の対局について特集。番組でコメンテーターを務める近藤サトさんは、「私もドキドキとしながら見守った」と語り、自身の対局における注目点を明かしました。私が実はこの対局で注目したのは、着物。渡辺三冠の着物と勝負飯なんですよ。三冠の着物っていうのは、多分ご自身もお好きでらっしゃると思うんですけれども、非常に個性的なユニークな着物を着られていて。今回もすごいんです、これ!着物好きからしますと、この柄の組み合わせ、素材の組み合わせ、そして白で統一させるっていうのはね、なかなか素人には着られないものなんです。だからそういう意味では、満を持してというか、「俺を超えてみろ」というような気概を持って着たような着物にしか見えないんですよ。スッキリーより引用着物が好きな近藤さんは、独自の視点から渡辺三冠が着ていた着物を褒めました。渡辺三冠が対局時に着用していた着物がこちらです。厳かな雰囲気と上品さをあわせ持つ、素晴らしい着物ですね。さらに近藤さんは、対局中に食べていた昼食の『勝負飯』についても言及。渡辺三冠がうな重で、藤井七段がカツカレーを食べていたことについて、持論を述べます。勝負飯も「なんだ、うな重(を選ぶなんて)、三冠はさすがだな」って思う人がいるかもしれないんですが、あそこでうな重を渡辺三冠が頼まないと、藤井さんの選択肢がなくなっちゃうんですよ。格上の人よりもちょっと安いものを頼むっていう、これも慣例があるんで。だから、同じ思いを中学生棋士だった渡辺三冠はしているんですよ。中学生の頃に、自分より格上の棋士が安いものを頼まれて、「じゃあ食べ盛りの俺は何を頼めばいいんだ」っていう経験があって。「じゃあ藤井くん、君の好きな物をなんでも頼みなさい」という意味でのうな重があったんじゃないかと。スッキリーより引用近藤さんは、渡辺三冠が昼食にうな重を選択したことについて、「自身も中学生の頃から棋士として格上の人と対局する機会があったからこその気遣いではないか」と推測。コメントについて、視聴者からはさまざまな反応が寄せられました。・渡辺三冠の着物、すごく粋でかっこいいと思う。・近藤さんの解説が興味深くて面白かった。・素敵な話。渡辺三冠の好感度がグッと上がった!・渡辺三冠の気配りが素晴らしいし、藤井七段の謙虚さや相手を敬う姿勢もいい。勝負の行方はもちろん、対局時の服装や昼食など、さまざまな点に注目してみると、さらに将棋が面白くなりそうですね。[文・構成/grape編集部]
2020年06月09日3月に6歳になったイチコ。誕生日プレゼントは、将棋でした!■子どもたちと将棋をしてみたら…犬と猫のイラストが描かれたかわいらしいもの。幼稚園で遊んで楽しかったそうで、本人からのリクエストでした。二太郎が小さいうちは、こういう小さいパーツのおもちゃは注意が必要だったのですが、もう3歳だし口に入れること心配はない!存分に遊べるぞ! と思ったのですが…。ひー! ややこしい!隣で眺めてるだけとか、子どもたちに言われたとおりに駒を置くとかを期待していたのですが、全然むり〜!この後、何とか将棋を始めたのですが…■3歳と6歳は将棋で遊べるのか?ということで、私はイチコの駒をひたすら取り、その駒は二太郎に徴収され、もちろんイチコにも駒を取られ、どんどん駒が減っていく…!最終的には…ほぼゲームにはなりませんが、イチコは勝てて喜んでいるし、二太郎は駒をたくさん取れて喜んでいる…!私は楽しめないけど、子どもたちが喜んでるならまあ今はこれでいいか…。二太郎が大きくなったら楽しめるのかなぁと思いつつ、じつは私、ボードゲームが苦手。二太郎の邪魔が、将棋で負けたり、勝負を切り上げたりする言い訳にもなってたりするのが本音…(笑)二太郎も将棋を楽しめる頃には、夫のチチオにがんばってもらおうと思いまーす!\モチコさんの人気記事が動画に!/ 母ちゃんTVはコチラ チャンネル登録お願いします♪
2020年06月08日編集部:学研キッズネット編集部ドラえもん、のび太たちと一緒に将棋のルールが学べる「将棋入門」の決定版が発売中!将棋盤選びからプロになるまで順を追って丁寧に解説。面白いまんがを読み進めるほどに強くなります。一対一という少人数ででき、口ではなく盤上で会話をし、オンラインで遊ぶことも可能なので、新型コロナウイルスによる感染拡大を防ぐための新しい生活様式にも適合します。内容紹介日本がつくった世界に誇る伝統文化、将棋。今、その競技者人口は700万人以上ともいわれています。遊びとして楽しいだけでなく、いつの間にか〝考える力〟の向上につながるのも魅力のひとつです。一手指すごとに変化する局面をとらえることで思考力や集中力が養われ、数々の戦法を使いこなすことによって想像力が豊かに!監修は、「序盤のエジソン」の異名をもつ田中寅彦九段です。«将棋は9×9のコンパクトな盤の中に、無限の可能性があるゲームです。何度やっても面白く、何度やっても判らない。一番良いところは、勝ち負けという形で、成功と失敗を教えてくれる事です。悪い手を指し、王様を詰まされると、自分の失敗を認めて「負けました」と言わなければならない。本当につらい事なのですが、そのくやしい経験が成長のためにはとても大事なのです。みなさんは、これから大人になる上でいろんな失敗をし、くやしい思いやつらい思いをします。しかし、将棋で負けたくやしさを乗りこえて、勝利した経験があれば、スムーズに乗りこえることが出来るでしょう。»(本書「これから将棋を始める人へ」より)書籍紹介〈目次〉これから将棋を始める人へ第一局 ようこそ将棋の世界へ!第二局 駒を自在にあやつるべし!・チャレンジ1 駒を正しく動かせるかな?第三局 持ち駒と成り駒・チャレンジ2 成り駒を正しく動かせるかな?・チャレンジ3 駒損せずに取れるかな?第四局 序盤の進め方第五局 中盤、そして終盤へ・チャレンジ4 詰め将棋に挑戦!(一手詰め)第六局 手筋を使いこなせ!第七局 金と銀第八局 角と飛と玉・チャレンジ5 詰め将棋に挑戦!(三手詰め)第九局 戦法をみがこう『ドラえもんの小学校の勉強おもしろ攻略 はじめての将棋』著・キャラクター原作/藤子・F・不二雄 著/如月たくや 監/田中寅彦定価:本体850円+税判型/頁B6判/176頁小学館より発売中▼本書の紹介ページはこちら産業、名産、自然、歴史・文化、人物。5つの特色から47都道府県がよくわかる本として、発売以来大きな支持を得ている大好評のドラえもんの学習シリーズ『都道府県がわかる』ですが、姉妹編が誕生!今度は、すべての都道府県の地形や地理がオールカラーに。地形や地理だけでなく、特色ある産業も地図と連動して学べるようになっています。都道府県の基本的な情報から始まり、各都道府県の〝日本一〟や行事まで、ドラえもんたちと一緒に楽しく学んでいってください。『ドラえもんの社会科おもしろ攻略 都道府県まるわかり地図帳』キャラクター原作/藤子・F・不二雄プロ イラスト/さいとうはるお定価:本体850円+税判型/頁:B6判/208頁小学館より発売中▼本書の紹介ページはこちらです■「学研キッズネットFor Parents」のニュース一覧はコチラ■学研キッズネット編集部(がっけんきっずねっと)『学研キッズネット』は、1996年にオープンした小・中学生のためのWebメディアです。学研の子ども向け書籍や雑誌の編集ノウハウを活かし、子どもたちが安全に楽しめるサイトとして運営しています。子どもたちのしあわせのために、家族のしあわせのために、有益な情報やサービスをお届けできるよう、いつも精一杯がんばっています。すくすく伸びる子どもたちのために
2020年05月26日こんにちわ、エェコです。突然ですが、将棋ってやったことありますか?「ルールが難しそう…」「駒の動かし方がわからない…」と思ったことありませんか?今回はそんな不安を消しさる、最近の将棋盤事情をご紹介します。■子どものころ苦手だった将棋ですがわかりやす!駒の動かし方って、種類によって動ける範囲が違うから、知らない人は全くわからないですよね。これじゃゲームがはじめられない…!でもこの動かし方が描かれたコマなら小学生にも簡単に動かせるんです!初期位置も書いてあるからわざわざ説明書出さなくても並べられる。ルールブックも子どもにとっつきやすい内容になってるからスイスイ読める!■ルールはばっちり! だけど勝負は?上級者向けにもバッチリ。すべて覚えたらシールを貼れば、ふつうの駒に早変わり!(ちなみに息子は動かし方を覚えたけど、私がまだ覚えてないのでシールを貼るのは待ってもらってます)私自身、小学生の頃に挫折した経験があるのでこの将棋盤をはじめてみたとき、感動しました!興味があるのに難しすぎてプレイする前から挫折しちゃうってもったいないじゃないですか。私の子ども時代にも欲しかった~~~~~!息子ももしかしたら将棋の名人に…!? と思って一緒にやってみたんですが、自分の負けを認められずに最後、ふざけちゃいます。名人どころか素直に「参りました」って言えるまで…時間がかかりそうです。
2020年03月15日藤井聡太七段と都成竜馬六段の対局する「将棋プレミアムフェスin名古屋」がヒルトン名古屋の扇の間で開催される。当日は第69期 大阪王将杯 王将戦 挑戦者決定リーグ戦でA級棋士たちと対局を続けている藤井七段と、女性ファンも多い実力派棋士・都成竜馬六段が登場。“師匠やお客様からの注文将棋”や、詰将棋対決・クイズ大会、抽選会、記念撮影など様々なイベントが予定されており、これまでとは少し違った対局模様を楽しめる。なお、当日は杉本昌隆八段が解説を、谷口由紀女流二段が聞き手を務める。将棋プレミアムフェスin名古屋201912月8日(日)ヒルトン名古屋 扇の間開場 14時開始 15時終了 19時(予定)
2019年12月08日最年少棋士の藤井プロや、小学生の天才囲碁少女により将棋・囲碁ブームとなっています。大人だけではなく子どもが通える教室も人気が高まっていたり授業に取り入れられたりと、将棋や囲碁の学ぶ力が注目されていることが伺えます。将棋も囲碁も両方とも長い歴史のあるものですが、簡単なルールは知っていてもどんな点でメリットがあるかということまでは意外と知らないかもしれません。今まで興味のなかった方もどんな面でプラス効果があるのかを知ることで興味がわくかもしれません。大人も子ども楽しめる将棋・囲碁について調べました。将棋も囲碁も長い歴史のある伝統文化将棋の起源は古代インドと考えられており、日本に伝わったのは中国を経由して6世紀頃と言われています。が、諸説ありはっきりとしたことは分かっていません。しかし最古の駒として平安時代のものが発掘されており、日本でも長い歴史があることは確かなようです。盤上は9×9マスで8種類の駒を操り、王将を取られたら負けとなります。日本の将棋人口は1,200万人以上と言われています。一方囲碁は、約4千年前に中国が発祥と言われています。日本には奈良時代に伝わったと言われていますが、平安時代になると貴族の遊びとして親しまれました。一般的な基盤は、縦横に19本ずつ線が引かれた「19路盤」と呼ばれるものです。黒と白の二色の石を、盤上の縦線と横線が交差した場所に交互に置いていきます。場所を取ったり相手の石を取ったりして、最終的に相手より多くの陣地を作った方が勝ちとなります。将棋・囲碁に共通するメリットとは将棋や囲碁を学ぶことで得られる力・メリットとはどんなものでしょうか。(1) 先読み力例えば将棋において「何手先を読めるか?」ということが言われます。プロ棋士などは、文字通り数百・千も先の手を読みながら対局しています。しかしそれだけではなく、先を読む力の神髄は「有力なアイデアを読む力」「それに対する相手の差し手を推測する力」なのです。先を読むことで、アイデア力・推測力が向上します。(2) 負けて成長できる勝負事なので、負ける対局に当たることも出てきます。その時なぜ負けてしまったのか、次はどうすれば負けないのかを振り返り勉強することで成長できます。負けを知ることは、負けた側の気持ちも理解できるようになるので、相手を思いやる優しい心を育てます。(3) 集中力静かに真剣に対局に取り組むことは集中力を養うのに効果的です。さらに対局中の戦略を練ることや、教室での講義を聞く時間などの繰り返しは集中力を向上させます。(4) コミュニケーション力将棋や囲碁は世界中で競技されていることから、国際的なコミュニケーションの手助けとなります。言葉が通じなくてもコミュニケーションが取れる点は、スポーツとも似ています。年代も幅広い為、普段話す機会のない年配の人などと話すことが人間的成長につながります。また、対局中に相手の意図を読む必要があるため、人の気持ちを考えられるようになることが期待されます。(5) 礼儀将棋や囲碁の教室の多くが、挨拶や敬語を大切にしており礼儀作法を重視しています。礼に始まり礼で終わる習慣により、礼儀が身につくことが期待できます。将棋か囲碁か似ているように感じる将棋と囲碁ですが、伸ばせる力は若干異なります。(1) 将棋は負けず嫌いな子に向いている?まず将棋は王を取り合うゲームです。様々な戦法があるため、どの戦法で戦うかという駆け引きを楽しみながら論理的思考を司る脳の部位や働きを活性化させます。王を取られたら終わりなので、負けず嫌いな子に向いています。駒には種類がありそれぞれが特徴的な動きをするので、動き方で試合を大きく変えることができるのが魅力です。1手が大きく状況を変えることもあるため、いきなり逆転できるという可能性があります。途中であきらめなければ逆転勝利をつかむことが出来る可能性のあるゲームであり、諦めない心を育むことが出来ます。(2) 囲碁は美的感覚が鋭い人に向いている?一方、囲碁は盤面全体を使った陣取りゲームです。広い盤面で自由に打ち合うので新たな発想を見出す創造力が刺激されます。対局中は常に盤面全体を見渡すことで空間認知能力が養われ、最終的な盤面がどうなるかを想像することで判断力が身につきます。何もない盤面に石を置いていく囲碁は、美的感覚が鋭い人に向いておりそういった力を伸ばす面もあります。「将棋にはまったけど囲碁ははまらなかった」またはその逆、という人も多くいます。より子どもの能力を伸ばせる方を選ぶと良いでしょう。しかし前述したように、両方に共通するメリットもたくさんあります。教室などに通う前に、まずは自宅で遊びとして両方覚えることがオススメです。その上で子どもが興味を持ったら、教室に通うなどを検討してもいいでしょう。筆者の小1の息子は、友人が将棋を指すことから少し興味を持ち、将棋が出来るゲームボードを欲しがりました。学童でも定期的に近所の高齢者を迎えた将棋塾が開催され、まだ参加したことはありませんが将棋と触れ合う機会があります。私自身将棋のルールは分かりますが囲碁は関わったことがありません。しかし購入したゲームボードは囲碁など数多くのゲームが遊べるタイプのものなので、これを機会に親子で囲碁にも触れてみたいと感じています。ブームになっているから、ということではありませんが、こういう時期だからこそ触れ合う機会も増えるかもしれません。今までやったことのないという方も、是非親子で楽しんで取り組んでみてはいかがでしょうか?
2019年03月08日わくわくが止まらない、娯楽と感動の殿堂。モデルの前田エマさんに、「将棋の聖地」について語っていただきました。将棋を指せない私でも、棋士の想いに触れたくて。「将棋会館で撮影ができて、本当に幸せ。家宝にします!」モデルの前田エマさんは、2年前から将棋の世界に夢中だ。「漫画『3月のライオン』を読んで興味を持っていたのですが、弟が『本物の将棋の世界はもっとすごいよ』って。それから、将棋番組を見たり専門誌を読んだりして、棋士にハマっていきました」都内にある「将棋会館」は、前田さんにとって神聖な場所。「1階のグッズ売り場によく行くのですが、4階の対局室では、憧れの先生方が今まさに将棋を指しているんだなぁと思うとワクワクが止まらなくて。盤を挟み相手と共に壮大な旅をし、ひとつの冒険記を後世に残していくような感覚に心が震えます」この日は“西の王子”と呼ばれる期待の若手、斎藤慎太郎王座の写真入りクリアファイルを購入。そわそわしはじめたかと思うと、「わあ!森下卓九段を見かけました」と大興奮!山形県天童市の「天童市将棋資料館」へもたびたび訪れる。お目当ては、過去の対局について書かれた新聞記事を読むこと。「対局の感想や昇段の喜びを語る棋士の言葉って美しくて魅力的。個性豊かな対局時のファッションも楽しみです!」将棋と聞けば東へ西へ。「関西将棋会館」には、棋士たちが出前をとることで有名なレストランがある。藤井聡太七段の影響で注目の集まる“将棋めし”。前田さんも豚の天ぷら「珍豚美人(ちんとんしゃん)」を食べたそう。会館の近くには、病と闘いながら人生を将棋にかけた伝説の棋士・故村山聖(さとし)九段が暮らしたアパートや通った定食屋も。ちなみに前田さんは「観る将」。将棋を観て楽しむファンのことだ。「将棋を指せなくても師弟愛や幼い頃からのライバル関係、憧れのスターとの対決、若手の成長など、日々更新されていく棋士の物語に触れられることが楽しくて仕方ないんです!」さすが将棋の街。街歩きも楽しい!【天童市将棋資料館】将棋駒の生産日本一の山形県天童市。資料館では将棋の歴史や、駒工人の作品などを展示。●山形県天童市本町1-1-1TEL:023・653・16909:00~18:00(最終入館17:30)第3月曜休(祝日の場合は開館、翌日休)西日本で活躍する棋士を知るなら。【関西将棋会館】大阪にある将棋会館。販売や対局室、棋士も利用するレストランがある。●大阪府大阪市福島区福島6-3-11TEL:06・6451・7272(事務所)※レストランは11:30~14:00 、17:00~22:00、木曜休まえだ・えま1992 年、神奈川県生まれ。モデル、エッセイスト、アーティストとして幅広く活動。インスタグラムや雑誌などで、将棋愛を発信中。Semi Sircle collar¥12,000(NesessaireTEL:03・5458・1791)※『anan』2019年1月16日号より。写真・土佐麻理子取材、文・ 神武春菜野村紀沙枝保手濱奈美(by anan編集部)
2019年01月10日「モーニング」の人気将棋漫画が「ベビモフ」に移って連載再開!宝が将棋にハマったあのころからお話はスタートします。また宝君に会える!!コンテンツ提供: ベビモフ 『ひらけ駒!』電子書籍はこちら 購入はコチラ
2019年01月06日