私の息子は先天性の病気の影響で肺が片方しかないため、ただの風邪でもこじらせることが多く、ICUに入院したこともあります。そんな息子が新型コロナウイルスにかかれば命に係わると思い、私は息子を極力外に出していませんでした。しかし外出自粛で、ついに息子の喘息の常備薬が残り少なくなり、病院に相談することにしたのです……。 息子の常備薬が残り1週間分!息子は喘息の予防のため、毎日薬を飲んでいます。月に1回かかりつけの小児科に行き、まとめてもらっていました。 最後に行った通院日には、先生にお願いして多めに薬を出していただいていたのですが、その時点ではまさかこんなに長引くとは思っていませんでした。息子の薬は残り1週間分しかなくなってしまったのです。 オンライン診療を調べてみたけれど小児科は新型コロナウイルスの影響でほとんど患者さんがいないとは聞いていましたが、体が弱い息子を病院に連れていくのはやっぱり抵抗がありました。喘息などの定期的な治療薬に関しては、オンライン診療で対応しているというのをニュースで見たので、まずはオンライン診療について調べてみることに。 しかし、近隣のオンライン診療をおこなっている病院に小児科はなく、診療を受ける本人が18歳以上でないと受けられませんでした。 ダメ元でかかりつけの病院に電話 かかりつけの病院は息子の持病についてもよく理解してくれていたので、ダメ元で病院に電話をしてみることにしました。 電話で、息子の体調が非常に安定していること、息子を病院に連れていくのが怖いことを伝え、私だけで行って薬をもらえないか打診してみました。すぐに電話に出た受付の方が先生に確認して、私だけでも構わないと言ってくれたのです。 着いて10分で薬ゲット!30分くらいで処方箋が準備できるとのことだったので、その時間に合わせて病院に行くと、受付の方が自動ドア越しに私の顔を見るなり、処方箋を持って出てきてくれました。私は靴を脱ぐこともなく、病院の入り口で処方箋をもらって薬局へ。 薬局も誰もいなかったのであっという間に準備していただき、着いて10分ほどで薬を手にすることができて本当にほっとしました。 持病がある子どもにとって新型コロナウイルスは本当に恐ろしいですが、持病の薬がなくなってしまうのは、それはそれで不安なものです。今回は外出できない期間が長く、備蓄していた分もなくなってしまったので、病院の柔軟な対応には本当に助けられました。ひとりで考え込まず、早めに病院に相談してよかったなぁと思います。 ※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。 イラスト/マメ美監修/助産師REIKO著者:岩崎はるか2女1男の母。両実家とも遠方のためワンオペ育児中。先天異常の影響で肺が片方しかない医療ケア児を含む3人の子を育てた育児体験談のほか、大学院まで学んだ食についても執筆。
2020年06月23日先天性横隔膜ヘルニア(※)の影響で肺が片方しかない息子。とはいえ特に大きく体調を崩すことなく、1歳の誕生日を迎えました。しかし暖かくなってきて安心した春先、風邪をこじらせて入院することに。今回は、元気に育っていると思っていた息子の持病を改めて実感した瞬間をご紹介します。 (※)本来胸とおなかの臓器を隔てている横隔膜に生まれつき穴が開いており、その穴からおなかの中の臓器が胸の中に出てきて心臓や肺を圧迫してしまう病気。心臓や肺を圧迫するために心臓や肺の発育が悪くなります。これにより心臓の機能の低下や肺低形成・肺高血圧症をきたすため、出生後に手術を受けたあとも酸素療法や心不全に対する治療が長期に必要になることがあります。 小児科に行ったのに…ひどくなる咳昨年の4月、息子が風邪をひきました。とはいえ、初めての風邪というわけではなく、その前にインフルエンザにかかって無事だったこともあり、私は正直気を抜いていました。そのときちょうど上の娘が胃腸風邪をひいていて、嘔吐を繰り返していたので気が回らなかったのもあります。 午前中に2人を小児科に連れていき、もらった薬を飲ませて安心していたのですが、そこから息子の状態はどんどん悪くなっていきました。 動きが遅れた原因息子は夕食を食べたものの、咳き込んで戻してしまいました。上の娘の胃腸風邪がうつったのかもしれない。でも今から病院に駆け込んでも、胃腸風邪なら経過観察になるだろうと思いました。水分だけでもとスポイトで少しずつ経口補水液を飲ませました。 息子の呼吸はどんどん荒くなっていましたが、上の娘たちはもう寝たあと、夫は飲み会で不在。ちゃんと水分はとれているし……と、私はつい不安にフタをしてしまいました。 夫が帰宅後すぐに大病院へ息子の状態は一向に改善せず、夫の帰宅後、すぐに私の運転で大病院へ行きました。病院につくとすぐに処置が始まりました。喘息用の吸入や酸素吸入をさせようとしますが、機嫌の悪い息子は全力で拒否。結局、眠らせて口から気管に管を入れ、人工呼吸器を装着することに。 処置が終わった息子はぴくりとも動かず、生後すぐに手術が終わったあととまったく同じ姿でした。「やっと元気になってきていたのに、私の判断が遅かったから」と後悔が止まりませんでした。 歩けなくなった息子幸い、人工呼吸器は1週間ほどで外れましたが、その間完全に動きを封じられていた息子は、歩くことどころか立つことすらままならなくなっていました。出始めていた言葉もほとんどなくなり、ほぼ半年の成長がたった1週間で失われてしまったのです。 結局原因は「ウイルス性の風邪」ということしかわからず、ただの風邪でここまでの状態になってしまう息子の持病を、改めて突き付けられた思いでした。 医療ケアや服薬の必要もなくなった息子に、私はすっかり油断していました。後悔だらけの入院でしたが、おかげでその後は思い立ったらすぐに大病院に行くようになりました。これからも息子の持病を頭において、早め早めの対応を心がけようと思います。 ※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。 監修/助産師REIKO著者:岩崎はるか2女1男の母。両実家とも遠方のためワンオペ育児中。先天異常の影響で肺が片方しかない医療ケア児を含む3人の子を育てた育児体験談のほか、大学院まで学んだ食についても執筆。
2020年06月22日東京衛生病院小児科の保田典子です。私生活では7歳・5歳・3歳の子育て中! 今回のコラムは、赤ちゃんを産む前にそろえる準備用品に必ず入っている「ベビー布団」。私はあまり買う必要はないと思っています。その理由について解説したいと思います。 赤ちゃんの布団で最適なものは?独身時代から新生児のケアを見てきたので、私は「赤ちゃんの布団はバスタオル」って思っていました。 こんな感じ。 バスタオル、汚れてもどんどん洗えてたくさん買っても後々も使えるしとても便利ですよ。 そうして第1子(4月生まれ)の新生児育児は使っていない大人用のマットレスを折りたたんで防水シートの上にバスタオルを敷いて赤ちゃん用のベッドにしていました。 結局は「スリーパー」が良い赤ちゃんによりますが、小さくて弱々しい新生児期(生後1カ月まで)を超えたら、今度は布団を蹴ってしまうようになります。 せっかく買った布団も、かけてもかけても取ってしまいます。でも、それが赤ちゃんなのです。 赤ちゃんには布団をかけても無駄ですし、寒くなってしまうのが心配なら、「赤ちゃん自身に着込んでもらう」しかありません。 つまり、スリーパーをするほうが親もラクだし、赤ちゃんも安定した環境で眠れます。 ベビー布団をおすすめしない理由吐いたり汗が多い赤ちゃんに、羽毛布団はあまり向きません。 3人目は12月生まれだったので、ベビーベッドレンタル時に、一緒にベビー布団を3カ月ほどレンタルしましたが、結局2枚付いていた羽毛かけ布団のうち、1枚は使いませんでした。(バスタオルの上に羽毛布団かけました) 高い買い物は本当に使うか検討してなので、特に、4〜8月生まれの赤ちゃんはあまりベビー布団を気合い入れて買わなくて大丈夫ですよ。 寒くなるころには寝返りでフレームアウトするか足で蹴って布団の意味をなさなくなります(笑)! 長い期間、同じベビーベッドに寝かせる欧米スタイルの育児をする予定なら買ってもいいかもしれません。(それでもバスタオルと綿毛布とおくるみくらいのほうが管理しやすいかも……と私は思います) ベビーベッド買っても、結局添い寝になってベビーベッドすら使わなくなる人も多いですよ! 安心かつ、親もゆっくり寝られる環境で寝かせてあげられるといいですね。 著者:医師 医療法人アドベンチスト会東京衛生病院 小児科医師 保田典子 先生医療法人アドベンチスト会東京衛生病院小児科医師。株式会社メドイース代表取締役。2003年筑波大学医学部卒業、国立国際医療センター、大阪市立総合医療センター小児循環器内科勤務を経て、2014年東京女子医科大学大学院博士課程修了後現職。小児科専門医。一般診療、小児循環器診療に加えて、漢方治療や発達相談にも対応している。
2020年06月22日娘が3歳9カ月のとき、O157(腸管出血性大腸菌)に感染しました。テレビのニュースなどでよく耳にする感染症ですが、私はO157の恐ろしさを思い知らされることとなったのです。娘の闘病の体験談と、そのとき学んだことを紹介します。 血便が! 腸重積の疑いで大学病院に搬送翌朝、小児科でノロウイルス・ロタウイルスの検査をしましたが、結果は陰性。一度帰宅しましたが、夕方ついに真っ赤な血便が……! すぐに小児科を再受診すると、先生から「腸重積だと思うから、すぐに大学病院に行ってください」との言葉がありました。 腸重積とは腸管が重なってしまった状態のことで、早めに対応しないと危険なのだそうです。大学病院に転院になり、すぐに重なった腸管を元に戻すため、お尻にバルーンを入れる手術をすることになりました。3日間の入院を言い渡されましたが、術後は娘がだいぶラクそうになったので私は安心しきっていました。 O157が検出! そして血尿…!しかしその2日後、看護師さんが血相を変えて病室にきたのです。そこで告げられたのは、検便の結果、O157が検出されたとの言葉でした。私はただ驚くばかりでしたが、そこからすぐに保健所の訪問が始まりました。 同居家族全員の検便がおこなわれましたが、娘以外は全員が陰性。2週間分の食事の聞き取りがありましたが、原因は特定できませんでした。そしてさらに2日経ったころ、娘の体にさらなる異変が! 尿検査のためトイレに行かせると、クランベリーのような色の血尿が出たのです。 合併症を発症し転院!娘は元気に回復しましたが、3年経った現在も合併症の経過観察で通院を続けています。娘がO157に感染し、私は初めてその感染症の恐ろしさを知りました。今では、こまめに手を洗う・肉と野菜のまな板を分ける・調理する箸と食べる箸を分けるなどの対策を続けています。もっと感染症の知識をつけて予防をしていきたいと思っています。 ※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。 監修/助産師REIKOイラストレーター/まっふ 著者:河津明香2男1女の母。旅行代理店勤務をしながらの育児を経て、フリーランスのライターへ転身。現在は発達障害の長男のサポートをおこないながら、旅行・育児・生活雑貨などの記事を中心に執筆。
2020年06月21日娘が3歳9カ月のとき、O157(腸管出血性大腸菌)に感染しました。テレビのニュースなどでよく耳にする感染症ですが、私はO157の恐ろしさを思い知らされることとなったのです。娘の闘病の体験談と、そのとき学んだことを紹介します。 血便が! 腸重積の疑いで大学病院に搬送翌朝、小児科でノロウイルス・ロタウイルスの検査をしましたが、結果は陰性。一度帰宅しましたが、夕方ついに真っ赤な血便が……! すぐに小児科を再受診すると、先生から「腸重積だと思うから、すぐに大学病院に行ってください」との言葉がありました。 腸重積とは腸管が重なってしまった状態のことで、早めに対応しないと危険なのだそうです。大学病院に転院になり、すぐに重なった腸管を元に戻すため、お尻にバルーンを入れる手術をすることになりました。3日間の入院を言い渡されましたが、術後は娘がだいぶラクそうになったので私は安心しきっていました。 O157が検出! そして血尿…!しかしその2日後、看護師さんが血相を変えて病室にきたのです。そこで告げられたのは、検便の結果、O157が検出されたとの言葉でした。私はただ驚くばかりでしたが、そこからすぐに保健所の訪問が始まりました。 同居家族全員の検便がおこなわれましたが、娘以外は全員が陰性。2週間分の食事の聞き取りがありましたが、原因は特定できませんでした。そしてさらに2日経ったころ、娘の体にさらなる異変が! 尿検査のためトイレに行かせると、クランベリーのような色の血尿が出たのです。 合併症を発症し転院!娘は元気に回復しましたが、3年経った現在も合併症の経過観察で通院を続けています。娘がO157に感染し、私は初めてその感染症の恐ろしさを知りました。今では、こまめに手を洗う・肉と野菜のまな板を分ける・調理する箸と食べる箸を分けるなどの対策を続けています。もっと感染症の知識をつけて予防をしていきたいと思っています。 ※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。 監修/助産師REIKO 著者:河津明香2男1女の母。旅行代理店勤務をしながらの育児を経て、フリーランスのライターへ転身。現在は発達障害の長男のサポートをおこないながら、旅行・育児・生活雑貨などの記事を中心に執筆。
2020年06月21日東京衛生病院小児科の保田典子です。診療では、風邪などの一般診療に加え、循環器の病気や漢方治療、発達の相談などをしています。ママやパパたちが安心してお子さんのケアができるような診療を心がけています。 私生活では7歳・5歳・3歳の子育て中で、毎日ドタバタな生活をしています。これからベビーカレンダーでコラムを書かせていただくことになりました。よろしくお願いします! まずはじめにお話ししたいこと。それは、「小児科医は安心できる子育てに必要な”サービス”の1つ」だということです。 初めてのお子さんであれば、育児は誰でも初めてです。初めての経験は、誰でもすぐうまくいくとは限りません。さまざまなツールやサービスをうまく使って、育児を乗り切ってもらえたらと思います。 私は、安心できる育児に大事なサービスの1つ、「小児科医」をうまく利用していただきたいなと思っています。 小児科は病気のときだけじゃない病院というと「病気を治すところ」ですが、小児科の役割はそれだけではありません。乳幼児健診などもおこなっていて、「赤ちゃんの健やかな成長を見守り、支える」役目もになっています。 そのため、多くの小児科医は「子育てで悩むパパママの助けをしたい」と思っています。 夜泣き、離乳食、疳の虫、イヤイヤ期…… 「小児科で相談すること?」と思えることが、意外に小児科で解決することもあるので、予防接種や風邪の診療のついででも、子育ての悩みをちらっと相談してみるのもいいと思います! どんな小児科医がおすすめ?初めてのママパパにおすすめなのは、「とにかく話を聞いていて、信頼できると思える先生」がいいと思います。 でも、それってすごく曖昧……クリニックの外観を見ても良くわからないし。 とりあえず、ぱっと探せる指標としては ●小児科専門医であること●行きやすい場所であること●(新しい・古いではなく)ぱっと見て清潔感があること●ある程度ホームページがしっかりしていること がわかりやすい指標でしょうか。 そんなクリニックを探して一度受診してみて、子育ての疑問なども質問してみて、「いいな」と思ったらそこに通ったほうがいいと思います。 とはいえ、小児科専門医であるというのは1つの指標にすぎません。 実は私の場合、今の場所に引っ越してきて、近所の人におすすめされてかかりつけにしている先生は小児科専門医ではありません。 上記の指標のほかにも、しばらく通って「信頼できる先生だと思えたこと」「小児の患者さんが多く経験豊富であること」がわかったので、そのまま通っています。何より、月曜日~土曜日毎日やっているので、他にかかる必要がないのも気に入ってます。 小児科受診。ここは気をつけて!時々来られる患者さんで、「3つ病院にかかったけど良くならなかったので、うちに来ました」という方がいます。 でも、個人的には何度も病院を変えるのはおすすめしません。特に小児はどこにいっても出すお薬はそんなに変わりません。そして、経過をみてこそ、わかることがたくさんあります。 「後医は名医」という言葉があり、あとで診た医師のほうが経過が長い分、事前に治療をされて効果判定ができる分、正確な診断ができます。 そもそも、初診での正診率(正確に診断できる)は15%とも言われています。 なので、この前なかなか治らなかった風邪が、このお医者さんに行ったら治ったから名医!という訳ではないのです。 合うお医者さんは人それぞれ口コミで「良い」と言われている先生でも、「自分には合わないな……」と思うこともあると思います。ママやパパの性格も人それぞれですし、小児科医の先生もそれぞれだからです。 私みたいに、「ママパパたちをとにかく支えたい」と思っている医師もいれば、「とにかく病気をきっちり治すことだけを大事にしたい」と思っている医師もいます。 ぜひ、1つだけでも「自分が行くと安心できる小児科医」をつくってみてください。これからの子育てライフ、心がグッと軽くなると思います。 著者:医師 医療法人アドベンチスト会東京衛生病院 小児科医師 保田典子 先生医療法人アドベンチスト会東京衛生病院小児科医師。株式会社メドイース代表取締役。2003年筑波大学医学部卒業、国立国際医療センター、大阪市立総合医療センター小児循環器内科勤務を経て、2014年東京女子医科大学大学院博士課程修了後現職。小児科専門医。一般診療、小児循環器診療に加えて、漢方治療や発達相談にも対応している。
2020年06月20日子どもの気になるしぐさやクセを「チックかな?」と心配されるママやパパのために、今回はチックについてお話しします。 チックとは?自分の意思とは関係なく、突発的に不規則な動きや発声を繰り返してしまうことをチックと言います。チックの症状には、運動チックと音声チックがあります。症状の始まりは2歳ごろ~高校生ごろまでの年齢とされていますが、小学校へ入学する前後が多いようです。2~3カ月で症状が消えるケースや、チックのパターンを変えながら数年続くケースがあります。完全に消えなかったとしても、大人になるとチックで困ることがなくなったり、軽くなったりする人がほとんどです。下記のような動きを繰り返してしまうことを、「運動チック」と言います。運動チックには、1つの動きが起こる「単純運動チック」と体のいろいろな部分が一緒に動く「複雑運動チック」があります。 【単純運動チック】・目をパチパチさせる(まばたき)・口を開けたり曲げたりする(口をゆがめる)・まぶたをギュッと閉じる・鼻をヒクヒクさせる・目を細める・白目をむく・肩をすくめる・顔をしかめる・首を振る 【複雑運動チック】・人や物に触る・においをかぐ・たたく 下記のような声を繰り返してしまうことを、「音声チック」といいます。音声チックにも、「単純音声チック」と「複雑音声チック」があります。 【単純音声チック】・咳や咳払いをする・鼻をクンクン鳴らす・「ア」「ウ」「オ」「ワ」など大きな声を出す・ほえる、うなるなど 【複雑音声チック】・他者の言ったことを繰り返して発声する・人前や公の場で言うことをはばかれるような汚い言葉を言ってしまう・自分の発した音声や単語を繰り返す チックの原因は?チックになるのは、子どものせいでも親のしつけや育て方のせいでもありません。チックになるのは遺伝も1つの要因として挙げられますが、親子で顔や体格が似るのと同じように脳の体質が似るというもので、おおげさにとらえる必要はありません。チックがなぜ起こるのかは、まだ完全にはわかっていませんが、脳のドーパミンという神経伝達物質のアンバランスが関係していると言われています。そのことが土台にあって心の状態によってチック症状が引き出されます。 チックには、起こる前に動いたり声を出したりしないといられないムズムズする感じがあり、チックを起こすことですっきりする、落ち着くという特徴的な流れがあります。大人になっていくと、前頭葉が成長してチックが起こる前のムズムズする感じが起きてもチックを抑えられるようになると考えられています。 チックの診断と治療は?チックは小児科などチックに詳しい医師が症状を観察して診断します。子ども本人がチックに困っている、チックだけでなくこだわりや落ち着きのなさに悩んでいる、子ども本人はチックに困っていなくても親が心配している場合は、受診して相談しましょう。 チックと診断がついた場合の基本的な治療は、本人と親、家族、その他日常的に関わる周囲の大人がチックについて正しい認識を持ち、チックの症状が起きても気にせず自然に消えていくのを待つことです。 チックは時期や日によって異なります。緊張する学校行事やイベントの前や、疲れや睡眠不足によって一時的にチックの出る頻度が増えることもあり、周囲が心配することもあるかもしれませんが、普段どおり自然に見守ってあげましょう。チックが起こったときは指摘したり、注意したりしないようにすることが大切です。 チックが日常生活に支障をきたして困る場合には、チックが落ち着くように作用する薬を使った治療をおこなうこともあります。 チックについて知ることで、子ども本人が自分のせいじゃないと安心でき、薬を飲まなくてもチックが目立たないようにコツをつかむこともあるので、病院では、それぞれの子どもに合わせた治療を子ども本人や親と相談しながら決めていきます。 トゥレット症候群とは?チック症状があり、運動チックと音声チックの両方が1年以上続く場合を「トゥレット症候群」と言います。トゥレットとは、1885年フランスの神経科医ジル・ド・ラ・トゥレットが報告したことに由来しています。 トゥレット症候群によくみられる合併症(併発症)には、注意欠陥・多動性障害(ADHD)や自閉症スペクトラム障害があります。また、こだわりや不安が強くなり日常生活に支障を来たす強迫性障害(OCD)、昼夜の区別に一致した生活リズムがとれない、睡眠障害などがみられます。トゥレット症候群の場合は、合併症に対する治療もおこなうことでチックを抑えられることもありますが、2つ以上の障害があると互いに症状を悪くすることがあります。 チックはチックの種類や経過期間によって分類されますが、原因が完全に解明されていないため、すべての患者さんに有効な治療方法が確立していません。チックはトゥレット症候群のように、発達障害や強迫性障害を合併していることもあるため、親がたくさんの情報を集めることもあると思いますが、病院で受ける治療から遠ざけるような助言や、「完治する」と断言する民間療法には惑わされないように気をつけましょう。 「チックかな?」と心配になったらもし、わが子が「チックかな?」と思ったら、かかりつけの小児科へ受診して相談しましょう。病院に行くほどではないけれど相談したい場合は、居住地の保健所や保健センターの保健師へ相談することや、子ども家庭支援センターや児童館の相談窓口を利用することをおすすめします。 チックに対してあまり良いイメージが持てず、受診することや医師の診断を受けることをためらう保護者もいますが、子ども本人がチックに困っているのであれば、適切な治療を受けることでチックが良くなることもありますので、自分に自信を持てる環境を整えるためにも早めに専門家へ相談することをおすすめします。くれぐれもチックの症状が出たときに注意しないことが大切です。 まとめチックは脳内での神経発達の異常が原因であり、子どものせいでも、親のせいでもありません。ましてや子どもの「悪い性格(クセ)」でもありません。チックかもしれないと思ったら、症状自体にこだわらず、生活に緊張感や不安なことがないかを見てあげてください。それでもチックで悩むことや子ども自身が困っていることがあれば、小児科の医師や居住地の保健師、子ども家庭支援センターや児童館の相談窓口に相談してみましょう。そして、本人と親、家族、その他日常的に関わる周囲の大人がチックについて正しい認識をもち、チックの症状が起きても気にせず自然に消えていくのを待つことが大切です。 【参考】国立成育医療研究センター「乳幼児健康診査身体診察マニュアル」『乳幼児健診マニュアル 第5版』(医学書院)一般社団法人日本小児神経学会HP東大病院こころの発達診療部HPNPO法人日本トゥレット協会HP公益財団法人難病医学研究財団/難病情報センターHPトゥレット症候群心をはぐくむ子育てQ&A全国情緒障害児短期治療施設協議会(P.24チック)『わかって私のハンディキャップ② トゥレット症候群 チックはわざとじゃないんだ』(大月書店) 監修者:医師 神奈川県立こども医療センター総合診療科部長 松井 潔 先生愛媛大学医学部卒業。神奈川県立こども医療センタージュニアレジデント、国立精神・神経センター小児神経科レジデント、神奈川県立こども医療センター周産期医療部・新生児科等を経て現在、同総合診療科部長。小児科専門医、小児神経専門医、新生児専門医。著者:助産師 古谷真紀一般社団法人産前産後ケア推進協会プロジェクトリーダー。大学病院勤務を経て、2015年より現職。妊娠中や産後の女性のココロとカラダの相談、ママパパ&赤ちゃんのちょっと気になるコトに日々応えています。
2020年06月19日新型コロナウイルスの影響で、かかりつけ医の受診が減少しているというデータがさまざまな調査によって明らかになってきています。これは、赤ちゃんの予防接種や乳幼児健診の受診にも同じことが言えるようです。そのため、厚生労働省はリーフレットを作成し、予防接種や乳幼児健診を遅らせないよう呼びかけています。 赤ちゃんの免疫が減少する前に予防接種を!ママから赤ちゃんに渡る免疫グロブリンはIgGとIgAの2種類。IgGは生後3カ月ごろから減少して生後6カ月ごろまでになくなります。リーフレットでも、「特に、生後2か月から予防接種を受け始めることは、お母さんからもらった 免疫が減っていくときに、赤ちゃんがかかりやすい感染症(百日せき、細菌 性髄膜炎など)から赤ちゃんを守るために、とても大切です。」としています。 予防接種の重要性はわかっていても、新型コロナウイルスの感染が拡大し緊急事態宣言が出されていた時期に、予防接種を受けるのをためらわれた方も多いかもしれません。外出自粛要請などの影響で予防接種を受けられなかった場合には、地域の事情に応じ、規定の接種期間を過ぎても接種できる場合があるため、住んでいる市区町村に問い合わせるように呼びかけています。 受診の際に気をつけること予防接種はできるだけ事前に予約しましょう予防接種の場所や時間を一般診療と別にしている小児科は多いようです。事前に電話で相談し、予約をしておくと安心です。 体調管理をしっかりおこないましょう受診の前には、体温を測定するなど体調に問題がないことを確認しましょう。赤ちゃんに限らず、付き添う方の体調管理も大切です。 付き添う大人はひとりがベター感染リスクを下げるためにも付きそう大人はひとりににするよう促している小児科も多々あります。お子さんが複数いるご家庭では難しいかもしれませんが、院内に入る大人はひとりにして、他の付添の方は院外で待っていてもらいましょう。 大人がしっかり感染予防をしましょう子どもの新型コロナウイルスへの感染は、ほとんどが同居する家族からの感染であることがわかってきています。お出かけの際はもちろんのこと、帰宅後もしっかり感染対策をおこないましょう。 緊急事態宣言が解除され、制限はありつつも少しずつ日常が戻ってきています。しかし、今後、海外も含め県をまたいでの移動や経済活動が再開されると、必ず第2波、第3波がやってくると言われています。新型コロナウイルスの感染が拡大した際には「不要不急の外出」を控えるよう呼びかけられましたが、今回紹介したリーフレットでも赤ちゃんの予防接種や健診は不要不急ではないとしています。予防接種を受けることで、予防できたり罹っても軽症化で済んだりする病気がたくさんあります。子どもが新型コロナウイルスに感染することは少なく、重症例はきわめて少ないというデータもありますが、予防接種によって新型コロナウイルスに感染するかもしれないという不安を抱えながらの受診を減らすことができるかもしれません。 監修者・著者:助産師 REIKO医療短期大学専攻科(助産学専攻)卒業後、大学附属病院NICU・産婦人科病棟勤務。 大学附属病院で助産師をしながら、私立大学大学院医療看護学研究科修士課程修了。その後、私立大学看護学部母性看護学助教を経て、現在ベビーカレンダーで医療系の記事執筆・監修に携わる。
2020年06月09日出産した病院でわが子の1カ月健診を受けたときに、頭頂部付近にある大泉門がほとんど閉じていると小児科の医師から指摘を受けました。それに加えて、全身の緊張が強い傾向にあるとのこと。まさかわが子が1カ月健診で異常が見つかると思っていなかったので、驚き、動揺して頭が真っ白になりました。1カ月健診で大泉門がほとんど閉じていた個人差はあるものの、通常1歳半前後で閉じ始めると言われる大泉門がわが子はとても小さく、1カ月健診のときにはすでに閉じかけていました。医師の説明によると、大泉門が早くに閉じると頭蓋骨が大きくならず、成長とともに大きくなる脳を圧迫して発達に影響が出てしまう可能性があるとのことです。 しかし、まだかろうじて大泉門が少し開いているので、少しずつでも頭囲が大きくなっていけば問題はないとのこと。経過観察をしていくことになりました。 かかりつけ医への受診産院では病名は聞いていませんでしたが、家に帰って母子健康手帳を確認すると、1カ月健診の記録欄に「軽度筋緊張亢進疑い」と書いてありました。どのような状態なのか気になりネットで検索したところ、脳への障害につながる情報が多く、不安でいてもたってもいられなくなった私。上の子が通っているかかりつけ医へ相談に行きました。 そこでは、まだ月齢が小さすぎて今の段階で診断することは難しく、大きい病院で検査してもわからない可能性も高いので、もうしばらく様子を見ましょうと言われました。 市の3カ月健診生後3カ月半のとき、市の3カ月集団健診を受けました。そこで1カ月健診のときに受けた指摘について説明し、筋緊張が強いことなど気になっていることをすべて小児科の医師に相談しました。 先生は丁寧に答えてくれ、診察の結果、大泉門は閉じかけているが、1カ月健診のときよりも頭が大きくなっているとのことでした。また、全身の筋緊張も確かにあるが、1カ月健診のときよりも状態はよく、安心していいとの診断でした。そして、念のため1カ月後に同じ先生に再診してもらえることになりました。 4カ月健診そして3カ月健診の1カ月後、大泉門は閉じていないか、頭は大きくなっているか、筋緊張は和らいでいるかなどを前回と同じ小児科の先生に見てもらいました。 頭は1カ月前よりも1cm大きくなっているので安心していいと言われ、やっとほっとすることができました。筋緊張も前ほどはなくなっていました。筋緊張も、寝ているときと起きてるときとでは多少変わり、月齢が小さいときには判断が難しいため1カ月健診で経過観察になったのだろうとの説明を受けました。今後は月齢とともに頭が大きくなっているか家庭で様子を見ていくようアドバイスをもらいました。 1カ月健診で要観察になり、そこから経過観察の3カ月がとても長く感じました。指摘を受けたときは不安でいっぱいでしたが、生後半年経った今は発達に問題もなく、順調に頭も体も大きくなっています。今も念のため、1~2カ月に1回、市の育児相談で身長・体重と頭囲を測り、様子を見ているところです。子どもを育てていくなかで不安はつきものですが、今後もわが子の成長を喜びながら、楽しく子育てをしていきたいと思います。 ※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。 監修/助産師REIKO 原案/福山あかね作画/やましたともこ
2020年05月31日今年もすでに夏日や真夏日が続いている地域も。緊急事態宣言が解除され、お散歩や公園など外に出る機会も少しずつ増えているころではないでしょうか?実はそんな時に、注意して欲しいのが熱中症です。急に外に出るようになると体が温度差に対応できなくなることも。特に赤ちゃんは体温調整機能や汗の量を調節する機能が未発達のため、上手に熱が発散できません。そのため熱中症になりやすいのです。赤ちゃんが不機嫌だったり、汗を大量にかいているなど、熱中症かな? と思われるサインが見られたら、ママやパパがとっさにしてあげるべき行動を紹介します。 すぐするべき応急処置ステップ2熱中症⁈と思ったら体内にこもった熱を冷やすことが大切。脱水症状も心配されるので、水分も補給します。 体を冷やす★涼しい場所に移動させるエアコンが効いている部屋や、なければ風通しのいい木陰など涼しい場所へ移動させます。エアコンは25〜27度で直接風が当たらないようにしましょう。★着衣を減らしてあおぐ体にこもっている熱を放出させる為に、衣類のボタンを外してゆるめたり、肌着を着ているなら肌着1枚にします。風通しをよくしたら、うちわなどであおぎます。 水分補給をする★おっぱい・ミルク・麦茶などを基本はおっぱい、ミルクもしくは麦茶などの手持ちの水分があればそれを与えます。離乳食が始まっているのなら、塩分が含まれているBFなどの野菜スープなども効果的です。イオン飲料はパッケージ記載の月齢から飲めますが基本的には通常飲ませている水分が飲めて入れ必要ありません。 ★意識がない・吐く時は無理に飲ませない無理に飲ませようとすると軌道に水分が入ってしまう可能性があるので、無理強いは禁物です。 シャワーなどで水を浴びさせるのも効果的重症かなと思ったら体を素早く冷やすことが大切。効果的なのがシャワーで水をかけたり、お風呂に水を張ってつけるなどの方法です。足先など心臓から遠い部分からやさしくかけましょう。体幹を触って冷たくなっていたら体を軽く拭いてうちわなどで仰ぎます。 アイテムが手に入ればぜひ活用を★水で絞っタオルで体を拭く水で絞ったタオルで体を拭いたり、赤ちゃんの肌を軽くぬらし、うちわなどであおいで体の熱をとります。 ★保冷剤などをわきや足の付け根(鼠蹊部)に当てる冷やした保冷剤やジュースなどの缶をガーゼなどで包み、わきの下やあしの付け根など太い血管のあるところに当てます。 熱中症は屋外だけでなく、室内などでも起こります。赤ちゃんの普段の様子をよく見ておき、おかしいなと思ったら慌てず、素早く対処することが大切です。重症と思ったら診療時間外でも、受診をしてくださいね。 熱中症の症状、受診の目安は以下をチェック! 監修者:医師 石戸谷小児科院長 石戸谷尚子 先生医師、医学博士。1981年徳島大学医学部を卒業後、東京慈恵会医学大学、小児科入局都立母子保健院及び慈恵医大付属第3病院勤務を経て1995年現職に。日本小児科認定小児科専門医、日本アレルギー学会認定アレルギー専門医、日本血液学会認定血液専門医。
2020年05月30日こんにちは、小児科医の保田典子です。私生活では8歳、6歳、4歳の子育て中です。最近よく外来で乳児のママに「子どもが麦茶を飲まないんです」と相談されることが増えてきました。 暑くなってきたし、脱水になりやすいから麦茶を飲ませなきゃ!と思ってしまいますが、実は麦茶は飲ませなくて大丈夫です。今回は赤ちゃんの麦茶事情について解説します。 赤ちゃんに麦茶は、必要ありません市販の赤ちゃん用麦茶には、よく「生後1カ月から」と書いてあります。なので、1カ月健診が終わったころから麦茶をあげるのは間違いではありません。 ですが、医学的には「いつから」というのは決まっていません。それは、離乳食を始める前の赤ちゃんは、母乳か育児用ミルク以外の水分は基本的に必要ないとされているからです。白湯も同様で、離乳食前の赤ちゃんには必要ありません。なので、正しくは「生後1カ月から可能だけど、通常生後5〜6カ月から飲むことを考慮」します。生後5〜6カ月でも、離乳食と母乳か育児用ミルクだけで大丈夫なので、基本的に麦茶を飲ませなくてはいけない時期というのはありません。 夏の水分補給はどうする? 夏でも、赤ちゃんは母乳か育児用ミルクだけで大丈夫です。乳児であれば、3〜5時間おきには水分(母乳か育児用ミルク)を摂取しているので、過酷な環境にいるわけでもないときにはいつもの母乳か育児用ミルクで大丈夫です。 汗が増えるので、多少おしっこが濃いように感じても、“欲しがるときに母乳か育児用ミルク”が摂取できていれば他の水分はいりません。私の場合、家にいるときは母乳か育児用ミルクだけにしていて、外に遊びに行くときに麦茶を準備していました。水分を欲しがるたびにおっぱいや育児用ミルクの準備をするのが面倒だったからです(基本めんどくさがりなので)。 もちろん、赤ちゃんは「のど渇いた」とは言ってくれないので、こまめにあげてみて、「飲まなければいいや」という感じでした。もちろん、外出中でも授乳のほうが適切だなと思うタイミングでは授乳にしていました。 幼児は水か麦茶で水分摂取を!幼児になると母乳や育児用ミルクよりも食事からの栄養摂取がメインになり、母乳や育児用ミルク以外にも水分摂取をする必要が高くなります。水分摂取にはジュースやイオン飲料は使用しないほうがいいので、自然とお水や麦茶、牛乳などを飲むことになります。牛乳も飲み過ぎは注意なので、水や麦茶をメインに水分摂取を考えていただけるといいと思います。 監修者・著者:医師 高円寺こどもクリニック院長 保田典子 先生2003年筑波大学医学部卒業、国立国際医療センター、大阪市立総合医療センター小児循環器内科勤務を経て、2014年東京女子医科大学大学院博士課程修了後現職。小児科専門医。一般診療、小児循環器診療に加えて、漢方治療や発達相談にも対応している。2021年、高円寺こどもクリニック開院。3児の母。
2020年05月29日編集部:学研キッズネット編集部「食×ヘルスケア」を軸に商品やサービスを展開する株式会社MiLは、ベビー・子ども向けD2Cブランド「the kindest」から初の子ども向けおやつ、ソフトクッキーの販売を開始しました。子どもにおやつをあげているママパパは約80%!でも、糖質や塩分の過剰摂取や添加物が気になる株式会社MiLが独自に調査した「子どものおやつ利用動向アンケート」によると、5歳までの子どもがいる家庭のうち77.5%が、普段子どもにおやつをあたえていると回答しました。一方で、おやつをあたえることに対して「糖質や塩分の過剰摂取が気になる」「添加物が気になる」と答えた人が半数以上にのぼりました。株式会社MiLは、5月18日の「the kindest」ブランドリニューアルに伴い、乳幼児向けのおやつシリーズ「the kindest sweets」をローンチ。シリーズ初の商品として、ソフトクッキー(全5種)の販売を開始しました。ソフトクッキーは、ひよこ豆をベースに砂糖や塩はもちろん、不要な添加物を一切使用せず、フルーツピューレの甘みが凝縮された、身体にやさしい味わいになっています。また、小児科医が監修し、不足しがちな鉄・ビタミンDなどの栄養素も配合。7大アレルゲン不使用、グルテンフリーでアレルギー持ちのお子さまでも楽しめます。「子どものおやつ利用動向アンケート」対象者:全国の5歳までの子どもがいる家庭(回答数:546人)調査実施時期:2020年5月13日〜20日 / WEBアンケート1.普段、子どもにおやつをあげている家庭は77.5%。そのうちの58.1%は、ほぼ毎日あげていると回答。2.おやつをあげることに対する気になることや悩みで一番多かったのは「糖質や塩分の過剰摂取」68.3%。その他、「虫歯」56.8%、「添加物」 54.0%と続き、これら3つの項目に該当すると回答した人は半数を超えている。3.今後あげてみたいおやつは「手作りおやつ」が57.1%とダントツで高い。市販のものだと約4人に1人が「ゼリー・プリン系」「ビスケット・クッキー系」と回答。おいしくてからだにやさしい!?「the kindest sweets」ソフトクッキー新登場!子どもにとっておやつは、食事では足りない栄養を補給する大切なものといわれています。一方、おやつ=砂糖や塩などが含まれていて身体に悪いもの、と考えられがちで、調査によると半数以上の人が、おやつをあげることに対して「糖質や塩分の過剰摂取」「虫歯」「添加物」が気になると回答しています。そんなママパパの声をもとに、株式会社MiLでは「おいしくてからだにやさしいソフトクッキー」を開発しました。「the kindest sweets ソフトクッキー」おいしさのひみつ●ひよこ豆をベースにした、砂糖や塩、小麦を一切使っていないグルテンフリーのからだにやさしいソフトクッキー●小児科医監修のもと、1日に必要な栄養素のうち不足しがちな鉄・ビタミンDが50%以上、食物繊維・カルシウム・亜鉛は10%以上をカバー●アレルギー特定7品目不使用で、アレルギー持ちのお子さまでもOK●一流シェフ考案のこだわりレシピで、おいしくお子さまの成長をサポート●1本ずつ小分けパッケージだから、お出かけ時のおやつにも【商品情報】単品販売:10本入BOX¥1680、20本入¥3360定期コース:20本入¥2980/月フレーバー全5種:プレーン&ミカン、プレーン&ストロベリー、ココア&ラズベリー、ココア&オレンジ、ココア&バナナ■新パッケージのベビーフード &ソフトクッキー が当たるプレゼントキャンペーン実施中!「the kindest(カインデスト)」ブランドリニューアルを記念して、新パッケージの商品が当たるプレゼントキャンペーンを実施中。the kindest 公式SNS(InstagramもしくはTwitter)をフォロー&対象ポストを「いいね!(Instagram)/リツイート(Twitter)」 で応募が完了。抽選で100名様に、リニューアルしたベビーフードと新発売のソフトクッキーが詰め合わさった「the kindest お試しBOX」をプレゼント!●応募方法1.the kindestのInstagramまたはTwitterの公式アカウントをフォロー2.キャンペーン対象の投稿を「いいね!」 (Instagram)またはリツイート(Twitter)▼the kindest 公式アカウントInstagram:●応募期間2020年5月18日(月)12:00 〜 5月31日(日)23:59●当選商品the kindest お試しBOX100名様・the kindest babyfood ベビーフード(ピューレ 3種類)・the kindest sweets ソフトクッキー(3種類)ベビー・子供向けD2Cブランド「the kindest(カインデスト)」とは「the kindest」は、子どもの成長に必要な栄養素を実証データに基づき、小児科医・管理栄養士・シェフと共同開発した、子どもの月齢や成長に合わせて商品(ベビーフード)が自宅まで届くサブスクリプションサービスとして2019年4月にローンチ。2020年5月に「the kindest」にリニューアルし、 「やさしさで、世界を変えていく。」をメッセージに、ベビーフードに限らず、子どもがいる家庭に向けた商品・サービスの展開を目指しています。厳選された食材を使用し、不要な調味料や添加物を使用していない安心安全な商品を提供。考える・調べる・つくる時間を、少しでも多くお子さまと過ごす時間に当ててほしい、と願って「the kindest」は開発されました。2019年4月のローンチ以降、1年で販売実績178,000食を突破し、インスタグラムのフォロワーは12,400人を超えました。【株式会社MiLについて】株式会社MiLは「食×ヘルスケア」を軸に、 ヘルシーでエシカルな世界を実現を目指すスタートアップです。シェフや小児科医などのプロフェッショナルたちとチームを組み、実証データに基づいた商品・サービスの開発を行う、ベビー・子ども向けD2Cブランド「the kindest(カインデスト)」を展開し、「自分らしい人生を食から実現する」をミッションに掲げ、世界中で注目を集めているSDGsとエシカルへの取り組み、日本が築き上げてきた食文化やクラフトマンシップを大事にしながら、世界を代表するの食品ブランドを目指しています。【会社概要】会社名:株式会社 MiL代表者:CEO 杉岡侑也設立:2018年1月11日営業所:東京都渋⾕区神南1丁⽬12−16 Asia ビル 6F電話番号:03-4405-2663公式サイト:■「学研キッズネットFor Parents」のニュース一覧はコチラ■学研キッズネット編集部(がっけんきっずねっと)『学研キッズネット』は、1996年にオープンした小・中学生のためのWebメディアです。学研の子ども向け書籍や雑誌の編集ノウハウを活かし、子どもたちが安全に楽しめるサイトとして運営しています。子どもたちのしあわせのために、家族のしあわせのために、有益な情報やサービスをお届けできるよう、いつも精一杯がんばっています。すくすく伸びる子どもたちのために
2020年05月27日令和2年5月25日、新型コロナウイルスに関する緊急事態宣言が全国で解除されました。緊急事態宣言が解除されたとはいえ、今後もソーシャルディスタンスの確保やマスクの着用・手洗いの実施、3密の回避など感染予防に努めることには変わりはありません。そんななか、日本小児科医会は「2歳未満の子どもはマスクの着用は不要、むしろ危険である」という見解を公表しました。 心配されるマスク使用による乳児への影響とは乳児の呼吸器の空気の通り道は狭いので、マスクは呼吸をしにくくさせ呼吸や心臓への負担になる日本人の成人の気管の直径は、男性で平均18mm、女性で15mm程度ですが、1〜2才児の気管の太さは6.3mm。呼吸筋も未発達で、1歳未満の呼吸数は30〜60回/分と成人の約2倍です。 赤ちゃんがマスクをすることにより、普段の呼吸よりも負荷がかかるため、呼吸数や心拍数を増やして全身に酸素を取り込まなくてはならなくなります。そのような状態が続くと呼吸筋や心筋が疲労し、最悪の場合、心停止につながることも。 マスクそのものやおう吐物による窒息のリスクが高まる赤ちゃんの枕元においていたハンカチが赤ちゃんの口を塞いでしまった……という事故を耳にすることがあると思います。マスクもある意味同じ状況と言えるかもしれません。 また、赤ちゃんは成人に比べて口の中の容積に対して舌が大きく、唾液などの分泌物も多いため気道が閉塞されやすい状態にあります。マスクをしていることによって唾液や吐き戻したものを口の外に出しにくい状態となり、窒息のリスクが高まると言えます。 マスクによって熱がこもり熱中症のリスクが高まる赤ちゃんは体温調節機能や腎機能が未熟で、成人より水分の出入りが大きく、自分で水分補給できないこともあり、容易に脱水状態に陥ります。 マスクをつけていると体内に熱がこもりやすく、マスク内の湿度があがっているため、のどの渇きを感じづらくなり、知らないうちに脱水が進んで熱中症になるリスクが高まると言われています。 顔色や口唇色、表情の変化など、体調異変への気づきが遅れる赤ちゃんが自分の意思をことばでうまく伝えられないころは、赤ちゃんの泣き声や表情で察することも多いかと思います。マスクで赤ちゃんの顔半分が覆われてしまうと、それも難しくなってしまうかもしれません。 子どもの新型コロナウイルス感染症は今のところ心配が少ない!?子どもの新型コロナウイルス感染症について、以下のようなことがわかってきたようです。 ・子どもが感染することは少なく、ほとんどが同居する家族からの感染である・子どもの重症例はきわめて少ない・学校、幼稚園や保育所におけるクラスター(集団)発生はほとんどない・感染した母親の妊娠・分娩でも母子ともに重症化の報告はなく、母子感染はまれ 米国疾病予防管理センター(CDC)やアメリカ小児科学会(AAP)でも2歳未満の子どもへのマスク使用の危険性を警告しているようです。進行性の呼吸不全が小児の心停止の最大の原因であるとされており、小児は呼吸困難を他者に伝えることが困難であるため、感染予防のためのマスクの使用も注意が必要です。マスクに期待される効果は、細菌やウイルスを含んだ飛沫の拡散を防ぐこと。子どもへの感染は同居家族からの感染が多いということからも、まずは大人がしっかり感染予防をおこなうことが大切です。一旦、落ち着いたかに見える日本の新型コロナウイルスの感染拡大ですが、今後第2波、第3波が来ることは否めません。これからも感染予防に努め、節度ある行動が望まれます。 監修者・著者:助産師 REIKO医療短期大学専攻科(助産学専攻)卒業後、大学附属病院NICU・産婦人科病棟勤務。 大学附属病院で助産師をしながら、私立大学大学院医療看護学研究科修士課程修了。その後、私立大学看護学部母性看護学助教を経て、現在ベビーカレンダーで医療系の記事執筆・監修に携わる。
2020年05月26日こんにちは、小児科医の保田典子です。私生活では8歳、6歳、4歳の子育て中です。4月7日に7都道府県で発令され、全国へ拡大した緊急事態宣言。新型コロナウイルス感染拡大が落ちつきつつあり、ついに5月25日にすべて解除されました。学校、幼稚園、保育園も徐々に再開しそうな見通しですが、そんな今やっておきたいことをお伝えします。 第2波は必ずくる今、北海道で第2波がきてピークを超えたかな?という状況です。日本では感染者数が少ない地域でも自粛生活を行っていて、感染拡大がおさえられていました。新型コロナウイルスは潜伏期間が長く、8割の人が軽症もしくは無症状とも言われています。今は飛行機もほとんど飛んでいなくて、地域間の移動も非常に少なくなっていますが、海外も含め、地域間の移動や経済活動が再開されると、多かれ少なかれ第2波がくると考えられています。感染者をゼロにするのが非常に難しい感染症なのですが、大事なのは”急激な”感染拡大をくい止めることです。そのためにこれからできることがあります。 子どもの健康のために学校は行く 学校や幼稚園のお休みで学力の低下や学習環境の格差が問題になっています。他に、子どもたちの状況を見ていると、体力低下も今後問題になってくるのではないかと心配しています。 この状況で、メンタルが疲れてしまった子どもたちも出てきています。病気はコロナだけではありません。今必要以上の社会生活を制限することは、数年後、数十年後の生活習慣病などの病気の原因になることも心配されます。 子どもたちの心身の健康を保つためにも、学校や幼稚園は、緊急事態宣言解除後は行った方がいいのではないかな、と思っています。未就園児の保育園に関しては、今の首都圏の状況をみるとコロナに感染する確率は高くないと考えられますが、保育園に行けば、コロナ以外の風邪をもらってくる可能性がぐんと高まりますので、お仕事や家庭の状況に応じて判断いただくといいと思います。 必要以外の外出は自粛した方がいい会社も学校もレジャーもすべて再開してしまうと、第2波の波が大きく来てしまう恐れがあります。段階的に再開する学校もあるようですが、他の生活も段階的に戻していくのが望ましいです。電車などの公共交通機関を使ったお出かけなどは、可能な限りしない方がいいでしょう。近場でも、スーパーなどは1人で買い物に行くことは継続しましょう。わが家には、ずっと家にいる保育園児がいるのですが、体力が低下している今、いきなりフルタイムで保育園へ行かせるのが不安なので、週2〜3日からとか、1日の保育時間を短くして預けるなどしようかな、と考えています。 冬にお友達と約束したお出かけは、まだまだだなと決めています。迷っているのが、電車に乗って行かなければいけない病院受診です。命に関わることではないので自粛していたのですが、子どもの成長のためには早めに連れて行ってあげたい……。でも、急に遠方へ行くことを再開することは、少し不安です。 どうしたら感染するかを再確認!新型コロナウイルスにかかわらず、「風邪」といわれる感染症のほとんどは「接触・飛沫感染」です。接触飛沫感染は、鼻水や唾液から感染します。しゃべっている口からも飛沫するので、目に見える鼻水や唾液に触らなくても感染することがあるので、ソーシャルディスタンスが大事なのですよね。 また、ウイルスがついた物を触ることによっても感染するので、近くに感染者がいなくても、感染者が前に触ったものに触ることでも感染します。感染は皮膚についているだけで感染するのではなく、ウイルスが鼻や口から入ることで感染します。 そのため、鼻や口に触らないこと、外出から戻ったらしっかり手洗いうがいをすることがとても大事です。2〜3歳以降のお子さんであれば、「なぜしっかり手洗いをしたほうがいいのか」をしっかり伝えて手洗いを一緒にすると、きちんと習慣づけできると思います! ストレスをためすぎないで3月からの3カ月間。親も子もいろいろとストレスがたまったと思います。感染がピークだった時でも、日本はアメリカやヨーロッパに比べると低い感染率で推移しています。きちんと手洗い、うがい、外出時のルールを守っていれば感染はしないと考えてもいい時期ではないでしょうか。怖がりすぎないで、今できる楽しいことを少しずつ再開していきましょう。 今まで考えてきた「コロナが終わったらしたいこと」はありますか?その中でできそうなことを少しずつやって、心も健康な6月を過ごしましょう! 著者:医師 医療法人アドベンチスト会東京衛生病院 小児科医師 保田典子 先生医療法人アドベンチスト会東京衛生病院小児科医師。株式会社メドイース代表取締役。2003年筑波大学医学部卒業、国立国際医療センター、大阪市立総合医療センター小児循環器内科勤務を経て、2014年東京女子医科大学大学院博士課程修了後現職。小児科専門医。一般診療、小児循環器診療に加えて、漢方治療や発達相談にも対応している。
2020年05月25日「気軽に専門家に質問ができて、さらに返信も早い」とママから日々感謝の声が寄せられているベビーカレンダーの人気コンテンツ【助産師に相談】の掲示板。そのなかから特に注目をあつめた質問の内容を一部抜粋してご紹介します。今回は、新型コロナウイルスの影響で4カ月健診が中止になってしまったママからのご相談です。 Q.4カ月健診が中止になってしまいました保健センターで4カ月健診をおこなう予定でしたが、新型コロナウイルスの影響で中止になりました。4カ月健診を予定通り実施できた場合、どのようなことをするのかは教えてもらえていなく、電話で問い合わせをしていますがなかなか繋がらず数日経過しています。母子健康手帳を見る限り、身体測定はおこなうようですが、健診時におこなうことで、ママやパパができるチェック項目などはありますか? 高塚あきこ助産師からの回答今はどこの自治体でも、乳児健診が延期や中止になっていますね。健診ができなくなってしまうと、お子さんの成長発達が確認できる機会がないので心配になりますね。4カ月健診では、問診の他にお子さんが物の追視ができるか、音に反応するか、体重や身長の発達はいいかなどが中心になるかと思います。また自治体によっては、まもなく始まる離乳食の進め方の話や歯磨きの話をするところもありますよ。また、保健師に育児相談をしたり、小児科医からは育児の心配事や発達や授乳についてのアドバイスがあるかと思います。もし、ご心配であれば、かかりつけの小児科で診てもらえる場合もあります。自治体によって補助券などがある場合には、小児科でお使いになれる場合もありますよ。ご確認くださいね。※参考:ベビーカレンダー「助産師に相談」コーナー※診断や具体的な治療については医師の指示にしたがってください 3~4カ月健診とは?3~4カ月健診は初めての集団健診で、赤ちゃんの成長や発育、病気にかかっていないか、健康状態を確認するためにおこなわれます。医師、歯科医師、保健師、助産師、栄養士などの多職種に相談することができ、自治体の子育て支援機関に相談できる機会でもあります。そして、地域の子育て情報なども知ることができ、他の赤ちゃんとの交流へつながります。3カ月健診か4カ月健診かは自治体によって違うため、まずはお住いの自治体の健診スケジュールを確認してください。身体測定(体重、身長、頭囲、胸囲)、成長・発達のチェック、全身の診察をおこないます。また、栄養状態や母子の生活環境のチェック、育児相談をおこなっています。3~4カ月児健康診査問診票がありますので、事前に記入しましょう。 3~4カ月健診の内容 診察として心臓や肺を聴診して雑音をチェック。あやすと笑うか、目でものを追う追視テスト、眼球の異常運動のチェック、音への反応、先天性股関節脱臼・白蓋形成不全・停留睾丸の有無などの身体的診察がおこなわれます。 3~4カ月健診では首すわりの状態を確認。赤ちゃんをあお向けに寝かせて両手を持って引き起こしたときに首がついてくるか、うつぶせにしたときに頭を持ち上げられるかを観察して、首が座っているか判断します。 3~4カ月健診は、小児科医、保健師、助産師、栄養士などの各専門家に相談することができます。育児に関する不安や疑問、授乳育児の状況やミルクの回数などの相談、予防接種の時期、ママの抑うつ気分があればママの体調についての相談もおすすめです。母乳指導もおこなっていますので、ママの母乳トラブルなどの確認があり、赤ちゃんの体重が増えないなどの心配事があれば、親身に相談にのってくれます。母乳回数や間隔、ミルクの量などのメモを持参すると判断材料になります。 3~4カ月健診で体重の増加が少ない、首のすわりが遅い、反射や反応が鈍い、消失すべき原始反射が残っているなど、発達の異常がある場合は再検査になるようです。※参考:基礎知識(ベビー)「3カ月・4カ月健診とは?健診の内容や場所、持ち物や費用について」【監修者:医師 松井 潔 先生小児科 | 神奈川県立こども医療センター総合診療科部長】
2020年05月25日わが家の娘の背中には「いちご状血管腫」があります。大きさは5mm程度と小さいのですが、真っ赤で目立ちます。そこだけ皮膚が盛り上がり、血豆のよう。今回は、受診の様子と治療に踏み切るか悩んだ体験談をお伝えします。 娘の背中に「いちご状血管腫」娘が生後2カ月のころに気付いた、血豆のような背中の皮膚。痛くはなさそうな様子でしたが、その正体を知るために小児科を受診しました。かかりつけ医に診せたところ、「いちご状血管腫です。未熟な毛細血管が増殖してできる皮膚の変化で、良性なので放っておいても大丈夫です。たいていは子どもが成長していくうちに消えます」とのことでした。 いちご状血管腫は、将来、娘がウエディングドレスを着たときには高確率で露出すると思われる場所にできていました。とても心配でしたが「良性であること」「消える可能性が高いこと」を聞いて少し安心しました。 1歳半健診の小児科医「そのまま残るかも」娘の1歳半健診のころ、背中のいちご状血管腫は大きさも色もまったく変わらず、まだそこにありました。健診を担当していた小児科医には「これまでに小さくなったり薄くなったりしていないなら、これはそのまま残るかもしれません。取るなら手術が必要です」と言われました。 投薬治療もあるようなのですが、それには副作用もあるようです。そのうち消えると信じて疑っていなかったため、突然の宣告にとても驚きました。 「いちご状血管腫」の治療、わが家の選択娘のいちご状血管腫を取ってあげたい。でも、手術にも投薬にも少なからずリスクがある。いちご状血管腫を取るために、リスクを犯すべきか。悩みに悩んで、結局わが家では様子見を続けることにしました。7歳までには70%の確率で消える、というデータもあるようなので、それに賭けてみようと考えたのです。 娘が成長しても、いちご状血管腫がもし消えていなかったら……。そのときは、成長した娘にもどうしたいか聞きたいと思っています。 今は、背中のいちご状血管腫を「娘の目印」だと考えるようにしています。そのため、消えることを願いながらも、いざ消えてしまったらさみしい気持ちになるような、なんだか複雑な気持ちになっています。 ※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。 イラスト:imasaku監修/助産師REIKO著者:丸川朋一女の母。出産を機に仕事を退職。子育てのかたわら、妊娠・出産・子育てに関する体験談を中心に執筆中。現在二人目妊活中。
2020年05月25日4歳の子どもは軽度のハウスダストアレルギーがあり、小児科では風邪のときに呼吸器系の症状が出やすいといわれています。そんな子どもがこのコロナ禍のなか、風邪をひきました。小児科に加えて耳鼻科も受診したのですが、そのときの医師の対応にびっくりした私の体験談をお伝えします。 耳鼻科はわが家のホームドクター私の子どもは鼻がつまりやすいため、自分で鼻をかめない0歳のときから耳鼻科にはお世話になっています。かかりつけの耳鼻科の医師は定期的に学会に参加したり、このコロナ禍でもいち早く保健所の電話番号を病院の入り口に張り出したりしていて、地域の予防医療にも積極的な方です。 子どもに対してもやさしく、穏やかな口調で話しかけながら治療をしたり、帰り際にはハイタッチをして「またねー」とあいさつをしてくれたりと、私も子どもも頼りにしていました。 まさかの対応に混乱4月上旬に子どもの熱が出て、鼻水と咳もあったので小児科を受診しました。私は一瞬、新型コロナウイルスの心配をしましたが、のどは赤くないし、肺の音もきれいで「風邪だね」との診断。そこで私はひと安心したのですが、子どもの鼻がつまり、息がしづらそうだったので耳鼻科にも行くことにしました。 耳鼻科の受付で世間話をし、いつも通りの気持ちで診察室に入ると医師が伏し目がちのような気が……。今までよりも手短に処置を済ませると「このあとは小児科にかかるように」と素っ気なく言われ、背を向けられたのです。あまりにもいつもとは違う態度に、私は混乱してしまいました。 不安感から視野狭量に私はそこでやっと気づいたのです。子どもが新型コロナウイルスの感染者かもしれないと警戒されていたのだと。病院の入り口の張り紙は注意喚起ではなく、新型コロナウイルスを病院内に持ち込ませないためのものだったのだと。 子どもの体調が悪く、心配から不安感が強くなっていた私は、その耳鼻科の医師の豹変ぶりに傷つき、さらに不安になりました。けれど落ち着いて考えれば医師の態度は当然かもしれないと考えられます。 耳鼻科の医師は、自身もスタッフも患者も守らなければならない立場にいるのです。私ばかりが苦しく不安なのだ、私が弱者で守られるべきなのだと視野狭量になっていたと気づかされました。 その後、子どもは2日で解熱。新型コロナ疑惑なんてどこふく風で走り回っています。子どもが元気で、心穏やかな今ならあんなに不安にならなくてもよかったのにと思えます。大変なときこそ、私自身がニュートラルな状態でいることの大切さを感じられる一件でした。 ※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。 著者:小原水月1児の母。管理栄養士免許取得。「健康が人生をわくわくさせる」をモットーに食と健康の分野でライターとして活動中。高齢出産後、生まれ育った都心を離れ夫の実家がある地方都市へ移住。義母と同居。
2020年05月24日感染症により、休園・休校の長期化、不要不急な外出の自粛要請で、子育て中のママやパパの負担やストレスは一層倍増しているでしょう。ちょっと気晴らしにお散歩やおでかけも難しい今、家の中でずっと子どもと相対していると、逃げ場がなくなって心が折れてしまいそうになることも。「子どもはかわいいし、きちんと育てたいと思っている。でも…」と悩む親は少なくありません。育児ノイローゼ、産後うつなどにならないためにはどうしたらいいのでしょうか?子育ての不安やイライラ、焦り、迷いを抱えるママやパパに向けて、内外出版社から新刊 『小児科医ママが今伝えたいこと! 子育てはだいたいで大丈夫』 が発売されました。著者は、小児科医で二人のママでもある、森戸やすみ先生。育児に悩むママやパパへ向けたこの本では、これまで信じられてきた育児神話の“本当のところ”や、とくにママがつらく感じる原因、自分らしくラクになれる子育てのヒントなどが、小児科医の視点でわかりやすく解説されています。●森戸やすみ(もりと・やすみ)先生小児科専門医。一般小児科、NICU(新生児特定集中治療室)などを経て、2020年6月1日、東京都台東区に『どうかん山こどもクリニック』を開業予定。『小児科医ママとパパのやさしい予防接種BOOK』(内外出版社)など著書多数。二子の母。Twitter: @jasminjoy Facebook: ■育児のトラブル・悩みはすべてママのせい?たとえば、おでかけ先や公共の乗り物の中で、子どもがなかなか泣きやまない。わが子がほかの子とうまく遊べなくて、つい手が出てしまう。せっかく離乳食を作っても、あまり食べてくれない。子育てではよくあることですが、そういう時になぜか決まって言われるのが「それって、愛情不足じゃない?」「もっと子どもには手をかけてあげないと」といった言葉です。とくに、子どもを保育園や学童に預けながら働いているママの多くは、家族だけではなくママ友や会社の同僚、よく知らない人にまで、同じようなことを言われた経験があるのではないでしょうか。実際、著者の森戸先生も、テーマパークで遊び疲れた娘さんが帰りの電車でグズったとき、たまたま乗り合わせた高齢のご婦人から「お母さん、もっと抱きしめてあげて」と諭された経験があるそうです。娘さんがグズったのは、森戸先生が抱きしめなかったからではなく、遊び疲れたからなのに。「それは本当に“親の愛情不足”が原因でしょうか?」と森戸先生は問いかけています。育児で何か問題や困ったことが起こったとき、人はどうしてなのかと原因を求めたくなるもの。しかし、子どもはそれぞれ個性がありますから、どの子にも当てはまる育児の定石はなく、大人の理屈では理解できないことも多いでしょう。一方、愛情というのも数値で測れるものではなく、親がどれほど子どもを愛しているかは目で確かめることはできません。そこで、「理解できない子どもの行動は、誰にも確かめられない親の愛情量に責任転嫁されているのではないか?」と、森戸先生は読み解きます。たしかに、親の愛情不足が原因としてしまえば、言った本人は間違いだと反論される心配もなく、自分に責任がないことも遠回しに主張できます。親に責任を押し付けることで、理屈の通らないことが解決できたと自己満足もできるわけです。しかし、子どもが泣いたりわめいたりすることと、親の愛情不足との因果関係は誰にもわかりません。子どもの数だけ個性もそれぞれで、グズってしまう原因もそれぞれ。それを、手っ取り早く原因を見つけたい大人が、こじつけているだけなのです。ところが、「小児科医をはじめ子どもに関わる専門家の中にも愛情の多寡(たか)の話をする人がいるのですから残念なことです」と森戸先生。たしかに、筆者もわが子を預けていた保育園の先生から同じようなことを言われたことがあったことを思い出しました。こういった周囲の「なんでもかんでも親の愛情不足が原因」というプレッシャーから、育児で何か困ったとき、「ほかの親ほど自分は愛情をかけてあげられていないのではないか」「もっと私がちゃんと子どもを見ていれば」と、無意識のうちに自分を責めてしまう方は少なくないでしょう。でも、それは周りからの勝手な押し付けであって、“親の愛情不足”と決めつけることは害でしかないと森戸先生は一刀両断。この言葉に、悪い夢からスッキリ目覚めたような清々しささえ感じます。■育児神話「根拠のないもの、気をつけたいもの」「子どもの問題は親の愛情不足が原因」と同じように、根拠なく信じられ続けている“育児神話”はたくさんあります。本書で紹介されているだけでも、以下のものが挙げられます。●3歳児神話「3歳までは家で母親の手で育てることが子どもの精神的な発育に一番良い」というイギリスの精神医学者ジョン・ボウルビィによる戦争孤児を対象とした調査報告(1951年)が元となっている考え●スマホ育児批判かつてはテレビやビデオ、パソコン、今はスマホといったメディアを使って子守りをしたり、親自身が夢中になることで、親子関係や子どもの心身の発育が阻害されるという日本小児科医会の提言(『スマホに子守りをさせないで!』(※1)●子どもの夜ふかし子どもは夜9時までに寝ないと、成長ホルモンが分泌されないために発達が遅れ、しかもキレやすくなるというもの●母乳信仰ミルク(粉・液体)よりも母乳の方が優れていて、どんな状況においても絶対に母乳のみで育てる方が赤ちゃんのためには良いという考え●離乳食を遅らせてアレルギー予防離乳食の開始を遅らせ、なるべく母乳だけで長く育てた方が、食物アレルギーの発症を予防できるというものいずれも、日本で一般的に信仰されている“育児神話”です。おそらく多くのママやパパが、これらのほとんど、もしくは全部を正しいと信じ、厳守しながら育児をしているのではないでしょうか。しかし、森戸先生はこれらに「すべてが根拠のあることなのでしょうか?」と疑問を投げかけています。たとえば、「3歳児神話」。精神医学者ジョン・ボウルビィが提唱していたのは、「子どもが育つ過程で、信頼できる大人との愛着関係を築くことが大事だ」ということ。それが、なぜか日本では「3歳まで母親の手によって育てられることが大事だ」にすり替わって信じられてきました。この3歳児神話はすでに国内外では否定されている考え方で、1998年の「厚生白書(平成10年版)」(※2)では「少なくとも合理的な根拠は認められない」とされ、さらに「母親と子どもの過度の密着はむしろ弊害を生んでいる、との指摘も強い」とされています。しかし、いまだにこの古い神話を信じている年配者は多く、「こんなに小さいのに保育園に行かせるなんて」「3歳までは家でお母さんが見た方がいい」といったことを言い、ママは根拠のない罪悪感を背負わされながら働くという事態がいまだに起こっているのです。それは、ほかの育児神話にも当てはまることだと本書は伝えています。たとえば、今のママはスマホから育児情報を得る機会が多く、小児科の予約をスマホでしたりお薬手帳のアプリを使ったりもします。スマホを使っているからといって育児をおろそかにしているわけではないし、息抜きにゲームをしたとしても一日中ではないのだから何も悪くないということ。子どもの夜ふかしがよくないのはたしかだけれど、その理由の一つとされてきた「成長ホルモンは夜10時〜翌2時に分泌される」というのは、今では間違いだとわかっていること。夜9時に寝るべき、早く寝ないとキレやすくなるという説に根拠はないということ。同様に、どんな状況でも母乳育児がいい、離乳食を遅らせたらアレルギーを予防できるという説も、間違っていることがいまでは明らかになっています。むしろ、離乳食に関しては、開始を遅らせることでかえってアレルギーのリスクが高くなることがわかっています。しかし、前述の「“親の愛情不足”ですべて片付ける問題」と同じように、小児科医や産婦人科医、看護師、保健師、保育園や幼稚園の先生といった普段から子どもと接している方でも、いまだにこれらの育児神話を唱える人は少なくありません。そういった専門家でさえ信じているのですから、夫や両親、兄弟、ママ友、会社の同僚が不用意に育児神話を持ち出してくるのも納得です。では、そんな古くさい育児神話とママはどう立ち向かえば良いのでしょうか?■今だから夫婦・家族と子育てについて考えようママが育児に不安を感じたり悩んだりするきっかけの一つに、ほかの人からの言葉かけがあります。たとえば「母乳なんでしょ?」「2人目は?」「こんな小さいのに連れ歩いて」「保育園に通わせるなんてかわいそう」など、挙げていけばきりがありません。子どもを生んでまず最初にびっくりするのは、こういった「余計なお世話」とも取れる不用意な言葉をかけてくる人が本当に多いことです。家族や友人ならまだしも、通りすがりの知らない年配者からも「今日は良いお天気ね」のノリで「私たちの頃はね…」と育児アドバイスが始まったりします。また、そういった言葉はほとんどの場合、お父さんではなくお母さんにだけ向けられるのも不思議です。それは、暗に「子育てのメインは当然、母親」という育児神話の押し付けが見え隠れしているようです。このようなママを悩ませる言葉や態度は、元をただせば前述した根拠のない育児神話がベースになっていることが多い印象です。森戸先生は、「そういった言葉はスルーしていい」と本書の「祖父母世代と親世代のギャップの埋め方とは」の章で解説しています。スルーしていい理由として、次の2つが挙げられています。 祖父母世代が育児をしていた頃の常識が、いまでは非常識となっていることが多い 育児はとてもナイーブで個人的な体験のため、各家庭で事情が違う大抵の場合、言葉をかけた側の問題ですが、相手が義両親や実両親の場合は、育児を手伝ってもらったり一生お付き合いを続けていく関係だからこそ、ことを荒立てられずにイライラ・モヤモヤしながら多くのお母さん、お父さんは我慢しているでしょう。そういった相手の言葉は聞き流す、適度に反論して距離をとるなどして、それでも改善が見られないなら、「育児で大変な時に、無理して会わなくてもいい」と森戸先生はバッサリ。育児の協力者は何も家族でなければいけないことはなく、幼稚園や保育園、保育ママ、ファミリーサポートなどの行政サービスを活用するなどで頼れる先をいくつも持っていた方が、子育てのストレスは軽減されることに気づかせてくれます。そういったことを夫婦で話すことも大切だと本書では伝えています。「育児は母親のもの」といった育児神話によって、これまでずっと子育てにおいて部外者扱い、戦力外通告をされてきたパパ。でも、いまはもうそんな考え方は古く、夫婦2人で子育てに関わっていく時代。パパも育児の当事者であり、同じ視点から、同じゴールに向かってどう子どもと関わっていくかを夫婦で話し合うことが、育児をもっとラクで楽しいものにしていくのでしょう。そのためにも「父親も育児参加できるよう排除しないで後押しを」と社会全体の意識改革も必要だと訴えています。■子育てでつらい、不安になったときは「子どもはかわいいし、初めてのことばかりで大変だけど、育児も毎日発見の連続で楽しい。でも、なぜかイライラ・モヤモヤしてしまうのはどうして…」そんな風にママやパパが悩み、「自分がおかしいと感じているのに『それは、おかしい!』と声を上げられない周囲からの育児プレッシャーが原因」と本書で読み解いてくれた森戸先生。そのほか、子どもの発達に関する疑問やお悩み、子育てメディアとの付き合い方、小児医療の正しい知識などを、小児科医として、また2人のお子さんのママとしての視点から、わかりやすく解説しています。読後は、心の中のモヤモヤがすっきりと晴れわたり、「子育てはだいたいで大丈夫よね!」と育児にたずさわるすべての人に安心と勇気を与えてくれる一冊となっています。■参考書籍 『小児科医ママが今伝えたいこと! 子育てはだいたいで大丈夫』 (内外出版社 森戸やすみ著 1540円(税込))朝日新聞の医療サイト『アピタル』の連載「小児科医ママの大丈夫!子育て」をまとめ、大幅に加筆したた1冊。●森戸やすみ先生1971年東京生まれ、埼玉育ち。1996年私立大学医学部を卒業し、医師国家試験に合格。専門的な学術書と手に取りやすい気軽な本の中間に位置するようなものを作りたいと考えている。<参考サイト>※1 公益社団法人 日本小児科医会: 日本小児科医会の提言(『スマホに子守りをさせないで!』) ※2 厚生労働省: 「厚生白書(平成10年版)」
2020年05月17日厚生労働省では、新型コロナウイルス対応関連情報として、妊婦さんや小さなお子さんがいらっしゃる方に向けて、産婦人科医、小児科医など各分野の専門家からのメッセージを公表しています。今回は、このメッセージについてご紹介します。※青字部分をクリックすると動画を見ることができます。 産婦人科医からのメッセージ日本産科婦人科学会 理事長木村 正 氏日本産婦人科医会 常務理事中井 章人 氏 外国の症例から、妊婦さんが新型コロナウイルスに感染したり重症化する割合は、一般の人と変わらないことがわかってきたそうです。感染予防策に関しても一般の方がおこなっていることと同じように人混みを避ける、手洗い、マスクの着用をすすめています。また気になる症状がある場合は、帰国者接触者相談窓口やかかりつけ医に相談するようお話ししています。(相談するタイミングは今後変更になる方向です) また里帰り出産に関してはおすすめできない現状で、なるべく現在住んでいる都道府県での出産をすすめています。そしてその際には妊婦さん自身で出産場所を探すのではなく、いまかかっている産婦人科の医師のネットワークを活用するよう伝えています。 そして、妊娠中の運動については、1日中寝ているとか座りっぱなしの生活は望ましくないこと、さまざまなメディアから妊娠中のエクササイズやスポーツについての紹介があるが、正しい医療監修のついたプログラムを生活に取り入れるようすすめています。助産師からのメッセージ日本助産師会 会長島田 真理恵 氏順調な妊娠経過のためには、家で過ごしてもいつも通り規則正しい生活を送ること、バランスのとれた食事生活、十分な睡眠、手洗いなどの感染防止と、ひとりで気持ちが落ち込むことのないようにすることなどが重要であると伝えています。 不安に思うことがあれば、助産師、保健師に遠慮なく相談したり、ネットで妊娠・出産・育児に関する情報を得る場合には、発信元が信頼できるかどうかよく吟味するようすすめています。 感染症専門医からのメッセージ国立感染症研究所 感染症疫学センター 室長多屋 馨子 氏小児の新型コロナウイルス感染症について解説しています。小児の新型コロナウイルス感染症では、家族内感染が多い、潜伏期が成人よりやや長い、便中のウイルス排泄が長い傾向がある、全患者に占める割合が低い傾向にあるということがわかってきたとのことです。 ■動画で使用されている資料はこちら 小児科医からのメッセージ国立成育医療研究センター こころの診療部 診療部長田中 恭子 氏■前編■後編 学校の休校や親の在宅勤務などで非日常の生活が続き、子どもたちのストレスは非常に大きくなっています。前編では、子どものストレス反応にはどのようなものがあるか、子どものストレス反応を進行させないための5つの方法などについて紹介しています。後編では、子どもと一緒にできるストレス対処方法を紹介しています。そして最後に頑張り過ぎのサインについてもお話ししています。子どもの発達段階に合わせての対応方法が紹介されているので、参考になるのではないかと思います。 ■動画内で使用されている資料はこちら 新型コロナウイルス感染症に関してデータが蓄積されることによってわかってきたことも多々あります。さまざまな情報が発信されていますが、やはり信頼できるところからの情報を得ることが大切です。自粛生活が続くことで生じる問題もあるかと思いますが、ひとりで抱え込まず、この大変な状況をみんなで乗り越えていけたらと思います。 監修者・著者:助産師 REIKO医療短期大学専攻科(助産学専攻)卒業後、大学附属病院NICU・産婦人科病棟勤務。 大学附属病院で助産師をしながら、私立大学大学院医療看護学研究科修士課程修了。その後、私立大学看護学部母性看護学助教を経て、現在ベビーカレンダーで医療系の記事執筆・監修に携わる。
2020年05月09日こんにちは、小児科医の保田典子です。私生活では7歳、5歳、4歳の子育て中です。今は保育園が休園中、登園自粛要請のところが多いですが、4月からお子さんが保育園に入園したご家庭は多いのではないでしょうか。保育園に預けるとき、ママたちは「こんなに小さくて保育園に預けていいのだろうか」「子どもがかわいそうじゃないか」「子どもの発達に悪いのではないか」と悩んでいます。果たして本当に子どもはかわいそうなのでしょうか? 考えてみたいと思います。 ママたちを悩ませる「3歳児神話」、実は根拠がない「保育園よりも幼稚園のほうがいい」という考えが、世の中にあると感じます。共働き世帯が増えてきて、この風潮は少なくなってきているようにも感じますが、依然その考えの原因になっているのが「3歳児神話」です。3歳児神話は、“子どもは3歳ごろまでの間に「母親の手元」で育てられないと、成長に悪影響が及ぼされる”という考え方です。1950年にボウルビィという医師によって提唱されたとされています。 この考え方は、平成10年の厚生白書で“3歳児神話には、少なくとも合理的な根拠は認められない”とされています。なので、保育園に預けることは、子どもの発達、成長に影響を与えることはないと考えて大丈夫です。先ほど出てきたボウルビィも“母親的関わり”が大事と書いていて、アメリカの研究でも保育士さんに愛情を持って育てられれば、成長に影響はないという結果が出ています。 保育園に行くメリット・デメリットは? 保育園に行くと、多くの子が風邪を引きやすくなります。フィンランドの研究でも、保育園に通っている子のほうが、通っていない子よりも風邪をひく回数が多いと結果が出ています。ただ、保育園に通っている子は、小学校になってからの風邪の頻度が、通っていない子よりも低くなることがわかっています。発達に関しては、保育園に通うことによって、言語発達が改善するという指標があります(これは、3歳半の子にたいしてのデータですので、大人のときに言語発達が差がでるかは示していません)。 きょうだいがいる子のほう方がおしゃべりが早いと言われているので、子ども同士の関わりが子どもの発達をうながすのだと思われます。保育園は、小学校入学以降の風邪に関してや、発達に関してメリットがあることがわかります。とはいえ、ママのそばにいたい盛りの子どもが預けられることが多いので、預けるときに子どもが泣いてしまうことも多くあります。そんな子どもの姿を見るのがつらい、ということはよく聞く話です。 保育園に行く・行かないに関わらず、大事なこと 「保育園に子どもを通わせると、母親の幸福度が上がる」ことも先ほどの研究からわかっています。母親の幸福度が高いと何がいいかというと、虐待の防止に役立ちます。虐待までいかなくても、母親が幸福で穏やかだと、子どもの精神も安定します。保育園に行くか行かないかに関わらず、ママの精神的安定は家族の幸せにとても重要ですので、子どものためにもママの幸せをママ自身がきちんと考えていただきたいと思います。 生後8週から働いている、わが家の工夫▲2018年11月ごろの様子提供:保田典子医師 私は3人子どもがいますが、3人ともほぼ育休なしで仕事に復帰しています。産前も短くしたりしていたので、産休を含めても合計1年もありません。早くに子どもを預けて、さみしいという気持ちもありました。特に、末っ子は最後かなと思うと育休を取っておこうかなと悩んだこともありました。保育園に預けるときは、子どもにとって保育園が安心な場所になるように、心がけるようにしていました。たとえば、子どもの性格を先生とシェアしたり、子どもの様子を見て、早めにお迎えに行くようにした時期もありました。そして、自分自身が子どもにとって安心な存在であるように、なるべくイライラしない工夫をしています。 疲れたら、とことんラクをする! 無理しない!私も、3人目妊娠中からすごくイライラしやすくて、妊娠してから1年半から2年くらいが一番つらかったです。そこで行きついた答えは「自分を大事にすること」でした。 眠かったら朝起きずに朝ごはんも作らなかったり、掃除をやめたり。「疲れるなぁ」と思うことをやめると、心に余裕が出てきて、今度は逆に掃除もやろうという気分になってきます。「疲れたときはとことんラクをする、無理をしない!」これがイライラしないコツです。最近は子どもも少し大きくなってきたので、自分の仕事のことを子どもと話すようにしています。そんな子育て法でいいのかはわかりませんが、子育てに「不正解はない」と思っています。保育園でも、幼稚園でも、大丈夫。保育園に通う子どもたちは、決してかわいそうなんかじゃありません。ママたちが子どもの成長を喜びをもって見守ってくれれば、子どもはきちんと育つのではないかと思います。 イラスト/マメ美監修者・著者:医師 高円寺こどもクリニック院長 保田典子 先生2003年筑波大学医学部卒業、国立国際医療センター、大阪市立総合医療センター小児循環器内科勤務を経て、2014年東京女子医科大学大学院博士課程修了後現職。小児科専門医。一般診療、小児循環器診療に加えて、漢方治療や発達相談にも対応している。2021年、高円寺こどもクリニック開院。
2020年04月30日こんにちは、小児科医の保田典子です。私生活では7歳、5歳、4歳の子育て中です。今回は、外来でもよく質問がある耳掃除についてです。「どのくらいの頻度したらいいですか?」「どのくらい深くまで入れていいですか?」など、健診や病気の診察のときなどに結構聞かれる質問です。私は「耳掃除は、しなくていいんですよ」とお答えしています。その理由をお話ししたいと思います。 「耳掃除」しなくていい理由は?健診のみならず、中耳炎の後の診察などでも耳掃除の質問はあります。中耳炎になると耳だれも出てくるので、耳掃除しなくちゃ、となりますよね。でも、耳掃除で中耳炎の予防ができる訳ではありません(鼻水を吸引したほうが中耳炎の予防はできます)。 日本耳鼻咽喉科学会でも、 耳垢は「細菌やカビが外耳道に繁殖するのを防いだり、敏感な外耳道皮膚を保護する役割があります。また苦味があり、虫などの進入も防いでくれます。つまり耳垢が私たちの耳を保護しているのです。」 と耳掃除をしないことを推奨しています。 耳のケア、どうすればいい?「耳掃除」といっても、綿棒や耳かきを耳の穴に入れて「掃除」することはしません。ガーゼなどを指に巻いて、耳を拭きとるというイメージでケアしておけばOK。大人の指なら子どもの耳の穴の奥まで突っ込めないので安全です。お風呂や沐浴で耳の中に水が入っても大丈夫。放っておけば水も自然に排出されます。 ちなみに、私自身は耳掃除をすることがありますが、子どもが大人しくテレビなどを見ているときに(←すごく大事です。急にぶつかってきたら鼓膜を破る危険性も……!)、深くなりすぎないように綿棒でささっとおこなう程度です。本当は不織布かガーゼが良いですよ。 わが家の子どもたちは、基本的に耳掃除はしていません。親がおこなっているのを見ると、「やって〜」と言われるので、スキンシップ程度にすることがある感じです。お子さんが自分で耳かきや綿棒使うと、鼓膜を破ってしまうおそれもあるので、絶対にやめさせましょう! 耳鼻科に行くのは、どんなとき?基本、耳掃除が目的で耳鼻科を受診する必要はないのですが、下記のようなときは、耳鼻科の受診を考えましょう。●耳だれが出るとき●耳の聞こえが悪くなったと感じたとき●耳を痛がるとき●耳の違和感を子どもが訴えるとき●どうしても耳垢が気になるとき 耳鼻科を受診する時に「耳垢が気になって」と伝えると、その場で取ってもらえることもありますし、「今度受診するべきなのか」「受診するタイミング」「受診しなくて大丈夫なのか」など教えてもらえるので、それを参考にするのがいいと思います。 適切なお手入れ法を知ることが大事です人間の体は、耳に限らず「適切なお手入れ方法」があります。 1. きれいにしたほうがよいものうんちをきれいに拭く、歯磨きをする、など 2. そこまで完璧にきれいにしなくていいものせっけんを使い洗いすぎると皮脂を落としすぎてしまう耳垢も適度な量は耳を守ってくれる大事なものなので落としすぎなくて良い、などきれいにすることのメリット、デメリットを理解していると、不要なケアを減らすことができるだけでなく、お子さんの健康を保つことができます。 耳垢よりも「聞こえが悪くなっていないか」「鼻水が詰まって口呼吸になっていないか」などを毎日チェックしてあげて、心配なら耳鼻科の受診を考えてみてくださいね。 監修者・著者:医師 高円寺こどもクリニック院長 保田典子 先生2003年筑波大学医学部卒業、国立国際医療センター、大阪市立総合医療センター小児循環器内科勤務を経て、2014年東京女子医科大学大学院博士課程修了後現職。小児科専門医。一般診療、小児循環器診療に加えて、漢方治療や発達相談にも対応している。2021年、高円寺こどもクリニック開院。
2020年04月29日ぱぱしょー先生が経験した患者さんとのエピソードとは?前回はさまざまな病院の違いについて説明しましたが、今回は「後医は名医」という言葉を紹介します。どのようなことなのでしょうか。私が大学病院に勤めていた研修医のころのことです。近隣のクリニックから患者さんが紹介されました。検査の結果、肺炎と診断したところ、患者さんが怒り出したのです。「前の医者が肺炎を見逃した!!」と。そして私に対しては「よく肺炎を見つけてくれました、さすが大学病院の先生だ」とおっしゃいました。紹介してくださった先生は、古くから地域を支えている先生でしっかりと患者さんをみてくださる良い先生であると私は思っていて、当然私より経験も豊富です。一方当時の私は、まだ経験の浅い研修医でしたので、とても申し訳ない気持ちになりました。初診のクリニックではまだ症状が現れ始めたころで、その後も改善がありませんでした。そのため、詳しい検査が必要とのことで総合病院を受診して肺炎があるとわかりました。私の診断は、クリニックの先生の考えを引き継いだにすぎず、決して私の方が優れた医者というわけではありませんでした。より詳しい検査ができる病院であったからこそ「肺炎」とわかり治療ができたのです。後医が「名医」になるワケイラスト:ヤマハチこのようなことは現場ではしばしば起こっています。後に紹介させる病院ほど情報が集まっているので、適切な診断に至りやすくなります。これまでの検査結果や治療は情報として参考になりますし、時間経過によってより情報が集まってきます。たとえば、インフルエンザになったとしましょう。インフルエンザは発熱してすぐに受診しても、検査上ははっきりしません。初診では陰性という結果がでても、のちに陽性と診断されることもあります。今の時期ですと新型コロナウイルスにおいても、そのようなニュースを目にすることがしばしばあるでしょう。よく、小児科医は「熱が続くようなら再受診してください。」と添えます。これは単なるリスク回避の言葉ではありません。数日経過を見ることで、状況が変わったり情報量が増えたりすることで、より適切な診断に近くためです。症状が出てすぐは、その時点での暫定的な診断のみをすることもあります。たとえば赤ちゃんによくある「突発性発疹」の場合、発熱が数日続き、熱が下がるとともに発疹が出現します。発疹が出現して初めてわかる病気なので、発熱してすぐには診断ができません。ある意味どんな名医でも最初「見逃し」うるものです。初診では緊急性の判断イラスト:ヤマハチ発熱してすぐのときは、診断が何かよりも、水分は取れているか、ぐったりしているかなど全身の状態が安定しているかどうかを中心に見ています。全身状態が良いかどうか、そして暫定的な診断をしてもらって、その次にどのような症状や状態になったら再度受診が必要か説明されるでしょう。最初に受診するクリニックの役割は、最終診断にいたることよりも緊急性の判断、全身状態の把握に重きが置かれます。もちろん診断が明らかであるに越したことはありませんが、情報が少ない状態では暫定的な診断にならざるを得ません。病名より緊急度の高い状態を「見逃さない」ことの方が大切なのです。患者さんとしては初診で適切な診断をしてほしいと感じるかもしれませんが、医療従事者の立場からすると、まずは緊急性や重症度の判断が大切なのです。患者さんにとっての「名医」イラスト:ヤマハチかかりつけ医から他の病院に紹介となり診断名が変わると、かかりつけ医に対して不安を覚えるかもしれませんが、ときにはそういったこともあることを知っておいていただけると幸いです。(もちろん、なかにはニュースで報道されるような大きな見逃しも存在します。)人それぞれ「自分にとっての名医」は異なるものです。誰もできない難手術をやってのける凄腕ドクターは名医でしょう。誰も診断できなかった病気を探偵のようにわずかな違いから見破る医師も名医でしょう。一般的に後の方で見た医師、つまり「後医」は「名医」といわれやすいですが、私は最初に患者さんを診察する「前医」にも、緊急性の判断を間違えずに適切に紹介することのできる「名医」がいると思います。そんな信頼できるかかりつけ医に、皆様が出会われることを願っています。ぱぱしょー先生によるお役立ち動画はこちら!YouTubeのままのてチャンネルでは、専門家の先生による育児に関するお役立ち情報を配信しています。ぱぱしょー先生の動画も好評配信中!チャンネル登録をよろしくお願いたします。パパ小児科医(ぱぱしょー)先生の過去のコラム著者:加納友環(ぱぱしょー)二児(3歳、5歳)の父で小児科専門医。TwitterやInstagramを中心に子育て当事者の立場から、また医療者の立場から子育てに役立つ情報を発信しています。
2020年04月27日何の心配もなく、すくすく育った長男。気軽に受けた2歳児健診で、言葉の遅れを指摘されました。一歩を踏み出し、発達の専門医の診察を受けて、前向きに考えられるようになった私の体験談を紹介します。 とても育てやすい、ママ思いのいい子初めての妊娠で育児の右も左もわからず、大きな不安を抱えたまま長男との生活が始まりました。ところが、そんな頼りないママを思ってか、長男は何の問題もなく育ちました。 毎月の身体測定でも、成長曲線のド真ん中を走り続け、発育もまったく問題なし! 離乳食にもすぐに慣れ、よく食べてくれました。1歳児健診では、「順調です!」と先生のお墨付きをもらい、母子健康手帳にも「何も悩みはありません」と、自信を持って書いたことを覚えています。 かかりつけの小児科で2歳児健診を受けて…2歳を目前にして、かかりつけの小児科へ任意の2歳児健診を受けに行ったときのことです。これまで通り「順調です!」で、すぐに終わるものと思っていました。少し長い健診ののち、先生から「目は合うし、こちらが言うことはわかっているようだけど、もし2歳半になっても二語文が出なかったら、一度専門のところで診てもらいましょうね」と言われたのです。 言葉は交わさなくても、長男とのコミュニケーションはできていたので、先生からの言葉にとても驚かされました。 焦らず、温かく見守ること確かに同じ月齢の子どもに比べ、長男は言葉が出ていませんでした。2歳半になっても二語文がほとんど出なかったため、子どもの発達の専門機関である療育センターを受診しました。発達のテストの結果、発達障害とまではいかないグレーゾーンの診断。 もうすぐ3歳になる長男は、その後も定期的に専門医のサポートを受けながら、マイペースに成長中です。最初は心配しましたが、専門医からアドバイスをもらい、安心して育児に向き合えています。 周りの子どもと比べたわけではありませんが、長男の発達状況を素直に受け止め、プロに相談したことはよい判断だったと思います。長男の特性をより理解できたことで、以前より楽しく育児ができるようになりました。 ※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。 先輩ママの体験談、いかがでしたか?「共感した」「私の場合はこうだった」など、ぜひベビーカレンダーサイトのコメント欄にご感想をお寄せください。また、ベビーカレンダーでは皆さんから募集した体験談を記事でご紹介させていただくことも。ベビーカレンダーに会員登録すると届くメルマガから、皆さんのオリジナル体験談をご応募ください。 イラスト:(c)chicchimama著者:鍜治すみの生後6カ月と2歳、2男の母。長男妊娠時の切迫早産により、9年続けた製薬会社のMR職を退職。前職では主に産婦人科領域製剤を担当。培った知識をフルに活かし執筆活動や育児に奮闘中。
2020年04月14日新型コロナウイルスの感染拡大を受け、政府は全国の小中学校と高校、特別支援学校に令和2年3月2日から春休み期間の臨時休校を要請しました。そして、新年度に入ってからは、休校解除、時差登校、休校継続と各自治体の対応はざまざまです。お子さんの休校措置に加え、政府からのテレワークの要請などで、これまでの生活が大きく変わったというご家庭もあるかと思います。そんな状況のなか、親子共々イライラが積もっているという家庭に向けて、日本小児科学会は、4月6日、日本子ども虐待防止学会、日本子ども虐待医学会とともに、「お⼦様と暮らしている皆様へ」と題して、子どものいる家庭向けの役立つメッセージを公開しました。 ⼼の中の感情温度計をイメージする心の中の感情温度計というのは、自分の苛立ちを0:安定、1:少し苛立ち、2:中等度苛立ち、3:著明な苛立ち、4:切れる間近、5:切れるの5段階で表したものです。自分の苛立ちをこの感情温度計でイメージして自覚することがポイントです。 このメッセージでは、5:切れる→誰かを頼りましょう、4:切れる間近→危険ではないことを確認して部屋を出るなど試みましょう、3:著明な苛立ち→子どもと距離をとりましょう、2:中等度苛立ち→リラクセーションを使いましょう、1:少し苛立ち→自覚しましょう、0:安定としています。具体的なリラクセーションの方法例は、①深呼吸:できるだけ大きく吸って、20 秒以上かけてゆっくりと吐く。②力を抜く:肩を挙げて力を入れ、その後だらんと力を抜く③互いに手をもみ合ったり、背中をさすりあう、とのことです。また、夫婦で家にいる場合、苛⽴ちの度合いを感情温度計で測り合ってみることをすすめています。 子どもに対して新型コロナウイルスの影響でストレスフルな生活を余儀なくされているのは子どもも同じ。ですが、うまくそのストレスに対処できず、困った行動に出てしまうこともあるかもしれません。このメッセージでは、⼦どもの不安・ストレスを理解するように努⼒してみること、⼦どもが話しやすい雰囲気や時間を作ることなどのアドバイスをしています。加えて、「がんばっているみんなへ ⼤切たいせつなおねがい 」と題した子ども向けのメッセージも同時に公開しており、新型コロナウイルスのことや生活上のストレスのこと、虐待、差別などについて、子どもでもわかりやすい言葉で書かれています。ぜひお子さんと一緒にご覧になってください。 ■「がんばっているみんなへ ⼤切 たいせつ なおねがい 」 困ったときには相談を!このメッセージでは、⼦どものこと、家族のこと自分のことで悩みや疑問が⽣じたら、市区町村の⼦ども家庭福祉を担う部署への相談をすすめています。また、発達の偏りやメンタルヘルスの問題を抱えているお⼦さんに関しては、主治医に相談するようすすめています。 日本でも新型コロナウイルスの感染に小さなお子さんが感染したというニュースも聞かれるようになってきた一方で、子どもに関する新型コロナウイルスの情報も少ないというのが現状かと思います。不安が募るなかで、子どもとずっと一緒に過ごしていると余計イライラしてしまうことも多いかもしれません。そんなときは、先にあげた感情温度計で自分を見つめてみて、少しお子さんからはなれてみるのも一案です。少しでも安定した気持ちで過ごせるよう試みてくださいね。 ■参考:日本小児科学会・日本子ども虐待防止学会、日本子ども虐待医学会「お⼦様と暮らしている皆様へ」 監修者・著者:助産師 REIKO医療短期大学専攻科(助産学専攻)卒業後、大学附属病院NICU・産婦人科病棟勤務。 大学附属病院で助産師をしながら、私立大学大学院医療看護学研究科修士課程修了。その後、私立大学看護学部母性看護学助教を経て、現在ベビーカレンダーで医療系の記事執筆・監修に携わる。
2020年04月13日「気軽に専門家に質問ができて、さらに返信も早い」とママから日々感謝の声が寄せられているベビーカレンダーの人気コンテンツ【専門家に相談】の掲示板。そのなかから特に注目をあつめた質問の内容を一部抜粋してご紹介します。今回は赤ちゃんの視力に関するご相談です。 Q.目の前の物に無反応です生後1カ月と19日になる子がいます。この時期になると目が見えてきて目の前の物をじっと見つめると書いてあったのですが、目の前に顔を持ってきても目が合わず、そらされてしまいます。カラフルなおもちゃを動かしてみても無反応です。まだ気にしなくてもいい時期なのでしょうか? また、自分の手を目の中に入れてしまうことがあるのですが、失明に繋がったりはしないのでしょうか。 高塚あきこ助産師からの回答まだ月齢の低いお子さんの場合、いつも同じような反応があるとは限りません。追視は生後2カ月ごろから出てくることが多いと言われています。眠いタイミングだったり、機嫌、そのときの状況によって、反応がないことがあっても自然です。まだ反応がなくてもあまり問題ないように思います。お子さんの視力はまだ弱いので、最初はハッキリした色(赤や黄色、オレンジなど)がよく見えると言われています。しばらくはお子さんの成長を見守ってあげてくださいね。 また、お子さんがよく目を触るということですが、お子さんは、力の加減ができないため、目をこすったり、かいたりすると、眼球や目の周りを傷つけて感染症を引き起こす可能性がありますので、手指を洗って清潔な状態にしたりして、ばい菌が目の中に入らないようにしてくださいね。また、眼球を傷つけないようにこまめに爪を切ってあげることも大切ですよ。 基本的には、目の充血や目やに、目の腫れなどがなければ、様子を見ていただいて大丈夫かと思います。もし、ご心配な場合には、眼科または小児科でご相談いただければ安心かと思いますよ。※参考:ベビーカレンダー「専門家に相談」コーナー※診断や具体的な治療については医師の指示にしたがってください 赤ちゃんの視力を確認する方法とは?生まれたばかりの赤ちゃんはほとんど物の形や色の区別がついていない状態です。目の発達が気になるときは光を当ててみるといいでしょう。光に対して「明るい」「まぶしい」といった感覚は持っています。顔を背けたり、目をつぶったりするなどの反応があるときは、正常です。 生後1、2カ月で、近くのものなら認識できます。目の前に顔を近づけると反応します。じっと顔を見つめ返してくれるのは興味を示してくれているサインです。また、色を見分けられるようにもなります。白黒だった視界が赤などの鮮やかな色から順に反応を示しだします。 生後2カ月を過ぎると「追視」をするようになるでしょう。止まっているものを見つめるだけでなく、動いているものを目で追います。首は十分に動かせないので最初は左右の動きしか追えません。ぬいぐるみなどを赤ちゃんの前で左右に動かしてあげると、追視をしているかどうかがわかります。そして、眼球が発達していくにつれて上下の動きにもついてこられるように変わります。1歳ごろには、遠近感覚をつかめるでしょう。少し離れたところから手を振るなどの仕草を示してみましょう。赤ちゃんが反応してくれるなら、目の発達は健全に進んでいると言えます。 赤ちゃんの視力を守ろう! 親が注意すべき赤ちゃんの目の症状とは斜視や逆さまつげといった症状は見た目の異常ですが、見つけられないことも多いです。赤ちゃんの目の病気では、発症してもなかなか目立った症状が現れないことは珍しくありません。赤ちゃんの視力を守るには、親が些細な変化を読み取れるかが大切です。たとえば、赤ちゃんの涙目が続いているときは注意が必要です。通常、赤ちゃんは大人よりも目の組織が繊細なので涙が出やすい性質を持っています。しかし、涙と一緒に不快感を示す反応があるようなら、痛みを感じている可能性が大です。病気にかかっている恐れがあるため、医師に診てもらいましょう。 また、結膜炎は見てわかります。目やにが濃い黄色、もしくは緑色になっているなら、雑菌が大量に含まれていることがあります。それに加えて白目が充血したり大量の涙が出たりするのは典型的な結膜炎の症状です。また、白内障にかかっているときも白目に変化があります。本来ならきれいな白が、にごった色になっているときは水晶体が病気に感染している印です。 病気に限らず、赤ちゃんの視力が正常に発達しているかどうかも親が注意したいところです。生まれたての赤ちゃんでも、なんとなく周囲に物があることを認識しているはずです。顔を近づけてもリアクションがなかったり、一向に視線が合わなかったりするなら、目がしっかり見えていない可能性があります。そのほか、絵本やDVDなどを見せているときの赤ちゃんからも視力の発達をうかがえます。赤ちゃんが顔をおかしな向きにして対象を見るようなら、視界をまっすぐ確保できていないサインです。※参考:基礎知識(ベビー)「【医師監修】赤ちゃんの目が見えるにはいつから? 赤ちゃんの視力の発達について」【監修者:医師 松井 潔 先生小児科 | 神奈川県立こども医療センター総合診療科部長】
2020年04月09日こんにちは、小児科医の保田典子です。私生活では7歳、5歳、4歳の子育て中です。生後2カ月くらいになると、睡眠のリズムもついてきて、少し体がラクになる……と思いきや、今度は夜泣きで全然ラクにならない!ということ、よくあると思います。 夜泣きすると抱っこやトントンをする方も多いと思いますが、実はこれ、いらないんです。その理由をお話ししたいと思います。 ママからよくある相談「夜泣きがつらい」「新生児期が過ぎて、夜寝るようになったと思っていたら生後3〜4カ月、6〜7カ月、9カ月くらいにまた夜グズグズと泣くようになってきた」「夜間、頻繁に起きるのでつらい」というご相談が、ちょこちょことあります。私も特に第1子のときは、夜泣きというか寝かしつけの段階からすごく苦労しました。第3子のときには、「寝かしつけや夜泣きで起こされていては体がもたない!」と、ネントレ(ネンネトレーニング)をすることを決め、生後6週からネントレを始めました。 その甲斐あって、生後8週目のころから、20時~6時までぐっすり寝る子になってくれました。私は第3子の産後の肥立ちが悪く、体がすごくつらかったのですが、子どもが寝てくれたおかげでなんとか仕事と育児を続けることができました。 どうして夜泣きするの? 原因は?夜泣きが起きやすい時期は「メンタルリープ 」とも言って、赤ちゃんの精神や体がよく発達する時期が多いです。それ以外の時期でも夜泣きが起きることはあります。 赤ちゃんはそもそも大人よりも睡眠が浅いんです。ただ、睡眠のパターンは大人と似ていて、眠りが浅い「REM(レム)睡眠」と、眠りが深い「non-REM(ノンレム)睡眠」とがあります。 大人はREM睡眠のときも起きずに朝まで寝続けることができるのですが、そのときに起きてしまう子がいます。夜泣きはこれが一番多い原因です。 夜泣きをなくすにはどうすればいい?つまり、夜泣きを改善するためには「途中で起きてしまうことをいかになくすか」が大切になります。なので、夜泣きのときにあやしたり、抱っこしたり、おっぱいやミルクをあげてしまうと、赤ちゃんをますます覚醒させる方向に持っていってしまうので、逆効果です。ネントレは、「いかに赤ちゃんがひとりで中途覚醒からもう一度寝付くことを覚えるか」がキモとなります。 「ネントレ」ってかわいそう?ネントレは基本的に、赤ちゃんが起きてしまったときに抱っこしたりせず、様子を見ます。様子を見る、といっても端から見ると放置してしまっているように見えます。 よく、外来でも「ネントレって赤ちゃんが傷ついたりしませんか?」という質問がありますが、今まで出ている論文では、ネントレが赤ちゃんに愛着障害をもたらしたり、赤ちゃんが精神的に不安定になることはないと言われています。ちなみに、赤ちゃんをただずっと放置するのではなく、本当に赤ちゃんの「様子を見ます」。 まず、やっぱりおなかが空いていそうで飲まないと寝ないなと判断したらおっぱいやミルクをあげます。具合が悪いのかなと判断したら熱を測ったりなど評価をします。 この「様子を見る」という行為が、言葉をしゃべれない赤ちゃんの思っていること、体調などを判断する力がつくことになったなと感じています。この判断力は、昼間の育児にも活かすことができましたよ。 ネントレの開始時期ネントレの開始時期は、赤ちゃんが昼と夜の区別がついてくる生後2カ月くらいからがおすすめですが、まだ生後2カ月だと夜におなかが減ってしまう子もいるので、本当に「様子をみながら」寝る時間を長くしていくのが大切だと思います。生後半年超えていたら、基本的に一晩中寝て大丈夫ですよ。(起こしてまで授乳しなくてOKです)。 「夜寝られること」の大切さ「ネントレは全員しましょう」とは思っていませんが、夜はゆっくり眠れるようになったほうがいいと考えています。睡眠は、疲労をとる最も効果的な方法です。親も子どももぐっすり眠れることで、昼間の疲れを回復させることができます。 私が育児のなかで大切にしていたことの1つは睡眠です。子どもが幼稚園に入るころになったら、一番厳しくしていたことが「早く寝よう」でした。家族の睡眠を快適にして、体力をつけたいものですね。 夜に眠れないというのは、心身ともにとてもつらいもの。夜泣きで悩んでいる方は、小児科医に相談して解決することもありますので、予防接種や健診のときなど、一度相談してみるのもいいと思います。夜泣きの対策をしっかりして、親も子もぐっすり眠り、楽しい子育てライフになるといいですね。 監修者・著者:医師 東京衛生アドベンチスト病院 小児科医師 保田典子 先生2003年筑波大学医学部卒業、国立国際医療センター、大阪市立総合医療センター小児循環器内科勤務を経て、2014年東京女子医科大学大学院博士課程修了後現職。小児科専門医。一般診療、小児循環器診療に加えて、漢方治療や発達相談にも対応している。2021年春、高円寺こどもクリニック(仮称)開設予定。
2020年03月30日「気軽に専門家に質問ができて、さらに返信も早い」とママから日々感謝の声が寄せられているベビーカレンダーの人気コンテンツ【助産師に相談】の掲示板。そのなかから特に注目をあつめた質問の内容を一部抜粋してご紹介します。今回はケイツーシロップの内服に関するご相談です。 Q.退院したらシロップが足りませんでした生後2カ月の男の子を育てています。生まれた病院では、ケイツーシロップは3回飲むと言われていたのですが、退院してすぐに肺炎にかかり入院しました。その病院では、ケイツーシロップは13回飲むみたいで毎週飲ませてたのですが、退院したらシロップが足りませんでした。ちょっと遠くの病院なのでもらいにいくのも大変です。ケイツーシロップを10回しか飲んでいませんが、大丈夫ですか? 在本祐子助産師からの回答ケイツーシロップは、赤ちゃんがビタミンK不足による出血傾向を引き起こさないようにするための内服薬です。日本小児科学会のガイドラインでは、原則3回投与とされています。ですが、昨今医師の判断や産院の方針により10回前後の内服を選択しているところも増えています。ですので、3回投与は適切であり、問題はありませんよ。万が一、血便があるなど心配があれば小児科医師にご相談くださいね※参考:ベビーカレンダー「助産師に相談」コーナー※診断や具体的な治療については医師の指示にしたがってください 新生児期に不足しやすいビタミンKビタミンKは、出血を止める蛋白質(凝固因子)を作るのに必要なものです。このため、ビタミンKが不足すると、出血が止まりにくくなります。通常は、腸の中の細菌が作ったビタミンKを利用して出血を止めるのに役立てますが、母親のおなかの中にいる間、胎児の腸には細菌がなくてビタミンKを作り出すことができないので、胎盤を通して母親から受け取ります。しかしながら、ビタミンKは胎盤を通りにくいため、生まれたばかりの赤ちゃんの体内に十分な量が蓄えられていません。生まれてすぐ腸内に十分な量の細菌が増えるわけではないため、ビタミンKを補わないと不足します。赤ちゃんはビタミンKが不足すると、消化管出血や脳出血を起こすことがあります。日本国内の産科施設では、赤ちゃんにビタミンK2シロップを予防的に投与して、出血を予防します。 赤ちゃんの体内のビタミンKを補うためにできること生まれたての赤ちゃんはビタミンKが不足しやすいので、ビタミンK2シロップを医師の指示どおりに飲ませましょう。親の判断で飲ませることをやめないでください。育児用ミルクにはビタミンKが添加されているので、主に育児用ミルクだけで育つ赤ちゃんや授乳の半分以上を育児用ミルクで補っている赤ちゃんはビタミンK不足の心配ありませんが、母乳だけで育つ赤ちゃんは、母乳に含まれるビタミンKが少ないため、出血性疾患を予防するためにビタミンKを補う必要があります。母親がビタミンKを多く含む食品を食べることで、母乳中のビタミンKの濃度が高くなることがわかっています。母乳だけで育てている場合は、母親がビタミンKを多く含む食品を食べるように心がけましょう。ただし、母親が血液を固まりにくくするお薬(例:ワーファリン)で治療中の場合は、お薬の効果を弱めてしまうため、ビタミンKを多く含む食品を食べることは避けましょう。【ビタミンKを多く含む食品】卵(特に卵黄) 緑黄色野菜(ほうれん草ブロッコリーパセリ三つ葉春菊など)乳製品(バターマーガリンチーズヨーグルト)肉類(鶏肉牛肉豚肉の順に多い)納豆これらの食品を食べることで赤ちゃんの出血を予防できるとはいえませんが、産後の食事は栄養バランスが偏りやすいため、母親の食事を見直すときのヒントにしてください。※参考:基礎知識(ベビー)「【医師監修】新生児メレナ、新生児・乳児ビタミンK欠乏性出血症ってどんな病気?」【監修者:医師 松井 潔 先生小児科 | 神奈川県立こども医療センター総合診療科部長】
2020年03月23日アレルギーと縁のなかったわが家。次男もアレルギーがないと思い込み、食べさせたことがない「卵」を初回で半個ほど食べさせてしまったところ……?! 離乳食の基本が身に染みた体験をお伝えします。 アレルギー体質の人がいない家系私たち夫婦や双方の両親も食べ物のアレルギーがまったくありませんでした。3歳になる長男もアレルギー症状が出ることなく、順調に離乳食が終了。ですから、それまで「アレルギー」というものがとても遠い存在だったのです。 離乳食に関する本などには、「初めての食材はもし異常が出た場合に小児科を受診できるよう、なるべく午前中に与える」と書かれていますが、そのことについてもあまり気にすることがありませんでした。 生後10カ月、初めての卵料理次男が生後10カ月のころのある土曜日、まだ卵をあげていなかったことに気付きました。朝ごはんにスクランブルエッグを作ると、次男はパクパクと食べました。 「アレルギーが心配な食材は小さじ1杯から」「特に卵はしっかり火を通した黄身のみを耳かき1さじから」と離乳食の本で読んだこともありましたが、あまり気にせず卵半個ぐらい食べさせてしまったのです。 食後、体に異変が! 急いで小児科へ朝食が終わり1時間ぐらい経ったころ、次男に蕁麻疹(じんましん)のようなものが……! 顔も体も赤いポツポツだらけで次男が不機嫌に。急いで自転車で5分のかかりつけの小児科へ駆け込みました。 先生に、今朝初めて卵を食べさせたことを説明すると、「検査してみないとわからないけど、おそらく卵アレルギーだね。それにしても、半分って結構あげたね」と言われました。薬をその場で飲ませてもらい、1時間小児科の待機室で様子を見ることになったたのです。そのとき私は次男に申し訳ないことをしたと反省しました。 待機室で吐き戻しの大惨事待機室にて「ギャーギャー!」と泣き始めた次男。「体がかゆいのかな?」と思ったその瞬間、かなりの量を吐き戻しました。するとスッキリしたようで、顔の曇りも消えました。 卵を与えたのが小児科が空いている時間で本当によかったと心底思いました。しかしホッとしたのもつかの間、子どもと自分の服も嘔吐物まみれに……。夫がたまたま仕事が休みで家にいたため、着替えを持ってきてくれて事なきを得ました。 後日アレルギー検査をした結果、やはり次男は卵アレルギーでした。たとえ周囲にアレルギーの人がいなくても、体が未発達な赤ちゃんの食べ物には細心の注意を払わなければいけないと改めて思いました。 ※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。 先輩ママの体験談、いかがでしたか?「共感した」「私の場合はこうだった」など、ぜひベビーカレンダーサイトのコメント欄にご感想をお寄せください。また、ベビーカレンダーでは皆さんから募集した体験談を記事でご紹介させていただくことも。ベビーカレンダーに会員登録すると届くメルマガから、皆さんのオリジナル体験談をご応募ください。 イラスト:imasaku著者:吉田麻里関西在住。1歳と3歳の兄弟を育児中。夫は激務で、実家は遠方、いわゆるワンオペ育児を遂行中。趣味は、お金をかけずに楽しむ方法を模索すること、街歩き、日本酒のきき酒。
2020年03月20日こんにちは、東京衛生病院小児科の保田典子です。私生活では7歳、5歳、4歳の子育て中です。急に気温が暖かくなってきましたね。まだ3月なので、気温のアップダウンが続くかと思いますが、春を感じる気候になってきました。そんな季節の悩みの1つが「子どもの洋服」だと思います。私は常々外出していると「子どもに厚着をさせているなぁ……」と感じることが多いです。そのワケを今日はお話しできたらと思います。 子どもの服は“大人マイナス1枚”が目安ショッピングセンターなどで、全身ダウンにひざ掛けでベビーカーに乗っている子を見かけます。親御さんを見ると、長袖Tシャツくらいでニットですらなかったりします。 まだ話すことのできない赤ちゃんだと、「暑い、寒い」が訴えられません。寒くて風邪をひいてしまうのも心配かと思いますが、どんな年齢の子どもでもほとんど暑がりなので、“大人より1枚少なめ”の洋服で大丈夫です。※新生児は大人と同じか1枚多くが基本です。 また、暑いままでいると、汗をかいて、外に出たときにかえって冷えてしまい、それが風邪のもとになったりもします。赤ちゃんの洋服の調整は大変かと思いますが、環境によってこまめに変えてもらうほうが良いかと思います。 【3~4月】子どもの服装、何を着せるのが正解? ①外で遊ぶとき3月~4月の季節の外遊びには、「ニット+ウインドブレーカー」「トレーナーor 長袖Tシャツ+ジャンパー」くらいがおすすめです。0〜1歳の場合、ベビーカーに乗るときはブランケットなど掛けものがあるといいと思います。2〜3歳であれば、帽子やレッグウォーマーなどの防寒アイテムを準備して、寒そうなときは追加しましょう。3歳以上であれば、基本的には本人の感覚を尊重しましょう。元気に動きまわって遊んでいて暑いというのであれば、もっと薄着にしてしまって大丈夫です。 わが家では、真冬でも遊びまくって暑くなるとタンクトップ1枚になろうとするので、一応必死に止めて半袖Tシャツくらいまでにしてもらっています(笑)。じっとする遊びに移行したときにはすかさず上着を投入しています。この、「本人の感覚を尊重する」ことで1つ気をつけるべきことは、「本当に暑いのか、こだわりで薄着にしたがっているのか」を見極めることです。こだわりで薄着にしたがっている場合は風邪をひいてしまうおそれがあるので、子どもが寒そうにしていたり、体幹が冷たく感じるときは上着を着せましょう。 ②屋内にお出かけのとき商業施設などの屋内施設に行くときは、脱ぎ着のラクなジャンパーやダウンジャケットを着せましょう。0〜2歳はベビーカーに乗っていてじっとしているので、意外に冷えたり寒いと感じることも多いです。ベビーカーのときは暖かめに装備して、屋内に入ったら脱がせるといった調整がいいでしょう。抱っこひものときは、密着していて体幹部(胸、背中、おなかなど)は温かいので、ダウンまでは必要ないと思います(抱っこだとかさばりますし)。足は冷えることもあるので、足が冷たいなと思ったらケープやレッグウォーマーなどで工夫してみてください。暖かいと感じる日は、ニットやトレーナーを着せて、上着は着せないで出てみてもいいかもしれません。朝晩は冷え込むことが多いので、防寒着は暖かい日でも準備したほうがいいでしょう。 ③室内では室内の状況にもよりますが、0〜1歳の赤ちゃんがいる家庭では、ある程度暖房器具で室内を温度調整したほうが良いと思うので、その前提での話です。動きざかりの赤ちゃんは、動くのは大好きだけどまだぎこちなかったり転びやすかったりするので、室内がある程度暖かければ靴下ははかせなくて大丈夫。 服装もニットなどよりは、長袖Tシャツくらいが動きやすいのではないでしょうか。室内でも大人よりは暑がりだと考えて、少し薄手の洋服にしてあげるといいと思います。2~3歳以上の子も赤ちゃんと同様ですが、暑さ寒さの感じ方は人それぞれなので、お子さんと相談しながら服を決めましょう。 お子さんとコミュニケーションをとりながら服の調整を 一般的に子どもは暑がりなのですが、冷え性のママと暑がりのママとがいるように、寒がりの子と暑がりの子がいます。赤ちゃんであれば、汗をかいているか、体幹部分が冷えていないかで判断します。お子さんがお話しできるようになったら、「今暑い? 寒い?」とコミュニケーションをとりながら服装も決めてもらうのがいいと思います。 子どもは体表面積が大きく、手足が外気温に左右されやすいので、手足の冷たさではなく、体幹部の体温を参考にするようにしましょう。このような調整をしていくことで、「パパ・ママが子どもの一番の理解者」となる一歩になると思います。 監修者・著者:医師 東京衛生アドベンチスト病院 小児科医師 保田典子 先生2003年筑波大学医学部卒業、国立国際医療センター、大阪市立総合医療センター小児循環器内科勤務を経て、2014年東京女子医科大学大学院博士課程修了後現職。小児科専門医。一般診療、小児循環器診療に加えて、漢方治療や発達相談にも対応している。2021年春、高円寺こどもクリニック(仮称)開設予定。
2020年03月19日出産を間近に控えた妊婦健診で、初めておなかの中の赤ちゃんの様子について「異常」と診断されました。生まれてから調べると「卵巣嚢腫(らんそうのうしゅ)」という病気であることが判明。病気がわかってから現在まで、定期的に大学病院で診察を受けています。今回は、この病気にまつわる出産までの体験と、現在の子どもの様子をお話ししたいと思います。 出産直前、エコー検査で異常ありおなかの中ですくすく育つ赤ちゃん。妊娠の経過は順調でしたが、出産を間近にひかえた妊娠33週目の健診のことです。超音波検査で「異常あり」と言われてしまいました。 よく聞くと「赤ちゃんの腹部に、通常では見られない影がある」とのこと。思いがけない診断結果に慌てふためいたものの、「生まれてからでないとしっかりした検査はできない」と先生に言われ、すぐにできることはありませんでした。 おなかの中の赤ちゃんがどのような様子なのか、病気なのか、苦しんでいるのではないかなどとさまざまな考えが巡り、その日からはとても不安な日々を過ごしていました。 超音波検査で4cmの卵巣嚢腫が見つかる出産予定日とほぼ同日、無事に出産しました。不安ななかでの出産でしたが、3,000gを超える元気な赤ちゃんで安心したことを覚えています。 しかし、ほっとしたのもつかの間。小児科の先生にお越しいただき、赤ちゃんの超音波検査を受けることとなりました。結果は「4cm大の卵巣嚢腫がある」とのこと。 悪性のものではないものの、大きくなると捻転してしまう可能性もあるとのことで、定期的に大学病院に通院することとなりました。 生後1年が経過…卵巣嚢腫は小さくなった 卵巣嚢腫というと大人の女性が抱える病気のイメージがありますが、赤ちゃんにもかかることがある病気で、原因ははっきりわかっていませんが母親のホルモンバランスの影響という説があるそうです。 また、最近は超音波の技術が発達して、赤ちゃんの卵巣嚢腫が発見されることは少なくないそうです。ですが、小児科で「ママじゃなくて赤ちゃん?」と尋ねられることもあり、体験談等も調べてもほとんど出てこず、孤独で不安な毎日を過ごしていました。 わが子は4cmの卵巣嚢腫がありましたが、出生後徐々に小さくなり、生後1年たった今、1.5cmまでになりました。完全になくなるまでは半年に1回、エコーで検査をしてもらいますが、「ここまで小さければ、ほとんど問題ないだろう」とのことで、現在は問題なく元気に過ごしています。 ※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。著者:河相 さくら国内外問わず旅行が大好きな1歳女の子のママ。育休中に小学校英語指導者資格を取得。主に子育て・英語育児を中心に執筆中。
2020年03月13日