岡崎京子の漫画『ジオラマボーイ・パノラマガール』が実写映画化。2020年11月6日(金)に新宿ピカデリー、ホワイト シネクイントほかにて全国公開される。岡崎京子の漫画が実写映画化岡崎京子の漫画『ジオラマボーイ・パノラマガール』は、自分が何者なのか何が欲しいのかもよくわからない10代の女の子が、同じようにまだ何者でもない男の子に出会い、じたばたしながら思いをとげる姿を描いたラブストーリー。恋に恋する“パノラマガール”と、恋に戸惑う“ジオラマボーイ”が、日々目まぐるしく変化する東京の街を駆け巡る。漫画『ジオラマボーイ・パノラマガール』が刊行されたのは1989年。バブル崩壊を目前にした平成元年された名作が、時を経て令和となり、リアリティーとファンタジーが共存する軽やかな映画作品として、現代に蘇る。映画の中で描かれているのは、スクラップ&ビルドを繰り返す東京や、未来の見えない不安の中でも今日を生きる若者たち。近未来的な風景と昭和の匂いが残る風景の落差が、かつて夢見られたはずの未来と、もう戻ることのできない過去の姿と重なり、東京で生きる人々の現在を照らし出している。時代は違えど、その様子は、まるで現代を生きる若者たちの姿を投影しているかのよう。原作のセリフも、まるで今書かれたかのように、見る者のもとへ生き生きと響いてくる。ストーリー渋谷ハルコは「平坦で平凡な私は、スクラップ&ビルドのトーキョーに置いてきぼりを喰ったような気分」の高校生。ある日、お使いの帰りに出会った男の子・神奈川ケンイチにひとめぼれ。それを「世紀の恋」だと信じ、うつつを抜かす。受験を目前に控えた神奈川ケンイチは、“真面目でおとなしっぽかった”のに、ある日突然、学校を辞めた。ハイになった勢いで、危険な香りのする女の子・マユミと出会い、やはり恋に落ちていく。日々目まぐるしく変化する東京の街を駆け巡りながら、ドキドキ、ジタバタする、ジオラマボーイとパノラマガール。平行線の二人の恋はどこへ行くのか…。山田杏奈&鈴木仁W主演渋谷ハルコ役:山田杏奈物語の主人公・渋谷ハルコを演じるのは、山田杏奈。映画『小さな恋のうた』で第41回ヨコハマ映画祭最優秀新人賞を受賞するなど、“次世代ヒロイン”として注目を集める若手女優だ。神奈川ケンイチ役:鈴木仁もう一人の主人公・神奈川ケンイチは、本作が映画初主演となる鈴木仁。 テレビドラマ「3年A組-今から皆さんは、人質です-」や映画『のぼる小寺さん』など、話題作に続々と出演する若手俳優だ。今最も注目を集める2人が、恋に潜む葛藤や喜びを通じて大人になっていく姿を等身大で演じきる。成海璃子や大塚寧々など脇を固める個性派キャスト主演の2人を支える、個性派キャスト陣にも注目。ケンイチをオトナの世界へと誘う重要なキャラクター・マユミを、『全裸監督』で注目を集めた森田望智が務める。また、ケンイチをぶきらぼうにも優しく支える姉・サカエ役に成海璃子、ハルコに時に厳しくもそっと寄り添う母・フユミ役に大塚寧々が出演。その他にも、滝澤エリカ、若杉凩、きいた、遊屋慎太郎、斉藤陽一郎、黒田大輔らが脇を固める。脚本・監督は瀬田なつき色褪せることないリアルな物語を、ファンタジックでポップな世界観で映画化するのは、瀬田なつき。ドラマ「東京アリス」、「セトウツミ」、「声ガール」などを手がける映画『PARKS パークス』以来約3年ぶりとなる長編映画で、脚本・監督を務める。【詳細】映画『ジオラマボーイ・パノラマガール』公開日:2020年11月6日(金)監督・脚本:瀬田なつき原作:岡崎京子『ジオラマボーイ・パノラマガール』(マガジンハウス刊)出演:山田杏奈、鈴木仁、滝澤エリカ、若杉凩、平田空、持田唯颯、きいた、遊屋慎太郎、斉藤陽一郎、黒田大輔、成海璃子、森田望智、大塚寧々
2020年05月04日岡崎体育の連載「体育ですけど、オンガクです」。今回のテーマは「ステージからの眺め」です。実は、僕めちゃくちゃ目がいいんです。視力は裸眼で3.0あります。…なんですが、ステージからの眺めはすこぶる悪いです。なぜかというと、目はいいのですが、いわゆる鳥目気味なので薄暗いとよく見えなくなるんです。歌っているときは、ライトがこちらを照らしていて、客席が暗くなる。そうすると、お客さんの顔はほとんど見えていません。まだ盛り上がる曲だと動きがあるから、なんとなく「おるな」とわかるのですが、バラードとか歌っていると、夜の海くらい静かで真っ暗に感じます。ときどき、「あれ、これリハやったっけ…」と錯覚してしまうこともあります。だから、実を言うとネタ曲をやるときなんかは、けっこうドキドキしています。イヤモニをしているのでお客さんの生の歓声や笑い声はほとんど聞こえません。笑っている様子は視覚情報でしか得られないので、客席の様子がもうちょっとわかるように、照明はもう少し明るいほうがええな、と思います。「あ、ウケてるんや」とわかるので。これ、いつも僕のライブで照明を担当していただいている福本さんに、わざわざ直接お願いしたことはありませんが、この連載を読んでおられたら、もし読んでいるんであれば、ネタ曲のときは客席を明るめでお願いしたいです。なので、僕の後ろからライトをあてて、客席を明るくしてもらえれば後ろの席までばっちり見えています。僕には、MCのときに、お客さんが持ってきたバンドタオルがなんていうバンドのタオルか読み上げる定番ネタがあるのですが、Zepp Tokyoの2階席のいちばん後ろに座っているお客さんのタオルの文字がしっかり読めました。そのくらいは見えています。遠くの席はそうやって明るくすれば見えるとして、近くの席はどうかというと、僕が思うに最前列ってあまりアーティストは見てないのでは?と思います。さいたまスーパーアリーナでトロッコに乗って外周したときも、正直どこを見ていいのかわからずにあたふたしてしまいました。最前列ってアーティストとの距離が近くてすごくいいように言われていますが、僕はアーティストと目が合いたいなら5列目以降をお勧めしたいです。ステージに立つと目線はだいたいそれくらいの位置にあると思います。特に僕と目が合いたいなら5列目以降、最後列までがお勧めです。後ろであればあるほど、がっつり見ることができますから!おかざきたいいくNHK総合テレビで放送中の、よるドラ『いいね!光源氏くん』(毎週土曜23:30~)の主題歌を担当。岡崎体育節炸裂のポップチューンで、タイトルは「ニニニニニ」。好評配信中。※『anan』2020年4月29日号より。写真・小笠原真紀ヘア&メイク・村田真弓文・梅原加奈(by anan編集部)
2020年05月02日岡崎体育の連載「体育ですけど、オンガクです」。今回のテーマは「かわいげ」です。ミュージシャンに限らず、他人から「かわいい」と思ってもらえることって大事じゃないかなと思います。「かわいげ」を出すことをそれこそ天然で無意識にできている人もいるし、思い切り意識的にしている人もいると思います。これは僕の持論なんですけれど、マジでかっこいい人やかわいい人が中途半端にかわいげを醸し出そうとすると、かわいげの谷に落ちてしまい、好感度が下がりやすい傾向があると思います。例えば、アイドルの子が自己紹介などで、「実は、中身おっさん」というキャラクターでかわいげを演出しようとしたとします。でも、そのおっさんぶりが中途半端で「鯵の干物が好きだから」くらいのしょーもない感じのネタしか持ってないとすると、あざとさや薄さが目立ってしまい、他にも多数いるだろう「中身おっさん女子」の集合体の一部にしかならず、結局、かわいげの谷に落ち、そこで注目されることはなくなってしまいます。ともすると、勘のいいSNSクラスターからは「あいつ、わざとらしく、かわいげ出しているな」と見透かされ、ファンを遠ざけてしまう結果にも繋がってしまいます。一方、僕はというと幸運なことに、ルックスですでにディスアドバンテージを得ている結果、高度なかわいげが備わっています。この体型、この顔面を最大限に利用しているので、もう、何やってもかわいさが溢れます。わざと、イケメンがやるようなウィンクだとかキメたことをやったとして、素直に「体育くん、かわいい!」と思ってくれるファンもいますし、一方で「あいつなんのつもりでやっとんねん」と、僕流のギャグやと理解して笑ってくれる方々もいる。参考映像として、ライブでトロッコに乗る僕の動画を見てほしいです。アイドルのようにトロッコで笑顔を振りまいています。それが、なんかむっちゃむかつくけど、笑って許せるかわいげがある。僕はどの層にも響くかわいげを手に入れているので、かなり最強のはず。僕のほかに、ここまでのレベルのかわいげを振りまいているのは、さかなくんくらいかなと思います。さかなくんも、自身の感覚や世界を持ってめちゃくちゃ振り切っておられる。その言動がとても愛されている方です。かわいげを理解している僕からすると、大事なのは0か100か、です。中途半端にかわいく見せようとするのが一番かわいげが出ない。振り切ってみる勇気、大事です!おかざきたいいくNHK総合テレビで放送中の、よるドラ『いいね!光源氏くん』(毎週土曜23:30~)の主題歌を担当。岡崎体育節炸裂のポップチューンで、タイトルは「ニニニニニ」。4/12より配信中。※『anan』2020年4月22日号より。写真・小笠原真紀ヘア&メイク・村田真弓文・梅原加奈(by anan編集部)
2020年04月20日岡崎体育の連載「体育ですけど、オンガクです」。今回のテーマは「対バン」です。はじめて「対バン」という言葉を知ったのは10代後半のころ。自分がライブハウスに出演するようになって知りました。その当時から疑問でしたが、「対バン」って不思議な言葉。バンドが何に対しているのでしょう?「バンド同士が対決するから対バン」という説が主流のようですが、とくに対決していることもなく、仲良くやっています。正しくは「共演」だと思うので正確には「共バン」なのではないかと思います。もっと言うと、バンドにだけじゃなくて、僕のようなソロアーティストでも、アイドルさんたちとのツーマンライブも「対バン」と言いますよね。バンドじゃないやん!もはや全部違うやん!と、思わずにはいられません。なんて文句を言いながら、僕は「対バン」を大変支持しています。対バンライブには様々なパターンがあります。ライブハウスが主催して呼ぶスタイルもあれば、ひとつのバンドが主宰となり様々なアーティストを招集するものも。どちらにせよ参加するミュージシャンにとってはありがたいことが多いです。それぞれのファンが集まるので、集客に自信がないバンドなどは、固定ファンがたくさんついているような人気バンドと「対バン」で一緒にライブをすることは、知ってもらういいきっかけにもなるし、チケットノルマ的にもありがたかったりします。僕はインディーズ時代、ほとんど固定ファンがいませんでしたから、「対バン」で他のバンドのファンの方々に観てもらいSNSで「岡崎体育、面白かった」と言っていただくことで、徐々に知名度を上げていったようなものです。そんなわけで、僕は「対バン」が得意でもあります。メジャーになってからも、ジャンルの全然違うアイドルの方たちやラウドロックバンドと一緒にステージにあがっていますが、どこに行っても面白がっていただいています。アウェイな環境って実は一番燃えるんです。持ち時間が30分なら30分、一瞬も気が抜けなくてフルで面白くないといけない厳しい現場。そのヒリヒリを重ねれば重ねるほど、ステージ度胸がつきますし、それでアウェイを得意と思えれば、どんなステージに呼ばれても平気に感じるので、これからもどんどん果敢にチャレンジしていきたいです。逆に、自分発信で「対バン」も仕掛けてみたい。自主企画を近々やれたらいいなぁ。みなさん、僕と誰の「対バン」を観たいですか?おかざきたいいく4/4に始まった、NHK総合テレビ、よるドラ『いいね!光源氏くん』(毎週土曜23:30~)の主題歌を担当。岡崎体育節炸裂のポップチューンで、タイトルは「ニニニニニ」。4/12より配信スタート。※『anan』2020年4月15日号より。写真・小笠原真紀ヘア&メイク・村田真弓文・梅原加奈(by anan編集部)
2020年04月14日岡崎体育の連載「体育ですけど、オンガクです」。今回のテーマは「段取り」です。段取り上手になりたいです。僕のマネジメントチームはとても段取りがよく、18時終わりの仕事のあとに18時はじまりの取材を入れたりします。それ、移動時間を考えてなさすぎやろと思ったんですが、聞いたところによると「18時終わりの仕事は17時過ぎに終わると踏んで18時から次の取材を入れた」とのこと。それ、その読み外れたらどうしてたんやろ…と疑問に思いつつ、時間の無駄なく段取ってくれているなと感心します。かたや僕はというと、段取りがあまり上手ではありません。我が家の電子レンジで冷凍のご飯を温めるのに6分ほどかかるのですが、その6分をいつもどう活かすべきか考えるものの、結局YouTubeとか見て過ごしてしまいます。東京に出てきて、それまで家族に丸投げしていた家事をするようになり、段取りの重要性をひしひしと感じています。家事のタイムマネジメントを上手にできるようになれば、その分、音楽制作にあてられるわけですから、絶対に段取り上手になるべきなんです。みなさん、どのように家事のペース配分をしていますか?例えば、洗濯機をまわして、干しに行って、取り込んで、畳んで、タンスにしまうという流れを追っていると、気づくと一日が終わっているように感じます。この話を(マキシマムザ)ホルモンのナヲさんとしたときに乾燥機を導入すべきだと助言をいただきましたが、今の家では置く場所がない。さらに、ナヲさんの家と僕の家はまあまあ近いので「まわしにきたらいいよ」とまで言っていただきましたが、タイムマネジメント的にはまわしに出かける時間もなんだかもったいない気がしてしまいます…。そして、そこまで考えて気づいたのですが、家事の重圧は若手ミュージシャンの貴重な制作時間を確実にひっ迫していますよね。乾燥機やルンバなど、いい家電が買えるのは成功しているミュージシャンのみ。まだ売れていないバンドマンたちは、バイトと家事で音楽制作にあてられる時間なんてほんのわずかしかない。これは大変な格差を生んでしまう問題なのではないか。僕は若手バンドマンを救済したい。早急に、みんなが音楽に専念できる環境を作るサービスを考えたいと思います。え?みんなそんなに家事に真剣に向き合ってない?バンドマンはモテるから家事一緒にやる彼女とかおるらしい?ほな、もうええです。おかざきたいいく2/11に行われた、関西初の単独アリーナ公演『岡崎体育ワンマンライブ「OKAZAKI ROCK FESTIVAL 2020」』が、4/26(日)21:00~、TBSチャンネル1にてオンエアされる。※『anan』2020年4月8日号より。写真・小笠原真紀ヘア&メイク・村田真弓文・梅原加奈(by anan編集部)
2020年04月04日岡崎体育の連載「体育ですけど、オンガクです」。今回のテーマは「カバー」です。サンボマスター結成20周年記念のトリビュートアルバム『サンボマスター究極トリビュート ラブ フロム ナカマ』に参加させていただきました。これ、実は僕にとって人さまの曲をカバーして音源としてリリースするのがはじめてのこと。きちんとした売り物としてカバー曲をはじめて世に出しました。いや~緊張しましたね。原曲があるわけですから、それをどこまで踏襲するのか、裏切るのか。行きすぎて汚してもいけないわけで。さらにその上で自分のカラーを出さないといけないわけですから、難しかったです。今回は、東京事変などをやられているキーボーディストの伊澤一葉さんと一緒にアレンジをさせていただき、あえてピアノ1本で勝負してみました。サンボファンの皆さんにも、それ以外の参加アーティストの方々のファンの方にも、もちろん岡崎体育を応援してくれている方にも、ぜひ聴いていただきたいです。以前にも「トリビュートアルバム」について語ったことがありますが、これはいい文化ですよね。それぞれのファンにとって、新しい音楽との出合いの場になる。原曲をもっと聴いてみたいとなるのもいいし、カバーを聴いてこのアレンジをした人たちの音楽を知りたいとなるのもいい。もっと言えば、それがどちらも推しのミュージシャンだった場合、推し同士がいい形でからんでいるわけですから、これはファンにとって、とてもうれしい、尊い出来事だと思います。今後も誘っていただけたら、ぜひやらせていただきたいなと思っています。じゃ、自分から「カバー」に対して積極的になれるかというと、個人的にまだ早い感じがします。デビュー3~4年目とかのキャリアでカバーってちょっと早すぎちゃうか…と思うし、僕が他のアーティストの曲をカバーして、皆さんがそれ聴きたいと思ってくださるというとそうでもないのかも、はたして売り物として成立するのか?と疑問です。もちろん歌いたい好きな曲はたくさんあります。僕のファンクラブ限定イベントで「おっさんのカラオケ大会」というのをやって、あいみょんやヒゲダンをカバーして歌ってみましたが、めちゃくちゃ賛否両論で…。まあ、これからいいと言ってくださる方が増えたら、僕なりのカバーアルバムも考えてみたいかなと思います。おかざきたいいく関西初の単独アリーナ公演『岡崎体育ワンマンライブ「OKAZAKI ROCK FESTIVAL 2020」』が、4月にTBSチャンネル1にてオンエア決定。※『anan』2020年4月1日号より。写真・小笠原真紀ヘア&メイク・村田真弓文・梅原加奈(by anan編集部)
2020年03月30日岡崎体育の連載「体育ですけど、オンガクです」。今回のテーマは「新生活のすすめ」です。この春に進学、就職で新生活をはじめる方も多いのではないでしょうか。僕も、昨年夏に晴れて実家を出て東京に引っ越して独り立ちしました。今、まさに引っ越しされるという方には関係ないかもしれませんが、引っ越しは真夏にするもんじゃないということだけは、確実にアドバイスできます。めちゃくちゃしんどかったです。でも、独り立ちはいいものです。僕は普通の方よりかなり遅いタイミングで実家を出ました。それまでは本当に家族におんぶに抱っこで何もしないでいましたが、東京では洗濯機をまわして、洗濯物を干して、掃除をして、買い物行って、料理してというのを全部自分でやっています。人間が生きていく上で最低限必要なことを自分でやるというのは、それだけで精神的にすごくよくて、気持ちを上向きにしてくれます。その一方で、音楽家・岡崎体育としては、生活環境が変わることはちょっと怖かったんです。実家住まいで、家族になんでもかんでもやってもらうような、ちょっとだらしない生活があったからこそ生まれた曲もある。そういう感性が失われてしまう、死んでしまうのではないかと恐れていたのですが、実際に東京に来てみると、精神的にいくら健康になっても、まあ人間の本質って変わらない。家事だって、心底めんどいと思いながらやっていますし、ダメな部分はずっとダメで、僕の考え方のベースは変わっていません。だから、独り立ちはいい選択だったと思っています。これから新生活をされる方は、時には寂しい気持ちになることもあるのでは、と思います。家族と住んでいたときと違って、何か困ったり、驚いたり、面白いことがあってもすぐに誰かに話すことができません。そういうことで寂しさを感じるならぜひSNSを使って発信すればいい、と僕は思います。発信することはなんでもいいと思います。今日、これ買いましたとか、模様替えしたよ、とか。僕も、家電を買いに行きましたとか、電球を買いに行きますとか、けっこうつぶやいています。何も発信しなくても大丈夫な人にはもちろん、無理におすすめしませんが、自分の生活の内容をひとりで抱え込むと、時に苦しくなることもあると思います。それを“鍵垢”でもいいから吐き出すようにしておくと、寂しくて満たされない気持ちがちょっと軽くなるような気がします。おかざきたいいくドラマホリック!『僕はどこから』(テレビ東京系、毎週水曜24:12~)に出演中。地元・京都での“街ブラ”レギュラー番組『岡崎体育の京の観察日記』(KBS京都、第2・4土曜22:30~)も好評。※『anan』2020年3月25日号より。写真・小笠原真紀ヘア&メイク・村田真弓文・梅原加奈(by anan編集部)
2020年03月22日岡崎体育の連載「体育ですけど、オンガクです」。今回のテーマはanan50周年を記念して「ananの表紙」です。――念願の『anan』 表紙体験はいかがでしたか?岡崎:いつか撮っていただきたいと思っていた『anan』のカバーグラビア。まさか擬似体験することができるとは…。本来はイケメンじゃないとできないことですから。いい見出しコピーもつけていただいて、最高です。実際に撮影を体験してみてわかったのは、寝癖ひとつ、手の位置ひとつ、顔の角度ひとつ、女性がきゅんとするポイントを押さえるのって意外と難しいってこと。みなさん、さらっとやってらっしゃるけれど、これはすごいテクニックなんや…と実感しました。尊敬です。――連載を始めることになって、最初どう思いました?岡崎:まず、それ絶対に俺じゃないやろと思いました。最初に出た言葉は「僕なんかで大丈夫ですか?」です。それこそ『anan』は、女性に人気のあるシュッとした男前が出ている雑誌というイメージ。どこにでもいる兄ちゃんタイプの僕が連載して、みなさん興味持ってくれるのかすごく心配でしたね。――『anan』には、どんなイメージを持たれていました?岡崎:これは連載する前から思っていたんですけど、写真がいいですよね。グラビアを見れば、いま誰がきているかとか、どんな子に注目すればいいかがすぐわかる。だから、まず写真をじっくり見ますね。あとは、女性の悩みとか、やりたいことを指南してくれる雑誌っていうイメージ。だから、世の女性たちはこういうことに迷っているんだなとか、こういうものが気になっているんだなっていうのを僕も「へえ~」と見ていました。――つい読んでしまう特集や企画はありますか?岡崎:占い特集は絶対読んでますね。――もし、ご自身でやるとしたら、やってみたい企画は?岡崎:『笑っていいとも!』のテレフォンショッキングみたいな企画がしたいですね。僕から始まって、友達を紹介していって最後どんな方まで繋がるか…。僕の憧れのハリウッドスターのウィル・スミスまで繋げたい。『anan』なら出演快諾してくれると思います!――『anan』のここが好き、というところはどこ?岡崎:毎週読ませていただいて、言葉のセンスがすごいって思ってます。表紙のフレーズとか。いつも勉強させていただいています。――連載は100回を超えました。続けてきていかがですか。岡崎:100回って、すごくないですか?こんなに続くとは思わなかったです。歴史ある偉大な雑誌で、こんなに長く連載させていただいていることに幸福感を得ていますよ!もう、いろんなところで自慢しています。地元の同級生に同窓会で絶対言います。「俺、『anan』で連載持ってんねん」って。そしたらみんなの見る目が変わりますから。間違いなく、連載は僕の自慢のひとつです!おかざきたいいく2016年5月メジャーデビュー。連載開始時(2017年12月6日発売の2081号)は京都・宇治の実家暮らし。昨夏、東京に移住。CMやドラマ、映画など、ますますマルチに活躍中。※『anan』2020年3月11日号より。写真・小笠原真紀スタイリスト・壽村太一ヘア&メイク・大矢佑奈(KIND)取材、文・梅原加奈衣装はスタイリスト私物(by anan編集部)
2020年03月10日岡崎体育の連載「体育ですけど、オンガクです」。今回のテーマは「振り付け」です。ステージで踊っているので岡崎体育はダンスが上手いと思われがちです。実際に、踊ること自体は大好きです。ライブだけでなく家でも音楽をかけてしょっちゅう一人で踊っています。ただ、それは音楽に合わせて即興で踊るのが好きなだけ。実は、振りの付いた踊りがめちゃくちゃ苦手です。他人が考えたダンスを周囲とシンクロしながらその通りに踊ることがどうしてもできません。それでもCMやMVで踊る機会がある。そういうときはもう必死に覚えるしかないのですが、なかなか覚えられません。本番前にしっかり教えてもらって、自主トレもしていても、本番で必ず失敗してしまいます。もうイヤになります。まず、どうしても踊りながら「あれ、次の動きなんやったっけ?」とか考えてしまう。それで躍動感が出なくなり失敗する。本気で僕にダンスを踊らせたいなら1年前くらいから仕込むしかないのでは…と思います。それくらいみっちり体に覚えさせないと、にこやかには踊れません。でもたいていの場合、収録の前日とかに振り付けのビデオが届きます。もっと慌ただしいと当日に振りを付けて収録というのもある。もうそういう場合は、とにかく振り付けを簡単にしてもらうしかないです。それか、僕だけアドリブ踊りでいいということにしてほしい!先日もNHK BS4Kの特別番組『8Kで体感!スポーツの魅力~岡崎体育~』で、マキタスポーツさんと私立恵比寿中学の中山莉子ちゃんとダンスを踊りました。僕とマキタスポーツさんはそれぞれ10回くらいNGを出しましたが、莉子ちゃんはすぐに振りが頭に入ってミスもしない。これはもう、ローティーンのころから踊っている人の特性だなと思いました。ダンスは一朝一夕でできるものではないと痛感しました。僕の仲良しでダンスの上手な方といえばw-inds.の橘慶太さん。彼なんかは、プライベートで一緒に買い物をしているときでも動きがなんか踊っているよう。手とかリズムのとり方が普段からかっこいいです。踊ることへの意識がそもそも違う感じがします。でも、そうなるには地道な鍛錬が必要です。僕なんかまずは基礎からですね。長い道のりになりそうです…。でも、基礎さえ入れば僕は応用が利くタイプだと思う。振り付けもどんどん覚えられるかもしれない。苦手意識を克服すべく、まずは基本中の基本を橘氏から直伝してもらおうかな。おかざきたいいくドラマホリック!『僕はどこから』(テレビ東京系、毎週水曜24:12~)に出演中。地元京都での“街ブラ”レギュラー番組『岡崎体育の京の観察日記』(KBS京都、第2・4土曜22:30~)も好評。※『anan』2020年3月4日号より。写真・小笠原真紀ヘア&メイク・村田真弓文・梅原加奈(by anan編集部)
2020年02月26日岡崎体育が本日2月11日、エディオンアリーナ大阪(大阪府立体育会館)で「岡崎体育ワンマンライブ『OKAZAKI ROCK FESTIVAL 2020』」を開催する。毎回ユニークな活動で注目を集める、岡崎体育。昨年は1月に3rdアルバム『SAITAMA』をリリースし、そして自身がデビュー前より夢と語ってきた、さいたまスーパーアリーナでのワンマン公演も成功させた。事務所に入らずに個人で活動してきたアーティストにとしては快挙である。そして本日の「岡崎体育ワンマンライブ『OKAZAKI ROCK FESTIVAL 2020』」は自身初となる関西初の単独アリーナ公演。タイトルとは裏腹に自身以外にも出演アーティストが発表された。名を連ねるのは、新進ロックバンドのポテト探検隊、当公演で活動を休止するDJツキユビ with 主治医。このメンツでどんなステージを繰り広げられるのだろうか。すでにソールドアウトが発表されているこの公演、エンターテイナーである岡崎がどう観客を楽しませるかに注目だ。■公演情報「岡崎体育ワンマンライブ『OKAZAKI ROCK FESTIVAL 2020』」日時:2月11日(火・祝)開場16:00/開演17:00場所:エディオンアリーナ大阪(大阪府立体育館)
2020年02月11日岡崎体育の連載「体育ですけど、オンガクです」。今回のテーマは「2020年」です。2020年になりました。今年も岡崎体育をよろしくお願いします。2019年は、これまでにない濃い一年でした。僕の長年の夢だった、たまアリでのワンマンライブを成功させるべく、集中しまくった年だったと思います。2019年の上半期は、ほぼすべての時間をたまアリに注ぎ込んでいたので、それ以外の記憶がめちゃくちゃ薄いです。何してたんかな、俺……。たまアリ以降ですと、実家を出て東京に新居を構えたことも大きなニュースですね。僕のイメージの中では、「たまアリでワンマン」が人生のどピークで、世間からちやほやしていただけるのもそこまでかなと思っていましたが、たまアリ以降も、いろんなお仕事をいただいてありがたいなと思っています。ミュージシャンとして以外でも、俳優としてサザエさんのドラマに呼んでいただいたり、かなり大きめのTVCMにお声をかけていただいたり。そういう音楽家以外の仕事も、すごく自分のためになる、視野が拡がるのでやれてよかったなと思っています。2020年はどうなるんでしょうね。目標としてやっぱり「でワンマンライブをする!」と掲げられるとええなあと、実はこっそり思っています。目的意識がないとダラダラと過ごしてしまいそうなので、向かっていく場所を設定しておくといいのかな、と。よくインタビューなどでも「次はどこでライブをしたいですか?」と聞かれることも多いので、それもあって決めておきたい気もします。とはいえ、たまアリの次ってどこ?と正直わからないんですよね。みなさん、どこでやったらいいと思いますか?僕らしい場所がいいですよね。甲子園でやるとか、屋外も楽しそうです。地元の宇治でフェスをやるのもいいかもしれないです。でも、まだハッとする何かが降りてきてないので、何も決められずにいます。たまアリのときも「ここでライブがしたい!」という衝動を自分の中に感じて決めることができた。そういう場所や出会いがあるのを、今年も待ちたいと思います。そんなわけで、今年もノースタンスな感じに一年がはじまりました。ノースタンスが好きなので自分が興味あることを自由にやっていきたいと思います。ミュージシャンなのに、何、街ブラロケしとんねん、と思うこともあるかもしれませんが、シンガーソングライターという概念にとらわれず、岡崎体育の活動を今年も温かく見守っていただけますと幸いです。おかざきたいいく1/11(土)、地元のKBS京都で新レギュラー番組『岡崎体育の京の観察日記』がスタート。2/11、エディオンアリーナ大阪で、ワンマンライブ「OKAZAKI ROCK FESTIVAL 2020」開催。※『anan』2020年1月15日号より。写真・小笠原真紀ヘア&メイク・村田真弓文・梅原加奈(by anan編集部)
2020年01月09日岡崎体育の連載「体育ですけど、オンガクです」。今回のテーマは「年越し」です。もうすぐ2019年も終わります。みなさん、年越しはどのように過ごすのでしょうか。ミュージシャンといえば、カウントダウンライブとか定番ですよね。僕は過去2回ほどカウントダウンライブに参加したことがあります。ひとつは京都の駅ビルで開催されたカウントダウンライブ。くるりさんと一緒に出演しました。あとは、かなりさかのぼりますが、バンド時代に出たことがあります。でも、出演が一番手で、18時30分とかの出番だったんです。そこから、カウントダウンの瞬間までずーっと楽屋で待っていたような思い出しかないので、カウントダウンライブにそんなに深い思い入れはありません。そもそも、僕は年越しくらい家でゆっくり過ごしたいと思うタイプです。事実、その2回のカウントダウンライブ参加以外は、年越しはすべて実家で過ごしています。しかし、今年は事情が違います。新居を東京に構えたのではじめての東京での年越しになります。今年は、フェスの参加をお休みさせていただいているので、年末のカウントダウン系のフェス・イベントに参加することもありません。紅白にも残念ながら呼ばれませんでしたし、東京での年越しを一体どう過ごせばいいと思いますか?『ゆく年くる年』を見て、年越しそばを食べるまでは例年の決まりごとなのでこなすとして、そのあと初詣はどこにお参りすべきか、今とても頭を悩ませています。実家にいたときには宇治上神社へお参りしていました。世界遺産にも選ばれた由緒ある神社ですが、世界遺産いち地味で落ち着いたいい神社です。京都とはいえ宇治なので、人混みでごったがえすこともなく、元日には薄い大根のお味噌汁みたいなやつを振る舞いで出してくれたりして、それを寒い中いただいて参拝するのが恒例でした。やっぱり、今住んでいる土地の氏神様にお参りすべきですよね。あと僕は巳年なので、「へび」に縁起のある神社にお参りしたいです。ちなみに、宇治は土地柄「うさぎ」にご縁があり、巳年の僕とはあまり相性がよくないらしいです…。とにかく初詣を大事にしているので、もしカウントダウンライブをやるとしたら、どこか神社で開催したい。初詣と一体型ライブにしたいです。年越しを終えたらそのまま初詣ができるとベストじゃないでしょうか。明治神宮さんとかで開かせていただけないですかね?おかざきたいいく映画『ジュマンジ/ネクスト・レベル』日本語吹替版主題歌「Merry Merry Christmas Night」配信中。2/11、エディオンアリーナ大阪で、ワンマンライブ「OKAZAKI ROCK FESTIVAL 2020」開催。※『anan』2019年1月1日-8日合併号より。写真・小笠原真紀ヘア&メイク・村田真弓文・梅原加奈(by anan編集部)
2019年12月28日岡崎体育の連載「体育ですけど、オンガクです」。今回のテーマは「インスタライブ」です。「インスタライブ」とは、写真共有アプリのInstagram(インスタグラム)のストーリー機能を使って動画をリアルタイム配信することを言います。僕がインスタライブの配信をするのは、たいてい唐突です。ちょっと時間あるなあとか、いま暇やから…と思いつくとスタート。なので、メジャーアーティストとは思えない限られた視聴者数で毎回、お届けしています。配信ではみなさんからコメントで寄せられた質問に答えたり、何か話題を出してもらえたら、それに沿って話をしたり。基本的に、画面には豆電球だけ映して自分の顔も出さずにひたすらしゃべっています。だいたい1回の配信で、1時間くらい話をしていますかね。思いついた瞬間から、携帯のバッテリーが切れるまでやるので。僕の携帯は得てして充電が満タンでないことが多いです。だいたいいつも、半分くらいの充電です。なので、1時間くらいで終わることが多いです。そんなスタイルなので、ときには「インスタライブをするなら事前に告知をしてほしい」と言われることがあります。それももっともだと思うし、自分が好きな人の配信があって、それを見逃していてしかも後追いで視聴することもできないとしたら、それは悔しい気持ちになるのも分かります。でも、僕はあえてインスタライブは奇襲のものでありたいんです。今や告知とかみんなに知ってほしい情報の共有は、ツイッターやオフィシャルサイトなどでできます。リアルタイム配信の立ち位置は何かと考えると、それは僕を応援してくれる方々とのコミュニケーションの場所なんですよね。以前、告知をしてやったら結果1000人以上の方が視聴してくださいました。でも、そうなるともうコメントをひとつひとつ読むことが不可能なんです。さーって流れていってしまうんです。ダラダラしゃべりながら、コメントを拾って、会話をしていくには100~200人くらいの視聴者数がちょうどいい。お互いにとって幸せなんです。とはいっても、突然の配信で100人以上の方々がわざわざ見てくれるってありがたいことです。思い返すと、7年前にツイキャスで生放送した時には視聴者数たったの2でしたから。一つは友人、もう一つは僕が別の媒体を使ってテストで見ていた分。つまり1対1だったんですね。もう、それ電話でええやん、と思いました。おかざきたいいく『ジュマンジ/ネクスト・レベル』日本語吹替版主題歌「Merry Merry Christmas Night」配信中。2/11、エディオンアリーナ大阪で、ワンマンライブ「OKAZAKI ROCK FESTIVAL 2020」開催。※『anan』2019年12月25日号より。写真・小笠原真紀ヘア&メイク・村田真弓文・梅原加奈(by anan編集部)
2019年12月21日5人組音楽グループ・BILLIE IDLEのメンバーでタレントのファーストサマーウイカとシンガーソングライターの岡崎体育が13日、都内で行われた映画『ジュマンジ/ネクスト・レベル』の初日舞台挨拶に登場した。本作は、『ジュマンジ/ウェルカム・トゥ・ジャングル』の続編。ゲームの中へ戻ってしまった主人公スペンサーを連れ戻すために、大学生になったおなじみのメンバー、マーサ、フリッジ、ベサニーが、呪われたゲーム“ジュマンジ”の世界で大胆な救出作戦に挑む。主人公のスペンサーがゲームの中で入れ替わるキャラクターのミン・フリートフット役で声優に初挑戦したファーストサマーウイカは、「今日はもう感極まりまして、ミン・フリートフットのコスプレでやって参りました!」とあいさつ。先日開催されたLAプレミアでキャスト陣と対面したことも報告し、「みなさん優しく接してくれて、温かく迎えてくださって。あとみなさん、すごくいい匂いがする!」と伝えた。日本語吹替版の主題歌「Merry Merry Christmas Night」を歌う岡崎体育は、「公開の時期がクリスマスに近いということで、クリスマス気分を味わってもらえたらなと思いまして、あと主人公がちょっとさえない男の子ということで、さえないタイプのクリスマスを曲にしてみようと思って書いた曲です」と説明。ファーストサマーウイカは、「今までの岡崎体育さんのイメージとは違ってぐっとくる。うるっときてしまう。とってもエンディングとマッチしている」と絶賛し、「最後まで絶対に帰らないで見ないといけないですよ!」と観客に呼びかけた。そして、岡崎体育が主題歌をサプライズ生披露。ファーストサマーウイカも岡崎の生歌を楽しみながら、TIKTOKで挑戦した“指ダンス”を交えてノリノリで踊り、「楽しいですね」と大満足。2人のコラボレーションに観客からも拍手が送られた。
2019年12月13日岡崎体育の連載「体育ですけど、オンガクです」。今回のテーマは「レギュラーワーク」です。『anan』で連載をはじめてちょうど2年になります。なんと今回で100回目を迎えます。ありがとうございます。メジャーデビュー以降、うれしいことにレギュラーのお仕事が途切れたことがありません。ずっとやっているラジオやTVのレギュラー番組、そして雑誌の連載と、ミュージシャンですがやっぱり毎週とか毎月とか決まっているお仕事があるというのは、心の安心・安定に繋がっていいですね。スタッフが決まっているのもありがたいです。新しい環境とか人に慣れるのに時間がかかるタイプなので、レギュラーでいつも同じメンバーでできる仕事は気持ちもすごく楽。音楽はひとりきりでプレッシャーを抱えながら向き合うものなので、作るのもライブも常に緊張感があります。本業なので当然ですが、でもしんどいことも多い。一方レギュラーワークは、いろんな人と関わりながら作るものなので、その場その場で考えられる。楽しんでできているので、ありがたいなあと思います。ミュージシャンの方は、音楽番組以外だと自分の趣味を活かした連載や番組を持っている方が多い気がします。映画好きの方が映画のコラムを書いたり、コメントをする番組を持っていたり。実を言うと、僕はそれはちょっと苦手、というか、多分できません。なぜかというと、そこまでこだわっている趣味がないからです。なんでも広く浅くで終わってしまう。だから、逆に言うと誰とでもなんの話でもできます。カメレオンタイプです。話合わせるのはうまくできるほうですし、浅くなら、いろんなこと知ってます。野球の話も映画の話もできると思います。そう考えると僕はMCタイプなのかもしれません。ケーブルTVの専門番組を見るのがめっちゃ好きなんですが、そこに出ているような、いろんな世界のエキスパートに会ってみたい。僕のようなズブの素人が超専門的な釣り番組の司会とかをしていたら、めっちゃ面白くないですか。詳しい人ばかりで掘り下げるより、「なんでコイツおんねん?」というような視聴者目線の僕みたいなのがいたほうが、番組的にもわかりやすくなっていいと思うんですよね。そうなると、もう音楽とは全然関係ないほうがいい。ガーデニングとか手芸を専門家に教えていただくとか。僕がなんかチクチク作ってたら、ちょっとかわいくないですか?おかざきたいいく1/3(金)23:00~、NHK Eテレで『前山田×体育のワンルームミュージック』完全版放送。2/11(火)、エディオンアリーナ大阪で、ワンマンライブ「OKAZAKI ROCK FESTIVAL 2020」開催。※『anan』2019年12月18日号より。写真・小笠原真紀ヘア&メイク・村田真弓文・梅原加奈(by anan編集部)
2019年12月12日岡崎体育の連載「体育ですけど、オンガクです」。今回のテーマは「クリスマスソング」です。すでに情報が解禁されていますが、デビュー後はじめてとなるクリスマスソングを作りました。「Merry Merry Christmas Night」という曲です。ハリウッド映画『ジュマンジ/ネクスト・レベル』の日本語吹替版主題歌で、公開が12月13日なのでずばり“クリスマスソング”をお題としていただいたんです。そこから、古今東西のクリスマスの名曲をめちゃくちゃ聴いて研究をして、これは完全にルールがあるなと気付きました。そのルールとは、(1)鈴または鐘の音がする。(2)賛美歌的なコーラスが入る。(3)シャッフルビート。これです。これさえ踏襲していれば、どんな曲でもクリスマスっぽい雰囲気に仕上がると思います。基本的に明るい曲調であるというのもポイントだと思います。たとえ、切ないバラードだとしても、リズムは跳ねていることが多いです。これは、クリスマスの浮かれたムードを醸し出しているとか、雪の降っているようなリズム感を出すとか、そういう印象を狙っているのではないでしょうか。クリスマスはワクワクするものというパブリックイメージがあるので、明るい曲調が合うんでしょうね。正直、なぜワクワクせなあかんのかとも思いますが、これはもう小さいときからの刷り込みで、もう日本国民ほぼ全員がそういう体になってしまっていると思います。なので、今回の僕が作った曲も、きちんとルールを守ってオーソドックスに作ってみました。はずさない王道のクリスマスソングに仕上がっていると思います。ぜひ聴いてみてください!僕自身のクリスマスの思い出はというと…実家はバチバチの仏教徒なので、特別なご馳走を食べるとか友達呼んでパーティをするとかいうこともとくになくて。まあ、でも子どものころはサンタクロースを信じていましたし、ゲーム機やソフトとかをプレゼントでもらっていましたね。個人的には、バイトによく入ってたな、という感じです。クリスマスや年末年始ってバイトの時給よくなるじゃないですか。それを狙ってクリスマスイブもがんがんバイトしていました。それでもクリスマスは感じられるものです。僕は、スーパーで働いていたので家族連れがホールケーキ買っていく姿とか微笑ましく見ていましたね。あとは、休憩室にささやかなケーキとかあって、それをパートのおばちゃんたちと一緒に食べるのが楽しかったり。そんな思い出です。おかざきたいいく12/15、Zepp Fukuoka「ベリーグッドマンへの道 ツアー 2019~武者修行編~」に出演。来年2/11、エディオンアリーナ大阪で、ワンマンライブ「OKAZAKI ROCK FESTIVAL 2020」開催!※『anan』2019年12月11日号より。写真・小笠原真紀ヘア&メイク・村田真弓文・梅原加奈(by anan編集部)
2019年12月07日岡崎体育の連載「体育ですけど、オンガクです」。今回のテーマは「ファンの愛称」です。「誰それのファン」という呼び方ではなく、ファンの方を総して特定の愛称(呼び名)をつける文化が定着しています。個人的には、きっかけはLUNA SEAさんがファンの方々を“SLAVE(スレイブ)”と呼んでいたのが最初なんじゃないかなと思いますが、もっと前からあるものなのでしょうか。でも、それ以降、邦楽ロックバンド界隈でもさまざまなファンの愛称が生まれています。マキシマム ザ ホルモンのファンの方のことを“腹ペコ”とか。どんな愛称があるのかと調べたら、バンドごとにさまざまなものがあり、かなり面白かったです。ルーツもいろいろあってアーティスト発信のものもあれば、ファンの方々の間で生まれたものもある。なんでそういう愛称をつける必要があるのかと考えると、やはり一体感なのかなと思います。好きなアーティストがいて、それをみんなで一つのチームとして応援したい。その一員になりたいという気持ちの表れなのかな、と思いました。あと、人間にはどこかに所属して安心したいという欲求がある。自身のアイデンティティの置き場として所属する場所をはっきりさせたいんですよね。そのために愛称が必要なのかもしれません。SNSの自己紹介のところにファンの愛称を書き、自分もそうであると表明する人が多いのは、そういうひとつの自己主張だと思うんです。で、それは理解できるし、ファンの方の間で愛称を楽しんで共有してくれるのはとてもいいことだと思うのですが…。ことに、自分に関してとなるとちょっとむずがゆい気持ちがしてしまいます。そもそも、僕は自分を応援してくれる方たちを「ファン」と呼ぶことさえ苦手です。「俺のファン」と言うことが、なんだかおこがましい感じがします。その延長で、岡崎体育を応援する方々のことをさらに愛称で「君たちはだから」と、僕発信では言えないです。でも、岡崎体育を応援していることには自信を持ってほしい。そこで考えたのですが、僕を応援してくれている方たちは、もし他のバンドなどのファンの方に「岡崎体育ファンのことって何て呼ぶの?」と聞かれたら、「そんなんありませんわ」とちょっと京都風に言ってほしいです。「うちらはただ応援しているだけで、そんな大層なもの岡崎体育にはありませんねん」と。老舗の女将のごとく品よく返していただけるとうれしいのですが、いかがでしょうか?おかざきたいいく12/15、Zepp Fukuoka「ベリーグッドマンへの道 ツアー 2019~武者修行編~」に出演。来年2/11、エディオンアリーナ大阪で、ワンマンライブ「OKAZAKI ROCK FESTIVAL 2020」開催!※『anan』2019年12月4日号より。写真・小笠原真紀ヘア&メイク・村田真弓文・梅原加奈(by anan編集部)
2019年12月01日岡崎体育の連載「体育ですけど、オンガクです」。今回のテーマは「料理と音楽」です。東京に新居を構えたおかげで自炊する機会が増えました。かなりの頻度で料理をしています。実家にいるときはほとんど料理をすることがなかった分、東京に出てきて、自炊することにハマっています。で、キッチンに立っているときは、たいてい音楽を流しています。料理と音楽ってとても相性がいいと思うんです。料理は包丁を使ったり、火を使ったりと、目が離せないし、手もずっと動かしている。なので、テレビだとか気がそっちにいっちゃうものはあかんと思うんです。その点、音楽は聴くだけでいいものだし、野菜を刻むなど単調な作業をするときには、リズミカルにノリノリで楽しく時間を過ごすことができる。だから僕のクッキングタイムには音楽は欠かせないです。料理をするときの選曲は、普段聴かないような曲を流すようにしています。サブスクでUSトップ100やJ‐POPのトップ100を流すとか。一応、ミュージシャンという仕事をしているので、料理をしながら自分の勉強にもなるようにと考えて、いま流行っている音楽をチェックしています。と、ちょっと意識高くやっていますが、J‐POPのトップ100を聴いていると、あいみょんとOfficial髭男dismばかりで、くやしい気持ちにもなります…。めちゃくちゃリピートで聴きすぎて、もはやヒゲダンの曲はフルコーラスで歌えるようになりました。かなり好きです。みなさんも、ぜひ音楽を聴きながら料理してみてほしいです。選曲は自分の気分がよくなったり、アガるようなものがおすすめです。一緒に歌いながら手を動かすとストレス解消にもなりそうです。僕は、先に紹介したトップ100のほかには昔聴いていた懐かしの曲とかを流しています。ドラマの主題歌プレイリストとかめちゃくちゃ楽しいです。最近だと広瀬香美さんのプレイリストにかなりハマりましたね。なんか自分が20代OLになった気分になり、入り込んで鍋とか煮込めます。実際はひとり鍋なんですけど彼とこれからパーティする気分で煮込んでいます。むっちゃ、やってるわ~感でます。でも、広瀬香美さんはキーが高すぎて、全然一緒には歌えません。歌唱力もすごすぎて全然一緒には歌えない。だから、歌うことに熱中しすぎて煮込みすぎることもない。そこもちょうどいいんです。おかざきたいいく12/15、Zepp Fukuoka「ベリーグッドマンへの道 ツアー2019~武者修行編~」に出演。来年2/11、エディオンアリーナ大阪で、ワンマンライブ「OKAZAKI ROCK FESTIVAL 2020」開催!※『anan』2019年11月27日号より。写真・小笠原真紀ヘア&メイク・村田真弓文・梅原加奈(by anan編集部)
2019年11月24日歌手でタレントの道重さゆみ(30)が11月22日、愛知県・岡崎市美術博物館で開催される「Roots of Kawaii 内藤ルネ展~夢見ること、それが私の人生~」の内覧会に参加した。本誌のインタビューの際にも愛用のルネグッズを並べ、内藤ルネさん(享年74)の魅力について存分に語ってくれた道重。再び生“Roots of Kawaii”に触れ、感動の様子だ。今月23日から20年1月13日まで開催される同展は、ルネさんの生誕地・岡崎市で初めて行われるというスペシャルなもの。さらに初出展作品含む約400点もの作品が展示される大規模な回顧展でもある。ルネさんの大ファンで、自身のライフプロジェクト「SAYUMINGLANDOLL」でもルネさんとのコラボ作品を制作した道重。ルネさんの魅力について訊ねられると「一言でいうとカワイイにつきます!」と語り、こう続けた。「そのカワイイにも、古風なカワイイやちょっとロリータっぽいカワイイ、かっこよさの中にあるカワイイなど、いろんな種類のカワイイがあって。とっても刺激を受け、勉強になります。何度見ても改めてここもカワイイという新しいカワイイポイントが見つかるところが魅力です」さらに「ルネさんは生前、自分のふるさとで展覧会を開きたいとおっしゃっていたと聞いて、亡くなった後に夢が叶うってすごいことだと感動しながら見ていました」と興奮冷めやらぬ様子。「ルネさんのカワイイは時代を超えても色あせることなく、いつまでもカワイイです。中でも、私はシールが大好きなのでアクセサリーシールがたくさん並べてあるのは夢みたいでした。その前で写真も撮れて幸せです」と語った。たまたま開催されていた内藤ルネ展を観に行ったことがキッカケで、ルネさんのことが大好きになったという道重。「ルネさんの作品はどれもかわいくて、例えば1つ、ピンクを使っているといってもそのピンクの具合がとてもカワイイです。これは言葉では説明できないので、ぜひ実物を目で見て、色使いなど細かいカワイイポイントを楽しんでいただければと思います」と呼びかけた。「SAYUMINGLANDOLL」の衣装も展示している同展。道重はイベント終了後、Twitterを更新し《展示数がとっても多く、そのどれもが可愛くて、、、わくわくがとまらなかったです》《グッズもいっぱい買っちゃった!》とその喜びをつづっている。
2019年11月23日岡崎体育の連載「体育ですけど、オンガクです」。今回のテーマは「初の映像作品」です。先日、初めてのライブ映像作品『岡崎体育ワンマンコンサート「BASIN TECHNO」@さいたまスーパーアリーナ』が発売になりました。ライブを映像化してほしいという要望はかなり前からあったんですが、僕が頑なに拒んでいたんです。やっている音楽がネタ要素の強いものが多いので、パッケージングしてしまうと鮮度が落ちるんじゃないかという危惧があり、なかなか踏み切れなかった。ただ、たまアリでのライブは長年目標にしていたもので、そこを目指してやってきたスタイルの集大成として、ひとつ形に残していいんじゃないかと思えたんです。だから、たまアリは最初から映像化するぞと決めて挑んでいたので、それを念頭においてライブの演出を考えたともいえます。どんなライブ映像がいいんだろうと、西野カナさんや関ジャニ∞さんなど、先輩方の映像をたくさん観させていただきました。どういうことが映像映えするのか、かなり研究をして、それで前々回のテーマ“ライブの定番”でもお話しした、アリーナライブといえばトロッコやセンターステージが定番で、それを自分らしくやろうという発想にたどり着きました。できあがった映像は、編集にも細部まで僕のこだわりが詰まっています。繰り返しになりますが、僕のライブはネタ重視。そのネタの面白さが伝わらなくては意味がない。例えばトロッコがコースをわざと逆走するシーンでは、きちんと逆走感が出てないと意味がない。そうすると、もっとわかりやすいカメラポジションのものに変えてほしいとお願いしたり、僕の表情を伝わりやすく抜いてほしいと言ったり。他のミュージシャンの方々はどれくらい編集に細かく指示を出すのでしょうか。人によりけりだと思いますが、細かい方はけっこう細かく、ここはこの表情を使ってほしいとか、こっちのアングルを使ってほしいとかあるようです。やはりアーティストですから、こう見せたいというこだわりがあると思います。ちなみに僕は、左の目だけ二重で顔は左半分のほうが男前です。だから、みなさんから見て右(上手)側からのほうがイケている。でも、僕はネタ重視なので、面白ければ、イケてない側からのショットでも迷わず使います。そこが逆にこだわりです。でも、上手側が確実にイケメンなので、そこはDVDを観てみなさんでぜひ堪能してください。おかざきたいいく12/15、Zepp Fukuoka「ベリーグッドマンへの道 ツアー2019~武者修行編~」に出演。来年2/11、エディオンアリーナ大阪で、ワンマンライブ「OKAZAKI ROCK FESTIVAL 2020」開催!※『anan』2019年11月20日号より。写真・小笠原真紀ヘア&メイク・村田真弓文・梅原加奈(by anan編集部)
2019年11月17日岡崎体育の連載「体育ですけど、オンガクです」。今回のテーマは「イントロ」です。イントロとは曲の前奏部分ですね。最初の導入の部分でこれをどういう塩梅で作るかというのはとても難しいところ。曲の気分を伝えないといけないので、こだわりが必要なんですが、あくまで最初の出だしですから、本編が始まる前にあまりに凝りすぎて長くなってもいけない。個人的な感覚で言うとイントロが40秒以内くらいがちょうどいいんじゃないかなと思いますね。あまりにも長いと“それ、いる?”と思ってしまいます。でも、イントロの長さに美学を持ってやっているアーティストもいらっしゃると思うので、まあ一概には言えないところでもあります。僕の場合、頭から順番に曲を作っていくので、最初にイントロを手がけます。イントロを作るときに気をつけているのは、やっぱり期待感を持たせること。ライブなんかで、ギタリストがイントロのギターリフを弾くと客席が「きたーーーーっ!」と沸くシーンとかあるじゃないですか。あれはやっぱりゾクゾクするほどかっこいい。そんな印象的なイントロを作りたいなといつも思ってます。あと、イントロは当然ながら楽器がメイン。僕は、サビと同じコードを使ってイントロを考えることが多いですが、人が歌うサビとは違い、イントロでは人の声域では出ない高い音や低い音を使うことができます。盛り上げるならやっぱりキーの高い音を入れると、高揚させるような雰囲気が出る。高めのシンセの音を使ってガツンと盛り上げるイントロが僕は得意かもしれません。個人的に好きなイントロで真っ先に思いつくのが、ヘヴィメタルバンドのスリップノットの「Surfacing」。高い、引っ掻き音みたいな、叫び声のようなギターリフが印象的です。爆弾でも落ちてくるんちゃうか、というような不穏な空気感でばくばくと心拍数が上がる。それが音楽的興奮と結びついて、高揚感を煽られます。また、それとは真逆でしっとりした楽曲は低めの、落ち着いた音を使ったイントロが印象に残ります。僕の楽曲だと「鴨川等間隔」とかそっち側かなと。ちょっと切なめなギターリフが繰り返される感じがすごくいいんですが、これは実は、知り合いのギタリスト、クズノくん(the PARTYS)が考えてくれたものなんです。あのイントロあってこその曲だと思うので、彼のメロディリフを作るセンスがめちゃくちゃ活きた一曲だといえます。ぜひイントロに注目して聴いてみてほしいです。おかざきたいいく初の映像作品である、6/9のたまアリでのワンマンコンサートのDVD&Blu‐rayが発売中。来年2/11、エディオンアリーナ大阪で、ワンマンライブ「OKAZAKI ROCK FESTIVAL 2020」開催!※『anan』2019年11月13日号より。写真・小笠原真紀ヘア&メイク・村田真弓文・梅原加奈(by anan編集部)
2019年11月12日岡崎体育の連載「体育ですけど、オンガクです」。今回のテーマは「ライブの定番」です。さいたまスーパーアリーナではライブハウスやホールではできない、アリーナクラスのアーティストがいつもやる「ライブの定番」を僕流に真似ようと思ってライブ構成を考えました。アリーナでのライブといえば、センターステージとトロッコは欠かせないだろうと、僕も用意しました。でも、花道が平均台なみにめっちゃ細いとか、センターステージに飾ってあるのがお花…と思いきや“えのき”とか、トロッコで回っているときに歌う曲が誰も知らない新曲でお客さん全然ノれないとか…定番をなぞりながらあえて外す面白さを岡崎体育らしく演出したつもりです。いつもの僕のライブでの定番というと、MCで「どこから来た?」と聞くことでしょうか。これは、はっきりいってマーケティングとしてやっていますね。とくにフェスなんかでは、どういう客層か統計をとるために必ず聞くようにしています。それによって急きょセトリを変えたりすることもあります。岡崎体育の今後の活動に活かせますから、これは大事な情報収集としてこれからも必ずやっていきたい。みなさんも、ライブで僕に聞かれたら正直に答えてくださいね。それとタオルいじりも定番ですね。ライブでは、そのアーティストのタオルを持ってくるのが通例ですが、僕はめちゃくちゃ目がいいので違うミュージシャンのタオルがあると目に入ってくる。それをいじっていたのがいつしか定番となりました。最近は、ミュージシャンどころかプロ野球選手とかサンリオのキャラクター、ポムポムプリンのタオルまで持ってくる人がいます。そこで「おい、誰がポムポムプリンやねん!」と、客席とコミュニケーションするのが楽しいです。あとは「次が最後の曲です」のタイミングで客席が「えー」となったときに発動する「ちょっと、それ」「どっちのえー!」というコールアンドレスポンス。これは最後の1曲と言うとお客さんは必ず「えー(残念)」となる。でも決まっていることだしアーティストは「うれしいけど、ごめんね」としか言えない。で、そのまま曲に入るとお客さんは「えー(残念)」という気持ちを引きずったまま、最後の曲になってしまいますよね。これはもったいない。そこでいったん、残念な気持ちをリセットしてくれるコールがあればと思い、生まれたもの。僕が始めたものですが、今ではマキシマム ザ ホルモンやヤバTも使ってくれています。おかざきたいいく6/9、たまアリで行われたワンマンコンサートのDVDとBlu-rayが発売中!来年2/11、エディオンアリーナ大阪で、ワンマンライブ「OKAZAKI ROCK FESTIVAL 2020」開催!※『anan』2019年11月6日号より。写真・小笠原真紀ヘア&メイク・村田真弓文・梅原加奈(by anan編集部)
2019年11月04日岡崎体育の連載「体育ですけど、オンガクです」。今回のテーマは「本名と芸名」です。みなさまご存じかと思いますが、僕も芸名です。岡崎は、MC業をやっていた母が芸名として使っていた名字からとりました。本名の「岡」に「崎」をつけたのは母が所属していた事務所の社長さんだそうです。「体育」は、名前らしくない名前がよくてつけました。とても気に入っています。何がいいかというと、検索がしやすい。僕の名前は他の方とかぶることもないですし、略称にもならないので「岡崎体育」だけで検索をかければ、すぐに僕の情報にヒットするし、僕が検索してもみなさんのコメントにすぐにたどり着きます。キーワードとしてトレンドに乗りやすいのもいい。それは、とくに戦略として考えていたことではないんですけれど、結果的にいい名前だったなと思ってます。ファンの方々は「体育くん」とか「体育さん」と呼んでくれます。ミュージシャン仲間は「岡ちゃん」とか「岡くん」。それは本名の「岡」からなのか、岡崎体育の頭文字の「岡」からなのか、そこはなんかよくわかりませんが、まあ僕のアイデンティティは公私ともに“岡”にあるということで間違いないのかなと思います。ひとつ名前に関してこだわりがあるとすると「岡崎体育」の表記の仕方です。僕の中で「岡崎体育」はひとつのワード。名前というよりもプロジェクト名なんです。だから、つながっていないといけない。「瑛太」さんと同じシステムと考えていただければ分かりやすいと思います。でも、よく楽屋前とかに貼ってある名前は「岡崎 体育様」と、「岡崎」と「体育」の間に半角スペースが入っている。「瑛太」の「瑛」と「太」の間に半角スペース入れますか?入れないですよね。「岡崎体育」もそれと同じ扱いにしてほしいんですけど、なかなか分かってもらえません。雑誌などでプロフィールを書いていただくときも、平仮名で「おかざき・たいいく」と書かれてしまうけど、それも「・」は必要ない。実はこのananの連載でもプロフィールに「・」が入っていましたけど、今週号から取ってもらうことにしました。先週のバックナンバーとぜひ比べてみてください。でも、マネージャーは僕のことを「体育さん」と呼び、ディレクターは「岡崎くん」と呼ぶ。もっとも信頼を置く身近なスタッフさえ統一ができてないので、ま、みなさんには名前覚えていただけたら結局どっちでもええです。おかざきたいいく6/9、たまアリで行われたワンマンコンサートのDVDとBlu‐rayが、10/30に発売!来年2/11、エディオンアリーナ大阪で、ワンマンライブ「OKAZAKI ROCK FESTIVAL 2020」開催!※『anan』2019年10月30日号より。写真・小笠原真紀ヘア&メイク・村田真弓文・梅原加奈(by anan編集部)
2019年10月27日『パルパライソの長い坂を下る話』(2017年)で岸田國士戯曲賞を獲得した神里雄大。彼が率いる岡崎藝術座が、受賞後第1作となる新作『ニオノウミにて』を1月11日(土)から19日(日)まで横浜・STスポットで上演する。ペルー共和国で生まれた神里は、「移動」や「越境」をする人々をテーマにし、実際にさまざまな場所へと出かけ、話を聞くことから作品づくりをはじめる。前作『パルパライソ〜』は、アルゼンチンに約1年間滞在してつくられ、アルゼンチンやブラジルの俳優たちをキャステイングした全編スペイン語の作品だった。今作のタイトルにある「ニオノウミ」とは、琵琶湖のこと。神里自身が実際に琵琶湖で釣りをし、外来魚問題に触れ、そしてその問題に対するさまざまな立場の人の話を聞いてつくられた作品だ。作品のサイトでは、「飲み屋で出会った釣り好きのオッチャン」の話として、前回の東京オリンピックの頃、ブルーギルが日本に持ち込まれた話などが語られている。また、琵琶湖に浮かぶ小さな島を舞台にした能「竹生島」も参考にしたという。今作に際し、「俳優経験不問」で出演者を募集していた神里。結果、浦田すみれ、重実紗果という俳優、ダンサーに加え、舞台映像を担当しつつ俳優としては初舞台となる嶋田好孝がキャスティングされた。元号が変わり、東京オリンピックを控えるこの時期に、そして台風で治水がかつてなく注目されたこのタイミングで、日本でもっとも大きな湖の物語が語られようとしている。文:釣木文恵
2019年10月25日岡崎体育の連載「体育ですけど、オンガクです」。今回のテーマは「ヒャダインさん」です。ヒャダインさんは、僕がデビュー前からむちゃくちゃ背中を追いかけている方です。自分が大学生のころからニコニコ動画の投稿などネットの世界では名を馳せていて、当時からすごく刺激を受けていました。ヒャダさん(普段お呼びしている呼称)が『情熱大陸』に出演された時には録画して、何度も何度も繰り返し見ました。ちょうど僕もひとりで本格的な音楽活動を始めようと決めた時だったので、ヒャダさんがどんな機材を使っているのか、どんな環境で制作をされているのか、すべて知りたかった。20回以上、見たんじゃないかな?何を言っていたかもほぼ覚えています。ヒャダさんの何がすごいかというと、タイアップや提供曲での寄り添い方。ももいろクローバーZなどのアイドルやアニメのテーマソングなど、幅広く楽曲提供をされているヒャダさん。クライアントや依頼してきたアーティストが求めているものや、いま必要なものは何かをすぐにのみ込んで、最適な形でアウトプットできる能力は本当にすごい。僕も制作者としてはクライアントに寄り添うタイプなんですけど、でもそれは水面下で下調べをしまくって、がんばってがんばって、やっと寄せて作れている感じ。ヒャダさんのようにスパスパとやってのける方にはリスペクトしかありません。ずっと憧れていたヒャダさんに初めてお会いしたのはデビューしてすぐのころ。日テレの『PON!』に出演した時、レギュラーだったヒャダさんの楽屋にご挨拶にいきました。リリースしたばかりの『BASIN TECHNO』を持っていくと、「もうタワレコで買ったから」と特典のシールまで見せてくれた。それから共演の機会も多く「終わったらごはんいこうよ」と誘ってくださって公私ともに仲良くさせていただいています。プライベートでお話をする時はずっと僕が質問しています。ほぼ音楽のことばかり。そうするとすごく丁寧に説明してくれて、話を聞いていて勉強になることばかりです。音楽に向かう姿勢もしっかりされていて、制作は日中に行うと決めているとか、ダラダラ徹夜で作業している僕からすると目から鱗。バラエティ番組に出ていたりするし、すごくポップな存在に見えますが、ガチですごいプロデューサーです。2000年代トップクラスの才能をお持ちなのに、音楽以外の話をするとネガティブでこじらせ男子な一面も見えて、そのギャップもまた面白いんです。おかざき・たいいく6/9、たまアリで行われたワンマンコンサートのDVDとBlu‐rayが、10/30に発売!来年2/11、エディオンアリーナ大阪で、ワンマンライブ「OKAZAKI ROCK FESTIVAL 2020」開催!※『anan』2019年10月23日号より。写真・小笠原真紀ヘア&メイク・村田真弓文・梅原加奈(by anan編集部)
2019年10月20日岡崎体育の連載「体育ですけど、オンガクです」。今回のテーマは「東京進出」です。ついに東京に新居を構えました。東京暮らしはとても快適です。これまでもずっと東京と京都を往復して仕事をしていたので、急に東京に馴染めと言われたわけでもなく、逆に仕事終わりで新幹線に飛び乗り、遠距離移動する必要がない分、とても楽になったといえます。しかし、日々の生活を始めてみると、改めて実家のありがたさを感じます。布団のシーツを替えるのはこんなに面倒くさいんや、というのも初めて知りましたし、ちょっとしたゴミを放置しておくと、僕が片付けない限りそのゴミはずっとそのままです。実家だったら誰かが捨ててくれるのに、もう捨てるのは僕以外にいません。家族に家事をやってもらっていた分、僕は音楽に没頭できていたんだなと痛感しましたね。たまアリという大きな夢を叶えられたのも、この実家のサポートがあったからこそです。これからは、掃除や洗濯、料理など家事をやらないといけないので、音楽を作る自由な時間はかなり減ってしまうと思います。東京に出てきて、自由な音楽環境が手に入ったんじゃないかとみなさんは思うかもしれませんが、意外にも出てきたことで減りましたね。家事しないといけないんで。ミュージシャンなんだし、東京でもっと浮かれた暮らししてもいいんじゃない?と思う方もいるかもしれません。でも、僕はきちんと自分で生きていく力を身につけたい。“自立”したいんです。家のことも、仕事もきちんとできるバランス感覚を養うための東京進出です。だから、無駄な出費はしたくないし、自分でできることは自分でしたい。今も、食費は2万円以下におさえたくて自炊をしています。外食もしないし、コンビニで出来合いのものも買わない。安売りのパスタを買ったり、ふるさと納税でいただいたお米券でお米を買ったりしています。仕事場でお弁当が出たら貰って帰るというのも徹底してやっていますね。食費浮くんで。ミュージシャンって生活感出さない方が多いし、実際に外食しかしないとか、月に何十万も食にかけているという人もいます。そんな中で、岡崎体育は節約好きを公言するミュージシャンでいときたいと思います。好きなミュージシャンがMCでそういう話したら親近感あっていいと思うんですけど、どうですか?「昨日、サミットで茄子が安くてさー」とか話してたら、めっちゃかわいらしいと思うんですけどね。おかざき・たいいく6/9に、たまアリで行われたワンマンコンサートのDVDとBlu‐rayが、10/30に発売に!来年2/11、エディオンアリーナ大阪で、ワンマンライブ「OKAZAKI ROCK FESTIVAL 2020」開催!※『anan』2019年10月16日号より。写真・小笠原真紀ヘア&メイク・村田真弓文・梅原加奈(by anan編集部)
2019年10月13日岡崎体育の連載「体育ですけど、オンガクです」。今回のテーマは「ライブ写真」です。ミュージシャンは写真を撮っていただく機会がなにかと多いです。アーティスト写真とかジャケット撮影、雑誌などの取材もあります。なかでもミュージシャンだけにある撮影といえばライブ写真じゃないでしょうか。ライブ中のミュージシャンをどれだけかっこよく撮るかというのは難しいことだと思うんです。大きい会場でのライブは、ゲネプロ(リハーサル)があるのでライブ全体の流れを理解することもできますが、いわゆるライブハウスやフェスなどでは、たいてい事前の打ち合わせというのがありません。時にはカメラマンがセットリストすら知らされていない場合もあると思います。そんな中で、ここぞという瞬間を逃さないというのはすごいこと。ミュージシャンのことを深く理解していないと撮れないと思います。ミュージシャンとカメラマンは信頼関係が必須。それは、作品と作品のぶつかり合いだからやな、と僕は思います。写真と音楽、それぞれの作者同士ですから。互いの才能を認め合っていればいるほどいいライブ写真に仕上がるんだと思うんです。…とは言いつつも、僕はライブ写真を撮っていただくのがすごく苦手。ライブ中は汗をかきまくるんで、どのアングル、どの瞬間も、びちゃびちゃなんですよね。びちゃびちゃだとどうしても小汚くて、かっこよくないですよね。…残念です。でも、そんな僕にもこの方、とリスペクトしているフォトグラファーがいます。デビュー以来、僕のアーティスト写真をずっと撮影してくださっている神藤剛さん。モンゴルで撮った最新のアーティスト写真も神藤さんの撮影です。僕はヒヨコ体質なもので、最初に見たものを“親”と思うところがあります。仕事仲間も友達も、長くずっと同じ顔ぶれでいたい、コロコロ変えたくないんです。写真も、最初に神藤さんにお願いしたので、「もうこの方じゃないとイヤ」になっています。実際に、神藤さんの撮影スタイルは僕にすごく合っています。よく撮影で「いいよ、いいよ!」とか「かわいいね!」とか、めちゃくちゃ褒めながら撮る人いますが、僕、アレ苦手です。被写体のテンションを上げたいのかもしれませんが、僕は言われなくても最高のポージング、表情をとることができるので、必要ないんです。神藤さんは、いつも静かに撮って「いいの撮れました」と見せてくれて、ちょうどいい感じなんです。おかざき・たいいく6/9に、たまアリで行われたワンマンコンサートのDVDとBlu‐rayが、10/30に発売に!来年2/11、エディオンアリーナ大阪で、ワンマンライブ「OKAZAKI ROCK FESTIVAL 2020」開催!※『anan』2019年10月9日号より。写真・小笠原真紀ヘア&メイク・村田真弓文・梅原加奈(by anan編集部)
2019年10月05日岡崎体育の連載「体育ですけど、オンガクです」。今回のテーマは「令和に流行る音楽は?」です。時代は令和です。でも、体感としては令和の時代に生きているという感覚はまったくないですね。音楽業界を見回してみても、令和になって何か大きな変化があったか、というとそういうものも感じないですし、平成の終わりころから変わらずにずっと続いている感じです。でも、きっとそういうものなんでしょうね。年号が変わったことで世の中は新しい時代がきたと思っているけれど、実際に変化が形になるのはもう少し先のことなんじゃないでしょうか。機運が熟するのには時間がかかる。平成を代表する歌姫、安室奈美恵さんがデビューしたのも平成4年のことです。時代が変わったという大きな区切りは確実にあるので、その時代の象徴は必ず登場すると思います。で、それが何になるかは、今は正直予想したくない。僕も驚きたいですから。うわ、こんなんきたんやってびっくりしたいです。…って、びっくりしている場合じゃないですよね。その時代の象徴を作る可能性は僕自身にもあるわけで。センセーショナルな時代の流行を作るのは岡崎体育かもしれない。…それはその通りなんですけど、でも僕はぶっちゃけそういうタイプではないと思う。自分が時代をパイオニアリングすることはないと思うし、どちらかというと、僕はそれに乗っかりたいタイプです。流行っているものをいじったり、ひと口かましてくれ!とやっかんでいるのがちょうどいいポジション、というのが正直なところです。今のところでいうとソロアーティストの方が注目を集めていますよね。女性だとあいみょん、男性だと星野源さんや米津玄師くん。でも僕が思うに、何か新しい流れを作るのはそういう正統や本流のところ以外のような気がします。違う畑の、レールの外から道ができてくるのが令和の時代なんじゃないでしょうか。ユーチューバーとかティックトッカーとか、そういう場所で知名度がある人が音楽もやって新しいヒットが生まれるんじゃないかなと。あとは、業界自体がボーダーレス化していますよね。アイドルも国籍混合のグループが多数登場しています。韓国、中国、タイなどアジアと音楽業界は共有されるようになっていきそうです。それ狙って、岡崎体育はソニー・ミュージックのモンゴル支社を立ち上げたいと思います。アイドルの原石探し出して、日本発信のモンゴルアイドルを仕掛けたいですね。モンゴルと日本の懸け橋になれたら最高です。おかざき・たいいく6/9に、たまアリで行われたワンマンコンサートのDVDとBlu‐rayが、10/30に発売に!来年2/11、エディオンアリーナ大阪で、ワンマンライブ「OKAZAKI ROCK FESTIVAL 2020」開催!※『anan』2019年10月2日号より。写真・小笠原真紀ヘア&メイク・村田真弓文・梅原加奈(by anan編集部)
2019年09月30日岡崎体育の連載「体育ですけど、オンガクです」。今回のテーマは「民族音楽」です。前回、アーティスト写真の撮影でモンゴルに行ったと書きましたが、現地の伝統的な音楽を鑑賞する機会がありました。モンゴルの民族舞踊や馬頭琴の演奏、2つの音を同時に発声する独特な歌唱法のホーミーなどとても興味深かったです。民族音楽のエキゾティックな響きはとても刺激的です。ミュージシャンはそういうものにとても敏感だと思います。旅先などで出合った現地の音楽に触発されて、自身の制作に影響されるなんて話もよく聞きます。僕ももしかしたら、次のアルバムで馬頭琴の音を使ったり、ホーミーの歌い方を取り入れているかもしれません。あの難しいと言われるホーミーを奇跡的に習得できたらの話ですけど…。実は僕自身、民族音楽や楽器には小さいころに触れてきた記憶があります。というのも、僕が通っていた小学校が音楽にとても力を入れていて、世界中の音楽に触れる機会を作っていたんです。音楽準備室もめちゃくちゃ広くて、いわゆる金管楽器や和太鼓だけじゃなく、インドの太鼓のタブラや西アフリカがルーツの打楽器タンボールなんていうかなりマニアックな民族楽器まで揃っていた。実家には小4のころにタンボールを演奏するホームビデオが残っていると思います。秋には音楽発表会があって、学年ごとに様々なテーマで披露します。小5のときはお題が東北で「会津磐梯山」を歌って踊りました。あとはバンブーダンスやハワイアンダンスとかも。そんな音楽体験の中でとくに記憶に残っているのは、バリの民族音楽「ケチャ」をやった授業。「ケチャ」といえば今やアイドルのヲタ芸として知られていますが、僕がやったのはそれとはまったく違うガチのケチャです。いま思うと「ケチャ」を題材に取り上げるなんてめっちゃ攻めてる授業でええな!と思いますが、当時は「ククチャク チャク クチャ ククチャク チャクチャク」とかをクラスメイトとずっと繰り返し合唱するというのがなんか恥ずかしくて、照れながらやったのを覚えています。世界中には様々な音楽があり、その存在を教えてくれ触れさせてくれたのはありがたいことだったなと思いますし、僕の音楽制作にも少なからず影響を与えていると思います。岡崎体育の音楽って、なんでもアリだし間口が広いと思う。いろんな国の音楽、そこにしかない楽器の音色やリズムなんかもこれからどんどん取り入れていきたいと思います。おかざき・たいいく6/9に、たまアリで行われたワンマンコンサートのDVDとBlu-Rayが、10/30に発売に!来年2/11、エディオンアリーナ大阪で、ワンマンライブ「OKAZAKI ROCK FESTIVAL 2020」開催!※『anan』2019年9月25日号より。写真・小笠原真紀ヘア&メイク・村田真弓文・梅原加奈(by anan編集部)
2019年09月23日岡崎体育の連載「体育ですけど、オンガクです」。今回のテーマは「海外で仕事」です。新しいアーティスト写真の撮影などで7月下旬にモンゴルへ行ってきました。岡崎体育として、初の海外。僕、個人としても大学の卒業旅行以来なので、ほぼ10年ぶりの海外。もちろん、モンゴルは初めてです。飛行機は苦手ですが、日本から5時間ほどですし、時差も1時間程度しかなく、しんどさはほとんど感じませんでした。ただ、ご飯大好き和食党の僕には、主食が羊肉とパンであることと、温水洗浄便座がほとんどないモンゴルはなかなかのアウェイでした…。アウェイと思いながらも、僕の容姿や骨格的にはかなり大陸の雰囲気を備えているので、民族衣装をまとい、馬に乗って草原を駆ける姿は、かなりの本物感があったと思います。現地の方もその馴染みっぷりに驚いていましたし、僕もすごく自分のルーツを感じてしまいました。でも、帰る場所はここではない。やっぱり宇治の実家がいいと思いました。初めての海外でわかったことは、ミュージシャンにとって、自分が活動している国以外にいるというのは居心地がいいんだなということ。僕みたいな三流ミュージシャンでも、日本にいれば気づかれてしまいます。僕は自分のことでヒソヒソ話をされるのがすごく苦手なので、人の多い場所などに行くときは帽子を深くかぶって、コソコソとしてしまう。でも、モンゴルではそういうことを一切気にせずに、堂々と素のままでデパートでおみやげを買ったり、市場を歩いたりできた。よくミュージシャンが海外でレコーディングをするとか聞くと、調子にのってるな…とやっかんでいましたが、今回その理由がよくわかりました。レコーディングのような集中したい時期などは余計なストレスがかからない場所に行きたい。精神的に休まる場所に行きたいから、日本を出るのだと。でも、僕は実家で楽曲制作ができてしまうし、海外ツアーをするにもネタ曲が日本語以外だと通用しないと思うので、なかなか国外に出るのが難しいですが、今回、せっかくモンゴルに連れていっていただけたので、またMV撮影とか写真撮影で海外に行けたらいいなと思います。でも次にハワイとか行ったら、岡崎体育おもんないと言われてしまいそうで緊張します。次も“そこ行くんか!?”というところに行って、みなさんをびっくりさせたいと思います。おかざき・たいいく12/15(日)、Zepp Fukuoka「ベリーグッドマンへの道 TOUR 2019~武者修行編~」に出演。来年2/11(火)、エディオンアリーナ大阪(大阪府立体育会館)でワンマンコンサート開催!※『anan』2019年9月18日号より。写真・小笠原真紀ヘア&メイク・村田真弓文・梅原加奈(by anan編集部)
2019年09月14日