髪を切るときに悩むのが、前髪をどうするか。マイナビニュースのアンケートでは、男性は「前髪のある女性のほうが好き」という男性のほうが多い結果となっています。でもどうして前髪がある女性のほうが、男性ウケがいいのでしょうか。○前髪があると幼い? 大人っぽい?前髪が好きな男性の理由をアンケート結果からみていると、すごく面白いことに気づきます。たとえば、「おでこはみたくない」や「前髪のあるほうが自然だから」。この理由は、個人の好みなど、なんとなく予想がつく理由ですよね。おもしろいのは「かわいくみえるから」と「大人っぽくみえる」というのが、前髪が好きな理由としてあげられている点です。かわいいというのは、どちらかといえば幼さにつながる印象。大人っぽさであれば、きれいとつながるはずなのですが、大人っぽさと幼さのかわいらしさの両方が、前髪に関係しているわけです。そしてさらに、前髪がないほうが好きという男性のその理由にも、「大人っぽいから」というのがあげられています。つまり男性にとって、前髪があろうが、なかろうが、大人っぽくみえるひともいるわけです。つまりは、前髪があるほうが好きということに、明確な理由がないのかもしれません。前髪が好きという前提のなかで、大人っぽいのが好きという男性とかわいいのが好きという男性が、いるんだと思います。○前髪あり、前髪なしで変わる印象そういってしまうともともこもないので、前髪の有無で顔がどう変わるかについて考えてみましょう。本来、前髪をつくらず、おでこをみせることは、造形的には子どもの顔の印象です。赤ん坊の顔を想像してもらうといいかもしれません。それに対して、前髪があると大人っぽい印象になります。これは、おでこを見せるか見せないかによって、相対的に目の位置の見え方が変わるからです。目が顔の上下の中心に近いほど子どもの顔の印象になるわけです。髪型によっては、前髪のないほうが大人っぽい印象になるという人もいるでしょう。また髪の量の少なさは老けた印象にもつながっているので、それも関係してきます。その意味でいえば、男性が前髪が好きなのは、大人である=性的に成熟しているという印象を、無意識のうちの感じているからなのかもしれません。前髪が好きな男性は多いので、前髪をつくってもいいと思います。ですが、前髪をつくったことでどういう印象を与えるかは、前髪のつくりとあなたの顔の形も関係してくるでしょう。丸顔のひと、卵形のひと、面長のひと、逆三角形のひと。そして、自分のなりたいイメージ(見せたい印象) で、かわいくだって、大人っぽくだってみせることはできるわけです。よくいわれるのは、左わけはまじめでしっかりとした印象に、右わけはフェミニンな印象に、ぱっつんはカジュアルな印象にみえます。いろいろ挑戦してみて、自分に合う前髪の作り方を見つけてみてはどうでしょうか。※写真と本文は関係ありません○著者プロフィール平松隆円化粧心理学者 / 大学教員1980年滋賀県生まれ。2008年世界でも類をみない化粧研究で博士(教育学)の学位を取得。京都大学研究員、国際日本文化研究センター講師、チュラロンコーン大学講師などを歴任。専門は、化粧心理学や化粧文化論など。魅力や男女の恋ゴコロに関する心理にも詳しい。現在は、生活の拠点をバンコクに移し、日本と往復しながら、大学の講義のみならず、テレビ、雑誌、講演会などの仕事を行う。主著は『化粧にみる日本文化』『黒髪と美女の日本史』『邪推するよそおい』など。
2015年06月16日恋愛において、自分と似た人を好きになるという説と自分とは似ていない人を好きになるという説があります。これって、言っていることが正反対ですよね。果たして、どちらが正しいのでしょうか。○「類似説」と「相補説」とは人が誰かに惹かれる、誰かのことを好きになるというのは、心理学における対人魅力の研究で検討されてきました。たしかに、自分と似た人を好きになるという説と、自分とは似ていない人を好きになるという説の両方があります。前者を「類似説」、後者を「相補説」と呼んでいます。実は、研究者の間でもさまざまな議論があり、どちらが正しいかははっきりしていません。例えば、自分と性格や態度、嗜好(思考)が似ている人は、一緒に居て楽ですよね。デートで夕飯なにを食べようか考えるとき、嗜好が違うと決めるだけで一苦労です。しかし嗜好が一緒だと、相手が食べたいものが自分と一緒なのですぐ決まります。人間は、けっこう面倒なことを避けたがる生き物なので、自然と自分と似ている人に魅力を感じてしまうのかもしれません。その一方で、自分がもっていないものを持つ人に魅力を感じるのも事実。背が低い人は高い人を、スポーツが苦手な人はスポーツが得意の人に惹かれるというのはよくある話です。人の好意は複雑で、そのときどきの状況によって、どちらかの要因が強く働くとしか言えないのかもしれません。ですが、その秘密を握っているかもしれないお話をご紹介しましょう。○社交的だと「類似説」で内向的な性格だと「相補説」が働く?わたしたちが生きる社会には、社会から見て望ましい性格や特徴というのが存在します。例えば、明るい性格、社交的な性格というのは、社会から見て望ましい性格ですよね。実は、いくつかの研究のなかで、社会的に望ましい特徴については類似説が、そうではない場合については相補説が作用するとも言われているんです。つまり、明るく社交的という性格をもっている場合、同じ性格をもっている人に惹かれます。つまり類似説が働くわけです。ですが、内向的な性格の人は社交的な性格の人に惹かれます。つまり、相補説が働くわけです。相手や自分のもつ特徴によって、相補説か類似説かが決まってくるといえます。ですが、それも二者択一というわけではなく、それぞれの特徴でまた変わってきます。また、社会手にな望ましさというのは時代や文化、社会が変われば当然変わってきます。人の心理というのは、とても複雑なものです。心理の研究をしていても、わからないことだらけです。でも複雑だからこそ、人は魅力的なんでしょうね。※写真と本文は関係ありません○著者プロフィール平松隆円化粧心理学者 / 大学教員1980年滋賀県生まれ。2008年世界でも類をみない化粧研究で博士(教育学)の学位を取得。京都大学研究員、国際日本文化研究センター講師、チュラロンコーン大学講師などを歴任。専門は、化粧心理学や化粧文化論など。魅力や男女の恋ゴコロに関する心理にも詳しい。現在は、生活の拠点をバンコクに移し、日本と往復しながら、大学の講義のみならず、テレビ、雑誌、講演会などの仕事を行う。主著は『化粧にみる日本文化』『黒髪と美女の日本史』『邪推するよそおい』など。
2015年06月10日顔は履歴書と言われるように、その人をあらわすもの。初めて会う相手は、どんな人かわからないため、一目して分かる顔の情報を基に相手を判断し、コミュニケーションの方法を決めていきます。前回のコラムでお話ししたように、「男性が注目する女性の顔の部分」は目元や肌全体、唇や口元でした。では、反対に「女性が男性の顔を見るとき注目している」のは、どこの部分なのでしょうか。○女性は男性の顔の下半分に注目……結婚相手は「外見の魅力が劣る男性」をペンシルバニア州立大学のReginald Adams氏らが『Journal of Experimental Social Psychology』に発表した研究によれば、男性の顔が魅力的かどうか判断するとき、女性は男性の顔の下半分を見ていることが明らかになっています。その理由として、男性は男性ホルモンのテストステロンの作用によって、下あごが肥大し、全体的に彫が深くなります。また、相対的に目が細くなり、鼻や頬骨も高くなるんです。こういう特徴は、男性をより男らしく印象づけるのですが、女性が男性の顔の下半分を見るというのは男性が性的に成熟しているかどうかを見極めようとしているからなのでしょう。ただし、これに関連して、女性がパートナーを選ぶとき、一夜限りの相手としてはより男らしい魅力的な男性を好むものの、結婚相手としては外見の魅力が劣る男性を好むとされています。その理由としては、より男性的で魅力的な顔立ちの男性は性的なことへの関心も高く、浮気などの心配があるからかもしれません。それを本能的に、女性は判断しているのでしょう。○男性の目はその人の知性の印象を左右する他にも、女性が見ている顔の部分としては、目があげられます。前回のコラムで「目は、男性にとって女性を見る上で重要な顔の要素」とお話ししましたが、それは女性も同じ。というのも、「顔の物理的特徴と性格印象」という研究によれば、男性の目はその人の知性の印象を左右すると言います。つまり、男性の目を見ることで、人はその男性の知性の高低の印象を形成しているのです。ちなみに女性の顔の場合、あごと「知性や社会的望ましさ」の印象が関連していると言います。Cunninghamという研究者は「顔の構造特徴と対人魅力の関係」を検討し、魅力には三つの手がかかりがあることを指摘しています。一つ目は幼児性の特徴であり、大きな目、小さな鼻、小さなあご、目と目の間隔など。二つ目は性的成熟の特徴であり、高い頬骨、狭い頬など。三つ目は、表現力の特徴で、眉毛の位置の高さ、大きな瞳、微笑などです。つまり、ここでも共通して言えることは、目やあごなどが魅力に影響しているということです。つまり男性だけに止まらず、人は相手の顔を見る上で、漠然と見ているようで、実は目やあごといった顔の部位に無意識のうちに注目し、そういった魅力を判断していたんですね。※写真と本文は関係ありません○著者プロフィール平松隆円化粧心理学者 / 大学教員1980年滋賀県生まれ。2008年世界でも類をみない化粧研究で博士(教育学)の学位を取得。京都大学研究員、国際日本文化研究センター講師、チュラロンコーン大学講師などを歴任。専門は、化粧心理学や化粧文化論など。魅力や男女の恋ゴコロに関する心理にも詳しい。現在は、生活の拠点をバンコクに移し、日本と往復しながら、大学の講義のみならず、テレビ、雑誌、講演会などの仕事を行う。主著は『化粧にみる日本文化』『黒髪と美女の日本史』『邪推するよそおい』など。
2015年06月09日人はみな、違った顔を持っています。双子だって、微妙に違いますよね。顔は個人を識別する記号のようなものであると同時に、その人の魅力の源泉でもあります。一般的に「第一印象が大事」とも言われていますが、では、男性たちは初めて会う女性の「顔のどこ」を見ているのでしょうか。○実は……男性は女性の「顔」より「カラダ」を重視している顔はとても大事で、"その人の履歴書"とも言います。初めて会う相手がどのような人か、私たちは顔から読み取れる情報を利用して相手を判断し、コミュニケーションの取り方を決めていくからです。ですが、「男性は女性の顔のどこを見ているのか」という質問に答える前に、お伝えしておかなければいけないことがあります。実は、男性は女性の顔をそんなに見ていないのです。アメリカ・ネブラスカ大学リンカーン校の研究チームが、学術専門誌『Sex Roles』に発表した研究によれば、男性は女性の顔よりもカラダに高い関心を示すとのこと。特に、女性のバストとウエストに視線が集中するようです。そう言ってしまうと「男性はベットのことしか考えていないからでしょう」と思われそうですが、子孫を残すパートナーの選択という意味では、本能的な条件反射なのかもしれません。実際、医学誌『Evolution and Human Behavior』に掲載された、アメリカ・テキサス大学の研究によれば、「短期的な関係を求める男性は女性の体型を重視し、長期的な関係を求める場合は顔を重視する」ことが明らかになっています。○顔も交際を進める上での重要な要素顔とカラダならカラダの方に関心を示すのが男性なのですが、顔が重要なことも間違いありません。例えば、男性は女性の顔を見て、交際の内容を決めているという研究もあります。医学専門誌『British Journal of Psychology』に掲載された研究によれば、男性は短期間の交際相手としては、より女性らしい顔つきの女性を選ぶ傾向が高いというんです。その理由は、女性は女性ホルモンのエストロゲンの影響により、頬や口唇が膨らみ幼い女性らしい顔になります。つまり、女性らしい顔つきの女性というのは性的に成熟している証拠なんです。○男性が注目しているのは「目」「肌全体」「唇・口もと」だったではあらためて、男性は女性の顔の「どこ」を見ているのでしょうか。資生堂が行った『メークと魅力的な女性に関する意識調査』によると、男性が女性の顔で目が行く部分は、1位が「まつげ・まぶた含む目」、2位「肌全体」、3位が「唇・口もと」という結果でした。3位の唇・口もとというのは、女性らしい顔の特徴をあらわす部分。幼い印象を与えるものの、実は性的な魅力を伝えています。2位の肌全体というのは、研究でも実験的にシミなど肌の変色部分を消すとより魅力が高まることが知られており、顔の魅力を左右する大きな要因です。そして、1位の目。「目は口ほどにものを言う」と言われていますが、「エックハルト・ヘス」の研究によれば、瞳のサイズを加工して実際よりも大きくした写真と、小さくした写真を男性に見せてその女性の魅力を評価させたところ、男性たちは写真の瞳のサイズの違いには気づいていなかったものの、瞳の大きな女性に対して「より女性的でかわいい」と評価したことが明らかになっています。男性が注目する女性の顔の部分は、学術的にも説明ができる「魅力の重要なポイント」だということが分かりますね。※写真と本文は関係ありません○著者プロフィール平松隆円化粧心理学者 / 大学教員1980年滋賀県生まれ。2008年世界でも類をみない化粧研究で博士(教育学)の学位を取得。京都大学研究員、国際日本文化研究センター講師、チュラロンコーン大学講師などを歴任。専門は、化粧心理学や化粧文化論など。魅力や男女の恋ゴコロに関する心理にも詳しい。現在は、生活の拠点をバンコクに移し、日本と往復しながら、大学の講義のみならず、テレビ、雑誌、講演会などの仕事を行う。主著は『化粧にみる日本文化』『黒髪と美女の日本史』『邪推するよそおい』など。
2015年06月01日昨年末頃から、女性誌「ar(アール)」を中心に話題となっているのが、「おフェロ顔」。おしゃれでフェロモンあふれる顔という意味で、この顔を目指す女性が増えているといいます。つやつやした肌と、内側からにじみ出るような血色チーク。そして、ぽってりとしたぷるぷるの唇が特徴的な、おフェロ顔。一部の男性たちからは、チークや口紅が濃すぎるといった不評の声も。果たして、おフェロ顔は男性にモテるのでしょうか。○"色っぽくてかわいい"「おフェロ顔」おフェロ顔というのは、「ar」がつくった造語ですが、初めて聞く人はビックリするでしょう。先日、ボクが出演したラジオ番組で、リスナーの方からおフェロ顔に関する質問が寄せられていたようですが、放送的にきわどい言葉のため、お答えすることができませんでした。さて、そんなおフェロ顔ですが、「ar」が目指すのは「色っぽさを残しつつカワイイ感じ」の「ご機嫌でヘルシーなエロい女子」なんだそうです。その意味で、フェロモンというのは重要なキーワードでしょう。たしかに、このメイクの表現は子どもらしいかわいさではなく、大人っぽさを強調するものです。たとえば、アイメイクに力を入れて目を大きく見せたり、髪をもって頭部にボリュームをもたせたりするのは子どもらしいかわいさをつくりだします。ですがおフェロ顔の場合は、石原さとみさんのようにぽってりとした唇をつくるリップメイク中心のため、引き算的に力を入れないアイメイクにすることが多いようです。それが大人っぽい印象をつくりだします。その意味では、女性を守ってあげたいというような男性、カワイイ女の子が好きな男性よりは、大人な女性が好み、対等な関係を意識するような男性にウケるかもしれません。○血色チークが過剰?ただ、男性たちからすれば、内側からにじみ出るような血色チークが過剰と受け止められているかもしれません。チークというのは、たしかに肌の血色を補うという意味があります。本来はチークシャドゥなのですから、頬骨に沿ってチークをいれることで顔に立体感をだすことが目的です。それに、メイクの基本として、チークは「肌に直接入れるのではなく、一度ティッシュで余計な粉を落としてから入れましょう」といわれるくらい、薄く入れるもの。だからこそ、男性たちからすれば違和感があるんです。ですが、これは濃すぎるという違和感だけにとどまりません。おフェロ顔で画像を検索すればわかりますが、おフェロ顔のチークの入れ方は顔の中心に丸く入れられていることが多いのに気づくと思います。頬が赤らんでいる子どもを表現しているんです。つまり、「色っぽさを残しつつカワイイ感じ」が、ぽってり唇と血色チークなんです。色っぽい大人っぽさとカワイイ子どもっぽさの、どっちつかずも、男性を困惑させる原因かもしれませんね。以前、黒髪/太眉が流行する背景として社会的な理由について紹介しました(「黒髪と太眉が流行の兆し - 社会経済との関係性を考察」)。社会経済が回復に向かっていること、女性が男性から守られる必要性がなくなりつつあることなどを紹介しました。おフェロ顔の、大人っぽさとかわいい感じというのは大人と子どもの中間だと思うんです。ちょうど、社会経済が回復に向かっている途中だからこそ、完全な大人ではなく中間な存在を目指しているのでしょう。男性からすれば、どう接していいかわからないため、ウケはよくないかもしれません。※写真と本文は関係ありません○著者プロフィール平松隆円化粧心理学者 / 大学教員1980年滋賀県生まれ。2008年世界でも類をみない化粧研究で博士(教育学)の学位を取得。京都大学研究員、国際日本文化研究センター講師、チュラロンコーン大学講師などを歴任。専門は、化粧心理学や化粧文化論など。魅力や男女の恋ゴコロに関する心理にも詳しい。現在は、生活の拠点をバンコクに移し、日本と往復しながら、大学の講義のみならず、テレビ、雑誌、講演会などの仕事を行う。主著は『化粧にみる日本文化』『黒髪と美女の日本史』『邪推するよそおい』など。
2015年05月31日最近、女子中高生を中心に、キスなどのカップルのラブラブな動画をインターネットにアップするのが流行っているのを知っていますか。SNSをきっかけに報道番組などでも紹介され、話題となっています。キスなどは本来、二人だけの秘め事のはず。どうして女子中高生たちは、ラブラブな動画をアップするのでしょうか。ちょっと前だと、駅のホームなど人前でキスをするなアリかナシかということが、話題になることが多かったですよね。それがここに来て、インターネットを使った世界的な公衆の面前でラブラブぶりを見せつけるカップルがでてきたということで、すごく飛び抜けた感じがしています。○自己顕示欲と承認欲求どうして、ラブラブな動画をアップするのか、そこには自己顕示欲や承認欲求が存在するでしょう。自己顕示欲とは、簡単にいえば、他人との関係のなかで自分が優位な存在として認められたいという欲求です。自分が世界の中心、自分が主人公になりたいという欲求ともいえるでしょう。ラブラブな動画を公開することは、私はこんなに幸せなんだよということをアピールしたいということ。(動画を公開した時点では) ハッピーエンドの物語のプリンセスになったことをアピールして、他の誰よりも幸せなんだ、私はあなたたちとは違うのよということを主張しているのかもしれません。承認欲求とは、他人から認められたいという感情のこと。これは、フェイスブックで「いいね」されることに共通しているかもしれません。ラブラブな動画を撮影して投稿する。そして、それを見た人に評価してもらう。それは自分自身や自分の幸せを受け入れてもらったってことですよね。○インターネットの普及で変わった世界昔だと、先生や親、友達、恋人といった身近なリアルな環境のなかで自分を認めてもらうことが精いっぱいの自分の世界の広がりだったわけですが、インターネットの普及によって、その世界が大きく広がりました。以前、電車のなかで化粧をする若者が問題視されたとき、リアルな世界は自分の知っている人のあいだだけで、たまたま乗り合わせ乗客などはリアルに存在してもリアルな世界の住人ではないため、なにをやっても恥ずかしくないという批判がでたことがあります。個人的にはむしろ、会ったことがない人たちが住むリアルではない社会もリアルな現実として存在するようになったからこそ、そこでも認められたいと動画を投稿しているんだと思うんです。今の子どもたちは、もしかしたら褒められること、認められることに飢えを感じているのかもしれません。もちろん、動画を投稿すること自体が問題行動ではありませんが、もっと身近なリアルな世界で認めてあげることが必要なのかもしれませんね。※写真と本文は関係ありません○著者プロフィール平松隆円化粧心理学者 / 大学教員1980年滋賀県生まれ。2008年世界でも類をみない化粧研究で博士(教育学)の学位を取得。京都大学研究員、国際日本文化研究センター講師、チュラロンコーン大学講師などを歴任。専門は、化粧心理学や化粧文化論など。魅力や男女の恋ゴコロに関する心理にも詳しい。現在は、生活の拠点をバンコクに移し、日本と往復しながら、大学の講義のみならず、テレビ、雑誌、講演会などの仕事を行う。主著は『化粧にみる日本文化』『黒髪と美女の日本史』『邪推するよそおい』など。
2015年05月25日最近では、美容への関心が高い男性が増えてきました。洗顔後に化粧水を塗ったり、ネイルサロンへ通ったり。では、どうして男性は美容に関心をもつようになったのでしょうか。○有史以来多かれ少なかれ男性も化粧をしていた1994年、イギリスの作家マーク・シンプソンが、「メトロセクシャル」という言葉を作品の中で登場させます。都会に住み、美容やファッションなどに高い関心を持つ、"中身だけではなく外見も大事"と考える男性たちを称して、「メトロセクシャル」呼んだのです。想像しやすい男性で具体的に言うと、デビッド・ベッカムのイメージでしょうか。ですがもちろん、マーク・シンプソンの影響によって現代の日本で美容に関心をもつ男性が増えた訳ではありません。タイミングとしては、年功序列型の給与体系から成果報酬型のインセンティブ給与体系が2000年頃から導入され、営業職などで外見も能力のうちと考えられるようになったことが影響しているのかもしれません。肌も荒れ、髪もボサボサの男性より、お肌スベスベでさわやかな男性に営業された方が好印象ですよね。ですが実は、化粧文化論的に言えば、男性が化粧をしなかった歴史はなく、程度にこそ差はあるものの、有史以来、男性だって化粧をしてきていました。○化粧でストレスが軽減されるでは、なぜ男性は化粧をするのか。そこにはさまざまな理由があります。例えば、リラクセーション効果。人はストレスを感じた時にそれを軽減させようと、いろいろな行動をとります。お酒を飲んだり、買い物をしたり、日記を書いたり……。これらは、その行動の一部です。そして、化粧にもストレスを軽減させる効果があるんです。以前、男子大学生を対象にマニキュアをすることで、ストレスがどう変化するかを事件で検証したことがあります(「男性による化粧行動としてのマニキュア塗抹がもたらす感情状態の変化に関する研究」)。結果はというと、見事にストレスが軽減されました。○化粧は男性にも自信を与えるエッセンスになるまた、化粧によって自信が持てるという効果も期待できます。これは、ある情報科学番組で、男性に化粧をしている時としていない時の状態で、初対面の女性と会話をする際の積極性の変化を調べるという実験を監修したことがあります。その結果はというと、化粧をしたときの方が化粧をしていないときに比べて、積極性が高まるということが証明されました。つまり、自分に自信が持てるということが分かったんです。こういった効果があるからこそ、ストレスが多く、また人と会うことの多い営業職の男性の間で美容や化粧に対する関心が高まっているのかもしれません。化粧は、顔に施すものであるがために、どうしても顔の美醜に関連づけて語られることが多いのが実情です。また、どうしても「化ける」に「粧う(よそおう)」と書くことから、日本では化粧に対する批判が強く、そういった批判への懸念から化粧に関する研究が進んできませんでした。ですが、化粧には自信を高めることやストレスを軽減させることに代表されるような、メリットがたくさんあるんです。まだまだ、「男が化粧なんて」と思う人もいるでしょうが、男女を問わず化粧の心理的効用をうまく利用してほしいなと思います。※写真と本文は関係ありません○著者プロフィール平松隆円化粧心理学者 / 大学教員1980年滋賀県生まれ。2008年世界でも類をみない化粧研究で博士(教育学)の学位を取得。京都大学研究員、国際日本文化研究センター講師、チュラロンコーン大学講師などを歴任。専門は、化粧心理学や化粧文化論など。魅力や男女の恋ゴコロに関する心理にも詳しい。現在は、生活の拠点をバンコクに移し、日本と往復しながら、大学の講義のみならず、テレビ、雑誌、講演会などの仕事を行う。主著は『化粧にみる日本文化』『黒髪と美女の日本史』『邪推するよそおい』など。
2015年05月21日まだまだ不十分とはいえ、社会や企業の支援も多少は整備され、子どもができてもバリバリ働くことのできる女性が増えてきました。パパや祖父母に子どもをお願いしてお酒の付き合いにも積極的。そんな女性は、昔の母親像にとらわれることなく自分を大切にしているママとして、キラキラ輝いている憧れの対象と思う女性も多いのではないでしょうか。ですが、いざ子育てとなると、ごはんの食べこぼし、落書き、夜泣きという"できる自分"とかけ離れた未熟な存在である子どもに振り舞わされていることもしばしば。そして、思わず出てしまう言葉が「どうしておりこうさんにできないの? 」。そんな経験が「あるある」とうなずいてしまった人も少なくないことでしょう。しかし、自分はやりたい仕事もして、自分らしく自由に生きているのに、どうして子どもには個性ではなく、「おりこうさん」を求めてしまうのでしょうか。○ママにとっての子ども、それは自分自身親であれば誰しも、子どもは個性的でありながら、かつ"立派"に成長してほしいと望むものです。それ自体は別に悪いことではないでしょう。ですが、過剰にそれを期待するようになるのと、問題が生じてきます。たとえそれが、子どもにはちゃんとした大人として成長してほしいという愛情から、「こうしてはダメ! 」「これにしなさい! 」と教育しているつもりでも、子どもからすれば、自分は拒否されているんだということになります。言い換えると、今の子どもの状況に満足していないからこそ、あれこれ言ってしまうわけです。かといって、何も教育しないのもよくありません。人には、発達課題というものがあります。その年齢でできなければいけない課題があるのです。それができるように教育する必要はあります。しかし、どうして自分らしく自由に生きているママが、子どもには個性ではなく、おりこうさんを求めてしまうのか。これは、母と娘の関係で特にあてはまるのですが、ママは子どもを自分自身とみなしているのです。ママにとって子どもは自分そのもの。ママができることは、子どもにも期待するし、それ以上のことも期待するのです。ママ自身が完璧だからこそ、子どもにも完璧を求めてしまうんですね。その背景には、子どもの人生に介入していきたいという希望、子どもを自分の理解者だとする気持ち、子どもと自分とは一心同体のものであるという気持ちの存在が影響していると思います。つまり、ママと子どもの心理的距離が近いことで、ママと子どもとの境界が曖昧になり、子どもの人生に対して支配的に関与することになるわけです。そして、それが結果として、できる自分を子どもに投影して、おりこうさんを子どもに求めてしまうわけです。お利口さんを子どもに求めて、教育上いい結果はありません。反発して反抗するか、表向きはおりこうさんを演じて闇を抱えるか。そして、ママ自身も子育てに対して悩み、「子どもなんて産むんじゃなかった」「仕事に生きるべきだった」と病んでしまうようになるかも知れません。子育てって、本当に難しいと思います。* * * * *○著者プロフィール平松隆円化粧心理学者 / 大学教員1980年滋賀県生まれ。2008年世界でも類をみない化粧研究で博士(教育学)の学位を取得。京都大学研究員、国際日本文化研究センター講師、チュラロンコーン大学講師などを歴任。専門は、化粧心理学や化粧文化論など。魅力や男女の恋ゴコロに関する心理に詳しい。現在は、生活の拠点をバンコクに移し、日本と往復しながら、大学の講義のみならず、テレビ、雑誌、講演会などの仕事を行う。主著は「化粧にみる日本文化」「黒髪と美女の日本史」(共に水曜社)など。
2015年05月13日iPhoneのホーム画面は、その人自身を映しだす"鏡"です。なにが好きなのか、なにを気にしているのか見てとれますし、その人の性格まで見えてくることもあります。本稿では、女子のiPhoneのホーム画面から、化粧などの外見や男女の恋愛に関する心理に詳しい心理学者であり、大学教員の平松隆円氏が、持ち主の性格や心理、行動をプロファイリングします。本稿を参考にすれば、ホーム画面さえみることができれば、その女子の口説き方までわかるかも!? 今回はSさん23歳のホーム画面です。本稿の最後には、Sさんの反応も掲載しますので、みなさん自身のプロファイリングと比べて当たっているかどうか確認してみてくださいね。○プロファイリングと解説今回の女性は、ホーム画面が5枚です。とはいえ、5枚目はアプリがなにもないホーム画面ですので、実質4枚です。では、詳しくみていくことにしましょう。壁紙の画像ですが、おそらくボリビアのウユニ塩原ではないでしょうか。ウユニ塩原は、その名前の通り塩の大地。世界でもっとも平らな場所ともよばれていて、雨が溜まると鏡のようになることから天空の鏡なんて呼ばれていたりします。この画像を壁紙に選んでいる理由は、ウユニ塩原に行ってみたいというよりも、日々の喧噪からはなれ、シンプルな生き方をしたいという気持ちが、心のどこかに潜んでいるのではないでしょうか。今の生活に窮屈を感じていたり、不満が心のどこかにあるのかも。断言してしまうと怒られてしまうかもしれませんが、癒しが必要なんだ思います。「そんなことを言うけど、旅行好きかただ行ってみたいだけなんじゃないの?」という声もあるでしょう。たしかに、ホテルを簡単に検索・予約できる「Booking.com」や為替を計算する「為替計算機」などもあるので、海外旅行好きなのかなという気もします。けれども、「Booking.com」をダウンロードするような旅行好きなら、格安航空券を検索できる「Skyscanner」もあっていい気がするのですが、見当たりません。ですので、単純に旅行好きで片づけるのは早計だと思ったのです。他のアプリに目を移すと、次の電車の出発までの時間をカウントダウン形式で表示する時刻表アプリの「駅.Locky」があるので、終電間際まで仕事をするようなこともあるのかも。そして終電を逃したときに、「Booking.com」でホテルを探すという可能性はあるかもしれませんね。ですが、そういう生活はいくら仕事が好きでも、やっぱり疲れますよね。そんなところも、ウユニ塩原の壁紙に表れているのではないでしょうか。全体的にアプリを見ると、業務用のiPhoneなのではないかとおもうくらいシンプルです。これまでホーム画面診断に協力してくれた女性たちのように、たくさんのカメラアプリや写真をデコるためのアプリもありません。唯一のエンタメ系ともいえるアプリは、自分のアバターを作成し1コマ漫画にできる「Bitstrips」。「Facebook」と連動しているアプリなので、一度は見たことがある人も多いのでは?作成した漫画ではコマ内に吹き出しを加えてセリフを入れたり、表情を変えたりすることができます。自分自身が言えないないことや感じたことを、アバターを自分の代弁者として使って表現しているのかも。このあたりも、癒しが必要な気にさせます。この女性とは、適度な距離感を保ちつつ、さりげなく彼女に癒しを提供してあげるという関係が、いいかもしれませんね。***○Sさん「え? 私ってそんなに疲れているの?」以上の診断をSさんに報告すると、「アプリは普段からあまりダウンロードしないし、ゲームアプリも抵抗があってあまりしないので、参考材料が少なかったのかもしれませんが、ちょっと考えすぎなのでは? と、思ってしまいました。それから、私ってそんなに疲れているのかな? と驚きました」と、診断結果に戸惑っていた。壁紙については、「このウユニ塩原の写真は私が実際に行って撮影しました。なかなか上手に撮影できたので、iPhoneの壁紙にしました」という。旅行好きというのは当たっているようで、「学生時代は20カ国以上旅しました。そのなかでもウユニはかなり過酷だったんですよ」思い出を語っていた。“疲れているのでは?”という診断結果については、「ちょっぴり疲れているかもですが、生活を窮屈には感じていません。海外旅行についても、癒やしを求めて行くというよりも、刺激を求めてって感じですね。なので、リゾート地にはこれまで行ったことがありません」と話してくれた。それでも、“癒やしを提供してあげると良いかも“という分析には、「その通りです! 男性には刺激よりも癒やしですね(笑)。何事にも怒らず包容力のある方がタイプです。一緒にいて安心できるような人がいいですね」と、好きなタイプが当たっていることに喜んでいた。ちなみに、デートへの誘い方は「落ち着いたレストランなどで、お酒を飲みながらゆっくりと話したいですね。互いの趣味や得意分野などについて、話せると嬉しいです」とのことだった。平松隆円…化粧心理学者/大学教員1980年滋賀県生まれ。2008年世界でも類をみない化粧研究で博士(教育学)の学位を取得。京都大学研究員、国際日本文化研究センター講師、チュラロンコーン大学講師などを歴任。専門は、化粧心理学や化粧文化論など。魅力や男女の恋ゴコロに関する心理にも詳しい。現在は、生活の拠点をバンコクに移し、日本と往復しながら、大学の講義のみならず、テレビ、雑誌、講演会などの仕事を行う。主著は『化粧にみる日本文化』『黒髪と美女の日本史』『邪推するよそおい』など。
2015年05月03日マイナビニュースが男性200名を対象に行った「女性の方言が最もかわいいと思う都道府県はどこですか? 」という調査によれば、第1位に京都府(39.5%)が選ばれています。その理由として、「上品で色っぽい」(26歳男性/新潟県/農林・水産/技術職)、「はんなりしていて口調が柔らかいから」(31歳男性/埼玉県/商社・卸/事務系専門職)などがあげられています。なぜ、京都の方言が人気なのでしょうか。○穏やかで丁寧、親しみやすくきれいな京都のことば京都府といっても、南は奈良から北は日本海まであり、とても広い府なので、北と南で言葉が違います。「はんなりしていて口調が柔らかいから」というのは、京都市内を中心とする方言を指しているのでしょう。さて、『どうなる日本のことばー方言と共通語のゆくえー』(大修館書店)に面白い調査が載っています。方言に対する、評価の地域差です。例えば沖縄の言葉は、きれいで親しみやすいものの、聞き取りにくいという評価がされています。そして京都の言葉は、穏やかで丁寧、親しみやすくきれいという評価がされます。さらに、京都の言葉には、きつい、荒っぽい、聞き取りにくいといった評価はついていません。評価のうえでは、理想的な言葉といえるでしょう。京都は、かつては都で(京都人にいわせれば、今でも都なのですが)、天皇を中心として貴族が住んでいました。穏やかで優しい、雅な生活を守るために、人と争うことを避けようとすれば、結果、柔らかな物腰の口調、独特の婉曲された表現を生みだされます。京都の言葉には、都であった頃からの人との争いを避けようとする心が今も生きていて、そしてそれを私たちも魅力的に捉え、今なおどこかに都への憧れを感じているのかもしれません。○人間が好む「母音の長音化」の特徴が顕著だからという側面も加えて言語的にいえば、人は時間的にやや長く発音される重音節を好む傾向があるとされています。例えば、火曜日の火。月火水(ge.tsu、ka、sui)と言うときに、「ka」が「ka:」と伸びますよね。難しくいえば、母音が長音化するわけですが、これは関西地方の方言でより顕著にあらわれるとされています(廣田康子『中越方言の音韻分析』東京女子大学言語文化研究)。そして、京都の言葉には長音化するものがたくさんあります。このあたりも、京音の言葉が男性から支持される理由の一つと言えるでしょう。言葉は、話す内容だけが重要なのではありません。非言語コミュニケーション的にいえば、言い方、間の取り方など、話し方がすごく重要なんです。そんな重要な役割を、方言が担っていると言えるでしょう。恥ずかしがらず、自分の方言を大切に使っていってほしいと思います。※写真と本文は関係ありません○著者プロフィール平松隆円化粧心理学者 / 大学教員1980年滋賀県生まれ。2008年世界でも類をみない化粧研究で博士(教育学)の学位を取得。京都大学研究員、国際日本文化研究センター講師、チュラロンコーン大学講師などを歴任。専門は、化粧心理学や化粧文化論など。魅力や男女の恋ゴコロに関する心理にも詳しい。現在は、生活の拠点をバンコクに移し、日本と往復しながら、大学の講義のみならず、テレビ、雑誌、講演会などの仕事を行う。主著は『化粧にみる日本文化』『黒髪と美女の日本史』『邪推するよそおい』など。
2015年03月31日添い寝するだけのフレンド、略して「ソフレ」。マイナビニュースが男女300名を対象に行ったアンケートから、肯定派と否定派について考えます。前回は肯定派についてでした。今回は否定派の意見を見ていきましょう。ソフレがいらない人は、どんな人物でしょうか。89.7%の人が「いらない」と答えているだけあって、いろいろな理由が挙げられています。○「何が良いのか理解できない」「関係がふしだら」例えば、「添い寝するだけの何が良いのか理解できない」などの"ソフレを持つ意味が分からない"という人。恐らくこの理由をあげる人たちは、日常生活の中で寂しい、癒されたいという気持ちがあまり強くないのでしょう。また、「関係性がはっきりしなくて後々面倒だから」「男女である以上それはあまりにも関係がふしだらだと思う」という、あいまいな関係を懸念する意見も見られます。この"関係性の問題で「ソフレはいらない」"と答える人は、金融や教育に関する仕事をしている人に多いようです。お金を扱うきっちりした仕事や、道徳や倫理を教える立場にある教育という仕事をしているからこそ、ソフレというあいまいな関係に否定的なのかもしれません。○「どうせソフレになるなら恋人になりたい」そして否定派の多くは、どうせソフレという関係になるのであれば「ソフレより彼氏がほしいです」「添い寝だけだと会いたいときに会えない。彼氏になってほしい」と、恋人としての関係を望んでいます。しかし、以前に解説したように、ソフレはただ一緒に寝るだけではなく、それにいたるまでの過程で恋人には言えない・できないわがままを満たす相手だということが、実は重要なんです。そのため、恋人になってしまうとわがままを満たすことができないので意味がありません。○下心を踏まえた上での男性と女性からの意見もソフレが欲しい男性には、「そこからのワンチャンがあるから」と性的な関係にたどり着きたいという希望をあげる人もいます。そして、その思惑には女性自身も気づいているわけです。そのため、女性は「それで済むのかがよくわからない」「恋愛感情がうまれちゃいそうで怖い」と、ソフレはいらないと答えるのです。そしてそれは男性自身もそう。「添い寝で止められる自信がないから」と、相手との信頼関係でなり立つソフレという関係が維持できる自信がないから、「いらない・ならない」と答えます。一方で面白いのは、「一人で寝たい」「ただでさえベッドが狭いのに添い寝なんてされると邪魔で仕方が無いから」「リラックスできない」という理由。こうなってくると、誰かと一緒に寝たいとか、一人で寂しいと感じることはないのでしょう。きっと、永遠にソフレが欲しいとは思わないでしょうね。※写真と本文は関係ありません○著者プロフィール平松隆円化粧心理学者 / 大学教員1980年滋賀県生まれ。2008年世界でも類をみない化粧研究で博士(教育学)の学位を取得。京都大学研究員、国際日本文化研究センター講師、チュラロンコーン大学講師などを歴任。専門は、化粧心理学や化粧文化論など。魅力や男女の恋ゴコロに関する心理にも詳しい。現在は、生活の拠点をバンコクに移し、日本と往復しながら、大学の講義のみならず、テレビ、雑誌、講演会などの仕事を行う。主著は『化粧にみる日本文化』『黒髪と美女の日本史』『邪推するよそおい』など。
2015年03月29日今、なにかと話題の添い寝フレンド。略して、ソフレ。マイナビニュースが男女300名を対象にアンケートをおこなったところ、賛否両論あることが見えてきました。果たして、どんな人がソフレに賛成・反対なのでしょうか。今回は肯定派について考えていきたいと思います。○10人に1人はソフレ肯定派アンケートによれば、ソフレが欲しいと思う人は10.3%でした。つまり、10人に1人はソフレが欲しいという結果です。実際、その割合でソフレがいるということではないのでしょうが、関心の高さを感じさせられる結果です。では、ソフレがほしいという人はどんな人でしょうか。アンケートを見てみると、寂しい、癒されたいという気持ちの強い人があてはまるようです。「癒されたいからソフレが欲しい」というひとは、世代や性別に関係なく、一定の割合でいるようですが、「寂しいからソフレが欲しい」というのは30代の女性に多い傾向。男性もそうですが、30代になると周囲は結婚して家族がいたり、仕事が忙しくなったりして、友達を誘って気軽に遊びに出かけることが難しくなります。そんな生活が、ソフレを欲してしまう背景にあるのかもしれません。○一緒に寝て間違いは起こらないのかまた、ソフレが話題になるとき、男女が一緒に寝て間違いは起こらないのかということが話題になります。今回のソフレが欲しいという人の中には、「するのは嫌だけど、恋愛抜きでそばにいてほしいから」「無性にさびしいときがある。アレはしないで添い寝がいいという理由がありました。性的な関係を抜きにして、寂しさをまぎらわせたい。これは、30代以降の女性にみられる理由です。肉体的なつながりや心地よさではなく、心のつながりで心地よさを得たいという女性心理のあらわれでしょう。その一方で、男性だと「そこからのワンチャンがあるから」「いい匂いがしそうだから」という理由があらわれます。つまり、ソフレ、ソフレと言っているけれど、一緒に寝たら最後までできるのではないかという期待が見えています。男性だからといって、常に性的なことを考えているわけではありません。ですが、女性以上に、その傾向は強くあるでしょう。いわゆる「なにもしないから休んでいこう」というのと同じ理由で、ソフレを欲しているようです。つまりソフレについては、性的な関係を欲していない女性と、あわよくばそのチャンスを手に入れたい男性という相反する存在で成立しているのかもしれませんね。否定する人については、次回お話していきます。※写真と本文は関係ありません○著者プロフィール平松隆円化粧心理学者 / 大学教員1980年滋賀県生まれ。2008年世界でも類をみない化粧研究で博士(教育学)の学位を取得。京都大学研究員、国際日本文化研究センター講師、チュラロンコーン大学講師などを歴任。専門は、化粧心理学や化粧文化論など。魅力や男女の恋ゴコロに関する心理にも詳しい。現在は、生活の拠点をバンコクに移し、日本と往復しながら、大学の講義のみならず、テレビ、雑誌、講演会などの仕事を行う。主著は『化粧にみる日本文化』『黒髪と美女の日本史』『邪推するよそおい』など。
2015年03月26日マイナビニュースの女性会員200名に「このひとエロそうと思った男性の言動」について聞いてみたところ、「ちらちらお尻や胸元を見ていたとき」(34歳/ホテル・旅行・アミューズメント/事務系専門職)、「体(胸)を見てしゃべる」(25歳/不動産/事務系専門職)、「脚ばかりみてる」(24歳/機械・精密機器/事務系専門職)など、目線がエロいという答えが多く返ってきました。ですが、そもそもエロチシズム、いわゆる「エロさ」とは何なのでしょうか。どうして異性を見て、エロいと感じてしまうのでしょうか。○性的な魅力を感じる対象は文化によって左右されるエロという言葉には、いろいろな意味がありますよね。ここではひとまず性的魅力という意味で考えていくことにしましょう。ひとが異性に対して性的な魅力を感じるのは、一つには生殖行動と関係していることは間違いないでしょう。進化心理学的にいえば、性的な興奮を覚えることで、繁殖という行動を引き起こし、子孫を残すことを実現させるわけです。ですが興味深いことに、人が何に性的な魅力を感じるかは絶対的なものではなく、文化によって左右されます。例えば、私たち日本で生まれ育った男性の多くは、女性の胸に引きつけられてしまう、大きな胸の女性と街ですれ違うと、悲しいかな思わず振り向いてしまうという人も多いのではないでしょうか。ですが、南米の国ブラジルでは事情が違います。ミス・ブンブンコンテストというのを聞いたことはありませんか。ブラジルで、最も美しいお尻を決定するコンテストのことです。そう、ブラジルでは胸よりもお尻なんです。○「胸」か「お尻」かは服装の歴史が違うため日本人だとどちらかというと、胸を大きくしたい、お尻は小さくしたいという女性が多いでしょう。ですが、ブラジルではお尻を大きくする手術が、女性の間で行われています。それはブラジルでは、お尻に性的な魅力を感じるからです。ではなぜ、日本人はお尻なのではなく胸なのか。それは、今の日本が欧米文化の影響を受けているから。もともと、着物(和服)を着ていた頃であれば、日本人も胸よりはお尻でした。着物の話がでたので、性的魅力をファッションとの関係で考えてみましょう。被服心理学では、性的魅力を感じる身体部位のことを、性的部位とよんでいます。この性的部位、じつは隠されていることでこそ性的部位になり得るとされています。分かりやすく言えば、もろ見えの状態や見慣れてしまうと性的部位ではなくなるということです。例えば、ロングスカートをはいていて、脚がみえないとき。なにかの瞬間、風でスカートがめくれ脚があらわになる。すると、それをみて興奮する男性というのは少なくないでしょう。ですが、生足でショートパンツをはいている女性を夏場に街で沢山見かけても、興奮を覚えるという男性はさほどいないでしょう。言い換えるとチラリズムこそが、性的魅力を生み出すことにもなります。ひとことでエロといいますが、実はけっこう奥深いものなのですね。※写真と本文は関係ありません○著者プロフィール平松隆円化粧心理学者 / 大学教員1980年滋賀県生まれ。2008年世界でも類をみない化粧研究で博士(教育学)の学位を取得。京都大学研究員、国際日本文化研究センター講師、チュラロンコーン大学講師などを歴任。専門は、化粧心理学や化粧文化論など。魅力や男女の恋ゴコロに関する心理にも詳しい。現在は、生活の拠点をバンコクに移し、日本と往復しながら、大学の講義のみならず、テレビ、雑誌、講演会などの仕事を行う。主著は『化粧にみる日本文化』『黒髪と美女の日本史』『邪推するよそおい』など。
2015年03月23日いまから10年前の2005年、テレビ朝日系列で「熟年離婚」というドラマが放送されました。主演は渡哲也さん。その内容はというと、渡哲也さんが定年退職を迎えた日、35年の結婚生活を共に送ってきた妻から離婚届を突きつけられるというもの。主人公からすれば、寝耳に水の出来事です。現実にもドラマさながらに、子どもが手離れしたときや、夫の定年退職を機会に、妻のから離婚を切り出すケースは多いようです。それが、突然に離婚を思い立ったのではなく、きっかけはもう何十年も前だったというのも、よく聞く話です。なぜ女性は、離婚したいと思った夫と長年一緒に暮らすことができ、その間、夫の面倒も平気な顔ででき、自分の本音を隠し通せるのでしょうか。○女性は嘘をつくときも目が泳がない?厚生労働省の「人口動態統計」などを見てみると、結婚5年未満の離婚割合が減る一方で、20年以上の熟年離婚が増えているようです。前述のように、離婚のきっかけはここ数年のことではなく、10年、20年前にさかのぼる……なんてことも少なくありません。なぜ女性は、離婚したいと思った夫と長年一緒に暮らし、自分の本音を隠し通せるのか。いってみれば、嘘が上手なのか。これに関してはアメリカで面白い研究が行われています。その内容とはというと、男女に、一対一で話し合いをしてもらい、最初は本当のことを、途中から男性も女性も、嘘の内容を話させるという実験です。結果はというと、本当のことを話しているときの相手の顔を見つめている時間に比べて嘘をついているときは、男性は女性の顔を見る時間が減少し、女性は男性の顔を見る時間が増えたのです。よく、嘘をついている人は目が泳ぐなんていいますが、そのことが男性に関しては証明されたわけです。逆に女性はこの実験によると、嘘が上手で、自分の本音を隠し通すことができる、ということになりました。しかし、この実験結果では、離婚したいと思った夫と長年一緒に暮らすことができるという説明にはなっていないですよね。その説明には、経済的な問題が関係しているかもしれません。というのも、現在熟年離婚をする世代においては、女性で仕事を持っている人は多くはありません。離婚するとこで、生活水準が下がるケースは多いわけです。夫の定年退職後の財産分与(退職金)や厚生年金の分割などは、小さな問題ではないでしょう。そのためにも、定年までは一緒にいるんだという覚悟が女性にはあるのだと思います。もともと女性は、自分と自分の子どもを保護・養育してくれる男性をパートナーと決めたら、揺れ動くということは基本的にはありません。というのも、自分の命と引き替えになるかもしれない出産を、その男性との子どものために行うわけです。つまり、一度決めたら貫き通すというのが女性なのです。そんな女性の持つ意志の強さと嘘の上手さが、自分の本音を隠し通せる理由なのかもしれません。※画像は本文と関係ありません。○著者プロフィール平松隆円化粧心理学者 / 大学教員1980年滋賀県生まれ。2008年世界でも類をみない化粧研究で博士(教育学)の学位を取得。京都大学研究員、国際日本文化研究センター講師、チュラロンコーン大学講師などを歴任。専門は、化粧心理学や化粧文化論など。魅力や男女の恋ゴコロに関する心理に詳しい。現在は、生活の拠点をバンコクに移し、日本と往復しながら、大学の講義のみならず、テレビ、雑誌、講演会などの仕事を行う。主著は「化粧にみる日本文化」「黒髪と美女の日本史」(共に水曜社)など。
2015年03月22日男女をめぐる問題として、男女の間で友情は成立するのかは、永遠のテーマとして議論されています。成立するという人もいれば、絶対にあり得ないという人も。ですが、本当のところはどうなのでしょうか。○愛は「恋愛」と「好意」からできている結論からいうと、男女の間だって友情は成立します。一般的に同性間には友情が、異性間には愛情のみが存在すると考えられています。この場合の愛情とは、性的な関係と言い換えることができるでしょう。ですが、だとすると同性間にも性的な関係が許される以上、そもそも同性同士だからといって友情のみが成立するともいえないわけです。さて、1970年にルービンという心理学者が、愛や恋愛に関する実証的な研究を行っています。ルービンは、愛は恋愛(LOVE)と好意(LIKE)によって成立し、恋人に対しては恋愛と好意の両方が、友人などに対しては好意のみが存在するということをあきららかにしました。これをきっかけに、心理学では愛や恋愛に関する研究が展開していきます。デイビスという研究者は、友情の構造と愛情の構造を比較し、「尊敬・信頼や理解といった要素は友情にも愛情にも共通して存在すること」「愛情だけに特徴的な要素は、魅惑、排他性、性的な親密さといった強い感情であること」を指摘しています。ほかにも、スタンバーグという研究者は、愛情はその人と仲良くなりたいという親密性、性的な達成を引き起こすようなロマンスや身体的な魅力の情熱、愛するという強い意志や約束のコミットメントによって成り立つとしています。○友情が無いのに愛情は生まれないつまりこれらに共通していえることは、愛情というものは友情という土台の上、もしくは友情の先に存在するものだということです。友情か愛情かなのではなく、友情が成立して、そして愛情へ発展すると言えるのです。その意味において、男女の間で友情が成立するかどうかという問いの答えは、愛情が成立している以上、友情も成立するといえるでしょう。友情がないのに愛情は生まれないわけです。もし、同性や異性に対して、性的な魅力を感じ、そういった関係を持ちたいという思いや、ほかの誰かに渡したくないといった気持ちが芽生えると、友情から愛情に変わったと言えます。友情と恋人との愛情の違いを特徴づけているのは、性的な親密さや性行動と、熱愛や嫉妬などの激しい感情なんです。ですが、それも友情を前提とした話。性的な魅力を感じ、そういった関係を持ちたいと思うだけでは愛情とは呼べません。友情も愛情も、人が人と関係を築いてこそ生まれます。相手を理解し、信頼し、尊敬する。それは、人間関係において非常に重要なことだと思います。友情と愛情は全く異なるものではなく、人が人として関係する基本は同じなんです。愛情か友情ということにとらわれるのではなく、一人の人として関係を築いていくことこそが大切なのではないでしょうか。※写真と本文は関係ありません○著者プロフィール平松隆円化粧心理学者 / 大学教員1980年滋賀県生まれ。2008年世界でも類をみない化粧研究で博士(教育学)の学位を取得。京都大学研究員、国際日本文化研究センター講師、チュラロンコーン大学講師などを歴任。専門は、化粧心理学や化粧文化論など。魅力や男女の恋ゴコロに関する心理にも詳しい。現在は、生活の拠点をバンコクに移し、日本と往復しながら、大学の講義のみならず、テレビ、雑誌、講演会などの仕事を行う。主著は『化粧にみる日本文化』『黒髪と美女の日本史』『邪推するよそおい』など。
2015年03月20日大好きな彼との、ずっと夢見ていた結婚。けれども、いざ結婚が決まったとたん不安でいっぱいになることも珍しくありません。一般にそれを、マリッジブルーと呼びます。どうして結婚したかったはずなのに悩み、幸せなはずなのにマリッジブルーが起こるのでしょうか。○○マリッジブルーの原因は、環境の変化です。結婚は、その人の人生を大きく変えます。名字が変わり、好きな彼との共同生活が始まり、住む所が変わります。結婚相手の両親や兄妹も自分の家族になります。それらが不安やストレスとなり、マリッジブルーになるんです。そして不安が不安を呼びます。本当に、この相手と結婚していいのだろうか。もっと自分にふさわしい、自分を幸せにしてくれる相手がいるんじゃないだろうか。結婚したら自由が無くなって自分らしくいられないんじゃないだろうか。いろんなことを考えてしまいます。そして、この結婚は失敗するかもしれないと感じ、結婚を取りやめようという風に考えてしまうこともしばしばです。マリッジブルーは、男性も女性もなる可能性があります。○しっかりした人ほど陥りやすい、人生の節目だからこその不安ある意味においては、大学進学や就職・転職にともなう不安と一緒かもしれませんね。本当にこの大学でよかったのだろうか、もっと自分にあう就職先があったんじゃないだろうかと。「今夜、なに食べる? 」という選択であれば、たとえ今夜失敗しても、明日の夜に挽回することができます。ですが、進学・就職・結婚というのは、人生のターニングポイント。だからこそ、もし失敗したらという不安で悩んでしまうわけです。特に、完璧主義の人や、責任感の強い人ほど悩んでしまう傾向にあるかもしれません。つまり、そういう人ほどマリッジブルーに陥りやすいんです。○解決方法は不安を共有することマリッジブルーの解決は、悩みの種をなくすこと。つまり、結婚相手とよく話し合うことが大切なんです。もちろん、マリッジブルーの問題が相手にあるといっているわけではありません。ですが、マリッジブルーは、決してひとりの問題ではないんです。相手だって表に出さないだけで、同じように悩んでいるかもしれません。自分が抱えている不安を、結婚相手と共有し、その悩みの解決を一緒に考える。それが大事なんです。そして、たしかに日本の場合、離婚や結婚を繰り返すことに対して社会的に良いイメージはないかもしれません。ですが、結婚してみて初めて分かることが多いのも事実。失敗したらどうしようと思うのではなく、結婚相手が自分の理想の相手じゃなかったら離婚すればいいだけの話だしと、気軽に考えることも必要ではないでしょうか。人生は一度きりです。ですが、その人生のなかで行なう選択に、一度きりということは決してないんです。※写真と本文は関係ありません○著者プロフィール平松隆円化粧心理学者 / 大学教員1980年滋賀県生まれ。2008年世界でも類をみない化粧研究で博士(教育学)の学位を取得。京都大学研究員、国際日本文化研究センター講師、チュラロンコーン大学講師などを歴任。専門は、化粧心理学や化粧文化論など。魅力や男女の恋ゴコロに関する心理にも詳しい。現在は、生活の拠点をバンコクに移し、日本と往復しながら、大学の講義のみならず、テレビ、雑誌、講演会などの仕事を行う。主著は『化粧にみる日本文化』『黒髪と美女の日本史』『邪推するよそおい』など。
2015年03月19日クラシエフーズは、現代美術家・村上隆とコラボレーションした「FRISK Neo」の新フレーバー「FRISK Neo フライトニングミント」「FRISK Neo ブルーミングチェリー」を、3月16日より数量限定で発売開始する。価格は369円(税抜)。同商品は、ルイ・ヴィトン、ファレル・ウィリアムス、カニエ・ウェストやゆず、六本木ヒルズ、シュウ ウエムラ等とのコラボレーションで知られる村上隆がパッケージデザインを担当した限定品。「FRISK Neo フライトニングミント」は唐辛子成分が入った新しい刺激のフレーバー、「FRISK Neo ブルーミングチェリー」はチェリー風味のライトなフレーバーとなっているという。また、パッケージのほかにも、タブレットの形状が「ドクロ」(フライトニングミント)、「お花」(ブルーミングチェリー)と凝ったつくりになっている。
2015年03月13日クラシエフーズは16日、従来のフリスクよりも粒が大きく「美味しさ」と「味長持ち」が特徴の「FRISK Neo(フリスク ネオ)」より、村上隆氏とのコラボした「FRISK Neo フライトニングミント」「FRISK Neo ブルーミングチェリー」を、コンビニエンスストアにて数量限定で発売する。○世界的アーティスト、村上隆氏との限定コラボ同商品は、世界的に有名なアーティストの村上隆氏とのコラボレーションにより生まれた新フレーバー。ケースやタブレットのデザインにもこだわり、ビジュアル面でも楽しめる仕上がりとなっている。「FRISK Neo フライトニングミント」は唐辛子成分が入った新しい刺激のフレーバー、「FRISK Neo ブルーミングチェリー」はチェリー風味のライトなすっきりフレーバー。フレーバーに合わせ、「フライトニングミント」はドクロ、「ブルーミングチェリー」は花の形状となる。パッケージは村上氏のデザインにより、インパクトがあり色鮮やかに仕上げたメタルケースとなっている。容量はともに42gで、希望小売価格は各369円(税別)。
2015年03月12日ソフレがなにかと話題になっています。「ソフレとは、添い寝フレンドのこと。キスやそれ以上のことは一切なしで、ただ一緒に寝るだけの異性の友達をそう呼ぶようです。当然、キスやそれ以上のことを求めてくる相手とはソフレの関係にはなれませんよね。いったいどういう相手が、ソフレに向いているのでしょうか。ソフレが登場した背景として、「ひとりだと孤独で寂しいから」「性的な部分以外に関する欲求の充足」にあるのではないかということは、既に紹介しました(何でソフレを持つの? - その理由を心理学的に分析)。ソフレとの関係は、性的な欲求を満たすのではなく、疑似恋愛行動の中で恋人では埋まらない自分の欲求を満たしているのではないかというのが、その内容です。では、そんなソフレにはどんな相手を選ぶべきか。○「いじらしく可愛らしい」行動をする人は次第に本気に……?相手に執着せず、本気にならない(恋人の地位に自分が就きたいと思わない)というのは大前提ですよね。だってあくまでも恋人は別にいて、もしくは恋人を作るつもりがなくて、孤独さや欲求をお互いに満たすためだけに一緒に寝るだけなんですから。例えば駅の改札などで別れを惜しんでイチャイチャしてくるような相手は、一見いじらしく可愛らしく見えます。ですが、本当は相手がどこかに行ってしまうのではないか、自分は愛されるに値しないのではないかという不安が強くあり、相手に執着するタイプなんです。こういうタイプは、ソフレの相手には向きません。恐らく、最初はソフレという地位で安心していても次第に相手を独占したくなってくるはずです○相手に尽くすタイプの人を選ぶのはいいかもほかにも、自分の欲求をみたす相手という意味ではアガペとよばれる恋愛スタイルの相手がいいでしょう。ジョン・アラン・リーというカナダの心理学者が、恋愛のスタイルを6つに類型化しています。一般的にはリーの色彩理論とよばれる恋愛スタイルの分類です。その6つとは、ルダス、プラグマ、ストルゲ、アガペ、エロス、マニア。一つひとつの説明は別の機会にゆずるとして、アガペとは愛他的な愛。つまり、相手の利益を考え、自分自身を犠牲にすることをいとわない恋愛スタイルです。具体的にいえば片山恭一さんの『世界の中心で、愛をさけぶ』に登場する主人公の朔太郎が、このタイプ。恋人アキのために自分のことは顧みず、相手に尽くすタイプです。ソフレは恋愛ではないわけですが、こういうタイプの相手をソフレにすれば、自分の欲求をかなえようと献身的になってくれるかもしれません。ただ、個人的には恋人に自分の欲求が伝えられないというのは、いい関係とは思えません。ソフレを持つことで穴埋めをするのではなく、すべてを委ねられる関係を恋人と築くことが大切だと思います。※写真と本文は関係ありません○著者プロフィール平松隆円化粧心理学者 / 大学教員1980年滋賀県生まれ。2008年世界でも類をみない化粧研究で博士(教育学)の学位を取得。京都大学研究員、国際日本文化研究センター講師、チュラロンコーン大学講師などを歴任。専門は、化粧心理学や化粧文化論など。魅力や男女の恋ゴコロに関する心理にも詳しい。現在は、生活の拠点をバンコクに移し、日本と往復しながら、大学の講義のみならず、テレビ、雑誌、講演会などの仕事を行う。主著は『化粧にみる日本文化』『黒髪と美女の日本史』『邪推するよそおい』など。
2015年03月11日マイナビニュース読者から、夫のいびきに関するお悩みが寄せられました。妻は夫のいびきがうるさく寝室の夫婦別室を希望していますが、夫は「夫婦は一緒に寝るべきだ」と考え、同室を継続しているそうです。そこで、化粧心理学者の平松隆円さんにお悩み解決について、解説していただきました。○夫のいびきがうるさすぎて夫が憎い!結婚して3年です。寝室は夫婦同室ですが、夫はいびきがうるさくて、私はなかなか寝られません。やんわりといびきがうるさい旨を伝えると、すごく不機嫌になって「俺が悪いの? 寝られないお前が悪いんだろ」という始末。夫は「夫婦は一緒に寝るべきだ」と考えているため、寝室の夫婦別室は認めてくれません。説得して市販のいびき対策グッズを使ってもらいましたが、ダメでした。最近は、私の隣で轟音を出しながら寝続ける夫を見て、殺意を覚えるようになりました。ただゆっくり眠りたいだけなのに。「このブタのせいで寝られないなんて」とイライラを通り越して、夫の存在が憎たらしく思えてきました。どうか、円満に夫婦別室にする方法、教えてください!○不十分な睡眠は様々な面に悪影響インターネットを見ていると、夫婦のどちらかのいびきで悩んでいるケースは多いですよね。いびきは、およそ1割の人に習慣的にあり、加齢とともに増加するといわれています。寝られなくて殺意を覚えるくらい不満を抱えているのであれば、寝室は別々にすべきです。もちろん、夫婦一緒に寝てもよく睡眠がとれているなら、寝室が一緒でも問題はありません。しかし、もしそうでないのなら、睡眠環境を変えるべきです。というのも、イギリス・サリー大学睡眠研究センターの研究によれば、不十分な睡眠は身体の疲れがとれないだけではなく、精神面や感情面においても悪影響をおよぼすとされています。結果的に、うつ病、心臓病、脳卒中や呼吸困難のリスクが高まるだけでなく、離婚や自殺につながるような行動も増えてしまうというのです。実際、質問者様も睡眠が不十分なことで、旦那様に殺意を覚えてしまっていますよね。この状態を維持することは、夫婦関係にマイナスとしかいいようがありません。ところで、なぜ旦那様は「夫婦は一緒に寝るべきだ」と考えているのでしょうか。理由としては、スキンシップを大切にしたい、夫婦のコミュニケーションを大切にしたい……などが考えられます。ですが、寝室をともにするだけで、夫婦のコミュニケーションは維持できるとは限りませんよね。食事の時、就寝前の時間など、旦那様が満足できるくらいコミュニケーションができていれば、自然と夫婦別室を認めてくれるようになるかもしれません。また、相談者様は結婚3年目とのこと。ある調査によれば、結婚1年目から5年目までの人はおよそ9割が一緒に寝ると答えたのに対し、6年目から10年目で8割、11年目以上になると6割という結果が明らかになっています。つまり、旦那様も今は「夫婦は一緒に寝るべきだ」と考えていても、次第と別室がいいと思うようになる可能性が高いです。おそらく、サリー大学睡眠研究センターの話を旦那様に持ちだしても、聞いてはもらえないでしょう。もうここは、お子様が生まれるという環境の変化をタイミングに夫婦別室を企てるか、とりあえず今は旦那様より早く就寝するようにするしかないかもしれません。すみません、相談の答えになっていないですよね。ちなみに、いびきは眠時無呼吸症候群などの病気と関係していることもあり、一度病院で診てもらうのもいいでしょう。* * * * *○著者プロフィール平松隆円化粧心理学者 / 大学教員1980年滋賀県生まれ。2008年世界でも類をみない化粧研究で博士(教育学)の学位を取得。京都大学研究員、国際日本文化研究センター講師、チュラロンコーン大学講師などを歴任。専門は、化粧心理学や化粧文化論など。魅力や男女の恋ゴコロに関する心理に詳しい。現在は、生活の拠点をバンコクに移し、日本と往復しながら、大学の講義のみならず、テレビ、雑誌、講演会などの仕事を行う。主著は「化粧にみる日本文化」「黒髪と美女の日本史」(共に水曜社)など。
2015年03月11日大好きな彼女や奥さまと、ケンカしたいと思う男性はいないはず。けれども、長く付き合っていると、ささいなことでケンカをしてしまうこともしばしばです。そんなとき、思いませんか。どうして女性はケンカになったとたん、芋づる式に過去の出来事を持ち出して男性を責め立てはじめるのかと。時には、いつの間にかケンカの内容がことの発端から大きくずれてしまうこともあります。女性はなぜ、ケンカになると過去の出来事をもちだすのでしょうか。○女性の詳細な記憶力男性であれば、1度はありますよね。自分はもうとっくに忘れている出来事を彼女はいつまでも覚えていて、執拗(しつよう)に責め立てられた経験。その理由の1つは、女性の記憶力の良さではないでしょうか。以前に、「女性はなぜ細かいことまでよく覚えているのか」という記事で、アメリカのコーネル大学の研究によって、男性よりも女性のほうが詳細に記憶をとどめていることが明らかにされていることを紹介しました。人がまだ狩猟の生活を送っていた頃、女性は村で大勢の人たちと長い時間を過ごしました。共同で生活をする上では、周囲の人々との争いごとを避けなければいけません。そのために、女性は細かなこともしっかり記憶することで不要な争いを避けたと考えられます。○"ケンカの先送り"も原因?ところで、「ケンカするほど仲がいい」と言いますよね。実際、ケンカというのは恋人や夫婦の関係を維持するためには必要不可欠なものです。というのも、意見が違ったり気に入らないことがあったとき、すぐケンカを始めれば、ケンカはそのときだけで、ケンカの内容が別のものにすり替わることはありませんから。しかし、ケンカをできるだけ避けようとすると問題は解決せず、それにともなうストレスが蓄積されていきます。それが限界まで達すると、コップにたまった水が溢(あふ)れ出るように、それまでのストレスや鬱憤(うっぷん)が爆発してしまうのです。男性であれば、過去の嫌だった出来事や二人の間で生じた問題を詳細には覚えていないので、「あれもこれも」ということにはなりません。ですが、女性の場合はそうはいきません。昔のことも詳細に覚えているため、せきを切ったように、ここぞとばかりに過去のことも持ち出してしまうのです。男性からするとあまりにも過去のことなので、素直に謝ることもできず、ケンカを収束に向かわせるのも難しくなるわけです。誰もが「ケンカはしたくないな」と思うでしょう。ですが、2人の関係をうまく維持させていくためには、むしろケンカも積極的にしたほうがいいのです。女性が芋づる式に持ち出してきたケンカのテーマは、"本来ならそのときにすべきだったケンカ"が先送りされた結果なのです。つまり、上手にケンカをしてあげられなかった男性も、理由の1つと言えるかもしれません。※画像と本文は関係ありません。○著者プロフィール平松隆円化粧心理学者 / 大学教員1980年滋賀県生まれ。2008年世界でも類をみない化粧研究で博士(教育学)の学位を取得。京都大学研究員、国際日本文化研究センター講師、チュラロンコーン大学講師などを歴任。専門は、化粧心理学や化粧文化論など。魅力や男女の恋ゴコロに関する心理にも詳しい。現在は、生活の拠点をバンコクに移し、日本と往復しながら、大学の講義のみならず、テレビ、雑誌、講演会などの仕事を行う。主著は『化粧にみる日本文化』『黒髪と美女の日本史』『邪推するよそおい』など。
2015年03月05日「ソフレ」という言葉を、聞いたことがありますか? ソフレとは、添い寝フレンドのこと。キスやそれ以上の行為は一切なしで、ただ一緒に寝るだけの異性の友達をそう呼ぶようです。普通に考えて、男と女が一緒にベッドで寝ていて、なにも間違いが起こらないはずがない。そう思いますよね。どうして、ソフレを持つのでしょうか。○ソフレは自分を解放するパートナー少し前に、「キスフレ」というのが話題になりました。その際にサイバーエージェントが行った調査によると、キスフレのいる女性は約35%。キスまでだと浮気の罪悪感にさいなまれることなく快感が得られるため、キスフレを持っているということでした。今回のソフレは、キスすらしないということでさらに草食化している感じがします(キスフレについては「キスまでの男友達"キスフレ"いる女性36%の衝撃」で解説しています)。ソフレが登場した背景には、「ひとりだと孤独で寂しいから」という理由があるでしょう。ですが、寂しさを埋め合わせる以外にもソフレを求める理由があると思います。それは、わがままな自分の解放。つまり、「性的な部分以外に関する欲求の充足」です。○恋人よりも安心できる疑似恋愛の相手として添い寝をするということは、どこかで一緒に寝るわけですよね。エッチが目的のセフレではありませんから、ラブホテルではないでしょう。当然、男性か女性かどちらかの部屋になるわけです。そして、部屋にやってきてもすぐに寝ようということにはならないはず。おしゃべりをしたり、一緒にお酒を飲んだり、食事をしたり。つまり、ほとんど恋人とすることをソフレとしていることになります。ただ、性的な行為をしないだけです。ソフレを使って疑似恋愛をしているとも言えるでしょう。ですが、中には恋人がいてもソフレがいるという人もいると聞きます。じゃあ、恋人とそれをすればいいじゃないかと思うでしょう。ですが、恋人とはそれができないのです。相手のことが好きで、だからいつも一緒に居たいと恋人になった。だけど、好きだからこそ相手に気をつかってわがままが言えなかったり、恋人を失いたくなくて自分を押し殺して、相手の思うとおりにしてしまったりします。つまり、恋人に「あれして欲しい、これして欲しい」ということが、相手に気をつかうがあまり言えないわけです。○同じ目的を持つ割り切った関係だから得られる充足感これは、現代の若者の典型的な人間関係のあり方かも知れません。幼児期にアタッチメント(情緒的絆)の形成が満足できるものではなく、誰かがどこかに行ってしまうのではないかと不安を抱えている。それが恋愛におけるアタッチメントにも影響している。自分は愛される価値がないんじゃないかとか、相手はどこかに行ってしまうんじゃないかという不安が、相手を信頼することを踏みとどまらせ、わがままも言えなくさせてしまっているわけです。ソフレには、一緒に寝るということ以上に、そこに至るまでの疑似恋愛行動で、恋人では埋まらない自分の欲求を満たしているのだと思います。なぜ、ソフレにはわがままが言えるのか。それは、お互いに同じ目的を持つ割り切った関係だからでしょう。キスやそれ以上をしないのは、お互いに相手に本気にならない(真剣な交際をしない)という結界なのかも知れませんね。※写真と本文は関係ありません○著者プロフィール平松隆円化粧心理学者 / 大学教員1980年滋賀県生まれ。2008年世界でも類をみない化粧研究で博士(教育学)の学位を取得。京都大学研究員、国際日本文化研究センター講師、チュラロンコーン大学講師などを歴任。専門は、化粧心理学や化粧文化論など。魅力や男女の恋ゴコロに関する心理にも詳しい。現在は、生活の拠点をバンコクに移し、日本と往復しながら、大学の講義のみならず、テレビ、雑誌、講演会などの仕事を行う。主著は『化粧にみる日本文化』『黒髪と美女の日本史』『邪推するよそおい』など。
2015年03月02日先日、東京ディズニーランドで公開プロポーズした人の話が、ツイッターを中心に話題になっていました。よく海外でも、男性が女性にプロポーズする様子がYouTubeなどで公開されています。なぜ、男性たちは大勢の人のいる前でプロポーズしたがるのでしょうか。○公開プロポーズの背景には自己顕示欲もちろん、すべての男性が公開プロポーズをしたいわけではないでしょう。むしろ全体からいえば、少数派であることは間違いありません。ただ、これも文化的な背景もあって、フィリピンでは、女性の家の前で歌を歌ってプロポーズをしたりします。日本に限っていえば、プロポーズはふたりの特別な出来事として、秘められていることが普通ですよね。芸能人たちでも、プロポーズに関してはマスコミに語るということは少ないのではないでしょうか。にもかかわらず、公開プロポーズする男性がちらほら日本でも見かけはじめているのは、アメリカのフラッシュモブの影響でしょうか。さて、公開プロポーズの背景には、やはり自己顕示欲というのがあるでしょう。自己顕示欲というのは、自分の存在を多くの人にアピールしたいという欲求です。たとえば、いつも自分が注目されていないと嫌な人、SNSなどのネットを使ったアピールに積極的な人があてはまるかと思います。そして、こういう人は自分中心なので、空気が読めなかったり、相手の気持ちを察することができなかったりするんです。公開プロポーズの場合、大勢の人のいる前でプロポーズするワケですから、注目が集まります。そして、その様子が第三者を通じて、画像や動画として拡散されるわけです。さらに、公衆の面前でプロポーズすることによって、人の通行を妨げるのではないか、なにか迷惑になるのではないか。大勢の前で告白して、彼女を辱めることにならないかということは考えず、自分は告白したいんだという気持ちだけが強くなり、それを行動に移してしまう。まさに、自己顕示的行動が、公開プロポーズだといえるでしょう。○断りづらくする戦略的側面もただ、これには男性のプロポーズに対する戦略的側面も見え隠れしている気がします。当然、男性としてはプロポーズを失敗したくありません。ですので、公開プロポーズのもつサプライズ性、大勢がみている前だからこそ相手の女性に断りづらくさせてしまおうという強制性を利用して、プロポーズを試みているのではないでしょうか。いろいろな調査で、男性が簡単に結婚を踏み切れないということがいわれています。そのようななか、プロポーズを決心したというのはすごいことだと思うのです。であるならば、ふたりの一生のいい思い出になるように、相手の気持ちを考えたプロポーズをしてほしいです。公開プロポーズは女性にとって、うれしい以上に困惑するものだと思いますよ。※写真と本文は関係ありません○著者プロフィール平松隆円化粧心理学者 / 大学教員1980年滋賀県生まれ。2008年世界でも類をみない化粧研究で博士(教育学)の学位を取得。京都大学研究員、国際日本文化研究センター講師、チュラロンコーン大学講師などを歴任。専門は、化粧心理学や化粧文化論など。魅力や男女の恋ゴコロに関する心理にも詳しい。現在は、生活の拠点をバンコクに移し、日本と往復しながら、大学の講義のみならず、テレビ、雑誌、講演会などの仕事を行う。主著は『化粧にみる日本文化』『黒髪と美女の日本史』『邪推するよそおい』など。
2015年02月27日数年間から、黒髪が流行しています。そして最近では、太眉が流行の兆しを見せています。ブリーチやカラーリングで茶色くした"茶髪"は、1990年代後半に流行し始めました。ちょうど同じ頃、細い眉もはやり出しています。茶髪と細眉の流行が同じ時期、そして黒髪と太眉のリバイバルも同じ時期。これって、何かの偶然でしょうか。○景気と女性の髪型、メイクの関係ファッションの流行には、周期があります。いわゆる、「リバイバル=再評価」です。しかし、このリバイバルは規則的に5年、10年という周期で訪れるわけではありません。そこには必ず、社会の影響が存在します。つまり、社会の変化がファッションを生み出すわけですが、時代ごとに存在するある要因が共通して存在することによって、リバイバルが起こるのです。では、その要因とは何か。それは、社会経済のあり方と女性の社会的地位の問題です。1980年代から90年代にかけての経済を振り返ると、1985年のプラザ合意によって急激な円高となり、内需振興策がとられます。その結果、1980年代の実質経済成長率は年率4.4%。いわゆるバブルを引き起こすきっかけとなりました。それが1990 年代に入ると、バブル崩壊となり、長きに渡って日本経済は低迷することとなります。若い人は、バブルと聞いてもピンとこないかもしれません。彼氏の高級外車で大学まで送迎、夜景の見える高層レストランでの食事、船をチャーターしてのクルージングパーティー……。そんなことが日常茶飯事だったのです。1人の女性に、送り迎えだけしてくれる彼氏、プレゼントだけくれる彼氏、食事だけ連れて行ってくれる彼氏、そして本命の彼氏がいた、という話もありました。バブル時代は女性が男性を選ぶ立場。とても強いポジションにいました。そんな時代にはやったのが、黒髪と太眉でした。実はこれ、平安時代の女性のスタイルと同じなのです。当時は母権社会で、女性が財産をすべて掌握していた時代。意外に思われるかもしれませんが、男性よりも優位でした。そんな平安時代も、黒髪の長い髪、そして公家眉とも茫々眉ともよばれる太眉でした。そしてバブル崩壊後、1990年代後半からは茶髪と細くて薄い眉がはやり出します。黒髪では重くて暗い印象を与えるから、ということです。景気が悪いと茶髪・細眉。その理由は明確で、景気が悪いと、男性たちはバブルのときのように女性たちにお金を使うことはできません。つまり、今度は男性が選ぶ立場になるわけです。もともと男性は女性よりも相手を守りたいという養護欲求や、相手を思い通りにしたいという支配欲求が強いといわれています。つまり、女性は男性に対してかわいらしく守ってあげたくなるような女性を演じることが、不景気で先行き不透明な社会を生き抜く術なわけです。いま、黒髪と太眉が流行し始めているということは、社会経済が回復に向かっている証拠なのかもしれません。ファッションを一過性の流行廃りとみるのではなく、人々の心理や社会のありさまがあらわれていると思って見ていくと、とてもおもしろいと思います。* * * * *○著者プロフィール平松隆円化粧心理学者 / 大学教員1980年滋賀県生まれ。2008年世界でも類をみない化粧研究で博士(教育学)の学位を取得。京都大学研究員、国際日本文化研究センター講師、チュラロンコーン大学講師などを歴任。専門は、化粧心理学や化粧文化論など。魅力や男女の恋ゴコロに関する心理に詳しい。現在は、生活の拠点をバンコクに移し、日本と往復しながら、大学の講義のみならず、テレビ、雑誌、講演会などの仕事を行う。主著は「化粧にみる日本文化」「黒髪と美女の日本史」(共に水曜社)など。
2015年02月26日佐村河内守の“ゴーストライター騒動”で、そのゴーストライターとして暗躍し、大きな注目を集めた作曲家・新垣隆が、今春公開される映画『ソロモンの偽証』の応援大使に就任したことが発表された。さらに、トークアプリ「755」で中学生から質問を受けつける“大人の相談室”を開設することも明らかとなった。映画『ソロモンの偽証』は、ベストセラー作家・宮部みゆきが構想15年・執筆に9年もの歳月を費やしたという同名ミステリー巨編を、成島出監督をはじめとする『八日目の蝉』チームが再結集し、2部作で映画化したもの。物語は大雪に見舞われたクリスマスの朝ーー雪の校庭に転落死した男子生徒、柏木卓也が発見される。警察は自殺と判断したが、殺人の目撃者を名乗る告発状が学校に届く。告発された容疑者はクラスメイト。過熱するマスコミ報道、無力な学校と親、新たな殺人計画…。そして犠牲者がひとり、またひとりと増えていく中、「もう大人たちには任せておけない」と、遺体の第一発見者である生徒のひとり、藤野涼子の発案で学校内裁判が開廷されることに…。本作では、真実を追い求め葛藤する中学生たちがメインとして描かれるが今回、新垣さんはそんな中学生たちを応援するための応援大使として公開初日まで活動することとなる。さらに、2月26日(木)より先述したトークアプリ「755」にて「ソロモンの偽証応援大使新垣隆」の名で登録。嘘にまつわる話や葛藤など、中学生からの質問を募集し、3月5日(木/18:30~19:30を予定)に本人自らが質問に答えていくとのこと。新垣さんは、今回の企画について「自分が中学生だった頃から30年の月日が経ち、髪の毛は随分薄くなってしまいましたが、心の気持ちはその頃と今とで何ら変わっていないという事に、今ふと気がつきました。皆さんと共に考えるという事は、自分の中に存在するかつての中学生の私と対話する、という事でもあります。ぜひ皆さんの思いを聞かせてください」とコメントを寄せている。嘘から逃げない男が、中学生たちの想いにどんな言葉で応えるのか…注目が集まりそうだ。『ソロモンの偽証前篇・事件』は3月7日(土)より、『ソロモンの偽証後篇・裁判』は4月11日(土)より全国にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:ソロモンの偽証前篇・事件 2015年3月7日より全国東宝系にて公開(C) 2015「ソロモンの偽証」製作委員会ソロモンの偽証後篇・裁判 2015年4月11日より全国にて公開(C) 2015「ソロモンの偽証」製作委員会
2015年02月26日ツイッターやフェイスブック、インスタグラムなど、人とつながることができるインターネットサービスが増えてきました。そこでは、日記代わりに自分の身の回りの出来事を投稿したりします。当然、自分自身の写真を投稿することだって珍しくありません。○自撮りをネット上に投稿するのはなぜ?そのためか、自分で自分を撮影する"selfie"という言葉が注目を集めたり、昨年はスマホで自分をきれいにとるための自撮りのスティックが流行したりしました。ですが、自分の写真をインターネット上に投稿するのって、やっぱり恥ずかしかったり、どこか危なくないのかなって思ったりしますよね。それでも、自分の顔や顔の一部の写真をアップするのはどうしてなのでしょうか。基本的には、自己への承認欲求、賞賛欲求、自己愛が存在していると思います。まず、自分の写真を投稿できるということは、自分の顔やスタイルに一定の自信があるからでしょう。恥ずかしかったら、自分の写真なんて投稿できませんよね。いってみれば、ナルシストな傾向があるのだと思います。ただこれは、つねにナルシストだからというよりも、それまでは自分に自信がなかったものの、何かのきっかけで化粧がうまくなった、整形によって理想的な自分を手に入れたということなどをきっかけに、自分をもっとひとに見せたいという欲求が生まれ、自撮りした写真をアップするという行動に出ることも考えられます。○「認めてほしい」という気持ちそして、そんな自分だからこそ、人にもっと見せたい、見てほしいという気持ちが生まれます。そして、それを認めてほしいという気持ちも生まれるわけです。というのも、自撮りした写真を投稿した場合、その他の写真を投稿した場合に比べて"いいね!"を押してもらいたいという気持ちが強く働くと思うのです。つまり、"いいね!"の数というのはそれだけ自分を認めてもらえたということの証なんです。そして、もっと自分を認めてほしい、もっと"いいね!"がほしいと、極端な場合は性的な写真まで投稿するという行動にまででる人たちがでてくるんです。なんだ、結局は「自分を見てほしい」「気にしてほしい」というナルシストで、自分のことをかまってほしいかまってちゃんなのか。そういってしまえば、それまでです。ですが、裏を返せば、本当は自分に自信がなくて、自分は自信をもってもいいのだということを証明したいというひとなのかもしれません。必要以上の賞賛は必要ありませんが、自撮りの写真を投稿している人がいたら、素直にかわいい・かっこいいといってあげるといいかもしれませんね。※写真と本文は関係ありません○著者プロフィール平松隆円化粧心理学者 / 大学教員1980年滋賀県生まれ。2008年世界でも類をみない化粧研究で博士(教育学)の学位を取得。京都大学研究員、国際日本文化研究センター講師、チュラロンコーン大学講師などを歴任。専門は、化粧心理学や化粧文化論など。魅力や男女の恋ゴコロに関する心理にも詳しい。現在は、生活の拠点をバンコクに移し、日本と往復しながら、大学の講義のみならず、テレビ、雑誌、講演会などの仕事を行う。主著は『化粧にみる日本文化』『黒髪と美女の日本史』『邪推するよそおい』など。
2015年02月26日「百合」という言葉をきいてわかる若い人は、あまりいないかもしれませんね。百合とは、女性の同性愛、またはそれに近い友愛のこと。男性同士のそれを、いまではボーイズ・ラブとよぶことから、最近ではガールズ・ラブとよばれたりすることもあるようです。そんな百合に萌える男性たちが少なからず、いるようです。どうして男性たちは、百合に萌えるのでしょうか。○女性たちがBLにはまる理由以前、「女性たちはボーイズラブにはまるのか」について解説しました。そのときは、物語のカレは、あくまで物語のカノジョ(べつの女性)のことをみているに過ぎず、自分のことをみてくれているわけではない。それに対して、ボーイズラブには女性が登場しないため、自分が誰かの代わりという錯覚が起ここらない。また、女性が登場しないボーイズラブであれば、主人公のカノジョとして自分が性的に汚されることもなく、客観的に傍観できる。ということを理由としてあげました。○多様で多層な愛情表現では、男性と百合との場合は、どうなのか。もちろん理由は単純ではないでしょう。まず一つは、男女の恋愛のようにベットをともにすることが、ゴールではないということが挙げられるかもしれません。どうしても、現実もそうであるように、ベットをともにするというゴールに向かって物語が展開するのが男女の恋愛です。主人公の男女以外の存在は、主人公たちを嫉妬や浮気に翻弄させますよね。ですが、百合の場合は必ずしも肉体的なつながりがゴールではなく、精神的なことに重きを置いているように感じます。通常の男女の物語以上に愛情表現が多様で多層なところに、男性は萌えているのではないでしょうか。○性に対するファンタジーまた、これは性的なことで通じるものがあるのですが、アダルトビデオなどで、レズビアンものが好きな男性がいると思います。じつは、男優との絡みがいらないのではないかという男性もけっこういるんです。男性を撮さないでくれと。つまり、ファンタジーとしてセックスを疑似体験している映像のなかで、男性が登場することが生々しさを生んでいる。女性がボーイズラブに求めていた主人公のカノジョとして自分が性的に汚されることもなく、客観的に傍観できるということにも通じるのですが、自分がその女性と交わりたいのに、別の男性が登場すると交われなくなる。つまり、男性の場合は自分を登場人物に置き換えるのではなく、自分自身をそのままそこに登場させたいんです。ですから、自分以外のよけいな男性を登場させたくない。だったらむしろ、レズビアンや百合のほうが楽しめるというわけなんです。男性が百合に萌えるのは、性に対するファンタジーなのかもしれません。※写真と本文は関係ありません○著者プロフィール平松隆円化粧心理学者 / 大学教員1980年滋賀県生まれ。2008年世界でも類をみない化粧研究で博士(教育学)の学位を取得。京都大学研究員、国際日本文化研究センター講師、チュラロンコーン大学講師などを歴任。専門は、化粧心理学や化粧文化論など。魅力や男女の恋ゴコロに関する心理にも詳しい。現在は、生活の拠点をバンコクに移し、日本と往復しながら、大学の講義のみならず、テレビ、雑誌、講演会などの仕事を行う。主著は『化粧にみる日本文化』『黒髪と美女の日本史』『邪推するよそおい』など。
2015年02月25日15年ほど前、フジテレビ系で松嶋菜々子さん主演の「やまとなでしこ」というドラマが放送されていました。松嶋さん演じる主人公は、家が貧しかったため、お金持ちな白馬の王子様を待っているという設定でした。ドラマの中でも、王子様という台詞がたびたび登場し、当時大ヒットドラマとなりました。ドラマに限らず現実の世界でも、女性の中には、若い独身の人だけに限らず、既婚者でも白馬の王子様願望を持っている人はいます。太って変わり果てた旦那を見て失望し、もう子どももいる私だけど、いつか大金持ちのイケメンがさらってくれて、こんな日常におさらば……と現実逃避する人もいることでしょう。なぜ女性は、この「白馬の王子様願望」ともいえる願望を持つのでしょうか。○白馬の王子様は日本だけではなく……白馬の王子様という言葉、イメージとしてはイケメンでお金持ち、性格もよくて女性を幸せにしてくれる。そんな感じですよね。そしてこの白馬の王子様願望は、日本の女性たちだけが抱くものではありません。白馬に乗った王子様は、海外のドラマや映画の中に登場します。つまり、「白馬に乗った王子様」は日本人女性だけのためのものではなく、女性を幸せにしてくれる存在としてのグローバルスタンダードな代名詞なのです。では、一体どこでこの白馬に乗った王子様が生まれたか。それは、ウォルト・ディズニーの影響です。シンデレラや白雪姫など、最後にはイケメンの王子様が白馬に乗って登場しし、ヒロインたちを救い出す。めでたし、めでたしのハッピーエンドになるわけです。私たちは幼い頃から、このウォルト・ディズニーの作品を見ることで、影響を強く受けています。女性たちの"白馬の王子様願望"というのは、シンデレラや白雪姫の世界観の影響を受けた結果生まれたといってもいいでしょう。もちろんそれ以外の要因もあります。女性の場合、妊娠・育児という問題から、本能的に自分や子どもを保護してくれる男性を求めます。現状よりも、よりよい相手がいないかと探求するのは当然です。そんな心理が、白馬の王子様という言葉に具体化しているのも事実です。いずれにしても、女性がいつまでも白馬に乗った王子様を求めるのは、そんな理由からでしょう。ちなみに、ウォルト・ディズニーが広めているのは、白馬に乗った王子様だけではありません。外見が美しい人は内面も美しく、外見が醜いひとは内面も醜いというステレオタイプもその一つ。シンデレラや白雪姫は美人ですが、彼女たちをいじめる存在は不美人に映像化されていますよね。こういった作品を子どもの頃に繰り返し見ることによって、ステレオタイプ化してしまうのです。私たちが子どもの頃に受ける影響は、計り知れないものがあるのです。※画像は本文と関係ありません。○著者プロフィール平松隆円化粧心理学者 / 大学教員1980年滋賀県生まれ。2008年世界でも類をみない化粧研究で博士(教育学)の学位を取得。京都大学研究員、国際日本文化研究センター講師、チュラロンコーン大学講師などを歴任。専門は、化粧心理学や化粧文化論など。魅力や男女の恋ゴコロに関する心理に詳しい。現在は、生活の拠点をバンコクに移し、日本と往復しながら、大学の講義のみならず、テレビ、雑誌、講演会などの仕事を行う。主著は「化粧にみる日本文化」「黒髪と美女の日本史」(共に水曜社)など。
2015年02月24日結婚する前は控え目でおとなしく、大和撫子タイプの彼女。それが結婚すると、夫を自分の意に従わせて、おもうままに振る舞うような女性に豹変……。そんな話を、既婚男性から聞くことは珍しくありません。なぜ、女性は結婚すると次第に強くなっていくのでしょうか。○「繁殖」がキーワードに確かに、結婚すると女性は変わるとよく言われます。女性だけではなく、男性だって大なり小なり変わるでしょう。ですが、その変わり様は、男性よりも女性のほうが大きい印象があるのでしょう。その理由は、男女の性の違いにあるかもしれません。人はなぜ恋をするのか。それは、繁殖の目的を達成させるため、というのが進化心理学的にはいわれます。つまり、誰かと一緒にいたい、その人の子どもが欲しい、大好きな人の子どもだからがんばって育て上げたい。このように、恋愛にまつわる気持ちは、繁殖と密接に結びついていると言います。そして、女性は結婚すると次第に強くなっていくというのも、この繁殖という点から説明できるとおもいます。女性は、初潮から閉経までの期間が決まっています。つまり、繁殖期間に制限があるわけです。そして妊娠中は新たに妊娠できません。当然ですよね。つまり、出産回数には限度があるのです。といっても、産後すぐの妊娠を繰り返すことは、身体へのダメージ、子育ての充実といった観点から現実的ではありません。また、様々な人の子を次々に妊娠することも難しいです。ですから、「本当にこの人と繁殖して子孫を残してもいいのだろうか」という判断が冷静です。そこが、いわゆる「すぐにベッドに行きたがる男性とそうではない女性」という構図を生み出します。男性の場合、自分が妊娠するわけではないですから、より多くの子孫を残したいと「質より量」を考えるわけです。反対に、女性はその機会に限度があるわけですから質を優先しますよね。なので女性は、冷静に繁殖のパートナーを見極めます。そして、妊娠・出産するのですが、当然その間の面倒はパートナーにみてもらいたいわけです。もし、パートナーが浮気ばかりするような人なら、自分自身や子どもを守ってくれませんよね。そこで、自分のパートナーが、別の女性に気をもたないように束縛が激しくなったりするわけなのです。つまり、女性が結婚後に強くなったというのは、図太くなったわけではなく、自分や子どもを守る存在、つまり夫がどこにも行かないでほしいという思いのあらわれなのではないでしょうか。だからこそ、自分の意に従わせて、おもうままに振る舞うような行動をしてしまうのだと思います。もし、あなたが既婚男性で、結婚後に妻が変わったという思うなら、「あなただけ愛しているから、いつもそばにいるよ」という気持ちをちゃんと伝えれば、いい方向に変わっていくかもしれませんよ。※画像は本文と関係ありません。○著者プロフィール平松隆円化粧心理学者 / 大学教員1980年滋賀県生まれ。2008年世界でも類をみない化粧研究で博士(教育学)の学位を取得。京都大学研究員、国際日本文化研究センター講師、チュラロンコーン大学講師などを歴任。専門は、化粧心理学や化粧文化論など。魅力や男女の恋ゴコロに関する心理に詳しい。現在は、生活の拠点をバンコクに移し、日本と往復しながら、大学の講義のみならず、テレビ、雑誌、講演会などの仕事を行う。主著は「化粧にみる日本文化」「黒髪と美女の日本史」(共に水曜社)など。
2015年02月22日例えば結婚生活の中で、妻が夫に向かって「あの時、アナタはこういった! 」と10年、20年前のことを言うというシーン、よくありませんか。昔のことを昨日のことのように鮮明に覚えている妻を見て、夫は「よくそんな昔のことを……」という感じです。なぜ女性は、こういった細かいことをよく覚えているのでしょうか。○研究でも明らかになった事実とはアメリカのコーネル大学の研究によれば、実際に男性より女性の記憶力が高いということがわかっています。その研究では、60名の大学生に対して1週間不規則な時間にメール送信し、そのメールを受け取った30分前に何をしていたかを返信させるという実験が行われました。そしてさらに1週間後、自分がメールに書いた内容を思い出してもらうというテストを実施しました。その結果、男性より女性のほうが詳細に記憶をとどめているということがわかったのです。ですが残念ながら、男女で記憶力に差が出た理由については明らかになっていません。ただ、これにははるか昔からの男女におけるコミュニケーションの違いが影響しているのではないかと思うのです。というのも、人がまだ狩猟の生活を送っていた頃、男性は狩りに出掛け、女性は家や村で残っている他の女性と1日の大半を過ごす。つまり、男性は1人で過ごす時間が長く、女性は大勢の人たちと過ごす時間のほうが長いわけです。共同で生活をするということは、周囲の人々との争いごとを避けなければいけません。勘違いから、言った言わない、したしてないという争いに発展することはよくあります。つまり、お互いにしっかり記憶をしていれば、不要な争いをする必要がなくなるわけです。女性が細かいことまで覚えているのは、女性がはるか昔から無用な争いを避けようとしてきたことが影響しているのではないでしょうか。ただ、現代においては男性が細かいことまで覚えていないために、細かいことまで記憶している女性との間で、本来避けようとするはずだった、言った言わない、したしてないという争いを引き起こしてしまっているのだと思います。女性は細かい、男性はおおざっぱと一言で片付けるのではなく、男性もなぜ女性が細かいことまで覚えるようになったのかということを知れば、相手を理解する新たなきっかけになると思います。※画像は本文と関係ありません。○著者プロフィール平松隆円化粧心理学者 / 大学教員1980年滋賀県生まれ。2008年世界でも類をみない化粧研究で博士(教育学)の学位を取得。京都大学研究員、国際日本文化研究センター講師、チュラロンコーン大学講師などを歴任。専門は、化粧心理学や化粧文化論など。魅力や男女の恋ゴコロに関する心理に詳しい。現在は、生活の拠点をバンコクに移し、日本と往復しながら、大学の講義のみならず、テレビ、雑誌、講演会などの仕事を行う。主著は「化粧にみる日本文化」「黒髪と美女の日本史」(共に水曜社)など。
2015年02月21日