氷川きよし撮影/廣瀬靖士千葉県いすみ市。カッコウの鳴き声が響く、澄んだ沼のほとりに広がるハーブガーデン。「あれ、どうしたんですか?密着?わざわざありがとうございます!」4月からスタートした『趣味の園芸』内の月1シリーズ“氷川きよしグリーンサムへの12か月”。その収録現場をのぞいてみると……?* * *■植物を育てる知識を学べて楽しい!「けっこうみんな見てくれていて。“すごく面白かった”って。全然、面白いこと言ってないのに(笑)」グリーンサム(Green thumb)とは、園芸大国イギリスで“園芸名人”を指す。今までに2回の放送を重ねているが、オファーを受けたときはとてもうれしかったと振り返る。「好きなことを番組でやらせてもらえるのは、すごくありがたいなと思います。昔から植物にはすごく興味があって、野菜も大好き。1年かけて育てることで、農家さんの気持ちもわかるっていうか。やっぱり、自分で育てたものを食べることっていちばんの贅沢ですよね。土や水、風……植物を育てるうえでのいろんな知識を学べるので、楽しいです」ステージ上で圧倒的なオーラを放つ“アーティスト”の顔とは異なる、おちゃめで自然体な姿。ちょっと天然だったり、時には講師をイジってみたり……。楽しそうに、のびのびと取り組んでいる。「でしょ?ナチュラルに生きる姿をすべてのみなさんに届けたいから」1回目の放送では、自宅の屋上ガーデンを公開。広々とした庭にはレモン、山ぶどう、梅、柿、桃……などがイキイキと生い茂り、超おしゃれ!番組ツイッターへの反響も大きかった。「好きなんですよね。水やり?全部タイマーでセットしてあるから大丈夫。去年はグレープフルーツとブラッドオレンジも植えました。今、花が咲いてるんですよ。どんな感じで実がつくのか、すごく楽しみです」屋上ガーデンでちょっと元気がなかったレモンも、番組でのアドバイスどおり土を入れ替えたところ、新芽が出てきたとうれしそうに話す。■ガーデニング歴25年スイカをベランダで!?氷川が最初に育てた植物は、サボテンだという。「18歳で上京するとき、“これ持っていきなよ”って親戚の子にもらって。すっごく小さいのに、ずーっと頑張って育ってくれて。そこからハマりましたね。スーパーで発泡スチロールの箱をもらってきて、土を入れて、食べ終わったスイカの種を植えてみたり」ベランダでも芽が出て、花が咲き、実がなったというから驚き。「東京でもできるんだ、と感動して。都会でも緑があることで、すごく元気になれる。それに食べられるもの育てるって、すごく楽しい。その一方で、フィカス アルテシマ バリエガータなんかも大好きです」フィ、フィカス……?呪文か何かですか??「アハハハ(笑)。ゴムの木科の観葉植物で、初心者でも枯らさないと思うのでオススメ。室内に置いておくだけで、心も癒されますよ」今後、学んでみたいテーマは柑橘類。屋上ガーデンには自慢の温州みかんもあり、より知識を深めたいと意欲を見せる。「今はステイホームが続いて、ストレスがたまる日々だと思うんですけど、やっぱり、植物に触れることってすごく楽しい。それをお料理するのもまたいいじゃないですか。みなさんには、そんなふうに楽しみながら過ごしてもらいたいなと思います。で、そんな時間には新アルバム『南風吹けば』(発売中)を流してもらうと、より一層楽しめるはずだと思います(笑)」■密着スタート!10:00収録スタートこの日の講師・東山早智子先生とともに、ハーブガーデンを散策。「なんでこんなにイキイキとしてるんですか?」↓裏手の山の野草ハーブにも、興味津々。「これはヨモギですよね?あっ、ヤブカンゾウ!これってレタスみたいな味しますよね?おいしいですよね」。先生も「詳しいですね」と感心。↓ 「上のほうにあるの、カキドオシじゃないですか?お茶にして飲みますよね」。気に入ったハーブを楽しそうにどんどん収穫。↓11:45コメント撮り 「収穫したハーブを使って、料理をします!!」。強い日差しが照りつける中でも、笑顔を絶やさない。↓13:00収録再開ランチ休憩をはさみ、午後の収録スタート。エプロンをつけて、身だしなみも整える。↓ディレクターからの指示に、真剣な面持ちを見せる場面も。実は、氷川には台本は渡されていない。そのときの流れの中で、感じたことや疑問を言葉にしているそう。↓13:10ハーブチーズ作り 氷川はカキドオシとビル、先生はチャイブやイタリアンパセリをチョイス。↓ハーブを細かく刻んでクリームチーズとあえる。包丁さばき、見事でございました!↓ハーブチーズの完成。どんな味がするのかな?↓14:30コーナー収録番組視聴者からのお悩みにお答えするコーナー。驚いたことにリハーサルはなく、いきなり本番。↓15:45ティータイムフレッシュハーブティーを淹れ、ハーブチーズを試食。「簡単なのにすごくおいしい!」。その後は、ローズゼラニウムなどで作る虫よけチンキの作り方ほか、ハーブの活用法をお勉強。収録終了は17時、お疲れさまでした!6/20(日)放送『趣味の園芸』氷川きよし グリーンサムへの12か月第3回 ハーブと暮らす料理でハーブをよく使うという氷川。今回は暮らしの中でハーブをフル活用する術を学ぶ。その育て方から、すぐにまねできる使い方まで。午前8:30〜8:55(Eテレ)
2021年06月19日氷川きよし撮影/廣瀬靖士初夏の風が心地いい、とある日。スタジオに姿を現した氷川は「何でも聞いてください!」とニッコリ。週刊女性3月30日号で募った“氷川きよしさんに聞きたいこと”にバンバン答えてもらいました。気になる近況、素朴な疑問、幼少期……その心の機微に迫ります!PrivateQ 最近、楽しかったことは?「4月の頭に従姉の子(従姪)が九州から遊びに来てくれたんですよ。19歳と23歳。自分がちょうどデビューしたときくらいの年齢で。なんか自分の娘みたいな感覚なんですよね(笑)。2人にカバンを買ってあげたくて、一緒に買い物に行きました。でもコロナ禍なので1店舗だけに絞って。店員さんと盛り上がりながら選んで、もう大喜び!!やっぱり、若い子はパワーがみなぎってていいですよね(笑)」Q 最近買ったものの中で、よかったものは?「湘南ゴールドっていう、今の時季しかとれない柑橘があるんですけど、テレビで特集されたみたいで。ネット検索してみたら売ってたので、箱買いしました」湘南ゴールドは、神奈川県が12年をかけて開発したというオレンジ。見た目はレモン色で、上品な甘さと華やかな香りが特徴。“幻のオレンジ”とも。「すっごくおいしくて!!毎日搾って、ジュースにして飲んでいます。ギュッて搾るのに手が痛くなるんですよね(笑)。ビタミンCの摂取はバッチリです!!」SingerQ メイクは自分でしてるんですか?それともプロが?「PV撮影のときはコンセプトに合わせてメイクさんにやってもらってますが、基本は自分。今日みたいな取材のときやコンサートのときとかは、自分で」それはびっくり!!いつから自分で?「3年くらい前からかな?最初のころは慣れなかったけど、自分で眉毛を描くようになって。細眉が、だんだん太眉になっていきましたね」Q これからもロックは歌いますか?「そうですね。この間、友達と久しぶりに電話で話したら“ロックは続けてほしい。やっぱりカッコいいから”って。そういう見方をしている人もいるんだ、と改めて思いました。だから続けていきたい。とはいえ“これでなきゃいけない!!”って自分を型に押し込めると窮屈になっちゃうから(笑)、その時その時に縁がある作品を、その時代に合わせて歌っていきたいな」Q 最近は“kii”“kii-na”として発信することが多いですけど、コンサートでのコールは今までどおり“き・よ・し”でいいですか?「なるほど。それぞれの見方でいいんじゃないですか?自分はこうやって発信してるけど、それぞれの見方は違いますよね。例えば、写真を見たときにも“きよし君に見える”っていう人もいれば、“kii-naに見える”っていう人もいると思う。だから、それぞれの自由でいいです。kiiがnatural=kii-naに見える人は“キ・イ・ナ”でいいし、kiiちゃんに見える人は“キ・イ・ちゃん”でいいと思います」ChildhoodQ きよしくんと博多華丸さんは同じ中学出身だとか?「はい!!華丸さんは福岡市立高宮中学の先輩です。デビュー間もないころ、22〜23歳のころかな?博多華丸・大吉さんと『f45』(NHK福岡)という番組を一緒にやらせていただきました。すごく大変でしたね。漫才とかできなかったから、顔がひきつっていたと思う(笑)。そんな中でも、博多華丸・大吉さんはすごくやさしくて。今、ものすごい人気ですよね!!」さらにはタモリ、高橋真梨子、森口博子も同じ中学校の出身だという。豪華すぎるメンバーにおったまげ!!(※高橋真梨子の高は、正しくはハシゴ高)「以前、華丸さんに誘われて、タモリさんのお宅に伺ったことがあるんです。森口さん、高橋さんとともに。高宮中学の会、みたいな感じで。タモリさんの家で1日中ゴロゴロして(笑)。タモリさんがウイスキーやブランデーを出してくださって“横になってごらんよ”と言ってくれて。ありがたくカーペットの上で横になり、ただただゴローッとして(笑)。何とも言えない癒しの時間を過ごしました。タモリさんは、本当にやさしいです」Q おばあさんと食べたびわの種から実がなった話は本当ですか?「これは……ちょっと違いますね。祖母とは一緒に暮らしていなかったので。子どものころ住んでいたアパートの、上の階の人が食べたびわの種を共有スペースの庭に植えたみたいなんです。その木が大きくなっていて、初夏には実がつくように。もちろん、食べました(笑)。子どものころは、よくその木に登って遊んでましたね。懐かし〜!!」Q 子どものときに好きだった芸能人は?その人とは会えましたか?「子どものころ好きだった人は、やっぱり松田聖子さん。母が好きだったから、同じ番組を見ているうちに自然と好きになりました。あのキラキラ感と純粋な感じが、もう夢の世界っていうか」3年前の『NHK紅白歌合戦』で初めて会ったという。「“5歳のとき、コンサート行きました”とお話ししたら“本当に?ありがとう。今度一緒にお仕事しようね”って言ってくださって。すごくうれしかったです」中学生になると、同じ中学出身の森口博子のファンに。高校に入って演歌と出合い、鳥羽一郎を好きになったという変遷が。Q きよしくんが初めて自分で買ったレコードは?「レコードじゃなくてCDですけど(笑)、たまの『さよなら人類』。中2のときかな?CDショップに買いに行きましたね。中学の修学旅行で長崎に行ったときに、みんなでこの曲を歌ったのを覚えています」CookingQ オススメの“酒のアテ”があったら教えてください!「明太しりしり!!にんじんしりしりに明太子を入れたバージョンですね。千切りにしたにんじんと明太子をごま油で炒めるだけ。これはおいしいですよ!!酒の肴にもいいし、毎日でも食べられますよ」IfQ 最後の晩餐で食べたいものは?「何かなぁ?やっぱりとんこつラーメンですかね。もしくは、ごぼう天うどん。明太子をのっけたご飯もいいなぁ。やっぱり、ふるさとの味で締めたいなと思いますね」FeelingQ 男女を問わず、どういう人間が好きですか?「やっぱり誠実で、礼儀正しくて、人の恩や人情、人の心がわかる人。そういう人を好きになります。自分が惹かれる人はやっぱり心なんだな、と思います」FutureQ 将来の夢は?「歌手としての夢は、やっぱりいい曲に出合うこと。歌い手の命って、やっぱり歌だから。本当に、作品によって人生が変わる。何より“氷川きよし”じゃないと伝えられない歌って、必ずあると思うので。そういう歌を歌っていきたいですね。そして、公私ともに幸せになることが大事!!電車でも何でも、両輪がなければ動けないし、傾いちゃう。そうならないように、40歳を過ぎたら公私ともに幸せになるような時間を自分でつくっていかないといけないなと思いますね」『氷川きよし劇場コンサートツアー2021』開催!4都市を巡る、かつてない劇場ツアー。氷川の原点である演歌を中心に、豪華絢爛なステージをお届け!!★新歌舞伎座(大阪)……6月29日(火)・30日(水)★博多座(福岡)……7月6日(火)・7日(水)★明治座(東京)……7月19日(月)〜21日(水)★御園座(名古屋)……7月24日(土)・25日(日)ココアちゃんへの思い−−「いちばんいい日だったんだと思います」「プライベートを含め、ずっと彼が味方でした」2月16日、愛犬・ココアちゃん(ミニチュアダックスフント・♂)が15年の生涯を終え、旅立った。「やっぱり家族だったから。子どものようでもあり、親のようでもあり。泣きながら話を聞いてもらったこともあります。本人、なんのこっちゃわからなかったかもしれないですけど(笑)。15年の間、とにかく愛しかくれなかった。愛のかたまりでしたね」ココアちゃんは、目が見えないというハンディを抱えていたが、生後まもなく氷川家に温かく迎えられた。「すごく小さかったのに、だんだん大きくなっていって、受け入れてくれて、信頼してくれて、我慢してくれて……。なんか、自分の都合に合わせて生きてもらってたから、すごく感謝してます。15年間の時間は、楽しい思い出ばかり。本当に最高の思い出。ハンディがあるから“守ってあげないといけない”と思っていたから、なお可愛いくて。本当にココアのことを愛してます」現在はミルクちゃん(同♂・9歳)、ラテちゃん(同♂・1歳)の2匹がそばにいるが、「“ココアたちがいなかったら、どうしていただろう?”と、ふと考えますね。きっと、寂しくて毎日のように外に飲みに行っていただろうな(笑)。あの子たちがいるから、早く家に帰ろうという気持ちになる。自分にとっては本当に大切な家族。お話しはできないけど、気持ちは伝わる家族なんです」■心臓が止まっていくのがわかったココアちゃんの心臓に腫瘍が見つかったのは、昨年12月。「いわゆるがんです。深夜に発作を起こし、救急病院に何度も連れていきました」そんな大変な状況の中で『NHK紅白歌合戦』の準備をしていたという。「最期の日、2月16日は午前中に病院へ。調子がよさそうで、帰宅後にはごはんも食べて。だけどその後、ココアの動きがパニック状態のようになって……悟りました。自分の胸に抱きしめて“ココア、15年間ありがとうね”“ずっとこれから一緒にいるからね”って耳元で」ゆっくりと心臓が止まっていくのがわかったと、苦しそうに話す。「でも、自分の胸の中で送ってあげることができた。やっぱり病院とかで死なせたくなかったから……。その日は、コンサートツアーの10日前。自分が自宅にいる休みの日に息を引き取ったことにも、ココアのすごさを感じています。本当につらいけど、いちばんいい日だったんだと思います」最後の最後まで親孝行だったココアちゃん。積み重なった思い出と、ふたりの絆は永遠――。スタイリング/伊藤典子(hoop)ヘアメイク/遠山雄也(RELAXX)
2021年05月15日草なぎ剛撮影/廣瀬靖士映画『ミッドナイトスワン』で日本アカデミー賞最優秀男優賞と最優秀作品賞を受賞した草なぎ剛。大河ドラマへの出演に、さらに今後は2本の舞台が控えている。役者として、そしてひとりの人として、今何を思うのかーー。■大河の洗礼を受けてる感じです(笑)――映画『ミッドナイトスワン』で日本アカデミー賞作品賞&主演男優賞受賞おめでとうございます!「うれしかったですね。台本を読んだときも完成したものを見たときも、自分の中では素晴らしい作品だなと確信していたんです。見てくださった人も同じように感じてくれて、“#追いスワン”みたいな形でSNSで拡散して、作品の後押しをしてくれた。みなさんに育ててもらった感覚があって、僕の中でもさらに特別な作品になりました」――大河ドラマ『青天を衝け』の徳川慶喜役も非常に印象的です。「時代劇だからセリフも難しいし、馬に乗るちょっとしたシーンを撮るために夜中の2時出発でロケに行ったり、結構ハードです。撮影までの準備にも時間がかかるし、大河ってこんなに大変なんだって洗礼を受けてる感じです(笑)」――5月14日から舞台『家族のはなし』が再演されます。「日常をのぞき見しているような作品だから、声もそれほど張らずにナチュラルな芝居をしなきゃいけない。自分的にも挑戦だったんですけど、観客のみなさんと通じているなと感じられることができた。こういうのもありなんだって舞台観が変わりました。今回はより自然な空気感をつくって、家族の温かさや大切さを伝えたいですね」――いっぽう11月には、ファンキーでエキサイティングな舞台『アルトゥロ・ウイの興隆』の再演も。「『家族のはなし』とは真逆で、歌って踊って、飛んで跳ねて、舞台の上で暴れまくる。今の自分をどれだけ劇中で放出できるかがキモで、技術というよりも体力勝負。元気があればできる。猪木さん方式ですよ(笑)。フィジカルもメンタルも徹底的に鍛え直す覚悟で臨まなきゃいけない。『家族のはなし』でうまく舞台感覚を取り戻して、『アルトゥロ・ウイ』につなげていきたい。大河もあるし、今年は役者仕事が充実している。覚えなきゃいけないことだらけで大変だけどね(笑)」いまこの人に会いたい! 「なかなか人と会えない状況が続いているから人恋しくもなったりする。なかでもいちばん会いたいのは両親かな。電話では話すけど、全然会えていないので。年を重ねると身近な人を大事にしなきゃなという気持ちが年々強くなるんですよね。照れくさいなんて言ってられないなって。もうすぐ母の日だし、何か贈ろうかな」舞台で生きていることを実感「舞台のいちばんの魅力はやっぱり“生”だっていうこと。緊張感もハンパないし、同じ芝居をやっても絶対に同じにはならない。めちゃくちゃ汗かくし、ものすごく疲れるけど、“俺、今、生きてる”っていうのをいちばん実感できるのが舞台。お客さんとの一体感と終わったあとの充実感はたまらない。舞台はやめられないですね」素敵な女優さんと夫婦に 「先日、放送された宮城発地域ドラマ『ペペロンチーノ』では吉田羊さんと夫婦役を。作品や役に対しての気持ちがよく似ていて、話さなくても通じ合えた……すごくいい夫婦になれた気がします。『家族のはなし』で僕の妻を演じてくれるのは舞台『蒲田行進曲』以来の戦友・小西真奈美さん。こちらも彼女とじゃなきゃできない夫婦になると思うので楽しみです」取材・文/蒔田陽平スタイリスト/黒澤彰乃ヘアメイク/荒川英亮
2021年05月07日香取慎吾撮影/廣瀬靖士ドラマに舞台、そしてYouTubeなど、どこまでも走り続ける香取慎吾。本人曰く、「考えてないのは寝てるときだけかも」。そんな慎吾ちゃんの近況をお届けします。さらに、「実は苦手だったもの」をインタビューで初告白!■直感を信じて突き進んでる――5年ぶりの地上波主演連ドラ『アノニマス』が終わりました。「もうすごく昔のことのようです(笑)。共演した清水(尋也)くんと(関水)渚ちゃんとは20歳以上離れているんですけど、僕、気にしないで話しかけてたんです。でも、ふとした瞬間にふたりがすごく緊張した顔をしてるのを見て“どうしたんだろう?”と思ったんだけど、よく考えたら大河ドラマ『新選組!』で佐藤浩市さんと共演したとき、年齢差がそれくらいで、当時、僕もすごく緊張してたから“そりゃそうなるなぁ”って後で思いました(笑)」――舞台『さくら咲く歴史ある明治座で20200101にわにわわいわい香取慎吾四月特別公演』が公演中です。「コロナ禍でニューノーマルな生活が少しずつ身体になじんできていたところで、“明治座でやってみませんか?”というお話をいただいて、何をやろうかなってワクワクしたんですよね。それで明治座を見学させていただいて、その場でブワァ~ッて一気にアイデアが浮かんできました。千秋楽公演の生配信も決まったので、よかったら見てください」――7月にはミュージカル『日本の歴史』の再演が決定。「実は再演って初めて。最初は“終わった舞台をまた何でやるんだろう?”って思ったけど(笑)、その考えを変えたのが吾郎ちゃんの『No.9』っていう舞台。彼の作品の中でいちばん好きで、初演のときも感動したけど、再演のほうがもっと好きになって……。僕も前回見てくれた方に今回のほうがよかったって思ってもらえるように、そして初めて見る方にはおもしろかった、また見たいって思ってもらえるように頑張りたいなと思ってます」――仕事以外で何か変化は?「最近、センサー付きの自動アルコール消毒器を買ったんです。玄関に置いたんだけど、帰ったらすぐにうがいと手洗いをするから、“いつそれを使うんだ?置いてるのに結果、使ってないじゃないか、お前は!”って思いながら今朝使いました。ただ、家を出るときだったので、どうなんだろうとは思いましたが(笑)」実はこれが苦手なんです「苦手なものは、これまで言ったことがなかったけど果物(笑)。好きなんだけど、皮をむくのがめんどくさくて。むかなくてもいいイチゴとかは食べるけど、みかんは食べたいなあと思いながら、横目で見てるだけってことはあります(笑)。りんごは丸かじりもできるからギリ大丈夫。何でだろう。食べるとおいしいのにね」朝起きてからのルーティン「起きてから必ずやることは、朝ごはんを食べること。今は明治座の公演中だから余計に健康管理に気をつけてます。朝に弱いので、立ったまま寝ぼけながら食べてることもあるけど(笑)。朝はサラダが多いですね。何種類かパックのサラダを冷蔵庫に入れてるので、それを食べてます」オンオフをこれで切り替え「頭が休まることってないですね。考えてないのは寝てるときだけかも。趣味が仕事じゃないけど、何かしらいつも考えてます。ときどき“今、なし!”って思考を停止させるために、窓を開けて空を見ながら珈琲を飲むみたいなことはしてます(笑)」やっと見つかりました!「“しんごちん”のパンツ、見つかりました!神隠しにあったように、パンツがこつ然と消えちゃってたんです。YouTubeでも落ち着いたら報告したいと思うんですけど、不思議なことにいちばんよく開く引き出しの左上にあったという。アトリエとか別の場所にも服があるから、そっちの奥底まで探しても見つからなかったのに……ミステリーです(笑)」こんなふうにオフを満喫した〜い「コロナ禍が落ち着いたら、今日の撮影のような気持ちのいい光の中で、お昼からビールを飲んだりしてみたいなあ。海外に行ったときはよくしてたんですよ。東京にもそういう場所が増えてきたから、携帯も持たず仕事のことも考えないで過ごしてみるのもいいかなって思います」取材・文/花村扶美スタイリスト/黒澤彰乃ヘアメイク/石崎達也
2021年05月05日稲垣吾郎撮影/廣瀬靖士ドラマに映画、舞台など今年に入ってからもますます活躍の幅を広げる稲垣吾郎。多忙な毎日の中で、ゴロさんが大切にしていることとはーー?■100点ではなくても7、8割でいい――ドラマ『きれいのくに』への出演はいかがでしたか?「ドラマでここまで挑戦的なものは見たことがないですし、ひとつの作品で10人の役を演じるなんてなかなかないからおもしろいです。脚本・演出の加藤拓也さんは、彼が主宰する『劇団た組。』の舞台が好きで見に行ったことがあったし、『No.9』で共演した村川絵梨さんや橋本淳さんとか、つながりのある共演者の方も出演していたので、縁があるなと思って。彼の作る芝居は独特の世界観を感じます」――公演中の舞台『サンソン-ルイ16世の首を刎ねた男-』は地方公演もあり、長丁場に。「地方はもう1年以上行っていないので、楽しみな部分はあります。でもまずは無事に完走することがいちばんの目標なのでね。もちろんクオリティーも大切にしながら、稽古のほうも着実に仕上がってきてます。これも処刑とかちょっと独特な世界観の話ですけど(笑)。脚本が劇団☆新感線の中島かずきさんなので、言葉の強さもありながら、誰もが見やすいエンタメ作品に仕上がっていると思います」――多忙な毎日かと思いますが、美容や健康のために大切にしてることはありますか?「やっぱり運動や睡眠、ストレスをためないとか、栄養のバランスをとるとか。これも10年ぐらい変わってないよね(笑)。高機能の美容グッズもいいと思うけど、必ずしも必要ではないと思うし。すべてにおいて100点を目指さなくても、バランスよく7割、8割ぐらいできてたらいいんじゃないかな」――オフには少し出かけたりもします?「朝、散歩したりドライブしたり、そういうことはしてたかな。下町のほうに行ってみたり。神楽坂とか浅草とかの街並みはすごく好きなので。あとは門前仲町とか佃とか兜町のあたりとか。歩きながら、ちょっとかわいいカフェとかお花屋さんを見つけたら入るとかそんな程度ですけど。ちょっと裏道を行くとおもしろいお店があったりするじゃないですか。一時期は少し食器を買ったりもしてましたね」朝はラジオ、夜は好きな音楽 「ラジオは車に乗るときや家で掃除をしてるときとか、朝聴くことが多いですね。朝は活動的になるし、人や社会とつながっていく感じが合うのかもしれない。夜はなんとなく人の声を聞きたくなくて、好きな音楽を聴くことが多いかな。音楽も自分のプレイリストの中だけだとルーティン化しちゃうけど、ラジオって不意の出合いがあるから素敵ですよね」インスタ写真の美しさの秘密 「僕は普段から光や影を見ちゃうので、写真もモノクロが好きで。花も生き物だから撮るのは難しいですよね。過ぎゆくものへの慈しみというと大げさだけど、そういう心で瞬間を切り取りたいなと思ってる。あとはそのときの気持ちや挨拶のようなものをちょっと短い文章でつけたり、その程度のことで。誰も見てないと思ってやってるぐらいですから(笑)」出かける前にこれはマスト! 「ルーティンとかではないけど、出かける前に部屋はある程度、きれいにしておきたいから、テーブルの上が散らかったままとかゴミをためたまま出かけることはないかな。やっぱり帰ってきたときにきれいなほうが気持ちいいし。玄関を開けた瞬間、リセットされるところがあると思うから、きれいな空気が流れる状態にしておきたいっていうのはあります」取材・文/渡邉朋子スタイリスト/黒澤彰乃ヘアメイク/金田順子
2021年05月03日松坂桃李撮影/廣瀬靖士「実はこのドラマ、撮影に入る前に危機的な状況になりまして」主演する土曜ドラマ『今ここにある危機とぼくの好感度について』のタイトルにちなみ、最近あった“危機”を聞くと、こう話し始めた松坂桃李。「もともとは、去年の10月に放送が始まる予定だったんです。それが、新型コロナウイルスの影響で、一度は放送自体がなくなるかもしれないということにまでなって。ただ、4月24日からの放送が決まり、撮影がはじまってからは本当に滞りもなく、さすがNHKさんだなと思いました。夜8時までに撮影も終わりますし、ドラマで扱っているようなブラックな部分はまったくありませんでしたね(笑)」危機を乗り越え、放送へとこぎつけた今作で松坂が演じるのは、好感度だけで生きてきた元イケメンアナウンサーで、大学の広報マンに転身した神崎真。「作品に入るまで、大学に“広報マン”という方がいることすら認識していませんでした。大学側と世間との意見の板挟みになる中で、自分としてはどう行動するか考える大変な職種。僕が演じた真は、これまで目の前にある難しい問題や大変なできごとから逃げ続けながら、好感度という鎧だけで頑張ってきた人物。それが、壁にぶち当たって、鎧が簡単にはがれたときの情けなさみたいなものはしっかり出そうと思いました」■うまく立ち回るのはなかなか難しい……ドラマのように、松坂自身が板挟みになることはあるのだろうか?「ありますよ。所属する事務所と制作現場との意向があるなかで、自分がこうしたいっていうことが。うまく立ち回るのは、なかなか難しいですね。僕自身は、なるべく穏やかに過ごしたいタイプではあります(笑)」プラスのイメージでは受け止められていない真の“事なかれ主義”も決して悪いことではないと思うが、と伝えると、「そう言ってくださると救われます(笑)。僕も執着をもっていない状態が、ときによい方向に作用することもあると思うので。例えば、今の日本って仕事をするために休むという感覚の人が多いですよね。それが、プライベートを充実させるために働くという考え方にもっとなっていってもいいと思うんです。そう話しておきながら、僕自身はバリバリ働いていますけど(笑)」最後に、演じる真として俳優・松坂桃李をプレゼンしてもらうと、「そうですね……。事務所の教えに従順でクリーンな俳優です(笑)」ちなみに、事務所の社訓は“品とポップ”。どちらも完璧に持ち合わせている松坂は“好感度”も常日ごろから意識している。「CMをやらせていただいていることもあって(笑)。日本の芸能界は、“好感度”という言葉に支えられている部分が大きいんだなと、今回のドラマを通して改めて実感した気がします。そもそも、好感度って何なんだろうと思うことがありますけど(笑)、いわゆる親しみのようなものを感じていただけたらいいなとは思いますね。それが、好感度につながっているかどうかはわかりませんが」■SNSの意見に左右されない作品作りを松坂桃李の大学時代僕、大学2年くらいからこの仕事を始めまして(ファッション誌『FINEBOYS』の専属モデルから芸能活動をスタート)。それまでは、ずっとアルバイトをしている学生でした。なりたいものや、進みたい方向、いわゆる指針というものが定まっていなくて、ぬるま湯につかっている感じが強かった。だから、大学時代の思い出があまりなくて。俳優として大切にしたいこと最近、SNSが発展したことで視聴者のコメントによって作品の流れを変えることがあるんです。でも、そのコメントにある感想って、芯をとらえず、外側だけを見てのものかもしれない。作品の本質を度外視して、SNSの意見に左右されてしまう作品になっていくのは自分としては避けたいなと思います。そうじゃないと参加した意味がなくなってしまうので。エンターテイメントって、人の心を癒したり、風通しをよくするような、なにかの助けや支えになるものであってほしいと思います。最近、体作りをしている?このドラマではなく次の作品の準備段階なんですが、身体を絞ってみないとわからないなと思う難しい役どころで。不健康に削るのではなく、栄養をちゃんと取りながらシュッとしていくというのをやったんですけど、思いのほか体重が落ちてしまいました。でも、ぜんぜん元気です(笑)。土曜ドラマ『今ここにある危機とぼくの好感度について』NHK総合にて毎週土曜、夜9時〜(全5回)※5月15日は休止ヘアメイク/高橋幸一(Nestation)スタイリスト/TAKAFUMI KAWASAKI (MILD)
2021年05月01日稲垣吾郎撮影/廣瀬靖士「この作品との出合いは、坂本眞一先生の『イノサン』という漫画。僕がTBSでやっていた『ゴロウ・デラックス』で坂本先生と対談させていただきまして、作品の世界観に魅せられましたし、サンソンという死刑執行人がいたことに驚き、クローズアップしたいと思ったんです。この作品をやるなら映像より舞台に向いているんじゃないかと思い、演出の白井(晃)さんらと企画について話していたら、こんなに早く実現できてびっくり。昔からあまり自分で積極的に企画を出したりしないほうなのですが、自分発信でスタートし、形になってうれしく思いますね」稲垣吾郎がベートーヴェンに続き今度は死刑執行人に!新作舞台『サンソン』が4月23日から東京を皮切りに各地で上演。18世紀のフランスに実在し、ギロチンの開発にひと役買い、ルイ16世の処刑にも携わるなど激動の時代を生きたシャルル=アンリ・サンソンの人生を描いていく。「ベートーヴェンでもご一緒したスタッフが多いので、安心と信頼もあるし、再び舞台をできるのはうれしいです。いま稽古が始まってだいたい1か月くらい。ようやくスケッチができあがったデッサンの段階なので、ここから色をつけて、さらにブラッシュアップしていきたいです」■『SMAP×SMAP』での思い出サンソンと深く関わることになるルイ16世役には、初共演となる中村橋之助が挑戦。「橋之助さんにはお会いしたことなかったんですが、お父様(中村芝翫)には『SMAP×SMAP』のゲストに奥さまと出ていただいたことがあって。’97年とか、たぶん橋之助さんが生まれて数年たったころじゃないかな。覚えているのが、帰り際に優しい目つきで“私はあなたとは気が合いそうです”っておっしゃってくださって。芸の世界の大先輩に言われたらうれしいじゃないですか。ただ、何が理由だったかわからず、いまだに気になっているんですが……。橋之助さんとは僕と同じ空気を感じるのですが、本人に言ったら“あっ、わかります”と言ってくれました(笑)」■フランスで大好きな映画の舞台を巡って舞台となるフランスは大好きで、これまで何度も足を運んだそう。「たぶん4、5回くらい……もうちょっと行ったことがあるかな。初めて行ったのはプライベートで23歳のころ。10代後半くらいからフランスの映画にハマって、モンマルトルの丘とか、凱旋門とか好きな映画の舞台となった場所を歩いたのを覚えています。 『ポンヌフの恋人』という映画が好きでポンヌフの橋にも行ったり。僕の中ではいちばん好きな橋かな。香取くんの個展をルーブル美術館でやったときも草なぎくんと行ったしね。パリはどこに行っても気持ちいいし、憧れがあるので、また行きたいですね」草なぎくん&香取くんから刺激を!草なぎくんが日本アカデミー賞をとったのは刺激になったし、舞台も似たような時期に本格的に始めて、本数も同じような数で、ずっと一緒にやってきた気持ちです。香取くんは、やっぱり三谷(幸喜)さんとの2人でしか出せない空気感の作品が面白いし、最高ですよね。4月に明治座でソロステージが始まったみたいで、今回は“ユーモアな香取くん”が見られるのかな。3人にとって、舞台や映像だったりと大切なものがたくさんあるけど、お互いに頑張りたいし、エールを送りたいです。『サンソン -ルイ16世の首を刎ねた男-』4月23日〜5月9日まで東京建物 Brillia HALLのほか大阪、福岡でも公演ヘアメイク/金田順子スタイリスト/黒澤彰乃
2021年04月18日氷川きよし撮影/廣瀬靖士’20年にデビュー満20年を迎え、ゼロからのリスタートとして氷川がリリースしたのは『母』だった。そして今年は――。「この3月30日に『南風』をリリースしました。母から生まれて、次は旅が始まる……という感じですね。心の中では、2枚目のシングルという気持ちもあります」20周年を迎えるまでは、“頑張れ、頑張れ”のイケイケドンドンだったと振り返る。「『勝負の花道』とか『限界突破×サバイバー』とか。一時、ビジュアルなイメージですごく盛り上がりましたけど、そことはまたちょっと違うところでやりたいなと思っていて」常に新しいことをやりたい。ひとつのイメージで縛りたくはない。そんなアーティストとしてのマインドとともに、新型コロナウイルスへの懸念がどうしてもある。「今のこの時代のこの感じの中で、何が伝えられるかなとすごく考えました。そして押しつけではなく、みなさんの背中をそっと押せるような言葉を歌いたい。前向きな気持ちになれるものを、どうしても今の時期に出したかったんです」■言いたい気持ちを抑えられず “南風”というテーマは、師匠の水森英夫と話す中でおのずと決まったという。「今は、誰もが大変な世の中。“みんなに南風が吹くようなことになったらいいな”というところから始まりました。でも届けたい言葉は“頑張れ、頑張れ”じゃなくて。すでにもう、みんな頑張ってるから」南風という言葉自体にやさしさと温かみ、そしてポジティブさがある。「でしょ?北風とは訳が違いますよね。発表前から言いたい気持ちを抑えられなくて、実はチラ出しもしてました(笑)」と、いたずらっ子のように笑う。寒さが厳しいころからインスタで“みなさんに南風が吹きますように”と、よくつづっていた理由はこの新曲にあったと明かす。「どんなときでも、やっぱり絶望したらいけない。明日に向かっている希望を感じてほしいし、どんな人も幸せになってほしい。その一点をこの『南風』に表現しました。すごく爽やかでハッピーな気持ちになれる曲なので、『南風』を聴いて、心の中のいろんな毒素を全部吹き飛ばしてほしいなと願っています」■不倫、女の股旅、豪華カップリング「カップリング作品も、シングル候補として大切にしていた曲をドドンと!」Aタイプは『たわむれのエチュード』。作詞家・松井五郎に初めて書いてもらったという。「これは不倫の歌(笑)。歌の世界だからこそ、許せる世界観を楽しんでいただきたいですね。Bタイプの『おんな花笠紅とんぼ』は、プロデューサーである長良会長が“女の股旅演歌をおまえに歌わせたい”と、もう15年以上前から温めていた曲なんです。花笠ってたくさんの赤い花がついているんですけど、自分もステージでかぶってみたいです」Cタイプの『磯千鳥』は、ややもの悲しい演歌。「父と母を亡くした姉と弟が、2人で生きていこうと誓う曲です。演歌好きの方にはたまらない1曲だと思います」緊急事態宣言の解除を受け『氷川きよしコンサートツアー2020-2021 〜Never give up〜』も始動。春を迎え、氷川の力強くもやさしい歌声が再び全国各地に響き渡る――。■月1レギュラー、目指せグリーンサムEテレで放送中の『趣味の園芸』(毎週日曜8:30〜)。’67年から続く長寿番組で、ガーデナーから熱い支持を集め続けている。そしてこの春より、氷川の月1のレギュラー出演が決定!そのコーナー名は“氷川きよしグリーンサムへの12か月”。「グリーンサムは、園芸大国イギリスで“園芸名人”を指す言葉です。シャレてますでしょ?」講師のもとで学びつつ、園芸名人を目指す。「園芸番組、やりたかったんです。土いじりをしてるときが、やっぱりいちばん心穏やかでいられる気がして。大好きなんです。ウチの(父方の)祖父は植木職人だったから、その素養もあるのかな?」と、ニッコリ。自宅ではたくさんの植物を育て、取材のたびに楽しいガーデニング話を聞かせてくれる氷川。学ぶ必要はなさそうなほど、すでに詳しいような?「でも、やっぱりプロの方とは違いますよ。番組でしっかり学んで、ステップアップしますよ」■バラを育て、花びらをバスタブに最近、新たに植えたものを尋ねてみると、「ハランです。自分の家で育てたハランを敷いて、その上に手巻き寿司とかを並べたらきれいかなと思って。インスタ映えしそうじゃないですか。だから、ハランをたくさん増やしたいなと思って。あとは、えんどう豆も最近植えましたし、ハーブも。アップルミントやパイナップルミントなど、けっこういろんな種類やってるんですよ。レモンマートルっていうハーブがあるんですけど、これはすごくいいですよ。免疫が上がって、風邪予防にもなるし。使い方ですか?普通にハーブティーとかにして飲んでます」さらにはたくさんの果樹も育てている。「梅の木は5本あります。白梅で、すごく香りがいいんです。できた実は梅酒や梅干しにしますね。今の季節は、佐藤錦の白い花が咲きますね。桜科なので、家でお花見です(笑)。でもさくらんぼの実は去年は3つしか収穫できなくて。ムクドリが来て、食べちゃうんです。網をかけないとダメですね。みかんは、ほったらかしにしてても、しっかり実がつきますね。毎年、楽しみにしてます」今後挑戦してみたいのは美しくも気高い、バラ。「ミニバラはもうやってるんですけど、本格的なのをやってみたいですね。なんか大きなバラを植えたら、ハッピーな気持ちになりそうじゃないですか。その花びらをバスタブに浮かせて、ローズのアロマオイル垂らして。そんなふうに楽しみたいですね」その女子力の高さには感服。第1回の放送は、4月18日!『南風』(発売中)A〜Cタイプ、すべて1227円+税発売/日本コロムビアスタイリング/伊藤典子(hoop)ヘアメイク/遠山雄也(RELAXX)衣装協力/EZUMi
2021年04月02日秦基博撮影/廣瀬靖士「(NHK連続テレビ小説)『おちょやん』は毎朝見ています。このあいだ、前半の総集編をやっていて。それを見ていたんですけど、めちゃくちゃ泣きましたね(笑)。ピンポイントでこのシーンがというのではなくて、何度も。もう、泣いちゃうポイントばっかりですよ(笑)」そう告白してくれた秦基博。『おちょやん』の主題歌『泣き笑いのエピソード』は彼が作詞・作曲し歌っている。この新曲を含め、’15年以降に発表した代表曲と、これまでのカップリング曲、アルバム収録曲、提供曲のなかからリクエスト投票で選ばれた10位までの楽曲が収録されている弾き語りベストアルバム第2弾『evergreen2』をリリース。弾き語りは、秦の音楽スタイルの原点。「デビュー15周年という節目のタイミングで活動を振り返ったり、まとめるのに“弾き語り”がいいんじゃないかというのは、わりと自然に考えが結びつきました。改めて、歌声やメロディー、歌詞にフォーカスして聴いてもらうにあたって、いい形なんじゃないかと思ったんです。ギターでの弾き語りは、僕自身が音楽を始めた形でもありますし、自分の感情といちばん直結しやすい楽器がギターなんです」■『ひまわりの約束』のプレッシャーはない中学生で兄のギターを弾くようになり、すぐにオリジナル曲を書き始めた。大学入学前の春休みに友達の紹介で弾き語りイベントに出演。そこから本格的に音楽の道を志し、’06年11月にメジャーデビューを飾った。“鋼と硝子でできた”とたとえられる唯一無二の声を武器のひとつに数々の名曲を生み出してきた。CMソング、ドラマや映画の主題歌と、この15年で彼の声を聴かない日はなかったのではないかと思うほど。代表曲のひとつをあげるとすると、映画『STAND BY ME ドラえもん』の主題歌でもあり、国を越えて愛されている『ひまわりの約束』。「僕自身には『ひまわりの約束』を越えなくちゃいけないというプレッシャーはなくて。あの曲に込められるものは、全部入れたので、また同じような曲を書こうとはならないですし。常に新しい表現を探していて、その先に聴いてくださる方がたくさんいて、受け入れてもらえたらいいなという感じです」■『泣き笑いのエピソード』制作秘話を告白この15年で音楽に対する思いは変わったのだろうか?「根本的なことは変わっていなくて、やっぱり曲を書くことが好きだし、歌うことが好き。変わったのは15年前よりできることが増えたこと。ある種、余裕のようなものが以前よりあるので、自由で楽しいです。もちろん、生みの苦しみはありますよ。何かを生みだすことは決して簡単ではないですが、その苦しい部分もひっくるめて楽しい。僕、たいていのことが続かないんです。でも、音楽だけはそうならない。つらいことや苦しいことがあっても、またすぐにやりたくなるんですよね」15年間で手にしたものは「自分のペースや、スタイル」。手放したものは、少し考えたあとに「運動能力とかじゃないかな(笑)」と語る。例えば、ベストアルバムで苦労した曲は?と聞くと「どれもです(笑)」と言う。「『泣き笑いのエピソード』は、当時できあがっていた分のドラマの脚本をいただいたのと、制作スタッフの方と打ち合わせをしてから作業に入りました。最初に歌いだしの“オレンジのクレヨンで~”の部分の歌詞とメロディーが一緒にすーっと浮かんできて。そこからは結構時間をかけましたね。最後にサビの“笑顔をあきらめたくないよ〜”というフレーズが出てきたんですけど、朝、目覚めた瞬間に浮かんで。半分寝ぼけながらメモして、また寝るみたいな。そのくらい常に、寝ている間もずっとこの曲や歌詞のことを考えていました。ドラマや映画、コマーシャルのお話をいただいたときもそうですが、自分の心の動きを曲にするようにしています。借りてきたテーマや言葉だと、歌えないと思うので。これからも自分にしかできない表現を追求していって、それをみなさんに楽しんで聴いていただけたらと思っています」魅力的な声をキープする方法14歳ぐらいかな?声変わりしてから、少しずつ変化はしていますが、ずっとこの声です。デビューして数年は、のどにいいと聞くものをいろいろ試していましたが、そのうち、あのお茶がないとダメとかって自分が窮屈になってきてしまって。1度すべてリセットしました。いまは、水さえあればいい(笑)。あとは、乾燥に気をつけたり、歌う前に辛いものを食べると影響がでるのでそれを避けているくらいです。ついにツアーがスタート! (新型コロナの影響で)昨年予定していたツアーも中止になったりしていますが、状況をみながらではあるけれど少しずつライブの計画を進めています(弾き語りでの全国ツアー『GREEN MIND2021』が決定)。やっぱり、ライブやツアーをしながら15周年というものをみなさんと一緒に味わえたらうれしいですね。今後は、歌以外の顔が見れる?昨年10月にちょうど40歳になったこともあって、(デビュー15周年を記念してデビュー日の11月8日に開設した)TikTokで20代の平均値と比べるスポーツテストをやったんです。15種目中、クリアできたのは5種目くらい。よくも悪くもない中途半端な結果になってしまって(笑)。曲を聴くきっかけになってくれたらいいなという感じで音楽番組のほかに、情報番組にも出演させていただきました。『ヒルナンデス!』は、料理をしただけなんですけどね(笑)。ふだん、自分がやっていることではないので面白かったです。本格的なバラエティー進出はないです!・弾き語りベストアルバム第2弾『evergreen2』発売中通常版(2CD)3200円+税、初回限定版(2CD+Blu-ray)6700円+税・9年ぶりの弾き語り全国ツアー『GREEN MIND 2021』開催4月27日の栃木県・宇都宮市文化会館からスタート。詳細は公式サイト
2021年03月29日岩手県陸前高田市の佐々木一義さん(67)の妻・美和子さん(当時57)は市内のそば店で出前担当をしており、近くに住む実母の様子を見に行って津波の犠牲になったとみられる。遺体は3週間後に見つかった。4人の子どもは独立しており、ふたり暮らしだった。あれから10年──。妻・美和子さんが眠るお墓に手を合わせる佐々木一義さん(撮影/廣瀬靖士)手には白とピンクの花。店員に「菊だけじゃないようにして」と注文をつけた。花を取り替え、花立を水で満たし、線香を焚く。「はい、高田の名産・米まんじゅう。食べてください」とポケットから取り出して供えた。一義さんは、市内最後の仮設住宅から災害公営住宅に引っ越したばかり。もとあった自宅は津波で1階が浸水したため2階で寝起きし、やがて仮設住宅で暮らすようになった。■“美女と野獣”と冷やかされました妻・美和子さんは地元の小・中学校の同級生。中学生のとき、可愛いなと思って3回アタックした。「付き合ってほしいとラブレターを書いたんです。返事は“友達でいましょう”だった」別々の高校に進み、男子校の色に染まった一義さんは、美和子さんに会っても声をかけなくなった。高校を卒業して就職する前の晩、急につまらない意地を張っているのがバカバカしくなり、美和子さんに電話をかけた。「僕はあなたが好きだった。でも、これからは同級生として声をかけるから、イヤかもしれないけどよろしくね」数年後、実家のスーパーを継いで働くようになっていたある日、仙台市の歯科医院で働く美和子さんから電話があった。「美和子です。声が聞きたくて」仙台にすっ飛んで行った。「恋は盲目だね(笑)。どんな話をしたか覚えていないけれども、それから付き合うようになった。同級生からは“美女と野獣”と冷やかされました」交際すると、思ったとおりの女性だった。元気で、きれいで、人あたりがよくて。結婚後、2男2女に恵まれた。一般人が自宅の風呂でカラオケを歌うテレビ番組の企画に申し込んだときは怒って拒み、1か月間、口をきいてくれなかったことも。■お父さん、ここで頑張っぺし賑やかな家庭を築く反面、時代の流れとともにスーパーの経営はうまくいかなくなり、2006年に倒産。従業員を解雇したり、取引先にも迷惑をかけた。故郷を離れることも考えたが、美和子さんは、「いや、お父さん、ここで頑張っぺし。何があってもついていくから」と支えてくれた。「幸せにするといったのに。迷惑をかけた従業員や取引先、銀行などを一軒一軒、頭を下げて回りました。恥ずかしくて顔をあげて外を歩けませんでした」誰にも会いたくなくて、夜明け前から働ける新聞配達を始めた。やがてホテルの夜間マネージャーの仕事をするようになった。「ホテルの宴会場などで偶然、再会した人たちが“ここにいたのか!がんばれよ”と異口同音に励ましてくれたんです。恨み言ひとつ言わずに。本当にありがたかった」そんな町を津波は容赦なく襲った──。一義さんは震災の半年後、市議会議員になった。全国からボランティアらが駆けつけて見知らぬ土地で奮闘する姿に触発された。美和子さんは政治的なことを嫌っていたから反対したかもしれない。■あ~津波は夢だったんだ。いがった~お墓にまんじゅうを供えた一義さんは、手を合わせてお経を唱えはじめた。その声が震え、詰まった。あーあ。読経を終えると照れ隠しのようにひと息ついた。「5年前のバレンタインデー、夢に彼女が出てきたんです。昔のままで本当に可愛かった。僕が“しばらく。なんでここにいるの”と言うと笑うんですよ。“あれ、津波で死んだんだよな”と聞いても笑う。久しぶりだったから、ほっぺたにキスしたもん。そしたらね、唇に肌感覚があって、あ~津波は夢だったんだ。いがった~と思って。でも、ハッと目を覚ましたら仮設住宅の白い天井で、震災前のわが家の天井ではなかった」この年になって、こんな話をするのは恥ずかしいけれど、とまた照れた。引っ越す前に暮らしていた仮設住宅や高台への避難路、火葬場などを積極的に案内してくれた。それは市議としての使命というより、被災地の住民として伝えずにはいられないようだった。墓前で何を語りかけたのか。「陸前高田には星になった人がたくさんいる。いつそっちの世界に行くかわからないけど、行ったときには胸を張って会えるようにするから、と」◎取材・文/渡辺高嗣(フリージャーナリスト)〈PROFILE〉法曹界の専門紙『法律新聞』記者を経て、夕刊紙『内外タイムス』報道部で事件、政治、行政、流行などを取材。2010年2月より『週刊女性』で社会分野担当記者として取材・執筆する
2021年03月06日墓所から町を望む千葉父子。雄貴さんが手がけた仕事も見える(撮影/廣瀬靖士)墓所は復興途上の街並みを見渡せる高台にあった。岩手県大槌町の水産関連会社に勤務する千葉孝幸さん(55)と長男・雄貴さん(21)は、慣れた足取りで家族が眠るお墓の前に立ち、静かに手を合わせた。孝幸さんの妻・峰子さん(当時32)は行方不明のまま。二男・一世くん(同1歳5か月)、父・兼司さん(同75)、母・チヤさん(同73)は遺体で見つかった。自宅にいた4人で車に乗って避難中、津波に襲われたとみられる。孝幸さんは言う。「震災から10年、こうしてふたりとも生きているってことが幸せなのかなと思う。生きたくても生きられなかった人が大勢いるんだもん」賑やかな6人家族は、あの日を境に父子ふたり暮らしとなった。翌年、底冷えのする真冬の夜の仮設住宅で初めて取材させてもらった。まだ小学6年生だった雄貴さんは大人びていて「どうぞ」と缶コーヒーを差し出してくれ、孝幸さんは、あの日のことや生前の家族について話すたびに泣いた。質問した私は申し訳ない気持ちでいっぱいになった。今年も孝幸さんは同じことを言った。「雄貴には食べ物でも何でも、できるだけ震災前と同じような環境にしてあげたくて」そして、今年は続きがあった。「いまの雄貴はオレにとっては安心なのさ。何かあれば相談してくれるのでアドバイスもできる。頑張っているのがわかるから」■弁当にイクラを敷き詰めたことも雄貴さんは地元の高校を卒業後、進学のため東京へ。一時離ればなれになったが、昨年、地元の塗装会社に就職した。個人宅や工場などの建築物、船舶などの建造物に塗装を施す仕事。朝早いときは午前6時過ぎに自宅を出る。雄貴さんは言う。「朝はすごく眠いです。キツいので極力早く寝るようにしています。生活のペースが乱れるから休日も昼過ぎまで寝ていることはありません」孝幸さんは早く起きて朝食を準備する。雄貴さんが氷点下の現場で働いてきた日は、エビやホタテを入れた豪華なキムチ鍋をつくった。水産関係の仕事柄、海の幸をぜいたくに使った男メシはお手のもの。雄貴さんが中学生のころ、持たせる弁当にイクラをびっしり敷き詰めたこともある。孝幸さんはそんな10年を振り返り、「親のありがたみがよくわかった。自分も雄貴と同じ年のころ、母親が同じようなことをしてくれたなって。寒い日にあったかいものを食べさせてくれたり、朝早く出かけるときは父親がリンゴをむいてくれたり。本当はもっと早くわかればよかったんだろうけど」と亡き両親への感謝を口にする。■向こうでは4人で楽しくいるんだってお墓の脇には杖(つえ)とサンダルが2足ずつ供えられていた。数年前、親戚が青森・恐山のイタコに口寄せしてもらったとき、歩くのにたいへんだから杖と履き物が欲しい、と孝幸さんの両親が言ったからだという。「震災直後の葬送で、白装束に足袋をはかせてワラジをはかせて杖を持たせて、っていうのが何もできなかったから。そのことかなって。それと、うちの奥さんは行方不明でしょ。だけど、向こうでは4人で一緒に楽しくいるんだって。よかった〜と思う反面、心の中では“なんだよ、楽しくいんのかよ。こっちはたいへんだぜ”って。まあ半分冗談だけど」と孝幸さん。雄貴さんは職場の人にも恵まれ、この仕事を続けていきたいと考えている。手がけた仕事について聞くうち、雄貴さんが塗装したものを見たいと思った。「あっ、たぶんここから見えると思います。鉄骨などに塗装したんですけど、急ぎながらも丁寧に、どうにかムラを出さず仕上げられました。ほら、そこの工場現場があるじゃないですか。その隣の……」雄貴さんの仕事ぶりに安心しているのは孝幸さんだけではないだろう。それは家族が眠るお墓から見える場所にあった。◎取材・文/渡辺高嗣(フリージャーナリスト)〈PROFILE〉法曹界の専門紙『法律新聞』記者を経て、夕刊紙『内外タイムス』報道部で事件、政治、行政、流行などを取材。2010年2月より『週刊女性』で社会分野担当記者として取材・執筆する
2021年03月05日寒い季節の定番料理“おでん”。「飲む点滴」と言われる“甘酒”と組み合わせることで、“健康おでん”に大変身!撮影/廣瀬靖士おでんに甘酒をかける。そんな意外な取り合わせが、健康とおいしさを両立するおでんとして最近、注目されている。「発酵食品の甘酒は身体にやさしく、すぐに栄養を補給できる点滴のようなもの。さまざまな食材が入ったおでんに調味料のように加えるだけで、手軽に甘酒を食事に取り入れることができます」そう話すのは、産婦人科医の島袋先生。甘酒には、酒かすを使ったものもあるが、先生がすすめるのは、米麹を使った甘酒だ。「“麹甘酒”には、ビタミン類や必須アミノ酸などの多様な栄養素が含まれているからです」特にオリゴ糖や食物繊維が豊富で、これらは腸内で善玉菌のエサになったり、善玉菌の数を増やしたりする。便秘解消はもちろんのこと、体内の免疫細胞のほとんどが腸に集まっているため、腸内環境が整えば免疫力を上げることにつながる。ほかにも、エネルギーを作り出してタンパク質や脂質の代謝をサポートするビタミンB群も含まれていて、疲労回復、肌荒れ解消、ダイエット効果が期待できる。“麹甘酒”は、女性にうれしい天然の栄養ドリンクなのだ。■砂糖の置き換えに甘酒が大活躍もともと先生が甘酒に注目したのは、3年前の自身の耐糖能異常がきっかけだった。「耐糖能というのは、血液中の血糖値が高くなったときに正常値まで下げる能力のことです。わたしは血糖値が低いほうなので、糖の代謝が悪いとは思ってもみませんでした」(島袋先生、以下同)検査を受けてみると、糖尿病に悪化する危険性の高い数値が判明。それを機に砂糖をやめ、甘酒を料理に使ったり、甘いものが食べたいときに飲んだりと食生活を見直した。すると、2年ほどで耐糖能の数値が正常値に下がったという。「血糖値を急激に上げる砂糖に比べて、甘酒は血糖値の上昇がゆるやかです。もちろんとりすぎはよくありませんが、糖分以外の栄養も摂取できるのは大きな利点です」クリニックで提供しているおでんは、使用するしょうゆを少量にし、甘酒特有のコクやうまみで味に深みを加えて減塩している。試食したスタッフにも好評で、中には体重が3キロ減った人も!「わたし自身、3年ぶりに会った知人に、5歳は若返ったと言われるほど、身体がスッキリとし、肌ツヤもよくなりました。不調を解消して美容にも役立つ『甘酒おでん』を、冬の健康キープに取り入れていただきたいですね」■甘酒+おでんの相乗効果●甘酒の栄養を手軽にとれる甘酒には脳の大切なエネルギー源であるブドウ糖をはじめ、腸内環境を改善する食物繊維やオリゴ糖、身体を元気にするビタミンB群や体内で合成できない必須アミノ酸がすべて含まれている。“飲みもの”のイメージが強い甘酒を、調味料として使うことで“食べもの”として摂取できる。〈甘酒の健康効果〉・便秘解消・免疫力アップ・冷え解消・アレルギー改善・疲労回復・美肌・ダイエット●1度にいろいろな食材をとれる現代人の多くが、ビタミン、ミネラル、タンパク質不足。おでんなら野菜や肉など、栄養バランスのよい食材をまとめて煮るだけで簡単。例えば、干ししいたけでビタミンD、昆布でミネラル、高野豆腐でタンパク質がとれる。●塩分控えめでも味が決まる塩分のとりすぎは、高血圧や脳卒中、心臓病などさまざまな病気の原因になる。通常よりしょうゆの量を控えても、甘酒のやさしい甘さやコク、うまみがつゆに加わると満足度の高い味わいに。減塩しながらおいしさをキープできる。■高温で煮立てると効果激減!甘酒の発酵に最適な温度は60度前後で、高温の状態が続くと菌が死活してしまう。腸への作用を期待するなら、アツアツ状態のおでんに入れるのはNG。「おでん鍋が、軽くあたたまったタイミングで入れましょう。お皿におでんを取り分けてから、スプーン1杯程度の甘酒をかけてもかまいません」またおでんを煮る際に、グラグラと煮立てるのも禁物。「高温で調理すると、タンパク質と糖が結びつくことでできるAGE(終末糖化産物)の生成を促進。これは体内に入ると老化の元凶になります。材料を入れた鍋が沸いたら火を止めて毛布でくるみ、余熱で具材に火を通しましょう」圧力鍋の場合は、具材を入れたら軽くふたをのせて火にかけ、沸いてきたら火を止めて、ふたをしっかり閉めておけばOK。【効果的な食べ方Q&A】Q)どんな甘酒でもいい?A)使うのは、米麹と米が原料の麹甘酒。酒かす甘酒は砂糖で甘みをつけるが、麹甘酒は発酵による自然な甘さで栄養価も高い。「甘酒を作るとき、米を玄米にするのもおすすめです。さらにビタミン、ミネラル、マグネシウム、食物繊維、酵素がとれて、抗肥満、抗糖尿病効果も期待できます」Q)コンビニおでんでもいい?A)大根、こんにゃく、卵、昆布などシンプルなおでん種はOK。逆に、加工品や練りものは、塩分と添加物が気になるのでNG。つゆも残して減塩すること。Q)甘酒の適量は?A)1度の食事でとるなら、おでんにかける甘酒は大さじ4杯くらいまで。健康にいいとはいえ、甘酒も糖分。たくさん食べるほど効果が上がるものではないので、食べすぎは禁物。【島袋先生直伝甘酒おでん】だしいらずで、具材を鍋に入れて煮るだけだから簡単。甘酒の深い味わいが楽しめます。■材料(4人分)・干ししいたけ4枚・昆布(6cm長さ)4枚・高野豆腐4枚・にんじん1本・大根6cm・こんにゃく1枚・しょうゆ70ml・干ししいたけの戻し汁+水1リットル・甘酒300ml*干ししいたけ、昆布、高野豆腐は水でもどし昆布は結ぶ。大根とにんじんは食べやすく切って下ゆでする。こんにゃくは三角形に切る。〈おすすめプラス食材〉・鶏手羽先筋肉を作るタンパク質がとれ、シワやたるみを予防するコラーゲンも豊富に含むので美肌効果が抜群。皮膚や血管を健やかに保つ働きも期待できる。骨からだしが出るので濃厚な味になる。・干しエリンギきのこ類は、紫外線に当てるとビタミンDが増え、カルシウムの吸収を助けて骨を丈夫にするのに効果的。エリンギは、屋外で半日〜1日、もしくは屋内の日光が当たる場所で数日乾かせばOK。*練りものは要注意。市販のちくわやさつま揚げには、添加物や化学調味料、塩分が多く含まれたものも。できるだけシンプルな原材料で、減塩、無添加のものを選んで。■作り方(1)鍋に甘酒以外の材料をすべて入れる(2)鍋を中火にかけ、沸騰したら火を止める。鍋を毛布などでくるみ保温する。(3)具材がやわらかくなったら、軽く温め直して甘酒を入れ、味をなじませて完成。【炊飯器でカンタン!自家製甘酒】■材料(できあがり量:約1リットル)・白米1合・米麹(乾燥または生)100g〜150g*玄米で作る場合は、玄米を約24時間水につけ、途中で2回水をかえる。玄米が発芽したら、玄米1合に対し水270mlでおかゆを炊き、白米での作り方(2)以降と同様にする。■作り方(1)白米をといで炊飯器に入れ、おかゆモードで全がゆを炊く。(2)炊き上がったら、おかゆが60度になるまで冷ます。(3)ほぐした米麹を加えて混ぜる。(4)炊飯器のふたを開けたまま、布巾をかけて8時間保温する。*ときどきかき混ぜて、温度55〜60度をキープ。炊飯器のふたを閉めたり、布巾をはずしたりして温度を調整する。(5)甘みがしっかり出ていたらできあがり。*冷蔵で1週間、冷凍で1か月ほど保存可能(取材・文/樫野早苗)《PROFILE》島袋 史先生◎産婦人科専門医、ゆいクリニック院長。出産・育児を支援するほか、小麦や砂糖、乳製品、合成食品添加物などを使わない食事をクリニック内で提供するなど、食事療法の重要性も説いている。
2021年02月12日[Alexandros]川上洋平撮影/廣瀬靖士人気ロックバンドのボーカル、川上洋平が初めてのドラマで本格的に俳優デビューした。ファンやメンバーをざわつかせた“胸キュン”シーンも堂に入った演技を披露している川上を初特写!■脚本家からご指名、本業にも刺激「本当に充実した日々を送らせていただいています。端的に言って楽しいです」 『ウチの娘は、彼氏が出来ない!!』(日本テレビ系水曜夜10時~)で、主演の菅野美穂が演じる恋愛小説家・水無瀬碧を担当するイケメン編集者・橘漱石役でテレビドラマに初挑戦している川上洋平。人気ロックバンド[Alexandros](アレキサンドロス)のボーカルとして活躍する川上だが、脚本を担当する北川悦吏子さんからの“ラブコール”で出演が実現した。「映画やドラマが好きで、何より北川さんの作品が好きだったので今回、自分が演者として参加できるのは光栄なことだと思いましたし、うれしかったです」現場ではミュージシャンと役者の違いを感じつつも刺激を受けている。「音楽は自分で曲を作って、歌詞を書いて、それを歌い、自分の中にあるものを吐き出していく作業です。演じるということに関しては、脚本家、監督、周りの共演者やたくさんのスタッフがいて、みんなで一緒に作っていきます。その中で自分は、あらかじめ決められたセリフを言うけれども、どれだけ自分の表現を足せられるか。自分が思ったことを監督にもっとこうしてもいいんじゃない、と言われたときには、そういう見方や話し方もあるよなという発見があって、それによって演者のリアクションが変わってくるんです。普段は、音という色に言語(歌詞)の彩りをつけているんですけど、口語調のセリフにも色というものが帯びているんだなと感じました。自分の本業にもいい影響を及ぼしてくれると(刺激を)吸収する日々を過ごしています」漱石のキャラクターは、北川さんがあて書きした。「自分と通じるところもあるし、自分の性格にまったくない部分もあります。ただ、僕が橘漱石を演じることで(脚本にはない)漱石の余白を自分で埋められるのかなと思っているので、(視聴者の)みなさんが見るときの漱石には僕自身が少し入っているのかな、と生意気ながら思っています」漱石はスランプぎみの碧を慰めるために「おいで」と両手を広げたり、次第に惹かれる碧とキス寸前になるなど“胸キュン”シーンも。「ファンから“ドキドキしています”といった声はあります。メンバーは“恥ずかしくて見られない”と言っていますが、僕自身は大まじめに演じていますし、この役を演じ切りたいと思っています」初共演する菅野とのシーンも多い。「菅野さんは、演技に対してストイックでまじめな方という印象です。昔からドラマや映画で見ていた方だし、憧れの存在でもあります。そういう方の演技に対する姿勢、監督の指示やご自分の意見を話しているところを見たりしたときに、自分の役に対して真摯で脚本の意図をくみとり作品をいいものにしようとされている姿は、本当に素晴らしいなと思いました。でも、堅苦しくなるような雰囲気にはしない。ドラマが初めての僕がリラックスできるような雰囲気を作ってくださいます。先日は、収録の待ち時間にカフェラテをごちそうになりました。ご自分が飲みたかったのを僕だけでなくエキストラやスタッフ、その場にいた全員に買っている姿に“素敵な座長だな”と思いました。菅野さんとは年齢が近いのですが、1対1での世間話は畏れ多くて、まだできていないです(笑)」■歌詞とセリフを覚えるのは同じ収録が予定時刻より早く終わる“巻く”ことも多いそう。NGが少ないことが一因では?「そんなことはないと思いますよ。でも、やるからには“今まで役者をやってきました”くらいの気持ちでやろうと思っています。当たり前ですが、絶対にセリフはきちんと覚えていきます。演技の勉強をしていないので、どこで学ぶかといったら周りの演者さんを見様見まね、監督の言うことを忠実にやる。そして脚本を深く理解してこなすしかない。(演技が)うまくなろうとかではなく、この作品を辱めるようなことはしないようにしっかりやっていきたいと思います。セリフ覚えについては最初、自分の歌詞でも、たまに忘れることがあるので覚えられるのかなと思っていました。でも、ライブでは20曲をやっているので覚える能力がないことはないかなと思い直しました。(収録では)セリフの語尾が変わっているのを監督が見逃してくれているかもしれませんが、自分でアドリブをした感覚はないです。動きに関しては監督から任せてもらうこともあり、自分が思う漱石の立ち居振る舞いをするように心がけています」陽気な母とオタク気質の娘の恋愛模様を描いたドラマだが、自身の恋愛観とは?「なかなか聞かれない質問。でも、ずっと言いたかった(笑)。タイプとかはあまりないけど、仕事や何かに一生懸命になっている女性は魅力的だと思います。告白される?毎日されたいですよ(笑)。僕は自分から告白しますが、石橋を叩いて渡るタイプです。というのも好きになった人とは絶対に付き合いたいんです。なので(相手が自分のことを)好きかどうかわからない、もしくはちょっと可能性が低いなってときに告白しても絶対に付き合えないじゃないですか。そんな状態で告白してふられたら、一生その人と付き合えるチャンスを逃しちゃう。だから、僕は満を持して告白します。高校生のときには、僕のことを全然好きじゃなかった女の子を1年かけて振り向かせたことがあります」貴重な素顔とともに今後の漱石の動向も気になるところ。「彼女がいるのに担当する碧さんにひかれていく。若干ふらちなキャラクターではあるけれども、漱石のまじめで不器用な部分が垣間見られると思います。女性に反感を持たれるところもあるかもしれないけど、最後まで見ていただければ憎めないやつだと思ってもらえるので、見守ってほしいです」川上洋平(かわかみ・ようへい)神奈川県出身。9歳から14歳まで中東シリアで過ごす。大学時代にバンドを結成。大学卒業後は一時、会社員と音楽活動を並行。2010年CDデビュー。CM、映画、ドラマなど多数のタイアップを手がけ『ワタリドリ』はMVがYouTube再生数1億3000万回を超え、ヒット曲を数多く持つ。3月17日にベストアルバム『Where’s My History?』をリリース『ウチの娘は、彼氏が出来ない!!』日本テレビ系水曜夜10時~
2021年02月10日辰巳ゆうと撮影/廣瀬靖士’18年には『日本レコード大賞 最優秀新人賞』を受賞し、そのイケメンっぷりにSNSが大騒ぎとなった演歌歌手の辰巳ゆうと。女性から注がれる視線が特に熱い。昨春、大学を卒業。2足のわらじから晴れて歌手一本に――。■女性のおでこを見るのが好き「1月27日発売の『誘われてエデン』は、アダムとイブをモチーフにした一曲。今まででいちばんノリのいい曲です」サビの“好きさ 好きさ”の繰り返しが印象的で、思わずボックスステップを踏みたくなる。“恋の虜でもう抜け殻さ”“こんなにも狂おしいなんて死んでもいい”など、その歌詞は超・情熱的。「僕は小さいころから演歌が大好きで、『誘われてエデン』のような曲はまったく聴いてこなかったので……、最初はちょっと戸惑いました。慣れるまではちょっと恥ずかしかったんですが、でも、だんだん楽しくなってきて(笑)。“自分はアダムだ”とスイッチを入れて歌うと、本当に気持ちよく歌えるんです」今までのシングルは正統派演歌だっただけに、辰巳にとっては挑戦作。こんな身を焦がすような激しい恋、してみたい?「うーん、僕は家庭的な恋がしたいですね。ひとり暮らしなので、家に帰ると寂しいじゃないですか。そういうときに支えてくれる人がいたら、すごい幸せな気持ちになると思うので。帰ったらご飯ができている、とか、すごく憧れます。でも、もし付き合いたてでそんな話をしたら重すぎるかもしれないけど(笑)」好きな女性のタイプは、よく笑う人。そして些細なことでも“ありがとう”“ごめんなさい”が自然に言える人。「年齢は上でも下でも気にしないですね。外見的なこだわり?特にないんですが、あえて言うなら、僕、女性のおでこを見るのが好きで(笑)。洗顔で前髪を上に結んだときに見えるオフ感のあるようなおでことか、好きです。ギャップにやられちゃいますね」好きになったら、行動に移さないと気がすまないタイプだそうで、「一緒にご飯行ったりとか、遊びに行ったりとか、たぶん誘うほうだと思いますね。追う恋のほうが燃えます。そのあたりは『誘われてエデン』です(笑)」■子どもが欲しい!結婚願望について尋ねると、「たぶん、あるほうですね。結婚願望というか、子どもが欲しい願望。子ども大好きなので。もし、男の子だったらキャッチボールは必須ですね。僕、野球やってたので。女の子だったら、絶対親バカになる自信しかない(笑)。たとえ思春期になっても、2人で一緒に買い物に行ってくれるように、怒ったりせず、ずーっとよしよしして。妄想だけは、すごい膨らませてます(笑)」両A面の『望郷』は久しぶりのふるさとで触れた、両親の温かみやありがたさを歌った曲。「1度、故郷を離れた人なら、すごく共感できる曲だと思います。僕が18歳で大阪から上京したときは、僕も両親も大号泣でした。レコーディングのとき、その光景が思い浮かんできて、泣きそうになりました。今、コロナウイルスで帰省できない方も多いと思います。ぜひ、ふるさとを思いながら、この曲を聴いていただければと思います」おうち時間の過ごし方「家の壁紙を白から黄色に全部替えました!映画のようなアメリカの家に憧れがあって、ポップで明るい感じへ。壁紙はシールタイプのものをネットで買いました。元の壁紙の上から貼る感じ。結構凝り性なので、ひとつハマるともっともっとやりたくなっちゃう。キッチンもタイル風のシールでちょっと変えてみました。あとは料理が好きで、普段から冷蔵庫にあるものでパスタとかをよく作るんですが、時間があるときはローストビーフや、圧力鍋でチャーシューなんかも作りましたね。結構おいしいんですよ(笑)」1/27(水)発売『誘われてエデン/望郷』Aタイプの3曲目は『青春酒場』。同じくBタイプは『恋』(松山千春のカバー)。各1350円(税込み)。発売/ビクターエンタテインメントスタイリング/伊藤伸哉、ヘアメイク/合田和人(D-GO)
2021年01月27日氷川きよし撮影/廣瀬靖士 『NHK紅白歌合戦』でも、その存在感を見せつけた氷川きよし。’20年を「学んだ1年だった」と振り返る。そして迎えた’21年。「今年は堂々と歌って、思いを伝えていきたい」と力強く語る。その熱き思いとは?■昨年できなかったことを今年はしっかりと氷川のライフワークであるコンサートツアー。例年であれば年間約60日〜70日(120公演〜140公演)、全国各地のファンに生歌を届けている。しかし’20年は、たったの7日(14公演)。言うまでもなく、新型コロナウイルスのため中止や延期を余儀なくされた。「いい1年とは言えないですよね。でも“すべてに意味がある”といい方向に考えなきゃいけないと思う。そして、結果、よくなるんだろうなと思います。本当に学んだ1年でした。こうして生きていること自体、自分にはやっぱり使命があるんだと改めて感じています。自分にしかできないこと、氷川きよしにしかできないこと。伝えたいこと、伝えていくべきこと。しっかりと発信していきたいと思った年でした」昨年できなかったことを、今年はしっかりやっていきたいと前を向く。「例えば、コンサート。昨年の振り替え公演が、今年はたくさんあるんです。それをやる体力をしっかりとつけておかないと!」’20年、いちばんうれしかったことは、初のポップスアルバム『Papillon -ボヘミアン・ラプソディ-』を6月にリリースできたこと、と振り返る。「デビューしたときからの夢でもあり、自分の中で“ここまでやれた”という自負もあり。プロ歌手としての20年分の思いを音楽として吐き出すというか。そんな作品にすることができました。未曾有のコロナ禍でいろんなことが一時フリーズし、何もできない状態で家にいた時期だった。発売するかどうか、すごく悩んだけれど、聴いてくれた人から“励まされた”“元気になれた”という声がたくさん届いたから」と、誇らしげ。同じく6月にポップスコンサートを開催する予定だったが、これも中止。しかし8月に無観客ライブを行った。「コロナがおさまれば、ポップスコンサートをやりたいですね。通常の氷川きよしコンサートとは、また別に。Kiiコンサート?名前はまだわからない(笑)」■夢やロマンはエンタメの世界でしか表現できない8月には明治座で座長公演。2月2日のライブ以来、実に半年以上ぶりに観客の前に立った。「初日、久しぶりにお客さんの前に立って、拍手をもらったときはうれしかったですね。涙が出ました。お客さんも不安というか、思い切り楽しめる状態で来られた方はいなかったと思います」“き・よ・し”コールは封印、かわりに拍手で氷川への気持ちを伝えるスタイルに。「そうですよね。それでも来てくださったことは、本当にありがたいなとしみじみ感じました。キャストもお客さんも、みんなが万全に対策をしてくれたから、感染者は1人も出なかった。なんとしても成功させたい、という思いはすごく強くありました。無事に終わった大阪の千秋楽では、また涙が出ました。夢のある世界やロマンは、やっぱりエンターテイメントの世界でしか表現できないと思います。その灯を消せない、消さないようにしたいという思いはありました」昨年後半は『SONGS』(NHK総合)や『ミュージックステーション』(テレビ朝日系)、『TheCovers』(NHK BSプレミアム)など、音楽番組への出演も普段以上に拡大させた。「人前で歌うのは緊張するんですけど、やっぱり歌が好き。’21年はポップス系の番組にももっと出られたらいいな。堂々と歌って、思いを伝えていく’21年にしていきたい。なんか、肩で風を切るような思いで突き進んでいきたいです!」新年の抱負をお願いします、とブラックボードを渡すと、ほんの少しだけ考えたのち、迷いなくさらさらと書き進めてくれた。達筆なのは存じ上げておりますが、ますます字がお上手になられたような?「’21年は丑年ですよね。せっかくだから牛、描いてもいいですか?」もちろん!何ともキュートな子を描き上げてくれた。スターは絵心までおあり。「牛に見えます?大丈夫かなぁ?」モウし分なし!さらには“週刊女性LOVE”のうれしいお年玉まで。「’21年は、みんなで力を合わせて。まだ直接、近くで会ったり、マスクがない状態で、というところまではいかないけど、心だけはしっかり強く持って。いろいろ知恵を絞りながら、いろんなことをいい方向に持っていけるように。ともに考えていけたらいいですね」週刊女性は、アーティスト・氷川きよしの煌めきを今年も追いかけ続けます!!■ちゃんと会って、顔を見ないと……大阪での過ごし方いつもだったら大阪グルメに舌つづみを打つところだろうけど、今回は外食封印。「大阪のレコード会社のおじちゃんがたこ焼きを買ってきてくれて。本当においしかった。大阪にいると太りますね、食べ物がおいしくて(笑)。ホテル暮らしだったので、食事は基本的にはホテル内のレストランやルームサービスでした。でも、ちょっと贅沢しすぎた気がして、その後はカップラーメンを3日続けて食べて、バランスをとりました(笑)。贅沢すると罪悪感を感じるというか、そのぶん節約しないといけない気がしません?カップラーメン、すごくおいしかったです」買っちゃった♪大阪・新歌舞伎座での座長公演中(11月19日〜29日)、新作バッグをお買い上げしたことをSNSで報告していた。自分へのご褒美?「旅支度、下手なんですよ(笑)。できれば毎日、違う服を着たいし、靴もカバンも毎日替えたい。でも、それが10日間ってなったら、ものすごい荷物になるんですよ。でも大阪に持っていったカバンは結局1つ。そんなわけで“カバンをもうひとつくらい持っておこう”と思って。やっぱり、いろんなカバン持って写真を撮りたかったし。ね?」あふれまくる母性氷川が一緒に暮らす家族はミニチュアダックスフントのココアちゃん(16歳♂)、ミルクちゃん(10歳♂)。昨秋には、さらにラテちゃん(1歳♂)を迎え入れた。「いい出会いがあって。ダックスが好きだし、縁だなと思って。もう大変ですよ(笑)。ときにうわーってなるくらい、とにかくにぎやか(笑)。そして、やっぱり可愛いです。“ゴハン食べさせなきゃ!”“守ってあげなきゃ!”みたいな。もう完全に母性があふれてます(笑)。自分が働かなければ、困る子たちがいる。背負っているものがある。だから頑張れるし、倒れるわけにはいかない。そうやって自分にプレッシャーをかけているんだと思います。ココアたちだけじゃなく、両親の存在もそうですね」友達は大切故郷・福岡でコンサートの後、久しぶりに会った人がいたという。「高校の同級生。一緒に演歌を歌って、一緒に頑張ってきた友達です。コロナの影響か、近ごろネガティブなメールが来ていたから……激励しなきゃと思って。久しぶりに会って、いろいろ話しました。そしたら“顔を見て話したら、気持ちが変わった”って言ってくれて。うれしかったですね。自分も励まされて、頑張ろうという気持ちになれました。やっぱりちゃんと会って、顔を見ないといけないんだって、すごく感じました。そして、やっぱり友達って大事だなと思いました」スタイリング/伊藤典子(hoop)ヘアメイク/遠山雄也(RELAXX)
2021年01月09日昨年の第7回料理レシピ本大賞で準大賞を受賞した『藤井弁当』(学研プラス)。「毎朝作り続けること」に重きをおき、「とにかく簡単」を目指したお弁当ノウハウは多くの人に支持され18万部を突破。この良書ができあがるまでの道のりを聞いた。藤井恵さん撮影/廣瀬靖士『藤井弁当』は「めんどくさい」と思われがちなお弁当作りの工程を極限まで削ぎ落としてパターン化。読者からは「ストレスなく続けられる!」「こんなに簡単でいいの!?」など感動の声が続出している、いま注目の料理本だ。著者の藤井先生によれば、本の誕生はご自身のブログがきっかけだった。「料理初心者の娘が作ったお弁当にアドバイスしたりなど、毎日、お弁当について投稿をしていたら、担当編集者さんが興味を持ってくださって。とにかく作り続けられることにこだわった、初心者向けのお弁当本を作ることになりました」(藤井先生)■卵焼き器だけで3品簡単だから続けられる『藤井弁当』には、藤井先生が仕事や子育てに忙しく動きながら3度の食事も作る日々の中で、「いかに楽に、短い時間で作れるか」を重視してお弁当を作り、編み出したアイデアが凝縮されている。「卵焼き器ひとつで1~2人分のおかずを3品作れます。調味料も最低限、コンロも1口ですみ、洗い物も減らせて楽。私ももうこのやり方以外では作れません(笑)」(藤井先生)担当編集者の学研プラス・小林弘美さんは、料理本制作歴20年。藤井先生とのコンビでこれまでも多くの料理本を出版、2016年には『藤井恵さんの体にいいごはん献立』(同社)でレシピ本大賞入賞もしている。『藤井弁当』の制作では、従来より打ち合わせを多く行い、藤井先生のアイデアを聞き取りながら「卵焼き器ひとつで」「食材を3つに絞る」「工程をワンパターン化」などコンセプトを決定。基本工程を繰り返し紹介し、誰でもお弁当作りを習慣化できる構成にした。■ひとり暮らしの自炊にも役立ててほしい印象的な『藤井弁当』というタイトルは、打ち合わせの会話から生まれた。「藤井先生ならではの、とことん作り方を簡単にすることに特化したお弁当本なので、ぼんやりしたタイトルは合わないと感じてつけました。反対意見もありましたが、藤井先生も強く賛同してくださって説得でき、結果的に多くの方に愛される本になりよかったです」(小林さん)受賞について、藤井先生は「毎日、普通にやってきたことをうまく本にまとめていただき、多くの方に喜んでいただけてうれしいです。人気の本になったのは、小林さんとライターの佐々木さんをはじめ、多くの関係者の方のお力があってこそ」と言う。『藤井弁当』はお弁当初心者だけでなく、ひとり暮らしの食事作りにも役立ててほしいとコメント。「コロナ禍では自炊を始める方も増えましたね。忙しいと食事はおろそかになりがちですが、簡単でも『作って食べる』ことは、自分や家族を大切にすることにつながります。自炊を楽しく習慣にするためにも、この本を役立てていただけたら幸いです」(藤井先生)(取材・文/野中真規子)《PROFILE》藤井恵◎料理研究家、管理栄養士。雑誌、書籍、テレビなどで活躍。著書に『藤井恵さんの体にいいごはん献立』『藤井恵さんの体にいい和食ごはん』『もやし100レシピ』(すべて学研プラス刊)など。ブログ■料理レシピ本大賞2020受賞作品【料理部門・大賞】『ひと口で人間をダメにするウマさ! リュウジ式 悪魔のレシピ』(リュウジ=著/ライツ社)【料理部門・入賞】『syunkonカフェごはん レンジでもっと!絶品レシピ』(山本ゆり=著/宝島社)【料理部門・入賞】『朝10分でできる スープ弁当』(有賀薫=著/マガジンハウス)【料理部門・入賞】『力尽きレシピ』(犬飼つな=著/光文社)【こどもの本賞】『おにぎり』(平山英三=ぶん・平山和子=え/福音館書店)【エッセイ賞】『頑張らない台所〜60歳からはラクしておいしい』(村上祥子=著/大和書房)【コミック賞】『私でもスパイスカレー作れました!』(こいしゆうか・印度カリー子=著/サンクチュアリ出版)【お菓子部門・大賞】『材料2つから作れる! 魔法のてぬきおやつ』(てぬキッチン=著/ワニブックス)【お菓子部門・準大賞】『志麻さんの気軽に作れる極上おやつ』(志麻=著/マガジンハウス)【特別選考委員賞】『フライパン煮込み』(若山曜子=著/主婦と生活社)
2021年01月03日香取慎吾撮影/廣瀬靖士2020年は、元旦に初のソロアルバムを出し、これからライブという矢先にコロナ禍に見舞われてしまったという香取慎吾。それでも慎吾ちゃんが、“幸せ者だな”と感じたこととはーー。■僕はやっぱり人を笑顔にするコメディーが好き――2020年は、元日に初のソロアルバム『20200101』をリリースしたところからスタートしました。「“香取慎吾はアーティストとしてこういう活動をしていきたいです!”って所信表明をして燃えてるところでコロナ禍に見舞われたので、それをライブという形で見せられなかったのが残念でしたね。そんな中でも“僕は幸せ者だな”と感じたのは、ドラマ『誰かが、見ている』で三谷幸喜さんという大きな才能をひとり占めできたこと。三谷さんとの作品が増えるにつれて、“僕、こうやってみたいです”ってキャッチボールさせてもらえるようになって。僕はやっぱり人を笑顔にするコメディーが好きなんですよね」――同じく元日からYouTubeも。「本来はもっと素の部分で表現するのがYouTubeのよさでしょうけど、僕はずっといい意味で“香取慎吾”を作って生きてきたから、急に素の僕としてやるのは違うと思うし、面白くもないし。“しんごちん”ってキャラがいれば、エンターテイメントとして突き詰めていけるんですよ。スタッフともかなり打ち合わせしたり、編集でも1コあげる動画を何回見てるかわからないくらい。やることは多いけど楽しいですね」――プライベートでは自宅の掃除に熱中しているそうですが?「掃除でいうと、もはや人生の終盤を迎えています(笑)。僕にとって永遠のテーマだった、ごちゃっとしたクローゼットの中を整理するためにスチール製の20~30cmぐらいの四角い箱を60個ぐらい注文して、まず箱を開けるのに数日かかり(笑)。そこにすべてのモノを収納して、今はクローゼットを開けるとビシーッと。ついに大改革を成し遂げました(笑)。あとは、コロナ禍の中でずっと自分の絵が描けなかったんですが、このニューノーマルに頭が少し慣れてきたのか、この間は雑誌の表紙の絵を描いた流れで、“もうちょっと描いていたい”と思って、かなり描けたんです」――2021年は主演ドラマ『アノニマス』で好発進しますね。「5年ぶりの民放の連続ドラマで、ドラマの中の“指殺人対策室”チームの若いキャストたちと自分がどうお芝居で向かい合うのか。来年も楽しみがいっぱいです」■気になるアレコレQ&A最近買ったお気に入りはコレ!「ワイヤレスイヤフォン。今まであまり使わないので持ってなかったんですけど、僕の好きなファッションブランドが、ワイヤレスイヤフォンをしまうケースつきのネックレスを発売してて。それが欲しくて買ったので、せっかくだから中に入れるワイヤレスイヤフォンも買おうと思って使ってみたら、結構いいなって。変わった入り方だけど気に入ってます」冷蔵庫にマストなものは?「質問とは逆になっちゃうんですが、ときどき思うのは“あっ、香取慎吾なのに冷蔵庫にマヨネーズが入ってないな”って(笑)。絶対すげぇデカいのが入ってそうじゃないですか。で、いつからないんだろうって考えると、1か月前に期限が切れたのを捨ててからなかったことに気づいて。だから、“1か月とかなくてもいいんだ”というのを思うときがある(笑)」飼うなら犬派?猫派?「犬派だけど、犬以外あんまり知らないというか。子どものころからまわりで猫を飼ってる人がいないので、触れ合ったことがなくて。この間はYouTuberのフィッシャーズとコラボして自宅に行ったら、水槽にトカゲがいて“お手とかしないし、どういう感じなんですか?”って聞いたら、“熱帯魚を飼ってるのに近いかも”って言われて、へぇ~、そんな飼い方があるのかって思いました」これでテンションがアゲアゲ「やっぱり仕事が好きなんだなと思うんですけど。最近、YouTubeでテンション高く話してるときがあって。“今日は疲れてテンション高いんじゃないんだ。すっごい元気だからテンション高いんだよ”って説明してる自分がいて(笑)。でも、打ち合わせのときは静かなんですよ。ドラマの本番もそうですけど、そこに向けてじわじわ高めていって爆発するのかも」取材・文/相川由美スタイリスト/黒澤彰乃ヘアメイク/石崎達也
2020年12月26日草なぎ剛撮影/廣瀬靖士主演映画『ミッドナイトスワン』が大ヒットを記録中の草なぎ剛。「自分を褒めてあげたい」と笑顔を見せるつよぽんが話す2020年、そして2021年のことーー。愛犬のクルミちゃん&レオンくんとのほっこりエピソードも!■ありがとう人生!――今年は大活躍でしたね。「代表作満載なんだよね(笑)。1月は、舞台『アルトゥロ・ウイの興隆』があって、いま思うと、コロナが広がる前にできたのが本当によかったし、こういう舞台もあるんだなって、新しい扉を開かせてくれた作品で。そして9月に公開した『ミッドナイトスワン』も口コミで広がって、まだ見てくれてる人がいるし。自分を褒めてあげたい。ご褒美ほしい!(笑)」――映画館では見られましたか?「1回新宿で見た。雨の日で最後の回だったんだけど、お客さんがたくさん来てくれてて。僕もまた“追いスワン”しようと思ってる。こういう作品って何百本やっても、出会えるかわからないものだから、神様からご褒美もらったなって。公開10週目の舞台挨拶も普通ないことだし、感無量だね。“ありがとう人生!ありがとうミッドナイトスワン!”って思いました」――最近のプライベートは?「クルミとレオン、2匹連れて散歩に行くのが日課になってるかな。世の中の状況は日々変わるけど、そういうなかで、散歩ができたり、仕事ができたり、おいしいものを食べたり、買い物ができたり、そういう日常って当たり前じゃなくて、素晴らしいことなんだよっていうのを、神様とワンちゃんが言ってくれてる感じがして。散歩中、ショーウインドーに映る自分を見るたびに、幸せだなぁって思う」――来年は大河ドラマ『青天を衝け』も控えてますね。「共演の堤(真一)さんとは以前も共演があったんですけど、久しぶりなので身が引き締まる思いもあるし、やっぱり時代劇は緊張する。竹中直人さんとは初めてだし、そういう先輩方のオーラに圧倒されて緊張でセリフが言えなくなっちゃったり、そういう感覚も久しぶり。でも先輩方から若い方まで、みなさんと芝居でぶつかり合いながら激闘してますかね(笑)」■気になるアレコレQ&Aクルミちゃんがヤキモチ!?「(愛犬の)レオンはまだちっちゃくて、気温の変化とかで風邪ひいたり調子崩すから、そこは人間の子どもと一緒だよね。いちいち病院に連れてったり大変だけど、鼻水たらしたりしてるのもかわいいよ(笑)。でも、そうやってレオンばっかりかまって抱っことかしてると、(母親の)クルミちゃんがヤキモチ焼いて、つまんなそうにしてるから、フォローしてあげないといけないな」ネイチャー剛が開花「秋ぐらいに友達とキャンプに行って、自然に触れる気持ちよさを改めて感じたから、来年はもっと森とか川とか自然の中に身を置きたいなって。今年はずっと家の中にいたしね。もともとは自然よりも都会的なビルとかのほうが好きだったんだけど、今年から急にネイチャー剛が開花して(笑)。やっぱ自然の中は時間の流れ方が違うし、気持ちいいよね」ギターが曲を書かせてくれる「曲を作るときは、テーマとか何も考えてないんです。ギターをポロンって弾いてると、ギターが書かせてくれる感じ。シンガーソングライターの方とかだと、今回はこういうテーマでとか頼まれて作ると思うんだけど、俺に頼んでくれる人いないから(笑)。だからギターを弾いて「次は何かな〜、迷ってる〜♪」とか言ってるうちに詞がハマってできてくんだよね」ビンテージギターで新作を披露「このあいだのファンミーティングで披露した『みち』っていう曲は、いつかまた、ギターの“はっぴょう会”をやれたら披露しようと思ってた曲。1950年代のビンテージギターで生音でやったんだけど、そんなのやってる人、奥田民生さんと僕ぐらいしかいないから、結構すごいことやってんのよ(笑)。技術も経験もないのにすごい無謀だよね(笑)」最近テンションが上がったこと「テンションが上がるのは、パクチー鍋を作るときかな。トマトとお豆腐と豚肉と、あとレタスとかキャベツとかとパクチーとかを入れるの。辛くてスパイシーな感じもあるんだけど、だしをとってレモンとお酢を入れて酸っぱい感じがすごくハマって。食べると“酸っぱらしい!”ってテンションが上がる(笑)」取材・文/渡邉朋子スタイリスト/黒澤彰乃ヘアメイク/荒川英亮
2020年12月25日稲垣吾郎撮影/廣瀬靖士 テレビに舞台、SNSなど、2020 年もいろんな挑戦を続けてきた稲垣吾郎。朝ドラからスタートし、“充実した1年だった”と振り返るゴロさんに、話を聞きました!■来年もぜひ、舞台でみなさんにお会いできれば――今年はどんな年でしたか?「僕にとっては’89年のNHK連続テレビ小説『青春家族』が役者としてのスタート。今年は約30年ぶりに“朝ドラ”の『スカーレット』から始まった年で、とても充実した1年でした。新型コロナで制約はあったけど、世界のみんながそうだったでしょう。でも、そんな中でもいい時間を過ごせました」――MCのお仕事が増えました。「何十年も芸能界でやってきたけど、とても新鮮な体験です。グループ時代はあまりやっていなかったから。ゲストにじっくりとお話をうかがう“聞き手”は自分に合っていると思います。ラジオ番組のパーソナリティーはまさにそうだし、週刊誌で作家さんと対談する連載もあった。自分が興味のある方にお会いできるお仕事は本当に楽しいですよね」――印象に残っているのは?「映画監督の三島有紀子さんとラジオ番組で再会できたこと。この夏、朗読劇で演出していただいたけど、あの朗読劇は俳優としての自分に何か変化をもたらしてくれるもののような予感がありました。今年はタランティーノ監督や黒沢清監督、たくさんの監督にお会いできました。自分が見てきた大好きな監督にお会いできて本当にうれしかったな」――再々演の『No.9―不滅の旋律―』も楽しみです。「『第九』はベートーヴェンの集大成。困難や暗闇、葛藤がある中で暗闇から歓喜へ向かう曲だから、まさにこの時代に求められている作品。今年が生誕250周年というのも不思議ですよね。世界がベートーヴェンを必要としている。こういうときだからこそ、この歌が力を与えてくれると思っています」――稲垣さんにとって、俳優の面白さとは?「僕はベートーヴェンのように情熱的にはなれないけど、役柄が自分とリンクしないから面白いのかな。全く違うキャラクターを演じることで逆に自分が見えてくる。自分と違う人生、自分じゃ経験できない人生だからこそ面白い。舞台では自分のストッパーをはずすことができるから、ストレス解消にもなります(笑)。やっぱり俳優の仕事って面白いですよね。2021年もぜひ、舞台でみなさんにお会いできればと思っています」■気になるアレコレQ&A年末年始はどう過ごす?「おせちとか、初詣とか、お雑煮とか、お正月っぽいことをプライベートで楽しむ機会もほとんどなかった。好きな神社はいくつかあってときどき行くことはあるけれど。最近は、季節の伝統食を楽しんだり、文化的な行事をすることも、大人の男として大切にしなきゃいけないなとは思っています。新年はまず、3人で初詣から」来年は年男です!「2021年は年男だけど、年男もあんまり気にしたことはない。みなさん、年女とか年男とか、気にするのかなあ。思い返すと、前回、自分が年男だったときの記憶が全くないんですよ。12月で47歳になったから、12年前ということは35歳。ということは、『金田一耕助シリーズ』をやっていたころ。あのころは忙しすぎて、実はあんまり記憶がないんですよね……」久々にラッピングされました「いやあ、もういい年齢なんだから。こんなふうに撮影で自分がリボンでグルグル巻きにされたのなんて、若い頃のアイドル誌以来ですよ。『明星』とかさあ(笑)。今日は“まさか、これ、俺が巻かれるの?”ってかなり戸惑ったけど、頑張りました。久々にやってみたら、意外にもちょっと面白かったですね」クリスマスは赤いバラのリースで「クリスマスツリーは飾らない。家族や子どもがいれば、きっと楽しいんだろうな。僕も子どもの頃、クリスマスは楽しみでした。今は仕事の現場でクリスマスの雰囲気を味わっちゃうから、家では何もしないんです。あ、でも今年は、舞台のスタッフがくれた赤いバラのリースを飾ってます。家に帰るとリースが迎えてくれる。それは結構うれしい」取材・文/太田美由紀スタイリスト/黒澤彰乃ヘアメイク/金田順子
2020年12月24日香取慎吾、稲垣吾郎、草なぎ剛撮影/廣瀬靖士クリスマスが近づき、いよいよ今年もあとわずか。テレビに舞台、SNSなど、いろんな挑戦を続けてきた新しい地図の3人。そんな多忙な1年を思い出話とともにプレーバック。ここだけのウラ話も飛び出しました!■先を見るより一歩ずつ進んでいきたい――先日、初のオンラインでファンミーティングが開催されました。香取「僕も初めての感覚でいたんだけど、『ななにー』のライブで、お客さんがいない中、3人だけで何回か歌わせてもらってたから、それがすごく勉強になってたんだって終わってから気づいた」稲垣「僕らは、ずっと画面の向こうのお客さんを感じながらやってきたし、ファンの方とのつながりもあるから、今回もみなさんを近くに感じられたよね」草なぎ「僕は“つよっちゃま”から“つよちゃまお”に改名しましたけど、後で映像を見たらスベってたね(笑)。でも全体は大成功だったし、改めてステージに立つことが自分たちの原点というか、こういう場所で生きてきたんだなって実感。ただ、久しぶりのステージですごく緊張して。そんな自分が初々しくて愛おしかった(笑)」――同じく11月には、森且行選手がオートレースのSG日本選手権で初優勝しました。草なぎ「あのレースに出れること自体すごいんだけど、最年長で日本一って本当にすごい!神様っているんだね。後でレースの様子も見たけど、あれは競走車の調整も含めての勝負で、森くんはこけなかった。堂々たる1位だよ!」香取「僕はSNSを巡ってたら、森くんの試合後の映像に行き着いて。仲間に伝えたいって目を潤ませながら言ってるのを見たときに、ついに僕らと約束した日本一になったんだなぁと思った」稲垣「何年たっても諦めないっていうのは本当に大切だなって思ったし、このコロナ禍を吹き飛ばしてくれるような朗報で、僕ら含めみんなに勇気を与えてくれたよね。あと、ありがたいのは、森くんがSMAPとして僕らと活動した期間は何年かだけど、それでもみんな森且行という人間のことは、知ってくれてるじゃないですか。そんな子いたね、じゃなくて、元SMAPの森くんっていうことを」香取「僕は逆に、元アイドルの森且行が優勝みたいな記事に対して、“彼はもう素晴らしいオートレーサーだから急に元アイドルとか言うな!”っていうSNSのコメントが印象的だった。オートレースファンの方にそんなふうに思ってもらえてるって、すごいことだから」■紅白の舞台裏はまるでお祭りのよう――もうすぐお正月ですが、みなさんのお正月の定番は何かありますか?草なぎ「お正月はよく慎吾と初詣にね。でも、今年行ったっけ?」香取「行ってないんですよ」草なぎ「じゃゴロさんも一緒に行きましょうよ。元日の『ななにー』の後に」稲垣「ふっ(笑)」香取「鼻で笑ってますよ!(笑)」草なぎ「ゴロさん、すぐ帰っちゃうから〜。行ったほうがいいですよ」稲垣「『ななにー』の後だったら……」草なぎ「たまには年越しそばとかも食べようよ。昔は紅白でいろんな方が差し入れしてくださったよね」稲垣「おせちとかね。確かに年末年始感がすごくあった。紅白は特に。大先輩から新人の方までみんな集まって」香取「舞台裏では、出番の人の“行ってきまーす!”って声が廊下から聞こえてきたり、みんな部屋の中にいても、拍手で“行ってこい!”って送り出す感じだっだ」稲垣「終わって帰ってきても拍手で迎えたり、お祭りみたいで」草なぎ「北島三郎さんとか五木ひろしさんにも“元気か?”なんて言ってもらったり。本当にみなさんによくしていただいたよね」――最後に来年に向けての抱負を。香取「パラリンピックが開催予定なので、少しでも盛り上げたいです。あと、久々に3人で歌も出せたらいいね」稲垣「『星のファンファーレ』から、1年以上たつしね。意欲的に活動していきたいとは思ってるけど、応援してくれる方々の心と身体の健康がいちばんなので、そこは様子を見ながら一歩ずつ」草なぎ「僕ら、新しい地図に関しては、そんなに先は見てなくて、本当、一歩一歩だと思ってるので、僕らなりのエンターテイメントを生み出していけたらって思います」取材・文/渡邉朋子スタイリスト/黒澤彰乃ヘアメイク/金田順子(稲垣)、荒川英亮(草なぎ)、石崎達也(香取)
2020年12月23日松下洸平撮影/廣瀬靖士朝ドラ『スカーレット』でヒロイン・喜美子(戸田恵梨香)の夫・八郎役でブレイク!誠実さと時折見せる“男”の顔、そしてイケメンボイス……。“#八郎沼”に多くの女子がハマった。そんな松下洸平が、朝ドラ後初の連ドラ(レギュラー出演)に選んだのは『#リモラブ〜普通の恋は邪道〜』。“受け止め男子”青林を好演している松下に恋愛観、結婚観を聞いた。■初のラブコメは“キュン”を学びながら勝気なおひとりさま産業医・美々(波瑠)はSNSで“檸檬”と出会う。たわいもない会話を重ねる中で恋に落ちるが、檸檬はあろうことか同じ会社に勤める青林(松下洸平)だった……!「ラブコメは初めての挑戦なんですけど、やっぱり楽しいですね。オンエアのたびに、みなさんの反応を見て“こういうところにキュンキュンするんだな”と、僕自身がキュンを学びながらやっています」紆余曲折をへて、やっとオフラインで互いの気持ちを確認し合った2人だが、ぶっちゃけ、オンライン上での出会いってアリ?「僕は、そういうのをあまりやっていないので、アリかナシかの判断は難しいんですけど……。ただ、友人や世間の声を聞くと全然あることみたいなので、“なるほど〜”と思っているところです。もし仮に、僕が同じ状況になったら、まず最初に相手がどんな人か探ると思うんです。すごく年が離れているかもしれないし、ひょっとしたらおじさんかも……とか考えますよね?でも5話(11/11放送)にたどり着くまで、青ちゃんはそこに思い至らなかった。本当にピュアですよね」マイペースだけど誠実で、とにかく優しい。そんな“#青林沼”へ女子たちはお引っ越し!?「いやいやいや(笑)。青ちゃんはちょっとすっとんきょうな部分はありますけど、そこも含めて可愛がっていただけるといいな、と思いながら演じています。SNSを通じて知り合った2人が、実際の距離を縮めていくもどかしさ、むずがゆさが『#リモラブ』ならではだと思います。これから先も、たくさんの胸キュンポイントが待っているので、ドキドキしながらご覧になっていただけたらすごくうれしいですね」■もし、自分に子どもがいたら……独特の優しい間合いで穏やかに話す松下に、どんな女性が好きかと尋ねると、「仕事でもプライベートでも楽しげな人がすごく魅力的だなと、僕は思うんですね。それはテンションの問題ではなくて、明るいオーラを持った人。外見的なこだわりはまったくないです」現在33歳。しかし、結婚願望はあまりないという。「今は、お芝居することがすごく楽しいなと思っているので。ただ、子どもが好きなので“もし、自分に子どもがいたら……”と、ときどき想像はしてますね(笑)。朝ドラをやってるころ、八郎さんの息子がまあ可愛くて!子役の子をとにかく溺愛してました(笑)。もう、隙あらば抱きしめてやろうかなってくらい可愛いんですよ!僕のこの愛情をどこまでぶつけたら引かれないかけっこう考えましたし、心の中では常にその子を抱きしめていましたね(笑)」いい俳優、そしていい父親になりそうだ―。【コラム】朝ドラ出演後の変化「たくさんの方が僕を知ってくださったことが、いちばんの変化だと思います。僕が標準語でしゃべると違和感がある、とおっしゃってくださる方もいます(笑)。やっぱり“僕=八郎さん”というイメージを持っていただいているので。ありがたいことですが、これからの活動で八郎さん以外のイメージも持っていただけるように頑張りたいと思います」街ではまだ“八郎さん”と呼ばれることも?「最近はあまりないですね。というか僕、街では本っっっ当に全然気づかれないんです。普通の格好して、マスクして帽子をピュッとかぶっていると、びっくりするくらい誰も気づかない(笑)。アハハハハ」『#リモラブ 〜普通の恋は邪道〜』毎週水曜夜10時〜(日本テレビ系)
2020年12月09日福山雅治撮影/廣瀬靖士今年デビュー30周年を迎えた福山雅治が、6年8か月ぶりにオリジナルアルバムをリリース。タイトル『AKIRA』は17歳のときに亡くした父親の名前だ。その理由とは、父への思い、初めて明かした胸中――。■父の闘病生活が表現欲求の原点「“AKIRA”という名前のアルバムを出せたらいいなという構想自体は、3~4年くらい前からあったんです。“AKIRA”ってアルファベットで書くと、僕のなかでは匿名性があるんですよね。世界的に有名なアニメもありますし、抽象的で記号っぽいというか。それで“AKIRA”というタイトルはアルバム作品としてもありだなと思っていました」その温めてきたタイトルを今回のアルバムにつけたきっかけは、自身の年齢が父親の他界した年齢に近づいてきたことが大きかったという。「自分のソングライティングや何かを表現したいという原点のひとつには、17歳のころに見た父親の闘病生活の1年にあった」と、振り返る。「父親はがんで1年間、闘病していました。当時は今のように緩和ケアでがんとともに生きるQOL(クオリティー・オブ・ライフ)なんていう考え方は、ほぼなかったんじゃないかな。なので、放射線を当て、身体にメスを入れ、抗がん剤を飲み……ありとあらゆる積極治療をしていた1年でした。母親は、高校生だった僕と兄貴のために朝飯を作り、仕事に出かけ、夕方いったん家に戻ってきて晩飯を作って、夜は病院に泊まりがけで父親の付き添いをするという、非常に過酷な時間を過ごしていました。なんとか生きたい、病に打ち勝ちたいという思いで積極治療をしていたんでしょうけど、みるみるやせ細ってゆく。父親もまだ50代前半で、母親も40代と若かったので、可能性にかけていたんでしょうね。ただ、近くで見ている僕としては、どちらも消耗していっているのがわかるから“いや、もうこれ以上はやめてほしい”と思ってた。でも、治療をやめてくれとも当然言えないですし。そのわりには、学校に行ってまじめに勉強するかっていったら、やっぱりまだ子どもだからまじめに勉強しない。校則で禁止されているバイクの免許を取ったのが学校にバレて、母親が学校に呼び出されちゃったりして。なんか最悪なわけですよ(笑)。本当に、母親にとってみたら過酷な日々だったと思うんですよね」その後、父親が亡くなり、母親を安心させるために地元・長崎の会社に就職した。「一応、就職はしましたけど“母親を安心させるため”という動機だけで働いていると、(自分自身を)やっぱり納得させきれないわけですよね。ここにいてもこれ以上の変化はないし、母親のためだけに生きていくっていうのは、なんか違うという思いで、音楽をやりたくて上京しました。父親の死をきっかけに自分の精神に起こった感情、親戚縁者との関係、お金のこと……いろいろなことが起こったので、とにかくこの状況から、この家から、この街から逃げ出したいっていうのがありました。僕も家族も、とにかくあの1年がすごくしんどかった。そのときの苦しさから解放されるために、音楽に没頭したことが、自分がシンガー・ソングライターとして表現をしたいという動機のひとつになっているんだなと、改めて思います。そのすごく精神的にダメージを受けた体験を、何かしら作品という形に昇華させないと、苦しいだけの記憶のまま抱えて生きていくことになってしまう。おそらくそういうことを本能的にわかっていたんでしょうね。これは作品を作ってアウトプットしないと生涯、精神的にしんどいままだって感じてました」■父親の歌を作ることはデビュー時からテーマタイトル曲『AKIRA』では、初めて父との別離をテーマに描いている。「デビュー当時から、父親の死のことや、そのことで受けた体験っていうのは歌にしようとはしていました。だけど、楽曲として自分で納得できるものを作り上げることはできずにいました。デビュー当時は、僕自身のソングライティング技術や表現技法が足りず、納得できるところまで到達しなかった。でも、自分の中には、描きたいテーマとしてはずっと心の中にあった。トライし続けていたんですけど、なかなかに難しいテーマだから、『AKIRA』も最後まで迷いながら直していました。でも、この1曲、このアルバムは、あくまでシンガー・ソングライターとしての再出発点だと思います。ソングライティングをやりたい、表現したい、そうじゃないと、あの17歳当時の1年間で自分が感じた苦しい思い出から、自分自身を救済することができない。それが、僕の表現の出発点――だとするならば、わずか1曲、わずか1枚のアルバムだけで、表現しきれるかっていうと、やっぱりそうはならなかった。だから、父親のことをこれからも歌っていくでしょうし、僕自身の死生観を表現していく始まりの1曲であり、始まりのアルバムなんだろうなと感じています」父親との思い出で、心に残っていることを尋ねると、「小学校低学年のころに、自転車に乗る練習を一緒にしてくれたことも覚えているし、何かっていうと楽しいこと面白いことを提案してくれてはいましたね。長崎の松枝埠頭でフェラーリやランボルギーニなどの世界のスーパーカーが集まるスーパーカーショーがあって、兄貴と僕を連れてってくれた。“スーパーカー乗りたか~!!”みたいなことを言ったら、フェアレディZっていうスポーツカーを、たぶん麻雀仲間からでしょうね、借りてきてくれたんですよ。“スーパーカー持ってきたけん、ドライブ行こうや!!”って。そういうところはいい思い出のひとつです。ただまあ、飲ん兵衛で(笑)。小学生のころ、学校に行く通学路の稲佐商店街を歩いてると、向こうから一升瓶を持って、じゃぶじゃぶ飲みながら、朝から千鳥足のおじさんが歩いてくる。“怖~い人が来たな”と思ったら、それは父親で。そしたら父親が言うわけですよー、“お~雅治、ちゃんと勉強してこいよ”って。“ウソだろ!!”って思いますよね(笑)。この人には言われたくないなって、子ども心に思いました」しかし、いわゆる普通の人とは違う生き方をしている父親のことを、憧れの目で見ていたところもあったと語る。「酔っぱらっているときは、“宿題やったか?”とか言ってましたけど、普段は勉強の話は一切せずに、与太話っていうか冗談みたいなことばっかり言っていて、そういうところは好きだったんですよね。なんか自由に見えたというか、“自由に生きている人なんだ”って思っていました。フーテンの寅さんじゃないですけども、そういうフーテン感みたいなところに、なんとなく自由な風を感じるところが、憧れというか“ほかの父ちゃんと違ってカッコいいな”というふうに、子ども心に思っていましたね」自身と似ていると感じるところは?「いろいろ似ていると思います。すぐ何でも冗談めかして言ったりとか、何か面白いことがないかなと探していたりとか、人を楽しませようとか、面白がらせる感じとか、そのサービス精神においては、とても似ているんじゃないですかね」■ファンは育ての親拾ってもらった!コロナ禍で迎えることになったデビュー30周年。振り返っていちばんに思うことは、ファンへの感謝だと言い切る。「もう一も二もなく、“ファンのあなたにありがとう!!”なんですよ。僕のエンタメ人生の生みの親である所属事務所のアミューズにはもちろん感謝ですが、育ての親は、まぎれもなくファンのみなさまなわけで。ライブだってお客さんが減っていったら単純に開催できなくなるわけですからね。デビュー当初は、音楽的タレント(才能)ってものがほとんどない、気持ちはあるけど腕がない状態。ファンのみなさんは慧眼だったんでしょう。きっとこの人は、いつか何かになるんじゃないかと予感して応援してくださっていたのかもしれないし。そういうファンのみなさまの支えによって、僕自身が音楽的、技術的な向上をしていくための時間の猶予を与えていただいたわけですね。ファンのみなさんに拾ってもらったっていう。それに尽きますね」30年間、アーティスト、俳優として、第一線で活躍し続ける福山が大切にしていることとは――。「人って変わると思うんですよ、見る側も見られる側も。もちろん変わらないところもありますけど、趣味とか好みとか多かれ少なかれ日々変化していく。だから、そのときそのときの感動や今、何に自分が興奮しているのかを自分でわかっていることが重要。それは音楽もそうだし、映画やドラマもそうだけど、そのときどきにいいと思ったものを自分なりに昇華して表現していきたい。これは自分らしくないからやめておこうということも、もちろんありますけど、基本は“いや、それはないんじゃないの?”って、こちらが驚くような斜め上からの新しいオファーを受け続けられたら、と思っています。どういうことかというと、そのオファーをくださった人たちにとってみたら、まだ見ていない新しい福山が見たいって思ってもらえてるわけで。例えば“夜の帯のキャスターをやりませんか?”みたいな話がきたら“いやいや、できないですよ”ってなりますけど、それくらい意外なオファーが来ると……とてもうれしいです(笑)。エンターテイメントというのはキャリアを重ねてくると、先入観やイメージが固定されがちなので、この人と仕事したいなとか、この人のこういうところを見たいなとか、思われ続けたいですよね。そういうふうに求められ続けたら、エンターテイメントの仕事をしている人間にとっては幸せですよね」20代のころから変わっていない、現状に甘んじないチャレンジする姿勢こそが、福山雅治の輝きの源なのだろう。12・27オンラインライブ開催!「コロナ禍で僕も非常にいろいろなことを迷い、不安になったし、心配事が絶えない1年でした。この冬も気をつけて日々を過ごしていかなければいけないですが、少しずつエンターテイメントやスポーツの出番が来ていると思うんですね。デビュー30周年がスタートするキックオフライブは急きょ内容を変えて無観客で開催したり、故郷・長崎は稲佐山で開催しようとしていた野外ライブや、全国ツアーもすべて来年に延期になってしまいました。だけど、みなさんとこの1年を過ごしてきたことをかみしめながら、いろいろ大変だけど生きていこうよ、と。そして来年は必ずやライブで会おうね、と。そういう前向きな気持ちになれるようなオンラインライブ(12月27日)を、アルバム『AKIRA』をもって表現しようと思っています。来年はきっとよくなることを信じて。“生きていれば何とかなる”という言葉がありますけど、この時代をともに元気に生き抜きましょうね!」奇跡の51歳!秘訣は筋トレと検査「外側はもちろん老けていきますけどね(笑)。筋肉をちゃんとつけておけば、わりと元気でいられるので、週に1回はジムに行ってウエートトレーニングはしています。あとはジムの中で走るくらいですね。それはもう20年くらい続けてます。代謝のいい身体を維持することによって、内臓も脳も活性化するので、トレーニングは続けたいと思っています。思考的にもクリアでいること、身体的にもすっきり動ける状態にしておくことは心がけています。あとは検査ですね。“もう来ないでください!”って言われるぐらい行きますから(笑)」 ニューアルバム『AKIRA』/表題曲はじめ『心音』『革命』『始まりがまた始まってゆく』の初音源化など全17曲を収録(12月8日発売、通常盤:3300円税込み、ユニバーサルミュージック)取材・文/井ノ口裕子ヘアメイク/新宮利彦(VRAI Inc)スタイリスト/申谷弘美衣装協力/CMMN SWDN
2020年12月09日小川紗良撮影/廣瀬靖士「自分が監督をしているのを知ってくださっていて、そのうえでオファーをいただいたことがうれしかったですね」『踊る大捜査線』シリーズなどのヒットメーカー、本広克行監督がメガホンをとった『ビューティフルドリーマー』で主演のサラを演じている小川紗良。男女6人の映画研究会のメンバーが、いわくつきの台本の映画製作に挑戦する物語。劇中、監督を務めるサラのように小川自身も大学生時代に監督を務め、発表した作品が話題となった。■時や文化を超え残る映像に魅了されて「高校生のときに学校行事のドキュメンタリーを撮ったことがきっかけで映像にハマっていきました。映像でもドラマとかCMとかたくさんありますが、その中でも映画という表現を選んでいる理由は、残っていくものだからなのかなと思っています。例えば、名画座に行くと、自分が生まれるよりもずっと前の作品に出会えて、それが生涯心に残っていく。そういう、時とか、文化とかを超えて残るところが魅力なのかなと」撮る側と撮られる側、どちらの視点も持っている小川に、一緒に仕事をしてみたい人を聞くと、「う~ん……。朝ドラ『まんぷく』でヒロインを演じられた安藤サクラさんですね。娘役をやらせていただいたので、近くで拝見することができて。ご本人の人柄もすごく素敵ですし、演じていた“お母ちゃん”みたいな感じも魅力的で。だから、俳優としても監督としても、いつか、またご一緒できたらいいなと思っています。実現できるまでに、私ももっと上達しないといけないですけど」
2020年11月15日「SUITS OF THE YEAR 2020(スーツオブザイヤー)」の授賞式が11月5日に開催されることを受け、昨年の受賞者を代表して元ラグビー日本代表主将・廣瀬俊朗氏がコメントを寄せた。スーツオブザイヤーは、日本経済新聞社デジタル事業メディアビジネスユニット「NIKKEI STYLE Men’s Fashion」と、世界文化社「MEN’S EX」が共催する「ビジネスや自分のフィールドで情熱を持ってチャレンジし、時代を変えていく才能や志を持つ人」を表彰するアワード。今年は、11月5日(19:00~)日本初のフルCGによるバーチャル授賞式として、煌びやかな都会の夜景をCGで演出し、特別な授賞式を開催。公式ホームページで配信も行う。廣瀬選手は昨年、俳優の草刈正雄や日本マクドナルドHD社長兼CEOサラ・エル・カサノバ氏とともに受賞。その後、装いに対して興味関心が大きくなり「以前よりチーフ、ネクタイ、靴、ベルトなど小物などにもこだわるようになりました」と振り返る。さらに「今年は、コロナ禍でスーツを着る機会が減りましたが、一層、スーツでオンのスイッチが入ることを実感できるようになりました。自宅にいるときはラフな格好で、都心できっちりとした仕事をするときはスーツで挑む。勝負には欠かせないピースだなと改めて感じています」とスーツの魅力を語り、「シーンによって、使い分けて、相手や場にも配慮できるような大人を目指していこうと思います」と自身の展望で締めくくった。
2020年10月30日ジェジュン撮影/廣瀬靖士約半年ぶりの日本で、オンラインライブを開催したジェジュン。大きな反響からアンコール配信が決定!盛りだくさんな演出のライブのこと、最近の生活。そして、叶えたい夢について聞いてみると……。10月5日放送の朝の情報番組『スッキリ』に出演したジェジュンの楽屋におじゃました。「久々のテレビ番組、しかも生放送なので緊張しました。でも、オンラインライブのほうがもっと緊張したかもしれない」ファンクラブ限定の配信ライブ『J-JUNLIVEBOKUNOUTA2020』を10月3日に開催。新型コロナの影響で、人前で歌が歌えなくなったジェジュンが、ふたたび歌えるようになるまでを描いた、半分ドキュメンタリー、半分フィクションのシチュエーションコメディー番組『僕は歌が歌いたい』(全8話、huluにて独占配信、ほか)のフィナーレとなる、番組連動の限定ライブ。■こだわりの演出はジェジュンの趣味から「こうして、歌えました!(笑)。1話の撮影をしたころは、どんな結末を迎えるのかな?という感じだったんです。オンラインライブにするということも正式に決まっていなかったので。ハッピーエンドで歌を届けることができて本当によかったです」韓国のジェジュンの家からリモート撮影で参加したドラマ。日本のスタジオの空気感がわかりにくくて苦労したと語る。約半年ぶりに来日して作り上げた配信ライブの登場はイリュージョンで。ほかにも、さまざまな演出が盛り込まれた贅沢なステージになった。「以前、挑戦したことがあったので、イリュージョンは短時間で習得できました。花の演出が多いのは、僕が趣味でフラワーアレンジメントを作っているのを知っているスタッフたちが花をテーマにしてくれたから。AR(ライブ映像にCGなどのデジタル情報を重ねて表現)の技術で本当にみなさんがペンライトを振ってくれているような映像もあって、すごく完成度の高いステージになったと思います」ゲストには『僕は歌が歌いたい』に出演しているお笑いコンビのアンタッチャブルや加藤諒。そして、これまでにツアーや歌番組で共演してきたMatt Rose(Mattから改名)が。「このライブに合わせたんじゃないかというくらいのタイミングで改名したMatt Roseくんが参加してくれて(笑)。無観客の配信ライブなので“ここにみなさんがいる”と自分に魔法をかけないといけない不思議な感覚だったんです。でも、ゲストのみなさんや、スタッフの方々が盛り上げてくださって、ありがたかったです」ジェジュンが改めて歌を届けることのありがたさを実感できたという貴重なライブ。熱いラブコールもあり、10月24日に別アングルのカメラ構成でのライブ映像や追加のアンコール曲を加えた特別配信ライブの開催が決定した。■聞けなかった“カバ”理由が判明!最後に、前回、カバーアルバム『LoveCovers II』のリリースタイミングで取材した際に理由を聞くことができなかった“次にペットを飼うならカバ”が、“カバー”にかけたダジャレだったのか聞くと、「いえいえ(笑)。YouTubeでカバの赤ちゃんの動画を見たんです。触ったら、めっちゃ気持ちよさそうで。いつか、マイケル・ジャクソンの(豪邸)ネバーランドみたいに、“ジェジュンランド”が持てるようになったら、カバを飼ってみたいと思って。ほんと、赤ちゃんはすごくかわいいんですよ。でも、だいぶ大きくなりますよね。数年後に飼うなんて、無理ですよ!100年ローンを組めば作れるかもしれないですけど(笑)」大ファンと公言し、親交を深めているHYDEがプロデュースで参加新曲『BREAKING DAWN (Japanese Ver.)Produce by HYDE』(配信中)について正直に言うと、何年も前からお願いをしていて、やっぱり無理かなと少し諦めていたんです。だから、すごいサプライズプレゼントでした。レコーディングのときに“こう歌ってくれ”っていうのはないですか?と僕からHYDEさんに聞いたら、“ジェジュンが好きに歌ってくれたら、それでいいよ”って。信頼されているのかなって、うれしかったですね。反面、無限のプレッシャーでもありました(笑)。すごく難しい曲なので。フラワースクールに通うジェジュン最近、自分でアレンジした花をプレゼント同じマンションに住んでいる仲のいいご夫婦に初めて僕がアレンジした花束をプレゼントしました。めちゃくちゃ、喜んでくれたので、よかったです。フラワースクールには、まだ通っています。30回分の授業料を先に払っていて、まだ10数回分残っているので(笑)。(日韓を行き来する際の)隔離生活でボーッとしている自分に気づいたとき“何をしているんだろう”と思ってしまうことがありました。それで、隔離が終わったら、興味があった自然に触れることのできる趣味を持とうと。花とか盆栽とか、木工とか、ひとりでもできることを始めたら、すごく楽しくて。アンコール配信ライブ『J-JUN LIVE BOKUNOUTA 2020 +(プラス)』10月24日開催配信サイト:BARON STREAM/Hulu ストアチケット販売は10月24日19時まで、アーカイブ配信あり記念グッズ『ジェジュン FLOWER プレミアムミニ』発売中
2020年10月17日妻夫木聡撮影/廣瀬靖士「ちょっとびっくりしましたね。そんなに時がたっていたとは思わなかったので」日曜夜9時のTBS『日曜劇場』に妻夫木聡が16年ぶりに帰ってくる。局や放送枠をさておいても『若者たち2014』(フジテレビ)以来、連ドラ主演は6年ぶりだ。■「“映画の人”って思われてるのかな」「そりゃ、現場で会う人会う人、“子どものころ『オレンジデイズ』見てました”って言われるわけですよね。うれしいような、自分がおっさんになったんだなという気分になるような(笑)」ドラマに関わっていなかった時間が、これほど長かったことに、誰より妻夫木自身が驚いていた。「なんか、“映画の人”って思われてるのかな?と思ったりもするんですけど、そんなことはなくて。ドラマでも映画でも舞台でも、演じるということに変わりはないので」そして、ドラマにはドラマのよさが確実にあると力説する。「僕は小・中学生のとき、特にドラマをいっぱい見ていたんですけど、当時はあってもビデオは一家に1台。今みたいに二重録りもできないし、親が使っていることも多くて。ダッシュで家に帰ったり、“早く来週が来ないかな”と待ちわびたり……そんなドラマがいっぱいありました。だんだん時間が流れ、今は1話完結ものが主流に。もちろん、それもいいんだけど“次はどんな展開になるんだろう?”とドキドキ・ワクワクさせてくれるドラマがもっともっと増えてもいいんじゃないかなと、最近特に思っていて」10月11日スタートの『危険なビーナス』はまさにそんな作品だと誇らしげ。原作は、東野圭吾の同名小説。ちょっとお人よしな獣医・手島伯朗(妻夫木聡)の前に突然、“弟の妻”を名乗る美女・楓(吉高由里子)が現れる。彼女の依頼で、失踪した異父弟(染谷将太)の行方を追う中で、名家・矢神家の30億円という巨額の遺産相続に巻き込まれていく……。「ひとつ謎が解けたと思ったら、また何重もの謎が新たにやってくる。原作を読んでいる僕自身でさえも、結末を疑ってしまうくらい(笑)。たぶんドキドキしながら次週を待ち遠しく感じてもらえるドラマになっていると思います」■パブリックイメージを変えた30代12月には40歳を迎える。「今、気づいた!この『危険なビーナス』が30代最後の作品になるんですね」10代でデビューし、20代は青春ものから大河ドラマまでさまざまな作品で活躍。30代になると『悪人』(’10年)、『怒り』(’16年)『愚行録』(’17年)など人間の根源的な闇をあぶり出す映画作品に意欲的に出演。一方で、『奥田民生になりたいボーイと出会う男すべて狂わせるガール』(’17年)のようなポップなコメディーも。役者としての幅を確実に広げながら、トップランナーであり続けている。「オファーいただいたもので、自分がすごく惹かれるものに対しては積極的に取り組もうという意識はありました。でも『悪人』がきっかけで、僕に持たれていたパブリックイメージのようなものは、わりと変わったんじゃないかと思います。それによって、オファーをしてもらえる作品にも変化が生じてきたのかなと思います」かつての妻夫木は、さわやか。キラキラしてまぶしい好青年……そういったイメージが強かった。「自分自身のパブリックイメージをそんなに深く考えたことはなかったけど、常に自分は自分でいたい。そして、いま持っている感情をそのまま出したい、という思いがあって。だから“妻夫木聡が、妻夫木聡を演じる”という瞬間があるのが、すごく気持ち悪いんです。だから、そういうのはあんまり好きじゃなかったなぁ」40代、今後どんな俳優を目指しているのだろう。「“自分はこれしかやらない”っていうスタンスではなく、幅広くありたい。ミステリーもシリアスもラブストーリーもやりたいし、ドラマも映画も舞台もやりたい。それを“どっちつかずだね”って言われたら、おしまいなんですけど(笑)。なんか、ジャンルに当てはまらない、僕だけのものを求めていることになるのかな?今の感覚を失わずに、役に対して貪欲で、覚悟を持ってずっと挑める俳優でいたいかな」答えにくいであろう質問にも、ときに冗談を交えながら自らの言葉でキチンと話してくれる。役に対して、自分に対して、妻夫木聡はどこまでも真摯な俳優だ。『半沢直樹』からバトンタッチ!9月27日の最終回では32.7%という視聴率をたたき出した『半沢直樹』。このお化けドラマから、日曜夜9時というバトンを引き継ぐ。「ちょっとラッキーかなと思っているんです。昔『天地人』(’09年)っていう大河ドラマをやったときも、『篤姫』の後で、いい視聴率を引き継いでやれて“よしよし”なんて思っていたので(笑)。今回も『半沢直樹』からのいい流れを引き継ぎつつ、『半沢直樹』とはまったく違うジャンルのミステリーを視聴者の方には新たに楽しんでもらえたら、と思っています」10/11(日)スタート『危険なビーナス』に主演夜9時〜(TBS系)スタイリング/TAKAFUMI KAWASAKI(MILD)
2020年10月11日草なぎ剛と水川あさみ撮影/廣瀬靖士草なぎ「会うのはこの映画の撮影以来だから、まだ1年たってないくらい?」水川「そうですね。現場では役の関係性もありましたし、あまり話せなかったんですよね」草なぎ「それにしても、今回のあさみちゃんは本当に体当たりで演じていて、女優としての壁をぶち破ったよね。みなさん、うちのあさみやりましたよ!」水川「なんですか、うちのって(笑)」■バッグの持ち方のヒントは水川から?のっけから息の合った掛け合いを繰り広げる2人が共演したのは映画『ミッドナイトスワン』。草なぎ演じるトランスジェンダーの凪沙と、水川演じる母・早織からネグレクトを受けながらも、バレエダンサーを夢見ていた少女の一果(服部樹咲)。そんな凪沙と一果が出会い、さまざまな葛藤を抱えながらも暮らしていく姿を描く切ない擬似親子のラブストーリーだ。草なぎ「あさみちゃんにはすごい覚悟があったよね。一果を殴るシーンでも遠慮がないというか」水川「役としては遠慮しちゃだめなんですけど、無意識に出ちゃうときがあるみたいで、それが監督に伝わるときもあったんです。何回も叩いて痛い思いをさせるのが嫌なので、そこは思いっきりやりました。剛さんはもうすごいとしか言えない。悲壮感の中にすごく色気を感じましたしバッグの持ち方ひとつにしてもすごくきれいに持っていて。あれ意識したんですか?」草なぎ「うん、今までの水川あさみをイメージして」水川「私、あんなふうにバッグ持ったことないもん(笑)」草なぎ「(笑)。でも気をつけたのは、感覚的に一果に対しての愛情だったり、そういうものが深く伝わればと思ったので、あまり考えず、その場の空気を感じてお芝居できたらと思って演じていましたね」■草なぎと出会って変わったカレーの作り方2人は8年前、ドラマ『37歳で医者になった僕〜研修医純情物語』で初共演。草なぎ「あのドラマでは、この映画でも共演させていただいた真飛聖さんもいたし、斎藤工くんとか、すごくいいチームだったし仲がよかったよね」水川「剛さんが現場に調味料とか持ってきてくれて、キャスト全員分の料理を作ってくれて、みんなで食べたり」草なぎ「楽屋に誰も帰らなかったから。僕も自分で作って“うめー!”って思いながら食べてた(笑)」水川「そのとき私は料理を始めたばっかりで、剛さんにいろいろ教えていただいて。そういえばカレーの話、覚えてます?」草なぎ「カレー作ってくれたんだっけ?」水川「違いますよ。私がカレーにニンニクとショウガを入れずに作ったって話たら、剛さんに“信じられない!ショウガとニンニクを入れないカレーなんてあるの”ってすごく笑われて。それ以来、マストで入れるようになりました」草なぎ「アハハ!」実は、このドラマの前にも2人はある場所で出会っていた。草なぎ「思い起こせば、あさみちゃんとは長いんだよね。映画の『西遊記』(’07年)にあさみちゃんが出てたとき、試写会のあと(香取)慎吾とかみんなで中華料理かなにか食べに行ったでしょ」水川「……行きました!なんで知ってるんですか?」草なぎ「僕もいたのよ。なぜか一緒に行くことになって」水川「あっ、いました!そう、この前その写真が出てきたんです。そのときはまだ20代で、いまは37歳になりました」草なぎ「『37歳で医者〜』のときにちょうど僕が37歳で初共演して、あさみちゃんが37歳になり、またこうやって共演できて。節目節目に会う人って縁があると思うし、頑張ってほしいと思う」水川「また節目のときに何か一緒にできたらいいですよね!」私のおうち時間水川「私はトレーニングですね。トレーナーさんに教えていただきながらオンライントレーニングを。あとはやせるといわれているハンドクラップダンスの動画を見ながらやっていました。剛さんは?」草なぎ「僕は料理をしたり、(愛犬の)クルミが自粛期間中に子どもを産んだのでずっと面倒見ていました」水川「もうたまらないですね、可愛くて」草なぎ「僕、基本的に寝るのがいちばん好きなんです。寝ないとすべてに対してイライラしてしまって(笑)。でも、生まれて10日間くらい寝られなかったのに、必死だったから全然大丈夫だった。いろんな意味で自信をつけさせてもらいました」映画『ミッドナイトスワン』TOHOシネマズ日比谷ほかにて公開中ヘアメイク/荒川英亮(草なぎ)、岡野瑞恵(水川)スタイリスト/細見佳代(草なぎ)、岡部美穂(水川)衣装協力/Azuma(Sakas PR)(草なぎ)
2020年10月02日香取慎吾撮影/廣瀬靖士新しい地図として出発して間もなく3年。新作のドラマや映画の公開が控えるなど、ますます活躍を見せる稲垣吾郎、草なぎ剛、香取慎吾。役者としてはもちろん、絵の仕事からYouTubeまで活躍の幅を広げる香取に、その思いを聞きました!――香取さん主演のAmazon Originalドラマシリーズ『誰かが、見ている』が9月18日より配信されますね。「今回、共演させていただいたみなさんが、素晴らしい方ばかり。なかでも西田敏行さんとお芝居できたのは本当に幸せでした。映画『有頂天ホテル』で初共演したときは、アドリブで何が飛んでくるかわからず恐怖でしかなくて、スナイパーって呼んでたんです(笑)。でも、今回はもともとアドリブ的なシーンも多くて、僕なりにフリースタイルのラップバトルみたいな感覚で楽しめました」――YouTubeもどんどん新しいものを発表しています。「もうね、めちゃめちゃ楽しんでます。20代の若いスタッフ3人と、マネージャーと僕、5人だけで全部作ってるの。だから衣装も自分で用意するんですよ。とにかく僕がやりたいことだけをやってます。絵の話をしたり、いろんな楽器を触ってみたり。『しんごちん』は、ユーチューバーを目指すお子様キャラのコントなんだけど、やっぱり、僕、コント好きなんだなって再確認しました」――私生活は、どんなふうに過ごしていますか?「僕ね、2月くらいから1度も外食してなくて、もうホント、ステイホーム。最近はアトリエで暮らしてます。今日も実は、朝方まで今日締め切りの絵を描いてました。3年くらい前からお仕事として絵の依頼をいただけるようになったんですけど、最初は本当に難しかった。20代、30代のころはすごく忙しい合間を縫って、ルールに縛られたくないから絵を描いていたのに、依頼されると締め切りもあるから逆に大変になっちゃって。でも今は、依頼されたテーマで描くのも楽しい。時間がいっぱいあるからかなぁ。昔はきっと絵を描いてストレス発散してたんだよね。ステイホーム中は1枚も自由に描いてないかも(笑)」いま欲しいのはスタイリストバッグ「最近、スタイリストさんが持ってる大きなバッグが欲しいんですよ。YouTubeは自分でスタイリングして、6本収録だと6パターン全身、靴も6足持っていくから、紙袋をいくつも両手に抱えて移動してます。けっこう大変なんですよ。ファッションの話をする『服バカTV』をこれから新企画で立ち上げようと思ってるし、スタイリストさんのバッグ、衣装がたくさん入って便利だよね、絶対!」三谷ワールドの中にいる幸せ「三谷幸喜作品は、観客としても大好き。笑いで心があったかくなるのはもちろんだし、見終わった後に、“おしゃれでやられた〜”っていう悔しさを笑顔で言える感じとかもあるでしょう。おしゃれなジャズが鳴ってるとか、スタッフロールのフォントがかわいいとか。そういう大好きな三谷幸喜作品の中に自分がいる幸せ、たっぷり感じられました」吾郎ちゃんとの共演は7年ぶり「『誰かが、見ている』での共演、実は久々なんです。でも、僕と吾郎ちゃんは現場でもあえてあいさつしないし、なんていうか、家族と同じ職場で仕事するような感じでした(笑)。前日に稽古して翌日お客さんも入って一発本番。かなり緊張感のある現場だったんですよ。長いつきあいだからこそ気を使わなくていい。お互い集中する時間を大事にできました」取材・文/太田美由紀、花村扶美スタイリスト/黒澤彰乃ヘアメイク/石崎達也
2020年09月25日草なぎ剛撮影/廣瀬靖士新しい地図として出発して間もなく3年。新作のドラマや映画の公開が控えるなど、ますます活躍を見せる稲垣吾郎、草なぎ剛、香取慎吾。その中でも愛犬のクルミちゃんがお母さんになり、自粛期間中は“子育て”をしていたという草なぎにソロインタビュー。■『ミッドナイトスワン』は僕の代表作になるかもしれない――3月27日に(愛犬の)クルミちゃんがお母さんになりました。「そうなんです。ちょうど自粛期間中に生まれたので、僕も家から出ず子育てに専念できたのはよかったなって思ってます。よけいなことを考えず、コロナの恐怖から救ってくれたクルミには感謝ですね」――チビちゃんはいかがですか?「すごく可愛いよ。男の子が1匹と女の子が2匹生まれたんだけど、クルミが幸せを運んできてくれたなあって思ってる。今は、男の子のレオンだけ僕が引き取って、女の子は大事にしてくれる方に養女に出しました(笑)。でも、本当に子育ては大変だった。フレンチブルドッグの子は生命力が弱いらしくて、ほぼ寝ずに見てたから」――結婚して子どもができたときの自信になったんじゃないですか?「人間の赤ちゃんとワンちゃんは違うからね(笑)。でも、いい経験になったし、自信にもなったかな」――『ユーチューバー 草なぎチャンネル』もさらに注目度が上がってますね。草なぎさんの動画は見ていて温かい気持ちになります。「そう言っていただいてうれしいです。僕の近況報告だったり、自分のルーツや好きなものとか、普段話せない話もできるし、こだわりを持たずにこれからもゆるくやっていけたらいいなと思ってます。料理にしても、もこちゃん(速水もこみち)みたいにオリーブオイルとか使わないし、誰でもできそうなのを作って紹介するっていう、そのゆるさが僕らしいよね(笑)」――9月25日には主演映画『ミッドナイトスワン』が公開されます。「トランスジェンダーという難しい役だったんですけど、台本を送ってもらって読んだときに、理屈を越えたやさしさや愛情みたいなものが脚本から伝わってきて、すぐにやりたいと思いました。ストーリーは重い内容だけど、全編にわたって温かくてやさしい空気に包まれてます。『ミッドナイトスワン』は、僕の代表作になるんじゃないかなと思ってます」僕の息抜きタイム「息抜きっていったら、やっぱりクルミとレオンの存在ですね。あとは、近所をドライブしたりバイクに乗ったりするだけでも息抜きになってます。それと料理もかな。最近のヒットですか?サバ缶と玉ねぎにマヨネーズを混ぜてだしを入れたもの。簡単だしおいしいし、けっこうそれが気に入ってます」母の気持ちがわかった!?「映画『ミッドナイトスワン』で共演した服部樹咲ちゃんとは32歳差だったんですけど、彼女のお母さんと同じ年だったんです。樹咲ちゃんも初めての撮影現場だったっていうのもあるし、娘のことを本当に大事に思ってるんだろうね、現場で娘のことを心配しながら見守ってる姿を見て、僕の役作りのヒントになりました」いつかはデビュー!「クルミはYouTubeに登場してるけど、レオンももうちょっと大きくなったらみなさんに紹介したいなと思ってます。でも性格があるからなあ……。クルミは女優気質だし、もうすっかりクルチューバーだけど、レオンは向いてない気がしてる(笑)。わからないけどね、レオンも母親のDNAを受け継いでたらレオチューバ―になれるかもしれないけど(笑)」取材・文/太田美由紀、花村扶美スタイリスト/黒澤彰乃ヘアメイク/荒川英亮
2020年09月24日稲垣吾郎撮影/廣瀬靖士新しい地図として出発して間もなく3年。新作のドラマや映画の公開が控えるなど、ますます活躍を見せる3人。ここでは、11月公開の映画『ばるぼら』がすでに話題となっている稲垣吾郎さんに近況を伺いました!■芝居に向き合う季節が訪れているのかも――コロナの新しい日常、どんなふうに過ごしていますか?「特に変わらないかな。料理も自分でしますけど、誰かのために自分で作らなきゃいけないわけでもないから、ときには買ってきたりもするし(笑)。でも健康には気をつけていますね。睡眠と食事は自分を作るものだから丁寧にしていかないとね。いちばん大切にしています。できるだけ12時に寝て朝は6時に起きる。早起きしたほうがやっぱり体調がいいですね」――規則正しい生活ですね。「僕、こだわりが強いように見られるんだけど、基本的には決め事は作らないんですよ。寝る時間も絶対じゃないし。こだわりすぎないのが僕のこだわりかな(笑)。あとは、自重を使ったトレーニングや、ウォーキングをしています。身体を動かすと心がリフレッシュされるでしょう?人間って不思議だなあって思います」――最近、印象的だった出来事はありますか?「8月に人生初の朗読劇をやりました。舞台は昔から好きだったんですけど、朗読劇は全く初めてで、舞台とはまた違う醍醐味がある。シンプルに声だけで伝えるということで、より、その世界に入っていくことができるんです。自分の心の中を声にのせて伝えるような面白さがありました」――舞台や映画とはまた違う面白さでしょうか。「俳優って、そもそも台本の世界に入っていくものだから、朗読劇で、よりその世界に肉迫できたような気がするんです。奏者にとっての楽譜と同じですよね。研ぎ澄まされた演技の世界の中で、新しい役者としての扉が開くような感じ。とても楽しかったし勉強になりました。これからの仕事にとっても収穫が大きかったですね。今回は50分を2ステージだけだったから、もうちょっとやりたかった。年末に舞台もあるし、芝居に向き合う季節が僕に訪れているのかもしれません」映画ファンとしても好きな映画「映画『ばるぼら』が11月に公開されます。セットや美術など、作品の世界観がとても心地のいい空間で、僕が好きな美的センスというか、ぴったりと僕に合う空間の中で映画を作ることができて、とても居心地がよかった。手塚眞監督も、撮影監督のクリストファー・ドイルも、映画ファンとしての僕にとって影響を受けた方たち。いち映画ファンとしても大好きな作品。僕も公開が楽しみです」19年ぶりのフォトエッセイ「それなりの年齢になってきたので、自分が幸せだと思えることを生活に取り入れていきたい。僕の好きなこと、インスタグラムで発信している花についてや、料理のことなど、僕の今が現れていると思います。タイトルは『Blume』(ブルーメ)、ドイツ語で花。フランス映画やイタリアのファッションなどヨーロッパに憧れがあるんですけど、ドイツは特に気になります。アート、車、カメラ、ファッション、音楽。重厚感があって無骨な感じが好きですね」スポーツといえばゴルフ!「ゴルフってスポーツというより、散策というニュアンスが近いですよね。技を磨き上げていく感じもいいし、自分との戦いでもある。道具やファッションにこだわるのも楽しい。1年くらい行ってないけど、両親ともたまにゴルフに行っていました。年齢関係なく楽しめるのもいいですよね。それに、根を詰めてやるとスコアが上がるでしょう?集中してやっていたときは、70台とか80台で回っていたこともあります」文/太田美由紀、花村扶美スタイリスト/黒澤彰乃ヘアメイク/金田順子
2020年09月23日