質問:寝起きで立ち上がった時に手足のしびれや冷や汗が出たりします。脳血管疾患などと何か関係があるのでしょうか?私は毎日飲酒をしておりビールをよく飲みます (350mlを2本程度)。脱水症状にならないように同時に水を2リットル程度摂取していますが、ここ最近、寝起きで立ち上がったりした時に手足がしびれたり、冷や汗が出たりすることがあります。このような場合、脳血管疾患などと何か関係があるのでしょうか?もし何かの疾患だった場合、大きな手術が必要になることはあるのでしょうか?鹿児島県:ゆかりんごさん(32)回答:飲酒と脳血管疾患の関係についてお答えします。――寝起きの手足のしびれや冷や汗について寝起きに手足のしびれや、冷や汗をかいたりすることがあるということですね。特に、手足を圧迫するような寝方をしたわけでもないのに手や足がしびれる、という場合はいくつかの原因が考えられます。朝起きた時の手足のしびれに加えて、頭痛がある場合は要注意です。脳出血や脳腫瘍がある場合には、長時間横になった後、つまり寝起きなどに脳圧が上がり頭痛が出現すると考えられています。このタイプの頭痛は朝に強く、時間がたつと軽減する傾向があるといわれます。一方、特に頭痛や吐き気などがなく、むくみなどもないのに寝起きに手足がしびれるという場合、手根管症候群(しゅこんかんしょうこうぐん)・足根管症候群(そくこんかんしょうこうぐん)と呼ばれる病気の症状であることがあります。これは、手足に伸びる神経束が圧迫されることにより起きる病気で、手根管症候群は仕事などで手先を使って細かい作業をする人に多いといわれています。また、肘やひざの神経も何らかの理由で圧迫されると手足にしびれの症状が出ることがあります。<飲酒習慣と感覚の低下>また、飲酒習慣が原因となることもあります。特に朝に多いということではありませんが、アルコールの摂取により糖尿病などを発症すると、手足に手袋と靴下をはいたような感覚をもたらす感覚低下が起きることがあります。毎日ビール700mlの飲酒量というのは健康的な飲酒量としては少し多いように思います。ビールなら一日中瓶1本、つまり500ml程度を目安にし、週2回程度休肝日を設けることが望まれます。また、アルコールを飲む時に、脱水症状を防ぐ目的で水を摂取されるのはよいことですが、一晩に2リットルは多いと思います。あまり一度に水をとり過ぎると血中のナトリウム濃度が低下する水中毒の状態となり、最悪の場合は死に至ることもありますので、真水であればコップ数杯までを目安とし、それでものどが渇く場合は電解質を含むスポーツドリンクなどを飲まれるとよいかもしれません。当然ながら、糖分のとり過ぎにはお気をつけください。寝起きの冷や汗については、はっきりした理由はわかりませんが、毎晩お酒を飲まれている関係で、血糖値が上下し、低血糖のような状態をきたしているのかもしれません。飲酒は糖尿病のリスクになりますから、もし最近、内科を受診していないようでしたら、肝機能等の確認も含め、一度受診して血液検査などを受けると安心ですね。お大事にしてください。Doctors Me(ドクターズミー)が保証している医師が回答しています
2016年12月18日質問:父が糖尿病と高血圧の既往歴あり。糖尿病などは遺伝性のものが多いと聞いたことがあり不安です。父が、糖尿病、高血圧の既往歴があり、現在も内服コントロールをしています。最近、これらの病気は心疾患のリスクも高めることを知りました。糖尿病などは、遺伝性のものが多いと聞いたことがあり、私も結婚して親になり、自分がかかる可能性の高い病気には気をつけていかなければと考えるようになりました。甘いものが大好きで、外食も多く食生活が偏りがちです。これから先、どのように気をつけていくべきでしょうか?静岡県:nocchiさん(27)回答:「糖尿病」の遺伝についてお答えします。――「糖尿病」とはお父さまが糖尿病、高血圧をお持ちで、内服でコントロール中ということですね。確かに、これらの病気は心筋梗塞など重篤な疾患を含む心疾患の大きなリスクファクターになることが知られています。お子さんであるご相談者さまも、遺伝的な面、あるいは生活習慣の面でお父さまがお持ちの傾向を受け継がれている可能性は十分に考えられ、お若いうちに気をつけていこうというお気持ちになられたことは非常によいことだと思います。さて、ご心配されている糖尿病の遺伝について、少しお話をさせていただきたいと思います。よく誤解されがちですが、糖尿病自体は遺伝性の疾患ではなく、あくまで遺伝するのは「糖尿病にかかりやすい体質」であると考えてください。2型糖尿病にかかりやすい遺伝子はいくつか同定されてはいるようですが、多くの小さな遺伝素因が複雑に組み合わさってできる「複合遺伝」の形式をとると考えられており、いわゆる「糖尿病のなりやすさ」も人によってさまざまであると考えられています。<日々の生活のなかでできることから始めましょう>2型糖尿病の発病には遺伝的な素因以外に生活習慣が大きく関係してきます。糖尿病を防ぐためには、まず肥満にならないことが大切です。BMIにして18.5~25.0の普通体重を目指しましょう。そのためにはまず、食生活の改善が必要です。甘いもの、脂っぽいものはできるだけ控え、味は薄味に調味するよう心がけます。できるだけ決まった時間に、ゆっくり食べることも大切です。野菜に多く含まれる食物繊維は肥満を防いでくれますので、一日350g(うち緑黄色野菜120g以上)を目標にします。また、肥満を防ぐもう一つの柱は、やはり運動です。運動は、カロリーを消費するだけでなく、筋肉をつけて脂肪を減らしたり、中性脂肪を低下させたりする役割もあります。もちろん、定期的に時間を決めて運動ができればそれもいいのですが、一日一万歩を目安に、少し早足で歩く、エレベーターを使わず階段を使用するといった心がけでも十分、糖尿病にかかりにくくする効果があります。お子さんもいらっしゃるということで、なかなかご自身の健康のためにまとまった時間はとりにくいかと思いますが、日々の生活のなかでできるところから始めていけるといいですね。Doctors Me(ドクターズミー)が保証している医師が回答しています
2016年12月18日質問:会社の健康診断で生活習慣病と言われました…会社の健康診断で生活習慣病と言われました。私には高脂血症と糖尿病があり経過観察項目がありました。55歳という年齢で、いつ何が起こっても不思議ではないなと思うようにもなり、脳のMRIを撮ったところ画像には白い点が4つ並んでいて、すぐにも精密検査と言われています。この年齢から具体的にどのようなことに気をつけて生活すればよいでしょうか?千葉県:かずこさん(55)回答:「高脂血症」と「糖尿病」についてお答えします。―――生活のなかでできること現在、高脂血症と糖尿病は内服薬なしで経過観察ということでしょうか。脳のMRI所見では小さな梗塞巣(こうそくそう)があり、精密検査の予定なのですね。精密検査は頚(頸)動脈の超音波検査を行って動脈硬化を調べたり、脳内の血管をCTで表現する3DCTなどで狭窄(きょうさく)や石灰化がないか確認したりすると思います。高脂血症と糖尿病に対して、生活のなかでご自身でも実践できることがありますのでご紹介します。・減量まず、肥満があるかチェックしましょう。BMI(Body Mass Index)=体重(kg)÷身長(m)÷身長(m)で求められた数字が、22±2であれば標準です。それ以上であれば肥満ということになります。標準体重は身長(m)×身長(m)×22で求められます。肥満と分かれば適正体重を目指して、減量していきましょう。・食事前述の標準体重に25~30kcalをかけたものが1日の摂取カロリーの目安となります。例えば、身長175cmの場合、1.75×1.75×22×25(~30)となり、おおよそ1,700~2,000kcalとなります。こう書くと難しく感じるかもしれませんので、まずは表示されているカロリーを気にすることから始めてみましょう。商品のパッケージの裏面や側面に、成分表がありカロリーが記載されています。それも面倒という場合は、間食をやめる、寝る2時間前からは食べない、お酒は飲まないといったように食生活の改善を始めましょう。・運動ウォーキング、軽いジョギング、水泳などの有酸素運動を始めてみましょう。強さの目安は多少息切れはするものの、人と話しながら続けられる程度です。なお、運動療法を始める前に、運動が可能か心臓の状態を調べる必要があります。・禁煙ニコチン自体が強力な血管収縮作用を持つため、血管が狭くなり、血圧が上昇し血流は低下します。また、煙に含まれる一酸化炭素は酸素よりもヘモグロビンと結合しやすいため、全身の組織が酸素欠乏状態になってしまいます。このため二次性の多血症が起こって血液粘稠度(けつえきねんちょうど)が増し、血栓ができやすい状態になります。たばこに含まれる活性酸素も血管内皮を害するため、さらに血栓や塞栓症の発症を促します。活性酸素により酸化変性を来たした脂質は、動脈硬化を悪化させます。施設によっては禁煙外来を開設しています。喫煙されていて、自力で禁煙するのが難しい場合はご利用ください。<生活習慣の見直しを実践していきましょう>やはり、生活習慣を見直すことが一番の治療です。見直したら実践する、文字にすると簡単ですがなかなか大変です。頑張っていきましょう。Doctors Me(ドクターズミー)が保証している医師が回答しています
2016年12月18日スポルツはこのほど、糖尿病患者や予備軍の人の予防や改善に向け、糖尿病療養支援サービス「糖尿病コーチング」のオンラインプログラム提供を開始した。同プログラムは、NPO法人ヘルスコーチ・ジャパンと連携して提供するもの。糖尿病は日々の食習慣、運動習慣などの生活習慣を見直すことで予防・改善が可能だが、生活習慣の改善では患者の生活スタイルを変えなくてはならないことも多い。そのため、取り組みの重要性は理解していても、実践は難しいといった課題がある。そこで、糖尿病患者や予備軍の人を個別にしっかりと理解し、それぞれに合わせて生活習慣を健康なものに変えていけるようオンラインにてサポートするプログラムを開発した。相手のやる気と行動を引き出す対人支援スキル・コーチングに、同社が展開しているデジタルヘルスを活用した「ヘルスコーチング」を組み合わせている。プログラムでは、糖尿病患者や予備軍の生活習慣改善につながるヘルスコーチングを行うためのコンテンツと、運用を行うためのノウハウを提供。オンラインにて、ヘルスコーチングによる行動変容を促すコミュニケーションを行うことで、糖尿病患者や予備軍の人々が、無理なく生活習慣を改善し、定着させることができるという。
2016年11月17日こんにちは。シルバーウィークは子どもたちの手足口病の看病で終了した、フリーママライターの横山かおりです。2学期がはじまり感染症の流行もやってきました。おびえてばかりはいられないので、免疫力アップに力を注ぎましょう!さて、だんだんと涼しくなってきましたが、これは“水虫治療の季節”ということをご存じでしょうか?今回は都内皮膚科に勤める50代の女性医師に、“水虫の家庭内感染”について聞いてきましたのでご紹介します。●水虫は家族間でうつりやすい“水虫”というと、男性がなるというイメージがありますが、そんなことはありません。女性や子どももなる危険は十分にあります。医師によると、『水虫はそもそも、白癬菌(はくせんきん)というカビが足の裏や足の指のあいだで繁殖して起きるものです。感染症なのでうつる危険はもちろんあります。家の中で家族全員はだしで生活している場合、ひとりでも水虫感染者がいると菌を家中にばらまいていることになります。感染力はそこまで高くはありませんが、湿った場所が好きなカビが寄りそうなタオルやバスマット、足ふきタオルは別々のものにするのがオススメです。スリッパも自分のを決めて履くようにしましょう』とのこと。水虫=カビ なのですね。これは子どもが感染したら危険です。とにかく清潔にすることが第一。お風呂でもしっかり足の指と指のあいだまで洗うように気をつけましょう。●水虫の治療法万が一水虫になってしまった場合、どのような治療法があるのでしょうか?『塗り薬や飲み薬で治療します。かゆみなどが落ち着いてくると、勝手に薬をやめてしまう人がいますがそれはよくありません。菌はすぐには死滅しない ので、自己判断で薬を中断することはやめましょう。自分で水虫だと思っても、違う病気の場合もあります。怪しいなと思ったらまず皮膚科へ行って診断を受けることが大切です』水虫なんて恥ずかしいな、と思ってなかなか病院へ行けずにいると、悪化してしまったり家族に感染させてしまったりする可能性もあります。まずは病院へ行って診てもらうことが大切ですね。●秋冬は治療の季節湿度が高く蒸し暑い夏は水虫になりやすい季節。つまり、これからの涼しい季節は水虫治療の季節 でもあるのです。次の夏を気持ちよく迎えるためにも、少しでも「かゆい」と思ったら皮膚科へ相談しに行きましょう。何度も言いますが、決して恥ずかしいことではありません。同じ家で暮らしていると、家族間でいろいろな菌に感染してしまうことがあります。水虫もそのひとつ。家族みんなが気持ちよく暮らすためにも、家庭内をいつも清潔に保っていたいですね。●ライター/横山かおり(ママライター、元モデル)
2016年10月09日20代後半に、寝ても覚めても結婚のことを考える「結婚したい病」にかかった人は多いはず。30歳を過ぎると独身女性でも、寝ても覚めても子どもが欲しい「子ども欲しい病」にかかる人もいます。結婚よりも子どもが欲しいと感じるこの気持ちの正体は、一体なんなのでしょうか?子ども欲しい病ってどんな状態?子ども欲しい病を発症すると、次のような症状が見られます。 軽くチェックしてみましょう。・寝ても覚めても「子どもが欲しい」と思う・女子会の乾杯後の第一声が「あ~子どもが欲しい」・結婚したいというより、とにかく子どもが欲しい・出産のリミットが近づいていることに焦っている・優秀な男のDNAが欲しい・卵子凍結について調べたことがある少しでも心当たりがある人は、子ども欲しい病にかかっているかもしれません。なぜ私たちは、こうも子どもが欲しくなる?「子どもが欲しい」という感情は、女性としてとても自然なことです。なぜなら人間には本来、生殖本能というものがあり、子孫を残すために生まれてきたと言っても過言ではありません。しかしトリッキーなことに、女性は出産のできる年齢が限られています。おそらく、この子ども欲しい病とは、出産リミットが近づいて、「そろそろ産んでおけー!間に合わなくなっても知らんぞー!」と母性本能が警鐘を鳴らしている状態なのでしょう。子ども欲しい病の特効薬はあるのかペットを飼う、甥っ子、姪っ子をかわいがるなど、行き場のない母性を癒す方法はあるでしょう。しかし一番の解決法はやっぱり、自分の子どもを産むこと。「子どもが欲しい」という魂の叫びを無視せずに、真剣に向き合いましょう。子どもを産むことを目標に婚活をしていきましょう。30歳を超えたら、妊活も同時にするのもいいでしょう。なにも「デキ婚を狙え」という意味ではなく、いつ結婚して子作りしてもOKなように、体のメンテナンスをしていくのが大切です。仕事はいつでもできる、子どもはいつでもできないそうはいっても、「今仕事が盛り上がってきているので……」と、子どもどころじゃないアラサー女性もいるはず。結婚・出産を取るかキャリアを取るか、女性として非常に難しい選択ですよね。積み上げてきたキャリアをストップさせるのは非常に不安なことです。しかし、子作りにはリミットがあることを思い出しましょう。個人的には、のちのち後悔するよりも、結婚&子作りを優先すべきだと思っています。私自身もキャリアを積み上げていますが、それを投げうってでも子どもを優先したいです。なぜなら30歳でキャリアを諦めたとしても、50歳になったらまたやりたい仕事が出てくると信じているから。仕事はいつでもできるけど、子どもは今しかできません。失ったものよりも得たものを数えよう、というのが私の信条です。と、ここまで偉そうに語ってきましたが、私も独身32歳。未だ父親になってくれそうな相手はいません。婚活頑張ります……。
2016年09月22日口または舌でパートナーの性器を刺激する性行為のことを「オーラルセックス」といいますが、若い世代では、性交渉の際に、このオーラルセックスを行うカップルが多いといわれています。オーラルセックスには妊娠の心配はありませんが、性感染症(STD)が性器から口にうつったり、口から性器にうつったりすることは十分にあり得ます。この機会に、オーラルセックスと性感染症に関する正しい知識を身につけましょう。○オーラルセックスで感染しやすい病気は?オーラルセックスで感染するリスクのある性感染症には、主に次のようなものがあります。・クラミジア感染症クラミジア・トラコマチスという菌が原因で起こる病気です。初期には症状がほとんどなく、進行すると不正出血や性交痛が起こることがあります。症状がないままに炎症が進んで卵管の癒着が起こり、不妊症の原因となることも少なくありません。主に性行為による粘膜や体液の接触で感染し、オーラルセックスで喉や口の中に感染することもあります。・淋(りん)菌感染症淋菌という菌が引き起こす病気です。感染すると、おりものの増加、下腹部の痛みなどの症状が起こることもありますが、無症状のこともあります。放置すると、将来、不妊や流産などの原因になることも。クラミジア感染症と同様、主に性行為の際に粘膜や体液と接触することで感染しますが、近年は特に、オーラルセックスで喉に感染するケースが多いといわれています。・性器ヘルペス原因となる単純ヘルペスウイルスには1型と2型があり、1型は主に口内と唇、その周辺に、水疱(すいほう)や潰瘍(かいよう)という形で現れます。一方の2型は、主に外陰部に発症します。従来、性行為によって感染するのは2型が多かったのですが、近年は、オーラルセックスをするカップルが増えている背景もあり、外陰部にヘルペスの症状が出る場合でも、1型であることが多いといわれています。ヘルペスの場合、粘膜や体液はもちろん、皮ふからでも感染する可能性があるため、セックスやオーラルセックスのほか、キスで感染する可能性もゼロではありません。・梅毒感染者の体液や血液に触れることで梅毒トレポレーマという菌が感染し、外陰部のしこりや潰瘍(かいよう)、足の付け根のリンパ節の腫れ、全身にできる発疹などの症状が現れます。感染力が強く、セックスやオーラルセックスのほか、キスや輸血、体液のついたタオルや下着から感染する可能性もゼロではありません。・HIV感染症(エイズ)HIVとは「ヒト免疫不全ウイルス」のことですが、感染しても10年ほどはほとんど症状が出ません。進行して、発熱や体重減少、悪性腫瘍などの症状が出てきた状態を「エイズ」と呼びます。主にセックスやオーラルセックスにより、粘膜や体液が接触することで感染しますが、血液からも感染するため、注射の回し打ちや輸血などでも感染する可能性があります。○大切なパートナーにうつさないために「妊娠しないから安全」と誤解しがちなオーラルセックスですが、上記のような性感染症になるリスクはあります。症状が出ない、あるいは軽い場合、気づかずに相手に病気をうつしてしまうこともあるでしょう。セックスのときにコンドームをつけるように、オーラルセックスの際にも性感染症対策をすることは必要です。具体的には、オーラルセックスの際に、男性の性器にコンドームを装着する、女性の性器にラップをかぶせるといった方法があります。ただし、性器ヘルペスのように皮ふ接触でも感染する可能性のある病気については、性器にコンドームやラップをしても完全に防ぎきることはできません。感染が疑われるときは、検査を受けるとともに、オーラルセックスやキスを含め、性行為を控えた方がいいでしょう。※画像は本文と関係ありません○記事監修: 星合明医師星合勝どきクリニック 院長1986年獨協医科大学・医学部医学科卒業。1992年獨協医科大学大学院卒業。同年獨協医科大学付属病院産婦人科臨床助手。1994年より獨協医科大学産婦人科教室非常勤講師。その後、文京区星合産婦人科病院副院長を経て2001年2月より、東京都中央区勝どきにて「星合勝どきクリニック」を開設、医長を務める。
2016年09月13日ハンチントン病とは?出典 : ハンチントン病とは、運動症状・精神症状などの症状がみられる遺伝性の神経変性疾患で、国の指定難病にされています。平均30歳~40歳頃に発症する方が多く、症状は本人が気づかないうちにいつの間にか始まっていることが大半で、約15年をかけてゆっくり進行していきます。アジアでの発症確率は10万人に0.4人と、比較的稀な疾患です。運動症状としては、不随意運動(舞踏運動)によって手足が自分の意思とは関係なく動く、精神症状としては苛立ちやうつ状態が続くことなどがあります。これらの症状は時間に伴って進行していきます。参考書籍:日本精神神経学会/監修『DSM-5 精神疾患の診断・統計マニュアル』医学書院/刊ハンチントン病の症状出典 : ハンチントン病の症状には運動症状と精神症状があり、初期・中期・後期と症状が進行していきます。しかし、人によって症状の程度には個人差があり、またすべての症状が発症するわけではありません。不随意運動(舞踏運動):自分の意思とは関係なく体が運動することを不随意運動と言います。ハンチントン病では、手足を勢いよく曲げたり伸ばしたりする動き、頭部を回したり伸ばしたりする動きや、舌を出したり、しかめ面をしたりなどの表情の動きなどがみられます。進行するにつれて、歩行・食事・着脱・排泄等も難しくなり、介護が必要になることがあります。短気・いらだち・うつ状態・不安・無気力状態等の症状がみられます。進行するにつれて症状は悪化していきます。認知能力が低下し無目的な言動が増えてきます。また、抑うつ状態が続くせいで、自殺を図ろうとすることもあります。精神症状も進行すれば介護が必要となることがあります。Upload By 発達障害のキホン症状の発症や程度には個人差があり、運動症状は初期症状でも、精神症状は中期症状等というように、症状のパターンは様々です。また上記の症状以外の症状も発症する場合があります。ハンチントン病の原因出典 : ハンチントン病は、第4染色体に局在する遺伝子(IT15 またはハンチンチンと呼ばれます)の繰り返し配列の異常によって引き起こされます。第4染色体の遺伝子の通常の繰り返し配列の長さは26回以下ですが、ハンチントン病の方は36回以上と染色体が伸長しています。この反復配列の数の長さによって発症年齢が決まり、伸長するほど若い時期に発症するといわれています。また、ハンチントン病の主な症状である不随意運動(舞踏運動)は、脳の一部で随意運動を司っている大脳基底核と大脳皮質が萎縮することで発症します。ハンチントン病は常染色体優位性遺伝といって、発病の原因となっている遺伝子が親から子に伝わる病気です。両親のうちのどちらか一方がハンチントン病の原因遺伝子を持っている場合、子どもには50%の確率で遺伝します。ただし、祖父母から孫に世代をまたいで原因遺伝子が遺伝することはありません。ハンチントン病の診断基準は?出典 : ハンチントン病の診断基準は問診や画像検査によって分かることがあります。また、受診機関もその時々の症状に合わせて横断的に受診し、専門医にも診てもらうことをおすすめします。ハンチントン病の診断は主に問診によって行われ、家族歴、臨床所見により臨床判断が可能です。しかし、確定診断は遺伝子検査により診断されます。■家族歴:近親にハンチントン病を患った方がいるか、または神経疾患や精神疾患がある方がいるかどうか。ハンチントン病の原因は親から子への遺伝によるものです。したがって、近親でハンチントン病になったことがある方がいるかどうかを問うことがあります。■特徴的な臨床所見:上記で述べたようなハンチントン病特有の運動症状(不随意運動)や精神症状を自覚または他覚できるかどうか。初期症状では日常生活中のふとした瞬間に手が震える等の軽い不随意運動が起こります。初期症状を他覚するのは難しいですが、自覚があるならば問診時に話してみることをおすすめします。神経内科や精神科を受診して、専門医に診てもらうことをおすすめします。近親にハンチントン病の方がいらっしゃる場合には、その旨を医師にお伝えください。■CT検査・MRI検査ハンチントン病の不随意運動(舞踏運動)は脳の一部の大脳基底核と大脳皮質の異常により生じるため、CT検査やMRI検査を行います。さらにこれらの検査は他の病気である可能性を否定するために行うものとされています。また、うつ病の方は共通して大脳基底核と大脳皮質の萎縮が見られますが、これらの特徴がうつ症状にどのように影響しているかはまだ分かっていません。■遺伝子検査確定診断のために遺伝子検査を行います。近親にハンチントン病の方がいて、ご自身にも自覚症状がある場合には遺伝子検査を受けることをおすすめします。近親にハンチントン病の方がいるが、ご自身に自覚症状がない場合は、遺伝カウンセリング等を受けることが一般的にすすめられています。ハンチントン病の治療法出典 : ハンチントン病の原因治療はなく、対症治療がメインになります。主に薬物療法を用いて運動症状・精神症状を和らげています。不随意運動(舞踏運動)の治療薬には2013年から使用が許可されたテトラベナジンがあり、精神症状には抗精神病薬を使用しています。参考サイト:テトラベンジン添付文書ハンチントン病と診断されたら…出典 : ハンチントン病が進行するにつれて、自分の意思を伝えることが困難になってきます。そのため、本人が自分の意思・希望を伝達するための方法を確保することが重要です。また、難病指定がされている疾患のため、医療費の助成支援を受けることもできます。以下では、診断を受けたらしておくと良い手続きなどをご紹介します。事前指示書とは本人が医療についての決断を下すことができなくなった場合に、医療についてのその人の希望を伝達するための文書です。以下の文書を作成し、手続きを行っておくと自分の意思や尊厳を優先することができます。■リビングウィル医療に関する患者の指示や希望をあからじめ表明した文書■医療判断代理委任状本人が決断を下すことができない状態に陥った場合に本人の代わりに決断を下す(代理人)を指定するための文書参考サイト:メルクマニュアル医学百科事前指示書(アドバンス・ディレクティブ)ハンチントン病は国の指定難病にされているため、医療費の助成を受けることができます。指定難病の医療費の自己負担割合は2割です。また、その他の制度による医療費がすでに1割負担となっている患者さんの場合、負担割合は1割のまま変わりません。難病医療費は世帯の所得に応じた医療費の自己負担上限額(月額)が設定されます。自己負担上限額は、受診した複数の医療機関などの自己負担をすべて合算したうえで適応されます。参考サイト:難病医療費助成制度の対象疾病についてまとめ出典 : ハンチントン病は、10万人に0.4人が発症するという極めてまれな病気です。人から人へ感染する病気ではなく、親から子へ遺伝によって原因遺伝子を引き継ぎ発症するため、生活習慣の悪化によって発症したり進行したりする病気ではありません。根本的な治療方法はまだ見つかっていませんが、不随意運動を和らげる薬や、精神症状を和らげる抗うつ薬や抗てんかん薬等があり症状を和らげることができます。症状を緩和するためにも早めに医療機関の受診をおすすめします。参考サイト:難病情報センター参考サイト:メイクマニュアル参考サイト:ハンチントン病と生きる参考サイト:メディカルノート
2016年07月25日日本糖尿病学会はこのほど、日本糖尿病学会「糖尿病診療ガイドライン2016」において、日本人の95%を占める2型糖尿病の対処策に関して新見解が加わったことを発表した。厚生労働省の国民健康・栄養調査(2012年)によると、日本の糖尿病人口は前回調査(2007年)より60万人増えて950万人と過去最多を記録した。予備軍も含めると2,050万人で、5人に1人が該当する計算となる。男女比は、男性27.3%、女性21.8%で、男性の割合の方が多い。東京慈恵会医科大学附属病院 内科学講座 糖尿病・代謝・内分泌内科の宇都宮一典医師は、糖尿病人口よりも、質の変化に着目しているという。以前は一定の年代で発症する糖尿病が、現代では肥満が誘引している場合が多くなっている。年齢も多様化しており、小児肥満から気づかぬうちに予備軍となってしまい、10・20代で発病する場合もあるという。糖尿病は、主に自己免疫によって、自分自身でインスリンを産生するすい臓の細胞を破壊してしまい、分泌ができなくなって発症する「1型糖尿病」と、インスリンの分泌が少なくなって発症する「2型糖尿病」に分けられる。日本人の95%は「2型糖尿病」で、遺伝的に糖尿病になりやすい体質のほか、食べ過ぎや運動不足、肥満、喫煙などの生活習慣が関係していると言われている。日本糖尿病学会「糖尿病診療ガイドライン2016」では、2型糖尿病の対処策に関して新しい見解を加えた。肥満の程度を知るための指数であるBMI値を意識するより、まず現体重の5%の体重減量を目標とすることが適当であるとのこと。血糖値が高い状態が長く続くと、合併症を引き起こす可能性が高くなる。糖尿病の症例が多様化する中、従来の糖尿病合併症は網膜症・腎症・神経障害など細小血管症が主だったが、近年は肥満が発病を誘引する糖尿病が増えているため、脳卒中・心筋梗塞・抹消動脈系疾患などの大血管症が増加しているという。糖尿病予防のためには、血中のブドウ糖値を標準値に保つ努力が必要とのこと。そのためには、主に運動と食事の2つの生活習慣を改めていくことが重要となる。運動することで、血中のブドウ糖が筋肉で消費され、血糖値が降下する。特に食後の運動は急激な血糖値上昇を抑制するため、食後高血糖(かくれ糖尿病)には非常に有効だという。食事は、1日の摂取カロリーを守り、栄養バランスもよく食べることが必要となる。近年は、糖質(炭水化物)の摂取量が減っている一方で肥満性の糖尿病が増加しているという。予防には糖質制限ではなく、食事のエネルギー総量を制限することが有効とのこと。摂取する食品は、食塩やコレステロール、飽和脂肪酸を含む食品を避け、食物繊維を多く摂取するよう心がけることが必要だという。食物繊維には、便通の改善や血糖値の上昇を防ぐなどの効果があり、特に水溶性食物繊維は血中コレステロールの上昇を防ぐ働きがあるため、動脈硬化の予防にも有効であるとのこと。中でも、β-グルカンという水溶性の食物繊維が多い「大麦」は、食後の血糖値を是正する機能を持つ食材として注目されている。近年の研究では、大麦β-グルカンを含む食品を摂取すると、糖質の吸収が53%の抑制されることも明らかになっている。また、朝食に大麦を食べると、朝食の直後だけでなく、昼食や夕食の糖質の吸収も抑制することもわかったとしている。ある調査では、朝食として糖質の含有量が50gになるよう調整した大麦(または白小麦パン)を摂取した被験者に、昼食に同じ食事(標準昼食)を摂取させた。その結果、朝食で大麦を食べた場合では、昼食後の糖質の吸収が44%抑制されていたという。
2016年07月22日~口から毒を入れれば病気になる〜 現代の子供が昔の子供に比べて虚弱体質になったと言われて久しいですが、これは食生活の変化が大きく影響しています。人間の細胞の基は食生活にあります。子供の頃から、お水やお茶ではなく、炭酸飲料や人工飲料などを飲み、ジャンクフードやインスタント食品などの不健康極まりない食品や栄養の偏った美味しいものばかりを食していたら丈夫な身体になる筈がありません。大袈裟でも何でもなく、口から毒を入れているのですから、病気や虚弱体質になって当然。子供にはしっかりとした栄養バランスのあるものを食べさせて、ジャンクフードや人工飲料を過剰に与えない。大人も同じく、健康で若く美しく長生きしたいのなら、腹八分目である程度粗食に徹し、フルコースや喫煙を含め、食欲をコントロールできる強い意志が必要です。また、身体に良い物は“良薬口に苦し”と言って、決して美味しくはないけれど、日常的に食していれば健康で長生きができます。苦あれば楽あり、これも正負の法則なのです。
2016年06月30日近頃なんだか疲れがとれない、頭痛や肩こりがひどい、だるくて家事も仕事もやる気がしない…。そんな症状がある人は、もしかしたら「6月病」かもしれません。4月に環境が大きく変わった新社会人や新入生が、5月の連休明けに無気力になる状態は、一般的に「5月病」として知られています。しかし最近では、5月病のような症状が少し遅れて6月に出る「6月病」が増えているといわれているのです。■専業ママにも6月病はある働くママはもちろん、専業ママにも、6月病は無関係とはいえません。仕事をしていてもいなくても、育児中のママにとって、4月は大忙しの時期。とくに子どもの新入園や新入学があると、園で使うグッズや学用品を用意したり、保護者会、PTAの活動がはじまったりと、予定がてんこ盛りです。夫や子どもの新生活に関する悩みや相談事に耳を傾けているうちに、影響を受けて気持ちが落ち込むこともあるでしょう。5月の連休中だって、子どもの世話や帰省、旅行の準備などやることが多く、ママにとっては完全な休息とはいえません。その後に訪れる6月は、4月から張り詰めていた気持ちがゆるんで、疲れやストレスが心身に表れやすい時期。しかも、ちょうど梅雨どきで天気が悪い日が続くため、余計に気分が落ち込みやすくなります。さらに、雨で服がぬれて洗濯の回数が増える、洗濯物が乾きにくい、湿気やカビが気になるなど、家事の負担が増えるのもストレスの大きな原因に。外でも家でもたくさんの役割を担うママこそ、6月病には注意が必要だといえるでしょう。■「6月病かもしれない」と思ったら?6月病の対策としては、ストレスを取り除いていくことが重要です。といっても、日常生活からすべてのストレスを取り除くのは難しいもの。まずはストレスがたまっていることを自覚し、家事や仕事が思うように進まなくても自分を責めないようにしましょう。予定を詰め込みすぎず、休みを増やすことも対策につながります。ただしママの場合、週末に家族でのお出かけやレジャーの予定を入れすぎると、かえって疲れてしまう可能性もあります。休日には、家で読書やDVD鑑賞をしたり、一人で映画やショッピング、美容院に出かけたりと、自分だけのリラックス時間をつくるといいかもしれません。散歩やスポーツで適度に体を動かすことも、ストレス解消には良いといわれています。5月病も6月病も正式な病名ではありませんが、医学的には「適応障害」にあたり、放置しておくと深刻なうつになることもあるそう。心身の不調や憂うつな気分が長引く場合は、「ただの6月病」なんて思わず、早めに心療内科や精神科を受診しましょう。特に目立った不調を自覚していないママも、予防のために、6月はちょっとのんびりモードで過ごしてみてはいかがでしょうか。
2016年06月21日キス病ってご存じですか? もちろん、お酒を飲むとキスをしたくなってしまう、といったことではありません。キス病とは伝染性単核球症といって、ヘルペスウイルスの仲間のウイルスに感染することで起こる病気です。その名の通り、キスでうつってしまうのです。伝染性単核球症(キス病)のウイルスはヘルペスの仲間伝染性単核球症(キス病)とは、エプスタイン・バーウイルス(EBウイルス)と呼ばれている、ヘルペスウイルスの仲間によって発症します。子ども時代に感染することも多く、小さいころは感染にも気づかず、ほとんど無症状のまま自然治癒することも多く、抗体ができます。大人になって初めてウイルスに感染をすると、抗体のないからだにはさまざまな症状があらわれます。しかし、その場合でも、ほとんどが数週間で自然に治るといわれています。風邪やインフルエンザと似た症状伝染性単核球症(キス病)に感染すると、のどの痛みや発熱、リンパの腫れなどが見られます。潜伏期間は4週間~6週間前後です。発症した後の発熱は、最初はゆるやか。5日前後をピークに高熱に変わってきます。風邪やインフルエンザなどと症状が似ているため、内科を受診することも多いそうです。症状がおさまったように見えても、ウイルスは血液のなかに潜んでいることもあるため、再発には気をつけましょう。まれに感染が広がり、脾臓の腫れなどの重篤な症状につながることもあります。伝染性単核球症(キス病)とは、身近な「キス」で感染してしまう病気です。もしも感染がわかったら、パートナーとのキスはがまんするようにして治療に専念しましょうね。情報提供元:あなたのオンライン婦人科 Rucora[ルコラ]
2016年06月17日Q.蒸し暑く湿気の多い日が続き、エアコンを使う日も増えてきました。気がつけば手足が冷たく、体の冷えが気になります。何か対策はありますか?(39歳女性 子供2歳 時短勤務中)A. 冷えを感じる女性は、そのほとんどが鉄分不足によるものと考えられます。日ごろから鉄分を含む食材を積極的に食べるようにしましょう。さらに普段から体を冷やさず、温める生活を心がけてください。自分では気がついていなくても体に鉄分が不足している、潜在的な鉄欠乏性貧血である女性がかなり増えています。採血でわかる貧血の数値はヘモグロビン、血清鉄、フェリチンの3種ありますが、一般的に貧血の診断は血液中のヘモグロビン濃度を調べます。ヘモグロビンが正常値でも実際には鉄分不足状態であることも多いのです。■鉄分不足が「冷え」や「血行不良」を招く!わかりやすく例えてみると、ヘモグロビンは鉄分をキャッシュで持っているような状態。その日暮らしの鉄分しか持ち合わせていないという状態です。キャッシュが十分あれば、余剰分を普通預金に預けるように、血液中に鉄分が十分に存在する状態が血清鉄です。さらに普通預金が十分にあれば、定期預金にする。その状態がフェリチン。お金が足りなければ貯金を順に下ろして使ってしまい、貯金がない状態が鉄欠乏性貧血ということになります。今、多くの女性がこの鉄分の定期預金がない状態の方が多いので、風邪を引く、ストレスを受けるといったちょっとしたことですぐに貧血になってしまうのです。その日暮らし状態の鉄分しかないとすぐに貧血になり、酸素が体中に行き渡らないために冷えを感じ、血行不良になります。体内の血流が悪くなると老廃物が溜まってしまい、目の下のクマや肌荒れにもつながってしまいます。さらに、鉄分が不足するとコラーゲンの生成にも影響が出ます。そのため、フェリチンまでしっかり貯めておけるように女性は日々の食生活で積極的に鉄分を摂取することが大切です。■鉄分はサプリメントよりも魚や肉から鉄分はサプリメントで補おうとすると、どうしても量が過剰になりすぎて胃粘膜を傷めてしまうことが懸念されるため、なるべく食生活で摂取したいものです。カツオやブリなどの青魚は血合いの部分も含めて食べるようにする、鶏肉の砂肝やハツにも多く含まれるので焼き鳥などで積極的に食べる、また、ラムやカモにも多く含まれるのでうまく食事に取り入れるようにするといいでしょう。さらに基本的なことですが、肌の露出が多くなるのも冷えの一因です。体を温めるように腹巻きをしたり、冷たい飲み物を控えるなどを普段から心がけるといいでしょう。一年を通しておなかを温めるのが一番です。オーガニックコットン製で薄手の腹巻きなら肌ざわりもよく夏でも使いやすいですよ。朝起きた時や冷房のきいた室内にいる時は、白湯やハーブティーを飲むのもオススメです。コーヒーなどカフェインを含んだ飲み物は交感神経を優位にさせ、冷えを加速させてしまうので控えめにしたほうがいいでしょう。体を温める食材、ショウガを料理に取り入れるのもいいですね。豆乳や夏の食卓に登場しがちな冷奴は、実は体を冷やしてしまうので、豆腐料理は温かいレシピが好ましいです。【まとめ】1. 現代女性の冷えや血行不良は鉄分不足が原因である可能性が高い。2. 鉄分は常に不足しがち。サプリメントよりも食生活で補給を。3. 体を温めるショウガなどの食材を取り入れ、夏でも冷たいものは控えめに。一年中、冷えを感じる現代社会ですが、鉄分をきちんと補うことで血流を促し、代謝を促進させて夏でも生き生きとした体と美肌を目指しましょう。
2016年06月07日5月病というと社会人などの大人がかかるようなイメージがありますが、最近は低年齢化し園児が5月病にかかるケースも増加しています。子どものストレス状態には早く親が気づいてあげたいですよね。どんな症状がありどの様に対処したらいいのでしょうか。5月病の原因とは?5月病になる原因は1つではありません。新しい環境に慣れないことから「早く適応したい」という焦りがうまれ、頑張りたい気持ちが空回りしストレスになることや、逆に、新しい生活への期待が高すぎて現実とのギャップに落ち込んでしまうケースもありあす。また、性格が真面目な場合、新生活で緊張した状態を持続することで疲れてしまったり、長い休みで緊張の糸が切れてしまい、前の生活に戻りたくなくなるなど、様々な原因があります。5月病になっていないか、ここをチェック!5月病になっているかどうかは下記をチェックしてみましょう。・朝なかなか起きない・園に行くことを嫌がる・イヤイヤが増えた・親に甘えることが多くなった・以前できていたことをやらなくなった・疲れやすくゴロゴロしていることが多くなったさらに小学生の場合は、・食欲がなくご飯をあまり食べなくなった・笑うことが少なくなった、表情が暗い・学校でのことをまったく話さなくなった・一人になりたがったり、一人で部屋にこもることが多くなった上記のチェック項目に多くあてはまるなら要注意です。5月病の対処法5月病になってしまった場合はどのように対応したらよいでしょうか。まずは子どもの話をよく聞いてあげること。その日あったことなどを、何気ない会話の中で聞き出しましょう。食事やお風呂の時などは話しやすいですね。無理やり聞き出すのではなく、あくまでさりげなく聞いてみましょう。普段からなんでも話せる親子関係を築いておくことは大切です。甘えたい時は、思いっきり甘えさせてあげましょう。「もう〇歳なんだから」などと突き放されると精神的ストレスが増加してしまいます。スキンシップをいっぱいとりましょう。子ども自身はとても頑張っているので「頑張れ」と無理強いをすることはよくありません。「無理しなくていいよ」「よく頑張ってるよ」など、子どもの行動を認めてあげましょう。休みの日には体を思いっきり動かしたり、普段から規則正しい生活のリズムを作ったりすることも効果があります。夜更かしなどが続くと肉体的にもダラけてしてしまい起きられない、行きたくないということにつながってしまいます。5月病は大抵一過性のものであり1~2ヶ月で症状がおさまることがほとんどです。あまり症状が長引く際は病院で診察してもらう必要もあるかもしれません。しかし上記の対処にくわえ、親が子どもとしっかり向き合い笑顔で生活することで新しい環境にも適応していくはずです。普段から子どもの様子を観察し、少しでも様子が違うようであればしっかりとケアできるようにしておきたいですね。
2016年05月27日新入社員に多く、GW明けの時期に体のだるさや無気力感などがあらわれてしまう5月病。実は5月病は、仕事場にだけで起こるものではありません。子育てにまつわる緊張やストレスが、「ママの5月病」を引き起こしてしまうこともあるのです。この時期「体がだるい」「やる気がでない」などの不調が出たら要注意! 子育てママ特有の5月病について、原因と対処法を知っておきましょう。■「ママの5月病」の原因とは?新年度を迎えて環境が新しくなるのは、会社だけに限りません。入園や入学、進級など、春は子どもを取り巻く環境も大きく変わります。年度末から4月にかけて、さまざまな準備や子どものフォロー、新しいクラスの人間関係、スケジュール管理など、ママの緊張の糸も張りっぱなし状態。子どもも楽しく園や学校に通い始めた今の時期、ホッと一息ついた途端に、それまでたまっていたストレスが5月病としてあらわれてしまうことに。また、働くママがやってしまいがちなのが、休みの日に予定を詰め込みすぎてしまうこと。「平日できない家事を片づけなきゃ」「普段時間がとれない分、子どもとたくさん遊ぼう」とGWに頑張りすぎた結果、連休明けに一気に心身の不調をきたしてしまうケースも多いのです。 ■こんな症状が出たら要注意!ママの5月病チェック5月病は気持ちが落ち込むだけでなく、体の不調となってあらわれることも多いもの。こんな症状があらわれた場合、もしかしたら5月病になってしまっているかも?□ 肩こりや頭痛がすることが多い□ 便秘や下痢が続く□ 朝なかなか起きられない□ 食欲がわかない□ ちょっとしたことでイライラする□ 今まで好きだったことに興味がわかない□ 集中力が低下してミスが多くなる□ きちんと睡眠をとっても熟睡感がないあてはまる項目が多かった人は、気づかないうちにストレスをためこんでしまっている可能性が。無理を続けてダウンする前に、しっかり対策をとっておきましょう。■ママの5月病を撃退するには5月病対策として大切なのは、ストレスや疲れをためこまないこと。休みの日でも予定の詰め込みすぎはNG。パパや子どもに家事を手伝ってもらったり、自分だけでのんびり外出したりする時間を作ってみてください。また、普段の生活の中でも「家事をきちんとしなくては」などと思うと、自分で自分を追い詰めてしまうことに。夕食のおかずは買ってきたお惣菜ですます、上手に掃除の手を抜く、などして、その分自分を休ませてあげましょう。ハーブティーでひと息ついたり、好きな香りの入浴剤でバスタイムを楽しんだり、お気に入りのスイーツを味わったりするのもおすすめです。まじめで責任感の強い人ほどなりやすいといわれる5月病。でも、ママが倒れてしまっては子どもにも影響が出てしまいます。忙しい毎日だからこそ、上手なストレス解消を心がけたいですね。
2016年05月12日「最近、なんだかやる気が出ない…」体がだるく、心も沈みがちで気力がわかない。これって、もしかして五月病!? エキサイトお悩み相談室の 日高千香子(ひだか ちかこ)先生 によると、ゴールデンウィークを明けたころから、五月病になる人が増えるのだとか。そもそも五月病ってどんな病気? どんな症状が出るの? 五月病になりやすいタイプと対策法を日高先生に聞きました。■五月病って、どんな病気?五月病とは、主にゴールデンウィーク明けごろから現れる症状で、倦怠感や疲労感、無気力感などを伴う、心と体の一時的な不調を表す俗語です。医学用語では、適応障害と言われます。4月は職場の部署移動や、転勤、転職、入学、住環境の変化が多く、「早く慣れよう」とがんばり過ぎたり、緊張状態が続く環境に身を置いたりすることで、徐々にストレスや疲労が蓄積されていきます。そして、1ヶ月経過したころにゴールデンウィークに突入します。これまで続いていた緊張が休暇によってほぐれ、やる気が失われるほか、気分が落ちこむなど、体調不良として症状が表れます。かつては、五月病は新入社員などに多く見られ、環境に慣れる夏ごろには徐々に症状がなくなり改善されると言うのが通例でした。しかし現在では、年齢・季節を問わず、いつでも誰にでも起こり得る可能性がある病気です。■「五月病」心と体に表れる主な症状肉体的な症状息苦しさ動悸がする胃の痛み頭痛やめまい食欲不振精神的な症状気分の落ちこみ不安や焦りを感じるイライラするやる気が出ない集中力がない眠れない■「五月病」になりやすいタイプまじめで几帳面、責任感が強く完璧主義、内向的でおとなしい人が五月病になりやすいと言われています。一生懸命になり過ぎてしまい、手を抜くことができず疲れに気づきにくい傾向があります。また、内向的でおとなしい人は、周りを気遣い、自身の思うことが言えない場合もあるようです。対策と予防ウォーキングやヨガ、ストレッチなど軽い運動を行うアロマを利用し、香りでリラックスをするぬるめのお湯で、ゆっくりと入浴をする好きなことをしたり、音楽を聴いたりして気分転換をはかる悩みごとを抱えこまず、信頼できる友人などに話を聞いてもらう規則正しい生活を心がけ、生活リズムを整える食生活の改善をし、セロトニンを多く含む食品を摂取する深呼吸などをし、呼吸を整える■「五月病」セルフチェック「もしかして五月病かも?」と思ったら、まずはチェック!人と会うのがおっくうになる食欲が湧かない夜はなかなか寝つけず睡眠不足イライラしたり、焦ったりすることが多くなった服装や身だしなみに気を使わなくなった集中力が低下しミスが増え、作業効率が悪くなった朝起きづらいマイナス思考に陥りやすい遅刻や欠勤が増えた頭痛やめまいが起こりやすくなった4~6個当てはまる方は、軽度の抑うつ傾向が見受けられます。ストレスを解消するために、気分転換や適度な運動を行い、症状の緩和につとめましょう。7個以上当てはまる場合は、五月病の可能性が大きく要注意です。まずは、ゆっくりと心と体を休めることが大切です。なお、五月病は一時的な不調ですので環境に慣れてくることで症状は緩和し、1ヶ月~2ヶ月程度で自然に回復すると言われています。また、不調が3ヶ月以上続く場合は、うつ病などの精神疾患の可能性もありますので、専門医を受診されることをおすすめします。疲れやストレスがたまりやすい5月は、心と体をゆっくり休められる時間をとるようにするといいでしょう。どうしても不安を感じたら、お悩み相談室の先生に相談してみてくださいね。・取材協力:エキサイトお悩み相談室 日高 千香子(ひだか ちかこ)先生 (しょう)
2016年05月11日妊娠糖尿病(糖代謝異常)とは妊娠糖尿病とは、妊娠中に血糖値が高くなったり、血糖値が高い状態が初めて発見されたりなどで、その妊婦さんが初めて糖代謝異常(糖尿病になっていないが、糖代謝が正常の範囲内ではない状態)になることです。明らかな糖尿病とは異なります。糖代謝異常とは、食べたものをエネルギーとして全身の細胞に取り込むインスリンというホルモンのはたらきが正常の範囲内ではなくなっている状態です。インスリンは、食事の後に上がる血糖値を下げるはたらきを持ちます。妊娠時には、血糖値を上げやすいはたらきを持つホルモン(インスリン拮抗ホルモン)などが胎盤で作られたり、胎盤からもインスリンを壊す酵素が作られたりするため、妊娠中期以降にインスリンが効きにくい状態になり、血糖値が上がりやすくなります。通常はすい臓からインスリンを多く分泌することで血糖値が上がらないように調節しますが、必要なインスリンが少ない体質の人や、必要量を分泌することができない人の場合に血糖値が上昇し、糖代謝異常になります。妊娠中に発見される糖代謝異常は、肥満体質であったり、高カロリーな食事を続けたり、強いストレスを感じやすかったりなどさまざまな要因で発症すると言われており、ママとお腹の赤ちゃんの健康にさまざまな合併症が生じます。35歳以上での妊娠である場合や、家族に糖尿病の人がいる場合も、妊娠糖尿病につながる糖代謝異常を起こしやすい傾向があります。また、妊娠前から糖尿病を患っていたり、妊娠時に明らかに糖尿病だと診断されたりした場合は糖尿病合併妊娠と呼ばれます。妊娠初期・中期の、妊娠糖尿病(糖代謝異常)の症状妊娠糖尿病につながる糖代謝異常は、初期では自覚症状はほとんどないと言われています。症状が進行すると、のどの渇き、頻尿、倦怠感や体のだるさなどが症状となって現れます。ですがこれらの症状は妊娠症状にもよく見受けられるため、妊娠糖尿病につながる糖代謝異常の自覚として区別されにくいと言われています。また妊娠糖尿病と診断されたり、もともと糖尿病で糖尿病合併妊娠である場合、糖代謝異常が続くことで母子にさまざまな症状が起きたり、合併症が発生しやすくなったりします。妊娠糖尿病や、糖尿病合併妊娠などの糖代謝異常をもつママのリスク巨大児お腹の中で4000g以上育つことを指します。高血糖状態のママから糖を過剰摂取した赤ちゃんはインスリンを多く分泌しており、巨大児になりやすいとされています。巨大児の場合は難産となり、多くは帝王切開となるほか、お産時に赤ちゃんの肩甲骨が引っ掛かり分娩ができなくなる肩甲難産となる可能性があります。肩甲難産では仮死状態出産や骨折、脳や体の神経麻痺などのトラブルを引き起こしたりする恐れがあります。妊娠高血圧症候群高血圧状態が続く疾患です。重症化すると脳出血や肝機能障害などを引き起こします。羊水過多症羊水が増えすぎる病気です。流産や早産、逆子、妊娠中や分娩中に胎盤がはがれる常位胎盤早期剥離などを引き起こします。子宮内発育遅延(胎児発育遅延)赤ちゃんの成長が止まったり遅れたりして、十分に成長できていない症状を指します。新生児低血糖症産前に、高血糖状態のママから糖を過剰摂取した赤ちゃんはインスリンを多く分泌していますが、産後は母体からの糖の供給がなくなるため、低血糖になります。授乳やミルク、糖水などで速やかに血糖値を上げたり治療を行ったりすれば健康に問題はないと言われますが、早期に適切な対処がなされない場合、神経学的後遺症を残す可能性があります。低カルシウム血症血中のカルシウム濃度が低い症状を指します。命にはかかわりませんが、手足のしびれや筋肉のけいれんなどがある場合は治療が必要です。肝臓の機能が低下している場合にも起きる場合があります。多血症血液中の赤血球が異常増加する病気です。血液中の赤血球が多過ぎる状態のことです。血液が濃くなり、毛細血管の血流が悪化してしまうことがあります。その結果、皮膚のかゆみ、目の結膜の充血などのほか、血中に血栓ができやすくなり、脳梗塞や心筋梗塞を起こす可能性があります。先天奇形中枢神経系、骨格系、心血管系、腎尿路系、消化器系、耳や口など、さまざまな器官で奇形が発生します。もともと糖尿病にかかっている場合は、妊娠初期から高血糖状態が続いたり、血糖コントロールが悪い状態が続いたりする傾向があり、先天奇形が起こりやすくなると言われています。診断の仕方と、診断後の生活について妊娠糖尿病につながる糖代謝異常は、妊娠の早い段階で血糖を計測し、もし血糖値が高いことが分かれば血糖検査(ブドウ糖負荷試験)を行い、結果を見て診断されます。妊娠初期で異常が見られない場合も、妊娠中期にはよりインスリンが効きにくくなるため血糖が下がりにくく、再試験を受けて診断を受ける必要があります。糖代謝異常がみとめられて妊娠糖尿病と診断された場合、主に食事療法で血糖コントロールを行います。健やかな妊娠を維持するのに必要なエネルギーを摂取し、高血糖を起こさない食べ方をするよう管理していきます。血糖値は、食前100mg/dl未満、食後2時間120mg/dl未満を目標とし、エネルギー制限食のほか、一日の食事を4回~6回などに分けて摂る方法などを行います。運動療法も指導されますが、ウォーキングや食後のストレッチや体操を、体調をみながら無理のない範囲で行います。インスリンのはたらきを活発にし、食後高血糖を抑えることができます。場合によっては、赤ちゃんの健康に影響を与えない種類のインスリン注射や、薬による治療が用いられることもあります。もともと糖尿病であったり、糖代謝異常がみとめられて明らかな糖尿病と診断され、糖尿病合併妊娠だと分かったりした場合は、かかりつけ医による治療や血糖コントロールを併用しながら妊娠生活を送ることになります。赤ちゃんの健康に影響を与えない種類のインスリン注射や、薬による治療が用いられることもあります。普段から注意することとは妊娠糖尿病につながる糖代謝異常を予防するには、バランスの良い食生活を送り、食べ過ぎや偏食などを避けることが重要です。妊娠糖尿病と診断されたら、産後すぐでなくても、将来的に糖尿病を発症する可能性が高まります。産後6~12週間後に再び血糖検査(ブドウ糖負荷試験)を受け、妊娠糖尿病が改善しているかの検査が行われます。妊娠中の生活の送り方はもちろん、産後の体質改善も踏まえ、健診医やかかりつけ医の指導のもと、気を付けて付き合っていきましょう。明らかな糖尿病であったり、糖尿病合併妊娠である場合は、あらかじめしっかりと血糖コントロールを行い、糖尿病が引き起こすさまざまな合併症を避ける計画妊娠を行います。ママと赤ちゃんの健康のため、しっかりと管理していきましょう。
2016年04月04日東京大学(東大)とNTTドコモ(ドコモ)は3月14日、2型糖尿病・糖尿病予備群を対象にスマートフォンアプリケーション「GlucoNote」による臨床研究を開始したと発表した。同臨床研究は、東京大学 医学部附属病院 22世紀医療センター 健康空間情報学講座 脇嘉代 特任准教授、同大学大学院 情報理工学系研究科 電子情報学専攻 相澤清晴 教授らの研究グループによって行われる。同臨床研究では、スマホを活用して生活習慣が改善するよう自己管理を支援すると同時に、生活習慣や在宅測定データの関係を明らかにし、さらなる適切な自己管理支援につなげることを目指していく。対象となるのは、研究参加に同意した2型糖尿病あるいは糖尿病予備群と診断された20歳以上の日本在住の方で、参加期間は最長5年間。参加者は、GlucoNoteを用いて、食事、運動、睡眠などの生活習慣や、体重、血圧、血糖値などの在宅測定データを記録し、いくつかの質問に回答。またヘルスケアアプリを経由して計測された歩数を記録する。なおGlucoNoteは、Appleが公開している医学研究用のオープンソース・フレームワーク「ResearchKit」を用いているという。同研究グループは今回の臨床研究について、規模の大きい対象者から長期間にわたって各種データと生活習慣に関連した情報を収集することによって、日常生活と糖尿病の関連性を明らかにすることが可能になるとしている。
2016年03月15日東京大学は、NTTドコモとの協同で、2型糖尿病患者および糖尿病予備群向けのiPhoneアプリ「GlucoNote(グルコノート)」を公開し、臨床研究を開始した。アプリはApp Storeより無料でダウンロードできる。同アプリは、iPhoneを活用して生活習慣が改善するように自己管理を支援し、同時に生活習慣(食事、運動、睡眠)と在宅測定データ(血糖値、血圧、体重、活動量)の関係を明らかにするとともに、適切な自己管理支援につなげることを目指してリリースされた。開発にあたっては、Appleが医学・医療研究および健康リサーチ向けに設計したオープンソース・ソフトウエアフレームワーク「ResearchKit」を利用している。本臨床研究は研究参加に同意した 2型糖尿病あるいは糖尿病予備群と診断された 20歳以上の日本在住者が対象で、参加期間は最長5年間。参加者はアプリを用いていくつかのアンケートに回答し、食事や運動などの生活習慣、体重、血圧、血糖値などの測定データを提供することで、本研究に協力できる。研究発表は、東京大学医学部附属病院 22世紀医療センター 健康空間情報学講座の脇嘉代特任准教授と、同大学大学院情報理工学系研究科電子情報学専攻の相澤清晴教授が担当する。アプリで得られた日常生活情報の解析結果を統合的に用いることができれば、2型糖尿病患者の状況をより多面的に把握することが可能となるとのことで、患者および予備群の状況を、日常生活という観点から詳細に検討することにより、より効果的な自己管理支援を行えるようになるといった展開も期待されている。
2016年03月14日●生活習慣病や抗加齢に期待が持てるナッツ生活習慣病という言葉はすっかり世間に浸透し、市民権を得た。広義では「食習慣、運動習慣、休養、喫煙、飲酒等の生活習慣が、その発症・進行に関与する疾患群」(厚生労働省)を意味するが、具体的には高血圧や糖尿病、脂質異常症などを指す。これらの疾患は、多くの中高年の悩みの種となっていると言えるだろう。ではもしも、この生活習慣病リスクを低減できる食べ物があるとしたらどうだろうか。今回は、国際アンチエイジング医学会専門医であるAACクリニック銀座の院長・浜中聡子医師に、生活習慣病予防となる食材を伺った。○強い抗酸化作用を持つビタミンE生活習慣病のみならず、老化防止に役立ちそうな食材、それはビタミンEを豊富に含むナッツ類だ。その理由として、強い抗酸化作用を持つビタミンEは、生活習慣病や老化の原因である体内の活性酸素の増加を抑制する効果が期待できるからだ。活性酸素とは、酸化させる力が活発な酸素のこと。殺菌能力もあるため、適量ならば体に害はないが、増えすぎるとくぎをさびさせるように私たちの体内をさびさせていく。このさびが細胞の老化を引き起こすため、生活習慣病や加齢、肌トラブルにつながっていく。「体内ではビタミンEは細胞膜の中に多く存在しており、細胞を保護する役割を担っています。細胞は活性酸素によってウイルスから守られていますが、活性酸素が増えすぎると逆に細胞を傷つけるため、ビタミンEが過剰な活性酸素を除去しているのです」。厚生労働省が定めた1日のビタミンE摂取量は、成人男子で9mg、成人女子で8mg。これは「必要最低限の摂取量」なので、ビタミンEの効果を期待するのであれば、少なくとも1日100~300mgの量が必要。ただし、脂溶性のビタミンEは摂取しすぎると過剰症になると言われており、成人男子で800mg、成人女子で600mgが許容量だ。「通常のサプリメントや食品での摂取では許容量を超えることはないです」と浜中医師は付け加えるが、高血圧で薬を服用している人は事前に医師に相談をした方がよいとのこと。●キャビアやいくらなどでもいいが……ビタミンEは、キャビアやいくら、うなぎといった魚介・魚卵類に比較的多く含まれている。ただ、これらの食材は価格も高く、手軽に毎日摂取するのは難しい。そこでお勧めなのが、マカダミアナッツ、カシューナッツ、ピーナツなどに代表されるナッツ(種実)類だ。ナッツ類はビタミンEだけではなく、ミネラル類も豊富でしかも安価。特にアーモンドは、日本食品標準成分表2015年版(七訂)によると、ビタミンEの含有量は100gあたり30.3g(α-トコフェロール)と、群を抜いている。さらに、ナッツの有用性に関するさまざまな研究も多数報告されている。例えば、ピスタチオとミックスナッツが最高・最低血圧に対してポジティブな結果をもたらしたり、アーモンドを6週間にわたり毎日10g摂取すると「善玉コレステロール」と呼ばれるHDLが有意に増加したりするなどだ。日本の厚生労働省に相当する米国食品医薬品局(FDA)も、「ナッツ類の摂取が心疾患リスク低減につながる可能性がある」旨のヘルスクレームをナッツ製品に表示することを認めている。○余分な味付けと食べすぎは厳禁!魅力的なパワーを持つナッツだが、食べる際には注意も必要だ。まず、「砂糖をからめたハニーローストや油、塩を使っているタイプは避けて、素焼きタイプを選んでください」。余分な味付けをすることで、塩分や糖分過多になってしまっては意味がないというわけだ。そして脂質やカロリーも高いため、食べすぎも厳禁。「若返りたい一心でナッツばかり食べていた女性がニキビだらけになったこともあります」と、笑えないシチュエーションに遭遇した女性もいるそうだ。一日5粒程度にとどめるのがいいだろう。デスクワークや外回り時に小腹がすいたり、口寂(さみ)しくなったりするときもあるだろう。そのようなとき、脳に栄養を送るために甘いもの(糖分)を摂取するのも賢いが、生活習慣病予防を期待したい人はその間食をナッツに変えてみてはいかがだろうか。※写真と本文は関係ありません○記事監修: 浜中聡子(はまなか さとこ)医学博士。北里大学医学部卒業。AACクリニック銀座院長。米国抗加齢医学会専門医、国際アンチエイジング医学会専門医などの資格を多数取得。アンチエイジングと精神神経学の専門家で、常に丁寧な診察で患者に接する。
2016年03月10日女性の働きスタイル研究家のアボカドチョコです、こんにちは!今回の冬は暖かく、インフルエンザの流行時期が遅くやってきましたね。さて、乳幼児のいるパパ、ママなら、インフルエンザのような『流行病』には、日々、戦々恐々としていることでしょう。それでも、保育園や小学校でもらってくるのが『流行病』。私自身も、家族全員で順番に『手足口病』にかかる経験をしたことがあります。「うどんを飲み込むだけで、喉がヒリヒリする」という手足口病は、なんと貴重な体験だったことでしょう……。そんな私自身のイタイ経験から痛感した、集団生活で、『流行病』にかかることを防ぐ方法を5ステップを書いてみたいと思います。●集団生活の中で、『流行病』感染を予防する方法5ステップ●(1)乳幼児の場合、インフルエンザ予防接種をしても、効果は20~30%!流行病には、早めの『予防接種』がなによりの予防対策。しかし、インフルエンザの場合、厚生労働省の調査によると、予防接種の有効率は『6歳未満の子どもに対するインフルエンザワクチンの効果は、発熱を指標とした場合、20%から30% 』だといいます。さて、予防接種をしても感染する可能性が高いとなると、気になるのが周囲の状況。身近ではやっていることが分かれば、“手洗い・うがいの徹底”や“人ごみに行かない”などの対策を強化できます。そこで必要になるのがリサーチです。●(2)“クラス”の動きをよく見よう!子どもが通っているクラスで、「お休みの子どもが何人いるか?」を毎日確認することは、「どのような病気がはやっているか?」を察知する手がかりになります。「どのような症状か?」を知ることができれば、似たような症状が出たときに早期対処ができます。●(3)“他のクラス”“他の学年”ではやっている病気がないか? も重要自治体ホームページの“学級閉鎖” 情報を見ると、流行病が広まる際、“あるクラス”や“ある学年”からその周囲へ、“他の学校”からその周辺校へ、という経路をたどる気がします。他のクラスや他の学年のママから得る情報って、結構大事なのだな、と私自身も知りました。そして、特に重要なのは、“近隣の学校情報”です。●(4)一番近い“小学校”情報を把握する一番、生徒数が多くて、まだ抵抗力が弱い年齢も多い小学校。周囲の小学校で学級閉鎖が出たら、要注意!その周辺にも波及していくことでしょう。一番近い小学校ではやっているウイルスは、その近隣でも流行 します。「うちの学校、学年は大丈夫」という状態でも、周辺校の様子を知っておくといいな、と感じました。●(5)都道府県の『流行病の多い地域の情報(地図など)』をネットで検索地域によって、流行病の『感染時期』は異なります。ある程度離れた区市町村では、流行のピークが1~2か月くらい違うのではないでしょうか。その場合、広範囲に同じ情報を流すマスメディアの情報はあまり当てになりません。「流行しているかどうか?」は、都道府県の『流行病の多い地域マップ』(自治体により名称は異なる)を探してみてください。同じ都道府県内でも、流行の度合いが違う からです。パパ・ママにとって、子育ては情報戦ですね!私自身もこの冬、痛感いたしました!【参考リンク】・季節性インフルエンザワクチンの効果(子どもの場合) | 小泉重田小児科()●ライター/アボカドチョコ(女性の働きスタイル研究家)
2016年02月22日足が痛い!と思ったとき、あなたはどこへ行きますか? 骨にヒビが入っているかもしれないなら整形外科、タコや魚の目があるなら皮膚科でしょうか? 外反母趾があるなら…果たしてどこへ? 巻き爪の痛みなら…?そんな「足」の悩みやトラブルを総合的に診てもらえる医療機関があったらいいですよね? 日本ではまだ知られていませんが、アメリカではポダイアトリー(Podiatry:足病学)という学問があり、ポダイアトリスト(Podiatrist:足病外科医)という足だけの医師がいます。実は、日本でも足専門のクリニックがあります。それは東京・表参道にある「足のクリニック 表参道」。ここでは、日本初の足の痛みや変形に特化したクリニックで、くるぶしから下の「足」のトラブルなら何でも相談できる医療機関。「日本人は、いわゆる“靴”の歴史が短いので、昔は欧米諸国に比べて足のトラブルが圧倒的に少なかったこともあり、足の専門医学がとても遅れているのだと思います。アメリカには、目が悪いから眼科、歯が痛いから歯科、と同じように足のトラブルに対しては“足科”がある。アメリカ人が日本へ来て“足科がない”と知ると、驚くんですよ。アメリカではポダイアトリーといえばとてもメジャーなんですが、悲しいことに日本では知名度が低いんです。ドクターでさえ、その言葉を知らない方もいると思います」そう教えてくれるのは、「足のクリニック 表参道」院長の桑原靖先生です。確かに、日本の辞書には、ポダイアトリーはおろか足病学という項目もありません。あのウィキペディアにすらないのです。ポダイアトリー(足病学)とはそのままズバリ、人の足についての専門医学。診察に始まり、理学療法、生体力学、薬剤の処方、特別な靴やインソール処方、手術なども含めて足に起こるさまざまなトラブルを総合的に診る医学です。桑原 靖 先生 プロフィール「足のクリニック 表参道」院長。足病学、足病外科、形成外科など。日本には足(くるぶしから下)を専門的に診療する医療機関がほとんどないことに疑問を持ち、2013年、足の痛みや変形に特化したクリニックをオープン。足に対する専門的な診療を提供することに日々力を注ぐ。「足のクリニック 表参道」 近年多くなった足のトラブル、医師はどう対応する?日本人が、欧米人と同じようにつま先を覆う靴を履くようになったのは明治時代以降。それまでは、下駄や草履を履き、しかも家ではそれも履かなかった日本人には、足に外反母趾などのりクスを抱えていてもそれに気づかなかったことでしょう。足を締めつける靴が、さまざまな足のトラブルを表面化させるようになりました。朝から寝る直前まで靴を履く習慣のある欧米諸国で、早くから足の専門医学が発展したのはうなづけます。「日本も今では、小学生の子供でも外反母趾が多い時代。親が気づいてあげないと、そのまま成長してしまいます。幼い頃から医学的な介入で予防してあげるなど、親への教育も大切だと思っています。そのためにもやはり足専門のホームドクターが必要なんです。アメリカでは足を診る専門の医師、足病外科医の数は17,000人近くいます。そのほとんどが足専門医として開業していると言われるほど。通常の医師と同じで4年間大学で勉強した後、さらに4年間、ポダイアトリーの専門教育を受けけ、その後3年間の研修期間。それでやっと国家資格がもらえるんです。これは一般の医師免許と区別された、ポダイアトリストという医師免許。ポダイアトリストは整形外科、形成外科、外科、皮膚科、血管外科などに通じて、足の病気やトラブルについて専門的に学んだ医師だけが得られる資格なんですよ。それに対して日本では、整形外科の教科書600ページのうち、足について書いてあるのはわずか20ページほど。この差は大きいですよね」(桑原先生)桑原先生の「足のクリニック 表参道」は、アメリカのポダイアトリーの知識を元に日本で治療を行うため、必要な診療科(整形外科、形成外科、皮膚科、内科、外科、血管外科など)と連携する複数の専門医が、同クリニックに勤務する体制をとっています。これだけの医師がいるのは、患者さんが抱えているトラブルや病気がバリエーション豊かだから。外反母趾やハンマートゥなどの足の変形、足底筋膜炎、ハイアーチ、モートン病、巻き爪…他にも多種多様です。「でも、その原因はと言えばほぼ一つだけ。それは足のアライメントの異常です。顔と同じように足の骨格やそれに伴うさまざまなリスクも親から遺伝し、生活習慣や歩き方、履いている靴などがそのトラブルの悪化を助長します。また原因は骨の変形だけとは限らず、皮膚や血管、靭帯や筋肉にも関係しているんですよ」(桑原先生)寝たきり高齢者や、糖尿病で足をなくす人を減らしたい!桑原先生は、もともと形成外科医。簡単に言うと形成外科は「外観や機能の再建を行なう科」で、中でも先生の専門は「創傷治癒学」です。交通事故などによる外傷ややけど、手術などでできた皮膚の傷を治すのも専門領域。実は、先生は主に糖尿病の患者さんの足の切断、いわゆる「下肢切断」を行っていました。日本国内では毎年2万本の足が、糖尿病が原因で切断されていること知っていますか? 糖尿病の方が足を切断するようになるのに、最初はただの靴ずれや巻き爪、タコなど、ささいなことが大半の原因を占めるのだそうです。「糖尿病が重症化すると合併症で神経に障害が起き、足の感覚がなくなっていくので、進行すると痛みに気づかない。靴ずれや巻き爪になっても気づかず、放っておくと、その傷から細菌が感染して潰瘍や壊疽(えそ)を起こす。聞いたことがあるでしょう? 治療が遅れると切断につながるのです。アメリカでは糖尿病患者の下肢切断率は日本ほど高くありません。そこまで重症化する人がいないからです。日本の内科では、糖尿病になった患者さんを眼科に紹介するのですが、アメリカでは眼科に加えて足科にも紹介するのが普通なんですよ」(桑原先生)足をなくす人を減らすには、もちろん、まずは糖尿病を減らすこと。でも、放っておくと治ると思われている足のトラブルを、糖尿病になる前から早い段階できちんと治療することがとても重要です。糖尿病に由来する潰瘍や壊疽を診るドクターはたくさんいます。ただ、その要因となったタコやウオノメ、巻き爪、靴ずれ、外反母趾、水虫、足底筋膜炎などのポピュラーな病気、それと重症化した潰瘍や腫瘍まで、足をトータルに診てくれるところは本当に少ないのが現状です。「もしも、ポダイアトリー(足病学)がもっと国内に広まったら、足の切断率は確実に減ると思います。また、健康で自分の足で歩ける寿命が長くなるでしょうね。そして、寝たきりの高齢者も少なくなるはず。なぜって、転倒が減るからです。寝たきりになるお年寄りの10%は、転倒が原因と言われています。転んで骨折したことがきかっけで寝たきりになってしまうわけです。今よりもっとみなさんが足の健康を保てるようになったら、それも確実に減りますよ! 小さな足のトラブルを放っておかない。ささいなトラブルでも気軽に診てもらえるクリニックが増えたら、それも叶いますね。そのためにも、みなさんにポダイアトリーというものについて、知っておいてほしいと思います」(桑原先生)
2016年02月16日子どもが急に熱を出した、でも仕事は休めないし、周りに頼れる人が誰もいない……。そんな時、親たちの味方になってくれるのが「病児保育」。しかし、国内ではまだまだサービスが充実しているとは言えないのが現状だ。なぜ、病児保育は広がらないのか。会員制の訪問型病児保育サービスを提供している、認定NPO法人フローレンス代表理事の駒崎弘樹さんに聞いた。○国は「施設型」の保育にこだわっている平成28年度の政府予算案で、国は病児保育の事業に27億円の補助金を計上。「病児保育の拠点となる施設の整備・改修」「施設での子どもたちの対応・送迎をする看護師の雇用」について、新たに補助金をつけた。――国が進めようとしている病児保育の政策をどう評価しますか。病児保育に力を入れようとしてくれていること自体はうれしいです。しかし、「施設型保育」への補助にこだわっている点で、病児保育の広がりを妨げていると思います。――というのはどういうことでしょうか。現在国が補助を行っているのは、施設に子どもたちを集めて保育する「施設型」の病児保育です。私たちが行っている事業のように、保育スタッフを家庭に派遣して子どもたちをみる「訪問型」の病児保育には、国による補助がありません。しかし、国がいくら「施設型」への補助を増やしても、施設の数は増えません。それは、現在「施設型」の84%が、小児科の病院に併設された「医院併設型」だからです。小児科の数が上限になるので、それ以上増えない。看護師の配置や施設の運営を考えると、制度設計上、そうならざるを得ない構造になっています。また、「施設型」では預かることのできる子どもの数も限られるし、インフルエンザの子については、ほかの子どもたちに感染する可能性も考えて、受け入れないことも多い。加えて、子どもが施設に来ない日も、看護師や保育士を施設に配置し続けなければならないので、人件費がかかります。経営上、投資対効果が低いのです。○自治体の事業では、病児保育は広がらない――ほかにもサービスが広がらない理由はありますか。病児保育が自治体の事業であることも、理由の1つとしてあげられると思います。補助金のある「施設型」の病児保育は、自治体が予算をつくり、事業者を公募しないとできない。しかし自治体に任せている限り、施設の数は増えないと思います。なぜなら、自治体は施設を造っても造らなくても自分たちの給料は変わらないし、何も困らない。一方で、施設を造って失敗した方が怖いわけです。だったらやらなくていい、となってしまう。――では、どうしたら病児保育のサービスが広がるのでしょうか。訪問型病児保育のサービスを増やす必要があると思います。このサービスを増やすのはすごく簡単で、利用料金の補助をする「病児保育バウチャー」を国でやればいいと思います。金額にもよりますが、施設型かそれよりちょっと高額な料金で訪問型病児保育のサービスを利用できるようになれば、参入してくる事業者はたくさんあると思いますよ。さらに、子どもたちがいつ来るかわからないのに人員を待機させる「施設型」の人件費に費用を出すより、保育スタッフを派遣するたびにバウチャーを補助した方が無駄うちがないですよね。――それではどうして国は、「施設型」の病児保育に力を入れているのでしょうか。国は今までずっと「施設型」の病児保育に補助を出してきたので、その方針を転換するのが難しいのではないでしょうか。これまでやってきたものをがんばりましょう、現状から少しよくしましょう、という方がやりやすいといえば、やりやすいでしょう。さらに時代背景も影響していると思います。今は待機児童問題がフィーチャーされているので、まずは保育所の整備をなんとかしなければいけない、となっている。病児保育にまで、理解が進んでいないのです。待機児童問題って日本全国の問題じゃないですか。一方で、病児保育は地方でそんなに問題にならない。地方では祖父母との同居率が高かったり、周りに頼れる人がいたりするからです。それから、女性の正社員率もそんなに高くないので。しかし都市部では、ある程度休みづらい仕事をしている親、特に母親が多い。働く女性が増えているのと、病児保育の認識も上がっているので、ニーズは高まっています。フローレンスでも利用を希望する方は増えていて、2015年の夏にはこちらのサービス供給が追いつかず、入会受付を停止しなければならない事態に陥りました。去年、今年と、一時的に受付を再開しているのですが、2月1日に再開した入会受付については2分で埋まってしまいました。助けを求めている人がいるのに、助けられていない。これはうれしい悲鳴じゃなくて、真摯に反省してキャパシティーを広げなければいけないと思っています。そしてもちろん事業は拡大していきますが、一団体がやるには限界がある。ですから、訪問型病児保育を行う事業者がもっと増えないといけないと思います。○「健康で健常な子ども」以外が除外されている――フローレンスでは、障害児保育の施設も開園されていますね。たまたま相談を受けて、世田谷区(東京都)で医療的ケアが必要な子を預かってくれるところを探したんです。そしたら東京中を探してもなかった。世界有数の都市で1人の障害児も預かれないなんて、そんなバカな話はあるかと思いました。病児保育についても、障害児保育についても、実は保育士養成課程の中ではほとんど習いません。病気のある子だって子どもだし、障害のある子だって子どもなのに、今の保育所は「健康で健常な子」のみを扱っている。だから、保育所でも子どもが熱を出したら「どうしよう、お母さん帰ってきてください」ってなるし、障害があれば「預かれません」となる。本当は全ての子どもたちを受け入れるべきなのに、保育所における保育は、そういう意味で選別しているという認識を私はもっています。みんな「保育所を増やそう」って一生懸命だし、それはそれで分かりますが、同時に病児保育も圧倒的に足りないし、障害児保育も圧倒的に足りません。ここも増やしていかないと、病気の子どもも障害を持った子どもも排除され続けてしまうので、何とかしてくださいと国には言いたいですね。
2016年02月15日女性に多い冷え性。とくにいまの季節、手足の冷えに悩まされている方も多いのではないでしょうか。なかでも近年増えているといわれるのが、手足は冷たいのに上半身がのぼせたように感じる「冷えのぼせ」という症状です。■「冷えのぼせ」の症状とは冷えのぼせは、手足の先など体の末端が冷えているのに、上半身や顔がボーッとほてってしまう症状のことをいいます。手のひらや足の裏に汗をかきやすかったり、暖房のきいた部屋に入るとカーッとして体が熱くなってしまったりする場合も、冷えのぼせになっている可能性があるようです。冷えのぼせは、体の疲れやだるさのほか、生理痛の悪化や睡眠の質の低下など、健康に影響をおよぼすことも。「もしかして冷えのぼせかも?」と思ったら、放置せずにしっかり対策をすることが大切です。■なぜ「冷えのぼせ」は起こるの?冷えのぼせは冷え性が進行したものといわれており、大きな原因は自律神経のバランスの乱れといわれています。自律神経のバランスが乱れると、血管の収縮や拡張のコントロールがうまくいかず、上半身に熱が集中してしまうのだそう。冷えのぼせになると寝つきが悪くなりやすいのも、自律神経のバランスに大きく関係する交感神経と副交感神経の切りかえがスムーズにできなくなるためだといわれています。■体の温め方に注意!「冷えのぼせ」の改善法冷え性改善の定番といえば、入浴です。38℃~40℃くらいのぬるめのお湯にゆっくりとつかり、体を温めるのがよいとされています。しかし、冷えのぼせの人は体が温まるより前に上半身がのぼせてしまい、長く湯船に入っていられないケースもあります。そんなときには無理をせず、効果的な方法で体を温めるようにしましょう。オススメは、首の後ろをホットタオルなどで温める方法です。首には大きな血管が通っているため、全身を効率よく温められます。寝る前に行えば、リラックスしてスムーズに眠りに入れますよ。また、足首やおなか、腰などは冷やさないように心がけましょう。寝るときに靴下を履くと足の裏に汗をかいてしまう場合は、レッグウォーマーがオススメです。冷えのぼせは、放置すると睡眠や疲れなど生活に支障をきたすだけでなく、いろいろな病気の原因になってしまうこともあります。日常生活のなかでしっかりケアをして、症状を改善させていきたいですね。
2016年02月01日サンスターはこのほど、日々の血糖値や食事内容などを記録できる「糖尿病管理手帳 WITHNOTE 2016」を抽選で1,000名にプレゼントすると発表した。「糖尿病管理手帳 WITHNOTE 2016」は、糖尿病患者の意見をもとに2014年版から製作されているもの。日々の血糖値や食事内容に加えて、血圧、体重、歩数などが記録でき、血糖値のコントロールに活用することができる。2015年版利用者へのアンケートでは、「自身の生活習慣改善のヒントが得られた」などの声が寄せられ、回答者の90%が糖尿病管理に役立っていると回答したという。2016年版では、糖尿病・歯科検診の検査結果に対しての目標記入欄や、糖尿病のお役立ち情報コラムなども付いている。メモページを追加したり、月間カレンダーの表示を改良したりするなど、さらに使いやすさを高めた仕上がりになっているとのこと。同社が運営するウェブサイトから応募が可能。締め切りは11月25日となっている。
2015年11月06日西友は10月28日、「西友、惣菜ビジネス戦略発表会・試食会」を東京都・八重洲にて開催し、日本糖尿病協会が監修した糖尿病になりにくい「8品目のヘルシー弁当」(398円・税別)の発売を発表した。○カロリーと塩分をおさえた弁当が発売同商品は糖尿病を予防したい人、健康志向の人などを対象にしたお弁当。カロリーや塩分をおさえ、野菜を中心とした栄養バランスのいいおかずを取りそろえている。商品づくりにあたってメニューを監修したのは、糖尿病予防の啓発活動などを行っている日本糖尿病協会。発表会では、実際に監修を担当した同協会理事で秋田大学大学院 医学系研究科教授の山田祐一郎氏が登壇し、どのような点に留意しアドバイスを行ったのか解説してくれた。まず指摘したのは「エネルギー量」だ。山田氏によれば、標準的な糖尿病患者の摂取エネルギー量は1食あたり500kcal。同商品はそれを下回る※464kcalに設定されている。さらに山田氏は低カロリーの効果について「長寿につながる」とコメント。「一般的な人が摂取している標準的な1日のエネルギー量は2,000kcalと考えると、1食あたりの(平均摂取エネルギー量と比較して)同商品のエネルギー量は2~3割減となり、 同商品は長生きにつながる健康食といえる」という。また塩分量は※2.3gに設定 。厚生労働省によれば、塩分摂取量の1日あたりの目標値は成人男性で8.0g、成人女性7.0gとなっていることから、毎日3食同商品を食べても目標値を達成できることになる。加えて、脂肪やたんぱく質、炭水化物のバランスも重視した。最後に山田氏は「糖尿病患者の食事というのは特別な病気の人に対する食事というよりは、一般の人にとっても健康にいい食事。結果として糖尿病にもなりにくいので、食事をとる際にどういうことに留意する必要があるか、意識づけるという意味でも食べていただけたらと思う」と述べた。※関東エリアで販売される商品の栄養成分値○薄味……かと思いきや、満足感たっぷり!さて、気になるのはそのお味だ。早速提供されたお弁当のふたを開けると、彩り豊かでボリュームたっぷりなメニューが並んでいた。品目は8種。野菜ばかりなのかと思いきや、お肉もしっかり入っている。メインディッシュの「チキントマト煮」は、「満足感を感じてもらいたい」とカロリー制限がある中でも味付けなどを工夫して盛り込んだという1品。実際に食べてみると、トマトの味がしみこんだジューシーな味わいが口の中に広がり、空腹を満たしてくれた。くわえて「小松菜のおひたし」や「野菜の煮物」は、塩分控えめながらしっかりとした味付けになっている。同社によれば「煮込みや冷やしこみの時間を工夫した」とのこと。ごはんも「十六穀米御飯」と「五種豆と五穀入り御飯 」の2種を用意。栄養価が高いだけでなく、かむ回数が増えることで腹持ちが良くなる効果もあるという。同商品は全国の西友341店舗で11月6~30日の期間販売される予定だ。○6人に1人が糖尿病&糖尿病予備軍「糖尿病が強く疑われる人」の割合は近年増加傾向にあり、男性で16.2%、女性で9.2%。このうち65歳以上の高齢者は73.3%を占めている(2013年国民健康・栄養調査: 厚生労働省)。さらに日本糖尿病協会によれば、日本の総人口の6分の1にあたる約2,210万人が糖尿病、またはその予備軍に該当するということで、予防のための食生活や食習慣の見直しがますます求められているといえるだろう。11月14日は「世界糖尿病デー」、11月9~15日は「全国糖尿病週間」となっている。この機会に、普段意識することが少ないかもしれない糖尿病について関心を持ってみてはいかがだろうか。
2015年10月29日イギリスでは、糖尿病患者が増えているそうです。肥満が原因となる糖尿病の場合、毎日の食生活で予防することができます。でも「健康な食事」といわれても、なかなかピンときませんよね。そこで参考にしたいのが、栄養士のケリー・マッケイブさんが考案した1日2,000kcalの平日5日分のメニューが紹介されている『The Guardian』の記事。このメニューを見ると、2,000kcalの食事がどれくらいの量で、なにが食べられるのかが具体的にわかります。2,000kcalというと「物足りないかな?」と思いますが、満足感もありそうなメニューばかり。栄養たっぷりで、お手軽なものも多いです。「多めにつくって翌日も食べる」など、実践的なアドバイスも盛り込まれています。おいしく健康に、糖尿病を予防しちゃいましょう!■1:月曜日朝食はベリーとナッツを入れたヨーグルト。ヨーグルトは100グラムくらいで、ミックスベリーをひとつかみ、ナッツはお好みで入れます。昼食はスモークサーモン、低脂肪のクリームチーズ、ほうれん草のサンドイッチ。パンは大豆とアマニのパンで、チェリートマトもひとつかみつけます。夕食はサツマイモとほうれん草、レンズ豆を煮込んだカレーです。多めにつくっておけば、翌日のランチにも食べられます。■2:火曜日朝食はバナナがゆ。オーツとスキムミルク、スライスしたバナナとブラジルナッツでつくります。昼食は前日の残りのカレーです。夕食はサーモンのパルマハム巻き。アスパラとペストソース、クレームフレーシュ、ジャガイモを添えます。■3:水曜日朝食は大豆とアマニのパンの上に、スクランブルエッグ、スモークサーモン、そしてアボカドを乗せます。昼食はお惣菜のトマトスープを買いましょう。ひとつかみのレンズ豆か、ささげ、そしてほうれん草を足します。栄養価がぐっとアップしますよ。夕食はチャーハンです。鶏モモ肉と大きめのエビ、卵を入れます。翌日の昼食用に2人前つくっておきましょう。■4:木曜日朝食は穀物やドライフルーツたっぷりのシリアル。リンゴジュースとヨーグルトを足してさっぱり仕上げます。昼食は前日のチャーハンをお弁当に持って行きましょう。夕食は野菜たっぷりのイタリア風オムレツ。玉ねぎとチェリートマト、ほうれん草、バジル、リコッタを卵に混ぜ込んで焼きます。卵6個で多めにつくっておけば、翌日も食べられます。ほうれん草とロケットのサラダも添えて栄養価を上げます。■5:金曜日朝食は月曜日と同じ、ベリーとナッツのヨーグルト。昼食は前日のオムレツとサラダです。夕食は淡水魚のティラピアをスパイシーに焼き上げます。つけ合わせにはインゲン豆とサツマイモをつぶしたものを添えましょう。*2,000kcalでもおいしそうな料理がたくさん。売っているお惣菜でも、少し野菜を加えるだけでぐっと栄養豊富になります。この通りにつくるのは難しくても、使えるメニューを1品からでも毎日の食事に取り入れて、健康な食事を始めましょう。(文/スケルトンワークス)【参考】※The anti-diabetes diet: a 2,000 calorie-a-day food planner-the guardian
2015年09月13日マキノ出版はこのほど、新刊『糖尿病は歯ブラシで治せる』を刊行した。糖尿病は、予備軍も含めると日本国内の成人6人に1人にあたる2,050万人もいると推定されている。糖尿病対策は、食事療法と運動療法が2本柱であったが、長続きせずに挫折する人が多かった。同書での著者は、全国の実証実験において、歯周病と糖尿病の相関関係に着目。以来、研究を重ね、「オーラルケアを徹底すると糖尿病が改善する」という結論を導きだした。同書では内科医と歯科医師による画期的なセルフケアを紹介している。同書では、歯の汚れが血糖値を上げる要因であるという点から、「歯周病‐脂肪肝‐糖尿病」の負のスパイラル、血糖値とプラークをコントロールするための食事と運動について解説。歯周病のセルフケアとして正しいブラッシングの方法、歯磨き剤の選び方、補助アイテムの使い方などをわかりやすく紹介している。価格は1,404円(税込)。
2015年08月26日国立感染症研究所はこのほど、最近の感染症の発生状況をまとめた「感染症発生動向調査」を公表し、手足口病の感染者が増加していることを明らかにした。手足口病はエンテロウイルスやコクサッキーウイルスを原因とする病気で、手や足、口内などを中心に水疱(すいほう)を伴った発疹が出ることが特徴。37~38度の発熱や喉の痛み、食欲の低下などの症状が出る。乳幼児に発症例が多く、潜伏期間は3~6日間、症状は2~4日間ほど続くとされている。国立感染症研究所によると、全国約3,000カ所の小児科定点医療機関から報告される患者数は、2014年第44週以降は過去5年間の平均と比較して多い状態が続いていた。2015年に入ると第23週(6月1~7日)頃から急増。第29週(7月13~19日)には、定点当たり報告数が10.16となり、全国での患者数が3万1,920人となった。この数値は、過去10年間で最も報告数が多かった2011年第28週の定点当たり報告数11.0(報告数3万4,216)に次いで多いという。地域別にみると、最近は東日本での患者数が増えているという。定点当たり報告数の上位10位に入る東日本の都道県数は、第26週(6月22~28日)が3県、第28週(7月6~12日)が4県、第29週(7月13~19日)が7都県と増加している。第31週(7月27~8月2日)の手足口病の定点当たり報告数は10.26で、前週(9.38)より1近く増加。都道府県別では、宮崎(19・61)、新潟(19・59)、宮城(18・73)、山形(18・67人)が同期間中の上位となっている。なお、東京都は14.09、大阪府は11.26と比較的高い数値となっている。
2015年08月12日サンスターはこのほど、同社が運営する「糖尿病とうまくつきあう」サイトにおいて募集していた「第3回 糖尿病川柳」の入賞作品を発表した。「糖尿病とうまくつきあう」は、糖尿病患者とその家族を支援することを目的に2012年に同社がオープンしたサイト。同サイトでは、6月2日~30日まで糖尿病に関わる川柳を募集していた。投稿テーマは糖尿病と関連していれば何でもありの「糖尿病×○」、糖尿病管理と食事についての川柳「糖尿病×食事」、糖尿病管理と運動についての川柳「糖尿病×運動」、糖尿病と関係している口腔(こうくう)の健康についての「糖尿病×口腔ケア」で、期間中は約430作品の応募があったという。その中から各投稿テーマにつき1点、「ザ・ベスト川柳賞」を選出した。「糖尿病×○」川柳で選ばれたのは、「減らないで 預金年金 インスリン」(韓流スターさん)。「糖尿病×食事」川柳で選出された作品は「ダメダメと 言われて増える 爆食いよ」(もりこさん)。「糖尿病×運動」のテーマでは、「ランニング コーチの妻は 肥満体」(かる太さん)が選ばれた。「糖尿病×口腔ケア」川柳で選出されたのは、「腹回り 歯周り注意 糖尿病」(八十日目さん)。そのほか、同社が発行している糖尿病管理手帳「WITH NOTE」の2016年度版に掲載する川柳として「WITH NOTE賞」受賞作品も選出した。同賞の作品は、「インスリン 打ってヒーロー 草野球」(モークンさん)、「断捨離で 甘い美味しい 断ち切るぞ」(ねこまるさん)、など50句。また、食事・運動・口腔ケアの各テーマから、抽選で「ありがとう賞」も選出。「おっかない 妖怪並みの 血糖値」(ナフナさん)、「ダイエット 説いてる妻は ビール腹」(nobuさん)、「ウォーキング 減らない体重 減るやる気」(さぼさん)など。このほかの川柳や入賞者の声は、「第3回 糖尿病川柳 ~糖尿病 川柳祭りで 楽しもう~ まとめページ」で紹介している。
2015年08月03日