おう吐や下痢などの症状に悩まされるノロウイルス。自分が苦しいのはもちろんだが、恐ろしいのが「もしかしたら……感染させてしまったのではないか」と思う瞬間だ。周囲にも自分と同じつらさを経験させてしまった罪悪感は、計り知れないものがあるのではないだろうか。今回はノロウイルスの感染経験があるマイナビニュース会員300人に、「ノロウイルスを周囲に感染させた、もしくは感染させてしまったのではないかと思ったことがあるか」尋ねた。Q.ノロウイルスを周囲に感染させた、もしくは感染させてしまったのではないかと思ったことがありますか?はい: 11.3%いいえ: 88.7%Q.「はい」と回答した人にお聞きします。そのときの状況を具体的に教えてください■看病してくれた人が感染・「看病してくれていた奥さんの具合が悪くなったとき」(33歳男性/電機/技術職)・「子どもの看病にお手伝いに来てもらった私の母にもうつり、母から父にもうつり、大変だったらしい」(38歳女性/情報・IT/事務系専門職)・「看病に来た母親と彼氏にうつった」(27歳女性/その他/その他)■友人や職場の人に感染・「旅館の宴会の時に感染したっぽい」(30歳男性/学校・教育関連/専門職)・「親友と前日もいっしょにいて、翌日いっしょにノロにかかったとき」(24歳女性/商社・卸/事務系専門職)■家族が感染・「家族の前でマスクを外している時に大きなくしゃみをしてしまった」(26歳男性/農林水産/技術職)・「最初は普通の腹痛だと思い、家族のお弁当や食事を作っていて、家族にうつった」(33歳女性/建設・土木/事務系専門職)・「家族でタオルなどを共有していたので」(30歳女性/人材派遣・人材紹介/秘書・アシスタント職)■その他・「ブラック企業勤務だった当時にノロウイルスに感染し症状もあったが出社した。結局帰宅中に倒れて病院に担ぎ込まれたがブラック企業ゆえ会社を休むと叱責(しっせき)されるため、そのまま会社をトンズラした。トンズラしたので後のことはどうなったか分からない」(31歳男性/機械・精密機器/事務系専門職)Q.「いいえ」と回答した人にお聞きします。感染を防げたと思う理由について具体的に教えてください■消毒を徹底・「トイレの消毒を徹底した」(36歳女性/医療・福祉/専門職)・「つらい中、家族に感染させたくなったので、トイレ使用後自分で除菌作業しました」(50歳以上女性/その他/その他)・「母が私の行くところへアルコールを持ってついてきていたからだと思う」(24歳女性/生保・損保/事務系専門職)■隔離された・「部屋に隔離されていたから」(32歳女性/金融・証券/事務系専門職)・「自分だけ別の部屋でひたすらこもっていたから」(38歳女性/生保・損保/事務系専門職)■その他・「トイレが2カ所あったので片方だけをつかった」(47歳女性/医療・福祉/専門職)・「理由はわからない。特に対策はしていなかった。運が良かっただけかもしれない」(24歳女性/食品・飲料/専門職)・「子ども→主人→自分と、自分(の感染)が最後だった」(32歳女性/自動車関連/事務系専門職)・「空気清浄機をつかっていたから」(29歳男性/建設・土木/事務系専門職)■総評結果としては、「感染させてしまった(感染させたかもしれない)」と回答した人は約1割にとどまった。症状が発症する前に気づかず感染させてしまったケースや、看病してくれた人や家族など、身近な人への感染が防げなかったケースが主だった。およそ9割の人が感染の拡大を防げたのはなぜだろうか。理由としては「徹底して消毒を行った」という対策をとっていた人が多かったことがあるだろう。「徹底的に効果があると書いてあったアルコール剤で除菌していたから(母が)」(26歳男性/マスコミ・広告/営業職)など周囲が気をつけていたり、自らトイレを消毒したりしていたという回答もあった厚生労働省はノロウイルスの感染について、「ふん便や吐ぶつからの二次感染、ヒトからヒトへの直接感染、飛まつ感染を予防する必要があります」と指摘。「吐ぶつやふん便は乾燥しないうちに速やかに処理し、十分に換気を行う」「感染者が使用した食器は次亜塩素酸ナトリウム液で消毒する」などの対策が必要としている。自らの感染を防ぐことももちろんだが、症状の苦しみを周囲の人に広げないためにも、感染してしまった場合には対策の徹底をお願いしたい。※写真と本文は関係ありません調査時期: 2015年11月6日~11月13日調査対象: マイナビニュース会員調査数: 男性122名 女性178名 合計300名調査方法: インターネットログイン式アンケート
2015年11月20日ライトエアはこのほど、同社が開発した空気清浄の技術「イオンフロー」の機能として、空気中のウイルスの感染力を低下させる効果があることが証明されたと発表した。同社は11月17日、東京都港区のスウェーデン大使館にて記者会見を開催。その研究成果について説明した。○イオンの力でインフルエンザウイルスなどを除去同社が開発した「イオンフロー」は、毎秒数十億ものマイナスイオンを放出することで、空気をきれいにする空気清浄の技術。同技術の特徴は、空気中に浮遊している粉じんやカビなどの粒子にマイナスの電荷を与えて「イオン化」することだ。"プラス"の電荷を帯びた清浄機の収集板に、"マイナス"の電荷を帯び「イオン化」された微粒子が吸い寄せられる仕組みになっていて、結果的として有害な微粒子を取り除くことができる。同社代表取締役社長のロジャー・ソヤ氏は、「花粉やバクテリアに限らず、PM2.5やインフルエンザウイルス、ノロウイルスなどのナノ粒子(大きさが0.1マイクロメートル以下の微粒子)も除去できる」とアピール。0.007~0.1マイクロメートルのナノ粒子は99.93%以上取り除くことができるという。○「除去」するだけでなく「感染力」も低下させるインフルエンザをはじめとしたウイルスを取り除くことができるという同技術。さらに今回、「ウイルスの感染力を低下させる効果がある」ことが証明されたという。スウェーデンのカロリンスカ研究所などが行った研究では、同技術を使って「イオン化」させたウイルスの感染力を調査。研究の結果、空気中に浮遊するウイルスの感染力が97%以上低下することがわかった。加えて、インフルエンザウイルスに感染したモルモット4匹を入れたゲージAと、感染していないモルモット4匹を入れたゲージBを24時間横に並べて置き、ウイルスの感染力を確かめる研究も実施。2つのゲージの間に「イオンフロー」の技術を搭載した空気清浄機(作動中)を置かなかった場合では、Bゲージのモルモット3匹が感染した一方で、同空気清浄機(作動中)を置いた場合ではBゲージのモルモットが1匹も感染しなかった。これらの成果は、世界的に権威があるとされているオンライン科学誌「Nature Scientific Reports」にて発表されたとのこと。説明にあたった同社のジュリアン・リー氏は、「ウイルスの感染力を低下させる効果があるということを実証データで示せる空気清浄の技術は、世界でも『イオンフロー』のみだ」と強調した。同技術を搭載した空気清浄機「ライトエア イオンフロー50」は、商品のサイズによって価格が異なり、3万7,000円(税込)から購入が可能。有害な微粒子を集める収集版には水洗いが可能な金属製の部品を使っているため、フィルター交換の必要がない商品となっている。インフルエンザの流行期が近づくこの季節、予防対策の1つとして取り入れてみてもいいかもしれない。
2015年11月18日国立感染症研究所は11月17日、11月2~8日の期間中の感染症発生動向調査を公開した。同調査により、ノロウイルス感染由来とみられる感染性胃腸炎の全国患者が、直近1カ月で1.8倍に増加していることが明らかになった。食品などを介して感染するノロウイルスはおう吐や下痢、腹痛などの症状を引き起こす。ノロウイルスによる感染性胃腸炎や食中毒は通年で発生しているが、特に冬季に流行する傾向がある。厚生労働省によると、ウイルスの潜伏期間は24~48時間で、吐き気や下痢などの症状が1~2日続いた後、症状は回復に向かうという。ただ、症状が治まってからも長いときで4週間程度、ウイルスは体内から排出され続けるため、二次感染に注意が必要となる。国立感染症研究所によると、全国約3,000カ所の定点医療機関から11月2~8日(第45週)の期間中に報告があった感染性胃腸炎の患者数は1万8,010人。第42週(10月12~18日)は1万393人だったが、そこから1万3,628人(第43週)、1万5,919人(第44週)と患者は増加の一途をたどっている。第41週(10月05~10月11日: 1万224人)から第45週の約1カ月の間で、1週間あたりの患者数は約1.8倍となっている。第45週において、都道府県別での感染者が最も多かったのは東京都(1,394人)だった。以下、大阪府(1,350人)、福岡県(1,215人)、神奈川県(988人)、兵庫県(953人)と続き、大都市圏での感染者が増えている。東京都だけに限ってみると第41週の患者は911人で、約1カ月の間に1週間あたりの患者数が約1.5倍へと増えている。ノロウイルスに効果のある抗ウイルス剤はなく、治療は対症療法に限られるため、予防が肝心となる。予防に関しては手洗いや食品の加熱調理が有効とされており、厚労省は「子どもやお年寄りなどの抵抗力の弱い方は、加熱が必要な食品は中心部までしっかり加熱することが重要」と注意を呼びかけている。※写真と本文は関係ありません
2015年11月17日数ある感染症の中でも、おう吐や下痢など複数の重い症状に苦しめられるノロウイルス。寒さも厳しくなってくるこれからの季節、注意しなければならないウイルスの1つだ。感染予防への意識を高めるためにも、今回はノロウイルスに感染したことのあるマイナビニュース会員300人に具体的な症状や、症状が続いた期間について聞いてみた。感染中につらかったときのエピソードもあわせてご紹介する。Q.ノロウイルスにかかったときの症状を教えてください(複数回答可)1位: 下痢(69.0%)2位: おう吐(68.3%)3位: 吐き気(67.0%)4位: 腹痛(40.3%)5位: 発熱(27.0%)6位: 頭痛(12.0%)7位: 筋肉痛(4.7%)Q.ノロウイルスの症状が続いた期間を教えてください1位: 2日以上~4日未満(41.0%)2位: 1日以上~2日未満(31.7%)3位: 4日以上~1週間未満(14.7%)4位: 1日未満(9.3%)5位: 1週間以上(3.3%)Q.ノロウイルスに感染し、つらかったときのエピソードを具体的に教えてください■トイレから離れられない・「トイレと友達だと言えるくらいずっとトイレにいた」(33歳女性/建設・土木/技術職)・「下痢が止まらず、ずっとトイレにいて、そこで寝ていた」(33歳男性/電機/技術職)・「下痢とおう吐が止まらなくてトイレに張り付きっぱなしだった。両方のにおいでさらに吐き気が増した」(28歳女性/ソフトウエア/技術職)■水分が十分にとれない・「脱水状態になり倒れた」(32歳女性/金融・証券/事務系専門職)・「下痢が続いて脱水症になりかけたこと。身体からどんどん水分が抜けていくのが分かった」(24歳女性/食品・飲料/専門職)■家族で感染・「下痢が止まらないのと、おう吐がひどいなか、同じ症状の子どもの看病をしなくてはならなかったこと」(36歳女性/団体・公益法人・官公庁/技術職)・「子どものノロウイルスが家族全員にうつってしまい、みんなトイレの順番待ち。つらいのに子どもが吐きまくるから、洗濯物がたまるし、乾かない地獄になりました」(38歳女性/情報・IT/事務系専門職)■旅行中に発症・「台湾でウイルスにかかった。ずっとトイレとベッドの往復。せっかくの旅行が台無しだった」(28歳女性/ホテル・旅行・アミューズメント/販売職・サービス系)・「旅行中で電車の中でもよおすなど最低でした」(30歳男性/運輸・倉庫/技術職)■複数の症状を発症・「おう吐しながら下痢をしていた」(37歳女性/商社・卸/事務系専門職)・「下痢と吐き気が同時に来て、どちらを優先するか悩んだ」(30歳女性/機械・精密機器/事務系専門職)■その他・「デートした次の日からかかったので彼氏にうつしたのではないかと自分の体以上に心配でつらかった」(34歳女性/その他/その他)・「1人暮らしの時だったので非常につらかったです。ご飯が食べられないし動けなかったので本当に死ぬかと思いました」(39歳/食品・飲料/販売職・サービス系)・「ブラック企業勤務だったので症状があったが休めず会社に行き失神しそうになった。帰り道の駅で失神し救急車で運ばれた」(31歳男性/機械・精密機器/事務系専門職)■総評具体的な症状については、6割以上の人が「下痢」「おう吐」「吐き気」を訴えた。ほかにも、約4割が「腹痛」と回答。少数ではあるが、頭痛や筋肉痛をあげる人もいた。症状が続いた期間としては、「2日以上~4日未満」と答えた人が最も多かった一方で、「4日以上~1週間未満」(14.7%)、「1週間以上」(3.3%)など、長期間苦しめられた人も少なからずみられた。さらに、ノロウイルスに感染してつらかったことについて自由回答で答えてもらったところ、「トイレから離れられない」という内容の回答が目立った。「胃の中に何もなくなっても吐き気が止まらずトイレから離れられなかった」(25歳女性/団体・公益法人・官公庁/事務系専門職)など、離れられない事情から症状の重さがうかがい知れる結果となった。また、「家族全員でおう吐下痢の症状があり、きつかった」(31歳女性/団体・公益法人・官公庁/事務系専門職)という回答があった一方、1人暮らしで症状に対処する大変さを訴える人もいた。これらのエピソードに加えて、やはり多かったのが「症状自体のつらさ」に関する回答だ。複数の症状が同時に発症したり、これらの症状が派生して痔(じ)や脱水症状になったりする人もいた。厚生労働省によれば、現在ノロウイルスに効果のある抗ウイルス剤はなく、発症した場合、水分と栄養の補給を十分に行って回復を待つしかないとのこと。脱水症状がひどい場合には病院で輸液を行うなどの治療が必要になるという。苦しい症状に悩まされることのないよう、手洗いや食品の加熱処理などを徹底し、事前の予防をぜひとも徹底してほしい※写真と本文は関係ありません調査時期: 2015年11月6日~11月13日調査対象: マイナビニュース会員調査数: 男性122名 女性178名 合計300名調査方法: インターネットログイン式アンケート
2015年11月17日マカフィーは11月9日、Gate.Wormファイル感染ウイルスの最新バージョンに関する情報をセキュリティブログで公開した。Gate.Wormに感染した場合、正規コードに制御を戻せなくなる仕様で、特定のアプリケーションが起動しなくなり、マルウェアコードのみが実行される。このバージョンは2013年の「Obfuscated-FBU!hb」による寄生型ウイルスの変種と類似しているが、作者は別の人物。新しいコードは以前のコードに似ているが、機能がかなり減らされているという。マルウェアの目的は、SecurityGate.ruグループがテストサンプルとして作成したものと推測している。セキュリティブログによると、マルウェアがコンピューターに侵入して感染させるまでの挙動は以下の通り。まず、IsDebuggerPresent Windows APIを呼び出して、プロセスがデバッグ中かどうかを確認する。マルウェアの作者はこの機能を使用して、デバッグによって"悪質なバイナリ"の分析を防止する。チェックの結果がtrueの場合、マルウェアは実行を終了する。次にマルウェアはコンソールウィンドウを開き、「SAFEMODE: This WORM is designed only to test…with respect SafetyGate.ru.」 というメッセージを表示する。GetCurrentDirectoryAを使用して現在のディレクトリを取得し、そこに含まれるすべてのファイルを列挙する。そのために、マルウェアはFindFirstFileA and FindNextFileAを使用してファイル名配列を作成する。現在のフォルダ内の全ファイルを配列に追加したら、マルウェアはマルウェアファイルのファイルサイズを計算し、マルウェアサンプル全体をクリーンファイルの冒頭に挿入してコンピューターに感染する。感染後は、MZ構造がマルウェア本体に置き換えられ、元のファイルは単なるオーバーレイデータとして存在するようになるため、感染したクリーンファイルを実行できなくなる。さらに、感染ファイルに以下のような形式のシグネチャを追加する。感染ルーチンは現在のフォルダ内のすべてのサンプルに対して繰り返し実行され、プロセスが終わると、マルウェアはSleep APIを呼び出して10秒間実行を停止する。その後、コンソールウィンドウを閉じてマルウェアプロセスを終了する。最後は、感染したすべてのサンプルに以下のようなアイコンが表示される。オーバーレイに複数のオリジナルサンプルが含まれた感染サンプルも存在する。感染ファイルはすでに感染していたファイルが含まれることがあるため、このような状況が発生する。新しいクリーンファイルがこのサンプルに感染すると、新たに感染したファイルには過去に感染していたファイル(複数の場合もある)とマルウェアコード、新しいシグネチャが含まれる。ポータブルな実行可能ファイルだけではなく、あらゆる種類のファイルがこのマルウェアに感染する。このようにして、ホストコンピュータの現在のフォルダ内の大半のファイルがウイルスに感染してしまう。通常、ユーザーはファイルをダウンロードフォルダ、ドキュメントフォルダ、デスクトップフォルダにダウンロードするが、フォルダによって影響度が違う。マルウェアにはネットワーク機能がなく、外付けドライブを感染させることはできない。被害者が直接ダウンロードして実行するか、感染したサンプルを外付けドライブに手動でコピーし、別なシステムで実行する以外、このマルウェアをまん延させることはできないという。
2015年11月11日国立感染症研究所は11月10日、10月26~11月1日の期間中の感染症発生動向調査を公開した。同調査により、2015年の1週間あたりの「RSウイルス感染症」の患者が、同期間中に最多だったことが明らかになった。RSウイルス感染症は、RSウイルスによって引き起こされる呼吸器の感染症で、飛沫(ひまつ)感染と接触感染によって感染する。潜伏期間は2~8日で、典型的には4~6日とされている。症状はさまざまで、風邪のように発熱や鼻水などを伴うときもあれば、重度の場合は肺炎や気管支炎になるケースもある。同研究所は、生後1歳までに半数以上の子どもが、同2歳までにほぼ100%の子どもがRSウイルスに初感染するとしている。ただ、生後数週間~数カ月間程度の乳児が初めて感染した場合は、重篤な症状が出る可能性が高まるとされている。全国約3,000カ所の定点医療機関から10月26~11月1日(第44週)の期間中に報告があった全国の感染者数は4,740人。第40週に2,643人で2,000人を超えてから右肩上がりに感染者が増加し、第43週(10月19~25日)に4,118人で今年になって初めて4,000人を突破。そして第44週にその感染者数をさらに上回る数値を記録した。直近5年間の同時期の感染者数を見ると、1,945人(2011年)、3,092人(2012年)、4,195人(2013年)、3,423人(2014年)と推移していることから、今年の感染者が多いことがうかがえる。第44週において、都道府県別での感染者が最も多かったのは北海道(364人)だった。以下、東京都(357人)、大阪府(351人)、福島県(237人)、宮城県(224人)と続き、2015年の累積感染者も6万人を超えた。東京都だけで見ると、感染者は第41週から398人、363人、384人、357人となっており、300人台の高水準を維持している。この現状を受けて、東京都感染症情報センターはRSウイルス感染症に関して、「定点当たり報告数は、過去5年平均より高い値で推移している」と警鐘を鳴らしている。感染は全国的な拡大を見せており、Twitter上でもRSウイルスはインフルエンザより厄介だと嘆く声や、小児がいる家庭に注意を呼びかける声などがあがっている。※写真と本文は関係ありません
2015年11月10日国立感染症研究所は11月2日、10月19~25日の期間中の感染症発生動向調査を公開した。同調査により、同期間中のインフルエンザの患者が全国で500人近くであることが判明した。インフルエンザは「のどの痛み」「せき」などの風邪のような症状に加え、「38度以上の発熱」「頭痛」「関節痛」「筋肉痛」などの症状も伴う。日本では例年12月から3月頃にかけて流行が見られ、一度流行が始まると短期間に多くの人へと感染する点が特徴だ。全国5,000カ所の定点医療機関から10月19~25日(第43週)の期間中に報告があった全国の感染者数は498人。第40週に212人を数えてから319人(第41週)、370人(第42週)と推移しており、わずかずつではあるが増加傾向にある。第43週に都道府県別での感染者が最も多かったのは神奈川県(68人)。以下、愛知県(66人)、沖縄県(51人)、東京都(49人)、福岡県(40人)と続く。第42週で報告が多かったのは愛知県、沖縄県、千葉県、東京都、広島県となっており、愛知県と沖縄県、東京都での患者の多さが比較的目立っている。インフルエンザの定点報告数も増加している。第40週は0.04だったが、そこから0.06、0.08と増えていき、第43週には0.1となった。「流行開始」の指標となる数値「1.00」の10分の1ではあるが、そろそろ注意が必要となってくることがうかがえる。なお昨シーズンにおいては、同研究所が昨年12月5日に定点報告数が「1.00」を上回ったことを明らかにしている。インフルエンザは、せきやくしゃみなどによる飛沫(ひまつ)感染が主な感染経路となる。予防策としてはワクチン接種のほか、マスク着用や手洗い、うがいなどがある。※写真と本文は関係ありません
2015年11月04日ファイザーはこのほど、「長寿社会ニッポンにおける感染症の潜在リスクと最新対策」と題したセミナーを東京都内で開催。慶応義塾大学医学部 感染症学教室の岩田敏教授が登壇し、ワクチンによる感染症対策などについて講演した。○2025年の医療費は50兆円以上?医学雑誌「Lancet」にて最近発表された研究によると、日本人の健康寿命(健康上の問題で日常生活が制限されずに生活できる期間)は73.4歳(2013年時点)で世界でもトップだという。定年後の人生を積極的に楽しむアクティブシニアが増えてきていることが伺える一方で、超高齢社会に伴う医療費も問題になっている。厚生労働省の試算などによると、2008年時点で34.8兆円だった国民医療費は2025年には52.3兆円まで膨らむと見込まれており、そのうち老人医療費は24.1兆円を占めるとされている。そのため、岩田教授は「超高齢社会における医療費の問題や健康寿命を鑑みると、感染症予防と予防接種の果たす役割が大きいのではないか」と提唱する。感染症を予防する手段の代表例としては、ワクチン接種があげられる。VPD(Vaccine Preventable Diseases: ワクチンで予防できる疾患)は、成人では「インフルエンザ」「肺炎球菌による感染症」「破傷風」などが、小児ではこれらに加え、「結核」「ポリオ」「水痘」「ロタウイルス」などがある。岩田教授は「ワクチンというと『子供が中心』と考えがち。もちろん子供に対してワクチンを打つのはとても大事ですが、大人にも必要なワクチンがあるんです」と力を込めるが、実際は成人の予防接種への意識は高くない現状が伺える。○成人のワクチン接種率は4割同社が7月28日から8月7日にかけて、各都道府県に住む60歳以上の男女150人(合計7,050人)を対象に行った調査によると、成人してからワクチンを接種した経験がある人は2,998人と全体の4割ほどにとどまっていた。そのうち、最も多かったのはインフルエンザワクチン(2,302人)で、その次に多かったのが肺炎球菌感染症(肺炎)ワクチン(1,501人)だった。最多となるインフルエンザワクチンですら、全体の32%ほどしか接種していないこととなり、予防接種への関心率の低さが浮き彫りとなっている。ワクチン接種率の低さの原因として「感染を100%防げない」をあげる人も少なくないだろう。ただ、重症化を防いだり、死亡リスクを低減させたりするなど、一定の臨床効果は示されている。例えば、インフルエンザワクチン接種率と学級閉鎖日数の相関を見ると、ワクチン接種率が高いほど学級閉鎖日数が少ないなどの結果も得られており、「一定の接種率を確保すると、学校などでの集団生活の中でインフルエンザが流行するというのは、ある程度抑えられます」。ただ、今年は従来よりも対応ウイルスの種類を増やしたワクチンに切り替えられている。これまではA型2種とB型1種だったが、新たにB型をもう1種増やして4種類に対応するように変更。そのため、ワクチン接種費用が高くなる傾向が見られている。岩田教授はワクチン接種に係る料金値上がりに伴う接種率の低下も懸念しつつも、「接種が重要」との見解を示した。○インフル流行時は肺炎球菌のワクチンもインフルエンザ以上に接種率が低い肺炎球菌に関しても、岩田教授はその重要性を指摘している。免疫機能が未発達の5歳未満や機能が低下してくる高齢者(65歳以上)が肺炎球菌による感染症になりやすい。日常生活で発症する肺炎である「市中肺炎」に罹患(りかん)すると死亡リスクが上昇するなど、日常生活に多大な影響を及ぼすことがわかっている。市中肺炎の入院患者の原因微生物を見ると、肺炎球菌が全体の4分の1を占めたという報告があるほか、インフルエンザ流行時に検出された肺炎の原因となった細菌は肺炎球菌が多いというデータもある。「インフルエンザが流行したときは肺炎球菌を起こしやすくなるので、インフルエンザワクチンと肺炎球菌ワクチンを一緒に受けておいたほうが予防としてはいいということになります」。肺炎球菌ワクチンの定期接種は2014年10月から開始されており、2018年度までは該当する年度に65歳、70歳、75歳などのように「5歳の倍数となる高齢者」などが対象となっている。また、乳幼児や高齢者だけではなく、喫煙者や糖尿病、心疾患、呼吸器疾患などを患っている人も肺炎球菌感染症のリスクが高くなる。来る11月12日は「世界肺炎デー」。これを機に、肺炎球菌について詳しく知ろうとしてみるのもいいだろう。○医療従事者と患者間で予防接種の会話増を最後に岩田教授はワクチンが導入・普及されて日本では確実に病気の数が減ってきているとしたうえで、その接種率を高く保ち続けることが大切になってくると指摘。そのために、「医療関係者と患者さんの間で予防接種に関する会話が多くなることが重要」だとした。これからインフルエンザが本格的に流行する時期になる。岩田教授によると、健康な成人におけるインフルエンザワクチンの有効性は約7割だという。1回あたりの接種金額が500円~1,000円ほど値上がりしている病院もあるようだが、ワクチンを接種して自分の体を賢く守るよう、努めるに越したことはないと言えそうだ。
2015年11月02日朝晩が寒くなり、乾燥が気になってきました。これから冬にかけて流行してくる感染症として、インフルエンザやノロウイルスなどがあります。東京都感染症情報センターによると、すでにインフルエンザとみられる症状で学級閉鎖になった都内の小学校もあるとのことで、これからの季節、流行が心配されます。また、ひどい吐き気や下痢といった、つらい症状を引き起こす、ノロウイルス。家族間で感染しやすく、肉体的ダメージが多いこともあり、私のママ友の間でも「子どもにかかってほしくない感染症」で上位にランクインしています。免疫力の弱い小さいお子さんを持つママは、特に心配ですよね。そんな感染症の予防法はというと、まずは「手洗い・うがい」です。しかし、ちゃんとした手洗い・うがいってできていますか?親指も忘れずに! 正しい手洗いの方法まずは正しい手洗いの仕方から。1.水で簡単に汚れを落とした後、石けんをつけます。2.泡立てた石けんで、手のひら・手の甲・指の間を洗います。3.次は爪を洗いましょう。手のひらに爪を立てるようにしてこすり洗います。ここで、ポイント! 手のひらのしわや溝の部分にこすりつけ、汚れをかき落とすようにすると、さらに効果的です。4.忘れがちなのが、親指です。特に、親指と人差し指の間には汚れやばい菌がたまりやすいので、しっかり汚れを落としましょう。親指を握るようにして洗うときれいになります。指しゃぶりなどが多い小さなお子さんは、特に気をつけて洗ってあげてくださいね。5.最後に手首まで洗っておしまい。水で流しましょう。 実はこのようにしっかり洗おうとすると20~30秒くらいかかります。お子さんが飽きてしまわないように、横についてあげて、一緒に歌を歌いながら洗うと、時間が経つのも早くておすすめですよ! たとえば「チューリップ」の歌の1番を歌うと、20秒ちょっとかかります。そのほか、幼稚園や保育園では、正しい手洗いを歌で教えているところもあります。楽しく歌うことで、正しい手洗いが習慣になるといいですね。小さな子供は「ぶくぶくぺっ」の練習から、正しいうがいの方法まずは、口をゆすぎます。そして口の中をきれいにしてからうがいをするのが、正しい方法です。小さいお子さんも、まずは「クチュクチュうがい」から始めてみましょう。水を口に含んで、「ぶくぶくぺっ」の練習です。それに慣れてきたら、水を口に含んだまま顔を少し上に向けて「あー」と声を出す練習をしてみましょう。これで「ガラガラうがい」ができるようになります。横で数を数えてあげたりすると、「何秒できた!」という達成感があってお子さんも嬉しいかもしれませんね。感染症を防ぐには、とにかく「手洗い・うがい」が大切です。しっかりした手洗い・うがいでこれからの季節を元気に過ごしましょう。(あい)
2015年11月01日「ブランでスッキリ! 」委員会はこのほど、首都圏在住の20~50代の女性を対象に、冬に感じる心身の悩みについて調査を実施し、その結果を発表した。まず、便秘に悩む女性にもっとも悩む季節を尋ねたところ、「冬」と回答した人は、他の季節の約2倍にあたる約7割(67.5%)に及んだ。また、冬に風邪、インフルエンザ、ノロウィルスやロタウィルスなどの感染症にかかりやすい女性のうち「インフルエンザ」「風邪」で約半数、「感染症」の6割超が便秘になりやすいと感じていることが分かった。次に、風邪・インフルエンザ予防に効果的だと考える対策を尋ねたところ、「外出からの帰宅時にうがい・手洗いを必ず行う」(90.5%)、続いて「マスクをする」(82.5%)との回答が上位となり、多くの女性が外敵を自分の体に侵入させない方法で予防していることがうかがえる。また、注目度はあまり高くないものの、「腸内環境を整える」と回答した人も36.3%を占めた。続いて、冬に風邪、インフルエンザ、ノロウィルスやロタウィルスなどの感染症にかかりやすいと考える女性に原因を聞いたところ、約半数が「免疫力の低下によるもの」と回答。また、免疫力を高めるために効果的と考えられることは何かという問いに対しては、「睡眠を十分にとる」(85.9%)、「ストレスをためない」(80.3%)など、生活習慣の見直しが8割以上を占めた。一方で、「腸内環境を整える」は43.0%にとどまっており、多くの人が免疫力強化の方法を模索中であることが浮き彫りになったとしている。調査結果を受け、同委員会の委員で医療法人小林メディカルクリニック東京院長の小林暁子医師は、「冬に風邪やインフルエンザにかかりやすいのは、体の免疫力の低下が影響している可能性がある」と指摘。免疫細胞は70%が腸に集まり腸内環境と密接に関わっているため、便秘解消によって腸内環境を改善すれば、免疫の活性を助ける働きがあるとのこと。また、腸の動きをコントロールしている自律神経は、交感神経が優位になると動きが悪くなるという。冬は寒さから交感神経が優位になりやすく腸の蠕動(ぜんどう)運動が鈍って便秘になりやすい季節であり、年末年始は食生活が乱れて運動不足も重なって便秘を悪化させてしまいがちだという。そこで、食物繊維が豊富な食品を習慣的に摂(と)り、便秘を解消することが大切だとアドバイスしている。同調査は、首都圏(東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県)在住の20~50代女性400名を対象に、インターネット調査によって8月に実施された。
2015年10月23日国立感染症研究所は10月20日、10月5~11日の期間中の感染症発生動向調査を公開した。同調査により、RSウイルスが原因の「RSウイルス感染症」の患者が、昨年末からこれまでに全国で5万人を超えたことが判明した。RSウイルス感染症は、RSウイルスによって引き起こされる呼吸器の感染症。同研究所によると、生後1歳までに半数以上の子どもが、同2歳までにほぼ100%の子どもがRSウイルスに初感染するという。感染経路は飛沫(ひまつ)感染と接触感染。症状はさまざまで、風邪のように発熱や鼻水などを伴ったり、重度の場合は肺炎や気管支炎になったりすることもある。だが、生後数週間~数カ月間程度の乳児が初めて感染した場合は、重篤な症状が出る可能性が高まるとされている。全国約3,000カ所の定点医療機関から10月5~11日(第41週)の期間中に報告があった全国の感染者数は3,696人。第39週の1,997人、第40週の2,643人と比較してみると、患者が急増していることが伺える。都道府県別での感染者が最も多いのは東京都(398人)。東京都は第39週に209人だったが、第40週に303人、そして今回398人と2週間で倍増している。東京都に次いで多かったのは大阪府(266人)で、以下に神奈川県(187人)、北海道(159人)、埼玉(158人)と続いている。逆に患者が少ないのは沖縄県(4人)、山梨県(6人)、和歌山県(10人)、茨城県(16人)などとなっている。全国のRSウイルス感染症患者の累積数は、第41週の数値を合算して5万2,756人となり、昨年よりも早く5万人を突破した。全国的な感染が拡大していることを受け、Twitter上では「RSウイルスっての流行ってるから3歳未満の子が居る人気を付けてくださいね」「今回RSウイルス、インフルエンザより厄介なことがよーくわかった」「ジリジリとRSウィルスがやってきたか」などの声があがっている(すべて原文)。※写真と本文は関係ありません
2015年10月20日日産自動車はこのほど、同社の中国の合弁会社である東風日産乗用車公司(東風日産)が、中国で新型「キャシュカイ」を発売したと発表しました。新型「キャシュカイ」は、洗練された外観デザインとプレミア感ある内装を併せ持つクロスオーバー。新型キャシュカイのプラットフォームは、ルノー・日産アライアンスのコモン・モジュール・ファミリー(CMF)をベースとし、パワートレインは、7速マニュアルモード付の新世代エクストロニックCVTと2.0リッター直噴エンジンに加え、ターボチャージャー付1.2リッター直噴エンジンも設定。走りの質を高めるため、独立懸架サスペンションに加え、アクティブライドコントロール、アクティブトレースコントロール、アクティブエンジンブレーキ、ダブルモード車速感応式パワーステアリング、インテリジェントパーキングアシストなど、様々な先進技術を搭載している。デザインはヨーロッパで行われ、日産の最新のグローバルデザインランゲージであるVモーショングリルやブーメランシェイプのLEDヘッドランプなど、特徴的なシグネチャーを採用。2,646mmのホイールベースが、ドライバー中心のコックピットまわりや同乗者席にゆとりある空間を与え、長時間走行時の疲れを軽減するゼログラビティシートが更なる快適さを提供する。安全性では、自動ブレーキ、踏み間違い衝突防止アシスト、アラウンドビューモニター、移動物検知、車線逸脱防止支援システム、後側方車両検知警報といった、同社最新のセーフティーシールド技術が多数採用されている。新型キャシュカイの価格は、13万9,800人民元から。
2015年10月19日岡山大学は10月19日、B型肝炎ウイルス(HBV)の感染を認識する新たな宿主因子cGASを同定したと発表した。同成果は岡山大学大学院医歯薬学総合研究科(医)腫瘍ウイルス学分野の團迫浩方 助教、加藤宣之 教授らの研究グループによるもので、10月16日付けで欧州の生化学関連の総合誌「FEBS Journal」に掲載された。同研究グループはHBVゲノムである二本鎖DNAを「非自己」として認識する宿主因子cGASを新たに同定。解析を進めた結果、HBV感染を認識したcGASが、自然免疫応答の1つであるSTINGシグナル伝達系を発動させ、最終的に細胞内で新たに作られるHBV感染粒子の形成を阻害するという新たな分子機構が明らかになった。今回の研究成果について同研究グループは、「B型慢性肝炎患者の肝臓内におけるcGASの発現量によりHBV量が調節されている可能性があることが分かりました。cGASの発現を人為的に高めることができれば、体内の自然免疫応答が高まりHBV量を大幅に減少させることができると期待されます。」とコメントしている。
2015年10月19日国立感染症研究所は9月24日、9月7~9月13日の期間中の感染症発生動向調査を公開。同調査により、RSウイルスが原因の「RSウイルス感染症」の患者が前週に比べ、約1.3倍に増加していることが判明した。RSウイルスによって引き起こされる呼吸器の感染症であるRSウイルス感染症は、生涯にわたって何度も感染と発病を繰り返す。ただ、同研究所は生後1歳までに半数以上が、2歳までにほぼ100%の子どもがRSウイルスの初感染を受けるとしている。飛沫(ひまつ)感染と接触感染がRSウイルスの感染経路となる。風邪のように発熱や鼻水などを伴ったり、重度の場合は肺炎や気管支炎になったりと症状はさまざまだ。しかし、生後数週間~数カ月間程度の乳児が初めて感染した場合は、重篤な症状が出る可能性が高まるとされている。全国約3,000カ所の小児科から9月7~9月13日(第37週)の期間中に集まった感染報告数は、2,652。前週(第36週)の2,083からおよそ3割、さらにその前の週(第35週)の1,683からおよそ6割増加している計算になる。感染者が多い5地域は福岡県(304人)、東京都(247人)、大阪府(162人)、宮崎県(125人)、広島県(123人)となっている。東京都だけで見ると、第35週(106人)に初めて100人を超え、172人(第36週)、247人(第37週)と直近3週間で約2.3倍に増えている。逆に第37週の感染者が少ない地域は、群馬県(1人)、山梨県(1人)、富山県(2人)など。RSウイルス感染症は例年、冬場に報告数のピークが見られるが、2011年以降は7月から報告数の増加傾向がみられている。今年の第37週までの累積報告数は4万1,360で、昨年同時期(3万2,495人)に比べ、約1.3倍となっている。
2015年09月25日国立感染症研究所は9月15日、8月31~9月6日の期間中の感染症発生動向調査を公開。同調査により、RSウイルスが原因による「RSウイルス感染症」の患者が、前週に比べて約1.2倍に増加していることが明らかになった。RSウイルス感染症は、RSウイルスによって引き起こされる呼吸器の感染症。生涯にわたって何度も感染と発病を繰り返すが、同研究所によると、生後1歳までに半数以上が、2歳までにほぼ100%の子どもがRSウイルスの初感染を受けるという。症状は、発熱や鼻水などの風邪に似たようなものから、重度の場合は肺炎や気管支炎までとさまざまだ。ただ、生後数週間~数カ月間程度の乳児が初めて感染した場合は、重篤な症状が出る可能性が高まるとされている。全国約3,000カ所の小児科から8月31~9月6日(第36週)の期間中に集まった感染報告数は、2,083。その前の週の1,683から1.2倍以上に増加している。特に多い地域としては、福岡県(295人)を筆頭に、東京都(172人)、大阪府(108人)、広島県(101人)で感染者が100人を超えている。東京都だけで見ると、35人(第33週)、68人(第34週)、106人(第35週)、172人(第36週)と推移しており、3週間前に比べて約5倍となっている。RSウイルス感染症は例年、冬場に報告数のピークが見られる。だが、2011年以降は7月から報告数の増加傾向がみられている。厚生労働省によると、2014年の報告数は第30週から徐々に増加傾向となり、第34週から第37週にかけて急速に増えたという。今年も第34週から1,119人、1,689人、2,083人と着実に増加しており、昨年と似た傾向となっている。RSウイルスの感染経路は飛沫(ひまつ)感染と接触感染。そのため、「マスク着用」「子どものおもちゃなどのアルコール消毒」「手洗い」などが予防策となる。全国的に患者が増えていることもあり、Twitter上では「乳幼児の咳には要注意」「RSウイルス、流行の兆しね」「次はRSウイルスが流行っているのか」といった不安や戸惑いのコメントがみられる(すべて原文)。※写真と本文は関係ありません
2015年09月16日東京都感染症情報センターは9月2日、都内のデング熱報告数の推移などを明らかにした。蚊を媒介して感染するデング熱は、デングウイルスを原因とする急性の熱性感染症。主な症状として発熱や頭痛、筋肉痛、皮膚の発疹などがある。症状は1週間程度で回復するが、ごくまれに感染者が死亡するケースもある。昨年は8月中旬頃から東京都をはじめとする関東圏で、70年ぶりとなるデング熱の国内感染者が続出。8月末から厚生労働省が感染者数の公表に追われ、最終的な国内感染者は160人を数えた。昨年9月4日にデングウイルスを保有している蚊が東京都の代々木公園で確認されたことなどもあり、同公園や国立オリンピック記念青少年総合センター、新宿御苑などの施設が閉鎖された時期もあった。今年は国内感染者がいまだ報告されていない一方、海外での感染者は増えている。8月30日時点での東京都における感染報告数は53人。2011年以降の推移と比べると、国内感染者が続出した2014年を除けば2番目に報告数が多かった2012年と、今年8月時点の数値がほぼ等しくなっている。このまま増えていけば、2012年や2013年の報告数を上回る可能性もある。厚生労働省が「海外の流行地で感染し帰国した症例が近年では毎年200名前後」見られるとしているように、元来、デング熱は主に東南アジアや南アジア、中南米などで感染者が多く報告されている。実際、同センターも「推定感染地域別報告数」を公表しているが、今年の東京都の感染者数の大半がインドネシアやフィリピン、タイなどで感染したと見ている。今後もこれらの地域に渡航する際は、注意が必要といえそうだ。なお、世界保健機関の西太平洋地域事務所によると、今年のマレーシアのデング熱の感染者は8月15日時点で約7万6,000人となっており、昨年同時期に比べて3割近く増加している。ベトナムは8月16日時点で感染者が2万5,000人近く報告されており、昨年同時期に比べて5割以上も多くなっている。同じくフィリピンもやや増加傾向にあるとのこと。一方で、中国は7月の感染者数は過去3年と似たような傾向にあり、オーストラリアの感染者数も昨年とほぼ同様となっている。※画像はすべて東京都感染症情報センター提供
2015年09月03日東京大学は9月2日、培養細胞で高い増殖能を有するインフルエンザウイルスの作出に成功したと発表した。同成果は東京大学医科学研究所ウイルス感染分野の河岡義裕 教授らによるもので、9月2日に英国科学雑誌「Nature Communications」オンライン版に掲載された。現在、季節性インフルエンザワクチンは受精卵でウイルスを増殖させて製造しているが、その製造過程で抗原変異が起こりワクチンの有効性が大きく低下することが知られていた。一方、培養細胞でウイルスを増殖すると抗原変異が入る危険性が低減され、より有効なワクチンを製造することが可能になる。しかし、培養細胞ではウイルス増殖性が悪いという欠点があった。今回の研究成果では、インフルエンザウイルスの2種類の主要な抗原タンパク質を入れ換えるだけで、理論的にはどのような型のウイルスでも同様の方法で高増殖性ウイルスの作出が可能となることがわかった。河岡教授がすでに発表していたリバースジェネティクスの手法を用いるという。現在、高病原性インフルエンザウイルスによるパンデミック対策として、国が迅速な製造が可能な培養細胞を用いて製造するパンデミックワクチンの備蓄に取り組んでいるが、生産性の低さが問題となっている。今回の成果は、従来の季節性インフルエンザワクチンに比べ高い有効性が期待できるだけでなく、パンデミック発生時には迅速かつ十分な量のワクチン供給を実現するものとして期待される。
2015年09月03日ギネスブックに「人類史上最も感染者の多い感染症」として登録された病気があります。それは「歯周病」。「命に関わるような病気でもない」と軽く考えるのは禁物。自覚症状のない歯周病は、気づいたときには抜歯しかすべがなかったということも多くあるのです。歯周病の現状と予防法などについて、歯科衛生士の土屋和子先生(スマイル・ケア代表)にお聞きしました。あなたも感染している!?歯周病――歯周病は「感染症」なのですか。土屋先生:歯周病の元となる歯周病菌は、最初は感染によって人の口内に入り込みます。虫歯菌と同様、親子間の接触で感染したり、成人になってからも唾液を介して、キスなどで感染することもあります。いったん感染すると口の中の歯周病菌を完全になくすことはできません。ですから、ほとんどの人が感染しているといっても過言ではないでしょう。――親子間で感染するということは、若い人でも歯周病になる可能性があるのでしょうか。土屋先生:実は、歯周病菌は赤ちゃんが生まれるときに通る産道でも見つかっています。それくらい小さな頃から私たちの間で蔓延しているのです。子どものうちは影響を受けにくいのですが、遺伝的要素が高いと、早い人では乳歯の段階から歯周病が出ることもあります。歯科の予防医療が進んでいるアメリカやヨーロッパでは、15~18歳ごろから歯周病に気をつけるよう指導されています。「若いから歯周病にはならない」と思っていてはいけません。ほうっておくと怖い!歯周病――歯周病の症状について教えてください。土屋先生:歯周病菌の働きによって歯茎が炎症を起こし、やがて歯を支える骨にまで進行していきます。骨の組織が破壊されると、最終的には抜歯をしなければならない状態になります。気をつけなければならないのは、歯周病は初期の自覚症状がまったくないということです。歯茎が腫れている、歯が動く、噛むと違和感がある……、そのような状態になったときは、すでに手遅れのことが多いのです。――歯周病を、初期のうちに自分で発見する方法はないのでしょうか。土屋先生:「歯周病かな?」と思う以前に、口内に少しでも気になることがあればすぐに歯科を訪れた方がよいでしょう。中高年になると抜歯を経験される方も増えてきますが、ご自分が抜歯をした原因を覚えていない人が少なくありません。実際、歯周病が原因で抜歯をする方はとても多いのです。歯周病が骨まで進んでしまった場合、元の状態にするのは多くの場合不可能です。歯周病を防ぐには?――歯磨きをきちんとしていれば防げますか?土屋先生:日々のケアももちろん重要ですが、それだけで歯周病を防ぐことは不可能です。検診も含めて定期的に歯科に通い、歯根周囲のプラーク(歯垢)や歯石を除去することがなにより重要です。プラークや歯石のもとは細菌で、まさに歯周病の病原ですが、これらは歯科で専門的な処置をしなければ除去することはできません。これを放置しておくのは、歯周病を育てているようなものです。歯が丈夫な人は、「自分は虫歯がないから歯周病にもなっていないだろう」と思うかもしれませんが、これも危険です。虫歯がないために歯医者に通う習慣がなく、歯周病の発見が遅れてしまうというケースも多くあります。唾液ケアが大事――定期的な歯科検診が最重要ということですね。ほかに、自分で予防のためにできることはありますか?土屋先生:唾液が少ない状態になると歯周病のリスクが高まるので、気をつけた方がよいですね。唾液は歯や粘膜を保護し、抗菌作用によって歯周病菌が増殖しないようコントロールしてくれます。いまはパソコン画面の見すぎなどによるドライアイが流行していますが、実はドライアイの人はドライマウスの疑いがあります。唾液が少ない人はとても増えてきています。――唾液を増やす方法はあるのですか?土屋先生:唾液は、口の中の唾液腺を刺激することによって多く分泌されますから、まずは食事のときによく噛んで食べましょう。一口あたり30回くらい噛むのが理想です。また、ガムを噛むなどもおすすめです。そして、口呼吸の人が最近増えていますが、口の中の乾燥の原因となりますから、鼻呼吸を習慣付けるとよいでしょう。――口腔衛生の管理には、さまざまな視点が必要なのですね。土屋先生:菌の暴走を抑えるという点では、全身の健康管理も重要です。睡眠をしっかりとる、バランスのよい食事をする、ストレスをためすぎないなどに留意してください。ふだん元気な人が体調を崩したときに、歯周病も急に進行してしまうことがあります。「歯科は、虫歯ができたり歯の調子が悪くなったりしたら診てもらうところ」と思っている人がまだ多いかもしれません。しかし、予防をしっかりして虫歯や歯周病にならないようにすることが、長い目で見て体への負担も経済的な負担も小さくすむものです。歯に関する悩みや疑問があったら、どんなことでも歯科医師や衛生士に相談してみてください。<プロフィール>株式会社スマイル・ケア代表土屋和子先生【出身】兵庫県神戸市【経歴】1977年 歯科衛生士ライセンス取得1982年~ 日本におけるフリーランスプロフェッショナルハイジニスト第1号数多くの歯科医院、病院、施設にて勤務現在まで、約350名の歯科医師、約1,400回の講演に関わる2007年 株式会社スマイル・ケア設立2011年 全米NLP協会公認トレーナーライセンス取得2012年 LABプロファイル®公認トレーナーライセンス取得2014年 日本歯科医療人育成協会設立理事デンタルNLP®・ぺリオマネージメント®主宰現在 Dr.土屋賢司・Dr.植松厚夫・Dr.北原信也のオフィス勤務
2015年08月19日日産自動車はこのほど、同社の中国の合弁会社である東風日産乗用車公司(東風日産)が、新型「ムラーノ」および「ムラーノ ハイブリッド」を8日に発売したと発表した。新型ムラーノは、中国の若い都市生活者からのSUVニーズに応え、東風日産が提供する日産ブランドのSUVラインアップを強化するために開発されたモデル。日産の最新のグローバルデザインランゲージであるVモーショングリル、フローティングルーフ、ブーメランシェイプのLEDヘッドランプなど、特徴的なシグネチャーを採用したほか、日産デザインの新しい形状表現の特徴であるコンセプト「エモーショナル・ジオメトリー」に基づいたダイナミックかつシャープなボディと、高級感のある広々としたインテリアにより、"イノベーションのパイオニア"と位置付けられている。今回は、QR25エンジン搭載車に加え、ムラーノにとって世界初となるハイブリッドバージョンが中国に投入された。ムラーノ ハイブリッドは、新型スーパーチャージャー付QR25DERエンジンと、駆動と発電を兼ね備えた電動モーターを組み合わせたパワートレインを採用。コンパクトリチウムイオン(Li-ion)バッテリーを搭載することで素早い充放電が可能となっている。また、インテリジェントデュアルクラッチシステムとエクストロニックCVTにより、V6-3.5リッターガソリンエンジン並みの力強い走行性能と、2.0リッターガソリンエンジン並みの低燃費を実現。四輪駆動システムの「ALL MODE 4x4-i」搭載により、都市でも郊外でもスムーズで快適な走行が可能となっている。安全性能として、MOD(移動物検知)や、リアルタイムで道路状況をモニターできるアラウンドビューモニターなど、同クラスでトップクラスの先進性を有するセーフティ・シールド技術を搭載。また、運転時の安全性をより高めるため、エマージェンシーブレーキ、踏み間違い衝突防止アシスト、ドライバーアラートシステム、車線逸脱警報、後側方車両検知警報、クロス・トラフィック・アラートなど、運転をサポートする様々な機能も装備した。価格は23万8,800人民元~37万9,800人民元。
2015年08月18日国立感染症研究所はこのほど、最近の感染症の発生状況をまとめた「感染症発生動向調査」を公表し、手足口病の感染者が増加していることを明らかにした。手足口病はエンテロウイルスやコクサッキーウイルスを原因とする病気で、手や足、口内などを中心に水疱(すいほう)を伴った発疹が出ることが特徴。37~38度の発熱や喉の痛み、食欲の低下などの症状が出る。乳幼児に発症例が多く、潜伏期間は3~6日間、症状は2~4日間ほど続くとされている。国立感染症研究所によると、全国約3,000カ所の小児科定点医療機関から報告される患者数は、2014年第44週以降は過去5年間の平均と比較して多い状態が続いていた。2015年に入ると第23週(6月1~7日)頃から急増。第29週(7月13~19日)には、定点当たり報告数が10.16となり、全国での患者数が3万1,920人となった。この数値は、過去10年間で最も報告数が多かった2011年第28週の定点当たり報告数11.0(報告数3万4,216)に次いで多いという。地域別にみると、最近は東日本での患者数が増えているという。定点当たり報告数の上位10位に入る東日本の都道県数は、第26週(6月22~28日)が3県、第28週(7月6~12日)が4県、第29週(7月13~19日)が7都県と増加している。第31週(7月27~8月2日)の手足口病の定点当たり報告数は10.26で、前週(9.38)より1近く増加。都道府県別では、宮崎(19・61)、新潟(19・59)、宮城(18・73)、山形(18・67人)が同期間中の上位となっている。なお、東京都は14.09、大阪府は11.26と比較的高い数値となっている。
2015年08月12日関西福祉大学の勝田吉彰研究室はこのほど、感染症とメンタルヘルスについてまとめた「パンデミック症候群~国境を越える処方箋~」(著者: 勝田 吉彰)を出版した。同書の著者は、外務省医務官として24か国で海外医療の世界を経験した渡航医学の専門家。著者は2003年のSARS流行渦中の北京で大使館医務官として対応にあたり、社会のパニック状態への対処を経験してきた。同書ではその経験から、今後日本に「耳慣れない感染症」が入ってきたときに何を伝え、何を知ってもらう必要があるのかを的確に記している。また、医学系の書籍は著者の専門により、分野別に分かれているのが一般的だが、同書は「感染症」「メンタルヘルス」「海外医療事情」を1冊で網羅した。致死率の高いエボラ出血熱や、蚊によって媒介されるデング熱など、これから日本に入り脅威となる病気や、海外進出にあたって注意が必要な感染症とメンタルヘルスに加えて、途上国の医療事情やアンテナの張り方まで1冊にまとめている。海外に行く際に気をつけたい情報についても記載。今後、国境を越える人に向け、海外旅行や出張の際に備えておきたい病気の知識、海外勤務で自分の身を守るための情報も掲載した。価格は972円(税込)。
2015年08月07日IPAは、コンピュータウイルスや不正プログラムの状況分析から、「今月の呼びかけ」を発表している。今月は、そのWebサイトを閲覧すると、日本語音声でウイルスに感染したことを警告し、偽のウイルス対策をするように促される。このような手口は、初めてであり、騙されてしまうことが少なくないと、IPAでは注意喚起している。これまで、音声を使った詐欺的な行為は、スマホでカメラのシャッター音を使い、いかにも本人を撮影し、個人を特定できたかのように振る舞うものが存在した。しかし、今回は日本語を使い、ウイルスの感染を警告する内容を読み上げる。ちなみに声は女性であった。その内容であるが、以下の通りである。警告あなたのコンピュータでウイルスが検出されました。ただちに提供された番号に電話していただくと、あなたのコンピュータ上のアドウェア、スパイウェア、ウイルス除去のためにガイドされます。このメッセージが表示されたということは、あなたの個人情報、写真、パスワードやクレジットカード情報が危険にさらされているということです。提供された電話番号に連絡していただけるまでは、インターネットの使用、Webサイトにログインすることや、オンライン上での商品の購入はなさらないでください。文面は、かなり日本語に精通した人が作成したと思われるレベルである。しかし、「ガイドされます」のように不審を感じ得ない部分もある。また、実際に音声を聞いた印象であるが、完全なネイティブとは思えない印象であった。このことから、海外の攻撃者が、明確に日本人を狙った攻撃といえるだろう。IPAに寄せられた相談内容によると、「PCサポート」といったWebサイトのアクセスしたところ、音声データが不意に再生されたとのことである。その詐欺サイトへは、広告バナーのクリックやリダイレクトによるものとIPAでは指摘する。音声を再生するのは、BGMなどと同じ仕組みである。その詐欺サイト閲覧したら、ウイルス感染などを調べることなく、無条件で警告音声を再生するようになっていた。警告音声にあったように、表示されたメッセージにある電話番号に電話をかけるように薦められる。このような手口に遭遇したことのないユーザーの中には、不安から電話をしてしまったユーザーもいたとのことである。そして、電話では遠隔サポートによるウイルス駆除を行うので、指定された遠隔操作ソフトのインストールを行うように告げられたとのことである。実際に、遠隔操作ソフトをインストールすると、なんらかの遠隔操作が行われた。その後、有償のセキュリティ対策ソフトの購入を促された。IPAでは、遠隔操作ソフトは速やかにアンインストールするように推奨した。有償のセキュリティ対策ソフトは断ればすむ。しかし、IPAではもっとも確実なのは、このような誘いに乗らず、指定された電話番号に決して電話をかけないこととしている。そして、IPAでは、日頃からのセキュリティ対策こそが重要と注意喚起する。脆弱性の解消、正しいセキュリティ対策ソフトの導入、地味であるが確実な対策となる。それを決して忘れないでほしい。その一方で、筆者が脅威に感じるのは新たな手口を考え、攻撃を仕掛ける攻撃者である。ウイルスや不正プログラムなどに大きな変化はない。それ以上に巧妙化しているのは、ドラマ性であったり、危機感を煽る演出、注力を働かせないようにする工夫である。個人データを入力するまえに、重要な判断をするまえに、今一度、振り返ってみることがいかに重要か。改めて思い知らされた事例であった。
2015年08月04日●ウイルスバスタークラウド10と太田雄貴選手トレンドマイクロは、ウイルスバスタークラウドの新バージョンとフェンシングの太田雄貴選手とのスポンサー契約を発表した。○太田雄貴選手とのスポンサー契約太田選手であるが、北京五輪にて日本フェンシング界の初のメダル(銀)の獲得、ロンドン五輪では団体銀メダル、2015年の世界選手権で金メダルを獲得したことで知られる。今回、トレンドマイクロ社が太田選手とのスポンサー契約を結ぶにあたって、代表取締役社長兼CEOのエバ・チェン氏は以下のように語った。フェンシングの名前は「FENCE(守る・囲い)」から生まれたもので、相手の攻撃からの防御、変化する相手の攻撃に対応する戦略性などが重視される。この発想は、トレンドマイクロの脅威からの防御、そしてさまざまな手法で攻撃を仕掛ける攻撃者に対応する姿勢と一致する部分がある。そして、各種大会での立派な成績もさることながら、小学生のフェンシング大会の企画・プロデュースなども手掛け、若い選手への育成にも力を注いでいる。こういった活動を高く評価すると、エバ氏は語っていた。さらに、エバ氏自身が、フェンシングが大好きであることも、スポンサー契約の理由の1つとのことである。エバ氏は、コーチからつねに早く、集中力を高め、相手の攻撃を予測できなければならないと教わった。トレンドマイクロの驚異対策も同じで、いかに早く驚異への対策を講じ、未知の脅威への対策と同じ姿勢が求められる。トレンドマイクロでは、太田選手のスポンサーとしてさらなる活躍と成長を支援するとともに、次世代選手育成キャンプなどの支援を継続し、グローバルに活躍する人材の育成の協力に取り組む予定とのことである。太田選手は、この場に立てることをとても感謝しているという言葉から挨拶が始まった。太田選手もトレンドマイクロが大切にしているフェンスとフェンシングには、とても似通ったものがある。相手の先の攻撃を予測して防御する点も、トレンドマイクロの思想とフェンシングが共感していると思うと語った。東京五輪が開催される2020年のセキュリティについて尋ねられると、インターネットと実社会は非常に近いものとなっている。それはこの先もより加速していくだろう。5年後、もっともっと近い存在となっていくがゆえに、ウイルスの脅威も増大していくのではないかと答えた。2020年には、ウイルスバスターに守ってもらいながら、次世代のアスリートを育成し、もしかしたら自分もチャンスがあれば、五輪にチャレンジしたいと夢を語っていた。○ウイルスバスタークラウド10必要な10理由続いて、ウイルスバスタークラウド10の発表となった。まずは、エバ氏がウイルスバスタークラウド10が必要な10の理由を披露した。以下の通りである。SNSWeb閲覧ネットバンキングネットショッピング動画視聴仕事遊び共有通信学習たとえば、共有ではOneDriveが、Windows 10の登場でより普及が進むと予想される。そこで、ウイルスバスター10では、クラウドストレージのスキャン機能が搭載された。実際にデモが行われ、CPU負荷がほとんどかからないことが示された。このように、新しいOSによる新しい環境や利用形態に沿ったものとなっていることを強調していた。○トレンドマイクロのコンシューマビジネス次いで登壇したのは、取締役副社長の大三川彰彦氏である。まず、トレンドマイクロが27年間貫き通したビジョンの「デジタルインフォメーションを安全に交換できる世界実現」、そしてミッションとして「お客様のデジタルライフやITインフラを脅威から守る」を再確認した。そして、環境の変化についてふれた(図3)。多くのユーザがPC以外にもスマホなど複数のデバイスを持つ、平均的には1人で3.5台になる。しかし、PCのセキュリティ対策はしても、スマホなどの対策があまり行われていない。次に、クラウドサービスが普及する一方で、セキュリティへの懸念が拡大している。また、トレンドマイクロのデジタルライフサポートの利用者も急増している。これは、複雑化するデバイスの設定がわからない。警告が表示されたが、どう対応していいかわからないといったものである。実際にサポートで、何が起きているかを確認するだけで、30分もの時間を費やしてしまうこともあるとのことだ。こういった問題を解決するために開発されたのが、ウイルスバスタークラウド10である。以下では、個々の新製品の新機能などを見ていこう。●ウイルスバスタークラウド10/モバイルの新機能○ウイルスバスタークラウド10の新機能など製品紹介は、マーケティング本部プロダクトマネジメント部の石橋達司氏である。まずは、PC用の製品である。新機能などは図6の通りである。Windows、Mac以外にも、Android、iOS、Kindle Fireなどにも対応する。クラウドストレージスキャンであるが、図7を見てほしい。ユーザのPCを介さずに直接スキャンを行う。現状、対応するのはOneDriveのみであるが、Microsoftから提供されるAPIを利用してスキャンが行われるとのことだ。そして、デジタルライフサポートプレミアムであるが、特徴的なのはユーザ側にサポートツールをインストールすることで、ユーザの環境を直接サポートが知ることができる。OSなどの情報はもちろん、今、ユーザの画面で何が起きているかを把握できる(図8では、怪しげなポップアップが表示されているが、それもモニタ可能だ)。さらには、サポートからコントロールパネルを開くといった操作も可能になる。障害のより詳しい把握、サポート時間の削減などが期待できるだろう。一方、Windows 10の新ブラウザEdgeでは、一部の機能(ブラウザガード、リンクの安全性表示)はサポートされない(現時点では対応次期は未定とのことだ)。○ウイルスバスターモバイルの新機能などAndroidなどのモバイルデバイス向けのセキュリティ製品が、ウイルスバスターモバイルである。今回の新機能などは、図9の通りである。オンラインバンキングなどでの安全性の向上が期待できる機能が追加された。図10は、偽アプリを検出そたこの対象であるが、国内の主要銀行でオンラインバンキング用のアプリを提供する銀行を対象としている。トレンドマイクロでは、この仕組みを作る前に存在するアプリにスキャンを実行し、問題があれば銀行に連絡をとったとのことである。新バージョンへの対策であるが、すでにチェックが終わったアプリは定期的に確認をしている。新たなアプリについては、一定間隔で確認を行うとのことである。大三川氏のマルチデバイスの普及に関して、平均3.5台という数字をあげていた。今回の標準パッケージでは、3台までのデバイスが利用可能である。しかし、家族のすべてのデバイスに対応できない。そこで、トレンドマイクロでは、OKAERIという月額制のサービスも提供している(台数無制限)。状況によっては、こちらも検討したい。
2015年07月27日東京都福祉保健局はこのほど、海外旅行における感染症の注意点などをまとめた「海外旅行者・帰国者のための感染症予防ガイド」を同局のホームページにて公開した。エボラ出血熱をはじめとする国内未確認症例を含め、海外にはさまざまな感染症が存在する。そこで、海外旅行者が増えると見込まれる夏休みシーズンを前に、海外旅行における感染症の注意点などをコンパクトにまとめたガイドを東京都が作成した。「海外旅行者・帰国者のための感染症予防ガイド」には、感染症予防のポイントや帰国後の健康状態をチェックできる独自の体調管理シートなど、すぐに活用できる情報が一目でわかるようになっている。例えば、旅行前に行う準備として、旅行先の感染症情報の収集方法や、必要な予防接種と受けられる医療機関の探し方が記されている。旅行中に気をつけるポイントとしては、「手洗いが基本」「生水や氷、カットフルーツ、サラダに用心すべき」「はだしでの水遊びは禁物」などが挙げられている。また、海外旅行から帰国した後に「発熱」「下痢」「皮膚の異常」などの症状が出た場合、どのような状態が続けば医療機関を受診すべきかもまとめられている。同ガイドは7月17日より、都内のパスポートセンター4カ所(有楽町、新宿、池袋、立川)において、無償で配布する予定。なお、東京都福祉保健局のホームページからも自由にダウンロード可能となっている。
2015年07月13日情報処理推進機構(IPA)は6月29日、「【注意喚起】潜伏しているかもしれないウイルスの感染検査を今すぐ!:IPA 独立行政法人 情報処理推進機構」において、最近の相次ぐウィルス感染の報道などを受け、自社の端末に関してウィルスの感染チェックを実施するなどを取り組みを呼びかけた。組織内のすべての端末のウィルスチェックが困難である場合であっても、外部からメールを受け取るといったような、マルウェア感染の入口となるような危険性の高い端末からチェックを実施するように指摘している。不審なファイルや不審な通信を発見した場合には、次のような対策を取ることが推奨されている。該当する端末をネットワークから切り離すファイアウォールやプロキシサーバで通信をブロックするセキュリティベンダなどの専門家へ相談するマルウェアに感染した端末やサーバの存在に気がつかないまま日々の業務を執り行っている企業の数は少なくなりとみられる。定期的にマルウェアに感染していないかチェックするとともに、感染が疑われる場合には適宜対処することが求められる。
2015年06月30日ラックは16日、遠隔操作ウイルス「Emdivi」(エンディビ)に感染している国内企業が増加しているとして、注意を喚起した。Emdiviは日本年金機構における個人情報流出の原因と報道されているウイルスで、これに不安を感じた企業からの調査依頼により感染が判明するケースが多くみられたという。同社が運営する、情報セキュリティに関する事件や事故、懸念に対応する「サイバー救急センター」の調査では、Emdiviが発見された事例数が2015年6月に過去最高となった。しかし、それらの感染時期は2014年末と推定され、「Emdiviに感染していながら気付いていない企業が多く存在している可能性がある」として、注意を呼びかけた。標的型サイバー攻撃では、特定の組織や個人が反応してしまう、周到に用意された詐欺メールを送付。添付ファイルなどから感染したPCに対し、第三者の企業のPCを踏み台(攻撃拠点)にして指令を出し、重要な情報を継続的に窃取する。ラックでは、組織全体の防御レベル向上を図るだけでなく、セキュリティを突破された際の対策、復旧手段を日頃から訓練しておくことが重要だと指摘。情報の暗号化やダミーの混入といった施策などを、セキュリティ専門家と検討しておくことが必要だとしている。
2015年06月16日夏は、熱中症や夏バテで体調を崩しがち。でも、それだけでなく感染症にも注意が必要だというのをご存知ですか?感染症と言えば、インフルエンザなど冬のイメージ。ところが、夏に流行る感染症もあるので油断は禁物です。そこで今回は、医師の佐藤留美先生に夏に気をつけるべき感染症について聞いてみました。「夏にとくに注意したいのは、子どもがかかる感染症。咽頭結膜熱(プール熱)、手足口病、ヘルパンギーナなどがあります」佐藤先生は7歳の男の子のママ。あまりなじみのない病名が挙げられましたが、これらは珍しいものではなく、子どもを持つママは知っておいたほうがいいものだそう。「どの病気も高熱が出るのが共通する症状です。さらに、咽頭結膜熱(プール熱)では、ノドや目が充血したり、ヘルパンギーナではノドの奥の扁桃に小さいプツプツができて腫れたりします。手足口病は手や足、口の周りに水泡ができたりもします」咽頭結膜熱(プール熱)は、だいたい3~5日ぐらいで熱も下がり、症状は落ち着くと言いますが、手足口病やヘルパンギーナといった病気の原因となるウイルスは、夏から秋にかけて流行します。エンテロウイルス、エコーウイルス、コクサッキーウイルスといった聞きなれない名称ですが、実はこのウイルスは、こういった手足口病やヘルパンギーナといった病気を引き起こすのではなく、髄膜炎を引き起こすウイルスなのです。さらに、エンテロウイルスは「便」として排出されて、口の中に発疹ができるので、非常に痛がり水分が取れず脱水症状になる可能性も。そのため、熱が下がらなかったり、頭痛や嘔気・嘔吐などの症状があるときは、早めに医師の診察を受けられてください。「髄膜炎を合併したりすると、即入院して、安静、点滴などの治療が必要」とのことなので、怖いですね。夏の感染症や夏風邪にかからないために大切なのは、冬と同様予防をすることです。ただし、インフルエンザのようなワクチンはないそう。そこで、佐藤先生は、「手洗い、うがいは冬のイメージですが、夏も大切です」と言い、ご自身が実行するのはもちろん、息子さんにも徹底されているとか。さらに、「睡眠や栄養を十分にとり、抵抗力をつけることや、二酸化塩素を主成分とする除菌剤など除菌グッズを使って、手やよく手の触れる所などの除菌、空間除菌をすることが大切」とアドバイスをいただきました。これらは子どもがかかる感染症ですが、実は子どもから大人に感染することもあるので、大人も注意が必要だそう。また、感染すると大人のほうが重症化するケースが多いそうなので、特に気をつけたいですね。まだ子どもがいなくても、甥っこや姪っこ、女友達の子どもなど、小さな子どもに接する機会は意外にあるものです。そんなときは、手洗いやうがいなどを意識的にして、注意を払いましょう。冬は、ウイルス対策をして、インフルエンザなどの感染症を予防している人は多いはず。けれども、夏でも感染症に注意する必要があるというのは、いつかママになる日のためにも知っておきたいですね。もちろん、手洗い、うがい、空間などの除菌といった予防対策についても、今からしっかり覚えて、意識的に実行しておきましょう。<佐藤 留美先生プロフィール>2002年医師免許取得、2012年医学博士号(甲)取得。現在は、呼吸器内科にて常勤医。日本内科学会認定内科医、日本内科学会総合内科専門医、日本呼吸器学会呼吸器専門医、インフェクションコントロールドクター、「日本感染症学会感染症専門医、日本化学療法学会化学療法認定医・指導医、日本結核病学会抗酸菌認定医・指導医、肺がんCT検診認定医」。Doctors Meにて、女性の健康や美容などについての記事を執筆中。二酸化塩素を使用した除菌剤「クレベリン」製品ページは こちら
2015年06月15日IPAは6月10日、組織のウイルス感染の早期発見と対応に関する注意喚起を公表した。この喚起は、企業・組織の経営者、システム管理者を対象に行われたものだ。標的型サイバー攻撃の被害事案増加を踏まえ、その対策と運用管理の注意喚起が6月2日に行われた。今回の注意喚起は、相次ぐ報道を受け、多くの組織においてウイルス感染の有無に関する懸念が広がっていると想定されることから実施された。ウイルス感染の懸念がある場合、まずウイルスに感染して攻撃活動が始まっていないか、ウイルスの活動の痕跡の確認を行う必要がある。このような確認が、ウイルスの早期検知と被害低減につながるという。ウイルス活動の痕跡を確認するには、以下の4つのポイントがある。○ファイアウォール、プロキシサーバーの確認ファイアウォールやプロキシサーバーのログにおいて、ウイルスによる外部のC&Cサーバー(感染PCに命令を送るサーバー)への通信を確認する。このログで、数秒や数分間隔で繰り返し行われているなど、人間によるウェブサイトの閲覧では起こりえない特徴的な通信が行われていないか、注意する必要がある。○業務上想定していない通信の確認ウイルスはプロキシサーバーを経由せずに直接外部へ通信を試みる場合がある。そのため、端末のインターネット接続がすべてプロキシ経由で、直接のインターネット接続は遮断されている場合は注意が必要だ。直接外部と通信を行おうとして遮断されている通信がないか、ファイアウォールにおいてブロックされた通信のログを確認することも重要だという。また、Active Directoryサーバーやファイルサーバーなどの端末からWindows Updateなどの通信を除いたインターネット向けの通信が無いか確認したい。もし通信があれば、意図的なものか注意が必要だ。なお、国内のサイトが改ざんされ、C&Cサーバーとなっている可能性もある。そのため、国内のウェブサーバーへの通信だから安全とは判断せずに、通信内容を精査する必要がある。○Active Directoryのログの確認Active Directoryを運用している組織は、ログなどから下記のような不審な兆候がないか確認する必要がある。想定されないアカウントでのログイン想定されない端末やサーバーへのログイン想定されない端末での管理者ログイン想定されない時間帯のアクセス想定されない管理者操作やポリシーの変更○Active Directoryサーバーやファイルサーバーなどの確認見覚えのないタスクがタスクスケジューラーに登録されていないか確認する。また、タスクのイベントログに見覚えのないタスクの実行履歴が残っていたら注意する必要がある。また、不審と思われる通信などを行っている端末を発見した際はすぐに対応する必要がある。対処方法は下記の4点だ。○該当の端末をネットワークから切り離すこれにより、被害は最小限に抑えられる。その上で該当の端末や通信ログなどを詳細に調査する。○ファイアウォールやプロキシサーバーでのブロック不審な通信先を発見した場合、ファイアウォールやプロキシサーバー、導入済みの場合はウェブフィルタリングシステムで、不審な通信先との通信をブロックする。これにより、更なる通信が防げる。○セキュリティベンダなどの専門家に相談する正確な被害範囲や感染原因を把握した上で対応を進める。これにより、該当の端末が踏み台とされ、既に他の端末へウイルス感染が広がっている場合の被害拡大を防げる。このほか、継続的な脆弱性対策を実施することも重要だという。攻撃者に一度侵入されてしまうと、Active Directoryサーバーなどの内部サーバーの脆弱性も攻撃者に悪用される恐れがある。IPAでは、クライアント端末だけではなく、Active Directoryサーバーなどの内部サーバーにもソフトウェアの更新プログラム(パッチ)の適用することを推奨している。
2015年06月11日情報処理推進機構(IPA)は6月2日、「【注意喚起】ウイルス感染を想定したセキュリティ対策と運用管理を:IPA 独立行政法人 情報処理推進機構」において、サイバー攻撃は年々巧妙になっており、重要な業務や機密情報を保護する対策を実施する際は、ウイルスに感染したことも想定したうえで多重防御を実施してほしいと呼びかけた。IPAは多重防御の管理・運用のポイントとして次のような項目を挙げている。ソフトウェアを最新版へ更新する作業を習慣化するとともに徹底するセキュリティソフトウェアの導入メールの添付ファイルのブロックの実施Webフィルタリングの実施セキュリティ脅威の内容を教育によって伝える標的型攻撃などを受けたことを想定した訓練の実施一般端末と重要業務システムの分離の実施部署などの業務単位でのネットワークの分離の実施共有フォルダアクセス権の適切な設定データの暗号化やパスワードによる保護の実施有事の際に迅速に対応できるように体制を整備本来はウイルスに感染しないことが望まれるが、多くの人材が活動する企業において、すべての従業員をウイルスから100%保護することはなかなか難しい。したがって、ウイルスへの感染を前提とした仕組みを確立しておくことは、被害を最小限に抑えるうえで有益と言える。
2015年06月04日アクト・ツーは5月26日、未知のウイルスからPCを守るアンチウイルスソフト「DeP(ディフェンスプラットフォーム HomeEdition)」の無償版を一斉配布すると発表した。「DeP(Defense Platform)」は、ウイルスをAPIで察知・捕捉し対処する。新型ウイルスの侵入も阻止する「情報漏洩対策」として開発された技術を搭載している。アクト・ツーによると、日本は先進国の中でもホワイトリスト型セキュリティソフトの導入が遅れているという。そのため、開発元であるハミングヘッズの全面協力の下、日本国内での認知度と普及を促進するために、無償版の配布を決めたという。また、米国でも同日に無償版の提供を開始する。日本国内で900社以上が導入する「メイドインジャパン」の技術を米国市場でも本格的に普及させることを目的としており、米国版「DeP」は「SHINOBI」という名称で提供される。使用期間に期限はないが、利用者側で操作できるリスト項目数は1000個(有償版は無制限)までに限定される。
2015年05月27日