東京都・両国の東京都江戸東京博物館は、自然観察を通じて真理に近づこうとしたレオナルド・ダ・ヴィンチの挑戦を紹介する特別展「レオナルド・ダ・ヴィンチ天才の挑戦」を開催する。会期は2016年1月16日~4月10日(3月22日・月曜休館、ただし1月18日・3月21日・3月28日は開館)。開館時間は9:30~17:30(土曜は19:30まで)。観覧料は一般1,450円、大学・専門学校生1,160円、小・中・高校生・65歳以上730円。同展は、自然観察を通じて真理に近づこうとしたレオナルドの挑戦を、絵画《糸巻きの聖母》と、直筆ノート『鳥の飛翔に関する手稿』を中心に紹介するもの。この2点の作品は、同展のテーマである「見えない世界を探る(beyond the visible)」ために、レオナルドが行った人間観察・自然研究が集約された円熟期の傑作となっている。このほか、レオナルドによる花や子どもを観察した素描、レオナルド派による絵画、神話化・伝説化されたレオナルド像を表した資料など約70点を通じ、「天才の挑戦」が体系的に紹介される。また、同展の図録で、日本側の監修者である斎藤泰弘氏(京都大学名誉教授)による『鳥の飛翔に関する手稿』の新訳も発表されるということだ。同展を監修した、レオナルド・ダ・ヴィンチ理想博物館館長のアレッサンドロ・ヴェッツォージ氏は同展の開催に際し次のようにコメントを寄せている。「本展は多分野にまたがるレオナルドの作品や彼の思想の中でも、最も奥深い精髄を知るための基本要素を表す2つの作品『鳥の飛翔に関する手稿』と《糸巻きの聖母》を中心に構成しました。『鳥の飛翔に関する手稿』には、人間の飛行に関する実験方法から実現の予言にいたるまで(生きた鳥の生態や機械の部品の観察を含めて)、芸術、科学に関する論述、自然、建築、機械、水力学、科学技術に関する研究が、図解入りで収められています。一方、《糸巻きの聖母》は、15点にも満たないレオナルドの真筆絵画のひとつです。しかもレオナルドが生きた時代に最も高く評価された作品のひとつであるというだけでなく、まさに"装置としての絵画"であり、哲学的な意味での先駆的作品と言えます。」
2015年12月28日国立科学博物館(東京都台東区)では2016年3月8日~6月12日、「恐竜博 2016」が開催される。「恐竜博 2016」では、全長約15mに及ぶ肉食恐竜・スピノサウルスの最新復元骨格を日本で初めて公開。二足歩行で立ち上がる恐竜と考えられていたが、2014年には「四足歩行で水中に潜んでいた」という仮説も発表されたという。同展では水中を泳ぐ姿勢でスピノサウルスの復元骨格を展示するほか、全長約12mのティラノサウルスの復元骨格もあわせて展示する。ほかにも、2015年に発表された飛膜を持つ恐竜や、恐竜の子供の実物化石といった日本初公開の標本、映像シアターなども公開。開館時間は9時~17時(金曜日は~18時)となる。入館は閉館時間の30分前までで、毎週月曜日は閉館。なお、イベント情報やチケット情報は順次公式サイトにて発表されるとのこと。
2015年12月02日東京都・押上の郵政博物館(東京スカイツリータウン・ソラマチ内)は、年賀状や年賀に関する資料を展示する企画展"「年賀状展」-年賀郵便の歴史やまつわるあれこれ-"を開催している。会期は2016年1月11日まで(不定休、休館情報は同館Webページにて)。開館時間は10:00~17:30。入館料は大人300円、小・中・高校生150円。同展は、年賀郵便の歴史を中心に、年賀切手になった郷土玩具やお正月を描いた錦絵など、年賀に関わる資料を多数紹介するもの。携帯やスマートホンが普及し、メールやLINEが多く使われるようになった今日でも、新年のあいさつとしてあり続ける年賀状だが、新年のあいさつとして年賀状を交わす習慣は、すでに平安時代の書物、藤原明衡撰による「雲州消息(明衡往来)」には年賀の手紙の例文が取り上げられていたという。江戸時代には飛脚制度が発達し、年賀の言葉を記した書状が送られるようになり、明治時代には郵便制度が誕生し、郵便はがきが普及するにつれて一般化していったという歴史がある。同展では、往来物(平安時代~近代前期までに手紙文例集の形態で編纂された教科書の総称)や江戸時代の手紙、明治以降に発行されたお正月に関する錦絵や引札(広告)の展示や、近代郵便制度が誕生してからの年賀状やお年玉付き年賀はがきの賞品やポスターなどが展示される。また、逓信省時代の年賀電報やポスターも紹介されるということだ。また、来年の干支である申に関連する郷土玩具や年賀切手などを展示するほか、干支をテーマにした世界の国々の切手を紹介。そのほか、日本漫画家協会の協力により、年賀状の図柄の一考となるような模擬年賀状が紹介される。なお、模擬年賀状の執筆者は、ちばてつや、ウノ・カマキリ、カサマツ・ヒロシ、香取正樹、所ゆきよし、はせべ・くにひこ、原田こういち、柳生柳、山根青鬼、森田拳次、大石容子、一峰大二、多田ヒロシ、辻下浩二、西田淑子、花村えい子、モロズミ勝、矢野徳、植田まさし、やの功、バロン吉元の計21名となっている。また、関連展示として、郵政博物館の歴史を紹介する展示も併せて行われる。同館が東京スカイツリータウン・ソラマチに移転して2年弱、開館から数えて今年で113年目となる長い歴史を持つ同館。郵政博物館の起源は明治35(1902)年に万国郵便連合加盟25周年記念祝典行事の一環として逓信省が開館した「郵便博物館」に遡ることができ、会場では、郵便博物館から逓信博物館、逓信総合博物館を経て郵政博物館まで、郵政博物館の歴史を紹介すると共に、重要文化財「エレキテル」が展示されるということだ。また、関連イベントとして、展示している双六のレプリカで遊んだり、明治時代の郵便配達員の制服を着て記念写真を撮ったりすることができるほか、日本漫画家協会所属の漫画家が来場者の似顔絵を描くコーナーが併設されたり、エレキテル機能模型実験が開催されるなど、各種イベントが多数開催される。イベントの開催日時などの詳細は、同展Webページにて。
2015年11月24日朝日新聞社は、東京国立近代美術館およびBS朝日との共催により、歴史上の人物や場面を描いた名作で知られる日本画家・安田靫彦の大回顧展「安田靫彦(やすだ・ゆきひこ)展」を開催する。会期は3月23日~5月15日(月曜休館、ただし3月26日/ 4月4日/5月2日は開館)。会場は東京都・竹橋の東京国立近代美術館。開館時間は10:00~17:00(入場は閉館の30分前まで/金曜日は20:00まで開館)。入場料は一般1,400円/大学生900円/高校生400円で、前売り券(12月1日~3月22日販売)は一般1,200円/大学生800円/高校生300円。(会期中、一部作品の展示替えあり)同展は、源平合戦での源頼朝・義経兄弟の対面を描いた「黄瀬川陣(きせがわのじん)」や、女性人物画の傑作「飛鳥の春の額田王(ぬかたのおおきみ)」など、歴史画の名作で知られる巨匠日本画家・安田靫彦の大回顧展。ヤマトタケルや聖徳太子、源頼朝、源義経、織田信長、豊臣秀吉、宮本武蔵など、教科書や切手などでお馴染みの有名作品から、"靫彦戦後の3大美女"と言える「王昭君(おうしょうくん)」(3月23日~4月17日展示)、「卑弥呼(ひみこ)」(3月23日~4月17日展示)、「飛鳥の春の額田王」(4月19日~5月15日展示)まで、100点を超える作品が展示される。なお、展示作品のすべてがデッサンや下図を経て描かれた"本画"とのこと。なお、同展は作品保護のため、会期中一部作品の展示替えがある。2回訪館してすべての作品を観たいという人向けに、割安となる観覧券2枚セット「頼朝・義経券」も用意されている(当日券2,500円/前売り券2,000円)。なお、頼朝・義経券は「2人で訪館(1度)」の際にも利用可能とのことだ。前売り券は、東京国立近代美術館(開館日のみ)、本展特設サイト(オンラインチケット)、チケットぴあ、ローソンチケット、セブンチケット、イープラスで購入できる。
2015年11月20日国立科学博物館は11月19日、フローレス原人の歯の詳細な形態比較解析を行った結果、身長1.1mほどの同原人が、身長1.7~1.6mほどのジャワ原人あるいはその仲間から進化したことを示す重要な証拠が得られたと発表した。同成果は、同博物館のの海部陽介 人類研究部 人類史研究グループ長、同 人類研究部 人類史研究グループの河野礼子氏、PhD candidate in archaeology, University of WollongongのThomas Sutikna氏、インドネシア・国立考古学研究開発センターのE. Wahyu Saptomo氏、Jatmiko氏、Rokus Due Awe氏らによるもの。詳細は、総合科学電子ジャーナル「PLOS ONE」に掲載された。フローレス原人の化石は2003年に約2~7万年前の地層から発見されたが、これまでの猿人から原人に至る進化過程での人類の大型化の流れに比べ、身長が1mほどと小型であること、脳の大きさも猿人から原人に至る過程で倍増したが、フローレス原人のものは猿人並でしかないことなどから、フローレス原人が最初期の原人たアフリカに居た猿人の子孫であるとする説や、一度大型化したジャワ原人が孤立した島で矮小化したものである説など、さまざまな仮説が提唱され、研究が進められている。今回の研究では、フローレス原人の歯の形態の詳細な解析を実施。世界各地の490人分の現代人と、アフリカとインドネシアの原人を中心とした化石人類との比較を行った結果、フローレス原人は、全体に小型化しているものの、形の上では現代的な特徴と原始的な特徴が入り混じっていることが確認されたほか、現代人と比べて原始的であるものを9つ同定。その内の7つは犬歯と小臼歯の特徴であることも確認したという。また、それらの特徴をほかの化石人類と比べたところ、175万年前より新しいタイプの原人と似ており、それより古い最初期の原人が持つ特徴は含んでいないことも判明。中でもジャワ原人の歯とよく似ていることが確認されたが、原人よりも現代人と似ている箇所もあり、原始性と現代性が入り混じる、モザイク状の進化が起こったことがわかったとしている。今回の結果について研究グループでは、人類の脳は進化の過程で大きくなり続けてきたと考えられてきたが、条件によっては、そうではなく逆向きの進化が生じることを示すものと説明しており、より詳しい研究を進める必要があるとしている。なお、国立科学博物館では、地球館「人類の進化」フロアにて、実物大に復元されたフローレス原人と生活圏にて共存していた動物たちの展示を行っているという。
2015年11月20日国立科学博物館および東京大学大学院理学系研究科は11月13日、縄文人の体形について調査を行った結果、縄文人の胴体サイズに対する相対的な腕・脚の長さが、東北アジア起源の渡来系弥生人と違わないこと、江戸時代人が極めて胴長短足であったことを明らかにしたと発表した。同成果は、元 東京大学大学院理学系研究科 修士課程の田原郁美氏と国立科学博物館人類史研究グループ長で東京大学大学院理学系研究科の海部陽介 准教授の研究グループによるもので、11月11日付けの人類学誌「Anthropological Science (Japanese Series)」に掲載された。今回の研究では、北海道から九州までの20遺跡から出土した縄文人骨63体(縄文早期~晩期)と、北部九州~山陰地方の4遺跡から発掘された渡来系弥生人骨27体を計測し、胴体サイズと四肢長さの比を比較した。胴体サイズの指標として胴長と腰幅を計測し、これに対する四肢長を分析したところ、当初の予想と異なり縄文人と渡来系弥生人では差が見られないことがわかった。また、海外の比較データがある腰幅についてみると、縄文人の腰幅に対する四肢長は、アフリカ集団よりも短く、極北のエスキモー(イヌイット)よりは長いが、比較的高緯度に暮らす現代イギリス人と同等だったという。温暖な地域の人々は胴に対して腕・脚が長い細身の体型である一方、寒冷地の集団は胴が大きくて四肢が短い胴長短足(脚)の傾向があるとされており、著者らは、渡来系弥生人は現代東北アジアの人々と類似しているので寒冷地型に近い体形、縄文時代人は、アジアの南方起源説と北方起源説があって予測が難しいが、四肢の長さの特徴が現代アフリカ人と似ているため、熱帯型の体形をしていたという推測をしていたが、今回の研究結果から、縄文人は熱帯的な足長の体形をしておらず、むしろ温帯域の生活者として妥当な四肢の長さをしていたことがわかった。さらに縄文人や渡来系弥生人と比べて江戸時代人は、際立って胴長短足であることが明らかになった。著者らは、江戸時代人が胴長短足であることは、同時代に平均身長が低下したことと関連しており、発育過程での下肢の伸長が、胴よりも相対的に悪かった結果であると考えているが、その原因については不明であるとしている。
2015年11月16日国立がん研究センター(国立がん研)は11月9日、膵がん早期診断の血液バイオマーカーを発見したと発表した。同成果は、国立がん研 創薬臨床研究分野 本田一文 ユニット長の研究グループらによるもので、11月9日付の英オンライン科学誌「Scientific Reports」に掲載された。同研究グループはこれまでに、血液中に存在するタンパク質「apoA2 アイソフォーム」が膵がんや膵がんリスク疾患の患者で低下することを質量分析の結果から発見・報告していたが、今回、米国国立がん研究所(NCI)との共同研究においても、健常者に比べ早期膵がん患者でapoA2 アイソフォームが低下していることが確認された。また、既存の膵がんバイオマーカーである「CA19-9」と比べて高い精度でI期、II期膵がんを検出できることも確認。この結果からNCIは、apoA2 アイソフォームが膵がんにおける信頼性の高い血液バイオマーカーになりうる可能性があると評価している。また従来、apoA2 アイソフォーム濃度を計測するためには高価な機器を必要とする質量分析を用いた測定法しかなかったが、今回、同研究グループは、apoA2 アイソフォーム検査を実用化するために簡便な検査法の開発に取り組み、検査キット「Human APOA2 C-terminal ELISA kit(研究用試薬)」の作製に成功した。同検査キットで国内多施設共同研究で集められた膵がんを含む消化器疾患患者と健常者の血液検体を測定し、その判別性能を検討したところ、CA19-9に比べ、より高精度に早期膵がんを検出できたという。また、CA19-9が反応しない膵管内乳頭粘液性腫瘍や慢性膵炎などの膵がんリスク疾患も高い精度で検出。さらにapoA2 アイソフォームとCA19-9との組み合わせにより、早期膵がんの検出率はさらに向上した。今後、国立がん研と神戸大学などが協力し「apoA2 アイソフォームを用いた膵がん模擬検診」が開始予定。この模擬検診を含めたさらなる研究により、apoA2 アイソフォームの検査が本当に早期膵がんや膵がんリスク疾患を適切にスクリーニングでき、検診に実用化できるかどうかを確認していくという。また、同検査キットは研究用試薬であるため、体外診断薬としての承認を得ることも目指していく。
2015年11月10日東京都・六本木の森アーツセンターギャラリーにて開催中の展覧会「国立カイロ博物館所蔵 黄金のファラオと大ピラミッド展」において、当日券が半額になる「ハロウィン仮装半額割引」が実施される。開催日は10月30日および10月31日。「ハロウィン仮装半額割引」は、実施日にハロウィンの仮装で来館すると、チケット窓口で当日券が半額(一般1,800円→900円、高・大学生1,500円→750円、小・中学生800円→400円)になるもの。さらに、公式ホームページ、及びFacebook、Twitterで発表予定の"合言葉"を、特設ショップのスタッフに言うと、同展限定デザインのポストカードがプレゼントされる。「国立カイロ博物館所蔵 黄金のファラオと大ピラミッド展」は、2016年1月3日まで開催されている展覧会で、膨大な数のエジプトコレクションを誇る国立カイロ博物館収蔵品の中から、21年振りに来日した3大黄金マスクのひとつ「アメンエムオペト王の黄金のマスク」やクフ王の銘が入った彫像、カフラー王やメンカウラー王などのファラオ立像など、100点あまりが展示されている。また、特別番組「黄金のファラオと巨大ピラミッド3000年の謎」として、番組ナビゲーターのオードリー、監修者の吉村作治教授と一緒に展覧会を巡り、絶対権力を持っていたファラオは一体どういう存在だったのかという内容が放送される。TBSテレビでは10月31日16:00~16:30、BS-TBSでは11月21日13:00~13:54に放送予定。また、コラボレーショングッズとして、同展オリジナルグッズが販売される。一例として、神様なのにあまりにもシュールな見た目で話題の「メジェド様」の同展限定「黄金のメジェド様」グッズや、クロスステッチに加え、ピクセルデザイナーとしても活躍する大図まことが同展をモチーフにPOPにアレンジデザインしたコラボグッズ、スタイリッシュアイウェアブランド「Coolens(クーレンズ)」が同展をイメージしてデザインした、展示作品やエジプトの神々をモチーフとしたアイウェアなどが販売される。また、多くのコラボで幅広い女性層の注目を集めるアイシングクッキーブランド「Berry DECO(ベリーデコ)」は、黄金のマスクやエジプトデザインをモチーフにしたクッキーセットを商品化したということだ。
2015年10月26日たばこと塩の博物館では11月3日~12月13日、リニューアルオープン記念展「浮世絵と喫煙具 世界に誇るジャパンアート」を開催する。同館は、1978年11月3日に渋谷区神南に開館した博物館。4月25日に場所を墨田区横川に移し、リニューアルオープンした。このほど、墨田区に移転して初の特別展を開催する。同館が所蔵している浮世絵は約1,800点。コレクションの対象が喫煙具や喫煙風景の描かれた浮世絵であったため、時代、絵師にとらわれず、幅広い作品群となっているのが特徴だという。今回は、鈴木春信、喜多川歌麿、東洲斎写楽、葛飾北斎など、約28名の絵師による浮世絵を展示する。注目作品は、「当時全盛似顔揃(とうじぜんせいにがおぞろい)扇屋内花扇 よしの たつた」(喜多川歌麿画 / 寛政6年<1794年>頃)としている。「花扇」の二字が入っている浮世絵は、同館以外には確認されていないため、大変貴重な作品とのこと。また、写楽が活動した期間でも比較的早い時期に描かれた「敵討乗合噺(かたきうちのりあいばなし)四代目松本幸四郎の肴屋五郎兵衛」(東洲斎写楽画 / 寛政6年<1794年>)も見どころのひとつだという。浮世絵のほか、「きせる」「たばこ盆」「たばこ入れ」など、江戸から明治時代に制作され、美術工芸品としても評価の高い喫煙具も展示する。素材、形状もさまざまなたばこ盆の逸品や、八代目桂文楽旧蔵のたばこ入れコレクションなどを公開する。あわせて、展示関連講演会も開催。11月15日には、「北斎と墨田」(講師・根岸美佳氏)、11月29日には「写楽と歌麿の謎をめぐって」(講師・新藤茂氏)を行う。いずれも14時から、同館3階視聴覚ホールで実施する。参加費は無料(入館料は必要)で、定員は先着120名。11月22日には、髪結師の林照乃氏が実演を行う展示関連イベント「結髪実演 遊女のヘアスタイル」を実施する。解説は、ポーラ文化研究所の村田孝子氏。同館3階視聴覚ホールにて、11時30分と15時の2回開催する。参加費無料(入館料は必要)。定員は、各回とも先着60名。
2015年10月19日東京・上野の東京国立博物館で、10月27日から『特別展始皇帝と大兵馬俑』がはじまります。中国の歴史上でもっとも有名な人物のひとり、秦の始皇帝。天下統一を果たし、中国最初の皇帝となった始皇帝は、度量衡の統一やインフラの整備を行って支配体制を確立し、絶大な権力を誇りました。本展では、秦王朝の軌跡と始皇帝の実像、そして始皇帝が夢見た「永遠の世界」を貴重な出土品を通して紹介しています。秦初期の歴史を伝える鐘や、秦の高度なインフラ技術をしめす陶製の水道管、さらには始皇帝の住んでいた宮殿を飾った壁画の一部など、壮大な歴史を感じさせてくれる品を多数展示。歴女でなくてもワクワクします。そして、一番の見どころは、兵馬俑です。秦始皇帝陵の副葬品として埋められていた陶製の軍団「兵馬俑」は、ほぼ等身大のつくりで、兵士の顔や髪型はひとつずつ異なり、階級にあわせた格好をしています。今回来日したのは、房飾りつきの立派な鎧を着た「将軍俑」や、弓の準備をととのえ半身に構えている射手をモデルにした「立射俑」など、バラエティ豊かな兵馬俑たち10体。しかも、会場では、兵馬俑が出土した巨大な発掘現場「兵馬俑坑」を本物そっくりのレプリカで再現しています。死後もずっと皇帝として君臨することを夢見ていた始皇帝。その「永遠の世界」を圧倒的なスケールで体感できます。館内には記念撮影コーナーも設置されているので、兵馬俑と一緒に写真を撮ってみるのも楽しいかも。古代中国の世界にタイムスリップできる展覧会は、2016年2月21日まで開催。どうぞお見逃しなく。イベントデータ:『特別展始皇帝と大兵馬俑』会期:2015年10月27日(火)~ 2016年2月21日(日)※休館日は月曜日(ただし、11月2日(月)、11月23日(月・祝)、1月11日(月・祝)は開館。11月4日(水)、11月24日(火)、1月12日(火)は休館。)時間:9:30 ~ 17:00(12月18日までの金曜日、10月31日(土)、11月1日(日)・2日(月)は9:30~20:00)※入館は閉館の30分前まで会場:東京国立博物館料金:一般 1,600円/大学生 1,200円/高校生 900円/中学生以下無料画像クレジット:兵馬俑(右から)跪射俑/軍吏俑/将軍俑/歩兵俑/立射俑秦始皇帝陵博物院蔵@Shaanxi Provincial Cultural Relics Bureau, Shaanxi Cultural Heritage Promotion Center, EmperorQin Shihuang’s Mausoleum Site Museum1号兵馬俑坑秦始皇帝陵博物院蔵@Shaanxi Provincial Cultural Relics Bureau, Shaanxi Cultural Heritage Promotion Center, EmperorQin Shihuang’s Mausoleum Site Museum※画像無断転載禁止
2015年10月14日国立新美術館、大原美術館、NHKプロモーションは10月31日、国立新美術館(東京都港区)にて仮装イベント「美の饗宴 アートになりきり ハロウィン 仮装コンテスト」を開催する。同イベントは、国立新美術館にて2016年1月20日~4月4日に開催される企画展示「はじまり、美の饗宴展 すばらしき大原美術館コレクション」の開催に先駆けて行われる仮装コンテストとなる。参加条件は20歳以上の男女で、指定の絵画作品の画像から1点をモチーフにした仮装が必須。指定作品は、大原美術館が所蔵するエル・グレコの『受胎告知』や、アメディオ・モディリアーニの『ジャンヌ・エビュテルヌの肖像』など10点。クロード・モネの『睡蓮』やジャクソン・ポロックの『カット・アウト』など、風景絵画や人物の像がはっきりと描かれていない作品も含まれる。仮装に関するアイディアやコスチュームは自由となっており、イベント担当者は「それぞれのアイディアと工夫を凝らした仮装・アートになりきって、コンテスト参加者をアッと言わせてください」と参加者に呼びかけている。また、審査基準については「特に決まっていない」としながらも、「自分が『これだ』と思うモチーフの仮装を自分なりの解釈でしてほしい。参加者自身が楽しめる仮装が一番」とコメント。『睡蓮』など特定の人物像が描かれていない作品については、「どのような仮装になるのか運営側も予想がつかない」とした。同コンテストの審査員は、世界大会などでも活躍するエア・ギターパフォーマーの金剛地武志氏や、コスプレ(cosplay)という言葉の生みの親でもある高橋信之氏らが務める。当日はコンテストの他にも金剛地氏によるエア・ギターのパフォーマンスや、「その名はスペィド」(THE LADY SPADE)によるDJイベントなども行われるとのこと。なお、参加者の応募は同展の公式サイトにて受け付けている。イベントの開催時間は18:30~20:00、開催場所は同館3階「ブラッスリー ポール・ボキューズ ミュゼ」を予定。募集期間は10月1日~21日で、募集人員は40人。応募者多数の場合、抽選の上参加者を決定する。また、同コンテストで最優秀賞を受賞した参加者には、賞品として岡山県倉敷・大原美術館旅行(ペア1組)をプレゼントする。また、優秀賞(2名)、審査員賞(3名)、参加賞など多数の賞品を用意するとのこと。
2015年10月13日東京都・墨田区の「たばこと塩の博物館」は、墨田区に移転して初めての特別展「浮世絵と喫煙具世界に誇るジャパンアート」を開催する。会期は11月3日~12月13日(月曜休館)。入館料は、大人・大学生:100円/小・中・高校生:50円。同展は、2015年の4月25日に渋谷区から墨田区へ移転した「たばこと塩の博物館」のリニューアルオープン記念展。同館が所蔵する1,800点もの喫煙具や喫煙風景の描かれた浮世絵の中から、鈴木春信、喜多川歌麿、東洲斎写楽、葛飾北斎など約28名の絵師による浮世絵が展示される。また、さまざまな素材や形状のたばこ盆の逸品や八代目桂文楽旧蔵のたばこ入れコレクションなど、江戸から明治時代に作られた、美術工芸品としても価値のある喫煙具も紹介されるということだ。なお、関連講演会として、11月15日には墨田区文化振興財団北斎事業課学芸員・根岸美佳氏による「北斎と墨田」が、11月29日には国際浮世絵学会常任理事・新藤茂氏による「写楽と歌麿の謎をめぐって」が開催される。両講演ともに時間は14:00から。会場は同館3階の視聴覚ホール。参加費無料(入館料は必要)。定員は先着120名(当日開館時より、整理券を1名につき2枚まで配布)。このほか、11月22日には関連イベントとして、髪結師・林照乃氏による「結髪実演 遊女のヘアスタイル」が開催される。解説はポーラ文化研究所の村田孝子氏が務める。同イベントの開始時間は11:30~と15:00~の2回(同内容)。会場は同館3階の視聴覚ホール。参加費無料(入館料は必要)。定員は各回とも先着60名(当日開館時より、整理券を1名につき2枚まで配布)。
2015年10月12日東京国立博物館で10月2日と3日に、移動映画館のキノ・イグルーと共催で「博物館で野外シネマ」が開催される。昨年行われた第1回目では、2日間で計8,600人の来場者を迎え、大好評を博した「博物館で野外シネマ」。第2回目となる今年は、宮沢賢治による名作を、ますむらひろしによる猫のキャラクターで長編アニメーション化した、杉井ギザブロー監督作『銀河鉄道の夜』を上映。より多くの人々が楽しめるよう、前回よりも大きなスクリーンで上映される予定だ。なお、同作の上映日限定で、夜間開館も実施。特別展「アート オブ ブルガリ 130年にわたるイタリアの美の至宝」などを、映画鑑賞後に観覧することが出来る。その他、当日は「博物館でアジアの旅」も開催しており、アジアの展示やイベントとともに、アジア料理やアジアビール、コーヒーなども楽しめる。【イベント情報】「博物館で野外シネマ」会場:東京国立博物館本館前住所:東京都台東区上野公園13-9会期:10月2日~3日時間:19:00~料金:無料 ※当日の入館料は有
2015年09月28日トリップアドバイザーはこのほど、世界の博物館・美術館をランキング化した「トラベラーズチョイス 世界の人気観光スポット 2015 ~博物館・美術館編~」を発表した。同社の「トラベラーズチョイス」では、旅行口コミサイト「トリップアドバイザー」に投稿された世界中の旅行者の口コミをもとに、優れた施設を表彰している。今回のランキングは、2014年1月~12月に同サイト上に投稿された旅行者のクチコミ評価の平均値や投稿数などを独自のアルゴリズムにて集計し、算出された。日本国内のランキングでは、「広島平和記念資料館」(広島県広島市)が2年連続でトップとなった。「Totally heartbreaking.(胸が張り裂けるような思いになった)」など、当時の資料を目の当たりにした時の衝撃を伝える口コミが数多く寄せられたという。また、2位には「箱根彫刻の森美術館」(神奈川県箱根町)、3位には「MIHO MUSEUM」(滋賀県甲賀市)がランクインした。アジアのランキングでは、「秦始皇兵馬俑博物館」(中国)が2年連続で1位に。3位に「広島平和記念資料館」がランクインしたほか、12位に「箱根彫刻の森美術館」、15位に「MIHO MUSEUM」、24位に「鉄道博物館」が入った。世界ランキングの1位には昨年の7位から大きく順位を上げて「メトロポリタン美術館」(アメリカ)がランクイン。世界各国の芸術・文明を先史時代から現代までカバーした300万点の展示物は、「1日では回りきれないほどのボリューム」と評判とのこと。アジア1位の「秦始皇兵馬俑博物館」は、世界ランキングでは23位となった。なお、ランキングの詳細は公式サイトにて公開されている。
2015年09月26日日本初の春画を主体とした展覧会「SHUNGA 春画展」が、東京都・文京区の博物館「永青文庫」にて開催されている。イギリス・大英博物館での展示を国内で巡回するいわば里帰りのような企画展だが、本展の会場がなかなか決まらなかったというエピソードは、開催前に話題となったところ。最終的に、都内の大規模な企画展を行うエリアとは異なる場にある細川家の文化財を収蔵する博物館「永青文庫」での展示が決定した。本レポートでは、前後期に別れている同展の前期(11月1日まで)の会場の様子をお届けしながら、その構成と見どころを紹介していく。○春画への「導入」と貴重な肉筆画同展の冒頭は、複数枚で構成されることもある「春画」の導入部として描かれる、愛を交わす前に登場人物が睦まじく触れあう様子をピックアップした「プロローグ」から始まる。そして、「プロローグ」(および、同展の開催に際しての言葉)の展示される細い廊下を抜けると、大広間すべてに肉筆の春画が展示されている。絵巻物から屏風絵までと作品のサイズはさまざまながら、すべて人の手で描かれたもので構成されている。男女の睦まじい姿のみならず、「衆道」(男性の同性愛)を描いた絵巻物や、「仏涅槃図」を擬人化した"陽物"でパロディにした掛け軸「陽物涅槃図」など、現代に生きる者の視点から見るとおおらかな印象を受ける多様な表現を一覧することができる。○北斎・歌麿ら巨匠が手がけた版画作品肉筆画に続くのは、浮世絵の巨匠たちの作品が並ぶ「版画の傑作」の章。春画も浮世絵と同様、江戸時代に発展した版画技術によって広がりを見せる。葛飾北斎、喜多川歌麿といった浮世絵師たちの名の入った作品も並ぶ。いわゆる愛の交わりを直接的に描いたもののほか、解剖図や世界図、若い子女へ向けた教本など多様なジャンルが"春画化"されることにより、庶民から大名にまで広く愛好されていたという。また、この章の部屋の中央には、春画を代表する名作「歌まくら」も。時代を感じさせるショウケースの中にひとつだけ置かれ、その展示手法からも、同作の特別な位置づけを表しているように感じられた。その次は、数多く消費されていたがゆえに展示・研究の機会にいまだあまり恵まれていない「豆判春画」を特集。庶民から大名まで広く愛されたごく小さな版画で、豆判春画を携帯・贈答する文化は近代においても続いていたというが、研究はほぼ手つかずで、出展作品はいずれも同展で初公開となる。「豆判春画」と同一展示室に締めくくりの「エピローグ」の章も配置され、展示会場となった永青文庫が所蔵する春画を展示している。締めくくりの言葉として、「日本で最初の春画展である本展をきっかけに、春画が、長い日本の歴史の中で、人々とともにあったことを知っていただければ幸いである」というコメントが掲示されていたのが印象的だった。○迫力の豪華図版や"春画グッズ"もなお、同展の第二会場(物販)では、春画をたくみにトリミングしてあしらった雑貨や、非常に内容の充実した図録が販売されている。特に図録は迫力ある厚みが強く印象に残るが、どのページも平置きにして鑑賞できる製本方法や背の処理、表紙のデザインなど、装丁に凝った本を愛好する人であれば、ついうなってしまうような豪華な出来ばえとなっている。筆者が「永青文庫」を訪れたのは、実は今回が初めてだった。コンパクトな会場ながら展示作品の数は多く、内覧時ですべて見終わったのがおおむね1時間。加えて、永青文庫はいずれの最寄り駅からも15分~20分程度歩くことになる(目白駅からバスを利用するのが最も徒歩時間は少なく済む)。また、隣接した新江戸川公園の散策、近隣の有名ホテル「椿山荘」へ足を向けるなど、このエリアならではの楽しみもある。そのため、特に混雑が見込まれる休日には、時間に余裕を持って訪れることをお勧めしたい。会期は長く取られているが前後期で作品は入れ替わり、また近辺も都内としては非常に閑静で散策に適したエリアなので、興味を持った人は陽気に恵まれた休日にでも、ぜひ足を向けてみてほしい。
2015年09月23日東京都・六本木の森アーツセンターギャラリーは、国立カイロ博物館の収蔵品から、古代エジプトの世界やピラミッドの謎に迫る「黄金のファラオと大ピラミッド展」を開催する。会期は10月16日~2016年1月3日(11月24日休館)。開館時間は10:00~20:00。観覧料は一般1,800円、高・大学生1,500円、小・中学生800円。同展は、「ファラオとピラミッド」をテーマにしており、18万点のエジプトコレクションを誇る国立カイロ博物館から、黄金のマスクやクフ王の銘が入った彫像など、監修者の吉村作治教授が選び抜いた選りすぐりの100点あまりを公開するもの。古代ギリシア時代から伝わる「世界七不思議」の中でも、第1番の不思議として知られ、今でも残っている唯一のものである巨大なピラミッド群は、およそ4500年前、古代エジプト「古王国(紀元前2586年~2185)」時代、クフ王、カフラー王、メンカウラー王の3代のファラオたちが建造したとされ、世界遺産に登録されている。同展では、ツタンカーメン王の黄金のマスクと並ぶ、3大黄金マスクの一つである「アメンエムオペト王の黄金のマスク」が21年振りに来日。同時に、現在エジプトでしか見ることができないツタンカーメン王の黄金のマスクの、展示ケースから外した状態を特別に撮影できたということで、貴重な映像を併設の4K映像シアターで見ることができる。また、ミイラを納めていた棺の中でも保存状態が良く、美しい「彩色木棺」も公開される。なお、会場では吉村教授が発掘調査中の「太陽の船」の最新調査結果が随時公開される。クフ王の大ピラミッド傍らで1954年に発見された「太陽の船」は、死せる王が来世で太陽神ラーと共に天空を駆けるための船とされ、吉村氏は1987年、対となる「第2の太陽の船」を発見。発掘・修復・復原プロジェクトを行っており、現在、世界的に注目を集めている大型木造船ということだ。
2015年09月11日10月2日(金)と3日(土)、東京国立博物館にて野外上映イベント「博物館で野外シネマ」が開催。杉井ギサブロー監督作のアニメーション『銀河鉄道の夜』が上映される。今年で2回目の開催を迎える「博物館で野外シネマ」。第一回目開催時には、『バケモノの子』が公開中の細田守監督作『時をかける少女』を上映し、8,600人もの来場者数を記録した。昨年と同様、移動映画館として活動する「キノ・イグルー」との共催で実施される今年は、1985年公開のアニメーション『銀河鉄道の夜』を上映。本作は、猫のキャラクターを登場人物に、多くの宮沢賢治原作の漫画化を手掛けるますむらひろしの漫画原作を、『タッチ』『あらしのよるに』などの杉井ギサブローが映画した作品。来年生誕120周年を迎える宮沢賢治は、東京国立博物館を愛し、足しげく通ったことが短歌や手紙に残されていることから、本作がセレクトされた。また、開催日の2日間は特別展「アート オブ ブルガリ 130年にわたるイタリアの美の至宝」を含め、22時までの特別夜間開館を実施。さらに、同じく特別展の「博物館でアジアの旅」期間中つき、アジアの展示やイベントとともに、アジア料理の屋台やアジアビール、コーヒーなども楽しむことができる。秋の夜長のお出かけ先としてチェックしてみて。「博物館で野外シネマ」は、10月2日(金)、3日(土)東京国立博物館にて開催。(text:cinemacafe.net)
2015年09月10日ブルガリ(BVLGARI)が、希少なハイジュエリーを一挙に紹介する展覧会「アート オブ ブルガリ 130年にわたるイタリアの美の至宝」を東京国立博物館で開催(9月8日~11月19日)。開幕前夜の9月7日、同所で行われたガラ・パーティに、女優の宮沢りえが来場した。古代ギリシャ・ローマ文化の美術や建築物からインスピレーションを得たジュエリーを数々生み出してきたブルガリ。同展では、130年以上にわたるブルガリの壮大なコレクションの中から、希少なアーカイブ作品約250点を展示する。創業者ファミリーが手掛けた銀の装飾品やアールデコ様式を始め、エリザベス・テイラー(Elizabeth Taylor)が映画『クレオパトラ』(’63)で纏った衣装や、結婚した俳優のリチャード・バートン(Richard Burton)から贈られたジュエリー、イングリッド・バーグマン(Ingrid Bergman)、グレース・ケリー(Grace Kelly)、ソフィア・ローレン(Sophia Loren)をといった往年の名女優たちが纏ったジュエリーなども披露される。さらに、日本の美意識にインスピレーションを受けた「富士山」「ブッダ」の特別展示や、イタリア語で“蛇”を意味する「セルペンティコレクション」、古代ローマのコインから着想を得た「40周年のブルガリ・ブルガリコレクション」と、その華麗なる歴史に恥じないラインナップが一挙公開される。目にも鮮やかなグリーンが印象的なラルフローレン(Ralph Lauren)のドレスで登場した宮沢りえは、「今日はジュエリーが主役ですから、ドレスはできるだけシンプルに。色は宝石たちと仲良くなるグリーンを選びました」。胸元で輝くネックレスは3,090万円。イヤリング(486万円)、ジュエリーウォッチ(2,920万円)、バッグ(55万円)とどれもブルガリの伝統と革新を兼ね備えた逸品で、身につけている本人も「まるでアートのような宝石を身につけると、背中羽根が生えて、どこまでも飛べるような気がする」とうっとりしていた。■ブルガリグループCEOのジャン-クリストフ・ババン氏コメント「世界で最も重要な市場のひとつである日本に対する賛辞の印として、日本で大規模な回顧展を開催することは、私たちの長年の願いでした。このたび国内有数の博物館のご協力を得て、ついにその願いが実現することとなり、大変うれしく思っております。ご来館いただいた皆様には、ローマに根差した独自の伝統に支えられて130年以上続くブルガリのイノベーションの広がりとパワーをご覧いただけることでしょう」とコメントを寄せている。【イベント詳細】展覧会「アート オブ ブルガリ 130年にわたるイタリアの美の至宝」会場:東京国立博物館 表慶館住所:東京都台東区上野公園13-9会期:9月8日~11月29日時間:9:30~17:00休館日:9月14日、24日、28日:10月5日、13日、19日、26日:11月4日、9日、16日、24日※9月の土、日、祝、休日は18時まで開館、金曜日は20時まで開館(ただし、9月25日、10月9日、16 日、23日は除く)※10月2日、3日は22時まで、10月31日~11月2日は20時まで開館、入館は閉館の30分前まで
2015年09月08日東京国立博物館は、移動映画館「キノ・イグルー」との共催によるイベント「博物館で野外シネマ」を開催する。開催日時は10月2日/3日 19:00~(1時間40分程度)。会場は東京都・上野の東京国立博物館本館前(上野公園内/野外開催時は人数制限無し、雨天時は先着380名で平成館大講堂にて実施)。鑑賞料は無料だが、当日の入館料(一般620円、大学生410円)が必要。「博物館で野外シネマ」は、東京国立博物館の本館前で映画を鑑賞できるイベントで、今回で2度目の開催となる。第2回の上映作品は、杉井ギサブロー監督によるアニメーション映画「銀河鉄道の夜」(1985年、KADOKAWA)。宮沢賢治は東京国立博物館を愛し、足しげく通ったことが短歌や手紙に残されている。ちなみに、多くの人が観覧できるよう、第1回よりも大きなスクリーンを用いるとのこと。加えて、上映期間中はアジアンフードを提供するケータリングカーが登場し、映画とともに食事を楽しむことも可能だという。また、「博物館で野外シネマ」上映日は、特別展「アート オブ ブルガリ 130年にわたるイタリアの美の至宝」(入館料とは別途料金が必要)を含め、22:00まで(入館は閉館の30分前まで)の特別夜間開館を実施。そのため、映画鑑賞後に展示室を観覧することが可能だ。同館はこのイベント開催に際して、「今回の企画により、今まで博物館に来る機会のなかった方にも、賢治同様に博物館をお楽しみいただきたいと思います」とのコメントを寄せている。なお、同イベントの参加に際して事前の申し込みは不要。このイベント以降も宮沢賢治関連の催事は予定されており、10月17日 14:00~16:00には宮沢賢治にまつわる曲を四重弦楽により奏でる演奏会「宮沢賢治生誕120周年記念特別演奏会」(会場:平成館ラウンジ)が開催される。こちらも事前申し込み不要で鑑賞料は無料(入館料別途)とのこと。
2015年09月08日国立科学博物館は9月1日、「国立科学博物館重要科学技術仕様(愛称:未来技術遺産)」に、ソニーの「AIBO」など25件を選定した。「未来技術遺産」は日本の科学技術の歴史を示す事物で、科学技術の発達史上重要な成果を示し、次世代に継承していく上で重要な意義を持つもの、ならびに国民生活、経済、社会、文化の在り方に顕著な影響を与えたものを、国立科学博物館が選定し登録するというもの。2008年から毎年発表されており、昨年は日本初の噴流式洗濯機「電機洗濯機 SW-53」や富士フイルムの「フジカラー 写ルンです」などが選出された。今年は「AIBO」のほか、世界初の産業レーザディスクプレーヤであるパイオニアの「PR-7820」、海軍航空本部が製作した「海軍航空機用塗料識別標準(色見本帳)」などが登録された。2015年度登録の「未来技術遺産」は以下の通り:
2015年09月01日「徳川の城」広報事務局は、東京都・両国の江戸東京博物館 1階特別展示室で開催される特別展「徳川の城~天守と御殿~」において、同館では初の試みとなる駿府城模型のARマッピングを使った「駿府城の四季」を特別上映すると発表した。会期は8月4日~9月27日。開館時間は9時30分~17時30分(金曜日は21時まで、土曜日は19時30分まで入館は閉館の30分前まで)。観覧料は一般 1,350円、大学生・専門学校生 1,080円、高校生以下・65歳以上 680円(以上、特別展専用券)。今回の試みは、会場で展示される作品のひとつである「駿府城天守模型」にAR(拡張現実)技術を用いて、タブレット上で「駿府城の四季」を再現するという試み。駿府城模型の前に設置されたタブレット端末を、模型の下の「認識用マーカー」にかざすと画面上で3D映像がスタートし、そのままタブレットをかざし続けることで約1分間の映像を楽しむことができる。製作はKDDIとユーフォニックが行い、ARの再生はKDDI提供のアプリ「SATCH VIEWER」が用いられる。なお、特別展「徳川の城~天守と御殿~」では、前述したARのほかにも、屏風や絵地図、工芸品など貴重な資料を展示し、家康たちが築き上げた「徳川の城」 を紹介する。同館史上最多となる約50点もの「城絵図」や「城郭図」が展示されるほか、狩野益信画「朝鮮通信使図屏風」や幕末のヒロインとしても有名な天璋院篤姫、和宮の調度品などが展示される。さらに、NHKエンタープライズ制作による高精細CGで復元された江戸城御殿の復元映像が上映され、将軍が政治を執り行った「大広間」や忠臣蔵のシーンでも有名な「松の廊下」、大奥を迫力ある画面で鑑賞できるということだ。入館料は、「特別展専用券」が一般 1,350円、大学生・専門学校生 1,080円、高校生以下・65歳以上 680円。「特別展・常設展共通券」が一般 1,560円、大学生・専門学校生 1,240円、中学生(都外)・高校生・65歳以上 780円。「特別展前売券」が一般 1,140円、大学生・専門学校生 870円、高校生以下・65歳以上 470円となっている。なお、「特別展・常設展共通券」は江戸東京博物館でのみ販売。「前売券」は8月3日まで販売(江戸東京博物館では8月2日まで)。
2015年07月28日©Singapore Tourism Boardシンガポールで最古の博物館「National Museum of Singapore(シンガポール国立博物館)」。シンガポールの歴史と人々の生活様式を展示する傍ら、年間を通して様々なイベントを催すドーム型の屋根が特徴的な同館は、独自の文化を象徴する、シンガポール人の誇りとなっている。シンガポール最古の博物館©Singapore Tourism Board厳かな外観とドーム型の天井が目を引くシンガポール国立美術館は、1819年にイギリスから上陸したラッフルズ卿が夢見ていた「文学と歴史について学べる機関の設立」という意思を継いで、彼の没後1849年に図書館兼博物館としてスタートしたのが始まり。エントランスのある「旧館」は、1887年に建設された。ラッフルズホテルと同じ、ネオパラディアン様式の旧館は、ロビーの屋根部分を彩るステンドグラスも印象的。無料日本語ガイドツアーも開催!シンガポールを深く知ろう旧館に増築する形で、モダンな新館が誕生したのが2006年。旧館と合わせて18,400平方メートルもの敷地面積を誇り、現在ではシンガポール最大の博物館として、シンガポールの歴史を重んじながらも、常に革新的な展示で人々を魅了し続けている。2015年7月現在「SINGAPURA:700YEARS」と題し、14世紀からのシンガポールの歴史を辿る展示が開催中。(※2015年8月10日まで)館内では、在住日本人ボランティアによる日本語無料ガイドツアーも実施される。月~金の10:30、第一土曜日の13:30に地下のExhibition Galleryに集合すれば、誰でも無料で参加可。せっかくの機会に日本語でシンガポールをじっくりと学ぶのもよいだろう。(※集合場所は季節によって変わる可能性もあるので、公式HPを確認)©Singapore Tourism BoardNational Museum of Singapore(シンガポール国立博物館)・住所:93 Stamford Road Singapore 178897・営業時間:10:00~18:00(最終入場は17:30)・電話:(+65) 6332 3659 / (+65) 6332 5642・入場料金:建物への入場のみは無料。展示の見学は、大人S$6学生S$3・アクセス方法:ブラスバサ駅、ドービーゴート駅からそれぞれ徒歩5分。※国立博物館を含む3か所のミュージアムを巡回するシャトルバスサービス有り。詳しい時刻表や乗り場は公式HP参照。
2015年07月26日毎日、編集部のオススメ商品を紹介する連載「Today’s item」の番外編として、7月31日まで、ファッション・ビューティ業界関係者が選ぶ、“東京土産”をご紹介。季節のご挨拶や帰省などでお手土産を用意する機会も多くなる季節。お遣いものに悩むことがあれば、目利き達が太鼓判を押す逸品リストを参考にして欲しい。本日はフリーの編集・ライター業を営む仁田ときこさんが推すS/S/A/Wの「クレオパトラ塩」。「今、フード業界&アパレル業界でひっぱりだこの料理家・たかはしよしこさん。彼女がクレオパトラをイメージして手がけたお塩で、料理好きな方へのお土産に最高です」と選出の理由について話す仁田さん。「はじめて見たとき、容器から見えるグリーンやイエローの香辛料が美しく、こんなにも美しい調味料があるんだ!と驚きました。ふたをあけるとサフランの芳醇な香りがフワッ。この香りだけで食欲がわきます」とその魅力を語ってくれた。奇跡のロイヤルスパイス、サフランを主役に、パンテレッリア島の最上級のケッパーやナツメグ、隠し味にニゲラ、更にエメラルドグリーンのレーズンを加え、風味高く仕上げられている。また、「我が家では野菜を素揚げか天ぷらにして、この調味料をパラパラとかけていただきます。かけるだけで異国情緒あふれるフードに早変わりするので、真夏の料理にぜひオススメです。ビールや白ワインとも好相性です。キンと冷えた日本酒とも合いそうですね」と日々の食卓での楽しみ方も伝授。現在、東京国立博物館で開催中の「クレオパトラとエジプトの王妃展」でも限定発売されているそう。限定品でこの先、手に入るかわからない調味料という希少性も、贈る相手に喜ばれるポイントだ。
2015年07月25日今、美術館が丸裸になっています。’10年「陰影礼讃」展に続く第2回となる、国立美術館5館による合同展「No Museum,No Life?-これからの美術館事典国立美術館コレクションによる展覧会」。約170点の名作が集結していますが、ラインナップはもちろん、その展示方法も要注目なのです!今回のテーマは“美術館事典”。百科事典のようなアルファベットごとのテーマ分けで、それに沿って作品を展示します。面白いのが、普段表舞台に出ない、美術館の裏側もテーマになっているところ。例えば「Wrap(梱包)」では布で包まれて中身の見えないクリスト作のオブジェなど“梱包”にまつわる作品とともに、運搬に用いる梱包材も並び、「Money(お金)」では美術館の収益データまで公開!貴重なアートと、それを支える道具などが一緒に並ぶのは、見たことない光景です。遊園地の裏側を見ちゃうようにがっかりするんじゃ…と思う方、心配ご無用。アートをアートたらしめる美術館という空間そのものについて深く知ることで、作品への見方も変わり、新たな鑑賞体験を得られるはず。36項目の中から、注目テーマをピックアップしてご紹介します!■Artist【アーティスト】権威的な美術界を嫌い、自由な芸術活動を行 おうと画家らに呼び掛けたルソーの絵画。これが今、美術館に展示されるのも皮肉的?アンリ・ルソー ≪第22回アンデパンダン展に参加するよう芸術家達を導く自由の女神≫ 1905-06年、東京国立近代美術館■Beholder【観者】美術館そのものがテーマとなる本展を象徴する“ルーヴル美術館でアートを観る人々”を写した写真作品。他にもミレーの『落ち穂拾い』を鑑賞するタイの農民たちを映した映像作品など。トーマス・シュトゥルート≪ルーヴル美術館4、パリ 1989≫1989年、京都国立近代美術館(C)Thomas Struth■Light【光、照明】上の現代アートをはじめ、“光”にフォーカスするこの項目。美術館で用いられる照明の紹介もあり、絵画の見え方への理解が深まる。ダン・フレイヴィン≪無題(親愛なるマーゴ)≫1986年、国立国際美術館(C)Stephen Flavin/ARS, New York/JASPAR, Tokyo E1582■Earthquake【地震】地震を表現した絵画や写真と並んで、なんと建物の土台に用いられる免震台が。貴重な作品を展示する美術館においても、地震は脅威的な存在。その対策とともに紹介します。■Guard【保護、警備】自身の絵画を展示する際に、柵を設けるなどして作品と鑑賞者の間に距離を設けるよう求めたフランシス・ベーコンの作品を展示。意図して(?)この項目のそばにも監視員さんが。■Storage【収蔵庫】展示されていない作品を保管する“収蔵庫”。この項目では、画家・藤田嗣治の作品を所蔵している4館の収蔵庫内の写真を背景に、本物の4作品を展示します。◇information 東京国立近代美術館東京都千代田区北の丸公園3-1開催中~9月13日(日)10:00~17:00(金曜は~20:00、入館は閉館の30分前まで)月曜休(7月20日は開館、7月21日休)TEL:03・5777・8600一般1000円◇権威的な美術界を嫌い、自由な芸術活動を行 おうと画家らに呼び掛けたルソーの絵画。これが今、美術館に展示されるのも皮肉的?アンリ・ルソー ≪第22回アンデパンダン展に参加するよう芸術家達を導く自由の女神≫ 1905‐06年、東京国立近代美術館◇美術館そのものがテーマとなる本展を象徴する“ルーヴル美術館でアートを観る人々”を写した写真作品。他にもミレーの『落ち穂拾い』を鑑賞するタイの農民たちを映した映像作品など。トーマス・シュトゥルート≪ルーヴル美術館4、パリ 1989≫1989年、京都国立近代美術館(C)Thomas Struth◇上の現代アートをはじめ、“光”にフォーカスするこの項目。美術館で用いられる照明の紹介もあり、絵画の見え方への理解が深まる。ダン・フレイヴィン≪無題(親愛なるマーゴ)≫1986年、国立国際美術館(C)Stephen Flavin/ARS, New York/JASPAR, Tokyo E1582※『anan』2015年7月15日号より
2015年07月14日カリモク家具が、東京・国立競技場のスタンドに設置されていた自由席シートを新たに椅子として生まれ変わらせた、「SAYONARA国立競技場"FOR THE FUTURE" MEMORIAL GOODS デザイナー with カリモク家具」を7月4日から販売している。1958年に開場した国立競技場。1964年には東京オリンピックのメインスタジアムとして使用された後、2014年に閉場した。「カリモク家具」は、解体作業の際に保存しておいたスタンドの自由席シートの座面を使い、デザイナーのドリルデザイン(DRILL DESIGN)、白鳥浩子、鈴木元とともに新たな椅子を設計・製造した。ドリルデザインがデザインしたスツール「TOKYOスツール(3万2,400円)」は350脚、白鳥浩子がデザインした背もたれ付きのチェア「ponyチェア(4万3,200円)」は150脚、鈴木元がデザインした2人掛けのベンチ「KOKURITSUベンチ(5万4,000円)」は200台の個数限定販売となっている。どの椅子も木製の枠組みに、あの青いスタンドの自由席シートが見事に調和し、どことなく心を和ませるデザインに仕上がっている。取扱いは「チケットぴあ」Webサイトにて。
2015年07月09日東京国立博物館、ブルガリ ジャパン、読売新聞社は9月8日~11月29日、「THE ART of BVLGARI 130 YEARS OF ITALIAN MASTERPIECES / アート オブ ブルガリ 130年にわたるイタリアの美の至宝」を東京国立博物館(東京都・上野)で開催する。イタリア ローマが世界に誇るハイジュエラーであるブルガリは、古代ギリシャ・ローマ文化の美術や建築物からインスピレーションを得たクリエーションを世に送り出してきた。この展覧会では、130年以上にわたるブルガリの壮大なヘリテージコレクションのなかから、貴重なアーカイブ約250ピースが展示される。創業者ファミリーが手掛けた銀の装飾品(1884年製)から、アールデコ様式(1920年代)、イングリッド・バーグマン、グレース・ケリー、ソフィア・ローレンほか、世界に名をはせた女優たちがまとったジュエリーとともにブルガリの過去から現代に至る変遷をたどる。また、ブルガリをこよなく愛したエリザベス・テイラーが映画「クレオパトラ」でまとった衣装や、後に結婚した俳優リチャード・バートンから贈られたジュエリーなども展示される。時間は、9時30分~17時(入館は閉館の30分前まで)。9月の土・日曜、祝・休日は18時まで開館、金曜日は20時まで開館(9月25日、10月9日、16日、23日は除く)。10月2日、3日は22時まで、10月31日~11月2日は20時まで開館している。休館日は、9月14日、24日、28日、10月5日、13日、19日、26日、11月4日、9日、16日、24日。観覧料金は未定。
2015年06月29日東京都・上野の東京国立博物館は、ルーヴル美術館や大英博物館など世界の名だたる美術館・博物館の貴重な所蔵品の数々が一堂に会す「クレオパトラとエジプトの王妃展」を開催する。7月11日~9月23日(月曜・7月21日は休館、7月21日・8月10日・9月21日は開館)。開館時間は9:30~17:00(金曜は20:00まで、土・日・祝・休日は18:00まで)。観覧料は当日一般1,600円、大学生1,200円、高校生900円。同展は、ルーヴル美術館、大英博物館、ボストン美術館、ベルリン・エジプト博物館、ウィーン美術史美術館など世界の名だたる美術館・博物館の所蔵品を中心に、14カ国の所蔵先から貴重な名品約180件が一堂に会す、古代エジプトの粋を集めた展覧会。古代エジプトの王妃や女王たちをメインテーマに、王であるファラオを支え、時に政治的・宗教的に大きな役割を果たした女性たちに焦点をあてる。なかでも「絶世の美女」として語り継がれ、古代エジプト史上、最も著名な女王であるクレオパトラ(クレオパトラ7世)にまつわる名品の数々が来日し、最後の女王・クレオパトラの実像に迫る展示となっている。また、クレオパトラのほかにも、女王として君臨したハトシェプスト、王の寵愛をもとに王朝の絶頂期を支えたティイ、アマルナ時代を代表するアメンヘテプ4世の王妃ネフェルトイティ(ネフェルティティ)など、現代においても魅力にあふれる女性たちが紹介されるということだ。同展は、全5章で構成され、第1章は「王をとりまく女性たち」と題し、王を支えた妻や母そして娘たちが紹介される。第2章は、「華やかな王宮の日々」として、きらびやかな王宮の生活を伝える品々や王に仕えた人々紹介。第3章は「美しき王妃と女神」として、女神にも例えられた美しき王妃やその理想とされた女神を紹介。第4章は「権力をもった王妃たち」と題し、政治や宗教へ対する強い影響力をもった王妃たちの歴史を紹介する。そして第5章は「最後の女王クレオパトラ」と題し、古代エジプト最後の女王クレオパトラ(クレオパトラ7世)とともに、「絶世の美女」、「悲劇の女王」として語りつがれるその姿もあわせて紹介されるということだ。
2015年06月22日ディオール(Dior)が6月16日に東京・国立新美術館にて15-16AWコレクションのファッションショーを開催。 館内の2階のスペースに、メゾンのキーカラーのひとつ、ピンクの絨毯を敷き詰めて、一夜限りのランウェイを特設した。顧客やメディアなどを招待して披露したのは、3月にパリ・ルーブル美術館で発表したコレクションのリピートショー。ルックはアマゾンやサバンナの動物、爬虫類を思わせる強烈なアニマル柄のプリントやフェティッシュなエナメルのハイサイブーツなど、開放的で毒っけのある色彩が印象的だ。メイクやヘアは少しアレンジされていた模様。フィナーレに、映画『ディオールと私』にも登場したラフ・シモンズの10年来の片腕ピーター・ミュリエーが現れ、挨拶した。アフターパーティには、フロントローでショーを観覧した歌姫リアーナや、クリスチャン ディオール クチュール社長兼CEOシドニー・トレダも参加した。他にも、女優の夏帆、初音映莉子、モデルの菜々緒やローラ、森星、水原佑果、シンガーの加藤ミリヤ、DJのマドモアゼル・ユリアやブロガーのMappyなど日本のヤングセレブたちも来場。昨年秋、銀座で開催した「エスプリ・ディオール東京2015」展に始まり、12月に両国国技館で行ったフォールコレクションのファッションショーに続く、ビッグイベントとなった。
2015年06月18日東京大学(東大)と国立天文台は6月9日、アルマ望遠鏡と重量レンズのかけ合わせで、117億光年の距離にある銀河の内部構造を解明したと発表した。同成果は東京大学理学系研究科の田村陽一 助教と大栗真宗 助教および国立天文台の研究グループによるもので、6月9日付けの「日本天文学会欧文研究報告」に掲載された。重力レンズとは、質量が時空の歪みを介して光を曲げる減少で、非常に重い天体の周囲で生じ、その向こう側の天体の見かけの姿を拡大・増光する性質がある。今回の研究では、今年2月にアルマ望遠鏡がとらえた117億光年の距離にあり、爆発的に星を生み出しているモンスター銀河「SDP.81」の画像を、同研究グループが提案した重量レンズ効果モデルを用いて解析した。その結果、「SDP.81」では差し渡し200~500光年の塵の雲が、およそ長さ5000光年の楕円状の領域に複数分布していることがわかった。この塵の雲は、巨大分子雲と呼ばれる、恒星や惑星が生まれる母体だと考えられるという。また、重力レンズ効果を引き起こしている手前の銀河に質量が太陽の3億倍以上におよぶ超巨大ブラックホールが存在することも判明した。今後、アルマ望遠鏡と重力レンズの組み合わせで、なぜモンスター銀河が形成されるのか、どのように超巨大ブラックホールが成長するかの解明につながることが期待される。
2015年06月09日カルティエは6月2日~7日、特別な顧客向けのハイジュエリー受注イベント「カルティエ ロワイヤル」を京都国立博物館 明治古都館(京都府京都市)で開催している。イベントに先駆けて6月1日に催されたプレビューイングでは、明治古都館の外壁が特別に赤くライトアップされた。同イベントでは、パリの古美術・ハイジュエリー ビエンナーレで発表されたハイジュエリーコレクション「カルティエ ロワイヤル」をはじめ、各王室からインスピレーションを受けた新作ハイジュエリーやトラディション ピースなど約400点が一堂にそろう。中心価格は、5千万円~1億円。国内にこれほど多く同ブランドのハイジュエリーピースが集められるのは、初めてとのこと。カルティエ プレジデント&チーフ エグゼクティブ オフィサーのカルロ・ガリリオ氏は、「このイベントの開催にあたり、ロワイヤルな都市であること、ハイジュエリーにふさわしい場所であること、これを満たす会場として、京都国立博物館しかないと考えました」と話した。
2015年06月04日