俳優の渡辺謙が、自身の主演するミュージカルを観劇した女優のメリル・ストリープから賛辞を受けたことを明かした。渡辺さんは9日(日本時間)から米ニューヨークでミュージカル「王様と私」に出演中。2015年に王様(シャム王)役で初主演を務め、トニー賞ミュージカル部門で主演男優賞に日本人として初めてノミネートされた。その再演となる主演舞台を、過去に3度オスカー像を手にしている名女優のメリルが観劇に来場したことを渡辺さんは27日にTwitterで報告。楽屋で撮影したツーショット写真を公開した。普段は滅多に出演者の楽屋を訪ねることはないというメリルだけに、訪問を受けた渡辺さんは「相当楽しんで頂けた様です!!」と感激。「『最後は本当泣けたわ!』と。嬉しい言葉を貰いました」と名女優からの言葉を喜ぶとともに、「バックステージも大騒ぎになってましたよ」と状況を明かした。(花)
2016年03月28日渡辺美里が7月12日に、全国ツアー「渡辺美里 日本全国ツアー 30th Revolution」の神奈川・CLUB CITTA’公演を開催。デビュー30周年を記念して行われる同ツアーは、ファイナルの12月23日(水・祝)大阪・フェスティバルホールまで、全国47都道府県を周る。【チケット情報はこちら】ここ数日、雨模様が続いていたがこの日はまさに真夏日。ライブ冒頭、「とっても久しぶりのような、そしてどこか懐かしささえ感じられるCLUB CITTA’ですが、ライブを迎えるに相応しい素晴らしい夏日になりました!」と語り始めた美里は、暑さとスタンディング・ライブという環境でファンの年齢や体調を気遣う。続けて「今日の日を想いながら選曲しました」と語るとおり、このツアーでは、30年のキャリアでお馴染みの名曲と、最新アルバム『オーディナリー・ライフ』収録の新曲を見事に織り交ぜ、会場によって異なるセットリストを披露している。この日のバンドメンバーは、バンマスのスパム春日井(perc)、設楽博臣(g)、澤田浩史(b)、真藤敬利(key)、松永俊弥(ds)という30周年ツアー不動の顔ぶれと、サックスは竹野昌邦に代わり庵原良司が務めた。そしてこの日は美里の誕生日という貴重なステージ。ライブのクライマックスで「ちょうど昨年のこの日に出来た歌を聴いてください」と前置きして、タイトル曲『オーディナリー・ライフ』を情感込めて披露。「ありふれた日々があまりにも愛おしい」というメッセージがファンひとりひとりの心に染み入るようだった。アンコールが数曲演奏され、名残惜しそうな美里はあと1曲できるかどうか悩んでいる様子だったが、バンマスのスパムはなにやらステージの袖に引っ込んだり、真藤と話したり、と慌しい。すると不意にハッピーバースデイのフレーズが流れて、バースデイケーキが登場。サプライズで美里の誕生日を祝う演出で、場内も一体となって盛り上がった。ツアーを終えた年明け1月9日(土)には「2016年渡辺美里30thアニバーサリー オーディナリー・ライフ祭り」を神奈川・横浜アリーナで開催する。取材・文:浅野保志
2015年07月14日渡辺美里のデビュー30周年を記念して、ぴあMOOK本「30thAnniversary Special Issue~渡辺美里ぴあ~」の発刊が決定した。【チケット情報はこちら】発売日は、今年行われる全国ツアー「春の美里祭り 30th Revolution」の初日で、彼女のデビュー記念日でもある5月2日(土)。同誌にはデビュー翌年から20年連続で開催された「西武球場ライブ」や「美里祭り」など彼女の軌跡や、最新インタビューを掲載。そのほか4月1日(水)にリリースされるオリジナルアルバム『オーディナリー・ライフ』や、8か月に渡って47都道府県を巡る全国ツアーの情報も満載。彼女の「これまで」「今」そして「これから」が堪能できる内容だ。また、同誌発売決定に伴い、ファンから渡辺美里の思い出やメッセージ、お宝自慢などを募集。寄せられたメッセージは編集部による選考のうえ、同誌に掲載予定。特設ページ()で3月31日(火)まで受け付けるので、気になる方はご確認を。
2015年03月20日渡辺知夏子は「美容と健康マニア」女性雑誌「Oggi」や「美的」で人気のモデル渡辺知夏子。オシャレに決して手を抜かず、健康・美容に気を配る姿勢は有名で、彼女のオフィシャルブログ「Chikako HOTEL」は美容情報の宝庫だ。自身を「美容と健康マニア」と呼ぶ彼女は、同ブログ2月21日付けの記事でグルテンフリーについて述べている。春は花粉症などアレルギーに悩まされる時期。グルテンフリーは免疫力がアップするといわれており、アレルギー体質改善に効果があるという。ヘルシーメニューを紹介また、ヘルシーメニューの紹介も必見だ。同ブログの3月11日付けの記事では、取り寄せた相模屋の豆腐でつくった豆乳鍋を披露した。材料は豆腐の他、豚肉や豆苗、きのこ、ネギ、そして決め手はごま油だ。モデルのブログでよく見かける「発酵玄米ご飯」についてもコメントしており、同ブログの3月2日付けの記事において「暖かいものから酵素が取れるから、最高!」と絶賛している。「美的.com」ブログ連載開始!彼女の高い美容意識が買われ、WEBサイト「美的.com」でブログ連載が開始!同ブログの3月11日付け記事で報告した。ビューティーやライフスタイルの事を発信していきたいと意気込みを語っており、こちらも見逃せない。【参考】・渡辺知夏子オフィシャルブログ「Chikako HOTEL」
2015年03月14日春気分!田丸麻紀のコーディネイト暦の上では立春をむかえ、そろそろ春らしいファッションを取り入れたい女性は多いのではないだろうか。ファッションモデルとして人気の高い田丸麻紀のオフィシャルブログには、春気分をあげてくれるコーディネイトがいっぱいだ。彼女のファッションで目を引くのは“白”の使い方だ。同ブログ2月3日付け記事では、鮮やかなピンクのバックに白のコート姿の写真がアップされた。颯爽としたコーディネイトにブログ読者から質問が集中し、撮影中の彼女にかわりマネージャーが回答する事態に。コートはナノ・ユニバースのものであることが明かされた。ダッフルコートもダークスーツも白で軽やか同ブログ1月30日付けの記事では、ダッフルコートのカジュアルスタイルを掲載。ボリューム感のあるコートだが、白をチョイスすることで軽快な印象に仕上げているのはさすがだ。また、ランチの招待をうけたという同ブログ1月27日付け記事では、重くなりがちなダークスーツを白のクラッチバッグをあわせて軽やかにみせている。ワンランク上の早春コーディネイトを楽しみたいのなら、田丸麻紀のワードローブをお手本にしてみてはいかがだろうか。(画像はプレスリリースより)【参考】・田丸麻紀オフィシャルブログ
2015年02月06日おニャン子渡辺美奈代、DVD発売おニャン子クラブ世代の憧れのアイドルといえば渡辺美奈代だろう。正統派アイドルとして人気を博していた彼女が、懐かしいヒットナンバーがつまったDVDを発売した。彼女のオフィシャルブログ「Minayo Land」の1月13日付け記事によると、同DVDは2014年のBirthdayライブで歌われた全26曲が収録されており、80年代の魅力が堪能できる1枚に仕上がっているという。イベントでは品良く黒コーデ同日別記事では、同DVD発売イベントで全身黒でキメた彼女の写真もアップされた。トップにボリュームをもたせた華やかなヘアスタイルに、軽やかなミニスカート。胸元のネックレスが品格をそえている。上品なスタイルには定評があるようで、同ブログ読者からも彼女のファッションについて質問が寄せられている。1月9日付け記事では、質問があったセットアップについて紹介。ダブスタのセットアップをセールで購入したと告白した。ぱっちり目の秘密は?彼女のチャームポイントであるぱっちりした目についても秘密を公開。同日別記事をのぞくと、表参道にあるまつエク店「MAHR」へ朝一番に訪れる様子が掲載された。ますます美しさに磨きがかかる渡辺美奈代。今後も彼女の活躍に注目したい。【参考】・渡辺美奈代オフィシャルブログ「Minayo Land」
2015年01月17日田丸麻紀、ブログ上位女優やタレント、そしてファッションモデルとして活躍する田丸麻紀。彼女のブログは美容のヒントが散りばめられており、閲覧ランキングでは常に上位だ。エレガントな印象の強い彼女だが、カジュアルスタイルも得意で、同ブログには彼女のプライベートショットが満載だ。カジュアルスタイル披露、スッピンdayも同ブログの12月9日付け記事では、スーパーへまとめ買いをしに行った写真がアップされ、ジーンズに白のジャケットでラフになりすぎない大人カジュアルを披露している。また、12月6日はスッピンdayだったそうで、同日付け記事をみると軽く眉毛だけを書いた彼女をみることができる。使用した眉筆とカラーはアナスタシアで、「カラーも自然で大満足」と絶賛している。ブログ読者の相談に丁寧に回答そして、同ブログの魅力のひとつとなっているのが、ブログ読者とのコメントのやりとりだ。同ブログの12月5日付けには、読者からの彼氏へのプレゼント相談に対し、知り合いのメンズ雑誌の編集者に意見を求めたという丁寧な回答を載せている。女性のコーディネイトの悩みについては、ファッションモデルらしく具体的なアイテムをあげてアドバイスをしており、こうした細やかな心配りが彼女のブログの人気につながっている。【参考】・田丸麻紀オフィシャルブログ
2014年12月11日(画像は田丸麻紀オフィシャルブログより)エレガントさが魅力 田丸麻紀エレガントなのに流行もきちんと取り入れているオシャレ上級者の田丸麻紀さん。モデルとして活躍する彼女のスタイルを参考にしている人も多いのではないでしょうか。きちっとした服装のイメージがある彼女ですが、実はカジュアルスタイルも得意で、彼女のオフィシャルブログでは楽ちんコーディネイトも数多く披露されています。田丸流カジュアルスタイル3月27日付けのブログでアップされているのは、紺色のニットに青のストライプのシャツ。定番のトップスですが、デザインデニムでカジュアルダウンしており、エレガントさを残したカジュアルスタイルに仕上がっています。上品で動きやすいスタイルは、春の行楽シーズンにはピッタリ。是非まねしてみたいコーディネイトです。「VINCE」最近、彼女のお気に入りのショップが「VINCE」。3月26日付けの彼女のブログでも紹介されていおり、「スポーティさとモード感を兼ね備えているトレンドブランド」と大注目しています。同店では、春のお買い物としてジャケットやニット、パンツを購入したとのこと。そして、彼女一押しの素敵アイテムがシューズ。写真もアップされており、「甲の部分の深みがとっても洒落たデザイン」で、エレガントにもカジュアルにも使えると大絶賛です。この春は、田丸麻紀さんのような上品なカジュアルスタイルで、颯爽と街を歩いてみてはいかがでしょうか。【参考リンク】▼田丸麻紀オフィシャルブログ
2014年03月29日22歳でアカデミー賞主演女優賞に輝き、ハリウッドナンバーワンの女優となったジェニファー・ローレンス。彼女の強みは、ツウの映画ファンからティーンエイジャーまで、ファン層の広さにある。自らが戦うヒロインを演じた、近未来が舞台のサバイバルアクション『ハンガー・ゲーム』シリーズを支えているのはそのティーン。続編の『ハンガー・ゲーム2』でも彼らが劇場に押しかけ、オープニング3日間で1億5800万ドルを稼ぎ出す大ヒットとなった。その他の写真「今度のカットニスにはゲームの知識と経験がある。自分が影響力を持っていることもわかっている。それが彼女の武器になるの」そして、優しさと強さもカットニスの武器。弱者のため、愛する人のために危険を冒すことも辞さないからこそ、絶大な人気と信頼を得ることになる。「そういうカットニスは大好きだわ。私には強いキャラクターを選ぶ傾向があって、私自身、そうありたいと願っているからなのかもしれないわよね。昔、ジョディ・フォスターが私にこう言ったの。“何年もあとに自分のキャリアを振り返ってみると、パーソナルな部分がその仕事に反映していることがわかるはず”ってね。今はまだ経験が浅いけれど、いつかわかるんだと思う」23歳だからこその若さと、23歳とは思えない落ち着きを感じさせる言葉。しかも、その言葉に気取ったところも背伸びした感じもない。あくまで自然体なのだ。「心にもないことは言えないタチなの。子供の頃、作り話ばかりしていて母にこっぴどく叱れたことがあって以来、ウソをつくと落ち着かなくなっちゃった。それって女優としてどーなのよって自分で突っ込んじゃうんだけど(笑)」若さと確かな演技力とこの天真爛漫さ。もう鉄壁である。『アメリカン・ハッスル』1月31日(金)公開『ハンガー・ゲーム2』公開中『ぴあ Movie Special 2014 Winter』(発売中)より文:渡辺麻紀
2014年01月16日※画像は、田丸麻紀オフィシャルブログより地元大阪で通うトータルビューティーサロン女優でタレントの田丸麻紀さんが、オフィシャルブログで美容鍼に行って来た事を投稿している。田丸さんの出身地である大阪にあるトータルビューティーサロンで、美容鍼灸の他にも痩身やアイラッシュなどのメニューもある。田丸さんは大阪の和泉市出身。現在は、東京をメインに仕事をしているが、関西ローカルの番組にも出演し、地元ならではの発言もしている。モデルとしてデビューしており、現在でもその健康的なスタイルのよさから、コラボレーションアイテムも商品化されている。意外に痛くない?まずは体験してみよう鍼、と聞くと、お年寄りが通い、身体を治す為の治療、というイメージが強かったが、最近では美容の為の鍼灸が定着をしてきた。何かの成分を注入するのではなく、本来の身体の役目を果たす為の手助けとして施術を行う。溜まった老廃物を流したり、むくみを防止したりと、自身の身体の力を引き出してくれる。施術をしてもらい、帰る時には効果が見られる場合もあり、自分の身体が弱っていた事を実感する人もいるとか。定期的に通う事で体質改善にもなり、健康的な身体を取り戻す事も可能。田丸さんも美容鍼に行くと調子がいい、とのコメントを投稿している。キレイになる、と言う事だけでなく、自分の身体をいたわりながらキレイになる事が出来る美容鍼。まだ試した事がない人も、一度試してもらいたい。【参考】▼田丸麻紀オフィシャルブログ▼ledia
2013年10月28日『ブロークバック・マウンテン』でアカデミー賞を受賞するなど、今や世界的な名匠として知られるアン・リー監督。新作『ライフ・オブ・パイ/トラと漂流した227日』が再び賞レースを賑わせている彼が、その注目の新作について語ってくれた。その他の写真アン・リーほどあらゆるジャンルに挑戦し、そのジャンルの地平を拡げてきた監督もいない。ならば彼が自分にとっては初体験のジャンル、ヤン・マーテルのベストセラー冒険小説『パイの物語』を映画化することに何ら不思議はないのかもしれない。「私に言わせればこれは“運命”ですね(笑)。なぜなら原作が出版されたときにすぐに読み、自分でも驚くほど魅了されてしまったのです。映像が次から次へと目に浮かぶんですから! とはいえ、それが実際に映像化できるかというとまた別問題。途方もない資金と技術が必要になるのは明らかでした。ところが、5年前です。スタジオから監督しないかと打診されたのです。ほら、まるで運命に導かれたようでしょ?」。リー監督に行き着くまでの本作の監督候補には、M・ナイト・シャマランやジャン・ピエール・ジュネ、アルフォンソ・キュアロンの名前が挙がっていた。彼らがプロジェクトから離れていったのも、映画化困難だったからにほかならない。「そう、いろんな問題が山積みでした。たとえば構成です。私はこの現実離れした物語を、誰もが信じられるようにするため、中年になったパイに物語を語らせるという方法を選びました。第三者が一人称で語ることで、観客はその話を体験すると同時に吟味できるからです。そして、それ以上の難問は映像でした」。映像こそ本作の命であり本作の魂。海の表情を驚くほど豊かに、信じられないほど雄弁にとらえている。それは3Dだからこその美しさでありスペクタクル。海がもうひとりの主役としての役目を存分に果たしているのだ。「3Dは私にとって絶対でした。これも3Dにすることで第三者の観点を手に入れることができると思ったからです。もうひとつは水と3Dの相性です。3Dで水をとらえると、まったく異なる感覚を手に入れられる。つまり観客は海を体験できるのです」。賞レースの時期を迎え、ハリウッドでは様々なウワサが飛び交っているが、そのなかでも有力候補の筆頭に挙げられているのが本作。アカデミー賞でも注目されるのは間違いない。「そうなったら私も嬉しいですね。3000人ものクルーが私のため、この映画のために4年間も働いてくれたのです。もしそんなことになれば、大きな励みになるし刺激にもなる」。賞を取るのも“運命”。そう思える力がこの映画にはあるのだ。『ぴあ Movie Special 2012-2013』より文:渡辺麻紀『ライフ・オブ・パイ/トラと漂流した227日』1月25日(金)全国ロードショー『ぴあ Movie Special 2012-2013』発売中
2012年12月27日アカデミー賞にノミネートされること5回。そのうち『グローリー』で助演男優賞、『トレーニング・デイ』で主演男優賞。名実ともにハリウッドでトップの座についているデンゼル・ワシントンに、またしてもアカデミー賞の呼び声があがっている。最新作『フライト』で見せた見事な演技である。その他の画像「私はこんな役が大好きなんだ。白黒はっきりしているようなキャラクター、つまり善と悪がすぐに色分けできるような人間には興味ない」デンゼルがそうきっぱり言いきっているように本作の主人公である旅客機のパイロット、ウィトカーは一筋縄ではいかないキャラクターだ。パイロットとしての腕は超一流。だからこそ、操縦不能な状態に陥っても不時着し犠牲者を6名に留めることができる。だが実はアルコール依存症を患っていて……そんな状況からウィトカーを描くドラマが始まるのだ。デンゼルがどんな人物像を作りあげているかと言えば、まさに玉虫色。善とも悪とも言いきれない人物であり、それでいて強烈な存在感とカリスマを感じさせる。「こういう脚本と、最高の監督によってスペシャルな旅に連れて行かれたような気持ちがしたよ。なぜスペシャルかというと、自分をさらけ出し、ダークな場所へと行かなきゃいけないからだ。これは役者としては最高に楽しい旅なんだ」ちなみに、その「最高の監督」とは、本作で12年ぶりに実写映画に復帰したロバート・ゼメキス。彼もまたデンゼルの演技を「素晴らしかった」と絶賛する。「依存症の演技で何が一番役立ったか白状するとYouTubeの動画だよ。“酔っ払い” で検索するとごまんと出てくる。これが最高の教科書だった、いや、ホントに(笑)」このユーモア感覚。それもデンゼルの魅力であり、本作の魅力にもなっているのだ。『ぴあ Movie Special 2012-2013』より文:渡辺麻紀『フライト』3月1日(金)全国ロードショー
2012年12月25日デジタル世代なんかに負けてたまるか!そんなキャッチフレーズを掲げているわけでもないのに、なぜか最近、若者に“逆襲”してる感が強いブルース・ウィリス。自らアナログと名乗ってはいないものの、大ヒットした『ダイ・ハード4.0』と『RED/レッド』のせいで、その手のキャラクターはおまかせ状態になったようだ。その他の写真その“逆襲”のすごさはブルースの2013年のラインナップを見れば一目瞭然。今のところ日本公開が予定されている作品だけで7本。年初めの『LOOPER/ルーパー』を皮切りに『噂のギャンブラー』『ファイヤー・ウィズ・ファイヤー炎の誓い』『ムーンライズ・キングダム』『ダイ・ハード/ラスト・デイ』(以上2月公開予定)、そして6月には『G.I.ジョー バック2リベンジ』、年末には『RED2』と並んでいる。そのなかでやっぱり気になるのは、彼の当たり役であり“逆襲”のきっかけにもなった『ダイ・ハード』シリーズの最新作『ダイ・ハード/ラスト・デイ』!たとえアナログであっても無敵な刑事ジョン・マクレーンはついに海を越えロシアの地に。前回の男前な娘に代わって息子が登場し、ふたりそろって見知らぬ土地でテロ戦に巻き込まれる。その息子ジャックは男前な娘同様、父親に反抗的だが、相棒にならざるを得ない状況に陥ってしまい、アナログ親父とデジタル息子の関係性が大きく揺れ動く……というコメディありアクションありの物語になりそうだ。そう、ブルースの強みはここ、コメディ演技もできればアクションももちろんOKで、シリアスだって問題ナシという守備範囲の広さにある。『ダイ・ハード』シリーズのマクレーンがいまだに人気が高く飽きられないのは、そういう様々な顔を見せているからであり、彼の出演作がバラエティ豊かなのもそのためである。もうひとつ、ブルースの魅力を語る上で忘れてはいけないのはその肉体だろう。多くの役者は年を重ねるうちに太ったり弛んだりして着実に中年化が進むのだが、なぜかブルースだけは最初のマクレーンのときから変わっていない印象。お腹も出てなければ顔も弛んでない。顔だって57歳とは思えないくらいシワが少ない。だから、アクションはいまだにキレがあり、身のこなしも敏捷だ。たしかに頭は真っ先に禿げてしまったものの、潔くスキンヘッドにして自分のトレードマークに替えてしまったくらいだし、実はかなりセルフコントロールができているのかも?もしかしたら、いまだに第一線で活躍しているブルースの強みは、セルフコントロールできてしまう強靱な精神力、なのかもしれない。デジタル世代に“逆襲” できる理由もそこにある、と見た。「ぴあ Movie Special 2012-2013」より文:渡辺麻紀
2012年12月17日グリム童話やディズニーアニメでお馴染みの『白雪姫』が21世紀仕様のフェアリーテール『スノーホワイト』となって復活。全米でも大ヒットを記録した本作の監督ルパート・サンダースがインタビューに応えた。その他の写真サンダースはCM界で注目されたヴィジュアル派で、本作が初監督作となる。「グリムの原作はフェアリーテールの枠を超えた物語のオリジンだと思う。そういう作品をデビュー作にできるのは、僕のような新人監督にとってはまたとないチャンスだと思った」最初にスタジオに提出したのは、自らのイマジネーションをもとに創造した3分間のプロモーションビデオだったという。「邪悪なクイーンがミルクバスから出てくるシーンや、彼女が一瞬のうちにカラスに変身するシーン…。いろんなバージョンを作ったら、それが認められて監督を任されることになった。面白いことにそれをベースにしたシーンが予告編にも使われたんだ」。やはりヴィジュアル的な才能に長けているのだろう。確かにそれらの映像のインパクトは強烈。フェアリーテールの甘さに闇がプラスされている。「地に足が着いたフェアリーテールを語りたい。それが僕たちの目標だった。そのためには美しさだけではダメ。おとぎ話の向こうにある闇にも目を向ける必要があったんだ」。その闇を象徴するのが、権力と美しさに執着する魔女の継母ラヴェンナ。演じるシャーリーズ・セロンは登場するたびにコスチュームを替え、驚くほど美しい。「でも、その衣装はすべて死をイメージさせるものなんだ。しゃれこうべや毛皮、カブトムシの殻やハリネズミ…、それらを纏っていつも鏡を見ている。反対にスノーホワイトは、ほとんど同じ衣装で一度も鏡を見ないんだ」。ヒロインたちの個性をまず映像で伝える。ヴィジュアル派の監督らしいアプローチだ。ちなみに、大ヒットによって続編企画も浮上。サンダースの続投が伝えられている。新しいヴィジュアリストの誕生といえそうだ。取材・文:渡辺麻紀『スノーホワイト』6月15日(金)TOHOシネマズ 日劇ほか全国ロードショー
2012年06月13日ディズニーの超大作『ジョン・カーター』を手がけた監督アンドリュー・スタントンが先ごろ来日し、念願の企画だったという本作への思い入れを語ってくれた。『ジョン・カーター』の原作は『ターザン』で知られる作家エドガー・ライス・バローズのスペースオペラ『火星のプリンセス』。これまでも多くの監督がトライしては挫折を繰り返した原作を、『ファインディング・二モ』などで知られるピクサーのアンドリュー・スタントンが映画化したのだ。「10歳の頃から原作が大好きだった。未知の惑星で出会う、牙があり腕が4本もある一族。そんな彼らとの関係のなかでヒーローとなる主人公。子供心にワクワクしたものだよ。ただ、今回映画化するにあたり、もう一度フラットな気持ちに戻ってその魅力を確かめたんだ。すると、その惑星の原風景には、失われた大陸を発見したような驚きがあったことに気付いた」舞台は惑星バルスーム。見たこともない未知の土地にもかかわらず懐かしさを感じるのは、その世界の文化が人類のそれをベースにしているからだ。また、原作では地球からバルスームへ、緑色のスモークとともに瞬間移動するジョン・カーターだが、映画ではメダルが移動のアイテムになる。「カーターの移動に関しては、初めて原作を読んだ子供のときから“そりゃないだろう”と思っていた(笑)。今回、真っ先にやったのも、移動にどうリアリティをもたせるかだった。みんなで頭をひねりまくって考えたんだよ」原作のなかに、映画化したかったが断念した要素はあるのかと尋ねると、こんな楽しい答えが返ってきた。「“火星のプリンセス”ことデジャー・ソリスが初めて登場するシーンは原作では全裸なんだ。でも、これはディズニー映画。断念せざるを得なかった(笑)。とはいえ、バルスームの人々のファッションはディズニー的には露出度も高く、結構がんばっただろ?」スタントンにとってはこれが初めての実写。これからはアニメと実写、どちらとも手がけるつもりなのか。「それはどうなるかわからない。題材に合わせて選ぶ感じになるんじゃないかな。ただ、実写は思った以上に楽しかったよ」取材・文:渡辺麻紀『ジョン・カーター』4月13日(金) 2D・3D同時公開
2012年04月12日ユニバーサル100周年記念作品の第1弾、SFアクション超大作『バトルシップ』の出演者のひとりアレクサンダー・スカルスガルドが初来日し、インタビューに応えた。日本ではヴァンパイアを描くTVシリーズ『トゥルーブラッド』ですでに多くのファンを獲得している。その他の写真『バトルシップ』でスカルスガルドが演じるのは、主人公テイラー・キッチュ扮するホッパーの兄ストーン。ちゃらんぽらんな人生をおくる弟を心配し、自分と同じ海軍への入隊を勧めるのだ。「僕にはたくさんの兄弟がいて、僕はその長兄なんだ。テイラーとの兄弟のケミストリーを演じるときは、そういう部分がとても役立ったと思うよ。まあ、僕はストーンほど面倒見のいい兄ではないかもしれないけどね(笑)」『トゥルーブラッド』で人気者になったものの、メジャー映画は今回が初めて。出番は少ないが、オーディションではなく、監督ピーター・バーグに乞われての出演だ。「ピーターは役者出身だから、演技や役者のことを理解してくれる。しかも、とても楽しいヤツなので、現場はいつも笑い声が絶えなかった。大バジェットの映画なら普通、スタジオの注文が激しいだろうが、そういうことはまったくなかった。ピーターのおかげだと思うよ」父親は『ドラゴン・タトゥーの女』などで知られるスウェーデン出身の名優ステラン・スカルスガルド。身長の高さにDNAは感じるが、ルックスもスタイルも息子のほうに軍配があがる。とりわけブロンドヘアと深いブルーの瞳が魅力的だ。「父とはいい友達という感じかな。誇りに思っているし尊敬している。子供の頃は一緒にいろんな映画を観ていて、お気に入りは黒澤明だった。『七人の侍』に『乱』、そして『用心棒』。特に『用心棒』は大好きで、何度も繰り返し観ている。三船(敏郎)も本当にかっこいいよ」どんな監督と組んでみたいか尋ねると「黒澤!」という答えが返ってきた。「同じような作品は選ばない。同じような役は演じないというのが僕のモットー。組むのなら、そういう希望をかなえてくれる人がいいね」映画での活躍はこれから。そのモットーなら未来は明るい。取材・文:渡辺麻紀
2012年04月11日ビヨンセのものまね芸で人気の渡辺直美が初主演を飾った映画『SPOTLIGHT』が、現在開催中の第4回沖縄国際映画祭・地域発信型プロジェクト部門にて上映され、渡辺をはじめ浜崎綾監督、小林星蘭、木村祐一が舞台あいさつを行った。舞台あいさつの模様地域発信型プロジェクトは、昨年から始まった新プログラムで、全国各地で映画を撮影し、その土地の良さや魅力を世界へ発信しようというもの。浜崎監督が選んだ地域は“東京都”。昭和12年に開業した歴史あるキャバレーでダンサーになることを夢見る女性が、挫折しながら自分の夢に立ち向かっていく姿を描く人間ドラマ。浜崎監督は「歌手になりたいとかサッカー選手になりたいとか夢を持っていても、実際には難しく、いまひとつ頑張れない弱さを誰もが持っているもの。この映画では、夢が叶ったか叶わなかったかではなく、寄り道すること、自分の弱さに向き合うこと、そうやって成長していくことを説教くさくなく伝えたかった」と、映画に込めた想いを語った。浜崎監督は、フジテレビの『新堂本兄弟』『ミュージックフェア』などの音楽番組を担当、2010年に『ピカルの定理』の立ち上げに加わるなど、人気番組で経験を積んできた有望株だ。ヒロインに大抜擢された渡辺は、「まさか自分が映画の主演を務めるとは思わなかった。不安の方が大きかったけれど、浜崎監督とは仕事をしたことがあるので仲のいいスタッフさんも多く、楽しい現場でした。初のお披露目は緊張しますね」と、芸人としてではなく“女優”として淑やかにあいさつし、「渡辺直美のいろいろな顔が詰まっています。ダンスも注目してほしい」とアピール。そんな渡辺の女優っぷりを共演の木村は、「彼女は主演顔ですよ、だって脇にいたら邪魔ですからね(笑)。ビーチの大きなスクリーンでも耐えられると思います」と、冗談をまじえながらも絶賛し「映画は芸術なので、好きか嫌いかでいいと思うんです。僕はこの映画好きです!」と監督を称えた。また、同映画祭の第1回目からすべて参加している木村は、「毎回、僕ら(芸人)が来て笑いを届けていると言われていますが、実際はその逆。声援をもらって、握手を求めてもらって、沖縄で映画祭が開催されることを心から喜んでもらって、僕らの方が感動と元気をもらっています」と、感謝を伝えた。第4回沖縄国際映画祭3月31日(土)まで開催取材・文・写真:新谷里映
2012年03月29日世界的大ベストセラーを映画化した『ドラゴン・タトゥーの女』の印象的なヒロイン、リスベット・サランデルを演じたルーニー・マーラが初来日。先日発表されたアカデミー賞ノミネートでは主演女優賞に名を連ねたことも大きな話題となっている彼女に、映画製作の舞台裏について聞いた。その他の写真心に大きな傷を抱え、他人との接触を避けて生きるパンキッシュな娘リスベット・サランデル。その超個性的なキャラクターゆえにハリウッドの名だたる若手女優が熱望したというこの役を、主演は本作が初めてというルーニー・マーラが手に入れた。「オーディションは2ヵ月にも及びました。スウェーデン語の詩を読んだり、バイクに乗ったり、いろんなことをやりました。でも、監督はわりと早い段階で私に決めてくれていたようです。とはいえ私はほとんど無名ですから、周囲の関係者を説得しなくてはいけない。だから何度もテストをやったのだと思います」監督デヴィッド・フィンチャーとは『ソーシャル・ネットワーク』に続いて2度目。「ルーニーの名前はリストの最後のほうだった」と語るフィンチャーだが、今では「世界中で彼女だけがリスベットを演じることができた」と大絶賛。実際、そのなりきりぶりは外見はもちろん、内面を伝える微妙な演技からも伝わってくる。「リスベットは寡黙なキャラクターです。彼女が口にする言葉は重要なので、そういう重みのようなものを表現したかった。あとは皆さんに共感していただきたいという気持ちがありました。というのも彼女が秘めている怒りや憤りは、程度の差はあれ、皆さんも感じたことのある感情だからです」リスベットが寡黙なように、ルーニーも決してお喋りではない。「私とリスベットにはたくさん共通点があって、そのひとつが人見知りなところ」というだけあって、ちょっと恥ずかしそうに淡々と答えてくれる。映画では全裸もいとわない体当たりの演技を見せるので、その落差に彼女の女優魂を感じたりするのだ。次回作は、『ツリー・オブ・ライフ』でやはりアカデミー監督賞にノミネートされているテレンス・マリックの『Lawless』。フィンチャーにマリック、ハリウッドの役者たちが出演を熱望する監督に愛され、確実にトップ女優への階段を昇り始めたルーニー・マーラである。取材・文:渡辺麻紀『ドラゴン・タトゥーの女』2月10日(金)TOHOシネマズ日劇ほか全国ロードショー
2012年02月02日2010年の賞レースを賑わせたオーストラリア映画『アニマル・キングダム』が1月21日(土)より公開される。本作で高い評価を受け、世界にその名を広めた同国の監督デヴィッド・ミショッドのコメントが届いた。その他の写真まるでディズニーのネイチャー・ドキュメンタリーのようなタイトルからは想像もできないハードなクライムドラマがこの『アニマル・キングダム』。監督ミショッドはそのタイトルの由来を「警察や犯罪者、彼らの周辺に暮らす人々、そういう人たちについての映画を作りたかった。タイトルは様々なキャラクターの生態系を反映させたものにすべく命名した」と語る。タイトルも意表を突くが、それ以上に驚かされるのが先の見えない物語。クライム映画としての面白さに留まらず、“アニマル・キングダム”に放り込まれた無垢なティーンエイジャーの成長物語が思わぬ方向へとシフトしていくのだ。本作を、やはりクライムものや先の読めない展開を得意とするクエンティン・タランティーノが絶賛したというのも納得である。「タランティーノが褒めてくれたというのは、とても嬉しかった。多くの人から褒め言葉をもらったけれど、どれも社交辞令のような気がしていて(笑)。そんななか、クエンティンのような人物が公にそんな発言をしてくれると本心に違いないと思えるので、喜びもひとしおだった」とはいえミショッドの目指したのは「タランティーノやガイ・リッチーのクライム映画とは違うもの。もっとシリアスにしたかったし、暗く不快であるにもかかわらず、詩的で美しい世界にしたかった」。つまり、模倣などではなく、自分の個性を押し出したオリジナルな作品にしたかったということだ。そんな自信をのぞかせるだけあって、他の作品に対しても手厳しく「映画を観るとほとんどが失望させられるので、本を読んだり音楽を聴いている」のだとか。そして「『アニマル・キングダム』は美しい音楽のついた良質の小説のような作品を目指した」という。この個性と自信が嘘でないことは『アニマル・キングダム』を観ればわかるだろう。文:渡辺麻紀『アニマル・キングダム』1月21日(土)よりTOHOシネマズ シャンテ、新宿武蔵野館ほか全国順次ロードショー
2012年01月20日来年4月に公開されるウォルト・ディズニー生誕110周年記念作品『ジョン・カーター』のプレゼンテーションのため、プロデューサーを務めるジム・モリスが来日。『ファインディング・ニモ』『ウォーリー』の監督アンドリュー・スタントンが初めて手がける実写作品としても話題だが、監督と並んで作品について最も詳しい存在であるモリスが、いまだベールに包まれた本作について語ってくれた。その他の写真エドガー・ライス・バローズの小説『火星のプリンセス』の映画化である『ジョン・カーター』は、ハリウッドでは20年も前から浮上していた伝説的とも言えるプロジェクトだ。「私がこのプロジェクトに参入したのは1989年、ジョン・マクティアナンが監督するといわれていた頃だった。しかし、この企画も座礁してしまい、その後は様々な監督の名前が浮上したり消滅したり。私がピクサーに移り、アンドリュー(・スタントン)と『ウォーリー』を作っていたときに彼の口から“『火星のプリンセス』を実写で撮りたい”と聞いたんだ。なんか運命みたいなものを感じるよね(笑)」本作の監督を希望したのはロバート・ロドリゲスやジョン・ファブローといった才能豊かなクリエイターたち。だが、それぞれが何らかの理由で断念せざるをえなかったのに、スタントンは実現できたのだ。「アンドリューが脚本を書けるというところが大きいと思うよ。バローズの原作はとても壮大で入り組んでいる。それを彼はわかりやすく、映像化に向いたストーリーに書き換えることができたんだ。あとは技術。今の映像技術があったからこそ可能になった表現がたくさんある」ディズニーは基本、製作費に関しては公表しない方針だが、ウワサによると『アバター』などの超大作をも超える高額、とも言われている。「決して安い金額ではないことは確かだね(笑)。アンドリューがロケやセットにこだわったから、そういう方面の製作費がかかり、VFXにもかなりかかった。最も資金を投入したのはそういう部分で、スタッフや役者のギャラは、そのすべてを集めてもジョニー・デップの出演料にはかなわないよ(笑)」今回、ジョン・カーターを演じるのは、そのジョニーにも似たエキゾチックなルックスが目を引くテイラー・キッチュなのだが。「テイラーの魅力は、その瞳にある。何かを感じさせる深い瞳をしているんだよ。それこそ僕たちが求めた“ジョン・カーター”なんだ」『ジョン・カーター』2012年4月13日(金)2D・3D同時公開取材・文:渡辺麻紀
2011年12月22日12月9日(金)から公開されるお正月映画『リアル・スティール』で主人公を演じたヒュー・ジャックマンがインタビューに答えてくれた。本作では父親を演じているジャックマンだが、彼のイメージとは大きく違うダメな親父役。しかし、当人は「それこそが本作で重要だった」という。その他の写真『リアル・スティール』は2020年という近未来が舞台。この時代でリングにあがるのは人間ではなくロボット。ロボット格闘技が大人気なのだ。ジャックマン演じるチャーリーは元ボクサーで、今ではロボットを連れて巡業する運に見放されたプロモーター。そんな彼の前に、かつての恋人が遺した息子マックスが現れる。「でも冒頭、息子を(親戚に)売り飛ばし、その金で新しいロボットを買うんだ。本当にサイテーな父親だが、これはセカンドチャンスの物語だから、そういうサイテーさを描かなきゃいけなかった」それを知って失望するマックスだが、ふたりをつなぐ存在が現れる。マックスがゴミ集積所から掘り出してきたオンボロで旧式のロボット“ATOM”だ。「チャーリーとマックスは、そのATOMのおかげでひとつになる。そして3人ともが起死回生をかけてロボット格闘技で闘うんだ。この映画のロボットバトルシーンが、アクション映画のように激しいだけではなくよりエモーショナルなのは、そういうヒューマンなストーリー、つまり、彼らのセカンドチャンスが描かれているからだと思う。セカンドチャンスは、どんなダメ野郎にも訪れるというのが僕の持論なので、このストーリーにはとても共感したよ」子煩悩としても知られるジャックマンである。こういう子供がらみのキャラクターや映画には思い入れもひとしおなのでは?「実はこの映画、僕の子供たちがスクリーンでパパの姿を初めて見た映画なんだ。今まで声優を務めたアニメーションしか見せていなかったからね。それがこの『リアル・スティール』というのはパパとしてかなり誇らしい。息子はATOMをとても気に入ったみたいで、今ではそのフィギュアと一緒に寝てるんだ。いやあ、とってもかわいいよ(笑)」と、親ばか丸出しのジャックマンだった。取材・文:渡辺麻紀『リアル・スティール』12月9日(金)全国ロードショー
2011年11月18日『ザ・セル』などを手がけヴィジュアル派の監督として知られるターセム・シンが、ギリシャ神話の世界に挑戦した。神々と人間の激しい戦いが3Dで迫ってくるそのアクション映画が『インモータルズ -神々の戦い-』だ。主人公のギリシャ神話の英雄テセウスを演じているのは、『Man of Steel(原題)』で次期スーパーマン役に抜擢されたヘンリー・カヴィル。ハリウッドの新しい“顔”になるだろう注目の新鋭に話を聞いた。その他の写真ギリシャ神話の英雄テセウスは、迷宮に閉じ込められた牛頭人身の怪物ミノタウロスを倒したことで知られる。だが、今回カヴィルが演じたテセウスは、そういうギリシャ神話の常識から大きく離れた存在。神々に挑戦状をつきつけ、自分の愛する母親を殺した狂気の王ハイペリオン(ミッキー・ローク)に復讐を誓う男。始まりは普通の青年なのだ。「ギリシャ神話のことはあまり考えなくてもいいとターセム(・シン)に言われたんだ。実際、知られている物語とは大きく違うからね。でも、だからといってギリシャの英雄風の身体が不必要だったわけじゃない。ターセム言うところの“ボディビルダーとはまったく違う、ナチュラルに鍛えられた肉体”を作らなければいけなくて、そのトレーニングが驚くほど過酷だった。日本のタバタ・スタイル(田畑泉が考案したもの)のトレーニングをやったんだよ」それは、ターセム曰く「このトレーニングに耐えられたんだから、スーパーマンは大丈夫だよ」というくらいにヘビーなものだったらしい。そのかいあってか、スクリーンに映し出されるカヴィルの肉体はスリムで余分な脂肪がなく、とても美しい。まさにギリシャの彫刻のようだ。「でも、そんな過酷なトレーニングも終わってしまえば“楽しかった”ということになる。今回だって、かっこいいボディを手に入れられたし(笑)。僕の仕事との付き合い方は、どんな困難なことであっても、その中から必ず楽しみを見つけ出す、というもの。苦痛は短い間だけ。しかし、その苦痛を通して得た恩恵は永遠に続くんだ」弾ける若さと端正なルックス、美しいボディと見事な身体能力。そしてラッキーとポジティブシンキング。これだけ“武器”をもっていれば、ハリウッドの荒波を乗りきることができるはず。次の『Man of Steel』でブレイクは必至だろう。取材・文:渡辺麻紀『インモータルズ -神々の戦い-』11月11日(金)より、TOHOシネマズ日劇ほか全国ロードショー
2011年11月10日ポール・W・S・アンダーソン監督による3D大作『三銃士/王妃の首飾りとダ・ヴィンチの飛行船』。今週末から公開されるこのコスチュームプレイ・アクションでセクシーな悪女ミレディを演じたミラ・ジョヴォヴィッチが作品の魅力について語ってくれた。その他の写真デュマの心躍る冒険小説『三銃士』は、これまでも何度も映画化され、スクリーンとの相性はバツグン。そんな素材に今回トライしたのはアンダーソン&ジョヴォヴィッチ・コンビ。『バイオハザード』シリーズで知られる映画界のオシドリ夫婦だ。「私が演じるミレディは悪女なの。フランスとイギリス、ふたつの国に通じた二重スパイ。私がそんなスパイを演じるとなると当然、みんなはアクションを期待するわよね。で、やることにした。それも15キロもあるコスチュームと、息をするのもやっとのコルセットを付けて。本当に本当に大変だったけど、やりがいはあったわ。おそらく、そういうスタイルでアクションをやった女優はいないと思うから」そのミラのアクションは『バイオハザード』のアリスを彷彿とさせる激しさ。アクション女優としての面目躍如だ。「すべてはポールのおかげなの。彼はどんな仕事も他人任せにしないから、しっかりがっちり打ち合わせをする。そうやって生まれたのがあのアクション。いや、映画のすべてが彼の努力の結晶だわ。私はいつも思うのよ。そういう監督と仕事だけじゃなく、私生活も一緒だなんて、なんてラッキーなのってね」多くの男性と浮名を流したミラだが、いまや自分が選んだ旦那様にメロメロな様子。ちなみに、アンダーソン監督はおたくとしても有名。そういうおたくな精神が、飛行船まで登場する新しい『三銃士』を生んだともいえるのだが。「ええ、ポールはおたくよ。ただし、すっごくゴージャスなおたく。“ゴージャス”を付けるのを忘れないでよね(笑)。だってハンサムでしょー、もちろんクレバーだし、仕事にかける情熱は最高なんだから!」ミラの口をついて出る言葉は旦那様への賛辞ばかり。ちなみに、その旦那様のほうは「ミラは頑張ってくれたよ」くらいとそっけない。この温度差、どこかで見たことが……と思ったらティム・バートン&ジョニー・デップだった。このカップル(?)もジョニーのほうがティムにぞっこんなのだ。美女(ハンサム)のほうがおたくな相手に夢中。この関係性が黄金コンビが長続きするコツなのかもしれない。『三銃士/王妃の首飾りとダ・ヴィンチの飛行船』10月28日(金)よりTOHOシネマズ スカラ座ほか全国ロードショー取材・文:渡辺麻紀(c)2011 Constantin Film Produktion GmbH, NEF Productions,S.A.S., and New Legacy Film Ltd. All rights reserved.
2011年10月26日ロバート・ロドリゲス監督が手がけるファミリームービーシリーズの最新作『スパイキッズ4D:ワールドタイム・ミッション』。17日(土)から公開される本作に出演したジェシカ・アルバが、作品について語ってくれた。その他の写真ジェシカといえば、女子たちに人気のおしゃれセレブから、若い母親たちに人気のママ・セレブとなった人気女優。いまや二児の母親になった彼女が、ママであることを活かして出演した映画が本作。シリーズの生みの親・育ての親であるロドリゲスが、ママ業に奮闘する彼女を見て思いついた、始めにジェシカありきの作品だ。「ボブ(・ロドリゲス)は、あたしが娘の巨大ウンチ付きオムツを持って右往左往している姿を見て、“ママさんスパイ”というコンセプトを思いついたようよ」というのもジェシカ・ママ、現場にもベビーを連れてきているらしく、まさに“働くママさんアクトレス”。ジェシカ本人も「本当に働きながらの育児は大変なの。その経験をこういう映画で活かせるなんて驚いた。きっとボブもパパだから思いついたアイデアなんだと思う」と語る。そもそもこのシリーズ自体、家族想いのロドリゲスが、同じような気持ちから始めたプロジェクトであり、ベビーを抱いたママさんスパイが登場しても何の不思議もない。ちなみに今回のタイトルになっている“4D”とは“匂い”のこと。前作である第3作目でハリウッドの先陣を切って3Dに挑戦していたシリーズだけに、「同じことはできない」という意地が生んだナイスなアイデア。劇場で渡されたアロマシートを、スクリーンに登場する数字に合わせてこするシステムだ。ジェシカもこの仕掛けには大喜びで「あたしも子供のときは、アロマスコープのようなシートを嗅ぐことに夢中になっていたわ。子供たちにとって、映画をそういう次元でも楽しめるのってすごくいいと思う。それに、匂いたくない人はこすらなくてもいいところも好き。自分で選べるのがいいわよね!」v文:渡辺麻紀『スパイキッズ4D:ワールドタイム・ミッション』9月17日(土)、新宿ピカデリーほか全国公開
2011年09月16日渡辺謙、ジョン・キューザック、チョウ・ユンファらが出演する米中合作映画『シャンハイ』の特別試写会が16日に丸の内ピカデリーで行なわれ、渡辺、菊地凛子とミカエル・ハフストローム監督が舞台あいさつに立った。その他の写真映画『シャンハイ』は、太平洋戦争前夜にあたる1941年の上海を舞台に、親友の死の真相を探るべく上海を訪れた米国諜報員の男(キューザック)が、中国・アメリカ・日本を巡る巨大な陰謀に巻き込まれながら、運命の愛に出会い、激動の時代を生き抜いていく姿を描いたサスペンス・ドラマ。渡辺は「日本映画と違って歴史的な作品をハリウッドで作ると、世界中に配信されるので、その国が持っているバックグラウンドにどういうふうにマッチしていくかということがあきらかに違う。本作は中国や韓国では既に公開されているんですが、自分の役は果たしてどう受け入れられるのだろうかというある種の怖さと興味がある」と言い、渡辺と初共演の菊地は「謙さんのいろんな方向からいろいろなアイディアを持って挑戦する姿勢は勉強になったし、後の作品に活かされている」とコメント。ハフストローム監督は「1941年の上海という歴史的な背景はあるが、ストーリーには人間同士の普遍性があり、登場人物が抱える野心や想いはどの人にも伝わるものがある」とPRした。最後に渡辺は「70年前の太平洋戦争の直前の歴史的な背景もありますが、ここで描かれているのは男と女が必死で愛を紡ぎ、困難な状況でも命を繋いでいこうとしたドラマだと思っています。今年は非常に日本全体が揺らいでいて、社会情勢や価値観など、いろいろな変化を余儀なくされているときですが、困難なときに何かを乗り越え、生きていこうとするときにつながる映画だと思います」と力強く語りかけた。『シャンハイ』8月20日(土)より丸の内ピカデリーほか全国ロードショー
2011年08月17日