「湊かなえ」について知りたいことや今話題の「湊かなえ」についての記事をチェック! (2/4)
戸田恵梨香、永野芽郁が母娘役で共演する映画『母性』が、第41回バンクーバー国際映画祭に正式招待作品され、廣木隆一監督と原作者の湊かなえが現地での舞台挨拶に登場した。本作は『あちらにいる鬼』『月の満ち欠け』の公開も控える人間ドラマの名手・廣木隆一監督が、『告白』など数々のベストセラーを生み出してきた湊かなえの同名小説を映画化したエンタテインメント作品。繊細かつ大胆な演技で新境地を切り開いた戸田、永野をはじめ、大地真央、高畑淳子、中村ゆり、山下リオら実力派キャスト陣が集結し、ひと際キャラの濃い母娘たちを熱演している。先日、北米最大級の映画祭のひとつ、第41回バンクーバー国際映画祭にて、正式招待作品として華々しくワールドプレミアが行われ、湊かなえと共に、廣木隆一監督が現地での舞台挨拶に登場。2018年『ここは退屈迎えに来て』以来4年ぶりのバンクーバー登場とあって、新作を心待ちにしていた現地の観客から拍手喝采で出迎えられた。左から)廣木隆一監督、湊かなえ廣木監督といえば下積み時代、世界最大のインディペンデント映画祭として有名なサンダンス映画祭に見出されアメリカに留学後、2003年の『ヴァイブレータ』で国内外40以上の映画祭で大きな注目を浴びた。今ではヴェネチア、トロント、ロッテルダム、上海、釜山、香港など、世界各地の映画祭でその名を轟かせており、世界が新作を待ちわびる監督のひとりだ。今回バンクーバー国際映画祭では、観客の心に強く響くような優れた作品に焦点を当てることを目的に今年から新設され、最優秀賞を争う対象となる「ショーケース」部門からの出品となった。映画祭のプログラミングチームは「今回の最新作は、これまでの廣木監督の多くの作品と同様に、女性の心理とその複雑な感情の網目を、思いやりと細やかな感性で探っています。ワイドスクリーンで撮影され、ドールハウスのような美しさを持つこの作品は、類まれなふたりの女性の心理を分析し、母性に対する規範的な前提を覆す意欲作です」と選出理由を語っている。さらに「監督はまた、私たちが登場人物の行動を理解するのに苦しみながらも、どこかで深い共感を呼び起こさせるような、俳優の素晴らしい演技を引き出しています。勇敢で美しく、魅力的なこの作品は、悲しい物語ではありますがその中に優しさと思いやりの余地を残していると感じました」と、女性の繊細な心情を描くことに定評のある廣木監督の手腕を絶賛した。「戸田恵梨香の狂気がすごかった」第41回バンクーバー国際映画祭の様子満員御礼となった上映会場では、ところどころで笑いが起きたかと思えば、終盤にはすすり泣きが響くなど、目の肥えた観客たちからもリアクションは上々だったようで、「とても深いストーリーで心が揺さぶられた」「視点の描き方が面白かった。視点の違いで声や表情が違うのがすごかった」「主演女優さん(戸田恵梨香)の狂気がすごかった」との声が寄せられた。『母性』の制作について廣木監督は「ナレーションで全てを説明するようなことはしたくなかったので、役者さんのリアルな芝居を引き出すことに注力しました。戸田さんも永野さんも、それぞれのキャラクターの感情とリアルな芝居というものを一生懸命に追求してくれて、脚本に書かれていることを基に、毎回素晴らしいものを組み立てて撮影に臨んでくれたので、それを見るのが楽しみでした」と振り返った。また観客から「海外のことを頭に入れて映画を作るのか?」と問われた際は「海外の人たちというより、日本の人たちがどう考えて、どう行動するかを念頭に置いて作っています。それを海外の方たちがどう思うかだと思います。それが映画の個性になると思います」と自身の信念を明かした。その言葉に頷くように、湊かなえも「廣木監督はひとつの物語の中に複数の視点が存在する物語を撮るのがとてもお上手なんです。同じ出来事をルミ子・清佳の視点で見るとこんなに表情も違うんだと見て分かる、廣木監督だから撮れた奇跡の映画だと思います」と太鼓判を押した。なお『母性』は、10月24日に開幕した第35回東京国際映画祭でも、特別招待作品(ガラ・セレクション部門)としてジャパンプレミアが決定している。廣木監督の新たな代表作として、日本国内でも話題を集めそうだ。『母性』11月23日(水・祝)公開(C)2022映画「母性」製作委員会
2022年10月28日川口春奈&目黒蓮共演「silent」第3話が10月20日オンエア。鈴鹿央士演じる湊斗の“真意”に「嫉妬じゃなかったんだね」「想のことが大切だというのがひしひしと伝わってきた」などの声が殺到、作品タグ“#silent”は3週連続世界トレンド1位を獲得している。突然別れを告げられた高校時代の恋人と8年ぶりに再会を果たすが、その恋人は耳が聞こえなくなっていた…という、切なく温かいラブストーリーが展開する本作。耳が聞こえなくなった想のために手話を学ぶようになるが、2人で会っているところを今の恋人・湊斗に目撃されてしまった青羽紬を川口春奈が演じ、紬の高校時代の恋人だったが18歳の時に「若年発症型両側性感音難聴」を発症、紬と別れ連絡も絶っていた佐倉想に目黒蓮(Snow Man)。紬と想が付き合うきっかけを作ったが実は紬のことが好きで、その後同窓会で再会した紬と付き合うようになった戸川湊斗に鈴鹿さん。湊斗のことを慕う紬の弟・青羽光に板垣李光人。湊斗に想の連絡先を教えた妹の佐倉萌に桜田ひより。想と親しい関係のろう者・桃野奈々に夏帆。紬に手話を教える春尾正輝に風間俊介。想のことを憂う母親・佐倉律子に篠原涼子といった俳優陣が共演する。※以下ネタバレを含む表現があります。ご注意ください。8年を経て再び目の前に想が現れ、不安に駆られる湊斗。そんななか想が紬のもとを訪ねてくる。紬の自宅にいた湊斗は想を招き入れる。想の背中に声をかける湊斗だが、高校時代のように振り返ってくれるかも…というかすかな期待もむなしく、耳が聞こえない想が振り返ることはない。そんな想に湊斗は涙を流しながら、耳が聞こえなくなったことで、心配かけたくなくて自分たちの前から姿を消したのかと詰め寄り、「紬に迷惑かけたくないとか、わかるけどさ…なんで俺に言ってくれなかったの!?」と感情を爆発させる…。「親友なのに話してもらえなかった寂しさと、受け入れたくない気持ちが爆発した湊斗くん。嫉妬じゃなかったんだね」「湊斗の「好き」が彼女親友のラベリングに関係なく平等に万遍なく好きなのが痛いほど分かる」「あの頃の想との友情が途切れてしまったのが、想が抱えたものを一緒に背負えなかった自分の不甲斐なさのせいとか、そういう色んな気持ちがぐちゃぐちゃになって辛いんだよね…」「湊斗が想に嫉妬してるのかと思ってたら、それ以上に想のことが大切だというのがひしひしと伝わってきた」など、湊斗の真意に視聴者からも様々な声が送られる。また1話、2話と号泣する視聴者が続出している本作だが、「今のところ3話が一番泣いてる」「第三話、またまた切なく泣けました」「最後の、想と湊斗の回想シーンが今までで一番泣いた」など、今回も“泣いた”という投稿がタイムラインにあふれ、公式アカウントによれば、3週連続でTwitterの世界トレンド1位を獲得している。【第4話あらすじ】湊斗に紬は、想とちゃんと2人で話した方がいいと諭す。湊斗は想と向き合う中で想が8年前と何も変わっていないと感じ、高校仲間のフットサルに参加してみないかと誘う。そんな湊斗に対し同級生たちは紬と想の復縁を懸念するが、真子(藤間爽子)は紬が今は湊斗のことを本当に大切に思っていることを理解する…。「silent」は毎週木曜22時~フジテレビ系にて放送中。(笠緒)
2022年10月21日戸田恵梨香と永野芽郁が、ある未解決事件の語り手となる母娘を演じる湊かなえ原作の映画『母性』。2021年7月から放送され人気を獲得したドラマ「ハコヅメ~たたかう!交番女子~」では先輩・後輩役として息の合った掛け合いを見せた戸田さんと永野さんが、本作では母・娘役として残酷なほどに毒を含んだセリフを浴びせ、これまでのイメージを覆す役どころに注目が集まっている。実は本作は、「ハコヅメ」で“愛され最強コンビ”を演じる以前の共演だったという。先日、証言が180度異なりすれ違う、戸田さん演じる娘を愛せない母・ルミ子と永野さん演じる母に愛されたい娘・清佳の様子を収めた予告編が解禁となり、お互いに投げかける「気持ち悪いのよ」「頭おかしいんじゃない」といったセリフが衝撃を与えた本作。2人が、本作で娘を演じることが発表された際にもSNS上では「ハコヅメと役柄はガラッと変わりますが、演技がとっても上手なおふたりなので、すごくすごくワクワク」「戸田&永野ペアあんなガチ可愛かったのに母性ぜんぜん違う人みたい…スゴ…」「湊かなえ原作、戸田恵梨香×永野芽郁というハコヅメ以来大好きなWキャスト、この世でいちばん胸焼けしそうな二字熟語『母性』がタイトルってなトリプルパンチで興味のど真ん中ぶち抜かれた」という声が上がるほど。本作の撮影は「ハコヅメ」撮影開始前に終了しており、実は撮影時初共演だった2人。戸田さんは「永野さんの透き通る肌や目、心には『支えてあげたい』『守ってあげたい』と思わせる力があり、私個人の母性が邪魔をしてとても苦労しました(笑)」と当時をふり返り、「真っ直ぐな目からは、清佳を彷彿させる強さと説得力があり、私を勇気づけてくれました。本当に頼れるペアです」と永野さんを称賛。戸田さん自身、“理解し難く共感の難しい女性”とルミ子を表すほどの難役に挑む中で、永野さんの存在が心の支えとなったことを明かしている。一方、「戸田さんがルミ子を演じている時の雰囲気は、普段のお人柄とは全く違い、間近で見て圧倒されました」と語る永野さん。“戸田さんと共演できること”がオファーを受けた決め手とも明言しており、「私が疑問に思うことまでも一緒に解消してくれる心強すぎる方で、戸田さんが役に向き合う姿に私自身とても影響を受けました。共演させて頂けてとても嬉しかったです」と喜びのコメントを寄せている。お互いにそれぞれのキャラクターの感情が複雑に絡み合う役を追求していく中で、役柄とは正反対に支え合っていた信頼関係。最強のコンビネーションによる、新たな化学反応には期待が高まっている。本作は北米最大級の映画祭のひとつ、カナダ・第41回バンクーバー国際映画祭正式招待作品としてワールドプレミアが行われ、さらに第35回東京国際映画祭特別招待作品(ガラ・セレクション部門)としてジャパンプレミアが決定。戸田さん、永野さんの迫真の演技には早くも海外映画祭から絶賛の声が上がっている。『母性』は11月23日(水・祝)より全国にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:母性 2022年11月23日より全国にて公開©2022映画「母性」製作委員会
2022年10月04日戸田恵梨香と永野芽郁が、ある未解決事件の語り手となる母娘を演じる湊かなえ原作の『母性』。その主題歌がJUJUの新曲「花」に決定した。愛せない母と愛されたい娘、2人ぞれぞれの視点で1つの事件が語られる本作。その主題歌としてJUJUさんが鮮やかに歌い上げる新曲「花」は、穏やかなバラード調のメロディの中に、劇中で戸田さん演じる母・ルミ子、永野さん演じる娘・清佳の“一緒に歩んできた出来事を回想しているはずなのに、次第に食い違っていく2人の語り”や“母に懸命に愛されたいと願う娘の心情”を綴る歌詞が力強く歌いあげられ、愛憎渦巻く親子の物語をドラマティックに彩る珠玉の1曲として完成した。JUJUさんは「人の数だけものの見方があるだろうし、考えることも感じ方も違うだろうということは何となくわかっていた筈なのに、この映画を観ながらずっと私の中にあった感情は『どきりとする』でした。観終わってからもずっと続いている『どきり』と共に、これから先ずっと大切に『花』を歌っていきたいと思います。素晴らしい映画に携わることができ、本当に光栄です!!」と語る。本作の製作陣は、JUJUへの起用オファーへの決め手について、「誰の人生にもままならないことが多かれ少なかれあると思う。それを受け入れ、人生を誰かの意志に委ねることなく、自分自身で心の居場所を見つけることが幸せになるきっかけであって欲しい。そういう願いを込めて、自然体で自分らしく生きることを体現されているJUJUさんにオファーしました」と明かしている。また、この主題歌「花」について、主演の戸田さんは「清佳の応援ソングのようでルミ子の母の歌のようにも聴こえ慈愛と美しさを感じます。また、JUJUさんの強さと包み込むような歌声からこの曲を聴き終わってようやく『母性』という作品が完成するのだと実感しました」とコメント。永野さんも「『母性』という作品の登場人物それぞれの気持ちを代弁し、背中を一押ししてくれる強さを感じました。本編を見終わった後に『花』という主題歌で全ての人の心が救われるはずです。劇場の、良い音響でJUJUさんの歌声に涙してください!笑」と語っている。『母性』は11月23日(水・祝)より全国にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:母性 2022年11月23日より全国にて公開©2022映画「母性」製作委員会
2022年08月17日女優の戸田恵梨香が主演を務める、映画『母性』(11月23日公開)の場面写真が5日、公開された。同作は湊かなえによる同名小説の実写化作。女子高生が自ら命を絶った事件をきっかけに回想される、愛せない母と愛されたい娘の物語で、同じ時・同じ出来事を回想しているはずなのに、2人の話は次第に食い違う。母と娘がそれぞれ語るおそるべき「秘密」が明らかになっていく。公開されたのは、母と娘の緊迫した様子が浮かび上がってくる場面写真。作中では母と娘の不穏な関係性が、事件にまつわる2人の視点の違いととも描かれ、母の証言では「娘を強く抱きしめた」というシーンがある一方で、その同じ場面を娘は「母に首を絞められた」と証言する。完成した作品を鑑賞した原作者・湊かなえによる絶賛コメントも届き、公開に先駆けてはムビチケ前売券が、全国の劇場・オンラインにて8月11日より発売開始となる。○湊かなえ(原作者) コメント全文・多くの企画者が映像化を熱望した「母性」。今回、映画化を許諾された決め手について娘(母親から愛される立場)であり続けたいまま子どもを産んだ母親と、その母親から愛されたい娘。その二人の物語であることをきちんと汲み取った内容の脚本だったので、ぜひお願いしたいと思いました。女性は子どもを産めば必ずしも母性が芽生えるわけではない、といったことなど、「母性」について年齢や性別を問わず多くの方が考えてくださる作品になってほしいと思いました。・完成した映画を見て俳優の方々の演技がすばらしい。背景が美しい。母と娘の思い違いの場面が、観客に自然に伝わる構成になっている。音楽もよい。と、完成度の高さに喜びしかありません。戸田さんの鬼気迫る演技に鳥肌が立ちました。永野さんの表情での演技もすばらしかったです。大地さん、高畑さんはじめ、女優の方々おひとりずつの演技がすばらしく、またそれらが化学反応を起こすかのように、作品全体に深みや広がりを与えている。エンターテインメント作品のおもしろさと、芸術作品の感動が融合した作品になっていると思います。自分の中にこんな感情があったのかと気づくように、心の奥底にある感情が素手でえぐりだされるような作品を、どうか体感してみてください。見ないと、損、損。(C)2022映画「母性」製作委員会
2022年08月05日湊かなえ原作で、11月23日(水)より公開される映画『母性』。このたび、<母・戸田恵梨香>と<娘・永野芽郁>、ふたりの場面写真が公開。さらに、湊かなえからの激賞コメントも到着した。累計発行部数360万部を超え、2010年に映画興行収入38.5億円を記録した超ヒット作『告白』から12年。数々の傑作を生み出し日本中を震撼させてきたベストセラー小説家の湊かなえが「これが書けたら、作家を辞めてもいい。そう思いながら書いた小説」とまで語った渾身の作品で、累計発行部数100万部を突破した『母性』(新潮文庫刊)が映画化される。ある未解決事件の語り手となる母娘を演じるのは、戸田恵梨香と永野芽郁。人気実力トップクラスのふたりの女優が、繊細かつ大胆な演技で新境地を切り開く。いまや国民的女優としての地位を不動のものとした戸田恵梨香が、娘を愛せない母親・ルミ子役。映画・ドラマの主演作が続く若手女優の筆頭・永野芽郁が、母に愛されたい娘・清佳役。配役が発表された時は、TVやSNSで大きな話題を集めた。ドラマ『ハコヅメ~たたかう!交番女子~』で先輩・後輩役として息の合ったユーモラスな掛け合いを見せた戸田と永野が、本作では一転、”母性”に翻弄される母娘に挑戦するとあって、今回ふたりがどんな演技を見せるのか期待が高まっている。ドラマの時とはまた違った迫真の演技を披露する戸田&永野の熱演は勿論のこと、母と娘の不穏な関係性が、事件にまつわるふたりの視点の違いとともに描かれるのも映画の大きな見どころのひとつ。母の証言では「娘を強く抱きしめた」というシーンがある一方で、その同じ場面を娘は「母に首を絞められた」と証言をする。このたび公開されたのは、そんな180度真逆の証言に終始惑わされるであろうことを予想させる場面写真たち。”母性”を巡る〈ひとつの事件〉と、母と娘〈ふたりの食い違う証言〉によって浮かび上がる衝撃の物語の全貌とは?さらに、物語に登場するひと際キャラの濃い母娘たちを、大地真央、高畑淳子、中村ゆり、山下リオが熱演している。監督を務めるのは人間ドラマの名手、廣木隆一。完成した作品を鑑賞した原作者・湊かなえによると、「完成度の高さに喜びしかありません。戸田さんの鬼気迫る演技に鳥肌が立ちました。永野さんの表情での演技もすばらしかったです」「大地さん、高畑さんはじめ、女優の方々おひとりずつの演技がすばらしく、またそれらが化学反応を起こすかのように、作品全体に深みや広がりを与えている。エンタテインメント作品のおもしろさと、芸術作品の感動が融合した作品になっていると思います」と、その仕上がりはもちろん、豪華俳優陣が魅せる迫真の演技にも感激し絶賛している。そして公開に先駆け、本作のムビチケ前売券が、全国の劇場・オンラインにて8月11日(木・祝)より発売開始となる。ぜひムビチケを手に取り、この物語の行く末を目撃する瞬間へ備えていただきたい。原作者・湊かなえコメント全文・多くの企画者が映像化を熱望した「母性」。今回、映画化を許諾された決め手について娘(母親から愛される立場)であり続けたいまま子どもを産んだ母親と、その母親から愛されたい娘。そのふたりの物語であることをきちんと汲み取った内容の脚本だったので、ぜひお願いしたいと思いました。女性は子どもを産めば必ずしも母性が芽生えるわけではない、といったことなど、「母性」について年齢や性別を問わず多くの方が考えてくださる作品になってほしいと思いました。・完成した映画を観て俳優の方々の演技がすばらしい。背景が美しい。母と娘の思い違いの場面が、観客に自然に伝わる構成になっている。音楽もよい。と、完成度の高さに喜びしかありません。戸田さんの鬼気迫る演技に鳥肌が立ちました。永野さんの表情での演技もすばらしかったです。大地さん、高畑さんはじめ、女優の方々おひとりずつの演技がすばらしく、またそれらが化学反応を起こすかのように、作品全体に深みや広がりを与えている。エンターテインメント作品のおもしろさと、芸術作品の感動が融合した作品になっていると思います。自分の中にこんな感情があったのかと気づくように、心の奥底にある感情が素手でえぐりだされるような作品を、どうか体感してみてください。見ないと、損、損。『母性』11月23日(水)より公開
2022年08月05日戸田恵梨香と永野芽郁が母娘を演じ、ベストセラー小説家・湊かなえの同名小説の映画化『母性』。この度、娘を愛せない母を演じた戸田さんと母に愛されたい娘を演じた永野さんの場面写真が解禁、さらに、原作者・湊さんから激賞コメントも到着した。ドラマ「ハコヅメ~たたかう!交番女子~」で先輩・後輩役として息の合ったユーモラスな掛け合いを見せた戸田さんと永野さんが、本作では一転、“母性”に翻弄される母娘に挑戦。ドラマとはまた違った迫真の演技を披露する2人の熱演はもちろんのこと、母と娘の不穏な関係性が、事件にまつわる2人の視点の違いととも描かれるのも映画の大きな見どころのひとつ。母の証言では「娘を強く抱きしめた」というシーンがある一方で、その同じ場面を娘は「母に首を絞められた」と証言をする。このたび解禁となったのは、そんな180度真逆の証言に終始惑わされるであろうことを予想させる場面写真。“母性”を巡る〈1つの事件〉と、母と娘〈2人の食い違う証言〉によって浮かび上がる物語の全貌が気になるものとなっている。すでに完成した作品を鑑賞した湊さんは、「完成度の高さに喜びしかありません。戸田さんの鬼気迫る演技に鳥肌が立ちました。永野さんの表情での演技もすばらしかったです。大地(真央)さん、高畑(淳子)さんはじめ、女優の方々おひとりずつの演技がすばらしく、またそれらが化学反応を起こすかのように、作品全体に深みや広がりを与えている。エンターテインメント作品のおもしろさと、芸術作品の感動が融合した作品になっていると思います」と、その仕上がりはもちろん、豪華俳優陣が魅せる迫真の演技にも感激した様子だ。湊かなえ(原作者)コメント全文・多くの企画者が映像化を熱望した「母性」。今回、映画化を許諾された決め手について娘(母親から愛される立場)であり続けたいまま子どもを産んだ母親と、その母親から愛されたい娘。その二人の物語であることをきちんと汲み取った内容の脚本だったので、ぜひお願いしたいと思いました。女性は子どもを産めば必ずしも母性が芽生えるわけではない、といったことなど、「母性」について年齢や性別を問わず多くの方が考えてくださる作品になってほしいと思いました。・完成した映画を見て俳優の方々の演技がすばらしい。背景が美しい。母と娘の思い違いの場面が、観客に自然に伝わる構成になっている。音楽もよい。と、完成度の高さに喜びしかありません。戸田さんの鬼気迫る演技に鳥肌が立ちました。永野さんの表情での演技もすばらしかったです。大地さん、高畑さんはじめ、女優の方々おひとりずつの演技がすばらしく、またそれらが化学反応を起こすかのように、作品全体に深みや広がりを与えている。エンターテインメント作品のおもしろさと、芸術作品の感動が融合した作品になっていると思います。自分の中にこんな感情があったのかと気づくように、心の奥底にある感情が素手でえぐりだされるような作品を、どうか体感してみてください。見ないと、損、損。『母性』は11月23日(水・祝)より全国にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:母性 2022年11月23日より全国にて公開©2022映画「母性」製作委員会
2022年08月05日女優の戸田恵梨香と永野芽郁が、映画『母性』(11月23日公開)の主演を務めることが6日、明らかになった。同作は湊かなえによる同名小説の実写化作。女子高生が自ら命を絶った事件をきっかけに回想される、愛せない母と愛されたい娘の物語で、同じ時・同じ出来事を回想しているはずなのに、2人の話は次第に食い違う。母と娘がそれぞれ語るおそるべき「秘密」が明らかになっていく。母性を持てず、娘を愛せない母親:ルミ子を戸田恵梨香、母性を求め母に愛されたい娘:清佳を永野芽郁が演じる。ドラマ『ハコヅメ~たたかう! 交番女子~』で先輩・後輩役として共演し息の合った掛け合いが話題となったが、本作では初の母娘役に挑戦するさらに、ルミ子の実母である“お上品なママ”役には大地真央、“口が悪すぎる義母”役には高畑淳子が決定し、狂気の母親を怪演。ルミ子の夫"無関心父"役に三浦誠己、ルミ子の親友"わけ知り顔女"役に中村ゆり、ルミ子の義妹"依存しすぎ娘"役に山下リオほか、濃いキャラクターを実力派俳優陣が演じる。合わせて解禁となった特報映像は、戸田恵梨香演じるルミ子の「愛能う限り、娘を大切に育ててきました。」という告白めいたセリフとともに、地面に横たわる女子高生の姿とネット上の高2女子死亡記事が映し出される不穏な雰囲気で幕を開ける。そして1つの事件が母(戸田恵梨香)と娘(永野芽郁)それぞれ2人の証言で語られていく。「何をすれば、母は愛してくれるのだろうか。」とつぶやく娘の清佳、交差する母と娘の視線。母と祖母(大地真央)に挟まれて歩いていたはずが、いつの間にか母が中心にいる映像に切り替わるように、語られる視点によって180度見えかたが逆転していく。燃え盛る家から娘を背負いながら逃げる母の姿と泣き崩れる娘、最後には首にロープがかかった状態で横たわる娘に手を差し伸べ「愛してる」と囁きながら、怒りとも嘆きともとれる狂気の表情を浮かべる母の姿が映し出された。合わせて解禁となったポスタービジュアルは、座ってこちらを見ている清佳の後ろで、清佳の首に手を添えながら、悲しみとも怒りともとれる表情を浮かべるルミ子の姿が印象的なビジュアルとなっている。○戸田恵梨香(役名:ルミ子) コメント・オファーを受けた理由について私自身の年齢や経験を考えると娘の清佳に近く、ルミ子を演じるには演技力含め全ての要素が足りないと感じました。素直にその気持ちを伝えたところ、作品の構成から役についての事や目的、目標、そして何故私なのかをとても丁寧に説明して頂きました。その熱い想いを一緒に背負いたいと思い、お引き受けしました。・役柄への思い、役作りについてルミ子は母への想いが強く、母の世界の中で生きている女性です。脚本のト書きに「母と似た格好をしたルミ子」と書かれていたので、クランクインする前に母役の大地さんの声や喋り方、佇まいを目に焼きつける事が唯一ルミ子に近づける方法でした。ルミ子自身が自分に気づいていないところもあり、試行錯誤を続けましたが本当に難しい役でした。芝居には正解がないと言われていますが、未だに探している自分がいます。もうクランクアップしたのに。笑・永野芽郁さんとの共演の感想透き通る肌や目、心には「支えてあげたい」「守ってあげたい」と思わせる力があり、私個人の母性が邪魔をしてとても苦労しました。笑 とは言ったものの真っ直ぐな目からは清佳を彷彿させる強さと説得力があり、すんなり溶け込む姿を見て、益々私を勇気づけてくれました。本当に頼れるペアです。○永野芽郁(役名:清佳) コメント・オファーを受けた理由戸田恵梨香さんと共演できること。湊かなえさんの作品に出演できること。それが私の中の決め手でした。・役柄への思い、役作りについて脚本を読んで「難しいな、どうしようかな」と思いました。清佳とルミ子は親子なのに、私の知っている親子像とは違って戸惑いましたが、清佳の内側にある強さや、母に対しての思いを自分なりに考えながら撮影に挑みました。完成作を観た今でも、清佳の解釈は合っていたのだろうかと不安に思うところはありますが…母と、自分と、向き合い続けた撮影期間でした。・戸田恵梨香さんとの共演の感想今作で初めて共演させていただけることになり、とても嬉しかったです。ルミ子を演じている時の雰囲気は普段のお人柄とは全く違って、間近で見ていて圧倒されました。私が疑問に思うことまでも一緒に解消してくれる心強すぎる方でした。戸田さんの役と向き合う姿を見て、私自身とても影響を受けました。またお芝居をしている戸田さんを間近で見たいです!(C)2022映画「母性」製作委員会
2022年06月06日湊かなえのミステリー小説『母性』が戸田恵梨香・永野芽郁出演で実写映画化。2022年11月23日(水・祝)に公開される。湊かなえの小説『母性』を実写映画化原作は、2012年に発表された湊かなえの小説『母性』。ある女子高校生の遺体が見つかったことに端を発した「母と娘」を巡るミステリー小説だ。第6回本屋大賞受賞を経て300万部を超えるヒットを飛ばし、映画化もされた『告白』をはじめ、『贖罪』『望郷』『豆の上で眠る』『ユートピア』『落日』といった名作を世に送り出してきた湊かなえ。『母性』はそんなベストセラー作家をして「これが書けたら、作家を辞めてもいい。そう思いながら書いた小説です」と言わしめるほど、心血を注いた物語だという。母娘「2人の証言」で語られる「1つの事件」そんな『母性』が映画化。母と娘、「2人の証言」で語られる「1つの事件」を軸に、母娘の関係性、そして秘密を浮き彫りにしていく。母と娘の不穏な関係性が、事件を巡る2人の視点の違いととも描かれるのが大きな見どころのひとつ。母の証言では「娘を強く抱きしめた」という一方で、娘は「母に首を絞められた」と証言をするなど、2人の真逆の証言に、観客は終始惑わされることとなる。戸田恵梨香&永野芽郁が母娘役に物語の主役となる母娘は、戸田恵梨香、永野芽郁が演じる。戸田と永野といえばドラマ「ハコヅメ~たたかう!交番女子~」で先輩・後輩役として共演し息の合った掛け合いを見せたが、『母性』では初の母娘役に挑戦する。■母・ルミ子…戸田恵梨香母性を持てず、娘を愛せない母親。演じるのは、ドラマ『スカーレット』や、『ライアーゲーム』『SPEC』『コード・ブルー』など人気シリーズに出演する戸田恵梨香。娘を愛せない母親の複雑かつ危うい姿を熱演する。『母性』のオファーを受けた理由について、「私自身の年齢や経験を考えると娘の清佳に近く、ルミ子を演じるには演技力含め全ての要素が足りないと感じました。素直にその気持ちを伝えたところ、作品の構成から役についての事や目的、目標、そして何故私なのかをとても丁寧に説明して頂きました。その熱い想いを一緒に背負いたいと思い、お引き受けしました」と語っている。■娘・清佳…永野芽郁母性を求め、母に愛されたい娘。ドラマ『3年A組-今から皆さんは、人質です-』『半分、青い』に出演し、映画『そしてバトンは渡された』では、日本アカデミー賞優秀主演女優賞を受賞した永野芽郁が、清佳の揺れ動く感情を繊細かつミステリアスに演じている。『母性』への出演にあたり、「戸田恵梨香さんと共演できること。湊かなえさんの作品に出演できること。それが私の中の決め手でした」とコメントしている。■ルミ子の実母…大地真央ルミ子の母親で、“お上品なママ”。■ルミ子の夫の母…高畑淳子口が悪すぎるルミ子の義母。■ルミ子の夫“無関心父″…三浦誠己■ルミ子の親友“わけ知り顔女”…中村ゆり■ルミ子の義妹“依存しすぎ娘″…山下リオ主題歌はJUJUの新曲 「花」主題歌は、JUJUの新曲 「花」。穏やかなバラード調のメロディと、登場人物たちの心情を反映した力強い歌詞、そしてJUJUの強さと優しさのある 歌声が、“母性”を巡る物語を支え、彩る。監督は廣木隆一『告白』をはじめ、吉永小百合主演の『北のカナリアたち』、井上真央が第38回日本アカデミー賞主演女優賞を受賞した『白ゆき姫殺人事件』、『少女』、ドラマ「花の鎖」「夜行観覧車」「Nのために」「リバース」「贖罪」など多くの作品が映像化されてきた湊かなえ作品。最新作となる『母性』の実写映画化の監督は、廣木隆一に託された。廣木隆一は、1982年に映画監督デビュー。1994年にサンダンス・インスティテュートの奨学金を獲得して渡米すると、帰国後発表した『800 TWO LAP RUNNERS』で文化庁優秀映画賞ほかを受賞。以降、国内外40以上の映画祭で数々の賞を受賞した『ヴァイブレーター』をはじめ、『余命1ヶ月の花嫁』『軽蔑』『さよなら歌舞伎町』『ナミヤ雑貨店の奇跡』『ノイズ』などを手掛けてきた。<映画『母性』あらすじ>女子高生が自ら命を絶った。その真相は不明。事件は、なぜ起きたのか? 普通に見えた日常に、静かに刻み込まれた傷跡。愛せない母と、愛されたい娘。同じ時・同じ出来事を回想しているはずなのに、ふたりの話は次第に食い違っていく…。 母と娘がそれぞれ語るおそるべき「秘密」—2つの告白で事件は180度逆転し、やがて衝撃の結末へ。 母性に狂わされたのは母か?娘か?・・・この物語は、すべてを目撃する観客=「あなたの証言」で完成する。【詳細】映画『母性』公開日:2022年11月23日(水・祝)原作:湊かなえ『母性』(新潮文庫刊)出演:戸田恵梨香、永野芽郁、三浦誠己、中村ゆり、山下リオ、高畑淳子、大地真央監督:廣木隆一脚本:堀泉杏音楽:コトリンゴエグゼクティブプロデューサー:関口大輔製作:映画「母性」製作委員会配給:ワーナー・ブラザース映画
2021年11月12日数々の傑作を生み出し日本中を震撼させてきたベストセラー小説家・湊かなえによる、累計発行部数90万部を超えるミステリー小説「母性」の実写映画化が決定。コメントも到着した。2007年に「聖職者」で第29回小説推理新人賞を受賞し小説家デビューを果たした湊さん。その後も、社会現象化した「告白」や、「夜行観覧車」、「花の鎖」、「リバース」など数々の作品を世に送り出し、映像化もされてきた。そして、今回映画化が決定した、2012年に発表された「母性」は、ある女子高校生の遺体が見つかったことに端を発した、母と娘を巡るミステリー。「これが書けたら、作家を辞めてもいい。そう思いながら書いた小説です」と言わしめるほどに心血を注いで上梓した物語だ。「永遠に愛され、庇護される立場(娘)でありたい母親と、その母親から愛されたい娘の物語です。毒親でもなく、虐待でもなく、だけど大切なものが欠けた関係。それを、自分が母親と娘の両方の気持ちを持っているあいだに書きたいと、このテーマに挑みました」と執筆時をふり返った湊さん。映画化の話を聞いたときは「限られた時間でどの部分を切り取るのだろうかと、少し不安が生じました」と話すものの、「脚本を読んで、切り取るのではなく、物語の大切なところをすくい上げ、映画として膨らませていることがわかり、安心しました。一つ一つの場面が、役者の方々の演技や表情で、受け止め方が大きく変わってくる繊細な構成において、どのような感情を湧き起こさせてもらえるのか。原作者としてではなく、一観客として楽しみにできるのは、監督やスタッフ、役者の方々を信頼しているからで、そのような映像化になったことを、心から嬉しく思います」とコメントした。本作の監督は、『余命1ヶ月の花嫁』『ナミヤ雑貨店の奇蹟』を手掛け、また『ノイズ』が公開を控える廣木隆一。「湊さんが書かれた小説は前から気になっていたので、今回映画化することが出来て嬉しく思いますと同時にプレッシャーでもありました」と心境を明かしつつ、「湊さんが書かれた親と子供の関係性は普遍的である一方、様々な姿を三人の中に見せてくれました。どうぞ、女性の方ばかりではなく男性の方にも観ていただきたい映画になっているのでぜひスクリーンでお確かめ下さい」と呼びかけている。なお、今回発表されたのは、原作と監督の情報のみ。“母と娘”をはじめ、キャストはまだ明らかにされていない。『母性』は2022年秋、全国にて公開予定。(cinemacafe.net)
2021年11月09日KAAT神奈川芸術劇場において、2021年度メインシーズンの幕明けを飾る『湊横濱荒狗挽歌(みなとよこはまあらぶるいぬのさけび)~新粧、三人吉三。(しんそう、さんにんきちさ)』。歴史や史実を題材にした作品に定評のある野木萌葱が脚本を手がけ、歌舞伎の白波物(=盗賊を主人公とした世話物の一種)で知られる『三人吉三』をモチーフにしたハードボイルドな現代劇が繰り広げられる。その野木とタッグを組む演出家は、自身の所属する劇団・温泉ドラゴンなどで骨太な世界観の作品づくりが話題を集めるシライケイタ。彼が、令和の港町・横浜に暮らす和尚吉三(玉城裕規)・お嬢吉三(岡本玲)・お坊吉三(森優作)の3人をどのように“調理”するかも見どころのひとつだ。今回はシライと、本作で和尚吉三の立ち位置に扮する柄沢純役の玉城に、台本を受け取る前の心境を尋ねた。意味なんて一切ない、アウトローの「美学」を炸裂させる──シライさんはこの企画をどのように受け止め、取り組もうと考えていらっしゃいますか?シライ今年から新しくKAATの芸術監督になった長塚圭史さんに「新しい仲間を探しているんだ」とお誘いいただき、光栄でしたね。前任の白井晃さんが手がけてきた作品イメージとは一線を画す演目になる予感がしていますし、KAATの新基軸をお見せするためにも精一杯やらせてもらえたら。──悪事を重ねながら生きるアウトローの姿を描いた歌舞伎『三人吉三』を題材にした作品がお手元にやって来ました。シライ「よくぞ僕のところへ『三人吉三』を持ってきてくれました!」なんてね(笑)。僕のいる温泉ドラゴンは、ただの不良が「なんかおもしろいことやろうよ」とやんちゃしたくて集まった劇団で、これまで悪い奴らを描いたお芝居ばかり上演してきました。そういえば、去年玉城くんが出てくれた『BIRTH』も僕が10年前に書いた作品で、親に捨てられた孤児たちがオレオレ詐欺に手を染めるって……やっぱり悪い話だったもんね?玉城そうでしたね(笑)。だから『BIRTH』をご覧になったシライさんから今回お声がけいただいて、本当に嬉しかったです。シライアウトローの世界ってすごくカッコいいじゃないですか! だから玉城くんをはじめ、キャストの方々にはめちゃくちゃになって、存分に暴れ回ってもらえたら。玉城ビジュアルやトレーラー映像の撮影段階から、シライさん「めちゃくちゃにしてやる」とおっしゃっていましたもんね。カオスにして無秩序、そこに意味なんて一切ないアウトローならではの「美学」が炸裂しているというか。僕はお酒を飲んで、自分という人間を一度「腐らせて」みようかなって。台本を拝読したら「お酒に頼った役づくり間違ってたわ」って軌道修正するかもしれませんけど(笑)猛獣だらけのキャスト陣──シライさんは『BIRTH』をご覧になって、玉城さんのお芝居にどんな印象を抱かれたのでしょうか?シライ僕が10年前に演じたユウジって役を、玉城くんがWキャストで演じていたんですね。それもあって興味深く拝見していたんですが……「変な俳優だなぁ」って。玉城あはは(爆笑)! 経験を重ねた先輩の役者さん、ベテランの演出家さんから特にそう言われます。シライもちろんいい意味で、ですよ?「おもしろい役者だなぁ」って。「どういう演技してんだ?」と不思議で目が離せなかった。玉城くんはストレートの球を投げているつもりでも、観客からすると変化球が飛んでくるような感覚を受けるといいますか。そこから興味を持って、今回の和尚吉三をオファーしました。玉城嬉しい! でも『BIRTH』で変化球を投げたつもりはなかったですね(笑)。劇場が大きかったので、エンタメ要素を出すためにも「多少オーバーな演技でいこう」という全体の方向性は意識したかもしれませんが。ちなみに、同世代の俳優からは「変な声だね」って言われます。シライたしかに、独特な声してるよね!玉城僕は褒め言葉と受け取るようにしているんですけど、違う意味の可能性もありますよね(苦笑)シライでもさ、「変」って演劇に必要な個性ですよ? 今の若い俳優さんたちは、みんな「変なことしちゃいけない」「はみだしちゃダメ」って考えがち。だから演出の立場としては「もっとやっていいんだよ」って稽古場で声をかけることが多くて。「やりすぎだから控えて」って言う方が楽だし、むしろそういう風にものづくりしたいだけど、若い人ほど萎縮してしまう。だから玉城くんの持つ「変」な個性は、とっても大切な武器だと思う。玉城ありがとうございます。そう考えると、今回のキャストは皆さん「変」な可能性ありますよね?シライ今回はヤバいよ! そういう人ばかり集めたんだから!玉城完成したトレーラー映像を観て思いましたもん。「あ、みんなヤバそう」って(爆笑)シライ猛獣だらけですよ。特に後半で現れる小劇場やアングラ出身のおじさんたちね(笑)玉城僕が普通に見えるかもしれませんね(笑)──役を掴むヒントがまだ少ない中で、玉城さんは柄沢純としてビジュアルやトレーラー映像の撮影に臨まれました。どんな感触を得ましたか?玉城撮影のスタイルからたくさんのヒントをいただきました。作品の詳しい内容がわからない状態で取り組みましたけど、現場の楽しい空気に飛び込んだら自然と世界観ができあがって。──屋外のシーンでは、お嬢吉三の岡本玲さん・お坊吉三の森優作さんと3人で楽しく遊んでいるようにお見受けしました。玉城カメラマンの方がいろいろアイディアを出してくださって、ルールを知らないのに影踏みとハンカチ落としをしました(笑)。混沌としていて、秩序や縛りがない感じといいますか……それこそ、アウトローならではの「美学」が画面に表れているんじゃないかな、と思います。化け物級キャストの魅力が最大限発揮される作品に──モチーフになっている歌舞伎版『三人吉三』について、どんな物語だと捉えていらっしゃいますか?シライ社会の底辺に近いところで暮らしている人たちが必死に生きようともがく物語ですよね。そして他者を求める物語でもある。すごく強いエネルギーのある作品だと思います。そんな彼らが、人生をまっとうしたいとたくましく生き抜く姿、さらに人を想う姿を見届けてもらえたらいいですね。玉城僕はまだ歌舞伎を拝見しておらず、いろんな文献を拝読している段階ですが……濃厚な人間ドラマを感じ取っています。『三人吉三』が生まれた当時は現代より物騒な世の中で、人の生死やエネルギーを目の当たりにする機会がもっと多かったんじゃないかと思うんです。そんな時代に描かれた人間ドラマを現代版に置き換えるわけですから、演じる僕たちも熱量を上げていかないと成立しないのかなって。もう全身ボロボロになるくらいの覚悟で挑みたいですね。──スタッフのクレジットにアクションコーチのお名前が入っていますね。そういったシーンも見どころになってくるのでしょうか?シライまさに。殺陣師の渥美博さんは、僕が20代の頃からお世話になっている兄貴分のような方で。渥美さんにお願いすると、単なる立ち回りやアクションシーンが「ドラマ」に変化するんですよね。玉城わかります! 僕も一度、渥美さんにご指導いただいたことがあるんですが、役人物のキャラクターをしっかり考えて動きをつけてくださるんですよね。もうお任せしておけば間違いないので、渥美さんについていくだけです。シライそうなんだよね、僕も渥美さん大好きで! 『三人吉三』なら必ず立ち回りが登場するだろうから、見切り発車でお願いしちゃった(笑)。作家の野木(萌葱)さんにも「殺陣のシーンを入れたい」と直談判したほどです。それくらい、もう世界を壊してめちゃくちゃにしたい!──戯曲と演出を別の方が手がける本領が発揮される作品になりそうですね。3月に行われたKAATラインアップ発表会で、芸術監督の長塚さんも「劇作家と演出家をあえて分ける取り組みをしたい」とおっしゃっていました。シライそうですね。戯曲と演出を別の人間が手がけることで、作品に対して「客観的に」向き合える気がしています。僕は特に、俳優がもともと持っている魅力や存在感を最大限まで引き出したい。つまり僕が作品世界をつくるんじゃなくて、キャストが前面に出るんです。その点を含めて「めちゃくちゃ」やってみたいです。──「めちゃくちゃ」というキーワードがお話を通じて印象に残りました。役者さんたちを立たせたい?シライもちろん!それしか念頭にないですね。演出家として何が見たいか問われたら、真っ先に「俳優が躍動する姿」と答えます。僕と仕事をした役者が「シライとやる時がいちばん生き生きしていておもしろいね」と言われるのが、演出家にとって最大の褒め言葉ですから。だから今回もきっと、そういう舞台になると思います。玉城くんをはじめ、化け物揃いのキャストがその魅力を存分に発揮できるような稽古場にしたいですね。取材・文:岡山朋代撮影:源賀津己KAAT神奈川芸術劇場プロデュース『湊横濱荒狗挽歌~新粧、三人吉三。』2021年8月27日(金)〜2021年9月12日(月)会場:KAAT神奈川芸術劇場大スタジオチケット情報
2021年08月12日長いタイトルが目を引くが、長さ以上に注目すべきはタイトルそのままのヒロインの行動である。WOWOWオンデマンドにて2月26日より配信が開始となるドラマ『出会い系サイトで70人と実際に会ってその人に合いそうな本をすすめまくった1年のこと』。現役の書店員である花田菜々子氏の実録小説を原作に、離婚寸前のヒロインが、出会い系サイトで出会った人々に本をお薦めしつつ、自らの進むべき道を探し求めていくという大人の自分探しドラマである。ヒロインの菜々子を演じるのは瀧本美織。今年30歳を迎える瀧本自身、菜々子の言葉や行動に共感し、心を突き動かされたという。――オファーが来て、物語についてどのような印象を持たれましたか?瀧本まず原作を読ませていただいて、こんな世界が実際にあるのかとびっくりしました。全部、花田さんが体験されてきたことだということで、勇気のある方なんだなと尊敬しましたし、私自身の人生にとっても発見、共感する部分がたくさんありました。花田さんの書かれるポップでカジュアルな文章がすごく好きになりましたね。WOWOWオリジナルドラマ『出会い系サイトで70人と実際に会ってその人に合いそうな本をすすめまくった1年のこと』――菜々子というヒロインの魅力は? 演じるにあたって彼女のどういう部分を伝えたいと?瀧本花田さんは、人生の中でもいろんなことの真っ只中にいて、絶賛自分探し中で人生に迷っているんですよね。「この人はこういう人だ」と他人のことを断定できないように、菜々子さん自身もまだまだ未完成な状態であり、でもそれが素晴らしいんだと。未完成なままでいいんだということを演じながら思っていて、今向き合っているこの人に集中することを大事にしました。WOWOWオリジナルドラマ『出会い系サイトで70人と実際に会ってその人に合いそうな本をすすめまくった1年のこと』――菜々子は、出会い系サイトで出会った人の目の前で、妄想を炸裂させたり、コミカルなセリフのやり取りや独り言も面白いですね。瀧本やっぱり言葉の力ってすごいなと思ったし、人と真正面から向き合うことがこんなにも素敵なことなんだとあらためて実感しました。人生に迷って、自分のやりたいことがなかなか思うようにできないという思いを抱えているところから物語が始まるんですけど、人と向き合うことによって自分自身とも向き合っていって、最終的には自分の幸せは自分で決めると思えるようになる、そこがすごくいいなと思いました。花田さんが書かれた言葉に私自身、話しながらハッと気づかされることもあったので、みなさんも自分の人生と重ね合わせて観てほしいです。「自分の幸せは自分で決めろ」と自分に言い聞かせるセリフがあって、それは本当に「あぁ、そうだな、そうあるべきだよなぁ」と思えたセリフですごく好きです。――菜々子が出会いを通じて変化していくように、瀧本さんも出会いによって気づきを得たり、成長したと思える経験はありますか?瀧本朝ドラ(NHK連続テレビ小説『てっぱん』)に出たとき、父親役が遠藤憲一さんだったんですが、遠藤さんや(祖母役の)富司純子さんから「美織はそのままでいきなよ。変わらないでいいから」ということを言っていただいたんですね。当時はよく分からないまま受け止めていたかもしれないんですけど、今になってその言葉をかみしめているというか。自分らしさとか、自分が何を良いと思うか? 何が好きか? 何に幸せを感じるか?とか……、今まで、自分主体で考えることを無視しがちだったんですけど、いただいたその言葉の深さに今気づいているというか、あらためて実感していますね。今まで、自分が何を好きかということを認識してなかったかもしれないですね。認識しようとしてなかったのか……。自分よりも他人のことを考える時間が多かったり、自分もそういう性格で他人に合わせることが苦じゃないんですよ。でも、これからは自分主体でもっと考えていきたいし、自分というものを確立しているからこそ他人のことが見えてくるのかなと思うので、自分をもっと強くしたいなと思っています。もし他人にお薦めするなら何を進めたい?――菜々子は、“本が好き”という確たるものを持ちつつも、それでも進むべき道に悩みますね。瀧本さんも、10代の頃からこの仕事をされていて、はたから見たら迷いなく、きちんと好きなことを仕事にしているように思えますが……。瀧本でも私の場合も、(芸能界に)自分から望んで入ったというわけではなく、他人に薦められてオーディションを受けたのが最初のきっかけなんです。ただ、歌うことは好きでしたし、表現することは好きだったのかな……?今でも覚えているのは、小さい頃、トイレにマンガ雑誌を持ち込んで、ひとりで全部の役を声を出して演じていたんです(笑)。自分の気づいていない部分で、演じるのは好きだったのかもしれないですね。――そんな瀧本さんでも、菜々子と同じように自分の進むべき道に迷ったり、葛藤を覚えることは……。瀧本もちろんありましたよ。やっぱり、自分よりも他人を中心に考えるクセが小さい頃からあって、自分がどうしたいってことじゃなく、他人に薦められたものに乗っかって、他人を中心に過ごしてきた部分があるんですよね。自分を無視して……とまではいかなくとも、他人の期待に応えるってことの方が今まで大きくて、“自分”というものが分からなかったりして、それは今回の菜々子さんに通じるものがあると思います。――今は楽しいですか?瀧本楽しんでますね。女優の仕事が好きだと思います。このお仕事は、自分でも意図していない、知らない自分を役を通して知ることができたり、自分を見つけていくことなのかなと思いますね。――この秋で30歳を迎えますが、この先のビジョン、理想像は?瀧本自分というものをぶれずに持ちつつ、それでいて柔軟に日々を楽しんでいる人に憧れます。そうなりたいですね。――多くの俳優さん、女優さんが「30代は楽しい」とおっしゃいますね。瀧本そういう話、聞きますね。楽しみです(笑)!もっと柔軟にいろんなこと楽しめるのかなと。やっぱり難しく考えすぎていたところが今まであったと思うし、でも20代ってそういうものなのかなと。それがあったからこそ、先が楽しみですね。――実際に出会い系サイトに登録して……というのはなかなかハードルが高いかもしれませんが、瀧本さん自身、菜々子を演じて、そういうことをやってみたいという願望は芽生えましたか?もし他人にお薦めするなら何を薦めたいですか?瀧本この作品に出会って、より一層、他人ともっと関わってみたいなと、その面白さに目覚めている感じはありますし、やってみたいって思いましたね。こんなに面白い、人生にこんなに影響を与えてくれる人に出会えるなんて……やってみたいです(笑)!自分が好きなことについて、他人と一緒に共感するのがすごく好きなので、薦めるとしたら……私はB’zさんがすごく好きなんです。父が聴いていたので、小さい頃からすごく聴いていて、体になじんでいるんですけど、B’zさんの曲を一緒に聴いてもらいたいですね。――出会った人に合わせて、「あなたにはこの曲を」とお薦めしたり?瀧本それいいですね。「あなたに合うのはこの曲!」みたいな(笑)。それやりたいです!――作品を通じて、いろんな本や漫画が紹介されますが、瀧本さんはこれまでの人生で忘れられない1冊や思い出に残っている大切な本はありますか?普段はどんなジャンルや作家さんの本を読まれますか?瀧本小さい頃に両親が、主人公の名前を私の名前にして作ってくれた絵本がありまして、それはすごく大切にしています。普段は、湊かなえさんのゾクゾクするようなミステリーも好きですし、原田マハさんや小川糸さんの優しい世界観も好きです。男性の作家も読みますよ。伊坂幸太郎さんの作品もすごく好きです。――音楽、本ときましたが、映画や映像作品で大好きな作品は?瀧本難しいなぁ……(苦笑)、何だろう?すごくカジュアルに好きな作品なんですけど、『ハムナプトラ』シリーズは大好きです。エジプトに行って……という世界観も好きですし、アクションあり、アドベンチャーありで主演のブレンダン・フレイザーもすごく好きです。主人公のああいう家族の姿って理想ですね。「家族で強い!」という感じが(笑)。取材・文:黒豆直樹ヘアメイク:SHIGE、スタイリスト:石川美久、衣装:ワンピース/furutaWOWOWオリジナルドラマ『出会い系サイトで70人と実際に会ってその人に合いそうな本をすすめまくった1年のこと』2月26日(金)23:30WOWOWオンデマンドにて第1話~第4話配信3月26日(金)23:30WOWOWオンデマンドにて第5話~第10話配信3月26日(金)23:30WOWOWプライムにて放送毎週金曜23:30放送(全10話)【第1話無料放送】番組特設サイト:
2021年02月25日松村北斗(SixTONES)と森七菜が初共演、W主演で贈る『ライアー×ライアー』から、小関裕太が演じる湊の初恋の人・鳥丸の魅力溢れる姿を収めた場面写真が到着した。今回到着したのは、いつも笑顔で優しくて、気遣い抜群、爽やか好青年・鳥丸の魅力が詰まった場面写真。森さん演じる高槻湊は、城好きのため大学で「歴史文化研究会」サークルに入部。他校との交流会に参加した際に、小関さん演じる幼なじみ・烏丸と再会する。2人はすぐに意気投合し、サークル交流を通して会う中で、やがて烏丸は湊に告白。湊はありのままの自分を見てくれる鳥丸の気持ちに惹かれていく。しかしその一方、義理の弟である松村北斗(SixTONES)演じる高槻透は、偶然遭遇した湊扮する“JK・みな”の正体に気づかず、一途に猛アプローチ!湊は本当の正体を明かせないまま付き合うことになってしまい“2人なのに三角関係”どころではなく、爽やかな笑顔を見せていた烏丸が加わり、まさかの“四角関係”に!?大波乱を巻き起こす火付け役となる烏丸からは目が離せない。鳥丸を演じた小関さんについて、耶雲哉治監督は衣装合わせの時をふり返り、「彼は烏丸というキャラクターは普段こういう服を着ているんじゃないか、髪形はこんな感じなんじゃないか…と自分なりの烏丸像を考えて資料まで作ってみせたほどの意気込みだった」とその熱意に驚いたと明かしている。そんな熱心な役づくりにより、原作で描かれている魅力をそのまま体現しており、まさにハマり役となっている。『ライアー×ライアー』は2月19日(金)より全国にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:ライアー×ライアー 2021年2月19日より全国にて公開(C) 2021『ライアー×ライアー』製作委員会(C)金田一蓮十郎/講談社
2021年01月29日「この世界的な危機において、不安や不調やストレスを抱えながらふと、もしかしてこれは地球が人類に与えたお仕置きではないかと思うことがあります。そんなとき、’09年に肺がんで亡くなった動物行動学者の日高敏隆さんの本を手に取り、一語一語に接していると、日高さんの声と表情がよみがえり、無知なわが身を嘆かわしく思いつつも、いつしか心が落ち着いてくるのです」(作家・阿川佐和子さん)新型コロナウイルス感染拡大により、外出を控えたり、あふれる情報に戸惑ったりーー。そんな心のざわつきは、1冊の本との出合いによって和らぐことがある。私たちと同じ時代を歩いてきた女性作家が「今こそ読んでほしい」とすすめる本。■角田光代さん(53)/『彼女たちの場合は』江國香織(集英社)1,980円「17歳の逸佳と14歳の礼那が、親に無断でニューヨークの自宅を出て、アメリカを旅する物語。私にはできそうもない旅を、読むことで体験できます。彼女たちと旅している間じゅう、本当に幸福でした」(角田さん)〈もっとアメリカをみなくっちゃ〉と、行き先も決めずに旅に出た日本人の少女2人の冒険。長距離バスや列車を乗り継ぐ旅先の美しい景色や食事、出会う人たち。心弾ませながら一気読みできる。■江國香織さん(56)/『まちの植物のせかい』鈴木純(雷鳥社)1,760円植物を見ているだけで幸せになれる“植物観察家”が〈道ばた〉〈空き地〉の植物約30種を紹介。「美しい写真を眺めているだけで、深呼吸したみたいに気持ちがいいです。文章もまっすぐで読みやすくおもしろく、これは名著だと思います。植物の生気が横溢(おういつ)していて、外出のままならない今読むと、人間の小ささを思い知らされ、それでもおもては初夏なのだ、と心強くなります」(江國さん)■甘糟りり子さん(56)/『ものすごくうるさくて、ありえないほど近い』著:ジョナサン・サフラン・フォア、訳:近藤隆文(NHK出版)2,530円題材はアメリカ同時多発テロ事件(9・11)。「父親を亡くしたことをどうしても受け入れられない少年が、父の残したヒントを解読していく物語。本を閉じたときに自分の中にすがすがしい勢いがうず巻いているはず。ほかにも、察する、我慢するという日本的な価値観のよい面を感じることのできる『あ・うん』(文春文庫)も、手に取ってほしい書です」(甘糟さん)■湊かなえさん(47)/新潮文庫『塩狩峠』三浦綾子(新潮社)825円「世界中を襲う災難のなか、自分のことばかりを心配していませんか?」(湊さん)明治42年、北海道旭川にある険しい塩狩峠で、連結が外れて暴走する最後尾客車。偶然乗り合わせていた鉄道職員の永野信夫が身を投げ出して、大勢の乗客を救うーー。キリスト教徒だった青年の愛と信仰に生きた人生を描き、生きることの意味、職業に責任をもつ意義を問う、三浦綾子の代表長編小説。※価格はすべて税込みです。「女性自身」2020年5月12・19日合併号 掲載
2020年05月03日「何をもって“毒”というのか。親は子どもを思うことは毒親ではないと思っていても、子どもは過剰な干渉だと捉えるかもしれない。自分の人生を振り返りつつ、子を持つ母としての感情を、役に投影しました」そう話すのは、湊かなえの短編集をもとに全6話で構成される連続ドラマで、表題作『湊かなえポイズンドーター・ホーリーマザー』(WOWOW・7月6日〔土〕22時~スタート)の主演を務める寺島しのぶ(46)。彼女が演じる佳香は、一人娘で女優の弓香(足立梨花)を自分の思うようにコントロールしようとする母親。娘がドラマで演じたキスシーンについて、“実際はしないと言ったのに、本当はキスしたでしょう”と詰め寄る場面もあるが……。「昔、母(富司純子)と衝突したときのことを思い出しましたね。“これ、デジャブ?どこかで聞いたセリフ!”って(笑)。29歳のとき、『赤目四十八瀧心中未遂』という映画に出ることに猛反対されたんですけど、それでも私は、女優としてのチャンスをつかみたくて反抗しました。だから今回、娘の弓香の気持ちもよくわかるって思って……」親の言うことを聞かない子。「毒娘だったのかな?」と自身を振り返るが、夫の指摘にハッとすることも。「主人がね、“君はなんだかんだと親に反発しているけれど、結局はお母さんの言うとおりにしてるじゃないか”って言うんです。でも、それって自分じゃ気づかないことでした。それに、親になってわかることもありますね。昔は、母は世間体を気にして常識しか言わないって思っていたけど、いざ自分が親になると、子どもには常識がわかる人になってほしいと思うようになりましたから。だから、“私、真面目なこと言っちゃってるなあ”って思いながらも、ちゃんと親が子どもに教えていこう、と」ドラマでは、母親ゆえの感情があふれ出たシーンもあったという。「娘を傷つけようとする人間と対峙する場面。演じていて自分じゃないような瞬間があって驚きました。親の子どもへの愛情は無限ですね」そんな寺島が全身全霊で愛を注ぐ息子の眞秀くんは今年小学校に入学。急激な変化に驚いている。「口数が多くなって、ビックリするくらい言葉遣いが悪くなったんです。親に対して“○○しろよ~”とか言うんです。これからどんどんエスカレートしてくると思うと不安です」しかし、最近の歌舞伎の舞台では、目を見張る成長を感じたそう。「4月の歌舞伎座公演『源平布引滝実盛物語』は、毎日楽しそうに通っている姿が印象的でした。みなさんにとてもかわいがっていただいたようです。それに何よりも千穐楽のお芝居がとてもよかったんです。千穐楽がいちばんいいのは、私自身の課題でもあって。母も“千穐楽がいちばんよかった”と言ってくれました。学校も新しくなって大変だったはずですが、息子よ、がんばった!」いま、眞秀くんのハグが、何よりもうれしいという。「だんだんしてくれなくなると思うので、いまのうちに1回、1回をかみしめたい」としみじみ。では、眞秀くんにどんなふうに育ってほしい?「困っている人、弱っている人に手を差しのべられる子になってほしい。そして、強きものには立ち向かっていく勇気ある人ですね」
2019年07月06日寺島しのぶ、足立梨花、清原果耶、中村ゆり、倉科カナ、伊藤歩という原作キャラクターの再現性を重視した実力派女優たちが集う、「連続ドラマW 湊かなえ ポイズンドーター・ホーリーマザー」から特報映像とポスターが解禁となった。本作は人気作家・湊かなえが、人間の情念をえぐり取るように母と娘、姉と妹、友達、男と女の複雑な関係を描き、直木賞候補作となった短編集を連続ドラマ化。登場人物それぞれが犯してしまう過ちは、角度を変えれば成功あるいは幸福にも見えてくる。“人生も人間も、ある一面だけで判断することはできない”ことが、このドラマの最大のテーマとなっている。そんな本作のポスターが完成。寺島さんら6名の主演女優の写真に入っている“タイトル”と“役名”はそれぞれの直筆。“タイトル”には「ポイズンドーター」「ホーリーマザー」など、各話を象徴するキーワードともいえる気になる言葉が並んでいる。加えて、“ポイズンワールド”が垣間見られる特報映像も公開。映像中に流れるのは、子どものころに聞いたことのあるような、懐かしくも、どこか怖さと“中毒性”のあるメロディー。これはドラマオリジナルソングの「だいじな子」。本作の世界観を表現するためにエンディングテーマとして作曲され、ドラマ本編のエンディングでは、各話に登場する“毒(ポイズン)”を抱えた女性たち6名が歌いつなぐ仕掛けも。今回の特報でも、彼女たちの不穏な歌声を耳にすることができる。各話主演女優以外にも、話題性豊かなキャスト陣が並んだ本作。第1話「ポイズンドーター」には注目の若手女優・山田杏奈、「M-1グランプリ」2017年王者でもあるお笑い芸人・村田秀亮(とろサーモン)、ドラマ初出演の元NHKアナウンサーの登坂淳一らが出演。第3話「罪深き女」では、高橋優斗(HiHi Jets/ジャニーズJr.)が殺人犯役で鮮烈な演技を見せるなど、全話でメインキャスト総勢37名という豪華競演が実現。さらに、ある物語の登場人物が、別の物語でも鍵を握る人物として登場するなど、この“ポイズンワールド”の中には様々な仕掛けが隠されているという。「連続ドラマW湊かなえポイズンドーター・ホーリーマザー」は7月6日22時より毎週土曜WOWOWプライムにて放送(全6話)。※第1話無料放送(text:cinemacafe.net)
2019年05月28日ムロツヨシと古田新太のW主演で贈るドラマ24「Iターン」に、田中圭の出演が決定。バイオレンスとコメディと哀愁がたっぷり詰まったジェットコースタードラマで、古田さん演じる岩切組組長と対立するインテリヤクザを演じることになった。現在放送中の「きのう何食べた?」が反響を呼んでいるテレビ東京「ドラマ24」枠で、7月クールで放送される本作。原作は、「侠飯」「すじぼり」などの作品が多数映像化されている人気小説家・福澤徹三の同名小説。冴えないサラリーマン・狛江光雄に突如訪れた、ヤクザたちとのジェットコースターのような地獄の日々を描く。田中圭、意外にも初共演「“ムロ節”を生で体感できておもしろかった」そして今回、狛江(ムロツヨシ)を利用し、岩切(古田新太)率いる岩切組をつぶそうと企む竜崎組の組長・竜崎剣司役を田中さんが演じることに!「あなたの番です」「おっさんずラブ」など話題の作品で主演を務めドラマ・映画やCMに引っ張りだこの田中さん。テレビ東京のドラマ出演は、2016年放送のドラマスペシャル湊かなえサスペンス「望郷」以来3年ぶり。演じるのは、“冷徹で計算高い頭脳派ヤクザ”。サラ金「ドラゴンファイナンス」の社長であり、昔気質の岩切とは全く違う新しいやり方でのし上がってきた男で、バチバチと火花を散らす。そんな2つの組が対立する街にやって来た崖っぷちサラリーマン・狛江は、赴任早々まさかのトラブルによって、竜崎には目を付けられ、岩切には“舎弟”にされてしまう…。トラブル続きの狛江をアメとムチを使い分け、言葉巧みに利用する冷徹な竜崎と、昔気質の人情派な岩切に睨まれた狛江。岩切組舎弟とサラリーマンの二重生活に加え、次々と仕掛けられる竜崎の罠。狛江はどうやってピンチを切り抜けていくのか!?ムロさん演じる狛江と古田さん演じる岩切、そして田中さん演じる竜崎との絶妙な掛け合いは必見となりそうだ。田中さんは「僕が演じる竜崎は、わかりやすい言葉で言うとインテリヤクザ。こういう役は久々」と言い、初共演となったムロさんの「“ムロ節”を生で体感できておもしろかったのですが、ムロさん得意のアドリブをもう少し堪能したかったなと思います」とコメント。「作品自体はコメディ要素がすごく強い作品なんですけど、僕とムロさんのシーンは毎回僕が脅しているので(笑)」と明かし、「ムロさんがきっとすごく愛せるようなキャラクターにしているので、みなさんで愛していただければ」とアピール。また、古田さんについては「こういう役を相当数やられているので、そんな新太さんに同じヤクザ役としてなんとか対峙できるように、気持ちの面では負けないよう意気込みを持って現場に臨みました」と語った。ムロツヨシコメント田中圭くんと 初めてお芝居したのですが、やっとだなという感覚があり、嬉しかったです。僕は“嫉妬”を誉め言葉として使うんですけど、彼は、嫉妬するくらいのお芝居の感覚を持っていると思います。間だったり、面構えだったり…。今回は、そんな彼にガンガンすごまれて“やられる”という役なので、この関係性ならではの「会話」というものを成立させたし、それをしてくれる役者さんだということは間違いないです。古田新太コメント圭ちゃんとはピストルの撃ち合いをして2人でぶっ飛ぶというシーンがありました。今まで共演してもそんなに絡むことがなかったので、同じ画角でピストルの撃ち合いをしたのが楽しかったです。さらに今回、古田さん率いる岩切組の個性的な組員の顔ぶれも明らかに。岩切組で狛江の教育係的な存在となる桜井勇一役を務める、朝ドラ「まんぷく」で“塩軍団”のひとりとして話題を呼んだ毎熊克哉をはじめ、塚原大助、菊池均也、森羅万象らが名を連ねている。ドラマ24「Iターン」は7月、毎週金曜日深夜0時12分~テレビ東京系にて放送。(text:cinemacafe.net)
2019年05月21日“夜神月”や“カイジ”、世間を手玉にとる猟奇犯――。これまで日本映画史に名を残す数々のキャラクターを圧倒的な演技力で演じてきた藤原竜也。5月15日に37歳になった彼は、7月に“育ての親”故・蜷川幸雄氏の長女・蜷川実花監督と初タッグを組んだ主演作『Diner ダイナー』が待機するが、その強烈な言動や豪華キャストの競演、エッジの効いた映像美にはいまから熱い視線が注がれている。蜷川氏演出の舞台「身毒丸」での鮮烈デビューから20年以上が過ぎても、紛うことのない“天才”ぶりに並ぶ者はそうおらず、近年では新境地への挑戦も目覚ましい。全くの演技未経験から蜷川幸雄の秘蔵っ子に!1982年生まれ、埼玉県出身の藤原さん。15歳のとき、池袋に遊びに行った際に所属事務所ホリプロの女性マネージャーにスカウトされ、全くの演技未経験ながら「身毒丸」主役オーディションで見事グランプリを獲得してデビュー。1997年10月、ロンドンの劇場で上演された初舞台は、海外のメディアからも大絶賛を受けた。実はこの裏には、書類選考で3度落とされるも、スカウトした女性がそのたびに藤原さんの応募書類を合格の束に忍び込ませ、その結果、5,000人以上の応募者の中から蜷川氏の目に留まった、という逸話があり、藤原さん自身もテレビのトーク番組などで明かしている。2003年には日本演劇史上最年少の21歳で蜷川演出の「ハムレット」に主演し、「紀伊國屋演劇賞」個人賞や「読売演劇大賞」優秀男優賞・杉村春子賞などを受賞、その後も「ロミオとジュリエット」「オレステス」「ムサシ」など多数の舞台を踏んできた。野田秀樹、いのうえひでのり、栗山民也、長塚圭史など名だたる演出家とも組み、吉田鋼太郎演出・主演の「アテネのタイモン」などにも参加している。蜷川氏がメガホンを取った吉高由里子主演『蛇にピアス』にカメオ出演していた藤原さん。蜷川氏の存在の大きさについて、2008年の映画『カメレオン』のシネマカフェインタビューでこう語っている。「蜷川さんとの仕事って本当に大変なんですよ。蜷川さんに拾っていただけたのは確かに幸運でした。でも、そこからひとつひとつの戯曲と向き合って本当に大変な思いをしてきましたからね。“天才”の2文字で片付けちゃうのは簡単だよな、という思いはありますけど(笑)」。さらに「まだまだこれからやってみたい作品、組んでみたい演出家の方もいます」と言葉を続けていたが、その挑戦が現在でも続いているわけだ。問題作『バトル・ロワイアル』で話題に映像作品では2000年、映画出演2作目となる深作欣二監督作『バトル・ロワイアル』の主役に抜擢され、翌年には「新・星の金貨」で連続ドラマ初主演を果たして知名度を上げていく。「どうしてみんな簡単に殺しちゃうんだよ!」の名セリフを生んだ『バトル・ロワイアル』は中学生同士が互いを殺し合う衝撃的な内容が物議を醸したが、狂気に染まっていく仲間たちに必死に抗う中学生を熱演し、スクリーンでも存在感を見せつけた。前田亜季や柴咲コウ、塚本高史、栗山千明、高岡蒼甫、山本太郎、安藤政信といった現在では実現不可能な(?)当時の新進俳優が勢ぞろいした本作で、ブルーリボン賞新人賞、日本アカデミー賞主演男優賞と新人俳優賞に選ばれている。『バトル・ロワイアル【特別編】』『バトル・ロワイアルII【鎮魂歌】』と続編も製作された。『デスノート』『カイジ』『るろ剣』…代表作を手に入れる三谷幸喜・脚本のNHK大河ドラマ「新選組!」(’04)では沖田総司を演じるなど、映像でも舞台でも精力的に活動を続ける中、2006年、大場つぐみ・小畑健原作の『デスノート』2部作(金子修介監督)で主人公・夜神月に起用される。同作は、いま主流の大ヒット漫画の実写化の走りにして大成功例であり、邦画史上初めて前・後編に分けて連続公開された作品でもあった。“名前を書かれた人間は死ぬ”というデスノートを手にしたエリート大学生・夜神月が、“キラ”として犯罪者に制裁を下しながら正義感を暴走させ、“神”と崇められていく様に、藤原さんのカリスマ性がピタリとハマった。かつては命の重みを叫んでいたはずの彼が、あまりにも簡単に命を奪っていく姿は衝撃を持って迎えられた。もう1人の“天才”・Lを演じた松山ケンイチとともに語り継がれる代名詞を手に入れた藤原さんは、2016年の『デスノート Light up the NEW world』にも出演を果たしている。さらに、福本伸行原作の人気漫画を映画化した佐藤東弥監督『カイジ 人生逆転ゲーム』(’09)、『カイジ2 人生奪回ゲーム』(’11)も大ヒット。こうしたエンターテイメント大作から、行定勲監督×吉田修一原作の群像劇『パレード』(’10)や新興宗教団体の教祖を演じた松田龍平共演『I’M FLASH!』(’12)といった作家性の高い作品に参加しつつ、カンヌ国際映画祭コンペ部門に出品された三池崇史監督『藁の楯わらのたて』(’13)、品川ヒロシ監督『サンブンノイチ』(’14)、山田孝之共演の『MONSTERZ モンスターズ』(’14)、過酷な秘境ロケを行った『探検隊の栄光』(’15)、人気コミックの映画化『僕だけがいない街』(’16)など、実に多彩な作品で観る者が期待する以上の存在感を発揮してきた。とりわけ2014年には、大ヒット作『るろうに剣心』の続編2部作『京都大火編/伝説の最期編』で、佐藤健演じる緋村剣心の宿敵・志々雄真実を全身包帯姿で怪演。「自分も剣心世代」と語る藤原さんが、原作でも人気の高いヴィランを体現してみせた。“素”を見せるドキュメントバラエティーも好評藤原さんの出演作品には続編作が多い。もともと人気が高く、息の長い原作があるためでもあるが、藤原さんが、恐る恐るながらも“もっと観ていたい”と思わせる強烈な個性をキャラクターに吹き込んでくれるからにほかならない。『カイジ2』の完成披露記者会見で、「続編に参加させてもらえるということは前作を多くの人が観てくれたということ。その嬉しさを感じながら撮影に臨みました」と語っていたように、唯一無二の俳優となっても真摯で、謙虚な姿勢は変わらない。ただ、ストイックなまでの役作りやクールといったイメージが強いが、2013年5月に行われた結婚報告会見では、お相手の一般女性の絵を描いてほしいとの要望に「僕が絵のセンスがあまりにないので『事故になるだろう』という結論になったので、控えさせていただきます」と応じて笑いを誘ったことも。また、2度にわたり実現したドキュメントバラエティー「藤原竜也の一回道」、そして「藤原竜也の二回道」で見せた自由すぎる進行や俳優仲間からの愛されぶり、茶目っ気あふれるギャップが好き、という人も多いだろう。『インシテミル 7日間のデス・ゲーム』綾瀬はるか&石原さとみら豪華共演ホリプロ50周年記念作品だけあり、藤原さんに綾瀬はるか、石原さとみ、武田真治、片平なぎさ、北大路欣也など、超豪華キャストが集結した2010年の作品。米澤穂信のミステリーを『リング』『貞子』の中田秀夫が映画化し、閉鎖空間でのパニックホラーに仕上げた。時給11万2,000円(!)という高額バイト代目当てに集まった男女10人が、謎の館に籠り死の推理ゲームに挑む中、藤原さんはこの状況に振り回される、ごく普通の感覚を持つ青年に。やはりの命がけの極限ゲームには欠かせない。『パレード』ひと筋縄ではいかない青春群像劇「このメンバーと一番いいタイミングで仕事をさせてもらった」と藤原さん自身が語っていた本作は、行定監督のもと芥川賞作家・吉田修一の同名小説を小出恵介や香里奈、貫地谷しほり、さらに林遣都というキャストで映画化。几帳面で健康オタクの会社員、というイメージどおり(?)の役柄ながら、そこは藤原さんが演じるだけあってひと筋縄ではいかない。公開当時のイベントでは、撮影中に林さんが藤原さんにイカ天ソバをおごったことから、「イカ」呼ばわりされていたというエピソードが度々披露された。『藁の楯 わらのたて』全国民から命を狙われる猟奇殺人犯「この男を殺してください。お礼に10億円差し上げます」という衝撃のビジュアルが、実際に中吊り広告にもなった本作。ただそこにいるだけで心がザワつく、“人間のクズ”こと幼女を狙う殺人鬼・清丸国秀役を演じた。特に終盤、SP役の大沢たかおとの対峙を観れば、藤原さんにしか演じられないことがよく分かる。2002年の『SABU~サブ~』でも組んだ三池監督は、藤原さんの起用理由を「支離滅裂、理不尽、悪の権化、この人しか浮かばなかった」と断言したほど。本作は現在、ハリウッドでのリメイクが動き出している。「ST 赤と白の捜査ファイル」ゴールデン・プライム帯の連ドラ主演は13年ぶり舞台や映画のみならず、TVドラマでも多くの代表作を持つ藤原さん。スペシャルドラマ、連ドラと放送され、劇場版も公開された本作では、殺人犯から一転、変わり者揃いの「ST(科学捜査班)」の中で“天才”分析官・赤城左門を演じた。対人恐怖症ゆえの岡田将生との迷コンビぶり、キャリア組の林さんとのやりとりも見逃せない。当時は、「窪田(正孝)くんが毎回、とんでもない身体能力を見せてくれて、そういうのもいいなと思ってます。派手なアクションやりたい。いつも黒崎(窪田さん)がいいとこを持って行くので(笑)」と武闘派への転身を匂わせたことも。「リバース」“ダサカワイイ”誠実キャラに「夜行観覧車」「Nのために」のチームのもと、藤原さん、玉森裕太(Kis-My-Ft2)、小池徹平、三浦貴大、市原隼人、戸田恵梨香らが集結した渾身のヒューマンミステリーでは、“ダサカワイイ”と話題になったメガネ男子・深瀬を好演。地味で冴えない男ではあるものの、親友・広沢(小池さん)の死の真相にたどりつくため、ときには「これだけは言わせて」と声を荒げることも。ちなみに、撮影現場を訪問した原作の湊かなえは「『ああ!えええ?』というくらい服のセンスも悪いし、背中もなんか丸いし、本当に藤原さんではなく深瀬がそこにいました」と絶賛を贈っていた。『22年目の告白ー私が殺人犯ですー』連続殺人犯再び…世の中を震撼させた連続殺人の犯人が時効を迎えた22年後、殺人の告白本を出版し、大々的に記者会見を行うという前代未聞の展開が話題となった2017年の映画。“美しき殺人犯”といわれ、SNSでもてはやされる曾根崎雅人役を藤原さん、犯人を追い続ける刑事の牧村航を伊藤英明が演じ、2人の鬼気迫る攻防が描かれた。Blu-ray&DVD発売イベントでは、入江悠監督の脚本を最初の頃から読んでいたという藤原さんが「すごく面白かったので、作品のヒットを確信していました。それに(書き直し)37稿ですよ!やはり映画は本ですし、監督の情熱を感じますよね」と手応えを語っていたのが印象的。「新しい王様」TBS×Paraviの新感覚ドラマ香川照之との『カイジ』コンビで、かつてどこかで目にしたような買収劇を背景に、おカネをめぐる物語をシニカルに描く新感覚ドラマ。藤原さんは“カネもうけ”には距離を置き、新しい価値を見つけようとする自由人・アキバという“新しい王様”、香川さんがカネやモノや女へのあくなき欲望をストレートに追求する投資家・越中という“古い王様”に扮する。2人の対照的なキャラと小気味よい会話劇に引き込まれ、脇を固める杉野遥亮、武田玲奈、小関裕太などの若手キャスト陣も奮闘を見せる。7月5日公開『Diner ダイナー』「俺はここの王だ!」解禁されている予告編での“叫び”と、「砂糖の一粒までが俺に従う」という“上から目線”がクセになりそうな殺し屋専用のダイナー(食堂)のオーナー・ボンベロ役に。「いつか竜也と一緒に仕事をするなら、大きな作品で魂をかけた仕事をしたいと思っていました」と言う蜷川実花監督と運命的な初タッグが実現した。とはいえ、窪田さんや斎藤工、小栗旬、土屋アンナら、ダイナーに集まるほかの“殺し屋たち”もかなりクセが強く、「ボンベロが一番普通じゃん!って思いました。それくらい周りのキャラが濃すぎた!」と語る言葉にも納得。2020年、映画とドラマ連動企画『太陽は動かない』もう1本楽しみなのが、『パレード』吉田氏のスパイアクション・エンターテイメント小説を映画化・連続ドラマ化する企画。藤原さんが主人公の産業スパイ・鷹野一彦を演じ、監督は「MOZU」シリーズや『暗殺教室』シリーズを手掛けた羽住英一郎という期待高まる布陣。映画では小説「太陽は動かない」「森は知っている」の2編、連続ドラマでは原作者監修のもとオリジナルストーリーが展開し、おそらく国をまたいだ壮大なロケが行われるはず。ホリプロでは約8年ぶりに大々的なオーディションが行われ、応募者6,468人の中から選ばれた群馬在住の鍛治原日向が本作でデビュー、藤原さんと共演するという。「激しいアクションシーンを要する“スパイ”の役どころになりますので、来年の撮影に向け体の状態を万全に整えて、心して臨みたいと思います」と藤原さん。30代後半で挑む、藤原さんのノンストップ・アクションに圧倒される日を、楽しみにして待ちたい。(text:Reiko Uehara)■関連作品:太陽は動かない 2020年、全国にて公開予定Dinerダイナー 2019年7月5日より全国にて公開©2019 「Dinerダイナー」製作委員会
2019年05月18日湊かなえ原作ドラマ「ポイズンドーター・ホーリーマザー」に、「HiHi Jets/ジャニーズJr.」の高橋優斗が出演することが分かった。本作は、これまでも多くの小説が映像化されてきた作家・湊氏が、母と娘の関係を軸にしながら、人間の情念を抉り取るように描き、第155回直木賞候補作ともなった同名短編集のドラマ化。全6話の各話に“ポイズン(毒)”を抱えた女性たちが登場し、表題作の主演として寺島しのぶを迎える。第1話「ポイズンドーター」、第2話「ホーリーマザー」では、寺島さん演じる過干渉な母・佳香と、足立梨花演じる逆らえない娘・弓香が2話を通して対峙。第3話「罪深き女」は清原果耶、第4話「ベストフレンド」は中村ゆり、第5話「優しい人」は倉科カナ、そして第6話「マイディアレスト」は伊藤歩が主演を務める。そんな豪華キャストが顔を揃える中、本作の第3話、連続殺傷事件を起こしてしまう青年・黒田正幸役として高橋さんが出演決定。正幸は、幼い頃に主人公・幸奈(清原さん)が住むアパートの上の階に住んでおり、一緒に遊ぶなど近い関係だったが、大人になり、幸奈との再会直後、9人もの連続殺傷事件を起こして逮捕されてしまう。今回のオファーに「お話を頂いた時はとても嬉しかったです!演技の経験もほとんどない僕がまさか正幸のような大きな役を演じさせていただけるとは思いもよりませんでした」と喜んだ高橋さん。また、「作品の世界観がすごく面白く、とにかく自分がこの作品を壊さないように誰よりも正幸の事を知り、自ら感じた黒田正幸と言う人物に入り込めるように、今自分自身にできるベストを尽くしました」と役をやり切ったと明かし、「視聴者の皆様にはこの作品の世界観を楽しんでいただき、観終わったあとに今までの自分にももしかしたら当てはまってるかもと少しぞっとしていただけると嬉しいです!」とコメントしている。「連続ドラマW湊かなえポイズンドーター・ホーリーマザー」は夏、WOWOWプライムにて放送予定(全6話)。(cinemacafe.net)
2019年04月27日湊かなえの第155回直木賞候補作となった短編集を連続ドラマ化する「ポイズンドーター・ホーリーマザー」。この度、先日発表された寺島しのぶに続き、各話の主演キャストが決定した。原作は、人気作家・湊かなえが、母と娘の関係を軸にしながら人間の情念を抉り取るように描き、第155回直木賞候補作ともなった同名短編集。母と娘、姉と妹、友だち、男と女…愛おしい愚か者たちが織りなす6つの物語には、“ポイズン(毒)”を抱えた女性たちが登場する。「自分は毒親なのか私は毒娘だったのか。今まで生きてきた自分の人生も振り返りつつ、今1人の息子を持つ母としてどういう感情がこの作品に投影できるのか、楽しみ」と語っていた寺島さん。第1話「ポイズンドーター」、そして第2話「ホーリーマザー」では、そんな寺島さん演じる過干渉な母・佳香と、足立梨花演じる逆らえない娘・弓香が2話を通して対峙する。そして、第3話「罪深き女」では清原果耶が全ては自分のせいだと信じ続ける少女・幸奈を、第4話「ベストフレンド」では中村ゆりがライバルに嫉妬心を燃やしながら脚本家を目指す涼香を、第5話「優しい人」では倉科カナが優しすぎて殺人を犯してしまう明日実を、第6話「マイディアレスト」では伊藤歩が奔放な妹と対照的に愛猫だけに心を開いて生きてきた淑子をそれぞれ演じ、原作のキャラクターの再現を重視したキャスティングが実現した。足立さんは「寺島さんの娘役、そして1、2話という大事な話数、表題のお話。不安で仕方ありませんが、頂いた弓香という役を自分なりにやり切ったと思います。寺島さんとのバトルにも注目してほしい」とプレッシャーを乗り越えて演じた役についてコメント。また清原さんは、「撮影中は異世界にのめり込んだような、そんな感覚でした」とふり返りながら役と向き合ったことを明かし、「ただ一つ言えるのは、きっと彼女もこの世界のどこかに存在していて生きているという事。リアリズムを常に掲げ、キャスト・スタッフの皆さんとぶつかり合いながら作り上げました」と手応えを覗かせる。湊氏の原作に「夢中になりました」と明かすのは、「ベストフレンド」のエピソードを担う中村さん。「ライバルに心を燃やす役を演じさせて頂き、誰もが何か頑張っているからこそ抱く、劣等感や不甲斐なさ、悔しい思いに素直に共感しました」とコメント。“優しすぎる”ゆえに殺人を犯してしまうという役に挑んだ倉科さんは、「役で居ることが辛かった」と吐露。「本当に毒々しいドラマだな…完璧に清い人なんているのだろうか? って私は思います。毒があるからこそ生々しい、寧ろ美しく、魅力的、この作品は私達の大好物の作品です」と語る。そして伊藤さんも「この作品の世界観が大好き」とコメント、「とても愛着のある役を演じることができて、とても幸せな時間を過ごすことができました。1話1話濃厚な作品が詰まっています。一瞬一瞬に想いを込めて演技をしているので、是非、皆さんに見て頂けたら」と期待を寄せている。それぞれの場所でそれぞれに生きる女性たちが抱く激しい情念や苦悩、そして冒してしまう過ち。だが、それは見る角度が異なれば成功であり幸福でもある。人生も人間も、ある一面だけで判断してはならない、それがこの作品集の最大のテーマとなっている。彼女たちが棲むある共通した場所、それは執念、恐怖、切迫、呆然、驚愕、爽快、感動、様々な感情が満ち溢れるいわば「ポイズンワールド」。そこに生きる彼女たちのほかにも、総勢数十名以上の実力派俳優たちが豪華競演を果たすという。1話「ポイズンドーター」&2話「ホーリーマザー」ストーリー女優・藤吉弓香(足立梨花)は、自分を思うようにコントロールしようとする母親・佳香(寺島しのぶ)の存在に小さいころから悩まされてきた。佳香は、弓香にとってまさに「毒親」。佳香に反発して上京した弓香だったが、束縛から逃れられていたわけではなかった。佳香が裏で動いたことで男と別れ、大切な仕事を失っていたと知った弓香はトーク番組で佳香を告発、それが大きな反響を呼ぶ。一方、佳香を知る周囲の人間たちから見れば佳香は、決して「毒親」などではなく子ども想いの良き母親だった。弓香の発言を聞いた佳香は、自分の人生をふり返ることになり、「子離れ」を決意するが…。「連続ドラマW湊かなえポイズンドーター・ホーリーマザー」は今夏、WOWOWプライムにて放送。(text:cinemacafe.net)
2019年04月16日銀座メゾンエルメス フォーラムにて3月28日より、パリを拠点に活動するアーティスト・湊 茉莉の個展「うつろひ、たゆたひといとなみ」が開催される。Utsuwa * The preparatory study of the facade painting | 2018 | © Baptiste François湊 茉莉は1981年、京都府生まれ。京都市立芸術大学・大学院で日本画を専攻した後、パリ国立高等美術学校に留学。壁面や建築物に直接、鮮やかな色彩の抽象的なモチーフを描く作風で知られる。それらは、大胆で即興的な身振りを思わせるペインティングでありながら、実際はスケッチをもとにした綿密なリサーチと観察によって制作されており、さまざまな文明の起源に遡り、歴史の中で共有された、あるいは忘れ去られてしまった事柄の痕跡や歪みが浮き彫りにされている。「うつろいゆく世界と人々の営み」を意味する今回の展覧会は、湊 茉莉の日本における初めての個展。通常のギャラリー展示に加え、メゾンエルメスのガラスブロックのファサードにも絵画を描き、建物の内と外で変化する時間や光の流れを表現する初の試みとなる。Sans Titre (Série Gaulois) Montrouge, France | 2014 | © Fabrice Gousset展覧会に先駆けて公開されるファサードペインティング「Utsuwa(器)」は、人類の文明に深く関わる「器」という普遍的な存在と、時間や光と共存し、周囲の環境を受け入れていくガラスの建物にインスパイアされた作品。ギャラリーでは、黄河文明からメソポタミア、エジプト、イスラムなどの異なる文明や文化の中で重要な役割を担っていた、いくつかのモチーフに焦点を当てた作品を展示。石やテラコッタ、骨、鉄、陶などで出来た彫像やお守りなど、宗教に関わるものや、器や道具といった日常生活品に見られる文化の混合や交流を、人類学的な視点を踏まえて表現する。古代に想いを馳せた瞑想的な作品は、歴史のどんな事柄を映し出し、見る者にどのような痕跡を残すのだろう。【展覧会情報】「うつろひ、たゆたひといとなみ」湊 茉莉展会期:3月28日〜6月23日ファサードペインティング「Utsuwa」:3月21日~5月6日会場:銀座メゾンエルメス フォーラム住所:東京都中央区銀座 5-4-1 8F時間:月~土曜日 11:00~20:00(最終入場 19:30)、日曜日 11:00~19:00(最終入場 18:30)入場無料期間中無休 ※4月12日を除く
2019年03月18日エルメス(HERMÈS)は、「うつろひ、たゆたひといとなみ」湊 茉莉展を、銀座メゾンエルメス フォーラムで2019年3月28日(木)から6月23日(日)まで開催する。展覧会「うつろひ、たゆたひといとなみ」は、パリを拠点に制作するアーティスト・湊茉莉の日本初となる個展。「うつろいゆく世界と人々の営み」をテーマに作品を展開する。鮮やかな色彩を使い、抽象的なモチーフを建築物に直接描くことで作品制作を行ってきた湊は、様々な文明の歴史の中での人々の営みに関心を寄せる。制作を行う地で描いたスケッチをもとに、綿密な調査・観察を行い、黄河文明から、メソポタミア、エジプト、イスラムまで、宗教や日常生活など、様々な文明の痕跡や歪みを、作品を通して浮き彫りにしていく。また、ギャラリー展示に加え、メゾンエルメスのガラスブロックのファサードにも絵画を制作している。展覧会に先行して公開される「Utsuwa(器)」は、人類の文明に深く関わる「器」という普遍的な存在と、時間や光の変化と共存しながら、周囲の環境を受け入れていくガラスの建物からインスパイア。建物の内外で変化する時間や光の流れを表現する。【詳細】「うつろひ、たゆたひといとなみ」湊 茉莉展会期:2019年3月28日(木)~6月23日(日)※ファサードペインティング「Utsuwa」は2019年3月21日(木・祝)~5月6日(月・休)時間:月~土曜 11:00~20:00(最終入場 19:30)、日曜 11:00~19:00(最終入場 18:30)※会期中無休(但し4月12日を除く)※入場無料会場:銀座メゾンエルメス フォーラム住所:東京都中央区銀座5-4-1 8階TEL: 03-3569-3300
2019年03月11日第155回直木賞候補作ともなった、湊かなえ極上のイヤミス短編集「ポイズンドーター・ホーリーマザー」が、この度、全6編でWOWOWにて連続ドラマ化されることが決定した。■ストーリー女優・藤吉弓香は、自分を思うようにコントロールしようとする母親の存在に小さいころから悩まされてきた。佳香に反発して上京した弓香だったが、その束縛は終わらなかった。佳香が裏で動いたことで恋人と仕事を失ってしまった弓香は、トーク番組で佳香を告発、それが大きな反響を呼ぶ。弓香の発言を聞いた佳香は、自分の人生をふり返ることになり、「子離れ」を決意するが…(「ポイズンドーター」「ホーリーマザー」)。ほかに、「優しすぎて」殺人を犯してしまう(「優しい人」)、全ては自分のせいだと信じ続ける(「罪深き女」)、奔放な妹と対照的に40歳近くまで猫だけに心を開いてきた(「マイディアレスト」)、脚本家をめざしライバルの活躍に苛立ちを募らせる(「ベストフレンド」)、といった様々な女たちの姿が描かれていく。■母と娘、姉と妹、友だち、男と女…6つの極上ミステリー本作は、それぞれの場所でそれぞれに生きる女性たちが抱く激しい情念や苦悩、そして冒してしまう過ちを描く。彼女たちが棲むある共通した場所、それは、執念、恐怖、切迫、呆然、驚愕、爽快、感動、様々な感情が満ち溢れる。デビュー10周年を迎える人気作家・湊かなえの世界観を極上のミステリーとして描き出す。■吉田監督「血肉の通った骨太なドラマに」本作の監督は、これまで『パッチギ!』『嫌われ松子の一生』など数々の作品の助監督として関わってきた吉田康弘が務める。また、脚本を手がけるのは、同じく湊かなえ原作の「リバース」「夜行観覧車」の脚本を担当した清水友佳子。吉田監督は「数々の作品が映像化されてきた湊かなえ先生原作のドラマ化に携わることができ、大変光栄に思っています」と喜びを語ると、「本作は、昨今の分かり易い勧善懲悪なドラマとは一線を画す、インテリジェンスを備えた大人向けのドラマになると予感しております。原作にある強い毒気と鋭い社会風刺を存分に活かしながら、人間の多様性や複雑で曖昧な感情を、俳優部の皆さんとセッションしながら紡ぎ出し、血肉の通った骨太なドラマに仕立てたいと思います」と意気込みも語ってくれた。現在キャストなどは明らかになっていないため、今後の情報も見逃せない。「連続ドラマW ポイズンドーター・ホーリーマザー」はWOWOWプライムにて放送予定。(text:cinemacafe.net)
2018年08月08日『グッド・ドクター』(フジテレビ系)第1話が7月12日に放送された。山崎賢人が、自閉症スペクトラム障がいでコミュニケーションに障がいがある一方、サヴァン症候群で驚異的な暗記力を持つ小児外科医・新堂湊を演じる本作。湊は子どもを助けるために一生懸命だが、人の気持ちを推し量ることができない。「僕は人と違います」。胸が締め付けられるようなセリフは、たくさんのことを私たちに問いかけた。■サヴァン症候群で小児科を目指すことができるか幼いころから小児科医になることを夢見てきた新堂湊(山崎)は、レジデントとして小児外科の世界に飛び込むことになる。期待に胸を弾ませて迎えた初出勤。湊は途中で事故に遭遇するが、暗記している膨大な医療データから最良の方法でケガをした子どもに応急処置を施し、なんとか東郷記念病院にたどり着く。救出した子どもの母親からは深く感謝される湊だったが、指導医の瀬戸夏美(上野樹里)とともに小学1年生の将輝の病室を訪れた際、ある問題を起こしてしまう。横紋筋肉腫が再発した将輝に対し、両親の意に反して真実を打ち明けてしまい、母親から「二度と近づかないで」と非難されてしまったのだ。夏美からの「カルテには書かれていないそれぞれの事情がある。ご両親の気持ちがわからないの?」という問いに、「わかりません」と即答する湊。事故現場での正確な対応といった医師としての優れた能力が明かされた一方で、コミュニケーションが苦手である湊に立ちはだかる壁が、早くも浮き彫りになったかのようにみえたのだが…。■湊と子どものピュアな心に、あふれる涙その後、将輝の容体が急変。居合わせた湊は「早くオペしないと死んでしまいます」と、一刻も早い手術を望むが、「触らないでください。ほかの先生を呼んでください」と声を上げる母親。しかし湊は苦しむ将輝を前に居ても立っても居られない。結果として看護師・橋口(浜野謙太)の協力もあり無事に高山(藤木直人)が手術することとなり、将輝は一命を取り留めた。手術を終え、湊に対して「先生が気づいてくださらなかったら、今頃あの子は。それなのに私、大変失礼なことを。本当にごめんなさい」と頭を下げる母親。だが湊はそんな母親に「僕は人と違います。慣れています」とほほえむ。さらに息子がかわいそうだと話す母親に「かわいそうじゃありません。かわいそうなのは、病気であることです」とまっすぐに伝えるのだった。ドラマの最後に明かされたのは、将輝が退院を待ち望んでいた理由。それは早く小学校に行くことではなく、ママの誕生日をおうちで祝ってあげたいということ。つらい状況でも、母親のことを思う子ども。そして、そんな子どもの本音に寄り添う湊のピュアな思いに心が温まるが、同時にさまざまな感情が交錯し、溢れる涙を抑えることができなかった。■自分の子どもが病気だったら…親に突き付けられる難題終始、胸が苦しくなるようなセリフの連続だった第1話。なかでも印象的だったのは「先生たち、自分の子どもを“ああいう人”に任せられますか?」というセリフ。これは、湊が将輝に再発を勝手に告知してしまったことに激怒した母親が、担当医に発した言葉だ。辛辣(しんらつ)な言葉だが、親であれば気持ちがまったく理解できないわけではないから、心苦しい。子どもが命に関わる大きな病にかかったとき、どんな医師に診てもらえたらが安心かといえば、腕もよく、親の気持ちを理解してくれる医師なのかもしれない。けれども、もしも逆の立場だったら? 自分が湊の母親だったら? そう考えると、より一層胸が痛む。そして、そんな行き場のない切なさを癒やしてくれるのもまた、湊の優しさにほかならない。患者より接待ゴルフを優先する医師、規則に縛られ担当医の指示だけに従う医師、障がいがあるというだけで切り捨てようとする医師、はたまた「大人になれない子どもをなくしたい」と切に願う医師。一体、名医=グッド・ドクターとは何だろうか。視聴者は多くのことを自問自答しながら、ドラマと向き合っていくことになりそうだ。■役者・山崎賢人が語る大きな使命とは山崎が自閉症スペクトラム障がいの医師を演じるということで、放送前から注目を集めていた本作。第1話が放送されるやいなや、演技を絶賛する声がSNSに上がった。山崎は、特徴的な手や視線の動き、こわばった表情などを細やかに表現。一方で、子どもに頬をつねられたり、子どもと一緒に絵を描いたりするシーンで見せる、柔らかな表情も絶妙だった。小児外科医は医師全体の0.3%しかいないというセリフがドラマ内であった。山崎は番組の公式インタビューで「このドラマで小児外科の現状を知っていただいて少しでも良い方向に向かえば…小児外科医を目指す方が少しでも増えたらうれしい」と話すなど、大きな使命を持ってこの作品に挑んでおり、その決意が伺える幕開けとなった。次回描かれるのは、未受診妊婦の女子高校生。破水からの緊急出産となるが、生まれてきた赤ちゃんは大きな問題を抱えていて…。『グッド・ドクター』第2話は、7月19日よる10時から放送。木曜劇場『グッド・ドクター』木曜よる10時から※山崎賢人の「崎」は、正しくは「たつさき」
2018年07月19日石原さとみ主演×「逃げ恥」の脚本家による法医学ミステリードラマ「アンナチュラル」が2018年1月12日より毎週金曜日22時~TBSにて放送がスタートする。物語の中心を担う、石原さとみ、井浦新、窪田正孝が放送開始を前に取材に応じた。本作は、「リバース」「Nのために」「夜行観覧車」といった湊かなえ原作のドラマの新井順子プロデューサー×演出・塚原あゆ子のタッグが、「逃げるは恥だが役に立つ」の脚本家・野木亜紀子を迎え、オリジナル脚本で制作される1話完結型の法医学ミステリー。石原さんが演じる三澄(みすみ)ミコトは、新設された「不自然死究明研究所(UDIラボ)で働く法医学解剖医で、死因究明のスペシャリスト。クセの強いメンバーたちと共に毎話、様々な不自然死(アンナチュラル・デス)の謎に挑む。今回、TBSの連ドラ初主演となる石原さんだが「気を張らず自然体でいられる主演です」とリラックスした表情。「脚本もそれぞれのキャラクターが際立ってて、スタッフさんも自分の持ち場の仕事を懸命にこなし、俳優を俳優部として扱ってくれる職人気質の方ばかり。自分の役のことだけを考えて生きていればいい、“真ん中”にいることを忘れさせてくれる現場です」と語る。合理的な性格で、無駄に争うよりも頭脳と笑顔で切り抜けたいという考えのミコトだが、一方で人の“生の権利”が脅かされることに猛烈に反発する。話が進むにつれて彼女が抱えるものも明らかになっていく。石原さんは「陰の部分もある」と明かし「『今日をちゃんと生きられたら』というたくましさを持ちつつ、哀しみもあるからこその強さや優しさも持っている。穏やかで柔らかく、優しい中で、強い部分を見え隠れさせることができれば」と語る。井浦さん演じるミコトと同じ法医学医・中堂は、石原さんが「とにかくヒドイ!態度が悪すぎる(苦笑)」と言うほど、口も態度も最悪な男。ただ「中堂も過去に大きな喜びと悲しみを持っている。その反動でいまみたいな態度になっている」とは井浦さんの弁。「扱いづらいクレイジーな男に見えても、その中に大きな悲しみを携えて生きているのを感じます。現場は風通しがよく、セリフも軽快だけど、その中でしっかりと重く、人の心を刺すような言葉が散りばめられています」と明かした。窪田さんが演じるのは、ミコトの班の記録員のバイト医大生・久部六郎。医療の専門用語が飛び交う本作にあって「視聴者目線の部分があるキャラクター」(窪田さん)。だが、もちろんそれだけにとどまらない。「六郎なりにミコトの過去を知っていくし、中堂ともちょっとずつ接点が増えていき、後々にいろいろあります」とのこと。また、3人とも現場で驚きと新鮮さをもって受け止めたというのが、ほかの作品とは全く異なるという独特の演出。通常、ある人物がセリフを話していたら、相手が言葉を重ねることもないし、ましてやエキストラがワイワイと騒ぐなどありえないことだが、本作ではそういうこともお構いなしに進んでいくという。石原さんは「エキストラのみなさんが話していていい現場って初めてです。雨の音、エキストラの声、足音、叫び声とか…大がかりなシーンほど、それが活きて、ダイレクトにリアルさが伝わると思います。居酒屋での会話のシーンでも、後ろがサッカーで盛り上がってて、うるさくてリアルに(相手の言葉を聞き返して)「え?」とか言って、(距離を)近づけて…(エキストラの人々が事前に)練習した? って思えるような感じで、ゾワッとしました」とふり返る。さらに、石原さんは「塚原さんが、ある俳優さんに『お芝居がうますぎます。伝わり過ぎるので、もう少し伝わらない芝居をしてくださいっ』って指示してて…。『芝居しなくちゃいけないけど、伝わらなくていいです』って。え?どっち(笑)?」と驚きを口にすると、井浦さんも「僕も『もっとやらないでください』って言われました」と明かす。「無理しなくていいし、言えないセリフは言わなくていい。何も頑張らなくていい」(石原さん)という現場で、まさに冒頭でも語っていたように、肩ひじ張ることなく現場で役として生きているよう。「これまで、自分が前に立つ作品が多かったけど、今回は(視聴者が)作品を見て、役柄が残ったら嬉しい。わかりやすくいうと、私がTwitterのトレンドのトップに来なくていい。そういう作品をやりたかったし、無理せず、責任感とか全くなく(笑)、仕事冥利に尽きる現場です!」と満面の笑みを浮かべ、これまでにない不思議な“手応え”を口にした。金曜ドラマ「アンナチュラル」は2018年1月12日(金)よりTBS系にて放送開始。(初回15分拡大)(text:Naoki Kurozu)
2017年12月20日9月16日公開の映画『望郷』の完成披露上映会が22日、東京・新宿武蔵野館で行われ、貫地谷しほり、大東駿介、菊地健雄監督が出席した。『告白』や『白ゆき姫殺人事件』など、ヒット作を連発している人気ミステリー作家・湊かなえのベストセラー短編集『望郷』を、貫地谷しほり、大東駿介、木村多江、緒形直人ら豪華キャストで映画化した本作。全6編で構成されている小説から、『夢の国』と『光の航路』が劇中で描かれており、『夢の国』で4年ぶりに映画主演を果たした貫地谷が、古いしきたりに縛られて事件を起こしてしまう夢都子役を、『光の航路』で過去の確執を抱えたまま死別した父の思いを知る中学校教師・航役を大東が熱演している。完成披露上映会の前に舞台あいさつが行われ、貫地谷と大東、そして菊地監督が登壇。初めてタッグを組んだ菊地監督について貫地谷は「妥協が一切なく、心の中で微妙だったと思うと、監督が『もう1回やろう』と言ってくださり、細かいところまでじっくり見てくれる安心感とうれしさがありました」と印象を語った。一方の大東も「出会った時に『この人を信じれば大丈夫』と思いました。湊さんの故郷である因島で撮ることを本当にやってしまったし、それぞれがこの作品をよりよい形にとみんなが理解していて、それは監督の力だと思いました。映像に映ってない監督の仕事があるんだと感じましたね」と絶賛すると、菊地監督は「まずいですね。恐縮です(笑)」と照れ笑いを浮かべていた。貫地谷が主演を務めた『夢の国』は、全編手に汗握る緊張感が漂うが、ロケ地での貫地谷について大東は「苦しんでいると思いました」と気遣うと、貫地谷は「そうなんですよ。本当に苦しかったんです」と撮影時の心中を激白。貫地谷とは対照的で因島に慣れ親しんだのが大東だったようで、貫地谷は「久々に東京に帰り、また因島に戻ってくると、大東さんはめちゃくちゃ謳歌していたんです。ご飯もたくさん食べていたみたいだし睡眠時間も余裕だと。『私は何だったんだ!』と思いましたね。私なんてスタッフさんと死んでました(笑)」を嘆きつつ、「きっと誰しもが感じたことのある窮屈さが写っています。そこから一歩前に出る、勇気が出てくる映画になっていると思います」と作品の出来には自信を見せていた。映画『望郷』は、9月16日より新宿武蔵野館ほか全国拡大上映。
2017年08月23日映画『望郷』が、2017年9月16日(土)より、新宿武蔵野館ほか全国で順次公開される。原作は湊かなえによる連作短篇集原作は、「告白」「少女」「リバース」など、数々のヒット作を生み出すミステリー作家・湊かなえによる全六編で構成される連作短篇集。その中より「夢の国」「光の航路」を実写化、それぞれの主演を貫地谷しほり、大東駿介が務める。監督には、第36回モントリオール世界映画祭にて正式出品された『ディアーディアー』(2015)で華々しいデビューを飾った菊地健雄を迎える。ストーリー古いしきたりを重んじる家庭に育った夢都子(貫地谷しほり)は、故郷に縛られ生活をしていた。彼女は幼いころから本土にある“ドリームランド”が自由の象徴であったが、それは祖母や母(木村多江)の間で決して叶わない“自由”であった。月日は流れ結婚をし、幸せな家庭を築く中、ドリームランドが今年で閉園になる話しを耳にする。憧れの場所がなくなる前に、彼女がずっと思い続けてきた事を語り始める―。一方、本土から転任の為9年ぶりに故郷に戻った航(大東駿介)のもとには、父(緒形直人)の教え子と名乗る畑野が訪問してくる。彼は、航が知らなかった父の姿を語り出し、本当の父親を誤解していた事を知る事となるが―。ある島で起こる、ふたつの親子の過去と未来をつなぐ感動の物語。「夢の国」主演・貫地谷しほり「夢の国」で主演を務める貫地谷しほりは、古いしきたりに縛られ窮屈な生活を送る中、ある事件を引き起こしてしまう女性・夢都子役を演じる。4年ぶりの映画主演となる貫地谷は本作について「自分の中でとても大切な作品なのですごく嬉しいです。誰しも何かに憧れ、生きるという事への窮屈さをどこかに持っているのではないでしょうか。今まで演じた事のない役を菊地監督が繊細に導いてくださいました。親子の秘密、解放される事のない罪、それでも明日に向かっていく人たちを是非見て欲しいと思います」とコメント。「光の航路」主演・大東駿介一方の「光の航路」で主演を務めるのが、大東駿介。故郷の島で中学校の教師を務め、クラスに生じるいじめ問題に悩んでいる間、過去に確執を抱えたまま死別した父の本当の思いを知る事になる航を演じる。「湊かなえさんの故郷であり、 物語の舞台のモデルでもある因島で撮影でき、島の空気を感じながら島の方々とこの作品を作れた時間は財産であり貴重な経験でした。島での濃密な撮影の 中で、スタッフの皆さんとこの作品で全国の劇場を開けたいと語り合っていた想いがカタチになり嬉しいです。自分がいつから大人になったのか、なっているのかわかりませんが、どれだけ時間を重ねても自分の物語の始まりはあの故郷で。改めて自分の故郷と向き合い、自分と向き合えるような作品だと思います」と本作についての意気込みを見せている。作品情報映画『望郷』監督:菊地健雄脚本:杉原憲明出演:地谷しほり、大東駿介、木村多江、緒形直人ほか原作:湊かなえ「夢の国」「光の航路」(「望郷」文春文庫 所収)公開日:2017年9月16日(土) 新宿武蔵野館ほか全国拡大上映©2017 avex digital Inc.
2017年07月08日次々とヒット作を生み出し、先日放送終了したドラマ「リバース」など数々の作品が映像化されている“イヤミスの女王”湊かなえの「望郷」が、このほど映画化されることが決定。主演には貫地谷しほりと大東駿介を迎え、9月16日(土)より劇場公開されることが分かった。また映画化決定にあわせて、メイン場面写真とティザー予告編映像が解禁された。古いしきたりを重んじる家庭に育った夢都子(貫地谷しほり)は、故郷に縛られ生活をしていた。彼女は幼いころから本土にある“ドリームランド”が自由の象徴であったが、それは祖母や母(木村多江)の間で決して叶わない“自由”であった。月日は流れ結婚をし、幸せな家庭を築く中、ドリームランドが今年で閉園になる話しを耳にする。憧れの場所がなくなる前に、彼女がずっと思い続けてきたことを語り始める――。一方、本土から転任のため、9年ぶりに故郷に戻った航(大東駿介)のもとには、ある日、父(緒形直人)の教え子と名乗る畑野が訪問してくる。彼は、航が知らなかった父の姿を語り出し、本当の父親を誤解していたことを知ることとなるが…。今年デビュー10周年を迎え、数々の賞に輝いた人気ベストセラー作家・湊氏。湊作品といえば、松たか子主演で映画化された『告白』を始め、これまで「白ゆき姫殺人事件」「少女」「夜行観覧車」「Nのために」など様々な作品が映画・ドラマ化されてきた。そして今回映画化されるのは、日本推理作家協会賞受賞作品でもある2013年に刊行された、全6編で構成される連作短篇集「望郷」。2016年9月にはその収録作「みかんの花」「海の星」「雲の糸」がオムニバスドラマ化されたが、9月公開の映画では、「夢の国」「光の航路」を映像化する。主演を務めるのは、『白ゆき姫殺人事件』で共演も果たした貫地谷さんと大東さん。連続テレビ小説「ちりとてちん」や「ブザー・ビート~崖っぷちのヒーロー~」などに出演し、4年ぶりの映画主演となる貫地谷さんが演じるのは、「夢の国」で古いしきたりに縛られ窮屈な生活を送る中、ある事件を引き起こしてしまう夢都子役。また「光の航路」で、故郷の島で中学校の教師を務め、クラスに生じるいじめ問題に悩んでいる間、過去に確執を抱えたまま死別した父の本当の思いを知ることになる航役を、モデルで『クローズZERO』シリーズや『曇天に笑う』公開を2018年に控える大東さんが演じる。貫地谷さんは、「自分の中でとても大切な作品なので凄く嬉しいです。誰しも何かに憧れ、生きるということへの窮屈さをどこかに持っているのではないでしょうか。いままで演じたことのない役を菊地監督が繊細に導いてくださいました。親子の秘密、解放されることのない罪、それでも明日に向かっていく人たちをぜひ見て欲しいと思います」とコメント。本作の撮影は財産であり貴重な経験だったとふり返る大東さんは、「島での濃密な撮影の中で、スタッフの皆さんとこの作品で全国の劇場を開けたいと語り合っていた想いがカタチになり嬉しいです。自分がいつから大人になったのか、なっているのかわかりませんが、どれだけ時間を重ねても自分の物語の始まりはあの故郷で。改めて自分の故郷と向き合い、自分と向き合えるような作品だと思います」と語っている。またあわせて公開されたメイン写真は、2人が並び、故郷への想いを馳せるような表情を浮かべる印象的な一枚。ティザー予告編映像には、夢都子、航のそれぞれが心に抱える親や島への悩み、葛藤を感じさせる様子が映し出される。さらに本作には主演の2人のほかにも木村多江、緒形直人といった実力派俳優たちが名を連ねる。原作者の湊氏も、「日本は島国なので、後ろに海が見える物語というのは、誰にでも伝わるものがあると思います。自分が海に囲まれたところに住んでいるという想像をしながらこの物語を観ていただくと、本当に自分の人生の物語として観ていただけるものがあると思います」と映画化についてコメントを寄せている。監督は、第36回モントリオール世界映画祭にて正式出品された『ディアーディアー』で華々しいデビューを飾り、第29回東京国際映画祭・日本映画スプラッシュ部門正式出品作『ハローグッバイ』を手掛け、本作が長編監督3作目となる菊地健雄が務める。『望郷』は9月16日(土)より新宿武蔵野館ほか全国にて公開。(cinemacafe.net)
2017年07月05日“イヤミス”小説の女王、湊かなえの原作を藤原竜也を主演に迎え、「夜行観覧車」「Nのために」のチームが再集結してこの春から放送がスタートしたTBS系ドラマ「リバース」が6月16日(金)の第10話で最終回を迎え、原作と違うオリジナルラストにネットが感動に包まれた。本作は今年デビュー10周年を迎える人気ベストセラー作家の湊氏による同名小説が原作。湊氏の作品では珍しく男性が主人公の物語で、藤原さん演じる主人公の深瀬和久は10年前の冬、大学のゼミ仲間と行ったスノボ旅行で親友を亡くしたのだが、実はその事故には“秘密”があった。それから10年後、自分とゼミ仲間に「人殺し」と書かれた告発文が届く――という物語。藤原さんのほか、深瀬が10年前に亡くした親友の恋人だった越智美穂子役で戸田恵梨香、深瀬のゼミ仲間で現在は教師をしている浅見康介役に「Kis-My-Ft2」玉森裕太、10年前の事件で亡くなった深瀬の親友・広沢由樹役に小池徹平、同じくゼミ仲間でいまは父親の県議の秘書をしている村井隆明役に三浦貴大、その妹の明日香役に門脇麦、ゼミ仲間で現在は明日香の夫になっている谷原康生役に市原隼人、由樹の両親役で志賀廣太郎、片平なぎさ、10年前の事件を追うフリージャーナリストの小笠原俊雄役に武田鉄矢といったキャスト。原作の小説では、由樹の死因について深瀬がある重大なことに気づくという衝撃的なラストだったが、ドラマでは原作の“その後”が描かれ、“新たな秘密”と、深瀬らゼミ仲間、由樹の両親、小笠原、そして美穂子らが事件を乗り越えて新たな人生に向かって“再生(rebirth)”する様が描かれた。放送終了後、視聴者の多くが「原作エンドが闇すぎてどうなるか心配してたけど、いい終わり方でほっとした」という声や「小説としては、あそこで終わる方がインパクト強いけど、ドラマとしては最善だったと思う」「ミステリーとしてより、深瀬の成長譚として楽しめた!」など“新たなラスト”を評価。また今回ラストシーンで過去に湊氏の小説をドラマ化した「夜行観覧車」から遠藤彩花役の杉咲花が、「Nのために」から成瀬慎司役の窪田正孝がカメオ出演。2人は自分の役柄のドラマから数年後を今回演じており、2人が登場すると「彩花…大きくなったねぇ…」「少し大人になった成瀬くん見れた感動」「世界観つなげまくってて興奮」「湊かなえワールドのキャスト満載」と興奮気味のツイートが続々投稿されていた。また藤原さんと窪田さんといえば「デスノート」の映画版、ドラマ版でそれぞれ主人公のキラこと夜神月を演じており、今回は映画、ドラマ両方の“キラ”が共演したことにもなる。「映画ライトとドラマライト!!!興奮した」「おっと、ドラマライトと映画ライトがすれちがってる」など、2人の“共演”にざわつく声も多数。ちなみに戸田さんも映画版にミサミサ役で出演、小池さんは舞台版でL役を演じていたため、この点に気付いて意外な共演を楽しんでいる視聴者も多かったようだ。(笠緒)
2017年06月17日6月8日、都内でドラマ『リバース』(TBS系)の打ち上げが行われていた。人気作家・湊かなえ原作のこのドラマは、10年前に大学時代のゼミ仲間が不審死した真相に迫るミステリー。主演は藤原竜也(35)、さらに戸田恵梨香(28)やKis-My-Ft2の玉森裕太(27)、小池徹平(31)、市原隼人(30)、三浦貴大(31)などの豪華キャストが脇を固めている。 ストーリーも佳境を迎えるなか、行われた打ち上げ。開宴時間の19時半を前に、玉森や戸田、片平なぎさ(57)ら出演者が続々と姿を見せる。そして最後に藤原が車に乗って登場。だがそのかたわらには、なぜかドラマに出演していない吉田鋼太郎(58)の姿も! 「藤原さんと吉田さんは年の離れた“親友”なんですよ。過去に2年間ほど口をきかない絶交状態もあったそうですが、蜷川幸雄さん(享年80)の仲介により和解したといいます。今ではすっかり仲良しで、この日も藤原さんの主演ドラマとあって吉田さんが飛び入り参加したようです」(前出・芸能関係者) 待っていた玉森も合流すると、藤原と吉田は揃って会場へ。吉田は関係者に「暴れん坊の(市原)隼人と(小池)徹平は?」と聞きながら、中へと入っていった。 「藤原さんは座長として会を盛り上げてくれました。挨拶の際は『こんなにいい作品は50作に1作出会えるかどうか。素晴らしい経験をありがとうございました』と熱く語り、出席者から万雷の拍手が。また恒例のビンゴ大会ではなんと、30万円分の商品券を景品に大盤振る舞い!これには共演者からも驚きの声が上がっていましたね」(ドラマスタッフ) 3時間後の午後10時半すぎ、出演者たちが会場から赤ら顔で出てくる。その中でひときわ大きな声だったのが藤原だった。酔っているのか、先輩の片平を見つけると「お願い、もう一軒!」と熱烈懇願するように、彼女の腕へ手を回す一幕も!片平も参加する気だったようで、仲良く二次会へ向かった。 「打ち上げは最後まで和気あいあいとした雰囲気でした。出演者たちは口々に『このドラマに関われてよかった』『学ぶことが多かった』など別れを惜しむ言葉を漏らしていました」(ドラマスタッフ) 名作ドラマを作り上げたのは、座長・藤原の陰日向ない気さくな人柄だったようだ。
2017年06月15日