常におちびさんがいたわが家。夫婦で会話をしようにも子ども達が次々話しかけてくるので、まともに会話をすること自体がほぼ無理な状態でした(笑)まさか子だくさんの母になろうとは、夢にも思っていなかった独身時代。当時の職場の方がこんな話をしてくださって、その場にいた他の方々も(↑みなさんお子さまが自立されている)『それ!めっちゃ分かる~!!』と盛り上がっておられたのですが、当時の私はあまりピンとこず…。珍しく夫が平日休みだった日。子ども達は通常通り、小学校と保育園へ。家の中は夫婦2人だけでしたが、お互いにパソコンで仕事したり、テレビを見ながらご飯を食べたり、ご飯後も各々で過ごして仕事の続きをしたりして…常におちびさんがいた頃からは想像できないくらい、夫婦2人だけの時間は本当に静かで…(笑)私、自分以外の誰かといるときの【沈黙】というのが今まで本当に怖かったんですが、こんなにも気を使うことなく、沈黙でも居心地がいいなんて、自分でもかなり驚きでした。熟年夫婦というにはまだまだ若輩者ですが、子ども達が全員自立したあとでも、こんなふうに居心地よく過ごせたら素敵だな~と思いました。
2022年06月29日付き合い始めの頃はラブラブだったのに、だんだんマンネリ化することもあるでしょう。熟年夫婦のような関係性も魅力的ですが、刺激が欲しいときは少し工夫が必要かもしれません。今回は、カップルのマンネリ化を避ける工夫をご紹介します!ぜひ、参考にしてみてくださいね。■ お家デートを工夫してみる付き合いが長くなると、お家デートも増えるかもしれませんね。お家デートは2人でのんびりできる反面、マンネリ化しやすい傾向にあります。同じ空間である程度のルーティンができるので、仕方がない一面もあるでしょう。しかし、模様替えをしたり、ディナーをテイクアウトしたり、2人でできるゲームを揃えるのもいいかもしれません。いつもの空間で楽しく過ごせれば、彼との距離がさらに縮まるはずです。■ 彼に本音で甘えてみるカップルとはいっても、つねに本音が話せる人ばかりではないでしょう。ちょっとした不安や寂しさなどは、心のうちに秘めているかもしれませんね。ときには、彼に本音を伝えて甘えてみて。普段見えなかった一面が見えて、彼もドキッとするはずです。他にも、改めて彼に好意を伝えるのも効果的でしょう。■ 彼と旅行に行ってみる彼との関係がマンネリ化してきたら、旅行に行ってみるのもオススメです。旅行に行っている時間はもちろん、日程調整や旅程を決める時間も楽しめます。露天風呂付きの個室など、少し豪華な旅館に泊まるとテンションが上がるでしょう。新しい場所に行くことで、彼の新たな一面が見えるかもしれません。彼からみても、いつもと違う彼女の姿にドキッとするはずです。■ 新たな趣味を始める直接、彼との関係性に影響がなくても、新しい趣味を始めるといいでしょう。新しい趣味を始めることで、気分もリフレッシュするはずです。新しいことにチャレンジして輝く彼女は魅力的に映るかもしれません。また、コミュニティが広がり、彼との話題が増える可能性もあります。面白いようであれば、彼を誘って一緒に楽しむのもよいでしょう。■ マンネリを脱出する方法とは…周囲の環境を変えることで、マンネリは少しずつ解消できるはずです。2人の過ごす場所でもいいですし、ご自身の内面や外見でもいいでしょう。まずは、アクションを起こすことが大事になるはず。ちょっとずつでもいいので、工夫を凝らしてみてくださいね。(ちりゅうすずか/ライター)(恋愛メディア・愛カツ編集部)presented by愛カツ ()
2022年06月19日「夫婦げんかは犬も食わぬ」ということわざ通り、すぐに元に戻るけど些細なことで勃発してしまう夫婦げんか。全くけんかをしない夫婦をうらやましく感じてしまうものです。3人の子育て経験者でもあり、育児の専門家である大阪教育大学教育学部教授、小崎恭弘先生は「子どもに夫婦げんかを見せることも必要です」と言います。子育てにおける夫婦げんかの意味と、じょうずな夫婦げんかについて教えてもらいました。 夫婦げんかを通して社会の争いを学ぶ「社会にはけんかや争いが必ずあります。これから社会で生きていく子どもたちにリアルなけんかを見せ、具体的なやり方を見せて教えていくことは大切なことです」と語るのは、子育てにおける夫婦の在り方について詳しい大阪教育大学教育学部教授の小崎恭弘先生です。 「一切けんかをせず、“清く正しく美しく”の環境で子どもが育つことがいいとは限りません。家庭という集団の中で意思を表明する、嫌なことを嫌と言える、言い返す力を家庭で育むことも大事です」 子どもに見せたい言い争い&仲直りとはいえ、やはり子どもの前で夫婦げんかをすることに、ためらいを感じる人もいるようです。でも、けんかをしない代わりにギリギリまで我慢をしたり、冷戦が始まったりするようでは本末転倒です。自己主張の方法、意思の伝え方、相手とのやりとり、仲直りの仕方など、けんかから学ぶことは多そうです。 「夫婦で口を聞かない冷戦になるほうが、子どもにとってはつらいことなんです。暴力や暴言が入るようなけんかはもちろんNGです。でも、争いは社会で起こることなので、家庭で見て経験しておく必要はありますね。ただし、一番大事なのは仲直りまで見せてあげることです。そして人はときに言い争ったり思い違いをしたりすることもあるけれど、必ずそのあとは仲良くなれるということを子どもに伝える。それが夫婦げんかをすすめる理由です」(小崎先生) こんな夫婦げんかはゼッタイNGただし、どんなけんかもOKというわけではありません。場合によっては面前DVとなり、児童虐待になります。子どもが見ていることを強く意識し、じょうずな夫婦げんかが求められます。ゼッタイNGな夫婦げんかについて、小崎先生に伺いました。 ゼッタイNGな夫婦げんか・手を上げる(暴力)・人格を損なうような言葉を使う(暴言)・収入について責める・容姿を責める・相手(妻、夫)の親の悪口を言う・性格を否定する・けんかが長引く・子どもにパパ/ママの愚痴を言う・子どもを味方につける などです。子どもに愚痴を言う、子どもを味方につけることは、ともすればやってしまいがちですが、「子どもに呪いをかけることと同じこと」と小崎先生は言います。 「子どもはパパもママも両方大好きなんです。だからどっちの味方? と迫られると、2重の苦しみが生まれます。呪いって解けませんから、これは絶対にダメです」 けんかのゴール=仲直りは子どもの目の前で夫婦げんかの目的は、勝ち負けではありません。決して相手を打ち負かすことが目的ではありません。最終的にお互いが理解し合うことがゴールです。つまり、「仲直りまでがけんか」なのです。 「夫婦の間に多少思い違いがあっても、それを乗り越えたら仲良くなれるところを子どもに見せてあげてほしいです。子どもが寝るまでに仲直りできなくて、子どもが寝てから仲直りではダメです。子どもの目の前でけんかして、すぐに否を認めて謝って仲直りする。こうした一連のやり取りを家庭の中で見せてあげてほしいですね」(小崎先生) ルールに基づくけんかはヒートアップ防止にこうして夫婦のいざこざから解決を通して、子どもはコミュニケーション力を学びます。 「コミュニケーションにはいろんなレパートリーがあったほうがいい。夫婦げんか、きょうだいげんか、親子げんかなど、家族のけんかで学ぶことは多いです。ただ、ずっとけんかが続くとお互い疲れてしまいますよね。なので予めけんかのルールを決めておくことをおすすめします」と小崎先生は話します。 『言い合いになったらやめようね』『どっちかがごめんと言ったら、そこで喧嘩は絶対に終わりにしよう』など、夫婦間でルールを作っておくと、長引かず、冷静に仲直りできるかもしれません。家庭は社会の縮図。夫婦げんかも社会勉強の一つになりそうです。ただし、子どもを巻き込むことはゼッタイNGなのでご注意を……。 取材・文/大楽眞衣子監修者:保育士 大阪教育大学教育学部学校教育教員養成課程家政教育部門(保育学)教授 小崎恭弘兵庫県西宮市初の男性保育士として施設・保育所に12年間勤務。3人の息子が生まれるたびに育児休暇を取得。市役所退職後、神戸常盤大学を経て現職。専門は「保育学」「児童福祉」「子育て支援」「父親支援」。NPOファザーリングジャパン顧問、東京大学発達保育実践政策学センター研究員。テレビ・ラジオ・新聞・雑誌等にて積極的に発信をおこなう。「男の子の本当に響く叱り方・ほめ方」(すばる舎)、「育児父さんの成長日誌」(朝日新聞社)、「パパルール」(合同出版)など、著書多数。著者:ライター 大楽眞衣子社会派子育てライター。全国紙記者を経てフリーランスに。専業主婦歴7年、PTA経験豊富。子育てや食育、女性の生き方に関する記事を雑誌やWEBで執筆中。大学で児童学を学ぶ。静岡県在住、昆虫好き、3兄弟の母。
2022年05月26日女優の小芝風花とお笑いコンビ・かまいたちの山内健司、濱家隆一が出演する、コカ・コーラシステム・やかんの麦茶 from 一(はじめ)の新CM「やかんの麦茶 常連さん」編が、11日より放送される。新CMでは小芝が麦茶屋の店主、かまいたちが常連客として登場。かまいたちの2人が来店して席に着くと、小芝が2人の顔に水をかけてしまう。しかし、最後は「うまっ」と満足した様子の2人を見て、小芝も思わずガッツポーズをする。水が跳ねるシーンでは、実際に水を飛ばして撮影。山内は動じずポーズを決め、濱家も見事な驚きのリアクションを披露した。焦る演技をした小芝に「ナイスナイス~」と親指を立てながらキメ顔を見せる山内に、濱家がツッコむ場面も見られた。■小芝風花、かまいたちインタビュー――CM撮影を終えていかがでしたか?小芝:すごく楽しくてあっという間でした。麦茶屋を去年オープンし、(かまいたちの)お二人が常連客として通ってくださっていて、すごく大繁盛しているなと思って、店主としては嬉しい気持ちでいっぱいです。濱家:一番好きな雰囲気のお店です。風花ちゃんの雰囲気にも合っていて、すごく良いお店です。うちの相方から「『やかんの麦茶』とりあえず飲んでみて」と言われて、そこから「やかんの麦茶」以外飲んでいないので(笑)。そのCMに参加させていただいているのが本当に嬉しくて。小芝:もすごく明るくて気さくで、楽しかったです。山内:毎日これしたいなと思いました。濱家:え? これを? 撮影を(笑)?山内:この撮影を毎日していきたいです、できるなら。すごく楽しかったです。――CMでの初共演はいかがでしたか?小芝:山内さんがエプロンされているときに、濱家さんが黙って(エプロンの)埃をサッと取られてたのを見て、熟年夫婦! と思って(笑)。すごく素敵だなぁと思いながら見てました。濱家:(笑)。そんなことありましたか。僕は一回も取ってもらったことないですけどね。山内:(笑)。その辺も熟年夫婦らしい。濱家:ね、僕のほうが奥さんなのかな。そういう意味で言うと。僕は関西出身なのでちょっと親近感も出ました、(小芝さんの出身が)関西なんやって聞いて。こぼれでる関西弁がすごく親しみやすいというか、本当に明るい、このままの方でしたね。山内:僕が言うことやないですけど、もっと演技をバーンってやったほうが……。小芝:すみません(笑)!濱家:お前が言うことちゃうねん! 何回リテイクした? 俺ら、ナレーションだけでも。「乾いた喉に」、俺何回言ったか?山内:違ってたんやろな~。濱家:さすが風花ちゃんでしたよ。――YouTubeチャンネルで、山内さんの1番好きな飲料として紹介されていた「やかんの麦茶」との出会いを教えてください。また、コンビニ店長を務める弟との「やかんの麦茶」エピソードを教えてください。山内:打ち合わせに来たディレクターの人が「やかんの麦茶」を持ってたのが最初の出会いです。まずネーミングで「何なんこのセンスあふれるネーミング!」と思って。で、すぐ自分で買って飲んだら、子供の頃に実家でお母さんがやかんで作ってた感じの麦茶で、「ネーミングそのままの味を再現してるやん!」と思って。そこからもういろんな人に「『やかんの麦茶』すごいよ!」って。濱家:本当に草の根活動してましたもんね。山内:(コンビニ店長の)弟にLINEで入荷してるか? って確認して。めちゃくちゃ来るから入荷多めにした方がいいよってアドバイスも送りました。小芝:私も知り合いの方に「山内さんが1位にしてるよ!」って教えてもらって急いで観ました。私が褒められてるわけじゃないのに私まで褒められている気分になってすっごく嬉しかったです。――「やかんの麦茶」のイチオシポイントは?山内:本当にまず香ばしい感じ、それが他の麦茶にはないくらいで、なんか懐かしい。僕は実家を出て結構経つんですけど、ちょっと実家を思い出させてくれるような。あと、部活のときにマネージャーが作ってくれてた、あの味も思い出させてくれるような。濱家:ネーミングから全て、もうね。山内:いろんなものがブワッっと蘇るような味で。まだ飲んだことない人は、これだけ話題になってる理由が飲んだら分かると思うんで、一回飲んでみてほしいです。――いつも明るい小芝さんから多忙なかまいたちのお二人に前向きに頑張れる方法があれば教えてください。濱家:良いんですか? ほんま後ろ向きですからね、僕ら。山内:前向きになれるかな……。小芝:本当ですか(笑)? かまいたちさんが大好きな人は私の周りでもめちゃめちゃ多いですし、もちろん大変だと思うんですけど、テレビとかYouTubeもそうですし、お二人を見るだけですごくこちらとしては元気が出ますし、やかんの麦茶でふぅっと一息つきながら身体に気を付けて、頑張ってください。山内:嬉しい~。今のところだけ動画で切り抜いて、僕にください。濱家:元気ないとき見ます。ありがとう。山内:単独ライブとかでも勝手に使わせてもらいます。濱家:あかんわ、そんな使ったら! どう使うねん(笑)。
2022年04月07日高橋真梨子高橋真梨子の“最後の全国コンサートツアー”が1月27日から始まっている。「立川ステージガーデンからスタートして、ホームステージの東京国際フォーラム・ホールでは5公演。10月末までの10か月の間に、全国42公演の開催が予定されています」(スポーツ紙記者)ラストと聞いて最後のステージを見届けたいと思ったファンは多く、東京公演のチケットはすでに完売。ただ、すべての音楽活動をやめてしまうわけではない。「全国ツアーはこれで最後になりますが、ライブは続けていくそうですよ。主に東京での活動となると思います。体力的に地方を転々とするのはつらいみたいで、全国を回るのは今回でおしまいにするということです」(芸能ジャーナリスト)高橋がライブをする際には、絶対はずせない条件があるという。「以前、高橋さんが突然“歌わない!”とスタッフに告げたことがあって。ツアーの構成作家で高橋さんの夫でもあるヘンリー広瀬さんが参加できない日程があったからなんです。バンドを仕切っているヘンリーさんの存在はそれほど大きいんですね」(前出・スポーツ紙記者)ヘンリーはペドロ&カプリシャス時代から高橋を支え、1993年に結婚。おしどり夫婦として知られる。息ぴったりの夫婦が作るステージ女性歌手を夫がサポートする例はほかにも。「松任谷由実さんのプロデュースを夫の正隆さんがしているのは有名ですね。彼は作曲や編曲を手がける天才。竹内まりやさんの夫・山下達郎さんも妻の歌手活動をサポートしていました。まりやさんは過去に、“彼にプロデュースしてもらうことで、書いた作品が私のイメージどおり、あるいはそれ以上になっていきます”と感謝の言葉を述べています」(前出・芸能ジャーナリスト)夫の存在が不可欠なのには理由があるらしい。「長い間、歌手活動をされている方々ですから、歌い方やアレンジなどのバリエーションが多くなります。ステージでは気持ちよく歌えるように曲を調整するのですが、これがとても難しい。でも、高橋さんたちのように夫婦で組んでいる場合は、不思議にうまくいくんです。長年連れ添ってきているからなのか、ぴったり気持ちよく歌と曲がつながるんですよね。本人たちいわく、“求めてるフィーリングが合う”ということだそう」(同・芸能ジャーナリスト)長年紡いできた関係だからこそ、歌える曲がある。“ラストツアー”でも、夫婦の奏でる美しいハーモニーを聴くことができるはずだ。
2022年03月18日※画像はイメージです人生における夫婦の転機は、前半が子どもの誕生なら後半は間違いなく夫の定年だ。子どもが巣立ち、夫婦ふたりで水いらず……というのが理想だが、現実はそううまくはいかない。妻のホンネ「定年後も働いてくれ」夫が定年になっても妻の負担は減らないどころか、お昼ごはんの支度まで加わってより大変になるのがオチ。趣味に打ち込まれたら打ち込まれたで、お金は出ていくのでそれもまたモヤモヤ……。夫がまだ現役という人も、コロナ禍の在宅ワークで夫が1日じゅう家にいるストレスを痛感した人も多いだろう。妻の日中の自由は奪われ、「こっちが好きに外出するのもままならないなんて絶対イヤ!」、「とにかく外に出て働いてほしい!」というのがおそらく妻たちの本音なのだ。一方、夫側はどう考えているのだろう。そもそも、定年後のシニアでも仕事はあるのだろうか。ここで退職後の就業に成功した小室さん(仮名)の実例を紹介しよう。長年勤めた会社を60歳で定年退職したあと、再雇用で同じ会社に2年在籍。その後、62歳で退職を決意した。「経済的には65歳まで残ったほうが得なことはわかっていましたが、取り組んでいた仕事もひと区切りつき、やりきった感がありました」奥さんに相談したところ、経済的には残ったほうがいいとは知りつつも、「やりたいことがあるなら好きにしていいんじゃない」と言ってくれたという。「特にやりたいことがあったわけではなかったのですが、妻のその言葉でふんぎりがつきました」それから2か月ほどは憧れていた悠々自適の暮らし。のんびりはしたが、長くは続かなかった。「長年働いていた生活のリズムが崩れ、身体に緊張感がなくなっていくのを感じたんです。このままではまずいと仕事を探し始めました」最初は前職で経験のある商品開発や小売りの仕事につきたいと希望していたが、状況は厳しかった。「シニア向けの仕事はたくさんあっても職種は限定されていると再認識しました。その後、気を取り直して希望職種を変え、ビルやマンションの管理人を中心に応募することにしました」希望職種は妥協したが希望条件は譲らず、5か月ほどの求職活動の末、いまは自宅にほど近いビルの管理会社で9~17時まで週5日、バリバリ働いている。「ほぼ希望どおりの条件で決まりました。今の仕事は自分のペースでできるし、お客様を見ながら仕事ができる充実感もあり、満足しています」プライドやキャリアより、頭のやわらかさが大事小室さんが感じたように、定年後のシニアの求職でぶち当たるのが、自分の希望と現実のギャップだ。それは言い換えれば、自分が感じている自分の価値と、世間が見ているシニアの価値のギャップともいえる。シニアの仕事探しを支援している東京しごとセンターのシニアコーナー相談員の内野貴世子さんは、「そこをうまく乗り越えられるかどうかが分かれ目」だという。「第一線で働いてきたキャリアや、管理職のポストに就いていた経歴があっても、それが必ずしも歓迎されるわけではなく、生かせる職種も多いとはいえません。収入が希望に満たないこともほとんどです。最初は多くの人がその現実にショックを受けます」シニア向けの転職サイト、マイナビミドルシニアのマーケティング部・篠崎護さんも、中高年以降の職探しの厳しさを指摘する。「50歳を越えると希望がかなうのは専門性の高い職種だけ。年収1000万以上の方が55歳で早期退職して200万~300万円減を覚悟して探しても、実際は年収500万円以上も厳しい。60歳以上になるとパートやアルバイトの求人がほとんどです。また、せっかく仕事を見つけても奥さまに『そんな仕事……』と言われて就職自体をあきらめる人もいます。でも、働くことでやりがいを感じられたり、健康を維持できている人もいるので、働くことの意味を夫婦で考えるいい機会にしてもらえればと思います」シニアに職がないわけではないという。「いままでの価値観を見直して広く目を向ければ、管理人や警備、清掃など、シニア男性に求人が多い職種も多数あります。偏見を捨て、新しい仕事への意欲を持つこと。それには奥さまの理解と協力が後押しとなります。そこがうまくいけば70歳以上でも仕事を継続できる人が多いです」(内野さん)夫を働かせるためには妻のほうも、もうひとふんばりせねばならないようだ。シニア男性に多い求人はこの3つ!【清掃】時給の目安:1050~1200円ビルやマンション、商業施設などの建物の清掃がメイン。特にマンションは共用部分の清掃のみの場合が多く、初心者でも採用されやすいうえ仕事の難易度も低い。清掃する場所で勤務時間は変わり、短時間での仕事も多いので自分の時間を確保したい人にはおすすめ。【警備員】時給の目安:1050~1200円ひと口に警備といっても、シニア採用の多くはビルや商業施設での「施設警備」と工事現場や催事などでの「誘導警備」で、ほとんど危険性はない。規律を守るまじめさが買われる職種で、チームでの交代勤務が一般的なので同世代の仲間づくりもできそう。【管理人】月給の目安:15万~23万円ほとんどが分譲マンションや賃貸マンションでの管理業務。業務は多岐にわたるものの、住人とのコミュニケーションをとりながら務めるサービス業なので、人生経験や人柄が重視され、シニアにはぴったりの仕事。平日8時半~17時前後のフルタイムでの雇用も多い。「最初から希望する人は多くありませんが、採用率は高く、やりがいのある仕事ですよ」(シニアの職探しの専門家・内野貴世子さん)段階を経て少しずつ意識改革を働くことに同意はしても、職探しで挫折されたら妻としてはたまったものではない。夫の働く意欲をかきたて、うまく就職へとつなげるには具体的にやるべきことはなんだろう。東京しごとセンター課長の村野哲寛さんは夫婦での話し合いが大事だという。「ご本人も就職活動なんて何十年もしたことがないわけですから、戸惑って当然、わからなくて当たり前です。まずはその状態を理解してあげること。そのうえで、ご夫婦で定年後のライフプランを整理し、いつまでいくら収入が欲しいのか、どんな働き方をしたいのかを明確にすることが第一段階です」妻側からすれば、「働く」か「働かないか」という二択ではなく、「働くほうがいい」という前提で話が進められると理想的。長年働いた夫は「定年後くらいはゆっくりさせてくれ」と思うかもしれないが、そこは、頑張りを十分ねぎらったうえで、働き続けることのよさをアピールしたい。オーバーなくらい感謝や励ましを伝えると、夫もまんざらでもないはず。また、自分もパートを続けたり、外で働かないなら家事は快く引き受けたりと、ともに頑張る姿勢を見せるのもポイントだ。無料の相談やセミナーを最大限利用次なるステップは、ハローワークなどが開催している無料のセミナーや講習会に行ってみること。例えば「東京しごとセンター」では、55歳以上向けのさまざまなセミナーが無料で開催されている。再就職支援セミナーでは、履歴書の書き方から仕事の探し方など、就職活動の基礎を教えてくれる。再就職した人の体験談が聞ける再就職応援セミナーやシニアに求人が多い職種の内容がわかる職場転換セミナーなどもある。まずはどんなセミナーでもいいからとにかく行ってみることがいちばん大事。「ちょっとのぞいてみる、ちょっと話してくる、という気ラクな気持ちで足を運んでほしいですね。本格的な職探しの前に準備運動の感覚で利用すると情報が入ってくるし、視野が広がります。人の話を聞いたり話したりしているうちに、自分の希望や考えも固まってくる人が多いですね。奥さまが情報を集めてさりげなく促してみるのも効果的だと思います」(内野さん)ひとり家にこもっていると自分の考えに固執し、不安感や孤独感がつのるばかりだが、外に出てみれば自分と同じような境遇の人がたくさんいることがわかる。活動期間は平均6か月、職種の偏見を捨てるべし実際の職探しは最後のステップだ。ここまでの2段階を踏んだうえで始めるのと、いきなり職を探すのとでは雲泥の差。気持ちの準備が整って初めて、実際の求職活動をするのが正解だ。公的、民間の就職支援機関を使いながら、応募を繰り返し、職が決まるまでの活動期間は平均6か月程度。それまでにもうすうす気づいてくるものの、改めて理想と現実のギャップに打ちのめされたり、不採用が続いて落ち込むこともあるだろう。妻としてもショックだが、ここではぐっとこらえて決して夫を追い詰めないこと。「プライドがあって弱音を吐いたり、愚痴を言うのが苦手な男性も多いですが、ひとりで考えすぎて行き詰まるのがいちばんよくない。奥さんが受け止めてあげて、よき理解者、相談者になってあげること。人と話すうちにその会話の中で気づきが得られ、また前向きな気持ちで活動に臨めると思います」(村野さん)たとえ職が決まっても、ほとんどの場合、希望どおりではないだろうが、たとえ当初のイメージとまったく違うものだとしても落胆することはない。それは年月を経て夫が社会に果たす役割が変わっただけのこと。夫の新たな役割を気持ちよく応援したい。結局は妻にとってもそれが得なのだから。リタイアした夫を気持ちよく働かせる3ステップ■《ステップ1》夫婦で話し合って、働く意味を整理まずは、この先のライフプラン、マネープランを夫婦で共有すること。いつまで、どのくらい働くのか、特に経済的に働かなければならない場合は、いつまでにいくら収入が必要なのかを明確にしたい。妻としては、傍観者ではなく当事者感覚を持つことが大切。「働いてくれてありがたい」「元気で働けてすごいね」などの声かけで夫のモチベーションアップを。■《ステップ2》何でもいいから、セミナーや講習会に行かせるいきなり求職活動を始めるのではなく、まずはゆったりとしたペースでスタート。無料の相談やセミナーなど、なんでもいいから行かせられれば大成功。視野が広がるので、そこから自然に意識改革へとつながるはず。この時期は仕事の探し方や職種の仕事内容など、シニアを取り巻く仕事事情が理解できればOK。同じような境遇の仲間や体験者談を知る効果も大きい。■《ステップ3》希望職種を絞って求職活動シニアの仕事事情がつかめ、自分の希望もはっきりしてきたところで実際の求職活動スタート。就職支援機関は大きく分けて2種類ある。ハローワークに代表される公的機関は地域にもよるが、職探しに役立つサービスが充実していて、履歴書の書き方指導や面接対策などの無料セミナーも。民間のいわゆる転職サイトでも、シニア部門が設けられている会社もあり、利用価値大。〜妻が持つべき心得3か条〜【1】決して責めない、強制しない【2】情報提供はさりげなく【3】協力者、相談者の意識を持つ〜夫に持たせるべき心得3か条〜【1】働くことを前向きに捉える【2】プライドやこだわりを捨てる【3】社会の役に立つ喜びを感じる定年後も夫を働かせたい妻たちのホンネ座談会仲よし4人の妻たちが定年後の暮らしについてぶっちゃけトーク!●A代さん56歳夫は62歳で再就職2年目●F美さん52歳夫は58歳で定年間近●K恵さん49歳夫は2歳年上で働き盛り●J子さん44歳夫は5歳年上で団体職員A代・このなかで旦那の定年を経験してるのは私だけだよね。K恵・コロナ禍で旦那がずーっと在宅ワークなんだけど、これが定年後の暮らし?と思ったらゾッとしちゃった。J子・わかる~!なんで昼間にいるの?って思うよね。私たちがパートに出てるからまだいいけど、1日じゅうずっと夫婦ふたりなんて……。F美・絶対定年後も働いてもらわないと、だよね。J子・でもさ、男って定年したら悠々自適が夢って思ってない?そんなの団塊の世代までの話だっつーの。A代・考え方が古いんだよね。アップデートされてない。K恵・悠々自適なんて年功序列で順調に昇給して退職金ガッポリもらえた時代の話じゃん。J子・子どもの教育資金がかかって老後資金まで手が回らないよね。A代・うちは旦那の定年時に子どもがまだ大学生だったから問答無用で再就職だったけど、活動中はナーバスだったなあ。F美・すぐ決まった?A代・3か月。専門職だから早いほうだと思うけど、やっぱり何社も落ちたりするからさ。K恵・気、使うね~。A代・私は何も言わないって決めてたけど、いま考えるとバカ明るいくらいの妻を演じたほうがよかったのかも。J子・めんどくさっ。F美・うちはあと2年だあ。A代・絶対話しておいたほうがいいよ。世間話風でいいから「パパどうするつもりなの~」とか、「どんな仕事があるのかしらね~」とか、さりげなく。K恵・働いていたほうが収入はあるし、若くいられるし、家族には煙たがられないし、いいことばっかよね。J子・そこ強調するしかないな。A代・だからさ、私、パートから疲れて帰ってきても嫌な顔しないで、「ああ、この年で働けて幸せだわあ」とか「何もしないと1日って長いね」とか、独り言みたいに会話にはさみ込んだ!K恵・うまい!J子・人生長いんだから、お互い働けるうちに適度に働いて、そのお金で楽しむのが健康的で平和だよね。K恵・何が平和かって、旦那が留守なのがいちばん平和。私たちの老後の幸せのためならひと芝居打つわよ!(取材・文/野沢恭恵)
2022年03月13日行政書士・ファイナンシャルプランナーをしながら男女問題研究家としてトラブル相談を受けている露木幸彦さん。今回は、内縁の妻に遺産を残すために遺言書を作成した男性のケースを紹介します。※写真はイメージです■男性が超年下の“内縁の妻”を持つ事情突然ですが「内縁」という二文字が何を意味するのか、知っていますか?「内」の「縁」と聞いてもわかりにくいですよね。これは普通の夫婦(法律婚)と比べるとわかりやすいです。法律婚は婚姻届を提出し、同一戸籍に入っている男女のことです。一方、内縁とは「何らかの事情」で婚姻届を提出することができず、苗字は別々だけれど、一つ屋根の下で衣食住をともにする男女です。外から見れば普通の夫婦と変わりません。では、入籍できない事情とは何でしょうか?筆者は行政書士・ファイナンシャルプランナーとして男女の悩み相談にのっていますが、大半の場合、「離婚できないから」です。特に男性の側に戸籍上の配偶者(本妻)がいるパターンです。配偶者が承諾してくれず、まだ離婚していないのに、新しい女性と付き合い始めるケース。日本では重婚は認められていませんから、新しい彼女と結婚するには配偶者と離婚しなければなりませんが、例えば、「お前より若い子と一緒になりたいから」という理由で、妻は簡単に離婚に応じるでしょうか。離婚交渉を途中で断念した場合、内縁という奇妙な関係が発生するのです。内縁の妻は夫より20歳以上も若い……そんな「超」年の差も珍しくありません。なぜでしょうか?老夫が若妻を金銭的に養うことで成立するからです。具体的には非正規で生活を安定させたい30~40代女性と、前妻を失った寂しさを埋めたい60~70代男性が惹かれ合うのですが、持ちつ持たれつという感じ。今回の相談者・亮一さん(仮名・72歳)、美穂さん(仮名・48歳)もそんな組み合わせです。筆者の事務所へ二人そろって相談しに来たとき、亮一さんの寿命は尽きようとしていました。亮一さんが把握している限り、現金化できる財産は4,000~5,000万円程度ですが、何が問題なのでしょうか?<登場人物(相談時点、すべて仮名)>夫:亮一(72歳・年金生活)内縁の妻:美穂(48歳・家事手伝い)☆今回の相談者戸籍上の妻:鈴美(70歳・年金生活)長女:音美(34歳・専業主婦)亮一と鈴美との間の長女長女の夫:玲央(36歳・会社員)長女の子:大河(1歳)玲央と音美の間に生まれた長男「彼がまだ動けるうちにやっておきたいんです。でも何から始めれば……」美穂さんは不安そうな表情を浮かべますが、事務所の玄関で筆者は唖然としました。亮一さんの両足は1.5倍に腫れ上がり、靴が履けない状態だったのです。素足にサンダル履きという姿が余命の短さを象徴していると後でわかったのですが、亮一さんが侵されたのは末期の食道がん。4年間にわたる闘病の末、もう効く抗がん剤はなく、病院に見放されたのは先月のこと。亮一さんは残りの時間を自宅で過ごすことを希望しました。そして歩行困難になる前に筆者のところを訪れたのです。しかし、事情を知らない筆者が美穂さんに「奥さんですか?」と尋ねると二人とも難しい顔をします。美穂さんは10年間、亮一さんのことを心身ともに支えてきました。亮一さんは「今はとても幸せです」と言います。亮一さんはもともと妻、そして長女と生活していたのですが、亮一さんが61歳のとき、自宅を出て、美穂さんと一緒になったのです。■妻の癇癪に耐えられず家を出た夫亮一さんが家を出たのには理由がありました。彼いわく、件の妻は癇癪持ち。長年、激しい気性に悩まれてきましたが、特にひどくなったのは亮一さんが42年間、勤めた会社を定年退職してから。夫婦が同じ空気を吸う時間が長くなった影響で妻はますます神経質に。例えば、亮一さんの財布やスマホ、クレジットカードの明細までチェックするように。少しでも無駄使いを発見すると大変です。「馬鹿!」「ボケ!」「死ね!」と暴言を浴びせてくるのです。そのため、次第に亮一さんは昼間外出し、妻を避けるような行動を取り始めたのです。亮一さんが家に戻るのはシャワーを浴びるときだけ。寝室に入らず、リビングのソファーで寝る日々を続けていたところ、妻に見つかってしまい……。亮一さんが「ちゃんと家で休めるようにしてほしい」と頼むと、妻は「いつになったら出て行くんだ。早く死んでくれ!」と一蹴。亮一さんは完全に居場所を失い、自宅を追われ、行方をくらますしかなかったそうです。最初はひっきりなしに届いた妻や長女からの罵詈雑言も次第に減っていき、途中で完全に途絶えたのです。そして失踪から1年後。美穂さんと知り合い、お互いに惹かれ合い、夫婦同然の生活を送るように。二人は中途半端な関係だったものの、「日々の生活に特段、不自由していなかったので……」と亮一さんは弁明しますが、本妻との離婚はついつい後回しに。そしてきちんと「けじめ」をつけず、なぁなぁのまま、今に至ったそう。つまり、戸籍上の配偶者は今だに本妻。そして美穂さんは内縁の妻という位置づけなのですが、問題は相続権。今にも亮一さんの寿命が尽き、相続が発生しそうな状況ですが、法律上、「何もしなければ」内縁の妻に法定相続権(法律で定められた相続権)はありません。このままでは亮一さんの遺産は闘病中、何もしていない本妻と長女が総取り。献身的に看病した美穂さんには何も残らないのはあまりにも不平等な結果です。■彼女に遺産を残すための遺言作成確かに二人の間柄は不倫、美穂さんの存在は不倫相手ですが、亮一さんにとって10年間、その存在を忘れていた戸籍上の妻と、10年間、連れ添った内縁の妻とどちらが大事でしょうか?亮一さんは「美穂さんです」と断言します。亮一さんは残された美穂さんがお金に困らないよう、遺産を残すことを望んでいました。もちろん、亮一さんが本妻と離婚し、美穂さんと再婚することができれば、それが理想的な展開です。法定相続人は美穂さんと長女だけ。本妻に遺産を渡さずにすみます。本妻が美穂さんに「何様なの!」と文句を言う権利はありません。とはいえ亮一さんは余命わずかの状態。10年ぶりに本妻と連絡をとり、今さら「正式に別れてほしい」と頼み、亮一さんが亡くなるまでの間に離婚届に署名をもらう。それは全く現実的ではありませんでした。そこで筆者は「離婚せずに彼女に遺産を残すのなら遺言を作りましょう」と提案しました。なぜなら、遺言のなかで美穂さんに遺産を渡すと書けば、美穂さんにも相続する権利が発生するからです。ところで遺言は公正証書遺言と自筆証書遺言の2つに分かれます。前者の場合、公正役場で公証人立ち会いのもと本人が署名捺印するのですが、いざ本人が亡くなり、遺言を発見し、相続を開始する前に、遺言の発見者が勝手に中身を書き換える可能性があります。そのため、遺言の原本は本人だけでなく、公正役場でも保管しておきます。もし、発見した遺言と公正役場の遺言に相違があった場合、改変の事実が明るみに出るので安心です。後者の自筆証書遺言の場合、遺言を無断で改変していないかなどを相続の手続を始める前に、裁判所で確認しなければなりません(=検認)。今回の場合、自筆で遺言を残すのは極めて危険です。本妻は「夫が出て行ったのは女(美穂さん)が裏で糸を引いているはず。夫はあの若い女に騙されたに違いない。金欲しさで近づき、媚を売り、遺言を書くように仕向けた守銭奴」と思うに違いありません。美穂さんという存在のせいで遺産の分け前が減るのですから、筆者は「本妻や長女が美穂さんを逆恨みするでしょう」と指摘しました。美穂さんが亮一さんと出会ったのは別居後ですが、「寝取ったわけではない」と弁明しても、怒り狂った本妻は聞く耳を持たないでしょう。自筆証書遺言の場合、もし本妻が検認前に遺言を奪い取り、焼き払い、灰と化した場合、遺言を「なかったこと」にすることも可能といえば可能です。現時点で本妻や長女が何をどこまで勘づいているのかはわかりませんが、少なくとも美穂さんのことは「悪女」に映るでしょうから、本妻や長女が何を仕出かしてもおかしくはありません。亮一さんは美穂さんのことを本妻、長女から守らなければなりません。このことを踏まえた上で亮一さんは遺言の形式として「公正証書」を選びました。■寿命が尽きる中で感じた“罪悪感”次に具体的な内容です。亮一さんが家出せざるをえなくなったのは妻の責任も大きいでしょう。妻がまともなら悠々自適な老後生活が待っていたはずと考えると、遺産は美穂さん10割でもよさそうですが、亮一さんは言葉を濁します。美穂さんと暮らし始めて10年ですが、一方で結婚から別居まで25年。遺産の一部は妻のおかげで築いた財産も含まれています。そして亮一さんは別居から11年間、妻子に生活費を全く渡していません。さらに長女の結婚、孫の誕生、義母(妻の母)の逝去……いずれの場面も夫不在、父不在で迎えざるをえず、寂しい思いをさせたという自責の念もあります。亮一さんは自宅療養中、過去の人生が走馬燈のようによみがえったとき、家族を捨てた罪悪感が頭をよぎったそう。「彼女たち(本妻と長女)には悪いことをした」と。そのため、筆者の提案に対して亮一さんは本妻、長女にも遺産を残すことを望みました。そして本妻、長女、美穂さんは均等に3分の1ずつ分けることに決めたのです。そして本妻、長女に遺産分割の手続を任せた場合、美穂さんがどんな目に遭うかわかりません。そこで筆者は「遺言の執行人(相続人を代表して遺産分割の手続を行う人)を美穂さんにしましょう」と提案し、亮一さんと美穂さんは承諾しました。それから2週間。筆者は文面を作成し、美穂さんは印鑑証明、戸籍謄本等の書類を入手し、筆者は書類をもとに公正役場へ連絡し、公正証書化する準備を進めました。そして署名当日、車椅子で現れた亮一さんの姿に筆者は愕然としました。亮一さんは自らの足で歩くことが困難になっていたのですが、わずか2週間でこんなに悪化するなんて……。亮一さんが公正証書に署名する場所は公正役場ですが、エレベーターがない建物の2階。バリアフリー化された役場を選ばなかったことを悔やみました。結局、筆者と美穂さんが亮一さんを抱えて2階に運びました。そして亮一さんは公正証書遺言の手続きを無事、終わらせることができたのです。■早め早めに「終活」の準備をしかし、人生で最後の仕事を終えたことで残された力を使い果たしたのでしょうか?亮一さんは5日後に突然倒れ、救急車で搬送され、そのまま帰らぬ人に。筆者が亮一さんに会ったのは2回だけですが、どんな事情でも依頼者が亡くなるのはショックです。同時に「間に合ってよかった」と安堵したのも確かです。こうして亮一さんは美穂さんへの感謝の気持ちを遺産という形で残すことができたのですが、亮一さんのように妻との縁切りを別居で済ませ、離婚まで行わないケースは決して珍しくありません。なぜなら、別々に暮らし、連絡をとらず、存在を感じない生活は別居でも離婚でも同じだからです。しかし、別居と離婚の違いは戸籍です。別居先で新しい彼女と結びついた場合、「まだ妻が戸籍に入っている」という理由でさまざまな問題が生じます。今回の相続はあくまで一例。新しい家庭を持つ場合は古い家庭にけじめをつけるのが第一ですが、どうしても難しい場合は遺言を含め、「終活」を行う必要があります。もちろん、亮一さんのように土壇場で慌てたりせず、早め早めに準備しておくのが肝要です。<亮一さんが作成した公正証書遺言の文面>遺言公正証書本職は遺言者・**亮一の嘱託により、証人・***、***の立会の上、次の遺言の趣旨の口述を筆記しこの証書を作成する。鈴美、音美へ貴方たちがこれを読むとき、私はすでにこの世にいないでしょう。4年間、治療を続けた食道がんですが、今はステージ4、すでに余命8か月と言われたからです。長年にわたり、鈴美に苦しめられました。ここにすべての詳細を書き出すことはしませんが、事あるごとに思い出しては当時の苦しみがよみがえる日々を送ってきました。本当につらかった。そんななか私を救ってくれたのが美穂さんです。私は何度も死のうと思いましたが、ここまで生きながらえたのは美穂さんのおかげです。ありがたいことに私の病気がわかってからも、私のことを捨てずに支えてくれました。美穂さんのことを考えると私だけ苦しめばいいわけではありません。貴方たちの存在は美穂さんに大きく影響します。この遺言で美穂さんにもお金を残したいと考えています。ただ、世間から音美がどう思われているか。そのことをずっと負い目に感じてきました。そこで美穂さんには遺産の3分の1を受け取ってもらいますが、残りは貴方たちで分けてください。執行人は美穂さんに任せます。最後にくれぐれも美穂さんに迷惑をかけないでください。美穂さんのところに乗り込んできて、自分たちの権利を主張し、美穂さんを困らせないでください。そのようなことは何としても防ぎたい。その一心で私は筆をとったのです。本旨外要件遺言者無職神奈川県川崎市************亮一(以下、省略)露木幸彦(つゆき・ゆきひこ)1980年12月24日生まれ。國學院大學法学部卒。行政書士、ファイナンシャルプランナー。金融機関の融資担当時代は住宅ローンのトップセールス。男の離婚に特化して、行政書士事務所を開業。開業から6年間で有料相談件数7000件、公式サイト「離婚サポートnet」の会員数は6300人を突破し、業界で最大規模に成長させる。新聞やウェブメディアで執筆多数。著書に『男の離婚ケイカク クソ嫁からは逃げたもん勝ち なる早で! ! ! ! !慰謝料・親権・養育費・財産分与・不倫・調停』(主婦と生活社)など。公式サイト
2021年11月14日(イラスト:mico Ꮚ•ꈊ•Ꮚ @gogo_aokun)感謝の気持ちを素直に!ありがとうとごめんは特に素直に言う。(37歳/商社・卸/秘書・アシスタント職)当たり前だと思わない。感謝の言葉を忘れない。(37歳/商社・卸/秘書・アシスタント職)夫を立てる。感謝を伝える。愛してると伝える。(29歳/アパレル・繊維/事務系専門職)夫の言動に腹を立て、「いつも自分ばかり我慢している」と感じていませんか? でも、もしかしたら夫もなにかを我慢してくれているのかもしれません。人の気持ちは見えないからこそ、思いやりと感謝の気持ちを忘れずに。「ありがとう」と言われて腹を立てる人はいません。言えるチャンスがあったら、ささいなことでも「ありがとう」を伝えることは大事ですね。コミュニケーションをしっかりと!しっかりコミュニケーションをとる。ときにはぶつかることも必要。(29歳/機械・精密機器/秘書・アシスタント職)不満があれば常に話し合いの場を設ける。(28歳/ホテル・旅行・アミューズメント/販売職・サービス系)思ったことはすぐ伝える。(28歳/金融・証券/秘書・アシスタント職)家庭円満の秘訣は、コミュニケーション! という回答が多く見られました。感謝の気持ちを伝えることも大事ですが、不満があればきちんと話し合うことも大切ですね。自分の気持ちを相手に説明することで、問題の本質が見えてくることもあります。夫婦といえど、お互いひとりの人間。気持ちのすれ違いを重ね続けると、いつか大爆発してしまうかもしれません。言いにくいことは、文字にして伝えるのもオススメです。子どもの前ではケンカは×子どもの前ではけんかしない、子どもに父親の悪口は言わない。(32歳/金融・証券/事務系専門職)朝の挨拶は必ずする、子どもの前で喧嘩、他人の悪口、お互いの悪口は言わないことぐらいかな。(31歳/医療・福祉/事務系専門職)子どもの前で親同士が言い争ったり、ケンカをすることも虐待の一種です。家のなかの雰囲気が悪いと、子どもは「自分のせいかもしれない」と罪悪感を持つこともあります。話し合いの場を持つときは、子どものいない時間と場所を選ぶ配慮も必要ですね。前日にケンカをしても、翌日には引きずらないことも大事。難しいですが、がんばりましょう!おおらかな気持ちで許す!夫の多少だらしない点には目をつぶる。(32歳/機械・精密機器/技術職)逃げ道を用意してあげる。(35歳/小売店/事務系専門職)イラッとしても「まあいいか」と思うようにしている。(35歳/小売店/販売職・サービス系)相手の行動を変えるより、自分の気持ちを切り替える方が早いし簡単、というおおらかな対策をしているママたちもいました。こまかいことは気にしないでやりすごすのも、生活の知恵ですね。「まあいいか」はいつでも使える魔法の呪文。気持ちを切り替えて楽しいことを考えましょう!あきらめも肝心あまり期待しすぎない。(34歳/医療・福祉/専門職)男って女みたいにしっかりしていないので笑、もうあきらめています。そういう生き物だからw。(29歳/自動車関連/事務系専門職)多くの事を望まない。(38歳/専業主婦)「諦める」というのは身も蓋もない言い方ですが、期待しすぎるとがっかり感が倍になることも事実です。「この一線は譲れない」というラインを決めたら、ほかはすっぱり諦めることで、自分の気持ちが楽になるかもしれません。長く一緒にいる相手だからこそ、うまく力を抜いてつきあっていくのが家庭円満の秘訣です。まとめ前向きな対応策から、ちょっと後ろ向きな対策まで、先輩ママのお答えには含蓄がありました。みなさん、さまざまな方法で家庭を円満に保っているようです。今回は主に夫への対応策でしたが、子どもへの態度にも応用がききそう。家族全員が笑顔で過ごせるように、今日も1日がんばっていきましょう。マイナビ子育て調べ調査日時:2021年8月3日~8月7日調査人数:150人(22歳~40代までのママ)(マイナビ子育て編集部)
2021年11月07日現場となった自宅は今は取り壊され跡形もない「スッキリした」。夫を殺害したあと、そう話したという妻。17年にわたって引きこもる夫、自身に迫る体調不良、コロナ鬱──。妻を追い詰めるには十分すぎる理由があった。妻の全裁判を傍聴した作家・北原みのりが見た事件の真実とは──。今年3月、夫(83)をノコギリでひき殺した女性(76)が逮捕された。女性は自首した警察で、夫への長年の恨みを語ったという。なぜ、ノコギリだったのか。なぜ包丁でなかったのかが、強くひっかかった。事件の背景を知りたい。その思いで横浜地裁での裁判を傍聴した。■夫のDVに耐え、2人の子を1人で育てあげた女性は1945年に神奈川県茅ヶ崎市で生まれた。男女平等教育を受けた世代だが、就職した会社で女性がずっと働ける時代ではなく、25歳で見合い結婚をした。7歳年上の夫との生活は、「一日も心安らかに過ごしたことがない」ものだと、女性は日記に書き残している。給料は夫がパチンコと酒に費し、「お金をください」と女性が頭を下げればわずかをよこすが、飲んでは物を投げ、殴る素振りで脅し、時には実際に殴られた。飲まずとも、「クソババア」「バカか」の罵りを毎日浴びてきた。女性は簿記一級の資格をもち、経理を勉強し再就職を望んだが、現実は厳しく、スーパーのパートなどで2人の子を1人で育てあげた。積年の願いだった離婚ができたのは、娘が独立し、夫が定年を迎えた年、53歳だった。警察に「退職金をもらえなかったので離婚した」と書かれた調書に、女性は「退職金をもらえなかったけど」と書きなおすよう要求したという。それは重大な違いだったはずだ。罵られない日常を生きるための離婚、53歳で得た自由だ。その人生が地獄に転じたのは、わずか6年後だった。夫が栄養失調で倒れ、介護が必要になったのだ。アルコール依存症患者が入所できる介護施設はなかった。入院をすすめられたが、そんな余裕はなく、結局、夫を引き受け再婚した。それは以前とは別の次元の暴力の始まりだった。夫は下の世話をしてもらいながらも暴言を吐いたという。あまりの臭さに吐きながらオムツを替えたこともあった。やがて夫は自力で排泄できるまで回復はしたが、今度は、自室に引きこもった。トイレには行くが、歯は磨かず、風呂に入らず、下着を替えず、雨戸の閉じた部屋で1日中テレビをつけゲラゲラと笑い、時に奇声を上げた。そんな生活が17年間続いた。女性が日記をつけはじめたのはいつだったのか。証拠として出されたノートの表紙は花柄で、女性の名が書かれていた。そこには女性の叫びが、短い言葉で綴られていた。《T(夫)のこと、何もかも嫌い。特に声が嫌い》《結婚したこと自分を責める日々》《Tは100才まで生きる。それは困る。50年の憎い》救いだったのは娘と3人の孫の存在だった。子育てに関わらず、母に暴言を吐く父は、娘にはいないに等しい存在だっただろう。「(夫が)早く死んでほしいな」と冗談っぽく母が言うのを聞き、少しでも気分転換できるよう買い物によく連れ添った。それも去年以降、コロナ禍で絶えた。■家にあった包丁を捨てた理由法廷での女性は、はっきりと「壊れて」いた。自分の額を叩き、足を床に叩きつけ、うなり声を上げた。検察が事件を語りはじめると「できないよお」と身をよじった。そしてそういう女性を、法廷中がもてあましていた。検察は苛立ち、弁護士に「なんとかしろ」というように迫った。女性の手首は真っ赤に腫れていた。手錠のまま暴れたのだろう。弱った身体で必死に抵抗する姿は、女性が裁かれる状況にはなく、今すぐにでも精神的なケアが必要であることがわかる。裁判中、目の前で虐待が行われているような思いに何度もかられた。’20年10月、通院した病院で、女性は「肺に影がある」と言われた。“子どもに夫の世話をさせることになる”。夫よりも先に死ぬかもしれない悔しさは、どれほどだったか。そのころ、女性は日記にこう書いている。《今日Tが死ぬ。Tを殺す》この日記について、女性は警察でこう話している。「書いた後にとてもスッキリした。これまで願っていただけだったが、書いて初めて、具体的に(殺そうと)思った」殺す日は3月5日と決めた。息子が通院のために留守にする日だった。凶器はノコギリと決めた。83歳の夫とはいえ、間違ったら自分が死ぬ。ノコギリなら確実に殺せると考えたのだ。なにより、家には包丁がなかった。娘が家を出てから、女性は料理をしなくなったという。とはいえ、普通、包丁は捨てない。包丁を捨てたのは、それが凶器になるのを恐れたからなのではないか。DVの家で女性が包丁を隠し、捨てるのは珍しくない。現に、証言台に立った娘はこう話した。「子どもの私がケンカを止めようとしたとき、父に包丁を向けられたことがあります」裁判官らは娘に、「何回暴力を見たか」「平手か」など暴力の回数や強弱にこだわる質問をした。酒を飲み暴れる男そのものが凶器であることが想像できないのだろう。その日、女性は夫の部屋にマスクをして入った。「昼か?」と夫は聞いたという。「いいえ」と女性は答え、夫に馬乗りになった。抵抗され女性も負傷したが、首に思い切り刃をあてるとおとなしくなったが、息を吹き返さないよう、胸の上に乗り続けた。帰宅した息子は、馬乗りの母を見たが、「自分の部屋に行きなさい」と命令され自室にこもった。しばらくしてリビングに行くと、鏡台の前に座る母は「スッキリした」と言ったという。それからいつもの“お母さん”の口調で「あなたは施設に行きなさい」と告げた。女性は娘に連絡し、娘が来るのを待った後、自首した。殺されたとき、夫の体重はわずか37キロで、髪は腰まであった。部屋の障子はボロボロに破け、布団の下には吸い殻がたまっていた。■「介護殺人じゃない」と線を引き裁く冷酷さ自首しており、前科がなく、再犯のおそれもない。量刑は軽いと考えていたが、甘かった。検察は12年を求めた。弁護人は、これは介護殺人と同等の執行猶予付きの3年の刑を求めた。ところが、裁判員たちの結論は、8年の実刑というあまりに重いものだった。いわく、これは介護殺人ではない。なぜなら女性は介護しておらず、反省していないとし、女性が50年にわたり受けたモラハラやDVは考慮されなかった。男性の裁判長は「あなたは協力的でなかった」「それでも私たちは一生懸命考えました」など、優しい口調で語っていた。暴力を生き抜いた女性を刑務所に送るのは、善良を装った暴力なのかもしれない。事件後、拘置所に会いに来た娘に女性は「あなたに会うのがつらい」と言い、目を合わせなかった。娘が手紙を送っても返事は来なかった。母親が法廷で自らを傷つける姿を、息をのみ見つめる娘の姿があった。傍聴席に娘がいることを女性は気づいただろうか。女性は裁判の終盤、裁判官に「後悔しているか」と聞かれ、首を振った。「後悔していない」。それはほぼ唯一、裁判を通して女性が事件について語った言葉である。女性が暮らした町に行った。すでに家は更地になっていたが、かすかに海風を感じる開放的な住宅街だった。子どもの笑い声が聞こえてくる。すべての家から人の暮らしが伝わってくる。女性は誰にも助けを求めず、何も話さなかったという。話せなかったのだと思う。女性は控訴せず、刑は確定した。公平に裁かれたとは、やはり思えない。「それは介護殺人じゃない」と線を引き裁く冷酷さが、女性を追い詰めた暴力の正体だったのではないか。女性は気持ちをノートに書き綴っては、ページが埋まると捨てていた。だから残っていた日記は1冊だった。この日記はいつか持ち主のところに戻るだろうか。戻るまで、どうか8年間、生き抜いてほしい。そして、男に怯えないでいい人生を送ってほしい。きたはら・みのり’70年神奈川県生まれ。作家。津田塾大学卒。女性のためのセクシャルグッズショップ『ラブピースクラブ』、シスターフッド出版社『アジュマブックス』の代表。主な著書に、『毒婦。木嶋佳苗100日裁判傍聴記』、『毒婦たち東電OLと木嶋佳苗のあいだ』など
2021年10月13日付き合い始めの頃は、ラブラブだったのにだんだんマンネリしてきた……と感じることはありませんか?カップルなのに熟年夫婦のような雰囲気が出ている場合は、行動を起こすことが大切。そこで今回は、カップルのマンネリを解消する方法をご紹介します。■ ひたすら甘える彼にひたすら甘えて、子どもみたいにコミュニケーションをとってみてはいかがでしょうか。じゃれあっているうちに付き合いたての頃を思い出し、ドキッとする瞬間があるかもしれません。恥ずかしいと感じる場合は、お酒の力を借りて酔った勢いで甘えることもおすすめ。思いっきり甘えることでマンネリも解消できるかもしれません。■ ちょっと高い旅館に泊まる彼との関係がマンネリしてきたら、いつもよりお高い予算の旅行に行くことがおすすめです。露天風呂付きの個室など、少し豪華な旅館に泊まることでテンションも上がるはず。身も心もリフレッシュして、付き合いたての頃の気持ちを思い出せるかもしれません。■ 習いごとを始めてみる彼との付き合いが長いのに関係性が発展せず、別れる気配も感じない場合は、習いごとなど趣味をみつけることもよいかもしれません。彼と過ごすだけではなく、新しく趣味を始めることでコミュニティが広がり、彼との話題が増える可能性も。また、面白いようであれば、彼も誘って一緒に楽しむのもよいでしょう。新しいことを始めるあなたは彼にも魅力的に映るかもしれません。■ 彼と共同でペットを飼う2人でペットを飼うこともおすすめ。2人で世話をすることで、新たな話題も増えることでしょう。また、ペットショップやドッグランなど、2人とペットで出かけられるお店もたくさんあります。今は、ペット同伴可能なカフェなどもたくさんあるので、お出かけも増えるかもしれません。ペットを飼うことでカップルから家族になる可能性もありますよ。■ 環境を変えてマンネリ脱出周囲の環境を変えることで、付き合いたてのドキドキまでとはいかないものの、マンネリを解消できるはず。熟年夫婦のようなマンネリを解消して、本当の家族になる日もくるかもしれません。(ちりゅうすずか/ライター)(愛カツ編集部)presented by愛カツ ()
2021年07月24日行政書士・ファイナンシャルプランナーをしながら男女問題研究家としてトラブル相談を受けている露木幸彦さん。今回は借金夫に見切りをつけ、熟年離婚をしようか悩む妻の実例を紹介します。※写真はイメージです■メディアで報じられない熟年離婚の現実女性目線の熟年離婚。このことをテーマにした記事を目にしたことはありますか?あらゆるメディアが何度となく取り上げており、すでに語り尽くされた感があります。わざわざ今、取り上げる価値はなさそうですが、本当にそうでしょうか?そんなことはありません。過去の記事は現実味に欠けるものが多いと感じます。例えば、まとまった額の退職金、住宅ローンを完済した持ち家、生活に困らないだけの年金。そして2年前に老後2000万円問題が注目を集めましたが、十分な残高の預貯金。これらを持っている夫に対して長年の恨みつらみ、不満や鬱憤を溜め込んだ妻が三行半をつきつける。精神的苦痛の慰謝料、内助の功の財産分与、そして老後の生活費として財産の半分を請求するというのが規定路線ですが、そんなことが可能なのでしょうか?熟年に限らず、離婚する夫婦は金銭問題を抱えている場合が多いです。例えば、齢60を超えても賃貸に住み、退職金が見込めない会社に勤めており、微々たる年金しかもらえない。そして残っているのは少々の貯金だけ。それが熟年離婚の現実です。無理に離婚したせいで金銭的に困窮し、生活が成り立たないようでは困ります。あえて何もせずに添い遂げる(途中で夫が先に亡くなるかもしれない)という選択肢もあるでしょう。このような場合、別れを切り出すべきか。それとも我慢してやり過ごすかは離婚と死別の場合をシミュレーションする必要があります。このように人生の岐路に立っているのは今回の相談者・千代子さん(59歳)。夫と40年間も連れ添ったのに退職金は手元に残っておらず、遺産を除き、貯金がないようなのです。一体、何があったのでしょうか?<登場人物(年齢などは相談時点、名前は全て仮名)>夫:哲也(63歳・会社員・年収1200万円)妻:千代子(59歳・ヨガ教室経営・年収22万円)☆今回の相談者義父:俊三(88歳・年金生活)哲也の父親義妹:孝美(60歳・専業主婦)哲也の妹■63歳の夫が会社から退職勧告「本当は1年でも長く勤めてほしいんですが、こればかりは……」千代子さんはため息をつきます。夫の雇用形態は1年毎の年俸制で、現在の年収は1200万円。今までは毎年更新されており、終身雇用ではないとはいえ、夫にやる気がある限り、ずっと更新され続けると千代子さんは思い込んでいたようです。しかし、昨年は新型コロナウイルスの影響で業績が悪化。そして年初には恐れていた事態に発展。夫が会社から退職勧告を言い渡されたのです。このままでは仕事と収入、そして会社員としての社会的地位を失いかねません。筆者は「今は高年齢者雇用安定法(第9条)があるので、会社は本人が望んでいる場合、65歳まで雇用しなければならないんですよ」と励ましたのですが、千代子さんは「先生は外資系をご存じですか?」と返してきたのです。千代子さんいわく、「日本という国はお年寄りに優しい」という幻想は通用しない世界らしく、社員が会社と揉めた場合、会社は個人を全力で潰しにくるそうです。「何もできずにクビになった会社の人を何人も知っていますよ」と言います。筆者が「不当解雇なら和解金を請求できる」と口を挟む間もない感じで。しかし、千代子さんは筆者に相談したかったのは夫の仕事ではなく「夫との離婚」。前々から離婚計画を立てており、今か今かと手ぐすねを引いて待っており、今がその好機ではないか。そう思い立ったのです。40年間の結婚生活は「まさか」の連続だったと千代子さんは言います。■酔った勢いで消費者金融のATMで借金まず1つ目の「まさか」は夫の裏切りです。夫は無口で無表情、仕事を家庭に持ち込まない主義。いわゆる抱え込むタイプで弱音をこぼさないのですが、その性格が仇となりました。勤務先の会社は夜討ち朝駆けが当たり前の外資系。終電で帰宅し、始発で出勤する過酷な生活により、年収は最高で2500万円に達したものの、それは「一歩、間違えたら転落する」という過大なストレスやプレッシャーがかかり続ける環境下に身を置くことと引き換えでした。そんな夫が頼ったのは酒。疲労困憊の身体に酒を流し込むことで不眠不休に近い異常な生活をかろうじて維持できたのですが、酒浸りの日々は長くは続きません。酔った勢いで消費者金融のATMへ行くように。そしてカードで借金をし、2軒目、3軒目とハシゴ酒を繰り返したのですが、どんなに酔いつぶれても仕事に出かけるので千代子さんは気づかなかったようです。当人は借りた記憶がないので返済せずに放置。筆者が「どうして借金がわかったんですか?」と尋ねると、千代子さんは「うちに催促の葉書が届いたんです」と振り返ります。借金はわずか3年で520万円に膨れ上がったのですが、夫が思いついたのは退職金を使った一括返済。新卒で就職した会社を退職し、借金を帳消しにしたのですが、そのせいで悪しき習慣が身についてしまったようで……。夫は反省せず「また退職金で返せばいい」と軽んじているから、アルコール依存と借金癖はそのまま。酒に飲まれる夫も昼間の仕事ではこの上なく優秀でした。そのため、転職市場では引く手あまたで、夫はまた別の会社に就職。その後も激務を酒の力で乗り切り、多額の借金を作り、また退職金欲しさに退職するという場当たり的な生き方を続けたのです。筆者は「これが多重債務者の特徴なんです。同じことが起こっても、また誰かが何とかしてくれると思うから破滅するまで終わらない」と解説すると千代子さんは深くうなずきます。結局、5回も転職し、4回も退職金を受給したにも関わらず、手元に1円も残っていない現状。もちろん、千代子さんはトラブルのたびに「何度、同じことを言ったらわかるの!」と責めたものの、夫は「俺の稼いだ金を何に使おうが自由だろ!」の一点張り。「借金は稼いだお金じゃないでしょ?」と思いつつも、退職金は夫のお金なので、それ以上、何も言えずに夫婦喧嘩は終了。そんな千代子さんが当てにしていたのは義父(夫の父)からの相続でした。■義父を引き取って介護することに2つ目の「まさか」は義父の裏切りです。義父が転倒して腰を圧迫骨折したのは4年前。これは緑内障や加齢黄斑変性と言う目の病気で歩行が困難なことが原因でした。義父と仲がいいのは義妹ですが、親戚会議では何も発言せず……すでに義母とは離婚しているため、消去法で夫が引き取ることに。しかし、義父を介護するのは夫ではなく千代子さん。「家に人を呼ぶな」と言う頑固な夫のせいでヘルパーにも頼めず、食事や入浴、排泄など一切の介護を一身に背負わされたのです。義父は衰えたとはいえ体重70kg超の成人男性でしたから、40kg少々の千代子さんが介助するのは並大抵のことではありません。特に床にはいつくばって義父の尿を拭くのは屈辱的。千代子さんは心療内科で適応障害の診断を受けるほどでした。千代子さんが義父との同居を承諾し、介護を担当したのは夫の実家が農家で土地持ちだったからです。特に夫が本家の長男なのが大きなポイントです。なぜなら、先祖代々の遺産は長男が総取りするのが農家や地主の家系では主流だからです。次男や三男、長女などに財産を分け与えれば、その分だけ本家の財産は減りますが、財産が魅力的な金額でなければ、本家の土地や家屋、そして墓を守る人がいなくなってしまうという背景があります。つまり、法定相続分(法律で決められた相続分)とは別の古い考え方が残っている稀有な地域なのです。借金まみれで貯金はなし、退職金を食いつぶす夫ですから、遺産相続が終わるまで我慢して、まとまった額の遺産が入れば、十分な慰謝料をもらい、離婚しよう。千代子さんはそう考えていたのですが……。■義父の遺言には信じられない内容がしかし、千代子さんの献身が報われない事態に発展。2年前、義父が入浴中にヒートショックを起こしたのです。救急車を呼んだのは千代子さんでしたが、結局、搬送された病院で死亡を確認。そして後日、葬儀場で義妹が夫に「遺言がある」と耳打ちしてきたのです。後日、郵送で届いた遺言のコピーには信じられない内容が。「孝美(義妹)にすべて任せる。全財産を譲る」と。義妹が義父の元に顔を出すのは3か月に1回程度。千代子さんは「これだけ一緒にいれば私に不満の1つや2つあったのかも……」と後悔しますが、近くの嫁より遠くの娘のほうがかわいいだなんて。目が不自由な義父が残すことができるのは公正証書遺言。これは公正役場を通す方法ですが、筆者は「目が見えなくても遺言は作れるんです」と言い添えました。具体的には公証人が義父の話をもとに証書を作成(民法969条2)。義父に読み聞かせ、納得した場合、公証人が代わりに署名することが認められています(同法969条4)。そして公正役場へ電話で確認したところ、手続きを行ったのは義妹だったことが判明。義父は過去の恩を仇で返してきたのです。千代子さんは「ひどすぎます!憎くて仕方ありません」と狼狽します。そこで筆者は「遺留分はどうなったんですか?」と尋ねましたが、「孝美さんはああいう性格なので大変でした」と答えます。夫は義父の直系卑属なので遺留分(どんな遺言を作成しても残る相続分)が認められており、今回の場合、遺産全体の4分の1。義妹いわく遺産の合計は4000万円。義父が所有していた土地は農地ばかりで売りたくても値がつかず、実家の建物は築40年のボロ家。遺産に計上したのは実家の土地と預貯金だけでした。10割欲しい妹と10割渡したくない兄(夫)。4000万円をめぐる争いは1年にわたり平行線のまま。業を煮やした夫が家庭裁判所へ遺産分割の調停を申立。「訴訟でも認められないよ」という調停員の叱責が効いたのか、妹はついに観念。「妹が兄へ1000万円を支払う」という内容で調停が成立したのです。こうして夫が4000万円を総取りするという千代子さんの目論見は外れ、夫が手にしたのは1000万円だけ。義父のせいで夫は3000万円を損したのですが、同時に千代子さんの離婚計画も狂ってしまったのです。夫は数々のトラブルを抱えつつも、毎月30万円の生活費(毎月12万円の家賃含む)を結婚から現在まで欠かさずに渡してくれたので日々の生活に困らなかったものの、40年間で準備すべき老後資金を全く用意できないまま、リタイア生活をむかえてしまったのです。■頼みの綱だったストックオプション3つ目の「まさか」は夫の会社のミスです。勤務先の会社にはストックオプション(株式会社の従業員や取締役が、自社株をあらかじめ定められた価格で取得できる権利)の制度がありますが、千代子さんがそのことを知ったのは6年前。人事部へ電話確認をしたところ、これは社内の成績上位者に対して株式が現物支給されるRSUタイプ。夫はこれに該当するので、すでに自社株を持っているとの回答。しかし、当時はまだVest(売買できる状態)の期間に達していなかったのですが、これは千代子さんにとって好都合。もしVestになれば夫はすぐ売却して現金化してしまい、あっという間に水の泡と化すでしょう。そこで千代子さんは「Vestになったら教えてほしい」と頼み、人事担当は「わかりました」と快諾してくれたので安心しきっていたのですが……今年に入って千代子さんはたまたま夫の確定申告書を目にしたそう。そこには夫が株式を売却し、1000万円の利益を得たことが書かれていたのです。筆者は「ストックオプションの利益は源泉徴収の対象外なので確定申告をしなければならないんです」と教えましたが、すでに手遅れでした。このような事態を防ぐため、人事担当に頼んでおいたのですが、入れ替わりが激しい外資系企業。当時の担当者はすでに在籍しておらず、引継ぎもされていなかった模様。「なんで教えてくれなかったの?」と食い下がる千代子さんに対して、夫は「俺が稼いだ金だろ?お前のじゃないのに何様だ」と言い放ったのです。同じころ、緊急事態宣言明けの2021年3月にたまたま居酒屋を通りかかった千代子さんの女友達が、テラス席で大騒ぎする客のなかに夫の姿を見つけ、そのことを報告してくれました。夫の酒癖はコロナ禍でも相変わらずで、また借金を作り、返済をせず、膨れ上がった分を株式の利益で完済したのでしょう。頼みの綱だったストックオプションも失い、千代子さんは途方に暮れたのです。■離婚する場合のシミュレーションこのように千代子さんは40年間、夫に振り回され続けたせいで退職金、預貯金(遺産除く)、有価証券……何も持たずに現在に至ったのですが、夫は長年のアルコール依存がたたり、慢性的に肝炎の症状に悩まされている現状。担当医からは肝硬変や肝臓がんを発症してもおかしくないと釘を刺されているのに夫は禁酒をせず。これらの重病にかかった場合、数年で命を落とす可能性があります。そこで筆者が千代子さんがこのまま離婚する場合と、離婚せずに死別する場合をシミュレーションをすることにしました。なお、夫婦がこの先、何年間、生きるか分からないと計算できないので、夫は3年後に亡くなり、千代子さんは80歳まで生きるという設定にしました。第一に死別の場合です。まず生活費ですが、千代子さんは夫から毎月30万円の生活費を受け取っていましたが、途中で減額されたり、停止されたりすることはなかったそう。減額したり、停止したりした分を借金の返済に回さなかったのは、千代子さんに「生活費も入れられない夫」と見下されるのがシャクに触るからという夫のプライドの高さゆえでしょう。夫は退職の翌月から企業年金を受給することができ、月額で約30万円。そして翌年(65歳)から厚生年金も受給することができ、月額で約20万円。このことを踏まえた上で筆者は「今後も変わらず、毎月30万円の生活費を入れ続けるのではないでしょうか?」と助言。千代子さんが3年間(夫が健在の間)受け取る生活費の合計は1080万円(月30万円×3年)に達します。次に年金ですが、筆者は「旦那さんが亡くなってから奥さんの年金を受給するまでの間(妻が62歳~65歳)は遺族年金を受給することができますよ」とアドバイス。夫の年収から計算すると遺族年金は毎月13万円(×3年間=468万円)でした。そして妻が65歳で自分の年金を受給し始めると、その分だけ遺族年金から差し引き、遺族年金(月7万円)+国民年金(月6万円)と切り替わります。この金額を80歳まで受け取る場合、あわせて2340万円(月13万円×15年)になります。また財産分与ですが、離婚と相続では異なります。離婚の場合、分与の対象は夫婦の共有財産だけですが、相続の場合、共有に限らず、夫名義のすべての財産です。千代子さん夫婦に子どもはいません。そして義父の相続の件を今だに根に持っているのは千代子さんだけでなく夫も同じ。夫は「あいつに俺の金は一銭もやらん!」と息巻いており、「すべての財産を妻に渡す」という遺言を書くことを約束してくれたそう。法律上、兄弟姉妹に遺留分は認められていません。そこで筆者は「旦那さん名義の財産は、残らず奥さんが相続できますよ」と伝えました。現時点で夫の財産は遺産の1000万円だけなので、夫が亡くなった時点で千代子さん名義に切り替わります。■離婚する場合、義父の遺産はすべて夫のもの第二に離婚する場合です。千代子さんが夫へ請求できるのは年金分割しかありません。年金分割とは結婚期間中、夫と妻が納めた厚生年金(共済年金)の合計額を夫と妻で折半する制度です。筆者は千代子さんに年金事務所で「年金分割のための情報提供書」を手に入れるよう頼みました。そして3週間。この書類が届いたのですが、年金分割の結果、千代子さんの年金は月額で4万円増えることが分かりました。なお、企業年金は年金分割の対象外です。次に生活費ですが、離婚したら夫婦は赤の他人。元夫が元妻を扶養する必要はありません。筆者は「別れても生活費を送って欲しいと頼むのは、さすがに無理があるのでは」と伝えました。そして千代子さん夫婦にとって唯一ともいえる財産は、夫が義父から相続した1000万円。法律上、結婚期間中に築いた財産は夫婦の共有です。そして離婚するときに共有財産を分け合うのが原則です(民法768条)。しかし、独身時代に貯めた貯金、両親から贈与された財産、相続した遺産は共有ではなく特有財産です(同法762条1)そのため、離婚するときに分け合う必要はありません。筆者は「旦那さんに対して“遺産の半分をください”と言うことはできないんです」と厳しい現実を伝えざるをえませんでした。千代子さんは離婚することで年金の受取額が増えるのですが、それでも月額10万円。80歳までの合計は2160万円です。離婚後、千代子さんは経済的に自立しなければなりませんが、家賃、生活費、携帯代などの生活費が発生します。そして貯金は相変わらずゼロです。千代子さんは自宅でヨガ教室を開いており、先生として生徒に教えていたのですが、月謝の収入はあくまで夫の扶養の範囲内。しかも現在はコロナの影響で生徒はすべて辞めてしまったそうで、生活費の不足をヨガ教室の売上で補うのは難しい状況。■お金に不自由しない熟年離婚は「夢物語」このように千代子さんが受け取る金額の合計は死別(4888万円)が離婚(2160万円)の2倍以上と大差です。夫と顔を合わせず、夫と話を交わさず、そして夫の姿を忘れる。それは離婚、死別のどちらも同じです。千代子さんは夫のせいで長い間、悩み、苦しみ、傷ついたのだから、その代償として可能な限り、多くのお金をもらいたいところです。筆者は「もらえる額の多い少ないで選んでも、バチは当たらないのでは?」と諭しました。千代子さん夫婦のように分け合うほどの財産は残っていない。これが熟年離婚の危機にある夫婦の大半です。もし分割後の年金と遺族年金がほとんど同じなら、死別の有利性は夫の財産が少なければ少ないほど際立ちます。これは夫の財産が少ない夫婦ほど離婚しないほうがいいという意味です。実際には離婚と死別の二択ではなく、死別の一択ですが、今すぐ縁を切ることができる「離婚」という選択肢が妻を悩ませるのです。むしろ一択のほうが迷わないはずです。どうしても熟年離婚の特集は「離婚したほうがいい」という論調になりがちですが、それは夢物語です。熟年離婚に踏み切ることができるのは、よほどの条件がそろい、離婚後の生活が保証される場合に限るということを念頭に置いておいたほうがいいでしょう。露木幸彦(つゆき・ゆきひこ)1980年12月24日生まれ。國學院大學法学部卒。行政書士、ファイナンシャルプランナー。金融機関の融資担当時代は住宅ローンのトップセールス。男の離婚に特化して、行政書士事務所を開業。開業から6年間で有料相談件数7000件、公式サイト「離婚サポートnet」の会員数は6300人を突破し、業界で最大規模に成長させる。新聞やウェブメディアで執筆多数。著書に『男の離婚ケイカク クソ嫁からは逃げたもん勝ち なる早で! ! ! ! !慰謝料・親権・養育費・財産分与・不倫・調停』(主婦と生活社)など。公式サイト
2021年05月29日新型コロナウイルスによる外出自粛の影響により、自宅で夫婦ふたりになる機会が増えたという方が多いですよね。片や毎日顔を合わせてもラブラブな熟年夫婦、片や朝からパートナーへの不満を溜め込むギスギス夫婦。この違いは「夫婦仲を深める方法」を知っているか否かが大きなポイントとなるようです。(1)お互いを異性として認識している長い時間を共に過ごしていると、どうしてもお互いの存在に慣れてしまい、相手を異性だと思えなくなってしまいます。すると美意識が低下したり、恥じらいが薄れたりして、マンネリや倦怠感を覚えるようになるのです。いつまでも新婚のようなラブラブの関係でいたいなら、まずはお互いを異性として認識し、そして行動に移せるよう習慣づけましょう。(2)言葉で伝えているパートナーと一緒にいることが当たり前になると、言葉にして気持ちを伝える機会が少なくなります。朝の挨拶や日常の小さな感謝などを、その場で声に出して伝えることで、ふたりの仲はグッと縮まりますよ。身近な人への「ありがとう」の気持ちを忘れずに暮らしたいですね。(3)同じ時間に食事をする一緒に食事をすることは、夫婦の仲を深める方法として非常に効果的です。同じテーブルを囲んで食事をすることで、心理的な一体感が生まれます。また、テレビやスマホを見ながらの「ながら食べ」を防止することにもつながるため、健康面でも嬉しい効果が期待できますよ。夕食の時間が合わせづらい場合は朝食を一緒に食べるなど、臨機応変に工夫してみてくださいね。(4)ひとりの時間を大切にする「仲のよい夫婦」と聞くと、いつもふたり一緒に行動しているようなイメージがありますよね。しかし、本当にお互いを尊重しあっている夫婦は、自分ひとりの時間をとても大切にしています。自分だけの時間を充実させることで、パートナーへの気持ちを見つめなおすキッカケにもなりますよ。日常のちょっとした意識の変化が、夫婦の笑顔を増やすことに繋がります。まずは日頃の感謝をこまめに伝えることから始めてみませんか?(恋愛jp編集部)
2021年04月14日「熟年離婚」という言葉が流行語になり、いわゆる老後を前にした夫婦関係のあり方に注目が集まったのは、かれこれ15年ほど前になるだろうか。近年、そのあり方はさらに細分化し、「離婚未満」を選ぶケースが増えているという。そこで、昭和女子大学理事長の坂東眞理子さんに話を聞いた。著書『老活のすすめ』のなかで、人生100年時代の新たな生活提案をしているが、婚姻関係の多様化も自然な流れだそう。「夫婦のカタチはそれぞれ。特に60歳を過ぎたら、夫婦はベッタリでなくてもいいのです。私は常々、人間関係には距離が大切と言っていて、車間距離ならぬ“人間距離”ですねーー近すぎれば衝突してしまうし、常に目の前にいられたら煩わしく、自由を奪われた気になる。けれど、離れすぎれば関係そのものが絶たれてしまいます。長年連れ添った夫婦も同じこと。新婚当初は一心同体、なんて思ったかもしれませんが、上手に関係を続けるためには、互いにとって心地よい距離が必要なのです」離婚を選ぶ夫婦がいる一方で、いくつになってもラブラブな夫婦もいて、さらにその間には無数の婚姻のカタチがある。「夫・妻という役割を捨て、同居人として互いに得意なことをする」「同じ家に住みながら、関わりを持たない家庭内別居」「休日だけ別々に過ごす、あるいは一緒に過ごす」など、じつにさまざまだ。「残り数年なら我慢もできるでしょうが、人生100年時代、ここから40年は長すぎますよね。相手に不満があるなら、きちんと伝えるべきです。ただし、爆発させるのは考えもの。多くの場合、夫は妻の不満に気づいていないので伝わりづらく、自分自身も疲れますから、小出しにして様子を見るほうが得策です。もしかしたら、相手も距離をとりたいと思っているかもしれないし、そうであれば合意を得やすいですよね」そして何より、心地よく暮らすには経済的な安定が不可欠だ。「日本の家庭は妻がお財布を握っている、なんていわれますが、資産となると別で、家も夫名義の場合が多いですよね。妻は、今日の大根を買う自由はあっても、資産を動かす自由はない。経済と気持ちを天秤にかけ、相手の譲歩を引き出しながら、妥協できることは妥協することも必要です」それでも別居を選ぶなら、用意周到な準備が必要になる、と話すのはかがりび綜合法律事務所の野条健人弁護士だ。「最近の相談で目立つのが、夫のモラハラです。モラハラという概念が広く知られるようになったのも一因ですが、残念ながら、無意識な夫は多い。『養ってもらったくせに生意気を言うな』『オレ様にたてつくな』という感覚です。世代的にも妻を家来だと思っている男性は多いので、妻の言葉には耳を傾けないし、譲歩しません。愛情ではなく支配欲ですね。ただ、そういう人は案外、権威には弱いので、法律を使って譲歩を引き出す手があります。必要に応じて弁護士に相談してください。いずれにしても、経済的に破綻しないために証拠を集めておくこと。不倫にしてもモラハラにしても、用意周到な準備が必要です」「女性自身」2021年1月19日・26日合併号 掲載
2021年01月20日「熟年離婚」という言葉が流行語になり、いわゆる老後を前にした夫婦関係のあり方に注目が集まったのは、かれこれ15年ほど前になるだろうか。近年、そのあり方はさらに細分化し、「離婚未満」を選ぶケースが増えているという。かがりび綜合法律事務所の野条健人弁護士は、次のように話す。「50~60歳というのは、子育ても終え、次のステージに向けて立ち止まる人が多い時期。もちろん不倫問題もありますが、それも含めてあらためて夫との関係を見直した結果、離婚を選択する女性が増えるようです」最近増えているというのが、今までとは違った婚姻のカタチを模索するケースだという。2年前に「夫源病」と診断され、最近のテレビ番組で「卒婚している」と語った上沼恵美子さんもそのひとりだ。「卒婚」とは、婚姻関係は続けつつ、夫婦が互いに干渉することなく、個々の人生を歩んでいくカタチのこと。上沼さんは「私は本宅に、夫は同じ市内のマンションに住み、週に2回、食事をしに来る。結婚というのは同じ電車に乗ったということ。新婚のときはお互いを見つめているが、そのうち違う景色を見始め、さらに好きなことをし始めるが、それでいい。でも、同じ列車」という趣旨の発言をした。また、将来的に離婚を視野に入れ、そこに向けてお互いが準備をしている「エア離婚」というカタチを発表して話題になったのは、小島慶子さんだ。夫に「こんな人とは老後を過ごせない」と告げたなど、赤裸々な告白に驚いた人も多いだろうが、準備期間があるのは、お互いに利点が多そうだ。ここで、昭和女子大学理事長の坂東眞理子さんにも話を聞いた。著書『老活のすすめ』のなかで、人生100年時代の新たな生活提案をしているが、婚姻関係の多様化も自然な流れだという。「夫婦のカタチはそれぞれ。特に60歳を過ぎたら、夫婦はベッタリでなくてもいいのです。私は常々、人間関係には距離が大切と言っていて、車間距離ならぬ“人間距離”ですねーー近すぎれば衝突してしまうし、常に目の前にいられたら煩わしく、自由を奪われた気になる。けれど、離れすぎれば関係そのものが絶たれてしまいます。長年連れ添った夫婦も同じこと。新婚当初は一心同体、なんて思ったかもしれませんが、上手に関係を続けるためには、互いにとって心地よい距離が必要なのです」類人猿研究学者によれば、そもそも恋愛関係が続くのは長くて4年なんだそう。「ほかの動物ならば、そのときが終われば自然と別れていきますが、人類はそうではありません。なぜなら多くの場合、子育てのためにパートナーがいるほうが、メリットが大きいからです。夫は協力なんてしてくれなかった、ワンオペで苦労してきた、という方も多いでしょうが、裏を返せば、経済的な心配がないから子育てに集中できた側面もあるはず。そう考えると、子育てを終えたあとは次のライフステージに立っているので、一緒にいる必要はなくなるわけです。それにお互い、家族のためにじゅうぶん頑張ってきたわけですから、これからは自由にやりたいことをして過ごしていいのです。妻に求められてきた“従順さ”“耐え忍ぶ美徳”などは、現代の女性には必要ありません」離婚を選ぶ夫婦がいる一方で、いくつになってもラブラブな夫婦もいて、さらにその間には無数の婚姻のカタチがある。「卒婚」「エア離婚」のほかにも、「夫・妻という役割を捨て、同居人として互いに得意なことをする」「同じ家に住みながら、関わりを持たない家庭内別居」「休日だけ別々に過ごす、あるいは一緒に過ごす」など、じつにさまざまだ。坂東さんによると「正解はなく、大切なのは、自分は何がしたくて、何がイヤなのか、きちんと立ち止まって考えてみること。そして適切な距離を知り、心地よく暮らせる方法を見つけること」だという。「女性自身」2021年1月19日・26日合併号 掲載
2021年01月20日・テレビで流れるたびに泣いてしまう。・ここ最近で、グッときたCM。・たった1分で泣きそうになった。そんな声が上がっているのは、酒造会社『キリンビール』のCMです。子育てを終えた夫婦の会話に、ほろり動画に登場するのは、とある熟年夫婦。子育てを終えた2人は、1人娘の結婚式でもらった引き出物のグラスで乾杯することにしました。しかし、父親は娘と結婚相手の名前が刻まれたグラスが気に入らない様子。母「いいじゃない、引き出物らしくって」父「余計だろ名前は。まあ…あいつらしいけどな」そういいながら乾杯をした2人は、娘さんとの思い出を笑いながら振り返ります。※写真はイメージ母「急に金髪にしてきたり」父「転職したのも事後報告。挙句の果てに、突然『結婚します』って」母「口下手なのよ」父「よくいうよ。いっつもそこ座ってビール飲みながらペラペラペラペラ…」そういって、娘が座っていた席を顎で差した父親ですが、表情はどこかさびしそうです。少し沈黙した後、母親は…。「あの子がいないと静かね」※写真はイメージそういわれた父親が少しうつむくと、グラスの底に書かれたメッセージに気が付いたのです。「お父さん、これからもよろしく」娘からの思わぬメッセージに、吹き出す父親。「これからってなんだよ!」と、顔をほころばせながらツッコミをいれるのでした。ビールが生み出す喜びを描いたという、キリンビールのCM。またたく間に反響を呼び、YouTubeに投稿されると、わずか2週間で100万回再生を突破しました。大人になって自立し、親元を離れて暮らす多くの人が、愛する家族を想い、胸が熱くなったことでしょう。新型コロナウイルス感染症が流行した影響で、帰省がままならない2021年1月現在。しかし、離れている今だからこそ、伝えられる想いもあるはずです。みなさんも、電話やメール、ギフトなどで、家族と連絡を取り合ってみてはいかがですか。[文・構成/grape編集部]
2021年01月09日行政書士・ファイナンシャルプランナーをしながら男女問題研究家としてトラブル相談を受けている露木幸彦さん。今回は、夫への不満が我慢の限界に達し、「熟年離婚」を決意した妻の事例を紹介します。※写真はイメージです■コロナ禍で増える熟年離婚相談筆者はコロナ禍において離婚は少ないものだと思っていました。なぜなら、東日本大震災が起こった10年前も離婚の相談は激減したからです。しかし、実際に蓋を開けてみると10年前とは違い、離婚の相談件数は前年比で同じくらいでした。特に多いのは60歳前後の女性(妻)。ちょうど夫が定年を迎え、退職金や年金がある程度は確定し、子育てや住宅ローンが終わり、悠々自適な老後が見えてくるタイミングです。ここで我慢の限界に達し、夫に見切りをつけ、三行半を突きつけたい!そんな相談がコロナという有事にもかかわらず、寄せられたのは驚きでした。例えば、夫が泥酔の末、記憶をなくして駅のホームから転落し、救助されたと夜中に電話がかかってくる。パイプカットをしたと嘘をつき、次から次に女を妊娠させて婚外子を作る。サラ金からも見放され、妻の卒業アルバムを悪用し、手当たり次第に旧友へ連絡し、金の無心をする……。そんなふうに夫の酒癖の悪さ、女癖の酷さ、そして金遣いの荒さが度を超えている場合、もはや妻にとって「いないほうがいい存在」。いわゆる家庭を顧みない典型的な夫ですが、令和から平成、さらに昭和まで遡ると、この手の亭主関白は決して珍しくありませんでした。しかし、昭和に結婚した夫婦がこの期に及んで縁を切るのなら、それは熟年離婚に踏み切ることを意味します。結婚している間は二人三脚。夫の尻ぬぐいに悩まされる代わりに夫の収入や年金、財産を頼りにすれば最低限の生活は保証されるでしょう。しかし、離婚すれば夫のわがままに付き合わされずにすむ代わりに夫の経済力を失います。もちろん、離婚に伴って年金や財産など多少のお金は手に入りますが、必ずしも十分というわけではありません。先行きが見えないコロナ禍で離婚はリスクが高い行動と言わざるをえないでしょう。とはいえコロナの有無にかかわらず、夫の存在に悩み、苦しみ、傷つけられることに変わりはありません。まずは離婚してもやっていけるのか。今後の生活に見通しを立てることが先決です。夫に愛想が尽きた妻はどうすれば離婚を切り出すことができるでしょうか?<登場人物(相談時点、全て仮名)>夫:公平(59歳。会社員。年収750万円)妻:美由紀(58歳。保険外交員。年収460万円)子ども:美憂(28歳。公平と美由紀の長女。会社員。年収350万円)夫の母:節子(84歳。年金生活者)妻の父:義男(81歳で逝去)■60歳を迎える夫の給与が激減美由紀さんが離婚を決断したきっかけは夫が持ち帰った給与通知書を見たこと。今まで夫の手取りは月45万円だったのですが、来月からは35万円、役職定年となる来年からは26万円へ下がることが通知されたのです。美由紀さんはこのことで夫と交わした約束が「破られる!」と思いました。どういうことでしょうか?美由紀さん夫婦は自宅マンションを購入するとき、美由紀さんの父親が頭金として400万円を出してくれたそう。夫はうれし涙を流し、「お義父(とう)さん、必ず返しますから!」と言い切ったのですが、夫は今の今まで頭金を返したことはありません。そんな中、末期がんで闘病中だった美由紀さんの父親が今年5月に逝去。感染対策で美由紀さんは父親の死に目に会えず、そのまま荼毘(だび)にふされたのです。「父に何と詫びていいか……これで終わりじゃないんです!夫から頭金を取り立てたいと思っています」と意気込みます。なぜ、夫は頭金の返済を無視し続けたのでしょうか?美由紀さんは夫の金銭感覚に悩まされ続けてきました。例えば、遊ぶ金欲しさにカードローンの極度額を超えたり、返済延滞で利用を止められたりするたびに美由紀さんに金の無心をするのです。夫の借金を肩代わりするのは日常茶飯事でした。美由紀さんが拒否すると夫は「使えない妻は用なし」とばかり家を飛び出したそうです。そして今年で別居3年目。一方で夫の母は市営住宅で1人暮らしをしていたのですが、今年になってバスの降車時に足を踏み外し、粉砕骨折の重傷を負いました。義母はすでに白内障の影響で視力に難がある状態で、退院しても夫が自宅で引き取ることは難しく、施設に預けざるをえなかったようです。しかし、夫は義母の施設費(月12万円)が重荷になり、頭金の返済金を捻出することができなかったのです。とうとう美由紀さんの堪忍袋の緒が切れたのは、夫がFXの信用取引で大損をし、微々たる老後の蓄え(100万円)を失ったからです。「もう終わりにしてください。あなたの家の玄関に離婚届を置いてきたので書いてください」というLINEを夫へ送りつけたのです。■年金を試算し、退職金の使い道を約束させる美由紀さんから離婚相談を受けた筆者は、老後資金確保のための施策を考え、まずは「年金事務所で年金分割の試算を取りましょう」とアドバイスしました。50歳以上の場合、年金事務所で年金の試算(今すぐ離婚したら年金をいくら受給できるのか)を出してもらうことが可能です。夫婦の戸籍謄本、どちらかの年金手帳を持参すると無料で「年金分割のための情報通知書」を発行してくれます。試算によると全期間の夫と妻の厚生年金の合計額を夫5割、妻5割で按分すると美由紀さんの年金は月7万円増え、15万円になることが分かりましたが、年金だけで暮らすのは無理です。さらに筆者は「会社に問い合わせて企業年金の有無を確認しましょう」と助言しました。美由紀さんが夫の勤務先の総務部に確認したところ、夫には厚生年金だけでなく企業年金があることを教えてくれたそうです。具体的には毎月10万円を終身で受け取ることができるタイプでした。例えば、60歳から80歳まで受け取った場合、合計で2400万円になります。美由紀さんは夫に対して企業年金の半分を要求したのです。それから筆者は「退職金の使い道を約束させましょう」と伝えました。美由紀さんは夫との間で「頭金400万円は退職金で返す」という約束を交わしていたのですが……前述のとおり、夫の収入は来年以降、減ることが決まっています。収入の減少に合わせて、生活水準を下げてくれればいいですが、あの夫の性格です。生活水準を維持し、不足分を借金で穴埋めする可能性があります。これでは本当に退職金を頭金返済に充ててくれるかどうかも疑わしいところです。守銭奴の夫に大金が入ったら気が大きくなり、大枚を叩いてしまうことが懸念されます。美由紀さんいわく、夫は行く先々で揉めごとを起こすトラブルメーカー。今まで仕事は長続きせず、転職を繰り返したのですが、最も長い今の会社でさえ勤務15年。退職金は1000万円にも満ちません。そこで筆者は「退職金の約束は定年前にしたほうがいいですよ」と説明しました。美由紀さんはこれ以上、我慢する必要はないと思い、夫の定年を待たずに離婚を切り出したのです。夫にきちんと約束を守らせるには「夫が妻に400万円を渡す」という公正証書を作成しなければなりません。そうすれば美由紀さんは夫の退職金の4分の1まで差し押さえることができます(民事執行法152条)。ここで注意しなければならないのは離婚せずに資金移動をしたら贈与税がかかることです。結婚している夫婦間で400万円を授受すると贈与税がかかります。一方、離婚した夫婦間における財産分与は原則、贈与税の対象になりません。「あなたの言葉は信用できないし、約束を守ってもらうには離婚するしかない」と詰め寄り、公正証書に署名させることに成功したのです。■夫の住宅ローンを引き受ける代わりに自宅を所有そして美由紀さんは引き続き、自宅に住み続けることを望んでいました。実際のところ、夫のように一度、家から出て行くと、どの面を下げて戻ってきていいのかわからないので、そのまま別居が続くことが多いのです。そのまま離婚に至った場合、美由紀さんが家の権利を得やすくなるという有利な状況が整っていました。夫は自分の住まない家の住宅ローン(夫の単独債務で月10万円の返済。A銀行)を相変わらず返済していたそう。まるで「こうやって家族を支えているのに離婚される筋合いはない」と言わんばかりでしたが、「完済した暁には売って金にしよう」と浪費家の夫が企んでいるのは明らかでした。そこで筆者は「査定をとって売却を防ぎましょう」と助言しました。現在、住宅ローンの残高は1000万円。2019年12月の査定額はオリンピックの影響か1200万円の高値でした。しかし、2020年12月に再度、査定を依頼したところ、800万円まで下落していました。これでは200万円の損失が発生します。日々の返済に汲々とする夫が200万円の現金を用意したり、借入をしたりして穴埋めをするのは不可能です。そのことを踏まえた上で、夫の住宅ローンを美由紀さんが引き受ける代わりに自宅の所有権を夫から美由紀さんに譲渡する。この条件で離婚してほしいと投げかけたのです。ここで大事なのは住宅ローンの債務者変更は別の銀行で行うことです。美由紀さんは前もってB銀行で「もし離婚したら」という前提で仮審査を申し込み、承諾を得ていました。債務者を変更する場合、同じ銀行より別の銀行のほうが審査は通りやすいです。遅かれ早かれ、夫の返済は止まりそうだから、それなら今、手を打ちたいと美由紀さんは考えていたようです。夫としては毎月10万円が浮くという好条件です。ようやく「ローンを払っていれば離婚しなくていい」というプライドを捨て、目の前のニンジン(月10万円の負担減少)に目がくらみ、そのニンジンをくわえた……つまり、美由紀さんの希望する条件に承諾したのです。■熟年離婚を実現するには事前の準備が必須こうして美由紀さんは自宅、退職金、そして厚生年金と企業年金を手に入れることができました。自宅の評価額は住宅ローンの残債より低いので資産価値がないとしても、娘さんにとっては「実家」なのでプライスレスです。美由紀さんが80歳まで生きた場合、厚生年金は1260万円(月7万円×15年)、企業年金は1200万円(月5万円×20年 ※ただし、美由紀さんが80歳になるまで夫が生きている場合に限る)、そして退職金の取り分は400万円なので2860万円を入手した計算です。「娘も私もずいぶん楽になりました。今は娘と自分のことだけを考えればいいので、とても楽になりました。今まではほのぼのとテレビを見る暇もなく、時間に追われて日々が過ぎていったので。女同士、前向きですよ!」と美由紀さんは力強く語ってくれました。熟年離婚(同居35年以上)は42年で約20倍に膨れ上がっており(昭和50年は300組、平成29年は5944組。厚生労働省調べ)、決して他人事ではありません。熟年離婚を実現するには事前の準備が必須です。美由紀さんはじっくりと時間をかけ、きちんと準備をし、十分な老後資金を確保した上で離婚することができました。しかし、今すぐ離婚しなければならない切迫した事情を抱えている場合もあります。昨年、老後2000万円問題が世間を騒がせましたが、年金とは別に2000万円の蓄えが「ない」から離婚できないと決めつけるわけにはいきません。資金の確保より離婚の成立を優先しなければならないケースもあるのです。どのくらいの資金を準備することができるのかは各人の事情によります。限られた時間のなかで可能な限り、多くの資金を手にし、再出発してください。露木幸彦(つゆき・ゆきひこ)1980年12月24日生まれ。國學院大學法学部卒。行政書士、ファイナンシャルプランナー。金融機関の融資担当時代は住宅ローンのトップセールス。男の離婚に特化して、行政書士事務所を開業。開業から6年間で有料相談件数7000件、公式サイト「離婚サポートnet」の会員数は6300人を突破し、業界で最大規模に成長させる。新聞やウェブメディアで執筆多数。著書に『男の離婚ケイカク クソ嫁からは逃げたもん勝ち なる早で! ! ! ! !慰謝料・親権・養育費・財産分与・不倫・調停』(主婦と生活社)など。公式サイト
2020年12月27日夫婦仲のバロメーターともいわれる夜の夫婦関係。でも、一般的なセックスレスという枠に当てはまりながらも、仲がよい夫婦が存在するのを知っていますか?この記事では、夜の夫婦関係がなくても仲がよい理由と、セックスレスでも心配いらないといえる根拠について話をします。夜の夫婦関係がなくても仲がいい理由夜の夫婦関係が長期間なくても、いつも仲がよい二人。その秘密はどこにあるのでしょうか?精神的に独立している没頭できる趣味があるなど、お互いに楽しめることがあり心が満たされています。お互いの考えを尊重しているので精神的に相手に依存することがなく、尊敬の気持ちを持ちながら一緒にいることができるのです。愛情表現やスキンシップを欠かさない夜の夫婦関係がないからといって、スキンシップがまったくないとは限りません。キスやハグは欠かさないなど、愛情を日常的に表現することでお互いの気持ちを確認できているので、心が十分満たされていて不安や不満を感じないのです。もともと夜の夫婦関係が苦痛だった子どもが欲しくて夜の夫婦関係をもっていたものの、もともとお互いに行為を苦痛に感じていたというカップルもいます。この場合は、行為がないことがお互いをつなげる潤滑油になっており、行為がないことをネガティブに感じることはありません。夜の夫婦関係がなくても心配はいらないセックスレスを心配している人は、逆に心のつながりに自信が持てない場合が多いのではないでしょうか。夜の夫婦関係がなくても、心配がいらないと思える根拠が以下の3つです。夜の夫婦関係に関する悩みや喧嘩がないもともとセックスに重点を置いていないので、そのために悩んだり喧嘩をしたりすることがありません。セックスに関する問題はとてもデリケート。そのため、喧嘩でお互いに傷つけあうこともあるでしょう。こういったカップルにはそれが無い分、穏やかな関係が続きます。よく話し合いお互いを知り信頼しているケンカをしても夜の夫婦関係のあとに仲直りしていることがあるように、セックスがお互いの関係を上手く運ぶケースもありますね。ただ、セックスレスでも仲がよい夫婦はその手段を使えない分、問題があればよく話し合って解決しようとします。そのためお互いの気持ちをよく理解しており、それが信頼につながるのです。一緒にいて安心できるお互いを信頼しているので浮気をしようとも思わず、信頼している同士が一緒にいられることに幸せを感じています。価値観が似ていることで話題が尽きないなど、いつまでも親友同士のような安心できる関係が続くのが特徴です。納得済みならセックスレスでも問題ない夜の夫婦関係がないと聞くと、ネガティブな印象を受ける人が少なくないかもしれません。でも、夫婦がお互いに今の形に納得しているのであれば、それはネガティブな状態ではなく、逆に、より仲がいいことを証明できる鍵になっているのではないでしょうか。体のつながりだけでなく、心がつながっているからこそ、仲がよい夫婦関係を長く続けられるという考え方もあるのです。
2020年11月10日子どもが生まれると、育児に追われて夫婦の時間が極端に少なくなることがあります。夫婦間でのコミュニケーションが不足すると、夫婦関係に溝ができる可能性も高くなるでしょう。そこで今回は、夫婦の時間の作り方やラブラブな夫婦の過ごし方を紹介します。子どもが生まれると生活は変わる?子どもがいない夫婦であれば、結婚後も同じ生活が続くだけなのでそう大きい変化はないかもしれません。しかし子どもが生まれると、これまでのスタイルが一変して子ども中心の生活になるため、自分たちのペースで生活することが難しくなります。意識して時間を作らないと、夫婦だけで過ごす時間が減っていくことは間違いないでしょう。夫婦の時間はいつ作れるの?それでは、夫婦の時間はいつ作ることができるのでしょうか?その方法を見ていきましょう。子どもが寝たあとの時間子どもが寝たあとの時間を利用して、コミュニケーションを取る夫婦は多いようです。夜泣きがひどい時期は、赤ちゃんが泣くたびに対応をしなければいけないため会話が途切れることも。しかし、2歳を過ぎると夜泣きもおさまることが多いため、子どもが寝たあとの時間を利用して夫婦で過ごす場合が多いようです。日中子どもがいない時間子どもが幼稚園や保育園に通い始めると、子どもがいない時間ができます。平日、子どもが幼稚園や保育園に行っている間に、有給をとって昼間にデートを楽しむ夫婦もいるようです。幼稚園や保育園へ行っている間はまとまった時間が確保できるため、近場だけでなく遠出をして夫婦の時間を楽しんでいる人もいるようです。ラブラブな夫婦の過ごし方夫婦の時間が作れても、何をしてよいかわからないと悩む人も多いのではないでしょうか。そこで、ラブラブな夫婦の過ごし方を紹介します。2人でドライブに行くいつもなら子どもと一緒に出かける休日に、どちらかの両親に子どもを預けて昼間に2人でドライブに行くのはいかがでしょうか。子どもがいないことで育児から解放されるだけでなく、自宅から離れて新鮮味のあるデートを夫婦で楽しめます。また、ドライブデートは2人だけの空間になるため、普段は言いにくい悩みを打ち明けるのにも最適。ドライブデートが終わったら、そのまま子どもを迎えに行けるので時間も効率よく使えるでしょう。夜はまったり映画鑑賞子どもが寝たあと、家でまったり映画鑑賞をするのもおすすめ。子どもがいる夫婦は子どもの趣味に合わせて映画を観るので、自分達が興味のある映画を観られる機会はそう多くないかもしれません。しかし、夫婦だけなら大人が楽しめる映画を観られます。映画を観終わったあとは、お互いの感想を言い合ったりして会話も弾むことでしょう。自然な会話が生まれるので、夫婦にとって大切な時間になるはずです。夫婦で一緒に過ごす時間を楽しもう!子どもが生まれると生活が大きく変わるため、2人だけで過ごす時間すら取れないことも珍しくありません。しかし、このまま夫婦の時間を作らないでいると関係に溝ができる可能性もあります。もちろん子どもの育児は第一ですが、時間をやりくりして夫婦2人だけで過ごす機会を作るようにしましょう。
2020年11月10日次々と男性とお付き合いをするものの、半年も続かない女性も少なくありません。熟年夫婦のようなカップルには、どうしたらなれるのでしょうか?周りから憧れられる、長続きカップルの秘訣を4つご紹介します!(1)既読スルーも気にしない男女のお付き合いで、喧嘩などのキッカケになるのが既読スルー。男性が忙しくて、悪気なく既読スルーをしてしまい、それを女性が大ごとにとらえて、気まずくなってしまう……というのは、よくあるパターンです。長続きカップルの秘訣は、お互いに既読スルーを気にしません。それは信頼関係ができているから。既読スルーを気にしないのは、長続きするカップルのポイントのひとつです。(2)一緒に居過ぎない長続きカップルの秘訣のひとつは、一緒に居過ぎないこと。付き合いたては、男女はとにかく一緒に居たいもの。そのペースでずっと続けてしまうと、どちらかが飽きたり、窮屈に感じたりするのは時間の問題です。一緒に居過ぎないカップルは、お互いに飽きることがないので、長続きできますよ。(3)喧嘩はその日のうちに終わらせるカップルに喧嘩は付きもの。大切なのは、しっかり話し合ったり解決策を出し合ったりして、長く気まずいムードを引きずらないことです。長続きカップルは、言いたいことを言って、喧嘩はその日のうちに終わらせてしまいます。一緒に居る時間は、楽しいに越したことはないですよね。長続きカップルはそれを分かっているので、喧嘩はさっさと終わらせてしまうのです。(4)相手をリスペクト長続きカップルの最大の秘訣とも言えるものは、相手をリスペクトする気持ちです。たとえば意見が割れて喧嘩になっても、「彼には彼の考え方があるし……。」と思い直したり、楽しみにしていたお家デートで彼がうっかり寝てしまっても、「お仕事疲れてるのかな」と労ってあげたり……。お互いがそんな気持ちでリスペクトし合えたら、長続きカップルを目指せるでしょう。好きな人とは、長いお付き合いをしたいものですよね。長いお付き合いには、お互いの配慮が必要なもの。相手を思いやって長続きカップルを目指しましょう!(恋愛jp編集部)
2020年11月01日自分が結婚し、子供ができて…そんな時に、突然両親から熟年離婚の相談が……。自分が家庭を持ち、親になったからこそ、親は決心したのかもしれない熟年離婚。でも、できることなら両親に離婚はしないでほしい。そんな時にできることを考えていきましょう。どうして今更?熟年離婚したいワケを聞いてあげる本当はずっと嫌だったけれど、子供のために我慢して生活していた。子供が独り立ちして自由になりたくなった。どうしても、相手親族と折りが合わない。離婚したい理由はそれぞれですが、まずは長年付き添った結果として熟年離婚したい、という親の意思を受け止めてあげましょう。親の思いを受け止めてから、子供としての思いを伝える親の熟年離婚への思いを聞いたら、今度はあなたの思いを伝える番です。あなたは、両親にとってはいくつになっても大切な子供です。熟年離婚してほしくないという子供としての正直な思いを、ストレートに伝えてみましょう。それでも熟年離婚への意志が固いなら親自身が熟年離婚によるデメリットを理解できているか、確認しましょう。離婚したい気持ちが先立ち、熟年離婚によるデメリットまで考えていない可能性もあります。<熟年離婚によるデメリットの例>突然一人になる風邪や病気の時、頼れる人がいなくなる経済的に不安定になる離婚手続きが煩雑である熟年離婚のデメリットへのフォローはできないと断言する熟年離婚のデメリットを挙げ、もし突然一人になって寂しい状況になったとしても、自分には家庭があり、子育て、仕事があるため相手はできない、と伝えましょう。もし、親の近くで熟年離婚をして寂しい暮らしをしている方がいれば、例に挙げ、イメージをするよう促します。パートナーに先立たれた方が寂しい独り生活を送っているなど、歳をとって一人になることは思っているよりも辛いことだと意識づけするのもいいかもしれません。風邪や病気でも同様です。仮に、助けたいという気持ちがあっても、熟年離婚を止めさせたい場合は、「助けられない」と伝えましょう。経済面でも同様です。離婚手続きなど、面倒なことも一切引き受けられないと断言しましょう。熟年離婚の話から、愚痴を聞く精神的負担が増えたら親から両親の愚痴を聞かされるのは辛いものです。しかし、愚痴は話している方はすっきりするため、相手の精神的負担に気付きづらく、話し始めるとなかなか終わりません。だから、自分が大好きな父母の愚痴を聞かされるのはとても辛い、と正直に伝え、子供である自分が聞いてあげなければ、という気持ちは堪え、一旦距離を取りましょう。自分の行動が変わると、相手の行動も変わる場合があります。子供の説得だけで熟年離婚を止めさせられないならどんなに説得しても、熟年離婚の意志が変わりそうもない。そんな場合は、周囲の協力を仰ぎましょう。叔父や叔母、親族に説得してもらう兄弟や両親の兄弟である叔父や叔母、ご存命であれば祖父母からも説得してもらうのもひとつの手段です。他人に説得してもらう仲のいい友人やご近所さんなど、親族より他人の方が意固地にならず意見に耳を傾けられる場合もあります。本やウェブサイトで説得する直接説得すればするほど、離婚すると頑なになってしまう場合は、本などをそっと渡し、間接的な説得を試してみましょう。熟年離婚への受け止め方を考えてみる離婚、というとあまりプラスのイメージがないかもしれませんが、自分より長く生きた人生の先輩が選んだ選択です。子供である自分が自立できているのなら、尚更。熟年離婚によって両親が残りの人生を満喫できること、に着目してみてはいかがでしょうか。離婚をするのは、自分ではない離婚をするのは親であり、自分ではない。そこを切り離すだけでも、心の整理は付けやすくなります。離婚をして、明るくなった親をイメージする今までがんばって自分を育ててくれた両親の、自由な姿を想像してみましょう。良い未来を想像できれば、熟年離婚への受け止め方も変わってくるでしょう。熟年離婚を卒業と捉える結婚は多くの学びがある場。そして、離婚は卒業。そう考えられると、熟年離婚を肯定的に捉えられます。籍は入れたまま熟年離婚したら?と提案するそれでも、やはり子供としては両親に熟年離婚はしてほしくないものですよね。自分の子供がいれば、孫には離婚した祖父母より一緒にいてもらいたいと思うでしょう。そこで、最後に子供としての提案です。「熟年離婚したい気持ちはよく分かったし、色々聞いてこれまで大変だったってこともよく分かった。だから、熟年離婚してもいいと思うよ。でも、離婚するってすごくエネルギーを使うし、手続きだってすごく大変だから、籍はそのままにしてまずは別々に暮らしてみたら?」実際に仮の離婚状態を試してみて、それでも籍を抜きたい場合は親の意思を尊重してあげましょう。こうすることで、あなた自身にも、考える時間と親の熟年離婚に対し納得できる過程を作れるはずです。でも、やっぱり同じ墓に入りたくないと言うのなら別居をしてみても、やっぱり最終的に同じ墓に入るのは嫌だ、というご夫婦もいらっしゃることでしょう。それで熟年離婚したいのであれば、別々の墓に入ることを提案してみましょう。今は、墓のスタイルもさまざまです。チラシを見せて、新しい選択肢を提案してみてあげてくださいね。どうか、熟年離婚をしてほしくないという子供の気持ちが届きますように。
2020年10月04日「子どもが独立し、そろそろ定年、これからは夫婦で旅行でも」という時期に突然、離婚を切り出されてパニックになった経験がある人も……。今まで色々あったけれど夫婦で乗り越えてなんとかやってきたのに、なぜ突然離婚したいなんて言い出すのだろうと疑問を抱く方は、もしかしたら相手が長年溜め込んでいたストレスに気がついていなかったのかも知れません。今回は、熟年離婚が増えている理由や熟年離婚のデメリットなどを紹介します。熟年夫婦が離婚を考える前に知ってほしいこと夫婦のどちらか一方から離婚を切り出されるパターンと、夫婦揃って離婚を選択するパターンの両者が増えているようです。熟年離婚を選んだ、その理由に迫ってみましょう。熟年離婚が増えている理由この数年、全体の離婚件数は減少傾向にあるのですが、明らかに突出して離婚が増えている年代層があります。それが同居期間25年以上となる熟年夫婦の年代層なのです。この世代に関する離婚の理由として多く挙げられるのが、配偶者の浮気、財産の問題など……。そして残るひとつが、残りの人生の時間を自分の思うように過ごしたい、というものです。人生100年、と言われるようになり、高齢者でも元気に過ごせる時間が長くなりました。そんな中で、残りの時間を配偶者のためだけに使いたいのか、自分のために使うのか、という選択の末、離婚に至る熟年層が増えているというのが実態なようです。熟年夫婦はバランスが崩れやすい熟年になると夫婦間のバランスが崩れやすいという点も離婚に至る原因になります。夫は定年退職して時間を持て余しているのに、それとは逆に妻は習い事や新しい趣味に目覚めて、日々活発にイキイキと過ごしている……。今までの人生とバランスが逆転するパターンも増えてきています。このように夫婦2人の間のバランスが崩れることで、結果的にお互いへの不平不満が爆発するという流れも、熟年離婚に関係しているのでしょう。離婚を考えるのはちょっと待って!知っておきたい熟年離婚のデメリット残りの人生を考えて離婚したい、と思っていても熟年離婚ではさまざまなデメリットが発生します。離婚するには熟年夫婦ならではの問題も人生の大半を共に過ごした夫婦であれば、離婚も相応の苦労をすることになります。特に大きいのは財産にまつわる問題です。住宅をはじめ、車などさまざまな共有財産の処理をどうするかは、体力を消耗しやすくトラブルになりやすいので注意しましょう。また財産以外でも友人知人、家族関係にも大きな影響を及ぼすのは避けられません。熟年離婚では若い頃と違って勢いだけではどうにもならない問題も多く、冷静な判断が必要になるでしょう。また離婚後の自分の病院費用を含めた生活資金をどうするのかなど、老後にまつわる準備が必要になる点も熟年離婚ならではの課題です。熟年離婚の可能性…こんな予兆があったら気をつけて離婚を切り出されたタイミングで、初めて相手の長年の不満に気づくというパターンが多いようです。そんな熟年離婚ですが、予兆はあるのでしょうか?熟年離婚のきっかけとして多いタイミングは子どもの独立、夫の定年退職、親の介護が終わった、などライフイベントに決着がついた時期のようです。子どもが独立するまでは我慢しよう、親の介護が終わったら自分の人生を生きよう、そう心に秘めて辛いことを我慢して生きている人にとって熟年離婚は希望に溢れた新たなスタートとなる場合も……。いつも不満をこぼしていた相手がある日を堺に突然文句を言わなくなった、そんな時は相手の心の中で「これが終わったら離婚しよう」と決断しているかも知れません。こうならないためにも普段から、子どもが独立したらこうしようなど夫婦でしっかりと話し合い、労いあうことが大切ではないでしょうか。熟年離婚する場合これからの先の人生も考えての決断をしよう熟年離婚をするのなら、これからの人生への備えが最も大切です。体力の低下や生活資金に向けて何をしておくべきか、介護が必要になったらどうするのかなど解決しなければいけない問題が数多くあります。もし夫婦間のトラブルで悩んでいるのであれば、まずは離婚カウンセリングに相談してみるのもおすすめです。心療内科や県、市区町村の男女共同参画推進センター、女性センターなどの公的機関で相談できることもあるので、確認してみましょう。
2020年10月02日手を繋いで歩く、内海桂子さんと夫でマネージャーの成田常也さん(’17年)撮影/佐藤靖彦漫才コンビ『桂子・好江』で人気を博し、女性漫才師の第一人者として活躍した内海桂子さんが22日、多臓器不全のため都内の病院で亡くなった。97歳だった。大正11年生まれ、昭和、平成、令和という4つの時代を駆け抜けた桂子師匠。昭和13年に漫才師としてデビューし、芸歴は81年。長きにわたり第一線で活躍し、1989年には紫綬褒章、1995年に勲四等宝冠章を受章し、まさに国宝級の現役最年長芸人だった。プライベートでは、1999年、77歳のときに当時53歳だった成田常也さんと結婚。成田さんからの猛アプローチから始まり結ばれたという2人の結婚は、ふたまわりもの“年の差婚”として話題を呼んだ。そんな成田さんは今年4月に脳出血で倒れ、別の病院に入院中だったという。だが、8月に入って奇跡的な回復を見せ、27日に近親者のみで行われた密葬には参列することができたという。『週刊女性』は3年前、94歳だった桂子師匠を取材。そこでも2人は、夫婦として仲睦まじい様子を、また芸人とマネージャーという関係で阿吽の呼吸も見せていた。取材で語られていた2人の微笑ましい“ラブロマンス”とはーー。週刊女性2017年7月11日号に掲載した、桂子師匠の生き様に迫った「人間ドキュメント」の中から一部抜粋、再掲載する(以下、本文は掲載当時のまま)。◆◆◆■300通にも及ぶ“手紙攻勢”桂子さんのマネージャーであり、最愛の夫でもある成田常也さんは現在70歳。彼女より24歳年下である。新潟生まれで、小学校のころからラジオで聴く漫才や漫談、落語が好きな少年だった。中でも、内海桂子好江や林家三平が大好きだったと言う。「僕は三味線の音が好きだったんですよ。実家が魚屋をやっていて、よく家で宴会が開かれ、小さなころからお酒のお燗(かん)の役を務めていました」当初、成田さんは、てっきり芸人筋の方だと思われていた。見た目のとぼけた風貌も浅草の芸人らしい。ところが実はさにあらず。成田さんが、桂子さんと初めて出会ったのはアメリカの会社員時代。桂子さん64歳、成田さんは40歳で未婚だった。日本航空系の会社勤務のエリートである。そこでは「日航寄席」という演芸会が年に何度かアメリカ各地で開催され、成田さんは日本から芸人を呼ぶ仕事を任されていた。憧れの内海桂子好江コンビは、いつか呼んで生で芸を見てみたい芸人ではあった。「よし、接触してみよう」と成田さんは思い、内海桂子の連絡先に国際電話を入れてみた。電話口に出たのは、桂子さん本人だった。帰国し、桂子さんの家を訪ねたのだった。そのとき、成田さんは、桂子さんが成田さんの思い描く芸人のイメージと違うことに気がついた。「ちゃらんぽらんじゃないと思いました。そして、言葉に真実味を感じた。さらに、着物姿が美しかったことにも惹かれましたね」結局、アメリカでの公演は実現しなかったのだが、それから成田さんの手紙攻勢が始まる。1年間で300通。毎日のように、桂子さんの家に成田さんの手紙が届いた。当時、娘とその孫と同居していた桂子さんは、当時のことをこう思い出す。「孫がね、毎日手紙を持ってくるんです。また、この変な人から手紙が来てるよ、とね」300通を超える手紙の、最後の1通に成田さんはプロポーズの言葉をしたためた。そして、アメリカで一緒に暮らさないか、と打ち明けたのだった。しかし、師匠の返事はノー。「そりゃそうさ、あたしがアメリカなんかで暮らせるわけはない。浅草の家には娘も孫も母もいるわけだしね。みんな、あたしがいないと干上がっちまう」。普通ならば、ここで断念するのだろう。だが、成田さんの情熱は少しも衰えることなく、「ならば私が東京に行きましょう」と切り出したのだった。長年勤めたアメリカの優良企業のポストを捨てる覚悟を決めたのだ。そして成田さんが帰国。同居生活が始まった。当初は、桂子さんの「仕事のない人とは暮らしたくない」という理由から、成田さんは家具会社の社長室長の仕事をしていたが、2年後には桂子さんの仕事をサポートすることに。同居当初は「遺産狙いじゃないか」などと言われた成田さんだったが、次第にその誠実ぶりが家族に認められていった。成田さんより5歳年上で結婚には反対だった桂子さんの長男も、病床での最後の言葉が「母をよろしく」だった。そして同居から15年が過ぎた’99年、2人は島根県の出雲大社で結婚式を挙げ、その模様はテレビで放映されたのだった。■とにかく仕事をしているのが一番楽しい「師匠は舞台の時間を守らないんですよ」と言うのはナイツの塙宣之さんだ。「しゃべってるうちに話が終わらなくなっちゃうんですね。“師匠、時間です”と言っても耳が遠いから聞こえないし、そんなときは3段階でやめさせる。最初は舞台袖から懐中電灯で光を当てる。まだダメなら緞帳(どんちょう)を下ろしちゃう。それでもダメなら僕が舞台に出て行って着物の袖を引っ張って連れ戻すんです(笑)」売れっ子漫才師・ナイツは、2001年から桂子さんに弟子入りしている。初対面はどんな印象だったのだろうか。土屋伸之さんが言う。「大御所なので、怖い人だと思ってました。でも、自分の祖母とおんなじで優しいおばあちゃん。おそらく昔の弟子には厳しかったんでしょうね」桂子師匠は基本的なことを教えてくれると塙さんは言う。「手取り足取りという指導ではなく、とにかくお客さんの前に出るときはちゃんとした格好で出なさい、とか。だから僕らいつもスーツなんです。あと、これは僕らにまさに足りないんですけど、“芸を身につけなさい”ということ。唄だったり、楽器だったり、踊りだったり……。だから僕らは必要なとき(踊りをやらなければならないとき)に稽古をつけてもらいに行ったり、習ったりしてますよ」東京都台東区竜泉──。浅草にもほど近い下町情緒の残る一角に、桂子さんと成田さんが住む家がある。食事は、朝昼兼用の1食と夕食の2回。用意はすべて成田さんの仕事だ。「といっても、お惣菜を買ってきて、お味噌汁はインスタント。今は美味しいものがありますからね」と成田さん。毎晩、1合の晩酌が何より楽しみ。桂子さんがぼやく。「ホントは、もう少しお酒が飲みたいのに、この人が1合しか持ってこないの。知ってるんだから、上の部屋に1升瓶がいっぱいあんの。あたしは、絵や字を描くのも好きだけど趣味じゃない。だって売れるんですもの。とにかく仕事してるのが一番楽しいね」仕事は、月に6回ほど浅草の東洋館に出演。ほかにテレビや地方での仕事もある。あとはリハビリに励む毎日だ。塙さんがあきれながら言う。「最近“東京五輪では、100歳になっておかないといけない”なんて言い出してる。だから今年で96、97とか平気で嘘を言うんですよ。すごい芸人根性なんだけど、まあ立派な詐欺ですからね(笑)」『人間ドキュメント』取材・文/小泉カツミ
2020年08月28日こんにちは。沙木貴咲です。彼氏とは当然のように両思い状態で、不安がる必要が全然ないのに、「私って、本当に愛されているのかな?」と心配してしまう人がいます。幸せのど真ん中にいるほど、その状態が信じられなくなる瞬間があります。そういうときは、あえて耳をふさいで彼氏の言葉をシャットアウトしたほうが良いかもしれません。視覚で判断することをやめてしまうんです。■言葉に支配されているということ熟年夫婦でも話さなければわからないことがある、なんていいますが、人間はそれほど会話を重視していますし、態度よりも言葉で表されることを重く受け止めます。たとえば、何気ない会話で話した「私、コレ好きなんだよね」というお菓子を、彼氏が覚えていて買ってくれることより、交際当初に比べて話し方が素っ気なくなったとか、「好き」と言ってくれなくなったということに注目してしまうんです。でも、彼氏が発する言葉を重視しすぎるから不安になるだけで、よく考えれば、現状は幸せそのものだったりします。「私、本当に愛されてる?」という心配は自分で作りだしていて、それが恋のリアルを見えにくくするのでしょう。人間は過剰に言葉に支配され、杞憂する生き物なのかもしれません。幸せの真っただ中にいるのに、それを実感できないなんて、とてももったいないことです。■彼の言葉より、行動に注目する!何かと杞憂しがちなタイプや、関係がマンネリ化して「私、飽きられてない?」と心配してしまうときは、あえて耳をふさいで彼氏の言葉に翻弄されない工夫が必要です。重視するのは、彼の行動と表情。付き合い始めた頃のように、「好き」とたくさん言ってくれなくても、定期的にデートをしてちゃんと会ってくれるなら、彼氏の気持ちは当時のまま変わりないでしょう。男性の多くは成就を恋のゴールと見がちで、好きな女性を彼女として自分のものにすると、安心して気を遣わなくなります。LINEの回数が減ったり、気の利いた甘いセリフを言わなくなったりするはず。でもそれは、「彼氏の愛が冷めた」とは限らないんです。男性ってそういうものだと考えるのが正しいかもしれません。■本当に危険視したほうがいい彼の言動とは?杞憂が杞憂で終わらないパターンもありますが、そういう場合は彼氏が行動を軽んじて、それを言葉で補おうとするはず。たとえば、以前に比べてデートの回数が減っているのに、LINEでは歯が浮くような甘いメッセージを送ってくるとか。口で言うほど行動が伴っていない場合が多いんです。彼氏がうれしいことを言ってくれると、瞬間的にテンションは上がる。でも、なぜか心がモヤモヤする・・・・・・というとき、無意識のうちに彼の行動に不満を抱いている可能性があります。潜在意識では愛が足りないと気づいていても、表面的な言葉に騙されてしまっているんですね。直接でもLINEでも、彼氏が饒舌になるときは、ちょっと注意したほうが良いかもしれません。■彼の目と表情にあらわれるもの訳もなく不安が募るとき、彼の目と表情に注目するのも良い方法です。『目は口ほどに物を言う』とはそのとおりで、自分を見つめる彼の目にどんな感情がにじむのかを観察することで、見すごしていた彼氏の本音がわかるかもしれません。他愛ないおしゃべりをしながら、彼がとてもリラックスした表情を見せるなら、それはあなたを心から信頼している証拠。「好き」「愛してる」なんて言わなくても、深い思いを抱いているはずです。(沙木貴咲/ライター)(ハウコレ編集部)
2020年05月22日「いい夫婦」とは何でしょうか? 結婚生活が長いからといって仲良し夫婦とは限りませんし、ケンカばかりしていても実は仲の良い夫婦もいます。夫婦の形は、夫婦の数だけあります。その中で「いい夫婦」というのは、どんな夫婦をさすのでしょうか? ■つい人と比べてしまう…「いい夫婦」って何?子どもが大きくなるにつれて、保育園や幼稚園、習い事などで、同じくらいの子どもをもつママやパパと知り合う機会も増えるでしょう。そんな時、無意識のうちに比べてしまうことはありませんか?「あのおうちはいつもパパが率先しておでかけしていて、ママや子どもも楽しそう」「最近は、お父さんが保育園の送迎をするお宅も増えたのに、うちは…」「ママ友みたいに夫婦2人で出かけたいけど、夫はのり気ではないし」ついつい、夫とほかのパパを比べて、ため息をついてしまうこともあるでしょう。「いい夫婦って何だろう?うちはいい夫婦っていえるのかな…」という疑問が浮かぶかもしれません。そんな不安にかられてしまった時は、次で紹介する5つの項目でチェックしてみましょう。あなたらしい「いい夫婦」像が見えてくるかもしれません。■「いい夫婦」かどうかがわかる5つのチェックポイント夫婦として相性がいいかどうか、いわゆる「いい夫婦」かどうかは、次の5つの項目でわかります。いい夫婦チェック1:夫婦ケンカで言いたいことが言えるケンカが多い夫婦は一見、仲が悪いように思えますが、実はそうでもないのです。ケンカをするということは、お互いが本音を出せているということ。お互い、もしくは一方が我慢してケンカにならない夫婦は、いい夫婦とは言えないでしょう。いい夫婦チェック2:お互い好きなところがすぐ3つ挙げられる相手を尊敬する気持ちがなければ、なかなか好きなところは出てこないもの。それも、すぐに3つも出てくるというのは、お互いが相手に対して「いいな」と認めているところが、それだけ多いからです。いい夫婦チェック3:子どもが巣立った後の自分たちをイメージできる例えば、20~30代の夫婦なら、自分たちの30年後を想像してみましょう。そこに、変わらず2人でいる姿がイメージできるのであれば、同じ未来を見ている、同じ方向に向かっているといえます。いい夫婦チェック4:嫌いなことが同じ恋愛相談の時にもよくアドバイスするのが、「イヤなこと、嫌いなこと」が同じなら相性はいいということ。実は、価値観が合う合わないは、好きなものより嫌いなもののほうがはっきり表れます。趣味や食べ物の好みなど、好きなものが夫婦それぞれ違うのは重要ではありません。価値観が同じかどうかというのは、イヤだと思うこと、嫌いなことで判断します。人は、どうしても許せないことが同じなら、信頼も生まれるものです。いい夫婦チェック5:つらい時期を乗り越えた経験があるまだ若いご夫婦や結婚して間もないご夫婦は経験がないかもしれませんが、つらい経験を2人で乗り越えたことがある夫婦は絆も強いでしょう。例えば、夫が仕事でミスをした、育児が思うようにできないなど、その内容は何でもいいのです。要はネガティブな感情を共有したことがあるかどうかなので、結婚前にお付き合いをしていた時期を含んでもかまいません。この5項目、夫婦なら当てはまって当然のように思えて、実は5つすべてに該当する夫婦はごくまれです。意外とハードルの高い5項目なので、3つ以上なら「いい夫婦」、5つすべて該当したらパーフェクトな夫婦といえるでしょう。■いい夫婦チェックテストに不合格だったら…もし、前述の「いい夫婦」チェックが3つ未満だったら、逆に当てはまらなかった項目を意識的に取り入れればいいのです。例えば、日ごろから夫の好きなところを見つけるようにするとか、我慢しないで言いたいことを言ってみるとか、夫の嫌いなものを理解してみようとするなどです。チェックテストでは、自分たち夫婦に何が足りないのかが浮き彫りになります。それを埋めていくことで、より一層いい夫婦になれるわけです。夫が嫌いなものを無理に自分も嫌いになる必要はありません。でも「夫はどうしてこれが嫌いなんだろう…」と理解しようとすることは、価値観のすり合わせになります。また、子どもが巣立った後の未来がイメージできないとしたら、あなたの心の中に何か「引っかかり」があるのかもしれません。それは夫婦関係のマンネリかもしれませんし、子育てに没頭しすぎて夫との関係をおろそかにしているからかもしれません。もしかしたら、夫自身に興味がなくなっていることも…。その引っ掛かりが何なのかを自分自身に問いかけ、考えてみるといいでしょう。■ほかの夫婦と比べる必要はない子どもが成長するにつれ、同じような環境にある夫婦との交流が増えるため、ついつい自分たち夫婦と無意識に比較してしまうこともあるでしょう。しかし、夫婦の形は夫婦それぞれで、比較して上だと思って優越感を覚えることでもないですし、下だと感じて卑屈になる必要もありません。例えば、毎年11月22日の「いい夫婦の日」に選ばれている「いい夫婦 パートナー・オブ・ザ・イヤー」。選ばれているご夫婦の顔ぶれを見ると、必ずしも好感度の高い万人受けする方ばかりではないというのがポイントかもしれません。いい夫婦というのは、お互いに信頼と尊敬を持っているかどうかだと思います。それがあるなら、子どもと全然遊ばないお父さんであっても、家事を手伝わない夫だとしても、私はいい夫婦だと思います。その判別が簡単にできるのが、いい夫婦チェックテストでしょう。この5項目に当てはまっていれば、周りからどう見られても、世間とずれがあったとしても、自分たちの夫婦像に自信を持っていいのではないでしょうか。 エキサイトお悩み相談室で佐藤先生に相談する
2020年02月25日お互いの仲を深めるには定期的な旅行が必要ですが、付き合っている期間によって旅行に選ぶ場所も変えたいですよね。交際期間別でオススメしたい場所を紹介します。3ヶ月以上のカップルは鎌倉で楽しくデート旅行付き合って3ヶ月以上のカップルにオススメの旅行先は鎌倉です。食べ歩きやランチが楽しめる商店街やパワースポットが沢山あり、初々しいカップルにピッタリです。お寺が多いのでゆっくり観光を楽しみながら時間を過ごせますし、女子が好きなスイーツ店も多いので満足度も高いです。アクティブなカップルはサイクリングデートを楽しむのもいいでしょう。夏場は花火大会もあり、気分を盛り上げるイベントも多いです。交際を始めて数ヶ月のカップルが一通りのイベントを満遍なく楽しめるバランスの良い場所、それが鎌倉です。1年以上のカップルは京都で特別な日を付き合って1年以上のカップルは、記念日に意味を持たせた旅行がしたいですよね。それなら印象に残りやすい場所、京都です。京都は道が分かりやすく綺麗な町並みなので迷わず観光を楽しめる上に、京都ならではの伝統的なお祭りを堪能できます。美しい自然が四季によって変化し、花見や紅葉が見れるので、季節を変えて訪れたくなるのもポイントです。何より歴史的文化遺産が多く、普段は味わえない感動体験をすることができます。特別感のある京都は記念日や、思い出の日を作る旅行の場所に適しています。二人の仲がより近くなることでしょう。3年以上のカップルは未来を見据えて横浜付き合って3年以上のカップルは、お互いに関係も落ち着いて将来をどうするか考えるはず、そんな二人にオススメなのは横浜です。その理由は、居住区の生活観とデートスポットが混在しているからです。近い将来一緒になったらどんな生活をするのか予想するのもいいでしょう。告白をするのに適しているムードのある場所も多いので、特別な場所として思い出にもなります。生活拠点として優れているので気に入ったら二人で新生活を始めるというのも良いですよね。横浜は家族も多いし、子育て支援もしている場所ですから将来を見据えて旅行に来てもいいかもしれません。勿論、本格的な中華やパンケーキなど、単純にグルメを楽しむ場所としてもオススメです。
2020年01月25日妊娠したり子どもが生まれた途端、夫との関係がギクシャクするようになってしまった、夫婦仲がうまくいかなくなったというお悩みを持つママは少なくありません。その反対に、子どもが生まれたことで、さらに仲が良くなる夫婦もいます。その違いは、どこにあるのでしょうか?今回は、「子がかすがい」になるタイプの夫婦と、逆に仲が悪くなるタイプの夫婦、その違いについて解説しましょう。■子どもが生まれて夫婦仲が良くなる3タイプ夫婦だけの時はとてもうまくいっていたのに、子どもが生まれてからケンカばかり。最悪の場合は、離婚にいたるケースもあります。実は、子どもが生まれて夫婦の関係が良くなるか悪くなるかのカギを握っているのは、夫。夫が好奇心旺盛で、育児すら未知の経験ととらえて面白がれるタイプなら、子育てを通して夫婦の絆が強まるようです。また、ペットを飼った経験がある人、ペットの世話などをいとわずに自ら進んでやる人は、子育てに向いているといえます。ペットと子どもを同列に扱うのは少々乱暴ですが世話好き、もしくは世話慣れしている夫なら、子育てに興味を持ちやすく、協力してくれるタイプが多いでしょう。意外なのが、特に仲が悪いというわけではないけれど、これまではマイペースで個別行動の多かった夫婦も子どもが生まれると仲良くなる傾向にあります。子どもを持つと共通の目標ができ、一緒に子育てをするようになって結束力が高まるのです。■子どもが生まれると夫婦ケンカばかりの3タイプ一方、子どもが生まれて仲が悪くなる傾向にあるのが、夫本人が仕事人間であったり、没頭している趣味がある場合。そういうタイプは、生まれた子どもを「自分の趣味(仕事)を邪魔する、足手まといな存在」と捉える傾向にあるようです。また、夫が家では甘えたがりの「かまってちゃん」タイプや、逆に「甘え下手」なタイプも、出産をきっかけに夫婦仲がこじれるケースが多いようです。かまってちゃんタイプは、妻の愛を独占する子どもに嫉妬を抱きますし、甘えたくても甘えられない甘え下手タイプは、感情のままに行動する子どもに対して「自分は我慢しているのに…」と怒りがわくのです。このように、子どもが生まれて夫婦仲が良くなるか悪くなるかは、妻ではなく夫の性格、資質によるところが大きいといえるでしょう。■父親になりきれない夫にイライラ…どう接する?もし、自分の夫が「趣味や仕事に没頭」タイプや「かまってちゃん」タイプ、「甘え下手」タイプだとしたら、どうすればいいのでしょうか?人は「わからないこと、未知なこと」に警戒心を持つ傾向にあります。男性は女性のように妊娠はできないし、おなかの中で赤ちゃんを育てることもできません。親になる実感がわかないまま、子どもが生まれたその日から「パパですよ」と言われても、気持ちが追いつかないのでしょう。出産までに父親の自覚が少しでも芽生えるように、例えば妊婦健診に同行してもらう、両親学級に一緒に参加するなど、おなかの赤ちゃんの成長や妊娠・出産・子育ての情報を共有してはいかがでしょうか。忙しかったとしても、健診の報告だけでもこまめにしておきましょう。また、かまってちゃんタイプに有効なのが、妊娠時期から「大きなお兄ちゃん」として妻が接する方法。いきなり父親を求めるから甘えたがりの夫には荷が重く、そんな夫に妻はイライラしてしまうのです。赤ちゃんと一緒に育ち、かつ一緒に赤ちゃんのお世話をするお兄ちゃん的役割を担うことで、かまってちゃん夫は赤ちゃんへの嫉妬心を持ちにくくなり、妻からの過剰な期待で追い詰められることもなくなります。手のかかる夫のことを「大きな子ども」と例える妻がいますが、実はこのスタンスは子育て中の夫婦が衝突しない秘訣なのです。■子育てでもめない! 夫の「居場所」作りどんなタイプの夫にも効果的なのが、家の中に子どもに侵食されない「夫の居場所」を作ること。例えば、書斎や個室まではいかなくても、リビングやダイニングのイスやソファなど、夫だけが使う場所を決めるのです。赤ちゃんがいようがいまいが、「ここはあなただけの居場所だよ」という夫のプライベートスペースを確保しましょう。子どもが生まれても、子どもが増えても、そこは絶対に空けておきます。部屋がどんなに散らかっていても、そこだけはきれいに片付けておくことも肝心です。子どもがいることで夫婦仲が悪くなるのは、「妻が自分を見てくれない」「子どもが自分のスペースを侵害してくる」と夫が感じてしまうことが根本的な原因であることが多いように感じます。妻はまず「子育てをしなくても、あなたはここにいていいのよ」という場所を夫のために確保し、「子どもは夫婦の邪魔をする存在」と感じさせないようにしましょう。特に、縄張り意識の強い甘え下手タイプや仕事・趣味に没頭系タイプには効果的です。ただし、リビングやダイニングなど子どもと同じ空間に夫の居場所を作った場合、子育てを手伝わない夫が視界に入ると「私ばっかり大変」とつらく感じることもありますよね。その場合は、もし可能なら夫の居場所は目の届かない場所、書斎や個室に設ける方がいいかもしれません。夫の姿が見えなければ、家事・育児をしてくれないことのイライラは感じにくくなりますし、顔を合わせないのでケンカにもならないからです。■悪化した夫婦関係、修復できるタイミングは?子どもが生まれ、すでに夫婦仲がうまくいっていない場合でも、関係修復は今からでも間に合います。子どもは、いつまでも赤ちゃんではありません。寝るか泣くかだけだった赤ちゃんも、1歳近くになれば歩き始め、体を動かす遊びなどパパとできるようになっていきます。すると、親子3人で出かけたり、公園や動物園などにパパと子どもだけでお出かけなどもできるようになるでしょう。男性は、そもそも赤ちゃんとどう接していいかわからず「怖い」「面倒くさい」と感じて、子育てや父親の役割を放棄することも。それで夫婦仲が冷えてしまうケースは少なくありません。しかし、人と人として向き合えるくらい子どもが大きくなれば、それにつれて親子関係も変わっていきます。子どもが歩き始める、言葉が少しわかるようになる、意思の疎通ができるようになるなど成長の節目がチャンス。夫婦仲が好転するきっかけとなるかもしれません。 エキサイトお悩み相談室で佐藤先生に相談する
2019年12月21日今回は、長続きカップルに当てはまる特徴を大暴露!仲良しカップルの仲間入りを果たすためには、一体何に気を配れば良いのでしょうか。さっそく気になる詳細をみていきましょう。(1)スキンシップを欠かさない『こまめにスキンシップをとることで、お互いの心がつながってるのを感じられる』(27歳/飲食)仲良しカップルは、スキンシップを欠かさずとります。ハグをしたりキスをしたりといった愛のある行動を常日頃から心がけているので、お互いの熱が冷めることはありません。たまには付き合い当初のようにこまめにスキンシップをとって、彼との仲を再熱させちゃいましょう。(2)お互いプライベートな時間を作る『お互い信頼していれば、常に一緒にいなくても平気』(27歳/商社)長続きしている仲良しカップルは、プライベートな時間にも配慮しています。カップルとしての時間も1人の時間も充実すれば、メリハリがついてお互いの大切さが実感できることでしょう。常に行動を共すると窮屈な関係に発展しかねないので、たまには息抜きのつもりでプライベートな時間を作ってみて下さいね。(3)ケンカを長引かせない『ケンカは次の日に持ち越さないルールを作っています』(26歳/営業)近しい存在だからこそ、カップルに喧嘩はつきものです。しかし、長続きカップルは喧嘩こそすれど、長引かせることは絶対にしません。「謝ってもらったらそこで許す」「必ずその日のうちに仲直りする」などといったルールを設けて、ラブラブな関係を保っているそうですよ。(4)価値観が似ている『長く付き合っていくには、物事に対する価値観が重要ですね』(32歳/サービス)価値観が似ているというのも、長続きカップルの大きな特徴です。特に金銭感覚や恋愛感は、非常に重要なポイントとなる模様。絶対譲れないとされる条件が似ているからこそ、2人の関係は自然と長期化していくのかもしれませんね。長続きカップルには抜群の安定感があるため、周囲をも和ます力を持っています。その強い絆はすぐに生まれるものではありませんが、一度築き上げることができれば唯一無二の関係へと発展するでしょう。さっそく今回紹介した例を参考に長続きカップルの秘訣を取り入れて、本当の幸せを自ら呼び寄せてみませんか?(恋愛jp編集部)
2019年12月19日本日、『いい夫婦の日』にあやかって、夫と「我々が思ういい夫婦とは?」について話してみました。■思いを伝え合える夫婦を目指して…何でも言えるって、夫婦でも結構難しいですよね。私も夫も、今でこそわりと良いことも悪いことも伝え合っていますが、もちろん最初からそうではありませんでした。これって引かれるかな?嫌な気分にさせるかな?なんて無駄に色々考えて、自分を出せていませんでした。■ぶつかり合ってこそ見えたことでもそれが溝を生んでいき、一度大爆発。かなり話し合って、ようやく徐々に見えない壁を崩していくことが出来ました。お互いを尊重しながら本音で話し合って、気持ちを擦り合わせるところは擦り合わせる。割りきるところは割りきる。その繰り返しで、自然体の心地よい空気が作られていくんだと思います。我が家もまだまだ夫婦として成長中。いい夫婦は1日にしてならず…!ですね。
2019年11月22日いつまでもずーっと彼氏と仲良く暮らしたいというのは誰もが夢見る未来ですよね。その夢を叶えたラブラブ老夫婦の秘訣を探ってみました。挨拶は毎日、欠かさずに朝起きたら「おはよう」、帰って来たら「おかえり」「ただいま」など、挨拶は生活の潤滑油です。たとえ、ケンカをしてしまって気まずいなと思っていても、無視は絶対にダメです。挨拶ひとつで、お互いの心が和みます。ケンカを長引かせないコツとも言えます。ケンカが長引くと思わぬ行動を引き起こし、取り返しのつかないことになりかねません。どんな時でも、必ず挨拶をしようというのを二人の決め事にしておくとよいでしょう。過干渉は避ける相手のことが好きになればなるほど、何もかも知りたいと思う気持ちが募ります。それは自然なことですが、たとえ夫婦といえども踏み込んではいけない境界線があります。「昨日、誰とどこで何をしていたの」と聞きたい気持ちをぐっと抑えることも大切です。相手が言いたくないことを、細かく聞いたりしてはいけません。携帯電話や封書など勝手に見るのはもってのほかです。お互いのプライバシーを尊重し、なおかつ、相手を心配させない気遣いを身につけることが長くラブラブ度を保つ秘訣です。家族の悪口は言わない結婚は、お互いの愛情の合意により成立します。しかし、相手の家族との付き合い方も大切なことです。嫁姑の関係や、相手の兄弟姉妹と気が合わないなど、難しいこともあるでしょう。時には我慢も必要です。そういった悩みを相談するのは構いませんが、相手の家族を貶めるような悪口はNGです。感謝の気持ちを伝える長く仲良くしたいと思うならば、常に相手に感謝をしましょう。それは言葉にしなければ伝わりません。言わなくてもわかっていると思っていたというのは幻想です。どんな小さなことでも「ありがとう」と声に出して言いましょう。「ありがとう」はずっとラブラブでいるための魔法の言葉です。運転をしてもらった時、荷物を持って貰った時など、やってもらって当たり前だと思わずに、「ありがとう」と言ってみてください。もっと愛情が深まるはずです。
2019年05月16日「夫婦というのはもともと同一の自我ではないから、お互いにメンテナンスしていかないと。あとやっぱり、根底に惚れている気持ちがあることがいちばん大事ですね」そう語るのは、熟年夫婦のすれ違いを描く新作映画『初恋~お父さん、チビがいなくなりました』(5月10日より全国ロードショー)で、無口でぶっきらぼうな夫・武井勝を演じた藤竜也(77)。本作同様、プライベートでも結婚生活50年となる自分に重なるという。「傲岸不遜なところを除いて、僕がモデルのようなものです。男ってね、日常のたわいのない話をしない。へたにしゃべってやぶ蛇になる可能性もあるから。でも、勝のように靴下を脱がしてもらうようなことはしません。あのシーンは抵抗ありましたね、やりながら動揺していました」亭主関白な夫に明るく尽くしながらも、自分は本当に愛されているのだろうか。そんな不安を抱えた妻・有喜子役は倍賞千恵子(77)。28年ぶりの共演となるが、プライベートでも家族ぐるみで親しい仲。「彼女が相手役なのは最高によかった。撮影現場のセットにいても自分の妻と同じ感じなんです(笑)」その妻は、日活の黄金期に活躍した元女優の芦川いづみ(83)。藤の愛妻家ぶりは、数年前に出した自著本で《いまは妻に片思い中》とつづるほど。毎晩寝る前に握手をするのが習慣と聞いているが。「やってる!やらないと気持ち悪い。もう3~4年くらいになるかなあ。握手しようと約束していれば、正々堂々と1日いっぺん触らせていただけるでしょう(笑)」夫婦関係で大切なことは?「傷つけないこと。僕も傷つきやすいし、妻を傷つけたくない。結局、好きだから、惚れているからね」「惚れる」――それは藤が出演作品を決めるときの動機でもある。「決め手は嗅覚、とあいまいな言い方をしてもいい。この映画を見てみたいと思う台本、それもひとつ。そして何よりも作品に惚れることができるか否か、それがいちばんの決め手かもしれないですね」現場では“素直で、一生懸命行こう!”と心がけている。「人の話というのはこちらのすくい方ひとつで必ずプラスになる。だから、相手の年齢に関係なく耳を傾けることはしていきたい」5月には映画『空母いぶき』の公開も。挑み続ける原動力は?「演じるというのは面白い!絵描きが人物画を描くように、自分は自分の肉体を借りてほかの人間を描く。実に面白いし、飽きない。願わくば、光る役が欲しいね」
2019年05月13日