稽古場の一角のワクワクさせる2ショットは、大人計画の皆川猿時さんと荒川良々さん。しかも、ふたりが共演する舞台のタイトルが『あぶない刑事にヨロシク』だ。脚本・演出を手掛けるのは「男子はだまってなさいよ!」でバカバカしい笑いを作り続ける細川徹さん。…で、どっちがタカで、どっちがユージなの?共演のお二人にお話を聞きました。***荒川:皆川さんがユージで僕がタカって聞いてたんですが…台本を見たら関係なくなってました(笑)。皆川:まあ、僕の役は『あぶ刑事』に憧れているっていう設定にはなってるんですけど。荒川:逆に僕は『あぶ刑事』を知らないっていう設定で、皆川さんがビデオを貸してくれるっていう。あと、一応、横浜署の刑事ってことにはなってます(笑)。皆川:そんなふたりが、事件を追ううちケンカしたり仲直りしたり(笑)。荒川:ふたりでお茶して終わり、ってことはないと思います。皆川:まあでも、どこまでいまの台本のままいくか、わからないよね。そもそも細川さんの舞台で稽古初日に台本が上がっているってことが珍しいし。荒川:だからか、稽古2日やって、ちょっと違うなって思ったんでしょうね。3日目の稽古は、稽古着のジャージに着替えて皆でただ雑談だけして、私服に着替えて帰りました。皆川:いつもは台本がないから、稽古序盤は雑談だけして帰る!みないな感じだからね。でも、昨日の雑談でお互いにどんな人かよく知っておくのって、本当に大切なんだなって改めて思ったよ。まあ、普通に稽古した後に居酒屋でやれよって話なんだけど(笑)。でもさ、映画を観ると、今回は明らかに人数が足りてないんじゃないかなあ。荒川:あの映画では、敵が嘘みたいに大勢でてきてましたから。皆川:その状況のなかでふたりきりだから“あぶない”わけで(笑)。荒川:そもそも皆川さんの役は、あぶない目に遭いたくない人なのに…。皆川:あぶない目に遭わないようにしているのに、相棒の荒川君のせいでどんどんあぶない目に遭っていく(笑)。しかし…見事に何も残らない舞台だなぁ。荒川:その何も後に残らないのが細川作品の面白さ。何も考えずに笑えるから、子供でも楽しめるし。皆川:だから頭の中だけで作った台本じゃなく、稽古場での雑談から生まれる面白い何かを大事にしてるんだろうね。でも、そういう笑いって、何が面白いのかわかんなくなっちゃうんだよ。松尾(スズキ)さんや宮藤(官九郎)さんの作品は、ある程度お客さんを突き放した笑いだけど、細川さんのホンは、お客さんを巻き込んでいくタイプの作品だから難しいよね。荒川:お客さんが入ってから完成するようなところはあります。皆川:そういう意味でも、荒川君は頼れる相棒です(笑)。荒川:それはお互いさまです。皆川さんなら、どんな球を投げても返してくれる安心感がありますから。◇みながわ・さるとき(写真左)1971年生まれ、福島県出身。’94年より大人計画に参加。グループ魂の港カヲルとしても活躍。出演映画『TOO YOUNG TO DIE!』が6月25日公開。あらかわ・よしよし1974年生まれ、佐賀県出身。’98年より大人計画に参加。現在、連続ドラマ『重版出来!』(TBS系)に出演中。出演映画『TOO YOUNG TO DIE!』は6月25日公開。◇4月14日(木)~24日(日)下北沢・本多劇場作・演出/細川徹出演/皆川猿時、荒川良々、池津祥子、村杉蝉之介、近藤公園、上川周作、早出明弘、本田ひでゆき(本多兄妹)生演奏/TUCKER前売り・当日5800円ヤング券3500円(22歳以下)大人計画TEL:03・3327・4312(月〜金曜11:00~19:00)※ 『anan』2016年4月20日号より。写真・土佐麻理子インタビュー、文・望月リサ
2016年04月18日フリーアナウンサー・みのもんたが、前大阪市長・橋下徹と、フリーアナウンサー・羽鳥慎一がメインを務めるテレビ朝日系バラエティ番組『橋下×羽鳥の新番組(仮)』(毎週月曜23:15~24:15 ※一部地域を除く)に出演することが16日、明らかになった。18日の放送に登場し、自らへの過剰なバッシングを批判する。みのは「ごぶさたでございます…」と言いながらオープニングトークから登場。アナウンサーとして後輩の羽鳥は「収録中、何度か意識を失っているのではと思うことがあるのですが、意識を取り戻して『これは許せない!!』と発言するタイミングを一度も外さない! それがスゴイ!!」とみのを持ち上げ、「今日も絶好調ですね!」とヨイショすると、みのは「そりゃあそうですよ。番組を降りてから2年半、しゃべらずにきましたから(笑)」とうっぷんを晴らす気満々だ。一方で、みのはスタッフに19時までに収録を終わらせてほしいと希望していたそうで、その理由を羽鳥から聞かれると「オネエちゃんと"同伴"するんだ」とあっさり白状する。この日の番組は、ゲストが"今の日本はここがおかしい!"と思っていることを訴える企画「橋下さん!日本のこんな所オカしくないですか?」を放送。ここで、みのは「週刊誌が俺に関係ないことまで記事にするのはオカしい!」と訴える。みのは、次男が窃盗容疑で逮捕されたのを機に、バッシングの中で事件と関係のないことまで次々に報じられたことから、「30歳を過ぎ、社会人になった息子の不祥事で、父親も一緒にたたかれるのはオカしい。関係のないことまで騒ぎ立てる週刊誌は、いったい何が目的なのか」と主張。これに対し、橋下は「僕も"文春"とか"新潮"とか、大っ嫌いです」と言いながら、「週刊誌には権力を監視する役目もある」といい、2人の意見が対立する。このほか、みのはキャスターを降板した本当の理由について「たったひとつです!」と言って告白。橋下は、週刊誌がスクープを連発する風潮を踏まえて「今のコメンテーターは、腰抜けばっかり!」と、世論に追随するコメントばかりの空気を糾弾する。
2016年04月16日松尾貴史と演出家のG2が結成した演劇ユニット“AGAPE store”が5年ぶりに活動を再開して1年。復活公演の第2弾が、2016年1月に上演される。多彩な顔ぶれで紡ぎ出すのは、とある会社で繰り広げられる、秘密を抱えた男女7人の物語。その内容を、松尾とともに、キャストの池田純矢、宮崎秋人が稽古場で語ってくれた。題して『七つの秘密』なる舞台は、ちょっと面白いことになりそうだ。AGAPE store『七つの秘密』チケット情報1998年に結成して以来、コメディ、翻訳劇、ホラーもの、時代劇など、あらゆるスタイルで上演を続けてきたAGAPE storeが、今回脚本に迎えたのは、コントユニット「男子はだまってなさいよ!」主宰の細川徹。松尾曰く、「僕もG2も年齢を重ねると知らず知らずのうちに重くなってしまうので、ポップでナンセンスでサブカルの匂いのする作風の方がいいなと」細川に依頼。でき上がったのは、それぞれに抱えている秘密が連鎖して、人間関係に大混乱が生じ、「いい大人がバカな状況に陥って、ただただ大人ってダメだなぁと思う芝居(笑)」(松尾)である。確かに、池田演じる“自分をカッコいいと思っている男”や宮崎の“真面目だが存在感が薄い男”など、キャラクター設定だけでもおかしみが漂う。だが、だから演じるのは難しいと池田と宮崎は声を揃える。「いい意味で何も考えずに表面的に楽しめる作品だからこそ、そこへ到達するまでには迷路がいっぱいあって。でも、お客さんにはその難しさは一切感じさせずにただ笑ってもらいたいので、役者としてはかなり頑張らないといけない」と池田が言えば、宮崎は「笑いというものに向き合うのも、こういう小劇場の芝居をやるのも初めて。これまでは熱くエネルギーを出して伝えるようなお芝居が多かったので、肩の力を抜いてその場にいられるようにならないと」と自らを鼓舞。松尾が「特筆すべきダメさ」と語る役をどう見せるのか楽しみである。AGAPE storeでは、「ゆるく楽しめるものを」と考えている松尾。今回も「社会的なメッセージもなければ、明日から頑張って生きようと思うようこともない(笑)」と強調する。「ただ、くだらないことで笑っていられるというのは、自由で平和な証。どんどん“物言えば唇寒し”になっていくなかで、こんなふうにいろんな価値観がある世の中っていいよねという認識が広がっていくことも、表現の役割のひとつじゃないのかなって、ぼんやりと思ってるんです」。年明けから笑える幸せを、ぜひ噛みしめてほしい。公演は1月15日(金)から24日(日)まで東京・紀伊國屋ホール、1月29日(金)から31日(日)まで大阪・近鉄アート館にて。チケット発売中。取材・文:大内弓子
2015年12月28日“ユニーク度”の高いイラストでおなじみの五月女ケイ子さん。ビビッドな原色を多用したカラーイラストは、どこかレトロで懐かしく。水墨画のようなモノクロの作品は、そのシュールさに思わずくすっと笑ってしまう。また、お姫様のような夢見がちな女の子の絵も印象的!そんな五月女さん、大学時代は編集者になりたかったそうで。お話をお聞きしました。***――ということは、入社試験を受けたんですか?五月女:いや、受けてない(笑)。私たちのときって超就職難の時代で、こりゃどうせ入れないだろうと思って、書類も出さなかった。でも、それまでまったり映画撮ってたような人たちも、みんなテキパキ就職活動して内定取ってて、「え、私どうするんだ?」って、初めて将来をリアルに考えたんです。そこでようやく、「イラスト描きたいかも…?イラストレーターになりたい…?なろう!」ってなりまして(笑)。それまでちゃんと絵を描いてなかったのに。――自信はありました?五月女:あったんですよね…。私は岐路に立ったときは、心の赴くままに進むほうなんですが、なぜかいつも妙な自信があるんです。自分でも、なんだそれ?って思うんですけど…。いや、思い込みが激しいのかな(笑)。でも、ものを作りたいっていう気持ちが本当に強かったし、こんなにもの作りがしたい人はいないだろうから、気持ちでは負けてない!って思ってた気がする。基本的には自分に全く自信がないので、強い気持ちに必要以上に頼っちゃうのかも…。とはいえ行動せねばと思って、それから毎日イラストを描いて、溜まったものをいろんな出版社に送って、初めてご連絡をいただいたのが、御社の『Hanako』でした。嬉しかったなぁ。――なるほど。その頃から、今みたいなシュールな作風でした?五月女:全然違います。頼まれるがままに、かわいい雰囲気のイラストみたいなのを描いてました。スタイルにはまったくこだわりがなかったので。でも、やっぱりそれって魅力がなかったみたいで、せっかくいただいた連載のイラストがすぐ終わっちゃったり、そんなにうまくいかなかったんです。それであるとき、当時まだ彼氏だった今の夫から、「<徹子の部屋の、他の部屋や屋敷の周囲がどうなってるのか>っていうイラストを描いてほしい」と頼まれたんです。おどろおどろしい、ちょっと怖い感じで描いてほしい、と。例えば、お菓子のルマンドの部屋があったり、地下で誰かが発電してたり、屋敷の外には野犬がいっぱい…みたいな。そのとき私はバイトしかしてなかったから時間もあって、3日くらいかけて描いたんですが、それが本当に楽しくて。――今まで描いていた絵と、何が違ったんですか?五月女:初めて、かわいくない絵を描いたんです(笑)。今まで、“かわいい絵”を求められることが多くて、なんかそれがしっくりきてなくて。それから、絵を通じて人を笑わせるっていうのも初めてだったし、それもすごく楽しかった。たぶん“こういう絵を描きたい”って、絵に対して自我を持ったのも、そこが初めてだったと思う。描き上げたときの満足感とやりきった感は、今でも忘れられません。――その絵は、結局どこかに掲載されたのでしょうか?五月女:二人でその絵を持って、マンガ雑誌の編集部に売り込みに行ったりしたんですけど、まあテーマがテーマなので、お蔵入り。しかし今思うとやってることが若いですねぇ。『バクマン。』とか、『まんが道』みたいだ(笑)。◇そおとめ・けいこ1974年生まれ、山口県出身。大学卒業後にイラストレーターとなり、現在、広告や雑誌、LINEスタンプなど、幅広いジャンルで活躍中。弊誌でも堀潤さんの連載「社会のじかん」の挿絵&一言コメントを担当。夫は放送作家・演出家の細川徹氏。1児の母。◇展覧会に向けての一枚。11/9~14まで、外苑前の<ギャラリーハウス マヤ>にて、「五月女ケイ子乙女の逆襲展」という展覧会を開催。“清く正しく美しく、コノヤローバカヤロー”な、ニュー乙女の決起集会、だそうです。イラストはもちろん、乙女の鉄アレイアクセサリー(?!)も販売。怒れる女子は大集合すべし。※『anan』2015年11月11日号より。写真・小笠原真紀衣装協力・東京ドレス
2015年11月09日俳優の細川茂樹が28日、東京・有明の東京ビッグサイトで行われた、英映画『007 スペクター』の特別トークイベントに出席した。12月4日から全国公開する本作は、ジェームズ・ボンドが活躍するスパイ映画『007』シリーズ最新作。30日から11月8日まで開催する「第44回東京モーターショー」では、ボンドの"相棒"とも言えるアストンマーティンの限定モデル「DB9 GT ボンド・エディション」を、WOWOWブースで日本初披露する。黒のタキシード姿で登場した細川は、世界限定150台生産&日本入荷10台というプレミアモデルを前に、「いつもは隣りに家電があるけど、今日は憧れのボンドカーと一緒なんて光栄中の光栄。かなりテンション上がってます!」と大興奮で、「かなり完成度が高い作品。男性はもちろん、女性も紳士的なボンドを楽しんで」とアピールした。『007』シリーズのDVDを全巻所持し、正月に必ず見直すほどの大ファンだと言う細川は、「憧れのヒーロー。ボンドがつけてるアイテムは、すべて身に付けたいと、オメガやアストンマーティンを買った。お酒はどこ行ってもマティーニを飲んでましたね」と告白。最後は、「(ボンド役は)俳優としてうらやましい……。日本版の『007』があれば、お金はいらないからやりたい」と熱い想いを吐露していた。なお、WOWOWでは、11月28日の放送イベント「TOUCH!WOWOW2015」内で、本作とコラボレーションした特集「ジェームズ・ボンドに愛をこめて」を実施する。
2015年10月29日「花咲舞が黙ってない2」で高視聴率をたたき出し、スペシャルドラマ「デート」でもコメディエンヌぶりを存分に発揮していた女優の杏。名実共に若手人気女優ナンバーワンである彼女が、最新映画『オケ老人!』で意外にも映画初主演を果たすことが決定!初のバイオリン演奏に挑み、老人だらけのアマチュア・オーケストラを率いる高校教師を演じることが分かった。梅が岡高校に赴任してきた数学教師の小山千鶴(杏さん)は着任早々、地元の文化会館でのアマチュアのオーケストラの演奏を聴き、入団を決意。千鶴は趣味で学生時代からオーケストラでバイオリンを弾いていたのだ。けれども、向かった「梅が岡交響楽団」は、老人ばかりのオーケストラ。どうやら、先日のコンサートはエリート集団の「梅が岡フィルハーモニー」という全く別のオーケストラだったらしい。ややこしいことに小さな町にはアマチュアのオーケストラが二つ存在していたのだ。ただ、こちらの「梅響」は年寄りばかり。けれども、千鶴のような若者の入団を大喜びする老人たちに自分の勘違いを言い出せないまま、「梅が岡交響楽団」に参加することになる千鶴。彼らの予想以上のダメダメ振りに、抜け出そうと奔走するも、なんだかんだと辞められず、ついには指揮棒を振るはめに…。そんなとき、フランスから世界最高と言われる指揮者ロンバールが来日、「梅フィル」を指揮することになるのだが…。やがて、さまざまな困難を経て、感動的な音楽を演奏するオケに成長していくパワフルな老人たち。また、老人集団「梅響」と音楽エリート集団「梅フィル」という二つのアマチュア・オーケストラの対立が、そのまま彼らの背景にある商店街と大型電器店との確執につながり、加えて、ライバル同士の男女の間に芽生える“ロミオ&ジュリエット”張りの恋物語も絡み、大騒動が起きていく本作。原作は、2010年に『ちょんまげぷりん』が錦戸亮主演で映画化され、さらに10月16日からは『探検隊の栄光』の公開を控えるなど、映像化が相次ぐ、荒木源の同名小説。日本はアマチュア・オーケストラ、通称アマオケの数が世界一ともいわれるだけあり、普遍的な人気を誇るクラシック音楽の世界を舞台に、平均年齢世界最高齢のアマオケ・メンバーが繰り広げるコメディ。原作では男性が主人公だが、「主人公を女性に書き換えようという発想が生まれた瞬間、全員が思い描いたのが杏さんでした。彼女の底抜けに明るい笑顔と伸びやかな四肢を活かしてタクトを振る姿こそが老人たちを叱咤激励していける唯一無二の存在であると確信したとき、この映画は動き出したのです」と本作のプロデューサーの前田氏が語るように、この映画のカギは杏さんが握っている。今回は、かなり上級のアマチュア・オーケストラのバイオリン部に参加するという設定であるため、杏さん自身、多忙なスケジュールを縫って、撮影に入る半年以上前から人生初のバイオリンの練習を始めた。その上達ぶりは1回目のレッスンから指導者を驚かせ、通常なら2~3年かかる基本的なボーイング(弓の扱い)に始まる演奏の基礎をわずか1か月で覚えてしまうほどだったという。できる限りリアリティを持たせようとする真剣さが伺える演出と、最高のアマオケ“オケ老人”たちを導いていく彼女のど根性スピリットは必見だ。<以下、コメント>■主演・杏楽器演奏に指揮に初チャレンジの多い作品ですが、愛すべきキャラクターが沢山いる原作です。本読みをしただけで笑いと涙が出てきました。初・主演という言葉は重いですが、人生の大先輩方のお力を借りて、頑張りたいと思います!■監督・細川徹初稿を書いたのが、4年前。あれから回を重ねて、いくつもの偶然も重なり、時間をかけたからこそ生まれたアイデアもたくさんあり、4年かかったから、主役の杏さんをはじめ、最高のキャストが揃ったのだと、いま、撮るべき映画だったんだなと思います。杏さんは様々な素敵な作品を拝見していましたが、実際、お会いしてみると、作品の魅力もさることながら、ご本人の魅力がすごく大きいんだと実感しました。そんな杏さんと仕事ができるのが最高に楽しみです。他のキャストの方々も衣装合わせやリハーサルから笑いが絶えません。おもしろくなる気しかしない最高のキャスティングです。そんなジャンルはないけど、老人音楽モノの最高峰となるでしょう。■原作・荒木源オケ老人たちの音楽が本当に聞こえてきたら――。映画化を心待ちにしていました。可愛くてカッコいい最高のキャストを得て、素晴らしい作品になることを確信しています。『オケ老人!』は2016年、全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2015年10月10日細川徹が作・演出を手掛ける人気舞台シリーズ『男子はだまってなさいよ!』の最新公演『男子!レッツラゴン』が7月30日に東京・本多劇場で初日を迎えた。【チケット情報はこちら】同作は、赤塚不二夫が描いたマンガ『レッツラゴン』の初舞台化。細川徹は赤塚作品を敬愛しており、2010年には『天才バカボン』を舞台化。赤塚不二夫生誕80周年イヤーの今年は、赤塚自身が「自己最高傑作」と語った同作の舞台化に挑んだ。主人公、ゴンを演じるのはバンド黒猫チェルシーのボーカルで、俳優としても活躍している渡辺大知。渡辺は同作が舞台初出演となる。そのほか、中村まこと、荒川良々、スチャダラパーのANI、バッファロー吾郎のバッファロー吾郎A、ラバーガール、シソンヌの多彩なキャストが脇を固める。公演は『レッツラゴン』のNHK朝の連続テレビ小説化、ピクサー映画と『レッツラゴン』のコラボ、映画『マッドマックス』にゴンたちが登場など、シュールな世界観が盛りだくさん。実力派の個性派俳優&芸人たちが、どっぷりと作品の世界に入り込み、見事な演技力と持ち前のキャラクターを存分に活かし、観客を引き込んでいく。エンディングまでたっぷりとバカバカしい笑いが詰め込まれた『赤塚不二夫生誕80周年+男子はだまってなさいよ!10 「男子!レッツラゴン」』は8月9日(日)まで東京・本多劇場で上演。チケットは発売中。■赤塚不二夫生誕80周年+男子はだまってなさいよ!10 『男子!レッツラゴン』日時:7月30日~8月9日(日)全14公演会場:本多劇場(東京都)
2015年07月31日『天才バカボン』や『秘密のアッコちゃん』などで知られるマンガ家、赤塚不二夫。なかでも異色作といわれるのが、この『レッツラゴン』。シュール&ナンセンスの嵐である作品を、演出家の細川徹さんが舞台化。そこに2名のミュージシャンが出演します。渡辺大知さんは現在、NHK連続テレビ小説『まれ』に出演中。そして実はANIさんは6月29日放送の『水戸黄門スペシャル』で漁師役で出演…。“演技づいてる”二人が、満を持して細川作品に登場!* **渡辺:僕は本業はミュージシャンですが、音楽以外もいろいろやってみたい、というスタンスなので、今回もお話をいただいて、「ぜひ!」と参加させてもらいました。ANI:なるほどー。オレの場合は、ほらアメリカだと、ラッパーって結構俳優やってるんだよね、ウィル・スミスとか、ジェイミー・フォックスとか。オレもラッパーだから、その延長ってことで。ウィルに憧れて。ウィル・スミス感覚です(笑)。渡辺:…(笑)。ANI:いや、冗談だよ?オレは、まぁ、今回は荒川良々とか、それこそ渡辺くんとか知り合いもいたんで、なんとかなるかなって思ったんです。『水戸黄門』も、助さんと知り合いだったんで乗り切れました(笑)。渡辺:助さんと?!知り合い?!ANI:うん。原田龍二さん。渡辺:なるほど(笑)。でも、音楽と芝居に垣根はないという意味ではおっしゃるとおりだと思います!ANI:ありがとう(苦笑)。でも、なんか人と作品を作るって、やっぱり楽しいよね。普段はオレは3人で音楽をやってるけれど、舞台はその規模がもっと大きくて、自分がそのパーツの一つになっているっていうことが、なんかすごくおもしろい。渡辺:わかります。僕も、自分一人で作ったものって、ホントしょうもねえって思うんですけど、人と関わると化学反応みたいなものが起こるじゃないですか。特に舞台とかって、この作品のためだけに集結したチームだから、バンドとはまた違う魅力がありますよね。なので僕、今ホントすっごい楽しいんです!ANI:それにしても冷静に考えると、みんな演じることにはベテラン揃いだよなぁ。オレだけほぼ素人…。今この取材受けてて、初めてヤバいって思いました(笑)。頑張ろ…。◇(写真・左)渡辺大知わたなべ・だいち黒猫チェルシーのボーカル。映画『色即ぜねれいしょん』で主役を演じ、日本アカデミー賞新人賞を受賞。(写真・右)ANIアニラッパー。スチャダラパーのメンバー。日本のHIP HOP を語る上では欠かせない存在。◇7月30日(木)~8月9日(日)下北沢・本多劇場原作/赤塚不二夫作・演出/細川徹音楽/スチャダラパー出演/渡辺大知(黒猫チェルシー)、荒川良々、ANI(スチャダラパー)、バッファロー吾郎A 、ラバーガール(大水洋介、飛永翼)、シソンヌ(じろう、長谷川忍)、中村まこと全席指定7000円(税込み)イエロージャップTEL:0422・55・0587※『anan』2015年8月5日号より。写真・小笠原真紀
2015年07月29日累計発行部数320万部突破の大人気コミック「となりの関くん」と、業界で大注目の「るみちゃんの事象」が、この度実写ドラマ化することが明らかになった。ドミノ、将棋、ゴルフ、ラジコンなど…多種多様にしてその展開はナナメ上。謎の男子生徒・関くんの遊びは、なんでもない机の上を遊園地に変え、隣の席のマジメ女子・横井さんを魅了する…。授業中なのに。静かな授業中の教室という限定空間で展開する、ときどき超展開、ときどきシュール、ときどきほっこりな閉鎖空間コメディ「となりの関くん」。いかなる授業においても、独自の美学をもって奇想天外に遊ぶ関くんと、そんな関くんにハラハラしながらも見入ってしまう横井さん。毎回、授業中の教室という狭い空間で二人だけで繰り広げられる心理戦(?)が魅力だ。実写化に挑むのは阿部サダヲ主演の『ぱいかじ南海作戦』を手掛けた細川徹。一方、「るみちゃんの事象」は、友情、恋、勉強、バイト…という女子高生の青春ど真ん中を経験しつつも、普通のそれとは大きく異なり、まさかの方向に脱線し続けるるみちゃんの日常を描く。趣味・特技は脱臼、好きな男子のタイプは「ようすけ全般」。「My name is Nancy.」を「あたいの名は、あけみ」と訳し、カラオケでは「千葉真一や、ちばてつやを歌う」など…ふしぎな生態を持つるみちゃん。どこか憎めない“可愛げ“の部分も一応ぎりぎり持っている模様。 いま一番変わった勢いのあるヒロインなのだ。ドラマでは、「RADWIMPS」「SPEED」「SKE48」など多くのミュージック・ビデオを手掛ける月川翔が演出・脚本を務める。そんな話題の学園コメディ2作品が、豪華2本立てとして実写ドラマ化されることについて、「となりの関くん」原作者の森繁拓真は「ドラマ化の企画を頂いたとき、嬉しさとともにあった不安は、細川監督の様々な作品に触れてたちまち安心に変わりました。きっと夜の疲れを吹き飛ばす楽しいひと時が生まれると思います。また同枠作品のヒロインの名前が同じ偶然に不思議な縁を感じます。『すーぱーるみちゃんアワー』ご期待下さい!」とメッセージを贈った。「るみちゃんの事象」原作者の原克玄は「るみちゃんの事象ドラマ化、嬉しい限りです。ただ僕ん家はまだ箱形のブラウン管テレビでしてどうにかそこに放送してくれ、と頼んだのですが無理みたいなのでこれを機にどうせなら一番薄いテレビを買おうかと思います」とコメント。関くんとるみちゃんの個性たっぷりな学園生活がどのように実写化されるのか?キャストも気になるところ。続報を楽しみに待ちたい。ドラマ「となりの関くんとるみちゃんの事象」は、7月よりMBS、TBS深夜枠ほかにて放送。(text:cinemacafe.net)
2015年05月28日クリエイティブディレクター、ニゴー(NIGO(R))と「ダブルタップス(WTAPS)」のディレクター、西山徹が手がける新アパレルブランド「ダウトフル アズ ダブル(DOUBTFUL AS DOUBLE(R)」が、東京・表参道にあるファッション複合ビル・ジャイル(GYRE)のギャラリースペース・アイ オブ ジャイル(EYE OF GYRE)にて展覧会を開催中。期間は12月13日から2015年2月15日まで。15SSコレクションをシーズン0として2015年3月よりスタートする「ダウトフル アズ ダブル」。同展覧会では、その先駆けとして、ものづくりの本来の形を表現したというコレクションやアートワーク、展覧会の舞台裏や80年代サブカル談義を収録したビデオプログラムなどを公開。更に、同展覧会限定で、15SSコレクションでリリースする5種類のグラフィックTシャツも先行発売する。【イベント情報】NIGO(R) & TETSU NISHIYAMA DOUBTFUL AS DOUBLE(R)展 ~2ドル札のように疑わしい~会場:アイ オブ ジャイル(EYE OF GYRE)住所:東京都渋谷区神宮前5-10-1 ジャイル(GYRE)3階会期:12月13日から2015年2月15日時間:11:00から20:00(12月31日は18:00まで)休館日:1月1日
2014年12月14日タレントのデーブ・スペクター、ジャーナリストの山路徹が25日、第27回東京国際映画祭が開催されている六本木ヒルズで行なわれた、映画『ニューヨーク・レビュー・オブ・ブックス 50年の挑戦』のトークショーに出席した。同映画祭の特別招待作品となる本作は、米国の文芸誌『ニューヨーク・レビュー・オブ・ブックス』の50年の歴史を描くドキュメンタリー。山路は、「情報はあふれているけど、どう受け止めていくのかが難しい。今の社会の中でどういった言葉で折り合いをつけていくのか。日本にもこういうメディアがあれば」とジャーナリスト目線でアピール。また、「知性にあふれた方々が集まっているので……、今日のテーマは矢口真里の復帰についてです」と茶化して笑いを誘ったデーブは、通訳を介したトークに、「英語にすると真面目なことを言ってるようで気分が良い」と満足げな笑みを浮かべていた。イベント終了後、報道陣の取材に応じたデーブは、開口一番、「矢口真里のことを聞きたいだけでしょ?」とニヤけつつ、不倫発覚後に芸能活動を自粛していた元モーニング娘。の矢口の復帰に、「ある期間は覚悟をして、赤裸々に話さないと。彼女はモラル的にみんなが引いちゃったから不利。どこまで話せるかが大きいと思う」と真摯にアドバイスを。一方、自身も以前に不倫騒動を起こした山路は、報道陣に"二股の先輩"としてコメントを求められると、「もっと早く出てくれば良かったと思う」と語りつつ、新恋人でモデルの梅田賢三と同棲中の矢口に、「世間を敵に回しても、新しい恋人と暮らしているし、今が1番幸せだと思うよ」とメッセージを送った。そんな山路は、最近、ウクライナやパレスチナの紛争地域に取材で赴いたことを明かしながらも、「ウクライナは危険だったな~。美人が多いんですよ」と"山路節"をさく裂。「"ビッグ・ピーチ"(元・妻の大桃美代子)にもお土産を買いました。何の反応も無いんですけど……」と元妻・大桃へチョコレートを渡したことを打ち明け、「未練というより、新しく始めたい」と復縁に意欲を燃やしていた。
2014年10月26日藤原ヒロシがディレクションする「ザ プール アオヤマ(the POOL aoyama)」(東京都港区南青山5-12-24シャトー東洋南青山1階)に、「ダブルタップス(WTAPS)」の西山徹をディレクターに迎えたテンポラリーショップ「オリーブ(OLIVE)」が9月13日にオープンする。「オリーブ」をテーマにインスパイアされた色や言葉を可視化し、緑のシェルターを設置した店内では、「フラグメント デザイン(fragment design)」と「エヌハリウッド(N.HOLLYWOOD)」がコラボレーションしたMA-1ジャケット「モディファイド(Modified)“V”」(18万円)を限定発売。「フライトジャケットの名品、MA-1で何か面白いことができないか」ということからコラボが開始し、実際に米軍が使用していたビンテージの「MA-1(8279)」の初期型(8279A)から最終モデル(8279F)までのラインアップを軍正式採用には存在しなかったダークブラックに染め上げ、ボディ以外の全パーツを外しオリジナルパーツにリビルトした。コラボレーションサインとして、エヌハリウッドのミリタリーカテゴリー「エヌハリウッド テストプロダクト エクスチェンジサービス(N.H. TPES)」のホワイトラベルと、フラグメントデザインのブラックピスネームをインサートし、左腕にハンドペイントによるカリグラフィーが施されている。
2014年09月12日本日、9月6日より東京・渋谷のCBGKシブゲキ!!(渋谷109隣のビル6F)にて、熱血学園ミュージカル『続!!押忍!!ふんどし部!!』が開幕する。熱血学園ミュージカル『続!!押忍!!ふんどし部!!』 チケット情報同作は、脚本・細川徹&演出・河原雅彦のタッグによるパワフルナンセンスコメディ『押忍!!ふんどし部!』(2010年初演)の続編となる新作舞台。2010年の初演では、若者達のまっすぐなパワーと、バカバカしくも、ラストにはピュアな感動を呼び起こす青春群像劇で好評を得て、2012年再演、2013年春に再々演が行われた。そしてさらに今年、連続TVドラマ化もされ、TVK(テレビ神奈川)、TOKYO MX始め全国の放送局でオンエア、現在もBS フジで放送中(毎週日曜24時~)だ。舞台、ドラマ、どちらも、劇中でキャストは、歌い踊り、奇想天外な設定や展開を気合でギャグにし倒す、という、ナンセンスでハイブローな"おすふんワールド"が展開され、一度迷い込むとクセになる中毒性でファンを拡大している。シリーズの舞台は、とある高校「聖エルモス学園」。初演では、学園に転入してきた”何の変哲もないこと”が悩みの転校生・富永一郎太が、ある日「白ふん流し」という伝説の行事を復活させようと奔走する仲間達と出会い、いつしか強くたくましくなってゆく成長物語が描かれた。初演のラストで行われた「白ふん流し」は、見どころのひとつで、観客も物語の一員になり、舞台を盛り上げていた。その「白ふん流し」から1年後が今回の新作『続!!押忍!!ふんどし部!!』の設定。あれから1年経ち、「白ふん流し」復活に向けて一丸となったはずの「ふんどし部」は、ばらばらに。あれだけ純粋で一生懸命だったはずの富永一郎太がふんどしへの情熱を失い、まったく人格が変わってしまっている。メンバーがそれぞれの道を歩もうとしていたその時、聖エルモス学園には、羽鳥兄弟を越える、新たな強敵が……。富永は、ふんどし部メンバーは、どうなるのか!?前作からさらにパワーアップした奇想天外な展開。盛りだくさんの歌、ダンス、そして、今回初披露する、ある伝統芸能の技を盛込んだ新パフォーマンスも。富永をはじめ、おなじみのキャラクターが、生き生きと舞台上を動き回り、めまぐるしい程の衣装の早替え、躍動的な動きで、観客のテンションも上昇させていく。富永を演じるのは、初演と再演で主演を務めた木戸邑弥。昨年の怪我休養からの復活公演だ。木戸は初日に向け、「僕は今回、この舞台で復帰となりますが、舞台に帰ってくる事ができて嬉しいです。こうやってパフォーマンスができるくらいに回復できました。僕以外のふんどしメンバーも、個々に成長し、前回よりも面白い”おすふん”になっているので、期待して見に来て下さい!これからも、僕を含め「押忍!!ふんどし部!」の皆を宜しくお願いします!!」とコメントしている。公演は9月6日(金)から16日(月・祝)まで、東京・CBGKシブゲキ!!にて。チケット発売中。
2013年09月06日俳優で演出家の江守徹が、ローランド・エメリッヒ監督の最新作『もうひとりのシェイクスピア』を「これはもうひとつのシェイクスピア劇だ」と絶賛している。イギリスを代表する劇作家シェイクスピアによる名作の数々は、実際には別人が書いていた…。そんな大胆な仮説に切りこむ歴史ミステリー。江守は俳優として、舞台『オセロ』『マクベス』『リチャード三世』といったシェイクスピア作品に出演。また、初の演出作品に『ハムレット』を選ぶなどシェイクスピアに造詣が深い。その他の画像映画は現時点でシェイクスピアの名作を代筆した“最有力候補”と目される貴族作家・オックスフォード伯が自身の名誉を封印した物語を、エリザベス一世との愛憎、宮廷を舞台にした政治謀略の渦などを交え重厚に描く。江守は「エリザベス女王役のヴァネッサ・レッドグレイヴに先ずはびっくり」と現在75歳のベテラン女優にも賞賛の声を寄せる。江守をはじめ、各界の著名人も本作を絶賛しており、シェイクスピアの4大悲劇として知られる作品『リア王』『ハムレット』『オセロ』『マクベス』を全て演じた歌舞伎俳優の松本幸四郎は「“もうひとり”の存在によって、シェイクスピア作品はより魅力的に甦る。歴史、恋、政争…すべてにリアリティがもたらされた」と賛辞を送る。また、宝塚歌劇団出身の麻実れいは、「魅力的な歴史ミステリー。美しく華やかで面白く、この映画そのものがシェイクスピアでした!」とこちらも手放しの高評価。さらに、彩の国シェイクスピア・シリーズの企画委員長である河合祥一郎氏は、著書『謎ときシェイクスピア』(新潮社刊)で“別人説”を否定こそしているが、「シェイクスピア通をうならせる仕上がり。史実の奇想天外な解釈に仰天しつつ楽しみました」と映画そのものの完成度に舌を巻いている。『もうひとりのシェイクスピア』12月22日(土)TOHOシネマズシャンテほか全国ロードショー文:内田 涼
2012年12月17日2010年、12年と上演された、脚本・細川徹、演出・河原雅彦による熱血学園ミュージカルcube neXt『押忍!!ふんどし部!』が、13年2月、東京・CBGKシブゲキ!!で再々演される(今回の演出は清水宏)。そこで新たに主人公の富永一郎太役を演じる白洲迅に、作品にかける思いを訊いた。『押忍!!ふんどし部!』公演情報白洲が「コメディなんですけど、ダンスや歌もある。すごく面白くて新感覚な舞台だと思います」と語るように、本作は近年多く見られる、いわゆる“イケメン舞台”とは一線を画する。ある高校の学園祭でかつて行われていた、伝統ある(?)演目“白ふん流し”。その復活を目指す高校生たちの奮闘が、ダンスや歌、さらにはくだらなさ満載の笑いをもって描き出されるのである。物語は、この高校にひとりの純朴な少年・富永が入学してくるところから始まる。その新入生さながら、今回“おすふん”メンバーに新たに加入したのが白洲だ。「出演が決まった時は、信じられないのと同時に不安もよぎりました。コメディはやったことがありませんし、とにかくフツーな富永に比べて周りのキャラクターたちが個性的過ぎて…(笑)。その中で埋もれないようにするためにも、ひとつひとつのボケに対して、新鮮味をもってツッコんでいかないといけないなと思います」。舞台終了後の4月からは、白洲主演(舞台と同じ富永一郎太役)で連続ドラマとしての放映も決定。舞台版にはない、登場人物それぞれのバックグラウンドがドラマ版では描かれるほか、同じ役をドラマ版と舞台版で異なる役者が演じるなど、また違ったアプローチから“おすふん”を楽しむことが出来そうだ。「撮影の時は、本当キャストのみんなに助けてもらいました。すでに初演、再演の舞台をやっている人も多かったので。また僕自身、ドラマ版をやったことで富永って役をより深く知ることが出来ましたし、舞台版では座長として、みんなを引っ張っていくくらいの強い気持ちで臨んでいけたらなと思います」。“おすふん”の見どころといえば、やはりイケメンたちが見せる白いふんどし姿。白洲もドラマ版ですでに経験済みということで、自分の白ふん姿の感想を訊いてみると…。「やっぱり不思議な、心許ない、落ち着かない気持ちになりました(笑)。でも舞台版では直接お客さんに見ていただくので、もっともっと鍛えていきたいなと。またこの舞台は観客参加型で、みんなで“白ふん流し”をやってもらいます。楽しみながら、一緒にこの舞台を盛り上げてもらえたら嬉しいなと思います!」なお、白洲迅の動画配信チャンネル「シラステレビ」()が12月15日(土)22時よりスタート。さらに月1回は拡大版としてニコニコ動画公式生放送「生シラステレビ」として放送する。舞台版チケットの一般発売は12月22日(土)午前10時より。チケットぴあでは、いち早プレリザーブを12月6日(木)11:00まで、プレリザーブを12月10日(月)11:00まで受付。取材・文:野上瑠美子
2012年12月05日“現代版ロビンソン・クルーソー”と評された椎名誠の小説を映画化した『ぱいかじ南海作戦』が7月14日(土)に初日を迎え、都内劇場にて行われた舞台挨拶に主演の阿部サダヲを始め、永山絢斗、貫地谷しほり、佐々木希、細川徹監督が登壇し、爆笑トークを繰り広げた。失業と離婚を同時に迎え南の島に旅行で訪れた男・佐々木(阿部さん)が、ホームレスに騙され持ち物を全て奪われたことをきっかけに、バックパッカーのオッコチ(永山さん)に関西弁の女子2人組アパ&キミ(貫地谷さん&佐々木さん)らとの島での共同生活を始めるという奇妙な冒険物語。阿部さんは登壇早々、「朝からず~っともう2時間くらいほぼ僕が(映画に)出てて、すみません(笑)。お腹いっぱいでしょう?」と、恐縮ぎみに挨拶。本作の撮影は沖縄・西表島で行われ、阿部さんは海辺での全裸シーンにも臨んだが、「ホントにふわ~っとした、いい撮影現場でしたね。同じヌードになるにしても、気持ちよく脱げました!脱ぎごたえが違う(笑)」と満足げにふり返った。永山さんは阿部さんと行った魚の追い込み漁のシーンが思い出深いものとなったようだが「ホントに長く(カメラを)回していて、ずっとやっている間に面白くなってきてしまって、海に潜って誤魔化したりして大変でした」と島での思い出を語った。一方、南の島が舞台ということで、貫地谷さんと佐々木さんの女優陣は日焼け対策が大変だったそう。「頑張って対策をしてたつもりだったんですけど、結構焼けましたね」という貫地谷さんの言葉に佐々木さんも「うん、もう帰ったら真っ黒でした」と乗っかるも、貫地谷さんと監督からすかさず「いや、それは嘘でしょ(笑)!」とツッコまれていた。これには「うそでした…(笑)」と素直に認める佐々木さん、姐御・貫地谷しほりに「希ちゃんはそういうところがあるんですよ」とたしなめられる一幕も。ちなみに、意外にも(?)阿部さんは美肌パックに勤しんでいたとの暴露も。本作には「一歩踏み出せば、人生は変えられる」というメッセージが込められているが、ハイテンションな雰囲気から一転、「俳優になる前はずっとボ~っとしてましたけど、一歩踏み出して役者になって、主演で出させていただいてありがたいです」と、真面目なトーンで話す阿部さん。ただ奇しくも同日に沢尻エリカ主演の『ヘルタースケルター』や森山未來主演の『苦役列車』などの強豪作が公開を迎えたことを意識しているのか、「今日はほかにもいろいろやってるんでしょ?そういう中でこういう作品を選んでもらってホント嬉しいです」と恐縮モードに。MCから今後挑戦したいことを聞かれると、沢尻さんを意識して「別に…」と即答し、客席を大いに沸かせた。これに火が付いたのか、細田監督も最後の挨拶では「『ヘルタースケルター』に対抗し、阿部さんに全裸になっていただきまして、そして『苦役列車』に対抗して森山未來にちょっと似ている僕が監督を務めました(笑)。よろしくお願いします!」と熱烈アピール。さらに負けじと阿部さんが「この夏、話題作がいっぱいありますけど、こういう『アベンジャーズ』もあるぞってことをみなさんに伝えてもらえれば」と、最後まで強豪作を意識してのアプローチで、爆笑を巻き起こしていた。『ぱいかじ南海作戦』は新宿バルト9ほか全国にて公開。■関連作品:ぱいかじ南海作戦 2012年7月14日より新宿バルト9ほか全国にて公開© 2012 「ぱいかじ南海作戦」製作委員会
2012年07月16日椎名誠の人気小説を西表島完全ロケで映画化した『ぱいかじ南海作戦』。公開を前に、主演の阿部サダヲと本作で初めて長編映画のメガホンを執った細川徹監督に話を聞いた。離婚と失業を同時に味わった中年男が、心地よい“ぱいかじ(沖縄の方言で南の風)”が吹く南の島で繰り広げるサバイバル生活を描く。共に「大人計画」事務所の所属だが、本格的に仕事を共にするのは初めて。監督は当初、主役の佐々木にはもっと年配の俳優を考えていたそうで「僕の中では岩松了さんのイメージでした」と明かす。だが阿部の名が挙がった時点で「阿部さん以外に考えられなくなった」という。原作の一人称による独特の世界観を重視し、語りを含め阿部は2時間出ずっぱり。「それで退屈させないところがすごい。サモ・ハン・キンポーで2時間はキツいしユンピョウでも無理だけど、ジャッキー(・チェン)やブルース・リーならイケる。阿部さんも2時間見ていたいと思わせる俳優」と信頼を口にする。一方の阿部は「舞台はいつも観に行ってるけど『何で出してくれないのかな?』と思ってました。だから今回、初めての映画で呼んでもらって嬉しかったです」と喜びを語った。阿部単独で撮影が始まり、共演陣が徐々にやって来るという、映画と同じ流れで撮影は進行。特に永山絢斗とのやり取りが楽しかったそうで「永山くんが来て、佐々木のキャラクターを自然と壊していくことができた。逆に僕も永山くんを崩したかった。ああいうイイ男がウンコを我慢したりするのは素晴らしい」(阿部)。「最初は『ちょっと我慢し過ぎ』って注文付けたけど、東京帰って観たらそれがよくて永山プランを採用した(笑)」(細川監督)と揃って絶賛。また、雨による待ち時間もかなり長かったようだが、阿部は「雨が打ちつける音が都会にはない感じで待つのが苦にならなかった」と、都会とは異なる時間の流れに身を任せていたよう。さらに「島を出るときはお世話になった人たちに見送られて、そんなにってくらい大泣きしちゃいました」と告白。1か月におよぶ島での生活が、作品にもたらしたものの大きさをうかがわせた。『ぱいかじ南海作戦』7月14日(土)新宿バルト9ほか全国ロードショー取材・文・写真:黒豆直樹
2012年07月12日7月5日、東京・本多劇場で初日を迎えた舞台『スペーストラベラーズ』。2002年に活動を停止した人気お笑い集団・ジョビジョバの出世作であり、映画監督の本広克行がその脚本に惚れ込み、自らの映画『スペーストラベラーズ』(2000年公開)の原作として採用したことでも知られている。今回、新たなキャストとスタッフで復活することになった本作の、脚色と演出を務めた細川徹からコメントが寄せられた。「スペーストラベラーズ」チケット情報「何度も見ている舞台なのに、自分も見ていてお客さんと一緒にたくさん笑ってしまいます。ラストシーンを含めて、オリジナル(の舞台)と変えている部分もいろいろあります。オリジナルを見ている人も、映画を見ている人も、何も見ていない人も、何も考えずに楽しめる作品だと思います。すでにすごく面白いですが、お客さんに観てもらうことでさらに面白くするのりしろがある舞台です。この先もドンドン変化していくと思いますので、2度、3度と見て楽しんでください」。物語は、とある田舎が舞台。ふたり組の強盗が銀行を襲撃するが、手際のよい警官隊に包囲されたちまち大ピンチに陥ってしまう。そのとき、強盗のリーダーの頭の中でキラリとアイデアが閃く。強盗と人質、警官隊が繰り広げる手に汗握る一幕もののシチュエーションコメディ。出演は河合龍之介、大水洋介(ラバーガール)、飛永翼(ラバーガール)、富田昌則、富岡晃一郎、そしてジョビジョバのメンバー坂田聡。公演は同所にて7月15日(日)まで上演する。チケットは発売中。なお、現在上演中の作品は“side;summer”バージョンだが、12月には“side;Winter”バージョンの上演も決定した。タイトルと演出家、劇場は同じだが、キャストが異なるバージョンになるようだ。キャストは近日公式HPで発表される。
2012年07月09日“現代版ロビンソン・クルーソー”と評された椎名誠のコメディ小説を映画化した『ぱいかじ南海作戦』の完成披露試写会が21日、東京・新宿バルト9で開催され、主演の阿部サダヲをはじめ、永山絢斗、貫地谷しほり、佐々木希、長編監督デビューを飾る細川徹(劇団「男子はだまってなさいよ!」主宰)が舞台挨拶を行った。その他の写真リストラ&離婚を同時に経験した主人公(阿部)が失意の中訪れた西表島で、奇想天外なサバイバル生活をおくる姿をコミカルに描く。旅先で出会う仲間たちを永山、貫地谷、佐々木が演じ、それぞれ悩みを抱えながらも団結し、タイトルにある“作戦”を遂行すべく力を合わせて奮闘する。昨年11月から約1か月間、西表島でのオールロケを敢行し「のんびりした映画だから、のんびり撮ろうと。1か月間、同じ島にいるので仲が悪い人がいると大変じゃないですか(笑)。とにかくピリピリしないように意識した」(細川監督)。阿部は、もともと細川が演出を手掛ける舞台の大ファンだったといい「昔から『好きだな』『出たいな』と思っていたので、本当に嬉しかった。台本も面白かった」。共演する永山は「終始笑いをこらえるのに必死でした」と阿部との共演を振り返る。貫地谷は「撮影が終わった後も、徒歩で行けるお店が1軒しかないので、みんな自然と集まって楽しくご飯を食べました。絢斗君と希ちゃんが、ずっとヤドカリを観察していて(笑)」と西表島ならではのエピソードを披露した。佐々木は普段から「阿部のファン」と公言しており、今回の初共演に「緊張して、どんな方なのか妄想した。いざ会うと気さくで、イメージと違いました。本当はもっと暗い人かと思っていたので(笑)」とニッコリ。さらに「大好きです。ますます好きになりました」と告白し、阿部をメロメロに…。阿部は「映画の冒頭で全裸になっています。舞い上がっちゃって(笑)。別に(沢尻エリカが主演する)『ヘルタースケルター』を意識したわけじゃありません」と照れ隠ししていた。『ぱいかじ南海作戦』7月14日(土)新宿バルト9ほか全国ロードショー
2012年06月22日椎名誠の同名小説を映画化した『ぱいかじ南海作戦』の完成披露試写会が6月21日(木)、都内で開催され、主演の阿部サダヲを始め永山絢斗、貫地谷しほり、佐々木希に細川徹監督が舞台挨拶に登壇した。失業と離婚を同時に迎えた男性(阿部さん)が、旅先の南の島で怪しいホームレス4人組に騙され、持ち物を全て奪われてサバイバル生活を強いられることに。旅人の若者(永山さん)や関西弁の女子2人組(貫地谷さん&佐々木さん)などが加わり共同生活を送る中で、ホームレス4人組に復讐するチャンスが巡ってくるのだが…。撮影は全編、沖縄の離島・西表島で行われたが、阿部さんは映画に協力してくれた地元の人々とかなり仲良くなったそうで、いまでも交流が続いているとか。「昼ごはんや映画の中の料理を作ってくださったり、親睦会を開いてくださいました。子供たちが『マルマル、モリモリ…』をやったりして『阿部さんも上がんなきゃ』って言われてステージに上がりました。おうちに行って鍋をごちそうになったりもしました」と明かした。永山さんは好きなシーンとして「一度やってみたかった(笑)」と砂浜での阿部さんとの巨大棒倒しのシーンをチョイス。最初は砂が乾いていたため、すぐに棒が倒れてしまう状態だったが、スコールのおかげで地面が固まり、なかなか倒れない状態になってしまったそうで、一発勝負の本番で阿部さんと永山さんが数分にわたって奮闘するハメに…。「阿部さんのドロップキックが決まってます」と笑顔で明かした。貫地谷さんによると、待ち時間はみんなでヤドカリを眺めて、のんびり過ごしていたとか。「絢斗くんと希ちゃんが大量にとってきたので観察してました。貴重な体験でした」とニッコリ。阿部さんも「ヤドカリの引っ越しが見れるんですよ!」と熱弁するも、監督から「ヤドカリの話はいいですから!貫地谷さん、いま映画の話全くしてない(苦笑)」とストップがかかり、会場は笑いに包まれた。佐々木さんは以前よりことあるごとに好きな芸能人として阿部さんの名を挙げていたが、ついに念願叶って共演を果たした。「始まるまで緊張して『どんな方なんだろう?』と妄想してました。イメージではもっと暗い人かと思ってたら(笑)、とても気さくでますます好きになりました。大好きです!」と公衆の面前で愛の告白。撮影時にそのことを知った阿部さんは佐々木さんとまともに口がきけなくなるほど照れていたそうだが、この日も体をくねらせながら「顔が見れない」と照れ笑いを浮かべていた。そんな阿部さんだが、舞台挨拶終了が近づくと「みなさんに言っておかないといけないことがある」と前置きし、劇中で自身が裸を披露していることを告白。「舞い上がって全裸になるので気をつけてください!決して『ヘルタースケルター』に対抗したわけではなくて、テンションが上がって真っ裸になっちゃったんです」と沢尻エリカの大胆シーンが話題を呼んでいるライバル作(?)の名を挙げて、言い訳を交えつつ“警告”。会場は笑いに包まれた。『ぱいかじ南海作戦』は7月14日(土)より新宿バルト9ほか全国にて公開。■関連作品:ぱいかじ南海作戦 2012年7月14日より新宿バルト9ほか全国にて公開© 2012 「ぱいかじ南海作戦」製作委員会
2012年06月21日“現代版ロビンソン・クルーソー”と評される椎名誠の小説を、阿部サダヲ主演で映画化した『ぱいかじ南海作戦』が、7月14日(土)より公開されることが決定し、主題歌を担当することになった星野源からコメントが届いた。その他の写真本作は、同時にやってきたリストラと離婚に失望した佐々木(阿部)が、気分転換に訪れた南の島で繰り広げるサバイバル生活や、島で出会った仲間たちとの結束をコミカルに描く。昨年11月から約1か月間、西表島でのオールロケを敢行し、いよいよ7月に公開が決定。主演の阿部のほか、旅先で出会う仲間たちを永山絢斗、貫地谷しほり、佐々木希が演じ、それぞれ悩みを抱えながらも、タイトルにある“作戦”を遂行すべく力を合わせて奮闘する姿を体現している。そして今回、阿部サダヲが所属する人気劇団・大人計画の俳優であり、シンガーソングライターでもある星野源が、細川徹監督から直々にオファーを受け、本作のために書き下ろした新曲『パロディ』が主題歌に。沖縄料理屋で4年間働いた経験を持つという星野は、「お店では、沖縄の素晴らしさや日々を笑い飛ばすことの大切さを学びました。だから今回、主題歌のオファーをいただけてすごく嬉しい。ずっとやりたかったおっちゃんのリズム。チャンキー・ミュージック。日々の中にあるパロディについての歌ができたと思います」とコメントを寄せている。『ぱいかじ南海作戦』7月14日(土)新宿バルト9ほか全国ロードショー
2012年04月18日2010年に上演された、脚本・細川徹、演出・河原雅彦による熱血学園ドラマ『押忍!!ふんどし部!』の再演が1月6日、東京・CBGK シブゲキ!!にて初日の幕を開けた。『押忍!!ふんどし部!』というタイトルからも分かるように、その内容はとことんおバカなコメディ。それでいて今をときめくイケメンたちが顔をそろえる意外性が、再演を熱望されるまでの人気作となった。cube neXt 「押忍!!ふんどし部!」チケット情報物語は、聖エルモス学園に純朴な少年・富永一郎太が入学してくるところから始まる。富永の前に現れたのは、「白ふん流し」という伝統の演目を、学園祭で復活させようと奮闘する車先輩。恥ずかしさからふんどしをつけることを頑なに拒む富永だが、学園内のすべてを知る男・及川や、学園一の不良にして、女の子に対しては非常に奥手な白神など、不思議と仲間は増えていく。そんなふんどし部の動向を面白く思わない羽鳥3兄弟は……。初演はどこか勢いで乗り切った感が強いが、今回の再演では、若手俳優たちに経験という自信と表現力が確実に加わった。特に富永役の木戸邑弥は、個性的過ぎるキャラクターたちの中で、“ツッコミ”と“翻弄される”という自らのふたつの役割をしっかりと理解し、役へと落とし込む。及川役の川原一馬と白神役の海老澤健次は、変わり者、モテたい不良という、それぞれのボケ要素をパワーアップ。可愛らしいおバカキャラを、舞台上で爆発させて見せた。また3人の、磨きをかけたダンスシーンも大きな見どころ。また、再演にともない一部のキャストが変更されたが、このことすらネタとして笑いに変えていた。初演を観たことがない観客でも充分楽しめる。そんな新メンバーの中で注目なのは、白鳥兄弟の長男を演じた君沢ユウキと、学園一女にモテる北川を演じた上山竜司。ふたりの熱演に、一瞬イケメンであることを忘れてしまうほど。だが君沢、上山の両人も、この人の熱演には敵わない。車先輩を演じた、演劇界一アツい男・清水宏である。ぴたりとハマるふんどし姿で、客席を大いに盛り上げ、笑いを巻き起こす姿は、やはりベテランの底力と言ったところ。そして前回と大きく違うのが、劇場がCBGK シブゲキ!!になったこと。これにより舞台と客席の距離が近づき、観客参加型芝居ならではの一体感がより強まった。そしてラストは初演同様、観客全員参加による白ふん流し。大爆笑のあとに訪れるその爽やかな感情が、この舞台の最大の魅力と言えるのかもしれない。公演は同劇場にて1月15日(日)まで上演。チケットは発売中。文・野上瑠美子
2012年01月10日2004年に刊行され“現代版ロビンソン・クルーソー”と評された椎名誠の小説「ぱいかじ南海作戦」が、このほど主演に阿部サダヲ、さらに永山絢斗、貫地谷しほり、佐々木希ら若手人気キャスト陣を迎えて映画化することが決定した。リストラと離婚を機に唐突に南の果ての西表島に飛んだ主人公・佐々木が、そこで4人組のホームレスに全財産と全荷物を盗まれてしまったのをきっかけにして、島にやってきた3人の若い男女と奇妙な海浜生活をしていく姿をユーモアたっぷりに描く冒険活劇。そんな奇妙な共同生活の最中、佐々木は全財産を盗んだホームレスのうわさを聞き、リベンジをするべく“ぱいかじ南海作戦”に挑む!本作のタイトルにある「ぱいかじ」とは、沖縄地方の方言で“南から吹く風”という意味。原作を忠実に再現するため、約1か月にわたりオール西表島ロケが敢行され、透き通る海と突き抜ける青い空をもつ“現代のパラダイス”とも言える西表島の自然をスクリーンいっぱいに表現する。大自然でのロケとあって、撮影中には幾度にもわたる地震やスコールのような雨の連続に見舞われ、まさに“サバイバル”な撮影となったが、強風で何度テントが飛ばされても、くじけることなく組み立てなおしては撮影を敢行し、11月末に無事クランクアップした。仕事も妻も失い、全てをリセットするために南の島へと旅立つ男、佐々木を演じるのは『舞妓Haaaan!!!』、『なくもんか』などでコメディアンの才覚を発揮し、今年は主演ドラマ「マルモのおきて」の高視聴率も記憶に新しい、阿部サダヲ。「本当の自然がたくさん残っている素敵な島です。そこで自然と戦いながら楽しく撮影しています」と西表島での撮影を楽しんだ様子。また、佐々木と海浜生活を共にする世間知らずな若者・オッコチを演じるのは、NHK連続テレビ小説「おひさま」や先日公開された『ハードロマンチッカー』と幅広い役に挑戦する永山絢斗。そんな男2人となぜか一緒にサバイバル生活を送ることになる女子、アパ役とキミ役には貫地谷しほり、佐々木希といういまをときめく女優が抜擢された。撮影については、「現地の方々も良い人ばかりで、行きつけの飲み屋さんでは顔見知りになりました。区長さんのお宅でのバーベキューにお邪魔したのも楽しかったです」(永山さん)、「美しい海と砂浜という最高ロケーションの中で、阿部さんを始めとする最高のキャストのみなさんとワイワイ楽しく撮影できて、本当に幸せです」(貫地谷さん)、「ロケ中は天候の変化が激しく大変でしたが、みんなでヤドカリと遊んだりクイズをしたり、撮影合間も楽しく撮影していました」(佐々木さん)と、それぞれ南の島ならではののびのびとした空間を楽しんだ様子。そして、椎名誠の傑作小説の映画化を託されたのは、本作が長編映画監督デビューとなる細川徹。コントユニット「男子はだまってなさいよ!」の主宰であり、シティボーイズ・ライブの作・演出などを手がける新進気鋭の実力派が、どんな息を吹き込むのかが期待されるところ。阿部さんも細川さんの監督・脚本というのが出演の大きな決め手になったそうで、「本を読んでみて、全く知らない世界の面白い話だったので、気合いが入りました!!」と話す。原作者の椎名さんからも「これは原作よりもはるかに痛快、面白映画になりそうだ」とのお墨付きを得ている本作。南の楽園で出会う個性あふれる男女が力を合わせて“作戦”を遂行する姿が、観る者に元気と癒しを与えてくれそうだ。『ぱいかじ南海作戦』は2012年夏、新宿バルト9ほか全国にて公開。■関連作品:ぱいかじ南海作戦 2012年夏、新宿バルト9ほか全国にて公開© 2012 「ぱいかじ南海作戦」製作委員会
2011年12月01日2年連続で国際エミー賞にノミネートされるなど、人気だけでなく高評価も得ているNHKのコント番組が、ついに映画化!こちらを記念して、新キャスト・小池徹平のインタビューをお届け!●放送開始から足掛け8年目になる「サラリーマンNEO」ですが、小池さんはこの劇場版で初参戦ですね。オファーをいただいた時点で番組に関する知識がゼロに近い状態だったので、“コント番組の映画化って、どういうことだろう?”と困惑しました。しかもキャストが実力派の俳優さんばかりと聞いて、さらに混乱して…。最初に台本を読んだときの感想は“理解できない”でした(笑)。●ワケのわからないキャラが突然、出てきたりしますからね。だから、まずは勉強しないといけないな、と。シーズン5までのDVD-BOXを2週間くらいかけてイッキに観ました。●関西人の小池さんにとって、ほぼ標準語で芸人を起用しないコントは、いかがでした?もともと、こういったサラリーマン系のコントが大好きなんですよ。だから、DVDを最後まで見終えたときにはすっかりファンになってしまいました。そこで改めて台本を読み返してみたら、今度は“なんて面白い作品に、巡りあえたんだ!”という感動が(笑)。●新城はNEOのことを知らない観客にとっての、先導役のような役目も担っていますね。ドラマとコントを繋ぐための重要なポジションですね。だから僕は個性派たちの中にあって、あえて普通に徹することで観客と作品のパイプ役になることを意識しました。●普通でいることの難しさもあったのでは?川上くん(沢村一樹)のような面白キャラが横にいると、引っ張られそうになっちゃいますからね。そこは前に出たい気持ちをぐっと抑えて。本当はツッコミたいんですよ。ボケをほっておけないタイプなので(笑)。●新城単体のギャグでは、太鼓の達人を叩くシーンが印象的です。あれ、めちゃくちゃ練習したんです。手の皮がむけるくらい何時間も何時間も。最終的には音楽を聴きながらエアーで叩けるレベルまでいきました(笑)。●不本意ながらNEOビールに入ったことでアンニュイな表情だった新城が、働くことの楽しさに目覚めていくという点が、ストーリーのキモになっていますね。そのためにも前半でキャラを立たせておくことを意識しました。最初はどこか同僚や先輩を見下す感じで、中盤からは皆と歯車が合ってきて、終盤の居酒屋のシーンにつながっていく。僕、あの居酒屋のシーンが大好きなんです。自分のやっている何気ない仕事がサラリーマンたちに元気を与えているんだと実感する…。人間臭くて、とてもいいんですよね。●完成した映画を観て、イチNEOファンとしての感想は?ちゃんと1つの話になっていてよかった(笑)。ドラマとコントが上手く混ざり合っていて、最後は元気をもらえる作品になっていたし、オチもNEOらしくて、よかったと思います。●続編もぜひ観てみたい!いいですね! 今度は全然ジャンルの違う会社を舞台にして、まったく違う役をやってみたい。NEOの世界観なら、なんでもアリですから。作品情報『 サラリーマンNEO 劇場版(笑) 』監督:吉田照幸出演:小池徹平、生瀬勝久、伊東四朗、大杉漣、篠田麻里子、郷ひろみ、麻生祐未、宮崎美子、平泉成、沢村一樹、田口浩正、中越典子、入江雅人、堀内敬子、マギー、山西惇、田中要次、八十田勇一、池田鉄洋、中山祐一朗、中村靖日、野間口徹、深水元基、原史奈、奥田恵梨華、金子さやか、中田有紀、コンドルズ、瀬戸カトリーヌ、冨士眞奈美配給:ショウゲート11月3日(木・祝)新宿ピカデリーほか全国ロードショー(C)2011「劇場版サラリーマンNEO」製作委員会
2011年10月31日世にエッセイ漫画はあふれているが、うつ病になった自身の夫(=ツレ)の闘病生活を赤裸々に、そしてユーモアたっぷりに描いた漫画というのは当時斬新だった。漫画家・細川貂々が「ツレがうつになりまして。」(以下「ツレうつ」/幻冬舎文庫刊)を上梓したのは2006年。それから5年、ツレのうつ病発症からは7年目を迎えたが、「本を出した当時はうつ自体が何なのか分からない人もいたけど、いまは知らない人はいない」(貂々さん)という言葉の通り、うつへの認知度は飛躍的に変化したと言える。貂々さんのエッセイシリーズを宮崎あおい&堺雅人のコンビで映画化した『ツレがうつになりまして。』がまもなく公開、さらに最新刊となるエッセイ「7年目のツレがうつになりまして。」(幻冬舎文庫刊)も先日刊行された。原作者の立場から貂々さんは映画をどのように観たのか?そして改めてこの7年をふり返ってもらった。うつをきっかけに考え方が前向きに変化完成した映画を観て「感動して泣いてしまった」と貂々さん。実は、映画ではあえて原作のエピソードが変更されている部分もあるのだが、そうした描写も踏まえて「すごく嬉しかった。私がやりたかったことを実現してもらえた」と明かす。「お団子頭にすることもそうだし、古い日本家屋に住むのも夢だったんです。イグちゃん(※ペットのイグアナ)にあんなに立派な小屋を作ってあげることもできた。ツレが自殺未遂をするシーンがあるんですが、実際には私はその場にはいなくて、後からツレの日記を読んで知ったんです。(宮崎)あおいさんがその場にいる姿を見て『やっとここにいられた』という気持ちになりました。あおいさんがラスト近くで『描きたいことがこんな近くにあったんだ』というところは号泣で、そこから先は最後まで泣き続けてました」。映画の中の晴子(宮崎さん)も原作の中の貂々さんも、不安を抱えピンチに陥りつつも、笑顔で前向きにツレを支え続ける。なぜ支え続けられたのか?という問いに「私にとっては『支えた』という意識はないんです。結果的にそうなっただけ」と言うが…。「理由があるとすれば『この人を逃したら、独りになっちゃう』という意識を互いに持っていたからかな…。自分のことをちゃんと相手にしてくれるのはこの人しかいないっていう意識がきっと強かったんです」。闘病生活の中で様々な苦労があったことは映画を観ても原作を読んでも分かる。一方で、語弊があるかもしれないが、貂々さんがうつ病のツレの言動や様子を“面白がっていた”ようにも見えるが…。そう尋ねると貂々さんはクスリといたずらっぽい笑みを浮かべた。「いや、本当に面白いんですよ(笑)。本人は大真面目なんですけど、傍から見てると言ってることもやってることも可笑しいんです。布団にくるまってツレがシクシク泣いてるときも、『大丈夫?』と言いつつ『カメフトンだ』って思ってフフって笑ってました(笑)」。さらに、闘病生活を通じて、貂々さん自身の生き方にも変化が生じたと明かす。「やっぱり考え方が変わったというのが何より大きいですね。以前は本当にマイナス思考だったんですが、何事も前向きに考えるようになったことで乗り越えられた部分は多いと思います。そうやって変われたからこそ、いまはツレがうつになって良かったと思えるんです」。変化は心境だけではない。この7年の間にイグアナのイグは天に召されたが、貂々さんとツレの間には新たな命が誕生した。「いま、子育てでの私とツレの関係は、私がパパで向こうがママです。息子が体調崩して病院に行っても、ツレの方が『ああでこうで…』って病状を説明してて『お母さんはいかがですか?』って聞かれても『夫に任せてありますので』って感じ(笑)。ただ、ツレがうつになる前は私がツレに頼っておぶさりっきりでしたが、いまは、向こうも私におぶさってくれるようになりましたね」。「篤姫」のファンの2人。宮崎さんと堺さんが演じることを聞いて…映画の中での宮崎さんと堺さんを見て、自分たちの姿が描かれているはずなのに「自分の家のことと思えず、うちもこういう夫婦だったらいいなと思った(笑)」と貂々さん。撮影中には宮崎さん、堺さんと言葉を交わす機会もあったそう。「あおいさんはとってもかわいくて、真正面から顔を見られませんでした(笑)。堺さんは本当に気さくで『あれ、貂々さん来てたの?』って昔からの知り合いみたいに気さくに声を掛けてくださるんです。でも2人とも撮影になるとパッと切り替わって違う人物になりきってて、役者さんてすごいなと思いました。実は、私もツレも『篤姫』のファンだったので、最初におふたりが演じると聞いたときは飛び上がって喜びました。特にツレは、うつが一番ひどかったときに、(堺さんが出演していた)『新選組!』にハマって、(堺さんが演じた)山南さんに感情移入して泣いてたので、『山南さんが僕を…』って感動してました」。原作の中のコミカルな印象とは裏腹に穏やかで優しい笑みと丁寧な語り口が印象的な貂々さん。エッセイの中で、なぜか初対面の人の長〜い愚痴に付き合わされる姿がたびたび描かれるがそれも納得!インタビューしているこちらが話を聞いてほしい、と思ってしまうような温かさにあふれていた。(photo/text:Naoki Kurozu)特集「あなたならどうする?『ツレがうつになりまして』」■関連作品:ツレがうつになりまして。 2011年10月8日より公開© 2011「ツレがうつになりまして。」製作委員会■関連記事:宮崎あおい、堺雅人と「とことん夫婦役を演じ続けるのも面白そう」堺雅人、17歳の設定は「ハードル高かった」あなたならどうする?『ツレがうつになりまして。』プレス&ポスターを5名様プレゼントあなたなら、どうする?『ツレがうつになりまして。』独占試写会に20組40名様ご招待堺雅人、戦国の“剣聖”を演じ「鹿嶋が育てた祈りの剣を見てほしい」
2011年09月30日NHKの中で異彩を放つ人気コント番組「サラリーマンNEO」が『劇場版サラリーマンNEO』として映画化されることが決定!さらに、小池徹平がこの劇場版に“新入社員”として参戦することも明らかになった。2004年に単発の実験的番組として開始された「サラリーマンNEO」だが、NHKらしからぬコント中心のコメディ番組として瞬く間に人気を呼び、2006年からレギュラー化。沢村一樹が当たり役の“色香恋次郎”として男の色気で次々と女性を魅了し、問題を解決していく“セクスィー部長”をはじめ、シュールなコントが絶大な支持を集め、2007年・2008年と2年連続で国際エミー賞にノミネートされる快挙も成し遂げた。もはやサラリーマンの定番ともなった、この異色のコント番組がついに映画化!かつての植木等主演の『無責任』シリーズや、西田敏行の代表作『釣りバカ日誌』シリーズのように、日本のサラリーマンに笑いと活力を授けるべくスクリーンに進出することに。オリジナル番組の世界観そのままに、ドラマ的ストーリーを加えてスケールアップした劇場版では、新入社員である小池さんとクセのある課長・生瀬勝久が、どうにも噛み合わない上司と部下のやり取りを展開。業界5位のビール会社NEOビールに入社した新入社員が、老け顔の同期・早川と共に理不尽な課長、5年も契約が取れない営業の川上らが揃う営業一課に配属されるのだが…。もちろん、沢村さんらオリジナルのメンバーも出演。個性的なキャラクターたちがスクリーンを所狭しと駆け回る。小池さんは「この作品で、みなさんに笑ってもらえるよう、少しでも元気になってもらえるよう、全力で取り組みたいと思っています。この気持ちが伝わる素敵な映画だと思うので、ひとつひとつ、一日一日を頑張ります」と熱い意気込みを語る。また、本作のプロデューサーからは、「日本の元気はサラリーマン・OLの元気から始まる。不景気や就職氷河期など我々が働く環境は決して楽とは言えません。そんな全ての働く人たちへの応援歌になれば良いと思い『劇場版サラリーマンNEO』を企画し準備を進めてきました。その最中に今回の大災害が発生しました。日本が置かれた状況はより厳しくなり、大きな悲しみを抱えることになりました。ただ、我々はいつまでも立ち止まっている訳にはいきません。『日本が元気を取り戻すには、まずサラリーマン・OLが元気にならなければ!!』との思いで制作を進めております。多くの方にせめてこの映画を観ている間だけでも、笑って少しだけ幸せな気持ちになって頂けたら幸甚です」と本作に懸ける思いを明かしてくれた。小池さんと言えば、ブラック会社(問題企業)に入社し、追いつめられつつも成長していく主人公のサラリーマンを演じた『ブラック会社に勤めてるんだが、もう俺は限界かもしれない』で、スクリーンで強烈な印象を残したが、本作ではどんなサラリーマン姿を見せてくれるのか?生瀬さんとの強烈であろう掛け合いにも注目!『劇場版サラリーマンNEO』は11月、全国にて公開。■関連作品:劇場版サラリーマンNEO 2011年11月、全国にて公開© 2011「劇場版サラリーマンNEO」製作委員会
2011年04月13日その端正かつフレッシュな笑顔と人懐っこいキャラクターで、幅広い世代から高い支持を集める小池徹平。昨年公開された『ホームレス中学生』など、実年齢よりも若くて愛らしい役を演じることの多かった彼が、サラリーマンに変身!新境地となる主人公・マ男を演じた、“お仕事” エンターテイメント『ブラック会社に勤めてるんだが、もう俺は限界かもしれない』を通して垣間見える、彼の“仕事愛”とは――。第一印象は「タイトル長い!」何を置いてもタイトルのインパクトが先にくる本作だが、台本を受け取ったときの小池さんの感想も「まず、非常にタイトルが長いなと(笑)」とのこと。「“ブラック会社”だから、重い映画なんちゃうかな?と思いながら読んだのですが、実際はタイトルとは全然違う中身で。マ男という青年は良くない環境の中で耐えて頑張っていくという役で、いじめられたりもするけど、それが変に重たくもなく、間にCGや完全に笑いのシーンが入ってたので、いい意味で軽く観られる映画になるかなと思いました」。ニート歴8年、引きこもりという一人の世界から、会社という集団社会へと飛び出すマ男。急激な環境の変化に立ち向かうマ男という役に、小池さんはどうアプローチしたのだろう?「“ニート”の捉え方は人によって違うと思うんですけど、今回は分かりやすい表現にした方が、マ男が徐々に成長していったときとの差がつけやすいと思って、髪もボサボサでだらしない、ただ資格を取ったことがすごいというような、小さな世界で満足しているような男を演じようと思ったんです。ちょうどこの撮影の前に、(佐藤祐市)監督とは別の作品で仕事していたので、いい意味でフランクな状態で撮影に入れました。何でも悩みをぶつけられたので、衣裳合わせの段階で話し合いをして、自分の中で役を固めることができましたね」。佐藤監督(『キサラギ』)の得意分野であるシチュエーション・コメディ方式で、“会社”という狭いシチュエーションの中で物語は進行する。いわば擬似“会社”体験を通して、小池さんが感じたことは?「勤める場所によって、こんなにも自分のやりたいこともできない人がいたり、こんなにつらいことってあるんだなって思いました。役者の仕事をしていると、いろんな人に会う機会があるけど、会社勤めのサラリーマンの方は何年もずっと同じ場所で同じ人たちと一緒に仕事をするという環境で大変だなと。僕は耐えられないなと思ったし、あらためて俳優の仕事をやってて良かったなと感じましたね」。とは言え、俳優という仕事でも当然のことながら、上下関係、人間関係での苦労もなきにしもあらず。もし、悪態をつくだけのリーダー(品川祐)や出世欲の塊・木村(田中圭)のような同僚がいたら…?「あんなのがいたら嫌ですよね(笑)。リーダーとかずっと『バカバカ』言ってるし、木村くんも嫌らしい奴じゃないですか?絶対イヤですね。はっきり『お前嫌い!』とか言いそうで、耐えられないですね。でもそれが本当に自分がやりたい仕事だったら我慢できるけど…、あの環境はひどいですよ。僕はマ男より意志が弱いかもしれないですね。マ男はすごいと思いますよ、ほんまに強いですよね!」。意外にも(?)感情を素直に出してしまう様子の小池さんだが、そういう“人間関係”で言うと、今回の撮影現場はいっさい気を遣うことはなかったとのこと。「本当にみなさん自由な方で、B型の集まりみたいな(笑)。話をしている途中でも漫画を読みたくなって、急にスタジオの中に入っていって読みに行ったりする人がいたり。まとめ役は監督しかいないですよね」。「働くことが好き!」その原動力は支えてくれるファンの存在そもそも、何のために働くのか?人間関係、やりがい…そんな根本的な質問が自らに返ってくる本作。「働くことが好き」と迷わず語る小池さんだが、その原動力はどこから来ているのだろうか?「やっぱりファンの人たちに支えられているのが大きいです。僕も何かを与えたいと思いますし、みなさんがそれに対して応えてくれてるのですごくいい関係だと思うんです。支えられて頑張れるというのは、本当にあると思います。それを踏まえた上で言えば、身近にいるマネージャーの存在は大きい。家族や友達に言えないことを言えますし、仕事の悩みとか、現場での自分を一番見ているので、どういうふうに持っていこうという目標がちゃんと見えてる仕事のパートナーです。体調面からメンタルの面も支えてくれる存在ですし、多々助けられてます」。この映画が観る者を前向きにさせてくれるのは、何よりもそんな小池さんのストレートなエネルギー。それでは、小池さんがこれから目指す“仕事”は?「これって限定すると、それしか出来ないような役者になるのはすごく嫌で。去年『ホームレス中学生』で13歳の役をやったときに、実年齢よりも10歳下の年齢ということで大丈夫かなと思ったんですけど、実際に撮影して完成したときに、すごくいい作品になったので、はなから『無理』って思うのは良くないなとそのときに思ったんです。そう言った時点で可能性を狭めるような気がするので、いただける役はどんどんやりたいし、経験した上で自信を持てたら、自分のやりたい役が見えてくるのかなと思います。『限界』って言ってしまったら限界ですからね」。■関連作品:ブラック会社に勤めてるんだが、もう俺は限界かもしれない 2009年11月21日よりシネクイントほか全国にて公開© 2009 ブラック会社限界対策委員会■関連記事:会社員のホンネをチェック!『ブラック会社』レビュー・コンクール大賞決定小池徹平&マイコ、田辺誠一らが語る、“限界”&“仕事”とは?撮影現場映像が到着映画の伏線も見え隠れ『ブラック会社に…』スピンオフドラマで基礎知識をおさらい小池徹平&マイコ、お仕事楽しくやるコツは「オフで完全にダラけること」?秋の注目作!『ニュームーン/トワイライト・サーガ』鑑賞券&『ブラック会社…』グッズをプレゼント
2009年11月19日