認知症は、「自分には関係ないこと」と思う人がほとんどだと思います。でも実は、早ければ30代、40代からでも発症することがあるのです。「最近、物忘れが…」「あの人の名前はたしか…」と、ちょっと気になる人のために、若年性認知症について、のチェックポイントを紹介します。■若年性認知症とは若年性認知症は64歳以下で認知症と診断されることを指します。認知症は、圧倒的に80代以上の高齢者の発症が多いのですが、特に若いうちから発症するケースをこう呼びます。若年性認知症の発症年齢は、平均すると51.3歳であり、50歳未満で発症した人の割合は約3割です。実際には70代、80代で増加しますが、20代、30代でも発症者がみられます(2009年・厚生労働省若年性認知症の実態等に関する調査より)。■若年性認知症のチェックポイント若くても、次のような症状があれば注意が必要です。・日にちや曜日、季節が分からなくなることがある今日の日付や曜日、季節が思い出させなくなります。少し頭が混乱して時の流れがわからなくなったような状態になることもあります。・極端に物忘れがあり、日常生活に支障が出る何度も同じことを聞いたり、いつも一緒にいる人の名前を思い出せないことがあります。とても簡単な行動をメモするなどの行動がみられることもあります。・言葉につまることがある会話中に単語、物の名前、人の名前がすぐに出てこないことがあります。話そうともしても言葉につまり、会話が良く中断するようになります。・よく道に迷う約束の場所へいくはずか、自分がどこにいるか急にわからなくなったり、誰と約束していたかも忘れてしまうことがあります。いつも使っている電車やバスなどの経路がわからなくなり、よく道に迷うようになります。 ・日常動作ができなくなる例えば服を着るなどの身の回りの動作ができなくことがあります。服の前後ろ、裏表を反対に着たり、ズボンがはけないなど首尾よく動作ができなくなります。・物を良くなくすようになる物をしまった場所を忘れることが増えます。印鑑や通帳など大切なもののしまった場所がわからなくなり、時には誰かに盗まれたなどの被害妄想を抱くこともあります。・道具の使い方がわからなくなる毎日使っていた道具、例えば水道や料理道具などの使い方がわからなくなることがあります。ガスを消し忘れたり、水道を出しっぱなしにするなどの行動も見られます。・身だしなみに気をつかわなくなるこれまではオシャレできれい好きだった人が急に毎日洋服を変えなくなる、お風呂にあまり入りたがらなくなることがあります。・物事への興味がなくなるこれまで好きだった趣味への関心がなくなったり、楽しみにしていたテレビ番組や毎日読んでいた新聞を読まなくなるなどがあります。全体的に興味関心が低くなり、あまり外出したがらなくて、気分的の沈みがあることもあります。いくつか特徴的な症状や行動をあげましたが、初期の段階ではまだ若いと「まさか」ということが邪魔をして発見されにくいようです。このような症状が見られれば、早めの受診が勧められています。
2016年06月01日『ネムジム』では、これまでに寝ても寝ても眠い病気である「過眠症」について、いくつか取り上げてきました。同じ過眠症でもそれぞれ違ううので、このページでは過眠症の種類と特徴を紹介していきたいと思います。寝ても寝ても眠いと感じている方は、自分がどの過眠症を発症しているのか、一度よく考えてみましょう。寝ても寝ても眠い病気!過眠症とは?日本睡眠学会では、過眠症について以下のように定義しています。『日中に過剰な眠気または実際に眠り込むことが毎日の様に繰り返してみられる状態で、少なくとも1ケ月間は持続し、そのため社会生活または職業的機能が妨げられ、あるいは自らが苦痛であると感じるものです。ただし一回の持続期間が1ケ月より短くても繰り返して過眠期がみられるものも含みます』自分が過眠症かどうかを見分けるポイントは「日中に強い眠気を感じるか」というところにあります。夜は寝て日中は活動するという規則正しい生活をしているにもかかわらず、いつも昼間に強い眠気に襲われてしまう方は、いずれかの過眠症を疑ったほうがいいかもしれません。過眠症の種類と特徴それでは代表的な過眠症の種類と特徴について見ていきましょう。・ナルコレプシー過眠症のなかでも特に有名な、日中に強い眠気を引き起こす病気です。ナルコレプシーの場合、居眠りをする時間は長くても30分ほどで、目覚めたあと当人はスッキリするという特徴があります。世界的な有病率は「1000~2000人に1人」となっていて、特に10代の若者に発症しやすくなっています。・特発性過眠症長時間眠り込んでしまうこともある過眠症で、急激に眠くなるのではなく「徐々に眠気が強まる」という特徴があります。この特発性過眠症に夜間の睡眠時間は関係なく、なかには夜10時間以上寝ていても日中になると睡魔に襲われてしまう患者もいます。またこの「特発性」という言葉には「原因が判明していない」という意味があり、2016年現在では原因も治療法もまだハッキリとは分かっていないようです。・反復性過眠症1日に16~18時間、場合によっては20時間眠り込んでしまう過眠症です。この過眠症には長時間睡眠が続く「傾眠期」と、過眠症状がまったく現れない「間欠期」が繰り返されるという特徴があるため、「周期性過眠症」とも呼ばれています。傾眠期はだいたい3~10日間、間欠期は数カ月間で、一度傾眠期に入ると食事とトイレの時間以外はほとんど眠り続けるという状態になってしまう人もいるそうです。居眠りするのは病気のせいかもしれない!今回は寝ても寝ても眠い病気である過眠症の代表的な種類と特徴について紹介しました。皆さんのなかには仕事中や授業中に我慢しきれずに居眠りをしてよく怒られるという方もいるかと思いますが、実は日中に眠くなる原因は我慢が足りないからではなく、病気によるものかもしれないのです。もし、いつも昼間に異常なくらいの強い眠気に襲われているという方は、一度病院の睡眠外来で診断を受けてみてください。過眠症は専門の先生に診てもらうのが一番なので、睡眠のプロに相談してみましょう。その結果、過眠症の患者であると正式に認められれば、周囲からの理解も得やすくなるでしょう。photo by acworks
2016年05月27日おじいちゃんやおばあちゃんが認知症になったとき、みなさんはどうするでしょうか。まずは医者に行って診断をしてもらい、お薬を受け取るのではないでしょうか?しかし、宅老所よりあい代表の村瀬孝生さんとフリーライター兼編集者の東田勉さんの共著書『認知症をつくっているのは誰なのか』(SBクリエイティブ)には、衝撃的な内容が書かれています。なんと、“認知症の問題行動の8割は薬のせいではないか”というのです。また、薬害認知症も認知症全体の3割はいるのではないか、という話も出ています。そこで今回は本書より抜粋した、「認知症の薬物療法を勧めない理由」をご紹介していきたいと思います。■知っておきたい認知症の「症状」まず、認知症には、大きくふたつの症状があるそうです。ひとつは、認知機能が障害されたことで出る中核症状。具体的には記憶障害(直前のことを忘れる、出来事全体を忘れる)、見当障害(ここがどこで、いまいつか、自分が誰だかわからなくなる)、実行機能障害(これまでできていた家事や趣味がなくなる)など。もうひとつが周辺症状で、かつては問題行動と呼ばれていたもの。現在は「BPSD」とも呼ばれているようです。具体的には徘徊、暴力、介護抵抗、失禁、不潔行為、昼夜逆転、幻覚、妄想、不穏などがこれにあたります。■認知症の薬物療法には問題がある筆者が問題提起するのは、この認知症の薬物療法です。中核症状については抗認知薬を、周辺症状については向精神薬(抗精神病薬、抗うつ薬、精神安定剤、睡眠薬など)が使われるのが一般的だそう。最初に抗認知薬の問題点を上げてみましょう。(1)抗認知薬は認知症を治す薬ではない厚生労働省や医学会、医者、マスコミによる認知症キャンペーンでは、よく「早期受診・早期診断・早期治療」を勧めています。その後に必ず「進行を遅らせる薬があるから」といわれるそうです。しかし、アリセプトに代表される抗認知症薬は進行が止まるものではなく、飲み続けても緩やかに進行していきます。一部の人(4~6割)で9カ月~1年間は進行速度が弱まるものの、その時期を過ぎたら効かなくなるそうです。飲むのをやめれば飲まなかったのと同じ症状になってしまうとのこと。認知症を治す薬ではないので、効果に過剰な期待はしないほうがいいようです。(2)抗認知症薬のうち3種は興奮系の薬剤ということ確実に存在する“副作用”について見ていきましょう。抗認知症薬のうちメマリーという薬を除く3種は興奮系の薬剤で、「病的な怒り」を引き起こす点が大きな問題です。高齢者が認知症の薬を飲んで、興奮して暴れたという報告はものすごく多いとのこと。認知症の人を介護する側はこれらの薬によって、かなり大変なことになってしまうようです。(3)抗認知症薬には必ず増量規定があるそのような副作用が出るにも関わらず、抗認知症薬には増量規定があります。たとえばアリセプトという薬は1日3mgから服用を開始し、3週目からは5mgに増量しなければなりません。個人差があっても増量です。約20%に出てしまう“病的な怒り”にもお構いなく、医者は規定通りに増量しようとするそうです。それは、規定以外で処方すると、医者の診療報酬がカットされて保険診療にならず、薬代が病院・医院の自腹になる可能性があるから。抗認知症薬の副作用で大変な思いをした家族は医者にすがると、今度は多くの医者が増量規定を守りながら、お年寄りを鎮静させる「向精神薬」を処方します。これはつまり、アクセルとブレーキを両方踏むような薬物療法です。これが現在の70歳代、80歳代、90歳代のお年寄りに行われているのです。■問題行動の約8割が薬害性の疑い著者は「問題行動といわれるものの約8割は薬害性なのではないか」と疑っています。一昔前までは、認知症でも悩まず明るく、混乱もしていないお年寄りがいたそうです。しかし、いまでは「早期受診・早期診断・早期治療」で大量の薬を飲まされているから、“病的なボケ”が蔓延しているとのこと。お年寄りは医療では生活の支援が受けられず、著者の施設のような所へ来るのですが、みんな薬漬けになって来るそう。そして、薬によって元々もっている人間としての排泄や睡眠のリズムが崩れてしまいます。薬ではコントロールができていないのです。著者は経験として、薬を断ったお年寄りが心身ともに安定した例を多数見てきたこともあり、「できれば薬を使わない、減らしていくことが必要」と訴えています。また、著者と同じ考えで協力してくれる医者もいるとのことです。*自分の身近な人が認知症になったとき、医者の指示どおり、処方された薬を飲ませてしまう人は少なくないでしょう。しかし、薬はどんなものであっても、効き目には個人差があり、たくさん飲めば副作用も出てくるかもしれません。だからこそ、その時々で本人の様子を観察し、本当にこの薬でいいのか疑う目も必要なのではないでしょうか。認知症に関する疑問や興味がある人は、ぜひ読んでほしい本だと思います。(文/齊藤カオリ) 【参考】※村瀬孝生・東田勉(2016)『認知症をつくっているのは誰なのか』SBクリエイティブ
2016年03月01日「人生は短い」いつもそう思いながら日々暮らしてきたけれど、ある出会いをきっかけに「人生は長い」というポジティブな考えが浮かび、長いからどうしようかと真剣に考えるようになりました。先日自分の研究ワークの一部で健康な高齢者の方と多くコミュニケーションを取るチャンスがあり、これをきっかけに私の人生観やこれからの計画を考えなおすことになったのです。今回お会いしたのは60代~80代の健康な高齢者の方々。どの方も地域のため人のために働いておられる方々です。私の人生設計では60歳でリタイアしその後は仕事のことはあまり考えていなかったのが本音でした。しかし今、医学の進歩や予防医学が進み、平均寿命は世界一を誇る日本! 60代からの人生が20年以上もあるのです。さて60歳からどうする…?お会いした70代、80代の方がなんとお元気なこと。健康面だけではなく、ちゃんと自分の能力を発揮できるところに身をおき、自分らしく生きるアイデンティティを保っているのです。そして服装や身なりがとてもおしゃれで清潔感に溢れています。私は自分の仕事の内容を忘れ、話を聞くことに夢中になりました。落ち着いた貫禄と相手を優しく包む包容力。そんなに慌てなくて大丈夫ですよ、と声をかけられ、「そうですよね」と思わず涙ぐんでしまいました。 長い人生を “元気に楽しんで” 過ごすためには?ITに翻弄される毎日、スピードが命の現在。研究職もスピードがものをいいます。そんな中でふと穏やかでアナログな時の流れを感じた瞬間でした。戦後の日本を立て直し、日本の高度成長を支えてきたこの世代。乗り越え、経験してきたからこそ持つこの余裕感。今の私、現代の人たちに彼らの意見や空気感は必要であると感じました。話も自らの経験をもとに話をしてくださいました。どう感じたか、どう見てきたか、話の興味はつきません。そして最も興味を持ったのは、「どうしてこんなにお元気なのか、どうして楽しそうなのか」ということ。今も活発に活動されているが、それは今に始まったことではなく、若い頃から活動的であるということ。習慣というのは年齢を重ねてから変えるのは難しい。今でさえ、自分の生活の傾向をなんとか変えようとしてもかなりの努力が必要になります。今回お会いした高齢の方がたは、日常的に運動をすること、人とたくさんコンタクトを取り、趣味を楽しみ、おしゃれをして外へでかけることを億劫に思わず、それらは日常的なことであるようでした。シンプルな食事で人を家に招き、残りの布でさっとお裁縫をしブラウスを作る、自転車に乗り風を感じる。楽しくて仕方がないという。ゆるやかな時間を感じるけれど、次の予定を聞くと、ポケットからスマホを取り出しスケジュール表をチェックする。ちゃんと時代の波にも乗っているのです。認知症予防にも? 日々の生活で大切なこと認知症である人と健常者の脳内を比較したこんな論文(※)があります。認知症の原因としてamyloidβ(Aβ)やTau (タウ)という異常なタンパク質が脳内に沈着し、それが神経細胞を脱落させることが考えられています。その凝集は特に記憶や情動に関連した脳部位に起こるのです。しかし高齢者の中には健康で、記憶力や認知機能の低下がみられず元気に楽しく暮らしている方も多くいます。健康で認知機能を維持したまま亡くなった方の脳を剖検したところ、Aβが著しく沈着しており病理学的にはアルツハイマーと診断される状態であったといいます。アルツハイマーと診断されて亡くなった方とどこに差があったかというと海馬の体積であることがわかったのです。つまり病理学的、組織学的には差はないけれど、アルツハイマー病では海馬の体積の減少が認められたのです。海馬の体積を維持することで、予防も可能であるということを示した研究の1つです。そして海馬は唯一、神経を再生させる能力があり、それは運動や食事、日々の生活で大きく変化をします。ライフスタイルが大きく関与していることは間違いありません。人生は長い。だから健康=楽しく=一生現役でなくてはいけません。考えさせられる40代、今から準備が必要だと感じた出会いとなりました。※ 参考論文:Erten-Lyons et al., Neurology, 2009
2016年03月01日沖縄スーパーフード協会沖縄スーパーフード協会は、スーパーフードに関する意識調査を実施、結果を公表している。昨今、人気の高いスーパーフードだが、その認知度に関しては意外な事実が明らかになっている。約7割が食べたことがある「スーパーフードを食べたことがあるか」に対しては、約7割の女性が食べたことがあると回答。しかもその過半数は、週に1回以上とっていると答えており、その関心の高さがうかがえる。具体的なスーパーフードの認識度については、「チアシード」や「アサイー」、「ココナッツオイル」などがよく知られており、沖縄県産の「シークヮーサー」や「さとうきび」に関しては認知度が6%以下という結果に。国産のスーパーフードに対する認知度の低さが明らかになっている。実は国産希望!一方で、「食品を購入する際に国産を意識するか」との問いには、約7割が「意識している」と回答。また、「沖縄県産のスーパーフードが、もし手頃な値段で購入できたら買いたいですか?」との問いには、「興味があるため、購入してみたい」との回答が9割にも上った。沖縄産のスーパーフード沖縄スーパーフード協会では、沖縄産のスーパーフードを使った商品を紹介。「発酵サトウキビファイバー」「シークヮーサーパウダー」「オキナワモズクファイバー」などを販売している。(画像はプレスリリースより)【参考】・【スーパーフードに関する調査結果】 女性の7割以上がスーパーフードを取り入れている一方で、 認知度3.5%しかない“国産”スーパーフードが存在 シークワーサー、さとうきび…約9割が沖縄県産に興味・購入に意欲的
2016年01月15日ココナッツオイル認知は約6割最近話題のヘルシーフードといえば、ココナッツだろう。8月24日にココウェルが発表した生活者実態調査によると、ココナッツの認知度は約8割にものぼり、「ブーム」から「定着」へ移行した感がある。特に注目されているのがココナッツオイルで、栄養化の高さはもちろん、認知症予防にも効果があるといわれ、約6割の人が認知していることがわかった。「食べ方がわからない」も根強く人気の一方で、ココナッツを購入したくないという人も根強く、その理由としては「食べ方、調理方法がわからない」が圧倒的に多かった。ココナッツオイルの食べ方については、1位「トーストしたパンに塗って」の他、同率2位「炒め油として」、「デザートに入れて」、同率3位「カレーに使う」、「コーヒー・紅茶に入れて」など、普段の食生活に“チョイ足し”をして利用していることが判明。また、食用としてでなく、スキンケアとして使う人も多く、ココナッツオイル利用者の約4割が「肌に使ったことがある」と回答した。ウォーターは熱中症対策に高い効果その他、ココナッツウォーターは熱中症対策に高い効果があるとされ、近年猛暑の続く日本でも注目の的に。さらに、ココナッツシュガーにも関心が集まっており、低GI食品として糖尿病患者の食生活の助けになるのではと期待されている。(画像はプレスリリースより)【参考】・ココウェル プレスリリース(Value Press!)
2015年08月27日Alzheimer’s Disease Internationalは8月25日、2050年の認知症患者予想数などに関してまとめた「The World Alzheimer Report 2015」を明らかにした。同レポートによると、全世界には現在4,680万人の認知症患者がいるが、2030年には7,470万人にまで達し、2050年には現在の2.8倍となる1億3,150万人にまで増加すると予想されている。患者の増加数も深刻となっており、毎年990万人以上の新たな認知症患者が誕生していると推定されている。これは3.2秒ごとに1人の患者が増えている計算となる。認知症の治療などにかかる費用も増加の一途をたどっている。2015年は、2010年比で35%も多い8,180億ドルが認知症対策費用に充てられているが、2018年には1兆ドルに達すると見込まれている。同リポートによると、この数字はApple(7,420億ドル)やGoogle(3,680億円)の市場価値を上回るという。また、患者の多くが低・中所得国在住ということも報告されている。現在、世界の認知症患者の58%が低・中所得国に住んでいると見積もられているが、2050年には68%にまで上昇すると予想されている。なお、詳細はAlzheimer’s Disease Internationalのホームページにて確認できる(原文は英語)。
2015年08月25日新潟大学は8月20日、若年性認知症の原因疾患である「HDLS」の診断基準案を策定したと発表した。同成果は同大学脳研究所神経内科の今野卓哉 医師、西澤正豊 教授、同遺伝子機能解析学分野の池内健 教授らの研究グループと厚生労働省の共同研究によるもので、第56回日本神経学会学術大会で発表した。HDLSは65歳未満で発症する認知症である若年性認知症の原因疾患の1つで、大脳白質が病変の主座となる。HDLSを診断するためには、病理組織学的な検索が必要とされ、診断が困難だった。2012年に原因遺伝子が発見されてからは遺伝子解析による診断が可能となったが、大脳白質が侵される白質脳症の原因疾患は多岐におよび、実地臨床における鑑別診断はなおも難しい現状がある。そのため、数ある白質脳症の中からHDLSの可能性を見出し、効率よく遺伝子診断につなげるためには、HDLSの臨床的特徴を反映した臨床診断基準が必要となる。今回、研究班でこれまでに解析した変位陽性22家系24症例と、文献検索によって得られた変位陽性50家系77症例の臨床像を解析し、HDLSの臨床像と画像所見の特徴を系統的に抽出した。その結果、発症年齢は43±7歳、死亡年齢は52±9歳、死亡までの罹患期間は5±3年と、比較的若年発症で進行が速く、初発症状は認知機能障害が最も多く、次いで精神症状、運動症状の頻度が高いことがわかった。また、頭部画像では白質病変のパターンや脳梁の菲薄化、脳内石灰化病変などの特徴が見られ、これらの特徴に基づき、definite、probable、possibleの判定基準を持つ、臨床診断基準案を作成した。同案を用いると、変位陽性例を95%以上の感度でpossible以上と診断でき、ほかの白質脳症との鑑別においては、解析に用いた変位陰性白質脳症53症例のうち42%を鑑別することができたことなどから、同案はHDLSの臨床診断に十分寄与しうると考えられるという。
2015年08月21日生活の中にはやるべきことの優先順位があります。仕事の中で、または家庭の中でやるべきことに順位をつけて日々こなしていく。その中で、「運動」はあなたの優先順位のどの位置にあるでしょうか? ランニングやウォーキングをしようと思いながら、日々の忙しさや疲れ、面倒くささに負けてしまい、運動の優先順位を下げている方が多いかもしれません。そう、アラフォー世代の女性たちが継続できないのが、ジム通いやランニングなどの運動、いわゆる「有酸素運動」です。実はこの有酸素運動こそが、あなたが将来、認知症になることを食い止めてくれる、とても重要なテーマであることをご存じでしょうか。脳機能を専門とする研究者として、声を大にして伝えたい! 「運動は、人生において “必須科目” である」と。自由にしたいことを選ぶ「選択科目」ではありません。今、始めなければ、今、習慣にしなくてはいけない「理由」があるのです。では、わかりやすくご紹介していきましょう。「運動」と「認知症」との関係性運動といってもここでお伝えするのは有酸素的な運動です。有酸素運動とは、“運動能力を評価する「最大酸素摂取量」の60%~75%の運動を30分以上行う運動” のこと。年齢によって多少異なりますが、アラフォーの場合は心拍数が130前後となる程度の運動、となります。 この有酸素運動を日常的に行うことによって、脳に2つの効果があるとされています。まず、記憶に関わる脳の部分「海馬」の萎縮が防止されること。もうひとつは、有酸素運動によって「脳由来神経栄養因子(BDNF)」という、脳の神経の再生を促すタンパク質が増加するということです。そしてこの2つの効果が認知機能の低下を防ぎ、記憶力の向上が期待できるのです。わたしはこの話を尊敬する恩師、半場道子先生(現在 福島県立医科大学医学部)に伺い、そのまま走って家に帰ったほど刺激を受けました。ストレッチやヨガではだめなの?さて、すぐにでも運動を始めたくなるこんな研究結果があります。認知症ではない健康で高齢な男女を2群に分け、1つのグループには、「週3回のストレッチを中心としたヨガ」を継続し、もう1グループには「週3回の有酸素運動(歩行40分)」を継続。1年後に海馬の体積、BDNFの量を測定したところ、有酸素運動を続けていたグループが、ストレッチ・ヨガグループと比較して海馬が増加しており、BDNFの量も増加していたのです。左右の海馬の体積とBDNF量は正の相関を示しており、これは海馬体積が大きければBDNF量も多いということを意味しています。海馬体積、BDNF量の上昇とともに、記憶力テストの結果も増加した、という結果となりました。近年の脳科学では、「脳は思ったよりも再生し、新しい細胞が増える」ということがわかってきました。もちろんストレッチやヨガは心身をリラックスさせ、継続して行うことで様々な利点を得られます。しかし、活性物質を全身に送り届けるためには、ある程度の運動強度を30分以上継続して行うことが重要なようです。将来、あなたが「認知症」にならないために…年齢とともに海馬体積が減少し、そして記憶が衰えるということは自然の現象です。有酸素運動を継続することによってそれを少しでもくい止め、生活の質を維持することができるなら、有酸素運動運動は人生における必須科目とするしかありません。毎日、歯を磨くことや洗顔後に化粧水をつけることは習慣になっています。それと同じように、意気込む必要もなく、ただ淡々と運動をしていきましょう。運動を日々の習慣にしてしまえばよいだけなのです。「もう帰るのですか?」「この仕事、終わらせてよ」と言う人が、将来あなたの認知症の介護をしてくれるでしょうか。また、少しだけ掃除や洗濯を怠ったとしても大丈夫。運動による脳神経の再生にはかえられません。大切な家族のためにも、自分が心身ともに元気な姿でいられること。これがとても重要です。人生の必須科目「有酸素運動」の単位を落としてはいけません。有酸素運動をして気分もリフレッシュしてから、終わらせるべき仕事に着手する。疲れたまま仕事を続けるよりも、断然はかどることでしょう。さあ今日は “歩きやすくてかっこ良い、心踊るスニーカー” を買いに出かけてみませんか?
2015年08月18日高齢化が進む日本では、認知症になる人の数も相対的に増えています。認知症のなかで最も多いのはアルツハイマー型、二番目に多いのはレビー小体型認知症と言われています。レビー小体型認知症は睡眠障害と似た症状が出ることもあるのだとか……。本当に睡眠障害?睡眠障害だと思っていたら、認知症のひとつである「レビー小体型認知症」だったということがあるそうです。この認知症は、脳のなかに「レビー小体」という特殊なたんぱく質が出現し、視覚情報の処理に影響を与えてしまうというもの。アルツハイマー型に次いで二番目に多いと言われ、具体的には次のような症状が現れます。1.幻視(いないはずの人や虫が見えて、触ろうとして手を伸ばしたり、声をかけたりする)2.筋肉がこわばり、動作がスローになる3.これらの症状に波があるなぜ、レビー小体型認知症が睡眠障害と勘違いされることがあるかというと「レム睡眠行動障害」でも似たような症状が現れるからです。レム睡眠行動障害とは?レム睡眠行動障害の特徴は、簡単に言えば、睡眠中に異常行動を起こすことで、次のような症状があります。・睡眠中に大声で話をしたり、笑ったり、説教をしたりする・睡眠中に手足を動かしたり、字を書くような動作をする・睡眠中にベッドから出て、歩きまわるこれらの異常行動がレビー小体型認知症の症状に似ていることから、レム睡眠行動障害として診断され、本来の病気である認知症になかなか気付けなかったなんてことも起こりえます。また、むずむず脚症候群と呼ばれる睡眠障害も、名前の通りに脚がむずむずして眠れなくなる病気ですが、「脚に虫が這いまわっているようだ」と訴えていた患者が実はレビー小体型認知症だったという例もあるようです。早期発見が重要!レビー小体型認知症は早期発見、早めの治療が大切だと言われています。家族や友人など身近な人で、冒頭にあげた幻視やその他の症状があるという人がいたら、一度医師に診てもらうようにしましょう。現時点では、体内に溜まったレビー小体を完全に取り除くことはできず、レビー小体型認知症を完治する方法も確立されていないそうです。ただ、症状を緩和したり抑制したりする薬はあるので、改善をすることはできると言われています。レム睡眠行動障害やむずむず脚症候群と診断された人も、症状がなかなかよくならなかったり、他にも気になる症状が出てきたりしたときは、早めに医師に相談するようにしましょう。Photo by Wonderlane
2015年05月25日大分大学と東芝は4月16日、「認知症のなりやすさ」と身体情報・生活習慣との因果関係を解明する実証研究を開始すると発表した。同研究は今年度から3年間、1000人を対象に実施する予定で、認知症診断に用いられる脳内アミロイドβ蓄積量と認知機能検査情報の「認知症関連データ」に加えて、東芝のリストバンド型生体センサーを用いて日中の活動量、睡眠時間・発汗量、摂食状況などの「生活データ」および、体重、血圧、体温、血糖値などの「身体データ」を継続的に収集する。従来は問診による収集がメインだった「生活データ」をリストバンド型センサーを用いて自動的に収集することで、科学的に生活パターンを捉えることが可能となる。その「生活データ」「身体データ」と「認知症関連データ」の関係性を検証し、「認知症のなりやすさ」と身体情報・生活習慣の因果関係を解明するとともに、認知症の発症予防に向けた取り組みを進めていくという。東芝は、2020年には同研究を通じて確立した認知症予防の知見・ノウハウを活かし、ケアセンターや健康機関に向けた認知症リスクを抑制するサービスの実用化を目指すとしている。
2015年04月16日2015年8月、一定以上の所得がある高齢者が、介護保険サービスを利用したときの自己負担割合が1割から2割に引き上げられます。理由は、いわゆる「団塊の世代」(昭和22(1947)~24(1949)年に生まれた人)が高齢期に達することで、要支援・要介護認定者が急増し、介護保険制度の存続が危ぶまれるからです。2014年9月末の要支援・要介護者は約598万人で、5年前に比べて約120万人も増えています。世界に類を見ないスピードで少子高齢化が進む日本で、介護問題にどう向き合えばいいのでしょうか。介護保険制度改正の概要と介護費用データなどをもとに、介護への備えについてお話します。施行以来の大幅改正 2015年介護保険制度改正のポイント介護保険制度は2000年4月に施行されて以来、3度の改正を経てきました。2025年には団塊の世代が75歳以上になるため、高齢化が急速に進むことから、それを見据えて今回大幅な改正を実施するとして、注目を集めています。改正のポイントは大きく5つあります。2015年 介護保険制度改正ポイント一定以上の所得のある利用者の自己負担割合を1割から2割に引き上げ(2015年8月から)特別養護老人ホームの入居基準を要介護1以上から、原則として要介護3以上に変更(2015年4月から)介護保険施設(特別養護老人ホーム、老人保健施設、介護療養型医療施設)入居者のうち、低所得者向けの「食費・居住費の補助」適用基準の引き下げ(2015年8月から)要支援1・2向け介護予防サービスの一部を市町村に移管(2015年4月~3年かけて)低所得者の介護保険料負担軽減(平成27年4月1日より)大きな目玉は介護サービスを利用したときの利用者負担の改正です。一律1割負担から、一定の所得以上の人は2割負担に変わります(ただし、「高額介護サービス費」制度があるため、見直し対象全員の負担が2倍になるわけではありません)。一定以上の所得とは「年間の合計所得金額が160万円以上」になる見込みです。65歳以上で収入が年金のみであれば、年金収入280万円以上の人が該当します。年金収入には、企業年金や確定拠出年金から支払われる年金(公的年金等控除の対象となるもの。遺族年金、障害年金)も含まれる見込みです。一定以上の所得者に該当する場合は、これまで払っていた利用料の2倍の金額になるわけですが、無制限に負担が増えるわけではありません。先ほども述べた高額介護サービス費があるからです。この制度は、その月(月初~月末)の利用者負担(1割または2割負担分=区分ごとの自己負担限度額の範囲の利用料)が一定額を超えた場合に超過分が払い戻されるものです。介護保険サービスでは、要介護者等が、自宅に手すりを取付ける等の住宅改修するときや福祉用具の購入するときの、支払額の9割(支給限度額の9割が上限)が支給されますが、高額介護サービス費には、住宅改修費や福祉用具の購入費、特別養護老人ホームなどの介護施設での食費の標準負担額など、対象にならないものもあります。しかし、利用者の所得に応じた負担となるように工夫されています。2015年1月20日現在の高額介護サービス費による1カ月あたりの自己負担限度額は次の表の通りです(2015年8月以降は住民税課税世帯の区分が細分化され、公的医療保険の自己負担割合が3割の現役並みの所得のある高齢者については、自己負担限度額が4万4,000円になる予定です)。高額介護サービス費の自己負担限度額(1カ月あたり)資料:厚生労働省 老健局総務課「公的介護保険制度の現状と今後の役割」をもとに執筆者作成介護保険は健康保険に似ています。要介護・要支援に認定されても、現金給付が受けられるわけではなく、介護が必要になったときに低額の自己負担でサービスが利用できる制度です。ただし、1割または2割負担で利用できる介護サービスは要介護・要支援状態区分によって上限額が設定されています。在宅サービス費の支給限度額(1カ月あたり)資料:(公財)生命保険文化センターホームページ「在宅サービスの支給限度額と利用のめやす(平成26年4月現在)」をもとに執筆者作成自分に介護が必要になったときにお世話をしてくれる家族がいるか、どんな介護サービスを利用するかによって介護の経済的負担は違います。たとえば、若年性認知症の妻を、働きながら1人で在宅介護を続けているAさんは、介護保険サービスを利用しています。しかし、Aさんの勤務中はデイサービスで過ごすため、1割負担の範囲を超えた利用となっています。一方、両親と同居しながら父親の介護をしていたBさんは、夫婦ともに会社員ですが、母親が家にいて父親の日常の世話ができるので、介護費用は毎月1~2万円程度ですんでいるようです。介護が必要になったときにどこで暮らしたいか介護が必要になったとき、サポートしてくれそうな人はいるか介護への備えは、まずは、この2つの質問を自分自身に問いかけることから始めましょう。おのずとどんな備えが必要かがみえてくると思います。介護の経済的負担に備えるためには家族に介護が必要になったとき、「肉体的」「精神的」「経済的」な負担がかかります。これらをゼロにすることはできませんが、事前に備えておくことで、3つの負担を軽くすることができます。備えには次のような方法があります。1つは、介護人脈を築いておくことです。介護が必要なときに、どこに相談に行けばいいのか、そうなったときに介護の一部を頼める相手をたくさん作っておくことで介護の負担を軽くすることができるかもしれません。主婦のDさんは親や自分に何かあったときに備えて、近所の介護施設でボランティア活動を始めました。親に介護が必要になったときにどんなサポートをすればいいかを身に付けられるから、というのがきっかけでしたが、親はもちろん、自分に何かあったときの介護生活もイメージでき、想定外だったと笑っていました。もう1つは、経済的な備えをしておくことです。資産にゆとりがあれば、お金を払って介護保険の対象外のサービスをプロに任せることができます。特に、誰の世話にもなりたくないなら、介護施設への入所を意識した資金計画を立てることが重要になります。介護に備える手段の1つに、民間の介護保険があります。所定の要介護状態に該当した場合に、年金もしくは一時金が支払われる保険です。公的介護保険の要支援・要介護認定に連動しているものが主流ですが、どの要介護状態区分から支給されるかは保険商品によって異なります。民間の介護保険で介護に備える場合はどの要介護状態区分に該当したら給付が受けられるのかを必ず確認しましょう。介護のお金はいくらかかるか、なかなか予想することはできません。長生きすることがリスクにならないよう、若いうちから、資金にゆとりがあるときに介護保険等を使って対策をとっておきましょう。ただ、心配だからと貯蓄が乏しくなるほど保険に入ることのないように気をつけてくださいね。コラム監修者プロフィール 柳澤 美由紀(やなぎさわ みゆき)CFP(R)/1級ファイナンシャルプランニング技能士関西大学社会学部卒。大学時代に心理学を学び、リクルートグループに入社。求人広告制作業務に携わった後、1997年ファイナンシャルプランナー(FP)に転身する。相談件数は800件以上。家計の見直し、保険相談、資産づくり(お金を増やす仕組みづくり)が得意で、ライフプランシミュレーションや実行支援も行っている。家計アイデア工房 代表※この記載内容は、当社とは直接関係のない独立したファイナンシャルプランナーの見解です。※掲載されている情報は、最新の商品・法律・税制等とは異なる場合がありますのでご注意ください。
2015年02月17日カリフォルニア くるみ協会はこのほど、カリフォルニア大学が実施した「くるみの摂取と認知機能に関する調査」の結果を明らかにした。同研究は、くるみの摂取と認知機能に関する初の大規模代表分析で、アメリカの全国健康栄養調査(NHANES)のさまざまな調査から利用可能なすべての認知データを取り入れた。今回は20歳以上の成人を対象としている。研究を実施したのは、同学のロサンジェルス校デイヴィッド・ゲフィン医科大学院のレノア・エイラブ博士と共同研究者のアルフォンソ・アング博士。これまでの動物試験によって、一日に無理のない摂取量(13g)で神経保護の効果が示されている。同研究は、マウスモデルのアルツハイマー病の進行抑制、予防といった有益な効果の可能性を含め、認知機能障害の軽減や全体的な脳の健康に対するくるみの効能に関する研究を補強するものとして行った。今回、6種類の認知機能検査を行った結果、くるみ摂取量の多い被験者が有意な好成績を示すことが明らかとなった。年齢や性別、民族を問わず、くるみを摂取した被験者の認知機能(記憶力、集中力、情報処理速度など)が一様に向上。エイラブ博士は「これまでの動物試験の結果が強力に裏付けられることが判明したのは素晴らしいことです」とコメントしている。くるみには、認知機能保護の寄与因子の可能性がある有効成分が豊富に含まれている。さらにくるみは、心臓と脳に対する保健効果を持つ植物性オメガ3脂肪酸である「アルファ・リノレン酸(ALA)」も多く含む。
2015年02月04日不眠症の解消にはさまざまな方法があります。今回は、そのうちの1つである認知行動療法をご紹介したいと思います。これは不眠の原因を理解し、その原因を断ち切るというもの。具体的にはどのような方法があるのでしょうか?不眠症の定義とは?今回は「不眠症の認知行動療法」を取り上げたいと思います。認知行動療法を説明する前に、まずは不眠症についてしっかり学習をしたいと思います。不眠症とはどのような状態のことを指すのでしょうか?この定義は非常に難しいと言われていますが、一般的には次の3つの存在があげられています。1.寝ても回復感がないなど、主観的に睡眠の質が悪い状態2.布団に入っていても眠れない状態が長く続く3.日中に眠くなる、または機能低下などがある当てはまるものはありましたか?悪循環を断ち切る不眠は以下の4つの機能が相互に作用している問題と考えられています。1.生理:交感神経系の亢進2.情動:布団に入るだけでネガティブな気持ちになる3.認知:今日も眠れないかもしれないと不安になる4.行動:不眠を解消するためにさまざまな試みをする1の交感神経の亢進は、多忙や体調不良など、ちょっとしたことで簡単に起こると言われています。それをきっかけに眠れなくなり、不眠を解消しようと焦っていろいろと行動を起こして、また眠れないと不安になるという悪循環に入ることがある、ということですね。この悪循環を断ち切ることが不眠の解消につながると考えられています。認知行動療法の紹介不眠症の認知行動療法にはさまざまな方法がありますが、そのいくつかをご紹介したいと思います。・睡眠制限法布団に入ったらすぐに眠れるように、あえて就寝時間を遅らせる。それによって睡眠効率をアップさせる。・刺激統制法寝室=睡眠のためのスペースと意識するため、寝るとき以外は寝室を使わないようにします。・リラクセーション呼吸法などのリラックスできる方法を日頃から練習・習得し、寝る前にも行うように習慣化します。ほかにもさまざまな方法があるようなので、気になる方は一度調べてみるとよいかもしれません。Photo by Rory MacLeod
2014年11月16日睡眠障害にはさまざまなタイプがあるため、それだけ多種多様な悩みが存在すると言えます。認知症との併発もまさにその1つかもしれません。今回は、認知症と睡眠障害の関係、またその対応について考えてみたいと思います。認知症と睡眠障害の関係認知症と睡眠障害には深い関連性があると言われています。それはデータにも表れていて、じつに認知症患者の約7割が何らかの睡眠障害に悩んでいるというものです。認知症患者の睡眠障害(夜間頻尿や昼夜逆転)は介護をする側の負担を激増させるので、介護破綻につながる可能性があると考えられています。今後、日本は高齢化社会へ突入していき、在宅介護がますます増えていくことが予想されるので、これは他人事ではない深刻な問題と言えるかもしれません。とは言っても、なかなか専門知識のない一般人には睡眠障害の対処法はわからないものです。何か良い方法はないのでしょうか?自宅でできるケア独立行政法人国立長寿医療研究センターは、すぐにできるケアとして次のような項目をあげています。・楽しめる活動やレクリエーションを活用する・つねに規則正しい就寝・起床時刻を保つ・有酸素運動を取り入れる(16時前が理想)・ベッド上で読書やテレビを見るなどの生活をしない・就寝3時間前は、食事・カフェイン摂取・喫煙をやめる・眠れない場合は一度起きて、眠くなってから再度ベッドに入る・温めた牛乳やバナナなどの軽食を摂る・日中は、なるべく日光を浴びるようにする・昼寝を制限する(寝すぎない)どれもやろうと思えば、すぐにできそうなものばかりですよね。カフェインの効果的な使い方上記の項目にあるカフェインは摂取の方法によっては、昼寝後の覚醒レベルを高めるなどの効果があります。具体的には、お茶やコーヒーなどカフェインの入ったものを飲むと30分後ぐらいを目安にカフェインの血中濃度が上がるため、覚醒しやすくなるのだそうです。つまり、夜眠る前にカフェイン入りの飲料を摂取してしまうと目が覚めてしまって逆効果ですが、昼寝などパッと短時間寝て、パッと起きるようなときには効果的に活用できる、ということですね。まずは、いろいろと上の項目を試してみて、自分に合った方法を探ってみるというのがよいかもしれません。ただし、それでも改善されない場合は、お医者さんに相談するようにしましょう。Photo by vic xia
2014年11月13日多くの方が親の介護の不安について語るとき、認知症の発症をあげます。それはまた自分におきかえても同じことです。パートナーや肉親に迷惑をかけたくないという思いから、認知症となることへの恐れを抱く方も少なくないよう。まだまだわからないことが多い認知症ですが、よいとされている睡眠での予防策をご紹介します!なかなか知られていない睡眠と認知症との意外な関係性とは?睡眠時は、成長ホルモンを分泌するなど身体的な回復を図る時間であると同時に、脳の記憶を整理するという働きがあります。まさにこの記憶の整理こそが重要で、きちんと自分が行ってきたことを時系列に引き出しにしまっておくことができるようになるのです。認知症の研究は日進月歩ですが、どういった要因で発症するのかはまだはっきりわかっていません。気になるのは、どんな睡眠の取り方をすれば認知症予防につながるのか? ということですよね。詳しく見ていきましょう。「知っておきたい」認知症予防につながる睡眠の取り方認知症を防ぐための睡眠の取り方にはいくつかポイントがあるようです。まずは、朝しっかりと太陽の光を浴びること。光には体内時計を調整する働きがあります。夜眠くなり、朝目が覚めるというリズムを生み出すために、日光を浴びることを意識しましょう。2つ目は、就寝時間と起床時間を定めること。これは、朝きちんと日光を浴びることにリンクしており、体内のリズムを整える上で重要です。そういう意味で、決まった時間にきちんと三食とることも重要です。ここでのポイントは、朝食をきちんと食べることで1日を活動的に過ごすこと、就寝2時間以上前に夕食をとっておくことです。そして、夕方以降はアルコールやニコチンをとることも控えましょう。最後に、部屋の照明や温度、湿度を管理して、睡眠環境を整えましょう。部屋の温度は16~26度くらいに設定します。暑すぎても、冷えすぎても眠りは阻害されてしまうので注意してくださいね。認知症になった場合、どんな睡眠の悩みを解消する方法があるのか?認知症になると、まずは脳の記憶を管理する部分が障害にさらされるといわれています。その後、さまざまな派生の仕方をし、睡眠と覚醒のリズムが狂うこともあります。不眠症を併発したり、昼夜逆転を引き起こしたりすることがあるのはそのためです。また重度の認知症の場合は、わずか1時間すら連続で眠っていられないこともあるようです。このような認知症の方の場合、介護者の睡眠時間もばらばらになり負担が増加してしまうという問題もあります。このような認知症の症状にも、上記の「認知症予防につながる睡眠の取り方」が有効です。認知症予防につながるような睡眠の取り方は健康にも効果的。心身ともに元気に活動できるように、睡眠を上手に活用してくださいね。Photo by Alba García Aguado
2014年10月31日近年、医学的にも効果が高いと認められてきた、認知症・アルツハイマー病患者への音楽療法。本年度サンダンス国際映画祭ドキュメンタリー部門で「観客賞」を受賞し、全米でも多くの関心を集めた認知症の音楽療法に迫るドキュメンタリー『パーソナル・ソング』の予告編が到着した。かつてIT業界で働いていたソーシャルワーカー、ダン・コーエンは、あるとき、「患者がiPodで、自分の好きな歌(パーソナル・ソング)を聴けば、音楽の記憶とともに何かを思い出すのではないか」ということを思いつく。実験を始めてすぐ、その効果は現れた。長年認知症を患い、見舞いに来た娘の名前も思い出せずふさぎ込んでいる94歳の黒人男性・ヘンリー。だが、昔好きだったキャブ・キャロウェイの音楽を聴いた途端、突然スイッチが入ったように音楽に合わせ、陽気に歌い出したのだ…。現在、全米で500万人、日本でも高齢者の4人に1人、約400万人以上いるとされ、今後も爆発的に増え続けるといわれているアルツハイマー病を始めとする認知症患者たち。新薬の開発が続々と進められているが、いまだ特効薬と呼ばれるものはなく、先進国の間では深刻な社会問題となっている。本作は、ソーシャルワーカー、ダン・コーエンがiPodとヘッドホンを使い、認知症患者に思い入れのある曲を聴かせて、失われた記憶を呼び戻すという実験を3年に渡って追ったドキュメンタリー。制作時に、本編の一部映像をインターネットでアップしたところ、その驚きの映像が反響を呼び、1週間で700万回再生数を突破、CNNでも取り上げられるほど話題となった。米・映画批評サイト「RottenTomatoes」でも観客満足度が驚異の93%を記録。本作への関心の高さを伺わせている。予告編映像では、音楽を聴いた患者たちが、音楽の素晴らしさや仕事のこと、家族のことを次々に語り出すなど、饒舌になり、笑顔になり、手足を動かしたり、踊り出したり、1曲の音楽が持つ力を次々と映し出していく。「ある音楽を聴いた途端、自然と涙が溢れた経験はないか」と、「Don’t Worry, Be Happy」で知られるボブ・マクファーリンも映像の中で語りかける。1,000ドルの薬より、1曲の音楽を――。認知症に光を当てる、奇跡の瞬間をこの予告編から目撃してみて。『パーソナル・ソング』は12月よりシアターイメージフォーラムほか全国にて順次公開。(text:cinemacafe.net)
2014年10月30日(画像はプレスリリースより)「アロマで予防!認知症昼と夜のアロマシートつき」主婦の友社は、2014年8月28日、鳥取大学医学部浦上克哉教授の「アロマによる認知症予防について」の研究と認知症に関する様々な情報を紹介した「アロマで予防!認知症昼と夜のアロマシートつき」を8月22日(金)に発売したことを発表。付録として浦上教授が開発した、「アロマシート」の1日体験版がついている。嗅覚障害とアルツハイマー型認知症嗅覚障害には、においが届かない場合とにおいを受け取っても反応しない場合がある。さらに、直接においを受け取る嗅上皮の異常と受け取ったにおいの信号を脳に届ける中枢神経の異常、においを判別する脳の異常がある。高齢者で嗅覚がなくなる主な原因になっているのがアルツハイマー型認知症である。嗅覚とアルツハイマー型認知症平成22年の統計では認知症の有病者は439万人、その予備軍は380万人と厚生労働省は発表。アルツハイマー型認知症の予防法には確立したものはない。アルツハイマー型認知症になると嗅神経がダメージを受け、記憶障害が起こるといつ説がある。つまり、嗅覚の異常が記憶障害に先行。アロマセラピーアロマセラピーはアロマオイルをかぐことで、心身を回復する自然療法。浦上教授の実験によれば、アロマで嗅覚を働かせ、嗅神経を活性化させることで、脳の働きが活性化する。刺激に対してのなれを防ぐために昼と夜で香りを使い分けることが重要としている。【参考】・主婦の友社プレスリリース
2014年09月02日(画像はプレスリリースより)花粉症に効くアロマオイル(株)マインが展開する、国産のナチュラルコスメブランドの「ゼミド」は、これからの季節、花粉症に効く、オリジナルのブレンドアロマオイルの「ノーズレスト」を販売しています。ノーズレストは花粉症だけでなく、咳にも有効だということです。4種類の香りノーズレストには鼻づまりや、咳に効く「ユーカリ」だけでなく、頭をすっきりさせる「ペパーミント」、免疫力アップが期待できる「ティーツリー」、リラックス効果で知られる「ラベンダー」の4つの香りを配合しています。花粉症対策としてのアロマオイル最近では、花粉症対策としてアロマオイルを使用することが一般的に知られるようになりました。「ノーズレスト」以外にも、目がかゆいとき、鼻づまりを押さえるとき、頭が重いときなど用途にわけでアロマオイルを使い分けると有効なようです。また、使用方法もマスクに数滴たらす、お風呂に数滴入れるなどさまざまです。ゼミドではさまざまアロマオイルが販売されています。用途に合わせて、試してみるのもいいかもしれませんね。【参考サイト】▼美容Press▼国産ナチュラルコスメケアブランド ゼミド
2014年02月13日作業記憶や処理速度、知識などの「認知機能」は、年々積み重ねていく知識を除き、20歳をピークにして低下していく。厚生労働省の発表では、認知症を有する高齢者は2010年で226万人、2020年で325万人に達するという。そんな中、より効率的な認知症予防として、筋トレと有酸素運動が注目されている。○運動で血が巡り、脳のボリュームが増すそもそも筋トレや有酸素運動などという運動は、どう認知機能に影響を与えうるのか。東北大学災害科学国際研究所の野内類助教授によると、運動による心拍数増加によって全身への血流量が増えると、同時に脳への血流量も増加するという。その結果、神経細胞が活性化され、脳のボリュームが大きくなる。この脳の拡大が、認知機能の向上に関わっていると推測されている。では、筋トレや有酸素運動を組み合わせて行った場合、認知機能にどのような影響があるのか。東北大学とカーブスジャパンは、60歳以上の日本語を母語とする健康な男女64人を対象に研究を実施。運動は筋トレと有酸素運動を30秒間隔で繰り返すサーキットトレーニングを、1日30分、4週間続けて行った。○組み合わせることでより効率的に認知機能検査をサーキットトレーニングの介入前と介入後に2回実施し、その得点によって認知機能の変化を検証。その結果、介入群(サーキットトレーニングを実施した32人)は無介入群(サーキットトレーニングを実施しなかった32人)に比べて、処理速度やエピソード記憶、実行機能(行動や思考を制御し、実行する能力)により向上が見られたという。なお、無介入群でも向上している理由としては、被験者が検査に慣れてしまうという練習効果が関係していると考えられる。野内助教授は、筋トレや有酸素運動が認知機能に作用するメカニズムは同じといえるが、実際に影響を受ける神経細胞や脳の場所が異なるため、具体的な認知機能への影響もも変わってくると指摘している。筋トレの場合は処理速度や実行機能、有酸素運動の場合はエピソード記憶や実行機能の改善が促されるという。今回の研究では、この2つの運動を単独ではなく組み合わせて行うことで、より効率的な認知症予防が見込めることを示した。なお、今回は高齢者を対象に研究を行ったが、若年・中年層では高齢者以上の効果が期待できると野内助教授は推測している。
2013年10月24日病気やケガが原因で長期療養を余儀なくされたり、障害の状態になることによって暮らしや仕事が制限されたりすることがあります。そんなときに知っておくと便利なのが「障害年金」です。所定の障害状態・要件を満たしている場合に加入している公的年金から支給されるものですが、申請しなければ利用できない制度です。また、眼や耳、手足等に障害を負っている場合だけでなく、がんや糖尿病等の病気で長期療養が必要なときも対象になる可能性があるのがポイントです。これより、「どんな要件を満たせば障害年金がもらえるのか」「どれくらいの年金金額になるのか」「手続き上の注意点は何か」についてお話しします。1. 初診日の公的年金の種類等によって、もらえる年金が異なる障害年金は、病気やケガ等によって所定の障害状態になったときに、生活を支えるために作られた制度です。視覚障害や聴覚障害、肢体不自由だけでなく、がん、糖尿病、高血圧、呼吸器疾患、心疾患等の内部疾患により、仕事や日常生活が著しく制限を受ける状態になったとき等も対象になります。障害者手帳との連動性はなく、障害者手帳を持っていない人でも障害年金を受けることができます。対象となる病気・ケガはさまざまです。たとえば若年性認知症のひとつ、前頭・側頭型認知症(ピック病)にかかったAさん。会社員時代に発症・診断を受けたので、障害厚生年金(1級)と障害基礎年金(1級)を受給しています。大学時代のスキー事故が原因で障害状態になったBさんは障害基礎年金(2級)を、心臓にペースメーカーを入れている公務員のCさんは障害共済年金(3級)を受給しています。このように障害年金には「障害基礎年金」「障害厚生年金」「障害共済年金」があり、障害の原因となった病気で初めて病院を受診した日(初診日)に、どの年金制度の被保険者であったか等によって受給する障害年金の種類が異なります。また、それにより年金額を算出する計算式も異なります。原則として、国民年金の被保険者には「障害基礎年金」、厚生年金の被保険者には「障害厚生年金」、共済年金の被保険者には「障害共済年金」が支給されます。厚生年金・共済年金の被保険者は自動的に国民年金の被保険者にもなるため、障害等級が1級・2級であれば障害基礎年金もあわせて支給されます。2. 障害の程度によって等級が設定されている障害年金は「障害の程度」によって障害等級を決定します(表1)。<表1:遺族年金がもらえる障害等級の定義> ※公務員の場合は「障害一時金」。(資料)政府広報オンライン「お役立ち情報」より障害基礎年金の1年間の支給額(平成25年9月まで)は、1級983,100円、2級786,500円で、3級はありません。18歳到達年度の末日までの間にある子(または1級・2級の障害の状態にある20歳未満の子)がいる場合は、子1人につき一定額(子2人までは1人226,300円、3人目以降は1人75,400円)が加算されて支給されます。障害厚生年金は、厚生年金加入期間中の給料(正確には平成15年3月までは平均標準報酬月額、平成15年4月以後は平均標準報酬額)と加入期間で算出されます。老後の年金の「報酬比例の年金額」に相当しますが、加入期間が300月を満たさない場合でも300月として計算します。詳しい計算式は日本年金機構のホームページをご覧ください。障害厚生年金の1級は、報酬比例の年金額の1.25倍の年金額が支給されます。2級は報酬比例の年金額となります。1級と2級は障害厚生年金に加えて障害基礎年金が支給され、さらに65歳未満の配偶者がいる場合は226,300円(平成24年9月まで)の配偶者加給年金額が加算されます。障害厚生年金の3級に関しては報酬比例の年金額のみで、配偶者加給年金額はありません。ただし、589,900円が最低保証されています(平成24年9月まで)。障害手当金は、厚生年金に加入している間にある病気・ケガが初診日から5年以内に治り、3級の障害よりやや程度の軽い障害が残ったときに支給される一時金です。原則として障害厚生年金の年金額の計算式で得られた額の2年分の額がもらえます(平成25年9月までの最低保障1,179,800円)。障害共済年金は公務員を対象にしたものです。会社員の障害厚生年金に「職域加算」がさらに加えられた内容になっています(表2)。<表2:障害共済年金のしくみ>(資料:著者作成)3.請求する場合の注意点いずれの障害年金も初めて医師の診療を受けたときから、 1年6ヵ月経過したとき(1年6ヵ月以内に治った場合は治ったとき)に障害の状態にあるか、または65歳に達するまでの間に障害の状態となったときが「障害認定日」となります。具体的には、初めて医師の診療を受けた日から1年6ヵ月以内に、次の1~7に該当する日が「障害認定日」となります。人工透析療法を行っている場合は、透析を初めて受けた日から起算して3ヵ月を経過した日人工骨頭または人工関節を挿入置換した場合は、挿入置換した日心臓ペースメーカー、植え込み型除細動器(ICD)または人工弁を装着した場合は、装着した日人工肛門または新膀胱の造設、尿路変更術を施術した場合は、造設または手術を施した日切断または離断による肢体の障害は、原則として切断または離断による肢体の障害は、原則として切断または離断した日(障害手当金または旧法の場合は、創面が治癒した日)喉頭全摘出の場合は、全摘出した日在宅酸素療法を行っている場合は、在宅酸素療法を開始した日心臓ペースメーカーや人工肛門等は、装着した日が認定日になります。そこから3ヵ月以内に作成された医師の診断書等を用意して、初診日に加入していた公的年金の窓口で手続きしてください。障害年金には受給要件を満たしているかどうかの審査があるので、請求すれば誰でももらえるものではありません。ただ、私の知り合いの受給者の方々は「教えてもらうまで、もらえると思っていなかった」「元気なうちに障害年金のことを知っておけば、もっと早くからもらえたのに」と、口をそろえて言います。細かなことまで覚えておく必要はありません。長期療養を余儀なくされたときや障害が残ると医師に言われたときに、障害年金のことを思い出せれば十分です。このような知識を持つことで、いざというときのお金の心配を軽減することができますよ。コラム監修者プロフィール 柳澤 美由紀(やなぎさわ みゆき)CFP(R)/1級ファイナンシャルプランニング技能士関西大学社会学部卒。大学時代に心理学を学び、リクルートグループに入社。求人広告制作業務に携わった後、1997年ファイナンシャルプランナー(FP)に転身する。相談件数は800件以上。家計の見直し、保険相談、資産づくり(お金を増やす仕組みづくり)が得意で、ライフプランシミュレーションや実行支援も行っている。家計アイデア工房 代表※この記載内容は、当社とは直接関係のない独立したファイナンシャルプランナーの見解です。※掲載されている情報は、最新の商品・法律・税制等とは異なる場合がありますのでご注意ください。
2013年05月16日エス・エム・エスが運営するケアマネジャー向けコミュニティサービス「ケアマネドットコム」はこのほど、「認知症介護の実態と認知症治療薬の認知度」についての調査結果を発表した。同調査は8月31日~9月7日まで同サイトにてインターネットアンケートとして行われ、ケアマネジャー資格保有者500人から回答を得た。まず「認知症介護について家族から相談を受ける内容」について聞いたところ、ケアマネジャーの85%が「服薬」をあげた。以下「入浴」が69%、「着衣」が47%、「食事の準備」が45%と続いた。次に「薬剤の説明ができる知識があるか」を聞いたところ、ケアマネジャーの50%は、代表的な薬剤であるアリセプトについて「説明できる知識がある」と答えた。その一方で、新薬であるイクセロンパッチなどのパッチ剤について十分な知識を保有しているケアマネジャーは15%程度だった。「各認知症薬剤を担当利用者や家族に情報提供しているか」との問いには、77%のケアマネジャーが「家族に対してアリセプトについての情報提供を行った」と回答した。一方、アリセプト以外の認知症治療薬の情報提供をしたことがないと答えた人は約60%にのぼった。今回の結果について、認知症専門医であり、医療法人社団翠会和光病院院長兼日本社会事業大学大学院特任教授の今井幸充氏は、「それぞれの認知症治療薬の効果の出方や副作用は異なるので、仮にある薬剤での効果が薄い場合や副作用が出てしまった場合でもあきらめずに他の薬剤をいろいろ試すことが重要」と解説している。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年11月20日人工心臓弁、血行動態モニタリング技術等を手掛けるエドワーズライフサイエンスは26日、「心臓弁膜症に関する意識調査」の調査結果を発表した。この調査は、毎年9月29日に行われる心血管病予防キャンペーン「世界ハートの日」に向けた、一般の人向けの認知度調査。全国40歳以上の男女を対象に、40代はインターネット、その他は電話で8月1日から5日まで実施され、合計1,000名から回答を得た。「心臓弁膜症の認知度」を聞いたところ、「名前程度は知っている」「詳しく知っている」を合わせ、約80%の人が知っていた。年代別では、50代以降に比べ、40代の認知度が低いことが明らかになった。心臓弁膜症とは、心臓の弁の働きが悪くなり、血液の流れが滞ったり、逆流したりする病気。心臓に負担がかかり、息切れやめまい、胸が痛くなるなどの症状のほか、ひどい場合は失神、心不全などを引き起こし死に至ることもある。自然に治ることはなく、重症になると手術が必要となる。「心臓弁膜症は、本人に自覚症状がないまま悪化することがあると知っているか」との問いに「知っている」と答えた人は30%だった。この結果について、イムス葛飾ハートセンター院長の田鎖治医師(心臓血管外科)は、「心臓は筋肉でできているので、多少の負担がかかっても耐える能力があります。しかし、気づかずに放置してしまうと、かかり続けた負担で筋肉が弱り、手術で心臓弁を取り換えても元に戻らなくなってしまうこともあります」と解説している。「心臓弁膜症を身近な病気だと感じるか」との問いには、「身近だとは思えない」との回答が57%を占めた。また、「心臓弁膜症の原因」についての質問では、「生まれつきかかりやすい人がいると思う」が55%を超えた。一方で「高齢による動脈硬化に関連したものだと思う」との回答は25.5%に止まった。田鎖医師は「日本における心臓弁膜症の推定患者数は200~300万人とも言われています。最近の心臓弁膜症の主な原因は動脈硬化。長生きすれば誰もがかかりうる病気です」と解説している。「家族や友人などに自覚症状がある場合、医師への相談を勧めるか」との質問には、70%が「勧める」と回答した。一方で「自分に自覚症状がある場合、医師に相談に行くか」との質問に「行く」と答えた人は14%に止まった。アンケートの詳細報告と解説は「ニュースリリースのページ」で閲覧できる。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年10月01日レディー・ガガが、フルヌード写真を公開し、それに続いて過食症と拒食症の過去を告白するために下着姿の写真も披露した。先日来、激太りしたと報道されているガガだが、今回まず、手にタバコを持って足を組みつつも全裸でトイレに座った姿を自身のウェブサイト「littlemonsters.com」に公開している。写真集「レディー・ガガ×テリー・リチャードソン」でタッグを組んだテリーが撮影したものだそうで、写真と共に「レディー・ガガ、無修正#2」という意味深なキャプションを載せている。最近25ポンド(約11キロ)太ったと語っているガガは、続いて同サイトに激太りへの批判に反論する形で、下着姿の写真も公開。「私は15歳のときから過食症と拒食症に同時に苦しんでいるの」と綴っている。また、フランスで同性婚が合法化される見通しとの報道を受け、自身も同性婚を支持するとガガは訴えている。「同性婚は普通にありえることだと思うの。だから認められるべきよ。なかなか平等っていうわけにはいかないけど、でも、もし私たち全員が自由に愛し合うことが可能になれば、平等が達成されると思うわ」。さらに、ローマ教皇ベネディクト16世が同性婚のことを欠陥があり社会にとって悪影響があると批判したことに対しては、クリスチャンではない視点からガガは「教皇の発言は全クリスチャンが信じていることと同じではないと思うわ。教皇本人だけの見解よ」と批判している。(text:cinemacafe.net)■関連作品:マチェーテ・キルズ 2014年3月1日より新宿バルト新宿バルト9ほか全国にて公開(C) 2012 Vrelonovama LTD
2012年09月27日オンラインゲームを開発・運営するシグナルトークは、認知症を自宅でチェック・管理できるWEBサービス「脳測(のうそく)」を7月12日より開始した。サービス開始に先立ち、7月11日、同社の栢孝文代表取締役と開発に協力したレデックス認知研究所の五藤博義所長による発表会が行われた。それによると、日本人の50人に1人が認知症を患っているという現代において、認知症は早期発見と早期治療が大切だが、自分がどの程度認知症の可能性があるのかを定期的に検査するのは、時間や費用の面でも難しい。こうした状況に対し、「脳測」は認知機能を家庭で簡単に数値化できるため、認知機能低下の早期発見を促すことができるという。脳測は「注意力」「エピソード記憶」「遂行機能」「ワーキングメモリー(作業記憶)」に対応した4つのテストを通して、認知機能をスコア化するというもの。1回のテストは15分程度で、テストの結果は随時蓄積されるため、認知機能の推移を確認することもできる。テストは医学的な知見や研究に基づいて構成されており、認知機能障害を測定するために医療機関が行っているMMSE(認知機能検査)の結果との相関性が実証されている。あくまでも認知症は医師だけができることであり、脳測は数値が悪い、もしくは低下が見られた場合に、医療機関を受診して治療を行うためのきっかけ作りを目指している。開発に携わった五藤博義所長は、「認知機能は推移を知ることが必要であり、自宅というストレスのない環境で定期的にチェックが受けられることが脳測の大きいメリット。MMSEを受ける人はすでに認知症を患っている人が大多数だが、発症する前の40代、50代から週1~月1回程度チェックしておくことが認知症予防や進行の緩和につながる」とコメントした。脳測は1カ月1,050円で、1つのアカウントで最大5名まで情報を管理できる。2012年8月15日までは無料でサービスが利用できるので、まずは現在の認知機能をチェックしてみるのはいかがだろうか。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年07月14日メドピアは、同社が運営する医師コミュニティサイト「MedPeer」で「認知症患者の運転」に関する調査を実施した。調査期間は4月27日~5月3日、2,580件の回答を得た。「認知症患者の運転に対してどのように対応しているか」という質問に対して、39%の医師が「運転を禁止する」と回答。「運転しないよう強く指導する」という意見もあるが、「最終判断は本人、家族に委ねている」というコメントが目立つ。「医師が運転禁止を勧告しても何ら法的に拘束がない」という歯がゆさがあるようだ。「認知症のランクに応じて禁止する」は26%、「説明のみ行う」は16%。過疎地など、車を運転しないと、仕事や日常的な買い物などができないことを問題視する意見も多い。高齢化に伴い、定期的な運転適性検査、代替となる交通手段の整備など、行政の役割が強く求められている。なお、認知症のほかに危険運転につながる症状を起こす病気としては、てんかん、低血糖、統合失調症などが挙げられた。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年06月22日ブライトライト専門店は、認知症の昼夜逆転や、夜間せん妄の改善に効果がある光療法を医療・介護分野へ周知・導入させるため、さまざまな学会や大会で積極的に展示活動を行っている。同社によると、光療法は強い光を照射して昼夜のメリハリをつけ夜に睡眠を集中させることで心身を安定させ、からだ全体の生体リズムを整える自然療法という。認知症そのものを治すことはできなくても、睡眠と覚醒のリズムを正常化することにより、夜間せん妄や異常行動を改善。本人と介護者の心身の負担が大幅に改善されることが報告されているとのこと。しかしこの光療法は、医療・介護の分野では十分に周知されていないという。実際に光療法を取り入れている医療・介護施設は極めて少なく、また、光療法について触れている介護関連の書籍も、ほぼ出版されていない状況とのこと。そこで同社は、認知症に関連する学会や大会で積極的に展示し、周知する努力を行っている。また、介護施設向けに、光療法を導入する指導書を作成。この指導書は同社サイトから誰でもダウンロードできる。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年06月14日東京都福祉保健局は12月初旬、65歳未満で発症する若年性認知症のハンドブックを作成、Webで無償公開した。若年性認知症で早期に現れる特徴などの基礎知識、医療機関を受診する際のポイントのほか、家族が相談できる窓口、各制度の問い合わせ先などを紹介・掲載している。早期に発見し、適切な支援に繋げるのが目的65歳未満で発症する「若年性認知症」の人は、働き盛りの時期と重なるため、最初に職場において異変に気がつくことも多く、職場内での正しい理解と支援が必要とされている。そこで都は、産業医及び企業団体の人事・労務担当者等を対象に、職場内で若年性認知症の人を早期に発見し、適切な支援に繋げることを目的に、同書を作成したという。早期発見・診断と早期治療の重要性を説明し、就労時から利用できる制度の紹介のほか、企業と産業医の連携による支援が行われた事例と行われなかった事例も取り上げている。また、退職後に利用できる制度、相談窓口、各制度の問い合わせ先などの情報のほか、介護保険制度の各サービスの特徴や負担割合も一覧表で示されている。(全60ページ、PDF形式)
2010年12月13日支払いの詳細発表住友生命が平成22年度第1四半期の「保険金等のお支払件数、お支払非該当件数およびその内訳」を公表した。これは本年4月~6月にかけての結果を公開したもので、具体的な支払い事例・支払い非該当事例の説明がなされている。※画像はイメージ非該当は約1万1千件まず住友生命によるこの期間の保険金・給付金の支払合計件数は28万6,961件。対して免責や告知義務違反などを含めた、合計の支払非該当件数は1万1,144件となった。免責などを含めない「支払事由に非該当」の項目は合計1万0,671件。「支払事由に非該当」で大半を占めたのは「手術給付金」の項目で、9,310件と他の事由を圧倒した。また免責事由に該当が全体で250件、告知義務違反が220件などとなった。支払い具体例具体的な支払い事例では、アルツハイマー型の認知症に伴い、高度障害保険金の請求をした顧客が、住友生命の定めた状態に該当したため保険金を受け取れたこと。また急性胃腸炎による脱水症で入院した顧客が、特約を付けていたために、入院給付金に加えて、入院保障充実給付金も受け取ることが出来たことなどを挙げる。非該当の具体例対して支払非該当事例では、自宅の浴槽で亡くなった顧客について、溺死による災害保険金の請求があったものの、事実確認をしたところ心臓麻痺であったことが判明。保険金は支払われなかった。また、皮膚の炎症性病変によって皮膚切開術を受けた顧客が、特約による手術給付金を求めたが、約款上支払いの対象となっていなかったため支払われなかった、などの例を挙げた。全体を通して発表は具体的であり、分かりやすく作ろうという姿勢が伝わってくるものであった。。
2010年11月08日