やiDeCo、普通預金・投資信託・外貨建て生命保険・株など、様々な資産運用の方法がありすぎてどれから手を付けて良いかわからない、といった声をよく耳にします。そこで本記事では、資産運用のリスクや注意点などの初歩的な解説から始め、1000万円を運用する場合の就業スタイル別(会社員・自営業など)おすすめ運用方法について紹介したいと思います。そもそも資産運用とは?リスクと注意点についていざ資産運用を始めよう!と思い立っても、どういう基準で何を選んだらよいのか等、何からスタートすれば良いか目安がないと困ってしまいます。ここでは、資産運用を実際に始めようとした際に知っておいて損はない初歩的な内容から、運用の注意点なども交えて解説していきたいと思います。資産運用のポイント①:資産運用って何?資金と資産の違いは?資産運用という言葉は一般的に使われるようになってきましたが、よくよく考えてみると「資産」とは何を指すのでしょうか。「資産」に似ている言葉に「資金」というものがあります。「資産」とは、お金だけでなく不動産や金など、換金性のあるものの総称です。「資金」とは、資産の中の現金部分のみを指している言葉です。つまり「資産運用」とは、現金のやりとりだけで利益を生み出すのではなく、不動産や金などの換金性のあるモノのやりとりも含めた総称的な運用のことを指します。資産運用のポイント②:余裕を持った資金計画がリスクを遠ざける資産運用をスタートする際に必要なのは「余裕を持った資金計画」です。資産運用を始める際、特に初心者の方は「大きな損害が出てしまったらどうしよう」と考える方が多くいらっしゃいます。これは当然の心理と言えます。なぜなら、資産運用だけではなく新しいことをスタートする時は、知らない事ばかりですから怖いに決まっています。この「怖い」という心理を少しでも軽くするためには以下の点を心がけましょう。余裕資金で運用をスタートすること(当面使わなくても生活に困らない資金を運用に充てる)長期運用を心がけ時間の余裕を持つこと(短期的に利益が出なくてもすぐ手放さない)この2つの余裕を持つことで、急な値下がりにも慌てずに長期的な目で運用を考えることができますし、そもそも余裕資金で運用をスタートすることで、万が一損失が出てしまった場合でも生活に与える影響はほぼないと考えられます。資産運用のポイント③:分散投資で賢い運用をしよう1000万円を運用するとして、一つの金融商品に全て使ってしまうと、利益が出た際には良いですが、損失が出た場合には一気に全てを失ってしまうことになりかねません。ではどうすれば良いかというと「分散投資」の考え方が必要です。分散投資とは、運用時期や手法、銘柄を変えて様々なリスクを分散するために行う投資方法です。通常、国内債券は大幅な値上がりは期待できませんが元本保証されており、安定して長期的に増やして保有できるという特性があります。一方、海外債券の場合はその国の情勢などにより価格が左右されますが、国内債券よりは大きな運用益が期待できます。その反面、損失が大きくなるリスクと隣り合わせです。このような商品特性の違いから、それぞれを一点買いするのではなく例えば500万円ずつ購入しておくと、海外債券が大暴落して500万円の全額を損してしまったとしても、国内債券は当初の500万円から少し利益が出ている状態だとすると500万円+αは守られていることになります。一方、1000万円全てを海外債券に費やしていた場合、大きな損害が出ることは免れません。資産運用のポイントまとめ「資産運用」とは、不動産や金などの換金性のあるモノのやりとりも含めた総称的な運用のことを指す余裕を持った資金計画がリスクを遠ざける分散投資で賢い運用をしようリスクを抑えた投資先の選び方資産運用は「期間」と「目的」を定めてスタートすると良いでしょう。教育資金を目標として10年間で少しでも着実に増やして運用したい人と、老後資金に備えるために運用したい人では、当然投資先を選ぶ手段は違ってきます。ここからは、その選択方法の目安となるポイントについて解説していきます。72の法則を知れば必要な利回りがわかる「72の法則」と呼ばれる公式は、預けたお金が2倍になるまでにかかる年数を簡単に知ることができるものです。72÷預金金利(%)=2倍になるだいたいの年数(目安)例えば一般的な定期預金金利が0.01%とすると、「72÷0.01=7,200」。つまり、0.01%の金融商品で預けたお金が2倍になるまで運用しようとすると、7200年かかるということです。これを利用することで、運用期間から逆算して必要な金利を知ることもできます。例えば30年後に資金を2倍にしたい、と考えた場合、「72÷X=30X=72÷30X=2.4」。つまり、金利2.4%の金融商品を選べば運用資金が30年後に2倍になる見込みであると解ります。流動性資金として引き出し可能な運用もしておこう資産運用をスタートする際、余裕資金で始めるのは当然ですが、それでも万が一やむを得ない事情でまとまった資金が必要になる場合もあるかもしれません。そのような事態に備えて「途中解約が可能かどうか」「解約しなくても利用できる制度があるかどうか」は、投資先を選ぶ際に確認しておいた方が良いでしょう。また、1000万円のうち800万円は絶対に解約や途中引き出し不可の投資先を選んでおき、残りの200万円は流動性資金としても使用できる投資先に分けておくことも賢い運用方法だと言えます。途中解約(引き出し)不可の商品の一例としては、iDeCo・円定期預金や外貨定期預金などがあります。[adsense_middle]就業スタイル別・おすすめの1000万円運用方法はコレ!ここから実際に就業スタイル別の1000万円運用方法を具体的に解説していきます。会社員の方:定年時期をゴールに据えて在職中に運用していく方法をご紹介自営業の方:老後資金が国民年金だけでは不安であるという声が多いことから、主に老後資金を増やすことを目標に運用していく方法をご紹介会社員の方向けにおすすめの1000万円運用方法会社員の方は、ご自身のお勤め先の定年が何歳であるかハッキリしています。これまでにも解説してきたように、資産運用では期間を定めることがポイントですので、一旦その定年までをゴールに据えて資産運用を始めてみませんか。そこで、以下のような運用方法をおすすめします。つみたてNISA(最長20年)iDeCo(60歳まで途中解約不可)株式投資(株主優待も楽しみながら経済の勉強もできる)J-REIT(国内不動産投資信託のこと。現物不動産購入ではなく、不動産に対して投資をする。)財形貯蓄や社内預金などの福利厚生のメリットは最大限に生かす(会社員の特権)定年をゴールに在職中に少しでも増やしておこう株式投資やJ-REITは多少のリスクはありますが、会社員の方のように毎月の収入が安定している方はチャレンジする価値のある投資先であると言えます。財形貯蓄や社内預金は給与天引きで自動的に貯金されていくシステムで、これは勤務先の所定の利率によりますが、銀行の普通預金や定期預金に預けておくくらいなら、こちらを利用するべきです。こちらは流動性資金の側面もありますので、万が一必要になった際は取り崩しも可能です。つみたてNISAで税制面のメリットを受けつつ、安定して増やすことを目標に運用する方法も併用すると良いでしょう。また、iDeCoは途中解約不可である老後資金対策の資産運用ですが、これは一年でも早くスタートしておくのが良いでしょう。自営業者の方向けにおすすめの1000万円運用方法自営業者の方は、老後資金が国民年金のみである為、いわゆる「老齢年金の二階部分」がありません。つまり、会社員の方の老後資金よりも少ない年金受給額であるということになります。なおかつ定年退職という概念がありませんので、勇退時期はご自身で決めることになります。自営業者の方におすすめの運用方法は以下の通りです。つみたてNISA(最長20年)iDeCo(60歳まで途中解約不可)外貨建て終身保険(万が一の際は遺族保障にもなり知識がなくても保険会社が外貨運用してくれる)国債(爆発的な値上がりは期待できないが元本保証があり安心)金投資または金の現物購入(金の価値は万国共通で高く安定している。日本だけの貨幣価値に左右されにくい)元本割れリスクを抑えて安全に老後資金を増やそう自営業者の方は、遺族保障についてや元本割れリスクをなるべく抑えた方法で手堅く運用していくのが最適ではないでしょうか。当初余裕資金にて資産運用を始めたとしても、万が一ご自身の病気により働けなくなってしまった場合の休業補償などもご自身で捻出しなければなりません。つみたてNISAを流動性資金と考えて税制面のメリットも受けつつ、万が一の際にすぐ動かせる資金として運用していくと良いでしょう。また、老後資金としてはiDeCoにて手堅く備えておきましょう。外貨建て終身保険は、万が一の際は遺族に遺す保障にもなります。また資産運用という点でいうと、保険会社が安全に外貨にて運用して増やしてくれますので、運用の知識がなくても加入さえしていれば安心です。また、これは生命保険ですので、確定申告の際に生命保険料控除が使えるところもメリットと言えます。国債と金投資に関しては、元本割れリスクは少ない反面、大幅に利益が出るものでもありません。安定的かつ長期的に少しずつ増やしていくイメージです。1000万円で資産運用する方法に関するまとめ資産運用というと難しいイメージを持っている方が多くいらっしゃいます。しかし本記事で解説したように、いくつかのポイントを抑え、タイプ別のおすすめ資産運用法を知ることで、安心して安全に運用していくことができます。必ず余裕資金でスタートし、短期的に利益を生もうとするのではなく長期運用と分散投資を心がけましょう。そうすることで極力リスクを排除できます。さらに会社員か自営業かによって運用方法と目的が変わってきますが、いずれの場合もiDeCoやつみたてNISAといった、長期運用かつ税制面のメリットが大きい制度については積極的に取り入れて欲しいと思います。
2019年06月14日「貯金などである程度を資金が貯まったので、100万円ほど資産運用をしたい」という場合、どのような商品で運用を行えばいいのでしょうか。資産運用の目的は、自分の資産を使って効率よくお金を増やすことです。現在の銀行預金の金利は0.001%、定期預金でも0.01%程度です。預金していてもお金はほとんど増えません。資産を増やすためには投資を行う必要があります。今回は、初心者が100万円で資産運用する際におすすめの方法をまとめてみました。初心者はリスクが低い金融商品で資産運用を始めるGPIF国内債券と外国債券を合わせて50%、国内株と外国株式を合わせて50%とバランスよくポートフォリオを組んでいるのがわかります。このように幅広く分散投資していれば、株式が下落しても債券が値上がりするなどして損失をカバーしてくれるので、リスクを抑えた運用が可能です。[adsense_middle]バランス型ファンドとは投資信託にはさまざまな種類がありますが、初心者がGPIFと同じように簡単に分散投資できるのが「バランス型ファンド」です。バランス型ファンドとは、株式だけとか債券だけとか一つの資産に偏るのではなく、国内外の資産に幅広く分散投資するファンドのこと。一般的には、次の4つの投資先を組み合わせます。日本株式日本国内の株式が対象。世界株式世界各国の株式を組み入れます。米国や欧州など先進国がメインですが、新興国に投資するファンドもあります。日本債券日本の国債です。安全度は一番高いものの、金利はほとんどつきません。世界債券米国債など先進国の債券を中心に、新興国の債券を組み入れるファンドもあります。一般的に新興国の方が金利が高くなります。バランス型ファンドにおけるリスクとリターンの関係リスクとリターンの関係は次の通りです。セゾン投信世界有数の資産運用会社であるバンガード社のインデックス(日経平均株価やNYダウなどの指数)ファンドを通じて、世界の株式や債券に分散投資をする投資信託です。株式と債券の比率は半分ずつ、このファンド一本で世界30カ国以上の株式と10カ国以上の債券に分散投資することができます。信託報酬は年率0.6%。信託報酬とは、投資信託を管理・運用してもらうためのコストで、保有している間かかる費用です。たとえば、100万円投資していた場合、毎年6,000円の信託報酬がかかります。設定来(2007年)の騰落率は+49.14%。年換算収益率は+3.37%です。セゾン投信eMAXIS Slim バランス(8資産均等型)基準価額10,536円純資産25,441百万円信託報酬0.1512%運用会社三菱UFJ国際投信ネット証券最大手のSBI証券で一番人気があるバランス型ファンドです。三菱UFJ国際投信株式会社日本を含む世界各国の株式や債券、リート(不動産投資信託)に幅広く分散投資します。各資産の割合を常に12.5%にキープするようにリバランス(銘柄の入れ替え)を行ってくれるので、運用を任せることができます。三菱UFJ国際投信100万円で始める資産運用に関するまとめ100万円はある程度まとまった金額なので様々な金融商品に投資できますが、初心者の資産運用はプロに任せた方が安心です。投資の知識が不要で、頻繁に値段をチェックする必要がないからです。たとえば個別株に投資をすると、「どの銘柄を買うか」、「いくらで買って利食いや損切りはどうするか」などを事前に決めて、株価を常にチェックしなければなりません。手間や時間がかかりますし、仕事にも支障をきたす可能性があります。ですから、保険会社に任せる「貯蓄型保険」か、運用会社に任せる「投資信託」から資産運用を始めるようにしましょう。リスクやリターンは貯蓄型保険よりもバランス型ファンドの方が大きくなります。自分のリスク許容度に合わせて投資対象を選ぶようにしてください。
2019年06月10日スマートフォンの普及により、資産運用もスキマ時間で簡単にできるようになりました。今では、投資専用のアプリがたくさんあります。この記事では投資初心者のために、資産運用アプリのメリット・デメリットをお伝えした上で、資産運用の情報収集から実際に取引できる便利なスマホアプリをご紹介します。ぜひ自分の投資スタイルにあったアプリを入れて試してみて下さい。資産運用アプリのメリット・デメリットアップルストア日本証券業協会が発行する資産運用に関する冊子を、最後まで無料で読めます。株式や債券・投資信託などの各金融商品の特徴から情報収集の仕方まで、基礎からわかりやすく学ぶことができます。グーグルプレイくらしに役立つマネークイズアップルストアFP資格の認定や金融知識向上のため、30年以上に渡り広報・教育活動を行っているFP協会ならではのマネークイズです。ライフプラン、貯蓄・投資、税・社会保障、リスク・保険、消費生活・契約など、個人のお金に関する知識が網羅されています。グーグルプレイ情報収集を行うのに役立つおすすめアプリ2選ヤフーファイナンスアップルストアヤフーファイナンスは、資産運用に役立つ情報から銘柄の管理までできる日本最大級のアプリです。プッシュ通知があるので、株価や為替のレートが変動したり、マーケットに影響を及ぼすニュースがでたりした時は、通知で知らせてくれます。また、ポートフォリオ機能がついているので、気になる銘柄の推移をまとめて見ることができます。株価だけでなく、株主優待、経済指標、投資関連ニュースなど幅広い情報を得ることができるので、非常に優れたアプリです。グーグルプレイモーニングスターモーニングスター株や為替だけでなく、投資信託のデータも確認することができます。会員登録して「ポートフォリオ」機能を使うと、購入した株式や投資信託の損益管理ができます。また、「ウォッチリスト」では、素早く価格を確認することができます。投資信託や株式のランキングの他、アナリストのレポートもスマホアプリで読むことができるので、非常に便利です。グーグルプレイロボアドバイザー(AI投資)でおすすめのアプリ2選アップルストアネット証券最大手SBI証券のスマホアプリは、株式投資に最適なアプリです。即座に発注できるので、短期で取引する方にとっても便利です。中長期の投資家にとっても決算や適時開示、速報ニュースなど情報や銘柄分析機能が充実しています。銘柄の検索から情報収集、売買まですべて行うことができます。ただし、投資信託はスマホアプリで購入できないので注意しましょう。グーグルプレイ楽天証券株アプリアップルストアPC版で評価が高い「マーケットスピード」のスマホアプリ「iSpeed」です。iSpeedは、テクニカルチャートやニュースなどが充実しています。特に、楽天証券で口座開設をして、いくつかの条件を満たせば(過去3ヵ月の取引実績や預かり残高30万円以上、信用やFX口座の開設など)、「日経」も無料で読むことができます。注文も3タップでシンプルにだすことができます。カラーやメニューも自由に組み合わせることができるので、好みの画面で取引や情報収集ができます。グーグルプレイ株式を少額から購入できるアプリOne Tap BUY(ワンタップバイ)ワンタップバイは、スマホ専門の証券会社です。株数単位ではなく、金額単位で取引することができます。しかも、わずか1,000円から米国株、米国ETF,日本株を取引きすることができます。売買できる銘柄を厳選しているのも特徴です。米国株では、アップルやアマゾンなど世界的に有名で日本人にも馴染みのある優良企業。日本株では、我が国を代表する企業のうち、若い世代にも身近であることに加え、業績の安定性を重視しています。若い世代を意識してスマホアプリをより見やすく、より使いやすくしています。ワンタップバイ利用者の約7割が投資未経験者なので、初めての方でも安心して取引できるような仕組みになっています。ただ、米国株と日本株は別々のアプリになっているので注意しましょう。米国株ワンタップバイグーグルプレイ日本株ワンタップバイグーグルプレイ投資信託を選ぶのに役立つアプリanswerAnswerは、国内の投資信託の中から最適な銘柄を見つけてくれるスマホアプリです。国内の公募私募投信6,149銘柄、販売金融機関450社に対応しているので、主要な銘柄および販売会社をほぼカバーしています。金融工学に基づいて利用者のリスク許容度を分析し、シミュレーションと投資目標を達成するための銘柄抽出を、スマホアプリでわかりやすく行うことができます。グーグルプレイ資産運用アプリまとめ今回は、初心者から上級者までの投資ライフをサポートするスマホアプリをご紹介しました。スマホが現在の生活に欠かせないように、投資もスマホアプリが必須の時代となっています。情報収集から発注まで全てアプリで行うことができます。口座開設やアプリのインストールは無料なので、いろいろ試してみることをおすすめします。この記事が、自分にあった資産運用アプリを見つけるきっかけになれば幸いです。
2019年04月10日将来に備えて資産運用を始めたいけど、種類が多くて迷っている初心者の方も多いと思います。そこで、「なるべくリスクをおさえたい」「少額から始めたい」「簡単にはじめられる」といったニーズに答えられるようなおすすめの資産運用方法を3つご案内します。資産運用はなぜ必要?金融庁なお、金融庁が厳選した投資信託とはいえ、元本が保証されているわけではありません。その点は注意しておきましょう。つみたてNISAまとめ最低投資額:100円期待利回り:2%~5%以上特徴:年間40万円までの投資額に対する運用益が非課税「銘柄を選択するのは大変」「忙しくて時間がない」という方は、すべておまかせで資産運用できるロボアドバイザーがおすすめです。ロボアドバイザーなら手間をかけずに資産運用できるロボアドバイザーをおすすめしたい人最新の投資手法を試したい手間や時間をかけたくない資産運用がはじめてロボアドバイザーとは、コンピューターのプログラム(AI)が最適な投資信託を診断し、資産運用のアドバイスや運用を自動で行ってくれるサービスです。年収や年齢など、簡単な質問に答えるだけでリスクとリターンを判定し、最適な銘柄の選択から購入まですべて行ってくれます。手間や時間をかけたくない方にピッタリの仕組みです。ロボアドバイザーで最も人気のあるサービスをご案内します。ウェルスナビウェルスナビは預かり資産が1300億円を超えていて、ロボアドバイザーで一番人気があります。投資対象は海外のETF(上場投資信託)。ETFとは、取引所に上場している投資信託です。自分で銘柄を決める必要はなく、最新の金融工学に基づいて最適な投資をしてくれるので、初心者でも簡単に資産運用を始めることができます。最低投資金額は10万円と、通常の投資信託と比べると少し多めですが、世界中の金融商品に分散投資することができます。ただ、ロボアドバイザーも分散投資でリスクを軽減させることができますが、元本保証ではないので気をつけましょう。短期的な値動きではなく、長期的な視点で考えることが大切です。最低投資金額:10万円期待利回り:2~10%特徴:簡単な質問に答えるとすべて自動で運用してくれる初心者におすすめの資産運用まとめこの記事では、初心者におすすめの資産運用について説明してきました。今回ご案内した金融商品(制度)の比較表は以下のようになります。投資信託つみたてNISAロボアド最低投資金額100円100円10万円期待利回り2~5%2~5%2~10%購入手数料0~3%ノーロード(なし)なし運用手数料(信託報酬)0.2~2%0.2~1%1%銘柄数約6,000銘柄約160銘柄10~30銘柄税金課税非課税(上限年間40万円)課税初心者の方には「投資信託」での運用がおすすめですが、まずは非課税枠が使える「つみたてNISA」から始めるようにしましょう。非課税枠は使えませんが、運用の手間を省きたい方には「ロボアドバイザー」に全ておまかせするのもいいでしょう。難しいイメージのある資産運用ですが、簡単に始められるサービスが増えています。まずは少額からでいいので、資産運用を始めてみてはいかがでしょうか。
2019年04月04日投資初心者の方は、「資産運用を始めたいけど、どうすればいいのだろう」「少額から気軽にできる方法はないの? 」といった疑問があると思います。投資や資産運用というと怖いイメージもあります。そこで、初心者が気軽に少額から始められるおすすめの方法を3つご紹介します。まずは、資産運用の定義から確認していきましょう。資産運用の方法は2種類金融庁つみたてNISAの対象は投資信託です。金融庁が「長期・積立・分散」に適した約160本の投資信託を厳選しています。年間40万円までの投資金額に対して値上がり益や分配金に税金がかかりません。そして、非課税期間は20年なので、最大800万円分(40万円×20年)の非課税投資枠となります(下図)。金融庁毎年40万円が上限なので、毎月約33,000円まで積立投資をすることができます。約33,000円まではつみたてNISAで、上限を超える分は通常の投資信託で積立投資を行っていくことで、効率的な資産運用を行うことができます。3. 簡単にできる資産運用はロボアドバイザー(ロボアド)しかし、積立投資もつみたてNISAも銘柄を自分で選ぶ必要があります。「銘柄選びから資産配分まで、すべて自動でできるサービスはないだろうか? 」というニーズを満たすのが、ロボアドバイザー(ロボアド)です。ロボアドはいくつかの簡単な質問(収入や年齢など)に答えるだけで、最適な資産配分(ポートフォリオ)を決定してくれて、商品の購入から調整(リバランス)までおまかせで運用することができます。多くのサービスがありますが、「WealthNavi(ウエルスナビ)」と「THEO(テオ)」の2社が有名です。ウエルスナビとテオの投資対象は、「海外ETF」です。ETFとは、証券取引所に上場している投資信託で、取引時間中はいつでも、リアルタイムで取引することができます。ロボアドは、厳選された海外ETFの中から、投資家に最も適した銘柄を自動で購入してくれます。さらに、ウエルスナビは10万円、テオでは1万円から投資を始めることができます。「資産運用に手間をかけたくない」「投資対象をおまかせでお願いしたい」と考える投資家には、ロボアドが最適です。人気資産運用3つの比較表最後に、ご紹介した金融商品の比較表を掲載しておきます。資産運用を始める際の参考にしてください。資産運用に関するまとめ今回は、初心者でも低資金から資産運用できる方法として、積立投資つみたてNISAロボアドの3種類をご紹介してきました。積立投資は、幅広い銘柄の中から自分で選んで投資できます。また、つみたてNISAでは、金融庁が厳選した約160の投資信託から銘柄を選択し、値上がり益や分配金が非課税というメリットがあります。ただ、それぞれ自分で銘柄を選ばなければならないので、手間をかけたくない、資産配分を決めてほしい、と考える投資家にとってはロボアドが最適です。次回は、ロボアドの詳しい内容と、おすすめのロボアドバイザーをご案内します。
2019年02月07日株や持ち家など、将来のために資産を増やしたいと思っている人は少なくないでしょう。しかし、実は資産とは金融や不動産だけではないことをご存じでしょうか。“かくれ資産”と呼ばれる第三の資産が、近年注目されています。かくれ資産とは、日本の一般家庭に眠る不用品(1年以上利用していない品物)のこと。日本の家庭に眠る不要品の有効活用について検証・提案を行っている、みんなのかくれ資産調査委員会は、カテゴリごとの不要品の個数と、フリマアプリのメルカリにおける平均売買価格をかけあわせることで、その総額を一般家庭の“かくれ資産”として算出。この度、全国の10代~60代の男女2,536名を対象にしたかくれ資産に関する調査結果が発表されました。今回は、「かくれ資産」に関するお話しです。■ 1人あたりのかくれ資産は平均月収と同じ水準!調査の結果、日本のかくれ資産総額はなんと推計37兆177万円、国民1人あたり28万1,277円でした。これは平均月収と同じ水準になります。年収に対するかくれ資産の割合は平均13.0%という結果も。かくれ資産額がかなり大きいことがわかりますね。あんみつ姫 / PIXTA(ピクスタ)また、1世帯あたりの平均かくれ資産は69万4,099円。これはボーナスの年間支給額に迫る金額です。1人世帯が28万1,225円であったのに対し、成人2人世帯は62万7,626円、成人2人+子1人世帯が59万7,962円であったのに対し、成人3人世帯は96万7,618円と大幅に増加。そして4人以上世帯では100万円を超えるという結果に。ミック / PIXTA(ピクスタ)例えば実家暮らしをする独身の方とそのご両親、親と同居をする夫婦世帯などは、より多くのかくれ資産を持っているようです。さらに、個人のかくれ資産所有量は年齢とほぼ比例していることもわかりました。男女とも、年代が上がるにつれて、かくれ資産の額が増加しています。最も平均資産が多いのは60代以上の女性で、1人あたり49万7,856円。これは10代の約3.5倍です。kai / PIXTA(ピクスタ)この世代の女性は子どもも独立して経済的に余裕があるために買い物にかける金額も大きいことや、服飾雑貨系のかくれ資産が多いことなどが要因でしょう。Graphs / PIXTA(ピクスタ)内訳は男女で大きく異なり、男性は趣味系かくれ資産が多いんだとか。特に「書籍・CD・ゲーム」カテゴリの品目が多く、女性の約2倍相当額に。特に、40代以上の男性がコレクター系のかくれ資産を多く所有しているようです。■ ネットショッピング好きはかくれ資産家の可能性が高い?Ryu / PIXTA(ピクスタ)今回の調査で判明したかくれ資産とは、主に服飾雑貨、書籍、CDでした。年収に対するかくれ資産の割合が20.0%以上“かくれ資産家”の買い物傾向を見てみると、「ネットショッピング好き」「新品好き」「色ち買い(同じアイテムを色違いで買い揃えること)しがち」という特徴がありました。新商品をいち早くチェックして、ネットで気軽に買い、気に入ったアイテムを買い揃えるといった消費行動をしている人は、かくれ資産家の可能性が高いですよ。そして、そんなかくれ資産家に顕著に見られる生活スタイルも判明しました。それは、「インドア派」「収集癖がある」「捨てられない」というコレクターに多いスタイルです。休日は外出や運動よりも、家から出ずに趣味や買い物を楽しむ人が、かくれ資産家に多いようです。HiroS_photo / PIXTA(ピクスタ)また10〜30代の若年かくれ資産家においては、その時々の流行に敏感で行動がアクティブな「トレンドセッター」や「リア充」といった特徴もあるようです。■ 年末の大掃除は「かくれ資産」を処分するチャンス!これまでも住宅や自動車の購入では見られてきた「売るときのことを考えて買う」という買い方。しかし、メルカリを中心としたフリマアプリの浸透によって、その買い方は日用品などの身近なものにまで広がっているようです。消費税率が10%へと引き上げられる2019年10月に向けて、早めに家庭に眠るかくれ資産に目を向けてみてはいかがでしょうか。今年の大掃除では、掃除だけではなく、不用品を処分して、それらを現金化することを、やることリストに入れるのも良いかもしれません。【参考】※〜1世帯あたり約70万円、金融・不動産に続く第三の資産〜日本の家庭に眠る“かくれ資産”総額は推計37兆円以上
2018年11月25日最新刊『100年マンション 資産になる住まいの育てかた』 (日経プレミアシリーズ)が話題の、株式会社さくら事務所創業者の長嶋修氏と、ジャーナリストの田原総一朗氏との出版記念対談に参加する機会を頂きました。長嶋氏は『100年マンション 資産になる住まいの育てかた』の中でマンションを取り巻く世界が今後どうなるか大胆に予測していますが、田原総一朗氏との対談は脱線に次ぐ脱線という意外な展開となりました。■ 2031年までにマンションの世界で起きること『100年マンション 資産になる住まいの育てかた』は全4章で構成されており、第1章では2031年までにマンションの世界で起きると予想されることが年表形式で述べられています。人口減少や少子・高齢化、建設済みマンションの戸数や築年数分布というものは既に確定しており、ここに今後予想される政策や経済動向を織り込めばかなりの精度で将来を見通すことができます。この中で著者は2025年に廃墟マンションが都市部に出現し、2027年にタワーマンションの廃墟化が始まり、2031年には「立ち入り禁止区域」「立ち入り禁止マンション」の指定が始まるという実にショッキングな予測をしています。■ 無計画な住宅政策がもたらした問題点スイマー / PIXTA(ピクスタ)先の大戦で国土が焼け野原になってしまった日本は、そこから奇跡のような経済復興を成し遂げ、一気に先進国の仲間入りを果たします。その際に発生した深刻な住宅不足を解消するため、戦後は一貫して新築住宅の建設が促進されてきました。住宅産業は自動車と並んで裾野が広く、新築住宅の建設は経済波及効果が大きいとされ、特に不景気の際には住宅政策は景気刺激策の柱となります。そのためバブル崩壊以降も新築住宅建設・販売促進策がとられ続けましたが、人口の減少が確実な情勢の中で無計画な住宅政策を取り続けてきたことが全ての根源である、と著者の長嶋さんは説いています。■ 田原総一朗氏との対談は予測と全然違う展開に!?ジャーナリストの田原総一朗氏は、テレビで見る印象そのままに次々とツッコミを入れ、過去に住んできた家の思い出話から小泉純一郎元総理や小池百合子東京都知事の話、更には森友学園問題や加計学園問題にまで話が膨らみ、事前の予想とは全然違う展開となりました。これまで何度も住み替えを繰り返してきた田原氏は不動産業者に対して不信感を募らせているようで、「不動産屋の社員にロクなやつがいないのは何故か?」と長嶋氏に迫って苦笑させていましたが、これは私も肌で感じていたことになります。「最近はそうでもない」と長嶋氏は懸命に防戦していましたが、声が大きく押しが強い者が幅を利かせるガラの悪い世界であるのはずっと変わっていないと思います。■ 小池知事は東京オリンピックを迎えられるか?対談の予定時間が45分というのは短すぎたようで、長嶋氏は住宅の総量規制を進めて街をコンパクトにしていくしかない、とさらっと触れるのが精一杯だったようです。「住宅総量目安」「住宅供給目標」といった考え方は諸外国では当たり前のようにあるということですが、筆者にとってはこれまでまったく考えたこともないアイデアでした。田原氏は「思い切ったことをしようとしない自治体の首長が悪い」と答えていましたが、これは「選挙」というものが持つどうしようもない欠陥かもしれません。ちなみに田原氏は「自民党は小池知事を許しておらず、小池知事のまま東京オリンピックを迎えることを何としても阻止しようとしている」と明らかにしました。次の都知事選挙はオリンピックの直前ですが、果たしてどういう結果になるのでしょうか。■ マンションは今後どうなっていくのか?空き家の増加や老朽化マンションの建て替え問題については気にはしていましたが、「落ち着くところに落ち着くだろう」とそれ以上深入りしませんでした。しかし、この本はなるべく見ないようにしていたものをいきなり目の前に突き付けてくるような内容となっています。対談の会場が浜松町の世界貿易センタービルの38階だったので、窓からは数多くのタワーマンションを見ることができましたが、2031年にこの景色がどのように変わっているか気がかりでなりません。【取材協力】※さくら事務所
2018年10月10日夫に内緒でこっそりお金を貯めておく、いわゆる「へそくり」。実際に夫が知らない貯蓄や資産を持っている妻は、いったいどれくらいいるのでしょうか? 夫に内緒の資産を持っているママの割合と、どんな資産を貯めているのかについて、調べてみることにしました。●過半数が妻が夫に内緒の貯金や資産がある!ママテナが独自に行ったアンケート「夫に内緒の貯金について」の回答結果によると、夫に内緒で貯金や資産を所有しているママは47.3%という結果に。実に半分近くのママが、夫に内緒の貯金や貯蓄をしているという結果に。秘密の資産があることで、後ろめたい気持ちを持っていたママも、この数字を見れば、かなり多くのママが同じようなことをしていると安心(?)できるかも。●夫に内緒の貯蓄や資産内容は堅実●夫に内緒の貯蓄や資産内容は堅実一方で、どのような資産を持っているかというアンケートの回答は以下の通り。1位:銀行などの隠し口座…84.3%2位:タンス貯金などの現金…22.0%3位:宝石などの貴金属…14.1%4位:株などの投資系…8.9%5位:土地などの不動産1.6%ネット銀行などの普及で、口座開設が身近になった銀行口座は、夫にこっそりお金を貯めるのにはぴったり。投資など、資産の増減のリスクもなく、堅実にお金を貯めていきたいママが多いようです。昔ながらのタンス預金など、現金を家に隠しているままが次いで22.0%という結果に。1位と大きく差がついているのは、やはり家だとうっかり夫に発見されてしまうなどのリスクがあるからでしょうか?3位の貴金属は、夫に内緒で自分へのご褒美を買ってしまったというパターンが多いのではないでしょうか。そして4位は株などの投資系で、資産運用で利益を出しているママも意外と多いのかもしれません。「へそくり」と言うと、夫に隠れて後ろめたい気持ちで、タンスや本の間に現金を隠したり…といった昔ながらのイメージがありますが、今は半数近くのママがこっそり口座を開設して貯金するというスタイルが定番のようです。へそくりのライフスタイルにも変化が起きているのかも?(文・姉崎マリオ)
2018年03月13日しばらくしたら「売りたい」「貸したい」と考えている場合はもちろん、永住するつもりで購入したマンションを手放すことになる可能性も大いにあります。そのため、購入したマンションの資産価値が落ちるのは避けたいもの。購入前に将来性を見越した視野が求められます。現状や目に見える部分だけを気にしてしまうと、将来的に「こんなはずではなかったのに!」という事態も生じがちです。そこで今回は、宅地建物取引士有資格者であり実務経験も有する筆者が、資産価値を落ちにくい中古マンションを選ぶため、購入時に必ずチェックすべき”3つの意外なポイント”を紹介します。ポイント1:外壁の補修サイクルマンションは、メンテナンスの状況によって、資産価値も変わってきます。そこでまずチェックしたいのは、外壁の補修サイクルです。購入前に物件を見に行ったときには美しく補修されていても、補修のサイクルが遅いマンションの場合、次に売却や賃貸を考えたときには価格が大きく下がってしまうことが懸念されます。外壁が汚れていると、それだけで「買いたくない」「借りたくない」を招きやすく、物件の価格が下がる要素のひとつにもなります。専有部分と異なり、居住者ひとりの意思で補修できる部分ではないだけに、気をつけなくてはなりません。修繕積立金の積立額や管理組合の方針などによってもサイクルは変わってくるため、資産価値を落としたくない人にとっては、必ずチェックしたいポイントです。補修サイクルについては、不動産仲介業者に質問をしておくと良いでしょう。ポイント2:修繕積立金の積立額を忘れずに所有者が毎月支払っている修繕積立金の額も、購入前にチェックしておきたいポイントです。修繕積立金が貯まっているマンションは、必要に応じて補修や修繕を行いやすく、マンションのメンテナンスも十分に行える場合が多いです。毎月の修繕積立金の額が高いマンションは、月々の出費が増えるだけに避けたいと考える人も多いかもしれません。しかし、修繕積立金は将来の大規模修繕などに備えるためにはある程度の額が必要です。購入時は、つい月々の負担額だけに着目してしまいがちですが、中古マンションでは「これまでに全体でどのくらい貯まっているのか」も必ずチェックしておきたいところです。こちらも、仲介業者に尋ねておくと良いでしょう。ポイント3:立地は、過去の災害や将来の路線計画まで含めて考える「マンションの立地」と聞くと、駅からの距離や周辺施設の有無など「住みやすさ」にとらわれがちですが、中古マンションの将来の資産価値も意識したい場合には、過去の災害時の状況や将来の路線計画など”見えない立地条件”もチェックすべきポイントです。過去の災害で地盤が緩んだ歴史のある場所や、崖崩れが起きた付近にある場合など、次の災害で再び同様の被害に遭う可能性もあります。路線計画については、「売りたい」と思っている担当者が見通しが立っていない路線計画を無責任に説明することもあるので、交通網に関してなんらかの計画がある立地にある場合、その計画の実現可能性についてもチェックしておいたほうが確実です。仲介業者からの話だけでなく、そのマンションのある自治体の区役所や市役所に出向いて確認をしておくと、より確実な情報が得られます。中古マンションを購入する場合、将来の資産価値について「見えにくい部分の価値」も忘れずに考慮しておくべきです。
2018年02月07日ヴィンテージマンションの定義マンションに限らず、一般的に不動産は人間と同じく歳を取ります。しかし人間とは異なって歳を取らない不動産が存在します。それがヴィンテージマンションです。ヴィンテージマンションとは、建設されて数十年経ても資産価値を保っているマンションのことをいいます。ヴィンテージ(Vintage)と聞くと、ワインを思い浮かべる人も少なくはないと思います。ヴィンテージ(Vintage)とは英語で「年代物」という意味であり、「ヴィンテージマンション」は、10年以上前に醸造したいわゆる“当たり年”のワイン(ヴィンテージワイン)から由来しています。ヴィンテージマンションと呼べるには、ただ古いだけでなく、資産価値の高さを保っていることが条件といえます。ヴィンテージマンションの条件について、もう少し詳しく見てみましょう。ヴィンテージマンションと呼べるための条件条件としては以下のようなものが挙げられます。ブランドエリア(好立地)にあるデザイン性に優れている管理(修繕計画の徹底など)が行き届いているコミュニティ性がある具体的な条件として、不動産専門の調査会社「カンテイ」は以下のように設定しています。築10年以上坪単価300万円以上平均専有面積90平方メートル以上ヴィンテージマンションの体質上、国内でもそんなに数多くあるわけではありません。立地も高級住宅街に多く、必然的に住む人のマナーレベルも高いといえます。そのためか、その物件に愛着を持っている人も多く、修繕計画も密に計画されます。資産価値が下落しない理由がここにあり、またメリットともいえます。しかし一方でデメリットもあります。ヴィンテージマンションの多くは古いものです。そのためキッチンやバスなどの水回りなどが使いづらい様式であることが想像されます。また、1981年以前の旧耐震基準に沿って建てられているものが多いので、耐震診断が行われているかどうかをチェックする必要もあります。「内装が使いにくい」「耐震性能に不安」といったデメリットはありますが、こんな場合はリノベーションがお勧めです!一般のマンションと同様、ヴィンテージマンションもリノベーションやリフォームが可能です。外観は昔ながらの味がでているものの、内装は現代的な生活様式といったギャップは、想像するだけでもテンションが上がりますね。まとめ古ければ古いほど、資産価値が上がるヴィンテージマンション。リノベーションなどで内装をアレンジすれば、そこはもう自分だけの世界です。日本でも有数のブランドエリア内に、自分だけのお城を構えてみるのも良いかもしれません。
2018年01月07日「京都には、商人の家などで代々伝えられてきた、“お金の神さん”に愛されるためのおまじないがあるんです――」 そう語るのは年収220万円の派遣社員から、資産5億円を築いた京都出身の起業家・熊谷和海さん(47)。熊谷さんが起業家として成功した秘訣は、幼いころ身近で接した3人のおばあちゃんの教えにあったという。 「父方の祖母である“金ばあちゃん”は資産家で、豪快にお金を使う人。彼女からは有意義なお金の使い方について学びました。“銀ばあちゃん”は呉服店の女主人で、徹底的に吉数と付き合い、福を呼び込む人。そして、うちわ店の“縁ばあちゃん”は貯蓄と投資の達人。縁ばあちゃんの顔が見たいと多くの人が訪ねてくる、人徳のある人でした。この叡智にあふれた3人のおばあちゃんたちとの幼少期が、私を育み導いてくれているのです」(熊谷さん・以下同) そんな熊谷さんも、社会人になったころは、忙しさを言い訳に、おばあちゃんたちの教えから遠のいたこともあったという。だが、「これではアカン!」と27歳のときに一念発起。教わったことを胸に、個人事業主としてPRや広告の仕事に従事。日々精進したところ、1年目にして売り上げは2,480万円に到達。その後、法人化し、年商1億7,000万円に。そして3年後には4億5,000万円までに急成長を遂げ、「まさにジェットコースターのようでした」と熊谷さんは振り返る。 そして39歳のとき、体調を崩したのを機に会社を後進に譲り、不動産投資とコンサルティング業に着手。5億円の資産を築くまでに。そうした経験をもとに、初の著書『京都のおばあちゃんに学んだお金の神さんに好かれる5つの知恵』(サンマーク出版)を出版した。 そこで今回、熊谷さんに実践してきた“財布まじない”を教えてもらった。 【1】財布には「感謝半紙」を 「感謝」と書いた半紙を常に財布に入れておき、次の3つのルールを徹底すること。 (1)週に1度、感謝半紙と一緒に、その後の1週間で使う予定の金額を全て入れる。新札など、なるべくきれいなお金が望ましい。(2)お金を支払うときには、必ず「ありがとう」と言葉に出す。(3)お金を払いたくないお店にわざわざ立ち寄らない。 半紙の作り方は、半紙を縦に等分に3つ折りにしてカットし、筆ペンなどで気持ちをこめて「感謝」と書く。半紙の代わりに、一筆箋などでも可だ。 【2】財布に「志半紙」を入れる 「志半紙とは、自分の願いをかなえるために、お金にたまってもらえるよう『心の土台』を作っていくものです」 作り方は、半紙をカットするところまでは感謝半紙と同様。半紙の右側に目標を記し、左側には「志」と書き入れる。 「効果的に願望を達成するには、期限を入れることも有効です」 【3】小さな貯金箱でためる 大きな貯金箱にお金をためようとして、挫折する人は多い。熊谷さんは「小銭を敬うことは、お金の神さんに好かれる近道ですよ」と説く。 【4】「3,000円封筒」をつくる 1万円札を一度崩すと、とめどなく使ってしまう癖はないだろうか。そんな流れをせきとめるのが3,000円封筒だ。1万円が崩れて3,000円ができたら、それをすぐに取り出し、封筒に入れ替えるだけ。 【5】吉数と付き合う 吉数とは1・3・5・7・8といった、縁起のよい数字。運のよい人になるためには、運のよい人やモノに囲まれる習慣づけが肝心だという。 「運とはよい気の集まり。数にも吉数と凶数があります。商売をやっていたおばあちゃんたちからは、『忌み数は相手に不快感を与えるから避けるもんや。偶数は割り切れるから別れる、切れるや』と教えられました。ご祝儀などはもちろん、出し入れするときは常に吉数を意識して、よい気を取り入れるようにしています」 これらのおまじないを実践して、“お金の神さん”を呼び寄せよう!
2017年12月07日築30年を超えるマンションは、全国で2,000,000戸以上あると言われています。「建物の資産価値はほとんどないようなマンションが果たして売れるのか?」という疑問や心配は多いですが、売却する方法はあります。ここでは築30年以上のマンション売却の問題点をふまえ、購入側のニーズやリフォームが必要かどうかについてご紹介します。築30年以上のマンションでも売却の可能性は十分ある中古マンションの構造で主流となっているのが鉄筋コンクリート(SRC)構造です。国が定める法定耐用年数を見ると、鉄筋コンクリートは47年となっています。この法定耐用年数は、購入側が物件を取得する際に銀行などからローンなどの貸付けを受ける際の判定基準として使われます。つまり、法定耐用年数を過ぎていなければ、金融機関からの融資も受けられるのです。特に都市部では古い住居を再利用する「リノベーション」の意識も高く、築年数が30年を超えていても売却できる可能性が大きくなってきています。ただ、地方ではニーズが低く、売却は都市部に比べれば難しいという現状はあります。【築30年以上のマンションを売却する際の問題点】まず、築30年以上のマンションには、売却に関してどのような問題点があるのか見ておきましょう。・耐震性が弱い:1981年6月に、新たな建物の耐震基準(新耐震基準)が定められました。そのため築30年以上のマンションは、それ以前の旧耐震基準に基づいているため、耐震性が弱いという問題があります。・建物自体の資産価値がない:築30年以上経っているマンションでは建物の資産価値はほぼ「ゼロ」です。このため、売却の際の価格設定は基本的に低くなります。・金融機関からの融資が受けにくい:法定耐用年数に近い物件では、融資が受けられたとしても返済期間が短くなるため、購入側にとっては不利な条件であると言えるでしょう。ただし、耐震補強など大規模な修繕を行っているマンションの場合は、築年数が30年以上でも耐震性や資産価値は上がります。また融資については、住宅金融支援機構による新たな融資サービスもあるため、問題の解決策を見いだすことができる可能性はあります。【築30年以上のマンション売却が有利になる条件】築30年以上でも、次のような条件があれば、売却が有利に運ぶ可能性があります。・立地が優れている:都心部では、築年数が古くても立地が優れていれば需要があります。・容積率の余裕がある:これはマンション全体を売却する際のポイントですが、空き地率が高く、容積率に余裕があれば、購入側が将来の建て替えを検討しやすいため、築年数が長くても需要が見込めます。・リフォームやリノベーションに向いている:近年では、古い建物の独自リフォームや、オフィスや商業施設などへのリノベーションへの関心も高まっています。レトロな建物の味わいに価値を見いだす若者たちのニーズも期待できます。リフォームやリノベーションに関しては、2017年4月に住宅金融支援機構が開始した【フラット35リノベ】は、リフォームに関する一定の要件を満たせば、新築と変わらない返済期間や融資の上限額を受けることができます。マンションの価格を無料査定してみる築30年以上のマンション売却では、購入側のニーズの多様化にも注目しよう都心部では需要を伸ばしている中古マンションですが、地方では需要の中心は築10年前後が中心で、築30年以上経過しているマンションの売却は容易ではありません。一方、不動産コンサルタントの中には、築30年以上存続しているマンションを管理体制や居住性の良さで評価する人もいます。管理状況が良好に維持された古いマンションは、居住民の意識が高く、住み心地がいいといった付加価値があることも考慮に入れてよいでしょう。また、築年数が古いマンションは立地や環境が良いものが多いため、新しくて高いマンションよりも、町全体の雰囲気も考慮に入れて、古くても住みたいマンションを選びたいというニーズもあります。築30年以上のマンションは、同一条件で比較すると新築の約半値で購入できるという点も、こうしたニーズを押し上げる大きな要因となっています。リフォームすると高く売れるというのは誤解!築30年以上のマンションは、リフォームしなければ売れないというのは誤解です。耐震補強などの修理は必要ですが、リフォームをした分の費用を売却の価格に上乗せすれば、購入側は同価格の少しでも築年数の新しいマンションの方に流れてしまう可能性もあります。【無理してリフォームする必要はない】築年数が30年を超える古い物件は、売却が不利な反面、近年のデザインとは違うレトロな味わいがあります。購入側にしてみれば、価格の安さは大きな魅力ですから、リフォームで販売価格を上げるよりも、リフォームを購入側に任せ、その分値引きをするという方法もあります。販売側がリフォームをしてしまうと、工事費がかさむだけでなく、購入側の世代や好みを限定してしまうことも考えられます。購入側の自由度の高さを残しておくことで、売却対象を幅広いターゲットに広げることができるでしょう。【業者選びのポイント】古いマンションの売却に当たっては、不動産業者への仲介を頼む場合がほとんどだと思います。個人が所有するマンションの売却を取り扱う不動産業者には、大手と地元の不動産仲介会社がありますが、両者を比較すると、大手は「情報力・告知力・税理士とのネットワーク」に優れています。一方、地元の強味は「緊密なコミュニケーション力・地域情報を熟知した購入側へのアピール力」です。マンションの中古物件を探している人は、立地や環境など、建物だけでなく地域の情報を重視するケースも多いです。そのため、特に築30年以上といった古いマンションの売却を依頼する場合は、現地の状況がよく分かって納得できるアピールポイントを購買者に伝えることができる仲介業者に依頼するのがおすすめです。この際に注意したいのは、リフォームを強く勧めてくる業者です。先に書いたように、リフォームをしても高く売れる保証はどこにもなく、お金をかけても買い手がつかない場合もあります。地域のニーズや状況を総合的に判断して販売努力をしてくれる業者を選びましょう。まとめ築30年以上のマンションには、建物自体の資産価値がほとんどありませんが、立地や環境の良さなどの魅力を備えたものもあります。売却の際には、購入側のニーズをよく考えて、手を出しやすい価格を提案することが、売却を成立させるための大きなポイントになります。まずはマンションの価格を無料査定してみる
2017年11月13日ファイナンシャルプランナーの小澤美奈子です。昨今、NISAや確定拠出年金などの優遇制度を利用して資産運用を始める方が増えていると言われています。読者の中にも、これからはじめてみたいと思っている方もいらっしゃるのではないでしょうか。資産運用は、リスクとの付き合い方がとても大事になってきます。そこで今回は、低リスクで運用するコツについて、考えてみたいと思います。●そもそもリスクって何?そもそも資産運用におけるリスクとは、「値動きの変動の幅」や「不確実性(予想どおりにはならないこと)」を指します。リスクが大きいとは、価格変動のブレが大きいため、予測しづらいことを意味するのです。よく言われているような「危険」というイメージとは捉え方が異なります。また、リスクの大きさはリターンとの関係に影響を及ぼすと言われ、一般的にリターンが大きい金融商品はリスクも大きく、逆にリターンが少ない商品は、リスクも少ないという特性があります。具体的な金融商品には、どのようなものがあるのでしょうか。リスクとリターンが小さな商品には、銀行の預貯金や債券、インデックス型の投資信託などがあります。一方、リスクとリターンが大きい商品は、株式や外貨建ての商品などです。低リスクの運用を目指す場合には、最初は国債や債券型の投資信託からはじめて、慣れてきたら徐々にリスク性の商品を増やして行くことが望ましいですね。●基本は分散投資でイギリスには『1つのかごにすべての卵を盛るな』という格言があるそうです。これは、たくさんの卵を1つのカゴに盛ってしまうと、ひっくり返った場合に全部割れてしまいますが、最初からいくつかのカゴに分けて入れておけば、1つのかごを落としたとしても、残りのカゴが無事である限り安全である、というもの。このことを投資に例えてみると、どうなるでしょうか。自分の手持ち資金すべてを、1つの金融商品へ投資したとします。何らかの要因で、その金融商品の価値が下がってしまった場合、手持ち資金の価値が下がったり、またはゼロになったりする可能性がありますよね。リスクを軽減するためには、複数の金融商品に分けて投資すること、つまり「分散投資」することが大切なのは言うまでもありません。●定額で積立投資をする投資でリスクを軽減する方法の1つに、“時間の分散”があります。1回でまとめて投資するのではなく、何回かに時間を分けて投資することでリスクを小さくするという方法です。その時間の分散効果を最大限に利用できるのが、積立投資です。積立投資とは、株や投資信託などの商品を毎月一定額購入し、積み立てて行く手法のこと。時間の分散以外にも、長期で積立をすることにより、平均価格を下げられる効果も期待できます。特に運用初心者にとっては、自動積立にすることで買い時を見極める煩わしさが無くなるメリットもあります。●最後に今回は、低リスクで資産運用するコツをご紹介しましたが、いかがでしたでしょうか?ただし、分散投資や定額積立する際には、気を付けなければならない点もあります。それは、複数の商品への分散や、毎月積み立ては、その分手数料も多くかかってしまうということです。つまり、より多くの利益を出すためには、できるだけ手数料の低い商品を選ぶことも基本となります。【参考リンク】・知るぽると | 金融広報中央委員会()●ライター/小澤美奈子(ファイナンシャルプランナー)●モデル/杉村智子(まさとくん)
2017年01月24日アンバー・ハードはジョニー・デップとの離婚で資産を失ったと、アンバーの友人であるアイオ・ティレット・ライトが発言している。今年8月、ジョニーとの泥沼離婚に決着がついたアンバーは、和解金として受け取った700万ドル(約7億円)をアメリカ自由人権協会(ACLU)とチルドレンズ・ホスピタル・ロサンゼルスに寄付していた。アンバーは破局の際、ジョニーから身体と言葉の暴力を受けていたと訴えており、アイオ自身もジョニーがアンバーに暴力行為を働いたとして警察に通報したこともあった。アイオは以前ウェブサイトRefinery 29にジョニーのドメスティックバイオレンスについて記事を投稿していたが、現在その記事は削除されている。そんなアイオはサンデー・タイムズ誌のインタビューの中で、アンバーが自身の裁判費用を自ら負担したことを明かしており、和解金が本来アンバーが受け取るべきだった金額よりもかなり少ないものになったと話している。2015年2月にアンバーとジョニーが結婚する前に1年間、2人と一緒に暮らしていたアイオは、3人の関係は崩れてしまったものの、自身が失恋して落ち込んでいたときに2人は自分を救ってくれたと続けている。現在もアンバーとは親友関係が続いているというアイオだが、ジョニーは公の場でも私生活においても自身の行為に対して悪びれた態度が見られないため、関係を断ち切ったそうだ。しかし、その一方でジョニーの母ベティー・スー・パーマーの死から間もなく、離婚届を突きつけられたジョニーには同情すると語っている。(C)BANG Media International
2016年09月14日「最近法律が変わって、海外資産にも課税されるようになった」と聞く機会がよくあります。しかし実際には、以前から海外の資産から生じる所得などについては、課税の対象となるケースがほとんどだった……。このように主張するのは、『海外資産の税金のキホン』(信成国際税理士法人著、税務経理協会)の著者です。詳しくいえば法律が変わったのではなく、日本の税務当局が海外資産に対する課税を強化・把握するようになったということなのだそうです。また、パナマ文書のように、ペーパーカンパニーを利用した資産隠しも明らかになるケースが増えているのだとか。2018年からは海外の金融講座情報なども日本と海外の税務当局間で交換されることが想定されており、「海外に資産を移せば日本の税務当局に把握されない」という時代は終わりを告げようとしているというのです。そこで本書では、個人で注意しなければならない国際税務の基礎を開設しているわけです。■世界の税務当局の動きが変わってきている個人が国境を飛び越えて経済的に活動することは珍しくなくなりましたが、かといって、一国の税務当局がすぐにそうした活動を把握できるというわけではありません。そこで税務当局はこれまで、課税漏れを見逃す、あるいは税法の制約を逆手にとった個人の租税回避行為を許してしまうことがあったのだそうです。そのため近年、世界の税務当局は、個人の経済活動や財産の状況をきちんと把握し、課税漏れや租税回避行為を防止しようとしているというのです。もちろん日本も例外ではなく、近年は「国外送金等調書制度及び国外財産調書制度」の創設や、相続税法の改正、出国税の導入などにより、個々人の財産の動きをチェックし、適切な課税を行おうと全力を挙げているのだといいます。また、富裕層の行きすぎた節税行為に対し、世界各国の税務当局が共同で、不透明なお金の流れについて情報開示を行うことも予定されているといいます。つまり海外移住や海外投資を検討している人は、こうした世界的な流れを把握し、納税について知り、対策を講じる必要があるわけです。■他にも海外資産の税制について知る意義がそして、海外資産の税制について関心を高める意義がもうひとつ。それは自国や他国の税制についての知識を蓄え、理解を深めることにより、ムダな納税を防止することです。事実、自国と他国の税制や租税条約を知らなかったために、税金の申告や農夫の場面で次のような損をするケースも。(1)外国税額控除という制度を知らずに損をしているケース海外に所有している不動産を賃貸に出している場合、その所有者が日本在住の人なら、その不動産がある国と日本の両方で、その不動産に課せられる税金を納めなくてはなりません。海外と日本とで、1つの所得に対して2つの税金を納めているわけで、これを二重課税と呼ぶそうです。しかし二重課税は、「外国税額控除」という制度を用いれば過払いを防ぐことが可能。なのにこの制度を知らず税金を納めていたのでは、不動産投資が財産を食いつぶすことになってしまいかねないということ。さらに国によっては、不動産収入から税金を直に源泉徴収する場合もあるとか。税金が源泉徴収されていると、個人のお財布や口座から出ていく痛みを伴わないので関心が向かず、自分の損失に気づきにくくなってしまうというのです。(2)税務対策を取らずに損をするケースいまは国外送金等調書制度や国外財産調書制度などにより、海外資産から生じる所得についての無申告や申告漏れは容易に発覚するそうです。そして税務署はいったん把握すると、納税者に対して「お尋ね」という事実確認の信書を出すもの。納税に関心の高い人なら、この時点で税理士などの専門家に相談するのですが、そうでない人の場合、そのまま税務署に足を運ぶことに。そして後日、税務調査を受け、本税のみならず、無申告加算税や過少申告加算税、延滞税といった「そもそも適正に申告納税をしていれば、払わなくて済んだ税金」ををムダに払う羽目になってしまうというのです。■「海外に投資をすれば大丈夫」は過去の話冒頭の話題にもかかわることですが、かつて海外投資を普及させるための謳い文句として、「海外に投資をすれば日本の税金はかからない」というものがありました。けれど、もうすでにそんな時代は終わっているということ。つまりは日本にいる以上、海外資産についてもなんらかの税金をきちんと申告し、納税しなくてはならないということ。そして税務署が海外の税務当局と連携し、対策を取っている以上、「知らなかったのだから仕方ない」では済まされなくなっているのです。*税法の知識がない人でも理解できるようにと、わかりやすく説明されているところが本書の魅力。そのため、「数字のことは苦手」という方でも無理なく基礎を学ぶことができるでしょう。(文/作家、書評家・印南敦史) 【参考】※信成国際税理士法人(2016)『海外資産の税金のキホン』税務経理協会
2016年08月24日一般的に資産運用に関しては、女性は男性に比べて始めるのが遅く、運用する資金も少なく、運用の仕方はとても保守的である、と特段の根拠もなく思われてきた面があります。しかし、最近の調査結果では、「女性はよく調べて、自分のゴールに合った運用のやり方を実践し、売買の回数は少なく、市場が急変した時にも比較的冷静である」という傾向が見えています。これは何を意味するのでしょう? ■相場の変動に関わらず、女性の投資成果は男性に勝るとも劣らない米国で資産運用のオンラインツールを投資家に提供しているオッペンフォリオ社が、自社のユーザー60,000人を分析したところ、株式市場が上昇した2014年は女性の平均リターンが男性の平均リターンを0.4%上回りました。2015年は相場環境が厳しい1年でしたが、女性が平均でマイナス2.5%だったのに対して、男性はマイナス3.8%という結果でした。もちろん、男性であっても女性であっても素晴らしい投資成果をあげる方はいらっしゃいます。興味深いのは、女性が男性とは違った考え方やアプローチで投資に向き合っているということです。今回はその中の3つ、男女を問わず参考にできる点を紹介します。■1.普段の生活からヒントを得る女性は実に一家の消費の7割を担っています。つまり女性は、男性より何倍も、日々さまざまなサービスや商品を判断して購入する「機会」があるのです。もし、買った商品がとてもユニークで便利だったら、その商品を作った会社を調べてみてください。その企業が若く、急成長を遂げるポテンシャルがある場合、とても良い投資機会になります。個別の企業の株式に投資するのは勇気がいるかもしれませんが、日常の生活の中に、投資のヒントが隠されています。投資家にとって投資先を調べる最良の方法は、自分の目と耳で実際に見聞きすることだとも言われています。ある会社のプロの女性運用担当者も、ワーキングマザーの自分の生活に欠かせない「もの」や「サービス」を提供してくれているという理由で、草創期のAmazon やAppleやディズニーに投資した、という経験があります。近年、何れの企業の株価も高水準をマークしています。 ■2.気質の違い個人差はもちろんありますが、一般的に男性は投資の分野でも「一発ホームラン」を狙いがちなのに対して、女性はシングルヒットの積み重ねを意識する傾向にあります。2013年の米国フィデリティの調べでは、男性は女性に比べ自己の資産を100%株式に投資している人が多く、また先述のオッペンフォリオ社によると、男性の運用は、資産の増減が激しい傾向が出ているとのことです。例を挙げましょう。男性と女性が同じ10万円をもっていたとして、男性が大きく値上がりする可能性のある株を2銘柄買い、女性は配当の高い優良企業の株を2銘柄買ったとします。優良企業は1年間で各1割、値上がりしたとすると1年後、女性の資産は11万円になります。一方、男性の購入した銘柄は、1銘柄は倍に値上がりしましたが、1銘柄は9割値下がりしたとすると、1年後の資産は10万5000円です。一見すると2倍に高騰した銘柄をもっていたほうが、リターンが大きかったように思うかもしれませんが、結果は逆になります。リスクを管理し、大きな損失を防ぐことが投資にとって、とても重要なのです。■3. ゴールを見据えて長期投資米国で30年以上、個人投資家に投資アドバイスを行ってきたSallie Krawcheck(女性)は、「男性は競争が目的になりがちだけど、女性はゴールに対しての達成度を重視する」と言います。市場の動きや周りがどうしているかに関係なく、女性のほうが一旦決めたゴールへの意識が強いようです。そのことは、売買頻度にも表れます。米国で、90年代にわたって38,000世帯の投資行動を調査した分析があります。それによると、男性は女性に比べ45%売買の頻度が高く、その成果は、年率0.94%ほど女性投資家を下回ったというものです。オッペンフォリオの分析でも、60,000人のうち、2015年1年間で男性が平均7.4回売買取引を行ったのに対し、女性は5.1回でした。売買をしていないと「投資していない」と思う人もいるかもしれませんが、かの世界的に有名な投資家のウォーレン・バフェットも、「最上の投資は怠け者と紙一重」と言っています。行動を起こすばかりが投資ではありません。日常の消費行動でのご自身の目利きをベースに、ゴールを見据えてじっくり長期投資を行う女性は、男性とは違った観点で、むしろ投資に向いている点が多々あります。とは言え、誰にも相談せずに1人で考えるのは、ときにリスクになります。女性は投資に向いている、と自信を持って、必要に応じプロのアドバイスも活用しながら、自分に合った資産運用を模索していかれることをお勧めします。
2016年08月18日世界には、資産10億ドル保有者である「ビリオネア」が数多く存在します。しかし、彼らがなぜ成功したのか、その理由については、あまり明かされることがありませんでした。そこで注目したいのが、『10億ドルを自力で稼いだ人は何を考え、どう行動し、誰と仕事をしているのか』(ジョン・スヴィオクラ、ミッチ・コーエン著、高橋璃子訳、ダイヤモンド社)。ロンドンを拠点とする世界的コンサルティングファームである「PwC」が、16カ月の徹底的な調査を行うことにより、ビリオネアたちについての真実を示してみせた興味深い内容です。■ビリオネア共通点はマインドビリオネアには、人生の早い段階で、なんらかの環境や経験に出会っているというようなイメージがあるのではないでしょうか?たとえばハンディキャップを抱えていたとか、不運な出来事を経験したとか、あるいは逆にとても恵まれた環境にいたのだろうとか。ところが調査の結果、意外なことにビリオネアに共通する結果は特に見られなかったというのです。それどころか、さらに深くデータを精査した結果、おもしろいことが見えてきたのだと著者はいいます。どうやらビリオネアの共通点は外的な要因ではなく、その人の内面、すなわち「マインド」にあるらしいということ。たとえば多くのビリオネアに顕著なのは、普通の人がバラバラに考えるものごとを、ひとつにまとめて考える能力なのだそうです。矛盾する考えや行動を排除することなく、自分のなかでうまく共存させることができるというのです。だから正反対のものを抱えながら、それでも思考が混乱しないということ。そしてビリオネア・マインドには、次の5つの特徴があるといいます。■ビリオネア・マインドの特徴(1)共感力と想像力で未来を描くーアイデアビリオネアは、現実の顧客が抱えているニーズを読み取る共感力を持っているもの。それは実際の体験や出会いを通じて、人々が潜在的に求めているものを感じ取る能力なのだとか。同時に、誰も思いつかないような製品をイメージする想像力も持ち合わせているそう。共感をベースに、「その先」を思い描く能力です。いわば共感力と想像力の融合が、爆発的な大ヒットを生み出すということなのでしょう。(2)最速で動き、ゆっくりと待つー時間ビジネスはタイミングが命ですが、新製品の発売や事業投資の適切なタイミングを正確に予測できる人はいません。だからビリオネアは、複数の時間軸を同時に意識するのだそうです。タイミングが予測不可能であることを知っているので、「短気」と「気長」の両面を同時に持ち合わせているということ。チャンスをつかむために最速で動く一方、気は熟すのを誰よりもゆっくり待つということ。(3)創造的にルーティンワークをこなすー行動クリエイティビティと現実的な能力は相反する物だと考えられているため、クリエイティブ部門とオペレーション部門が分かれている企業も少なくありません。しかしビリオネアは、クリエイティブなアイデアを考えるのと同じくらい熱心に実務をこなしているもの。普通の人ならルーティンワークと捉えるような日々の仕事においても創造性を発揮し、新たな価値を生み出すことができるというのです。(4)現在の金銭的損失よりも将来の機会損失を恐れるーリスクビリオネアにはリスクを好むかのように思われがちですが、それは誤解だと著者は断言します。むしろ、ビリオネアはリスクをあまり好まないというのです。ただ、普通の人とはリスクの選び方が違っているだけ。投資で損をしたところで、ビリオネアは特に気にしないといいます。なによりも気にするのは、いまあるお金を失うリスクではなく、将来の可能性を逃すリスクだということ。だからこそ、たとえ失敗しても、彼らは未来のために何度でもチャレンジをするのだそうです(実際、ビリオネアの多くは初期の事業であまり結果が出せなかったり、手痛い失敗をしていたりするのだとか)。(5)自分とは正反対の人を仲間にするー仕事相手ビリオネアには、孤高の天才のイメージがつきまといます。しかし現実がそうではなく、決して孤独ではないのだそうです。当然のことながら、並外れた成功を手に入れるためには、あるとあらゆる才能が必要となります。クリエイティブであるだけでなく、ときには退屈な作業をこなすことも必要であるわけです。だからビリオネアは、自分にないものを持った人を仲間に引き入れるのだといいます。正反対の人とコラボレーションすることによって、ビジネスの限界を突破するわけです。*このようにビリオネアの傾向を客観的に取られてみせた本書は、読み物としても十分に楽しめる内容。また当然ながら、ビジネスにおいてのブレイクスルーの手段を模索している人にとっては、大きな参考となるでしょう。(文/作家、書評家・印南敦史) 【参考】※ジョン・スヴィオクラ&ミッチ・コーエン(2016)『10億ドルを自力で稼いだ人は何を考え、どう行動し、誰と仕事をしているのか』ダイヤモンド社
2016年08月14日ザ・サンデー・タイムズ紙が発表した2016年度のイギリスおよびアイルランドの若手ミュージシャン長者番付で、歌手アデルが総計資産8,500万ポンド(約134億円)で英女性ミュージシャン歴代1位となった。アデルは昨年度、3,500万ポンド(約55億円)の収益を上げた。ミュージシャン全体の長者番付トップ50では、妻ナンシー・シェベルとの共同資産が昨年比3,000万ポンド(約47億円)上で計7億6,000万ポンド(約1,200億円)となったポール・マッカートニーが1位を飾っており、ミック・ジャガー、キース・リチャーズ、チャーリー・ワッツ、ロニー・ウッドからなるローリング・ストーンズが総計資産昨年比4,000万ポンド(約63億円)上の計6億3,000万ポンド(約993億円)でバンドとしてのトップとなっている。また、今回の長者番付には故デヴィッド・ボウイの妻イマン・アブドゥルマジドと息子で映画監督のダンカン・ジョーンズがそれぞれの資産に7,000万ポンド(約110億円)の遺産が加算されて一家共同資産が9,000万ポンド(約142億円)となり、初のランク入りを果たしている。(C)BANG Media International
2016年04月22日IT資産やシステム・セキュリティの統合管理ソリューションを展開するLANDesk Software(LANDESK)は4月1日、統合IT資産・セキュリティ管理ツールのLANDESK Management&Securityの新バージョンである「LANDESK Management&Security 2016」(Management&Security 2016)の提供を開始した。Management&Security 2016は、IT資産管理製品の「LANDESK Management Suite 2016」セキュリティ管理製品「LANDESK Security Suite 2016」モバイルセキュリティ管理製品「Mobile Security Suite」の3製品で構成されるコンポーネント。今回、業務において利用されるデバイスの多様化を受け、LANDESK Management Suiteに無償で利用できるiOSやAndroidのモバイルデバイス管理(MDM)機能を追加した。また、プラットフォームが拡張され、Mac管理機能の強化、Linuxへのパッチ適用、Chromebook管理などが可能となった。さらに、セキュリティ/ITオペレーションのプロフェッショナルが現在のセキュリティ状況を監視し改善するために必要な情報を提供し、脆弱性に対する各対策の優先順位を明確にして、対処することができる。加えて、最小のグループではじめるパイロットプロジェクトから全社的に配布する大規模なプロジェクトなど、さまざまな段階のソフトウェア展開プロジェクトを自動化したほか、アプリケーションのラッピングやセキュアな業務メール環境、セキュアブラウザなどを提供。柔軟に利用可能なテンプレート、ハードウェア機種など条件付きのアクションが可能になり、複雑なプロビジョニング・配布作業が単純化されているという。そのほか、サブネット代表の選定を自動化し、それぞれのサブネット内でのデバイス検知のための管理コストを削減し、アプリケーションコントロール、ホワイトリスト登録、ブラックリスト登録のワークフローを改善するための、信頼できるファイルとアプリケーションの広大なコンテンツデータベースを提供するとしている。
2016年04月04日確定拠出年金は個人の選択に基づく年金制度なので、どういった資産配分が適切だという「正解」はなく、本人が納得できていればそれで良いわけですが、前回のコラムで触れたように統計上の資産配分を見る限り、本人の納得とは言い切れない行動バイアスが実際には大きく影響しているようです。もう少し言うと、職場で確定拠出年金に加入し、資産配分を決めることになったものの、よく分からないのでとりあえず元本確保型に100%振り分けたきり、そのまま放置されているパターンや、うっかりすると決められた期日までに資産配分を決めなかったため、掛金が自動的に元本確保型に配分されてしまっているパターンが一定数の数字となって統計に表れているように思われます。この資産配分における行動バイアスは、実際、確定拠出年金加入者の利回りの二極化という結果として表れています。株式会社格付投資情報センターが発行する「年金情報」誌の集計データによれば、確定拠出年金加入者の通算利回りは、2015年3月末時点で約39%が0-1%に分布する一方で、約18%が10%以上に分布するという両極端な結果になっています。0-1%利回りということは資産の大半を元本確保型に配分している状態を意味します。元本が割れなければ良いではないかとのご意見もあるかもしれませんが、確定拠出年金は原則60歳まで引き出すことのできない老後のための準備資金です。1%を下回る低い利回りで運用を続けた場合、老後に向けた十分な資産形成ができない可能性が高まることになるのです。長期の資産形成においては元本割れリスクのみに目を奪われるのではなく、資産の成長性、すなわち期待リターンにも目を向けることが大切です。そこで積極的に活用したいのが投資信託ですが、もしかすると選択肢がいろいろありすぎて、どれを選べばよいのか分からないという方もいるかもしれません。○「アラカルト分散投資」と「セットメニューおまかせ投資」そんな方にご紹介したいのがあまり難しく考えない二つの方法です。一つ目は「アラカルト分散投資」、二つ目は「セットメニューおまかせ投資」です。前者はレストランで単品メニューを複数注文して自分で組み合わせるイメージ、後者はお勧めのセットメニューを一つ注文するイメージです。食事でも栄養バランスが大事なように、資産配分でもタイプの異なる投資信託を組み合わせてバランスを取ることが重要です。会社ごとに確定拠出年金で選択できる投資信託のラインナップは異なりますが、多くの場合、5つのカテゴリー(国内株式型、国内債券型、外国株式型、外国債券型、バランス型)の投資信託は用意されていると思います。アラカルト分散投資とは、このうち国内株式、国内債券、外国株式、外国債券の4つに25%ずつ均等配分する方法です。異なる価格変動リスク、期待リターンを持つ複数の投資対象に分散投資することで資産全体の価格変動リスクを抑え、リターンの安定化を狙います。もし同じカテゴリーに複数の投資信託が並んでいる場合はそれぞれの過去の運用実績や純資産総額、運用期間の長さ、運用管理費用(信託報酬)などを見比べた上で配分する投資信託を絞るか、あるいは単純に25%の配分を複数商品の数だけさらに均等配分するという手もあります。よりお手軽なのはセットメニューおまかせ投資でしょう。これは簡単に言ってしまえば、バランス型のカテゴリーの投資信託をどれか「一つ」選ぶだけです。複数のバランス型投資信託が並んでいる場合は先に述べた実績や費用といった切り口で比べる他、「積極運用タイプ」「安定運用タイプ」など期待リスク・リターンの度合いによって、複数タイプが用意されている場合には、あまり考え込まずに今の自分に合うと感じたものを選びましょう。バランス型の投資信託はそれ一本で国内外の株式、債券等に分散投資できる商品ですので、複数のバランス型に配分する必要はありません。レストランでセットメニューをいくつも頼まないことを思い起こしてください。投資信託への資産配分を検討する上での二つの方法をご紹介しましたが、実はもう一つ奥の手があります。次回はその「究極のおまかせ投資」をご紹介します。筆者プロフィール:本庄洋介フィデリティ投信 法人/年金ビジネス本部 シニアマネージャー。2006年フィデリティ投信入社。確定拠出年金を含む法人/年金業務全般に携わる。2014年にはフィデリティ・インターナショナルのロンドン拠点に駐在し、英国の確定拠出年金市場の調査に従事。京大院卒。公益社団法人日本証券アナリスト協会検定会員。1級DCプランナー。※写真は本文と関係ありません
2016年04月01日マネーツリーは、iOS向けに提供していた資産管理アプリ「Moneytree」のAndroid版の正式バージョンを公開した。Google Playより無料でダウンロードできる。「Moneytree」はこれまで、iOS向けに提供されていた資産管理アプリ。昨秋、Web版を公開し、今年になってからAndroidユーザー向けにパブリックβを公開していたが、この度、Android版の正式バージョンがリリースされた。アプリでは、iOS版と同様、銀行口座、クレジットカード、電子マネー、ポイントカードの管理などが行える。今回リリースされたAndroid版は、同社が提供する、国内2,400社以上の金融機関から、明細データを自動的に取得できるクラウドサービス「MT LINK」上に開発されたものであることがアナウンスされている。対応OSはAndroid 4.3以上。なお、iOS版において有料で提供されている経費精算サービス「Moneytree PLUS」、法人口座アグリゲーションサービス「Moneytree PRO」は現時点で非対応。同社は、世界中で高まるフィンテックの勢いの中で、国内外を問わず、様々な業界において、機会均等に利用できるサービスを目指していくとステートメントを発しており、今回のAndroid版の公開についてもプラットフォームを問わず利用が可能であるというスタンスを打ち出すための施策とみられる。
2016年03月08日お金のデザインは2月16日、個人向け資産運用サービス「THEO(テオ)」の提供を開始した。THEOは、独自で開発したアルゴリズムに基づく独自のロボアドバイザーがポートフォリオを提案する。同社はFintechベンチャーで、米国で急成長を続けている、現代の投資理論に基づいて構築されたアルゴリズムに金融商品の運用を一任する「ロボアドバイザー」のシステムを「テクノロジーによる金融の民主化」と位置づけ、ユーザー目線にこだわった「始めやすく、分かりやすい」資産運用をサポートする。○特徴は「始めやすさ」と「わかりやすさ」「THEO」の運用を開始する前に、ユーザーは自分の目的に合ったポートフォリオの自動設計サービスを無償で利用できる。具体的には、9つの質問に答えると、約6000のETF(Exchange Traded Funds:上場投資信託)の中から、2分で最適なプランが提案される。ポートフォリオは、成長重視、株式運用中心の「グロースポートフォリオ」、安定した収入を確保、債権中心の「インカムポートフォリオ」、インフレヘッジ重視、不動産やコモディティを中心とする「インフレヘッジポートフォリオ」の3種類をニーズに合った最適な構成でデザインされる。ポートフォリオや投資先は微調整も可能で、よりリスクの低い先進国中心の運用や、よりリターンを期待できる新興国中心の運用に変更することもできる。ポートフォリオを設定した後、証券口座開設と投資一任契約の申し込みを行い、申し込みから最短2営業日で口座開設が完了、開設した口座に入金すると、最短3営業後に運用状況をオンラインで確認できる。運用はロボアドバイザーに一任する形となる。同社COOの北澤直氏は、ETFは一般の投資信託に比べてコストが安く、流動性と透明性が高いと説明する。世界で上場されるETF銘柄は増加を続けており、500程度であった2005年時点から、現在では6000種類に達しているとのこと。銘柄の増加に伴い、世界中のあらゆる資産が投資対象になっていると語った。また、アメリカにおけるマネージドアカウント(一任運用)の総額は2003年の開始から激増しており、現在では4兆ドルに達しているそうだ。さらに、ロボアドバイザーによるオンラインでの資産運用の総額は、年平均成長率+68%で伸び、2020年には2.2兆ドルに達するというA.T.Keameyの予測を引用し、ロボアドバイザーによるオンラインでの資産運用が広がる可能性を示した。○少額運用に対応、手数料は年率1%のみ「THEO」は、10万円から運用が可能で、手数料は一任運用報酬としての預かり金額の1%(年率)のみだ。今年5月15日までに申し込みを行えば、100万円までの投資一任報酬を1年に限り500円に下げる。デモンストレーションを行ったCFOの坂田宏氏は、「THEO」によって投資に対する不安感や資産運用への恐れを解消し、資産形成を始めるハードルを下げることができると語った。サービスの特徴上、まずはネットリテラシーに敏感なユーザーが多くなると予想しているが、29歳の坂田氏によれば「それは若者とは限らない」とのことだ。現時点で具体的な運用資産の目標金額は定めていない。しかし、アメリカのロボアドバイザー市場の成長率が上位1%に入る勢いであることから、今後の日本においても同様の成長が見込めるとしている。○日本は「お金持ちの老人」「日本人は、いつも最も賢い金融投資をしてきた」と、同社取締役会長の谷家衛氏は語った。高金利時代や不動産バブルの時に最も金融商品の売買を行っていたのは日本人個人であった。現在、個人の資産の多くが円建ての預金であるのは、円高の時代はそれが一番の正解だったからとのこと。その結果が、不景気と言われて久しいものの、現在でも日本人の持つ対外純資産総額が世界トップであることは事実だ。しかし現在、人口減少・超高齢化時代に突入した日本において、ほとんどの資産を円建ての預金で持っていることに必然性はない。日本円の持つ、世界経済への影響力が下がりつつあるためだ。谷家氏は「日本はすごくお金持ちの老人のようなもの」とたとえた。世界の富裕者がプライベートバンクを通して世界中に分散投資し、金融危機に備えると同時に世界経済への貢献を行っていることを「お金を将来の不安ではなく、未来への希望にすること」と語り、それがこれからの日本人が行っていくべき資産運用であると結論づけた。
2016年02月17日マネーツリーは、iOS向けに提供していた資産管理アプリ「Moneytree」のAndroid版のパブリックβを公開した。「Moneytree」はこれまで、iOS向けに提供されていた資産管理アプリ。昨秋、Web版を公開し、MacやWindows PCなどでもサービスを利用可能であったが、この度、Androidユーザー向けにパブリックβを公開する運びとなった。アプリでは、iOS版と同様、銀行口座、クレジットカード、電子マネー、ポイントカードの管理などが行える。他社のサービスでは有料で提供されている機能の多くが、無料で利用できるのが特徴だ。同社は、起業時からセキュリティとプライバシーを最大限に重んじたため、信頼できるプラットフォームとしてiOS上でサービスを展開してきた。今回のリリースは、そこで培った高いセキュリティレベルを最適な形で搭載し、アプリ自体の暗号化、通信時の認証ピンニングなどの対策を講じての提供となる。また、iOSアプリでのノウハウをベースに、シンプルで見やすく使いやすいユーザーインターフェースを採用したことも特徴となっている。利用は同社のWebサイトからメールアドレス、使用しているデバイスの機種を登録することで可能となる。対応OSはAndroid 4.3以上。パブリックβでは、経費精算サービス「Moneytree PLUS」、法人口座アグリゲーションサービス「Moneytree PRO」は非対応。今後の正式版リリースおよびアップデートで実装される見込み。なお、同社は前述の通り、利用者の安全とプライバシーを確保することを重要視していることから、下記のことを行わないというステートメントを発している。無料だからといって、バナー広告を表示しない他社からメールが届くこともない利用者のデータを覗き見することもない第三者にデータが渡ることもない登録時の不必要な個人情報の要求をしない意図的に有料プランに誘導することをしないMoneytreeはiOS版のローンチ当初から、個人情報を閲覧できるのはユーザー自身のみで、運営サイドはユーザーの情報やパスワードを見ることはできない仕様となっている。
2016年02月04日みなさんは「資産運用はまとまったお金があるからできるもの」「やっぱりタイミングが肝心」と思っていませんか。じつは、資産運用の本来の意味は、「将来の自分への投資」なのです。2015年にフィデリティ投信が会社で働く1万人の男女を対象に行ったアンケートで、「余裕資金があったら何に優先的に使いますか」と聞いたところ、結果はこのようになりました。■20代、30代は「投資」に意外と前向き全体の平均で一番多いのは「貯蓄」で、43.6%です。20代から50代のどの年代でも、男性より女性の方が貯蓄の比率は高くなっています。余裕資金の使い道(単位:%)「投資」については、年代や性別で大きく変わってくるのがわかります。20代、30代の男性は比較的投資の比率が高くなっています。30代女性の場合は、「貯蓄」「旅行」に次いで「投資」に使う、と答えた人が多いようです。■気になる傾向―「投資の中身」と「二極化」の動き20代、30代の投資の中身を見ると、40代50代と比べて「外国株式」と「為替証拠金取引FX」をしている人が多いようです。「為替証拠金取引FX」は、為替の値動きを見ながら売ったり買ったりすることで、もうける仕組みの商品です。ずっと持っていて利益がでるという、長期の資産形成のための商品ではありません。若い世代には、時間を味方につけて、じっくりコツコツ投資できる方法を選択して欲しいところです。投資に前向きな人が増えている反面、まったく投資をしない人の比率も過去のアンケートと比べて増えています。これは、ちょうどアンケートを実施した時期が、「アベノミクス」効果で日本の株式市場が値上がりした時期と重なったことと関係があるかもしれません。「ずいぶん値上がりしたなあ、ここから投資してももうからないのでは? むしろ下がるのでは?」と考える人が多かったようです。というのも、アンケートで判明した「投資をしない」一番の理由は、「資金が減るのがいや」だったからです。■アラサー女性オススメの「少額積立投資」このアンケートを見ると、やはり「投資=売り買い=タイミングが肝心」と思っている人がまだまだ多いようですね。アラサーあるいは20代のみなさんには、まったくちがう2つのことを心に留めていただきたいのです。ひとつめは、投資はまとまったお金や余裕資金があるからするのではなく「まとまったお金」や「趣味や楽しみに使うための余裕資金」を“つくる”ためにするものだということです。たまに「余裕資金がないから投資をしない」というシニア世代の声を耳にします。これは、逆の見方をすると「とりあえず生活はしていけるから、将来に向けての資金づくりをリスクを負ってまでする必要はない」ということにもとれます。それもひとつの考え方です。しかし、アラサーのみなさんには、よりイキイキと自分らしい人生を楽しむための「将来の自分への準備」のひとつとして、ぜひ「投資」を捉えていただきたいのです。ふたつめは、「周りの環境に振りまわされない投資」です。たとえば、株式のように価格が変動するものに投資した場合。価格が上がれば下がる前に売却して利益を確定したい、下がればこれ以上下がるのはいやだと思って売却したいと、値動きに過敏に反応しがちです。また、投資とはそういうものだと思うと、「たびたび値動きをチェックする時間はとれない」と投資に二の足を踏む原因にもなります。こうした心の動きを避けるためには、できれば投資にはあまり時間を使わず「放っておく」方法で長期の資産運用を行っていただきたいと思います。具体的には、お給料から天引きするなど、定額・定時で積みたててゆく「少額積立投資」をオススメします。ある投資信託の基準価格(10,000口あたり)推移イメージ(単位:円)これは図のように、相場に関係なく高いときも安いときも一定金額を買いつづけることで、結局は相場変動を長期で均すことができる「時間分散」の効果をもっています。毎月の金額は小さくても投資の期間を長くとれるみなさんには、もっともメリットのある資産形成の手段のひとつです。アラサーのみなさんは、まさに「時間分散効果」を味方につけられる特権階級。お仕事や趣味のスキルアップなど「将来のなりたい自分」への投資のひとつとして、まずは資産運用の一歩を踏みだしてみませんか。
2016年01月19日TKCは1月6日、TKC電子申告システム「e-TAX償却資産」とワークスアプリケーションズが開発提供するERPパッケージ「COMPANY」の連携を強化した。「e-TAX償却資産」は、中堅・大企業を対象に償却資産税の電子申告に特化したシステム。中堅・大企業が利用する固定資産管理システムから出力した償却資産申告データなどを読み込むことで簡単に電子申告を実施できる。今回の連携強化により、資産管理を行う「COMPANY Assets Management」より出力した償却資産の申告データを加工することなくそのままe-TAX償却資産に取り込むことが可能となる。これにより、ユーザーである中堅・大企業では、今まで以上に簡単に電子申告を実施できるようになり、償却資産税にかかる申告業務について手作業の排除による正確性の向上と効率化を図ることができる。TKCとワークスアプリケーションズでは、こうした取り組みを通じて今後も中堅・大企業における電子申告のさらなる普及拡大と業務の効率化へ寄与していくという。電子申告システム「e-TAX償却資産」の年間利用料は税別5000円(申告先市町村は100団体まで)。なお、100団体を超える場合には100団体ごとに税別5000円が加算される。
2016年01月06日富士通は、ゼネラル・エレクトリック(GE)と、GEのネットワーク型資産管理ソリューション「Smallworld」の日本国内での販売を行うことで合意し、1月6日より販売を開始した。電気・ガス・水道・通信などのユーティリティ分野において、「SmallWorld」はさまざまな業種ごとに最適化された資産管理機能を含んだパッケージソフトウェア・ソリューションとなっている。同ソリューションは、さまざまな設備があらかじめ定義したオブジェクトとしてモデル化され、設備の稼働状況や相互の接続関係を認識しているという。また、地図データの読み込みの時間を短縮できるようにGoogle Mapsやそのほかのマップサービスの地図データを活用し、継ぎ目のないシームレスマップ・データベースを採用。そのため、管理対象となる資産の数が膨大なシステムにおいても、処理速度が低下することなく利用できるという。さらに、一元化された設備データベースから、地図表示、キロポスト表示、模式図形式など、利用者のニーズに合わせたさまざまな表示形式で情報を可視化することが可能となっている。同ソリューションは、外部データベースやデータファイルを連携させ、仮想的に一つのデータベースとして利用することができるバーチャル・データベース機能を有しており、既存の設備保全・運転管理システムや、資材会計システムなどの周辺システムと連携させることも可能としている。富士通は、同ソリューションを自社のエネルギー事業者向けソリューションに加え、システムインテグレーションや保守・運用サービスとともに提供することで、エネルギー業界を中心に推進していく構えだ。
2016年01月06日Fintechの諸領域の中でも、地道な発展を遂げている領域としてロボアドバイザーがあります。伝統的な金融機関とは一線を画す、安くてかしこい資産運用の提供者として、ロボアドバイザーは近年内外で注目されつつあります。○投資の世界における個人の投資手段の発展日本の個人にとって、資産運用が本格的に重要なテーマとなり始めたのは1990年代後半からとなります。バブル崩壊後、終身雇用や年金といった、未来の生活を支える制度に個人が不安を覚え始め、自助努力による資産形成が求められるようになりました。一方で、それまでの高い預金金利や株価上昇の時代も終わり、リスクを加味した注意深い資産運用が求められるようになったことから、従来と比べて資産形成の難易度も格段に上がりました。そのような背景の中で、株式取引手数料の完全自由化が行われた1999年は重要な年となりました。同年、マネックス証券、松井証券、カブドットコム証券やイー・トレード証券(現SBI証券)といったオンライン取引に強みを持つプレーヤーが証券業界に参入し、個人の株式や投資信託の取引をより安く、身近なものへと変えていきました。その後も、FX取引や、独立系の運用会社などの登場もあり、買うべき銘柄や商品が分かる人であれば、非常に安い手数料で、適切なリスク・リターンを享受できる質の高い投資を行うことが可能となりました。一方で、「そもそも自分は何を買えば良いかわからない」層に向けたサービスは、様々なオンライン上の取り組みがされてはいるものの、決定打となっていないのが実情です。自らの投資ニーズを理解できるのはごく一部のユーザーに限られるため、将来に向けた資産形成においては対面営業や、人を介したアドバイスが引き続き存在してきました。このニーズに対して、人工知能を用いて助言を含めた資産運用を提供するのがロボアドバイザーになります。○ロボアドバイザーの台頭ロボアドバイザーとは、まさに「何を買えばよいか」を決める機能と、このニーズに即した金融商品を提供するサービスです。典型的にはETF(上場投資信託)を中心に、売買を含めて一任運用を行う運用会社(場合によっては証券会社の機能も含む)のことを指しています。一般的なロボアドバイザーでは、6-10個程度の質問に答えると、購入するべきポートフォリオが提示されます。その後、例えば年齢を経るごとにリスクを取りづらくなるので、ハイリスクの資産を自動的に減らしたり、値動きに応じたリバランス(例えば、株価が上がった場合には、同じ比率を維持するために株式を売却し、他の資産を買うことが必要となります)を行ったり、といった手続きを代行します。このような一連のサービスを、年率で資産の1%程度の手数料でお任せにて運用でき、そのお任せの内容について、様々な人工知能を用いたレベルでの競争が行われています。海外では、BettermentやWealthfront、Personal Capitalといったロボアドバイザーが数千億円単位での運用資産を集めることに成功しています。米コンサルティング会社によれば、2020年にはロボアドバイザーが200兆円以上もの資産を運用するという予測もある中で、大手の金融機関もこの業態に参入してきており、先端的な「かしこい」投資をより身近にできるツールとして脚光を浴びています。日本でも、お金のデザインとWealthNaviという2社がベンチャーとしては知名度を上げつつある中、マネックス・セゾン・バンガード投資顧問やエイト証券といった既存金融機関もこの分野に参入しています。他にも複数のプレーヤーが立ち上げ中であり、より良いサービス提供をめぐって、2016年は積極的な顧客獲得が展開されていくものと見られています。このような競争を通じて、より分かりやすく、将来に向けて有利な備えができる商品が個人に提供されていくこと期待されています。○執筆者プロフィール : 瀧 俊雄(たき としお)株式会社マネーフォワード取締役 マネーフォワードFintech研究所長。2004年慶應義塾大学経済学部卒業後、野村證券入社。野村資本市場研究所にて、家計行動、年金制度、金融機関ビジネスモデル等の研究に従事する。2011年スタンフォード大学経営大学院に留学。卒業後は野村ホールディングスCEOオフィスに所属する。その後マネーフォワードを創業し、経営全般やカスタマーサポート、お金やサービスに関する調査・研究を担当。TechCrunchや週刊金融財政事情などに寄稿。
2016年01月04日コネクシオは12月22日、法人がモバイル端末の資産と料金をまとめて簡単に管理できるモバイル管理サービス「E-PORTER+(イー・ポーター・プラス)」を2016年2月1日より提供すると発表した。コネクシオはこれまで回線料金サービス「E-PORTER」を提供し、約3000社43万回線の導入実績があるという。今回発表の新サービスでは、従来製品のノウハウを活かし、フィーチャーフォンだけでなく、スマートフォンやタブレット、Wi-Fiルーターなどに、利用者情報・回線料金・端末に設定しているMDMのライセンス料金などを紐づけ、一元的な管理が可能となっている。基本的な通話料と通話時間のほか、海外利用や社内間通話、有料サイト利用状況などのレポーティングも、画面上で簡単に出力できる。これにより管理者は、より手間なく利用状況を把握できるという。さらに、グループ会社や端末種別ごとに設定した異なる請求グループを、ひとつの画面でまとめて表示できる。さまざまな料金管理項目から必要なものを好きな順番にカスタマイズして表示可能で、MDMやウィルス対策など、端末ごとに発生しているライセンス料金もすべてまとめて管理できる。
2015年12月24日マネーツリーは、iOS向けに提供していた資産管理アプリ「Moneytree」のWebバージョンを公開した。同社はこれまで、iOS端末向けにサービスを提供していたが、これによりMacやWindows PC、各種モバイルデバイスからの利用が可能となる。他社のサービスでは有料で提供されている機能の多くが、Moneytreeでは無料で利用できるのが特徴だ。また、iOSアプリで培ってきたノウハウをベースに、シンプルで見やすく使いやすいユーザーインターフェースを採用したことも特徴となっている。iOSでフィーチャーされている機能は、Webバージョンでも使うことができ、Moneytreeの基本となる、個人資産管理サービス、経費精算サービス「Moneytree PLUS」が対応するほか、後日、法人口座アグリゲーションサービス「Moneytree PRO」も利用できるようになるとのことだ。「Moneytree PLUS」に関しては、Webバージョンを利用することで、全てのデバイスにおいて3カ月の無料体験サービスを提供する。Webバージョンで提供される主なサービスは以下の通り。無制限の過去のデータ取得11件以上の金融口座の連携複数口座のデータの一括取得広告の非表示グラフ機能および内訳項目テンプレートの複数作成バックアップサービスサービスの継続性保証ポイントの期限切れなどの通知全般Webバージョンの新機能も用意されており、経費精算機能では、大量の領収書を処理したい場合、まとめてドラッグ&ドロップするだけで作業が行える。さらに資産管理サービスにおいてはチャットサービスを提供する。使用方法や不明な点がある場合、営業時間内であれば、その場で回答、サポートしてくれる。なお、Webバージョンの対応ブラウザは、Safari、Chrome、Internet Explorer 11、Firefoxとなっている。「Moneytree」は今年4月に、発売されたばかりのApple Watchに対応。6月には、e-文書法(電子帳簿保存法)に対応する形でのアップデートをリリースした。6月の時点でAndroid版の提供は、セキュリティ面での不安から見送られていたが、これで、Androidスマートフォン/タブレットのユーザーも安心して財布の管理を任せられるようになる。
2015年12月16日『10万円から始める! 貯金金額別 初めての人のための資産運用ガイド』(内藤忍著、ディスカヴァー・トゥエンティワン)の著者は、講演、セミナー、書籍、雑誌連載、個人コンサルティングなどを通じて、個人投資家に投資アドバイスをしているという人物。いわば、投資のプロフェッショナルです。しかし、同じような仕事をしている人は多いものの、著者が提唱する手法は、他の専門家とは大きく異なるそうです。それは、著者が以前仕事をしていたイギリスの年金運用の手法をベースにした、誰にでも再現できる方法なのだとか。特徴は、過剰にリスクを取りすぎることなく、個別銘柄に集中するよりも長期分散投資で着実に資産を増やすというもの。つまり、金融商品の個別銘柄の推奨のような、投資助言行為は行わないのだそうです。また、自分自身の資産によっても同じ方法で実際に投資を行い、検証しているのだとか。つまり机上の空論とは異なるわけで、そういう意味においても信頼性は高そうです。■預金・保険・年金は決して「安全」ではなく「危険」堅実な資産形成を説いている人のなかには、貯金によって資産形成をすべきだと主張する人がいます。預金・保険・年金で資産形成し、株式や外貨投資などリスクの高い運用は避けるべきだという考え方。それは、至極まっとうなことのように思えます。ところが著者は、このような資産形成の方法には2つの問題があると指摘しています。まずは、「資産の集中」という問題。銀行預金に集中させることなく、保険や年金を組み合わせることによって分散したと思っていても、実はそうではないというのです。なぜなら、貯金も年金も保険も、国債で運用されているから。つまり、実際には分散投資が実現できていないというわけです。もうひとつは、国債自体の問題。日本では超低金利が続くなか、国債は安定しています。しかし市場金利が上昇すれば、国債の価格は下落することになります。よって安全に見える国債には、将来の金利上昇による損失が発生するリスクがあるということです。■日本人の多くが直面する「リスクを取らないリスク」日本には個人金融資産が1,600兆円ありますが、その9割以上は円資産。また、その半分以上の55%は、銀行預金や現金のままで眠っているそうです。1990年代から続いてきた「円高・株安・デフレ」は、安倍政権の経済政策によって「円安・株高・デフレ」へと変わりつつあります。しかし、その恩恵を受けている人がきわめて少ないのも事実。それは、この資産配分に原因があるのだそうです。これまでなら、円資産を銀行に預けて保険や年金だけで資産を保有する方法が有効でした。しかし、これからはそれが通用しなくなると著者はいいます。金融資産を国内滞留させておくことは、リスクが低いのではなく、実はリスクが大きいともいえるから。リスクを避けるつもりが、結果的には「リスクを取らないリスク」になっているということです。■円安なのか円高なのかわからない場合にとるべき対応もしも外貨が円安になっていると思っているなら、円を売って外貨を買うというのが普通の考え方。逆に円高になると思うなら、外貨を売って円を買うわけです。でも判断に困るのは、円安になるのか円高になるのか、五分五分だと思う場合。そんなときには、どうするのが合理的なのでしょうか?もし100万円持っているなら、円を半分の50万円、外貨を半分の50万円というのが中立(ニュートラル)な保有方法だということになります。円高になるのか円安になるのかまったくわからないのに、資産を円100%で持っているとすれば、それは考えていることとやっていることにズレが生じている状態だからです。日本の未来を悲観して、円安に怯えながら円の定期預金で資産を守ろうとしている人がいますが、これは考えていることとやっていつことがチグハグな状態だと著者は指摘しています。■多くの日本人はなぜお金を増やすことができないのかご存知のとおり、日本の学校ではお金をどう活用したらよいのかを教えてはくれません。著者によれば、それは日本人の根底に、「働いてお金を稼ぐのはよいことだけれど、お金がお金を生み出すような投資は卑しい」という偏見があるからだとか。しかしこれはおかしな話で、資本主義社会が発展してきたのは、お金を必要とする起業家に資金提供する投資家がいたからであるはず。このことについて著者は、「株式市場があればこそ、ソフトバンクやファーストリテイリング(ユニクロ)、楽天といった企業が社会にイノベーションをもたらし、世の中を便利で豊かにしてきた」のだと、わかりやすい説明を加えています。だとすれば投資をする人は、世の中をよくするために必要なお金を提供する「金融のサポーター」ともいえるはず。そういう意味では投資は卑しいどころか、社会にとっても有益な行為だということです。*では、資産運用のためになにからはじめるべきなのでしょうか?本書では、その答えが明らかにされています。まずは上記の基本的な考え方を把握したうえで読み進めてみれば、具体的なメソッドを身につけることができるはず。不安定な時代に確実な資産を築くためにも、参考しておいた方がよさそうです。(文/書評家・印南敦史)【参考】※内藤忍(2015)『10万円から始める! 貯金金額別 初めての人のための資産運用ガイド』ディスカヴァー・トゥエンティワン
2015年12月14日