オレオレ詐欺、還付金詐欺、架空請求詐欺……高齢者を狙った振り込め詐欺は後を絶ちませんが、実は今、高齢者が高齢者を騙す『老老詐欺』 が横行しているのをご存じですか?2016年5月には62〜78歳の男5人が詐欺容疑で逮捕されたことが話題を呼びましたね。あまり聞き慣れない“老老詐欺”ですが、巷では実際に被害に遭われている方も少なくないようです。そこで今回は、“老老詐欺”の手口と対処法についてお話ししていきます。●老老詐欺の特徴老老詐欺とは、高齢者が高齢者に対して金銭などをだまし取る行為を指しますが、その特徴として、“ずさん”で“古くさい”手口が多い と言われています。普通は騙されないようなものばかりです。それではなぜ、騙されるのでしょうか。ひと言でまとめると、“高齢者は高齢者に対して警戒心が薄い” ということに原因があると思われます。“詐欺”と聞くと、大半の人は若者が高齢者を騙すといった構図を思い描く人が多いと思います。詐欺の種類として一番有名な“オレオレ詐欺”もその典型と言えますね。そのため、高齢者の間では“詐欺=若者がやるもの”という認識ができており、まさか自分と同じ高齢者が詐欺をしかけてくるなどとは露ほども思っていない のです。老老詐欺の武器となる特徴にはもう一つあります。それは“高齢者ならではの共感力”です。同じ高齢者同士だからこそ分かる悩みを深いレベルまで共有し合うことができるため、相手を信用させやすいのです。とくに高齢者は“お金”“健康”“孤独”の3つの不安が共通してあると言われていますから、そこにつけ込んでくる人も多いようです。老老詐欺の怖さ、それは詐欺をしかけてくる人間がカモとなる人間の悩みや弱みを自分のことのように理解している点にあります。●老老詐欺の手口●(1)結婚詐欺老老詐欺では、高齢者が抱えがちな“孤独”を利用して結婚詐欺も用いられます。以下では実際にあった結婚詐欺をご紹介します。数年前に妻をなくした70代の男性がシニア専用の出会い系サイトを利用していたところ、気になる女性を発見。向こうも70代ということもあり、コンタクトを取って二人はデートを頻繁に繰り返すようになりました。親密な関係になっていくにつれ、男性を結婚を意識しはじめ相手の女性にプロポーズをします。しかし、ある日女性から「親戚が倒れて入院費や生活費のために40万円ほしい」と言われ、男性は言う通りに渡してしまいます。そのことを不審に思った男性の娘が相手の女性について調べると、女性の名前や住所が全てデタラメだったことが判明 。また、他にも女性あての請求書の束が男性宅で見つかりました。普通ならこれで女性が逮捕されて終わりですが、老老詐欺の怖いところはここから。家族が男性に対して「騙されてるよ」といくら説得しても、本人は「騙されてない」の一点張り。もちろん、本人も詐欺に遭っていることは理解しているのですが、ここで詐欺を認めるとまた一人になってしまうため、孤独を恐れて詐欺を否定しているのです。高齢者の孤独につけ込んだ、非常に悪質な手口と言えます。●(2)若者とグルで老老詐欺の中には、若者とタッグを組んで行われるものもあるようです。手口は以下の通り。まず高齢者(Aさん)の住んでいる家へ若者が訪問販売に伺います。もちろん、販売する商品は100万円の布団など明らかな高額詐欺商品です。Aさんは当然商品の購入を拒否しますが、販売員はAさんが商品を落としたり傷つけたりするようにわざと仕向けます。そして、弁償代として商品の代金を要求するのです。もちろん、この段階ではAさんも拒否を続けます。すると若者が電話で上司を呼び出します。現れたのは同世代の上司(老人)。いきなり若者を怒鳴りつけ、Aさんに丁重にお詫びします。すっかりAさんの警戒心を説いた上司は、「この歳になると、腰が痛くて困りますね〜」などと“年寄りあるある”で盛り上がります 。そして完全にAさんが心を開いたときに、再度商品を勧めるのです(今度は半額くらいの値段で)。すっかり上司を信頼しているAさんは勧められるままに購入してしまいます。しかし、叱られた若者と上司はグル。Aさんはそのことに一切気づかずに詐欺の被害に遭ってしまったのです。●老老詐欺を防ぐためには老老詐欺を防ぐためには、“高齢者の詐欺師もいる” ということを認識してもらうことが重要です。高齢者の方の中には、自分と同世代というだけで仲間意識を持つ人も少なくありませんから(本来は悪いことではないのですが……)、自分の両親や祖父母にしっかりとそのことを伝えましょう。また、金銭にまつわることで少しでも不審な点があれば一旦話を止めておき、周囲に相談してもらうことも大切です。【参考リンク】・最新の手口(実音声付き) | 政府公報オンライン()●文章/パピマミ編集部
2016年07月04日こんにちは。エッセイストでソーシャルヘルス・コラムニストの鈴木かつよしです。超高齢化社会を迎えたわが国では、高齢者が人生最後の時期を住み慣れた土地や家族に囲まれた自宅で過ごしたいと望んでも、かなわないケースが増えてまいりました。国は社会保障費の抑制のために療養型病棟の削減と在宅医療システムの充実を方針に掲げて終末期医療の問題に臨んでいますが、『実際には医療型療養病床に入院している患者さんの医療区分は2と3の占める割合が毎年増加しているのが現実』(50代男性/都内医療療養型病院院長・医師)で、在宅医療では対応しきれないほどの、すぐに受けられる医療の必要性が高まっています。●日本の高齢者の多くが人生最後を病院で過ごすワケ現代のわが国の高齢者のおよそ8割は病院でなくなっています。自宅でなくなった人の割合は2010年の時点でわずか12.6%にすぎません。わが国の高齢者が終末期を過ごし、最期を迎える場として重要な役割を担っている医療型療養病床の平均入院日数は約280日と長く、死亡退院が退院全体の約3割 を占めています。それほど日本の高齢者が人生の最期を過ごす場は、“病院”が中心であるということなのです。国が「在宅中心の終末期医療」の旗印を掲げても、現実は容易にはそうなっておりません。なぜでしょうか?それは、わたしたち日本人には「まだ生きられる人を死なせてはならない」という“価値観”があるからだと、筆者は考えています。そして、まだ生きられる人を死なせないためには、医師や看護師がすぐそこにいる病院にいないことにはだめだからだと思うのです。●つきっきりの介護は、現実的に難しい筆者自身も、高齢の母親が転倒による大腿骨頸部の骨折をきっかけにあっという間に全身の健康状態が低下し病院で寝たきりになりました。そんな中でも、子どもたちや孫たちが居て、ひ孫が遊びに来る自宅に、いずれは何とか帰って来てもらいたいという希望と目標を持って、転倒から3か月ほどは努力しておりました。しかしながら、体の老化という現実はそう甘いものではありませんでした 。大腿骨頸部の骨折部位の手術には成功したものの、周辺の筋肉の委縮は老化によって進んでしまっており、車椅子に乗ろうと体をちょっと動かしただけで患部が脱臼してしまう。これではリハビリは不可能でした。入院生活のストレスからせん妄を起こし、大腸の壁が薄くなってしまっているせいで下血をし、食事を止めることによる低栄養防止のために高カロリーの栄養を点滴すれば肝機能をやられ、幾日もつづく炎症と微熱と腎機能の低下。食欲が全く湧かない。飲み込む力も弱まってくる。痰の吸引は一日に何度も必要。医師は経鼻栄養法を奨める。それでもやっぱり口から食べられるうちは口から食べさせてあげたい。日々刻々と変化する母の容態に応じて筆者も筆者の妻もきょうだいも、自分や連れ合いや子どもたちの生活のために働きながら、時間を作っては病院にいる母を訪ね、話をしたり食事の介助をしたりをつづけています。ここまでの状態の患者を在宅で看るということは不可能です 。やろうと思ったら筆者も妻もみな仕事を辞め、母の看護に専念するしかありません。そして、そのような選択をすればそう遠くないうちに今度は筆者や妻が破綻することは間違いない でしょう。わたしたちが生きている21世紀初頭の日本という社会は、ほとんどの一般庶民にとっては「生きるのがとても大変な社会」です。ごく一部の恵まれた家柄にお生まれになった方を除けば、みんな「ギリギリで生きている」というのが本当のところ なのです。そのような中にあって、いたずらに「家族の愛が大事」「在宅で家族に囲まれて暮らそう」と言わんばかりの国の方針というのは、いかがなものなのでしょうか。筆者の40年来の友人で、かつて慶應義塾大学病院の神経内科でさまざまな種類の神経性難病を羅患しながら終末期を迎えられた高齢者の人たちと臨床で向き合った医師のY君は言います。『今の日本はもう、“家族”が全て看るという時代ではないと思う。家族に甘え過ぎたら、その愛する家族が破綻してしまう。社会が全体で支えなければならない。私自身は、もし自分が年を取って医療や看護の手を離れることができない状態になったとしたら、病院や施設でプロの看護・介護を受けたいと思う。家族はたまに顔を見せに来てくれればそれでいい。寂しいが、それで十分幸せだと思わなければいけないんじゃないか。病院で自分に相い対してくれる看護師さんやヘルパーさんとのコミュニケーションを人生の楽しみとして、暮らして行こうと思うのです』(50代男性/神奈川県内市立総合病院勤務・神経内科医師)●人生の最期を病院で暮らすことになった場合の生き方はまだ生きられるのに、欧米のように経管栄養法などを施さないことで高齢者が数週間後にはこの世を去って行く社会を、“理想”としてマネるのか。欧米社会ではキリスト教的な価値観からか「そこまでして延命することは人間として自然なあり方ではない」 と捉える傾向があるようですが、わたしたち日本人は果たしてそのように割り切ることができるのか。筆者の答えは「ノー」です。『人間は、まだ生きられるのであれば最後のそのときが来るまで生きなければいけないと思うんですよ。これは“死生観”の問題ですから、「それは違うよ」と言われても反論はしません。「そうですか」と言うだけです。でも、少なくとも自分はそういった価値観に基づいて入院しているお年寄りの看護に携わっているつもりです』(30代男性/都内医療療養病床併設型総合病院勤務・看護師)これは筆者の母を看てくださっている、療養病床の男性看護師Sさんの言葉です。Sさんは明るくて気さくな方で、阪神タイガースの大ファンなのですが、巨人ファンの母と今シーズンどちらが優勝するか賭けをしているそうです(何を賭けているのかは存じませんが)。家族ではなくても血のつながりとかはなくてもSさんのような方との会話が、長くつづく入院生活のなかでどれほど母の励みになっているか、計り知れません。人生の最期を病院で暮らすことになった場合の生き方は次のようなものでありたいと、筆者は思います。・看護師さんやヘルパーさんといった、職業として自分に接してくれる人たちとのコミュニケーションを大切にし、楽しむ 。家族とは違うかもしれないが、家族とはまた違ったプロフェッショナリズムを尊重する。・家族は「時々顔を出してくれればそれでいい」と考える 。ほとんどの国民にとって、終末期医療にかかる費用はその人が受給している年金額を超えてしまっており、蓄えが十分にある世帯を除けば現実には家族が働くことによって支えています。その家族が働くのを妨げないことです。家族は時々顔を出してくれればそれでいいと考えましょう。・あまり多くのことはできないかもしれないが、残された身体機能を使ってできることだけは大いに行い、楽しむ 。飲み込む力がまだ残されているのであれば口から食事を取ることを楽しみ、見る力や聴く力があるのなら、テレビや新聞も楽しむ。疲れない程度でかまわない。・ペンを執り文字にすることはできなくても、人生を通して思うことなどを短いセンテンスでいいので考えておく 。例えば孫に「一所懸命にやれば必ず何かが得られるよ」など。旅立つ前にその言葉を聴いたら、孫にとっての宝物になることは間違いありません。【参考リンク】・入退院経路調査(平成21年) | 慢性期医療協会<PDF>()●ライター/鈴木かつよし(エッセイスト)
2016年05月31日少子高齢化は人間にとって積年の課題ですが、高齢化が進んでいるのはどうやら猫の世界も同じのようです。■最近の猫の平均寿命は30年前の4倍!一般社団法人ペットフード協会が毎年行っている「全国犬猫飼育実態調査」の平成27年度版によると、猫の平均寿命は全体で15.75歳。もちろん野良猫はもっと寿命が短いですし、室内で飼われている猫と、外で飼われている猫とでは差があります。室内で飼われている猫の方が2年ほど長いという結果でした。過去にさかのぼって10年ごとに見てみると、2006年の平均寿命は14.3歳、1996年は7.8歳、1986年はなんと4歳でした。特に2000年代に入ってからの伸びが著しく、1980年代は約3~5歳、1990年代は約5~9歳だったものが、2002年に11.2歳に伸びて以降は平均寿命が10歳を下回ることはありません。危険の多い屋外で飼われることが多かったころは短かった寿命が、室内で安全に買われるようになって延び、さらにこの10年ほどでペットの医療機関の発達や、キャットフードの進化などもあって、猫の高齢化さらに進んでいるようです。■キャットフードが年齢に合わせて細分化キャットフードは、以前から「子猫用」「成猫用」「シニア用」など、年齢別の商品が多く販売されていましたが、写真のように最近はさらに年齢ごとに細分化されているようです。「カルカン」のブランドで知られるマースジャパンの製品は、シニア猫用に「8歳から」「11歳から」「15歳から」「18歳から」の4つのラインを展開。高齢の猫でも食べやすいスープ仕立てや、柔らかいゼリー仕立てで提供しています。「モンプチ」のネスレ日本も同様に、「11歳以上用」「15歳以上用」「18歳以上用」と3つのラインで、スープ仕立てのフードを販売。やはり高齢猫では噛む力が弱くなることがあったり、虫歯などで歯の健康を害したりしている場合もあることを考慮して、汁気の多いフードになっているようです。さらに柔らかいペースト状のフードにこだわっているのは、ペットライン株式会社のキャネット「メルミル」シリーズ。「11歳から」「15歳から」「18歳から」の3ラインで、「国産のなめる栄養食」を販売しています。「ヨード卵光」で知られる日本農産工業株式会社のグループ会社だけあって、原材料にヨード卵の粉末が入っているのが特徴的です。年齢の段階をさらに細かくしているのが、「ねこ元気」「銀のスプーン」などを販売するユニ・チャームの製品。「7歳頃から」「7歳以上」「10歳が近づく頃から」「10歳以上」「13歳が近づく頃から」「13歳以上」「15歳が近づく頃から」「15歳以上」「20歳を過ぎても」と、シニア猫に9つのラインを用意しています。いずれも、ビタミンやミネラル、必須脂肪酸やたんぱく質などのバランスを重視した総合栄養食だったり、栄養補助に役立つ副食だったりと、高齢猫の健康を考えた配合のフードばかり。しかし、猫はそれぞれに個体差がありますし、必要とする栄養素も異なってきますので、健康を考えて高齢猫のキャットフードを選ぶ際には、いちど獣医に相談する方がよさそうです。■そもそも「高齢猫」とは何歳からなのか最後に、改めて猫の年齢を人間に換算すると何歳になるのか、「獣医師広報版」を確認しておきましょう。1ヶ月(1歳)6ヶ月(9歳)1年(17歳)5年(36歳)8年(48歳)11年(60歳)15年(76歳)18年(88歳)20年(96歳)11歳で人間の60歳、15歳で人間の76歳、18歳で人間の88歳、20歳では人間の96歳……。かわいいけれど、たしかに「高齢」ですよね。ちなみに、日本での長寿猫記録は36歳、海外では38歳まで生きた猫もいるそうです。ペットも大事な家族。健康に気を付けて、できるだけ長生きしてほしいものですね。(文/宮本ゆみ子) 【参考】※全国犬猫飼育実態調査-一般社団法人日本ペットフード協会※犬・猫と人間の年齢換算表-獣医師広報版
2016年05月30日厚生労働省の調査によれば、超高齢化社会に突入した日本では全国民の4人に1人が65歳以上の高齢者です。そのため、介護や看護を理由とした離職・転職者も増えており、平成23年10月~平成24年9月の1年間で10万人を超えています(総務省「就業構造基本調査結果」)。さらには、介護などのために離職し無業者になった人のうち、40歳代で約8割、50歳代で約5割、60歳代で約3割もの人が、もう一度就業を希望しています(総務省「同」)が、現実はなかなか厳しいようです。■介護離職者の再就職後の年収は「4割以上ダウン」再就職者の平均年収は、男性が556.6万円から341.9万円と約4割減ります。女性にいたっては、350.2万円から175.2万円とおよそ半減。たとえ再就職できたとしても収入は大幅に減少するのが実情です。加えて、仕事のある日の介護時間が男性で1.6時間、女性で1.8時間増大するというデータもあります。こうした現状を踏まえて、仕事を続けながら介護を行うために必要な情報を詳細に紹介しているのが、『親が倒れた!親の入院・介護ですぐやること・考えること・お金のこと』(翔泳社)です。著者は、20年以上にわたり介護現場などを取材し、離れて暮らす親のケアを支援するNPO法人を設立した太田差惠子さん。そんな実績があるからこそわかる「親の入院~介護」で必要となる情報を時系列に整理してあり、介護にまつわる不安を解消してくれます。とくに、仕事と介護の両立を目指す人にとっては心強い1冊といえます。■介護離職者は経済的・精神的・肉体的にも負担増!親の介護が必要になると、仕事を辞めなければサポートする時間が確保できないと考えがちですが、辞めてしまえば経済的に立ち行かなくなることも。仮に、パートで年間100万円の収入があったとすれば、それが0になり、10年間で1000万円の損失になります。自身の老後も遠い話ではないので、収入源は確保しておきたいものですね。また、介護一色の生活になれば、じつはストレスが増し、「経済的」だけでなく「精神的」「肉体的」にも負担が増加するという調査結果があります。介護を機に仕事を辞めて精神面で「非常に負担が増した」31.6%、「負担が増した」33.3%と回答した人を合わせると、約65%の人が精神面で負担が増したと感じています。肉体面でも「非常に負担が増した」22.3%、「負担が増した」34.3%となり、半数以上の約56%の人が負担増を感じています。経済的に「非常に負担が増した」35.9%、「負担が増した」39.0%となり、じつに約75%、4人に3人が経済的な負担を強いられているのです。離職者の年収は前述したとおりですが、転職先でも正社員として働いている人は、男性は3人に1人、女性は5人に1人という少なさです。年収が大幅ダウンする大きな要因といえそうです。介護は終わりの見えないことなので、目先のことだけに一喜一憂せず、長期的な視野に立ち、家族で協力しながら最善の方法を探っていきましょう。■介護休業制度を利用して「介護の体制」を作るべしところで、働きながら家族を介護するために、一定の期間休業することができる「介護休業制度」があるのをご存知ですか?勤続1年以上であれば、パートや派遣社員を含めておおよその労働者が対象に。期間は対象家族1名につき、要介護状態になるごとに1回、通算93日まで取ることができます。介護休業開始日の2週間前までに事業主に申し出ればOK。とはいえ、介護休業の取得率は低く、2012年で3.2%。その一方で、同年、約9万5000人が介護を理由に離職したという調査結果もあります。そこで、短期間の休業を分割して複数回取れるように2017年からルールを改正した制度の導入が検討されているようです。また、対象家族が1人であれば年に5日まで、2人以上であれば年に10日まで、1日単位で休暇を取得できる「介護休暇」や、短時間勤務などが可能になる「短時間勤務制度等」も整備されています。■介護休業中は雇用保険から「賃金の40%」が支給介護を行う労働者が仕事を休める制度があることはわかったけれど、休業中の賃金が気になるところ。じつは、法律での定めがないため、多くの会社で無給となっています。ただし、雇用保険から「介護休業給付金」として、賃金の40%が支給されます。原則、対象家族1人の介護につき1回の支給ですが、93日以内で終了し、その後、病状が悪化するなどした場合は、2回目の介護休業を取得することができ、通算93日に達するまでは受給できる仕組みです。気をつけたいのが、支給の対象年齢。支給されるのは65歳未満で、65歳以上の人が介護休業した場合には、支給対象にならないようです。親の介護といえば、入浴や排せつ、食事などの介助を思い浮かべがちですが、こうした「情報収集」はとても大切です。介護は、必要なことを関係機関に申請しなければ、事態はなにも進まないことが基本だからです。突然やってくるのが、親の介護。いざというときに困らないためにも、時間的にゆとりのあるうちから積極的に情報を収集し、知識を蓄えていきたいものですね。(文/山本裕美) 【参考】※太田差惠子(2015)『親が倒れた!親の入院・介護ですぐやること・考えること・お金のこと』翔泳社※2014年「仕事と介護の両立と介護離職」に関する調査-株式会社明治安田生活福祉研究所※平成24年度仕事と介護の両立に関する実態把握のための調査研究事業報告書-厚生労働省
2016年05月15日35歳を超えてからの初産を高齢出産と言いますが、日本では晩婚化の影響により高齢出産をする人が増えてきています。そんなママたちを不安にさせるのが、高齢出産による胎児や母体へのリスク。ママであれば、妊娠高血圧症候群や糖尿病にかかる確率が上がり、胎児であれば、流産やダウン症の確率が上がってしまいます。それでも過酷な条件を乗り越えて高齢出産をしたママには、思わず敬意を感じずにはいられません。そんな高齢出産ママは芸能界にも数多く存在し、中には50代で出産して世の女性に希望を与えた人もいます。そこで今回は、パピマミ読者のママに「高齢出産を頑張った」と思う女性芸能人について聞いてみました!●「高齢出産を頑張った」と思う女性芸能人は誰ですか?※名前横の()内は第1子出産時の年齢・1位:ジャガー横田(45歳)……39%(131人)・2位:坂上みき(53歳)……37%(126人)・3位:兵藤ゆき(46歳)……8%(27人)・4位:田中美佐子(43歳)……5%(18人)・5位:はしのえみ(41歳)……5%(17人)・同率6位:杉山愛(40歳)……2%(7人)・同率6位:松嶋尚美(40歳)……2%(7人)・8位:膳場貴子(40歳)……1%(3人)・9位:北陽・伊藤さおり(40歳)……1%(2人)・同率10位:落合信子(42歳)……0%(1人)・同率10位:NOKKO(42歳)……0%(1人)※11位以下は省略※有効回答者数:340人/集計期間:2016年4月14日〜2016年4月18日(パピマミ調べ)●1位:ジャガー横田(45歳)第1位はこの人!『ジャガー横田(45歳)』さんで39%(131人)となりました。『なんだろう、年齢もそうだしあのキャラもあってか、すごい感動した記憶があります』(30代ママ)『ジャガーさんはあまり美人とはいえないけど、医者の旦那を掴まえて高齢出産も乗り切った。多くの不妊女性に希望を与えた と思う』(40代ママ)女子プロレスラーとして現在でも活躍しているジャガー横田さんですが、2004年には医師である木下博勝さんと結婚して話題を呼びました。結婚当時43歳という年齢であることから、夫婦で一緒に不妊治療を行っていたと言います。しかし、不妊治療をしていく中でストレスがたまり体調を崩すように……。その後ジャガーさんは不妊治療を諦めてしまうのですが、なんとやめた途端に自然妊娠に成功。妊娠確率は3〜4%と言われていたことから、ほとんど奇跡的な確率 です。妊娠してからも子どもへのリスクが心配だったそうですが、45歳のときに無事子どもを出産。54歳となった今でも現役プロレスラーとして活躍しながら、子育てに励んでいます。見た目に違わず、タフでかっこいいママとして多くの女性に勇気を与え続けていますね。●2位:坂上みき(53歳)第2位は驚異の超高齢出産を成功させたこの人!『坂上みき(53歳)』さんで37%(126人)となりました。『私自身、不妊治療をしている者ですが、坂上さんの50代での妊娠にはとても勇気をもらいました 』(40代ママ)『本当に、純粋に「よく頑張った!」という言葉しか出てこない』(30代ママ)ラジオパーソナリティとして活躍している坂上みきさんですが、2006年に12歳年下のニュージーランド人男性と結婚しました。その後6年間にも及ぶ不妊治療の末、なんと53歳で妊娠に成功したことが判明しました。これには多くの人が驚きましたが、「大丈夫だろうか……」という不安の声も同様に飛び交っていました。しかし、そんな周囲の不安とは裏腹に、2012年9月10日に無事男児を出産しました。この奇跡とも言える超高齢出産に、多くの人が「日本中の高齢出産ママの希望」 と賞賛。実際に坂上さんの高齢出産に勇気をもらって不妊治療を始めたという人もいるようです。坂上さんの53歳という年齢での出産は、自分の子どもだけではなく、世の女性への希望も一緒に産み落としたのかもしれませんね。●3位:兵藤ゆき(46歳)第3位は『兵藤ゆき(46歳)』さんで、8%(27人)となりました。『芸能人の高齢出産といったら、この人ってくらい昔は有名だった。今と比べて医療も発達していない中、よく出産できたと思う』(50代ママ)兵藤ゆきさんといえば、1980年代にバラエティ番組などを中心に活躍し、現在でもラジオパーソナリティとして知られるパワフルな女性というイメージがありますね。そんな兵藤さんは1996年にミュージシャンの文田博資さんと結婚、その2年後の1998年に46歳という高齢で長男を出産しました。今でこそ芸能人の高齢出産は当たり前のようになっていますが、当時はとても珍しかったようです 。64歳になった今でも元気に活躍している姿を見ると、このパワフルさが高齢出産成功の秘訣だったのかな、と思ってしまいますね。----------いかがでしたか?高齢出産にはさまざまなリスクが伴うため、不安に思う女性も少なくないと思います。しかし、芸能界には高齢出産をした人が数多く存在し、皆さん不妊治療などの努力をしています。もしも子どもを産みたいのに、「高齢出産だからどうせムリ……」と諦めてしまっている方は、一度不妊治療を行っている病院へ相談に行くのもいいかもしれませんよ。【参考リンク】・【アンケート結果(1位〜12位)】「高齢出産を頑張った」と思う女性芸能人は誰ですか?()(文/パピマミ編集部・上地)
2016年04月24日現在、高齢者の貧困問題がさかんに報道されています。生活保護の受給者数が過去最高を更新し、高齢者世帯の生活保護受給数も増加。厚生労働省の発表によれば、平成27年12月に生活保護を受給した世帯の49.6%が、高齢者世帯となっているのです。また年金だけでは暮らせず、生活保護を受給する高齢者が増加していることも話題になっています。そこで高齢者の生活保護実態について、横浜市健康福祉局・生活支援課の大井担当課長にお話を伺ってみました。■60歳以上で生活保護を受給する人は107%も増加横浜市の平成24年から平成27年度までの生活保護受給者数は、全体で103.6%の増加となっています。しかし60歳以上では107%の増加、そして60歳以上で老齢年金を受け取りながら生活保護を受給する人は122.7%の増加だそうです。老齢年金受給者は、老齢基礎年金のみ、基礎年金と厚生老齢年金、(旧)老齢年金の受給者の合計です。障害年金や遺族年金などは除いています。横浜市のデータでもわかるとおり、年金だけでは生活できず、生活保護に頼る高齢者が増えているのです。理由としては、「貯蓄がない」「持ち家などの資産形成ができなかった」「親族からの援助が望めない」などが挙げられるといいます。たとえば、70代のひとり暮らし女性の場合。家賃が5万円で、生活費を含めて毎月13万円が必要だと仮定します。これまでは年金6万5千円、アルバイト収入6万円、息子からの仕送り1万円の計13万5千円でギリギリ生活できていました。しかし仕事をするのが困難になり、収入がゼロに。息子からの仕送り額も増やせず、貯金もなければ、自力では生活できなくなり、足りない分を生活保護に頼らざるを得ない事態になるわけです。生活保護費は、地域や世帯の状況によって異なりますが、生活保護の基準となる最低生活費から、収入(年金や親族からの援助等)を差し引いた差額が支給されます。上記のケースの場合は、最低生活費から、年金6万5千円と仕送り1万円を引いた額が支給されるのです。■国民年金の40年間納付だけだと老後の生活が厳しいずっと正社員で働き、厚生年金にも加入している場合は、年金受給額も少なくありません。一方、自営業やフリーランスの人など国民年金だけの場合は、40年間納付したとしても、支給額は月6万5千円程度。国民年金だけを頼りに生活していくのは厳しいのです。年金をもらいながらでも働くことは可能です。しかし継続雇用で65歳まで働けたとしても、その後の職探しは簡単ではありません。現在、65歳以降も働きたい人が増えているようです。平成27年4月には、経済的に困っている人に、自立に向けた人的な支援を行う「生活困窮者自立支援制度」がスタート。横浜市の相談窓口には、高齢者からの相談も多いといいます。年金だけでは不十分、体が丈夫なうちは働きたいと希望する人が多いそうです。就労支援の他に、家計管理の支援も行っていて、とても好評だと聞いています。■公的な年金以外に個人年金や不動産購入を検討すべし仕事が見つかったとしても、いつまで元気で働けるかはわからないもの。老後破産を防ぐには、早めの備えが必要です。大切なのは、いまから老後の資金形成を行うこと。公的な年金をきちんと納めつつ、個人年金保険への加入や不動産の購入、個人事業主なら国民年金基金への加入もいいかもしれません。持ち家があれば、毎月の家賃の支払いがないため、年金と貯金で生活していける可能性があります。また、リバースモーゲージを利用する手もあるでしょう。リバースモーゲージとは、持ち家を担保にして生活資金の融資を受け、死亡した時点で自宅を処分して一括返済すること。つまり、自宅を死後売る約束を生前に結び、先にお金を受け取ることができるのです。*老後を年金や貯蓄などで無理なく暮らしていければ、それに越したことはありません。ですが将来、生活できないほど困窮状況になる可能性もあるわけです。不正受給問題などのニュースから、生活保護に悪いイメージを持つ人は多いもの。しかし生活保護は、最低限度の生活を保障し、自立を助ける制度です。本当に生活に困ったときには、その選択肢があることも頭に入れておきたいですね。そして老後はまだまだ先のことだと思わず、情報を集め、老後資金の準備を始めていきましょう。(文/椎名恵麻) 【取材協力】※生活支援課-横浜市健康福祉局 【参考】※第1回~第4回被保護者調査集計結果(平成24年度~平成27年度)-横浜市健康福祉局保護課※被保護者調査(平成27年12月分概数)-厚生労働省
2016年03月24日日本の高齢化は加速の一途をたどっています。増える高齢者、減っていく新生児。根本的な改革が必要であると同時に、激増する高齢者のケアも忘れてはなりません。今回は大切なケアのひとつである睡眠にスポットを当てます。日本は“超”高齢社会現在、ひとり暮らしの高齢者数は年々増加傾向にあります。内閣府が発表している調査結果によると、65歳以上のひとり暮らしは1980年で約88万人、2000年で約303万人、現在は推定約600万人で、2035年には約762万人にまで増えるといわれています。35年間で7倍弱、55年間で約8.5倍にまで膨れ上がる数値が、日本が“超”高齢社会であることを如実に表しています。それに伴い、孤独死や彼らからのSOSが周囲に届かないことなどが社会問題として取り上げられることも増えました。最近では、高齢者を見守るサービスなど地域ぐるみで対策を取っている自治体も現れています。今後どのようにケアをしていくかが、日本が抱える大きな課題であることに間違いありません。自分では気付かない睡眠障害睡眠に関する問題も、この“超”高齢社会と関係があります。高齢になると睡眠の質が低下するので、不眠で悩む人や睡眠障害で苦しむ人が増えるといわれているのです。でも、ひとり暮らしの場合は「自分が睡眠障害である」と気付かないこともあります。たとえば、「睡眠時無呼吸症候群」という夜中に呼吸が一時的に停止する睡眠障害は、自分では気付きにくいといわれています。朝起きたときに熟睡感がなかったり、疲れていたりしても、まったく眠れなかったわけではない場合、まさか睡眠中に呼吸が止まっているなんて、考えないのが普通かもしれません。ひとり暮らしでも睡眠時無呼吸症候群に気付ける方法はあるのでしょうか?体は何らかのサインを出している!通常、睡眠時間と体や脳の疲労回復にはある程度の相関関係があります。もちろん個人差はあるものの、過去の自分のデータと照らし合わせて「毎日、7時間寝ているのに、こんなに日中に眠くなるのはおかしい」と思ったら、それは睡眠障害のひとつのサインです。つまり、睡眠時間と体調に矛盾する点が見つかったら、睡眠障害を疑い、早めに医師に相談するなど対処する必要があります。たかが睡眠と放っておいてはいけません。睡眠時無呼吸症候群は血液中に酸素不足の状態が続くことで、心筋梗塞や脳梗塞のリスクを高める可能性があるのですから。そのサインは体が何らかの形で発信しているということを、特にひとり暮らしの方は覚えておくとよいでしょう。photo by pixabay
2016年03月04日消費者庁はこのほど、「高齢者の入浴中の事故」に関する実態を明らかにした。入浴中の事故を防ぐための注意事項もあわせて公開している。厚生労働省の人口動態統計によると、平成26年の家庭での浴槽での溺死者数は4,866人であった。平成16年と比較すると、10年間で約1.7倍に増加している。このうち約9割が65歳以上の高齢者で、特に75歳以上の年齢層で増加していることがわかった。厚生労働省の研究班の調査では、救急車で運ばれた患者数から推計した入浴中の事故死の数は、年間約1万9,000人(死因が溺水以外の疾病等と判断されたものを含む)にのぼるという。入浴中の事故死は特に冬季に多く、12月から2月にかけて全体の約5割が発生しており、入浴中の事故死の数と気温に相関性があるという報告もある。また、日本の高齢者の溺死者数は欧米に比べ多くなっている(※)。これは、入浴中の事故がほとんどが浴槽内で起きていることから、熱い湯に肩まで漬かるという日本固有の入浴スタイルが影響していると考えられる。そのほか、既往症のない人の事故や、原因がはっきりしない事例も見られるという。消費者庁が55歳以上の消費者を対象に実施したアンケート調査では、入浴事故のリスクが十分に周知されていないことにあわせ、消費者の安全対策が不十分であることも明らかとなった。「持病がない普段元気な人でも入浴事故が起こることがある」を知っている人は34%。安全な入浴方法の目安である「41度以下で10分未満に上がる」を守っている人は42%にとどまり、浴室等を暖める対策を全く実施していない人も36%みられた。こうした中で約1割が、入浴中にのぼせたり、意識を失ったりした経験があると回答している。同庁では、安全に入浴するために数々の注意点を挙げている。温度の急激な変化による血圧の変動で、失神・溺れてしまうことを避けるためには「入浴前に脱衣所や浴室を暖める」ことが有効とのこと。「湯温は41度以下、湯に漬かる時間は10分までを目安に」も気をつけるポイントだという。また、浴槽から急に立ち上がると、脳が貧血状態になり一過性の意識障害を起こすことがある。手すりや浴槽のへりを使ってゆっくり立ち上がるのがよいという。入浴中の事故死の検体から、アルコールが検出された例もあることから、「アルコールが抜けるまで、また、食後すぐの入浴は控える」も挙げている。入浴中に体調の悪化等の異変があった場合は、早期に対応することが重要なため、「入浴する前に同居者に一声掛けて、見回ってもらう」ことも重要としている。※(出典)Lin C-Y, et al.Unintentional drowning mortality, by age and body of water: an analysis of60countries. Inj Prev2015;21: e43-50.Fig7
2016年01月21日アフラック(アメリカンファミリー生命保険)と日本郵便は26日、高齢者向け現況確認サービスなどの新顧客サービスの取り組みについて合意に至ったことを発表した。○住所変更のサービスも同取り組みは、2013年7月に締結したアフラックと日本郵政との包括業務提携の理念に基づくもの。アフラック及び日本郵政グループの企業価値の向上と、顧客サービスレベルの向上を目指す。今後実施を目指すサービスは2つ。「高齢のお客さま向け現況確認サービス」では、日本郵便が有する各家庭への配達ネットワークの強みを生かし、高齢者に対する現況確認に取り組む。サービス提供開始は2016年下期を目指す。「住所変更案内サービス」は、契約に関する各種案内送付の不着を事前に防ぐ取り組み。引越し等によりアフラックへの住所変更が終了していない場合に、日本郵便が提供する「住所変更案内サービス」を利用して、アフラックへの住所変更に関する案内を日本郵便から転居先へ送付し、住所変更手続きを促す。同サービスは2016年上期の導入を目指している。
2015年10月28日高齢出産をすると、周りのママの年齢が気になってくる。でも、東京だとアラフォーママもそこそこいて自分の年齢を気にすることも忘れてしまうくらい。それが夫の地元に帰ると事情は違って……。イラスト: まろ子
2015年10月21日高齢者住宅新聞社は10月22日と11月25日に、参加無料セミナーを開催する。10月22日には、「自立支援とスタッフ定着で報酬減を乗り切る」を開催する。第1部のテーマは、「自立支援ケアが介護保険を救う」。おむつゼロ特養で生活相談員として多くの支援を行ってきた社会福祉法人 正吉福祉会「杜の風・上原」の施設長 齊藤貴也氏を迎え、おむつゼロ・在宅復帰の取り組みと施設経営にもたらす効果について解説する。第2部は「スタッフが辞める組織・ 辞めない組織」、第3部は「自立支援介護が人を呼ぶ」。時間は13時~17時30分、会場はシアター1010(北千住マルイ10階)。定員は350名。11月25日には、「2018年ダブル改定を見据えて事業者が取るべき対策」を開催。第1部は、改正・改定・市場を踏まえ、同社の代表網谷敏数氏が「生き残る介護事業者になるためには」を講義する。第2部は「小規模デイだからこそできる先端介護サービスの提供」、第3部は「介護事業所の稼働率UP&人材確保の方法」をテーマに、営業や採用、業務改善での人材定着までを解説。さらに介護事業者の生き残り経営戦略として、「経営者のためのM&A活用法」についても解説する。時間は14時30分~17時30分。会場は、TKP東京駅大手町カンファレンスセンター ホール16A。定員は150名。
2015年10月16日慶應義塾大学(慶大)は8月4日、100歳以上の百寿者とその家族を対象とした大規模高齢者コホート研究を実施した結果、テロメア長および炎症が長寿のメカニズムに関連していることを明らかにしたと発表した。同成果は同大学医学部 百寿総合研究センターの新井康通 専任講師、広瀬信義 特別招聘教授と、英ニューカッスル大学のThomas von Zglinicki 教授を中心とする研究グループによるもので、7月30日に「EBiOMedicine」に掲載された。同研究では、百寿者684名とその家族167組、85~99歳の高齢者536名を対象に、長寿に関係があると考えられる造血能、代謝、肝機能、腎機能、細胞老化(テロメア長)の各領域のバイオマーカーを測定し、傾向を分析した。その結果、百寿者とその家族では、テロメア長と炎症という2つの領域において特徴があることを発見した。テロメアとは、染色体の末端にある塩基配列のことで、細胞が分裂するたびに少しずつ短くなるため、その長さは細胞の老化を反映する指標とされる。高齢者では、加齢に伴ってテロメア長が徐々に短縮するが、百寿者およびその直径子孫ではテロメア長がより長く保たれており、実際の年齢が80歳代でも、60歳代の平均値に匹敵する長さを有していることがわかった。また、高齢者になるにしたがって上昇する炎症マーカーも、百寿者の直径子孫では低く抑えられていた。さらに、長寿者の中でも特に炎症が低いグループは、認知機能と生活の自立をより長い期間保持していることも判明した。マウスを用いた研究では、炎症が老化を促進する要因であることが確認されており、同研究グループは、今回の研究成果は炎症が健康寿命を規定する要因であり、ヒトの老化過程にも関連していることを証明するものになったとしている。現在利用されている抗炎症薬は、さまざまな副作用により慢性炎症を長期的に抑制する目的では使用することができないため、同研究成果を元により安全な代替薬が開発されれば、高齢者の生活の質を大きく改善できる可能性がある。また、なぜ老化に伴って炎症が起こるのか、免疫能や腸内環境、食事などとの関連を解析することで、新しい健康増進法の開発に繋がることが期待される。
2015年08月04日NTTコミュニケーションズ(NTT Com)は7月30日、電力の利用状況から居住者の活動状況を判断できるNTT研究所の技術を応用し、離れて暮らす家族の生活を見守ることができるサービス「おげんきりずむ(仮称)」のフィールドトライアルを、8月より開始すると発表した。同サービスは、一人暮らしの高齢者世帯などの分電盤にセンサーを設置することで、その利用電力の推移から生活リズム(睡眠時間/外出時間/在宅活動時間の3つ)を判断し、その結果を、スマートフォン・アプリで示すもの。リアルタイムの生活リズムだけでなく、過去と比較した変化も知ることができるほか、居住者が長時間活動していない場合は、アプリに「ちょっと心配メッセージ」などが通知される。同社は、博友会金沢西病院(石川県金沢市)と連携してフィールドトライアルを行い、事業化に向けた検証を行う。サービス提供は2016年春開始を予定している。提供予定価格は、初期費用1万円程度(電力センサー、ネットワーク接続装置など)、月額利用料1000円程度(アプリ、モバイルネットワーク)となっている。
2015年07月31日パナソニック エコソリューションズ社 エイジフリービジネスユニット傘下のパナソニック コムハートは7月27日、サービス付き高齢者向け住宅の首都圏初進出拠点となる「エイジフリーハウス川崎登戸を9月1日にオープンすると発表した。「エイジフリーハウス」は、パナソニックグループの住宅設備や電気製品、介護施設や介護サービスのノウハウを生かした住まい。同じ建物内に地域密着型の介護保険サービスである小規模多機能型居宅介護事業所「エイジフリー小規模多機能ケア川崎登戸」を併設する。これにより、介護が必要となった高齢者が、住み慣れた家、地域での生活を継続することができるように、「通い」「泊まり」「訪問」の3つのサービスを組み合わせた在宅介護サービスを、ケアプランに基づいて定額制で24時間365日受けることが可能。さらに、「エイジフリーハウス川崎登戸」は、パナソニック コムハートとして初めて、パナソニックグループの住宅会社であるパナホームがオーナー開発・設計・施工を担当し、長年にわたる高齢者住宅・介護福祉施設建築のノウハウを活用しているという。パナソニック コムハートは、近畿エリアで13拠点を既にオープンしているが、「エイジフリーハウス川崎登戸」は首都圏へ初進出となる。
2015年07月28日NECソリューションイノベータは、農業を主産業とする地域における、就農者の高齢化と後継者不足を解決するため、農業ICTソリューションを8月1日より順次販売開始すると発表した。新規就農者にとって農業経営や栽培についてのノウハウ不足は事業を継続する上で大きな壁となっており、自治体はJAや農業法人とともに、新規就農者にこれらのノウハウを伝えることが求められている。NECソリューションイノベータはこのような課題を解決するため、AI(アグリ・インフォマティクス)農業を実現するため、「NEC 農業技術学習支援システム」、「NEC 営農指導支援システム」「NEC 生産原価管理サービス」という3つの農業ICTソリューションを、クラウドサービスで提供する。農業技術学習支援システムでは、営農指導者等による新規就農者への栽培技術の教育を効率化するとともに、マニュアル化が困難とされてきた熟練生産者の経験や勘に基づいた栽培技術の継承を支援する。営農指導者や熟練生産者が、どのような状況でどう判断するかといった作業の要点を、学習教材として作成でき、営農指導者は実際の作業を想定しながら、作物の様子をスマートフォンやタブレットのカメラで記録し、「今日の作業では、どの実を摘果すべきか選びなさい」など一問一答を入力するだけで、簡単に新規就農者向けの学習教材を作成することが可能。価格は初期費用が70,000円~、月額料金が70,000円~(いずれも税別)。NEC 営農指導支援システムでは、圃場データや生育状況、生産者の作業記録など営農指導に必要なデータを一元管理することで、データに基づいた営農指導員による栽培技術指導を実現し、データ処理に伴う事務作業も軽減する営農指導員向け「果菜栽培向け営農指導支援システム」を強化した。価格は初期費用が100,000円~、月額料金が80,000円~(いずれも税別)。NEC 生産原価管理サービスでは、栽培計画の立案から作業実績、資材等のコストや収穫出荷量のデータ管理を一元的に行い、原価分析が可能。価格は初期費用が個別見積もり、月額料金が70,000円~(税別)。
2015年07月27日「若いときのようにたくさん眠れない」「朝早く目が覚めてしまう」と悩んでいる高齢者も多いでしょう。また、昼夜問わずウトウトしてしまうと悩む人もいるかもしれません。実は、高齢者にとってこれらは当たり前のことなのです。加齢による睡眠時間の変化を知って、正しい眠りを心がけましょう!高齢者の睡眠時間が短くなるのは自然なこと年を重ねるごとに白髪やシワが増えるように、睡眠パターンにも変化が表れます。なかなか寝つけなかったり、眠りが浅くなって夜中に何度も目を覚ましたり、または朝早くに目が覚めたりしてしまうことがあるでしょう。しかし、これらは異常なことではなく、高齢者であれば誰にでも見られる自然な現象です。睡眠と深い関係がある基礎代謝の基準値は、赤ちゃんのころをピークに低下していきます。高齢者になると、筋肉などの脂肪量が減少するため、とても低い数値に。基礎代謝が低くなると、深い眠りを必要としなくなり、浅い眠りであるレム睡眠の時間が増えます。その結果、生体機能のリズムが少しずつ前倒しされ、若者にくらべて睡眠時間が短くなるのです。無理に寝ようとすると昼夜のバランスが崩れることも自然なこととはいえ、眠れないのは辛いもの。朝早くに目が覚めて、無理矢理もう一度寝ようと布団から出ない人も多いようです。実際、厚生労働省の調査によると、高齢者ほど寝床にいる時間が長いことがわかっています。ただ、この行為は昼夜のメリハリをなくす原因になると言われているので注意が必要です。また、仕事の退職などにより自由な時間が増え、昼間にウトウトすることがあるかもしれません。だからといって寝床にしまうと、この現象を助長させてしまう危険性があります。なぜなら、浅い眠りが続くと、睡眠に対する満足感が得られず、常に眠気を感じるようになってしまうから。その結果、昼夜のメリハリがなくなり、夜に寝つけなくなってしまうそうです。自分に合った眠り方をしよう!年をとったら、若いときと同じような眠り方ができると考えてはいけません。自分の年齢に合った睡眠時間を知り、必要な分だけ眠るようにしましょう。厚生労働省が平成26年に発表した睡眠指針によると、65歳あたりの世代の適切な睡眠時間は『6時間』とされています。高齢者は睡眠時間が短いとはいえ、この数値を下回っている方は多いのではないでしょうか。そういった方は、もしかすると昼夜の睡眠バランスが崩れているのかもしれません。適切な睡眠時間を確保するためにも、日中はなるべく寝床から離れ、昼寝をしないように心がけましょう。昼夜のメリハリをきちんとつけて、健康的な生活を送りましょう!photo by pixabay
2015年07月05日パナソニックと富士通は6月25日、パナソニックのクラウド・サービス対応型エアコンと富士通の非接触型生体センサーを融合した高齢者住宅向け見守りサービスの共同実証実験を、パナソニック・グループが運営するサービス付き高齢者向け住宅である「エイジフリーハウス豊中庄内栄町」(大阪府豊中市)において、2015年6月から1年間実施すると発表した。実証実験では、クラウド・サービス対応型エアコンにより部屋の温湿度を始めとする住空間情報を、非接触型生体センサーにより入居者の睡眠状態や在・不在状態などの生活情報を検知。これらの入居者のリアルタイムな住空間情報と生活情報をパナソニックの見守りシステムに集約し、介護職員に提供すると共に、個人ごとの生活パターンに合わせた、在室時の熱中症危険温度や睡眠中の高頻度な覚醒といったアラート通知の実現を目指すという。さらに、介護職員が入居者の生活状態に応じて空調を遠隔制御する仕組みの実証も行う。これにより、遠隔からの状態把握と空調管理を実現し、安否確認業務の負担軽減と、入居者やその家族にとって安心・安全な住空間作りに貢献するとしている。実証実験のシステムではまず、パナソニックのクラウド・サービス対応型エアコンで部屋の温湿度情報を取得し、同社の見守りシステムにデータを収集する。富士通研究所が開発した非接触型生体センシング技術を活用したセンサーは、マイクロ波レーダーの照射により3m範囲の微細な体動量を検知できるという。収集した体動量データを富士通のクラウド上にて生体情報分析を行い、入居者の在・不在や睡眠・覚醒状態のデータを抽出し、パナソニックの見守りシステムに提供する。パナソニックの見守りシステムに集約したデータは入居者の生活情報として、介護職員がモニター上で確認できる。また、入居者ごとにアラートの閾値を設定した上で、例えば、在室時の熱中症危険温度や睡眠中の高頻度な覚醒状態などを検知し、個人の生活パターンに合わせたアラート通知を実現するという。さらに、入居者の生活状態に応じて空調を自動制御する仕組みも提供するとのこと。両社が持つ技術の融合により、介護職員の巡回支援に頼らない入居者も含めて、入居者個人ごとの状態把握と居住空間管理を実現するとしている。両社は今回の実証実験を通じて、パナソニック・グループが運営するサービス付き高齢者向け住宅において受容性・効果検証を行った後、2016年度中にサービス提供を目指すとのことだ。
2015年06月26日政府はこのほど、2015年版の「消費者白書」を閣議決定した。それによると、2014年度に全国の消費生活センター等に寄せられた相談件数は前年度より約4,000件多い約94万4,000件となり、2年連続で増加した。年齢別に見ると、65歳以上の高齢者に関する相談件数は約26万1,000件と前年度より約1万件減少したものの、依然として高水準を維持。相談内容を見ると、「商品一般」が2万2,968件で最も多く、次いで「アダルト情報サイト」が1万4,521件、「ファンド型投資商品」が9,353件、「光ファイバー」が6,622件、「デジタルコンテンツ(全般)」が6,425件と続き、インターネットに関連した相談が増えつつあることがわかった。また、白書はグローバル化に伴い、インターネット通販等の海外事業者との取引や国際クレジットカードなど、海外に関連する相談件数が増加していると指摘。2014年度の相談件数は前年度より約4,000件減ったものの、2万7,540件に上っている。さらに、2005年度~2014年度の10年間で累積相談件数の多い20カ国・地域について、国・地域別に見たところ、中国が最も多く、以下、米国、オーストラリア、カナダ、韓国と続いた。
2015年06月22日体が必要としている睡眠時間に対し足りていない分の睡眠時間は、「睡眠負債」として蓄積されていくそうです。しかし、沖縄の高齢者のデータを見ると、東京の高齢者と同じ睡眠時間にもかかわらず、睡眠負債が少ないようです。なぜ、眠りの質が違うのでしょうか?睡眠愁訴をする高齢者は東京より断然少ない!『長寿の島』として知られる沖縄は、本州・九州などとは違った食文化や、「なんくるないさ(大丈夫)」、「ゆいまーる(相互扶助)」といった独特の精神風土が根付いている地域です。琉球大学が行った研究によると、沖縄独自の食生活や考え方が、長寿の人を生み出しているようです。そして、もうひとつ、本土の人に比べ沖縄県民の睡眠の質が高いことも長寿の理由として指摘されています。というのも、東京都の高齢者と比較すると、沖縄県民のほうが起きる時間が早く睡眠時間が少ないにもかかわらず、睡眠負債は半分程度という結果が出ているのです。また、睡眠による不調を訴える高齢者は、東京が9割であるのに対し、沖縄では1割程度しかいません。いかに良好な睡眠状態を保っているか、よくわかる指標と言えます。沖縄県民の睡眠負債が低い理由は規則正しい生活サイクル沖縄と東京の高齢者の睡眠時間を比較すると、ほとんど変わらない長さです。しかし、高い睡眠の質が保たれている理由として、普段と休日で睡眠時間が変わらないことが明らかになっています。60歳代の平均睡眠時間を見ると、普段は7時間6分、休日は7時間24分と、大きな開きが見られません。70歳代、80歳代も同様で、普段と休日の睡眠時間は30分程度しか違いがないことから、平日、休日に関係なく規則正しい睡眠サイクルができていることがわかります。また、東京の人にくらべ、沖縄の高齢者は昼寝の習慣と夕方の散歩の習慣がある人が多いという調査結果も。短時間の昼寝と軽い運動も夜の睡眠の質を高め、睡眠負債を減らす手助けをしているのかもしれません。メリハリのある生活で睡眠サイクルを整える睡眠が規則正しいだけでなく、生涯現役として畑仕事をしたり伝統工芸に力を入れたりと、沖縄の高齢者の暮らしは充実している様子。身体を動かしたり頭を使ったりすることで、東京の高齢者よりも健康的でメリハリのある生活を築いているのかもしれません。「毎日忙しいから休みの日は多めに寝よう」と考えているあなた。実は、その考え方が生活リズムを乱し睡眠負債を増やしているのかもしれません。規則正しい睡眠サイクルで、毎日シャキッと過ごしましょう。Photo by Hiroaki Kaneko
2015年06月10日東京海上日動火災保険(以下東京海上日動)は8日、在宅介護サービス子会社の東京海上日動ベターライフサービス(以下BLS)を通じ、サービス付き高齢者向け住宅(以下サ高住(※))の運営事業に参入すると発表した。(※)サ高住とは、介護・医療と連携し、高齢者の安心を支えるサービス(ケアの専門家による安否確認や生活相談サービスなど)を提供するバリアフリー構造の住宅のこと。BLSは1999年から訪問介護事業および居宅介護支援事業を「みずたま介護ステーション」の名称で展開してきた。東京都・神奈川県・千葉県・埼玉県で計34拠点を運営し(2015年5月末現在)、介護を要する状態にあっても自宅で暮らし続けていけるよう、高品質な「自立支援型」の介護サービスを提供しているという。近年、「安心感のある住まい」としてサ高住への入居を選択する高齢者が増えており、介護面における「安心」を期待される声が大きくなっているという。東京海上日動はBLSの介護事業で培った各種ノウハウを活かすことができるものと考え、サ高住の運営事業に参入することとした。保険業界として初という子会社によるサ高住運営事業への参入となるとしている。サ高住事業参入の第1号物件は、「ディーフェスタ(D-Festa)溝の口」(2016年2月開設予定)で、大和ハウス工業が設計・施工を行い、事業主体である大和リビングマネジメントから運営を受託する形式となるという。大和ハウスグループによる快適な住環境の創出と、東京海上グループによる安心・安全の提供により、入居の人々はもとより、家族・地域の人々にもきっと満足できるものと考えているという。入居の人々が引き続き「その人らしく」暮らしてもらえるよう、安心・安全かつ高品質な各種サービスを整え、サ高住を運営していくとしている。また、周辺地域に住んでいる人々にも介護サービスを提供するほか、各種の地域交流を積極的に進め、「地域包括ケアシステム」(要介護状態となっても住み慣れた地域で自分らしい暮らしを人生の最後まで続けることができるよう、住まい・医療・介護・予防・生活支援が一体的に提供される体制のこと)の一翼を担う拠点となることを目指していくとしている。
2015年06月10日NTTドコモは、高齢者向けの見守りソリューション「おらのタブレット」を全国の法人・地方自治体向けに6月1日より提供を開始した。このソリューションは、法人・自治体などが高齢者に日常の生活に関わる情報および災害情報などをタブレット内のアプリケーションを用いて、わかりやすく提供するもの。アプリを用いることで、高齢者は、日々の血圧測定や歩数管理などの健康管理を自治体と連携しながら行える。一方で自治体は、メールで情報を配信した後に開封通知を受け取るなど、高齢者の健康状態や安否確認を簡便に把握できる。ドコモは、長野県大町市と天龍村の両自治体と住民の協力の下、試作品を利用してもらいながら、高齢者の利用方法に関する意見を反映した。実際の利用シーンでは、メール機能がATMの操作画面のように画面の案内に沿ってボタンやキーを押す画面遷移とした。ホーム画面に表示するアプリは最大7つまでカスタマイズ可能で、独自に開発した「メールアプリ(高齢者の利用に配慮したわかりやすい独自のユーザーインタフェース)」や「健康管理アプリ(日々の血圧、歩数を入力)」「脳トレアプリ(数字の早押しによるゲーム感覚のトレーニング)」の3つのアプリのほか、一般アプリも利用できる。そのほか、タブレットを楽しく毎日使える仕組みとして、キャラクターの活用や画面の背景として表示する掛け軸の格言を日ごとに変化させるなど、日々変化のあるホーム画面を用意している。
2015年06月02日日本郵政グループ、米IBM、米Apple は4月30日、ニューヨーク(米国)において、日本における高齢者向け生活サービスの提供に向け、高齢者向けタブレットなどを活用した実証実験を共同で行うことに合意したと発表した。同グループは、今回の業務提携により、全国2万4000の郵便局のネットワークを活用して、ICTを活用した新たな高齢者向け生活サポートサービスを 2016年度から本格展開することを目指す。これに向け、同グループは、2015年度下期にIBMとAppleが開発した高齢者向けの専用アプリやiPadを配布して、それらを活用した各種のネットサービスなどを支援する実証実験を行う。専用アプリでは、薬を飲む時間や運動、ダイエットのお知らせや、コミュニティ活動、食料雑貨の買い物支援、就業支援などの各種サービスに直接アクセス可能。同グループに対しては、IBM MobileFirst for iOSプラットフォームの専用クラウド・サービスによるデータ統合とセキュリティ、アナリティクス、機器管理機能が提供される。実証実験では、ICTの利活用を併用した「みまもりサービス」のほか、世代向け・子世代向けの「コミュニケーションサービス」、自宅での申し込みによる「買い物支援サービス」、自治体と連携した「地域情報サービス」、各種相談サービスを、地域特性に応じて順次提供していく。同グループは、サービスを段階的に増やしながら、2020年に国内の400万人から500万人規模の顧客へのサービス提供を目指す。
2015年05月01日日本郵政グループ、IBM、アップルは30日、業務提携しiPadを利用した日本の高齢者向けサービスを提供すると発表した。サービスの提供開始に向け、2015年度下期より実証実験を開始する。3社が提供するのは、日本の65歳以上の高齢者約3,300万人に向けた生活サポートサービス。高齢者にiPadを配布し、家族、自治体・地域の事業者および郵便局とつながることで、地域のバーチャルコミュニケーションの基盤と高齢者コミュニティを創造していくという。2015年度下期より予定されている実証実験では、日本郵便が展開している「みまもりサービス」と連携し、対象地域の高齢者向けに、各種ネットサービスの提供や郵便局社員などによる生活支援などを行う。アップルはFaceTime、メッセージ、メール、写真、iCloudなどのアプリや機能、App Store、iTunes Store、iBook Storeで提供する様々なコンテンツへのアクセス、iOS 8に標準搭載されたアクセシビリティ機能を提供する。IBMは、日本IBM東京基礎研究所が中心となって開発したアクセシビリティ技術や自然言語解析技術を応用し、高齢者向けのアプリを開発する。また、IBM MobileFirst for iOSプラットフォームの専用クラウド・サービスによるデータ統合とセキュリティ、アナリティクス、機器管理のほか、システム構築や日本郵政グループ社員向けの研修を実施する。サービスは「みまもりサービス」のほか、親世代・子世代向けの「コミュニケーションサービス」、自宅から申し込める「買い物支援サービス」、自治体と連携した「地域情報サービス」、各種相談サービスなどを段階的に提供していく。各社では2020年に400万人から500万人規模の利用を見込んでいる。
2015年05月01日秋田県湯沢市、ヤマト運輸、ヤマトマルチメンテナンスソリューションズは4月30日、「高齢者の見守り支援」と「高齢者世帯向けリコール製品回収の取り組み」に関する連携協定を締結したと発表した。この協定により、高齢者向け住民サービスの一環として、「配達時の見守りサービス」と「リコール製品の回収支援サービス」が提供される。配達時の見守りサービスでは、配達先の高齢者が長期間不在にしている場合や体調不良があった場合に自治体に報告する。リコール製品の回収支援サービスでは、リコール製品の情報を自治体の配布物として高齢者の自宅に宅急便で届けるほか、リコール製品が見つかった場合は商品の回収を行う。取り組み開始時は、積水化学工業とTDKの情報が届けられる。
2015年05月01日日本郵政グループ、Apple、IBMは4月30日、高齢者向けのサービス開発で業務提携すると発表した。iPadとiOSプラットフォーム、IBMのITサービス、日本郵政のネットワークや地域密着性を活かし、日本国内で3300万人に上る高齢者と家族や社会のつながりを深めるサービスの実現を目指す。新サービスはAppleとIBMが昨年7月に発表したグローバルパートナーシップを基に構築される。高齢者や子どもでも画面に触れて直観的に操作でき、アクセシビリティ機能も充実したiPadを端末に、IBMグローバル・ビジネス・サービスが高齢者向けの専用アプリを開発する。高齢者向けのアプリやガイダンスにはIBM東京基礎研究所が中心となって開発したアクセシビリティ技術および自然言語解析技術が応用され、薬を飲む時間の通知、運動・ダイエットのおすすめ、コミュニティ活動や高齢者支援サービスへのアクセスなど高齢者の生活を幅広くサポートする。データ統合やセキュリティ、アナリティクス、数百万台規模のデバイス管理といったインフラはIBM MobileFirstのクラウドサービスが担い、システム統合サービスを提供するIBMが日本郵政グループ職員への研修も行う。そして2万4000局の郵便局と40万人のグループ職員を持つ日本郵政のネットワークが、地域差のない全国規模のサービス展開を可能にする。新サービスは、iPadと高齢者向け専用アプリのパイロットプログラムを経て提供開始になる。日本郵政は日本郵便の「みまもりサービス」にiPadを活用する実証実験を2015年度下半期に開始する計画で、サービスを段階的に増やしながら、2020年までに400万から500万人へのサービス提供を目指す。現在、日本の高齢者は人口のおよそ25%を占めており、今後40年の間に、その割合が40%以上になると予測されている。高齢者の割合は世界規模でも2013年の11.7%から2050年までに21%に増加する見通しだ。Apple CEOのTim Cook氏は「多くの国が高齢者をサポートする課題に直面しており、この取り組みは世界に大きな影響を与える可能性がある」とコメントしている。
2015年05月01日過去に類を見ない人口減少問題から日本は立ち直ることができるのでしょうか。生まれてくる赤ちゃんが減少すれば、当然、社会は高齢化します。今回は高齢者を悩ませている睡眠の問題についてご紹介します。50年後の日本は4人に1人が75歳以上!?超高齢化社会へ突入する日本。内閣府が「50年後の日本」を予測した資料を発表しており、以下のような可能性を挙げています。・人口は9,000万人を下回る(2015年現在、約1億2,600万人)・4人に1人が75歳以上、2.5人に1人が65歳以上に・出生数は半分以下に(2015年現在、約95万人)つまり、人口は減り、約半分の人が高齢者になり、生まれてくる赤ちゃんは激減する、という予測です。本当に日本は今後、どのようになってしまうのでしょうか。超高齢化社会で問題になるのが「介護問題」です。自分には関係ない、と思っている人もいるかもしれませんが、上の予測を見ると決して他人事とは言えないのではないでしょうか。不眠に悩む高齢者、要介護者高齢者の介護をするうえで、注意するポイントの1つとして挙げられているのが睡眠です。加齢とともに睡眠も老化すると言われていますし、さらに一日中横になっていることも多い要介護者は不眠に陥りやすいと言われています。高齢者の睡眠でよく見られる傾向としては、「朝早く目が覚めてしまう」「寝つきが悪く夜中に何度も目が覚める」というもの。介護者もその習慣にあわせるような形で睡眠不足になってしまうようです。このような高齢者の睡眠問題に対する対策はどんなものがあるのでしょうか?改善する方法は?寝つきをよくするには、音楽を聴いたり日記をつけたりするなど入眠の習慣を取り入れることが効果的と言われています。また、夕食は就寝する3時間くらい前には済ませておくこと、快適な寝具や室温を心がけて睡眠環境を整えることなども有効だそうです。適度な運動や日光浴といった日中の行動でも対策できます。上記のようなことは介護の専門学校などでも学ぶ内容ですが、介護が他人事ではなくなりつつある現代、誰もが知っておいたほうがよい方法かもしれませんね。Photo by Ed
2015年04月08日親や祖父母から、子どもや孫が結婚や子育てに使う資金を1,000万円まで贈与しても、贈与税が非課税になる「結婚・子育て資金の一括贈与に係る贈与税の非課税措置」が、平成27年4月から始まります。国としても、非課税制度を利用してもらうことにより、高齢者層から若い世代に資金をシフトして、結婚や子育てを支援していく体制づくりを打ち出していることになります。みなさんのまわりにも、子どもや可愛い孫に資産を渡したいと考えている方がいると思いますが、子どもや孫にいきなり大きな金額を贈与すると、金銭感覚がマヒして浪費してしまい、やっぱりあげなければ良かった、なんてことになるのも困りものですよね。今回は、子どもや孫の金銭感覚を守りながらできる、生前贈与の方法を3つご紹介します。その1.教育資金として一括贈与してもらう父母や祖父母から30歳未満の子や孫に教育費を贈与した場合、受贈者(子や孫)一人に対し1,500万円まで贈与税がかからず非課税となる、「教育資金の一括贈与に係る贈与税の非課税措置」が、平成25年4月1日から平成27年12月末までの3年間の期間限定で創設されました。その後、延長が決まり平成31年3月末までとなっています。扶養義務のある親がその都度払う学費等はもともと非課税ですが、一括で子どもに贈与すると贈与税の課税対象となってしまいます。そのような時に、生前贈与の方法として活用したいのがこの制度です。この制度を使う際のポイントとして、金融機関に教育資金非課税申告書を提出し、教育資金口座を開設する。教育資金として払ったことが分かる証明書(領収書等)を提出して、その金額を口座から出金する。以下のいずれかに該当した場合、教育資金口座の契約は終了する。受贈者(子や孫)が30歳になった場合受贈者が死亡した場合口座の残高がゼロになった場合などが挙げられます。教育資金として認められるものには、保育園等の保育料、幼稚園の入園料、学校の受験料、学校の入学金、学費等の他、修学旅行費、学用品の購入、給食費等も含まれます。学校には、外国の学校や国内のインターナショナルスクールも該当します。また、学校以外の教育費としては、学習塾、野球や水泳等のスポーツに関する費用、ピアノや絵画教室等の芸術や教養に関する習い事、それぞれに必要な楽器や道具の購入も認められます(学校等以外に払う教育費は、500万円が限度)。前述したように、支払った領収書等の提出が必要な制度ですから、遊興費や飲食に充てることができないので、無駄遣いを防止することができます。なお、受贈者が30歳になった時に契約が終了しますが、その時、預金口座に残高がある場合、その残高は受贈者の贈与税の対象となります。この制度を使う場合は事前に教育資金の計画をしっかり立て、30歳までに使いきれるだけの金額を贈与することが重要なポイントですね。その2.贈与税の基礎控除を利用して、教育費の一部を祖父母に負担してもらうそこまで大きな金額ではなくても、学費や習い事等の費用を、おじいちゃんやおばあちゃんが負担している場合もあるのではないでしょうか。1月から12月までの1年間で、110万円までもらっても税金がかからない贈与税の基礎控除を上手に使い、毎年教育費を援助してもらうというのが2つ目の方法です。この方法を使うと、月々9万円程の援助をしてもらえることになるので、子育て世代にはとても大きな助けになりますね。この場合、祖父母から子どもや孫へ資金が移動していることが、後日でもきちんとわかるように、通帳に記録が残る振り込みで送金するなどして、いつ誰から、誰にいくら資金が動いたか証拠を残しておくことが大切です。その3.生命保険料を生前贈与してもらう3つ目の方法は、生命保険を利用する方法です。現金を渡されると、どうしても使ってしまいたくなりますが、生命保険という商品で渡されると簡単には現金化できないため、無駄遣いを抑制する効果が期待できます。その方法として、保険契約者 → 子どもまたは孫被保険者 → 親または祖父母死亡保険金受取人 → 子どもまたは孫という形で保険契約をした上で、毎年110万円以内の現金を保険料として親(祖父母)から子ども(孫)へ贈与します。贈与税の基礎控除の範囲内なので税金はかかりません。また、親や祖父母の財産から現金が減るため、相続する財産が少なくなり、相続税対策にもなります。親(祖父母)に万一のことがおきて、死亡保険金を子どもが受け取る際も、子どもが保険料を負担していた形なので、税法上一時所得となります。一時所得は次のように計算します。受け取った死亡保険金-支払った保険料の総額-特別控除額50万円=一時所得一時所得のうち課税対象額は、一時所得×1/2=課税対象額つまり、支払った保険料より多い死亡保険金を受け取っても、50万円を無条件に差し引いてくれた上、その半分しか課税対象にならないのです。ただし、あとで贈与税が課せられない生前贈与として認められるために、やっておきたいことが2つあります。贈与契約書を作っておく親(祖父母)の預金口座から子ども(孫)の預金口座に送金した上で、子ども(孫)の口座から保険料を支払うそして、親(祖父母)が加入する保険の種類は、「終身保険」が最適です。被保険者である親(祖父母)に万一のことがあった場合に確実に保険金が支払われるようにするためには、一定の年齢(年数)で満期を迎えて契約が終わる養老保険や、また、一定の期間で契約が終了してしまう定期保険ではなく、何歳で死亡しても死亡保険金が支払われる終身保険で準備しておくことが必要です。さらに、死亡保険金には「500万円×相続人の数」まで非課税で受け取れる、相続税の非課税制度があります。これを確実に使えるのも終身保険です。せっかくの非課税制度ですので、使えるように準備しておきたいところですね。ただ、生命保険は加入するための審査があります。年齢制限もあり、持病等があると加入しにくくなるので、親や祖父母が健康なうちに早めに対策しておきましょう。教育資金の一括贈与と結婚・子育て資金の一括贈与の違いとは?「教育資金の一括贈与に係る贈与税の非課税措置」に続いて、今年の4月1日から始まる「結婚・子育て資金の一括贈与に係る贈与税の非課税措置」では、受贈者(子や孫)一人につき限度額は1,000万円で、結婚やそれに伴う引っ越し・住居に関する費用、妊娠、不妊治療、出産費用にも非課税措置が適用されることになりました。ここでは、教育資金の一括贈与と比較してみましょう。教育資金の一括贈与と結婚・子育て資金の一括贈与の比較結婚・子育て資金の一括贈与は、子育てが落ち着く頃の50歳まで利用することができるようになりました。また、贈与者(父母や祖父母)が死亡した場合、相続税の課税対象になる点が教育資金の一括贈与との最大の相違点となっています。今回ご紹介した、子どもや孫の金銭感覚を守るために生前贈与を利用するには、どれも前もっての事前準備としっかりした計画を立てることが重要になります。この機会におじいちゃんやおばあちゃんと話し合い、せっかく新設された非課税制度も利用して、若い世代への資金援助と相続対策を考えてみてはいかがですか?コラム監修者プロフィール 柳澤 美由紀(やなぎさわ みゆき)CFP(R)/1級ファイナンシャルプランニング技能士関西大学社会学部卒。大学時代に心理学を学び、リクルートグループに入社。求人広告制作業務に携わった後、1997年ファイナンシャルプランナー(FP)に転身する。相談件数は800件以上。家計の見直し、保険相談、資産づくり(お金を増やす仕組みづくり)が得意で、ライフプランシミュレーションや実行支援も行っている。家計アイデア工房 代表※この記載内容は、当社とは直接関係のない独立したファイナンシャルプランナーの見解です。※掲載されている情報は、最新の商品・法律・税制等とは異なる場合がありますのでご注意ください。
2015年03月24日ここ数年の間に20代の出産率が低下し、30代の出産率が上昇。厚生労働省が発表した「H22年度 出生に関する統計の概況」を見ると、平成22年度調査では、出産時の年齢が35~39歳の女性は、1970年には5%弱でしたが、2009年には20%になっています。「晩産化」という言葉も当たり前に使われるようになり、同時に「高齢育児」も増加しています。高齢育児をしているママに実際の育児について聞いてみると、「体力がついていかない」「親の介護と育児が同時で疲れる」「兄弟をつくってあげたいけど…2人目を産んで育てられるか不安」「周りのママに比べて老けて見える」「年齢的に子どもの将来きちんとサポートできるか不安」など、ネガティブな意見も多く聞かれます。たしかに心配はごもっともですが、日々成長する子どもを前に、悩んでいる暇はありません。見方を変えれば、高齢のママでもポジティブな子育てができる面をたくさん持っていることを忘れないでください。■この年齢に達したママを選んだのはお子さんです! 「赤ちゃんはママを選んで生まれてきた」という話を聞いたことがあるでしょう。そうです! お子さんは、あなたを自分の意志でママとして選んで、生まれてきたのです。そう考えるとどうでしょう? 少し自信が湧きませんか? 高齢出産をしたママの中にはきっと、これまで仕事を頑張ってきたという人も少なくないでしょう。仕事で成功した経験や、やりたかったポジションに抜擢されたこともあるはず。でも、「赤ちゃんに選ばれた」というのは、どんな仕事で成功し、選ばれたことよりも嬉しいことだと思いませんか? 仕事の場合、あなたの代わりがいるかもしれませんが、子どもさんのママはあなたしかいません。これだけ誰かに必要とされたことはありますか? ■周囲に大手を振って頼れる、高齢育児高齢育児は、自分1人で何とかしようと思っても、体力的にも無理なことが多いです。まずは、夫やパートナーに頼りましょう。というよりも、頼らざるを得ないので、基本的に夫婦2人での育児が不可欠になります。その結果、自然と夫婦の絆が深まっていくことでしょう。また、若い夫婦より経済的な余裕があることが多いため、行政や地域、民間の育児や家事サポートサービスも利用しやすい状況にあるはず。体力を使う、など自分ができない部分は周囲に頼っていいのです。子育ては母親1人でやる時代はとっくに終わっていますし、子どもが多くの手の中で育てられることにはメリットも存在します。キャリアを重ねてきたママにとっては、周囲に頼ることがなかなか難しいかもしれませんが、大手を振って頼れるのは子どもが小さいうちだけ! やらなきゃ損です。■実は、子どもを伸び伸びと育てることのできる、気持ちの余裕がある私の周囲にも何人か高齢育児をしているママがいます。そのママたちに共通しているのが、「子どもをあまり怒らない」ということ。「怒ることってあるの?」と思うほど怒らないのです。「かわいくて怒れない」というのが本音のようですが、とはいえ、おさえるべきポイントはしっかりおさえて注意しています。そのため、どの子も伸び伸び育っている印象を受けます。自分の気持ちを親がきちんと受け止めてくれることが、周囲への寛容さを生み出しているのかもしれません。勉強面でも、友だちへの接し方についても、どこか間違ったところがあれば、周囲に言われてではなく、自分で気がつくことが多いようです。高齢出産を経ての高齢育児の場合、不安や疲れなどが先に立ってしまうことが多いものですが、ママ自身が気にしすぎていると、子どもにも影響が出る可能性があります。せっかくですから、ぜひポジティブに育児を楽しんでくださいね。
2015年03月11日「サザエさん」の家のように、おじいちゃん・おばあちゃんから孫まで一緒に一つ屋根の下で暮らしている大家族でなければ、高齢者の悩みは若い人にはわかりにくいものですよね。今回は、高齢者特有の不眠症状などに迫りました!不眠のタイプと原因を把握する!高齢化社会へまっしぐらの我が国ニッポン。睡眠も老化すると言われますが、高齢者特有の不眠症状というのはあるのでしょうか?高齢者の睡眠障害を考えるうえで欠かせないことは、「不眠のタイプ」を知ることだと言われています。眠りたくても眠れないのか、夜中に何回も目が覚めてしまうのか、熟睡感を得られないのか……。ひと言で高齢者の不眠といってもタイプは人それぞれなので、まずはどのような悩みがあるのかを知ることが大切です。原因と症状を把握しなければ、ちゃんとした対策はとれないということですね。昼寝のしすぎに注意高齢者の不眠への対応は、睡眠薬の服用が一般的な方法と考えられてきましたが、最近では生活環境や習慣の改善が重要視されているようです。単純に考えて、定年退職をして1日中家にいる生活をしていたら、日中に昼寝の時間をとる方も多いでしょう。高齢者の方にみられる不眠で多いのは、昼寝のしすぎということもあるのだそうです。昼寝の時間は30分程度がよいとされており、昼食後から15時ぐらいまでを目安に短い昼寝をすることで午後の活動性を高める効果があるのだとか。カフェイン飲料を控えて頻尿対策!高齢者の方に多いのが、夜間に何度もトイレへいくために目が覚めてしまって、その後に眠れなくなるというもの。対策としては、カフェイン飲料を控えることだそうです。夕方以降は、お茶・紅茶・コーヒーなどのカフェイン飲料を控えめにすることで、トイレに行く回数が抑えられると考えられます。というのも、カフェインには利尿作用があるため、どうしてもトイレへ行く回数が増えてしまうのです。今回あげた不眠の症状はあくまで一例にすぎません。睡眠時無呼吸症候群や概日リズム睡眠障害など、睡眠障害の可能性も考えられるので、不眠の状態が続く方は一度、お医者さんに相談してみるとよいかもしれません。Photo by Mark Welsh
2015年01月30日2015年1月の相続から相続税法の改正が施行され、これまでより相続税の課税対象になる人が増えると見込まれています。この機会に相続税対策として、子どもや孫に生前贈与をして、相続税の課税対象財産を減らしておこうと考える方もいらっしゃるのではないでしょうか?今回は、生前贈与をするにあたってのよくある勘違いや、気をつけたい事例などをみて、効果的な生前贈与の方法を学んでいきましょう。そもそも、贈与とは?贈与とは、どのようなことを指すのか確認しておきましょう。まず、贈与者(財産をあげる人)が「あげます」と意思表示し、受贈者(財産をもらう人)が「もらいます」とそれを受ける。そして、贈与契約を取り交わし、贈与者が受贈者に財産を渡すことによって贈与が成立します。契約といっても、必ずしも契約書を交わす必要はありません。口頭でも贈与は可能です。ただ、契約書がないと、贈与者が亡くなって相続が発生したときに、税務署から贈与ではなく相続財産とみなされるケースもあるので、税務調査などを考慮するのであれば、贈与契約書を作成しておくべきでしょう。名義預金にならないように贈与するその年の1月1日から12月31日までの1年間(暦年)にもらったお金は、110万円までは贈与税がかからないことをご存じですか?これを、「暦年贈与」といいます。贈与をすることで相続財産を少なくすることができ、相続税対策になります(ただし、被相続人から法定相続人への生前贈与に関しては、相続発生前3年以内に受けていた贈与が、相続財産として相続税の対象になります)。この制度を利用して、長期にわたって親や祖父母の口座から子どもや孫の口座に毎年110万円を移動して、相続税対策をしている方もいらっしゃるのではないかと思います。しかし、これを暦年贈与として認めてもらうには、基本的には受贈者が自由にこのお金を使えることが必須です。なぜなら、「銀行の窓口に行くのも、通帳や印鑑を持っているのも贈与者」という場合は贈与ではなく、贈与者の「名義預金」(受贈者の名前を借りているだけの預金)とみなされてしまうからです。未成年者の通帳を、親が管理している場合の注意点名義預金とみなされた場合、その通帳に入っているお金は、相続財産として相続税の課税対象となります。きちんと贈与財産と認められるように、受贈者である子どもや孫が自分で窓口へ行き入金した上、通帳と印鑑を管理し、いつでも引き出せるようにしておきましょう。子どもが未成年の場合は、保護者である親などが通帳や印鑑を管理していれば問題ありません。しかし、親が管理している間に、親が子ども名義の口座から「生活費に一時借りる」など、一度でも出金してしまうと、その後元通りに戻しても名義預金とみなされ、贈与財産と認められなくなる場合があるので気をつけてください。子どもや孫が未成年の時から贈与を受けている場合、20歳になったら忘れずに通帳と印鑑を渡して、以後の贈与金は受贈者である子どもや孫が自分で入金するようにしましょう。面倒だからなどと子どもが銀行へ行かず、そのまま親が管理している場合には名義預金とみなされます。過去からの分を含めて贈与と認められないことがあるので、気をつけたいところです。あわせて、婚姻等で子どもの名前が変わったら、すぐに名義変更しておくことも重要です。旧姓のまま置いていると、「実際に使用していないのでは?」と考えられて、名義預金とみなされる可能性があるからです。生命保険料を贈与する場合の注意点「契約者=子、被保険者=親、保険金受取人=子」の生命保険に加入して、子どもに保険料を贈与するのも生前贈与対策の一つです。「若いうちから子どもに大金を持たせるのは、子どもに良い影響を与えないかも」などと考えて、実際にまとまったお金(保険金)を手にするのは親の相続時(亡くなったとき)となる、この方法を採用している人は少なくありません。親が子に保険料を贈与する場合、子が保険料を支払っている形にする必要があります。例えば、保険契約上は「契約者=子、被保険者=親、受取人=子」でも、親の預金口座から保険料を支払っていると、親が実質の契約者(保険料の負担者)とみなされてしまいます。親の口座から子の口座に保険料相当額を振り込むなど、贈与の証拠が残る形にして、子ども名義の口座から子ども自身が保険料を支払う形をとっておきましょう。保険契約者を親から子に変更する場合の注意点保険料を生前贈与するために、すでに契約している生命保険の契約者を子に変更することがあります。このとき、「保険契約を子にプレゼントする形になるので、贈与税の対象になるのでしょうか?」という質問をされる方がいらっしゃいますが、契約者の変更では贈与税が課税されることはありません。親に万一のことがあって、子どもに死亡保険金が支払われたときに、親が保険料を負担していた分に相当する保険金は相続税の対象に、子どもが保険料を支払っていた期間分は一時所得として、分けて計算されます。このように、保険の契約者を変えた場合は、贈与税の課税対象となるわけではないことを覚えておきましょう。贈与を考える際に必ず実行しておきたいことこれまでみてきたとおり、相続税対策として生前贈与を活用する方法はいろいろありますが、総合的にみて、必ずやっておきたいことがあります。それは、贈与があったことを裏付ける証拠を残しておくことです。贈与の際、渡す側と受け取る側の双方にその意思があったという贈与の事実を証明するために、贈与のたびに贈与契約書を作成しておきましょう。また、「連年贈与」にならないよう注意する必要もあります。例えば、毎年100万円を10年間贈与したとします。1年間の贈与は基礎控除である110万円の範囲内ですので、贈与税の対象になりません。ただ、「もともと毎年100万円を10年間贈与するという契約だった」とみなされると、1,000万円を贈与したものとして贈与税が課税されてしまいます。これが連年贈与です。そうならないように、毎年、贈与の都度取り決めをして、贈与契約書を作成することが重要になります。さらに、毎年同じ日に同じ金額で贈与するのは極力避けましょう。税務署から連年贈与とみなされるおそれがあります。贈与のタイミングや金額は、毎年変えておくのが理想的です。長い年月をかけて、相続税対策としての生前贈与をしてきたのに、実際の相続時に税務署に認めてもらえなかったということが無いよう、しっかりとした知識を持って進めていきたいですね。不安な方は、贈与の事実を税務署にきちんと説明できるように、専門家と相談しながら準備を進めるといいかもしれません。2014年12月、自民党税制調査会は来年度の税制改正で、親や祖父母が子や孫に将来の結婚や出産、育児関連の資金を贈る場合に贈与税がかからなくなる制度を、4年間の時限措置として新設を目指す方針を打ち出しました。この制度は、親や祖父母が金融機関に作った専用口座にお金を入れておけば、子や孫一人につき一定額(上限1,000万円を予定)まで贈与税がかからなくなるというものです。高齢者から若い人へ、資産が動くことが期待できるこの税制改正。今後の行方に注目していきたいですね!コラム監修者プロフィール 柳澤 美由紀(やなぎさわ みゆき)CFP(R)/1級ファイナンシャルプランニング技能士関西大学社会学部卒。大学時代に心理学を学び、リクルートグループに入社。求人広告制作業務に携わった後、1997年ファイナンシャルプランナー(FP)に転身する。相談件数は800件以上。家計の見直し、保険相談、資産づくり(お金を増やす仕組みづくり)が得意で、ライフプランシミュレーションや実行支援も行っている。家計アイデア工房 代表※この記載内容は、当社とは直接関係のない独立したファイナンシャルプランナーの見解です。※掲載されている情報は、最新の商品・法律・税制等とは異なる場合がありますのでご注意ください。
2015年01月27日