現役医師が教える、眠れない時の過ごし方5選 -「羊を数える」に効果はあるのか?
皆さんは眠れない時どのように過ごされていますか?中には「寝れないならば、寝ないでそのまま起きていよう!」と思う方もいらっしゃると思いますが、毎日それでは体調も悪くなってしまいます。今回は昔から言われている眠くない時の対処方法が、本当に効果があるのかどうかを説明していきたいと思います。
睡眠による脳波の違い
私たちが眠りに入る時に脳波を計ると、寝入り時の「うとうと」という時期はα波とθ波という特殊な脳波が交互に入り混じった状態を示しています。そこから本格的な睡眠状態に入るには、α波が少なくならなくてはいけません。少し知識のある方は「あれれ、でもα波はよく睡眠に大切っていうけど」と思われたかもしれません。
実は睡眠とは、α(アルファ)波、θ(ベータ)波、δ(デルタ)波がそれぞれバランス良く均衡を保っている状態でなくてはならない、絶妙なバランスの元に成り立っているんです。
α波というのは無くても困る脳波であり、睡眠を促す作用を持っています。そのため、寝入りが悪いという人はこのα波が脳に表れない興奮している状態か、逆にα波が出ているにも関わらず何らかの原因によりα波が50%以下にならず、深い眠りを誘うθ波に移行しないために起こることなのです。