名シーンには欠かせない!『恋雨』から『IT/イット』まで"雨”が印象的な映画5選
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雨の日だけの待ち合わせ…新海誠監督が思い込めた『言の葉の庭』
奇しくも、『ナラタージュ』の小野と同様、新海誠監督の中編アニメ『言の葉の庭』でも、主人公の高校生・タカオ(声:入野自由)が靴職人を目指している。梅雨入り直前の東京を舞台に始まるのは、大人びた15歳の高校生と謎めいた27歳の女性の物語。
池の水面に降り続ける雨から始まるオープニング。本作ではほとんどのシーンで雨が降る。雨の日の午前中だけ学校をサボり、公園で“雨宿り”をするタカオが、年上の女性・ユキノ(声:花澤香菜)に初めて会った日は雷が鳴り響く、激しい雨が降る日だった。2度目に出会った朝は、幸い前回ほど降り方は激しくはない。雨の日にだけ同じ場所で逢瀬を重ねるうちに、さまざまな雨が2人の間に降り注いでいく。
タカオが靴作りのために初めてユキノの足に触れた日は、至る所で虹が見られそうなキラキラの天気雨に。地面や水たまりからはね返る水滴の描写もいちいち美しく、繊細。まさに、“デジタル時代の映像文学”と評される新海誠ワールドだ。
新海監督は「タカオとユキノが出会うきっかけとなる直接的な意味ではもちろん、彼らの人生の中で立ち止まっている時期という象徴的な意味でも、これは雨宿りの映画」