2020年3月25日 17:30
公開延期・興行収入ゼロ…映画業界史上初の異常事態に 新型コロナウイルスがもたらすハリウッドへの影響
《文:Akemi Kozu Tosto/神津トスト明美》
世界中で猛威を振るうコロナウイルス。経済にも計り知れない損害をもたらしているが、その渦中でアメリカの映画業界も大打撃を被っている。終わりの見えない非常事態に不安が渦巻くハリウッドの舞台裏を現場のノウハウを活かして探ってみた。
前代未聞の週末興行収入ゼロ!映画業界史上初の異常事態
先週火曜日の3月17日、ハリウッドが位置するカリフォルニア州より全米初の外出厳重自粛令が発令された。バーやレストランを筆頭に映画館もその扉を閉じざるを得なくなった。シアトルやニューヨークなど大都市を抱える他州でも、次々と外出自粛令が発令されたことから大手映画館を筆頭にやがて小規模の映画館も営業自粛を始めた。
そして全米各地で映画館のネオンサインが消えてから約1週間。以来初めてのウイークエンドを迎えたハリウッドでは、本来であれば週明け3月23日には週末ボックスオフィスの統計が発表され業界紙を賑わせるはずだった。
しかし今週は殆どの映画館が閉鎖しており正確な興行収入の統計が不可能ということで、「ウイークエンド興行収入ゼロ」扱いという、100年プラスに渡る米国映画業界始まって以来の異常事態となったのである。