2015年7月9日 11:59
知らないと損をする「お金と法律」の話 (11) 先日亡くなった父親に莫大な借金、相続はどうなる?
といって、相続分を多くもらうことができます。しかし、「介護をしていた」という事情のみを持って遺産の形成維持に尽くしたと評価するのはなかなか難しいところです。
過去の裁判例では、故人を自宅で介護し続けた相続人につき、遺産建物の補修費関係の支出や、農業を手伝って農作収入増加に寄与したことを挙げて、遺産総額の15パーセントを寄与分として認めたものがあります。こういった事情があれば、遺産の形成維持に寄与したことになりますが、実際には、寄与分の判断や割合を主張するのはなかなかに難しいことが多いです。こういった事情から、「介護をした者」とそれ以外の相続人との間で、「寄与分」をめぐって、なじりあいの争いになることが多いです。○「将来のもめごとを防ぐ」意味で、生前に相続問題を話し合っておくことが大切
遺産相続のトラブルは、誰にでも起こりうることです。生前に、亡くなった後のお金の話をするのは、なかなかやりづらいことかもしれません。しかし、遺産相続トラブルは、往々にして熾烈な争いとなり、場合によっては「一生縁を切る」という関係に至ってしまうことも少なくありません。
話しづらいことであっても、やはり「将来のもめごとを防ぐ」