くらし情報『知らないと損をする「お金と法律」の話 (14) ネットバンキングで不正送金の被害に遭った場合、補償してくれるの?』

2015年8月20日 12:52

知らないと損をする「お金と法律」の話 (14) ネットバンキングで不正送金の被害に遭った場合、補償してくれるの?

金融機関への速やかな通知、(2)金融機関への十分な説明、(3)捜査当局への真摯な協力、がなされることが前提です。そして、預金者に重大な過失ありと判断される場合は、補償を全額受けられない可能性がありますし、預金者に単純な過失ありと判断される場合でも、その補償額が減額される可能性があります。今回も、被害者が上記手続きを遵守し、かつ過失がないということであれば、被害額は全額補償されることになります。

ここで、「預金者に重大な過失あり・単純な過失あり」と判断されるのはいかなる場合かが問題となります。全国銀行協会によれば、「インターネットの技術やその世界における犯罪手口は日々高度化しており、そうした中で、各行が提供するサービスは、そのセキュリティ対策を含め一様ではないことから、重過失・過失の類型や、それに応じた補償割合を定型的に策定することは困難である。したがって、補償を行う際には、被害に遭った顧客の態様やその状況等を加味して判断する」ものとしています。

要は、個別判断ということになりますが、ここでは、「偽造・盗難カードによる不正払戻し」の過失の判断基準が参考になります。例えば、カードによる払い戻しのケースでは、他人に暗証番号を知らせた場合や暗証番号をキャッシュカード上に書き記していた場合、他人にキャッシュカードを渡した場合、その他これらと同程度の著しい注意義務違反があると認められる場合には「重大な過失あり」

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