2019年9月5日 11:00
草なぎ剛「特別な作品に」酷暑の現場で語った『台風家族』への手応え
自分もそういう年齢になったんだなと思ったりもしたし、長男の役で遺産相続の話なんですけど、作品に対する監督と情熱とパワーを現場でもひしひしと感じるので、僕にとってもメモリアルな、特別な作品になると思います。
――草なぎさんが演じられた鈴木小鉄はどんな仕事をしても長続きしない、お金に異常なほどの執着を見せる中年男です。
小鉄は44歳なので僕と同い年です。彼の振る舞いは観る人によってはコミカルに映るかもしれないけれど、別にふざけているわけではなくて、ただ必死に生きているだけなんですよね。監督のテーマも、僕たちキャストがそれぞれのキャラクターを演じるのではなく、実際にそこにいる人たちのように見えること。家族や兄弟の絆のドラマがそれによってリアルに描き出せればこれは本当にいい映画になると思うんですけど、演じる方は必死だし、けっこう悩んでいます。でも、どうすればいいんだろう? って考えるのは、新しい課題を与えられたようで楽しいですよ。小鉄は遺産をほかの兄弟からぶん取ってやろう! と思っている男だからめちゃくちゃ汚い(笑)。
でも、めちゃくちゃ人間臭かったりもするし、より素の僕が見られると思います。