【コブスくんの使えそうな仕事術】不動産アドバイザーに聞く。退去時のトラブル対策ベスト3
穂積さんは次のように話します。
「トラブルになりやすいのは、『鍵の交換代』と『ハウスクリーニング代』を請求された、ということです。
この2つは、家主側が負担すべきものです。
国土交通省のガイドラインでは、借主に負担を負わせる特約については、借主側が負担すべき理由があってそれを認識していること、借主が義務負担の意志表示をしていることの要件を満たしていなければならないことになっています。
契約書に明記されていたとしても、2001年4月以降の契約であれば、消費者契約法により、ハウスクリーニングの特約(特別な条件の約束事項)が認められる可能性はほとんどないでしょう。請求された場合はそれらを説明し、『支払う義務はない』と伝えるとよいでしょう。
ただし、これらは、普通に掃除をしていた場合に主張できることです。汚部屋にしていた、結露もカビも何年も放ったままだったなど、借主の過度の怠慢や過失、または故意による汚損については、ハウスクリーニング代ほか、弁償の義務は発生します。
例えば、タバコのヤニ汚れは、通常はクリーニングで除去できるものですので、家主側の負担です。ですが、畳やカーペット、クロスに焦げ跡をつけたとなると借主の不注意とみなされ、借主の負担とするのが通常です。